(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】挟持・解放カニューレ深度リミッタ
(51)【国際特許分類】
A61B 17/34 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
A61B17/34
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566366
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-01
(86)【国際出願番号】 EP2021061456
(87)【国際公開番号】W WO2021219875
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】202011018670
(32)【優先日】2020-05-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(32)【優先日】2021-03-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(71)【出願人】
【識別番号】517076008
【氏名又は名称】エシコン エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Ethicon LLC
【住所又は居所原語表記】#475 Street C, Suite 401, Los Frailes Industrial Park, Guaynabo, Puerto Rico 00969, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ムトゥチダンバラム・アルナチャラム
(72)【発明者】
【氏名】ビジャヤチャンドラン・サジャイエシュ
(72)【発明者】
【氏名】ラダクリシュナン・アルンクマール
(72)【発明者】
【氏名】スルヤワンシ・ルシケシ・シュリカント
(72)【発明者】
【氏名】ディバカー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】マティバナン・ギリ・プラサンナクマール
(72)【発明者】
【氏名】ナガラティナム・ハリバスカラン
(72)【発明者】
【氏名】マクレイン・キャメロン・ディー
(72)【発明者】
【氏名】バレンテ・ローレン・エム
(72)【発明者】
【氏名】コービン・マシュー・エス
(72)【発明者】
【氏名】スコット・グレゴリー・ジー
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160FF45
(57)【要約】
外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成されている深度リミッタ。深度リミッタは、第1及び第2のユーザ接触部分と、第1及び第2の付勢特徴部とを含む。第1の付勢特徴部は、第1の弾性部分と、第1の把持面とを含む。第2の付勢特徴部は、第2の弾性部分と、第2の把持面とを含む。第1及び第2の弾性部分は、それぞれの第1及び第2のユーザ接触部分が作動されるときに、それぞれの第1及び第2の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている。固定構成では、第1及び第2の把持面は、カニューレに直接接触することによって、深度リミッタの軸方向移動を集合的に制限する。可動構成では、第1及び第2の把持面は、長手方向軸に平行に延在し、カニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成された深度リミッタであって、前記深度リミッタが、
(a)ユーザによって作動されるように構成された第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分と、
(b)第1の付勢特徴部であって、
(i)第1の弾性部分と、
(ii)第1の把持面であって、前記第1の把持面が、前記第1の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第1の弾性部分が、前記第1のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第1の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第1の把持面と、を備える、第1の付勢特徴部と、
(c)第2の付勢特徴部であって、
(i)第2の弾性部分と、
(ii)第2の把持面であって、前記第2の把持面が、前記第2の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第2の弾性部分が、前記第2のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第2の把持面を前記固定構成から前記可動構成に移動させるように構成されている、第2の把持面と、を備える、第2の付勢特徴部と、を備え、
前記固定構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレに直接接触することによって前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されている第1の有効直径を集合的に形成し、
前記可動構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されている第2の有効直径を集合的に形成する、深度リミッタ。
【請求項2】
前記第1の弾性部分が、前記第1の把持面に固定されており、前記第2の弾性部分が、前記第2の把持面に固定されている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項3】
前記第1の弾性部分が、前記第1の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されており、前記第2の弾性部分が、前記第2の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項4】
前記第1の把持面が、前記第1のユーザ接触部分からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、前記第2の把持面が、前記第2のユーザ接触部分からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項5】
前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記固定構成又は前記可動構成のいずれにおいても、前記カニューレを完全には取り囲まない、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項6】
前記第1の把持面が、第1の離散的領域で前記カニューレに接触するように構成されており、前記第2の把持面が、前記第1の離散的領域から離間された第2の離散的領域で前記カニューレに接触するように構成されている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項7】
前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、互いに円周方向に対向して配設されており、前記固定構成において前記カニューレの円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている、請求項6に記載の深度リミッタ。
【請求項8】
前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記固定構成及び前記可動構成の両方において、互いに離間されている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項9】
前記カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、前記第1の把持面及び前記第2の把持面のうちの少なくとも1つが、前記固定構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と摩擦係合し、前記可動構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と摩擦係合しないように構成されている平滑表面を含む、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項10】
前記カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、前記第1の把持面及び前記第2の把持面のうちの少なくとも1つが、前記固定構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部のうちの少なくとも1つと係止係合し、前記可動構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と係止係合しないように構成された、少なくとも1つの係合特徴部を含む、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項11】
前記カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、前記第1の把持面及び前記第2の把持面のうちの少なくとも1つが、前記固定構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と係止係合し、前記可動構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と係止係合しないように構成された、複数の係合特徴部を含む、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項12】
前記第1の弾性部分が、互いに対向して配設されている第1の付勢アーム及び第2の付勢アームを含み、前記第2の弾性部分が、互いに対向して配設されている第1の付勢アーム及び第2の付勢アームを含む、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項13】
前記第1のユーザ接触部分及び前記第2のユーザ接触部分が、互いに円周方向に対向して配設されている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項14】
前記深度リミッタが、単一部品としてともに一体的に形成されている、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項15】
前記第1のユーザ接触部分及び前記第2のユーザ接触部分を露出しながら、前記少なくとも1つの付勢特徴部を取り囲むハウジングを更に備える、請求項1に記載の深度リミッタ。
【請求項16】
外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成された深度リミッタであって、前記深度リミッタが、
(a)ハウジングであって、
(i)スロットと、
(ii)前記ハウジングを通って延在する開口部であって、前記開口部が、前記スロットと連通し、前記開口部が、長手方向軸に沿って延在する、開口部と、を備える、ハウジングと、
(b)前記スロット内に少なくとも部分的に配設された付勢特徴部と、
(c)前記スロット内に少なくとも部分的に配設された摺動可能部材であって、前記摺動可能部材が、前記摺動可能部材を通って延在する開口部を含み、前記摺動可能部材が、固定構成と可動構成との間で前記付勢特徴部と移動可能に結合されている、摺動可能部材と、を備え、
前記固定構成において、前記ハウジング及び前記摺動可能部材の前記開口部が、前記摺動可能部材及び前記ハウジングが前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されるように、第1の有効直径を集合的に形成するために少なくとも部分的に整列され、
前記可動構成において、前記ハウジング及び前記摺動可能部材の前記開口部が、前記摺動可能部材及び前記ハウジングが前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されるように、第2の有効直径を集合的に形成する、深度リミッタ。
【請求項17】
前記摺動可能部材の前記開口部が、前記固定構成及び前記可動構成の両方において、異なる直径を有するカニューレを収容するように構成されている長円形形状を有する、請求項16に記載の深度リミッタ。
【請求項18】
外科用アクセスデバイスアセンブリであって、
(a)カニューレであって、前記カニューレが、前記カニューレの中心軸に沿って外科用器具を誘導するように構成された作業チャネルを含む、カニューレと、
(b)深度リミッタであって、
(i)ユーザによって作動されるように構成された第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分と、
(ii)第1の付勢特徴部であって、
(A)第1の弾性部分と、
(B)第1の把持面であって、前記第1の把持面が、前記第1の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第1の弾性部分が、前記第1のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第1の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第1の把持面と、を備える、第1の付勢特徴部と、
(iii)第2の付勢特徴部であって、
(A)第2の弾性部分と、
(B)第2の把持面であって、前記第2の把持面が、前記第2の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第2の弾性部分が、前記第2のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第2の把持面を前記固定構成から前記可動構成に移動させるように構成されている、第2の把持面と、を備える、第2の付勢特徴部と、を備える、深度リミッタと、を備え、
前記固定構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレに直接接触することによって前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されている第1の有効直径を集合的に形成し、
前記可動構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されている第2の有効直径を集合的に形成する、外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【請求項19】
前記弾性部分が、前記第1の把持面及び前記第2の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されている、請求項18に記載の外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【請求項20】
閉塞具を更に備え、前記閉塞具が、患者の体壁を通した前記外科用アクセスデバイスの挿入を容易にするために、前記中心軸に沿って前記カニューレと取り外し可能に結合するように構成されている、請求項18に記載の外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(優先権)
この出願は、2020年5月1日に出願された「Pinch-to-Release Cannula Depth Limiter」と題されたインド仮特許出願第2020/11018670号の優先権を主張する。
【背景技術】
【0002】
いくつかの外科的手技は、臨床医が患者の腹腔を介して外科的部位にアクセスすることを必要とし得る。そのようなアクセスを得るために、最初に、腹腔の上にある腹壁組織を通して開孔が形成される。いくつかの外科的手技(「腹腔鏡」又は「内視鏡」外科手術として言及される)では、比較的小さい開孔が、腹壁組織を通して作製され、次いで、外科的部位が、開孔内に位置付けられた「外套針」として概して言及されるアクセスデバイスを通して挿入された細長い器具でアクセスされる。従来の外套針は、概して、カニューレアセンブリと、カニューレアセンブリの作業チャネル内に取り外し可能に受容される閉塞具とを含む。使用時には、閉塞具は、カニューレアセンブリと嵌合され、組み合わされた構造(すなわち、外套針)は、閉塞具及びカニューレアセンブリの遠位端が腹腔内に延在するように、患者の腹壁を通って下向きに臨床医によって方向付けられる。次いで、臨床医は、外科的部位にアクセスするために、外科用器具がカニューレアセンブリの作業チャネルを通って下向きに方向付けら得るように、カニューレアセンブリから閉塞具を引き抜く。
【0003】
単に例示的なバージョンの外套針、その構成要素及びその他の種類の外科用アクセスデバイスは、2011年7月19日に交付された「Vibratory Trocar」と題する米国特許第7,981,092号、2012年7月24日に交付された「Access Device with Insert」と題する米国特許第8,226,553号、2012年8月28日に交付された「Surgical Access Devices and Methods Providing Seal Movement in Predefined Paths」と題する米国特許第8,251,900号、2013年11月12日に交付された「Absorbing Fluids in a Surgical Access Device」と題する米国特許8,579,807号、2013年10月29日に交付された「Surgical Access Device with Sorbents」と題する米国特許第8,568,362号、2014年1月28日に交付された「Surgical Access Device」と題する米国特許第8,636,686号、2014年4月8日に交付された「Gas Jet Fluid Removal in a Trocar」と題する米国特許第8,690,831号、及び2019年1月3日に公開された「Method of Suturing a Trocar Path Incision」と題する米国特許出願公開第2019/0000496号に開示されている。上に引用した米国特許及び米国特許出願公開の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0004】
外科用アクセスデバイス及びエンドエフェクタを含む様々な種類の外科用器具及びその他の関連する構成要素が作製され、使用されてきたが、本発明者ら以前には誰も、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0005】
本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を例示するものであり、上記の本発明の一般的な説明、及び以下の実施形態の詳細な説明とともに、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
【
図1】組み立てられた状態において示されているカニューレアセンブリ及び閉塞具を有する例示的な外套針の斜視図である。
【
図2】分解状態における
図1のカニューレアセンブリ及び閉塞具の側面図である。
【
図3A】腹壁の組織層を通して臨床医によって操作されている
図1の外套針の側面断面図である。
【
図3B】
図3Aの腹腔内に受容された外套針の遠位端を示している、
図1の外套針の拡大側面断面図である。
【
図3C】閉塞具の脱離及び取り外しに続いて
図3Aの腹壁内に位置付けられたままのカニューレアセンブリを示している、
図1のカニューレアセンブリの側面断面図である。
【
図3D】
図3Aの腹壁から近位に引き抜かれている
図1のカニューレアセンブリの側面断面図である。
【
図4】カニューレアセンブリがカニューレ管を含む、組み立てられた状態において示されているカニューレアセンブリ及び閉塞具を有する別の例示的な外套針の斜視図である。
【
図5】互いに分離された再利用可能なカニューレ及びカニューレアセンブリの使い捨て封止アセンブリを示しており、かつ分解状態における閉塞具を示している、分解状態における
図4のカニューレアセンブリ及び閉塞具の斜視図である。
【
図6】深度リミッタが、外套針のカニューレアセンブリのカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある、
図4の外套針及び第1の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図7】係合特徴部が仮想線で示されている、
図6の深度リミッタの斜視図である。
【
図8A】深度リミッタの上部ハウジング部分が、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成における深度リミッタを示すために取り外された、断面で示された
図7の深度リミッタ及び
図6のカニューレ管の上面図である。
【
図8B】
図8Aの深度リミッタ及びカニューレ管の上面図であるが、深度リミッタは
図6の固定構成にある。
【
図9】
図7の線9-9に沿った、
図7の深度リミッタの断面図である。
【
図11】第2の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図12A】深度リミッタの上部ハウジング部分が、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成における深度リミッタを示すために取り外された、断面で示された
図5のカニューレ管と結合された
図11の深度リミッタの上面図である。
【
図12B】
図12Aの深度リミッタ及びカニューレ管の上面図であるが、深度リミッタは、カニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある。
【
図14】深度リミッタがカニューレのカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある、第3の例示的な深度リミッタと結合された別の例示的なカニューレの斜視図である。
【
図16A】深度リミッタが、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成にある、カニューレ管が断面で示されている、
図14の深度リミッタ及びカニューレ管の上面図である。
【
図17】第4の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図18A】深度リミッタが、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成にある、断面で示された
図6のカニューレ管と結合された
図17の深度リミッタの上面図である。
【
図18B】
図18Aの深度リミッタ及びカニューレ管の上面図であるが、深度リミッタは、カニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある。
【
