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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】杢加工ヘリックス糸
(51)【国際特許分類】
   D02G 3/26 20060101AFI20230605BHJP
   D02J 1/00 20060101ALI20230605BHJP
   D02J 1/22 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
D02G3/26
D02J1/00 A
D02J1/00 K
D02J1/22
D02J1/22 L
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567103
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-11-25
(86)【国際出願番号】 US2021031412
(87)【国際公開番号】W WO2021226538
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/021,372
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503080589
【氏名又は名称】ユニバーサル.ファイバーズ.インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ケストナー,ラリー アレン
(72)【発明者】
【氏名】フェアグリーブ,スチュアート ピー.
(72)【発明者】
【氏名】マレット,ケネス ジャスティン
【テーマコード(参考)】
4L036
【Fターム(参考)】
4L036MA04
4L036MA33
4L036PA03
4L036PA21
4L036PA42
4L036RA04
(57)【要約】
カーペット、床敷、及びテキスタイル品に使用するための杢加工ヘリックス糸などの効果糸を製造するためのプロセスが提供される。効果糸は、複数の単糸を撚ったパターン化された交互セクションと、交絡加工された複数の単糸のセクションと、を含む。より具体的には、これらの効果糸は、複数のS方向撚りセクション、複数のZ方向撚りセクション、及びS方向撚りセクションとZ方向撚りセクションとの間に散在する複数の非撚り交絡加工セクションを含み得る。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
効果糸を生成するためのプロセスであって、
(a)複数の連続フィラメント単糸を含む非混合糸束を提供することと、
(b)前記非混合糸束の前記連続フィラメント単糸を交絡加工し、それによって、交絡加工糸束を形成することと、
(c)前記交絡加工糸束の前記連続フィラメント単糸をS方向及びZ方向に交互に互いに対して撚り合わせるように、第1の撚りジェット及び第2の撚りジェットを有する撚りジェットアセンブリで前記交絡加工糸束を撚り、それによって、複数のS方向撚りセクション、複数のZ方向撚りセクション、及び前記S方向撚りセクションと前記Z方向撚りセクションとの間に散在する複数の非撚り交絡加工セクションを含む効果糸を生成することと、を含み、
前記非撚り交絡加工セクションの平均長さが、前記S方向撚りセクション及び前記Z方向撚りセクションの平均長さよりも長い、プロセス。
【請求項2】
前記S方向撚りセクションと前記Z方向撚りセクションとが、実質的に同じ長さを有する、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
ステップ(a)の前記提供することが、
(i)前記連続フィラメント単糸を延伸加工し、それによって、複数の延伸加工単糸を形成することと、
(ii)前記延伸加工単糸の各々を捲縮加工し、それによって、延伸・捲縮加工単糸を形成することと、
(iii)前記延伸・捲縮加工単糸を交絡加工し、それによって、延伸・捲縮・交絡加工単糸を形成することと、
(iv)前記延伸・捲縮・交絡加工単糸を収束させ、それによって、前記非混合糸束を形成することと、を含む、請求項1又は2に記載のプロセス。
【請求項4】
ステップ(iii)の前記交絡加工することが、エアジェット交絡機で行われる、請求項3に記載のプロセス。
【請求項5】
前記効果糸を巻き上げデバイスに搬送することを更に含む、請求項1~4のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項6】
前記非撚り交絡加工セクションの前記平均長さが、前記S方向撚りセクション及び前記Z方向撚りセクションの前記平均長さよりも少なくとも50パーセント長い、請求項1~5のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項7】
前記非撚り交絡加工セクションの長さが、25~150インチの範囲であり、前記S方向撚りセクション及び前記Z方向撚りセクションの長さが、15~75インチの範囲である、請求項1~6のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項8】
