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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-09
(54)【発明の名称】誘導機
(51)【国際特許分類】
   H02P 25/16 20060101AFI20230602BHJP
   H02K 17/12 20060101ALI20230602BHJP
   H02K 17/30 20060101ALI20230602BHJP
   H02K 55/00 20060101ALI20230602BHJP
   H02P 27/06 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
H02P25/16
H02K17/12 Z
H02K17/30 Z
H02K55/00
H02P27/06
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566486
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-11-10
(86)【国際出願番号】 EP2021061831
(87)【国際公開番号】W WO2021224322
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173414.2
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520404964
【氏名又は名称】エピノバテック、アクチボラグ
【氏名又は名称原語表記】EPINOVATECH AB
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100118843
【弁理士】
【氏名又は名称】赤岡 明
(72)【発明者】
【氏名】マルティン、アンドレアス、オルソン
【テーマコード(参考)】
5H505
【Fターム(参考)】
5H505AA30
5H505BB02
5H505CC04
5H505DD03
5H505DD05
5H505EE21
5H505EE48
5H505HA05
5H505HA09
5H505HB01
5H505JJ26
(57)【要約】
回転子、固定子および位相シフト発振器を備える誘導機が提供される。前記固定子は、第1の巻線と、前記第1の巻線に対して、第1の角度に配置された第2の巻線とを備える。前記位相シフト発振器は、トランジスタであって、前記トランジスタは、高電子移動度トランジスタである、トランジスタと、位相シフト回路網とを備える。前記誘導機における、前記第1の巻線は、前記位相シフト回路網の第1のノードに接続され、前記第2の巻線は、前記位相シフト回路網の第2のノードに接続され、前記位相シフト発振器は、前記第1のノードで第1の位相電気信号を供給し、前記第2のノードで第2の位相電気信号を供給するよう構成され、前記第1の位相と前記第2の位相との差は前記第1の角度に一致する。また、前記誘導機を備える電気航空機推進システムも提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転子(120)と、
固定子(140)と、
位相シフト発振器(160)とを備え、
前記固定子は、
第1の巻線(141)と、
前記第1の巻線に対して、第1の角度(101)に配置された第2の巻線(142)とを備え、
前記位相シフト発振器は、
トランジスタ(170)であって、前記トランジスタ(170)は、高電子移動度トランジスタ(HEMT)である、トランジスタ(170)と、
位相シフト回路網(180)とを備え、
前記第1の巻線は、前記位相シフト回路網の第1のノード(181)の接続され、前記第2の巻線は、前記位相シフト回路網の第2のノード(182)に接続され、前記位相シフト発振器は、前記第1のノードで第1の位相電気信号を供給し、前記第2のノードで第2の位相電気信号を供給するよう構成され、前記第1の位相と前記第2の位相との差は前記第1の角度に一致する、誘導機。
【請求項2】
前記第1の角度は60度である、請求項1に記載の誘導機。
【請求項3】
前記固定子は、前記第1の巻線に対して、第2の角度(102)に配置される第3の巻線(143)をさらに備え、前記第3の巻線は、前記位相シフト回路網の第3のノード(183)に接続され、前記位相シフト発振器は、前記第3のノードで第3の位相電気信号を供給するよう構成され、前記第1の位相と前記第3の位相との差は前記第2の角度に一致する、請求項1または2に記載の誘導機。
【請求項4】
前記第2の角度は120度である、請求項3に記載の誘導機。
【請求項5】
前記第1の巻線は双極巻線であり、前記第2の巻線は双極巻線である、請求項1~4いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項6】
前記トランジスタは、パワートランジスタである、請求項1~5いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項7】
前記トランジスタは、窒化ガリウム(GaN)を含む、請求項1~6いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項8】
