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特表2023-524330コア要素又は空隙のアレイと介在するシートとを有する製品及びそのような製品を形成するための方法
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  • 特表-コア要素又は空隙のアレイと介在するシートとを有する製品及びそのような製品を形成するための方法 図1
  • 特表-コア要素又は空隙のアレイと介在するシートとを有する製品及びそのような製品を形成するための方法 図2
  • 特表-コア要素又は空隙のアレイと介在するシートとを有する製品及びそのような製品を形成するための方法 図3
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】コア要素又は空隙のアレイと介在するシートとを有する製品及びそのような製品を形成するための方法
(51)【国際特許分類】
   B29C 70/68 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
B29C70/68
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022537787
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(85)【翻訳文提出日】2022-07-15
(86)【国際出願番号】 NL2019050839
(87)【国際公開番号】W WO2021125937
(87)【国際公開日】2021-06-24
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522241848
【氏名又は名称】ファイバーコア・アイピー・ビー.ブイ.
【氏名又は名称原語表記】FIBERCORE IP B.V.
【住所又は居所原語表記】Oostdijk 25,3077 CP Rotterdam,Netherlands
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(74)【代理人】
【識別番号】100108855
【弁理士】
【氏名又は名称】蔵田 昌俊
(74)【代理人】
【識別番号】100179062
【弁理士】
【氏名又は名称】井上 正
(74)【代理人】
【識別番号】100199565
【弁理士】
【氏名又は名称】飯野 茂
(74)【代理人】
【識別番号】100212705
【弁理士】
【氏名又は名称】矢頭 尚之
(74)【代理人】
【識別番号】100219542
【弁理士】
【氏名又は名称】大宅 郁治
(74)【代理人】
【識別番号】100153051
【弁理士】
【氏名又は名称】河野 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100162570
【弁理士】
【氏名又は名称】金子 早苗
(72)【発明者】
【氏名】ペーテルス、ヨハンネス・ヘンドリキュス・アルフォンス
【テーマコード(参考)】
4F205
【Fターム(参考)】
4F205AC03
4F205AD08
4F205AD16
4F205AD18
4F205AG01
4F205AG06
4F205AG18
4F205AH47
4F205HA08
4F205HA14
4F205HA22
4F205HA45
4F205HB01
4F205HB11
4F205HK03
4F205HK04
4F205HK05
4F205HT16
4F205HT26
(57)【要約】
両側の表面(22,24)を有し、シート(42,43)及び細長いコア又は空隙(40)を含むパネル(20)である。コア/空隙は、第1の方向(X)に沿って平行に延在し、第2の方向(Y)に相互に隣接して配置され、パネル縁部(26)に沿って最も外側のコア/空隙(40a)を含む。各シートは、2つの隣接するコア/空隙間の内側部分(44,45)と、内側部分から離れて、一方の隣接するコア/空隙上で、第1の表面に沿って第2の方向に向かって折り曲げられた第1の外側部分(46,47)と、内側部分から離れて、他方の隣接するコア/空隙上で、第2の表面に沿って負の第2の方向(-Y)に向かって折り曲げられた第2の外側部分(48,49)とを含む。シートは、包囲シート(43)を含み、その第1の外側部分(47)は、パネル縁部において、最も外側のコア/又は空隙の周りで折り曲げられた、折り曲げられた外側領域(50,52)へと延在し、第2の表面に向かって戻るように負の第2の方向に延在する。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
パネルなどの製品(20)であって、前記製品(20)は、両側の第1及び第2の表面(22,24)を画定し、
-コア要素又は空隙(40,141)と、前記コア要素又は空隙(40,141)は細長く、第1の方向(X)に沿って相互に平行に延在し、第2の方向(Y)に沿ってアレイ中に相互に隣接して配置され、製品縁部(26)に沿って最も外側のコア要素又は空隙(40a,141a)を含む、
-シート(42,43)と
を備え、各シートは、
-2つの隣接するコア要素又は空隙間に介在する内側部分(44,45)と、
-前記内側部分から離れて、前記2つの隣接するコア要素又は空隙のうちの一方上で、主に前記第1の表面(22)に沿って正の第2の方向(+Y)に向かって折り曲げられた第1の外側部分(46,47)と、
-前記内側部分から離れて、前記2つの隣接するコア要素又は空隙のうちの他方上で、主に前記第2の表面(24)に沿って負の第2の方向(-Y)に向かって折り曲げられた第2の外側部分(48,49)と
を画定し、前記シートは、前記第1の表面から離れて、前記最も外側のコア要素又は空隙の周りで折り曲げられた、前記製品縁部に又はその近くにある折り曲げられた外側領域(50,52)へと前記第1の外側部分(47)が延在して、前記第2の表面に向かって戻るように前記負の第2の方向(-Y)に非ゼロ成分を伴って延在し、好ましくは隣接するシートの少なくとも1つの第2の外側部分(48,49)を覆う、少なくとも1つの包囲シート(43)を含む、製品(20)。
【請求項2】
前記コア要素又は空隙(40,141)は、前記最も外側のコア要素又は空隙(40a,141a)に隣接する最後から2番目のコア要素又は空隙(40b、141b)を含み、前記シート(42,43)は、最も外側のシート(43a)を含み、前記最も外側のシート(43a)は、前記最も外側のコア要素又は空隙と前記最後から2番目のコア要素又は空隙との間に介在する内側部分(45a)と、前記内側部分(45a)から離れて、前記最も外側のコア要素又は空隙の周りで、主に前記第1の表面(22)に沿って前記第2の方向(Y)に向かって折り曲げられた第1の外側部分(47a)と、対応する前記内側部分(45a)から離れて、前記最後から2番目のコア要素又は空隙上に、主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向(-Y)に向かって折り曲げられた第2の外側部分(49a)とを有し、
前記少なくとも1つの包囲シート(43)の前記折り曲げられた外側領域(50,52)は、主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向に向かって折り曲げられて、前記最も外側のシートの前記第2の外側部分(49a)と少なくとも部分的に重なり合う更なる折り曲げられた外側領域(52a)を含む、請求項1に記載の製品(20)。
【請求項3】
前記少なくとも1つの包囲シート(43)は、前記最も外側のシートの前記更なる折り曲げられた外側領域(52a)が主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向に向かって折り曲げられて、前記最も外側のシートの前記第2の外側部分(49a)と少なくとも部分的に重なり合うように、前記最も外側のシート(43a)を含む、請求項2に記載の製品(20)。
【請求項4】
前記シート(42)は、対応する前記第1の外側部分(47b)が、
-前記第1の表面(22)から離れて、前記最も外側のコア要素又は空隙(40a,141a)の周りで折り曲げられた外側領域(50b)と、
