(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】電気髭トリマー
(51)【国際特許分類】
B26B 19/04 20060101AFI20230601BHJP
B26B 19/10 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
B26B19/04 U
B26B19/10 Z
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567206
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 IB2021053850
(87)【国際公開番号】W WO2021224851
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】508117514
【氏名又は名称】ブラウン ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001243
【氏名又は名称】弁理士法人谷・阿部特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロマン ローダー
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス ピーター
(72)【発明者】
【氏名】ベルナルト シコラ
【テーマコード(参考)】
3C056
【Fターム(参考)】
3C056BC01
3C056CA02
3C056DA04
(57)【要約】
本発明は、複数日分のあご髭の無精髭などの体毛を切断することに関する。より詳細には、本発明は、電気かみそり及び/又はトリマー1のための切断装置システム3であって、対向する縁部に櫛状の切断歯(6、7)の2つの列を有する1対の協働する切断要素(4、5)と、当該櫛状の切断歯の列の間の切断穿孔8の少なくとも1つの領域とを有し、切断穿孔は、当該切断要素の皮膚接触面又は皮膚対向面50に形成され、当該切断要素は、その周りで当該協働する切断要素が皮膚の輪郭に追従するように枢動可能である枢動軸21を提供する支持構造14によって互いに対して移動可能に支持され、当該枢動軸は、当該櫛状の切断歯の列の長手方向に実質的に平行に延在する、切断装置システム3に関する。当該枢動軸は、当該櫛状の切断歯の列のうちの第2のものよりも当該櫛状の切断歯の列のうちの第1のものの近くに偏心的に配置され、当該櫛状の切断歯の第1の列は、大多数のユーザにとって直感的に好ましい一般的な移動方向に切断装置システムを移動させるときに前方に進む前縁を形成し、当該第2の列は後縁を形成する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電気かみそり及び/又はトリマー(1)であって、対向する縁部に櫛状の切断歯の2つの列(6、7)を有する1対の協働する切断要素(4、5)と、前記切断要素(4、5)の皮膚接触面(50)又は皮膚対向面とを有する切断装置システムであって、前記切断要素(4、5)は、その周りで前記協働する切断要素が皮膚の輪郭に追従するように枢動可能である枢動軸(21)を提供する支持構造(14)によって互いに対して移動可能に支持され、前記枢動軸(21)は、前記櫛状の切断歯の列(6、7)の長手方向に実質的に平行に延在し、前記支持構造(14)は、前記枢動軸ホルダ(41)を前記かみそり/トリマー(1)のハンドル(100)又はシャーシ部分(101)に固定的に取り付けるための取付部を有する剛性枢動軸ホルダ(41)を含み、前記枢動軸ホルダ(41)は、金属製のU字形状又はV字形状の保持フレーム要素(43)を含むことを特徴とする切断装置システム、を備える、かみそり及び/又はトリマー。
【請求項2】
前記枢動軸ホルダ以外の前記支持構造の前記他の部分は、別個のプラスチック及び/又は金属部品から作製される、請求項1に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項3】
前記枢動軸ホルダ(41)は、前記切断要素(4、5)と前記切断要素のうちの1つ(4)の対向する縁部を保持する前記支持構造(14)の外側フレーム部分(12)とによって画定される切断装置ヘッドチャンバ内又はそれに向かって延在する2つのフレーム部分(42)を含む、請求項1又は2のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項4】
前記ハンドル(100)は、下端から上端まで延在する細長いハウジングを備え、前記枢動軸ホルダ(41)は、前記上部ハウジング端部の上に設けられ、少なくとも部分的に前記ハンドルハウジングによって覆われていない、請求項1~3のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項5】
前記枢動軸(21)は、前記切断要素(4、5)の前記皮膚接触/対向面(50)の中央区分(80)に垂直に延在することによって前記櫛状の切断歯の列のうちの第2のもの(7)よりも前記櫛状の切断歯の前記列のうちの第1のもの(6)に近い、中央平面(30)からオフセットされて配置されている、請求項1~4のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項6】
前記櫛状の切断歯の列(6、7)間の切断穿孔(8)の少なくとも1つの領域は、切断穿孔(8)は、前記切断要素(4、5)の皮膚接触面(50)又は皮膚対向面に形成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー、
【請求項7】
前記枢動軸(21)により近い前記櫛状の切断歯の第1の列(6)は、前記切断要素(4、5)を大多数のユーザによって直感的に使用される共通の移動方向(106)で移動させるときに、前記切断要素(4、5)の前縁に前記櫛状の切断歯の前側列(6)を形成する、請求項1~6のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項8】
前記枢動軸(21)に対する前記切断要素(4、5)のホーム位置において、前記切断要素(4、5)は、前記かみそり/トリマー(1)のハンドル(100)の長手方向ハンドル軸(110)に対して鋭角(δ)で傾斜しており、それにより前記切断要素(4、5)の前記皮膚接触/対向面(50)は、前記かみそり/トリマー(1)の前記ハンドル(100)の前面(108)に向かって面し、前記枢動軸(21)により近い前記櫛状の切断歯の第1の列(6)は、前記前面(108)に面しており、前記櫛状の切断歯の第2の列(7)は、反対側の裏側に向かって面する、請求項1~7のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項9】
前記枢動軸(21)は、前記枢動軸(21)と前記櫛状の切断歯の第2の列(7)との間の距離(L
2)の60%~90%又は70%~90%又は75%~85%の範囲の距離(L
1)で前記櫛状の切断歯の第1の列(6)から離間している、請求項1~8のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項10】
前記枢動軸(21)は、前記切断要素(4、5)の皮膚接触/対向面(50)のわずかに下に配置され、及び/又は前記切断要素(4、5)と前記切断要素のうちの1つ(4)の対向する縁部を保持する前記支持構造(14)の外側フレーム部分(12)とに包含される切断装置ヘッドチャンバ(17)内に延在する、請求項1~9のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項11】
前記支持構造(14)は、前記枢動軸(21)を中心として枢動範囲(45)を提供するように構成され、前記枢動範囲(45)は、前記長手方向ハンドル軸(110)に対して非対称であり、前記切断要素(4、5)の前記皮膚接触/対向面(50)は、前記枢動範囲(45)の少なくとも2/3又は少なくとも3/4にわたって前記ハンドル(100)の同じ側に向かって面する、請求項1~10のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項12】
前記支持構造(14)は、-20°から60°又は0°から40°±10°の範囲の枢動角度(α)を提供するように構成され、前記角度(α)は、一方では前記長手方向ハンドル軸(110)に垂直に延在する仮想平面(46)と、前記切断要素(4、5)の前記皮膚接触/対向面(50)に接する仮想平面(47)との間に画定される、請求項1~11のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項13】
前記切断要素(4、5)を前記枢動軸(21)の周りで制限枢動範囲(45)の端に向けて付勢するための付勢装置(22)を更に備える、請求項1~12のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項14】
前記付勢装置(22)は、前記皮膚接触/対向面(50)の前記長手方向ハンドル軸(110)までの最小可能な傾斜角(δ)を有する枢動位置に前記切断要素(4、5)を付勢するように構成されている、請求項1~13のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項15】
前記枢動軸(21)は、前記切断要素のうちの1つ(4)に対する固定位置及び前記かみそり/トリマー(1)のハンドル(100)に対する固定位置を有する、請求項1~14のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項16】
