IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ドローブリッジ ヘルス,インコーポレイテッドの特許一覧

特表2023-524369サンプル採取のためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】サンプル採取のためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/48 20060101AFI20230605BHJP
   G01N 1/10 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
G01N33/48 H
G01N1/10 B
G01N1/10 V
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022556580
(86)(22)【出願日】2021-03-16
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 US2021022631
(87)【国際公開番号】W WO2021188594
(87)【国際公開日】2021-09-23
(31)【優先権主張番号】62/991,261
(32)【優先日】2020-03-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】63/117,188
(32)【優先日】2020-11-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518009858
【氏名又は名称】ドローブリッジ ヘルス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ドクキン, ビクター
(72)【発明者】
【氏名】ジョーダン, ブレット エル.
【テーマコード(参考)】
2G045
2G052
【Fターム(参考)】
2G045BA08
2G045BB05
2G045CA25
2G045HB02
2G052AA30
2G052EA02
2G052EA11
(57)【要約】
対象からサンプルを採取および貯留するためのシステム、方法、およびキットが、本明細書に開示される。システムは、血液の分離のためのカートリッジアセンブリを備えることができる。カートリッジアセンブリは、対象から血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートを備えることができる。カートリッジアセンブリは、血液から血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜を備えることができる。ある場合には、カートリッジポートは、経路を備えることができ、経路は、血液がサンプル取得デバイスから、経路を通して、カートリッジアセンブリに向かって流動するように血液を方向付けるように構成される。ある場合には、少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、経路を通した、カートリッジアセンブリの内側部分に向かう流動の方向と異なり得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、
前記対象から前記血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートと、
前記サンプルから血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜と、
前記少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成されるスロットと
を備え、前記カートリッジポートは、経路を備え、前記経路は、前記血液が第1の方向において、前記サンプル取得デバイスから、前記経路を通して、前記経路の近位端の中に流動し、前記第1の方向と異なる第2の方向において、前記経路の遠位端から、前記少なくとも1つの血液分離膜上へと退出するように前記血液を方向付けるように構成される、カートリッジアセンブリ。
【請求項2】
前記経路は、溝またはチャネルを備える、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項3】
前記第1の方向と前記カートリッジアセンブリの長手方向軸との間の角度は、0度より大きく、180度未満である、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項4】
前記第2の方向と前記カートリッジアセンブリの長手方向軸との間の角度は、0度より大きく、180度未満である、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項5】
前記第1の方向と前記第2の方向との間の交差の角度は、0度より大きく、180度未満である、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項6】
前記スロットは、前記分離された血漿または血清を採取するための採取媒体を支持するようにさらに構成される、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項7】
前記スロットは、前記血液から前記血漿または血清を分離することに先立って前記血液を濾過するための前置フィルタを支持するようにさらに構成される、請求項6に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項8】
前記少なくとも1つの血液分離膜、前記採取媒体、および前記前置フィルタは、スタックとして前記スロット内に提供される、請求項7に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項9】
前記スタックは、第3の方向における前記スタックの厚さを通した前記血液の側方流動を可能にする構成において配置され、前記側方流動は、前記第3の方向と異なる少なくとも1つの他の方向において、前記スタックの平面エリアをわたる、請求項8に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項10】
前記第3の方向は、前記第1の方向または前記第2の方向と異なる、請求項9に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項11】
前記第3の方向は、前記カートリッジの長手方向軸に実質的に直交する、請求項10に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項12】
前記第3の方向および前記少なくとも1つの他の方向は、実質的に相互と直交する、請求項9に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項13】
前記経路の前記遠位端は、前記血液が前記少なくとも1つの血液分離膜上に流動する前に、前記前置フィルタの平面表面に前記血液を方向付けるように構成される、請求項7に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項14】
前記経路の前記近位端は、前記サンプル取得デバイスの筐体内の窪み開口部から前記血液を受け取るように構成される、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項15】
前記経路の前記近位端および前記遠位端は、前記カートリッジアセンブリの長手方向軸に沿って位置していない、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項16】
前記経路の前記近位端および前記遠位端は、前記近位端と前記遠位端との間に延在する直線に沿って位置していない、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項17】
前記経路の前記遠位端は、(1)前記経路の前記近位端と、(2)前記経路の前記近位端と前記遠位端との間に位置する前記スタックの縁厚さ部分との間に延在する線形軸からオフセットされている、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項18】
前記経路の前記遠位端は、前記前置フィルタの前記平面表面に隣接しているが、接触していない、請求項13に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項19】
前記経路は、屈曲した、湾曲した、または角度の付いた部分を含む、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項20】
前記経路は、前記入口ポートの長さに沿った部分を露出する切り欠きを備える、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項21】
前記カートリッジは、前記サンプル取得デバイスにおける真空がアクティベートされると、真空圧力を受ける、請求項9に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項22】
前記真空は、前記スタックを通した、および/または前記スタックをわたる前記血液の前記側方流動を支援するように構成される、請求項21に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項23】
前記スロットは、蓄積領域をさらに備え、前記蓄積領域は、前記血液のうちのある体積を保持するように構成され、前記血液が前記少なくとも1つの血液分離膜の少なくとも一部の中に吸収されているとき、それを含有する、前記請求項のいずれかに記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項24】
前記蓄積領域は、前記前置フィルタに隣接して配置される、請求項23に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項25】
前記蓄積領域は、前記血液のうちの所定の体積を保持するように構成される、請求項23に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項26】
前記カートリッジは、前記血漿または血清が分離され、前記採取媒体上に採取された後、前記サンプル取得デバイスから解放および結合解除されるように構成される、請求項6に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項27】
前記採取媒体は、前記血漿または血清が分離され、前記採取媒体上に採取された後、前記カートリッジアセンブリから解放および結合解除されるように構成される、請求項6に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項28】
前記カートリッジアセンブリは、前記採取媒体が前記カートリッジアセンブリから解放および結合解除された後、前記サンプル取得デバイスに結合されたままであるように構成される、請求項27に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項29】
前記少なくとも1つの血液分離膜は、複数の血液分離膜を備え、前記採取媒体は、前記複数の血液分離膜の間に配置される、請求項6に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項30】
前記カートリッジアセンブリは、ユーザが前記血液分離の進行を観察することを可能にする窓をさらに備え、前記窓は、前記少なくとも1つの血液分離膜、前記採取媒体、または前記前置フィルタに隣接して位置する、請求項8に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項31】
前記少なくとも1つの血液分離膜は、抗凝固薬を備える、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項32】
前記経路の表面に結合されている抗凝固薬をさらに備える、請求項1に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項33】
対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、
前記対象から前記血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートと、
前記血液から血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜と、
前記少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成されるスロットと
を備え、前記カートリッジポートは、経路を備え、前記経路は、前記血液が前記サンプル取得デバイスから、前記経路を通して、前記スロットを備える前記カートリッジアセンブリの内側部分に向かって流動するように前記血液を方向付けるように構成され、
(i)前記少なくとも1つの血液分離膜を通した前記血液の流動の方向は、(ii)前記経路を通した、前記カートリッジアセンブリの内側部分に向かう前記血液の流動の方向と異なる、カートリッジアセンブリ。
【請求項34】
(i)前記少なくとも1つの血液分離膜を通した前記血液の流動の前記方向は、(ii)前記経路を通した前記血液の流動の前記方向に実質的に直交する、請求項33に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項35】
前記スロットは、(1)前記分離された血漿または血清を採取するための採取媒体と、(2)前記血液から前記血漿または血清を分離することに先立って前記血液を濾過するための前置フィルタとのうちの一方または両方を支持するようにさらに構成される、請求項33に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項36】
前記少なくとも1つの血液分離膜は、前記採取媒体と前記前置フィルタとの間に配置される、請求項35に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項37】
対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、
前記対象から前記血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートと、
前記血液から血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜と、
前記少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成されるスロットと、
前記少なくとも1つの血液分離膜による前記血漿または血清分離に先立って、または最中に、前記サンプル取得デバイスから採取された前記血液を含有するように構成される採取リザーバと
を備え、前記カートリッジポートは、経路を備え、前記経路は、前記血液が前記サンプル取得デバイスから、前記経路を通して、前記採取リザーバに向かって流動するように前記血液を方向付けるように構成される、カートリッジアセンブリ。
【請求項38】
(i)前記少なくとも1つの血液分離膜を通した前記血液の流動の方向は、(ii)前記経路を通した、前記採取リザーバに向かう前記血液の流動の方向と異なる、請求項37に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項39】
(i)前記少なくとも1つの血液分離膜を通した前記血液の流動の前記方向は、(ii)前記経路を通した、前記採取リザーバに向かう前記血液の流動の前記方向に実質的に直交する、請求項38に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項40】
前記採取リザーバは、前記少なくとも1つの血液分離膜の平面表面に隣接して配置される、請求項37に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項41】
前記スロットは、(1)前記分離された血漿または血清を採取するための採取媒体と、(2)前記血液から前記血漿または血清を分離することに先立って前記血液を濾過するための前置フィルタとのうちの一方または両方を支持するようにさらに構成される、請求項37に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項42】
前記少なくとも1つの血液分離膜は、前記採取媒体と前記前置フィルタとの間に配置される、請求項41に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項43】
前記採取リザーバは、前記前置フィルタの平面表面に隣接して配置される、請求項42に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項44】
血液採取および血液分離のためのシステムであって、請求項1~43のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイスおよびカートリッジアセンブリを備えるシステム。
【請求項45】
前記サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備える、請求項44に記載のシステム。
【請求項46】
方法であって、
請求項1~43のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイスを使用し、前記対象から前記血液を採取することと、
請求項1~43のいずれか1項に記載のカートリッジアセンブリを使用し、前記血液から前記血漿または血清を分離することと
を含む方法。
【請求項47】
対象から採取された液体血液を貯留するためのカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、
サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバに結合するように構成される結合ユニットであって、前記サンプル取得デバイスは、前記対象から前記血液を採取するように構成される、結合ユニットと、
前記液体血液を貯留するように構成される容器と、
前記容器を支持するように構成されるカートリッジホルダであって、前記容器の近位端は、前記結合ユニットに結合するように構成され、前記容器の遠位端は、前記カートリッジホルダに結合するように構成される、カートリッジホルダと
を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項48】
前記容器は、前記容器の前記近位端に結合されるキャップを備え、前記容器の前記近位端は、前記キャップを使用して前記結合ユニットに結合するように構成される、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項49】
前記キャップは、1つまたはそれより多くの開口部を備え、前記1つまたはそれより多くの開口部は、前記キャップが前記結合ユニットに結合されているとき、開放し、前記容器への流体アクセスを可能にするように構成される、請求項48に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項50】
前記1つまたはそれより多くの開口部は、前記キャップが前記結合ユニットから結合解除されているとき、閉鎖し、前記容器への前記流体アクセスを禁止するようにさらに構成される、請求項48に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項51】
前記結合ユニットは、1つまたはそれより多くの流体経路を備え、前記1つまたはそれより多くの流体経路は、前記血液が前記容器の中に採取されているとき、空気が前記容器から外に、前記カートリッジチャンバの中に追いやられることを可能にする、請求項48に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項52】
前記1つまたはそれより多くの流体経路は、1つまたはそれより多くの通気溝またはチャネルを備える、請求項51に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項53】
前記1つまたはそれより多くの流体経路は、前記血液が前記容器の中に採取されているとき、前記カートリッジチャンバ内の真空圧力が均一化されることを可能にするように構成される、請求項51に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項54】
前記容器は、第1の方向において前記容器の中に流動する前記血液を受け取るように構成され、前記1つまたはそれより多くの流体経路は、前記第1の方向と異なる第2の方向において前記容器から外に前記空気を方向付け、追いやるように構成される、請求項51に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項55】
前記第1の方向および前記第2の方向は、実質的に相互と反対である、請求項54に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項56】
前記第1の方向および前記第2の方向は、実質的に相互と直交する、請求項54に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項57】
前記カートリッジホルダの一部は、前記カートリッジアセンブリが前記カートリッジチャンバに結合されているとき、前記カートリッジチャンバの外側に延在しているように構成される、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項58】
前記ホルダの前記一部は、カートリッジタブを備える、請求項57に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項59】
前記カートリッジホルダは、前記カートリッジアセンブリが前記カートリッジチャンバに結合されているとき、前記カートリッジチャンバを密閉シールするように構成されるガスケットを備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項60】
前記容器および前記カートリッジホルダは、前記容器が前記ホルダに固定されることを可能にする相互係止接合特徴のセットを備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項61】
前記カートリッジチャンバは、前記サンプル取得デバイス内の真空をアクティベートした結果として、真空圧力下にある、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項62】
前記真空は、前記サンプル取得デバイスの筐体内の窪み開口部から前記容器の中への前記血液の流動を支援するように構成される、請求項61に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項63】
前記カートリッジアセンブリの少なくとも一部は、前記血液が前記容器の中に採取された後、前記サンプル取得デバイスの前記カートリッジチャンバから解放および結合解除されるように構成される、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項64】
前記容器は、前記血液が前記容器の中に採取された後、前記結合ユニットから解放および結合解除されるように構成される、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項65】
前記容器は、ユーザが前記液体血液の採取の進行を観察することを可能にする窓を備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項66】
前記容器内に採取された前記血液の量を検出するように構成される1つまたはそれより多くのセンサをさらに備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項67】
前記1つまたはそれより多くのセンサは、光学センサを備える、請求項66に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項68】
前記1つまたはそれより多くのセンサは、電子的充填インジケータと通信し、前記電子的充填インジケータは、前記容器内に採取された前記血液の前記量についての情報をユーザに提供するように構成される、請求項66に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項69】
前記電子的充填インジケータは、1つまたはそれより多くの視覚、聴覚、または触覚信号を発生させるように構成される、請求項68に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項70】
前記電子的充填インジケータは、前記カートリッジ上に、または前記カートリッジとともに位置する、請求項68に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項71】
前記電子的充填インジケータは、前記サンプル取得デバイス上に、または前記サンプル取得デバイスとともに位置する、請求項68に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項72】
前記結合ユニットは、ルアー式継手を備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項73】
前記容器は、前記液体血液の採取の進行を監視するために使用される1つまたはそれより多くのインジケータラインを備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項74】
前記1つまたはそれより多くのインジケータラインは、前記容器内に採取された前記血液の量を推定するために使用される、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項75】
前記容器は、管を備える、請求項47に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項76】
対象から血液を採取および貯留するためのシステムであって、請求項47~75のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイスおよびカートリッジアセンブリを備えるシステム。
【請求項77】
前記サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備える、請求項76に記載のシステム。
【請求項78】
方法であって、
請求項47~75のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイスを使用し、前記対象から前記血液を採取することと、
請求項47~75のいずれか1項に記載のカートリッジアセンブリを使用し、前記血液を液体血液として貯留することと
を含む方法。
【請求項79】
対象から採取された血液を貯留するためのモジュール式チャンバアセンブリであって、
サンプル取得デバイスに結合するように構成される入口ポートであって、前記サンプル取得デバイスは、前記対象から前記血液を採取するように構成される、入口ポートと、
前記入口ポートに結合するように構成されるチャンバと
を備え、前記チャンバが前記入口ポートに結合されているとき、封入体が、形成され、前記封入体は、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリをその中で支持するように構成され、前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、前記血液が、血漿、血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を含む複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にする、モジュール式アセンブリ。
【請求項80】
前記サンプル取得デバイスの一部は、前記入口ポートが前記サンプル取得デバイスの接合ポートに結合されているとき、前記サンプル取得デバイスから外に延在しているように構成される、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項81】
前記サンプル取得デバイスの前記一部は、突出部を備える、請求項80に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項82】
前記入口ポートは、前記封入体を密閉シールするように構成される穿刺可能自己シールポートを備える、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項83】
前記カートリッジアセンブリは、(1)前記入口ポートの少なくとも一部および/または(2)前記チャンバの少なくとも一部に結合するように構成される、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項84】
前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)前記採取された血液から前記血漿を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)前記液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)前記血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備える、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項85】
前記モジュール式チャンバアセンブリは、前記入口ポートが前記サンプル取得デバイスから結合解除されているとき、前記サンプル取得デバイスから解放され、取り外されるように構成される、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項86】
前記モジュール式チャンバアセンブリは、前記血液が前記カートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、前記サンプル取得デバイスから解放され、取り外されるように構成される、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項87】
前記チャンバは、前記血液が前記カートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、および、前記モジュール式チャンバアセンブリが前記サンプル取得デバイスから解放され、取り外された後、外部環境から前記カートリッジアセンブリを保護するように構成される、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項88】
前記チャンバは、管の形状である、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項89】
前記モジュール式チャンバアセンブリは、前記血液が前記カートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、前記血液を発送または輸送するための輸送容器として使用されるように構成される、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項90】
前記チャンバは、乾燥剤を備える、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項91】
前記チャンバは、前記チャンバの内側部分の可視化を可能にするための透明または半透明窓を備える、請求項79に記載のモジュール式チャンバアセンブリ。
【請求項92】
対象から血液を採取および貯留するためのシステムであって、請求項79~91のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイスおよび請求項79~91のいずれか1項に記載のモジュール式チャンバアセンブリを備えるシステム。
【請求項93】
前記サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備える、請求項92に記載のシステム。
【請求項94】
前記モジュール式チャンバアセンブリは、オンボード真空を備える、請求項92に記載のシステム。
【請求項95】
前記サンプル取得デバイスと前記モジュール式チャンバアセンブリとの完全な結合は、前記対象からの前記血液の前記採取および貯留のために十分な真空をアクティベートするように構成される、請求項92に記載のシステム。
【請求項96】
方法であって、
請求項79~91のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイスを使用し、前記対象から前記血液を採取することと、
請求項79~91のいずれか1項に記載のモジュール式チャンバアセンブリを使用し、前記複数の異なる形式のうちの1つにおいて前記血液を貯留することと
を含む方法。
【請求項97】
キットであって、請求項79~91のいずれか1項に記載のサンプル取得デバイス、モジュール式チャンバアセンブリ、および複数の異なるカートリッジアセンブリタイプを備えるキット。
【請求項98】
対象から血液を採取するためのサンプル取得デバイスであって、前記サンプル取得デバイスは、
開口部を有する窪みを備える本体と、
前記開口部を通して延在可能な1つまたはそれより多くの穿刺要素であって、前記対象の皮膚を貫通し、前記皮膚が前記窪みの中に引き込まれている間、前記サンプル取得デバイスの中への前記血液の採取を可能にする1つまたはそれより多くの穿刺要素と、
接続ポートを備える、サンプルチャンバと
を備え、前記接続ポートは、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリに交換可能かつ解放可能に結合するようにサイズ決めおよび成形され、前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、前記血液が、乾燥血漿、乾燥血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を含む複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にする、サンプル取得デバイス。
【請求項99】
前記本体は、真空チャンバに動作可能に結合され、前記真空チャンバは、前記真空のアクティベーションが、前記真空チャンバと前記窪みとの間に流体連通が確立されることを引き起こし、前記対象の皮膚を前記窪みの中に引き込むように構成され、前記窪みは、前記皮膚を引き込むための吸引空洞としての役割を果たす、請求項98に記載のサンプル取得デバイス。
【請求項100】
前記モジュール式チャンバアセンブリは、オンボード真空を備え、前記モジュール式チャンバアセンブリは、前記本体への前記モジュール式チャンバアセンブリの結合が、前記モジュール式チャンバアセンブリと前記窪みとの間に流体連通が確立されることを引き起こし、前記対象の皮膚を前記窪みの中に引き込むように構成され、前記窪みは、前記皮膚を引き込むための吸引空洞としての役割を果たす、請求項98に記載のサンプル取得デバイス。
【請求項101】
前記カートリッジアセンブリは、前記本体に解放可能に結合するように構成される、請求項98に記載のサンプル取得デバイス。
【請求項102】
前記サンプルチャンバは、前記カートリッジアセンブリが前記サンプルチャンバの接続ポートに結合されているとき、密閉シールされる、請求項98に記載のサンプル取得デバイス。
【請求項103】
前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)前記採取された血液から前記血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)前記液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)前記血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備える、請求項98に記載のサンプル取得デバイス。
【請求項104】
キットであって、
対象から血液を採取するように構成されるサンプル取得デバイスであって、前記サンプル取得デバイスは、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリに交換可能かつ解放可能に結合するようにサイズ決めおよび成形されるポートを備える、サンプル取得デバイスと、
前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプであって、前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)前記採取された血液から血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)液体形態において前記血液を貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)実質的乾燥状態において前記血液を貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備える、前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプと
を備えるキット。
【請求項105】
前記キットは、サンプルチャンバをさらに備え、前記複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリは、前記サンプルチャンバ内に含有され、前記サンプルチャンバは、前記カートリッジアセンブリに交換可能かつ解放可能に結合するようにサイズ決めおよび成形される、請求項104に記載のキット。
【請求項106】
前記サンプルチャンバは、オンボード真空を備える、請求項105に記載のキット。
【請求項107】
前記サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備える、請求項104に記載のキット。
【請求項108】
対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリは、
カートリッジポートを備えるカートリッジであって、前記カートリッジは、前記対象から血液サンプルを採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに前記カートリッジポートを介して結合するように構成される、カートリッジと、
基板を備えるカートリッジタブと、
前記カートリッジと前記カートリッジタブの前記基板との間に支持される処置/安定化ユニットであって、前記処置/安定化ユニットは、前記血液サンプルから血漿または血清を分離するように構成されるマルチピース採取マトリクスを備え、前記マルチピース採取マトリクスは、前記マルチピース採取マトリクスの1つまたはそれより多くの他のサブマトリクスと異なるサイズまたは形状を有する少なくとも1つのサブマトリクスを備える、処置/安定化ユニットと
を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項109】
前記マルチピース採取マトリクスは、少なくとも3つのサブマトリクスを備える、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項110】
前記マルチピース採取マトリクスは、前記血液サンプルから分離された前記血漿または血清を貯留するようにさらに構成される、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項111】
前記マルチピース採取マトリクスは、前記血液サンプルから分離された前記血漿または血清を安定化するようにさらに構成される、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項112】
前記マルチピース採取マトリクスの前記少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、周囲環境に露出される、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項113】
前記マルチピース採取マトリクスの前記少なくとも1つのサブマトリクスの前記一部は、前記カートリッジポートの遠位にある前記処置/安定化ユニットの一部に位置する、請求項112に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項114】
前記マルチピース採取マトリクスの前記少なくとも1つのサブマトリクスの前記一部は、前記基板と接触する、請求項112に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項115】
前記マルチピース採取マトリクスの前記少なくとも1つのサブマトリクスの前記一部は、前記カートリッジと接触しない、請求項114に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項116】
前記マルチピース採取マトリクスの前記少なくとも1つのサブマトリクスの前記一部の表面積は、約100mm~約150mmである、請求項112に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項117】
前記少なくとも1つのサブマトリクスの前記一部は、前記マルチピース採取マトリクスから取り外し可能である、請求項112に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項118】
前記カートリッジおよび前記カートリッジタブの前記基板は、前記カートリッジアセンブリが実質的に鉛直な向きにおいて使用されること、または動作させられることを可能にする構成において前記処置/安定化ユニットを支持するように構成される、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項119】
前記カートリッジアセンブリは、水平面に対して約40度~約140度の角度において使用されるように、または動作させられるように構成される、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項120】
前記カートリッジアセンブリは、水平面に対して約60度~約120度の角度において使用されるように、または動作させられるように構成される、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項121】
前記カートリッジは、前記マルチピース採取マトリクスの一部に圧縮力を適用するように構成される圧縮領域をさらに備える、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項122】
前記圧縮力は、約1ポンド~約10ポンドである、請求項121に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項123】
前記圧縮力は、前記マルチピース採取マトリクスをわたる、または通した前記血液サンプルの流動を向上させるために、または制御するために使用可能である、請求項121に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項124】
前記圧縮力は、前記マルチピース採取マトリクスの前記一部の非圧縮厚さの約30%~約90%である圧縮厚さにおいて前記マルチピース採取マトリクスの前記一部を保持または維持するように構成される、請求項121に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項125】
前記圧縮力は、約0.75mm~約1.0mmの厚さにおいて前記マルチピース採取マトリクスの前記一部を保持または維持するように構成される、請求項121に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項126】
前記カートリッジは、(a)所定の値未満であるか、もしくは等しいように前記圧縮力を制限すること、および/または(b)所定の厚さ未満であるか、もしくは等しいように前記マルチピース採取マトリクスの前記一部の圧縮厚さを制限することを行うように構成される圧縮停止部をさらに備える、請求項121に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項127】
前記カートリッジは、前記マルチピース採取マトリクスと外部周囲環境との間の流体連通を可能にするように構成される1つまたはそれより多くの通気孔をさらに備える、請求項108に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項128】
前記1つまたはそれより多くの通気孔は、前記マルチピース採取マトリクスによる前記血液サンプルの分離中、血漿濃度を制御するように構成される、請求項127に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項129】
前記1つまたはそれより多くの通気孔は、前記マルチピース採取マトリクスによる前記血液サンプルの分離中、乾燥の速さを制御するように構成される、請求項127に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項130】
前記マルチピース採取マトリクスの前記少なくとも1つのサブマトリクスの前記一部は、圧縮力を受けない、請求項112に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項131】
前記マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つの他の部分は、前記圧縮力を受ける、請求項130に記載のカートリッジアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、そのそれぞれが、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる、2020年3月18日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR SAMPLE COLLECTION」と題された米国仮出願第62/991,261号および2020年11月23日に出願され、「SYSTEMS AND METHODS FOR SAMPLE COLLECTION」と題された米国仮第63/117,188号の利益を主張する。
【0002】
体液採取、例えば、診断試験を実施するための血液サンプルの採取は、個人の健康状態を査定し、知らせるために使用されることができる。早期の検出および確実な診断は、疾患の治療またはある生理学的条件の管理のための効果的な治療決定を行う際に中心的な役割を果たすことができる。検出は、細胞調節機能の不規則性、病理学的応答、または治療薬への介入を示し得るヒト体液中の疾患特異的バイオマーカの識別を伴い得る。
【0003】
しかしながら、多くの個人は、可能性として、痛み、切り傷、出血、鋭利な物体、血液を見ること、感染症への恐怖等の連想に起因して、血液が自身の身体から引き出されるプロセスを好まない場合がある。典型的には、対象の静脈血採取は、病院、高度看護施設、ならびに一次診療医(PCP)および専門病院診療所、外科手術センター、労働衛生診療所、または医師のオフィス等の外来患者環境等の外部施設において実施される。血液採取プロセスは、採血のためにそれらの施設を訪れる必要性がある個人にとって、および1日の間に多数の患者受診に応対する必要性があり得る保健医療従事者にとって、面倒かつ時間がかかるものであり得る。
【0004】
したがって、血液採取がユーザによって容易かつ便宜的に実施されることを可能にし、採血のための従来的な保健医療施設に対するユーザの依拠を減少させ得る向上したデバイスおよび方法の必要性が、存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示は、少なくとも上記の必要性に対処する。本開示の種々の実施形態は、個人が、従来的な保健医療施設の外で、例えば、自宅において、遠隔場所において、旅行中等に血液サンプルを容易に、便宜的に、かつ確実に採取および貯留することを可能にする、デバイスおよび方法に関する要求に対処する。医療訓練を殆どまたは全く受けていない個人は、開示されるデバイスおよび方法を使用し、訓練された保健医療従事者の必要性を伴わずに、自分自身で、または他人の助けを借りて血液を効率的に採取および貯留することができる。本明細書に説明される実施形態は、個人が血液サンプル採取のために保健医療施設に予約する、またはそこに特別もしくは頻繁に来訪する必要性を不要にすることができ、これは、個人の時間を自由にし、保健医療資源に対する患者の負担を低減させることに役立つ。それにもかかわらず、開示されるデバイスおよび方法がまた、種々の環境または用途における、例えば、個人化ポイントオブケア(POC)、救急医療サービス(EMS)、外来診療、病院、診療所、救急処置室、患者診察室、急性処置患者室、現場環境、教育設定における看護師のオフィス、労働衛生診療所、外科手術または手術室等における保健医療もしくは非保健医療従事者による使用のために好適であることを理解されたい。
【0006】
本明細書に説明されるデバイスおよび方法を使用して採取された血液サンプルは、人物の生理学的状態を判定するために、疾患を検出するために、また、個人または対象の健康条件を監視するために分析されることができる。いくつかの事例では、血液サンプルは、本明細書に説明されるデバイスおよび方法を使用して迅速に採取され、(1)例えば、免疫測定法を使用して現場で分析されるか、または(2)試験施設に直ちに発送されるかのいずれかであり得るため、個人は、自身の生理学的ステータスを迅速に評価することができる。血液採取、分析、および定量化に関する低減されたリードタイムは、多くのユーザ、特に、定期的かつ頻繁な血液サンプル採取/監視を要求するある生理学的条件/疾患を有する対象に有益であり得る。糖尿病を実施例として挙げると、ヘモグロビンA1c(HbA1c)は、全てのグリコヘモグロビンの60%を構成し得、血糖管理を監視するために使用されることができる。HbA1cの量は、全ヘモグロビンのパーセンテージとして、過去120日にわたる患者の血液中の平均血糖濃度を反映することができる。概して、糖尿病患者が、3~6ヵ月毎に自身のHbA1cレベルを試験することが推奨される。糖尿病を伴う妊娠していない成人に対する血糖推奨値は、<7.0%であり得る一方、≧8%のHbA1cレベルは、認知障害および低血糖脆弱性を含む、糖尿病合併症を制御するために、医療行為が要求され得ることを示し得る。
【0007】
本明細書に説明される種々の実施形態は、従来的な非静脈血採取デバイスおよび方法と比較して、皮膚切開の時点から開始して、増加された流量およびより高いサンプル体積において血液を引き出すことが可能である。開示されるデバイスおよび方法は、例えば、サンプル採取のためのカスタムマトリクスおよび過剰な血液を保持および計測制御するための吸収性パッドの使用を通して、所定の体積の血液サンプルを採取するために使用されることができる。加えて、本明細書に説明される血液採取デバイスおよび方法は、低侵襲性であり、対象におけるより低いレベルの痛み(または痛みの知覚)を可能にし、これは、対象にとっての全体的血液採取体験を向上させることに役立つことができる。
【0008】
本開示のある側面は、対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリを提供し、カートリッジアセンブリは、対象から血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートと、サンプルから血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜と、少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成されるスロットとを備え、カートリッジポートは、経路を備え、経路は、血液が第1の方向において、サンプル取得デバイスから、経路を通して、経路の近位端の中に流動し、第1の方向と異なる第2の方向において、経路の遠位端から、少なくとも1つの血液分離膜上へと退出するように血液を方向付けるように構成される。
【0009】
経路は、溝またはチャネルを備えることができる。第1の方向とカートリッジアセンブリの長手方向軸との間の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。第2の方向とカートリッジアセンブリの長手方向軸との間の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。第1の方向と第2の方向との間の交差の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。
【0010】