-主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向(-Y)に向かって折り曲げられて、前記最も外側のシート(43a)の前記第2の外側部分(49a)と少なくとも部分的に重なり合い、任意選択で、前記最も外側のシートの更なる外側領域(52a)とも少なくとも部分的に重なり合う更なる外側領域(52b)と
へと延在する最後から2番目のシート(43b)を備える、請求項2又は3に記載の製品(20)。
【請求項5】
前記コア要素又は空隙(40,141)は、一連の連続する外側コア要素又は空隙(40b,40c;141b,141c)を含み、前記シート(42,43)は、前記第1の表面(22)から離れて、前記最も外側のコア要素又は空隙(40a,141a)の周りで折り曲げられた外側領域(50b、50c)へと、及び主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向(-Y)に向かって折り曲げられて、先行する包囲シート(43a,43b)の前記更なる外側領域(52a,52b)と少なくとも部分的に重なり合う更なる外側領域(52b,52c)へと前記第1の外側部分(47b,47c)が延在する一連の連続する包囲シート(43b,43c)を含む、請求項1~4のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項6】
ストリップ(160)を備え、前記ストリップ(160)は、前記第2の表面(124)の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙(40,141)と実質に平行であり、2つの隣接するシート(142,143)の前記第2の外側部分(148,149)間に挟まれる、請求項1~5のうちのいずれか一項に記載の製品(120)。
【請求項7】
中間ストリップ(161)を備え、前記中間ストリップ(161)は、前記第2の表面(124)の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙(40,141)と実質に平行であり、包囲シート(143)の前記更なる外側領域(152)と同じ包囲シートの前記第2の外側部分(149)との間に挟まれるか、又は前記包囲シート(143)の前記更なる外側領域(152)と隣接する非包囲シート(142)の前記第2の外側部分(148)との間に挟まれる、請求項1~6のうちのいずれか一項に記載の製品(120)。
【請求項8】
縁部ストリップ(162)を備え、前記縁部ストリップ(162)は、前記第2の表面(124)の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙(40,141)と実質に平行であり、2つの隣接する包囲シート(143)の前記更なる外側領域(152)間に挟まれる、請求項1~7のうちのいずれか一項に記載の製品(120)。
【請求項9】
更なるストリップ(163)を備え、前記更なるストリップ(163)は、前記第1の表面(122)の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙(40,141)と実質に平行であり、2つの隣接するシート(142,143)の前記第1の外側部分(146,147)間に位置する、請求項1~8のうちのいずれか一項に記載の製品(120)。
【請求項10】
各シート(42,43)の前記第1の外側部分(46,47)は、前記第1の外側部分が前記第1の表面に対して0°<β1<5°の範囲、好ましくは0°<β1≦2°の範囲の第1の傾斜角β1で前記第2の方向(Y)に沿って延在するように、主に前記第1の表面(22)に沿って前記第2の方向(Y)に向かって折り曲げられる、請求項1~9のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項11】
各シート(42,43)の前記第2の外側部分(48,49)は、前記第2の外側部分が前記第2の表面に対して0°<β2<5°の範囲、好ましくは0°<β2≦2°の範囲の第2の傾斜角β2で前記第2の方向(Y)に沿って延在するように、主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向(-Y)に向かって折り曲げられる、請求項1~10のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項12】
前記シート(42,43)の前記第1の外側部分(46,47)は、主に前記第1の表面(22)に沿って前記第2の方向(Y)に向かって、少なくとも3つの隣接するコア要素又は空隙(40)のシーケンス、好ましくは、少なくとも4つの隣接するコア要素又は空隙上で折り曲げられる、請求項1~11のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項13】
前記シート(42,43)の前記第2の外側部分(48,49)は、主に前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向(-Y)に向かって、少なくとも3つの対向する隣接するコア要素又は空隙(40,141)のシーケンス、好ましくは、少なくとも4つの対向する隣接するコア要素又は空隙上で折り曲げられる、請求項1~12のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項14】
前記コア要素又は空隙(40)は、前記第1の方向(X)に対して垂直な平面に断面対称性を有する、請求項1~13のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項15】
前記コア要素又は空隙(40,141)は、好ましくは、三角形、四角形、五角形、及び六角形の形状のグループから選択され、より好ましくは、正三角形又は長方形の形状のサブグループから選択される、多角形断面形状を有する、請求項1~14のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項16】
前記第1の方向(X)に沿った関数として第3の方向(Z)に滑らかな曲率を有する凹形状を有し、前記第1及び第3の方向は、前記第2の方向(Y)に対して実質的に垂直である、請求項1~15のうちのいずれか一項に記載の製品(20)。
【請求項17】
強化複合構築物、特に橋、床板、水門、タービンブレード、又はウイングであって、前記強化複合構築物は、請求項1~16のうちのいずれか一項に記載の製品(20)、例えばパネル又はエアロフォイルを含む、強化複合構築物。
【請求項18】
パネルなどの製品(20)を作るための方法であって、前記製品は、両側に第1及び第2の表面(22,24)を画定し、前記方法は、細長いコア要素(40)と、支持構造物(10)上の前記細長いコア要素に沿って及びそれらの間に延在する折り曲げ可能な材料を有するシート(42)とを位置付けることを備え、前記位置付けることは、
-最も外側のコア要素(40a)が縁部(26)に沿った状態で、前記細長いコア要素を、相互に平行し、主に第1の方向(X)に沿って延在し、第2の方向(Y)に沿ってアレイ中に相互に隣接して位置付けることと、
-2つの隣接するコア要素間にシートの内側部分(44,45)を介在させることと、
-その内側部分から離れて、前記2つの隣接するコア要素のうちの一方上で、主に前記第1の表面(22)に沿って前記第2の方向(Y)に向かって前記シートの第1の外側部分(46,47)を折り曲げることと、
-その内側部分から離れて、前記2つの隣接するコア要素のうちの他方上で、前記第2の表面(24)に沿って負の第2の方向(-Y)に向かって前記シートの第2の外側部分(48,49)を折り曲げることと
を含み、前記シートは、外側領域(50a~c)及び更なる外側領域(52a~c)へと延在する第1の外側部分(47a~c)を有する包囲シート(43a~c)を含み、前記方法は、
-前記第1の表面から離れて、前記最も外側のコア要素の周りで前記外側領域を折り曲げることと、
-前記第2の表面に向かって前記負の第2の方向(-Y)に非ゼロ成分を伴って前記更なる外側領域を折り曲げることと
を更に備える、方法。
【請求項19】
前記シートは、外側領域(50a)及び更なる外側領域(52a)へと延在する第1の外側部分(47a)と第2の外側部分(49a)とを有する最も外側のシート(43a)を含み、前記方法は、
-前記第1の表面(22)から離れて、前記最も外側のコア要素(40a)の周りで前記外側領域を折り曲げることと、
