(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】熱成形可能な形状記憶装置およびその使用
(51)【国際特許分類】
B29C 43/20 20060101AFI20230601BHJP
A43B 17/00 20060101ALI20230601BHJP
B32B 7/10 20060101ALI20230601BHJP
B32B 25/08 20060101ALI20230601BHJP
B29C 43/58 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
B29C43/20
A43B17/00 A
B32B7/10
B32B25/08
B29C43/58
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567316
(86)(22)【出願日】2021-04-26
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 FR2021050719
(87)【国際公開番号】W WO2021224562
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515315576
【氏名又は名称】ミレー イノベーション
(74)【代理人】
【識別番号】100114775
【氏名又は名称】高岡 亮一
(74)【代理人】
【識別番号】100121511
【氏名又は名称】小田 直
(74)【代理人】
【識別番号】100202751
【氏名又は名称】岩堀 明代
(74)【代理人】
【識別番号】100208580
【氏名又は名称】三好 玲奈
(74)【代理人】
【識別番号】100191086
【氏名又は名称】高橋 香元
(72)【発明者】
【氏名】ローレント,ユーゴー
(72)【発明者】
【氏名】アンカオウア,クレメント
(72)【発明者】
【氏名】トレピエル-ル ベラー,マリア ルイサ
【テーマコード(参考)】
4F050
4F100
4F204
【Fターム(参考)】
4F050EA01
4F050HA56
4F050HA58
4F050HA59
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4F204FN15
(57)【要約】
本発明は、装置であって、熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の層(11)と、装置の使用温度範囲および熱成形温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の層(1)とを含み、使用温度範囲は、熱成形温度範囲より低く、第1の層は、第2の層に結合され、熱成形可能材料は、使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ粘弾性材料より硬く、熱成形可能材料は、熱成形温度範囲において粘弾性材料より硬くない、装置に関する。
【選択図】
図1B
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱成形可能な形状記憶装置を製造する方法であって、前記方法は、
熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の層(11~15、16a、16b、17)を形成するステップと、
前記熱成形温度範囲および前記熱成形温度範囲より低い使用温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の層(1~7)を形成するステップであって、前記熱成形可能材料は、前記使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ前記粘弾性材料より硬い、ステップと、
前記第1の層と前記第2の層との間の接触面にわたって、前記接触面にわたって分布した化学結合または機械的結合(21~24、24、27)によって、前記第1の層を前記第2の層に接合するステップであって、前記装置は、前記使用温度範囲において前記第1の層によって定められる使用形状を有し、前記熱成形温度範囲において前記装置の形状記憶機能を提供する前記第2の層によって定められる元の形状を有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の層(12~15、16a、16b、17)および前記第2の層(2~7)が、成型もしくは3D印刷によって別々に製造され、次いでともに組み立てられるか、または
前記第1の層(11~15、16a、16b、17)が、成型もしくは3D印刷によって製造され、次いで前記第2の層(1~7)を製造するための型に入れられ、前記第2の層が、前記第1の層を含む前記型を使用した成型によって形成されるか、または
前記第1の層(2~15、16a、16b)が、成型もしくは3D印刷によって製造され、前記第2の層(2~6)の成型による製造のための型を形成する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触面を介して前記第2の層の前記元の形状を前記第1の層(11~15、16a、16b、17)に転写することによって、前記装置が前記第2の層(1~7)によって定められる前記元の形状に戻るように、前記装置を前記熱成形温度範囲内の温度に加熱するステップと、
