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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】根菜類収穫機
(51)【国際特許分類】
   A01D 33/04 20060101AFI20230601BHJP
【FI】
A01D33/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567324
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2021062200
(87)【国際公開番号】W WO2021224476
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】102020112427.9
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520134865
【氏名又は名称】グリメ ラントマシーネンファブリーク ゲー・エム・ベー・ハー ウント コー. カー・ゲー
【氏名又は名称原語表記】Grimme Landmaschinenfabrik GmbH & Co. KG
【住所又は居所原語表記】Hunteburger Strasse 32, 49401 Damme, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100114890
【弁理士】
【氏名又は名称】アインゼル・フェリックス=ラインハルト
(74)【代理人】
【識別番号】100098501
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 拓
(74)【代理人】
【識別番号】100116403
【弁理士】
【氏名又は名称】前川 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100134315
【弁理士】
【氏名又は名称】永島 秀郎
(74)【代理人】
【識別番号】100162880
【弁理士】
【氏名又は名称】上島 類
(72)【発明者】
【氏名】ユリアン ロス
(72)【発明者】
【氏名】ヴォルフラム シュトロートマン
【テーマコード(参考)】
2B072
【Fターム(参考)】
2B072AA01
2B072AA10
2B072CB07
2B072CB08
2B072CB09
2B072GA01
2B072GA03
(57)【要約】
本発明は、根菜類収穫機(2)であって、収穫物と混入物とから成る搬送物を搬送方向(6)で搬送するための供給搬送装置(4)と、収穫物から混入物を分離するための、少なくとも1つの分離エレメント(8)を有した分離装置(10)とを備えた根菜類収穫機(2)に関する。分離装置は、搬送物データを検出するための、EDP評価ユニットに連結され、作動中、搬送物に、特に供給搬送装置(4)に向けられる搬送物センサ(12)を有している。本発明によれば、分離装置(10)は、搬送方向(6)で見て少なくとも部分的に隣接して配置された複数の分離エレメント(8)を有しており、これら複数の分離エレメントは、搬送物データに応じてEDP評価ユニットによって個別に操作可能である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
根菜類収穫機(2)であって、収穫物と混入物とから成る搬送物を搬送方向(6)で搬送するための供給搬送装置(4)を備え、かつ前記収穫物から前記混入物を分離するための、少なくとも1つの分離エレメント(8)を有した分離装置(10)を備えており、前記分離装置は、搬送物データを検出するためのEDP評価ユニットに連結され、作動中、前記搬送物に、特に前記供給搬送装置(4)に向けられる、特に光学的な搬送物センサ(12)を有している、根菜類収穫機(2)において、
前記分離装置(10)は、搬送方向(6)で見て少なくとも部分的に互いに隣接して配置された複数の分離エレメント(8)を有しており、前記複数の分離エレメントは、前記搬送物データに応じて前記EDP評価ユニットによって個別に操作可能であることを特徴とする、根菜類収穫機(2)。
【請求項2】
前記分離装置(10)は、前記供給搬送装置(4)に関して下流に配置されており、特に、前記供給搬送装置(4)に接続している別のコンベヤ装置(14)に関して上流に配置されている、請求項1記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項3】
前記分離エレメント(8)は、休止位置から放出位置へと、かつ戻るように可動に、特に旋回可能に、分離装置フレーム(34)に配置されており、前記各分離エレメント(8)には少なくとも1つの放出作動エレメント(16)が配属されている、請求項1または2記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項4】
前記分離エレメント(8)はそれぞれ少なくとも1つの流体流出開口を形成しており、特にそれぞれ1つの操作可能な流体作動エレメントを有している、請求項1から3までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項5】
特に前記分離装置(10)に含まれる少なくとも1つの傾斜センサ(18)が設けられており、前記傾斜センサは、前記根菜類収穫機(2)の、または前記分離装置(10)および/もしくは前記供給搬送装置(4)の傾斜を測定するように、かつ傾斜データを前記傾斜センサ(18)に連結されたEDP制御ユニットに出力するように形成されている、請求項1から4までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項6】
