IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ブラウン ゲーエムベーハーの特許一覧

<>
  • 特表-電気髭トリマー 図1
  • 特表-電気髭トリマー 図2
  • 特表-電気髭トリマー 図3
  • 特表-電気髭トリマー 図4
  • 特表-電気髭トリマー 図5
  • 特表-電気髭トリマー 図6
  • 特表-電気髭トリマー 図7
  • 特表-電気髭トリマー 図8
  • 特表-電気髭トリマー 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】電気髭トリマー
(51)【国際特許分類】
   B26B 19/04 20060101AFI20230601BHJP
   B26B 19/10 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
B26B19/04 M
B26B19/04 E
B26B19/04 G
B26B19/04 L
B26B19/04 U
B26B19/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567205
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 IB2021053851
(87)【国際公開番号】W WO2021224852
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173675.8
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シアオラン シュー
(72)【発明者】
【氏名】ロマン ローダー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ピーター
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056BA01
3C056BA12
3C056BB03
3C056BB05
3C056BB07
3C056BC01
3C056DA04
(57)【要約】
本発明は、電気かみそり及び/又はトリマー1のための切断装置システム3であって、対向する縁部において2列の櫛状切断歯6、7と、当該櫛状切断歯の列の間に切断穿孔8と、を有する、一対の協働する切断要素4、5を備え、当該切断要素は、支持構造体14によって互いに対して移動可能に支持されている、切断装置システム3に関する。切断穿孔は、穿孔の2つの分離された細長い領域70、90内に配置されてもよく、当該領域は、皮膚接触面50を画定する当該切断要素の外側切断要素の細長い無穿孔中心区分80によって互いに分離されており、かつ当該領域は、各々、櫛状切断歯の列に沿って延在する少なくとも2列の穿孔を含む。穿孔の当該領域はまた、当該外側切断要素の細長い無穿孔側部区分61、62によって櫛状歯の列から分離されていてもよく、支持構造体は、穿孔の当該領域の外側境界に沿って当該無穿孔側部区分下で当該切断要素の内側切断要素を支持する一対の可撓性若しくは剛性の支持リブ19を含んでもよく、内側切断要素は、穿孔の当該領域間の当該無穿孔中心区分の下で支持されずに延在してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムであって、内側切断要素(5)及び外側切断要素(4)を有する一対の協働する切断要素(4、5)を備え、前記一対の協働する切断要素(4、5)が、その対向する縁部において2列の櫛状切断歯(6、7)と、前記櫛状切断歯の列(6、7)の間に少なくとも1つの切断穿孔の領域とを備え、前記切断要素(4、5)が、支持構造体(14)によって互いに対して移動可能に支持されており、前記切断穿孔(8)が、前記穿孔(8)の2つの別個の細長い領域(70、90)内に配置されており、前記領域(70、90)が、皮膚接触面を画定する前記切断要素の外側切断要素(4)の細長い無穿孔中心区分(80)によって互いに分離されており、かつ前記領域(70、90)が、各々、前記櫛状切断歯の列(6、7)に沿って延在する少なくとも2列の穿孔(8)を含み、前記穿孔(8)が、長手方向断面視で、前記外側切断要素(4)の前記皮膚接触面/皮膚に面する表面に向かって拡大する、切断装置システム。
【請求項2】
前記穿孔(8)の別個の細長い領域(70、90)が、前記外側切断要素(4)の細長い無穿孔側部区分(61、62)によって前記櫛状歯の列(6、7)から分離されている、請求項1に記載の切断装置システム。
【請求項3】
前記支持構造体(14)が、前記穿孔の領域(70、90)の外側境界に沿って前記無穿孔側部区分(61、62)下で前記切断要素の内側切断要素(5)を支持する一対の支持リブ(19)を含み、及び/又は前記内側切断要素(5)が、前記穿孔の前記領域(70、90)間の前記無穿孔中心区分(80)の下で支持されずに延在する、請求項2に記載の切断装置システム。
【請求項4】
前記細長い無穿孔中心区分(80)が、前記穿孔(8)の領域(70、90)の各々の幅よりも広い、及び/又は前記穿孔(8)の領域(70、90)の各々の前記幅の100%~250%若しくは110%~175%の範囲である幅を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項5】
前記櫛状切断歯(6、7)間に画定される前記切断装置要素(4、5)の前記皮膚接触面の面積の2/3以上又は3/4以上が、無穿孔である、請求項1~4のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項6】
前記切断要素(4、5)が、皮膚接触面を画定し、前記皮膚接触面が、断面視で、前記穿孔(8)の領域(70、90)の上の前記櫛状切断歯の列のうちの一方(6)から前記櫛状切断歯の列のうちの他方(7)まで、連続した滑らかなドーム形状であり、前記無穿孔中心区分(80)が、前記櫛状歯の列(6、7)の歯先を通る直線基線の上の最も高い高さを画定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項7】
前記穿孔(8)が、より長い主軸と、より短い主軸と、を含む、非円形輪郭を有し、前記穿孔(8)が、前記より長い主軸が前記櫛状歯の列(6、7)に対して横方向に延在し、かつ前記より短い主軸が前記櫛状歯の列(6、7)と実質的に平行に延在するように配向されている、請求項1~6のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項8】
前記非円形輪郭が、六角形である、請求項7に記載の切断装置システム。
【請求項9】
前記非円形輪郭が、卵形状又は楕円形状である、請求項7又は8に記載の切断装置システム。
【請求項10】
前記穿孔(8)の領域(70、90)の各々が、非円形又は六角形の穿孔(8)の2~5つ又は2~3つの列を含み、それらのより長い主軸が、前記穿孔(8)の列の長手方向に対して横方向に延在する、請求項7~9のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項11】
前記支持構造体(14)が、前記切断要素の内側切断要素(5)を、前記切断要素の外側切断要素(4)と前記支持構造体(14)の支持リブ(19)の支持縁部との間に間隙(16)が、前記内側フレーム部分と前記外側切断要素(4)との間に画定しながら挟持するように構成されており、前記間隙(16)内で、前記内側切断要素(5)が移動可能に受容されており、前記支持構造体(14)が、その対向する縁部分において前記外側切断要素(4)を保持する一対の外側フレーム部分を更に含み、前記支持リブが、前記支持構造体(14)のベース部分から延在して、前記切断穿孔の領域の外側縁部に沿って前記内側切断要素を支持する前記支持縁部を形成する、請求項3~10のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項12】
