(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】格納式ナイフアセンブリを有するステープルカートリッジ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551627
(86)(22)【出願日】2020-02-28
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2020077059
(87)【国際公開番号】W WO2021168761
(87)【国際公開日】2021-09-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】レン, ピン
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, ジアンフェン
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC09
4C160CC29
4C160MM32
(57)【要約】
本技術は、一般的には外科用ステープリングデバイスに関し、より具体的には、格納式ナイフアセンブリを有する外科用ステープリングデバイスに関する。外科用ステープリングデバイス(10)は、ステープルプッシャ(66)、ナイフホルダー(68)、ナイフホルダーに支持されたナイフブレード(68a)、および付勢部材(90)を含む、カートリッジアセンブリ(50)を含む。付勢部材は、ステープリングデバイスが発射された後、ナイフブレード(68a)が再前進するのを防ぐために、ステープルプッシャとナイフホルダーとの間に配置される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
カートリッジアセンブリであって、
空洞、ナイフスロット、複数のステープルポケット、および組織係合面を画定するカートリッジ本体であって、前記ナイフスロットおよび前記複数のステープルポケットが前記組織係合面と前記空洞との間に延在する、カートリッジ本体と、
複数のステープルであって、各々が前記複数のステープルポケットのうちの1つに収容されている、複数のステープルと、
前記カートリッジ本体の前記空洞内に支持されたステープルプッシャであって、前記カートリッジ本体の前記複数のステープルポケットから前記複数のステープルを排出するために、格納位置から前進位置に移動可能である、ステープルプッシャと、
ナイフブレードを支持するナイフホルダーであって、前記カートリッジ本体の前記空洞内に配置され、前記カートリッジ本体内に凹設された格納位置から、前記ナイフスロットから延在する前進位置まで前記ナイフブレードを移動させるために、格納位置と前進位置との間で移動可能である、ナイフホルダーと、
前記カートリッジ本体内の前記ナイフホルダーと前記ステープルプッシャとの間に配置された付勢部材であって、前記ナイフホルダーおよび前記ナイフブレードをそれらの格納位置に向けて付勢するように構成されている、付勢部材と、を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項2】
前記ナイフホルダーが凹部を画定し、前記ナイフホルダーおよび前記ステープルプッシャがそれらの格納位置にあるときに前記付勢部材が前記凹部に収容される、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記付勢部材は、前記ナイフホルダーと係合した第1のばねアームと、前記ステープルプッシャと係合した第2のばねアームとを含む、請求項2に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記第1のばねアームは、前記ナイフホルダーと係合した第1のリング部材を含み、前記第2のばねアームは、前記ステープルプッシャと係合した 第2のリング部材を含む、請求項3に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
前記ステープルプッシャが前進位置にあり、かつ前記ナイフホルダーが格納位置にあるとき、前記第2のばねアームは前記凹部に対して長手方向にずれている、請求項4に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
前記付勢部材はねじりばねを含む、請求項3に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項7】
前記ねじりばねは、前記第1のばねアームと前記第2のばねアームとの間に配置された中央コイルを含む、請求項6に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項8】