-前記最も外側のシートの前記第2の外側部分(49a)との少なくとも部分的な重なり合いを作り出すために、前記第2の表面(24)に沿って前記負の第2の方向(-Y)に戻るように前記更なる外側領域を折り曲げることと
を備える、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
-それぞれのコア要素(40)に沿って少なくとも1つのストリップ(160~163)を位置付けることを備え、前記ストリップは、
-2つの隣接するシート(142,143)の前記第1の外側部分(146,147)、
-2つの隣接するシート(142,143)の前記第2の外側部分(148,149)、
-包囲シート(143)の前記更なる折り曲げられた外側領域(152)及び同じ包囲シートの前記第2の外側部分(149)、
-前記包囲シート(143)の前記更なる折り曲げられた外側領域(152)及び隣接する非包囲シート(142)の前記第2の外側部分(148)、又は、
-2つの隣接する包囲シート(143)の前記更なる折り曲げられた外側領域(152)
の間に挟まれる、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
パネルなどの製品(120)を作るための方法であって、
-折り曲げ可能な材料の複数のシート(142,143)を提供することと、
-成形要素の配置を提供することと、前記成形要素は、第1の方向(X)に沿って相互に平行に延在し、隣接する成形要素の対間の隙間を画定しながら第2の方向(Y)に相互に隣接して配置される、
-主に前記隙間を介して且つ前記成形要素に沿って前記第1の方向に前記シート(142,143)を連続して同時に移動させることと、
-移動中に、2つの隣接する成形要素である、内側シート部分(144,145)に対して横方向に主に前記第2の方向(Y)に突出する第1の外側シート部分(146,147)と、前記内側シート部分に対して横方向に主に負の第2の方向(-Y)に突出する第2の外側シート部分(148,149)との間に前記内側シート部分を形成するために、それぞれの成形要素の周りで各シートを折り曲げることと、
-異なるシートの前記第1の外側シート部分(146,147)に互いを少なくとも部分的に覆わせ、異なるシートの前記第2の外側シート部分(148,149)に互いを少なくとも部分的に覆わせることと、
-第1の製品縁部(126)の又はその近くの少なくとも1つの包囲シート(143)の外側領域(150,152)を、第1の表面(122)から離れて、最も外側の成形要素の周りで、第2の表面(124)に向かって戻るように前記負の第2の方向(-Y)に非ゼロ成分を伴って折り曲げることと、
それによって、折り重ねられた外側シート部分を有するシートの組み立て体と空隙(141)とを形成することと、各空隙は、一対の隣接する内側部分(144,145)と一対の第1及び第2の外側シート部分(146~149)とによって取り囲まれる、
を備える、方法。
【請求項22】
輪郭の周りで前記第2の方向(±Y)及び第3の方向(±Z)にローラなどの成形要素を移動させることによって前記第1の外側シート部分(146,147)及び第2の外側シート部分(148,149)を折り曲げることを備え、前記輪郭は、前記成形要素によって画定され、主に前記第1の方向(X)に沿って方向付けられた輪郭軸を有する、
請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記シート(42,43)は、本質的に、折り曲げ可能な繊維材料から成り、前記方法は、
-前記シート(42,43)又は折り重ねられた外側シート部分(46~49)を有する前記シートの組み立て体に樹脂のような硬化可能な物質(64)を含浸させることと、
-前記製品を形成するために前記硬化可能な物質を硬化させ、それによって、前記シートの重なり合う前記第1の外側部分(46,47)と重なり合う前記第2の外側部分(48,49)とを相互に固定することと
を備える、請求項18~22のうちのいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、コア要素又は空隙のアレイと介在するシートとを有する製品に関する。更に、本発明は、そのような製品を作るための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
[0002]大きな質量を有する静止物体及び/又は移動物体を支持するのに特に適したパネルが知られている。床板は、例えば、橋とそれが支持する交通とを組み合わせた重量を支えるのに十分に強くなければならず、交通、落下物などによって加えられる局所荷重を受けたときに無傷のままである堅牢な床板表面も必要とする。
【0003】
[0003]国際公開第2010/008293A2号は、平行に延在するいくつかのコア要素によって形成された複合パネルを記載しており、それらのコア要素は、コア要素間に延在し、重なり合う形でコア要素の上方及び下方に連続して外板を共同で形成するストリップを介して相互に接続される。ストリップは、樹脂トランスファー成形(RTM)技法を介して適用され、硬化される硬化樹脂によって固定される。この既知の構築方法を介して、コア要素と外板との間の堅牢な接続が達成され、それは、局所荷重に応答してコア要素から外板が剥離する確率を低減するのに役立つ。
【0004】
[0004]改善された堅牢性を有するパネル又は同様の製品を提供することが望ましいであろう。
【発明の概要】
【0005】
[0005]従って、本発明の第1の態様によると、パネルなどの製品が提供され、製品は、両側の第1及び第2の表面を画定する。製品は、シートとシート間のコア要素又は空隙とを備える。コア要素又は空隙は細長く、第1の方向に沿って相互に平行に延在する。これらのコア要素又は空隙は、第2の方向に相互に隣接して配置され、製品縁部に沿って最も外側のコア要素又は空隙を含む。シートの各々は、内側部分、第1の外側部分、及び第2の外側部分を画定する。内側部分は、2つの隣接するコア要素又は空隙間に介在する。第1の外側部分は、内側部分から離れて、2つの隣接するコア要素又は空隙のうちの一方上で、主に第1の表面に沿って第2の方向に向かって折り曲げられる。第2の外側部分は、内側部分から離れて、2つの隣接するコア要素又は空隙のうちの他方上で、主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって折り曲げられる。シートは、第1の表面から離れて、最も外側のコア要素又は空隙の周りで折り曲げられた、製品縁部に又はその近くにある折り曲げられた外側領域へと第1の外側部分が延在して、第2の表面に向かって戻るように負の第2の方向に非ゼロ成分を伴って延在する、少なくとも1つの包囲シートを含む。
【0006】
[0006]「シート」という用語は、本明細書では、その長さ及び幅寸法と比較して薄い材料片を指すために使用される。好ましくは、そのようなシートは、四角形の形状を有し、より好ましくは、長方形の形状を有する。シートは、コア要素又は空隙間に内側部分を介在され、重なり合う形でコア/空隙の上方及び下方の外側部分と連続して、第1及び第2の表面に沿って外板を共同で形成する。隣接するシートの第1及び第2の外側部分は、それぞれ第1及び第2の表面上で少なくとも部分的に互いを覆って、外板を形成する。
【0007】
[0007]この態様による製品中のシートは、様々な材料で形成され得、それらの材料は、最初は(即ち、製品構築より前に)剛性であり得るが、製品に対する通常の動作条件に関連する負荷を受けた場合にシートの他の領域を寸法的に安定したままにしながら、力を受けた場合に所望の折り線に沿ってシートを曲げるか又は折り曲げることを可能にするように塑性変形可能であり得る。例えば、最初は剛性のシート材料は、本質的に、アルミニウムシート材料、スチールシート材料、熱可塑性シート材料などから成り得る。代替として、シート材料は、所望のシート構成に曲げるか又は折り曲げることを可能にするように、最初は(製品構築より前に)可撓性であり得る。そのような製品の製造は、シートのための硬化段階を伴うべきであり、それは、シートが、結果として生じる製品に対して本質的に固定された配向で定着することを可能にする。そのような硬化段階は、例えば、樹脂によるシートの含浸と、それに続く、シート材料が埋め込まれる剛性マトリックスを形成するための樹脂の硬化とを含み得る。シートの含浸は、例えば、シートの予備形成された配置の樹脂トランスファー成形(RTM)又は真空補助樹脂トランスファー成形(VARTM)を介して生じ得る。代替として、個々のシートは、予め含浸及び成形され(「プリプレグシート」)、その後、所望のプロファイルを形成するためにシートを積層及び結合し得る。更に別の代替形態では、シートは、シートを所望のプロファイルに配置するより前に、例えば浸漬槽を介して、直接含浸され得る。最初は可撓性のシート材料は、例えば、本質的に、繊維材料の布(例えば、ウェブ、メッシュ、又はマット)から成り得る。更に代替の実装形態では、最初は剛性のシート及び最初は可撓性のシートの両方を有する複合構築物、例えばガラス強化アルミニウム積層構造物が使用され得る。
