(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】自動保管および回収システムに保管コンテナを移送することと、自動保管および回収システムから移送することとを行うための、同一のポートと相互作用するように割り当てられたコンテナ取扱車両の動作キャパシティの最適な活用
(51)【国際特許分類】
B65G 1/04 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
B65G1/04 555Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565801
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 EP2021061169
(87)【国際公開番号】W WO2021219742
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NO
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】315015988
【氏名又は名称】オートストアー テクノロジー アーエス
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】サイアー-アーケル, ヴェガルド
【テーマコード(参考)】
3F022
【Fターム(参考)】
3F022EE05
3F022FF00
3F022JJ11
3F022MM01
3F022MM15
3F022NN42
3F022NN47
(57)【要約】
保管カラム105内に保管コンテナ106を保管するための保管グリッド104を画定する骨格構造100を備える自動保管および回収システム1の同一のポート119’において、識別された保管コンテナ106を送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両201の動作キャパシティを活用するための方法、制御システム500、およびコンピュータプログラムであって、保管コンテナ106は、保管グリッド104の上部を走るコンテナ取扱車両201によって取り扱われ、ポート119’は、保管コンテナ106を保管および回収システム1に移送することと、保管および回収システム1から移送することとを行うために使用される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための保管グリッド(104)を画定する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システム(1)の同一のポート(119’)において、識別された保管コンテナ(106)を送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両(201)の動作キャパシティを活用するための方法であって、前記保管コンテナ(106)は、前記保管グリッド(104)の上部を走る前記コンテナ取扱車両(201)によって取り扱われ、前記ポート(119’)は、保管コンテナ(106)を前記保管および回収システム(1)に移送することと、前記保管および回収システム(1)から移送することとを行うために使用され、
- 前記ポート(119’)に到着すべき前記コンテナ取扱車両(201)に関して、期限を伴わないタスクおよび期限を伴うタスクを割り当てるステップ、
- 期限を伴わない前記割り当てられたタスクが完了するときの前記コンテナ取扱車両(201)の終了時間および終了位置を計算するステップ、
- コンテナ取扱車両(201)が、期限を伴わないタスクを最初に完了した後に期限に間に合うことができるかどうかを検証するステップ、
- 前記コンテナ取扱車両(201)に割り当てられたタスクをランク付けするステップであって、前記期限に間に合うことができるタスクは、期限を伴わないタスクを最初に終えた後、最上位に、さらに、前記コンテナ取扱車両(201)の前記ポート(119’)への到着時間に従ってランク付けされる、ステップ、
- タスクの前記ランク付けに従って、前記コンテナ取扱車両(201)に命令を通信することによってタスクを実行するステップ
が、各コンテナ取扱車両(201)内の車両コントローラ(230)と通信する制御システム(500)によって実施される、方法。
【請求項2】
期限を伴わない前記割り当てられたタスクが完了するときの前記コンテナ取扱車両(201)の前記終了時間および終了位置は、
- コンテナ取扱車両(201)の現在の場所から前記タスクまでの駆動時間、
- その場所から前記タスクまでのコンテナ取扱車両(201)のルートの考えられ得る遮断物を含む他の交通、
- 前記コンテナ取扱車両(201)が使用可能である時間、
- コンテナ取扱車両(201)のバッテリレベル