前記カートリッジ本体は、前記凹部で配置された支柱を含み、前記支柱は、前記ねじりばねの前記中央コイル内に収容されている、請求項7に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項9】
前記付勢部材は第1のばねアームおよび第2のばねアームを含み、前記第1のばねアームは前記ナイフホルダーと係合し、前記第2のばねアームは、前記ステープルプッシャと係合したリング部材を含み、前記リング部材は、前記ステープルプッシャおよびナイフホルダーがそれらの格納位置にあり、前記ステープルプッシャと前記ナイフホルダーとの間に配置されているときに前記凹部内に配置され、前記ステープルプッシャが前進位置にあり、かつ前記ナイフホルダーが格納位置にあるときに、前記凹部に対してずれている、請求項2に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項10】
前記リング部材は、前記リング部材が前記凹部に対してずれているときに、前記ナイフスロットから前記ナイフブレードが前進するのを防ぐための直径を有する、請求項9に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項11】
前記付勢部材は板ばねを含む、請求項3に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項12】
前記板ばねは、前記第1のばねアームと前記第2のばねアームとの間に画定された屈曲部分を含む、請求項11に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項13】
カートリッジアセンブリであって、
空洞、ナイフスロット、複数のステープルポケット、および組織係合面を画定するカートリッジ本体であって、前記ナイフスロットおよび前記複数のステープルポケットが前記組織係合面と前記空洞との間に延在する、カートリッジ本体と、
複数のステープルであって、各々が前記複数のステープルポケットのうちの1つに収容されている、複数のステープルと、
前記カートリッジ本体の前記空洞内に支持されたステープルプッシャであって、前記カートリッジ本体の前記複数のステープルポケットから前記複数のステープルを排出するために、格納位置から前進位置に移動可能である、ステープルプッシャと、
ナイフブレードを支持するナイフホルダーであって、前記カートリッジ本体の前記空洞内に配置され、前記カートリッジ本体内に凹設された格納位置から、前記ナイフスロットから延在する前進位置まで前記ナイフブレードを移動させるために、格納位置と前進位置との間で移動可能である、ナイフホルダーと、
前記カートリッジ本体内の前記ナイフホルダーと前記ステープルプッシャとの間に配置された付勢部材であって、前記付勢部材は第1のばねアームおよび第2のばねアームを含み、前記第1のばねアームは前記ナイフホルダーと係合し、前記第2のばねアームは前記ステープルプッシャと係合して、前記ナイフホルダーおよび前記ナイフブレードをそれらの格納位置に向けて付勢し、前記第2のばねアームは、前記ステープルプッシャと係合したリング部材を含み、前記ステープルプッシャが前進位置にあり、かつ前記ナイフホルダーが格納位置にあるときに、前記ステープルプッシャと前記ナイフホルダーとの間に前記リング部材が配置される、付勢部材と、を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項14】
外科用ステープリングデバイスであって、
ハンドルアセンブリと、
U字型遠位フレーム部分を含むフレームであって、前記U字型遠位フレーム部分は第1の横部分、第2の横部分、および前記第1の横部分と前記第2の横部分とを接続する縦部分を含み、前記第1の横部分と前記第2の横部分とがギャップを画定する、フレームと、
前記第1の横部分で支持されたアンビルと、
前記ギャップ内に配置された遠位カートリッジサポートを含むクランプスライドアセンブリと、
前記クランプスライドアセンブリの前記遠位カートリッジサポートで支持されたカートリッジアセンブリと、を備え、前記カートリッジアセンブリは、
空洞、ナイフスロット、複数のステープルポケット、および組織係合面を画定するカートリッジ本体であって、前記ナイフスロットおよび前記複数のステープルポケットが前記組織係合面と前記空洞との間に延在する、カートリッジ本体と、
複数のステープルであって、各々が前記複数のステープルポケットのうちの1つに収容されている、複数のステープルと、
前記カートリッジ本体の前記空洞内に支持されたステープルプッシャであって、前記カートリッジ本体の前記複数のステープルポケットから前記複数のステープルを排出するために、格納位置から前進位置に移動可能である、ステープルプッシャと、