前記支持リブが、2×20°~2×40°又は2×25°~2×30°の角度(β)で、前記支持構造体(14)の前記ベース部分(20)から延在する、請求項11に記載の切断装置システム。
【請求項13】
前記内側切断要素(5)に面する前記支持リブの前記支持縁部が、前記切断要素(4、5)の前記対向する縁部において、前記櫛状歯の列(6、7)の間に画定された距離の35%~70%又は40%~60%の範囲の距離で互いに離間されている、請求項11又は12に記載の切断装置システム。
【請求項14】
前記支持リブ(19)が、前記切断要素(4、5)上への動作負荷の下で撓まないように剛性であり、断面視で、V字形状を画定し、かつ平坦な、実質的に平行な側面を有する直線状の輪郭を有する、請求項3~13のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項15】
前記支持構造体(14)が、その対向する縁部分において前記外側切断要素(4)を保持する外側フレーム部分(12)を含み、前記外側フレーム部分(12)及び前記外側切断要素(4)が、切断装置ヘッドチャンバ(17)を画定し、前記切断装置ヘッドチャンバ(17)が、前記支持構造体(14)によって、前記穿孔(8)から短い毛髪小片を収集するための内側サブチャンバ(17i)と、前記櫛状切断歯(6、7)から長い毛髪小片を収集するための一対の外側サブチャンバ(17o)と、に分割されており、前記内側サブチャンバ(17i)が、前記穿孔(8)の領域(70、90)の各々と連通する、請求項1~14のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項16】
前記外側切断要素(4)の前記穿孔の輪郭が、前記内側切断要素(5)の側面に向かって鋭角の切断縁部を形成し、前記鋭角が、好ましくは25~60度の範囲である、請求項1~15のいずれか一項に記載の切断装置システム。
【請求項17】
請求項1~16のいずれか一項に従って構成されている切断装置システムを備える、電気かみそり及び/又はトリマー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数日分のあご髭の無精髭などの体毛を切断することに関する。より具体的には、本発明は、電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムに関し、切断要素の対向する縁部において2列の櫛状切断歯を有し、かつ櫛状切断歯の列の間に少なくとも1つの切断穿孔の領域を有する、一対の協働する切断要素を備え、切断要素は、支持構造体によって互いに対して移動可能に支持される。
【背景技術】
【0002】
電気かみそり及びトリマーは、様々な機構を利用して、毛髪切断機能を提供する。一部の電気かみそりは、剪断フォイル内の穿孔に入る毛髪を切断するために、剪断フォイルに対して移動可能な下方切断装置と協働する穿孔剪断フォイルを含む。かかる剪断フォイルタイプのかみそりは、多くの場合、日常的に使用されて、短いあご髭の無精髭が皮膚表面のすぐ上で切断される、清浄な髭剃りを提供する。
【0003】
他方で、櫛状の縁部を有する一対の協働する切断要素を含む他の切断装置システムは、互いに対して往復運動又は回転する1つ以上の列の櫛状又は熊手状切断歯を含み、多くの場合、例えば、皮膚に対して非常に小さい角度又は非常に弾力性のある皮膚から成長することに起因して、切断することが困難な、より長いあご髭の無精髭又は問題の毛髪を切断するために使用される。かかる櫛状又は熊手状切断要素の歯は、通常、駆動運動のタイプに応じて、互いに実質的に平行に、又は実質的に径方向に突起し、切断歯間の間隙に入る毛髪を切断することができ、切断又は剪断は、協働要素の切断歯が、指状切断歯の間の間隙を閉鎖し、互いに通過するときに、はさみ状の方法で達成される。
【0004】
より長い毛髪のためのかかる切断装置システムは、電気かみそり又はトリマーに一体化されてもよく、それと同時に、前述の剪断フォイル切断装置を備え得る。例えば、切断要素は、例えば、切断要素の両側に配置された2列の櫛状切断歯と、櫛状切断歯の列の間の剪断フォイル状切断穿孔の領域と、を含み得る。
【0005】
例えば、欧州特許第2425938(B1)号は、剪断フォイル切断装置間に一体化された一対の長い毛髪トリマーを有するかみそりを示す。更に、欧州特許第2747958(B1)号及び中国実用新案第206287174(U)号は、かみそりヘッドの両側に配置された2列の協働する切断歯を有する毛髪トリマーを開示し、上部櫛状切断要素の切断歯が、下部切断要素の歯先を張り出し、丸みを帯びかつ厚化された歯先を備え、これにより、突起する歯先が皮膚に突き刺さること、及び皮膚を刺激することを防止する。同様の切断装置システムが、米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号に示されており、このような切断装置システムでは、下部櫛状切断要素は、固定され、上部櫛状切断要素は、移動可能である。
【0006】
対向する縁部における櫛状切断歯の列と、櫛状歯の列の間の剪断フォイル状切断穿孔とを組み合わせるかみそり及び/又はトリマーは、C字形状の外側切断要素を含む場合があり、その縁部は、折れて、C字又はU字の肢部のように内向きに屈曲した肢部を形成し、かかる折れた肢部は、支持フレームによって保持される。折れた肢部を外側切断要素の中心部分と接続する移行縁部分は、より長い無精髭を切断するための櫛状歯の列を形成するように輪郭形成又は構成され、一方で、切断要素の中心部分は、短毛髪を切断するための少なくとも1つの穿孔の領域が提供される。外側切断要素は、板形状であり得る内側切断要素と協働し、外側切断要素の櫛状歯と協働するための対向する縁部における櫛状歯の列、及び更に、外側切断要素内の穿孔と協働するための櫛状の歯状縁部の間の少なくとも1つの穿孔又は他の切り欠きの領域を含み得る。
【0007】
このため、短い毛髪を切断するための切断穿孔のような剪断フォイル及びより長い毛髪又は無精髭を切断するための櫛状切断歯が、同じ切断要素に一体化されてもよく、内側切断要素は、支持構造体の中心ベース部分から内側切断要素に向かって延在する一対の可撓性ばねアームを含み得る、ばね装置によって、通常外側切断要素に対して付勢されてもよい。ばねアームは、一種のV字形状の構成を有してもよく、穿孔の中心領域と対向する歯状縁部との間の区分で内側切断要素と接触してもよい。内側切断要素の外側切断要素に対するこのような付勢に起因して、穿孔内で切断される毛髪を引くこと又は抜くことは回避され得るが、他方で、切断要素間の摩擦は、むしろ高く、駆動ユニットによる高いエネルギー消費、及び更に、多くの場合、不愉快又は不快であると感じられる切断要素の加熱を引き起こす。このような切断装置システムは、中国実用新案第209478241(U)号及び米国特許出願公開第2018/0257248(A1)号に示される。
【0008】
同様の切断装置システムが、欧州特許第3131716(B1)号によって開示されており、支持構造体は、外側切断要素を支持構造体の対向する縁部分に保持する外側フレームを含み、このような外側フレームは、歯状の櫛状縁部において内側切断要素を支持するための肩部を形成する階段状突起部を、内側表面に含む。より具体的には、外側支持フレームの内側表面における突起する肩部は、肩部から外側切断要素まで延在する間隙を画定し、その間隙において、内側切断要素が摺動可能に受容され、かかる間隙は、内側切断要素の垂直厚さに適合された、垂直隙間を提供する。突起する肩部と外側切断要素との間の垂直隙間に応じて、摩擦が低減されてもよく、一方で切断装置システムは、内側切断要素が外側切断要素に十分に近接して保持されない場合があるため、切断穿孔によって切断される毛髪を抜く又は引く傾向があり、そのため切断される毛髪は、外側切断要素の切断穿孔と、それと協働する内側切断要素の穿孔又は切り欠きとの間に詰まってしまう可能性がある。
