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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】部品の表面状態をモニターする方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 25/18 20060101AFI20230601BHJP
   C23C 16/44 20060101ALI20230601BHJP
   G06Q 50/04 20120101ALI20230601BHJP
【FI】
G01N25/18 A
C23C16/44 B
G06Q50/04
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566617
(86)(22)【出願日】2021-05-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 US2021030439
(87)【国際公開番号】W WO2021225947
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/019,267
(32)【優先日】2020-05-02
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502137880
【氏名又は名称】ワトロー エレクトリック マニュファクチュアリング カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100083895
【弁理士】
【氏名又は名称】伊藤 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100175983
【弁理士】
【氏名又は名称】海老 裕介
(72)【発明者】
【氏名】リンドレー, ジェイコブ
(72)【発明者】
【氏名】シュミット, フィリップ
(72)【発明者】
【氏名】ピッツェラ, ミランダ
(72)【発明者】
【氏名】エヴァリー, マーク, ディー.
【テーマコード(参考)】
2G040
4K030
5L049
【Fターム(参考)】
2G040AA08
2G040AB08
2G040BA14
2G040BA25
2G040CA01
2G040DA02
2G040DA03
2G040DA06
2G040DA12
2G040DA15
2G040EA02
2G040HA05
2G040ZA08
4K030KA45
5L049CC04
(57)【要約】
方法は、部品に熱エネルギーを与えることと、熱エネルギーを与えることに応じた部品の熱応答を求めることと、参照熱応答と熱応答に基づいて部品の熱的特性を求めることとを含む。この方法は、熱的特性と予測分析モデルとに基づいて部品の表面状態を予測することを含み、予測分析モデルは部品の熱的特性を部品の推定された表面状態と関連付けるものである。
【選択図】図2

【特許請求の範囲】
【請求項1】
部品に熱エネルギーを与えることと、
前記熱エネルギーを与えることに応じた前記部品の熱応答を求めることと、
参照熱応答と前記熱応答に基づいて前記部品の熱的特性を求めることと、
前記熱的特性と予測分析モデルに基づいて前記部品の表面状態を予測することと、
を含み、
前記予測分析モデルは前記部品の前記熱的特性を前記部品の推定された表面状態と関連付けるものである、方法。
【請求項2】
前記熱的特性が前記参照熱応答と前記熱応答との相違に基づいている、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記熱的特性が、前記部品の放射率、前記部品の異なる領域間での熱的結合、前記部品の熱利得、前記部品の電気抵抗-温度相関、前記部品のガス対流結合、又はこれらの組合せである、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記部品に熱エネルギーを与えることが、前記部品に与えられる熱エネルギーを増加させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記部品に熱エネルギーを与えることが、前記部品に与えられる熱エネルギーを減少させることをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記表面状態が、前記部品の表面上の材料堆積物の量を示す、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記熱応答が、前記部品による熱エネルギーの散逸率である、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記部品の熱シグネチャを生成するために前記熱エネルギーの強度と持続時間とのうちの少なくとも一方を変化させることをさらに含み、前記熱シグネチャは前記熱応答の画像描写である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記部品の前記熱的特性を参照熱シグネチャと前記熱シグネチャに基づいて求めることをさらに含む、請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記部品が、半導体処理チャンバーの壁面、前記半導体処理チャンバーのライナー、前記半導体処理チャンバーのシャワーヘッド、前記半導体処理チャンバーの蓋、流体加熱管の壁面、ヒーターの表面、及びヒーターのシースからなる群から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記熱応答を求めるために、所定時間の間、前記部品の温度を測定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項12】