前記装置を、前記装置が弾性変形可能である前記使用温度範囲内の温度にするステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記装置を前記熱成形温度範囲内の第1の温度に加熱し、前記第1の温度で前記装置に変形を加えて、前記装置を前記元の形状と異なる形状に一致させるステップと、
前記変形を維持しながら前記装置を前記使用温度範囲内の第2の温度にするステップであって、前記第2の温度の前記装置は、前記元の形状と異なる前記形状に対して弾性変形可能である、ステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
装置であって、
熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の層(11~15、16a、16b、17)と、
前記装置の使用温度範囲および前記熱成形温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の層(1~7)と
を含み、
前記使用温度範囲は、前記熱成形温度範囲より低く、
前記第1の層は、前記第1の層と前記第2の層との間の接触面にわたって分布した化学結合または機械的結合(21~24、24、27)によって、前記第2の層に結合され、
前記熱成形可能材料は、前記使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ前記粘弾性材料より硬く、
前記熱成形可能材料は、前記熱成形温度範囲において前記粘弾性材料より硬くなく、
前記第1の層は、前記使用温度範囲において前記装置の使用形状を定め、
前記第2の層は、前記装置の元の形状を定め、前記熱成形温度範囲において前記装置の形状記憶機能を達成する、
装置。
【請求項6】
前記第1の層(11~15、16a、16b、17)は、以下:
前記第1の層と前記第2の層との間の前記接触面の両側で、前記第1の層および前記第2の層を形成する前記材料の融合によって作られる化学結合、
前記第1の層および前記第2の層に化学的に結合することができる接着剤の層もしくは両面接着フィルム、
前記接触面にわたって分布した接合プロファイル(21~24、26~27)に基づく機械的接続、ならびに
シーム、
の1つまたは組み合わせによって前記第2の層(1~7)に結合される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の層(11)は、前記第2の層(1)に埋め込まれ、かつ/または
前記第1の層(14)は、前記第2の層(4)の適合する形状の孔に侵入するスタッド(24)を含み、かつ/または
前記第2の層(2、3、7)は、前記第1の層(12、13、17)の適合する形状の孔に侵入するスタッド(22、23、27)を含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の層(11~15、16a、16b、17)は、
PCL、PETG、EVA、PE、PU、またはPLA、または100℃未満のガラス転移温度を有する熱成形可能樹脂であり、かつ/または
1~2GPaの剛性を有する、
請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の層(1~7)は、以下の特徴:
SEBS、またはシリコーン、またはシリコーンゲル、またはPU、EVA、もしくはPEフォームであること、
1~30のショアA硬さを有すること、
の少なくとも1つを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の層(7)は、踵および足裏を覆うように構成されたインソールの形状を有し、前記第1の層(17)は、踵から中足骨頭の底部に伸びる、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の層は、つま先の先端に伸びる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の層および前記第2の層(15、16、5、6)は、手によって保持されるように意図されたハンドルまたはグリップを形成する、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の層(5)は、円筒形であり、前記第1の層(15)は、前記第2の層を覆う管状であるか、または
前記第2の層(6)は、管状であり、前記第1の層は、前記第2の層の内部表面を覆う管状内側部分(16b)、および前記第2の層の外部表面を覆う管状外側部分(16a)を含むか、または
前記第2の層(6)は、管状であり、前記第1の層は、前記第2の層の内部表面を覆う管状内側部分(16b)を含み、前記第2の層は、前記手と接触するように意図される、
請求項12に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定の温度範囲に曝されると永続的な変更を受けることができる初期形状を有し、拘束されずにこの温度に曝されるとその初期形状を回復することができる装置に関する。本発明は、具体的には、インソール、スリッパ、靴、スプリント、コルセット、頸椎装具、スポーツ用または手工具に存在するハンドルおよびグリップ、サドル、座席、背もたれ、リュックサック、保護具(胸当て、ヘルメット、肩当て、肘当て、膝当て、背中プロテクタ、防護ベスト…)などの、人および/または動物の身体に適用される装置に当てはまる。
