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特表2023-524201ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス
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  • 特表-ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス 図1
  • 特表-ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス 図2A
  • 特表-ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス 図2B
  • 特表-ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-09
(54)【発明の名称】ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス
(51)【国際特許分類】
   H04N 19/70 20140101AFI20230602BHJP
【FI】
H04N19/70
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022563967
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-10-20
(86)【国際出願番号】 US2021028434
(87)【国際公開番号】W WO2021216736
(87)【国際公開日】2021-10-28
(31)【優先権主張番号】63/013,474
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/013,713
(32)【優先日】2020-04-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/028,214
(32)【優先日】2020-05-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Blu-ray
(71)【出願人】
【識別番号】507236292
【氏名又は名称】ドルビー ラボラトリーズ ライセンシング コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【弁理士】
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】マッカーシー,ショーン トーマス
(72)【発明者】
【氏名】イン,プオン
(72)【発明者】
【氏名】フサーク,ウォルター ジェイ.
【テーマコード(参考)】
5C159
【Fターム(参考)】
5C159RC12
(57)【要約】
ビデオ・コーディングにおける制約された処理についての方法、システム、及びビットストリーム・シンタックスが説明される。1つ以上のシンタックス要素と明示的又は暗黙的なシグナリングのうちの何れかを使用して、エンコーダは、サブピクチャや複数階層化スケーラブル・コーディングのようなメイン・プロファイルの特定の特徴はディセーブルにされていることを、コンプライアント・デコーダにシグナリングすることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制約階層化処理とともにコーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)をプロセッサで復号化する方法であって:
コーディングされたピクチャとシンタックス・パラメータとを含むコーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)を受信し、階層化処理がイネーブルにされているかどうかを検出するステップであって、その階層化処理がイネーブルにされているかどうかを検出することは、以下のシンタックス・パラメータ:
スケーラビリティ又は階層化コーディングがイネーブルにされているかどうかを示す第1のフラグ;
ビデオ・パラメータ・セット(VPS)が制約されているかどうかを示す第2のフラグ;
出力レイヤ・セット(OLS)の総数が制約されているかどうかを示す第3のフラグ;
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットが属しているレイヤが制約されているかどうかを示す第4のフラグ;
インター・レイヤ予測が制約されているかどうかを示す第5のフラグ;
のうちの1つ以上が1に設定されているかどうかを検出することを含む、ステップ;及び
これらのフラグのうちの1つ以上が1に設定されている場合には、階層化処理はディセーブルにされていると判断し、そうでない場合には階層化処理はイネーブルにされていると判断するステップ;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第2のフラグが1に設定される場合には:
前記第3のフラグは1に設定されていると推定され;
前記第4のフラグは1に設定されていると推定され;
前記第5のフラグは1に設定されていると推定され;及び
パラメータvps_max_layers_minus1は1に等しいと推定される、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記第3のフラグが1に設定される場合に:
ols_mode_idc parameterの値が2に等しいならば、num_output_layer_sets_minus1の値は0に等しいものとし;
そうでない場合に、ols_mode_idcの値が0又は1に等しいならば、vps_max_layers_minus1の値は0に等しいものとする、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記第4のフラグが1に設定されている場合、それは、前記コーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)内の全てのビデオ・コーディング・レイヤ(VCL)NALユニットは、同じ値のnuh_layer_idを有するものとし、vps_max_layers_minus1 = 0であることを示す、方法。
【請求項5】
請求項1に記載の方法において、前記第5のフラグが1に設定されている場合、それは、符号化層ビデオ・シーケンス(CLVS)における何れのコーディングされたピクチャのインター予測についても、インター・レイヤ参照ピクチャ(ILRP)は使用されず、inter_layer_ref_pics_present_flag = 0であることを示す、方法。
【請求項6】
コーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)をプロセッサで復号化する方法であって:
コーディングされたピクチャとシンタックス・パラメータとを含むコーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)を受信し、以下のシンタックス・パラメータ:
ビデオ・パラメータ・セット(VPS)が制約されているかどうかを示す第1のフラグ;
出力レイヤ・セット(OLS)の総数が制約されているかどうかを示す第2のフラグ;
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットが属しているレイヤが制約されているかどうかを示す第3のフラグ;
インター・レイヤ予測が制約されているかどうかを示す第4のフラグ;
のうちの1つ以上が1に設定されているかどうかを検出するステップ;及び
これらのフラグのうちの1つ以上が1に設定されている場合には、ビットストリーム・コンプライアンスを判定するステップ;
を含む方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法において、前記第1のフラグが1に設定されていることを検出した場合には、
前記第3のフラグは1に設定され;
前記第4のフラグは1に設定され;
sps_video_parameter_set_id = 0であり;
vps_max_layers_minus1は0に等しいと推定され;
each_layer_is_an_ols_flagは1に等しいと推定され;或いは
inter_layer_ref_pics_present_flagは0に等しいと推定される、方法。
【請求項8】
制約処理とともにビデオ・ピクチャのシーケンスをプロセッサで符号化する方法であって:
コーディングされたビットストリームに符号化されるべきビデオ・ピクチャのシーケンスを受信するステップ;
前記コーディングされたビットストリームをデコーダにより復号化するためには必要でないツールのセットを決定するステップ;
前記ツールのセットに関連する1つ以上の制約フラグを決定するステップ;
前記1つ以上の制約フラグを、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造にグループ化するステップ;
前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造を、一般制約シンタックス構造に統合し、前記コーディングされたビットストリームを生成するステップであって、前記コーディングされたビットストリームは、前記ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと前記一般制約シンタックス構造とを含む、ステップ;
を含む方法。
【請求項9】
請求項8に記載の方法において、前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造は:
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットに関連する制約フラグ、
パーティションに関連する制約フラグ、
予測モードに関連する制約フラグ、
イントラ予測に関連する制約フラグ、
インター予測に関連する制約フラグ、
変換に関連する制約フラグ、
量子化に関連する制約フラグ、
ループ・フィルタリングに関連する制約フラグ、
ループ・フォーマットに関連する制約フラグ、
一般機能に関連する制約フラグ、又は
補足エンハンスメント情報(SEI)メッセージングに関連する制約フラグ、
のうちの1つ以上に関連するシンタックス要素を含む、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法において、前記一般機能に関連する制約フラグに関連する前記シンタックス要素は、非スケーラビリティ制約フラグを含み、1に等しく設定されている場合には、スケーラブルで階層化されたコーディングは、コーディングされるビットストリームについてディセーブルにされることを示す、方法。
【請求項11】
制約処理とともにコーディングされたビットストリームをプロセッサで復号化する方法であって:
ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと一般制約シンタックス構造とを含むコーディングされたビットストリームをデコーダで受信するステップであって、前記一般制約シンタックス構造は、前記コーディングされたビットストリームを前記デコーダにより復号化するためには必要でないツールのセットに関連するシンタックス要素を含む、ステップ;
前記一般制約シンタックス構造を解析して、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造を識別するステップであって、各々のツール制約情報シンタックス構造は、特定のコーディング・ツールに関連する1つ以上の制約フラグを含む、ステップ;
前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造の各々を解析して、前記ツールのセットに関連する1つ以上の制約フラグを生成するステップ;及び
前記ビデオ・ピクチャのシーケンスを生成するために、前記1つ以上の制約フラグに従って、前記コーディングされたビットストリーム内の前記コーディングされたピクチャを復号化するステップ;
を含む方法。
【請求項12】
請求項11に記載の方法において、前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造は:
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットに関連する制約フラグ、
パーティションに関連する制約フラグ、
予測モードに関連する制約フラグ、
イントラ予測に関連する制約フラグ、
インター予測に関連する制約フラグ、
変換に関連する制約フラグ、
量子化に関連する制約フラグ、
ループ・フィルタリングに関連する制約フラグ、
ループ・フォーマットに関連する制約フラグ、
一般機能に関連する制約フラグ、又は
補足エンハンスメント情報(SEI)メッセージングに関連する制約フラグ、
のうちの1つ以上に関連するシンタックス要素を含む、方法。
【請求項13】
請求項12に記載の方法において、前記一般機能に関連する制約フラグに関連する前記シンタックス要素は、非スケーラビリティ制約フラグを含み、1に等しく設定されている場合には、スケーラブルで階層化されたコーディングは、コーディングされたビットストリームについてディセーブルにされていることを示す、方法。
【請求項14】
請求項1に記載の方法を前記1つ以上のプロセッサで実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶している非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項15】
プロセッサを含み、且つ請求項1に記載の方法を実行するように構成された装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001] 関連出願の相互参照
本件は、2020年5月21日付で出願された米国仮特許出願第63/028,214号、2020年4月22日付で出願された米国仮特許出願第63/013,713号、及び2020年4月21日付で出願された米国仮特許出願第63/013,474号に対する優先権の利益を主張しており、これらは全て全体的に参照により本件に援用される。
【0002】
[0002] 技術分野
本件明細書は一般に画像に関連している。より詳細には、本発明の実施形態は、ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス及びシンタックス要素に関連する。
【背景技術】
【0003】
[0003] 2013年に国際標準化機構(ISO)のMPEGグループは国際電気通信連合(ITU)と共同でHEVC(H.265としても知られている)ビデオ・コーディング規格(Ref.[1])の最初の草案を公表した。より最近では、同グループは、既存のビデオ・コーディング技術を上回る改善されたコーディング・パフォーマンスを提供する次世代コーディング規格(多用途ビデオ・コーディング又は(Versatile Video Coding,VVC)規格(Ref.[2])として言及される)の開発に取り組んでいる。
【0004】