前記少なくとも1つの傾斜センサ(18)は、走行方向(20)に対して横方向に向けられたピッチ軸(22)を中心とした傾斜を測定するようにかつ/または走行方向(20)に向けられたロール軸(24)を中心とした傾斜を測定するように形成されている、請求項5記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項7】
前記EDP制御ユニットは、機械フレーム(30)に対して少なくとも1つの走行装置エレメント(28)を調節するように形成された少なくとも1つの走行装置作動エレメント(26)を、前記傾斜データに応じて調節するように形成されている、請求項5または6記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項8】
前記EDP制御ユニットは、前記根菜類収穫機(2)を牽引機に連結するために配置された連結エレメント(32)を、前記機械フレーム(30)に対して調節するように形成されている少なくとも1つの牽引棒作動エレメントを、前記傾斜データに応じて調節するように形成されている、請求項5から7までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項9】
前記EDP制御ユニットは、前記分離装置(10)に、特に前記分離装置(10)の前記分離装置フレーム(34)に配置された少なくとも1つの分離装置作動エレメント(36)を、前記傾斜データに応じて調節するように形成されており、この場合、少なくとも前記分離装置フレーム(34)は前記機械フレーム(30)に対して可動に支持されている、請求項5から8までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項10】
前記分離装置フレーム(34)は、少なくとも部分的に旋回可能に前記機械フレーム(30)に配置されており、前記分離装置フレーム(34)は、前記ロール軸(24)を中心とした、特に各旋回軸を中心とした、前記供給搬送装置(4)の供給搬送装置フレームに対する前記分離装置フレーム(34)の旋回が阻止されるように、前記供給搬送装置(4)に連結されている、請求項9記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項11】
前記分離装置フレーム(34)は、前記供給搬送装置フレームに対して可動に支持されている、請求項9または10記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項12】
前記分離装置フレーム(34)は、前記供給搬送装置フレームに対して、少なくとも部分的に前記ピッチ軸(22)に対して平行な方向に並進運動可能に、特に摺動可能に支持されている、請求項11記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項13】
前記分離装置フレーム(34)は、前記供給搬送装置フレームに対して、少なくとも部分的に前記ロール軸(24)に対して平行な方向に、前記搬送方向(6)でかつ/または垂直方向で並進運動可能に、特に摺動可能に支持されている、請求項11または12記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項14】
前記分離装置フレーム(34)は、前記供給搬送装置フレームに対して、少なくとも部分的に前記ピッチ軸(22)に対して平行な旋回軸を中心として旋回可能に支持されている、請求項11から13までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項15】
前記EDP制御ユニットは、前記分離エレメント(8)の下方に、前記機械フレーム(30)に対して可動に、特に少なくとも部分的に、前記ロール軸(24)に対して平行な方向に摺動可能に配置された、前記分離装置(10)によって選別された混入物を導出するための導出エレメント(38)に配置された少なくとも1つの導出作動エレメント(40)を、前記傾斜データに応じて調節するように形成されている、請求項5から14までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項16】
前記導出エレメント(38)は、作動中に循環する、特に作動中に回転するローラとして、または作動中に循環するベルトとして形成されており、前記導出エレメントは、好適には、前記選別された混入物を排出するために循環するように形成されている、請求項15記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項17】
前記EDP制御ユニットは、前記供給搬送装置(4)の搬送速度を前記傾斜データに応じて調節するように形成されている、請求項5から16までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項18】
前記EDP制御ユニットは、前記供給搬送装置(4)の、前記分離エレメントに面した少なくとも1つの端部に、前記分離装置(10)に対して少なくとも部分的に垂直方向に可動に配置されている供給搬送作動エレメントを、前記傾斜データに応じて調節するように形成されている、請求項5から17までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項19】
前記供給搬送装置(4)の載置面(5)は、搬送方向かつ垂直方向に延在する2つの境界平面(42)に隣接しており、この場合、搬送方向(6)で見て、最も外側の分離エレメント(8)は、少なくとも部分的に前記境界平面(42)の間のスペースの外側に配置されている、請求項1から18までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項20】
