(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】ファウリングを減少させるように回収ボイラの動作を制御するシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
F22B 37/38 20060101AFI20230605BHJP
F22B 37/56 20060101ALI20230605BHJP
F22B 35/00 20060101ALI20230605BHJP
F23J 3/00 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
F22B37/38 E
F22B37/56 B
F22B35/00 Z
F23J3/00 101A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564140
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-11-08
(86)【国際出願番号】 US2021030093
(87)【国際公開番号】W WO2021222707
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】504293447
【氏名又は名称】インターナショナル・ペーパー・カンパニー
(74)【代理人】
【識別番号】100118902
【氏名又は名称】山本 修
(74)【代理人】
【識別番号】100106208
【氏名又は名称】宮前 徹
(74)【代理人】
【識別番号】100196508
【氏名又は名称】松尾 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100101373
【氏名又は名称】竹内 茂雄
(72)【発明者】
【氏名】ジョーンズ,アンドリュー・ケビン
【テーマコード(参考)】
3K261
3L021
【Fターム(参考)】
3K261GB01
3K261GB12
3L021AA05
3L021BA08
3L021DA38
3L021EA04
3L021FA12
3L021FA13
3L021FA28
(57)【要約】
いくつかの態様では、回収ボイラシステム内のファウリング率を減少させるコンピュータ実装方法が提供される。コンピューティング装置は、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信する。ボイラ動作情報は、ある期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含む。ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む。コンピューティング装置は、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行する。コンピューティング装置は、ファウリング率を最小にするように、少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させる。いくつかの態様では、そのような方法を実行するように構成されたシステムが提供される。いくつかの態様では、コンピューティング装置にそのような方法を実行させる命令を記憶したコンピュータ可読媒体が提供される。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
システムであって、
ボイラと、
前記ボイラの構成要素に関連したファウリングセンサと、
ボイラコントローラ装置と、
分析コンピューティング装置であって、少なくとも1つのプロセッサと、コンピュータ実行可能命令を記憶したコンピュータ可読媒体とを含み、前記コンピュータ実行可能命令は、前記少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、前記分析コンピューティング装置に、
ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することであって、前記ボイラ動作情報は、前記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、前記ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信することと、
前記ボイラ動作パラメータと前記ファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することと、
前記ファウリング率を最小にするように、前記少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整することと、
実施のために前記少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータを前記ボイラコントローラ装置に送信することと、
を含むアクションを実行させる、分析コンピューティング装置と
を備える、システム。
【請求項2】
前記ボイラは、熱交換要素を含み、前記ファウリングセンサは、前記熱交換要素に関連付けられる、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記ファウリングセンサは、前記熱交換要素の重量を示す値を生成するように構成された重量センサである、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記期間にわたる前記ファウリング率を受信することは、
ファウリング量の値の時系列を受信することと、
ファウリング量の値の前記時系列に基づいて、前記ファウリング率を決定することと
を含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ボイラ動作パラメータと前記ファウリング率との間の前記少なくとも1つの相関関係を決定するように前記回帰分析を実行することは、前記ボイラ動作情報に関してCART分析を実行することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
サイクルに従って動作するように構成された1つまたは複数のスートブロワをさらに備え、前記期間にわたるボイラ動作情報を受信することは、少なくとも1つの完全なサイクルを含む、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することを含む、請求項1に記載のシステム。
【請求項7】
塩化物レベルに影響を与えるために灰クリーニングシステムへパージされまたは送られる集塵器灰の量を制御するように構成された1つまたは複数の弁と、
前記1つまたは複数の弁を制御するように構成された1つまたは複数のアクチュエータと
をさらに備え、
前記少なくとも1つのボイラ入力パラメータは、弁設定を含み、
実施のために前記少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータを前記ボイラコントローラ装置に送信することは、前記弁設定を前記1つまたは複数のアクチュエータに送信することを含み、
前記1つまたは複数のアクチュエータは、前記弁設定に基づいて、前記1つまたは複数の弁を調整するように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項8】
1つまたは複数の液ガンをさらに備え、前記少なくとも1つのボイラ入力パラメータは、液ガン設定を含み、実施のために前記少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータを前記ボイラコントローラ装置に送信することは、前記液ガン設定を前記ボイラコントローラ装置に送信することを含み、前記ボイラコントローラ装置は、前記液ガン設定に基づいて、前記1つまたは複数の液ガンの動作を変化させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