[0004] それらの展開を促進するために、HEVCなどのようなビデオ・コーディング規格は、プロファイル、階層、レベル、及びその他のシンタックス要素であってビットストリームに関する制約を指定するもの、を定義することが可能であり、従って、ビットストリームを復号化するために必要とされる能力に関する制限を記述することが可能である。プロファイル、階層、レベル、及びその他のシンタックス要素は、個々のデコーダ実装間の相互運用ポイントを示すために使用されることも可能である。
【0005】
[0005] 本件発明者等により理解されるように、VVCに準拠したビットストリームに関する制約を定義し、適合性試験を改善する一方で、汎用性のある特徴の全てに対するアクセスを提供するための改良された技術が本件で説明される。
【0006】
[0006] 本件で説明されるアプローチは、追求可能なアプローチであるが、必ずしも以前に案出又は追求されたアプローチであるとは限らない。従って、別段の指定がされていない限り、本セクションで説明されている何れのアプローチも、単に本セクションに含まれているというだけの理由で先行技術として適格であると仮定されるべきではない。同様に、1つ以上のアプローチに関して特定された事項は、別段の指定がされていない限り、本セクションに基づいて、何らかの先行技術において認識されていると仮定すべきではない。
【図面の簡単な説明】
【0007】
[0007] 本発明の実施形態は、添付図面の図中において例示的に非限定的に示されており、図中、同様の参照番号は同様の要素を指す。
図1】[0008] 図1は、ビデオ配信パイプラインのための例示的なプロセスを示す。
図2A】[0009] 図2Aは、実施形態による例示的な符号化ビデオ・プロセスを示す。
図2B】[0010] 図2Bは、実施形態による例示的な復号化ビデオ・プロセスを示す。
図3】[0011] 図3は、実施形態による制約階層処理のための例示的なプロセスを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[0012] VVCコーディング仕様における制約処理(constrained processing)及び適合性試験(conformance testing)のためのセマンティクス(semantics)に関連する例示的な実施形態が本件で説明される。以下の説明では、説明の目的のために多数の具体的な詳細が記述され、本発明の様々な実施形態の十分な理解をもたらしているす。しかしながら、本発明の様々な実施形態は、これらの具体的な詳細なしに実施されてもよいことは明らかであろう。その他、周知の構造及び装置は網羅的に詳細には説明されておらず、本発明の実施形態を不必要に狭めたり、曖昧にしたり、又は分かりにくくしたりすることを避けている。
【0009】
[0013] 概要
本件で説明される実施例は、ビデオ・コーディングにおける制約処理及び適合性試験のためのセマンティクス(意味内容)に関連する。エンコーダにおいて、プロセッサは、 制約処理とともに、コーディングされたビットストリームに符号化されるべきビデオ・ピクチャのシーケンスを受信する。
【0010】
プロセッサは:
コーディングされたビットストリームをデコーダにより復号化するためには必要でないツールのセットを決定し;
ツールのセットに関連する1つ以上の制約フラグを決定し;
1つ以上の制約フラグを、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造にグループ化し;
1つ以上のツール制約情報シンタックス構造を、一般制約シンタックス構造に統合し、コーディングされたビットストリームを生成し、コーディングされたビットストリームは、ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと一般制約シンタックス構造とを含む。
【0011】
[0014] 別の実施形態では、デコーダにおいて、プロセッサは、ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと一般制約シンタックス構造とを含むコーディングされたビットストリームを受信し、一般制約シンタックス構造は、コーディングされたビットストリームをデコーダにより復号化するためには必要でないツールのセットに関連するシンタックス要素を含む。
【0012】
次いで、プロセッサは、一般制約シンタックス構造を解析して、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造を識別し、各々のツール制約情報シンタックス構造は、特定のコーディング・ツールに関連する1つ以上の制約フラグを含み;
プロセッサは、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造の各々を解析して、ツールのセットに関連する1つ以上の制約フラグを生成し;及び
ビデオ・ピクチャのシーケンスを生成するために、1つ以上の制約フラグに従って、コーディングされたビットストリーム内のコーディングされたピクチャを復号化する。
【0013】
[0015] 別の実施形態において、プロセッサは、コーディングされたピクチャとコーディングされたピクチャに関するシンタックス・パラメータとを含むコーディングされたビデオ・ビットストリームを受信し、階層化処理がイネーブルにされているかどうかを検出し、階層化処理がイネーブルにされているかどうかを検出することは、以下のフラグ :
スケーラビリティ又は階層化コーディングがイネーブルにされているかどうかを示すフラグ;
ビデオ・パラメータ・セット(VPS)が制約されているかどうかを示すフラグ;
出力レイヤ・セット(OLS)の総数が制約されているかどうかを示すフラグ;
NALユニットが属しているレイヤが制約されているかどうかを示すフラグ;
インター・レイヤ予測が制約されているかどうかを示すフラグ;
のうちの1つ以上が1に設定されているかどうかを検出することを含み、
プロセッサは、これらのフラグのうちの1つ以上が1に設定されている場合には、階層化処理はディセーブルにされていると判断し、そうでない場合には階層化処理はイネーブルにされていると判断する。
【0014】
[0016] 別の実施形態において、プロセッサは、コーディングされたピクチャとコーディングされたピクチャのシンタックス・パラメータとを含むコーディングされたビットストリームを受信し、以下のフラグ:
ビデオ・パラメータ・セット(VPS)が制約されているかどうかを示すフラグ;
出力レイヤ・セット(OLS)の総数が制約されているかどうかを示すフラグ;
NALユニットが属しているレイヤが制約されているかどうかを示すフラグ;
NALユニット・タイプが制約されているかどうかを示すフラグ;
ピクチャ内のスライスの数が制約されているかどうかを示すフラグ;
ピクチャ内のタイルの数が制約されているかどうかを示すフラグ;
ピクチャ内のサブピクチャの数が制約されているかどうかを示すフラグ;
デュアル・ツリー・パーティションが制約されているかどうかを示すフラグ;
パレット・モードが制約されているかどうかを示すフラグ;
イントラ・ブロック・コピーが制約されているかどうかを示すフラグ;
イントラ予測が制約されているかどうかを示すフラグ;
インター予測が制約されているかどうかを示すフラグ;
量子化が制約されているかどうかを示すフラグ;
変換が制約されているかどうかを示すフラグ;
残差コーディングが制約されているかどうかを示すフラグ;
ループ・フィルタが制約されているかどうかを示すフラグ;
サンプル・ビット深度が制約されているかどうかを示すフラグ;
クロマ・サンプリング・フォーマットが制約されているかどうかを示すフラグ;
360ビデオ・コーディングが制約されているかどうかを示すフラグ;
スクリーン・コンテンツ・コーディングが制約されているかどうかを示すフラグ;
SEIメッセージの存在が制約されているかどうかを示すフラグ;
インター・レイヤ予測が制約されているかどうかを示すフラグ;
のうちの1つ以上が1に設定されているかどうかを検出し;及び
これらのフラグのうちの1つ以上が1に設定されている場合には、ビットストリーム・コンプライアンスを判定する。
【0015】
[0017] 例示的なビデオ配信処理パイプライン
図1は、ビデオ捕捉からビデオ・コンテンツ表示までの様々な段階を示す従来のビデオ配信パイプライン(100)の例示的なプロセスを示す。ビデオ・フレーム(102)のシーケンスは、画像生成ブロック(105)を用いて捕捉又は生成される。ビデオ・フレーム(102)は、ビデオ・データ(107)を提供するために、デジタル的に(例えば、デジタル・カメラによって)捕捉されるか、又はコンピュータによって(例えば、コンピュータ・アニメーションを使用して)生成されることが可能である。代替的に、ビデオ・フレーム(102)は、フィルム・カメラによってフィルムで捕捉されてもよい。フィルムは、ビデオ・データ(107)を提供するためにデジタル・フォーマットに変換される。制作フェーズ(110)において、ビデオ・データ(107)は、ビデオ制作ストリーム(112)を提供するために編集される。
【0016】
[0018] 次いで、制作ストリーム(112)のビデオ・データは、ブロック(115)において、制作-後-編集のためにプロセッサに提供される。ブロック(115)の制作-後-編集は、ビデオ作成者の創作意図に従って、画質を向上させたり或いは画像の特定の外観を達成したりするために、画像の特定のエリアにおける色や輝度を調整又は修正することを含む可能性がある。これは、「カラー・タイミング(color timing)」又は「カラー・グレーディング(color grading)」と呼ばれることがある。その他の編集(例えば、シーン選択及びシーケンシング、画像クロッピング、コンピュータで生成された視覚的な特殊効果の追加、ジャダー又はブラー制御(judder or blur control)、フレーム・レート制御など)が、ブロック(115)で実行されて、配布する制作ストリームの最終版(117)を生成することができる。制作-後-編集(115)の際に、ビデオ画像は参照ディスプレイ(125)で眺められる。
【0017】
[0019] 後-制作(115)の後に、最終制作ビデオ・データ(117)は、符号化ブロック(120)に届けられ、テレビジョン・セット、セット・トップ・ボックス、映画館などのような復号&再生デバイスへのダウンストリームを配信する。幾つかの実施形態では、コーディングされたビットストリーム(122)を生成するために、コーディング・ブロック(120)は、ATSC、DVB、DVD、Blu-Ray、及びその他の配信フォーマットによって定義されるもののようなオーディオ及びビデオ・エンコーダを含む可能性がある。受信機では、信号(117)と同じ又は近いものを表現する復号化された信号(132)を生成するために、コーディングされたビット・ストリーム(122)は復号化ユニット(130)によって復号化される。受信機は、参照ディスプレイ(125)とは全く異なる特性を有する可能性があるターゲット・ディスプレイ(140)に取り付けられている可能性がある。この場合において、表示マッピング信号(137)を生成することによって、復号化された信号(132)のダイナミックレンジを、ターゲット・ディスプレイ(140)の特性にマッピングするために、表示管理ブロック(135)が使用される可能性がある。
【0018】
[0020] VVCにおける制約処理
VVC仕様の現在の作業草案テキスト(Ref.[2])は、コーディングされたビットストリームを復号化する際に、特定のコーディング・ツールは必要とされないことを、エンコーダがデコーダに通知することを可能にする手段として、また、既存のオフィシャルなプロファイル、例えば、Main 10プロファイル及びMain 4:4:4プロファイル以外のサブ・プロファイルを促す代替手段として、一組の制約フラグを規定している。例えば、これらのプロファイルの各々は、適合するビットストリーム(conforming bitstream)を、特定のクロマ・フォーマットやビット深度に限定し、特定の階層やレベル制約が充足されることを要求するが、VVCで指定される全てのコーディング・ツールは、適合するビットストリームにおいて指定されるように許容される。
【0019】
[0021] VVCの一部のアプリケーション及び用途は、VVCで指定される全てのコーディング・ツール及び機能を必要としない可能性がある。対応する復号化プロセスがコーディング・ツールのサブセットを実装しており、それでも、適合しているデコーダは、適合するビットストリームを復号化することができるままであるならば、そのようなアプリケーションは有益であろう。このような復号化プロセスを収容することが可能な方法の1つは、VVCに関する追加プロファイルを定義することであろう。例えば、「Simplified Main 10」プロファイルは、Main 10プロファイルと同じであるように規定されることが可能である:但し、1つ以上の特定のコーディング・ツール及び関連するシンタックスは、ビットストリームでシグナリングされるように許容されていないであろう。あるいは、それらがビットストリームにおいて識別されるならば、適合するデコーダは、それらを安全に無視することが可能である。例えば、「Simple Main 10」プロファイルは、スケーラビリティやサブピクチャを許容しない可能性がある。
【0020】
[0022] 複数のプロファイルを定義することの1つの欠点は、それが、市場の断片化を促進することにより、デバイス及びアプリケーション・プロバイダにとってアクセス可能な市場を制限する可能性がある、ということである。複数のプロファイルのもう1つの欠点は、それが、適合性試験と検証をより困難にし、ビットストリーム作成者と消費者の間での品質や相互運用性に影響を与える可能性がある、ということである。
【0021】
[0023] 本件で実施例により提案されるプロファイル・フラグメンテーションに対する代替案は、シンタックス制約を、少数の一般制約情報構文要素であってMain 10及びMain 4:4:4 10プロファイル、並びにVVCの任意の同等な静止画像プロファイルに適用されるもの、にパッケージ化することである。例えば、ビットストリーム内のサブピクチャを復号化するために分析及び復号化プロセスは要求されず、それでもそのビットストリームはプロファイル、例えば、Main 10プロファイルに適合することを示すために、一般制約情報シンタックス要素no_subpicture_constraint_flagが、ビットストリームにおいてシグナリングされてもよい。本件で提案される一般的な制約方法の1つの利点は、適合性試験と検証を促進することである。
【0022】
[0024] 一般制約情報シンタックス要素の利用は、また、アプリケーション標準開発組織(Standards Developing Organizations,SDO)及び業界フォーラムのような他の組織によるドメイン特有のサブ・プロファイルの仕様を促進することが可能である。この意味において、一般制約情報シンタックス要素の利用は、指定と検証がより容易な一種の「ソフト・プロファイル」の指定を促す。
【0023】
[0025] 現在のVVCドラフト仕様は、コーディング・ツールの挙動とシンタックス要素の値に関する制限を指定する62個の一般制約フラグを含んでいる。既存の一般制約フラグは、ネットワーク抽象化レイヤ(network abstraction layer,NAL)ユニット・タイプ、予測モード、インター及びイントラ予測、変換、量子化、ループ・フィルタ、レイヤ、補足エンハンスメント情報(supplemental enhancement information,SEI)メッセージ、及びフォーマットに関連している。現在、62個の全ての一般制約フラグが、general_contstraint_info( )シンタックス構造でシグナリングされている。