【0009】
このようなあご髭の無精髭用トリマー及びかみそりは、非常に異なり、多岐にわたる機能的な要件及び性能問題、例えば、密着性、徹底性、切断場所の良好な視認性、効率、及び心地よい肌触り、良好な人間工学並びに取り扱いに対処する必要がある。密着性は、残りの無精髭が短い又は非常に短いことを意味するのに対し、徹底性は、特に首のような問題箇所において、剃りきれない毛髪がより少ないことを意味する。効率は、所望のトリミング結果を達成するために十分な、より少なく、より速いストロークを意味する。心地よい肌触りは、個々のユーザに依存するが、多くの場合、切り傷又は擦傷の形態の刺激が少なく、皮膚上へのより良好な滑りを含む。切断場所の視認性は、局所的な精度で除毛髪を達成するためのスタイリング又は縁部の輪郭化の場合に特に重要である。
【0010】
そのような様々な性能問題を同時に満たすことは、非常に困難である。このようなニーズを満たすことは、かかる複数機能の切断装置要素は、1つの特定の切断機能に排他的に適合されないことがあるので、剪断フォイル状の穿孔及び櫛状歯の列などの異なるタイプの切断輪郭が、互いに対して往復運動するC字形状の切断刃などの同一の切断要素に一体化されるとき、更により困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】欧州特許第2425938(B1)号
【特許文献2】欧州特許第2747958(B1)号
【特許文献3】中国実用新案第206287174(U)号
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号
【特許文献5】中国実用新案第209478241(U)号
【特許文献6】米国特許出願公開第2018/0257248(A1)号
【特許文献7】欧州特許第3131716(B1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明の根底にある目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを回避する、かつ/又は既存の解決方法を更に発展させる、改善された切断装置システムを提供することである。本発明の根底にあるより具体的な目的は、縁部の輪郭化の良好な制御を含み、同時に皮膚刺激を回避する、毛髪及びより長い無精髭の近接し、かつ徹底的な切断を提供することである。本発明の根底にある別の目的は、切断要素間の低摩擦、切断歯の低温、並びに低エネルギー消費及びそれゆえの長いエネルギー貯蔵寿命を犠牲にすることなく、毛髪を抜くこと及び引くことを回避するために、協働する切断歯及び切断穿孔の確実かつ清浄な切断動作である。
【0013】
一態様によれば、短い毛髪を切断するための切断穿孔は、切断装置システムが前方に移動する櫛状歯の列のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動するとき、櫛状切断歯の列がたどる面積に制限され、一方で、櫛状歯の対向する列の間の切断要素によって画定される皮膚接触面/皮膚に面する表面の中間部分は無穿孔である。互いに分離された穿孔の制限された面積のこのような配置は、非常に短い毛髪は、切断装置システムが通常の様態、すなわち前方に移動している櫛状切断縁部のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動されるとき、櫛状歯、及び/又は櫛状歯に近接して位置決めされた直後の穿孔によって切断されることを考慮し、一方で、先行する櫛状切断縁部から更に離れた穿孔は、非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い。穿孔は、長手方向の断面視で、外側切断要素の皮膚接触面/皮膚に面する表面に向かって拡大し、これは、1つの皮膚側の皮膚の快適さ、及び外側切断要素の内側の鋭い縁部を確実にする。
【0014】
非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い皮膚接触面の面積における穿孔の排除に起因して、非常に短い毛髪を切断することにおける効率を犠牲にすることなく、切断要素間の摩擦が低減される。摩擦は、切断要素が互いに対して移動するとき、互いに通過する必要のある穿孔が少ない、より少ない切断縁部のために低減され、このため、剃られる皮膚の上を前方に移動している切断穿孔から出る、既に切断された毛髪小片又は毛髪屑は、再度切断又は研削されないので、摩擦損失は低減される。
【0015】
より具体的には、切断穿孔は、穿孔の2つの分離された細長い領域内に配置されてもよく、これは、皮膚接触面を画定する切断要素の外側切断要素の1つの細長い無穿孔中心区分によって互いに分離され、櫛状切断歯の列に沿って延在する各少なくとも2列の穿孔を含む。
【0016】
櫛状歯及び穿孔の切断動作による支持に干渉することなく、互いに対して移動する切断要素の十分な支持を可能にするために、穿孔の領域はまた、外側切断要素の細長い無穿孔側部区分によって、櫛状歯の列から分離されていてもよく、支持構造体は、穿孔の領域の外側境界に沿って、無穿孔側部区分下の切断要素の内側切断要素を支持する一対の可撓性若しくは剛性の支持リブを含んでもよい。
【0017】
支持構造体と移動切断要素との係合に起因する摩擦を低減するために、内側切断要素は、穿孔の領域間の無穿孔中心区分の下で支持されずに延在してもよい。
【0018】
摩擦、放熱、及びエネルギー消費は、更に低減することができるが、それでもなお、切断穿孔によって毛髪を抜くこと及び引くことを回避する清浄かつ確実な切断動作は、他の切断要素と支持リブとの間の明確な幅の間隙内に切断要素の1つを挟持する特定の支持構造体によって達成することができ、特定の支持構造体は、剛性に形成されてもよく、また、支持構造体のベース部分から、切断穿孔の領域の外側縁部に沿って内側切断要素を支持するリブの剛性支持縁部を有する外側フレーム部分よりも急角度で延在してもよい。かかる支持リブが剛性である場合、支持縁部の位置は、異なる負荷状態下で正確に保たれて維持され、そのため、内側切断要素は、外側切断要素に対して付勢する必要はなく、それにもかかわらず、外側切断要素における所望の位置に正確に保持及び支持される。リブが動作負荷下で撓まない場合、所望の位置の内側切断要素の正確な支持は、相当な摩擦損失を伴うことなく達成され得る。
【0019】
これら及び他の利点は、図面及び可能な例に言及する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】互いに対して往復運動する一対の協働する櫛状切断要素を有する切断システムを含む電気あご髭トリマー/かみそりの斜視図であって、部分図(a)は、電気あご髭トリマーの前側を示し、部分図(b)は、あご上で働くあご髭トリマーを示す。
図2】協働する櫛状切断要素及び切断要素を駆動するための駆動システムを示す、あご髭トリマー/かみそりの断面図である。
図3】一対の協働する櫛状切断要素と、切断要素を互いに対して支持するための支持構造体と、を含む切断装置システムの斜視図である。
図4】切断装置システム及び支持構造体の断面図であり、C字形状の外側切断要素は、外側フレーム部分の周りで屈曲又は湾曲して示されており、内側切断要素は、支持構造体のベース部分から外側フレーム部分まで急角度で延在する支持リブを有するV字形状の内側支持フレームによって支持されるように示され、部分図(a)は、剛性支持リブを示し、一方、図(b)は、可撓性のばね状支持リブを示す。
図5】外側切断要素及び内側切断要素と、外側切断要素を保持するための外側支持フレームと、内側切断要素を支持するための剛性支持リブを含むシュート形状又はトラフ形状の内側支持フレームと、内側切断要素を往復運動させるための駆動要素と、往復運動駆動要素を誘導するための誘導ブロックと、を含む切断装置システムの要素の分解斜視図である。