1つまたは複数のエアポートをさらに備え、前記少なくとも1つのボイラ入力パラメータは、1つまたは複数のエアポートのための設定を含み、実施のために前記少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータを前記ボイラコントローラ装置に送信することは、1つまたは複数のエアポートのための調整された設定を前記ボイラコントローラ装置に送信することを含み、前記ボイラコントローラ装置は、前記1つまたは複数のエアポートのための前記調整された設定に基づいて、前記1つまたは複数のエアポートの動作を変化させるように構成されている、請求項1に記載のシステム。
【請求項10】
回収ボイラシステム内のファウリング率を減少させるコンピュータ実装方法であって、
コンピューティング装置によって、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップであって、前記ボイラ動作情報は、前記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、前記ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信するステップと、
前記コンピューティング装置によって、前記ボイラ動作パラメータと前記ファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行するステップと、
前記コンピューティング装置によって、前記ファウリング率を最小にするように、前記少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させるステップと
を含む、コンピュータ実装方法。
【請求項11】
前記期間にわたる前記ファウリング率を受信するステップは、
前記コンピューティング装置によって、ファウリング量の値の時系列を受信するステップと、
前記コンピューティング装置によって、ファウリング量の値の前記時系列に基づいて、前記ファウリング率を決定するステップと
を含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項12】
ファウリング量の値の前記時系列を受信するステップは、熱交換要素を計量するように構成された重量センサからファウリング量の値の前記時系列を受信するステップを含む、請求項11に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項13】
前記ボイラ動作パラメータと前記ファウリング率との間の前記少なくとも1つの相関関係を決定するように前記回帰分析を実行するステップは、前記ボイラ動作情報に関してCART分析を実行するステップを含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項14】
前記回収ボイラシステムは、サイクルに従って動作するように構成された1つまたは複数のスートブロワを含み、前記期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップは、少なくとも1つの完全なサイクルを含む、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップを含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項15】
前記ファウリング率を最小にするように、前記少なくとも1つの相関関係に基づいて、前記少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させるステップは、ボイラ入力の化学的性質を調整させるステップ、液ガン設定を調整させるステップ、および1つまたは複数のエアポートのための設定を調整させるステップのうちの少なくとも1つを含む、請求項10に記載のコンピュータ実装方法。
【請求項16】
コンピュータ実行可能命令を記憶した非一時的なコンピュータ可読媒体であって、前記命令は、コンピューティング装置の1つまたは複数のプロセッサによる実行に応答して、前記コンピューティング装置に、
前記コンピューティング装置によって、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することであって、前記ボイラ動作情報は、前記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、前記ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信することと、
前記コンピューティング装置によって、前記ボイラ動作パラメータと前記ファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することと、
前記コンピューティング装置によって、前記ファウリング率を最小にするように、前記少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させることと
を含むアクションを実行させる、非一時的なコンピュータ可読媒体。
【請求項17】
前記期間にわたる前記ファウリング率を受信することは、
前記コンピューティング装置によって、ファウリング量の値の時系列を受信することと、
前記コンピューティング装置によって、ファウリング量の値の前記時系列に基づいて、前記ファウリング率を決定することと
を含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項18】
前記ボイラ動作パラメータと前記ファウリング率との間の前記少なくとも1つの相関関係を決定するように前記回帰分析を実行することは、前記ボイラ動作情報に関してCART分析を実行することを含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項19】
回収ボイラシステムは、サイクルに従って動作するように構成された1つまたは複数のスートブロワを含み、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することは、少なくとも1つの完全なサイクルを含む、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することを含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【請求項20】
前記ファウリング率を最小にするように、前記少なくとも1つの相関関係に基づいて、前記少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させることは、ボイラ入力の化学的性質を調整させること、液ガン設定を調整させること、および1つまたは複数のエアポートのための設定を調整させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項16に記載のコンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[0001]本発明は、回収ボイラシステムにおけるファウリング率を減少させるコンピュータ実装方法、およびそのような方法を実行するように構成されたシステムに関する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0002】
[0003]いくつかの態様では、ボイラと、ファウリングセンサと、ボイラコントローラ装置と、分析コンピューティング装置とを備えるシステムが提供される。ファウリングセンサは、ボイラの構成要素に関連付けられる。分析コンピューティング装置は、少なくとも1つのプロセッサ、およびコンピュータ可読媒体を含む。コンピュータ可読媒体は、コンピュータ実行可能命令を記憶しており、コンピュータ実行可能命令は、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、分析コンピューティング装置に、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することであって、ボイラ動作情報は、上記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含む、受信することと、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することと、ファウリング率を最小にするように、少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整することと、実施のために少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータをボイラコントローラ装置に送信することとを含むアクションを実行させる。
