(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-09
(54)【発明の名称】置換トリル殺真菌剤及びそれらの混合物
(51)【国際特許分類】
A01N 47/12 20060101AFI20230602BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20230602BHJP
【FI】
A01N47/12 102
A01P3/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567044
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 US2021030888
(87)【国際公開番号】W WO2021226234
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】391022452
【氏名又は名称】エフ エム シー コーポレーション
【氏名又は名称原語表記】FMC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100127926
【氏名又は名称】結田 純次
(74)【代理人】
【識別番号】100140132
【氏名又は名称】竹林 則幸
(72)【発明者】
【氏名】ジェームズ・フランシス・ベレズナク
(72)【発明者】
【氏名】ステファン・ピー・ボルグナス
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・エドマンド・タギー
(72)【発明者】
【氏名】バイロン・ヴェーガ-ヒメネス
(72)【発明者】
【氏名】シュリニヴァサ・ラオ・ウッパラパティ
【テーマコード(参考)】
4H011
【Fターム(参考)】
4H011AA01
4H011BA06
4H011BB13
4H011DA02
4H011DA03
4H011DA10
4H011DA15
4H011DA16
4H011DG06
(57)【要約】
(a)式1
【化1】
の化合物(全ての幾何異性体及び立体異性体を含む)、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物であって、式中、A、Q、R
1、R
2、R
3、R
4、W及びYが本開示に定義される通りである化合物と;(b)少なくとも1種の追加の殺真菌性化合物とを含む殺真菌性組成物が開示される。同様に開示されるのは、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法であって、式1の化合物、そのN-オキシド、又は塩(例えば、前記の組成物中の成分としての)の殺真菌的有効量を、植物若しくはその一部に、又は植物種子に適用することを含む方法である。同様に開示されるのは、(a)上に記載された式1の化合物、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物と;少なくとも1種の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤とを含む組成物である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式1
【化1】
の化合物(全ての立体異性体を含む)、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物であって、
式中、
Aが、
【化2】
(式中、右側に伸びる結合は、Qを含む環に結合しており、左側に伸びる結合は、Y-N(R
3)C(=W)R
4置換基を有するフェニル環に結合している)
からなる群から選択されるラジカルであり;
Qが、CR
6又はNであり;
Yが、CR
7aR
7b、O又はNR
8であり;
Wが、O又はSであり;
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
2~C
6シアノアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6ハロアルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6ハロアルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシ、C
3~C
6シクロアルコキシ、C
4~C
8シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
6アルコキシアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル又はC
1~C
6ハロアルキルスルホニルであり;
R
3が、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、シクロプロピル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル又はC
2~C
4ハロアルコキシカルボニルであり;
R
4が、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルキルアミノ又はC
2~C
4ジアルキルアミノであり;
それぞれのR
5が、独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ又はC
1~C
3ハロアルコキシであり;
nが、0、1又は2であり;
R
6が、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
2~C
6シアノアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6ハロアルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6ハロアルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシ、C
2~C
6アルコキシアルコキシ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ハロアルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、ON=CR
11aR
11b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aが、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルキルスルフィニル又はC
1~C
3アルキルスルホニルであり;
R
7bが、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ又はC
1~C
3ハロアルコキシであり;
R
8が、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルキルカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルカルボニルであり;
Zが、直接結合、O、S若しくはNH;又は場合によっては、ハロゲン、メチル若しくはメトキシから独立して選択される最大2個の置換基で置換されているCH
2であり;
Vが、R
9又はOR
9であり;
R
9、R
10b、R
11a及びR
12cが、それぞれ、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル又はC
4~C
8シクロアルキルアルキルであり;
R
10a、R
11b、R
12a及びR
12bが、それぞれ独立して、H、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであり;
Lが、直接結合、CH
2、O、S、NR
13、OCH
2、CH
2O、C(=O)、S(=O)又はS(=O)
2であり;
Jが、3~6員の非芳香族炭素環(ここで、最大3個の炭素原子環メンバーが、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、それぞれの環が、場合によっては、R
14から独立して選択される最大4個の置換基で置換されている)であるか;或いは
Jが、それぞれの環が炭素原子と、最大2O、最大2S及び最大4N原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環メンバーを含有する、3~6員の複素環(ここで、最大3個の炭素原子環メンバーが、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、それぞれの環が、場合によっては、R
14から独立して選択される最大4個の置換基で置換されている)であり;
R
13が、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルキルカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルカルボニルであり;
それぞれのR
14が、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ又はC(=O)OR
15であり;
それぞれのR
15が、独立して、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル又はC
3~C
6ハロシクロアルキルである、
化合物と;
(b)少なくとも1種の追加の殺真菌性化合物と
を含む殺真菌性組成物。
【請求項2】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩であって、式中、
Aが、A-1、A-3又はA-4であり;
QがCR
6であり;
YがCR
7aR
7bであり;
WがOであり;
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4ハロアルケニルオキシ、C
2~C
4アルコキシアルコキシ又はC
1~C
3アルキルチオであり;
R
3が、H、メチル、メチルカルボニル又はメトキシカルボニルであり;
R
4が、メチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノであり;
それぞれのR
5が、独立して、ハロゲン又はメチルであり;
R
6が、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6ハロアルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6ハロアルキニルオキシ、C
2~C
6アルコキシアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aが、H、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
R
7bが、H又はメチルであり;
Zが、直接結合、O、NH、CH
2又はCH(OCH
3)であり;
R
9、R
10b及びR
12cが、それぞれ、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル又はC
2~C
4ハロアルケニルであり;
R
10a、R
12a及びR
12bが、それぞれ独立して、H、メチル又はハロメチルであり;
Lが、直接結合、CH
2、O、OCH
2又はCH
2Oであり;
Jが、J-1~J-71
【化3】
【化4】
【化5】
【化6】
(式中、フローティング結合は、描かれた環の任意の利用可能な炭素又は窒素原子を介してLに連結されており;xは、0、1、2又は3であり;
それぞれのR
14は、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ又はC(=O)OR
15であり;
それぞれのR
15は、独立して、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はシクロプロピルである)
から選択される
化合物又はその塩を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩であって、式中、
AがA-1であり;
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり;
R
3が、H又はメチルであり;
R
4が、メチル、メトキシ又はエトキシであり;
それぞれのR
5がメチルであり;
R
6が、H、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4ハロアルケニルオキシ、C
2~C
4アルキニルオキシ、CR
10a=NOR
10b又は-L-Jであり;
R
7aが、H又はメチルであり;
R
10bが、H、メチル、エチル又はC
2~C
4アルケニルであり;
R
10aが、H又はメチルであり;
Lが、直接結合又はOであり;
Jが、J-53、J-58、J-59、J-60、J-65、J-66、J-67又はJ-68であり;
それぞれのR
14が、独立して、ハロゲン又はメチルである
化合物又はその塩を含む、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩であって、式中、
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、Cl又はFであり;
R
3がHであり;
R
4がメトキシであり;
nが0であり;
R
6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、CHF
2、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、OCH
2C≡CH、C(Me)=NOCH
3又は-L-Jであり;
R
7aがHであり;
R
7bがHであり;
Lが直接結合であり;
Jが、J-58、J-66又はJ-67である
化合物又はその塩を含む、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩であって、式中、
R
1及びR
2が、それぞれFであり;
R
6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、CHF
2、トリフルオロメチル、i-プロピルオキシ、C(CH
3)=NOCH
3又は-L-Jであり;
JがJ-66であり;
xが、0、1又は2であり;
R
14が、Br、Cl、F又はメチルである
化合物又はその塩を含む、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
成分(a)が、式1の化合物又はその塩であって、式中、
R
6が、Cl、i-プロピル、トリフルオロメチル又は-L-Jであり;
xが0である
化合物又はその塩を含む、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
成分(a)が、
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-エトキシ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-(シクロブチルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメトキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-(シクロプロピルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル 3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチルフェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]ベンゾエート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル (E)-N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメチル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエトキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル (Z)-N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-メチルフェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[2-[4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-メチルベンジル)カルバメート;
メチル N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[2-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[4-(1,3-ジオキサン-2-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジクロロ-4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル (E)-N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;及び
メチル N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルプロピル)フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート
からなる群から選択される化合物を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項8】
成分(a)が、
メチル N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート;及び
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート
からなる群から選択される化合物を含む、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
成分(b)が、
(b1)メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤;
(b2)ジカルボキシミド殺真菌剤;
(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤;
(b4)フェニルアミド(PA)殺真菌剤;
(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤;
(b6)リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤;
(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤;
(b8)ヒドロキシ(2-アミノ)ピリミジン殺真菌剤;
(b9)アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤;
(b10)N-フェニルカルバメート殺真菌剤;
(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤;
(b12)フェニルピロール(PP)殺真菌剤;
(b13)アザナフタレン殺真菌剤;
(b14)細胞過酸化阻害剤殺真菌剤;
(b15)メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤;
(b16a)メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤;
(b16b)メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤;
(b17)ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤;
(b18)スクワレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤;
(b19)ポリオキシン殺真菌剤;
(b20)フェニル尿素殺真菌剤;
(b21)キノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤;
(b22)ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤;
(b23)エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤;
(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤;
(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤;
(b26)グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤;
(b27)シアノアセトアミド-オキシム殺真菌剤;
(b28)カルバメート殺真菌剤;
(b29)酸化的リン酸化脱共役殺真菌剤;
(b30)有機スズ殺真菌剤;
(b31)カルボン酸殺真菌剤;
(b32)複素環式芳香族殺真菌剤;
(b33)ホスホネート殺真菌剤;
(b34)フタルアミド酸殺真菌剤;
(b35)ベンゾトリアジン殺真菌剤;
(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤;
(b37)ピリダジノン殺真菌剤;
(b38)チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤;
(b39)複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤;
(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤;
(b41)テトラサイクリン抗生物質殺真菌剤;
(b42)チオカルバメート殺真菌剤;
(b43)ベンズアミド殺真菌剤;
(b44)微生物殺真菌剤;
(b45)キノン外部阻害剤、スチグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤;
(b46)植物抽出物殺真菌剤;
(b47)シアノアクリレート殺真菌剤;
(b48)ポリエン殺真菌剤;
(b49)オキシステロール結合タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤;
(b50)アリール-フェニル-ケトン殺真菌剤;
(b51)宿主植物防御誘導殺真菌剤;
(b52)多部位活性殺真菌剤;
(b53)複数の作用様式の生物学的製剤;
(b54)成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤;並びに
(b1)~(b54)の化合物の塩
からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
成分(b)が、(b1)~(b54)から選択される2つの異なる群のそれぞれからの少なくとも1種の殺菌性化合物を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
成分(b)が、アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル、ベナラキシル-M、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラスチサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、カルボキシン、カルプロパミド、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、銅塩、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメト、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール、ジニコナゾール-M、ジノカップ、ジチアノン、ドデモルフ、ドジン、エジフェンホス、エネストロブリン、エポキシコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、フェルバム、フェリムゾン、フルアジナム、フルジオキソニル、フルメトベル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピラム、フルオロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、フォルペット、ホセチルアルミニウム、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、グアザチン、イマザリル、イミベンコナゾール、イミノクタジン、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソプロチオラン、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンジプロパミド、マンネブ、メプロニル、メプチルジノカップ、メタラキシル、メタラキシル-M、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メパニピリム、メトラフェノン、ミクロブタニル、ナフチフィン、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ヌアリモル、オクチリノン、オフラセ、オリサストロビン、オキサジキシル、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ペフラゾエート、亜リン酸及びその塩、フタリド、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパモカルブ、プロパモカルブ-塩酸塩、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピリソキサゾール、ピロキロン、ピロールニトリン、キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、テクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トリルフルアニド、トリニファニデ、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアゾキシド、トリシクラゾール、トリデモルフ、トリフルミゾール、トリシクラゾール、トリフロキシストロビン、トリホリン、トリモルファミド、トリチコナゾール、ウニコナゾール、バリダマイシン、バリフェナレート、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、5-クロロ-6-(2,4,6-トリフルオロフェニル)-7-(4-メチルピペリジン-1-イル)[1,2,4]トリアゾロ[1,5a]ピリミジン(DPX-BAS600F)、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]-ブタンアミド、4-フルオロフェニル N-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]-メチル]プロピル]カルバメート、α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、2-[[[[3-(2,6-ジクロロフェニル)-1-メチル-2-プロペン-1-イリデン]アミノ]オキシ]メチル]-α-(メトキシイミノ)-N-メチルベンゼンアセトアミド及び1-[(2-プロペニルチオ)カルボニル]-2-(1-メチルエチル)-4-(2-メチルフェニル)-5-アミノ-1H-ピラゾール-3-オン、5-エチル-6-オクチル-[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミンから選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、マンゼート、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンから選択される少なくとも1種の化合物を含む、請求項11に記載の組成物。
【請求項13】
請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む組成物。
【請求項14】
請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の殺真菌的有効量を、植物又は植物種子に適用することを含む真菌病原体により引き起こされる病気から前記植物又は植物種子を保護する方法。
【請求項15】
成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤殺真菌剤、(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物の殺真菌的有効量を、植物又は植物種子に適用することを含む、さび病から前記植物を保護する方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ある特定のトリル誘導体、それらのN-オキシド及び塩に、並びにそのようなトリル誘導体を含む混合物及び組成物並びにそのようなトリル誘導体及びそれらの混合物及び組成物を殺真菌剤として使用する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
真菌植物病原体により引き起こされる植物病害の防除は、高い作物効率を達成するのに非常に重要である。観賞植物、野菜、田畑、穀物及び果実作物への植物病害による被害により、生産性の大幅な低下、それにより消費者へのコストの増加をもたらす可能性がある。多くの場合、非常に破壊的であることに加えて、植物病害は、防除するのが困難であり得、市販の殺真菌剤に対する耐性を発現し得る。これらの目的のために多くの製品が市販されているが、より有効であるか、コストがより低いか、毒性がより低いか、環境により安全であるか、又は作用部位が異なる新規の殺真菌性化合物が必要とされ続けている。新しい殺真菌剤の導入に加えて、殺真菌剤の組み合わせが、多くの場合、病害防除を容易にするために、防除のスペクトルを広げるために及び耐性発現を遅くするために使用される。さらに、殺真菌剤のある特定のまれな組み合わせが、加法よりも大きい(即ち、相乗的な)効果を実証して商業的に重要なレベルの植物病害防除を提供する。特定の殺真菌剤組み合わせの利点は、処理される特定の植物種及び植物病害のような因子、及び植物が真菌植物病原体感染の前又は後に処理されるかどうかに応じて、変わることが当技術分野で認められている。したがって、新しい有利な組み合わせが、特定の植物病害防除ニーズを最良に満たすための様々な選択肢を提供するために必要とされる。そのような組み合わせが今発見された。
【0003】
特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4及び特許文献5は、及びトリル誘導体及び殺真菌剤としてのそのような誘導体の使用方法を開示している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】国際公開第2008/124092号パンフレット
【特許文献2】国際公開第2011/059619号パンフレット
【特許文献3】国際公開第2014/066120号パンフレット
【特許文献4】国際公開第2015/157005号パンフレット
【特許文献5】国際公開第2020/097012号パンフレット
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、
(a)式1
【化1】
の化合物(全ての立体異性体を含む)、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物であって、
式中、
Aが、
【化2】
(式中、右側に伸びる結合は、Qを含有する環に結合しており、左側に伸びる結合は、Y-N(R
3)C(=W)R
4置換基を有するフェニル環に結合している)
からなる群から選択されるラジカルであり;
Qが、CR
6又はNであり;
Yが、CR
7aR
7b、O又はNR
8であり;
Wが、O又はSであり;
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
2~C
6シアノアルキル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル、C
4~C
8シクロアルキルアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6ハロアルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6ハロアルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシ、C
3~C
6シクロアルコキシ、C
4~C
8シクロアルキルアルコキシ、C
2~C
6アルコキシアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル又はC
1~C
6ハロアルキルスルホニルであり;
R
3が、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、シクロプロピル、C
2~C
4アルキルカルボニル、C
2~C
4ハロアルキルカルボニル、C
2~C
4アルコキシカルボニル又はC
2~C
4ハロアルコキシカルボニルであり;
R
4が、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルキルアミノ又はC
2~C
4ジアルキルアミノであり;
それぞれのR
5が、独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
1~C
3アルコキシ又はC
1~C
3ハロアルコキシであり;
nが、0、1又は2であり;
R
6が、H、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
2~C
6シアノアルキル、C
1~C
6ヒドロキシアルキル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6ハロアルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6ハロアルキニルオキシ、C
2~C
6シアノアルコキシ、C
2~C
6アルコキシアルコキシ、C
1~C
6アルキルアミノ、C
1~C
6ハロアルキルアミノ、C
2~C
6ジアルキルアミノ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、C
1~C
6アルキルスルフィニル、C
1~C
6ハロアルキルスルフィニル、C
1~C
6アルキルスルホニル、C
1~C
6ハロアルキルスルホニル、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、ON=CR
11aR
11b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aが、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
1~C
3アルキルスルフィニル又はC
1~C
3アルキルスルホニルであり;
R
7bが、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ又はC
1~C
3ハロアルコキシであり;
R
8が、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルキルカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルカルボニルであり;
Zが、直接結合、O、S若しくはNH;又は場合によっては、ハロゲン、メチル若しくはメトキシから独立して選択される最大2個の置換基で置換されているCH
2であり;
Vが、R
9又はOR
9であり;
R
9、R
10b、R
11a及びR
12cが、それぞれ、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル、C
3~C
6ハロシクロアルキル又はC
4~C
8シクロアルキルアルキルであり;
R
10a、R
11b、R
12a及びR
12bが、それぞれ独立して、H、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3ハロアルキルであり;
Lが、直接結合、CH
2、O、S、NR
13、OCH
2、CH
2O、C(=O)、S(=O)又はS(=O)
2であり;
Jが、3~6員の非芳香族炭素環(ここで、最大3個の炭素原子環メンバーが、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、それぞれの環が、場合によっては、R
14から独立して選択される最大4個の置換基で置換されている)であるか;或いは
Jが、それぞれの環が炭素原子と、最大2O、最大2S及び最大4N原子から独立して選択される1~4個のヘテロ原子とから選択される環メンバーを含有する、3~6員の複素環(ここで、最大3個の炭素原子環メンバーが、C(=O)及びC(=S)から独立して選択され、それぞれの環が、場合によっては、R
14から独立して選択される最大4個の置換基で置換されている)であり;
R
13が、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
3アルキルカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルカルボニルであり;
それぞれのR
14が、独立して、ハロゲン、ヒドロキシ、シアノ、ニトロ、C
1~C
4アルキル、C
1~C
4ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
1~C
4アルコキシ、C
1~C
4ハロアルコキシ又はC(=O)OR
15であり;
それぞれのR
15が、独立して、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル、C
2~C
4ハロアルケニル、C
2~C
4アルキニル、C
3~C
6シクロアルキル又はC
3~C
6ハロシクロアルキルである
化合物と;
(b)少なくとも1種の追加の殺真菌性化合物と
を含む殺真菌性組成物(即ち、組み合わせ、混合物)に関する。
【0006】
本発明はまた、(a)上記の式1の化合物、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物と;少なくとも1種の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤とを含む組成物に関する。
【0007】
本発明はまた、成分(a)を含む前記の組成物の1つと、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分とを含む組成物に関する。
【0008】
本発明はまた、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法であって、前記組成物の1つの殺真菌的有効量を、植物若しくはその一部に、又は植物種子に適用することを含む方法に関する。
【0009】
上記の方法はまた、真菌病原体により引き起こされる病気から植物又は植物種子を保護する方法であって、前記組成物の1つの殺真菌的有効量を、植物(若しくはその一部)又は植物種子に(直接に又は植物若しくは植物種子の環境(例えば、生育媒体)を介して)適用することを含む方法として、記載することができる。
【0010】
本発明はまた、上記の式1の化合物、そのN-オキシド又は塩に関する。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本明細書で用いるところでは、用語「含む(comprises)」、「含む(comprising)」、「含む(includes)」、「含む(including)」、「有する(has)」、「有する(having)」、「含有する(contains)」、「含有する(containing)」、「で特徴付けられる(characterized by)」、又はそれらの任意の他の変形は、明確に示される任意の制限を受けて、非排他的な包含をカバーすることを意図する。例えば、要素のリストを含む組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置は、それらの要素のみに必ずしも限定されず、明確にリストされないか、又はそのような組成物、混合物、プロセス、方法、物品、若しくは装置に固有の他の要素を含んでもよい。
【0012】
移行句「からなる(consisting of)」は、明記されないいかなる要素、工程、又は原料をも排除する。特許請求の範囲における場合、そのようなものは、それらと通常関係がある不純物を除いて列挙されるもの以外の材料の包含をクレームから締め出す。語句「からなる」が、前文の直後よりもむしろ、クレームの本体の条項に現れる場合、それは、当該条項に記述される要素のみを限定し;他の要素は、全体としてクレームから排除されない。
【0013】
移行句「から本質的になる(consisting essentially of)」は、文字通り開示されるものに加えて、材料、工程、特徴、成分、又は要素を含む組成物、方法、又は装置を定義するために用いられ、ただし、これらの追加の材料、工程、特徴、成分、又は要素は、特許請求される発明の基本的な及び新規な特性に実質的に影響を及ぼさない。用語「から本質的になる」は、「含む(comprising)」と、「からなる(consisting of)」との中間領域を占める。
【0014】
出願人らが、発明又はその一部を、「含む(comprising)」などの開放端用語を使って定義している場合、(特に明記しない限り)この記載が、用語「から本質的になる」又は「からなる」を用いてそのような発明をまた記載していると解釈されるべきであることが容易に理解されるはずである。
【0015】
さらに、明確にそれとは反対を述べられない限り、「又は(or)」は、包括的な「又は」を意味し、排他的な「又は」を意味しない。例えば、条件A又はBは、以下のいずれか1つによって満たされる:Aが真であり(又は存在し)且つBが偽である(又は存在しない)、Aが偽であり(又は存在せず)且つBが真である(又は存在する)、並びにA及びBの両方ともが真である(又は存在する)。
【0016】
また、本発明の要素又は成分に先行する不定冠詞「a」及び「an」は、要素又は成分の場合(すなわち、出現)の数に関して非限定的であることを意図する。それ故「a」又は「an」は、1つ若しくは少なくとも1つを含むと読まれるべきであり、要素又は成分の単数語形はまた、特に数が明らかに単数形であることを意図しない限り複数形を含む。
【0017】
用語「農学的」は、食品及び繊維のためなどの農作物の生産を言い、トウモロコシ又はコーン、大豆及び他のマメ科植物、米、穀物(例えば、小麦、オート麦、大麦、ライ麦及び米)、葉物野菜(例えば、レタス、キャベツ、及び他のアブラナ科作物)、結果野菜(例えば、トマト、コショウ、ナス、十字花植物及びウリ科植物)、ジャガイモ、サツマイモ、ブドウ、綿、果樹(例えば、ナシ状果、核果及び柑橘類)、小果(例えば、ベリー及びサクランボ)並びに他のスペシャルティ作物(例えば、キャノーラ、ヒマワリ及びオリーブ)の成長を含む。
【0018】
用語「非農学的」は、例えば園芸作物(例えば、田畑で成長させられない温室植物、苗床植物又は観賞植物)以外の農作物、居住の、農業の、商業の及び工業構造物、芝生(例えば、芝農場、牧場、ゴルフコース、芝土、スポーツフィールドなど)、木製品、貯蔵製品、農森林管理及び植物管理、公衆衛生(すなわち、ヒト)及び動物の健康(例えば、家畜化された動物、例えばペット、家畜及び家禽など、家畜化されていない動物、例えば野生生物など)用途を言う。
【0019】
用語「作物成長力」は、作物の成長又はバイオマス蓄積の速度を言う。「成長力の増加」は、未処理対照作物に対して作物の成長又はバイオマス蓄積の増加を言う。用語「作物収量」は、作物の収穫後に得られた、量及び品質の両方の観点からの、作物材料リターンを言う。「作物収量の増加」は、未処理対照作物に対して作物収量の増加を言う。
【0020】
「生物学的有効量」という用語は、真菌病害による害から植物を保護するためか、又は他の所望の効果(例えば、植物の成長力の増大)のために、防除する真菌若しくはその環境、又は植物、この植物が生育する種子、若しくはこの植物の場所(例えば生育培地)に適用した(即ち接触させた)場合に所望の生物学的効果を得るのに十分な生物学的活性化合物(例えば、式1の化合物)の量を指す。
【0021】
本開示及び特許請求の範囲で言及される場合、「植物」は、全ての生活環の植物界(特に種子植物(seed plant)(種子植物(Spermatopsida))のメンバーを含み、例えば、若い植物(例えば、苗へと成長している発芽種子)、及び成熟した生殖段階(例えば、花及び種子を産生する植物)を含む。植物の一部として、典型的には栽培培地(例えば土壌)の表面の下で成長する屈地性メンバー(例えば、根、塊茎、球根、及び球茎)が挙げられ、栽培培地の上で成長するメンバー(例えば、葉(茎及び葉を含む)、花、果実、及び種子)も挙げられる。
【0022】
本明細書で言及される場合、単独又は単語の組み合わせで使用される「苗」という用語は、種子の胚から発育している若い植物を意味する。
【0023】
本明細書で言及される場合、単独又は単語(例えば広葉作物)で使用される「広葉」という用語は、2枚の子葉を有する胚を特徴とする被子植物のグループを説明するために使用される用語である双子葉植物(dicot)又は双子葉植物(dicotyledon)を意味する。
【0024】
本開示で言及される場合、「真菌病原体」及び「真菌植物病原体」という用語は、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、及び接合菌門(Zygomycota)の病原体、並びに経済的に重要な広範囲の植物病害の病原体である真菌様卵菌綱(Oomycota)を含み、観葉植物、芝、野菜、畑、穀物、及び果実の作物に影響を及ぼす。本開示の文脈では、「植物を病害から保護すること」又は「植物の病害の防除」は、予防的作用(感染、コロニー形成、症状の発現、及び胞子産生の真菌サイクルの中断)、並びに/又は治癒的作用(植物宿主組織のコロニー形成の阻害)を含む。
【0025】
本明細書で使用される場合、「作用様式」(MOA)という用語は、Fungicide Resistance Action Committee(FRAC)により定義された通りであり、植物病原体の生合成経路における生化学的作用様式及び耐性リスクに従って殺真菌剤を区別するために使用される。FRACにより定義された作用様式には、下記が含まれる:(A)核酸合成、(B)有糸分裂及び細胞分裂、(C)呼吸、(D)アミノ酸及びタンパク質の合成、(E)シグナル伝達、(F)脂質の合成、及び膜の完全性、(G)膜中でのステロール生合成、(H)細胞壁の生合成、(I)細胞壁中でのメラニン合成、(P)宿主植物防御の誘導、(U)未知の作用様式、(NC)分類せず、(M)多部位接触活性、並びに(BM)複数の作用様式を有する生物学的物質。それぞれの作用様式(即ち、文字A~BM)は、個々の有効な標的作用部位に基づくか又は正確な標的部位が不明な場合にはグループ内の若しくは他のグループとの関係での交差耐性プロファイルに基づく1つ又は複数のサブグループを含む(例えば、Aは、サブグループA1、A2、A3、及びA4を含む)。これらのサブグループのそれぞれ(例えば、A1、A2、A3、及びA4)には、FRACコード(数字及び/又は文字)が割り当てられている。例えば、サブグループA1のFRACコードは、4である。標的部位及びFRACコードに関する更なる情報を、例えばFRACにより維持されている公的に利用可能なデータベースから得ることができる。
【0026】
本明細書で使用される場合、「交差耐性」という用語は、病原体が1種の殺真菌剤に対する耐性を発達させ、且つ同時に1種又は複数種の他の殺真菌剤に対して耐性を示すようになる場合に起こる現象を指す。これらの他の殺真菌剤は、典型的には、常ではないが、同一の化学クラスであるか、又は同一の標的作用部位を有するか、又は同一の機序により解毒され得る。
【0027】
一般的には、分子の断片(すなわち、ラジカル)を一連の原子記号(例えば、C、H、N、O、及びS)で表したときに、明示していない単一又は複数の結合点は、当業者には、容易に理解できるであろう。本明細書の中のいくつかの場合においては、別の結合点が可能である場合には特に、その単一又は複数の結合点を、ハイフン(「-」)によって、明示的に示すこともできる。例えば、「-NCS」は、結合点が窒素原子である(即ち、イソチオシアネートであり、チオシアネートではない)ことを示す。