図6】支持構造体によって許容されるかみそり/トリマーのハンドルに対する切断装置システムの枢動を示す側面図である。
図7】皮膚輪郭化に続いて、切断装置システムの枢動軸を中心に枢動する切断装置システムを示す、側面図である。
図8】切断要素の穿孔の別個の領域を示す外側切断要素の平面図である。
図9】平面切断要素に関する(小さい、拡大した)左側面図、及びドーム状/凸状の湾曲形状の切断要素に関する(小さい、拡大した)右側面図を有する、毛髪が穿孔に入るのに役立つための、皮膚接触面に向かって拡大している円錐形又は非円筒形の輪郭を有する穿孔の断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
密着性及び効果的な短い毛髪の切断を、低摩擦、低減した加熱、したがって、低減したエネルギー消費と組み合わせるために、櫛状切断歯の対向する列間の皮膚接触面の限定された面積のみに切断穿孔を提供すること、及び櫛状切断歯の対向する列間に無穿孔中心区分を提供することが提案される。より具体的には、櫛状切断歯から残りの短い毛髪を切断するための切断穿孔は、櫛状切断歯の列の近くの面積内に集中させてもよい。
【0022】
一態様によれば、短い毛髪を切断するための切断穿孔は、切断装置システムが前方に移動する櫛状歯の列のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動するとき、櫛状切断歯に続く切断要素の皮膚接触面又は皮膚に面する表面の面積に制限されており、一方で、櫛状歯の対向する列の間の切断要素によって画定される皮膚接触面/皮膚に面する表面の中間部分は無穿孔である。
【0023】
互いに分離された穿孔の制限された面積のこのような配置は、非常に短い毛髪は、切断装置システムが通常の様態、すなわち前方に移動している櫛状切断縁部のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動されるとき、櫛状歯、又は櫛状歯に近接する位置の直後の穿孔によって切断されることを考慮し、一方で先行する櫛状切断縁部から更に離れた穿孔は、非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い。非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い皮膚接触面の面積における穿孔の排除に起因して、非常に短い毛髪を切断することにおける効率を犠牲にすることなく、切断要素間の摩擦が低減される。摩擦は、切断要素が互いに対して移動するとき、互いに通過する必要のある穿孔が少ない、より少ない切断縁部のために低減され、このため、剃られる皮膚の上を前方に移動している切断穿孔から出る、既に切断された毛髪小片又は毛髪屑は、再度切断又は研削されないので、摩擦損失は低減される。
【0024】
より具体的には、切断穿孔は、穿孔の2つの分離された細長い領域内に配置されてもよく、これは、皮膚接触面を画定する切断要素の外側切断要素の1つの細長い無穿孔中心区分によって互いに分離され、櫛状切断歯の列に沿って延在する各少なくとも2列の穿孔を含む。
【0025】
櫛状歯及び穿孔の切断動作に干渉することなく、互いに対して移動する切断要素の十分な支持を可能にするために、穿孔の領域はまた、外側切断要素の細長い無穿孔側部区分によって、櫛状歯の列から分離、又は離間していてもよく、支持構造体は、穿孔の領域の外側境界に隣接、又は沿って、無穿孔側部区分下の切断要素の内側切断要素を支持する一対の可撓性若しくは剛性の支持リブを含んでもよい。
【0026】
支持構造体と移動切断要素との係合に起因する摩擦を低減するために、内側切断要素は、穿孔の領域間の無穿孔中心区分の下で支持されずに延在してもよい。
【0027】
外側切断要素によって画定される皮膚接触面の細長い無穿孔中心区分は、穿孔の領域の各々のサイズ又は幅よりも大きい、サイズ又は幅を有してもよい。より具体的には、皮膚接触面の無穿孔中心区分は、穿孔の領域の各々によって画定される面積の100%~250%又は110%~175%の範囲の面積にわたって延在してもよい。
【0028】
概して、櫛状切断歯間の切断装置要素の皮膚接触面の面積の2/3超又は3/4超が、無穿孔であり得る。換言すれば、切断装置システムの対向する熊手状の歯状縁部間の皮膚接触面の1/4~2/3のみが穿孔されてもよい。穿孔の面積のかかる制限は、切断要素が互いに対して移動するときに、摩擦を著しく低減し得る。かかる摩擦は、毛髪を剃る又は切断することを達成するために互いに通過しなければならない穿孔の切断縁部によって生じるだけでなく、通常、毛髪塵が穿孔内に収集されるときに切断穿孔によってもたらされる繰り返し又は永続的な研削動作のように、毛髪小片又はかかる毛髪屑が再度切断されるときにも増加する。
【0029】
穿孔の領域が限定された面積であるにもかかわらず短い毛髪を切断する効率を確実にするために、切断装置要素によって画定される皮膚接触面/皮膚に面する表面は、断面視で、穿孔の複数の領域にわたる1つの熊手状歯縁部から切断要素の熊手状歯縁部の対向する1つまで凸状であってもよく、前述の皮膚接触面の無穿孔中央区分は、櫛状歯の列の歯先を通る仮想直線基線の上の最も高い高さを画定し得る。換言すれば、皮膚接触面は、傾斜していてもよく、又は穿孔の後方領域の前方に延びる櫛状歯から立ち上がっていてもよい。より具体的には、皮膚接触面は、前方に延びる切断歯から皮膚接触面の中央区分に向かって立ち上がり、次いで、櫛状切断歯の対向する列に向かって再度下っていてもよい。
【0030】
より具体的には、皮膚接触面は、断面視で、穿孔の領域の上の櫛状切断歯の列の1つから櫛状歯の対向する列まで、連続した滑らかなドーム形状であってもよい。皮膚接触面全体を考慮すると、皮膚接触面は、滑らかに湾曲した、樽形状の屋根のような凸状シュート形状又はトラフ形状を有してもよい。
【0031】
代替的に、皮膚接触面及び/又は皮膚に面する表面は、無穿孔中心区分及び/若しくは無穿孔側部区分に対応し得る、並びに/又は穿孔の領域の少なくとも1つに対応し得る、1つ以上の平坦な区分を含むように輪郭形成されてもよい。
【0032】
穿孔の列の限定された部材による効率的な短い毛髪の切断を達成するために、穿孔は、孔軸及び/又は皮膚接触面/皮膚に面する表面に対して垂直な方向視で、より長い主軸と、より短い主軸と、を含む、非円形輪郭を有してもよく、非円形穿孔は、より長い主軸が櫛状切断歯の列の長手方向に対して横方向に延在するように、及び/又は切断装置要素の往復運動の軸に対して横方向に延在するように配向されてもよい。非円形穿孔のより短い主軸は、櫛状切断歯の列の長手方向に対して実質的に平行に、及び/又は往復運動の軸に対して実質的に平行に延在し得る。
【0033】
より長い主軸を櫛状切断歯の列に対して横方向に配向することは、穿孔内の切断される毛髪を、切断動作を向上させ得る穿孔内の明確な位置に導く。より具体的には、通常、ユーザは、熊手状の切断縁部の1つを前方に進めるように、皮膚表面に沿って熊手状の歯の切断縁部の1つを有する切断装置システムを引く又は押すので、より長い主軸の横方向配向は、通常、切断装置システムが、櫛状切断歯の列に対して横方向に剃られる皮膚に沿って移動するという仮定に基づいている。このため、切断装置システムの通常の皮膚表面の上の移動方向を考慮すると、穿孔のより長い主軸の横方向配向は、穿孔の中への毛髪のより簡単な進入を可能にし、更には、穿孔内に、又はそこを通って延在する毛髪を穿孔の前方隅部又は前方セクタに付勢する。このため、毛髪は、切断される前に穿孔内の明確な位置に付勢される。
【0034】
非円形穿孔は、楕円形状若しくは卵形状又は菱形状若しくは斜方形状を有し得る。しかしながら、単一の穿孔間に小さいサイズの無穿孔面積を有する大きな穿孔サイズを可能にするために、穿孔は、六角形の輪郭を有してもよい。かかる六角形の輪郭は、領域面積あたりの穿孔の比率が高い、密な穿孔の配置を可能にする。このため、穿孔への多くの毛髪の進入が向上する。同時に、六角形の形状は、前述のより長い及びより短い主軸を提供し、六角形の穿孔は、より長い主軸が櫛状歯の列の長手方向に対して横方向であるように配向され得る。