スロットは、分離された血漿または血清を採取するための採取媒体を支持するようにさらに構成されることができる。スロットは、血液から血漿または血清を分離することに先立って血液を濾過するための前置フィルタを支持するようにさらに構成されることができる。少なくとも1つの血液分離膜、採取媒体、および前置フィルタは、スタックとしてスロット内に提供されることができる。スタックは、第3の方向におけるスタックの厚さを通した血液の側方流動を可能にする構成において配置されることができ、側方流動は、第3の方向と異なる少なくとも1つの他の方向において、スタックの平面エリアをわたる。第3の方向は、第1の方向または第2の方向と異なり得る。第3の方向は、カートリッジの長手方向軸に実質的に直交し得る。第3の方向および少なくとも1つの他の方向は、実質的に相互と直交し得る。経路の遠位端は、血液が少なくとも1つの血液分離膜上に流動する前に、前置フィルタの平面表面に血液を方向付けるように構成されることができる。
【0011】
経路の近位端は、サンプル取得デバイスの筐体内の窪み開口部から血液を受け取るように構成されることができる。経路の近位端および遠位端は、カートリッジアセンブリの長手方向軸に沿って位置していない場合がある。経路の近位端および遠位端は、近位端と遠位端との間に延在する直線に沿って位置していない場合がある。経路の遠位端は、(1)経路の近位端と、(2)経路の近位端と遠位端との間に位置するスタックの縁厚さ部分との間に延在する線形軸からオフセットされることができる。経路の遠位端は、前置フィルタの平面表面に隣接しているが、接触していない場合がある。
【0012】
経路は、屈曲した、湾曲した、または角度の付いた部分を含むことができる。
【0013】
経路は、入口ポートの長さに沿った部分を露出する切り欠きを備えることができる。カートリッジは、サンプル取得デバイスにおける真空がアクティベートされると、真空圧力を受け得る。真空は、スタックを通した、および/またはスタックをわたる血液の側方流動を支援するように構成されることができる。
【0014】
スロットは、蓄積領域をさらに備えることができ、蓄積領域は、血液のうちのある体積を保持するように構成され、血液が少なくとも1つの血液分離膜の少なくとも一部の中に吸収されているとき、血液を含有することができる。蓄積領域は、前置フィルタに隣接して配置されることができる。蓄積領域は、血液のうちの所定の体積を保持するように構成されることができる。
【0015】
カートリッジは、血漿または血清が分離され、採取媒体上に採取された後、サンプル取得デバイスから解放および結合解除されるように構成されることができる。採取媒体は、血漿または血清が分離され、採取媒体上に採取された後、カートリッジアセンブリから解放および結合解除されるように構成されることができる。カートリッジアセンブリは、採取媒体がカートリッジアセンブリから解放および結合解除された後、サンプル取得デバイスに結合されたままであるように構成されることができる。
【0016】
少なくとも1つの血液分離膜は、複数の血液分離膜を備えることができ、採取媒体は、複数の血液分離膜の間に配置されることができる。
【0017】
カートリッジアセンブリは、ユーザが血液分離の進行を観察することを可能にする窓をさらに備えることができる。窓は、少なくとも1つの血液分離膜、採取媒体、または前置フィルタに隣接して位置することができる。
【0018】
少なくとも1つの血液分離膜は、抗凝固薬を備えることができる。カートリッジアセンブリは、経路の表面に結合されている抗凝固薬をさらに備えることができる。
【0019】
本開示の別の側面は、対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリを提供し、カートリッジアセンブリは、対象から血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートと、血液から血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜と、少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成されるスロットとを備え、カートリッジポートは、経路を備え、経路は、血液がサンプル取得デバイスから、経路を通して、スロットを備えるカートリッジアセンブリの内側部分に向かって流動するように血液を方向付けるように構成され、(i)少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、(ii)経路を通した、カートリッジアセンブリの内側部分に向かう血液の流動の方向と異なる。
【0020】
少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、経路を通した血液の流動の方向に実質的に直交し得る。
【0021】
スロットは、(1)分離された血漿または血清を採取するための採取媒体と、(2)血液から血漿または血清を分離することに先立って血液を濾過するための前置フィルタとのうちの一方または両方を支持するようにさらに構成されることができる。少なくとも1つの血液分離膜は、採取媒体と前置フィルタとの間に配置されることができる。
【0022】
本開示の別の側面は、対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリを提供し、カートリッジアセンブリは、対象から血液を採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポートと、血液から血漿または血清を分離するように構成される少なくとも1つの血液分離膜と、少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成されるスロットと、少なくとも1つの血液分離膜による血漿または血清分離に先立って、または最中に、サンプル取得デバイスから採取された血液を含有するように構成される採取リザーバとを備え、カートリッジポートは、経路を備え、経路は、血液がサンプル取得デバイスから、経路を通して、採取リザーバに向かって流動するように血液を方向付けるように構成される。
【0023】
少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、経路を通した、採取リザーバに向かう血液の流動の方向と異なり得る。少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、経路を通した、採取リザーバに向かう血液の流動の方向に実質的に直交し得る。採取リザーバは、少なくとも1つの血液分離膜の平面表面に隣接して配置されることができる。
【0024】
スロットは、(1)分離された血漿または血清を採取するための採取媒体と、(2)血液から血漿または血清を分離することに先立って血液を濾過するための前置フィルタとのうちの一方または両方を支持するようにさらに構成されることができる。少なくとも1つの血液分離膜は、採取媒体と前置フィルタとの間に配置されることができる。採取リザーバは、前置フィルタの平面表面に隣接して配置されることができる。
【0025】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイスおよびカートリッジアセンブリのうちのいずれかを備える、血液採取および血液分離のためのシステムを提供する。
【0026】
サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備えることができる。
【0027】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイスのうちのいずれかを使用し、対象から血液を採取することと、本開示の主題のカートリッジアセンブリのうちのいずれかを使用し、血液から血漿または血清を分離することとを含む方法を提供する。
【0028】
本開示の別の側面は、対象から採取された液体血液を貯留するためのカートリッジアセンブリを提供し、カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバに結合するように構成される結合ユニットであって、サンプル取得デバイスは、対象から血液を採取するように構成される、結合ユニットと、液体血液を貯留するように構成される容器と、容器を支持するように構成されるカートリッジホルダであって、容器の近位端は、結合ユニットに結合するように構成され、容器の遠位端は、カートリッジホルダに結合するように構成される、カートリッジホルダとを備える。
【0029】
容器は、容器の近位端に結合されるキャップを備えることができ、容器の近位端は、キャップを使用して結合ユニットに結合するように構成されることができる。キャップは、1つまたはそれより多くの開口部を備えることができ、1つまたはそれより多くの開口部は、キャップが結合ユニットに結合されているとき、開放し、容器への流体アクセスを可能にするように構成される。1つまたはそれより多くの開口部は、キャップが結合ユニットから結合解除されているとき、閉鎖し、容器への流体アクセスを禁止するようにさらに構成されることができる。結合ユニットは、1つまたはそれより多くの流体経路を備えることができ、1つまたはそれより多くの流体経路は、血液が容器の中に採取されているとき、空気が容器から外に、カートリッジチャンバの中に追いやられることを可能にする。1つまたはそれより多くの流体経路は、1つまたはそれより多くの通気溝またはチャネルを備えることができる。1つまたはそれより多くの流体経路は、血液が容器の中に採取されているとき、カートリッジチャンバ内の真空圧力が均一化されることを可能にするように構成されることができる。容器は、第1の方向において容器の中に流動する血液を受け取るように構成されることができ、1つまたはそれより多くの流体経路は、第1の方向と異なる第2の方向において容器から外に空気を方向付け、追いやるように構成されることができる。第1の方向および第2の方向は、実質的に相互と反対であり得る。第1の方向および第2の方向は、実質的に相互と直交し得る。
【0030】
カートリッジホルダの一部は、カートリッジアセンブリがカートリッジチャンバに結合されているとき、カートリッジチャンバの外側に延在しているように構成されることができる。ホルダの一部は、カートリッジタブを備えることができる。
【0031】
カートリッジホルダは、カートリッジアセンブリがカートリッジチャンバに結合されているとき、カートリッジチャンバを密閉シールするように構成されるガスケットを備えることができる。
【0032】
容器およびカートリッジホルダは、容器がホルダに固定されることを可能にする相互係止接合特徴のセットを備えることができる。
【0033】
カートリッジチャンバは、サンプル取得デバイス内の真空をアクティベートした結果として、真空圧力下にあり得る。真空は、サンプル取得デバイスの筐体内の窪み開口部から容器の中への血液の流動を支援するように構成されることができる。
【0034】
カートリッジアセンブリの少なくとも一部は、血液が容器の中に採取された後、サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバから解放および結合解除されるように構成されることができる。
【0035】
容器は、血液が容器の中に採取された後、結合ユニットから解放および結合解除されるように構成されることができる。
【0036】
容器は、ユーザが液体血液の採取の進行を観察することを可能にする窓を備えることができる。
【0037】
カートリッジアセンブリは、容器内に採取された血液の量を検出するように構成される1つまたはそれより多くのセンサをさらに備えることができる。1つまたはそれより多くのセンサは、光学センサを備えることができる。1つまたはそれより多くのセンサは、電子的充填インジケータと通信することができ、電子的充填インジケータは、容器内に採取された血液の量についての情報をユーザに提供するように構成される。電子的充填インジケータは、1つまたはそれより多くの視覚、聴覚、または触覚信号を発生させるように構成されることができる。電子的充填インジケータは、カートリッジ上に、またはカートリッジとともに位置することができる。電子的充填インジケータは、サンプル取得デバイス上に、またはサンプル取得デバイスとともに位置することができる。
【0038】
結合ユニットは、ルアー式継手を備えることができる。
【0039】
容器は、液体血液の採取の進行を監視するために使用される1つまたはそれより多くのインジケータラインを備えることができる。
【0040】
1つまたはそれより多くのインジケータラインは、容器内に採取された血液の量を推定するために使用されることができる。
【0041】
容器は、管を備えることができる。
【0042】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイスおよびカートリッジアセンブリのうちのいずれかを備える、対象から血液を採取および貯留するためのシステムを提供する。サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備える。
【0043】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイスのうちのいずれかを使用し、対象から血液を採取することと、本開示の主題のカートリッジアセンブリのうちのいずれかを使用し、血液を液体血液として貯留することとを含む方法を提供する。
【0044】
本開示の別の側面は、対象から採取された血液を貯留するためのモジュール式チャンバアセンブリを提供し、モジュール式アセンブリは、サンプル取得デバイスに結合するように構成される入口ポートであって、サンプル取得デバイスは、対象から血液を採取するように構成される入口ポートと、入口ポートに結合するように構成されるチャンバとを備え、チャンバが入口ポートに結合されているとき、封入体が、形成され、封入体は、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリをその中で支持するように構成され、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、血液が、血漿、血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を含む複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にする。
【0045】
サンプル取得デバイスの一部は、入口ポートがサンプル取得デバイスの接合ポートに結合されているとき、サンプル取得デバイスから外に延在しているように構成されることができる。サンプル取得デバイスの一部は、突出部を備えることができる。
【0046】
入口ポートは、封入体を密閉シールするように構成される穿刺可能自己シールポートを備えることができる。
【0047】
カートリッジアセンブリは、(1)入口ポートの少なくとも一部および/または(2)チャンバの少なくとも一部に結合するように構成されることができる。
【0048】
複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)採取された血液から血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備えることができる。
【0049】
第1のカートリッジアセンブリタイプは、採取された血液から血漿を分離するように構成されることができる。第1のカートリッジアセンブリタイプは、採取された血液から血清を分離するように構成されることができる。
【0050】
モジュール式チャンバアセンブリは、入口ポートがサンプル取得デバイスから結合解除されているとき、サンプル取得デバイスから解放され、取り外されるように構成されることができる。
【0051】
モジュール式チャンバアセンブリは、血液がカートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、サンプル取得デバイスから解放され、取り外されるように構成されることができる。
【0052】
チャンバは、血液がカートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、および、モジュール式チャンバアセンブリがサンプル取得デバイスから解放され、取り外された後、外部環境からカートリッジアセンブリを保護するように構成されることができる。
【0053】
チャンバは、管の形状であり得る。
【0054】
モジュール式チャンバアセンブリは、血液がカートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、血液を発送または輸送するための輸送容器として使用されるように構成されることができる。
【0055】
チャンバは、乾燥剤を備えることができる。
【0056】
チャンバは、チャンバの内側部分の可視化を可能にするための透明または半透明窓を備えることができる。
【0057】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイスおよびモジュール式チャンバアセンブリのうちのいずれかを備える、対象から血液を採取および貯留するためのシステムを提供する。
【0058】
サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備えることができる。
【0059】
モジュール式チャンバアセンブリは、オンボード真空を備えることができる。
【0060】
サンプル取得デバイスとモジュール式チャンバアセンブリとの完全な結合は、対象からの血液の採取および貯留のために十分な真空をアクティベートするように構成されることができる。
【0061】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイスのうちのいずれかを使用し、対象から血液を採取することと、本開示の主題のモジュール式チャンバアセンブリのうちのいずれかを使用し、複数の異なる形式のうちの1つにおいて血液を貯留することとを含む方法を提供する。
【0062】
本開示の別の側面は、本開示の主題のサンプル取得デバイス、モジュール式チャンバアセンブリ、および/または複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのうちのいずれかを備えるキットを提供する。
【0063】
本開示の別の側面は、対象から血液を採取するためのサンプル取得デバイスを提供し、サンプル取得デバイスは、開口部を有する窪みを備える本体と、開口部を通して延在可能な1つまたはそれより多くの穿刺要素であって、対象の皮膚を貫通し、皮膚が窪みの中に引き込まれている間、サンプル取得デバイスの中への血液の採取を可能にする1つまたはそれより多くの穿刺要素と、接続ポートを備える、サンプルチャンバとを備え、接続ポートは、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリに交換可能かつ解放可能に結合するようにサイズ決めおよび成形され、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、血液が、乾燥血漿、液体血漿、乾燥血清、液体血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を含む複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にする。
【0064】
本体は、真空チャンバに動作可能に結合されることができる。真空チャンバは、真空のアクティベーションが、真空チャンバと窪みとの間に流体連通が確立されることを引き起こし、対象の皮膚を窪みの中に引き込むように構成されてもよく、窪みは、皮膚を引き込むための吸引空洞としての役割を果たしてもよい。
【0065】
モジュール式チャンバアセンブリは、オンボード真空を備えることができる。モジュール式チャンバアセンブリは、本体へのモジュール式チャンバアセンブリの結合が、モジュール式チャンバアセンブリと窪みとの間に流体連通が確立されることを引き起こし、対象の皮膚を窪みの中に引き込み得るように構成されてもよく、窪みは、皮膚を引き込むための吸引空洞としての役割を果たしてもよい。
【0066】
カートリッジアセンブリは、本体に解放可能に結合するように構成されることができる。
【0067】
サンプルチャンバは、カートリッジアセンブリがサンプルチャンバの接続ポートに結合されているとき、密閉シールされることができる。
【0068】
複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)採取された血液から血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備えることができる。
【0069】
本開示の別の側面は、対象から血液を採取するように構成されるサンプル取得デバイスであって、サンプル取得デバイスは、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリに交換可能かつ解放可能に結合するようにサイズ決めおよび成形されるポートを備える、サンプル取得デバイスと、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプであって、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)採取された血液から血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)液体形態において血液を貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)実質的乾燥状態において血液を貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備える、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプとを備えるキットを提供する。
【0070】
キットは、サンプルチャンバをさらに備えることができ、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのカートリッジアセンブリは、サンプルチャンバ内に含有され、サンプルチャンバは、カートリッジアセンブリに交換可能かつ解放可能に結合するようにサイズ決めおよび成形される。サンプルチャンバは、オンボード真空を備えることができる。
【0071】
サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備えることができる。
【0072】
本明細書に提供されるものは、サンプル採取および貯留のための医療システム、デバイス、ならびに方法である。開示されるシステム、デバイス、および方法は、サンプル採取を促進する構造的特徴(例えば、血液採取デバイス)ならびに貯留および輸送のための基板(例えば、マトリクス)上に血液サンプルを採取するための構成要素を備える。
【0073】
本明細書に開示されるデバイスのうちのいずれかは、真空の発生を利用し、負圧を適用し、対象の皮膚を変形させ、局所吸引をサンプル採取部位に直接適用し、それによって、サンプル流動および採取を促進することができる。本明細書に開示されるデバイスのうちのいずれかは、対象の皮膚の表面に設置され得る窪み(例えば、凹状空洞)を備えることができる。窪みは、真空(例えば、負圧、吸引等)を対象の皮膚に送達するように構成されることができる。本明細書に開示されるデバイスのうちのいずれかは、窪みの頂点または他の表面に配置される、開口部を備えることができる。開口部は、穿刺要素が対象の皮膚を穿刺することを可能にするようにカスタマイズされることができる。穿刺要素は、開口部の内径を通して通過するように構成されることができる。局所吸引は、開口部を通して、窪みを使用して、サンプル採取部位に適用されることができる。
【0074】
真空が、異なる機構を使用して、対象の皮膚を変形させるように構成されることができ、例えば、真空は、窪み(例えば、凹状空洞)の中に対象の皮膚を引き込むように構成されることができる。凹状空洞は、その凹状表面全体(またはその凹状表面の一部)に対して皮膚の表面を拘束するように構成されることができ、その点で、穿刺要素は、対象の皮膚を穿刺するために使用されることができる。流体経路(例えば、カートリッジと流体連通する流動チャネル)と連続する開口部が、真空が対象の皮膚に適用されるとき、および切開が対象の皮膚において行われた後、対象から本デバイスの中に血液を引き込むことができる。
【0075】
真空圧力は、減圧された真空チャンバのアクティベーションが、対象から、本デバイスの開口部およびチャネルを通して、対象のサンプルを採取するサンプルチャンバの中に血液を引き込む負圧を形成するように構成される、減圧された真空チャンバを使用して発生されることができる。サンプルチャンバは、対象の液体サンプル(例えば、液体血液)を採取することができる。サンプルチャンバは、他のタイプまたは形式の対象のサンプル(例えば、血漿もしくは血清)を採取するための1つまたはそれより多くのカートリッジを備えることができる。ある場合には、カートリッジは、サンプル採取および/または貯留のための固体マトリクスを備えることができる。真空圧力は、周囲圧力を下回る(すなわち、真空条件下)、例えば、周囲圧力を1~20psi下回る範囲内であり得る。真空圧力は、周囲圧力を約5psi下回り得る。真空チャンバ容積は、凹状空洞、開口部、チャネル、およびサンプルチャンバの少なくとも一部のうちの2つまたはそれより多くを備える複数の因子の合計容積の2倍の10%~100%マージン内であり得る。本明細書に開示されるデバイスのうちのいずれかは、真空アクティベーションアクチュエータの作動に応じて真空をアクティベートするように構成され得る、真空アクティベーションアクチュエータを備えることができる。真空アクティベーションアクチュエータは、本デバイス上またはカートリッジチャンバ上に位置するボタンを備えることができる。上記の実施形態の代替として、またはそれに加えて、真空圧力は、減圧された真空チャンバを備えるサンプルチャンバの挿入によって発生されることができる。サンプル取得デバイスの中へのサンプルチャンバの挿入(または結合)は、真空チャンバから本デバイスの中への真空通気を開始し、それによって、本デバイスおよびサンプルチャンバの少なくとも一部の中に負圧(例えば、周囲圧力を下回る)を形成することができる。負圧は、これが本デバイスの窪み(例えば、凹状空洞)の中に対象の皮膚を引き込むために十分であるように構成されることができる。本デバイスの穿刺要素は、対象の皮膚を穿刺するためにアクティベートされることができ、続けて、圧力差は、対象から、本デバイスを通して、サンプルチャンバの少なくとも一部の中に血液を引き込むことができる。
【0076】
本開示の別の側面は、対象から採取された血液の分離のためのカートリッジアセンブリを提供し、カートリッジアセンブリは、カートリッジポートを備えるカートリッジであって、カートリッジは、対象から血液サンプルを採取するために使用可能であるサンプル取得デバイスにカートリッジポートを介して結合するように構成される、カートリッジと、基板を備えるカートリッジタブと、カートリッジとカートリッジタブの基板との間に支持される処置/安定化ユニットであって、処置/安定化ユニットは、血液サンプルから血漿または血清を分離するように構成されるマルチピース採取マトリクスを備え、マルチピース採取マトリクスは、マルチピース採取マトリクスの1つまたはそれより多くの他のサブマトリクスと異なるサイズまたは形状を有する少なくとも1つのサブマトリクスを備える、処置/安定化ユニットとを備える。
【0077】
マルチピース採取マトリクスは、少なくとも3つのサブマトリクスを備えてもよい。マルチピース採取マトリクスは、血液サンプルから分離された血漿または血清を貯留するようにさらに構成されてもよい。マルチピース採取マトリクスは、血液サンプルから分離された血漿または血清を安定化するようにさらに構成されてもよい。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、周囲環境に露出されてもよい。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、カートリッジポートの遠位にある処置/安定化ユニットの一部に位置する。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、基板と接触してもよい。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、カートリッジと接触しない場合がある。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つのサブマトリクスの一部の表面積は、約100mm~約150mmであってもよい。少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、マルチピース採取マトリクスから取り外し可能であってもよい。カートリッジおよびカートリッジタブの基板は、カートリッジアセンブリが実質的に鉛直な向きにおいて使用されること、または動作させられることを可能にする構成において処置/安定化ユニットを支持するように構成されてもよい。カートリッジアセンブリは、水平面に対して約40度~約140度の角度において使用されるように、または動作させられるように構成されてもよい。カートリッジアセンブリは、水平面に対して約60度~約120度の角度において使用されるように、または動作させられるように構成されてもよい。カートリッジは、マルチピース採取マトリクスの一部に圧縮力を適用するように構成され得る、圧縮領域をさらに備える。圧縮力は、約1ポンド~約10ポンドであってもよい。圧縮力は、マルチピース採取マトリクスをわたる、またはそれを通した血液サンプルの流動を向上させるために、または制御するために使用可能であってもよい。圧縮力は、マルチピース採取マトリクスの一部の非圧縮厚さの約30%~約90%である圧縮厚さにおいてマルチピース採取マトリクスの一部を保持または維持するように構成されてもよい。圧縮力は、約0.75mm~約1.0mmの厚さにおいてマルチピース採取マトリクスの一部を保持または維持するように構成される。カートリッジは、(a)所定の値未満であるか、もしくは等しいように圧縮力を制限すること、および/または(b)所定の厚さ未満であるか、もしくは等しいようにマルチピース採取マトリクスの一部の圧縮厚さを制限することを行うように構成される圧縮停止部をさらに備えてもよい。カートリッジは、マルチピース採取マトリクスと外部周囲環境との間の流体連通を可能にするように構成される1つまたはそれより多くの通気孔をさらに備える。1つまたはそれより多くの通気孔は、マルチピース採取マトリクスによる血液サンプルの分離中、血漿濃度を制御するように構成される。1つまたはそれより多くの通気孔は、マルチピース採取マトリクスによる血液サンプルの分離中、乾燥の速さを制御するように構成される。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つのサブマトリクスの一部は、圧縮力を受けない。マルチピース採取マトリクスの少なくとも1つの他の部分は、圧縮力を受ける。
【0078】
本開示の付加的側面および利点が、本開示の例証的実施形態が示され、説明される、以下の詳細な説明から当業者に容易に明白となるであろう。認識されるであろうように、本開示は、他の異なる実施形態が可能であり、そのいくつかの詳細は、全て本開示から逸脱することなく、種々の明白な点において修正が可能である。故に、図面および説明は、制限的ではなく、本質的に例証的と見なされるものである。
【0079】
参照による組み込み
本明細書に言及される全ての刊行物、特許、および特許出願は、各個々の刊行物、特許、または特許出願が具体的かつ個々に参照することによって組み込まれることが示される場合と同程度に、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【図面の簡単な説明】
【0080】
本発明の新規の特徴は、添付される請求項に具体的に記載される。本発明の特徴および利点のより深い理解が、本発明の原理が利用される例証的実施形態を記載する以下の詳細な説明、ならびに付随の図面を参照することによって入手されるであろう。
【0081】
図1A図1Aは、いくつかの実施形態による、サンプル取得デバイスの斜視図である。
【0082】
図1B図1Bは、いくつかの実施形態による、サンプル取得デバイスの種々の構成要素の斜視図を示す。
【0083】
図2A図2Aは、いくつかの実施形態による、輸送スリーブの斜視図を示す。
【0084】
図2B図2Bは、いくつかの実施形態による、輸送スリーブの中に挿入される、カートリッジアセンブリを示す。
【0085】
図3A図3Aは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリの異なる斜視図を示す。
【0086】
図3B図3Bは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリの側面断面図を示す。
【0087】
図3C図3Cは、いくつかの実施形態による、サンプル流動方向のインジケーションを伴うカートリッジアセンブリの側面断面図を示す。
【0088】
図3D図3Dは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリに動作可能に結合される、サンプル取得デバイスの側面断面図を示す。
【0089】
図3E図3Eおよび3Fは、いくつかの実施形態による、別のカートリッジアセンブリおよびその例示的使用の断面図を図式的に図示する。
図3F図3Eおよび3Fは、いくつかの実施形態による、別のカートリッジアセンブリおよびその例示的使用の断面図を図式的に図示する。
【0090】
図4図4は、いくつかの実施形態による、サンプル流動方向のインジケーションを伴う異なるカートリッジアセンブリの側面断面図を示す。
【0091】
図5A図5Aは、いくつかの実施形態による、液体または液体様サンプルを採取するように構成されるサンプルチャンバの側面断面図(左)および斜視図(右)を示す。
【0092】
図5B図5Bは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリに動作可能に結合される、サンプル取得デバイスの側面断面図を示す。
【0093】
図5C図5Cは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリに動作可能に結合される、サンプル取得デバイスの視覚的計量窓の斜視図を示す。
【0094】
図6図6は、いくつかの実施形態による、輸送スリーブの中に挿入される、カートリッジアセンブリを示す。
【0095】
図7A図7Aは、いくつかの実施形態による、サンプル採取および貯留のためのモジュール式サンプルチャンバアセンブリの斜視図(左の2つの図)および側面断面図を示す。
【0096】
図7B図7Bは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプルチャンバアセンブリに動作可能に結合される、サンプル取得デバイスの動作および使用の原理を図示する。
【0097】
図7C図7Cは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプルチャンバアセンブリに動作可能に結合される、サンプル取得デバイスの斜視図を図示する。
【0098】
図7D図7Dは、いくつかの実施形態による、サンプル採取および貯留のためのモジュール式サンプルチャンバアセンブリの異なるタイプを示す。
【0099】
図8A図8A~8Cは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプル取得デバイスおよびモジュール式サンプルチャンバアセンブリの複数の斜視図を図示する。
図8B図8A~8Cは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプル取得デバイスおよびモジュール式サンプルチャンバアセンブリの複数の斜視図を図示する。
図8C図8A~8Cは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプル取得デバイスおよびモジュール式サンプルチャンバアセンブリの複数の斜視図を図示する。
【0100】
図8D図8Dおよび8Eは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプル取得デバイスおよびモジュール式サンプルチャンバアセンブリの動作ならびに使用の原理を図示する。
図8E図8Dおよび8Eは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプル取得デバイスおよびモジュール式サンプルチャンバアセンブリの動作ならびに使用の原理を図示する。
【0101】
図9図9は、いくつかの実施形態による、異なるタイプのモジュール式サンプルチャンバアセンブリに動作可能に結合される、モジュール式サンプル取得デバイスの実施例を図示する。
【0102】
図10図10は、いくつかの実施形態による、サンプル取得プロセスのためのデバイスの例示的寸法および圧力パラメータを示す。
【0103】
図11図11は、いくつかの実施形態による、サンプル取得デバイスおよびカートリッジアセンブリの斜視図を示す。
【0104】
図12図12は、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリの種々の構成要素の斜視図を示す。
【0105】
図13A図13Aは、いくつかの実施形態による、血液濾過アセンブリの種々の構成要素の斜視図を示す。
【0106】
図13B図13Bおよび13Cは、いくつかの実施形態による、血液濾過アセンブリの種々の構成要素の斜視図を図示する。
図13C図13Bおよび13Cは、いくつかの実施形態による、血液濾過アセンブリの種々の構成要素の斜視図を図示する。
【0107】
図14図14は、いくつかの実施形態による、サンプル取得デバイスから採取されるサンプルに対して実施されるデータ分析を図示する。
【0108】
図15図15は、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの種々の構成要素の斜視図を図示する。
【0109】
図16A図16Aは、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの第1のアセンブリ構造の斜視図を示す。
【0110】
図16B図16Bは、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの斜視図および側面断面図を示す。
【0111】
図17A図17Aは、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの斜視図および断面図を示す。
【0112】
図17B図17B~17Dは、いくつかの実施形態による、吸収性パッドを組み込む血液分離アセンブリの側面断面図を図示する。
図17C図17B~17Dは、いくつかの実施形態による、吸収性パッドを組み込む血液分離アセンブリの側面断面図を図示する。
図17D図17B~17Dは、いくつかの実施形態による、吸収性パッドを組み込む血液分離アセンブリの側面断面図を図示する。
【0113】
図17E図17E~17Gは、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの種々の構成要素の斜視図を図示する。
図17F図17E~17Gは、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの種々の構成要素の斜視図を図示する。
図17G図17E~17Gは、いくつかの実施形態による、血液分離アセンブリの種々の構成要素の斜視図を図示する。
【0114】
図18図18は、いくつかの実施形態による、使用のための処置/安定化ユニットの斜視図を示す。
【0115】
図19図19は、いくつかの実施形態による、カートリッジの斜視図を図示する。
【0116】
図20図20は、いくつかの実施形態による、視覚的キューをユーザに提供し得る、カートリッジアセンブリの斜視および側面断面図を図示する。
【0117】
図21A図21A~21Cは、いくつかの実施形態による、解放機構を組み込む血液分離アセンブリの断面図を図示する。
図21B図21A~21Cは、いくつかの実施形態による、解放機構を組み込む血液分離アセンブリの断面図を図示する。
図21C図21A~21Cは、いくつかの実施形態による、解放機構を組み込む血液分離アセンブリの断面図を図示する。
【発明を実施するための形態】
【0118】
詳細な説明
本開示の例示的実施形態が、ここで、詳細に参照され、その実施例が、付随の図面に図示される。可能な限り、同一の参照番号が、同一または同様の部分を指すために、図面および開示全体を通して使用されるであろう。
【0119】
I.総則
【0120】
本明細書に提供されるものは、例えば、対象の身体から流体サンプルを採取するためのデバイス、方法、およびキットである。流体サンプルは、例えば、対象の貫通された皮膚から引き出される、血液、例えば、毛細管血であり得る。本明細書に開示されるデバイスは、ハンドヘルドかつユーザアクティベート可能(例えば、流体サンプルが引き出されるべきである対象または対象から流体サンプルを引き出す際に対象を支援する第三者のユーザによってアクティベート可能)であり、従来的な保健医療施設の外、例えば、自宅における、遠隔場所における、対象が旅行している間等の使用のために好適であり得る。本デバイスは、ポータブルかつ使用が容易であり、訓練された保健医療従事者に依拠することなく、およびいかなる事前の採血訓練経験を有することも個人に要求することなく、個人が自身の血液サンプルを効率的かつ確実に採取することを可能にすることができる。本明細書に説明されるデバイス、方法、およびキットは、低侵襲性であり、他のデバイス、方法、およびキットの使用に対して対象におけるより低いレベルの痛み(または痛みの知覚)を可能にすることができ、これは、対象にとっての全体的採血体験を向上させることができる。キットは、本デバイスと、本デバイスが血液サンプル採取および貯留のために使用され得る方法に関してユーザを誘導する命令とを具備することができる。キットは、1つまたはそれより多くのサンプルの1つまたはそれより多くの試験施設への発送/輸送のための輸送スリーブおよびパウチを含むことができる。1つまたはそれより多くのサンプルは、発送/輸送の間に1つまたはそれより多くのサンプルチャンバもしくはその一部(例えば、1つまたはそれより多くのカートリッジ)内に採取されることができる。代替として、サンプルチャンバまたはその一部は、カートリッジの発送/輸送のためのいかなる輸送スリーブ/パウチも要求しない場合があり、その必要はない。いくつかの実施例では、カートリッジは、発送/輸送の間にカートリッジを保護するように構成される、筐体(例えば、サンプルチャンバ)内に封入されることができる。筐体は、例えば、本明細書の実施形態のうちのいくつかにおいて説明および例証されるように、管であり得る。筐体は、発送/輸送に先立って、またはその間にサンプルの処置ならびに/もしくは安定化を可能にすることができる(例えば、筐体は、乾燥剤を備えることができる)。カートリッジは、発送/輸送に先立って、またはその間にサンプルの処置ならびに/もしくは安定化を可能にすることができる。筐体は、外部環境から採取されたサンプルを保護することができる(例えば、温度、圧力、湿度、移動(例えば、振動)等を制御する)。ある場合には、筐体は、採取されたサンプルを試験するための技師または医療専門家による採取されたサンプルの回収に先立って、筐体の内側に貯留される採取されたサンプルの改竄を防止するために、シール(例えば、キャップまたはシーラント)を含むことができる。いくつかの実施例では、筐体(またはサンプルチャンバ)は、物理的鍵またはデジタルキーによって(例えば、デジタルキーコードを提供することによって)開放され得る物理的ロックによってセキュア化されることができる。
【0121】
本明細書にさらに提供されるものは、液体状態、半固体状態、または固体状態(例えば、乾燥状態もしくは固化状態)を含む複数の異なる状態のうちの1つまたはそれより多くにおいて採取されたサンプル、例えば、流体サンプルを処置する(または処理する)、ならびに/もしくは貯留するためのシステム(例えば、デバイス)、方法、およびキットである。いくつかの実施形態では、血液、例えば、毛細管血が、対象から採取されることができ、採取された血液は、血漿、血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を含む複数の異なる形式のうちの1つまたはそれより多くにおいて処理ならびに/もしくは貯留されることができる。
【0122】
カートリッジは、採取された血液の少なくとも一部(例えば、少なくとも所定の体積)を保持するように構成される1つまたはそれより多くのマトリクスを支持するように構成されることができる。カートリッジは、血漿、血清、細胞(例えば、白血球(または白血球細胞)ならびに/もしくは赤血球(または赤血球細胞))、ポリペプチド分子(例えば、成長因子等のタンパク質)、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA、RNA、無細胞DNA(cfDNA)、無細胞RNA(cfRNA)等)、イオン、ならびに/もしくは小分子(例えば、栄養物)を備える血液の1つまたはそれより多くの成分を分離(例えば、単離または濾過)するように構成されることができる。本明細書に開示されるシステム(例えば、デバイス)、方法、およびキットは、細胞、血漿、血清、血小板、具体的細胞タイプ、DNA(例えば、腫瘍cfDNA)、RNA、タンパク質、無機物、薬物、または任意の他の成分を含む、任意の数のサンプル成分を選択的に分離することができる。本明細書に開示されるシステム、方法、およびキットはまた、血液の任意の分離された成分(例えば、血漿、血清等)を貯留するように構成されることができる。
【0123】
本明細書に説明されるシステム(例えば、サンプル取得デバイス)、方法、およびキットを使用して採取されたサンプル(例えば、血液サンプル)は、対象の生理学的状態を判定するために、疾患を検出するために、および対象の健康条件を監視するために分析されることができる。サンプル(例えば、血液サンプル)は、開示されるデバイス、方法、およびキットを使用して迅速に採取されることができ、サンプル(例えば、血液サンプル)は、(1)例えば、免疫測定法を使用して現場で分析されるか、または(2)試験施設に発送される、例えば、直ちに発送されるかのいずれかであり得るため、個人は、自身の生理学的ステータスを迅速に評価することができる。血液採取、分析、および定量化に関する低減されたリードタイムは、多くのユーザ、例えば、定期的かつ頻繁な血液サンプル採取/監視を要求するある生理学的条件/疾患を有する対象に有益であり得る。
【0124】
本開示の種々のシステム(例えば、デバイス)、方法、およびキットは、例えば、「DEVICES, SYSTEMS, AND METHODS FOR SAMPLE COLLECTION」と題された米国特許公開第2019/0000365号および「SYSTEMS, METHODS, AND DEVICES FOR SAMPLE COLLECTION, STABILIZATION AND PRESERVATION」と題された米国特許公開第2017/0067803号(そのそれぞれは、参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)に説明されるもの等の他のシステム、方法、およびキットと組み合わせられる、またはそれを用いて修正されることができる。
【0125】
本明細書に説明されるデバイス、方法、およびキットの種々の側面は、本明細書に記載される特定の用途のうちのいずれかに、および血液採取デバイスに加えて、任意の他のタイプの流体サンプルデバイスに関して適用されることができる。本デバイス、方法、およびキットは、流体サンプルが対象の身体から引き出されることを要求する任意のシステムにおいて使用されることができる。本明細書に説明されるデバイス、方法、およびキットの異なる側面が、個々に、集合的に、または相互と組み合わせて理解され得ることを理解されたい。
【0126】
II.サンプル取得デバイス
【0127】
本明細書に提供されるようなサンプル取得デバイスは、サンプル、例えば、流体サンプル、例えば、対象から引き出された流体サンプルの少なくとも一部を採取する、処置する(例えば、分離する)、貯留する、および/または安定化するために設計、構成、もしくは使用されることができる。サンプルは、生物学的サンプルであり得る。生物学的サンプルまたは流体サンプルは、全血、血液血清、血液血漿、または同等物であり得る。サンプル取得デバイスは、ユーザの手によって保持され、動作させられるように構成されることができる。ユーザは、対象または第三者、例えば、医師であり得る。サンプル取得デバイスは、使用の間に(例えば、ユーザの片手または両手によって、対象および医療専門家等の複数のユーザからの複数の手によって等)ハンドヘルドであり得る。したがって、本開示の任意のサンプル取得デバイスは、ハンドヘルドデバイスであり得る。
【0128】
本明細書に提供されるサンプル取得デバイスは、例えば、対象の自宅において、遠隔場所において、現場において、または対象が旅行している間、個人化保健医療に関して、ポイントオブケア(POC)設定において、病院において、診療所において、救急処置室において、患者診察室において、急性処置患者室において、外来診療において、小児科学の分野において、現場環境において、教育設定における看護師のオフィスにおいて、労働衛生診療所において、外科手術の間、または手術室においてを含む、種々の場所または環境もしくは用途において使用されることができる。
【0129】
サンプル取得デバイスは、対象から引き出されたサンプル(例えば、血液)を採取および貯留するために使用されることができる。対象は、患者であり得る。対象は、動物、例えば、霊長類または非霊長類であり得る。対象は、男性または女性であり得る。対象は、妊娠している、妊娠が疑われる、または妊娠を計画している場合がある。対象は、排卵している場合がある。対象は、条件、例えば、癌、自己免疫疾患、または糖尿病を有する、もしくは有することが疑われる得る。対象は、ヒトであり得、ヒトは、乳児、幼児、10代、成人、または高齢者であり得る。
【0130】
サンプル取得デバイス(または複数のデバイス)は、第三者の助けまたは支援を伴わずに、対象からサンプル、例えば、血液サンプルを引き出すために対象によって容易かつ便宜的に使用されることができる。ある場合には、本デバイスは、対象から血液を採取するために第三者によって動作させられることができる。第三者は、例えば、対象の家族、医療専門家、例えば、医師、看護師、または救急救命士(EMT)、臨床医、もしくは実験室技師を含むことができる。第三者は、非生物的存在、例えば、ロボットであり得る。
【0131】
サンプル取得デバイスは、これが低侵襲性であり、対象において低レベルの痛み(または低減された痛みの知覚)を発生させるように設計されることができる。例えば、サンプル取得デバイスは、皮膚を貫通するための複数の(3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの)針もしくは微小針のアレイの代わりに、少数(例えば、1つまたは2つの)穿刺要素を含むことができる。本デバイスは、1つまたはそれより多くの穿刺要素とともに事前包装される必要はない。例えば、種々の穿刺要素が、本デバイスに動作可能かつ解放可能に結合される、および/または、例えば、各使用後に本デバイス上で交換されることができる。いくつかの代替事例では、本デバイスは、穿刺要素を使用することなく動作させられることができる。例えば、対象の皮膚が、1つまたはそれより多くの既存の切り傷を有し得、本デバイスは、皮膚吸引および真空圧力を使用して血液を引き出すために、1つまたはそれより多くの既存の切り傷を覆って設置されることができる。
【0132】
本デバイスは、ポータブルであり、使い捨てであり、単一の対象受診における使用のために設計されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、本デバイスは、再使用可能であり得る。例えば、デバイスは、1回より多く、例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれより多く使用されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、単一のデバイスが、同一の対象を伴うか、または複数の異なる対象を伴うかのいずれかで、複数の対象受診において使用されることができる。本デバイスは、サンプル採取プロセスを促進するための形状因子であり、そのために人間工学的に設計されることができる。サンプル採取、処置、および貯留が、単一のデバイス上で実施されることができる。ある場合には、サンプル採取、処置、および貯留は、複数の構成要素またはデバイスを使用して実施されることができる(例えば、穿刺モジュールおよび真空モジュールが、1つまたはそれより多くのチャネルを介してともに動作可能に接続もしくは結合される別個のデバイスとして提供されることができる)。
【0133】
図1Aおよび1Bは、いくつかの実施形態による、例示的デバイス100を図示する。具体的には、図1Aは、本デバイスの全体的斜視図を示す。本デバイスは、筐体102を含むことができる。筐体は、相互に動作可能に結合される、筐体基部110と、筐体カバー152とを含むことができる。いくつかの実施形態では、筐体基部110は、本明細書にさらに説明されるような真空チャンバおよび堆積チャンバを包含することができる。
【0134】