前記所定時間の間の前記部品の前記温度の変化に基づいて前記部品によるエネルギーの散逸を求めることをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記所定時間の間の前記部品の前記温度の前記変化に基づいて前記部品の放射率の変化を求めることをさらに含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記部品の前記熱応答が、前記部品の温度が所定の温度に等しいことに応じて求められる、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
部品と、
前記部品に熱エネルギーを与えるようにされた熱制御システムと、
制御部と、を備え、
前記制御部が、
前記熱エネルギーを与えることに応じた熱応答を求め、
参照熱応答と前記熱応答との相違に基づいて前記部品の熱的特性を求め、
前記熱的特性と予測分析モデルに基づいて前記部品の表面上の材料堆積物の量を予測するようにされ、
前記熱応答が前記部品による前記熱エネルギーの散逸率であり、前記参照熱応答が前記熱エネルギーを与えることに応じた前記部品の前記熱エネルギーの参照散逸率であり、前記予測分析モデルが前記部品の前記熱的特性を前記部品の推定された表面状態に関連付けるものである、システム。
【請求項16】
前記熱的特性が、前記部品の放射率、前記部品の異なる領域間での熱的結合、前記部品の熱利得、前記部品の電気抵抗-温度相関、前記部品のガス対流結合、又はこれらの組合せである、請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
前記部品が、半導体処理チャンバーの壁面、前記半導体処理チャンバーのライナー、前記半導体処理チャンバーのシャワーヘッド、前記半導体処理チャンバーの蓋、流体加熱管の壁面、ヒーターの表面、及びヒーターのシースからなる群から選択される、請求項15に記載のシステム。
【請求項18】
前記熱制御システムが、前記部品に前記熱エネルギーを与えるようにされたヒーターをさらに備える、請求項15に記載のシステム。
【請求項19】
前記予測分析モデルが、トレーニングルーティンの間に生成される、請求項15に記載のシステム。
【請求項20】
前記部品が半導体処理システムの部品である、請求項15に記載のシステム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
この出願は、2020年5月2日に出願された米国仮出願第63/019,267号の優先権を主張する。上記出願の開示内容は参照によりここに包含される。
【0002】
本開示は、概して、半導体処理チャンバー内のシャワーヘッド及び/又はペデスタルなどの熱システム内の部品の表面状態をモニターする方法に関する。
【背景技術】
【0003】
この項の記載は、単に本開示に関連する背景情報を提供するものであり、従来技術を構成するものではない。
【0004】
材料の放射率は、熱放射としてエネルギーを放出するときのその効率である。システム部品の表面の放射率は時間と共に変化する。例えば、様々な蒸着処理が行なわれる半導体処理チャンバーでは、蒸着材料の化学反応がその半導体処理チャンバー内で生じ、またチャンバーの壁面、ライナー、及び蓋上に蒸着材料を不必要に堆積させるかもしれない。流体管では、湯あかが流体管の表面に不必要に堆積するかもしれない。システム部品の表面の放射率は、蒸着物や湯あかの堆積の影響を受ける可能性がある。システム部品が熱を発生又は伝達させるために使用される場合、システム部品の表面の放射率の変化は所望の熱出力及びシステム部品の性能に影響を与える可能性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、システム部品の表面の放射率の変化は、一般によく理解されていない。システム部品が放射率の変化によって著しく劣化した場合、劣化した部品を交換するためにシステムのメンテナンスが必要となり、これは予期せぬ休止時間をもたらす。システム部品の性能の維持及び/又は休止時間の低減/抑止のために、重要な部品の洗浄、改修、又は交換に対して、通常は実際の必要性よりはむしろ予想変化率に基づいて予防保守が予定される。そのため、予防保守が行なわれるのが遅すぎたり早すぎたりするかもしれない。
【0006】
本開示は、とりわけ、機器の部品の表面の放射率の変化を検出することに伴う問題を取り扱う。
【課題を解決するための手段】
【0007】
一形態では、方法は、部品に熱エネルギーを与えることと、前記熱エネルギーを与えることに応じた前記部品の熱応答を求めることと、参照熱応答と前記熱応答に基づいて前記部品の熱的特性を求めることとを含む。この方法は、前記熱的特性と予測分析モデルに基づいて前記部品の表面状態を予測することを含み、前記予測分析モデルは前記部品の前記熱的特性を前記部品の推定された表面状態と関連付けるものである。
【0008】
一形態では、前記熱的特性が前記参照熱応答と前記熱応答との相違に基づいている。
【0009】
一形態では、前記熱的特性が、前記部品の放射率、前記部品の異なる領域間での熱的結合、前記部品の熱利得、前記部品の電気抵抗-温度相関、前記部品のガス対流結合、又はこれらの組合せである。
【0010】
一形態では、前記部品に熱エネルギーを与えることが、前記部品に与えられる熱エネルギーを増加させることをさらに含む。
【0011】
一形態では、前記部品に熱エネルギーを与えることが、前記部品に与えられる熱エネルギーを減少させることをさらに含む。
【0012】
一形態では、前記表面状態が、前記部品の表面上の材料堆積物の量を示す。
【0013】
