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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】管状無電極ランプ
(51)【国際特許分類】
   H01J 65/04 20060101AFI20230605BHJP
   H01J 61/30 20060101ALI20230605BHJP
   H01J 61/16 20060101ALI20230605BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20230605BHJP
   F21V 7/06 20060101ALI20230605BHJP
   H05B 41/24 20060101ALI20230605BHJP
   F21Y 101/00 20160101ALN20230605BHJP
【FI】
H01J65/04 B
H01J61/30 N
H01J61/16 F
H01J61/30 Q
F21S2/00 680
F21V7/06 200
H05B41/24
F21Y101:00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566367
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-07
(86)【国際出願番号】 IB2021053448
(87)【国際公開番号】W WO2021220147
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】20171994.5
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522423385
【氏名又は名称】リュマルティクス エスアー
【氏名又は名称原語表記】LUMARTIX SA
(74)【代理人】
【識別番号】100080447
【弁理士】
【氏名又は名称】太田 恵一
(72)【発明者】
【氏名】カラム,ロラン
(72)【発明者】
【氏名】メイヤー,アンドレアス
【テーマコード(参考)】
3K072
5C015
5C043
【Fターム(参考)】
3K072AA17
3K072AB01
5C015PP06
5C043CC19
5C043CD19
5C043EB15
(57)【要約】
複数の源によって提供される電磁励起場を閉じ込めるための共通の導電性シールドの内部の単数または複数の動かない発光電球(21、211、212、213)を用いた無電極放電ランプ(100)。各電球は、数個の電磁放射源によってまたは個々の電磁放射源によって励起されることができる。管状電球の端部で互いに向かい合う2つのマグネトロンまたはトランジスタ電磁波源を用いたランプの管状構造物は、放物線状のボウル反射器の焦線への設置に特に適している。いくつかの変形例は、異なる組成物の電球を混ぜ合わせており、励起レベルは放たれる光のスペクトルを制御するために独立して設定されることができる。
【選択図】図3
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視放射および/または赤外放射および/またはUV放射を提供するための無電極放電ランプ(100)であって、少なくとも部分的に可視放射および/または赤外放射および/またはUV放射を透過させる導電性の覆い(53)、プラズマ状態にあるとき光を放つ組成物で満たされている、導電性の覆い(53)の内部の単数または複数の動かない発光電球(21、211、212、213)、各電磁波源が出力端子を有し、該出力端子が単数または複数の電球内の組成物を電離および熱するための電磁場を放射してそれをプラズマ状態に至らせるものである複数の電磁波源(411、412、413、414)を具備する、無電極放電ランプ(100)。
【請求項2】
導電性の覆いが、導電性メッシュ(53)によって構成される部位を少なくとも一つ有する、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項3】
電球が、溶融石英、溶融シリカ、SiOで作られ、または任意の他の適した材料が利用されることができる、請求項1または2に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項4】
電磁波源が、高周波とマイクロ波領域との間にある、請求項1から3のいずれか一つに記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項5】