ナイフブレードを支持するナイフホルダーであって、前記カートリッジ本体の前記空洞内に配置され、前記カートリッジ本体内に凹設された格納位置から、前記ナイフスロットから延在する前進位置まで前記ナイフブレードを移動させるために、格納位置と前進位置との間で移動可能である、ナイフホルダーと、
前記カートリッジ本体内の前記ナイフホルダーと前記ステープルプッシャとの間に配置された付勢部材であって、前記ナイフホルダーおよび前記ナイフブレードをそれらの格納位置に向けて付勢するように構成されている、付勢部材と、を含む、外科用ステープリングデバイス。
【請求項15】
前記ナイフホルダーが凹部を画定し、前記ナイフホルダーおよび前記ステープルプッシャがそれらの格納位置にあるときに前記付勢部材が前記凹部に収容される、請求項14に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項16】
前記付勢部材は、前記ナイフホルダーと係合した第1のばねアームと、前記ステープルプッシャと係合した第2のばねアームとを含む、請求項14に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項17】
前記第1のばねアームは、前記ナイフホルダーと係合した第1のリング部材を含み、前記第2のばねアームは、前記ステープルプッシャと係合した第2のリング部材を含む、請求項16に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項18】
前記付勢部材はねじりばねを含む、請求項16に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項19】
前記付勢部材は板ばねを含む、請求項16に記載の外科用ステープリングデバイス。
【請求項20】
前記ナイフホルダーが凹部を画定し、前記ナイフホルダーおよび前記ステープルプッシャがそれらの格納位置にあるときに前記付勢部材が前記凹部に収容され、前記第2のばねアームは、前記ステープルプッシャと係合したリング部材を含み、前記リング部材は、前記ステープルプッシャおよびナイフホルダーがそれらの格納位置にあり、かつ前記ステープルプッシャと前記ナイフホルダーとの間に配置されているときに前記凹部内に配置され、前記ステープルプッシャが前進位置にあり、かつ前記ナイフホルダーが格納位置にあるときに、前記凹部に対してずれている、請求項16に記載の外科用ステープリングデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、一般的には外科用ステープリングデバイスに関し、より具体的には、格納式ナイフアセンブリを有する外科用ステープリングデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
外科用ステープリングデバイスは、一般的に、組織の切開および縫合を円滑に行い、患者に対する外傷を最小限に抑えるための、様々な外科的処置時に使用される。通常、このようなステープリングデバイスは、ステープリングデバイスの再利用を容易にするために、ステープリングデバイスを使用するごとに交換可能であるステープルカートリッジを含む、カートリッジアセンブリを含む。カートリッジアセンブリは、組織を切断するために、格納位置と前進位置との間で移動可能であるナイフブレードを有する、ナイフアセンブリを含む。ステープリングデバイスが発射され、組織が切断された後、カートリッジアセンブリの取り外し時および廃棄時に、臨床医をナイフブレードから保護するために、ナイフブレードがカートリッジアセンブリ内に格納される。
【0003】
ステープリングデバイスが発射された後、ナイフブレードを格納して保護する位置に保持するための構造を含んだカートリッジアセンブリを含む、ステープリングデバイスについての当該技術分野に関し、継続的な必要性が存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本開示の態様は、ステープルプッシャ、ナイフホルダー、ナイフホルダーで支持されたナイフ、および付勢部材を含むカートリッジアセンブリを有する、外科用ステープリングデバイスに関する。付勢部材は、ステープリングデバイスが発射された後、ナイフブレードが再前進するのを防ぐために、ステープルプッシャとナイフホルダーとの間に配置される。
【0005】