図19】深度リミッタがカニューレのカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある、第5の例示的な深度リミッタと結合された別の例示的なカニューレの斜視図である。
【
図22A】深度リミッタが、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成にある、カニューレ管が断面で示されている、
図20の深度リミッタ及びカニューレ管の上面図である。
【
図23】第6の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図24】付勢特徴部を露出するためにハウジングが仮想線で示されている、
図23の深度リミッタの上面図である。
【
図25A】深度リミッタが、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成にある、
図5のカニューレ管と結合された
図23の深度リミッタの側面部分断面図である。
【
図25B】
図25Aの深度リミッタ及びカニューレ管の側面部分断面平面図であるが、深度リミッタは、カニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある。
【
図26】第7の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図27A】深度リミッタの上部ハウジング部分が、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成における深度リミッタを示すために部分的に取り外された、断面で示された
図6のカニューレ管と結合された
図26の深度リミッタの上面図である。
【
図27B】
図27Aの深度リミッタ及びカニューレ管の上面図であるが、深度リミッタは、カニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成にある。
【
図29】第8の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図30】深度リミッタのハウジングが、付勢特徴部、スロット、及び摺動可能部材を露出するために部分的に取り外されており、カニューレ管が、カニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を制限する固定構成において、ハウジングの開口部と摺動可能部材との間に位置付けられている、
図30の深度リミッタ及び第1の直径を有するカニューレ管の部分上面断面図である。
【
図31A】深度リミッタが、ユーザによって作動されたときにカニューレ管に対する深度リミッタの軸方向移動を可能にする可動構成にある、断面で示された第2の直径を有するカニューレ管と結合された
図29の深度リミッタの部分上面断面図である。
【
図31B】カニューレ管が断面で示された
図31Aの深度リミッタ及びカニューレ管の上面図であるが、深度リミッタは
図30と同様の固定構成にある。
【
図32】4つの脚を含む第9の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図33A】深度リミッタの脚が、外套針の遠位端が腹腔内に受容されたときの非展開構成にある、
図1の外套針のカニューレアセンブリのカニューレ管と結合された
図32の深度リミッタの部分側面断面図である。
【
図33B】カニューレ管の遠位端が腹腔内に受容された状態で、深度リミッタの脚が展開構成にある、閉塞具の脱離及び取り外しに続いて
図1のカニューレアセンブリのカニューレ管と結合された
図32の深度リミッタの部分側面断面図である。
【
図34】2つの脚を含む第10の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図35】3つの脚を含む第11の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図36】ノッチを備えたハブを含む第12の例示的な深度リミッタの斜視図である。
【
図37A】深度リミッタのハブが可動構成にある、
図5のカニューレアセンブリのカニューレ管と結合された
図36の深度リミッタの上面図である。
【
図37B】深度リミッタの脚が固定構成にある、閉塞具の脱離及び取り外しに続いて
図5のカニューレアセンブリのカニューレ管と結合された
図36の深度リミッタの部分側面断面図である。
【
図38A】深度リミッタの脚が展開構成にある、
図5のカニューレアセンブリのカニューレ管と結合された
図36の深度リミッタの部分側面断面図である。
【
図38B】深度リミッタの脚が展開構成における、閉塞具の脱離及び取り外しに続いて
図5のカニューレアセンブリのカニューレ管と結合された
図36の深度リミッタの部分側面断面図である。
【
図39】流体チャンバ及び4つの脚を含む第13の例示的な深度リミッタの上面断面図である。
【0006】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、かつその一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を例示するものであり、説明とともに本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0007】
本発明の特定の実施例の以下の説明は、本発明の範囲を限定するために使用されるべきではない。本発明の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、例示として本発明を実施するために企図される最良の形態の1つである以下の説明から当業者に明らかになるであろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的なものではなく、本質的に例示的なものとみなされるべきである。
【0008】
本開示を明瞭にするために、「近位」及び「遠位」という用語は、本明細書では、外科用デバイスを握持する外科医又は他の操作者に対して定義される。「近位」という用語は、外科医寄りに配置された要素の位置を指し、「遠位」という用語は、外科医からより離れて配置された要素の位置を指す。また、図面を参照して「頂」、「底」、「上部」、「下部」、「垂直」、「水平」などの空間的用語が本明細書で使用される限り、そのような用語は例示的な記述目的にのみ使用されて、限定することも絶対であることも意図していないことが理解されるであろう。その点において、本明細書に開示されるものなどの外科用器具を、本明細書で図示及び記載するものに限定されない様々な向き及び位置で使用してもよいことが理解されよう。
【0009】
更に、任意の数値、又は数値の範囲に関連して本明細書で使用される「約」、「ほぼ」などの用語は、参照される正確な値、並びに参照される特徴、又は特徴の組み合わせが、本明細書に記載されている意図された目的のために機能することができる好適な許容誤差を包含することが意図されている。
【0010】
I.例示的な単回使用用の及び再利用可能な外套針
図1~
図5は、腹腔鏡外科的手技において外科的部位へのアクセスを提供するように各々が構成された、単回使用用の第1の外套針(10)及び再利用可能な第2の外套針(110)の形態における例示的な外科用アクセスデバイスを示す。各外套針(10、110)は、作業チャネル(14、114)を有するカニューレアセンブリ(12、112)と、組み立てられた外套針(10、110)が、例えば、
図3A~
図3Dに関連して以下に記載されるように、患者の腹壁を通って腹腔内に遠位に方向付けられ得るように、作業チャネル(14、114)に同軸で取り外し可能に挿入されるように構成された閉塞具(16、116)とを含む。
【0011】
A.例示的な単回使用用の外套針
図1~
図2に示されるように、単回使用用の外套針(10)のカニューレアセンブリ(12)は、カニューレ(20)と、封止ハウジング(30)とを含む。カニューレ(20)及び封止ハウジング(30)は、外套針(10)の中心軸(A)に沿って長手方向に延在する作業チャネル(14)を画定するために協働する。特に、作業チャネル(14)は、封止ハウジング(30)の中空内部と連通するカニューレ(20)の管腔によって画定されている。カニューレアセンブリ(12)は、患者の腹腔内の外科的部位へのアクセスを提供するために、作業チャネル(14)を通して遠位に、細長い外科用器具を受容するように構成されている。以下でより詳細に記載されるように、封止ハウジング(30)は、作業チャネル(14)に沿った外科用器具及び組織断片の通過を可能にしながら、患者の腹腔の吹送を維持するように構成された封止アセンブリを画定する一対の封止構造を収納する。
【0012】
本変形例のカニューレ(20)は、その近位端にベル形状のハブ(図示せず)と、ハブから遠位に延在し、角度付きカニューレ先端(24)で終端する細長い円筒管(22)とを含み得る。カニューレ管(22)の外面は、カニューレ管(22)の中間部分に沿って軸方向に配置された、環状リブ(26)の形態の複数の組織把持特徴部を含む。リブ(26)は、カニューレ(20)が挿入されて通る腹壁組織の層を把持し、それによって、患者の腹壁に形成された開孔内にカニューレ(20)が位置付けられている間に、カニューレ(20)を軸方向及び半径方向に安定化させるのを支援するように構成されている。
【0013】
より具体的には、本実施例の組織把持リブ(26)は、各リブ(26)がリブ(26)の半径方向に最も外側の縁部から遠位方向に半径方向内向きに先細になるように、カニューレ管(22)の側壁における環状スカラップとして形成される。したがって、リブ(26)の半径方向に最も外側の縁部は、概して、カニューレ管(22)のリブなしの近位部分及び遠位部分と同一平面にある。結果として生じるリブ(26)の構成は、遠位方向に組織層を通るカニューレ管(22)の前進を促進し、逆の近位方向に組織層を通るカニューレ管(22)の引き込みに抵抗する。有利には、この構成は、外科的手技中に患者の腹壁からカニューレ管(22)が意図せず引き抜かれるのを防ぐ。しかしながら、カニューレ管(22)には、外套針(10)の他の変形例において、様々な他のタイプの組織把持特徴部が設けられ得ることが理解されよう。例えば、カニューレ管(22)は、カニューレ管(22)の少なくとも中間部分の周りに延在する1つ又は2つ以上の螺旋リブの形態の組織把持特徴部を含み得、リブ(26)と同様にスカラップ状であってもよい。
【0014】
カニューレアセンブリ(12)の封止ハウジング(30)は、近位ハウジング部分(32)と、近位ハウジング部分(32)が取り外し可能に取り付けられている遠位ハウジング部分(34)とを含む。近位ハウジング部分(32)は、ともに固定された近位ヘッド(36)と遠位ベース(38)とを含む。遠位ハウジング部分(34)は、カニューレ(20)の近位ハブ(図示せず)を取り囲む遠位シュラウド(40)と、遠位シュラウド(40)の近位端に固定されたキャッププレート(42)と、それらの間に回転可能に配設され、半径方向外向きに突出するタブ(46)を有するラッチリング(44)とを含む。ラッチリング(44)は、外套針(10)の中心軸(A)を中心にタブ(46)を介してロック位置とロック解除位置との間で選択的に回転可能である。ロック位置では、ラッチリング(44)は、近位ハウジング部分(32)を遠位ハウジング部分(34)にロックする。ロック解除位置では、ラッチリング(44)は、例えば、遠位ハウジング部分(34)内に収納された遠位封止構造(図示せず)に直接アクセスするために、遠位ハウジング部分(34)からの近位ハウジング部分(32)の分離を可能にする。いくつかの変形例では、遠位シュラウド(40)は、遠位シュラウド(40)がカニューレ(20)の構成要素であるように、カニューレ管(22)の近位端と一体的に形成され得る。
【0015】
図示されていないが、近位ハウジング部分(32)は、近位(又は「外側」)封止構造を収納し、遠位ハウジング部分(34)は、遠位(又は「内側」)封止構造を収納し、両方とも外套針(10)の中心軸(A)に沿って配置される。近位封止構造及び遠位封止構造は、外科的手技処置中に患者の腹腔の吹送を維持しながら、作業チャネル(14)に沿った外科用器具及び組織断片の通過を可能にする封止アセンブリを画定するために協働する。例えば、近位封止構造は、作業チャネル(14)を通して方向付けられた腹腔鏡外科用器具のシャフトに封止係合するように構成された環状封止部材を含み得る。遠位封止構造は、外科用器具シャフトの不在下における封止状態において、作業チャネル(14)を維持するように構成されたダックビル封止部材を含み得る。
【0016】
カニューレアセンブリ(12)は、カニューレ(20)の近位端と動作可能に結合され、ストップコック(52)の形態の調整可能なバルブを有する吹送ポート(50)を更に含む。吹送ポート(50)は、二酸化炭素などの吹送流体を、流体源(図示せず)から作業チャネル(14)を通して患者の腹腔内に遠位に方向付け、それによって、腔を流体で拡張(又は「吹送する」)するように構成されている。腹腔のこの拡張は、改善された容易さで腹腔鏡外科的手技を実行するための追加の空間を生み出す。
【0017】
図1及び
図2に示されるように、外套針(10)の閉塞具(16)は、近位ヘッド(60)と、ヘッド(60)から遠位に延在する細長い円筒シャフト(62)と、先細の遠位先端(64)とを含む。閉塞具シャフト(62)は、閉塞具先端(64)がカニューレ先端(24)を通って遠位に延在するように、カニューレアセンブリ(12)の作業チャネル(14)内に受容されるように構成されている。閉塞具ヘッド(60)は、ドーム型上部本体(66)と、ベースプレート(68)と、一対のラッチアーム(72)及び対応する一対のラッチボタン(74)を含む作動可能なラッチ部材(70)とを含む。ラッチアーム(72)は、閉塞具(16)をカニューレアセンブリ(12)と結合するために、封止ハウジングヘッド(36)の上面に形成されたそれぞれのスロット(図示せず)内に捕捉されるように構成されている。ラッチボタン(74)は、スロットからラッチアーム(72)を解放し、それによって、カニューレアセンブリ(12)からの閉塞具(16)の分離を可能にするように作動可能である。閉塞具(16)は、閉塞具ヘッド(60)及び閉塞具シャフト(62)を通って長手方向に延在する中央通路(76)を更に含み、患者の腹壁を通した外套針(10)の挿入中に視覚化を提供するために、その中に内視鏡(図示せず)を受容するように構成されている。閉塞具ヘッド(60)のクランプレバー(78)は、中央通路(76)内の内視鏡を選択的に固定するように枢動可能である。中央通路(76)及びクランプレバー(78)は、単に任意選択的な特徴部であり、他の変形例では、閉塞具(16)から省略され得る。
【0018】
カニューレアセンブリ(12)及び閉塞具(16)は、患者との単回使用後に廃棄されるように構成され得る。他の変形例では、外套針(10)の1つ又は2つ以上の構成要素は、例えば、
図4~
図5の外套針(110)に関連して以下でより詳細に記載されるように、滅菌及び複数の再利用に耐えるように適切に構成され得る。
【0019】
B.患者の腹腔内への外套針の例示的な展開
図3A~
図3Dは、上述された外套針(10)で患者の腹壁(2)を通して患者の腹腔(1)にアクセスする例示的な方法を例示する。腹壁(2)は、外側の表層及び内側の深層を含むことが理解されよう。表層は、概して、皮膚(3)の外層と脂肪(4)の内層とを含み、一方、より深い層は、繊維状で柔軟性があり、表層よりも比較的高い引張強度を備える、筋肉(5)と筋膜(6)の交互の層を含む。
【0020】
図3Aに示されるように、閉塞具(16)がカニューレアセンブリ(12)内に受容され、シールハウジング(30)に接続された状態で、臨床医は、外套針(10)を前後に回転させながら、閉塞具先端(64)を、皮膚(3)に対して及び腹腔(1)に向けて内側に押しつけるために、閉塞具ヘッド(60)及び封止ハウジング(30)を介して外套針(10)を操作する。外套針(10)の継続的な内向きの押しつけは、
図3Bに示されるように、閉塞具先端(64)及びカニューレ先端(24)を、脂肪(4)及び筋膜(5)の層を通して遠位に、並びに空洞(1)の中に更に方向付ける。上記されたように、このステップは、閉塞具(16)内に装着された内視鏡(図示せず)によって提供される視覚化によって容易となり得る。カニューレ(20)が空洞(1)への所望の挿入深度に到達すると、臨床医は、ラッチボタン(74)の押し下げを介して閉塞具ヘッド(60)を封止ハウジング(30)から解放し、次いで、
図3Cに示されるように、閉塞具(16)をカニューレアセンブリ(12)から近位に引き抜く。これにより、カニューレアセンブリ(12)の作業チャネル(14)は、腹腔鏡外科的手技を実行するために、内部を通して遠位に外科用器具を自由に受容できる。上述されたように、カニューレ管(22)上に提供された組織係合リブ(26)は、腹壁(2)の組織(3、4、5)の層を把持し、したがって、腹壁(2)に対して少なくとも最小の安定度をカニューレアセンブリ(12)に提供する。腹腔鏡外科的手技の完了時に、臨床医は、
図3Dに示されるように、封止ハウジング(30)を把持し、カニューレアセンブリ(12)を腹壁(2)から近位に引き抜く。
【0021】
C.使い捨て封止アセンブリを有する例示的な再利用可能な外套針
場合によっては、その1つ又は2つ以上の構成要素が、複数の外科的手技のために滅菌及び再利用され得るように外套針を構成することが望ましい場合があり、一方、1つ又は2つ以上の他の構成要素は、各手技の後に容易かつ経済的に廃棄され、交換され得る。
図4~
図5は、そのような様式で構成されている別の例示的な外套針(110)を示し、以下に別途記載されるものを除いて、上述された外套針(10)と構造及び機能が類似している。
【0022】
外套針(10)と同様に、外套針(110)は、作業チャネル(114)と、作業チャネル(114)に沿って同軸にカニューレアセンブリ(112)に挿入されるように構成された閉塞具(116)とを有する、カニューレアセンブリ(112)を含む。カニューレアセンブリ(112)は、その近位端にベル形状のハブ(122)を有するカニューレ(120)と、ハブ(122)から遠位に延在し、角度付きカニューレ先端(126)で終端する細長い円筒管(124)とを含む。カニューレ管(124)の外面は、カニューレ管(124)の中間部分に沿って軸方向に配置され、上述されたリブ(26)と同様の環状リブ(128)の形態の複数の組織把持特徴部を含む。
【0023】
カニューレアセンブリ(112)は、封止アセンブリ(130)を更に含む。外套針(10)の封止ハウジング(30)によって画定された封止アセンブリとは異なり、封止アセンブリ(130)は、カニューレ(120)の近位ハブ(122)と解放可能に嵌合するように構成されたモジュール式交換可能ユニットとして構成されている。
図5に最もよく示されるように、本実施例の封止アセンブリ(130)は、概して、同軸配置で互いに固定された上部フレーム部材(132)と、中間フレーム部材(134)と、下部フレーム部材(136)とを含む。図示されていないが、近位(又は「外側」)封止構造は、上部フレーム部材(132)内に支持されており、遠位(又は「内部」)封止構造は、下部フレーム部材(136)内に支持されている。そのような封止構造は、上述された外套針(10)の近位封止構造及び遠位封止構造に、構造及び機能において類似し得る。封止アセンブリ(130)は、ストップコック(142)の形態の調整可能なバルブを有する吹送ポート(140)を更に含む。
【0024】
吹送ポート(140)より遠位の封止アセンブリ(130)の下部は、下部分の周りに円周方向に配設された環状封止部材(144)がカニューレハブ(122)の内面と封止係合するように、カニューレ(120)の近位ハブ(122)内に着座するように構成されている。このようにして、封止アセンブリ(130)の内部は、吹送流体、外科用器具、及び組織断片が、外套針(10)に関連して概して上述された方法で内部を通って方向付けられ得るカニューレアセンブリ(112)の作業チャネル(114)を画定するために、カニューレ(120)の管腔と流体連通する。封止アセンブリ(130)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年3月28日に公開され、「Trocar Seal Assemblies」と題される、米国特許出願公開第2019/0090905号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2019年12月19日に公開され、「Asymmetric Shaft Seal」と題される、米国特許出願公開第2019/0380742号のうちの1つ又は2つ以上の教示に従って更に構成され得る。
【0025】
図5に最もよく示されるように、外套針(110)の閉塞具(116)は、近位ヘッド(150)と、ヘッド(150)から遠位に延在する細長い円筒シャフト(152)と、シャフト(152)の遠位端の先細の先端(154)とを含む。閉塞具ヘッド(150)は、ドーム型上部本体(156)と、ベースプレート(158)と、一対の下向きに延在するラッチアーム(162)及び対応する一対のラッチボタン(164)を含む作動可能なラッチ部材(160)とを含む。ラッチアーム(162)は、閉塞具(116)をカニューレアセンブリ(112)と結合するために、封止アセンブリ(130)の上部フレーム部材(132)の上面に形成されたそれぞれのスロット(138)内に捕捉されるように構成されている。ラッチボタン(164)は、スロット(138)からラッチアーム(162)を解放し、それによって、カニューレアセンブリ(112)からの閉塞具(116)の分離を可能にするように作動可能である。
【0026】
本実施例のカニューレ(120)及び閉塞具(116)は、外科的鋼などの堅牢な材料で適切に構成されており、それらは、複数の外科的手技のために滅菌及び再利用され得る。対照的に、上述されたように、封止アセンブリ(130)は、カニューレ(120)から分離され、各手技の後に交換されることを意図した使い捨てユニットとして構成されている。例えば、封止アセンブリ(130)は、上述された外套針(10)と同様に、封止アセンブリ(130)が単回使用後に廃棄されるのに適した価格で封止アセンブリ(130)が容易に製造及び販売され得るように、プラスチック及びゴムを含む様々なポリマー材料で構成され得る。
【0027】
II.例示的な深度リミッタ及び関連する方法
場合によっては、臨床医は、単回使用用の又は再利用可能な外套針(10、110)が腹壁(2)内に移動し得る深度を制限することを望み得る(例えば、外套針(10、110)を所望の位置に挿入した後)。外套針(10、110)が腹壁(2)内に移動し得る深度を制限することは、閉塞具(16、116)の遠位先端(64、154)及び/又はカニューレアセンブリ(12、112)のカニューレ先端(24、126)が腹腔(1)に所望されるよりも深く入ることを防止するのを支援し得る。外套針(10、110)の過剰挿入を防止することは、遠位先端(64、154)及び/又はカニューレ先端(24、126)と、腹腔(1)内に含まれる解剖学的構造との望ましくない接触を低減し得る。
【0028】
