(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】組成物
(51)【国際特許分類】
B41M 5/26 20060101AFI20230605BHJP
B41N 1/14 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
B41M5/26
B41N1/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566229
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-11-22
(86)【国際出願番号】 EP2021061253
(87)【国際公開番号】W WO2021219781
(87)【国際公開日】2021-11-04
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(32)【優先日】2020-07-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
(71)【出願人】
【識別番号】507055925
【氏名又は名称】データレース リミテッド
【氏名又は名称原語表記】DATALASE LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100194423
【氏名又は名称】植竹 友紀子
(72)【発明者】
【氏名】スノッドグラス,ジョナサン
(72)【発明者】
【氏名】クック,リチャード
【テーマコード(参考)】
2H111
2H114
【Fターム(参考)】
2H111HA14
2H111HA23
2H111HA32
2H114AA04
2H114BA10
2H114DA04
2H114DA43
2H114DA47
2H114DA56
2H114DA61
2H114EA02
(57)【要約】
本発明は、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含むレーザー画像形成性組成物であって、多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、レーザー画像形成性組成物に関する。レーザー画像形成性組成物の配合方法、および基板に塗布されたレーザー画像形成性組成物を含む基板も開示される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含むレーザー画像形成性組成物であって、
多価金属の前記オキシアニオンは、D
50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、レーザー画像形成性組成物。
【請求項2】
多価金属の前記オキシアニオンの前記粒子は、D
50粒子サイズ分布が7μm以下、好ましくは5μm以下、好ましくは4.5μm以下、好ましくは4μm以下、好ましくは3.5μm以下、好ましくは3μm以下、好ましくは2.5μm以下、好ましくは2.4μm以下である、請求項1に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項3】
多価金属の前記オキシアニオンの前記粒子は、D
90粒子サイズ分布が25μm以下、好ましくは20μm以下、好ましくは15μm以下、好ましくは10μm以下、好ましくは9.5μm以下、好ましくは9μm以下、好ましくは8.5μm以下、好ましくは8μm以下である、請求項1または2に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項4】
多価金属の前記オキシアニオンの前記粒子は、D
10粒子サイズ分布が4μm以下、好ましくは3μm以下、好ましくは2.5μm以下、好ましくは2μm以下、好ましくは1.5μm以下、好ましくは1μm以下である、請求項1から3のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項5】
多価金属の前記オキシアニオンの前記粒子は、表面積が950m
2/kg以上、好ましくは1200m
2/kg以上、好ましくは1500m
2/kg以上、好ましくは2000m
2/kg以上、好ましくは2500m
2/kg以上、好ましくは3000m
2/kg以上、好ましくは3700m
2/kg、好ましくは4000m
2/kg以上である、請求項1から4のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項6】
多価金属の前記オキシアニオンが、多価金属のオキシアニオンのアンモニウム塩である、請求項1から5のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項7】
多価金属の前記オキシアニオンが、モリブデンのオキシアニオンのアンモニウム塩である、請求項6に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項8】
多価金属の前記オキシアニオンがオクタモリブデン酸アンモニウム(AOM)である、請求項6または7に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項9】
前記オリゴマーが放射線硬化性オリゴマー、好ましくはUV線硬化性オリゴマーである、請求項1から8のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項10】
前記オリゴマーが二官能性、三官能性もしくは四官能性であるか、または官能性のより大きいオリゴマーである、請求項1から9のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項11】
前記オリゴマーが二官能性、三官能性または四官能性である、請求項10に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項12】
前記オリゴマーが二官能性または三官能性である、請求項10または11に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項13】
前記オリゴマーが二官能性である、請求項10から12のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項14】
前記オリゴマーが、修飾エポキシオリゴマーを含むエポキシオリゴマー;修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーを含むエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー;ウレタンオリゴマー;シランもしくはケイ素オリゴマー;アルキル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、酸官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、アミン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリレートオリゴマー;ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー;およびウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項1から13のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項15】
前記オリゴマーが、エポキシオリゴマー、修飾エポキシオリゴマー、ウレタンオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項14に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項16】
前記オリゴマーが、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項14または15に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項17】
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項14、15または16に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項18】
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項14から17のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項19】
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される、請求項14から18のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項20】
前記オリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーである、請求項14から19のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項21】
前記オリゴマーは、粘度が200Pa・s以下、好ましくは160Pa・s以下、好ましくは100Pa・s以下、より好ましくは80Pa・s以下である、請求項1から20のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項22】
前記オリゴマーは、粘度が1~200Pa・s、好ましくは1~160Pa・sである、請求項1から21のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項23】
前記オリゴマーは、粘度が1~100Pa・s、好ましくは1~80Pa・sである、請求項22に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項24】
前記オリゴマーは、粘度が3~200Pa・s、好ましくは3~160Pa・sである、請求項1から21のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項25】
前記オリゴマーは、粘度が3~100Pa・s、好ましくは3~80Pa・sである、請求項24に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項26】
モノマーをさらに含む、請求項1から25のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項27】
前記モノマーが、単官能性、二官能性、三官能性もしくは四官能性モノマー、または官能性のより大きいモノマーである、請求項26に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項28】
前記モノマーが、二官能性、三官能性もしくは四官能性モノマー、または官能性のより大きいモノマーである、請求項26または27に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項29】
前記モノマーが二官能性または三官能性モノマーである、請求項26、27または28に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項30】
前記モノマーが二官能性モノマーである、請求項26から29のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項31】
前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項26から30のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項32】
前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項26から31のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項33】
前記モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である、請求項26から32のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項34】
前記オリゴマーは、粘度が50Pa・s以上、好ましくは100Pa・s以上、または200Pa・s以上、より好ましくは1,000Pa・s以上である、請求項26から33のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項35】
前記モノマーは、粘度が1.8Pa・s以下、好ましくは0.8Pa・s以下である、請求項26から34のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項36】
前記モノマーは、粘度が0.1Pa・s以下、好ましくは0.05Pa・s以下、好ましくは0.02Pa・s以下である、請求項35に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項37】
前記モノマーは、粘度が0.01~1.8Pa・s、好ましくは0.01~0.8Pa・sである、請求項26から34のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項38】
前記モノマーは、粘度が0.01~0.1Pa・s、好ましくは0.01~0.05Pa・s、より好ましくは0.01~0.02Pa・sである、請求項37に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項39】
前記モノマーは、粘度が0.015~1.8Pa・s、好ましくは0.015~0.8Pa・s、好ましくは0.015~0.1Pa・sである、請求項26から34のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項40】
前記モノマーは、粘度が0.015~0.05Pa・s、好ましくは0.015~0.02Pa・sである、請求項39に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項41】
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項26から40のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項42】
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、および修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項41に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項43】
前記オリゴマーが、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、および修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項41または42に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項44】
