(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】調湿剤を含むたばこまたはニコチン含有製品のパッケージ
(51)【国際特許分類】
B01J 20/22 20060101AFI20230605BHJP
B01J 20/04 20060101ALI20230605BHJP
B65D 85/10 20060101ALI20230605BHJP
A24F 25/02 20060101ALN20230605BHJP
【FI】
B01J20/22 A
B01J20/04 A
B01J20/04 B
B65D85/10
A24F25/02
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022566344
(86)(22)【出願日】2021-05-04
(85)【翻訳文提出日】2022-10-31
(86)【国際出願番号】 EP2021061753
(87)【国際公開番号】W WO2021224277
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ネアグ クリスチャン
【テーマコード(参考)】
3E068
4G066
【Fターム(参考)】
3E068AA21
3E068AB03
3E068AB05
3E068CC01
3E068CE02
3E068CE03
3E068CE04
3E068CE08
3E068DD17
3E068DE18
3E068EE23
4G066AA35B
4G066AA36B
4G066AA43B
4G066AB24B
4G066AC01D
4G066AC02D
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4G066AC13D
4G066AC17D
4G066BA11
4G066BA36
4G066CA43
4G066DA03
4G066FA37
(57)【要約】
調湿剤を有する包装材料を備えたたばこまたはニコチン含有製品のパッケージであって、調湿剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体化合物を含む。
【選択図】
図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
調湿剤を有する包装材料を備えるたばこまたはニコチン含有製品のパッケージであって、前記調湿剤が、少なくとも一つの金属-有機構造体化合物および少なくとも一つの無機塩を含み、前記少なくとも一つの無機塩が、好ましくは塩化ナトリウム、塩化カルシウム、炭酸塩、またはこれらの任意の組み合わせから成る群において選択され、前記無機塩が、好ましくは炭酸カリウムである、パッケージ。
【請求項2】
前記調湿剤が、デンプン((C
6H
10O
5)n-(H
2O))、カルボキシルメチルセルロース(CMC、C
6H
7O
2(OH)
2CH
2COONa)、アルギン酸((C
6H
8O
6)n)、アルギネート、ポリアクリル酸((C
3H
4O
2)n)のコポリマー、メタクリル酸(C
4H
6O
2)のコポリマー、マレイン酸(HO
2CCH=CHCO2H)のポリマーおよび/またはコポリマー、ポリアスパラギン酸((C
4H
5NO
3)n)、ヒドロキシエチルセルロース(C
29H
52O
21)、ヒドロキシプロピルセルロース(C
36H
70O
19)、ポリビニルアルコール(C
2H
4O)x)、ポリビニルアルコール-co-エチレン(EVOH、C
4H
8O)、ポリビニルアルコール-co-酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド((-CH
2CH
2O-)n)、ポリエチレンオキシド-co-プロピレンオキシド、またはこれらの任意の組み合わせから成る群において選択される結合剤をさらに含む、請求項1に記載のパッケージ。
【請求項3】
前記包装材料における、前記少なくとも一つの金属-有機構造体および/または少なくとも一つの無機塩の重量と前記結合剤の重量の比が、1:4~3:2から成る、請求項1または2のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項4】
前記パッケージが、約0.30~約5.00グラム、好ましくは約0.50~約2.50グラム、より好ましくは約0.75~約1.50グラム、より好ましくは約1.00グラムから成る量の前記調湿剤を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項5】
前記少なくとも一つの金属-有機構造体化合物が、
- フマル酸アルミニウム(C
12H
6Al
2O
12)、
- 1,4-ベンゼンジカルボン酸によって相互結合され、実験式[Cr
3(O)X(bdc)
3(H
2O)
2]を有する三量体クロム(III)八面体クラスターを含み、式中、bdcが、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸であり、Xは、OHまたはFである、テレフタル酸クロム金属-有機構造体MIL-101(Cr)、
- 官能化テレフタル酸クロム金属-有機構造体、MIL-101(Cr)-Xであって、式中、Xが、電子吸引群(NO
2、SO
3HまたはCl)または電子供与体群(NH
2またはCH
3)を指し、好ましくはMIL-101(Cr)-NO
2である、官能化テレフタル酸クロム金属-有機構造体MIL-101(Cr)-X、
- テレフタル酸鉄金属-有機構造体MIL-101(Fe)、
- 化学式[Cr3(μ3-O)(H2O)2(TCPT)1.5Cl]のsocトポロジCr-soc-金属-有機構造体-1が基礎をなし、式中、TCPTは、テトラトピック3,3”,5,5”-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-p-テルフェニルリガンドである、クロム系金属-有機構造体、
- Zr(IV)-MOFs BUT-46F、BUT-46A、BUT-46W、およびBUT-46Bとして示され、好ましくはZr(IV)-MOFs BUT-46Aである、稀少な低対称9-結合Zr6MOFを有する等構造Zr(IV)-MOF、
- ハイブリッド微多孔性高結合希土類系金属-有機構造体Y-shp-MOF-5であって、「shp」は、正方六角形プリズムを指す、ハイブリッド微多孔性高結合希土類系金属-有機構造体Y-shp-MOF-5、
- またはこれらの任意の組み合わせ、から成る群において選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項6】
前記パッケージが、約1.00グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約0.20グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約0.30グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約1.00グラム±20%のMIL-101(Cr)、または約0.20グラム±20%のMIL-101(Cr)、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Cr)、または約1.00グラム±20%のMIL-101(Fe)、または約0.20グラム±20%のMIL-101(Fe)、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Fe)、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Cr)および約0.50グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Fe)および約0.50グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または好ましくは0.33グラム±20%のカルボキシメチルセルロースと混合された1.00グラム±20%の炭酸カリウム、または好ましくは0.16グラム±20%のカルボキシメチルセルロースと混合された0.50グラム±20%の炭酸カリウム、または好ましくは0.67グラム±20%のカルボキシメチルセルロースと混合された約2.00グラム±20%の炭酸カリウム、または約0.50グラム±20%の炭酸カリウムおよび約0.50グラム±20%の金属-有機構造体、好ましくはMIL-101(Cr)および/またはフマル酸アルミニウムを含む、請求項1~5のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項7】
調湿剤を有する包装材料を備え、前記調湿剤が、少なくとも一つの炭酸塩を含む、たばこまたはニコチン含有製品のパッケージ。
【請求項8】
前記少なくとも一つの炭酸塩が、炭酸カリウムであるか、または炭酸カリウムおよび少なくとも一つの異なる無機塩を含む、請求項7に記載のパッケージ。
【請求項9】
前記調湿剤が、デンプン((C
6H
10O
5)n-(H
2O))、カルボキシルメチルセルロース(CMC、C
6H
7O
2(OH)
2CH
2COONa)、アルギン酸((C
6H
8O
6)n)、アルギネート、ポリアクリル酸((C
3H
4O
2)n)のコポリマー、メタクリル酸(C
4H
6O
2)のコポリマー、マレイン酸(HO
2CCH=CHCO2H)のポリマーおよび/またはコポリマー、ポリアスパラギン酸((C
4H
5NO
3)n)、ヒドロキシエチルセルロース(C
29H
52O
21)、ヒドロキシプロピルセルロース(C
36H
70O
19)、ポリビニルアルコール(C
2H
4O)x)、ポリビニルアルコール-co-エチレン(EVOH、C
4H
8O)、ポリビニルアルコール-co-酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド((-CH
2CH
2O-)n)、ポリエチレンオキシド-co-プロピレンオキシド、またはこれらの任意の組み合わせから成る群において選択される結合剤をさらに含む、請求項7または8に記載のパッケージ。
【請求項10】
前記パッケージが、約0.30~約5.00グラム、好ましくは約0.50~約2.50グラム、より好ましくは約0.75~約1.50グラム、より好ましくは約1.00グラムから成る量の調湿剤を含む、請求項7~9のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項11】
前記調湿剤が、金属-有機構造体をさらに含む、請求項7~10のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項12】
前記少なくとも一つの金属-有機構造体化合物が、
- フマル酸アルミニウム(C
12H
6Al
2O
12)、
- 1,4-ベンゼンジカルボン酸によって相互結合され、実験式[Cr
3(O)X(bdc)
3(H
2O)
2]を有する三量体クロム(III)八面体クラスターを含み、式中、bdcが、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸であり、Xは、OHまたはFである、テレフタル酸クロム金属-有機構造体MIL-101(Cr)、
- 官能化テレフタル酸クロム金属-有機構造体、MIL-101(Cr)-Xであって、式中、Xが、電子吸引群(NO
2、SO
3HまたはCl)または電子供与体群(NH
2またはCH
3)を指し、好ましくはMIL-101(Cr)-NO
2である、官能化テレフタル酸クロム金属-有機構造体MIL-101(Cr)-X、
- テレフタル酸鉄金属-有機構造体MIL-101(Fe)、
- 化学式[Cr3(μ3-O)(H2O)2(TCPT)1.5Cl]のsocトポロジCr-soc-金属-有機構造体-1が基礎をなし、式中、TCPTは、テトラトピック3,3”,5,5”-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-p-テルフェニルリガンドである、クロム系金属-有機構造体、
- Zr(IV)-MOFs BUT-46F、BUT-46A、BUT-46W、およびBUT-46Bとして示され、好ましくはZr(IV)-MOFs BUT-46Aである、稀少な低対称9-結合Zr6MOFを有する等構造Zr(IV)-MOF、
- ハイブリッド微多孔性高結合希土類系金属-有機構造体Y-shp-MOF-5であって、「shp」は、正方六角形プリズムを指す、ハイブリッド微多孔性高結合希土類系金属-有機構造体Y-shp-MOF-5、
- またはこれらの任意の組み合わせ、から成る群において選択される、請求項11に記載のパッケージ。
【請求項13】
前記パッケージが、約1.00グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約0.20グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約0.30グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約1.00グラム±20%のMIL-101(Cr)、または約0.20グラム±20%のMIL-101(Cr)、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Cr)、または約1.00グラム±20%のMIL-101(Fe)、または約0.20グラム±20%のMIL-101(Fe)、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Fe)、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Cr)および約0.50グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または約0.50グラム±20%のMIL-101(Fe)および約0.50グラム±20%のフマル酸アルミニウム、または好ましくは0.33グラム±20%のカルボキシメチルセルロースと混合された1.00グラム±20%の炭酸カリウム、または好ましくは0.16グラム±20%のカルボキシメチルセルロースと混合された0.50グラム±20%の炭酸カリウム、または好ましくは0.67グラム±20%のカルボキシメチルセルロースと混合された約2.00グラム±20%の炭酸カリウム、または約0.50グラム±20%の炭酸カリウムおよび約0.50グラム±20%の金属-有機構造体、好ましくはMIL-101(Cr)および/またはフマル酸アルミニウムを含む、請求項7~12のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項14】
前記包装材料における、前記少なくとも一つの金属-有機構造体および/または少なくとも一つの無機塩の重量と前記結合剤の重量の比が1:4~3:2から成る、請求項11~13のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項15】
前記包装材料が、20~300グラム/平方メートルから成る量の調湿剤を含む、請求項1~14のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項16】
前記包装材料が、繊維系材料またはプラスチック材料を含む群において選択され、好ましくは、紙、厚紙、繊維、織物、不織布材料、ポリマー、ポリマー発泡体、およびポリマーフィルムを含む群において選択される、請求項1~15のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項17】
前記包装材料が、発泡性の包装材料であり、好ましくは、一つ以上のバイオポリマーに基づいており、好ましくは、10~900キログラム/立方メートルから成る密度を有する、請求項1~16のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項18】