前記第1の巻線および前記第2の巻線は、電流の伝達に基づいて磁場を生じさせるよう構成される、請求項1~7いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項9】
電流整流器をさらに備え、前記電流整流器は回生充電のために構成される、請求項1~8いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項10】
前記位相シフト発振器の前記トランジスタを駆動するための駆動回路をさらに備える、請求項1~9いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項11】
前記第1の巻線および/または前記第2の巻線は超伝導体を備える、請求項1~10いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項12】
前記超伝導体は、VGa、Ga1-2xCuAsN、またはNbNを含む、請求項11に記載の誘導機。
【請求項13】
交流入力を受信するよう構成される、請求項1~12いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項14】
前記位相シフト発振器は、6位相電気信号を供給するよう構成される、請求項1~13いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項15】
3位相入力電気信号を受信するよう構成される、請求項1~14いずれか一項に記載の誘導機。
【請求項16】
請求項1~15いずれか一項に記載の誘導機(100)と、
前記回転子(120)と物理的に接続され、そして同心円状に整列された車軸(202)と、
前記誘導機と電気的に接続された電気電池(204)と、
前記誘導機と電気的に接続された制御回VGa、Ga1-2xCuAsN、またはNbN路(206)であって、前記制御回路は、前記誘導機を制御するよう構成される、制御回路と、
を備える、電気航空機推進システム(200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は誘導機およびそのような誘導機の駆動回路に関する。
【背景技術】
【0002】
誘導機は、一般に、交流(AC)が使用される電気機械であり、非同期の機械としても知られている。誘導機は、電動機および発電機の両方として使用されてもよい。最も一般的な誘導機の利用法は、誘導電動機としての利用法である。誘導機は、単相機械または多相機械として配置されてもよい。誘導機は、一般的に、固定された固定子部と、自由に回転する回転子部とを備える。
【0003】
誘導機の中で、固定子巻線の交流磁場から回転子に電流は誘導される。そして、誘導された電流は、打ち消す磁界を生じさせ、トルクを生み出し、回転子の回転を引き起こす。誘導機の回転子は、固定子に対してかご形回転子または巻回型回転子であってもよい。
【0004】
誘導機は、電車や道路車両といった電気推進車両に使用される。誘導機は、電気推進航空機のために、特に固定翼および回転翼の航空機に使用されてもよい。
【0005】
電気航空機産業で主たる問題は、誘導機が未だに化学燃料の航空機エンジンと置き換えができないことである。改善された電池の需要に加えて、電気誘導機の主たる問題は、一般的に重量出力比が低すぎて、航空機推進を実際に実行できないことである。
【0006】
単相誘導機は、それらに、大きな電力出力および巻線比のための大きなコンデンサを必要とするという点で特に妨げられる。誘導機をより高い電力出力へと推し進めることは、結果として重量出力比を減少させることがある。したがって、その技術分野の中で改善の需要がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明における一つの目的は、上述のいくつかの問題を少なくとも軽減することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
第1の側面によれば、誘導機は、回転子と、固定子と、位相シフト発振器とを備える。固定子は、第1の巻線と、第2巻線とを備える。第2巻線は、第1巻線に対して第1の角度に配置される。位相シフト発振器は、トランジスタと、位相シフト回路網とを備える。第1の巻線は、位相シフト回路網の第1のノードに接続される。第2の巻線は位相シフト回路網の第2のノードに接続される。位相シフト発振器は、第1のノードで第1の位相電気信号を供給し、第2のノードで第2の位相電気信号を供給するよう構成される。第1の位相と第2の位相との差は、第1の角度に一致する。
【0009】
第1の巻線および第2の巻線は、代わりに、それぞれ主巻線および予備巻線と呼ばれてもよい。位相シフト発振器は、位相シフト発振器回路の異なるノード間の交流電流の位相をシフトさせる少なくとも一つのトランジスタを備えた電気回路として理解されてもよい。特に、位相シフトは、位相シフト発振器の一部である位相シフト回路網について、異なるノード間で実現される。位相シフト回路網は、位相シフト回路網をベースとした抵抗-コンデンサ(RC)であってもよい。位相シフト回路網は、代わりに、位相シフト発振器の帰還回路網として理解されてもよい。トランジスタは、例えば、金属酸化物半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)またはバイポーラ接合トランジスタ(BJT)であってもよい。トランジスタという用語は、トランジスタ電気回路または位相シフト発振器の増幅器部を言及するものとして理解されてもよい。そのようなトランジスタ電気回路は、例えば、駆動回路および/またはバイアス電気回路をさらに備えてもよい。
