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特表2023-524470圧迫衣料を着用する為のアセンブリ、装置、システム、及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】圧迫衣料を着用する為のアセンブリ、装置、システム、及び方法
(51)【国際特許分類】
   A47G 25/90 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
A47G25/90
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566160
(86)(22)【出願日】2021-03-15
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 NL2021050174
(87)【国際公開番号】W WO2021221494
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】2025439
(32)【優先日】2020-04-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】NL
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522422595
【氏名又は名称】ザヘルプソック ホールディング ビー.ブイ.
(74)【代理人】
【識別番号】100118599
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 博司
(74)【代理人】
【識別番号】100160738
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 由加里
(72)【発明者】
【氏名】モーリス,インマル クリスティアーン
(72)【発明者】
【氏名】アリエン,ダニエル エリック
(72)【発明者】
【氏名】ファン デル ヴェークト,ヘルマン
【テーマコード(参考)】
3K099
【Fターム(参考)】
3K099AA14
3K099BA15
3K099CA25
3K099CB01
3K099CB41
3K099DA13
(57)【要約】
圧迫衣料(4)を着用する為のアセンブリ(2)であって、主リング軸(R)の周りに延在する、開くことが可能な閉じられたリング構造(8)を互いに一緒に形成する複数のリング部(6、6’)の組を備えており、上記リング構造(8)は、伸ばされた圧迫衣料(4)をその上に受けるところの周方向壁(10)を備えており、
該リング構造(8)は、該受けられた衣料(4)による該周方向壁(10)の径方向の圧迫に抵抗するように構成されており、
該複数のリング部(6、6’)のうちの少なくとも2つは、該リング構造(8)を開く為に互いに対して移動可能であり、
少なくとも1つの通路(12a、12b)が、該閉じられたリング構造(8)の該周方向壁(10)に設けられている、前記アセンブリ。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧迫衣料(4)を着用する為のアセンブリ(2)であって、主リング軸(R)の周りに延在する、開くことが可能な閉じられたリング構造(8)を互いに一緒に形成する複数のリング部(6、6’)の組を備えており、上記リング構造(8)は、伸ばされた圧迫衣料(4)をその上に受けるところの周方向壁(10)を備えており、
該リング構造(8)は、該受けられた衣料(4)による該周方向壁(10)の径方向の圧迫に抵抗するように構成されており、
該複数のリング部(6、6’)のうちの少なくとも2つは、該リング構造(8)を開く為に互いに対して移動可能であり、
少なくとも1つの通路(12a、12b)が、該閉じられたリング構造(8)の該周方向壁(10)に設けられている、前記アセンブリ。
【請求項2】
該少なくとも1つの通路(12a、12b)が、該周方向壁(10)の軸方向縁部(14)にある軸方向の窪みによって画定される、少なくとも1つの第1の通路(12a)を含む、請求項1に記載のアセンブリ。
【請求項3】
該少なくとも1つの通路(12a、12b)が、該周方向壁(10)を貫通する開口によって画定される少なくとも1つの第2の通路(12b)を含む、請求項1又は2に記載のアセンブリ。
【請求項4】
該少なくとも1つの第1の通路(12a)が、該少なくとも1つの第2の通路(12b)から離れており、軸方向において、該少なくとも1つの第1の通路(12a)が、該少なくとも1つの第2の通路(12b)と少なくとも部分的に重なっている、請求項2に従属する場合の請求項3に記載のアセンブリ。
【請求項5】
該少なくとも1つの第1の通路(12a)が、複数の第1の通路(12a)を含み、該少なくとも1つの第2の通路(12b)が、複数の第2の通路(12b)を含み、該第1の通路と該第2の通路(12a、12b)が、該リング構造(8)の周方向に沿って交互に配置されている、請求項2に従属する場合の請求項3に記載の、又は請求項4に記載のアセンブリ。
【請求項6】
該リング構造(8)が、該複数のリング部(6、6’)のうちの2つ以上を互いに対してヒンジ動作する為の1以上のヒンジ(16、16’)を備えており、
上記2つ以上のリング部(6、6’)が、該リング構造(8)を開く為に上記ヒンジ(16、16’)で互いから分離可能である、
請求項1~5のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項7】
該1以上のヒンジ(16、16’)が、該主リング軸(R)に対して斜めに延在する少なくとも1つのヒンジ軸(H)を画定し、それにより、該リング構造(8)は、該少なくとも1つのヒンジ軸(H)を中心として該2つ以上のリング部(6、6’)をヒンジ動作することによって第1の形状と第2の形状との間で変えられることができ、該第1の形状と比べて、該第2の形状は、該主リング軸(R)に沿ってより先細である、請求項6に記載のアセンブリ。
【請求項8】
該複数のリング部(6、6’)のうちの少なくとも1つは、径方向及び軸方向のうちの少なくとも一方における該複数のリング部(6、6’)の相対移動に抵抗する為に該複数のリング部(6、6’)の他方と繋がる為の1以上のコネクタ、例えばカム(18、18’)及び/又は磁石、を備えている、請求項1~7のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項9】
該複数のリング部(6、6’)のうちの少なくとも2つは、互いに対して該複数のリング部(6、6’)を移動する為の各自のハンドル(20、20’)を各々備えており、該ハンドル(20、20’)は、該周方向壁10から径方向及び軸方向に離間されており、好ましくは、該ハンドル(20、20’)は、該リング構造(8)の周囲に沿って実質的に均等に分散されている、請求項1~8のいずれか1項に記載のアセンブリ。
【請求項10】
圧迫衣料(4)を伸ばして、請求項1~9のいずれか1項に記載のアセンブリ(2)のリング構造(8)の周方向壁(10)上に位置付ける為の装置(22)であって、
該装置(22)は、該リング構造(8)を該装置(22)の上に受けるように、及び該リング構造(8)を該装置(22)から、該リング構造(8)の主リング軸(R)に対して軸方向に解放するように、構成されており、
該装置(22)は、該圧迫衣料(4)の少なくとも一部と係合するように、及び該衣料(4)の少なくとも係合した部分を該周方向壁(10)に対して移動するように構成されている、少なくとも1つの係合部材(24a、24b)を備えており、
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)は、径方向に後退した位置と径方向に延在した位置との間を移動可能であり、該延在した位置において、該係合部材(24a、24b)は少なくとも部分的に、該周方向壁(10)の該少なくとも1つの通路(12a、12b)を通って径方向外側に延在し、該後退した位置において、該係合部材(24a、24b)は、上記通路(12a、12b)を通って少し延在する又は延在しない、前記装置(22)。
【請求項11】