【背景技術】
【0002】
各個人は、固有のモルフォロジーを有する。したがって、個人の身体と物体との間の界面は、界面が接触する身体の形状に合う場合にのみ、特定の用途向けに完全に最適化され得る。
【0003】
可撓性かつ/または伸縮性のファブリックは、好適なパターンを使用して身体表面への最適な適合を提供する。それにもかかわらず、健康、衣類、保護、または快適性のいくつかの用途では、機械的な理由で、多かれ少なかれ硬い物体を身体表面と接触させることが必要である。これらの用途が関係する物体は、したがって、ファブリックまたは均等物のみで作ることができない。例えば、関節を支持するための装置は、関節の両側の身体上に少なくとも2つの接触領域を有したまま、その支持機能を実行するのに十分な機械的抵抗性を提供しなければならない。別の例として、身体の領域の保護に使用される装置は、身体表面に一致しながら、硬度特性および十分な厚さを提供しなければならない。
【0004】
これらの用途向けの装置は、依然として主に大量生産され、したがって、異なる形状および寸法に対応する限られた数のサイズでしか利用することができず、単一の装置について10サイズを超えることはめったにない。大量生産される装置のカテゴリは、製造が比較的単純かつ安価であるという利点を有し、これは、それらが一般的である理由を説明する。これらの装置は、ほとんどが、それらが接触することになる身体表面の一般的形状を再現しようとするが、それらは、それらのユーザの身体に完全に合うことない。
【0005】
これらの用途向けの装置の別のカテゴリは、特注、すなわち、エンドユーザの身体表面に従って、その存在下で製造されるものであり、これは、装置の形状とユーザのモルフォロジーとのはるかに精密な一致を可能とする。それにもかかわらず、これらの特注製品は、一般に、製造がより複雑でありかつ費用がかかり、大量生産に起因する節約を妨げる。加えて、ユーザの身体を測定するプロセスは、製造を開始できるようになる前に、ユーザによる時間投資を必要とする。3D印刷および3Dイメージングなどの新しいデジタル技術が、ユーザ自身によって生成され得るデジタルファイルで収集された3D解剖学的データに基づく固有のデジタルモデルの製造を自動化することによって、これらの懸念の影響を減らす傾向があるとしても、特注装置は、それが専用に設計された身体にのみ合うことになり、したがって別のユーザに適さないことに変わりはない。このカテゴリの装置は、したがって、ユーザがそれを必要とする限りにおいてのみ使用可能であり、廃棄物および地球資源の消費の削減に寄与しない。
【0006】
これらの同じ用途向けの装置の別の少数カテゴリは、固体成形可能材料、すなわち、加熱されると形状を変化させることができる(熱成形可能な)材料、または液体もしくは粉末形態から固体形態を取ることができる材料の使用に基づく。熱成形可能固体材料は、通常、単一の材料で作られるか、または同じ温度範囲に敏感な他の材料と複合化された、シート形態で提供される。特定の温度を適用することにより、シートは、それを身体の意図された領域に適用することで変形可能である。この熱成形操作は、通常は専門家によって、またはいくつかの用途ではユーザ自身によって、行われる。液体または粉末材料は、通常、材料の固化を引き起こす化学反応をトリガする少なくとも1つの他の成分の添加を必要とする。化学反応中、材料を、身体の標的領域に合う形状にすることができる。これら2つの技術は、大量生産材料から、ユーザの身体の領域の形状に完全に適合した固有の装置を提供する。それにもかかわらず、この種の装置の実現は、比較的速いものの、扱いにくいことがあり、エラーのリスクを最小限にするために専門家の介入がしばしば必要である。さらに、このようにして作製された装置は、一般に可逆的ではなく、すなわち、装置をその初期形状に戻し、成型エラーを修正すること、または装置を別のユーザに再利用することは不可能である。これらの装置は、したがって、誤りの許容範囲のない成形ステップを考慮すると実装が困難であることに加えて、ユーザ固有であつらえで作ったものと同じ欠陥を有する。
【0007】
ユーザの身体の領域と接触する界面を有する既存の装置は、したがって、この領域に不完全に適合されるか、またはユーザ固有であることに加えて実装が複雑である。
【0008】
近年、熱成形可能な形状記憶複合材料が開発されている。これらのポリマー系材料は、特定の温度範囲内で容易に成形され得、機械的応力がない場合、この温度範囲内でもそれらの元の形状に戻る能力を有し得る。この目的のために、これらの材料は、2種類の繊維、すなわち、所望の熱成形温度範囲内のガラス転移温度を有する繊維、および所望の熱成形温度範囲より著しく高いガラス転移温度を有する繊維を組み込む。したがって、熱成形可能な形状記憶材料は、物体をユーザの身体のモルフォロジーに成形することを可能とする一方で、その元の形状に戻ることができる。一部の製造業者は、プラスチック射出による物体の大量生産のためにこの種の材料を提案する。しかしながら、市販のこの種の材料は、限られた範囲の機械的特性をカバーし、プラスチック射出成形で使用される大抵の材料より著しく高価である。実際、これらの材料は、人体の関節を支持するには硬さが不十分であるか、またはそれらは高価過ぎるか、またはそれらの熱成形温度が高過ぎて、ユーザのやけどのリスクなく材料を身体に適用することによって成形することができない。その形状によって物体を硬くする機械的方策を使用しながら(具体的には二次モーメントを利用することによって)、十分な支持を提供する最小の曲げ弾性率は、支持される関節または身体部分に適用されるサイズおよび力に応じて、1~2GPaと評価され得る。