一形態では、前記熱応答が、前記部品による熱エネルギーの散逸率である。
【0014】
一形態では、この方法は、前記部品の熱シグネチャを生成するために前記熱エネルギーの強度と持続時間とのうちの少なくとも一方を変化させることをさらに含み、前記熱シグネチャは前記熱応答の画像描写である。
【0015】
一形態では、この方法は、前記部品の前記熱的特性を参照熱シグネチャと前記熱シグネチャに基づいて求めることをさらに含む。
【0016】
一形態では、前記部品が、半導体処理チャンバーの壁面、前記半導体処理チャンバーのライナー、前記半導体処理チャンバーのシャワーヘッド、前記半導体処理チャンバーの蓋、流体加熱管の壁面、ヒーターの表面、及びヒーターのシースからなる群から選択される。
【0017】
一形態では、この方法は、前記熱応答を求めるために、所定時間の間、前記部品の温度を測定することをさらに含む。
【0018】
一形態では、この方法は、前記所定時間の間の前記部品の前記温度の変化に基づいて前記部品によるエネルギーの散逸を求めることをさらに含む。
【0019】
一形態では、この方法は、前記所定時間の間の前記部品の前記温度の前記変化に基づいて前記部品の放射率の変化を求めることをさらに含む。
【0020】
一形態では、前記部品の前記熱応答が、前記部品の温度が所定の温度に等しいことに応じて求められる。
【0021】
本開示は、部品と、前記部品に熱エネルギーを与えるようにされた熱制御システムと、制御部と、を備え、前記制御部が、前記熱エネルギーを与えることに応じた熱応答を求め、参照熱応答と前記熱応答との相違に基づいて前記部品の熱的特性を求め、前記熱的特性及び予測分析モデルに基づいて前記部品の表面上に堆積した材料の量を予測するようにされ、前記熱応答が前記部品による前記熱エネルギーの散逸率であり、前記参照熱応答が前記熱エネルギーを与えることに応じた前記部品の前記熱エネルギーの参照散逸率であり、前記予測分析モデルが前記部品の前記熱的特性を前記部品の推定された表面状態に関連付けるものである、システムを提供する。
【0022】
一形態では、前記熱的特性が、前記部品の放射率、前記部品の異なる領域間での熱的結合、前記部品の熱利得、前記部品の電気抵抗-温度相関、前記部品のガス対流結合、又はこれらの組合せである。
【0023】
一形態では、前記部品が、半導体処理チャンバーの壁面、前記半導体処理チャンバーのライナー、前記半導体処理チャンバーのシャワーヘッド、前記半導体処理チャンバーの蓋、流体加熱管の壁面、ヒーターの表面、及びヒーターのシースからなる群から選択される。
【0024】
一形態では、前記熱制御システムが、前記部品に前記熱エネルギーを与えるようにされたヒーターをさらに備える。
【0025】
一形態では、前記予測分析モデルが、トレーニングルーティンの間に生成される。
【0026】
一形態では、前記部品が半導体処理システムの部品である。
【0027】
適用可能な更なる分野はここに提示の記載から明らかにあるであろう。説明及び特定の例は、説明のみを目的とすることを意図しており本開示の範囲を制限することを意図していないことが理解されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0028】
本開示がよく理解されるように、その様々な形態が例を用いて添付図面を参照して説明される。
【0029】
図1】本開示の教示にかかる半導体処理研究所の一例である。
【0030】
図2】本開示の教示にかかる半導体処理チャンバー及びモニタリングシステムの概略図である。
【0031】
図3】本開示の教示にかかる熱応答判断モジュールの機能ブロック図である。
【0032】
図4A】本開示の教示にかかるある部品の測定された熱応答及び参照熱応答の図解である。
【0033】
図4B】本開示の教示にかかる複数の部品の測定された熱応答及び一部品の参照熱応答の図解である。
【0034】
図5】本開示の教示にかかるモニタリングシステムによって実行されるトレーニングルーティンの一例のフローチャートである。
【0035】
図6】本開示の教示にかかるモニタリングシステムによって実行される表面状態予測ルーティンの一例のフローチャートである。
【0036】
ここで説明された図面は、説明目的のみのためのものであり、本開示の範囲を如何なるかたちでも限定することを意図していない。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下の説明は、実際上、単に例示であり、本開示、応用、又は使用を制限することを意図していない。図面を通して、対応する符号は同様な又は対応する部品及び特徴を示していることが理解されるべきである。
【0038】
本開示は、放射率などの部品の熱的特性をモニターして、その部品の表面状態を予測するようにされたモニタリングシステムを提供する。例えば、半導体処理システムにおいて、半導体処理システムのヒーター又は他の部品のコークスは放射率を増加させるとともに対流熱伝達率を減少させ、それによってヒーターをより高い温度でエネルギー消費が増加した状態で動作させることになる。本開示のモニタリングシステムは、ヒーター又は半導体処理システムの他の部品のコークスを精確に検出して、操作者及び/又はシステム制御部に検出された状態を警告することができる。また、モニタリングシステムは、半導体処理システムの様々な部品上の材料堆積物の場所を見つけ出し、それによって操作者及び/又はシステム制御部が半導体製造工程ルーティンのために制御パラメータを実装するときに材料堆積物に適応及び/又は材料堆積物を改善することを可能にする。
【0039】