前記効果糸が、4~12本のポリマー連続フィラメント単糸を含む、請求項1~7のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項9】
前記効果糸を構成する前記ポリマー連続フィラメント単糸の各々が、異なる色のものである、請求項1~8のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項10】
前記ポリマー連続フィラメント単糸が、ポリアミドから形成される、請求項1~9のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
請求項1~10のいずれか一項に記載のプロセスによって製造された、効果糸。
【請求項12】
複数のS方向撚りセクション、複数のZ方向撚りセクション、及び前記S方向撚りセクションと前記Z方向撚りセクションとの間に散在する複数の非撚り交絡加工セクションを含む効果糸であって、
前記非撚り交絡加工セクションの平均長さが、前記S方向撚りセクション及び前記Z方向撚りセクションの平均長さよりも長い、効果糸。
【請求項13】
前記S方向撚りセクションと前記Z方向撚りセクションとが、実質的に同じ長さを有する、請求項12に記載の効果糸。
【請求項14】
前記非撚り交絡加工セクションの前記平均長さが、前記S方向撚りセクション及び前記Z方向撚りセクションの前記平均長さよりも少なくとも50パーセント長い、請求項12又は13に記載の効果糸。
【請求項15】
前記非撚り交絡加工セクションの長さが、25~150インチの範囲であり、前記S方向撚りセクション及び前記Z方向撚りセクションの長さが、15~75インチの範囲である、請求項12~14のいずれか一項に記載の効果糸。
【請求項16】
前記効果糸が、4~12本のポリマー連続フィラメント単糸を含む、請求項12~15のいずれか一項に記載の効果糸。
【請求項17】
前記効果糸を構成する前記ポリマー連続フィラメント単糸の各々が、異なる色のものである、請求項16に記載の効果糸。
【請求項18】
前記ポリマー連続フィラメント単糸が、ポリアミドから形成されている、請求項16又は17に記載の効果糸。
【請求項19】
難燃性添加剤を更に含む、請求項12~18のいずれか一項に記載の効果糸。
【請求項20】
請求項12~19のいずれか一項に記載の効果糸を含む、床材製品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年5月7日に出願された「HEATHERED HELIX YARNS」と題する米国仮特許出願第63/021,372号の35U.S.C.§119(e)に基づく優先権を主張し、その開示全体は参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、概して、糸を生成及び作製するためのプロセス及びシステムに関する。より具体的には、本発明は一般に、カーペット、床敷、及び/又はテキスタイルの製造に使用され得る、1つ以上の美的に有益な着色効果を示す糸の生成に関する。
【0003】
関連技術の説明
熱可塑性ポリマーから溶融紡糸された、未延伸の、本質的に未配向である、部分配向糸(「POY」)は、当技術分野で「フラット」と表される、すなわち、フィラメント束が本質的に線形である糸を提供し得、変形プロセスに対する形状保持能力又は回復力がほとんどない場合がある。したがって、これらの糸は、これらの特性を改善するための更なる処理なしでは、カーペット又はテキスタイル製造の分野ではほとんど役に立たない。
【0004】
繊維及びカーペット産業では、これらの糸のいわゆる「ダウンストリーム処理」によって、増加した弾力性及び嵩を有するタフティング糸を提供するプロセスが長年にわたって開発されてきた。例えば、そのようなプロセスは、紡績されたままの単糸及び/又はより高いフィラメント数の糸束を生成するためにまとめられた単糸の集合体に対する物理的処理から主になり、延伸(単一のステージ又は複数のステージ)、テクスチャリング、交絡加工、捲縮加工、及び撚りを含み得る。
【0005】
そのようなプロセスは、改善された物理的特性及びカーペット裏地被覆能力を糸に提供するだけでなく、糸に幅広い美的効果を提供するためにも使用されてきた。これは、例えば、単糸が染色性、色、引張特性、収縮、ポリマー型、断面形状、及び/又はデニールに関して互いに異なる2つ以上の単糸を利用して、上記のプロセスのいずれか又は全てを実行することによって達成され得る。このタイプのプロセスによって、裏地材料内にタフティングされて、様々な設計及び外観のカーペットを形成し得る糸を、カーペットのデザイナーに提供することができる。結果として、これにより、製造業者が市場での商業的優位性を実現することが期待できることとなる。
【0006】