【0009】
粘弾性材料をユーザの身体の領域に適用して、衝撃を吸収しかつ/または圧力を分散させることも知られている。しかしながら、粘弾性材料を、一般に100℃未満の温度で成形することはできず、関節または身体部分を支持するには硬さが不十分である。
【0010】
したがって、人または動物の身体の領域の形状に可逆的に適合することができ、連続製造することができる界面を有する装置を提供することが望ましい場合がある。人または動物の身体の領域と接触する用途に関連して、装置が衝撃吸収性および圧力分散性を有することも望ましい場合がある。
【発明の概要】
【0011】
実施形態は、熱成形可能な形状記憶装置を製造する方法に関し、方法は、熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の層を形成するステップと、熱成形温度範囲および熱成形温度範囲より低い使用温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の層を形成するステップであって、熱成形可能材料は、使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ粘弾性材料より硬い、ステップと、第1の層と第2の層との間の接触面にわたって、接触面にわたって分布した化学結合または機械的結合によって、第1の層を第2の層に接合するステップであって、装置は、使用温度範囲において第1の層によって定められる使用形状を有し、熱成形温度範囲において装置の形状記憶機能を提供する第2の層によって定められる元の形状を有する、ステップと、を含む。
【0012】
実施形態によれば、第1の層および第2の層は、成型もしくは3D印刷によって別々に製造され、次いでともに組み立てられるか、または第1の層は、成型もしくは3D印刷によって製造され、次いで第2の層を製造するための型に入れられ、第2の層は、第1の層を含む型を使用した成型によって形成されるか、または第1の層は、成型もしくは3D印刷によって製造され、第2の層の成型による製造のための型を形成する。
【0013】
実施形態によれば、方法は、接触面を介して第2の層の元の形状を第1の層に転写することによって装置が第2の層によって定められる元の形状に戻るように、装置を熱成形温度範囲内の温度に加熱するステップと、装置を、装置が弾性変形可能である使用温度範囲内の温度にするステップとを含む。
【0014】
実施形態によれば、方法は、装置を熱成形温度範囲内の第1の温度に加熱し、第1の温度で装置に変形を加えて、装置を元の形状と異なる形状に一致させるステップと、変形を維持しながら装置を使用温度範囲内の第2の温度にするステップであって、第2の温度の装置は、元の形状と異なる形状に対して弾性変形可能である、ステップとを含む。
【0015】
実施形態はまた、装置であって、熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の層と、装置の使用温度範囲および熱成形温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の層とを含み、使用温度範囲は、熱成形温度範囲より低く、第1の層は、第1の層と第2の層との間の接触面にわたって分布した化学結合または機械的結合によって、第2の層に結合され、熱成形可能材料は、使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ粘弾性材料より硬く、熱成形可能材料は、熱成形温度範囲において粘弾性材料より硬くなく、第1の層は、使用温度範囲において装置の使用形状を定め、第2の層は、装置の元の形状を定め、熱成形温度範囲において装置の形状記憶機能を達成する、装置に関し得る。
【0016】
実施形態によれば、第1の層は、以下の1つまたは組み合わせによって第2の層に結合される:第1の層と第2の層との間の接触面の両側で、第1の層および第2の層を形成する材料の融合によって作られる化学結合、第1の層および第2の層に化学的に結合することができる接着剤の層もしくは両面接着フィルム、接触面にわたって分布した接合プロファイルに基づく機械的接続、ならびにシーム。
【0017】
実施形態によれば、第1の層は、第2の層に埋め込まれ、かつ/または第1の層は、第2の層の適合する形状の孔に侵入するスタッドを含み、かつ/または第2の層は、第1の層の適合する形状の孔に侵入するスタッドを含む。
【0018】
実施形態によれば、第1の層は、PCL、PETG、EVA、PE、PU、またはPLA、または100℃未満のガラス転移温度を有する熱成形可能樹脂であり、かつ/または1~2GPaの剛性を有する。