より詳細には、一形態において、モニタリングシステムは、部品に熱エネルギーを与え、熱エネルギーを与えることに応じた部品の熱応答を求め、参照熱応答と熱応答に基づいて部品の熱的特性を求める。モニタリングシステムは次いで、熱的特性と予測分析モデルに基づいて部品の表面状態を予測する。ここで、予測分析モデルは、その部品の複数の熱的特性を同部品の複数の推定された表面状態と関連付けるものである。
【0040】
図1に示すように、一適用例においては、本開示の制御システムは、その中に配置された1つ又は複数のヒーター(図示しない)を有する少なくとも1つのチャンバー2を備える半導体処理システム10に設けられている。図示されてはいないが、1つ又は複数の制御システムがヒーターを制御するために設けられている。半導体処理システム10は半導体ウエハーを処理するための他のサブシステムを備えており、それらのサブシステムはヒーターの熱応答に影響を与えうる。例えば、配送ライン4と排出ライン6を有する流路システムは、プロセスガスをチャンバー2へと送り、またチャンバー2から出す。
【0041】
図2に示すように、半導体処理システム10-1はさらに、部品の表面状態をモニターするようにされ、また少なくとも1つのヒーター14、複数の温度センサ16、及び部品の表面状態をモニターして予測するためのモニタリングシステム18を備える。一形態では、部品は、半導体処理システム10-1の半導体処理チャンバー22及び/又は加熱管の様々なシステム部品でありえる。一例として、部品は、半導体処理チャンバー22の壁面12-1、半導体処理チャンバー22のライナー12-2、半導体処理チャンバー22のシャワーヘッド12-3、半導体処理チャンバー22の蓋12-4、流体加熱管26の壁面12-5、ウエハー支持ペデスタル20の最上層12-6、ヒーター14の表面、及び/又はヒーター14のシース12-7(これ以降では集合的に/個別的に「部品12」として参照する)でありえる。
【0042】
一形態では、部品12の表面状態は、部品12の表面上のある量の材料堆積物又は蒸着物であり得る。一形態では、材料堆積物又は蒸着物は、部品12の表面の放射率、及び部品12の表面から周囲環境(例えば、ウエハー支持ペデスタル20上に配置されたウエハー)への熱伝達に影響を与える。そのため、モニタリングシステム18は、以下により詳細に説明されているように、部品12の表面の熱的特性の変化をモニターし、それによって部品12の表面上の材料堆積物及び蒸着物の状態及び/又は量を予測するようにされている。一形態では、熱的特性には、これらに限定されるわけではないが、部品12の放射率、部品12の複数の領域間での熱的結合、部品12の熱利得、部品12の電気抵抗-温度相関、及び部品12のガス対流結合が含まれる。様々な他の熱的特性が求められるようにすることができ、本開示はここに説明された例示の熱的特性に限られるものではない、ことが理解されるべきである。
【0043】
一形態では、少なくとも1つのヒーター14は、部品12内に組み込まれるか、又は部品12の外側に配置されるようにできる。一形態では、少なくとも1つのヒーター14は、部品12に熱エネルギーを与えるようにすることができる。ここでは、「部品12に熱エネルギーを与える」は、部品12の表面及び/又は部品12に近接した(すなわち、隣接した及び/又は近い)環境に与えられる熱エネルギーを増加又は減少させることを意味する。一例では、部品12に与えられる熱エネルギーを増加させることは、部品12の表面及び/又は部品12に近接した環境を加熱することを含み得る。別の例では、部品12に与えられる熱エネルギーを減少させることは、部品12の表面及び/又は部品12に近接する環境を冷却することを含み得る。半導体処理システム10-1は少なくとも1つのヒーター14を備えるものとして示されているが、半導体処理チャンバー22内にプラズマをもたらすために流体加熱管26を介して熱エネルギーが流体(例えば、ガス)に外部から与えられる場合には、ヒーター14を半導体処理システム10-1から除去することができることが理解されるべきである。
【0044】
一形態では、複数の温度センサ16が、表面及び/又は部品12の周囲環境の温度を測定するために、部品12内に組み込まれるか又は部品12の外側に配置されるようにできる。一例では、温度センサ16には、これらに限定されるわけではないが、熱電対、抵抗温度検出器(RTD)、赤外線センサ、及び/又は他の従来の温度検出デバイスが含まれる。一形態では、温度センサ16は、部品12(例えば、ウエハー支持ペデスタル20)内に組み込まれた「二線式」ヒーターである。二線式ヒーターは、4本ではなく2本だけのリードワイヤーが加熱素子に動作可能に接続された状態で、ヒーター及び温度センサとして機能する抵抗加熱素子を備える。そのような二線式の機能は、例えば、本願と同一の出願人による米国特許第7,196,295号公報に開示されており、その開示の全体が参照によりここに包含される。通常、二線式システムにおいては、抵抗加熱素子は、抵抗加熱素子の平均温度が抵抗加熱素子の抵抗の変化に基づいて求められるように、温度変化にともなって抵抗が変化する材料によって画定される。一形態では、抵抗加熱素子の抵抗は、まず加熱素子間の電圧及び加熱素子を流れる電流を測定し、そしてオームの法則を利用して計算して求められる。抵抗加熱素子は、比較的に高い抵抗温度係数(TRC)の材料、負のTCR材料、又は非線形なTCRを有する材料によって画定されるようにできる。
【0045】
