(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-08
(54)【発明の名称】人工呼吸器などの流体混合装置
(51)【国際特許分類】
A61M 16/00 20060101AFI20230601BHJP
A61M 16/12 20060101ALI20230601BHJP
B05B 1/30 20060101ALI20230601BHJP
B05C 11/10 20060101ALI20230601BHJP
【FI】
A61M16/00 380
A61M16/12
B05B1/30
B05C11/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022573696
(86)(22)【出願日】2021-05-17
(85)【翻訳文提出日】2023-01-10
(86)【国際出願番号】 US2021032792
(87)【国際公開番号】W WO2021242553
(87)【国際公開日】2021-12-02
(32)【優先日】2020-05-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522464610
【氏名又は名称】レガシー ユーエス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】LEGACY US INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100170597
【氏名又は名称】松村 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー トラヴィス ダルトン
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン フランシス クリフォード
(72)【発明者】
【氏名】トラヴィス アンドリュー ディーン
【テーマコード(参考)】
4F033
4F042
【Fターム(参考)】
4F033BA01
4F033GA01
4F033GA11
4F042BA06
4F042CB08
4F042CB27
(57)【要約】
呼吸器と共に使用するのに好適な、流体混合器などの装置であって、圧力制御流体の流れのためのベンチュリノズルと、ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャと、流体ポートと、流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、ベンチュリノズルに対して開始流位置と停止流位置との間で移動可能な弁と、を含み、圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成され、圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成されている、装置。人工呼吸器に好適な装置を使用する方法もまた、開示される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生きている患者の気道に接続可能な人工呼吸器であって、
スロートを備えるベンチュリと、
ベンチュリノズルと、
圧力制御酸素が外向きに流れる、前記ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、前記ベンチュリ開口部が、前記スロートに開口し、前記ベンチュリ開口部及び前記スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、
前記ベンチュリノズル及び周囲空気と流体連通している周囲空気アパーチャと、
前記患者の前記気道と流体連通している流体ポートと、
前記流体ポートと流体連通している圧力増幅器であって、それを通って画定された少なくとも1つの開口部を含み、前記少なくとも1つの開口部に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップを備える、圧力増幅器と、
前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを引き起こす開始流位置と、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、
前記圧力増幅器は、前記流体ポート内への前記患者の呼気が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させて、前記ベンチュリノズルを閉鎖するように構成され、
前記圧力増幅器は、前記患者の前記流体ポートを通る吸気が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させるように構成され、
前記弁の前記移動軸が、前記スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列する、人工呼吸器。
【請求項2】
前記患者の前記流体ポートを通る前記吸気は、前記ベンチュリノズルに対して、前記ベンチュリノズルを開放するように前記弁を作動させる、請求項1に記載の人工呼吸器。
【請求項3】
前記流体ポート内への前記患者の前記呼気は、前記少なくとも1つのフラップを、前記圧力増幅器内の前記少なくとも1つの開口部に対して前記閉鎖位置に移動させる、請求項2に記載の人工呼吸器。
【請求項4】
前記流体ポートを通る前記患者の前記吸気は、前記少なくとも1つのフラップを、前記圧力増幅器内の前記少なくとも1つの開口部に対して前記開放位置に移動させる、請求項3に記載の人工呼吸器。
【請求項4】
呼吸器と共に使用するのに好適な装置であって、
ベンチュリであって、
スロートと、
ベンチュリノズルと、
圧力制御流体が外向きに流れる、前記ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、前記ベンチュリ開口部が、前記スロートに開口し、前記ベンチュリ開口部及び前記スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、を備える、ベンチュリと、
前記ベンチュリノズル及び周囲流体と流体連している周囲流体アパーチャと、
流体ポートと、
前記流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、
前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、前記スロート内の前記圧力制御流体の流れによる前記周囲流体の引き込みを引き起こす開始流位置と、前記スロート内の前記圧力制御流体の流れによる前記周囲流体の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させて、前記ベンチュリノズルを閉鎖するように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させるように構成され、
前記弁の前記移動軸が、前記スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列し、
前記圧力増幅器が、前記ベンチュリノズルと前記流体ポートとの間に位置決めされている、装置。
【請求項5】
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記停止流位置に前記弁を作動させるように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置に前記弁を作動させるように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置に前記弁を作動させるように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記停止流位置に前記弁を作動させるように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項7】
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置と前記停止流位置との間のアクティブ流位置に前記弁を作動させるように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置と停止流位置との間の前記アクティブ流位置に前記弁を作動させるように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項8】
前記圧力制御流体が、酸素を含み、前記周囲流体が、周囲空気を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項9】
前記圧力制御流体の前記流れを調節するための圧力レギュレータを更に備え、前記圧力レギュレータが、
穿孔を含むように形成されたハウジングと、
前記穿孔内に移動可能に配設されたピストンであって、その第1の端部に隣接する環状リップを備える、ピストンと、
前記穿孔内に配設され、第1の端部と、第2の端部と、を備える、ばねと、
前記穿孔内に移動可能に配設された調整キャップであって、調整キャップに形成された複数のキースロットを含むように形成されている、調整キャップと、を備え、
前記ばねの前記第1の端部が、前記環状リップと物理的に接触しており、
前記ばねの前記第2の端部が、前記調整キャップと物理的に接触しており、
前記調整キャップを第1の方向に回転させることが、前記調整キャップに前記第1のばねを圧縮させ、
前記調整キャップを第2の反対方向に回転させることが、前記調整キャップに前記ばねを伸張させ、
前記調整キャップを前記第1の方向に回転させることが、前記圧力レギュレータの出力圧力を増加させ、
前記調整キャップを前記第2の方向に回転させることが、前記圧力レギュレータの出力圧力を減少させ、
前記穿孔が、円筒形壁によって画定され、
前記円筒形壁が、前記円筒形壁に第1のねじ山を含むように形成され、
前記調整キャップが、その周囲に形成された第2のねじ山を含むように形成され、
前記第2のねじ山が、前記第1のねじ山と噛み合うように構成されている、請求項4に記載の装置。
【請求項10】
前記圧力増幅器が、ダイヤフラムを含む、請求項4に記載の装置。
【請求項11】
前記圧力増幅器が、吸入構成及び吐き出し構成において双安定である、請求項4に記載の装置。
【請求項12】
前記弁が、テーパ状端部を有するステムを含み、前記テーパ状端部が、前記停止位置において前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に入り、前記ベンチュリ開口部を実質的に閉鎖する、請求項4に記載の装置。
【請求項13】
前記周囲流体アパーチャが、流体排気孔を含む、請求項4に記載の装置。
【請求項14】
前記周囲流体アパーチャに着脱可能に接続された少なくとも1つのフィルタを更に備える、請求項4に記載の装置。
【請求項15】
呼吸器を更に備え、前記呼吸器が、前記流体ポートと流体連通している、請求項4に記載の装置。
【請求項16】
前記圧力制御流体が、液体である、請求項4に記載の装置。
【請求項17】
前記装置が、もっぱら機械的なものである、請求項4に記載の装置。
【請求項18】
前記弁の少なくとも一部分が、前記移動軸に沿って、前記スロート内で移動可能である、請求項4に記載の装置。
【請求項19】
前記圧力増幅器の中心が、前記スロート及び前記弁の前記移動軸と実質的に長手方向に整列している、請求項4に記載の装置。
【請求項20】
人工呼吸器に好適な装置を使用する方法であって、
圧力制御酸素源を提供することと、
人工呼吸器に好適な装置を提供することであって、前記装置は、
ベンチュリであって、スロートと、
ベンチュリノズルと、
圧力制御酸素が外向きに流れる、前記ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、前記ベンチュリ開口部が、前記スロートに開口し、前記ベンチュリ開口部及び前記スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、を備える、ベンチュリと、
前記ベンチュリノズル及び周囲空気と流体連通している周囲空気アパーチャと、
流体ポートと、
前記流体ポートと流体連通している圧力増幅器であって、それを通って画定された少なくとも1つの開口部を含み、前記少なくとも1つの開口部に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップを備える、圧力増幅器と、
前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを引き起こす開始流位置と、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備える、提供することと、
前記患者の気道と流体連通している前記流体ポートを配置することと、
前記流体ポートを通る前記患者による呼気に応答して、
前記少なくとも1つのフラップを、前記少なくとも1つの開口部に対して前記閉鎖位置に移動させることと、
前記弁を、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って作動させ、前記ベンチュリノズルを閉鎖することと、
前記流体ポートを通る前記患者による吸気に応答して、
前記少なくとも1つのフラップを、前記少なくとも1つの開口部に対して前記開放位置に移動させることと、
前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させることと、を含み、
前記弁の前記移動軸が、前記スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列する、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権の主張の利益