代替的に、又は単回使用用の若しくは再利用可能な外套針(10、110)が腹壁(2)内に移動し得る深度を限定することに加えて、臨床医は、腹壁(2)に対して(例えば、外套針(10、110)を腹腔(1)の所望の位置に挿入した後に)外套針(10、110)を安定させることを望み得る。臨床医は、外套針(10、110)の過小挿入を回避することによって、腹壁(2)に対して外套針(10、110)を安定化させ得る。腹壁(2)への挿入後に腹壁(2)に対して外套針(10、110)を安定化させることは、臨床医が外套針(10、110)を解放した後に、外套針(10、110)が腹壁(2)の挿入点を中心に偶発的に枢動するのを防止するのを支援し得る。外套針(10、110)を安定化させることは、カニューレ先端(24、126)、したがって、腹腔(1)への外科用器具の進入点を、腹腔(1)に対する所望の位置及び/又は向きに維持する。
【0029】
図1~
図5を参照して上述されたように、閉塞具(16、116)は、患者の体腔壁(腹壁(2)として示される)を通る外科用アクセスデバイスの挿入を容易にするために、中心軸(
図1~
図2に外套針中心軸(A)として示される)に沿ってカニューレ(20、120)と取り外し可能に結合されるように構成され得る。カニューレ(20、120)は、作業チャネル(14、114)と、組織把持特徴部(リブ26、128として示される)とを含む。作業チャネル(14、114)は、カニューレ(20、120)の中心軸に沿って外科用器具(図示せず)を誘導するように構成されている。組織把持特徴部は、非螺旋特徴部(例えば、隆起及び環状スカラップなど)、並びに螺旋ねじ山(例えば、重なり合う又は重なり合わないねじ山)を含むことが意図される。組織把持特徴部は、カニューレ管(124)の長さの一部分のみに沿って延在し得る。前述のように、リブ(26、128)は、環状スカラップとして形成され得る。リブ(26、128)は、カニューレ(20、120)の外面に沿って配設され得る。
図3A~
図3Dに示されるように、リブ(26、128)は、カニューレ(20、120)が腹壁(2)を通って遠位に挿入されるときに、患者の腹壁(2)に対してカニューレ(20、120)を安定させるように構成され得る。
【0030】
外套針(10、110)の過剰挿入及び/又は過小挿入を低減するために、例示的な深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)は、カニューレ(20、120、412、912)のカニューレ管(22、124、416、914)と選択的に結合され得る。深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)は、
図6~
図39を参照して以下に詳細に記載され、必要に応じて、単独で、又は別の深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)と組み合わせて使用され得る。深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、1010、1110、1210、1310、1410)は、直径5mm、直径8mm、直径10mm、及び直径15mmを有するカニューレを含むがこれらに限定されない、様々な異なるサイズのカニューレ管に嵌合するようにスケーリングされ得る。
【0031】
深度リミッタ(210、310、510、610、710、810、910、1310、1410)は、
図4~
図5の外套針(110)に関連して示されている。同様に、深度リミッタ(410)は、
図14のカニューレ(412)及びカニューレ管(416)に関連して示されており、深度リミッタ(610)は、
図19のカニューレ(612)及びカニューレ管(616)に関連して示されている。追加的に、深度リミッタ(1010、1110、1210)は、
図1~
図3の外套針(10)、カニューレ(20)、及びカニューレ管(22)に関連して示されている。しかしながら、深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)は、外套針(10、110)、カニューレ(20、120、412、912)のカニューレ管(22、124、416、914)を含む、様々な他の適切な外套針、カニューレアセンブリ、及び閉塞具とともに使用され得ることが想定される。
【0032】
A.第1の例示的な深度リミッタ
図6~
図10は、上述されたように、カニューレアセンブリ(112)及び閉塞具(116)を含む外科用アクセスデバイス(外套針(110)として示される)に関する第1の例示的な深度リミッタ(210)を示す。特に、
図6は、深度リミッタ(210)が、カニューレアセンブリ(112)のカニューレ管(124)に対する深度リミッタ(210)の軸方向移動(長手方向軸(A1)に沿って)を制限する固定構成における、
図4の外套針(110)の斜視図を示す。
図7は、中央空洞(214)を生み出し得るハウジング(212)を含むような深度リミッタ(210)の斜視図を示す。ハウジング(212)は、同一であり得る又は異なり得る上部及び下部ハウジング部分(216、218)を含む。深度リミッタ(210)は、第1の付勢特徴部(リング部材(220)を示す)と、第2の付勢特徴部(リング部材(222)として示される)とを含む。例えば、リング部材(220、222)は、
図8A~
図8Bを参照して以下に記載されるように、カニューレ管(124)から解放されるように互いに向かって圧縮され得る直径方向に対向するばね部材であり得る。
【0033】
図7~
図10に示されるように、リング部材(220)は、ユーザ接触部分(224)と、対向する付勢アーム(226、228)と、把持部材(230)とを含む。同様に、リング部材(222)は、ユーザ接触部分(232)と、対向する付勢アーム(234、236)と、把持部材(238)とを含み得る。リング部材(220)の付勢アーム(226、228)は、リング部材(220)の第1の弾性部分を形成し得る。リング部材(222)の付勢アーム(234、236)は、リング部材(222)の第2の弾性部分を形成し得る。
図8A~
図8B及び
図10は、リング部材(220、222)を同一のものとして示すが、リング部材(220、222)は、必要に応じて異なり得る。リング部材(220)の付勢アーム(226、228)は、頂部(240、242)と、把持部材(230)と結合された折り返し部(244、246)とを含む。同様に、リング部材(222)の付勢アーム(234、236)は、頂部(248、250)と、把持部材(238)と結合された折り返し部(252、254)とを含む。リング部材(220、222)は、板ばねとして作用し得る。
図8A~
図9に示されるように、リング部材(220、222)は、ともに入れ子になり得る。
【0034】
図9は、
図7の線9-9に沿った
図7の深度リミッタ(210)の断面図を示し、
図10は、
図7の深度リミッタ(210)の分解図を示す。示されるように、リング部材(220)の把持部材(230)は、把持面(256)を含む。同様に、リング部材(222)の把持部材(238)は、把持面(258)を含む。示されるように、把持面(256、258)は、長手方向軸(A1)に平行に延在する。把持面(256、258)は、平滑又は非平滑であり得る。例えば、非平滑表面は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。
図8A~
図10に示されるように、把持面(256、258)は、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合しないために平滑であり得る。代替的に、把持面(256、258)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの歯を含み得る。特に、
図7は、任意選択である複数の係合特徴部(260)を仮想線で含む把持面(258)を示す。係合特徴部(260)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)の外面上に配設されたリブ(128)と係止係合し、可動構成においてカニューレ管(124)の外面上に配設されたリブ(128)と係止係合しないように構成され得る。
【0035】
図7~
図10に示されるように、上部及び下部ハウジング部分(216、218)は、リング部材(220、222)の付勢アーム(226、228)及びリング部材(222)の付勢アーム(234、236)を取り囲み得る。上部及び下部ハウジング部分(216、218)は、ユーザ接触部分(224、232)及び把持部材(230、238)を露出させ得る。このため、上部及び下部ハウジング部分(216、218)は、深度リミッタ(210)がユーザ(例えば、外科医又は別の医療専門家)の手袋を不注意に挟む可能性を低減又は防止し得、及び/又は深度リミッタ(210)が患者の組織を挟むのを低減又は防止し得る。示されるように、ユーザ接触部分(224、232)は、互いに円周方向に対向して(すなわち、直径方向に対向して)配設されているが、ユーザ接触部分(224、232)の他の配置も、想定されている。
【0036】
深度リミッタ(210)は、
図8Aに示される可動構成と
図8Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能である。言い換えれば、深度リミッタ(210)は、深度リミッタ(210)をカニューレ管(124)と結合するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。追加的に、深度リミッタ(210)は、カニューレ管(124)から深度リミッタ(210)を結合解除するために、固定構成から可動構成に再び選択的に作動され得る。示されるように、第1の有効直径(ED1)は、第2の有効直径(ED2)よりも小さい。
図8Aは、
図6のカニューレ管(124)が断面図で示されている、
図7の深度リミッタ(210)の上面図を示す。深度リミッタ(210)の上部ハウジング部分(216)は、ユーザによって作動されるときにカニューレ管(124)に対する深度リミッタ(210)の軸方向移動を可能にする可動構成にある深度リミッタ(210)を見えるようにするために、
図8A~
図8Bでは取り外されている。
【0037】
特に、把持面(256)は、付勢アーム(226、228)と移動可能に結合され、把持面(258)は、付勢アーム(234、236)と移動可能に結合され、それぞれのユーザ接触部分(224、232)がユーザによって作動されるときに固定構成から可動構成に移動可能である。例えば、
図8Aの可動構成では、把持面(256、258)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(210)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(224、232)の作動は、可動構成にある間にカニューレ(120)のカニューレ管(124)を選択的に係合及び係合解除するために、それぞれ、リング部材(220)の付勢アーム(226、228)及びリング部材(222)の付勢アーム(234、236)に、把持面(256、258)を半径方向外向きに移動させるように構成されている。
【0038】
例えば、ユーザ(U)は、2つの点(ユーザ接触部分(224、232))を挟持して、深度リミッタ(210)の対向する把持面(256、258)間の有効直径を増加させ、次いで、ユーザ接触部分(224、232)を解放して、深度リミッタ(210)の対向する把持面(256、258)間の有効直径を減少させて固定構成にし、カニューレ管(124)に対して軸方向に深度リミッタ(210)を固定又はクランプすることができる。示されるように、ユーザ接触部分(224、232)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(224、232)を押し下げてもよい。ユーザ接触部分(224、232)の外面(262、264)を挟持することによって、リング部材(220、222)は、摺動し、係合解除のために対向する把持面(256、258)を開放する。可動構成では、対向する把持面(256、258)によって画定された仮想直径は、カニューレ管(124)のものよりも大きく、カニューレ管(124)に沿った任意のユーザ指定深度への深度リミッタ(210)の自由移動を可能にする。示されるように、把持面(256)は、ユーザ接触部分(224)からほぼ180度だけ半径方向にオフセットされており、把持面(258)は、ユーザ接触部分(232)からほぼ180度だけ半径方向にオフセットされている。
【0039】
図8Bは、
図8Aの深度リミッタ(210)及びカニューレ(120)のカニューレ管(124)の上面図を示すが、深度リミッタ(210)は、
図6の固定構成にある。ユーザ(U)は、リング部材(220、222)が固定構成に戻るように、カニューレ管(124)の外面から
図8Aの把持面(256、258)を解放し得る。把持面(256、258)は、互いに円周方向に対向して配設され得、固定構成においてカニューレ(120)の円周方向に対向する側面に直接接触するように構成され得る。固定構成では、把持面(256、258)は、カニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(210)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。示されるように、リング部材(220、222)が固定構成にあるとき、把持面(256、258)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、に外径カニューレ管(124)よりも小さい。固定構成はまた、休止構成とみなされ得る。示されるように、把持面(256、258)は、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレ(120)のカニューレ管(124)を完全には(又全周にわたって)取り囲まない。代わりに、把持面(256、258)は、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されており、間隙(266、268)によって分離されている。
図8Bの固定構成では、把持面(256、258)は、離散的領域でカニューレ管(124)の円周の半分未満を把持するように示されている。しかしながら、これは、変化し得る。
【0040】
図7~
図10に示されるように、ユーザ接触部分(224)は、付勢アーム(226、228)の間に配設されており、及び固定可能に結合されている。いくつかの変形例では、ユーザ接触部分(224)は、付勢アーム(226、228)とともに単一部品としてともに一体的に形成され得る。いくつかの変形例では、把持部材(230)は、付勢アーム(226、228)とともに単一部品としてともに一体的に形成され得る。同様に、ユーザ接触部分(232)は、付勢アーム(234、236)の間に配設されており、及び固定可能に結合されている。いくつかの変形例では、ユーザ接触部分(232)は、付勢アーム(234、236)とともに単一部品としてともに一体的に形成され得る。いくつかの変形例では、把持部材(238)は、付勢アーム(234、236)とともに単一部品としてともに一体的に形成され得る。
【0041】
深度リミッタ(210)は、薄型(low-profile)の形態を有することが示されている。深度リミッタ(210)は、輸送及び/又は保管のためにカニューレ管(124)の近位端に入れ子になり得る。深度リミッタ(210)は、操作することが単純な挟持・解放制御を含み得る。深度リミッタ(210)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(210)は、使い捨てモデルのために射出成形され得る。代替的に、深度リミッタ(210)は、再利用可能なモデルであってもよく、また、再利用可能なモデルのために、打ち抜き加工、機械加工、及び/又は金属射出成形され得る。いくつかの変形例では、深度リミッタ(210)は、完全に金属で形成され得る。深度リミッタ(210)は、ロボット器具及び腹腔鏡器具に適合し得、これにより医療施設(例えば、病院)の医療廃棄物をより少なくすることができる。
【0042】
B.第2の例示的な深度リミッタ
図11~
図13は、
図1~
図5を参照して図示及び記載された外套針(10、110)で使用されるように構成されている第2の例示的な深度リミッタ(310)を示す。特に、
図11は、深度リミッタ(310)の斜視図を示し、
図13は、
図11の深度リミッタ(310)の分解図を示す。示されるように、深度リミッタ(310)は、ハウジング(312)と、付勢特徴部(314)とを含む。ハウジング(312)は、上部及び下部ハウジング部分(316、318)と、ユーザ接触部分(320、322)とを含む。このため、上部及び下部ハウジング部分(316、318)は、継ぎ目で溶接され得、深度リミッタ(310)がユーザ(U)の手袋を挟むことを低減又は防止し得、及び/又は深度リミッタ(310)が患者の組織を挟むことを低減又は防止し得る。上部及び下部ハウジング部分(316、318)は、同一であるように示されている。しかしながら、上部及び下部ハウジング部分(316、318)は、所望に応じて、異なり得る。上部ハウジング部分(316)は、頂壁(324)と、側面(326、328)と、内壁(330、332)とを含み得る。示されるように、側面(326、328)及び内壁(330、332)は、下部ハウジング部分(318)に向かって下向きに延在する。
【0043】
下部ハウジング部分(318)は、底壁(334)と、側面(336、338)と、内壁(340、342)とを含み得る。側面(336、338)及び内壁(340、342)は、上部ハウジング部分(316)に向かって上向きに延在し得る。頂壁及び底壁(324、334)は、上部ハウジング部分(316)の内壁(330、332)及び下部ハウジング部分(318)の内壁(340、342)とともに集合的に空洞(344)を形成するために、概して、平坦であり、互いに対向するように示されている。空洞(344)は、
図12A~
図12Bを参照して以下に詳細に記載されるように、付勢特徴部(314)を収納するように構成されている。
図12A~
図13に示されるように、頂壁及び底壁(324、334)の内面は、所望の量を超えるユーザ接触部分(320、322)の内向き移動を防止するように構成されている複数の停止特徴部(346、348)を含み得る。追加的に、ユーザ接触部分(320、322)は、所望の量を超えるユーザ接触部分(320、322)の外向き移動を防止するために、上部ハウジング部分(316)の側面(326、328)の内面と下部ハウジング部分(318)の側面(336、338)の内面とが相互作用するように構成された複数の突起(350、352)を含む。
【0044】
図12A~
図13に示されるように、付勢特徴部(314)は、概して互いに対向して配設されている付勢アーム(354、356)として示される弾性部分を含む。付勢アーム(354、356)は、概して薄い柔軟性部材であるように示されているが、付勢アーム(354、356)の他の変形例も、想定されている。示されるように、付勢アーム(354、356)は、終端(358、360)で互いに結合され得る。付勢アーム(354)は、内面(362)と、外面(364)とを含む。同様に、付勢アーム(356)は、内面(366)と、外面(368)とを含む。付勢アーム(354)の内面(362)は、把持面(370)を含む。付勢アーム(356)の内面(366)は、把持面(374)を含む。把持面(370、374)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。
【0045】
把持面(370、374)は、平滑又は非平滑であり得る。例えば、非平滑表面は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。把持面(370、374)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの歯を含み得る。
図11~
図13に示されるように、把持面(370、374)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)の外面上に配設されたリブ(128)と係止係合し、可動構成においてカニューレ管(124)の外面上に配設されたリブ(128)と係止係合しないように構成された複数の係合特徴部(372、376)を含む。代替的に、把持面(370、374)は、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合しないように構成されている平滑表面(図示せず)を含み得る。
【0046】
深度リミッタ(310)は、
図12Aに示される可動構成と
図12Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能である。言い換えれば、深度リミッタ(310)は、深度リミッタ(310)をカニューレ管(124)から結合するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。追加的に、深度リミッタ(310)は、カニューレ管(124)から深度リミッタ(310)を結合解除するために、固定構成から可動構成に選択的に作動され得る。示されるように、第1の有効直径(ED1)は、第2の有効直径(ED2)よりも小さい。
図12Aは、断面図で示されている
図5のカニューレ管(124)と結合された
図11の深度リミッタ(310)の上面図を示す。深度リミッタ(310)の上部ハウジング部分(316)は、ユーザ(U)によって作動されたときにカニューレ管(124)に対する深度リミッタ(310)の軸方向移動を可能にする可動構成にある深度リミッタ(310)を見えるようにするために、
図12A~
図12Bにおいて取り外されている。
【0047】
特に、把持面(370)は、付勢アーム(354)と移動可能に結合され得、把持面(374)は、付勢アーム(356)と移動可能に結合され得、それぞれのユーザ接触部分(320、322)がユーザによって作動されるときに固定構成から可動構成に移動可能である。例えば、
図12Aの可動構成では、把持面(370、374)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(310)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(320、322)の作動は、可動構成においてカニューレ(120)を選択的に係合解除するために、それぞれ、付勢アーム(354、356)に、把持面(370、374)を半径方向外向きに移動させるように構成されている。示されるように、把持面(370)は、ユーザ接触部分(320、322)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、把持面(374)は、ユーザ接触部分(320、322)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている。
【0048】