【0024】
[0026] 現在規定されているように、一般制約フラグのリストは、リストに論理的な順序がないので、混乱する可能性がある。順序の欠如は、一般制約フラグの使用を妨げ、それらの恩恵を制限してしまう可能性がある。更に、現在規定されているようなgeneral_constraint_info( )のシンタックス構造は、将来、追加的な一般制約フラグが加わった場合に、一般制約フラグのリストを更に混乱させてしまう傾向がある。後方互換性を維持するために、新たなフラグは、その新たなフラグの機能に関係なく、リストの最後に追加されるであろう。
【0025】
[0027] 発明者等により理解されているように、general_constraint_info( )の構造は、限られた範囲ではあるがより豊富な柔軟性とともに、別々の分類されたシンタックス構造をシグナリングすることによって、より使いやすく、ユーザー・エラーを起こしにくくすることが可能である。例えば、変換コーディングに関連するツールに関するgeneral_transform_constraint_info( )のシンタックス構造は、general_constraint_info( )の呼び出し(call)の一部としてシグナリングされることが可能である。例えば、general_transform_constraint_info( )のシンタックス構造は、変換についての一般制約フラグのみをシグナリングすることができる。同様に、例えば、general_quantization_constraint_info( ), general_inter_constraint_infor( ),及びgeneral_loop_filter_info( )等のような呼び出しは、general_constraint_info( )でシグナリングされて、量子化、インター予測、及びループ・フィルタに関する一般制約フラグをそれぞれグループ化する。
【0026】
[0028] カテゴリ化された、範囲が限定された、一般制約シンタックス構造の更なる利点は、そのような構造が、後方互換性のある方法で、新しい一般制約フラグを効果的に追加することを促進することである。関連フラグのより短いリストの末尾に追加された新しいフラグは、使いやすさを保ち、ユーザー・エラーの傾向を減らす。
【0027】
[0029] 別の実施形態では、幾つかの新しい一般制約フラグも追加されている。新しいフラグは、1)コーディング・ツール・フラグ;2)機能制限フラグ;及び3)補足エンハンスメント情報(SEI)フラグ、という3つの一般クラスにグループ化されることが可能である。
【0028】
[0030] コーディング・ツール一般制約フラグは、コーディング・ツール及びシンタックス要素値に関する制限を指定するという点で、現在指定されている一般制約フラグと整合する。例として、提案される新たなコーディング・ツール一般制約フラグは:
no_virtual_boundary_constraint_flag;
no_weighted_prediction_constraint_flag;
no_weighted_bipred_constraint_flag;
no_explicit_scaling_list_constraint_flag;及び
no_vps_constraint_flag を含む。
【0029】
[0031] 機能限定一般制約フラグは、コーディング・ツール、他の制約フラグ、及びシンタックス要素の値のグループに関する限定を指定するための新たな機能を提供する。また、機能限定フラグは、ユース・ケース、サービス、及びアプリケーション・タイプに関連する適合性試験を促進する。例として、本件で提案される機能限定一般制約フラグは:
スケーラブルで階層化されたコーディングはディセーブルにされることを指定するno_scalability_constraint_flag;
360ビデオ・コーディングはディセーブルにされることを指定するno_360Video_constraint_flag;及び
スクリーン・コンテンツ・コーディングはディセーブルにされることを指定するnoSCC_constraint_flag を含む。
[0032] SEI一般制約フラグは、コアVVC規格外で一般的に指定されるSEIメッセージは存在しないことを指定する機能を拡張する。SEIメッセージを組み込むことにより、コーディングされたビデオがどのように使用される可能性があるか、又は使用、表示、若しくはその又は処理に意図されている可能性があるかを示す情報が、デコーダ又はその他の処理へシグナリングされることを可能にする。例として、提案される新たなSEI一般制約フラグは:
no_scalable_nesting_SEI_constraint_flag;
no_subpic_level_SEI_constraint_flag;
no_filler_payload_SEI_constraint_flag;
no_user_data_reg_SEI_constraint_flag;
no_user_data_unreg_SEI_constraint_flag;
no_film_grain_SEI_constraint_flag;
no_parameter_set_incl_SEI_constraint_flag;
no_decoded_picture_hash_SEI_constraint_flag;
no_mdcv_SEI_constraint_flag;
no_cll_SEI_constraint_flag;
no_DRAP_constraint_SEI_flag;
no_alt_transfer_char_SEI_constraint_flag;
no_ambient_view_envir_SEI_constraint_flag;
no_ccv_SEI_constraint_flag;
no_omni_video_specific_SEI_constraint_flag;
no_field_frame_info_SEI_constraint_flag;及び
no_sar_SEI_constraint_flag を含む。
【0030】
[0033] 別の実施形態では、現在指定されている一般制約フラグの明確性を改善するために、僅かに修正された名前が以下のように提案される:
・general_non_packed_constraint_flag を general_non_packed_SEI_constraint_flag に変更すること
・general_non_projected_constraint_flag を general_non_projected_SEI_constraint_flag に変更すること
・max_bitdepth_constraint_idc variable を max_bitdepth_minus8_constraint_idc に変更すること
・no_aps_constraint_flagのセマンティクスを、sps_explicit_scaling_list_enabled_flagを示すように修正すること
・single_layer_constraint_flagを2つの一般制約フラグに分割すること:a)no_vps_constraint flag(1に等しい場合には、sps_video_parameter_set_idは0に等しいものとすることを示す)及びb)single_layer_constraint_flag(1に等しい場合には、vps_max_layers_minus1は0に等しいものとすることを示す)。
【0031】
[0034] 本件で提示される実施形態のシンタックス、セマンティクス、方法、及び利点は、一般制約情報フラグをシグナリングする別の手段、例えば、タイプGCI_NUTのNALユニットにおいてgeneral_constraint_info( )をシグナリングするもの;及びdecoding_capability_information_rbsp( )においてgeneral_constraint_info( )をシグナリングするものに適用されてもよいことに留意されたい。
【0032】
[0035] 実施形態において、テーブル1は、VVCにおける「一般制約情報シンタックス」の提案される新たな構造に関する例示的なシンタックスを示しており、Ref.[2]のSec.7.3.3.2を置き換えるものである。テーブル1に示されるように、全ての既存のフラグは、12個のgeneral_xxx_constraint_info()構造で置き換えられ、ここで“xxx”は、パーティション化、イントラ・コーディング、ループ・フィルタリングのようなVVCコーディングの態様を示す。これら12個のシンタックス構造の各々は、テーブル2-13に更に詳細に記載されている。提案される新たなフラグはイタリック体斜体フォントで描かれており、各テーブルの後に明示的に記載されてもよい。ビデオ・コーディングの当業者は、12個より少ない又は多いgeneral_xxx_constraint_info()構造を使用して、既存の及び新たに提案される制約フラグ及びシンタックス・パラメータをグループしてもよい、ということを理解するであろう。更に、これらのフラグを最も適切な“xxx”グループにグループ化するためにあらゆる努力がなされ、これらのフラグのうちの1つ以上は、全体的な機能に対して、たとえあったとしても最小限の影響で、代替グループに割り当てられることが可能である。
【0033】
[0036] テーブル1のgeneral_xxx_constraint_info( )シンタックス構造の順序は、シンタックス検証と全体的な復号化パフォーマンスの検査に影響する可能性があることに留意されたい。例として、general_format_constraint_info( )は、max_chroma_format_constraint_idcを含み、これは、no_qtbtt_dual_tree_intra_constraint_flag(general_partition_constraint_info( )でシグナリングされる) のセマンティクスにより、及びno_cclm_constraint_flag (general_intra_constraint_info( )でシグナリングされる)のセマンティクスにより参照される。従って、general_partition_contraint_info( )とgeneral_intra_constraint_info( )をシグナリングする前にgeneral_format_constraint_info()をシグナリングすることは、シンタックス検査をシンプルにする。別の例として、general_functionality_constraint_info( )は、general_one_picture_only_constraint_flag を含み、これは、single_layer_constraint_flag(general_layer_constraint_info( )でシグナリングされる)のセマンティクスにより参照される。従って、general_layer_contraint_info( )をシグナリングする前にgeneral_functionality_constraint_info( )をシグナリングすることは、再びシンタックス検査をシンプルにする。別の実施形態において、シンタックス検査の容易性に従ってgeneral_xxx_constraint_info()構造を順序付ける代わりに、それらの順序は、他の基準、例えばコーディング・ツールの重要性、デコーダ・フローなどに基づいて決定されることが可能である。
【0034】
[0037] また、提案されるカテゴリのグループは、再編成されたり、細分化されたり、又は組み合わせられたりすることも可能である。例えば、実施形態において、表テーブルで後述されるように、量子化グループと変換グループを、より大きなグループに、例えば、変換、量子化、及び残差コーディングに関する“tqr”に統合することが可能である。別の実施形態において、pred_mod、イントラ、及びインター・グループを、より大きな“prediction_tools”グループに統合することが可能である。別の実施形態において、量子化グループを、より小さな量子化グループ及び残差コーディング・グループに分割することが可能である。
【0035】
[0038] 各カテゴリのツールは、例えば、ツールの重要性に重点を置くことに依存して組織化されることも可能である。例えば、IBC及びパレット・モードは、主に、イントラ・ピクチャ・コーディングに関する利点を有し、従って、それらは、イントラ制約グループに含まれてもよい。別の例として、general_tqr_constraint_info( )構造で説明されたように、変換関連制約フラグを量子化関連制約フラグの前にシグナリングすることは有用である可能性があり、なぜなら、例えばno_transform_skip_constraint_flagはno_bdpcm_constraint_flagにより参照されるからである。
【0036】
テーブル1:提案される“一般制約情報シンタックス”の具体例
【0037】
【表1】
[0039] テーブル2:一般フォーマット制約情報シンタックスの具体例
【0038】
【表2】
提案される新たなフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_separate_colour_plane_constraint_flagは、sps_separate_colour_plane_flagは、存在する場合には、0に等しいものとする、ということを示す。0に等しいno_separate_colour_plane_constraint_flagは、そのような制約を課していない。
【0039】
[0040] テーブル3:一般機能情報シンタックスの具体例
【0040】
【表3】
提案される新たなフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_scalability_constraint_flagは、スケーラブルで階層化されたコーディングはCVSに関してディセーブルにされることを示す。0に等しいno_scalability_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_scalability_constraint_flagの値は、変数noScalabilityConstraintの値に等しいものとする。noScalabilityConstraintの値は、次のようにして導出される:
【0041】
【数1】
1に等しいno_360_video_constraint_flagは、sps_ref_wraparound_enabled_flagは0に等しいものとし、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる正距円筒図法(equirectangular projection)SEIメッセージも一般化キューブマップ投影(generalized cubemap projection)SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_360_video_constraint_flagはそのような制約を課していない。