【0003】
[0004]いくつかの態様では、回収ボイラシステム内のファウリング率を減少させるコンピュータ実装方法が提供される。コンピューティング装置は、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信する。ボイラ動作情報は、上記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含む。ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む。コンピューティング装置は、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行する。コンピューティング装置は、ファウリング率を最小にするように、少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させる。
【0004】
[0005]いくつかの態様では、非一時的なコンピュータ可読媒体が提供される。本媒体は、コンピュータ実行可能命令を記憶しており、コンピュータ実行可能命令は、コンピューティング装置の1つまたは複数のプロセッサによる実行に応答して、コンピューティング装置に、コンピューティング装置によって、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することであって、ボイラ動作情報は、上記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信することと、コンピューティング装置によって、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することと、コンピューティング装置によって、ファウリング率を最小にするように、少なくとも1つの相関関係に基づいて、少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させることとを含むアクションを実行させる。
【0005】
[0006]任意の特定の要素または作用の説明を容易に識別するために、参照番号の最上位の1つまたは複数の桁は、要素が最初に紹介される図番号を指す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】[0007]本開示の様々な態様によるクラフト黒液回収ボイラシステムの非限定的な一例示態様の構成要素を示す図である。
【
図2】[0008]本開示の様々な態様による、回収ボイラが鉄骨支持構造物中にどのように取り付けられるかを示す図である。
【
図3】[0009]本開示の様々な態様によるボイラ内で独立して吊下げられる過熱器システムの構成要素の一部を示す図である。
【
図4】[0010]本開示の様々な態様による回収ボイラシステムのコンピューティング装置構成要素の非限定的な一例示態様を示すブロック図である。
【
図5】[0011]本開示の様々な態様による回収ボイラシステムのファウリング率を最小にする方法の非限定的な一例示態様を示すフローチャートである。
【
図6】[0012]本開示の態様に関するコンピューティング装置として使用するのに適したコンピューティング装置の非限定的な一例示態様を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[0013]製紙プロセスにおいて、化学パルプ化は、蒸解釜内でパルプ化中に木材から分離されるリグニンおよび他の有機物質と共に無機蒸解薬品のほぼ全てを含有する黒液を副産物としてもたらす。黒液は、回収ボイラ内で燃やされる。回収ボイラの2つの主な機能は、製紙工場のための蒸気を発生させるために、パルプ化プロセス中に使用される無機蒸解薬品を回収すること、および黒液の有機部分中の化学エネルギーを利用することである。化学物質とエネルギーとの両方を回収するツインの目的は、回収ボイラの設計および動作を非常に複雑にさせる。
【0008】
[0014]クラフト回収ボイラでは、過熱器は、放射および対流によって炉ガスから熱を抽出するために上部炉内に配置される。飽和蒸気は、過熱器セクションに入り、過熱された蒸気は、制御された温度で退出する。過熱器は、チューブパネルのアレイで構築される。過熱器表面は、炉チャンバから運び出されている灰によって継続的に汚されている。クラフト回収ボイラ内で燃やすことができる黒液の量は、過熱器の表面上のファウリングの率および程度によってしばしば制限される。このファウリングは、液燃焼から吸収される熱を減少させ、結果として、過熱器からの出口蒸気温度が低くなり、ボイラに入るガス温度が高くなる。ボイラは、下流設備で使用するために出口蒸気温度が低すぎるときも、ボイラバンクに入る温度が堆積物の溶融温度を超えるときもクリーニングのためにシャットダウンされ、結果として、ボイラバンクのガスサイドプラグゲージになる。クラフト回収ボイラは、燃料の大量の灰(典型的には、35%超)および灰の低い溶融温度により、過熱器ファウリングの問題に特になりがちである。
【0009】
[0015]クラフト回収ボイラ内の過熱器から堆積物を除去する3つの従来の方法があり、必要なダウンタイムの昇順および頻度の降順に挙げると、1)スートブローイング、2)チル・アンド・ブロー(chill-and-blow)、および3)水洗である。
【0010】
[0016]スートブローイングは、スートブロワと呼ばれるノズルからの蒸気のブラストを用いて過熱器から灰堆積物を吹き飛ばすプロセスである。スートブローイングは、正常なボイラ動作中に実質的に継続的に行われ、異なるスートブロワが、異なる時間にオンにされる。典型的には、ボイラの蒸気の5~10%がスートブローイングに使用されるので、スートブローイングは、ボイラ効率を減少させる。各スートブローイング動作により、すぐ近くの灰堆積物の一部を減少させるが、それにもかかわらず、灰堆積物は、時間とともに増大し続ける。堆積物が成長するにつれて、スートブローイングは、徐々に効果が少なくなり、結果として熱伝達が低下する。
【0011】
[0017]ボイラ効率がかなり大きく減少するとともにスートブローイングが効果不十分となるある一定の閾値に灰堆積物が到達するとき、堆積物は、「チル・アンド・ブロー」と呼ばれる(水が使用されないので「ドライクリーニング」とも呼ばれる)第2のクリーニングプロセスによって除去され、典型的には4~12時間にわたるボイラ内の燃料燃焼の部分的または完全な中断を必要とするが、完全なボイラのシャットダウンではない。この時間の間、スートブロワは、継続的に動作して、堆積物を過熱器セクションから剥離させ、ボイラの床へ落下させる。この処理は、毎月の頻度で実行されてもよいが、(最適なスケジュールで、および最適順序で)スートブローイングが最適に実行される場合、頻度は減少し得る。スートブローイングと同じように、チル・アンド・ブロー処理は、すぐ近くの灰堆積物の一部を減少させるが、それにもかかわらず、灰堆積物は、時間とともに成長し続ける。堆積物が成長するにつれて、チル・アンド・ブロー処理は、徐々に効果が少なくなり、よりしばしば実行されなければならない。
【0012】
[0018]第3のクリーニングプロセス、水洗は、典型的には2日間にわたる完全なボイラのシャットダウンを必然的に伴い、工場におけるパルプ化能力のかなりの喪失を引き起こす。ひどく汚れた回収ボイラでは、水洗が4か月ごとに必要とされ得るが、チル・アンド・ブロープロセスは、適切なタイミングで(すなわち、大きい堆積物がボイラバンクセクション内で形成する前に)作動し、そして、シャットダウンおよび水洗が、1年以上もの間、避けられ得る。
【0013】
[0019]これらのクリーニングプロセスの各々が、ボイラの効率を減少させ、またはボイラのシャットダウンを伴うので、クリーニングプロセス中に費やされる時間を最小にすることが望ましいことは明らかである。望まれるものは、ボイラの動作を調整する有効な技法である。多分、これは、ボイラのファウリングが最小にされ、それによってこれらのクリーニングプロセスのうちの1つまたは複数の実行に費やされる時間または使用される寄生エネルギーの量が減少させられるように達成される。
