(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】ベールを結束するための機構
(51)【国際特許分類】
A01F 15/14 20060101AFI20230605BHJP
B26D 1/02 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
A01F15/14
B26D1/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567481
(86)(22)【出願日】2020-10-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-30
(86)【国際出願番号】 IB2020059966
(87)【国際公開番号】W WO2021224672
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】202041019383
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IN
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522431656
【氏名又は名称】アシュリン, アントニー
【氏名又は名称原語表記】ASHLYN, Antony
(74)【代理人】
【識別番号】100133503
【氏名又は名称】関口 一哉
(72)【発明者】
【氏名】ペリンチェリー, ナラヤンアンクティ プラモッド
【テーマコード(参考)】
3C027
【Fターム(参考)】
3C027EE02
3C027EE07
(57)【要約】
本開示は、藁または草がフィールドから収集されている間にベールを撚糸によって結束するための機構であって、ベーラー機のフレームに取り付けられる機構を開示する。機構は、機構の対向する側壁間に取り付けられた端部を有する二重螺旋シャフトと、機構の対向する側壁間に取り付けられた端部を有するガイドシャフトであって、二重螺旋シャフトに平行に配向されたガイドシャフトと、爪ナットを有する撚糸ガイドユニットとを備え、爪ナットが、二重螺旋シャフトの回転時に、二重螺旋シャフト上の溝付き経路を横切り、二重螺旋シャフトの端部間の溝付き経路をたどって、形成されたベールを均一に結束するために、撚糸ガイドユニットを通って撚糸をガイドするように構成される。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
藁または乾草がフィールドから収集されている間にベールを撚糸で結束するための機構(100、100’)であって、前記機構(100、100’)がベーラー機(1000)のフレーム(220)に取り付けられ、前記機構(100、100’)が、
・前記機構(100、100’)の対向する側壁間に取り付けられた端部を有する二重螺旋シャフト(230)と、
・前記機構(100、100’)の対向する側壁間に取り付けられた端部を有するガイドシャフト(250)であって、前記ガイドシャフト(250)が前記二重螺旋シャフト(230)に平行に配向される、ガイドシャフトと、
・爪ナットを有する撚糸ガイドユニットであって、前記爪ナットが、前記二重螺旋シャフト(230)上の溝付き経路を横切り、前記二重螺旋シャフト(230)の回転時に前記二重螺旋シャフト(230)の端部間の前記溝付き経路をたどって、形成されたベールを均一に結束するように前記撚糸ガイドユニットを通して撚糸をガイドするように構成される、撚糸ガイドユニットと
を備える、機構。
【請求項2】
前記二重螺旋シャフト(230)が、前記二重螺旋シャフト(230)の長さに沿って構成された2つの螺旋形状溝を有し、前記螺旋形状溝が、前記二重螺旋シャフト(230)の端部で互いに交差するように構成される、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項3】
前記二重螺旋シャフト(230)が、右手ねじプロファイルおよび左手ねじプロファイルからなる、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項4】
前記螺旋溝の前記プロファイルが、前記ベールの前記所望の結束密度を生成するために様々な寸法を有する、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項5】