示されるように、ユーザ接触部分(320、322)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動され得る。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(320、322)を押し下げてもよい。ユーザ接触部分(320、322)の表面(378、380)を挟持することによって、把持面(370、374)は、係合解除のために離れて広がる。可動構成では、対向する把持面(370、374)によって画定された仮想直径は、カニューレ管(124)のものよりも大きく、カニューレ管(124)に沿った任意のユーザ指定深度への深度リミッタ(310)の自由移動を可能にする。示されるように、ユーザ接触部分(320、322)は、互いに円周方向に対向して配設されているが、ユーザ接触部分(320、322)の他の配置も想定されている。示されるように、ユーザ接触部分(320、322)は、ユーザ(U)による把持を強化するための表面(378、380)を含む。表面(378、380)は、深度リミッタ(310)が再利用可能である場合に、より徹底的な滅菌を可能にする特徴部(図示せず)を含み得る。
【0049】
図12Bは、
図12Aの深度リミッタ(310)及びカニューレ管(124)の上面図を示すが、深度リミッタ(310)は、カニューレ管(124)に対する深度リミッタ(310)の軸方向移動を制限する固定構成にある。ユーザ(U)は、付勢アーム(354、356)が固定構成に戻るように、カニューレ管(124)の外面から
図12Aの把持面(370、374)を解放し得る。把持面(370、374)は、互いに円周方向に対向して配設されており、固定構成においてカニューレ(120)の円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている。固定構成では、把持面(370、374)は、離散的領域でカニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(310)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。示されるように、付勢特徴部(314)のアーム(354、356)が固定構成にあるとき、把持面(370、374)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、外径カニューレ管(124)よりも小さい。固定構成は、休止構成である。示されるように、把持面(370、374)は、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレ(120)のカニューレ管(124)を完全には(又は全周にわたって)取り囲まない。代わりに、把持面(370、374)は、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されており、間隙(266、268)によって分離されている。
【0050】
深度リミッタ(310)は、薄型形態を有することが示されている。深度リミッタ(310)は、輸送及び/又は保管のためにカニューレ管(124)の近位端に入れ子になり得る。深度リミッタ(310)はまた、操作することが単純な挟持・解放制御を含む。深度リミッタ(310)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(310)は、使い捨てモデルのために射出成形され得る。代替的に、深度リミッタ(310)は、再利用可能なモデルであってもよく、また、再利用可能なモデルのために、打ち抜き加工、機械加工、及び/又は金属射出成形され得る。いくつかの変形例では、深度リミッタ(310)は、完全に金属で形成されている。深度リミッタ(310)は、ロボット器具及び腹腔鏡器具に適合し得、これにより医療廃棄物をより少なくすることができ、医療施設(例えば、病院)が多くの異なるSKUをストックする必要がない。
【0051】
C.第3の例示的な深度リミッタ
図14~
図16Bは、例示的なカニューレ(412)と結合された第3の例示的な深度リミッタ(410)を示す。特に、
図14は、カニューレ(412)に対する深度リミッタ(410)の軸方向移動を制限する固定構成における深度リミッタ(410)の斜視図を示す。
図15は、
図14の深度リミッタ(410)の斜視図を示す。カニューレ(120)と同様に、カニューレ(412)は、その近位端にベル形状のハブ(414)と、ハブ(414)から遠位に延在し、角度付きカニューレ先端(418)で終端する細長いカニューレ管(416)とを有し得る。カニューレ管(416)の外面は、カニューレ管(416)の中間部分に沿って軸方向に配置されたリブ(420)の形態の複数の組織把持特徴部を含む。
図14及び
図16A~
図16Bに示されるように、カニューレ管(416)は、互いに対向して形成されたスロット付き部分(422)を含む。スロット付き部分(422)は、カニューレ管(416)に沿って長手方向に延在する。スロット付き部分(422)は、カニューレ管(416)の残りの部分と比較して、低減された外径を有する。スロット付き部分(422)は、カニューレ管(416)の遠位部分上に配設され、概してカニューレ先端(418)に隣接している開口部又は特徴部(424)を含む。示されるように、スロット付き部分(422)は、カニューレ管(416)の完全な軸方向長さに沿って延在するが、スロット付き部分(422)は、いくつかの変形例では、カニューレ管(416)の軸方向長さの一部分に沿ってのみ延在し得る。
【0052】
深度リミッタ(410)は、外側部分(426)と、内側部分(428)と、外側部分(426)と内側部分(428)との間に配設されているアーム(430、432)とを含み得る。
図16Bに示されるように、外側部分(426)は、固定構成(すなわち、休止構成)におけるときに、概して形状が楕円形であり得る。外側部分(426)は、互いに円周方向に対向して配設され得るユーザ接触部分(434、436)を含む。ユーザ接触部分(434、436)は、ユーザ(U)によって作動されるように構成されている。示されるように、ユーザ接触部分(434、436)は、それぞれのユーザ接触部分(434、436)の把持を強化するように構成されており、及び/又はユーザが視覚化なしにユーザ接触部分(434、436)を触覚的に位置決めすることを可能にする、隆起突起(438、440)を含む。
【0053】
深度リミッタ(410)は、互いに対向して配設されている付勢特徴部(442、444)を含む。付勢特徴部(442)は、弾性部分(446)と、アーム(430)と、把持部材(448)とを含む。同様に、付勢特徴部(444)は、弾性部分(450)と、アーム(432)と、把持部材(452)とを含む。弾性部分(446、450)は、それぞれのユーザ接触特徴部(434、436)がユーザ(U)によって作動されるときに、
図16Aに示されるように撓むように構成され得る。この柔軟性は、弾性部分(446、450)の相対的な断面厚さが、ユーザ接触部分(434、436)を含む外側部分(426)の相対的な断面厚さよりも小さくなるような、深度リミッタ(410)の幾何学的形状に一部起因し得る。例えば、
図15に示されるように、ユーザ接触部分(434、436)の高さ(H1)は、弾性部分(446、450)の高さ(H2)よりも大きい。同様に、
図16Bに示されるように、ユーザ接触部分(434、436)の厚さ(T1)は、弾性部分(446、450)の厚さ(T2)よりも大きい。
【0054】
把持部材(448)は、把持面(458)と、外面(460)とを含む。把持面(458)は、ユーザ接触部分(434)がユーザ(U)によって作動されるときに固定構成から可動構成へと移動可能であるように、弾性部分(446)と結合されている。同様に、把持部材(452)は、把持面(462)と、外面(464)とを含む。把持面(458、462)は、離散的領域でカニューレ管(416)を受容するようにサイズ決定及び構成されている。把持面(458、462)は、カニューレ(412)のカニューレ管(416)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。把持面(462)は、ユーザ接触部分(434)がユーザ(U)によって作動されたときに固定構成から可動構成へと移動可能であるように、弾性部分(446)と結合されている。把持面(458、462)は、固定構成においてカニューレ管(416)のスロット付き部分(422)と整列するように構成されている、それぞれのスロット付き部分(466、467)を含む。把持部材(448、452)の把持面(458、462)は、密閉及び可動構成の両方において、間隙(468、470)によって互いに離間されている。
【0055】
把持面(458、462)は、平滑又は非平滑であり得る。例えば、非平滑表面は、カニューレ管(416)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。把持面(458、462)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(412)のリブ(420)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(412)のリブ(420)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの係合特徴部を含み得る。
図15に示されるように、把持面(458、462)は、固定構成においてカニューレ(412)のカニューレ管(416)の外面上に配設されたリブ(420)と係止係合し、可動構成においてカニューレ管(416)の外面上に配設されたリブ(420)と係止係合しないように構成された歯(472、474)として示される複数の係合特徴部を含む。代替的に、把持面(458、462)は、固定構成においてカニューレ(412)のカニューレ管(416)のリブ(420)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(412)のリブ(420)と摩擦係合しないように構成されている平滑表面(図示せず)を含み得る。
【0056】
深度リミッタ(410)は、
図16Aに示される可動構成と
図16Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能である。言い換えれば、深度リミッタ(410)は、カニューレ管(416)から深度リミッタ(410)を結合解除するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に、及び深度リミッタ(410)をカニューレ管(416)に結合するために、可動構成から固定構成に選択的に作動され得る。示されるように、第1の有効直径(ED1)は、第2の有効直径(ED2)よりも小さい。
図16Aは、深度リミッタ(410)が、ユーザ(U)によって作動されたときにカニューレ管(416)に対する深度リミッタ(410)の軸方向移動を可能にする可動構成にある、カニューレ管(416)が断面で示されている、
図14の深度リミッタ(410)及びカニューレ管(416)の上面図を示す。
図16Aの可動構成では、把持面(458、462)は、カニューレ(412)のカニューレ管(416)の外径に対する深度リミッタ(410)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(434、436)の作動は、可動構成においてカニューレ(412)を選択的に係合解除するために、それぞれ、アーム(430、432)に、把持面(458、462)を外向きに移動させるように構成されている。
【0057】
示されるように、ユーザ接触部分(434、436)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(434、436)を押し下げてもよい。ユーザ接触部分(434、436)を挟持することによって、把持面(458、462)は、係合解除のために離れて広がる。可動構成では、対向する把持面(458、462)によって画定された仮想直径は、カニューレ管(416)のものよりも大きく、カニューレ管(416)に沿った任意のユーザ指定深度への深度リミッタ(410)の自由移動を可能にする。示されるように、把持面(458)は、ユーザ接触部分(434、436)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、把持面(462)は、ユーザ接触部分(434、436)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている。
【0058】
図16Bは、
図16Aの深度リミッタ(410)及びカニューレ管(416)の上面図を示すが、深度リミッタ(410)は
図14の固定構成にある。ユーザ(U)は、アーム(430、432)が固定構成に戻るように、カニューレ管(124)の外面から
図16Aの把持面(458、462)を解放し得る。把持面(458、462)は、互いに円周方向に対向して配設されており、固定構成においてカニューレ(412)の円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている。固定構成では、把持面(458、462)は、カニューレ(412)に直接接触することによってカニューレ(412)に対する深度リミッタ(410)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。
【0059】
示されるように、アーム(430、432)が固定構成におけるとき、把持面(458、462)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、カニューレ管(416)の外径よりも小さい。固定構成は、休止構成とみなされ得る。示されるように、把持面(458、462)は、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレ(412)のカニューレ管(416)を完全には(又は全周にわたって)取り囲まない。代わりに、把持面(458、462)は、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されており、間隙(468、470)によって分離されている。
図16Bの固定構成では、把持面(458、462)は、離散的領域でカニューレ管(416)の円周の半分未満を把持するように示されているが、これは、変化し得る。
【0060】
深度リミッタ(410)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(410)は、安価な使い捨てモデルのために射出成形され得る。深度リミッタ(410)は、単一部品としてともに一体形成され得る。例えば、深度リミッタ(410)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)から形成され得る。代替的に、深度リミッタ(410)は、再利用可能なモデルであってもよく、また、再利用可能なモデルのために打ち抜き加工、機械加工、及び/又は金属射出成形され得る。
【0061】
D.第4の例示的な深度リミッタ
図17~
図18Bは、カニューレ(120)と結合された第4の例示的な深度リミッタ(510)を示す。外側部分(426)を含む深度リミッタ(410)と同様に、深度リミッタ(510)は、外側部分(526)、並びに外側部分(526)内に配設されている付勢特徴部(530、532)を含む。外側部分(526)は、互いに対向して配設されている、ユーザ接触部分(434、436)と同様の、ユーザ接触部分(534、536)を含む。ユーザ接触部分(534、536)は、ユーザ(U)によって作動されるように構成されている。示されるように、ユーザ接触部分(534、536)は、それぞれのユーザ接触部分(534、536)の把持を強化するように構成されており、及び/又はユーザが視覚化なしにユーザ接触部分(534、536)を触覚的に位置決めすることを可能にする、隆起突起(538、540)を含む。外側部分(526)は、互いに対向し、及びユーザ接触部分(534、536)の間に配設されている薄肉部分(528、529)を含み得る。
【0062】
付勢特徴部(530、532)は、互いに対向して配設されている。付勢特徴部(530)は、弾性部分(546)と、把持特徴部(548)とを含む。同様に、付勢特徴部(532)は、弾性部分(550)と、把持特徴部(552)とを含む。弾性部分(546、550)は、それぞれのユーザ接触特徴部(534、536)がユーザ(U)によって作動されるときに、
図18Aに示されるように外向きに撓むように構成され得る。この柔軟性は、弾性部分(546、550)の相対的な断面厚さが、ユーザ接触部分(534,436)と、薄肉部分(528、529)とを含む外側部分(526)の相対的な断面厚さよりも小さくなるような、深度リミッタ(510)の幾何学的形状に一部起因し得る。例えば、
図17に示されるように、ユーザ接触部分(534、436)の高さ(H1)は、薄肉部分(528、529)の高さ(H2)よりも大きい。薄肉部分(528、5292)は、付勢特徴部(530、532)の外向き撓みの大きさに影響を及ぼすために、把持特徴部(548、552)よりも短くなり得る。
【0063】
把持特徴部(548)は、把持面(558)と、外面(560)とを含む。同様に、把持特徴部(552)は、把持面(562)と、外面(564)とを含む。把持面(558、562)は、ユーザ接触部分(534、536)がユーザ(U)によって作動されたときに固定構成から可動構成へと移動可能であるように、弾性部分(546、550)とに結合され得る。把持面(558、562)は、離散的領域でカニューレ(120)のカニューレ管(124)を受容するようにサイズ決定及び構成され得る。把持面(558、562)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。把持特徴部(548、552)の把持面(558、562)は、固定構成及び可動構成の両方において間隙(568、570)によって互いに離間されている。
【0064】
把持面(558、562)は、平滑又は非平滑であり得る。例えば、非平滑表面は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。把持面(558、562)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの係合特徴部を含み得る。
図18A~
図18Bに示されるように、把持面(558、562)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)の外面上に配設されたリブ(128)と係止係合し、可動構成においてカニューレ管(124)の外面上に配設されたリブ(128)と係止係合しないように構成された、歯(574、576)として示される複数の係合特徴部を含む。代替的に、図示されていないが、把持面(558、562)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)のリブ(128)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合しないように構成されている平滑表面(図示せず)を含み得る。
【0065】
深度リミッタ(510)は、
図18Aに示される可動構成と
図18Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能である。言い換えれば、深度リミッタ(510)は、深度リミッタ(510)をカニューレ管(124)と結合するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。深度リミッタ(510)は、深度リミッタ(510)をカニューレ管(124)に結合解除するために、固定構成から可動構成に選択的に作動され得る。示されるように、第1の有効直径(ED1)は、第2の有効直径(ED2)よりも小さい。
図18Aは、深度リミッタ(510)が、ユーザ(U)によって作動されたときにカニューレ管(124)に対する深度リミッタ(510)の軸方向移動を可能にする可動構成にある、カニューレ管(124)が断面で示されている、深度リミッタ(510)及び
図5のカニューレ管(124)の上面図を示す。
図18Aの可動構成では、把持面(558、562)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(510)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。
図18Bに示されるように、外側部分(526)は、静止構成ともみなされる固定構成におけるときに、概して形状が楕円形であり得る。
【0066】
示されるように、ユーザ接触部分(534、536)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(534、536)を押し下げてもよい。ユーザ接触部分(534、536)を挟持することによって、把持面(558、562)は、係合解除のために離れて広がり得る。可動構成では、対向する把持面(558、562)によって画定された仮想直径は、カニューレ管(124)のものよりも大きく、カニューレ管(124)に沿った任意のユーザ指定深度への深度リミッタ(510)の自由移動を可能にする。示されるように、把持面(558)は、ユーザ接触部分(534、536)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、把持面(562)は、ユーザ接触部分(534、536)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている。
【0067】
図18Bは、
図18Aの深度リミッタ(510)及びカニューレ管(124)の上面図を示すが、深度リミッタ(510)は、
図14の固定構成にある。
図18Bに示されるように、外側部分(526)は、静止構成ともみなされる固定構成におけるときに、概して形状が円形である。ユーザ(U)は、付勢特徴部(530、532)が固定構成に戻るように、カニューレ管(124)の外面から
図18Aの把持面(558、562)を解放し得る。把持面(558、562)は、互いに円周方向に対向して配設されており、固定構成においてカニューレ(120)の円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている。固定構成では、把持面(558、562)は、カニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(510)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。付勢特徴部(530、532)が固定構成にあるごき、把持面(558、562)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、外径カニューレ管(124)よりも小さい。示されるように、把持面(558、562)は、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレ(120)のカニューレ管(124)を完全には(又は全周にわたって)取り囲まない。代わりに、把持面(558、562)は、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されており、間隙(568、570)によって分離されている。
図18Bの固定構成では、把持面(558、562)は、カニューレ管(124)の円周の半分未満を集合的に把持するように示されているが、これは、変化し得る。