のうちの1つまたはそれより多くに基づくパラメータに従って計算される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記コンテナ取扱車両(201)が前記期限に間に合うことができるかどうかを検証することは、期限を伴わないタスクを最初に完了した後の前記コンテナ取扱車両(201)の前記計算された終了位置および終了時間に基づく、請求項1または請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記期限に間に合うことができるコンテナ取扱車両(201)はボーナスポイントを与えられる一方、前記期限に間に合うことができないコンテナ取扱車両(201)は、ペナルティポイントを与えられ、ランク付けが、与えられたポイントに従って実施される、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項5】
期限を伴わない前記割り当てられたタスクが、前記コンテナ取扱車両が期限を伴う前記割り当てられたタスクの前記期限に遅れる事態を引き起こす可能性が計算され、次いで、前記期限を伴わない前記割り当てられた役割より早い期限を伴う前記割り当てられた役割をランク付けし、それによって、前記期限を伴う前記タスクを最初に実行し、続いて、前記期限を伴わない前記タスクを実行する、前記請求項のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
割り当てられたが終えられていない、期限を伴わないタスクは、異なるコンテナ取扱車両に再割り当てされ、前記異なるコンテナ取扱車両は、期限を伴わない前記再割り当てされたタスクを完了するキャパシティをそのスケジュール内に有する、請求項1~4のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
保管カラム(105)内に保管コンテナ(106)を保管するための保管グリッド(104)を画定する骨格構造(100)を備える自動保管および回収システム(1)の同一のポート(119’)において、識別された保管コンテナ(106)を送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両(201)の動作キャパシティを活用するための制御システム(500)であって、前記保管コンテナ(106)は、前記保管グリッド(104)の上部を走る前記コンテナ取扱車両(201)によって取り扱われ、前記ポート(119’)は、保管コンテナ(106)を前記保管および回収システム(1)に移送することと、前記保管および回収システム(1)から移送することとを行うために使用され、前記制御システム(500)は、マスターコントローラ(220)と、前記保管コンテナ(106)を追跡するデータベース(210)と、前記コンテナ取扱車両(201)のための最適なルートを見出すための経路指定プランナ(200)と、各コンテナ取扱車両(201)に命令を通信するための送信機/受信機(225)とを備え、前記制御システム(500)は、実行されると、コンピュータプログラムを走らせるように配列されているプロセッサをさらに備え、前記コンピュータプログラムは、請求項1~6に記載の方法を実施する、制御システム(500)。
【請求項8】
自動化された保管および回収システム(1)の制御システム(500)において、プロセッサによって実行されると、自動保管および回収システム(1)の同一のポート(119’)において、識別された保管コンテナ(106)を送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両(201)の動作キャパシティを活用するための請求項1~6に記載の方法を実施するコンピュータプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、コンテナ取扱車両によって取り扱われる保管コンテナの保管および回収のための自動化された保管および回収システムに関し、より特定すると、自動保管および回収システムの内外に保管コンテナを移動させるために使用される同一のポートにおいて保管コンテナを送達または回収するように指定されたコンテナ取扱車両の動作キャパシティを最適化するための方法、システム、およびコンピュータプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
(背景)
図1は、骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動化された保管および回収システム1を開示しており、コンテナ取扱車両201が、システム1上で動作する。
【0003】
骨格構造100は、直立部材102と、水平部材103と、直立部材102および水平部材103の間に並べて配列されている保管カラム105を備える保管体積とを備える。これらの保管カラム105において、容器としても知られる保管コンテナ106が、相互の上にスタックされ、スタック107を形成する。部材102、103は、典型的には、金属、例えば押出アルミニウムプロファイルから作製されてもよい。
【0004】
自動化された保管および回収システム1の骨格構造100は、骨格構造100の上部を横切って配列されているレールシステム108を備え、レールシステム108上で、複数のコンテナ取扱車両201が、保管コンテナ106を保管カラム105から上昇させ、保管コンテナ106を保管カラム105の中に降下させ、また、保管コンテナ106を保管カラム105の上方に輸送するように動作させられる。
【0005】