ブレード(270)が、前記機構(100、100’)上で前記撚糸をトリミングするように構成される、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項6】
前記撚糸ガイドユニット(300、500)のモータ(290)に信号を送るためにセンサ(120)が前記ベーラー機(1000)に設けられ、前記モータ(290)が前記撚糸ガイドユニット(300、500)に前記撚糸を供給するように構成される、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項7】
ゴムローラ(340)またはスチールローラ(380)に把持用突起が設けられ、スチールローラが前記撚糸ガイドユニット(300、500)上に構成されて前記撚糸のしっかりとした把持を容易にする、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項8】
前記機構(100、100’)が、前記ベールの様々な幅を結束するように構成される、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項9】
前記二重螺旋シャフト(230)に結合されたプーリー(210)が、前記二重螺旋シャフト(230)を駆動するように構成され、前記プーリー(210)が、前記ベーラー機によって駆動されるように構成される、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項10】
前記機構(100、100’)が、プラスチック、糸、および布地からなる群から選択される材料から作られた前記撚糸を送るように構成される、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項11】
前記ベールに所望の配向で前記撚糸を供給するために、底部バックストップ装置(510)が前記撚糸ガイドユニット(500)に取り付けられる、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【請求項12】
側部バックストップ装置(520)の閉状態での前記撚糸の保持および前記側部バックストップ装置(520)の開状態での前記撚糸の解放を容易にするために、前記側部バックストップ装置(520)が前記ベーラー機(1000)の前記フレーム(220)に取り付けられる、請求項1に記載の機構(100、100’)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
分野
本開示は、農業機器の分野に関し、より具体的にはベールを結束するための機構に関する。
【0002】
定義
ベール-ベールは、典型的には、円柱の形態で圃場から収集された乾燥した草または藁のボリュームである。
【0003】
ベーラー機-ベーラー機は、フィールドから藁を収集し、それをロープ/撚糸/プラスチックネットによって結束し、それを円柱形ベールとして排出するために使用される農業機械である。
【0004】
撚糸-撚糸は、一緒に撚られた麻または綿の2本以上の撚り糸からなる糸または紐として定義される。
【背景技術】
【0005】
背景
以下の背景情報は、本開示に関連するが、必ずしも従来技術ではない。
【0006】
ベーラー機は、圃場から藁を収集し、収集された藁または乾草または農業廃棄物を円柱形のベールに変換するために使用される。ベールが形成された後、ベールは、典型的には撚糸の助けを借りて結束されるか、またはプラスチックネットに封入される。本開示は、特に、撚糸の助けを借りて結束されたベールを扱う。ベーラー機は、撚糸の助けを借りてベールを結束するための自動機構を有する。従来技術の機構では、撚糸の一端は、揺動アームを有する撚糸ガイドユニットを通って送られる。揺動アームは、旋回軸を中心に揺動して、撚糸がベールの一端から形成されている他端まで横切ることを可能にする。撚糸は、ベーラー機に取り付けられたリールから分配される。しかしながら、これは、従来のベーラー機の構築を非常に複雑にする。また、アームの上下方向の揺動動作のため、事故の可能性が高まる。動きも遅く、結束作業に要する時間が長くなる。さらに、アームの揺動動作は、撚糸に風荷重および風剪断を与える。これは、撚糸をその所望の位置から偏向させ、それによってベールを撚糸と結束する品質を損なう。別の問題は、機械を組み立てている間ならびに結束作業の開始前に所望の運動を達成するために、多数のリンケージおよびウォームギア伝達によって機構を組み立てるために追加の時間が必要とされることである。
【0007】
したがって、上述した問題を克服する、結束作業を実行するためにベーラー機に取り付けられることができる機構の必要性が感じられた。
