(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】高メルトインデックスのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーを含有する組成物
(51)【国際特許分類】
C08L 23/08 20060101AFI20230605BHJP
C08L 91/00 20060101ALI20230605BHJP
C08F 210/16 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
C08L23/08
C08L91/00
C08F210/16
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022565978
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-02
(86)【国際出願番号】 US2021030005
(87)【国際公開番号】W WO2021222652
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502141050
【氏名又は名称】ダウ グローバル テクノロジーズ エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100095360
【氏名又は名称】片山 英二
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(72)【発明者】
【氏名】チン、イー
(72)【発明者】
【氏名】イ、ジョンヨン
(72)【発明者】
【氏名】マクレナガン、アラン、ウォルター
(72)【発明者】
【氏名】リッキー、シンシア、エル.
【テーマコード(参考)】
4J002
4J100
【Fターム(参考)】
4J002AE00X
4J002AE05X
4J002AF02Y
4J002BB05W
4J002FD34Y
4J002GJ01
4J100AA02P
4J100AA19Q
4J100CA04
4J100CA25
4J100DA01
4J100DA04
4J100DA13
4J100DA42
4J100FA04
4J100FA06
4J100FA10
4J100FA19
4J100FA28
4J100JA03
(57)【要約】
組成物であって、
a)ソフトセグメント(SS)及びハードセグメント(HS)を含む少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーであって、以下の特性:
i)メルトインデック(I2)≧30dg/分、
ii)「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比≧18、
iii)SSのHSに対する重量比≦12.0、
を含む、インターポリマーと、
b)少なくとも1つの粘着付与剤及び/又は少なくとも1つの油と、を含む、組成物。
【選択図】なし
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
a)ソフトセグメント(SS)及びハードセグメント(HS)を含む少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーであって、以下の特性:
i)メルトインデック(I2)≧30dg/分、
ii)「前記SS中の前記アルファ-オレフィン」の「前記HS中の前記アルファ-オレフィン」に対するモル比≧18、
iii)前記SSの前記HSに対する重量比≦12.0、
を含む、インターポリマーと、
b)少なくとも1つの粘着付与剤及び/又は少なくとも1つの油と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、前記インターポリマー中のモノマーの総モルに基づいて、≧10mol%のアルファ-オレフィン量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧0.856g/ccの密度を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦0.874g/ccの密度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧1.5の分子量分布MWD(=Mw/Mn)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦3.0の分子量分布MWD(=Mw/Mn)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤及び少なくとも1つの油を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、前記組成物の合計重量に基づいて、≧98.5重量%の、成分aとbとの合計、を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、≧2000cPの粘度(177℃)を有する、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、≦15,000cPの粘度(177℃)を有する、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、次の関係:[(ループタック(N)/(粘度(cP))×(1000(cP/N))]≧4.0を満たす、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、次の関係:[(90度剥離(lb/in)/(粘度(cP))×(1000(cP・in/lb))]≧1.0を満たす、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)の前記アルファ-オレフィンが、C3~C20アルファ-オレフィンである、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
成分の前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである、請求項1~13のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項15】
請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
1/10
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年4月29日に出願された米国特許仮出願第63/017537号に基づく優先権の利益を主張するものであり、その全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーを含有する接着剤組成物は、多種多様な用途で使用されている。しかしながら、ループタック及び剥離強度などの接着性を維持又は改善しながら、改善された加工性を有する低粘度接着剤に関するニーズが存在する。典型的なホットメルト接着剤配合物は、ポリマー、粘着付与剤、油又は他の低分子量成分を含む。ポリマー成分の粘度若しくは分子量を低減する又はこのポリマーの含有量を低減することは、最終接着剤粘度を低下させるための典型的な方法である。しかしながら、ポリマー成分は、配合物において高分子量種を唯一代表しているため、ポリマーは、接着剤の機械的強度及び凝集力の原因である。したがって、ポリマーの粘度若しくは分子量を低減する又はその含有量を低減することは、多くの場合、接着性の劣化をもたらす。
【0003】
米国特許第9,243,173号は、a)エチレン及びアルファ-オレフィンコモノマーを含むオレフィンブロックコポリマー、b)粘着付与剤及びc)油を含む接着剤組成物を開示している。オレフィンブロックコポリマーは、i)ハードブロックであって、ハードブロックは1~8mol%のコモノマーを含み、ハードブロックはオレフィンブロックコポリマーの20~45重量%の量で存在する、ハードブロックと、ii)ソフトブロックであって、ソフトブロックは10~14mol%のコモノマーを含む、ソフトブロックと、を含む。オレフィンブロックコポリマーは、15,000~100,000g/molのMw、5~30重量%の総結晶化度、60~105℃のTm、及び45~100℃のTcを有する。請求項1を参照されたい。本特許は、表1において、高密度及び/又は高ハードセグメント(hard segment、HS)含有量の2つの高メルトインデックスインターポリマーを開示している。高密度及び高HS含有量の両方は、接着剤組成物の結晶化度を高めるように作用し、したがって組成物の粘着性を低下させる。
【0004】
米国特許第7,524,911号は、少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーと、少なくとも1つの粘着付与剤と、任意選択的に、可塑剤、ワックス又は酸化防止剤などの少なくとも1つの添加剤と、を含む接着剤組成物を開示している。要約を参照されたい。しかしながら、これらの組成物は、典型的には、高分子量マルチブロックインターポリマーを含有する、又は表10bに見られるように、粘着性を低下させる高密度でより高いメルトインデックスのインターポリマーを含有している。
【0005】
追加の接着剤組成物は、米国特許公開第2011/0262747号、米国特許第7,989,543号及び米国特許第7,608,668号に開示されている。しかしながら、上で考察されたように、ループタック及び剥離強度などの接着性を維持又は改善するより低い粘度の接着剤組成物に関するニーズが依然として存在している。このニーズは、以下の発明によって満たされた。
【発明の概要】
【0006】
組成物であって、
a)ソフトセグメント(soft segment、SS)及びハードセグメント(HS)を含む少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーであって、以下の特性:
i)メルトインデック(I2)≧30dg/分、
ii)「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比≧18、
iii)SSのHSに対する重量比≦12.0、を含む、インターポリマーと、
b)少なくとも1つの粘着付与剤及び/又は少なくとも1つの油と、を含む、組成物。
【発明を実施するための形態】
【0007】
上で考察されたように、組成物であって、以下:
a)ソフトセグメント(SS)及びハードセグメント(HS)を含む少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーであって、以下の特性:
i)メルトインデック(I2)≧30dg/分、
ii)「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比≧18、
iii)SSのHSに対する重量比≦12.0、を含む、インターポリマーと、
b)少なくとも1つの粘着付与剤及び/又は少なくとも1つの油と、を含む、組成物が提供される。
【0008】
上記組成物は、本明細書に記載されるように2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)は、本明細書に記載されるように2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。成分bは、本明細書に記載されるように2つ以上の実施形態の組み合わせを含み得る。
【0009】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)は、≧35、又は≧40、又は≧45、又は≧50、又は≧55dg/分のメルトインデックス(I2)を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≦300、又は≦250、又は≦200、又は≦150、又は≦140、又は≦130、又は≦120、又は≦110dg/分のメルトインデックス(I2)を有する。
【0010】
各々本明細書に記載される、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、
エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≧19、又は≧20、又は≧21の、「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≦100、又は≦80、又は≦60、又は≦50、又は≦40、又は≦30の、「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比を有する。
【0011】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、HS中のモノマーの総モルに基づいて、≦0.90mol%、又は≦0.88mol%、又は≦0.86mol%、又は≦0.84mol%の、HS中のアルファ-オレフィン量を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、HS中のモノマーの総モルに基づいて、≧0.50mol%、又は≧0.55mol%、又は≧0.60mol%、又は≧0.65mol%、又は≧0.70mol%の、HS中のアルファ-オレフィン量を有する。
【0012】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、SS中のモノマーの総モルに基づいて、≦20.0mol%、又は≦19.5mol%、又は≦19.0mol%、又は≦18.5mol%、又は≦18.0mol%、又は≦17.8mol%、又は≦17.6mol%、又は≦17.5mol%の、SS中のアルファ-オレフィン量を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、SS中のモノマーの総モルに基づいて、≧15.0mol%、又は≧15.5mol%、又は≧16.0mol%、又は≧16.5mol%、又は≧17.0mol%の、SS中のアルファ-オレフィン量を有する。
【0013】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≦11.8、又は≦11.6、又は≦11.4、又は≦11.2、又は≦11.0、又は≦10.8、又は≦10.6、又は≦10.4、又は≦10.2の、SSのHSに対する重量比を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≧5.0、又は≧5.5、又は≧6.0、又は≦6.2、又は≧6.4、又は≧6.6、又は≧6.8、又は≧7.0、又は≧7.2の、SSのHSに対する重量比を有する。
【0014】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、インターポリマー中のモノマーの総モルに基づいて、≧10mol%、又は≧11mol%、又は≧12mol%、又は≧13mol%、又は≧14mol%、又は≧15mol%の、アルファ-オレフィン総量を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、インターポリマー中のモノマーの総モルに基づいて、≦50mol%、又は≦40mol%、又は≦30mol%、又は≦25mol%、又は≦20mol%、又は≦18mol%、又は≦16mol%の、アルファ-オレフィン総量を有する。
【0015】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≧0.856g/cc、又は≧0.858g/cc、又は≧0.860g/cc、又は≧0.862g/cc、又は≧0.863g/cc、又は≧0.864g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.866g/cc、又は≧0.867g/cc(1cc=1cm3)の密度を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≦0.874g/cc、又は≦0.873g/cc、又は≦0.872g/cc、又は≦0.871g/cc、又は≦0.870g/cc、又は≦0.869g/ccの密度を有する。
【0016】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≧1.5、又は≧1.6、又は≧1.7、又は≧1.8、又は≧1.9、又は≧2.0、又は≧2.1の分子量分布(molecular weight distribution、MWD)(=Mw/Mn)を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、≦3.0、又は≦2.9、又は≦2.8、又は≦2.7、又は≦2.6、又は≦2.5、又は≦2.4、又は≦2.3、又は≦2.2の分子量分布MWDを有する。
【0017】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、少なくとも1つの粘着付与剤又は少なくとも1つの油を含む。
【0018】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、少なくとも1つの粘着付与剤及び少なくとも1つの油を含む。
【0019】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、組成物の重量に基づいて、≧98.5重量%、又は≧99.0重量%、又は≧99.1重量%、又は≧99.2重量%、又は≧99.3重量%、又は≧99.4重量%の、成分aとbとの合計を含む。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、組成物の重量に基づいて、≦100.0重量%、又は≦99.9重量%、≦99.8重量%、又は≦99.7重量%、又は≦99.6重量%、又は≦99.5重量%の、成分aとbとの合計を含む。
【0020】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、≧2,000cP、又は≧2,400cP、又は≧2,600cP、又は≧2,800cP、又は≧3,000cP、又は≧3,200cPの粘度(177℃)を有する。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、≦15,000cP、又は≦14,000cP、又は≦13,000cP、又は≦12,000cP、又は≦11,000cP、又は≦10,000cP、又は≦9,000cP、又は≦8,000cP、又は≦7,000cP、又は≦6,800cP、又は≦6,600cP、又は≦6,400cP、又は≦6,200cPの粘度(177℃)を有する。
【0021】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、次の関係:[(ループタック(N)/(粘度(cP))×(1000(cP/N))]≧4.0、又は≧4.2、又は≧4.4、又は≧4.6、又は≧4.8、又は≧5.0、又は≧5.2を満たす。粘度は177℃で測定する。
【0022】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、次の関係:すなわち、[(90度剥離(lb/in)/(粘度)(cP))×(1000(cP・in/lb))]≧1.0、又は≧1.1、又は≧1.2、又は≧1.3を満たす。ここで、粘度は177℃で測定する。
【0023】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、マルチブロックインターポリマーのアルファ(成分a)は、C3~C20アルファ-オレフィン、及び更にはC3~C10アルファ-オレフィンである。各々本明細書に記載される、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、アルファ-オレフィンは、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、又は1-オクテン、更にはプロピレン、1-ブテン、又は1-オクテン、更には1-ブテン又は1-オクテン、更には1-オクテンから選択される。