【0019】
実施形態によれば、第2の層は、以下の特徴:SEBS、またはシリコーン、またはシリコーンゲル、またはPU、EVAもしくはPEフォームであること、1~30のショアA硬さを有すること、の少なくとも1つを有する。
【0020】
実施形態によれば、第2の層は、踵および足裏を覆うように構成されたインソールの形状を有し、第1の層は、踵から中足骨頭の底部に伸びる。
【0021】
実施形態によれば、第2の層は、つま先の先端に伸びる。
【0022】
実施形態によれば、第1の層および第2の層は、手によって保持されるように意図されたハンドルまたはグリップを形成する。
【0023】
実施形態によれば、第2の層は円筒形であり、第1の層は第2の層を覆う管状であるか、または第2の層は管状であり、第1の層は第2の層の内部表面を覆う管状内側部分および第2の層の外部表面を覆う管状外側部分を含むか、または第2の層は管状であり、第1の層は第2の層の内部表面を覆う管状内側部分を含み、第2の層は手と接触するように意図される。
【0024】
本発明の実施形態の非限定的な例を、添付の図面に関連して、以下に記載する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【
図1A-B】実施形態に係る複合材料パッドの、それぞれ、概略上面図および
図1Aに示された断面AAに沿った概略断面図である。
【
図2A-B】別の実施形態に係る複合材料パッドの、それぞれ、概略上面図および
図2Aに示された断面BBに沿った概略断面図である。
【
図3A-B】別の実施形態に係る複合材料パッドの、それぞれ、概略上面図および
図3Aに示された断面CCに沿った概略断面図である。
【
図4】別の実施形態に係る複合パッドの略断面図である。
【
図5】実施形態に係る複合材料で作られたハンドルの一部の斜視図である。
【
図6】別の実施形態に係る複合材料で作られたハンドルの一部の斜視図である。
【
図7】実施形態に係る複合材料インソールの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
図1A、1Bは、実施形態に係る複合材料で作られたパッド10を示す。パッド10は、その中に熱成形可能材料の層11が埋め込まれている粘弾性材料の層1を含む。層1は、パッド1の使用温度範囲、および層11が非弾性的に変形可能な層11のガラス転移温度超の層11の熱成形温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能であり、使用温度範囲は、熱成形温度範囲より低い。さらに、使用温度範囲では、熱成形可能層11の材料は、層1の粘弾性材料より硬く、熱成形温度範囲では、熱成形可能層11の材料は、層1の粘弾性材料より硬くない。
【0027】
したがって、使用温度範囲では、パッド10の形状は、粘弾性層1より硬い熱成形可能層11の形状によって与えられる。熱成形可能層11の存在により、パッド10は、熱成形温度範囲内の温度に加熱された後に非弾性的に変形することができ、それにより層1は、つぶれ、かつ/または弾性変形する。パッド10が使用温度範囲の温度に冷却する間、この変形が維持される場合、層11は、その形状を維持し、より硬くなり、層1を拘束する。層11は、その結果パッド10の形状を定める。パッド10が、その表面に応力を加えることなく熱成形範囲の温度に加熱される場合、より硬い弾性変形した層1は、層11をその元の形状に戻すよう促し、その形状は、パッドが使用温度範囲の温度に戻ると維持される。結果として、層1および11で作られた複合材料は、熱成形性および形状記憶性の両方を有する。
【0028】
大抵の熱成形可能材料は、対照的に形状記憶性を有さず、それにより、外力がない場合、熱成形可能材料の層は、熱成形温度で初期形状に自然に戻らないことを観察することができる。
【0029】
図1A、1Bの例では、層11は、その表面にわたって分布し、層1の材料で充填され、層1と層11との間の機械的結合を、層1、11の間の接触領域全体にわたって提供する、貫通孔22を有する。
【0030】
実施形態によれば、熱成形温度範囲は、この範囲内で、層11を、やけどのリスクなく手で変形させることができるようなものである。熱成形温度範囲は、したがって50~100℃であり得る。例えば、層11のガラス転移温度は、50~80℃であり、層1のガラス転移温度(層1の弾性変形温度範囲の上限)は、熱成形温度範囲より高く、例えば110℃超である。
【0031】
図2A、2Bは、別の実施形態に係る熱成形可能な形状記憶複合材料で作られたパッド20を示す。パッド20は、層1と同じ粘弾性材料の層2、および層11と同じ熱成形可能材料の層12を含む。パッド20は、層12が層2の表面上に配置されているという点でパッド10と異なる。
【0032】
層2および12は、ともに化学的に結合される。2つの材料間の化学結合は、例えば、層2、12の材料を、2層間の界面の両側で、少しの厚さにわたって混合することによって達成される。この化学結合は、2つの層2、12を、それらが完全に硬化する前に、2層の各々の一部がまだ液体形態の状態で接触させることによって達成され得る。
【0033】
図1A、1Bの実施形態において、2つの層1、11もまた、例えば、層1、11の材料を、これらの2層間の界面の両側で、少しの厚さにわたって混合することにより、化学的に結合され得ることに留意すべきである。この場合、孔21は、省略されてもよい。