本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、筐体が、本デバイスの構成要素とは別個に提供されることができ、筐体は、構成要素の一部である、またはそれと統合される必要はない。例えば、本明細書の別の場所に説明されるような真空チャンバ、堆積チャンバ、カートリッジチャンバ、および/またはカートリッジアセンブリ(もしくはカートリッジモジュール)は、別個に提供される筐体に動作可能に結合されることができる。本明細書に説明されるような窪みが、筐体の一部の上に提供されることができる。筐体は、ケーシング、封入体、シェル、ボックス、および同等物を含むことができる。筐体は、1つまたはそれより多くの中空チャンバ、空洞、または窪みを含むことができる。筐体は、任意の形状および/またはサイズを有して形成されることができる。筐体は、本明細書の別の場所に説明されるような1つまたはそれより多くの構成要素を支持するように構成されることができる。加えて、構成要素のうちの1つまたはそれより多くは、筐体としての役割を果たす、または機能することができる。筐体は、本明細書の構成要素のうちの1つまたはそれより多くと統合されることができる、もしくは構成要素のうちの1つまたはそれより多くは、筐体と、もしくはその中に統合されることができる。筐体は、例えば、対象の皮膚等の表面上に搭載されるために構成されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、筐体が表面に搭載されることを可能にする、ブラケットまたはストラップが、提供されることができる。
【0135】
本デバイスは、真空アクティベータ114を含むことができる。真空アクティベータは、筐体基部上に位置する、ボタン115を含むことができる。ある場合には、本デバイスは、真空アクティベータを有していない、または真空アクティベータを有する必要はない。ある実施例では、本デバイスの中へのサンプルチャンバの配設は、本デバイスの真空チャンバ内に真空を自動的に提供することができる。本デバイスは、穿刺アクティベータ166をさらに含むことができる。穿刺アクティベータは、ボタン167を含むことができる。ある場合には、ボタン167は、筐体カバーに隣接して配置されることができる。ある場合には、本デバイスは、穿刺アクティベータを有していない、または穿刺アクティベータを有する必要はない。ある実施例では、本デバイスは、他の離散的な独立型穿刺要素によってすでに貫通または事前切断されている皮膚から血液を引き出すために使用されることができる。別の実施例では、本デバイスの中へのサンプルチャンバの配設は、対象の皮膚を穿刺するように本デバイスを自動的にアクティベートすることができる。穿刺は、好ましくは、真空アクティベータがアクティベートされた後に(例えば、穿刺アクティベータを介して)アクティベートされることができる。ある場合には、穿刺は、真空アクティベータまたは本デバイスの真空状態から独立してアクティベートされることができる。いくつかの実施形態では、穿刺アクティベータは、本デバイスの使用に先立って係止されることができ、穿刺アクティベータは、真空アクティベータがアクティベートされた後にのみアクティベートされることができる。ある場合には、真空アクティベータは、本デバイスの使用に先立って係止され、真空アクティベータは、穿刺アクティベータがアクティベートされた後にのみアクティベートされることができる。上記に言及されるように、デバイス100または本明細書のデバイスのうちのいずれかは、サンプルチャンバ、例えば、図1Aに図示されるようなカートリッジアセンブリ180に動作可能に結合されることができる。そのようなカートリッジアセンブリは、本デバイスに解放可能に結合され、本デバイスから取り外されることができる。カートリッジアセンブリのカートリッジタブ192は、本デバイスの縁から突出することができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、カートリッジタブおよび穿刺アクティベータ/真空アクティベータ(例えば、ボタン115/167)は、筐体の異なる側(例えば、反対の端部)上に位置することができる。真空アクティベータおよび穿刺アクティベータについての付加的詳細が、本明細書に説明される。
【0136】
血液サンプルを採取するためのサンプル取得デバイスは、本デバイス上で具体的アクションまたは機能を実施するための2つまたはそれより多くの構成要素を伴うモジュール式(すなわち、「モジュール式デバイス」)であり得る。図1Bは、モジュール式サンプル取得デバイス100の種々の構成要素およびサブアセンブリを示す。モジュール式デバイスは、複数のモジュール(またはサブアセンブリ)を備えることができる。個々のモジュールは、交換可能または取替可能ユニットであり得る。ある場合には、モジュール式デバイスの単回使用後、本デバイスの個々のモジュールは、新しいモジュールと交換されることができる一方、本デバイスの1つまたはそれより多くの他のモジュールは、再使用可能であり得る。モジュール式デバイスの1つまたはそれより多くのモジュールは、本デバイスの少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれより多くの使用回数、再使用可能であり得る。非モジュール式デバイス(例えば、複数の構成要素に容易に分解されることができない)と比較して、モジュール式デバイスは、容易な部分的交換、部分的保守または修理、部分的アップグレード、清掃、製造または包装の低減された費用等の1つまたはそれより多くの利益を備えることができる。いくつかの実施形態では、図1Bに示されるように、モジュール式デバイスは、(1)それを通して穿刺アクティベータ166のボタン167が挿入され得る貫通孔153を備える、筐体カバー152と、(2)穿刺アクティベータ166のボタン167を備える、ランシングアセンブリと、(3)真空アクティベータ114(例えば、ボタン115)を備える、筐体基部110とを備えることができる。ある場合には、筐体基部110は、真空チャンバおよび/または堆積チャンバとしての役割を果たすことができる。ある場合には、ランシングアセンブリは、(例えば、筐体基部110の開口部を通して)対象の皮膚を穿刺するためのランシング機構を備えることができる。ランシングアセンブリは、対象の皮膚を穿刺するために、筐体基部110内に配置されるランシング機構をアクティベートするように構成されることができる。
【0137】
図1Bは、モジュール式デバイスに動作可能に結合されるように構成されるサンプルチャンバをさらに示す。例えば、サンプルチャンバは、モジュール式デバイスに解放可能に結合され得る、カートリッジアセンブリ180であり得る。カートリッジアセンブリは、モジュール式デバイスの一部であり得、本デバイスから結合解除されることができる。カートリッジアセンブリは、開口部128を介してモジュール式デバイスの筐体基部の堆積チャンバ(またはカートリッジチャンバ)の中に挿入されることができる。カートリッジアセンブリは、カートリッジ182と、カートリッジホルダ190とを含むことができる。カートリッジホルダは、カートリッジを支持するように構成されることができる。カートリッジホルダは、カートリッジタブ192と、シール/ガスケット194と、ばねクリップ196とを含むことができる。ユーザ(例えば、対象)は、カートリッジタブを使用して、カートリッジアセンブリを取り扱う、または保持することができる。例えば、対象は、カートリッジタブを押し込むことによって、モジュール式デバイスの堆積チャンバ(カートリッジチャンバ)の中にカートリッジアセンブリを挿入することができる。サンプル採取が完了された後、対象は、カートリッジタブを引動することによって、モジュール式デバイスの堆積チャンバ(カートリッジチャンバ)からカートリッジアセンブリを除去することができる。対象はまた、カートリッジおよび/またはサンプルへの汚染を回避するために、カートリッジタブによってカートリッジアセンブリを保持することができる。シール/ガスケット194は、いったんカートリッジアセンブリがモジュール式デバイスの中に適切に挿入されると、堆積チャンバ(カートリッジチャンバ)を密閉シールすることができる。ばねクリップ196は、カートリッジがカートリッジホルダによって定位置に保持されることを可能にする。
【0138】
カートリッジアセンブリのカートリッジ182は、その上に流体サンプル(例えば、血液)が採取される1つまたはそれより多くのマトリクス186を支持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジは、2つまたはそれより多くのマトリクスを支持することができる。2つまたはそれより多くのマトリクスは、1つまたはそれより多くのスペーサによって分離されることができる。カートリッジは、カートリッジポート184と、マトリクスにつながるチャネル(図示せず)とを含むことができる。カートリッジは、過剰な流体を保持するための1つまたはそれより多くの吸収性パッド(図示せず)を支持するように構成されることができる。吸収性パッドは、所定の体積の流体がマトリクスのそれぞれの上に採取され得ることを確実にすることに役立つ。カートリッジアセンブリについての付加的詳細が、例えば、本明細書の第II節パートCに説明される。
【0139】
筐体基部110および筐体カバー152は、それぞれ、別個に提供され、筐体を形成するようにともに結合されることができる。筐体基部は、真空チャンバと、堆積チャンバとを含むことができる。真空チャンバおよび堆積チャンバは、1つまたはそれより多くの壁によって分離されることができる。壁は、流体(例えば、ガスおよび液体)に対して実質的に不透過性であり得る。蓋は、真空チャンバおよび堆積チャンバを密閉シールすることができる。蓋は、流量計を含むことができる。堆積チャンバはまた、カートリッジチャンバとしての役割を果たすことができ、本明細書では同義的にそのように称され得る。カートリッジアセンブリ180は、堆積チャンバ(またはカートリッジチャンバ)の中に挿入されることができる。シール/ガスケット194は、いったんカートリッジアセンブリが堆積チャンバの中に完全に挿入されると、堆積チャンバを密閉シールすることができる。筐体カバーは、筐体基部の蓋上の流量計を不明瞭にすることを防止するために、UまたはV様形状を有する翼155を含むことができる。故に、筐体カバーは、ユーザ(例えば、対象または第三者のユーザ)が流量計を視認し、流体サンプルの採取の進行を監視することを可能にする様式で成形されることができる。筐体カバーは、(例えば、図1Bに示されるようなランシングアセンブリの一部となるべき)その中の穿刺モジュールの設置を可能にする、鉛直(Z高さ)遊隙を有することができる。穿刺モジュールは、窪みの開口部を通して延在および後退するように構成される1つまたはそれより多くの穿刺要素を備えることができる。
【0140】
代替実施形態では、採取されたサンプルを備えるサンプルチャンバ(例えば、カートリッジアセンブリ)またはその構成要素は、サンプル取得デバイスから除去され、貯留/輸送デバイス内に貯留されることができる。図2Aは、充填されたサンプルチャンバまたはサンプルチャンバ内からのサンプルの包装のために使用され得る、輸送スリーブ200の斜視図を示す。スリーブは、発送/輸送の間に充填されたサンプルチャンバまたはサンプルを貯留するための中空内部を含むことができる。スリーブは、サンプルチャンバ(例えば、カートリッジアセンブリ)を受け取るための開口部を含むことができる。いくつかの実施形態では、スリーブは、スリーブの使用に先立って、開口部を被覆するためのカバー212(例えば、剥離可能な箔)を含むことができる。カバー212は、例えば、接着剤を介して開口部に取り付けられ、スリーブの使用に先立ってユーザによって剥離され得る箔であり得る。乾燥剤(図示せず)が、スリーブ内に配置され、サンプルを乾燥させる、および/または乾燥状態に保つために使用されることができる。箔カバーは、使用に先立って、水分および汚染からスリーブの内部を保護することに役立つことができる。図2Bは、輸送スリーブの中にカートリッジアセンブリ180を挿入した後の輸送スリーブ200の斜視図を示す。カートリッジアセンブリについての付加的詳細が、例えば、本明細書の第III節に説明される。
【0141】
本デバイスの、または本デバイスに動作可能に結合される1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、モジュールのうちのいずれか1つ、任意のタイプのサンプルチャンバ、輸送スリーブ等)は、任意の形状および/またはサイズを有して形成されることができる。そのような構成要素は、射出成型、吹込み成型、三次元(3D)印刷等の当技術分野で公知の任意の数の技法を使用して形成されることができる。患者に接触するように構成されるそのような構成要素は、特定の用途に応じて、保健医療用途のために好適な材料(例えば、筐体材料は、生物学的材料との併用に適合する)を含むことができる。例えば、サンプル取得デバイスの筐体の構成要素は、コポリエステル(例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンテレフタレートグリコール(PETG)、ポリプロピレン、ポリカーボネート、セロファン、ビニル、酢酸塩、ポリエチレンアクリル、ブチルゴム、エチレン酢酸ビニル、天然ゴム、ニトリル、シリコーンゴム、スチレンブロックコポリマー、ビニルエーテル、または粘着剤)等の材料を含む、もしくはそれから加工されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、そのような構成要素は、抗菌性および/または防腐性材料、例えば、炭酸水素ナトリウム、過酸化水素、塩化ベンザルコニウム、クロロヘキシジン、ヘキサクロロフェン、ヨウ素化合物、およびそれらの組み合わせを含むことができる。
【0142】
本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、本デバイスの、または本デバイスに動作可能に結合される1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、モジュールのうちのいずれか1つ、任意のタイプのサンプルチャンバ、輸送スリーブ等)は、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリイソブテン、ポリ[エチレン酢酸ビニル]コポリマー、軽量アルミニウム箔、およびそれらの組み合わせ、ステンレス鋼合金、商業用純チタン、チタン合金、銀合金、銅合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼合金、超弾性金属合金(例えば、ニチノール、Toyota Material Incorporated(日本)によって製造されるGUM METAL等の超弾塑性金属)、リン酸カルシウム等のセラミックおよびその複合物(例えば、Biologix Inc.によって製造されるSKELITE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびポリエーテルケトン(PEK)を含むポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の熱可塑性プラスチック、炭素-PEEK複合物、PEEK-BaSO4高分子ゴム、布、シリコーン、ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタンコポリマー、高分子ゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半剛性および剛性材料、エラストマ、ゴム、熱可塑性エラストマ、熱硬化性エラストマ、エラストマ複合物、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシを含む剛性ポリマー、例えば、金属およびカルシウムハウジング系セラミックの複合物、PEEKおよびカルシウムハウジング系セラミックの複合物、吸収性ポリマーを伴うPEEKの複合物等の部分的吸収性材料、例えば、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)-TCP、硫酸カルシウム等のカルシウムハウジング系セラミック等の完全吸収性材料、またはポリケチド、ポリグリコリド、ポリチロシンカーボネート、ポリカプロラクトン等の他の吸収性ポリマー、ならびにそれらの組み合わせ等の材料を含むことができる、またはそれから加工されることができる。
【0143】
本デバイスの、または本デバイスに動作可能に結合される1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、モジュールのうちのいずれか1つ、任意のタイプのサンプルチャンバ、輸送スリーブ等)は、強度、剛性、弾性、応従性、生体力学的性能、耐久性、および/または放射線透過性選好等の種々の所望の特性を達成するために、上記の材料のうちの1つまたはそれより多くを含む材料複合物を有することができる。そのような構成要素はまた、個々に、または集合的に、上記に説明される材料のうちの2つまたはそれより多くの組み合わせ等の異種の材料から加工されることができる。本デバイスの構成要素は、モノリシックに形成される、または一体的に接続されることができる。
【0144】
本デバイスの、または本デバイスに動作可能に結合される1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、モジュールのうちのいずれか1つ、任意のタイプのサンプルチャンバ、輸送スリーブ等)は、ユーザ(例えば、対象)が、片手または両手で本デバイスならびに/もしくはサンプルチャンバを快適に保持および/または動作させることが可能であるように、人間工学的に設計されることができる。本デバイスは、これを非常にポータブルにする(例えば、ユーザのバッグまたはハンドバックにおいて持ち歩くことが容易な)コンパクトな形状因子を有することができる。サンプルチャンバの例示的寸法(例えば、長さ、幅、および高さ)が、本明細書の別の場所に説明される。
【0145】
A.皮膚吸引のための窪み
【0146】
いくつかの実施形態では、本デバイスの筐体基部102は、窪み136(下記の図3Dおよび図8Cに示されるような)を含むことができる。窪みは、筐体基部の一部(例えば、底面)上に提供されることができる。窪みは、筐体基部上の窪んだ空洞またはトレンチとして形成されることができる。ある場合には、窪みは、筐体基部の中への成型された押出物として形成されることができる。窪みは、カップのように成形され、真空圧力を用いて皮膚「カッピング」効果を提供するように構成されることができる。窪みは、その中に表面、例えば、対象の皮膚の一部を受け取り、表面、例えば、皮膚が、真空圧力の適用下で窪みに実質的に共形化することを可能にするようにサイズ決めおよび/または成形されることができる。窪みの表面は、窪みの中に引き込まれた皮膚と実質的に接触することができる。皮膚と窪みとの間の間隙は、皮膚が窪みの中に引き込まれるときに無視できるものであり得る。窪みは、その中に皮膚を引き込み、毛細血管圧差を増加させるための吸引空洞としての役割を果たすことができる。
【0147】
いくつかの代替実施形態では、本デバイスは、真空下で窪みの中に他のタイプの物体(例えば、皮膚または皮膚表面ではない物体)を引き込み、それらの物体から流体サンプルをさらに引き出すように構成されることができる。本開示のデバイスとの併用のために好適な生物学的サンプルの実施例は、汗、涙、尿、唾液、排泄物、膣分泌物、精液、間質液、粘液、皮脂、歯肉溝滲出液、水性体液、硝子体液、胆汁、母乳、脳脊髄液、耳垢、内リンパ液、外リンパ液、胃液、腹膜液、吐瀉物、および同等物を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体サンプルは、液体媒体を用いて修正された固体サンプルであり得る。いくつかの事例では、生物学的サンプルは、病院、実験室、臨床または医療実験室において対象から入手されることができる。
【0148】
本デバイスの窪みは、血液が対象の貫通された皮膚から採取されることに先立って、およびその際に、真空圧力下で対象の皮膚表面積との接触を維持するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、窪み内に封入される体積は、窪みの内側体積と実質的に同一であり得る。いくつかの実施形態では、窪みは、安全特徴を提供するように構成されることができる。ある実施例では、ランセットは、ランセットの突出部分の長さが、窪みの高さよりも短いように、本デバイスの空洞の中に短い距離だけ突出するように構成されることができる。したがって、突出に応じて、ランセットの先端は、対象の皮膚と接触し得ない。先端は、窪みに向かう皮膚の吸引に応じて、皮膚と接触することができる。そのような特徴は、ランセットの望ましくない(例えば、偶発的)作動の間に、または窪みに向かって皮膚を吸引するための真空の不在下で、皮膚の切断を防止することができる。
【0149】
B.真空チャンバおよび堆積チャンバ
【0150】
本デバイスは、真空チャンバおよび/または堆積チャンバを含むことができる。真空チャンバおよび堆積チャンバは、筐体内に提供されることができる(例えば、筐体基部の中に統合される)。真空チャンバおよび堆積チャンバは、(例えば、図1Bに図示されるように)別個に提供される筐体または筐体本体に動作可能に結合されることができる。真空チャンバは、窪みおよび堆積チャンバと流体連通するように構成されることができる。真空チャンバおよび堆積チャンバは、筐体基部の一部であり得る。真空チャンバおよび堆積チャンバは、筐体基部の異なる区分(例えば、コンパートメント)内に位置し、種々の形状または構成を有して提供されることができる。真空チャンバおよび堆積チャンバは、1つまたはそれより多くの壁によって分離されることができる。いくつかの代替事例では、真空チャンバおよび堆積チャンバは、例えば、壁によって分離される必要はない。例えば、真空チャンバおよび堆積チャンバは、包装されるようなデバイスにおいて同一のチャンバであり得る。組み合わせられた真空チャンバおよび堆積チャンバは、モノリシックチャンバであり得る。
【0151】
堆積チャンバは、同義的にカートリッジチャンバと称され得、堆積チャンバは、その中にサンプルチャンバ(例えば、カートリッジアセンブリ180)を受け取るように構成されることができるため、サンプル取得デバイスの一部と見なされることができる。例えば、血液が、対象から採取され、サンプルチャンバ、例えば、カートリッジアセンブリ180のカートリッジ内での採取および貯留のために窪みから堆積チャンバの中に輸送されることができる。
【0152】
いくつかの実施形態では、真空ポンプ等の機械的デバイスが、真空チャンバまたは類似するチャンバを(例えば、包装の前または後に)減圧するために使用されることができる。機械的デバイスは、ピストン、モータ、送風機、圧力調整器、ベンチュリ、および同等物等の構成要素を含むことができる。ある場合には、化学物質または他の反応物質等の非機械的手段が、真空チャンバに導入されることができ、真空チャンバ内の圧力を減少させる(例えば、真空状態を生成する)ための反応を受けることができる。他の実施形態では、真空チャンバは、真空チャンバを減圧するために機械的デバイスを要求しない場合があり、その必要はない。例えば、サンプルチャンバは、真空下にあり得、サンプル取得デバイス(例えば、デバイス100)へのサンプルチャンバの配設は、本デバイス(例えば、デバイス本体および/または本デバイスの残りの内部チャンバならびにチャネル)内に負圧を誘発することができる。
【0153】
システム(例えば、サンプル取得デバイス)による血液採取の体積および流量は、真空チャンバの開始または初期真空圧力に依存し得る。開始または初期真空圧力は、減圧後の真空チャンバの圧力に対応することができる。いくつかの実施形態では、真空チャンバの初期真空圧力は、約-4重量ポンド毎平方インチ(psig)~約-15psig(例えば、海抜において-14.7psig)、好ましくは、約-8psig~約-12psigに及ぶことができる。いくつかの好ましい実施形態では、真空チャンバの初期真空圧力は、約-12psigであり得る。いくつかの他の実施形態では、真空チャンバの初期真空圧力は、約-12psig未満、例えば、約-13psigまたは-14psigであり得る。
【0154】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス100または任意の他のサンプル取得デバイスは、対象の皮膚部分の切開または貫通の時点から開始する時間窓内で対象からより少量の血液(例えば、150マイクロリットル(μL)、140μL、130μL、120μL、110μL、100μL、90μL、80μL、70μL、60μL、50μL、40μL、30μL、または25μL未満)を採取するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるデバイス100または任意の他のサンプル取得デバイスは、より大量の血液、例えば、少なくとも150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、600μL、700μL、800μL、900μL、1,000μL、2,000μL、3,000μL、4,000μL、5,000μL、またはそれより多くを採取するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、時間窓は、約30分、25分、20分、15分、10分、9分、8分、7分、6分、5分、4分、3分、2分、またはそれ未満を下回り得る。ある実施例では、時間窓は、5分未満、好ましくは、3分未満であり得る。別の実施例では、時間窓は、2分以下であり得る。異なる実施例では、時間窓は、1分以下であり得る。
【0155】
C.穿刺モジュール
【0156】
サンプル取得デバイスは、皮膚が真空圧力下で窪みの中に引き込まれるとき、対象の皮膚を貫通するための穿刺モジュールを含むことができる。いくつかの代替事例では、本デバイスは、穿刺モジュールを備える必要はない。いくつかの実施形態では、穿刺モジュールは、図1Bに図示されるように、ランシングアセンブリモジュールにおいて提供されることができる。穿刺要素は、ランセット、ランス、ブレード、針、微小針、外科用ナイフ、鋭利なもの、ロッド、および同等物を含むことができる。任意の数の穿刺要素(例えば、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの穿刺要素)が、想定されることができる。いくつかの実施形態では、穿刺要素は、好ましくは、2つのランセットを備えることができる。
【0157】
穿刺モジュールは、ランセットホルダを作動させ、穿刺要素を移動させるための1つまたはそれより多くの作動要素(例えば、ばね要素)をさらに備えることができる。作動要素の他の非限定的実施例は、磁石、電磁石、空気圧アクチュエータ、油圧アクチュエータ、モータ(例えば、ブラシレスモータ、直流(DC)ブラシモータ、回転モータ、サーボモータ、直接駆動回転モータ、DCトルクモータ、線形ソレノイドステッパモータ、超音波モータ、歯車付きモータ、速度低減モータ、またはピギーバックモータの組み合わせ)、歯車、カム、線形ドライブ、ベルト、滑車、コンベヤ、および同等物を含むことができる。ばね要素の非限定的実施例は、種々の好適なばねタイプ、例えば、入れ子圧縮ばね、座屈柱、円錐ばね、可変ピッチばね、スナップリング、二重捩じりばね、ワイヤ形態、限定進行延在ばね、編組ワイヤばね、板ばね等を含むことができる。さらに、作動要素(例えば、ばね要素)は、いくつかの金属、プラスチック、または複合材料のうちのいずれかから作製されることができる。
【0158】
D.真空アクティベータおよび穿刺アクティベータ
【0159】
本デバイスは、(減圧された)真空チャンバをアクティベートするように構成される、真空アクティベータ114を含むことができ、これは、窪みの中に皮膚を引き込み、続けて、貫通された皮膚からの血液の採取を促進し得る、真空圧力を発生させる。本デバイスはまた、穿刺要素を作動させるために、展開ばねをアクティベートするように構成される穿刺アクティベータ166を含むことができる。真空アクティベータは、穿刺アクティベータと別個であり得る。例えば、真空アクティベータおよび穿刺アクティベータは、本デバイスの2つの別個の離散的構成要素であり得る。いくつかの代替実施形態(図示せず)では、真空アクティベータおよび穿刺アクティベータは、真空および穿刺要素を同時に、または順次アクティベートするために使用され得る、単一の構成要素としてともに統合されることができる。
【0160】
いくつかの実施形態では、真空アクティベータが、最初にアクティベートされ、穿刺アクティベータが続くことができる。言い換えると、真空圧力は、穿刺要素のアクティベーションに先立ってアクティベートされることができる。ある実施形態では、穿刺アクティベータは、真空アクティベータおよび真空がアクティベートされた後にのみアクティベートされることができる。例えば、穿刺アクティベータは、最初に、係止状態であり得、真空のアクティベーションに先立って、1つまたはそれより多くの穿刺要素をアクティベートすることができない。穿刺アクティベータは、真空アクティベータがアクティベートされた後にのみ係止解除されることができる。上記の効果は、穿刺アクティベータを真空アクティベータに結合する係止機構を提供することによって達成されることができる。係止機構は、穿刺アクティベータが、最初に係止状態であるように構成されることができる。真空アクティベータは、穿刺アクティベータを係止解除するための鍵として機能することができ、穿刺アクティベータは、真空アクティベータがアクティベートされるときに同時に係止解除されることができる。
【0161】
いくつかの実施形態では、穿刺アクティベータは、皮膚が窪みの中に引き込まれた後、1つまたはそれより多くの穿刺要素をアクティベートするように構成されることができる。穿刺アクティベータは、皮膚が所定の時間長の間、真空によって窪みの中に引き込まれた後、1つまたはそれより多くの穿刺要素をアクティベートするように構成されることができる。所定の時間長は、例えば、少なくとも約1秒、5秒、10秒、20秒、30秒、40秒、50秒、60秒、またはそれを上回るものであり得る。所定の時間長は、最大で約60秒、50秒、40秒、30秒、20秒、10秒、5秒、1秒、またはそれ未満であり得る。
【0162】
本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、真空アクティベーションは、半自動的または全自動的であり得る。いくつかの実施形態では、本デバイスは、手動真空アクティベーションを要求する必要はない。例えば、本デバイスは、本デバイスが表面上に(例えば、対象の皮膚上に)設置されている、または本デバイスの窪みが表面を覆って適切に設置されていると感知もしくは検出することに応じて、真空を自動的に適用するように構成されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、穿刺要素のアクティベーションは、半自動的または全自動的であり得る。例えば、穿刺要素は、表面が本デバイスの窪みの中に引き込まれている、および/または表面が窪みの開口部(例えば、140)に近接していると感知もしくは検出することに応じて、表面(例えば、対象の皮膚)を貫通するように自動的にアクティベートされることができる。上記の感知または検出(真空アクティベーションならびに/もしくは穿刺アクティベーションに関する)は、任意の種々または数のセンサを使用して可能にされることができる。センサは、本デバイスとともに含まれる(例えば、本デバイスにオンボードである)、または本デバイスから遠隔であり得る。本明細書の実施形態のうちのいずれかと併用され得るセンサの非限定的実施例は、近接センサ、触覚センサ、音響センサ、運動センサ、圧力センサ、干渉センサ、慣性センサ、熱センサ、画像センサ、および同等物を含む。ある場合には、真空アクティベーションおよび/または穿刺アクティベーションが、半自動的もしくは全自動的であるように構成される場合、穿刺アクティベータおよび/または穿刺アクティベータのためのボタンは、本デバイスに含まれる(またはそれから省略される)ことができる。いくつかの実施形態では、本デバイスは、(例えば、カートリッジアセンブリから本デバイスに向かう真空通気を介して)本デバイスの中へのカートリッジアセンブリの完全な配設(例えば、挿入)に応じて、真空を自動的に適用するように構成されることができる。
【0163】
E.サンプルチャンバ
【0164】
前述で説明されるように、サンプル取得デバイス(例えば、本デバイスのカートリッジチャンバ)は、サンプルチャンバを受け取るように構成されることができる。サンプルチャンバは、サンプル取得デバイスに動作可能に結合され、対象のサンプルの少なくとも一部を受け取る、貯留する、および/または処置するように構成される、本体であり得る。サンプルチャンバは、本明細書に開示されるように、1つまたはそれより多くのタイプのサンプル取得デバイスと併用されることができる。例えば、サンプルチャンバは、図1Aに示されるようなサンプル取得デバイス100および図8Aのモジュール式サンプル取得デバイス900bと交換可能に使用されることができる。ある場合には、サンプルチャンバは、対象の液体サンプル(例えば、液体血液)を採取するための容器(例えば、管)であり得る。ある場合には、サンプルチャンバは、他のタイプまたは形式の対象のサンプル(例えば、血漿または血清)を採取するための1つまたはそれより多くのカートリッジを備えることができる。いくつかの実施例では、サンプルチャンバは、カートリッジを備えるカートリッジアセンブリであり得る。カートリッジは、サンプル採取および/または貯留のための1つまたはそれより多くのマトリクス(例えば、1つまたはそれより多くの固体マトリクス)を備えることができる。いくつかの実施形態では、サンプルチャンバは、その上で流体サンプル(例えば、血液)を貯留および/または処置するための1つまたはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される、カートリッジアセンブリと、カートリッジを支持するためのカートリッジホルダとを備えることができる。カートリッジホルダは、例えば、ばねクリップを使用して、カートリッジまたはカートリッジアセンブリ内の他の構成要素に解放可能に結合されることができる。カートリッジアセンブリは、対象から血液を採取するために使用されるデバイス100に解放可能に結合するように構成されることができる。カートリッジホルダは、カートリッジチャンバの遠位端に解放可能に結合されるように構成される、カートリッジタブを含むことができる。カートリッジタブは、ユーザ(例えば、対象)が、(1)カートリッジタブを保持することによってカートリッジアセンブリを支持する、(2)カートリッジタブを押し込むことによって本デバイスにカートリッジアセンブリを結合する、および/または(3)カートリッジタブを引動することによって本デバイスからカートリッジアセンブリを結合解除することが可能であるように設計されることができる。代替実施形態では、カートリッジホルダは、カートリッジアセンブリの一部であり得、例えば、カートリッジホルダは、カートリッジアセンブリの恒久的部分であり得、したがって、カートリッジアセンブリに解放可能に結合されない場合がある、またはその必要はない。
【0165】
サンプルチャンバは、対象からの血液の採取に先立って、カートリッジチャンバに結合され、対象からの血液がサンプルチャンバの少なくとも一部の中に採取された後、カートリッジチャンバから結合解除されることができる。いくつかの実施形態では、サンプルチャンバは、採取された血液サンプルを採取する、貯留する、ならびに/もしくは安定化するための1つまたはそれより多くのマトリクスを含むことができる。マトリクスは、ストリップ形態において(ストリップとして)提供されることができる。本明細書に使用されるようなストリップは、一般的に使用される容器(例えば、3ml BDバキュテナ、ディープウェルプレート、または2mlエッペンチューブ)の中に依然として嵌合しながら、血液採取体積を最大限にするようにサイズ決めおよび/または成形される固体マトリクスを指し得る。本明細書に使用されるようなマトリクスは、同義的に本明細書ではマトリクスストリップ、ストリップ、固体マトリクス、固体マトリクスストリップ、および同等物と称され得る。
【0166】
いくつかの実施形態では、本明細書のマトリクスはまた、血液の側方輸送/流動を可能にすることができる。マトリクスの非限定的実施例は、吸収性紙ストリップ(例えば、セルロース繊維または100%純綿リンターフィルタ紙)、もしくはニトロセルロース、フッ化ポリビニリデン、ナイロン、Fusion 5、またはポリエーテルスルホン等の膜ポリマーを含むことができる。いくつかの実施形態では、マトリクスは、セルロース繊維ベースの紙(例えば、Whatman 903またはAhlstrom 226紙)、サンプルもしくはサンプルの1またはそれより多くの成分を安定化するための化学物質もしくは試薬を用いて処置された紙(例えば、RNA安定化マトリクスまたはタンパク質安定化マトリクス)を備えることができる。いくつかの実施形態では、マトリクスは、セルロースフィルタ紙を備える。任意の好適な商業的に取得可能なフィルタ紙が、使用されることができる。商業的に取得可能なフィルタ紙の実施例は、限定ではないが、ガラス繊維フィルタ材料、903サンプル採取カードおよび高速通過分析(FTA)カード等のWhatmanからのフィルタ紙を含む。いくつかの実施形態では、マトリクスは、ニトロセルロースフィルタ紙を備えることができる。いくつかの実施形態では、マトリクスは、いかなるフィルタ紙も備えない、または備える必要はない。
【0167】
流体サンプルの採取は、マトリクスと関連付けられる自然なウィッキングまたは毛細管作用によって支援されることができ、これは、マトリクス上への流体サンプルの吸収または採取を強化し、加速させることができる。ある場合には、マトリクスは、流体サンプルと接触されると、流体サンプルがマトリクスをわたって側方に輸送されるように、複数の毛細管床を備える材料から成ることができる。流体サンプル液は、例えば、ウィッキングまたは毛管現象によって、マトリクスの近位端から遠位端まで流路に沿って流動することができる。
【0168】
サンプルチャンバは、異なる個々の人物に関するサンプルチャンバへの血流の様々な入力体積にかかわらず、個々の人物毎に所定の体積の血液を(例えば、サンプル容器の中に、サンプルチャンバのカートリッジの中に等)採取するために有利であり得る、自己計量能力を備えることができる。毛細血管圧および血流が、多くの場合、(例えば、年齢、性別、健康状態等に起因して)個人毎に変動し得るため、サンプルチャンバの中への入力血液体積の変動が、生じ得る。代替として、または加えて、サンプルチャンバの中への入力血液体積は、オペレータの取扱(例えば、サンプルチャンバがサンプル取得デバイスに結合される速度または程度)もしくは(1)サンプルチャンバの中へのサンプル採取の完了と(2)サンプル取得デバイスからのサンプルチャンバまたはその少なくとも一部の除去との間にかかる時間に起因して変動し得る。いくつかの実施例では、サンプルチャンバは、マトリクスストリップを備えるカートリッジアセンブリであり得、カートリッジアセンブリの設計は、マトリクスストリップが、カートリッジに進入する血液の体積から独立して(所定の範囲内で、または所定の範囲まで)標的血液体積を一貫して含有することを確実にすることができる。カートリッジアセンブリは、過剰なサンプル(例えば、過剰な血液)を吸収し、計量能力を可能にするように構成される1つまたはそれより多くの吸収性パッドをさらに備えることができる。
【0169】
本明細書に説明されるサンプルチャンバは、対象からのサンプル(例えば、血液)の採取のために使用されることができる。サンプルチャンバは、サンプルの処置、安定化、および/または貯留のためにさらに構成されることができる。ある場合には、サンプルチャンバは、サンプルを(例えば、液体形態、固体形態、半固体形態等において)貯留し、続いて、サンプルを処置する、および/または安定化することができる。そのような処置は、自動的である、またはユーザによってトリガされることができる。ある場合には、サンプルチャンバは、サンプルを貯留する前にサンプルを処置する、および/または安定化するように構成されることができる。そのような場合では、サンプルチャンバは、(1)対象のサンプルが(例えば、本明細書に開示されるサンプル取得デバイスから)サンプルチャンバの中に採取されている間に、および/または(2)対象のサンプルがサンプルチャンバの中に採取された後に、サンプルを処置する、ならびに/もしくは安定化するように構成されることができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリは、含有ユニットと、処置/安定化ユニットとを備えることができる。含有ユニットは、サンプルの処置および/または安定化に先立って、サンプルを保持するように構成されることができる。処置/安定化ユニット(例えば、1つまたはそれより多くの血液分離膜、サンプル採取媒体等)は、含有ユニットまたはサンプル取得デバイスから方向付けられる、もしくは提供されるサンプルを処置する、および/または安定化するように構成されることができる。サンプルチャンバは、処置/安定化ユニットによるサンプルの処置および/または安定化の最終生成物を貯留するための貯留ユニット(例えば、容器、器、コンパートメント等)をさらに備えることができる。他の実施例では、治療/安定化ユニットは、最終生成物を貯留するように構成されることができ、カートリッジアセンブリは、別個の貯留ユニットを備えない場合があり、その必要はない。異なる実施例では、サンプルチャンバ自体が、貯留ユニットであり得る。サンプルチャンバの内面が、サンプルの処置/安定化のための活性分子を備えることができる。代替として、サンプルチャンバの内側の採取されたサンプルは、貯留の間に処置および/または安定化されない場合があり、その必要はない。
【0170】
本明細書に開示されるサンプルチャンバは、モジュール式であり得る。例えば、サンプルチャンバは、モジュール式であるカートリッジアセンブリであり得る。カートリッジアセンブリは、筐体ユニット、サンプル取得デバイスに結合するように構成される接続ユニット、含有ユニット、処置/安定化ユニット、貯留ユニット、および/または取っ手(例えば、ユーザによるカートリッジアセンブリの取扱のため)等の複数のモジュール(もしくはサブアセンブリ)を備えることができる。カートリッジアセンブリの個々のユニットまたはモジュールは、交換可能もしくは取替可能ユニットであり得る。ある場合には、カートリッジアセンブリの単回使用後、カートリッジアセンブリの個々のユニットは、新しいユニットと交換されることができる一方、カートリッジアセンブリの1つまたはそれより多くの他のユニットは、再使用可能であり得る。カートリッジアセンブリの1つまたはそれより多くのユニットは、カートリッジアセンブリの少なくとも1回、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれより多くの使用回数、再使用可能であり得る。非モジュール式カートリッジアセンブリ(例えば、複数の構成要素に容易に分解されることができないもの)と比較して、モジュール式カートリッジアセンブリは、容易な部分的交換、部分的保守または修理、部分的アップグレード、清掃、製造または包装の低減された費用等の1つまたはそれより多くの利益を備えることができる。モジュール式カートリッジアセンブリは、単回使用のみのために構成されることができる。他の実施形態では、カートリッジアセンブリは、モジュール式ではない場合があり、その必要はない。ある実施例では、カートリッジアセンブリは、単回使用のみのために構成されることができ、いかなる部分的交換または清掃も必要としない場合がある。
【0171】
サンプルチャンバは、採取されたサンプルからの1つまたはそれより多くの成分の分離を実施するように構成されることができる。血液分離を実施するための多くの方法が、存在することができ、そのうちのいくつかは、サイズ、変形性、形状、またはそれらの任意の組み合わせを使用する。分離は、1つまたはそれより多くの膜、チャンバ、フィルタ、ポリマー、もしくは他の材料を通して行われることができる。本デバイスの膜、基板、フィルタ、または他の構成要素は、選択的に成分を安定化する、サンプルの流動を促進する、サンプルを乾燥させる、またはそれらの任意の組み合わせを行うために、化学的に処置されることができる。代替分離機構は、液液抽出、固液抽出、および標的または非標的要素の選択的沈殿、電荷分離、結合親和性、もしくはそれらの任意の組み合わせを含むことができる。分離段階は、1つまたはそれより多くのステップを備え、各ステップは、サンプルを分離するための異なる機構に依拠することができる。1つのそのような機構は、より小さいものからより大きい成分を分離するために、サイズ、形状、または変形を利用することができる。細胞分離は、例えば、サンプルの成分を分離するために1つまたはそれより多くのフィルタもしくは他のサイズ排除方法を利用し得る、ソータを通して行われることができる。分離はまた、選択的結合を通して行われることができ、具体的成分が、結合していない溶離液が代替チャンバの中に、またはそれを通して移動する間、結合事象によって分離される。
【0172】
本明細書に開示されるデバイス、システム、方法、またはキットのうちのいくつかでは、単一の膜、基板、またはフィルタが、バルクサンプルからの1つまたはそれより多くのサンプル成分の分離および採取のために使用されることができる。単一の膜、基板、またはフィルタ方法は、サンプルが膜、基板、またはフィルタの一方の端部に適用され得るデバイスを備えることができる。サンプルが、膜、基板、またはフィルタを通して流動する際、サンプルの第1の成分、例えば、細胞が、膜、基板、またはフィルタ細孔のサイズに基づいて、サンプルの第2の成分、例えば、血漿から分離されることができる。本デバイスの動作後、サンプルの第1の成分、本実施例では、細胞を含有する膜、基板、またはフィルタは、サンプルの第2の成分、本実施例では、血漿を含有する部分から切断されることができ、膜、基板、またはフィルタを切断する付加的ステップを必要とする。別の方法では、2つの別個の膜、基板、またはフィルタ、例えば、一方の成分、例えば、血球の分離のための第1の膜、基板、またはフィルタ、および他方の成分、例えば、血漿の採取のための第2の膜、基板、またはフィルタが、サンプル成分の分離および採取のために使用されることができる。膜、基板、またはフィルタは、第1の膜、基板、またはフィルタの遠位端が、第2の膜の近位端に接触し、第1の膜、基板、またはフィルタを介した大きい成分、例えば、細胞の分離および第2の膜、基板、またはフィルタを介した第2のより小さい成分、例えば、血漿の採取を促進するように配列されることができる。
【0173】
1.血液分離
【0174】
本開示のある側面は、対象からのサンプル(例えば、血液)の処置のためのサンプルチャンバを提供する。そのような処置は、本明細書に開示されるように、残りの採取された血液からの採取された血液の少なくとも一部の分離を含むことができる。いくつかの実施形態では、サンプルチャンバは、カートリッジ(例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くのカートリッジ)を備えるカートリッジアセンブリであり得る。いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、血液の1つまたはそれより多くの成分を分離(例えば、単離または濾過)するように構成されることができる。血液成分は、血漿、血清、細胞(例えば、白血球(白血球細胞)および/または赤血球(赤血球細胞))、ポリペプチド分子(例えば、成長因子等のタンパク質)、ポリヌクレオチド分子(例えば、DNA、RNA、無細胞DNA(cfDNA)、無細胞RNA(cfRNA)等)、イオン、ならびに/もしくは小分子(例えば、栄養物)を備えることができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリは、細胞、血漿、血清、血小板、具体的細胞タイプ、DNA(例えば、腫瘍cfDNA)、RNA、タンパク質、無機物、薬物、または任意の他の成分を含む、任意の数のサンプル成分を選択的に分離するように構成されることができる。
【0175】
カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイスに結合するように構成されるカートリッジポート(すなわち、入口ポート)を備えることができる。本明細書に開示されるサンプル取得デバイス(例えば、図1に図示されるようなデバイス100)のうちのいずれか等のサンプル取得デバイスは、対象から血液を回収するように構成されることができる。カートリッジアセンブリは、少なくとも1つの血液分離膜を支持するように構成される、スロット(例えば、ポケット)をさらに備えることができる。少なくとも1つの血液分離膜は、血液から血漿または血清を分離するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジポートは、経路を備えることができ、経路は、血液がサンプル取得デバイスから、経路を通して、少なくとも1つの血液分離膜に向かって流動するように血液を方向付けるように構成される。
【0176】
いくつかの実施形態では、少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、カートリッジポートを通した血液の流動の方向と異なり得る。いくつかの実施例では、カートリッジポートを通した血液の流動の方向は、カートリッジアセンブリの長手方向軸に実質的に平行であり得、少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、カートリッジアセンブリの長手方向軸と異なり得る。少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、カートリッジアセンブリの長手方向軸としてサンプル平面上にない場合がある。少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、カートリッジポートを通した血液の流動の方向によって少なくとも約5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、175度、またはそれを上回るものだけオフセットされることができる。少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、カートリッジポートを通した血液の流動の方向によって最大で約170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、またはそれ未満だけオフセットされることができる。好ましい実施例では、少なくとも1つの血液分離膜を通した血液の流動の方向は、カートリッジポートを通した血液の流動の方向に実質的に直交し得る。
【0177】
ある場合には、経路は、血液が第1の方向において、サンプル取得デバイスから、経路を通して、経路の近位端の中に流動し、第1の方向と異なる第2の方向において、経路の遠位端から、少なくとも1つの血液分離膜に向かって(例えば、その上に)退出するように血液を方向付けるように構成されることができる。いくつかの実施例では、経路の近位端は、本明細書に開示されるサンプル取得デバイスのうちのいずれかにおいて窪み開口部から血液を受け取るように構成されることができる。
【0178】
血液分離膜は、液体、半液体、固体、半固体、ゲル、ペースト、スラリー、粉末、ガス、またはそれらの混合物であり得る。血液分離膜の構造は、固体、多孔性、対称、非対称、またはそれらの混合物であり得る。種々の膜および繊維状要素、例えば、高分子膜および高分子繊維状要素が、血液分離膜としての使用のために好適であり得る。好適なポリマーの実施例は、限定ではないが、ポリオレフィン、ポリエステル、ポリアミド、ポリスルホン、アクリル、ポリアクリロニトリル、ポリアラミド、ポリアリーレンオキシドおよびスルフィド、ならびにハロゲン化オレフィンおよび不飽和ニトリルから作製されるポリマーならびにコポリマーを含むことができる。例えば、二フッ化ポリビニリデン(PVDF)、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、または任意のナイロン、例えば、ナイロン6、11、46、66、および610が、血液分離膜の一部として使用されることができる。血液分離膜のための他の好適な材料は、酢酸セルロース、プロピオン酸セルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酸酪酸セルロース、および酪酸セルロース等のセルロース誘導体を含むことができる。例えば、ホウケイ酸ガラス繊維を含むガラス繊維等の非樹脂材料もまた、使用されることができる。
【0179】
ある場合には、カートリッジアセンブリは、1つまたはそれより多くの異なるタイプのカートリッジポートを備えることができる。異なるタイプのカートリッジポートが、異なるタイプのサンプル取得デバイスと適合するように構成またはカスタマイズされることができる。異なるタイプのカートリッジポートが、カートリッジアセンブリによる血液採取(例えば、速度、体積等)を制御または改変するように構成されることができる。
【0180】
図3Aは、いくつかの実施形態による、例示的カートリッジアセンブリ300の斜視図を図示する。カートリッジアセンブリ300は、少なくとも1つの血液分離膜を備える処置/安定化ユニット320を封入する、カートリッジ310を備えることができる。ある場合には、カートリッジは、処置/安定化ユニット全体を封入する(例えば、完全にシールする)ことができる。他の実施例では、カートリッジは、処置/安定化ユニットを部分的に被覆することができる。カートリッジは、治療/安定化ユニットの外面と直接接触することができる。代替として、カートリッジは、間隔またはスペーサによって(例えば、空気、ガス、流体、または他の固体もしくは半固体材料を介して)処置/安定化ユニットの外面から分離されることができる。カートリッジに対する処置/安定化ユニットの位置は、固着(例えば、不動化)されることができる。代替として、カートリッジに対する処置/安定化ユニットの位置は、例えば、処置/安定化ユニットの中への血液の流動を制御するために、または分離プロセスに先立って、その間に、ならびに/もしくはそれに続けて、カートリッジアセンブリ内の別の場所に処置/安定化ユニットを移動させるために、移動可能であり得る。