【0014】
[0020]
図1は、典型的なクラフト黒液回収ボイラシステム100の構成要素を図によって示す。黒液は、製紙プロセスにおける化学パルプ化の副産物である。「弱い黒液」の初期濃度は、約15%である。それは、蒸発器118内で燃焼条件(65%から85%の乾燥固形分)まで濃縮され、次いで、回収ボイラ106内で燃やされる。
【0015】
[0021]ボイラ106は、黒液が燃やされる炉セクションまたは「炉122」と、対流熱伝達セクション104とを有し、中間にブルノーズ128を備える。燃焼は、乾燥、液化(熱分解、分子分解)、およびチャーバーニング/ガス化を含む一連のプロセスにおいて、黒液の有機材料をガス状生成物に変換する。有機物の一部は、チャーと呼ばれる固体炭素微粒子に変換される。一部のチャーは飛翔中に燃えるが、チャーの燃焼は、炉122の床を覆うチャーベッド108上でおおかた行われる。チャー中の炭素がガス化され、または燃やされると、チャー中の無機化合物が、放出され、スメルト(smelt)と呼ばれる溶融塩混合物を形成し、これは、チャーベッド108の底へ流れ、継続的に炉122からスメルトスパウト110を通じて栓を開けて出される。排ガスは、誘導ドラフトファン138を通過し、静電集塵器136を通じてフィルタ処理され、スタック102を通って退出する。
【0016】
[0022]炉の垂直壁124は、垂直に並べられた壁管126で裏打ちされ、水は、炉122の熱を利用して壁管126を通じて蒸発させられる。炉122は、3つの異なる高さレベルで燃焼用の空気を導入するための一次レベルエアポート112、二次レベルエアポート114、および三次レベルエアポート120を有する。黒液は、黒液の黒液ガン116から炉122の中に噴霧される。
【0017】
[0023]対流熱伝達セクション104は、1)給水がその沸点のすぐ下まで加熱されるエコノマイザ134、2)壁管126と共に、水を蒸気へ蒸発させるボイラバンク132(または「蒸気発生バンク」)、および3)飽和温度から最終過熱温度まで蒸気温度を上昇させるために中間ヘッダと共に一連の並列流れ要素が使用される過熱器システム130といった過熱蒸気への給水を連続的に段階的に加熱する以上の3セットの管バンク(熱トラップ)を収容する。
【0018】
[0024]
図2は、回収ボイラ106が鉄骨支持構造物208にどのように取り付けられているのかを図によって示しており、現在の関心であるボイラの外形および構成要素のみを示す。回収ボイラ106全体は、ボイラハンガーロッド202によって鉄骨支持構造物208の中央に吊下げられる。ボイラハンガーロッド202は、ボイラ106の屋根206と鉄骨支持構造物208の頭上梁210との間で接続される。別のセットのハンガーロッド(以下、「過熱器ハンガーロッド」または単に「ハンガーロッド212」と呼ばれる)は、過熱器システム130だけを吊下げる。すなわち、過熱器システム130は、ボイラ106の残りから独立して吊下げられる。ボイラ屋根206と頭上梁210との間の屋外エリアは、塔屋204と呼ばれる。
【0019】
[0025]
図3は、ボイラ106内で独立して吊下げられる過熱器システム130の構成要素の一部を図によって示す。本態様における過熱器システム130は、3つの過熱器プラテン310、312、314を有する。3つの過熱器が示されているが、必要に応じてより多くの過熱器を組み込むことは、本発明の条件の範囲内である。明確にするために、以下の議論は、過熱器プラテン312および過熱器プラテン314の構成は同じであるという理解の下で、過熱器プラテン310の構成を説明し、または過熱器プラテン310の観点で述べる。
【0020】
[0026]過熱器プラテン310は、典型的には、20~50個のプラテン306を有する。蒸気は、入口ヘッダ308と呼ばれる多岐管を通じてプラテン306に入り、プラテン内過熱され、出口ヘッダ304と呼ばれる別の多岐管を通って過熱蒸気としてプラテンから退出する。プラテン306は、ハンガーロッド212によって頭上梁210(
図2)からそれ自体吊下げられている入口ヘッダ308および出口ヘッダ304から吊下げられる。典型的には、10~20個のハンガーロッド212は、それぞれの入口ヘッダ308および出口ヘッダ304の長さに沿って等間隔で配置され、以下に説明されるように、溶接などの従来の手段によって下方でヘッダにおよび上方で頭上梁210に固着される。過熱器システム130は、典型的には、20個のハンガーロッド212、すなわち、入口ヘッダ308のための10個のハンガーロッド、および出口ヘッダ304のための10個のハンガーロッドを有する。各ハンガーロッドは、ロッドの張力を調整するためにテンションナットが周りで回されるねじ山付き上部を有する。各ハンガーロッドの張力は、典型的には、1~3回の水洗ごとの後に、単一の過熱器プラテン310の全てのハンガーロッド212の間で張力を均一に(バランスをとるように)維持するために調整される。
【0021】
[0027]清掃時(十分な水洗の直後)、各過熱器プラテン310は、典型的には、5000kgの重量があり、各過熱器ハンガーロッドは、典型的には、5000kgの荷重に耐える。続いて、次の水洗が必要とされる直前には、堆積物(ファウリング)が、各過熱器プラテン310に対して典型的には2000kgの追加の重量を加え、それにより、各ハンガーロッドに対して典型的には2000kgの追加の荷重となり、結果として、各ハンガーロッドに対して典型的には、5.0×10-5cm/cmの追加のひずみになり、これは、ひずみゲージ302などを用いて一般に利用できる方法によって測定可能である。
【0022】
[0028]過熱器プラテン310を吊下げる全てのハンガーロッド212について合計された(先の水洗の直後に読み込まれたひずみのゼロイングオフ後の)ひずみは、その過熱器に対する堆積物の重量に比例する。堆積物の各追加のkgは、典型的には、2.0×10-8cm/cmの追加のひずみをもたらし、これは、ひずみゲージ302などのひずみセンサによって測定可能である。したがって、各過熱器プラテン310に対する堆積物の重量は、その対応するハンガーロッド212に対するひずみを測定することによって直接決定することができる。
【0023】
[0029]単一の過熱器プラテン310に対する堆積物重量を決定する典型的なシステムは、過熱器の20個のハンガーロッド212にそれぞれ固着される20個のひずみゲージと、60個のひずみゲージに接続されたデータ取得能力(図示せず)を有するコンピュータと、コンピュータプログラムとを備え得る。プログラムの制御下で、コンピュータは、定期的に(典型的には、1分ごとに)20個のひずみゲージからの(各過熱器プラテン310、312、314からの)ひずみ測定値を記録し、ひずみ測定値の合計を計算し、先のウォッシュダウンの直後に得たひずみ測定値の合計を減じ、次いで、その結果に較正係数を乗じて、現在の堆積物重量を得る。
【0024】
[0030]数式の形では、公式は、以下の通りである。
[0031]堆積物重量=(現在のひずみゲージ測定値の合計-先の水洗の直後のひずみゲージ測定値の合計)×較正係数
[0032]または、以下のように等価に述べられる。
【0025】
[0033]堆積物重量=(ΣSt-ΣSo)×C
[0034]ただし、
[0035]ΣSt=任意の時間tにおけるひずみゲージ測定値の合計
[0036]ΣSo=時間ゼロでみなされる先の水洗の直後のひずみゲージ測定値の合計
[0037]C=ひずみを重量に変換するための較正定数
[0038]ひずみゲージ302は、過熱器プラテン310の重量の決定を可能にし、この重量は、過熱器プラテン310のファウリングの量に変換することができるが、ドライクリーニングおよび/または水洗が間に実行される各間隔を延ばすために、ファウリング率を最小にすることが望ましい。様々なボイラ動作パラメータとファウリング率との間の関係は複雑であり、したがって、ファウリングを最小にするためのボイラの単純な手動チューニングは、効率的でない。望まれるものは、ファウリング率を最小にするボイラ入力パラメータを決定するために、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の複雑な関係を決定する技法である。
【0026】
[0039]