【0010】
位相シフト発振器は、例えば、少なくとも6位相で構成されるインバータまたはインバータ回路網といったインバータまたはインバータ回路網であってもよい。インバータまたはインバータ回路網は、前述したトランジスタを備えてもよい。インバータまたはインバータ回路網は前述した位相シフト回路網を備えてもよい。代替的に、第1の巻線はインバータ回路網の第1のノードに接続され、第2の巻線は、インバータの第2のノードに接続され、インバータ回路網は、第1のノードで第1の位相電気信号を供給し、第2のノードで第2の位相電気信号を供給するよう構成され、第1の位相と第2の位相との差は、第1の角度に一致してもよい。
【0011】
誘導機の動作の間、回転子は固定子に対して回転する。回転子は、同心円状に、そして固定子の中に配置されるものとして理解されてもよい。誘導機は誘導によって動作してもよい。交流電流が入力されると、他から離れて特定の相対角度に配置された巻線は、交流の磁界を生成する。これらの界は、回転子の中で電流を誘導してもよく、そして、電流はにその自身の磁界を生成することになる。回転子の磁界と固定子の巻線との間の相互作用は、回転子の回転を生成することである。しかし、交流磁界は、より実用的な自己起動型の誘導機を提供するために、回転磁界(RMF)を形成するための変換または変調されることが必要であってもよい。慣習的に、単相AC誘導機にとって、RMFは、コンデンサを固定子巻線の一つと直列に接続することによって形成される。
【0012】
発明者は、位相シフト発振器が、第1の巻線と第2の巻線とに供給される電流の間で必要とされる位相シフトを達成するために利用されてもよい、ということに気づいた。そのため、誘導機は、巻線のうちの一つと直列に接続された従来のコンデンサを必要とせず、または少なくともより依存せずにRMFを生成してもよく、例えば、誘導機のための第2の巻線は、モータとして動作する場合、すなわち電気エネルギーを回転性の/機械のエネルギーに変換する場合、自己起動型であってもよい。一般的に、高出力の誘導機の動作およびより大きな巻線比は、直列コンデンサの静電容量をより大きくする必要があり、そして、コンデンサが物理的に大きくなることをもたらす。つまり、さらに重くなり、そしてよりかさばる。したがって、直列コンデンサを必要としないか、または少なくとも依存を減らすことで、誘導機の電力対重力比は改善されてもよい。
【0013】
そして、このことは、アクティブRC位相シフト発振器の位相シフトによって、より小さく、そしてよりコンパクトなモータを可能にする。誘導モータにとって、回転子の回転速度は、AC電圧によって制御されてもよく、それは、巻線によって生成される磁場を弱める、または強めるのいずれかによってモータの動作をより速くする。動力は、回転子速度にトルクを掛け合わせて算出されてもよい。さらに、巻線および位相は、同じ電力コストで、より大きなトルクを引き起こすため、有利であってもよい。
【0014】
アクティブRC位相シフト発振器、すなわち、トランジスタを備えることは、誘導機にとって、パッシブRC位相シフト発振器であるよりも、より有利であってもよい。パッシブRC位相シフト発振器にとって、90度の位相シフトを達成するのは難しくてもよいが、一方、一定の周波数で45度または60度の位相シフトを提供してもよい。本発明における6位相誘導機のための位相シフトは、30度位相シフトしてもよい。大きい次数のフィルタを生成するために、パッシブフィルタを合わせてカスケード接続することは、正確に実装するのが難しくてもよい。これは、それぞれのRCフィルタ次数の動作インピーダンスが、その近隣のRC回路網に影響を与えるためである。加えて、例えば、気温は位相シフトに影響を与えてもよく、実際問題として、構成要素の公差(tolerances)は、偏差(deviations)を生み出してもよい。トランジスタを使用したアクティブ位相シフトは、小さい値の抵抗およびコンデンサを備える回路として有利であってもよく、すなわち、モータの重量およびフォームファクターの両方を増加させる、大きくてかさばる高インダクタンスのインダクタではないだろう。
【0015】
第1の角度は、60度であってもよい。そのような位相シフトは、RCベースの位相シフト回路網および位相シフト発振器によって、容易に実現できる。
【0016】
固定子は、第1の巻線に対して第2の角度で配置された第3の巻線をさらに備えてもよい。第3巻線は、位相シフト回路網の第3のノードに接続されてもよい。位相シフト発振器は、第3のノードで第3の位相電気信号を供給するよう構成されてもよい。第1の位相と第3位相との間の差は、第2の角度に一致してもよい。
【0017】
電気信号という用語は、例えば、電圧または電流といった様々な種類の電気信号について言及してもよい。位相シフト回路網の第3のノードおよび一致する第3の固定子巻線を利用することにより、いくつかのの利点が実現されてもよい。例えば、そのような第3巻線は、巻線のより均一な径方向分布を促進してもよく、これは、そして、誘導機の巻線比を減らすか、回転速度、トルクおよび/または出力電力を増加させるのに有利であってもよい。これは、単相AC入力電気信号のために、本来の利点をすべて備える3位相固定子の使用を可能にするものとして理解されてもよい。
