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特表2023-524265日周曲線の追跡及び分析のためのシステム及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-09
(54)【発明の名称】日周曲線の追跡及び分析のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G16H 50/30 20180101AFI20230602BHJP
   G16H 10/60 20180101ALI20230602BHJP
【FI】
G16H50/30
G16H10/60
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566663
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 US2021030068
(87)【国際公開番号】W WO2021225875
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/021,634
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/044,401
(32)【優先日】2020-06-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/056,040
(32)【優先日】2020-07-24
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522364398
【氏名又は名称】キンサ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000659
【氏名又は名称】弁理士法人広江アソシエイツ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シン,インダー ラジ
【テーマコード(参考)】
5L099
【Fターム(参考)】
5L099AA15
5L099AA22
(57)【要約】
日周曲線の生成、追跡、及び分析のためのシステム及び方法が提供される。ユーザの人口統計、又はユーザのベースライン日周曲線に基づいて、ユーザの体温読み取り値に関するインサイトを作り出すことができる。かかるインサイトは、例えば、ユーザが発熱を経験している確率を査定するために使用することができ、これは、医療診断検査のためのスクリーニングに使用することができる。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
病気検出及び追跡システムであって、
ユーザと関連付けられた体温測定値を作り出すように構成された体温感知プローブと、
1つ以上の体温データセットを記憶するように構成された1つ以上の記憶デバイスであって、前記1つ以上の体温データセットの各々は、
各々が測定時刻と関連付けられた体温測定値のセットを含み、
前記体温測定値のセットのソースを記述する1つ以上のソース特性と関連付けられている、1つ以上の記憶デバイスと、
前記体温感知プローブと通信する1つ以上のプロセッサと、を備え、前記1つ以上のプロセッサは、
前記ユーザを記述するユーザ特性のセットを受信することと、
前記ユーザ特性のセットと前記1つ以上のソース特性との比較に基づいて、前記1つ以上の体温データセットの、一致する体温データセットを識別することと、
前記体温感知プローブから現在の体温測定値を受信することと、
前記体温感知プローブによって前記現在の体温測定値が作り出されたキャプチャ時刻を決定することと、
前記キャプチャ時刻に基づいて、前記現在の体温測定値を前記一致する体温データセットと比較して、前記現在の体温測定値が、前記キャプチャ時刻に予想される体温測定値の設定された閾値の外にあるかどうかを決定することと、を行うように構成されている、病気検出及び追跡システム。
【請求項2】
前記1つ以上のプロセッサは、
一定期間にわたって前記体温感知プローブから複数の現在の体温測定値を受信することと、
前記複数の現在の体温測定値の各々についてのキャプチャ時刻を決定することと、
前記複数の現在の体温測定値と、前記一定期間にわたる前記複数の現在の体温測定値のキャプチャ時刻とを記述する、測定された体温モデルを作成することと、
前記一致する体温データセットを記述する比較体温モデルを作成することと、
前記現在の体温測定値を前記一致する体温データセットと比較するときに、前記測定された体温モデルを同じ期間における前記比較体温モデルと比較して、前記測定された体温モデルが、その期間にわたって、設定された閾値を超えて前記比較体温モデルから偏差しているかどうかを決定することと、を行うように更に構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1つ以上の体温データセットの各々は、
年齢及び性別の組み合わせと関連付けられ、
年齢及び性別のその組み合わせを有する複数の個人から取られた体温測定値を含む、請求項1又は2に記載のシステム。
【請求項4】
前記1つ以上のプロセッサは、
ディスプレイに、前記現在の体温測定値が、前記予想される体温の前記設定された閾値の外にあるかどうかの指標を表示させることと、
前記現在の体温が、前記予想される体温の前記設定された閾値内にある場合に、前記一致する体温データセット、前記キャプチャ時刻、及び前記現在の体温測定値に基づいて、前記ユーザが発熱性疾患を患っている可能性を記述する第1の信頼性スコアを決定し、前記第1の信頼性スコアを表示することと、
前記現在の体温が、前記予想される体温の前記設定された閾値の外にある場合に、前記一致する体温データセット、前記キャプチャ時刻、及び前記現在の体温測定値に基づいて、前記ユーザが発熱性疾患を患っていない可能性を記述する第2の信頼性スコアを決定し、前記第2の信頼性スコアを表示することと、行うように更に構成されている、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、
複数の体温感知プローブであって、前記体温感知プローブの各々が関連するコンピューティングデバイスと通信するように構成されている、複数の体温感知プローブと、
少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを備える、集中型病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムは、前記関連するコンピューティングデバイスの各々とネットワーク通信しており、前記少なくとも1つのメモリは命令を含み、前記命令は、実行されると、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
一定期間にわたって、ネットワーク通信を介して前記コンピューティングデバイスの各々からユーザデータのセットを受信することであって、前記コンピューティングデバイスの各々から受信されたユーザデータの各セットは、前記関連付けられた体温感知プローブによって収集されるようなユーザ体温読み取り値と、前記体温読み取り値の各々と関連付けられたタイムスタンプとを含み、ユーザデータの各セットはそれぞれのユーザと関連付けられている、受信することと、
複数のベースライン日周曲線を生成及び記憶することであって、前記複数のベースライン日周曲線の各々は、それぞれのユーザと関連付けられ、前記それぞれのユーザについて前記期間にわたって受信された前記ユーザデータのセットに基づいて生成される、生成及び記憶することと、を行わせる、病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項6】
前記命令は、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
前記それぞれのユーザのうちの1人について前記ベースライン日周曲線を生成することに続いて、前記それぞれのユーザのうちの前記1人の前記コンピューティングデバイスから、リアルタイムユーザ体温読み取り値と前記リアルタイム体温読み取り値と関連付けられたタイムスタンプとを含む別のユーザデータのセットを受信することと、
前記それぞれのユーザのうちの前記1人と関連付けられた前記複数のベースライン日周曲線から、ベースライン日周曲線を識別することと、
前記リアルタイムユーザ体温読み取り値と前記リアルタイム体温と関連付けられた前記タイムスタンプとに基づいて、前記リアルタイムユーザ体温読み取り値が識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかを決定することと、を更に行わせる、請求項5に記載の病気検出及び追跡。
【請求項7】
前記命令は、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
前記リアルタイムユーザ体温読み取り値が前記識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかに関する前記決定の表示を、前記コンピューティングデバイスに提供させることを更に行わせる、請求項6に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項8】
前記リアルタイムユーザ体温読み取り値が前記識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかを決定することは、前記リアルタイムユーザ体温読み取り値が閾値を超えているかどうかを決定することを含む、請求項6に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項9】
前記閾値は、前記リアルタイムユーザ体温読み取り値の時刻に依存する、請求項8に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項10】
前記閾値は、前記リアルタイムユーザ体温読み取り値と関連付けられた前記それぞれのユーザの人口統計に依存する、請求項8に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項11】
前記命令は、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
前記リアルタイムユーザ体温読み取り値が前記識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかに関する前記決定の表示を、第三者コンピューティングデバイスに提供させることを更に行わせる、請求項5~10のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項12】
前記期間は、少なくとも48時間の期間である、請求項5~11のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項13】
前記期間中の24時間ごとに、少なくとも3つの体温測定値が収集される、請求項5~12のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項14】
前記体温測定値は、前記期間にわたって継続的に収集される、請求項5~13のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項15】
前記体温感知プローブは、医療用体温計である、請求項5~14のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【請求項16】
前記体温感知プローブは、ウェアラブルフィットネストラッカーである、請求項5~15のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【請求項17】