本出願は、2020年5月29日に出願された米国特許出願第16/888,564号の優先権の利益を主張する。上記の参照出願は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、流体混合装置に関し、より具体的には、COVID-19などの疾患の呼吸器症状又は慢性呼吸器疾患に罹患しているヒト患者に使用可能な人工呼吸器などの流体混合装置、及びそのような人工呼吸器を利用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本書の提出日の時点で、COVID-19のパンデミックが世界中を席巻している。COVID-19にはいくつかの症状が含まれるが、主に呼吸器疾患である。COVID-19ウイルスに曝された人々の大半は、症状がある場合でも、軽度の症状であり、迅速に完全な健康状態に戻ることができる。しかしながら、かなりの少数の人々がCOVID-19ウイルスへの曝露に対して極めて深刻な反応を示す。これらの人々にとっては、肺が感染し、炎症を起こし、肺胞が膿又は流体で満たされ、詰まりを起こし、毛細血管への酸素移動を妨げる可能性がある。COVID-19ウイルスに対する反応が最も深刻な、最も重篤な患者は、急性呼吸窮迫症候群(Acute Respiratory Distress Syndrome、ARDS)に罹患する可能性がある。ARDS患者は、COVID-19ウイルスによって深刻な損傷を受けた肺を有し、肺胞が流体で満たされるようになる。肺胞が膨み、収縮するのに役立つ、肺に自然発生する界面活性剤は、壊れて、肺を硬くする。加えて、ARDSからの炎症は、肺胞内面と隣接する毛細血管との間のギャップを増加させ、毛細血管への酸素移動を更に減少させる。COVID-19感染症又はその他の原因によるそのような極端な症状に罹患した患者は、肺に酸素を押し込み、血液への酸素移動を改善するために、挿管し、人工呼吸器に接続する必要がある。
【0004】
挿管及び換気は、COVID-19感染症の重篤な症状に罹患した患者及び他のARDS患者にとって、生と死の間の最後の防御線である可能性があるが、換気は侵襲的かつ高価であり、呼吸に全く役立たないことと挿管された完全な換気との間の別のステップが有益である。加えて、現在の人工呼吸器は、患者が患者の周囲(典型的には病室又は集中治療室)に吐き出す飛沫を排出することができる。これらの飛沫は通常、感染した患者からCOVID-19ウイルスを運び、医療専門家及び他の患者を危険にさらす。
【0005】
更に、現在の人工呼吸器は、適切に機能するために、圧縮酸素の連続的な供給に依存している。このような現在の人工呼吸器の動作は、酸素供給が連続的に流れることを必要とする。この連続的な流れは、酸素を浪費し、コストを増加させ、現在の人工呼吸器を、遠隔地、発展途上国の場所、又は十分かつ連続的な酸素供給へのアクセスがない、若しくは最小限のアクセスのみを有する他の場所に不適とする。同様に、既存の人工呼吸器は、人工呼吸器を制御するために電子機器に依存し、電子機器に電力を供給するために電力に依存する。この電気の必要性はまた、現在の人工呼吸器を、遠隔地、発展途上国の場所、又は連続的な電気へのアクセスがない、若しくは最小限のアクセスのみを有する他の場所に不適とする。
【0006】
したがって、患者にとって侵襲性が低く、換気された患者の近くの人々にとって感染のリスクが低い改良された人工呼吸器に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0007】
いくつかの実施形態によれば、機械的であり得る人工呼吸器は、呼吸器への空気の流れを制御するために、患者の自然呼吸に依存する。気流は、周囲空気圧力よりもわずかに高い圧力で提供され、呼吸困難な患者を支援するために酸素富化され得る。いくつかの実施形態によれば、空気の流れを制御するために電子機器に依存するのではなく、単純かつ堅牢な機械的弁を使用して、ベンチュリ吸気口への圧縮空気及び/又は酸素の流れを遮断する。弁は、患者が自然に呼吸しているときに生じるわずかな圧力変化によって作動する。弁は、単純なダイヤフラム及びフラップ弁システム、双安定ダイヤフラムシステム、又はシャトルばね式システムに基づく可能性がある。
【0008】
本発明の態様によれば、圧力制御流体の流れのためのベンチュリノズルと、ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャと、流体ポートと、流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、ベンチュリノズルに対して開始流位置と停止流位置との間で移動可能な弁と、を含む、人工呼吸器であって、圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成され、圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成される、人工呼吸器が提供される。
【0009】
本発明の一態様によれば、生きている患者の気道に接続可能である人工呼吸器であって、スロートを備えるベンチュリと、ベンチュリノズルと、圧力制御酸素が外向きに流れる、ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、該ベンチュリ開口部が、該スロートに開口し、該ベンチュリ開口部及び該スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、該ベンチュリノズル及び周囲空気と流体連通している周囲空気アパーチャと、患者の気道と流体連通している流体ポートと、該流体ポートと流体連通している圧力増幅器であって、それを通って画定された少なくとも1つの開口部を含み、該少なくとも1つの開口部に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップを備える、圧力増幅器と、該ベンチュリノズル内の該ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、該スロート内の圧力制御酸素の流れによる周囲空気の引き込みを引き起こす開始流位置と、該スロート内の圧力制御酸素の流れによる周囲空気の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、該圧力増幅器は、該流体ポート内への患者の呼気が、該ベンチュリノズルに対する該移動軸に沿って、該弁を作動させて、該ベンチュリノズルを閉鎖するように構成され、該圧力増幅器は、該流体ポートを通る患者の吸気が、該ベンチュリノズルに対する該移動軸に沿って、該弁を作動させるように構成され、該弁の該移動軸が、該スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列する、人工呼吸器が提供される。
【0010】
患者の該流体ポートを通る吸気は、該ベンチュリノズルに対して、該ベンチュリノズルを開放するように該弁を作動させ得る。
【0011】
該流体ポート内への患者の呼気は、該少なくとも1つのフラップを、該圧力増幅器内の該少なくとも1つの開口部に対して該閉鎖位置に移動させる可能性がある。
【0012】
該流体ポートを通る患者の吸気は、該少なくとも1つのフラップを、該圧力増幅器内の該少なくとも1つの開口部に対して該開放位置に移動させる場合がある。
【0013】
別の態様によれば、本発明は、圧力制御流体の流れのためのベンチュリノズル、ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャ、流体ポート、流体ポートと流体連通している圧力増幅器、及びベンチュリノズルに対して開始流位置と停止流位置との間で移動可能な弁を含む、人工呼吸器であって、圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成され、圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成される、人工呼吸器に好適な装置を企図する。
【0014】
別の態様によれば、本発明は、呼吸器(又は人工呼吸器)と共に使用するのに好適な装置であって、ベンチュリであって、スロートと、ベンチュリノズルと、圧力制御された流体が外向きに流れる、ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、該ベンチュリ開口部が、該スロートに開口し、該ベンチュリ開口部及び該スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、を備える、ベンチュリと、該ベンチュリノズル及び周囲流体と流体連している周囲流体アパーチャと、流体ポートと、該流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、該ベンチュリノズル内の該ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、該スロート内の圧力制御流体の流れによる周囲流体の引き込みを引き起こす開始流位置と、該スロート内の圧力制御流体の流れによる周囲流体の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、該圧力増幅器は、該流体ポートに押し込まれた流体が、該ベンチュリノズルに対する該移動軸に沿って、該弁を作動させて、該ベンチュリノズルを閉鎖するように構成され、該圧力増幅器は、該流体ポートから引き出された流体が、該ベンチュリノズルに対する該移動軸に沿って、該弁を作動させるように構成され、該弁の該移動軸が、該スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列し、該圧力増幅器が、該ベンチュリノズルと該流体ポートとの間に位置決めされている、装置を企図する。このため、本発明は、既知の構築物と同様に、圧力制御流体が連続的に流れることに依存しない。したがって、全体的なプロセスをより効率的にする、圧力制御流体の流れを調節するように弁を作動させる本発明により、経済的及び環境的の両方の大幅な節約を行うことができる。装置は、遠隔地、発展途上国の場所、又は十分かつ連続的な流体供給へのアクセスがない、若しくは最小限のアクセスのみを有する他の場所に特に好適であり得る。
【0015】
圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた(任意の)流体が、ベンチュリノズルに対して弁を停止流位置に作動させるように構成されてもよく、圧力増幅器は、流体ポートから引き出された(任意の)流体が、ベンチュリノズルに対して弁を開始流位置に作動させるように構成されてもよい。
【0016】
圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた(任意の)流体が、ベンチュリノズルに対して弁を開始流位置に作動させるように構成されてもよく、圧力増幅器は、流体ポートから引き出された(任意の)流体が、ベンチュリノズルに対して弁を停止流位置に作動させるように構成されてもよい。これは、例えば、逆の構成と考えてもよい。
【0017】
圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた(任意の)流体が、ベンチュリノズルに対して弁を開始流位置と停止流位置との間のアクティブ流位置に作動させるように構成されてもよく、圧力増幅器は、流体ポートから引き出された(任意の)流体が、ベンチュリノズルに対して弁を停止流位置に作動させるように構成されてもよい。このような構成では、流体が流体ポート内に押し込まれている、及び流体が流体ポートから引き出されている両方のアクションは、弁をアクティブ流位置に作動させることができる。これは、停止流位置と開始流位置との間の任意の場所の点とみなされてもよい。したがって、流れは、停止流から開始流及びそれらの間の全ての位置に完全に制御及び/又は調節されてもよい。
【0018】
装置は、圧力制御流体が酸素を含み、周囲流体が周囲空気を含み、流体ポートに押し込まれた流体が空気ポートに吐き出された空気を含み、流体ポートから引き出された流体が空気ポートから吸入された空気を含むように定義されてもよい。
【0019】
圧力増幅器が、ベンチュリノズルと流体ポートとの間に位置決めされている場合がある。このような位置決めは、弁の強化された作動を提供してもよい。
【0020】
ベンチュリノズルは、圧力増幅器と流体ポートとの間に位置決めされてもよい。本発明者らは、そのような位置決めはまた、弁の強化された作動を提供してもよいと考える。
【0021】
ベンチュリノズルは、周囲流体アパーチャと流体ポートとの間に位置決めされている場合がある。このような位置決めを見出した本発明者らはまた、弁の強化された作動を提供してもよい。
【0022】
装置は、圧力制御流体の流れを調節するための圧力レギュレータを備えてもよい。圧力制御流体の流れを調節する目的に好適な多くの異なる圧力レギュレータのうちの少なくとも1つが含まれてもよいことが理解されよう。
【0023】
より具体的には、装置は、穿孔を含むように形成されたハウジングと、穿孔内に移動可能に配設されたピストンであって、その第1の端部に隣接する環状リップを含む、ピストンと、穿孔内に配設され、第1の端部と、第2の端部と、を備えるばねと、穿孔内に移動可能に配設された調整キャップであって、調整キャップに形成された複数のキースロットを含むように形成されている、調整キャップと、を備える、(圧力制御流体の流れを調節するための)圧力レギュレータであって、ばねの第1の端部が、環状リップと物理的に接触しており、ばねの第2の端部が、調整キャップと物理的に接触しており、調整キャップを第1の方向に回転させることが、調整キャップに第1のばねを圧縮させ、調整キャップを第2の反対方向に回転させることが、調整キャップにばねを伸張させ、調整キャップを第1の方向に回転させることが、圧力レギュレータの出力圧力を増加させ、調整キャップを第2の方向に回転させることが、圧力レギュレータの出力圧力を減少させ、穿孔が、円筒形壁によって画定され、円筒形壁が、円筒形壁に第1のねじ山を含むように形成され、調整キャップが、その周囲に形成された第2のねじ山を含むように形成され、第2のねじ山が、第1のねじ山と噛み合うように構成される、圧力レギュレータを備えてもよい。そのようなレギュレータは、圧力制御流体の流れを調節するのに特に効果的であってもよい。本発明者らは、そのような圧力レギュレータが、本明細書に定義される装置と特に良好な相乗効果を有することを見出した。この相乗効果により、そのような圧力レギュレータは、装置の強化された性能を生じる特定の選択となる。
【0024】
圧力増幅器は、ダイヤフラムを含み得る。ダイヤフラムは、その機能を強化するためにソーサー形状であってもよい。
【0025】
圧力増幅器は、双安定である場合がある。これは、吸入構成及び吐き出し構成であってもよい。このようにして、圧力増幅器は、本発明の少なくともいくつかの実施形態において特に有益な2つの安定状態を表現する。
【0026】
圧力増幅器は、停止流位置に向かって付勢されてもよい。いくつかの実施形態では、圧力増幅器が、停止流位置に向かって付勢されることが好ましい場合があり、このような構成は、これを可能にする。
【0027】
圧力増幅器は、開始流位置に向かって付勢されてもよい。逆に、又は追加的に、いくつかの実施形態では、圧力増幅器が、開始流位置に向かって付勢されることが好ましい場合があり、そのような構成はこれを可能にする。
【0028】
圧力増幅器は、少なくとも1つのフラップを含んでもよい。
【0029】
装置は、もっぱら機械的なものである場合もある。いくつかの実施形態によれば、もっぱら機械的なものである装置は、製造及び動作の簡素化の利点を提供する。