【0024】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、以下のエチレン/プロピレンマルチブロックコポリマー、エチレン/ブテンマルチブロックコポリマー、又はエチレン/オクテンマルチブロックコポリマー、及び更にエチレン/ブテンマルチブロックコポリマー、又はエチレン/オクテンマルチブロックコポリマー、及び更にエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーから選択される。
【0025】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、接着剤組成物、及び更にはホットメルト接着剤又は感圧接着剤、及び更にはホットメルト接着剤である。
【0026】
任意の1つの実施形態、又は各々が本明細書に記載される2つ以上の実施形態の組み合わせの組成物から形成される少なくとも1つの成分を含む物品も提供される。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、物品は、おむつ又は医療用衣類である。
【0027】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、本発明の組成物は、1つ以上の特徴において、例えば、モノマーのタイプ、分布、及び/又は量、密度、メルトインデックス(I2)、Mn、Mw、Mz、MWD、V0.1、V100、RR(V0.1/V100)、又はこれらの任意の組み合わせにおいて、及び更に、1つ以上の特徴において、例えば、モノマーのタイプ、分布、及び/又は量、密度、メルトインデックス(I2)、Mn、Mw、MWD、又はこれらの任意の組み合わせにおいて、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)とは異なる熱可塑性ポリマーを更に含む。ポリマーとしては、エチレン系ポリマー、プロピレン系ポリマー、及びオレフィンマルチブロックインターポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。好適なエチレン系ポリマーとしては、直鎖状低密度ポリエチレン(linear low density polyethylene、LLDPE)、極低密度ポリエチレン(very low density polyethylene、VLDPE)、超低密度ポリエチレン(ultra-low density polyethylene、ULDPE)、均質に分岐した直鎖状エチレン系ポリマー、及び均質に分岐した実質的に直鎖状のエチレン系ポリマー(すなわち、均質に分岐した長鎖分岐状エチレンポリマーである)が挙げられるが、これらに限定されない。プロピレン系ポリマーの例としては、ポリプロピレンホモポリマー及びプロピレン/エチレンコポリマーが挙げられる。
【0028】
各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、組成物は、成分aのためのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーを1つだけ含む。
【0029】
エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー
エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、化学的特性又は物理的特性が異なる2つ以上の重合モノマー単位の複数のブロック又はセグメントを特徴とする。いくつかの実施形態では、マルチブロックコポリマーは、次式:(AB)nによって表すことができ、式中、nは、少なくとも1であり、好ましくは1を超える整数であり、例えば、2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、60、70、80、90、100以上である。「A」は、ハードブロック又はセグメントを表しており、「B」は、ソフトブロック又はセグメントを表している。好ましくは、Aセグメント及びBセグメントは、実質的に分岐鎖状又は実質的に星形の様式とは対照的に、実質的に直鎖状様式で連結される。他の実施形態では、Aセグメント及びBセグメントは、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布している。言い換えれば、例えば、ブロックコポリマーは、通常は、次のような構造:AAA-AA-BBB-BBを有していない。なお他の実施形態では、ブロックコポリマーは、通常は、異なるコモノマーを含む第3のタイプのブロック又はセグメントを有していない。なお他の実施形態では、ブロックA及びブロックBの各々は、ブロック内に実質的にランダムに分布したモノマー又はコモノマーを有する。言い換えれば、ブロックAもブロックBも、残りのブロックとは実質的に異なる組成を有する先端セグメントなどの別個の組成の2つ以上のサブセグメント(又はサブブロック)を含まない。
【0030】
本明細書で使用される場合、「ハードセグメント(HS)」という用語は、ブロック中の重合モノマーの総モル数に基づいて、エチレンが、≧95mol%、又は≧98mol%、又は≧99mol%の量で存在する重合モノマー単位のブロックを指している。一実施形態では、エチレンは、ブロック中の重合モノマーの総モル数に基づいて、≦99.8mol%、又は≦99.6mol%、又は≦99.4mol%、又は≦99.3mol%の量で存在する。
【0031】
本明細書で使用される場合、「ソフトセグメント(SS)」という用語は、エチレンが、ブロック中の重合モノマーの総モル数に基づいて、≦90mol%、又は≦88mol%、又は≦86mol%、又は≦84mol%の量で存在する重合モノマー単位のブロックを指している。一実施形態では、エチレンは、ブロック中の重合モノマーの総モル数に基づいて、≧80mol%、又は≧81mol%、又は≧82mol%の量で存在する。
【0032】
典型的には、エチレンは、マルチブロックブロックコポリマー全体の50モルパーセント又は大部分のモルパーセントを構成し、すなわち、エチレンは、全ポリマーの少なくとも50モルパーセントを構成する。より好ましくは、エチレンは、少なくとも60モルパーセント、少なくとも70モルパーセント、又は少なくとも80モルパーセントであり、ポリマー全体の実質的な残りは、好ましくは、3つ以上の炭素原子を有するアルファ-オレフィンである少なくとも1つの他のコモノマーである。
【0033】
考察されたように、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、好ましくは直鎖状に結合された2つ以上の化学的に別個の領域又はセグメント(「ブロック」と称される)を含む。一実施形態では、ブロックは、組み込まれたコモノマーの量若しくはタイプ、密度、結晶化度の量、そのような組成のポリマーに起因する結晶子サイズ、立体規則性のタイプ若しくは程度(アイソタクチック若しくはシンジオタクチック)、領域規則性若しくは部位不規則性、分岐(長鎖分岐若しくは超分岐を含む)の量、均一性、又は他の任意の化学的若しくは物理的特性が異なる。連続的なモノマー添加、流動触媒、又はアニオン重合技術によって生成されるインターポリマーを含む、従来技術のブロックインターポリマーと比較して、本発明のエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーは、一実施形態では、ポリマー多分散性(PDI又はMw/Mn又はMWD)、ブロック長分布、及び/又はそれらの調製に使用される複数の触媒と組み合わせたシャトリング剤の効果によるブロック数分布の両方の独特の分布を特徴とする。
【0034】
オレフィンブロックコポリマーは、一般に、例えば、米国特許第7,858,706号に記載されているような鎖シャトリングプロセスを介して生成され、当該特許は、参照により本明細書に組み込まれる。いくつかの鎖シャトリング剤及び関連情報については、第16欄39行目~第19欄44行目に列挙されている。いくつかの触媒については、第19欄45行目~第46欄19行目に、いくつかの助触媒については、第46欄20行目~第51欄28行目に記載されている。いくつかのプロセスの特徴は、第51欄29行目~第54欄56行目に記載されている。以下も参照されたい:米国特許第7,608,668号、米国特許第7,893,166号、及び米国特許第7,947,793号、並びに米国特許公開第2010/0197880号。米国特許第9,243,173号も参照されたい。
【0035】
粘着付与剤
粘着付与剤は、当該技術分野で既知であり、室温で固体、半固体、又は液体であり得る。粘着付与剤の非限定的な例としては、(1)天然又は変性ロジン(例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン、蒸留ロジン、水素化ロジン、二量化ロジン、及び重合ロジン);(2)天然及び変性ロジンのグリセロール及びペンタエリスリトールエステル(例えば、白木ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのグリセロールエステル、重合ロジンのグリセロールエステル、水素化ロジンのペンタエリスリトールエステル、及びロジンのフェノール変性ペンタエリスリトールエステル);(3)天然テルペンのコポリマー及びターポリマー(例えば、スチレン/テルペン及びアルファメチルスチレン/テルペン);(4)ポリテルペン樹脂及び水素化ポリテルペン樹脂;(5)フェノール変性テルペン樹脂及びその水素化誘導体(例えば、二環式テルペン及びフェノールの酸性媒体中の縮合から生じる樹脂生成物);(6)脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂及びその水素化誘導体(例えば、主にオレフィン及びジオレフィンからなるモノマーの重合から生じる樹脂);(7)脂環式石油炭化水素樹脂及びその水素化誘導体;(8)芳香族変性脂肪族又は脂環式炭化水素樹脂及びこれらの水素化誘導体、並びにこれらの組み合わせが挙げられる。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、粘着付与剤は、水素化炭化水素から選択される。