一形態では、モニタリングシステム18は、熱制御システム30、熱応答判断モジュール32、特性モジュール34、表面状態モジュール36、予測分析モデルデータベース38、警告モジュール40、表面状態検証モジュール42、及び表面状態参照テーブルデータベース44を備える。モニタリングシステム18のモジュール、システム、及び/又はデータベースは、同じ場所に設けることもできるし、また(例えば、1つ又は複数のエッジコンピューティングデバイスを介して)異なる場所に分布させて適切に通信接続させることもできる。モニタリングシステム18は半導体処理システム10-1の一部として図示されているが、モニタリングシステム18は半導体処理システム10-1から遠く離れて配置することもできる。一形態では、モニタリングシステム18及び温度センサ16は、有線通信プロトコル及び/又は無線通信プロトコル(例えば、特に、ブルートゥース(登録商標)方式のプロトコル、セルラー方式のプロトコル、ワイヤレス・フィディリティー(Wi-Fi)方式のプロトコル、近距離無線通信(NFC)プロトコル、超広帯域(UWB)プロトコル)を利用して通信接続される。
【0046】
一形態では、熱制御システム30は、ヒーター14の動作、及び/又は半導体処理チャンバー22に流体加熱管26を介して供給される流体の流れを制御するようにされている。一例では、熱制御システム30は、ヒーター14に電力を供給して部品12に熱エネルギーを与えるための電力供給装置及び1つ又は複数の電力変換回路を備えることができる。したがって、ここに説明されている機能性を実施するために、熱制御システム30は、持続性コンピュータ可読媒体(例えば、ランダム・アクセス・メモリ(RAM)及び/又はリード・オンリー・メモリ(ROM))内に保存された命令を実行して電力変換回路及び電力供給装置を制御するようにされた1つ又は複数のプロセッサを備えることができる。別の例として、熱制御システム30は、無線周波数(RF)プラズマ発生器(図示しない)を制御して流体加熱管26に与えられる熱エネルギーを増加/減少させることができる。一形態では、熱制御システム30は、部品12の設定温度、部品12の周囲環境の設定温度、及び/又は半導体処理チャンバー22の別の部品の設定温度に到達するまで、熱エネルギーを与える。一変形形態では、モニタリングシステム18は、既存の半導体処理システムに備えられている熱制御システム30又はその制御部と通信する。
【0047】
一形態では、熱応答判断モジュール32は、温度センサ16によって得られた温度データを受信して、熱制御システム30が部品12に熱エネルギーを与えることに応じた部品12の熱応答を求めるようにされている。一形態では、部品12の熱応答は、熱エネルギーが部品12に与えられた後に部品12が熱エネルギーを周囲環境に散逸する速さを意味する。一例では、熱応答判断モジュール32は、部品12が熱エネルギーを散逸する速さを、所定の時間に亘る温度変化の関数としてとして求めるようにされる。ある形態では、熱応答は、後により詳細に説明するように、部品12の温度が所定の温度に等しくなったとき及び/又は所定時間の間に求められるようにできる。一形態では、熱応答は、熱エネルギーを与えるシステムのパラメータ(例えば、ヒーター14が熱エネルギーを与えるときのヒーター14の電圧、電流、電気抵抗、及び/又は他のパラメータ)を意味する。
【0048】
一形態では図3に示すように、特性モジュール34は、部品12の熱的特性を求めるようにされ、また参照放射率モデルデータベース52、参照熱的結合モデルデータベース54、参照熱利得モデルデータベース56、参照RT相関モデルデータベース58、参照ガス対流結合モデルデータベース60、参照熱シグネチャデータベース61、及び熱的特性モジュール62を備える。
【0049】
一形態では、参照放射率モデルデータベース52は、部品12の参照放射率モデルを記憶している。一例では、参照放射率モデルは、部品12の表面上に材料堆積物がないときの部品12の放射率を示すことができる。参照放射率モデルデータベース52は、所定の量の材料堆積物が部品12の表面上にあるときの部品12の放射率を示す追加の参照放射率モデルを含むことができることが理解されるべきである。
【0050】
一形態では、参照熱的結合モデルデータベース54は、部品12の参照熱的結合モデルを記憶している。一例では、参照熱的結合モデルは、部品12の表面上に材料堆積物がないときの、部品12と別の部品との間の熱的結合(例えば、2つの隣接した及び/又は間隔をあけた部品12及び/又はヒーター14の間の伝導率、伝達率、及び放射率)を示すことができる。参照熱的結合モデルデータベース54は、半導体処理システム10-1内に様々な部品がある状態及び/又は部品12の表面上の様々な量の材料堆積物がある状態での、部品12の熱的結合を示す追加の参照熱的結合モデルを含むことができることが理解されるべきである。
【0051】
一形態では、参照熱利得モデルデータベース56は、部品12の参照熱利得モデルを記憶している。一例では、参照熱利得モデルは、部品12の表面上に材料堆積物がないときの所与の温度での部品12の熱利得を示すことができる。参照熱利得モデルデータベース56は、様々な温度及び/又は部品12の表面上に様々な量の材料堆積物がある状態での部品12の熱利得を示す追加の参照熱利得モデルを含むことができることが理解されるべきである。
【0052】
一形態では、参照RT相関モデルデータベース58は、部品12の参照電気抵抗-温度相関モデルを記憶している。一例では、参照電気抵抗-温度相関モデルは、部品12の表面上に材料堆積物がないときの電気抵抗と部品12の温度との間の相関を示すことができる。参照RT相関モデルデータベース58は、所定の量の材料堆積物が部品12の表面上にあるときの部品12の電気抵抗-温度相関を示す追加の参照電気抵抗-温度モデルを含むことができることが理解されるべきである。
【0053】
一形態では、参照ガス対流結合モデルデータベース60は、部品12の参照ガス対流結合モデルを記憶している。一例では、参照ガス対流結合モデルは、部品12の表面上に材料堆積物がないときの流体加熱管26及び/又はプラズマを介して部品12に供給される流体(例えば、ガス)からの熱の移動を示すことができる。参照ガス対流結合モデルデータベース60は、所定の量の材料堆積物が部品12の表面上にあるときの流体加熱管26及び/又はプラズマを介して部品12に供給される流体(例えば、ガス)からの熱の移動を示す追加の参照ガス対流結合モデルを含むことができることが理解されるべきである。