【0035】
前述の穿孔の別個の領域は、同じ数又は異なる数の穿孔の列を含み得る。より具体的には、穿孔の各領域は、2つ、又は3つ、又は2~5つの穿孔の列を含み得、例えば、非円形又は六角形の穿孔の2つ又は3つの列が、穿孔の各領域に提供され得、穿孔のより長い主軸が、櫛状切断歯の長手方向に対して横方向に配向される。
【0036】
切断される毛髪が比較的に小さい穿孔の中へ入るのに役立つように、穿孔は、長手方向断面視で、皮膚接触面/皮膚に面する表面に向かって拡大又は拡幅していてもよい。穿孔のかかる非円筒形の輪郭は、穿孔の断面形状に応じて、トランペット状の形状若しくは円錐形状、又は角錐形状若しくは切頭角錐形状を有し得る。外側切断要素の穿孔の輪郭は、内側(被駆動)切断要素の側面に向かって、鋭角の切断縁部を形成し得る。鋭角は、好ましくは、25~60度の範囲である。皮膚側に向かう穿孔の輪郭縁部は、鈍角を備え、このため、皮膚の快適さを高めている。同様に、外側切断装置の穿孔の切断縁部、したがって、外側切断装置に向かう側と相互作用するように適合された内側切断装置の切断縁部の輪郭はまた、鋭角の鋭利部も備えている。
【0037】
滑らかで快適な切断動作を達成するために、互いに対して移動する歯間又は互いに対して移動する切断穿孔間で、毛髪がこれ以上適切に切断されない、又は更に把持されることを回避するために、切断要素、ひいては協働する櫛状歯及び/又は協働する切断穿孔が互いに分離することを回避するために役立つ。基本的に、これは、例えば、1つの切断要素の歯を他方の切断要素の歯に対して付勢するばね装置によって、協働する切断要素を互いに対して押圧することによって防止することができる。かかる可撓性支持リブの代わりに、又はそれに加えて、切断要素のうちの1つは、他の切断要素と支持フレームのような支持要素又は支持構造体との間に挟持されてもよく、これは、外側切断要素の下の所定の位置でかつ十分に近接して、内側切断要素を正確にかつ堅固に支持及び誘導する剛性リブ又はウェブ状フランジを含み得、剛性支持リブ及び外側切断要素は、間隙を画定し、間隙内で、挟持された切断要素は、摺動可能及び/又は移動可能に受容され、間隙は、少なくとも非使用中にいくらかの遊びを提供して、摩擦及び発熱を低減するために挟持された切断要素よりもわずかに厚くてもよい。外側切断要素が、かみそり/トリマーの動作中に皮膚に対して押圧されるか、又は少なくとも皮膚に接触するとき、外側切断要素は、偏向し、次いで少なくとも内側切断要素上に近接して嵌合してもよい。挟持された切断要素は、摩擦なしに、又は非常に低摩擦で外側切断要素に対して移動することができるが、それにもかかわらず、挟持された切断要素の厚さが非常に小さいときであっても、偏向が防止される。
【0038】
切断穿孔の領域の外側縁部に沿って切断穿孔の隣に、又はそれに極めて近接して、又は直接隣接して、剛性支持縁部を位置決めすることは、切断穿孔が、引くこと及び抜くことを伴わずに非常に短い毛髪であってもて滑らかに切断することに役立つ。
【0039】
低摩擦を達成し、同時に、切断歯間の毛髪の把持を回避するために、支持リブの先端部分から外側切断要素までの間隙は、切断される毛髪の厚さよりも小さい量でのみ挟持された切断要素の厚さよりも大きい厚さを有してもよい。
【0040】
より具体的には、間隙の幅が挟持された切断要素の厚さを超える量は、40μm未満であってもよい。例えば、その量は、20μm~40μmの範囲であってもよい。このような構成は、製造が容易であることと、切断される毛を引き抜いたり強く引いたりするリスクが十分に小さいこととの間の良好な妥協点である。
【0041】
外側切断要素によって画定される皮膚接触面は、実質的に平面又は平坦であってもよい。代替的に、外側切断要素によって画定される皮膚接触面は、往復運動方向に対して垂直に取られた断面視で、わずかに凸状又はわずかにドーム形状であってもよい。往復運動軸に対して平行な断面平面視で、皮膚接触面は、直線状であってもよい。このため、皮膚接触面は、浅いシュート状又はトラフ状の形状に関してわずかに滑らかに凸状であってもよい。
【0042】
外側切断要素及び内側切断要素の両方は、皮膚接触面に対応するかかる形状を有してもよい。
【0043】
内側及び外側切断要素を、切断穿孔が形成される領域内で互いにぴったりと嵌合するように保つために、支持縁部を有する、剛性又は可撓性の支持リブが、穿孔の領域の外側境界に直接隣接して、又は近接して隣接して延在するときに役立ち得る。支持リブは、支持縁部を有し、穿孔の最も外側の列に沿って内側切断要素と直接接触してもよい。
【0044】
代替的に、支持リブの支持縁部は、穿孔の最も外側の列から離間した線に沿って内側切断要素と接触してもよい。それにもかかわらず、支持リブの支持縁部は、切断要素の対向する縁部において、穿孔の最も外側の列近く、次いで切断歯近くに位置決めされてもよい。より具体的には、穿孔の領域からの支持リブの支持縁部の距離は、櫛状切断歯からの支持縁部の距離の1/3未満又は1/4未満であってもよい。
【0045】
外側切断要素を介して内側切断要素に誘導された皮膚接触圧をバランスの取れた方法で取るために、内側切断要素に面する支持リブの支持縁部は、切断要素の対向する縁部における櫛状歯の列の間に画定される距離の35%~70%又は40%~60%の範囲の距離で互いに離間されてもよい。ユーザの好みに応じて、外側切断要素によって画定される皮膚接触面の異なる部分は、変動する皮膚圧が生じ得るように、変動する力で皮膚に対して圧接されてもよい。そのような変動する圧力を均衡させるために、内側切断要素の断面図を考慮すると、内側切断要素が、内側切断要素のスパン幅の約1/3~約2/3で支持リブによって支持されるときに役立つ。
【0046】
内側切断要素に接触する支持リブ及び/又はそれらの支持縁部は、往復運動軸に対して平行に、及び/又は切断要素の対向する縁部における櫛状歯の列に対して平行に延在してもよい。
【0047】
支持リブは、異なる方法で支持構造体のベース部分に固定されてもよい。例えば、支持リブは、ベース部分に溶接されてもよく、又はベース部分の材料内に埋め込まれてもよい。例えば、別個の支持リブが存在するとき、各々のリブは、支持リブを所望の配向及び位置に保持するために、ベース部分内のスロット状の凹部に挿入されてもよい。
【0048】
代替的に、支持リブは、鋭角で互いに傾斜し、互いに一体的に接続されてもよく、及び/又は支持リブ要素の一体部品を形成してもよい。より具体的には、支持リブは、切断要素を支持する支持構造体に挿入され得る、及び/又はかかる支持構造体のベース部分に取り付けられ得る支持フレーム挿入部のV字状肢部によって形成されてもよい。このような支持リブ挿入部は、2つの支持リブが記載の傾斜で延在するストリップ状の底部分を含む、シュート状又はトラフ状の構成を有してもよい。このようなシュート状挿入部は、支持構造体内に挿入され、支持構造体のベース部分に固定的に取り付けられ得る。例えば、挿入部の底部分は、挿入部の中心部分において外側支持フレームの底部分の内側表面上に着座されてもよく、外側支持フレームの中心底部分は、支持リブ挿入部用の座部を形成してもよい。支持リブ挿入部を外側支持フレームの底部分上に着座させることは、支持リブ内に誘導された支持力及び圧力を取り得、それによって支持リブ挿入部を外側支持フレームの底部分上に圧接する。
【0049】
内側支持フレーム挿入部は、外側支持フレームに固定的に取り付けられてもよく、例えば、外側支持フレームに、接着及び/又は溶接並びに/若しくは嵌合して形成されてもよい。
【0050】
外側切断要素をその対向する縁部分に、外側切断要素と共に保持する外側支持フレーム部分は、開放端面又は閉鎖端面を有する管状又はベベル状に構成され得る、切断装置ヘッドチャンバを画定してもよい。このような切断装置ヘッドチャンバから毛髪屑又は切断された無精髭を排出することを可能にするために、切断装置ヘッドチャンバの軸方向端面が、開放されていてもよい。