【0028】
本明細書で使用される場合、「アルキル化剤」という用語は、炭素原子を介して、前記炭素原子に求核剤が結合することにより置換可能である、脱離基(例えば、ハロゲン化物又はスルホン酸エステル)に炭素含有ラジカルが結合している化合物を指す。特に断らない限り、「アルキル化」という用語は、炭素含有ラジカルをアルキルに限定するものではなく;アルキル化剤中の炭素含有ラジカルには、例えば、R1及びR2に関して規定される様々な炭素結合置換基ラジカルが含まれる。
【0029】
上記の説明において、単独で使用されるか又は「アルキルチオ」若しくは「ハロアルキル」等の複合語で使用される「アルキル」という用語は、直鎖状又は分岐状のアルキルを含み、例えば、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、又は様々なブチル、ペンチル及びヘキシル異性体を含む。「アルケニル」は、直鎖状又は分岐状のアルケンを含み、例えば、エテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、並びに様々なブテニル、ペンテニル、及びヘキセニル異性体を含む。「アルケニル」はまた、ポリエンも含み、例えば、1,2-プロパジエニル及び2,4-ヘキサジエニルも含む。「アルキニル」は、直鎖状又は分岐状のアルキンを含み、例えば、エチニル、1-プロピニル、2-プロピニル、及び様々なブチニル異性体、ペンチニル、及びヘキシニル異性体を含む。「アルキニル」はまた、複数の三重結合で構成されている部分も含み得る(例えば2,5-ヘキサジイニル)。
【0030】
「アルコキシ」には、例えば、メトキシ、エトキシ、n-プロピルオキシ、i-プロピルオキシ並びに異なるブトキシ、ペントキシ及びヘキシルオキシ異性体が含まれる。「アルコキシアルキル」は、アルキル上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルキル」の例として、CH3OCH2、CH3OCH2CH2、CH3CH2OCH2、CH3CH2CH2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2が挙げられる。「アルケニルオキシ」には、酸素原子に結合しており、且つ酸素原子を介して連結されている直鎖状又は分岐状のアルケニルが含まれる。「アルケニルオキシ」の例として、H2C=CHCH2O、(CH3)2C=CHCH2O、CH3CH=CHCH2O、CH3CH=C(CH3)CH2O及びCH2=CHCH2CH2Oが挙げられる。「アルキニルオキシ」には、酸素原子に結合しており、且つこの酸素原子を介して連結されている直鎖状又は分岐状のアルキニルが含まれる。「アルキニルオキシ」の例として、HC≡CCH2O、CH3C≡CCH2O及びCH3C≡CCH2CH2Oが挙げられる。「アルコキシアルコキシ」は、別のアルコキシ部分上のアルコキシ置換を示す。「アルコキシアルコキシ」の例として、CH3OCH2O、CH3OCH2O及びCH3CH2OCH2Oが挙げられる。
【0031】
「アルキルチオ」には、メチルチオ、エチルチオ、並びに異なるプロピルチオ、ブチルチオ、ペンチルチオ及びヘキシルチオ異性体などの分岐状又は直鎖状アルキルチオ部分が含まれる。「アルキルスルフィニル」には、アルキルスルフィニル基の両光学異性体が含まれる。「アルキルスルフィニル」の例として、CH3S(=O)、CH3CH2S(=O)、CH3CH2CH2S(=O)、(CH3)2CHS(=O)並びに異なるブチルスルフィニル、ペンチルスルフィニル及びヘキシルスルフィニル異性体が挙げられる。「アルキルスルホニル」の例として、CH3S(=O)2、CH3CH2S(=O)2、CH3CH2CH2S(=O)2、(CH3)2CHS(=O)2並びに異なるブチルスルホニル、ペンチルスルホニル及びヘキシルスルホニル異性体が挙げられる。
【0032】
「アルキルアミノ」には、直鎖状又は分岐状のアルキルで置換されたNHラジカルが含まれる。「アルキルアミノ」の例として、CH3NH、CH3CH2NH、CH3CH2CH2NH及び(CH3)2CHNHが挙げられる。「ジアルキルアミノ」の例として、(CH3)2N、(CH3CH2)2N及びCH3CH(CH3)Nが挙げられる。
【0033】
「シクロアルキル」という用語は、単結合により互いに連結された3~6個の炭素原子からなる飽和炭素環を示す。「シクロアルキル」の例として、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル及びシクロヘキシルが挙げられる。「シクロアルキルアルキル」という用語は、アルキル基上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルキル」の例として、シクロプロピルメチル、シクロペンチルエチル、及び直鎖状又は分岐状のアルキル基に結合した他のシクロアルキル部分が挙げられる。「シクロアルコキシ」という用語は、シクロペンチルオキシ及びシクロヘキシルオキシなどの、酸素原子に結合しており、且つ酸素原子を介して連結されているシクロアルキルを示す。「シクロアルキルアルコキシ」は、アルコキシ基上のシクロアルキル置換を示す。「シクロアルキルアルコキシ」の例として、シクロプロピルメトキシ、シクロペンチルエトキシ、及び直鎖状又は分岐状のアルコキシ基に結合している他のシクロアルキル部分が挙げられる。
【0034】
「アルキルカルボニル」は、C(=O)部分に結合している直鎖状若しくは分岐状のアルキル基を示す。「アルキルカルボニル」の例として、CH3C(=O)、CH3CH2CH2C(=O)及び(CH3)2CHC(=O)が挙げられる。「アルコキシカルボニル」の例として、CH3OC(=O)、CH3CH2OC(=O)、CH3CH2CH2OC(=O)及び(CH3)2CHOC(=O)が挙げられる。
【0035】
単独か、又は「ハロアルキル」等の複合語か、又は「ハロゲンで置換されたアルキル」等の説明で使用される場合の「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素を含む。さらに、「ハロアルキル」等の複合語で使用されるか又は「ハロゲンで置換されたアルキル」等の説明で使用される場合には、前記アルキルは、部分的又は完全にハロゲン原子(このハロゲン原子は、同一であってもよいし又は異なっていてもよい)で置換されていてもよい。「ハロアルキル」又は「ハロゲンで置換されたアルキル」の例として、F3C、ClCH2、CF3CH2及びCF3CCl2が挙げられる。「ハロアルコキシ」等という用語は、「ハロアルキル」という用語と類似的に定義される。「ハロアルコキシ」の例として、CF3O、CCl3CH2O、F2CHCH2CH2O及びCF3CH2Oが挙げられる。
【0036】
「シアノアルキル」は、1個のシアノ基で置換されたアルキル基を示す。「シアノアルキル」の例として、NCCH2、NCCH2CH2及びCH3CH(CN)CH2が挙げられる。「シアノアルコキシ」という用語は、1個のシアノ基で置換されたアルキルオキシ基を示す。「シアノアルコキシ」の例として、NCCH2O、NCCH2CH2O及びCH3CH(CN)CH2Oが挙げられる。「ヒドロキシアルキル」は、1個のヒドロキシ基で置換されたアルキル基を示す。「ヒドロキシアルキル」の例として、HOCH2CH2、CH3CH2(OH)CH及びHOCH2CH2CH2CH2が挙げられる。
【0037】
置換基中の炭素原子の総数は、「Ci~Cj」接頭表記で示されており、ここで、i及びjは、1~6の数である。例えば、C1~C3アルキルスルホニルは、メチルスルホニルからプロピルスルホニルまでを表し;C2アルコキシアルキルは、CH3OCH2を表し;C3アルコキシアルキルは、例えば、CH3OCH2CH2、又はCH3CH2OCH2を表し;C4アルコキシアルキルは、合計4個の炭素原子を含むアルコキシ基で置換されたアルキル基の様々な異性体(例えば、CH3CH2CH2OCH2及びCH3CH2OCH2CH2を含む)を表す。
【0038】
環又は環系のような基に関連した「非置換の」という用語は、式1の残りに対して、1個以上の結合のいかなる置換基も有していない基を意味している。「場合によっては置換された」という用語は、置換基の数がゼロの場合もあり得るということを意味している。特に断らない限り、場合によっては置換された基が、各種の利用可能な炭素原子又は窒素原子の上で水素原子を非水素置換基によって置き換えることが可能な限りの、多くの任意の置換基を用いて置換されていてもよい。一般的には、任意の置換基の数は、(存在させる場合)1~3の範囲である。本明細書で使用するとき、「場合によっては置換された」という用語は、「置換若しくは非置換の」という文言、又は「(非)置換の」という用語と相互に交換可能に使用される。
【0039】
任意の置換基の数は、表現された限界により制限される場合がある。例えば、「場合によっては、R14から独立して選択される最大4個の置換基で置換された」という文言は、0個、1個、2個、3個、又は4個の置換基が存在し得るということを意味している。
【0040】
化合物が、変化し得る置換基の数(例えば、式1中の(R5)n(ここで、nは、0~2である))を示す下付き文字を有する前記置換基で置換されている場合には、特に断らない限り、前記置換基は、定義された置換基の群から独立して選択される。各種の基が、場合によっては、ある位置(例えば、(R5)n(ここで、nは、0であり得る))に結合していることが示されている場合には、たとえ各種の基の定義で引用されていなくても、この位置に水素があってもよい。
【0041】
本開示における置換基のネーミングは、化学構造を当業者に正確に伝えることにおける簡明さを与える、認められている用語法を使用する。簡明とするために、構造式の中での位置を示す記述子を省略してもよい。
【0042】
特に断らない限り、式1の成分としての「環」(例えば、J)は、炭素環又は複素環である。「環メンバー」という用語は、環又は環システムの骨格を形成する原子(例えば、C、O、N若しくはS)又は他の部分(例えば、C(=O)及びC(=S))を指す。「芳香族」という用語は、環原子のそれぞれが本質的に同一平面にあり、且つ環平面と垂直にp-軌道を有すること、並びにnが正の整数である、(4n+2)π電子が環に関係してヒュッケル則に従うことを示す。
【0043】
「炭素環」という用語は、環であって、この環の骨格を形成する原子が炭素のみから選択される環を示す。特に示さない限り、炭素環は、飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に不飽和の環であり得る。完全に不飽和の炭素環がヒュッケル則を満たす場合には、前記環はまた、「芳香環」とも称される。「飽和炭素環」は、単結合により互いに連結されている炭素原子からなる骨格を有する環を指し、特に示さない限り、残余の炭素原子価は、水素原子で占められている。
【0044】
本明細書で使用される場合、「部分的に不飽和の環」又は「部分的不飽和の複素環」という用語は、不飽和の環原子と1つ又は複数の二重結合とを含むが芳香族ではない環を指す。
【0045】
「複素環(heterocyclic ring)」又は「複素環(heterocycle)」という用語は、環であって、この環の骨格を形成する原子の内の少なくとも1つが炭素以外である環を示す。特に示さない限り、複素環は、飽和の、部分的に不飽和の、又は完全に不飽和の環であり得る。完全に不飽和の複素環がヒュッケル則を満たす場合には、前記環はまた、「芳香族複素環(heteroaromatic ring)」又は芳香族複素環(aromatic heterocyclic ring)」とも称される。「飽和複素環」は、環メンバー間に単結合のみを含む複素環を指す。
【0046】
特に断らない限り、複素環は、任意の利用可能な炭素又は窒素原子を介して前記炭素又は窒素原子上の水素の置換により式1の残部に結合している。
【0047】
本発明の化合物では、1種又は複数の立体異性体が存在可能である。立体異性体とは、同一の構成を有しているが、それらの原子の空間配置が異なっている異性体であって、鏡像異性体、ジアステレオマー、cis-及びtrans-異性体(幾何異性体とも呼ばれる)、及びアトロプ異性体が含まれる。アトロプ異性体は、単結合の回りでの束縛回転から生じるものであって、その回転の障壁が高いために、それらの異性体種を単離することが可能である。当業者のよく理解するところであろうが、一つの立体異性体が、他の立体異性体よりも高濃度にするか、又は他の立体異性体から分離するときに、反応性がより高くてもよいし、及び/又は有利な効果を示してもよい。それに加えて、当業者であれば、前記立体異性体の分離法、富化法、及び/又は選択的な調製法を知っている。立体異性のすべての態様についての包括的な議論については、次の文献を参照されたい:Ernest L.Eliel and Samuel H.Wilen,Stereochemistry of Organic Compounds,John Wiley & Sons,1994。
【0048】
本発明にはまた、1つの立体異性体が他の立体異性体と比べて濃縮されている式1の化合物が含まれる。例えば、式1の任意の化合物における(Z)-対(E)-異性体の比は、立体選択性製造か又は非立体選択性製造かにかかわらず、広い範囲の値を取り得る。加えて、本発明には、式1の鏡像異性体においてラセミ混合物と比較して濃縮されている化合物が含まれる。式1の化合物の本質的に純粋な鏡像異性体も含まれる。鏡像異性的に濃縮された場合、1つの鏡像異性体が、他のものよりも多量に存在し、濃縮の程度は、(2x-1)・100%(ここで、xは、混合物中の主鏡像異性体のモル分率である)と定義される、鏡像体過剰率(「ee」)の表現で定義することができる(例えば、20%のeeは、鏡像異性体の60:40比に相当する)。
【0049】
好ましくは、本発明の組成物は、より活性な異性体の少なくとも50%鏡像体過剰率;より好ましくは少なくとも75%鏡像体過剰率;さらにより好ましくは少なくとも90%鏡像体過剰率;最も好ましくは少なくとも94%鏡像体過剰率を有する。特に注目すべきは、より活性な異性体の鏡像異性的に純粋な実施形態である。
【0050】
本発明の化合物は、式1においてアミド結合(例えば、C(=O)-N)周りの制限された回転のために1つ以上の立体配座異性体として存在することができる。本発明は、立体配座異性体の混合物を含む。加えて、本発明には、他に対して1つの配座異性体が濃縮されている化合物が含まれる。
【0051】
本発明は、全ての立体異性体、配座異性体、及び全ての割合でのこれらの混合物、並びに重水素化化合物等の同位体形態を含む。
【0052】
当業者の認識するところであろうが、全部の窒素含有複素環がN-オキシドを形成できる訳ではないが、その理由は、その窒素が、酸化されてオキシドとなるには、利用可能な孤立電子対を必要とするからである。N-オキシドを形成することが可能なそれらの窒素含有複素環は、当業者のよく知るところであろう。第三級アミンがN-オキシドを形成することが可能であることもまた、当業者のよく知るところであろう。複素環及び第三級アミンのN-オキシドを調製するための合成方法は、ペルオキシ酸例えば過酢酸及びm-クロロ過安息香酸(MCPBA)、過酸化水素、アルキルヒドロペルオキシド例えば、t-ブチルヒドロペルオキシド、過ホウ酸ナトリウム、並びにジオキシラン例えばジメチルジオキシランを用いて、複素環及び第三級アミンを酸化させることも含めて、当業者の極めてよく知るところである。N-オキシドを調製するためのこれらの方法は、文献に広く記述され、総説が書かれているが、例えば、以下の文献を参照されたい:T.L.Gilchrist,Comprehensive Organic Synthesis,vol.7,pp.748-750(S.V.Ley,Ed.,Pergamon Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Comprehensive Heterocyclic Chemistry,vol.3,pp.18-20(A.J.Boulton and A.McKillop,Eds.,Pergamon Press);M.R.Grimmett and B.R.T.Keene,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.43,pp.149-161(A.R.Katritzky,Ed.,Academic Press);M.Tisler and B.Stanovnik,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.9,pp.285-291(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press);及びG.W.H.Cheeseman and E.S.G.Werstiuk,Advances in Hetrocyclic Chemistry,vol.22,pp.390-392(A.R.Katritzky and A.J.Boulton,Eds.,Academic Press)。
【0053】
当業者の認識するところであるが、環境内及び生理学的条件下では、化合物の塩は、それらに相当する非塩の形態とは平衡関係にあることが理由で、塩は、その非塩の形態と、生物学的実用性を分け合っている。そのため、式1の化合物の多種多様な塩が、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害の防除に有用である(即ち、農学的に好適である)。式1の化合物の塩としては、例えば以下のような無機酸又は有機酸との酸付加塩が挙げられる:臭化水素酸、塩化水素酸、硝酸、リン酸、硫酸、酢酸、酪酸、フマル酸、乳酸、マレイン酸、マロン酸、シュウ酸、プロピン酸、サリチル酸、酒石酸、4-トルエンスルホン酸、又は吉草酸。式1の化合物に、カルボン酸のような酸性の残基が含まれているような場合には、塩としてはさらに、例えば以下のような有機又は無機の塩基を用いて形成されたものが含まれる:ピリジン、トリエチルアミン若しくはアンモニア、又はアミド、水素化物、ナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウム、若しくはバリウムの水酸化物又は炭酸塩。したがって、本発明には、式1から選択される化合物、それらのN-オキシド及び農学的に好適な塩及び溶媒和物が含まれる。
【0054】
式1から選択される化合物、それらの立体異性体、互変異性体、N-オキシド、及び塩は、典型的には、二つ以上の形態で存在し、そのため、式1には、式1で表される化合物の、すべての結晶性及び非晶性の形態が含まれる。非晶性の形態には、固体である実施形態例えばワックス及びゴム、さらには液体である実施形態例えば溶液及び溶融物が含まれる。結晶性の形態には、実質的に単結晶タイプを表す実施形態、及び多形の混合物(すなわち、複数の結晶性タイプ)を表す実施形態が含まれる。「多形(polymorph)」という用語は、各種の結晶性の形態で結晶化することが可能な、化合物の特定の結晶性の形態を表しており、これらの形態は、結晶格子の中での、各種の分子の配列及び/又は配座を有している。複数の多形が、同一の化学組成を有することできるが、それらはさらに、その格子の中に弱く、又は強く結合されることが可能な、共結晶された水又は他の分子の存否によって、組成が異なっていることも可能である。多形は、結晶の形状、密度、硬度、色、化学的安定性、融点、吸湿性、懸濁性、溶解速度、及び生物学的アベイラビリティーのような、化学的、物理的、及び生物学的性質の面で異なっている可能性がある。当業者が認めるところであろうが、式1で表される化合物の多形が、式1で表される同一の化合物の他の多形、又は複数の多形の混合物に比較して、有利な効果(例えば、有用な配合を調製する際の適合性、改良された生物学的性能)を示すことが可能である。式1で表される化合物の特定の多形の調製及び単離は、例えば、選択された溶媒及び温度を使用する結晶化など、当業者には公知の方法によって達成することができる。多形についての包括的な議論に関しては、次の文献を参照されたい:R.Hilfiker Ed.,Polymorphism in the Pharmaceutical Industry,Wiley-VCH,Weinheim,2006。
【0055】
[課題を解決するための手段]において記載されたように、本発明の態様は、(a)式lから選択される少なくとも1種の化合物、そのN-オキシド、及び塩を、(b)少なくとも1種の追加の殺真菌性化合物と共に含む組成物に関する。より具体的には、成分(b)は、
(b1)メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤;
(b2)ジカルボキシミド殺真菌剤;
(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤;
(b4)フェニルアミド(PA)殺真菌剤;
(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤;
(b6)リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤;
(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤;
(b8)ヒドロキシ(2-アミノ)ピリミジン殺真菌剤;
(b9)アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤;
(b10)N-フェニルカルバメート殺真菌剤;
(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤;
(b12)フェニルピロール(PP)殺真菌剤;
(b13)アザナフタレン殺真菌剤;
(b14)細胞過酸化阻害剤殺真菌剤;
(b15)メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤;
(b16a)メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤;
(b16b)メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤;
(b17)ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤;
(b18)スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤;
(b19)ポリオキシン殺真菌剤;
(b20)フェニル尿素殺真菌剤;
(b21)キノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤;
(b22)ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤;
(b23)エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤;
(b24)ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤;
(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤;
(b26)グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤;
(b27)シアノアセトアミド-オキシム殺真菌剤;
(b28)カルバメート殺真菌剤;
(b29)酸化的リン酸化脱共役殺真菌剤;
(b30)有機スズ殺真菌剤;
(b31)カルボン酸殺真菌剤;
(b32)複素環式芳香族殺真菌剤;
(b33)ホスホネート殺真菌剤;
(b34)フタルアミド酸殺真菌剤;
(b35)ベンゾトリアジン殺真菌剤;
(b36)ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤;
(b37)ピリダジノン殺真菌剤;
(b38)チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤;
(b39)複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤;
(b40)カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤;
(b41)テトラサイクリン抗生物質殺真菌剤;
(b42)チオカルバメート殺真菌剤;
(b43)ベンズアミド殺真菌剤;
(b44)微生物殺真菌剤;
(b45)キノン外部阻害剤、スチグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤;
(b46)植物抽出物殺真菌剤;
(b47)シアノアクリレート殺真菌剤;
(b48)ポリエン殺真菌剤;
(b49)オキシステロール結合タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤;
(b50)アリール-フェニル-ケトン殺真菌剤;
(b51)宿主植物防御誘導殺真菌剤;
(b52)多部位活性殺真菌剤;
(b53)複数の作用様式の生物学的製剤;
(b54)成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤;並びに
(b1)~(b54)の化合物の塩
からなる群から選択される。
【0056】
注目すべきは、成分(b)が、(b1)~(b54)から選択される2つの異なる群のそれぞれからの少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む実施形態である。
【0057】
「メチルベンズイミダゾールカルバメート(MBC)殺真菌剤(b1)」(FRACコード1)は、微小管構築中にβ-チューブリンに結合することにより、有糸分裂を阻害する。微小管構築の阻害により、細胞分裂、細胞内輸送及び細胞構造に支障をきたす可能性がある。メチルベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤として、ベンズイミダゾール殺真菌剤及びチオファネート殺真菌剤が挙げられる。ベンズイミダゾールとして、ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール及びチアベンダゾールが挙げられる。チオファネートとして、チオファネート及びチオファネート-メチルが挙げられる。
【0058】
「ジカルボキシミド殺真菌剤(b2)」(FRACコード2)は、浸透圧シグナル伝達におけるマイトジェン-活性化タンパク質(MAP)/ヒスチジンキナーゼを阻害する。例として、クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン及びンクロゾリンが挙げられる。
【0059】
「脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤(b3)」(FRACコード3)(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスI)は、ステロール産生で役割を果たす、C14-デメチラーゼを阻害する。エルゴステロールなどの、ステロールは、膜の構造及び機能に必要であり、それらは、機能的な細胞壁の発達に不可欠である。したがって、これらの殺真菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な増殖及び最終的な死滅をもたらす。DMI殺真菌剤は、幾つかの化学クラス:ピペラジン、ピリジン、ピリミジン、イミダゾール、トリアゾール及びトリアゾリンチオンに分けられる。ピペラジンとして、トリホリンが挙げられる。ピリジンとして、ブチオベート、ピリフェノックス、ピリソキサゾール及び(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノールが挙げられる。ピリミジンとして、フェナリモール、ヌアリモル及びトリアリモルが挙げられる。イミダゾールとして、エコナゾール、イマザリル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、プロクロラズ及びトリフルミゾールが挙げられる。トリアゾールとして、アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(例えばジニコナゾール-M)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メフェントリフルコサゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ペンコナゾール、プロピコナゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリチコナゾール、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン及びrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾールが挙げられる。トリアゾリンチオンとして、プロチオコナゾールが挙げられる。生物化学的研究は、上述の殺真菌剤の全てが、Modern Selective Fungicides-Properties,Applications and Mechanisms of Action,H.Lyr(Ed.),Gustav Fischer Verlag:New York,1995,205-258にK.H.Kuckらにより記載されているようなDMI殺真菌剤であることを示している。
【0060】
「フェニルアミド(PA)殺真菌剤(b4)」(FRACコード4)は、卵菌(Oomycete)真菌のRNAポリメラーゼの特異的阻害剤である。これらの殺真菌剤に曝露された感受性真菌は、ウリジンをrRNAに取り込む能力の低下を示す。感受性真菌の増殖及び発達は、このクラスの殺真菌剤への曝露により妨げられる。フェニルアミド殺真菌剤として、アシルアラニン殺真菌剤、オキサゾリジノン殺真菌剤及びブチロラクトン殺真菌剤が挙げられる。アシルアラニンとして、ベナラキシル、ベナラキシル-M(キララキシルとしても知られる)、フララキシル、メタラキシル及びメタラキシル-M(メフェノキサムとしても知られる)が挙げられる。オキサゾリジノンとして、オキサジキシルが挙げられる。ブチロラクトンとして、オフラセが挙げられる。
【0061】
「アミン/モルホリン殺真菌剤(b5)」(FRACコード5)(SBI:クラスII)は、ステロール生合成経路内の2つの標的部位、Δ8→Δ7イソメラーゼ及びΔ14レダクターゼを阻害する。エルゴステロールなどの、ステロールは、膜の構造及び機能に必要であり、それらは、機能的な細胞壁の発達に不可欠である。したがって、これらの殺真菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な増殖及び最終的な死滅をもたらす。アミン/モルホリン殺真菌剤(非DMIステロール生合成阻害剤としても知られる)として、モルホリン殺真菌剤、ピペリジン殺真菌剤及びスピロケタール-アミン殺真菌剤が挙げられる、モルホリンとして、アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピモルフ、トリデモルフ及びトリモルファミドが挙げられる。ピペリジンとして、フェンプロピジン及びピペラリンが挙げられる。スピロケタール-アミンとして、スピロキサミンが挙げられる。
【0062】
「リン脂質生合成阻害剤殺真菌剤(b6)」(FRACコード6)は、リン脂質生合成に影響を及ぼすことにより真菌の増殖を阻害する。リン脂質生合成殺真菌剤として、ホスホロチオレート殺真菌剤及びジチオラン殺真菌剤が挙げられる。ホスホロチオレートとして、エジフェンホス、イプロベンホス及びピラゾホスが挙げられる。ジチオランとして、イソプロチオランが挙げられる。
【0063】
「コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤(SDHI)殺真菌剤(b7)」(FRACコード7)は、コハク酸デヒドロゲナーゼと呼ばれるクレブス回路(TCA回路)の主要な酵素を破壊することにより複合体II真菌の呼吸を阻害する。呼吸の阻害により、真菌がATPを生成することが妨げられ、そのため増殖及び繁殖が阻害される。SDHI殺真菌剤として、フェニルベンズアミド、フェニル-オキソ-エチルチオフェンアミド、ピリジニル-エチル-ベンズアミド、フランカルボキサミド、オキサチインカルボキサミド、チアゾールカルボキサミド、ピラゾール-4-カルボキサミド、N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミド、N-メトキシ(フェニルエチル)ピラゾールカルボキサミド、ピリジンカルボキサミド及びピラジンカルボキサミド殺真菌剤が挙げられる。フェニルベンズアミドとして、ベノダニル、フルトラニル及びメプロニルが挙げられる。フェニル-オキソ-エチルチオフェンアミドとして、イソフェタミドが挙げられる。ピリジニル-エチル-ベンズアミドとして、フルオピラムが挙げられる。フランカルボキサミドとして、フェンフラムが挙げられる。オキサチインカルボキサミドとして、カルボキシン及びオキシカルボキシンが挙げられる。チアゾールカルボキサミドとして、チフルザミドが挙げられる。ピラゾール-4-カルボキサミドとして、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、フルベネテラム(暫定一般名、登録番号1676101-39-5)、フルインダピル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソピラザム、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピラプロポイン(暫定一般名、登録番号1803108-03-3)、セダキサン及びN-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミドが挙げられる。N-シクロプロピル-N-ベンジル-ピラゾールカルボキサミドとして、イソフルシプラムが挙げられる。N-メトキシ(フェニルエチル)ピラゾールカルボキサミドとして、ピジフルメトフェンが挙げられる。ピリジンカルボキサミドとして、ボスカリドが挙げられる。ピラジンカルボキサミドとして、ピラジフルミドが挙げられる。
【0064】
「ヒドロキシ(2-アミノ)ピリミジン殺真菌剤(b8)」(FRACコード8)は、アデノシンデアミナーゼに干渉することにより核酸合成を阻害する。例として、ブピリメート、ジメチリモール及びエチリモールが挙げられる。
【0065】
「アニリノピリミジン(AP)殺真菌剤(b9)」(FRACコード9)は、アミノ酸メチオニンの生合成を阻害すると、及び感染中に植物細胞を溶解する加水分解酵素の分泌に支障をきたすと提案されている。例として、シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニルが挙げられる。
【0066】
「N-フェニルカルバメート殺真菌剤(b10)」(FRACコード10)は、β-チューブリンに結合して微小管構築に支障をきたすことにより、有糸分裂を阻害する。微小管構築の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送及び細胞構造に支障をきたす可能性がある。例として、ジエトフェンカルブが挙げられる。
【0067】
「キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤(b11)」(FRACコード11)は、ユビキノールオキシダーゼに影響を及ぼすことにより、真菌の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ユビキノールの酸化は、真菌のミトコンドリア内膜に位置する、シトクロムbc1複合体の「キノン外部」(Qo)部位でブロックされる。ミトコンドリア呼吸の阻害により、正常な真菌の増殖及び発達が妨げられる。キノン外部阻害剤殺真菌剤として、メトキシアクリレート殺真菌剤、メトキシアセトアミド殺真菌剤、メトキシカルバメート殺真菌剤、オキシミノアセテート殺真菌剤、オキシミノアセトアミド殺真菌剤及びジヒドロジオキサジン殺真菌剤(総称してストロビルリン殺真菌剤としても知られる)、並びにオキサゾリジンジオン、イミダゾリノン及びベンジル-カルバメート殺真菌剤が挙げられる。メトキシアクリレートとして、アゾキシストロビン、クモキシストロビン、エノキサストロビン(enoxastrobin)(エネストロブリンとしても知られる)、フルフェノキシストロビン、ピコキシストロビン及びピラオキシストロビンが挙げられる。メトキシアセトアミドとして、マンデストロビンが挙げられる。メトキシ-カルバメートとして、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン及びトリクロピリカルブが挙げられる。オキシミノ-アセテートとして、クレソキシム-メチル及びトリフロキシストロビンが挙げられる。オキシミノ-アセトアミドとして、ジモキシストロビン、フェナミンストロビン、メトミノストロビン及びオリサストロビンが挙げられる。ジヒドロジオキサジンとして、フルオキサストロビンが挙げられる。オキサゾリジンジオンとして、ファモキサドンが挙げられる。イミダゾリノンとして、フェナミドンが挙げられる。ベンジル-カルバメートとして、ピリベンカルブが挙げられる。
【0068】
「フェニルピロール(PP)殺真菌剤(b12)」(FRACコード12)は、真菌の浸透圧シグナル伝達に関連するMAP/ヒスチジンキナーゼを阻害する。フェンピクロニル及びフルジオキソニルは、この殺真菌剤クラスの例である。
【0069】
「アザナフタレン殺真菌剤(b13)」(FRACコード13)は、いまだに未知である機序によりシグナル伝達を阻害すると提案されている。それらは、うどんこ病を引き起こす真菌の発芽及び/又は付着器形成に干渉することが示されている。アザナフタレン殺真菌剤として、アリールオキシキノリン及びキナゾリノンが挙げられる。アリールオキシキノリンとして、キノキシフェンが挙げられる。キナゾリノンとして、プロキナジドが挙げられる。
【0070】
「細胞過酸化阻害剤殺真菌剤(b14)」(FRACコード14)は、真菌の膜合成に影響を及ぼす脂質過酸化を阻害すると提案されている。エトリジアゾールなどの、このクラスのメンバーは、呼吸及びメラニン生合成などの他の生物学的プロセスにも影響を及ぼす場合がある。細胞過酸化殺真菌剤として、芳香族炭化水素殺真菌剤及び1,2,4-チアジアゾール殺真菌剤が挙げられる。芳香族炭化水素殺真菌剤として、ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、キントゼン、テクナゼン及びトルクロホス-メチルが挙げられる。1,2,4-チアジアゾールとして、エトリジアゾールが挙げられる。
【0071】
「メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ(MBI-R)殺真菌剤(b15)」(FRACコード16.1)は、メラニン生合成におけるナフタール還元ステップを阻害する。メラニンは、いくつかの真菌による宿主植物感染に必要とされる。メラニン生合成阻害剤-レダクターゼ殺真菌剤として、イソベンゾフラノン殺真菌剤、ピロロキノリノン殺真菌剤及びトリアゾロベンゾチアゾール殺真菌剤が挙げられる。イソベンゾフラノンとして、フタリドが挙げられる。ピロロキノリノンとして、ピロキロンが挙げられる。トリアゾロベンゾチアゾールとして、トリシクラゾールが挙げられる。
【0072】
「メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ(MBI-D)殺真菌剤(b16a)」(FRACコード16.2)は、メラニン生合成におけるシタロンデヒドラターゼを阻害する。メラニンは、いくつかの真菌による宿主植物感染に必要とされる。メラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ殺真菌剤として、シクロプロパンカルボキサミド殺真菌剤、カルボキサミド殺真菌剤及びプロピオンアミド殺真菌剤が挙げられる。シクロプロパンカルボキサミドとして、カルプロパミドが挙げられる。カルボキサミドとして、ジクロシメトが挙げられる。プロピオンアミドとして、フェノキサニルが挙げられる。
【0073】
「メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ(MBI-P)殺真菌剤(b16b)」(FRACコード16.3)は、メラニン生合成におけるポリケチドシンターゼを阻害する。メラニンは、いくつかの真菌による宿主植物感染に必要とされる。メラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ殺真菌剤として、トリフルオロエチルカルバメート殺真菌剤が挙げられる。トリフルオロエチルカルバメートとして、トルプロカルブが挙げられる。
【0074】
「ケトレダクターゼ阻害剤(KRI)殺真菌剤(b17)」(FRACコード17)は、ステロール産生におけるC4-脱メチル化中での3-ケトレダクターゼを阻害する。ケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤(ステロール生合成阻害剤(SBI):クラスIIIとしても知られる)として、ヒドロキシアニリド及びアミノ-ピラゾリノンが挙げられる。ヒドロキシアニリドとして、フェンヘキサミドが挙げられる。アミノ-ピラゾリノンとして、フェンピラザミンが挙げられる。その上、キノフメリン(暫定一般名、登録番号861647-84-9)及びイプフルフェノキン(暫定一般名、登録番号1314008-27-9)がケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤であると考えられる。
【0075】
「スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤(b18)」(FRACコード18)(SBI:クラスIV)は、ステロール生合成経路でのスクアレン-エポキシダーゼを阻害する。エルゴステロールなどのステロールは、膜の構造及び機能に必要であり、それらは、機能的な細胞壁の発達に不可欠である。したがって、これらの殺真菌剤への曝露は、感受性真菌の異常な増殖及び最終的な死滅をもたらす。スクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤として、チオカルバメート殺真菌剤及びアリルアミン殺真菌剤が挙げられる。チオカルバメートとして、ピリブチカルブが挙げられる。アリルアミンとして、ナフチフィン及びテルビナフィンが挙げられる。
【0076】
「ポリオキシン殺真菌剤(b19)」(FRACコード19)は、キチンシンターゼを阻害する。例として、ポリオキシンが挙げられる。
【0077】
「フェニル尿素殺真菌剤(b20)」(FRACコード20)は、細胞分裂に影響を及ぼすと提案されている。例として、ペンシクロンが挙げられる。
【0078】
「キノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤(b21)」(FRACコード21)は、ユビキノンレダクターゼに影響を及ぼすことにより、真菌の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ユビキノンの還元は、真菌のミトコンドリア内膜に位置する、シトクロムbc1複合体の「キノン内部」(Qi)部位でブロックされる。ミトコンドリア呼吸の阻害により、正常な真菌の増殖及び発達が妨げられる。キノン内部阻害剤殺真菌剤として、シアノイミダゾール殺真菌剤、スルファモイル-トリアゾール殺真菌剤及びピコリンアミド殺真菌剤が挙げられる。シアノイミダゾールとして、シアゾファミドが挙げられる。スルファモイル-トリアゾールとして、アミスルブロムが挙げられる。ピコリンアミドとして、フェンピコキサミドが挙げられる。
【0079】
「ベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤(b22)」(FRACコード22)は、β-チューブリンに結合して微小管構築に支障をきたすことにより、有糸分裂を阻害する。微小管構築の阻害は、細胞分裂、細胞内輸送及び細胞構造に支障をきたす可能性がある。ベンズアミドとして、ゾキサミドなどのトルアミドが挙げられる。チアゾールカルボキサミドとして、エタボキサムなどのエチルアミノ-チアゾールカルボキサミドが挙げられる。
【0080】
「エノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤(b23)」(FRACコード23)は、タンパク質生合成に影響を及ぼすことにより、真菌の増殖を阻害する。例として、ブラストサイジン-Sが挙げられる。
【0081】
「ヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤(b24)」(FRACコード24)は、タンパク質生合成に影響を及ぼすことにより、真菌の増殖を阻害する。例として、カスガマイシンが挙げられる。
【0082】
「グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤(b25)」(FRACコード25)は、タンパク質生合成に影響を及ぼすことにより、真菌の増殖を阻害する。例として、ストレプトマイシンが挙げられる。
【0083】
「グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤(b26)」(FRACコードU18、U18に再分類された以前はFRACコード26)は、トレハラーゼ及びイノシトールの生合成を阻害すると提案されている。例として、バリダマイシンが挙げられる。
【0084】
「シアノアセトアミド-オキシム殺真菌剤(b27)」(FRACコード27)として、シモキサニルが挙げられる。
【0085】
「カルバメート殺真菌剤(b28)」(FRACコード28)は、真菌増殖の多部位阻害剤と見なされる。それらは、細胞膜中での脂肪酸の合成に干渉し、次いで細胞膜の透過性を破壊すると提案されている。ヨードカルブ、プロパマカルブ及びプロチオカルブは、この殺真菌剤クラスの例である。
【0086】
「酸化的リン酸化脱共役殺真菌剤(b29)」(FRACコード29)は、酸化的リン酸化を脱共役することにより、真菌の呼吸を阻害する。呼吸の阻害により、正常な真菌の増殖及び発達が妨げられる。このクラスとして、ビナパクリル、メプチルジノカップ及びジノカップなどのジニトロフェニルクロトネート、並びにフルアジナムなどの2,6-ジニトロアニリンが挙げられる。
【0087】
「有機スズ殺真菌剤(b30)」(FRACコード30)は、酸化的リン酸化経路のアデノシン三リン酸(ATP)シンターゼを阻害する。例として、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ及び水酸化トリフェニルスズが挙げられる。
【0088】
「カルボン酸殺真菌剤(b31)」(FRACコード31)は、デオキシリボ核酸(DNA)トポイソメラーゼII型(ジャイレース)に影響を及ぼすことにより、真菌の増殖を阻害する。例として、オキソリン酸が挙げられる。
【0089】
「複素環式芳香族殺真菌剤(b32)」(FRACコード32)は、DNA/リボ核酸(RNA)合成に影響を及ぼすと提案されている。複素環式芳香族殺真菌剤として、イソオキサゾール及びイソチアゾロンが挙げられる。イソオキサゾールとして、ヒメキサゾールが挙げられ、イソチアゾロンとして、オクチリノンが挙げられる。
【0090】
「ホスホネート殺真菌剤(b33)」(FRACコードP07、P07に再分類された以前はFRACコード33)として、亜リン酸及びその様々な塩、例えばホセチル-アルミニウムが挙げられる。
【0091】
「フタルアミド酸殺真菌剤(b34)」(FRACコード34)として、テクロフタラムが挙げられる。
【0092】
「ベンゾトリアジン殺真菌剤(b35)」(FRACコード35)として、トリアゾキシドが挙げられる。
【0093】
「ベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤(b36)」(FRACコード36)として、フルスルファミドが挙げられる。
【0094】
「ピリダジノン殺真菌剤(b37)」(FRACコード37)として、ジクロメジンが挙げられる。
【0095】
「チオフェン-カルボキサミド殺真菌剤(b38)」(FRACコード38)は、ATP産生に影響を及ぼすと提案されている。例として、シルチオファムが挙げられる。
【0096】
「複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤(b39)」(FRACコード39)は、ミトコンドリア中での電子伝達を阻害し、ジフルメトリムなどのピリミジンアミン、トルフェンピラドなどのピラゾール-5-カルボキサミド、及びフェナザキンなどのキナゾリンが挙げられる。
【0097】