1に等しいno_scc_constraint_flagは、sps_ibc_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_bdpcm_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_palette_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_scc_constraint_flagはそのような制約を課していない。

別の実施形態において、変換スキップは主にスクリーン内容コーディングに関して利点を有するので、no_scc_constraint_flagのセマンティクスは次のように書くことが可能である:

1に等しいno_scc_constraint_flagは、sps_ibc_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_transform_skip_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_bdpcm_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_palette_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。no_scc_constraint_flagはそのような制約を課していない。
【0042】
[0041] テーブル4:提案されるNAL制約情報シンタックスの具体例
【0043】
【表4】
[0042] テーブル5:提案されるパーティション制約情報シンタックスの具体例
【0044】
【表5】
提案される新しいフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_virtual_boundary_constraint_flagは、sps_virtual_boundaries_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_virtual_boundary_constraint_flagはそのような制約を課していない。
【0045】
[0043] テーブル6:予測モード制約情報についての提案されるシンタックスの具体例
【0046】
【表6】
[0044] テーブル7:一般イントラ予測制約情報シンタックスの具体例
【0047】
【表7】
[0045] テーブル8:一般インター予測制約情報シンタックスの具体例
【0048】
【表8】
提案される新たなフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_weighted_pred_constraint_flagは、sps_weighted_pred_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_weighted_pred_constraint_flagはそのような制約を課していない。
1に等しいno_weighted_bipred_constraint_flagは、sps_weighted_bipred_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_weighted_bipred_constraint_flagはそのような制約を課していない。
【0049】
[0046] テーブル9:一般変換制約情報シンタックスの具体例
【0050】
【表9】
[0047] テーブル10:一般量子化制約情報シンタックスの具体例
【0051】
【表10】
提案される新たなフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_explicit_scaling_list_constraint_flagは、sps_explicit_scaling_list_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_explicit_scaling_list_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_aps_constraint_flag が1に等しい場合、no_explicit_scaling_list_constraint_flagの値は1に等しいものとする。
【0052】
[0048] テーブル11:一般ループ・フィルタ制約情報シンタックスの具体例
【0053】
【表11】
[0049] テーブル12:一般レイヤ制約情報シンタックスの具体例
【0054】
【表12】
提案される新たなフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_vps_constraint_flagは、sps_video_parameter_set_idは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_vps_constraint_flagは、そのような制約を課していない。general_one_picture_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_vps_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_ilrp_constraint_flagは、sps_inter_layer_ref_pics_present_flagの値は0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_ilrp_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_mnli_constraint_flagは、CVSにおける全てのVCL NALユニットは同じ値のnuh_layer_idを有するものとすることを示す。0に等しいno_mnli_constraintは、そのような制約を課していない。

no_mnli_constraintの値が1に等しい場合、以下のうちの1つ以上が適用される:
- vps_max_layers_minus1の値は0に等しいものとする.
- each_layer_is_an_ols_flagの値は1に等しいと推定される.

1に等しいno_mols_constraint_flagは、VPSで指定される出力レイヤセット(OLS)の総数は1に等しいことを示す。0に等しいno_mols_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

no_mols_constraint_flagの値が1に等しい場合、以下のうちの1つ以上が適用される:
- no_vps_constraint_flagの値は0に等しいものとする.
- sps_video_parameter_setの値は0に等しくないものとする.
- vps_max_layers_minus1の値が0より大きい場合、each_layer_is_an_ols_flagの値は0に等しいものとし、vps_all_independent_layers_flagの値は0に等しいものとする。
- ols_mode_idcの値が2に等しい場合、num_output_layer_sets_minus1の値は0に等しいものとする。それ以外の場合、ols_mode_idcの値は0又は1に等しく、vps_max_layers_minus1の値は0に等しいものとする。
【0055】
[0050] テーブル13:一般補足エンハンスメント情報メッセージ制約情報シンタックスの具体例
【0056】
【表13】
提案される新たなフラグのセマンティクスは、以下のとおりである:
1に等しいno_scalable_nesting_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるスケーラブル・ネスティングSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_scalable_nesting_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_subpic_level_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるサブピクチャ・レベルSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_subpic_level_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_filler_payload_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフィラー・ペイロードSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_filler_payload_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_user_data_reg_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる勧告ITU T.35 SEIメッセージにより登録された如何なるユーザー・データも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_user_data_reg_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_user_data_unreg_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるユーザー・データ未登録SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_user_data_unreg_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_film_grain_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフィルム・グレイン特性SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_film_grain_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_parameter_set_incl_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるパラメータ・セット包含指示SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_parameter_set_incl_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_decoded_picture_hash_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる復号化ピクチャ・ハッシュSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_decoded_picture_hash_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_mcdv_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるマスタリング表示カラー・ボリュームSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_mcdv_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_cll_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるコンテンツ光レベルSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_cll_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_DRAP_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる従属性ランダム・アクセス・ポイント指示SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_DRAP_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_alt_transfer_char_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる代替転送特性SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_alt_transfer_char_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_ambient_view_envir_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるアンビエント・ビューイング環境SEIメッセージ(ambient viewwing environment SEI message)も存在しないものとすることを示す。0に等しいno_ambient_view_envir_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_ccv_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるコンテンツ・カラー・ボリュームSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_ccv_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_omni_video_specific_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる全方向ビデオ固有SEIメッセージ(omnidirectional video specific SEI messages)も存在しないものとすることを示す。0に等しいno_omni_video_specific_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_field_frame_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフレーム・フィールド情報SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_field_frame_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_sar_SEI_constraint_flagは、如何なるサンプル・アスペクト比SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。

完全を期するために、以下のセクションは、テーブル2-13におけるフラグのセマンティクスを再び説明しており、既存のものと新たに提案されるもの両方を含んでいる。
【0057】
[0051] 一般フォーマット制約情報セマンティクス
1に等しいgeneral_frame_only_constraint_flagは、フレームを表現するピクチャを、OlsInScopeが運んでいることを示す。0に等しいgeneral_frame_only_constraint_flag equalは、フレームを表現しているか又はしていない可能性があるピクチャを、OlsInScopeが運んでいることを示す。general_frame_only_constraint_flagが1に等しい場合、sps_field_seq_flagの値は0に等しいものとする。
【0058】
NOTE - デコーダは、general_frame_only_constraint_flagの値を無視する可能性があり、なぜなら、それに関連付けられる復号化プロセス要件は無いからである。

max_bitdepth_minus8_constraint_idcは、sps_bit_depth_minus8が、両端を含む0ないしmax_bitdepth_minus8_constraint_idcの範囲内にあるものとすることを示す。
max_chroma_format_constraint_idcは、sps_chroma_format_idcが、両端を含む0ないしmax_chroma_format_constraint_idcの範囲内にあるものとすることを示す。
【0059】
[0052] 一般機能情報セマンティクス
1に等しいgeneral_one_picture_only_constraint_flagは、ビットストリームに、唯1つのコーディングされたピクチャが存在することを示す。0に等しいgeneral_one_picture_only_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_scalability_constraint_flagは、スケーラブルで階層化されたコーディングがCVSについてはディセーブルにされていることを示す。0に等しいno_scalability_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

no_scalability_constraint_flagの値は、変数noScalabilityConstraintの値に等しいものとする。noScalabilityConstraintの値は、次のようにして導出される:
【0060】
【数2】
1に等しいno_360_video_constraint_flagは、sps_ref_wraparound_enabled_flagは0に等しいものとし、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる正距円筒図法SEIメッセージも一般化キューブマップ投影SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_360_video_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_scc_constraint_flagは、sps_ibc_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_bdpcm_enabled_flagは0に等しいものとし、sps_palette_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_scc_constraint_flagはそのような制約を課していない。

[0053] 一般NALユニット制約情報セマンティクス
1に等しいno_mixed_nalu_types_in_pic_constraint_flagは、pps_mixed_nalu_types_in_pic_flagは0に等しいものとする、ということがビットストリーム適合性の要件であることを示す。0に等しいno_mixed_nalu_types_in_pic_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_trail_constraint_flagは、OlsInScopeにあるTRAIL_NUTに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとすることを示す。0に等しいno_trail_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_stsa_constraint_flagは、OlsInScopeにあるSTSA_NUTに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとすることを示す。0に等しいno_stsa_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_rasl_constraint_flagは、OlsInScopeにあるRASL_NUTに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとすることを示す。0に等しいno_rasl_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_radl_constraint_flagは、OlsInScopeにあるRADL_NUTに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとすることを示す。0に等しいno_radl_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_idr_constraint_flagは、OlsInScopeにあるIDR_W_RADL又はIDR_N_LPに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとすることを示す。0に等しいno_idr_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_cra_constraint_flagは、OlsInScopeにあるCRA_NUTに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとすることを示す。0に等しいno_cra_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_gdr_constraint_flagは、sps_gdr_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_gdr_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_aps_constraint_flagは、OlsInScopeにあるPREFIX_APS_NUT又はSUFFIX_APS_NUTに等しいnuh_unit_typeを有するNALユニットは存在しないものとし、sps_lmcs_enabled_flagとsps_explicit_scaling_list_enabled_flagはともに0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_aps_constraint_flagは、そのような制約を課していない。
【0061】
[0054] 一般パーティション制約情報セマンティクス
1に等しいone_tile_per_pic_constraint_flagは、各ピクチャは唯1つのタイルを含むものとすることを示す。0に等しいone_tile_per_pic_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいpic_header_in_slice_header_constraint_flagは、各ピクチャは唯1つのスライスを含むものとし、各スライスにおけるsh_picture_header_in_slice_header_flagの値は1に等しいものとすることを示す。0に等しいpic_header_in_slice_header_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいone_slice_per_pic_constraint_flagは、各ピクチャは唯1つのスライスを含むものとすることを示す。0に等しいone_slice_per_pic_constraint_flagは、そのような制約を課していない。pic_header_in_slice_header_constraint_flagが1に等しい場合、one_slice_per_pic_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいone_subpic_per_pic_constraint_flagは、各ピクチャは唯1つのサブピクチャを含むものとし、sps_subpic_info_present_flagの値は0に等しいものとすることを示す。0に等しいone_subpic_per_pic_constraint_flagは、そのような制約を課していない。one_slice_per_pic_constraint_flagが1に等しい場合、one_subpic_per_pic_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_qtbtt_dual_tree_intra_constraint_flagは、sps_qtbtt_dual_tree_intra_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_qtbtt_dual_tree_intra_constraint_flagは、そのような制約を課していない。max_chroma_format_constraint_idcが0に等しい場合、no_qtbtt_dual_tree_intra_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_partition_constraints_override_constraint_flagは、sps_partition_constraints_override_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_partition_constraints_override_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_virtual_boundary_constraint_flagは、sps_virtual_boundaries_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_virtual_boundary_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