【0181】
図3Bは、カートリッジ310を備えるカートリッジアセンブリ300の側面断面図を図示する。カートリッジ310は、サンプル取得デバイスに結合するように構成され得る、カートリッジポート330を備えることができる。種々の結合機構が、カートリッジポートをサンプル取得デバイスに結合するために利用されることができる。結合機構の実施例は、限定ではないが、オス-メス締結具(例えば、接合または相互係止締結具、フックおよび孔、Velcro(登録商標)等のフックおよびループ、オス型ボルト上に螺着されるメス型ナット、メス型凹部の中に挿入されるオス型突出部、配管におけるメス型ねじ山付きエルボの中に嵌合されるオス型ねじ山付きパイプ、メス型USBソケットの中に挿入されるオス型ユニバーサルシリアルバス(USB)プラグ等)、テザー(例えば、ストリングテザー)、接着剤(例えば、固体、半固体、ゲル、粘性液体等)、磁石(例えば、電磁石または永久磁石)、ならびに他の握持機構(例えば、1つまたはそれより多くのロボットアーム)を含むことができる。ある実施例では、結合は、入口ポートとサンプル取得デバイスとの間の電場を使用して実施されることができる。別の実施例では、カートリッジポートは、サンプル取得デバイスと結合(または接合)するためのルアータイプ継手(例えば、図3Bに図示されるような)を含むことができる。継手のメス型部分は、血液入口溝の一部を閉鎖し、これがスタックに近づくまで血液の流動を封じ込めることに役立つことができる。結合機構は、いったん対象からのサンプルの採取が完了されると、カートリッジがサンプル取得デバイスから除去され得るように、可逆的であり得る。結合機構は、例えば、採取および/または分離プロセスの間にサンプルの漏出を防止するために、漏出のないものであり得る。
【0182】
いくつかの実施形態では、図3Bおよび3Cに図示されるように、カートリッジ310のカートリッジポート330は、経路340を備えることができ、経路340は、血液が第1の方向において、サンプル取得デバイスから、経路を通して、(矢印342によって示されるような)経路の近位端の中に流動し、経路の遠位端から、第1の方向と異なる(矢印344によって示されるような)第2の方向において処置/安定化ユニット320の一部(例えば、角、縁、側、または表面)の上へと退出するように血液を方向付けるように構成され得る。経路は、1つまたはそれより多くの入口溝(もしくはチャネル)を備えることができる。ある場合には、経路は、血液の流動を方向付けるための単一の溝を備えることができる。他の実施例では、経路は、複数の溝、例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの溝を備えることができる。複数の溝は、1つまたはそれより多くの合流点において相互と流体連通することができる。代替として、複数の溝は、相互と流体連通しない場合ある、またはその必要はない。複数の溝の遠位端は、処置/安定化ユニットの同一の部分に方向付けられることができる。代替として、複数の溝の遠位端は、例えば、血液への処置/安定化ユニットの露出を強化するために、処置/安定化ユニットの異なる部分に方向付けられることができる。複数の溝の遠位端は、血液が同一の方向へと退出することを可能にすることができる。複数の溝の遠位端は、血液が異なる方向へと退出することを可能にすることができる。
【0183】
ある場合には、第1の方向(例えば、矢印342)とカートリッジの長手方向軸(例えば、図3Bの矢印346によって示されるような)との間の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。第1の方向と長手方向軸との間の角度は、少なくとも0度、1度、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、175度、またはそれを上回るものを上回り得る。第1の方向と長手方向軸との間の角度は、最大で180度、170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、1度、またはそれ未満を下回り得る。
【0184】
ある場合には、第2の方向(例えば、矢印344)とカートリッジの長手方向軸(例えば、矢印346)との間の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。第2の方向と長手方向軸との間の角度は、少なくとも0度、1度、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、175度、またはそれを上回るものを上回り得る。第2の方向と長手方向軸との間の角度は、最大で180度、170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、1度、またはそれ未満を下回り得る。
【0185】
ある場合には、第1の方向(例えば、矢印342)と第2の方向(例えば、矢印344)との間の交差の角度は、0度より大きく、180度未満である。第1の方向と第2の方向との間の交差の角度は、少なくとも0度、1度、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、175度、またはそれを上回るものを上回り得る。第1の方向と第2の方向との間の交差の角度は、最大で180度、170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、1度、またはそれ未満を下回り得る。
【0186】
経路は、近位端および遠位端が、異なる方向に向けられる、または異なる方向を向くように、少なくとも1つの曲がり角を備えることができる。いくつかの実施例では、経路は、近位端と遠位端との間に1つまたはそれより多くの屈曲した、湾曲した、もしくは角度の付いた部分を含むことができる。曲がり角内の経路内の角度の変化は、急激または漸進的であり得る。経路は、近位端および遠位端が同一の方向に向けられるように、複数の曲がり角を備えることができる。
【0187】
本明細書に開示される任意の主題のカートリッジアセンブリに関して、経路(例えば、図3Bに示されるような経路340)の表面は、保護剤を用いてコーティングされることができる。保護剤は、これが処置/安定化ユニットに輸送されている間、血液の完全性または品質を維持することに役立つことができる。いくつかの実施形態では、保護剤は、血液の凝固を防止することができる。保護剤は、限定ではないが、未分画ヘパリン(「UFH」)、低分子量ヘパリン(「LMWH」)、フォンダパリヌクス、および他のアンチトロンビン結合抗凝固薬、直接的第Xa因子および第IIa因子阻害剤、ダビガトランまたはPRADAXA、アルガトロバンまたはARGATROBAN、リバーロキサバンまたはXARELTO、アピキサバンまたはELIQUIS、エドキサバンまたはLIXIANA、フォンダパリヌクスまたはARIXTRA等の抗凝固薬を備えることができる。ある場合には、保護剤は、EDTAを備えることができる。いくつかの実施形態では、経路の表面は、いかなる血液凝固活性剤もない場合がある。例えば、これは、処置/安定化ユニットが非凝固血液から血漿を分離するために使用されるときに有用であり得る。他の実施例では、処置/安定化ユニットは、凝固血液から血清を分離するように構成されることができ、そのような場合では、血液の凝固は、血液が経路の遠位端から、処置/安定化ユニットに向かって退出した後に開始されることができる。代替実施形態では、経路の表面の少なくとも一部は、限定ではないが、トロンビン活性剤、フィブリノゲン活性剤、金属塩(例えば、塩化カルシウム、グルコン酸カルシウム)等の血液凝固活性剤を用いてコーティングされることができる。いくつかの実施例では、経路の遠位端は、血液が処置/安定化ユニットに到達する際、採取された血液の凝固を開始するための血液凝固活性剤を含むことができる。
【0188】
本明細書に開示される任意の主題のカートリッジアセンブリに関して、経路の表面は、表面への血液(もしくはその1つまたはそれより多くの成分)の接着を防止するように構成される、粘着防止剤を用いてコーティングされることができる。ある場合には、粘着防止剤は、ポリマー、例えば、フルオロポリマーであり得る。フルオロポリマーの実施例は、限定ではないが、フッ化ポリビニリデン(PVDF)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(ECTFE)、エチレンテトラフルオロエチレン(ETFE)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、パーフルオロアルコキシ(PFA)、および変性フルオロアルコキシ(MFAとしても公知である、テトラフルオロエチレンおよびパーフルオロメチルビニルエーテルのコポリマー)を含むことができる。
【0189】
本明細書に開示される任意の主題のカートリッジアセンブリに関して、サンプルチャンバの表面の少なくとも一部は、採取された血液内の具体的標的分子に結合するように構成される結合部分を用いてコーティングされることができる。例えば、結合部分は、結合部分が、採取された血液の少なくとも一部と接触し得るように、本明細書に開示されるような処置/安定化ユニット(例えば、1つまたはそれより多くの血液分離膜、サンプル採取媒体等)に結合(例えば、コーティング)されることができる。結合部分の実施例は、限定ではないが、小分子、脂質、ポリペプチド(例えば、抗体、その断片、またはその機能的変異体等のペプチドもしくはタンパク質)、ポリヌクレオチド(例えば、リボ核酸、デオキシリボ核酸、ペプチド核酸等)、細胞またはその断片、その変異体、およびそれらの組み合わせを含むことができる。例えば、結合部分は、採取された血液中の具体的標的分子(すなわち、抗原)に結合するように構成される、抗体またはその機能的変異体であり得る。そのような抗原の非限定的実施例は、小分子またはポリペプチド(例えば、タンパク質もしくはその断片)を含むことができる。小分子は、例えば、対象の身体内の薬物の持続性または半減期を判定するための薬物であり得る。ポリペプチドは、例えば、対象における標的タンパク質の発現を調整(例えば、アップレギュレート、維持、またはダウンレギュレート)する際の薬物療法の効能を判定するために、対象に投与される薬物によって調整される標的タンパク質またはその断片であり得る。結合部分は、対象の具体的細胞タイプ、疾患、または条件(例えば、妊娠、腫瘍、癌等)の存在を識別もしくは判定する際に有用であり得る。ある場合には、結合部分は、初期結合部分によって結合される標的分子の定性的および/または定量的測定を可能にするために、(例えば、着色ならびに/もしくは磁性粒子(例えば、ナノ粒子またはマイクロ粒子)もしくは蛍光体を用いて)標識化されることができる。例えば、そのような標識の磁気、蛍光、および/または移動(例えば、振動)の変化が、初期結合部分によって結合される標的分子のインジケーションとして測定されることができる。初期結合部分と異なる付加的結合部分(サンプルチャンバの一部に結合される)が、初期結合部分によって結合される標的分子の量の分析のために適用されることができる。いくつかの実施例では、サンドイッチ酵素結合免疫吸着測定法(ELISA)と同様に、付加的結合部分は、初期結合部分と異なる標的分子の領域に結合する抗体であり得る。付加的結合部分は、初期結合部分によって結合される標的分子の定性的および/または定量的測定を可能にするために、(例えば、着色ならびに/もしくは磁性粒子(例えば、ナノ粒子またはマイクロ粒子)もしくは蛍光体を用いて)標識化されることができる。
【0190】
本明細書に使用されるような用語「抗体」は、免疫グロブリン様機能を伴うタンパク質性結合分子を指す。抗体という用語は、抗体(例えば、モノクローナルおよびポリクローナル抗体)、ならびにその誘導体、変異体、および断片を含む。抗体は、異なるクラス(すなわち、IgA、IgG、IgM、IgD、およびIgE)ならびにサブクラス(IgG1、IgG2等)の免疫グロブリン(Ig)を含むことができる。その誘導体、変異体、または断片は、対応する抗体の結合特異性(例えば、完全および/または部分的)を留保する機能的誘導体もしくは断片を指し得る。抗原結合断片は、Fab、Fab ’、F(ab’)2、可変断片(Fv)、単鎖可変断片(scFv)、ミニボディ、二重特異性抗体、および単一ドメイン抗体(「sdAb」または「ナノボディ」もしくは「カメリド」)を含む。抗体という用語は、最適化、工学設計、または化学的に共役された抗体および抗体の抗原結合断片を含む。最適化された抗体の実施例は、親和性成熟抗体を含む。工学設計された抗体の実施例は、Fc最適化抗体(例えば、断片結晶化可能領域において最適化された抗体)および多特異性抗体(例えば、二重特異性抗体)を含む。ある場合には、抗体は、ヒト化抗体であり得る。
【0191】
結合部分によって識別され得る細胞の実施例は、限定ではないが、B細胞、T細胞(細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、調節性T細胞、ヘルパーT細胞)、ナチュラルキラー細胞、サイトカイン誘発キラー(CIK)細胞等のリンパ系細胞、顆粒球(好塩基性顆粒球、好酸性顆粒球、好中性顆粒球/過分葉好中球)、単球/マクロファージ、赤血球細胞(網状赤血球)、肥満細胞、血小板/巨核球、樹状細胞等の骨髄系細胞、甲状腺(甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞)、副甲状腺(上皮小体主細胞、好酸性細胞)、副腎(クロマフィン細胞)、松果腺(松果体)細胞を含む、内分泌系からの細胞、グリア細胞(アストロサイト、ミクログリア)、巨大細胞神経分泌細胞、星状細胞、ベッチェル細胞、および下垂体(性腺刺激ホルモン分泌細胞、副腎皮質刺激ホルモン分泌細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、成長ホルモン産生細胞、乳腺刺激ホルモン分泌細胞)を含む、神経系の細胞、肺細胞(I型肺胞細胞、II型肺胞細胞)、クララ細胞、ゴブレット細胞、ダスト細胞を含む、呼吸器系の細胞、心筋細胞、周皮細胞を含む、循環器系の細胞、胃(胃主細胞、壁細胞)、ゴブレット細胞、パネート細胞、G細胞、D細胞、ECL細胞、I細胞、K細胞、S細胞を含む、消化器系の細胞、腸クロム親和性細胞、APUD細胞、肝臓(肝細胞、クッパー細胞)、軟骨/骨/筋肉を含む、腸内分泌細胞、骨芽細胞、骨細胞、破骨細胞、歯(セメント芽細胞、エナメル芽細胞)を含む、骨細胞、軟骨芽細胞、軟骨細胞を含む、軟骨細胞、糸胞、ケラチノサイト、メラノサイト(母斑細胞)を含む、皮膚細胞、ミオサイトを含む、筋肉細胞、有足細胞、傍糸球体細胞、糸球体内メサンギウム細胞/糸球体外メサンギウム細胞、腎臓近位細管刷子縁細胞、緻密斑細胞を含む、泌尿器系細胞、精子、セルトリ細胞、ライディッヒ細胞、卵子を含む、生殖器系細胞、ならびに脂肪細胞、線維芽細胞、腱細胞、表皮角化細胞(分化表皮細胞)、表皮基底細胞(幹細胞)、手の爪および足の爪の角化細胞、爪床基底細胞(幹細胞)、髄質毛幹細胞、皮質毛幹細胞、角質毛幹細胞、角質毛根鞘細胞、ハクスリ層の毛根鞘細胞、ヘンレ層の毛根鞘細胞、外毛根鞘細胞、毛母細胞(幹細胞)、湿潤層状バリア上皮細胞、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道、および膣の層状扁平上皮の表面上皮細胞、角膜、舌、口腔、食道、肛門管、遠位尿道、および膣の上皮の基底細胞(幹細胞)、泌尿器上皮細胞(膀胱および尿管を覆う)、外分泌上皮細胞、唾液腺粘膜細胞(多糖に富む分泌)、唾液腺漿液細胞(糖タンパク質酵素に富む分泌)、舌のフォンエブネル腺細胞(味蕾を洗浄する)、乳腺細胞(泌乳)、涙腺細胞(涙液分泌)、耳の角栓腺細胞(耳垢分泌)、エクリン汗腺暗細胞(糖タンパク質分泌)、エクリン汗腺明細胞(小分子分泌)、アポクリン汗腺細胞(臭気分泌、性ホルモン感受性)、瞼のモル腺細胞(特殊な汗腺)、皮脂腺細胞(脂質に富む皮脂分泌)、鼻のボーマン腺細胞(嗅上皮を洗浄する)、十二指腸のブルンナー腺細胞(酵素およびアルカリ粘液)、精嚢細胞(精子を泳がせるための果糖を含む精液成分を分泌する)、前立腺腺細胞(精液成分を分泌する)、尿道球腺細胞(粘液分泌)、バルトリン腺細胞(膣液分泌)、リットレ腺細胞(粘液分泌)、子宮内膜細胞(炭水化物分泌)、呼吸器および消化器の分離杯細胞(粘液分泌)、胃壁粘液細胞(粘液分泌)、胃腺酵素原細胞(ペプシノゲン分泌)、胃腺酸分泌細胞(塩酸分泌)、膵腺房細胞(重炭酸および消化酵素分泌)、小腸のパネート細胞(リゾチーム分泌)、肺のII型肺細胞(界面活性物質分泌)、肺のクララ細胞、ホルモン分泌細胞、下垂体前葉細胞、成長ホルモン産生細胞、甲状腺刺激ホルモン産生細胞、性腺刺激ホルモン分泌細胞、副腎皮質刺激ホルモン分泌細胞、下垂体中葉細胞、巨大細胞神経分泌細胞、消化管および呼吸器細胞、甲状腺細胞、甲状腺上皮細胞、傍濾胞細胞、副甲状腺細胞、上皮小体主細胞、好酸性細胞、副腎細胞、クロマフィン細胞、精巣のライディッヒ細胞、卵巣卵胞の内卵胞膜細胞、破裂卵巣卵胞の黄体細胞、顆粒膜黄体細胞、卵胞膜黄体細胞、傍糸球体細胞(レニン分泌)、腎臓の緻密斑細胞、代謝および貯留細胞、バリア機能細胞(肺、腸、外分泌腺、および尿生殖路)、腎臓、I型肺細胞(肺の気道を覆う)、膵管細胞(房心細胞)、非線状導管細胞(汗腺、唾液腺、乳腺等のもの)、導管細胞(精嚢、前立腺等のもの)、閉じた内部体腔を覆う上皮細胞、推進機能を伴う繊毛細胞、細胞外マトリクス分泌細胞、収縮細胞、骨格筋細胞、幹細胞、心筋細胞、血液および免疫系細胞、赤血球(赤血球細胞)、巨核球(血小板前駆体)、単球、結合組織マクロファージ(種々のタイプ)、表皮ランゲルハンス細胞、破骨細胞(骨内)、樹状細胞(リンパ組織内)、ミクログリア細胞(中枢神経系内)、好中性顆粒球、好酸性顆粒球、好塩基性顆粒球、肥満細胞、ヘルパーT細胞、サプレッサーT細胞、細胞傷害性T細胞、ナチュラルキラーT細胞、B細胞、ナチュラルキラー細胞、網状赤血球、血液および免疫系に関する幹細胞ならびに委任前駆細胞(種々のタイプ)、多能性幹細胞、全能性幹細胞、人工多能性幹細胞、成体幹細胞、感覚変換器細胞、自律神経細胞、感覚器および末梢神経支持細胞、中枢神経系神経細胞およびグリア細胞、水晶体細胞、色素細胞、メラノサイト、網膜色素上皮細胞、胚細胞、卵原細胞/卵母細胞、精子細胞、精母細胞、精原細胞(精母細胞の幹細胞)、精子、ナース細胞、卵胞細胞、セルトリ細胞(精巣内)、胸腺上皮細胞、間質細胞、間質腎細胞、および胎児細胞(例えば、妊娠の間の胎児の異常の検出のための胎児有核赤血球等の胎児血球)を含む、他の細胞を含むことができる。
【0192】
結合部分によって識別され得る細胞の付加的実施例は、限定ではないが、棘細胞腫、腺房細胞癌、聴神経腫瘍、末端黒子型黒色腫、先端汗腺腫、急性好酸球性白血病、急性リンパ芽球性白血病、急性巨核球性白血病、急性単球性白血病、急性骨髄芽球性成熟白血病、急性骨髄性樹状細胞白血病、急性骨髄性白血病、急性前骨髄球性白血病、アダマンチノーマ、腺癌、腺様嚢胞癌、アデノーマ、アデノマトイド歯原性腫瘍、副腎皮質癌、成人T細胞白血病、侵襲性NK細胞白血病、エイズ関連癌、エイズ関連リンパ腫、肺胞軟部肉腫、骨芽細胞性線維腫、肛門癌、未分化大細胞リンパ腫、未分化甲状腺癌、血管免疫芽球性T細胞リンパ腫、血管筋脂肪腫、血管肉腫、虫垂癌、星細胞腫、非定型奇形腫様/横紋筋肉腫様腫瘍、基底細胞癌、基底細胞様癌、B細胞白血病、B細胞リンパ腫、ベリニー管癌、胆道癌、膀胱癌、芽腫、骨癌、骨腫瘍、脳幹神経膠腫、脳腫瘍、乳癌、ブレナー腫瘍、気管支腫瘍、細気管支肺胞癌、褐色腫、バーキットリンパ腫、原発不明の癌、カルチノイド腫瘍、癌腫、上皮内癌、陰茎癌、原発不明の癌腫、癌肉腫、キャッスルマン病、中枢神経系胚芽腫、小脳星細胞腫、脳星細胞腫、子宮頸癌、胆管癌、軟骨腫、軟骨肉腫、脊索腫、絨毛癌、脈絡叢乳頭腫、慢性リンパ性白血病、慢性単球性白血病、慢性骨髄性白血病、慢性骨髄増殖性疾患、慢性好中球性白血病、明細胞腫瘍、大腸癌、結腸直腸癌、頭蓋咽頭腫、皮膚T細胞性リンパ腫、デゴス病、隆起性皮膚線維肉腫、類皮嚢胞、線維形成性小円形細胞腫瘍、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、異形成神経上皮腫瘍、胚性癌腫、内胚葉洞腫瘍、子宮内膜癌、子宮内膜子宮癌、子宮内膜腫瘍、腸疾患関連T細胞性リンパ腫、上衣芽腫、上衣腫、上皮性肉腫、赤白血病、食道癌、感覚神経芽腫、ユーイングファミリー腫瘍、ユーイングファミリー肉腫、ユーイング肉腫、頭蓋外胚細胞腫瘍、性腺外胚細胞腫瘍、肝外胆管癌、乳房外パジェット病、卵管癌、封入奇形胎児、線維腫、線維肉腫、濾胞性リンパ腫、濾胞性甲状腺癌、胆嚢癌、胆嚢癌、神経節膠腫、神経節神経腫、胃癌、胃リンパ腫、消化管癌、消化管カルチノイド腫瘍、消化管間質腫瘍、消化管間質腫瘍、胚細胞腫瘍、胚腫、妊娠性絨毛癌、妊娠性絨毛腫瘍、骨巨細胞腫、多形神経膠芽腫、膠腫、大脳神経膠腫症、グロムス腫瘍、グルカゴノーマ、性腺芽腫、顆粒膜細胞腫、毛様細胞白血病、毛様細胞白血病、頭頸部癌、頭頸部癌、心臓癌、血管芽腫、血管周皮腫、血管肉腫、血液悪性腫瘍、肝細胞癌、肝脾臓T細胞リンパ腫、遺伝性乳癌-卵巣癌症候群、ホジキンリンパ腫、ホジキンリンパ腫、下咽頭癌、視床下部グリオーマ、炎症性乳癌、眼内黒色腫、膵島細胞癌、膵島細胞腫瘍、若年性骨髄単球性白血病、カポジ肉腫、カポジ肉腫、腎臓癌、クラツキン腫瘍、クルーケンベルグ腫瘍、喉頭癌、喉頭癌、悪性黒子黒色腫、白血病、白血病、唇および口腔癌、脂肪肉腫、肺癌、黄体腫、リンパ管腫、リンパ肉腫、リンパ上皮腫、リンパ性白血病、リンパ腫、マクログロブリン血症、悪性線維性組織球腫、悪性線維性組織球腫、骨悪性線維性組織球腫、悪性神経膠腫、悪性中皮腫、悪性末梢神経鞘腫瘍、悪性ラブドイド腫瘍、悪性トリトン腫瘍、MALTリンパ腫、マントル細胞リンパ腫、肥満細胞白血病、縦隔胚細胞腫瘍、縦隔腫瘍、甲状腺髄様癌、髄芽腫、髄芽腫、髄上皮腫、メラノーマ、メラノーマ、髄膜腫、メルケル細胞癌、中皮腫、中皮腫、潜伏性原発性転移性頸部扁平上皮癌、転移性尿路上皮癌、混合ミュラー腫瘍、単球性白血病、口腔癌、ムチン質腫瘍、多発性内分泌腫瘍症候群、多発性骨髄腫、多発性骨髄腫、菌状息肉腫、菌状息肉腫、骨髄異形成疾患、骨髄異形成症候群、骨髄性白血病、骨髄肉腫、骨髄増殖性疾患、粘液腫、鼻腔癌、上咽頭癌、鼻咽頭癌、新生物、神経鞘腫、神経芽腫、神経芽腫、神経線維腫、神経腫、結節性黒色腫、非ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、非黒色腫皮膚癌、非小細胞肺癌、眼腫瘍、乏突起星細胞腫、乏突起膠腫、視神経鞘髄膜腫、口腔癌、口腔癌、中咽頭癌、骨肉腫、骨肉腫、卵巣癌、卵巣癌、卵巣上皮癌、卵巣胚細胞腫瘍、卵巣低悪性度腫瘍、乳房パジェット病、パンコースト腫瘍、膵臓癌、膵臓癌、乳頭様甲状腺癌、乳頭腫症、傍神経節腫、副鼻腔癌、副甲状腺癌、陰茎癌、血管周囲類上皮細胞腫瘍、咽頭癌、褐色細胞腫、中間分化型松果体腫瘍、松果体芽腫、下垂体細胞腫、下垂体腺腫、下垂体腫瘍、プラズマ細胞新生物、胸膜肺芽腫、多胚腫、前駆Tリンパ芽球性リンパ腫、原発性中枢神経系リンパ腫、原発性体液性リンパ腫、原発性肝細胞癌、原発性肝臓癌、原発性腹膜癌、原始神経外胚葉性腫瘍、前立腺癌、腹膜偽粘液腫、直腸癌、腎細胞癌、第15染色体上のNUT遺伝子が関与する呼吸器癌、網膜芽細胞腫、横紋筋腫、横紋筋肉腫、リヒタートランスフォーメーション、仙尾部奇形腫、唾液腺癌、肉腫、神経鞘腫症、皮脂腺癌、二次性新生物、セミノーマ、漿液性腫瘍、セルトリ-ライディッヒ細胞腫、性索間質性腫瘍、セザリー症候群、印環細胞癌、皮膚癌、小青円形細胞腫、小細胞癌、小細胞肺癌、小細胞リンパ腫、小腸癌、軟部組織肉腫、ソマトスタチノーマ、煤煙性いぼ、脊髄腫瘍、脊椎腫瘍、脾臓周辺帯リンパ腫、扁平上皮癌、胃癌、表在拡大型黒色腫、テント上皮型原始神経外胚葉性腫瘍、表面上皮-間質腫瘍、滑膜肉腫、T細胞急性リンパ芽球性白血病、T細胞大顆粒リンパ球性白血病、T細胞白血病、T細胞リンパ腫、T細胞前リンパ球性白血病、奇形腫、末端リンパ系癌、精巣癌、莢膜細胞腫、喉頭癌、胸腺癌、胸腺腫、甲状腺癌、腎盂尿管移行上皮癌、移行上皮癌、尿膜管癌、尿道癌、泌尿生殖器新生物、子宮肉腫、ブドウ膜黒色腫、膣癌、ヴェルナーモリソン症候群、疣状癌、視経路グリオーマ、外陰癌、ワルデンストレーム高ガンマグロブリン血症、ワルティン腫瘍、およびウィルムス腫瘍を含む、癌からのもの等の癌または腫瘍細胞を含むことができる。
【0193】
本明細書に開示される任意の主題のカートリッジアセンブリに関して、スロット(例えば、図3Bに示されるようなカートリッジ310のスロット350)は、処置/安定化ユニットを支持するように構成されることができる。処置/安定化ユニットは、接着剤を用いてスロット内の空間内に支持および保持されることができる。接着剤は、ヒドロゲル、アクリル、ポリウレタンゲル、ヒドロコロイド、またはシリコーンゲルであり得る。代替として、処置/安定化ユニットは、接着剤を用いることなくスロット内の空間内に支持および保持されることができる。
【0194】
少なくとも1つの血液分離膜322は、図3Bに図示されるように、処置/安定化ユニット320の一部であり得る。カートリッジアセンブリは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの血液分離膜を備えることができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリは、複数の血液分離膜を備えることができる。複数の血液分離膜は、例えば、血液サンプルが複数の分離プロセスを受けることを可能にするために、相互と流体連通することができる。複数の血液分離膜は、直列に提供されることができる。代替として、複数の血液分離膜は、相互と流体連通しない場合があり、その必要はなく、例えば、各血液分離膜は、採取された血液の異なる部分を分離するように構成されることができる。いくつかの実施形態では、複数の血液分離膜は、並列に提供されることができる。
【0195】
スロットは、血液分離膜による血液分離の生成物(例えば、分離された血漿または血清)を採取するための採取媒体(または採取作用物質)を支持するようにさらに構成されることができる。採取媒体は、紙、例えば、セルロース紙であり得る。採取媒体は、繊維材料、例えば、セルロース繊維材料であり得る。採取媒体は、例えば、ポリエステル、ポリエーテルスルホン(PES)、ポリアミド(ナイロン)、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリカーボネート、硝酸セルロース、酢酸セルロース、および酸化アルミニウムから成る群から選択される1つまたはそれより多くの材料から成ることができる。スロットは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの採取媒体(例えば、1枚またはそれより多くのセルロース紙シート)を備えることができる。図3Bに図示されるように、採取媒体324は、血液分離膜322に隣接して配置されることができる。ある場合には、採取媒体および血液分離膜は、その間にいかなる間隙(例えば、空気の間隙)も伴わずに相互に直接隣接して配置されることができる。代替として、採取媒体および血液分離膜は、例えば、採取媒体が血液分離膜からの血液分離プロセスの生成物を吸収する時間を提供するために、その間に間隔を伴って相互に隣接して配置されることができる。採取媒体は、少なくとも1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、8枚、9枚、10枚、またはそれより多くの本明細書に開示される紙のシートを備えることができる。
【0196】
採取媒体は、所望の量の血液分離膜の生成物(例えば、血清または血漿)を採取するために十分な容積を有することができる。採取媒体は、少なくとも約1μL、5μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、100μL、110μL、120μL、130μL、140μL、150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、600μL、700μL、800μL、900μL、1,000μL、またはそれより多くの血液分離膜の生成物を保持(もしくは含有)するように構成されることができる。採取媒体は、最大で約1,000μL、900μL、800μL、700μL、600μL、500μL、400μL、300μL、200μL、100μL、50μL、10μL、1μL、またはそれ未満の血液分離膜の生成物を保持(もしくは含有)するように構成されることができる。
【0197】
スロットは、前置フィルタを支持するように構成されることができる。前置フィルタは、血液から血漿または血清を分離することに先立って血液を濾過するために構成されることができる。前置フィルタは、少なくとも1つの血液分離膜の面積あたりの血液分離の量および/または速度を(例えば、前置フィルタに動作可能に結合されない少なくとも1つの血液分離膜と比較して、少なくとも1倍、2倍、3倍、4倍、5倍、6倍、7倍、8倍、9倍、10倍、15倍、20倍、30倍、またはそれを上回って)増加させることに役立つことができる。前置フィルタは、ガラス繊維紙またはセルロースフィルタ紙等のフィルタ紙であり得る。任意の好適な商業的に取得可能なフィルタ紙が、使用されることができる。商業的に取得可能なフィルタ紙の実施例は、限定ではないが、高速通過分析(FTA)カード等のWhatmanからのフィルタ紙を含む。いくつかの実施形態では、前置フィルタは、ニトロセルロースフィルタ紙を備えることができる。前置フィルタは、少なくとも1枚、2枚、3枚、4枚、5枚、6枚、7枚、8枚、9枚、10枚、またはそれより多くの本明細書に開示されるフィルタ紙のシートを備えることができる。図3Bおよび3Cに図示されるように、前置フィルタ326は、血液分離膜322に隣接して配置されることができる。前置フィルタ326および採取媒体324は、分離膜322の異なる部分(例えば、反対の側または表面)上に配置されることができる。ある場合には、血液分離膜および前置フィルタは、その間にいかなる間隙(例えば、空隙)も伴わずに相互に直接隣接して配置されることができる。代替として、血液分離膜および前置フィルタは、例えば、血液分離膜が血液を吸収および/または濾過する時間を提供するために、その間に間隔を伴って相互に隣接して配置されることができる。図3Bおよび3Cに図示されるように、経路340の遠位端は、血液がサンプル取得デバイスから前置フィルタ326に向かって(例えば、直接向かって)輸送されるように位置付けられる、または向けられることができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリの血液分離膜は、採取された血液から血漿または血清を分離するように構成されることができ、したがって、前置フィルタは、細胞、血小板、具体的細胞タイプ、DNA(例えば、腫瘍cfDNA)、RNA、タンパク質、無機物、薬物、または任意の他の成分を含む、任意の数の他の望ましくないサンプル成分を濾過(例えば、留保)することができる。
【0198】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、スロット内に前置フィルタを有していない場合があり、その必要はない。例えば、カートリッジの経路の遠位端は、血液が、サンプル取得デバイスから血液分離膜に向かって(例えば、直接向かって)輸送されるように配置されることができる。
【0199】
図3Bに図示されるように、血液分離膜322、採取媒体324、および前置フィルタ326は、スロット350内に処置/安定化ユニット320として集合的に提供されることができる。処置/安定化ユニットは、同義的に本明細書ではスタックと称され得る。カートリッジは、単一の処置/安定化ユニットを備えることができる。代替として、カートリッジは、複数の処置/安定化ユニット(例えば、並列または直列に配置される複数の処置/安定化ユニット)を備えることができる。いくつかの実施例では、複数の処置/安定化ユニットが、カートリッジ内の同一の平面上に配置されることができる。他の実施例では、複数の処置/安定化ユニットが、カートリッジ内の異なる平面上に配置されることができる。カートリッジは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くのスタックを備えることができる。カートリッジは、最大で10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個のスタックを備えることができる。
【0200】
いくつかの実施形態では、スタック(例えば、処置/安定化ユニット320)は、(例えば、長手方向軸346と異なる)第3の方向におけるスタックの厚さを通した血液の側方流動、および/または、第3の方向と異なる少なくとも1つの他の方向(例えば、長手方向軸346と同一の平面方向)における、スタックの平面エリアをわたる平面流動を可能にする構成において配置されることができる。ある場合には、第3の方向は、第1の方向および/または第2の方向と異なり得る。第3の方向(血液もしくはその1つまたはそれより多くの成分の側方流動に関する)と長手方向軸との間の角度は、少なくとも0度、1度、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、またはそれを上回るものを上回り得る。第3の方向(血液の側方流動に関する)と長手方向軸との間の角度は、最大で90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、1度、またはそれ未満を下回り得る。少なくとも1つの他の方向(血液もしくはその1つまたはそれより多くの成分の平面流動に関する)は、長手方向軸346と同一であり得る。代替として、少なくとも1つの他の方向と長手方向軸346(血液もしくはその1つまたはそれより多くの成分の平面流動に関する)との間の角度は、少なくとも0度、1度、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、またはそれを上回るものを上回り得る。少なくとも1つの他の方向と長手方向軸346(血液もしくはその1つまたはそれより多くの成分の平面流動に関する)との間の角度は、最大で90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、1度、またはそれ未満であり得る。図3Cに示されるように、血液370は、サンプル取得デバイスから、経路を通して、スタックに向かって輸送される。血液は、スタックの平面表面(例えば、前置フィルタの平面表面)に方向付けられることができる。第3の方向(すなわち、スタックの厚さを通した方向)は、カートリッジの長手方向軸346に実質的に直交し得る。加えて、第3の方向(例えば、スタックの厚さを通した方向)および少なくとも1つの他の方向(すなわち、スタックの平面エリアをわたる方向)は、実質的に相互と直交し得る。
【0201】
スタックの各層(例えば、前置フィルタ、血液分離膜、および/または採取媒体)は、種々の形状ならびにサイズを有することができる。例えば、層は、長方形、球体、立方体、またはディスクの形状、もしくはそれらの形状の任意の部分的形状または組み合わせであり得る。層は、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。いくつかの実施形態では、スタックの各層は、同一の形状、厚さ、長さ、幅、深さ、体積、または表面積を有することができる。他の実施形態では、スタックの各層は、同一の形状または寸法を有していない場合があり、その必要はない。ある場合には、スタックの層は、異なる分離処理能力、全体的収率、および採取体積を達成するために、異なる形状ならびにサイズを有することができる。ある実施例では、採取媒体(すなわち、採取ストリップ)の幅は、他の層から分離することに役立つために、「尾部」端を生成するように、他の層よりも長くあり得る。そのような分離は、採取媒体からの採取された生成物(例えば、血清または血漿)の損失を低減させることに役立つことができる。
【0202】
いくつかの実施形態では、経路の遠位端は、(1)経路の近位端と(2)スタックの縁厚さ部分との間に延在する線形軸からオフセットされることができる。図3Bに図示されるように、スタック320の縁厚さ部分(図3Bの括弧記号「{」が位置する場所)は、経路の近位端と遠位端との間に位置することができる。経路の遠位端は、前置フィルタの平面表面に隣接し得るが、接触する必要はない。ある場合には、血液は、経路の遠位端から間隔または隙間360の中へと退出することができる。続けて、間隔360からの血液は、スタック(例えば、前置フィルタ326の露出された表面または血液分離膜322の露出された表面)に向かって方向付けられる、もしくは引き込まれることができる。いくつかの実施例では、間隔360は、経路の遠位端およびスタック320に隣接して配置される蓄積領域362と流体連通することができる。蓄積領域は、血液のうちのある体積を保持するように構成される、別個の血液含有容器またはカップを備えることができる。血液含有カップは、血液が血液分離膜の一部の中に吸収されているとき、それを含有するように構成されることができる。ある場合には、血液含有カップは、スタック320によって処置(例えば、分離)されるべきである血液のうちの所定の体積を保持するように構成されることができる。カップ(またはポケット)の形状は、様々な体積の血液をスタック表面の異なる部分に方向付けるために(例えば、経路の遠位端に隣接するスタックの表面の近傍に入力血液の大部分を含有するために、または流入する血液がスタックの平面表面に沿って拡散することを支援するために)最適化されることができる。カップの形状は、前置フィルタにわたる血液の濃度を調節するために、または含有される血液の体積を調節するために最適化されることができる。例えば、カップは、球体、立方体、またはディスクの形状、もしくはそれらの形状の任意の部分的形状または組み合わせであり得る。カップは、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。カップは、所定の体積の採取された血液を保持するように構成されることができる。カップは、少なくとも約1μL、5μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、100μL、110μL、120μL、130μL、140μL、150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、600μL、700μL、800μL、900μL、1,000μL、またはそれより多くの血液を保持するように構成されることができる。カップは、最大で約1,000μL、900μL、800μL、700μL、600μL、500μL、400μL、300μL、200μL、100μL、50μL、10μL、1μL、またはそれ未満の血液を保持するように構成されることができる。いくつかの実施例では、カップは、十分な血液がカートリッジアセンブリの中に採取されたとき(または採取されたかどうか)を判定するための計量デバイス(例えば、計量窓)として使用されることができる。
【0203】
いくつかの実施形態では、経路の遠位端は、前置フィルタの平面表面に隣接する、またはそれと直接接触することができる。
【0204】
カートリッジアセンブリのカートリッジポート(すなわち、入口ポート)の経路は、カートリッジポートの長さに沿った経路の一部を露出する開口部(または切り欠き)を備えることができる。経路は、開口部を介して、本明細書に開示されるサンプル取得デバイスの内側部分(例えば、窪み)と流体(例えば、ガスまたは液体)連通することができる。開口部は、カートリッジアセンブリの使用に先立ってシールされることができる。ある場合には、開口部は、本デバイスの中へのカートリッジアセンブリの完全な配設(例えば、挿入)に応じて、サンプル取得デバイスの内側部分に部分的または完全に露出されることができる。
【0205】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイス内の真空が(例えば、ユーザによって手動で、またはユーザに対するサンプル取得デバイスの動作によって自動的に)アクティベートされるとき、真空圧力を受けることができる。真空圧力は、カートリッジ上のスタックを通した、および/またはわたる血液の側方流動を支援するように構成されることができる。代替実施形態では、カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイスの中へのその配設に先立って、真空圧力下にあり得る。いくつかの実施例では、真空圧力が、サンプル取得デバイスの中へのカートリッジアセンブリの完全な配設に応じて、サンプル取得デバイスの中に通気することができるが、十分な負圧が、カートリッジアセンブリ内に留まり、カートリッジ内のスタックを通した、および/またはわたる血液の側方流動を支援することができる。
【0206】
図3Dは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリ300に動作可能に結合される、サンプル取得デバイス100の側面断面図を示す。図示されるように、血液は、デバイス100の窪み136内の開口部から、カートリッジの経路を通して、(少なくとも1つの血液分離膜を備える)スタックに向かって輸送されることができる。カートリッジアセンブリ300は、本デバイスの内側に、例えば、堆積/分離チャンバ内にカートリッジをシールするように構成されるカートリッジホルダ/タブ380を備えることができる。カートリッジアセンブリは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの吸収パッドを備えることができる。血液分離膜(またはスタック)に対する吸収パッドの場所に応じて、吸収パッドは、過剰な血液および/または過剰な血清もしくは血漿を吸収するために使用されることができる。ある場合には、1つまたはそれより多くの吸収パッドが、血液分離膜(またはスタック)に直接隣接して配置されることができる。上記の実施形態の代替として、またはそれに加えて、1つまたはそれより多くの吸収パッドは、血液分離膜(またはスタック)と流体連通するが、それから物理的に隔離されることができる。1つまたはそれより多くの吸収パッドの隔離は、血液分離膜(またはスタック)からの血液(または血清/血漿)の(1)汚染もしくは(2)過剰な吸収またはウィッキングのリスクを低減させることができる。
【0207】
カートリッジアセンブリの1つまたはそれより多くの構成要素は、解放および結合解除されるように構成されることができる。いくつかの実施形態では、採取媒体は、血液が処置された後、例えば、血漿または血清の少なくとも一部が血液分離膜322によって分離され、採取媒体324上に採取された後、カートリッジ(およびサンプル取得デバイス)から解放ならびに結合解除されるように構成されることができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリの残りの構成要素は、採取媒体がカートリッジから解放および結合解除された後、サンプル取得デバイスに結合されたままであるように構成されることができる。他の実施例では、カートリッジからの採取媒体の解放は、サンプル取得デバイスからのカートリッジの解放をトリガするように構成されることができる。他の実施例では、カートリッジアセンブリは、カートリッジからの採取媒体の解放に先立って、サンプル取得デバイスから解放されるように構成されることができる。その後、解放された採取媒体は、輸送のために別個の輸送筐体(例えば、図2Aの輸送スリーブ200)内に貯留されることができる。代替実施形態では、カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイスから解放されるように構成されることができるが、採取媒体は、カートリッジから解放されるように構成されない場合があり、その必要はない。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリ(採取媒体を備える)は、全体として、輸送媒体として使用されることができる、および/またはカートリッジアセンブリは、輸送のために別個の輸送筐体(例えば、図2Aの輸送スリーブ200)内に貯留されることができる。
【0208】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリ300のカートリッジ310の少なくとも一部は、透明または半透明窓を備えることができる。窓は、ユーザが、(1)入口ポートの経路340内の血液の流動、(2)経路340の遠位端からカップ362またはスタック320の露出された表面(例えば、前置フィルタ326の露出された表面)に向かう血液の流動、ならびに/もしくは(3)スタック内の血液の流動、例えば、血液分離膜322による採取媒体に向かう血液分離の進行を観察することを可能にするように構成されることができる。ある場合には、窓は、少なくとも1つの血液分離膜、採取媒体、および/または前置フィルタに隣接して位置することができる。カートリッジの窓は、本デバイス(例えば、デバイス100)の視認窓または開放構造と整合されることができる。ある場合には、本デバイスに対するカートリッジアセンブリの向きに応じて、(1)血液分離膜(またはスタックの前置フィルタ)の中への血液入力が、視認されることができるか、または(2)血液分離膜(もしくはスタック)からの血漿または血清出力が、視認されることができるかのいずれかである。ある実施例では、カートリッジアセンブリの前置フィルタ対面側が、対象の皮膚に向かって面しているとき、ユーザは、血液分離膜からの血漿または血清出力を可視化することができる。別の実施例では、カートリッジアセンブリの採取媒体対面側が、対象の皮膚に向かって面しているとき、ユーザは、血液分離膜(またはスタックの前置フィルタ)の中への血液入力を可視化することができる。
【0209】
図3Eおよび3Fは、サンプルチャンバの別の実施例の側面断面図を図式的に図示する。サンプルチャンバは、カートリッジアセンブリ300bであり得る。カートリッジアセンブリは、本明細書に(例えば、図3Bおよび3Cに)開示されるようなカートリッジアセンブリ300の1つまたはそれより多くの構成要素を備えることができる。図3Eを参照すると、カートリッジアセンブリ300bは、カートリッジ310に結合されるカートリッジポート330を備えることができる。カートリッジポート330は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、サンプル取得デバイスに結合する(例えば、解放可能に結合する)ように構成されることができる。カートリッジは、処置/安定化ユニット320を封入する、スロット350を備えることができる。処置/安定化ユニット320は、少なくとも1つの血液分離膜322を備えることができる。ある場合には、処置/安定化ユニット320は、採取媒体324および/または前置フィルタ326をさらに備えることができる。カートリッジポート330は、経路340を備えることができ、経路340は、対象のサンプル(例えば、血液)をサンプル取得デバイスからカートリッジ310に向かって方向付けるように構成される。カートリッジは、経路340と流体連通する間隔360をさらに備えることができる。間隔360はまた、採取されたサンプルのうちのある体積を保持するように構成される、蓄積領域362(例えば、容器またはカップ)と流体連通することができる。蓄積領域362は、採取されたサンプルが、カートリッジ310内に含有され得る一方、採取されたサンプルの少なくとも一部が、処置/安定化ユニット320をわたって流動することによって処置/安定化されるように、処置/安定化ユニット320に隣接して配置されることができる。図3Fに示されるように、経路340を通したサンプル流動の方向は、(矢印346によって示されるような)カートリッジアセンブリの長手方向軸と実質的に同一であり得る。経路340を通したサンプル流動の方向は、処置/安定化ユニット320を通した血液の流動の方向と異なり得る。ある実施例では、経路340を通したサンプル流動の方向は、処置/安定化ユニット320を通した血液の流動の方向に実質的に直交し得る。
【0210】
図4は、サンプルチャンバの異なる実施例の側面断面図を示す。サンプルチャンバは、カートリッジアセンブリ400であり得る。カートリッジアセンブリ400は、本明細書に(例えば、図3Bおよび3Cに)開示されるカートリッジアセンブリ300の1つまたはそれより多くの構成要素を備えることができる。カートリッジアセンブリ400は、血液がサンプル取得デバイス(例えば、本明細書に開示されるサンプル取得デバイス)から処置/安定化ユニット420(すなわち、スタック)に向かって輸送されるための経路440を提供する、カートリッジポート410を備えることができる。カートリッジポート410は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、サンプル取得デバイスに結合する(例えば、解放可能に結合する)ように構成されることができる。例えば、カートリッジポート410は、サンプル取得デバイスと接合するためのルアータイプ継手を有することができる。処置/安定化ユニット420は、1つまたはそれより多くの処置/安定化構成要素を備えることができる。例えば、処置/安定化ユニット420は、第1の処置/安定化構成要素420aと、第2の処置/安定化構成要素420bとを備えることができる。2つの処置/安定化構成要素は、相互に隣接して配置されることができる。ある実施例では、図4に示されるように、2つの処置/安定化構成要素は、相互と直接接触することができる。代替として、処置/安定化構成要素は、空間または間隙(図示せず)によって分離されることができる。図3B~3Dに示されるように、カートリッジアセンブリ300は、スタックの平面表面上で採取された血液を受け取り、血液の分離が(図3B~3Fに図示されるような)カートリッジ300の長手方向軸346と異なる(例えば、実質的に直交する)方向において起こることを可能にするように構成されることができる。図4の実施例では、カートリッジアセンブリ400は、処置/安定化ユニット420の縁および/または縁の近傍の平面表面上の一部上で採取された血液を受け取り、血液の分離が(i)(図4に図示されるような)カートリッジアセンブリ400の長手方向軸405と実質的に同一である、ならびに/もしくは(ii)カートリッジアセンブリ400の長手方向軸と同一の平面上にある方向において起こることを可能にするように構成されることができる。この場合では、処置/安定化構成要素の上側部分は、サンプル(例えば、血球)の濾過された部分を含有するであろう一方、処置/安定化構成要素の下側部分は、サンプルの別の部分(例えば、血漿または血清)を含有するであろう。いくつかの実施形態では、処置/安定化構成要素はそれぞれ、本明細書に開示されるように、複数の構成要素、例えば、前置フィルタ、血液分離膜、および/または採取媒体を備えることができる。いくつかの実施例では、経路440に隣接する処置/安定化ユニット420の上部部分422は、例えば、採取された血液から細胞を濾過して取り除くように構成され得る、前置フィルタ422を備えることができる。処置/安定化ユニット420の中間部分424は、1つまたはそれより多くの血液分離膜を備えることができる。経路440から離れた処置/安定化ユニット420の底部部分426は、採取媒体を備えることができる。いくつかの実施例では、単一の処置/安定化構成要素(例えば、420aまたは420bのうちの1つのみ)が、使用されることができる。代替として、2つより多くの処置/安定化構成要素(例えば、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの処置/安定化構成要素)が、全てが相互と直接接触して、いくつかが相互と直接接触して、またはいずれも相互と直接接触しないで使用されることができる。いくつかの実施例では、前置フィルタ構成要素は、処置/安定化構成要素のうちの1つまたはそれより多くの上側部分に隣り合って存在し、最初に血液を受け取り、残りのサンプルが処置/安定化構成要素の表面に向かって流動し、それに到着することを可能にすることに先立って、サンプルの少なくとも一部(例えば、細胞、破片等)を濾過して取り除くことができる。図4に示されるようなカートリッジアセンブリ400の特徴は、本明細書に開示されるように、サンプル採取のための任意のデバイス、システム、方法、またはキットに適用されることができる。
【0211】
本開示の別の側面は、血液採取および血液分離のためのシステムを提供する。本システムは、本明細書に開示されるようなサンプル取得デバイス(例えば、サンプル取得デバイス)と、サンプルチャンバ(例えば、カートリッジアセンブリ)とを備えることができる。いくつかの実施形態では、サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備えることができる。そのような真空は、サンプル取得デバイスに向かって対象の皮膚を引動し、いったん皮膚が穿刺されると、対象から血液を引き出すために十分であり得る。代替実施形態では、カートリッジアセンブリを含有するサンプル取得デバイスのチャンバは、オンボード真空とともに事前包装されることができ、サンプル取得デバイスの中へのそのような真空の通気は、サンプル取得デバイスに向かって対象の皮膚を引動し、いったん皮膚が穿刺されると、対象から血液を引き出すために十分であり得る。
【0212】
