(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】腫瘍治療電場を発生させる導電性パッド、その生産および使用の方法
(51)【国際特許分類】
A61N 1/04 20060101AFI20230605BHJP
A61N 1/40 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
A61N1/04
A61N1/40
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567156
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-11-02
(86)【国際出願番号】 US2021031119
(87)【国際公開番号】W WO2021226353
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-06-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-09-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-08-20
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-01-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】519275847
【氏名又は名称】ノボキュア ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】リチャード・デスローリアーズ
【テーマコード(参考)】
4C053
【Fターム(参考)】
4C053BB04
4C053BB06
4C053BB07
4C053LL02
4C053LL04
4C053LL12
(57)【要約】
トップコート層と、電極素子と、導電性ゲル素子とを有する導電性パッドが説明されている。電極素子は、トップコート層に接続されており、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている。導電性ゲル素子は、電極素子から電流を受け取るように電極素子に直接的に接続されている。導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている。電極素子および導電性ゲル素子は、複数の可撓性のフィルムから構成され得、複数の可撓性のフィルムは、患者の身体に適応するのに十分な可撓性を導電性パッドに提供するように一緒に結合されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と、
前記発生器に電気的に連結され、前記電気信号を伝達するように構成されている第1の導電性リードと、
患者の皮膚と接触するように構成されている第1の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第1の電極素子を有する第1の導電性パッドと、
前記発生器に電気的に連結され、前記電気信号を伝達するように構成されている第2の導電性リードと、
患者の皮膚と接触するように構成されている第2の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第2の電極素子を有する第2の導電性パッドと、を含むシステム。
【請求項2】
前記第1の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、該導電性支持層は、該電極層と前記第1の導電性ゲル素子との中間にある、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記第2の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、該導電性支持層は、該電極層と前記第2の導電性ゲル素子との中間にある、請求項2に記載のシステム。
【請求項4】
前記電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記ブロッキングキャパシターが無極性キャパシターである、請求項4に記載のシステム。
【請求項6】
前記ブロッキングキャパシターが約1μFの静電容量を有する、請求項4に記載のシステム。
【請求項7】
前記発生器が前記ブロッキングキャパシターを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項8】
前記第1の導電性パッドが、前記第2の導電性パッドが、または、前記第1の導電性パッドおよび前記第2の導電性パッドの両方が、前記ブロッキングキャパシターを含む、請求項4に記載のシステム。
【請求項9】
前記ブロッキングキャパシターが第1のブロッキングキャパシターであり、前記電気信号中の直流電流をブロックするように構成されている第2のブロッキングキャパシターをさらに含む請求項4に記載のシステム。
【請求項10】
前記第1の導電性パッドが、前記第2の導電性パッドが、または、前記第1の導電性パッドおよび前記第2の導電性パッドの両方が、前記第2のブロッキングキャパシターを含む、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記第1の導電性ゲル素子が、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、前記第1のヒドロゲル層が第1の導電性ヒドロゲルであり、前記第2のヒドロゲル層が第2の導電性ヒドロゲルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記第1の導電性ヒドロゲルと前記第2の導電性ヒドロゲルが同じヒドロゲルではない、請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記支持層が導電性である、請求項11に記載のシステム。
【請求項14】
前記第2の導電性ゲル素子が、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、前記第1のヒドロゲル層が第1の導電性ヒドロゲルであり、前記第2のヒドロゲル層が第2の導電性ヒドロゲルである、請求項1に記載のシステム。
【請求項15】
前記第1の導電性ヒドロゲルと前記第2の導電性ヒドロゲルが同じヒドロゲルではない、請求項14に記載のシステム。
【請求項16】
前記支持層が導電性である、請求項14に記載のシステム。
【請求項17】
前記第1の導電性パッドの温度を測定するように構成されている1つまたは複数の温度センサーをさらに含む請求項1に記載のシステム。
【請求項18】
前記1つまたは複数の温度センサーをモニタリングし、前記温度が快適性閾値を超える場合には、前記発生器をターンオフするように構成されている制御ボックスをさらに含む請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記快適性閾値が約40℃である、請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
トップコート層と、
前記トップコート層に接続され、腫瘍治療電場としての電気信号を発生させる発生器から電気信号を受け取るように構成されている電極素子と、
前記電極素子から電流を受け取るように前記電極素子に直接的に接続され、患者の皮膚と接触するように構成されている導電性ゲル素子と、を含む導電性パッド。
【請求項21】
前記電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、前記導電性リードが前記発生器に電気的に連結されるように構成され、前記導電性リードが前記電極素子に電気的に連結されている、請求項20に記載の導電性パッド。
【請求項22】
前記導電性ゲル素子が、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層をさらに含み、前記第1の導電性ゲル層が第1の導電性ゲルであり、前記第2の導電性ゲル層が第2の導電性ゲルである、請求項20に記載の導電性パッド。
【請求項23】
前記第1の導電性ゲルと前記第2の導電性ゲルが同じ導電性ゲルではない、請求項22に記載の導電性パッド。
【請求項24】
前記支持層が導電性である、請求項22に記載の導電性パッド。
【請求項25】
前記電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む請求項22に記載の導電性パッド。
【請求項26】
前記ブロッキングキャパシターが無極性キャパシターである、請求項25に記載の導電性パッド。
【請求項27】
前記ブロッキングキャパシターが約1μFの静電容量を有する、請求項25に記載の導電性パッド。
【請求項28】
前記トップコート層、前記電極素子、および前記導電性ゲル素子は、可撓性の材料からなり、患者の身体に適応するように構成されている、請求項20に記載の導電性パッド。
【請求項29】
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用することと、
前記少なくとも2つの導電性領域を患者に適用することの前または後に、前記少なくとも2つの導電性領域を発生器に連結することであって、前記発生器が50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成され、各導電性領域が電極素子を有し、前記電極素子から導電性ゲル素子へ電流を供給するように前記電極素子が前記導電性ゲル素子に直接的に接続され、前記電極素子が前記発生器に電気的に連結されて前記電気信号を受け取ると前記導電性ゲル素子に電流を供給し、前記導電性ゲル素子が患者の皮膚と接触しているようにすることと、
前記発生器を作動させ、前記電気信号を前記電極素子に供給することによって、前記導電性ゲル素子を通して前記患者に電流を供給することと、を含む方法。
【請求項30】
少なくとも1つのリードが、前記電極素子を前記発生器に電気的に連結するために設けられる、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記電気信号が、前記電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターを通過する、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記ブロッキングキャパシターが無極性キャパシターである、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記ブロッキングキャパシターが約1μFの静電容量を有する、請求項31に記載の方法。
【請求項34】
前記電極素子および前記導電性ゲル素子が、可撓性の材料からなり、患者の身体に適応するように構成されている、請求項29に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照/参照による組み込み
本出願は、2020年5月6日に出願された米国仮出願第63/020636号の利益を主張する非仮出願である。また、本出願は、2020年6月30日に出願された米国仮出願第63/046364号の利益を主張する。また、本出願は、2020年5月26日に出願された米国仮出願第63/030138号の利益を主張する。また、本出願は、2020年8月20日に出願された米国仮出願第63/068213号の利益を主張する。また、本出願は、2020年8月5日に出願された米国仮出願第63/061316号の利益を主張する。また、本出願は、2020年8月5日に出願された米国仮出願第63/061419号の利益を主張する。また、本出願は、2020年9月30日に出願された米国仮出願第63/085476号の利益を主張する。また、本出願は、2021年1月25日に出願された米国仮出願第63/141315号の利益を主張する。また、本出願は、2020年12月21日に出願された米国仮出願第63/128276号の利益を主張する。上記各仮出願の内容全体は、明示的に参照により本明細書に組み込まれている。
【0002】
連邦政府資金による研究開発の記載
適用なし。
【背景技術】
【0003】
腫瘍治療電場(TTフィールドまたはTTF:Tumor Treating Field)は、有糸分裂を破壊することによって固形腫瘍をターゲットとする、中間周波数範囲(100~576kHz)の中の低強度(たとえば、1~3V/cm)交流電場である。この非侵襲性の治療は、固形腫瘍をターゲットとし、たとえば、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8;および特許文献9において説明されている。TTフィールドは、典型的に、治療される腫瘍の中に垂直の電場を発生させる2対のトランスデューサーアレイを通して送達される。これらの対のそれぞれを構成するトランスデューサーアレイは、治療されている身体パーツの両側に位置決めされている。より具体的には、OPTUNE(登録商標)システムに関して、トランスデューサーアレイの一方の対の電極が、腫瘍の左右(LR: left and right)に位置付けされ、トランスデューサーアレイの他方の対の電極が、腫瘍の前後(AP: anterior and posterior)に位置付けされる。TTフィールドは、多形性膠芽腫(GBM)の治療のために承認されており、たとえば、OPTUNE(登録商標)システム(ジャージー島セント・ヘリアのノボキュア社製)を介して送達され得、それは、患者の剃毛された頭部の上に設置されるトランスデューサーアレイを含む。
【0004】
OPTUNE(登録商標)デバイスにおいてTTフィールドの送達のために使用される各トランスデューサーアレイは、1セットの非導電性のセラミックディスク電極を含み、それらは、導電性医療用ゲルの層を通して患者の皮膚(たとえば、それに限定されないが、GBMの治療のための患者の剃毛された頭部など)に連結される。セラミックディスク電極を形成するために、導電性層は、非導電性のセラミック材料の上部表面の上に形成されている。非導電性のセラミック材料の底部表面は、導電性医療用ゲルに連結されている。非導電性のセラミック材料は、直流信号が誤って患者に非意図的に伝送されることをブロックされることを保証するための安全特徴である。
【0005】
導電性層と導電性医療用ゲルとの間に非導電性のセラミック材料を間置することによって、先行技術のシステムは、患者が保護されたままになることを保証すると考えられた。医療用ゲルの目的は、身体の輪郭にマッチするように変形すること、および、アレイと皮膚との間の良好な電気的接触を設けることである。そうであるので、ゲルインターフェースは、皮膚との橋絡を生じ、干渉を低減させる。デバイスは、2~4日にわたって患者によって連続的に着用され、その後に、衛生的なケアおよび再剃毛(必要な場合)のために除去され、新しいセットのアレイの再適用がそれに続くということを意図している。そうであるので、医療用ゲルは、一度に2~4日の期間にわたって患者の皮膚のエリアと実質的に連続的に接触したままであり、より多くの医療用ゲルがそれに適用される前に、皮膚のそのエリアがカバーされず環境に露出される短い時間の期間のみが存在している。
【0006】
TTフィールドを異なる方向に印加するための1つのアプローチは、所定の時間の期間にわたって第1のセットの電極の間に電場を印加し、次いで、所定の時間の期間にわたって第2のセットの電極の間に電場を印加し、次いで、長期の持続期間にわたって(たとえば、数日または数週間の期間にわたって)そのサイクルを繰り返すということである。
【0007】
TTフィールドを発生させるために、電流が、トランスデューサーアレイの各電極に印加される。所定の時間の期間にわたる電流の印加は、各電極が温まることおよび最終的には熱くなることを引き起こし、したがって、患者にとって不快であるかまたは痛みを伴うようになることを引き起こす。トランスデューサーアレイの温度を維持するために、印加される電流は低下させられ、より弱いTTフィールドを結果として生じさせ、または、トランスデューサーアレイはパワーオフされ、したがって、治療の持続期間を短縮する。追加的に、先行技術は、リジッドのおよび/または非可撓性の材料(たとえば、セラミックなど)から作製された電極を教示しており、それは、患者に輪郭に合っていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】米国特許第7016725号明細書
【特許文献2】米国特許第7089054号明細書
【特許文献3】米国特許第7333852号明細書
【特許文献4】米国特許第7565205号明細書
【特許文献5】米国特許第8244345号明細書
【特許文献6】米国特許第8715203号明細書
【特許文献7】米国特許第8764675号明細書
【特許文献8】米国特許第10188851号明細書
【特許文献9】米国特許第10441776号明細書
【特許文献10】米国特許出願公開第2018/0160933号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2019/0117956号明細書
【特許文献12】米国特許出願公開第2019/0307781号明細書
【特許文献13】米国特許出願公開第2019/0308016号明細書
【特許文献14】米国特許出願第63/020636号
【特許文献15】米国特許出願第63/061316号
【特許文献16】米国特許出願第62/956992号
【特許文献17】米国特許出願第63/004016号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
トランスデューサーアレイのこの加熱に起因して、より強力なTTフィールドを発生させながらトランスデューサーアレイの温度を低減させる新しい改善されたアレイアセンブリが望まれている。本開示が関するのは、それを生産および使用するそのようなアセンブリおよび方法である。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】生体組織に適用されているような電極の概略ダイアグラムの例示的な実施形態を示す図である。
【
図2】TTフィールドを発生させるように構成されている電子的なデバイスの例示的な実施形態を示す図である。
【
図3】本開示にしたがって構築された第1の導電性パッドの上面図である。
【
図4】
図3に示されている第1の導電性パッドの例示的な実施形態の分解側面図である。
【
図5】
図3に示されている第1の導電性パッドの分解上面斜視図である。
【
図6】本開示にしたがって構築された導電性パッドの別の実施形態の上面図である。
【
図7】先行技術からのトランスデューサーアレイおよび本開示の導電性パッドを比較する実験的なテスト結果を示す表である。
【
図8】
図3に示されている第1の導電性パッドの例示的な実施形態の斜視図である。
【
図9】本開示の導電性パッドを利用して腫瘍を治療するプロセスの例示的な実施形態のダイアグラムである。
【
図10】各々隣接して配設されている1対の導電性ゲル素子の間に空気チャネルを形成する複数の空間的に配設されている導電性ゲル素子を有する導電性パッドの別の実施形態の分解側面図である。
【
図11】
図10の導電性パッドの導電性ゲル素子および第2の除去可能な保護層の一部分の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図12】
図10の導電性パッドの導電性ゲル素子および第2の除去可能な保護層の一部分の代替的な例示的な実施形態の斜視図である。
【
図13】本開示による、非平面的な形状(この例では、波形になっている形状)へと形成された電極素子および導電性ゲル素子を有する導電性パッドの別の実施形態の分解側面図であり、非平面的な形状は、一緒に嵌合するように構成されており、それによって、各々隣接して配設されている1対の壁部部分の間に空気チャネルを形成する複数の壁部部分を有する患者係合表面を与える、図である。
【
図14】本開示による、導電性パッドの別の実施形態の分解側面図であり、除去可能な保護層が、液体形態の導電性ゲルを受け入れるための非平面的な形態(この例では、波形になっている形状)を与えるように形状決めされており、それによって、各々隣接して配設されている1対の壁部部分の間に空気チャネルを形成する複数の壁部部分を有する、波形になっている形状の患者係合表面を形成している、図である。
【
図15】本開示の導電性ゲル素子を形成するプロセスの例示的な実施形態のプロセスフローダイアグラムである。
【
図16】
図10の導電性パッドの導電性ゲル素子および第2の除去可能な保護層の一部分の別の例示的な実施形態の斜視図であり、導電性ゲル素子が、部分的に硬化された状態の導電性ゲル素子の中への整形部材の挿入によって形状決めされている、図である。
【
図17】本発明にしたがって構築された例示的な整形部材の上面図である。
【
図19】本開示の整形部材を使用して導電性ゲル素子を形成するためのプロセスの例示的な実施形態のプロセスフローダイアグラムである。
【
図20】導電性ゲル素子の中への整形部材(すなわち、スクリーン)の挿入によって、空気チャネルによって取り囲まれている複数の導電性ゲル領域または突起部へと形状決めされた導電性ゲル素子の1つの実施形態の一部分の斜視図である。
【
図21】本開示にしたがって構築された導電性ファブリックの上面図である。
【
図22】本開示にしたがって構築された第1の導電性パッドの上面図である。
【
図23】
図22に示されている第1の導電性パッドの例示的な実施形態の分解側面図である。
【
図24】本開示にしたがって構築された導電性パッドの別の例示的な実施形態の底面図である。
【
図25】
図21~
図24の導電性パッドを利用して腫瘍を治療するプロセスの例示的な実施形態のプロセスダイアグラムである。
【
図26】本開示にしたがって構築されたパッドの別の実施形態の分解側面図である。
【
図27】本開示にしたがって構築された
図26のパッドの上面図である。
【
図28】電極素子を導電性ゲル素子から電気的に隔離する非導電性の可撓性のポリマー層を有する、本開示にしたがって構築されたパッドの別の実施形態の分解側面図である。
【
図29】本開示にしたがって構築されたパッドの別の例示的な実施形態の斜視図である。
【
図30】
図26~
図29のパッドを利用して腫瘍を治療するプロセスの例示的な実施形態のダイアグラムである。
【
図31】電極素子を導電性ゲル素子から電気的に隔離する非導電性の層を有する、本開示にしたがって構築されたパッドの別の例示的な実施形態の分解側面図である。
【
図32】パッドが平面的な状態になっている、本開示にしたがって構築されたパッドの別の例示的な実施形態の上面図である。
【
図33】本開示による、患者の頭部の一部分に適応するように構成されている3次元形状になっている、
図32の例示的なパッドの上面図である。
【
図34】導電性の形態になっており、交流電流TTF電場を患者の皮膚の中へ供給するように構成されている、
図32および
図33のパッドの別の実施形態の分解図である。
【
図35】非導電性の形態になっており、容量的に連結された電場を患者の中へ発生させるように構成されている、
図32および
図33のパッドの実施形態の分解図である。
【
図36】
図2に示されている第1のパッドの例示的な実施形態の分解側面図である。
【
図37】
図2に示されている第1のパッドの例示的な実施形態の分解側面図である。
【
図38】本開示にしたがって構築された導電性ゲル層を有する導電性パッドの例示的な実施形態の底面図である。
【
図39】本開示にしたがって構築された導電性パッドの部分的な断面ダイアグラムである。
【
図40】本開示にしたがって構築されたゲル塗布システムの例示的な実施形態の斜視ダイアグラムである。
【
図41】本開示にしたがって構築された導電性パッドの別の例示的な実施形態の機能的なダイアグラムである。
【
図42】本開示の導電性ゲル層を塗布するための導電性ゲル塗布プロセスの例示的な実施形態のプロセスダイアグラムである。
【
図43】本開示の導電性パッドを利用して腫瘍を治療するプロセスの例示的な実施形態のプロセスダイアグラムである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
例示的な言語および結果によって本発明概念の少なくとも1つの実施形態を詳細に説明する前に、本発明概念は、その適用において、以下の説明において記載されている構造の詳細および部品の配置に限定されないということを理解されたい。本発明概念は、他の実施形態であることが可能であり、または、さまざまな方式で実践もしくは実施されることが可能である。そうであるので、本明細書で使用されている言語は、可能な限り広い範囲および意味を与えられることを意図しており、実施形態は、例示的であること(網羅的でないこと)を意味している。また、本明細書で用いられている言い回しおよび専門用語は、説明の目的のためのものであり、限定するものとして見なされるものではないということを理解されたい。
【0012】
本明細書で別段の定義がない限り、現在開示されている発明概念に関連して使用されている科学的なおよび技術的な用語は、当業者によって一般に理解される意味を有するものとする。さらに、文脈によって別段の要求がない限り、単数の用語は、複数形を含むものとし、複数の用語は、単数形を含むものとする。先述の技法および手順は、一般的に、当技術分野においてよく知られている従来の方法にしたがって実施され、および、本明細書の全体を通して引用および議論されているさまざまな一般的でより具体的な参照文献に説明されているように実施される。本明細書で説明されている分析化学、合成有機化学、ならびに、医薬品化学および創薬化学に関連して利用される命名法、ならびに、その実験室手順および技法は、当技術分野において周知であり一般に使用されているものである。標準的な技法は、化学的な合成および化学的な分析のために使用される。
【0013】
本明細書で述べられているすべての特許、公開特許出願、および非特許公報は、この現在開示されている発明概念が関連する当業者の技能のレベルを示している。本出願の任意の部分において参照されているすべての特許、公開特許出願、および非特許公報は、個々の特許または公報が具体的におよび個別に参照により組み込まれていることが示されている場合と同じ程度に、その全体が参照により本明細書に明示的に組み込まれている。
【0014】
本明細書で開示されている組成物、アセンブリ、システム、キット、および/または方法のすべては、本開示に照らして過度の実験なしに作製および実行され得る。本発明概念の組成物、アセンブリ、システム、キット、および方法は、特定の実施形態の観点から説明されてきたが、本発明概念の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、変形例が、組成物および/または方法に適用され得、ならびに、本明細書で説明されている方法のステップにおいて、もしくは、ステップのシーケンスにおいて適用され得るということが当業者に明らかであることとなる。当業者に明らかなすべてのそのような同様の置換例および修正例は、添付の特許請求の範囲によって定義されているような本発明概念の精神、範囲、および概念の中にあるものと見なされる。
【0015】
本開示にしたがって利用されているように、以下の用語は、特に断らない限り、以下の意味を有すると理解されるものとする。
【0016】
単数形での用語の使用は、特許請求の範囲および/または明細書において「含む」という用語とともに使用されるときに、「1つの」を意味することが可能であるが、「1つまたは複数の」、「少なくとも1つの」、および、「1つまたは2つ以上の」の意味とも一貫している。単数形での用語は、文脈がそうでないことを明確に示していない限り、複数の参照語を含む。したがって、たとえば、単数形での「化合物」への言及は、1つまたは複数の化合物、2つ以上の化合物、3つ以上の化合物、4つ以上の化合物、または、より大きい数の化合物を指すことが可能である。「複数」という用語は、「2つ以上」を指す。
【0017】
「少なくとも1つ」という用語の使用は、1つだけではなく、2つ以上の任意の量(2、3、4、5、10、15、20、30、40、50、100などを含むが、それに限定されない)を含むように理解されることとなる。「少なくとも1つ」という用語は、それが付される用語に応じて、100または1000またはそれ以上まで拡張することが可能である。加えて、100/1000の量は、限定するものとして考えられるものではない。その理由は、より高い限界も満足な結果を生み出す可能性があるからである。加えて、「X、Y、およびZのうちの少なくとも1つ」という用語の使用は、X単独、Y単独、およびZ単独、ならびに、X、Y、およびZの任意の組み合わせを含むことが理解されることとなる。序数の専門用語(すなわち、「第1の」、「第2の」、「第3の」、「第4の」など)の使用は、2つ以上の項目の間を区別する目的だけのためのものであり、たとえば、任意のシーケンスまたはある項目に対する別の項目の順序もしくは重要性、または、任意の追加の順序を暗示することを意味していない。
【0018】
特許請求の範囲における「または」という用語の使用は、選択肢のみを指すように明示的に示されていない限り、または、選択肢が相互に排他的でない限り、包括的な「および/または」を意味するように使用される。たとえば、条件「AまたはB」は、以下のいずれかによって満たされる:Aは真であり(または存在している)かつBは偽である(または存在していない)、Aは偽であり(または存在していない)かつBは真である(または存在している)、ならびに、AおよびBの両方が真である(または存在している)。
【0019】
本明細書で使用されているように、「1つの実施形態」、「ある実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの例」、「たとえば」、または「ある例」への任意の言及は、実施形態に関連して説明されている特定の素子、特徴、構造、または特質が少なくとも1つの実施形態の中に含まれるということを意味している。明細書のさまざまな場所において「いくつかの実施形態において」または「1つの例」という語句が出現することは、たとえば、必ずしもすべてが同じ実施形態を言及しているわけではないということである。さらに、1つまたは複数の実施形態または例へのすべての言及は、特許請求の範囲に対して非限定的なものとして解釈されるものである。
【0020】
本出願の全体を通して、「約」という用語は、値が、組成物/装置/デバイスに関する誤差の固有の変動、値を決定するために用いられている方法、または、研究対象の間に存在する変動を含むということを示すために使用されている。たとえば、限定としてではないが、「約」という用語が利用されるときに、指定されている値は、特定の値からプラスまたはマイナス20パーセント、または15パーセント、または12パーセント、または11パーセント、または10パーセント、または9パーセント、または8パーセント、または7パーセント、または6パーセント、または5パーセント、または4パーセント、または3パーセント、または2パーセント、または1パーセントだけ変化する可能性がある。その理由は、そのような変動が、開示されている方法を実施するのに適当であり、当業者によって理解される通りであるからである。
【0021】
本明細書および特許請求の範囲において使用されているように、「備える」、「有する」、「含む」、「含有する」等という言葉は、包括的でありまたはオープンエンド型であり、追加的な記載されていない素子または方法ステップを除外するものではない。
【0022】
本明細書で使用されているような「または、それらの組み合わせ」という用語は、その用語に先行する列挙された項目のすべての順列および組み合わせを指す。たとえば、「A、B、C、または、それらの組み合わせ」は、以下のうちの少なくとも1つを含むことを意図している:A、B、C、AB、AC、BC、またはABC、および、特定の文脈において順序が重要である場合には、さらに、BA、CA、CB、CBA、BCA、ACB、BAC、またはCAB。この例を続けると、BB、AAA、AAB、BBC、AAABCCCC、CBBAAA、CABABBなどのような、1つまたは複数の項目または用語の繰り返しを含有する組み合わせが明示的に含まれる。文脈から明らかでないない限り、典型的に、任意の組み合わせにおける項目または用語の数に制限が存在しないということを、当業者は理解することとなる。
【0023】
本明細書で使用されているように、「実質的に」という用語は、その後に説明される事象または状況が完全に起こるということ、または、その後に説明される事象または状況がかなりの程度または度合いで起こるということを意味している。たとえば、特定の事象または状況に関連付けられるときに、「実質的に」という用語は、その後に説明される事象または状況が、少なくとも80%の時間で、または少なくとも85%の時間で、または少なくとも90%の時間で、または少なくとも95%の時間で起こるということを意味している。たとえば、「実質的に隣接して」という用語は、2つの項目が互いに100%隣接しているということ、または、2つの項目が互いに極めて近接しているが、互いに100%隣接してはいないということ、または、2つの項目のうちの一方の一部分が他方の項目に100%隣接してはいないが、他方の項目に極めて近接しているということを意味する可能性がある。
【0024】
本明細書で使用されているような「ポリペプチド」という用語は、アミノ酸のポリマーを指すということが理解されることとなる。ポリマーは、アミノ酸のd-、l-、または人工的な変異体を含むことが可能である。加えて、「ポリペプチド」という用語は、ペプチド、タンパク質、および糖タンパク質を含むということが理解されることとなる。
【0025】
本明細書で使用されているような「ポリヌクレオチド」という用語は、2つ以上のヌクレオチドのポリマーを指すということが理解されることとなる。本明細書で使用されているように、ヌクレオチドは、デオキシリボースヌクレオチドおよび/またはリボースヌクレオチド、ならびに、その人工的な変異体を含むということが理解されることとなる。また、ポリヌクレオチドという用語は、一本鎖および二本鎖の分子を含む。
【0026】
本明細書で使用されているような「類似体」または「変異体」という用語は、分子の通常のもしくは標準的な形態または野生型の形態の変形例を指すということが理解されることとなる。ポリペプチドまたはポリヌクレオチドに関して、類似体は、野生型ポリヌクレオチドの変異体(ポリモーフィズム)、ミュータント、および/または、自然的にもしくは人工的に化学的に修正されたバージョン(上記の組み合わせを含む)であることが可能である。そのような類似体は、分子の通常の形態よりも高い、完全な、中間の、または、より低い活性を有することが可能であり、または、全く活性を有さないことも可能である。代替的に、および/または、それに加えて、化学物質に関して、類似体は、異なる原子または異性体配置から構成されている場合でも、所望の機能性を有する任意の構造体であることが可能である(コア部分における代替例または置換例を含む)。
【0027】
本明細書で使用されているように、「に関連付けられている」および「に連結されている」という語句は、2つの部分の互いへの直接的な関連付け/結合、および、2つの部分の互いへの間接的な関連付け/結合の両方を含む。関連付け/連結の非限定的な例は、たとえば、直接的な結合によって、または、スペーサーグループを通してのいずれかによって、1つの部分を別の部分の中へ共有結合すること、直接的に、または、部分によって結合された特定の結合対メンバーによってのいずれかによって、1つの部分を別の部分の中へ非共有結合すること、たとえば、1つの部分を別の部分の中に溶解させることによって、または、合成などによって、1つの部分を別の部分の中へ組み込むこと、および、1つの部分を別の部分の上にコーティングすることを含む。
【0028】
本明細書で使用されているように、「実質的に純粋な」は、対象種が、存在する優勢種であるということ(すなわち、モルベースで、それが、組成物の中の任意の他の個々の種よりも豊富であるということ)、および、好ましくは、実質的に精製された分画が、存在するすべての高分子種の少なくとも約50パーセント(モルベースで)を対象種が構成する組成物であるということを意味している。一般的に、実質的に純粋な組成物は、組成物の中に存在するすべての高分子種の約80パーセント以上を構成することとなり、より好ましくは、約85%以上、90%以上、95%以上、および99%以上を構成することとなる。最も好ましくは、対象種は、組成物が単一の高分子種から本質的に構成される本質的な均質性まで精製される(汚染物質種は、従来の検出方法によって組成物の中に検出され得ない)。
【0029】
「薬学的に許容可能な」という用語は、過度の有害な副作用なしに(たとえば、合理的な利益/リスク比に見合う(それに限定されないが)毒性、炎症、および/またはアレルギー反応など)、人間および/または動物への投与に適切な化合物および組成物を指す。
【0030】
「薬学的に許容可能な賦形剤」という用語は、本明細書で開示されている組成物の溶解度、送達可能性、分散性、安定性、および/または、立体配座的な完全性を改善することができる、当技術分野において知られているかまたは本明細書でその他の方法で企図されている任意のキャリア、ビークル、および/または希釈剤を指す。
【0031】
本明細書で使用されているような「患者」という用語は、人間および獣医学的な被検者を含む。治療の目的のための「哺乳類」は、哺乳類として分類される任意の動物を指し、それは、(それに限定されないが)人間、家畜および農場動物、非人類霊長類、および、乳房組織を有する任意の他の動物を含む。
【0032】
「治療」という用語は、療法的な治療および予防的なまたは防止的な措置の両方を指す。治療を必要とする者は、特定の条件/疾患/感染をすでに有する個体、および、特定の条件/疾患/感染を獲得するリスクにある個体(たとえば、予防的な/防止的な措置を必要とする者)を含むが、それに限定されない。「治療する」という用語は、療法的なおよび/または予防的な/防止的な目的のために、薬剤/素子/方法を患者に投与することを指す。
【0033】
「療法的な組成物」または「医薬組成物」は、療法的なおよび/または予防的な/防止的な効果をもたらすために生体内に投与され得る薬剤を指す。
【0034】
療法的に効果的な量または予防的に効果的な量を投与することは、疾患、条件、および/または感染の治療、防止、および/または管理における療法的な利益を提供することを意図している。療法的に効果的な特定の量は、通常の医療従事者によって容易に決定され得、たとえば、(それに限定されないが)条件/疾患/感染のタイプ、患者の病歴および年齢、条件/疾患/感染の段階、ならびに、他の薬剤の共投与などのような、当技術分野において知られている要因に応じて変化することが可能である。
【0035】
「効果的な量」という用語は、本発明概念の様式で使用されるときに、合理的な利益/リスク比に見合う過度の有害な副作用(たとえば、(それに限定されないが)毒性、電気分解、炎症、およびアレルギー反応など)なしに、検出可能な治療効果を示すのに十分な、生物学的に活性の分子またはその共役体もしくは誘導体の量、または、治療プロトコル(すなわち、交流電場)の量を指す。治療効果は、たとえば、限定としてではないが、少なくとも1つの腫瘍および/または癌の発生を防止すること、抑制すること、または低減させることを含むことが可能である。被検者に対する効果的な量は、被検者のタイプ、被検者のサイズおよび健康、治療されることとなる条件/疾患/感染の性質および重症度、投与の方法、治療の持続期間、(もしあれば)併用療法の性質、および、用いられる特定の配合などに依存することとなる。したがって、正確な効果的な量を事前に特定することは可能でない。しかし、所与の状況に関する効果的な量は、本明細書で提供される情報に基づいてルーチン実験を使用することによって、当業者によって決定され得る。
【0036】
本明細書で使用されているように、「併用療法」という用語は、「組み合わせ療法」および「補助療法」という用語と相互交換可能に使用され、治療を必要とする患者が本開示の治療と併用して条件/疾患/感染のための別の薬物を治療または与えられるということを意味するように理解されることとなる。この併用療法は、シーケンシャルな療法であることが可能であり、そこでは、患者は、最初に、1つの治療プロトコル/医薬組成物を治療され、次いで、他の治療プロトコル/医薬組成物を治療されるか、または、2つの治療プロトコル/医薬組成物が同時に与えられる。
【0037】
本明細書で使用されているような「投与」および「投与する」という用語は、当技術分野において知られているすべての投与のルートを含むように理解されることとなり、それは、経口、局所、経皮、非経口、皮下、鼻内、粘膜、筋肉内、腹腔内、眼窩内、および静脈内ルートを含み、また、局所的な適用および全身への適用の両方を含むが、それに限定されない。加えて、本開示の組成物(および/または、その投与の方法)は、当技術分野においてよく知られている配合技法を使用して、遅延された、制御された、または持続した解放を提供するように設計され得る。
【0038】
本明細書で使用されているように、回路は、アナログおよび/もしくはデジタルコンポーネント、または、1つもしくは複数の適切にプログラムされたプロセッサー(たとえば、マイクロプロセッサー)ならびに関連のハードウェアおよびソフトウェア、または、ハードワイヤードロジックであることが可能である。また、「コンポーネント」は、1つまたは複数の機能を果たすことが可能である。「コンポーネント」という用語は、ハードウェア、たとえば、プロセッサー(たとえば、マイクロプロセッサー)、特定用途向け集積回路(ASIC)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)など、ならびに/または、ハードウェアおよびソフトウェアの組み合わせなどを含むことが可能である。本明細書で使用されているような「プロセッサー」という用語は、タスクを集合的に実施するために独立してまたは一緒に働く単一のプロセッサーまたは複数のプロセッサーを意味している。
【0039】
ここで本発明概念を見てみると、その特定の非限定的な実施形態は、システム、および、システムを実装する方法を含み、システムは、50kHzから576kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、第1の導電性リードは、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;第1の導電性リードに電気的に連結されているパッドとを含む。本開示のさまざまな態様が、下記に詳細に提供されている。
【0040】
ここで図面を参照すると、および、とりわけ
図1を参照すると、外部TTフィールド(たとえば、約100kHzから約300kHzの周波数範囲にある交流電場)の影響の下にある分裂細胞10の例示的な実施形態がその中に示されており、外部TTフィールドは、一般的に、線14によって示されており、マイナスの電荷を有する第1の電極18a、および、プラスの電荷を有する第2の電極18bによって発生させられる。非常に強力な双極子モーメントを有することが知られている微小管22がさらに示されている。この強力な分極は、微小管22ならびに他の極性高分子(および、特に、細胞10またはその周囲の中に特定の配向を有するもの)を、電場を受けやすいものにする。微小管22のプラスの電荷は、2つの中心小体26に位置付けされており、一方では、2セットの負極が、分裂細胞10の中心30、および、細胞膜への微小管22の取り付けのポイント34にある。電荷の場所は、ダブル双極子のセットを形成し、したがって、異なる方向の電場を受けやすい。1つの実施形態では、細胞は、エレクトロポレーションを経験し、すなわち、DNAまたは染色体は、細胞膜の中に細孔を簡潔に開けるために電気のパルスを使用して、細胞の中へ導入される。
【0041】
ここで
図2を見てみると、腫瘍細胞を有利に破壊することが見出されている上記に説明されているTTフィールドは、電子的装置50によって発生させられる。
図2は、電子的装置50の簡単な概略ダイアグラムであり、その主要なコンポーネントを示している。電子的装置50は、発生器54および1対の導電性リード58(第1の導電性リード58aおよび第2の導電性リード58bを含む)を含む。第1の導電性リード58aは、第1の端部62aおよび第2の端部62bを含む。第2の導電性リード58bは、第1の端部66aおよび第2の端部66bを含む。第1の導電性リード58aの第1の端部62aは、発生器54に伝導的に取り付けられており、第2の導電性リード58bの第1の端部66aは、発生器54に伝導的に取り付けられている。発生器54は、出力として波形またはパルスの列の形状の望ましい電気信号(TT信号)を発生させる。第1の導電性リード58aの第2の端部62bは、第1のパッド70aに接続されており、第2の導電性リード58bの第2の端部66bは、第2のパッド70bに接続されており、第2のパッド70bは、電気信号(たとえば、波形)によって活性化させられる。電気信号によって活性化させられる第1のパッド70aおよび第2のパッド70bは、第1のパッド70aと第2のパッド70bとの間に電流が流れることを引き起こす。電流は、電場(すなわち、TTフィールド)を発生させ、電場は、所定の周波数および振幅を有しており、第1のパッド70aと第2のパッド70bとの間に発生させられることとなる。
【0042】
発生器54は、約50kHzから約576kHzの(好ましくは、約100kHzから約300kHzの)範囲の周波数において交流電圧波形を発生させる(すなわち、TTフィールド)。必要とされる電圧は、治療エリアの中の組織における電場強度が約0.1V/cmから約10V/cmの範囲にあるようなものである。この電場を実現するために、第1のパッド70aまたは第2のパッド70bのそれぞれにおける2つの導体18(すなわち、下記に詳細に説明されており、
図4に示されている電極素子124)の間の電位差は、システムコンポーネントの相対インピーダンスによって決定され、すなわち、各コンポーネントの上の電場の割合は、そのコンポーネントのインピーダンスが合計回路インピーダンスによって割られることによって与えられる。
【0043】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、第1のパッド70aおよび第2のパッド70bは、患者のターゲット領域の中に交流電流および電場を発生させる。ターゲット領域は、典型的に、少なくとも1つの腫瘍を含み、交流電流および電場の発生は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する。交流電流および電場は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する任意の周波数において発生させられ得る。たとえば(限定としてではないが)、交流電流および電場は、約50kHz、約75kHz、約100kHz、約125kHz、約150kHz、約175kHz、約200kHz、約225kHz、約250kHz、約275kHz、約300kHz、約325kHz、約350kHz、約375kHz、約476kHz、約425kHz、約450kHz、約475kHz、または約576kHzの周波数、ならびに、上記の値のいずれかから形成される範囲(すなわち、約50kHzから約576kHzの範囲、約100kHzから約150kHzの範囲、約150kHzから約300kHzの範囲など)の周波数、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約32kHzから約333kHzの範囲、約78kHzから約298kHzの範囲など)の周波数を有することが可能である。
【0044】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、交流電流および電場は、2つ以上の異なる周波数において課され得る。2つ以上の周波数が存在しているときに、各周波数は、上記の値のいずれか、または、上記の値のいずれかからの範囲、または、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた値から選択される。本明細書で使用されているように、交流電場は、電場またはTTフィールドと称され得る。
【0045】
電場(すなわち、TTフィールド)分布を最適化するために、第1のパッド70aおよび第2のパッド70b(1対のパッド)は、1対のパッド70aおよび70bが使用されることとなる用途に応じて異なって構成され得る。本明細書で説明されているように、1対のパッド70aおよび70bは、患者に外部から適用され、すなわち、一般的に、患者の皮膚に適用され、電流および電場(TTフィールド)を印加し、それによって、患者の組織に電流を発生させるようになっている。一般的に、1対のパッド70aおよび70bは、ユーザーによって患者の皮膚の上に設置され、電場が治療エリアの中の患者組織を横切って発生させられるようになっている。外部から印加されるTTフィールドは、たとえば、皮膚腫瘍の治療および皮膚表面の近くの病変の治療など、局所的なタイプまたは幅広く分配されるタイプのものであることが可能である。
【0046】
1つの実施形態では、ユーザーは、医師、看護師、療法士、または、医師、看護師、もしくは療法士のインストラクションの下で行動する他の人などのような、医療専門家であることが可能である。別の実施形態では、ユーザーは、患者であることが可能であり、すなわち、患者は、彼らの治療エリアの上にパッド70aおよびパッド70bを設置することが可能である。
【0047】
随意的に、および、別の例示的な実施形態によれば、電子的装置50は、制御ボックス74と、制御ボックス74に連結されている温度センサー78とを含み、それらは、治療エリアにおいて過度の加熱を発生させないように、電場の振幅を制御するために含まれている。
【0048】
制御ボックス74が含まれているときに、制御ボックス74は、発生器54の出力を制御し、ユーザーによって予め設定される値において出力が一定のままになることを引き起こす。代替的に、制御ボックス74は、治療エリアの過度の加熱を引き起こさない最大の値に出力を設定する。上記のケースのいずれにおいても、制御ボックス74は、(温度センサー78によってセンシングされるような)治療エリアの温度が予め設定された限界値を超えるときに、警告などを発することが可能である。温度センサー78は、第1のパッド70aまたは第2のパッド70bに機械的に接続され、および/または、その他の方法で関連付けられ得、第1のパッド70aまたは第2のパッド70bのうちのいずれか一方または両方において、治療エリアの温度をセンシングするようになっている。
【0049】
導電性リード58は、可撓性の金属シールドを備えた標準的な隔離された導体であり、好ましくは、接地されており、それによって、導電性リード58によって発生させられる任意の電場の広がりを防止する。パッド70aおよびパッド70bは、治療エリアにおいて、および、治療を集中させるためにそこのみにおいて、所望の構成、方向、および強度のTTフィールドを発生させるために、特定の形状および位置決めを有することが可能である。
【0050】
全体としての電子的装置50およびその個々のコンポーネントの仕様は、TTフィールドの周波数(50kHz~576kHz)において、誘電的特性ではなく「オームの法則にしたがう」特性にしたがって、生物系が挙動するという事実によって大きく影響を及ぼされる。
【0051】
1つの実施形態では、患者を通過するDC電圧またはDCオフセット電圧に起因する任意の電流から患者を保護するために、リード58aおよび58bは、DC電流がパッド70aおよびパッド70bへ通ることを阻止するためのDCブロッキングコンポーネント(たとえば、ブロッキングキャパシター82aおよびブロッキングキャパシター82bなど)を含むことが可能である。理論に縛られることなく、本発明者は、ここで、DCブロッキングコンポーネントは、安全上の理由から重要であるが、患者インターフェースに(すなわち、トランスデューサーアレイの電極の中に)位置付けされる必要はなく、または、さらに言えば、上記に説明されている非導電性のセラミックディスクである必要はないと考える。ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、AC電圧をパッド70aおよびパッド70bに渡し、また、発生器54によって発生させられるかまたはその他の方法で電気信号中に存在している任意のDC電圧またはDCオフセットが患者に渡ることまたは患者を通過することを防止する。DC電圧は、患者に印加されるときに、TTフィールドのパワーに寄与するという利益なしに、電気分解または第1のパッド70aおよび第2のパッド70bの過度の加熱などのような、望ましくない結果を有する可能性がある。したがって、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、DCオフセットまたはDC電圧に起因する電気分解を防止することが可能である。1つの実施形態では、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、無極性キャパシターである。1つの実施形態では、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、約1μFの静電容量を有している。1つの実施形態では、ブロッキングキャパシターは、KEMETエレクトロニクス社(フロリダ州フォートローダーデール)による「Goldmax,300Series,Conformally Coated,X7R Dielectric,25‐250VDC(Commercial Grade)」のリード付け(leaded)無極性セラミックキャパシターである。