【0018】
第2の角度は120度であってもよい。そのような位相シフトもまた、RCベースの位相シフト回路網および位相シフト発振器によって、容易に実現できる。
【0019】
第1の巻線は、双極巻線であってもよい。第2の巻線は双極巻線であってもよい。これは、巻線が固定子の反対側、すなわち、巻線の最初の部分から180度にわたってループバックしていると理解されてもよい。180度離れて方向づけられた2つの異なる磁界は、巻線のうちの1つの最初のループ部および逆ループ(back-looping)部を通って、固定子に対して異なる方向に流れる電流によって生成されてもよい。
【0020】
このように、それぞれの位相電気信号のさらなる有用性が見出されてもよい。双極巻線を用いることによって、回転磁界(RMF)の形成は、固定子の中でより均一に放射状に分布される。さらに、第3の巻線は双極巻線であってもよい。
【0021】
トランジスタは、パワートランジスタであってもよい。パワートランジスタは、高い電流および電圧の下で動作するよう構成されるトランジスタとして理解されてもよい。一般的に、より高い電流により、より強力な回転磁界(RMF)が生成されることがある。そして、これにより、誘導機の回転/機械的出力電力が増加することがある。パワートランジスタは少なくとも1200Vの電圧閾値で構成されてもよい。電圧閾値が1200Vで構成されるパワートランジスタは、ゲート電圧、例えば、1200Vのゲートソース間電圧で導通を開始するよう構成されてもよい。
【0022】
トランジスタは、高電子移動度トランジスタ(HEMT)であってもよい。これは、ヘテロ構造を形成する少なくとも2つの異なるバンドギャップ半導体構造および少なくとも2つの半導体構造の間で共通の接点を備えるトランジスタとして理解されるべきである。そのようなトランジスタは、ヘテロ構造電界効果トランジスタ(HFET)と呼ばれてもよい。トランジスタは、ソース、ドレインおよびゲート接点を備えるものとしても理解されるべきである。HEMTは高い出力動作およびより高い周波数切替といった様々な利点を供給してもよい。
【0023】
より高いトランジスタ周波数切替は、それをどのように達成するかにかかわらず、高周波での位相シフト発振器の発振安定性を改善することがあるため、有利であってもよい。したがって、発振が飽和状態より少なくてもよく、出力、つまりノードにおける電気信号の歪みが少なくなるだろう。より高い周波数切替によって、電気信号を安定させるための追加の回路の必要性が減少するか、もしくは完全に取り除かれてもよい。HEMTといったトランジスタを使用する場合、BJTやMOSFETを使用する場合よりも、出力は(電気信号に関して)ノイズが少なくてもよい。
【0024】
トランジスタは、GaNを含んでもよい。GaNは化合物半導体の窒化ガリウムを言及してもよい。トランジスタまたはその構造は、実質的にGaNからなるか、または少なくともいくつかのGaNを含んでもよい。GaNは、それを含むトランジスタにいくつかの利点を提供する。これらには、より高い電力動作およびより高い周波数切替が含まれていてもよい。GaNを含むトランジスタは、GaNベースのHEMTであってもよい。
【0025】
アクティブ位相シフトは、トランジスタがGaNベースのHEMTに基づく増幅器等の低ノイズ増幅器である場合、良好な周波数安定性と、低ノイズで、もしかすると歪みさえない(巻線への)出力正弦波電気信号とを提供してもよい。GaNベースのHEMTは、高利得と低ノイズを実現してもよい。これは、~250kWのAC誘導機のための、例えば220Vといった高い電圧を適用するのに適していてもよい。周波数レンジは、数Hzから数百Hzであってもよい。周波数は、誘導機の速度を調整するのに適していてもよい。
【0026】
第1の巻線および第2の巻線は、電流の伝達時に磁場を生成するよう構成されていてもよい。
【0027】
誘導機は、電流整流器をさらに備えていてもよく、電流整流器は、回生充電のために構成される。電流整流器は、電流整流電気回路として理解されてもよい。そのように、誘導機はまた、ちょうどモータとして動作するのに加えて、例えば、電池の再充電のための発電機として動作してもよい。
【0028】
請求項のいずれかに記載の誘導機は、位相シフト発振器のトランジスタを駆動させるための駆動電気回路をさらに備えてもよい。代替的に、誘導機は、インバータもしくはインバータ回路網のトランジスタを駆動させるための駆動電気回路を備えてもよい。
【0029】
第1の巻線および/または第2の巻線は、スーパーコンダクタを備えてもよい。
【0030】
そのように、より高い電流および、したがってより大きな磁界は、より少ないエネルギーロスとともに生成されてもよい。
【0031】
スーパーコンダクタは、VGa、Ga1-2xCuAsN、またはNbNを含んでもよい。
【0032】
誘導機は、交流入力を受信するよう構成されてもよい。受信された入力は、単相交流入力として理解されてもよい。
【0033】
位相シフト発振器は、6位相電気信号を供給するよう構成されてもよい。この中で、6位相電気信号は、6つの位相を備える複数の電気信号について言及する。第1の位相電気信号および第2の位相電気信号は、6位相電気信号の中に備えられていてもよい。したがって、位相シフト発振器は、第1の位相電気信号、第2の位相電気信号、第3の位相電気信号、第4の位相電気信号、第5の位相電気信号および第6の位相電気信号を供給するよう構成されてもよい。6位相電気信号のそれぞれの電気信号は、位相シフト回路網のそれぞれのノード、すなわち、第1のノード、第2のノード、第3のノード、第4のノード、第5のノードおよび第6のノードで供給されてもよい。
