(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】断熱ボトルまたは断熱マグカップ用の回転可能なクロージャキャップを備えた飲料ボトルクロージャ
(51)【国際特許分類】
B65D 47/24 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
B65D47/24 110
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567203
(86)(22)【出願日】2021-05-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 EP2021061512
(87)【国際公開番号】W WO2021224156
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】102020111943.7
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518383600
【氏名又は名称】エムザ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】クラウス ホルストマン
【テーマコード(参考)】
3E084
【Fターム(参考)】
3E084AA02
3E084AA12
3E084AB01
3E084BA02
3E084CA01
3E084CB04
3E084DA01
3E084DB12
3E084FA09
3E084FB01
3E084GA01
3E084GB01
3E084HA03
3E084HB03
3E084HD04
3E084KB01
3E084LA17
3E084LB02
3E084LB07
3E084LC01
3E084LD01
(57)【要約】
断熱ボトル(200)または断熱マグ用の回転可能なクロージャキャップ(20)を備えた飲料用ボトルクロージャ(100)であって、
シーリング縁(12)によって画定された注ぎ口を取り囲む注ぎ口リム(11)を有するハウジングと、
ハウジングに接続された支持要素に回転可能に取り付けられたクロージャキャップ(20)と、
ハウジングのシーリング縁(12)上でクロージャキャップ(20)を密封するためのシーリング要素(30)と、を少なくとも備え、
シーリング要素(30)の少なくとも1つのシールリップ(31)が、シーリング縁(12)の下に配置され、
クロージャカバー(20)の外縁(24)は、シーリングリップ(31)の下に配置され、
クロージャキャップ(20)は、ねじ継手によって支持要素(44)に固定され、
クロージャキャップ(20) は、クロージャキャップ(20)の時計回りの回転が下からシーリングリップ(31)に向かって垂直ストロークを引き起こすように、ハウジングに連結される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
断熱ボトル(200)または断熱マグ用の回転可能なクロージャキャップ(20)を備えた飲料ボトルクロージャ(100;100‘)であって、
シーリング縁(12;12’)によって画定された注ぎ口を取り囲む、注ぎ口リム(11;11’)を有する、ハウジングと、
前記ハウジングに接続された支持要素に回転可能に取り付けられた、クロージャキャップ(20)と、
前記ハウジングの前記シーリング縁(12;12‘)の前記クロージャキャップ(20)を密封するための、シーリング要素(30;30’)と、
を少なくとも備え、
前記シーリング要素(30;30’)の少なくとも1つのシーリングリップ(31、31’)は、前記シーリング縁(12;12’)の下に配置され、
前記クロージャキャップ(20)の外縁(24)は、前記シーリングリップ(31、31’)の下に配置され、
前記クロージャキャップ(20)は、ねじ継手によって支持要素(44;44’)に固定され、
前記クロージャキャップ(20)は前記ハウジングに固定され、前記クロージャキャップ(20)の時計回りの回転は、下から前記シーリングリップ(31、31’)に向かう垂直方向のストロークを引き起こす、
ことを特徴とする、飲料ボトルクロージャ(100;100’)。
【請求項2】
前記クロージャキャップ(20)の下側に、中央に配置されたネジ込みピン(23)が設けられ、
前記支持要素(44;44’)に中央のねじ込み凹部(41;41’)が形成される、
請求項1に記載の飲料ボトルクロージャ。
【請求項3】