【0036】
油
油の非限定的な例としては、オレフィンオリゴマー、低分子量ポリオレフィン、例えば、液体ポリブテン、フタレート、鉱油、例えば、ナフテン系、パラフィン系、又は水素化(白色)油(例えば、KAYDOL油)、植物油及び動物油、並びにそれらの誘導体、石油由来油、及びそれらの組み合わせが挙げられる。各々が本明細書に記載されている、一実施形態、又は2つ以上の実施形態の組み合わせでは、油は、鉱油、硬化油又は石油由来油から選択される。
【0037】
定義
相反する記載がない限り、文脈から暗黙的に、又は当該技術分野において慣習的でない限り、全ての部及びパーセントは、重量に基づき、全ての試験方法は、本開示の出願日の時点で現行のものである。
【0038】
本明細書で使用される場合、「組成物」という用語は、組成物、並びに組成物の材料から形成される反応生成物及び分解生成物を含む材料の混合物を含む。いかなる反応生成物又は分解生成物も、典型的には、微量又は残留量で存在する。
【0039】
本明細書で使用される場合、「ポリマー」という用語は、同じタイプ又は異なるタイプのモノマーを重合することにより調製されるポリマー化合物を指す。したがって、ポリマーという総称は、ホモポリマーという用語(微量の不純物がポリマー構造に組み込まれ得るという理解の下に、1タイプのみのモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、及び本明細書で以下で定義されるようなインターポリマーという用語を含む。触媒残留物などの微量の不純物は、ポリマー中に及び/又はポリマー内に組み込まれ得る。典型的には、ポリマーは、非常に少量(「ppm」量)の1つ以上の安定剤で安定化される。
【0040】
本明細書で使用される場合、「インターポリマー」という用語は、少なくとも2つの異なるタイプのモノマーの重合によって調製されるポリマーを指す。したがって、インターポリマーという用語は、コポリマーという用語(2つの異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを指すために用いられる)、及び2つを超える異なるタイプのモノマーから調製されるポリマーを含む。
【0041】
本明細書で使用される場合、「オレフィン系ポリマー」という用語は、重合形態で(ポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半重量パーセントの、エチレン又はプロピレンなどの、オレフィンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0042】
本明細書で使用される場合、「プロピレン系ポリマー」という用語は、重合形態で(ポリマーの重量に基づいて)過半重量パーセントのプロピレンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0043】
本明細書で使用される場合、「エチレン系ポリマー」という用語は、重合形態で(ポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半重量パーセントのエチレンを含み、任意選択的に1つ以上のコモノマーを含み得るポリマーを指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー」という用語は、重合形態で(インターポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半重量パーセントのエチレン、及びアルファ-オレフィンを含むマルチブロックインターポリマーを指す。本明細書で使用される場合、「エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマー」という用語は、重合形態で、2つのみのモノマータイプとして、(コポリマーの重量に基づいて)50重量%又は過半量のエチレンモノマー、及びアルファ-オレフィンを含むマルチブロックコポリマーを指す。これまでの考察を参照されたい。
【0045】
「含む(comprising)」、「含む(including)」、「有する(having)」という用語、及びそれらの派生語は、それらが具体的に開示されているか否かにかかわらず、任意の追加の構成要素、ステップ、又は手順の存在を排除することを意図するものではない。疑義を回避するために、「含む(comprising)」という用語の使用を通じて特許請求される全ての組成物は、特に反対の記載がない限り、ポリマーであるかその他であるかによらず、任意の追加の添加剤、アジュバント、又は化合物を含み得る。対照的に、「から本質的になる」という用語は、実施可能性に不可欠でないものを除き、任意の次に続く詳説の範囲から、任意の他の成分、ステップ、又は手順を除外する。「からなる」という用語は、具体的に描写又は列記されていない任意の成分、ステップ、又は手順を除外する。
【0046】
いくつかの組成物の特徴の列挙
A]組成物であって、以下:
a)ソフトセグメント(SS)及びハードセグメント(HS)を含む少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーであって、そのインターポリマーは、以下の特性;
i)メルトインデック(I2)≧30dg/分、
ii)「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比≧18、
iii)SSのHSに対する重量比≦12.0、を含む、インターポリマーと、
b)少なくとも1つの粘着付与剤及び/又は少なくとも1つの油と、を含む、組成物。
【0047】
B]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)が、≧35、又は≧40、又は≧45、又は≧50、又は≧55dg/分のメルトインデックス(I2)を有する、上記A]に記載の組成物。
【0048】
C]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦300、又は≦250、又は≦200、又は≦150、又は≦140、又は≦130、又は≦120、又は≦110dg/分のメルトインデックス(I2)を有する、上記A]又はB]に記載の組成物。
【0049】
D]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比≧19、又は≧20、又は≧21を有する、上記A]~C](A]からC])のいずれか1つに記載の組成物。
【0050】
E]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、「SS中のアルファ-オレフィン」の「HS中のアルファ-オレフィン」に対するモル比≦100、又は≦80、又は≦60、又は≦50、又は≦40、又は≦30を有する、上記A]~D]のいずれか1つに記載の組成物。
【0051】
F]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、HS中のモノマーの総モルに基づいて、≦0.90mol%、又は≦0.88mol%、又は≦0.86mol%、又は≦0.84mol%の、HS中アルファ-オレフィン量を有する、上記A]~E]のいずれか1つに記載の組成物。
【0052】
G]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、HS中のモノマーの総モルに基づいて、≧0.50mol%、又は≧0.55mol%、又は≧0.60mol%、又は≧0.65mol%、又は≧0.70mol%の、HS中アルファ-オレフィン量を有する、上記A]~F]のいずれか1つに記載の組成物。
【0053】
H]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SS中のモノマーの総モルに基づいて、≦20.0mol%、又は≦19.5mol%、又は≦19.0mol%、又は≦18.5mol%、又は≦18.0mol%、又は≦17.8mol%、又は≦17.6mol%、又は≦17.5mol%の、SS中アルファ-オレフィン量を有する、上記A]~G]のいずれか1つに記載の組成物。
【0054】
I]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SS中のモノマーの総モルに基づいて、≧15.0mol%、又は≧15.5mol%、又は≧16.0mol%、又は≧16.5mol%、又は≧17.0mol%の、SS中のアルファ-オレフィン量を有する、上記A]~H]のいずれか1つに記載の組成物。
【0055】
J]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SSのHSに対する重量比≦11.8、又は≦11.6、又は≦11.4、又は≦11.2、又は、又は≦11.0、又は≦10.8、又は≦10.6、又は≦10.4、又は≦10.2を有する、上記A]~I]のいずれか1つに記載の組成物。
【0056】
K]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SSのHSに対する重量比≧5.0、又は≧5.5、又は≧6.0、又は≦6.2、又は≧6.4、又は≧6.6、又は≧6.8、又は≧7.0、又は≧7.2を有する、上記A]~J]のいずれか1つに記載の組成物。
【0057】