【0008】
[0008]シートは、コア要素又は空隙に沿って及びそれらの間にZ状パターンで延在し、個々の内側シート部分は、2つの隣接するコア又は空隙間に介在する。「主に第1の表面に沿って正の第2の方向+Yに向かって」という語句は、本明細書では、各シートの第1の外側部分が、第3の方向、即ち面外方向に比較的小さい又は消滅するベクトル成分を伴って延在することと比較して、パネルの第1の表面と平行な正の第2の方向に大きいベクトル成分を伴って延在することを示すために使用される。第1の外側部分は、この正の第2の方向に対して僅かに非ゼロの角度で配向され得る。同様に、「主に第2の表面に沿って負の第2の方向-Yに向かって」という語句は、本明細書では、各シートの第2の外側部分が、面外方向に比較的小さい又は消滅するベクトル成分を伴って延在することと比較して、パネルの第2の表面と平行な負の第2の方向に大きいベクトル成分を伴って延在することを示すために使用される。第2の外側部分はまた、この負の第2の方向に対して僅かに非ゼロの角度で配向され得る。
【0009】
[0009]製品は、細長いコア要素を備え得、細長いコア要素は、構築中に製品形状を画定するのに役立ち、製品に追加の剛性を与える。そのようなコア要素は、例えば、ポリウレタン(PU)発泡体のような剛性軽量材料から形成され得る。しかしながら、シート間の空間がコア材料で充填される必要はない。完成したパネル中の成形された(例えば、折り曲げられた又は硬化された)シート材料は、それ自体の十分な剛性を既に有し得、このことから、コア要素を含む必要がなくなる。コアの代わりに、それぞれの隣接する内側シート部分の対及び外側シート部分の対によって取り囲まれた空隙を有する複合パネルは、それ自体が(例えば国際公開第2016/085336A1号から)知られている引抜成形技法及びオートクレーブ技法によって製造され得る。
【0010】
[0010]「最も外側のコア要素又は空隙」という用語は、本明細書では、コア要素の伸長方向に平行な製品の縁部に最も近く位置するコア要素又は空隙を指す。「近く」という用語は、本明細書では、コア要素又は空隙の典型的な横寸法よりも小さい程度の距離を指す。
【0011】
[0011]「包囲シート」という用語は、本明細書では、規則的な配置(例えばZパターン)で隣接するコア要素又は空隙に沿って及びそれらの間に延在するが、加えて、最も外側のコア要素又は空隙の周りに延在して、このコア又は空隙を横方向及び垂直方向(ただし、必ずしも長手方向ではない)に包囲するシートを指す。繊維材料の介在するシートのうちの少なくとも1つを、最も外側のコア要素又は空隙の周りで折り曲げられ、第2の表面に向かって戻る包囲シートとして形成することによって、製品縁部をシートによって効率的に封止することができる。コア/空隙及びシートの結果として生じる配置は、封止及び強化された縁部を有するパネルをもたらす。好ましくは、包囲シートの折り曲げられた外側領域は、隣接するシートの少なくとも1つの第2の外側部分を覆う。
【0012】
[0012]この態様による製品は、例えば、パネル(例えば、橋、床板、水門)、エアロフォイル(例えば、ウイング、ラダーブレード、若しくはタービンブレード)、又は同様の構造物の形態で、複合構築物において使用され得る。製品は、両側に第1及び第2の表面を画定し、両方の表面は、第2の方向Yに沿って有意なベクトル成分を伴って延在する。そのような製品は、例えば、第1及び第2の側部が主に平坦(即ち平面状)であるパネルを構成又は含み得る。第1及び第2の表面は、主に長方形の断面及び均一な厚さを有する製品(例えばパネル)をもたらすように、相互に平行に配向され得る。第1の表面はまた、第2の表面に対して非ゼロ角度で配向されて、角柱(例えば台形)断面を有する製品をもたらし得る。加えて、第1及び第2の表面は、第2の方向Yに沿った関数として、例えば、湾曲したウイング状の形状に湾曲され得る。
【0013】
[0013]実施形態によると、コア要素又は空隙は、最も外側のコア要素又は空隙に沿って及び隣接して配置された最後から2番目のコア要素又は空隙を含み、シートは、最も外側のシートを含む。この最も外側のシートの内側部分は、最も外側のコア要素又は空隙と最後から2番目のコア要素又は空隙との間に介在する。この最も外側のシートの第1の外側部分は、内側部分から離れて、最も外側のコア要素又は空隙上で、主に第1の表面に沿って正の第2の方向に向かって折り曲げられ、この最も外側のシートの第2の外側部分は、対応する内側部分から離れて、最後から2番目のコア要素又は空隙上で、主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって折り曲げられる。包囲シートの折り曲げられた外側領域は、主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって折り曲げられて、最も外側のシートの第2の外側部分と少なくとも部分的に重なり合う更なる折り曲げられた外側領域を含む。
【0014】
[0014]「最も外側のシート」という用語は、本明細書では、最も外側のコア/空隙と隣接する(即ち最後から2番目の)コア/空隙との間にその内側シート部分が位置するシート部材を指す。第1の外側部分が最も外側のコア/空隙の周りで折り曲げられ、その第2の外側部分と当接するように戻る、最も外側のシートを配置することによって、製品縁部の構造的一体性及び/又は封止を更に改善することができる。
【0015】
[0015]「重なり合う」という用語及び「AがBに(と)重なり合う」という語句は、本明細書では、物体Aの一部又は全てが物体Bの少なくとも一部又は全ての上に延在し、それを覆うことを示すために使用される。更に、「AがQ方向に/に沿ってBに(と)重なり合う」という表現は、本明細書では、AがQ方向に沿ってBの一部又は全ての上に上述したような形で延在することを示すために使用される。結果として、物体Aは、Qに対して垂直な少なくとも1つの方向に沿って見た場合、物体Bの一部又は全てを覆う。A及びBの重なり合いは、A及びBが直接物理的に接触していることを暗示し得るが、必ずしもそうである必要はない。重なり合いは、「AがBに重なり合う」ことが「BがAに重なり合う」ことも暗示するという点で、相互空間関係を定義する。
【0016】
[0016]製品縁部の強度及び封止を更に改善するために、最も外側のシートは、包囲シートのうちの1つとして形成され得る。そのような最も外側のシートは、第1の表面から離れて、最も外側のコア要素に沿って折り曲げられた外側領域へと延在する第1の外側部分と、第2の表面に沿って反対方向に折り曲げられて、最も外側のシートの第2の外側領域と少なくとも部分的に重なり合う更なる折り曲げられた外側部分とを含む。
【0017】
[0017]しかし、最も外側のシートが包囲シートのうちの1つを形成する必要はない。1つ以上の包囲シートは、代わりに、製品縁部から更に離れて位置するコア又は空隙と関連付けられ得、その一方で、最も外側のシートは、最も外側のコア要素又は空隙の周りに延在することなく、規則的な配列(例えばZパターン)で折り曲げられる。
【0018】
[0018]実施形態によると、シートは、対応する第1の外側部分が、第1の表面から離れて、最も外側のコア要素又は空隙の周りで折り曲げられた、折り曲げられた外側領域と、主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって折り曲げられて、最も外側のシートの第2の外側部分と少なくとも部分的に重なり合い、任意選択で、最も外側のシートの更なる折り曲げられた外側領域とも少なくとも部分的に重なり合う更なる折り曲げられた外側領域とへと延在する最後から2番目のシートを備える。
【0019】