【0051】
より具体的には、外側フレーム部分及び外側切断要素によって画定されるこのような切断装置ヘッドチャンバは、内側支持フレームの前述の支持リブによって複数のサブチャンバに分割されてもよい。より具体的には、切断装置ヘッドチャンバは、剛性支持リブによって、切断穿孔から短髪小片を収集するための内側サブチャンバ、及び櫛状切断歯によって切断された長髪小片を収集するための一対の外側サブチャンバに分割されてもよい。
【0052】
内側サブチャンバ及び外側サブチャンバの各々は、支持構造体のベース部分から内側切断要素まで延在してもよく、一対の外側サブチャンバが共に、内側サブチャンバの体積の50%~120%又は66%~100%の範囲の体積を画定してもよい。換言すれば、内側サブチャンバは、外側サブチャンバよりも大きい体積を有してもよい。
【0053】
内側サブチャンバ内に収集され、穿孔から来る毛髪屑、並びに、外側サブチャンバ内に収集された切断された無精髭は、少なくとも1つの開放端面を介してそれぞれのサブチャンバから排出されてもよく、サブチャンバの各々の両端は、サブチャンバの洗浄、及びそこから収集された毛髪屑を排出することを強化するために開放されていてもよい。
【0054】
挟持された切断要素は、内側切断要素に接続され、駆動ユニットの駆動動作を伝達する駆動トレーンに結合される駆動装置によって、駆動されてもよく、剛性支持リブ及び外側支持フレームを含む前述の内側支持フレームが、外側切断要素を保持する外側フレーム部分及び内側支持フレームを支持するベース部分を含み、1つ以上の中心の、細長い、又はスリット状の貫通孔を含んでもよく、この中に駆動装置及び/又は駆動トレーンの一部分が、摺動可能に受容される。換言すれば、駆動装置及び/又は駆動トレーンは、内側支持フレーム及び外側支持フレーム内の貫通孔を通って延在し、その中に摺動可能に受容されて、駆動装置、したがって、挟持された切断要素の、他の切断要素に対する往復運動を可能にする。
【0055】
駆動装置は、内側切断要素の対向する端部分に取り付けられ、剛性支持リブと内側切断要素との間に画定された内側サブチャンバ内に収容された細長い棒状部分を含んでもよい。
【0056】
挟持された切断要素は、駆動のタイプに応じて、往復運動又は回転し得る被駆動切断要素であってもよい。
【0057】
基本的に、協働する切断要素のそれぞれが、駆動されてもよい。しかしながら、容易な駆動システムを安全かつ柔らかい切断動作と組み合わせるために、皮膚接触面を有する上部又は外側切断要素は、起立していてもよく、及び/又は往復運動していなくてもよく、並びに回転していなくともよい、一方で挟持された切断要素であり得る下部又は内側切断要素は、往復運動又は回転振動してもよい。
【0058】
図1から分かるように、切断装置システム3は、かみそり及び/又はトリマー1のハンドル100に取り付けられ得る切断装置ヘッド2の一部であり得る。より具体的には、かみそり及び/又はトリマー1は、制御ユニット、電気駆動モータ又は磁気駆動モータ、及びモータの駆動動作を切断装置ヘッド2の切断装置システムに伝達するための駆動トレーンなどの電子構成部品及び/又は電気構成部品を収容する細長いハンドル100を含んでもよく、図1を参照すると、切断装置ヘッド2は、細長いハンドル100の一端に位置決めされてもよい。
【0059】
一対の協働する切断要素4及び5を含む切断装置システム3は、図1に示される実施例の場合のように、切断装置ヘッド2の唯一の切断装置システムであってもよい。他方で、切断装置システム3は、剪断フォイル切断装置などの他の切断装置システムを有するかみそりヘッド2に組み込まれてもよく、例えば、少なくとも1列の協働する切断歯6、7を有する切断装置システム3は、一対の剪断フォイル切断装置の間に位置決めされてもよく、又は代替的に、かかる剪断フォイル切断装置の前方に位置決めされてもよい。
【0060】
図1に示されるように、切断装置システム3は、歯間の間隙を閉鎖し、互いに通過することによって切断動作をもたらすように直線経路に沿って互いに対して往復運動することができる、切断歯6及び7の細長い列を含んでもよい。他方で、切断装置システム3はまた、円に沿って位置合わせされ、及び/又は径方向に配置された切断歯6及び7を含んでもよい。このような回転切断要素4及び5は、実質的に径方向に突起する切断歯6及び7を有してもよく、切断要素4及び5は、互いに対して回転するように、及び/又は互いに対して回転振動するように駆動されてもよい。切断動作は、基本的に、径方向に延在する歯としての往復運動する切断要素と同様であり、回転及び/又は回転振動するとき、隣接する歯の間の間隙を周期的に閉鎖並びに再開放し、はさみのように互いの上を通過する。
【0061】
図2に示されるように、駆動システムは、モータ103を含んでもよく、モータのシャフトは、駆動装置18のチャネル状の輪郭の間に受容される偏心駆動ピンを回転させることができ、この偏心駆動ピンは、駆動トレーン109を介して切断要素4のうちの1つに接続され、回転する偏心駆動ピンと駆動装置18の輪郭との係合に起因する往復運動をもたらす。モータ103は、ハンドルハウジングにおいてモータの下方に提供される電池104によって通電される。電池104の隣には、オン/オフボタン又は他の制御オプションに従って-全てがハンドルハウジングの内部に提供される-モータ103を制御するための制御ユニット111が存在する。
【0062】
図3図4、及び図5によって示されるように、協働する切断要素4及び5は、基本的に、少なくともほぼ、板形状構成を有し得、各切断要素4及び5は、図4及び図5を参照すると、板形状切断要素4及び5の対向する長手方向側部に配置され得る2列の切断歯6及び7を含む。切断要素4及び5は、切断要素の平坦な側部が互いに上に横になるように支持され、及び位置決めされる。より具体的には、切断要素4及び5の切断歯6及び7は、はさみの刃のように、互いに背中合わせに接する。
【0063】
このような櫛状切断歯6及び7に加えて、協働する切断要素4及び5は、切断要素4及び5の中間部分において、切断歯6及び7の列の間に配置された少なくとも2つの切断穿孔の領域を備えてもよい。より具体的には、切断装置システム3の皮膚接触面を画定する外側切断要素4の切断穿孔8の各領域は、少なくとも2つの列の穿孔8を含んでもよく、これは円形、卵形、楕円形、又は多角形の形状を有する小さいサイズの貫通孔として形成され得る。
【0064】
具体的に言えば、穿孔8を形成するこのような小さいサイズの貫通孔は、六角形の形状を有してもよく、このような六角形の貫通孔の長軸、すなわち六角形の形状の対向する角部を通る軸は、切断要素4及び5の往復運動軸10に対して横方向に配向されてもよい。
【0065】
図9から分かるように、穿孔8は、皮膚接触面/皮膚に面する表面に向かって拡大してもよく、すなわち、穿孔8の断面積は、皮膚接触面に向かってより大きくなる。このようなトランペット状又は円錐形若しくは切頭角錐形状は、図9から分かるように、毛髪が穿孔に入ることに役立つ。
【0066】
図8から分かるように、穿孔8は、皮膚接触面の中心区分にわたって全く分配されないが、限定された領域のみに配置される。より具体的には、短い毛髪を切断するための切断穿孔8は、切断装置システム3が、前方に移動する櫛状歯6、7の列のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動するとき、櫛状切断歯6、7に続く切断要素4の皮膚接触面又は皮膚に面する表面50の面積70、90に制限され、一方で、櫛状歯の対向する列の間の切断要素によって画定される皮膚接触面/皮膚に面する表面の中間部分80は無穿孔である。
【0067】