レールシステム108は、フレーム構造物100の上部を横切る第1の方向Xにおけるコンテナ取扱車両201の移動を誘導するように配列されている平行レールの第1のセット110と、第1の方向Xに対して直角である第2の方向Yにおけるコンテナ取扱車両201の移動を誘導するための、レールの第1のセット110に対して直角に配列されている平行レールの第2のセット111とを備える。
【0006】
第1の方向Xにおける第1のレール110a、第1の方向Xにおける第2のレール110b、第2の方向Yにおける第1のレール111a、および第2の方向Yにおける第2のレール111bも、
図1に示されている。コンテナ取扱車両201は、保管カラム105の上方を側方に移動し、すなわち、水平なX-Y平面に対して平行な平面内を移動する。
【0007】
保管コンテナ106は、第1の方向Xおよび第2の方向Yに直交する第3の方向Zを定めるカラム105内に保管される。保管コンテナ106は、レールシステム108内のアクセス開口部112を通して、コンテナ取扱車両201によってアクセスされ、すなわち、レールシステム108は、各保管カラム105の上部に各アクセス開口部112の外周を画定する骨格構造100上に配列されている。骨格構造100の直立部材102は、保管コンテナをカラム105から外へとやるとき、および、カラム105の中へのコンテナの降下時に、これらを誘導するために使用されてもよい。コンテナ106のスタック107は、典型的には、自立型である。
【0008】
骨格構造100の保管体積は、多くの場合、グリッド104と称され、このグリッド内の保管カラム105における可能な保管位置は、保管セルと称される。各保管カラム105は、XおよびY方向における位置によって識別され得る一方、各保管セルは、X、Y、およびZ方向におけるコンテナ数によって識別され得る。
【0009】
骨格構造100では、カラム105の大部分は、保管カラム105であり、すなわち、保管コンテナ106がスタック107内で保管されるカラム105である。しかしながら、いくつかのカラム105は、他の目的を有し得る。
【0010】
図1では、カラム119および120は、保管コンテナ106がアクセスステーション(図示せず)に移送され得るようにそれらを積み降ろし、および/または積み込むために、コンテナ取扱車両201によって使用される専用カラムであり、アクセスステーションでは、保管コンテナ106は、骨格構造100の外側からアクセスされることができ、または骨格構造100の内外に移送されることができる。
【0011】
当技術分野において、保管システムの内外に保管コンテナを移送するためのカラムは、普段、ポートカラム119、120または移送カラムと称される。保管コンテナは、ポート119’、120’を介して、ポートカラム119、120に移送され、ポートカラム119、120から移送され、ポート119’、120’は、典型的には、ポートカラム119、120の端部における開口部に位置しており、すなわち、保管コンテナは、ポート119’、120’においてポートカラム119、120に進入し、またはポートカラム119、120から退出する。ポートは、ポートカラム119、120の中位階またはグランド階等の他の場所に位置していてもよい。
【0012】
アクセスステーションへの保管コンテナ106の輸送および移送は、水平、斜め、および/または垂直のいずれの方向であってもよい。例えば、保管コンテナ106は、骨格構造100内のランダムまたは専用カラム105内に置かれてもよく、次いで、アクセスステーションへのさらなる輸送のために、任意のコンテナ取扱車両201によって積み込まれ、ポートカラム119、120に輸送されてもよい。用語「斜め」は、水平と垂直との間のどこかにおおまかな輸送の向きを有する保管コンテナ106の輸送を意味することに留意されたい。
【0013】
図1において、第1のポートカラム119は、例えば、コンテナ取扱車両201が、アクセスまたは移送ステーションに輸送されるべき保管コンテナ106を積み降ろすことができる専用の積降ポートカラムであってもよく、第2のポートカラム120は、コンテナ取扱車両201が、アクセスまたは移送ステーションから輸送されている保管コンテナ106を積み込むことができる専用の積込ポートカラムであってもよい。
【0014】
アクセスステーションは、典型的には、ピッキングまたはストックステーションであってもよく、そこでは、製品アイテムが、保管コンテナ106から除去され、または、保管コンテナ106の中に位置付けられる。ピッキングまたはストックステーションでは、保管コンテナ106は、普段、自動化された保管および回収システム1から除去されないが、アクセスされると、骨格構造100の中に再び戻される。ポートカラム119、120は、別の保管設備(例えば、別の骨格構造、もしくは別の自動化された保管および回収システム)、輸送車両(例えば、電車もしくは貨物自動車)、または生産設備に保管コンテナを移送するために使用されることもできる。
【0015】
図1に開示されているカラム105のうちの1つの中に保管されている特定の保管コンテナ106が回収されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201のうちの1つは、割り当てられ、保管コンテナ106をその場所から回収し、それをポートカラム119のポート119’に輸送するように命令される。この動作は、その中に保管コンテナ106が位置している保管カラム105の上方の場所にコンテナ取扱車両201を移動させることと、コンテナ取扱車両201の昇降デバイス(図示せず)を使用して保管コンテナ106を保管カラム105から回収することと、保管コンテナ106をポートカラム119のポート119’に輸送することとを伴う。