【0068】
深度リミッタ(510)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(510)は、安価な使い捨てモデルのために射出成形され得る。深度リミッタ(510)は、単一部品としてともに一体形成され得る。例えば、深度リミッタ(510)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)から形成され得る。代替的に、深度リミッタ(510)は、再利用可能なモデルのために、金属射出成形され得る。
【0069】
E.第5の例示的な深度リミッタ
図19~
図22Bは、例示的なカニューレ(612)と結合された第5の例示的な深度リミッタ(610)を示す。特に、
図19は、カニューレ(612)に対する深度リミッタ(610)の軸方向移動を制限する固定構成における深度リミッタ(610)の斜視図を示す。カニューレ(120)と同様に、カニューレ(612)は、その近位端にベル形状のハブ(614)と、ハブ(414)から遠位に延在し、角度付きカニューレ先端(618)で終端する細長いカニューレ管(616)とを含む。カニューレ管(616)の外面は、カニューレ管(616)の中間部分に沿って軸方向に配置されたリブ(620)の形態の複数の組織把持特徴部を含む。
【0070】
図20は、
図19の深度リミッタ(610)の斜視図を示し、
図21は、
図20の深度リミッタ(610)の側面立面図を示す。深度リミッタ(610)は、ユーザ接触部分(622、624)と、付勢特徴部(626、628)とを含む。ユーザ接触部分(622、624)は、互いに対向して配設され得、ユーザ(U)によって作動されるように構成されている。示されるように、ユーザ接触部分(622、624)は、ボタン(630、632)を含む。ボタン(630、632)は、それぞれのユーザ接触部分(622、624)の把持を強化するように構成されており、及び/又はユーザ(U)が視覚化なしにユーザ接触部分(622、624)を位置特定することを可能にする把持特徴部を含み得る。
【0071】
付勢特徴部(626、628)は、互いに対向して配設され得る。付勢特徴部(626)は、弾性部分(薄肉部分(638)として示される)と、肉厚部分(640)とを含む。薄肉部分(638)は、接続部分(642)を使用してユーザ接触部分(622)と結合される。同様に、付勢特徴部(628)は、弾性部分(薄肉部分(644)として示される)と、肉厚部分(646)とを含む。薄肉部分(644)は、接続部分(648)を使用してユーザ接触部分(624)と結合される。肉厚部分(640)は、把持特徴部(650)を含む。同様に、肉厚部分(646)は、把持特徴部(652)を含む。把持特徴部(650、652)は、それぞれのユーザ接触特徴部(622、624)がユーザ(U)によって作動されるときに、
図22Aに示されるように外向きに撓むように構成されている。この柔軟性は、薄肉部分(638、644)の相対的な断面厚さが、肉厚部分(640、646)の相対的な断面厚さよりも小さくなるような、深度リミッタ(610)の幾何学的形状に一部起因し得る。
図22Bに示されるように、肉厚部分(640、646)の厚さ(T1)は、薄肉部分(638、644)の厚さ(T2)よりも大きい。
【0072】
把持特徴部(650)は、ユーザ接触部分(622)がユーザ(U)によって作動されるときに固定構成から可動構成へと移動可能であるように薄肉部分(638)と結合されている把持面(654)を含む。同様に、把持特徴部(652)は、ユーザ接触部分(622)がユーザ(U)によって作動されるときに固定構成から可動構成へと移動可能であるように薄肉部分(644)と結合されている把持面(656)を含む。把持面(654、656)は、離散的領域でカニューレ管(616)を受容するようにサイズ決定及び構成されている。把持特徴部(650、652)の把持面(654、656)は、固定構成及び可動構成の両方において、間隙(658、660)によって互いに離間されている。把持面(654、656)は、カニューレ(612)のカニューレ管(616)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。
【0073】
把持面(654、656)は、平滑又は非平滑であり得る。例えば、非平滑表面は、カニューレ管(616)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。把持面(654、656)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(612)のリブ(620)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(612)のリブ(620)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの係合特徴部を含み得る。
図22A~
図22Bに示されるように、把持面(654、656)は各々、固定構成においてカニューレ(612)のカニューレ管(616)の外面上に配設されたリブ(620)と係止係合し、可動構成においてカニューレ管(616)の外面上に配設されたリブ(620)と係止係合しないように構成された、歯(670、672)として示される複数の係合特徴部を含む。3つの個々の歯(670、672)が、示されており、カニューレ(612)のスカラップの形状を模倣して配置されている。代替的に、図示されていないが、把持面(654、656)は、固定構成においてカニューレ(612)のカニューレ管(616)のリブ(620)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(612)のリブ(620)と摩擦係合しないように構成されている平滑表面(図示せず)を含み得る。
【0074】
深度リミッタ(610)は、
図22Aに示される可動構成と
図22Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能であり得る。言い換えれば、深度リミッタ(610)は、深度リミッタ(610)をカニューレ管(616)と結合するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。追加的に、深度リミッタ(610)は、カニューレ管(616)から深度リミッタ(610)を結合解除するために、ユーザ(U)によって固定構成から可動構成に移動可能である。特に、
図22Aは、深度リミッタ(610)が、ユーザ(U)によって作動されたときにカニューレ管(616)に対する深度リミッタ(610)の軸方向移動を可能にする可動構成にある、カニューレ管(616)が断面で示されている、深度リミッタ(610)及び
図5のカニューレ管(124)の上面図を示す。
【0075】
図22Aの可動構成では、把持面(654、656)は、カニューレ(612)のカニューレ管(616)の外径に対する深度リミッタ(610)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(622、624)の作動は、可動構成においてカニューレ(612)を選択的に係合解除するために、それぞれ、付勢特徴部(626、628)に、把持面(654、656)を外向きに移動させるように構成されている。
図22A~
図22Bに示されるように、第1の有効直径(ED1)は、第2の有効直径(ED2)よりも小さい。示されるように、ユーザ接触部分(622、624)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(622、624)を押し下げてもよい。可動構成では、対向する把持面(654、656)によって画定された仮想直径は、カニューレ管(616)のものよりも大きく、カニューレ管(616)に沿った任意のユーザ指定深度への深度リミッタ(610)の自由移動を可能にする。言い換えれば、薄肉部分(638、644)の厚さは、ユーザ接触特徴部(622、624)を挟持することによって引き起こされる二軸応力のために、有効直径を第1の有効直径(ED1)から第2の有効直径(ED2)まで拡張させる。示されるように、把持面(654)は、ユーザ接触部分(622、624)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、把持面(656)は、ユーザ接触部分(622、624)からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている。
【0076】
第1の軸に沿ってユーザ接触部分(622、624)を押すことは、把持特徴部(650、652)が垂直な第2の軸に沿って拡張することを引き起こす(効果が垂直方向における状態で一方向に押す)。ユーザ挟持力は、垂直面を内側に偏向させ、把持面(654、656)を外向きに、ラッチ解除するまで移動させる。深度リミッタ(610)は、他の方向に挟持され、又は引っ張られたときに、垂直方向に所望の撓みを誘発するために、二軸湾曲形状を有する。より近位の端部で、これらの特徴部に垂直なものは、薄肉部分(638、644)(すなわち、スロット、楕円形、又は他の湾曲形状は、ここでは内面からより多くの材料を除去する)である。この薄化は、ユーザがボタン(630、632)から挟持したときにその部品に引き起こされる応力が、把持特徴部(650、652)をカニューレから離れるように上方に回転させるような(例えば、ガルウイング運動で)柔軟性を生じさせる。薄肉部分(638、644)の寸法は、高いクランプ力に対するより容易な作動力を可能にし、及び/又は異なる材料特性を考慮するように操作され得る。
【0077】
図22Bは、
図22Aの深度リミッタ(610)及びカニューレ管(616)の上面図を示すが、深度リミッタ(610)は、カニューレ管(616)に対する深度リミッタ(610)の軸方向移動を制限する固定構成にある。固定構成では、把持面(654、656)は、カニューレ(612)に直接接触することによってカニューレ(612)に対する深度リミッタ(610)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。ユーザ(U)は、付勢特徴部(626、628)が固定構成に戻るように、カニューレ管(616)の外面から
図22Aの把持面(654、656)を解放し得る。把持面(654、656)は、互いに円周方向に対向して配設され得、固定構成においてカニューレ(612)の円周方向に対向する側面に直接接触するように構成され得る。
【0078】
付勢特徴部(626、628)が固定構成にあるとき、把持面(654、656)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、外径カニューレ管(616)よりも小さい。固定構成は、休止構成とみなされ得る。示されるように、把持面(654、656)は、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレ(612)のカニューレ管(616)を完全には(又は全周にわたって)取り囲まない。代わりに、把持面(654、656)は、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されており、間隙(658、660)によって分離され得る。
図18Bの固定構成では、把持面(654、656)は、カニューレ管(616)の円周の半分未満を集合的に把持するように示されているが、これは、変化し得る。示されるように、深度リミッタ(610)は、固定構成(すなわち、休止構成)におけるときに、概して形状が円形である。
【0079】
深度リミッタ(610)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(610)は、安価な使い捨てモデルのために射出成形され得る。深度リミッタ(610)は、単一部品としてともに一体形成され得る。例えば、深度リミッタ(610)は、非常に低い製品コスト、及び比較的低いユーザ作動脱カランプ力に対する比較的高いクランプ力を可能にするであろう、単一の射出成形構成要素であり得る。例えば、深度リミッタ(610)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)から形成され得る。代替的に、深度リミッタ(610)は、再利用可能なモデルのために、金属射出成形され得る。追加的に、いくつかの変形例では、深度リミッタ(610)は、より効果的な打ち抜き加工、機械加工、及び溶接プロセスのために修正され得る。
【0080】
F.第6の例示的な深度リミッタ
図23~
図25Bは、第6の例示的な深度リミッタ(710)を示す。特に、
図23は、深度リミッタ(710)の斜視図を示し、
図24は、
図23の深度リミッタ(710)の上面図を示す。示されるように、深度リミッタ(710)は、ハウジング(712)と、ユーザ接触部分(714、716)と、付勢特徴部(718、720)とを含む。ハウジング(712)は、円筒部分(722)と、カニューレ(120)のカニューレ管(124)を受容するように構成された、そこを通って延在する開口部(726)を有する円錐台部分(724)とを含み得る。いくつかの変形例では、円錐台部分(724)は、深度リミッタ(710)の全体の高さがより短く、よりコンパクトであり得るように、より短くてもよい。示されるように、円筒部分(722)は、半径方向内側に突出する突起(728、730)を含む。ボタンの形態であり得るユーザ接触部分(714、716)は、互いに対向して配設され得、ユーザ(U)によって作動されるように構成され得る。ユーザ接触部分(714、716)は、概して円形であるように示されている外面(731、733)を含む。図示されていないが、外面(731、733)は、それぞれのユーザ接触部分(714、716)の把持を強化するように構成されており、及び/又はユーザ(U)が視覚化なしにユーザ接触部分(714、716)を位置特定することを可能にする把持特徴部を含み得る。
【0081】
付勢特徴部(718、720)は、互いに対向して配設され得、対向するばね保持レバーとして作用し得る。示されるように、付勢特徴部(718)は、弾性部分(
図25A~
図25Bにおいてばね(732)として示される)と、付勢アーム(734)とを含む。ばね(732)は、ピン(735)の周りに巻かれており、付勢アーム(734)を付勢するために突起(728)によって受容されている。付勢アーム(734)は、カニューレ管(124)を受容するように構成された把持面(738)を含む把持部材(736)を含む。同様に、付勢特徴部(720)は、弾性部分(
図25A~
図25Bにおいてばね(740)として示される)と、付勢アーム(742)とを含む。ばね(740)は、ピン(741)の周りに巻かれており、付勢アーム(742)を付勢するために突起(730)によって受容されている。付勢アーム(742)は、カニューレ管(124)の別の部分を受容するように構成された把持面(746)を含む把持部材(744)を含む。
図24において、ハウジング(712)は、付勢特徴部(718、720)の付勢アーム(734、742)を露出させるために仮想線で示されている。
【0082】
把持面(738、746)は、離散的領域でカニューレ管(124)を受容するようにサイズ決定及び構成されている。把持面(738、746)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。把持部材(736、744)の把持面(738、746)は、固定構成及び可動構成の両方において、間隙(748、750)によって互いに離間されている。把持面(738、746)は、カニューレ(120)と干渉し、クランプ圧力を提供する、円筒クランプ面として示されている。把持面(738、746)は、平滑又は非平滑であり得る。示されるように、把持面(738、746)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)のリブ(128)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合しないように構成されている、平滑弓形表面を含み得る。代替的に、図示されていないが、非平滑表面は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。例えば、把持面(738、746)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの係合特徴部(例えば、歯)を含み得る。
【0083】
深度リミッタ(710)は、
図25Aに示される可動構成と
図25Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能である。言い換えれば、深度リミッタ(710)は、深度リミッタ(710)をカニューレ管(124)から結合解除するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。追加的に、深度リミッタ(710)は、深度リミッタ(710)をカニューレ管(124)に結合するために、ユーザ(U)によって可動構成から固定構成に移動可能である。特に、
図25Aは、深度リミッタ(710)が、ユーザ(U)によって作動されたときにカニューレ管(124)に対する深度リミッタ(710)の軸方向移動を可能にする可動構成にある、
図5のカニューレ管(124)と結合された
図23の深度リミッタ(710)の側面部分断面図を示す。
【0084】
図25Aの可動構成では、把持面(738、746)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(710)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(714、716)の作動は、可動構成においてカニューレ(120)を選択的に係合解除するために、それぞれ、付勢特徴部(718、720)に、把持面(738、746)を半径方向外向きに移動させるように構成されている。
図25A~
図25Bに示されるように、第1の有効直径(ED1)は、第2の有効直径(ED2)よりも小さい。示されるように、ユーザ接触部分(714、716)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(714、716)を押し下げてもよい。
【0085】
図25Aに示されるように、付勢アーム(734、742)は、把持部材(736、744)を使用してカニューレ(120)上にクランプするように、ハウジング(712)内に枢動可能に装着されている。付勢アーム(734、742)は、ばね(732、740)によって受動的に係合されてクランプし、ユーザは、レバー(付勢アーム(734、742)として示される)を傾斜させるユーザ接触部分(714、716)を押すことによって、付勢アーム(734、742)をクランプ解除する。この締まりは、付勢アーム(734、742)を押して固定構成にするばね(732、740)の力によって受動的に付勢され、それによってカニューレ管(124)の外面上にクランプする。ユーザは、ユーザ接触部分(714、716)を押すことによって付勢アーム(734、742)をクランプ解除し、したがって、付勢アーム(734、742)を回転させ、ばね(732、740)を押し当て、深度リミッタ(710)が再位置付けられることを可能にする。ばね(732、740)は、付勢アーム(734、742)を固定構成に向かって受動的に押すためのねじりばね及び/又は軸ばねであり得る。
【0086】
図25Bは、
図25Aの深度リミッタ(710)及びカニューレ管(124)の側面部分断面平面図を示すが、深度リミッタ(710)は、カニューレ管(124)に対する深度リミッタ(710)の軸方向移動を制限する固定構成にある。固定構成では、把持面(738、746)は、カニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(710)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。付勢特徴部(718、720)が固定構成にあるとき、把持面(738、746)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、外径カニューレ管(124)よりも小さい。固定構成は、休止構成である。把持面(738、746)は、互いに円周方向に対向して配設されており、固定構成においてカニューレ(120)の円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている。示されるように、把持面(738、746)は、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレ(120)のカニューレ管(124)を完全には(又は全周にわたって)取り囲まない。代わりに、把持面(738、746)は、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されており、間隙(748、750)によって分離されている。
【0087】
深度リミッタ(710)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(710)は、安価な使い捨てモデルのために射出成形され得る。例えば、深度リミッタ(710)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)から形成され得る。代替的に、深度リミッタ(710)は、再利用可能なモデルのために、金属射出成形され得る。追加的に、いくつかの変形例では、深度リミッタ(710)は、より効果的な打ち抜き加工、機械加工、及び溶接プロセスのために修正され得る。いくつかの変形例では、深度リミッタ(710)は、完全に金属で形成され得る。
【0088】
G.第7の例示的な深度リミッタ
図26~
図28は、第7の例示的な深度リミッタ(810)を示す。特に、
図26は、深度リミッタ(810)の斜視図を示し、
図28は、
図26の深度リミッタ(810)の分解図を示す。示されるように、深度リミッタ(810)は、ハウジング(812)と、ユーザ接触部分(814、816)と、付勢特徴部(818、820)とを含む。ハウジング(812)は、円筒頂部(822)と、側部開口部(826)を含む円錐台部分(824)とを含み得る。いくつかの変形例では、円錐台部分(824)は、深度リミッタ(810)の全体の高さがより短く、よりコンパクトであるように、より短くてもよい。示されるように、円筒頂部(822)は、開口部(828)を含み、円錐台部分(824)は、開口部(830)を含む。開口部(828、830)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)をそこを通って受容するように構成されている。示されるように、付勢特徴部(818、820)は、集合的にねじりばねを形成する。付勢特徴部(818、820)は、付勢特徴部(818、820)間に組織を挟むのを防止し、
図3A~
図3Dに示される腹壁(2)に対する当接面として作用するために、ハウジング(812)内に収納されている。
【0089】