糸に望ましい美的外観を与えることができる物理的処理又はプロセスの一例は撚りであり、そこでは特に、異なる色又は染色性の単糸は、らせん状に互いに撚り合わせられたケーブルである。理論的には、このようなプロセスを使用して、最終的な束ねられた糸製品に様々な程度の撚り間隔を提供することができ、したがって、最終的なタフティングカーペットに様々な視覚効果を生み出すためのいくつかの選択肢をデザイナーに提供することができる。しかしながら、カーペットのデニールの糸の正しいケーブル撚りは、達成するのが困難であり、時間がかかり、かつ費用がかかる。糸にこのような外観の変化を経済的に付与できるようにするために、代替的なアプローチを使用して糸にケーブル撚りの外観を提供する様々なプロセスが開発されてきた。そのようなプロセスは、「仮撚り」又は「見かけの撚り」として当技術分野で知られており、その非限定的な一例はエアジェット撚りであり、そのようなプロセスは当業者によく知られている。
【0007】
カーペットデザイナーに望ましい美的外観を糸に与えることができる物理的処理又はプロセスの更なる一例は、糸全体にランダムに分布する様々な色の多くの斑点によって提供される外観を有する糸を作成できるものである。一般に、そのような糸は、「杢」糸として当技術分野で知られている。従来の糸の嵩高、交絡、又はインターミングリング処理の様々な順序及び組み合わせによって嵩高連続フィラメント(「BCF」)の杢色又は杢着色可能な糸を生成するための多くの方法が当技術分野で知られている。杢糸は、異なる染色可能な又は異なる色のBCF単糸から様々な方法で作製されて、様々な杢の外観を提供することができ、最終的に組み合わされた糸は、個々の色が長いランダムな長さの非常に大胆な杢(単糸構成要素間の限られた量の糸同士のインターミングリングによって得られる)から、非常に細かい杢(単糸構成要素間の高度なインターミングリングによる)まで様々であり得る。
【0008】
これらの及びその他の効果糸は、カーペットデザイナーが使用可能であるが、更にいっそう美的な可能性を備えた更なる効果糸に対する業界のニーズが残っている。
【発明の概要】
【0009】
本開示の1つ以上の実施形態は、効果糸を生成するためのプロセスに関する。一般に、プロセスは、(a)複数の連続フィラメント単糸を含む非混合糸束を提供することと、(b)非混合糸束の連続フィラメント単糸を交絡加工し、それによって、交絡加工糸束を形成することと、(c)交絡加工糸束の連続フィラメント単糸をS方向及びZ方向に交互に互いに対して撚り合わせるように、第1の撚りジェット及び第2の撚りジェットを有する撚りジェットアセンブリで交絡加工糸束を撚り、それによって、複数のS方向撚りセクション、複数のZ方向撚りセクション、及びS方向撚りセクションとZ方向撚りセクションとの間に散在する複数の非撚り交絡加工セクションを含む効果糸を生成することと、を伴う。更に、非撚り交絡加工セクションの平均長さが、S方向撚りセクション及びZ方向撚りセクションの平均長さよりも長い。
【0010】
本開示の1つ以上の実施形態は、効果糸に関する。一般に、効果糸は、複数のS方向撚りセクション、複数のZ方向撚りセクション、及びS方向撚りセクションとZ方向撚りセクションとの間に散在する複数の非撚り交絡加工セクションを含む。更に、非撚り交絡加工セクションの平均長さが、S方向撚りセクション及びZ方向撚りセクションの平均長さよりも長い。
【図面の簡単な説明】
【0011】
本発明の実施形態は、以下の図面を参照して本明細書に記載される。
【0012】
図1】機械部品及び生成中の糸のスレッド経路を示すシステムの概略図である。
図2】処理中の単糸を個別に交絡加工するために使用される一連のエアジェット交絡機の概略図である。
図3】交絡ロール、主束交絡機、及び撚りアセンブリ内の、及びそこを通過する糸の移動経路の概略図である。
図4】本発明の一実施形態による主束交絡機の断面概略図である。
図5】通過する糸束に対する空気入口の位置を示す、撚りジェットアセンブリの断面の概略図である。
図6】杢加工ヘリックス糸の例示的なS撚りセクションを示す。
図7】杢加工ヘリックス糸の例示的な交絡加工された非撚り杢セクションを示す。
図8】杢加工ヘリックス糸の例示的なZ撚りセクションを示す。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明は、一般に、カーペット、特にループパイルタフティングカーペット、床敷、及びテキスタイル品に使用する効果糸を製造するためのプロセスに関する。本明細書において使用される際、「効果糸」とは、その長さに沿った、複数の単糸を撚ったパターン化された交互セクション、及び交絡加工された複数の非撚り単糸の杢セクションを特徴とする糸を指す。これらの糸は、「杢加工ヘリックス」糸と呼ばれることもあり、したがって、「効果糸」及び「杢加工ヘリックス糸」という用語は、本明細書では交換可能であり得る。
【0014】
最終的な杢加工ヘリックス糸の様々な特徴及び特性、並びにそのような糸を生成するためのプロセスを以下に記載する。以下の特徴及び特性の全てが別々に列挙され得るが、以下の杢加工ヘリックス糸、単糸の以下の特徴及び/又は特性、並びにプロセスステップの各々は、相互に排他的ではなく、組み合わせて、かつ任意の組み合わせで存在し得ることに留意されたい
【0015】