【0052】
患者を発生器54から電気的に隔離することは、非常に重要である可能性があり、したがって、ブロッキングキャパシター82aおよび82bを発生器54の外側に設けることは、患者の安全を強化する。ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、リード58aおよび58bのコンポーネントであるか、または、第1のパッド70aおよび第2のパッド70bの電極素子124と発生器54との間の任意の位置における追加的なコンポーネントであることが可能である。たとえば、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、リード58bの第1の端部66aと発生器54との中間にあるか、または、リード58bの第2の端部66bと第2のパッド70bとの中間にあることが可能である。ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、パッド70aおよびパッド70bから遠隔に設けられ得て、患者の安全を依然として与えることが可能であるということを本発明者は考えている。ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、電極素子124の非患者側に位置付けされ得る。
【0053】
他の実施形態において、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、発生器54のコンポーネントであることが可能であり、すなわち、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、発生器54の中へ一体化され得、電気信号がリード58aおよび58bの中へ通される前に、電気信号がブロッキングキャパシター82aおよび82bを通過するようになっている。代替的に、第2の実施形態において、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、第1のパッド70aおよび第2のパッド61bのコンポーネント、リード58aおよび58bのコンポーネント、または、第1のパッド70aおよび第2のパッド70bの導電性ゲル素子128と発生器54との間の任意の位置における追加的なコンポーネントであることが可能である。たとえば、ブロッキングキャパシター82aおよび82bは、リード58bの第1の端部66aと発生器54との中間にあるか、リード58bの第2の端部66bと第2のパッド70bとの中間にあるか、または、第2のパッド70bの素子であることが可能である。
【0054】
従来のシステムが最小化するように設計された1つの潜在的な安全上の懸念は、有害な電気分解の可能性であった。ブロッキングキャパシター82aおよび82bが発生器54の中へ一体化されており、ブロッキングキャパシターが第1のパッド70aまたは第2のパッド70bの中に存在していない、電気分解実験では、本明細書で説明されているような第1のパッド70aおよび第2のパッド70bを使用しながら、電気分解がほとんど示されなかったかまたはまったく示されなかった。電気分解実験において、第1のパッド70aおよび第2のパッド70bは、生理食塩水溶液の中に設置され、発生器54に接続された。発生器54は、148kHzにおいて2194mAおよび21Vの第1の電気信号を第1のパッド70aおよび第2のパッド70bに供給した。第1の電気信号が印加されたときに、電気分解は観察されず、すなわち、電気分解の間に予期されることとなるような第1のパッド70aまたは第2のパッド70bの上でのガス形成がないということによって観察されるように、生理食塩水溶液の中の水がその構成成分(水素および酸素)へ明らかに分解するということは存在しなかった。理論に縛られることなく、これらの予備的な実験は、そのようなシステムを使用する患者に起こる電気分解のリスクが最小になるという可能性を考慮するように本発明者を導いた。そのうえ、ある程度の電気分解が起こる場合には、副作用は、システムの全体的な療法的な効力と比べたときに許容可能である可能性がある。具体的に電気分解をターゲットとする代替的な療法的なレジームを使用して、そのような副作用を治療/管理することがさらに可能である可能性がある。
【0055】
第1のモード:バルク電子輸送剤を含むゲル組成物
【0056】
本開示の第1のモードは、TTフィールド発生システムによる治療の間に患者の皮膚に適用するための導電性ゲル組成物を含む。導電性ゲル組成物は、少なくとも1つのバルク電子輸送剤(たとえば、それに限定されないが、カーボンブラック、グラフェン、またはグラファイトなど)と組み合わせた半固体の導電性ゲルを含有しており、それは、半固体の導電性ゲルの電気伝導率および/または熱伝導率を劇的に強化する。
【0057】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、患者の皮膚に適用するための、および、患者の皮膚と患者の中に交流電場を発生させる少なくとも1つの絶縁された電極(たとえば、それに限定されないが、約50kHzから約500kHzの範囲の周波数を有する交流電場を発生させる絶縁された電極など)との間に設置するための、半固体の導電性ゲルを含む組成物に関するものである。組成物は、少なくとも1つのバルク電子輸送剤をさらに含み、それは、半固体の導電性ゲルの表面の少なくとも一部分の上に配設されており、および/または、半固体の導電性ゲルの少なくとも一部分の中に配設されている。
【0058】
当技術分野において知られているかまたは本明細書でその他の方法で企図されている任意のカーボンブラックが、本開示にしたがって利用され得る。本開示にしたがって利用され得るカーボンブラックの1つの非限定的な例は、アセチレンブラックである。
【0059】
本開示にしたがって利用され得るカーボンブラックの別の特定の(しかし、非限定的な)例は、ケチェンブラック(たとえば、それに限定されないが、ケチェンブラックEC300JおよびケチェンブラックEC600JDなど)である。ケチェンブラックは、従来のカーボンブラックと比較してはるかに低いローディング量において同じレベルの電気伝導度を所有している。そうであるので、所望のレベルの体積抵抗率が、従来のカーボンブラックによって同じレベルの体積抵抗率を取得するために必要とされる密度と比較して、はるかに低いケチェンブラックの密度において取得される。
【0060】
本開示にしたがって利用され得るカーボンブラックの別の形態は、カーボンブラックと少なくとも1つの実質的に不活性の金属との融合である。当技術分野において知られているかまたは本明細書でその他の方法で企図されている任意の実質的に不活性の金属は、実質的に不活性の金属がヒドロゲルの中に存在している塩と実質的にと相互作用することとならない限りにおいて、本開示にしたがって利用され得る。本開示にしたがって利用され得る実質的に不活性の金属の非限定的な例は、銅、金、銀、ミョウバン、および、それらの組み合わせを含む。
【0061】
本開示にしたがってバルク電子輸送剤として利用され得る物質の他の例は、それに限定されないが、導電性ポリマー、たとえば、それに限定されないが、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)(PEDOT)およびポリピロールなど;テトラシアノキノジメタン(TCNQ)塩;遷移金属酸化物または水酸化物、たとえば、それに限定されないが、二酸化マンガンなど;硫酸;セラミック物質、たとえば、それに限定されないが、セラミックダストおよびMXene;遷移金属ジカルコゲニド;または、本明細書で説明されている他のバルク電子輸送剤のいずれかのうちの1つまたは複数と上記のいずれかとの組み合わせなどを含む。
【0062】
バルク電子輸送剤が半固体の導電性ゲルの少なくとも一部分の中に配設されているときに、バルク電子輸送剤は、当技術分野において知られているかまたは本明細書でその他の方法で企図されている任意の方法によって、導電性ゲルの中に配設され得る。たとえば(限定としてではないが)、バルク電子輸送剤は、導電性ゲルの中に組み込まれ得、および/または、導電性ゲルの中に含浸され得る。特定の非限定的な実施形態において、バルク電子輸送剤は、半固体の導電性ゲルを形成するための硬化/重合の前に、導電性ゲルの中に配設されている。たとえば(限定としてではないが)、1つまたは複数のバルク輸送剤は、半固体のゲルの形成の前に、導電性ゲルを含有する別の非混和性液体と混合された懸濁液の中に設置され得る。
【0063】
バルク電子輸送剤が、半固体の導電性ゲルの表面の少なくとも一部分の上に配設されているときに、バルク電子輸送剤は、表面の上に制御されるかまたはランダムに位置決めされている粉末または顆粒の形態であることが可能である。たとえば(限定としてではないが)、カーボンブラック、グラフェン、および/またはグラファイトが、表面の上に単に「撒き散らされる」かまたはその他の方法で堆積され得る。代替的に、バルク電子輸送剤は、半固体の導電性ゲルの表面に隣接して位置決めされている層またはフィルムの中に提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、バルク電子輸送剤としてのカーボンブラック層/フィルムの使用は、粉末または顆粒をそれに適用するときと比較して、カーボンブラック層/フィルムと接触している半固体の導電性ゲルの表面全体の上へのカーボンブラックのより制御された均一な配設を提供する。加えて、同じまたは異なるバルク電子輸送剤の複数の層/コーティングが、半固体の導電性ゲルの上におよび/またはその中に存在していることが可能であるということが理解されることとなる。
【0064】
組成物は、組成物が本開示にしたがって機能することを可能にする任意の量のバルク電子輸送剤をロードされ得る。たとえば(限定としてではないが)、バルク電子輸送剤は、約0.01%、約0.05%、約0.1%、約0.5%、約1%、約2%、約3%、約4%、約5%、約6%、約7%、約8%、約9%、約10%、約11%、約12%、約13%、約14%、約15%、約16%、約17%、約18%、約19%、約20%、約21%、約22%、約23%、約24%、約25%、約26%、約27%、約28%、約29%、約30%、約31%、約32%、約33%、約34%、約35%、約36%、約37%、約38%、約39%、約40%、約41%、約42%、約43%、約44%、約45%、約46%、約47%、約48%、約49%、約50%、約51%、約52%、約53%、約54%、約55%、約56%、約57%、約58%、約59%、約60%、約65%、約70%、約75%、約80%、もしくは、それ以上、または、上記の値のうちの2つの範囲の中に入る値(すなわち、約0.1%から約40%(wt)の範囲、約1%から約50%(wt)の範囲など)の濃度(wt)において、組成物の中にロードされ得る。
【0065】
導電性ゲルは、組成物が本開示にしたがって機能することを可能にする任意の形態になっていることが可能である。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲルは、ヒドロゲルまたはヒドロコロイドの形態になっていることが可能である。
【0066】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、ゲルは無菌である。加えて、特定の非限定的な実施形態において、ゲルは、ガンマ線またはエチレンオキシドガスを含む殺菌条件に露出されるときに、実質的に劣化しないこととなる。
【0067】
ゲルは、ゲルが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の親水性のポリマーから形成され得る。たとえば(限定としてではないが)、ゲルは、ポリアクリル酸ゲル、ポビドンゲル、またはセルロースゲルであることが可能である。加えて、ゲルは、キトサン、アルギン酸塩、アガロース、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コラーゲン、ラミニン、マトリゲル、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ポリ‐1‐リシン、プロテオグリカン、フィブリン糊、人工組織および/または天然組織の脱細胞化によって作製されたゲル、ならびに、それらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。さらに、ゲルは、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)(PolyHEMA)、ポリ(グリセロールセバケート)、ポリウレタン、ポリ(イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、または、それらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0068】
特定の非限定的な実施形態において、導電性ゲルは、以下の化学的なおよび構造的な特徴/特性:約1nmから約200nmの範囲にあるポリマー鎖長さ;約0.1mMから約1Mの範囲にある濃度で存在する自由塩;約6から約8の範囲にあるpH;約100Ω・in未満の体積抵抗率;少なくとも約100g/インチの皮膚接着レート;および、約10mil(ミル)から約50mil(ミル)の範囲にある厚さのうちの1つまたは複数を含む。
【0069】
加えて、患者の皮膚へのゲル組成物の長時間露出を所与として、ゲルは、体温(すなわち、約34℃から約40℃の範囲にある)での使用のために最適化されるものである。
【0070】
ゲルのポリマーは、ゲル組成物が本明細書で説明されているように機能することを可能にする任意のポリマー鎖長さを提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、ポリマー鎖長さは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約85nm、約90nm、約95nm、約100nm、約105nm、約110nm、約115nm、約120nm、約125nm、約130nm、約135nm、約140nm、約145nm、約150nm、約155nm、約160nm、約165nm、約170nm、約175nm、約180nm、約185nm、約190nm、約195nm、約200nm、およびそれ以上、ならびに、上記の値のうちの任意の2つを組み合わせた範囲(すなわち、約3nmから約175nmの範囲、約5nmから約150nmの範囲、または、約10nmから約125nmの範囲、約15nmから約100nmの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約3nmから約157nmの範囲など)にあることが可能である。
【0071】
他の非限定的な実施形態において、ポリマー鎖長さの範囲は、交流電場の周波数に依存する。たとえば(限定としてではないが)、ポリマー鎖長さの範囲は、交流電場の周波数の範囲に基づき得る。非限定的な例は、交流電場が約50kHzから約150kHzの範囲の周波数を有するときには約5nmから約50nmの範囲、交流電場が約150kHzから約300kHzの範囲の周波数を有するときには約50nmから約100nmの範囲などを含む。
【0072】
特定の非限定的な実施形態において、導電性ゲルは、既存のゲル組成物と比較して、減少されたポリマー鎖長さおよび追加された自由塩のうちの少なくとも1つを有している。ポリマー鎖長さの減少、および、自由塩濃度の増加は、ゲルによって引き起こされる皮膚炎症の発生を低減させながら、ゲルの導電性をさらに強化する。特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、導電性ゲルは、ゲルの中への組み込みを介して存在する、または、多層のゲル(すなわち、二重層のゲル)の1つの層として存在する、自由塩を含む。「自由塩」という用語は、塩分子を指しており、それは、重合化された鎖構造の一部として組み込まれているのではなく、ゲルの中に実質的に自由に浮遊しており、したがって、それは、自由イオンの供給源であり、自由イオンは、電気を伝導し、したがって、インピーダンスを低減させる。
【0073】
自由塩がゲルの中に存在しているときに、自由塩は、ゲルの中に実質的に自由に浮遊することができる自由イオンの供給源としての役割を果たす任意の塩または他の物質であることが可能であり、自由イオンは、電気を伝導させる役割を果たし、したがって、インピーダンスを低減させる。ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、ゲルの中に存在している自由塩は、塩化物イオン、クエン酸塩イオン、銀イオン、ヨウ化物イオンなど、または、良好な導体であることが知られている任意の他のイオンの供給源である。本開示にしたがって利用され得る自由塩の非限定的な例は、カリウム(K)、アンモニウム(NH4+)、ナトリウム(Na)、硝酸塩、および重炭酸塩などを含有する塩であることが可能である。本開示にしたがって利用され得る自由塩の特定の非限定的な例は、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2、ZnCl2、ヨウ素、ヨウ化銀(AgI)、クエン酸二水素銀(SDC)、クエン酸二水素ナトリウム、および、それらの組み合わせなどである。
【0074】
ゲルの中に存在している自由塩は、ゲル組成物が本明細書で説明されているように機能することを可能にする任意の濃度によって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、自由塩濃度は、少なくとも約0.1mM、約0.5mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約150mM、約200mM、約250mM、約300mM、約350mM、約400mM、約450mM、約500mM、約550mM、約600mM、約650mM、約700mM、約750mM、約800mM、約850mM、約900mM、約950mM、約1M、またはそれ以上、ならびに、任意の上記の値のうちの任意の2つを組み合わせた範囲(すなわち、約0.1mMから約100mMの範囲、約1mMから約50mMの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約12mMから約550mMの範囲など)であることが可能である。
【0075】
他の非限定的な実施形態において、自由塩濃度は、交流電場の周波数に依存する。たとえば(限定としてではないが)、自由塩濃度の範囲は、交流電場の周波数の範囲に基づき得る。非限定的な例は、交流電場が約50kHzから約150kHzの範囲の周波数を有するときには約0.1mMから約50mMの範囲、交流電場が約150kHzから約300kHzの範囲の周波数を有するときには約50mMから約100mMの範囲などを含む。
【0076】
ゲルは、ゲルへの長時間露出のときに患者の皮膚を損傷させないかまたは皮膚の化学的な炎症を引き起こさない任意のpHによって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、ゲルは、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、および、上記の値のいずれかから形成された範囲(すなわち、約6から約8の範囲、約6.5から約7.5の範囲など)のpHを有することが可能である。
【0077】
ゲルは、ゲルの導電性を最大化する任意のレベルの体積抵抗率によって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、ゲルは、約100Ω・in未満、約95Ω・in未満、約90Ω・in未満、約85Ω・in未満、約80Ω・in未満、約75Ω・in未満、約70Ω・in未満、約65Ω・in未満、約60Ω・in未満、約55Ω・in未満、約50Ω・in未満、約45Ω・in未満、約40Ω・in未満、約35Ω・in未満、約30Ω・in未満、約25Ω・in未満、約20Ω・in未満、約15Ω・in未満、約10Ω・in未満、またはそれ以下、ならびに、上記の値のいずれかから形成された範囲(すなわち、約10Ω・inから約100Ω・inの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約13Ω・inから約96Ω・inの範囲など)の体積抵抗率を有することが可能である。
【0078】
ゲルは、ゲルが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の皮膚接着レートによって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、ゲルの皮膚接着レートは、少なくとも約100g/インチ、少なくとも約110g/インチ、少なくとも約120g/インチ、少なくとも約130g/インチ、少なくとも約140g/インチ、少なくとも約150g/インチ、少なくとも約160g/インチ、少なくとも約170g/インチ、少なくとも約180g/インチ、少なくとも約190g/インチ、少なくとも約200g/インチ、少なくとも約210g/インチ、少なくとも約220g/インチ、少なくとも約230g/インチ、少なくとも約240g/インチ、少なくとも約250g/インチ、少なくとも約260g/インチ、少なくとも約270g/インチ、少なくとも約280g/インチ、少なくとも約290g/インチ、少なくとも約300g/インチ、またはそれ以上、ならびに、上記の値のいずれかの範囲(約120g/インチから約300g/インチの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約115g/インチから約295g/インチの範囲など)にあることが可能である。
【0079】
ゲルは、ゲルが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の厚さによって提供され得る。本開示にしたがって利用され得る厚さの非限定的な例は、約1mil(ミル)、約5mil、約10mil、約15mil、約20mil、約25mil、約30mil、約35mil、約40mil、約45mil、約50mil、約55mil、約60mil、約65mil、約70mil、約75mil、約80mil、約85mil、約90mil、約95mil、約100mil、またはそれ以上、ならびに、上記の値のうちの任意の2つを組み合わせた範囲(すなわち、約10milから約50milの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約12milから約48milの範囲など)を含む。
【0080】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、ゲルは、少なくとも約6ヶ月の保存可能期間を有している。たとえば(限定としてではないが)、ゲルは、少なくとも約9ヶ月または少なくとも約12ヶ月の保存可能期間を有している。
【0081】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、組成物は、多層構造体であり、それは、第1の側部および第2の側部を有するスクリムを含み、ゲルタイ層(gel tie layer)がスクリムの第1の側部に取り付けられており、ゲル皮膚層が、スクリムの第2の側部に取り付けられている。ゲルタイ層は、絶縁された電極と接触するように設計されており、一方では、ゲル皮膚層は、患者の皮膚と接触するように設計されている。ゲルタイ層およびゲル皮膚層は、両方とも、本明細書で説明されているかまたはその他の方法で企図されている導電性ゲルのいずれかから形成されており、同じまたは異なる導電性ゲルから形成され得る。スクリムは、組成物が本開示にしたがって機能することを可能にする任意の材料から形成され得る。とりわけ、スクリムが形成される材料は、典型的に、導電性を最適化するように、および、組成物の抵抗を最小化するように選択される。スクリムが形成され得る材料の非限定的な例は、スパンナイロンである。
【0082】
この多層構造体が存在するときに、バルク電子輸送剤は、ゲルタイ層および/またはゲル皮膚層の中に配設され得る。代替的に(および/または、それに加えて)、バルク電子輸送剤は、(1)スクリムとゲルタイ層との間に、および/または、(2)ゲルタイ層とゲル皮膚層との間に配設され得る。
【0083】
加えて、組成物は、使用までゲルタイ層を保護するためにゲルタイ層に取り付けられている除去可能なトップライナー、および/または、使用までゲル皮膚層を保護するためにゲル皮膚層に取り付けられている除去可能なボトムライナーをさらに含むことが可能である。
【0084】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、交流電場は、患者のターゲット領域の中に発生させられる。ターゲット領域は、典型的に、少なくとも1つの腫瘍を含み、交流電場の発生は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する。交流電場は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する任意の周波数において発生させられ得る。たとえば(限定としてではないが)、交流電場は、約50kHz、約75kHz、約100kHz、約125kHz、約150kHz、約175kHz、約200kHz、約225kHz、約250kHz、約275kHz、約300kHz、約325kHz、約350kHz、約375kHz、約400kHz、約425kHz、約450kHz、約475kHz、または約500kHz、ならびに、上記の値のいずれかから形成された範囲(すなわち、約50kHzから約500kHzの範囲、約100kHzから約150kHzの範囲、約150kHzから約300kHzの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約32kHzから約333kHzの範囲、約78kHzから約298kHzの範囲など)の周波数を有することが可能である。
【0085】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、交流電場は、2つ以上の異なる周波数において課され得る。2つ以上の周波数が存在しているときに、各周波数は、上記の値のいずれか、または、上記の値のいずれかから形成された範囲、または、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲から選択される。
【0086】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、本明細書で開示されているかまたはその他の方法で企図されている導電性ゲル含有組成物のいずれかを含むキットに関するものである。
【0087】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、キットは、少なくとも1つの絶縁された電極(たとえば、それに限定されないが、TTフィールド発生システムにおいて利用される少なくとも1つの絶縁された電極など)をさらに含むことが可能である。少なくとも1つの電極は、(たとえば、限定としてではないが)少なくとも1つの非伝導層と、少なくとも1つの伝導層と、上側表面および下側表面を有する高静電容量層とを含む。加えて、少なくとも1つの開口部が、高静電容量層の上側表面と下側表面との間に配設されている。導電性ゲルは、少なくとも1つの電極と患者の皮膚との間に設置するためのものであり、第1の表面および第2の表面を有している。導電性ゲルの第1の表面は、電極の高静電容量層の下側表面に付着しており、導電性ゲルの第2の表面は、患者の皮膚に適用するためのものである。バルク電子輸送剤は、導電性ゲルの中に配設されており、および/または、導電性ゲルの第1の表面の少なくとも一部分の上に配設されている。アセンブリは、随意的に、ライナーをさらに含むことが可能であり、ライナーは、使用までその無菌性を維持するために、導電性ゲルの第2の表面の上に配設されている。
【0088】
当技術分野において知られているかまたは本明細書でその他の方法で企図されているTTフィールドを発生させる際に利用される任意のタイプの電極が、本開示にしたがって利用され得る。TTフィールドシステムの一部として機能する電極(および、それを含有するトランスデューサーアレイ)の例は、当技術分野において知られており、たとえば、限定としてではないが、特許文献1;特許文献2;特許文献3;特許文献4;特許文献5;特許文献6;特許文献7;特許文献8;および特許文献9;ならびに、特許文献10;特許文献11;特許文献12;および特許文献13に説明されている。したがって、そのさらなる説明は必要ないと見なされる。
【0089】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、少なくとも1つの電極は、少なくとも1対のトランスデューサーアレイとしてさらに定義され得、少なくとも1対のトランスデューサーアレイは、導電性ゲル含有組成物と組み合わせて患者の皮膚に適用するときに、約50kHzから約500kHzの範囲の周波数を有する交流電場を発生させる(すなわち、TTフィールド発生システムの一部として機能するトランスデューサーアレイ)。たとえば(限定としてではないが)、キットは、少なくとも約2対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約4対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約6対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約8対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約10対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約12対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約14対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約16対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約18対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約20対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約22対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約24対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約26対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約28対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約30対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約32対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約34対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約36対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約38対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約40対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約42対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約44対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約46対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約48対のトランスデューサーアレイ、少なくとも約50対のトランスデューサーアレイ、またはそれ以上、ならびに、上記の値のうちの任意の2つを組み合わせたトランスデューサーアレイの対の範囲(すなわち、約2対のトランスデューサーアレイから約50対のトランスデューサーアレイの範囲、約2対のトランスデューサーアレイから約20対のトランスデューサーアレイの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約1対のトランスデューサーアレイから約15対のトランスデューサーアレイの範囲など)を含むことが可能である。
【0090】
組成物は、キットが本開示にしたがって実施することを可能にする任意の形態のキットの中に存在していることが可能である。たとえば、限定としてではないが、組成物は、1つもしくは複数のシートまたは1つもしくは複数のロールの形態で提供され得る。加えて、ゲル組成物は、単一の個々の単位/量で提供され得、または、組成物の複数の単位/量が、キットの中に提供され得る。
【0091】
1つまたは複数の電極(または、それを含有するトランスデューサーアレイ)がキットの中に存在しているときに、キットの2つ以上のコンポーネントが、その使用のために組み立てられ得る。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲル含有組成物は、電極の表面の上に配設され得、この組み合わせは、その組み合わせがキットの中に設置される前に、(除去可能なライナーが導電性ゲルの上に配設されている状態またはそうでない状態のいずれかで)一緒にシールされ得る。代替的に、導電性ゲル含有組成物は、電極とは別個にキットの中に配設され得る。
【0092】
本明細書で上記に詳細に説明されているコンポーネントに加えて、キットは、本明細書で説明されているかまたはその他の方法で企図されている特定の方法のいずれかを実施するための他のコンポーネント/試薬をさらに含有することが可能である。たとえば(限定としてではないが)、キットは、(i)皮膚の上へのゲル組成物および電極の配設の前に皮膚を準備するためのコンポーネント(すなわち、カミソリ、クレンジング組成物、またはワイプ/タオルなど);(ii)ゲル/電極の除去のためのコンポーネント;(iii)ゲル/電極の除去の後の皮膚のクレンジングのためのコンポーネント;(iv)(より詳細に下記に説明されているような)液体ヒドロゲル;および/または、(v)ヒドロゲル/皮膚インターフェースを強化し、皮膚導電性を強化し、接着性を強化し、および/または、dAEの発生を低減させるかまたは防止することができる1つまたは複数の皮膚科治療剤(たとえば、それに限定されないが、抗菌剤、抗生物質、抗ウイルス剤、抗真菌剤、抗炎症剤、麻酔薬、皮膚軟化剤、クレンジング剤、収斂剤、および、それらの組み合わせなど)を追加的に含むことが可能である。
【0093】
これらの追加的なコンポーネント/試薬の性質は、特定の治療フォーマットおよび/または治療されることとなるエリア/器官に依存することとなり、その識別は、十分に当業者の技能の範囲内にある。したがって、そのさらなる説明は必要ないと見なされる。また、キット中に存在するコンポーネント/試薬は、別個のコンテナ/コンパートメント中にそれぞれあることが可能であり、または、さまざまなコンポーネント/試薬は、コンポーネント/試薬の無菌性、交差反応性、および安定性に応じて、1つまたは複数のコンテナ/コンパートメントの中で組み合わせられ得る。
【0094】
加えて、キットは、キットの1つまたは複数のコンポーネントの使用方法を説明する1セットの書面によるインストラクションをさらに含むことが可能である。この性質のキットは、本明細書で説明されているかまたはその他の方法で企図されている方法のいずれかにおいて使用され得る。
【0095】
特定の非限定的な実施形態において、キットは、少なくとも約6ヶ月、たとえば、(それに限定されないが)、少なくとも約9ヶ月または少なくとも約12ヶ月などの保存可能期間を有している。
【0096】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、本明細書で開示されているかまたはその他の方法で企図されている絶縁された電極のいずれかの上に配設されている、本明細書で開示されているかまたはその他の方法で企図されている導電性ゲル含有組成物のいずれかを含むアセンブリに関するものである。
【0097】
特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、アセンブリは、導電性ゲルの第2の表面(すなわち、患者の皮膚に適用される表面)の少なくとも一部分の上に配設されている液体ヒドロゲルの層をさらに含むことが可能である。バルク電子輸送剤が半固体の導電性ゲルの中に配設されているときに、または、液体ヒドロゲルが適用され得る第2の表面以外の導電性ゲルの表面の上に、バルク電子輸送剤が配設されているときに、液体ヒドロゲルが使用され得る。
【0098】
液体ヒドロゲルは、半固体の導電性ゲルに関して上記に説明されているものと同様の配合および/または同様の構造的な特質を有することが可能であり(ポリマーの架橋を除く)、または、液体ヒドロゲルは、半固体の導電性ゲルとは異なる配合および/または異なる構造的な特質を有することが可能である。液体ヒドロゲルに関する唯一の要件は、液体ヒドロゲルが(1)導電性であることが望ましいこと;(2)低刺激性であることが望ましいこと;および、(3)(液体ヒドロゲルへの露出に応答して半固体の導電性ゲルの実質的な収縮または膨潤が存在しないように)半固体の導電性ゲルと実質的に同様であるオスモル濃度を有することが望ましいことである。たとえば(限定としてではないが)、液体ヒドロゲルのオスモル濃度は、半固体の導電性ゲルのオスモル濃度と実質的に同一であることが可能であり、または、約25%未満、または、約20%未満、または、約15%未満、または、約14%未満、または、約13%未満、または、約12%未満、または、約11%、未満、または、約10%未満、または、約9%未満、または、約8%未満、または、約7%未満、または、約6%未満、または、約5%未満、または、約4%未満、または、約3%未満、または、約2%未満、または、約1%未満だけ、それから変化することが可能である。
【0099】
本開示にしたがって利用され得る市販の液体ヒドロゲルの1つの非限定的な例は、CARRASYN(登録商標) Vヒドロゲル創傷被覆材(イリノイ州ノースフィールドのMedlineインダストリーズ社)である。この製品は、アロエベラ葉ジュース、カルボマー、クエン酸、EDTA二ナトリウム、グルタミン酸、イミダゾリジニル尿素、メチルパラベン、パンテノール、ソルビン酸カリウム、PVP、安息香酸ナトリウム、塩化ナトリウム、メタ重亜硫酸ナトリウム、トリエタノールアミン、および水を含有している。しかし、このヒドロゲル配合は、例示目的のためのみに提供されている。本明細書で説明されているようにアセンブリ/トランスデューサーアレイにおいて機能することができる任意の他のヒドロゲル配合も、本開示の範囲の中に入る。
【0100】
特定の非限定的な実施形態において、半固体の導電性ゲルは、1つまたは複数のタイプの修正例を提供され得、それは、その表面から内向きにまたは外向きに延在しており、それは、半固体の導電性ゲルの特定の部分の厚さに影響を与える。加えて、バルク電子輸送剤、空気、液体ヒドロゲル、および/または、他の薬剤(たとえば、それに限定されないが、皮膚科治療剤など)が、修正例の少なくとも一部分の中に配設され得る。本開示にしたがって利用され得る修正例の非限定的な例は、開口部、穿孔、凹部、窪み、およびチャネル;突出部間に形成されたウェルまたはボイド;および、その表面から延在する1つまたは複数のコンパートメントを含む。これらの修正例は、少なくとも2つの目的を果たす。第1に、それらは、貯蔵部を提供し、バルク電子輸送剤、液体ヒドロゲル、および/または皮膚科治療剤が、貯蔵部の中に配設され得る。第2に、修正例は、代替的に、空気によって充填され得、患者の皮膚と導電性ゲルとの間の空気フローの増加を可能にするようになっており、それによって、(それに限定されないが)浸軟、病変/潰瘍、および皮膚炎などのようなdAEを低減させる(そうでない場合には、排除する)。加えて、1つまたは複数の修正例における空気の存在は、修正された半固体の導電性ゲルを含有するアセンブリにTTフィールドが適用されるときに、動作温度の減少を可能にする。加えて、ヒドロゲルにおける1つまたは複数の修正例の存在は、実際に、患者の皮膚へのヒドロゲルの接着を増加させることが可能である。
【0101】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、(1)本明細書で開示されているかまたはその他の方法で企図されている導電性ゲル含有組成物のいずれかを患者の皮膚に適用するステップと;(2)患者の皮膚の上に配設されているゲル含有組成物に少なくとも1つの電極(または、それを含有する少なくとも1つのトランスデューサーアレイ)を適用するステップと;(3)交流電場(たとえば、それに限定されないが、所定の時間の期間にわたって約50kHzから約500kHzの範囲の周波数を有する交流電場など)を発生させるステップとを含む方法に関するものである。
【0102】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、ステップ(2)は、患者の皮膚の上に配設されているゲル含有組成物に少なくとも2つの絶縁された電極を適用することを含む。
【0103】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、交流電場は、患者のターゲット領域の中に発生させられる。ターゲット領域は、典型的に、少なくとも1つの腫瘍を含み、交流電場の発生は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する。交流電場は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する任意の周波数において発生させられ得る。たとえば(限定としてではないが)、交流電場は、約50kHz、約75kHz、約100kHz、約125kHz、約150kHz、約175kHz、約200kHz、約225kHz、約250kHz、約275kHz、約300kHz、約325kHz、約350kHz、約375kHz、約400kHz、約425kHz、約450kHz、約475kHz、または約500kHz、ならびに、上記の値のいずれかから形成された範囲(すなわち、約100kHzから約300kHzの範囲、約100kHzから約150kHzの範囲、約150kHzから約300kHzの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約32kHzから約333kHzの範囲、約78kHzから約298kHzの範囲など)の周波数を有することが可能である。
【0104】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、交流電場は、2つ以上の異なる周波数において発生させられ得る。2つ以上の周波数が存在しているときに、各周波数は、上記の値のいずれか、または、上記の値のいずれかから形成された範囲、または、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲から選択される。
【0105】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、組成物および少なくとも1つの絶縁された電極は、少なくとも約3日にわたって患者の皮膚の上に維持される。
【0106】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、方法は、(4)少なくとも1つの絶縁された電極およびゲル含有組成物を患者の皮膚から除去するステップと;(5)別の治療のために患者の皮膚を準備するステップと(たとえば、それに限定されないが、必要な場合には、皮膚のクレンジングおよび皮膚の剃毛など);(6)ステップ(1)~(3)を繰り返すステップとを含む。加えて、ステップ(1)~(6)のこのサイクルは、必要な回数だけ何回でも繰り返され得る。
【0107】
ステップ(1)~(3)が繰り返されるときに、ゲル含有組成物および少なくとも1つの絶縁された電極は、それらの元の設置とは異なる位置に設置され得る;このように電極を再配置する治療は、起こり得る任意のdAEを最小化するように機能する。
【0108】
(実施例)
実施例が下記に提供される。しかし、本開示は、その適用において、以降で開示されている特定の実験、結果、および実験室手順に限定されないということを理解されたい。むしろ、本実施例は、単にさまざまな実施形態の1つとして提供されており、例示的であることを意味しており、網羅的であることを意味していない。
【0109】
この実施例では、ケチェンブラックEC600JDが、半固体の導電性ヒドロゲル(カリフォルニア州フォールブルックのAxelgaardマニュファクチャリング社製のAG625 Sensing Gel)の表面に適用され、その後に、このアセンブリが、TTフィールド発生システムの電極に適用された。次いで、表1に示されているように、アセンブリの体積抵抗率および静電容量が調査された。見ることができるように、ケチェンブラックEC600JDの添加は、ヒドロゲルの導電性および静電容量を大きく増加させた。
【0110】
【0111】
したがって、半固体の重合されたヒドロゲルへの1つまたは複数のバルク電子輸送剤の添加は、インピーダンスを低減させ、システムの静電容量を増加させる役割を果たした。
【0112】
以下は、本明細書で開示されている第1のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0113】
例示的実施形態233
患者の皮膚に適用するための、および、患者の皮膚と少なくとも1つの絶縁された電極との間に設置するための半固体の導電性ゲルと;
半固体の導電性ゲルの表面の少なくとも一部分の上に配設されている、および/または、半固体の導電性ゲルの少なくとも一部分の中に配設されている少なくとも1つのバルク電子輸送剤であって、イオン化合物、金属、非金属、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、少なくとも1つのバルク電子輸送剤と
を含む、組成物。
【0114】
例示的実施形態234
バルク電子輸送剤は、半固体の導電性ゲルを形成するための硬化の前に、導電性ゲルの中に配設されている、例示的実施形態233に記載の組成物。
【0115】
例示的実施形態235
バルク電子輸送剤は、半固体の導電性ゲルの表面の少なくとも一部分の上に配設されている、例示的実施形態233または例示的実施形態234に記載の組成物。
【0116】
例示的実施形態236
バルク電子輸送剤は、非晶質炭素および/または結晶性炭素を含む、例示的実施形態233から例示的実施形態235のいずれか1つに記載の組成物。
【0117】
例示的実施形態237
バルク電子輸送剤は、カーボンブラック、グラフェン、およびグラファイトのうちの少なくとも1つを含む、例示的実施形態236に記載の組成物。
【0118】
例示的実施形態238
カーボンブラックは、半固体の導電性ゲルの表面の少なくとも一部分の上に配設されているカーボンブラックフィルムであるとしてさらに定義される、例示的実施形態237に記載の組成物。
【0119】
例示的実施形態239
カーボンブラックは、少なくとも1つの実質的に不活性の金属との融合の形態になっている、例示的実施形態237に記載の組成物。
【0120】
例示的実施形態240
実質的に不活性の金属は、銅、金、銀、ミョウバン、および、それらの組み合わせからなる群から選択される、例示的実施形態239に記載の組成物。
【0121】
例示的実施形態241
カーボンブラックは、ケチェンブラックである、例示的実施形態237から例示的実施形態240のいずれか1つに記載の組成物。
【0122】
例示的実施形態242
バルク電子輸送剤は、導電性ポリマー;テトラシアノキノジメタン(TCNQ)塩;遷移金属酸化物または水酸化物;硫酸;セラミック物質;遷移金属ジカルコゲニド;それらの組み合わせからなる群から選択される、例示的実施形態233から例示的実施形態241のいずれか1つに記載の組成物。
【0123】
例示的実施形態243
バルク電子輸送剤は、約1%(wt)から約50%(wt)の範囲の濃度において組成物の中にロードされる、例示的実施形態233から例示的実施形態242のいずれか1つに記載の組成物。
【0124】
例示的実施形態244
ゲルは、ヒドロゲルである、例示的実施形態233から例示的実施形態243のいずれか1つに記載の組成物。
【0125】
例示的実施形態245
ゲルは、無菌である、例示的実施形態233から例示的実施形態244のいずれか1つに記載の組成物。
【0126】
例示的実施形態246
導電性ゲルは、
約1nmから約200nmの範囲にあるポリマー鎖長さ;
約6から約8の範囲にあるpH;
約100Ω・in未満の体積抵抗率;
少なくとも約100g/インチの皮膚接着レート;
約0.1mMから約1Mの範囲にある濃度で存在する自由塩;
約10milから約50milの範囲にある厚さ
のうちの少なくとも1つを含む、例示的実施形態233から例示的実施形態245のいずれか1つに記載の組成物。
【0127】
例示的実施形態247
ゲルは、少なくとも約6ヶ月の保存可能期間を有している、例示的実施形態233から例示的実施形態246のいずれか1つに記載の組成物。
【0128】
例示的実施形態248
第1および第2の側部を有するスクリムと;
スクリムの第1の側部に取り付けられているゲルタイ層であって、少なくとも1つの絶縁された電極と接触するように設計されている、ゲルタイ層と;
スクリムの第2の側部に取り付けられているゲル皮膚層であって、患者の皮膚と接触するように設計されている、ゲル皮膚層と
を含む多層構造体であるとしてさらに定義される、例示的実施形態233から例示的実施形態247のいずれか1つに記載の組成物。
【0129】
例示的実施形態249
バルク電子輸送剤は、ゲルタイ層およびゲル皮膚層のうちの少なくとも1つの中に配設されている、例示的実施形態248に記載の組成物。
【0130】
例示的実施形態250
バルク電子輸送剤は、スクリムとゲルタイ層との間に配設されている、例示的実施形態248に記載の組成物。
【0131】
例示的実施形態251
バルク電子輸送剤は、スクリムとゲル皮膚層との間に配設されている、例示的実施形態248に記載の組成物。
【0132】
例示的実施形態252
例示的実施形態233から251のいずれか1つに記載の組成物を含むキット。
【0133】
例示的実施形態253
少なくとも1つの絶縁された電極をさらに含み、少なくとも1つの絶縁された電極は、組成物と組み合わせて患者の皮膚に適用するときに、交流電場を発生させる、例示的実施形態252に記載のキット。
【0134】
例示的実施形態254
(1)例示的実施形態1から19のいずれか1つに記載の組成物を患者の皮膚に適用するステップと;
(2)患者の皮膚の上に配設されている組成物に少なくとも1つの絶縁された電極を適用するステップと;
(3)患者のターゲット領域において交流電場を発生させるステップと
を含む、方法。
【0135】
例示的実施形態255
交流電場は、所定の時間の期間にわたって、約50kHzから約500kHzの範囲の周波数を有している、例示的実施形態254に記載の方法。
【0136】
例示的実施形態256
組成物および少なくとも1つの絶縁された電極は、少なくとも約3日にわたって患者の皮膚の上に維持される、例示的実施形態254または255に記載の方法。
【0137】
例示的実施形態257
(4)少なくとも1つの絶縁された電極およびゲル含有組成物を患者の皮膚から除去するステップと;
(5)別の治療のために患者の皮膚を準備するステップと;
(6)ステップ(1)~(3)を繰り返すステップと
をさらに含む、例示的実施形態254から256のいずれか1つに記載の方法。
【0138】
例示的実施形態258
ターゲット領域は、少なくとも1つの腫瘍を含み、交流電場の発生は、腫瘍の成長を選択的に破壊するかまたは抑制する、例示的実施形態254から257のいずれか1つに記載の方法。
【0139】
第2のモード:可撓性の導電性パッド
【0140】