「カルボン酸アミド(CAA)殺真菌剤(b40)」(FRACコード40)は、セルロースシンターゼを阻害し、それにより、標的真菌の増殖を防ぎ、死滅させる。カルボン酸アミド殺真菌剤として、桂皮酸アミド殺真菌剤、バリンアミドカルバメート殺真菌剤及びマンデル酸アミド殺真菌剤が挙げられる。桂皮酸アミドとして、ジメトモルフ、フルモルフ及びピリモルフが挙げられる。バリンアミドカルバメートとして、ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、イプロバリカルブ、トルプロカルブ及びバリフェナレート(バリフェナールとしても知られる)が挙げられる。マンデル酸アミドとして、マンジプロパミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド及びN-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミドが挙げられる。
【0098】
「テトラサイクリン抗生物質殺真菌剤(b41)」(FRACコード41)は、タンパク質合成に影響を及ぼすことにより、真菌の増殖を阻害する。例として、オキシテトラサイクリンが挙げられる。
【0099】
「チオカルバメート殺真菌剤(b42)」(FRACコードM12、M12に再分類された以前はFRACコード42)として、メタスルホカルブが挙げられる。
【0100】
「ベンズアミド殺真菌剤(b43)」(FRACコード43)は、スペクトリン様タンパク質の非局在化により、真菌の増殖を阻害する。例として、フルオピコリド及びフルオピモミドなどのピリジニルメチルベンズアミド殺真菌剤が挙げられる。
【0101】
「微生物殺真菌剤(b44)」(FRACコードBM02、BM02に再分類された以前はFRACコード44)は、真菌病原体の細胞膜を破壊する。微生物殺真菌剤として、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株AP-136、AP-188、AP-218、AP-219、AP-295、QST713、FZB24、F727、MB1600、D747、FCC1256(PCT/米国特許出願公開第2019/053424号明細書に開示されている、ATCC No.PTA-122162として寄託されている)などのバチルス(Bacillus)種、TJ100(株1 BEとも呼ばれる;欧州特許第2962568号明細書から知られる)、及びそれらが産生する殺真菌性リポペプチドが挙げられる。
【0102】
「キノン外部阻害剤、スチグマテリン結合(QoSI)殺真菌剤(b45)」(FRACコード45)は、チトクロームbc1複合体の、「キノン外部」(Qo)部位、スチグマテリン結合亜部位でユビキノンレダクターゼに影響を及ぼすことにより、真菌の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害する。ミトコンドリア呼吸の阻害により、正常な真菌の増殖及び発達が妨げられる。QoSI殺真菌剤として、アメトクトラジンなどのトリアゾロ-ピリミジルアミンが挙げられる。
【0103】
「植物抽出物殺真菌剤(b46)」(FRACコード46)は、細胞膜破壊を引き起こす。植物抽出物殺真菌剤として、テルペン炭化水素、テルペンアルコール及びテルペンフェノール、例えば、メラレウカ・アルテルニフォリア(Melaleuca alternifolia)(ティーツリー)からの抽出物、並びにオイゲノール、ゲラニオール及びチモールなどの植物油(混合物)挙げられる。
【0104】
「シアノアクリレート殺真菌剤(b47)」(FRACコード47)は、ミオシンモータードメインに結合し、運動活性及びアクチン構築をもたらす。シアノアクリレートとして、フェナマクリルなどの殺真菌剤が挙げられる。
【0105】
「ポリエン殺真菌剤(b48)」(FRACコード48)は、エルゴステロール、膜における主ステロールへの結合により、真菌細胞膜の破壊を引き起こす。例として、ナタマイシン(ピマリシン)が挙げられる。
【0106】
「オキシステロール結合タンパク質阻害剤(OSBPI)殺真菌剤(b49)」(FRACコード49)は、卵菌においてオキシステロール結合タンパク質に結合し、遊走子放出、遊走子運動性及び胞子嚢発芽の阻害を引き起こす。オキシステロール結合殺真菌剤として、オキサチアピプロリン及びフルオキサピプロリンなどのピペリジニル-チアゾール-イソオキサゾリンが挙げられる。
【0107】
「アリール-フェニル-ケトン殺真菌剤(b50)」(FRACコード50、50に再分類された以前はFRACコードU8)は、真菌の菌糸体の増殖を阻害する。アリール-フェニルケトン殺真菌剤として、メトラフェノンなどのベンゾフェノン、及びピリオフェノンなどのベンゾイルピリジンが挙げられる。
【0108】
「宿主植物防御誘導殺真菌剤(b51)」は、宿主植物防御機序を誘導する。宿主植物防御誘導殺真菌剤として、ベンゾチアジアゾール殺真菌剤(FRACコードP01)、ベンズイソチアゾール殺真菌剤(FRACコードP02)、チアジアゾールカルボキサミド殺真菌剤(FRACコードP03)、多糖殺真菌剤(FRACコードP04)、植物抽出物殺真菌剤(FRACコードP05)、微生物殺真菌剤(FRACコードP06)及びホスホネート殺真菌剤(FRACコードP07、上記の(b33)を参照されたい)が挙げられる。ベンゾチアジアゾールとして、アシベンゾラル-S-メチルが挙げられる。ベンズイソチアゾールとして、プロベナゾールが挙げられる。チアジアゾールカルボキサミドとして、チアジアニル及びイソチアニルが挙げられる。多糖として、ラミナリンが挙げられる。植物抽出物として、レイノウトリア・サカリネンシス(Reynoutria sachalinensis)(オオイタドリ)からの抽出物が挙げられる。微生物として、バチルス・マイコイデスアイソレートJ(Bacillus mycoides isolate J)及びサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株LAS117の細胞壁が挙げられる。
【0109】
「多部位活性殺真菌剤(b52)」は、複数の作用部位を介して真菌の増殖を阻害し、接触/予防活性を有する。多部位活性殺真菌剤として、銅殺真菌剤(FRACコードM01)、硫黄殺真菌剤(FRACコードM02)、ジチオカルバメート殺真菌剤(FRACコードM03)、フタルイミド殺真菌剤(FRACコードM04)、クロロニトリル殺真菌剤(FRACコードM05)、スルファミド殺真菌剤(FRACコードM06)、多部位接触グアニジン殺真菌剤(FRACコードM07)、トリアジン殺真菌剤(FRACコードM08)、キノン殺真菌剤(FRACコードM09)、キノキサリン殺真菌剤(FRACコードM10)、マレイミド殺真菌剤(FRACコードM11)及びチオカルバメート(FRACコードM12、上記の(b42)を参照されたい)殺真菌剤が挙げられる。銅殺真菌剤は、典型的には銅(II)酸化状態で、銅を含有する無機化合物であり;例として、オキシ塩化銅、硫酸銅及び水酸化銅、例えばボルドー混合物(三塩基性硫酸銅)などの組成物が挙げられる。硫黄殺真菌剤は、硫黄原子の環又は鎖を含有する無機化学物質であり;例として、元素硫黄が挙げられる。ジチオカルバメート殺真菌剤は、ジチオカルバメート分子部分を含有し;例として、フェルバム、マンコゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、亜鉛チアゾール、ジネブ及びジラムが挙げられる。フタルイミド殺真菌剤は、フタルイミド分子部分を含有し;例として、フォルペット、キャプタン及びカプタホールが挙げられる。クロロニトリル殺真菌剤は、クロロ及びシアノで置換された芳香環を含有し;例としてクロロタロニルが挙げられる。スルファミド殺真菌剤として、ジクロフルアニド及びトリフルアニドが挙げられる。多部位接触グアニジン殺真菌剤として、グアザチン、アルベシル酸イミノクタジン及び三酢酸イミノクタジンが挙げられる。トリアジン殺真菌剤として、アニラジンが挙げられる。キノン殺真菌剤として、ジチアノンが挙げられる。キノキサリン殺真菌剤として、キノメチオネート(quinomethionate)(キノメチオネート(chinomethionate)としても知られる)が挙げられる。マレイミド殺真菌剤として、フルオロイミドが挙げられる。
【0110】
「複数の作用様式を有する生物学的物質(b53)」として、支配的な作用様式の証拠なしに複数の作用機構を示す生物起源からの薬剤が挙げられる。このクラスの殺真菌剤として、ポリペプチド(レシチン)殺真菌剤、フェノール殺真菌剤、セスキテルペン殺真菌剤、トリテルペノイド殺真菌剤及びクマリン殺真菌剤(FRACコードBM01)、例えばハウチワマメ小植物の子葉からの抽出物が挙げられる。このクラスとして、微生物殺真菌剤(FRACコードBM02、上記の(b44)を参照されたい)も挙げられる。
【0111】
「成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤;(b54)」として;その作用様式が不明である場合がある、ある特定の殺真菌剤が挙げられる。これらには、(b54.1)「フェニル-アセトアミド殺真菌剤」(FRACコードU06)、(b54.2)「グアニジン殺真菌剤」(FRACコードU12)、(b54.3)「チアゾリジン殺真菌剤」(FRACコードU13)、(b54.4)「ピリミジノン-ヒドラゾン殺真菌剤」(FRACコードU14)、(b54.5)「4-キノリルアセテート殺真菌剤」(FRACコードU16)、(54.6)「テトラゾリルオキシム殺真菌剤」(FRACコードU17)及び「グルコピラノシル抗生物質殺真菌剤」(FRACコードU18、上記の(b26)を参照されたい)が挙げられる。フェニル-アセトアミドとして、シフルフェナミドが挙げられる。グアニジンとして、ドジンが挙げられる。チアゾリジンとして、フルチアニルが挙げられる。ピリミジノン-ヒドラゾンとして、フェリムゾンが挙げられる。4-キノリルアセテートとして、テブフロキンが挙げられる。テトラゾリルオキシムとして、ピカルブトラゾクスが挙げられる。
【0112】
(b54)クラスとして、ベトキサジン、ジクロベンチアゾクス(暫定一般名、登録番号957144-77-3)、ジピメチトロン(暫定一般名、登録番号16114-35-5)、フロメトキン、ネオ-アソジン(メタンアルソン酸第二鉄)、ピロールニトリン、トリニファニデ(登録番号304911-98-6)、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン及び4-フルオロフェニル N-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメートがまた挙げられる。
【0113】
その作用様式が未知である、又はまだ分類され得ない、「クラス(1)~(54)の殺真菌剤以外の追加の殺真菌剤」として、以下に示されるような、成分(b54.7)~(b54.11)から選択される殺真菌性化合物が挙げられる。
【0114】
成分(54.7)は、真菌の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害するキノン内部阻害剤(QiI)殺真菌剤(FRACコード21)であると考えられるフロリルピコキサミド(暫定一般名)(登録番号1961312-55-9、CAS名称(1S)-2,2-ビス(4-フルオロフェニル)-1-メチルエチル N-[[3-(アセチルオキシ)-4-メトキシ-2-ピリジニル]カルボニル]-L-アラニネート)に関連している。
【0115】
成分(54.8)は、真菌の複合体IIIミトコンドリア呼吸を阻害するキノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤(FRACコード45)であると考えられ、QoI耐性菌に対して有効であるメチルテトラプロール(暫定一般名)(登録番号1472649-01-6、CAS名称1-[2-[[[1-(4-クロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]オキシ]メチル]-3-メチル-フェニル]-1,4-ジヒドロ-4-メチル-5H-テトラゾール-5-オン)に関連している。
【0116】
成分(54.9)は、子嚢菌門(Ascomycota)及び担子菌門(Basidiomycota)に属する真菌種に対する抗真菌活性をもたらす、促進剤チューブリン重合であると考えられる、3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン(暫定一般名ピリダクロメチル、登録番号1358061-55-8)に関連している。
【0117】
成分(54.10)は、ニューロスポラ・クラッサ(Neurospora crassa)におけるグリコシルホスファチジルイノシトール-アンカー生合成においてGWT-1タンパク質を阻害すると考えられるアミノピリフェン(暫定一般名)(登録番号1531626-08-0、CAS名称4-フェノキシフェニル)メチル 2-アミノ-6-メチル-ピリジン-3-カルボキシレート)に関連している。
【0118】
成分(b54.11)は、式b54.11
【化3】
(式中、
R
b1は、
【化4】
であり;
R
b3は、C
2~C
3アルコキシカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルアミノカルボニルであり;
Lは、CH
2又はCH
2Oであり、ここで、原子は、式b54.11において右側でフェニル環に結合しており;
R
b2は、
【化5】
であり;
R
b4は、C
1~C
3アルキルであり、ここで、波状結合は、隣接する二重結合が(Z)-若しくは(E)-立体配置のどちらか、又はそれらの混合物であることを示す)
の化合物に関連している。
【0119】
式b54.11の化合物の例として、(b54.11a)N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド、(b54.11b)エチル 1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、(b54.11c)エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及び(b54.11d)エチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートが挙げられる。式b54.11の化合物、殺真菌剤としてのそれらの使用及び調製の方法は、一般に公知であり;例えば、国際公開第2018/187553号パンフレット及び国際公開第2020/056090号パンフレットを参照されたい。
【0120】
成分(b54.12)は、式b54.12
【化6】
(式中、
R
b7、R
b8及びR
b9は、それぞれ独立して、H、ハロゲン又はシアノであり;
R
b10及びR
b11は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3メトキシである)
の化合物に関連している。
【0121】
式b54.12の化合物の例として、(b54.12a)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(b54.12b)4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、(b54.12c)3,5-ジフルオロ-4-[5-[(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-ベンゾニトリル及び(b54.12d)N-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミンが挙げられる。式b54.12の化合物、殺真菌剤としてのそれらの使用及び調製の方法は、一般に公知であり;例えば、国際公開第2020/051402号パンフレットを参照されたい。
【0122】
[課題を解決するための手段]の中に記載されているような本発明の実施形態には、以下に記載されているものが含まれる。以下の実施形態においては、式1には、それらの立体異性体、N-オキシド、及び塩が含まれ、そして「式1の化合物」といった場合、実施形態においてさらに定義された場合を除き、[課題を解決するための手段]で特定された置換基の定義が含まれる。
【0123】
[実施形態1]
式1において、Aが、A-1、A-3又はA-4である[課題を解決するための手段]において記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0124】
[実施形態2]
Aが、A-1又はA-3である、実施形態1に記載の組成物。
【0125】
[実施形態3]
AがA-1である、実施形態1に記載の組成物。
【0126】
[実施形態4]
AがA-3である、実施形態1に記載の組成物。
【0127】
[実施形態5]
AがA-4である、実施形態1に記載の組成物。
【0128】
[実施形態6]
式1において、AがA-2である[課題を解決するための手段]に記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0129】
[実施形態7]
式1において、QがCR6である[課題を解決するための手段]又は実施形態1~6のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0130】
[実施形態8]
式1において、QがNである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~6のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0131】
[実施形態9]
式1において、Yが、CR7aR7b又はOである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~8のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0132】
[実施形態10]
式1において、Yが、CR7aR7b又はNR8である[課題を解決するための手段]又は実施形態1~8のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0133】
[実施形態11]
YがCR7aR7bである、実施形態9又は10に記載の組成物。
【0134】
[実施形態12]
YがOである、実施形態9の記載の組成物。
【0135】
[実施形態13]
YがNR8である、実施形態10の記載の組成物。
【0136】
[実施形態14]
式1において、WがOである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~13のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0137】
[実施形態15]
式1において、WがSである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~13のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0138】
[実施形態16]
式1において、R1及びR2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、ヒドロキシ、ニトロ、アミノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4ハロアルケニル、C2~C4アルキニル、C2~C4ハロアルキニル、C2~C4シアノアルキル、C3~C6シクロアルキル、C3~C6ハロシクロアルキル、C4~C6シクロアルキルアルキル、C2~C4アルコキシアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4ハロアルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ、C2~C4ハロアルキニルオキシ、C2~C4シアノアルコキシ、C3~C6シクロアルコキシ、C4~C6シクロアルキルアルコキシ、C2~C4アルコキシアルコキシ、C1~C3アルキルチオ、C1~C3ハロアルキルチオ、C1~C3アルキルスルフィニル、C1~C3ハロアルキルスルフィニル、C1~C3アルキルスルホニル又はC1~C3ハロアルキルスルホニルである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~15のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0139】
[実施形態17]
R1及びR2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4ハロアルケニル、C2~C4シアノアルキル、C2~C4アルコキシアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4ハロアルケニルオキシ、C2~C4シアノアルコキシ、C2~C4アルコキシアルコキシ、C1~C3アルキルチオ、C1~C3ハロアルキルチオ、C1~C3アルキルスルフィニル、C1~C3ハロアルキルスルフィニル、C1~C3アルキルスルホニル又はC1~C3ハロアルキルスルホニルである、実施形態16に記載の組成物。
【0140】
[実施形態18]
R1及びR2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C4アルコキシアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4ハロアルケニルオキシ、C2~C4アルコキシアルコキシ又はC1~C3アルキルチオである、実施形態17に記載の組成物。
【0141】
[実施形態19]
R1及びR2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ又はC1~C3アルキルチオである、実施形態18に記載の組成物。
【0142】
[実施形態20]
R1及びR2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ又はハロメトキシである、実施形態19に記載の組成物。
【0143】
[実施形態21]
R1及びR2が、それぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシである、実施形態20に記載の組成物。
【0144】
[実施形態21a]
R1及びR2が、それぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル又はトリフルオロメチルである、実施形態21に記載の組成物。
【0145】
[実施形態22]
R1及びR2が、それぞれ独立して、Cl、F又はメチルである、実施形態21に記載の組成物。
【0146】
[実施形態23]
R1及びR2が、それぞれ独立して、Cl又はFである、実施形態22に記載の組成物。
【0147】
[実施形態24]
R1及びR2が、それぞれ、Fである、実施形態23に記載の組成物。
【0148】
[実施形態25]
式1において、R3が、H、C1~C3アルキル、C2~C4アルキルカルボニル又はC2~C4アルコキシカルボニルである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~24のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0149】
[実施形態26]
R3が、H、メチル、メチルカルボニル又はメトキシカルボニルである、実施形態25に記載の化合物。
【0150】
[実施形態27]
R3が、H又はメチルである、実施形態26に記載の組成物。
【0151】
[実施形態28]
R3がHである、実施形態27に記載の組成物。
【0152】
[実施形態29]
式1において、R4が、メチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~28のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0153】
[実施形態30]
R4が、メチル、メトキシ又はエトキシである、実施形態29に記載の組成物。
【0154】
[実施形態30a]
R4が、メトキシ又はエトキシである、実施形態30に記載の組成物。
【0155】
[実施形態31]
R4がメトキシである、実施形態30aに記載の組成物。
【0156】
[実施形態32]
式1において、それぞれのR5が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル又はメトキシである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~31のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0157】
[実施形態33]
それぞれのR5が、独立して、ハロゲン又はメチルである、実施形態32に記載の組成物。
【0158】
[実施形態34]
それぞれのR5がメチルである、実施形態33に記載の組成物。
【0159】
[実施形態35]
式1において、nが、0又は1である[課題を解決するための手段]又は実施形態1~34のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0160】
[実施形態36]
nが0である、実施形態35に記載の組成物。
【0161】
[実施形態37]
式1において、R6が、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C2~C6アルコキシアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6ハロアルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C2~C6ハロアルキニルオキシ、C2~C6アルコキシアルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6ハロアルキルチオ、C1~C6アルキルスルフィニル、C1~C6ハロアルキルスルフィニル、C1~C6アルキルスルホニル、C1~C6ハロアルキルスルホニル、-ZC(=O)V、CR10a=NOR10b、ON=CR11aR11b、CR12a=NNR12bR12c又は-L-Jである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~36のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0162】
[実施形態38]
R6が、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C2~C6アルコキシアルキル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6ハロアルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C2~C6ハロアルキニルオキシ、C2~C6アルコキシアルコキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6ハロアルキルチオ、-ZC(=O)V、CR10a=NOR10b、CR12a=NNR12bR12c又は-L-Jである、実施形態37に記載の組成物。
【0163】
[実施形態39]
R6が、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、C1~C6アルキル、C1~C6ハロアルキル、C2~C6アルケニル、C2~C6ハロアルケニル、C2~C6アルキニル、C2~C6ハロアルキニル、C1~C6アルコキシ、C1~C6ハロアルコキシ、C2~C6アルケニルオキシ、C2~C6ハロアルケニルオキシ、C2~C6アルキニルオキシ、C2~C6ハロアルキニルオキシ、C1~C6アルキルチオ、C1~C6ハロアルキルチオ、CR10a=NOR10b又は-L-Jである、実施形態38に記載の組成物。
【0164】
[実施形態40]
R6が、H、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4ハロアルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ、CR10a=NOR10b又は-L-Jである、実施形態39に記載の組成物。
【0165】
[実施形態41]
R6が、H、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C4アルキニルオキシ、CR10a=NOR10b又は-L-Jである、実施形態40に記載の組成物。
【0166】
[実施形態42]
R6が、H、Br、Cl、メチル、プロピル、i-プロピル、CH2F、CHF2、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、OCH2F、OCHF2、トリフルオロメトキシ、OCH2C≡CH、CH=NOCH3、C(Me)=NOCH3又は-L-Jである、実施形態41に記載の組成物。
【0167】
[実施形態43]
R6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、CHF2、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、OCH2C≡CH、C(Me)=NOCH3又は-L-Jである、実施形態42に記載の組成物。
【0168】
[実施形態44]
R6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、CHF2、トリフルオロメチル、i-プロピルオキシ、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jである、実施形態43に記載の組成物。
【0169】
[実施形態45]
R6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、トリフルオロメチル又は-L-Jである、実施形態44に記載の組成物。
【0170】
[実施形態46]
R6が、Br、Cl、i-プロピル、トリフルオロメチル又は-L-Jである、実施形態45に記載の組成物。
【0171】
[実施形態47]
R6が、Cl、i-プロピル、トリフルオロメチル又は-L-Jである、実施形態46に記載の組成物。
【0172】
[実施形態48]
式1において、R7aが、H、ヒドロキシ、ハロゲン、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ又はハロメトキシである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~47のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0173】
[実施形態49]
R7aが、H、ハロゲン、メチル又はメトキシである、実施形態48に記載の組成物。
【0174】
[実施形態50]
R7aが、H又はメチルである、実施形態49に記載の組成物。
【0175】
[実施形態51]
R7aがHである、実施形態50に記載の組成物。
【0176】
[実施形態52]
式1において、R7bが、H、メチル、ハロメチル、メトキシ又はハロメトキシである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~51のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0177】
[実施形態53]
R7bが、H、メチル又はメトキシである、実施形態52に記載の組成物。
【0178】
[実施形態54]
R7bが、H又はメチルである、実施形態53に記載の組成物。
【0179】
[実施形態55]
R7bがHである、実施形態54に記載の組成物。
【0180】
[実施形態56]
式1において、R8が、H、メチル、ハロメチル又はメチルカルボニルである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~55のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0181】
[実施形態57]
R8が、H又はメチルである、実施形態56に記載の組成物。
【0182】
[実施形態58]
R8がHである、実施形態57に記載の組成物。
【0183】
[実施形態59]
式1において、Zが、直接結合、O、NH、CH2又はCH(OCH3)である[課題を解決するための手段]又は実施形態1~58のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0184】
[実施形態60]
Zが、直接結合、O又はCH2である、実施形態59に記載の組成物。
【0185】
[実施形態61]
Zが直接結合である、実施形態60に記載の組成物。
【0186】
[実施形態62]
ZがOである、実施形態61に記載の組成物。
【0187】
[実施形態63]
ZがCH2である、実施形態62に記載の組成物。
【0188】
[実施形態64]
式1において、R9、R10b、R11a及びR12cが、それぞれ、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C4アルケニル、C2~C4ハロアルケニル又はC2~C4アルキニルである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~63のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0189】
[実施形態65]
R9、R10b、R11a及びR12cが、それぞれ、H、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C2~C4アルケニル又はC2~C4ハロアルケニルである、実施形態64に記載の組成物。
【0190】
[実施形態66]
R9、R10b、R11a及びR12cが、それぞれ、H、メチル、エチル又はC2~C4アルケニルである、実施形態65に記載の組成物。
【0191】
[実施形態67]
R9、R10b、R11a及びR12cが、それぞれ、H又はメチルである、実施形態66に記載の組成物。
【0192】
[実施形態68]
R9、R10b、R11a及びR12cが、それぞれ、Hである、実施形態67に記載の組成物。
【0193】
[実施形態69]
R9、R10b、R11a及びR12cが、それぞれ、メチルである、実施形態67に記載の組成物。
【0194】
[実施形態70]
式1において、R10a、R11b、R12a及びR12bが、それぞれ独立して、H、メチル又はハロメチルである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~69のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0195】
[実施形態71]
R10a、R11b、R12a及びR12bが、それぞれ独立して、H又はメチルである、実施形態70に記載の組成物。
【0196】
[実施形態72]
R10a、R11b、R12a及びR12bが、それぞれ、Hである、実施形態71に記載の組成物。
【0197】
[実施形態73]
R10a、R11b、R12a及びR12bが、それぞれ、メチルである、実施形態71に記載の組成物。
【0198】
[実施形態74]
式1において、Lが、直接結合、CH2、O、S、NR13、OCH2、CH2O又はC(=O)である[課題を解決するための手段]又は実施形態1~73のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0199】
[実施形態75]
Lが、直接結合、CH2、O、OCH2、CH2O又はC(=O)である、実施形態74に記載の組成物。
【0200】
[実施形態76]
Lが、直接結合、CH2、O、OCH2、又はCH2Oである、実施形態75に記載の組成物。
【0201】
[実施形態77]
Lが、直接結合、O又はOCH2である、実施形態76に記載の組成物。
【0202】
[実施形態77a]
Lが、直接結合又はOである、実施形態74~77に記載の組成物。
【0203】
[実施形態78]
Lが直接結合である、実施形態77aに記載の組成物。
【0204】
[実施形態79]
LがOである、実施形態77aに記載の組成物。
【0205】
[実施形態80]
LがCH2である、実施形態76に記載の組成物。
【0206】
[実施形態81]
Lが、OCH2又はCH2Oである、実施形態76に記載の組成物。
【0207】
[実施形態82]
式1において、Jが、展示A
展示A
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
(式中、フローティング結合は、描かれた環の任意の利用可能な炭素又は窒素原子を介してLに連結されており;xは、0、1、2又は3である)
に描かれたJ-1~J-71から選択される[課題を解決するための手段]又は実施形態1~81のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0208】
[実施形態83]
Jが、J-4、J-5、J-6、J-7、J-8、J-9、J-18、J-19、J-20、J-21、J-22、J-23、J-24、J-25、J-26、J-27、J-34、J-35、J-36、J-37、J-38、J-53、J-56、J-57、J-58、J-59、J-60、J-61、J-63、J-64、J-65、J-66、J-67、J-68、J-69又はJ-70である、実施形態82に記載の組成物。
【0209】
[実施形態84]
Jが、J-4、J-5、J-6、J-22、J-23、J-24、J-35、J-36、J-37、J-38、J-53、J-57、J-58、J-59、J-60、J-63、J-64、J-65、J-66、J-67、J-68、J-69又はJ-70である、実施形態83に記載の組成物。
【0210】
[実施形態85]
Jが、J-53、J-58、J-59、J-60、J-65、J-66、J-67、J-68、J-69又はJ-70である、実施形態84に記載の組成物。
【0211】
[実施形態86]
Jが、J-53、J-58、J-59、J-60、J-65、J-66、J-67又はJ-68である、実施形態85に記載の組成物。
【0212】
[実施形態87]
Jが、J-58、J-66又はJ-67である、実施形態86に記載の組成物。
【0213】
[実施形態88]
Jが、J-66又はJ-67である、実施形態87に記載の組成物。
【0214】
[実施形態89]
JがJ-58である、実施形態87に記載の組成物。
【0215】
[実施形態90]
JがJ-66である、実施形態87に記載の組成物。
【0216】
[実施形態91]
JがJ-67である、実施形態87に記載の組成物。
【0217】
[実施形態92]
JがJ-66であり、xが、1又は2である、実施形態91に記載の組成物。
【0218】
[実施形態93]
JがJ-66であり、xが2である、実施形態92に記載の組成物。
【0219】
[実施形態94]
xが、0、1又は2である、実施形態82~93のいずれか1つに記載の組成物。
【0220】
[実施形態95]
xが2である、実施形態94に記載の組成物。
【0221】
[実施形態95a]
xが1である、実施形態94に記載の組成物。
【0222】
[実施形態96]
xが0である、実施形態94に記載の組成物。
【0223】
[実施形態97]
式1において、それぞれのR14が、独立して、ハロゲン、シアノ、C1~C4アルキル、C1~C4ハロアルキル、C1~C4アルコキシ、C1~C4ハロアルコキシ又はC(=O)OR15である[課題を解決するための手段]又は実施形態1~96のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0224】
[実施形態98]
それぞれのR14が、独立して、ハロゲン、シアノ、メチル、ハロメチル、メトキシ、ハロメトキシ又はC(=O)OR15である、実施形態97に記載の組成物。
【0225】
[実施形態99]
それぞれのR14が、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ又はC(=O)OR15である、実施形態98に記載の組成物。
【0226】
[実施形態100]
それぞれのR14が、独立して、ハロゲン、メチル又はC(=O)OR15である、実施形態99に記載の組成物。
【0227】
[実施形態101]
それぞれのR14が、独立して、ハロゲン又はメチルである、実施形態100に記載の組成物。
【0228】
[実施形態102]
それぞれのR14が、独立して、Br、Cl、F又はメチルである、実施形態101に記載の組成物。
【0229】
[実施形態103]
式1において、それぞれのR15が、独立して、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル又はシクロプロピルである[課題を解決するための手段]又は実施形態1~102のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0230】
[実施形態104]
それぞれのR15が、独立して、C1~C3アルキル又はC1~C3ハロアルキルである、実施形態103に記載の組成物。
【0231】
[実施形態105]
それぞれのR15が、独立して、メチル又はエチルである、実施形態104に記載の組成物。
【0232】
[実施形態106]
それぞれのR15がメチルである、実施形態105に記載の組成物。
【0233】
[実施形態107]
成分(a)が、式1の化合物のN-オキシドを含まない[課題を解決するための手段]又は実施形態1~106のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0234】
[実施形態108]
(a)が、
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物1);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物3);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物4);
メチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物5);
メチル N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物6);
メチル N-[[5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物7);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物8);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物10);
メチル N-[[5-[1-(4-エトキシ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物11);
メチル N-[[5-[1-[4-(シクロブチルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物13);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物14);
メチル N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメトキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物15);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(2-プロピン-1-イルオキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物30);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物33);
メチル N-[[5-[1-(4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物41);
メチル N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物42);
メチル N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物43);
メチル N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物53);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物63);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物64);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物65);
メチル N-[[5-[1-[4-(シクロプロピルオキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物66);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物67);
メチル N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物68);
メチル 3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチルフェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]ベンゾエート(化合物70);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物71);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物78);
メチル (E)-N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物83);
メチル N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメチル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物87);
メチル N-[[5-[1-[4-(2,2-ジフルオロシクロプロピル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物89);
メチル N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエトキシ)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物93);
メチル (Z)-N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物99);
メチル N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエチル)フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物108);
メチル N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-メチルフェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物111);
メチル N-[[5-[2-[4-シクロプロピル-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-メチルベンジル)カルバメート(化合物113);
メチル N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物115);
メチル N-[[5-[2-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物117);
メチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物118);
メチル N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物121);
メチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物131);
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物132);
メチル N-[[5-[1-[4-(1,3-ジオキサン-2-イル)-2,6-ジフルオロフェニル)]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物134);
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジクロロ-4-(1,1-ジメチルエチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物135);
メチル N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルプロピル)フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物139);及び