少なくとも一つの電球の組成物が、不活性ガス、ハロゲン化アンチモンまたはハロゲン化ビスマスの混合物で構成される第一の活性成分、In、Sn、Ag、Cu、Fe、Pb、CoおよびHgのうちの単数または複数のハロゲン化合物またはハロゲン化合物の混合物で構成される第二の活性成分を含む、請求項1から4のいずれか一つに記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項6】
単数または複数の誘電体ロッド(221、222、223、224)が、電磁波源の出力端子のうちの一つと整列していてそれぞれの出力端子と電球(21、211、212、213)との間に位置決めされており電磁場のための誘電体導波管として機能し、電磁波源を電球(21、211、212、213)とつないでいる、請求項5に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項7】
動かない発光電球(21)のうちの少なくとも一つが、2つ以上の電磁波源(411、412、413、414)と電磁力でつながれている、請求項1から6のいずれか一つに記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項8】
請求項1のそれが、複数の動かない発光電球(211、212、213)を具備しており、電球が、異なる放出スペクトルを有する組成物で満たされており異なる電磁波源(411、412、413)につながれており、電磁波源が、可変のパワーレベルで操作されることができ、電磁波源のパワーレベルが、互いに独立して設定されることができる、請求項1から7のいずれか一つに記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項9】
十字形の発光電球(21)または星形の発光電球を具備する、請求項1から8のいずれか一つに記載の無電極ランプ(100)。
【請求項10】
動かない発光電球(21、211、212、213)が、本質的に管形を有し、かつ1つの端部で1つの電磁波源(411、412、413)と電磁力でつながれており、または2つの端部のうちのそれぞれで1つの電磁波源(411、412)と電磁力でつながれている、請求項1から9のいずれか一つに記載の無電極ランプ(100)。
【請求項11】
凹形または放物線状の集光器(51)を含む、請求項10に記載の無電極放電ランプ。
【請求項12】
集光器(51)が、導電性の部位を少なくとも一つ有し、また集光器(51)の導電性の部位が、導電性の覆い(53)の一部である、請求項11に記載の無電極放電ランプ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、放電ランプ、特に無電極放電ランプに関しており、該ランプにおいて発光プラズマは高周波(HF)とマイクロ波との間の領域内の単数または複数の電磁(EM)エネルギー波によって生成される。
【背景技術】
【0002】
関連技術
高輝度放電(HID)ランプは、エネルギーを可視光線に変化させるときのその高効率で知られている。従来の白熱ランプまたはハロゲンランプと比較して、HIDランプは、比熱に有利な光を有し、ランプを、出来るだけ多くのワット当たりの可視光線を必要とするさまざまな応用に適した状態にしている。そのような応用は、街路、スポーツ施設、競技場、商業施設、展示会用の照明を含み、なおかつ植物成長用および太陽光発電設備検査用の人工照明システムも含む。
【0003】
放電ランプは本質的に、適したエネルギー源によって発光状態に励起されることができる化学組成物を含む透明な電球で構成される。従来HIDランプは電気エネルギーによって動力が供給され、そこで、通常タングステンから作られる、2つのタングステン電極間で、そして化学組成物を通過して放電され、化学組成物は熱せられて電離し、光を発するプラズマになる。組成物は、不活性キャリアガス、好ましくはネオン、キセノン、アルゴンやクリプトンといった貴ガスであり、通常は金属塩、例えばメタルハライドである、充填材料とも呼ばれる活性成分を含む。
【0004】
電極を取り除いて、化学組成物を励起するために電気エネルギーよりはむしろ電磁気を供給することによって、金属部品が電球から完全に除外されることができる。このことは幾つかの利点をもたらす。第一に、電球内のガラス-金属界面が回避され、コストが削減されかつ電球の寿命が延びる。さらに、金属電極と化学的に適合しない、硫黄、セレン、テルルなどといった、より多くの種類の活性成分が、光発生のために利用されることができる。
【0005】