前記コンピューティングデバイスの各々は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びデスクトップコンピュータのうちのいずれかである、請求項5~16のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項18】
病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、
複数の体温感知プローブであって、前記体温感知プローブの各々が関連するコンピューティングデバイスと通信するように構成されている、複数の体温感知プローブと、
少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサと、を備える、集中型病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムは、前記関連するコンピューティングデバイスの各々とネットワーク通信しており、前記少なくとも1つのメモリは命令を含み、前記命令は、実行されると、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
複数の日周曲線確率モデルをデータ記憶装置に記憶することであって、前記複数の日周曲線確率モデルの各々は、それぞれのユーザ人口統計と関連付けられる、記憶することと、
前記コンピューティングデバイスのうちの1つからユーザデータを受信することであって、前記ユーザデータは、複数の体温感知プローブのうちの1つによってユーザから収集された、タイムスタンプされたユーザ体温読み取り値を含む、受信することと、
前記ユーザからユーザ人口統計データを受信することであって、前記ユーザ人口統計データは、前記ユーザの年齢及び前記ユーザの性別を含む、受信することと、
前記ユーザ人口統計データに基づいて、前記複数の日周曲線確率モデルから適用可能な日周曲線確率モデルを決定することと、
前記適用可能な日周曲線確率モデル及び前記タイムスタンプされたユーザ体温読み取り値を使用して、前記ユーザの発熱を観察する確率を決定することと、を行わせる、病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項19】
前記命令は、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
前記ユーザの発熱を観察する前記確率の指標を前記コンピューティングデバイスに提供させる、請求項18に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項20】
前記命令は、前記病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
前記ユーザの発熱を観察する前記確率の指標を第三者コンピューティングデバイスに提供させる、請求項18又は19に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項21】
前記体温感知プローブは、医療用体温計である、請求項18~20のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【請求項22】
前記体温感知プローブは、ウェアラブルフィットネストラッカーである、請求項18~21のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【請求項23】
前記コンピューティングデバイスの各々は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びデスクトップコンピュータのうちのいずれかである、請求項18~22のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項24】
前記複数の日周曲線確率モデルは、年齢によって区分された日周曲線確率モデルを含む、請求項18~23のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項25】
前記複数の日周曲線確率モデルは、性別によって区分された日周曲線確率モデルを含む、請求項18~24のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【請求項26】
前記複数の日周曲線確率モデルは、年齢及び性別によって区分された日周曲線確率モデルを含む、請求項18~25のいずれか一項に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月7日に出願された米国特許第63/021,634号、2020年6月26日に出願された米国特許第63/044,401号、及び2020年7月24日に出願された米国特許第63/056,040号の利益を主張し、それらの開示は各々、参照によってそれらの全体が本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
正常な体温は37℃(98.6°F)と考えられているが、通常、経時的な変化が見られる。正常な個人間では、1日の平均体温は0.5℃(0.9°F)異なる場合があり、1日の変化は0.5℃~1.0℃にもなる場合がある。通常、体温の最低値は午前4時頃に現れ、ピークは午後6時頃に現れる。この概日リズムは、体温の日周曲線と称されることがある。
【0003】
特定の実施形態は、添付の図面と併せて以下の説明からよりよく理解されると考えられ、それらの図面において、同様の参照は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0004】
図1】1つの非限定的な実施形態による、エンドツーエンドの病気データ収集及び処理システムを概略的に示す。
図2】複数のユーザからの、24時間の期間にわたる体温読み取り値の傾向線を示す。
図3】年齢及び性別によって区切られた、体温測定時に発熱していると識別されたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットである。
図4】年齢及び性別によって区切られた、体温測定時に発熱していないと識別されたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットである。
図5】年齢及び性別によって区切られた、体温測定時に発熱していると識別されたユーザからの経時的な体温データポイントの追加のプロット、並びに年齢及び性別によって区切られた、体温測定時に発熱していないと識別されたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットである。
図6】年齢及び性別で区切られたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットであり、カットポイントは12時間である。
図7】年齢及び性別で区切られたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットであり、カットポイントは36時間である。
図8】年齢及び性別で区切られたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットであり、カットポイントは時間である。
図9】年齢及び性別で区切られたユーザからの経時的な体温データポイントのプロットであり、カットポイントは時間である。
図10】異なる年齢群について、かつ性別によって区切られた日内変動パターンを示す。
図11】年齢群及び性別によって区切られた、所与の時刻中に発熱を観察する確率を提供するプロットである。
図12】特定のユーザの体温読み取り値に適用される複数の日周曲線確率モデルから日周曲線確率モデルを識別する動作例を概略的に示す。
図13】ユーザデータに基づいてベースライン日周曲線を生成し、続いて体温読み取り値分析のためにベースライン日周曲線を使用して動作例を概略的に示す。
図14】発熱性疾患を検出するために実施され得るステップの例示的なセットのフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0005】
ここで、開示されるシステム、装置、デバイス、及び方法の、構造、機能、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、本開示の様々な非限定的な実施形態が説明される。これらの非限定的な実施形態の1つ以上の実施例は、添付の図面の図1~14を参照して開示され詳細に説明される、選択された実施例において例示される。当業者は、本明細書に具体的に記載され、添付の図面に例示されるシステム、装置、デバイス、及び方法が非限定的な実施形態であることを理解するであろう。1つの非限定的な実施形態と併せて例示又は説明される特徴は、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わせられ得る。かかる修正及び変形は、本開示の範囲内に含まれることが意図される。
【0006】
本明細書で開示されるシステム、装置、デバイス、及び方法は、例として、図面を参照して詳細に説明される。本明細書で考察される実施例は、単なる例であり、本明細書に記載の装置、デバイス、システム、及び方法の説明を補助するために提供される。図面に示されるか若しくは以下で考察される特徴又は構成要素のいずれも、明確に必須であると指定されない限り、これらの装置、デバイス、システム、又は方法のいずれの特定の実装形態にも必須であるとみなされるべきではない。読みやすく明確にするため、特定の構成要素、モジュール、又は方法は、特定の図に関連してのみ説明される場合がある。本開示では、特定の技術、配置などの任意の識別は、提示される特定の実施例に関連するか、又はかかる技術、配置などの一般的な説明に過ぎない。特定の詳細又は実施例の識別は、必須又は制限として具体的に指定されない限り、そのように解釈されることを意図するものではなく又は解釈されるべきではない。構成要素の組み合わせ又は下位の組み合わせを具体的に説明できていないことは、任意の組み合わせ又は下位の組み合わせが不可能であることを示すものとして理解されるべきではない。開示及び記載された実施例、配置、構成、構成要素、要素、装置、デバイス、システム、方法などへの変形形態が、特定の用途のために行われ得ること、及び所望され得ることが理解されよう。また、記載された任意の方法について、方法がフロー図と併せて記載されているかどうかにかかわらず、文脈によって別途指定又は要求されない限り、方法の実行において実施されたステップの明示的又は暗黙的な順序付けは、それらのステップが提示された順序で実施されなければならないことを意味するものではなく、代わりに異なる順序で、又は並行して実施され得ることを理解されたい。
【0007】
本明細書全体を通して、「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「一実施形態」、「いくつかの例示的な実施形態」、「1つの例示的な実施形態」、又は「ある実施形態」への言及は、任意の実施形態と併せて記載される特定の特徴、構造、又は特性が少なくとも1つの実施形態に含まれることを意味する。したがって、本明細書全体を通じた箇所における「様々な実施形態では」、「いくつかの実施形態では」、「一実施形態では」、「いくつかの例示的な実施形態では」、「1つの例示的な実施形態では」、又は「ある実施形態では」という語句の出現は、必ずしも全て同一の実施形態を言及しているわけではない。更に、特定の特徴、構造、又は特性は、1つ以上の実施形態において任意の好適な様式で組み合わされてもよい。
【0008】