前記クロージャキャップの下側に中央のねじ込み凹部が設けられ、前記支持要素にねじ込みピンが設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の飲料ボトルクロージャ。
【請求項4】
前記ハウジングが、少なくとも1つの内側ハウジング部材(40;40’)と1つのハウジング外側部材(10;10’)とを有する複数の部材で形成され、
前記クロージャキャップ(20)を密封するための前記シーリングリップ(31’)を有する前記シーリング要素(30’)は、内側ハウジング部材(40;40’)とハウジング外側部材(10;10’)との間に配置されることを特徴とする、請求項1-3のいずれか一項に記載の飲料ボトルクロージャ(100’)。
【請求項5】
前記シーリングリング(30)が、基部(32)および前記シーリングリング(30)に垂直に伸びている前記シーリングリップ(31)を有する、L字形またはT字形の断面を有するインサートとして形成されることを特徴とする、請求項4に記載の飲料ボトルクロージャ(100’)。
【請求項6】
支持リング(44’)が、前記ねじを受け入れるために、前記内側ハウジング部材(40’)の内縁から中央の前記支持要素の外周に接線方向に延在する複数のスポーク要素(42’)を介して前記内側ハウジング部材(40’)に接続されることを特徴とする、請求項1-5のいずれか一項に記載の飲料ボトルクロージャ(100’)。
【請求項7】
ハウジング部材(40’)に接続され、非円形の内側輪郭を有する支持リング(44’)が設けられ、
非円形の外形を有する弾性的に変形可能な環状スリップカップリング要素(45’)が前記支持リング(44’)に挿入され、ねじ込み凹部(41’)またはねじ込みピンが前記スリップカップリング要素(45’)に形成されることを特徴とする、請求項1-6のいずれか一項に記載の飲料ボトルクロージャ(100’)。
【請求項8】
前記スリップカップリング要素(45’)の外側輪郭および前記支持リング(44’)の内側輪郭が多角形であることを特徴とする、請求項7に記載の飲料ボトルクロージャ(100’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1に記載のプレアンブルの特徴を有する、断熱ボトルまたは断熱マグカップ用の回転可能なクロージャキャップを備えた飲料ボトルクロージャに関する。
【背景技術】
【0002】
このような使いやすい飲料ボトルクロージャは、中国実用新案202919352Uから知られている。クロージャキャップを中央に取り付けることで、クロージャおよび関連するボトルまたはカップを小径で構成することができる。欠点は、容器内の圧力が増加するとシーリング効果が解除され得ることである。この場合、カバーをシーリングリングから持ち上げることができる。加えて、カバーが開いた位置を超えて回転すると、ユーザが誤ってカバーを解除してしまうリスクがある。
【0003】
ドイツ実用新案202012000258U1はまた、断熱カップ用の回転可能なクロージャキャップを備えた一般的な飲料ボトルクロージャを示す。ここでも、キャップが回されると、シーリングリムが上から接触面に押し付けられ、上述のように同じ欠点が存在する。
【0004】
さらなる飲料ボトルクロージャは、米国特許2735566Aに記載されている。クロージャキャップは、密封のためのねじ込みスピンドルを介して容器本体に対してねじ込まれ、それにより、急速な開閉は不可能である。クロージャは、ボトルから直接飲むことを意図しておらず、また適していない。
【0005】
欧州特許2359722A2は、ハウジングが、ハウジングのシール縁の下に配置された少なくとも1つのシールリップを備えるシール要素を備え、回転式クロージャキャップの外縁がシールリップの下部と接触するように配置された飲料ボトルクロージャを開示している。回転可能なクロージャキャップがシーリング縁の下に配置されているため、ハウジング内で誤って紛失し得る。さらに、この構成から、クロージャキャップの最大軸方向変位、および、したがって最大可能な回転角度が制限されることが明らかである。
【0006】
ハウジングのシーリング縁の下に配置されたシーリング要素を有する別の飲料ボトルクロージャが、特開2004315009Aに開示されている。シーリング要素がクロージャ配置の最下端に配置されているときと同じ欠点がここに適用される。
【0007】
さらに、類似の設計概念を有し、類似の欠点を有する別の飲料ボトルクロージャが、米国特許第5,944,235Aに開示されている。