【0030】
装置は、開始流位置又はアクティブ流位置において、圧力制御流体及び周囲流体の混合物が流体ポートに流れることができるように構成されてもよい。例えば、周囲空気などの周囲流体が、酸素などの圧力制御流体の流れに巻き込まれ、流体ポートに向かって流れ及び移動を駆動する場合がある。
【0031】
混合物の流れは、リアルタイムで変調されてもよい。したがって、装置は、圧力制御流体単独の流れの調節に代わる、又は追加の方式で、流体混合物の流れを制御、変更、及び/又は調節してもよい。
【0032】
弁は、圧力増幅器に接続されているフランジを含む場合がある。
【0033】
弁は、テーパ状端部を有するステムを含んでもよく、テーパ状端部は、停止位置においてベンチュリノズル内のベンチュリ開口部に入り、ベンチュリ開口部を実質的に閉鎖する。そのような構成は、本明細書に定義される装置の特徴に関連して、弁の動作において特に効果的であり得る。
【0034】
ステムは、圧力増幅器に接続されている場合がある。そのような構成は、動作中、ステム及び力増幅器をより堅牢にし得る。
【0035】
弁は、スイッチを備えてもよい。これは、バイナリシステムが所望される、又はバイナリ状態が所望されるときに、特に効果的であり得る。
【0036】
弁は、フラップ弁を含む場合がある。
【0037】
弁は、ばね式シャトルシステムを備えてもよい。
【0038】
弁は、摺動可能であってもよい。
【0039】
弁は、もっぱら機械的なものであってもよい。
【0040】
周囲流体アパーチャは、流体排気孔を含む場合がある。したがって、周囲流体アパーチャは、流体の進入及び退出を可能にするという二重機能を有してもよい。装置からの流体の排気は、装置内の使用済み流体による汚染を低減し得、排気されていない使用済み流体を保管する必要性を排除することによって、装置を簡素化してもよい。
【0041】
弁は、流体排気孔を同時に開放しながら、ベンチュリノズルに対して作動されるように構成されてもよい。そのような二重機能性は、装置の動作効率を改善し得る。
【0042】
装置は、周囲流体アパーチャに着脱可能に接続された少なくとも1つのフィルタを更に備えてもよい。フィルタは、装置への/からの流入及び/又は流出流体を濾過するように動作してもよい。流入及び流出の両方の流体の単一のフィルタでの濾過は、装置の動作効率を改善させてもよい。
【0043】
少なくとも1つのフィルタは、約3μmの細孔を含んでもよい。この孔径は、例えば、空気などの流体からウイルス及び細菌などの汚染物質を除去するのに特に有効である。
【0044】
装置は、人工呼吸器と患者の気道との間の流体連通を提供する呼吸器又は同様の装置を更に備えてもよい。本発明者らは、装置と組み合わせて使用される、又は装置の一部を形成する呼吸器が、COVID-19などの呼吸器状態を治療するのに特に効果的であり得ることを発見した。
【0045】
呼吸器は、流体ポートと流体連通してもよい。流体ポートは、例えば、呼吸器に直接的又は間接的に接続されてもよい。人工呼吸器は、流体ポートと流体連通してもよい。流体ポートは、例えば、人工呼吸器に直接的又は間接的に接続されてもよい。
【0046】
本明細書で上述した流体は、液体であってもよい。様々な用途において、液体は装置を通過してもよい。薬剤などの液体も装置を使用して投与されてもよいことが理解されよう。例えば、装置は、このように、呼吸器疾患又は状態に罹患している患者によって肺に吸入され得る液体ミストの形態の薬剤を投与するために使用され得る改良された噴霧器又は気化器として機能してもよい。しかしながら、任意の好適な液体が装置と共に利用されてもよいことが理解されよう。
【0047】
装置は、射出成形されてもよい。このように、装置は、費用対効果の高い方式で迅速に再現されてもよい。
【0048】
装置は、3D印刷プロセスなどの付加製造によって加工される場合がある。したがって、装置は、発展途上国において特に魅力的になるように、正確かつ費用対効果の高い方式で再現されてもよい。
【0049】
装置は、可動性であるように構成されてもよい。
【0050】
装置は、再使用可能であるように構成されてもよい。装置は効果的に洗浄されてもよいため、再使用に好適であってもよい。これは、新しい装置の入手が容易でない発展途上国で特に有益である。
【0051】
本明細書に記載される装置は、呼吸器/人工呼吸器への空気及び/又は酸素の流れの制御における使用のためのものであってもよい。
【0052】
本明細書に記載される装置は、呼吸器/人工呼吸器へのスクラブされた空気及び/又は酸素の流れを制御における使用のためのものであってもよい。
【0053】
本明細書に記載される装置は、呼吸器状態の治療における使用のためのものであってもよい。
【0054】
本明細書に記載される装置は、COVID-19の治療における使用のためのものであってもよい。
【0055】
別の態様では、本発明は、圧力制御流体の源を提供することと、圧力制御流体の流れを受容するためのベンチュリノズル、ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャ、流体ポート、流体ポートと流体連通している圧力増幅器、及び圧力制御流体が周囲の流体と混合する開始流位置と停止流位置との間でベンチュリノズルに対して移動可能な弁を含む、呼吸器に好適な装置を提供することと、流体ポートに押し込まれた流体に応答して、ベンチュリノズルに対して弁を作動させることと、流体ポートから引き出された流体に応答して、ベンチュリノズルに対して弁を作動させることと、を含む、人工呼吸器に好適な装置を使用する方法を想定する。
【0056】
別の態様では、本発明は、圧力制御酸素源を提供することと、スロートを備えるベンチュリと、ベンチュリノズルと、圧力制御酸素が外向きに流れる、該ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、該ベンチュリ開口部が、該スロートに開口し、該ベンチュリ開口部及び該スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、該ベンチュリノズル及び周囲空気と流体連通している周囲空気アパーチャと、流体ポートと、該流体ポートと流体連通している圧力増幅器であって、それを通って画定された少なくとも1つの開口部を含み、該少なくとも1つの開口部に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップを備える、圧力増幅器と、該ベンチュリノズル内の該ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、該スロート内の圧力制御酸素の流れによる周囲空気の引き込みを引き起こす開始流位置と、該スロート内の圧力制御酸素の流れによる周囲空気の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備える、人工呼吸器に好適な装置を提供することと、該流体ポートを患者の気道と流体連通して配置することと、該流体ポートを通る患者による呼気に応答して、該少なくとも1つのフラップを、該少なくとも1つの開口部に対して該閉鎖位置に移動させることと、該ベンチュリノズルに対する該移動軸に沿って、該弁を作動させて、該ベンチュリノズルを閉鎖することと、該流体ポートを通る患者による吸気に応答して、該少なくとも1つのフラップを、該少なくとも1つの開口部に対して該開放位置に移動させることと、該ベンチュリノズルに対する該移動軸に沿って、該弁を作動させることと、を含み、弁の該移動軸が、スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列する、人工呼吸器に好適な装置を使用する方法を想定する。
【0057】
そのような方法における装置は、もっぱら機械的なものであってもよい。
【0058】
該弁の少なくとも一部分が、該移動軸に沿って、該スロート内で移動可能である場合がある。
【0059】
方法は、圧力制御流体の圧力を調整することを更に含んでもよい。
【0060】
方法は、圧力制御流体が圧力制御酸素であることを含み、流体が空気である場合、方法は、装置を呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)に接続することと、人工呼吸器を患者及び圧力制御酸素の源と気体連通して配置することと、患者による吸入に応答して、人工呼吸器への酸素流を開始することと、酸素を周囲空気と混合して、富化空気を生成することと、富化空気を患者に送達することと、患者による呼気に応答して、人工呼吸器への酸素流を停止することと、人工呼吸器からの呼気を排気することと、を含む場合がある。
【0061】
富化空気は、少なくとも26%のFiO2を有してもよい。
【0062】
方法は、圧力制御流体が圧力制御濾過空気であることを含み、流体が空気である場合、方法は、装置を呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)に接続することと、人工呼吸器を患者及び圧力制御濾過空気の源と気体連通して配置することと、患者による吸入に応答して、人工呼吸器への酸素流を開始することと、圧力制御濾過空気を周囲空気と混合して、スクラブされた空気を生成することと、スクラブされた空気を患者に送達することと、患者による呼気に応答して、人工呼吸器への酸素流を停止することと、人工呼吸器からの呼気を排気することと、を含む場合がある。
【0063】
スクラブされた空気は、少なくとも26%のFiO2を有してもよい。
【0064】
方法は、装置及び呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)を利用しながら、歩行すること及び/又は走行することを更に含んでもよい。これは、例えば、ユーザが運動している間の装置の使用を伴ってもよい。
【0065】
方法は、アレルギーを治療するために、装置及び呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含んでもよい。
【0066】
方法は、ARDSを治療するために、装置及び呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含んでもよい。
【0067】
方法は、睡眠時無呼吸を治療するために、装置及び呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含んでもよい。
【0068】
方法は、COPDを治療するために、装置及び呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含んでもよい。
【0069】
方法は、COVID-19ウイルスによる感染を治療するために、装置及び呼吸器又は同様の装置(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含んでもよい。
【0070】
方法は、周囲空気を濾過することを更に含んでもよい。
【0071】
方法は、患者からの吐き出された息を濾過することを更に含んでもよい。
【0072】
別の態様において、本発明は、封止端部と、開放端部と、を備える圧力増幅器を包含し、封止端部は、封止端部と弁との間の固定体積を画定するために弁と流体連通しており、圧力増幅器は、開放端部における圧力の変化が、弁を作動させる封止端部における圧力の変化を引き起こすように構成される。そのような力増幅器は、本明細書で定義される装置と共に使用するために特に効果的であり得る。ただし、この圧力増幅器は、それ自体が発明であると考えられる。
【0073】
圧力増幅器は、開放端部の負圧が、弁を作動させる封止端部の圧力の低減を引き起こすように構成されてもよい。
【0074】
圧力増幅器は、開放端部の正圧が、弁を作動させる封止端部の圧力の増加を引き起こすように構成されてもよい。
【0075】
弁の作動が加湿器を作動させる場合がある。
【0076】
弁の作動は、視覚インジケータの変化を生成してもよい。視覚インジケータは、例えば、色の変化であってもよい。
【0077】
視覚インジケータの変化は、開放端部における圧力の変化を表してもよい。
【0078】
開放端部の圧力変化は、患者の吸気及び/又は呼気によって引き起こされる場合がある。したがって、圧力増幅器は、多くの異なる用途に適応可能であり、これにより、多くの異なる動作分野における特に有用な付属品となる。
【0079】
本概要及び以下の詳細な説明に記載されている本発明の特徴及び有用性は、全てが含まれているわけではない。多くの追加の特徴及び利点は、以下の説明を考えると、当業者には明らかであろう。したがって、以下に続くその詳細な説明がより良く理解され得るように、及び当技術分野への現在の貢献がより良く理解され得るように、むしろ広く、本発明のより重要な特徴が概説されている。
【図面の簡単な説明】
【0080】
【
図1】吸入構成における人工呼吸器の斜視切断図である。
【
図2】吸入構成における
図1の人工呼吸器の側面切断図である。
【
図2A】吸入構成におけるダイヤフラムを示す、吸入構成における
図1の人工呼吸器の詳細斜視切断部である。
【
図3】吐き出し構成における人工呼吸器の斜視切断図である。
【
図3A】吐き出し窓を示す、吐き出し構成における
図3の人工呼吸器の詳細斜視切断部である。
【
図3B】フラップを示す、吐き出し構成における
図3の人工呼吸器の詳細斜視切断部である。
【
図4】吐き出し構成における
図3の人工呼吸器の側面切断図である。
【
図5】人工呼吸器の別の実施形態の斜視切断図である。
【
図7】
図5の人工呼吸器の弁の詳細斜視切断図である。
【
図8】
図5の人工呼吸器の弁の詳細側面切断図である。
【
図9】二次レギュレータ500の一実施形態の斜視図である。
【
図11】二次レギュレータ700の別の実施形態の断面図である。
【
図13】二次レギュレータ700内に配設された調整キャップ750の上面図である。
【0081】
異なる図における同じ参照記号の使用は、類似又は同一の項目を示す。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1~
図2を参照すると、流体混合器2の一実施形態が示される。流体混合器2はまた、流体混合装置2又は装置2と称されてもよい。流体混合器2は、様々な用途で使用されてもよい。例えば、流体混合器2は、医療用途、自動車用途、レーシング用途、及び他の用途で使用されてもよい。
図1~2に見られるように、流体混合器2は、人工呼吸器2である。本書で使用される場合、「人工呼吸器」という用語は、人工呼吸器2が使用され得る全ての医療用途、例えば、限定されないが、持続気道陽圧(continuous positive airway pressure、CPAP)機械、及びバイレベル気道陽圧(bilevel positive airway pressure、BiPAP)機械を包含する。