【0016】
標的保管コンテナ106がスタック107内の深くに位置している場合、すなわち、1つまたは複数の他の保管コンテナ106が標的保管コンテナ106の上方に位置付けられている状態である場合、動作は、標的保管コンテナ106を保管カラム105から昇降させることに先立って、上方に位置付けられている保管コンテナを一時的に移動させることも伴う。時として当技術分野において「掘出」と称されるこのステップは、標的保管コンテナを積降ポートカラム119に輸送するために続けて使用される同一のコンテナ取扱車両201を用いて、または1つもしくは複数の他の協働するコンテナ取扱車両201を用いて実施されてもよい。代替として、または加えて、自動化された保管および回収システム1は、保管コンテナを保管カラム105から一時的に除去するタスクに特化した専用のコンテナ取扱車両201を有してもよい。標的保管コンテナ106が保管カラム105から除去されると、一時的に除去された保管コンテナ106は、もとの保管カラム105の中に再び位置付けられることができる。しかしながら、除去された保管コンテナ106は、代替として他の保管カラム105に再配置されてもよい。
【0017】
保管コンテナ106がカラム105のうちの1つの中に保管されるべきであるとき、コンテナ取扱車両201のうちの1つは、保管コンテナをアクセスまたは移送ステーションから移送するポートカラム120のポート120’から保管コンテナ106を積み込み、それが保管されるべき保管カラム105の上方の位置にそれを輸送するように命令される。保管カラムスタック107内の標的位置またはその上方に位置付けられているいずれの保管コンテナも除去された後、コンテナ取扱車両201は、保管コンテナ106を所望の位置に位置付ける。除去された保管コンテナ106は、次いで、保管カラム105の中に戻るように降下させられてもよく、または他の保管カラムに再配置されてもよい。
【0018】
コンテナ取扱車両201が相互に衝突することなく所望の保管コンテナ106が所望の時間に所望の場所に送達されることができるように、各保管コンテナ106の内容物の参照に加えて、骨格構造100内の各保管コンテナ106の場所と、保管および回収システム上で動作する各コンテナ取扱車両201の場所および移動とが、制御システム500によって継続的に監視および制御される。
【0019】
典型的な制御システム500の例が、
図2に示され、これは、マスターコントローラ220と、保管コンテナ106を追跡するデータベース210と、コンテナ取扱車両201のための最適なルートを見出すために使用される経路指定プランナ200と、各コンテナ取扱車両201に命令を通信するための送信機/受信機225とを備える。制御システム500は、各コンテナ取扱車両201内の車両コントローラ230と通信し、経路指定プランナ200に従ってコンテナ取扱車両201の交通の流れを制御する。
【0020】
上記の説明において、保管および回収システム1に保管コンテナを移送することと、保管および回収システム1から移送することとを行うための別個のポートカラム119、120が、説明されている。これは、効率的な解決策を提供する。しかしながら、ポートカラム119、120のうちの1つのみが、保管および回収システムに保管コンテナを移送すること、および保管および回収システムから移送することの両方のために使用されてもよい。
【0021】
自動化された保管および回収システム1は、典型的には、保管コンテナをアクセスステーションに移送するためのポートカラム119の同一のポート119’に従事する2つまたはそれより多くのコンテナ取扱車両201によって動作される。各コンテナ取扱車両201は、制御システム500から送信された命令を受信することによって、割り当てられ、タスクを与えられる。タスクは、例えば、特定の保管コンテナ106が位置している保管コラム105からそれを入手すること、設定された方向において、設定された距離を駆動すること、ポート119’において保管コンテナ106を送達すること等であってもよい。
【0022】
従来技術によると、重点は、可能な限り早く、保管コンテナ106をポート119’に送達することであった。保管コンテナ106をポート119’に送達する、またはポート119’から回収することによってそれと相互作用するために、いくつかのコンテナ取扱車両201が同一のポート119’に従事しているとき、それらは、ポート119’に同時に存在し得、またはポート119’に向かって同時に駆動し得る。これは、ポート119’における非効率性の問題を導入し得る。コンテナ取扱車両201は、ポート119’と相互作用することができる前に、すなわち、保管コンテナ106をポートに送達またはポートから回収する前に、待ち行列で待機する必要があることがある。この手法において、各コンテナ取扱車両201の動作キャパシティは、最適に活用されない。
【0023】
同一のポート119’に従事するように指定されたコンテナ取扱車両201の動作キャパシティをことごとく活用することに対して、理想的には、各コンテナ取扱車両201は、別のコンテナ取扱車両201がポートとのその相互作用を終えた直後、すなわち、保管コンテナをポート119’に送達またはポート119’からまたは回収した直後にポート119’に到着する。