前記EDP評価ユニットは、調節すべき前記分離エレメント(8)の選択が、前記傾斜データに応じて、特に、前記ロール軸(24)を中心としたまたは前記搬送方向(6)を中心とした傾斜を表す傾斜データに応じて行われるように形成されている、請求項5から19までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項21】
前記EDP評価ユニットは、傾斜閾値を超過しない第1の傾斜を表す第1の傾斜データおよび第1の搬送物データを受信した際には、第1の分離エレメント(8)を操作するように形成されており、前記EDP評価ユニットは、前記傾斜閾値を超過する別の傾斜を表す別の傾斜データおよび第1の搬送物データを受信した際には、前記第1の分離エレメント(8)に隣接して配置された分離エレメントを操作する、請求項20記載の根菜類収穫機(2)。
【請求項22】
請求項1から21までのいずれか1項記載の根菜類収穫機(2)を使用して、コンピュータによって実施される方法であって、以下のステップ、すなわち、
搬送物センサ(12)によって搬送物データを検出するステップと、
傾斜センサ(18)によって傾斜データを検出するステップと、
前記傾斜データに応じて、かつ/または前記搬送物データに応じて、EDP評価ユニットおよび/またはEDP制御ユニットによって、少なくとも1つの作動信号を算出するステップと、
流体作動エレメントのうちの少なくとも1つおよび/または放出作動エレメント(16)のうちの少なくとも1つを操作し、かつ/または牽引棒作動エレメント、走行装置作動エレメント(26)、供給搬送作動エレメント、導出作動エレメント(40)、および/または分離装置作動エレメント(36)を、前記作動信号によって調節するステップと、
を含む方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、根菜類(Hackfrucht)収穫機であって、収穫物と混入物とから成る搬送物を搬送方向で搬送するための供給搬送装置を備えた根菜類収穫機に関する。さらに、この根菜類収穫機は、収穫物から混入物を分離するための、少なくとも1つの分離エレメントを有した分離装置を備えている。この分離装置は、搬送物データを検出するための、第1のEDP(electronic data processing)評価ユニットに連結され、作動中、搬送物に向けられる搬送物センサを有している。特に、搬送物センサは、作動中、供給搬送装置に向けられている。さらに、搬送物センサは、特に光学的な搬送物センサである。
【背景技術】
【0002】
公知の根菜類収穫機では、作動中、供給搬送装置が搬送物を分離装置へと搬送する。分離装置は、混入物が可能な限り収穫物から分離されるように、少なくとも搬送物の混入物に対して作用する。収穫物の収穫量を計算するための搬送物センサの使用が公知である。
【0003】
公知の根菜類収穫機における欠点は、その分離装置が、特に傾斜状態で根菜類収穫機が作動する際に、一方では、混入物全体のうちの不十分な割合しか収穫物から分離されず、他方では、意図に反して、収穫物の一部も混入物と共に、残りの収穫物から分離してしまう、またはこれらを傷つけてしまうということである。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、上述した欠点を回避する根菜類収穫機および根菜類収穫機を作動させる方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によれば、分離装置が、搬送方向で見て少なくとも部分的に互いに隣接して配置されている複数の分離エレメントを有している。これらの分離エレメントは、EDP評価ユニットによって、搬送物データに応じて操作可能である。
【0006】
根菜類収穫機は、耕地で直接使用される、自走式の、または作動時に牽引車両により牽引される移動式の機械である。根菜類収穫機は、特に、好ましくはジャガイモまたはカブのような収穫物を収穫するために適している。供給搬送装置は、特に、スクリーンベルト、すなわち、閉じられていない載置面を有したコンベヤベルトを備えているか、または好適にはローラテーブルとして形成されている。
【0007】
搬送物センサは、作動中、特に搬送物の上方に配置されていて、搬送物に向けられている。好適には、搬送物センサは、供給搬送装置の上方に配置されていて、さらに好ましくは、供給搬送装置に対して少なくとも実質的に垂直に向けられている。さらに好適な構成では、搬送物センサは、供給搬送装置と、搬送方向で後続のコンベヤ装置との間の領域に、特に落下段の領域に向けられている。搬送物センサは、特に、カメラとして、好適には、ラインスキャンカメラ、2Dカメラ、または3Dカメラとして形成されている。特に、搬送物センサは、色情報を検出するように形成されている。代替的に、搬送物センサは、好適には、超音波センサ、光バリア等として形成されている。搬送物センサは、複数のセンサの組み合わせ、例えば画像センサと深度センサとを有していてもよい。
【0008】
作動中、搬送物センサから検出された搬送物データは、EDP評価ユニットに伝達される。このために、搬送物センサは、特にワイヤレスで、またはケーブル接続により、評価ユニットに連結されている。評価ユニットは、少なくとも搬送物データを処理するために特に1つのプロセッサとメモリとを備えている。評価ユニットは、作動中、好適には、根菜類収穫機に配置されており、これに対して代替的に、評価ユニットは作動中、好ましくは、根菜類収穫機に連結された牽引機に配置されている。