【0083】
図1~2に戻ると、例示的な人工呼吸器2は、患者が人工呼吸器2を通して気体を吸入している吸入構成で示される。有利なことに、人工呼吸器2は、もっぱら機械的である。本書で使用される場合、「もっぱら機械的」という用語は、電気又は電子機器なしで、患者の呼吸によって制御される気体圧の変化に基づいて動作可能な機構を意味すると定義される。他の実施形態によれば、人工呼吸器2は、電気及び/又は電子機器を使用して、制御され、電力供給され、又はそれ以外の場合、全体又は一部が動作してもよい。人工呼吸器2は、概ねベル形状であってもよいか、又は任意の他の好適な形状を有してもよい周囲流体アパーチャ4を含む。周囲流体アパーチャ4の開口部は、限定されないが、円形、楕円形、直線状、又は多角形などの任意の好適な形状を有してもよく、両側及び/又は半径方向に対称、又は非対称であってもよい。周囲流体アパーチャ4は、人工呼吸器2の1つの端部に位置してもよい。人工呼吸器2はまた、周囲流体アパーチャ4に近接して位置する流体入口6を含む。流体入口6は、酸素などの圧力制御流体の源に接続されてもよい。
図1に見られるように、周囲流体アパーチャ4及び流体入口6は、互いに概ね垂直に配置されてもよいが、周囲流体アパーチャ4及び流体入口6は、任意の他の好適な方式で互いに対して配置されてもよい。流体入口6は、酸素又は他の圧力制御流体の人工呼吸器2への接続を容易にするために、その外径に画定されたねじ山8を含んでもよい。有利には、流体入口6に入る圧力は、周囲をわずかに上回っている。流体入口6での圧力は、以下でより詳細に説明するように調整されてもよい。患者の治療において利用されるように、流体入口6は、酸素が人工呼吸器2に入る酸素入口であってもよい。
【0084】
周囲流体アパーチャ4からの空気及び流体入口6からの酸素は、ベンチュリ10中に混合される。いくつかの実施形態によれば、通路12は、周囲流体アパーチャ4の半径方向外側に、人工呼吸器2内に画定され、流体入口6からの酸素は、流体入口6から通路12を通ってベンチュリノズル14に、ベンチュリノズル14内のベンチュリ開口部16から移動する。通路12の特定の経路、断面、及び他の詳細は、本発明にとって重要ではなく、むしろ、十分な量の酸素がベンチュリ開口部16に送達される限り、通路12は、任意の方式で構成されてもよい。空気通路18は、空気が周囲流体アパーチャ4からベンチュリノズル14に流れることを可能にする。酸素がベンチュリノズル14のベンチュリ開口部16を出ると、その酸素流は、ベンチュリ10のスロート19から空気を引き込み、周囲空気と比較して酸素富化であるその引き込まれた空気と混合する。ベンチュリノズル14の上方では、中央通路17が上方に延在し、酸素富化空気が吸入中に患者に移動することを可能にし、吐き出し空気が吐き出し中に患者から外向きに移動することを可能にする。当技術分野でよく理解されているように、ベンチュリは、典型的には、中央にテーパ状のくびれ(スロート19)を有する短い管状セクションであり、これは、それを通過する流体の流れの増加を引き起こす。
図1~2からわかるように、圧力制御酸素(又は、例えば、他の圧力制御流体)が外向きに流れ、該スロート19に開口する、ベンチュリノズル14内のベンチュリ開口部16であって、該ベンチュリ開口部16が、該ベンチュリ開口部16及び該スロート19が実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部16。
【0085】
弁20は、ベンチュリノズル14の上方に位置決めされている。本書で使用される場合、「上部」、「底部」、「上方」、「下方」などの配向の単語は、説明を容易にするために、ページに対して図面に示される部品の配向及び相対場所を指し、人工呼吸器2は、任意の配向で使用することができ、そのような配向の単語は、人工呼吸器2の使用を制限するものではない。弁20は、いくつかの実施形態による、テーパ状端部24を備えてもよいステム22を含む。テーパ状端部24は、テーパ状端部24の一部分がベンチュリ開口部16の直径未満の直径を有し、ベンチュリ開口部16を通してベンチュリノズル14に入ることができるようにテーパ状であってもよい。
図1に示す開放、吸入位置では、テーパ状端部24は、酸素がベンチュリ開口部16から流出し、ベンチュリ10のスロート19の空気通路18から周囲空気を巻き込むことができるように、ベンチュリ開口部16から離間している。他の実施形態によれば、ステム22は、テーパ状端部24を含む必要はなく、代わりに、より広い端部が、ベンチュリ開口部16に実質的に入ることなく、閉鎖位置でベンチュリ開口部16をブロックすることができるように、ベンチュリノズル14に近いほど直径が広がる端部を含んでもよい。ステムシート21は、ステム22に向かって横方向に延在することができ、横方向の動きに対してステム22を実質的に拘束しながら、その長手方向の動きでステム22を受容し、誘導するように構成されたステムアパーチャ23を含んでもよい。ステムアパーチャ23は、ステム22と同様の、ステム22よりもわずかに大きい形状を有してもよい。例えば、ステム22が概ね円筒形である場合、ステムアパーチャ23はステムアパーチャ23に対してステム22が摺動することを可能にする一方で、ステムアパーチャ23がステム22の横方向の動きも制限するように、ステム22の外径は、ステムアパーチャ23の直径よりわずかに小さくてもよい。弁20は、
図1~2に示すように、浮動性であってもよい。任意選択的に、弁20は、ばね(図示せず)又は他の構造若しくは機構などによって、
図1~2に示される吸入構成に向かって付勢されてもよい。代替的に、弁20は、ばね(図示せず)又は他の構造又は機構などによって、吐き出し構成に向かって付勢されてもよい。
【0086】
ステム22は、テーパ状端部24からベントリング26に延在する。ベントリング26は、概ね円形の底部28及び湾曲した本体30を含む、概ね円筒形状であってもよい。1つ以上の窓32は、湾曲した本体30を通して画定されてもよい。ベントリング26は、ベントリングシート36内のアパーチャ34によって受容されてもよい。アパーチャ34は、ベントリング26と同様の、ベントリング26よりもわずかに大きい形状を有してもよい。例えば、ベントリング26が概ね円筒形である場合、ベントリング26の外径は、ベントリングシート36のアパーチャ34がベントリング26がアパーチャ34に対して摺動することを可能にする一方で、アパーチャ34がベントリング26の横方向の動きも制限するように、アパーチャ34の直径よりもわずかに小さくてもよい。少なくとも1つのフランジ38は、ベントリング26から半径方向外向きに延在してもよい。フランジ38は、ベントリング26の上縁部から、又はベントリング26の任意の他の好適な部分から外向きに延在してもよい。
【0087】
フランジ38は、チャンバ42内の圧力増幅器40に接続されてもよい。有利には、フランジ38は、圧力増幅器40に固定される。いくつかの実施形態によれば、圧力増幅器40は、ダイヤフラム40である。ダイヤフラム40は、ベントリング26とチャンバ42の内面44との間に半径方向に延在する。ダイヤフラム40は、可撓性であり、耐久性があり、ゴム、ラテックス、プラスチック、又は他の材料などの任意の好適な材料から加工されてもよい。フランジ38がダイヤフラム40に接続されているため、ダイヤフラム40の下向きの動きは、フランジ38、ひいては弁20全体を下向きに移動させ、ダイヤフラム40の上向きの動きは、フランジ38、ひいては弁20全体を上向きに移動させる。いくつかの実施形態によれば、ダイヤフラム40は、吸入構成におけるその位置に向かって付勢されてもよい。他の実施形態によれば、ダイヤフラム40は、吸入構成におけるその位置と吐き出し構成におけるその位置の両方で安定するように、双安定性であってもよい。この実施形態では、弁20は、該ベンチュリノズル14内の該ベンチュリ開口部16に対する移動軸に沿って、該スロート19内の圧力制御流体(例えば、圧力制御酸素)の流れによる周囲流体の引き込みを引き起こす開始流位置と、該スロート19内の圧力制御流体の流れによる周囲流体の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能である。例えば、本発明の実施形態では、該圧力増幅器40は、該流体ポート54に押し込まれた流体が、該ベンチュリノズル14に対する該移動軸に沿って該弁20を作動させて、該ベンチュリノズル14を閉鎖するように構成され、加えて、本発明の実施形態では、該圧力増幅器40は、該流体ポート54から引き出された流体が、該ベンチュリノズル14に対する該移動軸に沿って該弁20を作動させるように構成される。この実施形態では、該弁20の移動軸が、該スロート19の長手方向と実質的に長手方向に整列する。この実施形態では、該弁20の少なくとも一部分は、該移動軸に沿って、該スロート19内で移動可能である。
【0088】
図2Aも参照すると、吸入構成において、入口通路41は、中央通路17と流体連通している。ベントリング26は、ベンチュリノズル14に対して上向きの位置にある。結果として、ベントリング26の底部27は、ベントリングシート36の下面37と実質的に均等であってもよく、したがって、入口アパーチャ43は開放され、中央通路17を入口通路41と流体連通して配置する。フランジ38は、複数のフランジ開口部39が、流体がその中を流れることを可能にするように、
図2Aに示される同心グリッドなどのグリッド又は格子として構成されてもよい。吸入構成において、したがって、ダイヤフラム40の両側は、フランジ開口部39を介して互いに流体連通している。それらのフランジ開口部39は、吸入構成において、入口通路41及び流体ポート54を流体連通して配置する。したがって、吸入構成において、中央通路17、入口通路41、及び流体ポート54は、富化空気がベンチュリノズル14から流体ポート54、次いで患者に自由に流れるように、互いに流体連通している。
【0089】
ダイヤフラム40が双安定性である場合、ダイヤフラム40は、
図2Aに示すように、吸入構成におけるその2つの双安定構成のうちの1つにあってもよい。吸入構成において安定した構成を有する双安定ダイヤフラム40を利用することは、患者がその吸入構成に到達した後に、吸入構成を維持するためにいかなる呼吸力も利用する必要がないことを意味し、その結果、人工呼吸器2は、呼吸能力が低下した患者の治療に有用であり得る。ダイヤフラム40が単一の構成において安定している場合、その構成は、
図2Aに示されるような吸入構成であってもよい。
【0090】
圧力増幅器40は、該流体ポート54と流体連通しており、該圧力増幅器40は、それを通って画定された少なくとも1つの開口部39を含み、該圧力増幅器40は、該少なくとも1つの開口部39に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップ70を備える。1つ以上のフラップ70は、
図3Bも参照して、フランジ38と関連付けられてもよい。フラップ70は、
図3Bに関して以下でより詳細に説明される。吸入構成において、流体ポート54に向かう流体流は、フラップ70をフランジ38及びその(フランジ)開口部39から離れて上方に吹き飛ばし、(フランジ)開口部39を通して患者に富化空気が自由に流れることを可能にする。この実施形態において、該圧力増幅器40は、該ベンチュリノズル14と該流体ポート54との間に位置決めされている。
【0091】
リミッタ72は、任意選択的に、フランジ38の上方のチャンバ42内に位置決めされてもよい。いくつかの実施形態によれば、リミッタ72は、ベントリング26と実質的に同じ直径を有するリングであってもよく、リミッタ72は、ベントリング26と実質的に同軸である。リミッタ72は、そこから延在する1つ以上のリブ74に接続され、それに固定され、又はそれと一体化されてもよい。1つ以上のリブ74は、リミッタ72から上方に延在してもよく、代替的に、1つ以上のリブ74は、リミッタ72から横方向に延在するか、又はリミッタ72から下方に延在してもよい。リブ74は、人工呼吸器2の通常の使用中に、実質的に曲げ又は撓みを受けないように、実質的に剛性であってもよい。他の実施形態によれば、1つ以上のリブ74は、可撓性であってもよい。各リブ74は、一方の端部でリミッタ72に、他方の端部でチャンバ40の一部分に接続される。例えば、1つ以上のリブ74は、チャンバ40の上壁76に接続される。リブ74は、チャンバ40の上部壁76に固定され、又はそれと一体化されてもよい。例えば、チャンバ40の上壁76、リブ74、及びリミッタ72は、射出成形され、付加製造によって加工され、又は単一の一体部品として任意の他の方式で加工されてもよい。リミッタ72は、ベントリング26、ひいては弁20がベントリングシート36及び/又はステムシート21から上方に移動するのを防止する。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、リミッタ72は、リングとは別の形状を有する。例えば、リミッタ72は、バー、ロッド、X字形、正方形、長方形、楕円形、又は任意の他の好適な形状であってもよい。リミッタ72は、吸入構成においてベントリング26を係合して、弁20及び/又はベントリング26が着座していない状態になるのを防ぐために、その上方への移動を制限し、実質的に制限されていない流体がフランジ開口部39から流出することを可能にすることの両方を行う任意の形状を有してもよく、ベントリング26に対して任意の場所に配置されてもよい。
【0093】
チャンバ42の上端部では、流体ポート54は、吸入空気が人工呼吸器2から流出し、吐き出し空気が人工呼吸器2に流入することを可能にする。少なくとも1つのフィルタ56は、吸入空気及び吐き出し空気の両方を濾過するために、流体ポート54に隣接して位置決めされてもよい。フィルタ56は、有利には、ウイルス、花粉及び他の空気中汚染物質を空気から除去するのに好適な3ミクロンフィルタ又は他のフィルタである。このようにして、フィルタ56は、周囲の汚染物質から患者を保護し、また、患者から吐き出された空気からの感染から人工呼吸器2の近くの他の者を保護する。フィルタ56は、フィルタ56が定期的に交換され得るように、人工呼吸器2に着脱可能に接続されている。フィルタ56は、単回使用フィルタであってもよく、又は洗浄及び滅菌後に再使用することができるように洗浄可能及び滅菌可能であってもよい。代替的に、フィルタ56は、周囲流体アパーチャ4に隣接して、又は人工呼吸器2上の別の場所に配置されてもよい。例えば、いくつかの実施形態によれば、フィルタ56は、吸入及び吐き出し空気の両方を濾過するために、周囲流体アパーチャ4に隣接して位置決めされている。このようにして、フィルタ56は、周囲の汚染物質から患者を保護し、また、患者から吐き出された空気からの感染から人工呼吸器2の近くの他の者を保護する。代替的に、2つ以上のフィルタ56が、利用されてもよい。