前記調湿剤を含む前記包装材料が、前記パッケージの複数の異なる包装要素に組み込まれ、前記包装要素が、好ましくは、ヒンジリッド、内側フレーム、内側ライナー、または前記パッケージに挿入されるパッド、または多孔性パウチである、請求項1~17のいずれか一項に記載のパッケージ。
【請求項19】
たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの包装材料を調製するための方法であって、前記包装材料が、調湿剤を含み、前記調湿剤が、少なくとも一つの金属-有機構造体、および前記少なくとも一つの金属-有機構造体に結合された少なくとも一つの結合剤を含み、前記方法が、以下の工程:
- 包装材料を提供する工程、
- 総乾燥重量基準で20~60重量パーセントの少なくとも一つの有金属-有機構造体化合物、および総乾燥重量基準で80~40重量パーセントの少なくとも一つの結合剤材料を含む調湿剤および溶媒を有する調湿溶液を含有する含浸浴を提供する工程、
- 前記包装材料が前記含浸浴の前記調湿溶液と均一に飽和するまで、前記包装材料を前記含浸浴中に浸漬する工程、および
- 水を含まない、前記少なくとも一つの金属-有機構造体の重量に基づいて、0~25重量パーセント、好ましくは0~15重量パーセント、最も好ましくは0~5重量パーセントから成る含水量を有する包装材料を得るように、前記包装材料を乾燥させて前記包装材料から前記溶媒を蒸発させる工程を含む、方法。
【請求項20】
たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの包装材料を調製するための方法であって、前記包装材料が調湿剤を含み、前記調湿剤が、少なくとも一つの炭酸塩、および少なくとも一つの炭酸塩に結合された少なくとも一つの結合剤を含み、前記方法が、以下の工程:
- 包装材料を提供する工程、
- 総乾燥重量基準で20~80重量パーセントの少なくとも一つの炭酸塩、および総乾燥重量基準で80~20重量パーセントの少なくとも一つの結合剤を含む調湿剤、および溶媒を含有する調湿溶液の含浸浴を提供する工程、
- 前記包装材料が前記含浸浴の前記調湿溶液と均一に飽和するまで、前記包装材料を前記含浸浴中に浸漬する工程、および
- 水を含まない、前記少なくとも一つの金属-有機構造体の重量に基づいて、約0~25重量パーセント、好ましくは0~15重量パーセント、最も好ましくは0~5重量パーセントから成る含水量を有する包装材料を得るように、前記包装材料を乾燥させて前記包装材料から前記溶媒を蒸発させる工程を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調湿剤を含むたばこまたはニコチン含有製品のパッケージに関する。
【背景技術】
【0002】
本発明は、調湿剤を有する包装材料を備えるたばこまたはニコチン含有製品のパッケージに関する。
【0003】
多くの製品は、特定のレベルの相対湿度を有して製造または包装されるが、経時的に、環境から湿気を吸着する傾向がある。湿気の吸着は、製品の特性を損なう。製品の官能特性および物理的特性は、製品の含水量の増大によって劣化する。
【0004】
特に、たばこまたはニコチン含有製品は、製品の所望の含水量において新鮮さ、または新鮮さの知覚を保持する。
【0005】
たばこまたはニコチン含有製品は、特定のレベルの含水量においてその官能特性を維持する。
【0006】
したがって、製品の最終的な使用まで、たばこまたはニコチン含有製品の品質を保持するために、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を特定の所望のレベルに維持することが必要である。
【0007】
消費者の体験および消費者の満足度を保持するためには、たばこまたはニコチン含有製品の品質を保持することが必要である。
【0008】
最終的な使用まで、たばこまたはニコチン含有製品の特性を最適化するために、発送、流通、シェル寿命、および製品使用寿命を通してたばこまたはニコチン含有製品の含水量を制御する必要がある。
【0009】
消費者による最初の開封前、および使用中、およびパッケージ内にたばこまたはニコチン含有製品の最後のユニットが残るまで、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を制御することが望ましい。
【0010】
湿気の吸着を低減し、所望のシェル寿命を達成するために、湿気の吸着を低減するための異なるバリア材料を備える多くの異なる包装解決策が提案されている。
【0011】
他方で、同じく製品の特性を損い得る、パッケージ内に包装された製品が乾燥し過ぎることを回避することも必要である。
【0012】
たばこまたはニコチン含有製品の特性および消費者の体験を最適化するために、たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの相対湿度を所望の範囲内に維持することが必要である。
【発明の概要】
【0013】
第一の態様では、本発明は、調湿剤を有する包装材料を備えるたばこまたはニコチン含有製品のパッケージを提供し、調湿剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体化合物を含む。
【0014】
本発明のパッケージは、所定の範囲の相対湿度で水を吸着し、パッケージの相対湿度を所望の範囲内に維持することを可能にする。
【0015】
本発明のパッケージは、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を所望の範囲内に維持することを可能にする。
【0016】
したがって、たばこまたはニコチン含有製品の含水量が所定のレベルを超えて増大するため、またはたばこまたはニコチン含有製品の含水量が低過ぎるため、のいずれかで、顧客が不良な体験をすることが回避される。どちらの場合も、生成されるエアロゾルの煙の品質は実際に悪影響を受ける。
【0017】
たばこまたはニコチン含有製品の含水量を所定の範囲内に維持し、それ故にたばこまたはニコチン含有製品の官能特性およびたばこまたはニコチン含有製品の消費者の体験を最適化することが可能である。
【0018】
包装材料は、パッケージに組み込まれてもよい。こうして、パッケージに追加要素を添加することが回避される。
【0019】
また、調湿剤を含有する包装材料は、パッケージの所望の位置に挿入されてもよい。ユーザーは、高品質の製品に依拠してより満足し得る。
【0020】
調湿剤は、複数の金属-有機構造体化合物を含んでもよい。
【0021】
調湿剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体化合物に結合された結合剤をさらに含んでもよい。
【0022】
結合剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体と包装材料の結合を改善する。結合剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体からの水の吸着を強化するように、吸着を促進して、水が少なくとも一つの金属-有機構造体に到達するのを助ける。結合剤はまた、少なくとも一つの金属-有機構造体の吸着能力が悪影響を受けることも回避する。
【0023】
調湿剤は、総乾燥重量基準で20~60重量パーセントの少なくとも一つの金属-有機構造体化合物、および総乾燥重量基準で80~40重量パーセントの少なくとも一つの結合剤材料を含み得る。
【0024】
調湿剤の少なくとも一つの結合剤は、デンプン((C6H10O5)n-(H2O))、カルボキシルメチルセルロース(CMC、C6H7O2(OH)2CH2COONa)、アルギン酸((C6H8O6)n)、アルギネート、ポリアクリル酸((C3H4O2)n)のコポリマー、メタクリル酸(C4H6O2)のコポリマー、マレイン酸(HO2CCH=CHCO2H)のポリマーおよび/またはコポリマー、ポリアスパラギン酸((C4H5NO3)n)、ヒドロキシエチルセルロース(C29H52O21)、ヒドロキシプロピルセルロース(C36H70O19)、ポリビニルアルコール(C2H4O)x)、ポリビニルアルコール-co-エチレン(EVOH、C4H8O)、ポリビニルアルコール-co-酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド((-CH2CH2O-)n)、ポリエチレンオキシド-co-プロピレンオキシドから成る群において選択され得る。
【0025】
調湿剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体化合物に結合された複数の結合剤を含んでもよい。
【0026】
調湿剤は、少なくとも一つの無機塩をさらに含んでもよい。
【0027】
無機塩は、調湿剤の効率を増大させる。たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの相対湿度の調節が、改善および良好に調整される。
【0028】
調湿剤は、複数の無機塩を含んでもよい。
【0029】
少なくとも一つの無機塩は、炭酸塩、塩化ナトリウム、塩化カルシウムから成る群において選択され得る。
【0030】
少なくとも一つの無機塩は、炭酸カリウムであってもよい。
【0031】
調湿剤は、総乾燥重量基準で20~60重量パーセントの少なくとも一つの金属-有機構造体化合物および少なくとも一つの無機塩、および総乾燥重量基準で80~40重量パーセントの少なくとも一つの結合剤材料を含み得る。
【0032】
本発明のパッケージは、所定の範囲の相対湿度で水を吸着する。
【0033】
調湿剤中の少なくとも一つの金属-有機構造体の重量パーセント、および/または少なくとも一つの無機塩の重量パーセント、および/または少なくとも一つの結合剤の重量パーセントを適切に調整することにより、パッケージの相対湿度を所定の範囲内に調整することが可能である。したがって、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を、所望の範囲内に調整することが可能である。
【0034】
調湿剤中の少なくとも一つの金属-有機構造体、および/または少なくとも一つの結合剤、および/または少なくとも一つの無機塩を適切に選ぶことにより、パッケージの相対湿度を所定の範囲内に調整することが可能である。したがって、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を、所望の範囲内に調整することが可能である。
【0035】
それ故に、たばこまたはニコチン含有製品内の、所望の範囲を超える望ましくない含水量の増大が回避される。
【0036】
それ故に、たばこまたはニコチン含有製品内の、所望の範囲を下回る望ましくない含水量の低減が回避される。
【0037】
そうして、たばこまたはニコチン含有製品の劣化が回避され、たばこまたはニコチン含有製品の品質が保持される。
【0038】
本発明の第二の態様では、調湿剤を有する包装材料を備えるたばこまたはニコチン含有製品のパッケージが提供されており、調湿剤は、少なくとも一つの炭酸塩を含む。
【0039】
たばこまたはニコチン含有製品の含水量を所定の範囲内に維持し、それ故にたばこまたはニコチン含有製品の官能特性およびたばこまたはニコチン含有製品の消費者の体験を最適化することが可能である。
【0040】
調湿剤は、少なくとも一つの炭酸塩に結合された少なくとも一つの結合剤をさらに含んでもよい。
【0041】
結合剤の提供は、吸着効率の増大、および吸着能力の増大を可能にする。
【0042】
調湿剤は、総乾燥重量基準で約70~80重量パーセントの少なくとも一つの炭酸塩、および総乾燥重量基準で約30~20重量パーセントの少なくとも一つの結合剤を含み得る。
【0043】
調湿剤は、総乾燥重量基準で約75重量パーセントの少なくとも一つの炭酸塩、および総乾燥重量基準で約25重量パーセントの少なくとも一つの結合剤を含み得る。
【0044】
少なくとも一つの炭酸塩は、炭酸カリウムであってもよい。
【0045】
調湿剤は、複数の炭酸塩を含んでもよい。
【0046】
調湿剤は、塩化ナトリウム、塩化カルシウムをさらに含んでもよい。
【0047】
調湿剤の少なくとも一つの結合剤は、デンプン((C6H10O5)n-(H2O))、カルボキシルメチルセルロース(CMC、C6H7O2(OH)2CH2COONa)、アルギン酸((C6H8O6)n)、アルギネート、ポリアクリル酸((C3H4O2)n)のコポリマー、メタクリル酸(C4H6O2)のコポリマー、マレイン酸(HO2CCH=CHCO2H)のポリマーおよび/またはコポリマー、ポリアスパラギン酸((C4H5NO3)n)、ヒドロキシエチルセルロース(C29H52O21)、ヒドロキシプロピルセルロース(C36H70O19)、ポリビニルアルコール(C2H4O)x)、ポリビニルアルコール-co-エチレン(EVOH、C4H8O)、ポリビニルアルコール-co-酢酸ビニル、ポリエチレンオキシド((-CH2CH2O-)n)、ポリエチレンオキシド-co-プロピレンオキシドから成る群において選択され得る。
【0048】
本発明のパッケージは、所定の範囲の相対湿度で水を吸着し、本発明のパッケージ内の相対湿度は、所望の範囲に維持され得る。
【0049】
本発明のパッケージは、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を所望の範囲内に維持することを可能にする。
【0050】
調湿剤は、上記に示す群において選択される複数の結合剤を含んでもよい。
【0051】
本発明の第三の態様によると、たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの包装材料を調製するための方法が提供されており、包装材料は、調湿剤を含み、調湿剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体、および少なくとも一つの金属-有機構造体に結合された少なくとも一つの結合剤を含み、方法は、以下の工程:
- 包装材料を提供する工程、
- 総乾燥重量基準で20~60重量パーセントの少なくとも一つの有金属-有機構造体化合物、および総乾燥重量基準で80~40重量パーセントの少なくとも一つの結合剤材料を含む調湿剤、および溶媒を有する調湿溶液を含有する含浸浴を提供する工程、
- 包装材料が含浸浴の調湿溶液と均一に飽和するまで、包装材料を含浸浴の中に浸漬する工程、および
- 摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの金属-有機構造体の対応する吸着等温線による約0~25パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの金属-有機構造体を備える包装材料を得るように、包装材料を乾燥させて包装材料から溶媒を蒸発させる工程を含む。
【0052】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの金属-有機構造体の対応する吸着等温線による約0~20パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの金属-有機構造体を備える包装材料を得るように、乾燥されてもよい。
【0053】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの金属-有機構造体の対応する吸着等温線による約0~10パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの金属-有機構造体を備える包装材料を得るように、乾燥されてもよい。
【0054】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの金属-有機構造体の対応する吸着等温線による0~5パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの金属-有機構造体を備える包装材料を得るように、乾燥されてもよい。
【0055】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの金属-有機構造体の対応する吸着等温線における相対湿度の最小閾値よりも低い相対湿度を有する気水混合物と平衡する含水量を有する包装材料を得るように、乾燥される。