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、クロージャによって覆われているボトルの内部圧力が上昇するときに、改善されたシール効果を依然として有しながら、キャップが誤って外されることを防止することである。
【0009】
この目的は、請求項1に記載の特徴を有する回転可能なクロージャキャップを備えた飲料ボトルクロージャによって解決される。
【0010】
キャップの外縁は、シーリングリングの下のハウジングに配置され、飲料容器ボトルキャップに接続されているボトル内で発生する任意の内部圧力は、キャップをシーリングにより強く押し付け、密封効果を増加させる。クロージャキャップがシーリング外縁の下に配置されているが、ハウジング内のシーリングキャップのベアリングのための支持要素の上に配置されているため、シーリングキャップを偶発的に失うことはできない。加えて、この構成は結果として、シーリングキャップの最大軸方向ストローク、および最大可能な回転角度が制限されることをもたらす。
【0011】
本発明による飲料ボトルクロージャは、良好なシール効果を有し、取り扱いが容易であり、さらに、移動ねじを形成するための2つの要素を除いて、互いに対して変位可能な可動部分がないため、設計もシンプルである。移動ねじは、このねじに配置されたナットがねじの軸に沿って容易に移動できるように、非常に高いピッチを有するねじである。
【0012】
飲料ボトルクロージャの中央に設置スペースがほとんど必要とされない。したがって、飲料ボトルクロージャの直径を非常に小さく保つことができ、したがって、飲料ボトルクロージャは、体積が小さい小さな飲料ボトル、または閉鎖可能な飲料マグカップにも適している。
【0013】
注入領域の対応する小さな直径と、およびキャップの垂直移動を引き起こすねじの適切なデサインと共に、片手で飲料ボトルのキャップを持ち、同時に同じ手の他の指を使用してキャップのノブを開位置から閉位置に動かすことさえ可能であり、少なくとも、本発明のクロージャを備えたボトルまたはマグカップが動かされたときに、注ぎスロットが閉じられ、液体の急増に対して保護される。
【0014】
ボトルまたはマグカップの輸送のために固定された閉位置へのクロージャキャップの移動のために、クロージャキャップを回すときに追加の圧力点を無効にすることが特に意図されている。したがって、ねじ接続が不用意に緩むことを防止し、したがって、クロージャキャップの意図しない開口を回避する。
【0015】
右ねじはほとんどの国で一般的であるため、ほとんどのユーザは、ネジ接続を締め付けるか、すなわち、時計回りに回すことによって、右ねじの動きと共にねじキャップの閉じた状態を達成するために使用される。逆に、それらは、反対方向、すなわち反時計回りに回転することによって、クロージャを開く、またはネジ接続を解放するために使用される。例えば、使い捨て飲料ボトルのすべての一般的な飲料ボトルクロージャの場合である。
【0016】
シール効果を向上させ、脱落防止(captive)クロージャキャップを備えたクロージャを提供するために、外縁を有するクロージャキャップを下からシーリングリップに押し付けることが意図されている。開位置から閉位置に移動する場合は、クロージャキャップの上方移動が必要とされる。
【0017】
しかし、右ねじでは、右回転によってキャップを下げることができる。したがって、本発明は、消費者が直観的に右回転に関連するクロージャキャップの閉移動を行うことができる左ねじを提供する。左ねじは、したがって上向きのストロークを作り出す。飲料ボトルの開口と同様に、反時計回りの回転運移動は開口につながる。左ねじのため、プロセス中にフタは下げられる。
【0018】
さらに、本発明は、キャップの下部の中心に配置されたねじ込みスタッドまたはピンを提供する。関連するねじ込みレセプタクルは、ハウジングのスポーク形状の支持部材の中央に配置される。
【0019】
逆の配置も可能であり、カバーの内側空洞にねじ込みレセプタクルまたはねじ込みナットが設けられ、支持要素によってハウジングに上向きに突出するねじ込みピンが保持される。この実施形態でも、カバーは、内側ハウジング部材の支持要素とハウジング外側部分のシーリング外縁との間に固定され、したがって、脱落を防止(captive)する。
【0020】