互いに離間した穿孔8の制限された面積70、90のかかる配置は、非常に短い毛髪が、先行する熊手状の切断縁部のうちの1つの直後に続く穿孔8によって切断され、一方で、先行する櫛状切断縁部から更に離れた穿孔は、非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低いことを考慮する。非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い皮膚接触面50の面積における穿孔の排除に起因して、非常に短い毛髪を切断することにおける効率を犠牲にすることなく、切断要素4、5間の摩擦が低減される。摩擦は、切断要素が互いに対して移動するとき、互いに通過する必要のある穿孔が少ない、より少ない切断縁部のために低減され、このため、剃られる皮膚の上を前方に移動している切断穿孔から出る、既に切断された毛髪小片又は毛髪屑は、再度切断又は研削されないので、摩擦損失は低減される。
【0068】
より具体的には、切断穿孔8は、穿孔の2つの分離された細長い領域70、90に配置されてもよく、これは皮膚接触面50を画定する切断要素4の外側の1つの細長い無穿孔中心区分80によって互いに分離され、櫛状切断歯6、7の列に沿って及び/又は櫛状切断歯6、7の列に対して平行に延在する各少なくとも2列の穿孔8を含む。
【0069】
櫛状歯6、7及び穿孔8の切断動作に干渉することなく、互いに対して移動する切断要素の十分な支持を可能にするために、穿孔の領域70、90はまた、外側切断要素の細長い無穿孔側部区分61、62によって、櫛状歯6、7の列から分離、又は離間してもよく、支持構造体は、穿孔の領域70、90の外側境界に隣接して、又は沿って、無穿孔側部区分61、62下の切断要素5の内側切断要素を支持する一対の可撓性若しくは剛性の支持リブ19を含んでもよい。
【0070】
支持構造体14と移動切断要素5との係合に起因する摩擦を低減するために、内側切断要素5は、穿孔8の領域70、90間の無穿孔中心区分80の下で支持されずに延在してもよい。
【0071】
外側切断要素によって画定される皮膚接触面50の細長い無穿孔中心区分80は、穿孔の領域70、90の各々のサイズ又は幅よりも大きい、サイズ又は幅を有してもよい。より具体的には、皮膚接触面の無穿孔中心区分は、図8を参照すると、穿孔の領域の各々によって画定される面積の100%~250%又は110%~175%の範囲の面積にわたって延在してもよい。
【0072】
概して、櫛状切断歯の間の切断装置要素4の皮膚接触面50の面積の2/3超又は3/4超が、無穿孔であり得る。換言すれば、図8に示されるように、切断装置システム3の対向する熊手状の歯状縁部の間の皮膚接触面50の1/4~2/3のみが穿孔されてもよい。穿孔8の面積のそのような制限は、切断要素4、5が互いに対して移動するとき、摩擦を著しく低減し得る。
【0073】
外側切断装置要素4のかかる穿孔8は、切断要素4及び5が、往復運動軸10に沿って互いに対して往復運動するとき、内側切断要素5内の穿孔9と協働することができる。内側切断要素5の穿孔9はまた、外側切断要素4の穿孔8の形状に対応する形状又は異なる形状の小さいサイズの貫通孔として形成されてもよい。しかしながら、図5から分かるように、内側切断要素5内の穿孔9は、小さいサイズの貫通孔である必要はなく、他の切断要素4内の2つ以上の穿孔8と各々協働するより大きいサイズの切り欠きであってもよい。より具体的には、内側切断要素5内の穿孔9は、長手方向軸で、往復運動軸10に対して横方向に延在する長手方向のスロット状の切り欠きとして形成され得る。このため、内側切断要素5内の各細長い横方向穿孔9は、外側切断要素4内の穿孔の各列と協働し得る。
【0074】
内側切断要素5内の切り欠きは、外側切断要素4内の穿孔8と重なり合い、往復運動動作に応じて、穿孔8を閉じて、穿孔8及び9に導入される毛髪の剪断動作及び/又は切断をもたらす。
【0075】
図3及び図8から分かるように、穿孔8の列は、櫛状切断歯6及び7の列の間の切断要素4及び5の部分において、櫛状切断歯6及び7の列に対して実質的に平行に延在してもよい。
【0076】
互いに背中合わせに横になる及び/又は着座されるが、依然として、切断歯6及び7並びに穿孔8及び9の互いに対する往復移動を可能にする前述の位置において、切断要素4及び5を支持するために、内側切断要素5は、外側切断要素4と、支持構造体14との間に挟持され、これは、図4を参照すると、内側切断要素5を支持する内側フレームと、外側切断要素4を保持する外側フレーム12と、を含む。
【0077】
より具体的には、支持構造体14は、内側切断要素5が外側切断要素4に対して移動し得る間隙16を画定し、内側切断要素5は、間隙16内で摺動可能に誘導される。
【0078】
より具体的には、図4及び図5から分かるように、外側切断要素4は、断面視で、皮膚接触面から離れるように屈曲又は湾曲し、支持構造体14の外側フレーム部分12に取り付けられた又は固定された保持フランジを形成する、折れた縁部分4a及び4bを有する実質的にC字形状の構成を有してもよい。図4から分かるように、縁部分4a及び4bは、外側フレーム12の縁部分の周りで後に折り畳まれ、又は屈曲されてもよい。しかしながら、代替的に、切断要素4の保持フランジ4a及び4bを外側フレーム12の内側に着座させることも可能であろう。
【0079】
切断要素4は、外側フレーム部分12に強固に又は固定的に締結されてもよい。例えば、切断要素4は、外側フレーム12に溶接又は接着されてもよい。
【0080】
図4及び図5から分かるように、支持構造体14の外側フレーム部分12は、浅いシュート又はトラフを形成する一対の分岐脚部を含んでもよく、外側フレーム12の支持脚部の縁部分は、切断要素4及び5の切断歯6及び7に基本的に対応する歯状縁部を形成するスロット状の切り欠き13を備え得る。より具体的には、外側フレーム12の縁部における切り欠き13は、切断される毛髪が切断要素4及び5の歯6及び7に入ることを可能にするが、同時に、外側切断要素4の切断歯6にある程度の支持を提供する。
【0081】
外側切断要素4の切断歯6は、後に折り畳まれた支持フランジ4a及び4bと切断装置システム3の皮膚接触面を画定する切断要素4の前側との間の移行領域内に形成されてもよい。
【0082】
外側切断要素4は、C字形状の板状切断要素を形成してもよく、その縁部は、C字又はU字の肢部のように内向きに屈曲した肢部を形成するために折れ、このような折れた肢部4a及び4bは、外側支持フレーム部分12によって保持される。折れた肢部を外側切断要素の中心部分と接続する移行縁部分は、より長い無精髭を切断するための櫛状歯6の列を形成するように輪郭形成又は構成され、一方で、切断要素4の中心部分4cは、短い毛髪を切断するための穿孔8の領域を提供する。
【0083】
図4から分かるように、外側切断要素4は、支持構造体14の外側フレーム12と共に、外側切断要素4及び外側フレーム12によって囲まれたチャンバ17を画定する。
【0084】
このようなチャンバ17内に、内側切断要素5を支持するための内側フレーム11が、配置される。内側フレーム11は、支持構造体14のベース区分20から外側切断要素4上に背中合わせに横になる内側切断要素5に向かって延在する、少なくとも一対の支持リブ19を含む。
【0085】
より具体的には、図4から分かるように、支持リブ19は、外側フレーム12の分岐支持脚部が互いに接合する、外側フレーム12の中心区分から生じる。内側フレーム11の支持リブ19は、ベース区分20から内側切断要素5に向かって、外側フレーム12間の角度φよりかなり急な角度βで延在してもよい。図4aから分かるように、内側フレーム11の支持リブ19は、互いの間に2×20°~2×40°又は2×25°~2×30°の角度βを画定してもよく、支持リブ19は、皮膚接触面に対して垂直であり、往復運動軸10に対して平行な中心平面に関して対称に配置されてもよい。
【0086】
支持リブ19に十分な剛性を与えるために、リブ19は、図4aに示されるような断面図で見られるとき、直線的な長手方向軸を有してもよい。換言すれば、支持リブ19の内側表面及び外側表面は、座屈剛性を達成するように平面及び平坦であってもよい。これらの支持リブ19は、ベース部分20から生じるV字形状構成を画定してもよい。