[0019]最も外側のシートは、包囲シートであり得、最後から2番目のシートの更なる外側領域は、最も外側のシートの第2の外側部分及び更なる外側領域と(部分的に)重なり合い得る。この配置では、最も外側のシートの更なる外側領域は、一方では最後から2番目のシートの更なる外側領域と、他方では最も外側のシートの第2の外側部分との間に配置される。
【0020】
[0020]代替として、最も外側のシートは、非包囲シートであり得、最後から2番目のシートの更なる外側シート領域は、最も外側のシートの第2の外側部分と(部分的に)直接重なり合い得る。
【0021】
[0021]実施形態によると、コア要素又は空隙は、一連の連続する外側コア要素又は空隙を含み、シートは、第1の表面から離れて、最も外側のコア要素又は空隙の周りで折り曲げられた、折り曲げられた外側領域へと、及び主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって折り曲げられて、先行する包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域と少なくとも部分的に重なり合う、更なる折り曲げられた外側領域へと第1の外側部分が延在する一連の連続する包囲シートを含む。
【0022】
[0022]実施形態によると、製品は、様々なロケーションに1つ以上の強化ストリップを含む。ストリップは、繊維強化プラスチックのシート、プレート材料の中実体、又は複合材料から形成され得る。ストリップは、例えば、35ギガパスカル(GPa)を超える、又は好ましくは100GPaを超える繊維に沿った弾性係数と、800メガパスカル(MPa)を超える、又は好ましくは1200MPaを超える繊維に沿った引張強度とを有する一方向繊維複合材料によって形成され得る。例証的なストリップ材料は、一方向ガラス繊維複合材(弾性率ストリップ≒39GPa、引張強度≒900MPa)、一方向高強度炭素繊維複合材(弾性率ストリップ≒120GPa、引張強度≒1900MPa)、又は一方向高弾性炭素繊維複合材(弾性率ストリップ≒330GPa、引張強度≒1300MPa)である。
【0023】
[0023]例えば、製品は、少なくとも1つのストリップを含み得、少なくとも1つのストリップは、第2の表面の近くに延在し、少なくとも1つのコア又は空隙と実質的に平行であり、2つの隣接するシートの第2の外側部分間に挟まれる。
【0024】
[0024]代替として又は加えて、製品は、中間ストリップを含み得、中間ストリップは、第2の表面の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙と実質に平行であり、包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域と同じ包囲シートの第2の外側部分との間に挟まれるか、又は包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域と隣接する非包囲シートの第2の外側部分との間に挟まれる。
【0025】
[0025]代替として又は加えて、製品は、少なくとも1つの縁部ストリップを含み得、少なくとも1つの縁部ストリップは、第2の表面の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙と実質的に平行であり、2つの隣接する包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域間に挟まれる。1つのそのような縁部ストリップは、例えば、最も外側のコア要素に沿って、最も外側のシートの更なる折り曲げられた外側領域と最後から2番目のシートの更なる折り曲げられた外側領域との間に位置し得る。
【0026】
[0026]代替として又は加えて、製品は、少なくとも1つの更なるストリップを含み得、少なくとも1つの更なるストリップは、第1の表面の近くに延在し、少なくとも1つのコア要素又は空隙と実質的に平行であり、2つの隣接するシートの第1の外側部分間に位置する。1つのそのような更なるストリップは、例えば、最も外側のコア要素に沿って、最も外側のシートの第1の外側部分と最後から2番目のシートの第1の外側部分との間に位置し得る。
【0027】
[0027]ストリップ及び/又は更なるストリップのうちのいずれも、2つの外側シート部分間にその全範囲に沿って挟まれ得る。代替として、ストリップのうちのいずれも、第2のパネル表面に向かって面するコア要素の表面に沿って延在し、且つそれと接触する部分、又はコア空隙の対応する表面に沿って延在する部分と共に位置付けられ得る。同様に、更なるストリップのうちのいずれも、第1のパネル表面に向かって面するコア要素の表面に沿って部分的に位置付けられ、且つそれと接触し得るか、又はコア空隙の対応する表面に沿って延在し得る。
【0028】
[0028]実施形態では、各シートの第1の外側部分は、第1の外側部分が第1の表面に対して0°<β1<5°の範囲の第1の傾斜角β1となるように、主に第1の表面に沿って正の第2の方向に向かって折り曲げられる。好ましくは、第1の傾斜角β1は、0°<β1≦2°の範囲である。
【0029】
[0029]代替として又は加えて、各シートの第2の外側部分は、第2の外側部分が第2の表面に対して0°<β2<5°の範囲の第2の傾斜角β2となるように、主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって折り曲げられ得る。好ましくは、第2の傾斜角β2は、0°<β2≦2°の範囲である。
【0030】
[0030]第1及び第2の製品表面が本質的に平行である場合、第1及び第2の傾斜角は、好ましくは、本質的に同一である(β1≒β2)。
【0031】
[0031]実施形態によると、シートの第1の外側部分は、主に第1の表面に沿って正の第2の方向に向かって、少なくとも3つの隣接するコア要素又は空隙のシーケンス上で折り曲げられる。シート部分の結果として生じる瓦状に重なった配置は、次いで、対応する3つの隣接するシートの少なくとも3つの第1の外側部分の重なり合いを含む。第1の外側シート部分の重なり合いは、製品強度と製造の複雑さとの間の良好なバランスを得るために、例えば4~6つの層を含み得る。
【0032】
[0032]代替として又は加えて、シートの第2の外側部分は、主に第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって、少なくとも3つの対向する隣接するコア又は空隙のシーケンス上で折り曲げられる。結果として生じる瓦状に重なった配置は、このことから、対応する3つの隣接するシートの少なくとも3つの第2の外側部分の重なり合いを含み得る。同様に、第2の外側シート部分の重なり合いは、例えば、4つ、5つ、又は6つの層を含み得る。好ましくは、重なり合うシート層の数は、製品の両面で同じである。
【0033】
[0033]加えて、(更なる)折り曲げられた外側領域の長さは、製品縁部の近くの重なり合う層の数が、重なり合う第2の外側部分と同じ(即ち3つ以上)になるような長さであり得る。
【0034】
[0034]第1の態様(及びその様々な実施形態)によるシート及びコア又は空隙の配置は、製品の別の縁部、例えば、第2の方向に沿って見てコア又は空隙のアレイの反対側の製品縁部に同様に適用され得る。1つ以上の包囲シートは、この反対側の製品縁部上で更なる最も外側のコア又は空隙の周りに配置され得、第3の方向に対して鏡面対称の形で設けられ得る。
【0035】
[0035]実施形態では、コア要素又は空隙は、第1の方向に垂直な平面において断面対称性を有する。そのような平面は、第2及び第3の方向と平行であり、コア要素又は空隙の断面形状は、そのような平面内の線に対して鏡面対称であり得るか、又は第1の方向に沿った軸を中心として回転対称であり得る。
【0036】
[0036]代替として又は加えて、コア要素又は空隙は、第1の方向に対して垂直な平面において多角形の断面形状を有する幾何学的角柱であり得る。好ましくは、これらの多角形の形状は、三角形、四角形、五角形、又は六角形である。より好ましくは、これらの多角形の形状は、正三角形又は長方形である。
【0037】
[0037]製品は、第3の方向に沿って実質的に平坦であり得るか、又は第1及び/又は第2の方向に沿った関数として第3の方向に滑らかな曲率を有する凹形状を有し得る。
【0038】