本発明の好ましい実施形態に従って提供されるハウジングの2つの相補的な部分に関して、スナップイン接続が提供され得る。ハウジングの外側部分が、上部シーリングリングおよびキャップを含むハウジングの内側部分の上に置かれると、スナップイン接続は、飲料ボトルクロージャの組み立て(manufacture)中に閉じられ、その後、解放できなくなる。
【0021】
さらなる有利な実施形態によれば、下縁におけるハウジングの内側部分と外側部分との間の接合部は、代替的に、または追加的に、レーザー溶接によって全円周の周りで一緒に接合され、したがって、そこで液密接合部が生成される。
【0022】
ハウジング部材間に設けられたシーリングリングは、シリコンで作られた別個のインサートとして形成されることができる。代替的に、それらは、射出成形によって成形されるよう、ハウジング部材の1つに成形される熱可塑性エラストマーで作製することができる。この場合、内側ハウジング部材への成形が特に適しており、両方のシーリングリングを同時にこの部分に形成できる。
【0023】
内側部分及び別個の外側部分からのハウジングの構造はまた、部品を対照的な色で製造することができるという利点を有する。例えば、ハウジングの内側部分は赤であることができ、一方、ハウジングの外側部分は黒であるため、クロージャキャップが開位置に下がると、赤いストライプがシーリング縁の下に見えるようになり、これは開位置を視覚的に示す。
【0024】
クロージャキャップのねじ込みピンを受け入れるためのねじ込みナットは、例えば、エラストマーで作られるスリップクラッチ要素に形成することができ、非円形、特に多角形の外側輪郭を有する。ポリプロピレンなどのより硬い熱可塑性樹脂もこの目的に使用できる。この場合、適切な成形により十分な弾性変形が可能になる。スリップクラッチ要素は、適合する非円形、特に多角形の内側輪郭を有するハウジングに接続された支持リングに挿入される。すでに一つの端部位置が到達しているにもかかわらず、ユーザが高い力で蓋を回転させ続ける場合、スリップクラッチ要素は、スリップクラッチ要素の弾性回復及び形状適合が再び保持される前に、弾性的に変形し、支持リングに対して少なくとも部分的な角度で回転する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本発明の他の特徴および利点は、添付の図面を参照した本発明の以下の詳細な説明から明らかになるであろう。
【
図1】
図1は、第1の実施形態による断熱ボトルを備えた飲料ボトルクロージャの外側からの斜視図である。
【
図2】
図2は、飲料ボトルキャップの分解図である。
【
図3】
図3は、閉位置にある飲料ボトルキャップの断面図である。
【
図4】
図4は、開位置にある飲料ボトルキャップの断面図である。
【
図6】
図6は、下側からの飲料ボトルキャップの斜視図である。
【
図7】
図7は、第2の実施形態による飲料ボトルクロージャの断面図である。
【
図8】
図8は、
図7における飲料ボトルクロージャの内部ハウジング部材の部分的に切断された斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1は、断熱ボトル200のボトルネック201に置くことができる飲料ボトルクロージャ100を示す。飲料ボトルクロージャ100はハウジングを有し、ハウジングの外側部分10と注ぎ口11はここで見える。シーリング縁12は、注ぎ口11の内側下縁に形成される。シーリング縁12の下には、ノブ21によって回転させることができるクロージャキャップ20が配置されている。
【0027】
図2は、飲料ボトルクロージャ部100の分解図を示す。飲料ボトルクロージャ部100は本質的に次の部分から構成されている。
【0028】
・外側ハウジング部材10、
・クロージャキャップ20、
・内側ハウジング部材40、
・2つのシーリングリング30、50。
【0029】
クロージャキャップ20は、2つの部分に構成されている。ノブ21は、上部部材の一部である。別個に製造された下部部材22は、その中で係合可能であり、その中心に移動ねじを有するねじ込みピン23を含む。ねじ込みピン23は、内側ハウジング部材40内のねじ込み凹部41に係合する。ねじ込み凹部41は、スポーク42を介して内側ハウジング部材40の内壁と一体的に形成される支持要素の中心にある支持リング44内に位置する。
【0030】