以下でより詳細に記載されるように、本開示は、概して、モバイル通信デバイスと通信する体温感知プローブを使用する人々から体温データを収集するためのシステム及び方法に関する。様々な実施形態によれば、本明細書に記載のシステム及び方法は、体温の追跡及び分析から生成された体温測定データセット(例えば、日周曲線、体温タイムライン、体温範囲、又は他のデータセットとして記憶若しくは表される)を利用して、個人が病気を有しているかどうかを判断することができる。かかるアプローチは、従来の技術よりも正確かつ早期にかかる判断を行うことができる。例えば、以下でより詳細に記載するように、病気は、発熱又は他のより明らかな症状が提示される数時間前に存在する可能性のある体温データセットの特徴(例えば、日周曲線の予期しない形状、その時点におけるそのタイプのユーザの特定の範囲外の体温)に基づいて、発熱の発症前に検出することができる。更に、ユーザの年齢及び性別もまた本開示の実施形態によって利用されて、ユーザの体温データセットを更に査定し、期待値からの逸脱があるかどうかを決定することもできる。
【0009】
加えて、発熱は炎症反応の一部であるため、悪性腫瘍及び自己免疫疾患を含む非感染性疾患で起こり、日内変動パターンの影響も受ける。日周パターンなどの体温データセットが炎症反応の影響を受ける可能性があるという事実は、臨床的及び公衆衛生上非常に重要である。ただし、この体温の日周パターンのために、体温データセットの体温測定値を1日の間違った時間にキャプチャすると、真の発熱を検出する可能性が低下する場合がある(例えば、24時間期間中の第1のポイントで測定された場合、98.6°Fの体温は正常とみなされ得るが、24時間期間中の第2のポイントで測定された場合、基礎疾患を示し得る)。体温の日周パターン及び他の体温データセットが、特定の時間に行われた個々の測定値にどのように関連するかを理解することは、臨床及び公衆衛生目的で真の発熱を検出する能力に影響を及ぼす可能性がある。本明細書に記載のいくつかの実施形態によれば、体温のモデルを使用して、例えば、時刻に応じて、異なる年齢群にわたって発熱エピソード中に真の発熱を検出する確率を決定することができる。
【0010】
本明細書に記載のシステム及び方法は、1つ以上のモバイルコンピューティングデバイスと通信可能に結合された体温感知プローブ(本明細書では「スマートヘルスサポートアプリ」、「スマート体温計」、又は「複数のスマート体温計」と称される)を利用することができる。いくつかの実施形態では、体温感知プローブは、口腔体温計、額体温計、又は耳体温計であり、これらを使用して、一定期間にわたってユーザの体温を断続的に測定することができる。他の実施形態では、体温感知プローブは、スマートウォッチ、フィットネストラッカー、心拍数監視装置、又は他のタイプの連続体温監視デバイスなどの、「ウェアラブルデバイス」と呼ばれることもある、コンパクトなウェアラブルコンピュータに組み込むことができる。更に他の実施形態では、体温感知プローブは、病院又は臨床現場での患者の連続的な体温監視のために使用されるデバイスに組み込むことができる。いずれにせよ、一連の断続的な体温測定(すなわち、1日当たり3回以上)に基づいて、又は継続的な体温測定に基づいて、本開示によるいくつかのシステムは、ユーザの体温データセット又は日周曲線の変化を追跡及び監視することができる。以下で詳細に記載されるように、ユーザの日周曲線パターン、ユーザの年齢、及びユーザの性別によって呈される特性又は変化に基づいて、システムは、病気の早期発症を検出し、それに応じてユーザに通知することができる。一例として、これには、その特定のユーザの履歴データとの比較、又はその特定のユーザと同様の特性を有する様々なユーザから収集されたデータとの比較、又はその両方によって識別された特性若しくは変化が含まれてもよい。
【0011】
図1は、1つの非限定的な実施形態による、エンドツーエンドの病気データ収集及び処理システム100を概略的に示す。かかる病気データを利用して、本開示に従ってユーザの日周曲線を追跡及び分析することができる。システム100は、補助ユーザデバイス104(例えば、スマートフォン、タブレット、コンピュータなど)と通信可能に結合された体温感知プローブ102(例えば、医療用体温計、オンボード体温センサを備えたウェアラブルデバイスなど)を含むことができる。体温感知プローブ102は、体温センサを含み得、いくつかの実装形態では、プロセッサ、メモリ、通信デバイス、並びに体温データを測定、解釈、及び送信するのに必要とされ得る他の構成要素を含み得る。補助ユーザデバイス104は、ネットワーク接続を介して、1つ以上のクラウドサーバ、仮想サーバ、物理サーバ、又は他のコンピューティング環境などの1つ以上のサーバ108と結合されている。各サーバ108、及び各補助ユーザデバイス104は、情報を受信、送信、記憶、分析、及び操作するのに必要であり得る1つ以上のプロセッサ、通信デバイス、記憶デバイス、又は他の構成要素を有し得る。いくつかの実施形態では、ユーザは、ユーザの健康及び/又は他の人口統計情報に関連する様々なデータを補助ユーザデバイス104に提供することができる。場合によっては、ユーザは、ユーザの年齢及び性別などの各プロファイルと関連付けられた追加のコンテキストデータを用いてプロファイルを設定することができる。日周曲線などのいくつかの体温データセットは、ユーザの年齢及び性別に部分的に基づいていてもよい。以下に記載されるように、反転などの、特定のユーザの日周曲線の予想される形状からの逸脱、又は体温データセットに存在する他の逸脱は、病気の先行指標であり得る。追加的又は代替的に、本明細書で提供される体温データセット分析に基づいて、発熱エピソード中のユーザの真の発熱を検出する確率を決定し、ユーザ又は他の受信者に提供することができる。追加的又は代替的に、本明細書で提供される体温データセット分析に基づいて、発熱性疾患が識別されるときのカットオフ体温が、年齢及び性別だけでなく、ユーザによって提供され得るか補助ユーザデバイス104によって決定され得るか又は別様に決定され得る任意の他の要因に加えて、体温が取得された時刻に基づいて、調整され得る。
【0012】
体温読み取り値を含むユーザデータは、補助ユーザデバイス104によって、サーバ108に送信することができる。いくつかの事例では、体温感知プローブ102は、コンピューティングデバイス104の助けなしにデータをサーバ108に直接送信するように構成されてもよい。いずれにせよ、サーバ108は、コンピューティングデバイス104又は体温感知プローブ102から送信される様々なタイプのデータを、データインフラストラクチャ118の1つ以上のデータベース110に記憶するように構成することができる。データインフラストラクチャ118に提供されるデータとしては、体温感知プローブ102で個人が自身の体温を計った時刻、測定時の個人の場所(例えば、全地球測位衛星信号又は補助ユーザデバイス104からの他の場所信号に基づく)、測定時の個人の心拍数(例えば、補助ユーザデバイス104の心拍数監視装置による測定に基づく)、及びユーザによる最近の身体活動の任意の指標(例えば、個人が最近激しい運動を行っていたことを示す補助ユーザデバイス104からの指標であり、加速度計、ステップカウンタ、又は他のセンサによる測定値に基づいて決定され得るもの)が挙げられ得る。したがって、図1の体温感知プローブ102は、体温データポイントの経時的な収集(又は連続的な測定)を可能にし、これによりシステムの特定のユーザの体温データセットを追跡し、その期間にわたって他のデータ(例えば、特定の測定値の正確な時間、又は高い周囲熱又は激しい活動など、その測定値中に存在する他の特徴)と関連付けることができるようになる。この体温データセットは、日周曲線又は他のデータ構造として表現されてもよく、比較、分析、及び他の活動に使用されてもよく、以下でより詳細に説明する。
【0013】
データインフラストラクチャ118はまた、分析エンジン112などのデータを処理するための様々なエンジン、及びデータへのアクセスを許可するため若しくは別様にデータを報告するための、ユーザAPI114などの様々な技術を含むこともできる。示されるように、API114は、例えば、ユーザアプリケーション116のデータの提示を可能にすることができる。ただし、任意の好適な技術を使用してデータインフラストラクチャ118からユーザアプリケーション116に情報を送信することができることを理解されたい。加えて、いくつかの実施形態では、第三者データ106として示されている、体温感知プローブ102によって生成されない他のデータセットもまた、サーバ108によって取り込むことができる。例えば、サーバ108は、Centers for Disease Control and Prevention(CDC)のWeekly U.S.Influenza Surveillance ReportからWebデータを、又は他のデータソースからデータを取り出すことができる。
【0014】
1つ以上の実装形態によれば、精度を向上させるために、サーバは、無効である、有用でない、又は誤りの可能性のある任意のデータポイントを何らかの方式で破棄するための品質チェックを実施することができる。例えば、体温感知プローブ102によって収集された体温読み取り値が人体の体温範囲外にある場合、ルールを適用して、それらの個々の読み取り値を破棄することができる。初期クリーンアップ後、及び任意の他の前処理ステップの実施後、スマート体温計から収集された生データから、個々のレベルの体温データセット(例えば、時間若しくは他の特性に関連する体温の日周曲線又は他の表現)を派生させることができる。体温データセットの分析を実施して、個人が病気であるかどうかを査定及び検出し、又は他のタイプのデータセットに基づく分析を提供することができる。各々が日周曲線として表現された体温データセットを示す図2~11によって提供されるように、かかる査定は、他の要因の中でもとりわけ、ユーザの年齢及び性別に基づくことができる。反転などの日周曲線の形状の変化は、病気の有無を示すことができる。注目すべきことに、日周曲線のかかる変化は、ユーザが実際に発熱を呈する前に現れる場合がある。図2~11は、日周曲線として表される体温データセットを示すが、本明細書に開示されるシステム及び方法を実装して、日周曲線を使用することに加えて、又は日周曲線を使用する代替として、様々な方式で体温データセットを表現及び分析し得ることを理解されたい。
【0015】
ここで図2を参照すると、プロット200は、図1のシステム100によって収集された多数の個人からの体温測定値202を示す。体温測定値202は、典型的には、個人が発熱又は他の病気関連の症状を経験している間にその個人から収集されたことに留意されたい。図2における各個人の体温読み取り値202は、体温感知プローブ102(図1)によって体温読み取り値が収集された時刻に対してプロットされ、X軸は午前0時を起点としている。個人の体温測定値202の傾向線204は、初期ピーク、続いて谷208を有する体温の日周曲線を明らかにする。
【0016】