【0094】
チャンバ42は、患者によって着用される呼吸器(図示せず)に流体ポート54を介して接続されてもよい。当業界で一般的に使用される場合、「呼吸器」という用語は、呼吸可能気体の供給を提供することなどによって、患者又は他のユーザに呼吸可能な空気を提供するデバイスを指す。しかしながら、本書で使用される場合、「呼吸器」という用語は、呼吸器自体が患者に提供された、又は患者によって吐き出された空気から何かを濾過する必要があることを除外するために特に定義される。いくつかの実施形態によれば、呼吸器は、気体であれ液体であれ、流体に対して実質的に不透過性である。いくつかの実施形態によれば、呼吸器は、実質的に気密な封止が患者の顔に対して作成されるように、準拠した封止面又は他のシールを備えたマスクであってもよい。いくつかの実施形態によれば、呼吸器は、患者の顔とは異なる部分に係合するヘルメット又は他の構造であってもよく、例えば、呼吸器は、患者の首に対して実質的に封止し、顔に触れないヘルメットであってもよい。いくつかの実施形態によれば、呼吸器の全て又は呼吸器の一部分は、患者の鼻及び/又は口内に位置決めされてもよく、呼吸器は、鼻及び/又は口に対して実質的に封止されてもよい。上記のものなどのいくつかの実施形態によれば、呼吸器は、患者の気道に対して実質的に封止される。患者の気道に対して呼吸器を実質的に封止することによって、患者が呼吸するときのわずかな圧力変化が、以下でより詳細に説明するように、弁20を移動させる。このようにして、呼吸器、ひいては患者は、人工呼吸器2と流体連通している。呼吸器は気体に対して実質的に不透過性であるため、患者の呼気の実質的に全てが人工呼吸器2の流体ポート54に到達し、その結果、わずかな呼気の努力のみが弁20を移動させる。代替的に、呼吸器及び患者は、任意の他の好適な方式で人工呼吸器2と流体連通してもよい。
【0095】
図3~4を参照すると、人工呼吸器2は、患者が人工呼吸器2を通して気体を吐き出している吐き出し構成において示されている。以下でより詳細に記載されるように、患者からの呼気圧力は、ダイヤフラム40の中心を下向きに撓ませる。結果として、ダイヤフラム40に接続されているフランジ38は、下向きに移動する。フランジ38の下向きの動きは、ベントリングシート36によって制限されてもよく、その上面は、フランジ38の下面と係合し、それによって、フランジ38の更なる下向きの動きを防止してもよい。吐き出し構成において、弁20は、ベンチュリノズル14に対して下向きに移動しており、ステム22のテーパ状端部24は、ベンチュリ開口部16を実質的にブロックする。このようにして、流体入口6からベンチュリ開口部16を通る外向きの酸素流は、実質的に停止する。有利には、ステム22の長さは、フランジ38がベントリングシート36と係合するときに、ステム22のテーパ状端部24又は他の下端部がベンチュリ開口部16を実質的にブロックするように加工される。
【0096】
また、
図3Aを参照すると、吐き出し構成において、入口通路41は、もはや中央通路17と実質的に流体連通していない。ベントリング26は、ベンチュリノズル14に対して下向きの位置にある。結果として、ベントリング26の底部27は、ベントリングシート36の下面37の下方に位置決めされ、したがって、入口アパーチャ43が閉鎖され、入口通路41と流体連通している中央通路17を実質的に閉鎖する。Oリング又は他のシール(図示せず)は、吐き出し構成における入口アパーチャ43の閉鎖を容易にするために、ベントリングシート36から半径方向外向きに延在してもよい。代替的に、以下に記載されるように、吐き出し空気は依然として中央通路17を通って外向きに移動するため、入口アパーチャ43は、吐き出し構成において全体又は一部が閉鎖される必要はない。
【0097】
吐き出し構成において、フランジ38は、吸入構成におけるその位置に対して下向きに移動しており、ベントリングシート36と接触していてもよい。このようにして、ベントリングシート36は、ベントリング26の下向きの動きを制限するように作用してもよい。代替的に、ステム22のテーパ状端部24とベンチュリノズル14との間の接触は、ベントリング26の下向きの動きを制限する。フランジ38が吐き出し構成にあり、フランジ38がベントリングシート36に接触する場合、その接触は、フランジ開口部39のうちの少なくとも1つをブロックしてもよい。また、
図3Bを参照すると、吐き出し構成において、流体ポート54からの流体の流れは、フラップ70をフランジ38及びフランジ開口部39上に押し下げ、フランジ開口部39を通る患者からの流体の自由な流れを実質的に停止させる。このようにして、フランジ開口部39は、フラップ70によって実質的にブロックされるため、入口アパーチャ43は、部分的に又は完全に開いたままであってすらよく、吐き出し空気は、依然として、フランジ開口部39を通して実質的に外向きに、次いで、入口アパーチャ43を通して外向きに流れることができない。吐き出し構成において、ダイヤフラム40の両側は、フランジ開口部39を介した互いの流体連通をブロックされてもよい。したがって、吸入構成において、入口通路41及び流体ポート54は、互いに実質的に流体連通していない。フラップ70は、薄く、かつ軽量であってもよく、流体に対して概ね不透過性であってもよい。例えば、フラップ70は、ラテックス、ゴム、シリコーン、又は他の好適な物質で構成されてもよい。
【0098】
フランジ開口部39が閉鎖されているため、患者による流体ポート54内への呼気は、ダイヤフラム40の上方のチャンバ42内で圧力上昇を引き起こす。この圧力の上昇は、フランジ38を、ベントリングシート36と接触するか、又はベントリングシート36に近接して、フランジ38の吐き出し位置に下方に押す。ダイヤフラム40が双安定である場合、ダイヤフラム40は、
図3Aに示すように、吐き出し構成におけるその2つの双安定構成のうちの1つにあってもよい。吐き出し構成に安定した構成を有する双安定性ダイヤフラム40を使用することは、患者がその吐き出し構成に到達した後に、吐き出し構成を維持するためにいかなる呼吸力も利用する必要がないことを意味し、その結果、人工呼吸器2は、呼吸能力が低下した患者の治療に有用であってもよい。ダイヤフラム40が単一の構成で安定している場合、その構成は、
図3Aに示されるような吐き出し構成であってもよい。
【0099】
ベントリング36は、ベントリング36の側面を通して画定される1つ以上の吐き出し窓78を含む。1つ以上の吐き出し窓78は、ベントリング36の底部27に、又はその付近に位置してもよい。ベントリング36が下方に移動すると、吐き出し窓78は、ベントリングシート36の下面37の下方に移動する。中央通路17は、吐き出し窓78がベントリングシート36の下面37の下方に移動するときに、吐き出された空気がダイヤフラム40の上方のチャンバ42から、ベントリング26内の吐き出し窓78を通って、中央通路17に、次いで、周囲流体アパーチャ4を通って、人工呼吸器2から流出することができるように、ベントリングシート36の下方に位置する。したがって、吐き出し構成において、流体ポート54及び中央通路は、互いに流体連通している。
【0100】
動作
ここで、人工呼吸器2の動作について説明する。人工呼吸器2の流体ポート54は、患者に取り付けられている呼吸器と流体連通して配置される。呼吸器は、実質的に気密な封止が患者の顔に対して作成されるように、準拠した封止面を備えている。患者は、呼吸器から吸入し、呼吸器に吐き出す。次に、呼吸器は、患者の気道と流体連通している。このようにして、人工呼吸器2の流体ポート54は、患者の気道と流体連通して配置される。他の実施形態によれば、流体ポート54は、流体ポート54を患者の気道と流体連通して配置する呼吸器以外の任意の装置であってもよく、そうするための呼吸器の使用は、本発明に不可欠ではない。
【0101】
患者による吸入時に、ダイヤフラム40を超える圧力は、周囲空気圧力と比較して低減される。結果として、ダイヤフラム40は、その中心で、その中心に近接して上向きに撓む。代替的に、ダイヤフラム40は、患者の吸気から独立して、少なくとも部分的に、上方に付勢されてもよい。ダイヤフラム40の上向きの動きは、フランジ38がダイヤフラム40に接続されているため、フランジ38を上向きに移動させる。フランジ38は、弁20の一部であるか、又は弁20に接続されているため、ダイヤフラム40のその上向きの動きは、弁20を上向きに移動させる。弁20の上向きの動きは、ステム22を上向きに移動させ、したがって、ステップのテーパ状端部24をベンチュリ開口部16から、ベンチュリノズル14から離れるように移動させる。ステム22のテーパ状端部24はベンチュリ開口部16から移動しているため、酸素は、再びベンチュリ開口部16から逸出することが自由である。したがって、この実施形態では、ベンチュリ開口部16からの酸素流は、純粋に機械的に、流体ポート54を介した患者による吸気によって、電力が供給されて再始動する。酸素は、ステム22のテーパ状端部24が、ベンチュリ開口部16から離間されている限り、ベンチュリ開口部16から流出する。ステム22がベンチュリ開口部16から離間され、流体がベンチュリ開口部16から流出することができる弁20のこの位置は、弁20の開始流位置である。
【0102】
酸素は、任意の好適な源から流体入口6に供給されてもよい。いくつかの実施形態によれば、高圧酸素は、圧力レギュレータに接続され、圧力レギュレータは、その酸素の圧力を低下させ、より低圧の酸素を流体入口6に出力する。一実施形態では、圧力レギュレータは、その全体が参照により本明細書に組み込まれる、2017年4月14日に出願された米国特許出願第15/488,319号(「GovReg(登録商標)文書」)に記載されるように、Legacy US,IncのGovReg(登録商標)調整可能流レギュレータである。米国特許出願第15/488,319号は、米国特許出願第14/990,673号の関連付けられたテキストに組み込まれる。米国特許出願第15/488,319号出願は、参照により、その中に米国特許出願第14/990,673号出願を、出願時の米国特許出願第15/488,319号出願の段落[0001]に明示的に組み込む。このように、米国特許出願第14/990,673号出願は、参照により、本出願、具体的には、
図5A、
図5B、
図7A、
図7B、
図7C、及び
図7D、並びに米国特許出願第14/990,673号の関連付けられたテキストに組み込まれる。GovReg(登録商標)圧力レギュレータの使用は、医療従事者のみが変更することができる調整キーを使用することなく変更することができないように、医療従事者が患者のための圧力を設定し、その圧力を固定することを可能にする。これにより、患者に追加の安全性が提供される。更に、複数の人工呼吸器2を同じ高圧酸素源に接続することができ、各人工呼吸器2は、その人工呼吸器と関連付けられたGovReg(登録商標)圧力レギュレータの設定に応じて異なる酸素圧力を受容することができる。「GovReg(登録商標)」文書に記載されるように、圧力レギュレータは、穿孔を含むように形成されたハウジング、及びその穿孔内で移動可能なピストンを含んでもよく、ピストンは、ピストンの端部に隣接する環状リップを含んでもよい。ばねは、穿孔内に配設されてもよく、ばねは、2つの端部を有し、調整キャップは、穿孔内に移動可能に配設されてもよく、調整キャップは、調整キャップに形成されたキースロットを備えてもよい。ばねの第1の端部は、環状リップと物理的に接触していてもよく、ばねの第2の端部は、調整キャップと物理的に接触していてもよい。穿孔は、円筒形壁によって画定されてもよく、円筒形壁は、ねじ切りされてもよい。調整キャップはまた、そのねじ山が円筒壁のねじ山と噛み合うようにねじ切りされてもよい。調整キャップを一方向に回転させることは、調整キャップにばねを圧縮させ、圧力レギュレータの出力圧力を増加させてもよく、調整キャップを反対方向に回転させることは、調整キャップにばねを伸張させ、圧力レギュレータの出力圧力を減少させてもよい。調整キーは、調整キャップであってもよく、又は調整キャップに着脱可能に接続されてもよく、調整キーは、圧力レギュレータから着脱可能であってもよい。したがって、いくつかの実施形態では、調整キャップの回転は、医療従事者が患者のために圧力を設定及び固定することを可能にする。
【0103】
ここで
図9~14を参照すると、圧力レギュレータ700は、ハウジング510と、ハウジング510内に移動可能に配設されたピストン760と、を備え、ピストン760は、環状リップ762と、圧縮ばね720と、調整キャップ750と、を含むように形成される。ばね720は、環状リップ520と調整キャップ750との間に配設される。
【0104】
ここで、
図12~14を参照すると、調整キャップ750は、その第1の端部に隣接するねじ山を含むように形成される。ねじ山752は、内部ねじ山780(
図11)と噛み合うように構成される。
【0105】
圧縮ばね720は、部分740における調節された出力圧力を決定する。第1の方向に調整キャップを回転させることは、ばね720を圧縮し、レギュレータ700の領域740(
図11)内の出力圧力を増加させる。第2の反対方向に調整キャップを回転させることは、ばね720を伸張し、レギュレータ700の領域740(
図11)内の出力圧力を減少させる。
【0106】
調整キャップ750は更に、その第2の端部において内向きに延在するキースロット754及び756を含むように形成される。調整キャップ750は、それを通って延在するアパーチャ758を含むように更に形成される。ピストン760のシャフト764は、アパーチャ758を通過する。
【0107】
酸素は、流体入口6及び次いで通路12を通って、次いでベンチュリノズル14を通ってベンチュリ開口部16から移動する。ベンチュリ開口部16を通る外向きの酸素の流れは、周囲流体アパーチャ4を通って人工呼吸器2に入る周囲空気を引き込み、周囲空気をベンチュリ10のスロート19に引き込み、そこで酸及びと周囲空気が混合される。ベンチュリノズル14は、吸気酸素(FiO2)の26%分画を患者に送達する周囲空気及び酸素の混合物を作成するようにサイズ設定及び構成されてもよい。この割合のFiO2は、推奨される酸素濃度であるが、必要に応じて、他の分画が使用されてもよい。酸素分画の精度は重要ではなく、必要に応じて臨床医又はその他の医療従事者によって調整されてもよい。例えば、FiO2は、患者によって必要に応じて26%~40%に調整されてもよく、FiO2が40%に調整された後、患者が追加の酸素を必要とする場合、患者は次いで、人工呼吸器2から除去され、挿管され、次いで、現在知られている人工呼吸器上に配置されてもよい。
【0108】
