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特表2023-524521検査装置、検査システム、及び検査方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】検査装置、検査システム、及び検査方法
(51)【国際特許分類】
   G01N 33/49 20060101AFI20230605BHJP
【FI】
G01N33/49 G
G01N33/49 K
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566672
(86)(22)【出願日】2021-04-30
(85)【翻訳文提出日】2022-12-27
(86)【国際出願番号】 GB2021051051
(87)【国際公開番号】W WO2021220014
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】2006374.9
(32)【優先日】2020-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(31)【優先権主張番号】2006742.7
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522426249
【氏名又は名称】ハイパティア ソリューションズ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベイカー、マーク ラルフ
【テーマコード(参考)】
2G045
【Fターム(参考)】
2G045AA25
2G045CA11
2G045CA12
2G045CA15
2G045CA17
2G045CB21
2G045FA19
(57)【要約】
【解決手段】本発明は、検査装置に関するものである。この検査装置は、サンプルチャンバと、サンプルチャンバと検査装置の外部との間に光路を提供するサンプルウィンドと、スマートデバイスに検査装置を取り付けるためにスマートデバイスに係合するための取り付けアームと、を備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
検査装置であって、
サンプルチャンバと、
前記サンプルチャンバと前記検査装置の外部との間に光路を提供するサンプルウィンドと、
スマートデバイスに前記検査装置を取り付けるために前記スマートデバイスと係合するための取り付けアームと、
を備える検査装置。
【請求項2】
前記検査装置は、血液検査装置である請求項1に記載の検査装置。
【請求項3】
前記サンプルチャンバは測定領域を備え、
前記測定領域は前記検査装置の外部から、前記サンプルウィンドを通して見ることが可能であり、
前記測定領域は前記サンプルチャンバの一部を形成し、
前記サンプルチャンバの前記一部は、前記サンプルウィンドを通して見ることが可能である請求項1又は請求項2に記載の検査装置。
【請求項4】
前記サンプルチャンバは、前記検査装置内で複数の位置に移動可能であり、前記位置の各々において、前記サンプルチャンバの各部分に前記測定領域を形成させる請求項3に記載の検査装置。
【請求項5】
前記サンプルチャンバは、前記検査装置の外部に開口する一端を有する1つ以上の毛細管を備える請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項6】
前記検査装置が、染色試薬をさらに含む請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項7】
前記サンプルチャンバを照明するように構成された照明手段をさらに備える請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項8】
前記スマートデバイスに接続可能であって、前記スマートデバイスからコマンドを受信し、前記コマンドに基づいて前記検査装置を調整するように構成される接続モジュールをさらに備える請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項9】
前記接続モジュールは、前記スマートデバイスからの対応するコマンドの受信に応じて、前記サンプルチャンバを前記複数の位置のうちの1つに移動させるように構成される請求項4に従属する請求項8に記載の検査装置。
【請求項10】
前記接続モジュールは、前記スマートデバイスからの対応するコマンドに応じて、前記照明手段を点灯させるように構成される請求項7に従属する請求項8に記載の検査装置。
【請求項11】
前記サンプルチャンバは、前記検査装置から取り外し可能である請求項1から請求項10のいずれか1項に記載の検査装置。
【請求項12】
請求項1から請求項11のいずれか1項に記載の検査装置と、カメラを備える前記スマートデバイスとを備える検査システムであって、前記検査装置の前記取り付けアームが、前記スマートデバイスと係合して、前記スマートデバイス上に前記検査装置を取り付けるように構成される検査システム。
【請求項13】
被検者が感染しているか否かを判定する方法であって、
白血球の数及び白血球のタイプの第1の数を含む測定値を判定するために、前記被検者の血液サンプルの画像データを分析する分析ステップと、
前記測定値を1つ又は複数の記憶された閾値と比較して、前記被検者が前記感染しているか否かを判定する判定ステップと、
を含む方法。
【請求項14】
前記感染が、ウイルスSARS-CoV2による感染である請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記測定値が、白血球の数、好中球の数、リンパ球の数、及び好酸球の数を含む請求項13又は請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記測定値を1つ又は複数の記憶された閾値と比較して、前記被検者が前記感染しているか否かを判定する判定ステップは、前記測定値に対して計算を実行する実行ステップと、前記計算の結果を、前記記憶された閾値のそれぞれの閾値と比較する比較ステップとを含む請求項13~請求項15のいずれか1項に記載の方法。
【請求項17】
請求項12に記載の検査システムによって実施される請求項13~請求項16のいずれか1項に記載の方法。
【請求項18】
前記写真を取得する取得ステップをさらに含み、
前記写真の取得は、前記スマートデバイスの前記カメラを用いて前記写真を撮影することである請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記写真を取得する取得ステップは、前記検査装置の前記サンプルチャンバを照明する照明ステップをさらに含む請求項18に記載の方法。
【請求項20】
請求項10の検査装置において、前記サンプルチャンバを照明する照明ステップは、前記スマートデバイスから前記検査装置に信号を送信して前記サンプルを照明することを含む請求項19に記載の方法。
【請求項21】
前記写真を取得する取得ステップは、前記検査装置の前記サンプルチャンバを複数の位置の間で移動させる移動ステップと、前記サンプルチャンバが前記複数の位置の各々にあるときに、前記スマートデバイスの前記カメラを用いて前記写真を撮影する撮影ステップとをさらに含む請求項17~請求項20のいずれか1項に記載の方法。
【請求項22】
請求項9に記載の検査装置において、前記サンプルチャンバを移動させる移動ステップは、前記スマートデバイスが前記検査装置の前記接続モジュールにコマンド信号を送信することを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記複数の位置のそれぞれにおいて写真が撮影されるまで、前記照明ステップ、前記撮影ステップ、及び前記移動ステップが繰り返される請求項20、請求項21、及び請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記スマートデバイスにインストールされたアプリケーションによって実行される請求項15~請求項23のいずれか1項に記載の方法。
【請求項25】
前記スマートデバイスは、サーバ及び/又はクラウドベースのシステムに接続可能であり、前記方法が、前記スマートデバイス上のアプリケーションによって前記サーバ及び/又は前記クラウドベースのシステムを用いて実行され、さらに選択に応じて、前記スマートデバイス上の前記アプリケーションが定期的な間隔で前記サーバをチェックすることによって、前記サーバに記憶された閾値を更新し、
前記方法が、
前記サンプルチャンバ内に前記被検者の血液サンプルを配置する配置ステップと、
前記スマートデバイスの前記カメラを前記検査装置の前記サンプルウィンドに対して位置合わせする位置合わせステップと、
前記スマートデバイスを用いて、請求項17~請求項24のいずれか1項に記載の方法を実行する実行ステップと、
を備えた請求項17~請求項24のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は被検者(host)からのサンプルを検査するための装置及びシステム、ならびに被検者が感染しているかどうかを判定するための方法に関し、特に、スマートデバイスに搭載可能な検査装置に関するが、これに限定されない。本発明の態様は、検査装置、検査システム、及び被検者が感染しているかどうかを判定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
感染症は細菌又はウイルスなどの微生物が被検者(人または動物)に侵入し、増殖することによって引き起こされる。
【0003】