L]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SSとHSとの合計重量に基づいて、≦98重量%、又は≦96重量%、又は≦94重量%、又は≦92重量%のSS量を有する、上記A]~K]のいずれか1つに記載の組成物。
【0058】
M]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、
SSとHSとの合計重量に基づいて、≧70重量%、又は≧75重量%、又は≧80重量%、又は≦82重量%、又は≧84重量%、又は≧86重量%、又は≧88重量%のSS量を有する、上記A]~L]のいずれか1つに記載の組成物。
【0059】
N]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SSとHSとの合計重量に基づいて、≦20重量%、又は≦18重量%、又は≦16重量%、又は≦14重量%、又は≦12重量%のHS量を有する、上記A]~M]のいずれか1つに記載の組成物。
【0060】
O]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、SSとHSとの合計重量に基づいて、≧7重量%、又は≧8重量%、又は≧9重量%のHS量を有する、上記A]~N]のいずれか1つに記載の組成物。
【0061】
P]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、インターポリマー中のモノマーの総モルに基づいて、≧10mol%、又は≧11mol%、又は≧12mol%、又は≧13mol%、又は≧14mol%、又は≧15mol%のアルファ-オレフィン総量を有する、上記A]~O]のいずれか1つに記載の組成物。
【0062】
Q]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、インターポリマー中のモノマーの総モルに基づいて、≦50mol%、又は≦40mol%、又は≦30mol%、又は≦25mol%、又は≦20mol%、又は≦18mol%、又は≦16mol%のアルファ-オレフィン総量を有する、上記A]~P]のいずれか1つに記載の組成物。
【0063】
R]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧0.856g/cc、≧0.858g/cc、≧0.860g/cc、又は≧0.862g/cc、≧0.863g/cc、又は≧0.864g/cc、又は≧0.865g/cc、又は≧0.866g/cc、又は≧0.867g/cc(1cc=1cm3)の密度を有する、上記のA]~Q]のいずれか1つに記載の組成物。
【0064】
S]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦0.874g/cc、又は≦0.873g/cc、又は≦0.872g/cc、又は≦0.871g/cc、又は≦0.870g/cc、又は≦0.869g/ccの密度を有する、上記A]~R]のいずれか1つに記載の組成物。
【0065】
T]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧1.5、又は≧1.6、又は≧1.7、又は≧1.8、又は≧1.9、又は≧2.0、又は≧2.1の分子量分布MWD(=Mw/Mn)を有する、上記のA]~S]のいずれか1つに記載の組成物。
【0066】
U]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦3.0、又は≦2.9、又は≦2.8、又は≦2.7、又は≦2.6、又は≦2.5、又は≦2.4、又は≦2.3、又は≧2.2の分子量分布MWDを有する、上記A]~T]のいずれか1つに記載の組成物。
【0067】
V]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧14,000g/mol、又は≧15,000g/mol、又は≧16,000g/mol、又は≧17,000g/mol、又は≧18,000g/molの数平均分子量Mnを有する、上記のA]~U]のいずれか1つに記載の組成物。
【0068】
W]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦30,000g/mol、又は≦28,000g/mol、又は≦26,000g/mol、又は≦24,000g/mol、又は≦22,000g/molの数平均分子量Mnを有する、上記のA]~V]のいずれか1つに記載の組成物。
【0069】
X]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧30,000g/mol、又は≧32,000g/mol、又は≧34,000g/mol、又は≧36,000g/mol、又は≧38,000g/molの重量平均分子量Mwを有する、上記のA]~W]のいずれか1つに記載の組成物。
【0070】
Y]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦60,000g/mol、又は≦58,000g/mol、又は≦56,000g/mol、又は≦54,000g/mol、又は≦52,000g/mol、又は≦50,000g/mol、
≦48,000g/mol、又は≦46,000g/molの重量平均分子量Mwを有する、上記のA]~X]のいずれか1つに記載の組成物。
【0071】
Z]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤又は少なくとも1つの油を含む、上記A]~Y]のいずれか1つに記載の組成物。
【0072】
AA]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤及び少なくとも1つの油を含む、上記A]~Y]のいずれか1つに記載の組成物。
【0073】
BB]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤及び少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの粘着付与剤の少なくとも1つの油に対する重量比が、≧2.0、又は≧2.5、≧3.0、又は≧3.5、又は≧4.0である、上記のA]~Y]又はAA]のいずれか1つに記載の組成物。
【0074】
CC]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤及び少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの粘着付与剤の少なくとも1つの油に対する重量比が、≦6.0、又は≦5.5、又は≦5.0、又は≦4.5である、A]~Y]、AA]又はBB]のいずれか1つに記載の組成物。
【0075】
DD]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤及び任意選択的に少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの粘着付与剤の少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーに対する重量比が、≧0.8、又は≧1.0、又は≧1.2、又は≧1.4である、上記A]~CC]のいずれか1つに記載の組成物。
【0076】
EE]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤及び任意選択的に少なくとも1つの油を含み、少なくとも1つの粘着付与剤の少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーに対する重量比が、≦3.0、又は≦2.8、又は≦2.6、又は≦2.4、又は≦2.2、又は≦2.0、又は≦1.8、又は≦1.6である、上記A]~DDのいずれか1つに記載の組成物。
【0077】
FF]組成物が、少なくとも1つの油及び任意選択的に少なくとも1つの粘着付与剤を含み、少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーの少なくとも1つの油に対する重量比が、≧2.0、又は≧2.2、又は≧2.4、又は≧2.5、又は≧2.6、又は≧2.7である、上記のA]~EE]のいずれか1つに記載の組成物。
【0078】
GG]組成物が、少なくとも1つの油及び任意選択的に少なくとも1つの粘着付与剤を含み、少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーの少なくとも1つの油に対する重量比が、≦4.0、又は≦3.8、又は≦3.6、又は≦3.4、又は≦3.2、又は≦3.0である、上記のA]~FF]のいずれか1つに記載の組成物。
【0079】
HH]組成物が、組成物の重量に基づいて、≧20重量%、又は≧22重量%、又は≧24重量%、又は≧26重量%、又は≧28重量%、又は≧30重量%、又は≧32重量%、又は≧34重量%の少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーを含む、上記A]~GG]のいずれか1つに記載の組成物。
【0080】
II]組成物が、組成物の重量に基づいて、≦50重量%、又は≦48重量%、又は≦46重量%、又は≦44重量%、又は≦42重量%、又は≦40重量%、又は≦38重量%、又は≦36重量%の少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーを含む、上記A]~HH]のいずれか1つに記載の組成物。
【0081】
JJ]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤を含み、更に、組成物の重量に基づいて、≧40重量%、又は≧42重量%、又は≧44重量%、又は≧46重量%、又は≧48重量%、又は≧50重量%、又は≧51重量%、又は≧52重量%の少なくとも1つの粘着付与剤を含む、上記A]~II]のいずれか1つに記載の組成物。
【0082】