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)が、各自の係合部材軸(A)を中心として回転駆動可能であり、上記軸(A)は、それぞれの該係合部材(24a、24b)が該後退した位置に在る第1の位置と、それぞれの該係合部材(24a、24b)が該延在した位置に在る第2の位置との間で、該主リング軸(R)に対して径方向に移動可能である、請求項10に記載の装置。
【請求項12】
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)が、それぞれの輪表面で該圧迫衣料(4)の少なくとも一部と係合する為の1以上の輪(24a)を含み、上記1以上の輪(24a)は各々、該主リング軸(R)に対して斜めに延在する各自の輪軸(W)を中心として回転駆動可能である、請求項10又は11に記載の装置。
【請求項13】
該1以上の輪(24a)は、該少なくとも1つの輪(24a)が該延在した位置にあるとき、該少なくとも1つの第1の通路(12a)を通って延在するように配置されている、請求項2~9のいずれか1項に記載のアセンブリ(2)と協働するように構成された、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)が、それぞれのウォーム歯車表面で該圧迫衣料(4)の少なくとも一部と係合する為の1以上のウォーム歯車(24b)を含み、上記1以上のウォーム歯車(24b)は各々、該主リング軸(R)に対して少なくとも軸方向に延在するそれぞれのウォーム歯車軸(G)を中心として回転駆動可能である、請求項10~13のいずれか1項に記載の装置。
【請求項15】
該1以上のウォーム歯車(24b)は、該少なくとも1つのウォーム歯車(24b)が該延在した位置にあるとき、該少なくとも1つの第2の通路(12b)を通って延在するように配置されている、請求項3~9のいずれか1項に記載の該アセンブリ(2)と協働するように構成された、請求項14に記載の装置。
【請求項16】
軸方向において、該1以上の輪(24a)は、該圧迫衣料(4)の少なくとも一部を、該1以上の輪(24a)から該1以上のウォーム歯車(24b)へと軸方向に移す為に、少なくとも部分的に該1以上のウォーム歯車(24b)と重なっている、請求項13に従属する場合の請求項15に記載の装置。
【請求項17】
動作中に、該1以上の輪(24a)の周方向の輪速度が該1以上のウォーム歯車(24b)の軸方向の移送速度を上回るように該1以上の輪(24a)及び該1以上のウォーム歯車(24b)を駆動する為の駆動手段(26)を備えている、請求項16に記載の装置。
【請求項18】
該1以上の輪(24a)が、複数の輪(24a)を含み、該1以上のウォーム歯車(24b)が、複数のウォーム歯車(24b)を含み、該輪(24a)と該ウォーム歯車(24b)が、該リング構造(8)の周方向に沿って交互に配置されている、請求項4に従属する場合の請求項5に記載のアセンブリ(2)と協働するように構成された、請求項16又は17に記載の装置。
【請求項19】
該複数の輪(24a)の輪(24a)の数が、4~8個の範囲、好ましくは6個、であり、該複数のウォーム歯車(24b)のウォーム歯車(24b)の数が、輪(24a)の上記数と同じであるか、又は1つ多い若しくは1つ少ない、請求項18に記載の装置。
【請求項20】
該圧迫衣料(4)を該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)の方に案内する為に、該装置の衣料受け軸方向端部(28)に向かって先細になった形状を備えている、請求項10~19のいずれか1項に記載の装置。
【請求項21】
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)から離れて該軸方向端部(28)の方に向かう該衣料の移動に少なくとも選択的に抵抗する為に、上記衣料受け軸方向端(28)が、複数のばね式フック(44)の周方向アレイを備えている、請求項20に記載の装置。
【請求項22】
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)を駆動する為の1以上のモータ(30)を備えている、請求項10~21のいずれか1項に記載の装置。
【請求項23】
該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)が、その延在した位置にロック可能であり、その後、そこからロック解除可能である、請求項10~22のいずれか1項に記載の装置。
【請求項24】
補助位置付け装置(48)であって、
実質的に伸ばされていない構成で、少なくとも部分的に巻き上げられた圧迫衣料(4)を受ける為の、該補助位置付け装置の中心軸の周りに延在するリング本体(50)、
上記リング本体(50)から実質的に軸方向に延在する、周方向に分散された複数のフィンガ(52)、ここにおいて、上記複数のフィンガ(52)は、径方向内側に移動された位置へと径方向内側に付勢されており、且つ径方向外側向きの力成分がそれぞれの該フィンガ(52)に及ぼされたとき、径方向外側に移動された位置へと径方向外側に移動可能であるように構成されている、
を備えている、前記補助位置付け装置(48)。
【請求項25】
各フィンガ(52)の端部領域が、各それぞれのフィンガ(52)の残りの部分に対して内側に屈げられており、好ましくは、その結果、それぞれのフィンガ(52)の該端部領域は、該径方向外側に移動された位置に移動されたときに、該補助位置付け装置(48)の該中心軸と実質的に平行に延在する、請求項24に記載の補助位置付け装置(48)。
【請求項26】
該フィンガ(52)が、該リング本体(50)に枢動接続されており、各フィンガ(52)が、該それぞれのフィンガ(52)を該径方向内側に移動された位置へと付勢する為にばねによって係合されている、請求項24又は25に記載の補助位置付け装置。
【請求項27】
該フィンガ(52)が該リング本体(50)に固定的に接続されており、該フィンガ(52)の自由端が該径方向内側に移動された位置から該径方向外側に移動された位置に曲げられることができるように、該フィンガ(52)が柔軟である、請求項24又は25に記載の補助位置付け装置。
【請求項28】
該フィンガ(52)の数が少なくとも3つである、請求項24~27のいずれか1項に記載の補助位置付け装置。
【請求項29】
請求項1~9のいずれか1項に記載のアセンブリ(2)と、請求項10~23のいずれか1項に記載の装置(22)と、を備えている、圧迫衣料を着用する為のシステム(32)。
【請求項30】
請求項24~28のいずれか1項に記載の補助位置付け装置(48)を備えている、請求項29に記載のシステム。
【請求項31】
該受けられた圧迫衣料(4)を有する該リング構造(8)を最初の着用位置に位置付ける為の支持構造(34)を更に備えており、該支持構造(34)は、該圧迫衣料(4)の少なくとも一部と該周方向壁(10)との間の軸方向の相対移動に、少なくとも最初の間、抵抗する為に、該圧迫衣料(4)の上記少なくとも一部を該リング構造(8)の該周方向壁(10)上に係止するように構成されている、請求項29又は30に記載のシステム。
【請求項32】
該圧迫衣料(4)を更に備えており、該圧迫衣料(4)は、該リング構造(8)の該周方向壁(10)のそれぞれの周長と比べて小さい、少なく伸ばされている周長から、該周方向壁(10)の上記周長に少なくとも等しい、より伸ばされた周長に、伸ばされることが可能である、請求項29~31のいずれか1項に記載のシステム。
【請求項33】
圧迫衣料を着用する方法であって、
請求項29~32のいずれか1項に記載のシステム(32)を用意すること、
アセンブリ(2)の複数のリング部(6、6’)の組によって形成される閉じられたリング構造(8)を装置(22)上に受けること、
該圧迫衣料(4)の少なくとも一部を、該装置(22)の少なくとも1つの係合部材(24a、24b)と係合させること、及び、
該装置(22)により、該圧迫衣料(4)の少なくとも一部を主リング軸(R)に対して径方向外側に伸ばすこと、
を含む、前記方法。
【請求項34】
該装置(22)により、該圧迫衣料(4)の伸ばされた部分を該リング構造(8)の周方向壁(10)に沿って軸方向に移送することを更に含む、請求項33に記載の方法。
【請求項35】
