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特表2023-524075合成カンナビクロメン及びカンナビシトラン、並びにその誘導体を調製する方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】合成カンナビクロメン及びカンナビシトラン、並びにその誘導体を調製する方法
(51)【国際特許分類】
   C07D 311/64 20060101AFI20230601BHJP
   C07D 493/06 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 9/10 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 19/10 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/22 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/24 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/28 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/14 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/04 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/08 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 25/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 27/06 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 31/04 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61P 31/00 20060101ALI20230601BHJP
   A61K 31/353 20060101ALN20230601BHJP
【FI】
C07D311/64
C07D493/06
A61P3/04
A61P9/10
A61P19/10
A61P25/22
A61P25/24
A61P25/28
A61P25/14
A61P25/04
A61P25/08
A61P25/00
A61P27/02
A61P27/06
A61P31/04
A61P35/00
A61P29/00
A61P31/00
A61K31/353
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566360
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 US2021029952
(87)【国際公開番号】W WO2021222609
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】63/019,063
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520415030
【氏名又は名称】ピュリシス エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ウェン-チュン
(72)【発明者】
【氏名】ハニーカット, アーロン ピー.
【テーマコード(参考)】
4C071
4C086
【Fターム(参考)】
4C071AA02
4C071AA08
4C071BB01
4C071BB06
4C071CC12
4C071EE07
4C071FF17
4C071GG01
4C071KK01
4C071LL01
4C086AA02
4C086BA08
4C086CA01
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZA02
4C086ZA05
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA16
4C086ZA18
4C086ZA33
4C086ZA70
4C086ZA71
4C086ZA97
4C086ZB07
4C086ZB08
4C086ZB11
4C086ZB26
4C086ZB35
(57)【要約】
本開示は、式I及びIIの合成カンナビノイド誘導体の調製、並びにそれから作製される組成物に関する。本明細書に記載される主題は、合成カンナビクロメン及びカンナビシトラン、並びにその誘導体及び組成物を調製するための方法に関する。ある特定の態様では、本明細書に記載される主題は、式I又はIIの化合物を調製する方法を対象とする。それぞれ、カンナビクロメン及びカンナビシトランなどの式I及びIIの化合物の調製のための新規の合成経路が本明細書に開示される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I又はIIの化合物を調製する方法であって、
【化1】

【化2】

式中、
が、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRが各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRが各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
前記方法が、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化3】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化4】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物を第2の温度で反応させることと、を含み、
式I又はIIの化合物が調製される、方法。
【請求項2】
が、ヒドロキシルである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
が、分岐又は直鎖C3-10アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記アミンが、ジアミンである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記アミンが、エチレンジアミンである、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記式Ibの化合物が、以下の式を有し、
【化5】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
1aが、ヒドロキシル又はC1-5アルコキシであり、
3aが、直鎖C1-10アルキルであり、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記式Ibの化合物が、以下である、請求項7に記載の方法。
【化6】
【請求項9】
前記式Iaの化合物が、以下である、請求項1に記載の方法。
【化7】
【請求項10】
前記第1の温度が、70℃超~約200℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記第1の温度が、約75℃~約150℃である、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
前記第1の温度が、約80℃~約110℃である、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記第1の温度が、約80℃~約100℃である、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記第1の混合物への前記式Iaの化合物の前記投入が、還流させながらである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の混合物が、溶媒を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
前記溶媒が、トルエン、キシレン、THF、DMSO、及びDMFからなる群から選択される、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記溶媒が、トルエンである、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
第1の混合物への式Iaの化合物の765℃を超える第1の温度での前記投入が、制御された速度においてである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
第1の混合物への式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での前記投入が、滴下である、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での前記投入が、約0.8~約1.3モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での前記投入が、約0.9~約1.18モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での前記投入が、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
前記第2の温度が、約70℃~約200℃である、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
前記第2の温度が、約80℃~約110℃である、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第2の温度が、約80℃~約100℃である、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記第2の混合物を第2の温度で反応させた後、有機層を分離して有機相を収集することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
前記有機相を蒸留して、精製された式IIの化合物を調製することを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記式IIの化合物が、以下の構造を有する、請求項27に記載の方法。
【化8】
【請求項29】
前記式IIの化合物が、以下の構造を有する、請求項28に記載の方法。
【化9】
【請求項30】
前記有機相をクロマトグラフィー媒体と接触させることと、式Iの化合物を含む画分を収集することとを更に含む、請求項26に記載の方法。
【請求項31】
前記クロマトグラフィー媒体が、シリカである、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記画分を蒸留して、精製された式Iの化合物を調製する、請求項30に記載の方法。
【請求項33】
前記式Iの化合物が、以下の構造を有する、請求項32に記載の方法。
【化10】
【請求項34】
前記式Iの化合物が、以下の構造を有する、請求項33に記載の方法。
【化11】
【請求項35】
式I又はIIの化合物への変換が、80%超である、請求項1に記載の方法。
【請求項36】
前記式IIの化合物が、少なくとも80%の純度を有する、請求項27に記載の方法。
【請求項37】
前記式IIの化合物が、少なくとも90%の純度を有する、請求項36に記載の方法。
【請求項38】
前記式IIの化合物が、約90%~約95%の純度を有する、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記式Iの化合物が、少なくとも80%の純度を有する、請求項26に記載の方法。
【請求項40】
前記式Iの化合物が、少なくとも90%の純度を有する、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記式IIの化合物が、約90%~約95%の純度を有する、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
式I又はIIの化合物に対する副生成物1b、2b、及び3bの相対量が、低減される、請求項1に記載の方法。
【化12】

【化13】

【化14】
【請求項43】
式Iの化合物を調製するための請求項1に記載の方法であって、
【化15】

式中、
が、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRが各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRが各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
前記方法が、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化16】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化17】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物を第2の温度で反応させることと、
有機層を分離して有機相を収集することと、
前記有機相をクロマトグラフィー媒体と接触させることと、
溶出して溶出液を収集することと、
前記溶出液を蒸留することと、を含み、
式Iの化合物が調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項44】
式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での前記投入が、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物と接触させることを含む、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記第1の温度及び前記第2の温度が各々独立して、約80℃~約100℃である、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
前記アミンが、エチレンジアミンである、請求項45に記載の方法。
【請求項47】
前記式Iの化合物が、以下であり、
【化18】

前記式Iaの化合物が、以下であり、
【化19】

前記式Ibの化合物が、以下である、請求項46に記載の方法。
【化20】
【請求項48】
式IIの化合物を調製するための請求項1に記載の方法であって、
【化21】

式中、
及びRが各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRが各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
前記方法が、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化22】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化23】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
前記第2の混合物を第2の温度で反応させることと、
有機層を分離して有機相を調製することと、
前記有機相を蒸留することと、を含み、
式IIの化合物が調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項49】
式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での前記投入が、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
前記第1の温度及び前記第2の温度が各々独立して、約90℃~約110℃である、請求項49に記載の方法。
【請求項51】
前記アミンが、エチレンジアミンである、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記式IIの化合物が、以下であり、
【化24】

前記式Iaの化合物が、以下であり、
【化25】

前記式Ibの化合物が、以下である、請求項51に記載の方法。
【化26】
【請求項53】
及びRが各例で独立して、水素、シアノ、-C(O)OR、及びハロからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、請求項1、43、又は48に記載の方法。
【請求項54】
及びRが各例で独立して、水素及び-C(O)ORからなる群から選択され、Rが、水素又はC1-5アルキルである、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
が、水素である、請求項54に記載の方法。
【請求項56】
が、-C(O)OHであり、Rが、水素である、請求項55に記載の方法。
【請求項57】
及びR3aが各々、プロピル、ブチル、又はペンチルである、請求項1、43、又は48に記載の方法。
【請求項58】
が、プロピル、ブチル、又はペンチルである、請求項3に記載の方法。
【請求項59】
3aが、プロピル、ブチル、又はペンチルである、請求項7に記載の方法。
【請求項60】
前記蒸留が、150℃を超える温度である、請求項27に記載の方法。
【請求項61】
前記方法が、クロマトグラフィー精製を含まない、請求項27に記載の方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年4月28日に出願された米国仮出願第63/016,737号の利益及び優先権を主張するものであり、それらの各々の内容は、参照によりそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本明細書に記載される主題は、合成カンナビクロメン及びカンナビシトラン、並びにその誘導体及び組成物を調製するための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
カンナビノイドは、脳内のカンナビノイド受容体に作用する多様な化合物のクラスを構成する。これらの受容体タンパク質のリガンドには、動物によって体内で天然に産生されるエンドカンナビノイドが含まれる。植物もまたカンナビノイドを産生し、フィトカンナビノイドと称されることもある。100種類を超える異なるカンナビノイドが大麻から単離されている。
【0004】
化合物である2-メチル-2(4-メチル-ペンタ-3-エニル)-5-ヒドロキシ-7-ペンチルクロメン又はカンナビクロメン(CBC)は、大麻のカンナビノイド構成物質として天然に発生する。それは非精神活性である。カンナビクロメン及びその開示された相同体は、哺乳動物における抗炎症剤として有効であることが見出されており、炎症を低減し、関節炎などの疾患における疼痛を緩和するため、並びに浮腫を低減及び制御するために使用され得る。また、カンナビクロメンは、例えば、代謝活性の減少が所望される場合に有用な低体温症を誘発するのに有効であることが見出されている。また、乳がんモデルにおいて抗腫瘍特性を示している。
【0005】
化合物である(6AR,9R,10AS)-6,6,9-トリメチル-3-ペンチル-6A,7,8,9,10,10A-ヘキサヒドロ-6H-1,9-エポキシベンゾ[C]クロメン又はカンナビシトラン(CBT)は、大麻のカンナビノイド構成物質として天然に発生する。大麻植物に見出される主要なカンナビノイドと比較して、カンナビシトランは比較的低濃度で見出される。そのため、副次的なカンナビノイドとみなされる。しかしながら、それは、大麻化合物に見られるアントラージュ効果に寄与し得る。哺乳動物における医薬品としての有用性は、あまり研究されていない。それは眼内圧を下げるのに役立ち得るという報告がある。
【0006】
CBC及びCBTは、主に植物から調達される有用な化合物であり、CBTの場合は低濃度のみで自然に見出されることを考えると、必要とされるのは、CBC及びCBT並びにそれらの誘導体を調製するための新しい合成方法である。本明細書に開示される主題は、当該技術分野のこれらの欠点に対処する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
ある特定の態様では、本明細書に記載される主題は、式I又はIIの化合物を調製する方法を対象とし、
【化1】

【化2】

式中、
は、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRは各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRは各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法は、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化3】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化4】