[0038]第2の態様によると、本明細書で上記で説明した利点及び効果に従って、強化複合構築物、特に橋、床板、水門、タービンブレード、又はウイングが提供される。この強化複合構築物は、第1の態様による製品(例えば、パネル又はエアロフォイル)を含む。
【0039】
[0039]第1の態様による製品の実施形態は、様々な方法によって製造され得る。異なる特性を有する製品に対して、異なる方法が選択され得る。製品は、例えば、RTM技法によって製造され得、様々なシート部分間に取り囲まれたコア要素を含み得るか、又は引抜成形技法によって製造され得、対応する位置のいくつか又は全てにおいてコア要素の代わりに空隙を含み得る。
【0040】
[0040]第3の態様によると、両側に第1及び第2の表面を有する製品を製造するための方法が提供される。本方法は、細長いコア要素を相互に平行に位置付けることと、支持構造物上のコア要素に沿って及びそれらの間に延在する折り曲げ可能な材料を有するシートを位置付けることとを備える。コア要素及びシートのこの位置付けは、-最も外側のコア要素が縁部に沿った状態で、細長いコア要素を、相互に平行し、第1の方向に沿って延在し、第2の方向に沿ってアレイ中に相互に隣接して位置付けることと、-2つの隣接するコア要素間にシートの内側部分を介在させることと、-その内側部分から離れて、2つの隣接するコア要素のうちの一方上で、主に第1の表面に沿って第2の方向に向かってシートの第1の外側部分を折り曲げることと、-その内側部分から離れて、2つの隣接するコア要素のうちの他方上で、第2の表面に沿って負の第2の方向に向かって各シートの第2の外側部分を折り曲げることとを含む。シートは、外側領域及び更なる外側領域へと延在する第1の外側部分を有する包囲シートを含み、本方法は、-第1の表面から離れて、最も外側のコア要素の周りで外側領域を折り曲げることと、-第2の表面に向かって負の第2の方向に非ゼロ成分を伴って更なる外側領域を折り曲げることとを更に備える。
【0041】
[0041]本方法は、シートをシート配置へと位置付けることを更に備え得、隣接するシートの外側部分及び更なる外側部分は、少なくとも部分的に重なり合う。
【0042】
[0042]実施形態によると、シートは、外側領域及び更なる外側領域へと延在する第1の外側部分と、第2の外側部分とを有する最も外側のシートを含む。本方法は、次いで、-第1の表面から離れて、最も外側のコア要素の周りで外側領域を折り曲げることと、-最も外側のシートの第2の外側部分との少なくとも部分的な重なり合いを作り出すために、第2の表面に沿って負の第2の方向に戻るように更なる外側領域を折り曲げることとを備え得る。
【0043】
[0043]更なる実施形態では、本方法は、それぞれのコア要素に沿って少なくとも1つのストリップを位置付けることを備える。ストリップ(複数可)は、2つの隣接するシートの第1の外側部分、2つの隣接するシートの第2の外側部分、包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域及び同じ包囲シートの第2の外側部分、包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域及び隣接する非包囲シートの第2の外側部分、又は、2つの隣接する包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域の間に挟まれる。
【0044】
[0044]実施形態では、シートは、本質的に、折り曲げ可能な繊維材料から成り、本方法は、-シート又は折り重ねられた外側シート部分を有するシートの組み立て体に硬化可能な物質(例えば樹脂)を含浸させることと、-製品を形成するために硬化可能な物質を硬化させ、それによって、シートの重なり合う第1の外側部分と重なり合う第2の外側部分とを相互に固定することとを備える。1つ以上の強化ストリップが隣接するシート間に位置付けられる場合、これらのストリップは、硬化より前にシートと共に硬化可能な物質に含浸され得る。
【0045】
[0045]支持構造物は、例えば、含浸ステップ中にシートの組み立て体とコア要素とを拘束するための金型であり得る。この金型は、成形中に製品を拘束するための金型縁部を備え得、最も外側のコア要素は、金型縁部に沿って配置され得る。本方法は、含浸ステップ中に、金型に対して封止する形でコア及びシートを一時的カバー層の下で取り囲むことを更に伴い得る。
【0046】
[0046]代替の方法の実施形態では、シートは、剛性構造物の形態で予め既に設けられ得る。シートは、次いで、使用されるシート材料に基づいて選択され得る適切な方法によって、例えば、接着剤、溶着、リベット留め、又は融着を使用することによって、所望の配置で互いに位置付けられ、固定され得る。
【0047】
[0047]第4の態様によると、製品(例えばパネル)を作るための方法が提供される。本方法は、-繊維材料の複数のシートを提供することと、-成形要素の配置を提供することと、成形要素は、主に第1の方向に延在し、隣接する成形要素の対間の隙間を画定しながら第2の方向に相互に隣接して配置される、、-主に隙間を介して且つ成形要素に沿って第1の方向にシートを連続して同時に移動させることと、-移動中に、2つの隣接する成形要素である、内側シート部分に対して横方向に主に正の第2の方向に突出する第1の外側シート部分と、内側シート部分に対して横方向に主に負の第2の方向に突出する第2の外側シート部分との間に内側シート部分を形成するために、それぞれの成形要素の周りで各シートを折り曲げることと、-異なるシートの第1の外側シート部分に互いを少なくとも部分的に覆わせ、異なるシートの第2の外側シート部分に互いを少なくとも部分的に覆わせることとを備える。折り重ねられた外側シート部分を有するシートの組み立て体と空隙とが、それによって形成され、空隙は、一対の隣接する内側部分と一対の第1及び第2の外側シート部分とによって取り囲まれる。これらのステップは、例えば、参照により本明細書に組み込まれる国際公開第2016/085336A1号の図2a~3c及び段落30~34に記載されているような成形要素を有する成形デバイスを使用して実行され得る。しかしながら、この第4の態様による方法は、-シートを移動させている間に、製品縁部の又はその近くの少なくとも1つの包囲シートの第1の外側部分の外側領域を、第1の表面から離れて、最も外側の成形要素の周りで、第2の表面に向かって戻るように負の第2の方向に非ゼロ成分を伴って折り曲げることを更に備える。最も外側の空隙も、このことから、包囲シートの内側シート部分と第1の外側部分とによって取り囲まれるようになる。
【0048】
[0048]実施形態では、本方法は、輪郭の周りで第2の方向及び第3の方向にローラなどの成形要素を移動させることによって第1の外側シート部分及び第2の外側シート部分を折り曲げることを含み、輪郭は、成形要素によって画定され、主に第1の方向に沿って方向付けられた輪郭軸を有する。
【0049】
[0049]実施形態では、シートが隙間を介して成形要素に沿って移動されるときに、少なくとも1つの強化ストリップが、連続的且つ同時にシート間に挿入される。そのようなストリップは、2つの隣接するシートの第1の外側部分、2つの隣接するシートの第2の外側部分、包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域及び同じ包囲シートの第2の外側部分、包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域及び隣接する非包囲シートの第2の外側部分、又は、2つの隣接する包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域の間に挟まれ得る。
【0050】
[0050]実施形態では、本方法は、-シート又は折り重ねられた外側シート部分を有するシートの組み立て体に硬化可能な物質を含浸させることと、-空隙が残存するような形で、製品を形成するために、硬化可能な物質を硬化させることと、各空隙は、一対の隣接する内側部分と一対の第1及び第2の外側シート部分とによって取り囲まれる、とを更に備える。
【0051】
[0051]ここで、実施形態を、添付の概略図を参照して、例としてのみ説明し、添付の概略図では、対応する参照符号は、対応する部分を示す。図面では、同様の番号は、同様の要素を示す。要素の複数の事例は各々、要素番号に付加された別個の文字を含み得る。例えば、特定の要素「20」の2つの特定の事例は、例えば、「20a」及び「20b」のように、付加された文字でラベル付けされ得る。要素ラベルは、要素の指定されていない事例を指すために、添え字i又はj(例えば「20i」)と共に使用され得るが、要素ラベルは、要素の全ての事例を一般に指すために、付加された文字(例えば「20」)なしで使用され得る。