該伸ばされた圧迫衣料(4)が載っている該リング構造(8)を該装置(22)から解放すること、
該リング構造(8)を通して軸方向に身体部分(BP)を移動させ、それにより、該圧迫衣料(4)を、少なくとも部分的に該リング構造(8)から上記身体部分(BP)上に移すこと、及び
該リング構造(8)を開いて該身体部分(BP)から該リング構造(8)を解放する為に、該複数のリング部(6、6’)を互いに対して移動すること、
を更に含む、請求項33又は34に記載の方法。
【請求項36】
該リング構造(8)を開く前に、該リング構造(8)の該複数のリング部(6、6’)のうちの少なくとも2つを互いに対してヒンジ操作し、それにより該リング構造(8)を該主リング軸(R)に沿ってより先細にし、それにより該圧迫衣料(4)の少なくとも一部を該リング構造(8)から軸方向に解放することを更に含む、請求項35に記載の方法。
【請求項37】
該装置(22)から該リング構造(8)を解放することが、該装置(22)の該少なくとも1つの係合部材(24a、24b)を径方向内側に後退させることを含む、請求項35又は36に記載の方法。
【請求項38】
該複数のリング部(6、6’)の組から該閉じられたリング構造(8)を組み立てることを更に含む、請求項35~37のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、概して、圧迫衣料(compressive garment)を着用する為のアセンブリ、装置、システム、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
加圧衣料としても既知である圧迫衣料は、慣行から既知である。着用されたとき、圧迫衣料は、きつくフィットして下にある組織を圧迫する。そのような圧迫は、様々な形で、及び様々な状況において有益であることができる。例えば、圧迫靴下、特に圧迫ストッキング、は、静脈又はリンパ疾患、例えば深部静脈血栓症、の治療で使用されることが既知である。
【0003】
きつく、圧迫するフィットのせいで、圧迫衣料の着用は一般に難しく、関係する身体部分に対して該衣料を適切に位置付けられるようにする為に、該着用の前及び最中に該衣料を強制的に伸ばすことを必要とする。既知の方法において、該衣料のユーザ又は介助者は、手作業で該衣料を伸ばして位置付ける。この過程は、身体的に負担が大きく、煩雑で不快であり、場合によっては安全でない。
【0004】
圧迫衣料の着用を改善する為の取り組みがなされてきた。しかしながら、比較的恵まれた状況(affluent settings)であっても手作業による着用方法が依然として標準的な慣行であることによって示されるように、満足の行く解決法をもたらしたものはない。
【0005】
特開2011-004875A号公報は、弾性衣料を身に付ける為の補助装置を開示している。該装置は、直径が軸を中心として対称に前端側から末端側に向かって徐々に小さくなるようにされた、先細で中空の円筒体(スリーブ)を分割することによって得られる一対の分割部片(半円筒体)を有する。ユーザが駆動レバーを操作することによって該弾性衣料を該補助装置の方に向かって伸ばすのを助ける為の装着装置が提供される。続いて該衣料を該補助装置に取り付ける為に、該ユーザは、該弾性衣料の口部分を手で持ち、該弾性衣料の該口部分を、該補助装置の基端の方に下に引っ張る。
【0006】
そのように伸ばされた圧迫衣料を手で引っ張ることは、前に説明された一般的な手作業による着用方法で必要とされるのと同様に、高い度合いの体力及び器用さを必要とすることが既知である。また、そのような駆動レバーを操作することも、かなりの身体的体力を必要とする。
【0007】
よって、圧迫衣料の着用を改良する必要性が依然として残っている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明の目的は、圧迫衣料の改良された着用を提供することである。一つの目的は、必要とされるユーザの体力がより少ない、及び/又はユーザの器用さがより少ない、着用方法を提供することである。一つの目的は、より容易、より高速、より安全、より効率的、より快適、及び/又はより多用途である、着用方法を提供することである。一つの目的は、背景技術の項で言及された問題の少なくとも1つを少なくとも部分的に解決することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
その為に、本開示の観点は、圧迫衣料を着用する為の請求項1によるアセンブリを提供する。該アセンブリは、主リング軸の周りに延在する、開くことが可能な閉じられたリング構造を互いに一緒に形成する複数のリング部の組を備えている。該リング構造は、伸ばされた圧迫衣料をその上に受けるところの周方向壁を備えている。該リング構造は、該受けられた衣料による該周方向壁の径方向の圧迫に抵抗するように構成されている。該複数のリング部のうちの少なくとも2つは、該リング構造を開く為に互いに対して移動可能である。少なくとも1つの通路が、該閉じられたリング構造の該周方向壁に設けられている。
【0010】
圧迫衣料が、特に伸ばされた状態で、そのようなリング構造上に有利に位置付けられることができ、その後、該衣料が載っている該リング構造が、ユーザの身体部分に対して、例えば身体部分に沿って、移動されることができ、それにより該衣料を該身体部分上に解放し、よって該圧迫衣料を着用する。該リング構造を該身体部分から解放するには、特に少なくとも2つのリング部を互いに対して移動することにより、該リング構造が開かれることができる。
【0011】
該少なくとも1つの通路は、該衣料を該リング構造に対して移動する為に、径方向外側方向への該リング構造を通る該衣料へのアクセスを有利に提供する。よって、該衣料は、該衣料が少なくとも部分的に該リング構造上に位置付けられている間、(更に)径方向外側に伸ばされることができる。そのように伸ばすことは、該衣料と該周方向壁との間の摩擦を有利に低減して、該周方向壁に対する該衣料の更なる位置付け、特に軸方向の変位、を容易にすることができる。
【0012】
該少なくとも1つの通路は特には多用途であることができ、該圧迫衣料を該リング構造に対して係合させる、例えば伸ばす、為の様々な方法を可能にする。好ましくは、該少なくとも1つの通路はそれにより、装置、特に、圧迫衣料を伸ばして該リング構造の該周方向壁上に位置付ける為の下記で説明される装置、の少なくとも1つの係合部材へのアクセスを提供する。
【0013】
一つの実施態様において、圧迫衣料を伸ばして位置付ける為の装置の圧迫衣料係合部材が、該圧迫衣料に係合する為に該周方向壁の該通路を通って少なくとも部分的に径方向外側に延在することを可能にする為に、該少なくとも1つの通路は、該閉じられたリング構造の該周方向壁に周方向に、好ましくは均等に、離間された複数の通路を含む。
【0014】
一つの実施態様において、該アセンブリは、圧迫衣料を伸ばして位置付ける為の装置と共に使用するように構成され、該装置は、該リング構造を該装置の上に受けるように、及び該リング構造を該装置から、該リング構造の該主リング軸に対して軸方向に解放するように、構成されている。この実施態様において、該装置は、該圧迫衣料の少なくとも一部と係合するように、及び該衣料の少なくとも係合した部分を該アセンブリの該周方向壁に対して移動するように構成されている、少なくとも1つの係合部材を備えうる。それにより、該少なくとも1つの係合部材は、径方向に後退した位置と、径方向に延在した位置との間を移動可能であり、該閉じられたリング構造の該周方向壁に設けられた該少なくとも1つの通路は、該伸長した位置において、該係合部材が少なくとも部分的に、該周方向壁の該少なくとも1つの通路を通って径方向外側に延在するように配置及び構成される。該後退した位置において、該係合部材は、該通路を通って少し延在する又は延在しない。
【0015】
本開示の更なる観点は、圧迫衣料を伸ばして、上記で説明された圧迫衣料を着用する為のアセンブリの該リング構造の該周方向壁上に位置付ける為の、請求項10による装置を提供する。該装置は、該リング構造を該装置の上に受けるように、及び該リング構造を該装置から、該リング構造の該主リング軸に対して軸方向に解放するように、構成されている。
【0016】