本開示の第2のモードは、導電性パッドを含む。導電性パッドは、トップコート層と、電極素子と、導電性ゲル素子とを有している。電極素子は、トップコート層に接続されており、TTフィールドとして電気信号を作り出す発生器からの電気信号を受け入れるように構成されている。導電性ゲル素子は、電極素子に直接的に接続されており、電極素子から電流を受け取るようになっている。導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている。電極素子および導電性ゲル素子は、複数の可撓性のフィルムから構築され得、複数の可撓性のフィルムは、患者の身体に適応するのに十分な可撓性を導電性パッドに提供するように一緒に結合されている。
【0141】
ここで
図3を参照すると、第1の導電性パッド100aの例示的な実施形態の上面図が、ここで示されている。第1の導電性パッド100aは、パッド70aおよびパッド70bの例示的な実施形態である。簡潔にする目的のために、第1の導電性パッド100aの構築が、本明細書で説明されることとなる。第1の導電性パッド100aは、上面104と、底面108(
図4に示されている)と、外側周辺縁部112と、外側周辺縁部112によって境界を定められた導電性領域116とを提供され得る。示されているように、第1の導電性パッド100aは、導電性リード58aの第2の端部62bに接続されている。第1の導電性パッド100aは、患者の一部分(たとえば、患者の頭部または患者の膝などの一部分など)に適応することができるように十分な可撓性を有するように構築されている。また、第1の導電性パッド100aは、導電性領域116が連続的になり、外側周辺縁部112まで延在するように構築され得る。示されている例では、第1の導電性パッド100aは、長方形形状を備えて提供されている。しかし、第1の導電性パッド100aは、任意のタイプの形状(たとえば、多角形、円形、または風変わりな形状など)を備えて提供され得るということを理解されたい。さらに、第1の導電性パッド100aは、特定の患者の特定のパーツにカスタムフィットされるように、使用時点においてカットおよび/または形状決めされるように構築され得る。
【0142】
ここで
図4および
図5と組み合わせて
図3を参照すると、本開示にしたがって構築された第1の導電性パッド100aの1つの実施形態の分解側面図が、
図4に示されている。
図5は、第1の導電性パッド100aの部分的に分解された上面図である。第1の導電性パッド100aは、耐久性トップコート層120と、電極素子124と、導電性ゲル素子128とを提供され得る。電極素子124は、耐久性トップコート層120と導電性ゲル素子128との間に位置決めされている。耐久性トップコート層120、電極素子124、および導電性ゲル素子128は、一緒に結合され、上記に議論されている十分に可撓性の品質を有する複合構造体を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、電極素子124は、導電性ゲル素子128に電気的に連結されており、電極素子124から導電性ゲル素子128へ電流を供給するようになっている。この実施形態では、第1の導電性パッド100aは、導電性ゲル素子128から電極素子124を電気的に隔離する誘電体層を含まない。
【0143】
1つの実施形態では、耐久性トップコート層120は、織られていない非導電性のファブリック(布)である。耐久性トップコート層120は、第1の導電性パッド100aのための安全な取り扱い表面を提供し、第1の導電性パッド100aの上面104から電極素子124を電気的に隔離する。いくつかの実施形態において、耐久性トップコート層120は、患者の皮膚の色にマッチするかまたは近似するように着色されている。耐久性トップコート層120は、第1の導電性パッド100aの上面104を形成する第1の表面132と、第2の表面134とを含み、第2の表面134は、電極層140および導電性支持層144と接触しており、それらに結合されている。
【0144】
1つの実施形態では、耐久性トップコート層120は、「通気性がある」ことが可能であり、すなわち、耐久性トップコート層120は、他の層への空気フローを可能にするために第1の表面から第2の表面へ延在する1つまたは複数の穿孔などを含む。1つまたは複数の穿孔は、1つまたは複数の他の穿孔と同じまたは異なる寸法を有することが可能であり、同様に、1つまたは複数の他の穿孔と同じまたは異なる形状を有することが可能である。
【0145】
電極素子124は、電極層140と、電極層140に接続されている導電性支持層144とを含むことが可能である。電極層140は、導電性支持層144にオーバーラップしている。電極層140は、外側周辺電極縁部148を含む。導電性支持層144は、電極層140の外側周辺電極縁部148を越えて延在することが可能である。また、第1の導電性パッド100aは、電極(たとえば、第1の電極18aまたは第2の電極18bなど)または電極パッドとも称され得る。
【0146】
1つの実施形態では、電極素子124は、導電性領域116の面積に対応する表面積を有しており、耐久性トップコート層120は、所定の表面積を有している。1つの実施形態では、導電性領域116の面積は、耐久性トップコート層120の表面積のサイズの少なくとも約50%である。別の実施形態では、導電性領域116の面積は、耐久性トップコート層120の表面積の少なくとも約90%である。さらに別の実施形態において、導電性領域116の面積は、耐久性トップコート層120の表面積のサイズの約100%である。他の実施形態において、導電性領域116の面積は、耐久性トップコート層120の表面積の50%から90%の間にあり、および/または、導電性領域116の面積は、耐久性トップコート層120の表面積の約90%から約100%の間にある。1つの実施形態では、耐久性トップコート層120に対する導電性領域116の面積の増加は、その患者に適応するおよび/または輪郭を合わせるための第1の導電性パッド100aの可撓性と組み合わせて、導電性領域116と患者との間の接触面積および電気伝導率の増加を提供し、したがって、
図7に示されているように、および、より詳細に下記に説明されているように、より低い抵抗を結果として生じさせ、また、快適性閾値に到達することなく、発生器54が4倍を超えるパワーを患者の中へ提供することを可能にする。
【0147】
いくつかの実施形態において、導電性領域116の面積は、30平方インチから75平方インチの間にある。第1の導電性パッド100aは、より大きい表面積を有するという利点を有しており、TTFが、その表面積を通して患者に送達され得る。それとは対照的に、先行技術の非導電性のアレイは、小さな円形のセラミックを通してTTFを伝送する。TTFはこれらのポイントに集中されるので、それらは過熱する傾向がある。過熱は、より多くのセラミックディスクを追加することによって管理され得るが、従来のトランスデューサーアレイは、患者の快適さを維持しようとすると同時に、セラミックディスクを受け入れることができる人の上の利用可能な露出された皮膚に限定される。
【0148】
電極層140は、望ましい特性(たとえば、それに限定されないが、高い導電性、強力な生体適合性、および、第1の導電性パッド100aの他の層またはコンポーネントとの低い反応性など)を有する任意の導電性材料から選択され得る。1つの実施形態では、電極層140は、銀、スズ、アルミニウム、チタン、プラチナ、それらの合金、および/または、それらのいくつかの組み合わせのうちの1つまたは複数から選択される。電極層140は、耐久性トップコート層120の第2の表面134と接触している第1の表面152と、導電性支持層144と接触している第2の表面156とを含む。
【0149】
1つの実施形態では、電極層140は、導電性支持層144に結合され得る。導電性支持層144は、第1の表面160および第2の表面162を含むことが可能であり、第1の表面160は、電極層140の第2の表面156に取り付けられているかまたはその他の方法で連結されており、第2の表面162は、導電性ゲル素子128と直接的に接触している。いくつかの実施形態において、第2の表面162の全体が、導電性ゲル素子128と直接的に接触している。導電性支持層144は、導電性炭素フィルムから形成され得、導電性炭素フィルムは、電極層140を支持するように構成されており、一方では、また、電極層140を導電性ゲル素子128に伝導的に連結する。1つの実施形態では、導電性支持層144は、電極層140に電気メッキされるかまたはその他の方法で結合され得る。
【0150】
1つの実施形態では、電極層140の厚さ、または、代替的に、電極層140および導電性支持層144の厚さは、TTフィールドを発生させるために使用される電気信号の電流および周波数に基づいて決定され得る。また、厚さは、他の望ましい特性(たとえば、第1の導電性パッド100aの熱放散および/または可撓性要件など)に基づいて設定され得る。たとえば、厚さが薄過ぎる場合には、患者は、ホットスポットを経験することが可能であり、すなわち、患者は、第1の導電性パッド100aの一部分が第1の導電性パッド100aの他の部分よりも急速に加熱することを経験する可能性があり、それは、厚さが電極層140の中の熱伝導率を遅くすること、したがって、第1の導電性パッド100aを横切る温度差の増加を引き起こすことに、少なくとも部分的に起因している可能性がある。1つの実施形態では、厚さは、25milから75milの間にある。
【0151】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子128は、1つまたは複数の導電性ゲル層168を含み、1つまたは複数の導電性ゲル層168は、電気伝導を可能にするためにその中に自由イオンの供給源を提供するバルク電子輸送剤を有している。1つの実施形態では、1つまたは複数の導電性ゲル層168は、主に導電性ゲルまたは半固体の導電性ゲルから形成されている。
図4に示されている実施形態では、導電性ゲル素子128は、支持層172に結合されている2つの導電性ゲル層168aおよび168bを含む。存在するときには、ゲルの中の自由イオンの供給源は、ゲルの中で実質的に自由に浮遊することができる自由イオンの供給源としての役割を果たす任意の塩または他の物質であることが可能であり、自由イオンは、電気を伝導させる役割を果たし、したがって、インピーダンスを低減させる。1つの実施形態では、導電性ゲル層168aおよび168bは、ポリマーヒドロゲルを含む。1つの実施形態では、導電性ゲル層168aおよび168bは、接着特性を有しており、したがって、第1の導電性パッド100aは、患者の上の特定の場所に設置されているときに、その特定の場所に留まる傾向を有している。導電性ゲル層168aは、導電性ゲル層168bと同じまたは異なる材料から構築され得る。支持層172は、織られたまたは織られていない材料(たとえば、Reemay(スパンナイロン)として知られる材料など)から構築され得る。支持層172は、導電性材料から構築され得るか、または、支持層172は、非導電性の材料から構築され得るが、所定の構造体を備えており、導電性ゲル層168aおよび168bがその構造体の中に埋め込まれることを可能にするようになっており、また、支持層172を横切る導電性を促進させるようになっているかのいずれかであり得る。
【0152】
バルク電子輸送剤は、導電性ゲルの電気伝導率および/または熱伝導率を強化することができる任意の物質であることが可能である。特定の非限定的な実施形態において、バルク電子輸送剤は、1つもしくは複数のイオン化合物、1つもしくは複数の金属、または、1つもしくは複数の非金属、および、それらの任意の組み合わせを含む。特定の非限定的な実施形態において、バルク電子輸送剤は、非晶質炭素および/または結晶性炭素を含む。本開示にしたがって利用され得るバルク電子輸送剤の特定の(しかし、非限定的な)例は、カーボンブラック、グラフェン、およびグラファイトを含むことが可能である。
【0153】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子128および/または1つもしくは複数の導電性ゲル層168は、下記に説明されているように、主に導電性ゲルまたは半固体の導電性ゲルから形成されている。導電性ゲル素子128は、第1の導電性パッド100aが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の形態になっていることが可能である。導電性ゲル素子128が十分な厚さのものであり、導電性ゲル素子128が治療の間に乾燥しない限りにおいて、導電性ゲル素子128の正確な厚さは重要でない。好ましくは、導電性ゲル素子128は、高い導電性を有しており、粘着性があり、長期の時間の期間にわたって生体適合性である。1つの適切なゲルは、AG603ハイドロゲルであり、それは、米国92028-4115カリフォルニア州フォールブルック・S.ミッションロード1667のAmGelテクノロジー社から入手可能である。そこで教示されている導電性ゲル素子128は、「Conductive Gel Compositions Comprising Bulk Electron Transport Agents and Methods of Production and Use Thereof」という名称の米国特許出願第63/020636号(特許文献14)に詳細に開示されているような、修正されたヒドロゲル(それは、穿孔だけでなく、凹部、突出部なども含む)とともに使用され得、その文献は、その全体が本明細書に組み込まれている。
【0154】
導電性ゲルは、組成物が本開示にしたがって機能することを可能にする任意の形態になっていることが可能である。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲルは、ヒドロゲルまたはヒドロコロイドの形態になっていることが可能である。
【0155】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、導電性ゲルは無菌である。加えて、特定の非限定的な実施形態において、導電性ゲルは、ガンマ線またはエチレンオキシドガスを含む殺菌条件に露出されるときに、実質的に劣化しないこととなる。
【0156】
導電性ゲルは、導電性ゲルが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の親水性のポリマーから形成され得る。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲルは、ポリアクリル酸ゲル、ポビドンゲル、またはセルロースゲルであることが可能である。加えて、導電性ゲルは、キトサン、アルギン酸塩、アガロース、メチルセルロース、ヒアルロン酸、コラーゲン、ラミニン、マトリゲル、フィブロネクチン、ビトロネクチン、ポリ-1-リシン、プロテオグリカン、フィブリン糊、人工組織および/または天然組織の脱細胞化によって作製されたゲル、ならびに、それらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。さらに、導電性ゲルは、ポリグリコール酸(PGA)、ポリ乳酸(PLA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリビニルアルコール(PVA)、ポリエチレングリコール(PEG)、メチルメタクリレート、ポリ(メチルメタクリレート)(PMMA)、ポリ(2‐ヒドロキシエチルメタクリレート)(PolyHEMA)、ポリ(グリセロールセバケート)、ポリウレタン、ポリ(イソプロピルアクリルアミド)、ポリ(N‐イソプロピルアクリルアミド)、または、それらの任意の組み合わせのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0157】
特定の非限定的な実施形態において、導電性ゲルは、以下の化学的なおよび構造的な特徴/特性:約1nmから約200nmの範囲にあるポリマー鎖長さ;約0.1mMから約1Mの範囲にある濃度で存在する自由塩;約6から約8の範囲にあるpH;約100Ω・in未満の体積抵抗率;少なくとも約100g/インチの皮膚接着レート;および、約10milから約50milの範囲にある厚さのうちの1つまたは複数を含む。
【0158】
加えて、患者の皮膚への導電性ゲル組成物の長時間露出を所与として、導電性ゲルは、体温(すなわち、約34℃から約40℃の範囲にある)での使用のために最適化されることが望ましい。
【0159】
導電性ゲルのポリマーは、導電性ゲル組成物が本明細書で説明されているように機能することを可能にする任意のポリマー鎖長さを提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、ポリマー鎖長さは、約1nm、約2nm、約3nm、約4nm、約5nm、約6nm、約7nm、約8nm、約9nm、約10nm、約15nm、約20nm、約25nm、約30nm、約35nm、約40nm、約45nm、約50nm、約55nm、約60nm、約65nm、約70nm、約75nm、約80nm、約85nm、約90nm、約95nm、約100nm、約105nm、約110nm、約115nm、約120nm、約125nm、約130nm、約135nm、約140nm、約145nm、約150nm、約155nm、約160nm、約165nm、約170nm、約175nm、約180nm、約185nm、約190nm、約195nm、約200nm、およびそれ以上、ならびに、上記の値のうちの任意の2つを組み合わせた範囲(すなわち、約3nmから約175nmの範囲、約5nmから約150nmの範囲、または、約10nmから約125nmの範囲、約15nmから約100nmの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約3nmから約157nmの範囲など)にあることが可能である。
【0160】
他の非限定的な実施形態において、ポリマー鎖長さの範囲は、交流電場の周波数に依存する。たとえば(限定としてではないが)、ポリマー鎖長さの範囲は、交流電場の周波数の範囲に基づき得る。非限定的な例は、交流電場が約50kHzから約150kHzの範囲の周波数を有するときには約5nmから約50nmの範囲、交流電場が約150kHzから約300kHzの範囲の周波数を有するときには約50nmから約100nmの範囲などを含む。
【0161】
特定の非限定的な実施形態において、導電性ゲルは、既存のゲル組成物と比較して、減少されたポリマー鎖長さおよび追加された自由塩のうちの少なくとも1つを有している。ポリマー鎖長さの減少、および、自由塩濃度の増加は、導電性ゲルによって引き起こされる皮膚炎症の発生を低減させながら、導電性ゲルの導電性をさらに強化する。特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、導電性ゲルは、導電性ゲルの中への組み込みを介して存在する、または、多層のゲル(すなわち、二重層のゲル)の1つの層として存在する、自由塩を含む。「自由塩」という用語は、塩分子を指しており、それは、重合化された鎖構造の一部として組み込まれているのではなく、導電性ゲルの中に実質的に自由に浮遊しており、したがって、それは、自由イオンの供給源であり、自由イオンは、電気を伝導し、したがって、インピーダンスを低減させる。
【0162】
自由塩が導電性ゲルの中に存在しているときに、自由塩は、導電性ゲルの中に実質的に自由に浮遊することができる自由イオンの供給源としての役割を果たす任意の塩または他の物質であることが可能であり、自由イオンは、電気を伝導させる役割を果たし、したがって、インピーダンスを低減させる。ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、導電性ゲルの中に存在している自由塩は、塩化物イオン、クエン酸塩イオン、銀イオン、ヨウ化物イオンなど、または、良好な導体であることが知られている任意の他のイオンの供給源である。本開示にしたがって利用され得る自由塩の非限定的な例は、カリウム(K)、アンモニウム(NH4+)、ナトリウム(Na)、硝酸塩、および重炭酸塩などを含有する塩であることが可能である。本開示にしたがって利用され得る自由塩の特定の非限定的な例は、NaCl、KCl、CaCl2、MgCl2、ZnCl2、ヨウ素、ヨウ化銀(AgI)、クエン酸二水素銀(SDC)、クエン酸二水素ナトリウム、および、それらの組み合わせなどである。
【0163】
ゲルの中に存在している自由塩は、導電性ゲル組成物が本明細書で説明されているように機能することを可能にする任意の濃度によって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、自由塩濃度は、少なくとも約0.1mM、約0.5mM、約1mM、約2mM、約3mM、約4mM、約5mM、約6mM、約7mM、約8mM、約9mM、約10mM、約15mM、約20mM、約25mM、約30mM、約35mM、約40mM、約45mM、約50mM、約55mM、約60mM、約65mM、約70mM、約75mM、約80mM、約85mM、約90mM、約95mM、約100mM、約150mM、約200mM、約250mM、約300mM、約350mM、約476mM、約450mM、約576mM、約550mM、約676mM、約650mM、約776mM、約750mM、約876mM、約850mM、約976mM、約950mM、約1M、またはそれ以上、ならびに、任意の上記の値のうちの任意の2つを組み合わせた範囲(すなわち、約0.1mMから約100mMの範囲、約1mMから約50mMの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約12mMから約550mMの範囲など)であることが可能である。
【0164】
他の非限定的な実施形態において、自由塩濃度は、交流電場の周波数に依存する。たとえば(限定としてではないが)、自由塩濃度の範囲は、交流電場の周波数の範囲に基づき得る。非限定的な例は、交流電場が約50kHzから約150kHzの範囲の周波数を有するときには約0.1mMから約50mMの範囲、交流電場が約150kHzから約300kHzの範囲の周波数を有するときには約50mMから約100mMの範囲などを含む。
【0165】
導電性ゲルは、導電性ゲルへの長時間露出のときに患者の皮膚を損傷させないかまたは皮膚の化学的な炎症を引き起こさない任意のpHによって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲルは、約6、約6.5、約7、約7.5、約8、および、上記の値のいずれかから形成された範囲(すなわち、約6から約8の範囲、約6.5から約7.5の範囲など)のpHを有することが可能である。
【0166】
導電性ゲルは、ゲルの導電性を最大化する任意のレベルの体積抵抗率によって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲルは、約100Ω・in未満、約95Ω・in未満、約90Ω・in未満、約85Ω・in未満、約80Ω・in未満、約75Ω・in未満、約70Ω・in未満、約65Ω・in未満、約60Ω・in未満、約55Ω・in未満、約50Ω・in未満、約45Ω・in未満、約40Ω・in未満、約35Ω・in未満、約30Ω・in未満、約25Ω・in未満、約20Ω・in未満、約15Ω・in未満、約10Ω・in未満、またはそれ以下、ならびに、上記の値のいずれかから形成された範囲(すなわち、約10Ω・inから約100Ω・inの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約13Ω・inから約96Ω・inの範囲など)の体積抵抗率を有することが可能である。
【0167】
導電性ゲルは、導電性ゲルが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の皮膚接着レートによって提供され得る。たとえば(限定としてではないが)、ゲルの皮膚接着レートは、少なくとも約100g/インチ、少なくとも約110g/インチ、少なくとも約120g/インチ、少なくとも約130g/インチ、少なくとも約140g/インチ、少なくとも約150g/インチ、少なくとも約160g/インチ、少なくとも約170g/インチ、少なくとも約180g/インチ、少なくとも約190g/インチ、少なくとも約200g/インチ、少なくとも約210g/インチ、少なくとも約220g/インチ、少なくとも約230g/インチ、少なくとも約240g/インチ、少なくとも約250g/インチ、少なくとも約260g/インチ、少なくとも約270g/インチ、少なくとも約280g/インチ、少なくとも約290g/インチ、少なくとも約300g/インチ、またはそれ以上、ならびに、上記の値のいずれかの範囲(約120g/インチから約300g/インチの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約115g/インチから約295g/インチの範囲など)にあることが可能である。
【0168】
導電性ゲルは、導電性ゲルが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の厚さによって提供され得る。本開示にしたがって利用され得る厚さの非限定的な例は、約1mil、約5mil、約10mil、約15mil、約20mil、約25mil、約30mil、約35mil、約40mil、約45mil、約50mil、約55mil、約60mil、約65mil、約70mil、約75mil、約80mil、約85mil、約90mil、約95mil、約100mil、またはそれ以上、ならびに、上記の値のうちの任意の2つを組み合わせた範囲(すなわち、約10milから約50milの範囲など)、および、上記の値のうちの2つの間に入る2つの整数を組み合わせた範囲(すなわち、約12milから約48milの範囲など)を含む。
【0169】
ある特定の(しかし、非限定的な)実施形態において、導電性ゲルは、少なくとも約6ヶ月の保存可能期間を有している。たとえば(限定としてではないが)、導電性ゲルは、少なくとも約9ヶ月または少なくとも約12ヶ月の保存可能期間を有している。
【0170】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子128は、第1の導電性パッド100aから分離している。導電性ゲル素子128が第1の導電性パッド100aから分離しているとき、導電性ゲル素子128は、電極素子124または導電性ゲル層168aの少なくとも一部分をカバーする第1の除去可能な保護層174を有することが可能であり、第1の除去可能な保護層174は、たとえば、ユーザーなどによって除去されるときに、ユーザーが導電性ゲル層168aを第1の導電性パッド100aの電極素子124に取り付けることを可能にし、より具体的には、ユーザーが電極層140または導電性支持層144のいずれかを導電性ゲル素子128に直接的に接続することを可能にする。第1の除去可能な保護層174は、電極素子124および導電性ゲル素子128が別個に構築され、後の時点において一緒に接着されることを可能にする。電極素子124を導電性ゲル素子128に接着するステップは、治療現場において患者または医療提供者によって達成され得、または、第1の導電性パッド100aの製造業者によって達成され得る。追加的に、導電性ゲル素子128は、導電性ゲル層168bの少なくとも一部分をカバーする第2の除去可能な保護層176を含むことが可能であり、第2の除去可能な保護層176は、たとえば、ユーザーなどによって除去されるときに、ユーザーが導電性ゲル層168bを患者に(たとえば、ターゲットエリアの上のまたはその上方の患者の皮膚などに)取り付けることを可能にする。
【0171】
1つの実施形態では、第1の導電性パッド100aは、使用時点において(たとえば、はさみによって)患者のターゲットエリアに対応するように形状決めされ得る。単なる例として、および、限定としてではなく、第1の導電性パッド100aは、耳を収容するために、第1の導電性パッド100aの一部分を除去するようにカットされ得(または、その他の方法で修正される)、除去された部分は、そうでなければ耳の上にあることとなる。それを行うことによって、患者の頭部への第1の導電性パッド100aのより良好な接着が実現され得、同様に、患者の快適さの増加も実現され得る。別の例として、第1の導電性パッド100aは、患者の関節の周りにフィットするようにカットされるかまたはその他の方法で修正され得、それは、たとえば、それに限定されないが、第1の導電性パッド100aが取り付けられている間に患者が膝を使用し続けること、または、さらに、TTフィールドからの治療を受けている間に患者が膝を使用し続けることを可能にすることとなる様式で、患者の膝の上に設置されている第1の導電性パッド100aをカットすることなどである。第1の導電性パッド100aの整形は、予め構造化され得、または、第1の導電性パッド100aは、第1の導電性パッド100aの整形が容易に実現可能であるように十分に可撓性にされ得る。第1の導電性パッド100aを修正するときの1つの重要な考慮事項は、第1の導電性パッド100aの一部分が第1の導電性パッド100aの残りの部分から電気的に隔離されるような電極層140を通る任意のカットが、療法的な悪影響を有する可能性があるということである。
【0172】
図6を参照すると、導電性パッド136の別の実施形態が、ここで示されている。電極素子124および導電性ゲル素子128が、リード58aに接続されている複数の導電性領域142a~hを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド136は、構築および機能に関して、上記に説明されている第1の導電性パッド100aと同一である。8つの導電性領域142a~hが、例として
図6に示されている。導電性パッド136は、導電性領域142a~hの上におよびその間に延在する耐久性トップコート層120を含む。この実施形態では、耐久性トップコート層120は、非導電性の材料から形成され得、または、導電性領域142a~hから電流を受け取らない導電性の材料から形成され得る。導電性領域142a~hは、1つまたは複数の誘電体領域146によって電気的に隔離されており、1つまたは複数の誘電体領域146は、各々隣接して配設されている対の導電性領域142a~hの間に延在している。誘電体領域146は、隣接して配設されている導電性領域142a~hの各対の間に誘電体素子を横方向にインターリーブすることによって形成され得る。リード58aは、2つ以上の隔離された導体150を含むことが可能であり、各導電性領域142a~hが、独立して発生器54に連結されるようになっており、したがって、各導電性領域142a~hによって発生させられるTTフィールドを発生器54が独立して制御することを可能にする。そのような実施形態では、電子的装置50は、導電性パッド136の1つまたは複数の導電性領域142a~hの間を行ったり来たりし、したがって、増加した特異性および精度によってTTフィールドを生成および整形することが可能である。複数の導電性領域142a~hを有する単一の導電性パッド136は、パッド70aおよび70bの代用としてまたはそれと併用して使用され得る。
【0173】
1つの実施形態では、導電性パッド136に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、時間的に第1のインスタンスにおいて、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域142a~h(たとえば、導電性領域142aおよび導電性領域142b)に供給し、第1のTTフィールドを発生させることが可能である。発生器54は、時間的に第2のインスタンスにおいて、第2のパワー(第1のパワーと同じであるか、または、第1のパワーとは異なる)および第2の周波数(第1の周波数と同じであるか、または、第1の周波数とは異なる)を有する第2の電気信号を、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域142a~h(たとえば、導電性領域142bおよび導電性領域142c)に供給し、第2のTTフィールドを発生させることが可能である。第2のグループは、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域142a~hを含むことが可能であり、または、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域142a~hを含まなくてもよい。第1のTTフィールドおよび第2のTTフィールドは、同じターゲットエリアをターゲットにすることが可能であり、または、異なるターゲットエリアをターゲットにすることが可能である。1つの実施形態では、時間的に第1のインスタンスおよび時間的に第2のインスタンスは、オーバーラップすることが可能であり、すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに供給しながら、第2の電気信号を第2のグループに供給することも可能である。そのような実施形態では、第1のグループおよび第2のグループは、相互に排他的であることが可能である。
【0174】
1つの実施形態では、導電性パッド136に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域142a~h(たとえば、導電性領域142aおよび導電性領域142b)に供給することが可能であり、第2のパワーおよび第2の周波数を有する第2の電気信号を、時間的に同じインスタンスにおいて、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域142a~h(たとえば導電性領域142bおよび導電性領域142c)に供給することが可能である。すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに、および、第2の電気信号を第2のグループに同時に供給することが可能である。上記の実施形態は、第1のグループおよび第2のグループのみを説明しているが、3つ以上のグループが存在することも可能であるということが理解される。1つの実施形態では、グループの数は、導電性領域142a~hの組み合わせの数に依存している。
【0175】
1つの実施形態では、発生器54は、導電性パッド136および別のパッド(たとえば、パッド70bなど)に接続され得る。そのような実施形態では、発生器54は、導電性パッド136の1つまたは複数の導電性領域142a~hに電気信号を供給することが可能である。電気信号を受け取る1つまたは複数の導電性領域142a~hは、次いで、導電性パッド136の1つまたは複数の導電性領域142a~hのそれぞれとパッド70bとの間にTTフィールドを発生させることが可能である。
【0176】
ここで
図7を参照すると、パッド70aおよびパッド70bとして使用される第1の導電性パッド100aの例示的な実施形態の第1の実験、ならびに、従来の非導電性の電極アレイ164の第2の実験の実験的なデータの表180が、ここで示されており、従来の非導電性の電極アレイ164は、導電性層を導電性ゲル層から分離する非導電性のセラミックディスクを備えた電極を有しており、たとえば、「Composite Electrode」という標題の米国特許第8715203号明細書(特許文献6)に開示されている電極アレイと同様のものである。表180に示されているのは、複数の温度センサー184a~hによって測定された摂氏での温度読み取り値であり、各温度センサーは、パッド70a、パッド70b、第1の電極アレイ164a、および、第2の電極アレイ164bの上の特定の場所に対応している。これらの実験では、パッド70a、パッド70bは、スイカに取り付けられた。別個の瞬間において、パッド70aおよびパッド70bは、スイカから除去され、第1の電極アレイ164aおよび第2の電極アレイ164bが、スイカに取り付けられた。両方の実験において、温度センサー154を有する電極アレイ164が、8つの所定の場所における温度を測定するために使用された。
【0177】
第1の実験に関して、発生器54は、第1の導電性パッド100aおよび第2の導電性パッド100bに、3597mAの電流および149kHzの周波数において218ボルトを提供するように設定された。第1の実験に関して、パッド70aまたはパッド70bのいずれかに関連付けられて所定の場所に設置されている温度センサー184a~hのうちの1つまたは複数が摂氏約40度を読み取るまで、または、テスト機器がもはや提供されたパワーを増加させることができなくなるまで、すなわち、提供された電流が約3600mAであるときまで、電流が増加された。示されているように、摂氏23.9度の温度が、第1の導電性パッド100aの上の温度センサー184cによって測定された。したがって、パッド70aおよびパッド70bに提供される3597mAの電流は、パッド70aまたはパッド70bが快適性閾値に到達することを引き起こさない。1つの実施形態では、快適性閾値は、パッド70aおよび70bを使用している間に患者が不快になることとなる温度である。1つの実施形態では、快適性閾値は、摂氏40度における温度または約摂氏40度における温度である。
【0178】
第2の実験に関して、発生器54は、第1の電極アレイ164aおよび第2の電極アレイ164bに、1203mAの電流および149kHzの周波数において168ボルトを提供するように設定された。第2の実験に関して、所定の場所に設置されている、第1の電極アレイ164aまたは第2の電極アレイ164bのいずれかの温度センサー184a~hのうちの1つまたは複数が摂氏約40度を読み取るまで、または、テスト機器がもはや提供されたパワーを増加させることができなくなるまで、電流が増加された。示されているように、摂氏39.3度の温度が、第2の電極アレイ164bの上の温度センサー184hによって測定された。したがって、第1の電極アレイ164aおよび第2の電極アレイ164bに提供される1203mAの電流は、電極アレイ164が快適性閾値を上回る前の最大提供電流である。1つの実施形態では、快適性閾値は、電極アレイ164を使用している間に患者が不快になることとなる温度である。1つの実施形態では、快適性閾値は、摂氏40度における温度または約摂氏40度における温度である。
【0179】
温度センサー154a~hが各電極アレイ164の中へ一体化される。パッド70aおよびパッド70b(それは、実験的な実施形態では、温度センサーを含まなかった)の温度を測定するために、電極アレイ164が、パッド70aおよび第2の導電性パッド70bの上に設置される。パッド70aおよびパッド70bの実験的な実施形態は温度センサーを含まないが、別の実施形態では、パッド70aおよびパッド70bは、1つまたは複数の温度センサー184を含むことが可能であるということに留意されたい。さらに別の実施形態において、パッド70aおよびパッド70bは、温度センサー154を含むことが可能であり、温度センサー154は、さまざまな位置に位置付けされており、そのようなさまざまな場所における温度を測定し、たとえば、第1の導電性パッド70aおよび第2の導電性パッド70bの特定のパーツの中にホットスポットが形成しているかどうかを決定する。
【0180】
好適な実施形態において、発生器54は、任意のDC信号またはDCオフセット電圧なしに、AC信号のみをリード58aおよび58bに提供するように適合されている。この実施形態では、DC信号またはDCオフセット電圧が患者の中へ通ることを防止するために、リード58aおよび58bまたはパッド70aおよびパッド70bの中の任意のDCブロッキングコンポーネントに対する必要性が存在しない。しかし、発生器54の故障などの場合に、DCブロッキングコンポーネントが、安全対策として、不注意なDC信号またはDCオフセット電圧から患者を保護するために提供されることが望ましい。
【0181】
ここで
図8を参照すると、リード58aに連結されており、耐久性トップコート層120を見えるようにしている第1の導電性パッド100aの斜視図の例示的な実施形態が、ここで示されている。斜視図からは、第1の導電性パッド100aの追加的なコンポーネント(たとえば、電極素子124または導電性ゲル素子128など)は見ることができない。
【0182】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、本明細書で説明されているTTフィールド発生システム(たとえば、電子的装置50など)のコンポーネントのいずれかを含むキットに関係している。1つの実施形態では、パッド70aおよびパッド70bの1つまたは複数は、キットの一部としてパッケージ化され得る。1つの実施形態では、キットは、パッド70aと、電極素子124に接続されているリード58aとを含むことが可能である。別の実施形態では、キットは、パッド70aおよびパッド70b、ならびに、リード58aおよび58bを含むことが可能である。上記の各実施形態において、リード58aは、パッド70aに機械的に連結され得、リード58bは、たとえば、リベットによって、はんだによって、接着剤によって、溶接によって、または、他の導電性の連結手段によって、パッド70bに機械的に連結され得る。上記の各実施形態において、キットは、ブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bをさらに含むことが可能であり、ブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bは、電気信号がブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bを通過するように位置決めされている。上記の各実施形態において、第1の導電性パッド100aは、パッド70aおよび/またはパッド70bとして使用されるときに、第2の除去可能な保護層176を含むことが可能であり、第2の除去可能な保護層176は、導電性ゲル素子128の少なくとも一部分(または、全体)に取り付けられてそれをカバーしており、第2の除去可能な保護層176が、潜在的な損傷(たとえば、接着の喪失または分裂もしくは不連続性など)から導電性ゲル素子128を保護するようになっている。第2の除去可能な保護層176は、第1の導電性パッド100aが患者に適用される前に、ユーザーによって容易に除去され得る。1つの実施形態では、第2の除去可能な保護層176は、電気絶縁体であり、第2の除去可能な保護層176が、第1の導電性パッド100aが患者に取り付けられる前に、電気信号の事故的な適用を防止するかまたは実質的に低減させるようになっている。上記の各実施形態において、キットは、複数の第1の導電性パッド100aを含むことが可能であり、また、(本開示にしたがって構築された)複数の導電性パッドを含むことが可能であり、複数の導電性パッドは、患者に適用されるときに、療法的な利益を有する。加えて、キットは、キットの1つまたは複数のコンポーネントの使用方法を説明する1セットの書面によるインストラクションをさらに含むことが可能である。この性質のキットは、本明細書で説明されているかまたはその他の方法で企図されている方法のいずれかにおいて使用され得る。
【0183】
ここで
図9を参照すると、患者にTTフィールドを印加するために、電子的装置50と、パッド70aおよびパッド70bとしての第1の導電性パッド100aまたは導電性パッド136とを使用するプロセス200の例示的な実施形態が、ここで示されている。プロセス200は、一般的に、パッド70aとしての第1の導電性パッド100aおよびパッド70bとしての第1の導電性パッド100aを患者の皮膚に適用するステップ、および/または、導電性パッド136を適用するステップ(ステップ204)と、所定の時間の期間にわたって、約50kHzから約576kHzの範囲の周波数を有する交流電場を発生させるステップ(ステップ208)とを含む。
【0184】
第1の導電性パッド100aを患者の皮膚に適用するステップは、ユーザーによって実施され得る。1つの実施形態では、第1の導電性パッド100aを患者の皮膚に適用する前に、患者の皮膚は、導電性ゲル素子128が患者の皮膚に付着することを可能にするように、クリーニングされることを必要とする可能性がある(たとえば、それに限定されないが、必要な場合には、異物または生物学的物質の皮膚のクレンジング、および、皮膚の剃毛など)。
【0185】
交流電場(TTフィールド)を発生させるステップ(ステップ208)は、発生器54によって実施され得、また、ユーザーまたは制御ボックス66によって実施される動作によってインスタンス化され得る。1つの実施形態では、ステップ208は、2回以上実施され得、ステップ208が第1の時間に実施される時間の期間は、ステップ208が第2の時間に実施される時間の期間(または、第2の時間を超える他の時間の期間)と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ステップ208は、プロセス200が繰り返される前に1回だけ実施される。プロセス200が繰り返されるそれぞれの時間の間に期間が存在していることが可能である。プロセス200が繰り返されるたびに、期間は、以前の期間と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。プロセス200が繰り返されるたびに、第1の導電性パッド100aおよび第2の導電性パッド100bは、患者の皮膚の上の同じ位置にまたは異なる位置に設置され得る。
【0186】
以下は、本明細書で開示されている第2のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0187】
例示的実施形態1
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
導電性ゲル素子に直接的に接続されている第1の電極素子を有する第1の導電性パッドであって、第1のヒドロゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている、第1の導電性パッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第2の電極素子を有する第2の導電性パッドであって、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている、第2の導電性パッドと
を含む、システム。
【0188】
例示的実施形態2
第1の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態1に記載のシステム。
【0189】
例示的実施形態3
第2の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態2に記載のシステム。
【0190】
例示的実施形態4
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態1に記載のシステム。
【0191】
例示的実施形態5
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態4に記載のシステム。
【0192】
例示的実施形態6
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態4に記載のシステム。
【0193】
例示的実施形態7
発生器は、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態4に記載のシステム。
【0194】
例示的実施形態8
第1の導電性パッド、第2の導電性パッド、または、第1の導電性パッドおよび第2の導電性パッドの両方のいずれかが、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態4に記載のシステム。
【0195】
例示的実施形態9
ブロッキングキャパシターは、第1のブロッキングキャパシターであり、電気信号中の直流電流をブロックするように構成されている第2のブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態4に記載のシステム。
【0196】
例示的実施形態10
第1の導電性パッド、第2の導電性パッド、または、第1の導電性パッドおよび第2の導電性パッドの両方のいずれかが、第2のブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態9に記載のシステム。
【0197】
例示的実施形態11
第1の導電性ゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態1に記載のシステム。
【0198】
例示的実施形態12
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態11に記載のシステム。
【0199】
例示的実施形態13
支持層は、導電性である、例示的実施形態11に記載のシステム。
【0200】
例示的実施形態14
第2のヒドロゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態1に記載のシステム。
【0201】
例示的実施形態15
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態14に記載のシステム。
【0202】
例示的実施形態16
支持層は、導電性である、例示的実施形態14に記載のシステム。
【0203】
例示的実施形態17
第1の導電性パッドの温度を測定するように構成されている1つまたは複数の温度センサーをさらに含む、例示的実施形態1に記載のシステム。
【0204】
例示的実施形態18
制御ボックスをさらに含み、制御ボックスは、1つまたは複数の温度センサーをモニタリングし、温度が快適性閾値を超える場合には、発生器をターンオフするように構成されている、例示的実施形態17に記載のシステム。
【0205】
例示的実施形態19
快適性閾値は、摂氏約40度である、例示的実施形態18に記載のシステム。
【0206】
例示的実施形態20
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子から電流を受け取るように電極素子に直接的に接続されている導電性ゲル素子であって、患者の皮膚と接触するように構成されている、導電性ゲル素子と
を含む、導電性パッド。
【0207】
例示的実施形態21
電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、導電性リードは、発生器に電気的に連結されるように構成されており、導電性リードは、電極素子に電気的に連結されている、例示的実施形態20に記載の導電性パッド。
【0208】
例示的実施形態22
導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ゲルであり、第2の導電性ゲル層は、第2の導電性ゲルである、例示的実施形態20に記載の導電性パッド。
【0209】
例示的実施形態23
第1の導電性ゲルおよび第2の導電性ゲルは、同じ導電性ゲルではない、例示的実施形態22に記載の導電性パッド。
【0210】
例示的実施形態24
支持層は、導電性である、例示的実施形態22に記載の導電性パッド。
【0211】
例示的実施形態25
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態22に記載の導電性パッド。
【0212】
例示的実施形態26
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態25に記載の導電性パッド。
【0213】
例示的実施形態27
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態25に記載の導電性パッド。
【0214】
例示的実施形態28
トップコート層、電極素子、および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されている、例示的実施形態20に記載の導電性パッド。
【0215】
例示的実施形態29
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用するステップと;
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用する前または後に、導電性領域を発生器に連結するステップであって、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子を有しており、電極素子は、導電性ゲル素子に直接的に接続されており、電極素子から導電性ゲル素子へ電流を供給するようになっており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、導電性ゲル素子に電流を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触している、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電流を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0216】
例示的実施形態30