本開示の一態様は、カートリッジ本体、複数のステープル、ステープルプッシャ、ナイフホルダー、ナイフ、および付勢部材を含む、カートリッジアセンブリに関する。カートリッジ本体は、空洞、ナイフスロット、複数のステープルポケット、および組織係合面を画定する。ナイフスロットおよび複数のステープルポケットは、組織係合面と空洞との間に延在する。複数のステープルの各々は、複数のステープルポケットのうちの1つに収容されている。ステープルプッシャは、カートリッジ本体の空洞内に支持されており、カートリッジ本体の複数のステープルポケットから複数のステープルを排出するために、格納位置から前進位置に移動可能である。ナイフホルダーはナイフブレードを支持し、カートリッジ本体の空洞内に配置される。ナイフホルダーは、カートリッジ本体内に凹設された格納位置から、ナイフスロットから延在する前進位置までナイフブレードを移動させるために、格納位置と前進位置との間で移動可能である。付勢部材は、カートリッジ本体内のナイフホルダーとステープルプッシャとの間に配置され、ナイフホルダーおよびナイフブレードをそれらの格納位置に向けて付勢するように構成されている。
【0006】
本開示の別の態様は、カートリッジ本体、複数のステープル、ステープルプッシャ、ナイフホルダー、および付勢部材を含む、カートリッジアセンブリに関する。カートリッジ本体は、空洞、ナイフスロット、複数のステープルポケット、および組織係合面を画定する。ナイフスロットおよび複数のステープルポケットは、組織係合面と空洞との間に延在する。複数のステープルの各々は、複数のステープルポケットのうちの1つに収容されている。ステープルプッシャは、カートリッジ本体の空洞内に支持されており、カートリッジ本体の複数のステープルポケットから複数のステープルを排出するために、格納位置から前進位置に移動可能である。ナイフホルダーはナイフブレードを支持し、カートリッジ本体の空洞内に配置される。ナイフホルダーは、カートリッジ本体内に凹設された格納位置から、ナイフスロットから延在する前進位置までナイフブレードを移動させるために、格納位置と前進位置との間で移動可能である。付勢部材は、ナイフホルダーとステープルプッシャとの間に配置され、第1のばねアームおよび第2のばねアームを含む。第1のばねアームはナイフホルダーと係合し、第2のばねアームはステープルプッシャと係合して、ナイフホルダーおよびナイフブレードをそれらの格納位置に向けて付勢する。第2のばねアームは、ステープルプッシャと係合したリング部材を含む。リング部材は、ステープルプッシャが前進位置にあり、かつナイフホルダーが格納位置にあるとき、ステープルプッシャとナイフホルダーとの間に配置される。
【0007】
本開示の別の態様は、ハンドルアセンブリ、フレーム、アンビル、クランプスライドアセンブリ、およびカートリッジアセンブリを含む、外科用ステープリングデバイスに関する。フレームは、第1の横部分、第2の横部分、および第1の横部分と第2の横部分とを接続する縦部分を含む、U字型遠位フレーム部分を含む。第1の横部分および第2の横部分はギャップを画定する。アンビルは、フレームの遠位フレーム部分の第1の横部分で支持されている。クランプスライドアセンブリは、ギャップ内に配置された遠位カートリッジサポートを含む。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体、複数のステープル、ステープルプッシャ、ナイフホルダー、ナイフ、および付勢部材を含む。カートリッジ本体は、空洞、ナイフスロット、複数のステープルポケット、および組織係合面を画定する。ナイフスロットおよび複数のステープルポケットは組織係合面と空洞との間に延在する。複数のステープルの各々は、複数のステープルポケットのうちの1つに収容されている。ステープルプッシャは、カートリッジ本体の空洞内に支持されており、カートリッジ本体の複数のステープルポケットから複数のステープルを排出するために、格納位置から前進位置に移動可能である。ナイフホルダーはナイフブレードを支持し、カートリッジ本体の空洞内に配置される。ナイフホルダーは、カートリッジ本体内に凹設された格納位置から、ナイフスロットから延在する前進位置までナイフブレードを移動させるために、格納位置と前進位置との間で移動可能である。付勢部材は、カートリッジ本体内のナイフホルダーとステープルプッシャとの間に配置され、ナイフホルダーおよびナイフブレードをそれらの格納位置に向けて付勢するように構成されている。
【0008】
本開示の態様では、ナイフホルダーは凹部を画定し、付勢部材は、ナイフホルダーおよびステープルプッシャがそれらの格納位置にあるときに、凹部に収容される。
【0009】
本開示のいくつかの態様では、付勢部材は、ナイフホルダーと係合した第1のばねアームと、ステープルプッシャと係合した第2のばねアームとを含む。
【0010】
本開示の特定の態様では、第1のばねアームは、ナイフホルダーと係合した第1のリング部材を含み、第2のばねアームは、ステープルプッシャと係合した第2のリング部材を含む。