【図面の簡単な説明】
【0052】
図1】[0052]実施形態による複合パネルの一部分の斜視図を概略的に示す。
図2】[0053]図1からのパネルの概略断面図を提示する。
図3】[0054]複合パネルの代替の実施形態の断面図を示す。
【0053】
[0055]図面は、例示のみを目的とするものであり、特許請求の範囲によって規定される範囲又は保護の制限としての役割を果たすものではない。
【発明を実施するための形態】
【0054】
[0056]以下は、本発明のある特定の実施形態の説明であり、例としてのみ、図面を参照して与えられる。図では、例証的な製品の実施形態についての空間関係を説明するためにデカルト座標が使用される。
【0055】
[0057]「表面」という用語は、本明細書では、全体的に又は区分的に平坦な形状(例えば、平面又は多角形表面)、湾曲形状(例えば、円筒形、球形、放物面、等)、凹形状(例えば、階段状若しくは波状表面)、又はより複雑な形状を有し得る2次元パラメトリック表面領域を一般に指すために使用される。「平面」という用語は、本明細書では、3つの一致しない点によって画定される平坦な表面を指すために使用される。
【0056】
[0058]図1は、実施形態による複合パネル20の一部の斜視図を概略的に示す。図1では、パネル20の一部が、別個のコア要素と繊維材料を有するシートとのレイアウトを単に例示するために、階段状に仮想的に切り取られている。しかしながら、要素及びシートのクロスカット側面の相対位置は、図1から逸脱し得、例えば、全てが同じ公称平面(例えば、成形テーブルの直立縁部によって拘束される)に沿って整列され得ると理解されるものとする。図2は、図1からのパネル20の概略断面図を提示する。図1及び2は、パネル20が一連のコア要素40と、繊維材料を有するシート42、43とを含むことを示す。
【0057】
[0059]各コア要素40i(添え字i=a、b、c...)は、長手方向Xに沿って延在する細長い形状を有する。コア要素40は、Xに対して垂直な横方向Yに沿ってアレイ中に互いに平行に隣接して(並んで)配置される。垂直方向Zは、X及びYの両方に対して垂直に定義される。コア要素40の配置は、パネル20の両側に第1の表面22及び第2の表面24を画定し、それぞれ正及び負の垂直方向±Zに沿って面する。この実施形態では、パネル20は、実質的に平坦であり、そのため、長手方向X及び横方向Yの特徴的なパネル寸法は、垂直方向Zにおけるよりも実質的に大きい。各コア要素40は、長手方向Xに対して垂直な断面YZ平面において対称である。この例では、コア要素40は、局所YZ平面において長方形の断面形状を有し、長方形の断面形状は、関連付けられた中心コア軸A(公称軸Aaのみを図1に示す)を中心として回転対称である。
【0058】
[0060]コア40の配置は、パネル20の長手方向縁部26に沿って延在する最も外側のコア要素40aを含む。最後から2番目のコア要素40b及び最後から3番目のコア要素40cは、最も外側のコア要素40aのすぐ隣に順番に配置される。更なるコア要素40d、等が、負の横方向-Yに沿って連続する位置に配置される。
【0059】
[0061]繊維材料を有するシート42、43は、パネル縁部26から離れて位置し、最も外側のコア要素40aを包囲しないシート42(「非包囲シート」)と、長手方向パネル縁部26に向かって位置し、最も外側のコア要素40aを横方向Y及び垂直方向Zに包囲するシート43(「包囲シート」)とに区別することができる。
【0060】
[0062]各シート42i、43iは、内側部分44i、45i、第1の外側部分46i、47i、及び第2の外側部分48i、49iを含む。内側部分44i、45iは、2つの対応する隣接するコア要素40間に介在する。
【0061】
[0063]各シート42、43の第1の外側部分46、47は、主に第1の表面22に沿って延在するために、内側部分44、45から離れて、対応する第1の隣接するコア要素40上で、ここでは正の横方向+Yに折り曲げられる。各シート42、43の第2の外側部分48、49は、主に第2の表面24に沿って延在するために、内側部分44、45から離れて、対応する第2の隣接するコア要素40上で、この例では負の横方向-Yに折り曲げられる。
【0062】
[0064]隣接するシート42、43の第1の外側部分46、47は、少なくとも部分的に重なり合う形で配置される。各シート42、43の第1の外側部分46、47は、3つの隣接するコア要素40のシーケンス上で折り曲げられ、第1の表面22に沿って瓦状に重なった3層の重なり合いをもたらす。同様に、隣接するシート42、43の第2の外側部分48、49は、少なくとも部分的に重なり合う形で配置される。各シート42、43の第2の外側部分48、49は、3つの隣接するコア要素40のシーケンス上で反対方向に折り曲げられ、同様に、第2の表面24に沿って瓦状に重なった3層の重なり合いをもたらす。重なり合うシートの結果として生じる配置は、「傾斜層状材料」として説明され得、コア及び重なり合うシートの配置は、「傾斜層状複合構造」として説明され得る。
【0063】
[0065]各シート42、43の第1の外側部分46、47は、第1の表面22に対して第1の傾斜角β1で横方向Yに沿って配向される。同様に、各シート42、43の第2の外側部分48、49は、第2の表面24に対して第2の傾斜角β2で横方向Yに沿って配向される。長方形コア40の上面及び下面は、アレイ中の各コア40をその中心コア軸Aを中心として僅かに回転させることによって(例えば、図1の公称軸Aaを中心としたコア40a)、同様の角度で傾斜される。この傾斜配置は、外側シート部分46~49が互いに沿って平面配置で延在し、シートの引張強度を利用し、パネルの強度を改善することを可能にする。この例では、第1及び第2のパネル表面22、24は、本質的に平行であり、第1及び第2の傾斜角は、本質的に同一であるβ1≒β2。これらの角度の値は、好ましくは、小さく、例えば、0°<β1、β2<5°であるか、又は0°<β1、β2≦2°でさえある。
【0064】
[0066]包囲シート43は、長手方向パネル縁部26に沿って最も外側のシート43aを含む。加えて、包囲シート43は、最後から2番目のシート43bと、最後から3番目の包囲シート43cとを含み、それらは順番に配置され、後続のコア要素40と関連付けられる。
【0065】
[0067]最も外側のシート43aの内側部分45aは、最も外側のコア要素40aと最後から2番目のコア要素40bとの間に介在する。最も外側のシート43aの第1の外側部分47aは、外側領域50a及び更なる外側領域52aへと延在する。これらの外側シート領域50a~52aは、互いに対して異なる角度で折り曲げられた平面領域を形成する。第1の外側シート領域50aは、第1の表面22に沿って第1の外側部分47aから離れて、最も外側のコア要素40a及び長手方向パネル縁部26に沿って負の垂直方向-Zに下向きに折り曲げられる。第2の外側シート領域52aは、外側シート領域50aから離れて、第2の表面24に沿って反対の横方向-Yに折り曲げられる。第2の外側シート領域52aは、第2の表面24に更に沿って延在して、最も外側のシート43aの第2の外側部分49aと少なくとも部分的に重なり合う。
【0066】
[0068]最後から2番目のシート43bの内側部分45bは、最後から2番目のコア要素40bと、最後から2番目のコア要素40bに直接隣接する次のコア要素40cとの間に介在する。最後から2番目のシート43bの第1の外側部分47bは、内側部分45bから離れるように折り曲げられ、第1の表面22に沿って正の横方向+Yに、最後から2番目のコア要素40b及び最も外側のコア要素40aの両方上で延在する。この第1の外側部分47bはまた、第1の外側シート領域50b及び第2の外側シート領域52bへと延在する。これらの外側シート領域50b~52bもまた、互いに対して異なる角度で折り曲げられた平面領域を形成する。
【0067】