[0055] 一般予測モード制約情報セマンティクス
1に等しいintra_only_constraint_flagは、sh_slice_typeは1に等しいものとすることを示す。0に等しいintra_only_constraint_flagは、そのような制約を課していない。general_one_picture_only_constraint_flagが1に等しい場合、intra_only_constraint_flag の値は1に等しいものとする。

1に等しいno_palette_constraint_flagは、sps_palette_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_palette_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_ibc_constraint_flagは、sps_ibc_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_ibc_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

[0056] 一般イントラ制約情報セマンティクス
1に等しいno_mrl_constraint_flagは、sps_mrl_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_mrl_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_isp_constraint_flagは、sps_isp_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_isp_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_mip_constraint_flagは、sps_mip_enabled_flag sは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_mip_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_cclm_constraint_flagは、sps_cclm_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_cclm_constraint_flagは、そのような制約を課していない。max_chroma_format_constraint_idcが0に等しい場合、no_cclm_constraint_flagの値は1に等しいものとする。
【0062】
[0057] 一般インター制約情報セマンティクス
1に等しいno_ref_pic_resampling_constraint_flagは、sps_ref_pic_resampling_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_ref_pic_resampling_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_res_change_in_clvs_constraint_flagは、sps_res_change_in_clvs_allowed_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_res_change_in_clvs_constraint_flagは、そのような制約を課していない。 no_ref_pic_resampling_constraint_flagが1に等しい場合、no_res_change_in_clvs_constraint_flagは1に等しいものとする。

1に等しいno_ref_wraparound_constraint_flagは、sps_ref_wraparound_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_ref_wraparound_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_ref_wraparound_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_temporal_mvp_constraint_flagは、sps_temporal_mvp_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_temporal_mvp_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_temporal_mvp_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_sbtmvp_constraint_flagは、sps_sbtmvp_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_sbtmvp_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_temporal_mvp_constraint_flagが1に等しい場合、no_sbtmvp_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_amvr_constraint_flagは、sps_amvr_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_amvr_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_amvr_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_bdof_constraint_flagは、sps_bdof_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_bdof_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_bdof_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_dmvr_constraint_flagは、sps_dmvr_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_dmvr_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_dmvr_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_affine_motion_constraint_flagは、sps_affine_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_affine_motion_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_affine_motion_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_mmvd_constraint_flagは、sps_mmvd_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_mmvd_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_mmvd_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_smvd_constraint_flagは、sps_smvd_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_smvd_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_smvd_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_prof_constraint_flagは、sps_affine_prof_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_prof_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_prof_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_bcw_constraint_flagは、sps_bcw_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_bcw_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_bcw_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_ciip_constraint_flagは、sps_ciip_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_cipp_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_cipp_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_gpm_constraint_flagは、sps_gpm_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_gpm_constraint_flagは、そのような制約を課していない。intra_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_gpm_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_weighted_pred_constraint_flagは、sps_weighted_pred_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_weighted_pred_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_weighted_bipred_constraint_flagは、sps_weighted_bipred_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_weighted_bipred_constraint_flagは、そのような制約を課していない。
【0063】
[0058] 一般変換制約情報セマンティクス
1に等しいno_mts_constraint_flagは、sps_mts_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_mts_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_sbt_constraint_flagは、sps_sbt_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_sbt_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_lfnst_constraint_flagは、sps_lfnst_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_lfnst_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_transform_skip_constraint_flagは、sps_transform_skip_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_transform_skip_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_act_constraint_flagは、sps_act_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_act_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_tsrc_constraint_flagは、sh_ts_residual_coding_disabled_flagは1に等しいものとすることを示す。0に等しいno_tsrc_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_transform_skip_constraint_flagが1に等しい場合、no_tsrc_constraint_flagの値は1に等しいものとする。
【0064】
[0059] 一般量子化制約情報セマンティクス
1に等しいno_joint_cbcr_constraint_flagは、sps_joint_cbcr_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しい no_joint_cbcr_constraint_flagは、そのような制約を課していない。max_chroma_format_constraint_idcが0に等しい場合、no_joint_cbcr_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_bdpcm_constraint_flagは、sps_bdpcm_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_bdpcm_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_transform_skip_constraint_flagが1に等しい場合、no_bdpcm_constraint_flagは1に等しいものとする。

1に等しいno_cu_qp_delta_constraint_flagは、pps_cu_qp_delta_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_cu_qp_delta_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_chroma_qp_offset_constraint_flagは、pps_cu_chroma_qp_offset_list_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_chroma_qp_offset_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_dep_quant_constraint_flagは、sps_dep_quant_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_dep_quant_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_sign_data_hiding_constraint_flagは、sps_sign_data_hiding_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_sign_data_hiding_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_explicit_scaling_list_constraint_flagは、sps_explicit_scaling_list_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_explicit_scaling_list_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_aps_constraint_flagが1に等しい場合、no_explicit_scaling_list_constraint_flagの値は1に等しいものとする。
【0065】
[0060] 一般ループ・フィルタ制約情報セマンティクス
1に等しいno_sao_constraint_flagは、sps_sao_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_sao_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_alf_constraint_flagは、sps_alf_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_alf_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_ccalf_constraint_flagは、sps_ccalf_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_ccalf_constraint_flagは、そのような制約を課していない。max_chroma_format_constraint_idcが0に等しいか又はno_alf_constraint_flagが1に等しい場合、no_ccalf_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいno_ladf_constraint_flagは、sps_ladf_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_ladf_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_lmcs_constraint_flagは、sps_lmcs_enabled_flagは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_lmcs_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_aps_constraint_flagが1に等しい場合、no_lmcs_constraint_flagの値は1に等しいものとする。
【0066】
[0061] 一般階層制約情報セマンティクス
1に等しいno_vps_constraint_flagは、sps_video_parameter_set_idは0に等しいものとすることを示す。0に等しいno_vps_constraint_flagは、そのような制約を課していない。general_one_picture_only_constraint_flagが1に等しい場合、no_vps_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいsingle_layer_constraint_flagは、vps_max_layers_minus1は0に等しいものとすることを示す。0に等しいsingle_layer_constraint_flagは、そのような制約を課していない。general_one_picture_only_constraint_flagが1に等しいか、又はno_vps_constraint_flagが1に等しい場合、single_layer_constraint_flagの値は1に等しいものとする。

1に等しいall_layers_independent_constraint_flagは、vps_all_independent_layers_flagが、存在する場合には1に等しいものとし、存在しない場合には1に等しいと推定されるものとすることを示す。0に等しいall_layers_independent_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

[0062] 一般補足エンハンスメント情報制約情報セマンティクス
NOTE 1 - デコーダは、一般補足エンハンスメント情報制約情報フラグの値を無視する可能性があり、なぜなら対応するSEIメッセージの存在又は解釈に関連する復号化プロセス要件は無いからである。

1に等しいno_scalable_nesting_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるスケーラブル・ネスティングSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_scalable_nesting_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_subpic_level_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるサブピクチャ・レベルSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_subpic_level_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_filler_payload_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフィルター・ペイロードSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_filler_payload_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_user_data_reg_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる勧告ITU T.35 SEIメッセージにより登録された如何なるユーザー・データも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_user_data_reg_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_user_data_unreg_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるユーザー・データ未登録SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_user_data_unreg_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_film_grain_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフィルム・グレイン特性SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_film_grain_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいgeneral_non_packed_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフレーム・パッキング配置SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいgeneral_non_packed_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。
【0067】
NOTE 2 - デコーダは、general_non_packed_constraint_flagの値を無視する可能性があり、なぜならフレーム・パッキング配置SEI メッセージの存在又は解釈に関連する復号化プロセス要件は無いからである。

1に等しいgeneral_non_projected_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる、如何なる正距円筒図法SEIメッセージも一般化キューブマップ投影SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいgeneral_non_projected_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_parameter_set_incl_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるパラメータ・セット包含指示SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_parameter_set_incl_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_decoded_picture_hash_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる復号化ハッシュSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_decoded_picture_hash_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_mcdv_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるマスタリング表示カラー・ボリュームSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しい No_mcdv_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_cll_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるコンテンツ光レベルSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_cll_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_DRAP_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる従属性ランダム・アクセス・ポイント指示SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_DRAP_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_alt_transfer_char_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる代替転送特性SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_alt_transfer_char_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_ambient_view_envir_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるアンビエント・ビューイング環境SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_ambient_view_envir_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_ccv_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるコンテンツ・カラー・ボリュームSEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_ccv_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_omni_video_specific_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なる全方向ビデオ固有SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_omni_video_specific_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_field_frame_SEI_constraint_flagは、OlsInScopeのビットストリームに含まれる如何なるフレーム・フィールド情報SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。0に等しいno_field_frame_SEI_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

1に等しいno_sar_SEI_constraint_flagは、含まれる如何なるサンプル・アスペクト比SEIメッセージも存在しないものとすることを示す。

[0063] 代替的な表現
実施形態では、テーブル1に従って一般的な制約情報構造を表現する代わりに、テーブル14で使用される代替的なシンタックス・フォーマットを適用することが可能であり、ここで、12個のgeneral_xxx_constraint_info()構造は、対応するgeneral_xxx_constraint_infoシンタックス要素で置き換えられ、ここでも、“xxx”は、パーティション化、イントラ・コーディング、ループ・フィルタリング等のようなVVCコーディングの態様を示す。
【0068】
テーブル14:代替的な一般制約情報シンタックスの具体例
【0069】
【表14】
[0064] テーブル15とテーブル16は、全情報のうちの7ビットを使用する可能性があるgeneral_format_constraint_infoに対するシンタックスとセマンティクスの例を提供している。これは、他の全ての一般的な制約フラグのシンタックスとセマンティクスがどのように指定されるかを説明するように意図されている。
【0070】
テーブル15:一般フォーマット制約情報シンタックスの具体例(変形例1)
【0071】
【表15】
テーブル16:一般フォーマット制約情報シンタックスの具体例(変形例2)
【0072】
【表16】
[0065] 実施形態では一例としてテーブル16のセマンティクスは、以下のように説明されてもよい。

1に等しいGeneralFrameOnlyConstraintFlagは、OlsInScopeが、フレームを表現するピクチャを運ぶことを示す。0に等しいGeneralFrameOnlyConstraintFlagは、OlsInScopeが、フレームを表現するか又はしない可能性があるピクチャを運ぶことを示す。1に等しいGeneralFrameOnlyConstraintFlagが1に等しい場合、sps_field_seq_flagの値は0に等しいものとする。
【0073】
NOTE - デコーダは、general_frame_only_constraint_flagの値を無視する可能性があり、なぜなら、それに関連する復号化プロセス要件は無いからである。

MaxBitdepthMinus8ConstraintIdcは、sps_bit_depth_minus8は両端を含む0ないしMaxBitdepthMinus8ConstraintIdcの範囲内にあるものとすることを示す。

MaxChromaFormatConstraintIdcは、sps_chroma_format_idcは、両端を含む0ないしMaxChromaFormatConstraintIdcの範囲内にあるものとすることを示す。

NoSeparateColourPlaneConstraintFlagは、sps_separate_colour_plane_flagは存在する場合には0に等しいものとすることを示す。0に等しいNoSeparateColourPlaneConstraintFlagは、そのような制約を課していない。