前記支持構造(14)は、前記枢動軸ホルダ(41)を前記かみそり/トリマー(1)のハンドル(100)又はシャーシ部分(101)に固定的に取り付けるための取り付け部分を有する剛性枢動軸ホルダ(41)を含み、前記枢動軸ホルダ(41)は、前記切断要素(4、5)と前記切断要素のうちの1つ(4)の対向する縁部を保持する前記支持構造(14)の外側フレーム部分(12)とによって画定される切断装置ヘッドチャンバ内又はそれに向かって延在する2つのフレーム部分(42)を含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項17】
前記支持構造(14)は、外側切断要素(4)と前記支持構造(14)の支持リブ(19)の支持縁部との間に前記切断要素の内側切断要素(5)を挟むように構成され、前記内側フレーム部分と前記外側切断要素(4)との間に間隙(16)が画定され、間隙(16)内には前記内側切断要素(5)が移動可能に受容され、前記支持構造(14)は、前記外側切断要素(4)をその対向する縁部に保持する一対の外側フレーム部分を更に含み、前記支持リブは、前記支持構造(14)の基部から延在し、好ましくは前記内側切断要素を支持する前記支持縁部を切断穿孔の前記領域の外縁部に沿って形成する、請求項1~16のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項18】
前記支持リブ(19)は、
-前記支持構造(14)の前記ベース部分(20)から、2×20°から2×40°又は2×25°から2×30°の角度(β)で延在し、及び/又は
-前記切断要素(4、5)の前記対向する縁部において前記櫛状の歯の列(6、7)の間に画定される前記距離の35%から70%又は40%から60%の範囲の距離で互いに離間されており、及び/又は
-V字形状を画定し、断面で見たときに平坦で実質的に平行な側面を有する線形輪郭を有する、請求項1~17のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項19】
前記外側切断要素の少なくとも1つ(4)は、断面で見たときに、前記支持構造(14)に取り付けられた一対の折れた保持フランジと、わずかにドーム形状の又は平坦な中心区分と、を含む、C字形状を有する、請求項1~18のいずれか一項に記載の電気かみそり及び/又はトリマー。
【請求項20】
電気かみそり及び/又はトリマーであって、対向する縁部に櫛状の切断歯の2つの列(6、7)を有する1対の協働する切断要素(4、5)と、前記切断要素(4、5)の皮膚接触面(50)又は皮膚対向面とを有する切断装置システムであって、前記切断要素(4、5)は、その周りで前記協働する切断要素が皮膚の輪郭に追従するように枢動可能である枢動軸(21)を提供する支持構造(14)によって互いに対して移動可能に支持され、前記枢動軸(21)は、前記櫛状の切断歯の列(6、7)の長手方向に実質的に平行に延在し、前記枢動軸(21)は、前記切断要素(4、5)の前記皮膚接触/対向面(50)の中央部分(80)に垂直に延在することによって前記櫛状の切断歯の第2のもの(7)よりも前記櫛状の切断歯の列の第1のもの(6)に近くなるように、中間平面(30)からオフセットされて配置されていることを特徴とする、電気かみそり及び/トリマー。
【請求項21】
請求項1~19のいずれか一項に記載の特徴のうちの少なくとも1つを備える、請求項1から20のいずれか一項に記載の切断装置システムを備える、電気かみそり及び/又はトリマー
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数日分のあご髭の無精髭などの体毛を切断することに関する。より詳細には、本発明は、電気かみそり及び/又はトリマーのための切断装置システムであって、対向する縁部に櫛状の切断歯の2つの列を有する1対の協働する切断要素と、櫛状の切断歯の列の間の切断穿孔の少なくとも1つの領域とを有し、切断穿孔は、切断要素の皮膚接触面又は皮膚対向面に形成され、切断要素は、その周りで協働する切断要素が皮膚の輪郭に追従するように枢動可能である枢動軸を提供する支持構造によって互いに対して移動可能に支持され、枢動軸は、櫛状の切断歯の列の長手方向に実質的に平行に延在する、切断装置システム3に関する。
【背景技術】
【0002】
電気かみそり及びトリマーは、様々な機構を利用して、毛髪切断機能を提供する。一部の電気かみそりは、剪断フォイル内の穿孔に入る毛髪を切断するために、剪断フォイルに対して移動可能な下方切断装置と協働する穿孔剪断フォイルを含む。かかる剪断フォイルタイプのかみそりは、多くの場合、日常的に使用されて、短いあご髭の無精髭が皮膚表面のすぐ上で切断される、清浄な髭剃りを提供する。
【0003】
他方で、櫛状の縁部を有する一対の協働する切断要素を含む他の切断装置システムは、互いに対して往復運動又は回転する1つ以上の列の櫛状又は熊手状切断歯を含み、多くの場合、例えば、皮膚に対して非常に小さい角度又は非常に弾力性のある皮膚から成長することに起因して、切断することが困難な、より長いあご髭の無精髭又は問題の毛髪を切断するために使用される。かかる櫛状又は熊手状切断要素の歯は、通常、駆動運動のタイプに応じて、互いに実質的に平行に、又は実質的に径方向に突起し、切断歯間の間隙に入る毛髪を切断することができ、切断又は剪断は、協働要素の切断歯が、指状切断歯の間の間隙を閉鎖し、互いに通過するときに、はさみ状の方法で達成される。
【0004】
より長い毛髪のためのかかる切断装置システムは、電気かみそり又はトリマーに一体化されてもよく、それと同時に、前述の剪断フォイル切断装置を備え得る。例えば、切断要素は、例えば、切断要素の両側に配置された2列の櫛状切断歯と、櫛状切断歯の列の間の剪断フォイル状切断穿孔の領域と、を含み得る。
【0005】
例えば、欧州特許第2425938(B1)号は、剪断フォイル切断装置間に一体化された一対の長い毛髪トリマーを有するかみそりを示す。更に、欧州特許第2747958(B1)号及び中国実用新案第206287174(U)号は、かみそりヘッドの両側に配置された2列の協働する切断歯を有する毛髪トリマーを開示し、上部櫛状切断要素の切断歯が、下部切断要素の歯先を張り出し、丸みを帯びかつ厚化された歯先を備え、これにより、突起する歯先が皮膚に突き刺さること、及び皮膚を刺激することを防止する。
【0006】
同様の切断装置システムが、米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号に示されており、このような切断装置システムでは、下部櫛状切断要素は、固定され、上部櫛状切断要素は、移動可能である。
【0007】
対向する縁部における櫛状切断歯の列と、櫛状歯の列の間の剪断フォイル状切断穿孔とを組み合わせるかみそり及び/又はトリマーは、C字形状の外側切断要素を含む場合があり、その縁部は、折れて、C字又はU字の肢部のように内向きに屈曲した肢部を形成し、かかる折れた肢部は、支持フレームによって保持される。折れた肢部を外側切断要素の中心部分と接続する移行縁部分は、より長い無精髭を切断するための櫛状の歯の列を形成するように輪郭形成又は構成され、一方で、切断要素の中心部分は、短毛髪を切断するための少なくとも1つの穿孔の領域が提供される。外側切断要素は、板形状であり得る内側切断要素と協働し、外側切断要素の櫛状歯と協働するための対向する縁部における櫛状歯の列、及び更に、外側切断要素内の穿孔と協働するための櫛状の歯状縁部の間の少なくとも1つの穿孔又は他の切り欠きの領域を含み得る。
【0008】
このため、短い毛髪を切断するための切断穿孔のような剪断フォイル及びより長い毛髪又は無精髭を切断するための櫛状切断歯が、同じ切断要素に一体化されてもよく、内側切断要素は、支持構造体の中心ベース部分から内側切断要素に向かって延在する一対の可撓性ばねアームを含み得る、ばね装置によって、通常外側切断要素に対して付勢されてもよい。ばねアームは、一種のV字形状の構成を有してもよく、穿孔の中心領域と対向する歯状縁部との間の区分で内側切断要素と接触してもよい。内側切断要素の外側切断要素に対するこのような付勢に起因して、穿孔内で切断される毛髪を引くこと又は抜くことは回避され得るが、他方で、切断要素間の摩擦は、むしろ高く、駆動ユニットによる高いエネルギー消費、及び更に、多くの場合、不愉快又は不快であると感じられる切断要素の加熱を引き起こす。このような切断装置システムは、中国実用新案第209478241(U)号及び米国特許出願公開第2018/0257248(A1)号に示される。
【0009】
同様の切断装置システムが、欧州特許第3131716(B1)号によって開示されており、支持構造体は、外側切断要素を支持構造体の対向する縁部分に保持する外側フレームを含み、このような外側フレームは、歯状の櫛状縁部において内側切断要素を支持するための肩部を形成する階段状突起部を、内側表面に含む。支持構造は、切断装置システムをトリマーのハンドルに接続し、切断要素が往復運動軸に平行な枢動軸の周りで枢動することを可能にする、4節リンク機構を含む。4節リンクシステムにより、当該枢動軸は固定軸ではないが、瞬間回転中心の可能な位置を画定する経路に沿って移動し得る。そのような4節リンクは、可撓性がある傾向があり、したがって、ハンドルと切断装置ヘッドとの間の間隙を架橋する駆動トレーンを介した切断要素への駆動作用の伝達に影響を及ぼし得る。
【0010】
このようなあご髭の無精髭用トリマー及びかみそりは、非常に異なり、多岐にわたる機能的な要件及び性能問題、例えば、密着性、徹底性、切断場所の良好な視認性、効率、及び心地よい肌触り、良好な人間工学並びに取り扱いに対処する必要がある。密着性は、残りの無精髭が短い又は非常に短いことを意味するのに対し、徹底性は、特に首のような問題箇所において、剃りきれない毛髪がより少ないことを意味する。効率は、所望のトリミング結果を達成するために十分な、より少なく、より速いストロークを意味する。心地よい肌触りは、個々のユーザに依存するが、多くの場合、切り傷又は擦傷の形態の刺激が少なく、皮膚上へのより良好な滑りを含む。切断場所の視認性は、局所的な精度で除毛髪を達成するためのスタイリング又は縁部の輪郭化の場合に特に重要である。
【0011】