【0034】
誘導機は、6つの巻線を備えてもよく、それぞれの6つの巻線は、6位相電気信号のそれぞれの信号を受信するよう構成されてもよい。6つの巻線は、双極巻線であってもよい。6つの巻線は、連続する巻線を分離する角度で固定子の周りに配置されてもよい。6位相電気信号の連続する電気信号の間における位相差は、対応する巻線を分離する角度に対応してもよい。
【0035】
位相シフト発振器は、少なくとも6位相電気信号を供給するよう構成されてもよいことが理解されよう。したがって、6よりも多い位相が供給されてもよい。それぞれの位相はそれぞれの巻線に供給されてもよい。
【0036】
誘導機は、3位相入力電気信号を受信するよう構成されてもよい。3位相入力電気信号は、3位相を備える交流入力として見られてもよい。誘導機は、3位相入力電気信号を6位相入力電気信号に変換するよう構成されてもよい。誘導機は、3位相入力電気信号を複数の位相を有する電気信号に変換するよう構成されてもよく、位相の数は3の倍数である。
【0037】
第2の態様によると、電気航空機推進システムが提供される。電気航空機推進システムは、第1の態様による誘導機を備える。電気航空機推進システムは、回転子と物理的に接続され、そして同心円状に整列された車軸を備える。電気航空機推進システムは、誘導機と電気的に接続された電気電池をさらに備える。電気航空機推進システムは、誘導機と電気的に接続された制御回路をさらに備え、制御回路は、誘導機を制御するよう構成される。
【0038】
改善された誘導機の重量出力比によれば、電気航空機のための推進システムは、そのような誘導機に基づいた場合、多くの利点を与えてもよい。改善された重量出力(power-to-weight)は、航空機推進システムに引き継がれてもよい。このことは、航空機推進システムをより軽量化し、そして、航空機全体を軽量化してもよい。このことは、電池の寿命と電気航空機の航続距離を改善する点で有利であってもよい。
【0039】
本発明のさらなる適用範囲は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。しかしながら、詳細な説明および特定の例は、本発明の好ましい実施形態を示しているが、例示としてのみ与えられることを理解すべきであり、本発明の範囲内の様々な変更および修正は、この詳細な説明から当業者に明らかになるであろう。
【0040】
それゆえ、本発明は、説明された装置の特定の構成要素、またはそのような装置の説明された方法の行為に限定されず、方法は変わってもよいことことを理解されたい。ここで使用される用語は、特定の実施形態だけを説明する目的であり、限定することを意図されていないことも理解されたい。
【0041】
明細書および添付の特許請求の範囲で使用されているように、冠詞「一つの」(a)、「一つの」(an)、「前記」(the)および「前記」(said)は、文脈で明確に規定しない限り、1または複数の要素があることを意味することを意図していることに注意しなければならない。したがって、例えば「1つのユニット」(a unit)または「前記ユニット」(the unit)への参照は、いくつかの装置を含んでもよい。さらに、「備える」(comprising)、「含む」(include)、「含む」(containing)および類似の表現は、他の要素やステップを除外するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0042】
上記および本発明の他の態様は、以下で、添付の図面を参照してより詳細に説明される。図面は限定して考慮されるべきではなく、代わりに、目的を説明し、そして理解するために考慮されるべきである。
【0043】
図面で示されている通り、層および領域の大きさは、説明のために誇張されている場合があり、したがって、一般的な構造を示すために提供される。同様の参照番号は、全体を通して同様の要素に言及する。
【0044】
図1図1は、誘導機の概略図を示す。
図2図2は、単相AC入力電気信号に基づく3位相誘導機の回路図を示す。
図3図3は、よりさらに巻線を備える、固定子-回転子構成の断面図を示す。
図4図4は、3位相AC入力電気信号に基づく6位相誘導機の回路図を示す。
図5図5は、電気航空機推進システムの概略図を示す。
図6図6は、誘導機の回路図を示す。
図7図7は、誘導機の概略図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0045】
ここで、本発明は、本発明の現在好ましい実施形態が示される添付の図面を参照して、より完全に、以下で説明される。しかしながら、この発明は、多くの異なる形態で具現化されてもよく、本明細書に記載の実施形態に限定されるものとして解釈されるべきではなく、むしろ、これらの実施形態は、徹底性および完全性のため、そして、本発明の範囲を当業者へ完全に伝えるために提供される。
【0046】
明確に言うと、水平のという用語および類似の用語は、紙面が縦置きの向きの場合に図面の中で水平方向に言及してもよい。半径のという用語および類似の用語は、図面の中で円または円筒の特徴の半径に関する特徴および方向に言及してもよい。
【0047】