一般に、杢加工ヘリックス糸を生成するためのプロセスは、結果として得られる糸においてS方向及びZ方向の交互の撚りセクションの生成を可能にし得る撚りステップを含む、複数のステップを伴い得る。1つ以上の実施形態では、複数の未延伸又は部分配向(「POY」)連続フィラメント単糸であって、そのうちの少なくとも1つが他のものとは異なる色又は異なる染色性である連続フィラメント単糸が、以下の順序の処理に通され得る。
a.各単糸を別々にかつ同時に延伸加工すること、
b.延伸加工単糸を機械的に捲縮加工すること、
c.延伸・捲縮加工単糸を別々にかつ同時に交絡加工すること、
d.個別に延伸加工、捲縮加工、及び交絡加工された単糸を収束させて、作成された糸束を、エアジェット交絡機及び一対の撚りジェットを通過させること、及び
e.安定化された効果糸を巻き取りステーションへ搬送すること。
【0016】
様々な実施形態において、エアジェット交絡機は、糸束がそこを通って移動する交絡機の本体を通る通路が、糸束の移動方向に沿って断面寸法が増加するように設計され得る。2つの撚りジェットは、両側から糸束上に接線方向に当たるように設定され得、その結果、糸束にS撚り及びZ撚りの交互の領域を付与する。束交絡ジェットの前述の設計は、撚りジェット内の束の前進を遅らせるのに役立ち得、それによって、束を交絡加工することに加えて、ストランドに張力を与える。理論に束縛されることは望まないが、糸の張力により、撚りジェットがより永続的で耐久性のある撚りを形成できるようになり、その結果、撚りの永続性を達成するための更なる処理ステップの必要がなくなると考えられる。典型的には、様々な実施形態において、撚りジェット及び交絡の制御された動作により、糸の長さに沿って、非撚りの交絡加工杢セクションが散在し得る、S撚り及びZ撚りの交互セクションを含む杢加工ヘリックス糸の形成が可能になる。そのような実施形態では、交絡加工杢セクションは、S撚り及び/又はZ撚りセクションの長さよりも長い長さを有し得る。更に、そのような実施形態では、S撚りセクション及びZ撚りセクションは、本質的に等しい長さであり得る。
【0017】
図1は、本明細書に記載の本発明の糸を生成するために使用され得る例示的なシステムを示している。1つ以上の実施形態では、少なくとも2、3、若しくは4本、及び/又は20、18、16、14、若しくは12本以下のポリマー連続フィラメント単糸SY、好ましくは4~12本のポリマー連続フィラメント単糸SYが、パッケージ又は他の保管庫(図示せず)から、システムの一対の送り込みロール10、12へ、次いで延伸セクション14へと送達される。そのような実施形態では、ポリマー連続フィラメント単糸SYのうちの少なくとも1本は、他のものとは異なる色又は染色性を有する。更に、単糸は、未延伸でも本質的に未配向であってもよく、部分配向糸(「POY」)もまた採用されてもよい。ポリマー連続フィラメント単糸は、毎分約400メートル~毎分約1000メートルの範囲の供給速度でシステムに供給され得ることに留意されたい。
【0018】
単糸SYは、送り込みロールから、加熱ロール16A及び16Bを備える第1の加熱ロールステージ16に移動し得、そこで単糸は延伸加工に備えて加熱される。単糸は別々にかつ同時に供給され得、加熱ロール16A及び加熱ロール16Bの周りに数回ループ又は巻き付けられ得る。例えば、単糸は、2~8回、好ましくは5回ループされ得る。加熱された単糸は第1の加熱ロールステージ16から離れ、第2の加熱ロールステージ18で再開され得る。第2の加熱ロールステージ18を構成する一対のロール18A、18Bは、第1の加熱ロールステージ16の対応するロール16A及び16Bよりも速い速度で回転する。その結果、糸の延伸加工が行われる。糸SYは、約2:1~約5:1の範囲、より具体的には約3:1~約4:1の範囲の比で延伸加工され得る。
【0019】
加熱されたロールの温度は、単糸が製造されたポリマーのタイプに大きく依存し、好ましい温度は、当業者によって容易に理解されるであろう。単糸を加熱する他の手段を使用してもよく、加熱手段には、ホットピン若しくはプレート、非接触ヒータ、及び/又は窒素、空気、若しくは蒸気などの高温ガスが含まれるが、これらに限定されない。各加熱手段の適性は、単糸に採用されるポリマーのタイプに大きく依存することとなる。
【0020】
延伸加工単糸SYは、第2の加熱ステージ18のローラから移送されて、テクスチャリングセクションに進み得る。図1に示すように、テクスチャリングは、捲縮機ホイール間の摩擦力を単糸にかけることによって機械的捲縮を生み出す一対の共回転捲縮機ホイール20、22を使用して達成され得る。図示の実施形態では機械的な捲縮デバイスが示されているが、テクスチャリングは、当業者に知られている他の方法によって達成することができる。
【0021】
捲縮ホイール20、22を通過した後、単糸は、例えば、ドクターバー24を通過し、一連のテンションロール26、28、30の周りを通過することによって、張力制御を受け得る。張力制御は、単糸SYを弛緩させる張力調整であってもよい。
【0022】
単糸SYは、張力制御セクションを出ると、分離又は分割され、各糸は、図1にエアジェット交絡機32として概略的に示されている、各単糸を規則的で周期的な間隔で結び付ける又は交絡加工する当技術分野で知られているタイプの個々の交絡デバイスを通され得る。図2は、最後のテンションロール30から出てきて、4つの別個の交絡機32に分割され、その後、更なる処理のためにガイドピン31で再結合される、4本の単糸を示す概略図を提示している。