図4は、本開示の様々な態様による回収ボイラシステムのコンピューティング装置構成要素の非限定的な一例示態様を示すブロック図である。図示のように、回収ボイラシステムは、ボイラコントローラ装置402と、分析コンピューティング装置404とを含むことができる。ボイラコントローラ装置402および分析コンピューティング装置404は、ファウリング率を最小にするボイラ入力パラメータを決定し、回収ボイラシステム100の動作中にそれらの入力パラメータを実施するために使用することができる。
【0027】
[0040]いくつかの態様では、ボイラコントローラ装置402は、回収ボイラシステム100の1つまたは複数の構成要素を電気的に制御するコンピューティング装置である。いくつかの態様では、ボイラコントローラ装置402は、回収ボイラシステム100の構成要素を制御するためにASIC、FPGA、または別のカスタマイズされたコンピューティング装置を含むことができる。いくつかの態様では、ボイラコントローラ装置402は、コンピューティング装置、例えば、デスクトップコンピューティング装置、ラップトップコンピューティング装置、サーバコンピューティング装置、モバイルコンピューティング装置、または任意の他のタイプのコンピューティング装置を含むことができる。いくつかの態様では、2つ以上のコンピューティング装置は、ボイラコントローラ装置402の一部として説明される機能性を集合的に与えるために使用され得る。
【0028】
[0041]図示のように、ボイラコントローラ装置402は、少なくとも1つのプロセッサ406、ネットワークインタフェース410、ボイラ構成要素インタフェース414、およびコンピュータ可読媒体416を含む。いくつかの態様では、ネットワークインタフェース410は、限定するものではないが、有線通信技術(限定するものではないが、イーサネット、USB、およびファイヤワイヤを含む)、無線通信技術(限定するものではないが、2G、3G、4G、5G、LTE、Bluetooth、ZigBee、Wi-Fi、およびWiMAXを含む)、またはそれらの組合せを含む、分析コンピューティング装置404と通信するための任意の適切な通信技術を含むことができる。いくつかの態様では、ボイラ構成要素インタフェース414は、限定するものではないが、黒液ガン116、蒸発器118、一次レベルエアポート112、二次レベルエアポート114、および三次レベルエアポート120を含む、回収ボイラシステム100の1つまたは複数の調整可能な構成要素にボイラコントローラ装置402を通信可能に結合する。
【0029】
[0042]図示のように、コンピュータ可読媒体416は、少なくとも1つのプロセッサ406による実行に応答して、ボイラコントローラ装置402に情報報告エンジン426および入力制御エンジン428を与えさせる論理を含む。いくつかの態様では、情報報告エンジン426は、回収ボイラシステム100の1つまたは複数の構成要素から情報を受信し、分析コンピューティング装置404へ情報を送信する。いくつかの態様では、入力制御エンジン428は、分析コンピューティング装置404から命令を受信し、命令に基づいて回収ボイラシステム100の調整可能な構成要素を調整する。
【0030】
[0043]いくつかの態様では、分析コンピューティング装置404は、コンピューティング装置、例えば、デスクトップコンピューティング装置、ラップトップコンピューティング装置、モバイルコンピューティング装置、サーバコンピューティング装置、クラウドコンピューティングシステムの1つまたは複数のコンピューティング装置、または任意の他のタイプのコンピューティング装置を含むことができる。いくつかの態様では、2つ以上のコンピューティング装置は、分析コンピューティング装置404の一部として説明される機能性を集合的に与えるために使用され得る。
【0031】
[0044]図示のように、分析コンピューティング装置404は、少なくとも1つのプロセッサ408、ネットワークインタフェース412、およびコンピュータ可読媒体418を含む。いくつかの態様では、ネットワークインタフェース412は、ボイラコントローラ装置402のネットワークインタフェース410と通信するための任意の適切な通信技術を含むことができる。
【0032】
[0045]図示のように、コンピュータ可読媒体418は、少なくとも1つのプロセッサ408による実行に応答して、分析コンピューティング装置404に情報収集エンジン420、分析エンジン422、および入力調整エンジン424を与えさせる論理を含む。いくつかの態様では、情報収集エンジン420は、ボイラコントローラ装置402の少なくとも情報報告エンジン426から情報を受信する。いくつかの態様では、分析エンジン422は、様々なボイラ動作パラメータとファウリング率との間の相関関係を決定するために情報報告エンジン426によって収集される情報を分析する。いくつかの態様では、入力調整エンジン424は、1つまたは複数のボイラ入力パラメータへの調整を決定するために分析エンジン422によって決定される相関関係を使用し、実施のためにそれらの調整をボイラコントローラ装置402に送信する。これらの構成要素の各々によって実行されるアクションのさらなる詳細は、以下に与えられる。
【0033】
[0046]「コンピュータ可読媒体」は、コンピューティング装置のプロセッサによって読み込まれることになる情報を揮発性方式または不揮発性方式で記憶することができる任意の技術を実現するリムーバブルまたは非リムーバブルデバイスを指し、限定するものではないが、ハードドライブ、フラッシュメモリ、ソリッドステートドライブ、ランダムアクセスメモリ(RAM)、リードオンリメモリ(ROM)、CD-ROM、DVD、または他のディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、および磁気ディスクストレージを含む。
【0034】
[0047]「エンジン」は、プログラム言語、例えば、C、C++、COBOL、JAVA(商標)、PHP、Perl、HTML、CSS、JavaScript、VBScript、ASPX、Microsoft.NET(商標)、Go、Python、および/または同様のもので書き込むことができるハードウェアまたはソフトウェア命令に具体化される論理を指す。エンジンは、実行可能なプログラムにコンパイルされることが可能であり、またはインタプリタ型プログラミング言語で書かれることが可能である。ソフトウェアエンジンは、他のエンジンからまたはそれら自体から呼び出し可能であり得る。概して、本明細書中で説明されるエンジンは、他のエンジンと合併することができるまたはサブエンジンに分割することができる論理モジュールを指す。エンジンは、任意のタイプのコンピュータ可読媒体またはコンピュータストレージデバイスに記憶された論理によって実施することができ、1つまたは複数の汎用コンピュータによって記憶および実行することができ、したがってエンジンまたはその機能性を与えるように構成された特定目的コンピュータを作り出す。エンジンは、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または別のハードウェア装置にプログラムされる論理によって実施することができる。
【0035】
[0048]
図5は、本開示の様々な態様による回収ボイラシステムのファウリング率を最小にする方法の非限定的な一例示態様を示すフローチャートである。方法500では、ファウリング率を最小にするためにボイラの動作が自動調整され得るように、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係が決定される。
【0036】
[0049]開始ブロックから、方法500は、ブロック502に進み、回収ボイラシステム100は、1つまたは複数のボイラ入力パラメータに従ってボイラコントローラ装置402によって動作させられる。いくつかの態様では、ボイラ入力パラメータは、回収ボイラシステム100を動作させる任意の制御可能な態様を含むことができる。いくつかの態様では、黒液の化学組成は、ボイラ入力パラメータの一例であり得る。例えば、黒液の塩化物含有量は、ファウリング率に影響を及ぼし得る。したがって、塩化物レベルは、静電集塵器136から回収される灰を減少させることによって、またはこの灰から塩化物を選択的に除去し、次いで、薄い黒液にきれいな灰を再利用する様々な技術を利用することによって、軽減することができる。いくつかの態様では、構成化学物質のタイプは、黒液中の塩化物の量を減少させるように変えることができる。いくつかの態様では、黒液を噴霧するために使用される技法は、ボイラ入力パラメータの別の例であり得る。例えば、黒液ガン116は、異なる流量でおよび/または異なる液滴サイズで黒液をボイラ106の中に噴霧するように設定されている液ガンによって調整可能であり得る。