式中、
1aが、水素、ヒドロキシル、及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、を含み、
式I又はIIの化合物が調製される。
【0008】
ある特定の態様では、上記の方法は、カンナビクロメン(CBC)である式Iの化合物の調製を対象とする。
【0009】
ある特定の態様では、上記の方法は、カンナビシトラン(CBT)である式IIの化合物の調製を対象とする。
【0010】
これら及び他の態様は、本明細書に完全に記載されている。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】実施例1に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図2】実施例2に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図3】実施例3に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図4】実施例4に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図5】実施例5に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図6】実施例6に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図7】実施例7に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図8】実施例8に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図9】実施例9に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図10】実施例10に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図11】実施例11に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図12】実施例12に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図13】実施例12に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図14】実施例12に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図15】実施例12に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図16】実施例13に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図17】実施例14に記載されるCBC反応のIPCのHPLCクロマトグラムを示す。
図18】実施例14に記載されるCBC反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図19】実施例15に記載されるCBT反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図20】実施例15に記載されるCBT反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図21】実施例15に記載される実験から調製されたCBT M+1の四重極ダルトンマススペクトルを示す。
図22】実施例16に記載されるCBT反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図23】実施例16に記載されるCBT反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図24】実施例16に記載されるCBT反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図25】実施例16に記載されるCBT反応のHPLCクロマトグラムを示す。
図26】実施例17に記載されるシトラール投入実験のHPLCクロマトグラムを示す。
図27】実施例18に記載されるシトラール投入研究のHPLCクロマトグラムを示す。
図28】実施例19に記載されるシトラール投入研究のHPLCクロマトグラムを示す。
図29】実施例20に記載されるシトラール投入研究のHPLCクロマトグラムを示す。
図30】実施例21に記載されるシトラール投入研究のHPLCクロマトグラムを示す。
図31】CBC変換へのシトラール充填のデータのヒストグラムである。
図32】実施例22に記載される温度研究のHPLCクロマトグラムを示す。
図33】実施例23に記載される温度研究のHPLCクロマトグラムを示す。
図34】温度スクリーニング研究のためのデータのヒストグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
それぞれ、カンナビクロメン及びカンナビシトランなどの式I及びIIの化合物の調製のための新規の合成経路が本明細書に開示される。化合物は、一般式I又はIIのものであり、
【化5】

【化6】

式中、
は、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRは各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRは各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択される。
【0013】
式I及びIIのこれらの化合物は有用なカンナビノイドであるが、かなりの量及び/又は純度で合成方法によって容易には得られない。文献的方法に従うCBCの合成(特に大規模で)は、非常に困難であることが見出された。当該技術分野の方法は、60~60%を生じることが示されているが、本明細書に記載される方法は、80%超の比較的純粋な生成物を生じ、繰り返して約90%を生じることが示されている。反応で形成された多数の大きな不純物を除去するためにかなりの精製(例えば、多重フラッシュカラムクロマトグラフィー)が必要であったため、当該技術分野の方法に関連する課題も一因である。更なる調査に応じて、CBCの合成のための新しいアプローチが本明細書に開示される。ある態様では、シトラール/トルエン溶液を、オリベトール、アミン、及びトルエン溶媒の加熱反応混合物(例えば、90~110℃)に投入することによって、合成の改善を達成した。全ての試薬が一緒に添加され、還流するまで加熱される変換方法と比較して、改善された合成は驚くほどきれいであり、純粋な形態のCBCを得るために、例えば、あらゆる残留アミンを除去するために、最小限の精製を必要とする。また、労働集約的なカラムの精製を避け、キログラム単位でプロセスを拡張できるように、生成物を真空下で蒸留すること実現可能にすることを証明した。
【0014】
CBT又はその誘導体、すなわち、式IIの化合物を調製することが望ましい場合、蒸留プロセスは、ほぼ定量的な収率でCBCからCBTを調製することができることが驚くべきことに発見されている。これは、これらの価値のある化合物への経路を提供し、本明細書に記載される方法の有用性を更に証明する。
【0015】
全ての試薬が一緒に添加されるか、又は投入されて還流するまで加熱される当該技術分野の変換方法と比較して、改善された合成は予想外にきれいであり、純粋な形態の目的の化合物を得るために最小限の精製を必要とする。当該技術分野の経路は、60%未満の変換、長い還流期間、並びに50%未満の低収率及び97%以下の純度をもたらす強力な精製戦略を示している。本明細書に記載される方法は、プロセスHPLC分析によって、クリーン反応、例えば、>80%の変換を達成することが示されている。単一カラム後又は蒸留後の最終生成物は、優れた収率>75%、優れた純度>99%で単離されている。
【0016】
本明細書に記載される方法は、上昇した温度での投入ステップを含む。理論に拘束されるものではないが、調査の過程で発展した理論的根拠は、シトラール/溶液を熱溶液(例えば、90~110℃)に投入することにより、オリベトールと反応する前にシトラールが分解するのを防ぐことである。この修飾は、IPC HPLCによるクリーンな反応、例えば、>80%の変換を提供することが示されている。これは、分解がより高い温度でも増加し得るため、直感的ではない。文献のプロセス(US4,315,862)では、シトラールのゆっくりとした添加も報告されているが、はるかに低い温度(すなわち、50~60℃)である。この文献の方法では、反応を還流で更に9時間保持する必要があり、多くの大きな不純物の形成をもたらした。本明細書の他の箇所に記載されているように、文献の方法を使用すると、反応収率はたった約59%である。
【0017】
また、本明細書に記載される方法は、プロセス内制御(「IPC」)によって決定される有意に高いレベルの変換を達成することが発見されており、ここでは、当該技術分野の方法によって達成可能ではないある特定の割合のIPCは、改善されたプロセスにつながる。反応のIPCがこれらのレベルに達すると、どの経路を選択するかに応じて、反応が進められ、式I又はIIの化合物を調製する。
【0018】
この変換速度は本明細書に記載される方法によって実質的に改善されている。不純物の形成が最小限であるCBC及びCBTなどの、オリベトールのカンナビノイドへの一貫した高い変換が観察されている。本明細書に開示されるデータは、報告された文献の方法を使用するよりも、実質的により高い変換及びよりきれいな反応性を示す。また、有利には、方法は、式I及びIIの化合物を調製するための同じ上流化学経路を伴う。
【0019】
現在開示されている方法は、労働集約的なカラム精製を回避することによって、CBCの大規模な合成のために非常に必要な経路を提供する。すなわち、反応がきれいであるため、任意の精製は、当該技術分野の方法よりも実質的に資源集約性が低く、一方で、変換、収率、及び純度はいずれも有意により高い。方法はまた、連続的なプロセスに対して修正可能である。方法は、他のカンナビノイド及びCBC類似体に適用可能である。
【0020】
カンナビクロメン(CBC)の合成は、米国特許第4,315,862号(1982)において、Elsohly及び同僚らによって初めて報告された。著者らは、シトラール及びオリベトールからのCBCを、タンデムクネフェナーゲル-電子環状反応を使用することによって、一級アミンの存在下で合成することができたと報告した。この反応の間、著者らは、60℃でシトラールをオリベトールにゆっくりと添加し、次いで、反応を更に9時間加熱して還流させた。全体的に、これらの反応条件は、50~60%の単離された収率でCBCを産生することができるのみであった。この合成は、55mlのトルエン中に5gのオリベトール(27.8mmole)及び2.03g(2.96ml、27.8mmole)のt-ブチルアミンを、滴下漏斗及びコンデンサを装着した、3つ口丸底フラスコ(容量100ml)に添加することを伴う。混合物を50℃~60℃に加熱し、次いで、4.23g(4.76ml、27.8mmole)のシトラールを滴下で添加した。混合物を9時間還流させ、その後、室温に冷却し、溶媒を蒸発させて、9.3gの粗反応混合物を得た。反応混合物のガスクロマトグラフィー分析は、59.46%のCBC(モル変換)、5.04%のカンナビシトラン、及び微量のアイソ-CBCを示した。
【0021】
CBCの合成は1ステップ方式であり得るが、反応条件自体は、以下を含むがこれらに限定されない、他のCBC及びCBC由来ではない不純物を産生する。
【化7】
【0022】
これらの不純物をCBCから分離することは、精製プロセス中ではかなり困難であることが証明されている。したがって、複数のカラムの精製を必要とし、スケールアップのためのプロセスを望ましくないものにする。更に、CBCは熱条件下で容易に分解するため、従来の常圧蒸留は選択肢にならない。
【0023】
最近では、シトラール及びオリベトールからCBCを合成するための新しい方法論が開発されている。これらの新しい方法論は、異なるアミン(1°、2°、又は3°)、金属、又は酸触媒を使用することから構成されている(Pollastro et al.Natural Product Commun.2018,13,1189-1194.、Hanus,L.O.Et al.Nat.Prod.Rep.2016,33,1357-1392.)。報告された合成において、シトラールは1.09当量で使用され、オリベトールは1.0当量である。これらの開発から、CBCのより高い変換を達成するために主に使用される触媒は、論文のスキーム2におけるエチレンジアミンである。しかしながら、CBCへの変換は、60~80%の範囲でのみ増加した。CBCの変換は1.3倍の増加に過ぎなかったが、これは、Elsohly及び同僚によって以前に見られたように、カンナバシトラン(CBT)のようないくつかの副産物の産生を1%未満に減少させた。
【0024】
ここで、現在開示されている主題を、以下でより詳細に記載する。しかしながら、本明細書に示される現在開示されている主題の多くの修正及び他の実施形態は、現在開示されている主題が前述の説明に提示される教示の利益を受けることに関連する当業者に思い当たるであろう。したがって、現在開示されている主題は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。換言すると、本明細書に記載される主題は、全ての代替物、修正、及び等価物を網羅する。これらに限定されないが、定義された用語、用語の用法、記載された技術などを含む、組み込まれた文献、特許、及び類似の材料のうちの1つ以上が、本出願と異なるか、又は矛盾する場合、本出願が支配する。別段の定義がない限り、本明細書で使用される全ての技術用語及び科学用語は、この分野の当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有する。本明細書で言及される全ての刊行物、特許出願、特許、及び他の参考文献は、参照によりそれらの全体が組み込まれる。
【0025】
I.定義
本明細書で使用される場合、以下の単語、語句、及び記号は、それらが使用される文脈が別途示されている場合を除いて、一般に、以下に示される意味を有することが意図される。
【0026】
2つの文字又は記号の間にないダッシュ(「-」)は、置換基の結合点を示すために使用される。例えば、-C(O)NHは、炭素原子を介して結合される。化学基の前又は端にあるダッシュは、利便性の問題であり、化学基は、それらの通常の意味を失うことなく、1つ以上のダッシュを伴って、又は伴わずに示され得る。構造内の線の端を通って、又は線の端を横切って垂直に描かれた波線又は破線は、基の指定された結合点を示す。化学的又は構造的に必要とされない限り、指向性又は立体化学は、化学基が記述又は命名される順序によって示されないか、又は暗示されない。
【0027】
接頭辞「C-C」は、以下の基がu~v個の炭素原子を有することを示す。例えば、「C-Cアルキル」は、アルキル基が1~6個の炭素原子を有することを示す。
【0028】
本明細書における「約」の値又はパラメータへの言及は、その値又はパラメータ自体を対象とする実施形態を含む(かつ説明する)。ある特定の実施形態では、「約」という用語は、示される量±50%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示される量±20%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示される量±10%を含む。他の実施形態では、「約」という用語は、示される量±5%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示される量±1%を含む。ある特定の他の実施形態では、「約」という用語は、示される量±0.5%、及びある特定の他の実施形態では、0.1%を含む。そのような変形は、開示された方法を実行する、又は開示された組成物を用いるのに適切である。また、「約x」という用語は、「x」の説明を含む。また、単数形の「a」及び「the」は、文脈により明らかにそうではないと指示されない限り、複数の参照を含む。したがって、例えば、「化合物」への言及は、複数のそのような化合物を含み、「アッセイ」への言及は、当業者に既知の1つ以上のアッセイ及びその等価物への言及を含む。
【0029】
本明細書で使用される場合、「CBC」は、カンナビクロメンを指し、「CBT」は、カンナビシトランを指す。本明細書で使用される場合、「誘導体」は、CBC及びCBT以外の式I及びIIの化合物を指す。
【0030】
本明細書で使用される場合、「アルキル」という用語は、1~10個の炭素原子(C-C10)の飽和直鎖又は分岐鎖一価の炭化水素ラジカルを指し、アルキルラジカルは、任意選択で、1つ以上の置換基で独立して置換され得る。別の実施形態では、アルキルラジカルは、3~10個の炭素原子(C-C10)、又は3~5個の炭素原子(C-C)、又は1~6個の炭素原子(C-C)である。アルキル基の例としては、これらに限定されないが、(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH、1-へプチル、1-オクチルなどが挙げられる。
【0031】
本明細書で使用される場合、「アルケニル」は、少なくとも1個の炭素-炭素二重結合を含み、かつ2~10個の炭素原子(すなわち、C-C10アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C-Cアルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C-Cアルケニル)、又は2~4個の炭素原子(すなわち、C-Cアルケニル)を有するアルキル基を指す。アルケニル基の例としては、例えば、エテニル、プロペニル、ブタジエニル(1,2-ブタジエニル及び1,3-ブタジエニルを含む)が挙げられる。
【0032】
本明細書で使用される場合、「投入すること」という用語は、2つ以上の試薬が互いに接触することを制御可能に可能にすることを指す。投入は、速度で制御される。本明細書で使用される場合、「接触すること」という用語は、2つ以上の試薬が互いに接触することを可能にすることを指す。接触は、混合、撹拌(agitating)、撹拌(stirring)などによって促進されてもよく、又は促進されなくてもよい。本明細書で使用される場合、「制御された速度」は、反応前に試薬の分解を防止又は低減し、かつ高いIPCを提供するための試薬の意図的な添加速度を指す。本明細書に記載されるこれらの特定のパラメータを認識した後、当業者は、日常的な実験を通じて投入速度を決定することができる。
【0033】
本明細書で使用される場合、「純度」という用語は、目的の化合物の純度パーセンテージを指す。純度は、当該技術分野で知られている任意の手段によって決定することができる。好ましい手段は、HPLCなどを使用して純度を計算して、AUC%を決定することである。
【0034】
本明細書で使用される場合、「低減された不純物」という用語及び関連用語は、式I又はIIの化合物と比較した不純物の相対量を指す。
【0035】
本明細書で使用される場合、及び別途指定されない限り、CBC若しくはCBT又はその誘導体を含む生成物は、任意の形態、特に油又は固体であり得る。「実質的に化学的に純粋である」油などの任意の形態は、他の化合物(すなわち、化学的不純物)を実質的に含まない。ある特定の実施形態では、実質的に化学的に純粋である固体形態は、重量基準で約50%、45%、40%、35%、30%、25%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.05%、又は0.01%未満の1つ以上の他の化合物を含む。他の化合物の検出は、これらに限定されないが、例えば、質量分析、分光分析、熱分析、元素燃焼分析、及び/又はクロマトグラフィー分析などの化学分析の方法を含む、当業者に明らかな任意の方法によって達成することができる。
【0036】
本明細書で使用される場合、かつ別段の指示がない限り、別の化合物、油若しくは固体形態、又は組成物を「実質的に含まない」化合物、油若しくは固体形態、又は組成物は、化合物、油若しくは固体形態、又は組成物が、ある特定の実施形態では、他の化合物、油若しくは固体形態、又は組成物の約50重量%、45重量%、40重量%、35重量%、30重量%、25重量%、20重量%、15重量%、10重量%、9重量%、8重量%、7重量%、6重量%、5重量%、4重量%、3重量%、2重量%、1重量%、0.5重量%、0.4重量%、0.3重量%、0.2重量%、0.1重量%、0.05重量%、又は0.01重量%未満の他の化合物、油若しくは固体形態、又は組成物を含むことを意味する。
【0037】
別途指定されない限り、本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、指定された成分を含む生成物(及び示される場合、指定された量で)、並びに指定された量の指定された成分の組み合わせから直接的又は間接的にもたらされる任意の生成物を包含することを意図する。更に、「組成物」という用語は、化合物の混合物を指す。
【0038】
「薬学的に許容される」とは、製剤中の希釈剤、賦形剤、又は担体が、製剤の他の成分と適合性であり、かつその受容体に有害ではないことを意味する。
【0039】
別途指定されない限り、本明細書で提供される化合物の示された化学構造と、本明細書で提供される化合物の化学名との間に矛盾がある限りにおいて、化学構造が支配するものとする。
【0040】
本明細書で使用される場合、及び別途指定されない限り、「治療する」、「治療すること」、及び「治療」という用語は、疾患若しくは障害、又は疾患若しくは障害に関連する1つ以上の症状の根絶又は改善を指す。ある特定の実施形態では、用語は、1つ以上の予防剤又は治療剤を、かかる疾患又は障害を有する対象に投与することに起因する疾患又は障害の拡散又は悪化を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施形態では、用語は、特定の疾患の症状の発症後の、他の追加の活性剤を伴う又は伴わない、本明細書で提供される化合物の投与を指す。
【0041】
「患者」又は「個体」又は「対象」は、哺乳動物である。哺乳動物には、これらに限定されないが、家畜化された動物(例えば、ウシ、ヒツジ、ネコ、イヌ、及びウマ)、霊長類(例えば、ヒト及びサルなどの非ヒト霊長類)、ウサギ、及びげっ歯類(例えば、マウス及びラット)が含まれる。ある特定の実施形態では、患者、個体、又は対象は、ヒトである。
【0042】
本明細書で使用される場合、「治療量」という用語は、特定の生物学的結果を達成するのに有効な、本明細書に記載される治療剤、化合物、製剤、物質、又は組成物の量を指す。かかる結果には、これらに限定されないが、当該技術分野において好適な任意の手段によって決定される疾患の阻害が含まれ得る。
【0043】
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される賦形剤」という用語は、対象に対して無毒である、活性成分以外の薬学的製剤中の成分を指す。薬学的に許容される賦形剤には、これらに限定されないが、緩衝剤、担体、安定剤、又は防腐剤が含まれる。
【0044】
式I及びIIのいくつかの化合物、又はそれらの薬学的に許容される塩は、不斉中心を含み得、したがって、アミノ酸について、(R)若しくは(S)として、又は(D)若しくは(L)として、絶対立体化学の観点から定義され得るエナンチオマー、ジアステレオマー、及び他の立体異性体形態を生じ得る。本発明の主題は、かかる可能な全ての異性体、並びにそれらのラセミ及び光学的に純粋な形態を含むことを意味する。光学活性(+)及び(-)、(R)及び(S)、又は(D)及び(L)異性体は、キラルシントン又はキラル試薬を使用して調製されてもよく、又は従来の技法、例えば、クロマトグラフィー及び分画結晶化を使用して分解されてもよい。個々のエナンチオマーの調製/単離のための従来の技術は、例えば、キラル高速液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用して、好適な光学的に純粋な前駆体又はラセミ体(又は塩若しくは誘導体のラセミ体)の分割からのキラル合成を含む。本明細書に記載される化合物がオレフィン二重結合又は幾何学的不斉の他の中心を含む場合、及び別途指定されない限り、化合物は、E及びZ幾何学的異性体の両方を含むことが意図される。
【0045】
「立体異性体」とは、同じ結合によって結合されているが、互換性がない異なる三次元構造を有する同じ原子からなる化合物を指す。本発明は、様々な立体異性体及びその混合物を企図し、「エナンチオマー」を含み、それは分子が互いに重ね合わせることができない鏡像である2つの立体異性体を指す。
【0046】
「ジアステレオマー」は、少なくとも2つの不斉原子を有するが、互いの鏡像ではない立体異性体である。
【0047】
追加の定義を以下に提供する。
【0048】
II.式I及びIIの化合物を調製する方法
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される主題は、式I又はIIの化合物を調製する方法を対象とし、
【化8】