メチル (E)-N-[[5-[2-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物142)
からなる群から選択される化合物を含む[課題を解決するための手段]又は実施形態1~107のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0235】
[実施形態109]
成分(a)が、化合物3、4、6、7、11、13、14、15、30、33、41、63、64、66、78、83、87、89、93、99、108、111、113、117、134、135及び142からなる群から選択される化合物を含む、実施形態108に記載の組成物。
【0236】
[実施形態110]
成分(a)が、化合物3、4、6、7、11、13、14、15、30、33、41、63、64、78、99、108及び117からなる群から選択される化合物を含む、実施形態109に記載の組成物。
【0237】
[実施形態111]
成分(a)が、化合物3、4、6、7、11、14、15、30、33、41、63、64、78及び99からなる群から選択される化合物を含む、実施形態110に記載の組成物。
【0238】
[実施形態112]
成分(a)が、化合物3、4、6、15、41、63及び64からなる群から選択される化合物を含む、実施形態111に記載の組成物。
【0239】
[実施形態113]
成分(a)が、化合物6、41、63及び64からなる群から選択される化合物を含む、実施形態114に記載の組成物。
【0240】
[実施形態114]
成分(a)が化合物6を含む、実施形態113に記載の組成物。
【0241】
[実施形態115]
成分(a)が化合物41を含む、実施形態113に記載の組成物。
【0242】
[実施形態116]
成分(a)が化合物63を含む、実施形態113に記載の組成物。
【0243】
[実施形態117]
成分(a)が化合物64を含む、実施形態113に記載の組成物。
【0244】
[実施形態118]
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、硫酸銅、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、イソフルシプラム、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも2種の殺真菌性化合物を含む、実施形態108~117に記載の組成物。
【0245】
本発明の実施形態、例えば上記の実施形態1~118並びに本明細書に記載される任意の他の実施形態は、任意のやり方で組み合わせることができ、実施形態における変数の説明は、少なくとも1種の他の殺真菌性化合物と共に式1の化合物を含む組成物にのみならず、少なくとも1種の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤と共に式1の化合物を含む組成物にも、並びに式1の化合物を調製するのに有用な出発化合物及び中間化合物にも関する。加えて、本発明の実施形態、例えば上記の実施形態1~118並びに本明細書に記載される任意の他の実施形態、及びそれらの任意の組み合わせは、本発明の方法に関する。したがって、さらなる実施形態として注目すべきは、(a)上記の式1の化合物、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物と;少なくとも1種の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤とを含む、上に開示された組成物である。
【0246】
実施形態1~118の組み合わせは、下記により例示される:
[実施形態A]
成分(a)が、式1の化合物又はその塩を含み、式1において、
Aが、A-1、A-3又はA-4であり;
QがCR
6であり;
YがCR
7aR
7bであり;
WがOであり;
R
1及びR
2が、それぞれ独立して、ハロゲン、シアノ、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルコキシアルキル、C
1~C
3アルコキシ、C
1~C
3ハロアルコキシ、C
2~C
4アルケニルオキシ、C
2~C
4ハロアルケニルオキシ、C
2~C
4アルコキシアルコキシ又はC
1~C
3アルキルチオであり;
R
3が、H、メチル、メチルカルボニル又はメトキシカルボニルであり;
R
4が、メチル、メトキシ、エトキシ、メチルアミノ又はジメチルアミノであり;
それぞれのR
5が、独立して、ハロゲン又はメチルであり;
R
6が、H、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アミノ、C
1~C
6アルキル、C
1~C
6ハロアルキル、C
2~C
6アルケニル、C
2~C
6ハロアルケニル、C
2~C
6アルキニル、C
2~C
6ハロアルキニル、C
2~C
6アルコキシアルキル、C
1~C
6アルコキシ、C
1~C
6ハロアルコキシ、C
2~C
6アルケニルオキシ、C
2~C
6ハロアルケニルオキシ、C
2~C
6アルキニルオキシ、C
2~C
6ハロアルキニルオキシ、C
2~C
6アルコキシアルコキシ、C
1~C
6アルキルチオ、C
1~C
6ハロアルキルチオ、-ZC(=O)V、CR
10a=NOR
10b、CR
12a=NNR
12bR
12c又は-L-Jであり;
R
7aが、H、ハロゲン、メチル又はメトキシであり;
R
7bが、H又はメチルであり;
Zが、直接結合、O、NH、CH
2又はCH(OCH
3)であり;
R
9、R
10b及びR
12cが、それぞれ、H、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル、C
2~C
4アルケニル又はC
2~C
4ハロアルケニルであり;
R
10a、R
12a及びR
12bが、それぞれ独立して、H、メチル又はハロメチルであり;
Lが、直接結合、CH
2、O、OCH
2又はCH
2Oであり;
Jが、J-1~J-71
【化11】
【化12】
【化13】
【化14】
(式中、フローティング結合は、描かれた環の任意の利用可能な炭素又は窒素原子を介してLに連結されており;xは、0、1、2又は3であり;
それぞれのR
14は、独立して、ハロゲン、メチル、メトキシ又はC(=O)OR
15であり;
それぞれのR
15は、独立して、C
1~C
3アルキル、C
1~C
3ハロアルキル又はシクロプロピルである)
から選択される
[課題を解決するための手段]に記載される成分(a)及び(b)を含む組成物。
【0247】
[実施形態AA]
式1において、
AがA-1であり;
R1及びR2が、それぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル又はトリフルオロメチルであり;
R3が、H又はメチルであり;
R4が、メトキシ又はエトキシであり;
nが0であり;
R7aがHであり;
R7bがHであり;
R9、R10b及びR12cが、それぞれ、H又はメチルであり;
R10a、R12a及びR12bが、それぞれ独立して、H又はメチルであり;
Lが、直接結合又はOであり;
Jが、J-58、J-66又はJ-67であり;
それぞれのR14が、独立して、ハロゲン又はメチルである
実施形態Aに記載の組成物。
【0248】
[実施形態B]
式1において、
AがA-1であり;
R1及びR2が、それぞれ独立して、Br、Cl、F、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ又はトリフルオロメトキシであり;
R3が、H又はメチルであり;
R4が、メチル、メトキシ又はエトキシであり;
それぞれのR5がメチルであり;
R6が、H、ハロゲン、シアノ、C1~C3アルキル、C1~C3ハロアルキル、C1~C3アルコキシ、C1~C3ハロアルコキシ、C2~C4アルケニルオキシ、C2~C4ハロアルケニルオキシ、C2~C4アルキニルオキシ、CR10a=NOR10b、又は-L-Jであり;
R7aが、H又はメチルであり;
R10bが、H、メチル、エチル又はC2~C4アルケニルであり;
R10aが、H又はメチルであり;
Lが、直接結合又はOであり;
Jが、J-53、J-58、J-59、J-60、J-65、J-66、J-67又はJ-68であり;
それぞれのR14が、独立して、ハロゲン又はメチルである
実施形態Aに記載の組成物。
【0249】
[実施形態C]
式1において、
R1及びR2が、それぞれ独立して、Cl又はFであり;
R3がHであり;
R4がメトキシであり;
nが0であり;
R6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、CHF2、トリフルオロメチル、メトキシ、エトキシ、i-プロピルオキシ、トリフルオロメトキシ、OCH2C≡CH、C(Me)=NOCH3又は-L-Jであり;
R7aがHであり;
R7bがHであり;
Lが、直接結合であり;
Jが、J-58、J-66又はJ-67である
実施形態Bに記載の組成物。
【0250】
[実施形態D]
式1において、
R1及びR2が、それぞれ、Fであり;
R6が、Br、Cl、メチル、i-プロピル、CHF2、トリフルオロメチル、i-プロピルオキシ、C(CH3)=NOCH3又は-L-Jであり;
JがJ-66であり;
xが、0、1又は2であり;
R14が、Br、Cl、F又はメチルである
実施形態Cに記載の組成物。
【0251】
[実施形態E]
式1において、
R6が、Cl、i-プロピル、トリフルオロメチル又は-L-Jであり;
xが0である
実施形態Dに記載の組成物。
【0252】
[実施形態F]
成分(a)が、化合物3、化合物4、化合物6、化合物7、化合物11、化合物13、化合物14、化合物15、化合物30、化合物33、化合物41、化合物63、化合物64、化合物66、化合物78、化合物83、化合物87、化合物89、化合物93、化合物99、化合物108、化合物111、化合物113、化合物117、化合物134、化合物135及び化合物142からなる群から選択される化合物を含む、実施形態A~Eのいずれか1つに記載の組成物。
【0253】
[実施形態G]
成分(a)が、化合物3、化合物4、化合物6、化合物7、化合物11、化合物14、化合物15、化合物30、化合物33、化合物41、化合物63、化合物64、化合物78及び化合物99からなる群から選択される化合物を含む、実施形態Fに記載の組成物。
【0254】
[実施形態H]
成分(a)が、化合物3、化合物4、化合物6、化合物15、化合物41、化合物63及び化合物64からなる群から選択される化合物を含む、実施形態Gに記載の組成物。
【0255】
[実施形態I]
成分(a)が、化合物6、化合物41、化合物63及び化合物64からなる群から選択される化合物を含む、実施形態Hに記載の組成物。
【0256】
[実施形態J]
成分(a)が化合物63を含む、実施形態Iに記載の組成物。
【0257】
[実施形態B1]
成分(b)が、(b1)ベノミル、カルベンダジム、フベリダゾール チアベンダゾール、チオファネート及びチオファネート-メチルなどのメチルベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいすれか1つに記載の組成物を含むが、それらに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0258】
[実施形態B2]
成分(b)が、(b2)クロゾリネート、ジメタクロン、イプロジオン、プロシミドン及びビンクロゾリンなどの、ジカルボキシミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0259】
[実施形態B3]
成分(b)が、(b3)アザコナゾール、ビテルタノール、ブロムコナゾール、ブチオベート、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジニコナゾール(例えばジニコナゾール-M)、エコナゾール、エポキシコナゾール、エタコナゾール、フェナリモール、フェンブコナゾール、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルトリアホール、ヘキサコナゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、メフェントリフルコサゾール、メトコナゾール、ミクロブタニル、ヌアリモル、オキスポコナゾール、ペフラゾエート、ペンコナゾール、プロクロラズ、プロピコナゾール、ピリフェノックス、ピリソキサゾール、キンコナゾール、シメコナゾール、テブコナゾール、テトラコナゾール、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリフルミゾール、トリホリン、トリチコナゾール、ウニコナゾール及びウニコナゾール-Pなどに脱メチル化阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0260】
[実施形態B4]
成分(b)が、(b4)ベナラキシル、ベナラキシル-M、フララキシル、メタラキシル、メタラキシル-M、オフラセ及びオキサジキシルなどのフェニルアミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0261】
[実施形態B5]
成分(b)が、(b5)アルジモルフ、ドデモルフ、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、ピペラリン、スピロキサミン、トリデモルフ及びトリモルファミドなどのアミン/モルホリン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0262】
[実施形態B6]
成分(b)が、(b6)エジフェンホス、イプロベンホス、イソプロチオラン及びピラゾホスなどのリン脂質生合成阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0263】
[実施形態B7]
成分(b)が、(b7)ベノダニル、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、カルボキシン、フェンフラム、フルベネテラム、フルインダピル、フルオピラム、フルトラニル、フルキサピロキサド、フラメトピル、インピルフルキサム、イソフェタミド、イソフルシプラム、イソピラザム、メプロニル、オキシカルボキシン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、ピジフルメトフェン、ピラプロポイン、ピラジフルミド、セダキサン及びチフルザミドなどのコハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0264】
[実施形態B8]
成分(b)が、(b8)ブピリメート、ジメチリモール及びエチリモールなどのヒドロキシ(2-アミノ)ピリミジン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0265】
[実施形態B9]
成分(b)が、(b9)シプロジニル、メパニピリム及びピリメタニルなどのアニリノピリミジン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0266】
[実施形態B10]
成分(b)が、(b10)ジエトフェンカルブなどのN-フェニルカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0267】
[実施形態B11]
成分(b)が、(b11)アゾキシストロビン、クモキシストロビン、ジモキシストロビン、エノキサストロビン、ファモキサドン、フェナミドン、フェナミンストロビン、フルフェノキシストロビン、フルオキサストロビン、クレソキシム-メチル、マンデストロビン、メトミノストロビン、オリサストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリベンカルブ、トリクロピリカルブ及びトリフロキシストロビンなどの殺真菌剤キノン外部阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0268】
[実施形態B12]
成分(b)が、(b12)フェンピクロニル及びフルジオキソニルなどのフェニルピロール殺真菌剤化合物から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0269】
[実施形態B13]
成分(b)が、(b13)キノキシフェン及びプロキナジドなどのアザナフタレン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0270】
[実施形態B14]
成分(b)が、(b14)ビフェニル、クロロネブ、ジクロラン、エトリジアゾール キントゼン、テクナゼン及びトルクロホス-メチルなどの細胞過酸化阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0271】
[実施形態B15]
成分(b)が、(b15)フサライド、ピロキロン及びトリシクラゾールなどのメラニン生合成阻害剤-レダクターゼ殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0272】
[実施形態B16a]
成分(b)が、(b16a)カルプロパミド、ジクロシメト及びフェノキサニルなどのメラニン生合成阻害剤-デヒドラターゼ殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0273】
[実施形態B16b]
成分(b)が、(b16b)トルプロカルブなどのメラニン生合成阻害剤-ポリケチドシンターゼ殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0274】
[実施形態B17]
成分(b)が、(b17)フェンヘキサミド、フェンピラザミン、イプフルフェノキン及びキノフメリンなどのケトレダクターゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0275】
[実施形態B18]
成分(b)が、(b18)ナフチフィン、ピリブチカルブ及びテルビナフィンなどのスクアレン-エポキシダーゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0276】
[実施形態B19]
成分(b)が、(b19)ポリオキシンなどのポリオキシン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0277】
[実施形態B20]
成分(b)が、(b20)ペンシクロンなどのフェニル尿素殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0278】
[実施形態B21]
成分(b)が、(b21)アミスルブロム、シアゾファミド及びフェンピコキサミドなどのキノン内部阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0279】
[実施形態B22]
成分(b)が、(b22)エタボキサム及びゾキサミドなどのベンズアミド及びチアゾールカルボキサミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0280】
[実施形態B23]
成分(b)が、(b23)ブラストサイジン-Sなどのエノピラヌロン酸抗生物質殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0281】
[実施形態B24]
成分(b)が、(b24)カスガマイシンなどのヘキソピラノシル抗生物質殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0282】
[実施形態B25]
成分(b)が、(b25)グルコピラノシル抗生物質:タンパク質合成殺真菌剤、例えばストレプトマイシンなどから選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0283】
[実施形態B26]
成分(b)が、(b26)グルコピラノシル抗生物質:トレハラーゼ及びイノシトール生合成殺真菌剤、例えばバリダマイシンなどから選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0284】
[実施形態B27]
成分(b)が、(b27)シモキサニルなどのシアノアセトアミド-オキシム殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0285】
[実施形態B28]
成分(b)が、(b28)ヨードカルブ、プロパマカルブ及びプロチオカルブなどのカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0286】
[実施形態B29]
成分(b)が、(b29)ビナパクリル、ジノカップ、フルアジナム及びメプチルジノカップなどの酸化的リン酸化脱共役殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0287】
[実施形態B30]
成分(b)が、(b30)酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ及び水酸化トリフェニルスズなどの有機スズ殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0288】
[実施形態B31]
成分(b)が、(b31)オキソリン酸などのカルボン酸殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0289】
[実施形態B32]
成分(b)が、(b32)ヒメキサゾール及びオクチリノンなどの複素環式芳香族殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0290】
[実施形態B33]
成分(b)が、(b33)亜リン酸及びその様々な塩、例えばホセチルアルミニウムから選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0291】
[実施形態B34]
成分(b)が、(b34)テクロフタラムなどのフタルアミド酸殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0292】
[実施形態B35]
成分(b)が、(b35)トリアゾキシドなどのベンゾトリアジン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0293】
[実施形態B36]
成分(b)が、(b36)フルスルファミドなどのベンゼン-スルホンアミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0294】
[実施形態B37]
成分(b)が、(b37)ジクロメジンなどのピリダジノン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0295】
[実施形態B38]
成分(b)が、(b38)シルチオファムなどのチオフェン-カルボキサミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0296】
[実施形態B39]
成分(b)が、(b39)ジフルメトリム、フェナザキン及びトルフェンピラドなどの複合体I NADHオキシドレダクターゼ阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0297】
[実施形態B40]
成分(b)が、(b40)ベンチアバリカルブ、ベンチアバリカルブ-イソプロピル、ジメトモルフ、フルモルフ、イプロバリカルブ、マンジプロパミド、ピリモルフ、トルプロカルブ及びバリフェナレートなどのカルボン酸アミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0298】
[実施形態B41]
成分(b)が、(b41)オキシテトラサイクリンなどのテトラサイクリン抗生物質殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0299】
[実施形態B42]
成分(b)が、(b42)メタスルホカルブなどのチオカルバメート殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0300】
[実施形態B43]
成分(b)が、(b43)フルオピコリド及びフルオピモミドなどのベンズアミド殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0301】
[実施形態B44]
成分(b)が、(b44)バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)株AP-136、AP-188、AP-218、AP-219、AP-295、D747、F727、FCC1256、FZB24、FZB42、MB1600、QST713、RTI301、RTI472、TJ100(株1 BEとも呼ばれる;欧州特許第2962568号明細書から公知の)などの微生物殺真菌剤、及びそれらが産生する殺真菌性リポペプチドから選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0302】
[実施形態B45]
成分(b)が、(b45)キノン外部阻害剤、スチグマテリン結合殺真菌剤、例えばアメトクトラジンなどから選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0303】
[実施形態B46]
成分(b)が、(b46)オイゲノール、ゲラニオール及びチモールなどの植物抽出物殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0304】
[実施形態B47]
成分(b)が、(b47)フェナマクリルなどのシアノアクリレート殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0305】
[実施形態B48]
成分(b)が、(b48)ナタマイシンなどのポリエン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0306】
[実施形態B49]
成分(b)が、(b49)オキサチアピプロリン及びフルオキサピプロリンなどのオキシステロール結合タンパク質阻害剤殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0307】
[実施形態B50]
成分(b)が、(b50)メトラフェノン及びピリオフェノンなどのアリール-フェニル-ケトン殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0308】
[実施形態B51]
成分(b)が、(b51)アシベンゾラル-S-メチル、プロベナゾール、チアジニル、イソチアニル、ラミナリン、レイノウトリア・サカリネンシス(Reynoutria sachalinensis)及びバチルス・マイコイデスアイソレートJ(Bacillus mycoides isolate J)並びにサッカロマイセス・セレビシエ(Saccharomyces cerevisiae)株LAS117の細胞壁からの抽出物などの宿主植物防御誘導殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0309】
[実施形態B52]
成分(b)が、(b52)オキシ塩化銅、硫酸銅、水酸化銅、ボルドー組成物(三塩基性硫化銅)、元素硫黄、フェルバム、マンコゼブ、マンネブ、メチラム、プロピネブ、チラム、亜鉛チアゾール、ジネブ、ジラム、フォルペット、キャプタン、カプタホール、クロロタロニル、ジクロフルアニド、トリフルアニド、グアザチン、アルベシル酸イミノクタジン、三酢酸イミノクタジン、アニラジン、ジチアノン、キノメチオネート及びフルオロイミドなどの多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0310】
[実施形態B53]
成分(b)が、(b53)ハウチワマメ小植物の子葉からの抽出物などの複数の作用様式の生物学的殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0311】
[実施形態B54]
成分(b)が、(b54)ベトキサジン、シフルフェナミド、ジクロベンチアゾクス、ジピメチトロン、ドジン、フェリムゾン、フロメトキン、フルチアニル、ネオ-アソジン、ピカルブトラゾクス、ピロールニトリン、テブフロキン、トリニファニデ、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン及び4-フルオロフェニル N-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート(XR-539)などの、成分(a)及び成分(b1)~(b53)の殺真菌剤以外の殺真菌剤から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0312】
[実施形態B55]
成分(b)がフロリルピコキサミドを含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0313】
[実施形態B56]
成分(b)がメチルテトラプロールを含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0314】
[実施形態B57]
成分(b)が、3-クロロ-4-(2,6-ジフルオロフェニル)-6-メチル-5-フェニルピリダジン(暫定一般名ピリダクロメチル)を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0315】
[実施形態B58]
成分(b)がアミノピリフェンを含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0316】
[実施形態B59]
成分(b)が、(b54.11)(即ち、式b54.11)から選択される少なくとも1種の化合物であって、
【化15】
式中、
R
b1が
【化16】
であり;
R
b3が、C
2~C
3アルコキシカルボニル又はC
2~C
3ハロアルキルアミノカルボニルであり;
Lが、CH
2又はCH
2Oであり、ここで、原子は、式b54.11において右側でフェニル環に結合しており;
R
b2が、
【化17】
であり;
R
b4が、C
1~C
3アルキルであり、ここで、波状結合は、隣接する二重結合が(Z)-若しくは(E)-立体配置のどちらか、又はそれらの混合物であることを示す
化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0317】
[実施形態B60]
成分(b)が、N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド、エチル 1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びエチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態B59に記載の組成物。
【0318】
[実施形態B60a]
成分(b)が、エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びエチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態B60に記載の組成物。
【0319】
[実施形態B61]
成分(b)が、(b54.12)(即ち、式54.12)
【化18】
(式中、
R
b7、R
b8及びR
b9は、それぞれ独立して、H、ハロゲン又はシアノであり;
R
b10及びR
b11は、それぞれ独立して、H、ハロゲン、C
1~C
3アルキル又はC
1~C
3メトキシである)
から選択される少なくとも1種の化合物を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0320】
[実施形態B62]
成分(b)が、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-4-メチル-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-N-(2-フルオロ-6-ニトロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミン、3,5-ジフルオロ-4-[5-[(4-メトキシ-2-ニトロフェニル)アミノ]-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-4-イル]-ベンゾニトリル及びN-(2-クロロ-4-フルオロ-6-ニトロフェニル)-4-(2-クロロ-4-フルオロフェニル)-1,3-ジメチル-1H-ピラゾール-5-アミンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態B61に記載の組成物。
【0321】
[実施形態B63]
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ボスカリド(ニコビフェン)、ビキサフェン、ブロムコナゾール、カルベンダジム、クロロタロニル、硫酸銅、シフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンブコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルインダピル、フルシラゾール、フルトリアホール、フルキサピロキサド、ヘキサコナゾール、インピルフルキサム、イプコナゾール、イソフルシプラム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、マンゼート、メトコナゾール、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ペンコナゾール、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロクロラズ、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノン キノキシフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド、エチル 1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びエチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物(殺真菌剤)を含む、(実施形態1~118及びA~Jのいずれか1つの組成物を含むが、それに限定されない)[課題を解決するための手段]に記載される組成物。
【0322】
[実施形態B64]
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、硫酸銅、シフルフェナミド、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、ファモキサドン、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルインダピル、フルシラゾール、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、イソフルシプラム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンゼート、メフェントリフルコサゾール、メトコナゾール、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミクロブタニル、ペンチオピラド、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノン、キノキシフェン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、トリチコナゾール、N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド、エチル 1-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェノキシ]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート、エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びエチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、実施形態B63に記載の組成物。
【0323】
[実施形態B65]
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、硫酸銅、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、イソフルシプラム、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール、トリフロキシストロビン、エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート及びエチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレートからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、実施形態B64に記載の組成物。
【0324】
[実施形態B66]
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、硫酸銅、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、イソフルシプラム、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、実施形態B65に記載の組成物。
【0325】
[実施形態B67]
成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、クロロタロニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の化合物を含む、実施形態B66に記載の組成物。
【0326】
注目すべきは、本明細書に記載される実施形態のいずれか1つ、例えば任意の実施形態1~118、A~J、及びB1~B67の組成物であって、式1への言及がその塩を含むが、そのN-オキシドを含まない;したがって、語句「式1の化合物」が語句「式1の化合物又はその塩」で置き換えることができる組成物である。注目すべきこの組成物において、成分(a)は、式1の化合物又はその塩を含む。
【0327】
実施形態として、同様に注目すべきは、殺真菌的有効量の実施形態1~118、A~J、及びB1~B67に記載の組成物と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1つの追加の成分とを含む本発明の殺真菌性組成物である。
【0328】
本発明の実施形態は、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法であって、植物若しくはその一部に、又は植物種子若しくは苗に、実施形態1~118、A~J、及びB1~B67のいずれか1つに記載の組成物(例えば、本明細書に記載されるような調合物原料を含む組成物)の殺真菌的有効量を適用することを含む方法をさらに含む。本発明の実施形態はまた、真菌病原体により引き起こされる病気から植物又は植物種子を保護する方法であって、実施形態1~118、A~J、及びB1~B67のいずれか1つに記載の組成物の殺真菌的有効量を植物又は植物種子に適用することを含む方法を含む。
【0329】
本発明の幾つかの実施形態は、植物の葉を主に苦しめる植物病害の防除若しくは植物病害からの保護及び/又は本発明の組成物を植物の葉(即ち、種子の代わりに植物)に適用することを伴う。好ましい使用の方法には、上記の好ましい組成物を伴うものが含まれ;特定の有効性で防除される病気には、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害が含まれる。本発明に従って使用される殺真菌剤の組み合わせは、病害防除を容易にし、耐性発現を遅らせることができる。
【0330】
方法実施形態は、さらに下記を含む:
[実施形態C1]
さび病、うどんこ病、セプトリア(Septoria)病及びボトリティス(Botrytis)病から選択される病気から植物を保護する方法であって、[課題を解決するための手段]又は実施形態1~118のいずれか1つに記載される成分(a)及び(b)を含む組成物の殺真菌的有効量を植物に適用することを含む方法。
【0331】
[実施形態C2]
病気がさび病であり、組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b5)アミン/モルホリン殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤、(b13)メチルベンズイミダゾールカルバメート殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0332】
[実施形態C3]
組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C2に記載の方法。
【0333】
[実施形態C4]
組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b7)コハク酸デヒドロゲナーゼ阻害剤殺真菌剤及び(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C3に記載の方法。
【0334】
[実施形態C5]
組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、イソフルシプラム、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C1~C4のいずれか1つに記載の方法。
【0335】
[実施形態C6]
組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フルトリアホール、フルキサピロキサド、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C5に記載の方法。
【0336】
[実施形態C7]
病気が、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)により引き起こされるアジア大豆さび病である、実施形態C2~C6のいずれか1つに記載の方法。
【0337】
[実施形態C8]
病気が、プシニア・レコンジタ(Puccinia recondita)により引き起こされるコムギ葉さび病である、実施形態C2~C6のいずれか1つに記載の方法。
【0338】
[実施形態C9]
病気がうどんこ病であり、組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤、(b13)アザナフタレン殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0339】
[実施形態C10]
組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C9に記載の方法。
【0340】
[実施形態C11]
アゾキシストロビン、クロロタロニル、硫酸銅、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、マンコゼブ、メフェントリフルコサゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C9及びC10に記載の方法。
【0341】
[実施形態C12]
組成物の成分(b)が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、マンコゼブ、プロチオコナゾール、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C11に記載の方法。
【0342】
[実施形態C13]
組成物の成分(b)が、(b3)DMI殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C10に記載の方法。
【0343】
[実施形態C14]
組成物の成分(b)が、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フルトリアホール、プロチオコナゾール及びテブコナゾールからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C13に記載の方法。
【0344】
[実施形態C15]
組成物の成分(b)が、(b11)QoI殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C10に記載の方法。
【0345】
[実施形態C16]
組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C15に記載の方法。
【0346】
[実施形態C17]
病気が、エリシフェ・グラミニス(Erysiphe graminis)により引き起こされるコムギうどんこ病である、実施形態C9~C16のいずれか1つに記載の方法。
【0347】
[実施形態C18]
病気が、セプトリア(Septoria)病であり、組成物の成分(b)が、(b3)脱メチル化阻害剤(DMI)殺真菌剤及び(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0348】
[実施形態C19]
組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルトリアホール、メフェントリフルコサゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C18に記載の方法。
【0349】
[実施形態C20]
病気が、ジモセプトリア・トリシチ(Zymoseptoria tritici)により引き起こされるコムギ葉枯病である、実施形態C18及びC19のいずれか1つに記載の方法。
【0350】
[実施形態C21]
病気が、ボトリティス(Botrytis)病であり、組成物の成分(b)が、(b11)キノン外部阻害剤(QoI)殺真菌剤及び(b52)多部位活性殺真菌剤から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C1に記載の方法。
【0351】
[実施形態C22]
組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン、クロロタロニル、マンコゼブ、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、ピラクロストロビン及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C21に記載の方法。
【0352】
[実施形態C23]
組成物の成分(b)が、アゾキシストロビン マンコゼブ、及びトリフロキシストロビンからなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む、実施形態C22に記載の方法。
【0353】
[実施形態C24]
成分(a)及び(b)が、相乗的有効量で(及び互いに相乗的な比で)適用される、実施形態C1~C23のいずれか1つに記載の方法。
【0354】
注目すべきは、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法であって、植物若しくはその一部に、本発明の殺真菌性組成物の殺真菌的有効量を適用することを含む方法に関する実施形態C1~C24の同等物である実施形態である。
【0355】
[課題を解決するための手段]に述べられたように、本発明はまた、式1の化合物、又はそのN-オキシド若しくは塩に関する。本発明の実施形態、例えば実施形態1~118がまた式1の化合物に関することも指摘される。
【0356】
本発明はまた、式1の化合物(その全ての立体異性体、N-オキシド、及び塩を含む)(即ち、殺真菌的有効量での)と、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分と含む殺真菌性組成物を提供する。そのような組成物の実施形態として注目すべきは、上記の化合物実施形態のいずれかに対応する化合物を含む組成物である。
【0357】
スキーム1~12で説明されている下記の方法及び変法の内の1つ又は複数を使用して、式1の化合物を調製し得る。下記の式1~16の化合物におけるA、Q、R1、R2、R3、R4、R5、W、Y、及びnの定義は、特に断らない限り、本発明の概要において上記で定義された通りである。式1a、1dの化合物は、式1のサブセットであり、式1a、1dの全ての置換基は、特に断らない限り、式1に関して上記で定義された通りである。