【0056】
本発明の第四の態様によると、たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの包装材料を調製するための方法が提供されており、包装材料は、調湿剤を含み、調湿剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体、および少なくとも一つの金属-有機構造体に結合された少なくとも一つの結合剤を含み、方法は、以下の工程:
- 包装材料を提供する工程、
- 総乾燥重量基準で20~60重量パーセントの少なくとも一つの有金属-有機構造体化合物、および総乾燥重量基準で80~40重量パーセントの少なくとも一つの結合剤材料を含む調湿剤、および溶媒を有する調湿溶液を含有する含浸浴を提供する工程、
- 包装材料が含浸浴の調湿溶液と均一に飽和するまで、包装材料を含浸浴の中に浸漬する工程、および
- 水を含まない、少なくとも一つの金属-有機構造体の重量に基づいて、約0重量パーセント~25重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの金属-有機構造体を含む包装材料を得るように、包装材料を乾燥させて包装材料から溶媒を蒸発させる工程を含む。
【0057】
乾燥工程では、包装材料は、水を含まない、少なくとも一つの金属-有機構造体の重量に基づいて、約0重量パーセント~20重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの金属-有機構造体を含む包装材料を得るように、乾燥されて包装材料から溶媒を蒸発させることが好ましい。
【0058】
乾燥工程では、包装材料は、水を含まない、少なくとも一つの金属-有機構造体の重量に基づいて、約0重量パーセント~10重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの金属-有機構造体を含む包装材料を得るように、乾燥されて包装材料から溶媒を蒸発させることがより好ましい。
【0059】
乾燥工程では、包装材料は、水を含まない、少なくとも一つの金属-有機構造体の重量に基づいて、約0重量パーセント~5重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの金属-有機構造体を含む包装材料を得るように、乾燥されて包装材料から溶媒を蒸発させることが最も好ましい。
【0060】
調湿溶液は、無機塩、好ましくは炭酸塩、より好ましくは炭酸カリウムをさらに含んでもよい。
【0061】
好ましい範囲内で湿度を吸着する包装材料、およびそれ故にパッケージを得ることが可能である。
【0062】
本発明の第五の態様によると、たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの包装材料を調製するための方法が提供されており、包装材料は、調湿剤を含み、調湿剤は、少なくとも一つの炭酸塩、および少なくとも一つの炭酸塩に結合された少なくとも一つの結合剤を含み、方法は、以下の工程:
- 包装材料を提供する工程、
- 総乾燥重量基準で20~80重量パーセントの少なくとも一つの炭酸塩および総乾燥重量基準で80~20重量パーセントの少なくとも一つの結合剤を含む調湿剤、および溶媒を含有する調湿溶液の含浸浴を提供する工程、
- 包装材料が含浸浴の調湿溶液と均一に飽和するまで、包装材料を含浸浴の中に浸漬する工程、および
- 摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの炭酸塩の対応する吸着等温線による約0~25パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの炭酸塩を備える包装材料を得るように、包装材料を乾燥させて包装材料から溶媒を蒸発させる工程を含む。
【0063】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの炭酸塩の対応する吸着等温線による約0~20パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの炭酸塩を備える包装材料を得るように、乾燥されてもよい。
【0064】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの炭酸塩の対応する吸着等温線による約0~10パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの炭酸塩を備える包装材料を得るように、乾燥されてもよい。
【0065】
乾燥工程では、包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの炭酸塩の対応する吸着等温線による0~5パーセントから成る相対湿度によって特徴付けられる気水混合物と平衡する含水量を呈する、少なくとも一つの炭酸塩を備える包装材料を得るように、乾燥されてもよい。
【0066】
包装材料は、摂氏23度かつ1大気圧において、少なくとも一つの炭酸塩の対応する吸着等温線における相対湿度の最小閾値よりも低い相対湿度を有する気水混合物と平衡する含水量を有する包装材料を得るように、乾燥される。
【0067】
本発明の第六の態様によると、たばこまたはニコチン含有製品のパッケージの包装材料を調製するための方法が提供されており、包装材料は、調湿剤を含み、調湿剤は、少なくとも一つの炭酸塩、および少なくとも一つの炭酸塩に結合された少なくとも一つの結合剤を含み、方法は、以下の工程:
- 包装材料を提供する工程、
- 総乾燥重量基準で20~80重量パーセントの少なくとも一つの炭酸塩、総乾燥重量基準で80~20重量パーセントの少なくとも一つの結合剤を含む調湿剤、および溶媒を含有する調湿溶液の含浸浴を提供する工程、
- 包装材料が含浸浴の調湿溶液と均一に飽和するまで、包装材料を含浸浴の中に浸漬する工程、および
- 水を含まない、少なくとも一つの炭酸塩の重量に基づいて、約0重量パーセント~25重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの炭酸塩を含む包装材料を得るように、包装材料を乾燥させて包装材料から溶媒を蒸発させる工程を含む。
【0068】
乾燥工程では、包装材料は、水を含まない、少なくとも一つの炭酸塩の乾燥重量に基づいて、約0~20重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの炭酸塩を含む包装材料を得るように、乾燥されて包装材料から溶媒を蒸発させることが好ましい。
【0069】
乾燥工程では、包装材料は、水を含まない、少なくとも一つの炭酸塩の乾燥重量に基づいて、約0~10重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの炭酸塩を含む包装材料を得るように、乾燥されて包装材料から溶媒を蒸発させることがより好ましい。
【0070】
乾燥工程では、包装材料は、水を含まない、少なくとも一つの炭酸塩の乾燥重量に基づいて、約0~5重量パーセントから成る含水量を呈する少なくとも一つの炭酸塩を含む包装材料を得るように、乾燥されて包装材料から溶媒を蒸発させることが最も好ましい。
【0071】
少なくとも一つの炭酸塩は、炭酸カリウムであってもよい。
【0072】
調湿溶液は、少なくとも一つの金属-有機構造体をさらに含んでもよい。
【0073】
好ましい範囲内で湿度を吸着する包装材料、およびそれ故にパッケージを得ることが可能である。
【0074】
本発明のパッケージは、所定の範囲の相対湿度で水を吸着する。
【0075】
調湿溶液中の少なくとも一つの金属-有機構造体の重量パーセント、および/または少なくとも一つの無機塩の重量パーセント、および/または少なくとも一つの炭酸塩の重量パーセント、および/または少なくとも一つの結合剤の重量パーセントを適切に調整することにより、パッケージの相対湿度を所望の範囲内に調整することが可能である。したがって、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を、所望の範囲内に調整することが可能である。
【0076】
調湿溶液中の少なくとも一つの金属-有機構造体、および/または少なくとも一つの無機塩、および/または少なくとも一つの結合剤、および/または少なくとも一つの炭酸塩を適切に選ぶことにより、パッケージの相対湿度を所望の範囲内に調整することが可能である。したがって、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を、所望の範囲内に調整することが可能である。
【0077】
パッケージ内に包装された製品における含水量の望ましくない増大が回避される。
【0078】
パッケージ内に包装された製品における含水量の望ましくない低減が回避される。
【0079】
パッケージ内の相対湿度は制御され、所定の範囲内に維持される。したがって、パッケージ内に包装されたたばこまたはニコチン含有製品の品質を保持することが可能である。
【0080】
本発明により、パッケージ内に包装されたたばこまたはニコチン含有製品の含水量を所定の範囲内に維持するように構成された、たばこまたはニコチン含有製品のためのパッケージを得ることが可能である。
【0081】
調湿剤は、以下に吸着範囲として示される、所定の相対湿度範囲内で水を吸着する。言い換えれば、調湿剤は、相対湿度のおよそ最小閾値~相対湿度のおよそ最大閾値から成る相対湿度の所定の範囲内で水を吸着する。
【0082】
調湿剤が水を吸着する相対湿度範囲は、調湿剤中に使用される金属-有機構造体、または複数の金属-有機構造体、使用される無機塩または複数の無機塩、使用される炭酸塩または複数の炭酸塩、使用される結合剤または複数の結合剤に依存する。
【0083】
調湿剤は、相対湿度の最小閾値未満の限られた量の水を吸着するのみである。調湿剤は、相対湿度の最大閾値を超える限られた量の水を吸着するのみである。
【0084】
調湿剤は、相対湿度の最小閾値~相対湿度の最大閾値の相対湿度から成る相対湿度の範囲内でかなりの量の水を吸着する。金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、結合剤または複数の結合剤、無機塩または複数の無機塩、使用される炭酸塩または複数の炭酸塩を選ぶことによって、相対湿度の最小閾値および相対湿度の最大閾値が調整され、それ故に吸着範囲の相対湿度値が調整される。
【0085】
したがって、パッケージ内に包装された製品の含水量を調整することが可能である。
【0086】
金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、結合剤または複数の結合剤、無機塩または複数の無機塩、炭酸塩または複数の炭酸塩を選ぶことによって、特定の量の水を、相対湿度の特定の最小閾値~最大閾値から成る特定の吸着範囲内で吸着するように調整された調湿剤を得ることが可能である。
【0087】
そのため、金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、結合剤または複数の結合剤、無機塩または複数の無機塩、炭酸塩または複数の炭酸塩を選ぶことによって、かつ所望の比を調湿剤において使用することによって、所望の湿度範囲に適合する吸着等温線におけるS字形状によって特徴付けられる調湿剤を得ることが可能である。
【0088】
金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、結合剤または複数の結合剤、無機塩または複数の無機塩、炭酸塩または複数の炭酸塩を選ぶことによって、調湿剤が実質的に水を吸着する相対湿度範囲が調整される。
【0089】
したがって、パッケージ内部の相対湿度範囲、および/または調湿剤を含むパッケージ内に包装されたたばこまたはニコチン含有製品の含水量範囲が調整される。
【0090】
パッケージの開封前、およびたばこまたはニコチン含有製品の使用中、パッケージ内のたばこまたはニコチン含有製品の含水量を制御することが可能である。パッケージ内にたばこまたはニコチン含有製品の最後のユニットが残るまで、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を制御することが可能である。
【0091】
また、パッケージ内の製品が乾燥し過ぎること、およびパッケージ内の製品が湿潤し過ぎることを回避することも可能である。
【0092】
したがって、たばこまたはニコチン含有製品の官能特性および物理的特性が保持される。
【0093】
金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、結合剤または複数の結合剤、無機塩または複数の無機塩、炭酸塩または複数の炭酸塩を選ぶことによって、たばこまたはニコチン含有製品の含水量をたばこまたはニコチン含有製品の所望のレベル内に維持するのに適切な調湿剤を得ることが可能である。
【0094】
吸着範囲において、調湿剤は、使用する金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、または使用する無機塩または複数の無機塩、または使用する炭酸塩または複数の炭酸塩、および使用する結合剤または複数の結合剤に応じた効率で水を吸着する。
【0095】
吸着範囲において、調湿剤によって吸着される水の量は、使用する金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、または使用する無機塩または複数の無機塩、または使用する炭酸塩または複数の炭酸塩、または使用する結合剤または複数の結合剤に依存する。
【0096】
所定の温度において、化合物の吸着挙動は、平衡相対湿度のパーセントに対する吸着された/脱着された水のパーセントでの変化を示す、吸着等温線として示される曲線によって表される。吸着等温線は、特定の温度かつ圧力において得られ、パーセント平衡相対湿度の関数として、調湿剤によって吸着される水のパーセントを示している。
【0097】
調湿剤の吸着等温線は、シグモイド経路、すなわち、「S」の形状に似た曲線を有する。
【0098】
調湿剤の吸着等温線は、ゼロ相対湿度~相対湿度の最小閾値から成る第一の部分を含む。第一の部分では、調湿剤は、少量の水を吸着し、吸着される水は、相対湿度に応じて漸進的に増大する。吸着される水の量は、調湿剤中の化合物に依存する。相対湿度の最小閾値の値は、調湿剤の化合物に依存する。
【0099】
調湿剤の吸着等温線は、最大閾値相対湿度~約100パーセントの相対湿度から成る第二の部分を含む。第二の部分では、調湿剤は、少量の水を吸着し、吸着される水は、相対湿度に応じて漸進的に増大する。吸着される水の量は、調湿剤の化合物に依存する。最大相対湿度の値は、調湿剤の化合物に依存する。
【0100】
調湿剤の吸着等温線は、相対湿度の最小閾値~相対湿度の最大閾値から成る吸着部分をさらに含む。吸着部分では、調湿剤は、第一の部分または第二の部分に対してより多くの量の水を吸着する。吸着部分では、相対湿度に応じて、吸着される水が大きく増大する。吸着される水の量は、調湿剤の化合物に依存する。
【0101】
相対湿度の最小閾値は、摂氏約23度かつ1大気圧において約15~45パーセントから成ってもよい。相対湿度の最小閾値は、摂氏約23度かつ1大気圧において約20~40パーセントから成ってもよいことが好ましい。
【0102】
相対湿度の最大閾値は、摂氏約23度かつ1大気圧において、25~70パーセントから成ってもよいことが好ましい。相対湿度の最大閾値は、摂氏約23度かつ1大気圧において、30~55パーセントから成ってもよいことが好ましい。
【0103】
吸着部分において吸着される水は、例えば、5~110パーセントから成ってもよく、金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体の重量に対する:グラムの水/グラムの金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体の比として表される。
【0104】