前記オリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項41から43のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項45】
前記オリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、前記モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である、請求項41から44のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項46】
前記オリゴマーが、二官能性もしくは三官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項26から40のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項47】
前記オリゴマーが、二官能性もしくは三官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項46に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項48】
前記オリゴマーが二官能性である、請求項46または47に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項49】
前記オリゴマーが二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、前記モノマーが、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)
3トリアクリレート(TMP(EO)
3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)
9トリアクリレート(TMP(EO)
9TA)から選択される、請求項46、47または48のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項50】
前記オリゴマーが二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、前記モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である、請求項46から49のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項51】
前記レーザー画像形成性組成物の印刷粘度が、10~600Pa・s、好ましくは55~500Pa・s、より好ましくは80~400Pa・sである、請求項1から50のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項52】
前記印刷粘度が100~400Pa・s、好ましくは100~300Pa・sである、請求項51に記載のレーザー画像形成性組成物。
【請求項53】
請求項1から52のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物を含む基板。
【請求項54】
非金属基板である、請求項53に記載の基板。
【請求項55】
前記レーザー画像形成性組成物が、コーティング重量0.7~2gsm、好ましくは0.7~1.8gsm、より好ましくは0.7~1.7gsmまで前記基板に塗布される、請求項53または54に記載の基板。
【請求項56】
前記レーザー画像形成性組成物が、コーティング重量0.8~1.5gsm、好ましくは0.8~1.2gsmまで前記基板に塗布される、請求項55に記載の基板。
【請求項57】
前記基板は、基板に塗布された前記レーザー画像形成性組成物の単層を含む、請求項53から56のいずれかに記載の基板。
【請求項58】
基板に塗布された請求項1から52のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物を有する基板を形成する方法であって、基板に前記レーザー画像形成性組成物を塗布するステップを含む、方法。
【請求項59】
基板に塗布された請求項1から52のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物を含む基板に画像を形成する方法であって、前記レーザー画像形成性組成物を放射線に曝露して、前記基板に画像を形成するステップを含む、方法。
【請求項60】
請求項1から52のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物を形成する方法であって、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを組み合わせる、方法。
【請求項61】
(a)多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含む組成物を形成するステップ、ならびに
(b)前記組成物を粉砕して、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含む前記レーザー画像形成性組成物を得るステップであって、多価金属の前記オキシアニオンはD
50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、ステップ
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
(a’)多価金属のオキシアニオンを粉砕して、D
50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を得るステップ、および
(b’)D
50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む多価金属の前記オキシアニオンを、オリゴマーと組み合わせるステップ
を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項63】
オフセットリソグラフ印刷における、請求項1から52のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物の使用。
【請求項64】
基板での画像の形成における、請求項1から52のいずれかに記載のレーザー画像形成性組成物の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はレーザー画像形成性組成物に関する。本発明は、基板に塗布されたレーザー画像形成性組成物を含む基板、およびレーザー画像形成性組成物を形成する方法にさらに関する。
【背景技術】
【0002】
ヒトおよび/または機械読取可能な要素を生成するための、多様な情報印刷に対するレーザー画像形成性組成物の使用が既知である。レーザー画像形成性組成物を基板に塗布した後、レーザー画像形成性組成物に好適な刺激を加えると画像が形成され得る。
【0003】
レーザー画像形成性組成物は、複数の様々な既知の印刷工程を使用して基板に塗布され得る。これらの印刷工程の各々が、特定のコーティング重量で、基板にレーザー画像形成性組成物の層をもたらす。低コーティング重量での基板へのレーザー画像形成性組成物の塗布では、好ましい印刷工程はオフセットリソグラフ印刷である。この高品質の印刷技法は、組成物の層1つあたり通常0.7~1.8gsm(1平方メートルあたりのグラム)の範囲のコーティング重量で、基板にレーザー画像形成性組成物を塗布することができる。低コーティング重量は、この印刷工程がコストの観点からしばしば商業的に好まれることを意味する。
【0004】
多価金属のオキシアニオンは、レーザー画像形成性組成物の化合物として当技術分野で既知である。そのような化合物は、レーザー画像形成性組成物を好適な刺激に曝露すると、高コントラストのヒトおよび/または機械読取可能な画像を発生させることができる。しかし、オフセットリソグラフ印刷工程に利用される多価金属のオキシアニオンでは、高コントラストの画像形成を促進するためには、レーザー画像形成性組成物の多層が基板に塗布されなければならない。オフセットリソグラフ印刷技法により発生する低コーティング重量は、多価金属のオキシアニオンを含むレーザー画像形成性組成物の単一塗布が、高コントラストのヒトおよび/または機械読取可能な画像を生成するのに不十分であることを意味する。この、レーザー画像形成性組成物の多層が必要とされることは、時間がかかり、印刷装置の相当のスペ-スを占拠し、その結果オフセットリソグラフ印刷は、多価金属のオキシアニオンを含むレーザー画像形成性組成物にとって商業的に実行可能とは一般的にみなされない。結果として、望ましい多様な情報をレーザー画像形成性組成物に発生させるための、多価金属のオキシアニオンを含むレーザー画像形成性組成物を基板に塗布するための印刷工程は、フレキソ、グラビアおよびスクリ-ン印刷などの、より大きなコーティング重量のレーザー画像形成性組成物を送達する印刷技法のみにしばしば制限される。
【0005】
ゆえに、基板へのレーザー画像形成性組成物の単層のみの塗布後を含む、オフセットリソグラフ印刷による低コーティング重量での基板へのレーザー画像形成性組成物の塗布後に、好適な刺激に曝露すると、レーザー画像形成性組成物がヒトおよび/または機械読取可能な高コントラストの画像をもたらすことが可能な、多価金属のオキシアニオンを含む前記組成物を提供することが望ましい。
【発明の概要】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含むレーザー画像形成性組成物であって、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、レーザー画像形成性組成物が提供される。
【0007】
本発明の第2の態様によれば、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含むレーザー画像形成性組成物を形成する方法であって、
レーザー画像形成性組成物中の多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含み、方法が、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0008】
本発明の第3の態様によれば、基板に塗布されたレーザー画像形成性組成物を含む基板であって、レーザー画像形成性組成物が、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含み、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、基板が提供される。
【0009】
本発明の第4の態様によれば、基板に塗布されたレーザー画像形成性組成物を有する基板を形成する方法であって、方法が、レーザー画像形成性組成物を基板に塗布するステップを含み、レーザー画像形成性組成物が、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含み、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、方法が提供される。
【0010】
本発明の第5の態様によれば、基板に塗布されたレーザー画像形成性組成物を含む基板に画像を形成する方法であって、レーザー画像形成性組成物が、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含み、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含み、方法が、レーザー画像形成性組成物を放射線に曝露して、基板に画像を形成するステップを含む、方法が提供される。
【0011】
本発明の第6の態様によれば、オフセットリソグラフ印刷におけるレーザー画像形成性組成物の使用であって、レーザー画像形成性組成物が、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含み、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、使用が提供される。
【0012】
本発明の第7の態様によれば、基板での画像の形成におけるレーザー画像形成性組成物の使用であって、レーザー画像形成性組成物が、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含み、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、使用が提供される。
【発明を実施するための形態】
【0013】
驚くべきことに、有利には、本発明によるレーザー画像形成性組成物が、オフセットリソグラフ印刷により基板にレーザー画像形成性組成物の単層のみを塗布した際を含めて、オフセットリソグラフ印刷により低コーティング重量で基板に塗布された際に、基板での、高コントラストのヒトおよび/または機械読取可能な画像の生成を促進することが可能であることが見出された。本発明によるレーザー画像形成性組成物は、有利には、良好な耐環境性も示し、長期にわたって高コントラストの画像を維持する。
【0014】
さらに驚くべきことに、有利には、本発明のレーザー画像形成性組成物が、オフセットリソグラフ印刷工程の間増強されたレオロジープロファイルを示すことができ、所望の基板に印刷されるとレーザー画像形成性組成物の改善された滑らかさをもたらすことが見出された。
【0015】
本明細書で使用される用語「オフセットリソグラフ印刷」、「リソグラフ印刷」および「オフセット印刷」は、当業者に周知の最新の印刷技法を指す。この用語は、当業者により互換可能に使用されてよい。
【0016】
本発明の第1の態様によれば、
(a)多価金属のオキシアニオンおよび
(b)オリゴマー
を含むレーザー画像形成性組成物であって、
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、レーザー画像形成性組成物が提供される。
【0017】
多価金属のオキシアニオンは、多価金属の任意の適切なオキシアニオンであってよい。本明細書で使用される場合、用語「多価金属のオキシアニオン」により包含されるのは、多価金属の前記オキシアニオンの任意の酸素酸または水和物もである。水和物は、多価金属のオキシアニオンの水和物であっても、多価金属の対応する酸素酸の水和物であってもよい。多価金属のオキシアニオン、またはその対応する酸素酸は、無水物であってもよい。
【0018】
多価金属のオキシアニオンは、カチオン性対応物とともに存在する、多価金属の任意の適切なオキシアニオン(アニオン性成分)を含む。組成物での多価金属のオキシアニオンの使用は、その内容が参照により本明細書に組み込まれる米国特許第7485403号明細書で開示される。アニオン性成分は、無機金属オキシアニオン化合物、例えばジ-、トリ-、ヘキサ-、ヘプタ-、オクタ-およびデカ-モリブデン酸塩を含むモリブデン酸塩、タングステン酸塩、クロム酸塩、または混合した酸化状態で、かつ混合した無機金属オキシアニオンの類似の遷移金属化合物であってもよい。好ましくは、付随するカチオン性成分は、アルカリ金属またはアルカリ土類金属またはアンモニウムである。多価金属のオキシアニオンの一例はモリブデン酸ナトリウムである。多価金属の好ましいオキシアニオンは、無機金属オキシアニオン化合物のアンモニウム塩である。例えば、パラタングステン酸アンモニウム(APT)。多価金属のオキシアニオンとして特に好ましいのは、モリブデンのオキシアニオンのアンモニウム塩である。多価金属の特に好ましいオキシアニオンは、CAS番号12411-64-2の市販のモリブデン組成物である、オクタモリブデン酸アンモニウム(NH4)4Mo8O26つまり「AOM」である。