本開示の別の側面は、(例えば、血液採取および血液分離のための)方法を提供する。本方法は、本明細書に開示されるようなサンプル取得デバイスを使用し、対象から血液を採取することを含むことができる。本方法は、本明細書に開示されるようなサンプルチャンバ(例えば、カートリッジアセンブリ)を使用し、血液から血漿または血清を分離することをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、本方法は、(例えば、図3Bに示されるように、カートリッジアセンブリ300の採取媒体324内に)血液から分離された血漿または血清を貯留することをさらに含むことができる。
【0213】
2.液体血液採取
【0214】
本開示の別の側面は、サンプル取得デバイス、例えば、本明細書に開示されるようなサンプル取得デバイスのうちのいずれかを介して、対象から採取される液体または液体様サンプル(例えば、液体血液)を貯留するために、カートリッジアセンブリ等のサンプルチャンバを提供する。いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイスの一部、例えば、カートリッジチャンバに結合するように構成される結合ユニットを備えることができる。結合ユニットは、入口ポートを備えることができる。カートリッジアセンブリは、液体または液体様サンプルを貯留するように構成される容器をさらに備えることができる。カートリッジアセンブリは、容器を支持するように構成されるカートリッジホルダをさらに備えることができる。容器の近位端は、結合ユニットに結合するように構成されることができ、容器の遠位端は、カートリッジホルダに結合するように構成されることができる。液体または液体様サンプルは、液体血液、汗、涙、尿、唾液、排泄物、膣分泌物、精液、間質液、粘液、皮脂、歯肉溝滲出液、水性体液、硝子体液、胆汁、母乳、脳脊髄液、耳垢、内リンパ液、外リンパ液、胃液、腹膜液、吐瀉物、および同等物から成る群から選択される1つまたはそれより多くの要素であり得る。ある実施例では、液体サンプルは、液体血液であり得る。
【0215】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリの容器の近位端は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、結合ユニットに解放可能に結合するように構成されることができる。ある場合には、容器は、結合ユニットに解放可能に結合するように構成される容器ポートを備えることができる。容器ポートは、容器の一部であり得る。容器ポートは、容器の近位端に解放可能に結合されることができる。他の実施形態では、容器の近位端は、結合ユニットに解放可能に結合されるように構成されない場合がある、またはその必要はない。例えば、容器の近位端は、結合ユニットに恒久的に結合されることができる。いくつかの実施形態では、容器の遠位端は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、カートリッジホルダに解放可能に結合するように構成されることができる。他の実施形態では、容器の遠位端は、カートリッジホルダに解放可能に結合するように構成されない場合がある、またはその必要はない。例えば、容器の遠位端は、カートリッジホルダに恒久的に結合されることができる。代替として、カートリッジホルダは、容器の一部として、例えば、容器の遠位端の一部として加工されることができる。容器の近位端は、液体サンプル(例えば、液体血液)を受け取るように構成される1つまたはそれより多くの開口部を備えることができる。容器の遠位端は、いかなる開口部も備えない場合があり、容器の少なくとも一部の中でのサンプル採取を可能にするために、閉鎖されることができる。
【0216】
図5Aは、液体または液体様サンプル(例えば、液体血液)を採取するように構成され得る、例示的カートリッジアセンブリ500の側面断面図(図5Aの左側)および斜視図(図5Aの右側)を図示する。カートリッジアセンブリ500は、結合ユニット510(同義的に本明細書ではアダプタまたは管入口アダプタと称される)を備えることができる。結合ユニットは、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、サンプル取得デバイス(例えば、本明細書に開示されるサンプル取得デバイスのうちのいずれかのカートリッジチャンバ内のポート)に結合する(例えば、解放可能または恒久的に結合する)ように構成されることができる。例えば、結合ユニット510は、サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバポートと接合するために、ルアータイプ継手512を有することができる。結合ユニット510は、血液がサンプル取得デバイスからカートリッジアセンブリに向かって(例えば、カートリッジアセンブリの中に)流動するための経路514としての役割を果たすように構成される、開口部、入口、またはチャネルを備えることができる。カートリッジアセンブリ500は、結合ユニット510およびカートリッジホルダ540に結合される、容器520を備えることができる。容器は、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。容器は、容器ポート(例えば、キャップまたは管キャップ)530を備えることができる。容器は、採取された血液を含有するように構成される、採取管535を備えることができる。容器ポートは、容器の近位端に結合されることができる。例えば、容器ポート(例えば、管キャップ)および採取管の近位端は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれか(例えば、ルアータイプ、ねじタイプ、摩擦嵌合等)を使用して、解放可能に結合されることができる。別の実施例では、容器ポート530および採取管535は、相互に恒久的に結合(例えば、糊着)されることができる。採取管の近位端は、容器ポートを介して結合ユニットに結合するように構成されることができる。例えば、結合ユニットおよび容器ポートは、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれか(例えば、ルアータイプ、ねじタイプ、摩擦嵌合等)を使用して、解放可能に結合されることができる。別の実施例では、結合ユニットおよび容器ポートは、相互に恒久的に結合(例えば、糊着)されることができる。ある場合には、結合ユニットおよびサンプル取得デバイスのカートリッジチャンバ内のポートは、恒久的に結合されることができる。ある場合には、容器ポート530および採取管535は、好ましい向きにおいてサンプル取得デバイスの中にカートリッジアセンブリ500を挿入するために、整合(例えば、回転整合)を要求することができる。容器ポート530および採取管535は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを利用し、構成要素が整合されるときに2つの構成要素を相互係止することができる。他の実施形態では、容器520は、結合ユニット510に結合するための容器ポート530を要求しない場合があり、その必要はない。ある実施例では、採取管535は、結合ユニット510に直接結合される(例えば、解放可能に結合される、または恒久的に結合される)ことができる。
【0217】
いくつかの実施形態では、採取管の少なくとも一部は、透明または半透明窓を備えることができる。窓は、ユーザが採取管の中に流動する血液を観察することを可能にするように構成されることができる。他の実施形態では、採取管自体が、透明または半透明であり得、例えば、採取管は、1つまたはそれより多くの透明もしくは半透明材料から成ることができる。いくつかの実施形態では、採取管535の底部は、容器520が、例えば、平坦な表面上に立つことを可能にするように構成されることができる。例えば、採取管535の底部の少なくとも一部は、平坦であり得る。
【0218】
いくつかの実施形態では、容器の容器ポートは、1つまたはそれより多くの開口部を備えることができ、1つまたはそれより多くの開口部は、容器ポートが結合ユニットに結合されているとき、開放し、容器への流体(例えば、空気等のガス、液体血液等の液体等)アクセスを可能にするように構成される。容器ポートの開口部は、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。ある場合には、開口部は、容器の中への(例えば、サンプル取得デバイスから容器の中への)、または容器内からの(例えば、容器内からサンプル取得デバイスの中への)流体の通過を制御するために、流体調整器を利用することができる。流体調整器は、機械的調整器(例えば、ばね調整器または自己閉鎖フラップ)、油圧調整器、空気圧調整器、手動調整器、ソレノイド調整器、もしくは電動調整器を備えることができる。流体調整器の実施例は、限定ではないが、シール、フラップ、弁、ゲート、スイッチ、レバー、ポンプ等を含むことができる。ある実施例では、図5Aに図示されるように、容器520の容器ポート530は、(i)容器ポート530が結合ユニット510に結合されているとき、容器520への流体アクセスを可能にするように開放され、(ii)容器ポート530が結合ユニット510に結合されないとき、容器520への流体アクセスを低減させる(例えば、阻止または禁止する)ように閉鎖されるように構成される、統合された自己閉鎖弁532(例えば、ダックビル弁)を備えることができる。他の実施例では、開口部は、流体調整器の必要性を伴わずに、流体通過(例えば、カートリッジアセンブリ500の外側からカートリッジアセンブリ500の中への方向における一方向流体通過)を恒久的に可能にすることができる。
【0219】
いくつかの実施形態では、結合ユニットは、1つまたはそれより多くの流体経路(図5Aの516によって示されるような)を備えることができ、1つまたはそれより多くの流体経路は、血液が(例えば、サンプル取得デバイスから)容器の中に採取されているとき、空気が容器から外に追いやられることを可能にする。ある場合には、結合ユニットは、サンプル取得デバイスの血液ポートをカートリッジの(例えば、容器ポートを介して)容器に接続することができる。結果として、カートリッジの少なくとも一部は、サンプル取得デバイスの内側に(例えば、サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバ内に)位置することができる。カートリッジチャンバは、カートリッジがサンプル取得デバイスに結合されているとき、真空下(例えば、真空チャンバのアクティベーションによって周囲圧力を下回る)にあり得る。続けて、結合に応じて、空気は、容器から外に、1つまたはそれより多くの流体経路を通して、カートリッジチャンバの中に追いやられることができる。1つまたはそれより多くの流体経路は、血液が容器の中に採取されているとき、カートリッジチャンバ内の圧力(例えば、真空圧力)が均一化されることを可能にすることができる。1つまたはそれより多くの流体経路は、容器が、例えば、周辺カートリッジチャンバのものと同一の圧力レベル(例えば、依然として周囲圧力を下回る)まで減圧されることを可能にすることができる。容器内の結果として生じる真空は、対象の穿刺された皮膚から、入口ポートを通して、カートリッジの容器の中に血液を引き込むことができる。いくつかの実施例では、容器内からの(例えば、採取管内からの)空気は、血液が容器の中に引き込まれている際、本明細書に開示される流体経路を通して外に追いやられ続けることができる。他の実施例では、容器内からの空気は、容器の採取管に統合される1つまたはそれより多くの半透膜を通して外に追いやられることができる。半透膜は、液体が流動しない(例えば、採取管内から退出しない)ように防止しながら、空気が流動することを可能にするように構成されることができる。
【0220】
いくつかの実施形態では、血液は、所望の体積の血液が採取されるまで、容器の中に引き込まれることができる。ある場合には、サンプル取得デバイスの真空は、これがおおよそで所望の体積の血液を容器の中に引き込むために十分であるように構成されることができる。ある場合には、図5Aに図示されるように、容器520は、容器520の中に引き込まれる血液のおおよその量をユーザに示す、1つまたはそれより多くのインジケータ522(例えば、マーキング、描画、デジタルインジケータ等)を備えることができる。容器は、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くのインジケータを備えることができる。ユーザは、続けて、(例えば、容器上またはサンプル取得デバイス上に位置するボタンを押下することによって)採血プロセスを停止させることができる。代替実施形態では、インジケータは、容器内の採取された血液の存在および/または量(例えば、重量、体積)を検出もしくは測定するように構成される、センサを備えることができる。ある実施例では、センサが、所望の体積の血液が採取されたと測定および判定すると、本デバイスまたはカートリッジは、採血プロセスを自動的に停止させるように構成されることができる。インジケータは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くのセンサを備えることができる。センサの実施例は、限定ではないが、機械的センサ(例えば、スケール)、光学センサ(例えば、カメラ)、超音波センサ(例えば、非接触超音波レベルセンサ)、レーダセンサ(例えば、レーダレベル送信機)、静電容量センサ(例えば、静電容量測定プローブ)、化学センサ、圧力センサ、流体流動センサ、湿度センサ、振動センサ、フィールドセンサ(例えば、電磁センサ)、温度センサ等を含むことができる。センサは、採取された血液と接触するように構成されることができる。代替として、センサは、その機能のために採取された血液と接触しない場合があり、その必要はない。ある場合には、管535の外面は、センサが血液感知のために管の所望の領域に焦点を合わせることを可能にするために、被覆(例えば、部分的または全体的にマスク)されることができる。
【0221】
ある場合には、インジケータ(例えば、センサ)は、所望の量の血液が管535の中に採取されると、ユーザにアラートするように構成される、アラートシステムに動作可能に結合されることができる。いくつかの実施例では、アラートシステムは、聴覚、触覚、および/または視覚アラートを(例えば、スピーカまたは発光ダイオード(LED)を介して)ユーザに発生させるように構成されることができる。アラートシステムは、1つまたはそれより多くの有線(例えば、デジタル回路)もしくは無線通信チャネルを介してインジケータに動作可能に結合されることができる。無線通信チャネルの実施例は、Bluetooth(登録商標)、WiFi、近距離無線通信(NFC)、3G、4G、および/または5Gネットワークを含むことができる。アラートシステムをアクティベートするための信号は、インジケータ(例えば、インジケータのセンサ)から、1つまたはそれより多くの通信チャネルを経由して、アラートシステムに遠隔で伝送されることができる。ある場合には、センサ(例えば、センサに動作可能に結合されるコンピュータプロセッサ)は、例えば(1)センサの傍を通過する管535の中への血液の液滴または(2)採取されている血液による管535の内面の湿潤によるアラートシステムの誤ったトリガを防止するように構成(またはプログラム)されることができる。ある実施例では、センサの感度および/または閾値は、アラートシステムの誤ったトリガを防止するように調節されることができる。
【0222】
ある場合には、1つまたはそれより多くのセンサは、流体サンプル(例えば、液体血液)中の1つまたはそれより多くの標的分析物(例えば、細胞、血漿、血清、血小板、具体的細胞タイプ、DNA(例えば、腫瘍cfDNA)、RNA、タンパク質、無機物、薬物、または任意の他の成分)の存在ならびに/もしくは濃度を判定するために使用されることができる。例えば、センサは、液体血液が容器の中に採取され、センサと接触するときの電子およびイオン移動度ならびに電荷蓄積の検出された変化に基づいて、容器内の液体血液中の標的分析物の存在および/または濃度を判定することができる。
【0223】
容器は、少なくとも約1μL、5μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、100μL、110μL、120μL、130μL、140μL、150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、600μL、700μL、800μL、900μL、1,000μL、またはそれより多くの血液を保持するように構成されることができる。容器は、最大で約1,000μL、900μL、800μL、700μL、600μL、500μL、400μL、300μL、200μL、100μL、50μL、10μL、1μL、またはそれ未満の血液を保持するように構成されることができる。容器内に採取されるべき血液の所望の体積は、少なくとも約1μL、5μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、100μL、110μL、120μL、130μL、140μL、150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、600μL、700μL、800μL、900μL、1,000μL、またはそれより多くであり得る。容器内に採取されるべき血液の所望の体積は、最大で約1,000μL、900μL、800μL、700μL、600μL、500μL、400μL、300μL、200μL、100μL、50μL、10μL、1μL、またはそれ未満であり得る。
【0224】
結合ユニットは、少なくとも1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの流体経路を備えることができる。結合ユニットは、最大で10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、2個、または1個の流体経路を備えることができる。個々の流体経路は、結合ユニットの表面に隣接して配置されることができる。ある実施例では、結合ユニットは、カートリッジアセンブリの容器(または容器の容器ポート)への結合ユニットの結合に先立って、個々の流体経路(例えば、開口部またはチャネル)を備えることができる。別の実施例では、結合ユニットは、少なくとも1つの溝または開放チャネルを備えることができる。容器ポートへの結合ユニットの結合に応じて、溝は、容器の表面(例えば、キャップの表面)に隣接して配置され、それによって、個々の流体経路を発生させることができる。個々の流体経路は、直線、曲線、鉛直、対角線、ジグザグ(または角度の付いた)、不規則な形状、または混合物であり得る。個々の流体経路は、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。複数の流体経路が、提供されるとき、複数の流体経路はそれぞれ、同一の形状、厚さ、長さ、幅、深さ、体積、または表面積を有することができる。他の場合では、複数の流体経路の2つの流体経路は、同一の形状または寸法を有していない場合があり、その必要はない。
【0225】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリまたはサンプル取得デバイスは、流体経路を通して容器から外に追いやられる空気を閉じ込めるように構成される、別個の通気容器を備えることができる。
【0226】
図5Aに図示されるように、カートリッジアセンブリは、容器520を支持するように構成されるカートリッジホルダ540を備えることができる。ある場合には、カートリッジホルダ540の一部は、カートリッジアセンブリがカートリッジチャンバに結合されているとき、カートリッジチャンバの外側に延在しているように構成されることができる。したがって、ユーザは、(例えば、カートリッジタブ542を保持することによって)カートリッジホルダ540を保持し、カートリッジアセンブリをサンプル取得デバイスの中に挿入する、またはサンプル取得デバイスからカートリッジアセンブリを除去することができる。代替実施形態では、カートリッジホルダは、カートリッジアセンブリがカートリッジチャンバに結合されているとき、カートリッジチャンバの外側に延在しない場合がある、またはその必要はない。そのような場合では、カートリッジホルダは、(例えば、機械的ゲート、電動ゲート、またはサンプル取得デバイスのカバーによって)隠蔽される、サンプル取得デバイスの表面に対して平坦に配置される、もしくはサンプル取得デバイスの中に押し込まれることができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリは、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、サンプル取得デバイスに解放可能に結合されることができる。カートリッジホルダまたはサンプル取得デバイス上のスイッチを押すことによって、結合機構は、部分的または完全に非アクティベートされ、ホルダがサンプル取得デバイスの表面に対して突出することを可能にし、それによって、ユーザがカートリッジホルダ540を保持し、サンプル取得デバイスからカートリッジアセンブリを除去することを可能にすることができる。
【0227】
いくつかの実施形態では、カートリッジホルダ540は、カートリッジアセンブリ500がカートリッジチャンバに結合されているとき、サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバを密閉シールするように構成される、シーラント544(例えば、シール、ガスケット、ライナ、リング等)を備えることができる。ある場合には、シーラントは、ホルダの平坦な表面上に配置されることができる。代替事例では、シーラントは、シーラントの外面が露出されるように、ホルダの凹部(例えば、溝)上に配置されることができる。ある場合には、シーラントは、エラストマガスケットであり得る。エラストマ材料の実施例は、限定ではないが、ポリイソプレン、ブタジエン、スチレンブタジエン、アシロニトリルブタジエン、ポリクロロプレン、イソブチレンイソプレン、ポリスルフィド、ポリメタン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレン、フルオロエラストマ、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリメタン、シリコーン、熱可塑性エラストマ、および同等物等の任意のゴムまたはゴム様材料を含むことができる。
【0228】
図5Bは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリ500に動作可能に結合される、サンプル取得デバイス100の側面断面図を示す。容器520は、第1の方向524において容器520の中に流動する血液を受け取るように構成されることができる。1つまたはそれより多くの流体経路516は、第1の方向と異なる第2の方向526において容器520から外に空気を方向付け、追いやるように構成されることができる。第1の方向と第2の方向との間の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。第1の方向と第2の方向との間の角度は、少なくとも0度、1度、5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、175度、またはそれを上回るものを上回り得る。第1の方向と第2の方向との間の角度は、最大で180度、170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、1度、またはそれ未満を下回り得る。ある実施例では、第1の方向および第2の方向は、実質的に相互と反対であり得る。別の実施例では、第1の方向および第2の方向は、実質的に相互と直交し得る。
【0229】
図5Bに図示されるように、サンプル取得デバイス100は、ポート175を備えることができる。カートリッジアセンブリ500の結合ユニット510は、ポート175に、およびカートリッジアセンブリ500の容器ポート530に結合するように構成される。結合ユニット510は、カートリッジアセンブリ500の容器ポート530に結合するように構成される、突出部(例えば、管または押出特徴)を備えることができる。突出部は、容器ポート530を介して容器520の採取管535と流体連通することができる。代替として、突出部は、採取管535と直接流体連通するように容器ポート530を通して貫通することができる。ある場合には、突出部の近位端(例えば、採取管535の反対の端部)は、結合ユニットの末端に結合されることができる。突出部は、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。突出部の断面は、対称または非対称であり得る。例えば、突出部の流体経路の直径(例えば、カニューレの内径)は、突出部の端部に向かって減少することができる。突出部の実施例は、限定ではないが、針、管、カニューレ、開放拡張器、ノズル等を含むことができる。ある実施例では、突出部は、突出部の強度を増加させる、または突出部の厚さを減少させるために、カニューレ(例えば、オーバーモールドカニューレ)であり得る。別の実施例では、突出部は、針(例えば、オーバーモールドノンコアリング針)であり得、カートリッジアセンブリ500は、弁532を含まない場合がある、またはその必要はない。そのような弁532の不在下では、カートリッジアセンブリは、通気のために流体経路516を利用することができる。上記の実施形態の代替として、またはそれに加えて、結合ユニット510または容器ポート530は、通気のために別個の開口部(例えば、少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの針)を備えることができる。代替として、または加えて、容器520は、液体がそれを通して通過しないように防止しながら、空気または他のガスが通気することを可能にするように構成される、半透膜を含むことができる。
【0230】
図5Cは、いくつかの実施形態による、カートリッジアセンブリ500に動作可能に結合される、サンプル取得デバイス100の流量計170の斜視図を示す。流量計は、ユーザが液体血液の採取の進行を観察することを可能にする、透明または半透明窓(例えば、視覚的計量窓)を備えることができる。カートリッジアセンブリがサンプル取得デバイスに動作可能に結合されているとき、容器520の採取管535の少なくとも一部は、流量計170と整合されることができる。流量計についての付加的詳細が、例えば、本明細書の第II節パートFに説明される。上記に言及されるように、採取管535の少なくとも一部は、カートリッジアセンブリ500の中への液体血液の採取の進行の視認を可能にするために、透明または半透明であり得る。いったん血液採取プロセスが、(例えば、インジケータ522もしくはそれに動作可能に結合される1つまたはそれより多くのセンサによって示されるように)完了すると、カートリッジアセンブリ500は、デバイス100から除去されることができ、カートリッジアセンブリ500の少なくとも一部は、例えば、後続貯留または輸送のために輸送スリーブ200に結合される(例えば、その中に挿入される)ことができる。いくつかの実施例では、カートリッジアセンブリ500全体が、デバイス100から除去され、次いで、輸送スリーブ200の中に挿入されることができる。他の実施例では、結合ユニット510は、デバイス100に結合されたままであり得る一方、カートリッジアセンブリ500の残りの部分は、結合ユニット510から結合解除され、輸送スリーブ200の中に挿入される。他の実施例では、カートリッジアセンブリ500全体が、デバイス100から除去されることができ、結合ユニット510は、続けて、容器520が輸送スリーブ200の中に挿入されるために、カートリッジアセンブリ500から結合解除されることができる。結合ユニット510が、貯留または輸送のために容器520から結合解除されているとき、弁532および流体経路516は、血液の漏出を防止するために、閉鎖されることができる。代替実施形態では、別個のシーラントまたは被覆が、血液の漏出を防止するために、容器ポート530に適用されることができる。シーラント/被覆は、輸送スリーブ200の中への容器の挿入に先立って、外側環境から採取された血液を保護するように構成されることができる。図6は、輸送スリーブ200の中に挿入されるカートリッジアセンブリ500の実施例を示す。輸送スリーブについての付加的詳細が、例えば、本明細書の第III節に説明される。
【0231】
いくつかの実施形態では、結合ユニット510は、カートリッジアセンブリ500の組立の間に容器520に結合されることができる。代替実施形態では、結合ユニット510は、組立の間に本デバイスのカートリッジチャンバ内のポートに(一時的または恒久的に)結合されることができる。代替実施形態では、結合ユニット510は、ユーザによって容器520に結合されることができる。いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリ500を本デバイスに結合することに応じて、本デバイスにおけるポート(例えば、カートリッジポート)に結合ユニット510を接続する力は、容器520がサンプル取得デバイスから離れるように引動され、結合解除されているときであっても、結合ユニット510が定位置に留まり得る(例えば、サンプル取得デバイスに結合されたままである)ように、結合ユニット510と容器ポート530との間の摩擦力を上回り得る。代替実施形態では、本デバイスに結合ユニット510を接続する力は、容器520が本デバイスから離れるように引動され、結合解除されているとき、結合ユニット510が本デバイスから結合解除され得るように、結合ユニット510と容器ポート530との間の摩擦力を下回り得る。
【0232】
いくつかの実施形態では、採取された血液と接触するカートリッジアセンブリの少なくとも一部(例えば、結合ユニット510の経路514、弁532、容器ポート530、採取管535の内面、インジケータ522、またはそれに動作可能に結合される任意のセンサ)は、本明細書に開示される任意の保護剤を用いてコーティングされることができる。例えば、採取管535は、採取された血液を安定化することに役立つために、ヘパリンまたはEDTA等の物質を含有する、もしくはそれを用いてコーティングされることができる。
【0233】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、例えば、細胞、血漿、血清、血小板、具体的細胞タイプ、DNA(例えば、腫瘍cfDNA)、RNA、タンパク質、無機物、薬物、または任意の他の成分等の採取された液体血液の任意の数の成分を選択的に分離するようにさらに構成されることができる。例えば、カートリッジアセンブリ500は、採取された血液から血清または血漿を選択的に分離するために、本明細書に説明されるようなカートリッジアセンブリ300、400の1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、血液分離膜322、採取媒体324、前置フィルタ326等)を備えることができる。カートリッジアセンブリ500は、血液がカートリッジアセンブリ500の中に採取されている間、またはカートリッジアセンブリ500の中への血液の採取に続けて、血清もしくは血漿を選択的に分離するように構成されることができる。
【0234】
本開示の別の側面は、対象から血液(例えば、液体血液)を採取および貯留するためのシステムを提供する。本システムは、本明細書に開示されるサンプル取得デバイス(例えば、サンプル取得デバイス)およびカートリッジアセンブリ(例えば、図5A~5Cに図示されるようなカートリッジアセンブリ500)のうちのいずれかを備えることができる。例えば、いくつかの実施形態では、主題のシステムのサンプル取得デバイスは、オンボード真空を備えることができる。
【0235】
本開示の別の側面は、血液を採取するための方法を提供する。本方法は、本明細書に開示されるサンプル取得デバイスのうちのいずれか(例えば、サンプル取得デバイス)を使用し、対象から血液を採取することを含むことができる。本方法は、本明細書に開示されるカートリッジアセンブリのうちのいずれか(例えば、図5A~5Cに図示されるようなカートリッジアセンブリ500)を使用し、サンプル取得デバイスから対象の血液を受け取ることをさらに含むことができる。いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、血液を液体血液として貯留するために使用されることができる。
【0236】
3.モジュール式サンプルチャンバ
【0237】
本開示のさらなる側面は、対象から採取されたサンプル(例えば、血液)を貯留するためのサンプルチャンバを提供する。サンプルチャンバは、モジュール式であり得る。そのようなモジュール式サンプルチャンバは、本明細書に同義的に使用されるように、「モジュール式サンプルチャンバアセンブリ」または「モジュール式チャンバアセンブリ」と称され得る。モジュール式チャンバアセンブリは、本明細書に開示される任意のサンプル取得デバイス(サンプル取得デバイスとも称される)、例えば、図1に図示されるようなデバイス100に動作可能に結合されることができる。いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、サンプル取得デバイスの本体(または基部)に結合するように構成される入口ポートを備えることができる。ある場合には、サンプル取得デバイスの本体は、カートリッジチャンバを備えることができる。モジュール式チャンバアセンブリは、入口ポートに結合するように構成される、筐体(例えば、チャンバ)を備えることができる。いくつかの実施形態では、封入体が、チャンバが入口ポートに結合されているとき、モジュール式チャンバアセンブリ内に形成されることができる。封入体は、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプの少なくとも1つのカートリッジアセンブリをその中に支持するように構成されることができる。複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、血液が複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にすることができる。複数の異なる形式は、血漿、血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を備えることができる。いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバまたはその中の構成要素(例えば、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプの個々のカートリッジアセンブリ)は、本明細書に説明されるサンプルチャンバのうちのいずれかの1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、図3の処置/安定化ユニット320)を利用することができる。いくつかの実施形態では、入口ポートは、モジュール式チャンバアセンブリをシールするキャップの一部であり得る。いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、カートリッジアセンブリを含まない場合があり、その必要はなく、サンプルは、例えば、図5Aのサンプルチャンバ500において説明されるように、封入体の中に直接採取されることができる。
【0238】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバの一部は、入口ポートがサンプル取得デバイスの接合特徴(例えば、図8Bに図示されるような突出部975)に結合されているとき、サンプル取得デバイスの基部から外に延在しているように構成されることができる。サンプル取得デバイスから外に延在されるチャンバの一部は、サンプル取得デバイスの中へのモジュール式チャンバアセンブリの挿入の間、およびサンプル取得デバイスからのモジュール式チャンバアセンブリの除去の間、ユーザがモジュール式チャンバアセンブリを保持するための取っ手として使用されることができる。代替実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバ全体が、サンプル取得デバイスの基部の中に挿入されるように構成されることができる。そのような場合では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバは、モジュール式チャンバアセンブリがサンプル取得デバイスに動作可能に結合されているとき、可視ではない場合がある。
【0239】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリの入口ポートは、封入体をシールするように構成される、ポートを備えることができる。ある場合には、ポートは、封入体を密閉シールするように構成される穿刺可能ポート(例えば、穿刺可能自己シールポート)であり得る。ある場合には、シーラントは、エラストマガスケットであり得る。エラストマ材料の実施例は、限定ではないが、ポリイソプレン、ブタジエン、スチレンブタジエン、アシロニトリルブタジエン、ポリクロロプレン、イソブチレンイソプレン、ポリスルフィド、ポリメタン、クロロスルホン化ポリエチレン、エチレンプロピレン、フルオロエラストマ、ポリシロキサン、ポリエステル、ポリメタン、シリコーン、熱可塑性エラストマ、および同等物等の任意のゴムまたはゴム様材料を含むことができる。いくつかの実施例では、穿刺可能自己シールポートを備える入口ポートは、モジュール式チャンバアセンブリのキャップであり得る。
【0240】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリの入口ポートは、少なくとも1つのカートリッジアセンブリに結合するように構成されることができる。ある実施例では、入口ポートは、本明細書に開示されるように、キャップであり得、キャップは、カートリッジアセンブリに結合されることができる。そのような結合は、モジュール式チャンバアセンブリ内にカートリッジアセンブリを封入することができる。ある場合には、カートリッジアセンブリは、(例えば、サンプル管内の)モジュール式チャンバアセンブリの内側部分に結合される(例えば、解放可能に結合される)ように構成されることができ、キャップは、カートリッジアセンブリにさらに結合することができる。入口ポートは、サンプル取得デバイスによって対象から回収されたサンプルが、入口ポートを通して、モジュール式チャンバアセンブリの内側にあるカートリッジアセンブリの中に採取され得るように、カートリッジアセンブリと流体連通することができる。代替として、入口ポートが、カートリッジアセンブリに結合されることができるが、カートリッジアセンブリは、対象からサンプルを採取するために、サンプル取得デバイスの基部と直接流体連通するように構成されることができる。入口ポートおよびカートリッジアセンブリは、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、相互に結合されることができる。代替実施形態では、入口ポートおよびカートリッジアセンブリは、1つまたはそれより多くの接続チャネルもしくは結合ユニットを介して、相互に間接的に結合されることができる。
【0241】
いくつかの実施形態では、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)採取された血液から血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプのうちの2つまたはそれより多くを備えることができる。ある場合には、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプは、(1)採取された血液から血漿もしくは血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプ、(2)液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプ、(3)血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つもしくはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプ、または(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジタイプのうちの3つまたはそれより多くを備えることができる。ある場合には、複数の異なるカートリッジタイプは、(1)採取された血液から血漿または血清を分離するように構成される第1のカートリッジアセンブリタイプと、(2)液体血液を採取および貯留するように構成される第2のカートリッジアセンブリタイプと、(3)血液を乾燥血液として採取および貯留するための1つまたはそれより多くのマトリクスを保持するように構成される第3のカートリッジアセンブリタイプと、(4)凝固血液を貯留するように構成される第4のカートリッジアセンブリタイプとを備えることができる。複数の異なるカートリッジタイプは、同一の形状、厚さ、長さ、幅、深さ、体積、または表面積を有することができる。代替として、複数の異なるカートリッジタイプは、同一の形状または寸法を有していない場合がある、またはその必要はない。
【0242】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、入口ポートがサンプル取得デバイスの接合特徴から結合解除されているとき、サンプル取得デバイスから解放され、取り外されるように構成されることができる。サンプル取得デバイスの基部または本体から結合解除されることに応じて、入口ポートは、周囲環境からカートリッジアセンブリ内の採取されたサンプルを保護するために、および/またはユーザもしくはモジュール式チャンバアセンブリを取り扱い得るその他を保護するために、シールされることができる(例えば、穿刺可能自己シールポートは、閉鎖されることができる)。使用時、モジュール式チャンバアセンブリは、サンプル取得デバイスに結合されることができ、サンプル取得デバイスの突出部(例えば、針)は、入口ポートを通して貫通し、モジュール式チャンバアセンブリの少なくともカートリッジアセンブリとの流体連通を確立することができる。サンプル採取後、モジュール式チャンバアセンブリは、サンプル取得デバイスから結合解除されることができ、入口ポートは、自己シールによって、例えば、自己治癒または自己封入ポリマーの使用を介して閉鎖されることができる。代替として、別個のキャップが、モジュール式チャンバアセンブリの入口ポートに適用され、カートリッジアセンブリ内の採取されたサンプルをシールおよび保護することができる。
【0243】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、サンプル(例えば、対象の血液)がモジュール式チャンバアセンブリのカートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、サンプル取得デバイスから解放され、取り外されるように構成されることができる。ある場合には、モジュール式チャンバアセンブリは、ユーザによって手動で、例えば、サンプル取得デバイスまたはモジュール式チャンバアセンブリに動作可能に結合される1つまたはそれより多くのスイッチを介して、サンプル取得デバイスから解放され、取り外されることができる。ユーザは、モジュール式チャンバアセンブリの透明または半透明窓を通して、血液の採取もしくは処理を追跡することができる。窓は、(図8Aに図示されるように)ユーザに直接露出される、または(図1Aに図示されるように)サンプル取得デバイスの流量計によって部分的もしくは全体的に被覆されることができる。代替として、モジュール式チャンバアセンブリは、(1)採取された血液の存在、(2)採取された血液の量(例えば、体積)、または(3)血液の処理(例えば、血清/血漿分離)の進行を検出するように構成される1つまたはそれより多くのセンサを備えることができる。センサは、サンプル取得デバイスとモジュール式チャンバアセンブリとの間の結合/結合解除機構、例えば、サンプル取得デバイスとモジュール式チャンバアセンブリの入口ポートとの間の任意の結合/結合解除機構に動作可能に結合されることができる。センサは、本明細書の別の場所に説明されるようなセンサのうちのいずれかであり得る。
【0244】
上記に言及されるように、入口ポートおよびチャンバの結合は、モジュール式チャンバアセンブリ内に封入体を形成することができる。いくつかの実施形態では、封入体は、血液がカートリッジアセンブリ上で採取、処理、または貯留された後、および、モジュール式チャンバアセンブリがサンプル取得デバイスから解放され、取り外された後、外部環境からカートリッジを保護するように構成されることができる。モジュール式チャンバアセンブリの封入体は、本明細書に開示されるように、例えば、本明細書の第III節に説明されるように、任意の輸送スリーブの1つまたはそれより多くの構成要素としての役割を果たす、もしくはそれを利用することができる。したがって、いくつかの実施例では、入口ポート/チャンバ封入体自体が、貯留/輸送包装として使用されることができる。
【0245】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、単一のカートリッジアセンブリを備えることができる。代替実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、2つまたはそれより多くのカートリッジアセンブリ、例えば、複数の異なるカートリッジタイプのうちの2つまたはそれより多くを備えることができる。ある場合には、モジュール式チャンバアセンブリは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くのカートリッジアセンブリを備えることができる。モジュール式チャンバアセンブリは、最大で10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、または2個のカートリッジアセンブリを備えることができる。いくつかの実施例では、モジュール式アセンブリは、異なるタイプの2つのカートリッジ(すなわち、異なるタイプの第1のカートリッジアセンブリおよび第2のカートリッジアセンブリ)に結合されることができる。モジュール式チャンバアセンブリは、(1)第1のカートリッジアセンブリの中に採取された血液の第1の部分を方向付け、(2)第2のカートリッジアセンブリの中に採取された血液の第2の部分を方向付けるように構成されることができる。第1および第2のカートリッジアセンブリの中への採取の間の遷移は、手動で(例えば、モジュール式チャンバアセンブリに動作可能に結合されるスイッチを介してユーザによって)、もしくは自動的に(例えば、本明細書に開示されるような1つまたはそれより多くのセンサによって)実施されることができる。いくつかの実施例では、複数のカートリッジアセンブリは、タンデムに結合され、例えば、サンプル取得デバイスから第1のカートリッジアセンブリへの、および第2のカートリッジアセンブリへの流体連通を形成することができる。
【0246】
いくつかの実施形態では、カートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリがチャンバから解放され得るように、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバに解放可能に結合されることができる。ある場合には、モジュール式チャンバアセンブリは、新しいカートリッジアセンブリとともに再使用可能であり得る。例えば、モジュール式チャンバアセンブリは、以前に使用されたカートリッジアセンブリを除去し、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプから新しいカートリッジアセンブリを配設することによって、1回より多く、例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれより多く使用されることができる。ある場合には、モジュール式チャンバアセンブリは、サンプル取得デバイスに結合することに先立って、真空下にあり得る。そのような場合では、新しいカートリッジアセンブリの配設に応じて、真空が、新しいカートリッジアセンブリを備える再使用可能モジュール式チャンバアセンブリの使用に先立って、別個の真空デバイスの使用によって、モジュール式チャンバアセンブリ内に確立されることができる。
【0247】
図7A~7Dは、本明細書に開示されるようなモジュール式チャンバアセンブリの異なる実施形態を図示する。図7Aは、サンプル採取、処理、および貯留のためのモジュール式チャンバアセンブリ600の斜視図(左の2つ)および側面断面図(最も右)を示す。モジュール式チャンバアセンブリ600は、入口ポート610を備えることができる。ある場合には、入口ポートは、キャップであり得る。キャップは、穿刺可能自己シールキャップであり得る。キャップは、モジュール式チャンバアセンブリの残りの部分から可撤性であり得る。モジュール式チャンバアセンブリ600は、チャンバ620(例えば、管または管アセンブリ)をさらに備えることができる。チャンバ620は、カートリッジアセンブリ630を備えることができる。カートリッジアセンブリは、血液が複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にする複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのうちの1つを含むことができる。複数の異なる形式は、血漿、血清、乾燥血液、液体血液、または凝固血液を備えることができる。例えば、カートリッジアセンブリ630は、カートリッジ640を備えることができる。カートリッジ640は、対象から血液またはその一部を吸収および採取するために、1つまたはそれより多くのマトリクスストリップ642を備えることができる。カートリッジ640はまた、過剰な血液を保持および計測制御するための1つまたはそれより多くの吸収性パッド644を備えることができる。マトリクスストリップ642および吸収性パッド644は、相互と流体連通することができる。カートリッジアセンブリは、接続ポート646をさらに備えることができる。接続ポート646は、入口ポート610およびカートリッジアセンブリ630に接続する(例えば、解放可能に結合する)ように構成されることができる。例えば、接続ポートは、入口ポートおよびマトリクスストリップと流体連通し、サンプル取得デバイスから、入口ポートを通した、マトリクスストリップの中への/上への血液の採取を可能にすることができる。接続ポートは、種々の形状およびサイズを有することができる。例えば、接続ポートは、球体、立方体、またはディスクの形状、もしくはその形状の任意の部分的形状または組み合わせであり得る。接続ポートは、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。ある場合には、接続ポートは、入口ポートまたはカートリッジアセンブリの一部として事前組立される、もしくは加工されることができる。ある実施例では、接続ポート646は、入口ポートとカートリッジアセンブリ630との間の血流経路としての役割を果たす、漏斗であり得る。
【0248】
いくつかの実施形態では、図7Aに図示されるように、モジュール式チャンバアセンブリ600は、サンプルを乾燥させる、および/または乾燥状態に保つために使用され得る、乾燥剤650をさらに備えることができる。乾燥剤は、チャンバ620内に配置されることができる。乾燥剤は、単一の固体材料であり得る。乾燥剤は、複数の乾燥剤粒子を含むことができる。乾燥剤粒子は、容器(例えば、パウチ)内に貯留されることができる。
【0249】
図7Bは、いくつかの実施形態による、対象から血液サンプルを採取および貯留するためのモジュール式チャンバアセンブリならびにサンプル取得デバイスの動作および使用の原理を図示する。サンプル取得デバイス900aは、入口ポート610(例えば、穿刺可能自己シールキャップ)を通して貫通し、モジュール式チャンバアセンブリ600の少なくとも一部(例えば、カートリッジ640を備えるカートリッジアセンブリ630)との流体連通を確立するように構成される、突出部または穿刺要素975(例えば、針)を備えることができる。ある場合には、穿刺要素975は、接続ポート646を通して貫通するように構成されることができる。代替として、図7Bの右画像に示されるように、穿刺要素975の遠位端は、接続ポート646が採取された血液を受け取り、採取された血液をカートリッジアセンブリ630の中に方向付け得るように、モジュール式チャンバアセンブリ600がサンプル取得デバイス900bに結合されているとき、接続ポート646内に配置されることができるが、それを完全には通過しない。サンプル取得デバイス900aへのモジュール式チャンバアセンブリ600の結合の異なる斜視図が、図7Cに図示される。モジュール式チャンバアセンブリは、種々の長さおよび/または直径(600ならびに601によって示されるような)を有することができ、サンプル取得デバイス900aは、異なるタイプおよび寸法のモジュール式チャンバアセンブリと適合するように構成されることができる。サンプル取得デバイス900aは、対象の皮膚を受け取るように構成される、窪み980を備えることができる。窪み980は、ランセット910の穿刺要素が対象の皮膚を穿刺することを可能にするように構成される、開口部985を備えることができる。ランセットは、穿刺アクティベータ166を含むことができる。穿刺アクティベータは、ボタン167を含むことができる。