【0023】
延伸加工され、捲縮加工され、かつ個別に交絡加工された単糸SYは、次に、一対の非加熱交絡制御ロール又は交絡ロール34、36、及び主束交絡ボックス又は交絡機38を備え得る束交絡セクションBEに輸送され得る。図3に示すように、入ってくる単糸SYのグループは、第1の交絡ロール34の裏側に巻き付き、第2の交絡ロール36の裏側に下方に移動し得る。単糸SYは、第2及び第1の交絡制御ロールの前側を上って移動し得、一般に2回の巻き付きを含み得る所定の巻き数だけロール対の周りに巻き付き得る。
【0024】
交絡制御ロールは、糸の移動経路に対して2つ以上の異なる直径又は異なる長さを提示するように段階的に配置されてもよい。このようにして、これらの単糸SYの供給を制御して、主束交絡機38に様々な所望のレベルのアンダーフィード又はオーバーフィードを提供することができる。
【0025】
ロール対34及び36の周りの数回の巻き付けが完了すると、単糸SYは、主束交絡ジェット38に送られ得る。主束交絡ジェット38は、そこを通過する糸束に選択された長さの制御された反復的で規則的な交絡セクションを生成するように設定され得る。エアジェット交絡機38は、図4に示すように、糸の入口側に小さな断面開口部を設け、糸の出口側に大きな断面開口部を設けるように設計され得る。このような交絡機構成を用いることにより、当技術分野で知られている他の構成を用いて作製された製品よりも改善された外観及び永続性の程度を有する、糸束中の交絡加工セクションが提供され得る。
【0026】
主束交絡ジェットの内部通路60は、異なる直径又は断面の円筒状開口部を画定する2つのセクションを有し得る。交絡機38は、実線で示す階段状の内部構成を採用してもよいが、代替的に、破線で示すように、より小さい入口開口部からより大きい出口開口部まで一定のテーパを有してもよい。圧縮空気が、注入ポート66を介して、糸束の移動方向に対して実質的に垂直な方向に、セクション64内に注入され得る。
【0027】
加えて、任意選択の帯電防止フィラメントASを主束交絡機38に導入してもよい。フィラメントは、任意の既知の方法によって束交絡機に供給され得、スプール44により巻き戻されるものとして図1に示されている。帯電防止フィラメントは単糸と交絡されて、最終的な糸束YBの一部を形成し得る。
【0028】
主束交絡ジェットを出た後、次いで、糸束YBは撚りジェットアセンブリ100に搬送されて、撚りジェットアセンブリ100を通過し得、ここでは2対の空気ジェットが、交互の又は他のようにプログラムされたS撚り及びZ*撚りの領域を束に付与するように、圧縮空気の制御された断続的なパルスを繊維束に対して接線方向に、逆方向に繊維束に供給するように構成されている。
【0029】
1対のジェットは、圧縮空気が糸束の一方の側に当たるように配置され得、他方の対は、圧縮空気がその反対側に当たるように位置決めされ得る。これは、撚りアセンブリの中央開口部102を通過する糸束YBを示す図5に示されている。エアジェット104の第1の対は、糸束の上側(図示のように)から撚りを付与するように位置決めされ得、エアジェット106の第2の対は、エアジェットの第1の対の方向と反対の方向である糸束の下側から撚りを付与するように位置決めされ得る。撚りジェットアセンブリ100への圧縮空気の断続的なパルスのシーケンスは、プログラマブルコントローラを使用する電子的又は電気的手段によって各々制御され得る。
【0030】
1つ以上の実施形態では、プログラマブルコントローラのプログラミングは、杢交絡セクションが散在するS撚り及びZ撚りの交互セクションの形成を促進にするように修正することができる。より具体的には、エアジェットの発射は、これらの交互セクションの独自の形成を促進するように修正され得る。
【0031】
次いで、最終的な効果糸製品は、ロール34及び36に戻りその上に搬送されて、一般に、各々の周りに1回巻き付けられ、次に46で概略的に示されている巻き取りセクションに運ばれ、そこで糸束YBは方向転換手段48によって複数のスプール50のうちの1つに誘導されるか又は方向転換され得る。巻き取りセクションは、当技術分野で知られている様々なそのようなデバイスのうちのいずれかから選択され得る。
【0032】
上記のプロセスの結果として、下記を備える最終的な杢加工ヘリックス糸を得ることができる。(a)S及びZ方向が交互に、又はそうでなければパターン化された、明確に定義されておりccせん状に撚った外観の長いセクション、並びに(b)S及びZ撚りセクション間に散在する交絡加工杢の外観の長いセクション。結果として、1つ以上の実施形態では、杢交絡のセクションは、例えば、SeZeSeZeSの順序で撚りのセクションと交互になり得、ここでは、「S」はS方向に撚ったセクションを指し、「Z」はZ方向に撚ったセクションを指し、「e」は交絡加工杢の外観のセクションを指す。したがって、結果として得られる最終的な効果糸は、S及びZセクション間のコントラストを杢加工にするか又は落ち着いた色合いにすることを可能にする交絡加工杢外観セクションによって分離された、視覚的に異なるS撚り及びZ撚りセクションを示し得る。したがって、上記に示すように、S、Z、及びeセクションを交互に配置することで、同等の構造の「杢加工のみ」又は「見かけの撚り」のビジュアルとは異なる、タフティング生地の独自のビジュアルを生み出すことができる。更に、この順序構成は、単一の最終的な効果糸が2本の別個の糸の働きをすることを可能にすることにより、生地構造を簡素化し、それによって製造効率を向上させ、床敷消費に対する在庫品選択を簡素化し得る。