【0087】
代替的に、リブ19は、図4bに示されるように、切断要素5を外側切断要素4に向けて内側に付勢するように、可撓性及び/又は弾性的に構成されてもよい。例えば、リブ19は、図4bを参照すると、断面視で、切断要素5を他の切断要素4に対して弾性的に付勢するように、屈曲する湾曲輪郭を有してもよい。
【0088】
図5から分かるように、支持リブ19は、支持挿入部の一部であってもよく、及び/又は互いに一体的に形成されてもよい。より具体的には、内側フレーム11は、一対の支持リブ19が延在する縁部から、ストリップ状の底部分を含む、シュート状又はトラフ状の構成を有してもよい。例えば、支持リブ19を含む内側フレーム11は、実質的に矩形の金属プレートから形成されてもよく、ストリップ状縁部は、傾斜した支持リブ19を形成するために中間区分に対して屈曲されてもよい。
【0089】
内側フレーム11は、外側フレーム12及び外側切断要素4によって画定されたチャンバ17に挿入され得る挿入部を形成してもよい。より具体的には、内側フレーム11を形成する挿入部は、外側フレーム12のベース部分20上に着座されてもよく、ベース区分20は、切断装置システム3が剃られる皮膚に対して押圧されるとき、内側フレーム11に誘発される力及び圧力を吸収する。
【0090】
内側フレーム11は、前述の間隙16が一方で支持リブ19の支持縁部と他方で外側切断要素4の内側との間に、画定されるように構成される。より具体的には、支持リブ19の高さは、リブ19の支持縁部と外側切断要素4との間の間隙16が内側切断要素5の厚さに実質的に対応するように構成され、間隙16は、摩擦を低減し、内側切断要素5と支持リブ19との間、及び内側切断要素5と外側切断要素4との間にいくらかの遊びを提供するように、板状切断要素5の厚さよりもわずかに広くなるように構成されてもよい。このような遊びは、切断装置システム3が無負荷である、すなわち、剃られる皮膚に対して押圧されないときに与えられ得る。動作状態では、外側切断要素4が剃られる皮膚に対して押圧されるとき、そのような遊びが排除され、切断要素4及び5は、毛髪の滑らかな切断を達成するために互いにぴったりと嵌合される。
【0091】
支持構造体14によって提供されるこのような可能な遊びにもかかわらず、支持リブ19は、間隙16が、その幅において、切断される毛髪の厚さよりも小さい量だけ内側切断要素4の厚さを超えるように構成される。例えば、間隙16の幅は、40μmよりも小さい量又は20μm~40μmの範囲の量で、挟持された切断要素5の厚さよりも大きくてもよい。
【0092】
代替的に、図4bに示されるようにリブ19が可撓性であるとき、画定される間隙16は、付勢を達成するために、ゼロか、又は少なくとも切断刃5の厚さよりも小さくてもよい。
【0093】
図4から分かるように、内側及び外側切断要素4及び5は、わずかに凸状の輪郭を有してもよい。より具体的には、外側切断要素4によって画定される皮膚接触表面は、わずかに凸状、実質的にシュート状の構成を有してもよい。往復運動軸10に対して垂直に取られた断面視で、外側切断要素4の外側表面は、図4を参照すると、わずかにドーム形状であり得る。
【0094】
内側切断要素5は、わずかに凸状のシュート状の形状に関して、外側切断要素4の形状に実質的に対応する。
【0095】
図4から分かるように、内側切断要素5に面する支持リブ19の支持縁部は、外側切断要素4の対向する縁部において、櫛状歯6及び7の列の間に画定される距離の約35%~70%又は40%~60%の範囲の距離で互いに離間されてもよい。このため、剛性支持リブ19は、往復運動軸10に対して垂直な断面視で、そのスパン幅の約1/3及び約2/3で内側切断要素4を支持してもよい。より具体的には、リブ19の支持縁部は、穿孔8の領域の外側境界に直接隣接して延在してもよく、支持リブ19は、内側切断装置要素5内の穿孔9を形成する切り欠きの外側長手方向輪郭に沿って、内側切断要素5と接触してもよい。
【0096】
支持構造体14のベース部分20から、外側フレーム12の支持脚部よりも急な角度で延在する支持リブ19の構成に起因して、外側フレーム12及び外側フレーム12に取り付けられた外側切断要素4によって画定されるチャンバ17は、図4を参照すると、支持リブ19によって内側サブチャンバ17i及び一対の外側サブチャンバ17oに分割され、外側サブチャンバ17oは、共に、内側サブチャンバ17iの体積に実質的に対応する体積を有してもよい。
【0097】
内側フレーム11の剛性支持リブ19は、往復運動軸10に対して実質的に平行に延在してもよい。より具体的には、内側切断要素5に接触するリブ19の支持縁部は、往復運動軸10に対して平行に延在してもよい。
【0098】
図6及び図7から分かるように、切断装置システム3を含む切断装置ヘッド2は、往復運動軸10に対して実質的に平行に延在し得る枢動軸21を中心としてかみそり/トリマー1のハンドルに対して枢動可能に支持されてもよい。枢動軸21は、切断要素4及び5に近接して、及び/又は外側切断要素4及び外側フレーム12によって包囲されたチャンバ17内に位置決めされ得る。
【0099】
図5及び図6から分かるように、外側切断要素4を保持する支持構造体14の外側フレーム12は、一対の枢動支持区分12a及び12bを含んでもよく、これは互いから離間され得、及び/又は外側フレーム12の対向する端面に位置決めされ得る。他方で、一対の支持フランジ110は、ハンドル100の切断装置ヘッド側に提供されてもよく、枢動支持フランジ110は、外側フレーム12の枢動支持区分12a及び12bに回転可能に接続されて、枢動軸21を形成し得る。
【0100】
ばね装置22は、切断装置ヘッド2を所望の相互枢動位置又は配向に付勢するように、枢動軸21に関連付けられてもよく、これは、反対方向への枢動を可能にする中間配向であってもよく、若しくは代替的に、一方向のみに枢動することを可能にする端部位置又は端部配向であってもよい。
【0101】
ばね装置22は、一方でハンドル100の支持フランジ110及び他方で外側フレーム12と係合され得る。
【0102】
切断要素4及び5を互いに対して往復運動する様態で駆動するために、駆動装置18は、内側切断要素5に接続されてもよく、かかる駆動装置18は、内側切断要素5の対向する端部分に取り付けられた棒状駆動要素を含んでもよい。他方で、駆動装置18は、ハンドル100から切断装置ヘッド2まで延在する駆動要素と結合される結合区分18cを含んでもよい。より具体的には、支持構造体14の内側フレーム11及び外側フレーム12は、支持構造体14のベース区分20を通って延在する細長い凹部23又は切り欠きを含んでもよく、駆動装置18の前述の結合区間18cは、図5及び図4を参照すると、細長い切り欠き23を通って延在して、ハンドル100内のモータから来る駆動トレーンの駆動要素との結合を可能にし得る。
【0103】
駆動装置18は、内側フレーム11及び/又は外側フレーム12で摺動可能に誘導されてもよい。例えば、1つ以上の誘導ブロック24又は支持部24が、外側フレーム12に提供されてもよい。例えば、このような誘導ブロック24は、外側フレーム12のベース部分に延在する中心の細長い凹部24に挿入されてもよく、誘導ブロック24は、ロッド状駆動装置18が摺動可能に誘導され得るスロット状の溝25を含んでもよい。
【0104】
駆動装置18は、内側フレーム11の剛性支持リブ19の間に収容されてもよい。具体的に言えば、駆動装置18は、内側サブチャンバ17i内に収容されてもよく、このため、剛性支持リブ19を含む内側フレーム11を形成するシュート状の挿入部によって包囲されてもよく、駆動装置18の結合区分18cは、内側フレーム11を形成する挿入部の底部分における中心の細長い凹部23を通って延在してもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】