飲料ボトルキャップ100を組み立てるために、下部キャップ部材22は、クロージャキャップ20の上部部材に挿入される。完成したクロージャキャップ20は、そのねじ込みピン23と共に、内側ハウジング部材40のねじ込み凹部41に挿入される。シーリングリング30は、内側ハウジング部材40の上縁に配置される。最後に、外側ハウジング部材10は、クロージャキャップ20と同様に、内側ハウジング部材40と外側ハウジング部材10との間に封入されたシーリングリング30と共に、その上をスリップされる。外側ハウジング部材10のラッチング突起13が内側ハウジング部材40のラッチレセプタクル46上にラッチされた後、4つの構成要素10、20、30、40の全てが一緒になって、その後取り外すことができないユニットを形成する。
【0031】
さらに、シーリングリング50は、下から内側ハウジング部分40内に挿入され得、クロージャキャップが断熱ボトル200と接続して使用されているときに、ボトルネック201に対して後者(latter)を密封する。
【0032】
本発明による飲料ボトルクロージャ100の機能は、
図3および4から見ることができ、それぞれは、断熱ボトル200のボトルネック201に配置された飲料ボトルクロージャ100を通る断面図を示す。両方の図では、飲料ボトルクロージャ部100は、溝43内に挿入されるシーリングリング50を介してボトルネック201に密封される。
【0033】
上部シーリングリング30は、横断面がT字形であるため、ハウジングの内側部材10と外側部材40とからなる2つの部分の壁に、広い基部32でしっかりと固定される。半径方向内向きに突出するシーリングリップ31は、注ぎ口11のシーリング縁12に下から支持され、これはまた半径方向内向きに突出する。
【0034】
飲料用ボトルクロージャ100のこの実施形態では、シーリングリング30は、使用中に飲料用ボトルクロージャ100を液密に密封するためにクロージャキャップ20に当接する役割を果たすだけでなく、内側ハウジング部材40とそれにラッチされた外側ハウジング部材10との間のパーティングラインを同時に密封することも強調されるべきである。一体型シーリングリング30は、射出成形によって製造可能な2つのハウジング部材10、40を容易に製造することを可能にする。
【0035】
内側ハウジング部材40に複数のスポーク42で形成された支持要素は、その中心にねじ込み凹部41を有し、ねじ込み凹部41にクロージャキャップ20のねじ込みピン23が挿入される。
【0036】
飲料ボトルクロージャ100を
図3に示される閉位置から開位置にするために、クロージャキャップ20は、内側ハウジング部材10及び外側ハウジング部材40からなる基部に対してノブ21によって回転される。キャップ20の軸方向ストロークは、ねじ込み要素23、41を介して影響され、クロージャキャップ20の下方への移動を引き起こし、クロージャキャップ20の外縁24がシーリングリング30のシーリングリップ31を降ろし、注ぎ口が作られる。
【0037】
図4に開位置を示す。クロージャキャップ20とシーリングリップ31との間のスリット状の開口部が全周にわたって形成されており、断熱ボトル200の内部に含まれる飲料は、それを通して注ぎ口11の領域に流出することができる。
【0038】
ノブ21の位置から、ネジ込みピン23の移動ネジのピッチが大きいため、クロージャキャップ20を
図3に示す閉位置から
図4に示す開位置まで回転させるのに必要な回転角度は、約45°の小さい角度だけであることが分かる。
【0039】
図5は、密封が影響され、飲料の注入が可能となる領域の設計を詳細に示すための
図4の拡大断面図を示す。
【0040】
上述のように、シーリングリング30は、内側ハウジング部材40と外側ハウジング部材10との間のパーティングラインに配置される。内側ハウジング部材40は、ハウジング部材が結合される前に上からアクセス可能な溝を有し、その結果、シーリングリング30の基部32の下部を溝の中に挿入することができる。
【0041】
シーリングリング31の外側先端とクロージャキャップ20の外縁24の形状は、ユーザがハウジングに対してクロージャキャップ20をねじる力に対する許容範囲を作成するように最適化される。
【0042】
・小さな力のみが印加される場合、シーリングリップ31の下向きの先端はばね効果を有し、外縁24との軽い接触でも信頼性の高い密封を達成するのに十分である。
【0043】
・ボトル内に内部圧力が蓄積されると、先端のわずかな外向きの傾きは、先端がクロージャキャップ20の外縁24のテーパー領域に押し付けられることを引き起こす。
【0044】