【0019】
好ましくは、多価金属のオキシアニオンは、多価金属のオキシアニオンのアンモニウム塩、例えばモリブデンのオキシアニオンのアンモニウム塩である。より好ましくは、多価金属のオキシアニオンはオクタモリブデン酸アンモニウム(AOM)である。
【0020】
多価金属のオキシアニオンは、レーザー画像形成性組成物の「画像形成化合物」である。「画像形成化合物」により、基板へのレーザー画像形成性組成物の塗布後に、レーザー画像形成性組成物、ゆえに多価金属のオキシアニオンを好適な放射線に曝露すると、多価金属のオキシアニオンが、識別可能なコントラストの画像を基板に形成することが意図される。識別可能なコントラストの画像はヒトおよび/または機械読取可能である。本発明の状況において、識別可能なコントラストの画像は、放射線により形成される黒色の光学密度に応じた、黒色、またはグレースケールを含むその濃淡である。「コントラストの画像」、「高コントラストの画像」または本明細書で使用される同様の用語により、放射線に曝露されたレーザー画像形成性組成物の部分において形成された画像が、レーザー画像形成性組成物のバックグラウンド、すなわち放射線に曝露されていないレーザー画像形成性組成物の部分、さらにはそれを通して見える任意の基板とは異なっておりかつ容易に区別可能であることが意図される。レーザー画像形成性組成物は、配合時、基板への塗布時および放射線への曝露前には白色またはほとんど白色であり得る。したがって、放射線に曝露されていないレーザー画像形成性組成物の部分、すなわちレーザー画像形成性組成物のバックグラウンドは、白色またはほとんど白色のままであり得る。本発明では、高コントラストの画像の有効な形成は、ΔODB(Δ光学密度黒)値により示される。ΔODBは以下のように算出される:「絶対」ODB-「バックグラウンド」ODB。「絶対」ODBは、画像の黒色の光学密度の尺度である。値が大きいほど、形成された黒色が濃い。「バックグラウンド」ODBは、基板でのレーザー画像形成性組成物のバックグラウンド、すなわち放射線に曝露されていないレーザー画像形成性組成物の部分、さらにはそれを通して見える任意の基板の黒色の光学密度の尺度である。ゆえにΔODB値は、レーザー画像形成性組成物の画像化されていない部分に対する、画像の黒色の光学密度の差の尺度である。より大きいΔODB値はより高いコントラストの画像を示す。ODB測定は全て、X-Rite eXactまたはSpectroEye分光光度計を使用して行われてよい。本発明では、ΔODB値0.6以上、例えば0.7以上、またはさらには0.8以上、好ましくは1.0以上が望ましい。そのような値は、オフセットリソグラフ印刷による基板へのレーザー画像形成性組成物の塗布後に放射線に曝露した際の、本発明のレーザー画像形成性組成物による高コントラストの画像の形成を示す。
【0021】
多価金属のオキシアニオンは、D50粒子サイズ分布が10μm以下、例えば7μm以下である粒子を含む。多価金属のオキシアニオンが粒子形態でレーザー画像形成性組成物中に存在し、粒子がD50粒子サイズ分布10μm以下、例えば7μm以下を有することが、当業者により理解されるはずである。好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子は、D50粒子サイズ分布5μm以下、例えば4.5μm以下、例えば4μm以下、またはさらに3.5μm以下を有する。より好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子は、D50粒子サイズ分布3μm以下、例えば2.5μm以下、またはさらに2.4μm以下を有する。
【0022】
多価金属のオキシアニオンの粒子は、0.5~10μm、例えば0.5~7μm、または0.5~5μm、またはさらに1~4μm、好ましくは2~3.5μm、より好ましくは2~3μm、最も好ましくは2.2~2.4μmの範囲のD50粒子サイズ分布を有していてよい。
【0023】
多価金属のオキシアニオンの粒子は、任意の適切なD90粒子サイズ分布を有していてよい。多価金属のオキシアニオンが粒子形態でレーザー画像形成性組成物中に存在し、粒子が任意の適切なD90粒子サイズ分布を有することが、当業者により理解されるはずである。好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子のD90粒子サイズ分布は25μm以下、例えば20μm以下、または15μm以下、または10μm以下、または9.5μm以下、またはさらに9μm以下である。より好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子のD90粒子サイズ分布は8.5μm以下、例えば8μm以下である。
【0024】
多価金属のオキシアニオンの粒子は、任意の適切なD10粒子サイズを有していてよい。多価金属のオキシアニオンが粒子形態でレーザー画像形成性組成物中に存在し、粒子が任意の適切なD10粒子サイズ分布を有することが、当業者により理解されるはずである。好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子のD10粒子サイズ分布は4μm以下、例えば3μm以下、例えば2.5μm以下、またはさらに2μm以下である。より好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子のD10粒子サイズ分布は1.5μm以下、例えば1μm以下である。
【0025】
多価金属のオキシアニオンの粒子のD50粒子サイズ分布が小さいことが、当業者により理解されるはずである。本発明のレーザー画像形成性組成物が、オフセットリソグラフ印刷を使用して、低減させたコーティング重量で基板に塗布されることが可能となり、その結果、特に高コントラストの画像形成を促進するのにレーザー画像形成性組成物の単一の塗布のみが必要とされ得るだけでなく、小さい粒子サイズにより、本発明のレーザー画像形成性組成物についてレオロジープロファイルの改善が促進される。さらに、前記粒子サイズ分布値から生じる多価金属のオキシアニオンの粒子の表面積増大により、レーザー画像形成性組成物を放射線に曝露すると、増強されたコントラストの画像の生成が促進される。多価金属のオキシアニオンの粒子が、本明細書で詳述されるD90およびD10粒子サイズ分布を有する場合にも、同様の効果が見られる。
【0026】
用語「D50」および「D50粒子サイズ分布」は、本明細書で使用される場合、多価金属のオキシアニオンの粒子の中央粒径、すなわち累積分布の50%における粒子直径を指す。これは、その上下で粒子集団の50%が見られる直径である。用語「D10」および「D10粒子サイズ分布」は、本明細書で使用される場合、粒子直径10パーセンタイル中央値、すなわちそれ未満で粒子集団の10%が見られる直径を指す。用語「D90」および「D90粒子サイズ分布」は、本明細書で使用される場合、粒子直径90パーセンタイル中央値、すなわちそれ未満で粒子集団の90%が見られる直径を指す。
【0027】
粒子サイズ分布測定が、調製されたレーザー画像形成性組成物が基板への塗布にとって適切であれば、調製されたレーザー画像形成性組成物を使用して行われることが、当業者により理解されるはずである。多価金属のオキシアニオンの粒子は、調製されたレーザー画像形成性組成物が基板への塗布にとって適切であれば、粒子または粒子形態の調製されたレーザー画像形成性組成物の唯一の成分である。本明細書で指定または報告される粒子サイズ分布測定は、ISO13320:2009に従って、Malvern Instrumentsの従来のMalvern Mastersizer(商標)3000粒子サイズ分析計により測定される。本発明のレーザー画像形成性組成物のD50、D90およびD10粒子サイズ分布は、好ましくは、レーザー画像形成性組成物の配合から1カ月以内、例えば2週間以内、より好ましくはレーザー画像形成性組成物の配合から1週間以内に測定される。
【0028】
本発明の多価金属のオキシアニオンの粒子は、表面積950m2/kg以上、例えば1200m2/kg以上、または1500m2/kg以上、好ましくは2000m2/kg以上、例えば2500m2/kg以上、例えば3000m2/kg以上、またはさらに3700m2/kg、より好ましくは4000m2/kg以上を有していてよい。
【0029】
表面積は、粒子サイズ分布データから表面積を算出するISO規格13320:2009に従って、Malvern Mastersizerを使用して測定される。本発明のレーザー画像形成性組成物の表面積は、好ましくは、レーザー画像形成性組成物の配合から1カ月以内、例えば2週間以内、より好ましくはレーザー画像形成性組成物の配合から1週間以内に測定される。
【0030】
多価金属のオキシアニオンは、任意の適切な量で、本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在していてよい。好ましくは、レーザー画像形成性組成物は、40~70wt%、例えば30~60wt%の多価金属のオキシアニオン、またはさらに40~60wt%の多価金属のオキシアニオンを含む。
【0031】
本発明によるレーザー画像形成性組成物はオリゴマーを含む。レーザー画像形成性組成物のオリゴマーは、オフセットリソグラフ印刷用のレーザー画像形成性組成物における使用のための、任意の適切なオリゴマーであってよい。レーザー画像形成性組成物のオリゴマーは、任意の適切な放射線硬化性オリゴマー、例えばUV線硬化性オリゴマーであってよい。本発明によるレーザー画像形成性組成物が、2つ以上のオリゴマーを含んでいてよいことに留意されたい。
【0032】
レーザー画像形成性組成物のオリゴマーは組成物のためのバインダーとして作用し、それにより組成物が、本発明のレーザー画像形成性組成物としての使用にとって適切となり得る。ゆえにオリゴマーの存在は、本発明のレーザー画像形成性組成物を使用しての高コントラストの画像の生成を促進する。さらに、以下でより詳細に論じられるように、オリゴマーの選択により、増強された耐環境性を有するレーザー画像形成性組成物の生成が可能となり得、その結果、コントラストの増大した画像の生成が可能となるだけでなく、この画像が長期にわたって維持され得る。
【0033】
オリゴマーは、二官能性、三官能性もしくは四官能性オリゴマー、または官能性のより大きいオリゴマーであってよい。好ましくは、オリゴマーは二官能性、三官能性または四官能性オリゴマーである。より好ましくは、オリゴマーは二官能性または三官能性オリゴマーである。最も好ましくは、オリゴマーは二官能性オリゴマーである。特定の官能性を有するオリゴマーの選択は、本発明のレーザー画像形成性組成物が、増強された耐環境性を示すことができ、放射線を照射すると高いコントラストの画像が形成され長期にわたって維持され得ることを意味すると現時点では考えられている。これは特に、オリゴマーが二官能性または三官能性オリゴマーである場合、特にオリゴマーが二官能性オリゴマーである場合である。
【0034】
オリゴマーの官能性は、その重合可能な基の数を指す。オリゴマーの官能性は、オリゴマーの反復単位がポリマー内で他のオリゴマーと形成する結合の数を表す。オリゴマーの官能性は、ポリマーの架橋の形成および度合に影響を及ぼす。本明細書で使用される用語「二官能性」および同様の用語は、オリゴマーに2つの反応性部位、すなわち2つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のオリゴマーと2つの結合を形成することが可能なオリゴマーを指す。本明細書で使用される用語「三官能性」および同様の用語は、オリゴマーに3つの反応性部位、すなわち3つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のオリゴマーと3つの結合を形成することが可能なオリゴマーを指す。本明細書で使用される用語「四官能性」および同様の用語は、オリゴマーに4つの反応性部位、すなわち4つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のオリゴマーと4つの結合を形成することが可能なオリゴマーを指す。用語「官能性のより大きい」は、4つ超の反応性部位、例えば最大6つの反応性部位を有するオリゴマーを指す。
【0035】
オリゴマーは、以下のものから選択されてよいがこれらに限定されない:修飾エポキシオリゴマーを含むエポキシオリゴマー;ウレタンオリゴマー;シランまたはケイ素オリゴマー;エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(例えばビニルエステルオリゴマー)および修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー(例えば修飾ビニルエステルオリゴマー)、メチル(メタ)アクリレートオリゴマーなどのアルキル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、酸官能性(メタ)アクリレートオリゴマー、アミン(メタ)アクリレートオリゴマーを含む(メタ)アクリレートオリゴマー;ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー;およびウレタン(メタ)アクリレートオリゴマー。
【0036】
「(メタ)アクリレート」は、アクリレートおよびメタクリレートの両方を包含し、括弧はその中の構成要素が任意に使用されてよいことを示す。通常、本明細書で使用される場合、(メタ)アクリレートは好ましくはアクリレートを指す。エポキシオリゴマーおよびエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーが、フェノールおよびホルムアルデヒドを組み合わせることにより形成されるオリゴマー(ノボラック経路);ならびにエピクロロヒドリン(ECH)およびビスフェノールA(BPA)などのエポキシ基含有化合物から形成されるオリゴマーを含むがこれらに限定されず、後者が脂肪族グリコール、フェノールおよびo-クレゾールノボラックなどの他の物質で任意に置換されることに留意されたい。(メタ)アクリル酸などのアクリル基含有化合物とのさらなる反応が、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの形成を促進し得る。
【0037】
エポキシオリゴマーおよびエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーに関して本明細書で使用される場合、「修飾」により、エポキシオリゴマーまたはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーのエポキシ基が、さらなる化学的修飾(エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーの(メタ)アクリレート基を生成するためのもの以外)を受けていることが意図される。そのような化学的修飾は、付加重合反応、二量体化、エステル化および水素化を含むがこれらに限定されない反応により引き起こされ得る。これらの修飾が、オリゴマーの反応性、接着性、柔軟性、耐化学性、硬さおよび収縮の特性を変化させることが理解されるはずである。
【0038】