吸着部分において吸着される水は、例えば、5~220パーセントであってもよく、炭酸塩または複数の炭酸塩の重量に対する:グラムの水/グラムの炭酸塩または複数の炭酸塩の比として表される。
【0105】
金属-有機構造体は、水を吸着するのに非常に効率的な化合物である。結合剤の提供により、吸着作用を改善することが可能になる。結合剤は、吸着の効率を増大させることを可能にする。
【0106】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、フマル酸アルミニウム(C12H6Al2O12)であってもよい。
【0107】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、1,4-ベンゼンジカルボン酸によって相互結合され、実験式[Cr3(O)X(bdc)3(H2O)2]を有する三量体クロム(III)八面体クラスターを含むテレフタル酸クロム金属-有機構造体MIL-101(Cr)の群において選択されてもよく、式中、bdcは、ベンゼン-1,4-ジカルボン酸であり、Xは、OHまたはFである。一実施形態では、金属-有機構造体MIL-101(Cr)は、一般式(Cr3O(OH)(H2O)2(bdc)3を有する。
【0108】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、官能化テレフタル酸クロム金属-有機構造体、MIL-101(Cr)-Xの群において選択されてもよく、式中、Xは、電子吸引群(NO2、SO3HまたはCl)または電子供与体群(NH2またはCH3)を意味する。
【0109】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、アミノ官能化テレフタル酸クロム金属-有機構造体、MIL-101(Cr)-NO2の群において選択されてもよい。
【0110】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、テレフタル酸鉄金属-有機構造体、MIL-101(Fe)の群において選択されてもよい。
【0111】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、化学式[Cr3(μ3-O)(H2O)2(TCPT)1.5Cl]のsocトポロジCr-soc-金属-有機構造体-1が基礎をなすクロム系金属-有機構造体の群において選択されてもよく、式中、TCPTは、テトラトピック3,3”,5,5”-テトラキス(4-カルボキシフェニル)-p-テルフェニルリガンドである。
【0112】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、Zr(IV)-MOFs BUT-46F、BUT-46A、BUT-46W、およびBUT-46Bとして示され、好ましくはZr(IV)-MOFs BUT-46Aである、希少な低対称9-結合Zr6クラスターMOFを有する等構造Zr(IV)-MOFの群において選択されてもよい。
【0113】
少なくとも一つの金属-有機構造体は、ハイブリッド微多孔性高結合希土類系金属-有機構造体Y-shp- MOF-5の群において選択されてもよく、「shp」は、正方六角形プリズムを指す。
【0114】
調湿剤は、上記に示す群のいずれか一つにおいて選択された複数の金属-有機構造体を含んでもよい。
【0115】
調湿剤は、フマル酸アルミニウムおよびMil-101(Cr)を含んでもよい。
【0116】
調湿剤は、フマル酸アルミニウムおよびMil-101(Fe)を含んでもよい。
【0117】
調湿剤は、金属-有機構造体化合物の総重量に基づいて、約50重量パーセントのフマル酸アルミニウム、および約50重量パーセントのMil-101(Fe)を含んでもよい。
【0118】
当然のことながら、任意の他の可能な金属-有機構造体が調湿剤に使用されてもよい。
【0119】
少なくとも一つの結合剤は、少なくとも一つの金属-有機構造体および/または少なくとも一つの無機塩および/または少なくとも一つの炭酸塩の可溶化を改善するための水溶性担体である。
【0120】
結合剤は、調湿剤と包装材料の結合を改善する。
【0121】
結合剤により、少なくとも一つの金属-有機構造体からの水の吸着を強化するように、水が少なくとも一つの金属-有機構造体に到達することが可能になる。結合剤はまた、少なくとも一つの金属-有機構造体の吸着能力が悪影響を受けることも回避する。
【0122】
結合剤は、少なくとも一つの炭酸塩の吸着を改善する。
【0123】
調湿剤の少なくとも一つの結合剤は、ジャガイモデンプンであってもよい。
【0124】
当然のことながら、任意の他の可能な結合剤が調湿剤に使用されてもよい。
【0125】
適切な結合剤、および適切な金属-有機構造体化合物または複数の金属-有機構造体化合物、および/または無機塩または複数の無機塩、および/または少なくとも一つの炭酸塩と結合剤または複数の結合剤の組み合わせを選ぶことによって、所定の相対湿度範囲で水を効率的に吸着する調湿剤を得ることが可能である。
【0126】
調湿剤は、フマル酸アルミニウムおよびジャガイモデンプンを含んでもよい。
【0127】
調湿剤は、MIL-101(Cr)およびジャガイモデンプンを含んでもよい。
【0128】
調湿剤は、炭酸カリウムおよびジャガイモデンプンを含んでもよい。
【0129】
調湿剤は、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含んでもよい。
【0130】
パッケージは、少なくとも一つの金属-有機構造体の重量と少なくとも一つの結合剤の重量の相対比が1:4~3:2から成る調湿剤を含んでもよい。
【0131】
パッケージは、少なくとも一つの金属-有機構造体および少なくとも一つの無機塩または複数の無機塩の重量と少なくとも一つの結合剤の重量の相対比が1:4~3:2から成る調湿剤を含んでもよい。
【0132】
パッケージは、少なくとも一つの炭酸塩の重量と少なくとも一つの結合剤の重量の相対比が1:4~3:2から成る調湿剤を含んでもよい。
【0133】
これらの比は、水の効率的な吸着を可能にし、またパッケージ内の相対湿度を所望の範囲に効率的に維持することを可能にする。
【0134】
パッケージは、20~300グラム/平方メートルから成る量の調湿剤を含んでもよい。
【0135】
パッケージは、約0.30~約5.00グラム、好ましくは約0.50~約2.50グラム、より好ましくは約0.75~約1.50グラム、より好ましくは約1.00グラムから成る量の少なくとも一つの金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体を含んでもよい。
【0136】
パッケージは、約0.30~約5.00グラム、好ましくは約0.50~約2.50グラム、より好ましくは約0.75~約1.50グラム、より好ましくは約1.00グラムから成る量の少なくとも一つの金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、および少なくとも一つの無機塩または複数の無機塩を含んでもよい。
【0137】
パッケージは、約0.30~約5.00グラム、好ましくは約0.50~約2.50グラム、より好ましくは約0.75~約1.50グラム、より好ましくは約1.00グラムから成る量の少なくとも一つの炭酸塩を含んでもよい。
【0138】
パッケージ中の調湿剤のこれらの量は、相対湿度を所定の範囲の相対湿度に維持することを可能にする。これらの量の調湿剤により、パッケージ内の水分を効率的に吸着することが可能になる。
【0139】
パッケージは、約1.00グラム(±20%)のフマル酸アルミニウムを含んでもよい。
【0140】
パッケージは、約1.00グラム(±20%)のMIL-101(Cr)を含んでもよい。
【0141】
パッケージは、約1.00グラム(±20%)のMIL-101(Fe)を含んでもよい。
【0142】
パッケージは、約0.50グラム(±20%)のMIL-101(Cr)および約0.50グラム(±20%)のフマル酸アルミニウムを含んでもよい。
【0143】
パッケージは、約1.00グラム(±20%)の炭酸カリウムおよび約0.33グラム(±20%)のカルボキシルメチルセルロースを含んでもよい。
【0144】
パッケージは、約0.50グラム(±20%)の炭酸カリウムおよび約0.17グラム(±20%)のカルボキシルメチルセルロースを含んでもよい。
【0145】
パッケージは、約2.00グラム(±20%)の炭酸カリウムおよび約0.67グラム(±20%)のカルボキシルメチルセルロースを含んでもよい。
【0146】
パッケージは、総乾燥重量基準で約75重量パーセント(±20%)の少なくとも一つの炭酸塩、および総乾燥重量基準で約25重量パーセント(±20%)の少なくとも一つの結合剤を含む、調湿剤を含み得る。
【0147】
パッケージは、約0.50グラム(±20%)の炭酸カリウム、および約0.50グラム(±20%)の金属-有機構造体、好ましくは、MIL-101(Cr)および/またはフマル酸アルミニウムを含んでもよい。
【0148】
パッケージは、加熱非燃焼式たばこ製品を収容するパッケージであってもよい。
【0149】
パッケージは、HEETSパッケージであってもよい。
【0150】
パッケージは、調湿剤を含む複数の包装材料を含んでもよい。
【0151】
パッケージは、調湿剤を含む包装材料で作製された少なくとも一つの包装要素を含み得る。
【0152】
パッケージは、調湿剤を含む包装材料で作製された複数の包装要素を含み得る。
【0153】
パッケージは、調湿剤を含む包装材料から作製された、または包装材料を含有する少なくとも一つの包装要素を含んでもよい。
【0154】
少なくとも一つの包装要素は、ヒンジリッドおよび/または内側フレーム、および/または内側ライナー、またはパッケージに挿入されるパッドまたは多孔性パウチであってもよい。
【0155】
さらに、調湿剤を含む包装材料をパッケージに添加、例えば、パッケージの中に挿入してもよい。
【0156】
包装材料は、繊維系材料またはプラスチック材料を含む群において選択されてもよく、好ましくは、紙、厚紙、繊維、織物、不織布材料、ポリマー、ポリマー発泡体、およびポリマーフィルムを含む群において選択される。
【0157】
包装材料のタイプは、得られるパッケージに応じて選択され得る。
【0158】
当然のことながら、調湿剤を含む他のタイプの包装材料が使用されてもよい。
【0159】
包装材料は、発泡性の包装材料であってもよく、好ましくは、一つ以上のバイオポリマーに基づいており、好ましくは、10~900キログラム/立方メートルから成る密度を有する。
【0160】
発泡性の包装材料は、安定剤または可塑剤をさらに含んでもよい。
【0161】
調湿剤を含む包装材料は、パッケージの複数の異なる包装要素に組み込まれてもよい。
【0162】
包装材料は、パッケージ内の相対湿度およびパッケージ内に包装されたたばこまたはニコチン含有製品の含水量を所定の範囲で維持することを可能にする。
【0163】
調湿剤を含む包装材料は、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を所定の範囲内で維持するパッケージ内部に、たばこまたはニコチン含有製品を包装するために使用され得る。
【0164】
包装材料は、パッケージの一部を形成してもよく、またはパッケージの中に添加されてもよい。
【0165】
本発明の包装材料は、異なるたばこまたはニコチン含有製品の異なるタイプのパッケージを得るために使用され得る。
【0166】
包装材料は、繊維系材料を含んでもよい。
【0167】
包装材料は、プラスチック材料を含んでもよい。
【0168】
包装材料は、約20~約200グラム/平方メートルから成る坪量範囲の紙であってもよい。
【0169】
包装材料は、約180~約300グラム/平方メートルから成る坪量の厚紙であってもよい。
【0170】
包装材料は、約20~300グラム/平方メートルから成る量の調湿剤を含んでもよい。
【0171】
包装材料は、約20~300グラム/平方メートルから成る量の調湿剤を含んでもよい。
【0172】
包装材料は、約20~300グラム/平方メートルから成る量の少なくとも一つの金属-有機構造体、および/または少なくとも一つの無機塩を含んでもよい。
【0173】
包装材料は、約20~300グラム/平方メートルから成る量の少なくとも一つの炭酸塩を含んでもよい。
【0174】
包装材料は、発泡性の包装材料であってもよい。発泡性の包装材料は、例えば、デンプン、タンパク質、セルロースなどのバイオポリマーから調製されてもよい。
【0175】
発泡性の支持材料を調製するために、調湿組成物および追加的に少なくとも一つの調整剤が支持材料に添加されるように提供される。例えば、木材パルプ繊維、例えばグリセロールなどのデンプン可塑剤、水が、調整剤として支持材料に添加されてもよい。
【0176】
次いで、発泡性の包装材料の形成を引き起こすために水蒸気発泡を実施する。
【0177】
その後、ホットプレス成形または水蒸気ベース押出成形を実施して、所望の形態の発泡性の材料を得る。
【0178】
発泡性の包装材料は、約10000~約900000グラム/立方メートルの範囲の密度を有する。
【0179】
包装材料は、パッケージに挿入され、調湿剤を含む、パッド、またはインサート、または多孔性パウチを含み得る。
【0180】
包装材料は、調湿剤で含浸されてもよい。湿式含浸、または乾式含浸プロセスを使用してもよい。
【0181】
調湿剤を包装材料に適用するために、交番磁界の使用に基づいて少なくとも一つの金属-有機構造体の粉末粒子を荷電する乾式含浸プロセスは、不織材料、布地、紙および発泡体を含むすべての種類の多孔性包装材料上に少なくとも一つの金属-有機構造体を堆積させることを可能にする。
【0182】
乾式含浸法は、粉末形態の調湿剤を包装材料に含浸させることを可能にする。
【0183】
乾式含浸は、例えば、高強度の交番電界によって実行され得る。当該分野で公知であり、使用する包装材料に好適な任意の他の乾式含浸法を使用してもよい。
【0184】
好ましい範囲内で湿度を吸着する包装材料、およびそれ故にパッケージを得ることが可能である。
【0185】
調湿剤はまた、本発明の含浸方法によって包装材料の中に含浸されてもよい。
【0186】
含浸浴は、本発明による調湿剤、および溶解物質として水を含んでもよい。
【0187】
包装材料を含浸浴に浸漬することによって、包装材料は含浸浴の溶液に含浸される。含浸浴の組成物により、包装材料を乾燥した後、約30グラム/平方メートル~約300グラム/平方メートルの少なくとも一つの金属-有機構造体、および/またはた少なくとも一つの無機塩を好ましくは少なくとも一つの結合剤と組み合わせて有する支持材料を得ることが可能である。
【0188】
含浸浴に包装材料を浸漬した後、含浸浴の調湿溶液に含浸した包装材料を計量ロールに供給して、包装材料から過剰な溶液を除去し、次いで包装材料を乾燥させてもよい。
【0189】
当該分野で公知であり、使用する包装材料に好適な異なる湿式含浸法を使用してもよい。
【0190】
調湿剤を包装材料の中に含浸させることにより、包装材料の厚さ全体に調湿剤を分配することが可能になる。
【0191】
包装材料は、調湿剤を含有するコーティング層を含んでもよい。
【0192】
包装材料は、調湿剤を含有する複数のコーティング層を含んでもよい。
【0193】
コーティング層は、調湿剤によって形成されてもよい。
【0194】
包装材料は、約10マイクロメートル~約80マイクロメートル、好ましくは約15マイクロメートル~70マイクロメートル、より好ましくは約20マイクロメートル~約60マイクロメートルから成る厚さを有する少なくとも一つの調湿剤の層を含んでもよい。
【0195】
包装材料は、包装材料上にコーティング層を形成する調湿剤で被覆されてもよい。コーティング層は、当技術分野で公知の任意の方法および装置、例えば、表面コーティングの任意の方法を用いて形成されてもよい。
【0196】
このようにして、包装材料の一つの表面は、非常に効率的な方法で水を吸着する。
【0197】
包装材料は、二つのコーティング層の間に包装材料が介在するように、包装材料の対向する側面上に提供された調湿剤を含有する二つの異なるコーティング層を備えてもよい。