【0358】
スキーム1に示されるように、式1の化合物は、銅又はパラジウム触媒のクロス-カップリング条件下で、式2の化合物を式3の化合物と反応させることにより調製することができる。式3(式中、Xはハロゲン又はトリフレートである)の化合物に関して、ウルマン又はバッフバルト・ハートウィッグ条件を用いることができる。関連参考文献に関しては、例えば、Chemical Reviews 2002,102(5),1359-1470;Angew.Chem.Int.Ed.Engl.2008,47(34),6338-6361;及びChem.Sci.2010,1(1),13-31;並びに国際公開第2014/066120号パンフレットを参照されたい。本実施例1はまた、スキーム1の方法を説明する。これらの反応は、典型的には、炭酸カリウムのような金属炭酸塩などの、塩基と、好適な触媒及び配位子、例えばヨウ化銅(I)及びトランス-1,2-ジアミノ-N,N’-ジメチルシクロヘキサンなどの配位子の存在を必要とする。反応は、一般に、周囲温度~溶媒の沸点の温度でN,N-ジメチルホルムアミド、ジオキサン又はトルエンなどの非プロトン性溶媒中で実行される。式3の化合物が、電子吸引性置換基を含む(例えば、R
1、R
2及び/又はR
6が、ニトロ、シアノ又はエステルである)及びXがハロゲンである場合、式2の化合物によるXの直接求核置換を達成することができる。これらの反応は、N,N-ジメチルホルムアミド、N,N-ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、ジオキサン、テトラヒドロフラン又はアセトニトリルなどの溶媒中で、約周囲温度~130℃の温度でアルカリ炭酸塩、水素化物、アルコキシド又はトリアルキルなどの塩基の存在下で実行される。反応条件に関しては、Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2014,24(24),5805-5813;Bioorganic & Medicinal Chemistry Letters 2010,20(15),4521-4525;及びJournal of Materials Chemistry A:Materials for Energy and Sustainability 2014,2(21),7917-7926;並びに国際公開第2016/187667号パンフレットを参照されたい。また、本実施例2、7及び11は、直接求核置換による式1の化合物の調製を説明する。式3(式中、Xはボロン酸である)の化合物に関して、Chan-Lam条件を用いることができる。これらの反応は、ピリジン又はトリエチルアミンなどの好適な塩基及び酢酸銅(II)などの触媒の存在下で実行される。典型的には、反応は、ジクロロメタン又はクロロホルムのような非プロトン性溶媒中で、約周囲温度~溶媒の沸点の温度で、及び酸素の存在下で行われる。主要な参考文献に関しては、例えば、Tetrahedron 2018,74(5),606-617;及びTetrahedron Lett.1998,39(19),2933-2936を参照されたい。
【化19】
【0359】
式3の化合物は、商業的供給源から広く入手可能であり、商業的前駆体及び公知の方法を使用して容易に調製することができる(例えば、米国特許出願公開第2013/0158004号明細書及び国際公開第2018/011094号パンフレットを参照されたい)。
【0360】
いくつかの場合には、スキーム1の方法は、2つの位置異性体をもたらす。例えば、スキーム2に示されるように、式2a(即ち、AがA-4である式2)の化合物と式3の化合物との反応は、典型的には、式1a’(即ち、AがA-4である式1)の化合物と式1a’’(即ち、AがA-3である式1)の化合物との異性体混合物を与える。位置異性体の精製は、カラムクロマトグラフィーなどの標準的な技術を使用して達成することができる。関連参考文献に関しては、例えば、国際公開第2009/013211号パンフレットを参照されたい。また、スキーム2の方法は、実施例18、ステップFにおいて説明される。
【化20】
【0361】
スキ-ム3に示されるように、式2a(即ち、AがA-4である式2)の化合物は、銅(I)塩の存在下で、式4のアルキンをアジドイオンの好適な前駆体と反応させることにより調製することができる。好適なアジド源として、例えば、トリメチルシリルアジド及びアジ化ナトリウムが挙げられる。好適な銅(I)塩として、ヨウ化銅(I)、臭化銅(I)及び塩化銅(I)が挙げられる。或いは、銅(II)塩を、穏和な還元剤と組み合わせて、例えば硫酸銅(II)をアスコルビン酸ナトリウムと組み合わせて使用することができる。反応は、典型的には、約25~100℃の温度で、N,N-ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール、tert-ブタノール、ジメチルスルホキシド(場合によっては水を含む)などの溶媒中で実行される。より低沸点溶媒の使用は、いくつかの場合には、溶媒の標準沸点よりも高い温度での反応の実行を容易にするために高い圧力を必要とし得る。主要な参考文献に関しては、例えば、Organic Letters 2009,11(23),5490-5493;European J.Organic Chem.2004,(18),3789-3791;Synlett 2005,(19),2941-2947;及びTetrahedron Letters 2006,47(18),3035-3038;並びに国際公開第2004/072243号パンフレットを参照されたい。スキーム3の方法はまた、本実施例18、ステップEで説明される。
【化21】
【0362】
スキーム4は、式4の化合物を調製する2つの方法を概説する。方法Aに示されるように、式4の化合物は、園頭反応カップリング条件を使用して式5の化合物と式6のアルキンとから調製することができる。園頭カップリングは、文献において周知である。例えば、Molecules 2010,15,9157-9173;Sonogashira,K.In Handbook of Organopalladium Chemistry for Organic Synthesis;Negishi,E.,Ed.;Wiley-Interscience:New York,2002,pp 493-529;Palladium in Heterocyclic Chemistry,A Guide for the Synthetic Chemist,Li,J.;Gribble,G.,Eds.in Tetrahedron Organic Series,Volume 20;Pergamon Press:New York,2000を参照されたい。
【0363】
方法Bに示されるように、式4の化合物は、好適なパラジウム触媒(例えばテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム又はジクロロビス-(トリフェニルホスフィン)-パラジウム(II)など)及び好適な銅触媒(ヨウ化銅(I)のような)の存在下で、式5の化合物をエチニルトリメチルシラン(式7)と反応させることにより調製することができる。反応は、好ましくは、トリエチルアミン、N,N-ジイソプロピルエチルアミン、ジエチルアミン又はピペリジンなどのアミン塩基の存在下で実行される。反応は、典型的には、テトラヒドロフラン、トルエン又はN,N-ジメチルホルムアミドなどの溶媒中で行われる;しかしながら、いくつかの場合には、反応は、式5の化合物、エチニルトリメチルシラン及びアミン塩基以外の溶媒なしで実施することができる。式4の化合物を得るための、トリメチルシラン基の除去は、メタノール又はエタノール中で、アルカリ金属水酸化物又は炭酸塩、例えば水酸化カリウム、水酸化ナトリウム又は炭酸カリウムでの処理などの周知の条件を使用して行うことができる。反応は、好ましくは、好適な有機溶媒中で行われる。典型的には、本方法は、最も満足のいくように、約0℃~溶媒の還流温度の範囲の温度で行われる。代表的な手順に関しては、JACS 2003,125(38),11545-11552及びBioorganic & Medicinal Chemistry 2009,17(24),8149-8160を参照されたい。また、本実施例18、ステップA及びBは、スキーム4の方法を説明する。
【化22】
【0364】
スキーム5に示されるように、式2の化合物はまた、式5の化合物と、式8[式中、Aは、炭素原子環メンバーを介してホウ素に結合しており、N原子環メンバー上で非置換である(即ち、Aは、環メンバー-NH-及び-(CB(OH)2)-を含む5員の複素環式芳香環である)]のホウ素中間体との鈴木カップリングにより調製することができる。反応は、Pd(0)又はPd(II)塩、好適な配位子及び塩基の存在下で実行される。この変換のための好適な塩基は、炭酸カリウム又は炭酸セシウムであり、一方、Pd(OAc)2又はPdCl2などのPd(II)塩は、トリフェニルホスフィン又は1,1’-ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(dppf)などの配位子と併せて使用される。鈴木カップリングのための条件は、文献で十分に裏付けられており;例えば、Angewandte Chemie International Edition 2006,45(21),3484-3488及びTetrahedron Letters 2002,43(16),2885-2888を参照されたい。式8のホウ素中間体は、市販されており、対応するハロゲン化物又はトリフルオロメタンスルホネートから、文献に公知の方法により調製することができる;例えば、国際公開第2007/043278号パンフレット;米国特許第8,080,566号明細書;Organic Letters 2011,13(6),1366-1369;European Journal of Medicinal Chemistry 2014,87,529-539及びOrganic Letters 2012,14(2),600-603を参照されたい。
【0365】
他のカップリング手順、例えばHeck、Stille及びKumadaにより発表されたカップリング方法は、式5上への複素環式A環の導入のための多数の代替手段を提供する。例えば、Zificsak et al.,Tetrahedron 2004,60,8991-9016をまた参照されたい。
【化23】
【0366】
スキーム6に示されるように、式5の化合物は、炭酸カリウム、トリエチルアミン又はピリジンなどの塩基の存在下で、式9のアミンを式10の酸塩化物と反応させることにより調製することができる。反応は、約0℃~50℃の範囲の温度で、式9、10及び塩基の化合物以外の溶媒なしに、又はアセトニトリル、ジクロロメタン、クロロホルム、ジエチルエーテル若しくはテトラヒドロフランなどの溶媒中で実施することができる。反応条件に関しては、例えば、国際公開第2004/037770号パンフレット及び欧州特許第1586552号明細書を参照されたい。また、スキーム6の方法は、本実施例18、ステップDで説明される。
【0367】
式10の化合物の合成に関しては、Advanced Organic Synthesis,4
th Edition,Wiley & Sons 1992,437、及びその中で引用された参考文献を参照されたい。式9の化合物は、市販されており、当業者に公知の一般的方法により容易に合成することができる。
【化24】
【0368】
スキーム7に示されるように、式1の化合物はまた、スキーム6の方法に似た、式10の酸塩化物と式11の化合物との反応により調製することができる。スキーム7の方法は、本実施例17、ステップFで説明される。
【化25】
【0369】
スキーム8に示されるように、式11の化合物は、周囲温度~溶媒の沸点の温度でテトラヒドロフランなどの非プロトン性溶媒中で水素化リチウムアルミニウム又はボラン/テトラヒドロフラン錯体若しくはトリス(ペンタフルオロフェニル)ボランなどの適切な還元剤を使用して式12のニトリルから調製することができる。関連する例に関しては、国際公開第2011/079102号パンフレット及び国際公開第2011/073444号パンフレット内に含まれる手順及び参考文献を参照されたい。また、スキーム8の方法は、本実施例17、ステップEで説明される。
【0370】
式12のニトリルはまた、接触水素化により式11のアミンに変換することができる。これらの反応は、伝統的に、1~7500kPaの圧力での水素ガスの雰囲気下に周囲温度~100℃の温度でメタノール又はエタノールなどの低級アルコール中でパラジウム(0)/炭素、ラネーニッケル、又は酸化白金などの遷移金属触媒の存在下で実施される。関連する例に関しては、国際公開第2009/152868号パンフレット及び国際公開第2010/023161号パンフレット内に含まれる手順及び参考文献を参照されたい。
【化26】
【0371】
スキーム9に示されるように、式12の化合物は、式13(式中、Aは、N原子環メンバー上で非置換である(即ち、Aは、環メンバー-NH-を含む5員の複素環式芳香環である))の化合物を、スキーム1に似た方法を使用して式3の化合物と結合させることにより調製することができる。本実施例17、ステップAは、スキーム9の方法を説明する。
【化27】
【0372】
スキーム10に示されるように、式13の化合物は、式14の化合物から調製することができる。典型的な手順では、式14の化合物は、約50℃~150℃の温度で、N,N-ジメチルホルムアミド又はジメチルスルホキシドなどの極性の非プロトン性溶媒中で、ヨウ化銅(I)又はテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)などの好適な遷移金属触媒の存在下で、シアン化銅(I)又はシアン化亜鉛(II)などのシアン化物塩と接触させられる。関連手順に関しては、国際公開第2012/032528号パンフレット及び国際公開第2011/133882号パンフレット並びにその中に含まれる参考文献を参照されたい。
【化28】
【0373】
スキーム11に示されるように、式14の化合物は、最初に、トルエン又はベンゼンなどの溶媒中で約40℃~100℃の温度で式15の化合物をN,N-ジメチルホルムアミドジメチルアセタール(DMF-DMA)と反応させて、式16の中間化合物を提供することにより調製することができる。その後のステップにおいて、式16の化合物は、メタノール又はエタノールなどの低級アルコール中でヒドラジン又はヒドラジン塩と反応させられて式14の化合物を提供する。
【化29】
【0374】
本明細書で記載される式1の化合物及びそれらの中間体は、様々な求電子反応、求核反応、有機金属反応、酸化反応及び還元反応にかけて置換基を追加し又は既存の置換基を変更し、こうして式1の他の官能化化合物を提供することができる。例えば、スキーム12に示されるように、式1c(即ち、QがCR
6であり、R
6がNH
2である式1)の化合物は、周囲温度~還流の範囲の温度で、水性の酸性溶液中でFe、Zn又はSnCl
2を使用して式1b(即ち、QがCR
6であり、R
6がNO
2である式1)の対応するニトロ化合物の還元により調製することができる。メタノール、エタノール及びi-プロパノールなどのアルコール共溶媒がまた用いられ得る。その後の反応で、式1cのアミノ基は、ハロゲン源の存在下でのジアゾ化条件下でハロゲンに変換して式1d(即ち、QがCR
6であり、R
6がハロゲンである式1)の化合物を提供することができる。様々なハロゲン源をスキーム12の方法に用いることができる。例えば、アセトニトリルなどの溶媒中で臭化銅(II)の存在下に式1cのアミノ化合物の溶液への亜硝酸tert-ブチルの添加は、式1dの対応する臭化物化合物を提供し;同様に、ジヨードメタンとの反応は、式1dの対応するヨード化合物を提供する。式1cの化合物はまた、同じハライド原子を典型的には含む鉱酸の存在下で、水、酢酸又はトリフルオロ酢酸などの溶媒中で亜硝酸ナトリウムでの処理、続いて当業者に周知の一般的な手順に従った対応する銅(I)又は銅(II)塩での処理によりジアゾニウム塩に、次いで式1dの対応する化合物に変換することができる。多くの公知の還元方法、ジアゾ化方法及びハロゲン化方法が、式1c及び1dの化合物を調製するために容易に適応させることができ、例えば、米国特許出願公開第2017/0121300号明細書、同第2017/069105号明細書、及び同第2017/038909号明細書、並びに国際公開第2017/036357号パンフレット内に含まれる手順及び参考文献を参照されたい。また、スキーム12の方法は、本実施例3、4及び13に説明される。
【化30】
【0375】
スキーム12の方法は、式1の化合物において置換基を追加する又は既存の置換基を変更する技法のまさに2つの例を提供する。当業者は、式1の化合物をまた多数の反応にかけて式1の他の官能化化合物を提供できることを認めるであろう。例えば、式1(例えば、ハロゲンがBr又はIである式1d)の芳香族ハロゲン化物は、金属触媒条件下でアルコール又はチオールと反応してアルコキシ又はアルキルチオ置換基を含む式1の化合物を提供することができる(条件に関しては、実施例15を参照されたい)。
【0376】
WがOである式1の化合物及び上記方法で説明されている中間体を、様々な標準的なチオ化試薬(thiating reagent)(例えば、五硫化リン、又は2,4-ビス(4-メトキシフェニル)-1,3-ジチア-2,4-ジホスフェタン-2,4-ジスルフィド(ローソン試薬))を使用して、WがSである対応するチオレートに変換し得る。このタイプの反応は、公知であり、例えば、Heterocycles 1995,40,271-278;Journal of Medicinal Chemistry 2008,51,8124-8134;Journal of Medicinal Chemistry 1990,33,2697-706;Synthesis 1989,(5),396-3977;J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1,1988,1663-1668;Tetrahedron 1988 44,3025-3036;及びJournal of Organic Chemistry 1988 53(6),1323-1326を参照されたい。
【0377】
式1の化合物を製造するための上で記載されたいくつかの試薬及び反応条件は、中間体中に存在するある種の官能基と相性がよくない場合があることが認められる。これらの場合には、保護/脱保護シーケンスの組み込み又は合成への官能基相互変換が、所望の生成物を得るのに役立つであろう。保護基の使用及び選択は、化学合成の熟練者に明らかであろう(例えば、T.W.Greeneand P.G.M.Wuts,Protective Groups in Organic Synthesis,2nd ed.;Wiley:New York,1991を参照されたい)。当業者は、場合によっては、いずれかの個々のスキームで描かれたある試薬の導入後に、式1の化合物の合成を完了させるために、詳細に説明されていない追加の定期的な合成ステップを実行する必要があり得ることを認識するだろう。当業者はまた、式1の化合物を調製するために、提示された特定の順序により暗示されているもの以外の順序で、上記のスキームで説明されているステップの組み合わせを実施することが必要な場合があることも認識するだろう。
【0378】
さらなる入念な検討なしに、先行記載を用いる当業者は、最大程度に本発明を利用することができると考えられる。以下の実施例は、それ故、単に例示的なものであり、何であれ決して本開示を限定するものではないと解釈されるべきである。以下の実施例におけるステップは、全合成変換における各ステップの手順を例示し、各ステップ用の出発原料は、その手順が他の実施例又はステップに記載されている特定の製造実験によって必ずしも製造されたわけではない場合がある。百分率は、クロマトグラフ溶媒混合物又は特に明記される場合を除いて重量による。クロマトグラフ溶媒混合物に関する部及び百分率は、特に明記しない限り容積による。1H NMRスペクトルを、テトラメチルシランから低磁場へppmで報告し;「s」は、一重項を意味しており、「d」は、二重項を意味しており、「t」は、三重項を意味しており、「m」は、多重項を意味しており、「br s」は、ブロード一重項を意味しており、「dd」は、二重項の二重項を意味している。マススペクトルを、大気圧化学イオン化(AP+)又はエレクトロスプレーイオン化(ESI+)のいずれかを使用する質量分析計(LCMS)と連動した液体クロマトグラフィーを使用することにより観察した、分子へのH+(分子量1)の付加により形成される最高の同位体存在量の親イオン(M+1)の分子量として報告する。
【実施例】
【0379】
実施例1
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物3)の調製
メチル N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバメート(1.12g、4.57mmol)(調製の方法に関しては、国際公開第2008124092号パンフレットを参照されたい)と、ヨウ化銅(I)(0.17g、0.914mmol)と2-ブロモ-1,3-ジフルオロ-5-メトキシ-ベンゼン(1.32g、5.94mmol)との混合物に、炭酸カリウム(11.4mmol)、続いてN,N-ジメチルホルムアミド(8mL)を添加した。窒素ガスを30分間にわたり反応混合物にバブリングさせ、次いでトランス-N,N’-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(0.26g、1.83mmol)を添加した。反応混合物を一晩80℃で加熱し、室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(4×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20~80%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を無色オイル(0.43g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.74(d,1H),7.67(dd,1H),7.59(d,1H),7.22(d,1H),6.74(d,1H),6.61(d,2H),4.87(br s,1H),4.41(d,2H),3.84(s,3H),3.69(s,3H),2.36(s,3H).
LCMS:m/z:388[M+H]+
【0380】
実施例2
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物1)の調製
ジメチルスルホキシド(5mL)中のメチル N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバメート(0.45g、1.84mmol)(調製の方法に関しては、国際公開第2008124092号パンフレットを参照されたい)の撹拌溶液に、炭酸カリウム(762mg、5.52mmol)及び1,2,3-トリフルオロ-5-ニトロベンゼン(0.235mL、2.02mmol)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム水溶液(4×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を黄色固体(0.44g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.02(d,2H),7.79(dd,1H),7.75(d,1H),7.69(dd,1H),7.25(d,1H),6.85(d,1H),4.86(br s,1H),4.44(d,2H),3.71(s,3H),2.38(s,3H).
【0381】
実施例3
メチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物5)の調製
エタノール/水(9:1、20mL)中のメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例2の生成物)(0.4g、0.995mmol)と塩化アンモニウム(32mg、0.597mmol)との混合物に、鉄粉(555mg、9.95mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を1.5時間にわたり還流で加熱し、次いで室温まで冷却し、Celite(登録商標)(珪藻類ろ過助剤)のパッドを通してろ過し、酢酸エチルですすいだ。ろ液を飽和塩化ナトリウム水溶液(4×)で洗浄しで、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の30~100%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を淡黄色固体(0.3g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.66(dd,1H),7.56(d,1H),7.21(d,1H),6.72(d,1H),6.31(d,2H),4.82(br s,1H),4.41(d,2H),4.04(br s,2H),3.69(s,3H),2.36(s,3H).
【0382】
実施例4
メチル N-[[5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物7)の調製
アセトニトリル(2mL)中のメチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例3の生成物)(90mg、0.242mmol)の混合物に、臭化銅(II)(65mg、0.290mmol)を添加した。反応混合物を約0℃まで冷却し、亜硝酸n-ブチル(0.043mL、0.363mmol)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで塩酸(1N水溶液)でクエンチした。得られた混合物を酢酸エチル(2×)で抽出し、まとめた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~40%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン中の0~10%の酢酸エチルの勾配による溶出)によりさらに精製して、表題化合物、本発明の化合物を黄色オイル(49mg)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.74(d,1H),7.67-7.65(m,2H),7.29(d,2H),7.23(d,1H),6.78(d,1H),4.83(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H).
LCMS:m/z:436[M+H]+
【0383】
実施例5
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物10)の調製
0℃でのジクロロメタン(30mL)中のメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メトキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例1の生成物)(1.20g、3.10mmol)の混合物に、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中の1M溶液、9.40mL、9.30mmol)を滴加した。反応混合物を室温まで温まるにまかせ、一晩撹拌した。反応混合物を水(35mL)でゆっくりクエンチし、これにメタノール(35mL)の滴加が続き、次いで、1時間にわたり室温で撹拌した。層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。まとめた有機抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20~70%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を白色固体(0.87g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.74(br s,1H),7.63(dd,1H),7.60(d,1H),7.24(d,1H),6.75(d,1H),6.46(d,2H),4.95(br s,1H),4.42(d,2H),3.69(s,3H),2.37(s,3H).
【0384】
実施例6
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(1-メチルエトキシ)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物14)の調製
テトラヒドロフラン(3mL)中のメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヒドロキシフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例5の生成物)(87mg)の混合物に、トリフェニルホスフィン(122mg、0.46mmol)、続いて2-プロパノール(0.035mL、0.46mmol)及びジエチルアゾジカルボキシレート(0.073mL、0.46mmol)を添加した。反応混合物を48時間にわたり室温で撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を白色固体(85mg)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.67(dd,1H),7.59(d,1H),7.22(d,1H),6.74(d,1H),6.58(d,2H),4.54(m,1H),4.83(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.36(s,3H),1.37(d,6H).
LCMS:m/z:416[M+H]+
【0385】
実施例7
メチル 3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチル-フェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]ベンゾエート(化合物70)の調製
ジメチルスルホキシド(10mL)中のメチル N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバメート(2.58g、10.5mmol)(調製の方法に関しては、国際公開第2008124092号パンフレットを参照されたい)とメチル 3,4,5-トリフルオロベンゾエート(2.41g、12.6mmol)との混合物に、炭酸カリウム(4.35g、31.5mmol)を添加した。反応混合物を48時間にわたり室温で撹拌し、酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(4×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を淡ピンク色固体(3.55g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.76(d,2H),7.74(m,2H),7.68(d,1H),7.24(d,1H),6.80(d,1H),4.87(br s,1H),4.42(d,2H),3.97(s,3H),3.70(s,3H),2.37(s,3H).
【0386】
実施例8
メチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物71)の調製
メタノール(45mL)中のメチル 3,5-ジフルオロ-4-[3-[3-[[(メトキシカルボニル)アミノ]メチル]-4-メチルフェニル]-1H-ピラゾール-1-イル]ベンゾエート(即ち、実施例7の生成物)(3.55g、8.55mmol)の混合物に、水素化ホウ素ナトリウム(1.94g、51.3mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで塩酸(1N水溶液)でクエンチし、ろ過した。ろ液を酢酸エチル(3×)で抽出し、まとめた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20~100%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を白色固体(2.52g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6,):δ 8.11(d,1H),7.73(d,1H),7.65(t,1H),7.62(dd,1H),7.29(d,1H),7.22(d,1H),6.94(d,1H),5.59(t,1H),4.60(d,2H),4.21(d,2H),3.55(s,3H),2.30(s,3H).
【0387】
実施例9
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物67)の調製
テトラヒドロフラン(70mL)中のメチル N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-(ヒドロキシメチル)フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例8の生成物)(2.30g、5.94mmol)の混合物に、Dess-Martinペルヨージナン(2.52g、5.94mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで、炭酸ナトリウム水溶液でクエンチし、酢酸エチル(2×)で抽出した。まとめた抽出物をろ過し、酢酸エチルですすいだ。ろ液を飽和重炭酸ナトリウム水溶液(3×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20~60%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を白色固体(1.78g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 9.98(t,1H),7.76(m,2H),7.69(dd,1H),7.62(d,2H),7.24(d,1H),6.83(d,1H),4.86(br s,1H),4.43(d,2H),3.71(s,3H),2.38(s,3H).
【0388】
実施例10
メチル N-[[5-[1-[4-(ジフルオロメチル)-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物87)の調製
約0℃でのジクロロメタン(10mL)中のメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ホルミルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例9の生成物)(0.25g、0.65mmol)の混合物に、Deoxo-Fluor(登録商標)(0.36mL、1.95mmol)、続いてエタノール(1滴)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで、飽和炭酸ナトリウム水溶液(200mL)中へゆっくり注いだ。30分後に、層を分離し、水層をジクロロメタン(1×)で抽出した。まとめた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を無色オイル(0.23g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.71-7.68(m,2H),7.27(d,2H),7.23(d,1H),6.80(d,1H),6.78-6.55(t,1H),4.85(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H).
LCMS:m/z:408[M+H]+
【0389】
実施例11
メチル N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物68)の調製
ジメチルスルホキシド(9mL)中のメチル N-[[2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)フェニル]メチル]カルバメート(2.0g、8.16mmol)(調製の方法に関しては、国際公開第2008124092号パンフレットを参照されたい)と1-(3,4,5-トリフルオロフェニル)エタノン(2.0g、11.4mmol)との混合物に、炭酸カリウム(3.38g、24.5mmol)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(4×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~70%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を淡オレンジ色固体(2.10g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(m,2H),7.69(dd,1H),7.67(d,2H),7.24(d,1H),6.81(d,1H),4.87(br s,1H),4.43(d,2H),3.70(s,3H),2.64(s,3H),2.37(s,3H).
【0390】
実施例12
メチル (E)-N-[[5-[1-[2,6-ジフルオロ-4-[1-(メトキシイミノ)エチル]フェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物83)の調製
エタノール中のメチル N-[[5-[1-(4-アセチル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例11の生成物)(0.24g、0.602mmol)と、O-メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(60.3mg、0.722mmol)と酢酸ナトリウム(59.2mg、0.722mmol)との混合物を一晩還流で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水で希釈した。得られた混合物を酢酸エチル(2×)で抽出し、まとめた抽出物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮して、表題化合物、本発明の化合物を琥珀色の固体(239mg)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.68(m,2H),7.41(d,2H),7.23(d,1H),6.78(d,1H),4.85(br s,1H),4.42(d,2H),4.04(s,3H),3.70(s,3H),2.37(s,3H),2.21(s,3H).
LCMS: m/z:429[M+H]+
【0391】
実施例13
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物8)の調製
アセトニトリル(50mL)中のメチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例3の生成物)(2.38g、6.40mmol)の混合物に、ジヨードメタン(2.1mL、25.6mmol)を添加した。反応混合物を約0℃まで冷却し、次いで亜硝酸tert-ブチル(0.84mL、7.04mmol)を滴加した。反応混合物を5時間にわたり室温で撹拌し、次いで追加のジヨードメタン(12mL、150mmol)を添加した。一晩撹拌した後、反応混合物を酢酸エチルで希釈し、飽和メタ重亜硫酸ナトリウム溶液(3×)、飽和塩化ナトリウム溶液(2×)及び塩酸(1N水溶液)で洗浄した。混合物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~10%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物をオフホワイト固体(1.0g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.73(d,1H),7.66-7.64(m,2H),7.47(d,2H),7.22(d,1H),6.77(d,1H),4.86(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.36(s,3H).
【0392】
実施例14
メチル N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-フェニル]メチル]カルバメート(化合物53)の調製
ステップA:メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル-4-(2-(トリメチルシリル)エチニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートの調製
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例13の生成物)(0.2g、0.414mmol)と、ヨウ化銅(I)(8mg、0.041mmol)と、N,N-ジメチルホルムアミド(4mL)、エチニルトリメチルシラン(0.088mL、0.621mmol)とジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(29mg、0.041mmol)との混合物に、トリエチルアミン0.063mL、0.455mmol)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈し、飽和塩化ナトリウム水溶液(4×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の5~40%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物を薄茶色オイル(0.17g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.74(d,1H),7.67(m,2H),7.23(d,1H),7.16(d,2H),6.77(d,1H),4.84(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H),0.27(s,9H).
【0393】
ステップB:メチル N-[[5-[1-(4-エチニル-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物53)の調製
メタノール(6mL)中のメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロフェニル-4-(2-(トリメチルシリル)エチニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、ステップAの生成物)(0.12g、0.265mmol)の混合物に、炭酸カリウム(44mg、0.318mmol)を添加した。反応混合物を1.5時間にわたり室温で撹拌し、次いで酢酸エチル及び水で希釈し、一晩室温で放置した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液(2×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を琥珀色オイル(0.109g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.68-7.66(m,2H),7.23(d,1H),7.20(d,2H),6.78(d,1H),4.84(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),3.24(s,1H),2.37(s,3H).
LCMS m/z:382[M+H]+
【0394】
実施例15
メチル N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物42)の調製
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ヨードフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例13の生成物)(0.217g、0.450mmol)とN,N-ジメチルホルムアミド(2mL)との混合物を、10~15分間にわたり窒素ガスの流れでパージし、次いでテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(52mg、0.045mmol)、続いて2-メチル-2-プロパンチオール(0.100mL、0.900mmol)及びトリエチルアミン(0.20mL、1.35mmol)を添加した。反応混合物を1時間にわたり70℃で加熱し、次いで室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液(3×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物をオレンジ色オイル(0.189g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.69-7.67(m,2H),7.27(d,2H),7.23(d,1H),6.79(d,1H),4.84(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H),1.37(s,9H).
【0395】
実施例16
メチル N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物43)の調製
ステップA:メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メルカプトフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートの調製
約0℃でのジクロロメタン(5mL)中のメチル N-[[5-[1-[4-[(1,1-ジメチルエチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例15の生成物)(0.16g、0.360mmol)の混合物に、三臭化ホウ素(ジクロロメタン中の1M溶液、1.10mL、1.08mmol)を滴加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、水(6mL)及びメタノール(6mL)でクエンチした。2時間にわたり撹拌した後、層を分離し、水層をジクロロメタン(2×)で抽出した。まとめた有機物を硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20~100%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物を固体(77mg)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.74(d,1H),7.67(dd,1H),7.62(m,1H),7.22(d,1H),6.98(d,2H),6.75(d,1H),4.83(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.36(s,3H).
【0396】
ステップB:メチル N-[[5-[1-[4-[(ジフルオロメチル)チオ]-2,6-ジフルオロフェニル]-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートの調製
アセトニトリル及び水(1:1、2mL)中のメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-メルカプトフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、ステップAの生成物)(77mg、0.198mmol)の混合物に、水酸化カリウム(222mg、3.96mmol)、続いてジエチル(ブロモジフルオロメチル)ホスホネート(0.070mL、0.396mmol)を添加した。反応混合物を1.5時間にわたり室温で撹拌し、次いで酢酸エチルで希釈した。得られた混合物を飽和塩化ナトリウム溶液(2×)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の10~50%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物をオフホワイト固体(64mg)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.75(d,1H),7.70-7.68(m,2H),7.34(d,2H),7.24(d,1H),7.02-6.80(t,1H),6.80(d,1H),4.84(br s,1H),4.42(d,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H).