図2は、システム100の全てのユーザにわたるデータポイントの例示的なプロットを示すが、図3は、年齢群及び性別の両方に基づいてデータポイントを区切る一連のプロット302~324を提供する。図2にプロットされたデータセットと同様に、図3にプロットされたデータポイントは、システム100の、発熱を有すると識別されたユーザからのものであることに留意されたい。示されるように、プロット302は、体温感知プローブ102によって収集された0~5歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット304は、体温感知プローブ102によって収集された5~10歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット306は、体温感知プローブ102によって収集された10~15歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット308は、体温感知プローブ102によって収集された15~20歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット310は、体温感知プローブ102によって収集された20~30歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット312は、体温感知プローブ102によって収集された30~40歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット314は、体温感知プローブ102によって収集された40~45歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット316は、体温感知プローブ102によって収集された45~50歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット318は、体温感知プローブ102によって収集された50~55歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット320は、体温感知プローブ102によって収集された55~60歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット322は、体温感知プローブ102によって収集された60~65歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット324は、体温感知プローブ102によって収集された65歳を超えるユーザによるデータポイントを含む。
【0017】
図4は、年齢群及び性別に基づいてデータポイントを区切る、別の一連のプロット402~424を提供する。ただし、図4にプロットされたデータポイントは、システム100の、発熱を有しないと識別されたユーザからのものである。示されるように、プロット402は、体温感知プローブ102によって収集された0~5歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット404は、体温感知プローブ102によって収集された5~10歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット406は、体温感知プローブ102によって収集された10~15歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット408は、体温感知プローブ102によって収集された15~20歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット410は、体温感知プローブ102によって収集された20~30歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット412は、体温感知プローブ102によって収集された30~40歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット414は、体温感知プローブ102によって収集された40~45歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット416は、体温感知プローブ102によって収集された45~50歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット418は、体温感知プローブ102によって収集された50~55歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット420は、体温感知プローブ102によって収集された55~60歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット422は、体温感知プローブ102によって収集された60~65歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット424は、体温感知プローブ102によって収集された65歳を超えるユーザによるデータポイントを含む。
【0018】
ここで図5を参照して、第1の一連のプロット502~506は、発熱している3人の別個の年齢群のユーザを示しており、データは各プロット内で性別によって区切られている。プロット502は、体温感知プローブ102によって収集された、概ね10歳未満の思春期前のユーザによるデータポイントを含む。プロット504は、体温感知プローブ102によって収集された、概ね青春期後の概ね更年期前である、10歳~50歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット506は、50歳を超えるユーザによって体温感知プローブ102によって収集されたデータポイントを含む。比較のために、図5の第2の一連のプロット508~512は、発熱していない3人の別個の年齢群のユーザを示す。プロット508は、体温感知プローブ102によって収集された、概ね10歳未満の思春期前のユーザによるデータポイントを含む。プロット510は、体温感知プローブ102によって収集された、概ね青春期後の概ね更年期前である、10歳~50歳のユーザによるデータポイントを含む。プロット512は、体温感知プローブ102によって収集された50歳を超えるユーザによるデータポイントを含む。
【0019】
本開示によれば、ユーザの群の日周曲線パターンは、例えば、日周曲線のダイナミクスをモデル化する目的で、年齢及び性別によって群分けすることができる。特に、日周曲線は、ユーザの年齢、性別、及び健康であるか否かに基づいた特性を有することが示されている。したがって、本開示によるモデリングを使用して、例えば、一定期間にわたる複数の体温読み取り値を通じて決定されるユーザの年齢、性別、及びそれらユーザの日周曲線に基づいて、病気、感染等を識別することを補助することができる。本開示によれば、ユーザの日周曲線に変化が検出されると、発熱の開始前であっても、例えば病気又は感染症の先行指標となり得る。
【0020】
本開示によれば、システムは、任意の好適なアプローチを使用して、ユーザの日周曲線の変化を検出することができる。第1の実施形態では、例えば、アルゴリズム又はルーチンは、体温感知プローブ102によって経時的に測定されるユーザの実際の日周曲線を、健康なユーザに対して予想される日周曲線と比較することができる。上述のように、予想される日周曲線は、例えば、ユーザの年齢及び性別に基づいてもよい。いくつかの実施形態によれば、システムは、10歳未満のユーザに対する第1の予想される男性及び女性の日周曲線のセット、10歳~50歳のユーザに対する第2の予想される男性及び女性の日周曲線のセット、並びに50歳を超えるユーザに対する第3の予想される男性及び女性の日周曲線のセットを格納することができる。ただし、理解されるように、本開示の範囲から逸脱することなく、様々なユーザセグメントの任意の数の予想される日周曲線をシステムによって記憶することができる。
【0021】
ユーザの年齢及び性別に基づく実際の日周曲線と予想される日周曲線との比較に続いて、2つの曲線間の偏差の大きさを利用して、ユーザが潜在的に病気であるかどうかを判断することができる。例えば、偏差の大きさが閾値量を超える場合、ユーザに、(例えば、補助ユーザデバイス104で実行されるモバイルアプリケーションを介して)ユーザの潜在的な病気を警告することができる。いくつかの実施形態では、例えば、発熱を決定するための閾値は、特定のユーザに対して体温が収集された時点で曲線に沿って測定されるように、ベースライン曲線よりも約1.8°F高く設定することができる。他の実施形態では、発熱を決定するための閾値は、特定のユーザの体温が収集された時点で曲線に沿って測定されるように、ベースライン曲線よりも約2.0°F高くで設定することができる。いくつかの実施形態では、発熱を決定するための閾値は、約1.8°F~2.0°F超の範囲内にすることができる。いくつかの実施形態では、発熱を決定するための閾値は、1.8°F未満の値、又は2.0°Fより高い値で設定することができる。更に、閾値は、異なる時刻で異なる閾値が使用されるように、曲線に沿って異なっていてもよい。追加的又は代替的に、第1の閾値は、ユーザの第1の群のために利用することができ、第2の閾値は、ユーザの第2の群によって利用することができる。ユーザの第1の群は、第1の人口統計内のユーザであることができ、ユーザの第2の群は、例えば、第2の人口統計内のユーザであることができる。ユーザの人口統計は、年齢、性別、及び/又はそれらの組み合わせに基づくことができる。
【0022】
別の実施形態によれば、システムは、複数の異なる年齢区分の各々に対して、健康なユーザに対する1セットの男性及び女性の日周曲線と、病気のユーザに対する第2の1セットの男性及び女性の日周曲線とを記憶することができる。ユーザの年齢及び性別に基づいて、システムは、体温感知プローブ102によって経時的に(すなわち、24時間の時間枠にわたって3回以上)測定されるユーザの実際の日周曲線を、健康なユーザに対する日周曲線及び病気のユーザに対する日周曲線と比較することができる。実際の日周曲線が、統計的に健康な日周曲線により近いとみなされるか又は病気の日周曲線により近いとみなされるかに応じて、システムは、ユーザが潜在的に病気であり得、ユーザに警告するか、又は必要に応じて他の行動を取るかどうかを査定することができる。上記の例では、体温データセット及び体温データセットを使用した分析の記憶は、ローカルで(例えば、補助ユーザデバイス104及び体温計102の一方又は両方で)、遠隔で(例えば、データインフラストラクチャ118で)、又は両方で発生し得る。一例として、初期分析は、新たなデータが個人の体温データセットに追加された直後に補助ユーザデバイス104によって実施され得、ここで、新たなデータは、その個人の履歴データ及び/又は多くの他の個人からの集計データセットと比較され得、かかる分析の結果は、測定のほぼ直後にその個人に提供され得る(例えば、ユーザが病気である可能性があることの通知、及び隔離、休息、及び更なる測定を実施するための通知)。データインフラストラクチャ118によってより深い分析が並行して実施されてもよく、これにより新たなデータポイントをより大きな比較データセットと比較してもよく、先のローカル分析を確認又は修正するより徹底的な分析を提供するために、より洗練された比較の方法(例えば、人工知能)を使用してもよい。
【0023】
ここで日周曲線又は他の体温データセットのモデリングを参照すると、概して、日周曲線の平均体温は年齢と共に低下する。モデリングに対する平均体温を推定するために、最小二乗回帰モデルを、正弦波時間成分並びに年齢群及び性別の相互作用項で使用することができる。いくつかの実施形態では、12時間周期の正弦項及び余弦項、並びに24時間周期の正弦項及び余弦項、の4つの正弦波が使用されるが、本開示はそのように限定されない。このアプローチは、周期性を強制しながら、記述的プロットで観察される振動パターンと一致させることができる。これらの4つの項の各々は、年齢群及び性別と相互作用し、また互いにも相互作用する。
【0024】
所与の期間中に発熱を記録する確率を推定するために、対数リンク及び二項分布を有する一般化された線形モデルを、年齢及び性別と相互作用する平均体温モデルと同じ正弦波成分と共に使用することができる。最後に、平均体温曲線、及び代表的なヘルスケア集団についての発熱を記録する確率の両方を推定することができる。パラメータ推定値は、例えばBureau of Labor Statisticsの年齢別雇用パーセンテージの内訳を使用して重み付けすることができ、デルタ法を使用してこれらの推定値の周りの信頼区間を推定することができる。
【0025】