【0009】
EDP評価ユニットは、個々の分離エレメントの個別操作のために形成されている。特に、搬送物に作用するように形成された、分離エレメントの区分は、完全に互いに隣接している。好適には、分離エレメントは、水平方向、かつ搬送方向に対して直角の横方向で見た場合に、相前後して配置されているので、特に、これらの分離エレメントの位置が一致している場合には、観察者の最も近くにある分離エレメントしか見えない。
【0010】
本発明による根菜類収穫機の作動中、EDP評価ユニットは、搬送物データに基づき、根菜類および/または混入物の位置を、特にその横方向の位置を検出する。このために特に識別アルゴリズムが使用される。位置情報および特に供給搬送装置の搬送速度に基づき、EDP評価ユニットは、根菜類または混入物要素をその他の搬送物流から分離するために、どの分離エレメントをいつ操作すべきかを計算する。この場合、分離すべき要素の横方向座標と一致する横方向座標を有した分離エレメントが操作される。その他の分離エレメントは操作されずに維持されるので、意図に反してその他の要素が搬送物から分離されることはなく、または収穫物を傷つけることはない。
【0011】
このように分離エレメントを目標に合わせて使用することにより、一方では、石や雑草のような混入物要素を目標通りに、ひいては確実に収穫物から分離することができ、この場合、意図に反して分離される収穫物を伴うことはない。これにより、従来の分離装置よりも著しく高い分離装置の効率が根菜類収穫機において達成される。
【0012】
分離装置は、特に少なくとも3個、好適には少なくとも5個、特に好適には少なくとも10個、少なくとも30個、または少なくとも50個の分離エレメントを有し、本発明の有利な構成では、分離装置は、最大で60個のまたはちょうど60個の分離エレメントを有している。供給搬送装置の載置面は、特に、少なくとも500mmの、好適には少なくとも1,000mmの、特に好適には少なくとも1,500mmのかつ/または2,000mmまでの横方向で測定した幅を有している。分離エレメントの数は、特に、分離エレメントの幅と、供給搬送装置の幅とに依存する。好ましくは、供給搬送装置は、それぞれ1つの根菜類または混入物の要素を収容するための、搬送方向で互いに分離され、かつ搬送方向に対して横方向で互いに分離された搬送区画を有している。好ましくは、横方向でずらされた各区画には、少なくとも1つの、特にちょうど1つの分離エレメントが配属されている。
【0013】
好適には、分離装置は、供給搬送装置に対して下流側に配置されている。特に、分離装置は、供給搬送装置に続いている別のコンベヤ装置に対して上流側に配置されている。特に、この別の装置は、搬送物流に沿って直接供給搬送装置に続いている装置である。これにより、分離装置は、本発明のこのような実施形態では、落下段の領域に配置されており、これにより分離エレメントは、根菜類または混入物要素が落下する間に、これらに作用することができる。このようなことは、落下段の領域で、搬送物要素は、互いに比較的大きな間隔を有しているので、確実にこれらは把持され、さらにはこのために分離エレメントによって僅かな力をかけるだけでよいので、有利である。
【0014】
好ましくは、分離エレメントは、休止位置から放出位置へと、かつ戻るように可動に、分離装置フレームに配置されている。特に、分離エレメントは、旋回可能に分離装置フレームに配置されており、かつ/または放出位置で、分離すべき要素に接触するように構成されている放出表面を有している。この場合、各分離エレメントには、少なくとも1つの放出作動エレメントが配属されている。特に、分離エレメントは、この構成では、分離エレメントが操作される際に、休止位置から放出位置へと移行する。これにより、分離エレメントは、作動中、搬送物要素を押し出し、または変向させることができ、これによりこの搬送物要素を、残りの搬送物から分離させることができる。EDP評価ユニットによって特に、好適には、液圧シリンダ、空圧シリンダまたは電動式の作動エレメントとして構成されている放出作動エレメントが駆動制御される。特に、分離エレメントはその上面に旋回軸受を有しており、この旋回軸受で可動に、分離装置フレームおよび/または機械フレームに懸吊されている。特に好適には、分離エレメントは、休止位置および放出位置の他に別の位置を有しており、分離エレメントの操作とは、単にその位置の変更を意味する。このようにして、特に、例えば、異なる大きさの根菜類または異なる混入物要素の選別を行うことができ、これにより、これらは分離エレメントによって、種々様々にさらに案内される。
【0015】
本発明の別の構成では、分離エレメントは、それぞれ少なくとも1つの流体流出開口を形成している。特に、分離エレメントはこの場合、それぞれ1つの操作可能な流体作動エレメントを有している。特に流体流出開口はノズルにより形成されており、かつ/または空気を流出させるために適しており、このために特に圧縮空気貯蔵部に接続することができる。作動中、作動させる分離エレメントから出る流体流により、特に、分離すべき要素の運動軌道または飛翔軌道に、これらの分離すべき要素が、その他の搬送物から丁寧に分離されるように影響を与えることができる。この場合、分離エレメントは、特に、1つの共通のケーシングにまたは好ましくは一体に形成されている。
【0016】
流体作動エレメントおよび/または放出作動エレメントは、好ましくは、別個の構成部分または装置によって形成されている。代替的には、複数の流体作動エレメントおよび/または放出作動エレメントは、1つの共通の構成部分によってまたは1つの共通の装置によって、少なくとも一緒に形成されている。この共通の構成部分は、特に、作動中、流体を含む管路としてまたは導電体として形成されている。