【0250】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリまたはその構成要素(例えば、カートリッジアセンブリ)は、対象からの採血のための真空を提供するために、(例えば、周囲圧力を下回るまで)事前減圧されることができる。入口ポート(例えば、キャップ)は、使用に先立って真空を維持するためのシールを生成することができる。代替実施形態では、真空が、サンプル取得デバイスによる採決のために提供されることができる。いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリの中にサンプルを採取した後、入口ポートは、貯留/輸送の間にモジュール式チャンバアセンブリ内の環境を維持するためのシールを生成することができる。
【0251】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、真空チャンバおよび/または堆積チャンバ(もしくはカートリッジチャンバ、サンプルチャンバ等)として機能することができる。例えば、サンプル取得デバイスの本体の中にモジュール式チャンバアセンブリを完全に挿入することを介した、例えば、モジュール式チャンバアセンブリとサンプル取得デバイスとの間の完全な結合は、サンプル取得デバイスの本体の突出部(例えば、針)をトリガし、モジュール式チャンバアセンブリのキャップを穿刺し、真空をアクティベートすることができる。したがって、本実施例では、サンプル取得デバイスは、別個の真空アクチュエータボタンを要求しない場合がある、またはその必要はない。モジュール式チャンバアセンブリとサンプル取得デバイスの本体との間の結合および結合解除は、片手または両手を使用して動作させられることができる。ある場合には、モジュール式チャンバアセンブリとサンプル取得デバイスとの間の完全な結合が、確動停止部、またはモジュール式デバイス上のマーキング、可聴クリック音、もしくは他の機構によって示されることができる。
【0252】
上記に言及されるように、モジュール式チャンバアセンブリは、血液が複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にするための複数の異なるカートリッジアセンブリタイプを支持する(例えば、それに結合する)ように構成されるチャンバを備えることができる。図7Dに図示されるように、モジュール式チャンバアセンブリ600は、カートリッジアセンブリ630を備えることができ、これは、順に、対象から血液またはその一部を吸収および採取するように構成される1つまたはそれより多くのマトリクスストリップ642を備える。別の実施例では、モジュール式チャンバアセンブリ700は、カートリッジアセンブリを備えることができ、これは、順に、液体血液を採取するように構成される容器(例えば、管採取器)710を備える。容器710は、(図5A~5Cに図示されるような)液体サンプルを採取するためのカートリッジアセンブリ500の1つまたはそれより多くの構成要素を利用することができる。図7Dを参照すると、異なるモジュール式チャンバアセンブリ800が、カートリッジアセンブリを備えることができ、これは、順に、例えば、血清もしくは血漿分離および貯留のための1つまたはそれより多くの血液分離膜810を備える。血液分離膜810は、(図3A~3Fおよび図4に図示されるような)血液分離および採取のためのカートリッジ300もしくは400の1つまたはそれより多くの構成要素を利用することができる。
【0253】
いくつかの実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバ(または筐体)は、種々の形状およびサイズを有することができる。例えば、チャンバは、球体、立方体、またはディスクの形状、もしくはその形状の任意の部分的形状または組み合わせであり得る。チャンバは、円形、楕円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、またはそれらの形状の任意の部分的形状もしくは組み合わせである断面を有することができる。ある場合には、チャンバは、チャンバの長さに沿って同一の断面寸法を有することができる。代替として、チャンバは、チャンバの長さに沿って異なる断面寸法を有することができる。いくつかの実施例では、チャンバは、貯留(例えば、ベンチトップラック)または処理(例えば、血液分離のための遠心分離器もしくは標準管ラック)のための1つまたはそれより多くのツールとの互換性のために管の形状であり得る。互換性は、モジュール式チャンバアセンブリが自動化された実験室手順と統合されることを可能にすることができる。
【0254】
モジュール式チャンバアセンブリのチャンバ(例えば、図7Aに図示されるようなチャンバ620)の断面直径は、外径(OD)または内径(ID)のいずれかと称され得る。断面直径は、少なくとも約0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、またはそれを上回るものであり得る。筐体の断面直径は、最大で約50mm、45mm、40mm、35mm、30mm、25mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、またはそれ未満であり得る。チャンバ(例えば、チャンバ620)の長手方向長は、少なくとも約1mm、1.5mm、2mm、2.5mm、3mm、3.5mm、4mm、4.5mm、5mm、5.5mm、6mm、6.5mm、7mm、7.5mm、8mm、8.5mm、9mm、9.5mm、10mm、15mm、20mm、25mm、30mm、35mm、40mm、45mm、50mm、55mm、60mm、65mm、70mm、75mm、80mm、85mm、90mm、95mm、100mm、110mm、120mm、130mm、140mm、150mm、200mm、250mm、300mm、350mm、またはそれを上回るものであり得る。筐体の長手方向長は、最大で約350mm、300mm、250mm、200mm、150mm、140mm、130mm、120mm、110mm、100mm、95mm、90mm、85mm、80mm、75mm、70mm、65mm、60mm、55mm、50mm、45mm、40mm、35mm、30mm、25mm、20mm、15mm、10mm、9.5mm、9mm、8.5mm、8mm、7.5mm、7mm、6.5mm、6mm、5.5mm、5mm、4.5mm、4mm、3.5mm、3mm、2.5mm、2mm、1.5mm、1mm、またはそれ未満であり得る。いくつかの実施例では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバは、直径が約13mmおよび長さが約100mm、直径が約13mmおよび長さが約75mm、直径が約13mmおよび長さが約66mm、直径が約13mmおよび長さが約50mm、直径が約16mmおよび長さが約100mm、直径が約16mmおよび長さが約75mm、直径が約16mmおよび長さが約50mm、または好ましくは、直径が約16mmおよび長さが約46mmであり得る。いくつかの好ましい実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリのチャンバの長さは、最大で約75mmまたはそれ未満であり得る。
【0255】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるようなサンプルチャンバ(例えば、モジュール式チャンバアセンブリ600)の封入されたチャンバの容積(例えば、閉鎖またはシールされた容積)は、サンプル採取のための十分な真空圧力を提供するように選択されることができる。ある場合には、封入されたチャンバの容積は、例えば、棚貯留の間の(例えば、漏出からの)圧力損失に適応するために、サンプル採取のために必要とされる、または要求されるものを上回る真空圧力を提供するように設計されることができる。ある場合には、封入されたチャンバの容積は、本明細書に開示されるように、採取されたサンプルのタイプおよび/または採取されたサンプルの処理のタイプに基づいて選択されることができる。例えば、モジュール式チャンバアセンブリの内部容積は、少なくとも約1立方センチメートル(cm)、1.5cm、2cm、2.5cm、3cm、3.5cm、4cm、4.5cm、5cm、6cm、7cm、8cm、9cm、10cm、11cm、12cm、13cm、14cm、15cm、20cm、25cm、またはそれを上回るものであり得る。モジュール式チャンバアセンブリの内部容積は、最大で約100cm、90cm、80cm、70cm、60cm、50cm、45cm、40cm、35cm、30cm、25cm、20cm、15cm、14cm、13cm、12cm、11cm、10cm、9cm、8cm、7cm、6cm、5cm、4.5cm、4cm、3.5cm、3cm、2.5cm、2cm、1.5cm、1cm、またはそれ未満であり得る。いくつかの実施例では、モジュール式チャンバアセンブリの内部容積は、約5cm~約8cm、約6.5cm~約7.5cm、または好ましくは、約5.5cm~約6cmに及ぶことができる。
【0256】
モジュール式チャンバアセンブリ(例えば、図7Aに図示されるような入口ポート610)のキャップは、ある高さおよびある断面寸法(例えば、直径)を有することによって特徴付けられることができる。キャップの高さは、少なくとも約0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、15mm、20mm、30mm、またはそれを上回るものであり得る。キャップの高さは、最大で約30mm、20mm、15mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1.5mm、1.4mm、1.3mm、1.2mm、1.1mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm、またはそれ未満であり得る。キャップの断面直径は、少なくとも約0.1mm、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、1.1mm、1.2mm、1.3mm、1.4mm、1.5mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、11mm、12mm、13mm、14mm、15mm、16mm、17mm、18mm、19mm、20mm、25mm、30mm、またはそれを上回るものであり得る。キャップの断面直径は、最大で約30mm、25mm、20mm、19mm、18mm、17mm、16mm、15mm、14mm、13mm、12mm、11mm、10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1.5mm、1.4mm、1.3mm、1.2mm、1.1mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm、またはそれ未満であり得る。キャップの断面直径は、約0.5mm~約1.1mm、約0.8mm~約1.4mm、または好ましくは、約0.7mm~約1mmに及ぶことができる。
【0257】
本明細書に開示されるデバイス、システム、方法、またはキットのうちのいずれかでは、サンプル取得デバイス(すなわち、サンプル取得デバイス)は、モジュール式であり得る。そのようなデバイスは、「モジュール式サンプル取得デバイス」と称され得る。モジュール式サンプル取得デバイスは、本明細書に開示される任意のサンプル取得デバイス、例えば、図1A、3D、および5Bのデバイス100ならびに図7Bおよび7Cのデバイス900aの1つまたはそれより多くの構成要素を備えることができる。使用時、モジュール式サンプル取得デバイスは、本明細書に開示される任意のサンプルチャンバ、例えば、非モジュール式サンプルチャンバおよびモジュール式サンプルチャンバの両方に動作可能に結合されることができる。
【0258】
図8Aは、いくつかの実施形態による、モジュール式サンプル取得デバイス900bの種々の構成要素の斜視図を示す。ある場合には、図8Aのデバイス900bは、図8Aのデバイスが動作および機能性のためのより少ない構成要素を備える点において、図1Bのデバイス100よりもコンパクトであり得る。例えば、図8Aに図示されるデバイスは、筐体(例えば、図1Bのカバー152)を要求しない場合があり、その必要はない。代替として、図8Aのデバイスは、依然として筐体を含むことができる。図8Aに示されるデバイス900bは、ランシングアセンブリ910および基部または本体920等のモジュール式構成要素を含むことができる。デバイス900bは、カートリッジアセンブリ630を含有するモジュール式チャンバアセンブリ600に動作可能に結合されることができる。ある実施例では、デバイス900bは、対象からサンプルを採取するために、モジュール式チャンバアセンブリ600とともに、本体(または基部)920およびランシングアセンブリ910のみを要求することができる。モジュール式サンプル取得デバイス900bは、対象の皮膚を受け取るように構成される、窪み980を備えることができる。窪み980は、ランセットアセンブリ910の穿刺要素が対象の皮膚を穿刺することを可能にするように構成される、開口部985を備えることができる。ランセットアセンブリ910は、図1Aに説明されるようなランセットに類似し得る。例えば、ランセットアセンブリ910は、穿刺アクティベータ166を含むことができる。穿刺アクティベータは、ボタン167を含むことができる。モジュール式サンプル取得デバイス900bの本体は、本開示の別の場所に開示されるように、モジュール式チャンバアセンブリの複数の異なる構成を支持または受け取るように構成される、スリーブ990を備えることができる。スリーブ990は、ユーザがモジュール式チャンバアセンブリの中へのサンプルの採取の進行を視認することを可能にするための切り欠き995を備えることができる。ある実施例では、図8Aに示されるモジュール式チャンバアセンブリ600は、(1)対象からサンプル(例えば、血液またはその成分)を採取するための採取ユニットおよび(2)別個の貯留/輸送デバイスのいかなる必要性も伴わない、採取されたサンプルの貯留/輸送のための輸送ユニットの両方として機能するように構成されることができる。図8Cに示されるモジュール式チャンバアセンブリは、事前減圧された真空を有して提供されることができる。モジュール式チャンバアセンブリが、モジュール式サンプル取得デバイスの本体に結合されているとき、モジュール式チャンバアセンブリ内の真空は、アクティベートされることができ、これは、ランシングアセンブリにおけるランセットを使用する皮膚の穿刺に備えて、本体920上の窪み980(図8Bに示されるような)の中に対象の皮膚を引き込む。図8Cは、モジュール式チャンバアセンブリの不在下のモジュール式サンプル取得デバイス900bの斜視図を示す。モジュール式サンプル取得デバイス900bは、本体920に結合される、ランシングアセンブリ910を備える。本体920は、モジュール式チャンバアセンブリ600の少なくとも一部を通して貫通し、モジュール式サンプル取得デバイス900bとモジュール式チャンバアセンブリ600との間の流体連通を行うように構成される少なくとも1つの突出部975を備えることができる。
【0259】
図8Dにさらに図示されるように、モジュール式サンプル取得デバイス900bは、基部/本体920に動作可能に結合される、ランシングアセンブリ910を備えることができる。簡潔には、基部920は、対象の皮膚との接触を発生させることができ、ランシングアセンブリ910は、対象からのサンプル(例えば、血液)の採取のために皮膚上に切開を行うことができる。基部920は、本明細書に開示されるモジュール式チャンバアセンブリのうちのいずれか(例えば、モジュール式アセンブリ600、700、または800)を受け取るように構成される、ポートを備えることができる。例えば、入口ポート610(例えば、穿刺可能自己シールキャップ)と、カートリッジアセンブリ630とを備えるモジュール式チャンバアセンブリ600は、サンプル取得デバイス900と併せて使用されることができる。モジュール式チャンバアセンブリ600は、デバイス900の中に挿入されることができ、その間に、モジュール式サンプル取得デバイス900の穿刺要素975は、入口ポート610を通して穿刺し、モジュール式チャンバアセンブリ600の接続ポート646およびカートリッジアセンブリ630との流体連通を発生させる。続けて、血液は、カートリッジアセンブリ630の中に採取されることができ、処理されることができる。採取に続けて、モジュール式チャンバアセンブリ600は、貯留または輸送のためにデバイス900から後退されることができる。
【0260】
図8Eは、いくつかの実施形態による、例示的モジュール式サンプル取得デバイス900bおよびモジュール式チャンバアセンブリ600の動作ならびに使用の原理を図示する。図8Eに説明されるプロセスのうちのいずれかが、本開示のサンプル取得デバイスおよびサンプルチャンバのうちのいずれかを用いて実施され得ることに留意されたい。図8Eを参照すると、モジュール式チャンバアセンブリ600は、モジュール式サンプル取得デバイス900bとは別個に包装される(または別個に提供される)ことができる。いくつかの代替実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリ600は、モジュール式サンプル取得デバイスに部分的に結合されるユニットとして包装されることができる。結合解除されるか、または部分的に結合されるかにかかわらず、モジュール式サンプル取得デバイス900bの突出部(例えば、針975)は、使用/動作に先立つ真空のアクティベーションを回避するために、モジュール式チャンバアセンブリ600(例えば、入口ポート610)を通して貫通しない場合がある。例えば、モジュール式チャンバアセンブリ600からの真空圧力を介して、モジュール式サンプル取得デバイス900b内の真空をアクティベートするために、モジュール式チャンバアセンブリ600は、例えば、図8Eの矢印1005によって示されるような方向において、モジュール式サンプル取得デバイス900bに完全に結合されることができる。モジュール式サンプル取得デバイス900bと、モジュール式チャンバアセンブリ600とを備えるシステムを使用し、対象の血液を採取および/または処理した後、モジュール式チャンバアセンブリ600は、例えば、矢印1010によって示されるような方向において、モジュール式サンプル取得デバイス900bから結合解除されることができる。モジュール式チャンバアセンブリ600は、貯留または輸送の間に採取された血液サンプルを保護するように構成されることができる。さらなる処理または分析(例えば、血液分離、血液試験、遺伝子スクリーニング等)のために採取されたサンプル(例えば、マトリクスストリップ642上に貯留される)を回収するために、モジュール式チャンバアセンブリ600の少なくともキャップ(例えば、入口ポート610)は、採取されたサンプルへのアクセスを可能にするために、例えば、矢印1015によって示されるような方向において、モジュール式チャンバアセンブリ600から結合解除されることができる。
【0261】
図9は、モジュール式チャンバアセンブリ600aまたは600b(カートリッジアセンブリもしくは乾燥剤(図示せず))のいずれかに動作可能に結合される、モジュール式サンプル取得デバイス900bの実施例を図示する。モジュール式チャンバアセンブリ600aおよび600bは、異なる寸法、例えば、異なる長手方向長を有することができる。本明細書に説明されるように、サンプル取得デバイス900bは、ランシングアセンブリ910と、基部/本体920とを備えることができる。基部920は、例えば、(1)ランシングアセンブリ910に結合し、(2)(例えば、基部920の窪みまたは吸引空洞を介して)対象の皮膚と接触し、(3)モジュール式チャンバアセンブリに結合する(例えば、解放可能に結合される)ように構成されることができる。基部920は、フランジ930を備えることができる。ユーザは、自身の指を使用し、フランジ930に対して押圧し、モジュール式サンプル取得デバイス900bと、モジュール式チャンバアセンブリ600a/600bとを備えるシステムを動作させることができる。ある場合には、フランジ930は、モジュール式サンプル取得デバイスおよびモジュール式チャンバアセンブリの使用の間、支持のためにユーザの手の指または親指を押圧するための凹部935(例えば、凹状部分)を備えることができる。例えば、片手の動作では、ユーザは、フランジ930に対して自身の親指を押圧し、同一の手の1つまたはそれより多くの他の指もしくは他の部分(例えば、掌)を使用し、モジュール式チャンバアセンブリをモジュール式サンプル取得デバイスに結合する(例えば、押動する)、またはモジュール式サンプル取得デバイスからモジュール式チャンバアセンブリを結合解除する(例えば、引動する)ことができる。代替として、ユーザは、モジュール式サンプル取得デバイス900bの本体上の残りの部分940に対して自身の親指を押圧し、同一の手の1つまたはそれより多くの他の指もしくは部分を使用し、モジュール式チャンバアセンブリをモジュール式サンプル取得デバイスに結合することができる。ある場合には、凹部935は、フランジ930の左側、中間、または右部分のいずれかの上に配置されることができる。例えば、フランジ930内の凹部935の位置は、サンプル取得デバイスの右手または左手使用(対掌性)に依存し得る。ある場合には、取っ手930は、1つより多くの凹部、例えば、少なくとも2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの凹部を備えることができる。例えば、フランジ930は、左手および右手動作の両方のために適合するように、(フランジの両側上に)2つの凹部を含むことができる。
【0262】
本開示の別の側面は、対象から血液を採取および貯留するためのシステムを提供する。本システムは、本明細書に説明されるサンプル取得デバイスのうちのいずれか(例えば、モジュール式サンプル取得デバイスおよび/または非モジュール式サンプル取得デバイス)を備えることができる。本システムは、本明細書に説明されるモジュール式チャンバアセンブリまたは他のタイプのサンプルチャンバのうちのいずれかをさらに備えることができる。いくつかの実施形態では、サンプル取得デバイスは、オンボード真空を備えることができる。そのような真空は、サンプル取得デバイスに向かって対象の皮膚を引動し、皮膚が穿刺されるとき、対象から血液を引き出すために十分であり得る。代替実施形態では、モジュール式チャンバアセンブリは、オンボード真空とともに事前包装されることができ、サンプル取得デバイスの他の部分の中へのそのような真空の通気は、サンプル取得デバイスに向かって対象の皮膚を引動し、皮膚が穿刺されるとき、対象から血液を引き出すために十分であり得る。
【0263】
本開示の別の側面は、(例えば、血液採取、処理、または貯留のための)方法を提供する。本方法は、本明細書に説明されるサンプル取得デバイスのうちのいずれか(例えば、モジュール式サンプル取得デバイスおよび/または非モジュール式サンプル取得デバイス)を使用し、対象から血液を採取することを含むことができる。本方法は、本明細書に説明されるモジュール式チャンバアセンブリまたは他のタイプのサンプルチャンバのうちのいずれかを使用し、複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのうちの1つまたはそれより多くにおいて血液を採取、処理、または貯留することをさらに含むことができる。
【0264】
本開示の別の側面は、本明細書に説明されるサンプル取得デバイスのうちのいずれか(例えば、モジュール式サンプル取得デバイスおよび/または非モジュール式サンプル取得デバイス)と、本明細書に説明されるモジュール式チャンバアセンブリのうちのいずれかと、本明細書に説明される複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのうちのいずれかとを備えるキットを提供する。キットは、少なくとも2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、15個、20個、またはそれより多くのカートリッジアセンブリを備えることができる。キットは、最大で20個、15個、10個、9個、8個、7個、6個、5個、4個、3個、または2個のカートリッジアセンブリを備えることができる。
【0265】
F.流量計
【0266】
いくつかの実施形態では、本デバイスは、図1Aに示されるように、筐体上に流量計170を含むことができる。流量計は、同義的に本明細書では計量窓(または複数の計量窓)と称され得る。流量計は、流体サンプルがサンプルチャンバの中に採取される際、対象またはユーザが、流体サンプル採取(例えば、血液サンプル採取)の進行をリアルタイムで監視することを可能にすることができる。例えば、ユーザ(例えば、対象)は、流体サンプル採取が完了している、またはほぼ完了しているかどうかを判定するために、流量計に依拠することができる。いくつかの実施形態では、流量計は、筐体基部110上に提供されることができる。例えば、流量計は、筐体基部の蓋の一部であり得る、またはそれに統合されることができる。流量計は、堆積チャンバ(またはカートリッジチャンバ)に近接することができる。流量計は、堆積チャンバ(またはカートリッジチャンバ)の直上に位置することができる。流量計は、サンプルチャンバがカートリッジチャンバの中に挿入されるとき、サンプルチャンバの少なくとも一部(例えば、カートリッジアセンブリのカートリッジ182)と実質的に整合されることができる。
【0267】
いくつかの実施形態では、流量計170は、サンプルチャンバの長手方向軸に平行に配置される、複数の窓を含むことができる。複数の窓は、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの窓を含むことができる。窓は、ユーザ(例えば、対象)がカートリッジ内の下にあるマトリクスを見ることを可能にする、光学的に透明な材料から作製されることができる。マトリクス上に採取されるサンプル(例えば、流体サンプル)は、窓を通して可視であり得る。流体サンプルおよびカートリッジのマトリクスは、マトリクスに沿った流体サンプルの流動の容易な視認を可能にするために、異なる色、好ましくは、非常に対照的な色を有することができる。流体サンプルの色(例えば、血液に関して赤色)は、流体サンプルがカートリッジ内のマトリクス上に採取されているとき、各窓を順次充填することができる。各窓は、採取される流体サンプルの既知の量を示すことができる。いくつかの代替実施形態(図示せず)では、流量計は、1つまたはそれより多くの可視マーカを含むことができる。可視マーカは、流量計の窓に取って代わることができる、または計量窓と併せて使用されることができる。可視マーカは、肉眼で視認可能であり得る。可視マーカは、画像、形状、記号、文字、数字、バーコード(例えば、1D、2D、または3Dバーコード)、クイックレスポンス(QR)コード、もしくは任意の他のタイプの視覚的に区別可能な特徴を含むことができる。可視マーカは、相互から区別可能であり得る、LEDライトを含む、ライトの配列またはシーケンスを含むことができる。
【0268】
いくつかの事例では、可視マーカは、熱または他のIRスペクトル放射、UV放射、電磁スペクトルに沿った放射を放出することができる。別の実施例では、サンプル取得デバイスまたは流量計は、ユーザによって検出され得る異なる周波数、ピッチ、高調波、範囲、または音のパターンの振動もしくは音を放出することができる。例えば、音は、言葉または楽音を含むことができる。振動/音は、人間の耳によって認識可能であり得る。振動/音は、流体サンプル採取プロセスの進行を示すために使用されることができる。例えば、第1の振動/音が、流体サンプルがマトリクス上に流動し始めるときに発生されることができ、第1のものと異なる第2の振動/音が、流体サンプルがマトリクスを完全に充填したときに発生されることができる。
【0269】
いくつかの実施形態では、流量計は、流体サンプルの採取の進行を示し、流体サンプル採取が完了されたことを示す、特徴、測色変化、記号の表示、記号のマスキング、または他の手段を検出する(例えば、対象等のユーザがそれを視認することを可能にする)ために使用されることができる。
【0270】
いくつかの実施形態では、1つまたはそれより多くのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)が、サンプル取得デバイスおよび/またはサンプルチャンバ上に提供されることができる。GUIは、流量計の使用を補足することができる。いくつかの実施形態では、流量計の機能は、GUIに組み込まれることができる。GUIは、本デバイス上のディスプレイ画面上にレンダリングされることができる。GUIは、テキストハウジングベースのインターフェース、タイプされたコマンド標識、またはテキストナビゲーションと対照的に、グラフィカルアイコンおよび二次表記等の視覚的インジケータを通してユーザが電子デバイスと相互作用することを可能にするインターフェースのタイプである。GUIにおけるアクションは、グラフィカル要素の直接操作を通して実施されることができる。コンピュータに加えて、GUIは、MP3プレーヤ、ポータブルメディアプレーヤ、ゲーミングデバイス、およびより小さい家庭、オフィス、ならびに産業機器等のハンドヘルドデバイスに見出されることができる。GUIは、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション等において提供されることができる。GUIは、モバイルアプリケーションを通して提供されることができる。GUIは、アプリケーションを通して(例えば、本デバイス上で実行されるアプリケーションプログラミングインターフェース(API)を介して)レンダリングされることができる。GUIは、ユーザがサンプルの採取の進行を視覚的に監視することを可能にすることができる。いくつかの実施形態では、GUIは、ユーザが採取されたサンプル中の着目分析物のレベルを監視することを可能にすることができる。
【0271】
いくつかの実施形態では、サンプル取得デバイスおよび/またはサンプルチャンバは、データを遠隔サーバもしくはモバイルデバイスに伝送することが可能であり得る。データは、例えば、ユーザ詳細/情報、サンプルが対象から採取される日付/時間/場所、採取されたサンプルの量/体積、サンプル採取を完了するためにかかった時間、サンプル採取の間の最大/最小/平均流量、サンプル採取の間の対象の腕の位置、サンプル採取の間にいずれかのエラーまたは予期せぬ事象が生じたかどうか等を含むことができる。ある場合には、データは、モバイルデバイス(例えば、携帯電話、タブレット)、コンピュータ、クラウドアプリケーション、またはそれらの任意の組み合わせに伝送されることができる。データは、限定ではないが、本システムからのデータのダウンロード(例えば、USB、RS-232シリアル、または他の業界標準通信プロトコル)および無線伝送(例えば、Bluetooth(登録商標)、ANT+、NFC、または他の類似する業界標準)を含む、データを伝送するための任意の手段によって伝送されることができる。情報は、報告として表示されることができる。報告は、本デバイスまたはコンピュータの画面上に表示されることができる。報告は、保健医療提供者または介護者に伝送されることができる。いくつかの事例では、データは、電子健康記録にダウンロードされることができる。データは、電子健康記録を備える、またはその一部であり得る。例えば、データは、本明細書に説明されるデバイスおよび方法のユーザの電子健康記録にアップロードされることができる。ある場合には、データは、モバイルデバイスに伝送され、モバイルアプリケーション上でユーザのために表示されることができる。
【0272】
III.サンプル採取後のカートリッジの包装および輸送
【0273】
サンプル採取デバイス上の流量計の使用は、ユーザが、サンプルの採取の進行を監視し、サンプル採取が完了されたときを把握することを可能にすることができる。サンプルチャンバは、サンプルチャンバの一部(例えば、カートリッジタブ)を引動することによって、サンプル取得デバイス(例えば、本デバイスの堆積チャンバ)から除去されることができる。サンプルチャンバの少なくとも一部(例えば、充填されたカートリッジ)は、続けて、さらなる処理のために外部施設へ(例えば、本明細書に開示されるように、輸送スリーブ内にカートリッジまたはその構成要素を貯留することによって)包装および輸送されることができる。例えば、サンプルは、処置され、安定化され、貯留されることができる。本明細書に説明される実施形態のうちのいずれかでは、本デバイスは、サンプルを採取し、処置し、貯留するように構成されることができる。本デバイスによって引き出されたサンプルは、液体または固体形態において貯留されることができる。サンプルは、貯留される前に随意の処置を受けることができる。貯留は、本デバイス上で、本デバイスから離れて、または本デバイス内の可撤性容器、器、コンパートメント、もしくはカートリッジ内で行われることができる。
【0274】
いくつかの実施形態では、輸送スリーブは、採取されたサンプル(例えば、液体血液等の液体サンプル)を保護する、または安定化するように構成されることができる。輸送スリーブは、採取されたサンプルを試験することに先立って、採取されたサンプルを保護するためのシールされた環境を生成することができる。輸送スリーブ内のシールされた環境は、採取されたサンプルの周囲に好ましい/安定した条件を提供する(例えば、生成する)ことができる。
【0275】
ある場合には、輸送スリーブは、周囲条件が輸送スリーブの1つまたはそれより多くの内部条件(例えば、温度、圧力、湿度等)に影響を及ぼさないように防止するために、1つまたはそれより多くの壁(例えば、断熱環境を提供するための二重もしくは三重壁)を備えることができる。
【0276】
ある場合には、採取されたサンプルを備えるシールされた環境は、周囲温度における、または発送温度における貯留ならびに/もしくは発送の間、採取されたサンプルの安定性を増加させる温度まで冷却(または加熱)されることができる。ある実施例では、輸送スリーブは、少なくとも1つの温度調整器、例えば、ペルチェ効果を利用する熱電冷却/加熱装置を備えることができる。別の実施例では、輸送スリーブは、少なくとも1つの化学保冷剤を備えることができる。保冷剤およびカートリッジは、輸送スリーブの同一の部分内に含有される、もしくは輸送スリーブの分離された部分、例えば、1つまたはそれより多くの壁によって分離される2つの部分内に含有されることができる。保冷剤の実施例は、限定ではないが、流体(例えば、水性液体)および塩(例えば、硝酸アンモニウム、チオシアン酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硫酸アンモニウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム、硝酸カリウム、炭酸ナトリウム等)の組み合わせを含むことができる。塩に応じて、流体および塩の物理的混合は、吸熱反応または発熱反応をもたらし、輸送スリーブ内の温度を変調することができる。保冷剤の活性化(例えば、それらの間の障壁を破壊することによる流体および塩の物理的混合)は、輸送スリーブへのカートリッジの挿入によって(例えば、輸送スリーブの機械的手段によって自動的に)またはユーザによって(例えば、輸送スリーブ上に配置されるスイッチを介して)トリガされることができる。流体および塩の物理的混合は、即時(例えば、数秒または1秒未満)であり得る。代替として、物理的混合の速さは、過冷却または過熱を防止するために、ならびに/もしくは温度調整持続時間を延長するために、(例えば、カプセルからの塩の徐放、緩慢に溶解する塩タブレット等によって)制御されることができる。
【0277】
ある場合には、輸送スリーブは、高熱質量または高比熱を伴う材料から成ることができる。輸送スリーブの温度は、冷却器またはオーブン等の温度制御環境内で事前調節(例えば、冷却または加熱)されることができる。高熱質量を伴う材料に起因して、輸送スリーブは、長い時間周期の間、事前調節された温度を維持することができる。温度は、付加的断熱材料または構成要素の存在下でさらにより長い時間周期の間、維持されることができる。高比熱材料の実施例は、限定ではないが、シアニミド、エチルアルコール、エチルエーテル、グリセロール、イソアミルアルコール、イソブチルアルコール、水素化リチウム、メチルアルコール、酢酸ナトリウム、水、エチレングリコール、およびパラフィンワックスを含むことができる。
【0278】
ある場合には、輸送スリーブの内部容積は、液体血液サンプルを断熱するために、部分的または完全に(例えば、周囲圧力を下回る圧力まで)減圧されることができる。輸送スリーブの内部圧力は、圧力調整器(例えば、ダイヤフラムポンプ等のポンプ)によって手動で調節されることができる。
【0279】
ある場合には、本明細書に開示される1つまたはそれより多くのグラフィカルユーザインターフェース(GUI)が、輸送スリーブ上に提供されることができる。GUIは、輸送スリーブの使用を補足することができる。いくつかの実施形態では、輸送スリーブの機能は、GUIに組み込まれることができる。GUIは、輸送スリーブ上のディスプレイ画面上にレンダリングされることができる。GUIは、輸送スリーブの1つまたはそれより多くの条件(例えば、温度、圧力、湿度、タイムスタンピングを介したサンプル貯留の持続時間等)の監視を可能にすることができる。輸送スリーブは、1つまたはそれより多くのカメラを備えることができ、GUIは、輸送スリーブ内に含有されるサンプルの可視化を可能にすることができる。
【0280】
IV.付加的実施形態
【0281】
ある場合には、任意の主題のサンプルチャンバ(例えば、カートリッジアセンブリ180、300、400、500、モジュール式チャンバアセンブリ600、700、800等)が、任意の主題のサンプル取得デバイス(例えば、サンプル取得デバイス100)と交換可能に使用されることができる。
【0282】
ある場合には、サンプルチャンバは、サンプル(例えば、対象の血液)に対して付加的処理ステップを実施するように構成されることができる。血液がカートリッジアセンブリの中に(例えば、サンプル取得デバイスを使用することによって)採取された後、または採取される間、サンプルは、処置、安定化、ならびに/もしくは貯留されることができる。いくつかの実施形態では、採取デバイス、例えば、本願に開示されるデバイスは、サンプルを採取、処置、および貯留するように構成されることができる。本デバイスによって引き込まれたサンプルは、液体または固体形態において貯留されることができる。サンプルは、貯留される前に随意の処置を受けることができる。貯留は、本デバイス上で、本デバイスから離れて、または本デバイス内の可撤性容器、器、コンパートメント、もしくはカートリッジ内で行われることができる。
【0283】
サンプル取得デバイスは、採取されたサンプルを採取し、処置し、安定化し、貯留するように構成されることができる。付加的処理(例えば、処置、安定化、および貯留)は、サンプルを濃縮し、サンプルの流動を調節または計量し、サンプルを1つまたはそれより多くの試薬に露出し、固体基板またはマトリクス上にサンプルを堆積させるために構成されるステップまたは方法およびデバイス構成要素を含むことができる。サンプル取得デバイスを使用するための方法は、以下のプロセス、すなわち、サンプルの採取、処置、安定化、および貯留のうちの1つまたはそれより多くを実施するステップを含むことができる。採取、処置、安定化、および貯留は、単一のデバイス内で実施されることができる。処置は、着目成分または分析物を分離するためのサンプルの濾過を含むことができる。いくつかの実施形態では、採取されたサンプルは、貯留のための可撤性カートリッジへの移送に先立って、採取、処置、および安定化されることができる。他の実施形態では、採取、処置、および安定化を含む1つまたはそれより多くのステップが、可撤性カートリッジ上で行われることができる。
【0284】
本明細書に開示されるデバイス、システム、および方法は、マトリクス(例えば、血液貯留マトリクス、サンプル採取マトリクス、マトリクス、サンプル安定化マトリクス、安定化マトリクス(例えば、RNA安定化マトリクス、タンパク質安定化マトリクス)、固体マトリクス、固体基板、固体支持マトリクス、または固体支持体)上のサンプルを安定化することができる。マトリクスは、本デバイスに統合される、または本デバイスの外部にあり得る。いくつかの実施形態では、マトリクスは、(例えば、サンプル採取後)除去のためにカートリッジに組み込まれることができる。いくつかの実施形態では、マトリクスは、少なくとも176mmである平面寸法を備えることができる。マトリクスは、米国特許第9,040,675号、米国特許第9,040,679号、米国特許第9,044,738号、または米国特許第9,480,966号(全て参照することによってその全体として本明細書に組み込まれる)の方法に従って調製されることができる。
【0285】
マトリクスは、タンパク質および/または核酸から成るサンプル調製試薬を選択的に安定化するように構成されることができる。マトリクスは、タンパク質を安定化するように構成されることができ、核酸は、実質的乾燥状態下でオリゴ糖(例えば、三糖)から成ることができる。オリゴ糖または三糖は、メレジトース、ラフィノース、マルトトリウロース、イソマルトトリオース、ニゲルトリオース、マルトトリオース、ケトース、シクロデキストリン、トレハロース、またはそれらの組み合わせから成る群から選択されることができる。いくつかの実施形態では、マトリクスは、メレジトースから成ることができる。さらなる実施形態では、メレジトースは、実質的乾燥状態下であり得る。いくつかの実施形態では、実質的乾燥状態下のメレジトースは、2%を下回る水分含有量を有することができる。マトリクスにおいて、メレジトースの濃度は、質量比で約10%~約30%重量パーセントの範囲内であり得る(例えば、溶液が溶質および溶媒の両方をともに備える場合、溶質の質量を溶液の質量で除算したものとして計算される)。メレジトースの濃度は、質量比で15%重量パーセントであり得る。メレジトースは、マトリクス中に含浸されることができる。いくつかの実施形態では、マトリクス中の含浸されたメレジトース濃度は、約10~約30%を備えるメレジトース溶液中にマトリクスを浸漬させることからもたらされる。いくつかの他の実施形態では、15%メレジトースが、乾燥状態においてマトリクスの中に含浸される。マトリクスは、メレジトースを用いて受動的にコーティングされる、または共有結合的に修飾されることができる。他の実施形態では、メレジトースは、(例えば、浸漬、噴霧、ブラッシング等を用いて)マトリクスの表面に適用されることができる。いくつかの他の実施形態では、マトリクスは、メレジトースの15%溶液を用いてコーティングされることができる。いくつかの実施形態では、マトリクスは、少なくとも176mmである表面積を伴う平面寸法を備えることができる。マトリクスは、種々の安定化分子を含む、タンパク質および/または核酸を安定化するための付加的成分から成ることができる。安定化分子の非限定的実施例は、バリダマイシンである。いくつかの実施形態では、マトリクスは、31-ETF(例えば、セルロース系マトリクス)と、メレジトースとから成ることができる。
【0286】
マトリクスは、緩衝剤試薬から成ることができる。緩衝剤試薬は、マトリクスの中に含浸されることができる。緩衝剤は、サンプル調製試薬および/または種々のサンプル成分を安定化することができる。マトリクスは、ヌクレアーゼ活性を最小限にする試薬または化合物、例えば、ヌクレアーゼ阻害剤から成ることができる。マトリックスは、プロテアーゼ活性を最小限にする、または阻害する試薬もしくは化合物、例えば、プロテアーゼ阻害剤から成ることができる。プロテアーゼ阻害剤は、合成または天然起源(例えば、天然起源のペプチドもしくはタンパク質)であり得る。マトリクスは、1つまたはそれより多くのフリーラジカル捕捉剤から成ることができる。マトリクスは、UV保護剤またはフリーラジカルトラップから成ることができる。マトリクスはまた、酸素捕捉剤、例えば、炭酸第一鉄およびハロゲン化金属から成ることができる。他の酸素捕捉剤は、アスコルビン酸、炭酸水素ナトリウム、およびシトラスを含むことができる。マトリクスは、細胞溶解試薬から成ることができる。細胞溶解試薬は、チオシアン酸グアニジニウム、塩酸グアニジニウム、チオシアン酸ナトリウム、チオシアン酸カリウム、アルギニン、ドデシル硫酸ナトリウム(SDS)、尿素、またはそれらの組み合わせを含むことができる。固体支持マトリクスは、還元剤から成ることができる。
【0287】
いくつかの実施形態では、サンプル取得および安定化は、サンプル採取、分離、および随意の安定化プロセスの1つまたはそれより多くの段階の間で進行するために、ユーザアクションを要求することができる。システム(例えば、サンプル取得デバイス、サンプルチャンバ等)は、サンプル取得をアクティベートし、分離、安定化、および貯留の間でサンプルを移動させるために、ユーザアクションを要求することができる。代替として、ユーザアクションは、サンプル取得ならびにサンプル採取、分離、もしくは安定化プロセスの1つまたはそれより多くの付加的ステップを開始するように要求されることができる。ユーザアクションは、ボタンを押すこと、叩くこと、振盪、内部部品の破裂、本デバイスの構成要素の旋回または回転、1つまたはそれより多くの構成要素(例えば、チャンバ)を通してサンプルを押進すること、および任意の数の他の機構を含む、任意の数のアクションを含むことができる。段階を通した移動は、サンプル採取と並行して行われることができる、またはサンプル採取後に行われることができる。処理段階の間の、またはそれに先立つ任意の時点で、サンプル全体またはサンプルの成分は、サンプルの生物学的成分の細胞の前処置のための任意の数の技法もしくは処置方略に露出されることができ、潜在的処置は、限定ではないが、試薬、洗剤、蒸発技法、機械的応力、またはそれらの任意の組み合わせを用いた処置を含む。
【0288】
いくつかの実施形態では、サンプル取得デバイスは、サンプル取得デバイスをサンプルチャンバに結合し、逆もまた同様である、少なくとも1つの弁(例えば、逆止弁)に動作可能に結合されることができる。少なくとも1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの弁が、サンプル取得デバイスをカートリッジアセンブリに結合するように構成されることができる。例えば、図8Aに示されるように、サンプル取得デバイス900bおよびモジュール式チャンバアセンブリ600は、少なくとも1つの弁を介して相互に結合されることができる。ある場合には、弁は、サンプル取得デバイス900bの一部であり得(例えば、本デバイスの一部として加工され)、モジュール式チャンバアセンブリに(例えば、図7Aに示されるように、モジュール式チャンバアセンブリ600の入口ポート610に)解放可能に結合するように構成されることができる。代替として、弁は、弁を通したサンプル取得デバイスへのカートリッジアセンブリの結合に先立って、サンプル取得デバイスに結合されることができる。サンプル採取の間、弁は、モジュール式チャンバアセンブリがサンプル取得デバイスから結合解除されているときであっても、サンプル取得デバイスによる対象の皮膚における吸引を維持するように構成され、それによって、モジュール式チャンバアセンブリと第2のモジュール式チャンバアセンブリとの交換を可能にすることができる。いったん第2のモジュール式チャンバアセンブリが、弁を介してサンプル取得デバイスに結合されると、弁は、(例えば、手動で、または自動的に)開放され、サンプル取得デバイスを通した第2のモジュール式チャンバアセンブリの中への血液の引き込みを継続することができる。
【0289】
いくつかの実施形態では、サンプル取得デバイスおよびサンプルチャンバ(例えば、図8Aに示されるようなモジュール式デバイス900bならびにモジュール式チャンバアセンブリ600)は、ユーザによって動作可能であるように構成されることができる。例えば、ユーザは、ユーザの皮膚上にサンプル取得デバイスを適用し、続けて、サンプルチャンバ(例えば、モジュール式チャンバアセンブリ600)をサンプル取得デバイスに結合することができる。別の実施例では、ユーザは、部分的に、サンプルチャンバをサンプル取得デバイスに結合し(例えば、部分的挿入または回転)、サンプル取得デバイス(サンプルチャンバに部分的に結合される)を皮膚上に適用し、続けて、例えば、採血プロセスのアクティベーションのために、サンプルチャンバをサンプル取得デバイスに完全に結合することができる。最終結合は、サンプル取得デバイスの中へのサンプルチャンバの挿入、例えば、サンプル取得デバイスに対する長手方向移動を要求することができる。長手方向移動は、少なくとも約0.1ミリメートル(mm)、0.2mm、0.3mm、0.4mm、0.5mm、0.6mm、0.7mm、0.8mm、0.9mm、1mm、2mm、3mm、4mm、5mm、6mm、7mm、8mm、9mm、10mm、またはそれを上回るものであり得る。長手方向移動は、最大で約10mm、9mm、8mm、7mm、6mm、5mm、4mm、3mm、2mm、1mm、0.9mm、0.8mm、0.7mm、0.6mm、0.5mm、0.4mm、0.3mm、0.2mm、0.1mm、またはそれ未満であり得る。代替として、または加えて、最終結合は、サンプル取得デバイスに対するサンプルチャンバの回転を要求することができる。回転移動は、少なくとも約1度、2度、3度、4度、5度、6度、7度、8度、9度、10度、20度、30度、40度、50度、60度、90度、120度、150度、180度、270度、360度、またはそれを上回る角度にわたるものであり得る。回転移動は、最大で約360度、270度、180度、150度、120度、90度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、9度、8度、7度、6度、5度、4度、3度、2度、1度、またはそれ未満の角度にわたるものであり得る。ある場合には、最終結合は、サンプルチャンバの中に貫通する(例えば、モジュール式チャンバアセンブリ600の入口ポート610を通して貫通する)ようにサンプル取得デバイスの突出部(例えば、針)をアクティベートし、本システム内に真空(例えば、サンプル取得デバイスからカートリッジアセンブリへの、カートリッジアセンブリからサンプル取得デバイスへの等の真空移送)をアクティベートするように構成されることができる。ある場合には、サンプル取得デバイスのランセットは、サンプル取得デバイスへのサンプルチャンバの完全な結合に応じてアクティベートされるように構成されることができる。代替として、ランセットは、サンプル取得デバイスへのサンプルチャンバの完全な結合に先立って、事前アクティベートされることができる。
【0290】
いくつかの実施形態では、サンプル採取(例えば、採血)に先立って、またはその間に対象の皮膚にサンプル取得デバイスによって付与される真空圧力は、1つまたはそれより多くの条件、例えば、それが採取されるべきである対象の身体の部分、採取されるべきサンプルの所望の量等に基づいて選択されることができる。対象の条件の実施例は、限定ではないが、皮膚性質(例えば、弾性、堅性、形状、厚さ、しわ)、性別、年齢、疾患、サンプル採取のための本デバイスの以前の使用の回数等を含むことができる。いくつかの実施例では、特定のタイプのサンプル取得デバイスおよび/またはサンプルチャンバが、そのような条件に応じて選択され、それによって、対象に関する所望の真空圧力をもたらすことができる。代替実施形態では、サンプル取得デバイスおよび1つまたはそれより多くのサンプルチャンバのセットは、各個人の皮膚への損傷(例えば、打撲傷)を殆どまたは全く伴わずに、複数の個人に対するサンプル採取のために十分な真空圧力を提供するように構成されることができる。
【0291】
いくつかの実施形態では、本明細書に開示されるようなサンプル取得デバイスへのサンプルチャンバの結合(例えば、サンプル取得デバイス900bへのモジュール式チャンバアセンブリ600の結合)に応じて、対象の皮膚へのサンプル取得デバイスの適用真空圧力は、約-0.5psig、-0.6psig、-0.7psig、-0.8psig、-0.9psig、-1psig、-2psig、-3psig、-4psig、-5psig、-6psig、-7psig、-8psig、-9psig、-10psig、-11psig、-12psig、-13psig、-14psig、またはそれ未満を下回り得る。ある場合には、対象の皮膚へのサンプル取得デバイスの適用真空圧力は、約-1psig~約-14.7psig、-1psig~約-10psig、好ましくは、約-2psig~約-6psig、または好ましくは、-2.5psig~約-5.8psigに及ぶことができる。
【0292】
いくつかの実施形態では、本開示に説明されるように、サンプルチャンバ(例えば、モジュール式チャンバアセンブリ600)は、サンプル採取のためのサンプル取得デバイスへの十分な真空を提供するための真空チャンバとしての役割を果たすことができる。ある場合には、(例えば、サンプル取得デバイスへの結合に先立つ)モジュール式チャンバアセンブリの初期真空圧力は、以下の変数、すなわち、(1)真空チャンバの容積、(2)真空チャンバに適用される真空のレベル、(3)真空アクティベーションに先立って周囲圧力にあり得るサンプル取得デバイスおよびカートリッジアセンブリ内の死容積(例えば、空洞、チャネル、ランセット面積)、(4)サンプル取得デバイスまたはモジュール式チャンバアセンブリの以前の使用の年数もしくは回数、または(5)サンプル取得デバイスもしくはモジュール式チャンバアセンブリの予期される貯留寿命のうちの1つまたはそれより多くによって決定付けられる、もしくは選択されることができる。ある実施例では、真空は、材料ガス透過性に起因して経時的に減衰し得、したがって、真空チャンバ(例えば、モジュール式チャンバアセンブリ)への適用真空圧力は、真空減衰に適応するように選択されることができる。いくつかの実施形態では、真空チャンバの初期真空圧力は、約-5psig、-6psig、-7psig、-8psig、-9psig、-10psig、-11psig、-12psig、-13psig、-14psig、またはそれ未満を下回り得る。ある場合には、真空チャンバの初期真空圧力は、約-5psig~約-14.7psig、好ましくは、約-10psig~約-14.7psig、または好ましくは、約-12.5psig~約-14.7psigに及ぶことができる。