【0024】
コンテナ取扱車両201が、ポート119’に向かってあまりにも早く駆動し始めた場合、他のコンテナ取扱車両201がポート119’と相互作用しているか、または保管コンテナ106を送達もしくは回収するためにポート119’に向かって同時に移動していると、保管コンテナ106をポート119’に送達するために待機する必要があり得るため、コンテナ取扱車両201の動作キャパシティは、最適に活用されないことがある。
【0025】
本発明は、ポート119’が、ポート119’での最小限の待機時間を伴ってコンテナ取扱車両201によって従事されることを確実にし、それによって、コンテナ取扱車両201がポート119’において待ち行列で待機しなければならない確率を低減させることによって、この問題に対処し、解決する。
【0026】
他のコンテナ取扱車両201がポートと相互作用することを終えるまで待ち行列で待機して立ち止まるのではなく、コンテナ取扱車両201は、保管コンテナ106をポートに送達またはポートから回収する前に他の中間タスクを実施するように命令される。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0027】
(発明の概要)
従来技術によると、重点は、可能な限り早く、保管コンテナをポートに送達することであった。しかしながら、これは、それらが、ポートに同時に存在し得、またはポートに向かって同時に駆動し得るため、同一のポートに従事するコンテナ取扱車両を遅延させ得る。いくつかのコンテナ取扱車両は、次いで、それと相互作用することができる前に、すなわち、保管コンテナをポートに送達またはポートから回収する前に、ポートにおいて待ち行列で待機する必要があることがある。この手法において、各コンテナ取扱車両の動作キャパシティは、最適に活用されない。
【0028】
本発明によると、同一のポートに従事するように指定される各コンテナ取扱車両の動作キャパシティは、好ましくは、別のコンテナ取扱車両がポートとのその相互作用を終える直前に、各コンテナ取扱車両をポートに到着させることによって、より良好に活用される。
【0029】
本発明は、保管カラム内に保管コンテナを保管するための保管グリッドを画定する骨格構造を備える自動保管および回収システムの同一のポートにおいて、識別された保管コンテナを送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両の動作キャパシティを活用するための方法によって規定され、保管コンテナは、保管グリッドの上部を走るコンテナ取扱車両によって取り扱われ、ポートは、保管および回収システムに保管コンテナを移送することと、保管および回収システムから移送することとを行うために使用される。
【0030】
ポートがどこに位置しているかは、本発明による解決策に無関係である。上記に述べられたように、ポートは、コンソリデーションステーションにおいて保管コンテナを移送するために使用されるポートカラムに位置することができる。ポートは、コンソリデーションステーションまたはピッキングステーションに位置していてもよい。解決策にとって関係があるものは、コンテナ取扱車両がポートに存在する必要がある期限である。
【0031】
方法は、
- ポートに到着すべきコンテナ取扱車両に関して、期限を伴わないタスクおよび期限を伴うタスクを割り当てるステップ、
- 期限を伴わない割り当てられたタスクが完了するときのコンテナ取扱車両の終了時間および終了位置を計算するステップ、
- コンテナ取扱車両が、期限を伴わないタスクを最初に完了した後に期限に間に合うことができるかどうかを検証するステップ、
- コンテナ取扱車両に割り当てられたタスクをランク付けするステップであって、期限に間に合うことができるタスクは、期限を伴わないタスクを最初に終えた後、最上位に、さらに、コンテナ取扱車両のポートへの到着時間に従ってランク付けされる、ステップ、
- タスクのランク付けに従って、コンテナ取扱車両に命令を通信することによってタスクを実行するステップ
を含み、これらは、各コンテナ取扱車両内の車両コントローラと通信する制御システムによって実施される。
【0032】
一実施形態によると、期限を伴わない割り当てられたタスクが完了するときのコンテナ取扱車両の終了時間および終了位置は、
- コンテナ取扱車両の現在の場所からタスクまでの駆動時間、
- その場所からタスクまでのコンテナ取扱車両のルートの考えられ得る遮断物を含む他の交通、
- コンテナ取扱車両が使用可能である時間、
- コンテナ取扱車両のバッテリレベル
のうちの1つまたはそれより多くに基づくパラメータに従って計算される。
【0033】
一実施形態によると、期限を伴わないタスクを最初に完了した後のコンテナ取扱車両の計算された終了位置および終了時間に基づいて、コンテナ取扱車両が期限に間に合うことができるかどうかが、検証される。
【0034】
一実施形態によると、期限に間に合うことができるコンテナ取扱車両はボーナスポイントを与えられる一方、期限に間に合うことができないコンテナ取扱車両は、ペナルティポイントを与えられ、ランク付けが、与えられたポイントに従って実施される。