【0198】
包装材料は、含浸浴に連続的に供給される材料のウェブであってもよい。
【0199】
包装材料は、含浸浴に供給される材料のシートであってもよい。
【0200】
調湿剤を含有する包装材料の調製は、当技術分野で公知の他の方法で実施されてもよい。
【0201】
調湿剤を含む包装材料は、当技術分野で公知の任意の利用可能な技術によって得られてもよい。
【0202】
製品は、「加熱非燃焼式」製品、または紙巻たばこ、または任意のタイプのたばこ含有製品であり得る。
【0203】
吸着とは、本明細書では、気体、液体、または溶解固体から表面への原子、イオン、または分子の接着を示す。このプロセスは、吸着剤の表面上に吸着質の膜を生成する。吸収は、流体(吸着質)が、それぞれ液体または固体(吸着剤)によって溶解されるか、または液体または固体に浸透するプロセスを意味する。吸着という用語は、両方のプロセスを包含する。
【0204】
本明細書において、吸着という用語は、「吸着」プロセスおよび「吸収」プロセスの両方を示すために使用される。同様に、本明細書では、用語「吸着(adsorbing)」は、「吸着」プロセスおよび「吸収」プロセスの両方を示すために使用される。
【0205】
本明細書において、定義「吸着等温線」または「吸着等温式」とは、「水分吸着等温線」、すなわち、材料の含水量と、平衡時の対応する平衡相対湿度との間の関係を意味する。各相対湿度値について、吸着等温線は、所与の一定温度における材料の対応する含水量値を示す。
【0206】
相対湿度は、所与の温度における水の平衡蒸気圧力に対する水蒸気の部分圧力の比であり、通常はパーセントで表される。相対湿度は、システムの温度および圧力に依存する。本明細書では、相対湿度は、摂氏約23度の温度かつ1大気圧において測定される。気水混合物の相対湿度(RH)は、所与の温度における、純水の平坦な表面にわたる、水の平衡蒸気圧(p*H2O)に対する混合物中の水蒸気の部分圧力(pH2O)の比:RH=pH2O/p*H2Oとして定義される。
【0207】
本明細書において、材料の「含水量(water content)」または「含水量(moisture content)」の定義は、材料に含有される水の量である。含水量は、水の重量/材料の重量の比として表され、0(完全に乾燥)~飽和時の材料の空隙率の値の範囲内であり得る。これは、体積または質量(重量)ベースで与えられ得る。本出願では、水を欠いた、乾燥製品の質量ベースで示される。
【0208】
金属-有機構造体(MOF)は、金属イオンまたは有機リガンドに配位されて潜在的な空隙を含有する一次元、二次元、または三次元の構造を形成する金属イオンクラスターから成る化合物のクラスである。金属-有機構造体(MOF)は、2ナノメートル未満の寸法を有し、結晶性であって、非常に安定している。金属-有機構造体は、軽量であり、高表面積を有する多孔性材料である。
【0209】
「水を有さない有機金属構造体」という定義では、水を欠いた、乾燥状態における金属-有機構造体が示される。
【0210】
「水を有さない炭酸塩」という定義では、水を欠いた、乾燥状態における炭酸塩が示される。
【0211】
本明細書で示す定義「炭酸塩(Carbonate)」または炭酸塩(Carbonate salt)」は、式(CO3)2-の多原子イオンである炭酸イオンの存在によって特徴付けられる炭酸の塩(H2CO3)を意味する。炭酸塩の例としては、炭酸カルシウムCaCO3、炭酸マグネシウムCaMg(CO3)2、炭酸ナトリウムNa2CO3、炭酸カリウムK2CO3 が挙げられる。
【0212】
本明細書で「結合剤」とは、金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、および/または炭酸塩または複数の炭酸塩に結合されて、可能なパッケージ、材料に結合され得る任意の化合物を意味する。
【0213】
本明細書で使用される「調整剤」という用語は、特性、例えば、少なくとも一つの金属-有機構造体の溶解度、結合剤の溶解度、金属-有機構造体と結合剤との間の化学的結合、包装材料への接着等を改善するために、調湿剤または溶液に添加され得る任意の添加剤を意味する。
【0214】
本明細書で使用される「包装材料」という用語は、パッケージの一部として、パッケージの包装要素として使用され得る任意の材料を意味する。包装材料はさらに、パッケージの中に挿入される要素を指し得る。
【0215】
「繊維系包装材料」は、繊維を含む材料を意味する。繊維系包装材料は、任意のタイプの繊維、例えばセルロース繊維を含み得る。
【0216】
本明細書で使用される場合、「含浸浴」という定義は、溶媒と、浴中に溶解された化合物を含有し、包装材料が浸漬され得る浴を意味する。包装材料は、含浸浴の溶液で含浸され、含浸浴に含有される溶液を吸着する。
【0217】
本明細書で使用される「シート」という用語は、その厚さより実質的に大きい幅および長さを有する層状の要素を意味する。
【0218】
本明細書で示されるように、定義「ウェブ」は、その厚さよりも実質的に大きな幅および長さを有し、長さが幅よりも実質的に大きく、一般的にリールに巻かれる、薄層状の要素を意味する。
【0219】
具体的な実施形態を以下の添付図面を参照しながら、例証としてのみであるがさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0220】
【
図1】
図1は、摂氏23度かつ1大気圧におけるフマル酸アルミニウムのサンプルの吸着等温線を示す。
【
図2】
図2は、摂氏23度かつ1大気圧におけるMIL-101のサンプルの吸着等温線を示す。
【
図3】
図3は、摂氏23度かつ1大気圧における炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースのサンプル(75重量パーセントK
2CO
3/25重量パーセントCMC)の吸着等温線を示す。
【
図4】
図4は、実施例で調製された一部のパッケージの経時的なパーセント相対湿度を示す。
【
図5】
図5は、実施例で調製された一部のパッケージの経時的なパーセント相対湿度を示す。
【
図6】
図6は、
図5のパッケージにおけるサンプルスティックの経時的なパーセント含水量を示す。
【
図7】
図7は、
図4のパッケージにおける一部のサンプルスティックの経時的なパーセント含水量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0221】
多くの化合物は、所定の湿度、温度、および圧力条件で水を吸着する。
【0222】
設定された温度値における材料または製品それぞれについて、平衡条件における、製品または材料の含水量と製品または材料の平衡相対湿度との間の関係は、曲線、いわゆる水分吸着等温線によってグラフィカルに表示することができる。
【0223】
水分吸着等温線は、各相対湿度値に対する、所与の一定の温度における材料の対応する含水量値を示す。
【0224】
温度が変化すると、温度に対する平衡条件も変化するため、吸着等温線の経路も変化する。一般的に、温度が上昇すると、材料は少ない水を保持し、対称的に、温度が低下すると、材料は多くの水を保持することができる。
【0225】
材料または製品が変化する場合、吸着挙動もまた変化する。
【0226】
吸着等温線は、相対湿度の変化に対する材料または製品の水の取り込みの尺度を提供する。
【0227】
図1では、70ミリグラムの純粋なフマル酸アルミニウムを使用して、摂氏23度かつ1大気圧で得られたフマル酸アルミニウムのサンプルの吸着等温線が報告されている。
【0228】
図2では、70ミリグラムの純粋なMIL-101(Cr)を使用して、摂氏23度かつ1大気圧で得られたMIL-101(Cr)のサンプルの吸着等温線が報告されている。
【0229】
図3では、摂氏23度かつ1大気圧における70グラムの炭酸カリウムおよび23.33グラムのカルボキシメチルセルロースのサンプルの吸着等温線が報告されている。
【0230】
吸着等温線は、MicrotracBEL Corp.(日本)製のBelsorp aqua 3マシンにおいてサンプルを摂氏23度、1大気圧で分析して得られた。
【0231】
分析の開始前に、サンプルを活性化した。
【0232】
分析前に、0.01キロパスカルの真空で、Belprep IIマシン(MicrotracBEL Corp.日本)の容器内にサンプルを置き、アルゴンで数回パージすることによって、フマル酸アルミニウムを活性化した。
【0233】
次いで、サンプルを二時間で摂氏200度まで加熱し、サンプルの含水量を約1重量パーセントに低減するためにこの温度で8時間保持した。
【0234】
冷却後、容器をアルゴンで充填し、Belsorp aqua 3マシン内に置く。
【0235】
次いで、容器の相対湿度を経時的に変化させ、
図1の吸着等温線を得るように、フマル酸アルミニウムのサンプルの水の取り込みを記録する。測定は、摂氏23度の実験室温度、かつ1大気圧で行われた。
【0236】
同じことを純粋なMIL-101(Cr)に対して繰り返して、
図2の吸着等温線を得た。
【0237】
炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースのサンプルを、フマル酸アルミニウムに対して使用したのと同じ方法を用いて摂氏120度の温度で活性化した。次いで、容器の相対湿度を経時的に変化させ、
図3の吸着等温線を得るように、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースのサンプルの水の取り込みを記録する。測定は、摂氏23度の実験室温度、かつ1大気圧で行われた。
【0238】
フマル酸アルミニウムおよびMIL-101(Cr)は、NovoMOF、AG(スイス)から購入した。
【0239】
炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースは、Fischer Scientific(スイス)から購入した。
【0240】
図1では、フマル酸アルミニウムのサンプルについて、横座標(x軸)にパーセント相対湿度、縦座標(y座標)に水吸着のパーセントが報告されている。水吸着は、重量パーセント、すなわち、吸着された水の重量/フマル酸アルミニウムの重量として示される。
【0241】
フマル酸アルミニウムの吸着等温線は、シグモイド経路を有する。
【0242】
フマル酸アルミニウムの吸着等温線10は、フマル酸アルミニウムが約1~5パーセントの水を吸着し、フマル酸アルミニウムによって吸着される水が相対湿度に応じて漸進的に増大する、ゼロ相対湿度~相対湿度の最小閾値13から成る第一の部分11を含む。
【0243】
フマル酸アルミニウムの吸着等温線10は、フマル酸アルミニウムが相対湿度の増大に対して少量の水を吸着する、最大閾値相対湿度14~約100パーセントの相対湿度から成る第二の部分12を含む。第二の部分では、フマル酸アルミニウムは、約35~約54パーセントの水を吸着する。吸着される水は、相対湿度に応じて漸進的に増大する。
【0244】
相対湿度の最小閾値13は約20パーセントであり、相対湿度の最大閾値14は約34パーセントである。
【0245】
吸着等温線10は、相対湿度の最小閾値13~相対湿度の最大閾値14から成る吸着部分15を含む。吸着部分15では、フマル酸アルミニウムは、第一の部分11または第二の部分12において吸着される水の量に対して多量の水を吸着する。吸着部分15では、相対湿度に応じて、吸着される水が大きく増大する。
【0246】
吸着等温線10の勾配を考慮すると、第一の部分および第二の部分の勾配は、吸着部分の勾配よりも小さい。吸着部分15では、相対湿度の増大後に吸着される水の増大は、第一の部分11または第二の部分12における相対湿度の増大後に吸着される水の増大よりもかなり大きい。
【0247】
吸着部分15では、フマル酸アルミニウムは、約5~約35パーセントの水を吸着する。
【0248】
図2では、横座標(x軸)にパーセント相対湿度、縦座標(y座標)に水吸着のパーセントを報告する、MIL-101(Cr)の吸着等温線が報告されている。水吸着は、重量パーセント、すなわち、吸着された水の重量/フマル酸アルミニウムまたはMIL-101(Cr)の重量として示される。MIL-101(Cr)の吸着等温線は、シグモイド経路を有する。
【0249】
MIL-101(Cr)の吸着等温線20は、MIL-101(Cr)が約1~5パーセントの水を吸着し、MIL-101(Cr)によって吸着される水が相対湿度に応じて漸進的に増大する、ゼロ相対湿度~相対湿度の最小閾値23から成る第一の部分21を含む。
【0250】
MIL-101(Cr)の吸着等温線20は、MIL-101(Cr)が約110~127パーセントの水を吸着し、吸着される水が相対湿度に応じて漸進的に増大する、最大閾値相対湿度24~約100パーセントの相対湿度から成る第二の部分22を含む。
【0251】
相対湿度の最小閾値23は約37パーセントであり、相対湿度の最大閾値24は約48パーセントである。
【0252】
吸着等温線20は、相対湿度の最小閾値23~相対湿度の最大閾値24から成る吸着部分25を含む。吸着部分25では、MIL-101(Cr)は、第一の部分21または第二の部分22において吸着される量の水に対して多量の水を吸着する。吸着部分25では、相対湿度に応じて、吸着される水が大きく増大する。
【0253】
吸着部分25では、MIL-101(Cr)は、約5~約110パーセントの水を吸着する。
【0254】
図3では、横座標(x軸)にパーセント相対湿度、縦座標(y座標)に水吸着のパーセントが報告されている。水吸着は、重量パーセント、すなわち、吸着された水の重量/炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースのサンプルの重量として示される。
【0255】
炭酸カリウムおよびカルボキシルメチルセルロースの吸着等温線は、
図3から明確に分かるように、シグモイド経路を有する。
【0256】
特に
図3を参照すると、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの吸着等温線90は、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースが約1~20パーセントの水を吸着し、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースによって吸着される水が、相対湿度に応じて漸進的に増大する、ゼロ相対湿度~相対湿度の最小閾値93から成る第一の部分91を含む。
【0257】
炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの吸着等温線90は、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースが、相対湿度の増大に対して多量の水を吸着する、最大閾値湿度94~約90パーセントの相対湿度から成る第二の部分92を含む。第二の部分では、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースは、約70~約225パーセントの水を吸着する。吸着される水は、相対湿度に応じて漸進的に増大する。
【0258】
相対湿度の最小閾値93は約44パーセントであり、相対湿度の最大閾値94は約47パーセントである。
【0259】
吸着等温線90は、相対湿度の最小閾値93~相対湿度の最大閾値94から成る吸着部分95を含む。吸着部分95では、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースは、第一の部分91または第二の部分92において吸着される水の量に対して多量の水を吸着する。吸着部分95では、相対湿度に応じて、吸着される水が大きく増大する。
【0260】
吸着部分95では、44~47パーセントの相対湿度の炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースは、約20~約70パーセントの水を吸着する。
【0261】