該装置は、該圧迫衣料の少なくとも一部と係合するように、及び該衣料の少なくとも係合した部分を該周方向壁に対して移動するように構成されている、少なくとも1つの係合部材を備える。
【0017】
該少なくとも1つの係合部材は、径方向に後退した位置と径方向に延在した位置との間を移動可能である。該延在した位置において、該係合部材は少なくとも部分的に、該周方向壁の該少なくとも1つの通路を通って径方向外側に延在する。該後退した位置において、該係合部材は、該通路を通って少し延在する又は延在しない。
【0018】
そのような装置は、圧迫衣料を該リング構造上に位置付ける為に必要とされる手作業の労力及び器用さを大きく軽減することができる。該延在した位置において、該少なくとも1つの係合部材は、特に該少なくとも1つの通路のエリアにおいて、有利に該衣料に係合することができる。よって、該少なくとも1つの係合部材は、該衣料と係合することができ、好ましくは、径方向外側に係合し、それにより衣料とリング構造との間の摩擦を低減すると共に、軸方向でも係合し、それにより該衣料を更に該リング構造上に位置付ける。
【0019】
該後退した位置において、該伸ばされた衣料が載っている該リング構造は、その後の該衣料の着用の為に、該装置から容易に取り外されることができる。
【0020】
更なる観点は、請求項24による補助位置付け装置を提供する。該補助位置付け装置は、実質的に伸ばされていない構成で、少なくとも部分的に巻き上げられた圧迫衣料を受けるところの、該補助位置付け装置の中心軸の周りに延在するリング本体を備えている。該補助位置付け装置は、上記リング本体から実質的に軸方向に延在する、周方向に分散された複数のフィンガを更に備え、上記複数のフィンガは、径方向内側に移動された位置へと径方向内側に付勢されており、且つ径方向外側向きの力成分がそれぞれの該フィンガに及ぼされたとき、径方向外側に移動された位置へと径方向外側に移動可能であるように構成されている。
【0021】
そのような補助位置付け装置を用いると、圧迫衣料は、該装置上に、次いで該システムの該アセンブリ上に、容易に適用されることができる。はじめに、該圧迫衣料は、伸ばされていない状態で該補助位置付け装置上に位置付けられる。その後、該補助位置付け装置を該装置の軸方向端部上で押すことにより、該補助位置付け装置から、本開示の該装置への、次いで本開示の該アセンブリへの該圧迫衣料を移すことが、ユーザにとって非常に容易で確実なものにされる。
【0022】
更なる観点は、圧迫衣料を着用する為の請求項29によるシステムを提供し、該システムは、上記で説明された該アセンブリ及び該装置を備えている。
【0023】
そのようなシステムは、上記で言及された利点を提供することができ、それにより、以下で説明されるように、圧迫衣料を着用する、特に有利な方法を可能にする。
【0024】
更なる観点は、請求項33による圧迫衣料を着用する為の方法を提供する。該方法は、圧迫衣料を着用する為の上記のシステムを用意すること、該アセンブリの該複数のリング部の組によって形成される該閉じられたリング構造を該装置上に受けること、該圧迫衣料の少なくとも一部を、該装置の該少なくとも1つの係合部材と係合させること、及び、該装置により、該圧迫衣料の少なくとも一部を該主リング軸に対して径方向外側に伸ばすこと、を含む。
【0025】
そのような方法は、上記で言及された利点を提供することができ、特に高い度合いの体力及び器用さを必要とせずに、圧迫衣料が容易に着用されることができる。
【0026】
本発明の更なる有利な精緻化は、詳細な説明で更に説明されるように、従属請求項の特徴によって提供される。
【0027】
以下、例示的実施態様及び図面を使用して本発明が更に説明される。図面は概略的なものであり、例を示すに過ぎない。図面において、同様の又は対応する要素は、同様の又は対応する参照符号が与えられている。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1a図1aは、一つの実施態様による、圧迫衣料を着用する為のシステムの等角図を示し、該システムは、それぞれの装置及びそれぞれのアセンブリを備えており、図1aにおいて、該システムは圧迫衣料が付けられている。
図1b図1bは、図1aの該システムの該アセンブリの等角図を示し、それぞれのリング部が一つのリング構造を形成し、圧迫衣料が該リング構造上に位置付けられている。
図2a図2aは、図1bの該アセンブリの等角図を示し、該それぞれのリング部は、異なるそれぞれの位置にある。
図2b図2bは、図1bの該アセンブリの等角図を示し、該それぞれのリング部は、異なるそれぞれの位置にある。
図2c図2cは、図1bの該アセンブリの等角図を示し、該それぞれのリング部は、異なるそれぞれの位置にある。
図3a図3aは、一つの実施態様による、圧迫衣料を着用する為のシステムの等角図を示し、該システムは、それぞれの装置及びそれぞれのアセンブリを備えている。
図3b図3bは、図3aの該システムの該装置の上面図を示す。
図4a図4aは、図3bの該システムの、部分的に開かれた等角図を示す。
図4b図4bは、図3bの該システムの、部分的に開かれた等角図を示す。
図5図5は、圧迫衣料を着用する例示的方法を図解する。
図6図6は、例示的な支持構造の等角図を示す。
図7図7は、例示的な案内手段の斜視図を示す。
図8図8は、更なる実施態様によるリング部を示す。
図9a図9aは、更なる実施態様による装置の上部の等角図を示す。
図9b図9bは、更なる実施態様による装置の上部の等角図を示す。
図10図10は、更なる実施態様による装置の上部の、部分的に開かれた等角図を示す。
図11図11は、補助位置付け装置の例を示す。
図12図12は、補助位置付け装置の例を示す。
図13図13は、補助位置付け装置の例を示す。
図14図14は、衣料を着用する為の該アセンブリがその上に置かれていない、装置の第2の例を示す。
図15図15は、衣料を着用する為の該アセンブリがその上に置かれている、図14の該装置の第2の例を示す。
図16図16は、図14及び図15の該装置、及び、該装置の上方の、圧迫衣料が上に置かれた図11~13の該補助位置付け装置の側面図を示す。
図17図17は、該補助位置付け装置が該装置の軸方向端部上に押されている状態の、図16に示されるものと同様の側面図を示し、明瞭性を向上させる為に該衣料は図示されていない。
図18図18は、様々な視点からの該装置の区画を示す。
図19図19は、様々な視点からの該装置の区画を示す。
図20図20は、様々な視点からの該装置の区画を示し、図20において、該区画の内部を示す為に壁部が取り除かれている。
図21図21は、図14~17に示される該装置の斜視断面図を示す。
図22図22は、図17の断面線XXIII-XXIIIにわたる断面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0029】
図1b及び図2a~図2cは、圧迫衣料4を着用する為のアセンブリ2を示す。図1a及び図3aは、圧迫衣料を着用する為のシステム32の一部としてのそのようなアセンブリ2を示し、ここで、該アセンブリ2は、該システム32の装置22と協働するように配置されている。図5は、圧迫衣料を着用する例示的方法の図解におけるそのようなアセンブリ2を示している。該アセンブリ2上に位置付けられた圧迫衣料4が、図1b及び図5に見られることができる。
【0030】
該アセンブリ2は、主リング軸Rの周りに延在する、開くことが可能な閉じられたリング構造8(図1b、図2bを参照)を互いに一緒に形成する複数のリング部6、6’の組を備えている。該リング構造8は、伸ばされた圧迫衣料4をその上に受けるところの周方向壁10を備えている(図1bを参照)。
【0031】
本開示の文脈において、リング構造は、中空で、実質的に円筒形及び/又は円錐台の構造の形態であることができる。しかしながら、該リング構造のどの部分も、厳密に円筒形又は円錐形又は円形である必要はない。リング構造は、1以上の、非湾曲形の、例えば平坦な及び/又は角度の付いた、部分を有することができる。本開示の文脈において、閉じられたリング構造は、該リングの周囲全体に沿って実質的に連続した構造を提供し、よって周方向端部を持たない。しかしながら、そのような連続した構造は、任意の1つの平面において連続している必要はない。よって、種々の選択肢の中でも特に、閉じられたリング構造は、構造的に連続した周方向経路を提供しながら、該リングの軸方向及び/又は径方向に対して蛇行している及び/又はジグザグ状である構造を含むことができる。