適切なオリゴマーの具体的な例は、全てRahn AGから入手可能な、商品名「Genomer」のオリゴマー、例えばGenomer3414および3480(ポリエーテルアクリレートオリゴマー)、Genomer5271(アミンアクリレートオリゴマー)、Genomer2263(エポキシアクリレートオリゴマー(ビニルエステル))、Genomer2281(修飾エポキシアクリレートオリゴマー)、ならびにGenomer4312(ポリエステルウレタンアクリレートオリゴマー)を含むがこれらに限定されない。
【0039】
好ましくは、オリゴマーは、エポキシオリゴマー、修飾エポキシオリゴマー、ウレタンオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、オリゴマーは、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される。最も好ましくは、オリゴマーはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーである。
【0040】
化学的性質に関するオリゴマーのそのような選択は、レーザー画像形成性組成物が、増強された耐環境性を示すことができ、放射線を照射すると高いコントラストの画像が形成され長期にわたって維持され得ることを意味すると現時点では考えられている。これは特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される場合、特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択される場合、より特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーである場合である。
【0041】
好ましくは、オリゴマーは、エポキシオリゴマー、修飾エポキシオリゴマー、ウレタンオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーは三官能性または二官能性、好ましくは二官能性である。より好ましくは、オリゴマーは、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステルウレタン(メタ)アクリレートオリゴマーおよびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーは二官能性または三官能性、好ましくは二官能性である。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエステル(メタ)アクリレートオリゴマー、ポリエーテル(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーは三官能性または二官能性、好ましくは二官能性である。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーは三官能性または二官能性、好ましくは二官能性である。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーは二官能性または三官能性、好ましくは二官能性である。より好ましくは、オリゴマーはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、オリゴマーは二官能性または三官能性、好ましくは二官能性である。最も好ましくは、オリゴマーは二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーである。オリゴマーのそのような選択は、レーザー画像形成性組成物が、増強された耐環境性を示すことができ、放射線を照射すると高いコントラストの画像が形成され長期にわたって維持され得ることを意味する。これは特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーが二官能性である場合、特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、オリゴマーが二官能性である場合、より特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、オリゴマーが二官能性である場合、さらにより特にオリゴマーが二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーである場合である。
【0042】
オリゴマーは、任意の適切な量で本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在していてよい。好ましくは、レーザー画像形成性組成物は、10~50wt%、例えば20~50wt%、またはさらに25~45wt%のオリゴマーを含む。
【0043】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、モノマーをさらに含んでいてよい。有利には、存在する場合モノマーは、レーザー画像形成性組成物に放射線を照射すると、高品質な高コントラストの画像の生成を促進し得ることが見出された。さらに、本発明のレーザー画像形成性組成物中にモノマーが存在することで、特に粘度に関して、より広範なオリゴマーが利用可能となる。以下でより詳細に論じられるように、増大した粘度のオリゴマーが利用されてよい。本発明のレーザー画像形成性組成物にオリゴマーと組み合わせたモノマーを使用すると、オフセットリソグラフ印刷工程の間のレーザー画像形成性組成物のレオロジープロファイルが増強され、所望の基板に塗布されると改善された滑らかさがもたらされ得る。より大きい粘度のオリゴマーにより、増強されたレオロジープロファイルが達成可能となる、すなわちより大きいシアシニング効果が示される。モノマーは、オフセットリソグラフ印刷用のレーザー画像形成性組成物における使用のための、任意の適切なモノマーであってよい。レーザー画像形成性組成物のモノマーは、任意の適切な放射線硬化性モノマー、例えばUV線硬化性モノマーであってよい。本発明によるレーザー画像形成性組成物が2つ以上のモノマーを含んでいてよいことに留意されたい。
【0044】
モノマーの存在が、本発明のレーザー画像形成性組成物の硬さ、柔軟性、光沢、耐化学性および接着性特性もさらに増強すると現時点ではさらに考えられている。
【0045】
モノマーは単官能性、二官能性、三官能性もしくは四官能性モノマー、または官能性のより大きいモノマーであってよい。好ましくは、モノマーは二官能性、三官能性もしくは四官能性モノマー、または官能性のより大きいモノマーである。より好ましくは、モノマーは二官能性または三官能性モノマーである。最も好ましくは、モノマーは二官能性モノマーである。モノマーのそのような選択は、高品質な高いコントラストの画像の生成を促進すること、ならびに本発明のレーザー画像形成性組成物の硬さ、柔軟性、光沢、耐化学性および接着性特性の改善にさらに寄与することにおいて有利であると考えられる。これは特にモノマーが二官能性または三官能性モノマーであるように選択される場合、特にモノマーが二官能性モノマーであるように選択される場合である。
【0046】
モノマーの官能性は、その重合可能な基の数を指す。モノマーの官能性は、モノマーの反復単位がポリマー内で他のモノマーと形成する結合の数を表す。モノマーの官能性は、ポリマーの架橋の形成および度合に影響を及ぼす。本明細書で使用される用語「単官能性」および同様の用語は、モノマーに1つのみの反応性部位、すなわち1つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のモノマーと1つの結合を形成することが可能なモノマーを指す。本明細書で使用される用語「二官能性」および同様の用語は、モノマーに2つの反応性部位、すなわち2つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のモノマーと2つの結合を形成することが可能なモノマーを指す。本明細書で使用される用語「三官能性」および同様の用語は、モノマーに3つの反応性部位、すなわち3つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のモノマーと3つの結合を形成することが可能なモノマーを指す。本明細書で使用される用語「四官能性」および同様の用語は、モノマーに4つの反応性部位、すなわち4つの重合可能な基を有し、ポリマー内で他のモノマーと4つの結合を形成することが可能なモノマーを指す。用語「官能性のより大きい」は、4つ超の反応性部位、例えば最大6つの反応性部位を有するモノマーを指す。
【0047】
適切なモノマーは、アクリル化エポキシモノマー、アクリル化ポリウレタンモノマー、アクリル化ポリエステルモノマー、アクリル化エポキシ化油モノマー、アクリル化ポリエーテルモノマー、およびそれらの混合物を含むがこれらに限定されない(メタ)アクリレートモノマーを含む。例えば、適切なモノマーは、単官能性(メタ)アクリレートモノマー、例えばカプロラクトンアクリレート(CA)、フェノキシベンジルアクリレート(PBA)、0-フェニルフェノールEOアクリレート(OPPEA)、4-tert-ブチルシクロヘキシルアクリレート(TBCHA)、ベンジルアクリレート(BZA)、ビフェニルメチルアクリレート(BPMA)、テトラヒドロフルフリルアクリレート(THFA)、エトキシエトキシエチルアクリレート(EOEOA)、ステアリルアクリレート(SA)、オクタデシルアクリレート(ODA)、環状トリメチロールプロパンホルマールアクリレート(CFTA)、エトキシ化4ノニルフェノールアクリレート(NP4EOA)、3,3,5-トリメチルシクロヘキシルアクリレート(TMCHA)、イソボルニルメタクリレート(IBOMA)、イソボルニルアクリレート(IBOA)、ラウリルアクリレート(LA)、イソデシルアクリレート(IDA)、フェノール(EO)アクリレート(PH(EO)A)、ノニルフェノール(EO)4アクリレート(NP(EO)4A)、ノニルフェノール(EO)8アクリレート(NP(EO)8A)、2-(2-エトキシエトキシ)エチルアクリレート(EOEOA)、ベンジルメタクリレート(BZMA)、イソデシルメタクリレート(IDMA)、フェノキシエチルメタクリレート(PHEMA)、テトラヒドロフルフリルメタクリレート(THFMA)、ステアリルメタクリレート(SMA)、メトキシPEG600メタクリレート(MPEG600MA)、フェノキシエチルアクリレート(PEA);二官能性(メタ)アクリレートモノマー、例えば1,6-ヘキサンジオールジメタクリレート(HDDMA)、1,4-ブタンジオールジメタクリレート(BDDMA)、ネオペンチルグリコールジメタクリレート(NPGDMA)、エチレングリコールジメチルアクリレート(EGDMA)、ジエチレングリコールジメタクリレート(DEGDMA)、トリエチレングリコールジメタクリレート(TEGDMA)、テトラエチレングリコールジメタクリレート(T4EGDMA)、ビスフェノールA(EO)3ジメタクリレート(BPA(EO)3DMA)、ビスフェノールA(EO)4ジメタクリレート(BPA(EO)4DMA)、ビスフェノールA(EO)10ジメタクリレート(BPA(EO)10DMA)、ビスフェノールA(EO)30ジメタクリレート(BPA(EO)30DMA)、1,3-ブチレングリコールジメタクリレート(BGDMA)、ポリエチレングリコール200ジメタクリレート(PEG200DMA)、ポリエチレングリコール400ジメタクリレート(PEG400DMA)、エトキシ化ポリプロピレングリコールジメタクリレート(PPG700(EO)6DMA);三官能性(メタ)アクリレートモノマー、例えばトリメチロールプロパントリアクリレート(TPMTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)、トリメチロールプロパン(EO)6トリアクリレート(TMP(EO)6TA)、トリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)、トリメチロールプロパン(EO)15トリアクリレート(TMP(EO)15TA)、グリセリン(PO)3トリアクリレート(GPTA)、ペンタエリスリトールアクリレート(PETA)、トリメチロールプロパン(PO)3トリアクリレート(TMP(PO)3TA)、トリス(2-ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート(THEICTA)、トリメチロールプロパントリメチルアクリレート(TMPTMA)、エトキシ化(EO)5ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PPTTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA);および四官能性(メタ)アクリレートモノマーまたは官能性のより大きいモノマー、例えばペンタエリスリトール(EO)nテトラアクリレート(PE(EO)nTTA)、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート(DTMPTTA)、ペンタエリスリトールテトラアクリレート(PETTA)、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート(DPPA)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)を含むがこれらに限定されない。
【0048】
「EO」は、本明細書で使用される場合エトキシ基を指し、任意のそれに続く下付きの数字はともに連結されたエトキシ基の数を示す。「EOn」は、エトキシ鎖長の混合物を含む生成物を指す。
【0049】
適切なモノマーの具体的な例は、市販のアクリル化ポリエーテルモノマー、例えばBASFから入手可能なLaromer TPGDA(トリプロピレングリコールジアクリレート)、商品名「Miramer」のモノマー、例えばMiramer M320(グリセリルプロポキシトリアクリレート-GPTA)、Miramer M3130(トリメチルプロパンEO3トリアクリレート-TMP(EO)3TA)、およびMiramer M3190(トリメチロールプロパンEO9トリアクリレート-TMP(EO)9TA);Rahn AGから入手可能な商品名Miramer M300(トリメチロールプロパントリアクリレート-TMPTA)のモノマーを含む市販のアクリル化ポリエステルモノマー;および市販の脂肪族アクリレートモノマー、例えば商品名Miramer M122(ラウリルアクリレート-LA)のモノマーを含むがこれらに限定されない。
【0050】
先に論じられたように、モノマーの選択により、より広範なオリゴマーが利用可能となり、高品質な高いコントラストの画像の生成が促進され得る。好ましくは、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。最も好ましくは、モノマーはトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である。
【0051】
モノマーのそのような選択により、レーザー画像形成性組成物に放射線を照射すると、特に高品質なコントラストの画像の生成が可能となる。これは特にモノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)であるように選択される場合である。
【0052】