吸着等温線90の勾配を考慮すると、第一の部分および第二の部分の勾配は、吸着部分の勾配よりも小さい。吸着部分95では、相対湿度の増大における吸着される水の増大は、第一の部分91または第二の部分92における相対湿度の増大における吸着される水の増大よりもかなり大きい。
【0262】
フマル酸アルミニウム、MIL-101(Cr)、および炭酸カリウムおよびカルボキシルメチルセルロースは、相対湿度が増大する15、25、95において、水の吸着の増大があることを示す。
【0263】
フマル酸アルミニウム、MIL-101(Cr)、および炭酸カリウムおよびカルボキシルメチルセルロースの吸着部分は、相対湿度の異なる最小閾値~最大閾値から成り、これらの最小閾値および最大閾値は、特定の材料に依存する。
【0264】
吸着部分においてフマル酸アルミニウム、MIL-101(Cr)、および炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースによって吸着される水は、特定の材料に依存するため、異なる。
【0265】
したがって、調湿剤を調整することによって、吸着部分を画定する相対湿度の範囲が調整され得る。
【0266】
本発明によるいくつかの調湿剤が調製される。
【0267】
次いで、調製された調湿剤を包装材料と結合させる。調湿剤を含有する包装材料の少なくとも一部分を次いで、加熱非燃焼式製品のためのパッケージの中に挿する。
【0268】
その後、パッケージ内の経時的な相対湿度およびパッケージ内に包装された製品の含水量を測定した。
【0269】
試験には、Philip Morris Internationalにより提供されるHEETSパッケージが使用された。HEETSパッケージは、加熱非燃焼式製品(HEETS)として20本のたばこスティックを収容する。HeatStickとしても知られるHEETSは、IQOSホルダー(Philip Morris International製)とともに排他的に使用されることが意図される、特別に設計された加熱式たばこユニットである。HEETSは、たばこプラグ、中空アセテート管、ポリマーフィルムフィルター、セルロースアセテートマウスピースフィルター、および外側端および口側端紙を含む要素で構成される。HEETSでは、たばこは加熱され、燃焼されない。たばこの燃焼から煙が生じる代わりに、エアロゾルがユーザーに放出される。
【0270】
外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙の上部を、パッケージ内に収容されたスティックを使用する意図のあるユーザーからのHEETパッケージの開封に類似して、HEETパッケージから除去した。さらに、20本のスティックのうち10本のスティックをHEETパッケージから取り出した。
【0271】
HEETSパッケージは、異なる特徴または風味を有するたばこスティックを収容してもよい。
【0272】
明瞭化のため、調湿剤を欠いた異なるHEETSパッケージを、調湿剤または少なくとも一つの金属-有機構造体を含有する、または炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含有する対応するHEETSパッケージと比較した。このようにして、HEETSパッケージに対する調湿剤、または少なくとも一つの金属-有機構造体、または炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの明確な効果を得た。
【0273】
調製されたパッケージの相対湿度を測定し、パッケージ内のスティックの含水量も測定した。
【0274】
また、パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をHEETSパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0275】
ハイグロボタン相対湿度分析器をパック内に置く前に、試験の前、および試験持続時間中のパッケージ内部の相対湿度を測定するために、ボタンはPROGESPLUSソフトウェアを有して構成された。
【0276】
データロガーを内蔵したハイグロボタンは、5分毎に相対湿度を測定し、時間に対する相対湿度を示すグラフがPROGESPLUSソフトウェアから抽出される。
【0277】
各スティックのたばこプラグの含水量は、Karl Fischer技法(ASTM E203-16に類似)を、分析器Titrando 901(Metrohm AG、スイス)およびanalytical balance XP205(Mettler Toledo、スイス)と共に使用して決定した。各スティックのたばこプラグに含有される水は、摂氏110度でスティックを加熱することによって、オーブンを使用して抽出される。
【0278】
抽出した蒸気は、加熱搬送ラインを通して空気流と共に滴定セルに搬送され、含水量が滴定によって定量される。
【0279】
メタノールが、分析の精度を向上させるために使用される。
【0280】
エンドポイントは、電位差測定法によって測定され、結果は重量パーセントで与えられる。
【0281】
実験試験では、金属-有機構造体、炭酸カリウム、または結合剤の量は、グラム(およびコンマ以後二桁の有効桁)で示され、金属-有機構造体、炭酸カリウム、または結合剤の量の値は、二桁の有効桁に丸められる。
【0282】
実験試験
実施例1、5、12、15
加熱非燃焼式のためのたばこスティックを20本収容するHEETSパッケージが提供される。
【0283】
20本のスティックのうち10本のスティックをHEETパッケージから取り出した。パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をHEETSパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内にそれぞれ密封した。ハイグロボタン相対湿度分析器をパッケージ内に置く前に、試験の前、および試験持続時間中のパッケージ内部の相対湿度を測定するために、ボタンはPROGESPLUSソフトウェアを有して構成された。データロガーを内蔵したハイグロボタンは、5分毎に相対湿度を測定し、時間に対する相対湿度を示すグラフがPROGESPLUSソフトウェアから抽出される。
【0284】
各スティックのたばこプラグの含水量は、Karl Fischer技法(ASTM E203-16に類似)を、分析器Titrando 901(Metrohm AG、スイス)およびanalytical balance XP205(Mettler Toledo、スイス)と共に使用して決定した。各スティックのたばこプラグの含水量は、摂氏110度でスティックを加熱することによって、オーブンを使用して抽出される。
【0285】
実施例2
1.00グラムのデンプン、4.70グラムの水、0.25グラムのグリセロール、および0.50グラムのフマル酸アルミニウムを含有する調湿溶液を調製した。
【0286】
フマル酸アルミニウムは、NovoMOF、AG(スイス)から購入した。
【0287】
グリセロール(HOCH2CH(OH)CH2 OH)は、Sigma Aldrich(スイス)から購入した。
【0288】
ジャガイモデンプン((C6H10O5)n)は、PanReac AppliChemから購入した。
【0289】
0.5グラムのフマル酸アルミニウムを篩い分け、可溶性ジャガイモデンプンと混合した。次いで、均質に混合された粒子を、グリセロールが以前に添加された蒸留水中に溶解した。
【0290】
得られた溶液を、水浴中で摂氏85度まで加熱し、磁気攪拌下でこの温度で45分間保持した。その後、溶液を摂氏約20~30度の温度まで冷却した。
【0291】
次いで、調湿溶液を繊維系包装材料上に被覆する。
【0292】
実施例2で使用される繊維系包装材料は、VTT-Technical Research Centre(フィンランド)から購入した400キログラム/立方メートルの密度、および120グラム/平方メートルの坪量を有する、低密度発泡性の紙である。
【0293】
繊維系包装材料を、Chemical Instruments Inc.製のEZコーターEC200、ロッド番号8で被覆し、0.00635/秒の速度を使用して20マイクロメートルの厚さの層をもたらした。
【0294】
得られた溶液を、水浴中で摂氏85度まで加熱し、磁気攪拌下でこの温度で45分間保持した。その後、溶液を包装材料上に被覆する。溶液を加熱源から除去した30分後に第一の層を処理した。溶媒が蒸発した後、第二の層コーティングが塗布され、次いで、溶媒が第二の層から蒸発された後、第三の層コーティングが塗布される。このようにして、約60マイクロメートルの層を得る。コーティングは、包装材料の表面の両方上に行う。
【0295】
次いで、被覆された包装材料を、室温において環境相対湿度で乾燥させる。その後、被覆された包装材料を、さらに包装材料を乾燥させるために、Froilabo製のオーブン内に、摂氏80度で3時間置く。乾燥工程後の包装材料の含水量は、環境条件(摂氏23度、1大気圧)における吸着等温線におけるフマル酸アルミニウムの相対湿度の最小閾値に対応する含水量を下回るべきである。
【0296】
乾燥後、繊維系支持材料を、4センチメートル×6.5センチメートルの小さなシートに切断した。
【0297】
次いで、各シートを、さらなる分析までアルミニウムバッグ内に密封する。
【0298】
相対湿度を分析するために、外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙の上部を除去し、パッケージから10本のスティックを取り出した後に、二枚のシートをHEETSパッケージ内に置いた。
【0299】
このようにして、HEETSの各パッケージ当たり約0.20グラムの金属-有機構造体、または複数の金属-有機構造体の含有量を得る。これは、実施例2として以下に示される。
【0300】
また、パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をパッケージ内に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0301】
実施例3
実施例2による溶液を調製した。
【0302】
次いで、溶液を包装材料に含浸させた。
【0303】
Invercote Lenato(Iggesund、スウェーデン)から購入した240グラム/平方メートルの密度を有する厚紙を使用した。
【0304】
厚紙を4センチメートル×6.5センチメートルのシートに切断した。シートを、得られた調湿溶液に浸漬し、30分間保持することにより、厚紙のシートを調湿溶液で含浸した。
【0305】
得られたシートは、約0.155グラムのフマル酸アルミニウムを含む。
【0306】
その後、厚紙のシートをオーブンに入れ、摂氏80度で3時間乾燥させた。乾燥工程後の厚紙のシートの含水量は、環境条件(摂氏23度、1大気圧)における吸着等温線におけるフマル酸アルミニウムの相対湿度の最小閾値に対応する含水量を下回るべきである。乾燥させた含浸シートは、さらなる分析までアルミニウムバッグ内に保存した。
【0307】
相対湿度を分析するために、各HEETSパッケージにおいて、約0.31グラムのフマル酸アルミニウムの含有量を得るように、外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙を除去し、パッケージから10本のスティックを取り出した後に、二枚の含浸シートをHEETSパッケージ内に置いた。これは、実施例3として以下に示される。
【0308】
また、パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をHEETSパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0309】
実施例13
1.00グラムのカルボキシルメチルセルロース、3.00グラムの炭酸カリウム、および8.00グラムの水を含有する溶液を調製した。
【0310】
炭酸カリウムは、Fischer Scientific(スイス)から購入した。
【0311】
カルボキシルメチルセルロースは、Fischer Scientific(スイス)から購入した。
【0312】
得られた溶液を、水浴中で摂氏85度まで加熱し、磁気攪拌下でこの温度で45分間保持した。その後、溶液を摂氏約20~30度の温度まで冷却した。
【0313】
次いで、溶液を繊維系包装材料上に被覆した。使用される繊維系包装材料は、実施例2におけるものと同じであり、VTT-Technical Research Centre(フィンランド)から購入した400キログラム/立方メートルの密度、および120グラム/平方メートルの坪量を有する、低密度発泡性の紙である。
【0314】
繊維系包装材料を、Chemical Instruments Inc.製のEZコーターEC200、ロッド番号8で被覆し、0.00635/秒の速度を使用して20マイクロメートルの厚さの層をもたらした。
【0315】
得られた溶液を、水浴中で摂氏85度まで加熱し、磁気攪拌下でこの温度で45分間保持した。その後、溶液を包装材料上に被覆する。溶液を加熱源から除去した30分後に第一の層を処理した。溶媒が蒸発した後、第二の層コーティングが塗布され、次いで、溶媒が第二の層から蒸発された後、第三の層コーティングが塗布される。このようにして、約60マイクロメートルの層を得る。コーティングは、包装材料の表面の両方上に行う。第二の層は、第一の層が乾燥している時、通常、第一の塗布から約30分後に塗布される。第三の層は、第二の層が乾燥している時、通常は第二の層の塗布から約30分後に塗布される。
【0316】
被覆された包装材料を、室温において環境相対湿度で乾燥させる。次いで、被覆された包装材料を、包装材料を乾燥させるために、Froilabo製のオーブン内に、摂氏80度で3時間置く。
【0317】
乾燥工程後の被覆された包装材料の含水量は、環境条件(摂氏23度、1大気圧)における対応する吸着等温線における炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの相対湿度の最小閾値に対応する含水量を下回るべきである。
【0318】
乾燥後、繊維系包装材料を、4センチメートル×6.5センチメートルの小さなシートに切断した。その後、各シートを、さらなる分析までアルミニウムバッグ内に密封する。
【0319】
相対湿度を分析するために、外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙の上部を除去し、パッケージから10本のスティックを取り出した後に、二枚のシートをHEETSパッケージ内に置いた。
【0320】
このようにして、HEETSの各パッケージ当たり、約0.50グラムの炭酸カリウムおよび約0.17グラムのカルボキシルメチルセルロースの含有量を得る。これは、実施例13として以下に示される。
【0321】
また、パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0322】
実施例14
実施例13に従って調湿溶液を調製した。
【0323】
次いで、調湿溶液を繊維系包装材料上に含浸させる。
【0324】
使用される繊維系包装材料は、実施例3におけるものと同じである。
【0325】
Invercote Lenato(Iggesund、スウェーデン)から購入した240グラム/平方メートルの密度を有する厚紙を使用した。
【0326】
厚紙を4センチメートル×6.5センチメートルのシートに切断した。厚紙のシートが実施例13の調湿溶液で含浸されるように、シートを調湿溶液に浸漬して30分間保持した。
【0327】
約0.50グラムの炭酸カリウムおよび約0.17グラムのカルボキシルメチルセルロースを含むシートを得た。
【0328】
その後、厚紙のシートをオーブンに入れ、摂氏80度で3時間乾燥させた。乾燥工程後の被覆された包装材料の含水量は、環境条件(摂氏23度、1大気圧)における対応する吸着等温線における炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの相対湿度の最小閾値に対応する含水量を下回るべきである。乾燥させた含浸シートは、さらなる分析までアルミニウムバッグ内に保存した。
【0329】