したがって、本開示によれば、正弦波モデルを利用して、年齢及び性別を制御しながら時刻による平均日内変動パターンを推定することができる。様々な年齢群に対する性別による日内変動パターンが図10に描写される。全ての人口統計学に対する単変量記述プロットと同様に、病気エピソード中の体温は、周期的なパターンに従う傾向がある。平均体温は午前中のある時点まで下がって底値に達し、次いで夕方のある時点まで上がってピークに達する。全体的な曲線は、より高年齢群の場合はより低くなる傾向があり、16~55歳の男性の場合、1日を通した平均体温は女性より高くなる傾向がある。これは、16歳未満又は55歳を超える個人の場合には見られないようである。
【0026】
本開示によれば、病気エピソードは、様々なアプローチを使用して構築することができる。いくつかの実施形態では、例えば、病気エピソードは、最初に体温の読み取り値を、特定のデバイスユーザの病気の期間を表す可能性が高い活動の集団にグループ化することによって構築することができる。一連の日々にわたって記録された体温読み取り値を折り畳むことができ、これらのエピソードを使用して、例えば、病気の継続時間、家庭内伝染イベント、及び二相性発熱パターン(短期間に連続して発生した2回の異なる発熱エピソード)を識別することができる。注目すべきことに、これらの病気パターンの各々は、インフルエンザ様疾患活動と高度に相関することも示されている。
【0027】
いくつかの形態のモデリングによれば、別の読み取り値の一定の間隔内に発生する特定の体温感知プローブ102(図1)に記録された同じユーザプロファイルによる全ての読み取り値を、あるエピソードに群分けすることができる。例えば、エピソードを定義するための読み取り間の最大値として24時間を使用することができるが、本開示はそのようには限定されない。一部のユーザは、定期的に繰り返し読み取り値を取得し得るため(例えば、不妊治療計画)、典型的な病気よりも長く続くエピソードを除外することができる(すなわち、7日間)。病気エピソードは、例えば、エピソード間隔中に少なくとも1回の発熱が記録されたエピソードとして定義することができる。本開示による様々な分析により、例えば、これらの識別された病気エピソードにおける読み取り値の間の日内変動体温パターンを説明することができる。
【0028】
病気エピソードを定義する方法に対する結果の感度を分析するために、病気エピソードの終了を判断するためのカットポイントを変化させることによって、感度分析を実施することができる。例えば、カットポイントは24時間から変化させることができ、平均体温分析及び発熱確率分析の両方を12時間、36時間、48時間、及び72時間のカットポイントで繰り返すことができる。これらのカットポイントの各々についての例示的なモデル予測は、それぞれ、図6~9で見ることができる。病気エピソードを識別するために使用するカットポイントを変化させる場合、モデル予測にはわずかなばらつきがあるが、24時間カットポイントモデルで観察され説明されているパターンとは大きな乖離はない。更に、大まかなパターンは性別及び年齢群全体で依然として一致しており、発熱を描く確率は明細書全体でほぼ同じである。
【0029】
例えば、所与の時刻中に発熱を観察する確率は、本開示に従って推定することもできる。発熱を観察する確率を推定するために、一般化された線形モデルを、ロジットリンク及び二項分布と共に使用することができるが、本開示はそのようには限定されない。ここで図11を参照すると、各期間の適合値が、正弦波時間成分を使用して年齢群及び性別によりプロットされている。平均体温モデルと一致して、日内変動パターンは、時刻と共に周期型で変化する。
【0030】
個人の特定の年齢及び性別に応じて、病気エピソード中に発熱を記録する確率は、時刻によってかなり異なる場合があり、その場合、発熱を記録することには100°Fを超える個人の体温を正確に測定することを含む。このように、本開示による体温計からの体温計読み取り値の大規模な収集に基づいて、発熱エピソード中の対象間の体温読み取り値の変化を見ることができる。これらの読み取り値に基づいて、体温パターンは明確な日内変動パターンに従い、したがって発熱(例えば、体温>100°F)を記録する可能性もまた変化する。可能性は時間によってのみでなく、年齢及び性別によっても異なる。体温感知プローブ102によって収集された体温データについて、例えば、本明細書に記載のシステム及び方法は、発熱エピソードが与えられた場合に、所与の年齢及び性別の個人が特定の時点に測定可能な発熱を呈し得る確率の、集団ベースの推定値を提供することができる。例として図11を参照すると、現在発熱性疾患を患っている65歳を超える男性個人は、午前9時頃に100°F超が測定される見込みが30%あり、午後8時頃に100°F超が測定される見込みが55%ある。
【0031】
ここで図12を参照すると、動作例が概略的に示されている。ユーザの体温が、図1の体温感知プローブ102によって取得されていることが描写されている。体温読み取り値は、補助ユーザデバイス104によって病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に送信することができ、又は、場合によっては、体温感知プローブ102は、コンピューティングデバイス104の補助なしに病気検出追跡及びコンピューティングシステム162にデータを直接送信するように構成されてもよい。
【0032】
いくつかの実施形態では、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162は、図1に示されるように、サーバ108及び関連するデータインフラストラクチャ118と同じか又は類似の機能を提供することができ、例えば、パーソナルコンピュータ、ラップトップ、サーバ、メインフレーム、又は複数のコンピュータの集合(例えば、ネットワーク)などの、任意の好適なプロセッサベースのデバイス若しくはシステムを使用して提供することができる。病気検出及び追跡コンピューティングシステム162は、1つ以上のプロセッサ152及び1つ以上のコンピュータメモリユニット154を含むことができる。便宜上、図12には1つのプロセッサ152及び1つのメモリユニット154のみが示されている。プロセッサ152は、メモリユニット154に記憶されたソフトウェア命令を実行することができる。プロセッサ152は、1つ又は複数のコアを有する集積回路(IC)として実装することができる。メモリユニット154は、揮発性及び/又は不揮発性メモリユニットを含み得る。揮発性メモリユニットは、例えば、ランダムアクセスメモリ(RAM)を含むことができる。不揮発性メモリユニットは、例えば、読み出し専用メモリ(ROM)、並びに例えば、ハードディスクドライブ、光ディスクドライブなどの機械的不揮発性メモリシステムを含むことができる。RAM及び/又はROMメモリユニットは、例えば、個別のメモリICとして実装することができる。
【0033】
メモリユニット154は、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162のための実行可能なソフトウェア及びデータを記憶することができる。病気検出及び追跡コンピューティングシステム162のプロセッサ152がソフトウェアを実行したときに、プロセッサ152に、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162の様々な動作を実施させることができる。病気検出及び追跡コンピューティングシステム162によって使用されるデータは、例えば電子コンピュータデータベースであり得る1つ以上のデータベースを有するデータインフラストラクチャ156などの、様々なソースからのものであることができる。データインフラストラクチャ156に記憶されたデータは、ハードディスクドライブ、読み出し専用メモリ(例えば、ROM IC)、又は他のタイプの不揮発性メモリなどの不揮発性コンピュータメモリに記憶することができる。いくつかの実施形態では、データインフラストラクチャ156の1つ以上のデータベースは、例えば、リモート電子コンピュータシステムに記憶することができる。理解されるように、様々な他のデータベース、又は他のタイプのメモリ記憶構造が、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162に利用され得るか又は別様に関連付けられ得る。
【0034】
図12に示されるように、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162は、いくつかのコンピュータサーバを含むことができる。例えば、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162は、1つ以上のアプリケーションサーバ158、Webサーバ160、及び/又は任意の他のタイプのサーバを含むことができる。便宜上、図12には、1つのアプリケーションサーバ158及び1つのWebサーバ160のみが示されているが、本開示はそのように限定されないことが認識されるべきである。サーバは、コンテンツが、テキストベースメッセージ、マルチメディアメッセージ、電子メールメッセージ、スマートフォン通知、webページなどの任意の数の形式で、コンピューティングデバイス104及び/又は他の受信者コンピューティングシステムに送信されるようにすることができる。サーバ158及び160は、プロセッサ(例えば、CPU)、メモリユニット(例えば、RAM、ROM)、不揮発性記憶システム(例えば、ハードディスクドライブシステム)などを備えることができる。
【0035】
Webサーバ160は、グラフィカルなWebユーザインターフェースを提供することができ、Webユーザインターフェースを介して、システムの様々なユーザは、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162と対話することができる。Webサーバ160は、クライアントからの(例えば、コンピューティングデバイス104のWebブラウザ経由などの)HTTP要求などの要求を受け付け、Webページ(例えば、HTMLドキュメント)及びリンクされたオブジェクト(画像、ビデオなど)などの任意選択のデータコンテンツと共に、HTTP応答などのクライアント応答に役に立つことができる。
【0036】
アプリケーションサーバ158は、Webブラウザを使用して病気検出及び追跡コンピューティングシステム162と通信しないユーザのための、ユーザインターフェースを提供することができる。かかるユーザは、通信ネットワーク経由でアプリケーションサーバ160と通信することを可能にする、コンピューティングデバイス104にインストールされた特別なソフトウェアを有することができる。かかるソフトウェアは、例えば、病気検出及び追跡コンピューティングシステム162、又は他のソフトウェアアプリケーションプロバイダから、通信ネットワークを介して、かかるコンピューティングデバイスにダウンロードすることができる。
【0037】
病気検出及び追跡コンピューティングシステム162の実施形態はまた、クラウドコンピューティング環境に実装されてもよい。「クラウドコンピューティング」は、仮想化を介して迅速にプロビジョニングされ、最小限の管理労力若しくはサービスプロバイダインタラクションでリリースされ、次いでそれに応じてスケーリングされ得る、構成可能なコンピューティングリソース(例えば、ネットワーク、サーバ、記憶装置、アプリケーション、及びサービス)の共有プールへのユビキタスで便利なオンデマンドのネットワークアクセスを可能にするためのモデルとして定義され得る。クラウドモデルは、様々な特徴(例えば、オンデマンドセルフサービス、幅広いネットワークアクセス、リソースの共有、迅速な拡張性、サービスが計測可能であることなど)、サービスモデル(例えば、サービスとしてのソフトウェア(「SaaS」)、サービスとしてのプラットフォーム(「PaaS」)、サービスとしてのインフラストラクチャ(「IaaS」)、及び展開モデル(例えば、プライベートクラウド、コミュニティクラウド、パブリッククラウド、ハイブリッドクラウドなど)から構成することができる。