【0032】
該リング構造8は、該受けられた衣料4による該周方向壁10の径方向の圧迫に抵抗するように構成されている。そのような圧迫抵抗構成は、様々な方式で実現されることができる。例えば、該リング構造8又はその一部は、実質的に硬い材料、例えば硬質プラスチック、から作られることができる。別の例として、該周方向壁10は、例えば周方向に延在している、1以上のフランジ、リブ及び/又は同様の補強構造を備えることができる。そのようなフランジ46が図1bに示されている。
【0033】
例えば図2a及び図2cに示されるように、該複数のリング部6、6’のうちの少なくとも2つは、該リング構造8を開く為に互いに対して移動可能である。そのような移動可能性は、回転可能性及び/又は並進可能性を伴うことができる。
【0034】
少なくとも1つの通路12a、12b(図2bを参照)が、該閉じられたリング構造8の該周方向壁10に設けられている。そのような通路12a、12bは、様々な方式で実現されることができ、その例が以下に与えられる。
【0035】
一つの実施態様において、該少なくとも1つの通路12a、12bは、該周方向壁10の軸方向縁部14にある軸方向の窪みによって画定される、少なくとも1つの第1の通路12aを含む。
【0036】
そのような第1の通路12aは、特に該衣料4又はその一部を、該周方向壁10から距離を置いた位置から、軸方向に該周方向壁10上に位置付ける為に、該軸方向縁部14のエリアにおける該衣料4の操作、特に径方向外側への操作、を有利に可能にする。
【0037】
一つの実施態様において、該少なくとも1つの通路12a、12bは、該周方向壁10を貫通する開口によって画定される少なくとも1つの第2の通路12bを含む。
【0038】
そのような第2の通路12bは、例えば該衣料4又はその一部を該周方向壁10の軸方向長さにわたって分散する為に、該周方向壁10に沿った、すなわち該壁10に沿った異なる位置の間での、該衣料4の操作、特に径方向外側への操作、を有利に可能にする。
【0039】
一つの実施態様において、例えば図2bを参照すると、該少なくとも1つの第1の通路12aは、該少なくとも1つの第2の通路12bから離れており、軸方向において、該少なくとも1つの第1の通路12aは、該少なくとも1つの第2の通路12bと少なくとも部分的に重なっている。
【0040】
そのような構成は、実質的に該周方向壁10の該軸方向長さに沿った衣料の操作を可能にしながら、閉じられたリング構造8が該周方向壁10によって形成されることを可能にする。
【0041】
一つの実施態様において、該少なくとも1つの第1の通路12aは、複数の第1の通路12aを含み、該少なくとも1つの第2の通路12bは、複数の第2の通路12bを含み、該第1の通路12aと第2の通路12bは、該リング構造8の周方向に沿って交互に配置されている。
【0042】
そのような構成は、該周方向壁8に沿った該衣料4の実質的に均一な操作を可能にする。
【0043】
一つの実施態様において、該リング構造8は、該リング部6、6’の2つ以上を互いに対してヒンジ動作する為の1以上のヒンジ16、16’を備え、該2つ以上のリング部6、6’は、該リング構造8を開く為に該ヒンジ16、16’で互いから分離可能である。
【0044】
そのようなヒンジ16、16’は図2cに示されている。図2aは、互いから分離しており、従って該リング構造8を開いている、該リング部6、6’を示している。好適なヒンジ16、16’は、様々な方式で、例えば図示されるように丸い舌部及び溝構造により、実現されることができる。該溝への該舌部の容易な位置付けを助ける為に、該溝は、該溝の横から延在して該舌部を該溝の方に案内する1以上の案内壁を備えることができる。
【0045】
一つの実施態様において、図2cを参照すると、該1以上のヒンジ16、16’は、該主リング軸Rに対して斜めに延在する少なくとも1つのヒンジ軸Hを画定し、それにより、該リング構造8は、該少なくとも1つのヒンジ軸Hを中心として該2つ以上のリング部6、6’をヒンジ動作することによって第1の形状と第2の形状との間で変えられることができ、該第1の形状と比べて、該第2の形状は、該主リング軸Rに沿ってより先細である。
【0046】
そのような構成は、特に該衣料4を着用する最中及び/又は着用した後に、該リング構造8から該衣料4を容易に解放することを可能にし、そのような解放は、その後、図2aに示されるように該リング構造8を開くことを可能にする。
【0047】
一つの実施態様において、該複数のリング部6、6’のうちの少なくとも1つは、径方向及び軸方向のうちの少なくとも一方における該リング部6、6’の相対移動に抵抗する為に該複数のリング部6、6’の他方と繋がる為の、1以上のコネクタ、例えばカム18、18’及び/又は磁石、を備えている。
【0048】
そのような構成は、特に径方向の圧迫に抵抗する、堅牢で、開くことが可能なリング構造8の形成を可能にする。該カム18、18’は、例えばスナップ接続を提供しうる。図2cにカム18、18’として示される該コネクタは、該リング部6、6’の上端に配置される必要はなく、該ヒンジ16、16’に近い方にも配置されうることが留意されるべきである。これは、例えば上向きの力が該ハンドル20、20’に及ぼされたときに、該コネクタ18、18’の周りの意図しないヒンジ動作によって該リング部6、6’が意図せず離れることを防止するのを助けうる。
【0049】
一つの実施態様において、該複数のリング部6、6’のうちの少なくとも2つは、互いに対して該リング部6、6’を移動する為の各自のハンドル20、20’を各々備えており、該ハンドル20、20’は、該周方向壁10から径方向及び軸方向に離間されている。好ましくは、該ハンドル20、20’は、該リング構造8の周囲に沿って実質的に均等に分散されている。
【0050】
そのようなハンドルは、例えば該リング構造8を形成する、位置付ける、ヒンジ操作する、及び/又は開く為に、該アセンブリの容易な扱いを可能にする。
【0051】
図8は、該リング部6の有利な任意的な精緻化を示す(リング部6’にも等しく適用可能である)。この例において、該第1の通路12aの各々は、少なくとも該第1の通路12aの軸方向に開口した端部から径方向外側に延在している、1以上のそれぞれの離間構造42を備えている。
【0052】
そのような離間構造42は、該衣料4の一部が意図せずに該周方向壁10から径方向内側に移動され、それにより該リング構造8と該装置22との間に挟まってしまうのを防止するのを有利に助けることができる。
【0053】
任意的に、該アセンブリ2の該リング構造8の該周方向壁10の縁部は、該周方向壁10の外側表面の摩擦係数と比べて高い摩擦係数を有する構造を有しうる。これは、該圧迫衣料4を該周方向壁10上に移す間に該圧迫衣料4が滑って該周方向壁10から外れるのを防止しうる。該高い摩擦係数は、例えば、粗くされた局所的な表面構造により、又は該縁部における追加の材料層、例えばシリコーン層を備えた縁部、により、実現されうる。
【0054】
図3b、図4a~図4b、図9a~図9b、及び図10は、圧迫衣料4を伸ばして、該アセンブリ2の該リング構造8の該周方向壁10上に位置付ける為の装置22の少なくとも一部分の例を示す。図1a及び図3aは、該システム32の一部としてのそのような装置22を示している。
【0055】
該装置22は、該リング構造8を該装置22の上に受けるように、及び該リング構造8を該装置22から、該リング構造8の該主リング軸Rに対して軸方向に解放するように構成されている。
【0056】
該装置22は、該圧迫衣料4の少なくとも一部と係合するように、及び該衣料4の少なくとも係合した部分を該周方向壁10に対して移動するように構成された、少なくとも1つの係合部材24a、24b(例えば、図3a~図3bを参照)を備えている。
【0057】
該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、径方向に後退した位置と径方向に延在した位置との間で移動可能であり、該延在した位置において、該係合部材24a、24bは少なくとも部分的に、該周方向壁10の該少なくとも1つの通路12a、12bを通って径方向外側に延在し(図3a)、該後退位置において、該係合部材24a、24bは、該通路12a、12bを通って少し延在する又は延在しない。