無電極プラズマ放電ランプに動力を供給する電磁放射線源は、電磁発電機、高い頻度でマグネトロンのようなマイクロ波源またはトランジスタのような固体デバイスであり得、6.78Mhz、13.56Mhz、27.12Mhz、40.68Mhz、433Mhz、915MHz、2.45GHzまたは5.8Ghz帯域を含むISM無線帯域のうちの一つのような、適切な電磁スペクトル帯域における電磁放射線を放つ。マグネトロンやトランジスタ増幅器は、手頃な価格ですぐに入手でき、それゆえにしばしば、プラズマランプ用動力源として好ましい選択肢である。
【0006】
無電極放電ランプにおいてよくある問題である発熱部分の形成および電球材料の過熱を回避するために、電球は通常は回転状態に保たれるのであり、このことはさまざまな操作上の問題および安定性の問題の原因となっている。
【0007】
欧州特許出願公開第2721631号明細書は、回転の必要性を克服するための解決策を提案している。この文献中に記述されている動かない電球は、誘電体ロッドを備えており、これは電磁波源を電球につなぐものでありプラズマ電球内のより良い温度分布を保証している。本発明は、この先行技術文献中に開示されているアプローチを利用している。
【0008】
欧州特許出願公開第2721631号明細書において達成されるより良い温度管理にもかかわらず、電球のあらゆる場所への電磁エネルギー例えばマイクロ波の分布は、完全に均質ではなく、また熱せられて電離した異なるプラズマのエリアは、放電ランプの性能、特に明るさを制限し続けている。また、特定エリアにおける電磁エネルギーのより良い吸収は、細長い形をもつまたは幾何学的にさらに複雑な電球におけるエネルギーの減衰の一因となり得る。放電ランプの明るさは、電磁波源のパワーによってかつ電球の覆いの熱限界によって制限される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2721631号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
明るさの増した、電磁気を動力源とした無電極放電ランプを提供することが、本発明の一つの目的である。本発明はさらに、前記放電ランプの適切な電球形状の範囲を広げることを目的とする。
【0011】
発明の簡潔な開示
本発明によると、これらの目的は、本発明の請求項の対象によって、またとりわけ独立請求項によって成し遂げられる。
【0012】
特に、本発明の対象は、可視放射および/または赤外放射および/またはUV放射を提供するための無電極放電ランプによって達成され、該ランプは、少なくとも部分的に可視放射または/および赤外放射または/およびUV放射を透過させる導電性の覆い、導電性の覆いの内部の単数または複数の動かない発光電球であって、プラズマ状態にあるとき光を放つ組成物で単数または複数の電球が満たされている動かない発光電球、複数の電磁波源であって、各電磁波源が出力端子を有し、該出力端子が単数または複数の電球内の組成物を電離および熱するための電磁場を放射して電球がプラズマ状態を満たすように至らせるものである電磁波源、を具備している。
【0013】
従属請求項は、有利であり得かつ任意であるが絶対必要なものではない特徴を扱っており、それらは例えば、導電性メッシュによって構成される部位を少なくとも一つ有する導電性の覆い、溶融シリカで作られた電球、マイクロ波領域内の電磁波源、単数または複数の誘電体ロッドであって、電磁波源の出力端子のうちの一つと整列していてそれぞれの出力端子と電球との間に位置決めされており電磁場のための誘電体導波管として機能し、電磁波源を電球とつないでいる誘電体ロッド、動かない発光電球のうちの少なくとも一つが、2つ以上の電磁波源と電磁力でつながれている、異なる放出スペクトルを有する組成物で満たされており異なる電磁波源につながれている複数の動かない発光電球であって、電磁波源が、独立して設定可能な可変のパワーレベルで操作されることができる、十字形の発光電球または星形の発光電球、端部に1つまたは2つの電磁波源のついた管状電球、および凹形または放物線状の集光器などである。
【0014】
いくつかの、光を発する組成物が本発明の枠内で利用され得る。それらの中で、不活性ガス、ハロゲン化アンチモンまたはハロゲン化ビスマスの混合物で構成される第一の活性成分、In、Sn、Ag、Cu、Pb、Fe、Hg、Coのうちの単数または複数のハロゲン化合物またはハロゲン化合物の混合物で構成される第二の活性成分の組成物が、有益な成果を提供した。
【0015】
先行技術において知られていることに関して、本発明は、複数の電磁エネルギー源を、1つの電磁空洞で構成される放電ランプにおける単数または複数の電球につなぐことによって、既存の無電極放電ランプを超える明るさの増加を達成する。電磁エネルギー源は、電球内の化学組成物を電離かつ熱してそれを光を発するプラズマ状態にすることに適している。
【0016】