富化空気は、中央流路17を通して入口アパーチャ43まで上向きに移動する。吸入構成において、入口通路41は、中央通路17と流体連通している。上述したように、吸入構成において、ベントリング26は、ベンチュリノズル14に対して上向きの位置にある。吸入構成では、流体ポート54を通した患者による吸気によって引き起こされる、ダイヤフラム40の上方のチャンバ42内の低下した圧力が、ダイヤフラム40を上方に移動させる。吸気は、ダイヤフラム40の上方のチャンバ42から気体を引き出し、圧力を減少させ、ベンチュリノズル14に対して弁20を作動させる。フランジ38は、フランジ38がリミッタ72が許容するよりも高く移動しないように、リミッタ72に接触し得る。ダイヤフラム40の上向きの動きは、フランジ38に取り付けられているフランジ38を上向きに移動させる。フランジ38の上向きの動きは、フランジ38が一部である弁20を同様に上向きに移動させる。弁20のそのような上向きの動きは、ステム22をベンチュリノズル14から離れて移動させ、それによってベンチュリ開口部16をブロック解除し、気体をそこから外向きに流すことを可能にする。フランジ開口部39と組み合わせたダイヤフラム40の表面積が、閉鎖状態と開放状態との間で弁20を作動させるために流体ポート54での圧力の小さな差の変化を可能にするため、ダイヤフラム40は、圧力増幅器40の例である。
【0109】
上述のように、吸入構成では、入口アパーチャ43が開放され、入口通路41と流体連通するように中央通路17を配置し、したがって、ダイヤフラム40の両側は、フランジ開口部39を介して互いに流体連通している。その結果、それらのフランジ開口部39は、吸入構成において、入口通路41及び流体ポート54を流体連通して配置する。したがって、吸入構成において、中央通路17、入口通路41、及び流体ポート54は、富化空気がベンチュリノズル14から流体ポート54、次いで患者に自由に流れるように、互いに流体連通している。
【0110】
患者は正常に、又は可能な限り正常に吸入する。人工呼吸器2は、患者に特定の、限られた、又は事前に選択された空気の堆積又は流量を送達しない、単純な、単一モードの人工呼吸器であり、代わりに、患者自身の吸気のみによって制御される体積及び流量で空気を送達する。更に、人工呼吸器2は、患者の吸気中及びその後すぐにのみ、患者に富化空気を送達する。持続気道陽圧(CPAP)又は呼気終末陽圧(positive end-expiratory pressure、PEEP)換気とは対照的に、富化空気は、吸入中にのみ患者に供給される。このようにして、人工呼吸器2は、患者が吐き出そうとしている間、患者の鼻又は口に圧力を加えず、患者が積極的に吐き出そうとしている間、患者の鼻又は口に圧力を加えることによって、酸素を浪費しない。
【0111】
吸入後、患者は息を吐く。患者による呼気時に、ダイヤフラム40を超える圧力は、周囲空気圧力と比較して増加する。また、
図3Bを参照すると、吐き出し構成において、流体ポート54からのチャンバ42への流体の流れは、フラップ70をフランジ38及びフランジ開口部39上に押し下げ、フランジ開口部39を通る患者からの流体の自由な流れを実質的に停止させる。このようにして、フランジ開口部39は、フラップ70によって実質的にブロックされるため、入口アパーチャ43は、部分的に又は完全に開いたままであってすらよく、吐き出し空気は、依然として、フランジ開口部39を通して実質的に外向きに、次いで、入口アパーチャ43を通して外向きに流れることができない。吐き出し構成において、ダイヤフラム40の両側は、フランジ開口部39を介した互いの流体連通をブロックされてもよい。したがって、吐き出し構成において、入口通路41及び流体ポート54は、互いに実質的に流体連通していない。
【0112】
フランジ開口部39が閉鎖されているため、患者による流体ポート54内への呼気は、ダイヤフラム40の上方のチャンバ42内で圧力上昇を引き起こす。すなわち、呼気は、ダイヤフラム40の上方のチャンバ42に気体を押し込み、圧力を増加させ、ベンチュリノズル14に対して弁20を作動させる。この圧力の上昇は、フランジ38を、ベントリングシート36と接触するか、又はベントリングシート36に近接して、フランジ38の呼気位置に下方に押す。フランジ38は、弁20の一部であるか、又は弁20に接続されているため、ダイヤフラム40のその下向きの動きは、弁20を下向きに移動させる。弁20の下向きの動きは、ステム22を下向きに移動させ、したがって、ステップのテーパ状端部24をベンチュリノズル14から向かって、ベンチュリ開口部16に移動させる。ステム22のテーパ状端部24はベンチュリ開口部16に移動しているため、酸素は、ベンチュリ開口部16から逸出することが実質的に制限されている。したがって、ベンチュリ開口部16からの酸素流は、純粋に機械的に、流体ポート54を通る患者による呼気によって、電力供給されて停止する。酸素は、ステム22のテーパ状端部24がベンチュリ開口部16を塞ぐ限り、ベンチュリ開口部16から逸出することが実質的に制限される。ステム22がベンチュリ開口部16を塞ぎ、流体がベンチュリ開口部16から流出することが実質的に制限される弁20のこの位置は、弁20の停止流位置である。
【0113】
フランジ38及びベントリング36が下方に移動すると、吐き出し窓78は、ベントリングシート36の下面37の下方に移動する。中央通路17は、吐き出し窓78がベントリングシート36の下面37の下方に移動するときに、吐き出された空気がダイヤフラム40の上方のチャンバ42から、ベントリング26内の吐き出し窓78を通って、中央通路17に、次いで、周囲流体アパーチャ4を通って、人工呼吸器2から流出することができるように、ベントリングシート36の下方に位置する。したがって、吐き出し構成において、流体ポート54及び中央通路は、互いに流体連通している。次に、吐き出された息は、中央流路17を通って、周囲流体アパーチャ4を通って人工呼吸器2から移動する。次いで、患者が再び吸入すると、上記の動作サイクルが繰り返される。
【0114】
人工呼吸器2は、いくつかの実施形態に従って動作するために電力を必要としないため、その形態因子は、人工呼吸器2が携帯可能であり得るように、比較的小さくてもよい。人工呼吸器2は、バックパックのようなストラップによってユーザの背中上で持ち運ばれてもよく、ハンドバッグのように肩越しのストラップによって持ち運ばれてもよく、車輪付きで荷物のようにユーザの後ろに引っ張ることができてもよく、又はそれ以外で携帯可能であってもよい。人工呼吸器2の携帯可能性はまた、ユーザが人工呼吸器2を家に持ち帰ることを可能にする。人工呼吸器2の家庭での使用は、COVID-19又は他の呼吸器疾患と診断されているが、挿管換気を必要とするようなARDSの重篤度まで症状が進行していない患者にとって有利であり得る。このようにして、2020年COVID-19のパンデミックのようなパンデミック中に、呼吸器問題を引き起こすウイルスに感染している患者は、病床及び著しくより重篤で死亡により近い患者に必要な他の病院のリソースを消費することなく、自宅で安全に治療することができる。
【0115】
人工呼吸器2は、小さく、携帯可能かつ非侵襲的であり、単純に、より高い酸素濃度の富化空気をユーザに提供するため、人工呼吸器2は、他の用途で使用されてもよい。一例として、人工呼吸器2は、喘息及び/又は季節性アレルギーの治療に有用であってもよい。ユーザは、上記のように呼吸器を装着し、人工呼吸器2は、上記のように実質的に機能し、ユーザは、それを携帯デバイスとして利用する。人工呼吸器2によって送達される増加された酸素濃度は、喘息患者にとって有益であってもよく、フィルタ56は、花粉及び他のアレルゲンを、ユーザによって吸入される前に空気から除去するのに有用であり、それによって季節性アレルギーに罹患している者が経験する症状を改善してもよい。別の例として、極度に汚染された都市では、空気は呼吸するのに不健康である可能性がある。人工呼吸器2を携帯デバイスとして利用することによって、清潔な酸素は、周囲濃度よりも高い濃度でユーザに送達され、フィルタ56は、ユーザによる吸入の前に、周囲空気から微粒子及び/又は他の汚染物質を除去するのに有用であってもよい。
【0116】
図1~4に関して上述した人工呼吸器2は、特に、ARDSの発症前に、COVID-19ウイルスに感染した患者の治療に特に有用であってもよい。人工呼吸器2を利用するそのような患者の治療は、そのような患者の一部分がARDSを発症することを防止してもよいと考えられている。人工呼吸器2は、FDAによりクラスII医療デバイスに分類されることが予想され、したがって、患者の治療に使用するにはFDAによる承認が必要である。FDAによる人工呼吸器2の承認の規制経路は、本書の出願日時点では不明であるが、医療デバイスとして使用する場合、人工呼吸器2には、治験用機器免除(Investigational Device Exemption 、IDE)、緊急使用許可(Emergency Use Authorization、EUA)、及び市販前承認(Premarket Approval、PMA)のうちの少なくとも1つが必要となることが予想される。出願された独立請求項は、適用可能なFDAの承認の対象となる人工呼吸器2の実施形態を網羅すると考えられる。
【0117】
しかしながら、人工呼吸器2は、COVID-19ウイルスに感染した患者の治療に限定されず、人工呼吸器2は、他の疾患に罹患している患者の治療に使用されてもよい。更に、人工呼吸器2は、流体流の制御が所望される医療以外の分野で使用されてもよく、そのような分野でヒトと併せて使用する必要はない。更に、人工呼吸器2は、互いに、及び呼吸器などの1つ以上の外部アタッチメントと流体連通している構成要素を有するように上述される。人工呼吸器2が患者を治療するために利用される場合、その流体連通の流体は気体である。しかしながら、人工呼吸器2が他の用途で利用される場合、流体は、液体、又は液体及び気体の混合物であってもよい。
【0118】
上記の本発明の実施形態は、COVID-19と関連付けられた呼吸器状態の治療を容易にするための努力において生じたが、流体混合器2は、以下を含むが、これらに限定されない、他の分野における様々な他の使用及び用途を有することが理解されるであろう。一例として、フォーミュラ1レーシング及び他のレーシング用途において、流体混合器2は、圧力変化を検出することによって、ターボチャージャを予めスピンさせ、圧力に基づいてカムタイミング変化を作動させ、圧力に基づいて燃料/空気及び排気ポートの開口部を作動させ、サンプルサイトでの圧力条件に基づいて空力ダウンフォース調整を作動させ、燃料システム圧力調整を作動させ、流体中の温度を調節するために使用されてもよい。別の例として、標準的な自動車使用において、流体混合器2は、ターボチャージャの事前スピンを作動させ、カムタイミング変化を作動させる、圧力に基づいて燃料/空気及び排気ポートの開口部を作動させ、燃料システムの圧力調整を作動させ、流体中の温度を調節するために使用されてもよい。別の例として、室内農業用途において、流体混合器2は、圧力に基づいて気体混合を作動させ、かつ/又は圧力連通システムを作動させるために使用されてもよい。そのような用途では、流体混合器2を通って流れる流体は、液体、気体、又は両方であってもよい。
【0119】
また、
図5~8を参照すると、流体混合器2の別の実施形態が示される。そのような実施形態は、「逆構成」として説明されてもよい。そのような実施形態は、自動車又はレース用途に有用であってもよいが、
図5~8の流体混合器2は、そのような用途での使用に限定されない。任意の実施形態は、流体として液体、気体、又はそれらの両方と共に使用されてもよい。
図5~8に見られるように、弁20は、流体が流体入口6を通って流体混合器2に入ることができる開始流位置にある。弁20は、テーパ状端部24又は穿孔80に受容される他の好適な形状の端部を含んでもよい。ばね82はまた、穿孔80内に受容されてもよい。ばね82の一方の端部が穿孔80の端部と係合してもよく、ばね82の他方の端部が弁20の端部と係合してもよい。弁20の他方の端部84は、実質的に円筒形であってもよく、又は任意の他の好適な形状を有してもよい。弁20の端部84は、流体が流れることができるパイプ86内に受容される。穿孔80は、弁20が開始流位置にあるときに、流体が流体入口6から穿孔80を通って、次いで1つ以上の通路12に流れるように、実質的に中空である。前述の実施形態に関して説明したように、流体は、ベンチュリノズル14内のベンチュリ開口部16を通って1つ以上の通路12から流出する。
【0120】
この実施形態では、圧力増幅器40は、封止されたプレナム88を形成するためにチャンバ42に実質的に封止される。前の実施形態とは異なり、流体は、圧力増幅器40を実質的に横切らない。流体が流体ポート54を通って流体混合器2に流入するとき、その流体は、中央通路17を通って周囲流体アパーチャ4に向かって流れる。チャンバ42は、チャンバ開口部90を通って、中央流路17に開放されている。チャンバ開口部90は、任意の好適な形状及びサイズを有してもよい。チャンバ開口部90は、チャンバ42と中央通路17との間の流体連通を可能にする。流体が流体ポート54を通って中央流路17に押し込まれると、中央流路17内の圧力が増加する。チャンバ開口部90を通る流体連通により、チャンバ88の反対側の圧力増幅器40の側のチャンバ42内の圧力も増加する。圧力増幅器40がチャンバ42に実質的に封止され、流体が圧力増幅器40を実質的に通過することができないため、圧力増幅器40上の圧力が増加し、圧力増幅器40を移動させ、したがって、プレナム88の体積を減少させ、プレナム88内の圧力も増加する。その増加した圧力は、パイプ86を通して弁20の端部84に伝達される。その圧力は、弁20の端部84を穿孔80内のばね82に向かって駆動し、弁20を開始流位置に開放する。開始流位置において、弁20のテーパ状端部24、又は弁20の他の形状の端部は、アパーチャ92から離れて移動し、流体がアパーチャ92を通って穿孔80に流れることを可能にする。プレナム88の体積は、パイプ86の体積と共に、このプロセス中に実質的に一定のままである場合がある。これは、穿孔80内の弁20の端部84が移動可能であり、その結果、プレナム88の圧力の一時的な増加及び体積の減少が、弁20の端部84の移動によって実質的に適合してもよいからである。このようにして、実質的に固定された体積は、圧力増幅器40の一方の側に画定されてもよい。
【0121】