図1は、誘導機100を示す。誘導機100は、回転子120および固定子140を備えるよう示される。回転子120および固定子は、両方とも円筒の形状として説明される。回転子120は、固定子140内に同心円状に配置されるように示される。
【0048】
回転子120は、例えば、金属といった導体材料を含んでもよい。回転子120は、銅、アルミニウムおよび/または鉄のうち一つを含んでもよい。
【0049】
回転子120は、巻回型回転子またはかご型回転子であってもよい。回転子120は、回転子120の円筒の長さに沿って水平に延長された、複数の導体棒を備えてもよい。これらは、交流または回転磁場内に配置されたときに、それらに電流が誘導されるように構成されてもよい。回転子120は、渦電流の形成による影響を軽減するために、円筒の長さに沿って積層された複数の積層を備えてもよい。積層は、鋼を含んでもよい。
【0050】
固定子140は、第1の巻線141と第2の巻線とを備える。固定子140は、第3の巻線143を備えてもよい。巻線141、142、143は固定子の周りに、均等に、または任意に半径方向へ分配される。巻線141、142、143は、図1のより大きい固定子140の円筒の長さに沿って延長される円筒として示される。
【0051】
第2の巻線142は、第1の巻線141に対して、第1の角度101に配置される。第3の巻線143は、第1の巻線141に対して、第2の角度102で配置されてもよい。第3の巻線143は、第2の巻線142から第1の角度101でさらに配置されてもよい。第1の角度101は、60度であってもよい。第2の角度102は、120度であってもよい。
【0052】
巻線141、142、143は双極巻線であってもよい。これによって、巻線141、142、143は、固定子140の反対側、すなわち、巻線141、142、143の最初の部分から、180度でループバックしてもよい。図1は、対応する3つの主巻線141、142、143を備える二重双極巻線構成と、対蹠的または全く反対に配置された巻線とを示している。主であり、そして対蹠的な巻線を数えると、図1は、30度離れて配置された合計6つの巻線を示している。主巻線141、142、143および対応する対蹠的な巻線は、直接接続されてもよく、単一の導体としてそれらを介して電流を流すことを可能にする。主巻線141、142、143および対応する対蹠的な巻線は、同じ電流が伝導する場合、その電流は、対応する主巻線141、142、143を流れる同じ電流と方向に対して、対蹠的な巻線で反対の方向に電流が流れるように配置されてもよい。そのように、主巻線141、142、143および対応する対蹠的な巻線は、同時に、比較的反対の磁場を生じさせる。
【0053】
巻線は、固定子140内の穴の開いた水平のスロットの中に配置されてもよい。第1の巻線141、第2の巻線142および第3の巻線143は、電流の伝達時に、電気回路のそれぞれの巻線141、142、143の周囲で、磁場を生じさせるよう構成されてもよい。
【0054】
巻線141、142、143は、例えば、金属といった導体材料を含んでいてもよい。巻線141、142、143は、例えば、銅やアルミニウムを含んでいてもよい。
【0055】
巻線141、142、143のうちいずれか一つは、スーパーコンダクタを備えていてもよい。スーパーコンダクタは、VGa、Ga1-2xCuAsN、またはNbNを含んでいてもよい。
【0056】
固定子140は、同様に渦電流の形成の影響を軽減するために、固定子140の円筒の長さに沿って積まれた複数の積層を備えていてもよい。積層は、鋼を含んでいてもよい。
【0057】
誘導機100は、位相シフト発振器160をさらに備える。位相シフト発振器160は、トランジスタ170を備える。位相シフト発振器160は位相シフト回路網180をさらに備える。
【0058】
位相シフト回路網180は、第1のノードおよび第2のノードを備える。位相シフト回路網は、第3のノード183をさらに備えてもよい。
【0059】
位相シフト回路網180は、図1にRC網として示される。位相シフト回路網180は3つの抵抗に接続された3つのコンデンサを備えてもよい。ノード181、182、183はそれぞれの一組のコンデンサ/抵抗の間で形成されてもよい。そのような位相シフト網において、位相は、一組のコンデンサ/抵抗のために60度シフトされる。ノード181と182との間の位相差は、60度であってもよい。ノード181と183との間の位相差は、120度または60+60度であってもよい。
【0060】
誘導機100は、図2に示す通り、位相シフト発振器160のトランジスタ170を駆動するための駆動回路をさらに備えてもよい。回路のトランジスタ170を備える部分およびバイアス/駆動回路は、増幅器部として呼ばれてもよい。増幅器部は、位相シフト回路網180に接続された出力の位相を、VIN端子を通じて電気信号入力の位相から180度シフトしてよい。誘導機は、例えばVIN端子を通じて、AC入力を受信するよう構成されてもよい。
【0061】
位相シフト発振器は、例えば、180+60+60+60=360度といった完全な360度の位相シフト完成させるために、増幅器部と一体となって、位相シフト回路網180の位相シフトによって、位相シフトを加算することで動作してもよい。
【0062】