【0058】
これらの図面は、該径方向に延在した位置にある該少なくとも1つの係合部材24a、24bを示している。図4a~図4bを参照すると、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、この例において、各自の延在軸Eを中心としたそれぞれの装置部分の回転によって、該径方向に後退した位置に移動されることができる。よって、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、該主リング軸Rに対して径方向内側に移動されることができることが分かる。該径方向に後退した位置から、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、該延在軸Eを中心とした逆の回転により、該径方向に延在した位置に戻されることができる。該延在した位置と該後退した位置との間の移動可能性を可能にする為に、多くの代替の構成が可能であることが理解されるであろう。幾つかの代替例において、それぞれの装置部分は、回転されるのではなく並進されうる。幾つかの代替例において、並進と回転の組み合わせが提供されることができる。
【0059】
一つの実施態様において、図4aを参照すると、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、各自の係合部材軸Aを中心として回転駆動可能であり、該軸Aは、それぞれの該係合部材24a、24bが該後退した位置に在る第1の位置と、それぞれの該係合部材24a、24bが該延在した位置に在る第2の位置との間で、該主リング軸Rに対して径方向に移動可能である。
【0060】
よって、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、該衣料4と係合する為に駆動可能、少なくとも該延在した位置において駆動可能でありながら、該延在した位置と該後退した位置との間を移動されることができる。図4aにおいて、それぞれの係合部材軸Aは、1つの例示的係合部材24aと別の例示的係合部材24bについて、例として示されている。よって、それぞれの係合部材軸は、係合部材24a、24bごとに定められることができることが理解されるであろう。
【0061】
一つの実施態様において、引き続き図4aを参照すると、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、それぞれの輪表面で該圧迫衣料4の少なくとも一部と係合する為の1以上の輪24aを含み、該1以上の輪24aは各々、該主リング軸Rに対して斜めに延在する各自の輪軸W(その例が図4aに示されている)を中心として回転駆動可能である。
【0062】
そのような1以上の輪24aは、有利に、該衣料4を径方向外側及び軸方向に伸ばす、及び/又は該周方向壁10上に位置付けることができ、それにより特に該壁の縁部14を越えさせる。該衣料4との係合の為に、該輪表面は好ましくは、該輪表面に対して該衣料4の接線方向の移動に抵抗するように構成される。その為に、該輪表面は好ましくは、例えば好適な輪表面構造及び/又は材料を通じて、該衣料4との摩擦を誘起するように構成される。
【0063】
一つの実施態様において、例えば図2bと併せて図3aを参照すると、該1以上の輪24aは、該少なくとも1つの輪24aが該延在した位置にあるとき、該少なくとも1つの第1の通路12aを通って延在するように配置される。
【0064】
一つの実施態様において、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、それぞれのウォーム歯車表面で該圧迫衣料4の少なくとも一部と係合する為の1以上のウォーム歯車24bを含み、該1以上のウォーム歯車24bは各々、該主リング軸Rに対して少なくとも軸方向に延在するそれぞれのウォーム歯車軸G(その例が図4aに示されている)を中心として回転駆動可能である。
【0065】
そのようなウォーム歯車24bは、有利に、該衣料4の少なくとも一部を該周方向壁10の外側表面に沿って実質的に軸方向に移送し、それにより該衣料を該壁10にわたって分散させることができる。そのような分散は、特にはその後の該衣料4の容易な着用の為に、該衣料4の比較的大きい部分が該リング構造8上に位置付けられることを可能にする。該ウォーム歯車24bは、実質的に円筒形状でありうる。有利な精緻化(図示せず)において、該ウォーム歯車24bは、該ウォーム歯車軸Gに沿って先細にされ、該輪24aの側の太い方の端部から細い方の反対側端部まで延在する。
【0066】
一つの実施態様において、該1以上のウォーム歯車24bは、該少なくとも1つのウォーム歯車24bが該延在した位置にあるとき、該少なくとも1つの第2の通路12bを通って延在するように配置される。
【0067】
一つの実施態様において、軸方向において、該1以上の輪24aは、該圧迫衣料4の少なくとも一部を、該1以上の輪24aから該1以上のウォーム歯車24bへと軸方向に移す為に、少なくとも部分的に該1以上のウォーム歯車24bと重なっている。
【0068】
これにより、軸方向に実質的に連続した衣料操作が有利に実現されることができ、該1以上の輪24a及び該1以上のウォーム歯車24bの各々によってもたらされる、上記で説明された利点による利益を伴う。
【0069】
一つの実施態様において、該装置22は、動作中に、該1以上の輪24aの周方向の輪速度が該1以上のウォーム歯車24bの軸方向の移送速度を上回るように該1以上の輪24a及び該1以上のウォーム歯車24bを駆動する為の、駆動手段26を備える。
【0070】
該リング構造8に対する該衣料4の良好な全体的係合がこのようにして実現されることができることが判明している。理論によって束縛されることは望まないが、これは少なくとも部分的に、それにより、特に該輪24aと該ウォーム歯車24bとの間の軸方向の重なりのエリア内又は該エリアにおいて、該衣料に折り目及び/又はひだが形成されることに関連すると考えられる。そのような折り目及び/又はひだは、その後該ウォーム歯車24bに沿って移送され、それにより、該周方向壁10に沿った該衣料4の実質的に均一な軸方向の分散をもたらすことができる。
【0071】
一つの実施態様において、該1以上の輪24aは、複数の輪24aを含み、該1以上のウォーム歯車24bは、複数のウォーム歯車24bを含み、該輪24aとウォーム歯車24bは、該リング構造8の該周方向に沿って交互に配置される。
【0072】
これにより、該衣料4は、該リング構造8の周囲に対して実質的に均一に係合及び移送されることができる。
【0073】
一つの実施態様において、該複数の輪24aの輪24aの数は、4~8個の範囲、好ましくは6個、であり、該複数のウォーム歯車24bのウォーム歯車24bの数は、輪24aの数と同じであるか、又は1つ多い若しくは1つ少ない。
【0074】
そのような構成を用いて良好な結果が得られており、一方で、比較的単純な装置構造をもたらす。
【0075】
一つの実施態様において、該装置22は、該圧迫衣料4を該少なくとも1つの係合部材24a、24bの方に案内する為に、その衣料受け軸方向端部28(例えば、図3a~図3bを参照)に向かって先細になった、例えば円錐形の、形状を備えている。
【0076】
一つの実施態様において、図9a~図9b及び図10に示されるように、該少なくとも1つの係合部材24a、24bから離れて該軸方向端部28の方に向かう該衣料の移動に少なくとも選択的に抵抗する為に、該衣料受け軸方向端部28は、複数のばね式フック44の周方向アレイを備えている。
【0077】
そのようなフック44は、図9bに示されるような後退した位置と、図9a及び図10に示されるような延在した位置との間で移動可能であり得、該ばね式フック44は好ましくは、該延在した位置の方へ付勢される。そのようなフック44は、特に該輪24aによるその後の係合の為に、該装置1の該軸方向端部28上に該衣料4を容易に最初に位置付けることを可能にする。任意的に、例えば、該衣料4が載っている該リング構造8を該装置1から軸方向に取り外す間に、該フック44が該衣料4と不利に相互作用するのを防止する為に、該フック44は、該後退した位置にロック可能である。