流体が周囲流体アパーチャ4を通って流体混合器2に流入するとき、その流体は、中央通路17を通って流体ポート54に向かって流れる。流体が流体ポート54を通って引き出されると、中央通路17内の圧力が減少する。チャンバ開口部90を通る流体連通により、チャンバ88の反対側の圧力増幅器40の側のチャンバ42内の圧力も減少する。圧力増幅器40がチャンバ42に実質的に封止され、流体が圧力増幅器40を実質的に通過することができないため、圧力増幅器40上の圧力が減少し、圧力増幅器40を移動させ、したがって、プレナム88の体積を増加させ、プレナム88内の圧力も減少する。その減少した圧力は、パイプ86を通して弁20の端部84に伝達される。穿孔80内の弁20の端部84に加えられる圧力が減少し、ばね82が弁20の端部84をパイプ86内に更に押し込むことを可能にする。ばね82は、弁20を停止流位置に向かって付勢する圧縮ばねであってもよく、弁20のパイプ86に向かう動きは、弁20を停止流位置に閉鎖する。停止流位置において、弁20のテーパ状端部24、又は弁20の他の形状の端部は、アパーチャ92に向かって移動し、アパーチャ92を実質的にブロックし、アパーチャ92を通る穿孔80への流体流を実質的に停止させる。いくつかの実施形態によれば、弁20の開始流位置はまた、アクティブ流位置であり、弁が開始流位置にある間に流体が流れることを可能にする。代替的に、弁20は、開始流位置と停止流位置との間の異なるアクティブ流位置に位置決めされてもよく、そのようなアクティブ流位置は、流体が流体ポート54に押し込まれる、又は流体ポート54から引き出される力のレベル又は持続時間によって決定されてもよい。
【0122】
条項
以下の条項は、本明細書に定義される本発明の明細書及び開示の一部を形成することを理解されたい。より具体的には、本明細書における本発明は、以下に詳細に記載される条項の特徴の組み合わせによって定義されてもよく、そのような条項は、本出願の特許請求の範囲内の特徴の組み合わせを修正するために利用されてもよい。
【0123】
1.呼吸器(人工呼吸器)装置であって、
圧力制御流体の流れのためのベンチュリノズルと、
ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャと、
流体ポートと、
流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、
ベンチュリノズルに対して開始流位置と停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、
圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成され、
圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成されている、呼吸器(人工呼吸器)装置。
【0124】
2.呼吸器(人工呼吸器)に好適な装置であって、
圧力制御流体の流れのためのベンチュリノズルと、
ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャと、
流体ポートと、
流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、
ベンチュリノズルに対して開始流位置と停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、
圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成され、
圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して弁を作動させるように構成されている、呼吸器(人工呼吸器)に好適な装置。
【0125】
3.圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して、停止流位置に弁を作動させるように構成され、
圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して、開始流位置に弁を作動させるように構成されている、条項1又は2に記載の装置。
【0126】
4.圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して、開始流位置に弁を作動させるように構成され、
圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して、停止流位置に弁を作動させるように構成されている、条項1又は2に記載の装置。
【0127】
5.圧力増幅器は、流体ポートに押し込まれた流体が、ベンチュリノズルに対して、開始流位置と停止流位置との間のアクティブ流位置に弁を作動させるように構成され、
圧力増幅器は、流体ポートから引き出された流体が、ベンチュリノズルに対して、開始流位置と停止流位置との間のアクティブ流位置に弁を作動させるように構成されている、条項1又は2に記載の装置。
【0128】
6.圧力制御流体が酸素を含み、周囲流体が周囲空気を含み、流体ポートに押し込まれた流体が空気ポートに吐き出された空気を含み、流体ポートから引き出された流体が空気ポートから吸入された空気を含む、条項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【0129】
7.圧力増幅器が、ベンチュリノズルと流体ポートとの間に位置決めされる、条項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【0130】
8.ベンチュリノズルが、圧力増幅器と流体ポートとの間に位置決めされる、条項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【0131】
9.ベンチュリノズルが、周囲流体アパーチャと流体ポートとの間に位置決めされる、条項1~5のいずれか一項に記載の装置。
【0132】
10.圧力制御流体の流れを調節するための圧力レギュレータを含み、圧力レギュレータが、
穿孔を含むように形成されたハウジングと、
穿孔内に移動可能に配設されたピストンであって、その第1の端部に隣接する環状リップを含む、ピストンと、
穿孔内に配設され、第1の端部と、第2の端部と、を含む、ばねと、
穿孔内に移動可能に配設された調整キャップであって、前記調整キャップに形成された複数のキースロットを含むように形成されている、調整キャップと、を含み、
ばねの第1の端部が、環状リップと物理的に接触しており、
ばねの第2の端部が、調整キャップと物理的に接触しており、
調整キャップを第1の方向に回転させることが、調整キャップに第1のばねを圧縮させ、
調整キャップを第2の反対方向に回転させることが、調整キャップにばねを伸張させ、
調整キャップを第1の方向に回転させることが、圧力レギュレータの出力圧力を増加させ、
第2の方向に調整キャップを回転させることが、圧力レギュレータの出力圧力を減少させ、
穿孔が、円筒形壁によって画定され、
円筒形壁が、円筒形壁に第1のねじ山を含むように形成され、
調整キャップが、その周囲に形成された第2のねじ山を含むように形成され、
第2のねじ山が、第1のねじ山と噛み合うように構成されている、条項1~9のいずれか一項に記載の装置。
【0133】
11.圧力増幅器が、ダイヤフラムを含む、条項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【0134】
12.圧力増幅器が、双安定である、条項1~11のいずれか一項に記載の装置。
【0135】
13.圧力増幅器が、停止流位置に向かって付勢されている、条項3~12のいずれか一項に記載の装置。
【0136】
14.圧力増幅器が、開始流位置に向かって付勢されている、条項3~12のいずれか一項に記載の装置。
【0137】
15.圧力増幅器が、少なくとも1つのフラップを含む、条項1~10のいずれか一項に記載の装置。
【0138】
16.装置が、もっぱら機械的なものである、条項1~15のいずれか一項に記載の装置。
【0139】
17.開始流体位置又はアクティブ流体位置において、圧力制御流体及び周囲流体の混合物が、流体ポートに流れることができる、条項3~16のいずれか一項に記載の装置。
【0140】
18.混合物の流れが、リアルタイムで変調される、条項17に記載の装置。
【0141】
19.弁が、圧力増幅器に接続されているフランジを含む、条項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0142】
20.弁が、テーパ状端部を有するステムを含み、テーパ状端部が、停止位置においてベンチュリノズル内のベンチュリ開口部に入り、ベンチュリ開口部を実質的に閉鎖する、条項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0143】
21.ステムが、圧力増幅器に接続されている、条項20に記載の装置。
【0144】
22.弁が、スイッチを含む、条項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0145】
23.弁が、フラップ弁を含む、条項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0146】
24.弁が、ばね式シャトルシステムを含む、条項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0147】
25.弁が、摺動可能である、条項1~18のいずれか一項に記載の装置。
【0148】
26.弁が、もっぱら機械的なものである、条項1~25のいずれか一項に記載の装置。
【0149】
27.周囲流体アパーチャが、流体排気孔を含む、条項1~26のいずれか一項に記載の装置。
【0150】
28.弁が、流体排気孔を同時に開放しながらベンチュリノズルに対して作動されるように構成されている、条項27に記載の装置。
【0151】
29.周囲流体アパーチャに着脱可能に接続された少なくとも1つのフィルタを更に含む、条項1~28のいずれか一項に記載の装置。
【0152】
30.少なくとも1つのフィルタが、約3μmの細孔を含む、条項29に記載の装置。
【0153】
31.呼吸器を更に含む、条項1~30のいずれか一項に記載の装置。
【0154】
32.呼吸器が、流体ポートと流体連通している、条項31に記載の装置。
【0155】
33.流体が、液体である、条項1~32のいずれか一項に記載の装置。
【0156】
34.装置が、射出成形される、条項1~33のいずれか一項に記載の装置。
【0157】
35.装置が、3D印刷されている、条項1~33のいずれか一項に記載の装置。
【0158】
36.装置が、可動性であるように構成されている、条項1~35のいずれか一項に記載の装置。
【0159】
37.装置が、再使用可能であるように構成されている、条項1~36のいずれか一項に記載の装置。
【0160】
38.呼吸器への空気及び/又は酸素の流れの制御における使用のための、条項1~37のいずれか一項に記載の装置。
【0161】
39.スクラブされた空気及び/又は酸素の呼吸器への流れの制御における使用のための、条項1~38のいずれか一項に記載の装置。
【0162】
40.呼吸器状態の治療における使用のための、条項1~39のいずれか一項に記載の装置。
【0163】
41.COVID-19の治療における使用のための、条項1~40のいずれか一項に記載の装置。
【0164】
42.呼吸器(人工呼吸器)に好適な装置を使用する方法であって、
圧力制御流体の源を提供することと、
呼吸器(人工呼吸器)に好適な装置を提供することであって、
圧力制御流体の流れを受容するためのベンチュリノズルと、
ベンチュリノズルと流体連通している周囲流体アパーチャと、
流体ポートと、
流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、
圧力制御流体が、周囲流体と混合する開始流位置と、停止流位置との間で、ベンチュリノズルに対して移動可能である弁と、を備える、装置を提供することと、
流体ポートに押し込まれた流体に応答して、ベンチュリノズルに対して弁を作動させることと、
流体ポートから引き出された流体に応答して、ベンチュリノズルに対して弁を作動させることと、を含む、方法。
【0165】
43.装置が、もっぱら機械的なものである、条項42に記載の方法。
【0166】
44.圧力制御流体の圧力を調整することを更に含む、条項42又は43に記載の方法。
【0167】
45.息を吸入し、吐き出す生きている患者を治療することにおいて装置を使用するための方法であって、圧力制御流体が、圧力制御酸素であり、流体が空気であり、方法が、
装置を呼吸器(人工呼吸器)に接続することと、
呼吸器(人工呼吸器)を、患者及び圧力制御酸素の源と気体連通して配置することと、
患者による吸入に応答して、呼吸器(人工呼吸器)への酸素流を開始し、酸素を周囲空気と混合して、富化空気を生成し、富化空気を患者に送達することと、
患者による呼気に応答して、呼吸器(人工呼吸器)への酸素流入を停止し、呼吸器(人工呼吸器)から吐き出し空気を排気することと、を含む、条項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【0168】
46.富化空気が、少なくとも26%のFiO2を有する、条項45に記載の方法。
【0169】
47.息を吸入し、吐き出す生きている患者を治療することにおいて装置を使用するための方法であって、圧力制御流体が、圧力制御濾過空気であり、流体が空気であり、方法が、
装置を呼吸器(人工呼吸器)に接続することと、
呼吸器(人工呼吸器)を、患者及び圧力制御濾過空気の源と気体連通して配置することと、
患者による吸入に応答して、呼吸器(人工呼吸器)への酸素流を開始し、圧力制御濾過空気を周囲空気と混合して、スクラブされた空気を生成し、スクラブされた空気を患者に送達することと、
患者による呼気に応答して、呼吸器(人工呼吸器)への酸素流入を停止し、呼吸器(人工呼吸器)から吐き出し空気を排気することと、を含む、条項42~44のいずれか一項に記載の方法。
【0170】
48.スクラブされた空気が、少なくとも26%のFiO2を有する、条項47に記載の方法。
【0171】
49.装置及び呼吸器(人工呼吸器)を利用しながら歩行すること及び/又は走行することを更に含む、条項42~48のいずれか一項に記載の方法。
【0172】
50.アレルギーを治療するための装置及び呼吸器(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含む、条項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【0173】
51.ARDSを治療するための装置及び呼吸器(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含む、条項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【0174】
52.睡眠時無呼吸を治療するための装置及び呼吸器(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含む、条項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【0175】