【0035】
方法の一実施形態によると、期限を伴わない割り当てられたタスクが、コンテナ取扱車両が期限を伴う割り当てられたタスクの期限に遅れる事態を引き起こす可能性が計算され、次いで、期限を伴わない割り当てられた役割より早い期限を伴う割り当てられた役割をランク付けし、それによって、期限を伴うタスクを最初に実行し、続いて、期限を伴わないタスクを実行する。
【0036】
一実施形態によると、割り当てられたが終えられていない、期限を伴わないタスクは、異なるコンテナ取扱車両に再割り当てされ、その異なるコンテナ取扱車両は、期限を伴わない再割り当てされたタスクを完了するキャパシティをそのスケジュール内に有する。
【0037】
本発明は、保管カラム内に保管コンテナを保管するための保管グリッドを画定する骨格構造を備える自動保管および回収システムの同一のポートにおいて、識別された保管コンテナを送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両の動作キャパシティを活用するための制御システムによってさらに規定される。保管コンテナは、保管グリッドの上部を走るコンテナ取扱車両によって取り扱われ、ポートは、保管および回収システムに保管コンテナを移送することと、保管および回収システムから移送することとを行うために使用される。システムは、各コンテナ取扱車両内の車両コントローラと通信する制御システムを備える。制御システムは、コンピュータプログラムを走らせるように配列されているプロセッサを備え、コンピュータプログラムは、実行されると、上記に説明された方法を実施する。
【0038】
本発明は、コンピュータプログラムによってさらに規定され、コンピュータプログラムは、自動化された保管および回収システムの制御システムにおいて、プロセッサによって実行されると、自動保管および回収システムの同一のポートにおいて、識別された保管コンテナを送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両の動作キャパシティを活用するための上記に説明された方法を実施する。
【図面の簡単な説明】
【0039】
(図面の簡単な説明)
以下の図面は、本発明の理解を促進するために付属される。図面は、本発明の実施形態を示し、実施形態は、ここでは例としてのみ説明される。
【0040】
【
図1】
図1は、従来技術の自動化された保管および回収システムの骨格構造の斜視図である。
【
図2】
図2は、自動化された保管および回収システム上で動作するコンテナ取扱車両を制御するための制御システムを示す。
【
図3】
図3は、コンテナ取扱車両の動作キャパシティを活用するための方法の異なるステップを図示したフローチャートである。
【
図4】
図4は、コンテナ取扱車両に割り当てられたタスクを示した表である。
【
図5】
図5は、タスクのランク付けおよび割り当てられた車両を示した表である。
【0041】
(参照番号)
1 - 自動化された保管および回収システム
100 - 骨格構造
102 - 骨格構造の直立部材
103 - 骨格構造の水平部材
104 - 保管グリッド構造物
105 - 保管カラム
106 - 保管コンテナ
106’- 保管コンテナの具体的な位置
107 - スタック
108 - レールシステム
110 - 第1の方向(X)における平行レール
110a- 第1の方向(X)における第1のレール
110b- 第1の方向(X)における第2のレール
111 - 第2の方向(Y)における平行レール
111a- 第2の方向(Y)の第1のレール
111b- 第2の方向(Y)の第2のレール
112 - アクセス開口部
119 - 第1のポートカラム
119’- 第1のポート
120 - 第2のポートカラム
120’- 第2のポート
200 - 経路指定プランナ
201 - コンテナ取扱車両
210 - データベース
220 - マスターコントローラ
225 - 送信機/受信機
230 - 車両コントローラ
X - 第1の方向
Y - 第2の方向
Z - 第3の方向
500 - 制御システム
【発明を実施するための形態】
【0042】
(発明の詳細な説明)
以下の説明において、本発明は、付属の図面の参照を伴ってさらに詳細に解説される。しかしながら、図面は、図面に描写される主題に本発明を限定することを意図されていないことを理解されたい。
【0043】
骨格構造100を伴う典型的な従来技術の自動化された保管および回収システム1が、
図1の参照を伴って、上記の背景の節において説明された。
【0044】
骨格構造100は、任意のサイズであることができ、
図1に開示されているものより大幅に広く、および/または長く、および/または深くあり得ることを理解されたい。例えば、骨格構造100は、700×700個より多くのカラムの水平範囲と、12個より多くのコンテナの保管深度とを有してもよい。
【0045】
また、保管グリッド104は、
図1に開示されたものより大幅に深くあり得る。例えば、保管グリッド104は、深さ、すなわち、
図1に図示されているZ方向において、12個のグリッドセル122より多くてもよい。
【0046】
コンテナ取扱車両201は、当技術分野において公知の任意のタイプであり得、例えば、第WO2014/090684A1号、第NO317366号、または第WO2015/193278A1号に開示されている自動化されたコンテナ取扱車両のうちの任意の1つであり得る。