バイアス/駆動回路は、トランジスタ170のゲートのための分圧器として作動する2つの抵抗を備えてもよい。一方の抵抗は、ドレイン電流を制限するためにトランジスタのドレインと給電レールVDDとの間に接続される。トランジスタのソースとグランドGNDとの間に接続されたもう一方の抵抗は、熱安定性を改善するために用いられてもよい。コンデンサは、トランジスタ170のソースとGNDとの間におけるバイパスコンデンサとして接続されてもよい。
【0063】
第1のノード181は、第1の巻線141に接続される。第2のノード182は、第2の巻線142に接続される。第3のノード183は、第3の巻線143に接続されてもよい。ノード181、182、183は、図1に示すように、それぞれの巻線141、142、143と直接接続されていてもよい。ノード181、182、183は、図2に示すように、代替的に、それぞれの巻線141、142、143と抵抗を介して間接的に接続されていてもよい。
【0064】
位相シフト発振器160は、第1のノード181で第1の位相電気信号を供給し、第2のノード182で第2の位相電気信号を供給するよう構成される。第1の位相と第2の位相との差は、第1の角度101に一致する。位相シフト発振器160は、第3のノード183で第3の位相電気信号を供給するよう構成されてもよい。第1の位相と第3の位相との差は、第2の角度102に一致する。
【0065】
トランジスタ170は、MOSFETまたはBJTであってもよい。トランジスタ170は、Si、SiCまたはGeを含んでもよい。トランジスタは、パワートランジスタであってもよい。トランジスタ170は、HEMTであってもよい。トランジスタ170は、GaNを含んでもよい。トランジスタ170は、AlGaNを含んでもよい。トランジスタ170は、GaN/AlGaN HeMTであってもよい。
【0066】
誘導機100は、電流整流器をさらに備えてもよい。電流整流器は、回生充電のために構成されてもよい。電流整流器は、再充電可能な電池の充電のために使用されてもよい。
【0067】
図3に示すように、誘導機は、図1の例よりも、巻線141、142、143をさらに備える回転子120および固定子140の構成を特徴づけてもよい。図3の例では、30度離れて配置される合計12の巻線が示される。このような構成は、巻線141、142、143上で、6位相電気信号を受信するよう配置されてもよい。この例では、図1の場合と同様に、対応する対蹠的な巻線をさらに特徴づけてもよい。
【0068】
図3に見られるように、回転子-固定子(rotor-stator)6位相誘導機構成は、丸括弧の中の極性を備える3つの最初の位相である0度(+)、120度(+)および240度(+)に基づいてもよい。それぞれのこれらの位相は、反対の、そして対蹠的な極である180度(-)、300度(-)および60度(-)で巻線を有する。さらに、極は、30度(+)および210度(-);30度(+)と270度(+)、および90度(-);そして、330度(+)および150度(-)、すなわち、最初の電気信号位相の0度(+)、120度(+)および240度(+)から30度位相シフトして導入されてもよい。
【0069】
このように、正の極性のみが位相として数えられる。それゆえ、時計回りの極性および角度は、0度(+)、30度(+)、60度(+)、90度(-)、120度(+)、150度(-)、180度(-)、210度(-)、240度(+)、270度(+)、300度(-)、330度(-)であってもよく、または0度(+)および180度(-)、30度(+)および210度(-)、60度(-)および240度(+)、90度(-)および270度(+)、120度(+)および300度(-)、150度(-)および330度(-)の二つがひと組みとなってもよい。
【0070】
このような6位相誘導機は、説明したように、図4の1つに示されるような回路構成の電気信号入力によって供給されてもよい。本質的に、入力電気信号は、3位相電気信号VINであってもよく、3つの含まれる位相信号は、別の位相シフト回路網180を備える異なる位相シフト発振器を介して追加の位相にシフトされてもよい。VINの3つの異なるノードに生じる最初の3つの位相は、0度、120度および240度であってもよい。位相シフト回路網180のノード181、182は、異なる位相電気信号を第1の巻線141および第2の巻線142に供給するために示される。第1のノード181と第2のノード182との位相差は、30度であってもよい。図4に示す回路図は、3つのトランジスタ170を備える。それぞれのトランジスタは、それぞれの位相シフト回路網180と、3つの入力位相電気信号VINのうち1つを受信するためのそれぞれの入力線との関連が示される。
【0071】
加えて、誘導機100は、2位相電動機として実現されてもよい。2位相電動機は、一つの追加の位相のみを必要としてもよい。このような追加の位相は、ハイパスフィルタまたはローパスフィルタを用いることで得てもよい。-3dBフィルタは45度の位相シフト角度を作り出す。
【0072】
一般に、スイッチング増幅器またはそのようなフィルタといったトランジスタを組み込むことによって、より小型で、かさばらない高インダクタンスのインダクタを必要とし、回路はより設計が単純になり、周波数が10kHz未満の誘導機により適したものになることがある。位相シフトは、以下で与えられる単位Hzの発振周波数fを持つハイパスフィルタによって実現され、
f=(2πRC)―1(2N)―0.5
Rは、抵抗値オームの抵抗で、Cは、インダクタンス値ファラドのコンデンサで、Nは、RCフィードバック段階の数を示す整数である。