好ましくは、モノマーが本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在する場合、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーは、エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーはエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、モノマーはトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である。明記されたオリゴマーおよびモノマーの選択により、レーザー画像形成性組成物に放射線を照射すると、高品質な高いコントラストの画像の生成が可能となる。それに加えて、明記されたオリゴマーおよびモノマーの選択は、レーザー画像形成性組成物が、増強された耐環境性を示すことができ、放射線を照射すると高いコントラストの画像が形成され長期にわたって維持されることを意味する。レーザー画像形成性組成物は通常、そのようなオリゴマーおよびモノマーを選択すると、改善された硬さ、柔軟性、光沢、耐化学性および接着性特性も示す。これは特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであるように選択され、モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される場合、特にオリゴマーがエポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであるように選択され、モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である場合である。
【0053】
好ましくは、モノマーが本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在する場合、オリゴマーは、二官能性または三官能性オリゴマー、好ましくは二官能性オリゴマー、例えば二官能性もしくは三官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、およびアミン(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、モノマーは、二官能性または三官能性モノマー、例えばトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーは、二官能性または三官能性オリゴマー、好ましくは二官能性オリゴマー、例えば二官能性もしくは三官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーおよび修飾エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマー、またはそれらの組み合わせから選択され、モノマーは、二官能性または三官能性モノマー、例えばトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーは二官能性オリゴマー、例えば二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される。より好ましくは、オリゴマーは二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであり、モノマーはトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である。明記されたオリゴマーおよびモノマーの選択により、レーザー画像形成性組成物に放射線を照射すると、高品質な高いコントラストの画像の生成が可能となる。それに加えて、明記されたオリゴマーおよびモノマーの選択は、レーザー画像形成性組成物が、増強された耐環境性を示すことができ、放射線を照射すると高いコントラストの画像が形成され長期にわたって維持されることを意味する。レーザー画像形成性組成物は通常、そのようなオリゴマーおよびモノマーを選択すると、改善された硬さ、柔軟性、光沢、耐化学性および接着性特性も示す。これは特にオリゴマーが二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであるように選択され、モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択される場合、特にオリゴマーが二官能性エポキシ(メタ)アクリレートオリゴマーであるように選択され、モノマーがトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)である場合である。
【0054】
モノマーは、任意の適切な量で本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在していてよい。好ましくは、存在する場合、レーザー画像形成性組成物は、10~50wt%、例えば10~40wt%、またはさらに10~30wt%、または10~25wt%のモノマーを含む。
【0055】
本発明のレーザー画像形成性組成物のオリゴマーは、レーザー画像形成性組成物の印刷粘度が、オフセットリソグラフ印刷に好適なレベルとなるように選択される。その上、レーザー画像形成性組成物のオリゴマーは、その能力により、その中での多価金属のオキシアニオンの湿潤、分散懸濁および安定化が可能となるように選択される。
【0056】
本発明のレーザー画像形成性組成物の印刷粘度は、10~600Pa・s(10,000~600,000cP)、例えば55~500Pa・s(55,000~500,000cP)、またはさらに80~400Pa・s(80,000~400,000cP)であってよい。好ましくは、印刷粘度は、100~400Pa・s(100,000~400,000cP)、より好ましくは100~300Pa・s(100,000~300,000cP)である。これらの印刷粘度範囲がオフセットリソグラフ印刷における使用にとって適切であることが、当業者により理解されるはずである。
【0057】
本発明のレーザー画像形成性組成物の印刷粘度は22℃で測定される。印刷粘度は、Brookfield DV2T Viscometerを使用して測定される。通常、7番スピンドル(RVスピンドルセット)が使用され、回転速度は個々のレーザー画像形成性組成物に好適であるように選択される。通常、回転速度は速度2、10、12、20、40、60および100rpmから選択される。印刷粘度は、レーザー画像形成性組成物が基板への塗布にとって適切であれば、すなわちオフセットリソグラフ印刷による基板への塗布にとって適切であれば、レーザー画像形成性組成物の粘度である。本発明のレーザー画像形成性組成物の印刷粘度は、好ましくはレーザー画像形成性組成物の配合から1カ月以内、例えば2週間以内、より好ましくはレーザー画像形成性組成物の配合から1週間以内に測定される。
【0058】
先に論じられたように、本発明のレーザー画像形成性組成物はモノマーをさらに含んでいてよい。オリゴマーの粘度に加えて、この任意のモノマーの粘度もレーザー画像形成性組成物の印刷粘度全体に寄与することが、当業者により理解されるはずである。したがって、本発明のレーザー画像形成性組成物に利用されるオリゴマーの粘度は、レーザー画像形成性組成物中のモノマーの存在/非存在に応じて変動してよい。先に論じられたように、本発明のレーザー画像形成性組成物中のモノマーの存在により、より広範なオリゴマー、特に増大した粘度のオリゴマーが使用可能となる。このことにより、オフセットリソグラフ印刷工程の間の本発明のレーザー画像形成性組成物のレオロジープロファイルが増強され、所望の基板に塗布されると改善された滑らかさがもたらされる。
【0059】
本発明のレーザー反応性組成物がモノマーを含まない場合、オリゴマーは通常、粘度200Pa・s以下(200,000cP以下)、例えば160Pa・s以下(160,000cP以下)、または100Pa・s以下(100,000cP以下)、好ましくは80Pa・s以下(80,000cP以下)を有していてよい。本発明のレーザー反応性組成物がモノマーを含まない場合、オリゴマーの粘度の下限は、1Pa・s(1,000cP)、好ましくは3Pa・s(3,000cP)であってよく、その結果オリゴマーは粘度1~200Pa・s(1,000~200,000cP)、例えば1~160Pa・s(1,000~160,000cP)、もしくは1~100Pa・s(1,000~100,000cP)、好ましくは1~80Pa・s(1,000~80,000cP)を有していてよく、またはオリゴマーは粘度3~200Pa・s(3,000~200,000cP)、例えば3~160Pa・s(3,000~160,000cP)、もしくは3~100Pa・s(3,000~100,000cP)、好ましくは3~80Pa・s(3,000~80,000cP)を有していてよい。代わりに、本発明のレーザー画像形成性組成物がモノマーをさらに含む場合、オリゴマーの粘度は、モノマーがレーザー画像形成性組成物に存在しない場合を超えていてよい。ゆえに、本発明のレーザー画像形成性組成物がモノマーをさらに含む場合、オリゴマーは粘度50Pa・s以上(50,000cP以上)、例えば100Pa・s以上(100,000cP以上)、または200Pa・s以上(200,000cP以上)、またはさらに1,000Pa・s以上(1,000,000cP以上)を有していてよい。モノマーがレーザー画像形成性組成物中に存在する場合、オリゴマーおよびモノマー成分の粘度間で均衡が達成され、その結果、レーザー画像形成性組成物の印刷粘度がオフセットリソグラフ印刷における使用にとって適切となることが、当業者により理解されるはずである。
【0060】
オリゴマーの粘度は25℃で測定される。オリゴマーの粘度は、Brookfield DV2T Viscometerを使用して測定されてよい。スピンドルおよび回転速度は、個々のオリゴマーに好適であるように選択される。7番スピンドル(RVスピンドルセット)が使用されてよく、回転速度は速度2、10、12、20、40、60および100rpmから選択されてよい。
【0061】
ゆえに、本発明の範囲内で、(a)オリゴマーが粘度200Pa・s以下(200,000cP以下)、例えば160Pa・s以下(160,000cP以下)、または100Pa・s以下(100,000cP以下)、または80Pa・s以下(80,000cP以下)を有していてよい、D50粒子サイズ分布10μm以下を有する粒子を含む多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含むレーザー画像形成性組成物、ならびに(b)オリゴマーが粘度50Pa・s以上(50,000cP以上)、例えば100Pa・s以上(100,000cP以上)、または200Pa・s以上(200,000cP以上)、またはさらに1,000Pa・s以上(1,000,000cP以上)を有していてよい、D50粒子サイズ分布10μm以下を有する粒子を含む多価金属のオキシアニオン、オリゴマーおよびモノマーを含むレーザー画像形成性組成物の両方が包含されることが理解されるはずである。
【0062】
本発明のレーザー画像形成性組成物のモノマーは、レーザー画像形成性組成物の印刷粘度が、オフセットリソグラフ印刷に好適なレベルで維持されるように選択される。オリゴマーおよびモノマー成分の粘度間で均衡が達成され、その結果、レーザー画像形成性組成物の印刷粘度がオフセットリソグラフ印刷における使用にとって適切となること、すなわち印刷粘度がオフセットリソグラフ印刷にとって許容可能な印刷粘度に調節されることを確実にするためにモノマーがレーザー画像形成性組成物に導入されてよいことが、当業者により理解されるはずである。さらに、先に論じられたように、本発明のレーザー画像形成性組成物中のモノマーの存在により、より広範なオリゴマー、特に増大した粘度のオリゴマーが使用可能となる。このことにより、オフセットリソグラフ印刷工程の間の本発明のレーザー画像形成性組成物のレオロジープロファイルが増強され、所望の基板に塗布されると改善された滑らかさがもたらされる。
【0063】
本発明によるレーザー反応性組成物に利用されるモノマーは通常、粘度1.8Pa・s以下(1,800cP以下)、好ましくは0.8Pa・s以下(800cP以下)、またはさらに0.1Pa・s以下(100cP以下)、例えば0.05Pa・s(50cP以下)、より好ましくは0.02Pa・s以下(20cP以下)を有していてよい。本発明によるレーザー反応性組成物に利用されるモノマーは、粘度下限0.01Pa・s(10cP)、好ましくは0.015Pa・s(15cP)を有していてよく、その結果モノマーは、粘度0.01~1.8Pa・s(10~1,800cP)、好ましくは0.01~0.8Pa・s(10~800cP)、もしくはさらに0.01~0.1Pa・s(10~100cP)、例えば0.01~0.05Pa・s(10cP~50cP)、より好ましくは0.01~0.02Pa・s(10~20cP)を有していてよく、またはモノマーは、粘度0.015~1.8Pa・s(15~1,800cP)、好ましくは0.015~0.8Pa・s(15~800cP)、もしくはさらに0.015~0.1Pa・s(15cP~100cP)、例えば0.015~0.05Pa・s(15cP~50cP)、より好ましくは0.015~0.02Pa・s(15cP~20cP)を有していてよい。上記の通り、より大きい粘度のオリゴマーが本発明のレーザー画像形成性組成物に利用可能となるには、低粘度のモノマーを利用するのが好ましい。本発明のレーザー画像形成性組成物に放射線を照射した際の、本発明のレーザー画像形成性組成物による高品質な高コントラストの画像の形成を促進するだけでなく、より大きい粘度のオリゴマーが利用されると、レーザー画像形成性組成物のレオロジープロファイルが増大し得る。より大きい粘度のオリゴマーおよびより小さい粘度のモノマーの組み合わせが、印刷および本発明のレーザー画像形成性組成物のレーザー画像形成能にとって有益である。
【0064】
好ましくは、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択され、粘度0.01~1.8Pa・s(10~1,800cP)、好ましくは0.01~0.8Pa・s(10~800cP)、またはさらに0.01~0.1Pa・s(10~100cP)、例えば0.01~0.05Pa・s(10cP~50cP)、より好ましくは0.01~0.02Pa・s(10~20cP)を有する。より好ましくは、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)、すなわち二官能性または三官能性モノマーから選択され、粘度0.01~0.1Pa・s(10~100cP)、例えば0.01~0.05Pa・s(10cP~50cP)、より好ましくは0.01~0.02Pa・s(10~20cP)を有する。最も好ましくは、モノマーはトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、すなわち二官能性モノマーであり、粘度0.01~0.05Pa・s(10cP~50cP)、より好ましくは0.01~0.02Pa・s(10~20cP)を有する。
【0065】