KK]組成物が、少なくとも1つの粘着付与剤を含み、更に、組成物の重量に基づいて、≦70重量%、又は≦65重量%、又は≦60重量%、又は≦58重量%、又は≦56重量%、又は≦54重量%の少なくとも1つの粘着付与剤を含む、上記A]~JJ]のいずれか1つに記載の組成物。
【0083】
LL]組成物が、少なくとも1つの油を含み、更に、組成物の重量に基づいて、≧6重量%、又は≧8重量%、又は≧10重量%、又は≧11重量%、又は≧12重量%の少なくとも1つの油を含む、上記A]~KK]のいずれか1つに記載の組成物。
【0084】
MM]組成物が、少なくとも1つの油を含み、更に、組成物の重量に基づいて、≦20重量%、又は≦18重量%、又は≦16重量%、又は≦14重量%の少なくとも1つの油を含む、上記A]~LL]のいずれか1つに記載の組成物。
【0085】
NN]組成物が、組成物の重量に基づいて、≧98.5重量%、≧99.0重量%、又は≧99.1重量%、又は≧99.2重量%、又は≧99.3重量%、又は≧99.4重量%の少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーと、少なくとも1つの粘着付与剤と、少なくとも1つの油との合計を含む、上記A]~MM]のいずれか1つに記載の組成物。
【0086】
OO]組成物が、組成物の重量に基づいて、≦100.0重量%、又は≦99.9重量%、≦99.8重量%、又は≦99.7重量%、又は≦99.6重量%、又は≦99.5重量%の少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーと、少なくとも1つの粘着付与剤と、少なくとも1つの油との合計を含む、上記A]~NN]のいずれか1つに記載の組成物。
【0087】
PP]組成物が、(177℃)≧2,000cP、又は≧2,400cP、又は≧2,600cP、又は≧2,800cP、又は≧3,000cP、又は≧3,200cPの粘度を有するA]~OO]のいずれか1つに記載の組成物。
【0088】
QQ)組成物が、≦15,000cP、又は≦14,000cP、又は≦13,000cP、又は≦12,000cP、又は≦11,000cP、又は≦10,000cP、又は≦9,000cP、又は≦8,000cP、又は≦7,000cP、又は≦6,800cP、又は≦6,600cP、又は≦6,400cP、又は≦6,200cPの粘度(177℃)を有する、上記A]~PP]のいずれか1つに記載の組成物。
【0089】
RR]組成物が、≧24N、又は≧26N、又は≧28N以上、又は≧30N、又は≧32Nのループタックを有する、上記A]~QQのいずれか1つに記載の組成物。
【0090】
SS]組成物が、≦100N、又は≦90N、又は≦80N、又は≦70N、又は≦60N、又は≦50N、又は≦45Nのループタックを有する、上記A]~RRのいずれか1つに記載の組成物。
【0091】
TT]組成物が、≧5.0lb/in、又は≧6.0lb/in、又は≧6.5lb/in、又は≧7.0lb/in、又は≧7.5lb/in、又は≧8.0lb/inの90度剥離を有する、上記A]~SS]のいずれか1つに記載の組成物。
【0092】
UU]組成物が、≦50lb/in、又は≦40lb/in、又は≦30lb/in、又は≦20lb/in、又は≦15lb/inの90度剥離を有する、上記A]~TTのいずれか1つに記載の組成物。
【0093】
組成物が、次の関係:[(ループタック(N)/(粘度(cP))×(1000(cP/N))]≧4.0、又は≧4.2、又は≧4.4、又は≧4.6、又は≧4.8、又は≧5.0、又は≧5.2を満たす、上記A]~UU]のいずれか1つに記載の組成物。粘度は、177℃で測定した。
【0094】
WW]組成物が、次の関係:[(ループタック(N)/(粘度(cP))×(1000(cP/N))]≦20、又は≦18、又は≦16、又は≦14、又は≦12を満たす、上記A]~VV]のいずれか1つに記載の組成物。粘度は、177℃で測定した。
【0095】
XX]組成物が、次の関係:[(90度剥離(lb/in)/(粘度(cP))×(1000(cP・in/lb))]≧1.0、又は≧1.1、又は≧1.2、又は≧1.3を満たす、上記A]~WW]のいずれか1つに記載の組成物。粘度は、177℃で測定した。
【0096】
YY]組成物が、
次の関係:[(90度剥離(lb/in)/(粘度(cP))×(1000(cP・in/lb))]≦4.0、又は≦3.5、又は≦3.0、又は≦2.9を満たす、上記A]~XX]のいずれか1つに記載の組成物。粘度は、177℃で測定した。
【0097】
ZZ]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)のアルファ-オレフィンが、C3~C20アルファ-オレフィンであり、及び更にはC3~C10アルファ-オレフィンである、上記A]~YY]のいずれか1つに記載の組成物。
【0098】
A3]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)のアルファ-オレフィンが、プロピレン、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン又は1-オクテン、及び更にプロピレン、1-ブテン又は1-オクテン、
及び更に1-ブテン又は1-オクテン、及び更に1-オクテンから選択される、上記A]~ZZ]のいずれか1つに記載の組成物。
【0099】
B3]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである、上記A]~A3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0100】
C3]エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、次の:すなわち、エチレン/プロピレンマルチブロックコポリマー、エチレン/ブテンマルチブロックコポリマー、又はエチレン/オクテンマルチブロックコポリマー、及び更にエチレン/ブテンマルチブロックコポリマー、又はエチレン/オクテンマルチブロックコポリマー、及び更にエチレン/オクテンマルチブロックコポリマーから選択される、上記A]~B3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0101】
D3]組成物が、1つ以上の特徴において、例えば、モノマーのタイプ、分布、及び/又は量、密度、メルトインデックス(I2)、Mn、Mw、Mz、MWD、ムーニー粘度、V0.1、V100、RR、又はこれらの任意の組み合わせにおいて、及び更に、1つ以上の特徴において、例えば、モノマーのタイプ、分布、及び/又は量、密度、メルトインデックス(I2)、及び/又は量、Mn、Mw、MWD、又はこれらの任意の組み合わせにおいて、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)とは異なる熱可塑性ポリマーを更に含む、上記A]~C3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0102】
E3]組成物が、成分aのためのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーを1つだけ含む、上記A]~D3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0103】
F3]組成物が、組成物の重量に基づいて、≧98.5%、≧99.0重量%、又は≧99.1重量%、又は≧99.2重量%、又は≧99.3重量%、又は≧99.4重量%の、成分a)とb)との合計を含む、上記のA]~E3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0104】
G3]組成物が、組成物の重量に基づいて、≦100.0重量%、又は≦99.9量%、又は≦99.8量%、又は≦99.7量%、又は≦99.6重量%、又は≦99.5重量%の、成分a)とb)との合計を含む、上記のA]~F3]のいずれか1つに記載の組成物。
【0105】
H3]組成物が、接着剤組成物であり、及び更に感圧接着剤又はホットメルト接着剤、及び更にホットメルト接着剤である、上記A]~G3のいずれか1つに記載の組成物。
【0106】
I3]上記のA]~H3]のいずれか1つに記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む、物品。
【0107】
J3]物品が、おむつ又は医療用衣類である、上記I3]に記載の物品。
【0108】
試験方法
ゲル浸透クロマトグラフィ(Gel Permeation Chromatography、GPC)
クロマトグラフィシステムは、内部IR5赤外線検出器(IR5)を装備したPolymerChar GPC-IR(スペイン、バレンシア)の高温GPCクロマトグラフで構成された。オートサンプラのオーブンコンパートメントは、160℃に設定し、カラムコンパートメントは、150℃に設定した。カラムは、4つのAGILENT「Mixed A」30cm、20ミクロンの直線状混床式カラムであった。クロマトグラフィ溶媒は、200ppmのブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)を含有した、1,2,4-トリクロロベンゼンであった。溶媒源を、窒素スパージした。注入量は、200マイクロリットルであり、流量は、1.0ミリリットル/分であった。
【0109】
GPCカラムセットの較正は、580~8,400,000の範囲の分子量を有する21の「狭分子量分布」ポリスチレン標準物質を用いて行い、それらの標準は、個々の分子量の間が少なくとも10倍離れた6つの「カクテル」混合物として準備した。標準物質を、Agilent Technologiesから購入した。ポリスチレン標準物質は、1,000,000以上の分子量の場合は「溶媒50ミリリットル中に0.025グラム」で、1,000,000未満の分子量の場合は「溶媒50ミリリットル中に0.05グラム」で調製した。ポリスチレン標準物質を、80℃で30分間、静かに撹拌しながら溶解した。ポリスチレン標準物質のピーク分子量を、式1を使用してポリエチレン分子量に変換した(Williams and Ward,J.Polym.Sci.,Polym.Let.,6,621(1968)に記載のとおり)。