【0011】
本開示の態様では、ステープルプッシャが前進位置にあり、かつナイフホルダーが格納位置にあるとき、第2のばねアームは凹部に対して長手方向にずれている。
【0012】
本開示のいくつかの態様では、付勢部材はねじりばねを含む。
【0013】
本開示の特定の態様では、ねじりばねは、第1のばねアームと第2のばねアームとの間に配置された中央コイルを含む。
【0014】
本開示の態様では、カートリッジ本体は、ねじりばねの中央コイル内に収容されている凹部で配置された支柱を含む。
【0015】
本開示のいくつかの態様では、第2のばねアームは、ステープルプッシャと係合し、かつ、ステープルプッシャおよびナイフホルダーがそれらの格納位置にあり、かつステープルプッシャとナイフホルダーとの間に配置されているときに凹部内に配置され、ステープルプッシャが前進位置にあり、かつナイフホルダーが格納位置にあるときに凹部に対してずれている、リング部材を含む。
【0016】
本開示の特定の態様では、リング部材は、リング部材が凹部に対してずれているときに、ナイフスロットからナイフブレードが前進するのを防ぐための直径を有する。
【0017】
本開示の態様では、付勢部材は板ばねを含む。
【0018】
本開示のいくつかの態様では、板ばねは、第1のばねアームと第2のばねアームとの間に画定された屈曲部分を含む。
【0019】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0020】
本開示の様々な態様は、図面を参照して、本明細書で以下に説明される。
【0021】
【
図1】外科用ステープリングデバイスのクランプスライドアセンブリからカートリッジアセンブリが分離された、本開示の態様におけるカートリッジアセンブリを含む、外科用ステープリングデバイスの側面斜視図である。
【
図2】
図1に示されたカートリッジアセンブリの側面斜視分解図である。
【
図3】
図1に示された外科用ステープリングデバイスのカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
【
図4】
図3に示された指示領域の詳細な拡大図である。
【
図5】非付勢状態における、
図4に示されたカートリッジアセンブリの付勢部材の側面斜視図である。
【
図6】設置状態における、
図5に示された付勢部材の側面斜視図である。
【
図7】非付勢状態における、
図6に示された付勢部材の代替バージョンの側面斜視図である。
【
図8】カートリッジアセンブリのカートリッジ本体が透視図で示された、発射前状態における、
図2に示されたカートリッジアセンブリの側面図である。
【
図8A】ステープルプッシャおよびナイフホルダーが前進位置にあり、カートリッジアセンブリのカートリッジ本体が透視図で示された、発射状態における、
図2に示されたカートリッジアセンブリの側面図である。
【
図9】カートリッジアセンブリのカートリッジ本体が透視図で示された、発射後状態および格納状態における、
図2に示されたカートリッジアセンブリの側面図である。
【
図10】
図9の切断線10-10に沿った断面図である。
【
図11】カートリッジアセンブリのカートリッジ本体が透視図で示され、カートリッジアセンブリのナイフアセンブリに対して遠位方向に力が加えられている、発射後状態および格納状態における、
図2に示されたカートリッジアセンブリの側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
ここで、本開示のカートリッジアセンブリは、複数の図の各々において、同一または対応する要素を同一の参照番号が示す図面を参照して、詳細に記載されるであろう。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。既知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。ゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切な詳細構造に様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。加えて、前方、後方、上方、下方、上部、底部、遠位、近位、および同様の用語などの方向を示す用語は、説明の理解を助けるために使用され、本開示を限定することを意図しない。
【0023】
本説明では、「近位」という用語は普通、デバイスの慣習的な使用時に、デバイスにおける、臨床医により近い部分を指すために使用されるのに対し、「遠位」という用語は普通、デバイスの慣習的な使用時に、デバイスにおける、臨床医からより遠い部分を指すために使用される。加えて、「臨床医」という用語は普通、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0024】