そのような様々な性能問題を同時に満たすことは、非常に困難である。このようなニーズを満たすことは、かかる複数機能の切断装置要素は、1つの特定の切断機能に排他的に適合されないことがあるので、剪断フォイル状の穿孔及び櫛状の歯の列などの異なるタイプの切断輪郭が、互いに対して往復運動するC字形状の切断刃などの同一の切断要素に一体化されるとき、更により困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】欧州特許第2425938(B1)号
【特許文献2】欧州特許第2747958(B1)号
【特許文献3】中国実用新案第206287174(U)号
【特許文献4】米国特許出願公開第2017/0050326(A1)号
【特許文献5】中国実用新案第209478241(U)号
【特許文献6】米国特許出願公開第2018/0257248(A1)号
【特許文献7】欧州特許第3131716(B1)号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の根底にある目的は、先行技術の欠点の少なくとも1つを回避する、かつ/又は既存の解決方法を更に発展させる、改善された切断装置システムを提供することである。本発明の根底にあるより具体的な目的は、縁部の輪郭化の良好な制御を含み、同時に皮膚刺激を回避する、毛髪及びより長い無精髭の近接し、かつ徹底的な切断を提供することである。更なる目的は、切断要素の制御されていない枢動による皮膚損傷のリスクをもたらすことのない、皮膚の輪郭への切断装置システムの良好な適合である。本発明の根底にある別の目的は、切断要素間の低摩擦、切断歯の低温、並びに低エネルギー消費及びそれゆえの長いエネルギー貯蔵寿命を犠牲にすることなく、毛髪を抜くこと及び引くことを回避するために、協働する切断歯及び任意選択的に切断穿孔の確実かつ清浄な切断動作である。
【0014】
一態様によれば、金属から作製されるU又はV字形状の枢動軸ホルダが提供される。これはデバイスに実質的なコストを追加するが、枢動軸支持体間のクリアランスの寸法決定に起因する切断要素の重要な支持がより良好に保証され、したがって、切断要素の移動可能性/枢動が過酷な使用条件下でも維持されることが明らかになった。
【0015】
より具体的には、支持構造の他の部分は、プラスチック及び/又は金属から作製される。好ましくは、強靭な使用条件下で最良の安定性を保証するために、枢動軸支持体に追加され、切断要素のうちの少なくとも1つと接続された支持構造の一部は金属から作製される。あるいは、支持構造は、より良好な製造性のためにプラスチックから作製され得る。更に代替的に、支持構造は、金属を形成する部品と、プラスチックから作製された別の部分とを備え得、プラスチック部品は、支持構造の金属内部部分を覆うことである。
【0016】
別の態様によれば、枢動軸ホルダは、視認可能であり、隣接するハウジング又はシャーシ部品への直接接続領域を除いて、任意のハウジング部分によって少なくとも部分的に覆われていない。これにより、枢動軸ホルダの領域において無精髭の蓄積が防止されるか、必要な場合に容易に取り出され得る。したがって、ハンドルハウジングは、下端(例えば、プラグと接続可能)及び上端を備える。枢動軸ホルダは、ハンドル及びそのハウジングの上端の上に提供され、その結果、これはハウジング部分によって覆われていない。
【0017】
一態様によれば、切断装置システムは、長い毛を切断するために対向する櫛状切断縁部に対して対称的に配置されていない偏心枢動軸の周りをハンドルに対して枢動してもよく、その結果、切断要素を当該枢動軸の周りで枢動させることにより、当該櫛状切断縁部のうちの1つの動きが他の櫛状切断縁部と比較して大きくなる。より具体的には、当該枢動軸は、切断装置要素の皮膚接触面及び/又は皮膚対向面の中央部分に垂直に延在する中央平面からオフセットされて配置され、その結果、当該枢動軸は、当該櫛状の切断歯の列のうちの第2のものよりも当該櫛状の切断歯の列のうちの第1のものに近い。枢動すると、枢動軸に近い櫛状の切断歯の第1の列は、より少ない又はより短い横方向の動きを行う一方で、枢動軸から更に離れた櫛状の切断歯の第2の列は、より多くの又はより大きい横方向の動きを行う。当該横方向の動きは、当該枢動軸の周りの円形経路に従い、動きの長さは、レバーアーム又は枢動アーム、すなわち、枢動軸からの距離に依存する。
【0018】
より具体的には、枢動軸は、剃られる皮膚に沿って切断装置システムを移動させるときに前方に進む前縁として通常使用される、櫛状の切断歯の列の近くに配置され得る。かみそり及び/又はトリマーの特定の態様、例えば、ハンドルに対する切断要素の位置及び/又は向き、及び/又は切断要素のホーム位置における皮膚接触面の位置及び向き、及び/又はハンドルの特定の側への切断要素の突出、及び/又はハンドルの長手方向軸に対する切断装置ヘッドのオフセット及び/又はクランキング、及び/又はハンドルを把持する特定の方法を示唆するハンドルにおけるオン/オフキーなどの操作キーの配置に応じて、切断装置システムは、一般的な移動方向又は好ましい移動方向を有することができ、この移動方向では、大多数のユーザが、剃られる皮膚上で切断装置システムを直感的に移動させ、それにより、1つの櫛状切断縁部が前縁であり、他の櫛状切断縁部は後縁であり、切断装置システムはほとんどのユーザの好みの移動方向に移動される。
【0019】
切断装置システムの好ましい前縁に向かって、すなわち、ほとんどのユーザの当該一般的な移動方向に切断装置システムを移動させるときに前縁を形成する櫛状の切断歯の列に向かって枢動軸をオフセットすることにより、剃られる皮膚に対して横方向の、枢動軸より上の枢動に起因して生じる前縁の動きが小さくなり、したがって、ユーザがより快適に感じるようになり、小さな切り傷のような皮膚の刺激又は傷害のリスクが低減される。切断装置システムのそのような枢動のために、反対側、すなわち後縁でのより大きな横方向の動きは、重要ではなく、快適性又は損傷及び皮膚刺激のリスクに悪影響を及ぼさない。
【0020】
枢動軸に対する当該切断要素のホーム位置又は中立位置又は初期位置では、当該切断要素は、切断装置要素の皮膚接触及び/又は皮膚対向面が成形器/トリマーのハンドルの前側に向かって面するように、長手方向ハンドル軸に対して鋭角で傾斜し得る。切断要素のホーム位置における当該前側へのそのような傾斜を考慮すると、枢動軸は、当該前側に配置された櫛状歯の列の近くに配置され、一方、ハンドルの背面に配置された櫛状の切断歯の反対側の列は、当該枢動軸から更に離れている。
【0021】
多くのユーザは、櫛状歯の当該前側列が前縁を形成した状態で切断装置システムを皮膚に沿って引っ張って剃るので、櫛状歯の当該前側列に枢動軸を近づけて配置することでユーザの快適さを向上させることができ、また、櫛状の切断歯が枢動によって皮膚に移動したり、皮膚に向かうピッチ角が急になりすぎることによって生じる可能性がある皮膚の刺激又は切り傷などの皮膚の損傷のリスクを低減することができる。
【0022】
これら及び他の利点は、図面及び可能な例に言及する以下の説明から明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【
図1】互いに対して往復運動する一対の協働する櫛状切断要素を有する切断システムを含む電気あご髭トリマー/かみそりの斜視図であって、部分図(a)は、電気あご髭トリマーの前側を示し、部分図(b)は、あご上で働くあご髭トリマーを示す。
【
図2】協働する櫛状切断要素及び切断要素を駆動するための駆動システムを示す、あご髭トリマー/かみそりの断面図である。
【
図3】一対の協働する櫛状切断要素と、切断要素を互いに対して支持するための支持構造体と、を含む切断装置システムの斜視図である。
【
図4】切断装置システム及び支持構造の断面図であり、C字形状の外側切断要素は、外側フレーム部分の周りで屈曲又は湾曲して示されており、内側切断要素は、支持構造のベース部分から当該外側フレーム部分まで急角度で延在する剛性の支持リブを形成するV字形状の内側支持フレームによって支持されるように示され、部分図(a)は、剛性支持リブを示し、一方、図(b)は、可撓性のばね状支持リブを示す。
【
図5】外側切断要素及び内側切断要素と、外側切断要素を保持するための外側支持フレームと、内側切断要素を支持するための剛性支持リブを含むシュート形状又はトラフ形状の内側支持フレームと、内側切断要素を往復運動させるための駆動要素と、往復運動駆動要素を誘導するための誘導ブロックと、を含む切断装置システムの要素の分解斜視図である。
【
図6】支持構造体によって許容されるかみそり/トリマーのハンドルに対する切断装置システムの枢動を示す側面図である。
【
図7】皮膚輪郭化に続いて、切断装置システムの枢動軸を中心に枢動する切断装置システムを示す、側面図である。
【
図8】切断要素の穿孔の別個の領域を示す外側切断要素の平面図である。
【
図9】平面切断要素の左側面図(小さいものと拡大されたもの)及びドーム/凸状湾曲形状切断要素の右側面図(小さいものと拡大されたもの)を有する、毛髪が穿孔に入るのを助けるために皮膚接触面に向かって拡張する円錐形又は非円筒形の輪郭を有する穿孔の断面図である。
【
図10】切断要素の枢動軸を提供する枢動軸受構造の分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
皮膚の輪郭への切断装置ブレードの自己適応により、より快適なシェービング及び/又はトリミングを可能にすると同時に、皮膚の刺激又は更には皮膚の損傷のリスクを低減するために、切断装置システムを剃られる皮膚に沿って移動させ、切断装置システムのピッチ角を皮膚の輪郭に適合させるときに、切断要素の枢動による前側切断縁部の皮膚への横方向の動きを低減するための改良された枢動支持構造が示唆されている。
【0025】