【0293】
図10は、本明細書に開示されるようなサンプル採取のためのサンプル取得デバイスおよび/またはサンプルチャンバの種々の寸法ならびに圧力パラメータを示す。例えば、図10に示されるパラメータは、図7~8に説明されるようなモジュール式チャンバアセンブリのために使用されることができる。しかしながら、パラメータは、他のサンプル取得デバイスおよびサンプルチャンバタイプにも(修正の有無を問わず)適用可能であり得る。図10を参照すると、サンプル採取に関するパラメータは、少なくとも真空チャンバ性質および死容積性質に基づくことができる。真空チャンバ(例えば、モジュール式チャンバアセンブリ600)性質は、(1)チャンバ620容積、カートリッジアセンブリ630容積、および/または乾燥剤650体積を備えるモジュール式チャンバアセンブリの内部チャンバ容積(V)、(2)チャンバの開始内圧(P_int)、(3)外圧(P_ext)、(4)真空引動に先立つチャンバ内のガスの量(Mol_pre)、もしくは(5)真空引動後のチャンバ内のガスの量(Mol_post)を備える1つまたはそれより多くのパラメータに依存し得る。死容積(例えば、空洞、チャネル、ランセット面積)性質は、(1)堆積チャンバ、ランセット封入体、および/または侵入空洞を備えるサンプル取得デバイスの内部チャンバ容積(V)、(2)開始内圧(P_int)、(3)外圧(P_ext)、もしくは(4)サンプル取得デバイスのチャンバ内のガスの量(Mol_pre)を備える1つまたはそれより多くのパラメータに依存し得る。ある実施例では、図10に提供されるパラメータおよび値に基づいて、サンプル採取プロセスを開始するためにユーザの皮膚に適用される最終開始真空は、-5.83psigであり得る。
【0294】
4.血液分離アセンブリ
【0295】
図11は、本明細書に説明されるようなカートリッジアセンブリ1110および議論されるであろうような付加的カートリッジアセンブリ1105と併用され得る、本明細書に説明されるような例示的サンプル取得デバイス1100を図示する。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、本デバイスは、再使用可能であり得る。例えば、デバイスは、1回より多く、例えば、2回、3回、4回、5回、6回、7回、8回、9回、10回、またはそれより多く使用されることができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、本デバイスは、単回使用のためのものであり得、使い捨てであってもよい。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、サンプル取得デバイス1100は、本明細書に説明されるような任意のカートリッジアセンブリと併用されることができる。具体的実施形態では、サンプル取得デバイス1100は、1回の使用のためにカートリッジアセンブリ1100と併用されることができ、別の使用のためにカートリッジアセンブリ1105と併用されることができる。
【0296】
図12は、サンプル取得デバイス1100と併用され得る、カートリッジアセンブリ1205を図示する。カートリッジアセンブリ1205は、いくつかの構成要素から成ることができる。例えば、カートリッジアセンブリは、カートリッジ1210と、処置/安定化ユニット1220と、カートリッジタブ1230とから成ることができる。いくつかの実施形態では、処置/安定化ユニット1220は、カートリッジタブ1230とカートリッジ1210との間に支持(例えば、挟装)される。カートリッジタブ1230は、基板を備えてもよい。いくつかの実施形態では、カートリッジタブは、基板に結合されてもよい。基板は、処置/安定化ユニット1220を支持するように構成されることができる。例えば、基板の外周は、処置/安定化ユニット1220の外周と実質的に同一の形状およびサイズであるように構成されてもよい。基板の外周はまた、処置/安定化ユニットがカートリッジタブ1230と接触しないことを確実にするために、処置/安定化ユニット1220の外周よりも大きくてもよい。カートリッジ1210は、処置/安定化ユニット1220に隣接して配置されることができる。いくつかの実施形態では、処置/安定化ユニット1220は、基板とカートリッジ1210との間に支持(例えば、挟装)される。
【0297】
カートリッジアセンブリは、サンプル取得デバイス1100に解放可能に結合され、本デバイスから解放可能に取り外されることができる。本明細書に開示される任意の実施形態では、カートリッジタブ1230は、本デバイスの縁から突出することができる。本明細書に開示される実施形態のうちのいずれかでは、カートリッジタブおよび穿刺アクティベータ/真空アクティベータ(例えば、ボタン115/167)は、筐体の異なる側(例えば、反対の端部)上に位置することができる。カートリッジアセンブリ1205は、本明細書に説明される他のカートリッジアセンブリのように、サンプル取得デバイス1100に解放可能に結合され、それから取り外し可能であり得る。
【0298】
処置/安定化ユニット1220は、層状構造におけるいくつかの構成要素から成ることができる。いくつかの実施形態では、処置/安定化ユニット1220の構成要素は、例えば、本明細書の別の場所に説明されるように、前置フィルタと、分離膜と、採取マトリクスとを含んでもよい。前置フィルタは、カートリッジ1210に隣接して配置され、対象からのサンプルが接触する処置/安定化ユニットの最初の構成要素であるように構成されることができる。分離膜は、前置フィルタおよび採取マトリクスに隣接して配置され、それらの間に挟装されてもよい。採取マトリクスは、分離膜およびカートリッジタブ1230に隣接して配置され、それらの間に挟装されてもよい。カートリッジアセンブリのカートリッジ1210は、その上に流体サンプル1250(例えば、血液)が採取される処置/安定化ユニット1220の構成要素を支持するように構成されることができる。カートリッジは、過剰な流体を保持するための1つまたはそれより多くの吸収性パッド(図示せず)を支持するように構成されることができる。吸収性パッドは、処置/安定化ユニット1220の採取マトリクスの基部に載るように構成されることができる。吸収性パッドは、過剰な流体サンプルを吸収することができ、所定の体積の流体が、処置/安定化ユニットの構成要素のそれぞれの上に採取され得ることを確実にすることに役立つことができる。
【0299】
カートリッジアセンブリ1205は、血液入力面積1211において対象から血液を受け取るように構成されることができる。血液入力面積1211は、カートリッジアセンブリに進入するサンプルの体積に影響を及ぼす、および/またはそれを制御するようにサイズ決めならびに成形されてもよい。カートリッジアセンブリはまた、血液ではない他のタイプの生物学的サンプルを受け取るように構成されることができる。本開示のデバイスとの併用のために好適な生物学的サンプルの実施例は、汗、涙、尿、唾液、排泄物、膣分泌物、精液、間質液、粘液、皮脂、歯肉溝滲出液、水性体液、硝子体液、胆汁、母乳、脳脊髄液、耳垢、内リンパ液、外リンパ液、胃液、腹膜液、吐瀉物、および同等物を含むことができる。いくつかの実施形態では、流体サンプルは、液体媒体を用いて修正された固体サンプルであり得る。いくつかの事例では、生物学的サンプルは、病院、実験室、臨床または医療実験室において対象から入手されることができる。
【0300】
処置/安定化ユニットは、血液を乾燥血液として採取および貯留するように構成されることができる。カートリッジアセンブリは、血液入力面積1211内に血液を受け取るように構成されることができる。カートリッジ1210は、血液の流動をカートリッジタブ1230に向かって方向付け、処置/安定化ユニットの各構成要素を通して進行するように血液を促すように構成されることができる。いくつかの実施形態では、処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向は、血液入力面積を通した血液の流動の方向と異なり得る。いくつかの実施例では、血液入力面積を通した血液の流動の方向は、血液分離アセンブリの長手方向軸1260に実質的に平行であり得、処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向は、血液分離アセンブリの長手方向軸と異なり得る。処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向は、血液分離アセンブリの長手方向軸と同一の平面上ではない場合がある。処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向は、血液入力面積を通した血液の流動の方向によって少なくとも約5度、10度、15度、20度、30度、40度、50度、60度、70度、80度、90度、100度、110度、120度、130度、140度、150度、160度、170度、175度、またはそれを上回るものだけオフセットされることができる。処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向は、血液入力面積を通した血液の流動の方向によって最大で約170度、160度、150度、140度、130度、120度、110度、100度、90度、80度、70度、60度、50度、40度、30度、20度、10度、5度、またはそれ未満だけオフセットされることができる。好ましい実施例では、処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向は、血液入力面積を通した血液の流動の方向に実質的に直交し得る。
【0301】
カートリッジアセンブリは、血液サンプルから種々の分析物を分離するように構成されることができる。例えば、処置/安定化ユニットは、細胞、血漿、血清、脂質、血小板、具体的細胞タイプ、DNA(例えば、腫瘍cfDNA)、RNA、タンパク質、無機物、薬物、または任意の他の成分を分離して取り除くように構成されることができる。具体的実施形態では、処置/安定化ユニットは、血液サンプルから総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド、クレアチニン、アラニンアミノトランスフェラーゼ、およびグルコースを分離して取り除くように構成されることができる。
【0302】
カートリッジアセンブリは、地面に実質的に直交する角度で動作させられるように構成されることができる。例えば、カートリッジアセンブリは、患者の腕に取り付けられ、患者の腕に実質的に平行に位置するサンプル取得デバイスから血液を受け取るように構成されることができる。カートリッジアセンブリはまた、地面に対して任意の角度で動作するように構成されることができる。カートリッジアセンブリは、地面に対して実質的に平行な角度で、または地面に対して約5度、10度、15度、20度、25度、30度、35度、40度、45度、50度、55度、60度、65度、70度、75度、80度、85度、90度、95度、100度、105度、110度、115度、120度、125度、130度、135度、140度、145度、150度、155度、160度、165度、170度、175度、もしくは約180度の角度で動作させられることができる。
【0303】
図13~18は、血液分離アセンブリの実施形態を図示する。これらの実施形態の構成要素は、本明細書に説明される任意の他の実施形態における使用のために構成されることができる。これは、他の実施形態における使用のためにいくつかの構成要素の形状因子を修正および/または縮小することを含むことができる。例えば、図13~18の構成要素は、図12の実施形態における使用のために構成されることができる。
【0304】
図13Aのアセンブリ1300は、いくつかの構成要素から成ることができる。例えば、第1のアセンブリ構造1310、第2のアセンブリ構造1330、および前置フィルタ1322と、分離膜1324と、採取マトリクス1326とを備え得る処置/安定化ユニット1320である。第1のアセンブリ構造1310および第2のアセンブリ構造1330は、処置/安定化ユニット1320の構成要素を実質的に鉛直な向きに保つように構成されることができる。これは、流体サンプル1350が、血液分離アセンブリの長手方向軸1360に実質的に平行な方向において流動することを可能にし、重力のウィッキング力を用いて処置/安定化ユニットを通した、かつそれに沿った流体サンプル1350の流動を促す。第1のアセンブリ構造1310および第2のアセンブリ構造1330は、第1のアセンブリ構造1310が第2のアセンブリ構造1330の中に摺動および係止し得るように構成されることができる。図13Aの最も左の画像に示されるように、いったん係止位置に来ると、第1のアセンブリ構造1310は、1つまたはそれより多くの自由度において拘束されることができる。例えば、第1のアセンブリ構造1310は、第2のアセンブリ構造1330から離れるような方向にのみ移動可能であってもよい。第1のアセンブリ構造1310は、第1のアセンブリ構造1310と第2のアセンブリ構造1330との間に挟装される処置/安定化ユニット1320の構成要素へのアクセスを可能にするために、係止位置から出し入れされることができる。
【0305】
採取マトリクス1326は、分離膜1324および前置フィルタ1322の両方よりも大きいように構成されることができる。例えば、採取マトリクスは、分離膜および前置フィルタの長さの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、または約150%、もしくはそれよりも長いものであり得る。図13Aの最も左の画像に示されるように、組立構成では、採取マトリクスの底部部品は、露出されることができる。例えば、採取マトリクスの露出部分は、採取マトリクスの長さの約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約35%、約40%、約45%、約50%、約55%、約60%、約65%、約70%、または約75%、もしくはそれを上回るものであり得る。採取マトリクスの露出部分は、流体サンプルが血液分離アセンブリを通して通過した後に採取マトリクス上に採取されたサンプルへのより容易なアクセスを可能にする。例えば、露出部分は、処置/安定化ユニットの他の構成要素から採取マトリクスを分離する必要性を伴わずに、採取マトリクスの残りの部分から切り離されることができる。露出部分はまた、切取線を使用して、採取マトリクスの残りの部分から分離されることができる。これは、採取マトリクス自体の実行可能性および/または性能に悪影響を及ぼすことなく、露出部分が採取マトリクスの残りの部分から引き離されることを可能にすることができる。
【0306】
図15は、血液分離アセンブリ1500のいくつかの構成要素の斜視図を図示する。処置/安定化ユニット1520は、いくつかの構成要素から成ることができる。例えば、処置/安定化ユニットは、前置フィルタ1522と、分離膜1524と、上部部品1527および底部部品1528を含むマルチピース採取マトリクスとを備えることができる。マルチピース採取マトリクスの底部部品1528の基部は、吸収性パッド1529に当接するように構成されることができる。処置/安定化ユニットの前置フィルタ1522は、血液分離アセンブリ1500の第1のアセンブリ構造1510に隣接して配置されることができる。分離膜は、前置フィルタ1522に隣接して配置されることができる。マルチピース採取マトリクスは、分離膜1524および第2のアセンブリ構造1530に隣接して配置されることができる。マルチピース採取マトリクスの底部部品は、血液分離アセンブリが組立構成である間に露出されることができる。マルチピース採取マトリクスの底部部品は、上部部品から底部部品を切り離すことによって上部部品から分離されることができる。マルチピース採取マトリクスの上部および底部部品はまた、図13で上記に解説されるように、切取線によって分離され、底部部品が上部部品から引き離されることを可能にすることができる。マルチピース採取マトリクスの上部および底部部品は、重複が上部および底部部品の間に存在するように構成されることができる。例えば、マルチピース採取マトリクスの上部および底部部品は、約1mm、2mm、3mm、4mm、または5mm、もしくはそれを上回って重複することができる。
【0307】
マルチピース採取マトリクスの露出された底部部品のみを抽出することによって、多くの利益が、流体サンプル分析において観察されることができる。例えば、マルチピース採取マトリクスが、対象からの血液サンプルを吸収した場合、マルチピース採取マトリクスの露出された底部部品のみを抽出することは、より低い溶血レベルおよび表面積あたりのより高い分析物収率につながることができる。マルチピース採取マトリクスの露出された底部部品におけるより低い溶血は、マルチピース採取マトリクスの本部分が、あまり拘束されず、したがって、本面積における細胞が、破裂しにくいためであり得る。マルチピース採取マトリクスの露出された底部部品は、マルチピース採取マトリクスの露出されない上部部品と比較して、溶血における最大約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、もしくはより高い低減を可能にすることができる。マルチピース採取マトリクスの露出された底部部品は、マルチピース採取マトリクスの露出されない上部部品と比較して、表面積あたりの分析物収率における最大約10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、または90%、もしくはより高い増加を可能にすることができる。
【0308】
図16Aは、処置/安定化ユニットおよび血液分離アセンブリに構造的支持を提供するように構成され得る、第1のアセンブリ構造の斜視図を図示する。加えて、第1のアセンブリは、流入するサンプルのための封じ込め機構を提供し、前置フィルタ等の所望の表面上にサンプルを方向付け、これがマトリクス等の他の表面に直接アクセスしないように防止するように構成されることができる。第1および第2のアセンブリ構造は、処置/安定化ユニットにおける構成要素の平面表面が、地面に実質的に直交する向きにおいて処置/安定化ユニットを保持するように構成されることができる。処置/安定化ユニットにおける構成要素の平面表面はまた、いくつかの実施形態では、地面に実質的に平行であり得る。第1のアセンブリ構造は、対象から血液サンプルを受け取り得る、血液入力面積1611を含むように構成されてもよい。血液入力面積1611は、血液分離アセンブリに進入するサンプルの体積に影響を及ぼす、および/またはそれを制御するようにサイズ決めならびに成形されてもよい。血液分離アセンブリはまた、開放漏斗設計ではなく、入口チャネルであるように血液入力面積を構成することによって、全周シールを有するように構成されることができる。対象からの血液サンプルは、血液入力面積に進入し、第1のアセンブリ構造1610の窪み1612内に蓄積することができる。第1のアセンブリ構造はまた、いくつかの構造的構成要素を含むように構成されることができる。例えば、これは、第1の圧縮領域1614と、第2の圧縮領域1615と、第3の圧縮領域1616と、第1のアセンブリ構造の片側または両側上に載り得る圧縮停止部1613とを含んでもよい。
【0309】
第1の圧縮領域1614は、圧力の源を処置/安定化ユニットの中心面積に提供するように構成されることができる。第2の圧縮領域1615は、圧力の源を処置/安定化ユニットの下側領域に提供するように構成されることができる。第3の圧縮領域1616は、圧力の源をマルチピース採取マトリクスの底部部品に提供するように構成されることができる。圧縮停止部1613は、第1、第2、および第3の圧縮領域が処置/安定化ユニット過剰に圧縮しないことを確実にするように構成されることができる。
【0310】
第1、第2、および第3の圧縮領域によって適用される圧縮力は、処置/安定化ユニットの構成要素の間の良好な接触を確実にし、処置/安定化ユニットを通した最適化された血流を可能にするように構成されることができる。圧縮力によって処置/安定化ユニットの構成要素の間に生成される接触は、血液サンプルが処置/安定化ユニットをわたって流動するために要求されるウィッキング力を達成するために十分であり得る。本圧縮力は、処置/安定化ユニットのいくつかの構成要素の材料を損なう、変形させる、または別様に損傷させることなく、処置/安定化ユニットを通した血液の最適な流動を促すために十分であり得る。処置/安定化ユニットに適用される圧縮力は、約20ポンド、19ポンド、18ポンド、17ポンド、16ポンド、15ポンド、14ポンド、13ポンド、12ポンド、11ポンド、10ポンド、9ポンド、8ポンド、7ポンド、6ポンド、5ポンド、4ポンド、3ポンド、2ポンド、または1ポンド、もしくはそれ未満であってもよい。処置/安定化ユニットの圧縮厚さは、処置/安定化ユニットの非圧縮厚さの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、または約90%、もしくはそれを上回るものであり得る。処置/安定化ユニットの圧縮厚さは、約2.0mm、1.75mm、1.5mm、1.25mm、1.0mm、0.75mm、0.50mm、または0.25mm、もしくはそれ未満であり得る。
【0311】
第1のアセンブリ構造および第2のアセンブリ構造は、任意の好適な結合機構を用いてともに保持/挟持されることができる。結合機構の実施例は、限定ではないが、オス-メス締結具(例えば、接合または相互係止締結具、フックおよび孔、Velcro(登録商標)等のフックおよびループ、オス型ボルト上に螺着されるメス型ナット、メス型凹部の中に挿入されるオス型突出部、配管におけるメス型ねじ山付きエルボの中に嵌合されるオス型ねじ山付きパイプ、メス型USBソケットの中に挿入されるオス型ユニバーサルシリアルバス(USB)プラグ等)、テザー(例えば、ストリングテザー)、接着剤(例えば、固体、半固体、ゲル、粘性液体等)、磁石(例えば、電磁石または永久磁石)、ならびに他の握持機構(例えば、1つまたはそれより多くのロボットアーム)を含むことができる。ある実施例では、結合は、入口ポートとサンプル取得デバイスとの間の電場を使用して実施されることができる。結合機構は、第1および第2のアセンブリ構造の周囲に到達し、それらをともに保持し得る、クランプ、ばね、ねじ、エラストマバンド、または他の延伸可能構成要素をさらに含むことができる。他の実施形態では、第1のアセンブリ構造および第2のアセンブリ構造は、2つの構造の本体において構成される溝を介して、ともに保持されることができる。2つの構造をともに保持する結合機構は、処置/安定化ユニットの構成要素の間で所望の圧縮力または所望の圧縮距離を達成するように構成されることができる。結合機構は、処置/安定化ユニットの表面エリア全体にわたって均一な力を適用するように構成されることができる。結合機構はまた、異なる力を処置/安定化ユニットの異なる面積に適用するように構成されることができる。
【0312】
圧縮停止部1613は、2つの構造をともに保持する結合機構が、所望の圧縮力または圧縮距離を満たし、超えないことを確実にするように構成されることができる。圧縮停止部はまた、処置/安定化ユニットに適用された圧縮力を測定し、処置/安定化ユニットに適用された力が最大適用力を超える場合、ユーザにアラートする、センサを備えることができる。圧縮停止部の厚さは、第1のアセンブリ構造と同一の厚さであるように構成されることができる。例えば、圧縮停止部の厚さは、約0.090、0.080、0.070、0.060、0.050、0.040、0.030、0.020、または約0.010インチ、もしくはそれ未満であってもよい。圧縮停止部の厚さはまた、第1のアセンブリ構造の厚さを下回る、または上回るように構成されることができる。例えば、圧縮停止部の厚さは、第1のアセンブリ構造の厚さの約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約100%、約110%、約120%、約130%、約140%、または約150%、もしくはそれを上回るものであり得る。
【0313】
圧縮停止部は、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、低密度ポリエチレン、線状低密度ポリエチレン、ポリイソブテン、ポリ[エチレン酢酸ビニル]コポリマー、軽量アルミニウム箔、およびそれらの組み合わせ、ステンレス鋼合金、商業用純チタン、チタン合金、銀合金、銅合金、グレード5チタン、超弾性チタン合金、コバルトクロム合金、ステンレス鋼合金、超弾性金属合金(例えば、ニチノール、Toyota Material Incorporated(日本)によって製造されるGUM METAL等の超弾塑性金属)、リン酸カルシウム等のセラミックおよびその複合物(例えば、Biologix Inc.によって製造されるSKELITE)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、ポリエーテルケトンケトン(PEKK)、およびポリエーテルケトン(PEK)を含むポリアリールエーテルケトン(PAEK)等の熱可塑性プラスチック、炭素-PEEK複合物、PEEK-BaSO4高分子ゴム、布、シリコーン、ポリウレタン、シリコーン-ポリウレタンコポリマー、高分子ゴム、ポリオレフィンゴム、ヒドロゲル、半剛性および剛性材料、エラストマ、ゴム、熱可塑性エラストマ、熱硬化性エラストマ、エラストマ複合物、ポリフェニレン、ポリアミド、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリエチレン、エポキシを含む剛性ポリマー、例えば、金属およびカルシウムハウジング系セラミックの複合物、PEEKおよびカルシウムハウジング系セラミックの複合物、吸収性ポリマーを伴うPEEKの複合物等の部分的吸収性材料、例えば、リン酸カルシウム、リン酸三カルシウム(TCP)、ヒドロキシアパタイト(HA)-TCP、硫酸カルシウム等のカルシウムハウジング系セラミック等の完全吸収性材料、またはポリケチド、ポリグリコリド、ポリチロシンカーボネート、ポリカプロラクトン等の他の吸収性ポリマー、ならびにそれらの組み合わせ等の材料から加工されることができる。
【0314】
他の実施形態では、血液分離アセンブリの第1のアセンブリ構造および第2のアセンブリ構造は、1つの単一部品であるように構成されることができる。これは、リビングヒンジまたは他の類似する技法の使用によって遂行され、単一部品が可撓性であることを可能にし得る。他の実施形態では、血液分離アセンブリは、2つより多くの部品を備えることができる。血液分離アセンブリへのさらなる部品の追加は、血液分離アセンブリの機能性、成形性、および/または製造性を向上させるように構成されることができる。
【0315】
血液分離アセンブリはまた、採取マトリクスへの空気露出を調節するように構成され得る、付加的窪みの追加を含むように構成されることができる。これは、血漿濃度および乾燥の速さの制御を支援することができる。血漿濃度は、約1.0、0.9、0.8、0.7、0.6、0.5、0.4、0.3、0.2、または0.1μL/mmであり得る。血液サンプルの乾燥は、約24、23、22、21、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、または1時間未満で起こることができる。付加的窪みは、それらが血液分離アセンブリの他の構成要素の構造的性能に影響を及ぼさない限り、任意のサイズおよび形状であってもよい。付加的窪みの数は、乾燥の速さに影響を及ぼし得る温度および湿度に対する所望の効果を達成するように選定されてもよい。付加的窪みは、血液分離アセンブリの内側の空気が変位され、血液分離アセンブリの内側の圧力が血液分離アセンブリの外部に存在する圧力条件と等しくなることを可能にすることができる。付加的窪みの数は、血液分離アセンブリの内側の圧力条件が、血液分離アセンブリの外部の圧力条件と異なることが所望される場合、限定されてもよい。例えば、内部構成要素と外部環境との間の所望の圧力差は、血液サンプルの過剰な溶血につながることなく、処置/安定化ユニットを通してより良好な血流を促すことができる。
【0316】
血液分離アセンブリは、3D印刷される、射出成型される、または機械加工されることができる。血液分離アセンブリは、ポリプロピレン、ポリカーボネート、または処置/安定化ユニットを通して通過するサンプルの性質に干渉しない、もしくはそれを改変しない他の類似する材料等の材料を含むことができる、またはそれから加工されることができる。
【0317】
図17Aは、第2のアセンブリ構造1730に隣接して配置される、上部部品1727と、底部部品1728とを備える例示的マルチピース採取マトリクスを図示する。マルチピース採取マトリクスは、2つまたはそれより多くの部品を含むように構成されることができる。例えば、マルチピース採取は、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれより多くの部品を含むように構成されることができる。
【0318】
マルチピース採取マトリクスは、分離膜上に所望の量の生成物(例えば、血清または血漿)を採取するために十分な体積を有することができる。マルチピース採取マトリクスは、少なくとも約1μL、5μL、10μL、20μL、30μL、40μL、50μL、60μL、70μL、80μL、90μL、100μL、110μL、120μL、130μL、140μL、150μL、200μL、300μL、400μL、500μL、600μL、700μL、800μL、900μL、1,000μL、またはそれより多くの分離膜の生成物を保持(もしくは含有)するように構成されることができる。マルチピース採取マトリクスは、最大で約1,000μL、900μL、800μL、700μL、600μL、500μL、400μL、300μL、200μL、100μL、50μL、10μL、1μL、またはそれ未満の分離膜の生成物を保持(もしくは含有)するように構成されることができる。
【0319】
マルチピース採取マトリクスの上部部品1727は、上部部品の平面表面積全体が、組み立てられた血液分離アセンブリ内の分離膜によって被覆されるように構成されることができる。マルチピース採取マトリクスの底部部品は、露出され、血液分離アセンブリ内の分離膜または前置フィルタによって触れられないように構成されることができる。マルチピース採取マトリクスの底部部品は、サンプル分析を向上させるために、露出されるように構成されることができる。マルチピース採取マトリクスの露出された底部部品は、約50、60、70、80、90、100、110、120、130、140、150、160、170、180、190、200、210、220、230、240、または250mm、もしくはそれを上回る表面積を有してもよい。露出された底部部品は、単純に採取マトリクスの上部部品から引き離され、処置/安定化ユニットを切断する、引裂する、または別様に分岐させる必要性を防止するように構成されることができる。例えば、切取線の使用を通して、上部部品および底部部品を分離する。図17Aに示されるように、マルチピース採取マトリクスの底部部品は、複数の区画にさらに分割されることができる。底部部品は、図17Aに示されるように、長手方向軸に沿って分割されることができ、また、水平軸に沿って分割されることができる。底部部品はまた、長手方向軸および水平軸の両方に沿って分割されることができる。
【0320】
マルチピース採取マトリクスの上部部品および底部部品は、各部品が、異なる幾何学形状、材料、厚さ、コーティング、および化学的性質であり得るように構成されることができる。上部部品は、上部部品が、マルチピース採取マトリクスのより幅広い部分からマルチピース採取マトリクスのより幅狭の部分に血液サンプルを漏斗状に流すように構成されることができる。底部部品は、本明細書に議論されるであろうようなサンプル採取溶出方法のために最適化された幾何学形状を有するように構成されてもよい。サンプルはまた、マルチピース採取マトリクスの上部部品から分析されてもよい。マルチピース採取マトリクスの上部部品および底部部品は、上部部品および底部部品が異なる厚さであるように構成されてもよい。上部部品は、底部部品よりも厚くてもよい、底部部品は、上部部品よりも厚くてもよい、または上部および底部部品は、同一の厚さであってもよい。マルチピース採取マトリクスの厚さは、マルチピース採取マトリクスが規定された量の体積の液体を保持(または含有)することを可能にするように構成されることができる。血液分離アセンブリはまた、複数の採取マトリクスを有するように構成されてもよい。複数の採取マトリクスは、マルチピース採取マトリクス、単一部品採取マトリクス、または2つの組み合わせであるように構成されることができる。
【0321】
図17Bは、マルチピース採取マトリクスの底部部品1728の基部に載るように構成される、吸収性パッド1729を伴う第2のアセンブリ部品1730に隣接して配置される、マルチピース採取マトリクスの側面断面図を図示する。図17Bに図示されるように、マルチピース採取マトリクスの底部部品および上部部品は、2つの部品が相互と重複するように構成されることができる。2つの部品はまた、2つの部品の間にいかなる重複も存在しないように構成されることができる。例えば、上部部品および底部部品は、底部部品が上部部品から容易に分離されることを可能にする、切取ストリップによって分離されることができる。
【0322】
吸収性パッド1729は、血液分離アセンブリ内に採取された血液サンプルの計量を可能にする。吸収性パッドは、マルチピース採取マトリクスの飽和体積を超えるいずれの過剰な分離された血液サンプルまたは液体も採取するように構成されることができる。1つの吸収性パッドまたは複数の吸収性パッドが、存在することができる。複数の吸収性パッドが、使用される場合、それらは、それらが相互に重なり合ってスタックされる、または端と端とが整合されるように構成されてもよい。吸収性パッドは、マルチピース採取マトリクスよりも厚くてもよい、またはそれらは、マルチピース採取マトリクスよりも薄くてもよい。
【0323】
吸収性パッドは、マルチピース採取マトリクスと直接統合されるように構成されることができる、または吸収性パッドは、マルチピース採取マトリクスから分離されることができる。吸収性パッドが、マルチピース採取マトリクスと直接統合されるように構成される場合、吸収性パッドは、切り離されるマルチピース採取マトリクスの底部部品の一部であり得る、またはそれは、切取ストリップによってマルチピース採取マトリクスの底部部品から分離されることができる。吸収性パッドが、マルチピース採取マトリクスとは別個であるように構成される場合、それらは、吸収性パッドとマルチピース採取マトリクスの底部部品との間の十分な接触が達成されるように構成されることができる。これは、吸収性パッドがマルチピース採取マトリクスの底部部品と接触したままであることを可能にする、付加的構成要素を吸収性パッドの下方に追加することによって行われることができる。吸収性パッドは、底部部品の片側または両側上でマルチピース採取マトリクスの底部部品の平面表面と接触するように構成されることができる。
【0324】
吸収性パッドは、吸収性パッドが保持(または含有)することが所望される血液サンプルもしくは液体の体積を調節するために、サイズおよび幾何学形状において変化するように構成されることができる。吸収性パッドはまた、血液サンプルまたは他の液体が漏出し得、採取される必要がある血液分離アセンブリの他の面積において載るように構成されることができる。
【0325】
採取マトリクスによって含有されることができないいずれの過剰な液体も保持するカートリッジアセンブリ内の吸収性パッドの組み込みは、患者から採取される液体の体積が、採取マトリクスが保持し得る体積を上回ることを可能にする。例えば、採取マトリクスの飽和点が、50μLであり、吸収性パッドの吸収容量が、300μLである場合、これは、種々のシナリオが生じることを可能にする。例えば、50μLのサンプルを処置/安定化ユニットに導入することは、約50μLのサンプルが採取マトリクス内に採取され、約0μLが吸収性パッド内に保持される結果をもたらすであろう。75μLのサンプルを処置/安定化ユニットに導入することは、約50μLのサンプルが採取マトリクス内に採取され、約25μLが吸収性パッド内に保持される結果をもたらすであろう。したがって、カートリッジアセンブリへのサンプル液体の最大入力体積は、採取マトリクスの容量に吸収性パッドの容量を加えたものになるであろう。採取マトリクスの容量および吸収性パッドの容量は、患者から入手されるべきサンプル液体の所望の量および/または最大量を変更するために、調節されることができる。吸収性パッドを備えるカートリッジアセンブリは、異なる患者からの異なる血液サンプルが、異なるレベルのヘマトクリットを有し得る、すなわち、1人の患者から採取された血液の1つの体積が、第2の患者から採取された同一の量の血液の体積を上回る、またはそれよりも小さい体積の血漿を提供するであろうことを意味するため、本方式で実施するように構成されることができる。吸収性パッドは、カートリッジアセンブリに進入する血液の精密な量を測定することが実行不可能であり得るときに役立ち、ユーザは、カートリッジアセンブリを過充填することを心配する必要性がない場合がある。例えば、吸収性パッドを伴わないと、高ヘマトクリット血液サンプルを入手することは、採取マトリクスが十分な血漿を受け取らない結果をもたらし得る。一方、吸収性パッドを伴わないと、低ヘマトクリット血液サンプルを入手することは、採取マトリクスの過飽和をもたらし得る。
【0326】
図17Bおよび17Cに図示されるように、代替実施形態では、吸収性パッド1729は、代わりに、吸収性紙1750であり得る。吸収性紙の非限定的実施例は、31-ETF、CF-12、CF-9、または同等物等の高吸収容量を伴う繊維状紙を含んでもよい。図17Bに図示されるように、吸収性紙1750は、採取マトリクスの基底部に垂直に載るように構成されることができる。吸収性紙は、異なる幾何学形状を生成し、紙をマトリクスと接触した状態に保つためのばね様作用を生成するように折畳または別様に操作されることができる。代替として、図17Cに図示されるように、吸収性紙1750は、採取マトリクスに平行であり得る。吸収性紙1750が、採取マトリクスに平行である場合、吸収性紙は、採取マトリクスの基部と同一平面上に載る、または採取マトリクスの基部と重複してもよい。例えば、吸収性紙は、0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmの採取マトリクスとの重複を有してもよい。吸収性紙1750は、2つの構成要素を分離する切取ストリップの使用によって、採取マトリクスの底部部品から引き離されるように構成されることができる。
【0327】
図17Bおよび17Cの吸収性紙1750に加えて、付加的親水性層1751が、採取マトリクスの上部に載るように構成されることができる。親水性層1751は、採取マトリクスに平行であるように構成されることができる。親水性層1751が、採取マトリクスに平行である場合、親水性層1751は、採取マトリクスの上部と同一平面上に載る、または採取マトリクスの上部と重複することができる。例えば、親水性層は、0mm、1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmの採取マトリクスとの重複を有してもよい。親水性層1751は、2つの構成要素を分離する切取ストリップの使用によって、採取マトリクスの底部部品から引き離されるように構成されることができる。吸収性紙および/または親水性層の使用は、上記に説明されるような吸収性パッドの使用と同一の目的のためであり、過剰なサンプルを吸収することができる。
【0328】
図18は、本明細書に説明される実施形態において使用され得る、処置/安定化ユニット1820の斜視図を図示する。前置フィルタ1822は、血液サンプルまたは他の液体が血液分離アセンブリ内で接触する最初の構成要素であるように構成されることができる。前置フィルタ1822は、図18に図示されるように、前置フィルタの直後かつそれに隣接して配置される分離膜1824よりも小さい表面積を備えるように構成されることができる。前置フィルタはまた、分離膜と同一である、またはそれよりも大きい表面積を備えるように構成されることができる。前置フィルタは、液体または血液サンプルが処置/安定化ユニットの他の構成要素に到達することに先立って、液体または血液サンプルのある成分を分離する、もしくは別様に濾過して取り除くように構成されることができる。前置フィルタは、処置/安定化ユニットの他の構成要素よりも粗くあり得、全体的処理能力が増加することを可能にすることができる。例えば、処置/安定化ユニットは、前置フィルタを用いて300μLのサンプルを分離することができる一方、処置/安定化ユニットは、前置フィルタを伴わないと、100μLのサンプルしか分離し得ない。
【0329】
分離膜1824は、血液の血漿/血清が分離膜の直後かつそれに隣接して配置される採取マトリクスによって採取されることを可能にしながら、血液サンプルの細胞成分を分離および含有するように構成されることができる。例えば、分離膜は、Leukosorb材料であり得る。分離膜の表面積は、いかなる血液サンプルも採取マトリクスに到達する前に分離膜を迂回しないことを確実にするために、処置/安定化ユニット内の他の構成要素の表面積よりも大きいように構成されることができる。
【0330】
図19および20は、カートリッジならびにカートリッジアセンブリを図示する。これらの実施形態の構成要素は、本明細書に説明される任意の他の実施形態における使用のために構成されることができる。これは、他の実施形態における使用のためにいくつかの構成要素の形状因子を修正および/または縮小することを含むことができる。例えば、図19~20の構成要素は、図12の構成要素における使用のために構成されることができる。
【0331】
図19は、処置/安定化ユニットを実装するカートリッジアセンブリにおける使用のために構成され、本明細書に説明されるような液体または液体様サンプル(例えば、液体血液)を採取するように構成され得る、例示的カートリッジ1910の斜視図を図示する。カートリッジ1910は、本明細書に説明される結合機構のうちのいずれかを使用して、サンプル取得デバイス(例えば、本明細書に開示されるサンプル取得デバイスのうちのいずれかのカートリッジチャンバ内のポート)に結合する(例えば、解放可能または恒久的に結合する)ように構成され得る、結合ユニット1912を備えることができる。例えば、結合ユニット1912は、サンプル取得デバイスのカートリッジチャンバポートと接合するためのルアータイプ継手を有することができる。結合ユニット1912は、血液がサンプル取得デバイスからカートリッジアセンブリに向かって(例えば、カートリッジアセンブリの中に)流動するための経路としての役割を果たすように構成される、開口部、入口1911、またはチャネルを備えることができる。例えば、入口1911は、サンプル取得デバイスから血液を受け取り、漏斗1914を通して、血液が処置/安定化ユニットの前置フィルタの表面に隣接する空間内に蓄積することを可能にする窪み1915の中に血液の流動を方向付けることができる。カートリッジ1910はまた、第1の圧縮面積1916を含むように構成されることができる。カートリッジは、処置/安定化ユニットの全周をシールするように作用し得る、第2の圧縮面積1917をさらに備えてもよい。このようにカートリッジ1910を構成することは、血液の流動が処置/安定化ユニットの前置フィルタおよび分離膜を迂回することが可能ではないように防止する。例えば、血液が、処置/安定化ユニットが血液を処理し得るよりも速く、入口1911を通して窪み1915に中に導入されている状況においてである。カートリッジ1910はまた、窪み1915とカートリッジ1910の外部の環境との間の圧力均一化を可能にし得る、通気孔1913を含むように構成されることができる。これは、空気が変位される、および/またはカートリッジの外部に存在する真空もしくは他の圧力条件が、窪み1915内で、入口1911を通して、血液取得デバイスの上流部分の中へ均一化することを可能にし得る。通気孔1913は、直接処置/安定化ユニットにわたる圧力差を低減させる、または完全に排除することができる。いくつかの実施例では、通気孔は、圧力差が処置/安定化ユニットにわたって生じることを可能にし、処置/安定化ユニットの構成要素を通した血液の流動を促すように排除されてもよい。カートリッジは、ユーザが採血の間に窪み1915内の血液の蓄積を観察することを可能にするために、完全に不透明である、または完全もしくは部分的に透明であり得る。窪み1915内の血液の蓄積の可視化は、処置/安定化ユニットが可能な限り多くの血液を処理したこと、および引き込みが停止され得ることのインジケーションとして使用されることができる。
【0332】
本明細書に説明されるようなカートリッジアセンブリの中への血液分離アセンブリの実装は、地面に実質的に直交する平面表面を有する処置/安定化ユニットの構成要素を備える全体的システムを用いて採血を実施する方法を可能にする。このような方法は、例えば、サンプル取得デバイスが、患者の腕に取り付けられながら血液を採取するように構成されるプロセスにおいて望ましい。これは、サンプル取得デバイスの薄型設計をさらに可能にする。
【0333】
図20は、患者からの十分な量の血液がカートリッジアセンブリ2010において受け取られたときをユーザに示すための視覚的計量要素を含むように構成され得る、カートリッジアセンブリ2010の側面断面図および斜視図を図示する。カートリッジアセンブリは、事前計量チャンバを使用するように構成され得る。事前計量チャンバは、チャンバが充填されたことを視覚的に確認することによって、正しい量の血液が採取されたときの視覚的インジケーションをユーザに提供するように構成されることができる。正しい量の血液が、充填されたとき、ユーザは、事前計量チャンバが充填されたことを視覚的に見ることが可能であろう。事前計量チャンバは、チャンバ全体が血液で充填される際、空気が変位され得るように、空気が逃散するが、血液または他の液体が逃散しないことを可能にする、半透膜を含むように構成されることができる。いったん血液で充填されると、血液は、逆流を防止するために逆止弁が実装され得る、ピストン構成またはダイヤフラムを介して手動で処置/安定化ユニットに前進されることができる。別の実施例では、血液は、患者の皮膚とサンプル採取デバイスとの間で引き込みの終了時にシールが破壊されるとき、自動的に前進することができる。これが起こると、大きい圧力差が、入口にわたって生成され、これは、血液サンプルを前進させる、または血液サンプルの前進をトリガするために使用されることができる。
【0334】
別の実施形態では、採取マトリクスの性質が、最大体積の血液が処理されたときにこれを遮断させるシステムが、使用されることができる。いったん採取マトリクスが患者から最大体積の血液を吸収すると、血液は、処理されなくなり、窪み内で上流に蓄積し始めるであろう。本蓄積は、十分な血液が採取されたことの視覚的インジケーションをユーザに描写するように構成されることができる。例えば、図20の最も右の画像では、窓2045は、窪み内の蓄積が生じた後、血液がこれに到達するとき、白色から赤色に変わるように構成されることができる。代替として、インジケータは、血液を吸収し、色が変化する吸収性材料から成り得る。代替として、窪み内の血液蓄積の視覚的インジケーションは、図20の2つの左画像に図示されるように、カートリッジアセンブリの側からユーザによって見られることができる。最も左の画像は、空の窪み2040を図示し、図20の中間の画像は、最大体積の血液が採取マトリクス内に含有された後に血液で充填された窪み2040を図示する。
【0335】
図21A~21Cは、血液分離プロセスが完了された後の処置/安定化ユニットの取得のためのカートリッジアセンブリの付加的実施形態を図示する。図21Aに図示されるように、カートリッジは、処置/安定化ユニット2120を定位置に保持するように構成される、解放機構2110を含むことができる。解放機構2110は、圧力点2130における力の適用に応じて、処置/安定化ユニット2120を解放することができる。このような特徴は、処置/安定化ユニットを付加的構成要素(例えば、ピンセット、グリッパ、使い捨て先端等)と直接接触させる必要性を伴わずに、処置/安定化ユニットが手動または自動化方式で取り扱われることを可能にする。これは、汚染の可能性を排除し、処置/安定化ユニット2120の解放後の洗浄または滅菌の必要性を防止する。圧力点2130への力の適用は、例えば、指で圧力点2130を圧迫することによって遂行されることができる。代替として、圧力点2130は、大いに局所化されることができ、特定の面積に集中する圧力を適用するように設計されるグリッパ(図21Aの点線に示されるような)の使用とのみ関与してもよい。
【0336】
図21Bは、シール2140およびグリップ2150の追加を伴う解放機構2110を図示する。本明細書の他の実施形態に開示されるように、シール2140は、カートリッジチャンバを密閉シールするように構成されてもよい。解放機構2110の圧力点2130が圧迫される際、グリップ2150は、処置/安定化ユニット2120を解放してもよい。グリップ2150は、処置/安定化ユニット2120に接触し、それを定位置に保持するように構成される吸収性パッドを含むように構成されてもよい。吸収性パッドは、処置/安定化ユニット2120の解放後にグリップ2150上に保定されてもよい。吸収性パッドはまた、処置/安定化ユニット2120とともに、またはそれと別個に、グリップ2150から解放されるように構成されてもよい。
【0337】
図21Cは、処置/安定化ユニット2120の不注意な解放を防止し得る、防護物2160の追加を伴う解放機構2110を図示する。本明細書の実施形態に議論されるように、カートリッジは、サンプル取得デバイスに解放可能に結合されるように構成されてもよい、または輸送スリーブの中に挿入されてもよい。防護物2160は、サンプル取得デバイスまたは輸送スリーブの一部であるように構成されてもよく、処置/安定化ユニット2120は、カートリッジがサンプル取得デバイスまたは輸送スリーブから係脱された後にのみ解放されてもよい。輸送スリーブは、その解放に応じて処置/安定化ユニット2120を受け取り、処置/安定化ユニット2120が試験できる状態になるまで、処置/安定化ユニット2120を保定するように構成されてもよい。
【0338】
5.溶出方法
【0339】
本開示のさらなる側面は、さらなるプロセスのために、採取マトリクスから、例えば、核酸分子、タンパク質、ホルモン、炭水化物、脂質等の生体分子を解離させる方法を提供する。そのような生体分子は、多くの場合、ヒト等の対象に由来し、生体外診断のための、または患者の健康状態の監視のためのバイオマーカとして有用である
【0340】
I.機械的解離
【0341】
機械的解離方法が、採取マトリクスを処理するために使用されることができる。そのような方法は、採取マトリクスから生体分子を解離させるために使用されることができる。機械的解離方法の非限定的実施例は、超音波処理、ボルテックス、振盪、揺動、章動、反転混合、回転、浸漬、浸軟、均質化、および凍結/融解循環を含む。
【0342】
採取マトリクスは、生体分子の解離のために浸漬されることができる。浸漬は、種々の緩衝剤または溶媒の存在下で実施されることができる。代替として、浸漬は、水を用いて実施されることができる。緩衝剤または溶媒は、溶出緩衝剤、溶解緩衝剤、洗浄緩衝剤等を含むことができる。ある場合には、浸漬は、キレート剤、還元剤、酸化剤、界面活性剤、タンパク質変性剤、1つまたはそれより多くの塩、1つまたはそれより多くの酵素、もしくは任意の有機溶媒の存在下で実施されることができる。浸漬は、任意の他の溶出方法が実施される前に実施されることができる。代替として、浸漬は、他の溶出方法の後に実施されることができる。
【0343】
ある場合には、採取マトリクスを浸漬させるための時間は、1分未満、5分未満、10分未満、20分未満、30分未満、50分未満、60分未満、2時間未満、5時間未満、10時間未満、20時間未満、30時間未満、1日未満、2日未満、または3日未満であり得る。ある場合には、浸漬させるための時間は、1分超、5分超、10分超、20分超、30分超、50分超、60分超、2時間超、5時間超、10時間超、20時間超、30時間超、1日超、2日超、または3日超であってもよい。
【0344】
採取マトリクスは、約0℃、約4℃、約10℃、約20℃、約25℃、約27℃、約30℃、約32℃、約35℃、約40℃、約45℃、約50℃、約55℃、約60℃、約65℃、約70℃、約75℃、約80℃、約85℃、約90℃、約92℃、約95℃、または約98℃の温度において浸漬されることができる。ある場合には、採取マトリクスは、0℃未満、4℃未満、10℃未満、20℃未満、25℃未満、27℃未満、30℃未満、32℃未満、35℃未満、40℃未満、45°C未満、50℃未満、55℃未満、60℃未満、65℃未満、70℃未満、75℃未満、80℃未満、85℃未満、90℃未満、92℃未満、95℃未満、または98℃未満の温度において浸漬されることができる。ある場合には、採取マトリクスは、0℃超、4℃超、10℃超、20℃超、25℃超、27℃超、30℃超、32℃超、35℃超、40℃超、45°C超、50℃超、55℃超、60℃超、65℃超、70℃超、75℃超、80℃超、85℃超、90℃超、92℃超、95℃超、または97℃超の温度において浸漬されることができる。