【0017】
好ましくは、根菜類収穫機は、特に分離装置に含まれている少なくとも1つの傾斜センサを有している。傾斜センサは、根菜類収穫機もしくは分離装置および/または供給搬送エレメントの傾斜を測定するために形成されている。さらに、傾斜センサは、傾斜データを、傾斜センサに連結されたEDP制御ユニットに出力するように形成されている。傾斜センサは、特に、鉛直に対する傾斜を測定するように形成されている。傾斜センサは、特にワイヤレスでまたはケーブルを介してEDP制御ユニットに接続されていて、作動中、傾斜データをEDP制御ユニットへと送信する。本発明の好適な構成では、EDP評価ユニットとEDP制御ユニットとは、上位のEDPユニットに含まれており、または同じEDPユニットによって形成されている。
【0018】
好適には、傾斜センサは、走行方向に対して横方向に向けられたピッチ軸を中心とした傾斜を測定するようにかつ/または走行方向に向けられたロール軸を中心とした傾斜を測定するように形成されている。ピッチ軸は、特に、横方向に対して平行である。ロール軸、ひいては走行方向も、特にロール軸に対して平行である。根菜類収穫機のコンベヤ装置は、通常、実質的に走行方向にまたは実質的に横方向に搬送するので、これにより測定される傾斜は、根菜類収穫機の機能にとって最も重要である。
【0019】
本発明の有利な構成では、EDP制御ユニットは、少なくとも1つの走行装置作動エレメントを傾斜データに応じて調節するように形成されている。走行装置作動エレメントは、機械フレームに対して、少なくとも1つの走行装置エレメントを調節するために形成されている。走行装置エレメントは、特に、根菜類収穫機の走行装置の車軸またはホイールジャーナルである。特に、根菜類収穫機は、車両側面ごとに、または車輪ごとにそれぞれ1つの走行装置作動エレメントを有している。走行装置作動エレメントは、特に液圧シリンダとして形成されており、この液圧シリンダは、好ましくは一方の端部で機械フレームに、他方の端部で走行装置エレメントに配置されている。
【0020】
傾斜データに依存して走行装置作動エレメントを調節することにより、根菜類収穫機のロール軸を中心とした傾斜補償と、ピッチ軸を中心とした傾斜補償との両方を実現することができる。走行装置作動エレメントが複数設けられている場合は、ロール軸を中心とした傾斜を補償するために、特に根菜類収穫機のより高く位置している側にある走行装置作動エレメントを短くすることができ、一方で、反対の側に位置する走行装置作動エレメントは長くされる。根菜類収穫機のピッチ軸を中心とした傾斜が検出された場合、この傾斜は、同じ車軸の走行装置作動エレメントを同期的に短くまたは長くすることにより解消することができる。特に、根菜類収穫機は、保持部作動エレメントを有しており、この保持部作動エレメントは、走行装置作動エレメントの操作時に、根菜類収穫機の作動中、地面に埋まった開墾犂先を備えた保持部を、その機能が制限されずに維持されるように、機械フレームに対して旋回させる。
【0021】
走行装置作動エレメントに対して代替的にまたは付加的に、EDP制御ユニットは、少なくとも1つの牽引棒作動エレメントを傾斜データに応じて調節するように形成されている。牽引棒作動エレメントは、根菜類収穫機を牽引機に連結するために配置された連結エレメントを、機械フレームに対して調節するように形成されている。特に、牽引棒作動エレメントによって、根菜類収穫機のトーイングアイまたはボールヘッドを、機械フレームに対して旋回させるまたは摺動させることができるので、連結エレメントの高さが変更される。本発明のこのような構成によっても、機械フレームに関する傾斜補償を行うことができる。
【0022】
機械フレームに関する傾斜補償により、分離装置の機能は、敷地が傾斜している場合でも保証されている。特に、これにより、根菜類または混入物要素が、休止位置にある分離エレメントの近傍を、一定の間隔を置いて移動することが達成される。
【0023】
本発明の別の好適な構成では、EDP制御ユニットは、分離装置に配置された少なくとも1つの分離装置作動エレメントを、傾斜データに応じて調節するように形成されている。この場合、少なくとも分離装置フレームが、機械フレームに対して可動に支持されている。分離装置作動エレメントは特に、分離装置フレームに配置されている。分離装置フレームは、特に、供給搬送装置フレームと一体である、または供給搬送装置フレームに対して不動に固定されている。代替的に、ロール軸を中心とした、好ましくはすべての旋回軸を中心とした、供給搬送装置フレームに対する分離装置フレームの少なくとも1つの旋回が阻止されている。供給搬送装置フレームは、特に供給搬送装置の変向エレメントが回動可能に配置されている軸受エレメントを有している。分離装置作動エレメントによって、分離装置に関する傾斜補償が得られ、このために、機械フレーム全体を旋回させる必要はない。特に、代替的に分離装置フレームを旋回させる。このために、分離装置フレームは、ピッチ軸および/またはロール軸を中心として旋回可能に支持されている。分離装置フレームと供給搬送装置フレームとが共に旋回することにより、分離エレメントの領域において搬送物の等しく維持される飛翔曲線が確実に保証される。
【0024】
本発明の代替的なまたは補足的な有利な構成では、分離装置フレームは、供給搬送装置フレームに対して可動に支持されている。このような構成により、分離装置を、様々な傾斜に適合させることができ、この場合、このために分離装置フレームを動かす必要はない。これにより、供給搬送装置を、その搬送機能のために、傾斜に関係なく調節することができ、これに対して分離装置フレームの位置は、傾斜に応じて適合される。