53.COPDを治療するための装置及び呼吸器(人工呼吸器)の使用を起動することを更に含む、条項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【0176】
54.COVID-19ウイルスによる感染を治療するための装置及び呼吸器(人工呼吸器)の使用を始動することを更に含む、条項42~49のいずれか一項に記載の方法。
【0177】
55.周囲空気を濾過することを更に含む、条項42~54のいずれか一項に記載の方法。
【0178】
56.患者からの吐き出された息を濾過することを更に含む、条項42~55のいずれか一項に記載の方法。
【0179】
57.封止端部と、開放端部と、を備える圧力増幅器であって、封止端部と弁との間の固定体積を画定するために弁と流体連通しており、開放端部における圧力の変化が、弁を作動させる封止端部における圧力の変化を引き起こすように構成されている、圧力増幅器。
【0180】
58.開放端部の負圧が、弁を作動させる封止端部の圧力の低減を引き起こすように構成されている、条項57に記載の圧力増幅器。
【0181】
59.開放端部の正圧が、弁を作動させる密封端部の圧力の増加を引き起こすように構成されている、条項57に記載の圧力増幅器。
【0182】
60.弁の作動が、加湿器を作動させる、条項57~59のいずれか一項に記載の圧力増幅器。
【0183】
61.弁の作動が、視覚インジケータの変化を生成する、条項57~59のいずれか一項に記載の圧力増幅器。
【0184】
62.視覚インジケータの変化が、開放端の圧力の変化を表す、条項61に記載の圧力増幅器。
【0185】
63.開放端部の圧力の変化が、患者の吸気及び/又は呼気によって引き起こされる、条項62に記載の圧力増幅器。
【0186】
本書で使用される場合、説明及び特許請求の範囲の両方において、並びに当技術分野で慣習的に使用される場合、単語「実質的に」、「約」、及び類似の近似用語は、物理的世界における任意の機構又は構造を加工する際に回避不可能な部品である製造公差、製造変動、及び製造不正確性を説明するために使用される。
【0187】
本発明を詳細に説明してきたが、本発明から逸脱することなく、様々な変更及び修正を行うことができ、等価物を用いることができることは、当業者には明らかであろう。本発明は、構造の詳細、構成要素の配置、及び/又は上記の説明に記載された方法又は図面に図示された方法に限定されないことを理解されたい。本書の要約の記述、及び本書の要約の記述は、単なる例示に過ぎず、それらは特許請求の範囲の範囲を限定するものではなく、それを限定するものと解釈することはできない。更に、図は、単なる例示であり、限定ではない。トピックの見出し及び小見出しは、読者の便宜を図るためのみのものである。それらは、実質的な意義、意味、又は解釈を有すると解釈されるべきではなく、また解釈されるべきではなく、特定のトピックに関連する全ての情報が、任意の特定の見出し又は小見出しの下にある、又はそれに限定されることを示すものとみなされるべきではない。本書の要約は、米国特許商標庁、並びに特許又は法律用語又はフレーズに精通していない読者が、本出願の技術的開示の性質及び本質を粗雑な検査から迅速に判断することを可能にすることを目的としている。要約は、本発明を定義することを意図しておらず、本発明の範囲に限定することを意図していない。本書の条項の目的は、本書の優先権を主張するいかなる後にファイルされた外国特許出願における請求の裏付けを提供することである。これらの条項は、本発明を定義することを意図しておらず、本発明の範囲に限定することを意図していない。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲及びそれらの法的等価物に従う場合を除き、制限又は限定されるべきではない。
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
呼吸器と共に使用するのに好適な装置であって、
ベンチュリであって、
スロートと、
ベンチュリノズルと、
圧力制御流体が外向きに流れる、前記ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、前記ベンチュリ開口部が、前記スロートに開口し、前記ベンチュリ開口部及び前記スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、を備える、ベンチュリと、
前記ベンチュリノズル及び周囲流体と流体連している周囲流体アパーチャと、
流体ポートと、
前記流体ポートと流体連通している圧力増幅器と、
前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、前記スロート内の前記圧力制御流体の流れによる前記周囲流体の引き込みを引き起こす開始流位置と、前記スロート内の前記圧力制御流体の流れによる前記周囲流体の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させて、前記ベンチュリノズルを閉鎖するように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させるように構成され、
前記弁の前記移動軸が、前記スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列し、
前記圧力増幅器が、前記ベンチュリノズルと前記流体ポートとの間に位置決めされている、装置。
【請求項2】
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記停止流位置に前記弁を作動させるように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置に前記弁を作動させるように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項3】
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置に前記弁を作動させるように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記停止流位置に前記弁を作動させるように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項4】
前記圧力増幅器は、前記流体ポートに押し込まれた前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置と前記停止流位置との間のアクティブ流位置に前記弁を作動させるように構成され、
前記圧力増幅器は、前記流体ポートから引き出された前記流体が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記開始流位置と停止流位置との間の前記アクティブ流位置に前記弁を作動させるように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項5】
前記圧力制御流体が、酸素を含み、前記周囲流体が、周囲空気を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項6】
前記圧力制御流体の前記流れを調節するための圧力レギュレータを更に備え、前記圧力レギュレータが、
穿孔を含むように形成されたハウジングと、
前記穿孔内に移動可能に配設されたピストンであって、その第1の端部に隣接する環状リップを備える、ピストンと、
前記穿孔内に配設され、第1の端部と、第2の端部と、を備える、ばねと、
前記穿孔内に移動可能に配設された調整キャップであって、調整キャップに形成された複数のキースロットを含むように形成されている、調整キャップと、を備え、
前記ばねの前記第1の端部が、前記環状リップと物理的に接触しており、
前記ばねの前記第2の端部が、前記調整キャップと物理的に接触しており、
前記調整キャップを第1の方向に回転させることが、前記調整キャップに前記第1のばねを圧縮させ、
前記調整キャップを第2の反対方向に回転させることが、前記調整キャップに前記ばねを伸張させ、
前記調整キャップを前記第1の方向に回転させることが、前記圧力レギュレータの出力圧力を増加させ、
前記調整キャップを前記第2の方向に回転させることが、前記圧力レギュレータの出力圧力を減少させ、
前記穿孔が、円筒形壁によって画定され、
前記円筒形壁が、前記円筒形壁に第1のねじ山を含むように形成され、
前記調整キャップが、その周囲に形成された第2のねじ山を含むように形成され、
前記第2のねじ山が、前記第1のねじ山と噛み合うように構成されている、請求項
1に記載の装置。
【請求項7】
前記圧力増幅器が、ダイヤフラムを含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項8】
前記圧力増幅器が、吸入構成及び吐き出し構成において双安定である、請求項
1に記載の装置。
【請求項9】
前記弁が、テーパ状端部を有するステムを含み、前記テーパ状端部が、前記停止位置において前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に入り、前記ベンチュリ開口部を実質的に閉鎖する、請求項
1に記載の装置。
【請求項10】
前記周囲流体アパーチャが、流体排気孔を含む、請求項
1に記載の装置。
【請求項11】
前記周囲流体アパーチャに着脱可能に接続された少なくとも1つのフィルタを更に備える、請求項
1に記載の装置。
【請求項12】
呼吸器を更に備え、前記呼吸器が、前記流体ポートと流体連通している、請求項
1に記載の装置。
【請求項13】
前記圧力制御流体が、液体である、請求項
1に記載の装置。
【請求項14】
前記装置が、もっぱら機械的なものである、請求項
1に記載の装置。
【請求項15】
前記弁の少なくとも一部分が、前記移動軸に沿って、前記スロート内で移動可能である、請求項
1に記載の装置。
【請求項16】
前記圧力増幅器の中心が、前記スロート及び前記弁の前記移動軸と実質的に長手方向に整列している、請求項
1に記載の装置。
【請求項17】
生きている患者の気道に接続可能な人工呼吸器であって、
スロートを備えるベンチュリと、
ベンチュリノズルと、
圧力制御酸素が外向きに流れる、前記ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、前記ベンチュリ開口部が、前記スロートに開口し、前記ベンチュリ開口部及び前記スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、
前記ベンチュリノズル及び周囲空気と流体連通している周囲空気アパーチャと、
前記患者の前記気道と流体連通している流体ポートと、
前記流体ポートと流体連通している圧力増幅器であって、それを通って画定された少なくとも1つの開口部を含み、前記少なくとも1つの開口部に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップを備える、圧力増幅器と、
前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを引き起こす開始流位置と、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備え、
前記圧力増幅器は、前記流体ポート内への前記患者の呼気が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させて、前記ベンチュリノズルを閉鎖するように構成され、
前記圧力増幅器は、前記患者の前記流体ポートを通る吸気が、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させるように構成され、
前記弁の前記移動軸が、前記スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列する、人工呼吸器。
【請求項18】
前記患者の前記流体ポートを通る前記吸気は、前記ベンチュリノズルに対して、前記ベンチュリノズルを開放するように前記弁を作動させる、請求項17に記載の人工呼吸器。
【請求項19】
前記流体ポートを通る前記患者の前記吸気は、前記少なくとも1つのフラップを、前記圧力増幅器内の前記少なくとも1つの開口部に対して前記開放位置に移動させる、請求項18に記載の人工呼吸器。
【請求項20】
前記流体ポート内への前記患者の前記呼気は、前記少なくとも1つのフラップを、前記圧力増幅器内の前記少なくとも1つの開口部に対して前記閉鎖位置に移動させる、請求項17に記載の人工呼吸器。
【請求項21】
人工呼吸器に好適な装置を使用する方法であって、
圧力制御酸素源を提供することと、
人工呼吸器に好適な装置を提供することであって、前記装置は、
ベンチュリであって、スロートと、
ベンチュリノズルと、
圧力制御酸素が外向きに流れる、前記ベンチュリノズル内のベンチュリ開口部であって、前記ベンチュリ開口部が、前記スロートに開口し、前記ベンチュリ開口部及び前記スロートが実質的に長手方向に整列している、ベンチュリ開口部と、を備える、ベンチュリと、
前記ベンチュリノズル及び周囲空気と流体連通している周囲空気アパーチャと、
流体ポートと、
前記流体ポートと流体連通している圧力増幅器であって、それを通って画定された少なくとも1つの開口部を含み、前記少なくとも1つの開口部に対して開放位置と閉鎖位置との間で移動可能な少なくとも1つのフラップを備える、圧力増幅器と、
前記ベンチュリノズル内の前記ベンチュリ開口部に対する移動軸に沿って、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを引き起こす開始流位置と、前記スロート内の前記圧力制御酸素の流れによる前記周囲空気の引き込みを停止する停止流位置との間で移動可能な弁と、を備える、提供することと、
前記患者の気道と流体連通している前記流体ポートを配置することと、
前記流体ポートを通る前記患者による呼気に応答して、
前記少なくとも1つのフラップを、前記少なくとも1つの開口部に対して前記閉鎖位置に移動させることと、
前記弁を、前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って作動させ、前記ベンチュリノズルを閉鎖することと、
前記流体ポートを通る前記患者による吸気に応答して、
前記少なくとも1つのフラップを、前記少なくとも1つの開口部に対して前記開放位置に移動させることと、
前記ベンチュリノズルに対する前記移動軸に沿って、前記弁を作動させることと、を含み、
前記弁の前記移動軸が、前記スロートの長手方向と実質的に長手方向に整列する、方法。
【国際調査報告】