少なくとも1つのリードが、電極素子を発生器に電気的に連結するために設けられる、例示的実施形態29に記載の方法。
【0217】
例示的実施形態31
電気信号は、電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターを通過させられる、例示的実施形態29に記載の方法。
【0218】
例示的実施形態32
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態31に記載の方法。
【0219】
例示的実施形態33
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態31に記載の方法。
【0220】
例示的実施形態34
電極素子および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されている、例示的実施形態29に記載の方法。
【0221】
第3のモード:空気チャネルを備えた導電性パッド
【0222】
本開示の第3のモードは、システム、および、システムを実装する方法を含み、システムは、50kHzから576kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;第1の電極素子を有する第1の導電性パッドであって、第1の電極素子は、第1の導電性ゲル素子に電流を供給するために第1の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第1の電極素子は、第1の導電性リードに電気的に連結されており、第1の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第1の空気チャネルを有している、第1の導電性パッドと;発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;第2の電極素子を有する第2の導電性パッドであって、第2の電極素子は、第2の導電性ゲル素子に電流を供給するために第2の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第2の電極素子は、第2の導電性リードに電気的に連結されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第2の空気チャネルを有している、第2の導電性パッドとを含む。
【0223】
図9に戻って参照すると、1つの実施形態では、プロセス200の間に、パッド70aおよび70bとしての第1の導電性パッド100a、および/または、導電性パッド136を、患者の皮膚に適用するステップ(ステップ204)は、第1の導電性パッド100aおよび/または導電性パッド136が長期の時間の期間にわたって患者の皮膚に取り付けられていることを結果として生じさせる可能性がある。特定の望ましくない症状が、長期の時間の期間にわたって患者の皮膚に取り付けられている第1の導電性パッド100aおよび/または導電性パッド136の長期の適用に起因して起こる可能性があり、それは、たとえば、第1の導電性パッド100aおよび/または導電性パッド136と長期に接触している患者の皮膚の一部分の浸軟などである。そのような望ましくない症状は、
図10~
図15において下記に示されているような1つまたは複数の空気チャネル228を提供することによって緩和され得る。
【0224】
ここで
図10を参照すると、パッド70aおよび/またはパッド70bとして使用するために本開示にしたがって構築された導電性パッド220の第1の例示的な実施形態の分解側面図が、ここで示されている。
図10に示されているように、導電性パッド220には、
図4に示されている導電性ゲル素子128と同様に、耐久性トップコート層120と、電極素子124と、導電性ゲル素子128aとが設けられている。電極素子124は、耐久性トップコート層120と導電性ゲル素子128aとの間に位置決めされている。耐久性トップコート層120、電極素子124、および導電性ゲル素子128aは、一緒に結合され、上記に議論されている十分に可撓性の品質を有する複合構造体を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、電極素子124は、導電性ゲル素子128aに電気的に連結されており、電極素子124から導電性ゲル素子128aへ電流を供給するようになっている。この実施形態では、導電性パッド220は、導電性ゲル素子128aから電極素子124を電気的に隔離する誘電体層を含まない。
【0225】
この実施形態では、導電性ゲル素子128aは、1つまたは複数の導電性ゲル層168を含み、1つまたは複数の導電性ゲル層168は、電気伝導を可能にするためにその中に自由イオンの供給源を提供するバルク電子輸送剤を有している。上記に説明されているように、1つまたは複数の導電性ゲル層168は、主に導電性ゲルまたは半固体の導電性ゲルから形成されている。
図10に示されている実施形態では、導電性ゲル素子128は、支持層172に結合されている2つの導電性ゲル層168aおよび168cを含む。支持層172は、導電性材料から構築され得るか、または、支持層172は、非導電性の材料から構築され得るが、所定の構造体を備えており、導電性ゲル層168aおよび168cがその構造体の中に埋め込まれることを可能にするようになっており、また、支持層172を横切る導電性を促進させるようになっているかのいずれかであり得る。この実施形態では、導電性ゲル層168cは、2つ以上の導電性ゲル領域224から形成されており、2つ以上の導電性ゲル領域224は、隣接する導電性ゲル領域224が交差しないように分離されており、それによって、1つまたは複数の空気チャネル228を形成している。1つまたは複数の空気チャネル228は、導電性パッド220の外側周辺縁部148の中の1つまたは複数の場所において空気が患者の皮膚に接触することを可能にする。いくつかの実施形態において、支持層172は存在していない。
【0226】
ここで
図11を参照すると、
図10の導電性パッド220の導電性ゲル素子128aおよび第2の除去可能な保護層176の一部分の例示的な実施形態の斜視図が、ここで示されている。第1の導電性ゲル領域224aがさらに示されており、第1の導電性ゲル領域224aは、第2の導電性ゲル領域224bに隣接しており、第1の空気チャネル228aを形成するように空間的に配設されている。第1の導電性ゲル領域224aは、第1の端部232aおよび第2の端部236aを有しており、第1の端部232aおよび第2の端部236aの両方は、導電性パッド220の外側周辺縁部112に一致している。第2の導電性ゲル領域224bは、第1の端部232bおよび第2の端部236bを有しており、第1の端部232bおよび第2の端部236bの両方は、導電性パッド220の外側周辺縁部112に一致している。第1の導電性ゲル領域224aは、第1の壁部部分240aおよび第2の壁部部分244aをさらに含み、第2の導電性ゲル領域224bは、第1の壁部部分240bおよび第2の壁部部分244bをさらに含む。したがって、第1の空気チャネル228aは、導電性ゲル層168a、第2の除去可能な保護層176、第2の導電性ゲル領域224bの第1の壁部部分240b、および、第1の導電性ゲル領域224aの第2の壁部部分244aによって境界を定められており、外側周辺縁部112の上の第1の位置から外側周辺縁部112の上の第2の位置へ延在しており、第1の位置は、第1の導電性ゲル領域224aの第1の端部232aと第2の導電性ゲル領域224bの第1の端部232bとの間にあり、第2の位置は、第1の導電性ゲル領域224aの第2の端部236aと第2の導電性ゲル領域224bの第2の端部236bとの間にある。
図11に示されている導電性パッド220の導電性ゲル層168a、導電性ゲル層168b、および、第2の除去可能な保護層176の部分は、2つの導電性ゲル領域224のみを示しているが、導電性パッド220の導電性ゲル層168bは、2つ以上の空気チャネル228を形成するように空間的に配設されている複数の導電性ゲル領域224を含むことが可能であるということが理解される。
【0227】
ここで
図12を参照すると、
図10の導電性パッド220の導電性ゲル素子128dおよび第2の除去可能な保護層176の一部分の例示的な実施形態の斜視図が、ここで示されている。ここで示されているのは、導電性ゲル層168aであり、導電性ゲル層168aは、支持層172に結合されており、そして、支持層172は、導電性ゲル層168dに結合されている。支持層172は、随意的なものである。いくつかの実施形態において、導電性ゲル層168dは、導電性ゲル層168aに直接的に結合されている。導電性ゲル層168dは、複数の空間的に配設された導電性ゲル領域224から構成されており、それらは、グリッドパターンで配置され得る。いくつかの実施形態において、導電性ゲル領域224は、第1の導電性ゲル領域224c、第2の導電性ゲル領域224d、第3の導電性ゲル領域224e、および、第4の導電性ゲル領域224fを含み、各導電性ゲル領域224c~fは、別の導電性ゲル領域224に隣接しており、第1の空気チャネル228cおよび第2の空気チャネル228dを形成するように空間的に配設されており、第1の空気チャネル228cは、第1の導電性ゲル領域224cと第2の導電性ゲル領域224dとの間に、および、第3の導電性ゲル領域224eと第4の導電性ゲル領域224fとの間に延在しており、第2の空気チャネル228dは、第1の導電性ゲル領域224cと第3の導電性ゲル領域224eとの間に、および、第2の導電性ゲル領域224dと第4の導電性ゲル領域224fとの間に延在している。
【0228】
第1の導電性ゲル領域224cは、第1の壁部部分244cをさらに含み、第2の導電性ゲル領域224dは、第2の壁部部分240cをさらに含み、第3の導電性ゲル領域224eは、第3の壁部部分244dをさらに含み、第4の導電性ゲル領域224fは、第4の壁部部分240dをさらに含む。したがって、第1の空気チャネル228cは、導電性ゲル層168a、第2の除去可能な保護層176、第1の壁部部分244c、および、第2の壁部部分240cによって境界を定められており、また、第4の壁部部分240dおよび第3の壁部部分244dによってさらに境界を定められており、外側周辺縁部112の上の第1の位置から外側周辺縁部112の上の第2の位置へ延在している。
【0229】
第1の導電性ゲル領域224cは、第5の壁部部分252aをさらに含み、第2の導電性ゲル領域224dは、第6の壁部部分252bをさらに含み、第3の導電性ゲル領域224eは、第7の壁部部分252cをさらに含み、第4の導電性ゲル領域224fは、第8の壁部部分252dをさらに含む。したがって、第2の空気チャネル228dは、導電性ゲル層168a、第2の除去可能な保護層176、第5の壁部部分252a、および、第7の壁部部分252cによって境界を定められており、また、第6の壁部部分252bおよび第8の壁部部分252dによってさらに境界を定められており、外側周辺縁部112の上の第3の位置から外側周辺縁部112の上の第4の位置へ延在している。
図12に示されている導電性パッド220の導電性ゲル層168a、導電性ゲル層168d、および、第2の除去可能な保護層176の部分は、4つの導電性ゲル領域224のみを示しているが、導電性パッド220の導電性ゲル層168dは、複数の空気チャネル228を形成するように空間的に配設されている複数の導電性ゲル領域224を含むことが可能であるということが理解される。
【0230】
1つの実施形態では、導電性パッド220が患者の上に設置されているときに、
図10および
図11の導電性パッド220は、第1の空気チャネル228aを形成し、第1の空気チャネル228aは、導電性ゲル層168a、患者、第2の導電性ゲル領域224bの第1の壁部部分240b、および、第1の導電性ゲル領域224aの第2の壁部部分244aによって境界を定められており、外側周辺縁部112の中の第1の位置から外側周辺縁部112の上の第2の位置へ延在している。
図12に示されているように、導電性パッド220が患者の上に設置されているときに、第2の空気チャネル228dは、したがって、導電性ゲル層168a、患者、第5の壁部部分252a、および、第7の壁部部分252cによって境界を定められており、また、第6の壁部部分252bおよび第8の壁部部分252dによってさらに境界を定められており、外側周辺縁部112の上の第3の位置から外側周辺縁部112の上の第4の位置へ延在している。
【0231】
ここで
図13を参照すると、本開示にしたがって構築された導電性パッド260の第2の例示的な実施形態の分解側面図が、ここで示されている。
図13に示されているように、導電性パッド260には、
図4に示されている実施形態と同様に、耐久性トップコート層120と、電極素子124aと、導電性ゲル素子128bとが設けられているが、しかし、電極素子124aおよび/または導電性ゲル素子128bが修正されている。電極素子124aは、耐久性トップコート層120と導電性ゲル素子128bとの間に位置決めされている。耐久性トップコート層120、電極素子124a、および導電性ゲル素子128bは、一緒に結合され、上記に議論されている十分に可撓性の品質を有する複合構造体を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、電極素子124aは、導電性ゲル素子128bに電気的に連結されており、電極素子124aから導電性ゲル素子128bへ電流を供給するようになっている。この実施形態では、導電性パッド260は、導電性ゲル素子128bから電極素子124aを電気的に隔離する誘電体層を含まない。1つまたは複数の実施形態において、導電性ゲル素子128bは、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層176をさらに含むことが可能であり、それは、簡潔にする目的のために
図13に示されていない。
【0232】
図13に示されている1つの実施形態では、導電性支持層144aは、第1の表面160aおよび第2の表面162aを含むことが可能であり、第1の表面160aは、電極層140aの第2の表面156aに取り付けられているかまたはその他の方法で連結されており、第2の表面162aは、導電性ゲル素子128bに接触しているかまたは連結されている。導電性支持層144aは、電極層140aを導電性ゲル素子128bに伝導的に連結しながら電極層140aを支持するようにも構成されている導電性炭素フィルムから形成され得る。この実施形態では、導電性支持層144aは、導電性支持層144aに連結されている導電性ゲル素子128bが1つまたは複数の空気チャネル228aを形成するように形成され得る。
【0233】
1つの実施形態では、導電性支持層144aは、非平面的になっており、たとえば、波形になっていることが可能であり、たとえば、第1の表面160aおよび第2の表面162aは、1つまたは複数のリッジ268および溝部272の筋を有するように形成され得、それによって、それに取り付けられた導電性ゲル素子128bが同様のコルゲーションを示すことを引き起こし、同様のコルゲーションは、導電性パッド260が患者276に取り付けられているときに、患者276および導電性ゲル層168bの患者係合表面280(たとえば、底面108a)との間に1つまたは複数の空気チャネル228(たとえば、第1の空気チャネル228a)を形成する。同様のコルゲーションは、たとえば、第1のリッジ268a、第2のリッジ268b、および、第1の溝部272aとして示されている。導電性ゲル層168bの患者係合表面280の一部分は、第1の壁部部分および第2の壁部部分を形成しており、第1の壁部部分は、第1のリッジ268aおよび患者276の交差部によって画定されており、第1の溝部272aまで延在しており、第2の壁部部分は、第2のリッジ268bおよび患者276の交差部によって画定されており、第1の溝部272aまで延在している。第1の壁部部分および第2の壁部部分は、隣接して配設されている1対の壁部部分であり、それは、導電性パッド260の外側周辺縁部112まで延在しており、それによって、第1の空気チャネル228aを形成している。第1の空気チャネル228aのみが詳細に説明されてきたが、2つ以上の空気チャネル228が存在することも可能であるということ、および、任意の隣接して配設されている1対の壁部部分が空気チャネル228を形成することが可能であるということが理解される。
【0234】
1つまたは複数のリッジ268および溝部272は、均一な幅(または、ほぼ均一な幅)を有するものとして示されているが、1つまたは複数のリッジ268および溝部272の幅は変化することが可能であるということが理解される。同様に、1つまたは複数のリッジ268および溝部272の筋が平行になっているということが示されているが、1つまたは複数のリッジ268および溝部272は、1つまたは複数の空気チャネル228が導電性ゲル素子128と患者276との間に形成されるように、任意のパターンを形成することが可能であるということが理解される。
【0235】
図13に示されている1つの実施形態では、導電性ゲル素子128bは、支持層172aに結合された2つの導電性ゲル層168aおよび168bを含む。支持層172aは、導電性材料から構築され得るか、または、支持層172aは、非導電性の材料から構築され得るが、所定の構造体を備えており、導電性ゲル層168aおよび168bがその構造体の中に埋め込まれることを可能にするようになっており、また、支持層172aを横切る導電性を促進させるようになっているかのいずれかであり得る。支持層172aは、非平面的になっていることが可能であり、たとえば、波形になっていることが可能であり、たとえば、支持層172aは、支持層172aが1つまたは複数のリッジ268および溝部272の筋を含むように構築され得、それによって、それに結合された導電性ゲル層168bが同様のコルゲーションを示すことを引き起こし、同様のコルゲーションは、導電性パッド260が患者276に取り付けられているときに、患者276および導電性ゲル層168bの患者係合表面280との間に1つまたは複数の空気チャネル228(たとえば、第1の空気チャネル228a)を形成する。同様のコルゲーションは、たとえば、第1のリッジ268a、第2のリッジ268b、および、第1の溝部272aとして示されている。導電性ゲル層168bの患者係合表面280の一部分は、第1の壁部部分および第2の壁部部分を形成しており、第1の壁部部分は、第1のリッジ268aおよび患者276の交差部によって画定されており、第1の溝部272aまで延在しており、第2の壁部部分は、第2のリッジ268bおよび患者276の交差部によって画定されており、第1の溝部272aまで延在している。第1の壁部部分および第2の壁部部分は、隣接して配設されている1対の壁部部分であり、それは、導電性パッド260の外側周辺縁部112まで延在しており、それによって、第1の空気チャネル228aを形成している。
【0236】
第1の空気チャネル228aのみが詳細に説明されてきたが、2つ以上の空気チャネル228が存在することも可能であるということ、および、任意の隣接して配設されている1対の壁部部分が空気チャネル228を形成することが可能であるということが理解される。1つまたは複数のリッジ268および溝部272は、均一な幅(または、ほぼ均一な幅)を有するものとして示されているが、1つまたは複数のリッジ268および溝部272の幅は変化することが可能であるということが理解される。同様に、1つまたは複数のリッジ268および溝部272の筋が平行になっているということが示されているが、1つまたは複数のリッジ268および溝部272は、1つまたは複数の空気チャネル228が導電性ゲル素子128bと患者276との間に形成されるように、任意のパターンを形成することが可能であるということが理解される。
【0237】
上記の実施形態のうちの1つまたは複数において、導電性ゲル層168a、168b、および/または168cは、電極素子124a、第1の除去可能な保護層174、および/または支持層172aのいずれかの上に、液体状態でスプレーされ得る。そのような実施形態では、導電性ゲル層168a、168b、および/または168cのうちの1つまたは複数は、均一な厚さ(すなわち、製造公差内)を有する固体状態に硬化され、電極素子124a、第1の除去可能な保護層174、および/または支持層172aの形状を模倣する形状を有することが可能である。すなわち、導電性ゲル層168a、168b、および/または168cは、導電性ゲル層168a、168b、および/または168cが硬化することを引き起こす環境(たとえば、UV光)に露出され得る。導電性ゲル層168dは、導電性ゲル層168cと同様の様式で処理および形成され得るということが理解される。
【0238】
ここで
図14を参照すると、本開示にしたがって構築された導電性パッド288の第3の例示的な実施形態の分解側面図が、ここで示されている。
図14に示されているように、導電性パッド288には、
図4に示されている実施形態と同様に、耐久性トップコート層120と、電極素子124と、導電性ゲル素子128cとが設けられているが、しかし、第2の除去可能な保護層176aは、非平面的(たとえば、筋)になっており、液体状態の導電性ゲルを受け入れ、それによって、第2の除去可能な保護層176aの形状にしたがうように導電性ゲルを整形するように構成されている。電極素子124は、耐久性トップコート層120と導電性ゲル素子128cとの間に位置決めされている。耐久性トップコート層120、電極素子124、および導電性ゲル素子128cは、一緒に結合され、上記に議論されている十分に可撓性の品質を有する複合構造体を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、電極素子124は、導電性ゲル素子128cに電気的に連結されており、電極素子124から導電性ゲル素子128cへ電流を供給するようになっている。この実施形態では、導電性パッド288は、導電性ゲル素子128cから電極素子124を電気的に隔離する誘電体層を含まない。
【0239】
この実施形態では、導電性ゲル素子128cは、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層176aを含み、第2の除去可能な保護層176aは、導電性ゲル素子128cの患者係合表面280(たとえば、底面108)に取り付けられている。ここで、第2の除去可能な保護層176aは、患者係合表面280と接触している第2の除去可能な保護層176aの1つの表面が、たとえば、1つまたは複数のリッジ268および溝部272を有することなどによって、非平面的になるように形成され得る。第2の除去可能な保護層176aにおけるリッジ268は、導電性ゲル素子128cの患者係合表面280における溝部292を形成している。同様に、第2の除去可能な保護層176aにおける溝部272は、導電性ゲル素子128cの患者係合表面280におけるリッジ296を形成している。隣接する1対のリッジ296は、1つまたは複数の空気チャネル228を形成しており、それは、たとえば、より詳細に上記に説明されている1つまたは複数の空気チャネル228の形成などのようである。
【0240】
ここで
図15を参照すると、本開示の導電性ゲル素子を形成するためのプロセス300の例示的な実施形態のプロセスフローダイアグラムが、ここで示されている。導電性ゲル素子128を形成するためのプロセス300は、一般的に、非平面的な形状を有する非平面的な形態を与えるステップ(ステップ304)と、液体状態を有する導電性ゲルを非平面的な形態の上にスプレーする(または、その他の方法で塗布する)ステップ(ステップ308)と、硬化剤を導電性ゲルに適用し(ステップ312)、導電性ゲルの液体状態を固体状態に変換させるステップとを含む。
【0241】
1つの実施形態では、ステップ304の形態は、非平面的な形状を有する導電性パッドの1つまたは複数のコンポーネントであることが可能である(たとえば、電極素子124a、導電性支持層144a、支持層172a、第2の除去可能な保護層176aなど)。
【0242】
1つの実施形態では、非平面的な形態の上に液体導電性ゲルをスプレーするステップ(ステップ308)は、人によって実施され得、または、導電性ゲル塗布システムによって実施され得る。液体導電性ゲルは、液体状態を有する導電性ゲルである。1つの実施形態では、液体導電性ゲルは、実質的に均一な厚さまで非平面的な形態に塗布され得る。
【0243】
1つの実施形態では、硬化剤を液体導電性ゲルに適用するステップ(ステップ312)は、液体導電性ゲルをUV光供給源に露出させるステップを含むことが可能であり、そのような露出は、液体導電性ゲルを硬化させる。非平面的な形態の上にスプレーされた液体導電性ゲルを硬化させることは、患者に適用されるときに患者係合表面280と患者276との間に1つまたは複数の空気チャネル228(たとえば、
図10~
図14において上記に示されているものなど)を形成するテクスチャーおよび/または形状を伴って、液体導電性ゲルが硬化することを引き起こす。
【0244】
1つの実施形態では、ステップ312の硬化された導電性ゲルは、導電性ゲル素子128および/または1つもしくは複数の導電性ゲル層168と嵌合するように構成されている。
【0245】
1つの実施形態では、本開示の導電性ゲル素子を形成するためのプロセス300は、ステップ304を含まない。そのような実施形態では、液体導電性ゲルを非平面的な形態の上にスプレーするステップ(ステップ308)を実施することは、その代わりに、非平面的な形態の有無にかかわらずさまざまな厚さまで液体導電性ゲルをスプレーすることによって実施される。1つの実施形態では、非平面的な形態なしでさまざまな厚さまでスプレーされた液体導電性ゲルは、さまざまな厚さが実質的に均一な厚さになる前に、ステップ312(硬化剤を導電性ゲルに適用するステップ)を実施することを必要とする可能性がある。
【0246】
1つの実施形態では、本開示の導電性ゲル素子128aを形成するためのプロセス300は、第1の導電性ゲル層(たとえば、導電性パッド220の導電性ゲル層168aなど)を形成するステップと、間隔を離して配置された様式で、所望の厚さの導電性ゲル領域224を導電性ゲル層168aの上に形成し、それによって、本開示にしたがって各々隣接して配設された1対の壁部部分の間に空気チャネルを形成する複数の壁部部分を有する患者係合表面を与えるステップとを含む。
【0247】
以下は、本明細書で開示されている第3のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0248】
例示的実施形態35
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の電極素子を有する第1の導電性パッドであって、第1の電極素子は、第1の導電性ゲル素子に電流を供給するために第1の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第1の電極素子は、第1の導電性リードに電気的に連結されており、第1の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第1の空気チャネルを有している、第1の導電性パッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の電極素子を有する第2の導電性パッドであって、第2の電極素子は、第2の導電性ゲル素子に電流を供給するために第2の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第2の電極素子は、第2の導電性リードに電気的に連結されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第2の空気チャネルを有している、第2の導電性パッドと
を含む、システム。
【0249】
例示的実施形態36
第1の導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層および第2の導電性ゲル層から形成されており、第2の導電性ゲル層は、2つ以上の交差しない導電性ゲル領域から形成されており、第1の空気チャネルは、1つまたは複数の交差しない導電性ゲル領域の間のスペーシングによって形成されている、例示的実施形態35に記載のシステム。
【0250】
例示的実施形態37
第1の電極素子は、1つまたは複数の第1のリッジおよび第1の溝部を有しており、1つまたは複数の第1のリッジおよび第1の溝部は、第1の導電性ゲル素子に連結されているときに、第1の導電性ゲル素子の上に1つまたは複数の第2のリッジおよび第2の溝部を形成し、第1の空気チャネルが、第2の溝部と患者の皮膚との間に形成されている、例示的実施形態35に記載のシステム。
【0251】
例示的実施形態38
第1の導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層を含み、第1の空気チャネルを形成する1つまたは複数のリッジおよび溝部を有する支持層が、第2の導電性ゲル層と患者の皮膚との間にある、例示的実施形態35に記載のシステム。
【0252】
例示的実施形態39
第1の導電性パッドは、第1の導電性ゲル層に取り付けられている保護層をさらに含み、保護層は、1つまたは複数のリッジおよび溝部を有しており、第1の導電性ゲル層が第1の導電性ゲル層と患者の皮膚との間に第1の空気チャネルを形成することを引き起こす、例示的実施形態35に記載のシステム。
【0253】
例示的実施形態40
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子から電流を受け取るように電極素子に電気的に連結されている導電性ゲル素子であって、患者の皮膚と接触するように構成されており、1つまたは複数の空気チャネルを有している、導電性ゲル素子と
を含む、導電性パッド。
【0254】
例示的実施形態41
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用するステップであって、導電性領域は、発生器に連結されており、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子を有しており、電極素子は、導電性ゲル素子と電気的に連結されており、電極素子から導電性ゲル素子へ電流を供給するようになっており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、導電性ゲル素子に電流を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触しており、1つまたは複数の空気チャネルを有している、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電流を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0255】
第4のモード:整形部材を備えた空気チャネル
【0256】
本開示の第4のモードは、システム、および、システムを実装する方法を含み、システムは、50kHzから576kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;第1の電極素子を有する第1の導電性パッドであって、第1の電極素子は、第1の導電性ゲル素子に電流を供給するために第1の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第1の電極素子は、第1の導電性リードに電気的に連結されており、第1の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第1の空気チャネルを有している、第1の導電性パッドと;発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;第2の電極素子を有する第2の導電性パッドであって、第2の電極素子は、第2の導電性ゲル素子に電流を供給するために第2の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第2の電極素子は、第2の導電性リードに電気的に連結されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第2の空気チャネルを有している、第2の導電性パッドとを含む。1つもしくは複数の第1の空気チャネルおよび/または1つもしくは複数の第2の空気チャネルは、第1の導電性ゲル素子および第2の導電性ゲル素子がそれぞれ部分的に硬化された状態で、第1の導電性ゲル素子および/または第2の導電性ゲル素子の中へ1つまたは複数の整形部材を挿入することを介して形成され得る。
【0257】
ここで
図16を参照すると、
図10の導電性パッド220の導電性ゲル素子128eおよび第2の除去可能な保護層176の一部分の別の例示的な実施形態の斜視図が、ここで示されている。導電性パッド220は、パッド70aおよびパッド70bの例示的な実施形態である。ここで示されているのは、導電性ゲル層168aであり、導電性ゲル層168aは、支持層172に結合されており、そして、支持層172は、導電性ゲル層168eに結合されている。支持層172は、随意的なものである。いくつかの実施形態において、導電性ゲル層168eは、導電性ゲル層168aに直接的に結合されている。
【0258】
図16および
図17を参照すると、導電性ゲル層168eは、1つまたは複数の導電性ゲル領域224と、1つまたは複数の整形部材320によって形成された1つまたは複数の空気チャネル228とから構成され得る。一般的に、導電性ゲル層168eの1つまたは複数の導電性ゲル領域224は、電気伝導を可能にするためにその中に自由イオンの供給源を提供するように構成されているバルク電子輸送剤を提供することが可能である。1つまたは複数の空気チャネル228は、流体循環(たとえば、皮膚の上の空気循環)を提供することが可能である。
【0259】
一般的に、導電性ゲル層168eは、導電性ゲル素子128eが部分的に硬化された状態にある間に、整形部材320によって形成され得る。部分的に硬化された状態の導電性ゲル素子128eの少なくとも一部分は、整形部材320を通して押し出され、1つまたは複数の導電性ゲル領域224(本明細書では、空間的に配設された突出部とも称される)および1つまたは複数の空気チャネル228を生成させることが可能であり、1つまたは複数の空気チャネル228は、整形部材320に隣接しており、隣接して配設された1対の突出部の間にある。いくつかの実施形態において、整形部材320は、導電性ゲル素子128eの中に留まり、導電性パッド220のコンポーネントを形成することが可能である。いくつかの実施形態において、整形部材320は、強化された構造的な完全性を導電性ゲル素子128eに提供することが可能である。たとえば、整形部材320は、導電性ゲル素子128eの分離を防止するのに役立つ可撓性のナイロンメッシュ材料から構築され得る。整形部材320が導電性ゲル層168eの中へ設置されると、導電性ゲル素子128eは、さらに硬化され、複数の導電性ゲル領域224および1つまたは複数の空気チャネル228を有する導電性ゲル層168eを形成することが可能である。
【0260】
図17および
図18を参照すると、一般的に、整形部材320は、モールド328の中に1つまたは複数のアパーチャー324を含むことが可能である。モールド328は、マトリックスであることが可能であり、マトリックスは、たとえば、1つもしくは複数の導電性ゲル領域224および/または1つもしくは複数の空気チャネル228の形成などのために、部分的に硬化された導電性ゲル素子128eに形状を与えるように構成されている。いくつかの実施形態において、モールド328は、非導電性の材料(たとえば、ポリマー材料など)から形成され得る。モールド328の中に形成されている1つまたは複数のアパーチャー324は、それに限定されないが、正方形、三角形、円形、または、任意の風変わりな形状を含む、任意のサイズまたは形状であることが可能である。いくつかの実施形態において、異なってサイズ決めおよび形状決めされたアパーチャー324が、同じモールド328の中に提供され得る。いくつかの実施形態において、同様にサイズ決めおよび形状決めされたアパーチャー324が、同じモールド328の中に提供され得る。いくつかの実施形態において、1つまたは複数のアパーチャー324の設計考慮事項は、所望の空気チャネル228のサイズおよび形状、ならびに/または、1つもしくは複数の導電性ゲル領域224のサイズおよび形状に依存することが可能である。いくつかの実施形態において、整形部材320は、複数のアパーチャー324を含むことが可能であり、部分的に硬化された状態で1つまたは複数のアパーチャー324を通して導電性ゲル素子128eを押し出すことが、たとえば、複数の導電性ゲル領域224(すなわち、突出部)を押し出すことができるようになっている。いくつかの実施形態において、アパーチャー324は、たとえば、0.105mm(140メッシュ)から0.420mm(40メッシュ)の範囲にある長さおよび/または幅を有することが可能である。
【0261】
図16および
図18を参照すると、1つまたは複数のモールド328は、第1の側部332および第2の側部336を有している。いくつかの実施形態において、第1の側部332は、導電性ゲル素子128eの中の支持層172に隣接して位置決めされ得る。いくつかの実施形態において、第1の側部332は、導電性ゲル素子128eの中の導電性ゲル層168aに隣接して位置決めされ得る。モールド328の第2の側部336は、空気チャネル228に隣接しており、空気チャネル228に開口していることが可能である。整形部材320の第2の側部336は、整形部材320の第2の側部336と1つまたは複数の空気チャネル228との間に任意の介在構造体がない状態で、1つまたは複数の空気チャネル228に露出され得る。第2の側部336は、整形部材320の第2の側部336と1つまたは複数の空気チャネル228との間に任意の介在構造体がない状態で、1つまたは複数の空気チャネル228の境界を形成することが可能である。
【0262】
モールド328の第1の側部332と第2の側部336との間の厚さTは、0.01mmから3mmの範囲にあることが可能である。いくつかの実施形態において、モールド328の第1の側部332と第2の側部336との間の厚さTは、たとえば、空気チャネル228の中に十分な空気フローを提供するように設計され得る。1つまたは複数のモールド328は、第1の端部340および第2の端部344を有している。いくつかの実施形態において、モールド328は、導電性ゲル素子128eの長さに近似した長さLで、第1の端部340および第2の端部344から延在することが可能である。いくつかの実施形態において、第1の端部340から第2の端部344へ延在するモールド328の長さLは、導電性ゲル素子128eの長さの一部分であることが可能である。
【0263】
図16~
図18を参照すると、1つまたは複数の整形部材320の設計および配設は、導電性ゲル領域224を介して電気伝導を可能にしながら、1つまたは複数の空気チャネル228を提供するように構成されている任意の設計であることが可能である。たとえば、いくつかの実施形態において、整形部材320は、複数の空間的に配設された導電性ゲル領域224を提供するように構成されている格子構造体から構成され得、それは、
図12の導電性ゲル層168dと同様のグリッドパターンで配置され得る。そのために、導電性ゲル領域224は、第1の導電性ゲル領域224c、第2の導電性ゲル領域224d、第3の導電性ゲル領域224e、および、第4の導電性ゲル領域224fを含み、各導電性ゲル領域224c~fは、別の導電性ゲル領域224に隣接しており、第1の空気チャネル228cおよび第2の空気チャネル228dを形成するように空間的に配設されており、第1の空気チャネル228cは、第1の導電性ゲル領域224cと第2の導電性ゲル領域224dとの間に、および、第3の導電性ゲル領域224eと第4の導電性ゲル領域224fとの間に延在しており、第2の空気チャネル228dは、第1の導電性ゲル領域224cと第3の導電性ゲル領域224eとの間に、および、第2の導電性ゲル領域224dと第4の導電性ゲル領域224fとの間に延在している。整形部材320は、整形部材320の第2の側部336が空気チャネル228に隣接した状態で、導電性ゲル層168eの中に一体的に残ることが可能である。
【0264】
図19は、本開示の整形部材320を使用して導電性ゲル層168eを形成するためのプロセス360の例示的な実施形態のプロセスフローダイアグラムである。整形部材320を使用して導電性ゲル層168eを形成するためのプロセス360は、一般的に、モールド328およびモールド328の中に形成された1つまたは複数のアパーチャー324を有する整形部材320を提供するステップと、導電性ゲル素子128eを部分的に硬化させるステップと、部分的に硬化された導電性ゲル素子128eに整形部材320を適用するステップと、導電性ゲル素子128eに硬化剤を適用し、導電性ゲル素子128eの部分的に硬化された状態を固体状態に変換させるステップとを含む。
【0265】
ステップ364において、整形部材320は、1つまたは複数のアパーチャー324がモールド328の中に形成された状態のモールド328を有して提供および/または形成され得る。たとえば、整形部材320は、非導電性のスクリーン(たとえば、ナイロンスクリーンなど)であることが可能である。
【0266】
ステップ368において、たとえば、第1の所定の量の硬化剤(たとえば、紫外線)を導電性ゲル素子128eに提供することなどによって、導電性ゲル素子128eは部分的に硬化され得る。
【0267】
ステップ372において、整形部材320は、部分的に硬化された導電性ゲル素子128eに適用され得、部分的に硬化された導電性ゲル素子128eの少なくとも一部分が、整形部材320の1つまたは複数のアパーチャー324を通して押し出されるようになっている。
【0268】
ステップ376において、第2の所定の量の硬化剤が、導電性ゲル素子128eに適用され、導電性ゲル素子128eの部分的に硬化された状態を固体状態に変換させ、導電性ゲル層168eを形成することが可能であり、導電性ゲル層168eは、整形部材320に接続され、整形部材320をカプセル化することを支持し、また、整形部材320によって1つまたは複数の導電性ゲル領域224および1つまたは複数の空気チャネル228へと形成される。
【0269】
図20は、複数の導電性ゲル領域224へと形状決めされた導電性ゲル素子128eの一部分の斜視図である。導電性ゲル素子128eの縁部に接する導電性ゲル領域224を除いて、導電性ゲル領域224のすべては、空気チャネル228によって取り囲まれている。上記に議論されているように、導電性ゲル領域224は、部分的に硬化された状態の導電性ゲル素子128eの中への整形部材320の挿入によって形成され得る。
【0270】
以下は、本明細書で開示されている第4のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0271】
例示的実施形態42
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の電極素子を有する第1の導電性パッドであって、第1の電極素子は、第1の導電性ゲル素子に電流を供給するために第1の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第1の電極素子は、第1の導電性リードに電気的に連結されており、第1の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の導電性ゲル素子は、第1の整形部材および1つまたは複数の第1の空気チャネルから形成された第1の導電性ゲル層を有している、第1の導電性パッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の電極素子を有する第2の導電性パッドであって、第2の電極素子は、第2の導電性ゲル素子に電流を供給するために第2の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第2の電極素子は、第2の導電性リードに電気的に連結されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第2の空気チャネルを有している、第2の導電性パッドと
を含む、システム。
【0272】
例示的実施形態43
第1の導電性ゲル層は、電気伝導を可能にするように構成されている少なくとも1つの突出部を有している、例示的実施形態42に記載のシステム。
【0273】
例示的実施形態44
第1の整形部材は、モールドであり、モールドは、モールドの中に形成された複数のアパーチャーを有している、例示的実施形態43に記載のシステム。
【0274】
例示的実施形態45
アパーチャーは、格子パターンでモールドの中に位置決めされている、例示的実施形態44に記載のシステム。
【0275】
例示的実施形態46
第1の整形部材のモールドの中の複数のアパーチャーは、第1の導電性ゲル層の中に突出部および1つまたは複数の第1の空気チャネルを形成するように構成されている、例示的実施形態44に記載のシステム。
【0276】
例示的実施形態47
第1の整形部材は、第1の導電性ゲル素子と一体になっている、例示的実施形態42に記載のシステム。
【0277】
例示的実施形態48
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子から電流を受け取るように電極素子に電気的に連結されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、導電性ゲル素子は、導電性ゲル層および整形部材を含み、整形部材は、導電性ゲル層の中に位置決めされており、第1の側部および第2の側部を有しており、導電性ゲル層は、整形部材の第2の側部の上に複数の突出部および1つまたは複数の空気チャネルを含む、導電性ゲル素子と
を含む、導電性パッド。
【0278】
例示的実施形態49
整形部材は、複数のアパーチャーを有するモールドを含む、例示的実施形態48に記載の導電性パッド。
【0279】
例示的実施形態50
整形部材は、非導電性の材料から形成されている、例示的実施形態48に記載の導電性パッド。
【0280】
例示的実施形態51
整形部材は、メッシュから形成されている、例示的実施形態48に記載の導電性パッド。
【0281】
例示的実施形態52
メッシュは、ポリマー材料メッシュである、例示的実施形態51に記載の導電性パッド。
【0282】
例示的実施形態53
ポリマー材料メッシュは、ナイロンメッシュである、例示的実施形態52に記載の導電性パッド。
【0283】
例示的実施形態54
整形部材の第2の側部は、1つまたは複数の空気チャネルに開口している、例示的実施形態48に記載の導電性パッド。
【0284】
例示的実施形態55
整形部材の第2の側部は、1つまたは複数の空気チャネルに露出されている、例示的実施形態48に記載の導電性パッド。
【0285】
例示的実施形態56
整形部材の第2の側部は、整形部材の第2の側部と1つまたは複数の空気チャネルとの間に介在構造体のない状態で、1つまたは複数の空気チャネルに露出されている、例示的実施形態55に記載の導電性パッド。
【0286】
例示的実施形態57
整形部材の第2の側部は、整形部材の第2の側部と1つまたは複数の空気チャネルとの間に介在構造体のない状態で、1つまたは複数の空気チャネルの境界を画定している、例示的実施形態55に記載の導電性パッド。
【0287】
例示的実施形態58
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用するステップであって、導電性領域は、発生器に連結されており、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子を有しており、電極素子は、導電性ゲル素子と電気的に連結されており、電極素子から導電性ゲル素子へ電流を供給するようになっており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、導電性ゲル素子に電流を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触しており、患者の皮膚に隣接する1つまたは複数の空気チャネルに隣接して整形部材を支持する導電性層を有している、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電流を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0288】
第5のモード:導電性ファブリックによって作製された導電性パッド
【0289】
本開示の第5のモードは、少なくとも1つの導電性パッドを利用してTTフィールドを発生させるためのシステムを含み、システムは、電気信号を発生させるように構成されている発生器と;発生器および第1の導電性パッドに連結されており、電気信号を伝達するように構成されている第1のリードと;電流を患者に供給するための第1の導電性ファブリックを含む第1の電極素子を有する第1の導電性パッドと;発生器および第2の導電性パッドに連結されており、電気信号を伝達するように構成されている第2のリードと;電流を患者に供給するための第2の導電性ファブリックを含む第2の電極素子を有する第2の導電性パッドとを含む。
【0290】
ここで
図21を参照すると、本開示にしたがって構築された導電性ファブリック400の例示的な実施形態の上面図が、ここで示されている。一般的に、導電性ファブリック400は、1つまたは複数の導電性スレッド408a~nに接続されている非導電性スレッド404を含む。たとえば、非導電性スレッド404は、導電性スレッド408a、導電性スレッド408b、および導電性スレッド408cとして
図21に示されている1つまたは複数の導電性スレッド408a~nと織り合わせられ得る。導電性スレッド408a~nのそれぞれは、非導電性スレッド404とともに織られ得る。1つの実施形態では、導電性スレッド408a~nは、導電性ファブリック400を横切って延在しており、導電性ファブリック400を横切って実質的に連続的な導電性領域を生成させるようになっている。導電性ファブリック400は、複数の穿孔412を含むことが可能であり、複数の穿孔412は、導電性ファブリック400の隣接して配設された非導電性スレッド404および/または導電性スレッド408の間のスペースによって形成され得る。
【0291】
非導電性スレッド404および導電性スレッド408は、織られたフォーマットまたは織られていないフォーマットで一緒に接続され得る。織られていないフォーマットでは、非導電性スレッド404および導電性スレッド408は、非導電性スレッド404および導電性スレッド408を機械的に、熱的に、または化学的に絡ませることによって、一緒に結合され得る。非導電性スレッド404および導電性スレッドは、導電性ファブリック400が平坦になるかまたはタフティッド状(tufted)になるような様式で、一緒に結合され得る。導電性ファブリック400は、導電性スレッド408および随意的に非導電性スレッド404を有する任意のタイプのファブリック(たとえば、織られたファブリック、織られていないファブリック、もしくはニットファブリック、または、それらの任意の組み合わせなど)から構築され得る。
【0292】
1つの実施形態では、非導電性スレッド404のための材料は、望ましい特性(たとえば、それに限定されないが、強力な生体適合性、ならびに、
図22および
図23に示されている、および、より詳細に下記に議論されている導電性パッド100fの他の層またはコンポーネントとの低い反応性など)を有する任意の非導電性の材料から選択され得る。1つの実施形態では、導電性ファブリック400は、接着特性を有しており、導電性ファブリック400が、患者の上の特定の場所に設置されているときに、その特定の場所に留まる傾向を有するようになっている。いくつかの実施形態において、導電性ファブリック400は、患者の身体の一部分の上に、しっかりと、囲む様式で、および、フォームフィッテイング様式でフィットするようにサイズ決めされており、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間の電気伝導率を維持するようになっている。導電性ファブリック400は、タイトフィッティングガーメントまたはブレースとして使用するのに適切な構成へと形成され得る。たとえば、導電性ファブリック400は、チューブ状の構成へと形成され得、膝ブレースとして使用され得、膝ブレースは、導電性ファブリック400が患者の膝の上に設置されているときに、患者の膝を取り囲む。別の実施形態では、導電性ファブリック400は、一方の端部に取り付けメカニズム(たとえば、バックルまたはベルクロ(登録商標)など)を有するベルト状の構成へと形成され得、それは、バックブレースとして使用するのに適切である。
【0293】