電磁エネルギー源は、HFから超高周波(UHF)帯域の無線周波数(RF)源および/またはマイクロ波(MW)源を含み、それらは例えば、所望の周波数と強さで電磁波を生成する一つまたは一対のトランジスタまたはマグネトロンチューブである。以下では、エネルギー源は、簡潔さのためマグネトロンとして記述される。しかしながら、本発明は、電磁エネルギー源としてマグネトロンに限定されるわけではない。
【0017】
複数のマグネトロンまたは他の電磁波源を利用することはさらに、特にプラズマ電球の形に関して、デザインにおけるもっと多くの自由を可能にする。従来の電球は、電球のあらゆる場所への電磁エネルギー分布のために本質的に球形、楕円体形または短管形に制限されている。
【0018】
本発明により、細長い電球が、管状ランプのためにまたは十字形ランプや星形ランプなどのようなより複雑なデザインのために利用されることができる。好ましくは、入射波を放つマグネトロンは、前記形の各端部の遠位末端に位置決めされる。
【0019】
電磁波源の分布された位置決めは、細長い電球内の組成物のより均質の電離および加熱を可能にする。これらの多数の電磁波源によって放たれる電磁波が電球との関係において異なる位置から生じるため、電球の特有の形のあらゆる場所へのより良い均一性が達成可能である。それゆえにさらにまた局所的温度の発熱部分を発生させるリスクが減少し、その一方で、プラズマの端から端までのより高いまたより均一の加熱および電離が起こり得る。このことは次に、電球材料、好ましくは溶融シリカの温度限界が発熱部分エリアにおいて超えられることを防ぐ。
【0020】
放電ランプにおいて複数の電磁波源を使用することはまた、いくつかのはっきりと異なる電球を使用する可能性もまた提供し、それらの電球は同じ導電性の覆いの中に包み込まれることができる。各電球は、独立した電磁波源につながれている。
【0021】
電球の個々に付属されたマグネトロンまたはトランジスタによってそれぞれ動力が供給される多数の別々の電球を特徴とする無電極放電ランプは、いくつかの操作可能な自由を提案する。例えば、異なる電離性組成物が、個々の電球について選択されることができる。そのような異なる組成物は、さまざまなスペクトル特性を有し得る。結果として、個々の電球は、その電球のうちのどれが点灯されるかによって決まる異なるスペクトルの光を放つことができる。
【0022】
そのうえ、各電球内の組成物が個々に付属された電磁放射源によって点灯されるので、電磁波源のパワーレベルの設定はしたがって、無電極プラズマランプの明るさを調整または増加させるためのさらなるメカニズムを提案している。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明の例示的な実施形態は、本明細書内で開示されまた以下の図面によって説明されている。
【0024】
図1】既知の放電ランプを概略的に示している。
図2】既知の放電ランプを概略的に示している。
図3】本発明の一実施形態の概略図であり、球形の放電ランプの点灯のために3つのマグネトロンを使用している。
図4】本発明のさらなる一実施形態の概略図であり、放電ランプの端部に位置決めされた2つのマグネトロンによって点灯される放電ランプの細長い電球を特徴としている。
図5a】本発明の一実施形態の概略図であり、集光器内の電磁の覆いの中にあるプラズマ電球の位置を示しており、ここで、プラズマ電球が電磁の覆いによって完全に取り囲まれている一実施形態を示している。
図5b】本発明の一実施形態の概略図であり、集光器内の電磁の覆いの中にあるプラズマ電球の位置を示しており、ここで、覆いが、集光器の凸状の湾曲部に接続している半ドーム形を呈している一実施形態を示しており、ここで、覆いと集光器とによってこのように形成される囲いは、プラズマ電球を含む。
図6】さらに考えられる本発明の一実施形態の概略図であり、マグネトロンが放電ランプ端部のそれぞれに位置決めされた放電ランプの十字形電球を示している。
図7】さらに考えられる本発明の一実施形態の概略図であり、電磁の覆いの中に包み込まれる、電球の個別のマグネトロンのついた、2つのはっきりと異なる長細い、直線的に配置された電球を特徴とする放電ランプを示している。
図8】さらに考えられる本発明の一実施形態の概略図であり、Y字形に配置されかつ電磁の覆いの中に包み込まれる、電球の個別のマグネトロンのついた、3つの別々の長細い電球を特徴とする放電ランプを示している。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明の実施例