【0037】
[0050]いくつかの態様では、空気をボイラの中に導入するために使用される技法は、ボイラ入力パラメータの別の例であり得る。例えば、設定は、一次レベルエアポート112、二次レベルエアポート114、および/または三次レベルエアポート120のうちの少なくとも1つによって通される空気の量を変化させるために、ならびに/あるいはボイラ106内の1つまたは複数の位置における空気圧を変化させるように一次レベルエアポート112、二次レベルエアポート114、および/または三次レベルエアポート120を使用するために調整され得る。
【0038】
[0051]ブロック504において、回収ボイラシステム100のクリーニングサイクルが、開始され、完了される。いくつかの態様では、ブロック504のクリーニングサイクルは、回収ボイラシステム100の動作中に実行されている。上述したように、ボイラ106の動作中に使用可能なクリーニング方法は、スートブローイングである。スートブローイングは、一度に全てアクティブとなり得ない複数のスートブロワによって実行することができる。したがって、スートブローイングの「クリーニングサイクル」は、スートブロワの全部が少なくとも一度アクティブにされているように十分な時間を含み、ボイラ106全体は、少なくとも一度清掃されている。完全なクリーニングサイクルが完了されることを可能にすることによって、十分な情報は、個々のスートブロワの等しくない有効性による検出されたファウリング率の何らかの短期異常を補償するように集められる。いくつかの態様では、回収ボイラシステム100の2つ以上のクリーニングサイクルは、回収ボイラシステム100が動作している間に、ブロック504において完了され得る。
【0039】
[0052]ブロック506において、回収ボイラシステム100の動作およびクリーニング中、ボイラコントローラ装置402の情報報告エンジン426は、ボイラ動作パラメータを分析コンピューティング装置404の情報収集エンジン420へ送信する。ボイラ動作パラメータの送信が行われる期間は、ブロック504において説明された少なくともクリーニングサイクルを含む。いくつかの態様では、この期間は、数週間または数か月を含み得る。
【0040】
[0053]いくつかの態様では、ボイラ動作パラメータは、ボイラ入力パラメータを含み得る。いくつかの態様では、ボイラ動作パラメータは、限定するものではないが、様々な位置におけるボイラ106の温度、回収ボイラシステム100によって処理される黒液の量、熱伝達表面を通じての圧力降下、および/または誘導ドラフトファン138に対する運転負荷を含む、回収ボイラシステム100の動作に関連する他の情報も含み得る。いくつかの態様では、ボイラ動作パラメータは、少なくとも1つのひずみゲージ302によって生成される重量情報を含むことができる。いくつかの態様では、ボイラ動作パラメータは、ボイラ動作パラメータ値の1つまたは複数の時系列として与えられ得る。
【0041】
[0054]ブロック508において、回収ボイラシステム100の動作およびクリーニング中、情報収集エンジン420は、ファウリング量の値の時系列を収集する。いくつかの態様では、情報収集エンジン420は、ボイラ動作パラメータ内で受け取った重量情報を抽出することができ、各重量値から、少なくとも1つのひずみゲージ302によって吊下げられる要素の風袋重量を減算することによって、ファウリング量の値の時系列を決定することができる。ブロック510において、分析コンピューティング装置404の分析エンジン422は、ファウリング量の値の時系列に基づいて、ファウリング率を決定する。いくつかの態様では、ファウリング率は、経時的なファウリング率の変化が決定できるように時系列のステップごとに決定され得る。
【0042】
[0055]ブロック512において、分析エンジン422は、ボイラ入力パラメータとファウリング率についての回帰分析を実行する。いくつかの態様では、回帰分析は、ボイラ入力パラメータの変化とファウリング率の変化との間の相関関係を検出するように構成され得る。いくつかの態様では、回帰分析は、単一のボイラ入力パラメータとファウリング率の変化との間の相関関係を検出することができる。いくつかの態様では、回帰分析は、2つ以上のボイラ入力パラメータの組合せとファウリング率の変化との間の相関関係を検出することができる。いくつかの態様では、回帰分析は、ボイラ入力パラメータ以外の1つまたは複数のボイラ動作パラメータとファウリング率の変化との間の相関関係を検出することもでき、および/あるいはそれらのボイラ動作パラメータとボイラ入力パラメータとの間の追加の相関関係を決定することができる。例えば、回帰分析は、ボイラ動作温度とファウリング率との間の相関関係、および液ガン設定とボイラ動作温度との間の追加の相関関係を検出することができる。
【0043】
[0056]限定するものではないが、分類と回帰木(CART)分析を含む任意の適切な回帰分析が、使用されてもよい。いくつかの態様では、CART分析は、カテゴリー的(分類木の場合)、または連続的(回帰木の場合)な従属(応答)変数および1つまたは複数の独立(説明)変数を含む適合したデータセットにおける観測を、次第により小さいグループに帰納的に分割する。各分割は、2分割であり得る。各帰納中、説明変数ごとの分割が調べられ、従属変数に関して結果として得られる2つのグループの同次性を最大にする分割が選ばれる。ボイラ入力パラメータおよびファウリング率を調べるとき、非限定的な手法の一例は、ボイラの挙動を「低ファウリング」の時間と「高ファウリング」の時間に分割し、ボイラ入力パラメータを用いてCART分類木を発展させて低ファウリング状態を高ファウリング状態から分離する同次性グループを作り出すことである。次いで、低ファウリング状態を促進するボイラ入力パラメータの範囲が制御範囲として選択され得る。
【0044】
[0057]ブロック514において、分析コンピューティング装置404の入力調整エンジン424は、回帰分析の結果に基づいて調整されたボイラ入力パラメータを決定する。例えば、入力調整エンジン424は、液ガン設定への調整を決定するために、液ガン設定と回帰分析によって決定されるファウリング率との間の相関関係を使用することができる。別の例として、入力調整エンジン424は、1つまたは複数のエアポートのための設定とファウリング率との間の相関関係を使用して1つまたは複数のエアポートへの調整を決定することができる。さらに別の例として、入力調整エンジン424は、黒液の化学的性質とファウリング率との間の相関関係を使用して化学的性質への調整を決定することができる。なおさらに別の例として、入力調整エンジン424は、組み合わされたボイラ入力パラメータとファウリング率の相関関係を使用して、組み合わされた最適設定または(化学的性質などの)1つのボイラ入力パラメータが一定に保持されている組み合わされた最適設定を決定することができ、組み合わされた最適設定に基づいて調整されたボイラ入力パラメータを決定することができる。
【0045】
[0058]ブロック516において、入力調整エンジン424は、ファウリングを最小にするように回収ボイラシステム100によって調整されたボイラ入力パラメータが使用されるようにする。いくつかの態様では、入力調整エンジン424は、調整されたボイラ入力パラメータが回収ボイラシステム100によって自動実施されるようにすることができる。例えば、入力調整エンジン424は、調整されたボイラ入力パラメータをボイラコントローラ装置402の入力制御エンジン428に送信することができ、入力制御エンジン428は、ファウリングを最小にするようにボイラ入力パラメータを自動調整することができる。いくつかの態様では、ボイラ入力パラメータのそのような調整は、黒液ガン116あるいは1つまたは複数のエアポートに対する設定を変更するために、黒液ガン116あるいは1つまたは複数のエアポートのための命令をアクチュエータに送信することを含むことができる。いくつかの態様では、ボイラ入力パラメータのそのような調整は、塩化物レベルを減少させるために回収ボイラの灰クリーニングシステムにパージされまたは送られる集塵器灰の量を制御する弁のためのアクチュエータに命令を送信することを含むことができる。いくつかの態様では、調整されたボイラ入力パラメータが自動実施される代わりに、入力調整エンジン424は、調整されたボイラ入力パラメータを操作者に示してもよく、操作者は、示されたようにボイラ入力パラメータを調整するために、回収ボイラシステム100の構成要素の設定を変更させる命令を生成することができる。