より具体的には、切断装置システムは、長い毛を切断するために対向する櫛状切断縁部に対して対称的に配置されていない偏心枢動軸の周りを、トリマー/かみそりのハンドルに対して枢動してもよく、その結果、切断要素を当該枢動軸の周りで枢動させることにより、当該櫛状切断縁部のうちの1つの動きが他の櫛状切断縁部と比較して小さくなることが示唆されている。より具体的には、当該枢動軸は、切断装置要素の皮膚接触面及び/又は皮膚対向面の中央部分に垂直に延在する中央平面からオフセットされて配置され、その結果、当該枢動軸は、当該櫛状の切断歯の列のうちの第2のものよりも当該櫛状の切断歯の列のうちの第1のものに近い。枢動するとき、枢動軸に近い櫛状の切断歯の第1の列は、より短い横方向の動きを行う一方で、枢動軸から更に離れた櫛状の切断歯の第2の列は、より長い横方向の動きを行い、そのような横方向の動きは、当該枢動軸の周りの円形経路に従い、動きの長さは、枢動軸からの当該歯の列の距離に依存する。
【0026】
より具体的には、枢動軸は、剃られる皮膚に沿って切断装置システムを移動させるときに前方に進む前縁として通常使用される、櫛状の切断歯の列の近くに配置され得る。かみそり及び/又はトリマーの特定の態様、例えば、切断要素の位置及び/又は向き、又は切断要素のホーム位置におけるその皮膚接触面、及び/又はハンドルの特定の側への切断要素の突出、及び/又はハンドルの長手方向軸に対する切断装置ヘッドのオフセット及び/又はクランキング、及び/又はハンドルを把持する特定の方法を示唆するオン/オフキーなどの操作キーの配置に応じて、切断装置システムは、一般的な移動方向又は好ましい移動方向を有することができ、この移動方向では、大多数のユーザが、剃られる皮膚上で切断装置システムを直感的に移動させ、それにより、1つの櫛状切断縁部が前縁であり、他の櫛状切断縁部は後縁であり、切断装置システムはほとんどのユーザにとって直感的に好ましい一般的な移動方向に移動される。
【0027】
切断装置システムの好ましい前縁に向かって、すなわち、ほとんどのユーザの当該一般的な移動方向に切断装置システムを移動させるときに前縁を形成する櫛状の切断歯の列に向かって枢動軸をオフセットすることにより、剃られる皮膚に対して横方向の、枢動軸より上の枢動に起因して生じる前縁の動きが小さくなり、したがって、ユーザがより快適に感じるようになり、小さな切り傷のような皮膚の刺激又は傷害のリスクが低減される。切断装置システムのそのような枢動に起因する後縁のより大きな横方向の動きは、重要ではなく、快適性又は損傷及び皮膚刺激のリスクに悪影響を及ぼさない。
【0028】
枢動軸に対する当該切断要素のホーム位置又は中立位置又は初期位置では、当該切断要素は、切断装置要素の皮膚接触及び/又は皮膚対向面が成形器/トリマーのハンドルの前側に向かって面するように、長手方向ハンドル軸に対して鋭角で傾斜し得る。切断要素のホーム位置における当該前側へのそのような傾斜を考慮すると、枢動軸は、当該前側に配置された櫛状歯の列の近くに配置され、一方、ハンドルの背面に配置された櫛状の切断歯の反対側の列は、当該枢動軸から更に離れている。多くのユーザは、櫛状歯の当該前側列が前縁を形成した状態で切断装置システムを皮膚に沿って引っ張って剃るので、櫛状歯の当該前側列に枢動軸を近づけて配置することでユーザの快適さを向上させることができ、また、櫛状の切断歯が枢動によって皮膚に移動したり、皮膚に向かうピッチ角が急になりすぎることによって生じる可能性がある皮膚の刺激又は切り傷などの皮膚の損傷のリスクを低減することができる。
【0029】
基本的に、枢動軸が当該前側切断縁部に直接配置されると、枢動軸からの距離に関しててこアーム又は枢動半径がなくなるため、前側切断縁部の横方向の動きを完全になくすことができる。したがって、櫛状の切断歯の積極性及び所望のレベルの快適性に応じて、枢動軸を当該前縁に比較的近づけて配置することが望ましい場合がある。例えば、枢動軸は、櫛状歯の列と皮膚接触面に形成された穿孔の領域との間に配置することができる。
【0030】
しかしながら、枢動軸を切断装置システムの中心から過度にオフセットさせることは、剃る皮膚上で切断装置システムを反対方向又は好ましくない移動方向に移動させるときの快適性及び安全性を損なう可能性がある。良好な妥協を達成するために、枢動軸は、当該枢動軸と、櫛状歯の反対側の第2の列との間の距離の約60%~90%又は70%~90%又は75%~85%である距離で、当該櫛状歯の第1の列から離間され得る。
【0031】
当該ハンドルは、下端から上端まで延在する細長いハウジングを備え、当該枢動軸ホルダ41は、上部ハウジング端部の上に設けられ、少なくとも部分的にハンドルハウジングによって覆われていない。
【0032】
したがって、枢動軸は、一方の櫛状切削歯の列の方が他方の櫛状の切断歯の列よりも約10~40%近くに配置されてもよい。
【0033】
切断要素の枢動の良好な応答性を達成するために、したがって、異なるレベルの皮膚接触圧力を適用し得る異なるユーザの皮膚輪郭に良好な適合を達成するために、枢動軸は、トルク及びそれによって摩擦の枢動効果を低減するように皮膚接触面に近づけて配置されてもよい。切断装置システムが皮膚に押し付けられ、皮膚に沿って動かされると、皮膚接触面と剃られる皮膚との間に引き起こされる摩擦は、枢動軸の周りで切断装置システムを枢動させる傾向があるか、又はそのようにしようとし、そのような摩擦力のてこアームは、枢動軸が皮膚接触面に近づくほど小さくなる。
【0034】
より具体的には、枢動軸は、皮膚接触面のわずかに下に、及び/又は切断要素のうちの1つの対向する縁部及び当該切断要素を保持する支持構造のフレーム部分によって囲まれた切断装置ヘッドチャンバ内に配置されてもよい。そのような位置は、一方ではそのような摩擦力によって引き起こされる枢動軸に対する摩擦力、したがって枢動トルクの影響を大幅に低減し、他方では支持構造のコンパクトで省スペースな配置を可能にする。
【0035】
かみそり/トリマーの容易で直感的な使用を可能にするために、支持構造は、長手方向ハンドル軸に関して非対称である切断要素の枢動範囲を提供するように構成され得る。言い換えれば、枢動範囲は、ハンドルの反対側に向かうよりもハンドルの一方の側に向かう方が大きくてもよい。より具体的には、枢動範囲は、切断要素の皮膚接触及び/又は皮膚対向面が、当該枢動範囲の少なくとも2/3又は3/4にわたってハンドルの同じ側に向かって面するように構成され得る。
【0036】
自然なかみそりの感触及び容易な直感的な使用は、当該枢動範囲が、-20°~60°又は0°~40°±10°又は/-5°の範囲の傾斜角を有する切断要素の様々な枢動位置を可能にし、当該傾斜角は、長手方向ハンドル軸に対して垂直に延在する仮想平面と切断要素の皮膚接触/対向面に接する別の仮想平面との間に画定されるときに達成され得る。
【0037】
切断要素を特定のホーム位置に付勢するために、付勢装置は、当該枢動軸と関連付けられ得る。そのような付勢装置は、切断要素を、当該枢動軸の周りに、限定された枢動範囲の端に向かって付勢するように構成され得る。言い換えれば、ばね装置を含むことができる付勢装置は、切断要素を反対方向に枢動させることができる中立の中央位置に付勢しないが、付勢装置は、切断要素を、そこから切断要素が一方向にのみ枢動することができる極端な枢動位置又は端部枢動位置に付勢しようとする。
【0038】
より具体的には、付勢装置は、長手方向ハンドル軸に対する皮膚接触面の可能な傾斜の可能な限り最小の角度で、切断要素を角度枢動位置に付勢するように構成され得る。切断要素が当該付勢ホーム位置から枢動する場合、皮膚接触面に接する平面は、長手方向ハンドル軸に対してより大きく横方向になり、及び/又は当該長手方向ハンドル軸に垂直な位置に近づこうとする。
【0039】
皮膚接触面が長手方向ハンドル軸に対してかなり小さい角度で傾斜しているこのような付勢されたホーム位置に起因して、ユーザは、上述の切断歯の第1の列が剃られるべき皮膚の上を進むように切断装置システムを直感的に引っ張る。したがって、偏心又はオフセットされた枢動軸は、皮膚輪郭への切断要素の微細な適合を可能にし、潜在的に皮膚刺激の危険性をもたらす制御されない横方向の動きを回避する。
【0040】
切断装置システムを移動させるそのような好ましい方向に関係なく、枢動範囲の端部で切断要素を当該ホーム位置に付勢することはまた、切断装置システムが皮膚上を移動して好ましくない反対方向に剃るとき、すなわち櫛状切断歯の第2の列が前縁であるとき、当該櫛状歯の第2の列が枢動によりかなり容易に撓み、皮膚に道を譲る可能性があるため、皮膚刺激又は更には皮膚損傷のリスクを低減することができ、枢動軸までの距離がかなり大きく、したがって反対側の縁部におけるそのような皮膚接触力の影響が大きいため、そのような反対側の縁部では非常に低い皮膚接触力のみが必要である。
【0041】
駆動力及び/又はトルクを切断要素に効率的に伝達するのに有害な過度の柔軟性を回避するために、当該枢動軸は、当該切断要素の非往復のものに対する固定位置及び/又はかみそり/トリマーのハンドルに対する固定位置を有し得る。そのような固定枢動軸位置は、降伏及び巨大節リンク機構を回避することを可能にする。
【0042】
当該支持構造は、枢動軸ホルダをかみそり/トリマーのハンドル又はシャーシ部分に固定的に取り付けるための取り付け部分を有する剛性枢動軸ホルダを含むことができ、当該枢動軸ホルダは、当該切断要素と切断要素のうちの1つの対向する縁部を保持する支持構造14の外側フレーム部分とによって画定される切断装置ヘッドチャンバ内又はそれに向かって延在する2つのフレーム部分を含み得る。
【0043】
枢動軸ホルダ以外の支持構造の当該他の部分は、別個のプラスチック及び/又は金属部品から作製される。
【0044】
より具体的には、当該枢動軸ホルダは、金属から作製されたU字形状又はV字形状の保持フレーム要素を含み得る。
【0045】
滑らかで快適な切断動作を達成するために、互いに対して移動する歯間又は互いに対して移動する切断穿孔間で、毛髪がこれ以上適切に切断されない、又は更に把持されることを回避するために、切断要素、ひいては協働する櫛状歯及び/又は協働する切断穿孔が互いに分離することを回避するために役立つ。基本的に、これは、例えば、一方の切断要素の歯/穿孔を他方の切断要素の歯/穿孔に対して付勢する可撓性支持リブなどのばね装置によって、協働する切断要素を互いに押圧することによって防止することができる。