図1~3は、一般的にステープリングデバイス10として示される、本開示の外科用ステープリングデバイスを図示する。ステープリングデバイス10は、ハンドルアセンブリ12と、ハンドルアセンブリ12から遠位方向に延在する細長い本体14と、細長い本体14の遠位部分で支持されているツールアセンブリ16とを含む。細長い本体14は長手方向軸「X」(
図1)を画定する。ハンドルアセンブリ12は、静止ハンドル20を画定しかつ可動トリガ22を支持する、ハウジング18を含む。本開示の態様では、可動トリガ22はハウジング18によって支持されており、静止ハンドル20に向かい、ツールアセンブリ16を操作する非作動位置と作動位置との間で回動する。ハンドルアセンブリ12は、位置合わせピンプッシャ29(
図3)を前進させかつ格納するために、ハウジング18に沿って移動可能である、ハウジング18の両側のボタン26(1つだけ表示)を支持する。ハンドルアセンブリ12はまた、ツールアセンブリ16をクランプ位置から非クランプ位置に移動させるために押すことができる解放ボタン28を含む。好適なハンドルアセンブリ12のより詳細な説明については、米国特許第6,817,508号(「’508特許」)等を参照されたい。
【0025】
ステープリングデバイス10は、ハンドルアセンブリ12からツールアセンブリ16まで延在するフレーム32(
図1)を含む。フレーム32は、U字形の構成を有する遠位フレーム部分34を含む。遠位フレーム部分34(
図3)は、第1の横部分36、第2の横部分38、および第1の横部分36と第2の横部分38とを相互接続する縦部分39を有する。第1の横部分36および第2の横部分38は、第1の横部分36と第2の横部分38との間に延在するギャップ40を画定するために互いに離間している。本開示のいくつかの態様では、第1の横部分36および第2の横部分38は、ステープリングデバイス10の細長い本体14の長手方向軸「X」を横切る軸に沿って湾曲している。代替的に、第1の横部分36および第2の横部分38は線形にできる、すなわち互いに対して角度を付けて配置された複数の線形部分で構成することができる。
【0026】
ステープリングデバイス10は、遠位フレーム部分34のギャップ40内に配置された遠位カートリッジサポート46を有するクランプスライドアセンブリ42(
図1)と、ハンドルアセンブリ12に結合された近位部分とを含む。クランプスライドアセンブリ42は、可動トリガ22の作動に応答して格納位置と前進位置との間で移動可能である。
【0027】
ツールアセンブリ16はアンビルアセンブリ48およびカートリッジアセンブリ50を含む。アンビルアセンブリ48は、フレーム32の遠位フレーム部分34の第1の横部分36に固定されており、ステープル変形面52を有するアンビル48a(
図1)を含む。ステープル変形面52は、上方開口部56およびナイフスロット58を画定する。
【0028】
図2~4は、クランプスライドアセンブリ42の遠位カートリッジサポート46で取り外し可能に支持されているカートリッジアセンブリ50を図示する。カートリッジアセンブリ50は、カートリッジ本体64、ステープルプッシャ66、ナイフホルダー68、および位置合わせピン70を含む。カートリッジ本体64は、空洞76(
図2)、組織係合面64a(
図8)、ナイフスロット78(
図10)、複数のステープルポケット80(
図10)、および複数のステープル82を画定する。ナイフスロット78およびステープルポケット80は、カートリッジ本体64の組織係合面64aを通って延在し、かつ空洞76と連通している。空洞76は、ステープルプッシャ66およびナイフホルダー68を、格納位置と前進位置との間の移動のために収容する。ステープルプッシャ66はナイフスロット72を画定し、フィンガ84を含む。フィンガ84は、ステープルプッシャ80が格納位置から前進位置に移動することにより、ステープルポケット80からステープル82が排出されるように、ステープルポケット80(
図10)内に収容されている。
【0029】
カートリッジアセンブリ60はナイフホルダー68に固定され、かつカートリッジ本体64のナイフスロット78(
図10)およびステープルプッシャ66のナイフスロット72と位置合わせされているナイフブレード68a(
図2)を含む。ナイフホルダー68は、ナイフブレード68aを、ステープルプッシャ66のナイフスロット72を通って、カートリッジ本体64内で保護された格納位置から、カートリッジ本体64のナイフスロット78から突き出している前進位置に移動させるために、カートリッジ本体64の空洞76(