LCMS m/z:440[M+H]+
【0397】
実施例17
メチル N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物65)の調製
ステップA:5-[1-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリルの調製
N,N-ジメチルホルムアミド(51mL)中の2-メチル-5-(1H-ピラゾール-3-イル)ベンゾニトリル(3.0g、16.4mmol)(調製の方法に関しては、国際公開第2014066120号パンフレットを参照されたい)と、1,3-ジクロロ-2-フルオロ-5-ニトロベンゼン(4.12g、19.6mmol)と炭酸カリウム(2.72g、19.6mmol)との混合物を、4時間にわたり80℃で加熱し、次いで室温で一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、得られた沈殿物をろ過により集め、水ですすいだ。固体沈殿物をヘキサン/1-クロロブタンの混合物中で粉砕し、ろ過し、乾燥させて、表題化合物(3.59g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.37(s,2H),8.11(s,1H),7.96(d,1H),7.64(s,1H),7.38(d,1H),6.87(s,1H),2.60(s,3H).
【0398】
ステップB:5-[1-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリルの調製
塩化スズ(II)二水和物(12.82g、56.82mmol)と、酢酸(51.78mL)と濃塩酸(34.57mL)との混合物に、反応温度を約25℃に維持しながら、5-[1-(2,6-ジクロロ-4-ニトロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(即ち、ステップAの生成物)(6.07g、16.26mmol)を少しずつ添加した。反応混合物を一晩撹拌し、次いで、水酸化カリウム(200g)と、水(200g)と氷(400g)との混合物中へ注いだ。得られた固体沈殿物をろ過により集め、乾燥させて、表題化合物(6.8g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.22(s,1H),7.98(d,1H),7.55(s,1H),7.35(d,1H),6.76(s,1H),6.71(s,2H),4.06(s,2H),2.57(s,3H).
【0399】
ステップC:5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリルの調製
5-[1-(4-アミノ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(即ち、ステップBの生成物)(6.75g、18.67mmol)と亜硝酸n-ブチル(27.38mL、233.7mmol)との混合物を一晩還流で加熱し、次いで室温まで冷却し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の20%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物(4.3g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.22(s,1H),7.96(d,1H),7.66(s,2H),7.58(s,1H),7.36(d,1H),6.80(s,1H),2.57(s,3H).
【0400】
ステップD:5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリルの調製
1,2-ジメトキシエタン(43.7mL)及び水(10.03mL)中の5-[1-(4-ブロモ-2,6-ジクロロフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゾニトリル(即ち、ステップCの生成物)(2.19g、5.37mmol)と、シクロプロピルボロン酸(0.53g、6.31mmol)と、炭酸ナトリウム(1.99g、18.75mmol)とビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(0.46g、0.66mmol)との混合物を、一晩85℃で加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水と酢酸エチルとの間で分配させた。有機層を分離し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~10%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物(0.90g)を得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.13(s,1H),7.97(d,1H),7.55(s,1H),7.34(d,1H),7.15(s,2H),6.78(s,1H),2.57(s,3H),1.98-1.90(m,1H),1.14-1.08(m,2H),0.81-0.75(m,2H).
【0401】
ステップE:5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩の調製
ジクロロメタン(5mL)中の5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチル-ベンゾニトリル(即ち、ステップDの生成物)(0.88g、2.39mmol)の混合物に、トリス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)ボラン(0.01g、0.07mmol)、続いてジエチルシラン(0.53g、5.97mmol)を添加した。反応混合物を一晩室温で撹拌し、約0~5℃まで冷却し、次いで塩酸(ジオキサン中の4N溶液、2.02mL)を滴加した。得られた沈殿物をろ過により集め、風乾して、表題化合物を固体(0.82g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.30(br s,3H),8.03(s,1H),7.95(s,1H),7.77(d,1H),7.43(s,2H),7.32(d,1H),6.97(s,1H),3.57(s,2H),2.36(s,3H),2.13-2.05(m,1H),1.14-1.05(m,2H),0.91-0.85(m,2H).
【0402】
ステップF:メチル N-[[5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートの調製
約0~5℃でのアセトニトリル(10mL)中の5-[1-(2,6-ジクロロ-4-シクロプロピルフェニル)-1H-ピラゾール-3-イル]-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩(即ち、ステップEの生成物)(0.82g、2.01mmol)と炭酸カリウム(0.83g、6.02mmol)との混合物に、クロロギ酸メチル(0.21g、2.21mmol)を添加した。反応混合物を室温で一晩撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン中の0~100%の酢酸エチルの勾配による溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を固体(0.87g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.78(s,1H),7.70(d,1H),7.63(s,1H),7.22(d,1H),7.15(s,2H),6.76(s,1H),4.82(br s,1H),4.41(br s,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H),1.95-1.88(m,1H),1.12-1.08(m,2H),0.80-0.72(m,2H).
LCMS:m/z 430[M+H]+
【0403】
実施例18
メチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物118)、及びメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物132)の調製
ステップA:2-メチル-5-[2-(トリメチルシリル)エチニル]ベンゾニトリルの調製
テトラヒドロフラン(600mL)中の2-アミノ-5-ブロモベンゾニトリル(50g、255mmol)とエチニルトリメチルシラン(181mL、1275mmol)との混合物に、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロリド(26g、38mmol)、ヨウ化銅(I)(14.5g、76.5mmol)、トリフェニルホスフィン(20g、76.5mmol)及びトリエチルアミン(600mL)を添加した。反応混合物を24時間にわたり室温で撹拌し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の5%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物を固体(45g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.68(d,1H),7.63(dd,1H),7.24(s,1H),2.53(s,3H),0.24(s,9H).
【0404】
ステップB:5-エチニル-2-メチルベンゾニトリルの調製
メタノール(800mL)中の2-メチル-5-[2-(トリメチルシリル)エチニル]ベンゾニトリル(即ち、ステップAの生成物)(40g、187.7mmol)の混合物に、水酸化カリウム(67mL、メタノール中1%)を添加した。反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌し、次いでメタノールを除去するために蒸留した。得られた混合物を水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の12%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物を固体(15g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.70(d,1H),7.57(dd,1H),7.28(d,1H),3.12(s,1H),2.55(s,3H).
【0405】
ステップC:5-エチニル-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩の調製
クロロホルム(250mL)中のジフェニルシラン(81mL、443mmol)の混合物に、トリス(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)ボラン(2.7g、5.3mmol)、続いてクロロホルム中の5-エチニル-2-メチルベンゾニトリル(即ち、ステップBの生成物)(25g、177.3mmol)の溶液を添加した。反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌し、減圧下で濃縮した。塩酸(ジエチルエーテル中の2N溶液)を得られた物質に添加し、混合物を1時間にわたり撹拌した。得られた固体沈殿物をろ過により集め、乾燥させて、表題化合物を固体(30g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 8.26(br s,3H),7.53(s,1H),7.37-7.39(m,1H),7.27-7.25(m,1H),4.19(s,1H),4.01(s,2H),2.35(s,3H).
【0406】
ステップD:メチル[(5-エチニル-2-メチルフェニル)メチル]カルバメートの調製
0℃でのアセトニトリル(330mL)中の5-エチニル-2-メチルベンゼンメタンアミン塩酸塩(即ち、ステップCの生成物)(30g、165.7mmol)と炭酸カリウム(68.5g、497mmol)との混合物に、クロロギ酸メチル(23.3g、248.6mmol)を20分間にわたって滴加した。反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌し、次いで水(200mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物を固体(25g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 7.38(br s,1H),7.33-7.31(m,1H),7.13-7.11(m,1H),4.83(brs,1H)4.34(d,2H),3.71(s,3H),3.04(s,1H),2.32(s,3H).
【0407】
ステップE:メチル N-[[5-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-メチルフェニル]メチル]カルバメートの調製
N,N-ジメチルホルムアミド(117mL)中のメチル[(5-エチニル-2-メチルフェニル)メチル]カルバメート(即ち、ステップDの生成物)(30g、165.7mmol)の混合物に、メタノール(12mL)、トリメチルシリルアジド(11.7mL、88.6mmol)及びヨウ化銅(I)(0.56g、2.9mmol)を添加した。反応混合物を16時間にわたり100℃で加熱し、次いで飽和塩化アンモニウム溶液で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物を固体(4g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 11.8(br s,1H),7.94(s,1H),7.71(s,1H),7.64-7.61(m,1H),7.24(s,1H),4.93(br s,1H),4.43(d,2H),3.71(s,3H),2.37(s,3H).
【0408】
ステップF:メチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物118)及びメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]-メチル]カルバメート(化合物132)の調製
ジメチルスルホキシド(40mL)中のメチル N-[[5-(1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル)-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、ステップEの生成物)(4g、16.2mmol)の混合物に、炭酸カリウム(6.7g、48.6mmol)、続いて1,2,3-トリフルオロ-5-ニトロベンゼン(3.1g、17.8mmol)を添加した。反応混合物を16時間にわたり室温で撹拌し、次いで水(30mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機抽出物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の20%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、メチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物118)、本発明の化合物を固体(2g)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 8.77(s,1H),8.45(dd,2H),7.80(s,1H),7.76-7.74(m,1H),7.69-7.66(m,1H),7.32(d,1H),4.24(d,2H),3.55(s,3H),2.33(s,3H).
LCMS:m/z:404[M+H]+.
【0409】
メチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物118)とメチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物132)との混合物を含む固体も得られた。シリカゲルクロマトグラフィーによる固体のさらなる精製により、メチル N-[[5-[1-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-1H-1,2,300-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物132)、本発明の化合物を固体(800mg)として得た。
1H NMR(DMSO-d6):δ 9.08(s,1H),8.50(d,2H),7.83-7.82(m,2H),7.71-7.67(m,2H),7.29(d,1H),4.24(d,2H),3.57(s,3H),2.32(s,3H).
LCMS:m/z:404[M+H]+.
【0410】
実施例19
メチル N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物115)の調製
エタノール(18mL)及び水(2mL)中のメチル N-[[5-[2-(2,6-ジフルオロ-4-ニトロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例18、ステップFの生成物、化合物118)(2g、4.9mmol)の混合物に、鉄粉(2.7g、49.6mmol)及び塩化アンモニウム(0.16g、2.9mmol)を添加した。反応混合物を1.5時間にわたり還流で加熱し、16時間にわたり室温で撹拌し、次いでCelite(登録商標)(珪藻類ろ過助剤)のパッドを通してろ過し、酢酸エチル(30mL)ですすいだ。ろ液を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を固体(1.6g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.08(s,1H),7.74-7.73(m,1H),7.67-7.65(m,1H),7.24(s,1H),6.33-6.30(m,2H),4.89(br s,1H),4.42(d,2H),4.13(s,2H),3.70(s,3H),2.37(s,3H
LCMS:m/z:374[M+H]+.
【0411】
次の化合物を実施例19の方法と同様に調製した:
メチル N-[[5-[1-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物131)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.91(s,1H),7.81(s,1H),7.70(d,1H),7.25(s,1H),6.35(d,2H),4.93(brs,1H),4.45(s,2H),4.19(brs,2H),3.71(s,3H),2.39(s,3H).
【0412】
実施例20
メチル N-[[5-[2-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物117)の調製
四塩化炭素(125mL)中のメチル N-[[5-[2-(4-アミノ-2,6-ジフルオロフェニル)-2H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(即ち、実施例19の生成物)(1g、2.68mmol)の混合物に、亜硝酸n-ブチル(3.3g、32.17mmol)を添加した。反応混合物を16時間にわたり還流で加熱し、次いでCelite(登録商標)(珪藻類ろ過助剤)のパッドを通してろ過し、酢酸エチル(20mL)ですすいだ。ろ液を水(60mL)で希釈し、酢酸エチルで抽出した。まとめた有機物を飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた物質をシリカゲルクロマトグラフィー(石油エーテル中の30%の酢酸エチルによる溶出)により精製して、表題化合物、本発明の化合物を固体(0.12g)として得た。
1H NMR(CDCl3):δ 8.13(s,1H),7.74-7.73(m,1H),7.66(dd,1H),7.28(s,1H),7.19-7.15(m,2H),4.90(brs,1H),4.43(d,2H),4.71(s,3H),2.38(s,3H).
LCMS:m/z:393[M+H]+.
【0413】
次の化合物を実施例20の方法と同様に調製した:
メチル N-[[5-[1-(4-クロロ-2,6-ジフルオロフェニル)-1H-1,2,3-トリアゾール-4-イル]-2-メチルフェニル]メチル]カルバメート(化合物121)。
1H NMR(CDCl3):δ 7.98(s,1H),7.79(brs,1H),7.70(d,1H),7.27-7.20(m,3H),4.91(br s,1H),4.44-4.43(m,2H),3.71(s,3H),2.38(s,3H).
LCMS:m/z:393[M+H]+.
【0414】
当技術分野で公知の方法と一緒に、本明細書で記載される手順により、表1A~33Dの以下の化合物を調製することができる。以下の略語が表で用いられ、それに従えば:nはノルマルを意味し、iはイソを意味し、cはシクロを意味し、Meはメチルを意味し、Etはエチルを意味し、Prはプロピルを意味し、MeOはメトキシを意味し、EOtはエトキシを意味し、MeSはメチルチオを意味し、EtSはエチルチオを意味し、-CNはシアノを意味し、-NO
2はニトロを意味する。
【化31】
【0415】
【0416】
本開示にはまた、表1Aの列見出し(即ち、「R1及びR2がFである」)が、以下に示されるそれぞれの列見出しで置き換えられることを除いて、それぞれが、上の表1Aと同じく構成される、表2A~33Aが含まれる。例えば、表2Aにおいて、列見出しは、「R1及びR2はClである」であり、R6は、上の表1Aで定義される通りである。
【0417】
【0418】
表1B
表1Bは、表1Aにおける化学構造が次の構造で置き換えられることを除いて、表1Aと同一である:
【化32】
【0419】
表2B~33B
表2B~33Bは、表2A~33Aと同じように構成される。
【0420】
表1C
表1Cは、表1Aにおける化学構造が次の構造で置き換えられることを除いて、表1Aと同一である:
【化33】
【0421】
表2C~33C
表2C~33Cは、表2A~33Aと同じように構成される。
【0422】
表1D
表1Dは、表1Aにおける化学構造が次の構造で置き換えられることを除いて、表1Aと同一である:
【化34】
【0423】
表2D~33D
表2D~33Dは、表2A~33Aと同じように構成される。
【0424】
調合/有用性
本発明の式1の化合物(そのN-オキシド及び塩を含む)、又は本化合物を[課題を解決するための手段]に記載されるような少なくとも1種の追加の殺真菌性化合物と共に含む混合物(即ち、組成物)は、一般的に、キャリアとして機能する、界面活性剤、固体希釈剤及び液体希釈剤からなる群から選択される少なくとも1種の追加の成分と共に、組成物、即ち、調合物中の殺真菌性活性成分として使用されるであろう。調合物又は組成物成分は、活性成分の物理的特性、適用様式並びに土壌タイプ、湿気及び温度などの環境因子と整合するように選択される。
【0425】
成分(a)(即ち、式1の少なくとも1種の化合物、そのN-オキシド、又は塩)と、成分(b)(例えば、上に記載されたような(b1)~(b54)及びその塩から選択される)並びに/又は1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤(即ち、殺虫剤、他の殺真菌剤、殺線虫剤、ダニ駆除剤、除草剤及び他の生物学的作用物質)との混合物は、様々な方法で調合することができる、例えば:
(i)成分(a)、成分(b)及び/又は1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤は、別々に調合し、別々に適用するか、又は適切な重量比で、例えばタンクミックスとして同時に適用することができるか;或いは
(ii)成分(a)、成分(b)及び/又は1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤は、適切な重量比で一緒に調合することができる。
【0426】
有用な調合物には、液体及び固体組成物が含まれる。液体組成物には、場合によっては増粘してゲルにすることができる、溶液(乳化性濃縮物を含む)、懸濁液、エマルジョン(マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及び/又はサスポエマルジョンを含む)などが含まれる。一般的なタイプの水性液体組成物は、可溶性濃縮物、懸濁液濃縮物、カプセル懸濁液、濃縮エマルジョン、マイクロエマルジョン、水中油型エマルジョン、流動性濃縮物及びサスポエマルジョンである。一般的なタイプの非水性液体組成物は、乳化性濃縮物、マイクロ乳化性濃縮物、分散性濃縮物及び油分散系である。
【0427】
一般的なタイプの固体組成物は、水分散性(「濡らすことができる」)又は水溶性であり得る、微粉、粉末、顆粒、ペレット、小粒、芳香錠、錠剤、充填剤入りフィルム(種子コーティングを含む)などである。フィルム形成溶液又は流動性懸濁液から形成されたフィルム及びコーティングは、種子処理用に特に有用である。活性成分は、(マイクロ)カプセル化し、さらに懸濁液又は固体調合物にすることができるか;或いはまた活性成分の全体調合物は、カプセル化する(又は「上塗りする」)ことができる。カプセル化は、活性成分の放出を制御する、又は遅くすることができる。乳化性顆粒は、乳化性濃縮物調合物及び乾燥粒状調合物の両方の利点を兼ね備える。高強度組成物は、さらなる調合物用の中間体として主に使用される。
【0428】
注目すべきは、式1の化合物(又はそのN-オキシド若しくは塩)を含む固体組成物の顆粒が、成分(b)を含む固体組成物の顆粒と混合される組成物実施形態である。これらの混合物は、追加の農業保護物質を含む顆粒とさらに混合することができる。或いは、2種若しくは複数種の農業保護物質(例えば、成分(a)(式1)化合物、成分(b)化合物、成分(a)又は(b)以外の農業保護物質)を、顆粒の1セットの固体組成物に組み合わせることができ、それは、次いで1種若しくは複数種の追加の農業保護物質を含む固体組成物の顆粒の1つ若しくは複数のセットと混合される。これらの顆粒混合物は、国際公開第94/24861号パンフレットの一般的な顆粒混合物又はより好ましくは米国特許第6,022,552号明細書の均質顆粒混合物教示に従っていることができる。
【0429】
噴霧可能な調合物は典型的には、噴霧前に好適な媒体に希釈される。そのような液体及び固体調合物は、調合されて噴霧媒体、通常水、しかし時々、芳香族又はパラフィン系炭化水素又は植物油のような別の好適な媒体に容易に希釈される。散布量は、1ヘクタール当たり約1~数千リットルの範囲であり得るが、より典型的には1ヘクタール当たり約10~数百リットルの範囲にある。噴霧可能な調合物は、空中若しくは地上散布による茎葉処理のために、又は植物の生育培地への適用のために水又は別の好適な媒体とタンク混合することができる。液体及び乾燥調合物は、植え付け中に、細流かんがいシステムへ直接計量供給するか又は畝間へ計量供給することができる。液体及び固体調合物は、浸透吸収によって成長中の根及び他の地下植物部位並びに/又は群葉を保護するために、植え付け前の種子処理として作物及び他の望ましい植生の種子上へ適用することができる。
【0430】
調合物は、典型的には、有効量の活性成分と、希釈剤及び界面活性剤とを、100重量パーセントまで添加される下記のおおよその範囲内で含むだろう。
【0431】
【0432】
固体希釈剤には、例えば、ベントナイト、モンモリロナイト、アタパルジャイト及びカオリンなどの粘土、石膏、セルロース、二酸化チタン、酸化亜鉛、デンプン、デキストリン、糖類(例えば、ラクトース、サッカロース)、シリカ、タルク、雲母、珪藻土、尿素、炭酸カルシウム、炭酸及び重炭酸ナトリウム、並びに硫酸ナトリウムが含まれる。典型的な固体希釈剤は、Watkinsら,Handbook of Insecticide Dust Diluents and Carriers,2nd Ed.,Dorland Books,Caldwell,New Jerseyに記載されている。
【0433】
液体希釈剤には、例えば、水、N,N-ジメチルアルカンアミド(例えば、N,N-ジメチルホルムアミド)、リモネン、ジメチルスルホキシド、N-アルキルピロリドン(例えば、N-メチルピロリドン)、アルキルホスフェート(例えば、トリエチルホスフェート)、エチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、パラフィン(例えば、白色鉱油、ノルマルパラフィン、イソパラフィン)、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、グリセリン、グリセロールトリアセテート、ソルビトール、芳香族炭化水素、脱芳香族化脂肪族化合物、アルキルベンゼン、アルキルナフタレン、シクロヘキサノン、2-ヘプタノン、イソホロン及び4-ヒドロキシ-4-メチル-2-ペンタノンなどのケトン、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、ヘプチルアセテート、オクチルアセテート、ノニルアセテート、トリデシルアセテート及びイソボルニルアセテートなどのアセテート、アルキル化乳酸エステル、二塩基性酸エステルアルキル及びアリールベンゾエートなどの他のエステル、及びγ-ブチロラクトン、並びにメタノール、エタノール、n-プロパノール、イソプロピルアルコール、n-ブタノール、イソブチルアルコール、n-ヘキサノール、2-エチルヘキサノール、n-オクタノール、デカノール、イソデシルアルコール、イソオクタデカノール、セチルアルコール、ラウリルアルコール、トリデシルアルコール、オレイルアルコール、シクロヘキサノール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ジアセトンアルコール、クレゾール及びベンジルアルコールなどの、線状、分岐、飽和若しくは不飽和であってもよい、アルコールが含まれる。液体希釈剤にはまた、植物種油及び果実油(例えば、オリーブ油、ヒマシ油、亜麻仁油、ごま油、コーン(トウモロコシ)油、ピーナツ油、ヒマワリ油、グレープシード油、サフラワー油、綿実油、大豆油、菜種油、ココナツ油及びパーム核油)、動物源脂肪(例えば、牛脂、豚脂、ラード、タラ肝油、魚油)、並びにそれらの混合物などの、飽和及び不飽和脂肪酸(典型的にはC6~C22)のグリセロールエステルが含まれる。液体希釈剤にはまた、アルキル化(例えば、メチル化、エチル化、ブチル化)脂肪酸であって、脂肪酸が植物及び動物源からのグリセロールエステルの加水分解によって得られてもよいし、蒸留によって精製することができる脂肪酸が含まれる。典型的な液体希釈剤は、Marsden,Solvents Guide,2nd Ed.,Interscience,New York,1950に記載されている。
【0434】
本発明の固体及び液体組成物は多くの場合、1つ若しくは複数の界面活性剤を含む。液体に添加される場合、界面活性剤(surfactant)(「界面活性剤(surface-active agent)としても知られる」は一般に、液体の表面張力を、変性し、ほとんどの場合低下させる。界面活性剤分子中の親水性及び親油性基の性質に依存して、界面活性剤は、湿潤剤、分散剤、乳化剤又は消泡剤として有用であり得る。
【0435】
界面活性剤は、非イオン、アニオン又はカチオン界面活性剤として分類することができる。本組成物に有用な非イオン界面活性剤には、(分岐若しくは線状であってもよい)天然及び合成アルコールをベースとする、そしてアルコールと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造されるアルコールアルコキシレートなどのアルコールアルコキシレート;アミンエトキシレート、アルカノールアミド及びエトキシル化アルカノールアミド;エトキシル化大豆油、ヒマシ油及び菜種油などのアルコキシル化トリグリセリド;(フェノール類と、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから調製される)オクチルフェノールエトキシレート、ノニルフェノールエトキシレート、ジノニルフェノールエトキシレート及びドデシルフェノールエトキシレートなどのアルキルフェノールアルコキシレート;エチレンオキシド又はプロピレンオキシドと、末端ブロックがプロピレンオキシドから調製されている逆ブロックポリマーとから調製されるブロックポリマー;エトキシル化脂肪酸;エトキシル化脂肪酸エステル及び油;エトキシル化メチルエステル;エトキシル化トリスチリルフェノール(例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物から製造されるもの);脂肪酸エスエル、グリセロールエステル、ラノリンベースの誘導体、ポリエトキシル化ソルビタン脂肪酸エステル、ポリエトキシル化ソルビトール脂肪酸エステル及びポリエトキシル化グリセロール脂肪酸エステルなどのポリエトキシレートエステル;ソルビタンエステルなどの他のソルビタン誘導体;ランダムコポリマー、ブロックコポリマー、アルキッドpeg(ポリエチレングリコール)樹脂、グラフト若しくは櫛形ポリマー及び星形ポリマーなどの高分子界面活性剤;ポリエチレングリコール(peg);ポリエチレングリコール脂肪酸エステル;シリコーンベースの界面活性剤;及びサッカロースエステル、アルキルポリグリコシドなどの糖誘導体;アルキルポリサッカリド;並びにオクチル-N-メチルグルカミドとデシル-N-メチルグルカミドとの混合物(例えば、製品は、ClariantからSynergen(登録商標)GA名称で得られる)などのグルカミドが含まれるが、それらに限定されない。
【0436】
有用なアニオン界面活性剤には、アルキルアリールスルホン酸及びそれらの塩;カルボキシル化アルコール又はアルキルフェノールエトキシレート;ジフェニルスルホネート誘導体;リグニン及びリグノスルホネートなどのリグニン誘導体;マレイン酸若しくはコハク酸又はそれらの酸無水物;オレフィンスルホネート;アルコールアルコキシレートのホスフェートエステル、アルキルフェノールアルコキシレートのホスフェートエステル及びスチリルフェノールエトキシレートのホスフェートエステルなどのホスフェートエステル;タンパクベースの界面活性剤;サルコシン誘導体;スチリルフェノールエーテルスルフェート;油及び脂肪酸のスルフェート及びスルホネート;エトキシル化アルキルフェノールのスルフェート及びスルホネート;アルコールのスルフェート;エトキシル化アルコールのスルフェート;N,N-アルキルタウレートなどのアミン及びアミドのスルホネート;ベンゼン、クメン、トルエン、キシレン、並びにドデシル及びトリデシルベンゼンのスルホネート;縮合ナフタレンのスルホネート;ナフタレン及びアルキルナフタレンのスルホネート;分別石油のスルホネート;スルホスクシネート;並びにジアルキルスルホスクシネート塩などのスルホスクシネート及びそれらの誘導体が含まれるが、それらに限定されない。
【0437】
有用なカチオン界面活性剤には、アミド及びエトキシル化アミド;N-アルキルプロパンジアミン、トリプロピレントリアミン及びジプロピレンテトラアミン、並びに(アミンと、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド又はそれらの混合物とから製造される)エトキシル化アミン、エトキシル化ジアミン及びプロポキシル化アミンなどのアミン;アミン酢酸塩などのアミン塩及びジアミン塩;第四級塩、エトキシル化第四級塩及びジ四級化塩などの第四級アンモニウム塩;並びにアルキルジメチルアミンオキシド及びビス-(2-ヒドロキシエチル)-アルキルアミンオキシドなどのアミンオキシドが含まれるが、それらに限定されない。
【0438】
非イオン界面活性剤とアニオン界面活性剤との混合物又は非イオン界面活性剤とカチオン界面活性剤との混合物もまた、本組成物に有用である。非イオン、アニオン及びカチオン界面活性剤並びにそれらの推奨される使用は、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Emulsifiers and Detergents,annual American and International Editions;Sisely and Wood、Encyclopedia of Surface Active Agents,Chemical Publ.Co.,Inc.,New York,1964;及びA.S.Davidson and B.Milwidsky,Synthetic Detergents,Seventh Edition,John Wiley and Sons,New York,1987を含む様々な出版された参考文献に開示されている。
【0439】
本発明の組成物はまた、調合助剤として当業者に公知の、調合補助剤及び添加剤を含有してもよい(それらのいくつかは、固体希釈剤、液体希釈剤又は界面活性剤としてもまた機能すると考えられ得る)。そのような調合補助剤及び添加剤は、pH(緩衝剤)、処理中の発泡(ポリオルガノシロキサンなどの消泡剤)、活性成分の沈降(懸濁剤)、粘度(チキソトロピック増粘剤)、容器中の微生物増殖(抗菌剤)、製品凍結(不凍剤)、色(染料/顔料分散系)、洗脱(フィルム形成剤又はステッカー)、蒸発(蒸発防止剤)、及び他の調合属性を制御し得る。フィルム形成剤には、例えば、ポリ酢酸ビニル、ポリ酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルアルコールコポリマー及びワックスが含まれる。調合補助剤及び添加剤の例としては、McCutcheon’s Division,The Manufacturing Confectioner Publishing Co.によって出版されたMcCutcheon’s Volume 2: Functional Materials,annual International and North American editions;及びPCT公開国際公開第03/024222号パンフレットにリストアップされているものが挙げられる。
【0440】
式1の化合物及び任意の他の活性成分は典型的には、活性成分を溶媒に溶解させることによって、又は液体若しくは乾燥希釈剤中ですり潰すことによって本組成物中へ組み込まれる。乳化性濃縮物などの、溶液は、成分を単に混合することによって調製することができる。乳化性濃縮物としての使用を意図される液体組成物の溶媒が水混和性である場合、乳化剤が典型的には、水での希釈時に活性含有溶媒を乳化させるために添加される。2,000μm以下の粒子径の、活性成分スラリーは、3μmよりも下の平均径の粒子を得るために媒体ミルを用いて湿式ミリングすることができる。水性スラリーは、完成懸濁液濃縮物にすることができる(例えば、米国特許第3,060,084号明細書を参照されたい)か又は噴霧乾燥によってさらに処理して水分散性顆粒を形成することができる。乾燥調合物は通常、2~10μm範囲の平均粒子径を生み出す、乾式ミリング法を必要とする。微粉及び粉末は、ブレンドし、そして通常(ハンマーミル又は流体エネルギーミルを使ってなどで)すり潰すことによって調製することができる。顆粒及びペレットは、あらかじめ形成された粒状キャリア上へ活性材料を噴霧することによって、又は凝集技術によって調製することができる。Browning,「Agglomeration」,Chemical Engineering,December 4,1967,pp 147-48,Perry’s Chemical Engineer’s Handbook,4th Ed.,McGraw-Hill,New York,1963,pp8-57及びそれに続くもの、並びに国際公開第91/13546号パンフレットを参照されたい。ペレットは、米国特許第4,172,714号明細書に記載されているように調製することができる。水分散性及び水溶性顆粒は、米国特許第4,144,050号明細書、米国特許第3,920,442号明細書及び独国特許第3,246,493号明細書に教示されているように調製することができる。錠剤は、米国特許第5,180,587号明細書、米国特許第5,232,701号明細書及び米国特許第5,208,030号明細書に教示されているように調製することができる。フィルムは、英国特許第2,095,558号明細書及び米国特許第3,299,566号明細書に教示されているように調製することができる。