【0046】
そのような可撓性支持リブの代わりに、又はそれに加えて、切断要素のうちの1つは、他の切断要素と支持フレームのような支持要素又は支持構造体との間に挟持されてもよく、これは、外側切断要素の下の所定の位置でかつ十分に近接して、内側切断要素を正確にかつ堅固に支持及び誘導する剛性リブ又はウェブ状フランジを含み得、当該剛性支持リブ及び外側切断要素は、間隙を画定し、間隙内で、挟持された切断要素は、摺動可能及び/又は移動可能に受容され、当該間隙は、少なくとも非使用中にいくらかの遊びを提供して、摩擦及び発熱を低減するために挟持された切断要素よりもわずかに厚くてもよい。外側切断要素が、かみそり/トリマーの動作中に皮膚に対して押圧されるか、又は少なくとも皮膚に接触するとき、外側切断要素は、偏向し、次いで少なくとも内側切断要素上に近接して嵌合してもよい。挟持された切断要素は、摩擦なしに、又は非常に低摩擦で外側切断要素に対して移動することができるが、それにもかかわらず、挟持された切断要素の厚さが非常に小さいときであっても、偏向が防止される。
【0047】
より具体的には、切断要素のうちの1つは、他の切断要素と当該可撓性又は剛性支持リブ又はウェブ状フランジとの間に挟持されてもよく、これは、外側切断要素の下の所定の位置でかつ十分に近接して、内側切断要素を正確にかつ堅固に支持及び誘導する剛性リブ又はウェブ状フランジを含み得、当該剛性又は可撓性支持リブ及び外側切断要素は、間隙を画定し、間隙内で、挟持された切断要素は、摺動可能及び/又は移動可能に受容され、間隙は、少なくとも非使用中にいくらかの遊びを提供して、当該リブが剛性である場合の摩擦及び発熱を低減するために挟持された切断要素よりもわずかに厚くてもよい。外側切断要素が、かみそり/トリマーの動作中に皮膚に対して押圧されるか、又は少なくとも皮膚に接触するとき、外側切断要素は、偏向し、次いで少なくとも内側切断要素上に近接して嵌合してもよい。可撓性リブが使用される場合、その中にブレードを収容することなく、当該間隙は、いくつかの付勢を提供するために、ゼロ又は少なくとも当該ブレード厚より小さくてもよい。挟持された切断要素は、摩擦なしに、又は非常に低摩擦で外側切断要素に対して移動することができるが、それにもかかわらず、挟持された切断要素の厚さが非常に小さいときであっても、偏向が防止される。
【0048】
低摩擦を達成し、同時に、切断歯間の毛髪の把持を回避するために、支持リブの先端部分から外側切断要素までの当該間隙は、切断される毛髪の厚さよりも小さい量でのみ挟持された切断要素の厚さよりも大きい厚さを有してもよい。
【0049】
より具体的には、当該間隙の幅が挟持された切断要素の厚さを超える量は、40μm未満であってもよい。例えば、その量は、20μm~40μmの範囲であってもよい。このような構成は、製造が容易であることと、切断される毛を引き抜いたり強く引いたりするリスクが十分に小さいこととの間の良好な妥協点である。
【0050】
外側切断要素によって画定される当該皮膚接触/対向面は、実質的に平面又は平坦であってもよい。代替的に、外側切断要素によって画定される皮膚接触面は、往復運動方向に対して垂直に取られた断面で見たときに、わずかに凸状又はわずかにドーム形状であってもよい。当該往復運動軸に対して平行な断面平面視で、皮膚接触面は、直線状であってもよい。このため、皮膚接触面は、浅いシュート状又はトラフ状の形状に関してわずかに滑らかに凸状であってもよい。
【0051】
外側切断要素及び内側切断要素の両方は、皮膚接触面に対応するかかる形状を有してもよい。
【0052】
内側及び外側切断要素を、切断穿孔が形成される領域内で互いにぴったりと嵌合するように保つために、支持縁部を有する、剛性又は可撓性の支持リブが、穿孔の領域の外側境界に直接隣接して、又は近接して隣接して延在するときに役立ち得る。支持リブは、支持縁部を有し、穿孔の最も外側の列に沿って内側切断要素と直接接触してもよい。
【0053】
代替的に、支持リブの当該支持縁部は、穿孔の最も外側の列から離間した線に沿って内側切断要素と接触してもよい。それにもかかわらず、支持リブの支持縁部は、切断要素の対向する縁部において、穿孔の最も外側の列近く、次いで切断歯近くに位置決めされてもよい。より具体的には、穿孔の領域からの支持リブの支持縁部の距離は、櫛状切断歯からの支持縁部の距離の1/3未満又は1/4未満であってもよい。
【0054】
外側切断要素を介して内側切断要素に誘導された皮膚接触圧をバランスの取れた方法で取るために、内側切断要素に面する支持リブの支持縁部は、切断要素の対向する縁部における櫛状歯の列の間に画定される距離の35%~70%又は40%~60%の範囲の距離で互いに離間されてもよい。ユーザの好みに応じて、外側切断要素によって画定される皮膚接触面の異なる部分は、変動する皮膚圧が生じ得るように、変動する力で皮膚に対して圧接されてもよい。そのような変動する圧力を均衡させるために、内側切断要素の断面図を考慮すると、内側切断要素が、内側切断要素のスパン幅の約1/3~約2/3で当該剛性支持リブによって支持されるときに役立つ。
【0055】
内側切断要素に接触する支持リブ及び/又はそれらの支持縁部は、往復運動軸に対して平行に、及び/又は切断要素の対向する縁部における櫛状歯の列に対して平行に延在してもよい。
【0056】
支持リブは、異なる方法で支持構造体のベース部分に固定されてもよい。例えば、支持リブは、当該ベース部分に溶接されてもよく、又は当該ベース部分の材料内に埋め込まれてもよい。例えば、別個の支持リブが存在するとき、各々のリブは、支持リブを所望の配向及び位置に保持するために、当該ベース部分内のスロット状の凹部に挿入されてもよい。
【0057】
代替的に、支持リブは、鋭角で互いに傾斜し、互いに一体的に接続されてもよく、及び/又は支持リブ要素の一体部品を形成してもよい。より具体的には、支持リブは、切断要素を支持する支持構造に挿入され得る、及び/又はかかる支持構造のベース部分に取り付けられ得る支持フレーム挿入部のV字状又は折れた肢部によって形成されてもよい。このような支持リブ挿入部は、2つの支持リブが記載の傾斜で延在するストリップ状の底部分を含む、シュート状又はトラフ状の構成を有してもよい。このようなシュート状挿入部は、支持構造体内に挿入され、支持構造体のベース部分に固定的に取り付けられ得る。例えば、挿入部の底部分は、挿入部の中心部分において外側支持フレームの底部分の内側表面上に着座されてもよく、外側支持フレームの中心底部分は、支持リブ挿入部用の座部を形成してもよい。支持リブ挿入部を外側支持フレームの底部分上に着座させることは、支持リブ内に誘導された支持力及び圧力を取り得、それによって支持リブ挿入部を外側支持フレームの底部分上に圧接する。
【0058】
当該内側支持フレーム挿入部は、外側支持フレームに固定的に取り付けられてもよく、例えば、外側支持フレームに、接着及び/又は溶接並びに/若しくは嵌合して形成されてもよい。
【0059】
外側切断要素をその対向する縁部分に、外側切断要素と共に保持する当該外側支持フレーム部分は、開放端面又は閉鎖端面を有する管状又は樽状に構成され得る、切断装置ヘッドチャンバを画定してもよい。このような切断装置ヘッドチャンバから毛髪屑又は切断された無精髭を排出することを可能にするために、当該切断装置ヘッドチャンバの軸方向端面が、開放されていてもよい。
【0060】
より具体的には、外側フレーム部分及び外側切断要素によって画定されるこのような切断装置ヘッドチャンバは、内側支持フレームの前述の支持リブによって複数のサブチャンバに分割されてもよい。より具体的には、切断装置ヘッドチャンバは、剛性支持リブによって、切断穿孔から短髪粒子を収集するための内側サブチャンバ、及び櫛状切断歯によって切断された長髪粒子を収集するための一対の外側サブチャンバに分割されてもよい。
【0061】
内側サブチャンバ内に収集され、穿孔から来る毛髪屑、並びに、外側サブチャンバ内に収集された切断された無精髭は、少なくとも1つの開放端面を介してそれぞれのサブチャンバから排出されてもよく、当該サブチャンバの各々の両端は、当該サブチャンバの洗浄、及びそこから収集された毛髪屑を排出することを強化するために開放されていてもよい。
【0062】
挟持された切断要素は、内側切断要素に接続され、駆動ユニットの駆動動作を伝達する駆動トレーンに結合される駆動装置によって、駆動されてもよく、剛性支持リブ及び外側支持フレームを含む前述の内側支持フレームが、外側切断要素を保持する外側フレーム部分及び内側支持フレームを支持するベース部分を含み、1つ以上の中心の、細長い、又はスリット状の貫通孔を含んでもよく、この中に当該駆動装置及び/又は当該駆動トレーンの一部分が、摺動可能に受容される。換言すれば、駆動装置及び/又は駆動トレーンは、内側支持フレーム及び外側支持フレーム内の当該貫通孔を通って延在し、その中に摺動可能に受容されて、駆動装置、このため、挟持された切断要素の他の切断要素に対する往復運動を可能にする。
【0063】
駆動装置は、内側切断要素の対向する端部分に取り付けられ、剛性支持リブと内側切断要素との間に画定された内側サブチャンバ内に収容された細長い棒状部分を含んでもよい。
【0064】
挟持された切断要素は、駆動のタイプに応じて、往復運動又は回転し得る被駆動切断要素であってもよい。
【0065】
基本的に、協働する切断要素のそれぞれが、駆動されてもよい。しかしながら、容易な駆動システムを安全かつ柔らかい切断動作と組み合わせるために、皮膚接触面を有する上部又は外側切断要素は、起立していてもよく、及び/又は往復運動していなくてもよく、並びに回転していなくともよい、一方で挟持された切断要素であり得る下部又は内側切断要素は、往復運動又は回転振動してもよい。
【0066】
図1及び