【0078】
一つの実施態様において、該装置22は、該少なくとも1つの係合部材24a、24bを駆動する為の1以上のモータ30を備えている。代替的には、又は追加として、該少なくとも1つの係合部材24aは、例えばレバー及び/若しくはウィンチを使用して、手で駆動される、並びに/又は他の方法で動力を与えられうる。
【0079】
一つの実施態様において、該少なくとも1つの係合部材24a、24bは、その延在した位置にロック可能であり、その後、そこからロック解除可能である。
【0080】
そのような構成は様々な方式で実現されることができ、ここで、そのようなロックは、該リング構造8に対する該少なくとも係合部材24a、24bの堅牢な位置付けすることを可能にする。そのようなロック及びロック解除は、上記で説明されたように、例えば該ばね式フック44のロックと組み合わされうる、例えば結合されうる。ここで、好ましくは、該フック44は、該少なくとも1つの係合部材24a、24bがロックされていないときに該フックの後退した位置にロックされ、従ってその後退した位置に移動可能であることができる。上記で説明された様々なロック機能は好ましくは、例えば該装置22の該軸方向端部28に配置されたユーザ対話要素、例えばボタン、を介して、ユーザによって操作可能である。該ボタンは、軸方向に移動可能であるか、又は代替的には回転可能でありうる。該装置22の該軸方向端部28にあるボタンの代わりに、該ユーザ対話要素は、代替的には、該装置の底部の近くに配置され、例えばユーザによって係合されるハンドルを備えた回転可能なリングとして具現化されうる。
【0081】
図1a及び図3aは、該アセンブリ2及び該装置22を備えた、圧迫衣料を着用する為のシステム32を示す。
【0082】
一つの実施態様において、図6に示されるように、該システム32は、該受けられた圧迫衣料4を有する該リング構造8を最初の着用位置に位置付ける為の支持構造34を更に備え、該支持構造34は、該圧迫衣料4の少なくとも一部と該周方向壁10との間の軸方向の相対移動に、少なくとも最初の間、抵抗する為に、該圧迫衣料4の少なくとも一部を該リング構造8の該周方向壁10上に係止するように構成されている。
【0083】
そのような係止は、特に該衣料4の比較的大きい部分が一度に解放されるのを防止することにより、該衣料4を身体部分BP上に位置付けるのを容易にすることができる。そのような係止は、様々な方式で、例えば衣料4を有する該リング構造8がその中に配置されることができる狭い開口40により、提供されることができる。
【0084】
一つの実施態様において、該システムは、該圧迫衣料4を更に備え、該圧迫衣料4は、該リング構造8の該周方向壁10のそれぞれの周長と比べて小さい、少なく伸ばされている周長から、該周方向壁10の該周長に少なくとも等しい、より伸ばされた周長に、伸ばされることが可能である。
【0085】
そのような圧迫衣料は、慣行から多くの種類が既知であり、そのようなシステム32の一部として有利に使用されることができる。
【0086】
一つの実施態様において、該システムは、該圧迫衣料4を該装置22の該少なくとも1つの係合部材24a、24bに係合させる為の案内手段36(図7を参照)を更に備え、該案内手段36は、該アセンブリ2の該リング部6、6’の組によって形成される該閉じられたリング構造8の内側直径d2と比べて小さい外側直径d1を有する、更なるリング構造38を備えている。
【0087】
そのような案内手段36は、該衣料4を、特に周方向に実質的に均一的に、該輪24aとの係合に向けて径方向外側に押す為に、方向Gにおいて該装置の該軸方向端部28の方に向けて配置されることができる。該案内手段36の該更なるリング構造38は、図7に示されるような閉じられたリング構造として具現化される必要はないことが留意されるべきである。該圧迫衣料4が径方向に該更なるリング構造38に挿入されることができるように、該更なるリング構造38が閉じられていないことも可能である。該更なるリング構造38は、幾つかのリング部分から構成されてもよい。
【0088】
図11~13は、本開示による、圧迫衣料4を最初に装置22上に位置付ける為の代替の補助位置付け装置48を示す。該補助位置付け装置48は、リング50及び複数のフィンガ52を備えている。図11図13に示される例において、該フィンガ52は、枢動可能に該リング50と接続されており、各々がばね(図示せず)によって、図11及び図16に示されるように径方向内側に移動された位置に付勢される。径方向外側の向きの力がフィンガ52の自由端に及ぼされると、該フィンガ52は、図12図13及び図17に示されるように径方向外側に移動されうる。
【0089】
該リング50に枢動接続される代わりに、該フィンガ52は、代替的には、径方向外側向きの力が該フィンガの先端に及ぼされたときに、径方向内側に移動された位置から径方向外側に移動された位置に曲がりうるように、柔軟でありうる。
【0090】
一つの実施態様において、該フィンガ52の数は、少なくとも3つでありうる。好ましくは、該フィンガ52の数は、該装置の該輪12aの数及び該ウォーム歯車12bの数に対応する。
【0091】
圧迫衣料4は、該圧迫衣料4が破線で示されている図16に示されるように、最初、その自由境界4aがフィンガ52の自由端の上にある状態で位置付けられ得、それにより、該圧迫衣料4の残りの部分が、該フィンガ52及び該リング50によって境界が定められる空間を通って延在しうる。
【0092】
一つの実施態様において、該補助位置付け装置48は、その上にマークを有しうる。該マークは、どの回転位置で該圧迫衣料4の該自由境界4aが該補助位置付け装置48上に位置付けられるべきか、すなわち、該圧迫衣料4のかかと領域がそのマークと位置合わせされるようにすること、を示すものである。該アセンブリ2の該リング構造8もマークを備え得、それは、該補助位置付け装置48が該リング構造8に対してどのように回転的に位置付けられなければならないかを該ユーザに示す。該圧迫衣料4を該補助位置付け装置48から該リング構造8に移す前に、該補助位置付け装置48のマークを該リング構造8の該マークの隣に位置付けると、該アセンブリ2の該リング構造8上に該圧迫衣料4を移した後に該圧迫衣料4の該かかと領域が該アセンブリ2の該ハンドル20、20’に対して正しく位置付けられることが達成される。この該アセンブリ2上への該圧迫衣料4の正しい位置付けは、該かかと領域が脚に対して正しい位置にある状態で該圧迫衣料4に該脚を挿入する時に、該アセンブリ2の該ハンドル20、20’が該脚の各横側に来ることになり、それが、該圧迫衣料4への該脚の挿入を容易にし、また該圧迫衣料4に該脚を挿入した後に該リング構造8を開くことを容易にするという利益を有する。
【0093】
その例が図14~17及び図21に示される該装置22の一つの実施態様において、該装置22の該衣料受け軸方向端部28は、幾つかの案内軌道54を備えうる。好ましくは、該案内軌道54の数は、該補助位置付け装置48の該フィンガ52の数と同じである。ユーザが、該フィンガ52の該フィンガ先端が該案内軌道54の中にある状態で、該圧迫衣料4が載っている該補助位置付け装置48を該装置22の衣料受け軸方向端部28上で押すと、該フィンガ52は、径方向外側に枢動する又は曲がり、図17に示される位置を取る。
【0094】
その例が図11~13、図16及び図17に示される一つの実施態様において、各フィンガ52の端部領域は、各それぞれのフィンガ52の残りの部分に対して内側に屈げられており、好ましくは、その結果、それぞれのフィンガ52の該端部領域は、図12及び図17に示されるように該径方向外側に移動された位置に移動されたときに、該補助位置付け装置48の中心軸と実質的に平行に延在する。その時点で、該フィンガ52の自由端領域は好ましくは、図17で明瞭に見ることができるように、該装置22上に位置付けられている該アセンブリ2の該周方向壁10と位置合わせされる。該装置22の該輪24aが回転している時、それらは該圧迫衣料4と係合し、該圧迫衣料4を該アセンブリ2の該周方向壁10上で引っ張る/押す。よって、該補助位置付け装置48は、該装置22を使用して衣料4を該アセンブリ2の該周方向壁10に置く為の、非常に有用で使いやすい補助を提供する。該フィンガ52の該自由端は、図17に示されるように該補助位置付け装置48が該装置22上で下方に押された状態にあるときに、該アセンブリ2の該周方向壁10と位置合わせされるので、該フィンガ52から該周方向壁10上へ該圧迫衣料4を移すことが円滑でありうる。