【0054】
一形態では、参照放射率モデル、参照熱的結合モデル、参照熱的結合モデル、参照熱利得モデル、参照RT相関モデル、及び参照ガス対流結合モデル(ここでは集合的に「参照モデル」として参照する)は、後に詳細に説明するように、モニタリングシステム18によって実行されるキャリブレーションルーティンの間及び/又は表面状態モジュール36によって実行される機械学習ルーティンの間に生成される。
【0055】
一形態では、参照熱シグネチャデータベース61は、部品12の参照熱シグネチャを記憶している。一例では、参照熱シグネチャは、部品12の表面上に材料堆積物がないときの部品12に与えられる熱エネルギーの強度と持続時間とのうちの少なくとも一方が変化したときの熱応答の画像描写である。参照熱シグネチャデータベース61は、部品12の表面上にある所定の量の材料堆積物に対応する、部品12の追加の参照熱シグネチャを記憶することができることが理解されるべきである。
【0056】
一形態では、熱的特性モジュール62は、部品12の熱的特性を熱応答と1つ又は複数の参照モデルとの相違に基づいて求めるようにされている。一形態では、熱的特性モジュール62は、熱応答を参照放射率モデルと比較して、部品12の放射率が変化したかどうかを判断することができる。一例では図4Aのグラフ100に示されるように、熱的特性モジュール62は、部品12の放射率が変化したことを部品12の参照放射率モデル102及び部品12の熱応答104に基づいて判断することができ、これはより低い最大温度と所与の時間に亘るより速い温度の減衰率を説明している。
【0057】
別の例として図4Bのグラフ110に示されるように、半導体処理システム10の第2の部品(例えば、ヒーター14)は熱エネルギーを受けることができ、また温度センサ16は熱応答112として示されている第2の部品の温度変化率をモニターすることができる。さらに、参照放射率モデル116は、第2の部品が熱エネルギーを受けたときの所与の部品12の推定された熱応答に対応するものとすることができる。したがって、熱的特性モジュール62は、部品12の放射率が変化したことを熱応答114に基づいて判断することができ、これは所与の時間に亘るより高い局所的な最大温度を説明している。
【0058】
別の例として、熱的特性モジュール62は、部品12の熱シグネチャを熱応答データに基づいて生成し、その熱シグネチャを1つ又は複数の参照熱シグネチャと比較して部品12の放射率や熱的結合などが変化したかどうかを判断することができる。一形態では、より短いエネルギーパルスの熱シグネチャは、加熱素子と密接している特徴部(例えばヒーターシース又は伝導接触した特徴部)に関連付けられ、より長いエネルギーパルスの熱シグネチャは、放射加熱される特徴部などのより高いデカップリングに関連付けられる。熱的特性モジュール62は熱応答を何れかの参照モデルと比較してそれに対応する熱的特性の変化があるかどうかを判断することもできることが理解されるべきである。
【0059】
図2に戻って、表面状態モジュール36は、部品12の表面状態を熱的特性に基づいて予測するようにされている。また、表面状態モジュール36は、表面状態を表面状態参照テーブルデータベース44に保存された表面状態参照テーブルと予測分析モデルデータベース38に保存された予測分析モデルとのうちの少なくとも一方に基づいて予測するようにされている。
【0060】
一形態では、表面状態参照テーブルは、部品12の様々な熱的特性を部品12の経験的に得られた様々な表面状態と関連付けるルックアップテーブルである。よって、操作者は、様々な既知の量の及び/又は分散パターンの材料を部品12の上に配置して例えば既知の量の材料に対する放射率の変化を参照放射率モデルと比較することによって、ルックアップテーブルを生成することができる。よって、表面状態モジュール36は、表面状態参照テーブルを参照して対応する熱的特性の変化(例えば、放射率の変化)を特定し、部品12の対応する表面状態(例えば、部品12の表面上の材料堆積物の量及び/又は分散)を予測することができる。いくつかの形態では、モニタリングシステム18は、表面状態参照テーブルを保存するための表面状態参照テーブルデータベース44を有さないようにできる。
【0061】
一形態では、予測分析モデルは、部品12の様々な熱的特性を部品12の様々な推定された表面状態と関連付ける。一形態では、表面状態モジュール36は、特に、教師あり学習ルーティン、教師なし学習ルーティン、強化学習ルーティン、自己学習ルーティン、ブラックボックスモデリングルーティンなどの機械学習ルーティンを実行して予測分析モデルを生成するようにされた、人口ニューラルネットワーク、畳み込みニューラルネットワーク、及び/又は他の同様な機械学習演算システムを備えることができる。機械学習ルーティンの間、熱制御システム30は、部品12に熱エネルギーをパルス、ステップ、又はランプで、周期的又は非周期的なタイミングで及び/又は振幅を変えながら与えることができる。よって、教師あり学習ルーティンは、未知のモデルパラメータ(例えば、印加される電力、部品12に隣接したガス流れ、部品12に隣接したガス圧、パルス、ステップ、ランプ、周期的又は非周期的タイミングでの、熱エネルギーのパルスの振幅を変えながらの熱エネルギー)による振る舞いが、熱応答に表わされる。
【0062】