【化9】

式中、
は、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRは各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRは各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法は、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化10】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化11】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、を含み、
式I又はIIの化合物が調製される。
【0049】
式Ia及びIbの出発物質におけるR基変数の値は、式I及びIIの最終生成物中のそれぞれの変数に対応する。
【0050】
ある特定の実施形態では、Rは、ヒドロキシルである。
【0051】
ある特定の実施形態では、R及びRは各例で独立して、水素、シアノ、C(O)OR、及びハロからなる群から選択され、式中、Rは、水素又はC1-5アルキルである。ある特定の実施形態では、R及びRは各例で独立して、水素及びC(O)ORからなる群から選択され、Rは、水素又はC15アルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、水素である。ある特定の実施形態では、Rは、C(O)OHであり、Rは、水素である。
【0052】
ある特定の実施形態では、R及びR3aは各々、プロピル、ブチル、又はペンチルである。ある特定の実施形態では、Rは、プロピル、ブチル、又はペンチルである。ある特定の実施形態では、R3aは、プロピル、ブチル、又はペンチルである。
【0053】
ある特定の実施形態では、Rは、分岐又は直鎖C3-10アルキルである。ある特定の実施形態では、Rは、分岐又は直鎖C3-5アルキルである。
【0054】
全ての実施形態では、R1a、R2a、R3a、及びR4a並びにRの値、特に、R1a、R2a、R3a、及びR4aの値は、式I又はIIの化合物において、それぞれ、R、R、R、及びRの所望の値に基づいて選択される。
【0055】
ある特定の実施形態では、アミンは、一級アミン、二級アミン、三級アミン、又はジアミンであり得る。ある特定の実施形態では、アミンは、ジアミンである。ある特定の実施形態では、アミンは、エチレンジアミン、テトラメチルエチレンジアミン、イソプロピルエチルアミン、ピペリジン、ピロリジン、1,6-ヘキサンジアミンである。ある特定の実施形態では、アミンは、エチレンジアミンである。
【0056】
ある特定の実施形態では、式Ibの化合物は、以下の式を有し、
【化12】