相対湿度を分析するために、外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙の上部を除去し、パッケージから10本のスティックを取り出した後に、二枚のシートをHEETSパッケージ内に置いた。
【0330】
したがって、約1.00グラムの炭酸カリウムおよび約0.33グラムのカルボキシルメチルセルロースを、各HEETSパッケージに挿入する。
【0331】
また、パック内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をHEETSパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0332】
これは、実施例14として以下に示される。
【0333】
実施例21
実施例14に従って溶液を調製し、実施例14で使用されるのと同じタイプの支持材料上に含浸した。
【0334】
Invercote Lenato(Iggesund、スウェーデン)から購入した240グラム/平方メートルの密度を有する厚紙を使用した。
【0335】
厚紙を4センチメートル×6.5センチメートルのシートに切断した。厚紙のシートが実施例14の調湿溶液で含浸されるように、シートを調湿溶液に浸漬して30分間保持した。
【0336】
約1.33グラムの炭酸カリウムおよびカルボキシルメチルセルロースを含むシートを得た。シートは、約1.00グラムの炭酸カリウムおよび0.33グラムのカルボキシルメチルセルロースを含む。
【0337】
その後、厚紙のシートをオーブンに入れ、摂氏80度で3時間乾燥させた。乾燥させた含浸シートは、さらなる分析までアルミニウムバッグ内に保存した。
【0338】
乾燥工程の後、包装材料の含水量は、環境条件(摂氏23度、1大気圧)における対応する吸着等温線における炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの相対湿度の最小閾値に対応する含水量を下回るべきである。
【0339】
相対湿度を分析するために、外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙の上部を除去し、パッケージから10本のスティックを取り出した後に、二枚のシートをHEETSパッケージ内に置いた。
【0340】
したがって、2.67グラムの炭酸カリウムおよびカルボキシルメチルセルロースを、各HEETSパッケージに挿入する。シートは、約2.00グラムの炭酸カリウムおよび0.67グラムのカルボキシルメチルセルロースを含む。
【0341】
また、パック内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をHEETSパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0342】
これは、実施例21として以下に示される。
【0343】
さらなる実施例
比較のため、結合剤を欠いた、一部の金属-有機構造体溶液を調製した。金属-有機構造体溶液を、多孔性パウチ上に吸着または挿入した。
【0344】
1.00グラムのフマル酸アルミニウムを含有する多孔性パウチを調製し、二つのHEETSパッケージ内に位置付けた。これらのサンプルは、それぞれ実施例4および16として以下に示される。
【0345】
それぞれ0.20グラム、0.50グラム、および1.00グラムのMIL-101 Feを含有する多孔性パウチを調製した。これらのサンプルは、それぞれ実施例9~11として以下に示される。
【0346】
それぞれ0.20グラム、0.50グラム、および1.00グラムのMIL-101 Crを含有する多孔性パウチを調製した。これらのサンプルは、それぞれ実施例6~8として以下に示される。1.00グラムのMIL-101 Crを有するさらなるパウチが調製され(実施例17)、別のHEETSパッケージ内に位置付けた。
【0347】
複数の金属-有機構造体を含む金属-有機構造体多孔性パウチも調製した。
【0348】
0.50グラムのフマル酸アルミニウムおよび0.50グラムのMIL-101 Feを含有する多孔性パウチも調製した。このサンプルは、実施例18として以下に示される。
【0349】
0.50グラムのフマル酸アルミニウムおよび0.50グラムのMIL-101 Crを含有する多孔性パウチも調製した。このサンプルは、実施例19として以下に示される。
【0350】
1.00グラムの炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含有する多孔性パウチも調製した。このサンプルは、実施例20として以下に示される。
【0351】
相対湿度を分析するために、外側ポリプロピレンフィルムおよび内側束紙の上部を除去し、パッケージから10本のスティックを取り出した後に、各多孔性パウチをHEETSパッケージ内に置いた。
【0352】
HEETSパッケージは、熱非燃焼式製品のためのたばこスティックを20本含有する。各スティックは、捲縮したキャストリーフ材料を含有するたばこプラグを含有する。
【0353】
また、パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をパッケージ内部に置いた。パッケージは、最終的にアルミニウムバッグ内に密封され、数日間閉じられたままにした。パッケージは、パッケージ内部の相対湿度が安定するまでアルミニウムバッグ内に保管される。通常、数時間で十分である。
【0354】
下記の表1では、分析されたパッケージが要約されており、明確にするために実施例番号および吸着方法を示す。
【0355】
相対湿度を、異なるHEETSパッケージ:
- 調湿剤を含有するHEETSパッケージ内(実施例2および3)、
- 一つ以上の金属-有機構造体を含有するHEETSパッケージ内(実施例4、6~11、および16~19)、および、
- 調湿剤を欠いたHEETSパッケージ内(実施例1、5、12および15)で測定した。
【表1】
表1
【0356】
測定
時間T0で示される特定の時間において、上述され、表1に示される実施例に従い調製されたすべてのパッケージを開封し、アルミニウムバッグを摂氏30度、相対湿度75パーセントで人工気候室内に置いた。
【0357】
各パッケージから3本のスティックを取り出し、表1の各実施例の3本のスティックと共にさらなるアルミニウムバッグ内に密封した。
【0358】
2、4、6、8、24、および48時間後、1本のスティックを各パッケージから取り出し、各パッケージ内のスティックが終了するまで、同じ実施例、それ故に同じパッケージからの他のスティックと共にアルミニウムバッグ内に密封した。
【0359】
次いで、すべてのスティックをKarl Fischer技法で分析し、以下に説明するように、パッケージから取り出した異なるスティックの含水量を測定した。実験全体中の、各パッケージ内の相対湿度の進化を、以下に説明するように記録した。
【0360】
相対湿度分析
上述のように、パッケージ内部の相対湿度を測定するために、データロガーを備えたPlug and trackハイグロボタン(PROGESPLUS、フランス)をパック内部に置いた。ハイグロボタン相対湿度分析器をパッケージ内に置く前に、試験の前、および試験持続時間中のパッケージ内部の相対湿度を測定するために、ボタンはPROGESPLUSソフトウェアを有して構成された。データロガーを内蔵したハイグロボタンは、5分毎に相対湿度を測定し、時間に対する相対湿度を示すグラフがPROGESPLUSソフトウェアから抽出される。
【0361】
実施例15、20および21のパッケージについて得られた結果を
図4に報告し、以下に説明する。
【0362】
実施例15~19のパッケージについて得られた結果を
図5に報告し、以下に説明する。
【0363】
含水量分析
各スティックのたばこプラグの含水量は、Karl Fischer技法(ASTM E203-16に類似)を、分析器Titrando 901(Metrohm AG、スイス)およびanalytical balance XP205(Mettler Toledo、スイス)と共に使用して決定した。各スティックのたばこプラグに含有される水は、摂氏110度でスティックを加熱することによって、オーブンを使用して抽出される。
【0364】
抽出した蒸気は、加熱搬送ラインを通して空気流と共に滴定セルに搬送され、含水量が滴定によって定量される。
【0365】
メタノールが、分析の精度を向上させるために使用される。
【0366】
エンドポイントは、電位差測定法によって測定され、結果は重量パーセントで与えられる。
【0367】
各時間間隔でスティックの各々のパーセント含水量を分析し、実施例で使用される吸着材料または複数の材料の吸着能力を決定する。
【0368】
実施例15、20および21のスティックから得られた結果を
図7に報告し、以下に説明する。
【0369】
実施例15~19のスティックから得られた結果を
図6に報告し、以下に説明する。
【0370】
結果
図4および
図5は、異なる調湿剤を含むHEETSパッケージ、および調湿剤を欠いた対応するHEETSパッケージ内部の、それらが密封された時間から、開封されて摂氏30度かつ75パーセント相対湿度で48時間維持されるまでの、相対湿度の変化を示す。
【0371】
図4を参照すると、曲線30は、実施例15の、調湿剤を含まないHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。曲線301は、実施例20の調湿剤、支持体上に含浸された炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えたHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。曲線302は、実施例21の調湿剤、包装材料上に含浸された炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えたHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。
【0372】
曲線30から明らかなように、調湿剤を欠いたパッケージのレベルまたは相対湿度は、調湿剤を含むパッケージにおけるよりも高い。
【0373】
調湿剤を欠いたパッケージの最初の開封時に、相対湿度パーセントの急激な増大が見られる。パッケージ内部の相対湿度は、最初の開封から実験の終了までほぼ一貫して増大する。48時間後、調湿剤を欠いたパッケージ内部で約68パーセントの相対湿度が達成される。
【0374】
曲線30から明らかなように、実施例15のパッケージにおいて、保管中のパッケージ内部の相対湿度は約50パーセントであり、パッケージが開封された後は、相対湿度は約24時間後に、試験における環境相対湿度である75パーセントまで劇的に増大する。曲線30から明らかなように、パッケージ内部の相対湿度の増加は直線的ではなく、入ってくる水蒸気の一部がスティックによって吸着される際に、パッケージ上に残った厚紙および包装フィルムの一部がバリアとして機能するため、パッケージ内部の相対湿度は瞬間的には75パーセントに達しない。
【0375】
曲線301および302から明らかなように、最初の開封時における、調湿剤を含むパッケージ内の湿度のレベルは、調湿剤を欠いたパッケージ内の湿度のレベルよりも低い。開封前、実施例20のパッケージにおいて約43パーセントの相対湿度に達する。開封前、実施例21のパッケージ内において約39パーセントの相対湿度に達する。開封前、調湿剤を欠いたパッケージにおいて約70パーセントの相対湿度に達する。
【0376】
パッケージの最初の開封後、調湿剤を欠いたパッケージ内の増大と比較して相対湿度の増大は小さいものの、調湿剤を含むパッケージ内の相対湿度も増大する。とりわけ、最初の開封から48時間後に達する相対湿度の値は、調湿剤を欠いたパッケージ内よりもかなり低い。
【0377】
最初の開封から48時間後、実施例20のパッケージにおいて約52パーセントの相対湿度に達し(曲線301)、最初の開封から48時間後、実施例21のパッケージにおいて約45パーセントの相対湿度に達する(曲線302)。
【0378】
実施例20は、純粋な炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含む多孔性パウチを備えたパッケージを指し、実施例21は、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含浸させたシートを備えたパッケージを指し、曲線301および302の比較はまた、含浸が望ましいことを示す。
【0379】
また、実施例21では2.00グラムの炭酸カリウムが使用され、実施例20では1.00グラムの炭酸カリウムが使用されていることに留意されたい。
【0380】
炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの量、すなわち調湿剤の量を増大することにより、吸着効果が増大する。
【0381】
図4から明らかなように、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えるパッケージ内部の相対湿度の変化は、パッケージの開封後にシグモイド経路を有する。
【0382】
曲線30、301、302を分析すると、閉じられたパッケージおよび開封されたパッケージの両方における相対湿度に対する炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースの影響をはっきりと見ることができる。参照と比較して、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えるパッケージの相対湿度は低く、パッケージ内の炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースが多いほど、パッケージ内の相対湿度が低くなる。
【0383】
金属-有機構造体を備える、および金属-有機構造体を含まないパッケージ内部の相対湿度の、それらが密封された時間から、開封されて摂氏30度かつ75パーセント相対湿度で二日間維持されるまでの相対湿度の変化を
図5に示す。
【0384】
曲線30は、
図4に報告されたものと同じであり、したがって、同じ参照番号で示される。曲線30は、実施例15の、調湿剤を含まないHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。曲線40は、実施例16の調湿剤、純フマル酸アルミニウムを備えたHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。曲線50は、実施例18の調湿剤、フマル酸アルミニウム0.50グラムおよびMIL 101 Fe 0.50グラムを備えたHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。曲線60は、実施例19の調湿剤、フマル酸アルミニウム0.50グラムおよびMIL 101 Cr 0.50グラムを備えたHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。曲線70は、実施例17の調湿剤、MIL 101 Cr 1.00グラムを備えたHEETSパッケージ内部の経時的なパーセント相対湿度の変化を示す。
【0385】
曲線30から明らかなように、調湿剤を欠いたパッケージの相対湿度のレベルは、調湿剤を含むパックにおけるよりも高い。
【0386】
金属-有機構造体を欠いたパッケージの最初の開封時、相対湿度パーセントの急激な増大が見える。
【0387】
少なくとも金属-有機構造体を備えるパッケージは、金属-有機構造体を欠いたパッケージと比較して、低いレベルの相対湿度を有する。実施例17、18、および19のパッケージは、最初の開封から48時間後であっても、金属-有機構造体を欠いたパッケージよりも低いレベルの湿度を維持する。
【0388】