【0034】
別の実施形態によれば、層2、12は、別々に製造され、シームによって、および/または両方の層2、12に結合することができる別の材料の層を用いて、互いに接合される。この他の材料としては、例えば、接着剤および/または両面接着フィルムもしくはファブリックが挙げられ得る。
【0035】
図2A、2Bの例では、層12はまた、止まり穴であり得、層2に向かって開き、層2を形成する材料で充填される、孔22を有する。孔22は、2つの層2、12の間の接触面を増やし、したがってそれらの結合を増やす。
【0036】
図3A、3Bは、別の実施形態に係る熱成形可能な形状記憶複合材料で作られたパッド30を示す。パッド30は、層1と同じ粘弾性材料の層3、および層11と同じ熱成形可能材料の層13を含む。パッド30は、層13が層3に機械的に結合されているという点でパッド20と異なる。この目的のために、層13は、止まり穴であり得、孔の別の部分より狭い断面で層3に向かって開いた孔23を有し、孔23は、層3を形成する材料で充填される。
【0037】
図4は、別の実施形態に係る熱成形可能な形状記憶複合材料で作られたパッド40を示す。パッド40は、層1と同じ粘弾性材料の層4、および層11と同じ熱成形可能材料の層14を含む。パッド40は、層14が、層14に形成され、層14と層4との間の接触面から層4に侵入するスタッド24によって、層4に機械的に結合されているという点でパッド30と異なる。層4は、止まり穴であり得、スタッド24に相補的な形状の、スタッド24に対向して形成された孔を含む。スタッドの各々は、スタッドの別の断面より狭い基部を有し得、層4、14の間に強い結合を提供する。したがって、2つの層4、14は、別々に作製され得、次いで、比較的強い圧力を加えて、層14のスタッド24を層4に形成された向かい合う孔に押し込むことによって、ともに接合され得る。あるいは、層4は、層14上に成型され得る。
【0038】
図1A、2A、3A、4に示された例では、コネクタ21、22、23、24の体積は、円形断面を有する。この断面は、溝の断面を含めて、2層間の所望の結合力に適合することができる他の形状であってもよく、結合力は、パッドが耐え得る応力、具体的にはねじり応力に関連する。
【0039】
図5および6は、円筒形ハンドルの一部を示す。
図5では、ハンドル部50は、層5を囲む管状熱成形可能層15で覆われた円筒形粘弾性層5を含む。層5は、層1と同じ材料から形成され得、層15は、層11と同じ材料から形成され得る。層15に収容された層5により、これら2つの層は、ともに機械的に結合される。2つの層5、15の間の接触領域が、熱成形可能層の熱成形操作の結果として変更されないことが望ましい場合、2つの層は、両面接着フィルムなどの別の材料を用いるかまたは用いない上記の方法のいずれかで、接触領域全体にわたってともに化学的に結合され得る。
【0040】
したがって、スリーブ部50が熱成形温度範囲内の温度に加熱される場合、層15を、手で変形させ、その変形を層5に伝えることができる。スリーブ部50が、その変形を維持しながら冷却されると、変形は、スリーブ部を熱成形温度に再び加熱し、機械的応力を加えずに放置して、弾性変形した層5をその元の形状に戻すまで維持される。
【0041】
図6では、示されたスリーブ部60は中空である。したがって、粘弾性層6は、管状であり、内部表面および外部表面を備え、例えば円筒形断面を有する。層6の外部表面は、管状の形状であり、層6の外部表面の形状に適合する、外側の熱成形可能層16aで覆われる。内側の管状層16bは、層6に挿入され、層16bは、層6の内部表面全体に接触する形状である。内側層16bは、意図される用途に応じて、熱成形可能であってもよく、または熱成形可能でなくてもよい。
【0042】
層6と層16bとの間の結合を改善するために、これらの2層間の界面に結合プロファイルを形成し得る。
図6に示された例では、この結合プロファイルは、層16bに形成され、層6との界面の層16bの円筒面にわたって分布した軸方向の溝を含み、溝は、層16bに形成された適合するリブ26と共働する。
図6に示された例では、リブ26は、ダブテール断面を有する。その管形状により、ハンドル部60を、ハンドル、例えばラケットのハンドル、またはグリップ、例えば手工具のハンドルに挿入することができる。熱成形可能であるため、ハンドル部60を、ハンドルと接触するユーザの手の部分の形状に適合する形にすることができる。
【0043】
別の実施形態では、層6に溝が形成され、層16bにリブ26が形成される。
【0044】
図5および6の実施形態では、ハンドルまたはグリップは、粘弾性材料などの、手との接触に好適であり得るコーティングで覆われてもよい。あるいは、
図6の実施形態では、層16aは、省略されてもよく、その結果、粘弾性層6の外部表面は、手と直接接触する。
【0045】
図7は、層1と同じ粘弾性材料の粘弾性層7、および層11と同じ粘弾性材料の熱成形可能層17を含むインソール70を示し、2つの層は、前述の様々な実施形態の1つおよび/またはその他に従って、互いに機械的または化学的に結合される。
図7の例では、層7および層17の組み立て様式は、
図3A、3Bに関連して記載されたものに対応し、オリフィス27が、(