式中、
1aは、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aは、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aは、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
は、水素又はC1-5アルキルである。
【0057】
ある特定の実施形態では、R1aは、ヒドロキシル又はC1-5アルコキシであり、R3aは、直鎖C1-10アルキルであり、Rは、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、Rは、水素又はC1-5アルキルである。
【0058】
ある特定の実施形態では、式Ibの化合物は、以下である。
【化13】
【0059】
ある特定の実施形態では、式Iaの化合物は、以下である。
【化14】
【0060】
ある特定の実施形態では、第1の温度は、65℃超、例えば、70℃以上である。第1の温度は、約65℃~約200℃であり得る。ある特定の実施形態では、第1の温度は、75℃超~約150℃である。ある特定の実施形態では、第1の温度は、80℃超~約110℃である。ある特定の実施形態では、第1の温度は、80℃超~約100℃である。例えば、第1の温度は、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、及び100を含む、65~200の任意の整数である。
【0061】
ある特定の実施形態では、第1の混合物への式Iaの化合物の投入は、還流させながらである。ある特定の実施形態では、第1の混合物への式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での投入は、制御された速度においてである。ある特定の実施形態では、第1の混合物への式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での投入は、滴下である。
【0062】
ある特定の実施形態では、式Iaの化合物の65℃超の第1の温度での投入は、約0.8~約1.3モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む。ある特定の実施形態では、式Iaの化合物の65℃超の第1の温度での投入は、約0.9~約1.18モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む。ある特定の実施形態では、式Iaの化合物の65℃超の第1の温度での投入は、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む。ある特定の実施形態では、式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での投入は、約0.95、0.96、0.97、0.98、0.99、1.0、1.00、1.01、1.02、1.03、1.04、1.05、1.06、1.07、1.08、又は1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む。
【0063】
ある特定の実施形態では、第1の混合物は、溶媒を含む。ある特定の実施形態では、溶媒は、トルエン、キシレン、THF、DMSO、及びDMFからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、溶媒は、トルエンである。
【0064】
ある特定の実施形態では、第2の温度は、65℃超~約200℃である。ある特定の実施形態では、第2の温度は、75℃超~約150℃である。ある特定の実施形態では、第2の温度は、80℃超~約110℃である。ある特定の実施形態では、第2の温度は、80℃超~約100℃である。例えば、第2の温度は、80、81、82、83、84、85、86、87、88、89、90、91、92、93、94、95、96、97、98、99、及び100を含む、70~200の任意の整数である。ある特定の実施形態では、第1の温度及び第2の温度は、同じである。
【0065】
ある特定の実施形態では、方法は、第2の混合物を第2の温度で反応させた後、有機層を分離して有機相を収集することを更に含む。
【0066】
ある特定の実施形態では、方法は、有機相を蒸留して、精製された式IIの化合物を調製することを更に含む。この態様では、クロマトグラフィープロセスは使用されない。式IIの化合物は、有機層を分離した後に直接蒸留される。
【0067】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物は、以下の構造を有し、
【化15】

式中、Rは、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択される。
【0068】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物は、以下の構造を有する。
【化16】
【0069】
ある特定の実施形態では、方法は、有機相をクロマトグラフィー媒体と接触させることと、式Iの化合物を含む画分を収集することとを更に含む。ある特定の実施形態では、クロマトグラフィー媒体は、シリカである。
【0070】
ある特定の実施形態では、画分を蒸留して、精製された式Iの化合物を調製する。
【0071】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の構造を有する。
【化17】
【0072】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下の構造を有する。
【化18】
【0073】
ある特定の実施形態では、式I又はIIの化合物への変換は、80%超、例えば、約85%、約90%、又は約95%である。
【0074】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも80%の純度を有する。ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、少なくとも90%の純度を有する。ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、約90%~約95%の純度を有する。
【0075】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物は、少なくとも80%の純度を有する。ある特定の実施形態では、式IIの化合物は、少なくとも90%の純度を有する。ある特定の実施形態では、式IIの化合物は、約90%~約95%の純度を有する。
【0076】
ある特定の実施形態では、既知の方法において一般的に見られる副産物は、本明細書に記載される方法において低減される。式I及びIIの化合物に対して、副産物は、1%、5%、10%、15%、20%、25%、30%、35%、又はそれ以上低減され得る。ある特定の実施形態では、式I又はIIの化合物に対する副産物1b、2b、及び3bの相対量は低減される。
【化19】

【化20】

【化21】
【0077】
ある特定の実施形態では、方法は、式Iの化合物を調製することを対象とし、
【化22】

式中、
は、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRは各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRは各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法は、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化23】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化24】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、
有機層を分離して有機相を収集することと、
有機相をクロマトグラフィー媒体と接触させることと、
溶出して溶出液を収集することと、
溶出液を蒸留することと、を含み、
式Iの化合物が調製される。
【0078】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物を調製するために、式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での投入は、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物と接触させることを含む。
【0079】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物を調製するために、第1の温度及び第2の温度は各々独立して、約90℃~約110℃、又は約80℃~約100℃である。
【0080】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物を調製するために、アミンは、エチレンジアミンである。
【0081】
ある特定の実施形態では、式Iの化合物は、以下であり、
【化25】

式Iaの化合物は、以下であり、
【化26】

式Ibの化合物は、以下である。
【化27】
【0082】
ある特定の実施形態では、方法は、式IIの化合物を調製することを対象とし、
【化28】

式中、
及びRは各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRは各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素又はC1-5アルキルであり、
は、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
は、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法は、
65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化29】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化30】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、
有機層を分離して有機相を調製することと、
有機相を蒸留することと、を含み、
式IIの化合物が調製される。
【0083】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物を調製するために、式Iaの化合物の65℃を超える第1の温度での投入は、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物と接触させることを含む。
【0084】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物を調製するために、第1の温度及び第2の温度は各々独立して、約90℃~約110℃、又は約80℃~約100℃である。
【0085】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物を調製するために、アミンは、エチレンジアミンである。
【0086】
ある特定の実施形態では、式IIの化合物は、以下であり、
【化31】