好ましくは、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、ラウリルアクリレート(LA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)から選択され、粘度0.015~0.8Pa・s(15~800cP)、またはさらに0.015~0.1Pa・s(15cP~100cP)、例えば0.015~0.05Pa・s(15cP~50cP)、好ましくは0.015~0.02Pa・s(15cP~20cP)を有する。より好ましくは、モノマーは、トリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、グリセリルプロポキシトリアクリレート(GPTA)、トリメチロールプロパントリアクリレート(TMPTA)、トリメチロールプロパン(EO)3トリアクリレート(TMP(EO)3TA)およびトリメチロールプロパン(EO)9トリアクリレート(TMP(EO)9TA)、すなわち二官能性または三官能性モノマーから選択され、粘度0.015~0.1Pa・s(15cP~100cP)、例えば0.015~0.05Pa・s(15cP~50cP)、好ましくは0.015~0.02Pa・s(15cP~20cP)を有する。最も好ましくは、モノマーはトリプロピレングリコールジアクリレート(TPGDA)、すなわち二官能性モノマーであり、粘度0.015~0.05Pa・s(15cP~50cP)、好ましくは0.015~0.02Pa・s(15cP~20cP)を有する。
【0066】
モノマーの粘度は25℃で測定される。モノマーの粘度は、Brookfield DV2T Viscometerを使用して測定されてよい。スピンドルおよび回転速度は、個々のモノマーに好適であるように選択される。7番スピンドル(RVスピンドルセット)が使用されてよく、回転速度は速度2、10、12、20、40、60および100rpmから選択されてよい。
【0067】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、安定剤をさらに含んでいてよい。レーザー画像形成性組成物が2つ以上の安定剤を含んでいてよいことに留意されたい。適切な安定剤は、以下のものを含むがこれらに限定されない:ヒドロキノン、メトキシメチルヒドロキノン、4-ベンゾキノン、4-メトキシフェノール(メキノール)、フェノチアジン、モノ-tert-ブチルヒドロキノン、カテコール、4-tert-ブチルカテコール、ベンゾキノン、2,5ジtert-ブチルヒドロキノン、2,5-p-ジメチルp-ベンゾキノン、アントラキノン、2,6-ジ-tert-ブチルヒドロキシトルエン、有機ホスファイト、メタクリル化リン酸エステル、4-ヒドロキシアニソール、トリス(N-ヒドロキシ-N-ニトロソフェニルアミナト-O,O’)アルミニウム、2-フェノキシフェニルアクリレート、およびテトラメチルピペリジンの誘導体を含むHALS(ヒンダードアミン光安定剤)化合物、またはそれらの組み合わせ。
【0068】
適切な安定剤は、Rahn AGから市販されているGenorad20などの、市販の安定剤製品も含む。そのような市販の安定剤製品は、そこに安定剤を溶解させることができる、安定剤用の担体も含んでいてよい。
【0069】
安定剤は、任意の適切な量で本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在していてよい。好ましくは、存在する場合、レーザー画像形成性組成物は、0.1~5wt%、例えば0.1~3wt%、またはさらに0.1~1wt%の安定剤を含む。
【0070】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、光開始剤をさらに含んでいてよい。レーザー画像形成性組成物が2つ以上の光開始剤を含んでいてよいことに留意されたい。適切な光開始剤は以下のものを含むがこれらに限定されない:Norrish I型光開始剤、例えばホスフィンオキシド、ヒドロキシアセトフェノン、アミノアセトフェノンおよびベンジルケタール;ギ酸ベンジル、置換ベンゾフェノン、ベンゾフェノンおよびチオキサントンを含むNorrish II型光開始剤;ならびにハイブリッドNorrish I/II型光開始剤、例えばベンゾフェノンホスフィンオキシド。Norrish II型光開始剤が、単独で、または水素供与体としてのアミン相乗剤とともに利用されてよいことが、当業者により理解されるはずである。好ましくは、光開始剤はNorrish I型光開始剤またはハイブリッドNorrish I/II型光開始剤から選択される。より好ましくは、光開始剤はNorrish I型光開始剤、例えばヒドロキシアセトフェノンまたはホスフィンオキシドである。より好ましくは、光開始剤はホスフィンオキシドである。最も好ましくは、光開始剤はジフェニル(2,4,6-トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド(TPO)である。
【0071】
用語「Norrish I型光開始剤」は、本明細書で使用される場合、元の光開始剤の2つのラジカルフラグメントへの開裂反応を特徴とする光開始剤を指す。UV光による照射により、均等結合開裂および2つの反応性の高いラジカル種の発生がもたらされる。次いでこれらのラジカルが重合を開始する。Norrish I型光開始剤は、ポリマーマトリックスに不可逆的に組み込まれる。Norrish I型光開始剤の例は、全てLambsonから市販されている、2-ヒドロキシ-2-メチル-1-フェニルプロパノン(SpeedCure 73)、1-ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン(SpeedCure 84)、1,[4-(2-ヒドロキシエトキシ)-フェニル]-2-ヒドロキシ-2-メチル-1-プロパン-1-オン(SpeedCure 2959)、2,2-ジメトキシ-1,2-フェニルアセトフェノン(SpeedCure BKL)、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]2-モルホリノプロパン-1-オン(SpeedCure 97)、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-4-モルホリノブチロフェノン(SpeedCure BDMB)、2,4,6-トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド(SpeedCure TPO)、エチル2,4,6-トリメチルベンゾイルフェニルホスフィネート(SpeedCure TPO-L)およびフェニルビス(2,4,6-トリメチルベンゾイル)-ホスフィンオキシド(SpeedCure BPO)を含むがこれらに限定されない。
【0072】
用語「Norrish II型光開始剤」は、本明細書で使用される場合、UV光により照射されると、反応するのに水素供与体(共開始剤)を必要とする光開始剤を指す。最も一般的には、これらの水素供与体はアミン(アミン相乗剤)である。UV照射により、Norrish II型光開始剤は利用された相乗剤から水素原子を引き抜き、2つのラジカルを形成する。これらのラジカルは、Norrish I型光開始剤と同様に、次いで重合反応を開始することができる。Norrish II型光開始剤は通常、反応中に組み込まれないが、相乗剤は組み込まれる。Norrish II型光開始剤の例は、全てLambsonから市販されている、ベンゾフェノン(SpeedCure BP)、4-メチルベンゾフェノン(SpeedCure MBP)、メチル-2-ベンゾイルベンゾエート(SpeedCure MBB)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(SpeedCure EMK)、4-ベンゾイル-4’-メチルジフェニルスルフィド(SpeedCure BMS)、4-フェニルベンゾフェノン(SpeedCure PBZ)、2-イソプロピルチオキサントン(SpeedCure 2-ITX)、1-クロロ-4-プロポキシチオキサントン(SpeedCure CPTX)、2,4-ジエチルチオキサントン(SpeedCure DETX)、メチルベンゾイルフォルメート(SpeedCure MBF)、ポリマーベンゾフェノン(SpeedCure 7005)およびポリマーチオキサントン(SpeedCure 7010)を含むがこれらに限定されない。適切なアミン相乗剤の例は、全てLambsonから市販されている、2-ブトキシエチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(SpeedCure BEDB)、2-(ジメチルアミノ)エチルベンゾエート(SpeedCure DMB)、エチル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(SpeedCure EDB)、2-エチルヘキシル-4-(ジメチルアミノ)ベンゾエート(SpeedCure EHA)、4,4’-ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(SpeedCure EMK)およびポリマーアミン相乗剤(SpeedCure 7040)を含むがこれらに限定されない。
【0073】
用語「Norrish I/II型光開始剤」は、本明細書で使用される場合、Norrish I型およびII型光開始剤両方のハイブリッドを指す。そのような光開始剤は、ラジカルを生成するための均等結合開裂さらには水素引き抜きを経て、ラジカルを生成することができる。Norrish I/II型光開始剤の適切な例は、Lambsonから市販されているエチル(3-ベンゾイル-2,4,6-トリメチルベンゾイル)(フェニル)ホスフィネート(SpeedCure XKM)である。
【0074】
光開始剤は、任意の適切な量で本発明によるレーザー画像形成性組成物中に存在していてよい。好ましくは、存在する場合、レーザー画像形成性組成物は、1~10wt%、例えば1~8wt%、またはさらに2~6wt%の光開始剤を含む。
【0075】
レーザー画像形成性組成物中に存在する安定剤と光開始剤との比は、1:3~1:9、例えば1:3~1:6、または1:4~1:5であってよい。好ましくは、安定剤と光開始剤との比は1:4である。そのような比により、組成物のより容易な硬化が可能となる一方で、組成物についての改善された長期保存安定性ももたらされる。
【0076】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、近赤外線(NIR)吸収剤をさらに含んでいてよい。NIR吸収剤が通常、画像の形成を促進するのにNIR線が利用される場合に利用され、NIR吸収剤がNIR線の吸収を増強可能であることが、当業者により理解されるはずである。適切なNIR吸収剤の例は、以下のものを含むがこれらに限定されない:無機銅塩、例えばヒドロキシリン酸銅(II)(copper (II) hydroxide phosphate)(CHP);有機NIR染料および顔料、例えばN,N,N’,N’-テトラキス(4-ジブチルアミノフェニル)-p-ベンゾキノンビス(ヘキサフルオロアンチモン酸イミニウム);不定比無機化合物、例えば還元酸化インジウムスズ、還元酸化亜鉛、還元酸化タングステン(タングステンブロンズ)、以下の式MxWyOzの無機化合物(ここでMは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、BiおよびIからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、Wはタングステンであり、Oは酸素であり、15 0.001≦x/y≦1;および2.2≦z/y≦3.0を満たす)を含む還元ドープ酸化タングステン、還元酸化アンチモンスズ、またはドープ金属酸化物、例えばアルミニウムドープ酸化亜鉛(AZO)およびフッ素ドープ酸化スズ(FTO);導電性ポリマー、例えばポリポリスチレンスルホン酸(PEDOT);およびそれらの組み合わせ。好ましくは、NIR吸収剤は、無機銅塩、例えばヒドロキシリン酸銅(II)(copper (II) hydroxide phosphate)(CHP)および不定比無機化合物、例えば還元酸化インジウムスズ、還元酸化亜鉛、還元酸化タングステン(タングステンブロンズ)、以下の式MxWyOzの無機化合物(ここでMは、H、He、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類元素、Mg、Zr、Cr、Mn、Fe、Ru、Co、Rh、Ir、Ni、Pd、Pt、Cu、Ag、Au、Zn、Cd、Al、Ga、In、Tl、Si、Ge、Sn、Pb、Sb、B、F、P、S、Se、Br、Te、Ti、Nb、V、Mo、Ta、Re、Be、Hf、Os、BiおよびIからなる群から選択される少なくとも1つの元素であり、Wはタングステンであり、Oは酸素であり、15 0.001≦x/y≦1;および2.2≦z/y≦3.0を満たす)を含む還元ドープ酸化タングステンから選択される。好ましくは、存在する場合、レーザー画像形成性組成物は、0.05~25wt%、例えば0.05~20wt%のNIR吸収剤を含む。画像を形成するための放射線として近赤外線が使用されることになる場合、近赤外線吸収剤は好ましくはレーザー画像形成性組成物中に存在する。
【0077】
レーザー画像形成性組成物は、添加物または添加物の組み合わせをさらに含んでいてよい。適切な添加物は当業者に周知のはずである。適切な添加物の例は、以下のものを含むがこれらに限定されない:ポリマー;光またはエネルギー吸収剤;UV吸収剤;界面活性剤;湿潤剤;乾燥促進剤;色素、例えば顔料;着色剤;蛍光剤;可塑剤;蛍光増白剤;酸化または還元剤;安定剤;光安定剤、例えばヒンダードアミン;レオロジー改質剤、例えば増粘剤または希釈剤;アミン相乗剤;つや消し剤;活性粘土;沈降防止剤;タレ止め剤;分散剤;表面改質添加物;スリップ添加物;レベリング剤;フィラー;保水剤;接着促進剤;酸または塩基除去剤;リターダー;消泡剤;発泡防止剤;およびそれらの組み合わせ。好ましくは、存在する場合、レーザー画像形成性組成物は、0.1~10wt%、例えば0.25~7.5wt%、より好ましくは0.5~5wt%の添加物またはそれらの組み合わせを含む。
【0078】
好ましくは、レーザー画像形成性組成物はさらなるバインダー成分を含まない。「さらなるバインダー成分」により、オリゴマーおよび任意のモノマー以外の、本発明のレーザー画像形成性組成物用のバインダーとして作用し得る任意の成分が意図される。特にこれは、配合中に組成物に導入される場合、レーザー画像形成性組成物の配合前に既に反応させてある樹脂、例えばアクリル樹脂などの事前に反応させた成分を含む。本発明のレーザー画像形成性組成物は事前に反応させた成分を含まない。本発明のレーザー画像形成性組成物は樹脂を含まない。本発明のレーザー画像形成性組成物のオリゴマーおよび任意のモノマー成分は反応性のバインダーである、すなわち組成物の配合の際にのみ反応する。それらは事前に反応させた成分、例えば樹脂ではない。
【0079】
好ましくは、本発明のレーザー画像形成性組成物は顔料、例えば二酸化チタンを含まない。
【0080】
本発明のレーザー画像形成性組成物は、オフセットリソグラフ印刷工程および技法における使用にとって適切である。
【0081】
本発明の第2の態様によれば、本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法であって、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを組み合わせるステップを含む、方法が提供される。
【0082】
本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法は、
(a)多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含む組成物を形成するステップ、ならびに
(b)組成物を粉砕して、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含むレーザー画像形成性組成物を得るステップであって、多価金属のオキシアニオンはD50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、ステップ