いくつかのタイプの感染、例えば、疾患Covid-19を引き起こすウイルスSARS-CoV2による感染では、被検者が症状自体を経験することなく、又は症状が生じる前に感染力がある可能性がある。さらに、被検者は感染力がある初期の期間であることが多く、利用できる検査によっては感染を特定することができない。したがって、この最初の感染期間では、感染者は感染について検査は陰性になる可能性があるが、それにもかかわらずウイルスは他の被検者に感染する可能性がある。これは、近年SARS-CoV2の蔓延を世界中で経験したように、大規模で、健康、社会、及び経済的な影響を広範に及ぼす流行又はパンデミックをもたらし得る。さらに、感染のために現在利用できる検査は、専門施設、医師、及び/又は試薬を必要とすることが多く、これらは、高価で能力的も限られている上、医師の手術室などの検査場所に感染者を移動することが必要となり、それによって、移動中に他の人に感染する危険性がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、感染の初期段階で被検者の感染を効果的でかつ経済的に診断することができる方法が必要とされている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は検査装置を提供し、検査装置は、サンプルチャンバと、サンプルチャンバと検査装置の外部との間に光路を提供するサンプルウィンドと、検査装置をスマートデバイスに取り付けるためにスマートデバイスと係合するための取り付けアームとを備える。
【0006】
検査装置は、スマートデバイスのカメラとともに使用されて、サンプルチャンバ内のサンプルを検査することができる。スマートデバイスはスマートフォンであってもよく、サンプルは血液サンプルであってもよい。
【0007】
検査装置は、血液検査装置であってもよい。被検者(感染した人または動物)における異なるタイプの血液細胞の数の変化は、感染の初期段階で起こり、多くの場合、被検者には感染したことが現れていない。被検者は感染していても、症状そのものを経験することなく、又は症状が起こる前に、他の者(重度の症状又は合併症を経験し、そのうちの一部が結果として死亡する可能性がある)に感染させるかもしれない。流行又はパンデミックのようないくつかの状況では、症状を示していないが感染させる可能性がある人々を同定するために、異なるタイプの血液細胞の数を判定するために血液検査を実施し、これらの人々が疾患を拡散させるのを防ぐために、それらの人々自身を隔離することが望ましい。しかしながら、医療専門家が、十分な数の人々から、疾患の拡散を許容可能なレベルまで低減させるのに十分な数の感染力のある人々を識別するのに、十分な頻度で定期的に血液を採取するのに十分な能力がないことがある。加えて、そのような検査は、従来、比較的大きな血液サンプルが静脈から採取されるのに伴い、血液を採取するために医療専門家が必要となり、次に検査室に送られるため、血液の採取と結果が利用可能になるまでの間に著しい遅延を伴う。
【0008】
これらの課題を克服するために、本明細書に記載される装置、システム、及び方法は、家庭での使用に適しており、訓練されていないユーザが自分自身から少量の血液を抽出する手法と、家庭内で検査される血液及び血液の液滴(bead)から即座に感染を同定するための手法及び方法とを有する。
【0009】
サンプルチャンバは、測定領域を含むことができ、測定領域は、サンプルウィンドを通して、検査装置の外部から見ることができる。測定領域は、サンプルチャンバの全体であってもよく、その結果、サンプルチャンバの全てがサンプルウィンドを通して見ることができ、又は、測定領域は、サンプルチャンバの一部がサンプルウィンドを通して見ることができるように、サンプルチャンバの一部であってもよい。検査装置は、サンプルチャンバの複数の異なる部分の各々の間で測定領域を切り替えるように調整可能であってもよい。
【0010】
例えば、サンプルチャンバは、検査装置内で複数の位置に移動可能であってもよい。複数の位置間のサンプルチャンバの移動は、サンプルチャンバのどこかの部分が測定領域を形成するように変化し、その結果、各々の位置が、サンプルチャンバの各々の部分に測定領域を形成させることができる。測定可能領域は、サンプルウィンドを通して見ることが可能なサンプルチャンバの一部の全てによって形成される。
【0011】
例えば、サンプルチャンバは、左位置と右位置との間でスライド可能であってもよい。左位置にあるサンプルチャンバは、サンプルチャンバの右部分をサンプルウィンドを通して見ることができ、したがって、サンプルチャンバの右部分に測定領域を形成させることができる。右位置にあるサンプルチャンバは、サンプルチャンバの左部分をサンプルウィンドを通して見ることができ、したがって、サンプルチャンバの左部分に測定領域を形成させることができる。サンプルチャンバは、例えば直線状に並進移動されてもよく、又は例えば円形状に回転されて移動されてもよい。
【0012】
このようにして、サンプルチャンバはサンプルの異なる部分、例えば、血液サンプルをスマートデバイスのカメラの視野内に配置するために、円形移動で、又は走査、例えば、ラスタ走査などの直線で移動され得る。より正確な結果を得るために、より多数の細胞を計数するためにはより大きなサンプルを分析する必要があり、血液サンプルの各部分の写真などの画像データを取得し、分析することができる。
【0013】
サンプルチャンバは、モータによって、又はユーザによって回転されるねじによって移動され得る。あるいは、検査装置内のミラー又はレンズなどの光学部品を移動させることで、測定領域を移動させることができる。あるいは、サンプル、例えばサンプルチャンバ内の血液は、サンプルチャンバ内に沿ってサンプルを液圧によって押すことによって、移動されてもよい。
【0014】
サンプルチャンバは開けることができる。このようにして、例えばシリンジ又はマイクロピペットによって、サンプルをチャンバ内に導入することができる。サンプルチャンバは1つ又は複数の毛細管を備えてもよく、毛細管は検査装置の外部に開口又は開放可能な1つの端部を有する。このようにして、サンプルは、毛細管現象によってサンプルチャンバ内に引き込まれ得る。サンプルチャンバは、親水性コーティングを有することができる。親水性コーティングは、流体が引き込まれることを促進するように作用し、それによって、サンプルチャンバへのサンプルの移送を改善する。サンプルチャンバは、親水性フィルムを含むことができる。親水性フィルムは、血液などの水性流体をチャンバ内に運ぶように作用し、それによって、サンプルチャンバへのサンプルの移送を改善する。親水性フィルムは、マイクロテクスチャ表面を有することができる。検査装置を振動することにより、例えば、毛細管現象によってチャンバの毛細管内に引き込まれることによって、サンプル(例えば、血液)をサンプルチャンバ内にさらに移動させることができる。
【0015】
検査装置は、染色試薬をさらに含んでもよい。このようにして、サンプルに試薬を手動で導入する必要なく、染色試薬を必要とする検査を検査装置を用いて実施することができる。
【0016】
染色試薬は、サンプルチャンバ内、例えば、チャンバの1つ以上の内壁上にあってもよい。サンプルチャンバ及び/又は測定領域の一部又は全ては、球状の小さな塊(ブロブ)で及び/又は筋状に配置されるか、及び/又は広い領域にわたって配置され得る染色試薬でコーティングされてもよい。
【0017】
検査装置は、染色試薬を保存するための試薬チャンバをさらに備えてもよい。試薬チャンバは、サンプルチャンバに流れるように接続されてもよく、又は試薬チャンバは障壁によってサンプルチャンバから分離されてもよい。サンプルチャンバ及び/又は試薬チャンバは、染色試薬を含有する毛細管を備えてもよい。
【0018】
障壁は、可溶性障壁、電気的に除去可能な障壁、電流によって溶融され得る障壁などの熱電障壁、又は除去可能なストリップもしくはピンなどの機械的障壁であり得る。検査装置は、試薬チャンバの内容物をサンプルチャンバに移送するように作動可能なマイクロピペット又はシリンジなどの機構をさらに備えてもよい。上記の機構又は障壁のいずれかは、試薬を移送又は活性化するために、電気的又は電解的プロセスと組み合わされ得る。
【0019】
サンプルチャンバは、透明壁を有してもよく、透明壁はサンプルウィンドを形成する。これは、顕微鏡スライド又は血球計数器と同様の方法で、血液の光学的測定を可能にし得る。
【0020】
サンプルウィンドは、レンズを含んでもよい。レンズは、クローズアップレンズ又は拡大レンズであってもよい。サンプルウィンドは、レンズアパーチャをさらに備えてもよい。
【0021】
検査装置は、光学システムをさらに備えてもよい。光学システムは、クローズアップレンズ又は拡大レンズ又はレンズシステム、及び/又は、サンプルチャンバ又は測定領域、及び/又は、照明源又は照明源に関連するレンズ、及び/又は、サンプルチャンバを照明することに関連する任意の光学系を含むことができる。光学システムは、位相差顕微鏡システムであってもよいし、微分干渉顕微鏡システムであってもよいし、ホフマン変調コントラスト顕微鏡システムであってもよい。これにより、血液サンプルであり得るサンプルを、染色することなく、又は染色性能を高めて観察することが可能になり得る。光学系は、共焦点顕微鏡システムであってもよい。光学システムは、共焦点顕微鏡の検査に必要な構成要素を含むことができる。これは、スマートフォン又は他の多目的デバイス上の複数の画像におけるサンプルの複数の画像平面を再構成することを可能にし得る。
【0022】
取り付けアームは、検査装置のサンプルウィンドがスマートデバイスのカメラに対して位置合わせされるように、スマートデバイスと係合するように構成され得る。
【0023】
検査装置は、サンプルチャンバ及びサンプルウィンドを含む本体を備えてもよく、サンプルウィンドの外面は本体の第1の側にあり、取り付けアームは、本体の第1の面から離れて、本体の第1の面に略平行な方向に延びるのが好ましい。
【0024】