1つの実施形態では、導電性スレッド408は、導電性材料から構築され得、導電性材料は、非導電性スレッド404に結合され得、および/または、非導電性スレッド404とともに織られることができ、ならびに、導電性スレッド408に沿って導電性を損なうことなく、複数の歪みに耐えることができる。たとえば、導電性スレッド408は、望ましい特性(たとえば、それに限定されないが、高い導電性、強力な生体適合性、および、導電性パッド100fの他の層またはコンポーネントとの低い反応性など)を有する任意の導電性材料から選択され得る。1つの実施形態では、導電性スレッド408は、銀、スズ、アルミニウム、チタン、プラチナ、炭素、それらの合金、および/または、それらのいくつかの組み合わせのうちの1つまたは複数によって作製されるか、それと結合されているか、または、それによってコーティングされた導電性材料から選択される。1つの実施形態では、導電性スレッド408は、TTフィールドを発生させるのに適切な電圧およびアンペア数の導電性を支持するのに十分な、および、導電性ファブリック400の可撓性の輪郭矯正を引き起こすのに十分な厚さのものである。
【0294】
図21は、3つの導電性スレッド408a~cを示しているが、しかし、導電性ファブリック400の中の導電性スレッド408の数は、3つよりも多くなっていることもまたは3つよりも少なくなっていることも可能であるということが理解される。さらに、導電性スレッド408a~nは、非導電性スレッドとともに導電性ファブリック400の中に実質的に均一に空間的に配設されているように示されているが、導電性スレッド408a~nは、導電性ファブリック400の非導電性スレッド間に通され、縫い付けられ、または、その他の方法で配設され得るということが理解される。1つの実施形態では、導電性ファブリック400は、非導電性スレッド404を含まない。
【0295】
ここで
図22を参照すると、導電性パッド100fの上面図が、ここで示されている。導電性パッド100fは、パッド70aおよびパッド70bの例示的な実施形態である。導電性パッド100fは、電極(たとえば、第1の電極18aまたは第2の電極18bなど)または電極パッドとも称され得る。導電性パッド100fには、電極素子420と、上面450(
図23に示されている)と、底面454と、外側周辺縁部458と、外側周辺縁部458によって境界を定められた導電性領域462とが設けられ得る。また、導電性パッド100fには、電極素子420に接続されているファブリック支持素子466が設けられ得る。ファブリック支持素子466は、外側周辺縁部458を越えて延在することが可能である。電極素子420は、(少なくとも部分的に)導電性ファブリック400から形成されている。導電性パッド100fの一部として示されている導電性ファブリック400は、導電性スレッド408a~cを含む。示されているように、導電性ファブリック400は、導電性リード58aの第2の端部62bに接続されている。導電性パッド100fは、患者の一部分(たとえば、患者の頭部または患者の膝などの一部分など)に適応することができるように十分な可撓性を有するように構築されている。また、導電性パッド100fは、導電性領域462が連続的になり、外側周辺縁部458まで延在するように構築され得る。示されている例では、導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、長方形形状を備えて提供されている。しかし、導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、任意のタイプの形状(たとえば、多角形、円形、または風変わりな形状など)を備えて提供され得るということを理解されたい。さらに、導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、特定の患者の特定のパーツにカスタムフィットされるように、使用時点においてカットおよび/または形状決めされるように構築され得る。
【0296】
1つの実施形態では、導電性パッド100fのファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400は、衣類の形状を備えて提供され得る。いくつかの実施形態において、ファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400は、患者の身体の一部分の上に、しっかりと、囲む様式で、および、フォームフィッテイング様式でフィットするようにサイズ決めされており、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間の電気伝導率を維持するようになっている。ファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400は、タイトフィッティングガーメントまたはブレースとして使用するのに適切な構成へと形成され得る。たとえば、ファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400は、チューブ状の構成へと形成され得、膝ブレースとして使用され得、膝ブレースは、導電性ファブリック400が患者の膝の上に設置されているときに、患者の膝を取り囲む。
【0297】
別の実施形態では、ファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400は、一方の端部に取り付けメカニズム(たとえば、バックルまたはVelcroなど)を有するベルト状の構成へと形成され得、それは、バックブレースとして使用するのに適切である。導電性パッド100fのファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400によって形成される衣類の非限定的な例は、帽子、シャツ、シングレット、下着、ブラジャー、または、任意の他のフォームフィッテイングガーメントを含むことが可能である。1つの実施形態では、衣類の形状を備えて提供される導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、患者の身体の上の特定の場所にしっかりとフィットするように輪郭付けされた表面積に適しており、実質的な療法的な利益を提供することとなる。
【0298】
1つの実施形態では、導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、それが特定の患者のための衣類へと形成され得るように構築され得る。たとえば、導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、たとえば、仕立て屋または裁縫師が特定の患者のために導電性パッド100fを輪郭付けすることができるように構築され得る。1つの実施形態では、衣類へと形成された導電性パッド100fの導電性ファブリック400は、導電性ファブリック400またはファブリック支持素子466の形態によって、導電性パッド100fの導電性ファブリック400が患者の上の特定の場所において適切な場所に保持されるように形成され得る。たとえば、導電性ファブリック400の形態および/またはサイズは、患者の皮膚が導電性ファブリック400と接触する場所において、圧力が患者の皮膚に対して働かされることを引き起こすことが可能である。
【0299】
1つの実施形態では、導電性ファブリック400の表面積は、導電性パッド100fの動作が快適性閾値を超えないように、ユーザーによって調節される。1つの実施形態では、快適性閾値は、導電性パッド100fを使用している間に患者が不快にされることとなる温度である。1つの実施形態では、快適性閾値は、摂氏40度または約摂氏40度の温度である。1つの実施形態では、快適性閾値は、導電性パッド100fと接触している患者の皮膚の一部分の浸軟の開始の前の時間である。1つの実施形態では、非導電性スレッド404の構築は、非導電性スレッド404の質感に対する患者の耐容性によって決定される快適性閾値に基づいて選択され得る。たとえば、非導電性スレッド404は、質感がユーザーにとって快適であるように構築され得る。1つの実施形態では、非導電性スレッド404は、シルクの質感と同様の質感を有するファブリックから構築され得る。
【0300】
1つの実施形態では、ファブリック支持素子466および/または導電性ファブリック400は、可撓性の輪郭矯正を示すように構築されており、導電性ファブリック400が患者の皮膚の上に設置されているときに、導電性ファブリックが、患者の身体の一部分の輪郭に実質的に適応するようになっている。
【0301】
ここで
図23を参照すると、本開示にしたがって構築された導電性パッド100fの1つの実施形態の分解側面図が、ここで示されている。導電性パッド100fは、一般的に、導電性ファブリック400を含み、導電性ファブリック400は、患者の身体に向けて配設されている第1の側部476と、患者の身体から離れるように配設されている第2の側部480とを有している。1つの実施形態では、導電性パッド100fは、導電性ファブリック400の第2の側部480に配設されているファブリック支持素子466をさらに含む。
【0302】
別の実施形態では、導電性パッド100fは、導電性ゲル素子484をさらに含む。1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ファブリック400の第1の側部476に配設されており、一方では、別の実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ファブリック400の第2の側部480に配設されており、導電性ファブリック400を通過させられ、導電性ゲル素子484の少なくとも1つの領域を第1の側部476に形成することが可能である。
【0303】
1つの実施形態では、導電性パッド100fは、導電性ゲル素子484から導電性ファブリック400を電気的に隔離する誘電体層を含まない。ファブリック支持素子466もしくは導電性ゲル素子484またはその両方を有する導電性ファブリック400は、一緒に結合され、上記に議論されている十分に可撓性の品質を有する複合構造体を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、導電性ファブリック400は、導電性ゲル素子484に電気的に連結されており、導電性ファブリック400から導電性ゲル素子484へ電流を供給するようになっている。
【0304】
導電性ファブリック400は、外側周辺縁部488を含む。導電性ファブリック400がファブリック支持素子466もしくは導電性ゲル素子484またはその両方を含む1つの実施形態では、ファブリック支持素子466もしくは導電性ゲル素子484またはその両方は、導電性ファブリック400の外側周辺縁部488を越えて延在することが可能である。
【0305】
1つの実施形態では、非導電性スレッド404は、織られたスレッドまたは織られていないスレッドである。非導電性スレッド404は、導電性ファブリック400の安全な取り扱い表面を与えることが可能である。
【0306】
いくつかの実施形態において、導電性ファブリック400は、患者の皮膚の色にマッチするかまたは近似するように着色されている。導電性ファブリック400は、「通気性がある」と考えられ得、すなわち、導電性ファブリック400は、1つまたは複数の穿孔412を有することが可能であり、好ましくは、導電性ファブリック400を通って延在する多くの分配された穿孔412などを有している。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、導電性ファブリック400を通る空気フローを可能にする。1つまたは複数の穿孔412は、1つまたは複数の他の穿孔412と同じまたは異なる寸法を有することが可能であり、同様に、1つまたは複数の他の穿孔412と同じまたは異なる形状を有することが可能である。1つまたは複数の穿孔412は、導電性ファブリック400の隣接して配設されているスレッドの間のスペースによって形成され得る。
【0307】
1つの実施形態では、導電性ファブリック400の厚さは、TTフィールドを発生させるために使用される電気信号の電流および周波数に基づいて決定され得る。また、厚さは、他の望ましい特性(たとえば、導電性パッド100fの熱放散および/または可撓性要件など)に基づいて設定され得る。たとえば、厚さが薄過ぎる場合には、患者は、ホットスポットを経験することが可能であり、すなわち、患者は、導電性パッド100fの一部分が導電性パッド100fの他の部分よりも急速に加熱することを経験する可能性があり、それは、厚さが熱伝導率を遅くすること、したがって、導電性パッド100fを横切る温度差の増加を引き起こすことに、少なくとも部分的に起因している可能性がある。1つの実施形態では、厚さは、25milから75milの間にある。
【0308】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、1つまたは複数の導電性ゲル層492を含み、1つまたは複数の導電性ゲル層492は、電気伝導を可能にするためにその中に自由イオンの供給源を提供するバルク電子輸送剤を有している。1つの実施形態では、1つまたは複数の導電性ゲル層492は、主に導電性ゲルまたは半固体の導電性ゲルから形成されている。
図23に示されている実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ゲル層492を含む。存在するときには、ゲルの中の自由イオンの供給源は、ゲルの中で実質的に自由に浮遊することができる自由イオンの供給源としての役割を果たす任意の塩または他の物質であることが可能であり、自由イオンは、電気を伝導させる役割を果たし、したがって、インピーダンスを低減させる。1つの実施形態では、導電性ゲル層492は、ポリマーヒドロゲルを含む。1つの実施形態では、導電性ゲル層492は、接着特性を有しており、したがって、導電性パッド100f(導電性ゲル層492に結合された導電性ファブリック400を有している)は、患者の上の特定の場所に設置されているときに、その特定の場所に留まる傾向を有している。1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ファブリック400とともに使用され、接触を増加させ、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間の導電性を増加させる。1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間のインピーダンスを低減させるように動作可能である。
【0309】
1つまたは複数の実施形態において、導電性ゲル層492は、導電性ファブリック400または第1の除去可能な保護層174のいずれかの上に、液体状態でスプレーされ得る。そのような実施形態では、1つまたは複数の導電性ゲル層492は、均一な厚さ(すなわち、製造公差内)を有する固体状態に硬化され、導電性ファブリックの全体をカバーする形状を有することが可能である。いくつかの実施形態において、導電性ゲル層492は、導電性ファブリック400または第1の除去可能な保護層174の形状を模倣することが可能である。
【0310】
導電性ゲル層492が適用された後に、次いで、導電性ゲル層492は、導電性ゲル層492が硬化することを引き起こす環境(たとえば、UV光)に露出され得る。いくつかの実施形態において、導電性ゲル層492は、所定のパターンで導電性ファブリック400の第1の側部476に直接的に適用され得、所定のパターンは、第1の側部476の第1の領域をカバーしており、第1の側部476の第2の領域をカバーしておらず、導電性パッド100fが患者の皮膚に適用されるときに、患者の皮膚が、第1の領域において導電性ゲル層492によって接触され、患者の皮膚が、第2の領域において導電性ファブリック400に露出されるようになっている。
【0311】
バルク電子輸送剤は、導電性ゲルの電気伝導率および/または熱伝導率を強化することができる任意の物質であることが可能である。特定の非限定的な実施形態において、バルク電子輸送剤は、1つもしくは複数のイオン化合物、1つもしくは複数の金属、または、1つもしくは複数の非金属、および、それらの任意の組み合わせを含む。特定の非限定的な実施形態において、バルク電子輸送剤は、非晶質炭素および/または結晶性炭素を含む。本開示にしたがって利用され得るバルク電子輸送剤の特定の(しかし、非限定的な)例は、(たとえば、上記に説明されているような)カーボンブラック、グラフェン、およびグラファイトを含むことが可能である。
【0312】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484および/または導電性ゲル層492は、上記に説明されているように、主に導電性ゲルまたは半固体の導電性ゲルから形成されている。導電性ゲル素子484は、導電性パッド100fが本開示にしたがって機能することを可能にする任意の形態になっていることが可能である。導電性ゲル素子484が十分な厚さのものであり、導電性ゲル素子484が治療の間に乾燥しない限りにおいて、導電性ゲル素子484の正確な厚さは重要でない。好ましくは、導電性ゲル素子484は、高い導電性を有しており、粘着性があり、長期の時間の期間にわたって生体適合性である。1つの適切なゲルは、AG603ハイドロゲルであり、それは、米国92028-4115カリフォルニア州フォールブルック・S.ミッションロード1667のAmGelテクノロジー社から入手可能である。そこで教示されている導電性ゲル素子128は、「Conductive Gel Compositions Comprising Bulk Electron Transport Agents and Methods of Production and Use Thereof」という名称の米国特許出願第63/020636号(特許文献14)に説明されているものなどのような、修正されたヒドロゲル(それは、穿孔412だけでなく、凹部、突出部なども含む)とともに使用され得、その文献の内容全体は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0313】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性パッド100fから分離している。導電性ゲル素子484が導電性パッド100fから分離しているとき、導電性ゲル素子484は、導電性ゲル層492の少なくとも一部分をカバーする第1の除去可能な保護層174を有することが可能であり、第1の除去可能な保護層174は、たとえば、ユーザーなどによって除去されるときに、ユーザーが導電性ゲル層492を導電性パッド100fに取り付けることを可能にし、より具体的には、導電性ファブリック400の第1の側部476または第2の側部480のいずれかに取り付けることを可能にする。追加的に、導電性ゲル素子484は、導電性ゲル層492の少なくとも一部分をカバーする第2の除去可能な保護層500を含むことが可能であり、第2の除去可能な保護層500は、たとえば、ユーザーなどによって除去されるときに、ユーザーが導電性ゲル層492を患者に(たとえば、ターゲットエリアの上のまたはその上方の患者の皮膚などに)取り付けることを可能にする。
【0314】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、最初に、患者の皮膚の上の適切な位置に設置され得、次いで、導電性ファブリック400が、導電性ゲル素子484の上に設置され得、導電性ファブリック400の第1の側部476が導電性ゲル素子484と接触するようになっている。そのような実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ファブリック400の湿潤を引き起こす可能性がある。そのような実施形態では、患者の皮膚と導電性ファブリック400との間のインピーダンスは、患者の皮膚と直接的に接触している導電性ファブリック400のインピーダンスよりも低い可能性がある。
【0315】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、(少なくとも部分的に)液体ヒドロゲルによって形成されている。そのような実施形態では、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間のインピーダンスは、一層さらに低下させられ得る。
【0316】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ファブリック400の第2の側部480と接触している。そのような実施形態では、導電性ゲル層492からの所定の量の導電性ゲルは、1つまたは複数の穿孔412を通過し、患者の皮膚に接触することが可能であり、患者の皮膚の浸軟を制限または排除することを補助することが可能である。そのような実施形態では、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間のヒドロゲルの量は、導電性ゲル層492の中の導電性ゲルの量と比較して最小化される。さらに、導電性ファブリック400の第2の側部480の上に導電性ゲル素子484を設置することによって、導電性ゲル層492の中の導電性ゲルが、1つまたは複数の穿孔412を通して押し出され、それによって、2020年8月5日に出願された「CONDUCTIVE PAD WITH IMPROVED AIR FLOW AND METHODS OF PRODUCTION AND USE THEREOF」という標題の米国特許出願第63/061316号(特許文献15)に説明されているように、各々隣接する1対の突出部の間に1つまたは複数の空気チャネルを備えた複数の突出部を形成しており、その文献の内容全体は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0317】
1つの実施形態では、導電性パッド100fは、使用時点において(たとえば、はさみによって)患者のターゲットエリアに対応するように形状決めされ得る。単なる例として、および、限定としてではなく、導電性パッド100fは、耳を収容するために、導電性パッド100fの一部分を除去するようにカットされ得(または、その他の方法で修正される)、除去された部分は、そうでなければ耳の上にあることとなる。それを行うことによって、患者の頭部への導電性パッド100fのより良好な接着が実現され得、同様に、患者の快適さの増加も実現され得る。別の例として、導電性パッド100fは、患者の関節の周りにフィットするようにカットされるかまたはその他の方法で修正され得、それは、たとえば、それに限定されないが、導電性パッド100fが取り付けられている間に患者が膝を使用し続けること、または、さらに、TTフィールドからの治療を受けている間に患者が膝を使用し続けることを可能にすることとなる様式で、患者の膝の上に設置されている導電性パッド100fをカットすることなどである。導電性パッド100fの整形は、予め構造化され得、または、導電性パッド100fは、導電性パッド100fの整形が容易に実現可能であるように十分に可撓性にされ得る。導電性パッド100fを修正するときの1つの重要な考慮事項は、導電性パッド100fの一部分が導電性パッド100fの残りの部分から電気的に隔離されるような導電性領域を通る任意のカットが、療法的な悪影響を有する可能性があるということである。
【0318】
1つの実施形態では、導電性パッド100fは、導電性ゲル素子484を含まない。そのような実施形態では、導電性パッド100fは、サイズが増加させられ、したがって、患者の皮膚と接触する導電性ファブリック400の表面積を増加させることが可能であり、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間のインピーダンスを低下させるようになっている。
【0319】
1つの実施形態では、導電性ゲル素子484は、導電性ゲル素子484が導電性ファブリック400の外側周辺縁部488まで延在しないように、導電性ファブリック400の上に設置され得る。別の実施形態では、2つ以上の別個の導電性ゲル素子484が、導電性ファブリック400の上に設置され得る。たとえば、1つまたは複数の導電性ゲル素子484は、隣接して配設されている1対の導電性ゲル素子484の間に1つまたは複数の空気チャネルが形成されるように空間的に配設され得る。
【0320】
1つの実施形態では、ファブリック支持素子466は、導電性ファブリック400に支持および/または構造を与える非導電性の材料から形成されている。1つの実施形態では、ファブリック支持素子466は、織られていない非導電性の材料である。ファブリック支持素子466は、導電性パッド100fのための安全な取り扱い表面を与え、導電性パッド100fの上面450から導電性ファブリック400を電気的に隔離することが可能である。いくつかの実施形態において、ファブリック支持素子466は、患者の皮膚の色にマッチするかまたは近似するように着色されている。ファブリック支持素子466は、導電性ファブリック400の第2の側部480に結合され得る。1つの実施形態では、ファブリック支持素子466は、「通気性がある」ことが可能であり、すなわち、ファブリック支持素子466は、他の層(それに限定されないが、導電性ファブリック400を含む)への空気フローを可能にするためにファブリック支持素子466を通って延在する1つまたは複数の穿孔、および、好ましくは、多くの分配された穿孔などを含むことが可能である。穿孔は、別の穿孔と同じまたは異なる寸法を有することが可能であり、同様に、他の穿孔と同じまたは異なる形状を有することが可能である。1つの実施形態では、ファブリック支持素子466は、導電性ファブリック400に縫い付けられまたはその他の方法で機械的に、熱的に、もしくは化学的に連結され得る。1つの実施形態では、非導電性のファブリックは、ファブリック支持素子466を導電性ファブリック400に取り付けるために使用され得る。1つの実施形態では、ファブリック支持素子466は、(少なくとも部分的に)ガーメントフォームまたはガーメントパッディングによって構築されている。
【0321】
図24を参照すると、導電性パッド516の例示的な実施形態の機能的なダイアグラムが、ここで示されている。導電性ファブリック400および導電性ゲル素子484が、導電性リード58aに接続されている導電性ファブリック400の複数の導電性領域520a~hを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド516は、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド100fと同一である。8つの導電性領域520a~hが、例として
図24に示されている。導電性パッド516は、導電性領域520a~hの上におよびその間に延在するファブリック支持素子466を含む。この実施形態では、ファブリック支持素子466は、非導電性の材料から形成され得、または、導電性領域520a~hから電流を受け取らない導電性の材料から形成され得る。導電性領域520a~hは、1つまたは複数の誘電体領域146によって電気的に隔離されており、1つまたは複数の誘電体領域146は、各々隣接して配設されている対の導電性領域520a~hの間に延在している。誘電体領域146は、隣接して配設されている導電性領域520a~hの各々の対の間に誘電体素子を横方向にインターリーブすることによって形成され得る。導電性リード58aは、2つ以上の隔離された導体150を含むことが可能であり、各導電性領域520a~hが、独立して発生器54に連結されるようになっており、したがって、各導電性領域520a~hによって発生させられるTTフィールドを発生器54が独立して制御することを可能にする。そのような実施形態では、電子的装置50は、導電性パッド516の1つまたは複数の導電性領域520a~hの間を行ったり来たりし、したがって、増加した特異性および精度によってTTフィールドを生成および整形することが可能である。複数の導電性領域520a~hを有する単一の導電性パッド516は、導電性パッド100fの代用としてまたはそれと併用して使用され得る。
【0322】
1つの実施形態では、導電性パッド516は、より詳細に上記に説明されているように、衣類の形状で形成されている。たとえば、導電性パッド516は、複数の導電性領域520a~hを有するシャツへと形成され得る。複数の導電性領域520a~hは、患者の腹部または胸部の中の特定の場所における腫瘍をターゲットにするためにTTフィールドが発生させられるように選択的に活性化させられ得る。代替的に、導電性パッド516は、複数の導電性領域520a~hを有する帽子へと形成され得る。複数の導電性領域520a~hは、患者の頭部の中の特定の場所における腫瘍をターゲットにするためにTTフィールドが発生させられるように選択的に活性化させられ得る。
【0323】
1つの実施形態では、1つまたは複数の導電性領域520は、導電性ゲル素子484の上に設置され得、各導電性領域520が、それぞれ他の導電性領域520から電気的に隔離されるようになっている。例として、第1の導電性領域520(たとえば、導電性領域520a)は、第1の導電性ゲル素子484の上の第1の位置に設置され得、第2の導電性領域520(たとえば、導電性領域520b)は、第2の導電性ゲル素子484の上の第2の位置に設置され得る。第1の位置および第2の位置は、第1の位置および第2の位置がオーバーラップしないようにおよび互いに分離されているように配設され得、第1の導電性領域520および第2の導電性領域520が互いに電気的に隔離されるようになっている。1つの実施形態では、各導電性領域520の表面積と組み合わせられた導電性ゲル素子484の表面積との間の比率は、50/50である。別の実施形態では、各導電性領域520の表面積と組み合わせられた導電性ゲル素子484の表面積との間の比率は、それぞれ70/30である。1つの実施形態では、各導電性領域520は、同じ形状または異なる形状を有することが可能である。たとえば、導電性領域520aは、幅よりも大きい長さを有するストリップであることが可能であり、一方では、導電性領域520bは、形状に関して実質的に円形になっていることが可能である。
【0324】
1つの実施形態では、導電性パッド516に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、時間的に第1のインスタンスにおいて、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域520a~h(たとえば、導電性領域520aおよび導電性領域520b)に供給し、第1のTTフィールドを発生させることが可能である。発生器54は、時間的に第2のインスタンスにおいて、第2のパワー(第1のパワーと同じであるか、または、第1のパワーとは異なる)および第2の周波数(第1の周波数と同じであるか、または、第1の周波数とは異なる)を有する第2の電気信号を、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域520a~h(たとえば、導電性領域520bおよび導電性領域520c)に供給し、第2のTTフィールドを発生させることが可能である。第2のグループは、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域520a~hを含むことが可能であり、または、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域520a~hを含まなくてもよい。第1のTTフィールドおよび第2のTTフィールドは、同じターゲットエリアをターゲットにすることが可能であり、または、異なるターゲットエリアをターゲットにすることが可能である。1つの実施形態では、時間的に第1のインスタンスおよび時間的に第2のインスタンスは、オーバーラップすることが可能であり、すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに供給しながら、第2の電気信号を第2のグループに供給することも可能である。そのような実施形態では、第1のグループおよび第2のグループは、相互に排他的であることが可能である。
【0325】
1つの実施形態では、導電性パッド516に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域520a~h(たとえば、導電性領域520aおよび導電性領域520b)に供給することが可能であり、第2のパワーおよび第2の周波数を有する第2の電気信号を、時間的に同じインスタンスにおいて、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域520a~h(たとえば、導電性領域520bおよび導電性領域520c)に供給することが可能である。すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに、および、第2の電気信号を第2のグループに同時に供給することが可能である。上記の実施形態は、第1のグループおよび第2のグループのみを説明しているが、3つ以上のグループが存在することも可能であるということが理解される。1つの実施形態では、グループの数は、導電性領域520a~hの組み合わせの数に依存している。
【0326】
1つの実施形態では、発生器54は、導電性パッド516および別のパッド(たとえば、パッド70bなど)に接続され得る。そのような実施形態では、発生器54は、導電性パッド516の1つまたは複数の導電性領域520a~hに電気信号を供給することが可能である。電気信号を受け取る1つまたは複数の導電性領域520a~hは、次いで、導電性パッド516の1つまたは複数の導電性領域520a~hのそれぞれとパッド70bとの間にTTフィールドを発生させることが可能である。
【0327】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、本明細書で説明されているTTフィールド発生システム(たとえば、電子的装置50など)のコンポーネントのいずれかを含むキットに関係している。1つの実施形態では、導電性パッド100fの1つまたは複数は、キットの一部としてパッケージ化され得る。1つの実施形態では、キットは、導電性パッド100fと、導電性ファブリック400に接続されているリード58aとを含むことが可能である。別の実施形態では、キットは、2つの導電性パッド100f、ならびに、リード58aおよび58bを含むことが可能である。上記の各実施形態において、リード58aまたは58bは、たとえば、リベットによって、はんだによって、接着剤によって、溶接によって、または、他の導電性の連結手段によって、導電性パッド100fに機械的に連結され得る。上記の各実施形態において、キットは、ブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bをさらに含むことが可能であり、ブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bは、電気信号がブロッキングキャパシター82aまたは82bを通過するように位置決めされている。上記の各実施形態において、導電性パッド100fは、第2の除去可能な保護層500を含むことが可能であり、第2の除去可能な保護層500は、導電性ゲル素子484の少なくとも一部分(または、全体)に取り付けられてそれをカバーしており、第2の除去可能な保護層500が、潜在的な損傷(たとえば、接着の喪失または分裂もしくは不連続性など)から導電性ゲル素子484を保護するようになっている。第2の除去可能な保護層500は、導電性パッド100fおよび/または第2の導電性パッド100bが患者に適用される前に、ユーザーによって容易に除去され得る。1つの実施形態では、第2の除去可能な保護層500は、電気絶縁体であり、第2の除去可能な保護層500が、導電性パッド100fおよび/または第2の導電性パッド100bが患者に取り付けられる前に、電気信号の事故的な適用を防止するかまたは実質的に低減させるようになっている。上記の各実施形態において、キットは、2つ以上の導電性パッド100fおよび第2の導電性パッド100bを含むことが可能であり、また、(本開示にしたがって構築された)複数の導電性パッドを含むことが可能であり、複数の導電性パッドは、患者に適用されるときに、療法的な利益を有する。加えて、キットは、キットの1つまたは複数のコンポーネントの使用方法を説明する1セットの書面によるインストラクションをさらに含むことが可能である。この性質のキットは、本明細書で説明されているかまたはその他の方法で企図されている方法のいずれかにおいて使用され得る。1つの実施形態では、導電性パッド516は、上述のキットにおいて、導電性パッド100fまたは第2の導電性パッド100bのいずれか、または、その両方の代わりに使用され得る。
【0328】
ここで
図25を参照すると、患者にTTフィールドを印加するために、電子的装置50と、導電性パッド100fまたは導電性パッド516とを使用するプロセス556の例示的な実施形態のプロセスダイアグラムが、ここで示されている。プロセス556は、一般的に、導電性パッド100fのうちの1つまたは複数を患者の皮膚に適用するステップ、および/または、導電性パッド516を適用するステップ(ステップ560)と、所定の時間の期間にわたって、約50kHzから約576kHzの範囲の周波数を有する交流電場を発生させるステップ(ステップ564)とを含む。プロセス556は、導電性パッド100fのうちの2つに関係して説明されることとなるが、しかし、導電性パッド516が、2つの導電性パッド100fの代わりにまたはそれに加えて使用され得る。
【0329】
2つの導電性パッド100fを患者の皮膚に適用するステップ(ステップ560)は、ユーザーによって実施され得る。1つの実施形態では、導電性パッド100fを患者の皮膚に適用する前に、患者の皮膚は、導電性ファブリック400が患者の皮膚に直接的に付着することを可能にするように、クリーニングされることを必要とする可能性がある(たとえば、それに限定されないが、必要な場合には、異物または生物学的物質の皮膚のクレンジング、および、皮膚の剃毛など)。または、導電性ファブリック400は、導電性ゲル層492を通してTTF電場を患者に供給することが可能である。いくつかの実施形態において、液体導電性ゲルは、患者の皮膚への導電性ファブリック400の適用の前に、患者の皮膚に直接的に適用され得、液体導電性ゲルが、導電性ファブリック400と患者の皮膚との間の導電性を強化するようになっている。
【0330】
交流電場(TTフィールド)を発生させるステップ(ステップ564)は、発生器54によって実施され得、また、ユーザーまたは制御ボックス66によって実施される動作によってインスタンス化され得る。1つの実施形態では、ステップ564は、2回以上実施され得、ステップ564が第1の時間に実施される時間の期間は、ステップ564が第2の時間に実施される時間の期間(または、第2の時間を超える他の時間の期間)と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。
【0331】
いくつかの実施形態において、ステップ564は、プロセス556が繰り返される前に1回だけ実施される。プロセス556が繰り返されるそれぞれの時間の間に期間が存在していることが可能である。プロセス556が繰り返されるたびに、期間は、以前の期間と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。プロセス556が繰り返されるたびに、導電性パッド100fは、患者の皮膚の上の同じ位置にまたは異なる位置に設置され得る。
【0332】
プロセス556の間に、導電性パッド100f、第2の導電性パッド100b、および/または導電性パッド516を患者の皮膚に適用するステップ(ステップ560)は、導電性パッド100f、第2の導電性パッド100b、および/または導電性パッド516が長期の時間の期間にわたって患者の皮膚に取り付けられていることを結果として生じさせることが可能である。
【0333】
以下は、本明細書で開示されている第5のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0334】
例示的実施形態59
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の導電性リードに電気的に連結されている第1の導電性ファブリックを有する第1の導電性パッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の導電性リードに電気的に連結されている第2の導電性ファブリックを有する第2の導電性パッドと
を含む、システム。
【0335】
例示的実施形態60
第1の導電性パッドは、第1の導電性ゲル素子をさらに含み、第1の導電性ゲル素子は、第1の導電性ファブリックに接続されており、患者の皮膚と接触して設置されるように構成されている、例示的実施形態59に記載のシステム。
【0336】
例示的実施形態61
第1の導電性ファブリックは、患者の身体に向けて配設されることとなる第1の側部を含み、第1の導電性ゲル素子は、第1の導電性ファブリックの第1の側部に接続されている、例示的実施形態59に記載のシステム。
【0337】
例示的実施形態62
第1の導電性ゲル素子は、第1の導電性ファブリックの第1の側部の全体に適用されている、例示的実施形態61に記載のシステム。
【0338】
例示的実施形態63
第1の導電性ゲル素子は、第1の側部の第1の領域をカバーしており、第1の側部の第2の領域をカバーしていない、例示的実施形態61に記載のシステム。
【0339】
例示的実施形態64
第1の導電性ファブリックは、導電性スレッドに接続されている非導電性スレッドを含む、例示的実施形態59に記載のシステム。
【0340】
例示的実施形態65
非導電性の材料から構築されているトップコート層と;
第1の側部および第2の側部を有する導電性ファブリックであって、第2の側部は、トップコート層に接続されており、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、導電性ファブリックと;
導電性ファブリックの第1の側部に接続されており、導電性ファブリックに電気的に連結されており、導電性ファブリックから電流を受け取るようになっている導電性ゲル素子であって、患者の皮膚と接触するように構成されている、導電性ゲル素子と
を含む、導電性パッド。
【0341】
例示的実施形態66
導電性ゲル素子は、導電性ファブリックの第1の側部の全体に適用されている、例示的実施形態65に記載の導電性パッド。
【0342】
例示的実施形態67
導電性ゲル素子は、第1の側部の第1の領域をカバーしており、第1の側部の第2の領域をカバーしていない、例示的実施形態65に記載の導電性パッド。
【0343】
例示的実施形態68
導電性ファブリックは、導電性スレッドに接続されている非導電性スレッドを含む、例示的実施形態65に記載の導電性パッド。
【0344】
例示的実施形態69
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用するステップであって、導電性領域は、発生器に連結されており、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電流を患者に供給するための導電性ファブリックを有している、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を導電性ファブリックに供給し、それによって、導電性ファブリックを通して患者に電流を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0345】
例示的実施形態70
導電性ファブリックは、各導電性ゲル素子に接続されている第1の側部を有しており、少なくとも2つの導電性領域を患者に適用するステップは、導電性ゲル素子を患者に適用するステップを含む、例示的実施形態69に記載の方法。
【0346】
例示的実施形態71
導電性パッドを作製する方法であって、導電性ファブリックの第1の側部および第2の側部のうちの少なくとも1つに導電性ゲル素子を適用するステップを含む、方法。
【0347】
例示的実施形態72
導電性ゲル素子を適用するステップは、第1の側部の第1の領域をカバーするように、および、第1の側部の第2の領域をカバーしないように、導電性ゲル素子を適用するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態71に記載の方法。
【0348】
第6のモード:穿孔を備えた導電性のおよび非導電性のパッド
【0349】
本開示の第6のモードは、導電性パッドを含む。導電性パッドは、トップコート層と、電極素子と、導電性ゲル素子とを有している。電極素子は、トップコート層に接続されており、TTフィールドとして電気信号を作り出す発生器からの電気信号を受け入れるように構成されている。導電性ゲル素子は、電極素子に直接的に接続されており、電極素子から電流を受け取るようになっている。導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている。電極素子および導電性ゲル素子は、複数の可撓性のフィルムから構築され得、複数の可撓性のフィルムは、患者の身体に適応するのに十分な可撓性を導電性パッドに与えるように一緒に結合されている。
【0350】
ここで
図26を参照すると、本開示にしたがって構築されたパッド576の例示的な実施形態の分解側面図が、ここで示されている。パッド576は、第1のパッド70aおよび第2のパッド70bの例示的な実施形態である。パッド576には、耐久性トップコート層580と、電極素子584と、導電性ゲル素子588とが設けられている。耐久性トップコート層580、電極素子584、および導電性ゲル素子588のそれぞれは、下記に開示されているようなもの以外は、耐久性トップコート層120、電極素子124、および導電性ゲル素子128と同様に構築され得る。電極素子584は、耐久性トップコート層580と導電性ゲル素子588との間に位置決めされ得る。耐久性トップコート層580、電極素子584、および導電性ゲル素子588は、一緒に結合され、上記に議論されている十分に可撓性の品質を有する複合構造体を形成することが可能である。いくつかの実施形態において、電極素子584は、導電性ゲル素子588に直接的に接続されており、および、それに電気的に連結されており、電極素子584から導電性ゲル素子588へ電流を供給するようになっている。この実施形態では、パッド576は、導電性ゲル素子588から電極素子584を電気的に隔離する誘電体層を含まない。
【0351】
耐久性トップコート層580は、上記に説明されているような耐久性トップコート層120と同様に形成され得、パッド576の上面596を形成する第1の表面592と、第2の表面600とを含み、第2の表面600は、電極層604および導電性支持層608と接触しており、それらに結合されている。
【0352】
1つの実施形態では、電極層604は、導電性支持層608に結合され得る。導電性支持層608は、第1の表面612および第2の表面620を含むことが可能であり、第1の表面612は、電極層604の第2の表面616に取り付けられているかまたはその他の方法で連結されており、第2の表面620は、導電性ゲル素子588と直接的に接触している。いくつかの実施形態において、第2の表面620の全体が、導電性ゲル素子588と直接的に接触している。導電性支持層608は、導電性炭素フィルムから形成され得、導電性炭素フィルムは、電極層604を支持するように構成されており、一方では、また、電極層604を導電性ゲル素子588に伝導的に連結する。1つの実施形態では、導電性支持層608は、電極層604に電気メッキされるかまたはその他の方法で結合され得る。1つの実施形態では、導電性支持層608は、電極層604を取り囲むおよび/または囲むことが可能である。
【0353】
導電性ゲル素子588は、支持層632に結合されている第1の導電性ゲル層624および第2の導電性ゲル層628を含む。1つの実施形態では、第1の導電性ゲル層624および第2の導電性ゲル層628は、ポリマーヒドロゲルを含み、上記に説明されているように、それぞれ導電性ゲル層168aおよび168bと同様に構築され得る。支持層632は、上記に説明されているような支持層172と同様に、織られたまたは織られていない材料(たとえば、Reemay(スパンナイロン)として知られる材料など)から構築され得る。導電性ゲル素子588は、上記に説明されているように、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層564を含むことが可能である。
【0354】
第1の除去可能な保護層174は、電極素子584および導電性ゲル素子588が別個に構築され、後の時点において一緒に接着されることを可能にする。電極素子584を導電性ゲル素子588に接着するステップは、治療現場において患者または医療提供者によって達成され得、または、パッド576の製造業者によって達成され得る。
【0355】
しかし、
図26に示されているように、パッド576は、第1の穿孔412aおよび第2の穿孔412bとして示されている1つまたは複数の穿孔412をさらに含む。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、導電性ゲル素子588、第1の除去可能な保護層174、電極素子584、および/または、耐久性トップコート層580の少なくとも一部分を通って延在することが可能である。1つまたは複数の穿孔412は、空気がパッド576を通過して患者の皮膚に到達することができるように位置決めされ得、したがって、1つまたは複数の空気チャネル648(たとえば、第1の穿孔412aによって形成された空気チャネル648a、および、第2の穿孔412bによって形成された空気チャネル648b)を形成することが可能である。1つまたは複数の穿孔412は、導電性ゲル素子128、第1の除去可能な保護層174、電極素子584、および/または、耐久性トップコート層580の少なくとも一部分を通って延在し、患者の皮膚への空気フローの増加を可能にする。1つまたは複数の空気チャネル648は、患者の皮膚への空気フローの増加を促進させることによって、患者の皮膚の上の湿分の解放を可能にし、浸軟、病変/潰瘍、および皮膚炎を低減および/または排除し、また、TTフィールドがパッド576に適用されるときに、動作温度を減少させる。
【0356】
加えて、患者の皮膚へのパッド576の長時間露出を所与として、パッド576は、体温(すなわち、約34℃から約40℃の範囲にある)での使用のために最適化されることが望ましい。これらの温度において、1つまたは複数の穿孔412によって導入される空気フローは、蒸発冷却を最大化し、それによって、動作温度の低減および患者の皮膚への冷却効果を可能にする。
【0357】
1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、耐久性トップコート層580、電極層604、導電性支持層608、第1の除去可能な保護層174、第1の導電性ゲル層624、支持層632、第2の導電性ゲル層628、および、第2の除去可能な保護層176のうちの1つまたは複数、または、それらのいくつかの組み合わせを通って延在することが可能である。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、第2の表面620から導電性支持層608を通って第1の表面612へ延在している。電極層604が導電性支持層608の一部分を耐久性トップコート層580から分離していない実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、耐久性トップコート層580を通って延在していてもまたは延在していなくてもよく、1つまたは複数の穿孔412は、上記に説明されているように、耐久性トップコート層580の穿孔であってもよくまたはそうでなくてもよい。1つの実施形態では、導電性支持層608を通って延在する1つまたは複数の穿孔412は、電極層604の第2の表面616から電極層604を通って電極層604の第1の表面652へ延在することが可能である。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、耐久性トップコート層580の第2の表面600から耐久性トップコート層580を通って耐久性トップコート層580の第1の表面592へ延在することが可能である。このように、1つまたは複数の穿孔412は、導電性支持層608の第2の表面620から耐久性トップコート層580の第1の表面592へ延在することが可能であり、したがって、空気が導電性ゲル素子588と接触している状態からパッド576の耐久性トップコート層580の上面596を通って移動することを可能にする1つまたは複数の空気チャネル648を提供する。
【0358】
1つの実施形態では、第1の穿孔412aは、導電性支持層608を通って延在しており、第2の穿孔412bは、導電性支持層608および電極層604の両方を通って延在している。別の実施形態では、パッド576は、第1の穿孔412aを含み、第1の穿孔412aは、導電性支持層608および耐久性トップコート層580を通って延在しており、耐久性トップコート層580および導電性支持層608は、互いに接触しており、また、パッド576は、第2の穿孔412bを含み、第2の穿孔412bは、導電性支持層608、電極層604、および耐久性トップコート層580のそれぞれを通って延在している。