【0110】
Mポリエチレン=A×(Mポリスチレン)B(等式1)(式中、Mは分子量であり、Aは0.4315の値を有し、Bは1.0に等しい)。
【0111】
五次多項式を使用して、それぞれのポリエチレン等価較正点に当てはめた。Aに対してわずかな調整(約0.375~0.445)を行い、カラム分解能及びバンド拡張効果を、線状ホモポリマーポリエチレン標準物質が120,000Mwで得られるように補正した。
【0112】
GPCカラムセットの合計プレート計数は、デカン(50ミリリットルのTCB中0.04gで調製し、穏やかに撹拌しながら20分間溶解した)を用いて行った。プレート計数(等式2)及びシンメトリ(等式3)を、
以下の等式によって200マイクロリットル注入について測定した。
【0113】
【数1】
(式中、RVはミリリットル単位の保持体積であり、ピーク幅はミリリットル単位であり、ピーク最大はピークの最大高さであり、1/2高さは、ピーク最大の1/2高さである)、及び
【0114】
【数2】
(式中、RVはミリリットル単位での保持体積であり、ピーク幅はミリリットル単位であり、ピーク最大はピークの最大位置であり、1/10高さはピーク最大の1/10高さであり、後ピークとはピーク最大よりも後の保持体積でのピークテールを指し、前ピークとはピーク最大よりも前の保持体積でのピークフロントを指す)。クロマトグラフィシステムのプレート計数は18,000超になるべきであり、対称性は0.98~1.22になるべきである。
【0115】
試料をPolymerChar「Instrument Controlソフトウェア」を用いて半自動で調製し、「2mg/ml」を試料の標的重量とし、PolymerChar高温オートサンプラを介して、予め窒素をスパージしたセプタキャップ付きバイアルに溶媒(200ppmのBHTを含有していた)を添加した。「低速」振盪下で、160℃で2時間、試料を溶解した。
【0116】
Mn(GPC)、Mw(GPC)、及びMz(GPC)は、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアと、等間隔の各データ収集点(i)においてベースラインを差し引いたIRクロマトグラフと、等式1からの点(i)における狭い標準較正曲線から得られたポリエチレン等価分子量とを使用して、等式4~6に従うPolymerChar GPC-IRクロマトグラフの内部IR5検出器(測定チャンネル)を使用して、GPC結果に基づいて計算した。等式4~6は、以下のとおりである:
【0117】
【0118】
経時的な偏差を監視するために、PolymerChar GPC-IRシステムで制御されたマイクロポンプを介して、各試料に流量マーカー(デカン)を導入した。この流量マーカー(flowrate marker、FM)を、試料中のそれぞれのデカンピーク(RV(FM試料))のRVを、狭い標準較正(RV(FM較正済み))内のデカンピークのそれと整合することによって、各試料のポンプ流量(流量(見かけ))を直線的に補正するために使用した。その場合、デカンマーカーピークの経時的なあらゆる変化は、運転全体の流量(流量(有効))における線形シフトに関連していると仮定された。流量マーカーピークのRV測定の最高精度を促進させるために、最小二乗当てはめルーチンを使用して、流量マーカー濃度クロマトグラムのピークを二次方程式に当てはめた。次いで、二次方程式の一次導関数を使用して、真のピーク位置を求めた。流量マーカーピークに基づいてシステムを較正した後、(狭い標準較正に関して)有効流量を、等式7のように計算した:流量(実効)=流量(見かけ)*(RV(FM較正済み)/ RV(FM試料))(等式7)。流量マーカーピークの処理を、PolymerChar GPCOne(商標)ソフトウェアを介して行った。許容される流量補正は、有効流量が、見かけの流量の+/-0.7%以内のものである。
【0119】
メルトインデックス
エチレン系ポリマーのメルトインデックスI2は、ASTM D-1238、条件190℃/2.16kgに従って測定される。プロピレン系ポリマーのメルトフローレートMFRは、ASTM D-1238、条件230℃/2.16kgに従って測定される。
【0120】
密度
ポリマーの密度は、ASTM D1928に従ってポリマー試料を調製し、次いで、試料プレスの1時間以内にASTM D792、方法Bに従って密度を測定することによって測定される。
【0121】
次のものを測定するための13C NMR:A)ハードセグメント(HS)の量及びソフトセグメント(SS)の量、B)ハードセグメント(HS)におけるアルファ-オレフィンの量及びソフトセグメント(SS)のアルファ-オレフィンの量、C)エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーにおけるアルファ-オレフィンの総量
13C NMR分光法は、ポリマー中へのコモノマーの組み込みを測定するための当該技術分野で知られているいくつもの技術のうちの1つである。この技術の例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるRandall(Journal of Macromolecular Science,Reviews in Macromolecular Chemistry and Physics,C29(2&3),201-317(1989))において、エチレン/アルファ-オレフィンコポリマーのコモノマー含有量の測定で記載されている。エチレン/アルファ-オレフィンインターポリマーのコモノマー含有量を決定するための基本手順は、試料中の異なる炭素に対応するピークの強度が、試料中の寄与する核の総数に正比例する条件下で、13C NMRスペクトルを取得することを含む。この比例関係を確実にするための方法は、当該技術分野で知られており、パルス後の緩和のための十分な許容時間、ゲートデカップリング技術、緩和剤の使用などを含む。ピーク又はピーク群の相対強度は、実際には、当該ピークをコンピュータで積分することにより得られる。スペクトルを取得してピークを積分した後、コモノマーと関連するこれらのピークを割り当てる。この割り当ては、既知のスペクトル若しくは文献の参照、又はモデル化合物の合成及び分析、又は同位体で標識されたコモノマーの使用により行うことができる。コモノマーのモル%は、前述のRandallの参考文献に記載されているように、インターポリマー中の全モノマーのモル数に対応する積分に対する、コモノマーのモル数に対応する積分の比により決定することができる。
【0122】
ハードセグメントは、一般に、約2.0重量%未満のコモノマーを有するため、スペクトルへのその主要な寄与は、約30ppmでの積分に関するのみである。「30ppmにない」ピークに寄与するハードセグメントは、分析の開始時に無視できると仮定される。したがって、開始点について、「30ppmにない」ピークの積分は、ソフトセグメントのみに由来すると仮定される。これらの積分は、線形最小二乗法最小化を使用して、コポリマーに関する一次マルコフ統計モデルに適合させて、使用されるフィッティングパラメータ(すなわち、オクテンの後のオクテン挿入の確率Poo及びエチレンの後のオクテン挿入の確率Peo)を生成し、30ppmピークへのソフトセグメントの寄与を計算する。「合計の測定された30ppmピーク積分」と「計算された30ppmピークへのソフトセグメント積分の寄与」との差は、ハードセグメントに由来する寄与である。したがって、実験スペクトルは、ここでそれぞれ、ソフトセグメント及びハードセグメントを記述する2つの積分リストにデコンボリューションされている。ハードセグメントの重量パーセントの計算は、複雑なものではなく、ハードセグメントスペクトルに関する積分合計対全スペクトルに関する積分合計の比によって、計算される。
【0123】
デコンボリューションされたソフトセグメント積分リストから、コモノマー組成物は、例えば、Randallの方法に従って計算することができる。スペクトル全体のコモノマー組成及びソフトセグメントのコモノマー組成から、ハードセグメントのコモノマー組成を計算するために質量バランスを使用することができる。ハードセグメントのコモノマー組成から、ベルヌーイ統計を使用して、「非30ppmピーク」の積分に対するハードセグメントの寄与を計算する。通常は、ハードセグメントにはオクテンがほとんど存在しておらず、典型的には、約0~約1mol%であるため、ベルヌーイ統計は、妥当でロバストな近似である。次いで、これらの寄与を、「非30ppmピーク」の実験的積分から差し引く。次いで、得られた「非30ppmピーク」積分を、上記の段落に記載したように、コポリマーに関する一次マルコフ統計モデルに適合させる。反復プロセスを、以下の様式で実行する:合計「非30ppmピーク」に適合させ、次いで、30ppmピークに対するソフトセメントの寄与を計算し、次いで、ソフト/ハードセグメント分割を計算し、次いで、「非30ppmピーク」に対するハードセメントの寄与を計算し次いで、「非30ppmピーク」に対するハードセグメントの寄与を補正し、結果として得られた「非30ppmピーク」を適合させる。これを、ソフト/ハードセグメント分割に関する値が最小誤差関数に収束するまで繰り返す。各セグメントに関する最終コモノマー組成を報告する。
【0124】
測定の検証は、いくつかのインサイチュポリマーブレンドの分析を通じて達成される。重合及び触媒濃度の設計により、予想される分割を、測定されたNMR分割値と比較する。表Aは、エチレンオクテンポリマーに関する化学シフト帰属を示している。
【0125】
【0126】