図2)内の格納位置から前進位置に移動可能である。カートリッジ本体64はまた、位置合わせピン70を収容して取り囲んでいる近位延長部86(
図2)を含む。位置合わせピン70は、当該技術分野で知られているように、遠位フレーム部分34のギャップ40内に組織を閉じ込めるために、近位延長部86内の格納位置から、アンビルアセンブリ48のアンビル48aの開口部56内に係合した前進位置に移動可能である。
【0030】
図2~8は、付勢部材90を含むカートリッジアセンブリ50を図示する。付勢部材90は、ナイフホルダー68とステープルプッシャ66の近位側との間、ナイフホルダー68で支持されている(
図8)。本開示の態様では、ナイフホルダー68は、付勢部材90を収容する凹部92を画定し、付勢部材90は、中央コイル94を有するねじりばねを含む。カートリッジ本体64は、凹部92内に配置された支柱96を含む。中央コイル94は、ねじりばね90を凹部92内に固定するために、中央コイル94が支柱92の周りに配置されるように、支柱92を収容しているボア94aを画定する。ねじりばね90は2つのばねアーム98および100を含む。第1のばねアーム98は、凹部92を画定するナイフホルダー68の壁102(
図2)と係合している。第2のばねアーム100は、ステープルプッシャ66の近位部分67と係合している。本開示の態様では、ばねアーム98およびばねアーム100のそれぞれの端部は、それぞれリング98aおよびリング100aを含む。リング部材98aおよびリング部材100aは、カートリッジアセンブリ50の組み立て時に、ねじりばね90のカートリッジアセンブリ50への装着を簡略化するための把持面を提供する。リング部材98aおよびリング部材100aはまた、それぞれナイフホルダー68およびステープルプッシャ66を係合するための滑らかな表面を提供する。本開示のいくつかの態様では、一方のリング部材100aは、もう一方のリング部材98aよりも大きい直径を有する。大きい方のリング部材100aは、ナイフホルダー68に大きな荷重が加えられたときに、ナイフホルダー68とステープルプッシャ66との間のスペーサーとして機能する。より具体的には大きい方のリング部材100aは、ナイフホルダー68とステープルプッシャ66との間に大きい方のリング部材100aが配置され、かつステープルプッシャ66が前進位置にあるときに、ナイフブレード86が、カートリッジ本体64のナイフスロット78を通って突出するのを防ぐために十分大きい直径を有する。ナイフホルダー68は、ねじりばね90を凹部92内に保持するために、凹部92の上に張り出しているストッパー106およびストッパー108(
図8)を含む。
【0031】
非付勢状態においては、リング部材98aおよびリング部材100aは、
図5に示すように互いに離間している。圧縮状態、すなわち付勢部材90がナイフホルダー68とステープルプッシャ66との間で圧縮されると、第2のばねアーム100は、
図6の矢印「A」で示した方向に第1のばねアーム98に向けて変形する。
【0032】
付勢部材90は、
図2~6ではねじりばね90として図示されているが、付勢部材90は、様々な異なるばねの構成および様々な異なるばねの種類を有するように形成することができると想定される。例えば、付勢部材は、
図7に示すように、板ばね90’として形成することができる。板ばね90’は第1のばねアーム98’および第2および100’を含む。ばねアーム98’およびばねアーム100’は、それぞれリング部材98a’およびリング部材100a’を含む。ばねアーム98a’およびばねアーム100a’は、上述のリング部材98aおよびリング部材100a(
図6)と同様に機能する。屈曲部分または湾曲部分110’は、第1のばねアーム98’と第2のばねアーム100’との間に配置される。屈曲部分110’は板ばね90’に大きな柔軟性を持たせる。
【0033】
図2および3は、ナイフホルダー68が格納位置にあるとき、ナイフホルダー68の凹部92と位置合わせされている細長い窓112を画定するカートリッジ本体64を図示する。窓112は、付勢部材90が圧縮され、ナイフホルダー68の凹部92に挿入できるようにする。付勢部材90は、ばねアーム98およびばねアーム100がストッパー106およびストッパー108(
図8)を通過できるように、十分に圧縮されなければならない。付勢部材90がストッパー106およびストッパー108を通過すると、ばねアーム98およびばねアーム100は、付勢部材90が凹部92から落下するのを防ぐために、ストッパー106およびストッパー108の下方位置に移動する。
【0034】