【0046】
[0059]次いで、方法500は、終了ブロックに進み、終了する。
[0060]
図6は、本開示のコンピューティング装置として使用するのに適した例示的なコンピューティング装置600の態様を示すブロック図である。複数の異なるタイプのコンピューティング装置が上述されたが、例示的なコンピューティング装置600は、多くの異なるタイプのコンピューティング装置に共通する様々な要素を説明する。
図6は、ネットワークの装置として実施されるコンピューティング装置を参照して説明されるが、以下の説明は、本開示の態様の一部を実施するために使用され得るサーバ、パーソナルコンピュータ、携帯電話、スマートフォン、タブレットコンピュータ、埋込式コンピューティング装置、および他の装置に適用可能である。コンピューティング装置のいくつかの態様は、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールド・プログラマブル・ゲート・アレイ(FPGA)、または他のカスタマイズされた装置に実装されてもよく、またはこれを含んでもよい。また、当業者等は、コンピューティング装置600は、任意の個数の現在利用できる装置またはさらに開発される装置のうちのいずれか1つであり得ることを認識するであろう。
【0047】
[0061]その最も基本的な構成では、コンピューティング装置600は、通信バス606によって接続された少なくとも1つのプロセッサ602およびシステムメモリ604を含む。正確な構成および装置のタイプに応じて、システムメモリ604は、揮発性または不揮発性メモリ、例えば、リードオンリメモリ(「ROM」)、ランダムアクセスメモリ(「RAM」)、EEPROM、フラッシュメモリ、または同様のメモリ技術であり得る。当業者等は、典型的には、システムメモリ604が、直ちにアクセスできるおよび/または現在プロセッサ602によって操作されているデータおよび/またはプログラムモジュールを記憶することを認識するであろう。この点について、プロセッサ602は、命令の実行を支援することによってコンピューティング装置600の計算センタとして働くことができる。
【0048】
[0062]
図6にさらに示されるように、コンピューティング装置600は、ネットワークを介して他の装置と通信するための1つまたは複数の構成要素を備えるネットワークインタフェース610を含むことができる。本開示の態様は、ネットワークインタフェース610を利用する基本サービスにアクセスして共通のネットワークプロトコルを用いて通信を行うことができる。ネットワークインタフェース610は、1つまたは複数の無線通信プロトコル、例えば、Wi-Fi、2G、3G、LTE、WiMAX、Bluetooth、ブルートゥース・ロー・エナジー(Bluetooth low energy)、および/または同様のものを介して通信するように構成された無線ネットワークインタフェースを含むこともできる。当業者によって理解されるように、
図6に示されたネットワークインタフェース610は、コンピューティング装置600の特定の構成要素を参照して上で説明および図示された1つまたは複数の無線インタフェースまたは物理的通信インタフェースを表すことができる。
【0049】
[0063]
図6に示された例示的な態様では、コンピューティング装置600は、ストレージ媒体608も含む。しかしながら、サービスは、ローカルストレージ媒体にデータを持続させる手段を含まないコンピューティング装置を用いてアクセスすることができる。したがって、
図6に示されたストレージ媒体608は、ストレージ媒体608が任意選択であることを示すために破線で表されている。いずれにしても、ストレージ媒体608は、限定するものではないが、ハードドライブ、ソリッドステートドライブ、CD ROM、DVD、もしくは他のディスクストレージ、磁気カセット、磁気テープ、磁気ディスクストレージ、および/または同様のものなど、情報を記憶することができる任意の技術を用いて実現されるリムーバブルまたは非リムーバブルな揮発性または不揮発性であり得る。
【0050】
[0064]プロセッサ602、システムメモリ604、通信バス606、ストレージ媒体608、およびネットワークインタフェース610を含むコンピューティング装置の適切な実施は、知られているとともに、通信可能に利用できる。説明を簡単にするために、および権利主張される主題を理解するためにそれは重要でないので、
図6は、多くのコンピューティング装置の典型的な構成要素の一部を示さない。この点について、コンピューティング装置600は、入力装置、例えば、キーボード、キーパッド、マウス、マイクロフォン、タッチ入力装置、タッチ画面、タブレット、および/または同様のものを含むことができる。そのような入力装置は、高周波、赤外線、シリアル、パラレル、Bluetooth、ブルートゥース・ロー・エナジー、USB、または無線接続もしくは物理的接続を用いた他の適した接続プロトコルを含む有線接続または無線接続によって、コンピューティング装置600につなぐことができる。同様に、コンピューティング装置600は、出力装置、例えば、ディスプレイ、スピーカ、プリンタなども含むことができる。これらの装置は、当業界でよく知れているので、それらは、本明細書中にさらに図示されずまたは説明されない。
【0051】
[0065]前述の説明では、多数の特定の詳細が、各態様の十分な理解を与えるように記載されている。しかしながら、当業者は、本明細書中に記載された技法は、特定の詳細のうちの1つまたは複数なしで、または他の方法、構成要素、材料などを用いて実施され得ると理解するであろう。他の例では、よく知られている構造、材料、または動作は、特定の態様を曖昧にするのを防ぐために詳細には図示および説明されない。
【0052】
[0066]処理ブロックの一部または全部が各プロセスに現れる順番は、限定とみなされるべきではない。むしろ、本開示の利益を有する当業者は、処理ブロックの一部は、図示されていない様々な順番で実行されてもよく、または並列でも実行されてもよいことを理解するであろう。
【0053】
[0067]要約書に記載されているものを含め、本発明の例示した態様の上記説明は、網羅的であること、またはまさに開示された形態に本発明を限定することを意図されていない。例示のために、本発明の特定の態様および本発明の例が本明細書中に記載されているが、様々な修正が、当業者が認識する本発明の範囲内で可能である。
【0054】
[0068]これらの修正は、上記詳細な説明に鑑みて本発明になされ得る。以下の特許請求の範囲に使用される用語は、本明細書中に開示された特定の態様に本発明を限定するものと解釈されるべきではない。むしろ、本発明の範囲は、もっぱら以下の特許請求の範囲によって決定されるべきであり、これは、クレーム解釈の確立された原則に従って解釈されるべきである。
【0055】
[0069]概して、本発明は、