【0038】
補助ユーザデバイス104によって病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に送信される体温データに加えて、ユーザに関する追加データもまた提供され得る。図12に概略的に示されるように、人口統計データを病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に供給することができる。人口統計データは、例えば、ユーザの性別及びユーザの年齢を含むことができる。理解されるように、人口統計データは、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に体温データと同時に供されることができ、又は人口統計データは、例えばユーザプロファイルの一部として病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に提供され得るか、若しくは他の好適なデータ取り込みプロセスを介して提供され得る。
【0039】
概略的に示されるように、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162は、上述のように、各々が特定の人口統計学的特性又は他の特性に対応し得る複数の日周曲線確率モデル164又は他の体温データセットを記憶することができる。ユーザと関連付けられた年齢及び性別などのデータに基づいて、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162は、記憶された日周曲線確率モデル164又は他の体温データセットのうちのいずれがユーザに適用可能であるかを決定することができる。記憶された日周曲線確率モデルが識別されると、体温読み取り値が取得された時刻が、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162によって使用されて、病気エピソード中にユーザの発熱を検出する確率を決定することができる。例として、65歳を超える男性個体は、午前9時頃に発熱を登録する見込みは約30%であるが、午後8時に発熱を登録する見込みは55%である(例えば、図11を参照のこと)。かかる確率の指標は、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162によって、コンピューティングデバイス104を介するなどの任意の好適な形式で、ユーザに提供することができる。一例として、これには、体温計102による最近の測定後に補助ユーザデバイス104がかかる測定の結果の指標を提供することだけでなく、最近の測定が発熱を示していないにもかかわらず発熱性疾患が存在するであろう確率、又は最近の測定が発熱を示しているにもかかわらず発熱性疾患が存在し得ない確率を提供することが含まれ得る。補助ユーザデバイス104は、自動体温測定を実施するように更に構成されてもよく、又はある時刻中、若しくは発熱性疾患を検出する確率を最大にする他の特性が存在するときに、手動体温測定を実施する提案(例えば、上の例に続いて、ユーザが体温計102でそのユーザの体温を測定することを提案する午後8時の自動通知)をユーザに提供するように更に構成されてもよい。
【0040】
いくつかの実施形態では、かかる確率の指標は、代替的又は追加的に、医療従事者、スクリーナー、又は体温感知プローブ102を使用するオペレータなどの別の受信者に提供されて、例えば他人の病気をスクリーニングすることができる。したがって、体温感知プローブ102を使用して収集された体温情報を、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に提出することに加えて、オペレータは、体温を収集した人物に関する補足情報(年齢及び性別など)を提出することもできる。人物の年齢及び性別に基づいて、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162は、オペレータによってスクリーニングされている人物に対して適用可能な日周曲線確率モデル又は他の体温データセットを識別することができる。次いで、適用可能な日周曲線確率モデル若しくは他の体温データセット、及びオペレータが人物若しくは他の特性から体温を取得した時刻を考慮して、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162は、その人物について病気エピソード中に発熱を検出する確率を決定することができる。かかる決定は、信頼性スコア又は他のメトリックの形式などの任意の好適な様式で、スクリーナー又は他の受信者に提示することができる。
【0041】
ここで図13を参照すると、様々な実施形態によれば、特定の個々のユーザの日周曲線などの体温データセットは、ユーザの履歴データに基づいて生成され得、次いで、その特定のユーザからの後続の体温読み取り値の分析のためのベースラインとして使用され得る。例として、ユーザA~Nが健康であるとき、各ユーザは、体温感知プローブ102A~Nを利用して、図13に「ユーザデータ」として概略的に示される一連の体温読み取り値を、一定期間にわたって病気検出追跡及びコンピューティングシステム162に提出することができる。例えば、ユーザA~Nの各々は、目覚めたときにそのユーザの体温読み取り値を提出し、次いで、ユーザの体温感知プローブ102A~Nを介して、様々な間隔でかつ/又は終日にわたる特定の時刻に体温を提出し続けることができる。ユーザ102A~Nは、例えば、2~3日などの特定の期間にわたってこのルーチンに従うことができる。いくつかの実施形態では、例えば、コンピュータユーザデバイス104A~Nで実行されるモバイルアプリケーションは、体温読み取り値がいつ取得されるべきかをユーザ102A~Nに示すことができる。代替的に、ウェアラブルな体温感知プローブ、又は他のタイプの好適な体温収集デバイスによって、ユーザに対する一定期間にわたる連続的な体温監視を実施することができる。
【0042】
各ユーザについて体温感知プローブによって経時的に収集された体温読み取り値に基づいて、本開示のシステム及び方法に従って、各特定ユーザについての日周曲線166などのベースライン体温データセットを、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162によって生成することができる。この例では、関連付けられたユーザA~Nに対するこれらのベースライン日周曲線は、各それぞれのユーザによって提出される体温読み取り値の将来の分析のために、病気検出追跡及びコンピューティングシステム162によって有益に使用され得る。したがって、様々な実施形態によれば、そのユーザに対する後続の体温読み取り値を、病気を示し得る日周曲線の変化を識別する目的で、そのユーザ自身のベースライン日周曲線と比較することができる。追加的又は代替的に、サーバ108は、そのユーザのベースライン日周曲線及び体温読み取りの時刻に基づいて、そのユーザの病気エピソード中の発熱を検出する確率を決定することができる。
【0043】
いくつかの実施形態では、発熱性疾患が識別されるときのカットオフ体温(上述のように、閾値体温と称されることがある)は、ユーザの日周曲線に基づいて、年齢及び性別、並びに体温が取得された時刻に基づいて調整することができる。ユーザに適用可能な日周曲線は、例えば、ユーザの年齢及び性別、又は他の特性に基づいてモデル化される日周曲線であり得る。追加的又は代替的に、適用可能な日周曲線は、上述のように、ユーザに対するベースライン日周曲線であり得る。いずれにせよ、発熱性疾患が識別されるときのカットオフ体温は、終日にわたって変化する可能性がある。例として、ユーザの体温が発熱性疾患として識別されるかどうかを決定するためのカットオフ体温又は閾値体温は、午前中はより低くすることができ、その日の後半の時点はより高くすることができる。いくつかの実施形態では、例えば、カットオフ体温は、終日にわたって約1.8°F~約2.0°Fで変化してもよい。
【0044】
本開示の様々な実施形態によれば、体温データセット追跡及び/又はモデリングはまた、様々なタイプの医療診断検査に供されているユーザの検査前評価にも使用することができる。例として、多くの場合、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス2(SARS-CoV-2)に関する検査を受けている個人の体温は検査前評価の一部として取られる。熱のある人は、SARS-CoV-2を保有する検査前確率が高くなっているため、発熱の存在は、検査前確率を調整するものとなり得る。
【0045】
しかしながら、SARS-CoV-2の現在の検査プロトコルに関しては、有病率(2~5%)、感度(80~85%)、及び特異度(99.5%)の想定範囲を考慮すると、SARS-CoV-2の単一陽性検査結果は、検査前評価なしの場合の75~90%の範囲でしか正確ではない。更に、Coronavirus Disease 2019(COVID-19)は、約90%の感染者に少なくとも軽度の発熱が見られる以外は、感染者の約半数のみにしか症状を引き起こさない。しかしながら、対象集団の30~50%の発熱が疾患によって引き起こされると仮定すると、検査前評価の一環として個人の体温を測定することにより、発熱した個人に対して約98.5~99.5%の範囲で検査の精度を向上させることができる。よって、ユーザにおける発熱の存在を正確に識別することを通じて、検査の精度を大幅に向上させることができる。ユーザの自然な日周曲線及び体温データセット内に含まれる他の特性により、特定のユーザにおける発熱を正確に識別することは困難な場合がある。
【0046】
本開示による体温感知プローブ102を、本明細書に記載の日周曲線分析と共に利用して、検査前評価に使用され得る体温の有用なインサイトを有益に提供することができる。より具体的には、real-time reverse transcription polymerase chain reaction test(PCR検査)などの様々な医療検査手順の検査前確率の調整は、体温のインサイトに基づいて行うことができる。上記に提供されるように、検査を受けている特定のユーザの日周曲線は、経時的に収集されたユーザの実際の体温データ(すなわち、ユーザのベースライン日周曲線)に基づいて、かつ/又は日周曲線モデリングに基づいて(すなわち、例えば、ユーザの性別及び年齢に基づいて)生成することができる。
【0047】
いくつかの形態の検査によれば、例えば、発熱イベントの存在は、体温の1.5℃の上昇と定義することができる。その特定のユーザに適用可能な日周曲線を使用して、本明細書に提供されるシステム及び方法に従って、より正確な発熱イベントの判断を提供することができる。次に、その判断は、ユーザの検査前評価で使用することができる。例えば、発熱の有無を使用して、PCR検査及び/又は他のタイプの医療診断検査の検査前確率を調整することができる。したがって、本開示による日周曲線に基づく発熱判断は、SARS-CoV-2の個人の検査を標的化及び/又は優先順位付けするための事前スクリーニングツールとして有用であり得る。加えて、本開示に従って収集されるマクロスケールで分析されるリアルタイムの発熱データを使用して、感染者を効率的かつ迅速に識別するために、特定の地理的地域におけるSARS-CoV-2の検査を他の地域よりも優先することができる。例えば、アウトブレイクの初期段階で地理的地域を選択的に標的化することによって、伝染速度を費用対効果の高い様式で減少させることができる。
【0048】