式Iaの化合物は、以下であり、
【化32】

式Ibの化合物は、以下である。
【化33】
【0087】
ある特定の実施形態では、方法が蒸留を含む場合、蒸留は、150℃を超える温度である。
【0088】
ある特定の実施形態では、任意の好適な溶媒を使用することができる。ある特定の実施形態では、溶媒は、THF、DMSO、トルエン、キシレン、メタノール、メチル-THF、エタノール、イソプロパノール、ブタノール又は他のC1-4アルコール、DMF及び水、並びにそれらの混合物からなる群から選択される。ある特定の実施形態では、溶媒は、トルエン、ベンゼン、キシレン、THF、DMSO、及びDMFからなる群から選択される。ある特定の実施形態では、溶媒は、トルエンである。
【0089】
ある特定の実施形態では、方法は、既知の方法と比較して、クロマトグラフィー精製又は最小限のクロマトグラフィーのみを含まない。例えば、所望の純度をもたらし得ない複数の手順を必要とする当該技術分野の方法と比較して、反応はきれいであり、所望の純度を達成するために単一のクロマトグラフィー手順のみを必要とする場合がある。実施形態では、1つのステップの生成物を精製することなく次の反応ステップで使用することができる。ある特定の実施形態では、反応は、標的化合物を精製するためのカラムクロマトグラフィーを必要とすることなく、式I及びIIの化合物を調製することができることが有利である。精製方法が使用される場合、反応は、当該技術分野の方法よりも実質的にきれいであり、はるかに少ない精製を必要とすることが理解されるべきである。本明細書で使用される場合、カラムクロマトグラフィーは、カラム内の吸着剤への化合物の差分吸着に基づくバルク物質の分離を指し、化合物は異なる速度でカラムを通って移動し、これにより、異なる化合物を分画に分離することが可能になる。
【0090】
本明細書に記載される方法の結果、全体的な反応は、高変換及び純度で式I及びIIの化合物を調製するために進行する。ある特定の実施形態では、式I又はIIの化合物は、少なくとも70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の純度(面積%、AUCとも称される)を有する。ある特定の実施形態では、方法は、約60%、65%、70%、71%、72%、73%、74%、75%、76%、77%、78%、79%、80%、81%、82%、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%の変換を有する。
【0091】
「蒸留」という用語は、化学工学における従来の分離の種類を示すことを意図し、例えば、“Perry’s Chemical Engineers’ Handbook”の第7版の第13節に記載されており、概して、沸騰した液体混合物中のそれらの揮発性の違いに基づいて混合物を分離する方法である。「分画蒸留」という用語は、蒸留物がバッチ式で引き出される一連の蒸留を意味すると理解される。一般に、分画カラムは、還流コンデンサ及び分画を収集するための手段に接続される。分画は、任意の所望の温度又は温度範囲で収集することができる。
【0092】
ある特定の実施形態では、1つ以上の蒸留物が組み合わされる。ある特定の実施形態では、蒸留物中の標的化合物は、少なくとも80%の純度(AUC)を有する。ある特定の実施形態では、蒸留物中の標的化合物は、少なくとも90%の純度(AUC)を有する。ある特定の実施形態では、蒸留物中の標的化合物は、少なくとも99%、又は約99.1%、99.2%、99.3%、99.4%、99.5%、99.6%、99.7%、99.8%、99.9%、若しくはそれ以上の純度(AUC)を有する。
【0093】
一般的な手順
式I及びIIの化合物は、本明細書に記載される合成経路によって合成することができる。出発物質は、一般に、Aldrich Chemicals(Milwaukee,Wis.)などの商業的供給源から入手可能であるか、又は当業者に周知の方法を使用して容易に調製される(例えば、Louis F.Fieser and Mary Fieser,Reagents for Organic Synthesis,v.1-23,Wiley,N.Y.(1967-2006 ed.)、又はBeilsteins Handbuch der organischen Chemie,4,Aufl.ed.Springer-Verlag,Berlin,including supplements(またオンラインデータベースを介しても利用可能である)に概して記載される方法によって調製される)。
【0094】
当業者は、本明細書に開示される反応と組み合わせて、式Iの化合物(及び任意の中間体)の合成に有用である合成化学変換及び保護基方法論(保護及び脱保護)を認識し、必要な試薬及び中間体は、当該技術分野で既知であり、例えば、R.Larock,Comprehensive Organic Transformations,VCH Publishers(1989)、T.W.Greene and P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,3rdEd.,John Wiley and Sons(1999)、及びL.Paquette,ed.,Encyclopedia of Reagents for Organic Synthesis,John Wiley and Sons(1995)並びにその後続版に記載されるものを含む。
【0095】
式I及びIIの化合物の調製において、中間体の官能性(例えば、アルコール)の保護が必要であり得る。そのような保護の必要性は、遠隔官能性の性質及び調製方法の条件に応じて変化する。そのような保護の必要性は、当業者によって容易に判定される。保護基及びその使用の一般的な説明については、T.W.Greene,Protective Groups in Organic Synthesis,John Wiley&Sons,New York,1991を参照されたい。
【0096】
スキーム1は、式Iの化合物を調製するための一般的な合成経路である。
【化34】
【0097】
好ましくは方法において制御される2つのパラメータがある:上昇した温度でのシトラールからオリベトールへの投入、及び約80%以上のIPC。式Iaの化合物、例えば、シトラールを0.95~1.09当量で投入すると、よりきれいな反応がもたらされる。1.18当量及び0.90当量の範囲外で試験した等価物は、きれいでない反応をもたらす。式Iaの化合物、例えば、トルエン溶液中のシトラールを高温で投入することは、有利であることが示される。例えば、60℃での投入による反応のIPC結果は、約70%に過ぎなかった。IPCは、好ましくは約83%以上、より好ましくは83%以上である。したがって、好ましいIPCには、83%、84%、85%、86%、87%、88%、89%、90%、91%、92%、93%、94%、95%、96%、97%、98%、又は99%が含まれる。
【0098】
ある特定の実施形態では、反応のIPCがそのようなレベルになると、式Iを調製するために、方法は、ステップ1~6を含むか、又は式II化合物を調製するために、方法は、以下に概説されるように、ステップ1~4aを含む。
1.水洗浄
2.有機層及び水層の分離
3.有機層の乾燥(任意選択)
4.溶媒の除去
4a.蒸留して、式IIの精製された化合物を調製する
5.あらゆる未反応アミンを除去するための抽出又はシリカカラムなどの精製方法;
6.蒸留して、式Iの精製された化合物を調製する
【0099】
スキーム2は、式IIの化合物を調製するための一般的な合成経路である。
【化35】
【0100】
ある特定の実施形態では、合成経路は、CBCを調製するために使用される(スキーム3)。シトラールは、上昇した温度で、制御された速度で投入される。
【化36】
【0101】
ある特定の実施形態では、合成経路は、CBTを調製するために使用される(スキーム4)。シトラールは、上昇した温度で、制御された速度で投入される。
【化37】
【0102】
ある特定の実施形態では、方法は、反応混合物のクエンチを更に含み、それにより、反応混合物は、上部の有機層及び下部の水層に分離される。実施形態では、有機層が抽出される。ある特定の実施形態では、有機層は、水で洗浄される。
【0103】
一般的な手順及び実施例は、式I及びII化合物を調製するための例示的な方法を提供する。当業者であれば、合成経路に対する日常的な修飾を使用して、式I及びII化合物を合成し得ることを理解するであろう。特定の出発物質及び試薬は、スキーム、一般的な手順、及び実施例に示され、議論されるが、他の出発物質及び試薬は、様々な誘導体及び/又は反応条件を提供するために置換され得る。
【0104】
III.適応症及び治療方法
本明細書に開示される式I及びIIの化合物は、鎮痛剤、抗生物質として使用され、眼内圧を低減させる、並びに/又はカンナビノイドの免疫抑制及び抗炎症特性に応答する疾患を治療することができることが企図される。疾患には、これらに限定されないが、嘔吐、疼痛、てんかん、アルツハイマー病、ハンチントン病、トゥレット症候群、緑内障、骨粗鬆症、統合失調症、がん、肥満、自己免疫疾患、糖尿病合併症、メチシリン耐性Staphylococcus aureusに対する感染症、吐き気、うつ病、不安、低酸素虚血性傷害、精神病、及び炎症性疾患が含まれ得る。
【0105】
ある特定の実施形態では、本明細書に記載される主題は、式I又はIIの化合物に応答する疾患の治療方法を対象とし、方法は、有効量の式I又はIIの化合物を対象に投与することを含む。
【0106】
自己免疫疾患としては、例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS)、円形脱毛症、強直性脊椎炎、抗リン脂質抗体症候群、自己免疫性アジソン病、自己免疫性溶血性貧血、自己免疫性肝炎、自己免疫性内耳疾患(AIED)、自己免疫性リンパ増殖症候群(ALPS)、自己免疫性血小板減少性紫斑病(ATP)、ベーチェット病、心筋症、セリアックスプルー疱疹状皮膚炎、肝形質炎、慢性疲労免疫不全症候群(CFIDS)、慢性炎症性脱髄性多発神経炎(CIPD)、瘢痕性類天疱瘡、寒冷凝集素症、クレスト症候群、クローン病、デゴス病、若年性皮膚筋炎、円板状エリテマトーデス、本態性混合性クリオグロブリン血症、線維筋肉痛-線維筋炎、グレーブス病、ギラン-バレー症候群、橋本甲状腺炎、特発性肺線維症、特発性血小板減少性紫斑病(ITP)、IgA腎症、インスリン依存性糖尿病、若年性慢性関節炎(スティル病)、若年性リウマチ性関節炎、メニエール病、混合性結合組織病、多発性硬化症、重症筋無力症、パーキンソン病、悪性貧血(pernacious anemia)、結節性多発動脈炎、多発性軟骨炎、多腺症候群、リウマチ性多発筋痛症、多発性筋炎及び皮膚筋炎、原発性無ガンマグロブリン血症、原発性胆汁性肝硬変、乾癬、乾癬性関節炎、レイノー現象、ライター症候群、リウマチ熱、リウマチ性関節炎、サルコイドーシス、強皮症(進行性全身性硬化症(PSS)、全身性硬化症(SS)としても知られている)、シェーグレン症候群、スティッフマン症候群、全身性エリテマトーデス、高安動脈炎、側頭動脈炎/巨細胞性動脈炎、潰瘍性大腸炎、ブドウ膜炎、白斑、並びにウェゲナー肉芽腫症が挙げられる。
【0107】
炎症性障害には、例えば、慢性及び急性炎症性障害が含まれる。炎症性疾患の例としては、アルツハイマー病、喘息、アトピー性アレルギー、アレルギー、アテローム性動脈硬化症、気管支喘息、湿疹、糸球体腎炎、移植片対宿主病、溶血性貧血、変形性関節症、炎症性腸疾患、敗血症、脳卒中、組織及び臓器の移植、血管炎、糖尿病網膜症、及び人工呼吸器誘発性肺損傷が挙げられる。
【0108】
本明細書で治療されるがんの例としては、これらに限定されないが、がん腫、リンパ腫、芽腫、肉腫、及び白血病又はリンパ性悪性腫瘍が含まれる。そのようながんのより具体的な例としては、扁平上皮がん(例えば、上皮性扁平細胞がん)、小細肺がん、非小細胞肺がん、肺腺がん、及び肺扁平上皮がんを含む肺がん、腹膜がん、肝細胞がん、消化器がんを含む胃(gastric)又は胃(stomach)がん、膵臓がん、膠芽腫、子宮頸がん、卵巣がん、肝臓がん(liver cancer)、膀胱がん、肝細胞がん、乳がん、結腸がん、直腸がん、大腸がん、子宮内膜又は子宮がん、唾液腺がん、腎臓(kidney)又は腎臓(renal)がん、前立腺がん、外陰がん、甲状腺がん、肝臓がん(hepatic carcinoma)、肛門がん、陰茎がん、並びに頭頸部がんが挙げられる。
【0109】
式I又はIIの化合物は、経口、静脈内、局所、並びに眼科(点眼薬)、及び経皮(皮膚パッチ)様式を含む、治療される状態に適切な任意の経路で投与され得る。
【0110】
式I又はIIの化合物は、療法において単独で、又は他の薬剤と組み合わせて使用することができる。例えば、式I又はIIの化合物又は組成物は、少なくとも1つの追加の治療剤と同時投与され得る。上記のそのような併用療法は、(2つ以上の治療剤が同じ又は別個の製剤に含まれる)併用投与、及び別個の投与を包含し、その場合、式I又はIIの化合物又は組成物の投与は、追加の治療剤及び/又はアジュバントの投与の前、それと同時、及び/又はその後に生じ得る。
【0111】
IV.製剤
活性薬学的成分(API)が本明細書に記載される方法によって調製される式I又はIIの化合物である薬学的製剤は、様々な投与経路のために製剤化することができる。所望の純度を有する化合物は、任意選択で、1つ以上の薬学的に許容される賦形剤と混合される(Remington’s Pharmaceutical Sciences(1980)16th edition,Osol,A.Ed.)。化合物は、薬学的組成物として標準的な薬学的慣行に従って製剤化することができる。実施形態では、化合物製剤は、薬学的に許容される賦形剤を含む。
【0112】
典型的な製剤は、化合物を担体及び/又は希釈剤などの賦形剤と混合することによって調製される。好適な担体、希釈剤、及び他の賦形剤は、当業者に周知であり、炭水化物、ワックス、水溶性及び/又は膨張性ポリマー、親水性又は疎水性材料、ゼラチン、油、溶媒、水などの材料を含む。使用される特定の担体、希釈剤、又は他の賦形剤は、化合物が適用されている手段及び目的に依存する。溶媒は、一般に、哺乳動物に投与される安全な(GRAS)として当業者によって認識される溶媒に基づいて選択される。
【0113】
一般に、安全な溶媒は、水などの非毒性水性溶媒及び水に可溶性又は混和性である他の非毒性溶媒である。好適な水性溶媒には、水、エタノール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール(例えば、PEG400、PEG300)など、及びそれらの混合物が含まれる。許容される希釈剤、担体、賦形剤、及び安定剤は、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対し無毒であり、リン酸塩、クエン酸塩、及び他の有機酸などの緩衝液;アスコルビン酸及びメチオニンを含む抗酸化剤;防腐剤(オクタデシルジメチルベンジルアンモニウムクロリド;ヘキサメトニウムクロリド;ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリド;フェノール、ブチル、又はベンジルアルコール;メチル若しくはプロピルパラベンなどのアルキルパラベン;カテコール;レゾルシノール;シクロヘキサノール;3-ペンタノール;及びm-クレゾールなど);低分子量(約10残基未満)ポリペプチド;血清アルブミン、ゼラチン、若しくは免疫グロブリンなどのタンパク質;ポリビニルピロリドンなどの親水性ポリマー;グリシン、グルタミン、アスパラギン、ヒスチジン、アルギン、若しくはリジンなどのアミノ酸;グルコース、マンノース、若しくはデキストリンを含む単糖類、二糖類、及び他の炭水化物;EDTAなどのキレート化剤;スクロース、マンニトール、トレハロース、若しくはソルビトールなどの糖類;ナトリウムなどの塩形成対イオン;金属錯体(例えば、Zn-タンパク質錯体);並びに/又はTWEENO、PLURONICSO、若しくはポリエチレングリコール(PEG)などの非イオン性界面活性剤が含まれる。
【0114】
製剤はまた、化合物のエレガントな提示を提供するか、又は医薬品の製造を助けるために、1つ以上の緩衝液、安定剤、界面活性剤、湿潤剤、潤滑剤、乳化剤、懸濁化剤、防腐剤、抗酸化剤、不透明剤、滑剤、加工助剤、着色剤、甘味料、芳香剤、香味剤、及び他の既知の添加剤を含み得る。製剤は、従来の溶解及び混合手順を使用して調製され得る。
【0115】
製剤は、適切なpHで、及び所望の純度で、生理学的に許容される担体、すなわち、用いられる投与量及び濃度でレシピエントに対し無毒である担体と、周囲温度で混合することによって行われ得る。製剤のpHは、主に特定の使用及び化合物の濃度に依存するが、約3~約8の範囲内であり得る。pH5の酢酸緩衝液中の製剤は、好適な実施形態である。
【0116】
化合物製剤は滅菌であり得る。特に、インビボ投与に使用される製剤は滅菌でなければならない。このような滅菌法は、滅菌濾過膜を介した濾過によって容易に達成される。
【0117】
化合物は通常、固体組成物、凍結乾燥製剤として、又は水溶液として保存することができる。
【0118】
化合物を含む薬学的組成物は、良好な医療行為と一貫する方法、すなわち、量、濃度、スケジュール、経路、ビヒクル、及び投与経路で製剤化、投入、及び投与することができる。この文脈において考慮される因子としては、治療されている特定の障害、治療されている特定の哺乳動物、個々の患者の臨床状態、障害の原因、薬剤の送達部位、投与方法、投与スケジュール、及び医師に既知の他の因子が挙げられる。投与される化合物の「治療量」は、そのような考慮によって管理され、凝固因子媒介性障害を予防、改善、又は治療するのに必要な最低限の量である。そのような量は、好ましくは、宿主に対して毒性であるか、又は宿主を出血により著しく感受性にする量を下回る。
【0119】
化合物を薬学的剤形に製剤化して、容易に制御可能な投与量の薬物を提供し、患者が処方されたレジメンを順守できるようにすることができる。適用のための薬学的組成物(又は製剤)は、薬物を投与するために使用される方法に応じて、様々な方法でパッケージされ得る。一般に、流通用物品は、薬学的製剤を適切な形態でその中に入れた容器を含む。好適な容器は、当業者に周知であり、ボトル(プラスチック及びガラス)、小袋、アンプル、プラスチック袋、金属シリンダーなどの材料を含む。容器はまた、パッケージの内容物への無分別なアクセスを防止するための不正開封防止組立体を含み得る。加えて、容器には容器の内容物を記載するラベルがそこに入っている。ラベルには、適切な警告も含まれ得る。
【0120】
薬学的組成物は、滅菌注射用調製物、例えば、滅菌注射用水性又は油性懸濁液の形態であってもよい。この懸濁液は、上述されているこれらの好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用して、既知の技術に従って製剤化してもよい。滅菌注射用調製物はまた、1,3-ブタンジオールなどの非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の滅菌注射用溶液又は懸濁液であってもよい。滅菌注射用調製物はまた、凍結乾燥粉末として調製してもよい。用いられ得る許容されるビヒクル及び溶媒の中には、水、リンガー溶液、及び等張塩化ナトリウム溶液がある。加えて、滅菌固定油は、慣習的に、溶媒又は懸濁媒体として用いられてもよい。この目的のために、合成モノグリセリド又はジグリセリドを含む任意の無刺激固定油が用いられ得る。加えて、オレイン酸などの脂肪酸も同様に、注射用剤の調製に使用され得る。
【0121】
非経口投与に好適な製剤としては、抗酸化物質、緩衝液、静菌剤、及び溶質を含み得、これにより製剤が意図されるレシピエントの血液と等張性となる水性及び非水性滅菌注射溶液と、懸濁剤及び増粘剤を含み得る水性及び非水性滅菌懸濁液とが含まれる。
【0122】
単一剤形を生成するために担体材料と組み合わされ得る化合物の量は、治療される宿主及び特定の投与様式に応じて変化する。例えば、ヒトへの経口投与を意図した時間放出製剤は、全組成物の約5~約95%(重量:重量)で変化し得る適切かつ好都合な量の担体材料と化合した約1~1000mgの活性材料を含み得る。薬学的組成物は、投与のために容易に測定可能な量を提供するように調製することができる。例えば、静脈内注入のための水溶液は、約30mL/時間の速度での好適な体積の注入が生じ得るように、1ミリリットルの溶液当たり約3~500μgの活性成分を含み得る。
【0123】
製剤は、単位用量又は複数用量の容器、例えば、密封アンプル及びバイアルにパッケージングされてもよく、使用直前に注射するために、滅菌液体担体、例えば、水の添加のみを必要とするフリーズドライ(凍結乾燥)状態で保管されてもよい。即時注射液及び懸濁液は、以前に記載される種類の滅菌粉末、顆粒、及び錠剤から調製される。好ましい単位投与量製剤は、本明細書で上に記載されるように、活性成分の1日用量若しくは単位1日サブ用量、又はその適切な画分を含むものである。
【0124】
本明細書に記載される主題は、以下の実施形態を含む。
1.式I又はIIの化合物を調製する方法であって、
【化38】