を含んでいてよい。
【0083】
代わりに、本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法は、
(a’)多価金属のオキシアニオンを粉砕して、D50粒子サイズ分布10μm以下を有する粒子を得るステップ、および
(b’)D50粒子サイズ分布10μm以下を有する粒子を含む多価金属のオキシアニオンを、オリゴマーと組み合わせるステップ
を含んでいてよい。
【0084】
レーザー画像形成性組成物がモノマーをさらに含む場合、モノマーはステップ(b’)において、D50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーと組み合わされてよい。
【0085】
好ましくは、本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法は、
(a)多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含む組成物を形成するステップ、ならびに
(b)組成物を粉砕して、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーを含むレーザー画像形成性組成物を得るステップであって、多価金属のオキシアニオンはD50粒子サイズ分布が10μm以下である粒子を含む、ステップ
を含む。
【0086】
レーザー画像形成性組成物がモノマーをさらに含む場合、モノマーは粉砕前のステップ(a)において、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーと組み合わされて、組成物を形成してよい。代わりに、モノマーはステップ(b)後に組成物に導入されてもよい。好ましくは、レーザー画像形成性組成物がモノマーをさらに含む場合、モノマーは粉砕前のステップ(a)において、多価金属のオキシアニオンおよびオリゴマーと組み合わされて組成物を形成する。
【0087】
多価金属のオキシアニオンの粒子、または組成物(ゆえに多価金属のオキシアニオンの粒子)の粉砕は、任意の適切な工程を使用して実施されてよい。適切な粉砕工程は当業者に周知のはずである。好ましくは、本発明の状況において、多価金属のオキシアニオンの粒子、または組成物は、3本ロールミルでの3本ロール粉砕および機械的なビーズ粉砕技法を使用して粉砕される。所望の粒子サイズを達成するのに、多価金属のオキシアニオンの粒子または組成物が機械を1回通過することが完了されてよい。しかし好ましくは、多価金属のオキシアニオンの粒子について所望の粒子サイズ分布が得られるまで、多価金属のオキシアニオンの粒子または組成物が機械を最低2回通過、より好ましくは3回以上通過することが完了される。
【0088】
本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法では、多価金属のオキシアニオンの粒子、または組成物(ゆえに多価金属のオキシアニオンの粒子)の粉砕は、Exakt50(実験室)またはBuehler SDT-800(商用)ユニットを使用して実施されてよい。
【0089】
本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法において、多価金属のオキシアニオンの粒子およびオリゴマーが組み合わされる際、多価金属のオキシアニオンの粒子が、レーザー画像形成性組成物の生成の間、オリゴマー中で十分に湿潤し、分散および安定化されるべきであることが、当業者により理解されるはずである。
【0090】
本発明によるレーザー画像形成性組成物を形成する方法では、レーザー画像形成性組成物は、本発明によるレーザー画像形成性組成物に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。
【0091】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、任意の適切な基板に塗布されてよい。レーザー画像形成性組成物の成分が、レーザー画像形成性組成物が塗布される基板に応じて変動してよいことが理解されるはずである。
【0092】
ゆえに、本発明の第3の態様によれば、基板に塗布された本発明によるレーザー画像形成性組成物を含む基板が提供される。
【0093】
基板に塗布された本発明のレーザー画像形成性組成物を含む基板では、レーザー画像形成性組成物は、本発明によるレーザー画像形成性組成物に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。
【0094】
オフセットリソグラフ印刷工程を使用して、本発明によるレーザー画像形成性組成物が、低コーティング重量で基板に塗布され得ることが当業者により理解されるはずである。したがって、基板はオフセットリソグラフ印刷における使用にとって適切な任意の基板であってよい。
【0095】
本発明のレーザー画像形成性組成物が塗布され得る適切な基板の例は、ポリマーおよび再生ポリマー材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリアミド(PA)、例えばナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはそれらの組み合わせ;セルロース;ガラス;プラスチック;金属および金属箔、例えばブリキ板;布;紙、光沢紙および絹目紙両方;コート紙、例えばポリマーコート紙;段ボール板紙、カートン板紙、板紙、厚紙、および同等の再生類似物、またはそれらの組み合わせ;セラミックス;食品および医薬品;またはそれらの組み合わせ、例えばポリマー裏打ち紙またはポリマー含浸紙を含むがこれらに限定されない。適切な基板は、先に列挙された材料および基板から形成される多層構築物を含む。ポリマーおよび再生ポリマー材料は、ポリマー箔またはフィルム基板の形態であってよい。
【0096】
好ましくは、レーザー画像形成性組成物が塗布される基板は、プラスチック、ポリマーフィルムおよび箔、折り畳み式カートンおよびカートン板紙、金属および金属箔、紙、段ボール板紙および厚紙および同等の再生類似物から選択される。
【0097】
本発明のレーザー画像形成性組成物は非金属基板に塗布されてよい。そのような場合、本発明のレーザー画像形成性組成物が塗布され得る適切な基板の例は、ポリマーおよび再生ポリマー材料、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン(PE)、低密度ポリエチレン(LDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、ポリスチレン(PS)、ポリプロピレン(PP)、延伸ポリプロピレン(OPP)、二軸延伸ポリプロピレン(BOPP)、無延伸ポリプロピレン(CPP)、ポリアミド(PA)、例えばナイロン、ポリ塩化ビニル(PVC)、またはそれらの組み合わせ;セルロース;ガラス;プラスチック;布;紙、光沢紙および絹目紙両方;コート紙、例えばポリマーコート紙;段ボール板紙、カートン板紙、板紙、厚紙、および同等の再生類似物、またはそれらの組み合わせ;セラミックス;食品および医薬品;またはそれらの組み合わせ、例えばポリマー裏打ち紙またはポリマー含浸紙を含むがこれらに限定されない。適切な基板は、先に列挙された材料および基板から形成される多層構築物を含む。ポリマーおよび再生ポリマー材料は、ポリマー箔またはフィルム基板の形態であってよい。
【0098】
レーザー画像形成性組成物が塗布される基板が非金属基板である場合、基板は好ましくは、プラスチック、ポリマーフィルムおよび箔、折り畳み式カートンおよびカートン板紙、紙、段ボール板紙および厚紙および同等の再生類似物から選択される。
【0099】
本発明によるレーザー画像形成性組成物、または基板に塗布された本発明のレーザー画像形成性組成物を含む基板は、ラベル(接着式または巻き付け式)、および/または日用消費財;パッケージ、例えば食品および熱いまたは冷たい飲料の容器および折り畳み式カートンを含む使い捨てパッケージ;折り畳み式カートン;コート紙;缶端部;装飾用金属製品;ブリスターパックパッケージ;ならびに医療用および診断用装置ならびに関連パッケージ;および屋外製品、例えば看板における最終用途にとって適切であってよい。本発明によるレーザー画像形成性組成物、または基板に塗布された本発明のレーザー画像形成性組成物を含む基板は、コード化および印字、タグ付け追跡および追尾および後期のカスタマイズ化または個人化目的で使用されてよい。
【0100】
本発明の第4の態様において、基板に塗布された本発明のレーザー画像形成性組成物を含む基板を形成する方法であって、本発明によるレーザー画像形成性組成物を基板に塗布するステップを含む、方法が提供される。
【0101】
基板に塗布された本発明のレーザー画像形成性組成物を含む基板を形成する方法では、レーザー画像形成性組成物は、本発明に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。それに加えて、基板に塗布された本発明のレーザー画像形成性組成物を含む基板は、本発明に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。
【0102】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、好ましくはオフセットリソグラフ印刷工程により基板に塗布される。
【0103】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、オフセットリソグラフ印刷工程を使用して達成可能な任意の適切なコーティング重量まで、基板に塗布されてよい。基板でのレーザー画像形成性組成物のコーティング重量が、形成される画像の光学密度、ゆえに形成される画像の、レーザー画像形成性組成物のバックグラウンドとのコントラストに影響を及ぼすことが理解されるはずである。
【0104】
レーザー画像形成性組成物は、オフセットリソグラフ印刷工程にとって適切な厚さ、例えば0.5~3μm、または0.5~2.0μm、例えば0.5~1.1μm、または0.5~1.0μmまで基板に塗布されてよい。この厚さは、レーザー画像形成性組成物の1つまたは複数の層の基板への塗布により形成されてよい。好ましくはこの厚さは、レーザー画像形成性組成物の単層の基板への塗布により形成される。
【0105】
厚さは任意の適切な方法により測定されてよい。適切な測定方法は当業者に周知のはずである。通常、本明細書で規定される厚さは、マイクロメーターまたはコーティング厚さ計を使用して測定されてよい。そのような機器は当業者に周知のはずである。
【0106】
レーザー画像形成性組成物は、コーティング重量0.7~2gsm(1平方メートルあたりのグラム)、例えば0.7~1.8gsm、または0.7~1.7gsmまで基板に塗布されてよい。好ましくは、レーザー画像形成性組成物は、コーティング重量0.8~1.5gsm、例えば0.8~1.2gsmまで塗布される。このコーティング重量は、レーザー画像形成性組成物の1つまたは複数の層の基板への塗布により引き起こされてよい。好ましくは、このコーティング重量は、レーザー画像形成性組成物の単層の基板への塗布により引き起こされる。
【0107】
コーティング重量は任意の適切な方法により測定されてよい。適切な測定方法は当業者に周知のはずである。好ましくは、コーティング重量は、同じ面積の、基板に塗布されたレーザー画像形成性組成物を有する基板および有しない基板を計量し、2つの重量を比較することにより測定される。通常、これはいくつかのデータセットの平均である。
【0108】
本発明のレーザー画像形成性組成物の単層のみがオフセットリソグラフ印刷により基板に塗布される場合でも、高いコントラストの画像が形成され得る、すなわち先に論じられたように、ΔODB0.6以上が達成されることが理解されるはずである。
【0109】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、単層としてまたは多層で、すなわち1回または2回以上基板に塗布されてよい。好ましくは、1~3層のレーザー画像形成性組成物が塗布される。より好ましくは、1~2層のレーザー画像形成性組成物が塗布される。最も好ましくは、レーザー画像形成性組成物は単層として塗布される。
【0110】
レーザー画像形成性組成物は、基板に直接、すなわちレーザー画像形成性組成物と基板の間に配置/塗布される層がない状態で塗布されてよい。
【0111】
レーザー画像形成性組成物は、プライマーの上部にまたはプライマー層として、下塗りまたは上塗りとして基板に塗布されてよい。レーザー画像形成性組成物は基板に対し、ベース色コーティング層上部に、かつ/または保護ニス層の上部もしくは下部に塗布されてもよい。レーザー画像形成性組成物は、基板の外面の少なくとも一部または全体に塗布されてよい。
【0112】
本発明によるレーザー画像形成性組成物の基板への塗布後、レーザー画像形成性組成物は放射線を使用して硬化されてよい。好ましくは、レーザー画像形成性組成物は、レーザー画像形成性組成物の基板への塗布後に放射線を使用して硬化される。より好ましくは、レーザー画像形成性組成物はUV線(100~400nm)を使用して硬化される。UV線は任意の適切な源、例えばUVレーザー源またはUVランプ、例えばUV線をもたらす水銀ランプ、または電離放射線源、例えばLEDまたは電子ビーム源などを使用してレーザー画像形成性組成物に照射されてよい。
【0113】
本発明によるレーザー画像形成性組成物は、基板に画像を形成するのに利用されてよい。
【0114】
ゆえに、本発明の第5の態様によれば、基板に塗布された本発明によるレーザー画像形成性組成物を含む基板に画像を形成する方法であって、レーザー画像形成性組成物を放射線に曝露して基板に画像を形成するステップを含む、方法が提供される。
【0115】
基板に塗布された本発明によるレーザー画像形成性組成物を含む基板に画像を形成する方法では、レーザー画像形成性組成物は、本発明に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。それに加えて、基板に塗布された本発明によるレーザー画像形成性組成物を含む基板は、本発明に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。
【0116】
用語「画像」は、ロゴ、マーク、グラフィックス、図、絵、記号、文字、数字、コード、例えば線状のバーコード、2Dデータマトリックス、QRコード、Digimarcコード、ならびに例えば英数字および記号に基づく文章を組み込むがこれらに限定されない。本発明の状況において、これは、画像の形成を促進する画像形成化合物としての多価金属のオキシアニオンを含むレーザー画像形成性組成物の操作であることが理解されるはずである。形成される画像はヒトおよび/または機械読取可能であり、コード化および印字、タグ付け追跡および追尾ならびに後期のカスタマイズ化または個人化目的で使用されてよい。画像の密度は、先に論じられたようにΔODB値により測定される。
【0117】
本発明の状況において、放射線はレーザー画像形成性組成物の基板への塗布後、および通常それに続く硬化後に照射される。ゆえに、画像はレーザー画像形成性組成物の基板への塗布後、および通常それに続く硬化後に形成される。
【0118】
選択される放射線が、「画像形成化合物」すなわち多価金属のオキシアニオンに、識別可能な黒色を形成させるのに必要な放射線であることが、当業者により理解されるはずである。
【0119】