取り付けアームは、サンプルウィンドから離隔し、サンプルウィンドに対向する第1の面を有することができ、それによって、サンプルウィンドと検査装置の取り付けアームの第1の面との間にスマートデバイス収納空間を形成する。スマートデバイス収納空間の深さは、スマートデバイスの深さと同じであってもよい。検査装置は、摩擦嵌めによってスマートデバイスに取り付け可能であってもよい。取り付けアームは、サンプルウィンドに向かって付勢されてもよい。このように、検査装置がスマートデバイスに搭載されていない場合、スマートデバイス収納空間の深さは、スマートデバイスの深さよりも小さくてもよい。検査装置がスマートデバイス上に取り付けられるとき、取り付けアームの付勢力は、検査装置をスマートデバイス上の所定の位置に保持する。
【0025】
スマートデバイス収納空間の深さは、サンプルウィンドの外面に垂直な方向に測定されてもよい。この用途におけるスマートデバイスの深さは、カメラの面に垂直な方向に、スマートデバイスのカメラの面からスマートデバイスの反対側の面まで測定される。例えば、奥行きは、背面のカメラの面に垂直な方向に、背面のカメラの面からスマートデバイスの前面まで測定されてもよい。
【0026】
取り付けアームは、サンプルウィンドに対向する位置に孔又は隙間を有することができる。アームのこの孔又は隙間は、検査装置がスマートデバイスに取り付けられていないときに、サンプルウィンドの洗浄を可能にすることができる。
【0027】
取り付けアームは、第1の面とサンプルウィンドの外面を含む面との間に延在する第2の面を有し得る。取り付けアームの第2の面は、サンプルウィンドの外面から距離hのところで面に接するようにしてもよい。距離hは、スマートデバイスのカメラとスマートデバイスの端部との間の距離に等しくてもよい。このようにして、スマートデバイスの端部は、カメラが検査装置のサンプルウィンドと位置合わせされたときに、取り付けアームの第2の面に当接することができる。
【0028】
取り付けアームは、特定のスマートデバイス、例えば特定のスマートフォン、タブレット、ラップトップなどに合うように適合されてもよく、又は、取り付けアームがサンプルウィンドと取り付けアームとの間に形成されるスマートデバイス収納空間の深さを変更したり、かつ/又は距離hを変更したりできるように調整可能であってもよい。このようにして、検査装置は、様々なサイズのスマートデバイスと一緒に使用可能であり得る。
【0029】
検査装置は、サンプルチャンバを照明するように構成された照明手段をさらに備えてもよい。あるいは、検査装置が、検査装置の一部を構成するものとは別の光源によるサンプルの照明を可能にするように構成されてもよい。検査装置は、検査装置の外部と測定領域及び/又はサンプルチャンバとの間に光路を形成する光入射口をさらに備えてもよい。例えば、昼光やスマートデバイスの内蔵ライト/カメラフラッシュなどである。スマートデバイス内臓光源又はスマートデバイス内臓照明手段は、1つ以上のLED、レーザダイオードなどの1つ以上の単色光源、又はより広い広域スペクトル光源であってもよい。広域スペクトル光源は、1つ又は複数のダイクロイックミラーなどのハイパスフィルタ、ロウパスフィルタ、バンドパスフィルタ及び/又はノッチフィルタとともに使用され得る。サンプルは、システムが染色することなく細胞のタイプを区別することを可能にしたり、染色の性能を向上させたりすることができる特定の波長の電磁波(例えば、可視光、UV、赤外線)で照射され得る。照明手段は、電磁スペクトルの一部、例えば、可視光線、紫外線、赤外線でサンプルを照明するように構成されてもよい。電磁スペクトルの一部は、サンプル又は試薬チャンバ中に存在する蛍光染料と適合するように選択することができる。この場合、サンプルは、1つの波長で照射されると、測定するための別の1つ又は複数の波長を発することができる。
【0030】
検査装置は、レンズシステム、ピンホール、光ファイバ、光導波路、又は光パイプを通してサンプルの照明が行われるように構成されてもよい。照明手段は、レンズシステム、ピンホール、光ファイバ、光導波路又は光管を介して、計測領域及び/又はサンプルチャンバに光学的に接続されてもよい。代替的に、外部光源が使用される場合、検査装置内の光入射ウィンドは、レンズシステム、ピンホール、光ファイバ、光導波路、又は光パイプを介して、測定領域及び/又はサンプルチャンバに光学的に接続され得る。光入射ウィンドは、サンプルウィンドによって形成されてもよい。
【0031】
検査装置は、照明手段又は光入射ウィンドからの光を分割するように構成された光スプリッタを備えてもよい。光スプリッタは発散レンズであってもよい。このようにして、照明は、例えば、レーザビームを分割するために発散レンズを使用して複製され得る。これは、位相差顕微鏡技術において使用され得る。
【0032】
照明手段は、エレクトロルミネセントプレートであっても、又はサンプルチャンバの下の領域にあってもよい。
【0033】
検査装置は、スマートデバイスに接続可能な接続モジュールを有してもよい。接続モジュールは、ブルートゥース(登録商標)モジュール、RFIDモジュール、WiFiモジュール、又はマイクロUSB又はUSB-Cポートなどの物理的な接続ポートを備えてもよい。接続モジュールは、スマートデバイスからコマンドを受信し、コマンドに基づいて検査装置を調整するように構成され得る。例えば、接続モジュールは、スマートデバイスから対応するコマンドを受信すると、サンプルチャンバを複数の位置のうちの1つに移動させるように構成され得る。接続モジュールは、スマートデバイスからの対応するコマンドに応じて、照明手段を点灯させるように構成され得る。接続モジュールは、検査装置の状態を示す信号をスマートデバイスに送信するように構成され得る。例えば、接続モジュールは、照明手段が点灯していること、又は検査装置に障害があることを示すために、スマートデバイスに信号を送信することができる。
【0034】
検査装置は、サンプル収集装置をさらに備えてもよい。サンプル収集装置は、ピンプリック装置などの血液抽出装置であってもよい。サンプル収集装置は、検査装置の残りの部分と一体であってもよく、又は検査装置の残りの部分とは別個であってもよく、又は分離可能であってもよい。
【0035】
血液抽出装置は、ランセット、ランセット装置、又は他のピンプリック装置、例えば、糖尿病モニタリングのための家庭用グルコースモニタリングキットで使用されるピンプリック装置などのピンプリック装置であってもよい。あるピンプリック装置は、血液抽出装置が検査対象(subject)から新しい血液を抽出するためのシリンジ又は任意の他の装置であってもよい。
【0036】
血液抽出装置を使用して抽出された血液は、被検者の指又は他の身体領域からの血液の液滴を、毛細管現象によって検査装置のサンプルチャンバ内に引き込んで検査装置の一部上に置くことで、又は上記でより詳細に論じられた他の方法で、検査装置のサンプルチャンバに移送され得る。
【0037】
サンプルチャンバは、検査装置から取り外し可能であってもよい。検査装置は、検査装置から取り外し可能な使い捨て可能な構成要素を備えてもよい。使い捨て可能な構成要素は、サンプルチャンバを備えてもよい。このようにして、サンプルチャンバは、検査装置を使用する度に置き換えられてもよく、これにより、前に検査されたサンプルがサンプルに混入することがないことを確実にする。
【0038】
さらに、上述の検査装置と、カメラを備えるスマートデバイスとを備える検査システムが提供され、取り付けアームは、スマートデバイスに検査装置を取り付けるためにスマートデバイスと係合するように構成される。
【0039】
取り付けアームは、検査装置のサンプルウィンドが、スマートデバイスのカメラに対して位置合わせされるように、スマートデバイスと係合するように構成されてもよい。
【0040】
スマートデバイスは、スマートフォン、タブレット、ラップトップ、又はカメラを含む他の多目的デバイスであってもよい。カメラは、高解像度デジタルカメラであってもよい。スマートデバイスは、被検者が感染しているか否かを判定するためのコンピュータ実装方法の全部又は一部を実行するように構成され得る。スマートデバイスは、例えば、WiFi又は3G/4G/5Gネットワークを使用するインターネットによって、サーバ又はクラウドベースのシステムなどの処理デバイスに接続しているか、又は接続可能であり得る。システムは、処理装置をさらに備えてもよい。
【0041】
さらに、被検者が感染しているか否かを判定する方法が提供され、この方法は、被検者の血液サンプルの画像データを分析して測定値を判定し、測定値は白血球の数及び白血球のタイプの第1の数を含み、測定値を1つ又は複数の記憶された閾値と比較して、被検者が感染しているか否かを判定する。画像データは、写真であってもよい。本明細書において、写真が参照される場合、画像データも同様に適用可能である。画像データは、カメラの異なる焦点の範囲で収集された画像を含むことができる。画像データは、3D画像又は複数の2D写真を含むことができ、これらは、重複していても、重複していなくてもよい。各2D画像は、異なるそれぞれの焦点深度を有することができ、2D画像のそれぞれの焦点深度は、サンプル中の細胞が2D画像のうちの1つにしか現れないように離隔されてもよい。あるいは、2D画像の焦点深度が、1つの細胞が2D画像のうちの1つ以上に現れるように離隔されてもよい。
【0042】
画像データの分析には、フーリエ領域又はラプラシアン領域における画像データの分析を含むことができる。画像データの分析には、画像データのフーリエ変換又はラプラシアン変換を実行することを含んでもよい。画像データの分析には、例えば、指定されたX,Y座標と半径を有する円内の画像をクロッピングするなどのクロッピング技法を含むことができる。画像データの分析には、アーチファクト除去、及び/又は、フィルタの実装、例えばフーリエ空間又はラプラシアン空間及び/又はコンボリューション/デコンボリューション、ガウシアン及びガウシアンの差、エッジ検出、及び/又はサインx/xフィルタを実装することができる。画像データの分析には、ノイズを低減するために複数の画像を組み合わせることを含んでもよい。画像データの分析には、カラー画像を濃淡画像に変更することを含むことができ、この変更は、相対的重み付けを用いて、赤、青、緑の3つのチャネルを組み合わせてカラー画像を濃淡画像に変換するか、又は染色のために画像データを最適化するか、色収差を除去することができるチャネル又はチャネル重み付けのうちの1つの選択を含むことができる。画像データの分析には、1から画像強度を減算することで、画像を反転することを含み得る。これは、白の背景を黒に変え、黒いセルを白に変えることができる。画像データの分析には、2ピクセルよりも小さいサイズの特徴を除去することができる抑制を含むことができる。これにより、ノイズを低減し得る。画像データの分析には、マスクされていないピクセルに基づいて、閾値以上を前景とし、かつ閾値以下を背景とする単一の閾値を計算する閾値処理を使用して、細胞を識別することを含み得る。画像データの分析には、ランダムフォレスト分類器を使用することを含むことができる。