【0033】
図6は、最終的な杢加工ヘリックス糸の例示的なS撚りセクションを示しており、図8は、最終的な杢加工ヘリックス糸の例示的なZ撚りセクションを示している。加えて、図7は、S及びZ撚りセクション間に散在し得る例示的な交絡加工杢セクションを示している。
【0034】
1つ以上の実施形態では、S撚り及びZ撚りセクションは同じ長さを有してもよく、及び/又は交絡加工杢セクションは同じ長さ若しくは実質的に同じ長さを有してもよい。本明細書において使用される際、「実質的に同じ長さ」とは、測定したときに同一の長さ、又は測定値の差が5パーセント以下のものを含む。したがって、例えば、100インチの長さを有する1つのセクションと96インチの長さを有する別のセクションは、この定義に従って実質的に同じ長さを有することとなる。
【0035】
追加的又は代替的に、1つ以上の実施形態では、個々の交絡加工セクションの平均長さは、S撚り及びZ撚りセクションの平均長さよりも長くてもよい。様々な実施形態において、個々の交絡加工セクションの平均長さは、個々のS撚り及びZ撚りセクションの平均長さより少なくとも50、100、150、200、若しくは250パーセント、及び/又は500、450、400、350、若しくは300パーセント未満大きくてもよい。
【0036】
特定の実施形態では、個々のS撚り及びZ撚りセクションの長さは、少なくとも15、20、25、30、若しくは35インチ、及び/又は75、70、65、60、55、又は50インチ未満であってもよく、一方、個々の交絡加工セクションの長さは、少なくとも25、50、60、70、若しくは75インチ、及び/又は150、125、110、105、100、若しくは95インチ未満であってもよい。
【0037】
本発明の糸の安定した外観は、追加的な糸若しくはフィラメントの巻き付け又は接着剤の使用に頼ることなく、かつ最終的な糸を追加の加熱設定プロセスにかける必要なく、達成され得る。加えて、毎分1,000メートルまでの生成速度を問題なく達成することができる。
【0038】
任意の、未延伸又は本質的に未配向の連続フィラメントポリマー単糸が、本発明の実施において利用されてもよい。更に、前述のように、プロセスは、POY連続フィラメントポリマー単糸にも同様に有用であり得る。単糸は、ポリオレフィン、ポリエステル、及び/又はポリアミドを含むがこれらに限定されない、任意の適切な繊維形成熱可塑性ポリマーで構成されるフィラメントを含み得る。本発明で使用される単糸は、全て同じポリマーであっても、2つ以上の異なるポリマー型の組み合わせであってもよい。
【0039】
使用され得る代表的なポリオレフィンには、ポリ(プロピレン)が含まれる。
【0040】
使用され得る代表的なポリエステルには、ポリ(エチレンテレフタレート)、ポリ(プロピレンテレフタレート)、ポリ(ブチレンテレフタレート)、ポリ(エチレンナフタレート)、ポリ(エチレンフラノエート)、ポリ(乳酸)、ポリ(エチレンサクシネート)、ポリ(ブチレンアジペート)、ポリ(カプロラクトン)、及びコポリマー、又はそれらの混合物が含まれる。
【0041】
使用され得る代表的なポリアミドには、PA6、PA4,6、PA5,6、PA6,6、PA6,10、PA6.12、PA6,T、PA11、PA12、スルホン化ポリアミド、及びコポリマー、又はそれらの混合物が含まれる。
【0042】
1つ以上の実施形態では、出発点の単糸は、任意の適切な溶融加工可能な繊維形成ポリマーを含むか、それから本質的になるか、又はそれからなるポリマー連続フィラメントから構成され得る。特定の実施形態では、単糸を形成するフィラメントの各々及び/又は単糸自体が、少なくとも75、80、85、90、95、99、又は99.5重量パーセントの1つ以上の溶融加工可能な繊維形成ポリマーを含み得る。より具体的な実施形態では、単糸を形成するフィラメントの各々及び/又は単糸自体は、1つ以上の溶融加工可能な繊維形成ポリマーから完全に生成され得る。
【0043】
本発明での使用に適した任意の前述のポリマー型のポリマーは、石油化学前駆体、再生可能な前駆体、又は消費前若しくは消費後の廃棄物ポリマーの化学的又は生化学的リサイクルから回収された前駆体から完全に又は部分的に誘導され得ることに留意されたい。加えて、ポリマー自体が、バージン及び/又はリサイクル資源に由来する場合がある。
【0044】