【0025】
好ましくは、分離装置フレームは、供給搬送装置フレームに対して、少なくとも部分的に、特に専ら、ピッチ軸に対して平行な方向にかつ/または横方向に並進運動可能に、特に摺動可能に支持されている。搬送装置フレームの側方の摺動により、特に、少なくとも部分的に搬送方向を中心として存在している傾斜に対して反応することができる。搬送方向が少なくとも部分的に走行方向に一致するように分離装置が組み付けられている場合には、横方向への分離装置フレームの摺動可能性により、ロール軸を中心とした機械の傾斜を補償することができる。これにより、落下段における傾斜により、横方向の運動成分を有する搬送物要素には、これにもかかわらず確実に分離エレメントが到達できることが達成される。
【0026】
代替的にまたは付加的に、分離装置フレームは、好適には供給搬送装置フレームに対して、少なくとも部分的に、特に専ら、ロール軸に対して平行な方向に、搬送方向でかつ/または垂直方向で並進運動可能であり、特に摺動可能である。このような可動性により、特に、搬送物要素に対する分離装置フレームの、ひいては分離エレメントの近さを、落下段の領域において調節することができる。特に、横方向に対して平行な軸線を中心として、特にピッチ軸を中心として傾斜している場合は、したがって、要素のより急勾配なまたはより平坦な飛翔曲線に反応することができ、休止位置において、搬送物要素に対する分離エレメントの一定の間隔を維持することができる。
【0027】
これに対して代替的にまたは付加的に、分離装置フレームは、好適には、供給搬送装置フレームに対して、少なくとも部分的に、ピッチ軸に対して平行な旋回軸を中心として旋回可能に支持されている。特に、分離装置フレームはこの場合、分離装置フレームの旋回により、休止位置において、供給搬送装置に対する分離エレメントの間隔が変更されるように支持されている。分離装置フレームの上述した摺動によって行うのと同様に、分離装置フレームの旋回によっても分離装置を様々な飛翔曲線に適合させることができる。
【0028】
好ましくは、EDP制御ユニットは、分離装置によって選別された混入物を導出するための導出エレメントに配置された少なくとも1つの導出作動エレメントを、傾斜データに応じて調節するように形成されている。導出エレメントは、特に、分離エレメントの下方に、機械フレームに対して可動に、特に少なくとも部分的に、ロール軸および/またはピッチ軸に対して平行な方向で摺動可能に配置されている。特に導出エレメントは、作動中に循環しないガイド板として形成されており、このガイド板は、搬送物から分離された要素の重力に支援された導出のために役立つ。傾斜データに応じて導出エレメントを動かすことにより、この場合も、搬送物要素の様々な飛翔曲線に反応することができる。特に、分離するために分離エレメントによって捕捉された要素が、続いて、傾斜により、導出エレメントに沿って落下する、または分離すべきではない要素が、傾斜に基づき、意図に反して導出エレメント上に落下することが回避される。ロール軸に対して平行なまたはロール軸の方向の可動性の好適な方向により、特に、ピッチ軸を中心とした根菜類収穫機の傾斜にも反応することができる。
【0029】
代替的にまたは付加的に、導出エレメントは、作動中に循環するように形成されている。特に、導出エレメントは、作動中に循環するローラまたは作動中に循環するベルトである。好適には、根菜類収穫機は、作動中に循環する導出エレメントに当接する、または作動中に循環する導出エレメントから僅かに間隔を空けており、機械フレームに対して特に定置である剥離エレメントを有している。剥離エレメントは、剥離エレメントに付着した望ましくない混入物を剥ぎ取るように形成されている。作動中に循環するものとして導出エレメントを形成することにより、根菜類を、丁寧かつ目標通りに案内することができる。
【0030】
特に好適には、根菜類収穫機は、2つの別のコンベヤ装置を、分離装置の下流に有しており、そのうちの一方は、根菜類を排出するために形成されていて、もう一方は、混入物を排出するために形成されている。特に、これらのコンベヤ装置は、作動中、逆方向に循環している。導出エレメントは、好適には、別のコンベヤ装置のうちの少なくとも一方によって形成されている。別のコンベヤ装置のうちの少なくともこの一方のコンベヤ装置は、特に、少なくとも部分的に、特に専ら、その搬送方向でかつ/または水平方向で摺動可能であり、これにより、傾斜に、かつ根菜類および混入物がこの別のコンベヤ装置に当接し、これと共に摺動する領域に反応することができる。この場合、この少なくとも一方の別のコンベヤ装置は、分離機能および搬送機能を同時に行う。
【0031】
好適には、EDP制御ユニットは、供給搬送装置の搬送速度を、傾斜データに応じて調節するように形成されている。供給方向での供給搬送装置の搬送速度を増減することにより、根菜類収穫機の傾斜が検出され、これに伴い搬送物要素の飛翔曲線が変化した場合に、そのような飛翔曲線を再び変化させることができる。特に、傾斜により誘発された飛翔曲線の変化は、搬送速度を適合させることにより少なくともほぼ補償することができる。このために、EDP制御ユニットは、特に、供給搬送装置の駆動エレメントに連結されていて、この駆動エレメントの回転数を作動中に調節する。
【0032】
好ましくは、EDP制御ユニットは、供給搬送装置に配置された供給搬送作動エレメントを、傾斜データに応じて調節するように形成されている。供給搬送装置によって、特に、分離エレメントに面した少なくとも1つの端部が、分離装置に対して少なくとも部分的に垂直に可動である。特に供給搬送作動エレメントは、この端部の領域で供給搬送装置に配置されている。搬送物が落下段の領域に達するときの供給搬送装置の高さを適合させることによっても、搬送物が意図せずに分離エレメントによって捕捉されることを阻止することができ、それにもかかわらず搬送物要素は残りの搬送物から分離エレメントによって確実に分離可能なままである。