【0043】
この方法は、コンピュータ実装方法であってもよく、又はスマートデバイス及び/又はサーバもしくはクラウドベースのシステムであってもよく、コンピュータによって部分的に実行されてもよい。本方法は、上述の特徴の任意の組合せを有する上述のシステムによって実行されてもよい。被検者は、人であってもよい。感染は、ウイルスSARS-CoV2による感染であってもよい。
【0044】
本方法は、画像データを取得することをさらに含むことができる。画像データの取得は、スマートデバイスのメモリから画像データを取得することを含んでもよく、又は画像データの取得は、スマートデバイスによって写真を撮影することを含んでもよい。
【0045】
写真又は画像データの取得は、サンプルチャンバを照射することをさらに含み得る。サンプルチャンバの照明は、写真が撮影されている間に、スマートデバイスの光を起動又は点滅させることを含むことができる。照明は、サンプルを照明するための信号を検査装置に送信することを含んでもよい。信号は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、RFID、WiFiなどの無線で、又はマイクロUSBもしくはUSB-Cケーブルなどのケーブルを使用して、検査装置の接続モジュールに送信され得る。サンプルチャンバの照明は、検査装置の照明手段を使用することを含むことができる。
【0046】
写真の取得は、検査装置のサンプルチャンバを複数の位置の間で移動させ、サンプルチャンバが複数の各々の位置でスマートデバイスのカメラで写真を撮影することをさらに含み得る。各位置で撮影された写真は、分析される写真を形成するために組み合わされ得る。このようにして、サンプルチャンバのより大きな面積を分析に含めることができ、それによって、サンプル及び被検者のより正確に表したものが与えられる。サンプルチャンバの移動には、信号を検査装置に送信することを含んでもよい。信号は、例えば、ブルートゥース(登録商標)、RFID、WiFiなどの無線で、又はマイクロUSBもしくはUSB-Cケーブルなどのケーブルを使用して、検査装置の接続モジュールに送信され得る。サンプルチャンバの移動には、サンプルチャンバを次の位置に移動させるためのコマンドをユーザに表示することを含み得る。
【0047】
本方法は、被検者が感染しているかどうかの判定を、ユーザ、例えば被検者及び/又は医師に知らせることをさらに含むことができる。例えば、ユーザへの通知には、スマートデバイスの画面上に判定を表示すること、又は電子メール、SMS、又は他の電子メッセージなどの通知をユーザに送信することを含み得る。
【0048】
本方法は、コンピュータ実装方法を自動的に実行するために、スマートデバイス上にインストールされたアプリケーションによって全体的又は部分的に実行され得る。この方法は、検査装置及び/又はサンプルが定位置にあることの確認、写真を撮影することの確認、及び任意の他のステップの確認のようなユーザ入力を必要とし得る。
【0049】
上記の方法のステップは、スマートデバイスによって、又はサーバ及び/又はクラウドベースのシステムによって実行され得る。方法は、写真、測定値、記憶された閾値、及び/又は被検者が感染しているか否かの判定のような情報を、スマートデバイスとサーバ及び/又はクラウドベースのシステムとの間で送信することをさらに含み得る。一例として、スマートデバイスは、サンプルを照明し、写真を撮影することができ、サーバ及び/又はクラウドベースのシステムは、スマートデバイスから写真を取得し、写真を分析し、測定値を1つ又は複数の記憶された閾値と比較して、被検者が感染しているか否かを判定することができる。次に、サーバ及び/又はクラウドベースのシステムは判定の結果をスマートデバイスに返すことができ、スマートデバイスは、被検者が感染しているか否かをユーザに知らせることができる。
【0050】
別の例では、スマートデバイスが、例えば、カメラのフラッシュからの光による光学的な起動によって、ブルートゥース(登録商標)もしくはRFID信号などの無線接続によって、又は、例えば、マイクロUSBもしくはUSB-Cポートを介する物理的接続を通じて、画像の取得を起動する前に血液サンプルの照明をオンにすることを含むテスト処理を実行するように構成されたアプリケーションを実行することができる。
【0051】
アプリ、サーバ、又はクラウドベースの分析システムは、血液サンプル中に存在する異なるタイプの細胞の数を識別することができる。例えば、アプリ、サーバ、又はクラウドベースの分析システムは、サンプル中の白血球、単球、及び好酸球の数を識別することができる。アプリは、ユーザに細胞のタイプの数を提供することができる。ユーザは、細胞のタイプの数をルックアップテーブル又はチャートとともに使用して、ユーザの診断を決定することができる。チャート又はルックアップテーブルは、身長及び体重又は血圧測定値から健康の尺度を評価するために使用されるものと同様であり得る。
【0052】
アプリ、サーバ、又はクラウドベースのシステムは、診断に必要な計算を実行することもできる。計算結果は、アプリを介してユーザに提示されてもよいし、メッセージサービスを介してユーザに送信されてもよい。ユーザは、数値結果を診断に変換するガイドと照合して、被検者が感染しているか否かを判定することができる。
【0053】
アプリ、サーバ、又はクラウドベースの分析システムは、被検者が感染しているかどうかを判定することができる。アプリ、サーバ、又はクラウドベースのシステムは、テスト結果及び/又は判定を、アプリを介してユーザに提示するか、又はメッセージサービスを介してユーザに送信することができる。
【0054】
この判定は、(例えば、ユーザによって、アプリによって、サーバによって、又はクラウドベースの分析システムによって)異なる細胞のタイプの数又は比率のテーブルを参照することによって行うことができ、このテーブルは静的であってもよく、より多くのデータが収集されるにつれて全ての履歴データに従って動的に更新されてもよく、又は、例えば、ウェブサービスを介して、パラメータの任意の変化を考慮するために、現在及び/又は最近のデータに従って動的に更新されてもよい。テーブルは、測定値及び/又は計算結果を比較することができる閾値を含むことができる。
【0055】
測定値を1つ又は複数の記憶された閾値と比較して、被検者が感染をしているか否かを判定することは、被検者の年齢及び/又は性別、遺伝因子、及び/又は環境因子のような1つ又は複数の因子に基づいて、一連の閾値から閾値を選択することをさらに含み得る。
【0056】
アプリは、テスト処理を制御することができる。アプリは、照明手段にサンプルチャンバを照明させるための信号を検査装置に送信することができる。アプリは、照明手段が点灯している間に、スマートデバイスにサンプルチャンバを撮影させることができる。アプリは、サンプルチャンバの別の部分が測定領域になるように、サンプルチャンバを移動させるための信号を検査装置に送信することができる。アプリは、サンプルチャンバ領域の測定可能領域の全体が撮影されるまで、照明、撮影、及び移動ステップを繰り返すことができる。アプリは、写真内に存在する白血球、単球、及び好酸球の総数を識別し、計数することができる。アプリは、SARS-CoV2の診断のための測定値の計算を実行することができる。アプリは、計算結果をSARS-CoV2診断閾値数と比較することができる。アプリは、比較によって示される肯定的又は否定的な判定をユーザに表示することができる。
【0057】
アプリは、インターネットに接続されたときに、定期的な間隔で、例えば毎日、サーバをチェックすることによって、その計算及び/又は閾値数を更新することができる。これにより、アプリは、最新の診断計算及び特定の閾値を得ることができ、より正確であることが分かっている任意の新しい計算を使用することができ、使用される特定の計算、ならびに被検者の年齢、性別、及び/又は診断において有意であることが分かっている任意の他の基準、又は必要とされる感度対特異度のバランスにおいて、個体についての感度対特異度の現在必要とされるバランスのために正しい閾値を使用することができる。アプリは、例えば、アプリの最初の使用時に、ユーザに、彼らの生年月日、性別、及び/又は任意の他の詳細を入力するように促すことができる。
【0058】
第1のタイプの白血球は、単球又は好酸球であってもよい。測定値は、いくつかの第2のタイプの白血球をさらに含んでもよい。第2のタイプの白血球は、好酸球又は単球又は好中球又はリンパ球であり得る。測定値は、白血球の数、単球の数、及び好酸球の数を含み得る。測定値は、白血球の数、好中球の数、リンパ球の数、及び好酸球の数を含み得る。測定値は、白血球の数及び/又は白血球のタイプの第1の数を含む必要性はない。測定値は、1つ又は複数の血液細胞のタイプ又は血小板、及び/又は血液感染性の変化又は血液感染、例えば、マラリアなどのマラリア原虫の存在、又は白血病細胞を含んでもよい。血液細胞のタイプは、白血球の総数、好中球の数、好酸球の数、好塩基球の数、単球の数、リンパ球の数、T細胞の数、及び/又はB細胞の数を含み得る。
【0059】