【0441】
本発明の一実施形態は、真菌病原体を防除する方法であって、本発明の殺真菌組成物(界面活性剤、固体希釈剤、及び液体希釈剤と調合された式1の化合物、又は式1の化合物と少なくとも1つの他の殺真菌剤との調合混合物)を水で希釈すること、並びに場合によっては、補助剤を添加して希釈組成物を形成すること、並びに真菌病原体又はその環境と、有効量の前記希釈組成物とを接触させることを含む方法に関する。
【0442】
十分な濃度の本殺真菌組成物を水で希釈することにより形成された噴霧組成物は、真菌病原体の防除に十分な効能を提供し得るが、別々に調合された補助剤生成物をまた、噴霧タンク混合物に添加し得る。これらの追加の補助剤は、一般的に、「噴霧補助剤」又は「タンクミックス補助剤」として既知であり、殺有害生物剤の性能を向上させるか又は噴霧混合物の物理的特性を変更するために噴霧タンクで混合される任意の物質を含む。補助剤は、アニオン性若しくは非イオン性の界面活性剤、乳化剤、石油ベースの作物油、作物由来の種子油、酸性化剤、緩衝剤、増粘剤、又は消泡剤であり得る。補助剤は、効能(例えば、生物学的利用率、付着性、浸透性、カバレージの一様性、及び保護の耐久性)を高めるために使用されるか、又は不適合性、発泡、ドリフト、蒸発、気化、及び分解に関連した噴霧適用問題を最小限に抑えるか若しくは排除するために使用される。最適性能を得るために、補助剤は、活性成分、調合物、及び標的(例えば、作物、害虫)の特性に関して選択される。
【0443】
噴霧混合物に添加される補助剤の量は、一般的に、約0.1~2.5体積%の範囲である。噴霧混合物に添加される補助剤の適用量は、典型的には、1ヘクタール当たり約1~5Lである。噴霧補助剤の代表例として、下記が挙げられる:液体炭化水素中の47%のメチル化菜種油であるAdigor(登録商標)(Syngenta)、ポリアルキレンオキシド変性ヘプタメチルトリシロキサンであるSilwet(登録商標)(Helena Chemical Company)、及び83%のパラフィンベースの鉱油中の17%の界面活性剤ブレンドであるAssist(登録商標)(BASF)。
【0444】
種子処理の一つの方法は、播種する前に、本発明の化合物(即ち、調合された組成物としての化合物)により、種子を噴霧するか又は散粉する(spraying or dusting)ことによる。種子処理のために調合された組成物は、一般的に、塗膜形成剤又は接着剤を含む。したがって、典型的には、本発明の種子コーティング組成物は、生物学的有効量の式1の化合物と、塗膜形成剤又は接着剤とを含む。種子を、種子の転動ベッドの中に流動性の懸濁液濃縮物を直接噴霧し、次いでこの種子を乾燥させることによりコーティングし得る。或いは、他のタイプの調合物(例えば、濡らした粉体、溶液、サスポエマルション、乳剤(emulsifiable concentrate)、及び水中エマルション)を、種子の上に噴霧し得る。このプロセスは、種子の上にフィルムコーティングを適用する場合に特に有用である。様々なコーティング機械及びプロセスが、当業者に利用可能である。好適なプロセスとして、P.Kosters et al.,Seed Treatment:Progress and Prospects,1994,BCPC Monograph No.57、及びこの中で列挙された参考文献で列挙されたものが挙げられる。
【0445】
調合物の技術分野に関するさらなる情報については、T.S.Woods,「The Formulator’s Toolbox-Product Forms for Modern Agriculture」in Pesticide Chemistry and Bioscience,The Food-Environment Challenge,T.Brooks and T.R.Roberts,Eds.,Proceedings of the 9th International Congress on Pesticide Chemistry,The Royal Society of Chemistry,Cambridge,1999,pp.120-133を参照されたい。また、米国特許第3,235,361号明細書、列6、行16~列7、行19及び実施例10~41;米国特許第3,309,192号明細書、列5、行43~列7、行62並びに実施例8、12、15、39、41、52、53、58、132、138~140、162~164,166,167及び169~182;米国特許第2,891,855号明細書、列3、行66~列5、行17及び実施例1~4;Klingman,Weed Control as a Science,John Wiley and Sons,Inc.,New York,1961,pp 81-96;Hance et al.,Weed Control Handbook,8th Ed.,Blackwell Scientific Publications,Oxford,1989;並びにDevelopments in formulation technology,PJB Publications,Richmond,UK,2000を参照されたい。
【0446】
下記の実施例では、全ての百分率は重量百分率であり、全ての調合物は、従来の方法で調製されている。活性成分は、本明細書で開示されている牽引表A~F中の化合物を指す。さらに詳述することなく、当業者は、先の説明を使用して、本発明を最大限に利用し得ると考えられる。したがって、下記の実施例は、単に例示として構成されるものであり、いかなる方法においても本開示を限定するものではない。
【0447】
実施例A
高強度濃縮物
化合物3 98.5%
シリカエアロゲル 0.5%
合成アモルファス微細シリカ 1.0%
【0448】
実施例B
水和剤
化合物4 65.0%
ドデシルフェノールポリエチレングリコールエーテル 2.0%
リグニンスルホン酸ナトリウム 4.0%
シリコアルミン酸ナトリウム 6.0%
モンモリロナイト(焼成品) 23.0%
【0449】
実施例C
顆粒
化合物6 10.0%
アタパルジャイト顆粒(低揮発分、0.71/0.30mm;U.S.S.No.25~50篩) 90.0%
【0450】
実施例D
押出し加工ペレット
化合物7 25.0%
無水硫酸ナトリウム 10.0%
粗リグニンスルホン酸カルシウム 5.0%
アルキルナフタレンスルホン酸ナトリウム 1.0%
カルシウム/マグネシウムベントナイト 59.0%
【0451】
実施例E
乳化性濃縮物
化合物11 10.0%
ポリオキシエチレンソルビトールヘクスオレエート 20.0%
C6~C10脂肪酸メチルエステル 70.0%
【0452】
実施例F
マイクロエマルション
化合物14 5.0%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 30.0%
アルキルポリグリコシド 30.0%
グリセリルモノオレエート 15.0%
水 20.0%
【0453】
実施例G
種子処理剤
化合物15 20.00%
ポリビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー 5.00%
モンタン酸ワックス 5.00%
リグニンスルホン酸カルシウム 1.00%
ポリオキシエチレン/ポリオキシプロピレンブロックコポリマー 1.00%
ステアリルアルコール(POE 20) 2.00%
ポリオルガノシラン 0.20%
着色剤 赤色染料 0.05%
水 65.75%
【0454】
実施例H
棒状肥料
化合物30 2.50%
ピロリドン-スチレンコポリマー 4.80%
トリスチリルフェニル16-エトキシレート 2.30%
タルク 0.80%
コーンスターチ 5.00%
徐放性肥料 36.00%
カオリン 38.00%
水 10.60%
【0455】
実施例I
懸濁液濃縮物
化合物33 35%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンゴム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンベースの消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
水 53.7%
【0456】
実施例J
水中エマルション
化合物41 10.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンゴム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンベースの消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油ベースの炭化水素 20.0
水 58.7%
【0457】
実施例K
油分散体
化合物63 25%
ポリオキシエチレンソルビトールヘキサオレエート 15%
有機変性ベントナイトクレー 2.5%
脂肪酸メチルエステル 57.5%
【0458】
実施例L
サスポエマルション
化合物64 10.0%
イミダクロプリド 5.0%
ブチルポリオキシエチレン/ポリプロピレンブロックコポリマー 4.0%
ステアリン酸/ポリエチレングリコールコポリマー 1.0%
スチレンアクリルポリマー 1.0%
キサンタンゴム 0.1%
プロピレングリコール 5.0%
シリコーンベースの消泡剤 0.1%
1,2-ベンズイソチアゾリン-3-オン 0.1%
芳香族石油ベースの炭化水素 20.0%
水 53.7%
【0459】
水溶性調合物及び水分散性調合物を、典型的には水で希釈して水性組成物を形成した後に、適用する。植物又はその一部への直接適用のための水性組成物(例えば、噴霧タンク組成物)は、典型的には、少なくとも約1ppm以上(例えば、1ppm~100ppm)の本発明の化合物を含む。
【0460】
種子を、通常は、種子1キログラム当たり約0.001g(より典型的には約0.1g)~約10gの割合(即ち、処理前の種子約0.0001~1重量%)で処理する。種子処理用に調合された流動性懸濁液は、典型的には、約0.5~約70%の活性成分、約0.5~約30%のフィルム形成接着剤、約0.5~約20%の分散剤、0~約5%の増粘剤、0~5%の顔料及び/又は染料、0~約2%の消泡剤、0~約1%の防腐剤、及び0~約75%の揮発性液体希釈剤を含む。
【0461】
本発明の組成物は、植物病害防除剤として有用である。したがって、本発明は、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を防除する方法であって、本発明の化合物、又は前記化合物を含む殺真菌組成物の有効量を、保護する植物若しくはその一部、又は保護する植物種子に適用することを含む方法をさらに含む。本発明の化合物及び/又は組成物は、子嚢菌門(Ascomycota)、担子菌門(Basidiomycota)、接合菌門(Zygomycota)、及び真菌様卵菌綱(Oomycota)の広範囲の真菌植物病原体により引き起こされる病害の防除を提供する。これは、広範囲の植物病害の防除で有効であり、特に、観葉植物、芝、野菜、畑、穀物、及び果実の作物の葉の病原体の防除で有効である。この病原体として、表1-1で列挙されたものが挙げられるが、これに限定されない。子嚢菌(Ascomycota)及び担子菌(Basidiomycota)の場合には、性/有性世代/完全期の名称、及び無性/無性世代/不完全期の名称(括弧内)の両方が、既知である場合に列挙されている。病原体の同義名が、等号で示されている。例えば、性/有性世代/完全期の名称フェオセプトリア・ノドラム(Phaeosphaeria nodorum)の後に、対応する無性/無性世代/不完全期の名称スタゴノスポラ・ノドラム(Stagnospora nodorum)及び同義のより古い名称セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)が続く。
【0462】
【0463】
【0464】
殺真菌活性に加えて、本組成物又は本組み合わせはまた、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)、ザントモナス・カンペストリス(Xanthomonas campestris)、シュードモナス・シリンゲ(Pseudomonas syringae)、及び他の関連種等の細菌に対する活性も有する。有害微生物を防除することにより、本発明の組成物は、作物植物若しくはその栄養繁殖体(例えば、種子、球茎、球根、塊茎、切穂)又は作物植物若しくはその栄養繁殖体の農学的環境と接触する有益微生物と有害微生物との比率を改善する(即ち増加させる)ことに有用である。
【0465】
本発明の組成物は、植物全体、植物の一部、及び種子の処理で有用である。植物及び種子の品種及び栽培品種を、従来の繁殖及び育種の方法により得ることができるか、又は遺伝子操作方法により得ることができる。遺伝子改変植物又は種子(形質転換植物又は種子)は、異種遺伝子(導入遺伝子)が植物又は種子のゲノム中に安定的に組み入れられているものである。植物ゲノム中の特定の位置により規定される導入遺伝子は、形質転換又は遺伝子導入事象と呼ばれる。
【0466】
本発明に従って処理され得る遺伝子改変植物の栽培品種として、下記が挙げられる:1種若しくは複数種の生物的ストレス(有害生物、例えば、線虫、昆虫、ダニ、真菌等)又は非生物的ストレス(干ばつ、低温、土壌塩分等)に対して耐性を示すもの、又は他の所望の特性を含むもの。植物を遺伝子改変して、例えば、除草剤耐性、昆虫耐性、改変されたオイルプロファイル、又は干ばつ耐性の特性を示させ得る。
【0467】
本発明の化合物による遺伝子改変植物及び種子の処理により、超相加的か又は増強された効果を得ることができる。例えば、散布量の減少、活性スペクトルの拡大、生物的/非生物的ストレスに対する耐性の増加、又は貯蔵安定性の増強は、遺伝子改変植物及び種子への本発明の化合物の適用の単なる相加効果から予想されるものと比べて大きい場合がある。
【0468】
本発明の化合物及び組成物は、植物病害から種子を保護するための種子処理剤において有用である。本開示及び特許請求の範囲の文脈では、種子を処理することは、種子と、本発明の化合物(典型的には、本発明の組成物として調合されている)の生物学的有効量とを接触させることを意味する。この種子処理により、種子が土壌病害病原体から保護され、一般的に、発芽している種子から成長している苗の、土壌と接触している根及び他の植物部分も保護され得る。この植物処理により、本発明の化合物の転流によるか又は生長している植物内の別の活性成分により、葉も保護され得る。種子処理剤を、全てのタイプの種子(例えば、特殊化された特性を発現させるために遺伝子形質転換された植物が成長するもの)に適用し得る。代表例として、下記が挙げられる:無脊椎有害生物に対して毒性のタンパク質(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)毒素)を発現するもの、又は除草剤耐性(例えば、グリホサートに対する耐性を付与するグリホサートアセチルトランスフェラーゼ)を発現するもの。本発明の化合物及び組成物による種子処理剤は、種子から成長している植物の成長力も増加させ得る。
【0469】
本発明の化合物及び組成物は、作物の種子処理で特に有用であり、この作物として下記が挙げられるが、これらに限定されない:トウモロコシ(maize)又はトウモロコシ(corn)、ダイズ、ワタ、穀物(例えば、コムギ、カラスムギ、オオムギ、ライ麦、及びイネ)、ジャガイモ、野菜、並びにアブラナ。
【0470】
さらに、本発明の化合物及び組成物は、真菌、卵菌、及び細菌により引き起こされる果実及び野菜の収穫後の病害の処置に有用である。この感染は、収穫の前、最中、及び後に起こり得る。例えば、感染が収穫前に起こり、次いで成熟中のある時点(例えば、宿主が、感染が進行し得るような組織変化を始める時点、又は病害の発症を助長するような条件)まで休眠したままであり得;同様に、感染が、機械的な又は昆虫による損傷により引き起こされる表面の傷から起こり得る。この点において、本発明の組成物は、収穫から消費までの任意の時点で起こり得る収穫後の病害に起因する損失(即ち、量及び品質による損失)を減少させ得る。本発明の化合物による収穫後の病害の処置により、腐りやすい食用植物部位(例えば、果実、種子、葉、茎、球根、塊茎)を収穫後に冷蔵又は非冷蔵で保存し得、食用を維持し得、且つ真菌又は他の微生物による顕著な又は有害な分解又は汚染がない期間を延長させ得る。本発明の化合物による収穫前又は収穫後の食用植物部分の処理により、真菌又は他の微生物の毒性代謝産物(例えば、アフラトキシン等のマイコトキシン)の形成も減少させ得る。
【0471】
植物病害の防除は、通常、根、茎、葉、果実、種子、塊茎、若しくは球根等の保護する植物の部分に、又は保護する植物が成長している培地(土壌又は砂地)に、感染前又は感染後のいずれかで、本発明の化合物の有効量を適用することにより達成され得る。この化合物をまた、種子に適用して、この種子、及びこの種子から成長する苗も保護し得る。この化合物をまた、灌漑用水を介して適用して植物を処理し得る。収穫前に農産物に感染する収穫後病原体の防除は、典型的には、本発明の化合物の圃場適用により達成され、収穫後に感染が起こる場合には、この化合物を、浸漬剤、噴霧剤、燻蒸剤、処理ラップ、及びボックスライナー(box liner)として、収穫された作物に適用し得る。
【0472】
本発明の化合物及び組成物をまた、作付け領域全体にわたり、本明細書で開示されている組成物の散布のために無人飛行体(UAV)を使用しても、適用し得る。いくつかの実施形態では、この作付け領域は、作物含有領域である。いくつかの実施形態では、この作物は、単子葉植物又は双子葉植物から選択される。いくつかの実施形態では、この作物は、イネ、トウモロコシ、オオムギ、ダイズ、コムギ、野菜、タバコ、茶の木、果樹、及びサトウキビから選択される。いくつかの実施形態では、本明細書で開示されている組成物は、超低体積での噴霧用に調合されている。ドローンにより適用される製品は、噴霧キャリアとして水又はオイルを使用し得る。ドローン適用のために使用される典型的な噴霧量(製品を含む)は、世界的に、5.0リットル/ha~100リットル/ha(約0.5~10gpa)である。これには、超低噴霧量(ULV)から低噴霧量(LV)の範囲が含まれる。一般的ではないが、1.0リットル/ha(0.1gpa)ものさらに低い噴霧量が使用される可能性がある状況もあり得る。
【0473】
成分(a)(即ち、式1の化合物、そのN-オキシド及び塩から選択される少なくとも1種の化合物)の好適な適用割合(例えば、殺真菌的有効量)並びに本発明による成分(a)を含む混合物及び組成物に関する好適な適用割合(例えば、生物学的有効量、殺真菌的有効量又は殺虫的有効量)は、防除される植物病害、保護される植物種、防除される病原体の集団構造、周囲の湿度及び温度などの要因による影響を受ける可能性があり、実際の使用条件下で決定されるべきである。当業者は、簡単な実験を介して、植物病害の防除の所望のレベルに必要な殺真菌的有効量を容易に決定し得る。葉を、通常は、約1g/ha未満~約5,000g/haの活性剤の割合で処理した場合に保護し得る。種子及び苗を、通常は、種子1キログラム当たり約0.001g(より典型的には約0.1g)~約10gの割合で種子を処理した場合に保護し得る。当業者は、簡単な実験によって、植物保護並びに植物病害及び場合によっては他の植物有害生物の防除の所望のスペクトルを提供するために必要とされる、成分(a)、並びに、本発明による活性成分の特定の組み合わせを含む、その混合物及び組成物の適用割合を容易に決定することができる。
【0474】
本発明の化合物及び組成物はまた、作物の成長力を高めるのに有用であり得る。本方法は、作物(例えば、群葉、花、果実若しくは根)又は作物がそれから成長する種子を、所望の植物成長力効果を達成するのに十分な量(すなわち、生物学的有効量)の式1の化合物を含む組成物と接触させる工程を含む。典型的には式1の化合物は、調合組成物で適用される。式1の化合物は多くの場合作物又はその種子に直接適用されるが、それはまた、作物の場所、すなわち、作物の環境、特に式1の化合物を作物に移動させるのに十分に接近した環境の部分に適用される。本方法にとって適切な場所は、最も一般的には成長培地(すなわち、植物に栄養物を提供する媒体)、典型的には植物がそこで成長する土壌を含む。作物の成長力を高めるための作物の処理はしたがって、作物、作物がそれから成長する種子又は作物の場所を、生物学的有効量の式1の化合物と接触させる工程を含む。
【0475】
高められた作物成長力は、以下の観察される効果の1つ若しくは複数をもたらすことができる:(a)優れた種子発芽、作物出現及び作物群生によって実証されるような最適作物体系;(b)速い及び頑丈な葉成長(例えば、葉面積指数によって測定される)、植物高さ、ひこばえの数(例えば、イネについて)、根塊及び作物の植物塊の全体乾燥重量によって実証されるような高められた作物成長;(c)開花までの時間、開花の継続時間、花の数、総バイオマス蓄積(すなわち、収穫高)及び/又は農産物の果実若しくは穀物品位市場性(すなわち、収穫品質)によって実証されるような、改善された作物収量;(d)植物病気感染及び節足動物、線形動物又は軟体動物有害生物まん延に耐える又はそれらを防ぐ作物の高められた能力;並びに(e)極端な熱、準最適な湿気又は植物毒素化学薬品への暴露などの環境ストレスに耐える作物の高められた能力。
【0476】
本発明の化合物及び組成物は、植物の環境中の真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を予防する及び/又は治癒することにより、未処理植物と比較して処理植物の成長力を増加させ得る。植物病害のそのような防除の非存在下では、この病害は、植物の組織若しくは樹液を消費することによるか、又はウイルス等の植物病原体をうつすことにより、植物の成長力を低下させる。真菌植物病原体の非存在下であっても、本発明の化合物は、植物の代謝を改変することにより、植物の成長力を増加させ得る。一般的に、作物植物の成長力は、非理想的な環境(即ち、理想的な環境を示すであろう最大限の遺伝子的ポテンシャルを達成する植物に不利な1つ又は複数の態様を含む環境)で植物が成長する場合には、本発明の化合物で植物を処理することにより、最も顕著に増加するだろう。
【0477】
注目すべきは、作物植物が、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を含む環境中で成長する場合に、この作物植物の成長力を増加させる方法である。同様に注目すべきは、作物植物が、真菌植物病原体により引き起こされる植物病害を含まない環境中で成長する場合に、この作物植物の成長力を増加させる方法である。同様に注目すべきは、作物植物が、この作物植物の成長を支持するのに理想的なものよりも水分量が少ない環境中で成長する場合に、この作物植物の成長力を増加させる方法である。
【0478】
本発明の化合物及び組成物はまた、1種又は複数種の生物学的に活性な化合物又は薬剤とも混合され得、この化合物又は薬剤として下記が挙げられる:殺真菌剤、殺虫剤、抗線虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、除草剤、除草剤解毒剤、成長調整物質、例えば、昆虫脱皮阻害剤、及び発根刺激剤、不妊化剤、情報物質、忌避剤、誘引物質、フェロモン、摂食刺激剤、植物栄養素、他の生物学的に活性な化合物、又は昆虫病原性細菌、さらに広範囲の農学的保護を与える多成分殺有害生物剤を形成するためのウイルス又は真菌。そのため、本発明はまた、(殺真菌的有効量の)式1の化合物と、(生物学的有効量の)少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物又は薬剤とを含み、界面活性剤、固体希釈剤、又は液体希釈剤の内の少なくとも1つをさらに含み得る組成物にも関する。他の生物学的に活性な化合物又は薬剤を、界面活性剤、固体希釈剤、又は液体希釈剤の内の少なくとも1つを含む組成物に調合し得る。本発明の混合物の場合には、1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤を、式1の化合物と一緒に調合してプレミックスを形成し得るか、又は1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤を、式1の化合物とは別々に調合して、これらの調合物を一緒に組み合わせた後に(例えば噴霧タンク中で)適用し得るか或いは順次適用し得る。
【0479】
発明の概要で述べたように、本発明の一態様は、式1の化合物、そのN-オキシド又は塩(即ち、成分(a))と、少なくとも1種の他の殺真菌剤(即ち、成分(b))とを含む殺真菌組成物(即ち、混合物又は組み合わせ)である。注目すべきは、他の殺真菌活性成分が式1の化合物とは異なる作用部位を有するような組み合わせである。ある特定の場合では、同様の防除スペクトルを有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺真菌活性成分との組み合わせは、耐性管理に特に有利であるだろう。そのため、本発明の組成物は、同様の防除スペクトルを有するが異なる作用部位を有する少なくとも1種の追加の殺真菌活性成分の殺真菌的有効量をさらに含み得る。
【0480】
成分(b)殺真菌剤の例として、アシベンゾラル-S-メチル、アルジモルフ、アメトクトラジン、アミスルブロム、アニラジン、アザコナゾール、アゾキシストロビン、ベナラキシル(例えばベナラキシル-M)、ベノダニル、ベノミル、ベンチアバリカルブ(例えばベンチアバリカルブ-イソプロピル)、ベンゾビンジフルピル、ベトキサジン、ビナパクリル、ビフェニル、ビテルタノール、ビキサフェン、ブラストサイジン-S、ボスカリド、ブロムコナゾール、ブピリメート、ブチオベート、カプタホール、キャプタン、カルベンダジム、カルボキシン、カルプロパミド、クロロネブ、クロロタロニル、クロゾリネート、クロトリマゾール、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、クモキシストロビン、シアゾファミド、シフルフェナミド、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロフルアニド、ジクロシメト、ジクロメジン、ジクロラン、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジフルメトリム、ジメチリモール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、ジニコナゾール(例えばジニコナゾール-M)、ジノカップ、ジチアノン、ジチオラン、ドデモルフ、ドジン、ジピメチトロン、エコナゾール、エジフェンホス、エノキサストロビン(エネストロブリンとしても知られる)、エポキシコナゾール、エタコナゾール、エタボキサム、エチリモール、エトリジアゾール、ファモキサドン、フェナミドン、フェナリモール、フェナミンストロビン、フェンブコナゾール、フェンフラム、フェンヘキサミド、フェノキサニル、フェンピクロニル、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フェンピラザミン、酢酸トリフェニルスズ、塩化トリフェニルスズ、水酸化トリフェニルスズ、フェルバム、フェリムゾン、フロメトキン、フロリルピコキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルフェノキシストロビン、フルインダピル、フルモルフ、フルオピコリド、フルオピモミド、フルオピラム、フロウロイミド、フルオキサストロビン、フルキンコナゾール、フルシラゾール、フルスルファミド、フルチアニル、フルトラニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、フォルペット、フサライド、フベリダゾール、フララキシル、フラメトピル、グアザチン、ヘキサコナゾール、ヒメキサゾール、イマザリル、イミベンコナゾール、アルベシル酸イミノクタジン、三酢酸イミノクタジン、ヨードカルブ、イプコナゾール、イプフェントリフルコナゾール、イプロベンホス、イプロジオン、イプロバリカルブ、イソコナゾール、イソフェタミド、イソプロチオラン、イソフルシプラム、イソピラザム、イソチアニル、カスガマイシン、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデプロパミド、マンデストロビン、マンネブ、メパニピリム、メプロニル、メプチルジノカップ、メタラキシル(例えばメタラキシル-M/メフェノキサム)、メフェントリフルコサゾール、メトコナゾール、メタスルホカルブ、メチラム、メトミノストロビン、メトラフェノン、ミコナゾール、ミクロブタニル、ナフチフィン、ネオ-アソジン、ヌアリモル、オクチリノン、オフラセ、オリサストロビン、オキサジキシル、オキサチアピプロリン、オキソリン酸、オキスポコナゾール、オキシカルボキシン、オキシテトラサイクリン、ペフラゾエート、ペンコナゾール、ペンシクロン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、亜リン酸(その塩、例えば、ホセチルアルミニウムを含む)、ピカルブトラゾクス、ピコキシストロビン、ピペラリン、ポリオキシン、プロベナゾール、プロクロラズ、プロシミドン、プロパマカルブ、プロピコナゾール、プロピネブ、プロキナジド、プロチオカルブ、プロチオコナゾール、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピラゾホス、ピリベンカルブ、ピリブチカルブ、ピリフェノックス、ピリメタニル、ピリオフェノン、ピリソキサゾール、ピロキロン、ピロールニトリン、キンコナゾール、キノフメリン(登録番号861647-84-9)キノメチオネート、キノキシフェン、キントゼン、セダキサン、シルチオファム、シメコナゾール、スピロキサミン、ストレプトマイシン、硫黄、テブコナゾール、テブフロキン、tテクロフタラム、テクナゼン、テルビナフィン、テトラコナゾール、チアベンダゾール、チフルザミド、チオファネート、チオファネート-メチル、チラム、チアジニル、トルクロホス-メチル、トリニファニデ、トルプロカルブ、トリフルアニド、トリアジメホン、トリアジメノール、トリアリモル、トリチコナゾール、トリアゾキシド、三塩基性硫酸銅、トリシクラゾール、トリクロピリカルブ、トリデモルフ、トリフロキシストロビン、トリフルミゾール、トリホリン、トリモルファミド、ウニコナゾール、ウニコナゾール-P、バリダマイシン、バリフェナレート(バリフェナールとしても知られる)、ビンクロゾリン、ジネブ、ジラム、ゾキサミド、N-[2-(1S,2R)-[1,1’-ビシクロプロピル]-2-イルフェニル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾール、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(メチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N-[2-[4-[[3-(4-クロロフェニル)-2-プロピン-1-イル]オキシ]-3-メトキシフェニル]エチル]-3-メチル-2-[(エチルスルホニル)アミノ]ブタンアミド、N’-[4-[4-クロロ-3-(トリフルオロメチル)フェノキシ]-2,5-ジメチルフェニル]-N-エチル-N-メチルメタンイミドアミド、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、N-(3’,4’-ジフルオロ[1,1’-ビフェニル]-2-イル)-3-(トリフルオロメチル)-2-ピラジンカルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、5,8-ジフルオロ-N-[2-[3-メトキシ-4-[[4-(トリフルオロメチル)-2-ピリジニル]オキシ]フェニル]エチル]-4-キナゾリンアミン、1-[4-[4-[5R-[(2,6-ジフルオロフェノキシ)メチル]-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタノン、4-フルオロフェニル N-[1-[[[1-(4-シアノフェニル)エチル]スルホニル]メチル]プロピル]カルバメート、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、α-(メトキシイミノ)-N-メチル-2-[[[1-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]エトキシ]イミノ]メチル]ベンゼンアセトアミド、及び[[4-メトキシ-2-[[[(3S,7R,8R,9S)-9-メチル-8-(2-メチル-1-オキソプロポキシ-2,6-ジオキソ-7-(フェニルメチル)-1,5-ジオキソナン-3-イル]アミノ]カルボニル]-3-ピリジニル]オキシ]メチル 2-メチルプロパノエートが挙げられる。したがって、注目すべきは、成分(a)として式1の化合物(又はそのN-オキシド若しくは塩)と、成分(b)として先行リストから選択される少なくとも1種の殺真菌剤とを含む殺真菌性組成物である。
【0481】
特に注目すべきは、式1の化合物(又はそのN-オキシド若しくは塩)(即ち、組成物中の成分(a))と、アミノピリフェン(登録番号1531626-08-0)、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、キャプタン、カルプロパミド、クロロタロニル、水酸化銅、オキシ塩化銅、硫酸銅、シモキサニル、シプロコナゾール、シプロジニル、ジクロベンチアゾクス(登録番号957144-77-3)、ジエトフェンカルブ、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジピメチトロン、エポキシコナゾール、エタボキサム、フェナリモール、フェンヘキサミド、フルアジナム、フルジオキソニル、フルインダピル、フルオピラム、フルシラゾール、フルチアニル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、フォルペット、イプフルフェノキン(登録番号1314008-27-9)、イプロジオン、イソフェタミド、イソフルシプラム、イソピラザム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、マンデストロビン、メプチルジノカップ、メタラキシル(例えばメタラキシル-M/メフェノキサム)、メフェントリフルコサゾール、メトコナゾール、メトラフェノン、メチルテトラプロール(登録番号1472649-01-6)、ミクロブタニル、オキサチアピプロリン、ペンフルフェン、ペンチオピラド、亜リン酸(その塩、例えば、ホセチルアルミニウムを含む)、ピコキシストロビン、プロピコナゾール、プロキナジド、プロチオコナゾール、ピリダクロメチル(登録番号1358061-55-8)、ピラクロストロビン、ピラプロポイン(登録番号1803108-03-3)、ピリメタニル、セダキサン スピロキサミン、硫黄、テブコナゾール、チオファネート-メチル、トリフロキシストロビン、ゾキサミド、α-(1-クロロシクロプロピル)-α-[2-(2,2-ジクロロシクロプロピル)エチル]-1H-1,2,4-トリアゾール-1-エタノール、N-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-2-メトキシ-1-メチルエチル]-3-(ジフルオロメチル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、3-(ジフルオロメチル)-N-(2,3-ジヒドロ-1,1,3-トリメチル-1H-インデン-4-イル)-1-メチル-1H-ピラゾール-4-カルボキサミド、1-[4-[4-[5R-(2,6-ジフルオロフェニル)-4,5-ジヒドロ-3-イソオキサゾリル]-2-チアゾリル]-1-ピペリジニル]-2-[5-メチル-3-(トリフルオロメチル)-1H-ピラゾール-1-イル]エタンオン、1,1-ジメチルエチル N-[6-[[[[(1-メチル-1H-テトラゾール-5-イル)フェニルメチレン]アミノ]オキシ]メチル]-2-ピリジニル]カルバメート、5-フルオロ-2-[(4-フルオロフェニル)メトキシ]-4-ピリミジンアミン、(αS)-[3-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-5-(2,4-ジフルオロフェニル)-4-イソオキサゾリル]-3-ピリジンメタノール、rel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、rel-2-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-1,2-ジヒドロ-3H-1,2,4-トリアゾール-3-チオン、及びrel-1-[[(2R,3S)-3-(2-クロロフェニル)-2-(2,4-ジフルオロフェニル)-2-オキシラニル]メチル]-5-(2-プロペン-1-イルチオ)-1H-1,2,4-トリアゾールから選択される成分(b)化合物(即ち、組成物中の成分(b)としての)との組み合わせである。
【0482】
真菌植物病原体により引き起こされる植物病害のより良好な防除(例えば、より低い使用割合若しくは防除される植物病原体のより幅広いスペクトル)又は耐性管理のために一般的に好ましいのは、式1の化合物、そのN-オキシド、又は塩と、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、ボスカリド、カルベンダジム、クロロタロニル、硫酸銅、シモキサニル、シプロコナゾール、ジフェノコナゾール、ジメトモルフ、ジモキシストロビン、エポキシコナゾール、フェンプロピモルフ、フロリルピコキサミド、フルジオキソニル、フルインダピル、フルキンコナゾール、フルオピコリド、フルオキサストロビン、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、イプフェントリフルコナゾール、イプロジオン、イソフルシプラム、クレソキシム-メチル、マンコゼブ、メタラキシル、メフェントリフルコサゾール、メトコナゾール、メトミノストロビン、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、ピラクロストロビン、ピラメトストロビン、ピラオキシストロビン、ピリオフェノン、セダキサン、シルチオファム、テブコナゾール、チアベンダゾール、チオファネート-メチル、トリフロキシストロビン及びトリチコナゾールからなる群から選択される殺真菌性化合物との混合物である。
【0483】