曲線30から明らかなように、実施例15のパッケージにおいて、保管中のパッケージ内部の相対湿度は約50パーセントであり、パッケージが開封された後は、相対湿度は約24時間後に、試験における環境相対湿度である75パーセントまで劇的に増大する。曲線30から明らかなように、パッケージ内部の相対湿度の増加は直線的ではなく、入ってくる水蒸気の一部がスティックによって吸着される際に、パッケージ上に残った厚紙および包装フィルムの一部がバリアとして機能するため、パッケージ内部の相対湿度は瞬間的には75パーセントに達しない。
【0389】
図5から明らかなように、パッケージ内部の相対湿度の変化は、パッケージの開封後にシグモイド経路を有する。
【0390】
曲線40、50、60、および70を分析すると、閉じられたパッケージおよび開封されたパッケージの両方における、相対湿度のレベルに対する金属-有機構造体の影響をはっきりと見ることができる。参照と比較して、金属-有機構造体を備えたパッケージの相対湿度は小さく、パッケージ内の金属-有機構造体が多いほど、パッケージ内の相対湿度は小さくなる。
【0391】
例えば、実施例18によって得られる相対湿度は、実施例17および16で得られる相対湿度の中間である。
【0392】
したがって、異なる金属-有機構造体を選んで混合することにより、パッケージ内部の相対湿度が調整され得る。
【0393】
特に、最小閾値相対湿度値および最大閾値湿度値、およびそれ故に、吸着等温線の吸着部分を調整することが可能である。調湿剤からの吸着等温線の吸着部分において吸着される水を調整することが可能である。
【0394】
様々な時間間隔で試験中に取り出されて分析されたスティックサンプルのたばこプラグの含水量を、Karl Fischer分析により決定した。結果は、
図5および4のパッケージに対して
図6および7にそれぞれ見ることができる。
【0395】
異なる実施例のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、同じ実施例の対応するパッケージの相対湿度を反映する。
【0396】
図6では、80によって、金属-有機構造体を欠いた実施例15のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線が示され、81は、1.00gのフマル酸アルミニウムを有する実施例16のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線であり、82は、実施例17のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線であり、83は、実施例18のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線であり、84は、実施例19のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線である。
【0397】
図6の曲線と比較して、調湿剤を含むパッケージにおいて、たばこプラグの含水量は、パッケージの最初の開封前およびパッケージの開封後のいずれにおいても、調湿剤を欠いたパッケージにおけるたばこプラグの含水量よりも小さい。
【0398】
図6から明らかであるように、調湿剤を欠いたパッケージのたばこプラグにおける含水量は、調湿剤を含むパッケージにおけるたばこプラグの含水量よりも大きい。最初の開封時、調湿剤を欠いた実施例15のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、調湿剤を含むパッケージにおけるよりも大きい。最初の開封の48時間後であっても、実施例15のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、調湿剤を備えた実施例16~19のパッケージの含水量よりも大きい。
【0399】
特に、最初の開封時、実施例15の、調湿剤を欠いたパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約9.7パーセントであり、1.00gのフマル酸アルミニウムを備えた実施例16のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約6パーセントであり、実施例17のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約7.3パーセントであり、実施例18のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約7.3パーセントであり、実施例19のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約6.5パーセントである。
【0400】
パッケージの開封後、高い環境の相対湿度に起因して、たばこプラグの含水量がすべてのパッケージにおいて増大する。
【0401】
最初の開封の48時間後、実施例15の、調湿剤を欠いたパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約16パーセントであり、1.00gのフマル酸アルミニウムを備えた実施例16のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約14.3パーセントであり、実施例17のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約13.5パーセントであり、実施例18のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約15.2パーセントであり、実施例19のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約14.3パーセントである。
【0402】
図7では、80によって、調湿剤を欠いた実施例15のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線が示され、801は、1gの炭酸カリウムおよび0.33gのカルボキシメチルセルロースを備えた実施例20のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線であり、802は、2.00gの炭酸カリウムおよび0.67gのカルボキシメチルセルロースを備えた実施例21のパッケージ内の経時的なたばこプラグの含水量を表す曲線である。
【0403】
図7から明らかであるように、調湿剤を欠いたパッケージのたばこプラグにおける含水量は、調湿剤を含むパッケージにおけるたばこプラグの含水量よりも大きい。最初の開封時、支持体上に含浸された炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えた実施例21のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、純粋な炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えた実施例20のパッケージの含水量よりも小さい。最初の開封の48時間後、支持体上に含浸された炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えた実施例21のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、純粋な炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えた実施例20のパッケージの含水量よりも小さい。
【0404】
パッケージの最初の開封時、実施例21のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約7.4パーセントであり、実施例20のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約8パーセントであり、実施例15のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約9.7パーセントである。
【0405】
最初の開封の48時間後、実施例21のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約8パーセントであり、実施例20のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約12パーセントであり、実施例15のパッケージにおけるたばこプラグの含水量は、約16パーセントである。
【0406】
経時的に、異なる実施例のHEETSパッケージ間のたばこプラグの水吸着における、およびそれ故に含水量における差異はさらに明白である。
【0407】
炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えるパッケージでは、湿度が吸収され、たばこプラグの含水量は、他のパッケージのたばこプラグの含水量よりも小さい。
【0408】
支持体上に含浸された炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを備えたパッケージは、水を吸収するのに非常に効果的である。
【0409】
したがって、調湿剤を含有するパッケージでは、たばこプラグの含水量は、調湿剤を欠いたパッケージにおけるよりも小さい。
【0410】
以下に報告する表2は、試験したすべての実施例について得られたすべての結果を要約する。
【0411】
表2では、各実施例について、第一の列に活性材料の量が示されている。活性材料とは、本明細書では、金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、または炭酸カリウムを指す。第二の列には、開封前のパッケージにおける相対湿度パーセントが報告され、第三の列には、開封前のパーセント初期含水量が報告されている。
【0412】
第四の列には、パッケージが実験条件下で開封された後に、スティックが11パーセントの含水量に達するのに必要な時間が報告されている。
【0413】
表2の第五の列には、実験条件:摂氏30度かつ、1大気圧における75パーセント相対湿度における、48時間後のパッケージにおけるパーセント相対湿度が報告されている。
【0414】
表2の第六の列には、実験条件、すなわち、摂氏30度かつ、1大気圧における75パーセント相対湿度の実験条件での、48時間後のスティックにおけるパーセント含水量が報告されている。
【0415】
【0416】
調製された調湿剤は、吸着等温線のシグモイド形状を呈する。
【0417】
調製された調湿剤の吸着等温線は、相対湿度の増大、すなわち実験条件におけるパッケージの開封後に、吸着される水の急激かつ大幅な増大を示す。
【0418】
金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、および/または炭酸塩もしくは複数の炭酸塩、および/または無機塩もしくは複数の無機塩、および/または結合剤もしくは複数の結合剤を選ぶことにより、調湿剤の吸着挙動が、所望のニーズ、およびパッケージ内に包装された製品の相対湿度のレベルおよび含水量のレベルに合わせられ得る。金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、および/または炭酸塩または複数の炭酸塩、および/または無機塩または複数の無機塩、および/または結合剤または複数の結合剤を選ぶことにより、調湿剤が水分を吸収する相対湿度のレベル、およびそれ故に、調湿剤を含有するパッケージ内に包装された製品の相対湿度または含水量のレベルが調整される。
【0419】
したがって、HEETSパッケージに応じて、パッケージにおける所望のレベルの相対湿度、および製品内の所望のレベルの含水量を維持するのに適切な、特定の調湿剤を使用することが可能である。
【0420】
したがって、異なるたばこまたはニコチン含有製品に応じて、たばこまたはニコチン含有製品中の所望の含水量レベルを維持するのに適切な、特定の調湿剤を使用することが可能である。
【0421】
たばこまたはニコチン含有製品の所望の含水量レベルを知ることにより、所望のレベルの含水量を維持することを可能にする、調湿剤を選ぶことが可能である。
【0422】
たばこまたはニコチン含有製品が乾燥し過ぎること、およびたばこまたはニコチン含有製品が湿潤し過ぎることも回避される。
【0423】
試験はまた、たとえ少量の調湿剤であっても、パッケージ内の相対湿度および製品の含水量を所望の範囲内に効果的に維持することを示した。
【0424】
調湿剤を欠いた、実施例15のパッケージからのサンプルスティックの含水量は、パッケージ開封時に9.1パーセントであり、48時間にわたって16パーセントまで漸進的に増大する。実施例16~21の調湿剤を含有するパッケージでは、最初の開封から48時間後の含水量の値は、かなり小さい。
【0425】
最初の開封時、1.33gの炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含有するパッケージでは、含水量は8.2パーセントであり、2.67gの炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含有するパッケージでは、含水量は7.3パーセントであることが分かった。
【0426】
1.33グラムの炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含有するパッケージの最初の開封から48時間後、含水量は11.8パーセントであり、2.67gの炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースを含有するパッケージでは、含水量は8.6パーセントであることが分かった。
【0427】
これらの結果は、パッケージの開封後は、炭酸カリウムおよびカルボキシメチルセルロースが優れた吸着能力を有する一方で、調湿剤を欠いたパッケージの値に対して、最初の開封時のスティックの初期含水量は大きくは変化しないことを明確に示している。
【0428】
1.00グラムの金属-有機構造体ベースの材料またはその混合物を使用することも、同様にスティック含水量に影響を及ぼし、実験条件におけるパックの開封前後で全体的な含水量を低下させる。
【0429】
試験はまた、調湿剤を包装材料上に含浸させることによって、および調湿剤を包装材料上にコーティングすること、ならびに調湿剤を多孔性パウチの中に塗布すること、のいずれかによって、水吸着の効果が得られ得ることを示している。
【0430】
試験はまた、既存の従来的なHEETSパッケージは、調湿剤を含む包装材料を添加することによって改善され得ることも示した。
【0431】
試験はまた、調湿剤を選ぶことにより、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を、異なるたばこまたはニコチン含有生成物に対して異なり得る所望のレベルに調整することが可能であることを示した。
【0432】
調湿剤は、一定量の水、かつ特定の相対湿度の最小閾値を上回るように調整され得る活性層を生成するように作用する。
【0433】
したがって、正しい調湿剤を選択すること、および所望の金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体と、少なくとも一つの無機塩または複数の無機塩、および/または少なくとも一つの炭酸塩または複数の炭酸塩、または結合剤または複数の結合剤の組み合わせを選択することによって、所望のS形状を有する吸着等温線を得ることが可能である。たばこまたはニコチン含有製品の所望の含水量に適合する吸着等温線を得ることが可能である。
【0434】
さらに、金属-有機構造体または複数の金属-有機構造体、および/または炭酸塩もしくは複数の炭酸塩、および/または無機塩もしくは複数の無機塩、および/または結合剤もしくは複数の結合剤を選択することにより、たばこまたはニコチン含有製品の含水量を望ましくない方法で変化させない調湿剤、およびそれ故に包装材料を得ることが可能である。
【0435】
最小閾値よりも高い相対湿度で水を吸着する調湿剤を得ることが可能である。シェル寿命中、すなわち、最初の開封前に、たばこまたはニコチン含有製品が乾燥し過ぎることを回避することが可能である。
【国際調査報告】