ユーザ接触部分(814、816)は、概して、互いに隣接して(例えば、カニューレ管(124)の同じ側に)配設され得、ユーザ(U)によって作動されるように構成されている。例えば、ユーザ接触部分(814、816)は、端部のオーバーモールド、及び/又は任意の他の人間工学的に好適な末端処理を含み得る。示されるように、ユーザ接触部分(814、816)は、深度リミッタ(810)の同じ側に配設されており、互いに直接対向して配設されていない。ユーザ接触部分(814、816)は、概して矩形であるように示されている外面(832、834)を含む。図示されていないが、外面(832、834)は、それぞれのユーザ接触部分(814、816)の把持を強化するように及び/又はユーザが視覚化なしにユーザ接触部分(814、816)を位置特定することを可能にするように構成された、把持特徴部を含み得る。
【0090】
付勢特徴部(818)は、弾性部分(コイル部分(836)として示される)を含む。同様に、付勢特徴部(820)は、弾性部分(コイル部分(838)として示される)を含む。コイル部分(836、838)は、それぞれ、把持面(840、842)を含む。把持面(840、842)は、カニューレ管(124)を受容するようにサイズ決定及び構成されている。把持面(840、842)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。コイル部分(836、838)の把持面(840、842)は、固定構成及び可動構成の両方において、カニューレ管(124)を完全に取り囲む。把持面(840、842)は、平滑又は非平滑であり得る。示されるように、把持面(840、842)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)のリブ(128)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合しないように構成されている、平滑弓形表面を含み得る。代替的に、図示されていないが、非平滑表面は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。例えば、把持面(840、842)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの係合特徴部(例えば、歯)を含み得る。把持面(840、842)は、保持力を増加させるために、カニューレ(120)上の外面の上へ寄り添い得る。
【0091】
深度リミッタ(810)は、
図27Aに示される可動構成と
図27Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能である。言い換えれば、深度リミッタ(810)は、深度リミッタ(810)をカニューレ管(124)から結合するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。追加的に、深度リミッタ(810)は、カニューレ管(124)から深度リミッタ(810)を結合解除するために、ユーザ(U)によって固定構成から可動構成に移動可能である。特に、
図27Aは、深度リミッタ(810)の上部ハウジング(円筒頂部(822)として示されている)が可動構成における深度リミッタ(810)を示すために取り外されている、断面で示された
図6のカニューレ管(124)と結合された
図26の深度リミッタ(810)の上面図である。
【0092】
図27Aの可動構成では、把持面(840、842)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(810)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(814、816)の作動は、可動構成においてカニューレ(120)を選択的に係合解除するために、それぞれ、付勢特徴部(818、820)に、把持面(840、842)を半径方向外向きに拡張させるように構成されている。示されるように、ユーザ接触部分(814、816)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(814、816)を押し下げてもよい。ユーザ(U)は、ユーザ接触部分(814、816)の外面(832、834)をともに挟持することによって、把持面(840、842)の内径を増加させ得る。付勢特徴部(818、820)は、ばね力を介してカニューレ(120)に受動的に係合され、付勢特徴部(818、820)を開放する、その終端に取り付けられた2つのハンドル(814、816)をともに圧搾することによって、カニューレ(120)から係合解除される。ねじりばねを集合的に形成する付勢特徴部(818、820)は、固定構成においてカニューレ(120)との締まり嵌め/圧縮嵌めを提供するようにサイズ決定及び構成されている。
【0093】
図27Bは、
図27Aの深度リミッタ(810)及びカニューレ管(124)の上面図を示すが、深度リミッタ(810)は、カニューレ管(124)に対する深度リミッタ(810)の軸方向移動を制限する固定構成にある。固定構成では、把持面(840、842)は、カニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(810)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。付勢特徴部(818、820)が固定構成にあるとき、把持面(840、842)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、外径カニューレ管(124)よりも小さい。固定構成は、休止構成である。
【0094】
深度リミッタ(810)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(810)は、安価な使い捨てモデルのために射出成形され得る。例えば、深度リミッタ(810)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)から形成され得る。代替的に、深度リミッタ(810)は、再利用可能なモデルのために金属射出成形され得る。追加的に、いくつかの変形例では、深度リミッタ(810)は、より効果的な打ち抜き加工、機械加工、及び溶接プロセスのために修正され得る。いくつかの変形例では、深度リミッタ(810)は、完全に金属で形成され得る。深度リミッタ(810)は、ねじりばねの選択に応じて高いクランプ力を提供し得る。追加的に、示されるように、深度リミッタ(810)は、ユーザ接触部分(814、816)を使用する単純な挟持・解放制御部を含む。
【0095】
H.第8の例示的な深度リミッタ
図29~
図31Bは、第8の例示的な深度リミッタ(910)を示す。特に、
図29は、外科用アクセスデバイスの深度リミッタ(910)の斜視図を示し、
図30は、
図29の深度リミッタ(910)、及びカニューレ(912)の部分上面断面図を示す。
図30に示されるように、カニューレ(912)は、深度リミッタ(910)と選択的に結合されるように構成された第1の直径(D1)を有するカニューレ管(914)を含む。
【0096】
深度リミッタ(910)は、ハウジング(916)と、付勢特徴部(918)と、摺動可能部材(920)とを含み得る。ハウジング(916)は、対向する上部及び下部ハウジング部分(922、924)を含み得る。上部及び下部ハウジング部分(922、924)は、摺動可能部材(920)を受容するように構成されたスロット(926)を形成し得る。上部ハウジング部分(922)は、スロット(926)と連通する開口部(928)を含む。示すように、開口部(928)は、スロット(926)に開孔し、カニューレ管(124)を受容するようにサイズ決定及び構成され得る。同様に、下部ハウジング部分(924)は、上部及び下部ハウジング部分(922、924)がそこを通って集合的にカニューレ管(124)を受容し得るように、スロット(926)に開孔する開口部又は空隙(図示せず)を含み得る。開口部(928)は、ハウジング(916)の長さを横切る長手方向軸に沿って延在し得る。
図30に示されるように、ハウジング(916)は、付勢特徴部(918)、スロット(926)、及び摺動可能部材(920)を露出させるために部分的に取り外されている。付勢特徴部(918)は、単一のコイルばねとして示されているが、必要に応じて、複数の付勢特徴部(918)の使用を含む、様々な適切な付勢特徴部が想定される。
図30及び
図31Aに示されるように、付勢特徴部(918)は、上部及び下部ハウジング部分(922、924)によって集合的に形成されたスロット(926)内に少なくとも部分的に配設されている。例えば、付勢特徴部(918)は、凹部(942)内に少なくとも部分的に収納され得る。
【0097】
摺動可能部材(920)は、少なくとも部分的にスロット(926)内に配設され得る。摺動可能部材(920)は、そこを通って延在する開口部(932)を含む。摺動可能部材(920)は、固定構成と可動構成との間で付勢特徴部(918)と移動可能に結合され得る。固定構成では、上部ハウジング部分(922)の開口部(928)及び摺動可能部材(920)の開口部(932)は、カニューレ(912)に対する深度リミッタ(910)の軸方向移動を制限するために、少なくとも部分的に整列されている。示されるように、摺動可能部材(920)の開口部(932)は、把持面(934)を含み得る。把持面(934)は、密閉及び可動構成において異なる直径(D1、D2)を有するカニューレ(120、912)を収容するように構成されている先細の長円形形状を有するものとして示されている。摺動可能部材(920)の開口部(932)の先細の長円形内部形状は、先細の長円形形状が、付勢特徴部(918)(例えば、ばね)を把持面(934)に接近させて接触させて異なるサイズのカニューレ管(124、914)を収容することを可能にするように、様々なサイズのカニューレ(120、912)とともに使用することを可能にする。言い換えれば、深度リミッタ(910)は、ユーザ(U)によって圧搾された状態で、より小さい直径を有するカニューレ(120)及びより大きい直径を有するカニューレ(912)と結合し得る。ユーザ(U)からの圧搾はまた、深度リミッタ(910)からカニューレ(120、912)を解放することができるので、迅速な調整又は取り外しが可能となる。上述されたように、深度リミッタ(910)はまた、カニューレ(20)のカニューレ管(22)、カニューレ(412)のカニューレ管(416)、又は様々な外径を有する他の適切なカニューレとともに使用され得る。
【0098】
示されるように、摺動可能部材(920)の終端は、ユーザ接触部分(936)を含む。スロット(926)の反対側のハウジング(916)の側面は、ユーザ接触部分(938)として機能する。このように、ユーザ接触部分(936、938)は、概して、互いに対向して配設されており、ユーザ(U)によって作動されるように構成されている。ユーザ接触部分(936、938)の一方又は両方は、それぞれのユーザ接触部分(936、938)の把持を強化するように及び/又はユーザが視覚化なしにユーザ接触部分(936、938)を位置特定することを可能にするように構成された把持特徴部を含み得る。
【0099】
上部ハウジング部分(922)の開口部(928)の少なくとも一部分は、把持面(940)を形成する。把持面(934、940)は、離散的領域でカニューレ(912)に対する深度リミッタ(910)の軸方向移動を制限するように構成されている。把持面(934、940)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。示されるように、把持面(934、940)は、固定構成においてカニューレ(120)のカニューレ管(124)のリブ(図示せず)と摩擦係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合しないように構成されている、平滑弓形表面であり得る。代替的に、図示されていないが、非平滑表面は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る。例えば、把持面(934、940)のうちの少なくとも1つは、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と係止係合しないように構成された少なくとも1つの係合特徴部(例えば、歯)を含み得る。把持面(934、940)は、保持力を増加させるために、カニューレ(120)上の外面の上へ寄り添い得る。把持面(934、940)は、中央外科用アクセスデバイス軸(A)に沿って延在するように構成されている中央開口部を形成する。
【0100】
深度リミッタ(910)は、
図31Aに示される可動構成と
図31Bに示される固定構成との間でユーザ(U)によって移動可能であり得る。言い換えれば、深度リミッタ(910)は、深度リミッタ(910)をカニューレ管(124)から結合解除するために、第1の有効直径(ED1)を有する固定構成から第2の有効直径(ED2)を有する可動構成に選択的に作動され得る。追加的に、深度リミッタ(910)は、深度リミッタ(910)をカニューレ管(124)に結合するために、ユーザ(U)によって可動構成から固定構成に移動可能であり得る。特に、
図31Aは、深度リミッタ(910)が可動構成にある場合の、断面で示される第2の直径(D2)を有するカニューレ管(124)と結合された
図29の深度リミッタ(910)の部分上面断面図を示す。
【0101】
可動構成では、上部ハウジング部分(922)の開口部(930)及び摺動可能部材(920)の開口部(932)は、カニューレ(912)に対する深度リミッタ(910)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、
図31Aの可動構成では、把持面(934、940)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(910)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。言い換えれば、ユーザ接触部分(936、938)の作動は、可動構成においてカニューレ(120)を選択的に係合解除するために、それぞれ、付勢特徴部(918、820)に、把持面(934、940)を半径方向外向きに付勢させるように構成されている。示されるように、ユーザ接触部分(936、938)は、親指及び人差し指を使用してユーザ(U)によって作動されるように構成されている。しかしながら、ユーザ(U)は、他の方法で(例えば、1つ又は2つ以上の指及び手のひらを使用して)ユーザ接触部分(936、938)を押し下げてもよい。
【0102】
図31Bは、カニューレ管(124)が断面で示されている
図31Aの深度リミッタ(910)及びカニューレ管(124)の上面図を示すが、深度リミッタ(910)は
図30と同様の固定構成ある。固定構成では、把持面(934、940)は、カニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(910)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。付勢特徴部(918)が固定構成にあるとき、把持面(934、940)によって画定された第1の有効直径(ED1)は、カニューレ管(124)の外径よりも小さい。固定構成は、休止構成とみなされ得る。
【0103】
深度リミッタ(910)は、再利用可能又は使い捨てであり得る。例えば、深度リミッタ(910)は、安価な使い捨てモデルのために射出成形され得る。例えば、深度リミッタ(910)は、ポリマー材料(例えば、プラスチック)から形成され得る。代替的に、深度リミッタ(910)は、再利用可能なモデルのために金属射出成形され得る。深度リミッタ(910)は、蒸気が深度リミッタ(910)に入り得るか、又は深度リミッタ(910)を完全に封止することによって、オートクレーブを使用して滅菌され得る。追加的に、いくつかの変形例では、深度リミッタ(910)は、より効果的な打ち抜き加工、機械加工、及び溶接プロセスのために修正され得る。いくつかの変形例では、深度リミッタ(910)は、完全に金属で形成され得る。深度リミッタ(910)は、付勢特徴部(918)、及び摺動可能部材(920)、上部ハウジング部分(922)、及び下部ハウジング部分(924)として示される4つの構成要素から作製され得る。
【0104】
I.第9の例示的な深度リミッタ
図32は、第9の例示的な深度リミッタ(1010)の斜視図を示す。深度リミッタ(1010)は、ハブ(1012)と、複数の脚(1014)とを含む。深度リミッタ(1010)は、上述された深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910)と組み合わせて使用され得る。ハブ(1012)は、概して正方形形状であるように示されているが、ハブ(1012)の他の形状も、想定されている。
図32~
図33Bは、
図1の外套針(10)のカニューレ管(22)を参照して深度リミッタ(1010)を記載するが、カニューレ(120、412、612)のカニューレ管(124、416、616)も、使用され得る。示されるように、ハブ(1012)は、そこを通って完全に延在する開口部(1016)を含む。開口部(1016)は、把持面(1018)を含み得る。把持面(1018)は、カニューレ(20)のカニューレ管(22)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。把持面(1018)は、平滑又は非平滑であり得る。
図32に示されるように、把持面(1018)は、リブ(26)などのカニューレ(20)の一部分と摩擦係合し得る平滑表面を含む。代替的に、把持面(1018)は、カニューレ管(22)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る非平滑表面を含み得る。言い換えれば、深度リミッタ(1010)は、嵌合スレッド(ナットのような)でカニューレ(20)に固定されるか、又は適切な量の締まり嵌めでスカラップ状のカニューレに固定され得る。深度リミッタ(1010)のそのようなスレッドは、螺旋状又は非螺旋状(例えば、スカラップ状)であり得る。例えば、把持面(1018)は、カニューレ(20)のリブ(26)のうちの少なくとも1つと係止係合するように構成された少なくとも1つの歯を含み得る。
【0105】
脚(1014)は、ハブ(1012)から半径方向に離れて移動する概して一定の断面積を有し得るが、脚(1014)は、不均一な断面を有してもよい。例えば、脚(1014)の1つ又は2つ以上の端部は、下向きの力を分配するためにカップ状部分(1020)を含み得る。示されるように、脚(1014)は、ほぼ90度だけ分離されている。より多くの又はより少ない脚(1014)も、想定されている。
【0106】
深度リミッタ(1010)は、外套針(10)に、抗先端抵抗のための追加の安定性を提供し得る。深度リミッタ(1010)は、脚(1014)を使用して突然の傾斜を制限するように構成され得、それによってカニューレ(20)を安定化する。深度リミッタ(1010)は、身体への偶発的な過度な挿入を防止するように構成されており、一方、外套針(10、110)を安定化させるために外套針(10)の軸外傾斜の変位及び/又は速度も制限している。この安定化は、各脚(1014)の機械的ばね効果を使用して達成され得る。脚(1014)は、脚(1014)が外向きに撓むことを可能にする減少した質量を有し得、外套針(10)が傾斜しようとする各方向において可変量のばね抵抗を引き起こす。例えば、脚(1014)は、減少した質量部分(例えば、一体丁番(living hinge)部分)を有し得、及び/又は脚(1014)の固有のばね力に依存し得る。脚(1014)は、カニューレ(20)の転倒を防止するか、又は少なくとも速度を落とすために、患者の体壁に接触し得る。
【0107】
図33A~
図33Bは、深度リミッタ(1010)を示すが、
図33A~
図33Bの教示はまた、以下で詳細に記載される深度リミッタ(1110、1210)に適用され得る。
図33Aは、深度リミッタ(1010)の脚(1014)が、外套針(10)の遠位端が腹腔(1)内に受容されるときの非展開構成における、
図1の外套針(10)のカニューレアセンブリ(12)のカニューレ管(22)と結合された
図32の深度リミッタ(1010)の部分側面断面図を示す。
図33Aの非展開構成(例えば、休止構成)では、脚(1014)は、下向きに湾曲され得る。深度リミッタ(1010)が腹壁(2)に押し当てられるにつれて、脚(1014)は、より平坦になるように曲がり、腹壁(2)及びカニューレ(20)に対して反応ばね力を提供する。脚(1014)がより平坦になるように曲がる程度は、ユーザによって制御され得る。例えば、追加の力(例えば、ユーザによる下向きの手の圧力)は、深度リミッタ(1010)が腹壁(2)に隣接して配設されるまで、脚(1014)をより平坦になるように曲げさせ得る。脚(1014)の平坦性が増加するにつれて、カニューレ(20)に対する反応力の量もまた増加し得、これにより、係止力が増加する。例えば、ユーザが部分的に(しかし、完全ではない)展開構成に深度リミッタ(1010)を押し下げたときに、脚(1014)は、ある程度の展開を有し得る。追加的に、次いで、ユーザが軸外過重を適用する場合、脚(1014)のうちの1つ又は2つ以上は、他の脚(1014)よりも更に押し下げられ得るが、軸外荷重の取り外し時に、脚(1014)は、均一化され、制御された方法で中心のホーム位置に戻る。
【0108】
図33Bは、深度リミッタ(1010)の脚(1014)が、カニューレ管(22)の遠位端が腹腔(1)内に受容された展開構成にある、閉塞具(16)の脱離及び取り外しに続いて
図1のカニューレアセンブリ(12)のカニューレ管(22)と結合された
図32の深度リミッタ(1010)の部分側面断面図を示す。展開構成では、脚(1014)は、外套針(10)が達成し得る回転変位/傾斜の量を低減し得、また、外套針(10)がその傾斜を達成し得る速度を低減し得る(すなわち、体内での突然の偶発的な動きを防止する)。カニューレ(12)から深度リミッタ(1010)を完全に展開解除するために、ユーザは、ユーザがその手を使用して深度リミッタ(1010)を引き戻し得るように、腹壁(2)上の深度リミッタ(1010)の圧縮/クランプ力を十分に低減するために、カニューレ管(22)を腹壁(2)から引き出し得る。深度リミッタ(1010)は、使い捨て又は再利用可能であり得る。
【0109】
J.第10の例示的な深度リミッタ
図34は、深度リミッタ(1010)と同様の第10の例示的な深度リミッタ(1110)を示す。深度リミッタ(1110)は、ハブ(1012)と同様のハブ(1112)、脚(1014)と同様の脚(1114)、開口部(1016)と同様の開口部(1116)、把持面(1018)と同様の開口部(1116)の把持面(1118)を含む。脚(1114)は、カップ状部分(1020)と同様のカップ状部分(1120)を含み得る。4つの脚(1014)を含むように示された深度リミッタ(1010)とは異なり、深度リミッタ(1110)は、2つの脚(1114)を含む。例えば、脚(1114)は、ほぼ180度だけ分離され得る。脚(1114)は、
図33A~
図33Bを参照して上に示された脚(1014)と同様に撓む。
【0110】
K.第11の例示的な深度リミッタ