【0095】
実際、該補助位置付け装置48は、ばね式フック44を有さない該装置22の実施態様と共に使用されうる。そのような実施態様の例が図14図17及び図21に示される。
【0096】
図14において、該装置22は、該アセンブリ2が該装置22上に位置付けられていない状態で、該伸長した位置に示されている。図14は、該装置の筐体が、該アセンブリ2の該ハンドル20、20’を有する該リング構造8の形状に対応する形状の窪み86を有しており、その為、該アセンブリ2がどのように該装置22上に位置付けられるべきかがユーザに直ちに明らかになることを明瞭に示している。
【0097】
図15は、該アセンブリ2がその上に位置付けられた該装置22の同様の図を示している。該輪24a及び該ウォーム歯車24bがそれぞれ該第1の通路12a及び該第2の通路12bを通って突き出していることが明瞭に見ることができる。
【0098】
一つの実施態様において、該装置22は、該装置22に該アセンブリ2を置くことによって作動されるセンサ、例えばスイッチ、を有しうる。該装置は、該センサが作動状態にあるときにのみ該モータ30がオンにされることができるように構成されうる。該装置22上にアセンブリ2が置かれていないとき、該センサは作動されず、ユーザが該装置22の該モータ30をオンにすることを試みても、それは効果を有さない。これは、圧迫衣料4が、要求される該アセンブリ2の該リング構造8ではなく、該装置22に意図せずに置かれることを回避する。
【0099】
図14図17及び図21に示される例示的実施態様において、該装置22は、図18~20に示されるタイプの区画56を6つ備えている。図18は、そのような区画56の径方向内側を向いた側を示し、図19は、該区画56の径方向外側を向いた側を示している。図20は、該区画56の内部を示す為に該区画56の外側筐体壁が取り外された場合の、図19と同様の図を示す。各区画56は、図18に見ることのできる枢動軸58を有し、それによって該区画56が図21に示されるように枢動的に装置22の基部に接続される。よって、図4a及び図4b並びにその中に示された該延在軸Eを参照して上記で説明されたのと同様にして該枢動軸58を中心とした枢動が可能である。各区画56のばね60が、該装置22の基板62に当接し、各区画56を該径方向に後退した位置へと付勢する。操作ハンドル64(図15を参照)を用いて、ねじ山68を有するハブ66が回転される。ハブ66の該ねじ山68は、先細の操作ブッシュ70のねじ山71に係合する。該ハブ66が回転すると、該先細の操作ブッシュ70が上方及び下方に移動する。図21は、上方に移動された位置にある該操作ブッシュ70を示しており、該操作ブッシュ70の先細の上端70aが各区画56の内側縁部72に押し当たって、該区画56を該径方向に延在した位置に移動していることを明瞭に見ることができる。該操作ブッシュ70が下方に移動された位置にあるとき、より小さい直径を有する該先細部70aの一部が、該区画56の該内側縁部72に係合し、従って、該ばね60は、該アセンブリ2の該リング構造8が該装置22上に位置付けられるか又は該装置22から取り外されうる、より径方向に後退した位置に該区画56を付勢したことになる。
【0100】
図20は、該輪24a及び該ウォーム歯車24bが各々それぞれの軸74、76を介してどのように駆動されるかを明瞭に示している。これら軸74、76の下端に、歯車78、80が設けられ、それはこの例において互いと係合している。図22に示されるように、これら歯車78の一方は、該装置22の中心軸84に装着された中央歯車82によって駆動される(図21及び図22を参照)。この中心軸84は、別の歯車88、90、92の組を介してやはりモータ30で駆動される。
【0101】
これは該輪24a及びウォーム歯車24bを駆動する為の多くの手段の1つの例に過ぎないことが明らかである。図22の例に示される遊星歯車タイプの構成に代えて、該輪24aと該ウォーム歯車24bとに別個のモータを使用することも実現可能である。区画56ごとの別個のモータ又は別個のモータの組も、該輪24a及び該ウォーム歯車24bを駆動する為の実現可能な解決法である。図19図22に示される駆動アセンブリの例は、堅牢であり、また該装置22の全ての係合部材24a、24bを駆動する為に1つのみのモータで済む為、コストの観点から有利である。
【0102】
該システム32に関する上記の説明を参照して、圧迫衣料を着用する例示的方法は、該システム32を用意すること、該アセンブリ2の該リング部6、6’の組によって形成される該閉じられたリング構造8を該装置22上に受けること、該圧迫衣料4の少なくとも一部を、該装置22の該少なくとも1つの係合部材24a、24bと係合させること、及び、該装置22により、該圧迫衣料4の少なくとも一部を該主リング軸Rに対して径方向外側に伸ばすこと、を含む。
【0103】
一つの実施態様において、該方法は、該装置22により、該圧迫衣料4の伸ばされた部分を該リング構造8の該周方向壁10に沿って軸方向に移送することを更に含む。
【0104】
一つの実施態様において、該方法は、該伸ばされた圧迫衣料4が載っている該リング構造8を該装置22から解放すること、該リング構造8を通して軸方向に身体部分BPを移動させ(図解として図5を参照)、それにより、該圧迫衣料4を少なくとも部分的に該リング構造8から該身体部分BP上に移すこと、及び、該リング構造8を開いて該身体部分BPから該リング構造8を解放する為に、該リング部6、6’を互いに対して移動すること、を更に含む。
【0105】
有利な精緻化において、該伸ばされた衣料4が載っている該リング構造8を該装置22から解放することは、該周方向壁10における輪表面部分が該装置の軸方向端部28に向かって移動されるように該輪24aを駆動方向に駆動することを含み、それは好ましくは、該衣料4を該壁10上に位置付ける為の輪駆動方向と比べて逆の方向である。このようにすると該リング構造8の解放が容易にされることができることが判明している。
【0106】
一つの実施態様において、該方法は、該リング構造8を開く前に、該リング構造8の該複数のリング部6、6’のうちの少なくとも2つを互いに対してヒンジ操作し(図2cを参照)、それにより該リング構造8を該主リング軸Rに沿ってより先細にし、それにより該圧迫衣料4の少なくとも一部を該リング構造8から軸方向に解放することを更に含む。
【0107】
一つの実施態様において、該装置22から該リング構造8を解放することは、該装置22の該少なくとも1つの係合部材24a、24bを径方向内側に後退させることを含む。
【0108】
一つの実施態様において、該方法は、該リング部6、6’の組から該閉じられたリング構造8を組み立てることを更に含む。
【0109】
例示的な実施態様及び図面を使用して本発明が説明されたが、それらは、特許請求の範囲によって提供される本発明の範囲を制限しないことが理解されるであろう。当業者によって理解されるように、多くの変形、組み合わせ、及び拡張が可能である。その例は本開示の記載全体を通じて提供されている。
【符号の説明】
【0110】
2. アセンブリ
4. 圧迫衣料
4a. 圧迫衣料の該自由境界
6,6’. リング部
8. リング構造
10. 周方向壁
12a. 第1の通路
12b. 第2の通路
14. 周方向壁の軸方向縁部
16,16’. ヒンジ
18,18’. カム
20,20’. ハンドル
22. 装置
24a. 輪
24b. ウォーム歯車
26. 駆動手段
28. 装置の軸方向端部
30. モータ
32. システム
34. 支持構造
36. 案内手段
38. 更なるリング構造
40. 狭い開口
42. 離間構造
44. ばね式フック
46. フランジ
48. 補助位置付け装置
50. リング本体
52. フィンガ
図1a
図1b
図2a
図2b
図2c
図3a
図3b
図4a
図4b
図5
図6
図7
図8
図9a
図9b
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
【国際調査報告】