【0345】
採取マトリクスは、超音波処理を使用して処理されることができる。超音波処理は、浸漬または再水和の前に実施されることができる。商業的に取得可能な器具が、超音波処理のために使用されることができる。超音波処理は、緩衝剤の存在下で実施されることができ、その実施例が、本明細書の別の場所に提示される。これは、異なる生体分子に関して異なる速度において実施されることができる。超音波処理は、細胞を溶解する、またはゲノムDNAもしくはタンパク質を剪断するために使用されることができる。超音波処理は、採取マトリクスまたは氷上の浸漬された採取マトリクスを用いて実施されることができる。
【0346】
超音波処理は、パルスにおいて実施されることができる。例えば、超音波処理は、10秒間、実施されることができ、次いで、サンプルは、40秒間、静止されることができる。超音波処理振幅は、生物学的サンプル中の標的生体分子に従って調節されることができる。超音波処理のために使用される振幅は、約1%~約80%であり得る。超音波処理のために使用される振幅は、少なくとも約1%であり得る。超音波処理のために使用される振幅は、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、50%未満、60%未満、70%未満、または80%未満であり得る。ある場合には、超音波処理のために使用される振幅は、1%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、50%超、60%超、70%超、または80%超であり得る。
【0347】
本明細書の採取マトリクスのうちのいずれかは、攪拌を使用して処理されることができる。攪拌は、ボルテックス、揺動、混合、振盪等を含むことができる。速度は、5毎分回転数(rpm)未満、10rpm未満、15rpm未満、20rpm未満、30rpm未満、40rpm未満、50rpm未満、60rpm未満、70rpm未満、80rpm未満、90rpm未満、100rpm未満、150rpm未満、200rpm未満、250rpm未満、300rpm未満、350rpm未満、400rpm未満、500rpm未満、600rpm未満、700rpm未満、800rpm未満、900rpm未満、1,000rpm未満、1,500rpm未満、2,000rpm未満、2,500rpm未満、3,000rpm未満、3,500rpm未満、4,000rpm未満、4,500rpm未満、5,000rpm未満、5,500rpm未満、6,000rpm未満、6,500rpm未満、7,000rpm未満、7,500rpm未満、8,000rpm未満、8,500rpm未満、9,000rpm未満、9,500rpm未満、または10,000rpm未満であり得る。速度は、約50rpm、100rpm、200rpm、300rpm、400rpm、500rpm、600rpm、700rpm、800rpm、900rpm、1,000rpm、1,500rpm、または5,000rpmであり得る。速度は、少なくとも約50rpm、100rpm、200rpm、300rpm、400rpm、500rpm、600rpm、700rpm、800rpm、900rpm、1,000rpm、1,500rpm、または5,000rpmであり得る。
【0348】
攪拌は、少なくとも約1秒間、実施されることができる。攪拌は、1秒未満、5秒未満、10秒未満、15秒未満、20秒未満、30秒未満、50秒未満、60秒未満、80秒未満、100秒未満、120秒未満、5分未満、10分未満、20分未満、30分未満、50分未満、60分未満、50分未満、60分未満、2時間未満、5時間未満、8時間未満、10時間未満、20時間未満、30時間未満、または50時間未満、実施されることができる。攪拌は、1秒超、5秒超、10秒超、15秒超、20秒超、30秒超、50秒超、60秒超、80秒超、100秒超、120秒超、5分超、10分超、20分超、30分超、50分超、60分超、50分超、60分超、2時間超、5時間超、8時間超、10時間超、20時間超、30時間超、48時間超、または50時間超、実施されることができる。
【0349】
採取マトリクスは、均質化を使用して処理されることができる。商業的に取得可能なホモジナイザが、採取マトリクスを処理するために使用されることができる。非限定的実施例は、MACS Octo解離装置、ロータ-ステータホモジナイザ、ビーズミル、高圧ホモジナイザ等を含む。
【0350】
均質化は、少なくとも約500rpmの速度において実施されることができる。均質化は、500rpm未満、1,000rpm未満、2,000rpm未満、4,000rpm未満、5,000rpm未満、6,000rpm未満、8,000rpm未満、10,000rpm未満、または12,000rpm未満の速度において実施されることができる。均質化は、100rpm超、500rpm超、1,000rpm超、2,000rpm超、4,000rpm超、5,000rpm超、6,000rpm超、8,000rpm超、10,000rpm超、または12,000rpm超の速度において実施されることができる。
【0351】
均質化は、少なくとも約4℃の温度において実施されることができる。均質化は、5℃未満、10℃未満、15℃未満、20℃未満、25℃未満、27℃未満、30℃未満、32℃未満、37℃未満、40℃未満、42℃未満、45℃未満、50℃未満、55℃未満、60℃未満、65℃未満、70℃未満、75℃未満、80℃未満、85℃未満、90℃未満、92℃未満、95℃未満、または98℃未満の温度において実施されることができる。均質化は、4℃超、10℃超、15℃超、20℃超、25℃超、27℃超、30℃超、32℃超、37℃超、40℃超、42℃超、45°C超、50℃超、55℃超、60℃超、65℃超、70℃超、75℃超、80℃超、85℃超、90℃超、92℃超、95℃超、または97℃超の温度において実施されることができる。
【0352】
II.酵素消化
【0353】
採取マトリクスは、酵素解離を使用して処理されることができる。酵素解離は、プロテアーゼ、炭水化物消化分子、ヌクレアーゼ、リパーゼ等を用いて実施されることができる。1つまたはそれより多くの酵素解離方法が、同一の採取マトリクスのために使用されることができる。例えば、採取マトリクスは、同時にプロテアーゼおよびヌクレアーゼを用いて処置されることができる。使用される酵素は、天然起源または合成であり得る。それらは、組換え細胞から単離されることができる。
【0354】
プロテアーゼは、酵素解離のために使用されることができる。プロテアーゼの非限定的実施例は、トリプシン、プロテイナーゼK、ペプシン、キモトリプシン、パパイン、ブロメライン、スブチリシン、またはエラスターゼを含む。プロテアーゼは、セリンプロテアーゼ、システインプロテアーゼ、スレオニンプロテアーゼ、アスパラギン酸プロテアーゼ、グルタミン酸プロテアーゼ、または金属プロテアーゼ、もしくはアスパラギンペプチドリアーゼであり得る。プロテアーゼは、標的タンパク質を解離させるために使用されることができる。代替として、プロテアーゼは、核酸等の他の生体分子の単離のためにタンパク質を解離させるために使用されることができる。例えば、プロテアーゼは、クロマチンから核酸を解き解すために使用されることができる。
【0355】
プロテアーゼ消化は、緩衝剤または溶媒の存在下で実施されることができる。使用される緩衝剤は、商業的に取得可能な緩衝剤であり得る。緩衝剤は、EDTA、EGTA、クエン酸塩、塩化ナトリウム、LiCl、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、Tris-HCl、MOPS、HEPES、MES、ジチオスレイトール(DTT)、β-メルカプトエタノール、TECP、(SDS)、塩酸グアニジン、チオシアン酸グアニジニウム(GITC)、尿素、グルタチオン(GSH)、グルタチオンジスルフィド(GSSG)、NADPH、アスコルビン酸、レチノイン酸、およびトコフェロール、または他の塩ならびに有機溶媒から成ることができる。
【0356】
プロテアーゼ消化は、約10分間、実施されることができる。プロテアーゼ消化は、10分未満、15分未満、30分未満、50分未満、または60分未満実施されることができる。プロテアーゼ消化は、1時間未満、2時間未満、3時間未満、4時間未満、5時間未満、8時間未満、10時間未満、12時間未満、14時間未満、16時間未満、18時間未満、または24時間未満、実施されることができる。プロテアーゼ消化は、10分超、15分超、30分超、50分超、または60分超、実施されることができる。プロテアーゼ消化は、1時間超~18時間超の間、実施されることができる。プロテアーゼ消化は、1時間超、2時間超、3時間超、4時間超、5時間超、8時間超、10時間超、12時間超、14時間超、16時間超、18時間超、または24時間超、実施されることができる。
【0357】
酵素は、炭水化物消化のために使用されることができる。炭水化物の酵素消化は、採取マトリクス上の多糖類コーティングを分解するために実施されることができる。代替として、これは、標的生体分子または細胞等の生物学的サンプルを消化するために実施されることができる。そのような酵素の実施例は、限定ではないが、マセロチーム R-10、ペクチナーゼ、ヘミセルラーゼ、アミラーゼ、キシラナーゼ、セルラーゼ、スクロース、マルターゼ等を含む。
【0358】
炭水化物消化のために使用される緩衝剤は、商業的に取得可能であり得る。緩衝剤は、リン酸ナトリウム、塩化ナトリウム、水酸化ナトリウム、エチレングリコール、酢酸ナトリウム緩衝剤、EDTA、EGTA、クエン酸塩、塩化ナトリウム、LiCl、リン酸カリウム、硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、Tris-HCl、MOPS、HEPES、MES、ジチオスレイトール(DTT)、β-メルカプトエタノール、TECP、グルタチオン(GSH)、グルタチオンジスルフィド(GSSG)、NADPH、アスコルビン酸、レチノイン酸、およびトコフェロール、または他の塩もしくは有機溶媒を含むことができる。
【0359】
炭水化物消化は、約10分間、実施されることができる。炭水化物消化は、10分未満、15分未満、30分未満、50分未満、または60分未満実施されることができる。炭水化物消化は、1時間未満、2時間未満、3時間未満、4時間未満、5時間未満、8時間未満、10時間未満、12時間未満、14時間未満、16時間未満、または18時間未満、実施されることができる。炭水化物消化は、10分超、15分超、30分超、50分超、または60分超、実施されることができる。炭水化物消化は、1時間超~18時間超の間、実施されることができる。炭水化物消化は、1時間超、2時間超、3時間超、4時間超、5時間超、8時間超、10時間超、12時間超、14時間超、16時間超、または18時間超、実施されることができる。
【0360】
採取マトリクスは、ヌクレアーゼを使用して処理されることができる。ヌクレアーゼは、ゲノムDNAまたはRNAを消化するために使用されることができる。非限定的実施例は、エキソヌクレアーゼ、エンドヌクレアーゼ(例えば、制限酵素)、DNase、RNAse等を含む。ヌクレアーゼ消化は、1つまたはそれより多くの緩衝剤の存在下で実施されることができる。例えば、緩衝剤は、Thermofisherによって製造されるTRIzol、Qiagenによって製造されるBuffer RLT、Qiagenによって製造されるBuffer RLN、Promegaによって製造されるRNA溶解緩衝剤(RLA)、Promegaによって製造されるPureYield細胞溶解溶液(CLA)、Promegaによって製造されるPureYieldエンドトキシン除去洗浄液、PureZOL RNA単離試薬(Bio-Rad)、Zymo Research Corpによって製造されるRNA溶解緩衝剤またはDNA/RNA結合緩衝剤、またはPierceによって製造されるRNA捕捉緩衝剤、Tris-HCL、MOPS、MES、HEPES、塩化マグネシウム、塩化カルシウム、PBSから成ることができる。
【0361】
ヌクレアーゼ消化は、約10分間、実施されることができる。ヌクレアーゼ消化は、10分未満、15分未満、30分未満、50分未満、または60分未満実施されることができる。ヌクレアーゼ消化は、1時間未満、2時間未満、3時間未満、4時間未満、5時間未満、8時間未満、10時間未満、12時間未満、14時間未満、16時間未満、または18時間未満、実施されることができる。ヌクレアーゼ消化は、10分超、15分超、30分超、50分超、または60分超、実施されることができる。ヌクレアーゼ消化は、1時間超~18時間超の間、実施されることができる。ヌクレアーゼ消化は、1時間超、2時間超、3時間超、4時間超、5時間超、8時間超、10時間超、12時間超、14時間超、16時間超、または18時間超、実施されることができる。
【0362】
酵素は、脂質消化のために使用されることができる。脂質の酵素消化は、細胞中の脂質を分解するために実施されることができる。代替として、これは、標的生体分子を消化するために使用されることができる。そのような酵素の実施例は、リパーゼ、エラスターゼ、ホスホリパーゼ等を含む。脂質消化は、緩衝剤の存在下で実施されることができる。緩衝剤は、商業的に取得可能であり得る。使用され得る緩衝剤の実施例は、本明細書の別の場所に提示される。
【0363】
いくつかの実施形態では、1回より多くの酵素消化が、1つの採取マトリクスまたは採取マトリクスの組み合わせに対して実施されることができる。1回またはそれより多くの酵素消化は、並行して、または逐次実施されることができる。例えば、採取マトリクスは、プロテアーゼおよびアミラーゼを用いて処理されることができる。ある場合には、採取マトリクスの炭水化物消化処理に続けて、ヌクレアーゼ消化が行われる、または採取マトリクスの炭水化物消化処理が、ヌクレアーゼ消化と並行して実施されることができる。ある場合には、ヌクレアーゼ消化に続けて、リパーゼ消化が実施される、またはヌクレアーゼ消化が、リパーゼ消化と並行して実施されることができる。ある場合には、2回より多くの酵素消化が、並行して実施されることができる。例えば、プロテアーゼ消化、炭水化物消化、ヌクレアーゼ消化、および脂質消化が、採取マトリックスに対して並行して実施されることができる。
【0364】
酵素消化は、機械的解離と並行して実施されることができる。代替として、酵素消化は、機械的解離の前または後に実施されることができる。例えば、浸漬に続けて、プロテアーゼ消化が行われることができる。ヌクレアーゼ消化は、揺動または反転混合と並行して実施されることができる。ある場合には、プロテアーゼおよび脂質消化に続けて、超音波処理が行われることができる。本明細書の任意の場所に提示される任意の他の解離方法が、酵素消化方法に加えて、またはそれと並行して使用されることができる。
【0365】
III.熱解離
【0366】
生物学的サンプルを備える採取マトリクスの処理は、熱的に促進される解離を含むことができる。温度によって分解されやすいタンパク質、核酸等の巨大分子は、温度循環または凍結/融解サイクルもしくは昇温を用いて採取マトリクスから溶出されることができる。
【0367】
採取マトリクスの熱解離処理は、低温処置を含むことができる。ある場合には、低温処置は、凍結/融解サイクルを含む。採取マトリクスの低温処置は、約-80℃、約-40℃、約-20℃、約-4℃、約0℃、または約4℃の処置温度を含むことができる。ある場合には、処置温度は、-80℃未満、-40℃未満、-20℃未満、-4℃未満、0℃未満、または4℃未満であってもよい。ある場合には、処置温度は、-80℃超、-40℃超、-20℃超、-4℃超、0℃超、または4℃超であってもよい。
【0368】
熱的に促進される解離は、周囲温度において採取マトリクス溶液を保温することを含むことができる。代替として、熱的に促進される解離は、昇温において採取マトリクス溶液を保温することを含むことができる。採取マトリクスの昇温処置は、30℃未満、37℃未満、45℃未満、50℃未満、55℃未満、60℃未満、80℃未満、95℃未満、97℃未満、または100℃未満の処置温度を含むことができる。ある場合には、採取マトリクスの昇温処置は、30℃超、37℃超、45℃超、50℃超、55℃超、60℃超、80℃超、95℃超、97℃超、または100℃超の処置温度を含むことができる。
【0369】
熱的に促進される解離は、処置温度を循環させることを含むことができる。これは、低温と周囲温度との間で循環させることを含むことができる。代替として、これは、低温と昇温との間で、または周囲温度と昇温との間で採取マトリクスを循環させることを含むことができる。採取マトリクスは、低温、続けて昇温、続けて周囲温度の保温、またはそれらの他の組み合わせを通して循環することによって処理されることができる。
【0370】
熱的に促進される解離処理手順は、機械的解離手順に加えて実施されることができる。熱解離プロセスは、機械的解離と並行して実施されることができる。例えば、浸漬が、温度循環と並行して実施されることができる。また、ボルテックスが、温度循環後に実施されることができる。本明細書の別の場所に提示される任意の他の機械的解離方法が、熱的に促進される解離方法と組み合わせられることができる。
【0371】
熱的に促進される解離処理手順は、酵素消化手順に加えて実施されることができる。熱解離プロセスは、酵素消化と並行して実施されることができる。例えば、ヌクレアーゼ消化は、昇温処置と並行して実施されることができる。また、プロテアーゼ消化は、温度循環後に実施されることができる。本明細書の別の場所に提示される任意の他の酵素消化方法が、熱的に促進される解離方法と組み合わせられることができる。
【0372】
熱的に促進される解離処理手順は、酵素消化および機械的解離方法に加えて実施されることができる。熱解離プロセスは、酵素消化および機械的解離と並行して実施されることができる。例えば、ヌクレアーゼ消化は、昇温処置および浸漬された採取マトリクスの揺動と並行して実施されることができる。
【0373】
IV.時間依存性再水和
【0374】
乾燥された採取マトリクスは、再水和されることができる。採取マトリクスの再水和は、標的生体分子に応じて、異なる時間および温度に関して実施されることができる。例えば、高度に可溶性の生体分子は、不溶性の生体分子と比較して、より少ない再水和を要求し得る。ある場合には、再水和は、いくつかの異なる温度において実施されることができる。いくつかの生体分子は、室温において可溶性であり得、その他は、より高い温度を要求し得る。そのような場合では、再水和プロセスは、温度循環を含むことができる。
【0375】
採取マトリクスは、3秒未満、5秒未満、8秒未満、10秒未満、20秒未満、30秒未満、40秒未満、50秒未満、60秒未満、2分未満、5分未満、10分未満、20分未満、30分未満、50分未満、60分未満、50分未満、60分未満、2時間未満、5時間未満、8時間未満、10時間未満、20時間未満、30時間未満、50時間未満、70時間未満、80時間未満、または100時間未満、再水和されることができる。採取マトリクスは、3秒超、5秒超、8秒超、10秒超、20秒超、30秒超、40秒超、50秒超、60秒超、2分超、5分超、10分超、20分超、30分超、50分超、60分超、50分超、60分超、2時間超、5時間超、8時間超、10時間超、20時間超、30時間超、50時間超、70時間超、80時間超、または100時間超、再水和されることができる。
【0376】
V.化学的解離および安定化
【0377】
生物学的サンプルを備える採取マトリクスの処理は、化学的に促進される解離および安定化を含むことができる。化学的解離処置は、採取マトリクスを溶出緩衝剤に導入することを含むことができる。緩衝剤は、種々の塩、有機溶媒、界面活性剤、タンパク質添加物、イオン交換剤、金属キレート剤、安定化要素、還元剤、酸化剤、またはフリーラジカル捕捉剤から成ることができる。
【0378】
溶出緩衝剤は、1つまたはそれより多くの界面活性剤から成ることができる。1つまたはそれより多くの界面活性剤は、例えば、アニオン性、カチオン性、非イオン性、または両性タイプであり得る。使用される界面活性剤は、生体分子の親水性部分および疎水性部分の両方と相互作用することが可能であり得、そのような分子の可溶化および溶出を支援することができる。1つまたはそれより多くの界面活性剤は、ポリエトキシル化アルコール、ポリオキシエチレンソルビタン、Triton(登録商標) X 100(ポリエチレングリコールp-(1,1,3,3-テトラメチルブチル)-フェニルエーテル)等のオクトキシノール、Tween(登録商標) 20(例えば、ポリソルベート 20)またはTween(登録商標) 80(ポリソルベート 80)等のポリソルベート、ドデシル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム、Tergitol等のノニルフェノールエトキシレート、シクロデキストリン、コカミドプロピルベタイン等の双性イオン性界面活性剤であり得る。他のベタインは、ラウラミドプロピルベタイン、オレアミドプロピルベタイン、リシノールアミドプロピルベタイン、セチルベタインおよびダイマージリノールアミドプロピルベタイン、スルホベタイン、ヒドロキシスルホベタイン、塩化メチレン、ならびにスルタイン、またはそれらの任意の組み合わせを含む。1つまたはそれより多くの界面活性剤は、溶出緩衝剤の合計体積に対して体積比で0.001%未満、0.005%未満、0.01%未満、0.015%未満、0.02%未満、0.025%未満、0.03%未満、0.035%未満、0.04%未満、0.045%未満、0.05%未満、0.055%未満、0.06%未満、0.065%未満、0.07%未満、0.075%未満、0.08%未満、0.085%未満、0.09%未満、0.095%未満、0.1%未満、0.15%未満、0.2%未満、0.25%未満、0.3%未満、0.35%未満、0.4%未満、0.45%未満、0.5%未満、0.55%未満、0.6%未満、0.65%未満、0.7%未満、0.75%未満、0.8%未満、0.85%未満、0.9%未満、0.95%未満、または0.1%未満の濃度において存在することができる。1つまたはそれより多くの界面活性剤は、約0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、または10%の濃度であり得る。1つまたはそれより多くの界面活性剤は、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、または10%未満の濃度であり得る。1つまたはそれより多くの界面活性剤は、0.01%、0.05%、0.1%、0.5%、1%、5%、または10%超の濃度であり得る。
【0379】
溶出緩衝剤は、1つまたはそれより多くの有機溶媒混合物から成ることができる。水性および有機溶媒混合物を伴う有機抽出物は、生体分子を可溶化および溶出するように機能することができる。有機溶媒は、ブタノール、エタノール、メタノール、イソプロパノール、フェノール、プロパノール、DMSO、DMF、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ブタノール、t-ブタノール、ペンタノール、アセトン、クロロホルム、またはそれらの組み合わせから成ることができる。溶出緩衝剤は、溶液の合計体積に対して体積比で0.01%未満、0.05%未満、0.1%未満、0.15%未満、0.2%未満、0.25%未満、0.3%未満、0.35%未満、0.4%未満、0.45%未満、0.5%未満、0.55%未満、0.6%未満、0.65%未満、0.7%未満、0.75%未満、0.8%未満、0.85%未満、0.9%未満、0.95%未満、1%未満、1.5%未満、2%未満、2.5%未満、3%未満、3.5%未満、4%未満、4.5%未満、5%未満、5.5%未満、6%未満、6.5%未満、7%未満、7.5%未満、8%未満、8.5%未満、9%未満、9.5%未満、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満、40%未満、45%未満、50%未満、55%未満、60%未満、65%未満、70%未満、75%未満、80%未満、85%未満、90%未満、95%未満、99%未満、または100%未満の有機溶媒から成ることができる。溶出緩衝剤中の1つまたはそれより多くの有機溶媒の濃度は、少なくとも1%、5%、10%、50%、75%、または100%であり得る。溶出緩衝剤中の1つまたはそれより多くの有機溶媒の濃度は、約1%、5%、10%、50%、75%、または100%であり得る。
【0380】
緩衝剤は、塩化グアニジン、塩酸グアニジン、イソチオシアン酸グアニジン、過塩素酸リチウム、酢酸リチウム、塩化マグネシウム、ヨウ化ナトリウム、チオシアン酸ナトリウム、チオ尿素、尿素、またはそれらの任意の組み合わせ等のカオトロピック剤を含むことができる。緩衝剤中のカオトロピック剤の濃度は、約0.1mM、1mM、10mM、100mM、1M、6M、または8Mであり得る。緩衝剤中のカオトロピック剤の濃度は、少なくとも0.1mM、1mM、10mM、100mM、1M、6M、または8Mであり得る。緩衝剤中のカオトロピック剤の濃度は、0.1mM、1mM、10mM、100mM、1M、6M、または8Mを下回り得る。
【0381】
化学的に促進される解離および安定化は、溶出緩衝剤へのタンパク質および/または核酸添加物の添加を備えることができる。溶出溶液にタンパク質および/または核酸を添加することは、採取マトリクスの競合的結合を用いて多糖類でコーティングされた採取マトリクスから着目生体分子を追い払う役割を果たすことができる。加えて、添加物は、生体分子を安定化し、実験器具への生体分子の非特異的結合を遮断することができる。添加物の実施例は、限定ではないが、BSA、アルブミン、カゼイン、粉乳、無脂肪乳、卵白、非ヒト血清、代用血液、核酸、酵母RNA、ニシン精子DNA、サケ精子DNA、子牛胸腺DNA、COT-1 DNA、合成オリゴヌクレチオチドを含む。溶出緩衝剤は、溶液の合計体積に対して体積比で0.0001%未満、0.005%未満、0.01%未満、0.05%未満、0.1%未満、0.15%未満、0.2%未満、0.25%未満、0.3%未満、0.35%未満、0.4%未満、0.45%未満、0.5%未満、0.55%未満、0.6%未満、0.65%未満、0.7%未満、0.75%未満、0.8%未満、0.85%未満、0.9%未満、0.95%未満、1%未満、1.5%未満、2%未満、2.5%未満、3%未満、3.5%未満、4%未満、4.5%未満、5%未満、5.5%未満、6%未満、6.5%未満、7%未満、7.5%未満、8%未満、8.5%未満、9%未満、9.5%未満、10%未満、11%未満、12%未満、13%未満、14%未満、15%未満、16%未満、17%未満、18%未満、19%未満、20%未満、25%未満、30%未満、35%未満、40%未満、45%未満、50%未満、55%未満、60%未満、65%未満、70%未満のタンパク質、核酸、またはタンパク質/核酸混合物から成ることができる。溶出緩衝剤中の1つまたはそれより多くのタンパク質、核酸、もしくはタンパク質/核酸混合物の濃度は、少なくとも0.0001%、0.005%、0.001%、0.05%、1%、5%、10%、または50%であり得る。溶出緩衝剤中の1つまたはそれより多くのタンパク質、核酸、もしくはタンパク質/核酸混合物の濃度は、約0.0001%、0.005%、0.001%、0.05%、1%、5%、10%、または50%であり得る。
【0382】
化学的に促進される解離および安定化は、イオン交換剤から成る溶出緩衝剤を備えることができる。イオン交換剤は、タンパク質のイオン強度に影響を及ぼし得る任意の作用物質から成ることができる。イオン強度は、生体分子の可溶性、活性、結合または安定化性質の変化に起因して影響を受け得る。1つまたはそれより多くの塩は、塩化ナトリウム、酢酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム、重硫酸ナトリウム、臭化ナトリウム、塩化マグネシウム、酢酸マグネシウム、塩化カルシウム、塩化カリウム、酢酸カリウム、重炭酸カリウム、重硫酸カリウム、臭素酸カリウム、臭化カリウム、または炭酸カリウムであり得る。1つまたはそれより多くの塩は、約0.1mM、5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、250mM、500mM、または750mMの濃度であり得る。1つまたはそれより多くの塩は、0.1mM、5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、250mM、500mM、または750mM未満の濃度であり得る。1つまたはそれより多くの塩は、少なくとも0.1mM、5mM、10mM、25mM、50mM、100mM、250mM、500mM、750mM、または1,000mMの濃度であり得る。
【0383】
イオン交換試薬は、1つまたはそれより多くの緩衝化剤から成ることができる。1つまたはそれより多くの緩衝化剤は、例えば、生理食塩水、クエン酸塩、リン酸塩、リン酸緩衝生理食塩水、酢酸塩、グリシン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン(トリス)塩酸塩、トリス緩衝生理食塩水(TBS)、3-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]プロパン-1-スルホン酸(TAPS)、バイシン、トリシン、3-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]-2-ヒドロキシプロパン-1-スルホン酸(TAPSO)、4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)、ピペラジン-N,N’-ビス(2-エタンスルホン酸)(PIPES)、3-(N-モルフォリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、2-(N-モルフォリノ)エタンスルホン酸(MES)、2-[[1,3-ジヒドロキシ-2-(ヒドロキシメチル)プロパン-2-イル]アミノ]エタンスルホン酸(TES)、カコジル酸、グリシン、炭酸、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。緩衝化剤は、500mM未満、400mM未満、300mM未満、200mM未満、100mM未満、50mM未満、25mM未満、20mM未満、15mM未満、10mM未満、5mM未満、4mM未満、3mM未満、2mM未満、1mM未満、0.9mM未満、0.8mM未満、0.7mM未満、0.6mM未満、0.5mM未満、0.4mM未満、0.3mM未満、0.2mM未満、または0.1mM未満の濃度において存在することができる。緩衝化剤は、500mM超、400mM超、300mM超、200mM超、100mM超、50mM超、25mM超、20mM超、15mM超、10mM超、5mM超、4mM超、3mM超、2mM超、1mM超、0.9mM超、0.8mM超、0.7mM超、0.6mM超、0.5mM超、0.4mM超、0.3mM超、0.2mM超、または0.1mM超の濃度において存在することができる。
【0384】
化学的に促進される解離および安定化は、pH促進処置を備えることができる。pH促進化学的解離は、pH循環を含むことができる。例えば、溶出緩衝剤は、最初に、9~12に及ぶpHを伴うより塩基性の溶液であり得る。塩または酸が、溶出緩衝剤に添加され、緩衝剤を塩基性から酸性に循環させることができる。
【0385】
溶出緩衝剤のpHは、約1~約14であり得る。溶出緩衝剤のpHは、少なくとも約1であり得る。溶出緩衝剤のpHは、最大で約14であり得る。溶出緩衝剤のpHは、2未満、3未満、4未満、5未満、6未満、7未満、8未満、9未満、10未満、11未満、12未満、または14未満であり得る。溶出緩衝剤のpHは、1超、3超、4超、5超、6超、7超、8超、9超、10超、11超、12超、または13超であり得る。
【0386】
採取マトリクスの化学的に促進される解離および安定化は、キレート剤を用いた処置を備えることができる。1つまたはそれより多くのキレート剤は、例えば、炭水化物、脂質、ステロイド、アミノ酸または関連化合物、リン酸塩、ヌクレオチド、テトラピロール、フェリオキサミン、イオノフォア、フェノール類、もしくは2,2’-ビピリジル、ジメルカプトプロパノール、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジオキシ-ジエチレン-ジニトリロ-四酢酸、エチレングリコール-ビス-(2-アミノエチル)-N,N,N’,N’-四酢酸(EGTA)、金属ニトリロ三酢酸(NTA)、サリチル酸、クエン酸、またはトリエタノールアミン(TEA)等の合成キレート剤であり得る。緩衝剤中の1つまたはそれより多くのキレート剤の濃度は、約0.01mM、0.1mM、1mM、5mM、10mM、20mM、または25mMであり得る。緩衝剤中の1つまたはそれより多くのキレート剤の濃度は、0.1mM、1mM、5mM、10mM、20mM、または25mMを下回り得る。緩衝剤中の1つまたはそれより多くのキレート剤の濃度は、0.1mM、1mM、5mM、10mM、20mM、または25mMを上回り得る。
【0387】
採取マトリクスの化学的に促進される解離および安定化は、凝集を防止し得る作用物質を用いた処置を備えることができる。凝集防止剤は、ポリオールから成ることができる。1つまたはそれより多くのポリオールは、エチレングリコールまたはプロピレングリコール等のグリコール、もしくはPEG300、PEG400、PEG600、PEG1000、PEG3000、PEG6000、PEG8000、またはPEG10000等の種々の重量のポリエチレングリコール(PEG)等のグリコールポリマーであり得る。いくつかの事例では、1つまたはそれより多くのポリオールは、糖であり得る。ある場合には、糖は、スクロース、グルコース、フルクトース、トレハロース、マルトース、メレジトース、ガラクトース、ラクトース、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの事例では、1つまたはそれより多くのポリオールは、糖アルコールであり得る。ある場合には、糖アルコールは、グリセロール、エリスリトール、スレイトール、キシリトール、ソルビトール等であり得る。溶出緩衝剤中の凝集防止剤の濃度は、約0.5%、約1%、約2%、約5%、約10%、約15%、約20%、約25%、約30%、約40%、約50%、または約60%であり得る。溶出緩衝剤中の凝集防止剤の濃度は、0.5%未満、1%未満、2%未満、5%未満、10%未満、15%未満、20%未満、25%未満、30%未満、40%未満、50%未満、または60%未満であり得る。溶出緩衝剤中の凝集防止剤の濃度は、0.5%超、1%超、2%超、5%超、10%超、15%超、20%超、25%超、30%超、40%超、50%超、または60%超であり得る。
【0388】
溶出緩衝剤は、1つまたはそれより多くの還元もしくは酸化剤から成ることができる。還元剤は、生体分子のその可溶性、活性、結合および安定化性質を改変することによって、生体分子を還元または酸化させることができる。1つまたはそれより多くの還元もしくは酸化剤は、例えば、β-メルカプトエタノール(BME)、2-アミノエタンチオール(2MEA-HCl(システアミン-HCl))、ジチオスレイトール(DTT)、グルタチオン(GSH)、グルタチオンジスルフィド(GSSG)、トリス(2-カルボキシエチル1)ホスフィン(TCEP)、NADPH、アスコルビン酸、レチノイン酸、およびトコフェロール、またはそれらの任意の組み合わせであり得る。1つまたはそれより多くの還元剤の濃度は、約0.1mM、0.5mM、1mM、10mM、50mM、100mM、250mM、または500mMであり得る。1つまたはそれより多くの還元もしくは酸化剤の濃度は、0.1mM、0.5mM、1mM、10mM、50mM、100mM、250mM、または500mMを下回り得る。例えば、DTTの濃度は、0.05mM未満~100mM未満、0.5mM未満~50mM未満、または5mM未満~10mM未満であり得る。TCEPの濃度は、0.05mM未満、5mM未満、10mM未満、または50mM未満であり得る。BMEの濃度は、0.05%未満、5%未満、または10%未満であり得る。GSHの濃度は、0.05mM未満、5mM未満、または10mM未満であり得る。1つまたはそれより多くの還元もしくは酸化剤の濃度は、約1mM、10mM、50mM、100mM、250mM、または500mMであり得る。
【0389】
溶出緩衝剤は、1つまたはそれより多くのフリーラジカル捕捉剤から成ることができる。ラジカル捕捉剤は、テトラヒドロキシ-1,4-ベンゾキノン(THQ)またはハイドロキノンのモノメチルエーテルを含むハイドロキノン誘導体、(MEHQ)、グルタチオン(GSH)、アスコルビン酸、レチノイン酸、およびトコフェロールを含むことができる。緩衝剤中の1つまたはそれより多くのフリーラジカル捕捉剤の濃度は、約0.1mM、1mM、5mM、10mM、20mM、25mM、27mM、28mM、29mM、30mM、32mM、35mM、38mM、40mM、45mM、50mM、または100mMであり得る。緩衝剤中の1つまたはそれより多くのフリーラジカル捕捉剤の濃度は、0.1mM、1mM、5mM、10mM、20mM、25mM、27mM、28mM、29mM、30mM、32mM、35mM、38mM、40mM、45mM、50mM、または100mMを下回り得る。緩衝剤中の1つまたはそれより多くのフリーラジカル捕捉剤の濃度は、0.1mM、1mM、5mM、10mM、20mM、25mM、27mM、28mM、29mM、30mM、32mM、35mM、38mM、40mM、45mM、50mM、または100mMを上回り得る。
【0390】
化学的に促進される解離および安定化手順は、他の解離方法に加えて、またはそれと並行して実施されることができる。化学的解離は、採取マトリクスの揺動または採取マトリクス溶液のボルテックスと並行して実施されることができる。化学的解離方法は、酵素解離の前または後に実施されることができる。例えば、炭水化物消化酵素が、最初に、採取マトリクス上の多糖類コーティングを分解し、核酸を溶出するための溶出緩衝剤を用いた処置が続くことができる。化学的解離方法は、熱解離を促進するために、異なる温度において、または異なる温度を循環させることに加えて実施されることができる。化学的解離方法は、機械的解離、酵素解離、熱的に促進される解離、または時間依存性再水和、および本明細書の別の場所に提示される解離方法のうちのいずれかに加えて、もしくはそれと並行して実施されることができる。
【0391】
採取マトリクスまたは採取マトリクスの一部は、5μL未満、10μL未満、15μL未満、20μL未満、25μL未満、30μL未満、35μL未満、40μL未満、45μL未満、50μL未満、55μL未満、60μL未満、65μL未満、70μL未満、75μL未満、80μL未満、85μL未満、90μL未満、95μL未満、100μL未満、110μL未満、120μL未満、130μL未満、140μL未満、150μL未満、160μL未満、170μL未満、180μL未満、190μL未満、200μL未満、250μL未満、300μL未満、350μL未満、400μL未満、450μL未満、500μL未満、550μL未満、600μL未満、650μL未満、700μL未満、750μL未満、800μL未満、850μL未満、900μL未満、950μL未満、1,000μL未満、1.5mL未満、2mL未満、2.5mL未満、3mL未満、3.5mL未満、4mL未満、4.5mL未満、5mL未満、5.5mL未満、6mL未満、6.5mL未満、7mL未満、7.5mL未満、8mL未満、8.5mL未満、9mL未満、9.5mL未満、または10mL未満の体積の溶出緩衝液と接触されることができる。安定化採取マトリクスまたは安定化採取マトリクスの一部は、約0.1mL、0.2mL、0.5mL、0.7mL、1mL、2mL、5mL、7mL、または10mLの緩衝剤と接触されることができる。
【0392】
採取マトリクスと接触される溶出緩衝剤の体積は、採取マトリクスの表面積に依存し得る。溶出緩衝剤の量は、1μL/mm未満、2μL/mm未満、3μL/mm未満、4μL/mm未満、5μL/mm未満、6μL/mm未満、7μL/mm未満、8μL/mm未満、9μL/mm未満、10μL/mm未満、12μL/mm未満、14μL/mm未満、16μL/mm未満、18μL/mm未満、20μL/mm未満、25μL/mm未満、30μL/mm未満、35μL/mm未満、40μL/mm未満、45μL/mm未満、50μL/mm未満、55μL/mm未満、60μL/mm未満、65μL/mm未満、70μL/mm未満、75μL/mm未満、80μL/mm未満、85μL/mm未満、90μL/mm未満、95μL/mm未満、100μL/mm未満、150μL/mm未満、200μL/mm未満、250μL/mm未満、300μL/mm未満、350μL/mm未満、400μL/mm未満、450μL/mm未満、500μL/mm未満、550μL/mm未満、600μL/mm未満、650μL/mm未満、700μL/mm未満、750μL/mm未満、800μL/mm未満、850μL/mm未満、900μL/mm未満、950μL/mm未満、または1,000μL/mm未満であり得る。
【0393】
サンプル安定化ユニットの非限定的実施形態は、他の非血漿または非血清成分も同様に分離するためのサンプル分離構成要素を採用することができる。サンプル分離構成要素は、例えば、マイクロチャネルを含むチャネル、吸収性材料のウィッキング、またはサンプルが本デバイスを通して流動することを可能にする他の手段を通して、サンプル取得構成要素に接続されることができる。サンプルを分離するためのシステムおよび方法は、例示的かつ非限定的である。
【0394】
概して、サンプルは、1つまたはそれより多くの分析物を含有することができる、または含有することが疑われる。本明細書に使用されるような用語「分析物」は、アッセイまたは免疫測定デバイスを使用して分析され得る任意の物質を指し得る。実施例として、免疫測定デバイスは、サンプル中の1個、2個、3個、4個、5個、6個、7個、8個、9個、10個、またはそれより多くの分析物の存在を検出するように構成されることができる。分析物の非限定的実施例は、タンパク質、ハプテン、免疫グロブリン、ホルモン、ポリヌクレオチド、ステロイド、薬物、感染症病原体(例えば、細菌またはウイルス由来のもの)、乱用薬物、環境要因、生物学的マーカ、および同等物を含むことができる。
【0395】
本明細書および請求項に使用されるように、単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明確に別様に決定付けない限り、複数指示物を含む。例えば、用語「細胞」は、その混合物を含む、複数の細胞を含む。
【0396】
本明細書に使用されるように、用語「約」ある数値は、その数値±その数値の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%を指す。
【0397】
本明細書に使用されるように、別様に規定されない限り、用語「実質的に」および類似する用語は、当業者によって理解されるように、必ずしも全体的ではないが、大部分が規定されるものとして定義される。任意の開示される実施形態では、用語「実質的に」、「およそ」、「概して」、および「約」は、規定されるものの「[あるパーセンテージ]以内」と代用されてもよく、パーセンテージは、0.1、1、5、および10パーセントを含む。
【実施例
【0398】
実施例1:血液分離のためのカートリッジアセンブリ
【0399】
図3C図3F、および図4は、対象から採取された血液から血漿または血清を分離するためのカートリッジアセンブリの種々の実施例を示す。カートリッジアセンブリは、対象から血液を受け取るために、サンプル取得デバイス(例えば、図3Dに示されるようなサンプル取得デバイス100)に結合され、それと流体連通することができる。カートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリとサンプル取得デバイスとの間の流体連通のための経路を提供するためのポートを備えることができる。カートリッジアセンブリは、血液から血漿もしくは血清を分離するための1つまたはそれより多くの血液処置/安定化ユニットを備えることができる。血液処置/安定化ユニットは、複数の構成要素のスタック(または層)であり得る。例えば、血液処置/安定化ユニットは、複数の層、例えば、(1)血液から細胞および/または破片を濾過して取り除くための前置フィルタ層と、(2)前置フィルタを通して通過される血液の残りから血清または血漿を単離するための血液分離膜と、(3)単離された血清または血漿を採取ならびに/もしくは貯留するための採取媒体とを備えることができる。
【0400】
図3Cおよび3Fに示されるように、カートリッジアセンブリのポートの経路の少なくとも一部を通した血液の流動の方向は、血液処置/安定化ユニットを通した血液の流動の方向と異なり得る。図3Cを参照すると、カートリッジアセンブリ300のポート330の経路340は、(i)サンプル取得デバイスと流体連通する近位端と、(ii)血液処置/安定化ユニット320と流体連通する遠位端とを備えることができる。経路340は、血液がサンプル取得デバイスから、経路340を通して、第1の方向において近位端の中に流動し、遠位端から、第1の方向と異なる第2の方向において血液処置/安定化ユニット320上へと退出するように血液を方向付けることができる。第1の方向と第2の方向との間の交差の角度は、0度より大きく、180度未満であり得る。血液処置/安定化ユニット320を通した血液の流動の方向は、カートリッジアセンブリ300の長手方向軸346に実質的に直交し得る。図4Fを参照すると、カートリッジアセンブリ300bのポート330の経路340は、カートリッジアセンブリ300bの長手方向軸346に実質的に平行であり得、血液処置/安定化ユニット320を通した血液の流動の方向は、カートリッジアセンブリ300bの長手方向軸346に実質的に直交し得る。加えて、カートリッジアセンブリ300bは、血液処置/安定化ユニット320による血漿または血清分離に先立って、または最中にサンプル取得デバイスから採取された血液を含有するように構成される採取リザーバ362を備えることができる。
【0401】
図4を参照すると、カートリッジアセンブリ400のポート410の経路440は、血液がサンプル取得デバイスから、血液処置/安定化ユニット420a、420bを通した血液の流動の方向と実質的に同一である方向において血液処置/安定化ユニット420a、420bの近位端の中に流動するように血液を方向付けることができる。
【0402】
実施例2:液体血液を貯留するためのカートリッジアセンブリ
図5Aは、液体血液等の液体サンプルを貯留するための例示的カートリッジアセンブリ500を示す。カートリッジアセンブリ500は、対象から液体血液を採取するように構成されるサンプル取得デバイス(例えば、図5Bに示されるようなサンプル取得デバイス100)のカートリッジチャンバに結合するように構成される結合ユニット510を備えることができる。カートリッジアセンブリ500は、液体血液を貯留するように構成される容器520を備えることができる。カートリッジアセンブリ500は、容器520を支持するように構成されるカートリッジホルダ540を備えることができる。容器520の近位端は、結合ユニット510に結合するように構成されることができ、容器520の遠位端は、カートリッジホルダ540に結合するように構成されることができる。結合ユニット510は、1つまたはそれより多くの流体経路516を備えることができる。図5Bに図示されるように、容器520は、第1の方向524において容器520の中に流動する液体血液を受け取るように構成されることができる。1つまたはそれより多くの流体経路516は、第1の方向524と異なる第2の方向526において容器520から外に空気を方向付け、追いやるように構成されることができる。
【0403】
実施例3:複数の異なる形式において血液を貯留するためのモジュール式チャンバアセンブリ
【0404】
図7Aは、血漿、血清、乾燥血液、液体血液、および凝固血液から成る群から選択される複数の異なる形式において対象から採取された血液を貯留するための例示的モジュール式チャンバアセンブリ600を示す。モジュール式チャンバアセンブリ600は、モジュール式チャンバアセンブリ600の残りの部分から可撤性であり得る入口ポート610(例えば、穿刺可能自己シールキャップ)を備えることができる。モジュール式チャンバアセンブリ600は、カートリッジアセンブリ630を備える、チャンバ620を備えることができる。カートリッジアセンブリ630は、血液が複数の異なる形式において採取、処理、または貯留されることを可能にする複数の異なるカートリッジアセンブリタイプのうちの1つを含むことができる。例えば、カートリッジアセンブリ630は、対象から血液またはその一部を吸収および採取するための1つまたはそれより多くのマトリクスストリップ642を備えるカートリッジ640を備えることができる。カートリッジ640はまた、過剰な血液を保持および計測制御するための1つまたはそれより多くの吸収性パッド644を備えることができる。
【0405】
図8Aに図示されるように、モジュール式チャンバアセンブリ600は、対象から血液を採取するためのモジュール式サンプル取得デバイス900bに動作可能に結合されることができる。
【0406】
実施例4:血液サンプル中の分析物の回収率
【0407】
図14は、本明細書に説明されるような血液分離アセンブリから採取された血液サンプルの分離後にいくつかの分析物の回収率を測定する研究からのデータに対して実施される線形回帰分析を図示する。試験される分析物は、総コレステロール、HDLコレステロール、LDLコレステロール、トリグリセリド、ALT、およびグルコースを含む。
【0408】
試験は、最初に、225μLの血液サンプルを血液分離アセンブリの中に導入することを含んでいた。サンプルは、一晩乾燥することを可能にされ、分析物は、血液分離アセンブリ内の採取マトリクスから溶出された。溶出されたサンプルは、Beckman Coulter試薬を用いてBeckman Coulter AU480分析器上で試験された。66個の独立したサンプルが、これらの一定のプロトコル下で試験された。
【0409】
分析物のそれぞれの回収率に関するR値が、図14に示される。各グラフにおけるy軸は、ドナーから受け取られた血漿サンプル中の分析物の量を表す。各グラフにおけるx軸は、溶出されたサンプルにおいて回収された分析物の量を表し、血漿ドナーのヘマトクリットレベルに関する調節が、行われる。結果は、表1に要約されている。
【表1-1】
【表1-2】
【0410】
実施例5:採取マトリクス溶出プロトコル
【0411】
本明細書に説明されるように、溶出方法は、採取マトリクスから分離された血液サンプルを正常に回収するように要求され得る。例示的溶出方法に関する要求される材料は、ピンセット、カッティングマット、剃刀または交換可能ブレードを伴う外科用メス、1~2mL管、PBS緩衝液、Tween(登録商標)-80溶液、および1~2mL管のために好適なオービタルシェーカを含む。溶出方法における最初のステップは、サンプルがカートリッジアセンブリの内側の採取マトリクス内で一晩乾燥することを可能にする。いったん乾燥すると、マルチピース採取マトリクスは、ピンセットを使用して、処置/安定化ユニットの残りの部分から除去されることができる。マルチピース採取マトリクスの底部部品は、次いで、採取マトリクスの上部部分から底部部品を引き離すか、または切り離すかのいずれかによって、採取マトリクスの上部部品から分離されることができる。外科用メス/剃刀を使用して、2つの垂直な切断が、採取マトリクスの底部部品に対して行われ、4つの等しい部品を生成することができる。4つの部品の寸法は、全てそれぞれ約7.5×6mmであり、4つのより小さい部品が微細管内に嵌合することを可能にすることができる。いったん4つの部品が微細管内に設置されると、0.02% Tween(登録商標)-80を伴う225mLの10mM PBS緩衝剤が、添加されることができる。微細管は、いかなる液滴も壁上に留まらないことを確実にするために、迅速に急回転されることができる。最適な溶出では、液体は、採取マトリクスの底部部品の4つのより小さい部品の少なくとも40%を被覆するべきである。微細管は、次いで、オービタルシェーカ内に設置されることができ、そこで、これは、850rpmにおいて室温において1時間、振盪することができる。いったん振盪が完了すると、4つの部品は、均一な色を有し、少なくとも100~120mLの溶出体積が、回収され、採取マトリクス内の回収されたサンプルの性質を分析するために使用されることができる。
【0412】
本発明の好ましい実施形態が、本明細書に示され、説明されたが、そのような実施形態が、実施例としてのみ提供されることが、当業者に明白となるであろう。多数の変形例、変更、および代用が、ここで、本発明から逸脱することなく、当業者に想起されるであろう。本明細書に説明される本発明の実施形態の種々の代替が、本発明を実践する際に採用され得ることを理解されたい。以下の請求項が、本発明の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法および構造ならびにそれらの均等物が、それによって網羅されることを意図している。
図1A
図1B
図2A
図2B
図3A
図3B
図3C
図3D
図3E
図3F
図4
図5A
図5B
図5C
図6
図7A
図7B
図7C
図7D
図8A
図8B
図8C
図8D
図8E
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図13C
図14
図15
図16A
図16B
図17A
図17B
図17C
図17D
図17E
図17F
図17G
図18
図19
図20
図21A
図21B
図21C
【国際調査報告】