【0008】
目的
本明細書の少なくとも1つの実施形態が満たす本開示の目的のいくつかは、以下のとおりである:
【0009】
本開示の目的は、ベールを結束するためのベーラー機に取り付けられる機構であって、前記機構が、構造がコンパクトであり、可動部分が少ない、機構を提供することである。
【0010】
本開示の別の目的は、ベールを安全に結束し、ベール形成および結束作業中の事故の数を減らすための機構を提供することである。
【0011】
本開示のさらに別の目的は、良好な品質の結束ベールを一貫して製造するベールを結束するための機構を提供することである。
【0012】
本開示のさらに別の目的は、メンテナンスを容易にし、サービス時間がより短いベールを結束するための機構を提供することである。
【0013】
本開示の他の目的および利点は、本開示の範囲を限定することを意図するものではない以下の説明からより明らかになるであろう。
【発明の概要】
【0014】
概要
本開示は、ベーラー機のフレームに取り付けるための機構に関する。この機構は、フィールドから収集されている撚糸、藁または乾草によってベールを結束するように構成される。機構は、離間した側壁を備える。二重螺旋シャフトの端部は、機構の対向する側壁間に取り付けられ、ガイドシャフトは、機構の対向する側壁間に取り付けられた端部を有し、ガイドシャフトは、二重螺旋シャフトおよび爪ナットを有する撚糸ガイドユニットと平行に配向される。爪ナットは、二重螺旋シャフト上の溝付き経路を横切り、二重螺旋シャフトの端部間を往復運動するように構成される。二重螺旋シャフトが回転すると、爪ナットは、形成されたベールを均一に結束するために、撚糸ガイドユニットを介して撚糸をガイドする。
【0015】
実施形態では、二重螺旋シャフトは、二重螺旋シャフトの長さに沿って構成された2つの螺旋形状溝を有し、螺旋形状溝は、二重螺旋シャフトの端部で互いに交差するように構成される。
【0016】
別の実施形態では、二重螺旋シャフトは、右手ねじプロファイルおよび左手ねじプロファイルからなる。
【0017】
さらに別の実施形態では、螺旋溝のプロファイルは、ベールの所望の結束密度を生成するために様々な寸法を有する。
【0018】
実施形態では、ブレードは、撚糸をトリミングするために機構上に構成される。
【0019】
別の実施形態では、撚糸ガイドユニットのモータに信号を送るためにセンサがベーラー機に設けられ、モータが、撚糸ガイドユニットに撚糸を供給するように構成される。
【0020】
さらに別の実施形態では、撚糸のしっかりとした把持を容易にするために、ゴムローラおよびスチールローラが撚糸ガイドユニット上に構成される。
【0021】
さらに別の実施形態では、機構は、ベールの様々な幅を結束するように構成される。
【0022】
別の実施形態では、二重螺旋シャフトに結合されたプーリーは、二重螺旋シャフトを駆動するように構成され、プーリーは、ベーラー機の内部のベールによって駆動されるように構成される。
【0023】
実施形態では、機構は、プラスチック、糸、および布地からなる群から選択される材料から作られた撚糸を送るように構成される。
【0024】
別の実施形態では、底部バックストップ装置が、撚糸ガイドユニットに取り付けられて、所望の配向で撚糸をベールに供給する。側部バックストップ装置がベーラー機のフレームに取り付けられて、側部バックストップ装置の閉状態での撚糸の保持および側部バックストップ装置の開状態での撚糸の解放を容易にする。
【図面の簡単な説明】
【0025】
次に、本開示のベールを結束するための機構が添付の図面を参照して説明される:
【
図1】本開示のいくつかの実施形態にかかる、ベーラー機に設置されたベールを結束するための機構の等角図を示している。
【
図3】
図1の撚糸ガイドユニットの等角図を示している。
【
図4】
図3の撚糸ガイドユニットの分解図を示している。
【
図6】操作ステップを伴う
図1の機構の等角図を示している。
【
図7】本開示の別の実施形態にかかる、ベーラー機に設置されたベールを結束するための機構の等角図を示している。
【
図8】閉状態の
図7の側部バックストップ装置機構の等角図を示している。
【
図9】開状態の
図7の側部バックストップ装置機構の等角図を示している。
【
図10】
図7の底部バックストップ装置機構の等角図を示している。
【
図11】
図7の実施形態にかかる撚糸のルーティングシーケンスを示している。
【
図12】撚糸が側部バックストップ装置から解放された状態を示している。
【