本明細書で使用される「放射線」および同様の用語は、波または粒子の形態のエネルギーを指し、特に電磁放射線、例えば紫外(UV)、可視、近赤外(NIR)および赤外(IR)粒子線、例えばアルファ(α)線、ベータ(β)線、中性子線ならびにプラズマを指す。電磁スペクトルの様々な領域の波長範囲は当業者に既知である。
【0120】
放射線は、波長10~400nmの紫外(UV)線、波長400~700nmの可視線、波長700nm~1mmの赤外(IR)線、波長700~1600nmの近赤外(NIR)線から選択されてよい。好ましくは、放射線は、波長400~700nmの可視線、波長9000~12000nm(CO2レーザーを使用して照射される)の赤外(IR)線、波長700nm~1mmの赤外線、および波長700~1600nmの近赤外(NIR)線から選択される。より好ましくは、放射線は、波長9000~12000nm(CO2レーザーを使用して照射される)、例えば9300、9600、10200または10600nm(CO2レーザーを使用して照射される)の赤外(IR)線、波長700nm~1mmの赤外線、波長700~1600nmの近赤外(NIR)線から選択される。最も好ましくは、放射線は、波長9000~12000nm(CO2レーザーを使用して照射される)、例えば9300、9600、10200または10600nm(CO2レーザーを使用して照射される)の赤外(IR)線である。
【0121】
放射線は、任意の適切な手段によりレーザー画像形成性組成物に照射されてよい。適切な手段は、レーザー源による放射線のレーザー画像形成性組成物への照射を介したレーザー励起を含む。レーザー画像形成性組成物における局所的な位置での画像の形成を選択的に促進するため、放射線がこれらの局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射されてよいことが、当業者により理解されるはずである。これらの局所的な位置は互いに重複していてよい。放射線が、画像の形成を促進するのに必要な好適な時間、レーザー画像形成性組成物に照射されることも当業者により理解されるはずである。通常、十分な放射線を送達するのに必要な時間は、放射線を照射するのに使用される手段および照射方法次第である。例えば、一実施形態において、放射線は120秒未満(例えば30~110秒、またはさらに75~105秒)、または60秒未満、例えば20秒未満、またはさらに10もしくは5秒未満、レーザー画像形成性組成物に照射されてよい。
【0122】
レーザー源を使用して照射される場合、照射される放射線量は、放射線が照射される時間、放射線を照射するのに使用される手段の出力(ワット数)、ゆえにレーザー源により送達されるフルエンス(単位面積あたりに送達されるエネルギーの量)、例えばJ/cm2の変化により制御されてよいことが理解されるはずである。このことが、形成される画像の密度、および画像のバックグラウンドとのコントラストの度合に影響を及ぼし得ることが、当業者により理解されるはずである。例えば、放射線を照射するのにレーザー源が使用される場合、フルエンス(単位面積あたりに送達されるエネルギーの量)が、形成される画像の密度に影響を及ぼし得る。本発明の状況において、フルエンスは、レーザーのスキャン速度または移動ステージの速度により制御可能な、放射線を照射するのに使用される手段の出力(ワット数)、および放射線が基板の特定の局所的な位置に照射される時間に依存する。これら2つの変数を、フルエンスを変化させるために変化させてよい。フルエンスが小さい(例えばより小さい出力および/またはより短い照射時間)場合、形成される画像はより小さい光学密度を有し、フルエンスが大きい(例えばより大きい出力および/またはより長い照射時間)場合、形成される画像はより大きい密度を有し、レーザー画像形成性組成物のバックグラウンドとのコントラストがより大きい。本発明の状況において、フルエンス値は0.01~20J/cm2、例えば0.1~10J/cm2、さらに0.5~5J/cm2の範囲であってよい。
【0123】
好ましくは、放射線は、所望の画像を形成するために、レーザー画像形成性組成物の局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射される。基本的に、放射線を照射すると、放射線が照射された基板のレーザー画像形成性組成物の部分に黒色が形成される。ゆえにヒトおよび/または機械読取可能なコントラストの画像が発生する。画像が形成されることを可能にするのは、レーザー画像形成性組成物の「画像形成化合物」として機能する多価金属のオキシアニオンである。
【0124】
本発明の第6の態様において、オフセットリソグラフ印刷における、本発明によるレーザー画像形成性組成物の使用が提供される。
【0125】
オフセットリソグラフ印刷における本発明のレーザー画像形成性組成物の使用では、レーザー画像形成性組成物は、本発明に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。
【0126】
本発明の第7の態様において、基板での画像の形成における、本発明によるレーザー画像形成性組成物の使用が提供される。
【0127】
基板での画像の形成における、本発明のレーザー画像形成性組成物の使用では、レーザー画像形成性組成物は、本発明に関して好ましいか任意の上記の性質のうちのいずれかを有していてよい。
【0128】
本明細書に含有される性質の全てが、上記態様のうちのいずれかと、および任意の組み合わせで組み合わされてよい。
【0129】
化学的定義
用語「アルキル」は、通常1~20個の炭素原子を有する直鎖状または分枝状飽和アルキル基を示し、任意にアルキル基はある程度の不飽和(部分不飽和)を含有し得る、すなわち1つまたは複数のアルケン/アルケニル部分を含有していてよい。アルキル基は、1つまたは複数の官能基で任意に置換されていてよい。
【0130】
本明細書での特定の化学化合物に対する言及は全て、化合物それ自体、さらに好適であれば、それらの誘導体、水和物、溶媒和物、複合体、異性体および互変異性体も包含するものと解釈されるべきである。
【0131】
本発明をよりよく理解するため、かつ前述のものの実施形態がどのように実行され得るかを示すため、例として、以下の実験データにこれより言及がなされる。
【実施例】
【0132】
実施例の各々では、レーザー画像形成性組成物の色は、配合時および基板への塗布時、およびそこへの任意の放射線の照射前にはほとんど白色または白色である。
【0133】
実施例の各々では、7番スピンドル(RVスピンドルセット)とともにBrookfield DV2T Viscometerを使用して、2、10、12、20、40、60および100rpmから選択される好適な速度で、22℃でレーザー画像形成性組成物の印刷粘度を測定した。オリゴマーおよびモノマー粘度を25℃で測定した。実施例において示されるように、オリゴマーおよびモノマー粘度は、市販の製品については提供される粘度であり、または2、10、12、20、40、60および100rpm)から選択される好適な速度で7番スピンドル(RVスピンドルセット)とともにBrookfield DV2T Viscometerを使用して測定された。
【0134】
実施例の各々では、基板への塗布後および放射線の照射前に、出力160W/cmの水銀ランプを使用するUV線により、レーザー画像形成性組成物を硬化させた。
【0135】
実施例の各々では、波長10.6ミクロン(10600nm)のCO2レーザー(Videojet VJ-3320またはSHC60)を使用して赤外線を照射した。CO2レーザーは以下の設定を有していた:12.9J/s(出力);176ms(時間);および2.2704J/cm2(フルエンス)。
【0136】
[実施例1]
表1に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0137】
【0138】
Genomer4312の粘度は60Pa・s(60,000cP)であり、Laromer TPGDAの粘度は0.018Pa・s(18cP)であった。
【0139】
Exakt50ユニット(3本ロールミル)を5回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0140】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を、103.6Pa・s(103,600cP)として測定した。
【0141】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0142】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0143】
[実施例2]
表2に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0144】
【0145】
Genomer3414の粘度は4.5Pa・s(4,500cP)であった。
【0146】
Exakt50ユニット(3本ロールミル)を5回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0147】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を60Pa・s(60,000cP)として測定した。
【0148】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0149】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0150】
[実施例3]
表3に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0151】
【0152】
Genomer3480の粘度は3.2Pa・s(3,200cP)であった。
【0153】
Exakt50ユニット(3本ロールミル)を5回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0154】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を152Pa・s(152,000cP)として測定した。
【0155】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0156】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0157】
[実施例4]
表4に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0158】
【0159】
Genomer5271の粘度は1.2Pa・s(1,200cP)であった。
【0160】
Exakt50ユニット(3本ロールミル)を5回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0161】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を155Pa・s(155,000cP)として測定した。
【0162】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0163】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0164】
[実施例5]
表5に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0165】
【0166】
Genomer2263の粘度を500Pa・s(500,000cP)として測定し、Miramer M320の粘度は0.11Pa・s(110cP)であった。
【0167】
Exakt50ユニット(3本ロールミル)を5回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0168】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を85.76Pa・s(85,760cP)として測定した。
【0169】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0170】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0171】
[実施例6]
表6に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0172】
【0173】
Genomer2263の粘度を500Pa・s(500,000cP)として測定し、Laromer TPGDAの粘度は0.018Pa・s(18cP)であった。
【0174】
Buehler SDT-800(3本ロールミル)を2回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0175】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を115Pa・s(115,000cP)として測定した。
【0176】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0177】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0178】
[実施例7]
表7に従って組成物を調製した。量は全て重量パーセンテージ(wt%)である。
【0179】
【0180】
Genomer2281の粘度を264Pa・s(264,000cP)として測定し、Laromer TPGDAの粘度は0.018Pa・s(18cP)であった。
【0181】
Exakt50ユニット(3本ロールミル)を5回通過させることにより組成物を粉砕して、本発明によるレーザー画像形成性組成物を生成した。
【0182】
レーザー画像形成性組成物の印刷粘度を59.2Pa・s(59,200cP)として測定した。
【0183】
オフセットリソグラフ印刷によりカートン板紙に、コーティング重量1.5gsmまでレーザー画像形成性組成物の単層を印刷した。
【0184】
次いで赤外線を局所的な位置でレーザー画像形成性組成物に照射し、その結果黒色を局所的な位置で形成させ、画像の形成を促進した。
【0185】
実施例1~7についての粒子サイズおよび表面積分析
ISO13320:2009に従って、Malvern InstrumentsのMalvern Mastersizer(商標)3000粒子サイズ分析計を使用して、実施例1~7についてD50、D10およびD90粒子サイズ分布値ならびに表面積を算出した。結果が表8に示される。
【0186】
【0187】
実施例1~7についての光学密度黒(ODB)測定
X-Rite SpectroEye分光光度計を使用して、絶対ODBおよびバックグラウンドODBを測定した。
【0188】
実施例1~7の各々についての絶対およびバックグラウンドODB値が表9に示される。実施例1~7の各々についてのΔODB値(ODB値-バックグラウンドODB)も表9に示される。
【0189】
【0190】
本発明のレーザー画像形成性組成物では、ΔODB値0.6以上が望ましい。そのようなΔODB値は高い光学密度、すなわち高いコントラストの画像の形成を示す。画像はヒトおよび/または機械読取可能である。
【0191】
ゆえに、実施例1~7についてのΔODB値から、本発明のレーザー画像形成性組成物が高コントラストの画像形成を促進することが分かる。
【国際調査報告】