被検者が感染しているか否かを判定するために測定値を1つ又は複数の記憶された閾値と比較することは、測定値に対して計算を実行し、計算の結果を閾値と比較することを含み得る。測定値及び/又は計算結果を閾値と比較することは、測定値及び/又は計算結果が閾値よりも大きいか否かを判定することを含み得る。
【0060】
計算は、白血球の数Lに対する単球の数Mを比較する計算であってもよい。計算が白血球の数に対する単球の数の比、M/L=アルファ、αであってもよい。計算は、白血球の数から単球の数を引いたものであってもよく、L-M=ベータ、βであってもよい。
【0061】
計算は、白血球の数L及び好酸球の数Eに対する単球の数Mを比較する計算であってもよい。計算は白血球の数+好酸球の数に対する単球の数の比、M/(L+E)=ガンマ、γであってもよい。計算は、白血球の数+好酸球の数-単球の数、L+E-M=デルタ、δであってもよい。
【0062】
複数の別個の計算が、測定値に対して実行されてもよく、各計算結果は、それぞれの閾値と比較されてもよい。測定値は、それぞれの閾値と比較することができる。複数の比較が行われる場合、被検者が感染していると判定する比較のうちのいずれか1つ以上の比較に基づいて、被検者が感染していると判定することができる。あるいは、被検者が感染しているという判定は、被検者が感染していると判定する比較の全てか、又は選択したものに基づいて行うことができる。2つ以上の計算及びそれぞれの閾値との比較が、被検者が感染しているか否かの結果が同じである場合には、結果における信頼性は高まる。
【0063】
測定値は、白血球の数、好酸球の数、好中球の数、及びリンパ球の数を含み得る。計算は、白血球の数から好中球の数を引いたもの(λ=L-N)とすることができる。計算は、白血球の数から好酸球の数を引いたものであってもよい(κ=L-E)。測定値を1つ又は複数の記憶された閾値との比較には、λ、κ、及び測定値の各々をそれぞれの閾値と比較することを含み得る。
【0064】
κ計算のための感染閾値μ(ミュー)は、7.00 10^9/Lであり得る。値がμ(ミュー)より大きい場合、結果は陽性である。λ計算の感染閾値ν(ニュー)は、2.02 10^9/Lとすることができる。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好酸球の数の感染閾値ξ(クサイ)は、0.09 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。リンパ球数の感染閾値ο(オミクロン)は、1.64 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好中球の数の感染閾値ρ(ロー)は、5.07 10^9/Lであり得る。値がそれより大きい場合、結果は陽性である。白血球の数の感染閾値σ(シグマ)は、8.00 10^9/Lであり得る。値がそれより大きい場合、結果は陽性である。
【0065】
比較のうちの1つ又は複数が陽性結果を与える場合には、被検者が感染しているという判定を行うことができる。閾値μ、ν、ξ、ο、ρ及びσを使用して、感受性は97.29%であり得、特異度は67.95%であり得る。
【0066】
κ計算の感染閾値μ(ミュー)は、3.50 10^9/L~10.50 10^9/L、特に6.30 10^9/L~7.70 10^9/Lであり得、特に7.00 10^9/Lとすることができる。値がμ(ミュー)より大きい場合、結果は陽性である。λ計算の感染閾値ν(ニュー)は、1.01 10^9/L~3.03 10^9/L、特に1.818 10^9/Lから2.222 10^9/Lであり得、特に2.02 10^9/Lとすることができる。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好酸球の数の感染閾値ξ(クサイ)は、0.045 10^9/L~0.135 10^9/L、特に0.081 10^9/L~0.99 10^9/Lであり得、特に0.09 10^9/Lとすることができる。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。リンパ球の個数に対する感染しきい値ο(オミクロン)は、0.82 10^9/L~2.46 10^9/L、特に1.476 10^9/L~1.804 10^9/Lであり得、特に1.64 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好中球の数の感染閾値ρ(ロー)は、2.535 10^9/L~7.605 10^9/L、特に4.563 10^9/L~5.577 10^9/Lであり得、特に5.07 10^9/Lの値であり得る。値がそれより大きい場合、結果は陽性である。白血球の数の感染閾値σ(シグマ)は、4.00 10^9/L~12.00 10^9/L、特に7.2 10^9/L~8.80 10^9/Lであり得、特に8.00 10^9/Lであり得る。値がそれより大きい場合、結果は陽性である。
【0067】
比較のうちの1つ以上の結果が陽性である場合、被検者が感染しているという判定を行うことができる。閾値μ、ν、ξ、ο、ρ及びσを使用して、感受性は96.5%~98.5%、特に97.29%であり得、特異度は66.00%~69.00%、特に67.95%であり得る。
【0068】
計算は、白血球の数から好中球の数を引いたもの(λ=L-N)とすることができる。測定値と1つ又は複数の記憶された閾値との比較は、λの各々、ならびに好酸球の数及びリンパ球の数をそれぞれの閾値と比較することを含み得る。
【0069】
λ計算のための感染閾値υ(ウプシロン)は、1.50 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好酸球の数の感染閾値φ(ファイ)は、0.03 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。リンパ球の数の感染閾値χ(キー)は、1.10 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。
【0070】
比較のうちの1つ又は複数が陽性結果を与える場合、被検者が感染しているという判定を行うことができる。閾値υ、φ、及びχを用いる場合、被検者が感染しているか否かの判定の感度は、84.90%であり得、特異度は96.40%であり得る。
【0071】
λ計算の感染閾値υ(ウプシロン)は、0.75 10^9/L~2.25 10^9/L、特に1.35 10^9/L~1.65 10^9/Lであり得、特に1.50 10^9/Lとすることができる。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好酸球の数の感染閾値φ(ファイ)は、0.015 10^9/L~0.045 10^9/L、特に0.027 10^9/L~0.033 10^9/Lであり得、特に0.03 10^9/Lとすることができる。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。リンパ球の数の感染閾値χ(キー)は、0.55 10^9/L~1.65 10^9/L、特に0.99 10^9/L~1.21 10^9/Lであり得、特に1.10 10^9/Lとすることができる。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。
【0072】
比較のうちの1つ又は複数が陽性結果を与える場合、被検者が感染しているという判定を行うことができる。閾値υ、φ、及びχが使用される場合、被検者が感染しているか否かの判定の感度は83%~87%の間、特に84.90%であり得、特異度は、95%~98%、特に96.40%であり得る。
【0073】
本明細書で論じられる計算、値、結果、及び閾値は、標準化された及び/又は正規化された、及び/又は絶対的なデータを含み得る。値が記載されている場合、異なる標準化及び/又は正規化及び/又は他のデータ処理技術を受けたデータにおける同等の値が等しく適用可能であることを理解されたい。データは、例えば、特定の研究室及び/又は患者の組合せ、及び/又は測定装置からの履歴値にわたって標準化されてもよい。
【0074】
データが標準化されている計算βについては、平均値が0で標準偏差が1であるように、感染閾値ζ(ζ)は-2.09~-1.05、例えば、-1.445であり得る。感染閾値ζ(ζ)は、全ての年齢群を合わせた場合、-1.445であり得る。この閾値は、SARS-CoV-2 rt-PCR検査を用いて、後にSARS-CoV2について陽性となる患者を識別する。ζの値は、検査における偽陽性に対する偽陰性の割合を調整するために、-2.09~-1.05の間で調整され得る。この閾値を判定するために最初に使用される検査データセットでは、p値は1.2e -11である。
【0075】
計算結果α、β、γ及びδにおける感染者と非感染者との間の差異は、典型的には症状が起こる前に現れ、既存の検査の前に、後に検査でSARS-CoV2陽性になる患者と検査がSARS-CoV2陰性となる患者とを区別することができる。使用される計算及び/又は閾値は、特定の感染に特有であり、したがって、計算及び/又は閾値を調整することによって、この方法は、別の感染に適合され得る。
【0076】
予測値及び診断値は、被検者の血液サンプルの写真の分析から得られる白血球、単球及び好酸球の数から計算され得る。閾値予測値及び診断値は、これらの閾値予測値及び診断値について得られるのであろう偽陽性及び偽陰性の割合を示す統計的尺度とともに得られてもよい。
【0077】
本方法は、サンプルチャンバ内に被検者の血液サンプルを載せて、スマートデバイスのカメラを検査装置のサンプルウィンドに対して位置合わせすることをさらに含むことができる。
【0078】