【化39】

式中、
が、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRが各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRが各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法が、
70℃超などの65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化40】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化41】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、を含み、
式I又はIIの化合物が調製される、方法。
2.Rが、ヒドロキシルである、実施形態1に記載の方法。
3.Rが、分岐又は直鎖C3-10アルキルである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
4.アミンが、ジアミンである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
5.アミンが、エチレンジアミンである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
6.式Ibの化合物が、以下の構造を有し、
【化42】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
7.
1aが、ヒドロキシル又はC1-5アルコキシであり、
3aが、直鎖C1-10アルキルであり、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
8.式Ibの化合物が、以下である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化43】

9.式Iaの化合物が、以下である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化44】

10.第1の温度が、70℃超~約200℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
11.第1の温度が、約75℃~約150℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
12.第1の温度が、約80℃~約110℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
13.第1の温度が、約80℃~約100℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
14.第1の混合物への式Iaの化合物の投入が、還流させながらである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
15.第1の混合物が、溶媒を含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
16.溶媒が、トルエン、キシレン、THF、DMSO、及びDMFからなる群から選択される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
17.溶媒が、トルエンである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
18.第1の混合物への式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での投入が、制御された速度においてである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
19.第1の混合物への式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での投入が、滴下である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
20.式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での投入が、約0.8~約1.3モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
21.式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での接触が、約0.9~約1.18モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
22.式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での接触が、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
23.第2の温度が、約70℃~約200℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
24.第2の温度が、約80℃~約110℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
25.第2の温度が、約80℃~約100℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
26.第2の混合物を第2の温度で反応させた後、有機層を分離して有機相を収集することを更に含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
27.有機相を蒸留して、精製された式IIの化合物を調製することを更に含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
28.式IIの化合物が、以下の構造を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化45】

29.式IIの化合物が、以下の構造を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化46】

30.有機相をクロマトグラフィー媒体と接触させることと、式Iの化合物を含む画分を収集することとを更に含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
31.クロマトグラフィー媒体が、シリカである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
32.画分を蒸留して、精製された式Iの化合物を調製する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
33.式Iの化合物が、以下の構造を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化47】

34.式Iの化合物が、以下の構造を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化48】

35.式I又はIIの化合物への変換が、80%超である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
36.式IIの化合物が、少なくとも80%の純度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
37.式IIの化合物が、少なくとも90%の純度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
38.式IIの化合物が、約90%~約95%の純度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
39.式Iの化合物が、少なくとも80%の純度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
40.式Iの化合物が、少なくとも90%の純度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
41.式IIの化合物が、約90%~約95%の純度を有する、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
42.式I又はIIの化合物に対する副生成物1b、2b、及び3bの相対量が、低減される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化49】

【化50】

【化51】

43.式Iの化合物を調製するための上記実施形態のいずれかに記載の方法であって、
【化52】

式中、
が、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
及びRが各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRが各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法が、
70℃超などの65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化53】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化54】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、
有機層を分離して有機相を収集することと、
有機相をクロマトグラフィー媒体と接触させることと、
溶出して溶出液を収集することと、
溶出液を蒸留することと、を含み、
式Iの化合物が調製される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
44.式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での投入が、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物と接触させることを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
45.第1の温度及び第2の温度が各々独立して、約80℃~約100℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
46.アミンが、エチレンジアミンである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
47.式Iの化合物が、以下であり、
【化55】

式Iaの化合物が、以下であり、
【化56】

式Ibの化合物が、以下である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化57】

48.式IIの化合物を調製するための上記実施形態のいずれかに記載の方法であって、
【化58】

式中、
及びRが各例で独立して、水素、-C1-5アルキル、-CF、シアノ、ニトロ、フェニル、-C(O)R、-NR、-C(O)OR、-O-C(O)R、-O-R、-O-R、-C(H)=C(R、-N(H)C(O)R、ハロ、-N(Rからなる群から選択され、
及びRが各々独立して、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素又はC1-5アルキルであり、
が、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、C1-5アルキル、C1-5アルケニル、及びプレニルからなる群から選択され、
方法が、
70℃などの65℃を超える第1の温度で、式Iaの化合物
【化59】

(式中、Rが、上に記載されるとおりである)を、
第1の混合物であって、アミン及び式Ibの化合物を含み、
【化60】

式中、
1aが、ヒドロキシル及びC1-5アルコキシからなる群から選択され、
2a及びR4aが各々、R及びRについて上に記載されるとおりであり、
3aが、水素、直鎖又は分岐C1-10アルキルからなる群から選択され、
が、水素、-C(O)Rからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、第1の混合物に投入して、
第2の混合物を形成することと、
第2の混合物を第2の温度で反応させることと、
有機層を分離して有機相を調製することと、
有機相を蒸留することと、を含み、
式IIの化合物が調製される、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
49.式Iaの化合物の70℃を超える第1の温度での投入が、約0.95~約1.09モル当量の式Iaの化合物を、式Ibの化合物に接触させることを含む、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
50.第1の温度及び第2の温度が各々独立して、約90℃~約110℃である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
51.アミンが、エチレンジアミンである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
52.式IIの化合物が、以下であり、
【化61】