[0070]ボイラと、ボイラの構成要素に関連付けられたファウリングセンサと、ボイラコントローラ装置と、を備え、分析コンピューティング装置は、少なくとも1つのプロセッサ、およびコンピュータ可読媒体を含み、コンピュータ可読媒体は、少なくとも1つのプロセッサによる実行に応答して、分析コンピューティング装置に、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することであって、ボイラ動作情報は、上記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信することと、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することと、ファウリング率を最小にするように少なくとも1つの相関関係に基づいて少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整することと、実施のために少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータをボイラコントローラ装置に送信することと、を含むアクションを実行させるコンピュータ実行可能命令をそこに記憶させている、システムを説明しており、ならびに/あるいは好ましくは、ボイラは、熱交換要素を含み、ファウリングセンサは、熱交換要素に関連付けられる、ならびに/あるいは好ましくは、ファウリングセンサは、熱交換要素の重量を示す値を生成するように構成された重量センサであり、ならびに/あるいは好ましくは、上記期間にわたるファウリング率を受信することは、ファウリング量の値の時系列を受信することと、ファウリング量の値の時系列に基づいて、ファウリング率を決定することとを含み、ならびに/あるいは好ましくは、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することは、ボイラ動作情報に関してCART分析を実行することを含み、ならびに/あるいは好ましくは、サイクルに従って動作するように構成された1つまたは複数のスートブロワをさらに備え、上記期間にわたるボイラ動作情報を受信することは、少なくとも1つの完全なサイクルを含む、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することを含み、ならびに/あるいは好ましくは、塩化物レベルに影響を与えるために灰クリーニングシステムにパージされまたは送られる集塵器灰の量を制御するように構成された1つまたは複数の弁と、1つまたは複数の弁を制御するように構成された1つまたは複数のアクチュエータと、をさらに備え、少なくとも1つのボイラ入力パラメータは、弁設定を含み、実施のために少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータをボイラコントローラ装置に送信することは、弁設定を1つまたは複数のアクチュエータに送信することを含み、1つまたは複数のアクチュエータは、弁設定に基づいて、1つまたは複数の弁を調整するように構成されている、ならびに/あるいは好ましくは、1つまたは複数の液ガンをさらに備え、少なくとも1つのボイラ入力パラメータは、液ガン設定を含み、実施のために少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータをボイラコントローラ装置に送信することは、液ガン設定をボイラコントローラ装置に送信することを含み、ボイラコントローラ装置は、液ガン設定に基づいて、1つまたは複数の液ガンの動作を変化させるように構成されている、ならびに/あるいは好ましくは、1つまたは複数のエアポートをさらに備え、少なくとも1つのボイラ入力パラメータは、1つまたは複数のエアポートのための設定を含み、実施のために少なくとも1つの調整されたボイラ入力パラメータをボイラコントローラ装置に送信することは、1つまたは複数のエアポートのための調整された設定をボイラコントローラ装置に送信することを含み、ボイラコントローラ装置は、1つまたは複数のエアポートのための調整された設定に基づいて、1つまたは複数のエアポートの動作を変化させるように構成されている。
【0056】
[0071]回収ボイラシステム内のファウリング率を減少させるコンピュータ実装方法であって、コンピューティング装置が、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップであって、ボイラ動作情報は、上記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信するステップと、コンピューティング装置が、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行するステップと、コンピューティング装置が、ファウリング率を最小にするように少なくとも1つの相関関係に基づいて少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させるステップと、を含む方法であり、ならびに/あるいは好ましくは、上記期間にわたるファウリング率を受信するステップは、コンピューティング装置が、ファウリング量の値の時系列を受信するステップと、コンピューティング装置が、ファウリング量の値の時系列に基づいて、ファウリング率を決定するステップと、を含む、ならびに/あるいは好ましくは、ファウリング量の値の時系列を受信するステップは、熱交換要素を計量するように構成された重量センサからファウリング量の値の時系列を受信するステップを含む、ならびに/あるいは好ましくは、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行するステップは、ボイラ動作情報に関してCART分析を実行するステップを含む、ならびに/あるいは好ましくは、回収ボイラシステムは、サイクルに従って動作するように構成された1つまたは複数のスートブロワを含み、上記期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップは、少なくとも1つの完全なサイクルを含む、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップを含む、ならびに/あるいは好ましくは、ファウリング率を最小にするように少なくとも1つの相関関係に基づいて少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させるステップは、ボイラ入力の化学的性質を調整させること、液ガン設定を調整させること、および1つまたは複数のエアポートのための設定を調整させることのうちの少なくとも1つを含む。
【0057】
[0072]コンピューティング装置の1つまたは複数のプロセッサによる実行に応答して、コンピューティング装置に、コンピューティング装置が、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することであって、ボイラ動作情報は、上記期間にわたるボイラ動作パラメータおよびファウリング率を含み、ボイラ動作パラメータは、1つまたは複数のボイラ入力パラメータを含む、受信することと、コンピューティング装置が、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することと、コンピューティング装置が、ファウリング率を最小にするように少なくとも1つの相関関係に基づいて少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させることと、を含むアクションを実行させるコンピュータ実行可能命令をそこに記憶させた非一時的なコンピュータ可読媒体であり、ならびに/あるいは好ましくは、上記期間にわたるファウリング率を受信することは、コンピューティング装置が、ファウリング量の値の時系列を受信することと、コンピューティング装置が、ファウリング量の値の時系列に基づいて、ファウリング率を決定することと、を含む、ならびに/あるいは好ましくは、ボイラ動作パラメータとファウリング率との間の少なくとも1つの相関関係を決定するように回帰分析を実行することは、ボイラ動作情報に関してCART分析を実行することを含む、ならびに/あるいは好ましくは、回収ボイラシステムは、サイクルに従って動作するように構成された1つまたは複数のスートブロワを含み、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信することは、少なくとも1つの完全なサイクルを含む、ある期間にわたるボイラ動作情報を受信するステップを含む、ならびに/あるいは好ましくは、ファウリング率を最小にするように少なくとも1つの相関関係に基づいて少なくとも1つのボイラ入力パラメータを調整させることは、ボイラ入力の化学的性質を調整させること、液ガン設定を調整させること、および1つまたは複数のエアポートのための設定を調整させることのうちの少なくとも1つを含む。
【国際調査報告】