サンプルチャンバ内に血液サンプルを載せるために、シリンジ又はマイクロピペットを使用することを含み得る。サンプルを載せるために、サンプルチャンバの開放端部に対してサンプルを配置することを含んでもよい。次いで、サンプルは、毛細管現象によって、又はサンプルチャンバ内の親水性フィルムもしくはコーティングによって、サンプルチャンバ内に引き込まれるようにしてもよい。サンプルチャンバ内に血液サンプルを載せるために、検査装置を振動することをさらに含み得る。これは、例えば、毛細管現象によってチャンバの毛細管内に引き込まれることによって、サンプル(例えば、血液)をサンプルチャンバ内にさらに移動させることができる。
【0079】
本方法は、染色試薬とサンプルとの混合をさらに含んでもよい。染色試薬とサンプルとの混合は、サンプルチャンバと検査装置の試薬チャンバとの間の障壁を除くことを含み得る。障壁の除去は、可溶性障壁を溶解するために検査装置を振動させること、及び/又は電気的に除去可能な障壁、又は電流によって溶融され得る障壁のような熱電障壁を除去するトリガを与えることを含み得る。障壁の除去は、取り外し可能なストリップ又はピンなどの機械的な障壁を除去することを含み得る。染色試薬とサンプルとを混合することは、検査装置内のマイクロピペット又はシリンジを作動させて、それによって試薬チャンバの内容物をサンプルチャンバに移送することを含み得る。
【0080】
スマートデバイスのカメラを検査装置のサンプルウィンドに対して位置合わせするために、取り付けアームを使用してスマートデバイス上に検査装置を取り付けることを含んでもよい。検査装置を取り付けるために、検査装置のサンプルウィンドと取り付けアームの第1の面との間でスマートデバイスをスライドさせることを含んでもよい。
【0081】
スマートデバイスを用いて実行するために、コンピュータ実装方法のステップの全てをスマートデバイスで実行する必要はない。スマートデバイスはサーバ及び/又はクラウドベースのシステムと通信することができるので、方法のいくつかのステップは、システムに関して上記で説明したように、サーバ及び/又はクラウドベースのシステム上で実行されてもよい。
【0082】
本明細書に開示される態様/実施形態のいずれかにおいて、サンプルチャンバは、マイクロキュベットであってもよい。
【0083】
本開示の上記の態様のさらなる特徴及び利点は、特許請求の範囲および以下の説明から明らかになるのであろう。
【図面の簡単な説明】
【0084】
図1】取り付けられた構成における検査装置及びスマートデバイスの上面の斜視図である。
図2図1に示す検査装置及びスマートデバイスの底面の斜視図である。
図3】内部の構成要素を示すための切欠部を有する図1及び図2の検査装置の上面の斜視図である。
図4】特定の感染に対する閾値を判定する方法を概説するフローチャートである。
図5図4のフローチャートで判定された閾値を使用して、被検者が感染しているか否かを判定する方法を概説するフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0085】
次に、本発明の実施形態を好適な文脈で配置するために、検査装置2がスマートデバイス1に取り付けられた構成を示す図1及び図2と、取り付けられていない構成の検査装置を示す図3とを参照するものとする。図3に、検査装置2の本体10は、内部の部品が見えるように切り取られた状態で示されている。
【0086】
図には、スマートフォン1及び検査装置2が示されている。図1及び図2において、検査装置2は、スマートフォン1に搭載されている。スマートフォンの前面は、取り付けアーム6の第1面に当接している。スマートフォンの背面にはスマートフォンのカメラがあり、カメラは検査装置のサンプルウィンド7に合わせられる(サンプルウィンド7については図3を参照)。スマートフォンの上端3は、取り付けアーム6の第2の面に当接する。取り付けアーム6は、スマートフォン1の形状に適合するように成形され、取り付けアーム6は、摩擦嵌めによって検査装置2をスマートフォン1上のその取り付け位置に保持する。取り付けアーム6とサンプルウィンド7の外面との間に形成されたスマートデバイス収容空間は、スマートフォンのカメラがサンプルウィンド7に対して位置合わせされたときに、スマートフォン1の形状及びサイズに一致するように成形される。
【0087】
取り付けアーム6の第1の面は、サンプルウィンド7から離隔して対向し、それによって、サンプルウィンド7と検査装置2の取り付けアーム6の第1の面との間にスマートデバイス収容空間を形成する。スマートデバイス収容空間は、図3の矢印h及びdによって示される。
【0088】
スマートデバイス収容空間の深さdは、スマートデバイスの深さに等しい。このようにして、検査装置は、摩擦嵌めによってスマートデバイスに取り付け可能である。スマートデバイス収容空間の深さdは、図3の矢印dで示すように、サンプルウィンドの外面に垂直な方向に測定され、スマートフォンの深さは、スマートデバイスの背面のカメラの表面からカメラの表面に垂直な方向にスマートフォンの前面まで測定される。
【0089】
取り付けアームは、サンプルウィンドに直接対向する位置に孔4を有する。この孔は、検査装置がスマートフォンに取り付けられていないときに、サンプルウィンドの清掃を可能にする。
【0090】
取り付けアーム6は、第1の面とサンプルウィンド7の外面を含む平面との間に延在する第2の面を有する。取り付けアームの第2の面は、サンプルウィンド7の外面から距離hで平面と接する。距離hは、スマートフォンのカメラとスマートデバイスの上端との間の距離に等しい。このようにして、スマートフォンのカメラが、検査装置2のサンプルウィンド7に対して位置合わせされると、スマートフォンの上端は、取り付けアーム6の第2の面に当接する。
【0091】
取り付けアーム6は、この例ではスマートフォン1に適合するように調節されるが、他の例では、取り付けアームが距離h及びdが、異なるサイズのスマートフォンの大きさの範囲などのスマートデバイスの大きさの範囲に適合するように変更できるように調整可能であり得る。
【0092】
スマートフォン1は、検査装置を横方向にスライドさせることで検査装置2に挿入されてもよく、スマートフォン1の端部3の異なる部分が検査装置2によって囲まれる。これにより、スマートフォンのカメラのレンズ(図1では見えない)を、検査装置2のサンプルウィンド7(図1では見えない)内のクローズアップレンズ又は拡大レンズ8と並べることができる。検査装置のクリップ6の孔4は、検査装置2がスマートフォン1から取り外されたときに、クローズアップレンズ又は拡大レンズ8(図1では見えない)の清掃を可能にする。
【0093】
また、検査装置2は、使い捨てサンプルチャンバ5を有する。使い捨てサンプルチャンバは、サンプルをサンプルチャンバ5内に配置することが可能であり、使用後に、サンプルチャンバが廃棄できるように、検査装置2から取り外すことができる。
【0094】
サンプルチャンバ5は、測定領域を備え、測定領域はサンプルウィンド7を通して、検査装置の外部から見ることができる。測定領域は、サンプルチャンバの一部分であり、サンプルチャンバの一部分は、サンプルウィンドを通して見ることができる。
【0095】
サンプルチャンバ5は、検査装置内で複数の位置に移動可能である。複数の位置の間でサンプルチャンバを移動することで、サンプルチャンバのどの部分が測定領域を形成するかが変わり、各々の位置でサンプルチャンバのそれぞれの部分に測定領域を形成する。測定領域を形成し得る全ての部分から構成される領域は、サンプルチャンバの測定可能領域と呼ばれる。サンプルチャンバの測定可能領域は、単球、好酸球、及び他の白血球を含む異なる細胞のタイプの光学的に同定することを可能にする染色剤が塗布される。サンプルチャンバ5は、毛細管を有し、サンプルを毛細管現象によってチャンバ内に引き込むことができる。
【0096】
サンプルチャンバの移動は、スマートフォンと検査装置との間で送信される信号によって、スマートフォンによって制御可能であってもよい。例えば、スマートフォン及び検査装置は、ケーブル又は無線接続によって接続されてもよい。
【0097】
サンプルウィンド7は、レンズアパーチャと、クローズアップレンズ又は拡大レンズ8とを備える。レンズ8は、図に示される位置とレンズアパーチャ内の上昇位置との間で移動可能である。上昇位置では、レンズが洗浄のためにより容易にアクセス可能である。取り付けアーム6の孔4は、クローズアップレンズ又は拡大レンズ8(例えば、綿棒を用いて)への垂直アクセスを可能にする。取り付けアーム6は、クリップと呼ばれることもある。
【0098】
また、図3の検査装置は、レーザダイオード9と、サンプルチャンバ5を照明するために使用され得る発散レンズとを含む。レーザダイオードは、スマートフォンと検査装置との間で送信される信号によって、スマートフォンによって制御可能である。例えば、スマートフォン及び検査装置は、ケーブル又は無線接続によって接続されてもよい。
【0099】
使用時には、高解像度カメラを含むスマートフォン又は他の多目的デバイスが検査装置2に挿入され、カメラレンズからの視界が血液サンプルを収容する使い捨てサンプルチャンバ5まで、レンズアパーチャ7及びクローズアップレンズ又は拡大レンズ8を通るように配置される。血液サンプルは、発散レンズを有するレーザダイオード9によって照射されてもよい。
【0100】
スマートフォンは、テスト処理を制御するアプリケーションを実行する。スマートフォンは、インターネットを介して検査装置及びサーバに接続可能である。
【0101】