【0033】
好適には、供給搬送装置の載置面は、仮想の2つの境界平面に隣接しており、これらの境界平面は、面状に、供給搬送装置内へかつ垂直方向に延在している。供給搬送装置内を見たとき最も外側の分離エレメントは、少なくとも部分的に、境界平面間のスペースの外側に配置されている。特に、供給搬送装置の各側面に、スペースの外側にある少なくとも1つの完全な分離エレメントが配置されていて、好適には、スペースの外側の両側に、複数の分離エレメントが配置されている。これにより、分離装置の横方向の延在は、載置面の横方向の延在を超過している。分離装置のこのような構成により、搬送物要素を、特にロール軸を中心とした傾斜により、供給搬送装置から側方で、落下段の領域で落下する場合でも、分離装置自体によって、残りの搬送物から分離することができる。
【0034】
好ましくは、EDP評価ユニットは、調節すべき分離エレメントの選択が、傾斜データに応じて、特に、ロール軸を中心としたまたは搬送方向を中心とした傾斜を表す傾斜データに応じて行われるように形成されている。これにより、分離エレメントの操作は、搬送物データと傾斜データとの両方に依存している。これにより、分離エレメントの操作は、より広いデータベースに裏付けられ、分離装置をより目的に合わせて調整することができる。
【0035】
特に好適には、EDP評価ユニットは、傾斜閾値を超過しない第1の傾斜を表す第1の傾斜データおよび第1の搬送物データを受信した際には、第1の分離エレメントを操作するように形成されており、この場合、EDP評価ユニットは、傾斜閾値を超過する別の傾斜を表す別の傾斜データおよび第1の搬送物データを受信した際には、第1の分離エレメントに隣接して配置された分離エレメントを操作する。これは、EDP評価ユニットが、まずは、搬送物データに基づき、特に識別された混入物要素にも基づき、その分離のために使用すべき分離エレメントを決定することを意味しており、この場合、根菜類収穫機が水平に方向付けられていることが前提とされている。次いで、EDP評価ユニットは、傾斜データを処理して、(プラスの)傾斜閾値以上、(マイナスの)別の傾斜閾値未満であった場合に、搬送物データに基づいて選択された分離エレメントを起点として、これに(一方または他方の方向で)隣接する分離エレメントを操作のために選択する、またはより大きな勾配の場合には、より離れた分離エレメントを選択する。これにより、分離装置の幅または支持に関する付加的な構造的な手間を回避しながら、分離装置は、特にロール軸を中心とした傾斜の場合でも、分離すべき要素を精密に搬送物から分離することができる。特に、EDP評価ユニットは、走行装置作動エレメントの、または牽引棒作動エレメントのまたは分離装置作動エレメントの上述した傾斜に基づく調節のためにも形成されている。このようにして、分離装置の領域における傾斜は、作動エレメントのうちの1つまたは複数によって、少なくとも、残された傾斜が、操作すべき分離エレメントの変更を何倍も改善されたものにするように、変化させることができる。
【0036】
課題はさらに、上述のかつ/または後述する根菜類収穫機を使用してコンピュータによって実施される方法によって解決される。この方法によれば、まずは搬送物データが搬送物センサによって検出され、傾斜データが傾斜センサによって検出される。次いで、傾斜データに応じて、かつ/または搬送物データに応じて、EDP評価ユニットおよび/またはEDP制御ユニットによって、少なくとも1つの作動信号が算出される。次いで、流体作動エレメントのうちの少なくとも1つおよび/または放出作動エレメントのうちの少なくとも1つが操作され、かつ/または牽引棒作動エレメント、走行装置作動エレメント、供給搬送作動エレメント、導出作動エレメント、および/または分離装置作動エレメントが、作動信号によって調節される。
【0037】
本発明のさらなる詳細および利点は、以下に記載する、概略的に示された実施例により理解される。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】第1の本発明による根菜類収穫機の一部を概略的に示す側面図である。
図2】第2の本発明による根菜類収穫機の一部を第1の配置で概略的に示す側面図である。
図3】第2の本発明による根菜類収穫機の一部を第2の配置で概略的に示す側面図である。
図4】第2の本発明による根菜類収穫機の一部を第3の配置で概略的に示す側面図である。
図5】第3の本発明による根菜類収穫機の一部を概略的に示す平面図である。
図6】第4の本発明による根菜類収穫機の一部を第1の配置で概略的に示す平面図である。
図7】第4の本発明による根菜類収穫機の一部を第2の配置で概略的に示す平面図である。
図8】第5の本発明による根菜類収穫機の一部を概略的に示す平面図である。
図9】第6の本発明による根菜類収穫機の全体図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
本発明による実施例の以下に説明する特徴は、個別でも、図示または説明されたものと異なる組み合わせでも、少なくとも請求項1の特徴と組み合わせた場合には常に、本発明となり得る。有利である場合には、機能的に同様に作用する部材には同一の符号を付してある。
【0040】