一例では、表面状態モジュール36が教師あり学習ルーティンを実行する場合、部品12の表面上の既知の量及び/又は分散の材料が、材料の量/分散及び/又は他の未知のモデルパラメータを熱的特性の変化(例えば、熱的結合の変化)と関連付ける予測分析モデルを開発するために、使用される。また、教師あり学習ルーティンは、様々な量/分散に対して反復的に実行されて予測分析モデルの精度を改善する。
【0063】
別の例として、表面状態モジュール36が教師なし学習ルーティンを実行する(例えば、表面状態モジュール36は教師なし学習ルーティンを実行するオートエンコーダ(符号化器)ニューラルネットワークである)場合、部品12上に配置された未知の量及び/又は分散の材料が、材料の量/分散及び/又は他の未知のモデルパラメータを熱的特性の変化(例えば、放射率の変化)と関連付ける予測分析モデルを開発するために、使用される。
【0064】
したがって、予測分析モデルは、表面状態モジュール36が表面状態を部品12の放射率の変化(又は他の熱的特性の変化)に基づいて予測することを可能にする。一例では、表面状態モジュール36は、部品12の求められた放射率の変化を予測分析モデルと関連付けて、放射率の変化が「正常」(すなわち、部品12の表面上の推定された材料堆積物よりも減少した又は少ないことにより熱放散(散逸)率が所定の及び/又は推定された範囲内である)か、又は「異常」(すなわち、部品12の表面上の推定された材料堆積物よりも増加した又は多いことにより熱放散率が所定の及び/又は推定された範囲よりも大きい)かを予測する。表面状態モジュール36は、様々な他の質的な及び/又は量的な特性を使用して、予測分析モデルに基づいて部品12を特徴付けるが、ここに説明された例に限定されないことが理解されるべきである。
【0065】
一形態では、警告モジュール40は、部品12の表面上の材料堆積物の存在を示すための様々なユーザーインターフェースを備える。一例では、警告モジュール40は、様々な視覚インターフェース(例えば、タッチスクリーン、ディスプレイモニター、拡張現実デバイス、及び/又は複数の発光素子(LED))、聴覚インターフェース(例えば、材料堆積物に対応するメッセージを聴覚的に出力するためのスピーカー回路)、及び/又は触覚インターフェース(例えば、材料堆積物が閾値よりも大きいときに振動する振動モーター回路)を備えることができる。
【0066】
一形態では、表面状態検証モジュール42は、警告モジュール40が部品12の表面上の材料堆積物を示す信号を出力したときに、予測分析モデル及び/又は表面状態参照テーブルを検証及び/又はキャリブレーションするようにされている。一例では、表面状態検証モジュール42は、予測された材料堆積物の量/分散の表示と振動を操作者に与えるタッチスクリーンデバイスのような視覚インターフェースを備える。また、表面状態検証モジュール42の視覚インターフェースは、操作者が予測を検証し及び/又は予測分析モデル及び/又は表面状態参照テーブルのパラメータを調節することを可能にする、1つ又は複数の操作可能なグラフィック要素を備えることができる。いくつかの形態では、モニタリングシステム18は、部品12の表面状態をモニターするための表面状態検証モジュール42を有さないようにすることができる。
【0067】
図5には、一例のトレーニングルーティン500を説明するフローチャートが示されている。504において、熱制御システム30又はその操作者は熱エネルギーパラメータ(例えば、パルス、振幅、持続時間、など)を選択する。随意的に、506で、教師あり学習ルーティンが実行されたときに、表面状態モジュール36又はその操作者は表面状態パラメータ(例えば、部品12上の材料堆積物の量及び/又は分散)を選択する。508において熱制御システム30が部品12に熱エネルギーを与え、512で熱応答判断モジュール32が部品12の熱応答を求める。
【0068】
516において、特性モジュール34は、部品12及び/又は熱応答に関連付けられた参照モデルが、対応するデータベース(すなわち、参照放射率モデルデータベース52、参照熱的結合モデルデータベース54、参照熱利得モデルデータベース56、参照RT相関モデルデータベース58、参照ガス対流結合モデルデータベース60、及び参照熱シグネチャデータベース61のうちの1つ)に保存されているかどうかを判断する。もし保存されていれば、ルーティン500は520に進む。そうではなくもし参照モデルが対応するデータベースに保存されていなければ、ルーティン500は518に進んで特性モジュール34が所与の熱エネルギーパラメータのための参照熱応答を生成して保存し、そして532に進む。
【0069】
520において、特性モジュール34が部品12の熱的特性を熱応答及び参照熱応答に基づいて求め、表面状態モジュール36が対応する表面状態を熱的特性及び予測分析モデルに基づいて予測する。524において、表面状態モジュール36が熱的特性及び関連した表面状態に基づいて予測分析モデルを生成/更新する。528において、表面状態モジュール36が追加のトレーニングが必要かどうかを判断する。もし必要であれば、ルーティン500は532に進み、モニタリングシステム18が新たな熱エネルギーパラメータ及び/又は表面状態パラメータを受信し、508に進む。そうでなければ、ルーティン500は終了する。
【0070】
図6には、表面状態モジュール36によって実行される一例の表面状態予測ルーティン600を説明するフローチャートが示されている。一例では、表面状態予測ルーティン600は、半導体処理システム10-1が周期的なインターバルで及び/又は他の様々な時間インターバルで動作している間に、実行されるようにできる。604において熱制御システム30が部品12に熱エネルギーを与え、608で熱応答判断モジュール32が部品12の熱応答を求める。612において、特性モジュール34が熱応答と参照熱応答に基づいて部品12の熱的特性を求める。616において、表面状態モジュール36が、熱的特性と予測分析モデルに対応する表面状態を基づいて予測する。