図14は、特定の人口統計群データ又は特定のユーザデータから作成された体温データセットを使用して発熱性疾患を検出するために、図1図12及び図13に図示されているようなシステム又はその変形形態によって実施され得るステップの例示的なセットを示す。図14のステップは、単一のデバイスによって、又はデバイスの組み合わせ(例えば、体温計102、補助ユーザデバイス104、クラウドサーバ108、及びデータインフラストラクチャ118)にわたって実施され得る。
【0049】
システムは、複数の個人に関する体温測定値を経時的に記述した体温測定値の履歴データセットを受信600し得る。これらのデータセットには、体温測定値の一部又は全て、体温測定値が取られる時刻、体温測定値のソース個人に関する人口統計情報(例えば、年齢、性別、場所、センサによって測定される生理学的状態、個人によって選択される生理学的状態など)、及び個人についての一意の識別情報(例えば、システム内で一意に割り当てられた電子メールアドレス、ユーザ名、又はユーザ識別子番号)が含まれ得る。データセットは、システムと対話するときにシステムの個々のユーザから受信されてもよく(例えば、ユーザの現在の体温測定値は、その後、履歴データセットの集計に追加され得る)、又は例えば、試験若しくは研究によって作り出された集計データとしてシステムによって受信されてもよい。
【0050】
システムは、履歴測定データセットに基づいて、異なる人口統計群の複数の比較可能モデルを作成602し得る。一例として、これらの比較可能モデルは、関連するデータを履歴データセットから構造化されたフォーマットに整理するデータ構造、並びにかかるデータ構造間の比較、又はかかる構造と関連付けられた個々のデータポイントとの比較を可能にする機能若しくは方法の組み合わせであり得る。一例として、かかる構造の1つに、24時間の期間にわたって観察された体温の範囲を有する特定の人口統計群の日周曲線を表すデータ構造があり得る。かかる構造は、関数若しくは方法を含み得るか又はそれらと関連付けられてもよく、それらの関数若しくは方法は、その構造を別の類似構造と比較し、2つの構造間の任意の実質的な差異又は偏差に注目するために呼び出され得るか、又はその構造と1つ若しくは少数のデータポイントとを比較して個々のデータポイントがその構造に対して予想される範囲外にあるかどうかを決定するために呼び出され得る。複数の人口統計群モデルは、同じ履歴測定データセットから作成され得、単一の人口統計学的特性(例えば、年齢)、又は人口統計学的特性の組み合わせ(例えば、年齢+性別、年齢+性別+民族性)、又は個人の他の特性若しくは測定値が作り出された状況(例えば、地理的場所、キャプチャ時間の周囲温度、キャプチャ時間時の心拍数、キャプチャ時間の前の高い身体活動)をカバーし得る。
【0051】
システムは、特定の人口統計群についての比較可能モデルを作成すること602に加えて、又はその代替として、システムの特定のユーザについての複数の比較可能モデルを作成604し得る。ユーザ固有のモデルは、人口統計群について作成602された比較可能モデルと同様に機能してもよいが、人口統計群全体から調達されるのではなく、特定のユーザと関連付けられた履歴測定データセットから作成されてもよい。一例として、システムを最初に使用するときに、ユーザの体温測定値は、このユーザに類似する群についての人口統計群モデルを使用して分析されてもよい。システムには、数日間又は数ヶ月間にわたってそのユーザから取られた測定値が入力されるので、ユーザの体温測定値は、他の分析の代わりに又はそれに加えて、独自のユーザ固有のモデルに対して分析されてもよい。
【0052】
次いで、システムは、特定のユーザについて、現在の体温測定値、又は体温測定値のセットを受信606し得る。現在の測定値データセットは、体温測定値、並びにユーザを識別する情報(例えば、システム固有のユーザ識別子)、又はユーザの人口統計群を識別する情報(例えば、ユーザの年齢及び性別の表示)を含み得、またいくつかの実装形態では、ユーザ又は測定の状況(例えば、地理的場所、周囲温度など)を記述する追加のデータも含み得る。
【0053】
システムは、ユーザの人口統計群モデルと一致する人口統計群モデルを識別608し得、これには同一の人口統計学的特性を有するモデル、又は実質的に同じ人口統計学的特性を有するモデルを識別すること608が含まれ得る(例えば、65歳のユーザは、60~70歳のソースの体温測定値から作成されたモデルと一致し得る)。システムは、識別608されたモデルを使用して現在の測定データセットを分析し、現在の測定データセットが、識別608されたモデルによって表されるものから任意の偏差を提示するかどうかを決定612し得る。これには、ある期間にわたる複数の体温測定値を含む現在の測定データセットのデータ構造又は他のモデルを作成し、次いでモデル対モデルの分析を実施することが含まれ得、又は識別608されたモデルと1つ又はいくつかの個々の測定値とを比較すること(例えば、午前9時15分にキャプチャされた現在の測定値を、午前9時~午前9時30分にキャプチャされた履歴測定値と関連付けられたモデルの一部分と比較すること)が含まれ得る。偏差612は、上述したように1つ又はいくつかの要因に基づいて存在し得、これには、設定された閾値、範囲、偏差の大きさ、異常な曲線、プロット、線、又はモデルの他の態様の評価が含まれてもよい。
【0054】
システムは、人口統計群モデルを識別する608ことに加えて、又はその代替として、ユーザ固有モデルを識別610し得る。ユーザ固有のモデルは、システムに十分な体温測定値を提供したユーザに対して利用可能であってもよく、ユーザによって提供される特定の固有のユーザ情報(例えば、ユーザ識別子、ユーザ名、電子メールアドレスなど)と、ユーザ固有のモデルに記憶され、それと関連付けられた、同じ情報とのマッチングに基づいて識別されてもよい。識別610されたユーザ固有のモデルに対する現在の測定値の評価は、人口統計群モデルの文脈において上述したように起こり得、複数のデータポイントについてのモデル対モデルの比較、又は予想される体温測定値若しくはモデルからの任意の偏差612を識別するための1つ又はいくつかのデータポイントの評価を含み得る。
【0055】
偏差612が存在しない場合、システムは、履歴測定データセットを更新614して現在の測定値を含み得、これには、1つ以上の人口統計群モデル、ユーザ固有モデル、又は両方を更新して、新たにキャプチャされたデータポイントを説明することが含まれ得る。偏差612が識別される場合、システムは、現在の測定データセットに基づいて発熱性疾患が検出されたという表示を提供616し得、これには、(例えば、体温計102又は補助ユーザデバイス104を介して)可聴又は可視のアラームを提供すること、1人以上の受信者(例えば、患者又は介護提供者の所有する補助ユーザデバイス104)に電子メッセージを提供すること、又はユーザアプリケーション116若しくは1つ以上のデバイスで実行される他のソフトウェアアプリケーションを介してソフトウェアアプリケーション通知を提供することが含まれ得る。
【0056】
システムはまた、現在の体温測定値及び任意の関連データを表示618し得、また、その体温測定値と関連付けられた信頼度を決定及び表示してもよい。信頼度は、現在の体温測定値、現在の体温測定値が比較可能モデルから偏差しているかどうかの決定612及びどの程度偏差しているか、ユーザの人口統計情報、測定値がキャプチャされる時刻などの要因に基づいてもよく、かつ履歴測定データセット及び/又は比較可能モデル自体に基づいてもよい。一例として、図11を参照すると、65歳のユーザからの午前10時頃に取られた測定値は、信頼度が低いと判断され得るが、ただし、その時点で発熱が観察される確率が低いにもかかわらず、測定値の予想範囲からの偏差612が非常に大きいために、発熱性疾患があること(又は、ないこと)を示す可能性が非常に高い場合を除く。同様に、65歳のユーザからの午後8時頃に取られた測定値は、その時点で発熱を観察する確率に基づいて高い評価を有すると判断され得、かかる信頼性評価は、存在する任意の偏差612の大きさによって更なる影響を受ける。測定値及び/又は信頼度は、体温計102、補助ユーザデバイス104、又はユーザアプリケーション116を実行するデバイスなどの記載されたデバイスのうちの1つ以上を介して表示され得、信頼性を表すテキスト、数字、視覚インジケータ(例えば、形状、色、記号、又は他の視覚インジケータ)、又は他の視覚特性を有するユーザインターフェースを介して表示され得る。
【0057】
いくつかの実装形態では、システムは、ユーザの人口統計情報、最近の体温測定値、最近の体温測定値における信頼性スコア、及び他の情報に基づいて、ユーザについての最適な測定時間を決定620し得る。一例として、65歳のユーザが午前10時に体温を測定し、発熱性疾患が存在するか否かを確認するために低い信頼性スコアを受信した場合、システムは、測定のための理想的な時間が午後8時であり得るか、又は午後6時~午後10時の4時間の期間に15分ごとに測定値を取ることであり得るかを(例えば、履歴測定データセット、人口統計モデル、又はユーザ固有のモデルに基づいて)自動的に決定620し得る。このことに基づいて、システムは次いで、(例えば、補助ユーザデバイス104、又はユーザが所有するか若しくは介護提供者が所有する別のデバイスを介して)ユーザに、決定620された時刻若しくは複数の時刻で追加の体温測定値をキャプチャするように促し得622、かかる追加の測定値は、高い信頼度を有する発熱性疾患の指標を提供するために、記載されたステップなどを使用して評価される。
【0058】
例示的な組み合わせ
実施例1.病気検出及び追跡システムであって、
ユーザと関連付けられた体温測定値を作り出すように構成された体温感知プローブと、
1つ以上の体温データセットを記憶するように構成された1つ以上の記憶デバイスであって、1つ以上の体温データセットの各々は、
各々が測定時刻と関連付けられた体温測定値のセットを含み、
体温測定値のセットのソースを記述する1つ以上のソース特性と関連付けられている、1つ以上の記憶デバイスと、
体温感知プローブと通信する1つ以上のプロセッサと、を備え、1つ以上のプロセッサは、
ユーザを記述するユーザ特性のセットを受信することと、
ユーザ特性のセットと1つ以上のソース特性との比較に基づいて、1つ以上の体温データセットの、一致する体温データセットを識別することと、
体温感知プローブから現在の体温測定値を受信することと、
体温感知プローブによって現在の体温測定値が作り出されたキャプチャ時刻を決定することと、
キャプチャ時刻に基づいて、現在の体温測定値を一致する体温データセットと比較して、現在の体温測定値が、キャプチャ時刻に予想される体温測定値の設定された閾値の外にあるかどうかを決定することと、を行うように構成されている、病気検出及び追跡システム。
【0059】
実施例2.1つ以上のプロセッサは、
一定期間にわたって体温感知プローブから複数の現在の体温測定値を受信することと、
複数の現在の体温測定値の各々についてキャプチャ時刻を決定することと、
複数の現在の体温測定値と、一定期間にわたる複数の現在の体温測定値のキャプチャ時刻とを記述する、測定された体温モデルを作成することと、
一致する体温データセットを記述する比較体温モデルを作成することと、
現在の体温測定値を一致する体温データセットと比較するときに、測定された体温モデルを同じ期間における比較体温モデルと比較して、測定された体温モデルが、その期間にわたって、設定された閾値を超えて比較体温モデルから偏差しているかどうかを決定することと、を行うように更に構成されている、実施例1に記載のシステム。
【0060】
実施例3.1つ以上の体温データセットの各々は、
年齢及び性別の組み合わせと関連付けられ、
年齢及び性別のその組み合わせを有する複数の個人から取られた体温測定値を含む、先行実施例のいずれか一例に記載のシステム。
【0061】
実施例4.1つ以上のプロセッサは、
ディスプレイに、現在の体温測定値が、予想される体温の設定された閾値の外にあるかどうかの指標を表示させることと、