図1図8は、本発明による様々な根菜類収穫機2の少なくとも1つの供給装置4と分離装置10とを示している。収穫物と混入物とから成る搬送物は、供給搬送装置4によって搬送方向6で搬送される。これにより搬送物は、実質的に搬送経路3を描く。供給搬送装置4の上方には、搬送物データを検出するための搬送物センサ12が配置されており、これらのデータは、作動中、図示されていないEDP評価ユニットに伝達される。供給搬送装置4にはさらに、傾斜センサ18が配置されている。
【0041】
搬送経路3に関して供給搬送装置4の下流に、分離装置10が配置されている。分離装置10は複数の分離エレメント8を有しており、これらの分離エレメントは、図1図4における視線方向で相前後して配置されているので、それぞれ1つの分離エレメント8しか図示されていない。分離エレメント8は、旋回運動可能に分離装置フレーム34に配置されている。分離エレメント8はさらに、放出作動エレメント16によって、図示されている分離エレメント8の休止位置から放出位置へと移行可能であって、このために、分離エレメントは、搬送経路3の方向で旋回する。
【0042】
分離装置10の下方には、導出エレメント38が配置されている(図1参照)。収穫物は、さらなるコンベヤ装置14によって排出できるようにするためには、作動中、剥離エレメント38の右側に落下しなければならない。分離エレメントによって収穫物から分離または放出される混入物要素は、剥離エレメント38の先端の左側で、この剥離エレメント38の平面にまたはこの剥離エレメントの左側に図示されたコンベヤベルト上に落下しなければならない。
【0043】
図2図4は、第2の本発明による根菜類収穫機2における上記の構成部分を示している。第2の根菜類収穫機2では、分離装置10と導出エレメント38との両方が搬送方向6で摺動可能に支持されている。導出エレメント38は、機械フレーム30内の長孔を通って機械フレームに対して摺動可能であって、導出作動エレメント40によって調節される。同様に、分離装置10は、分離装置作動エレメント36によって、機械フレーム30に対して調節される。両調節は、EDP評価ユニットまたはEDP制御ユニットによって、傾斜センサによって検出された傾斜に応じて設定される。
【0044】
図2では、ピッチ軸を中心とした潜在的な傾斜を測定する傾斜センサ18によって、水平方向に対する根菜類収穫機または供給搬送装置4の傾斜は測定されていないので、分離装置10と導出エレメント38とは両方とも、出発位置に位置している。
【0045】
図3では、傾斜センサ18によって、水平方向に対する反時計回りの収穫機2の傾斜が測定されるので、搬送物の搬送経路3は変更されて、搬送物は、特に急勾配で搬送装置4から落下する。相応して、分離装置10と導出エレメント38とが、分離装置作動エレメント36と導出作動エレメント40とによって、図2の出発位置に対して左方向にずらされる。
【0046】
図4は、逆方向に傾斜した状態の第2の本発明による根菜類収穫機の上述した部分の構造を示している。この場合、導出エレメント38と分離装置10とは、これらの図2の位置に対して右方向にずらされていて、搬送経路3における今やより平坦な飛翔曲線に対応する。
【0047】
図5に概略的に示された本発明による根菜類収穫機の第3の実施形態は、搬送方向6に対して平行なロール軸24に沿ってかつピッチ軸22に沿って、機械フレーム30に対してかつ供給搬送装置4に対して摺動可能に支持されている分離装置10を示している。
【0048】
図6および図7は、第4の本発明による根菜類収穫機を示しており、この収穫機の傾斜センサ18は、少なくとも部分的に、搬送方向6に対して平行に延在するロール軸24を中心として行われる傾斜を測定する。この場合、外側の分離エレメント8は、境界平面42によって規定された中間スペースの外側に配置されており、境界平面42は、供給搬送装置4の載置面の側面に隣接している。
【0049】
図6の作動状態では、根菜類収穫機2の傾斜は測定されず、したがって搬送経路3は搬送方向6でまっすぐに、分離装置10に沿って延在している。図7は、傾斜センサ18によって測定された傾斜が、搬送方向6に対して部分的に横方向に延在する搬送経路3にどのようにつながっているかを示している。このような延在を考慮するために、操作すべき分離エレメント8の選択は、この実施形態では、測定された傾斜に依存するので、例えば図7では、図6および図7の作動状態における搬送物データが同じであるという前提で、図6とは異なる分離エレメントが操作される。
【0050】
図8は、図6および図7と類似の図を示しており、この場合、分離装置10は、搬送方向6に対して横方向で、機械フレーム30に対して摺動可能に支持されている。分離装置フレーム34には、やはり、分離装置作動エレメント36が配置されており、これにより分離装置10は、機械縁部30に対して摺動可能である。図示した実施形態では、根菜類収穫機2または分離装置10は、傾斜センサ18によって検出された傾斜に対して反応して分離装置が側方に摺動し、これにより、搬送物データが図6の作動状態のものと一致する場合には、同じ搬送エレメント8も操作されるが、ずらされて位置決めされるようにする。
【0051】
図9は、本発明による根菜類収穫機2を側面図で示している。根菜類収穫機2は、連結エレメント32によって牽引機械に連結可能であり、作動時に走行方向20で進む。根菜類収穫機2は、ロール軸24を中心とした根菜類収穫機2の傾斜を測定するために、ならびにピッチ軸22を中心とした傾斜を測定するために、傾斜センサを有している。傾斜センサ18は、分離装置10と同様に、この図面では見えていない。車輪として形成された走行装置エレメント28のサスペンション領域では、根菜類収穫機2は、走行装置エレメント28を機械フレーム30に連結している走行装置作動エレメント26を有している。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
【国際調査報告】