式Iaの化合物が、以下であり、
【化62】

式Ibの化合物が、以下である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
【化63】

53.R及びRが各例で独立して、水素、シアノ、-C(O)OR、及びハロからなる群から選択され、
が、水素又はC1-5アルキルである、実施形態1、43、又は48に記載の方法。
54.R及びRが各例で独立して、水素及び-C(O)ORからなる群から選択され、Rが、水素又はC1-5アルキルである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
55.Rが、水素である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
56.Rが、-C(O)OHであり、Rが、水素である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
57.R及びR3aが各々、プロピル、ブチル、又はペンチルである、実施形態1、43、又は48に記載の方法。
58.Rが、プロピル、ブチル、又はペンチルである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
59.R3aが、プロピル、ブチル、又はペンチルである、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
60.当該蒸留が、150℃を超える温度である、実施形態27に記載の方法。
61.当該方法が、クロマトグラフィー精製を含まない、実施形態27に記載の方法。
62.IPCが、80%以上であるか、又は好ましくは約83%以上であるか、又はより好ましくは83%以上である、上記実施形態のいずれかに記載の方法。
63.上記実施形態のいずれかの方法によって作製される、式I又はIIの化合物。
64.式I又はIIの化合物及び薬学的に許容される賦形剤を含む、薬学的組成物。
65.式I又はIIの化合物に応答する疾患の治療方法であって、有効量の式I又はIIの化合物を対象に投与することを含む、方法。
【0125】
開示される主題は、以下の非限定的な実施例において更に記載される。これらの実施例は、本発明の好ましい実施形態を示す一方で、例示としてのみ与えられることを理解されるべきである。
【実施例
【0126】
実施例1:カンナビクロムの調製
材料:
●シトラール(シス+トランス)95%;Alfa-Aesar、ロット番号10220684;MW:152.24g/mo、D=0.888g/mL;期限:2022年10月4日
●エチエレンジアミン99%(販売業者:Alfa-Aesar、ロット番号S22E009)、MW:60.10g/mol;D=0.899g/mL;期限:2022年1月2日
●トルエン(無水);販売業者:Sigma-Aldrich、ロット番号:SHBJ7776;期限:2022年2月5日。
●オリベトール;販売業者:SCI pharmtech inc;ロット番号1805P122;期限:2024年2月18日;NC370
●硫酸ナトリウム:BDH、ロット番号1327C515、期限2025年2月17日
●ヘプタン:Sky Chemicals;ロット番号T300C2L
●ヘプタン:VWR Chemicals;ロット番号0000232306;期限:2022年12月6日
●酢酸エチル:VWR Chemicals;ロット番号18Z1278、期限:2021年7月23日
●シリカゲル:SiliaFlash P60;サイズ40~63μm(230~400メッシュ);ロット番号:040619;PN:R12030B
【0127】
手順:
●還流コンデンサ及び窒素ブランケットを備えた2つ口丸底フラスコ(250mL)を調製した
●オリベトール(10.05g、56.0mmol、1.00当量)を充填した
●無水トルエン(125mL)を充填した
●エチレンジアミン(0.67g、11.2mmol、20mol%)を充填した
●反応混合物を還流するまで加熱した(2020年2月4日午前9:34:04(GMT-05:00:00))午前9:55:24(GMT-05:00:00)に還流に到達した
●シトラール(9.3g、61.4mmol、1.09当量)トルエン(30mL)溶液を12分語に滴下で充填した。午前9:55:32(GMT-05:00:00)に投入開始-午前10:07:17(GMT-05:00:00)に投入終了
●午前11:09:08(GMT-05:00:00)に加熱をオフにした
●反応混合物を25℃まで冷却した
●反応混合物を水(155mL×2)で洗浄した
●上部のトルエン/生成物層を硫酸ナトリウム(15g)で乾燥させた
●乾燥試薬を濾過した
●ケーキをトルエン(10mL)で洗浄した
●60℃で、真空下で回転蒸発を使用してトルエンを除去し、茶色の粗油を得た
【0128】
粗反応混合物のHPLCデータを図1及び表1に示す。
【表1】
【0129】
精製:
●(100%n-ヘプタン、次いで、3%EA/n-ヘプタン、v/v)の増加勾配を用いるカラムクロマトグラフィーを使用して、粗油を精製した。
●3つの試料を収集した:試料A-画分4~13(9.30g);試料B-画分14~19(3.8g);試料C-画分20~25(1.88g);合計:14.98g、収率=86%
【0130】
試料Aの蒸留は、特に大規模での将来の生成物のために、フラッシュカラムクロマトグラフィーを回避するための精製方法としてのCBCの蒸留の実現可能性を示す。
【0131】
実施例2:蒸留研究
目的:CBC合成の精製方法として蒸留(スケールアップに適したプロセスオプション)を使用することの実現可能性を評価する。(文献J.Chem.SOC.(C),1971,page 796:100mtorr(133mbar)でBP 170°Cを報告)。
【0132】
材料:9.0gを超える粗製CBC試料A。
【0133】
手順:完全真空下(メーターが利用可能でなかった、0mbarと仮定する)で、次のとおりに温度を徐々に上昇させた:190℃(小さな加熱マントルで、190℃及び2Lスケールで熱硬化性);203℃~205℃(小さな加熱マントルで、205℃及び2Lスケールで熱硬化性)に温度を上昇させた。明るい黄色の油(7.5g)の蒸留物を収集した。
【0134】
生成物のHPLCデータを図2及び表2に示す。
【表2】
【0135】
実施例3:カンナビクロムの調製、シトラール1.09当量
材料:
●シトラール(シス+トランス)95%;Alfa-Aesar、ロット番号10220684;MW:152.24g/mo、D=0.888g/mL;期限:2022年10月4日
●エチエレンジアミン99%(販売業者:Alfa-Aesar、ロット番号S22E009)、MW:60.10g/mol;D=0.899g/mL;期限:2022年1月2日
●非無水トルエン;VWR Chemicals;ロット番号18D104019;期限:2022年4月3日。
●オリベトール;販売業者:SCI pharmtech inc;ロット番号1805P122;期限:2024年2月18日;NC370
【0136】
手順:
●還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃に加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)
●次に、トルエン(8.17mL)中のシトラール(2.80mL、16.35mmol、1.09当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)
●反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。
●変換:88.15%
【0137】
生成物のHPLCデータを図3及び表3に示す。
【表3】
【0138】
実施例4:カンナビクロムの調製、シトラール1.00当量
手順:
●還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃に加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)
●次に、トルエン(7.35mL)中のシトラール(2.57mL、15.00mmol、1.00当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)
●反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。
●変換:89.53%
【0139】
生成物のHPLCデータを図4及び表4に示す。
【表4】
【0140】
実施例5:カンナビクロムの調製、シトラール0.95当量
手順:
●還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃に加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)
●次に、トルエン(6.98mL)中のシトラール(2.44mL、14.25mmol、0.95当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)
●反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。
●変換:90.64%
【0141】
生成物のHPLCデータを図5及び表5に示す。
【表5】
【0142】
実施例6:カンナビクロムの調製、シトラール0.95当量
手順:
●還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃に加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)
●次に、トルエン(8.67mL)中のシトラール(3.03mL、17.7mmol、1.18当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)
●反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。
●変換:82.56%
【0143】
生成物のHPLCデータを図6及び表6に示す。
【表6】
【0144】
実施例7:カンナビクロムの調製、より低い変換
材料:
●シトラール(シス+トランス)95%(販売業者:Alfa-Aesar、ロット:10213379)、MW:152.24g/mo、D=0.888g/mL。
●エチエレンジアミン99%(販売業者:Alfa-Aesar、ロット:S22E009)、MW:60.10g/mol;D=0.899g/mL。
●トルエン;販売評者:VWR Chemicals;ロット:18D104019;期限:2022年4月11日。
●オリベトール;販売業者:SCI pharmtech inc;ロット:1805P122;期限:2024年2月18日。
●ヘプタン99%:Brenntag;ロット:T3OC2L;期限:2022年3月14日
●セライト545;ロット:11EW05170;SSPFから;期限:2029年4月22日
【0145】
手順:還流コンデンサを備えた2つ口丸底フラスコ(2L)に、オリベトール(20.2g、112.0mmol、1当量)、トルエン(250mL)、及びシトラール(21.0mL、122.8mmol、1.09当量)を充填した。次に、撹拌しながらエチレンジアミン(1.5mL、22.4mmol、20mol%)を反応物に滴下で添加した。得られた溶液を、HPLC分析によってモニタリングしながら還流させつつ撹拌した。4時間後、反応は、残りのオリベトールを消費する更なる兆候を示さなかった。次いで、反応混合物を室温に冷却した。次に、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、溶媒を回転蒸発によって除去した。次いで、反応混合物を、15~50%DCM/ヘプタンの増加勾配を使用するFCCによって精製した。次いで、収集した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発によって除去した。19.8gの黄色の油(純度93.3%)を収集した。
●変換:66.85%
【0146】
粗反応混合物のHPLCデータを図7及び表7に示す。
【表7】
【0147】
実施例8:カンナビクロムの調製、より低い変換
手順:次に、撹拌しながらエチレンジアミン(1.5mL、22.4mmol、20mol%)を反応物に滴下で添加した。得られた溶液を、HPLC分析によってモニタリングしながら還流させつつ撹拌した。4時間後、反応は、残りのオリベトールを消費する更なる兆候を示さなかった。次いで、反応混合物を室温に冷却した。次に、反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、溶媒を回転蒸発によって除去した。次いで、反応混合物を、15~50%DCM/ヘプタンの増加勾配を使用するFCCによって精製した。次いで、収集した画分を合わせ、溶媒を回転蒸発によって除去した。
●変換:76.06%
【0148】
粗反応混合物のHPLCデータを図8及び表8に示す。
【表8】
【0149】
実施例9:カンナビクロムの調製、より低い変換
手順:還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(125mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びシトラール(2.80mL、16.35mmol、1.09当量)を充填した。溶液が透明になるまで、反応混合物を25℃で撹拌した(400rpm)。次に、エチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を反応混合物に2分間にわたって滴下で添加した(注記:溶液は濁った淡い黄色になった)。得られた反応混合物を、HPLC分析によってモニタリングしながら還流(110℃)させつつ撹拌した。3時間後、反応は、残りのオリベトールを消費する更なる兆候を示さなかった。次いで、反応混合物を室温に冷却させた。
●変換:56.71%
【0150】
粗反応混合物のHPLCデータを図9及び表9に示す。
【表9】
【0151】
実施例10:カンナビクロムの調製
手順:還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(125mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びシトラール(2.80mL、16.35mmol、1.09当量)を充填した。溶液が透明になるまで、反応混合物を25℃で撹拌した(400rpm)。次に、エチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を反応混合物に2分間にわたって滴下で添加した(注記:溶液は濁った淡い黄色になった)。得られた反応混合物を、HPLC分析によってモニタリングしながら還流(110℃)させつつ撹拌した。3時間後、反応は、残りのオリベトールを消費する更なる兆候を示さなかった。次いで、反応混合物を室温に冷却させた。
●変換:53.66%
【0152】
粗反応混合物のHPLCデータを図10及び表10に示す。
【表10】
【0153】
実施例11:カンナビクロムの調製
手順:還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(125mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びシトラール(2.80mL、16.35mmol、1.09当量)を充填した。溶液が透明になるまで、反応混合物を25℃で撹拌した(400rpm)。次に、エチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を反応混合物に2分間にわたって滴下で添加した(注記:溶液は濁った淡い黄色になった)。得られた反応混合物を、HPLC分析によってモニタリングしながら還流(110℃)させつつ撹拌した。3時間後、反応は、残りのオリベトールを消費する更なる兆候を示さなかった。次いで、反応混合物を室温に冷却させた。
●変換:53.66%
【0154】
粗反応混合物のHPLCデータを図11及び表11に示す。
【表11】
【0155】
実施例12:カンナビクロメンの調製
還流コンデンサ及び窒素ブランケットを備えた2つ口丸底フラスコ(250mL)を調製する。オリベトール(10.05g、56.0mmol、1.00当量)を充填する無水トルエン(125mL)を充填する。エチレンジアミン(0.67g、11.2mmol、20mol%)を充填する。反応混合物を還流するまで加熱する。シトラール(9.3g、61.4mmol、1.09当量)トルエン(30mL)溶液を12分後に滴下で充填する。反応のIPC(RT4.19分でのCBC:85.92%)を図12に示す。
【0156】
反応混合物を25℃に冷却した。反応混合物を水(155mL×2)で洗浄した。上部のトルエン/生成物層を硫酸ナトリウム(15g)で乾燥させた。乾燥試薬を濾過した。ケーキをトルエン(10mL)で洗浄した。60℃で、真空下で回転蒸発を使用してトルエンを除去し、茶色の粗油を得た。(100%n-ヘプタン、次いで、3%酢酸エチル/n-ヘプタン、v/v)の増加勾配を用いるカラムクロマトグラフィーを使用して、粗油を精製した。3つの試料(A、B、及びC)を収集した。
【0157】
試料A(9.30g、97.20面積%)のHPLCデータを図13及び表12に示す。
【表12】
【0158】
試料B(3.80g、99.46面積%)のHPLCを図14及び表13に示す。
【表13】
【0159】
試料C(1.88g、98.56面積%)のHPLCを図15及び表14に示す。
【表14】
【0160】
実施例13:試料Aの蒸留
蒸留後のCBC生成物のHPLCを図16及び表15に示す。
【表15】
【0161】
実施例14:カンナビクロメンの調製、高い変換
還流コンデンサを備えた反応器(2L)に、オリベトール(100g、0.554mol、1.00当量)、トルエン(1.23L)を充填した。30℃まで加熱する。全てのオリベトールが溶解されると、エチレンジアミン(7.4mL、0.110mol、20mol%)を添加した。(注記:エチレンジアミンを添加しながら、反応温度を29.5℃から30.7℃に上昇させると、濁った)。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(実際の温度:99.3℃)(浴:115.1°C)(注記:100℃まで加熱している間、溶液は透明になった(浴:115.1℃)。)39.6℃で透明になった。次に、トルエン(270mL)中のシトラール(94.8mL、0.554mol、1.00当量)を添加した。(注記:撹拌速度520rpm。この間に反応物が泡立った。)シトラール溶液を滴下で反応物に投入する。反応混合物を100℃で更に30分間撹拌した。反応混合物を20℃に冷却した。
【0162】
反応のIPC(RT4.148分でのCBC:97.71%)を図17に示す。
【0163】
反応混合物を水(1.5L×2)で洗浄した。有機相を硫酸ナトリウム(150g)で乾燥させた。乾燥試薬を濾過した。生成物溶液の3分の2に、275gのシリカゲルを添加する。溶媒を除去して、シリカ/生成物粉末を自由に流れさせた(注記:回転蒸発水浴を45℃に設定し、57℃に達した。約1時間で乾燥して粉末を自由に流れさせた)。3Lフリット漏斗に1kgのシリカゲルを充填した。きれいなシリカの上部に茶色のシリカ/生成物粉末を充填した。3%EA/n-ヘプタン(v/v)でシリカゲルパッドをすすいだ。
【0164】
4つの試料を4個の4Lエルレンマイヤーフラスコに収集し、HPLCは、ほぼ全ての生成物が最初の2個のエルレンマイヤーフラスコに含まれていることを示した。最初の2個のエルレンマイヤーフラスコ中の溶媒を除去して、純粋なCBC生成物を得た(99.05%、HPLC、図18及び表16を参照されたい)。
【表16】
【0165】
実施例15:蒸留によるカンナビシトランの調製
還流コンデンサを備えた2つ口丸底フラスコ(2L)に、オリベトール(80.4g、448.0mmol、1.00当量)、トルエン(1L)、及びシトラール(84.0mL、491.2mmol、1.09当量)を充填した。次に、撹拌しながらエチレンジアミン(6.0mL、89.6mmol、20mol%)を反応物に滴下で添加した。得られた溶液を、HPLC分析によってモニタリングしながら還流させつつ撹拌した。4時間後、反応は、残りのオリベトールを消費する更なる兆候を示さなかった。次いで、反応混合物を室温に冷却させた。反応混合物をセライトパッドを通して濾過し、溶媒を回転蒸発によって除去した。次いで、反応混合物を、10.0mbarの真空下で蒸留した。黄色の油(92.0g)が約192℃で取れ始めた(ノモグラフはCBC化合物が86.7℃で取れると予測した)。HPLC分析のために黄色の油のアリコートを除去し、HPLCは、所望のCBC化合物が新規の生成物(カンナビシトラン(CBT)純度61.32%)に分解されたことを示した。蒸留前のHPLCを図19及び表17に示す。蒸留後のHPLCを図20及び表18に示す。図21は、CBT M+1の四重極ダルトンマススペクトルを示す。
【表17】