以下の実験手順を使用した。各試料を、10mmのNMRチューブ中0.2グラム試料に、クロムアセチルアセトネート(緩和剤)中の0.025Mである、約2.6グラムのテトラクロロエタン-d2/オルトジクロロベンゼンの50/50混合物を添加することによって、調製した。チューブ及びその内容物を150℃まで加熱することによって、試料を溶解し、均質化した。データは、Bruker Dual DUL高温CryoProbeを備えたBruker 400MHz分光計を使用して収集した。データは、1データファイル当たり160回のスキャン、6秒のパルス反復遅延を使用して、120℃の試料温度で取得した。25,000Hzの分光幅及び32Kデータポイントのファイルサイズを使用して、取得を行った。
【0127】
接着剤粘度
ASTM規格D1986に従って、ブルックフィールド温度調節器及びサーモセルを備えたモデルDV-Iプライムのブルックフィールドデジタル粘度計を使用して、各組成物(8~9グラム)の粘度を測定した。スピンドルSC4-31を使用し、温度は177℃であった。
【0128】
ループタック
ループタックは、PSTC-16、方法Aに従って、「12インチ/分」の試験速度でINSTRONを使用して、ステンレス鋼プレート(2インチ×6インチ、Chem Instrumentsから入手可能)について測定した。各接着剤配合物を、150℃でホットメルトナイフコータを使用して、コロナで処理したポリエステルフィルム(MYLAR)上に、コーティング重量20±2g/m2でコーティングして、テープを形成した。各テープを、CHEMINSTRUMENTS RP-12シリコーン剥離ライナ(試験前に接着剤層を保護するため)で仕上げ、1インチ幅のストリップに切断した。テープの接着剤面を、PSTC-16、方法Aに従ってステンレス鋼プレートに接触させた。少なくとも3つの試験試料を試験して、その平均を報告した。
【0129】
90度剥離
引き剥がし接着力は、PSTC-101、方法Fに従って、「12インチ/分」の試験速度でINSTRONを使用して、ステンレス鋼プレート(上記を参照されたい)について測定した。各接着剤配合物を、150℃でホットメルトナイフコータを使用して、コロナで処理したポリエステルフィルム(MYLAR)上に、コーティング重量20±2g/m2でコーティングして、テープを形成した。各テープを、CHEMINSTRUMENTS RP-12シリコーン剥離ライナ(試験前に接着剤層を保護するため)で仕上げ、1インチ幅のストリップに切断した。テープの接着剤面を、PSTC-101、方法Fに従ってステンレス鋼プレートに接触させた。少なくとも3つの試験試料を試験して、その平均を報告した。
【0130】
実験
ポリマー合成及び特性
連続溶液重合は、内部撹拌機を備えたバッチ反応器(例えば、CSTR)中で行った。精製した混合アルカン溶媒(ExxonMobilから入手可能なISOPAR E)、モノマー、及び分子量調節剤(水素又は鎖シャトリング剤)を、温度制御用のジャケットを備えた「3.8L」反応器に供給した。反応器への溶媒の供給は、マスフローコントローラによって測定した。ポンプは、溶媒流量、及び反応器への圧力を制御した。ポンプの排出時には、プロ触媒、助触媒、及び鎖シャトリング剤(触媒成分溶液)の注入ラインにフラッシュフローを提供するために側流を取り入れた。これらの流れを測定し、制御して、効率的な生産速度を維持した。残りの溶媒をモノマー及び水素と混合し、反応器に供給した。溶媒/モノマー溶液の温度は、熱交換器を使用することによって、制御した。この溶液流は反応器の底部に入った。
【0131】
触媒成分溶液は、ポンプ及び流量計を使用して計量し、触媒フラッシュ溶媒と組み合わせて、反応器の底部に導入した。反応器は、激しく撹拌しながら「500psig」で液体で満たされた。反応器の頂部の出口ラインを通して、ポリマーを取り出した。反応器流出物を、好適な試薬(水)の添加及び反応によって失活させ、ポリマー安定化のために他の添加剤を添加した。触媒の失活及び添加剤添加に続いて、脱揮発分によってポリマーを非ポリマー流から取り出した。単離されたポリマー溶融物をペレット化して収集した。重合条件を表1に示し、ポリマー特性を表2A及び2Bに示す。表1において、各「ppm」量は、それぞれの触媒(又は助触媒)供給溶液の重量に基づくものであり、ポリマーの「重量%」は、反応器の内容物の重量に基づく。
【0132】
考察されたように、INFUSE 9807(The Dow Chemical Company)の特性を含むポリマー特性を表2A及び表2Bに示す。表2Bでは、表記SSはソフトセグメントを指し、HSはハードセグメントを指し、C8は重合オクテンを指す。
【0133】
【表2】
*OBC 1 =エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー#1。
**OBC 2 =エチレン/オクテンマルチブロックコポリマー#2。
A:[N-[2,6-ビス(1-メチルエチル)フェニル]-アルファ-[2-(1-メチルエチル)フェニル]-6-(1-ナフタレニル-カッパC2)-2-ピリジンメタナミナト(2-)-カッパN1,カッパN2]ジメチル-ハフニウム(米国特許出願公開第2011/0262747号及び米国特許第7524911号)。
B:ビス[2,4-ビス(1,1-ジメチルエチル)-6-[[(2-メチルシクロヘキシル)イミノ-カッパN]メチル]フェノラト-
カッパO]ジメチル-ジルコニウム(米国特許出願公開第2011/0262747号及び米国特許第7524911号)。
C:アミン、ビス(水素化タローアルキル)メチル、テトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレート(1-)。
D(鎖シャトリング剤):ジエチル亜鉛/トリエチルアルミニウム。
【0134】
【0135】
【表4】
a:OBC中のオクテンのモルパーセント、OBC中のモノマーの総モルに基づく。13C NMRによって測定した。
b:OBC中のオクテンの重量パーセント、13C NMRからの「OBC中のオクテンのモルパーセント」から決定した。
c:それぞれのセグメント中のモノマーの総モルに基づく、それぞれのセグメント(SS又はHS)中のオクテンのモルパーセント。13C NMRによって測定した。
d:SS及びHSの合計重量に基づく、それぞれのセグメント(HSのSS)の重量パーセント。13C NMRによって測定した。
【0136】
接着剤組成物及びコーティング
各接着剤組成物は、次の成分を含んでいた:35重量%のOBC+52.5重量%の粘着付与剤(REGALITE 1090)+12.5重量%の油(PARALUX 6001)。配合物を、4848反応器コントローラを用いて、PARR 4560ミニベンチトップ反応器によって調製し混合した。配合物を150℃及び150rpmで混合した。全ての配合成分をPARR反応器に入れ、30分間混合した。各接着剤配合物を、150℃で、コロナ処理されたポリエステルフィルム上に、20±2g/m2のコーティング重量でコーティングした。上記の「試験方法」セクションを参照されたい。
【0137】
接着性
粘度(177℃)、「ループタック」及び「90度剥離」を各組成物について調べた。結果を、表3に示す。認められるように、各発明の組成物は、はるかに低い粘度を有するが、有意により高い粘着性及び剥離値を示した。
【0138】
【手続補正書】
【提出日】2022-12-29
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
組成物であって、
a)ソフトセグメント(SS)及びハードセグメント(HS)を含む少なくとも1つのエチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーであって、以下の特性:
i)メルトインデック(I2)≧30dg/分、
ii)「前記SS中の前記アルファ-オレフィン」の「前記HS中の前記アルファ-オレフィン」に対するモル比≧18、
iii)前記SSの前記HSに対する重量比≦12.0、
を含む、インターポリマーと、
b)少なくとも1つの粘着付与剤及び/又は少なくとも1つの油と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、前記インターポリマー中のモノマーの総モルに基づいて、≧10mol%のアルファ-オレフィン量を有する、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧0.856g/ccの密度を有する、請求項1又は2に記載の組成物。
【請求項4】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦0.874g/ccの密度を有する、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≧1.5の分子量分布MWD(=Mw/Mn)を有する、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、≦3.0の分子量分布MWD(=Mw/Mn)を有する、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、前記組成物の合計重量に基づいて、≧98.5重量%の、成分aとbとの合計、を含む、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマー(成分a)の前記アルファ-オレフィンが、C3~C20アルファ-オレフィンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
成分の前記エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックインターポリマーが、エチレン/アルファ-オレフィンマルチブロックコポリマーである、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物から形成された少なくとも1つの成分を含む物品。
【国際調査報告】