[0069]第1の外側シート領域50bは、第1の表面22及び第1の外側部分47bから離れて、負の垂直方向-Zに下向きに、最も外側のコア要素40a及び長手方向パネル縁部26に沿って折り曲げられる。この例では、最後から2番目のシート43bの第1の外側シート領域50bは、最も外側の側シート43aの第1の外側シート領域50aを覆っている。第2の外側シート領域52bは、第1の外側シート領域50bから離れて、負の横方向-Yに第2の表面24に沿って折り曲げられる。この例では、最後から2番目のシート43bの第2の外側シート領域52bは、最も外側のシート43aの第2の外側シート領域52aを覆う。
【0068】
[0070]最後から3番目のシート43cの外側シート部分47c及び領域50c~52cは、同様の形で配置され、最後から2番目のシート43b及び最も外側のシート43aの対応するシート部分47a~47b及びシート領域50b~52cの少なくとも一部と重なり合う。この例では、包囲シート43a~cの更なる折り曲げられた外側領域52a~cの長さは、第2のパネル側24のシート部分49及びシート領域52の瓦状に重なった配置が、パネル縁部26の近くでも3層になるような長さである。
【0069】
[0071]図3は、複合パネル120の代替の実施形態の断面図を示す。図1及び2のパネル20を参照して既に上記で説明したパネル120の特徴は、図3に示すパネル120にも存在し得、ここでは全てを再度議論はしない。図3を参照した議論では、同様の特徴は、実施形態を区別するために、100を前に付けた同様の参照番号で示す。
【0070】
[0072]図1の実施形態とは対照的に、パネル120の様々なシート部分間に画定された空間は、中実材料のコア要素によって占有されていない空隙141を形成する。このパネル120は、引抜成形技法によって形成され得る。更に代替の実施形態では、空隙141の選択されたもの又は全てが、代わりに、図1のコア40と同様の中実コア要素によって占有され得る。
【0071】
[0073]この実施形態では、パネル120は、剛性材料の様々なストリップ160~163を備える。この例では、ストリップ160~163は、35GPaを超える繊維に沿った弾性係数及び800MPaを超える繊維に沿った引張強度を有する一方向繊維複合材料から構成される。様々なストリップ160~163は、結果として生じるパネル120を、特にその長手方向縁部126に沿って強化する。
【0072】
[0074]ストリップ160a~160bは、第2の表面124の近くに配置され、長手方向Xに沿って対応する空隙141と実質的に平行に延在する。これらのストリップ160の各々は、2つの隣接するシート142、143の第2の外側部分148、149間に挟まれる。この例では、下部ストリップ160の各々は、空隙141の幅の約2.5倍の外側の広がりを有する。
【0073】
[0075]更なるストリップ163a~163dは、第1の表面122の近くに配置され、また、長手方向Xに沿って対応する空隙141と実質的に平行に延在する。各更なるストリップ163は、2つの隣接するシート142、143の第1の外側部分146、147間に挟まれる。
【0074】
[0076]この例では、中間ストリップ161は、最後から2番目の空隙141bの近くに、且つそれに沿って、第2のパネル表面124の近くに延在する。この中間ストリップ161は、最も外側のシート143aの第2の外側部分149aと更なる外側領域152aとの間に直接挟まれる。
【0075】
[0077]この例では、2つの縁部ストリップ162a~162bが設けられ、それらは、第2のパネル表面124の近くの下側において、最も外側の空隙141aの近くに、且つそれに沿って延在する。縁部ストリップ162aは、最後から2番目の包囲シート143bの更なる外側領域152bと最後から3番目の包囲シート143cの更なる外側領域152cとの間に直接挟まれる。同様に、縁部ストリップ162bは、最も外側の包囲シート143aの更なる外側領域152aと最後から2番目の包囲シート143bの更なる外側領域152bとの間に直接挟まれる。
【0076】
[0078]本発明は、その趣旨又は本質的な特徴から逸脱することなく、他の特定の形態で具現化され得る。説明した実施形態は、全ての点で例示的なものに過ぎず、限定的なものではないと考えられるべきである。
【0077】
[0079]説明した例証的な実施形態では、最も外側のシートは、包囲シートを形成し、第1の外側部分は、最も外側のコア要素及び製品縁部の周りで折り曲げられ、次いで、同じ最も外側のシートの第2の外側部分を覆うために反対側のパネル表面に沿って戻る、シート領域へと延在する。他のパネルの実施形態では、しかしながら、製品縁部から更に除去されたシートのみが、最も外側のコア要素の周りで第2のパネル表面に向かって折り曲げられたシート領域を有する包囲シートを構成し得る。
【0078】
[0080]3つよりも少ない又は多い包囲シートが製品中に存在し得る。後者の場合、追加の縁部ストリップが設けられ得、各ストリップは、隣接する包囲シートの更なる折り曲げられた外側領域間に直接挟まれる。
【0079】
[0081]上記で説明したパネルの実施形態は、主に平面形状を有していたが、パネルは、代替の実施形態では異なる形状を有し得ると理解されるものとする。パネルは、例えば、長手方向座標Xに沿った関数として垂直方向Zに向かって徐々に湾曲する単純な凹形状を有し得る。代替として、パネルは、横座標Yの関数として垂直方向Zに向かって凹状の曲率を有し得る。より複雑な形状もまた、例えば、長手方向及び横方向の両方における二重曲率、並びに/又は複数の極小/極大及び/若しくは変曲点を有する曲率によって考えることができる。
【0080】
[0082]製品は、様々な方法によって製造され得る。製品は、例えば、様々なシート部分間に取り囲まれたコア要素を含み得るか、又は対応する位置のいくつか又は全てにおいてコア要素の代わりに空隙を含み得る。
【0081】
[0083]また、コア要素又は空隙は、本質的に正方形の断面形状を有する細長い構造物に限定されると見なされるべきではない。他の形状を有するコア要素も可能であろう。例証的な代替形態はコア要素であり、各々が、X方向に沿ったその本体軸Aを中心とした回転下で離散的な回転対称性を有する断面形状(例えば、三角形又は長方形の形状)、及び/又はYZ平面における1つ以上の線に対して鏡面対称性を有する断面形状、又はより一般的な多角形(例えば、四角形)若しくは湾曲した断面形状を有する。
【0082】
[0084]本発明の範囲は、従って、前述の説明によってではなく、添付の特許請求の範囲によって示す。当業者には、本発明の代替及び等価の実施形態を着想し、実施することができることが明らかであろう。特許請求の範囲の均等物の意味及び範囲内に入る全ての変更は、それらの範囲内に包含されるべきである。
【0083】
[0085]簡潔にするために、様々な実施形態における同様の要素に対応する参照番号(例えば、要素110、210は要素10と同様である)は、特許請求の範囲において、それらの基本番号のみによって、即ち数百の倍数なしで集合的に示していることに留意されたい。しかしながら、これは、特許請求の範囲の要素が、基本番号に対応する特徴のみを参照するものとして解釈されるべきであることを示唆するものではない。同様の参照番号は特許請求の範囲において省略されているが、それらの適用可能性は、図面との比較から明らかであろう。
[符号の説明]
【0084】
同様の要素を示すために説明において使用された同様の参照番号(ただし、百単位だけ異なる)は、暗黙的に含まれると見なされるべきである。
10 金型
12 支持面
14 金型縁部
18 金型支持フレーム
20 パネル
22 第1のパネル表面
24 第2のパネル表面
26 第1のパネル縁部(長手方向縁部)
28 第2のパネル縁部(反対側の長手方向縁部)
30 第3のパネル縁部
32 第4のパネル縁部
40 コア要素
42 非包囲シート(例えばウェブ又はプレート材料)
43 包囲シート(例えばウェブ又はプレート材料)
44 非包囲シートの内側部分
45 包囲シートの内側部分
46 非包囲シートの第1の外側部分
47 包囲シートの第1の外側部分
48 非包囲シートの第2の外側部分
49 包囲シートの第2の外側部分
50 折り曲げられた外側領域
52 更なる折り曲げられた外側領域
64 硬化可能な物質(例えば樹脂)
141 コア空隙
160 ストリップ
161 中間ストリップ
162 縁部ストリップ
163 更なるストリップ
A (コア要素の)公称軸
X 第1の方向(長手方向)
Y 第2の方向(横方向)
Z 第3の方向(垂直方向)
β1 第1の傾斜角
β2 第2の傾斜角
図1
図2
図3
【国際調査報告】