【0071】
620において、モニタリングシステム18が、予測された表面状態が警告モジュール40を起動するかどうかを判断する。もし起動したら、ルーティン600は624に進む。そうではなく、もし警告モジュール40が620で起動されないときには、ルーティン600は終了する。624において、表面状態検証モジュール42が、予測された表面状態が部品12の実際の表面状態に対応するかどうかを判断する。もし対応すれば、ルーティン600は632に進み、表面状態検証モジュール42は予測分析モデルが精確であるかを判断する。もし624で予測された表面状態が部品12の実際の表面状態に対応しないときには、628で表面状態検証モジュール42が予測分析モデルを更新する。
【0072】
ルーティン500、600は単に例示的なルーティンであり、またモニタリングシステム18は他のルーティンを実行することができることが理解されるべきである。
【0073】
モニタリングシステム18は半導体処理システム10の部品12の表面状態を予測するものとしてここでは説明されているが、モニタリングシステム18は、他の環境で使用されるようにすることもでき、ここに説明された半導体処理システム10に限られないことが理解されるべきである。
【0074】
本開示のモニタリングシステムは、放射率の相対的な変化を検出し、それによって放射率の検出された相対的変化に基づいて予測的な予防保全解決策を生み出す。予測的/予防的な保全は、任意の予防保全スケジュールとは対照的に、半導体処理システムの様々な部品の実際の変化に基づいて行なわれるようにすることができる。そのため、モニタリングシステムは、メンテナンスのコスト及び休止時間を低減させて装置の動作可能時間を改善することができる。
【0075】
別段の明示的な記載がなければ、機械的/熱的特性、組成割合、寸法及び/又は公差、又は他の特徴を指示する全ての数値は、本開示の範囲を説明するときの単語「約」又は「略」によって修正されるものとして理解されるであろう。この修正は、工業的実施、材料、製造、及び組立の公差、並びに性能試験を含む様々な理由に対して望ましい。
【0076】
ここでの使用において、A、B、及びCのうちの少なくとも1つという表現は、非排他的論理ORを用いた論理(A OR B OR C)を意味するものとして解釈されるべきであり、「Aの少なくとも1つ、Bの少なくとも1つ、及びCの少なくとも1つ」を意味すると解釈されるべきではない。
【0077】
本開示の記載は、実際上、単なる例示であり、よって、本開示の要旨から逸脱しない変形形態は本開示の範囲内にあるとされることが意図されている。そのような変形形態は、本開示の精神及び範囲から逸脱したものとして見なされないものとする。
【0078】
図面において、矢印によって示された矢印の方向は、概して、説明図にとって関心のある情報(データ又は命令)の流れを明示している。例えば、要素A及び要素Bが様々な情報を交換したが要素Aから要素Bに送られた情報が説明図に関連しているときには、矢印は要素Aから要素Bに向けられる。この一方向矢印は、他の情報が要素Bから要素Aに送られていないことを示唆するものではない。また、要素Aから要素Bに送られた情報に対して、要素Bは、要素Aにその情報の要求を送信し、又はその情報の確認を受信することができる。
【0079】
本明細書において、用語「制御部」又は「モジュール」は、特定用途向け集積回路(ASIC);デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合のディスクリート回路;デジタル、アナログ、又はアナログ/デジタル混合の集積回路;組合せ論理回路;フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA);コードを実行する(共用の、専用の、又はグループの)プロセッサ回路;プロセッサ回路によって実行されるコードを保存する(共用の、専用の、又はグループの)メモリ回路;これらに限定されるわけではないが、特に、移動ドライバ及びシステム、トランシーバ、ルーター、入力/出力インターフェースハードウェアなどの、説明された機能を提供する他の適したハードウェア部品;又はシステム・オン・チップにおけるような上記のいくつか又は全ての組合せを意味しうる。
【0080】
用語「メモリ」は、用語「コンピュータ可読媒体」の一部である。用語「コンピュータ可読媒体」は、ここでの使用では、(搬送波のような)媒体を通って伝播する一時的な電気的又は電磁的信号を含まない。そのため、用語「コンピュータ可読媒体」は、有形で持続的であると見なされ得る。持続的で有形なコンピュータ可読媒体の非限定的な例としては、不揮発性メモリ回路(フラッシュメモリ回路、消去可能プログラム可能型読取り専用メモリ回路、又はマスク読取り専用回路など)、揮発性メモリ回路(スタティック・ランダム・アクセス・メモリ回路、又はダイナミック・ランダム・アクセス・メモリ回路など)、磁気記憶媒体(アナログ又はデジタルの磁気テープやハードディスクドライブなど)、及び光学記憶媒体(CD、DVD、又はブルーレイディスクなど)がある。
【0081】
本願に記載された機器及び方法は、コンピュータプログラムに埋め込まれた1つ又は複数の特定の機能を実行するように汎用コンピュータを構成することによって作られた専用コンピュータによって部分的に又は完全に実施されるようにできる。上述の機能ブロック、フローチャート構成要素、及び他の要素は、ソフトウェア仕様書として機能し、熟練した技術者又はプログラマーのルーティンワークによってコンピュータプログラムに翻訳することができる。

図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
図6
【国際調査報告】