図8は、発射前の位置にあるカートリッジアセンブリ60を図示する。発射前の位置では、ナイフホルダー68およびステープルプッシャ66はカートリッジ本体64内のそれらの格納位置にある。それらの格納位置において、付勢部材90は、ナイフホルダー68と係合している第1のばねアーム98のリング部材98a、およびステープルプッシャ66と係合している第2のばねアーム100のリング部材100aにより、ステープルプッシャ66の近位部分67とナイフホルダー68の壁102との間で圧縮される。ステープルプッシャ66のフィンガ84は、カートリッジ本体64のステープルポケット80内のステープル82と位置合わせされており、ナイフブレード68aはカートリッジ本体64のナイフスロット78(
図10)内に凹設されている。
【0035】
図8Aは、ステープリングデバイス10(
図1)が発射された後、かつナイフホルダー68およびステープルプッシャ66がそれぞれの前進位置にあるときの、カートリッジアセンブリ50を図示する。カートリッジアセンブリ50が発射され、ナイフホルダー68およびステープルカートリッジ66をカートリッジ本体64内のそれぞれの前進位置に移動させると、ナイフホルダー68が前進位置に移動するのに伴い、ナイフホルダー68はステープルプッシャ66と係合し、ステープルプッシャ66を前進位置に押し付ける。ステープルプッシャ66が前進位置に移動すると、フィンガ84はカートリッジ本体64のステープルポケット80を通って移動し、ステープルポケット80からステープル82を排出する。ナイフホルダー68を前進位置に移動させると、ナイフブレード68aはナイフスロット78を通って移動し、かつカートリッジ本体64からアンビルアセンブリ48(
図1)まで延びて、アンビルアセンブリ48とカートリッジアセンブリ50との間にクランプされた組織を切断する。
【0036】
図9および10は、カートリッジアセンブリ50が発射され、かつナイフホルダー68が格納された後のカートリッジアセンブリ50を図示する。ナイフホルダー68を
図9の矢印「B」の方向に格納すると、ステープルプッシャ66は、カートリッジ本体64のステープルポケット80(
図10)内にフィンガ84が配置された状態で前進位置に留まり、ナイフブレード68aはカートリッジ本体64のナイフスロット78内に格納される。ナイフホルダー68がステープルプッシャ66に対して近位方向に移動すると、ナイフホルダー68が完全格納位置に近づくまで、第2のばねアーム100のリング部材100aがステープルプッシャ66と係合したままであるように、第2のばねアーム100は
図9の矢印「C」の方向に外向きに跳ね上がる。ナイフホルダー68の完全格納位置においては、ばねアーム100のリング部材100aはステープルプッシャ66から離間している。ナイフホルダー68がステープルプッシャ66に対して近位方向に移動しているとき、ばねアーム98aはナイフホルダー68と係合したままである。この位置においては、第2のばねアーム100は、ナイフホルダー68の凹部92内から、凹部92から横方向にオフセットされた位置に移動し、付勢部材90はカートリッジ本体64内のナイフホルダー68の前進を妨げ、ナイフブレード68aが再度露出するのを防ぐ。
【0037】
図11は、カートリッジアセンブリ50が発射された後、かつ、矢印「D」で示した遠位方向に力をナイフホルダー68に加えてナイフホルダー68およびナイフブレード68aをそれぞれの前進位置に向けて移動させてナイフホルダー68が格納された後の、カートリッジアセンブリ50を図示する。デバイス10が発射された後、ナイフホルダー68およびナイフブレード68aをそれぞれの前進位置に向けて前進させるのに十分な力がナイフホルダー68に加えられると、第2のばねアーム100のリング部材100aがステープルプッシャ66とナイフホルダー68との間に配置されるように、凹部92に対してずれているリング部材100aが、第2のばねアーム100をナイフホルダー68に向けて曲げさせる。第2のばねアーム100のリング部材100aをナイフホルダー68とステープルプッシャ66との間に配置することにより、ナイフスロット78からナイフブレード68a(
図10)を再度露出させる位置へナイフホルダー68が前進するのを防ぐ。
【0038】
当業者であれば、本明細書において具体的に説明され、添付の図面に図示されるデバイスおよび方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせてもよいことが想定される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の開示の態様に基づく本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
【国際調査報告】