・最後に、シーリングクロージャキャップ20がユーザによってハウジングに対して高い力でねじられる場合、シーリングリップ31の先端は変形される。シーリングリップ31は半径方向外側に押し出され、シーリングリングの残りのプロファイル領域に位置する。これは、たわみ(spring travel)を増加させ、より大きな力がシーリングリングを介して弾性的に吸収される。
【0045】
図6は、特にスポーク要素42の形状が可視である、下側からの飲料ボトルクロージャ部100を示す。スポーク要素42はそれぞれ、内側ハウジング部材40の環状外壁から中央まで内側に延在する。これらは共に、支持リング44を中心にねじ込み凹部41と共に保持する。スポーク要素42は、半径方向外側に延びておらず、湾曲しており、これは、特に、クロージャカバー20が、その可能な移動経路の終点の1つで過剰な力を受ける場合に、より良い弾性変形を可能にする。ユーザがクロージャカバー20の回転運動を終了位置の前に停止せず、力を加えて回転し続けると、変形を引き起こす非常に大きな力が生じる。
【0046】
図7は、飲料ボトルクロージャ100’の第2の実施形態の断面図を示す。第1の実施形態と比較して、飲料ボトルクロージャ100’は、ハウジング部材10’、40’および中央のねじ込み凹部41’の設計に相違を有する。
【0047】
ハウジングは、外側ハウジング部材10’、内側ハウジング部材40’、および熱可塑性エラストマーでモールドされて作製される2つのシーリング要素30’、50’を含んでなる。下部シール要素50’は、飲料ボトルのボトルネックに対して密封するために使用され、ボトルネック上に飲料ボトルキャップを配置することができる。
【0048】
上部シール要素30’は、剛性形成された内側ハウジング部材40’と同様に剛性形成された外側ハウジング部材10’との間の空洞を満たす。ハウジング外側部分10’上の注ぎ口11’全体は、さもなければ薄壁である。シーリング要素30’は、そのシーリングリップ31’を液体密閉方式でクロージャカバー20の外縁24に対して密封するだけでなく、同時に、内側ハウジング部材40’を材料適合方式でハウジング外側部材10’に接続し、追加のスナップイン接続等を必要としない。
【0049】
クロージャキャップ20を終端位置の1つに回転させるときにユーザが過度の力を加える場合、飲料ボトルキャップ100’への損傷を防止するために、クロージャキャップ20のねじ込みピン23を受け入れるためのねじ込み凹部41’は、支持リング44’内に直接的に配置されず、スリップクラッチ要素45’内で直接的に配置される。
【0050】
図8の内側ハウジング部材40’の下からの部分的な切断図に示されるように、支持リング44’の内周は多角形である。スリップクラッチ要素45’は、エラストマー材料で作製されるか、またはその形状により弾性変形可能である。スリップクラッチ要素45’は形状が環状であり、外周が多角形であり、内側に中央の丸いねじ込み凹部41’を有する。
【0051】
支持リング44’およびスリッピングクラッチ要素45’上の多角形成形を介して形状適合が達成されるため、クロージャキャップが回転するときに、スリッピングクラッチ要素45’の内部ハウジング部材41’に対する回転が最初に防止される。
【0052】
しかしながら、ユーザが過剰な力で終端位置の1つでクロージャキャップ20を回転させ続ける場合、スリップクラッチ要素45’は弾性的に変形され、支持リング44’への確実な接続は一時的に停止される。この場合、クロージャキャップ20は、したがって、少なくともスリップクラッチ要素45’の多角形ピッチに対応する回転角度にわたってさらに回転される。これは、クロージャキャップのねじ込みピン23の移動ねじ、および支持リング44’内のねじ込み凹部41’への損傷を防止する。ユーザが及ぼす力が減少すると、スリップクラッチ要素45’に弾性回復が生じ、支持リング44’への確実な接続が回復する。
【0053】
参照符号のリスト
100、100’ 飲料ボトルクロージャ
10、10’ 外側ハウジング部材
11、11’ 注ぎ口
12、12’ シーリング縁
13 ラッチング突起
20 クロージャキャップ
21 ノブ
22 下部キャップ部材
23 ねじ込みピン
24 外縁
30、30’ シーリングリング
31、31’ シーリングリップ
32 基部
40、40’ 内側ハウジング部材
41、41’ ねじ込み凹部
42、42’ スポーク要素
43 溝
44、44’ サポートリング
45、45 スリップ係合要素
46 ラッチングレセプタクル
50、50’ シーリングリング
200 断熱ボトル
201 ボトルネック
【国際調査報告】