図2から分かるように、切断装置システム3は、かみそり及び/又はトリマー1のハンドル100に取り付けられ得る切断装置ヘッド2の一部であり得る。より具体的には、かみそり及び/又はトリマー1は、電池104を収容する細長いハンドル又はハンドルハウジング100、制御ユニット111、電気駆動モータ103又は磁気駆動モータ、及びモータの駆動動作を切断装置ヘッド2における切断装置システムに伝達するための駆動トレーン109などの電子構成部品及び/又は電気構成部品を含んでもよく、
図2を参照すると、切断装置ヘッド2は、細長いハンドル100の一方の上端に配置されてもよい。ハンドルハウジング100は、AC/DC源を形成するプラグと接続するためのソケット開口部を備えた下端を有する。したがって、当該ハンドル100は、下端から上端まで延在する細長いハウジングを備え、当該枢動軸ホルダ41は、上部ハウジング端部の上に設けられ、少なくとも部分的にハンドルハウジングによって覆われていない。
【0067】
一対の協働する切断要素4及び5を含む切断装置システム3は、
図1に示される実施例の場合のように、切断装置ヘッド2の唯一の切断装置システムであってもよい。他方で、切断装置システム3は、剪断フォイル切断装置などの他の切断装置システムを有するかみそりヘッド2に組み込まれてもよく、例えば、少なくとも1列の協働する切断歯6、7を有する切断装置システム3は、一対の剪断フォイル切断装置の間に位置決めされてもよく、又は代替的に、かかる剪断フォイル切断装置の前方に位置決めされてもよい。
【0068】
図1に示されるように、切断装置システム3は、歯間の間隙を閉鎖し、互いに通過することによって切断動作をもたらすように直線経路に沿って互いに対して往復運動することができる、切断歯6及び7の細長い列を含んでもよい。他方で、切断装置システム3はまた、円に沿って位置合わせされ、及び/又は径方向に配置された切断歯6及び7を含んでもよい。このような回転切断要素4及び5は、実質的に径方向に突起する切断歯6及び7を有してもよく、切断要素4及び5は、互いに対して回転するように、及び/又は互いに対して回転振動するように駆動されてもよい。切断動作は、基本的に、径方向に延在する歯としての往復運動する切断要素と同様であり、回転及び/又は回転振動するとき、隣接する歯の間の間隙を周期的に閉鎖並びに再開放し、はさみのように互いの上を通過する。
【0069】
図2に示されるように、駆動システムは、モータを含んでもよく、モータのシャフトは、駆動体18のチャネル状の輪郭の間に受容される偏心駆動ピンを回転させることができ、この偏心駆動ピンは、切断要素4のうちの1つに接続され、回転する偏心駆動ピンと当該駆動体18の輪郭との係合に起因する往復運動をもたらす。
【0070】
図3、
図4、及び
図5によって示されるように、協働する切断要素4及び5は、基本的に、少なくともほぼ、板形状構成を有し得、各切断要素4及び5は、
図4及び
図5を参照すると、板形状切断要素4及び5の対向する長手方向側部に配置され得る2列の切断歯6及び7を含む。切断要素4及び5は、切断要素の平坦な側部が互いに上に横になるように支持され、及び位置決めされる。より具体的には、切断要素4及び5の切断歯6及び7は、はさみの刃のように、互いに背中合わせに接する。
【0071】
このような櫛状の切断歯6及び7に加えて、協働する切断要素4及び5は、切断要素4及び5の中間部分において、切断歯6及び7の列の間に配置された少なくとも1つの切断穿孔の領域を備えてもよい。より具体的には、切断装置システム3の皮膚接触面を画定する外側切断要素4は、少なくとも2つの列の穿孔8を含んでもよく、これは円形、卵形、楕円形、又は多角形の形状を有する小さいサイズの貫通孔として形成され得る。
【0072】
具体的に言えば、穿孔8を形成するこのような小さいサイズの貫通孔は、六角形の形状を有してもよく、このような六角形の貫通孔の長軸、すなわち六角形の形状の対向する角部を通る軸は、切断要素4及び5の往復運動軸10に対して横方向に配向されてもよい。
【0073】
図9から分かるように、穿孔8は、皮膚接触面/皮膚に面する表面に向かって拡大してもよく、すなわち、穿孔8の断面積は、皮膚接触面に向かってより大きくなる。このようなトロンペット状又は円錐形若しくは切頭角錐形状は、
図9から分かるように、毛髪が穿孔に入ることに役立つ。
【0074】
図8から分かるように、穿孔8は、皮膚接触面の中心区分にわたって全く分配されなくてもよく、限定された領域のみに配置される。より具体的には、短い毛髪を切断するための切断穿孔8は、切断装置システム3が、前方に移動する櫛状歯6、7の列のうちの1つで剃られる皮膚に沿って移動するとき、櫛状の切断歯6、7に続く切断要素4の皮膚対向面又は皮膚に面する表面50の面積70、90に制限されてもよく、一方で、櫛状の歯の当該対向する列の間の切断要素によって画定される皮膚対向面/皮膚に面する表面の中間部分80は無穿孔であってもよい。
【0075】
互いに離間した穿孔8の制限された面積70、90のかかる配置は、非常に短い毛髪が、先行する熊手状の切断縁部のうちの1つの直後に続く穿孔8によって切断され、一方で、先行する櫛状切断縁部から更に離れた穿孔は、非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低いことを考慮する。非常に短い毛髪を切断するのに有効性が低い皮膚接触面50の面積における穿孔の排除に起因して、非常に短い毛髪を切断することにおける効率を犠牲にすることなく、切断要素4、5間の摩擦が低減される。摩擦は、切断要素が互いに対して移動するとき、互いに通過する必要のある穿孔が少ない、より少ない切断縁部のために低減され、このため、剃られる皮膚にわたって前方で移動している切断穿孔から出る、既に切断された毛髪粒子又は毛髪屑は、再度切断又は研削されないので、摩擦損失は低減される。
【0076】
より具体的には、切断穿孔8は、穿孔の2つの分離された細長い領域70、90に配置されてもよく、これは皮膚接触面50を画定する当該切断要素4の外側の1つの細長い無穿孔中心区分80によって互いに分離され、櫛状切断歯6、7の列に沿って及び/又は櫛状切断歯6、7の列に対して平行に延在する各少なくとも2列の穿孔8を含む。
【0077】
櫛状の歯6、7及び穿孔8の切断動作に干渉することなく、互いに対して移動する切断要素の十分な支持を可能にするために、当該穿孔の領域70、90はまた、細長い、当該外側切断要素の無穿孔側部区分61、62によって、櫛状歯6、7の列から分離、又は離間してもよく、支持構造体は、当該穿孔の領域70、90の外側境界に隣接して、又は沿って、当該無穿孔側部区分61、62下の当該切断要素5の内側を支持する一対の可撓性若しくは剛性の支持リブ19を含んでもよい。当該支持構造は、金属から作製されており、任意選択的に、外側にプラスチックカバーを含み得る。
【0078】
支持構造体14と移動切断要素5との係合に起因する摩擦を低減するために、内側切断要素5は、穿孔8の領域70、90間の当該無穿孔中心区分80の下で支持されないように延在してもよい。
【0079】
外側切断要素によって画定される皮膚接触面50の当該細長い無穿孔中心区分80は、当該穿孔の領域70、90の各々のサイズ又は幅よりも大きい、サイズ又は幅を有してもよい。より具体的には、皮膚接触面の当該無穿孔中心区分は、
図8を参照すると、各穿孔の領域によって画定される面積の100%~250%又は110%~175%の範囲の面積にわたって延在してもよい。
【0080】
概して、櫛状切断歯の間の切断装置要素4の皮膚接触面50の面積の2/3超又は3/4超が、無穿孔であり得る。換言すれば、
図8に示されるように、切断装置システム3の対向する熊手状の歯状縁部の間の皮膚接触面50の1/4~2/3のみが穿孔されてもよい。穿孔8の面積のそのような制限は、切断要素4、5が互いに対して移動するとき、摩擦を著しく低減し得る。
【0081】
外側切断装置要素4のかかる穿孔8は、切断要素4及び5が、往復運動軸10に沿って互いに対して往復運動するとき、内側切断要素5内の穿孔9と協働することができる。内側切断要素5の当該穿孔9はまた、外側切断要素4の穿孔8の形状に対応する形状又は異なる形状の小さいサイズの貫通孔として形成されてもよい。しかしながら、
図5から分かるように、内側切断要素5内の穿孔9は、小さいサイズの貫通孔である必要はなく、他の切断要素4内の2つ以上の穿孔8と各々協働するより大きいサイズの切り欠きであってもよい。より具体的には、内側切断要素5内の穿孔9は、長手方向軸で、往復運動軸10に対して横方向に延在する長手方向のスロット状の切り欠きとして形成され得る。このため、内側切断要素5内の各細長い横方向穿孔9は、外側切断要素4内の穿孔の各列と協働し得る。
【0082】
内側切断要素5内の当該切り欠きは、外側切断要素4内の穿孔8と重なり合い、往復運動動作に応じて、当該穿孔8を閉じて、穿孔8及び9に導入される毛髪の剪断動作及び/又は切断をもたらす。
【0083】
互いに背中合わせに横になる及び/又は着座されるが、依然として、切断歯6及び7並びに穿孔8及び9の互いに対する往復移動を可能にする前述の位置において、切断要素4及び5を支持するために、内側切断要素5は、外側切断要素4と、支持構造体14との間に挟持され、これは、内側切断要素5を支持する内側フレームと、外側切断要素4を保持する外側フレーム12と、を含む。
【0084】
より具体的には、当該支持構造体14は、内側切断要素5が外側切断要素4に対して移動し得る間隙16を画定することができ、内側切断要素5は、当該間隙16内で摺動可能に誘導される。
【0085】
より具体的には、
図4及び
図5から分かるように、外側切断要素4は、断面で見たときに、皮膚接触面から離れるように屈曲又は湾曲し、支持構造体14の当該外側フレーム部分12に取り付けられた又は固定された保持フランジを形成する、縁部分4a及び4bを有する実質的にC字形状の構成を有してもよい。
図4から分かるように、当該縁部分4a及び4bは、当該外側フレーム12の縁部分の周りで後に折り畳まれ、又は屈曲されてもよい。しかしながら、代替的に、切断要素4の当該保持フランジ4a及び4bを外側フレーム12の内側に着座させることも可能であろう。
【0086】