図35は、深度リミッタ(1010、1110)と同様の第11の例示的な深度リミッタ(1210)を示す。深度リミッタ(1210)は、ハブ(1012)と同様のハブ(1212)、脚(1014)と同様の脚(1214)、開口部(1016)と同様の開口部(1216)、把持面(1018)と同様の開口部(1216)の把持面(1218)を含む。脚(1114)は、カップ状部分(1020)と同様のカップ状部分(1220)を含み得る。4つの脚(1014)を含むように示された深度リミッタ(1010)とは異なり、深度リミッタ(1210)は、3つの脚(1214)を含む。例えば、脚(1214)は、ハブ(1212)の周りでほぼ120度だけ均一に円周方向に分離され得る。しかしながら、脚(1214)は、不均一に分離されてもよい。場合によっては、3つ又は4つの脚(1014、1214、1314、1414)の使用は、更なる安定性、及びユーザ(U)の指把持を可能にする人間工学を可能にし得る。脚(1214)は、
図33A~
図33Bを参照して上に示された脚(1014)と同様に撓み得る。
【0111】
L.第12の例示的な深度リミッタ
図36~
図38Bは、第12の例示的な深度リミッタ(1310)を示す。特に、
図36は、深度リミッタ(1310)の斜視図を示す。示されるように、深度リミッタ(1310)は、ハブ(1312)と、ハブ(1312)から延在する複数の脚(1314)とを含む。深度リミッタ(1310)は、上述された深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910)のうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせて使用され得る。ハブ(1312)は、概して円筒形形状であるように示されているが、ハブ(1312)の他の形状も、想定されている。示されるように、ハブ(1312)は、開口部(1316)と、複数のノッチ(1318)とを含む。ノッチ(1318)は、可動構成から固定構成に深度リミッタ(1310)を変形させ得る。
【0112】
開口部(1316)は、固定構成においてカニューレ管(124)の外面と結合するように構成されている把持面(1320)を含む。把持面(1320)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。把持面(1320)は、平滑又は非平滑であり得る。
図36に示されるように、把持面(1320)は、固定構成においてカニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合する平滑表面を含み得る。代替的に、把持面(1320)は、カニューレ管(124)と係止係合するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る非平滑表面を含み得る。深度リミッタ(1310)のハブ(1312)は、嵌合スレッド(ナットのような)でカニューレ(120)に固定され得るか、又は締まり嵌めを使用してスカラップ状のカニューレに固定され得る。スレッドは、螺旋状又は非螺旋状(例えば、スカラップ状)であり得る。例えば、把持面(1320)は、カニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合するように構成された少なくとも1つの歯を含み得る。例えば、ノッチ(1318)は、その脚(1314)に十分な力が作用して、把持面(1320)がカニューレ(120)上でより緊密にクランプすることを引き起こすときに、各脚(1314)が選択的に折り畳まれ得るように、深度リミッタ(1310)のハブ(1312)において形成され得る。そのため、深度リミッタ(1310)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の挿入深度を制限し、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の安定制御を提供し得る。
【0113】
脚(1314)は、ハブ(1312)から半径方向に離れて移動する概して先細りの断面を有し得る。例えば、脚(1314)の1つ又は2つ以上の端部は、下向きの力を分配するために遠位パッド(1322)を含み得る。示されるように、脚(1314)は、ほぼ90度だけ分離されている。脚(1314)は、不均一に分離され得る。追加的に、より多くの又はより少ない脚(1314)も、想定されている(深度リミッタ(1110、1210)に関連して
図34~
図35に示されるものと同様)。深度リミッタ(1310)は、套針(110)に、抗先端抵抗のための追加の安定性を提供し得る。深度リミッタ(1310)は、脚(1314)を使用して突然の傾斜を制限するように構成され得、それによってカニューレ(120)を安定化させる。脚(1314)は、カニューレ(120)の転倒を防止するか、又は少なくとも減速させるために、体壁に接触し得る。
図37A~
図38Bは、外套針(110)のカニューレ管(124)を参照して深度リミッタ(1310)を記載するが、カニューレ(20、412、612)のカニューレ管(22、416、616)、使用され得る。
【0114】
図37A及び
図38Aは、可動構成における深度リミッタ(1310)を示す。特に、
図37Aは、深度リミッタ(1310)のハブ(1312)が可動構成にある、
図5のカニューレアセンブリ(112)のカニューレ管(124)と結合された
図36の深度リミッタ(1310)の上面図を示す。
図38Aは、深度リミッタ(1310)の脚(1314)が可動構成にある、
図5のカニューレアセンブリ(112)のカニューレ管(124)と結合された
図36の深度リミッタ(1310)の部分側面断面図を示す。
図37A及び
図38Aの可動構成では、把持面(1320)は、カニューレ(112)のカニューレ管(124)の外径に対する深度リミッタ(1310)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を形成する。休止構成ともみなされる可動構成では、脚(1314)は、下向きに湾曲されている。腹壁(2)に押し当てられると、脚(1314)は、より平坦になるように曲がり、腹壁(2)及びカニューレ(120)に対して反応力を提供する。
【0115】
図37B及び
図38Bは、固定構成における深度リミッタ(1310)を示す。特に、
図37Bは、深度リミッタ(1310)の脚(1314)が固定構成にある、閉塞具(116)の脱離及び取り外しに続いて
図5のカニューレアセンブリ(112)のカニューレ管(124)と結合された
図36の深度リミッタ(1310)の部分側面断面図を示す。
図38Bは、深度リミッタ(1310)の脚(1314)が固定構成にある、閉塞具(116)の脱離及び取り外しに続いて
図5のカニューレアセンブリ(112)のカニューレ管(124)と結合された
図36の深度リミッタ(1310)の部分側面断面図を示す。固定構成では、ノッチ(1318)は、開口部(1316)を狭めるために強制的に閉鎖され得る。脚(1314)は、外套針(110)が示し得る回転変位/傾斜の量を低減し得、また、外套針(110)がその傾斜を想定し得る速度を低減し得る(すなわち、体内での突然の動きを防止する)。固定構成では、把持面(1320)は、カニューレ(120)に直接接触することによってカニューレ(120)に対する深度リミッタ(1310)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成する。深度リミッタ(1310)は、使い捨て又は再利用可能であり得る。
【0116】
M.第13の例示的な深度リミッタ
図39は、第13の例示的な深度リミッタ(1410)の上面断面図を示す。深度リミッタ(1410)は、ハブ(1412)と、ハブ(1412)から延在する複数の脚(1414)とを含む。深度リミッタ(1410)は、上述された深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910)のうちのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせて使用され得る。いくつかの変形例では、ハブ(1412)は、概して円筒形状であり得る。示されるように、ハブ(1412)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)を受容するように構成された開口部(1416)を含む。示されるように、脚(1414)は、ほぼ90度だけ分離され得る。しかしながら、脚(1414)は、不均一に分離されてもよい。追加的に、
図34~
図35に示された深度リミッタ(1110、1210)と同様に、より多くの又はより少ない脚(1414)も想定されている。
【0117】
深度リミッタ(1410)は、ハブ(1412)及び脚(1414)内に配設され得る流体チャンバ(1418)を含む。例えば、流体チャンバ(1418)は、ハブ(1412)及び脚(1414)によって完全に包囲され得る。流体チャンバは、狭窄部分(1422)を含む複数の流体通路(1420)を含み得る。狭窄部分(1422)は、概して、ハブ(1412)と脚(1414)との間に配設され得る。狭窄部分(1422)は、ハブ(1412)と脚(1414)との間の流れを調節する。言い換えれば、流体チャンバ(1418)は、各脚(1414)の基部で流れの制限された領域を形成する狭窄部分(1422)を備えた脚(1414)に一体化され得る。示されるように、脚(1414)の1つ又は2つ以上の端部は、圧縮構成(C)から拡張構成(E)に伸長するように構成された伸長部分(1424)を含み得る。深度リミッタ(1410)は、外套針(110)に、抗先端抵抗のための追加の安定性を提供し得る。追加の傾斜力が各独立した脚(1414)に作用するにつれて、流体は、他の脚(1414)に再分配し得るが、流体は、これらの制限された領域(1422)によって制限され得、したがって外套針(110)の傾斜に減衰効果を生み出している。この減衰効果は、外套針(110)が傾斜する速度を調整し得る。結果として、深度リミッタ(1410)は、脚(1414)間の制限された流体の流れを介して外套針(110)の突然の傾斜を制限し得、それによってカニューレ(120)を安定化させる。
【0118】
開口部(1416)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)の外面と結合し得る把持面(1426)を含む。把持面(1426)は、カニューレ(120)のカニューレ管(124)によって画定された長手方向軸に平行に延在し得る。把持面(1426)は、平滑又は非平滑であり得る。
図39に示されるように、把持面(1426)は、カニューレ(120)のリブ(128)と摩擦係合する平滑表面を含み得る。代替的に、把持面(1426)は、カニューレ管(124)に係止するための1つ又は2つ以上の特徴部を含み得る非平滑表面を含み得る。例えば、深度リミッタ(1410)のハブ(1412)は、嵌合スレッド(ナットのような)を使用してカニューレ(120)に固定され得るか、又はスカラップ状のされたカニューレに固定される。スレッドは、螺旋状又は非螺旋状(例えば、スカラップ状)であり得る。例えば、把持面(1426)は、カニューレ(120)のリブ(128)のうちの少なくとも1つと係止係合するように構成された少なくとも1つの歯を含み得る。深度リミッタ(1410)は、使い捨てであり得る。
【0119】
N.例示的な方法
患者の体壁(例えば、腹壁(2))を通して外科用アクセスデバイス(例えば、外套針10、110)を挿入する方法も、記載されている。外套針(10、110)は、カニューレ(20、120、412、612、912)と、閉塞具(16、116)と、深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)のうちの1つ又は2つ以上とを含む。
【0120】
本方法は、深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)をカニューレ(20、120、412、612)のカニューレ管(22、124、416、616)と結合させることを含む。この結合は、把持面(256、258、370、374、458、462、558、562、654、656、738、746、840、842、934、940、1018、1118、1218、1320、1426)を含む弾性部分を固定構成から可動構成に移動させる、ユーザ接触部分(224、232、320、322、434、436、534、536、622、624、714、716、814、816、936、938)をユーザ(U)が作動させることによって得られ得る。
【0121】
固定構成では、把持面(256、258、370、374、458、462、558、562、654、656、738、746、840、842、934、940、1320)は、カニューレ(20、120、412、612)に直接接触することによってカニューレ(20、120、412、612)に対する深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1310)の軸方向移動を制限する、第1の有効直径(ED1)を集合的に形成し得る。可動構成では、把持面(256、258、370、374、458、462、558、562、654、656、738、746、840、842、934、940、1320)は、カニューレ(20、120、412、612、912)に対する深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1310)の軸方向移動を可能にする第2の有効直径(ED2)を集合的に形成する。
【0122】
本方法はまた、カニューレ(20、120、412、612、912)のカニューレ管(22、124、416、616、914)の少なくとも一部分を患者に挿入することを含む。深度リミッタ(210、310、410、510、610、710、810、910、1010、1110、1210、1310、1410)は、カニューレ(20、120、412)が一旦体内に入ると、把持面(256、258、370、374、458、462、558、562、654、656、738、746、840、842、934、940、1018、1118、1218、1320、1426)を含む弾性部分を固定構成から可動構成に移動させる、ユーザ接触部分(224、232、320、322、434、436、534、536、622、624、714、716、814、816、936、938)をユーザが再び作動させることによってカニューレ(20、120、412)に沿って移動し得る。
【0123】
III.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせる又は適用することができる様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願又は本出願のその後の出願において任意の時点で提示され得る特許請求の範囲を限定することを意図するものではないことを理解されたい。一切の権利放棄が意図されていない。以下の実施例は、単に例示的な目的で提供されているに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用され得ることが企図される。また、一部の変形例では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してもよいことも企図される。したがって、以下に言及される態様又は特徴のいずれも、本発明者ら又は本発明者らの権利相続人によって後にそのように明示的に示されていない限り、重要であるとみなされるべきではない。本出願又は本出願に関連する後続の出願において提示される特許請求の範囲が、以下に言及されるもの以外の追加の特徴を含む場合、それらの追加の特徴は、特許性に関するいかなる理由で追加されたものとみなされるべきではない。
【実施例1】
【0124】
外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成された深度リミッタであって、深度リミッタが、(a)ユーザによって作動されるように構成された第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分と、(b)第1の付勢特徴部であって、(i)第1の弾性部分と、(ii)第1の把持面であって、第1の把持面が、第1の弾性部分と移動可能に結合されており、第1の弾性部分が、第1のユーザ接触部分がユーザによって作動されるときに、第1の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第1の把持面と、を備える、第1の付勢特徴部と、(c)第2の付勢特徴部であって、(i)第2の弾性部分と、(ii)第2の把持面であって、第2の把持面が、第2の弾性部分と移動可能に結合されており、第2の弾性部分が、第2のユーザ接触部分がユーザによって作動されるときに、第2の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第2の把持面と、を備える、第2の付勢特徴部と、を備え、固定構成において、第1の把持面及び第2の把持面が、カニューレに直接接触することによってカニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されている第1の有効直径を集合的に形成し、可動構成において、第1の把持面及び第2の把持面が、カニューレによって画定された長手方向軸に平行に延在し、カニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されている第2の有効直径を集合的に形成する、深度リミッタ。
【実施例2】
【0125】
第1の弾性部分が、第1の把持面に固定されており、第2の弾性部分が、第2の把持面に固定されている、実施例1に記載の深度リミッタ。
【実施例3】
【0126】
第1の弾性部分が、第1の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されており、第2の弾性部分が、第2の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例4】
【0127】
第1の把持面が、第1のユーザ接触部分からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、第2の把持面が、第2のユーザ接触部分からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例5】
【0128】
第1の把持面及び第2の把持面が、固定構成又は可動構成のいずれにおいても、カニューレを完全には取り囲まない、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例6】
【0129】
第1の把持面が、第1の離散的領域でカニューレに接触するように構成されており、第2の把持面が、第1の離散的領域から離間された第2の離散的領域でカニューレに接触するように構成されている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例7】
【0130】
第1の把持面及び第2の把持面が、互いに円周方向に対向して配設されており、固定構成においてカニューレの円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例8】
【0131】
第1の把持面及び第2の把持面が、固定構成及び可動構成の両方において、互いに離間されている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例9】
【0132】
カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、第1の把持面及び第2の把持面のうちの少なくとも1つが、固定構成においてカニューレの組織把持特徴部と摩擦係合し、可動構成においてカニューレの組織把持特徴部と摩擦係合しないように構成されている平滑表面を含む、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例10】
【0133】
カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、第1の把持面及び第2の把持面のうちの少なくとも1つが、固定構成においてカニューレの組織把持特徴部のうちの少なくとも1つと係止係合し、可動構成においてカニューレの組織把持特徴部と係止係合しないように構成された、少なくとも1つの係合特徴部を含む、実施例1~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の深度リミッタ。
【実施例11】
【0134】
カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、第1の把持面及び第2の把持面のうちの少なくとも1つが、固定構成においてカニューレの組織把持特徴部と係止係合し、可動構成においてカニューレの組織把持特徴部と係止係合しないように構成された、複数の係合特徴部を含む、実施例1~8のいずれか1つ又は2つ以上に記載の深度リミッタ。
【実施例12】
【0135】
第1の弾性部分が、互いに対向して配設されている第1の付勢アーム及び第2の付勢アームを含み、第2の弾性部分が、互いに対向して配設されている第1の付勢アーム及び第2の付勢アームを含む、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例13】
【0136】
第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分が、互いに円周方向に対向して配設されている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例14】
【0137】
深度リミッタが、単一部品としてともに一体的に形成されている、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例15】
【0138】
第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分を露出しながら、少なくとも1つの付勢特徴部を取り囲むハウジングを更に備える、先行する実施例のいずれかに記載の深度リミッタ。
【実施例16】
【0139】
外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成された深度リミッタであって、深度リミッタが、(a)ハウジングであって、(i)スロットと、(ii)ハウジングを通って延在する開口部であって、開口部が、スロットと連通し、開口部が、長手方向軸に沿って延在する、開口部と、を備える、ハウジングと、(b)スロット内に少なくとも部分的に配設された付勢特徴部と、(c)スロット内に少なくとも部分的に配設された摺動可能部材であって、摺動可能部材が、摺動可能部材を通って延在する開口部を含み、摺動可能部材が、固定構成と可動構成との間で付勢特徴部と移動可能に結合されている、摺動可能部材と、を備え、固定構成において、ハウジング及び摺動可能部材の開口部が、摺動可能部材及びハウジングがカニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されるように、第1の有効直径を集合的に形成するために少なくとも部分的に整列され、可動構成において、ハウジング及び摺動可能部材の開口部が、摺動可能部材及びハウジングがカニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されるように、第2の有効直径を集合的に形成する、深度リミッタ。