[0066] 別の実施形態では、テーブル1に従って一般的な制約情報構造を表現する代わりに、テーブル17で使用される代替的なシンタックス・フォーマットを適用することが可能であり、ここで、12個のgeneral_xxx_constraint_info()構造は、対応するgeneral_xxx_constraint_info_present_flagシンタックス要素で置き換えられ、ここでも、“xxx”は、パーティション化、イントラ・コーディング、ループ・フィルタリング等のようなVVCコーディングの態様を示す。各々のgeneral_xxx_constraint_info_present_flagは、対応するgeneral_xxx_constraint_info( )シンタックス構造のシグナリングを条件付ける。general_xxx_constraint_info_present_flagにおけるgeneral_xxx_constraint_info( )シンタックス構造の存在を条件付けることは、解析を促進し(デコーダは、それらの対応するフラグがイネーブルにされているそれらのgeneral_xxx_constraint_info()構造を解析することしか必要としない)、ビットストリームは適合していることを判断するための追加的な尺度を提供する。
【0074】
テーブル17:提案される“一般制約情報シンタックス”の別の実施形態の具体例
【0075】
【表17】
[0067] 1に等しいgeneral_xxx_constraint_info_present_flagは、general_xxx_constraint_info( )でシグナリングされる少なくとも1つの一般制約フラグの値は0に等しくないものとすることを示す。0に等しいgeneral_xxx_constraint_info_present_flagは、general_xxx_constraint_info( )でシグナリングされる全ての一般制約フラグの値は0に等しいものとすることを示す。
【0076】
[0068] 別の実施形態では、テーブル9及び10に従って一般的な変換制約情報構造及び一般的な量子化制約情報の構造を表現する代わりに、テーブル18で使用される代替的なシンタックス・フォーマットを適用することが可能であり、ここで、12個のgeneral_xxx_constraint_info()構造におけるgeneral_transform_constraint_info( )構造とgeneral_quantization_constraint_info( )構造は、新たなgeneral_tqr_constraint_info( )構造で置き換えられ、これは、不確実性がある場合に、特定の一般制約フラグを変換、量子化、又は残差コーディングとして分類する際の混乱を減らす手段として、一緒にシグナリングされる変換、量子化及び残差コーディングに関連する一般制約フラグをグループ化する。
【0077】
テーブル18:一般的な変換、量子化、及び残差制約情報シンタックスに関する別の実施形態の具体例
【0078】
【表18】
別の実施形態では、将来的な拡張をより容易にするために、予約バイトのシンタックス(gci_tqr_num_reserved_bytes)は、“拡張フラグ(extension flag)”として表現されることが可能であり、拡張フラグが真である場合に読み込まれる対応する拡張データが後に続く。
【0079】
[0069] 図2Aは、実施形態によるビデオ符号化のための例示的なプロセスを示す。図2Aに示すように、ステップ205において、エンコーダは、コンテンツとコーディング要件(例えば、ピクチャ解像度、フレーム・レート、利用可能な帯域幅、許容可能な遅延、処理能力など)を分析し、どのツールを使用するか、どのツールをスキップしてよいのかを決定する。多層コーディングでは、これらの決定は、各層に対して独立に行われることが可能である。ステップ210と215において、前に決定された各ツールに対して、例えばテーブル1で定められるような、general_constraint_info()の下で定められる全てのgeneral_xxx_constraint_info()の機能を繰り返して、各ツールに対する特定の制約フラグを指定し、ここで、“xxx”は関連するツール及び判断のカテゴリを示す。次に、ステップ220において、エンコーダは、対応するシンタックス値を、種々のシンタックス層(例えば、シーケンス・パラメータ・レベル(SPS)、ピクチャ・パラメータ・レベル(PPS)、ピクチャ・ヘッダ(PH)、スライス・ヘッダ等)において設定する。最終的に、ステップ225において、(例えば、ステップ210及び215のように)前に定められた全ての制約パラメータに準拠するコーディングされたビットストリーム230を生成するように、入力ビデオを符号化する。このようなビットストリームは、デコーダのためのgeneral_constraint_info() syntax構造も含む。
【0080】
[0070] 図2Bは、図2Aの符号化プロセスの下で、実施形態によるビデオ復号化のための例示的なプロセスを示す。ステップ240では、コーディングされたビットストリーム230の下で、デコーダはビットストリームを解析して、general_constraint_info()構造の一部として定められたビットストリーム制約を識別する。ステップ245と250において、デコーダは、例えばテーブル1で定められるような、general_constraint_info()の下で定められた全てのgeneral_xxx_constraint_info()構造を通じて反復し、符号化ツールの各カテゴリ“xxx”の全ての制約フラグを読み込む。ステップ255において、以前に抽出されたパラメータは、それらを、コーディングされたビットストリームの一部である他のフラグ及びパラメータとの整合性に関して比較することによって、適合性を検査するために使用されることが可能である。最終的に、ステップ260において、コーディングされたビットストリームは、ビデオ・フレームのシーケンスを生成するために復号化される。
【0081】
[0071] サブピクチャとスケーラビリティに関する制約されたコーディング及び適合性試験の具体例
VVC仕様(Ref.[2])は、サブピクチャを、ピクチャ内の1つ以上のスライスの任意の矩形領域として定義する。広義に言えば、サブピクチャは、デコーダによって単一のピクチャに再構成されることが可能な、別々にコーディングされたピクチャ・サブ・ストリーム又はビューを可能にする。
【0082】
[0072] VVCでは、スライスは“タイル”及び“コーディング・ツリー・ユニット”という用語で定義されることが可能であり、これは、何らかの他のVVCシンタックス要素と共に、以下のように説明される:
[0073] スライスは、整数個の完全なタイル、又はピクチャのタイル内の整数個の連続的な完全なコーディング・ツリー・ユニット(CTU)の行であって、単一のネットワーク抽象化層(NAL)ユニットに排他的に含まれているものである。
【0083】
[0074] タイルは、ピクチャ内の特定のタイル列及び特定のタイル行の中のCTUの矩形領域である。
【0084】
[0075] タイル列は、ピクチャ・パラメータ・セットのシンタックス要素で指定される幅とピクチャの高さに等しい高さとを有するCTUの矩形領域である。
【0085】
[0076] タイル行は、ピクチャの幅に等しい幅とピクチャ・パラメータ・セットのシンタックス要素で指定される高さとを有するCTUの矩形領域である。
【0086】
[0077] コーディング・ブロックは、何らかの値のMとNに対するサンプルのMxNブロックであり、その結果、CTBのコーディング・ブロックへの分割はパーティショニングとなる。
【0087】
[0078] コーディング・ツリー・ブロック(CTB)は、何らかの値のNに対するサンプルのN×Nブロックであり、その結果、コンポーネントのCTBへの分割はパーティショニングとなる。
【0088】
[0079] コーディング・ツリー・ユニット(CTU)は、ルマ・サンプルのCTB、3つのサンプル・アレイを有するピクチャのうちのクロマ・サンプルの2つの対応するCTB、或いは、モノクロ・ピクチャ又は或るピクチャであって3つの別々のカラー・プレーンとサンプルをコーディングするために使用されるシンタックス構造とを使用してコーディングされるピクチャ、のサンプルのCTBである。
【0089】
[0080] スケーラビリティ
HEVCのような以前のコーディング規格では、スケーラビリティ・サポートは、例えばスケーラブル・プロファイル(Scalabale Profile)のような異なるプロファイルを用いて定義されていた。VVCの現在のバージョンは、メイン・プロファイルにおいて階層化されたスケーラビリティをサポートしている。VVCで定義されているように、レイヤは、全てが特定の値のnuh_layer_idを有するビデオ・コーディング・レイヤ(VCL)NALユニットと関連する非VCL NALユニットとのセットを含む。
【0090】
[0081] VVC仕様に対する最近のコントリビューション(Ref.[3])において、著者らは、VVC仕様のバージョン1において、10ビット、4:2:0ビデオ・サポートに対する2つのプロファイルを提案し、適切なマーケットが、それらのニーズに相応しいプロファイルを選択できるようにしている:
・サブピクチャ及びスケーラビリティを伴う“Main 10”プロファイル
・サブピクチャ及びスケーラビリティを伴わない“制約されたMain 10”プロファイル
[0082] 一例として、実施形態では、サブピクチャをディセーブルにするために、以下で定義される既存のVVCシンタックス要素one_subpic_per_pic_constraint_flagを使用することが可能である:

1に等しいone_subpic_per_pic_constraint_flagは、各々のピクチャは唯1つのサブピクチャを含むものとすることを示す。0に等しいone_subpic_per_pic_constraint_flagは、そのような制約を課していない。one_slice_per_pic_constraint_flagが1に等しい場合、one_subpic_per_pic_constraint_flagの値は1に等しいものとする。
【0091】
[0083] スケーラブル/階層化コーディングをディセーブルにするために、Ref.[3]では、提案されるVVC制約Main10プロファイルに、以下の制約を適用することが提案されている:
・シーケンス・パラメータ・セット(SPS)シンタックス要素inter_layer_ref_pics_present_flagは0に等しいものとする。これは、SNR及び空間スケーラビリティのために使用されるインター・レイヤ予測をディセーブルにする。
【0092】
・ビデオ・パラメータ・セット(VPS)シンタックス要素vps_max_layers_minus1は0に等しいものとする。これは、複数の出力レイヤ・セットをディセーブルにし、デコーダが、異なる出力レイヤ・セットを管理する必要をなくす。
【0093】
・NALユニット・ヘッダ・シンタックス要素nuh_layer_idの単一の値が、全てのコーディングされたビデオ・シーケンスCVS(coded video sequence)にわたって使用されるものとする。これは、各アクセス・ユニット(AU)における複数のピクチャをディセーブルにする。
【0094】
[0084] 実施形態では、例えば、Ref.[3]で示唆されているような追加的なプロファイルを作成する代わりに、スケーラブルな又は階層化されたコーディングを禁止するために、以下の一般的な制約情報シンタックス要素を使用することによって、同様な機能を達成することができる:
・テーブル3のシンタックス要素の一部として導入されるno_scalability_constraint_flagであり、これは、1に設定されている場合、スケーラブルで階層化されたコーディングはディセーブルにされていることをデコーダに指示するものである。
【0095】
[0085] 他の実施形態では、no_scalability_constraint_flagの値は、以下の提案される追加的な一般制約情報シンタックス要素の値に基づいて、条件付けられたり示唆されたりしてもよい。
【0096】
・no_vps_constraint_flag(Ref.[3],single_layer_constraint_flagに関連するもの)は、VPSが存在しないことを示す。
【0097】
・no_mols_constraint_flagは、複数の出力レイヤ・セットをディセーブルにし、デコーダが、異なる出力レイヤ・セット(‘mols’は‘multiple output layer sets’を表す)を管理する必要をなくす(テーブル12も参照されたい)。
【0098】
・no_mnli_constraint_flagは、任意のアクセス・ユニット(AU) の複数のピクチャ(複数のレイヤ)をディセーブルにする(‘mnli’は‘multiple nuh_layer_id’を表す)(Ref.[3]では、no_mixed_nalu_types_in_pic_constraint_flagと呼ばれる)。
【0099】
・no_ilrp_constraint_flagは、SNRと空間スケーラビリティに使用されるインター・レイヤ予測をディセーブルにする(‘ilrp’は‘inter-layer reference picture’を表す)(Ref.[3]では、これはall_layers_independent_constraint_flagと等価なものとして登場する)。
【0100】
[0086] これらのシンタックス要素の例示的な定義は、以下を含む:
1に等しいno_vps_constraint_flagは、SPSがVPSを参照していないことを示す。0に等しいno_vps_constraint_flagは、CVS内にVPSが存在する可能性があることを示す。no_vps_constraint_flagが1に等しい場合、以下のうちの1つ以上が適用される:
- no_mnli_constraint_flagの値は1に等しいものとする.
- no_ilrp_constraint_flagの値は1に等しいものとする.
- sps_video_parameter_set_idの値は0に等しいものとする.
- vps_max_layers_minus1の値は0に等しいと推定される.
- each_layer_is_an_ols_flagの値は1に等しいと推定される.
- inter_layer_ref_pics_present_flagの値は0に等しいと推定される.
[0087] 1に等しいno_mols_constraint_flagは、VPSで指定される出力レイヤ・セット(output layer sets,OLS)の総数が1に等しいことを示す。0に等しいno_mols_constraint_flagは、そのような制約を課していない。no_mols_constraint_flagが1に等しい場合、以下のうちの1つ以上が適用される:
- no_vps_constraint_flagの値は0に等しいものとする.
- sps_video_parameter_setの値は0に等しいものとする.
- vps_max_layers_minus1の値が0より大きい場合、each_layer_is_an_ols_flagの値は0に等しいものとし、vps_all_independent_layers_flagの値は0であるものとする.
- ols_mode_idcの値が2に等しい場合、num_output_layer_sets_minus1の値は0に等しいものとする.それ以外の場合、ols_mode_idcの値は0又は1に等しく、vps_max_layers_minus1の値は0に等しいものとする。
【0101】
[0088] 1に等しいno_mnli_constraint_flagは、CVSの全てのVCL NALユニットは同じ値のnuh_layer_idを有するものとすることを示す。0に等しいno_mnli_constraintは、そのような制約を課していない。