本明細書に記載の効果糸を形成するために使用される出発点の単糸(例えば、未延伸単糸)は、溶融紡糸され、未延伸であり、連続フィラメントの形態である単糸を含むことができる。1つ以上の実施形態では、単糸は、少なくとも400、500、600、700、800、若しくは900デニール、及び/又は2000、1800、1600、1400、1200、若しくは1000未満のデニールを有する連続フィラメント単糸を含み得る。
【0045】
追加的又は代替的に、1つ以上の実施形態では、出発点の単糸は、任意の適切な数の個々のフィラメントで構成され得る。例えば、出発点の単糸は、少なくとも2、4、6、8、若しくは10のフィラメント、及び/又は50、40、30、25、若しくは20未満のフィラメントを含んでもよい。最初の単糸を形成するフィラメントの各々は、溶融紡糸された連続フィラメントを含み得る。
【0046】
本発明の実施は色効果を有する糸を目的としているため、本発明の糸を構成する単糸のうちの少なくとも1本は、糸の構造において使用される他の単糸とは異なる色であるか、又は異なる染色特性を有することが必要である。特定の実施形態では、必要な色の違いは、本発明のプロセスの開始時に、染色又は溶融着色のいずれかで事前に着色された糸を使用することによって達成され得る。更に、特定の実施形態では、最終的な糸を製造するために使用される単糸の各々は、他の全てとは異なる色を有し得、例えば、5つの単糸が最終的な糸に組み合わされる場合、5つの異なる色が使用される。染色された糸よりも優れた耐退色性及び耐化学洗浄剤性が知られているため、溶融着色された糸が最も好ましい可能性がある。
【0047】
1つ以上の実施形態では、単糸を形成するフィラメントは、互いに異なる色及び/又は着色性を示すフィラメントを含み得る。例えば、出発点の単糸は、ある色(例えば、白)を示す設定数のフィラメントと、異なる色(例えば、赤)を示す設定数のフィラメントと、を含み得る。したがって、そのような実施形態では、出発点の単糸は、異なる色及び/又は着色性を示す少なくとも2、3、4、5、若しくは6本のフィラメント、及び/又は20、15、10、9、8、7、6、5、4、又は3本以下のフィラメントを含み得る。例えば、出発点の糸は、6本の赤色フィラメント、4本の白色フィラメント、及び1本の青色フィラメントを含み得る。
【0048】
1つ以上の実施形態では、単糸は、それらの溶融押出フィラメント内に、酸化防止剤、UV安定剤、UV吸収剤、金属不活性化剤、帯電防止剤、抗菌剤、加工助剤、核剤、核生成抑制剤、汚れ防止剤、及び/又は防汚剤のうちの1つ以上を含むがこれらに限定されない、他の溶融添加補助剤を含み得る。
【0049】
様々な実施形態において、単糸を形成する溶融押出フィラメントを含む杢加工ヘリックス糸及び/又は単糸は、難燃性添加剤を含み得る。難燃性添加剤は、溶融紡糸ステージの間添加され得、かつ/又は溶融紡糸後に効果糸及び/若しくは単糸へのコーティングとして添加され得る。
【0050】
任意選択で、上記の着色された単糸、フィラメント、又は帯電防止繊維を含む単糸に加えて、最終的な糸がその中に含まれていてもよい。
【0051】
本発明は、一般に、未延伸か、本質的に未配向であるか、又はPOY糸からの効果糸の製造を目的とする。
【0052】
1つ以上の実施形態では、単糸を構成するフィラメントは、円形、楕円形、デルタ形、三葉形、多葉形、ピーナッツ形、「T」、「H」、又は不規則な形を含むがこれらに限定されない、任意の適切な断面形状であり得る。特定の実施形態では、断面形状は三葉形である。
【0053】
1つ以上の実施形態では、単糸を構成するフィラメントは、モノコンポーネント、バイコンポーネント、又はマルチコンポーネントであり得る。特定の実施形態では、フィラメントはモノコンポーネントである。
【0054】
杢加工ヘリックス糸は、タフティング製品用に設計された総デニールを有し得る。例えば、1つ以上の実施形態では、最終的な効果糸は、少なくとも100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、400、425、450、475、500、525、550、575、600、625、650、675、700、725、750、775、800、825、850、900、950、1000、1100、1200、1300、1400、1500、1600、1700、1800、1900、2000、2100、2200、又は2300の総デニールを有し得る。追加的又は代替的に、1つ以上の実施形態では、杢加工ヘリックス糸は、5000、4500、4000、3500、3000、2900、2800、2700、2600、2500、2000、1750、1500、1250、又は1000以下の総デニールを有し得る。
【0055】
上述のように、本明細書に記載の杢加工ヘリックス糸を使用して、カーペット、床敷、及び他のテキスタイルなどの様々なタフティングされた最終製品を生成し得る。例えば、少なくとも200、250、300、350、400、450、若しくは500、及び/又は1000、900、800、700、又は600gm/m以下の坪量を有するカーペットを形成するために杢加工ヘリックス糸を使用することができる。
【0056】
本発明は、この実施形態の以下の実施例によって更に例解することができるが、これらの実施例は、単に例解の目的で含まれ、特に明記されない限り、本発明の範囲を限定することを意図しないことが理解される。