図1を参照して、既知の放電ランプ20は、電球21への改善されたエネルギー伝達のために誘電体ロッド22を使用している。本発明は、その好ましい実施形態において、前記先行技術文献において記述されている特徴を共有している。本発明もまた、必ずというわけではないが好ましくは、誘電体ロッド22を利用して、電球内の温度管理のためのその利点から恩恵を受ける。
【0026】
図2は、既知の、放電ランプの一変形例を示しており、この変形例において、マグネトロン41は、セラミックアイソレータ48によって支持されまた3/4波長導波管82につながれている出力端子47を有している。電球21は、電球21と一体化して製造される誘電体石英ロッド22を備えており、このロッドは、導波管82の中に挿入されまたコレット85によってまたは任意の適切な固定手段によって適所に保たれている。
【0027】
本発明の放電ランプ20は、動かない密閉された電球21を含み、該電球は、電離されかつ熱せられたプラズマ状態35にあるとき放射を生み出すのに適している化学組成物で満たされている。化学組成物は、貴ガスのような不活性ガスと、放たれる光のスペクトル特性を定義する活性成分とを含む。プラズマ35によって放たれる放射は、可視スペクトル領域および/または赤外スペクトル領域および/または紫外(UV)スペクトル領域内にある。前記放電ランプ20の電球21は、少なくとも部分的に、可視放射または赤外放射またはUV放射を透過させる。
【0028】
放電ランプのための適切な化学組成物は、先行技術において知られている光活性成分を含む。RFまたはMWで動力が供給される放電ランプの電球内に電極や金属部品がないことにより、金属材料と化学的に適合しない活性成分もまた、不活性雰囲気における活性成分として使用されることができる。そのような代わりの活性成分は、硫黄、セレン、テルルなどを含む。
【0029】
本発明の活性成分は、その好ましい実施形態において、不活性ガスの中に、ハロゲン化アンチモンまたはハロゲン化ビスマスの混合物で構成される第一の活性成分と、In、Sn、Ag、Cu、Fe、Pb、Hg、Coのうちの単数または複数のハロゲン化合物またはハロゲン化合物の混合物で構成される第二の活性成分とを含む。
【0030】
電球21は、無電極放電ランプにおけるその応用のための温度および圧力の必要条件を満たす任意の適切な材料から作られることができる。電球21のために好ましい材料は、溶融シリカである。選択的に、溶融石英、溶融シリカ、SiOまたは任意の他の適した材料が利用されることができる。その応用に適するために、電球材料は、600℃~900℃の典型的な動作温度と0.1MPa~2MPaの内部圧力とに耐えることができなければならない。
【0031】
電球21は、集光器51の中にかつ金属製メッシュの電磁の囲い53の中に設置される。集光器51は好ましくは反射壁を有し、電球22の中に生成される光を所望の開口部のビームに集中させ、また導電性であり、ランプ部品から外へマイクロ波が伝送されないようにしている。金属製メッシュの囲いは、電磁場をランプ20の内部にとどめかつ任意の適切な手段によってランプ20に機械的にかつ電気的に接続される導電性の覆い53である。囲い53はまた、一変形例において、導電性薄層が上に堆積される透明な、透光性の、または光透過の適切な何枚かの基材を用いて実現される可能性がある。
【0032】
放電ランプはさらにまた、複数の電磁波源411、412、413、414を有し、それぞれが、電球の中に含まれる化学組成物を電離および熱するために電磁場を放射する出力端子43を有している。
【0033】
好ましい一実施形態において、単数または複数の入射電磁波周波数は、マイクロ波領域内にあり、マグネトロンチューブまたはトランジスタ41によって生み出される。マグネトロンの出力端子43は、標準波長導波管82につながれるのに適している。出力端子は典型的には、開口部44をともなうキャップによって閉じられるまたは1/4波長導波管の穴の中で閉じられる中心導体を有する同軸の伝送ライン46を示している。冷却フィン42は好ましくは、ファン(表示されていない)からの強制空気の流れによって冷却される。
【0034】
図1に示されている先行技術のランプにおいて、電球21は、誘電体ロッド22の上に乗っており、次に誘電体ロッドは、軸方向に石英ソケット25に取り付けられており、ソケットの内法寸法は、マイクロ波端子43の外法寸法に相当しており、その結果、マイクロ波端子はソケット25の中にフィットすることができる。ソケットは、空隙19がソケット25の内壁と端子43との間に残るように、端子よりもわずかに長い。
【0035】
図3は、マルチマグネトロン放電ランプ100の考えられる一実施形態を示しており、該実施形態において、複数のマグネトロン411、412および413は、球形の電球に伝達される電磁エネルギーを増すために、またこれゆえにプラズマ領域35における発光電離プラズマの明るさを増すために配置されることができる。電球は、電磁の覆い53の中に包み込まれ、電磁の覆いは、波長導波管82およびコレット85によって侵入される。