切断要素4は、当該外側フレーム部分12に強固に又は固定的に締結されてもよい。例えば、切断要素4は、外側フレーム12に溶接又は接着されてもよい。
【0087】
図4及び
図5から分かるように、支持構造体14の当該外側フレーム部分12は、浅いシュート又はトラフを形成する一対の分岐脚部を含んでもよく、外側フレーム12の当該支持脚部の縁部分は、切断要素4及び5の切断歯6及び7に基本的に対応する歯状縁部を形成するスロット状の切り欠き13を備え得る。より具体的には、外側フレーム12の縁部における当該切り欠き13は、切断される毛髪が切断要素4及び5の歯6及び7に入ることを可能にするが、同時に、外側切断要素4の切断歯6にある程度の支持を提供する。
【0088】
当該外側切断要素4の切断歯6は、後に折り畳まれた支持フランジ4a及び4bと切断装置システム3の皮膚接触面を画定する切断要素4の前側との間の移行領域内に形成されてもよい。
【0089】
外側切断要素4は、C字形状の板状切断要素を形成してもよく、その縁部は、C字又はU字の肢部のように内向きに屈曲した肢部を形成するために折れ、このような折れた肢部4a及び4bは、当該外側支持フレーム部分12によって保持される。折れた肢部を外側切断要素の中心部分と接続する移行縁部分は、より長い無精髭を切断するための櫛状歯6の列を形成するように輪郭形成又は構成され、一方で、切断要素4の中心部分4cは、短い毛髪を切断するための当該穿孔8の領域を提供する。
【0090】
図4から分かるように、外側切断要素4は、支持構造体14の外側フレーム12と共に、外側切断要素4及び外側フレーム12によって囲まれたチャンバ17を画定する。
【0091】
このようなチャンバ17内に、内側切断要素5を支持するための内側フレーム11が、配置される。当該内側フレーム11は、支持構造体14のベース区分20から外側切断要素4上に背中合わせに横になる内側切断要素5に向かって延在する、少なくとも一対の剛性支持リブ19を含む。
【0092】
より具体的には、
図4から分かるように、当該剛性支持リブ19は、外側フレーム12の分岐支持脚部が互いに接合する、外側フレーム12の中心区分から生じる。内側フレーム11の当該支持リブ19は、当該ベース区分20から内側切断要素5に向かって、外側フレーム12間の角度φよりかなり急な角度βで延在する。
図4から分かるように、内側フレーム11の支持リブ19は、互いの間に2×20°~2×40°又は2×25°~2×30°の角度βを画定してもよく、当該剛性支持リブ19は、皮膚接触面に対して垂直であり、往復運動軸10に対して平行な中心平面に関して対称に配置されてもよい。
【0093】
剛性支持リブ19に十分な剛性を与えるために、当該リブ19は、
図4に示されるような断面図で見られるとき、直線的な長手方向軸を有してもよい。換言すれば、支持リブ19の内側表面及び外側表面は、座屈剛性を達成するように平面及び平坦であってもよい。これらの支持リブ19は、ベース部分20から生じるV字形状構成を画定してもよい。
【0094】
代替的に、当該リブ19は、
図4bに示されるように、切断要素5を外側切断要素4に向けて内側に付勢するように、可撓性及び/又は弾性的に構成されてもよい。例えば、リブ19は、
図4bを参照すると、断面で見たときに、切断要素5を他の切断要素4に対して弾性的に付勢するように、屈曲する湾曲輪郭を有してもよい。
【0095】
図5から分かるように、支持リブ19は、支持挿入部の一部であってもよく、及び/又は互いに一体的に形成されてもよい。より具体的には、内側フレーム11は、当該一対の支持リブ19が延在する縁部から、ストリップ状の底部分を含む、シュート状又はトラフ状の構成を有してもよい。例えば、支持リブ19を含む当該内側フレーム11は、実質的に矩形の金属プレートから形成されてもよく、ストリップ状縁部は、傾斜した支持リブ19を形成するために中間区分に対して屈曲されてもよい。
【0096】
当該内側フレーム11は、外側フレーム12及び外側切断要素4によって画定されたチャンバ17に挿入され得る挿入部を形成してもよい。より具体的には、当該内側フレーム11を形成する挿入部は、外側フレーム12のベース部分20上に着座されてもよく、ベース区分20は、切断装置システム3が剃られる皮膚に対して押圧されるとき、内側フレーム11に誘発される力及び圧力を吸収する。
【0097】
内側フレーム11は、前述の間隙16が一方で剛性支持リブ19の支持縁部と他方で外側切断要素4の内側との間に、画定されるように構成される。より具体的には、支持リブ19の高さは、リブ19の支持縁部と外側切断要素4との間の間隙16が内側切断要素5の厚さに実質的に対応するように構成され、当該間隙16は、摩擦を低減し、内側切断要素5と支持リブ19との間、及び内側切断要素5と外側切断要素4との間にいくらかの遊びを提供するように、板状切断要素5の厚さよりもわずかに広くなるように構成されてもよい。このような遊びは、切断装置システム3が無負荷である、すなわち、剃られる皮膚に対して押圧されないときに与えられ得る。動作状態では、外側切断要素4が剃られる皮膚に対して押圧されるとき、そのような遊びが排除され、切断要素4及び5は、毛髪の滑らかな切断を達成するために互いにぴったりと嵌合される。
【0098】
支持構造体14によって提供されるこのような可能な遊びにもかかわらず、支持リブ19は、間隙16が、その幅において、切断される毛髪の厚さよりも小さい量だけ内側切断要素4の厚さを超えるように構成される。例えば、間隙16の幅は、40μmよりも小さい量又は20μm~40μmの範囲の量で、挟持された切断要素5の厚さよりも大きくてもよい。
【0099】
図4から分かるように、内側及び外側切断要素4及び5は、わずかに凸状の輪郭を有してもよい。より具体的には、外側切断要素4によって画定される皮膚接触表面は、わずかに凸状、実質的にシュート状の構成を有してもよい。往復運動軸10に対して垂直に取られた断面で見たときに、外側切断要素4の外側表面は、
図4を参照すると、わずかにドーム形状であり得る。
【0100】
内側切断要素5は、当該わずかに凸状のシュート状の形状に関して、外側切断要素4の形状に実質的に対応する。
【0101】
図4から分かるように、内側切断要素5に面する支持リブ19の支持縁部は、外側切断要素4の対向する縁部において、櫛状歯6及び7の列の間に画定される距離の約35%~70%又は40%~60%の範囲の距離で互いに離間されてもよい。このため、剛性支持リブ19は、往復運動軸10に対して垂直な断面で見たときに、そのスパン幅の約1/3及び約2/3で内側切断要素4を支持してもよい。より具体的には、当該リブ19の支持縁部は、穿孔8の領域の外側境界に直接隣接して延在してもよく、支持リブ19は、内側切断装置要素5内の穿孔9を形成する切り欠きの外側長手方向輪郭に沿って、内側切断要素5と接触してもよい。
【0102】
支持構造体14のベース部分20から、外側フレーム12の支持脚部よりも急な角度で延在する支持リブ19の構成に起因して、外側フレーム12及び外側フレーム12に取り付けられた外側切断要素4によって画定されるチャンバ17は、
図4を参照すると、当該支持リブ19によって内側サブチャンバ17i及び一対の外側サブチャンバ17oに分割され、外側サブチャンバ17oは、共に、内側サブチャンバ17iの体積に実質的に対応する体積を有してもよい。
【0103】
内側フレーム11の剛性支持リブ19は、往復運動軸10に対して実質的に平行に延在してもよい。より具体的には、内側切断要素5に接触するリブ19の支持縁部は、往復運動軸10に対して平行に延在してもよい。
【0104】
図6及び
図7から分かるように、切断装置システム3を含む切断装置ヘッド2は、往復運動軸10に対して実質的に平行に延在し得る枢動軸21を中心としてかみそり/トリマー1のハンドルに対して枢動可能に支持されてもよい。
【0105】
当該枢動軸21は、切断要素4及び5に近接して、及び/又は外側切断要素4及び外側フレーム12によって包囲されたチャンバ17内に位置決めされ得る。
図5及び
図6から分かるように、外側切断要素4を保持する支持構造体14の外側フレーム12は、一対の枢動支持区分12a及び12bを含んでもよく、これは互いから離間され得、及び/又は外側フレーム12の対向する端面に位置決めされ得る。他方で、一対の支持フランジは、ハンドル100の切断装置ヘッド側に提供されてもよく、当該枢動支持フランジは、外側フレーム12の当該枢動支持区分12a及び12bに回転可能に接続されて、枢動軸21を形成し得る。
【0106】
より具体的には、駆動力及び/又はトルクを切断要素に効率的に伝達するのに有害な過度の柔軟性を回避するために、当該枢動軸21は、当該切断要素4の非往復のものに対する固定位置及び/又はかみそり/トリマー1のハンドル100に対する固定位置を有し得る。そのような固定枢動軸位置は、降伏及び巨大節リンク機構を回避することを可能にする。
【0107】
当該支持構造14は、枢動軸ホルダ41をかみそり/トリマー1のハンドル100又はシャーシ部分101に固定的に取り付けるための取り付け部分44を有する剛性枢動軸ホルダ41を含むことができ、当該枢動軸ホルダ41は、
図10に示されるように、当該切断要素4、5と外側切断要素のうちの1つ4の対向する縁部を保持する支持構造14の外側フレーム部分12とによって画定される切断装置ヘッドチャンバ17内又はそれに向かって延在する2つのフレーム部分42を含み得る。
【0108】
より具体的には、当該枢動軸ホルダ41は、
図10を参照すると、金属から作製されたU字形状又はV字形状の保持フレーム要素43を含み得る。枢動軸ホルダ41は、ハンドルの上端に接続され、ハンドルとの接続領域及び切断要素との接続領域を除いて、ハウジング部品によって覆われておらず、したがって組み立てられた装置のユーザから見える。
【0109】
ばね装置22は、切断装置ヘッド2を所望の相互枢動位置又は配向に付勢するように、当該枢動軸21に関連付けられてもよく、これは、反対方向への枢動を可能にする中間配向であってもよく、若しくは代替的に、一方向のみに枢動することを可能にする端部位置又は端部配向であってもよい。