本発明の一実施形態では、図1~3に示される検査装置2が病気Covid-19を引き起こすウイルスSARS-CoV2による感染の家庭用検査に使用される。この実施形態では、ユーザは、スマートフォン1のカメラレンズが検査装置2のクローズアップレンズ又は拡大レンズ8と並ぶように、正しい位置で検査装置2をスマートフォン1にクリップする、又は取り付ける。ユーザは、ランセット装置を使用して、指又は身体の他の部分から血液の液滴を抽出し、サンプルチャンバ5の端部に対して血液の液滴を接触させ、その測定可能領域は、単球、好酸球及び他の白血球を含む異なる細胞のタイプの光学的に識別できるように染色剤でコーティングされる。血液は、毛細管現象によって、サンプルチャンバ5及び測定領域に引き込まれる。ユーザは、テスト処理を制御するスマートフォン1上のアプリを起動し、アプリは、レーザダイオード9で視野内にある血液サンプルの部分を照明して、照明されている間にスマートフォン1に血液サンプルを撮影させ、アプリは、血液サンプルの次の部分が視野に入るようにサンプルチャンバ5を移動させ、アプリは、測定可能領域の全体が撮影されるまで、照明ステップ、撮影ステップ、及び移動ステップを繰り返し、アプリは、写真中に存在する白血球、単球、及び好酸球の総数を識別してカウントし、アプリは、それらのタイプの細胞数からSARS-CoV2を診断するために現在ある数の計算を実行し、計算結果をその現在のSARS-CoV2診断の閾値と比較し、アプリは、ユーザに比較によって示される陽性又は陰性の診断を表示する。この実施形態では、アプリが毎日インターネットに接続されたときに、サーバを確認することによって、その計算及び閾値数を更新して、使用される診断計算及び特定の閾値を取得し、より正確であることが見出された任意の新しい計算を使用することを可能にし、それによって、使用される特定の計算のために、ならびに、その年齢、性別、及び/又は診断において有意であることが見出された任意の他の基準、又は必要とされる感度対特異度のバランスにおいて、個体についての感度対特異度の現在必要とされるバランスのために、正確な閾値の数を使用することを可能にする。
【0102】
ユーザは最初の使用時に、彼らの生年月日、性別、及び他の必要な詳細をアプリに入力することになる。使い捨てサンプルチャンバ及び/又は測定領域5は、診断が与えられた後にユーザによって取り除かれ、次の検査の準備ができた新しいものと交換される。
【0103】
一般論として、以下に記載される方法は、被検者が特定の感染をしているか否かを判定するために、被検者の血液サンプル中の白血球の数及び白血球のタイプの数を含む測定値の使用に関するものである。以下に議論される実施例は、被検者が疾患Covid-19を引き起こすウイルスSARS-CoV2による感染しているか否かを判定するための方法の実施に関するが、本方法はこの感染に限定されないことが理解されるのであろう。
【0104】
特定の感染の閾値を決定し、それらの閾値を使用して患者におけるその感染の診断を行うための以下に記載される方法は、有意に、現在利用可能な方法よりも感染のライフサイクルにおいて早期に特定の感染の診断を行うことを可能にする。
【0105】
次に、特定の感染、この場合はウイルスSARS-CoV2による感染の閾値を判定する方法を概説するフローチャートを示す図4を参照する。ステップ20では、集団のサンプルから得られた血液サンプルに対して、全血球計数(full blood count)検査が行われる。測定値で判定が可能になる他の血液検査(例えば、検査装置を使用して上述されたもの)が、全血球計数検査の代わりに使用され得る。全血球計数検査は、ここでは適切な検査の例としてのみ使用される。サンプルは、SARS-CoV2に曝露された可能性がある少なくとも一部の人を含む。より多くの検査対象が検査されるにつれて、さらなる検査対象がサンプルに追加される可能性があり、それによって、分析されるデータセットのサイズを増加させる。サンプルサイズを増加させることは、より正確な閾値を決定することを可能にし得る。
【0106】
ステップ21は、検査対象から採取される血液サンプルと、ステップ22において検査対象に対して行われる感染の検査との間に、一定の時間が開いていることを示す。このように、感染が検査対象において検出可能なレベルまで達する一定の時間を開けることが、重要である。上述のように、本明細書に記載の方法の利点の1つは、現在利用できる感染検査の前に、感染していることを検出できることである。したがって、ステップ21によって示される待機時間は、感染の初期段階における本方法と、利用可能な検査によって感染が検出され得る時点における現在利用できる検査との比較を可能にする。
【0107】
いくつかの実施形態では、検査対象において発症する任意の感染が感染検査によって検出されることを確実にするために、2つ以上の感染検査を互いに異なる時間に実施してもよい。全血球計数のための血液サンプルは、例えば、第1の感染検査の7日前、及び第2の感染検査の14日前に採取されて、少なくとも1つの診断検査によって感染が検出可能になるのに十分な時間を確保することを可能にすることができる。加えて/あるいは、ウイルスSARS-CoV2による感染のために、2つより多い感染検査サンプルが必要とされ得、Δtが約3日の反復時間隔で約20日まで使用され得る。
【0108】
ステップ22では、ステップ20と同じ集団のサンプルに対して、標的とされている感染症の診断検査が実施される。実施される診断するための感染検査は、標的とされる特定の感染についての現在の「ゴールドスタンダード」診断検査であり得る。例えば、標的の感染が疾患Covid-19を引き起こすウイルスSARS-CoV2である場合、関連する「ゴールドスタンダード」診断検査は、PCR検査であり得る。
【0109】
ステップ23では、診断感染検査が検査対象が感染であるか又は非感染であるかの結果を返したかに基づいて、全血球計数検査の結果が感染セットと非感染セットに分離される。
【0110】
ステップ24では、感染セットを非感染セットと比較して、計算及び感染閾値を決定する。計算値と関連する閾値は、感染セットと非感染セットとを最良に分離するように選択され、その結果、計算値と閾値は、感染検査を必要とすることなく、被検者がそれらの血液検査結果のみから感染しているか否かを後で判定するために使用され得る。
【0111】
計算は、白血球のタイプ間の比率及び差などの値を判定するために、全血球計数検査の結果に対して行われる。この方法は、全血球計数によって与えられる結果の選択のみを分析する。この実施例では、全血球計数結果から、白血球の数、単球の数、及び好酸球の数を、各検査対象について分析した。検査対象の結果のそれぞれに対して複数の計算を行うことができ、感染セットと非感染セットとを最良に分離する計算を選択することができる。
【0112】
検査結果を感染セットと非感染セットにグループ化するステップ23は、計算が実行される前又は後に実行され得る。
【0113】
この実施例では、全血球計数検査からの単球及び白血球の数のみを使用して、2つの異なる計算が行われる。第1の計算は、単球の数と白血球との比(α、アルファ)(単球/白血球)を判定することである。第2の計算は、白血球の数と単球の数との差(β、ベータ)(白血球-単球)を判定することである。
【0114】
全血球計数検査からの単球、白血球、及び好酸球の数を用いて、2つのさらなる計算を行う。第1の計算は、単球の数と白血球の数+好酸球の数との比(γ、ガンマ)(単球/(白血球+好酸球))を判定することである。第2の計算は、白血球の数+好酸球と単球の数との正味の差(δ、デルタ)(白血球+好酸球-単球)を判定することである。
【0115】
上記の計算は全て、計算と感染状態(感染または非感染)との間に統計的に有意な相関を示す。これらの相関関係から、各計算(δ、γ、β、α)の閾値を判定することができる。
【0116】
また、統計的尺度は、閾値から得られ得る偽陽性及び偽陰性の割合を示すために判定され得る。閾値は、検査結果がどのように使用されるかに応じて調整されてもよい。例えば、検査の特異度及び感度は、偽陽性及び偽陰性が健康、社会、及び経済に与える影響のバランスを考慮に入れるように変更することができる。
【0117】
β計算のために、診断検査の全セットを用いて標的とされる感染について後に検査陽性となる検査対象を区別する閾値(ζ、ゼータ)が判定される。閾値(ζ、ゼータ)は、βの平均値が0で標準偏差が1であるようにデータを標準化することによって決定することができる。この例における感染閾値ζ(ゼータ)は-1である。閾値(ζ、ゼータ)は、全血球計数検査の結果における偽陽性及び陰性の割合を変えるように調整することができる。閾値(ζ、ゼータ)は、感染セットβ+、及び非感染セットβ-のそれぞれについて、平均値及び標準偏差を計算することによって導き出すことができる。閾値(ζ、ゼータ)は、β+セットとβ-セットの平均値の間にある。β+セットとβ-セットとの間の閾値(ζ、ゼータ)を調整することで、感染を判定するために閾値を使用するときに偽陽性及び陰性の割合を変え得る。
【0118】
δ計算のために、診断検査の全セットを用いて標的とされる特定の感染について後に検査陽性となる患者を区別する閾値(θ、シータ)を決定することができる。閾値(θ、シータ)は、δについてのデータを平均が0で標準偏差が1であるように標準化することによって決定することができる。この例における感染閾値(θ、シータ)は-1である。閾値(θ、シータ)を調整することで、全血球計数検査の結果における偽陽性及び陰性の割合を変えることができる。閾値(θ、シータ)は、2つのδ群(標的の感染について検査が陽性になった患者及び検査が陰性になった患者)の平均値及び標準偏差を計算することによって導出され、2つの新しい群δ+及びδ-を作り出す。閾値(θ、シータ)は、δ+セットとδ-セットの平均値の間にある。δ+セットとδ-セットとの間の閾値(θ、シータ)を調整することで、感染を判定するために閾値を使用するときに偽陽性及び陰性の割合を変え得る。
【0119】
α計算のために、診断検査の全セットを使用して標的とされる特定の感染について後に検査が陽性になる患者を区別する閾値(ε、イプシロン)を決定することができる。閾値(ε、イプシロン)は、αについてのデータを平均値が0で標準偏差が1であるように標準化することによって決定することができる。閾値(ε、イプシロン)を調整することで、全血球計数検査の結果における偽陽性及び陰性の割合を変えることができる。閾値(ε、イプシロン)は、2つのα群(標的の感染について検査が陽性になった患者及び検査が陰性になった患者)の平均値及び標準偏差を計算することによって導出され、2つの新しい群α+及びα-を作り出す。閾値(ε、イプシロン)は、α+セットとα-セットの平均値の間にある。α+セットとα-セットとの間の閾値(ε、イプシロン)を調整することで、感染を判定するために閾値を使用するときに偽陽性及び陰性の割合を変え得る。