図7に示されたインソールの上側の)層17に分布し、オリフィス27の各々は、(オリフィスに対して)軸平面上にアンダーカットプロファイルを有する。層17はまた、ヒール支持ゾーンを包含する開口37も含み、その結果、足によって加えられる圧力が最大であり得るこのゾーンにおいて、インソールは、層17より硬くない粘弾性層7の硬さのみに対応する低減された硬さを有する。
【0046】
他の実施形態によれば、層7および層17は、別々に製造され、化学的および/または機械的結合によってともに結合される。用途に応じて、層7または層17のいずれかは、足裏に接触するように配置され得る。
【0047】
別の実施形態によれば、層17は、踵からつま先に伸びる。
【0048】
熱成形温度でのインソール70の熱成形操作中、インソールは、ユーザの足に押し付けられ、インソールの温度が使用温度範囲に再び達するまでその位置に保持される。
【0049】
装置における粘弾性層1~7の存在は、有利には、衝撃吸収および負荷分散機能を提供する。この目的で、粘弾性層は、使用温度範囲および熱成形温度範囲で、1~30、例えば4~20のショアA硬さ、および1.5~5MPaの引張強さを有し得る。インソールへの応用では、粘弾性層7は、15~20、例えば16のショアA硬さを有する。
【0050】
様々な実施形態によれば、粘弾性層1~7は、約120℃のガラス転移温度を有する低硬度SEBS(スチレンエチレンブチレンスチレン)、または約220℃のガラス転移温度を有するシリコーンもしくはシリコーンゲルであるPDMS(ポリジメチルシロキサン)であり得る。粘弾性層1~7はまた、PU(ポリウレタン)フォーム、またはEVA(エチレン酢酸ビニル)、またはPE(ポリエチレン)であり得る。
【0051】
様々な実施形態によれば、熱成形可能層11~16a、16b、17は、以下の材料のいずれかであり得る:
・約50℃のガラス転移温度を有するPCL(ポリカプロラクトン)、
・約60℃のガラス転移温度を有するPLA(ポリ乳酸ポリエステル)、
・約80℃のガラス転移温度を有するPETG(ポリエチレンテレフタラートグリコール)、
・約85℃のガラス転移温度を有するEVA、
・100℃未満のガラス転移温度を有するPUもしくはPE、
・または100℃未満のガラス転移温度を有する熱成形可能樹脂。
【0052】
様々な実施形態によれば、層11~16a、16b、17は、0.5~3mmの厚さ、および/または1~2GPaの剛性(もしくはヤング率)を有し得る。
【0053】
様々な実施形態によれば、装置(パッド10、20、30、40、ハンドル50、60、インソール70)の製造は、以下のステップを含み得る。熱成形可能層11~17が、成型(射出、鋳造、押し出しなど)または積層造形(3D印刷)によって製造される。結果として生じる層11~17は、その中で粘弾性層が(鋳造、射出などによって)成型される、粘弾性層1~7の所望の形状をした型に入れられ、型を液体形態の粘弾性材料で充填することによって粘弾性層1~7を形成する。ハンドル50の場合、熱成形可能層15は、粘弾性層5を形成するための型を形成する。ハンドル60の場合、それらの最終構成に予め保持された層16a、16bは、粘弾性層6を鋳造するのに使用される型を形成する。
【0054】
別の実施形態によれば、粘弾性層1~7、および熱成形可能層11~15、17または熱成形可能層16a、16bは、(鋳造、射出、押し出しなどによる)成型または積層造形によって別々に製造され、次いで、接着剤で接着することによって、または粘弾性層の弾性変形する能力を利用した相補的なアンダーカット形状(
図4)などの機械的接続を用いて、組み立てられる。
【0055】
本発明に様々な代替および応用が可能であることは、当業者に明らかであろう。具体的には、本発明は、人または動物の身体の領域に適用される目的に限定されず、上に示された特性を有する熱成形可能な形状記憶粘弾性材料を必要とする用途に使用され得る。
【0056】
さらに、熱成形可能層と粘弾性層との結合様式のいくつかは、組み合わされてもよい。したがって、熱成形可能層は、化学結合様式および機械的結合様式の両方によって粘弾性層に結合され得る。熱成形可能層に作られた孔またはスタッドは、必ずしも全て同じ形状およびサイズのものではない。加えて、熱成形可能層は、孔およびスタッドの両方を有してもよく、それらの各々は、粘弾性層に作られた相補的な形状と共働する。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-06
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
熱成形可能な形状記憶装置を製造する方法であって、前記方法は、
熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の
層を形成するステップと、
前記熱成形温度範囲および前記熱成形温度範囲より低い使用温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の
層を形成するステップであって、前記熱成形可能材料は、前記使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ前記粘弾性材料より硬い、ステップと、