本発明の殺真菌性組成物中に、成分(a)(即ち、式1の化合物、そのN-オキシド、及び塩から選択される少なくとも1種の化合物)及び成分(b)は、殺真菌的有効量で存在する。成分(a)対成分(b)(即ち、1種若しくは複数種の追加の殺真菌性化合物)の重量比は、一般に、約1:3000~約3000:1、より典型的には約1:500~約500:1である。注目すべきは、成分(a)対成分(b)の重量比が約125:1~約1:125である組成物である。特に注目すべきは、成分(a)対成分(b)の重量比が約25:1~約1:25、又は約5:1~約1:5である組成物である。当業者は、簡単な実験によって、殺真菌保護及び防除の所望のスペクトルのために必要な殺真菌性化合物の重量比及び適用割合を容易に決定することができる。成分(b)への追加の殺真菌性化合物の包含は、成分(a)単独で防除されるスペクトルを超えて防除される植物病害のスペクトルを拡大し得る。さらに、表A1~A27及びC1~C27は、本発明の殺真菌性化合物の重量比組み合わせを例示する。その上、表B1は、成分(b)の特定の殺真菌性化合物にかかわる比の典型的な、より典型的な、最も典型的な範囲をリストアップする。
【0484】
表A1~A27は、本発明の具体的な混合物(化合物番号は、索引表A~Lにおける化合物を指す)をリストアップする。表A1において、列見出し「成分(a)」及び「成分(b)」の下のそれぞれの行は、成分(a)(即ち、化合物3)と、成分(b)殺真菌性化合物との混合物を具体的に開示する。見出し「例示比」下のエントリーは、開示される混合物に関して成分(a)対成分(b)の3つの具体的な重量比を開示する。例えば、表A1の第1行は、化合物3とアシベンゾラル-S-メチルとの混合物を開示し、1:1、1:4又は1:18のアシベンゾラル-S-メチルに対する化合物3の重量比をリストアップする。
【0485】
【0486】
【0487】
【0488】
【0489】
【0490】
【0491】
【0492】
【0493】
表A2~A27は、それぞれ、「成分(a)」列見出し下のエントリーが、下に示されるそれぞれの成分(a)列エントリーで置き換えられることを除いて、上の表A1と同じく構成される。したがって、例えば、表A2において、「成分(a)」列見出し下のエントリーは、全て「化合物4」を列挙する。それ故、表A2の第1エントリーは、化合物4とアシベンゾラル-S-メチルとの混合物を具体的に開示する。表A3~A27は、同様に構成される。
【0494】
【0495】
表B1は、本発明の混合物、組成物及び方法を例示する成分(b)化合物の成分(a)化合物との組み合わせをリストアップする。表B1の第1列は、具体的な成分(b)化合物をリストアップする(例えば、「アシベンゾラル-S-メチル」が第1エントリーである)。表B1の第2、第3及び第4列は、成分(a)化合物が成分(b)に対して田畑成長作物に典型的に適用される割合に関する重量比の範囲をリストアップする。したがって、例えば、表B1の第1行は、成分(a)の化合物とアシベンゾラル-S-メチルとの組み合わせが、典型的には2:1~1:180、より典型的には1:1~1:60、最も典型的には1:1~1:18の成分(a)対成分(b)の重量比で適用されることを開示する。表B1の残りの行は、同様に解釈されるべきである。特に注目すべきは、表B1に開示される重量比に従って成分(a)として実施形態108にリストアップされる化合物のいずれか1つと、表B1の成分(b)列にリストアップされる化合物との混合物を含む組成物である。表B1は、したがって、表A1~A27に開示される具体的な割合をこれらの組み合わせに関する割合の範囲で補完する。
【0496】
【0497】
【0498】
【0499】
【0500】
【0501】
【0502】
【0503】
【0504】
すでに見てきたように、本発明には、組成物中に成分(a)及び(b)を含む実施形態であって、成分(b)が(b1)~(b54)から選択される2つの群のそれぞれからの少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む実施形態が含まれる。表C1~C27は、成分(b)が(b1)~(b54)から選択される2つの群のそれぞれからの少なくとも1種の殺真菌性化合物を含む実施形態を例示するための具体的な混合物をリストアップする。表C1は、本発明の化合物3と、少なくとも2種の成分(b)化合物との混合物を開示する。見出し「例示比」の下のエントリーは、成分(a)対それぞれの成分(b)化合物の3つの具体的な重量比を開示する。例えば、第1行は、化合物3とシプロコナゾール及びアゾキシストロビンとの混合物を開示し、1:1:1、2:1:1又は3:1:1の化合物3対シプロコナゾール対アゾキシストロビンの重量比をリストアップする。
【0505】
【0506】
【0507】
【0508】
【0509】
【0510】
【0511】
表C2~C27は、それぞれ、「成分(a)」列見出し下のエントリーが、下に示されるそれぞれの成分(a)列エントリーで置き換えられることを除いて、上の表C1と同じく構成される。したがって、例えば、表C2において、「成分(a)」列見出し下のエントリーは、全て「化合物4」を列挙する。それ故、表C2の第1エントリーは、化合物4対シプロコナゾール対アゾキシストロビンの1:1:1、2:1:1及び3:1:1の例示重量比での、化合物4とシプロコナゾール及びアゾキシストロビンとの混合物を具体的に開示する。表C3~C27は、同様に構成される。
【0512】
【0513】
注目すべきは、式1の化合物(又はそのN-オキシド若しくは塩)を、式1の化合物とは異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺真菌性化合物と共に含む本発明の組成物である。ある特定の場合に、同様の防除スペクトルを有するが、異なる作用部位を有する少なくとも1種の他の殺真菌性化合物との組み合わせは、耐性管理にとって特に有利であろう。したがって、本発明の組成物は、有利には、同様の防除スペクトルを有するが、異なる作用部位を有する、上記のような(b1)~(b54)からなる群から選択される少なくとも1種の殺真菌活性化合物を含むことができる。
【0514】
成分(a)、又は成分(b)と一緒の成分(a)の組成物は、さらにより幅広い農業保護スペクトルを与える多成分農薬を形成するために、1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤、例えば殺虫剤、殺線虫剤、殺菌剤、ダニ駆除剤、除草剤、除草剤解毒剤;昆虫脱皮阻害剤及び発根促進剤(rooting stimulant)などの成長調整物質、不妊化剤、情報物質、防虫剤、誘引物質、フェロモン、摂食刺激物質、植物栄養素、他の生物学的に活性な化合物又は昆虫病原性細菌、ウイルス又は真菌などとさらに混合することができる。したがって、本発明はまた、殺真菌的有効量の成分(a)、又は成分(a)と、成分(b)、及び生物学的有効量の少なくとも1種の追加の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤との混合物を含む組成物に関連し、界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤の少なくとも1つをさらに含むことができる。他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤はまた、界面活性剤、固体希釈剤又は液体希釈剤の少なくとも1つを含む組成物中に別々に調合することができる。本発明の組成物に関して、1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤を、成分(a)及び(b)の1つ若しくは両方と一緒に調合してプレミックスを形成することができるか、又は1種若しくは複数種の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤を、成分(a)及び(b)とは別々に調合し、これらの調合物を、適用前に(例えば噴霧タンク中で)一緒に組み合わせることができるか、又は、或いは、順次適用することができる。
【0515】
成分(a)、又は成分(b)と一緒の成分(a)の組成物を共に調合することができるそのような生物学的に活性な化合物若しくは薬剤の例は、アバメクチン、アセフェート、アセキノシル、アセタミプリド、アクリナトリン、アシノナピル、アフィドプロペン、アミドフルメト、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、アジンホス-メチル、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ベンズピリモキサン、ビフェントリン、カッパ-ビフェントリン、ビフェナゼート、ビストリフルロン、ホウ酸塩、ブロフラニリド、ブプロフェジン、カズサホス、カルバリル、カルボフラン、カルタップ、カルゾール、クロラントラニリプロール、クロルフェナピル、クロルフルズロン、クロロプラレトリン、クロルピリホス、クロルピリホス-e、クロルピリホス-メチル、クロマフェノジド、クロフェンテジン、クロロプラレトリン、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シクロキサプリド、シエノピラフェン、シフルメトフェン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロジアミド、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、サイパーメトリン、アルファ-サイパーメトリン、ゼータ-サイパーメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ジアフェンチウロン、ダイアジノン、ジクロロメゾチアズ、ディルドリン、ジフルベンズロン、ジメフルトリン、ジメハイポ、ジメトエート、ジムプロピリダズ、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エマメクチンベンゾエート、エンドスルファン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、イプシロン-メトフルトリン、エトキサゾール、フェンブタチンオキシド、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンプロパトリン、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フロニカミド、フルアザインドリジン、フルベンジアミド、フルシトリネート、フルフェネリム、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルエンスルホン、フルヘキサホン、フルオピラム、フルピプロール、フルピラジフロン、フルピリミン、フルバリネート、タウ-フルバリネート、フルキサメタミド、ホノホス、ホルメタネート、ホスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ハロフェノジド、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヘキシチアゾックス、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、殺虫剤石鹸、イソフェンホス、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、マラチオン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メタアルデヒド、メタミドホス、メチダチオン、メチオカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシクロル、メトフルトリン、メトキシフェノジド、イプシロン-メトフルトリン、イプシロン-モンフルオロトリン、モノクロトホス、モノフルオロトリン、ニコチン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、ノビフルムロン、オキサミル、オキサゾスルフィル、パラチオン、パラチオン-メチル、ペルメトリン、ホレート、ホサロン、ホスメット、ホスファミドン、ピリミカルブ、プロフェノホス、プロフルトリン、プロパルギット、プロトリフェンブテ、ピフルブミド、ピメトロジン、ピラフルプロール、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリフルキナゾン、ピリミノストロビン、ピリプロール、ピリプロキシフェン、ロテノン、リアノジン、シラフルオフェン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロピジオン、スピロテトラマト、スルプロホス、スルホキサフロル、テブフェノジド、テブフェンピラド、テフルベンズロン、テフルトリン、カッパ-テフルトリン、テルブホス、テトラクロラントラニリプロール、テトラクロルビンホス、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、テトラニリプロール、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、チオキサザフェン、トルフェンピラド、トラロメトリン、トリアザメート、トリクロルホン、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、チクロピラゾフロル、ゼータ-サイパーメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、昆虫病原性細菌、昆虫病原性ウイルス又は昆虫病原性真菌などの殺虫剤である。
【0516】
本開示の化合物と混合するための生物学的作用物質の一実施形態には、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)などの昆虫病原性細菌、及びCellCap(登録商標)プロセスにより調製されるMVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)バイオ殺虫剤などのバチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)のカプセル化デルタ-エンドトキシン(CellCap(登録商標)、MVP(登録商標)及びMVPII(登録商標)は、Mycogen Corporation,Indianapolis,Indiana,USAの商標である);黒きょう病真菌などの昆虫病原性真菌;並びに昆虫病原性(天然由来及び遺伝子組み換えの両方の)ウイルス、例えばバキュロ・ウイルス、ヘリコベルパ・ゼア(Helicoverpa zea)核多核体病ウイルス(HzNPV)、アナグラファ・ファルシフェラ(Anagrapha falcifera)核多角体病ウイルス(AfNPV)などの核多角体病ウイルス(NPV);並びにシディア・ポモネラ(Cydia pomonella)顆粒症ウイルス(CpGV)などの顆粒症ウイルス(GV)が含まれる。
【0517】
これら農業保護剤(すなわち、殺虫剤、殺真菌剤、抗線虫剤、ダニ駆除剤、除草剤及び生物学的作用物質)についての一般的参考文献には、The Pesticide Manual,13th Edition,C.D.S.Tomlin,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2003及びThe BioPesticide Manual,2nd Edition,L.G.Copping,Ed.,British Crop Protection Council,Farnham,Surrey,U.K.,2001が含まれる。
【0518】
無脊椎有害生物防除化合物の1種又は複数を使用するような実施形態においては、これら化合物(合計したもの)の、成分(a)化合物に対する重量比は、典型的には、約(1:3000)~約(3000:1)の間である。注目すべきは、約(1:300)~約(300:1)の間の重量比(例えば、約(1:30)~約(30:1)の間の比率)である。当業者ならば、所望の生物学的活性スペクトルを得るのに必要な、有効成分の生物学的有効量を、単純な実験で容易に決めることができる。
【0519】
成分(a)化合物並びに/又はそれと成分(b)化合物及び/若しくは1つ若しくは複数の他の生物学的に活性な化合物若しくは薬剤との組み合わせを、無脊椎有害生物に対して毒性のあるタンパク質(例えば、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン)を発現するように遺伝子学的に形質転換された植物に適用することができる。外部から適用された、単独での又は成分(b)と組み合わせた本発明成分(a)の効果は、発現された毒素タンパク質と相乗作用し得る。
【0520】
注目すべきは、少なくとも1種の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤(例えば、殺虫剤、ダニ駆除剤)をさらに含む[課題を解決するための手段]に記載されるような、成分(a)、又は成分(a)及び(b)を含む組み合わせ又は組成物である。特に注目すべきは、成分(a)及び少なくとも1種の(即ち、1種若しくは複数の)無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤を含む組成物であって、次いで、成分(a)及び(b)並びに1種若しくは複数の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤を含む組成物を提供するためにその後成分(b)と組み合わせることができる組成物である。或いは、成分(b)と最初に混合することなしに、少なくとも1種の無脊椎有害生物防除薬剤と共に成分(a)を含む組成物の生物学的有効量を、真菌病原体により引き起こされる病気及び無脊椎有害生物により引き起こされる損傷から植物若しくは植物種子を保護するために、植物若しくは植物種子に(直接に又は植物若しくは植物種子の環境を介して)適用することができる。
【0521】
注目すべきは、単独での又は成分(b)と組み合わせた、成分(a)化合物に加えて、アバメクチン、アセタミプリド、アクリナトリン、アセキノシル、アフィドプロペン、アミトラズ、アベルメクチン、アザジラクチン、ベンフラカルブ、ベンスルタップ、ビフェントリン、ブプロフェジン、ブロフラニリド、カズサホス、カルバリル、カルタップ、クロラントラニリプロール、クロロプラレトリン、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シアントラニリプロール、シクラニリプロール、シクロプロトリン、シフルトリン、ベータ-シフルトリン、シハロトリン、ガンマ-シハロトリン、ラムダ-シハロトリン、サイパーメトリン、アルファ-サイパーメトリン、ゼータ-サイパーメトリン、シロマジン、デルタメトリン、ディルドリン、ジノテフラン、ジオフェノラン、エマメクチン、エンドスルファン、イプシロン-メトフルトリン、エスフェンバレレート、エチプロール、エトフェンプロックス、エトキサゾール、フェニトロチオン、フェノチオカルブ、フェノキシカルブ、フェンバレレート、フィプロニル、フロメトキン、フルキサメタミド、フロニカミド、フルベンジアミド、フルエンスルホン、フルフェノクスロン、フルフェノキシストロビン、フルフェンスルホン、フルピプロール、フルピリミン、フルピラジフロン、フルバリネート、ホルメタネート、ホスチアゼート、ガンマ-シハロトリン、ヘプタフルトリン、ヘキサフルムロン、ヒドラメチルノン、イミダクロプリド、インドキサカルブ、イソシクロセラム、カッパ-テフルトリン、ラムダ-シハロトリン、ルフェヌロン、メペルフルトリン、メタフルミゾン、メチオジカルブ、メソミル、メトプレン、メトキシフェノジド、メトフルトリン、モノフルオロトリン、ニテンピラム、ニチアジン、ノバルロン、オキサミル、ピフルブミド、ピメトロジン、ピレトリン、ピリダベン、ピリダリル、ピリミノストロビン、ピリプロキシフェン、リアノジン、スピネトラム、スピノサド、スピロジクロフェン、スピロメシフェン、スピロテトラマト、スルホキサフロル、テブフェノジド、テトラメトリン、テトラメチルフルトリン、チアクロプリド、チアメトキサム、チオジカルブ、チオスルタップ-ナトリウム、トラロメトリン、トリアザメート、トリフルメゾピリム、トリフルムロン、チクロピラゾフロル、ゼータ-サイパーメトリン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)デルタ-エンドトキシン、バチルス・チューリンゲンシス(Bacillus thuringiensis)の全ての菌株及び核多核体病ウイルスの全ての株からなる群から選択される少なくとも1種の無脊椎有害生物防除化合物若しくは薬剤を含む本発明の組成物である。
【0522】
ある特定の場合には、単独での又は成分(b)と混合した、本発明の成分(a)化合物と、他の生物学的に活性な(特に殺真菌性の)化合物又は薬剤(即ち、活性成分)との組み合わせは、相加超の(即ち、相乗作用)効果をもたらし得る。有効な有害生物防除を確実にしつつ環境中に放出される活性成分の量を減少させることが、常に望ましい。殺真菌性活性成分の増強された効果が、農学的に満足できるレベルの真菌防除を与える散布率で現れる場合には、そのような組み合わせは、作物生産コストを削減し且つ環境負荷を低下させるのに有利であり得る。
【0523】
表D1は、これらの活性成分を含む混合物又は組成物を例示する、無脊椎有害生物防除剤と、成分(a)化合物としての化合物3(化合物番号は、索引表A~Fの化合物を指す)との具体的な組み合わせ、並びに本発明に従ってそれらを使用する方法をリストアップする。表D1の第2列は、具体的な無脊椎有害生物防除剤(例えば、第1行に「アバメクチン」)をリストアップする。表D1の第3列は、作用様式(既知の場合)又は無脊椎有害生物防除剤の化学的分類をリストアップする。表D1の第4列は、無脊椎有害生物防除剤が、単独での又は成分(b)との組み合わせた化合物32に対して典型的に適用される割合に関して重量比の範囲の実施形態(例えば、重量で化合物32に対して「50:1~1:50」のアバメクチン)をリストアップする。したがって、例えば、表D1の第1行は、化合物3とアバメクチンとの組み合わせが50:1~1:50の重量比で典型的には適用されることを具体的に開示する。表D1の残りの行は、同様に解釈されるべきである。したがって、例えば、表D1の第1行は、化合物3とアバメクチンとの組み合わせが50:1~1:50の重量比で典型的には適用されることを具体的に開示する。表D1の残りの行は、同様に解釈されるべきである。
【0524】
【0525】
【0526】
【0527】
表D2~D27は、それぞれ、「成分(a)」列見出し下のエントリーが下に示されるそれぞれの成分(a)列エントリーで置き換えられることを除いて、上の表D1と同じく構成される。したがって、例えば、表D2において、「成分(a)」列見出し下のエントリーは、全て「化合物4」を列挙し、表D2の列見出し下の第1行は、化合物4とアバメクチンとの混合物を具体的に開示する。表D3~D27は、同様に構成される。
【0528】
【0529】
種子処理のために有用な、式1の化合物を含む組成物としては、植物病原性の真菌若しくは細菌及び/又は土壌性の動物例えば線虫の有害な影響から保護する能力を有している細菌及び真菌をさらに挙げることができる。殺線虫性を示す細菌としては、バチルス・フィルムス(Bacillus firmus)、バチルス・セレウス(Bacillus cereus)、バチルス・スブチリイス(Bacillus subtiliis)、及びパスツリア・ペネトランス(Pasteuria penetrans)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。好適なバチルス・フィルムス(Bacillus firmus)菌株としては、菌株CNCM I-1582(GB-126)が挙げられるが、このものは、BioNemTMとして市販されている。好適なバチルス・セレウス(Bacillus cereus)菌株は、菌株NCMM I-1592である。いずれのバチルス(Bacillus)菌株も、米国特許第6,406,690号明細書に開示されている。殺線虫活性を示すその他の好適な細菌は、B.アミロリケファシエンス(B.amyloliquefaciens)IN937a、及びB.スブチリス(B.subtilis)菌株GB03である。殺真菌性能を示す細菌としては、B.プミルス(B.pumilus)菌株GB34が挙げられるが、これに限定される訳ではない。殺線虫性を示す真菌種としては、ミロテシウム・ベルカリア(Myrotheciium verrucaria)、ペシロミセス・リラシヌス(Paecilomyces lilacinus)、及びプルプレオシリウム・リラシヌム(Purpureocillium lilacinum)が挙げられるが、これらに限定される訳ではない。
【0530】
種子処理はまた、エルウィニア・アミロボーラ(Erwinia amylovora)などのある種の細菌植物病原菌から単離されるハーピン(harpin)と呼ばれる誘導因子タンパクなどの天然起源の1つ若しくは複数の殺線虫剤を含むことができる。例は、N-HibitTM Gold CSTとして利用可能なHarpin-N-Tek種子処理技術である。
【0531】
種子処理はまた、ミクロ共生窒素固定細菌ダイズ根粒菌(Bradyrhizobium japonicum)などのマメ科植物-根結節性細菌の1つ若しくは複数の種を含むことができる。これらの接種材料は、マメ科植物の根上での結節形成の開始の間にリゾビア細菌によって生産される根粒形成(Nod)因子である、1つ若しくは複数のリポキトオリゴ糖(LCO)を場合によっては含むことができる。例えば、Optimize(登録商標)ブランド種子処理技術は、接種材料と組み合わせてLCO Promoter TechnologyTMを組み込んでいる。
【0532】
種子処理はまた、菌根真菌類による根定着のレベルを高めることができる1つ若しくは複数のイソフラボンを含むことができる。菌根真菌類は、水、硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩及び金属などの栄養物の根吸収を高めることによって植物成長を向上させる。イソフラボンの例としては、ゲニステイン、ビオチャニンA、ホルモノネチン、ダイゼイン、グリシテイン、ヘスペレチン、ナリンゲニン及びプラテンセインが挙げられるが、それらに限定されない。ホルモノネチンは、PHC Colonize(登録商標)AGなどの菌根接種材料製品中の活性成分として入手可能である。
【0533】
種子処理はまた、病原菌による接触後に植物中に全身獲得抵抗性を誘導する1つ若しくは複数の植物活性化剤を含むことができる。そのような保護機構を誘導する植物活性化剤の例は、アシベンゾラル-S-メチルである。
【0534】
本殺真菌性組成物において、成分(a)の式1化合物は、成分(b)の追加の殺真菌性化合物と相乗的に機能して、防除される植物病害のスペクトルを広げる、予防的及び治癒的保護の継続期間を延ばす、及び耐性のある真菌病原体の増殖を抑えるような有益な結果を提供することができる。特定の実施形態において、特定の真菌病(例えば、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)、ブルメリア・グラミニスf.種トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici)、ボトリティス・シネレア(Botrytis cinerea)、プシニア・レコンジタf.種トリチシ(Puccinia recondita f.sp.tritici)、リゾクトニア・ソラニ(Rhizoctonia solani)、セプトリア・ノドラム(Septoria nodorum)、セプトリア・トリチシ(Septoria tritici))を防除するのにとりわけ有用である割合の成分(a)及び成分(b)を含む組成物が、本発明に従って提供される。
【0535】
殺真菌剤の混合物はまた、個々の成分の活性をベースとして予測できるよりも著しく良好な病害防除を提供し得る。この相乗作用は、「独立して取られた2つ(又はそれ以上)の効果の合計よりも総合効果が大きい又は長期にわたるような、混合物の2つの成分の共同作用」として記載されている(P.M.L.Tames,Neth.J.Plant Pathology 1964,70,73-80を参照されたい)。植物又は種子に適用される活性成分(例えば、殺真菌性化合物)の組み合わせから相乗効果が示される植物病害防除を提供する方法において、活性成分は、相乗作用のある重量比及び相乗作用のある(即ち、相乗的に有効な)量で適用される。病気の防除、阻害及び予防の尺度は、100%を超えることができない。したがって、実質的な相乗作用の表現は、活性成分が別々に100%よりもはるかに小さい効果を提供し、その結果それらの相加効果が実質的に100%未満であり、相乗作用の結果としての効果の増加の可能性を持たせる活性成分の適用量の使用を典型的には必要とする。その一方で、余りにも低い活性成分の適用量は、相乗作用の恩恵を受けてさえも混合物で大きな活性を示し得ない。当業者は、簡単な実験によって、相乗効果を提供する殺真菌性化合物の重量比及び適用量(即ち、量)を容易に特定する及び最適化することができる。
【0536】
2つの活性成分間の相乗効果の存在は、コルビー(Colby)方程式の助けを借りて確証された(Colby,S.R.“Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations”,Weeds,(1967),15,20-22を参照されたい):
【数1】
【0537】
コルビーの方法を使用すると、2つの活性成分間の相乗的相互作用の存在は、単独で適用される2つの成分の活性をベースとする混合物の予測活性pを最初に計算することにより確証される。pが実験で確証された効果よりも低い場合、相乗作用が現れている。上の方程式中、Aは、割合xにて単独で適用された1つの成分の百分率防除単位での殺真菌活性である。B項は、割合yにて適用された第2成分の百分率防除単位での殺真菌活性である。この方程式は、それらの効果が厳密に相加的であり、及び相互作用が全く現れていない場合のp、割合xでのAと割合yでのBとの混合物の予期される殺真菌活性を推測する。
【0538】
下記の試験から、特定の病原体に対する本発明の化合物の防除有効性が実証される。しかしながら、この化合物によりもたらされる病原体防除防御は、これらの種に限定されるものではない。化合物の説明に関しては、下記の牽引表A~Fを参照されたい。以下の略語が索引表A~Fにおいて用いられる:Meはメチルを意味し、n-Prはn-プロピルを意味し、i-Prはイソプロピルを意味し、c-Prはシクロプロピルを意味し、i-Buはイソブチルを意味し、c-Buはシクロブチルを意味し、t-Buはtert-ブチルを意味し、NO2はニトロを意味する。略語「Cmpd.」は、「化合物」を表し、略語「Ex.」は、「実施例」を表し、その後に、どの実施例の化合物が調製されているかを示す番号が続く。略語「m.p.」は融点を表す。「MS(M+1)」欄で報告されている数値は、同位体存在量が最高である分子(すなわちM)にH+(分子量1)を付加することにより形成される、観察した分子イオンの分子量である。存在量が低い、1種又は複数種のより高い原子量の同位体(例えば、37Cl、81Br)を含む分子イオンの存在は、報告していない。報告するMSピークを、エレクトロスプレーイオン化(ESI)又は大気圧化学イオン化(PCI)を使用する質量分析により観察した。
【0539】
【0540】
【0541】
【0542】
【0543】
【0544】
【0545】
【0546】
【0547】
【0548】
【0549】
【0550】
本発明の生物学的実施例
試験A~Fの試験懸濁液を調製するための概略的なプロトコル:最初に、試験化合物を、最終体積の3%に等しい量のアセトンに溶解させ、次いで、アセトン、及び250ppmの界面活性剤PEG400(多価アルコールエステル)を含む精製水(体積で50/50ミックス)中に、所望の濃度(ppm)で懸濁させた。次いで、得られた試験懸濁液を、試験A~Fで使用した。
【0551】
試験A
試験溶液を、コムギ苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、ジモセプトリア・トリチシ(Zymoseptoria tritici)(コムギ葉枯病の病原体)の胞子懸濁液を接種し、48時間にわたり24℃で飽和雰囲気中にてインキュベートし、次いで、17日にわたり20℃の栽培チャンバーに移し、その後、経時的な病害評価を行った。
【0552】
試験B
試験溶液を、コムギ苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、プッシニア・レコンディタf.種トリチシ(Puccinia recondita f.sp.tritici)(コムギ葉さび病の病原体)の胞子懸濁液を接種し、24時間にわたり20℃で飽和雰囲気中にてインキュベートし、次いで、7日にわたり20℃の栽培チャンバーに移し、その後、経時的な病害評価を行った。
【0553】
試験C
試験懸濁液を、コムギ苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、ブルメリア・グラミニスf.種トリチシ(Blumeria graminis f.sp.tritici)(コムギうどんこ病の病原体であり、エリシフェ・グラミニスf.種トリチシ(Erysiphe graminis f.sp.tritici)としても既知である)の胞子粉塵(spore dust)を接種し、8日にわたり20℃にて栽培チャンバー中でインキュベートし、その後、経時的な視覚的病害評価を行った。
【0554】
試験D
試験溶液を、ダイズ苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、ファコスポラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)(ダイズさび病の病原体)の胞子懸濁液を接種し、24時間にわたり22℃で飽和雰囲気中にてインキュベートし、次いで、8日にわたり22℃の栽培チャンバーに移し、その後、経時的な視覚的病害評価を行なった。
【0555】
試験E
試験懸濁液を、トマト苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、ボトリチス・シネレア(Botrytis cinerea)(トマトボトリチス病の病原体)の胞子懸濁液を接種し、48時間にわたり20℃で飽和雰囲気中にてインキュベートし、次いで、3日にわたり24℃の栽培チャンバーに移し、その後、経時的な視覚的病害評価を行なった。
【0556】
試験F
試験懸濁液を、トマト苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、アルテルナリア・ソラニ(Alternaria solani)(トマト葉かれ病の病原体)の胞子懸濁液を接種し、48時間にわたり27℃で飽和雰囲気中にてインキュベートし、次いで、3日にわたり20℃の栽培チャンバーに移し、その後、経時的な病害評価を行なった。
【0557】
試験A~Fの結果を、下記の表Aに示す。評価100は、100%の病害防除を示し、評価0は、(コントロールと比較して)病害防除なしを示す。ダッシュ(-)は、化合物を試験しなかったことを示す。
【0558】
【0559】
【0560】
【0561】
【0562】
【0563】
【0564】
式1の化合物に関して表Aにおいて上で提示された試験A~Fに関する試験結果は、成分(b)及び場合によっては、本発明による少なくとも1種の追加の殺真菌性化合物と組み合わせて成分(a)を含む組成物の植物病害防除有用性に貢献する成分(a)の殺真菌活性を例示する。
【0565】
下の試験Gは、アジア大豆さび病への本発明の組成物の防除効能を実証する。試験G用の試験組成物を調製するための概略的なプロトコルは、次の通りであった:化合物41、化合物63、N-(2,2,2-トリフルオロエチル)-2-[[4-[5-(トリフルオロメチル)-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル]フェニル]メチル]-4-オキサゾールカルボキサミド(b54.11a)、エチル 1-[[4-[[(1Z)-2-エトキシ-3,3,3-トリフルオロ-1-プロペン-1-イル]オキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(b54.11c)、エチル 1-[[4-[[2-(トリフルオロメチル)-1,3-ジオキソラン-2-イル]メトキシ]フェニル]メチル]-1H-ピラゾール-4-カルボキシレート(b54.11d)、アゾキシストロビン、ベンゾビンジフルピル、ビキサフェン、クロロタロニル、シプロコナゾール、エポキシコナゾール、フェンプロピジン、フェンプロピモルフ、フルインダピル、フルトリアホール、フルキサピロキサド、インピルフルキサム、ピコキシストロビン、プロチオコナゾール、ピジフルメトフェン、テブコナゾール及びトリフロキシストロビンは、未調合の、工業銘柄物質として入手した。水酸化銅及びマンコゼブは、それぞれ、商標KOCIDE 3000及びMANZATEで市場に出ている調合製品として入手した。未調合物質は先ずアセトンに溶解させ、次いで、250ppmの界面活性剤Trem(登録商標)014(多価アルコールエステル)を含むアセトン及び精製水(体積で50/50ミックス)中に所望の濃度(ppm単位)で懸濁させた。調合物質を十分な水中に分散させて所望の濃度を得、有機アルコールも界面活性剤も懸濁液に添加しなかった。得られた試験混合物を次いで試験Gに使用した。試験を4つの個々の植物に関して実行し、結果を4つの植物の平均として報告した。
【0566】
2つの活性成分間の相乗効果の存在は、コルビー方程式の助けを借りて確証された(Colby,S.R.“Calculating Synergistic and Antagonistic Responses of Herbicide Combinations”,Weeds,(1967),15,20-22を参照されたい):
【数2】
【0567】
コルビーの方法を使用すると、2つの活性成分間の相乗的相互作用の存在は、単独で適用される2つの成分の活性をベースとする混合物の予測活性pを最初に計算することにより確証される。pが実験で確証された効果よりも低い場合、相乗作用が現れている。上の方程式中、Aは、割合xにて単独で適用された1つの成分の百分率防除単位での殺真菌活性である。B項は、割合yにて適用された第2成分の百分率防除単位での殺真菌活性である。この方程式は、それらの効果が厳密に相加的であり、及び相互作用が全く現れていない場合のp、割合xでのAと割合yでのBとの混合物の予期される殺真菌活性を推測する。
【0568】
試験G
試験混合物を、大豆苗上で流れ落ちるまで噴霧した。翌日、この苗に、ファコプソラ・パキリジ(Phakopsora pachyrhizi)(アジア大豆さび病の病原体)の胞子懸濁液を接種し、24時間にわたり22℃で飽和雰囲気中にてインキュベートし、次いで、8日間にわたり22℃の栽培チャンバーに移し、その後、経時的な病害評価を行った。
【0569】
試験Gの結果を以下に、化合物41に関して表B-1~J-1に、及び化合物63に関して表B-2~J-2に示す。それぞれの表は、同時に一緒に行われた一連の評価に相当する。それぞれの表において、100の評価は、100%の病害防除を示し、0の評価は、(対照と比較して)病害防除なしを示す。「Obsd」と表示される列は、4つの個々の植物に関して実行された試験から観察された結果の平均を示す。「Exp」と表示される列は、コルビー方程式を用いるそれぞれの処理混合物に関する期待値を示す。
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【国際調査報告】