【0047】
骨格構造100の上部を横切って配列されているレールシステム108は、コンテナ取扱車両201が、保管カラム105と、それらが相互作用している第1および第2のポート119’、120’(すなわち、それらは、保管コンテナ106をポート119’、120’に送達またはポート119’、120’から回収するように命令されている)との間を水平に移動することを可能にする。
【0048】
下記で本発明を説明するとき、ポート119’は、ある設定された数のコンテナ取扱車両201が相互作用するように割り当てられているポート119’の例として使用される。例えば、車両の数は、4~8であり得る。
【0049】
本発明は、同一のポート119’と相互作用するように命令された各コンテナ取扱車両201をより良好に制御することによって、ポート119’における待ち行列を回避するための方法および制御システムを提供する。
【0050】
図3は、骨格構造100を備える自動保管および回収システム1の同一のポートにおいて、識別された保管コンテナ106を送達または回収するタスクを割り当てられたコンテナ取扱車両201の動作キャパシティを活用するための方法の異なるステップを図示したフローチャートである。骨格構造は、保管コンテナ106を保管カラム105内に保管するための保管グリッド104を画定する。保管コンテナ106は、保管グリッド104の上部を走るコンテナ取扱車両201によって取り扱われる。本例では、ポート119’は、保管コンテナ106を保管および回収システム1に移送することと、保管および回収システム1から移送することとを行うために使用されるポートカラム119の開口部に位置している。いくつかのステップは、各コンテナ取扱車両201内の車両コントローラ230と通信する制御システム500によって実施される。
【0051】
各コンテナ取扱車両201は、タスクを割り当てられる。例えば、割り当てられたタスクは、ポート119’において特定の保管コンテナを送達すること、または保管コンテナをある場所から別の場所に移動させることであり得る。
【0052】
いくつかのタスクは、他より高い優先度を有する。高優先度タスクは期限を伴って割り当てられる一方、他のタスクは、期限を伴わずに割り当てられる。期限を伴うタスクは、典型的には、特定の保管コンテナがポート119’内に移送されることを要求されるタスクである。
【0053】
本発明による方法300の第1のステップは、コンテナ取扱車両201に関して、期限を伴わないタスクを割り当てること310、および期限を伴うタスクを割り当てること320である。特定の保管コンテナ106を取り扱うように割り当てられるコンテナ取扱車両201がどれであるかは、コストパラメータに基づく。コストパラメータの例は、コンテナ取扱車両201の現在の場所から特定の保管コンテナ106の場所までの距離および駆動時間、掘出時間、保管コンテナ106の場所までの経路を遮断する考えられ得る他のコンテナ取扱車両201を含む交通状況、コンテナ取扱車両201が使用可能である時間、コンテナ取扱車両201のバッテリレベル等である。
【0054】
掘出時間は、保管コラム105内の標的保管コンテナ106の上方に位置付けられている他の保管コンテナ106を除去するためにコンテナ取扱車両201が使用する時間である。掘出は、標的保管コンテナ106をポート119’に輸送するために使用される同一のコンテナ取扱車両201を用いて実施されることができる。代替として、掘出は、掘出のためにのみ使用される専用コンテナ取扱車両201によって形成されることができる。この場合、掘出時間は、タスクに割り当てられている(すなわち、ポート119’において特定の保管コンテナ106を送達するべき)コンテナ取扱車両201に関して無視され得、または少なくとも低減させられ得る。
【0055】
次のステップは、当該コストパラメータに基づいて、期限を伴わずに割り当てられたタスクが完了するときのコンテナ取扱車両201の終了時間および終了位置を計算すること330である。
【0056】
述べられたように、これは、コンテナ取扱車両201の現在の場所から、タスクが完了される新しい場所まで駆動したときの経過時間、その現在の場所からタスクまで駆動するときにコンテナ取扱車両201に影響を与える他の交通、コンテナ取扱車両201が使用可能である時間、コンテナ取扱車両201のバッテリレベルのうちの1つまたはそれより多くに基づくコストパラメータに従って計算されることができる。
【0057】
方法の次のステップは、コンテナ取扱車両201が、期限を伴わないタスクを最初に終えた後、期限を伴う割り当てられたタスクを完了することができるかどうかを検証することである。この検証は、期限を伴わないタスクを最初に終えた後にその場所から開始したときの、コンテナ取扱車両201が期限を伴うタスクを実施することに関する経過時間を計算することによって実施される。
【0058】
一実施形態では、検証することは、コンテナ取扱車両201に与えられるボーナスポイントまたはペナルティポイントを結果として生じさせる。検証することが、コンテナ取扱車両201が期限に間に合うことができないという結論を下した場合(340)、それは、ペナルティポイントを与えられる(345)。検証することが、コンテナ取扱車両201が期限に間に合うことができるという結論を下した場合(340)、それは、ボーナスポイントを与えられる(350)。