【0359】
1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、第1の部分656および第2の部分660を含む。
図26に示されているように、第1の穿孔412aは、電極素子584の導電性支持層608および耐久性トップコート層580を通って延在する第1の部分656aと、導電性ゲル素子588を通って延在する第2の部分660aとを含む。第2の穿孔412bは、電極素子584の導電性支持層608および電極層604、ならびに、耐久性トップコート層580を通って延在する第1の部分656bと、導電性ゲル素子588を通って延在する第2の部分660bとを含む。
【0360】
図26に示されているように、第1の穿孔412aの第2の部分660a、および、第2の穿孔412bの第2の部分660bは、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層176を通って延在している。しかし、別の実施形態では、第1の穿孔412aの第2の部分660a、および、第2の穿孔412bの第2の部分660bは、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層176を通って延在していない。
【0361】
パッド576が第1の除去可能な保護層174を含む実施形態では、ユーザーは、第1の除去可能な保護層174を除去した後に、各穿孔412の第1の部分656を第2の部分660と整合させることが可能であり、各穿孔412が、底面664からパッド576を通って(すなわち、導電性ゲル素子588を通って、電極素子584を通って、および、耐久性トップコート層580を通って)上面596へ延在するようになっている。1つの実施形態では、導電性ゲル素子588が少なくとも1つの液体導電性ゲル素子を含むときに、各穿孔412の第1の部分656および第2の部分660は整合されず、液体導電性ゲル素子が、第1の部分656を通過するのではなく、その代わりに、導電性ゲル素子588の中に維持されるようになっている。1つの実施形態では、導電性ゲル素子588を通って延在する第2の部分は、「PERFORATED HYDROGEL CONFIGURATIONS AND METHODS OF PRODUCTION AND USE THEREOF」という標題の米国特許出願第62/956992号(特許文献16)に説明されている可能性があり、および/または、「ASSEMBLIES CONTAINING TWO CONDUCTIVE GEL COMPOSITIONS AND METHODS OF PRODUCTION AND USE THEREOF」という標題の米国特許出願第63/004016号(特許文献17)に説明されている可能性があり、その両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0362】
パッド576を通って延在する第1の穿孔412aおよび第2の穿孔412bを含むのものとして
図26に示されているが、パッド576は、現在開示されているおよび/または特許請求されている発明概念を達成することができる、導電性ゲル素子588、第1の保護層560、電極素子584、および/または、耐久性トップコート層580の1つまたは複数のコンポーネントを通って延在する任意の数の穿孔412を含むことが可能であり、それは、限定なしに、1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、125、150、175、200、225、250、275、300、325、350、375、476、425、450、576、525、550、575、676、625、650、675、776、725、750、775、876、825、850、875、976、925、950、975、または、1,000以上の穿孔412を含むということを当業者は容易に理解するはずである。
【0363】
追加的に、1つまたは複数の穿孔412は、下記に
図29に示されているように、所定の形状(たとえば、円形など)を有することが可能である。しかし、1つまたは複数の穿孔412は、現在開示されているおよび/または特許請求されている発明概念を達成することができる任意の形状であることが可能であり、それは、限定なしで、円形、長円形、三角形、正方形、長方形、五角形、六角形、七角形、八角形、九角形、十角形、十一角形、十二角形、現在開示されているおよび/または特許請求されている発明概念を達成することができる任意の数の辺を有する任意の形状、上述の形状の任意の部分、または、それらの任意の組み合わせを含むということを当業者は容易に理解するはずである。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412のそれぞれは、同じ形状または異なる形状を有することが可能である。
【0364】
1つまたは複数の穿孔412は、現在開示されているおよび/または特許請求されている発明概念を達成することができる任意の寸法のものであることが可能であり、それは、限定なしに、特定の穿孔を横切る距離が0.1ミリメートル、0.2ミリメートル、0.3ミリメートル、0.4ミリメートル、0.5ミリメートル、0.6ミリメートル、0.7ミリメートル、0.8ミリメートル、0.9ミリメートル、1.0ミリメートル、1.1ミリメートル、1.2ミリメートル、1.3ミリメートル、1.4ミリメートル、1.5ミリメートル、1.6ミリメートル、1.7ミリメートル、1.8ミリメートル、1.9ミリメートル、2.0ミリメートル、2.1ミリメートル、2.2ミリメートル、2.3ミリメートル、2.4ミリメートル、2.5ミリメートル、2.6ミリメートル、2.7ミリメートル、2.8ミリメートル、2.9ミリメートル、3.0ミリメートル、3.1ミリメートル、3.2ミリメートル、3.3ミリメートル、3.4ミリメートル、または、3.5ミリメートル以上であるという寸法を含む。パッド576が2つ以上の穿孔412を含む実施形態では、穿孔412は、同じ寸法または異なる寸法を有することが可能である。
【0365】
1つまたは複数の穿孔412は、現在開示されているおよび/または特許請求されている発明概念を達成することができる任意の技法(限定なしに、ダイカッティング技法および/またはレーザーカッティング技法を含む)を介して、パッド576の中におよびパッド576を通して形成され得る。パッド576の中におよびパッド576を通して1つまたは複数の穿孔412を形成することは、1つまたは複数の自動化されたプロセスまたは非自動化されたプロセスを介して達成され得る。
【0366】
1つの非限定的な実施形態において、1つまたは複数の穿孔412のそれぞれまたはすべては、テーパーを付けられ得、たとえば、少なくとも1つの穿孔412は、底面664を通って延在する第1の直径と、上面596を通って延在する第2の直径とを有しており、第1の直径および第2の直径は異なっている。本明細書で使用されているような「直径」という用語は、穿孔の中心を通って左右に通過する直線を意味しており、穿孔の任意の特定の断面形状を暗示するものではない。同様に、別の実施形態では、1つまたは複数の穿孔412のそれぞれまたはすべては、テーパーを付けられ得、たとえば、少なくとも1つの穿孔412は、第2の表面620を通って延在する第1の直径と、第1の表面652または第1の表面612を通って延在する第2の直径とを有しており、第1の直径および第2の直径は異なっている。
【0367】
ここで
図27を参照すると、パッド576の例示的な実施形態の上面図のダイアグラムが、ここで示されている。パッド576には、上面596と、底面664(
図26に示されている)と、外側周辺縁部676と、外側周辺縁部676によって境界を定められた導電性領域680とが設けられ得る。示されているように、パッド576は、導電性リード58aの第2の端部62bに接続され得る。パッド576は、患者の一部分(たとえば、患者の頭部または患者の膝などの一部分など)に適応することができるように十分な可撓性を有するように構築されている。示されている例では、パッド576は、長方形形状を備えて提供されている。しかし、パッド576は、任意のタイプの形状(たとえば、多角形、円形、または風変わりな形状など)を備えて提供され得るということを理解されたい。さらに、パッド576は、第1のパッド100aおよび第2のパッド100bに関して議論されているように、一連の結合された可撓性のフィルムのパッド576を構築することによって、特定の患者の特定のパーツにカスタムフィットされるように、使用時点においてカットおよび/または形状決めされるように構築され得る。さらに示されているのは、電極層604であり、電極層604は、外側周辺電極縁部608を含む。導電性支持層608は、電極層604の外側周辺電極縁部148aを越えて延在することが可能である。パッド576は、1つまたは複数の穿孔412をさらに含み、1つまたは複数の第1の穿孔412aおよび1つまたは複数の第2の穿孔412bを含むことが可能である。1つまたは複数の第1の穿孔412aのそれぞれは、導電性支持層608を通って延在しているが、電極層604を通って延在しておらず、一方では、1つまたは複数の第2の穿孔412bのそれぞれは、導電性支持層608および電極層604を通って延在している。
【0368】
1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、グリッドパターンを形成することが可能であり、すなわち、1つまたは複数の穿孔412のそれぞれは、互いから実質的に均一に距離を置かれ得る。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、上面596に沿って長手方向に、互いから実質的に均一に距離を置かれている。別の実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、上面596に沿って横方向に、互いから実質的に均一に距離を置かれている。さらに別の実施形態において、1つまたは複数の穿孔412は、上面596に沿って長手方向および横方向の両方に、グリッドパターンで、互いから実質的に均一に距離を置かれている。別の実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、特定の用途に必要とされる蒸発特性および/または空気フロー特性に少なくとも部分的に基づいて、連続する穿孔412の間の距離が決定され得るように空間的に配設されている。
【0369】
1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、パッド576の中に間隔を置いて配置され、パッド576の各平方インチについて、9×9のグリッドを形成することが可能であり、すなわち、耐久性トップコート層580または電極素子584の各平方インチについて、1つまたは複数の穿孔412は、9列の9つの穿孔412へと空間的に配設されている81個の穿孔412を含む9×9の穿孔グリッドを形成している。しかし、1平方インチ当たりの穿孔412の数は、現在開示されているおよび/または特許請求されている発明概念を達成することができる任意の数であることが可能であり、それは、限定なしに、1平方インチ当たり81個よりも少ない穿孔412、および、1平方インチ当たり81個よりも多い穿孔412を含むということを当業者は容易に理解するはずである。1平方インチ当たりの穿孔412の数は、各穿孔412のサイズによって制限され、それは、各穿孔412の直径、および、各穿孔412の間の距離に少なくとも部分的に基づいている。
【0370】
図28を参照すると、本開示にしたがって構築されたパッド696の別の実施形態が、ここで示されている。導電性支持層608が省略され得、非導電性で可撓性のポリマー層700が電極層604と導電性ゲル素子588との間に位置決めされているということを除いて、パッド696は、構築および機能に関して、
図26および
図27に関して上記に説明されているパッド576と同様である。パッド576とパッド696との間で共通の素子は、共通の参照番号をラベル付けされている。可撓性のポリマー層700は、下記に議論されているような誘電材料から構築され得る。可撓性のポリマー層700には、第1の表面704および第2の表面708が設けられ得る。第1の表面704は、電極層604の第2の表面616に取り付けられるかまたはその他の方法で連結され得、第2の表面708は、導電性ゲル素子588と直接的に接触することが可能である。いくつかの実施形態において、第1の表面704の全体は、電極層604の第2の表面616と直接的に接触しており、第2の表面708は、導電性ゲル素子588と直接的に接触している。
【0371】
可撓性のポリマー層700は、誘電材料から構築されており、絶縁体として機能する。いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700は、ポリ(フッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン‐クロロトリフルオロエチレン)および/またはポリ(フッ化ビニリデン‐トリフルオロエチレン‐1‐クロロフルオロエチレン)を含む。これら2つのポリマーは、「Poly(VDF‐TrFE‐CtFE)」、「Poly(VDF‐TrFE‐CFE)」とそれぞれ略される。これらの実施形態は、これらの材料の誘電率が40程度であるので、とりわけ有利である。TTフィールドは可撓性のポリマー層700を通して容量的に連結されているので、および、静電容量は可撓性のポリマー層700の厚さに反比例しているので、可撓性のポリマー層700は、好ましくは、可能な限り薄くなっている(たとえば、10μm未満または5μm未満)。他方では、可撓性のポリマー層700は、薄くなり過ぎないことが望ましい。その理由は、それが、製造性を害し、層の構造的な完全性を損ない、およびAC信号が印加されるときに誘電破壊のリスクを生じさせる可能性があるからである。いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700は、少なくとも1μmの厚さを有している。いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700は、1~3μmの間の厚さになっており(たとえば、約2μm)、それは、上記に述べられているパラメーター間の良好なバランスを提供する。好ましくは、可撓性のポリマー層700の厚さは、均一である。しかし、代替的な実施形態において、厚さは、不均一であることも可能である。
【0372】
随意的に、セラミックナノ粒子が、Poly(VDF‐TrFE‐CtFE)および/またはPoly(VDF‐TrFE‐CFE)の中へ混合され得る。随意的に、これらのセラミックナノ粒子は、チタン酸バリウムおよびチタン酸バリウムストロンチウムのうちの少なくとも1つを含むことが可能である。
【0373】
代替的な実施形態において、Poly(VDF‐TrFE‐CtFE)および/またはPoly(VDF‐TrFE‐CFE)から可撓性のポリマー層700を形成する代わりに、高い誘電率および/または高いレベルの静電容量を提供する異なるポリマーが使用され得る。これらの異なるポリマーに関する要件は、以下の通りである:(1)100kHzから576kHzの間の少なくとも1つの周波数において、ポリマー層は、少なくとも20の誘電率を有しており;(2)可撓性のポリマー層700は、可撓性のポリマー層700の第1の表面704に対して垂直の方向に、20マイクロメートル未満の厚さを有しており;(3)可撓性のポリマー層700の厚さにその誘電強度を乗じたものは、少なくとも200Vである。Poly(VDF‐TrFE‐CtFE)および/またはPoly(VDF‐TrFE‐CFE)の代わりに使用され得る代替的なポリマーの例は、以下のものを含む:(1)Poly(VDF‐TrFE)、P(VDF‐HFP)、PVDFのうちの少なくとも1つの中へ混合されたセラミックナノ粒子;ならびに、(2)Poly(VDF‐TrFE)、P(VDF‐HFP)、PVDFのうちの少なくとも1つの中へ混合されたチタン酸バリウムおよび/またはチタン酸バリウムストロンチウムセラミックナノ粒子。
【0374】
いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700の厚さは、10μm未満であり、いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700の厚さは、5μm未満である。いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700の厚さにその誘電強度を乗じたものは、少なくとも476Vである。いくつかの好適な実施形態において、可撓性のポリマー層700は、200kHzにおいて測定される少なくとも20の誘電率を有している。
【0375】
しかし、
図28に示されているように、パッド696は、第1の穿孔412aおよび第2の穿孔412bとして示されている1つまたは複数の穿孔412をさらに含む。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、導電性ゲル素子128、第1の除去可能な保護層174、可撓性のポリマー層700、電極素子584、および/または、耐久性トップコート層580の少なくとも一部分を通って延在することが可能である。1つまたは複数の穿孔412は、空気がパッド696を通過して患者の皮膚に到達することができるように位置決めされ得、したがって、1つまたは複数の空気チャネル582(たとえば、第1の穿孔412aによって形成された空気チャネル648a、および、第2の穿孔412bによって形成された空気チャネル648b)を形成することが可能である。1つまたは複数の穿孔412は、導電性ゲル素子588、第1の除去可能な保護層174、可撓性のポリマー層700、電極素子584、および/または、耐久性トップコート層580の少なくとも一部分を通って延在し、患者の皮膚への空気フローの増加を可能にする。1つまたは複数の空気チャネル648は、患者の皮膚への空気フローの増加を促進させることによって、患者の皮膚の上の湿分の解放を可能にし、浸軟、病変/潰瘍、および皮膚炎を低減および/または排除し、また、TTフィールドがパッド696に適用されるときに、動作温度を減少させる。
【0376】
加えて、患者の皮膚へのパッド696の長時間露出を所与として、パッド696は、体温(すなわち、約34℃から約40℃の範囲にある)での使用のために最適化されることが望ましい。これらの温度において、1つまたは複数の穿孔412によって導入される空気フローは、蒸発冷却を最大化し、それによって、動作温度の低減および患者の皮膚への冷却効果を可能にする。
【0377】
1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、耐久性トップコート層580、電極層604、可撓性のポリマー層700、第1の除去可能な保護層174、第1の導電性ゲル層624、支持層632、第2の導電性ゲル層628、および、第2の除去可能な保護層176のうちの1つもしくは複数、または、それらのいくつかの組み合わせを通って延在することが可能である。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、第1の表面704から可撓性のポリマー層700を通って第2の表面708へ延在している。電極層604が可撓性のポリマー層700の一部分を耐久性トップコート層580から分離していない実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、耐久性トップコート層580を通って延在していてもまたは延在していなくてもよく、1つまたは複数の穿孔412は、上記に説明されているように、耐久性トップコート層580の穿孔であってもよくまたはそうでなくてもよい。1つの実施形態では、可撓性のポリマー層700を通って延在する1つまたは複数の穿孔412は、電極層604の第2の表面616から電極層604を通って第1の表面652へ延在することが可能である。1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、耐久性トップコート層580の第2の表面600から耐久性トップコート層580を通って耐久性トップコート層580の第1の表面592へ延在することが可能である。このように、1つまたは複数の穿孔412は、可撓性のポリマー層700の第2の表面708から耐久性トップコート層580の第1の表面592へ延在することが可能であり、したがって、空気が導電性ゲル素子588と接触している状態からパッド696の耐久性トップコート層580の上面596を通って移動することを可能にする1つまたは複数の空気チャネル648を提供する。
【0378】
1つの実施形態では、第1の穿孔412aは、可撓性のポリマー層700を通って延在しており、第2の穿孔412bは、可撓性のポリマー層700および電極層604の両方を通って延在している。別の実施形態では、パッド696は、第1の穿孔412aを含み、第1の穿孔412aは、可撓性のポリマー層700および耐久性トップコート層580を通って延在しており、耐久性トップコート層580および可撓性のポリマー層700は、互いに接触しており、また、パッド696は、第2の穿孔412bを含み、第2の穿孔412bは、可撓性のポリマー層700、電極層604、および耐久性トップコート層580のそれぞれを通って延在している。
【0379】
1つの実施形態では、1つまたは複数の穿孔412は、第1の部分656および第2の部分660を含む。
図28に示されているように、第1の穿孔412aは、可撓性のポリマー層700、電極素子584、および耐久性トップコート層580を通って延在する第1の部分656aと、導電性ゲル素子588を通って延在する第2の部分660aとを含む。第2の穿孔412bは、可撓性のポリマー層700、電極層604、および耐久性トップコート層580を通って延在する第1の部分656bを含み、第2の部分660bが、導電性ゲル素子588を通って延在している。
【0380】
図28に示されているように、第1の穿孔412aの第2の部分660a、および、第2の穿孔412bの第2の部分660bは、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層176を通って延在している。しかし、別の実施形態では、第1の穿孔412aの第2の部分660a、および、第2の穿孔412bの第2の部分660bは、第1の除去可能な保護層174および第2の除去可能な保護層176を通って延在していない。
【0381】
パッド696が第1の除去可能な保護層174を含む実施形態では、ユーザーは、第1の除去可能な保護層174を除去した後に、各穿孔412の第1の部分656を第2の部分660と整合させることが可能であり、各穿孔412が、底面664からパッド576を通って(すなわち、導電性ゲル素子588を通って、可撓性のポリマー層700を通って、電極素子584を通って、および、耐久性トップコート層580を通って)上面596へ延在するようになっている。1つの実施形態では、導電性ゲル素子588が少なくとも1つの液体導電性ゲル素子を含むときに、各穿孔412の第1の部分656および第2の部分660は整合されないことが可能であり、液体導電性ゲル素子が、第1の部分656を通過するのではなく、その代わりに、導電性ゲル素子588の中に維持されるようになっている。1つの実施形態では、導電性ゲル素子588を通って延在する第2の部分は、「PERFORATED HYDROGEL CONFIGURATIONS AND METHODS OF PRODUCTION AND USE THEREOF」という標題の米国特許出願第62/956992号(特許文献16)に説明されている可能性があり、および/または、「ASSEMBLIES CONTAINING TWO CONDUCTIVE GEL COMPOSITIONS AND METHODS OF PRODUCTION AND USE THEREOF」という標題の米国特許出願第63/004016号(特許文献17)に説明されている可能性があり、その両方は、その全体が参照により本明細書に組み込まれている。
【0382】
図29を参照すると、パッド716の別の実施形態が、ここで示されている。電極素子584および導電性ゲル素子588が導電性リード58aに接続されている複数の導電性領域720a~hを形成するように配置されているということを除いて、パッド716は、構築および機能に関して、上記に説明されて
図28に示されているパッド696と同一である。8つの導電性領域720a~hが、例として
図29に示されている。導電性領域720a~hは、患者の中へ電流を供給するように動作可能である。パッド716は、導電性領域720a~hの上におよびその間に延在する耐久性トップコート層580を含む。この実施形態では、耐久性トップコート層580は、非導電性の材料から形成され得、または、導電性領域720a~hから電流を受け取らない導電性の材料から形成され得る。導電性領域720a~hは、1つまたは複数の誘電体領域146によって電気的に隔離されており、1つまたは複数の誘電体領域146は、各々隣接して配設されている対の導電性領域720a~hの間に延在している。誘電体領域146は、隣接して配設されている導電性領域720a~hの各対の間に誘電体素子を横方向にインターリーブすることによって形成され得る。導電性リード58aは、2つ以上の隔離された導体150を含むことが可能であり、各導電性領域720a~hが、独立して発生器54に連結されるようになっており、したがって、各導電性領域720a~hによって発生させられるTTフィールドを発生器54が独立して制御することを可能にする。
【0383】
そのような実施形態では、電子的装置50は、パッド716の1つまたは複数の導電性領域720a~hの間を行ったり来たりし、したがって、増加した特異性および精度によってTTフィールドを生成および整形することが可能である。複数の導電性領域720a~hを有する単一のパッド716は、第1のパッド70a、第2のパッド70b、またはパッド576の代用としてまたはそれと併用して使用され得る。別の実施形態では、パッド716は、パッド696にしたがって構築され得、パッド696では、電極素子584が、導電性領域720a~hのそれぞれにおいて可撓性のポリマー層700に取り付けられている。
【0384】
図29に示されているように、パッド716は、1つまたは複数の穿孔412をさらに含む。1つまたは複数の穿孔412は、たとえば、第1の穿孔412aによって示されているように、1つまたは複数の導電性領域720a~hの中に位置付けされ得、または、第2の穿孔412bによって示されているように、1つまたは複数の誘電体領域146の中に位置付けされ得る。1つの実施形態では、1つまたは複数の導電性領域720a~hは、1つまたは複数の第1の穿孔412aを有することが可能である。しかし、別の実施形態では、1つまたは複数の導電性領域720a~hは、第1の穿孔412aを含まなくてもよい。同様に、1つまたは複数の誘電体領域146は、1つまたは複数の第2の穿孔412bを含むことが可能である。1つの実施形態では、パッド716は、1つまたは複数の第1の穿孔412aおよび1つまたは複数の第2の穿孔412bを含む。
【0385】
1つの実施形態では、パッド716に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、時間的に第1のインスタンスにおいて、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域720a~h(たとえば、導電性領域720aおよび導電性領域720b)に供給し、第1のTTフィールドを発生させることが可能である。発生器54は、時間的に第2のインスタンスにおいて、第2のパワー(第1のパワーと同じであるか、または、第1のパワーとは異なる)および第2の周波数(第1の周波数と同じであるか、または、第1の周波数とは異なる)を有する第2の電気信号を、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域720a~h(たとえば、導電性領域720bおよび導電性領域720c)に供給し、第2のTTフィールドを発生させることが可能である。第2のグループは、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域720a~hを含むことが可能であり、または、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域720a~hを含まなくてもよい。第1のTTフィールドおよび第2のTTフィールドは、同じターゲットエリアをターゲットにすることが可能であり、または、異なるターゲットエリアをターゲットにすることが可能である。1つの実施形態では、時間的に第1のインスタンスおよび時間的に第2のインスタンスは、オーバーラップすることが可能であり、すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに供給しながら、第2の電気信号を第2のグループに供給することも可能である。そのような実施形態では、第1のグループおよび第2のグループは、相互に排他的であることが可能である。
【0386】
1つの実施形態では、パッド716に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域720a~h(たとえば、導電性領域720aおよび導電性領域720b)に供給することが可能であり、第2のパワーおよび第2の周波数を有する第2の電気信号を、時間的に同じインスタンスにおいて、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域720a~h(たとえば導電性領域720bおよび導電性領域720c)に供給することが可能である。すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに、および、第2の電気信号を第2のグループに同時に供給することが可能である。上記の実施形態は、第1のグループおよび第2のグループのみを説明しているが、3つ以上のグループが存在することも可能であるということが理解される。1つの実施形態では、グループの数は、導電性領域720a~hの組み合わせの数に依存している。
【0387】
1つの実施形態では、発生器54は、パッド716およびパッド576に接続され得る。そのような実施形態では、発生器54は、パッド716の1つまたは複数の導電性領域720a~hに電気信号を供給することが可能である。電気信号を受け取る1つまたは複数の導電性領域720a~hは、次いで、パッド716の1つまたは複数の導電性領域720a~hのそれぞれとパッド576との間にTTフィールドを発生させることが可能である。
【0388】
ここで
図30を参照すると、患者にTTフィールドを印加するために、電子的装置50と、パッド100a、576、696、またはパッド716とを使用するプロセス736の例示的な実施形態が、ここで示されている。
【0389】
パッド696が使用されるときに、好ましくは、そのようなパッド696は、腫瘍の両側において、患者の皮膚に取り付けられる。たとえば、人の頭部の中央に位置決めされている脳腫瘍の文脈において、パッド696のうちの1つは、人の頭部の右側に位置決めされ得、パッド696のうちの別の1つは、人の頭部の左側に位置決めされ得る。パッド696の両方に関して、可撓性のポリマー層700は、人の皮膚に面している。皮膚に押し付けられるときに、接着剤が、可撓性のポリマー層700を皮膚に接着することが可能であり、可撓性のポリマー層700を皮膚に隣接して保持する。導電性ゲル素子588が提供されるときに、導電性ゲル素子588は、可撓性のポリマー層700と人の皮膚との間に配設される。導電性ゲル素子588が省略されるときには(それはあまり好ましくない)、可撓性のポリマー層700は、人の皮膚の上に直接的に載ることとなる。各パッド696は、電極18aおよび18bのうちの1つを形成する(
図1を参照)。たとえば、電極18aおよび18bが人の皮膚に貼り付けられた後に、AC電圧がパッド696間に印加される。電極素子584は、キャパシターのプレートとして作用し、可撓性のポリマー層700は、キャパシターの絶縁層として作用し、AC電場は、可撓性のポリマー層700を通して人の身体の中へ容量的に連結されることとなる。
【0390】
したがって、プロセス736は、一般的に、第1のパッド70a、第2のパッド70b、パッド576、パッド696、またはパッド716のうちの2つ以上を患者の皮膚に適用するステップ(ステップ664)と、所定の時間の期間にわたって、約50kHzから約576kHzの範囲の周波数を有する交流電場を発生させ(および、供給する)(ステップ744)、患者に適用されたパッドに供給し、TTF電場を患者に送達するステップとを含む。第1のパッド70a、第2のパッド70b、パッド576、またはパッド696のうちの2つ以上を患者の皮膚に適用するステップは、ユーザーによって実施され得る。複数の導電性領域720を有する単一のパッド716が、第1のパッド70a、第2のパッド70b、パッド576、またはパッド696のうちの2つ以上の代わりに使用され得る。
【0391】
1つの実施形態では、第1のパッド70a、第2のパッド70b、パッド576、またはパッド696のうちの1つ(パッド716)または2つ以上を患者の皮膚に適用する前に、患者の皮膚は、導電性ゲル素子128が患者の皮膚に付着することを可能にするように、クリーニングされることを必要とする可能性がある(たとえば、それに限定されないが、必要な場合には、異物または生物学的物質の皮膚のクレンジング、および、皮膚の剃毛など)。交流電場(TTフィールド)を発生させるステップ(ステップ744)は、発生器54によって実施され得、また、ユーザーまたは制御ボックス66によって実施される動作によってインスタンス化され得る。
【0392】
1つの実施形態では、ステップ744は、2回以上実施され得、ステップ744が第1の時間に実施される時間の期間は、ステップ744が第2の時間に実施される時間の期間(または、第2の時間を超える他の時間の期間)と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ステップ744は、プロセス736が繰り返される前に1回だけ実施される。プロセス736が繰り返されるそれぞれの時間の間に期間が存在していることが可能である。プロセス736が繰り返されるたびに、期間は、以前の期間と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。プロセス736が繰り返されるたびに、第1のパッド70a、第2のパッド70b、パッド716、および/またはパッド576のうちの2つ以上は、患者の皮膚の上の同じ位置にまたは異なる位置に設置され得る。
【0393】
以下は、本明細書で開示されている第6のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0394】
例示的実施形態73
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第1の電極素子を有する第1のパッドであって、第1の導電性素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の電極素子および第1の導電性ゲル素子は、第1の電極素子および第1の導電性ゲル素子を通って延在する少なくとも1つの穿孔を画定している、第1のパッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第2の電極素子を有する第2のパッドであって、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている、第2のパッドと
を含む、システム。
【0395】
例示的実施形態74
第1の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態73に記載のシステム。
【0396】
例示的実施形態75
第2の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態74に記載のシステム。
【0397】
例示的実施形態76
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態73に記載のシステム。
【0398】
例示的実施形態77
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態76に記載のシステム。
【0399】
例示的実施形態78
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態76に記載のシステム。
【0400】
例示的実施形態79
発生器は、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態76に記載のシステム。
【0401】
例示的実施形態80
第1のパッド、第2のパッド、または、第1のパッドおよび第2のパッドの両方のいずれかが、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態76に記載のシステム。
【0402】
例示的実施形態81
ブロッキングキャパシターは、第1のブロッキングキャパシターであり、電気信号中の直流電流をブロックするように構成されている第2のブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態76に記載のシステム。
【0403】
例示的実施形態82
第1のパッド、第2のパッド、または、第1のパッドおよび第2のパッドの両方のいずれかが、第2のブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態81に記載のシステム。
【0404】
例示的実施形態83
第1の導電性ゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態73に記載のシステム。
【0405】
例示的実施形態84
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態83に記載のシステム。
【0406】
例示的実施形態85
支持層は、導電性である、例示的実施形態83に記載のシステム。
【0407】
例示的実施形態86
第2のヒドロゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態73に記載のシステム。
【0408】
例示的実施形態87
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態86に記載のシステム。
【0409】
例示的実施形態88
支持層は、導電性である、例示的実施形態86に記載のシステム。
【0410】
例示的実施形態89
第1のパッドの温度を測定するように構成されている1つまたは複数の温度センサーをさらに含む、例示的実施形態73に記載のシステム。
【0411】
例示的実施形態90
制御ボックスをさらに含み、制御ボックスは、1つまたは複数の温度センサーをモニタリングし、温度が快適性閾値を超える場合には、発生器をターンオフするように構成されている、例示的実施形態89に記載のシステム。
【0412】
例示的実施形態91
快適性閾値は、摂氏約40度である、例示的実施形態90に記載のシステム。
【0413】
例示的実施形態92
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子から電流を受け取るように電極素子に直接的に接続されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、電極素子および導電性ゲル素子は、電極素子および導電性ゲル素子を通って延在する少なくとも1つの穿孔を画定している、導電性ゲル素子と
を含む、パッド。
【0414】
例示的実施形態93
電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、導電性リードは、発生器に電気的に連結されるように構成されており、導電性リードは、電極素子に電気的に連結されている、例示的実施形態92に記載のパッド。
【0415】
例示的実施形態94
導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ゲルであり、第2の導電性ゲル層は、第2の導電性ゲルである、例示的実施形態92に記載のパッド。
【0416】
例示的実施形態95
第1の導電性ゲルおよび第2の導電性ゲルは、同じ導電性ゲルではない、例示的実施形態94に記載のパッド。
【0417】
例示的実施形態96
支持層は、導電性である、例示的実施形態94に記載のパッド。
【0418】
例示的実施形態97
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態94に記載のパッド。
【0419】
例示的実施形態98
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態97に記載のパッド。
【0420】
例示的実施形態99
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態97に記載のパッド。
【0421】
例示的実施形態100
トップコート層、電極素子、および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されている、例示的実施形態92に記載のパッド。
【0422】
例示的実施形態101
少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップと;
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用する前または後に、導電性領域を発生器に連結するステップであって、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子を有しており、導電性ゲル素子に直接的に接続されており、電極素子から導電性ゲル素子へ電流を供給するようになっており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、導電性ゲル素子に電流を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触しており、電極素子および導電性ゲル素子は、電極素子および導電性ゲル素子を通って延在する少なくとも1つの穿孔を画定しており、空気が導電性領域を通って患者の皮膚に渡ることを可能にする、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電流を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0423】
例示的実施形態102
導電性領域を患者の皮膚に連結するステップは、第1のリードを導電性領域のうちの第1のものに接続するステップ、および、第2のリードを導電性領域のうちの第2のものに接続するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態101に記載の方法。
【0424】
例示的実施形態103
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターに電気信号を通過させるステップをさらに含む、例示的実施形態101に記載の方法。
【0425】
例示的実施形態104
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態103に記載の方法。
【0426】
例示的実施形態105
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態103に記載の方法。
【0427】
例示的実施形態106
電極素子および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されており、少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップは、電極素子および導電性ゲル素子を患者の皮膚に適応させるステップとしてさらに定義される、例示的実施形態101に記載の方法。
【0428】
例示的実施形態107
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の電極素子および第1の導電性ゲル素子を有する第1のパッドであって、第1の電極素子は、第1の可撓性のポリマー層に接続されており、第1の可撓性のポリマー層は、第1の電極素子と第1の導電性ゲル素子との間にあり、第1の導電性素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の電極素子、第1の可撓性のポリマー層、および、第1の導電性ゲル素子は、第1の電極素子、第1の可撓性のポリマー層、および、第1の導電性ゲル素子を通って延在する少なくとも1つの穿孔を画定しており、第1の可撓性のポリマー層は、第1の誘電材料である、第1のパッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の電極素子および第2の導電性ゲル素子を有する第2のパッドであって、第2の電極素子は、第2の可撓性のポリマー層に接続されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の可撓性のポリマー層は、第2の電極素子と第2の導電性ゲル素子との間に位置決めされており、第2の誘電材料である、第2のパッドと
を含む、システム。
【0429】
例示的実施形態108
第1の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と第1の可撓性のポリマー層との中間にある、例示的実施形態107に記載のシステム。
【0430】
例示的実施形態109
第2の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と第1の可撓性のポリマー層との中間にある、例示的実施形態107に記載のシステム。
【0431】
例示的実施形態110
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態107に記載のシステム。
【0432】
例示的実施形態111
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態110に記載のシステム。
【0433】
例示的実施形態112
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態110に記載のシステム。
【0434】
例示的実施形態113
発生器は、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態110に記載のシステム。
【0435】
例示的実施形態114
第1のパッド、第2のパッド、または、第1のパッドおよび第2のパッドの両方のいずれかが、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態110に記載のシステム。
【0436】
例示的実施形態115
ブロッキングキャパシターは、第1のブロッキングキャパシターであり、電気信号中の直流電流をブロックするように構成されている第2のブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態110に記載のシステム。
【0437】
例示的実施形態116
第1のパッド、第2のパッド、または、第1のパッドおよび第2のパッドの両方のいずれかが、第2のブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態115に記載のシステム。
【0438】
例示的実施形態117
第1の導電性ゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態107に記載のシステム。
【0439】
例示的実施形態118
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態117に記載のシステム。
【0440】
例示的実施形態119
支持層は、導電性である、例示的実施形態117に記載のシステム。
【0441】
例示的実施形態120
第2のヒドロゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態107に記載のシステム。
【0442】
例示的実施形態121
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態120に記載のシステム。
【0443】
例示的実施形態122
支持層は、導電性である、例示的実施形態120に記載のシステム。
【0444】
例示的実施形態123
第1のパッドの温度を測定するように構成されている1つまたは複数の温度センサーをさらに含む、例示的実施形態107に記載のシステム。
【0445】
例示的実施形態124
制御ボックスをさらに含み、制御ボックスは、1つまたは複数の温度センサーをモニタリングし、温度が快適性閾値を超える場合には、発生器をターンオフするように構成されている、例示的実施形態123に記載のシステム。
【0446】
例示的実施形態125
快適性閾値は、摂氏約40度である、例示的実施形態124に記載のシステム。
【0447】
例示的実施形態126
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子に接続されている可撓性のポリマー層であって、誘電材料から構築されている、可撓性のポリマー層と;
導電性ゲル素子から電極素子を電気的に隔離するために可撓性のポリマー層に接続されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子は、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子を通って延在する少なくとも1つの穿孔を画定している、導電性ゲル素子と
を含む、パッド。
【0448】
例示的実施形態127
電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、導電性リードは、発生器に電気的に連結されるように構成されており、導電性リードは、電極素子に電気的に連結されている、例示的実施形態126に記載のパッド。
【0449】
例示的実施形態128
導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ゲルであり、第2の導電性ゲル層は、第2の導電性ゲルである、例示的実施形態126に記載のパッド。
【0450】
例示的実施形態129
第1の導電性ゲルおよび第2の導電性ゲルは、同じ導電性ゲルではない、例示的実施形態128に記載のパッド。
【0451】
例示的実施形態130
支持層は、導電性である、例示的実施形態128に記載のパッド。
【0452】
例示的実施形態131
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態128に記載のパッド。
【0453】
例示的実施形態132
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態131に記載のパッド。
【0454】
例示的実施形態133
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態131に記載のパッド。
【0455】
例示的実施形態134
トップコート層、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されている、例示的実施形態126に記載のパッド。
【0456】
例示的実施形態135
少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップと;
少なくとも2つの導電性領域を皮膚に適用する前または後に、導電性領域を発生器に連結するステップであって、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子を有しており、可撓性のポリマー層は、電極素子を導電性ゲル素子から電気的に隔離しており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、可撓性のポリマー層を通して導電性ゲル素子に電場を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触しており、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子は、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子を通って延在する少なくとも1つの穿孔を画定しており、空気が導電性領域を通って患者の皮膚に渡ることを可能にする、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電場を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0457】