no_mnli_constraintの値が1に等しい場合、以下のうちの1つ以上が適用される:
- vps_max_layers_minus1の値は0に等しいものとする.
- each_layer_is_an_ols_flagの値は1に等しいと推定される.
[0089] 1に等しいno_ilrp_constraint_flagは、インター・レイヤ参照ピクチャ(inter layer reference picture,ILRP)が、コーディングされたレイヤのビデオ・シーケンス(coded layer video sequence,CLVS)における何れのコーディングされたピクチャのインター予測にも使用されないことを示す。1に等しいno_ilrp_constraint_flagは、そのような制約を課していない。

no_ilrp_constraint_flagの値が1に等しい場合、以下のうちの1つ以上が適用される:
- inter_layer_ref_pics_present_flagの値は0に等しいものとする.
- the value of vps_all_independent_layers_flagの値は1に等しいものとする.

[0090] 実施形態では、変数noScalabilityConstraintは、no_scalability_constraint_flagの値を指定するものであり、これは、以下のようにして導出されてもよい:
【0102】
【数3】
ここで、x||yは、xとyのブール論理“or”を示す。
【0103】
[0091] 図3は、ビットストリームにおいてスケーラビリティがイネーブルにされているか又はディセーブルにされているかを決定する例示的なプロセスを示す。図3に示されているように、デコーダは、ステップ305に示されている論理的なオペレーションを、上述したものと同様に実行することが可能であり、それが真である場合、スケーラビリティはディセーブルにされ(310)、そうでない場合、スケーラビリティはイネーブルにされる(315)。
【0104】
[0092] 当業者は、提案された新しいフラグが、スケーラビリティ及び階層化されたコーディングを超えて、VVCコーデックの他の機能を制約したり検出したりするためにも適用可能であることを理解するであろう。以下の例は、限定を伴うことなく提供される。
【0105】
[0093] 一例において、no_vps_constraint_flagが1に等しい場合は、フラグは、ビットストリーム適合性又は制約の以下の条件のうちの1つ以上を検出するために使用されてもよい:
- no_mnli_constraint_flagの値は1に等しく、これは、CVSが唯1つのレイヤを含むことを示す.
- no_ilrp_constraint_flagの値は1に等しく、これは、インター・レイヤ参照ピクチャ(ILRP)が、CLVSの何れのコーディングされたピクチャのインター予測予測にも使用されないことを示す.
- sps_video_parameter_set_idの値は0に等しく、これは、SPSがVPSを参照しないこと、GeneralLayerIdx[ nuh_layer_id ]の値が0に等しいと推定されること、及び、こと、GeneralLayerIdx[nuh_layer_id]の値が0であると推定されること、及びvps_independent_layer_flag[ GeneralLayerIdx[ nuh_layer_id ] ]の値は1に等しいと推定されることを示す。
- vps_max_layers_minus1の値は0に等しいと推定される.
- each_layer_is_an_ols_flagの値は1に等しいと推定される.
- inter_layer_ref_pics_present_flagの値は0に等しいと推定される.