【表18】
【0166】
実施例16:蒸留によるカンナビシトランの調製
還流コンデンサを備えた反応器(2L)に、オリベトール(100g、0.554mol、1.00当量)、トルエン(1.23L)を充填した。30℃まで加熱する。全てのオリベトールが溶解されると、エチレンジアミン(7.4mL、0.110mol、20mol%)を添加した。(注記:エチレンジアミンを添加しながら、反応温度を27.4℃から31.6℃に上昇させると、濁った)。次いで、溶液を100℃まで加熱した。次に、トルエン(270mL)中のシトラール(94.8mL、0.554mol、1.00当量)を、520rpmの撹拌速度で添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)シトラール溶液の添加終了後、反応混合物を100℃で30分間撹拌した。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。溶液が所望の温度に達すると、反応混合物を水(1.5L×2)撹拌(380rpm)で洗浄した。次いで、有機相を収集し、硫酸ナトリウム(150g)で乾燥させた。有機相をフリット漏斗を通して濾過し、硫酸ナトリウムを別の100mLのトルエンで洗浄した。次いで、溶媒を回転蒸発によって除去し、一晩乾燥させた。
【0167】
一晩乾燥した後のCBCのHPLC(91.10%)を、図22及び表19に示す。
【表19】
【0168】
第1の蒸留:500mLの丸底フラスコを、コンデンサを用いて分取カラムに取り付け、記載される温度までゆっくりと加熱した。主要な画分(HPLC、図23及び表20を参照されたい)を、オイルポンプ真空下(約0mmbar)で、約140℃で収集した。
【表20】
【0169】
第2の蒸留:材料を、最初の蒸留と同じ条件下で再蒸留した。90gのCBT(97.03面積%、HPLC、図24及び表21を参照されたい)を主要な画分として収集した。
【表21】
【0170】
第3の蒸留:上記の90gのCBT(97.03面積%)を再度蒸留した。70gのCBTを主要な画分として収集した。純度は99.15%であった(HPLC、面積%、図25及び表22を参照されたい)。
【表22】
【0171】
実施例17:シトラール投入研究A
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。溶液は100℃まで加熱している間に透明になった。トルエン(8.17mL)中のシトラール(2.80mL、16.35mmol、1.09当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。HPLCを図26及び表23に示す。
【表23】
【0172】
実施例18:シトラール投入研究B
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)トルエン(7.35mL)中のシトラール(2.57mL、15.00mmol、1.00当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。HPLCを図27及び表24に示す。
【表24】
【0173】
実施例19:シトラール投入与研究C
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)次に、トルエン(6.98mL)中のシトラール(2.44mL、14.25mmol、0.95当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。CBC方法を使用するBuchiでのFCCによる反応混合物の生成。粗反応混合物をFCCによって精製した。純粋な画分を合わせ、回転蒸発により溶媒を除去して、4.13gの淡い黄色の粗油を得た。HPLCを図28及び表25に示す。
【表25】
【0174】
実施例20:シトラール投入研究D
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)次に、トルエン(8.67mL)中のシトラール(3.03mL、17.7mmol、1.18当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。HPLCを図29及び表26に示す。
【表26】
【0175】
実施例21:シトラール投入研究E
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。100℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)次に、トルエン(6.61mL)中のシトラール(2.34mL、13.5mmol、0.90当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)反応混合物を100℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。HPLCを図30及び表27に示す。図31は、シトラール投入研究のデータを示す。
【表27】
【0176】
実施例22:温度研究A
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。80℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)次に、トルエン(7.35mL)中のシトラール(2.57mL、15.00mmol、1.00当量)を10分間にわたって添加した。(注記:この間に反応物が泡立った。)反応混合物を80℃で30分間撹拌した(注記:約5分後に反応物が泡立たなくなった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。HPLCを図32及び表28に示す。
【表28】
【0177】
実施例23:温度研究B
還流コンデンサを備えたEasyMax反応器(50mL)に、オリベトール(2.70g、15.0mmol、1.00当量)、トルエン(33mL)、及びエチレンジアミン(200μL、3.00mmol、20mol%)を充填した。次いで、溶液を100℃まで加熱した。(注記:エチレンジアミンを添加すると、反応物は濁った。60℃まで加熱している間、溶液は透明になった。)次に、トルエン(7.35mL)中のシトラール(2.57mL、15.00mmol、1.00当量)を10分間にわたって添加した。(注記:希釈したシトラールの添加中及び添加後、反応物は濁った。10分後、溶液はもはや濁っておらず、透明なオレンジ色であった。)反応混合物を60℃で30分間撹拌した(注記:反応物は泡立たなかった。)。割り当てられた時間の後、反応混合物を20℃まで冷却した。HPLCを図33及び表29に示す。図34は、温度スクリーニングのデータを示す。
【表29】
【0178】
上に記載される実施形態は、単なる例示であることを意図しており、当業者は、特定の化合物、材料、及び手順の多数の等価物を、日常的な実験のみを使用して認識するか、又は確認することができるであろう。全てのかかる等価物は、本開示の範囲内にあるとみなされ、添付の特許請求の範囲によって包含される。
【0179】
本出願における任意の参照の引用又は識別は、そのような参照が従来技術として利用可能であることを認めるものではない。
【0180】
使用される数値(例えば、量、温度など)に関して精度を保証するように努力がなされてはいるが、いくらかの実験誤差及び偏差が考慮されるべきである。
【0181】
量、濃度、又は他の値若しくはパラメータが、範囲、好ましい範囲、又は好ましい上限値及び好ましい下限値のリストのいずれかとして与えられる場合、これは、範囲が別々に開示されているかどうかにかかわらず、任意の上限範囲又は好ましい値及び任意の下限範囲又は好ましい値の任意の対から編成される全ての範囲を、具体的に開示するものとして理解されるべきである。本明細書で数値の範囲が列挙される場合、別段の記載がない限り、範囲は、その端点、並びに範囲内の全ての整数及び分数を含むことが意図される。範囲を定義するときに、本発明の範囲が列挙される特定の値に限定されることは意図されていない。
【0182】
値の範囲が提供される場合、文脈が別途明確に指示しない限り、範囲の上限と下限との間の下限の単位の10分の1までの各介在値と、その記載された範囲内の任意の他の記載された値又は介在値との間の各介在値が包含されることを理解されたい。独立して、より小さな範囲に含まれ得るこれらの小さな範囲の上限及び下限もまた、記載された範囲内の任意の特定の除外された制限に従うことを条件として包含される。記載された範囲が制限の一方又は両方を含む場合、それらの含まれる制限のいずれか又は両方を除外する範囲も含まれる。
【0183】
別段に定義されない限り、本明細書で使用される技術用語及び科学用語は、この主題が属する当業者によって一般的に理解されるものと同じ意味を有し、Singleton et al(1994)Dictionary of Microbiology and Molecular Biology,2nd Ed.,J.Wiley&Sons,New York,NY、及びJaneway,C.,Travers,P.,Walport,M.,Shlomchik(2001)Immunobiology,5th Ed.,Garland Publishing,New Yorkと一貫している。
【0184】
刊行物、特許、及び特許出願を含む全ての引用文献の開示は、参照によりそれらの全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0185】
本明細書及び特許請求の範囲を通して、「含む(comprise)」、「含む(comprises)」、及び「含む(comprising)」という用語は、文脈が別途必要とする場合を除き、非排他的な意味で使用される。本明細書に記載される実施形態は、実施形態「からなる」及び/又は「から本質的になる」ことを含むことが理解される。
【0186】
本明細書に示される多くの修正及び他の実施形態は、この主題が前述の説明及び関連する図面に提示される教示の利益を受けることに関連する当業者に思い当たるであろう。したがって、主題は、開示される特定の実施形態に限定されるものではなく、修正及び他の実施形態は、添付の特許請求の範囲の範囲内に含まれることが意図されることが理解されるべきである。本明細書では特定の用語が用いられるが、それらは一般的かつ説明的な意味でのみ使用され、限定の目的では使用されない。当業者は、本明細書に記載される主題の実践に使用され得る、本明細書に記載されるものに類似又はそれと同等の多くの方法及び材料を認識するであろう。本開示は、記載される方法及び材料にのみ限定されるものではない。

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
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図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
図34
【国際調査報告】