例示的実施形態136
導電性領域を患者の皮膚に連結するステップは、第1のリードを導電性領域のうちの第1のものに接続するステップ、および、第2のリードを導電性領域のうちの第2のものに接続するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態135に記載の方法。
【0458】
例示的実施形態137
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターに電気信号を通過させるステップをさらに含む、例示的実施形態135に記載の方法。
【0459】
例示的実施形態138
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態135に記載の方法。
【0460】
例示的実施形態139
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態135に記載の方法。
【0461】
例示的実施形態140
電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されており、少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップは、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子を患者の皮膚に適応させるステップとしてさらに定義される、例示的実施形態135に記載の方法。
【0462】
第7のモード:空気チャネルを備えた非導電性のパッド
【0463】
本開示の第7のモードは、システム、および、システムを実装する方法を含み、システムは、50kHzから576kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;第1の電極素子を有する第1のパッドであって、第1の電極素子は、第1の導電性ゲル素子に電流を供給するために第1の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第1の電極素子は、電極層および非導電性の層を有しており、第1の電極素子は、第1の導電性リードに電気的に連結されており、第1の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている、第1のパッドと;第2の電極素子を有する第2のパッドであって、第2の電極素子は、第2の導電性ゲル素子に電流を供給するために第2の導電性ゲル素子に電気的に連結されており、第2の電極素子は、第2の導電性リードに電気的に連結されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている、第2のパッドとを含む。
【0464】
図31は、本開示にしたがって構築されたパッド776の別の例示的な実施形態を図示している。パッド776は、パッド70aおよびパッド70bの例示的な実施形態である。導電性支持層144が省略され得、可撓性のポリマー層700が電極層140と導電性ゲル素子128aとの間に位置決めされているということを除いて、パッド776は、構築および機能に関して、
図10に関して上記に説明されている導電性パッド220と同様である。導電性パッド220とパッド776との間で共通の素子は、共通の参照番号をラベル付けされている。可撓性のポリマー層700は、上記に議論されているような誘電材料から構築され得る。可撓性のポリマー層700には、第1の表面704および第2の表面708が設けられ得る。第1の表面704は、電極層140の第2の表面156に取り付けられるかまたはその他の方法で連結され得、第2の表面708は、導電性ゲル素子128aと直接的に接触することが可能である。いくつかの実施形態において、第1の表面704の全体は、電極層140の第2の表面156と直接的に接触しており、第2の表面708は、導電性ゲル素子128aと直接的に接触している。
【0465】
以下は、本明細書で開示されている第7のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0466】
例示的実施形態141
交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の導電性ゲル素子に接続されている第1の電極素子を有する第1のパッドであって、第1の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の電極素子は、第1の非導電性の層に電気的に連結されている第1の電極層を有しており、第1の非導電性の層は、第1の電極層と第1の導電性ゲル素子との中間にあり、第1の導電性ゲル素子は、第1の整形部材および1つまたは複数の第1の空気チャネルから形成された第1の導電性ゲル層を有している、第1のパッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第2の電極素子を有する第2のパッドであって、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の導電性ゲル素子は、1つまたは複数の第2の空気チャネルを有している、第2のパッドと
を含む、システム。
【0467】
例示的実施形態142
第1の非導電性の層は、可撓性のポリマー層である、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0468】
例示的実施形態143
可撓性のポリマー層は、誘電材料から形成されている、例示的実施形態142に記載のシステム。
【0469】
例示的実施形態144
可撓性のポリマー層は、絶縁体として構成されている、例示的実施形態143に記載のシステム。
【0470】
例示的実施形態145
誘電材料は、40のオーダーの誘電率を含む、例示的実施形態143に記載のシステム。
【0471】
例示的実施形態146
第1の非導電性の層は、セラミックナノ粒子を含む、例示的実施形態143に記載のシステム。
【0472】
例示的実施形態147
誘電材料は、100kHzから500kHzの間の少なくとも1つの周波数、および、少なくとも20の誘電率を与える、例示的実施形態143に記載のシステム。
【0473】
例示的実施形態148
第1の非導電性の層は、20マイクロメートル未満の厚さを有している、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0474】
例示的実施形態149
第1の非導電性の層は、10マイクロメートル未満の厚さを有している、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0475】
例示的実施形態150
第1の非導電性の層は、5マイクロメートル未満の厚さを有している、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0476】
例示的実施形態151
第1の非導電性の層の厚さに第1の非導電性の層の誘電率を乗じたものは、少なくとも200Vである、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0477】
例示的実施形態152
第1の非導電性の層の厚さに第1の非導電性の層の誘電率を乗じたものは、少なくとも400Vである、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0478】
例示的実施形態153
第1の非導電性の層は、第1の表面および第2の表面を含み、第1の表面は、第1の電極層に連結されており、第2の表面は、第1の導電性ゲル素子と直接的に接触している、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0479】
例示的実施形態154
第1の表面の全体が、第1の電極層と直接的に接触している、例示的実施形態153に記載のシステム。
【0480】
例示的実施形態155
第2の表面の全体が、第1の導電性ゲル素子と直接的に接触している、例示的実施形態153に記載のシステム。
【0481】
例示的実施形態156
第2の電極素子は、第2の非導電性の層に電気的に連結されている電極層を含み、第2の非導電性の層は、電極層と第1の導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態141に記載のシステム。
【0482】
例示的実施形態157
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されており、非導電性の層に電気的に連結されている電極層を含む、電極素子と;
電極素子から電流を受け取るように電極素子に接続されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、導電性ゲル層および整形部材を含み、整形部材は、導電性ゲル層の中に位置決めされており、第1の側部および第2の側部を有しており、導電性ゲル層は、整形部材の第2の側部の上に、複数の突出部および1つまたは複数の空気チャネルを含み、導電性ゲル層は、患者の皮膚と接触するように構成されている、導電性ゲル素子と;
電極層と導電性ゲル素子との中間にある非導電性の層と
を含む、パッド。
【0483】
例示的実施形態158
非導電性の層は、可撓性のポリマー層であり、可撓性のポリマー層の少なくとも一部分は、導電性ゲル素子と直接的に接触している、例示的実施形態157に記載のパッド。
【0484】
例示的実施形態159
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子に接続されている非導電性の可撓性のポリマー層であって、誘電材料から構築されている、非導電性の可撓性のポリマー層と;
導電性ゲル素子から電極素子を電気的に隔離するために非導電性の可撓性のポリマー層に接続されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、患者の皮膚および非導電性の可撓性のポリマー層と接触するように構成されており、導電性ゲル素子は、導電性ゲル層および整形部材を含み、整形部材は、導電性ゲル層の中に位置決めされており、第1の側部および第2の側部を有しており、導電性ゲル層は、整形部材の第2の側部の上に、複数の突出部および1つまたは複数の空気チャネルを含む、導電性ゲル素子と
を含む、パッド。
【0485】
例示的実施形態160
電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、導電性リードは、発生器に電気的に連結されるように構成されており、導電性リードは、電極素子に電気的に連結されている、例示的実施形態159に記載のパッド。
【0486】
第8のモード:切り紙状カットを備えた導電性のおよび非導電性のパッド
【0487】
本開示の第8のモードは、トップコート層と、電極素子と、導電性ゲル素子とを有するパッドを含む。電極素子は、トップコート層に接続されており、TTフィールドとして電気信号を作り出す発生器からの電気信号を受け入れるように構成されている。導電性ゲル素子は、電極素子に直接的に接続されており、電極素子から電流を受け取るようになっている。導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている。電極素子および導電性ゲル素子は、切り紙状カットを画定しており、切り紙状カットは、所定のパターンのカットであり、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子が、患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成することを結果として生じさせる。
【0488】
ここで
図32を参照すると、本開示にしたがって構築されたパッド796の別の例示的な実施形態の上面図が、ここで示されている。パッド796は、パッド70aおよびパッド70bの例示的な実施形態である。パッド796は、複数の切り紙状カット800を有する平坦なまたは平面的な形状のデバイスであり、複数の切り紙状カット800は、隣接する1対の切り紙状カット800の間に複数の可撓性のジョイント804を形成しており、パッド796が患者の身体パーツ(たとえば、膝、肘、または頭部など)の3次元形状に適応することを引き起こす。明確にする目的のために、切り紙状カット800のうちの数個だけが、800a、800b、および800cとして、
図32にラベル付けされている。同様に、明確にする目的のために、可撓性のジョイント804のうちの数個だけが、804a、804b、および804cとして、
図32にラベル付けされている。パッド796が、
図33に示されており、切り紙状カット800が切り紙状カット800の間に曲げ可能なエリアを形成することに起因して、患者の頭部の一部分の3次元形状をとっている。
【0489】
図34および
図35は、パッド796の実施形態の分解図である。下記に説明されることとなるように、パッド796が第1の除去可能な保護層174を含まないことを除いて、パッド796は、
図26および
図28において上記に議論されているパッド576または696と同様の様式で構築されている。むしろ、導電性ゲル素子588は、パッド796に切り紙状カット800が設けられて下記に議論されているように形状決めされる前に、導電性支持層608(
図35を参照)または可撓性のポリマー層700(
図34を参照)のいずれかに直接的に接続されている。
図34に示されている例では、パッド796は、可撓性のポリマー層700を含むが、そのような開示は、
図35に示されている導電性支持層608を有するパッド796の実施形態に等しく適用可能である。一般的に、パッド796は、可撓性の材料から構築されており、導電性ゲル素子588を含むパッド796が、患者の身体パーツに適応することができるようになっている。
【0490】
パッド796の可撓性のポリマー層700、導電性ゲル素子588、電極素子584、および/または耐久性トップコート層580には、切り紙状カット800が設けられ、可撓性のポリマー層700(
図34)、導電性支持層608(
図35を参照)、導電性ゲル素子588、電極素子584、および/または耐久性トップコート層580を通って延在する複数の第1の穿孔412aおよび第2の穿孔412bを設ける。穿孔412は、空気がパッド796を通過して患者の皮膚に到達することができるように位置決めされ得、したがって、1つまたは複数の空気チャネル648(たとえば、第1の穿孔412aによって形成された空気チャネル648a、および、第2の穿孔412bによって形成された空気チャネル648b)を形成することが可能である。穿孔412は、導電性ゲル素子588、第1の除去可能な保護層174、電極素子584a、および/または、耐久性トップコート層580aの少なくとも一部分を通って延在し、患者の皮膚への空気フローの増加を可能にする。1つまたは複数の空気チャネル648は、患者の皮膚への空気フローの増加を促進させることによって、患者の皮膚の上の湿分の解放を可能にし、浸軟、病変/潰瘍、および皮膚炎を低減および/または排除し、また、TTフィールドがパッド796に適用されるときに、動作温度を減少させる。
【0491】
加えて、患者の皮膚へのパッド796の長時間露出を所与として、パッド796は、体温(すなわち、約34℃から約40℃の範囲にある)での使用のために最適化されることが望ましい。これらの温度において、複数の穿孔412によって導入される空気フローは、蒸発冷却を最大化し、それによって、動作温度の低減および患者の皮膚への冷却効果を可能にする。
【0492】
図32に示されているように、パッド796は、平面的な構成になっており、概して長方形の形状を有しているが、パッド796は、他の形状(たとえば、円形、長円形、または、風変わりな形状など)を備えて提供され得る。パッド796は、第1の側部808、第2の側部812、第1の端部816、および、第2の端部820を含む。また、パッド796は、第1の側部808から第2の側部812へ延在する第1の長手方向軸線824と、第1の端部816から第2の端部820へ延在する第2の長手方向軸線828とを提供されている。所定の身体パーツが患者の頭部であるときに、切り紙状カット800は、第1の長手方向軸線824および第2の長手方向軸線828に関して対称的になっていることが可能である。
図33に示されているように、パッド796は、非平面的な半球形の構成になっており、上面図から概して円形の形状を有している。切り紙状カット800によって形成された穿孔412は、パッド796が3次元形状へと形成されるときに拡大する。
【0493】
パッド796が可撓性のポリマー層700を含むときに(
図34を参照)、パッド796は、電極層604の範囲の全体を通して非導電性の電場を提供する。パッド796が導電性支持層608を含むときに、パッド796は、導電性支持層608の範囲の全体を通して全体的に導電性ゲル素子588aの中へ電気を提供する。切り紙状カット800および結果として生じるパッド796(電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aを含む)の再整形に起因して、パッド796のさまざまな部分の間の距離は、フレキシブルであり、固定されていない。さらに、切り紙状カット800が、電極層604、可撓性のポリマー層700(存在するとき)、および導電性支持層608(存在するとき)の中に形成されているので、穿孔412の隣接する側部における電極層604、可撓性のポリマー層700、および導電性支持層608の部分間の距離(および、その他)は、パッド796が患者に適用されるときに所定の様式で変化し、患者の身体に適応するように形状決めされる。
【0494】
切り紙は、平面的な材料(すなわち、紙)が3次元形状を形成するようにカットおよび折り畳まれる芸術の一形式である。切り紙では、平面的な材料は、オーバーラップした平面的な形状へと折り畳まれ得、次いで、複数のオーバーラップしたセクションを通して同時にカットされ、結果として生じる平面的な材料が、折り畳まれた材料が平面的な形状へと広げられるときに、対称的なカットおよび結果として生じる対称的な開口部を有するようになっている。
【0495】
本明細書で使用されているように、切り紙状カットという用語は、パッド796を形成する材料(それは、形状に関して平面的になっていることが可能である)の中の所定のパターンのカットを指しており、それは、パッド796の中の可撓性のジョイント804の形成を結果として生じさせ、患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成する際にパッド796を支援する。カッティングの前に平面的な材料が折り畳まれる切り紙とは異なり、いくつかの実施形態において、パッド796を形成する電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aが一緒に結合されており、平面的な形状(すなわち、広げられた形状)になっているときに、切り紙状カット800は、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aの中に作製され得る。切り紙状カット800は、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aを通してカットすることとなる任意の適切な自動化されたカッターアセンブリを利用して作製され得る。いくつかの実施形態において、導電性ゲル素子588aは、切り紙状カット800が作製されているときに、液体状態ではなく、重合された状態にある。
【0496】
いくつかの実施形態において、自動化されたカッターアセンブリは、カッター、たとえば、ダイ、ナイフブレード、加圧ウォータージェット、またはレーザーなどを含むことが可能である。カッターは、並進アセンブリの上に装着され得、並進アセンブリは、X平面、Y平面、およびZ平面のうちの少なくとも1つまたはそれ以上の中でカッターを移動させ、カッターが所定のパターンで切り紙状カット800をカットして提供することを引き起こすためのものである。たとえば、カッターがダイであるときに、並進アセンブリは、Z平面の中でダイを移動させ、切り紙状カット800を形成するダイに影響を与えることが可能である。カッターがレーザーであるときに、並進アセンブリは、X平面およびY平面の中でレーザーを移動させ、切り紙状カット800を形成することが可能である。
【0497】
パッド796を作製するために、耐久性トップコート層580a、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588a(たとえば、重合された状態)が、オーバーラップされて一緒に結合される。電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aがオーバーラップされて結合される前にまたはその後に、パッド796が患者の身体の所定のパーツに(たとえば、皺なしに)適応することができることとなるように、切り紙状カット800の所定のパターンが決定される。次いで、耐久性トップコート層580a、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aを通る切り紙状カットを同時に提供するために、カッターが使用される。
【0498】
いくつかの実施形態において、カッターが切り紙状カット800を提供しているときに、耐久性トップコート層580a、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aが互いに対して移動したり皺になったりしないように維持するために、真空または他の安定化アセンブリが使用され得る。他の実施形態において、耐久性トップコート層580a、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588aは、別個にまたは所定の組み合わせでカッターによってカットされ、次いで、オーバーラップされて一緒に結合され得る。
【0499】
切り紙状カット800が作製されると、張力が、導電性ゲル素子588aに印加され、導電性ゲル素子588a(および、パッド796の他の素子)を外向きに引き伸ばし、切り紙状カット800の中に空気ギャップを維持し、特定の切り紙状カット800の両側にある導電性ゲル素子588aのパーツが触れることおよび一緒に結合することを防止する。
【0500】
パッド796の多重性は、カッターの上流のフィードローラー、ならびに、カッターの下流のベントローラーおよびテイクアップローラーを使用して、連続ウェブベースのプロセスにおいて作製され得る。連続ウェブは、耐久性トップコート層580a、電極層604、可撓性のポリマー層700(または、いくつかの実施形態では、導電性支持層608)、および導電性ゲル素子588a(たとえば、重合された状態)を含むことが可能であり、それらは、オーバーラップされて一緒に結合される。この例では、フィードローラーおよびテイクアップローラーの回転速度は、所定の量の張力をウェブの中へ提供するように設定されることとなる。ベントローラーは、横方向の張力をウェブの中へ提供することとなる。切り紙状カット800が作製された後に、第2の除去可能な保護層176が、次いで、導電性ゲル素子588aの底面664に除去可能に結合され、導電性ゲル素子588aの底面664を保護することが可能である。第2の除去可能な保護層176は、導電性ゲル素子588aの中に張力を維持することとなる材料(たとえば、プラスチック)から構築され得、パッド796が、導電性ゲル素子588aが張力のかかった状態でパッケージ化および出荷され得るようになっており、切り紙状カット800によって分離された導電性ゲル素子588aの両側が触れることおよび一緒に結合することを防止する。
【0501】
パッド796の実施形態は、たとえば、上記に説明されているパッド576および696と同様の様式で使用され得る。パッド796が患者の身体パーツに最良に適応するようにするために、いくつかの実施形態において、患者が座っている位置または仰向けでない(すなわち、リラックスした)位置にあるときに、パッド796が患者の上に設置され得る。
【0502】
以下は、本明細書で開示されている第8のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0503】
例示的実施形態161
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第1の電極素子を有する第1のパッドであって、第1の導電性素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の電極素子および第1の導電性ゲル素子は、複数の切り紙状カットを画定しており、複数の切り紙状カットは、第1のパッドが患者の身体の所定の部分に適応することを結果として生じさせる所定のパターンのカットである、第1のパッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の導電性ゲル素子に直接的に接続されている第2の電極素子を有する第2のパッドであって、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されている、第2のパッドと
を含む、システム。
【0504】
例示的実施形態162
第1の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態161に記載のシステム。
【0505】
例示的実施形態163
第2の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と導電性ゲル素子との中間にある、例示的実施形態162に記載のシステム。
【0506】
例示的実施形態164
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態161に記載のシステム。
【0507】
例示的実施形態165
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態164に記載のシステム。
【0508】
例示的実施形態166
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態164に記載のシステム。
【0509】
例示的実施形態167
発生器は、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態164に記載のシステム。
【0510】
例示的実施形態168
第1のパッド、第2のパッド、または、第1のパッドおよび第2のパッドの両方のいずれかが、ブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態164に記載のシステム。
【0511】
例示的実施形態169
ブロッキングキャパシターは、第1のブロッキングキャパシターであり、電気信号中の直流電流をブロックするように構成されている第2のブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態164に記載のシステム。
【0512】
例示的実施形態170
第1のパッド、第2のパッド、または、第1のパッドおよび第2のパッドの両方のいずれかが、第2のブロッキングキャパシターを含む、例示的実施形態169に記載のシステム。
【0513】
例示的実施形態171
第1の導電性ゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態161に記載のシステム。
【0514】
例示的実施形態172
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態171に記載のシステム。
【0515】
例示的実施形態173
支持層は、導電性である、例示的実施形態171に記載のシステム。
【0516】
例示的実施形態174
第2のヒドロゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態161に記載のシステム。
【0517】
例示的実施形態175
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態174に記載のシステム。
【0518】
例示的実施形態176
支持層は、導電性である、例示的実施形態174に記載のシステム。
【0519】
例示的実施形態177
第1のパッドの温度を測定するように構成されている1つまたは複数の温度センサーをさらに含む、例示的実施形態161に記載のシステム。
【0520】
例示的実施形態178
制御ボックスをさらに含み、制御ボックスは、1つまたは複数の温度センサーをモニタリングし、温度が快適性閾値を超える場合には、発生器をターンオフするように構成されている、例示的実施形態177に記載のシステム。
【0521】
例示的実施形態179
快適性閾値は、摂氏約40度である、例示的実施形態178に記載のシステム。
【0522】
例示的実施形態180
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子から電流を受け取るように電極素子に直接的に接続されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、電極素子および導電性ゲル素子は、切り紙状カットを画定しており、切り紙状カットは、電極素子および導電性ゲル素子が患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成することを結果として生じさせる所定のパターンのカットである、導電性ゲル素子と
を含む、パッド。
【0523】
例示的実施形態181
電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、導電性リードは、発生器に電気的に連結されるように構成されており、導電性リードは、電極素子に電気的に連結されている、例示的実施形態180に記載のパッド。
【0524】
例示的実施形態182
導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ゲルであり、第2の導電性ゲル層は、第2の導電性ゲルである、例示的実施形態180に記載のパッド。
【0525】
例示的実施形態183
第1の導電性ゲルおよび第2の導電性ゲルは、同じ導電性ゲルではない、例示的実施形態182に記載のパッド。
【0526】
例示的実施形態184
支持層は、導電性である、例示的実施形態182に記載のパッド。
【0527】
例示的実施形態185
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態182に記載のパッド。
【0528】
例示的実施形態186
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態185に記載のパッド。
【0529】
例示的実施形態187
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態185に記載のパッド。
【0530】
例示的実施形態188
トップコート層、電極素子、および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されている、例示的実施形態180に記載のパッド。
【0531】
例示的実施形態189
少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップと;
少なくとも2つの導電性領域を患者に適用する前または後に、導電性領域を発生器に連結するステップであって、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子を有しており、導電性ゲル素子に直接的に接続されており、電極素子から導電性ゲル素子へ電流を供給するようになっており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、導電性ゲル素子に電流を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触しており、電極素子および導電性ゲル素子は、切り紙状カットを含み、切り紙状カットは、電極素子および導電性ゲル素子が患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成することを結果として生じさせる、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電流を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0532】
例示的実施形態190
導電性領域を患者の皮膚に連結するステップは、第1のリードを導電性領域のうちの第1のものに接続するステップ、および、第2のリードを導電性領域のうちの第2のものに接続するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態189に記載の方法。
【0533】
例示的実施形態191
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターに電気信号を通過させるステップをさらに含む、例示的実施形態189に記載の方法。
【0534】
例示的実施形態192
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態191に記載の方法。
【0535】
例示的実施形態193
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態191に記載の方法。
【0536】
例示的実施形態194
電極素子および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されており、少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップは、電極素子および導電性ゲル素子を患者の皮膚に適応させるステップとしてさらに定義される、例示的実施形態189に記載の方法。
【0537】
例示的実施形態195
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の電極素子および第1の導電性ゲル素子を有する第1のパッドであって、第1の電極素子は、第1の可撓性のポリマー層に接続されており、第1の可撓性のポリマー層は、第1の電極素子と第1の導電性ゲル素子との間にあり、第1の導電性素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第1の電極素子、第1の可撓性のポリマー層、および、第1の導電性ゲル素子は、切り紙状カットを画定しており、切り紙状カットは、第1の電極素子、第1の可撓性のポリマー層、および、第1の導電性ゲル素子が患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成することを結果として生じさせ、第1の可撓性のポリマー層は、第1の誘電材料である、第1のパッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の電極素子および第2の導電性ゲル素子を有する第2のパッドであって、第2の電極素子は、第2の可撓性のポリマー層に接続されており、第2の導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、第2の可撓性のポリマー層は、第2の電極素子と第2の導電性ゲル素子との間に位置決めされており、第2の誘電材料である、第2のパッドと
を含む、システム。
【0538】
例示的実施形態196
第1の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と第1の可撓性のポリマー層との中間にある、例示的実施形態195に記載のシステム。
【0539】
例示的実施形態197
第2の電極素子は、導電性支持層に電気的に連結されている電極層を含み、導電性支持層は、電極層と第1の可撓性のポリマー層との中間にある、例示的実施形態195に記載のシステム。
【0540】
例示的実施形態198
第1の導電性ゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態195に記載のシステム。
【0541】
例示的実施形態199
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態198に記載のシステム。
【0542】
例示的実施形態200
支持層は、導電性である、例示的実施形態198に記載のシステム。
【0543】
例示的実施形態201
第2のヒドロゲル素子は、第1のヒドロゲル層、支持層、および、第2のヒドロゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ヒドロゲルであり、第2のヒドロゲル層は、第2の導電性ヒドロゲルである、例示的実施形態195に記載のシステム。
【0544】
例示的実施形態202
第1の導電性ヒドロゲルおよび第2の導電性ヒドロゲルは、同じヒドロゲルではない、例示的実施形態201に記載のシステム。
【0545】
例示的実施形態203
支持層は、導電性である、例示的実施形態201に記載のシステム。
【0546】
例示的実施形態204
第1のパッドの温度を測定するように構成されている1つまたは複数の温度センサーをさらに含む、例示的実施形態195に記載のシステム。
【0547】
例示的実施形態205
制御ボックスをさらに含み、制御ボックスは、1つまたは複数の温度センサーをモニタリングし、温度が快適性閾値を超える場合には、発生器をターンオフするように構成されている、例示的実施形態204に記載のシステム。
【0548】
例示的実施形態206
快適性閾値は、摂氏約40度である、例示的実施形態205に記載のシステム。
【0549】
例示的実施形態207
トップコート層と;
トップコート層に接続されている電極素子であって、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子に接続されている可撓性のポリマー層であって、誘電材料から構築されている、可撓性のポリマー層と;
導電性ゲル素子から電極素子を電気的に隔離するために可撓性のポリマー層に接続されている導電性ゲル素子であって、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触するように構成されており、電極素子、可撓性のポリマー層、および、導電性ゲル素子は、切り紙状カットを画定しており、切り紙状カットは、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子が患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成することを結果として生じさせる所定のパターンのカットである、導電性ゲル素子と
を含む、パッド。
【0550】
例示的実施形態208
電気信号を伝達するように構成されている導電性リードをさらに含み、導電性リードは、発生器に電気的に連結されるように構成されており、導電性リードは、電極素子に電気的に連結されている、例示的実施形態207に記載のパッド。
【0551】
例示的実施形態209
導電性ゲル素子は、第1の導電性ゲル層、支持層、および、第2の導電性ゲル層をさらに含み、第1のヒドロゲル層は、第1の導電性ゲルであり、第2の導電性ゲル層は、第2の導電性ゲルである、例示的実施形態207に記載のパッド。
【0552】
例示的実施形態210
第1の導電性ゲルおよび第2の導電性ゲルは、同じ導電性ゲルではない、例示的実施形態209に記載のパッド。
【0553】
例示的実施形態211
支持層は、導電性である、例示的実施形態209に記載のパッド。
【0554】
例示的実施形態212
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターをさらに含む、例示的実施形態209に記載のパッド。
【0555】
例示的実施形態213
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態212に記載のパッド。
【0556】
例示的実施形態214
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態212に記載のパッド。
【0557】
例示的実施形態215
少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップと;
少なくとも2つの導電性領域を皮膚に適用する前または後に、導電性領域を発生器に連結するステップであって、発生器は、50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されており、各導電性領域は、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子を有しており、可撓性のポリマー層は、電極素子を導電性ゲル素子から電気的に隔離しており、電極素子は、発生器に電気的に連結されており、電気信号を受け取ると、可撓性のポリマー層を通して導電性ゲル素子に電場を供給し、導電性ゲル素子は、患者の皮膚と接触しており、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子は、切り紙状カットを画定しており、切り紙状カットは、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子が患者の身体の所定の部分に適応する3次元形状を形成することを結果として生じさせる所定のパターンのカットである、ステップと;
発生器を作動させ、電気信号を電極素子に供給し、それによって、導電性ゲル素子を通して患者に電場を供給する、ステップと
を含む、方法。
【0558】
例示的実施形態216
導電性領域を患者の皮膚に連結するステップは、第1のリードを導電性領域のうちの第1のものに接続するステップ、および、第2のリードを導電性領域のうちの第2のものに接続するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態215に記載の方法。
【0559】
例示的実施形態217
電気信号中の直流電流をブロックするように構成されているブロッキングキャパシターに電気信号を通過させるステップをさらに含む、例示的実施形態215に記載の方法。
【0560】
例示的実施形態218
ブロッキングキャパシターは、無極性キャパシターである、例示的実施形態217に記載の方法。
【0561】
例示的実施形態219
ブロッキングキャパシターは、約1μFの静電容量を有している、例示的実施形態217に記載の方法。
【0562】
例示的実施形態220
電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子は、可撓性の材料から構築されており、患者の身体に適応するように構成されており、少なくとも2つの導電性領域を患者の皮膚に適用するステップは、電極素子、可撓性のポリマー層、および導電性ゲル素子を患者の皮膚に適応させるステップとしてさらに定義される、例示的実施形態215に記載の方法。
【0563】
第9のモード:導電性ゲル設計を有する導電性のおよび非導電性のパッドおよびそのアプリケーター
【0564】
本開示の第9のモードは、腫瘍治療電場を患者の中へ送達するように構成されたパッドを作製する方法を含む。アプリケーターのノズルは、電極素子の第1の側部から所定の塗布距離に位置決めされる。導電性ゲルは、所定の塗布圧力においてノズルから選択的に放出され、ノズルは、導電性ゲルの放出の間に電極素子に対して並進移動し、電極素子の第1の側部において導電性ゲルの少なくとも1つのラインを形成するようになっている。
【0565】
図36に示されているのは、本開示にしたがって構築された第1の導電性パッド876の1つの実施形態の分解側面図である。第1の導電性パッド876は、パッド70aおよびパッド70bの例示的な実施形態である。第1の導電性パッド876に電極素子420aが設けられ、電極素子420aは、電極層880と、電極層880に接続されている導電性支持層884とから形成されているということを除いて、第1の導電性パッド876は、構築および機能に関して、導電性パッド100fと同様である。電極層880は、導電性支持層884にオーバーラップする。電極層880は、外側周辺電極縁部888を含む。導電性支持層884は、電極層880の外側周辺電極縁部888を越えて延在することが可能である。第1の導電性パッド876は、電極(たとえば、第1の電極18aまたは第2の電極18bなど)または電極パッドとも称され得る。
【0566】
電極層880は、望ましい特性(たとえば、それに限定されないが、高い導電性、強力な生体適合性、および、第1の導電性パッド876の他の層またはコンポーネントとの低い反応性など)を有する任意の導電性材料から選択され得る。1つの実施形態では、電極層880は、銀、スズ、アルミニウム、チタン、プラチナ、それらの合金、および/または、それらのいくつかの組み合わせのうちの1つまたは複数から選択される。電極層880は、耐久性トップコート層580と接触している第1の表面892と、導電性支持層884と接触している第2の表面896とを含む。耐久性トップコート層580は、非導電性の材料(たとえば、非導電性のファブリックなど)であることが可能である。非導電性のファブリックは、複数の穿孔412、および、望ましくは、多くの穿孔412を有することが可能である。
【0567】
1つの実施形態では、電極層880は、導電性支持層884に結合され得る。導電性支持層884は、第1の表面900および第2の表面904を含むことが可能であり、第1の表面900は、電極層880の第2の表面896に取り付けられているかまたはその他の方法で連結されており、第2の表面904は、導電性ゲル素子908と直接的に接触している。いくつかの実施形態において、第2の表面904の全体が、導電性ゲル素子908と直接的に接触している。導電性支持層884は、導電性炭素フィルム(または、導電性ファブリック)から形成され得、導電性炭素フィルムは、電極層880を支持するように構成されており、一方では、また、電極層880を導電性ゲル素子908に伝導的に連結する。1つの実施形態では、導電性支持層884は、電極層880に電気メッキされるかまたはその他の方法で結合され得る。この実施形態では、第1の導電性パッド876は、導電性ゲル素子908から電極素子420aを電気的に隔離する誘電体層を含まない。導電性ファブリックの例示的な実施形態は、上記に議論されている。
【0568】
1つの実施形態では、電極層880の厚さ、または、代替的に、電極層880および導電性支持層884の厚さは、TTフィールドを発生させるために使用される電気信号の電流および周波数に基づいて決定され得る。また、厚さは、他の望ましい特性(たとえば、第1の導電性パッド876の熱放散および/または可撓性要件など)に基づいて設定され得る。たとえば、厚さが薄過ぎる場合には、患者は、ホットスポットを経験することが可能であり、すなわち、患者は、第1の導電性パッド876の一部分が第1の導電性パッド876の他の部分よりも急速に加熱することを経験する可能性があり、それは、厚さが電極層880の中の熱伝導率を遅くすること、したがって、第1の導電性パッド876を横切る温度差の増加を引き起こすことに、少なくとも部分的に起因している可能性がある。1つの実施形態では、厚さは、25milから75milの間にある。
【0569】
1つの実施形態では、第1の導電性パッド876は、使用時点において(たとえば、はさみによって)患者のターゲットエリアに対応するように形状決めされ得る。単なる例として、および、限定としてではなく、第1の導電性パッド876は、耳を収容するために、第1の導電性パッド876の一部分を除去するようにカットされ得(または、その他の方法で修正される)、除去された部分は、そうでなければ耳の上にあることとなる。それを行うことによって、患者の頭部への第1の導電性パッド876のより良好な接着が実現され得、同様に、患者の快適さの増加も実現され得る。別の例として、第1の導電性パッド876は、患者の関節の周りにフィットするようにカットされるかまたはその他の方法で修正され得、それは、たとえば、それに限定されないが、第1の導電性パッド876が取り付けられている間に患者が膝を使用し続けること、または、さらに、TTフィールドからの治療を受けている間に患者が膝を使用し続けることを可能にすることとなる様式で、患者の膝の上に設置されている第1の導電性パッド876をカットすることなどである。第1の導電性パッド876の整形は、予め構造化され得、または、第1の導電性パッド876は、第1の導電性パッド876の整形が容易に実現可能であるように十分に可撓性にされ得る。第1の導電性パッド876を修正するときの1つの重要な考慮事項は、第1の導電性パッド876の一部分が第1の導電性パッド876の残りの部分から電気的に隔離されるような電極層880を通る任意のカットが、療法的な悪影響を有する可能性があるということである。
【0570】
図37を参照すると、本開示にしたがって構築されたパッド916の別の実施形態が、ここで示されている。パッド916が電極素子420bを含み、電極素子420bは、導電性支持層884というよりもむしろ非導電性の可撓性のポリマー層700(以降では、可撓性のポリマー層700と称される)を含むということを除いて、パッド916は、構築および機能に関して、
図36に関して上記に説明されている第1の導電性パッド876と同様である。この実施形態では、導電性支持層884は、省略され得、可撓性のポリマー層700は、電極層880と導電性ゲル素子908との間に位置決めされている。パッド916と第1の導電性パッド876との間で共通の素子は、共通の参照番号をラベル付けされている。
【0571】
可撓性のポリマー層700は、上記に議論されているような誘電材料から構築され得る。可撓性のポリマー層700には、第1の表面920および第2の表面924が設けられ得る。第1の表面920は、電極層880の第2の表面864に取り付けられるかまたはその他の方法で連結され得、第2の表面924は、導電性ゲル素子908と直接的に接触することが可能である。いくつかの実施形態において、第1の表面920の全体は、電極層880の第2の表面184eと直接的に接触しており、第2の表面924は、導電性ゲル素子908と直接的に接触している。
【0572】
いくつかの実施形態において、導電性パッド876または916の導電性ゲル層492は、1つまたは複数のパターンを有する導電性ゲルを含むことが可能である。ここで
図38A~Fを参照すると、さまざまなパターンの導電性ゲルを備えた導電性ゲル層492を有する導電性パッド876または916のさまざまな代替的な例示的な実施形態が、ここで示されている。導電性ファブリック400は、導電性ゲルが存在しているときと比較して、導電性ゲルが存在していないときに、屈曲および/または伸長するための異なる能力を有することが可能であるので、導電性ゲル層492の導電性ゲルのパターンの選択は、導電性パッド876または916の所望の可撓性および所望の伸縮性に依存し得る。単なる例として、1自由度を有する患者の関節(たとえば、患者の肘など)の上に導電性パッド876または916を設置することが望まれる場合には、患者が自分の肘を使用することを可能にすることとなる(そのような使用が、導電性パッド100fが患者の身体の上で移動することを引き起こすことなく、および/または、患者の痛みを引き起こすことなく)可撓性を備えた導電性パッド876または916を有することが望まれる可能性がある。
【0573】
図38Aを参照すると、導電性パッド936cの例示的な実施形態の底面図が、ここで示されており、導電性パッド936cは、導電性ファブリック400aの第1の側部476aを有しており、導電性ゲル層492aをさらに含む。導電性ゲル層492が、より詳細に下記に説明されているように、隣接する部分とともに少なくとも1つのライン940aを有する導電性ゲルの1つまたは複数のパターンを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド936cは、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド100f、導電性パッド876、およびパッド916と同一である。導電性ゲル層492aは、上記に説明されているように、導電性ゲルから形成されている。導電性ゲル層492aの導電性ゲルは、例として、導電性ファブリック400aの第1の側部476aの上に、螺旋状のパターンのライン940aとして配設されていることが示されている。他の実施形態において、導電性ゲル層492aは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の上に配設されている。ライン940aは、第1の端部944aおよび第2の端部944bを有している。