【0036】
本発明の電球は、動かない発光電球である。好ましい一実施形態において、電磁波は、誘電体ロッド221、222、223を通過して電球に伝送される。前記誘電体ロッドは、マグネトロンまたはトランジスタアンテナの出力端子と整列しており、それぞれの出力端子と電球との間に設置されている。誘電体ロッドは、マグネトロンと電球とを物理的に接続している。図2に示されているように、誘電体ロッドは、波長導波管82およびカラー85の内部空洞の中に保持されることができる。
【0037】
誘電体ロッド221、222、223は、マグネトロンまたはトランジスタ増幅器と電球との間のエネルギー伝達の効果を高め、電磁場のための誘電体導波管として機能し、このように電球が動かないモードで操作されることを可能にする。
【0038】
図4に示されている実施形態は、管状電球における、2つのマグネトロンまたはトランジスタ増幅器411および412の好ましい位置を示している。細長い電球のあらゆる場所へのプラズマの均質の電離および加熱を保証するために、2つのマグネトロンがその端部に設置されている。各端部のエネルギー源は、電球の寸法をこの管状形に拡張することを可能にしている。
【0039】
高輝度の長い管状電球は、かなり明るい一様な高輝度が所望される応用に特に適している。細長い電球は例えば、矩形または他の形の光を発する表面を本質的に提供するような平面表面上に平行に配置されることができる。
【0040】
図5に示されているように、プラズマ電球21は、集光器51の中心に位置決めされている。集光器の形は、反射光をその開いている口の方へ案内するのに適している。その好ましい形は凹形、楕円形または放射線状のボウルであり、そこでボウルの湾曲は、反射光線の開口部を定義するように選択されることができる。
【0041】
図5aに示されているように、導電性の覆い53は、プラズマ電球21を完全に取り囲むことができる。別法として、図5bで示されているように、該覆いは、集光器51の導電性領域の内壁と接触して、プラズマ電球21が含まれる取り囲まれた空間を提供することができる。
【0042】
いくつかの管状拡張部を用いた放電電球の均質の照明は、マグネトロンまたはトランジスタ増幅器を各拡張部の端部に設置することによって実現可能である。管状拡張部の数は制限されない。図6において、十字形電球が示されており、その端部のそれぞれに、マグネトロンまたはトランジスタ増幅器411、412、413、414を使用している。複数のマグネトロンによって動力が供給される単一のプラズマ電球の、さらなる管の形、例えば星形、リング形などが考えられる。
【0043】
本発明は、放電ランプ内のただ一つの電球の使用に制限されるものではない。実際に、それぞれがマグネトロン411、412によって動力が供給される、複数のプラズマ電球211、212が、放電ランプ100の中に含まれることができる。各マグネトロンまたはトランジスタ増幅器は、選択される動力のレベルおよび周波数で、独立して操作されることができる。好ましくは、前記電球は、同じ包み込む導電性の覆い53を共有する。図7および図8は、そのようなマルチプラズマ電球放電ランプの考えられる実施形態を示している。この配置は、図7で示されているさらに細長い形や、図8で示されているY字形を含む、さまざまな異なる形に適している。
【0044】
マルチ電球放電ランプのそれぞれの個々の電球内の活性成分は、異なるものになり得る。このことは、励起準位が、放たれる光のスペクトルを制御するために個々に設定されることを可能にする。ランプは、その点灯される電球の異なる色のスペクトルを表示する。個々の電球の差異的調節は、電球の連続する明るさの制御すなわち「調光効果」を導入するまたは拡大することを可能にする。ある程度の調光は、点灯用電磁波源の動力の調整を通して可能になる。複数の電磁波源の使用は、調整可能な明るさの範囲を広げる。さらに、多数の電磁波源は、光度領域にわたるより高い精度または微調整を可能にする。
【0045】
図3図4および図6に実証されているように、本発明において請求される放電ランプの複数の電磁波源は、1つの動かない電球と電磁的につながれることができる。別の一実施形態において、図7および図8に示されているように、多数の電磁波源は1つにつき1つの電球につながれており、ここで多数の電球は、1つの放電ランプの中に含まれている。
【符号の説明】
【0046】
図面中で利用される参照番号
19 空隙
20 放電ランプ
21 電球
22 誘電体ロッド
23 光拡散フィルム
25 ソケット
35 プラズマ領域