【0059】
一実施形態では、割り当てられたが終えられていない、期限を伴わないタスクは、異なるコンテナ取扱車両201に再割り当てされ、異なるコンテナ取扱車両201は、期限を伴わない再割り当てされたタスクを完了するキャパシティをそのスケジュール内に有する。この手法において、コンテナ取扱車両201は、期限を伴うタスクを優先することができる。
【0060】
次のステップは、この後、ボーナスおよびペナルティポイントと、ポートへの推定到着時間とに従って、コンテナ取扱車両201に割り当てられたタスクをランク付けすること360である。期限内に実施されることができるタスクは、期限を伴わないタスクを最初に終えた後、最上位にランク付けされ、さらに、コンテナ取扱車両201のポート119’への到着時間に従ってランク付けされる。例が、
図4および
図5の参照を伴って下記に説明される。
【0061】
方法の最後のステップは、タスクのランク付けに従って、コンテナ取扱車両201に命令を通信することによってタスクを実行することである。命令は、どこに保管コンテナを積み込むか、およびどの保管コンテナ106が送達されるか、およびどのポートが送達されるかに関する情報を含む。
【0062】
図4は、コンテナ取扱車両201に割り当てられたタスクの例を示した表である。期限を伴わないタスクが1.1~6.1として示されている一方、期限を伴うタスクは、1.2~6.2として示されている。この表は、割り当てられたコンテナ取扱車両201が、期限を伴わない割り当てられたタスクを終え、期限を伴うタスクを依然として実施することができるかどうかをさらに示す。「はい」の場合、期限を伴わないタスクは、期限を伴うタスクの前に実施される。「いいえ」の場合、期限を伴うタスクは、期限を伴わないタスクの前に実施される。これは、図の中のタスク優先度の列に反映され、例えば、割り当てられた車両010に関して、期限を伴わないタスク1.1は、期限を伴うタスク1.2の前に実施される。最後の列は、それぞれの指定されたコンテナ取扱車両201に関する、保管コンテナ106が送達されるべき同一の指定されたポートへの到着時間、すなわち、期限を伴うタスクに関する期限の前の、ポート119’への到着時間の例を示す。
【0063】
図5は、コンテナ取扱車両201への命令としてタスクが実行されているときに結果として生じるタスクのランク付けおよび割り当てられた車両を示した表である。結果として生じたランク付けは、
図4において推測されたタスク優先度および到着時間に基づく。最初にポート119’に到着するコンテナ取扱車両201は、最上位にランク付けされ、期限の直前にポートに到着するコンテナ取扱車両201は、最下位にランク付けされる。
【0064】
車両に関して割り当てられたタスクは、実行され、命令が、ランク付けリストに従って各コンテナ取扱車両201に送信される。この手法において、コンテナ取扱車両201が、設定された期限内に割り当てられたタスクを依然として実施することができる場合、期限を伴わないタスクが、期限を伴うタスクの前に実施されることができるため、各コンテナ取扱車両201の動作キャパシティは、より良好に活用される。ひいては、ポートと相互作用すること、すなわち、保管コンテナ106をポート106’に送達またはポート106’から回収することにおいて相互作用することを相互が終えるまで、同一のポート119’と相互作用するように割り当てられたコンテナ取扱車両201が待機する必要がある見込みが低くなる。
【0065】
本発明は、
図1の参照を伴って上記に説明されたもののような、自動保管および回収システム1の同一のポート119’、120’において、識別された保管コンテナ106を送達または回収するタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両201の動作キャパシティを活用するための制御システム500によってさらに規定される。
【0066】
制御システム500は、
図2の参照を伴って上記に説明され、マスターコントローラ220と、保管コンテナ106の現在の場所を追跡するデータベース210と、上記にも説明されたようなコストパラメータに基づいて、コンテナ取扱車両201のための最適なルートを見出すための経路指定プランナ200と、好ましくはワイヤレスで、各コンテナ取扱車両201に命令を通信するための送信機/受信機225とを備える。制御システム500は、コンピュータプログラムを走らせるように配列されているプロセッサをさらに備え、コンピュータプログラムは、実行されると、上記に説明された方法を実施し、それによって、期限を伴うタスクおよび期限を伴わないタスクを割り当てられたときのコンテナ取扱車両201の動作キャパシティを活用する。
【0067】
本発明は、ポート119’において待ち行列で待機する必要があるコンテナ取扱車両の問題に対処し、解決する。代わりに、ポート119’は、ポート119’での最小限の待機時間を伴って、コンテナ取扱車両201によって従事され、コンテナ取扱車両201は、可能な場合、期限内に保管コンテナ106をポート119’に送達またはポート119’から回収する前に他の中間タスクを実施するように命令される。
【国際調査報告】