【実施例
【0057】
実施例1
杢加工ヘリックス効果糸を生成して、1/10インチGにタフティングされ、10cm当たり40ステッチ、パイル重量560gm/mの杢加工ヘリックスカーペットの製造に使用した。カーペットを4つの50cm×50cmのサンプルサイズに切断し、次いでISO 10361:2015及びISO 9405:2015に従って外観保持試験(12,000回転のヘキサポッド)にかけた。ISO 10361:2015に従って測定すると、杢加工ヘリックス糸から生成されたカーペットは、縦方向及び横方向で平均3.0の外観変化を示した。更に、杢加工ヘリックス糸から生成されたカーペットは、ISO 9405:2015に従って測定すると、縦方向及び横方向の両方で平均3~4の色の変化を示した。したがって、このデータによって実証されるように、杢加工ヘリックス効果糸は、耐久性がありかつ長持ちし得るカラフルな特性を示し得るカーペットを製造することができた。
【0058】
実施例2
ポリアミド6,6から形成され、かつ1,200の総デニールを含む杢加工ヘリックス効果糸を使用して、パイル重量が約350gm/mのカーペットを製造した。
【0059】
以下の表1に示すように、杢加工ヘリックス糸を様々な下地にタフティングして、試験カーペットを生成した。次いで、生成されたカーペットサンプルを(ASTM D5252に従って測定される)カラーコアTARR(Color Core TARR)試験にかけた。以下に示すように、これらの試験結果は、杢加工ヘリックス糸が望ましい耐久性及び色の保持力を示すカーペットを生成できることを実証している。
【表1】
【0060】
定義
以下は、定義された用語の排他的なリストを意図したものではないことを理解されたい。他の定義は、例えば、文脈における定義された用語の使用を伴うときなど、前述の説明において提供され得る。
【0061】
本明細書において使用される際、「1つの(a)」、「1つの(an)」、及び「その」という用語は、1つ以上を意味する。
【0062】
本明細書において使用される際、「及び/又は」という用語は、2つ以上の品目のリストで使用されるとき、列挙された品目のうちのいずれか1つが、単独で用いられ得ること、又は列挙された品目のうちの2つ以上の任意の組み合わせが用いられ得ることを意味する。例えば、組成物が、成分A、成分B、及び/又は成分Cを含有していると記載される場合、組成物は、Aのみ、Bのみ、Cのみ、A及びBの組み合わせ、A及びCの組み合わせ、B及びCの組み合わせ、又はA、B、及びCの組み合わせを含有することができる。
【0063】
本明細書において使用される際、「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、及び「備える(comprise)」という用語は、用語の前に記載された主題から用語の後に記載された1つ以上の要素に移行するために使用される自由形式の移行用語であり、移行用語の後に列挙される要素又は複数の要素は、必ずしも主題を構成する唯一の要素ではない。
【0064】
本明細書において使用される際、「有する(having)」、「有する(has)」、及び「有する(have)」という用語は、上記で提供された「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、及び「備える(comprise)」と同じ自由形式の意味を有する。
【0065】
本明細書において使用される際、「含む(including)」、「含む(include)」、及び「含まれる(included)」という用語は、上記で提供される「備える(comprising)」、「備える(comprises)」、及び「備える(comprise)」と同じ自由形式の意味を有する。
【0066】
数値範囲
本説明は、本発明に関する特定のパラメータを定量化するために数値範囲を使用する。数値範囲が提供されるとき、このような範囲は、範囲の下限値のみを記載する請求項の制限、並びに範囲の上限値のみを記載する請求項の制限に対して、文字通りの支持を提供するものとして解釈されることを理解されたい。例えば、10~100の開示された数値範囲は、「10より大きい」(上限値なし)を記載する請求項、及び「100未満」(下限値なし)を記載する請求項に対して、文字通りの支持を提供する。
【0067】
特許請求の範囲は開示された実施形態に限定されない
上記の本発明の好ましい形態は、例解としてのみ使用されるべきであり、本発明の範囲を解釈するために限定的な感覚で使用されるべきではない。上記の例示的な実施形態への変更は、本発明の趣旨から逸脱することなく、当業者によって容易に行うことができる。
【0068】
本発明者らは、以下の特許請求の範囲に記載されているように、本発明の文字通りの範囲から実質的に逸脱していないがその範囲外にある装置に関係するため、本発明の合理的に公正な範囲を決定及び評価するために均等論に依存する意図をここに述べる。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】