[0094] 別の例において、no_mols_constraint_flagが1に等しい場合、それは以下のうちの1つ以上を検出するために使用することが可能である:
- no_vps_constraint_flagの値は0に等しく、これは、SPSが、sps_video_parameter_set_idの値に等しいvps_video_parameter_set_idの値を有するVPSを参照してもよいことを示す。
【0106】
[0095] 別の例において、no_mnli_contraints_flagの値が0に等しく、no_mols_constraint_flagの値が1に等しい場合、CVSは、複数のレイヤを含んでもよいが、出力レイヤ・セットは1つだけである。
【0107】
[0096] 別の例において、SPSがVPSを参照しないという制約を行っている場合、
no_vps_constraint_flagは1であるかどうかを検査し;sps_video_parameter_set_idは0であることを検査し、及び、独立に、
no_vps_constraint_flagは1であるかどうかを検査し;no_mnli_constraint_flagは1であることを検査する、ことによってビットストリーム適合性を検出することも可能である。
【0108】
[0097] 別の例において、唯1つのOLSが存在するという制約を行っている場合、
no_mols_constraint_flagは1であるかどうかを検査し;no_vps_constraint_flagは0であることを検査し,及び、独立に、
no_vps_constraint_flagは1であるかどうかを検査し;sps_video_paramter_setは0でないことを検査する、ことによって適合性を検出することが可能である。
【0109】
ここに列挙されるリファレンスの各々は参照によって全体的に援用される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0110】
【非特許文献1】[1] High efficiency video coding, H.265, Series H, Coding of moving video, ITU, (02/2018).
【非特許文献2】[2] B. Bross, J. Chen, S. Liu, and Y-K. Wang “Versatile Video Coding (Draft 9),” JVET output document, JVET-R2001, vA (10), JVET 18-th meeting, by teleconference, 15-24 April, 2020.
【非特許文献3】[3] W. Wan et al., “VVC Version 1 Profiles,” JVET-R0392 (v.6), JVET 18-th Meeting, April 15-24, 2020. [0098] コンピュータ・システム実装例 本発明の実施形態は、コンピュータ・システム、電子回路及びコンポーネント内に構成されるシステム、マイクロコントローラのような集積回路、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、又はその他の構築可能又はプログラマブルな論理デバイス(PLD)、離散時間又はデジタル式の信号プロセッサ(DSP)、特定用途向けIC(ASIC)、及び/又はこれらのシステム、デバイス又はコンポーネントの1つ以上を含む装置、を用いて実施することが可能である。コンピュータ及び/又はICは、本件で説明されているもののようなビデオ・コーディングにおける制約された処理に関連する命令を実行、制御、又は実施することが可能である。コンピュータ及び/又はICは、本件で説明されるビデオ・コーディングにおける制約された処理に関連する任意の様々なパラメータや値を演算することが可能である。画像及びビデオの実施形態は、ハードウェア、ソフトウェア、ファームウェア、及びそれらの様々な組み合わせで実装されてもよい。
【0111】
[0099] 本発明の特定の実装は、本発明の方法をプロセッサに実行させるソフトウェア命令を実行するコンピュータ・プロセッサを含む。例えば、ディスプレイ、エンコーダ、セット・トップ・ボックス、トランスコーダ等における1つ以上のプロセッサは、プロセッサにアクセス可能なプログラム・メモリ内のソフトウェア命令を実行することによって、上述したようなビデオ・コーディングにおける制約された階層化された処理に関連する方法を実施することができる。本発明の実施形態はまた、プログラム製品の形態で提供されてもよい。プログラム製品は、データ・プロセッサによって実行されると、本発明の方法をデータ・プロセッサに実行させる命令を含む一組のコンピュータ読み取り可能な信号を運ぶ任意の非一時的な有形の媒体を含む可能性がある。本発明によるプログラム製品は、広範な種類の非一時的な有形の形態のうちの何れにおけるものであってもよい。プログラム製品は、例えば、フロッピー・ディスケットを含む磁気データ記憶媒体、ハード・ディスク・ドライブ、CD-ROM、DVDを含む光データ記憶媒体、ROM、フラッシュRAMを含む電子データ記憶媒体などのような物理媒体を含む可能性がある。プログラム製品におけるコンピュータ読み取り可能な信号は、オプションとして、圧縮されたり暗号化されたりしてもよい。コンポーネント(例えば、ソフトウェア・モジュール、プロセッサ、アセンブリ、デバイス、回路等)が上記で言及されている場合において、別段の指示がない限り、当該コンポーネントに対する言及(「手段」を参照することを含む)は、説明されたコンポーネントの機能を実行するそのコンポーネントの均等物(例えば、機能的に等価なもの)を含み、開示された構造と構造的に等価でないが本発明の説明された例示的な実施形態における機能を実行するコンポーネントを含む、任意のコンポーネントとして解釈されるべきである。
【0112】
[0100] 均等、拡張、代替及びその他
ビデオ・コーディングにおける制約された処理に関連する例示的な実施形態が説明されている。前述の明細書において、本発明の実施形態は、実装ごとに変わり得る多数の特定の詳細を参照しながら説明されてきた。そして、何が発明であり、また、発明であると出願人により意図されているものの独占排他的なインジケータは、特定の形態で本件から発行される一群のクレームであって、当該クレームは以後の訂正も含む特定の形態で発行される。当該クレームに含まれる用語について本件で明示的に述べられている如何なる定義も、クレームで使用されるようにその用語の意味を支配するものとする。従って、クレームに明示的に記載されていない限定、要素、特性、特徴、効果又は属性は、如何なる方法によっても当該クレームの範囲を限定しないはずである。従って、明細書及び図面は、限定的な意味ではなく例示的に解釈されるべきである
[0101] 本発明の様々な態様は以下に列挙される実施例(enumerated example embodiments,EEE)から評価されてもよい。
【0113】
EEE 1. 制約階層化処理とともにコーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)をプロセッサで復号化する方法であって:
コーディングされたピクチャとシンタックス・パラメータとを含むコーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)を受信し、階層化処理がイネーブルにされているかどうかを検出するステップであって、その階層化処理がイネーブルにされているかどうかを検出することは、以下のシンタックス・パラメータ:
スケーラビリティ又は階層化コーディングがイネーブルにされているかどうかを示す第1のフラグ;
ビデオ・パラメータ・セット(VPS)が制約されているかどうかを示す第2のフラグ;
出力レイヤ・セット(OLS)の総数が制約されているかどうかを示す第3のフラグ;
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットが属しているレイヤが制約されているかどうかを示す第4のフラグ;
インター・レイヤ予測が制約されているかどうかを示す第5のフラグ;
のうちの1つ以上が1に設定されているかどうかを検出することを含む、ステップ;及び
これらのフラグのうちの1つ以上が1に設定されている場合には、階層化処理はディセーブルにされていると判断し、そうでない場合には階層化処理はイネーブルにされていると判断するステップ;
を含む方法。
【0114】
EEE 2. EEE 1に記載の方法において、前記第2のフラグが1に設定される場合には:
前記第3のフラグは1に設定されていると推定され;
前記第4のフラグは1に設定されていると推定され;
前記第5のフラグは1に設定されていると推定され;及び
パラメータvps_max_layers_minus1は1に等しいと推定される、方法。
【0115】
EEE 3. IEEE 1又は2に記載の方法において、前記第3のフラグが1に設定される場合に:
ols_mode_idc parameterの値が2に等しいならば、num_output_layer_sets_minus1の値は0に等しいものとし;
そうでない場合に、ols_mode_idcの値が0又は1に等しいならば、vps_max_layers_minus1の値は0に等しいものとする、方法。
【0116】
EEE 4. IEEE 1-3のうちの何れか1項の方法において、前記第4のフラグが1に設定されている場合、それは、前記コーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)内の全てのビデオ・コーディング・レイヤ(VCL)NALユニットは、同じ値のnuh_layer_idを有するものとし、vps_max_layers_minus1 = 0であることを示す、方法。
【0117】
EEE 5. IEEE 1-4のうちの何れか1項の方法において、前記第5のフラグが1に設定されている場合、それは、符号化層ビデオ・シーケンス(CLVS)における何れのコーディングされたピクチャのインター予測についても、インター・レイヤ参照ピクチャ(ILRP)は使用されず、inter_layer_ref_pics_present_flag = 0であることを示す、方法。
【0118】
EEE 6. コーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)をプロセッサで復号化する方法であって:
コーディングされたピクチャとシンタックス・パラメータとを含むコーディングされたビデオ・シーケンス(CVS)を受信し、以下のシンタックス・パラメータ:
ビデオ・パラメータ・セット(VPS)が制約されているかどうかを示す第1のフラグ;
出力レイヤ・セット(OLS)の総数が制約されているかどうかを示す第2のフラグ;
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットが属しているレイヤが制約されているかどうかを示す第3のフラグ;
インター・レイヤ予測が制約されているかどうかを示す第4のフラグ;
のうちの1つ以上が1に設定されているかどうかを検出するステップ;及び
これらのフラグのうちの1つ以上が1に設定されている場合には、ビットストリーム・コンプライアンスを判定するステップ;
を含む方法。
【0119】
EEE 7. IEEE 6に記載の方法において、前記第1のフラグが1に設定されていることを検出した場合には、以下のうちの1つ以上が適用される:
前記第3のフラグは1に設定される;
前記第4のフラグは1に設定される;
sps_video_parameter_set_id = 0である;
vps_max_layers_minus1は0に等しいと推定される;
each_layer_is_an_ols_flagは1に等しいと推定される;或いは
inter_layer_ref_pics_present_flagは0に等しいと推定される。
【0120】
EEE 8. 制約処理とともにビデオ・ピクチャのシーケンスをプロセッサで符号化する方法であって:
コーディングされたビットストリームに符号化されるべきビデオ・ピクチャのシーケンスを受信するステップ;
前記コーディングされたビットストリームをデコーダにより復号化するためには必要でないツールのセットを決定するステップ;
前記ツールのセットに関連する1つ以上の制約フラグを決定するステップ;
前記1つ以上の制約フラグを、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造にグループ化するステップ;
前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造を、一般制約シンタックス構造に統合し、前記コーディングされたビットストリームを生成するステップであって、前記コーディングされたビットストリームは、前記ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと前記一般制約シンタックス構造とを含む、ステップ;
を含む方法。
【0121】
EEE 9. IEEE 8に記載の方法において、前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造は:
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットに関連する制約フラグ、
パーティションに関連する制約フラグ、
予測モードに関連する制約フラグ、
イントラ予測に関連する制約フラグ、
インター予測に関連する制約フラグ、
変換に関連する制約フラグ、
量子化に関連する制約フラグ、
ループ・フィルタリングに関連する制約フラグ、
ループ・フォーマットに関連する制約フラグ、
一般機能に関連する制約フラグ、又は
補足エンハンスメント情報(SEI)メッセージングに関連する制約フラグ、
のうちの1つ以上に関連するシンタックス要素を含む、方法。
【0122】
EEE 10. IEEE9に記載の方法において、前記一般機能に関連する制約フラグに関連する前記シンタックス要素は、非スケーラビリティ制約フラグを含み、1に等しく設定されている場合には、スケーラブルであり且つ階層化されたコーディングは、コーディングされるビットストリームについてディセーブルにされることを示す、方法。
【0123】
EEE 11. 制約処理とともにコーディングされたビットストリームをプロセッサで復号化する方法であって:
ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと一般制約シンタックス構造とを含むコーディングされたビットストリームをデコーダで受信するステップであって、前記一般制約シンタックス構造は、前記コーディングされたビットストリームを前記デコーダにより復号化するためには必要でないツールのセットに関連するシンタックス要素を含む、ステップ;
前記一般制約シンタックス構造を解析して、1つ以上のツール制約情報シンタックス構造を識別するステップであって、各々のツール制約情報シンタックス構造は、特定のコーディング・ツールに関連する1つ以上の制約フラグを含む、ステップ;
前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造の各々を解析して、前記ツールのセットに関連する1つ以上の制約フラグを生成するステップ;及び
前記ビデオ・ピクチャのシーケンスを生成するために、前記1つ以上の制約フラグに従って、前記コーディングされたビットストリーム内の前記コーディングされたピクチャを復号化するステップ;
を含む方法。
【0124】
EEE 12. IEEE11に記載の方法において、前記1つ以上のツール制約情報シンタックス構造は:
ネットワーク抽象化レイヤ(NAL)ユニットに関連する制約フラグ、
パーティションに関連する制約フラグ、
予測モードに関連する制約フラグ、
イントラ予測に関連する制約フラグ、
インター予測に関連する制約フラグ、
変換に関連する制約フラグ、
量子化に関連する制約フラグ、
ループ・フィルタリングに関連する制約フラグ、
ループ・フォーマットに関連する制約フラグ、
一般機能に関連する制約フラグ、又は
補足エンハンスメント情報(SEI)メッセージングに関連する制約フラグ、
のうちの1つ以上に関連するシンタックス要素を含む、方法。
【0125】
EEE 13. IEEE 12に記載の方法において、「前記一般機能に関連する制約フラグ」に関連する前記シンタックス要素は、非スケーラビリティ制約フラグを含み、1に等しく設定されている場合には、スケーラブルであり且つ階層化されたコーディングは、コーディングされたビットストリームについてディセーブルにされていることを示す、方法。
【0126】
EEE 14. IEEE 1-13のうちの何れか1項に記載の方法を前記1つ以上のプロセッサで実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶している非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【0127】
EEE 15. プロセッサを含み、且つIEEE 1-13のうちの何れか1項に記載の方法を実行するように構成された装置。
図1
図2A
図2B
図3
【手続補正書】
【提出日】2022-01-12
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
制約処理とともにビデオ・ピクチャのシーケンスをプロセッサで符号化する方法であって:
コーディングされたビットストリームに符号化されるべきビデオ・ピクチャのシーケンスを受信するステップ;
前記コーディングされたビットストリームのシンタックス要素の値及びコーディング・ツールに関する一組の制限を決定するステップ;
前記一組の制限に関する1つ以上の制約フラグを決定するステップ;
前記1つ以上の制約フラグを一般制約シンタックス構造に統合するステップであって、前記1つ以上の制約フラグは:
仮想境界に関する制約の無い第1のフラグを含む、ループ・フィルタリングに関する制約フラグ;
明示的なスケーリング・リストに関する制約の無い第2のフラグを含む、変換及び量子化に関する制約フラグ;
重み付け予測に関する制約の無い第3のフラグを含む、インター・コーディングに関する制約フラグ;
を含む、ステップ;及び
前記コーディングされたビットストリームを生成するステップであって、前記コーディングされたビットストリームは、前記ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと前記一般制約シンタックス構造とを含む、ステップ;
を含む方法。
【請求項2】
請求項1に記載の方法において、前記第1のフラグに対する1の値は、sps_virtual_boundaries_enabled_flagは0に等しいものとすることを示し、そうではない0の値はそのような制約を課していない、方法。
【請求項3】
請求項1に記載の方法において、前記第2のフラグに対する1の値は、sps_explicit_scaling_list_enabled_flagは0に等しいものとすることを示し、そうではない0の値はそのような制約を課していない、方法。
【請求項4】
請求項1に記載の方法において、前記第3のフラグに対する1の値は、sps_weighted_pred_flagは0に等しいものとすることを示し、そうではない0の値はそのような制約を課していない、方法。
【請求項5】
制約処理を伴うコーディングされたビットストリームをプロセッサで復号化する方法であって:
ビデオ・ピクチャのシーケンスのコーディングされたピクチャと一般制約シンタックス構造とを含む前記コーディングされたビットストリームをデコーダで受信するステップであって、前記一般制約シンタックス構造は、前記コーディングされたビットストリームのシンタックス要素の値及びコーディング・ツールに関する一組の制限に関するシンタックス要素を含む、ステップ;
前記一般制約シンタックス構造を分析して前記一組の制限に関する1つ以上の制約フラグを識別するステップであって、前記1つ以上の制約フラグは:
仮想境界に関する制約の無い第1のフラグを含む、ループ・フィルタリングに関する制約フラグ;
明示的なスケーリング・リストに関する制約の無い第2のフラグを含む、変換及び量子化に関する制約フラグ;
重み付け予測に関する制約の無い第3のフラグを含む、インター・コーディングに関する制約フラグ;
を含む、ステップ;及び
前記1つ以上の制約フラグに従って前記コーディングされたビットストリーム内の前記コーディングされたビットストリームを復号化し、前記ビデオ・ピクチャのシーケンスを生成するステップ;
を含む方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法において、前記第1のフラグに対する1の値は、sps_virtual_boundaries_enabled_flagは0に等しいものとすることを示し、そうではない0の値はそのような制約を課していない、方法。
【請求項7】
請求項5に記載の方法において、前記第2のフラグに対する1の値は、sps_explicit_scaling_list_enabled_flagは0に等しいものとすることを示し、そうではない0の値はそのような制約を課していない、方法。
【請求項8】
請求項5に記載の方法において、前記第3のフラグに対する1の値は、sps_weighted_pred_flagは0に等しいものとすることを示し、そうではない0の値はそのような制約を課していない、方法。
【請求項9】
請求項1-8のうちの何れか1項に記載の方法を1つ以上のプロセッサで実行するためのコンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的なコンピュータ読み取り可能な記憶媒体。
【請求項10】
プロセッサを含み且つ請求項1-8のうちの何れか1項に記載の方法を実行するように構成されている装置。
【国際調査報告】