【0073】
本発明によれば、位相シフトは、3位相での60度と比較して、30度離れた巻線(60度)でより均等にRMFを生成することによって、回転子120が回転を開始する間だけではなく、すでに回転している回転子120の電力出力を改善するためにも用いられる。位相シフトは、トランジスタの180度の位相シフトと、巻線の間におけるローパスフィルタ(負の位相)またはハイパスフィルタ(正の位相)のいずれかとによって達成されてもよい。
【0074】
さらに、多くのRC回路網をカスケード接続すると、6位相電気信号に対応する物理的/幾何学的な角度の分離に従って、正確に維持する必要がある位相シフト発振器の周波数の精度に影響を与えることがある。
【0075】
図6は、固定子140の誘導機100の回路図を示す。第1の巻線141、第2の巻線142および第3の巻線143は、ここに概略的に負荷抵抗として図示される。図示された回路図の中で、第1の巻線141は、トーテムポール回路194によって、位相シフト回路網180の第1のノード181に接続される。同様に、第2の巻線142は、トーテムポール回路194によって、位相シフト回路網180の第2のノード182に接続される。同様に、第3の巻線143は、トーテムポール回路194によって、位相シフト回路網180の第3のノード183に接続される。トーテムポール回路194は、ここでは、増幅器として作動し、位相シフト回路網180の第1のノード181、第2のノード182および第3のノード183から電気信号を増幅してもよい。それぞれのトーテムポール回路194は、一組の相補型トランジスタのような、一組のトランジスタ170を備える。トランジスタ170は、高電子移動度トランジスタであってもよい。一組のトランジスタ170は、一組のトランジスタ170の間のノードでプッシュプル型の出力を供給するよう構成されてもよい。プッシュプル型の出力は、電気信号を巻線に供給してもよい。回路図は、第1のノード181で第1の位相電気信号を、第2のノード182で第2の位相電気信号を、そして第3のノード183で第3の位相電気信号を供給するよう構成される。第1の位相と第2の位相の差は、第2の巻線142が第1の巻線に対して配置される角度に一致してもよい。第1の位相と第3の位相の差は、第3の巻線が第1の巻線に対して配置される角度に一致してもよい。回路図は、増幅器193をさらに備える。増幅器193は、ここでは、1または複数のトランジスタ170を備えてもよい。増幅器193のトランジスタ170は高電子移動度トランジスタであってもよい。
【0076】
分かりやすいように、回路図は、6位相誘導機100に拡張してもよい。位相シフト回路網180は、位相シフト回路網180の第4、第5および第6のノードを備えるよう拡張されてもよい。同様に、誘導機100は、位相シフト回路網180の第4、第5および第6に接続される第4、第5および第6の巻線を備えてもよい。それぞれの巻線は、トーテムポール回路194によって、位相シフト回路網180のそれぞれのノードと接続されてもよい。位相シフト回路網180におけるN番目のノードのN番目の位相電気信号は、第1の巻線に対して、N番目の巻線の角度によって、位相シフト回路網180における第1のノード181の第1の位相電気信号と異なっていてもよい。
【0077】
分かりやすいように、回路図は、6位相よりも多い位相に拡張してもよい。
【0078】
図7は、誘導機100の概略図を示す。図示する通り、位相シフト回路網180は、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)195に適用されてもよい。固定子140の巻線、この場合、第1の巻線141、第2の巻線142および第3の巻線143は、例えば、窒化ガリウム(a gallium nitride)パワーブリッジといったパワーブリッジ196によって、FPGA195に接続される。パワーブリッジ196は、トランジスタ170を備え、固定子140の巻線は、パワーブリッジ196のトランジスタによって、位相シフト回路網180のノードに接続される。パワーブリッジ196のトランジスタ170は、高電子移動度トランジスタであってもよい。
【0079】
図5は、2つのエンジン、プロペラを動力とした固定翼航空機の平面概略図を示す。航空機は、電気航空機推進システム200を備えるよう示されている。電気航空機推進システム200は誘導機100を備える。電気航空機推進システム200は、回転子120と物理的に接続され、そして同心円状に整列された車軸202をさらに備える。電気航空機推進システム200は、誘導機100と電気的に接続された電気電池204をさらに備える。電気航空機推進システム200は、誘導機と電気的に接続された制御回路を備える。制御回路206は、誘導機100を制御するよう構成される。
【0080】
電気航空機推進システム200は、プロペラまたはタービン型のエンジンに動力を供給するよう構成されてもよい。電気航空機推進システム200は、回転翼航空機の回転子に動力を供給するよう構成されてもよい。
【0081】
加えて、開示された実施形態に対する変形は、図面、開示および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された発明を実施する当業者によって、理解され、達成されることができる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
【国際調査報告】