前記第1の層と前記第2の層との間の接触面にわたって、前記接触面にわたって分布した化学結合または機械的結
合によって、前記第1の層を前記第2の層に接合するステップであって、前記装置は、前記使用温度範囲において前記第1の層によって定められる使用形状を有し、前記熱成形温度範囲において前記装置の形状記憶機能を提供する前記第2の層によって定められる元の形状を有する、ステップと
を含む、方法。
【請求項2】
前記第1の
層および前記第2の
層が、成型もしくは3D印刷によって別々に製造され、次いでともに組み立てられるか、または
前記第1の
層が、成型もしくは3D印刷によって製造され、次いで前記第2の
層を製造するための型に入れられ、前記第2の層が、前記第1の層を含む前記型を使用した成型によって形成されるか、または
前記第1の
層が、成型もしくは3D印刷によって製造され、前記第2の
層の成型による製造のための型を形成する、
請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記接触面を介して前記第2の層の前記元の形状を前記第1の
層に転写することによって、前記装置が前記第2の
層によって定められる前記元の形状に戻るように、前記装置を前記熱成形温度範囲内の温度に加熱するステップと、
前記装置を、前記装置が弾性変形可能である前記使用温度範囲内の温度にするステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記装置を前記熱成形温度範囲内の第1の温度に加熱し、前記第1の温度で前記装置に変形を加えて、前記装置を前記元の形状と異なる形状に一致させるステップと、
前記変形を維持しながら前記装置を前記使用温度範囲内の第2の温度にするステップであって、前記第2の温度の前記装置は、前記元の形状と異なる前記形状に対して弾性変形可能である、ステップと
を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
装置であって、
熱成形温度範囲で非弾性的に変形可能な熱成形可能材料の第1の
層と、
前記装置の使用温度範囲および前記熱成形温度範囲を含む温度範囲で弾性変形可能な粘弾性材料の第2の
層と
を含み、
前記使用温度範囲は、前記熱成形温度範囲より低く、
前記第1の層は、前記第1の層と前記第2の層との間の接触面にわたって分布した化学結合または機械的結
合によって、前記第2の層に結合され、
前記熱成形可能材料は、前記使用温度範囲において弾性変形可能でありかつ前記粘弾性材料より硬く、
前記熱成形可能材料は、前記熱成形温度範囲において前記粘弾性材料より硬くなく、
前記第1の層は、前記使用温度範囲において前記装置の使用形状を定め、
前記第2の層は、前記装置の元の形状を定め、前記熱成形温度範囲において前記装置の形状記憶機能を達成する、
装置。
【請求項6】
前記第1の
層は、以下:
前記第1の層と前記第2の層との間の前記接触面の両側で、前記第1の層および前記第2の層を形成する前記材料の融合によって作られる化学結合、
前記第1の層および前記第2の層に化学的に結合することができる接着剤の層もしくは両面接着フィルム、
前記接触面にわたって分布した接合プロファイ
ルに基づく機械的接続、ならびに
シーム、
の1つまたは組み合わせによって前記第2の
層に結合される、請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記第1の
層は、前記第2の
層に埋め込まれ、かつ/または
前記第1の
層は、前記第2の
層の適合する形状の孔に侵入するスタッ
ドを含み、かつ/または
前記第2の
層は、前記第1の
層の適合する形状の孔に侵入するスタッ
ドを含む、
請求項5に記載の装置。
【請求項8】
前記第1の
層は、
PCL、PETG、EVA、PE、PU、またはPLA、または100℃未満のガラス転移温度を有する熱成形可能樹脂であり、かつ/または
1~2GPaの剛性を有する、
請求項5に記載の装置。
【請求項9】
前記第2の
層は、以下の特徴:
SEBS、またはシリコーン、またはシリコーンゲル、またはPU、EVA、もしくはPEフォームであること、
1~30のショアA硬さを有すること、
の少なくとも1つを有する、請求項5に記載の装置。
【請求項10】
前記第2の
層は、踵および足裏を覆うように構成されたインソールの形状を有し、前記第1の
層は、踵から中足骨頭の底部に伸びる、請求項5に記載の装置。
【請求項11】
前記第2の層は、つま先の先端に伸びる、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
前記第1の層および前記第2の
層は、手によって保持されるように意図されたハンドルまたはグリップを形成する、請求項5に記載の装置。
【請求項13】
前記第2の
層は、円筒形であり、前記第1の
層は、前記第2の層を覆う管状であるか、または
前記第2の
層は、管状であり、前記第1の層は、前記第2の層の内部表面を覆う管状内側部
分、および前記第2の層の外部表面を覆う管状外側部
分を含むか、または
前記第2の
層は、管状であり、前記第1の層は、前記第2の層の内部表面を覆う管状内側部
分を含み、前記第2の層は、前記手と接触するように意図される、
請求項12に記載の装置。
【国際調査報告】