図13】
図7の実施形態にかかる、ベーラー機の側面図を示している。
【
図14】側部バックストップ装置レバー、側部バックストップ装置リンケージ、およびベール密度調整レバーの操作を伴う
図7の側面図を示している。
【
図15】撚糸ガイドユニットが端部に向かって前進するにつれて、撚糸がベールを包み始める状態を示している。
【
図16】撚糸ガイドユニットが往復運動して反対側の端部に到達する状態を示している。
【
図17】解放状態の側部バックストップ装置を示している。
【
図18】保持状態の側部バックストップ装置を示している。
【
図19】底部バックストップ装置が側部バックストップ装置と相互作用する状態を示している。
【
図20】ベールが完全に巻き付けられた位置にあり、撚糸がトリミングされた状態にある状態を示している。
【
図21】本開示のさらに別の実施形態にかかる、側部バックストップ装置の別の実施形態を示している。
【
図22】開状態の
図21の側部バックストップ装置を示している。
【
図23】閉状態の
図21の側部バックストップ装置を示している。
【符号の説明】
【0026】
1000-ベーラー機
100,100’-機構
110-テールゲート
120-センサ
130-側部バックストップ装置レバー
140-側部バックストップ装置リンケージ
150-ベール密度調整レバー
210-プーリー
220-側部フレーム
230-二重螺旋シャフト
250-ガイドシャフト
260-側部取付板
270-ブレード
280-ストッパ
290-電動モータ
300,500-撚糸ガイドユニット
510-底部バックストップ装置
512-ラッチブロック
514-ばね板
516-ばねラッチ
520,620-側部バックストップ装置
522,622-開放レバー
524,624-閉鎖レバー
526-ローラ
310-撚糸ガイドハウジング
320-爪ナット
330-ハウジング用の上カバー
340-ゴムローラ
350-ガイドピン
360-ばね
370-ホルダ
380-スチールローラ
390-ゴムローラ用のホルダ
400-撚糸ガイドローラ
410-軸受ブロック
420-保持クランプ
430-ブッシング
440-ばね
450-ストッパクランプ
460-クランプハウジング
470-配管
626-フック
【発明を実施するための形態】
【0027】
詳細な説明
ここで、本開示の実施形態が図面を参照しながら説明される。
【0028】
実施形態は、本開示の範囲を当業者に十分に且つ完全に伝えるために提供される。本開示の実施形態の完全な理解を提供するために、特定の構成要素および方法に関する多数の詳細が記載されている。実施形態において提供される詳細は、本開示の範囲を限定すると解釈されるべきではないことが当業者には明らかであろう。いくつかの実施形態では、周知のプロセス、周知の装置構造、および周知の技術は詳細には説明されない。
【0029】
本開示において使用される用語は、特定の実施形態を説明するためのものにすぎず、そのような用語は、本開示の範囲を限定すると見なされるべきではない。本開示で使用される場合、「a」、「an」、および「the」の形態は、文脈上他に明確に示唆されない限り、複数の形態も含むことが意図されることができる。「備える(comprises)」、「備える(comprising)」、「含む(including)」、および「有する(having)」という用語は、オープンエンドの移行句であり、したがって、記載された特徴、要素、モジュール、ユニット、および/または構成要素の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、要素、構成要素、および/またはそれらの群の存在または追加を禁止しない。本開示の方法およびプロセスに開示されたステップの特定の順序は、説明または図示されたそれらの性能を必要とすると必ずしも解釈されるべきではない。追加のまたは代替のステップが使用されてもよいことも理解されたい。
【0030】
ある要素が別の要素に「取り付けられる」、「係合される」、「接続される」、または「結合される」と言及される場合、それは、他の要素に直接上に、係合され、接続され、または結合されてもよい。本明細書で使用される場合、「および/または」という用語は、関連する列挙された要素のうちの1つ以上のありとあらゆる組み合わせを含む。
【0031】
「内側」、「外側」、「真下」、「下方」、「下部」、「上方」、「上部」などの用語は、図から描写されるような異なる要素間の関係を説明するために本開示において使用されることができる。
【0032】
図1~