【実施例17】
【0140】
摺動可能部材の開口部が、固定構成及び可動構成の両方において、異なる直径を有するカニューレを収容するように構成されている長円形形状を有する、実施例16に記載の深度リミッタ。
【実施例18】
【0141】
外科用アクセスデバイスアセンブリであって、(a)カニューレであって、カニューレが、カニューレの中心軸に沿って外科用器具を誘導するように構成された作業チャネルを含む、カニューレと、(b)深度リミッタであって、(i)ユーザによって作動されるように構成された第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分と、(ii)第1の付勢特徴部であって、(A)第1の弾性部分と、(B)第1の把持面であって、第1の把持面が、第1の弾性部分と移動可能に結合されており、第1の弾性部分が、第1のユーザ接触部分がユーザによって作動されるときに、第1の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第1の把持面と、を備える、第1の付勢特徴部と、(iii)第2の付勢特徴部であって、(A)第2の弾性部分と、(B)第2の把持面であって、第2の把持面が、第2の弾性部分と移動可能に結合されており、第2の弾性部分が、第2のユーザ接触部分がユーザによって作動されるときに、第2の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第2の把持面と、を備える、第2の付勢特徴部と、を備える、深度リミッタと、を備え、固定構成において、第1の把持面及び第2の把持面が、カニューレに直接接触することによってカニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されている第1の有効直径を集合的に形成し、可動構成において、第1の把持面及び第2の把持面が、カニューレによって画定された長手方向軸に平行に延在し、カニューレに対する深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されている第2の有効直径を集合的に形成する、外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【実施例19】
【0142】
弾性部分が、第1の把持面及び第2の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されている、実施例18に記載の外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【実施例20】
【0143】
閉塞具を更に備え、閉塞具が、患者の体壁を通した外科用アクセスデバイスの挿入を容易にするために、中心軸に沿ってカニューレと取り外し可能に結合するように構成されている、実施例18~19のいずれか1つ又は2つ以上に記載の外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【0144】
IV.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上は、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのいずれか1つ又は2つ以上と組み合わせることができることを理解されたい。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して単独で考慮されるべきではない。本明細書の教示を組み合わせることができる種々の好適な方法が、本明細書の教示を考慮することにより当業者には容易に明らかとなるであろう。このような修正例及び変形例は、特許請求の範囲に含まれることが意図される。
【0145】
更に、本明細書の教示のうちの任意の1つ又は2つ以上は、以下の特許文献に開示された任意の1つ又は2つ以上の教示と組み合わせることができる:本願と同日に出願された「Multi-Diameter Cannula Depth Limiter」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP2]号;「Pinch-To-Clamp Cannula Depth Limiter」と題する本願と同日に出願された米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP3]号;本願と同日に出願された「Universal Size Multi-Walled Elastomer Cannula Depth Limiter」と題する米国特許出願 第[代理人整理番号 END9247USNP4]号;本願と同日に出願された「Threaded Cannula Depth Limiter」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP5]号;本願と同日に出願された「Tilting Tang Cannula Depth Limiter」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP6]号;本願と同日に出願された「Two Piece Separable Obturator」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP7]号;本願と同日に出願された「Latchless Obturator with Interference Fit Feature」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP8]号;本願と同日に出願された「Balancing Feature for Reusable Trocar」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP9]号;本願と同日に出願された「Airflow Channels and Patterns in Lumen for Cannula」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP10]号;本願と同日に出願された「Stabilizer for Surgical Shafts or Cannulas」と題する米国特許出願第[代理人整理番号 END9247USNP11]号ら。これらの特許出願の各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0146】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、刊行物、又は他の開示内容の全部又は一部は、組み込まれる内容が本開示に記載されている既存の定義、見解、又は他の開示内容と矛盾しない範囲でのみ、本明細書に組み込まれることを理解されたい。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0147】
上記のデバイスの変形形態は、医療専門家によって行われる従来の医療処置及び手術に適用するだけでなく、ロボット支援医療処置及び手術にも適用することができる。ほんの一例として、本明細書の様々な教示は、Intuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどのロボット外科用システムに容易に組み込むことができる。同様に、当業者であれば、本明細書における様々な教示を、以下の特許文献うちのいずれかの様々な教示と容易に組み合わせることができることを認識するであろう:その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1998年8月11日発行の「Articulated Surgical Instrument For Performing Minimally Invasive Surgery With Enhanced Dexterity and Sensitivity」と題する米国特許第5,792,135号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年7月22日発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System」と題する米国特許第8,783,541号、2013年7月9日発行の「Drive Interface for Operably Coupling a Manipulatable Surgical Tool to a Robot」と題する米国特許第8,479,969号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2014年8月12日に発行の「Robotically-Controlled Cable-Based Surgical End Effectors」と題する米国特許第8,800,838号、及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、2013年11月5日に発行の「Robotically-Controlled Surgical End Effector System with Rotary Actuated Closure Systems」と題する米国特許第8,573,465号。
【0148】
上述のデバイスの変形例は、単回使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整することができる。再調整は、デバイスの分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分又は部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は除去することができる。特定の部品の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整施設において、又は処置の直前にユーザによって、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、デバイスの再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整されたデバイスは、全て本出願の範囲内にある。
【0149】
単に例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックのような密閉及び封止された容器に入れる。次に、容器及びデバイスを、ガンマ線、X線、又は高エネルギー電子線など、容器を透過することができる放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させることがある。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。デバイスはまた、ベータ線若しくはガンマ線、エチレンオキシド、又は蒸気を含むがこれらに限定されない、当該技術分野で周知の任意の他の技術を用いて滅菌することができる。
【0150】
本発明の様々な実施形態を示し記載したが、当業者による適切な修正により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な修正のいくつかについて述べたが、その他の修正は当業者には明らかであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、幾何学的形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであり、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲に関して考慮されるべきであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び操作の詳細に限定されないことが理解される。
【0151】
〔実施の態様〕
(1) 外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成された深度リミッタであって、前記深度リミッタが、
(a)ユーザによって作動されるように構成された第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分と、
(b)第1の付勢特徴部であって、
(i)第1の弾性部分と、
(ii)第1の把持面であって、前記第1の把持面が、前記第1の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第1の弾性部分が、前記第1のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第1の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第1の把持面と、を備える、第1の付勢特徴部と、
(c)第2の付勢特徴部であって、
(i)第2の弾性部分と、
(ii)第2の把持面であって、前記第2の把持面が、前記第2の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第2の弾性部分が、前記第2のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第2の把持面を前記固定構成から前記可動構成に移動させるように構成されている、第2の把持面と、を備える、第2の付勢特徴部と、を備え、
前記固定構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレに直接接触することによって前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されている第1の有効直径を集合的に形成し、
前記可動構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されている第2の有効直径を集合的に形成する、深度リミッタ。
(2) 前記第1の弾性部分が、前記第1の把持面に固定されており、前記第2の弾性部分が、前記第2の把持面に固定されている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(3) 前記第1の弾性部分が、前記第1の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されており、前記第2の弾性部分が、前記第2の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(4) 前記第1の把持面が、前記第1のユーザ接触部分からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされており、前記第2の把持面が、前記第2のユーザ接触部分からほぼ90度だけ半径方向にオフセットされている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(5) 前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記固定構成又は前記可動構成のいずれにおいても、前記カニューレを完全には取り囲まない、実施態様1に記載の深度リミッタ。
【0152】
(6) 前記第1の把持面が、第1の離散的領域で前記カニューレに接触するように構成されており、前記第2の把持面が、前記第1の離散的領域から離間された第2の離散的領域で前記カニューレに接触するように構成されている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(7) 前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、互いに円周方向に対向して配設されており、前記固定構成において前記カニューレの円周方向に対向する側面に直接接触するように構成されている、実施態様6に記載の深度リミッタ。
(8) 前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記固定構成及び前記可動構成の両方において、互いに離間されている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(9) 前記カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、前記第1の把持面及び前記第2の把持面のうちの少なくとも1つが、前記固定構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と摩擦係合し、前記可動構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と摩擦係合しないように構成されている平滑表面を含む、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(10) 前記カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、前記第1の把持面及び前記第2の把持面のうちの少なくとも1つが、前記固定構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部のうちの少なくとも1つと係止係合し、前記可動構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と係止係合しないように構成された、少なくとも1つの係合特徴部を含む、実施態様1に記載の深度リミッタ。
【0153】
(11) 前記カニューレが、複数の組織把持特徴部を含み、前記第1の把持面及び前記第2の把持面のうちの少なくとも1つが、前記固定構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と係止係合し、前記可動構成において前記カニューレの前記組織把持特徴部と係止係合しないように構成された、複数の係合特徴部を含む、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(12) 前記第1の弾性部分が、互いに対向して配設されている第1の付勢アーム及び第2の付勢アームを含み、前記第2の弾性部分が、互いに対向して配設されている第1の付勢アーム及び第2の付勢アームを含む、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(13) 前記第1のユーザ接触部分及び前記第2のユーザ接触部分が、互いに円周方向に対向して配設されている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(14) 前記深度リミッタが、単一部品としてともに一体的に形成されている、実施態様1に記載の深度リミッタ。
(15) 前記第1のユーザ接触部分及び前記第2のユーザ接触部分を露出しながら、前記少なくとも1つの付勢特徴部を取り囲むハウジングを更に備える、実施態様1に記載の深度リミッタ。
【0154】
(16) 外科用アクセスデバイスのカニューレと結合するように構成された深度リミッタであって、前記深度リミッタが、
(a)ハウジングであって、
(i)スロットと、
(ii)前記ハウジングを通って延在する開口部であって、前記開口部が、前記スロットと連通し、前記開口部が、長手方向軸に沿って延在する、開口部と、を備える、ハウジングと、
(b)前記スロット内に少なくとも部分的に配設された付勢特徴部と、
(c)前記スロット内に少なくとも部分的に配設された摺動可能部材であって、前記摺動可能部材が、前記摺動可能部材を通って延在する開口部を含み、前記摺動可能部材が、固定構成と可動構成との間で前記付勢特徴部と移動可能に結合されている、摺動可能部材と、を備え、
前記固定構成において、前記ハウジング及び前記摺動可能部材の前記開口部が、前記摺動可能部材及び前記ハウジングが前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されるように、第1の有効直径を集合的に形成するために少なくとも部分的に整列され、
前記可動構成において、前記ハウジング及び前記摺動可能部材の前記開口部が、前記摺動可能部材及び前記ハウジングが前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されるように、第2の有効直径を集合的に形成する、深度リミッタ。
(17) 前記摺動可能部材の前記開口部が、前記固定構成及び前記可動構成の両方において、異なる直径を有するカニューレを収容するように構成されている長円形形状を有する、実施態様16に記載の深度リミッタ。
(18) 外科用アクセスデバイスアセンブリであって、
(a)カニューレであって、前記カニューレが、前記カニューレの中心軸に沿って外科用器具を誘導するように構成された作業チャネルを含む、カニューレと、
(b)深度リミッタであって、
(i)ユーザによって作動されるように構成された第1のユーザ接触部分及び第2のユーザ接触部分と、
(ii)第1の付勢特徴部であって、
(A)第1の弾性部分と、
(B)第1の把持面であって、前記第1の把持面が、前記第1の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第1の弾性部分が、前記第1のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第1の把持面を固定構成から可動構成に移動させるように構成されている、第1の把持面と、を備える、第1の付勢特徴部と、
(iii)第2の付勢特徴部であって、
(A)第2の弾性部分と、
(B)第2の把持面であって、前記第2の把持面が、前記第2の弾性部分と移動可能に結合されており、前記第2の弾性部分が、前記第2のユーザ接触部分が前記ユーザによって作動されるときに、前記第2の把持面を前記固定構成から前記可動構成に移動させるように構成されている、第2の把持面と、を備える、第2の付勢特徴部と、を備える、深度リミッタと、を備え、
前記固定構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレに直接接触することによって前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を制限するように構成されている第1の有効直径を集合的に形成し、
前記可動構成において、前記第1の把持面及び前記第2の把持面が、前記カニューレによって画定された長手方向軸に平行に延在し、前記カニューレに対する前記深度リミッタの軸方向移動を可能にするように構成されている第2の有効直径を集合的に形成する、外科用アクセスデバイスアセンブリ。
(19) 前記弾性部分が、前記第1の把持面及び前記第2の把持面とともに単一部品としてともに一体的に形成されている、実施態様18に記載の外科用アクセスデバイスアセンブリ。
(20) 閉塞具を更に備え、前記閉塞具が、患者の体壁を通した前記外科用アクセスデバイスの挿入を容易にするために、前記中心軸に沿って前記カニューレと取り外し可能に結合するように構成されている、実施態様18に記載の外科用アクセスデバイスアセンブリ。
【国際調査報告】