現在の体温が、予想される体温の設定された閾値内にある場合に、一致する体温データセット、キャプチャ時刻、及び現在の体温測定値に基づいて、ユーザが発熱性疾患を患っている可能性を記述する第1の信頼性スコアを決定し、第1の信頼性スコアを表示することと、
現在の体温が、予想される体温の設定された閾値の外にある場合に、一致する体温データセット、キャプチャ時刻、及び現在の体温測定値に基づいて、ユーザが発熱性疾患を患っていない可能性を記述する第2の信頼性スコアを決定し、第2の信頼性スコアを表示することと、行うように更に構成されている、先行実施例のいずれか一例に記載のシステム。
【0062】
実施例5.病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、
複数の体温感知プローブであって、体温感知プローブの各々が関連するコンピューティングデバイスと通信するように構成されている、複数の体温感知プローブと、
少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを備える、集中型病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、病気検出及び追跡コンピューティングシステムは、関連するコンピューティングデバイスの各々とネットワーク通信しており、少なくとも1つのメモリは命令を含み、命令は、実行されると、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
一定期間にわたって、ネットワーク通信を介してコンピューティングデバイスの各々からユーザデータのセットを受信することであって、コンピューティングデバイスの各々から受信されたユーザデータの各セットは、関連付けられた体温感知プローブによって収集されるようなユーザ体温読み取り値と、体温読み取り値の各々と関連付けられたタイムスタンプとを含み、ユーザデータの各セットはそれぞれのユーザと関連付けられている、受信することと、
複数のベースライン日周曲線を生成及び記憶することであって、複数のベースライン日周曲線の各々は、それぞれのユーザと関連付けられ、それぞれのユーザについて期間にわたって受信されたユーザデータのセットに基づいて生成される、生成及び記憶することと、を行わせる、病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0063】
実施例6.命令は、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
それぞれのユーザのうちの1人についてのベースライン日周曲線を生成することに続いて、それぞれのユーザのうちの1人のコンピューティングデバイスから、リアルタイムユーザ体温読み取り値とリアルタイム体温読み取り値と関連付けられたタイムスタンプとを含む別のユーザデータのセットを受信することと、
それぞれのユーザのうちの1人と関連付けられた複数のベースライン日周曲線から、ベースライン日周曲線を識別することと、
リアルタイムユーザ体温読み取り値とリアルタイム体温と関連付けられたタイムスタンプとに基づいて、リアルタイムユーザ体温読み取り値が識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかを決定することと、を更に行わせる、実施例5に記載の病気検出及び追跡。
【0064】
実施例7.命令は、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
リアルタイムユーザ体温読み取り値が識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかに関する決定の指標を、コンピューティングデバイスに提供させることを更に行わせる、実施例6に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0065】
実施例8.リアルタイムユーザ体温読み取り値が識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかを決定することは、リアルタイムユーザ体温読み取り値が閾値を超えているかどうかを決定することを含む、実施例6に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0066】
実施例9.閾値は、リアルタイムユーザ体温読み取り値の時刻に依存する、実施例8に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0067】
実施例10.閾値は、リアルタイムユーザ体温読み取り値と関連付けられたそれぞれのユーザの人口統計に依存する、実施例8に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0068】
実施例11.命令は、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
リアルタイムユーザ体温読み取り値が識別されたベースライン日周曲線から偏差しているかどうかに関する決定の指標を、第三者コンピューティングデバイスに提供させることを更に行わせる、実施例5~10のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0069】
実施例12.期間は、少なくとも48時間の期間である、実施例5~11のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0070】
実施例13.期間中の24時間ごとに、少なくとも3つの体温測定値が収集される、実施例5~12のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0071】
実施例14.体温測定値は、期間にわたって継続的に収集される、実施例5~13のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0072】
実施例15.体温感知プローブは、医療用体温計である、実施例5~14のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【0073】
実施例16.体温感知プローブは、ウェアラブルフィットネストラッカーである、実施例5~15のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【0074】
実施例17.コンピューティングデバイスの各々は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びデスクトップコンピュータのうちのいずれかである、実施例5~16のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0075】
実施例18.病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、
複数の体温感知プローブであって、体温感知プローブの各々が関連するコンピューティングデバイスと通信するように構成されている、複数の体温感知プローブと、
少なくとも1つのメモリと少なくとも1つのプロセッサとを備える、集中型病気検出及び追跡コンピューティングシステムであって、病気検出及び追跡コンピューティングシステムは、関連するコンピューティングデバイスの各々とネットワーク通信しており、少なくとも1つのメモリは命令を含み、命令は、実行されると、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
複数の日周曲線確率モデルをデータ記憶装置に記憶することであって、複数の日周曲線確率モデルの各々は、それぞれのユーザ人口統計と関連付けられる、記憶することと、
コンピューティングデバイスのうちの1つからユーザデータを受信することであって、ユーザデータは、の複数の体温感知プローブのうちの1つによってユーザから収集された、タイムスタンプされたユーザ体温読み取り値を含む、受信することと、
ユーザからユーザ人口統計データを受信することであって、ユーザ人口統計データは、ユーザの年齢及びユーザの性別を含む、受信することと、
ユーザ人口統計データに基づいて、複数の日周曲線確率モデルから適用可能な日周曲線確率モデルを決定することと、
適用可能な日周曲線確率モデル及びタイムスタンプされたユーザ体温読み取り値を使用して、ユーザの発熱を観察する確率を決定することと、を行わせる、病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0076】
実施例19.命令は、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
ユーザの発熱を観察する確率の指標をコンピューティングデバイスに提供させる、実施例18に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0077】
実施例20.命令は、病気検出及び追跡コンピューティングシステムに、
ユーザの発熱を観察する確率の指標を第三者コンピューティングデバイスに提供させる、実施例18又は19に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0078】
実施例21.体温感知プローブは、医療用体温計である、実施例18~20のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【0079】
実施例22.体温感知プローブは、ウェアラブルフィットネストラッカーである、実施例18~21のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡及びシステム。
【0080】
実施例23.コンピューティングデバイスの各々は、スマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ、及びデスクトップコンピュータのうちのいずれかである、実施例18~22のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0081】
実施例24.複数の日周曲線確率モデルは、年齢によって区分された日周曲線確率モデルを含む、実施例18~23のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0082】
実施例25.複数の日周曲線確率モデルは、性別によって区分された日周曲線確率モデルを含む、実施例18~24のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0083】
実施例26.複数の日周曲線確率モデルは、年齢及び性別によって区分された日周曲線確率モデルを含む、実施例18~25のいずれか一例に記載の病気検出及び追跡コンピューティングシステム。
【0084】
実施形態及び実施例の前述の記載は、説明目的のために提示されている。記載された形態に網羅的又は限定的であることは意図されない。上記の教示に照らして、多数の変形形態が可能である。これらの変形形態のうちのいくつかは考察されており、他のものは当業者によって理解されるであろう。実施形態は、様々な実施形態の例示のために選択され記載された。範囲は、当然のことながら本明細書に記載される実施例又は実施形態に限定されるものではないが、当業者によって任意の数の用途及び同等物に用いることができる。
図1
図2
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図7
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図11
図12
図13
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【国際調査報告】