図38Aに示されている螺旋状のパターンは、反時計回り方向に延在する円形の螺旋として示されているが、螺旋状のパターンは、螺旋のタイプまたは反時計回り方向に限定されず、他のタイプの螺旋を含むことが可能であり、時計回り方向のものであることも可能である。また、空気チャネル948aが、
図38Aに示されている。空気チャネル948aは、第1の側部476aによって、および、導電性ゲル層492aのライン940aの隣接する部分の導電性ゲルによって境界を定められている。空気チャネル948aは、空気チャネル948aのいずれかの側に配設されている導電性ゲルによって形成された幅952aを含むことが可能である。幅952aは、実質的に均一であってもよく、または、ライン940aに沿って変化していてもよい。いくつかの実施形態において、空気チャネル948aは、第1の端部944aからその第2の端部944bへライン940aに隣接して延在している。
【0574】
導電性ゲル層492aの導電性ゲルは、ゲル幅956aをさらに含む。1つの実施形態では、幅952aおよびゲル幅956aは、実質的に等しいが、しかし、他の実施形態では、ゲル幅956aは、幅952aよりも大きくなっていてもよく、または、幅952aよりも小さくなっていてもよい。1つの実施形態では、ゲル幅956aおよび幅952aは、おおよそ8分の1インチである。他の実施形態では、ゲル幅956aは、おおよそ1000分の1インチからおおよそ1インチの間にあり、および/または、幅952aは、おおよそ1000分の1インチからおおよそ1インチの間にある。1つの実施形態では、幅952aの選択は、所望の可撓性に少なくとも部分的に基づいており、第1の方向への可撓性の増加のために、第1の方向により大きな幅952aを結果として生じさせることができ、第2の方向への可撓性の増加のために、第2の方向により大きな幅952aを結果として生じさせることができるようになっている。
【0575】
図38Bを参照すると、導電性パッド936dの例示的な実施形態の底面図が、ここで示されており、導電性パッド936dは、導電性ファブリック400bの第1の側部476bを有しており、導電性ゲル層492bをさらに含む。導電性ゲル層492bが、ジグザグパターンのライン940bとして配置されている導電性ゲルの1つまたは複数のパターンを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド936dは、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド936cと同一である。他の実施形態において、導電性ゲル層492bは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の上に配設されている。
図38Bに示されているジグザグパターンは、左から右の方向を有するジグザグパターンとして示されているが、ジグザグパターンは、ジグザグパターンのタイプまたは左から右の方向に限定されず、他のタイプのジグザグパターンを含むことが可能であり、別の方向(たとえば、上下など)であることも可能である。また、空気チャネル948bが、
図38Bに示されている。空気チャネル948bは、第1の側部476bによって、および、導電性ゲル層492aの導電性ゲルのライン940bの隣接する部分によって境界を定められている。空気チャネル948bは、空気チャネル948bのいずれかの側に配設されている導電性ゲルによって形成された幅952bを含むことが可能である。
【0576】
図38Cを参照すると、導電性パッド936eの例示的な実施形態の底面図が、ここで示されており、導電性パッド936eは、導電性ファブリック400cの第1の側部476cを有しており、導電性ゲル層492cをさらに含む。導電性ゲル層492cが、シェブロンパターンで導電性ファブリック400cの第1の側部476cの上に配設されている導電性ゲル層492cの導電性ゲルの複数のライン940cを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド936eは、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド936cと同一である。他の実施形態において、導電性ゲル層492cは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の上に配設されている。
図38Cに示されているシェブロンパターンは、第1の数のシェブロンを有する左から右の方向に示されているが、シェブロンパターンは、左から右に延在することに限定されず、第1の数のシェブロンは、任意の数のシェブロンを有することが可能である。また、複数の空気チャネル948cが、
図38Cに示されている。各空気チャネル948cは、第1の側部476cによって、および、導電性ゲル層492cの隣接して配設されている導電性ゲルによって境界を定められている。各空気チャネル948cは、隣接して配設されている導電性ゲルによって形成された幅952cを含むことが可能である。
【0577】
図38Dを参照すると、導電性パッド936fの例示的な実施形態の底面図が、ここで示されており、導電性パッド936fは、導電性ファブリック400dの第1の側部476dを有しており、導電性ゲル層492dをさらに含む。導電性ゲル層492dが、上記に説明されているように、導電性ゲルの複数の線形のライン940dを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド936fは、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド936cと同一である。示されている実施形態では、線形のライン940dは平行になっている。導電性ゲル層492dの導電性ゲルは、間隔を離して配置された線形パターンで、導電性ファブリック400dの第1の側部476aの上に配設されている。他の実施形態において、導電性ゲル層492dは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の上に配設されている。
図38Dに示されている線形パターンは、左から右へ延在するように示されているが、線形パターンは、他の配向および/または方向に延在することが可能である。また、複数の空気チャネル948dが、
図38Dに示されている。各空気チャネル948dは、第1の側部476dによって、および、導電性ゲル層492dの導電性ゲルによって境界を定められている。各空気チャネル948dは、隣接して配設されている導電性ゲルによって形成された幅952dを含むことが可能である。
【0578】
図38Eを参照すると、導電性パッド936gの例示的な実施形態の底面図が、ここで示されており、導電性パッド936gは、導電性ファブリック400eの第1の側部476eを有しており、導電性ゲル層492eをさらに含む。導電性ゲル層492eが、同相正弦波パターンの複数のライン940eとして、導電性ファブリック400eの第1の側部476eの上に配設されているということを除いて、導電性パッド936gは、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド936cと同一である。他の実施形態において、導電性ゲル層492eは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の上に配設されている。
図38Eに示されている正弦波パターンは、左から右へ延在するように示されているが、正弦波パターンは、左または右に限定されず、第1の方向とは異なる第2の方向を有することが可能である。また、複数の空気チャネル948eが、
図38Eに示されている。各空気チャネル948eは、第1の側部476eによって、および、導電性ゲル層492eの導電性ゲルによって境界を定められている。各空気チャネル948eは、隣接して配設されている導電性ゲルによって形成された幅952eを含むことが可能である。
【0579】
図38Fを参照すると、導電性パッド936hの例示的な実施形態の底面図が、ここで示されており、導電性パッド936hは、導電性ファブリック400fの第1の側部476fを有しており、導電性ゲル層492fをさらに含む。導電性ゲル層492fが、同相方形波パターンで導電性ファブリック400fの第1の側部476fの上に配設されているということを除いて、導電性パッド936hは、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド936cと同一である。他の実施形態において、導電性ゲル層492fは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の上に配設されている。
図38Fに示されている方形波線形パターンは、左から右へ進むように示されているが、方形波パターンは、左から右へ進むことに限定されず、他の方向も使用され得る。また、複数の空気チャネル948fが、
図38Fに示されている。各空気チャネル948fは、第1の側部476fによって、および、導電性ゲル層492fの導電性ゲルのライン940fの隣接するセクションによって境界を定められている。各空気チャネル948fは、隣接して配設されている導電性ゲルによって形成された幅952fを含むことが可能である。
【0580】
ここで
図39を参照すると、導電性パッド936cの部分的な断面図が、ここで示されている。導電性ファブリック400は、導電性ゲル層492の導電性ゲルもしくは半固体の導電性ゲル、または、下記に説明されているような液体導電性ゲルなどのような、導電性ゲル960によって浸透されている。導電性ファブリック400は、上記に説明されているように構築されており、導電性スレッド408c、非導電性スレッド404、および導電性スレッド408dを含む。導電性ゲル960は、たとえば、下記に説明されているように導電性ゲル塗布プロセス1046において塗布されるときに、導電性ファブリック400に侵入し、したがって、導電性スレッド408cおよび導電性スレッド408dを取り囲む導電性ゲル960によって示されているように、導電性ファブリック400のスレッドを通って浸透する。また、いくつかの実施形態において、導電性ゲル960は、1つまたは複数の非導電性スレッド404を取り囲む。導電性ゲル960が導電性スレッド408a~nおよび/または非導電性スレッド404のうちの1つまたは複数を取り囲むときに、導電性ゲル960は、導電性ファブリック400に「結合されている」と言うことが可能である。そのうえ、導電性ゲル960によって各導電性スレッド408を取り囲むことによって、各導電性スレッド408と導電性ゲル960との間の接触面積が増加される。たとえば、特定の導電性スレッド408が導電性ゲル960によって取り囲まれている場合には、特定の導電性スレッド408と導電性ゲル960との間の接触面積は、特定の導電性スレッド408の表面積におおよそ等しい。
【0581】
さらに示されているように、隣接するスレッド(たとえば、導電性スレッド408dおよび非導電性スレッド404など)の間に形成されたボイドは、より詳細に上記に説明されているように、1つまたは複数の穿孔412を確立している。また、導電性ファブリック400の第1の側部476、導電性スレッド408cを取り囲む導電性ゲル960、導電性スレッド408dを取り囲む導電性ゲル960、および患者964の間のボイドによって形成された空気チャネル948a~nの断面が示されている。
【0582】
ここで
図40を参照すると、本開示にしたがって構築されたゲル塗布システム976の例示的な実施形態のダイアグラムが、ここで示されている。ゲル塗布システム976は、1つまたは複数のアプリケーター980と、ハウジング988に移動可能に取り付けられているプラットフォーム984とを含む。簡潔にする目的のために、1つのアプリケーター980のみが示されている。複数のアプリケーター980が、2つ以上のライン940を有する導電性パッド936e~hのいずれかを形成するために使用され得るということを理解されたい。複数のパッド100f、876、916、または936c~hを同時に形成するために、さらに複数のアプリケーター980が使用され得る。1つまたは複数のアプリケーター980は、より詳細に上記に説明されている、導電性ゲルを放出するための少なくともノズル992をさらに含む。プラットフォーム984は、導電性パッド936cおよび導電性パッド288として
図39に示されている、1つまたは複数のパッド100f、876、916、または936c~hを支持する。1つの実施形態では、アプリケーター980は、第1の方向996もしくは第2の方向1000の一方に、または、第1の方向996および第2の方向1000の組み合わせで移動することが可能である。1つの実施形態では、プラットフォーム984は、第1の方向996もしくは第2の方向1000のうちの一方に、または、第1の方向996および第2の方向1000の組み合わせで移動することが可能である。1つの実施形態では、ゲル塗布システム976は、プラットフォーム984の移動を制御するための、および/または、アプリケーター980の移動を制御するためのコントローラー1004を含む。
【0583】
1つの実施形態では、ノズル992は、プラットフォーム984からノズル992の間の距離によって決定される塗布距離を有しており、所定の塗布圧力において(液体形態の)導電性ゲルを放出し、プラットフォーム984に対して所定の塗布速度で移動する。塗布距離、塗布圧力、および塗布速度を調節することによって、ゲル幅956(たとえば、ゲル幅956a~f)が調節される。たとえば、第1の塗布距離、第1の塗布圧力、および第1の塗布速度においてゲルを放出することは、第1のゲル幅を結果として生じさせることが可能であり、一方では、第1の塗布距離、第1の塗布圧力、および、第1の塗布速度よりも大きい第2の塗布速度においてゲルを放出することは、第1のゲル幅よりも小さい第2のゲル幅を結果として生じさせることが可能である。塗布速度は、第1の方向996、第2の方向1000、または、第1の方向996および第2の方向1000の組み合わせのうちの1つに、アプリケーター980および/またはプラットフォーム984を移動させることによって引き起こされ得る。
【0584】
1つの実施形態では、塗布圧力は、導電性ゲルの一部分が導電性ファブリック400の中へおよび/または導電性ファブリック400を通ってウィックされる(wicked)ように選択され、たとえば、導電性ゲルの一部分が導電性ファブリック400の複数の穿孔412を通過させられ、接触面積(それは、導電性ゲルが接触している導電性スレッド408a~nおよび非導電性スレッド404の面積)が増加されるように選択される。また、導電性ゲルの一部分は、第1の側部476の上に位置決めされており、患者964に係合し、空気チャネル948を形成している。たとえば、導電性ゲルが導電性ファブリック400の中にさらに侵入することを引き起こすために、より高い圧力において導電性ゲルを放出することが望ましい場合がある。導電性ファブリック400の中への侵入を増加させることによって、追加的な導電性スレッド408a~nは、導電性ゲルに露出され得、したがって、電気伝導率を潜在的に増加させ、患者964に印加され得るTTF電場の電流の量を強化する。別の実施形態では、張力が、導電性ゲルの侵入を調節するために、導電性ファブリック400の上に印加または調節され得る。別の実施形態では、塗布圧力および張力は、導電性ファブリック400の中への導電性ゲルの所望の侵入に少なくとも部分的に基づいて選択される。
【0585】
1つの実施形態では、ゲル塗布システム976は、導電性ファブリック400、導電性支持層884、または可撓性のポリマー層700の上に、液体形態で導電性ゲルを放出する。導電性ファブリック400を含むいくつかの実施形態では、液体形態で導電性ゲルを放出することによって、液体導電性ゲルが、より良好に導電性ファブリック400に侵入することが可能である。追加的に、液体導電性ゲルは、導電性ファブリック400の中へさらにウィックされ得る。1つの実施形態では、液体導電性ゲルは、硬化剤をさらに含み、硬化剤は、硬化されるときに、1つもしくは複数の導電性スレッド408a~nおよび/または1つもしくは複数の非導電性スレッド404をカプセル化する。たとえば、液体導電性ゲルは、UV硬化剤を含むことが可能であり、液体導電性ゲルが特定のUV供給源に露出されるときに、液体導電性ゲルが硬化される(すなわち、重合される)ようになっている。導電性支持層884または可撓性のポリマー層700を含む実施形態では、重合された液体導電性ゲルは、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の中への侵入なしに、導電性支持層884または可撓性のポリマー層700の表面の上にあることが可能である。導電性ファブリック400に侵入した液体導電性ゲルの重合は、導電性ファブリック400の1つもしくは複数の導電性スレッド408a~nおよび/または1つもしくは複数の非導電性スレッド404をカプセル化し、それによって、重合された導電性ゲルと導電性ファブリック400との間の導電性を増加させ、また、導電性ファブリック400の上のおよび/またはその中の特定の場所において、重合された導電性ゲルを結合させる。1つの実施形態では、液体導電性ゲルは、おおよそ60psiの塗布圧力において放出される。他の実施形態において、液体導電性ゲルは、おおよそ30psiからおおよそ90psiの間の塗布圧力において放出される。
【0586】
1つの実施形態では、プラットフォーム984は、非導電性のファブリックのシートを含み、1つまたは複数の導電性ファブリック400は、非導電性のファブリックに取り付けられている。1つの実施形態では、各導電性ファブリック400は、非導電性のファブリック(たとえば、プラットフォーム984)に取り付けられており、ポケットが、非導電性のファブリックと導電性ファブリック400との間に形成されるようになっている。ポケットは、ファブリック支持素子466を受け入れるように動作可能であり得る。各ポケットは、第1のポケットの導電性ファブリック400が第2のポケットの導電性ファブリック400と電気的接触をしないように、空間的に配設され得る。複数の導電性領域をさらに説明する実施形態が、
図41に示されており、より詳細に下記に説明されている。
【0587】
1つの実施形態では、アプリケーター980は、ハンドヘルド式であることが可能であり、すなわち、アプリケーター980は、ハウジング988に移動可能に取り付けられている代わりに、ユーザーによって保持および/または移動され得る。そのような実施形態では、ユーザーは、導電性ファブリック400またはパッド100f、876、916、もしくは936c~hの上に導電性ゲルを放出するために、アプリケーター980を使用することが可能である。たとえば、パッド100f、876、916、または936c~hが洗浄されるかまたはその他の方法で導電性ゲルをクリアされる場合に、ユーザーは、パッド100f、876、916、または936c~hに導電性ゲルを再塗布するために、アプリケーター980を使用することが可能である。
【0588】
図41を参照すると、導電性パッド1006の例示的な実施形態の機能的なダイアグラムが、ここで示されている。電極素子420、420b、および420aが、複数の導電性領域1010a~hを形成するように配置されているということを除いて、導電性パッド1006は、構築および機能に関して、上記に説明されている導電性パッド100f、導電性パッド876、およびパッド936と同一である。8つの導電性領域1010a~hが、例として
図41に示されている。導電性パッド1006が導電性ファブリック400を含むときに、導電性パッド1006は、導電性領域1010a~hの上におよびその間に延在するファブリック支持素子466を含む。この実施形態では、ファブリック支持素子466は、非導電性の材料から形成され得、または、導電性領域1010a~hから電流を受け取らない導電性の材料から形成され得る。導電性領域1010a~hは、1つまたは複数の誘電体領域146によって電気的に隔離されており、1つまたは複数の誘電体領域146は、各々隣接して配設されている対の導電性領域1010a~hの間に延在している。誘電体領域146は、隣接して配設されている導電性領域1010a~hのそれぞれの対の間に誘電体素子を横方向にインターリーブすることによって形成され得る。リード58aは、2つ以上の隔離された導体150を含むことが可能であり、各導電性領域1010a~hが、独立して発生器54に連結されるようになっており、したがって、各導電性領域1010a~hによって発生させられるTTフィールドを発生器54が独立して制御することを可能にする。そのような実施形態では、電子的装置50は、導電性パッド1006の1つまたは複数の導電性領域1010a~hの間を行ったり来たりし、したがって、増加した特異性および精度によってTTフィールドを生成および整形することが可能である。複数の導電性領域1010a~hを有する単一の導電性パッド1006は、第1の導電性パッド100a、第2の導電性パッド100b、または、導電性パッド936c~hのいずれかの代用としてまたはそれと併用して使用され得る。
【0589】
1つの実施形態では、導電性パッド1006は、より詳細に上記に説明されているように、衣類の形状で形成されている。たとえば、導電性パッド1006は、複数の導電性領域1010a~hを有するシャツへと形成され得る。複数の導電性領域1010a~hは、患者の腹部または胸部の中の特定の場所における腫瘍をターゲットにするためにTTフィールドが発生させられるように選択的に活性化させられ得る。代替的に、導電性パッド1006は、複数の導電性領域1010a~hを有する帽子へと形成され得る。複数の導電性領域1010a~hは、患者の頭部の中の特定の場所における腫瘍をターゲットにするためにTTフィールドが発生させられるように選択的に活性化させられ得る。
【0590】
1つの実施形態では、1つまたは複数の導電性領域1010は、導電性ゲル素子908の上に設置され得、各導電性領域1010が、それぞれ他の導電性領域1010から電気的に隔離されるようになっている。例として、第1の導電性領域1010(たとえば、導電性領域1010a)は、第1の導電性ゲル素子908の上の第1の位置に設置され得、第2の導電性領域1010(たとえば、導電性領域1010b)は、第2の導電性ゲル素子908の上の第2の位置に設置され得る。第1の位置および第2の位置は、第1の位置および第2の位置がオーバーラップしないようにおよび互いに分離されているように配設され得、それによって、第1の導電性領域1010および第2の導電性領域1010が互いに電気的に隔離されている。1つの実施形態では、各導電性領域1010の表面積と組み合わせられた導電性ゲル素子908の表面積との間の比率は、50/50である。別の実施形態では、各導電性領域1010の表面積と組み合わせられた導電性ゲル素子908の表面積との間の比率は、それぞれ70/30である。1つの実施形態では、各導電性領域1010は、同じ形状または異なる形状を有することが可能である。たとえば、導電性領域1010aは、幅よりも大きい長さを有するストリップであることが可能であり、一方では、導電性領域1010bは、形状に関して実質的に円形になっていることが可能である。
【0591】
1つの実施形態では、導電性パッド1006に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、時間的に第1のインスタンスにおいて、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域1010a~h(たとえば、導電性領域1010aおよび導電性領域1010b)に供給し、第1のTTフィールドを発生させることが可能である。発生器54は、時間的に第2のインスタンスにおいて、第2のパワー(第1のパワーと同じであるか、または、第1のパワーとは異なる)および第2の周波数(第1の周波数と同じであるか、または、第1の周波数とは異なる)を有する第2の電気信号を、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域1010a~h(たとえば、導電性領域1010bおよび導電性領域1010c)に供給し、第2のTTフィールドを発生させることが可能である。第2のグループは、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域1010a~hを含むことが可能であり、または、第1のグループの中に含まれる1つまたは複数の導電性領域1010a~hを含まなくてもよい。第1のTTフィールドおよび第2のTTフィールドは、同じターゲットエリアをターゲットにすることが可能であり、または、異なるターゲットエリアをターゲットにすることが可能である。1つの実施形態では、時間的に第1のインスタンスおよび時間的に第2のインスタンスは、オーバーラップすることが可能であり、すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに供給しながら、第2の電気信号を第2のグループに供給することも可能である。そのような実施形態では、第1のグループおよび第2のグループは、相互に排他的であることが可能である。
【0592】
1つの実施形態では、導電性パッド1006に接続されている発生器54は、第1のパワーおよび第1の周波数を有する第1の電気信号を、第1のグループの1つまたは複数の導電性領域1010a~h(たとえば、導電性領域1010aおよび導電性領域1010b)に供給することが可能であり、第2のパワーおよび第2の周波数を有する第2の電気信号を、時間的に同じインスタンスにおいて、第2のグループの1つまたは複数の導電性領域1010a~h(たとえば、導電性領域1010bおよび導電性領域1010c)に供給することが可能である。すなわち、発生器54は、第1の電気信号を第1のグループに、および、第2の電気信号を第2のグループに同時に供給することが可能である。上記の実施形態は、第1のグループおよび第2のグループのみを説明しているが、3つ以上のグループが存在することも可能であるということが理解される。1つの実施形態では、グループの数は、導電性領域1010a~hの組み合わせの数に依存している。
【0593】
1つの実施形態では、発生器54は、導電性パッド1006および第2の導電性パッド100bに接続され得る。そのような実施形態では、発生器54は、導電性パッド1006の1つまたは複数の導電性領域1010a~hに電気信号を供給することが可能である。電気信号を受け取る1つまたは複数の導電性領域1010a~hは、次いで、導電性パッド1006の1つまたは複数の導電性領域1010a~hのそれぞれと第2の導電性パッド100bとの間にTTフィールドを発生させることが可能である。
【0594】
本開示の特定の非限定的な実施形態は、本明細書で説明されているTTフィールド発生システム(たとえば、電子的装置50など)のコンポーネントのいずれかを含むキットに関係している。1つの実施形態では、導電性パッド100fおよび第2の導電性パッド100bの1つまたは複数は、キットの一部としてパッケージ化され得る。1つの実施形態では、キットは、パッド100f、876、916、または936c~hと、電極素子420、または420aに接続されているリード58aとを含むことが可能である。別の実施形態では、キットは、導電性パッド100fおよび第2の導電性パッド100b、ならびに、リード58aおよび58bを含むことが可能である。上記の各実施形態において、リード58aは、たとえば、リベットによって、はんだによって、接着剤によって、溶接によって、または、他の導電性の連結手段によって、導電性パッド100fに機械的に連結され得、リード58bは、第2の導電性パッド100bに機械的に連結され得る。上記の各実施形態において、キットは、ブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bをさらに含むことが可能であり、ブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bは、電気信号がブロッキングキャパシター82aまたはブロッキングキャパシター82bを通過するように位置決めされている。上記の各実施形態において、導電性パッド100fおよび/または第2の導電性パッド100bは、第2の除去可能な保護層176を含むことが可能であり、第2の除去可能な保護層176は、導電性ゲル素子908の少なくとも一部分(または、全体)に取り付けられてそれをカバーしており、第2の除去可能な保護層176が、潜在的な損傷(たとえば、接着の喪失または分裂もしくは不連続性など)から導電性ゲル素子908を保護するようになっている。第2の除去可能な保護層176は、導電性パッド100fおよび/または第2の導電性パッド100bが患者に適用される前に、ユーザーによって容易に除去され得る。1つの実施形態では、第2の除去可能な保護層176は、電気絶縁体であり、第2の除去可能な保護層176が、導電性パッド100fおよび/または第2の導電性パッド100bが患者に取り付けられる前に、電気信号の事故的な適用を防止するかまたは実質的に低減させるようになっている。上記の各実施形態において、キットは、2つ以上の導電性パッド100fおよび第2の導電性パッド100bを含むことが可能であり、また、(本開示にしたがって構築された)複数の導電性パッドを含むことが可能であり、複数の導電性パッドは、患者に適用されるときに、療法的な利益を有する。加えて、キットは、キットの1つまたは複数のコンポーネントの使用方法を説明する1セットの書面によるインストラクションをさらに含むことが可能である。この性質のキットは、本明細書で説明されているかまたはその他の方法で企図されている方法のいずれかにおいて使用され得る。1つの実施形態では、導電性パッド1006、または、導電性パッド936c~hのうちの1つまたは複数は、上述のキットにおいて、導電性パッド100fまたは第2の導電性パッド100bのいずれか、または、その両方の代わりに使用され得る。
【0595】
ここで
図42を参照すると、導電性ゲル塗布プロセス1046の例示的な実施形態のプロセスダイアグラムが、ここで示されている。導電性ゲル塗布プロセス1046は、一般的に、電極素子420の導電性ファブリック400、電極素子420aの導電性支持層884、または、電極素子420bの可撓性のポリマー層700から、所定の塗布距離に放出ポイント(たとえば、ノズル992)を位置決めするステップ(ステップ1050)と;塗布速度を調節するステップ(ステップ1054)と;所定の塗布圧力において放出ポイント(たとえば、ノズル992)から導電性ゲルを放出するステップ(ステップ1058)とを含む。
【0596】
1つの実施形態では、導電性ファブリック400から所定の塗布距離に放出ポイントを位置決めするステップ(ステップ1050)は、たとえば、導電性ファブリック400から所定の塗布距離にノズル992を位置決めするステップを含むことが可能である。追加的に、導電性ファブリック400から所定の塗布距離に放出ポイントを位置決めするステップ(ステップ1050)は、塗布速度および塗布圧力と組み合わせて、導電性ゲルが、導電性ファブリック400に結合されると、所望のゲル幅956を有するように、塗布距離を選択するステップを含むことが可能である。
【0597】
1つの実施形態では、塗布速度を調節するステップ(ステップ1054)は、塗布距離および塗布圧力と組み合わせて、導電性ゲルが、導電性ファブリック400に結合されると、所望のゲル幅956を有するように、塗布速度を選択するステップを含むことが可能である。
【0598】
1つの実施形態では、塗布速度を調節するステップ(ステップ1054)は、放出ポイントの場所を変化させない状態で、第1の持続期間にわたって第1の場所から第2の場所へ導電性ファブリック400を移動させるステップを含み、一方では、別の実施形態では、塗布速度を調節するステップ(ステップ1054)は、導電性ファブリック400の場所を変化させない状態で、第2の持続期間にわたって第3の場所から第4の場所へ放出ポイントを移動させるステップを含む。
【0599】
さらに別の実施形態において、塗布速度を調節するステップ(ステップ1054)は、第1の持続期間にわたって第1の場所から第2の場所へ導電性ファブリック400を移動させ、第2の持続期間にわたって第3の場所から第4の場所へ放出ポイントを同時に移動させるステップを含む。第1の持続期間および第2の持続期間は、同じであってもよく、または、異なっていてもよい。
【0600】
1つの実施形態では、所定の塗布圧力において放出ポイントから導電性ゲルを放出するステップ(ステップ1058)、および、導電性ファブリック400、導電性支持層884、または可撓性のポリマー層700に対して、ノズル992を並進移動させるステップは、塗布速度および塗布距離と組み合わせて、導電性ゲルが、導電性ファブリック400、導電性支持層884、または可撓性のポリマー層700に結合されると、所望のゲル幅956を有するように、塗布圧力を選択するステップを含むことが可能である。導電性ファブリック400、導電性支持層884、または可撓性のポリマー層700に対して、ノズル992を並進移動させるステップは、導電性ファブリック400、導電性支持層884、もしくは可撓性のポリマー層700を静止した場所に維持しながら、ノズル992を移動させるステップ;ノズル992を静止した場所に維持しながら、導電性ファブリック400、導電性支持層884、もしくは可撓性のポリマー層700を移動させるステップ;または、ノズル992および導電性ファブリック400、導電性支持層884、もしくは可撓性のポリマー層700の両方を移動させるステップを含むことが可能である。
【0601】
1つの実施形態では、所定の塗布圧力において放出ポイントから導電性ゲルを放出するステップは、第1の時間の期間にわたって導電性ゲルを放出し、第2の時間の期間にわたって導電性ゲルを放出しないステップを含むことが可能である。1つの実施形態では、所定の塗布圧力において放出ポイントから導電性ゲルを放出するステップ(ステップ1058)は、おおよそ60psiの圧力において導電性ゲルを放出するステップを含むことが可能である。別の実施形態では、所定の塗布圧力において放出ポイントから導電性ゲルを放出するステップ(ステップ1058)は、おおよそ30psiからおおよそ90psiの間の圧力において導電性ゲルを放出するステップを含むことが可能である。さらに別の実施形態において、所定の塗布圧力において放出ポイントから導電性ゲルを放出するステップ(ステップ1058)は、ノズル992から導電性ゲルを放出し、同時に、導電性ファブリック400に対してノズル992を並進移動させ、導電性ゲルの1つまたは複数のライン940を形成するステップを含むことが可能である。
【0602】
1つの実施形態では、導電性ゲル塗布プロセス1046の導電性ゲルは、液体導電性ゲルであり、ステップ1058は、所定の塗布圧力において放出ポイントから液体導電性ゲルを放出するステップを含む。別の実施形態では、液体導電性ゲルは、硬化剤をさらに含む。そのような実施形態では、導電性ゲル塗布プロセス1046は、液体導電性ゲルを硬化させるステップをさらに含むことが可能である。1つの実施形態では、液体導電性ゲルを硬化させるステップは、UV供給源によって実施され得、UV供給源は、液体導電性ゲルが重合すること、および、導電性ファブリック400の1つもしくは複数の導電性スレッド408または1つもしくは複数の非導電性スレッド404、または、導電性支持層884、または、可撓性のポリマー層700に結合することを引き起こす。
【0603】
ここで
図43を参照すると、患者にTTフィールドを印加するために、電子的装置50と、導電性パッド100a、100f、876、916、936c~h、および/または、導電性パッド1006のうちの2つ以上とを使用するプロセス1066の例示的な実施形態のプロセスダイアグラムが、ここで示されている。プロセス1066は、一般的に、パッド100a、100f、936c~hおよび/または導電性パッド1006のうちの1つまたは複数を患者の皮膚に適用するステップ(ステップ1070)と、所定の時間の期間にわたって、約50kHzから約576kHzの範囲の周波数を有する交流電場を発生させるステップ(ステップ1074)とを含む。プロセス1066は、導電性パッド876のうちの2つを適用することに関係して説明されることとなるが、しかし、導電性パッド1006、および/または、パッド100f、916、もしくは936c~hのうちの1つもしくは複数が、導電性パッド876の代わりにまたはそれに加えて使用され得る。
【0604】
導電性パッド876を患者の皮膚に適用するステップ1070は、ユーザーによって実施され得る。1つの実施形態では、導電性パッド876を患者の皮膚に適用する前に、患者の皮膚は、各導電性パッド876が患者の皮膚に付着することを可能にするように、クリーニングされることを必要とする可能性がある(たとえば、それに限定されないが、必要な場合には、異物または生物学的物質の皮膚のクレンジング、および、皮膚の剃毛など)。1つの実施形態では、導電性ファブリック400の第1の側部476の少なくとも一部分および導電性ゲル層492は、患者の皮膚と直接的に接触することが可能である。追加的に、導電性ファブリック400は、導電性ゲル層492を通してTTF電場を患者に供給することが可能である。
【0605】
交流電場(TTフィールド)を発生させるステップ(ステップ1074)は、発生器54によって実施され得、また、ユーザーまたは制御ボックス66によって実施される動作によってインスタンス化され得る。1つの実施形態では、ステップ1074は、2回以上実施され得、ステップ1074が第1の時間に実施される時間の期間は、ステップ1074が第2の時間に実施される時間の期間(または、第2の時間を超える他の時間の期間)と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。いくつかの実施形態において、ステップ1074は、プロセス1066が繰り返される前に1回だけ実施される。プロセス1066が繰り返されるそれぞれの時間の間に期間が存在していることが可能である。プロセス1066が繰り返されるたびに、期間は、以前の期間と同じであってもよくまたは異なっていてもよい。プロセス1066が繰り返されるたびに、導電性パッド876は、患者の皮膚の上の同じ位置にまたは異なる位置に設置され得る。
【0606】
プロセス1066の間に、導電性パッド876、パッド100f、916、もしくは936c~hのうちの1つもしくは複数、および/または、導電性パッド1006を患者の皮膚に適用するステップ(ステップ1070)は、導電性パッド876、パッド100f、916、もしくは936c~hのうちの1つもしくは複数、および/または導電性パッド1006が長期の時間の期間にわたって患者の皮膚に取り付けられていることを結果として生じさせることが可能である。
【0607】
以下は、本明細書で開示されている第9のモードの本発明概念の非限定的な例示的実施形態の番号リストである。
【0608】
例示的実施形態221
50kHzから500kHzの範囲の周波数において交流電流波形を有する電気信号を発生させるように構成されている発生器と;
発生器に電気的に連結されている第1の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第1の導電性リードと;
第1の導電性リードに電気的に連結されている第1の電極素子を有する第1の導電性パッドであって、第1の電極素子は、患者の身体に向けて配設されることとなる第1の側部を有しており、第1の導電性ゲル素子は、第1の導電性ファブリックの第1の側部に結合されており、第1の導電性ゲル素子は、少なくとも1つのラインの形態になっており、選択された場所において患者の皮膚に接触して設置されるように動作可能であり、選択された場所から実質的に移動することなく患者の移動に伴って屈曲するように動作可能である、第1の導電性パッドと;
発生器に電気的に連結されている第2の導電性リードであって、電気信号を伝達するように構成されている、第2の導電性リードと;
第2の導電性リードに電気的に連結されている第2の電極素子を有する第2の導電性パッドと
を含む、システム。
【0609】
例示的実施形態222
第1の導電性ゲル素子は、第1の側部の第1の領域をカバーしており、第1の側部の第2の領域をカバーしていない、例示的実施形態221に記載のシステム。
【0610】
例示的実施形態223
第1の電極素子は、第1の導電性ファブリックを含み、第1の導電性ファブリックは、導電性スレッドに接続されている非導電性スレッドを含む、例示的実施形態221に記載のシステム。
【0611】
例示的実施形態224
非導電性の材料から構築されているトップコート層と;
第1の側部および第2の側部を有する電極素子であって、第2の側部は、トップコート層に接続されており、TTフィールドとしての電気信号を作り出す発生器から電気信号を受け取るように構成されている、電極素子と;
電極素子の第1の側部に接続されており、電極素子に電気的に連結されており、電極素子から電流を受け取るようになっている導電性ゲル素子であって、少なくとも1つのラインの形態になっており、特定の場所において患者の皮膚と接触するように動作可能であり、特定の場所から実質的に移動することなく患者の移動に伴って屈曲するように動作可能である、導電性ゲル素子と
を含む、導電性パッド。
【0612】
例示的実施形態225
導電性ゲル素子は、第1の側部の第1の領域を覆い、第1の側部の第2の領域を覆わない、例示的実施形態224に記載の導電性パッド。
【0613】
例示的実施形態226
電極素子は、導電性ファブリックを含み、導電性ファブリックは、導電性スレッドに接続されている非導電性スレッドを含む、例示的実施形態224に記載の導電性パッド。
【0614】
例示的実施形態227
腫瘍治療電場を患者の中へ送達するように構成されているパッドを作製する方法であって、
電極素子の第1の側部から所定の塗布距離にアプリケーターのノズルを位置決めするステップと;
所定の塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを選択的に放出するステップと;
電極素子の第1の側部の上に導電性ゲルの少なくとも1つのラインを形成するために、導電性ゲルの放出の間に電極素子に対してノズルを並進移動させるステップと
を含む、方法。
【0615】
例示的実施形態228
電極素子は、導電性ファブリックを含み、導電性ゲル素子を形成するために所定の塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを放出するステップは、導電性ゲル素子によって導電性ファブリックに侵入するように導電性ゲル素子を形成するために、所定の塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを放出するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態227に記載の方法。
【0616】
例示的実施形態229
導電性ゲル素子を形成するために所定の塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを放出するステップは、特定のゲル幅を有するラインを形成するように、所定の塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを放出するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態227に記載の方法。
【0617】
例示的実施形態230
電極素子の第1の側部から所定の塗布距離にアプリケーターのノズルを位置決めするステップは、特定のゲル幅を有するラインを形成するように、電極素子の第1の側部から所定の塗布距離にアプリケーターのノズルを位置決めするステップとしてさらに定義される、例示的実施形態227に記載の方法。
【0618】
例示的実施形態231
塗布速度を調節するステップは、特定のゲル幅を有する導電性ゲル素子を形成するように、塗布速度を調節するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態227に記載の方法。
【0619】
例示的実施形態232
導電性ゲル素子を形成するために所定の塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを放出するステップは、導電性ゲル素子を形成するために、おおよそ60psiの塗布圧力においてノズルから導電性ゲルを放出するステップとしてさらに定義される、例示的実施形態227に記載の方法。
【0620】
上記の説明から、本明細書で開示および特許請求されている本発明概念は、目的を果たすために、ならびに、本明細書で述べられている利点および本発明において固有のものを得るために十分に適合されているということが明確である。本発明概念の例示的な実施形態が、この本開示の目的のために説明されてきたが、多数の変更が行われ得、それは、当業者が容易に考え付くこととなり、本明細書で開示および特許請求されている本発明概念の精神の中で達成されるということが理解されることとなる。
【0621】
先述の説明は、図示および説明を提供するが、網羅的であることを意図しておらず、または、開示されている正確な形態に発明概念を限定することを意図していない。修正および変形が、上記の教示に照らして可能であり、または、本開示に記載されている方法論の実践から獲得され得る。
【0622】
特徴およびステップの特定の組み合わせが、特許請求の範囲に記載され、および/または、明細書に開示されているとしても、これらの組み合わせは、本開示を限定することを意図していない。実際に、これらの特徴およびステップの多くは、具体的に特許請求の範囲に記載されていない方式、および/または、明細書に開示されていない方式で組み合わせられ得る。下記に列挙されている各従属請求項は、1つの他の請求項のみに直接的に従属している可能性があるが、本開示は、請求項のセットのなかのすべての他の請求項と組み合わせた従属請求項を含む。
【0623】
同様に、上記に列挙されている各例示的実施形態は、1つの他の例示的実施形態のみに直接的に従属している可能性があるが、本開示は、本明細書で開示されている本発明概念の各モードに関して、例示的実施形態のセットの中のすべての他の例示的実施形態と組み合わせた例示的実施形態を含む。
【0624】
本出願において使用されているいかなる素子、行為、またはインストラクションも、好適な実施形態の外側でそのように明示的に説明されていない限り、本発明にとって重要または必須なものとして解釈されるものではない。さらに、「に基づいて」という語句は、そうでないことが明示的に述べられていない限り、「に少なくとも部分的に基づいて」を意味することが意図されている。
【符号の説明】
【0625】
10 細胞
14 外部TTフィールド
18a 第1の電極
18b 第2の電極
22 微小管
26 中心小体
30 中心
34 取り付けのポイント
50 電子的装置
54 発生器
58 導電性リード
58a 第1の導電性リード
58b 第2の導電性リード
62a 第1の端部
62b 第2の端部
66a 第1の端部
66b 第2の端部
70a 第1のパッド
70b 第2のパッド
82a ブロッキングキャパシター
82b ブロッキングキャパシター
100a 第1の導電性パッド
100b 第2の導電性パッド
100f 導電性パッド
104 上面
108 底面
108a 底面
112 外側周辺縁部
116 導電性領域
120 耐久性トップコート層
124 電極素子
128 導電性ゲル素子
128a 導電性ゲル素子
128b 導電性ゲル素子
128c 導電性ゲル素子
128d 導電性ゲル素子
128e 導電性ゲル素子
132 第1の表面
134 第2の表面
136 導電性パッド
140 電極層
140a 電極層
142a~h 導電性領域
144 導電性支持層
144a 導電性支持層
146 誘電体領域
148 外側周辺電極縁部
150 導体
152 第1の表面
152a 第1の表面
156 第2の表面
156a 第2の表面
160 第1の表面
160a 第1の表面
162 第2の表面
162a 第2の表面
168a 導電性ゲル層
168b 導電性ゲル層
168c 導電性ゲル層
168d 導電性ゲル層
168e 導電性ゲル層
172 支持層
172a 支持層
174 第1の除去可能な保護層
176 第2の除去可能な保護層
176a 第2の除去可能な保護層
180 表
220 導電性パッド
224 導電性ゲル領域
224a 第1の導電性ゲル領域
224b 第2の導電性ゲル領域
224c 第1の導電性ゲル領域
224d 第2の導電性ゲル領域
224e 第3の導電性ゲル領域
224f 第4の導電性ゲル領域
228 空気チャネル
228a 第1の空気チャネル
228c 第1の空気チャネル
228d 第2の空気チャネル
232a 第1の端部
232b 第1の端部
236a 第2の端部
236b 第2の端部
240a 第1の壁部部分
240b 第1の壁部部分
240c 第2の壁部部分
240d 第4の壁部部分
244a 第2の壁部部分
244b 第2の壁部部分
244c 第1の壁部部分
244d 第3の壁部部分
252a 第5の壁部部分
252b 第6の壁部部分
252c 第7の壁部部分
252d 第8の壁部部分
260 導電性パッド
268 リッジ
268a 第1のリッジ
268b 第2のリッジ
272 溝部
272a 第1の溝部
276 患者
280 患者係合表面
288 導電性パッド
292 溝部
296 リッジ
320 整形部材
324 アパーチャー
328 モールド
332 第1の側部
336 第2の側部
340 第1の端部
344 第2の端部
400 導電性ファブリック
400a 導電性ファブリック
400b 導電性ファブリック
400c 導電性ファブリック
400d 導電性ファブリック
400e 導電性ファブリック
400f 導電性ファブリック
404 非導電性スレッド
408a~n 導電性スレッド
412 穿孔
412a 第1の穿孔
412b 第2の穿孔
420 電極素子
420a 電極素子
420b 電極素子
450 上面
454 底面
458 外側周辺縁部
462 導電性領域
466 ファブリック支持素子
476 第1の側部
476a 第1の側部
476b 第1の側部
476c 第1の側部
476d 第1の側部
476e 第1の側部
476f 第1の側部
480 第2の側部
484 導電性ゲル素子
488 外側周辺縁部
492 導電性ゲル層
492a 導電性ゲル層
492b 導電性ゲル層
492c 導電性ゲル層
492d 導電性ゲル層
492e 導電性ゲル層
492f 導電性ゲル層
516 導電性パッド
520 導電性領域
520a~h 導電性領域
576 パッド
580 耐久性トップコート層
584 電極素子
588 導電性ゲル素子
588a 導電性ゲル素子
592 第1の表面
596 上面
600 第2の表面
604 電極層
608 導電性支持層
612 第1の表面
616 第2の表面
620 第2の表面
624 第1の導電性ゲル層
628 第2の導電性ゲル層
632 支持層
648 空気チャネル
648a 空気チャネル
648b 空気チャネル
652 第1の表面
656 第1の部分
656a 第1の部分
656b 第1の部分
660 第2の部分
660a 第2の部分
660b 第2の部分
664 底面
676 外側周辺縁部
680 導電性領域
696 パッド
700 可撓性のポリマー層
704 第1の表面
708 第2の表面
716 パッド
720a~h 導電性領域
776 パッド
796 パッド
800 切り紙状カット
800a~c 切り紙状カット
804 可撓性のジョイント
804a~c 可撓性のジョイント
808 第1の側部
812 第2の側部
816 第1の端部
820 第2の端部
824 第1の長手方向軸線
828 第2の長手方向軸線
864 第2の表面
876 第1の導電性パッド
880 電極層
884 導電性支持層
888 外側周辺電極縁部
892 第1の表面
896 第2の表面
900 第1の表面
904 第2の表面
908 導電性ゲル素子
916 パッド
920 第1の表面
924 第2の表面
936c 導電性パッド
936d 導電性パッド
936e 導電性パッド
936f 導電性パッド
936g 導電性パッド
936h 導電性パッド
940a ライン
940b ライン
940c ライン
940d ライン
940e ライン
940f ライン
944a 第1の端部
944b 第2の端部
948 空気チャネル
948a~n 空気チャネル
952a 幅
952b 幅
952c 幅
952d 幅
952e 幅
952f 幅
956 ゲル幅
956a~f ゲル幅
960 導電性ゲル
964 患者
976 ゲル塗布システム
980 アプリケーター
984 プラットフォーム
988 ハウジング
992 ノズル
996 第1の方向
1000 第2の方向
1006 導電性パッド
1010a~h 導電性領域
L 長さ
T 厚さ
【国際調査報告】