41 マグネトロン
42 冷却フィン
43 端子/電磁波ランチャー(部分断面図)
44 開口部
46 同軸ライン
47 RF端子
48 絶縁体
51 集光器
52 支持カラー
53 電磁の覆い
82 3/4波長導波管
85 コレット
100 マルチマグネトロン放電ランプ
211 第一の電球
212 第二の電球
213 第三の電球
221 第一の誘電体ロッド
222 第二の誘電体ロッド
223 第三の誘電体ロッド
411 第一のマグネトロン
412 第二のマグネトロン
413 第三のマグネトロン
図1
図2
図3
図4
図5a
図5b
図6
図7
図8
【手続補正書】
【提出日】2023-01-10
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可視放射および/または赤外放射および/またはUV放射を提供するための無電極放電ランプ(100)であって、少なくとも部分的に可視放射および/または赤外放射および/またはUV放射を透過させる導電性の覆い(53)、プラズマ状態にあるとき光を放つ組成物で満たされている、導電性の覆い(53)の内部の単数または複数の動かない発光電球(21、211、212、213)、各電磁波源が出力端子を有し、該出力端子が単数または複数の電球内の組成物を電離および熱するための電磁場を放射してそれをプラズマ状態に至らせるものである複数の電磁波源(411、412、413、414)を具備する、無電極放電ランプ(100)。
【請求項2】
導電性の覆いが、導電性メッシュ(53)によって構成される部位を少なくとも一つ有する、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項3】
電球が、溶融石英、溶融シリカ、SiOで作られ、または任意の他の適した材料が利用されることができる、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項4】
電磁波源が、高周波とマイクロ波領域との間にある、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項5】
少なくとも一つの電球の組成物が、不活性ガス、ハロゲン化アンチモンまたはハロゲン化ビスマスの混合物で構成される第一の活性成分、In、Sn、Ag、Cu、Fe、Pb、CoおよびHgのうちの単数または複数のハロゲン化合物またはハロゲン化合物の混合物で構成される第二の活性成分を含む、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項6】
磁波源の出力端子のうちの一つと整列していてそれぞれの出力端子と電球(21、211、212、213)との間に位置決めされており電磁場のための誘電体導波管として機能し、電磁波源を電球(21、211、212、213)とつないでいる、単数または複数の誘電体ロッド(221、222、223、224)を具備する、請求項に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項7】
動かない発光電球(21)のうちの少なくとも一つが、2つ以上の電磁波源(411、412、413、414)と電磁力でつながれている、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項8】
数の動かない発光電球(211、212、213)を具備しており、電球が、異なる放出スペクトルを有する組成物で満たされており異なる電磁波源(411、412、413)につながれており、電磁波源が、可変のパワーレベルで操作されることができ、電磁波源のパワーレベルが、互いに独立して設定されることができる、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項9】
十字形の発光電球(21)または星形の発光電球を具備する、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項10】
動かない発光電球(21、211、212、213)が、本質的に管形を有し、かつ1つの端部で1つの電磁波源(411、412、413)と電磁力でつながれており、または2つの端部のうちのそれぞれで1つの電磁波源(411、412)と電磁力でつながれている、請求項1に記載の無電極放電ランプ(100)。
【請求項11】
凹形または放物線状の集光器(51)を含む、請求項10に記載の無電極放電ランプ(100)
【請求項12】
集光器(51)が、導電性の部位を少なくとも一つ有し、また集光器(51)の導電性の部位が、導電性の覆い(53)の一部である、請求項11に記載の無電極放電ランプ(100)
【国際調査報告】