【0110】
当該ばね装置22は、一方でハンドル100に取り付けられた枢動軸ホルダ41の支持フランジ43と、他方では支持構造14の外側フレーム12と係合され得る。
【0111】
より具体的には、当該枢動軸21は、長い毛を切断するために対向する櫛状切断縁部に対して対称的に配置されていない偏心枢動軸の周りをハンドルに対して枢動してもよく、その結果、切断要素4、5を当該枢動軸21の周りで枢動させることにより、当該櫛状切断縁部のうちの1つの動きが他の櫛状切断縁部と比較して小さくなる。より具体的には、当該枢動軸21は、切断装置要素4、5の皮膚接触/対向面50の中央部分80に垂直に延在する中間平面30からオフセットされて配置され、その結果、当該枢動軸21は、当該櫛状の切断歯の列のうちの第2のもの7よりも当該櫛状の切断歯の列のうちの第1のもの6に近い。枢動するとき、枢動軸21に近い列は、より短い横方向の動きを行う一方で、枢動軸21から更に離れた列は、より長い横方向の動きを行い、そのような横方向の動きは、当該枢動軸21の周りの円形経路に従い、動きの長さは、枢動軸21からの当該歯の列の距離に依存する。
【0112】
より具体的には、枢動軸21は、剃られる皮膚に沿って切断装置システム3を移動させるときに前方に進む前縁として通常使用される、櫛状の切断歯の列6の近くに配置され得る。大多数のユーザにとって直感的に好ましいそのような一般的な移動方向106は、とりわけ、当該枢動軸21に対する切断要素4、5のホーム位置におけるハンドル100に対する切断装置システム3の皮膚接触/対向面の傾きに依存し得る。代替的に、又は追加的に、大多数のユーザにとって好ましい移動方向106は、ハンドルのオン/オフボタン105に向かっていてもよい。
【0113】
図6から分かるように、当該切断要素4、5がユーザによって引き起こされる外力なしに保持されるホーム位置又は中立位置又は初期位置では、当該切断要素4、5は、切断装置要素4、5の皮膚接触及び/又は皮膚対向面50が成形器/トリマー1のハンドル100の前側108に向かって面するように、長手方向ハンドル軸110に対して鋭角δで傾斜し得る。ハンドルの前側108は、モータの動作を切り替えるためのオン/オフボタン105が位置するハンドルの同じ側であり、及び/又はユーザの親指を置くことができる場所107である。切断要素4、5のホーム位置における当該前側へのそのような傾斜を考慮すると、枢動軸21は、当該前側に配置された櫛状歯の列6の近くに配置され、一方、ハンドル100の背面に配置された櫛状の切断歯の反対側の列7は、当該枢動軸21から更に離れている。
【0114】
多くのユーザは、
図7の矢印、すなわち
図7において下向きで示されるように、櫛状歯の当該前側列6が前縁を形成した状態で切断装置システムを皮膚に沿って引っ張って剃るので、櫛状歯の当該前側列6に枢動軸21を近づけて配置することでユーザの快適さを向上させることができ、また、櫛状の切断歯6が枢動によって皮膚に移動したり、皮膚に向かうピッチ角が急になりすぎることによって生じる可能性がある皮膚の刺激又は切り傷などの皮膚の損傷のリスクを低減することができる。
【0115】
基本的に、枢動軸21が当該前側切断縁部に直接配置されると、枢動軸からの距離に関しててこアーム又は枢動半径がなくなるため、前側切断縁部6の横方向の動きを完全になくすことができる。しかしながら、枢動軸21を切断装置システム3の中心から過度にオフセットさせることは、剃る皮膚上で切断装置システムを反対方向又は好ましくない移動方向に移動させるときの快適性及び安全性を損なう可能性がある。良好な妥協を達成するために、
図6に示すように、当該枢動軸21は、櫛状歯の反対側の第2の列との間の距離L
2の約60%~90%又は70%~90%又は75%~85%である距離L
1で、当該櫛状歯の第1の列6から離間され得る。
【0116】
したがって、枢動軸21は、一方の櫛状切削歯の列6の方が他方の櫛状の切断歯の列7よりも約10~40%近くに配置されてもよい。
【0117】
切断要素4、5の枢動の良好な応答性に、したがって、異なるレベルの皮膚接触圧力を加えることができる異なるユーザの皮膚輪郭への良好な適合を達成するために、
図6に示すように、枢動軸21は、トルク及び摩擦の枢動効果を低減するために、皮膚接触面の近くに配置されてもよい。切断装置システムが皮膚に押し付けられ、皮膚に沿って移動すると、皮膚接触面50と剃られる皮膚との間に引き起こされる摩擦は、
図7に示すように、枢動軸21の周りで切断装置システムを枢動させる傾向があるか、又はそのようにしようとし、そのような摩擦力のレバーアームは、枢動軸21が皮膚接触面50に近いほど小さくなる。
【0118】
より具体的には、枢動軸21は、皮膚接触面50のわずかに下に、及び/又は外側のC字形状切断要素4のうちの1つの対向する縁部及び当該切断要素4を保持する支持構造14のフレーム部分によって囲まれた切断装置ヘッドチャンバ17内に配置されてもよい。そのような位置は、一方ではそのような摩擦力によって引き起こされる枢動軸21に対する摩擦力、したがって枢動トルクの影響を大幅に低減し、他方では支持構造14のコンパクトで省スペースな配置を可能にする。
【0119】
かみそり/トリマーの容易で直感的な使用を可能にするために、支持構造は、
図6に示すように、長手方向ハンドル軸21に関して非対称である切断要素の枢動範囲45を提供するように構成され得る。言い換えれば、枢動範囲45は、ハンドル100の反対側に向かうよりもハンドル100の一方の側に向かう方が大きくてもよい。より具体的には、枢動範囲45は、切断要素の皮膚接触及び/又は皮膚対向面50が、当該枢動範囲45の少なくとも2/3又は3/4にわたってハンドルの同じ側に向かって面するように構成され得る。
【0120】
自然なかみそりの感触及び容易な直感的な使用は、当該枢動範囲が、-20°~60°又は0°~40°±10°又は/-5°の範囲の傾斜角を有する切断要素の様々な枢動位置を可能にし、当該傾斜角αは、長手方向ハンドル軸110に対して垂直に延在する仮想平面46と切断要素4、5の皮膚接触/対向面50に接する別の仮想平面47との間に画定されるときに達成され得る。
【0121】
切断要素4、5をそれらの枢動ホーム位置に付勢するために、前述の付勢装置22は、当該枢動軸21と関連付けられ得る。そのような付勢装置22は、切断要素4、5を、当該枢動軸21の周りに、限定された枢動範囲の端に向かって付勢するように構成され得る。言い換えれば、ばね装置を含むことができる付勢装置は、切断要素を反対方向に枢動させることができる中立の中央位置に付勢しないが、付勢装置22は、切断要素を、そこから切断要素が一方向にのみ枢動することができる極端な枢動位置又は端部枢動位置に付勢しようとする。
【0122】
より具体的には、付勢装置22は、長手方向ハンドル軸110に対する皮膚接触面50の可能な傾斜の可能な限り最小の角度δで、切断要素4、5を角度枢動位置に付勢するように構成され得る。切断要素が当該付勢ホーム位置から枢動する場合、皮膚接触面50に接する平面47は、長手方向ハンドル軸110に対してより大きく横方向になり、及び/又は当該長手方向ハンドル軸110に垂直な位置に近づこうとする。
【0123】
皮膚接触面50が長手方向ハンドル軸110に対してかなり小さい角度δで傾斜しているこのような付勢されたホーム位置に起因して、ユーザは、上述の切断歯の第1の列6が剃られるべき皮膚の上を進むように切断装置システム3を直感的に引っ張る。したがって、偏心又はオフセットされた枢動軸21は、皮膚輪郭への切断要素の微細な適合を可能にし、潜在的に皮膚刺激の危険性をもたらす制御されない横方向の動きを回避する。
【0124】
切断装置システムを移動させるそのような好ましい方向に関係なく、枢動範囲の端部で切断要素4、5を当該ホーム位置に付勢することはまた、切断装置システムが皮膚上を移動して好ましくない反対方向に剃るとき、すなわち櫛状切断歯の第2の列7が前縁であるとき、当該櫛状歯の第2の列7が枢動によりかなり容易に撓み、皮膚に道を譲る可能性があるため、皮膚刺激又は更には皮膚損傷のリスクを低減することができ、枢動軸21までの距離がかなり大きく、したがって反対側の縁部におけるそのような皮膚接触力の影響が大きいため、そのような反対側の縁部では非常に低い皮膚接触力のみが必要である。
【0125】
切断要素4及び5を互いに対して往復運動する様態で駆動するために、駆動装置18は、内側切断要素5に接続されてもよく、かかる駆動装置18は、内側切断要素5の対向する端部分に取り付けられた棒状駆動要素を含んでもよい。他方で、当該駆動装置18は、ハンドル100から切断装置ヘッド2まで延在する駆動要素と結合される結合区分18cを含んでもよい。より具体的には、支持構造体14の内側フレーム11及び外側フレーム12は、支持構造体14のベース区分20を通って延在する細長い凹部23又は切り欠きを含んでもよく、当該駆動装置18の前述の結合区間18cは、
図5及び
図4を参照すると、細長い切り欠き23を通って延在して、ハンドル100内のモータから来る駆動トレーンの駆動要素との結合を可能にし得る。
【0126】
当該駆動装置18は、内側フレーム11及び/又は外側フレーム12で摺動可能に誘導されてもよい。例えば、1つ以上の誘導ブロック24又は支持部24が、外側フレーム12に提供されてもよい。例えば、このような誘導ブロック24は、外側フレーム12のベース部分に延在する中心の細長い凹部23に挿入されてもよく、当該誘導ブロック24は、ロッド状駆動装置18が摺動可能に誘導され得るスロット状の溝25を含んでもよい。
【0127】
当該駆動装置18は、内側フレーム11の当該剛性支持リブ19の間に収容されてもよい。具体的に言えば、当該駆動装置18は、内側サブチャンバ17i内に収容されてもよく、このため、当該剛性支持リブ19を含む内側フレーム11を形成するシュート状の挿入部によって包囲されてもよく、駆動装置18の結合区分18cは、内側フレーム11を形成する挿入部の底部分における中心の細長い凹部23を通って延在してもよい。
【国際調査報告】