【0120】
γ計算のために、診断検査の全セットを使用して標的とされる特定の感染について後に検査が陽性になる患者を区別する閾値(η、イーター)を決定することができる。閾値(η、イーター)は、αについてのデータを平均が0で標準偏差が1になるように標準化することによって決定することができる。閾値(η、イーター)を調整することで、全血球計数検査の結果における偽陽性及び陰性の割合を変え得る。閾値(η、イーター)は、2つのα群(標的の感染について検査が陽性になった患者及び検査が陰性になった患者)の平均値及び標準偏差を計算することによって導出され、2つの新しい群γ+及びγ-を作り出す。閾値(η、イーター)は、γ+セットとγ-セットの平均値の間にある。γ+セットの手段とγ-セットとの間の閾値(η、イーター)を調整することで、感染を判定するために閾値を使用するときの偽陽性及び陰性の比率を変え得る。
【0121】
図5は、被検者からの血液サンプルについての血液検査の結果を用いて、決定された閾値(複数可)を用いて被検者が感染しているか否かを判定する方法を示す。血液検査は、上述の方法及び検査装置及びシステムを使用して実施することができる。
【0122】
ステップ28では、上述の方法及び検査装置を用いて、被検者(この場合、SARS-CoV2に感染している可能性がある患者)から得られた血液サンプルに対して血液検査を実施する。白血球の数、単球の数及び好酸球の数を含む測定値を、被検者からの血液サンプルの写真から判定する。
【0123】
測定値に対して4つの計算(δ、γ、β、α)を行い、閾値θ、η、ζ、εと比較する。他の実施形態では、4つ未満の計算、例えば、ただ1つの計算が行われ、計算に関連する閾値と比較され得る。
【0124】
ステップ30では、患者の測定値の計算結果と関連する閾値との比較に基づいて診断の判定が行われる。患者の測定値の計算結果が閾値より感染している側にある場合、患者は感染していると判定されるが、患者の測定値の計算結果が閾値より感染していない側にある場合、患者は感染していないと判定される。例えば、非感染セットの平均が閾値よりも大きく、患者の測定値の計算結果も閾値よりも大きい場合、患者は感染していないと判定される。
【0125】
次に、第2の例を説明する。以下に説明する変更が行われているが、他は図1及び図2に関連して上述した例と同じである。
【0126】
第2の例では、全血球計数の結果から異なる測定値が得られ、異なる計算セットが実行される。ステップ24において、全血球計数の結果から、白血球の数、好中球の数、好酸球の数、及びリンパ球の数を各検査対象について分析した。各検査対象の結果について2つの計算を行った。第1の計算は、白血球の数から好酸球の数を引いたもの(κ=L-E)であり、第2の計算は、白血球の数から好中球の数を引いたもの(λ=L-N)である。
【0127】
全セットの診断検査を用いて標的とされる特定の感染について、後に検査が陽性になる患者を区別する閾値は、各計算に対して決定され、白血球の数、好酸球の数、好中球の数及びリンパ球の数のそれぞれに対して決定される。閾値は、2つの群(標的の感染について検査が陽性になった患者及び検査が陰性になった患者)の平均と標準偏差を計算することによって導出され、感染しているか及び非感染であるかの結果の2つの新しい群を作り出す。閾値は、感染セットと非感染セットの平均値の間にある。感染セットの平均と非感染セットの平均との間の閾値を調整することで、感染を判定するために閾値を使用するときの偽陽性及び陰性の比率を変え得る。
【0128】
代わりに、閾値は、平均が0で標準偏差が1になるように標準化することによって決定することができる。
【0129】
ステップ28では、被検者(この場合、SARS-CoV2に感染している可能性のある患者)から得られた血液サンプルに対して、全血球計数検査を実施する。白血球の数、好中球の数、リンパ球の数、及び好酸球の数を含む測定値を、CBC検査の結果から抽出する。他の実施形態では、これらの測定値を含む別のタイプの血液検査がCBC検査の代わりに使用されてもよい。
【0130】
2つの計算(κ=L-Eおよびλ=L-N)を測定値について行い、計算結果及び測定値を閾値と比較する。
【0131】
κ計算の感染閾値μ(ミュー)は、7.00 10^9/Lである。値がμ(ミュー)より大きい場合、比較の結果は陽性である。λ計算の感染閾値ν(ニュー)は、2.02 10^9/Lである。値がそれより小さい場合、比較の結果は陽性である。好酸球の数の感染閾値ξ(クサイ)は、0.09 10^9/Lである。値がそれより小さい場合、比較の結果は陽性である。リンパ球の数の感染閾値ο(オミクロン)は、1.64 10^9/Lである。値がそれより小さい場合、比較の結果は陽性である。好中球の数の感染閾値ρ(ロー)は、5.07 10^9/Lである。値がそれより大きい場合、比較の結果は陽性である。白血球の数の感染閾値σ(シグマ)は、8.00 10^9/Lである。値がそれより大きい場合、比較の結果は陽性である。
【0132】
比較のうちの1つ以上が陽性の結果を与える場合、被検者が感染しているという判定がなされる。閾値μ、ν、ξ、ο、ρ、σを用いると、感度は97.29%であり、特異度は67.95%であり得る。
【0133】
κ計算の感染閾値μ(ミュー)は、3.50 10^9/L~10.50 10^9/L、特に6.30 10^9/L~7.70 10^9/L、特に7.00 10^9/Lとすることができる。値がμ(ミュー)より大きい場合、結果は陽性である。λ計算の感染閾値ν(ニュー)は、1.01 10^9/L~3.03 10^9/L、特に1.818 10^9/L~2.222 10^9/L、特に2.02 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好酸球の数の感染閾値ξ(クサイ)は、0.045 10^9/L~0.135 10^9/L、特に0.081 10^9/L~0.99 10^9/L、特に0.09 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。リンパ球の個数に対する感染閾値ο(オミクロン)は、0.82 10^9/L~2.46 10^9/L、特に1.476 10^9/L~1.804 10^9/L、特に1.64 10^9/Lであり得る。値がそれより小さい場合、結果は陽性である。好中球の数の感染閾値ρ(ロー)は、2.535 10^9/L~7.605 10^9/L、特に4.563 10^9/L~5.577 10^9/L、特に5.07 10^9/Lであり得る。値がそれより大きい場合、結果は陽性である。白血球の数の感染閾値σ(シグマ)は、4.00 10^9/L~12.00 10^9/L、特に7.2 10^9/L~8.80 10^9/L、特に8.00 10^9/Lであり得る。値がそれより大きい場合、結果は陽性である。
【0134】
比較のうちの1つ以上が陽性の結果を与える場合、被検者が感染しているという判定を行うことができる。閾値μ、ν、ξ、ο、ρ、及びσを使用して、感度は96.5%~98.5%、特に97.29%であり得、特異度は66.00%~69.00%、特に67.95%であり得る。
【0135】
ステップ30では、計算結果及び測定値とそれぞれの閾値との比較に基づいて、診断の判定が行われる。比較結果のいずれかが、患者が感染していると判定する場合、患者は感染していると判定され得る。
【0136】
次に、第3の例を説明する。以下に説明する変更が行われているが、他は図1及び図2に関連して上述した例と同じである。
【0137】
第3の例では、全血球計数結果から異なる測定値が得られ、異なる計算セットが実行される。ステップ24において、全血球計数の結果から、白血球の数、好中球の数、好酸球の数、及びリンパ球の数を各検査対象について分析した。各検査対象の結果について、1つの計算を行った。計算は白血球の数から好中球の数を引いたものである(λ=L-N)。
【0138】
全セットの診断検査を用いて標的とされる特定の感染について、後に検査陽性となる患者を区別する閾値を、計算に対して決定し、ならびに好酸球の数及びリンパ球の数に対して決定する。閾値は、2つの群(標的の感染について検査が陽性になった患者及び検査が陰性になった患者)の平均と標準偏差を計算することによって導出され、感染及び非感染の結果の2つの新しい群を作り出す。閾値は、感染セットと非感染セットの平均値の間にある。感染セットと非感染セットの平均値の間の閾値を調整することで、感染を判定するために閾値を使用するときの偽陽性及び陰性の比率を変え得る。
【0139】
代わりに、閾値は、平均が0で標準偏差が1になるように標準化することによって決定することができる。
【0140】
ステップ28では、被検者(この場合、SARS-CoV2に感染している可能性のある患者)から得られた血液サンプルに対して、全血球計数検査を実施する。白血球の数、好中球の数、リンパ球の数及び好酸球の数を含む測定値を、CBC検査結果から抽出する。他の実施形態では、これらの測定値を含む別のタイプの血液検査がCBC検査の代わりに使用されてもよい。
【0141】
本開示の特定の実施形態が本明細書において詳細に開示されているが、これは例であって、例示のみを目的としている。上述の実施形態は、本発明の範囲を限定することを意図するものではない。
【0142】
例えば、本明細書に開示される態様/実施形態のいずれかにおいて、サンプルチャンバは単に例として選択されたものであり、例えば、検査ストリップと置き換えられてもよい。
【0143】
本発明者らは、特許請求の範囲によって定義される本発明の範囲から逸脱することなく、本発明に様々な置換、変更、及び修正を行うことができると考える。
図1
図2
図3
図4
図5
【国際調査報告】