図23を参照すると、ベールを結束するための機構100が示されている。機構100は、典型的にはベーラー機1000の上端に設置されるベーラー機1000に取り付けられる。機構100は、機構100がフレームベーラー機1000の側壁間に、典型的には締め具によって取り付けられるように、両側に側部取付板260を有する。機構100は、機構100の対向する側壁間に取り付けられた二重螺旋シャフトの端部を有する二重螺旋シャフト230を備える。機構100の側壁は、一方側で取付板260および他方側でフレーム220の形態である。二重螺旋シャフト230は、二重螺旋シャフト230の長さに沿って延在する溝からなる。二重螺旋シャフト230は、右手ねじ山と左手ねじ山との組み合わせを有する。二重螺旋シャフト230上の溝の経路は、シャフトの一端から他端まで移動する螺旋の形態である。二重螺旋シャフト230上の二重螺旋プロファイルは、二重螺旋シャフト230の端部で交わり、その結果、この二重螺旋プロファイルに追従する横断対象物によって運動の自動反転が得られる。同様に、ガイドシャフト250は、機構100の側壁間で二重螺旋シャフト230と平行に取り付けられる。機構100は、二重螺旋シャフト230の端部とガイドシャフト250との間で振動するように構成された撚糸ガイドユニット300をさらに備える。撚糸ガイドユニット300は、二重螺旋シャフト230およびガイドシャフト250の双方との接触を維持する。撚糸ガイドユニット300は、二重螺旋シャフト230の運動に応じて線形的に振動する。二重螺旋シャフト230およびガイドシャフト250に沿った撚糸ガイドユニット300の線形振動運動は、機構100のコンパクトな構成を容易にする。
【0033】
別の実施形態では、螺旋溝のプロファイルは、ベールの所望の結束密度を生成するために様々な寸法を有する。
【0034】
撚糸ガイドユニット300は、撚糸ガイドハウジング310と、爪ナット320と、撚糸ガイドハウジング310用の上カバー330と、ゴムローラ34と、ガイドピン350と、ばね360と、ホルダ370と、スチールローラ380と、ゴムローラ用のホルダ390とをさらに備える。別の実施形態では、ローラ34は、しっかりと把持するのを容易にする突起を有するスチールから作られる。撚糸ガイドハウジング310は、典型的には、爪ナット320の保持および位置決めを容易にするように鋳造または製造される。ゴムローラ340およびスチールローラ380は、ベールの結束の一貫性を達成するようにベールに送られる撚糸に対する圧力の維持を容易にする。スチールローラ380およびゴムローラ340に接続されたばね360は、ローラ間の必要な接触圧力を維持するのを容易にする。ゴムローラ340は、金属ローラ上にゴムで成型されたローラである。スチールローラ380は、機械加工またはローレット加工によって設けられたグリップを有する。プーリー210は、二重螺旋シャフト230に結合され、二重螺旋シャフト230への駆動の提供を容易にし、一方、プーリー210自体は、ベールシャフトによって駆動される。ベールの結束が完了すると、撚糸をトリミングするために、機構100の途中にブレード270が設けられている。
【0035】
1mの長さを有し、別の機構の上方にある様々な幅のベーラーを収容するために設けられる。シャフト400は、撚糸をガイドするように構成され、軸受ブロック410に取り付けられ、配管470に設けられた孔を通して供給される。撚糸ガイドユニット300が一端に到達すると、フレームに設けられたストッパがストッパクランプに接触し、撚り方向に向かって移動し、ベールの縁部で供給される。戻る間、ばね440は、その位置を保持する。同様に、1mまたは1mを超える特大のベールは、より短い二重螺旋シャフトを使用して結束されることができる。
【0036】
別の実施形態では、機構100は、プラスチック、糸、および布地からなる群から選択される材料から作られた撚糸を送るように構成される。
【0037】
ここで、
図1~
図6を参照して機構100の動作が説明される。ベーラー機1000は、形成されたベールが出るテールゲート110を有する。テールゲート110の近くに取り付けられた近接センサ120は、テールゲート110の変位を感知し、オンにされるモータ290の信号伝達を容易にする。本開示の別の実施形態では、センサ120は、専用のベール密度監視機構/センサである。モータ290は、撚糸がベーラー機の内部の回転ベールに向かって供給されるのを容易にする。撚糸ガイドユニット300を通って送られた撚糸は、ローリングベールに詰まる。ベールのローリング運動は、プーリーを通って送られる撚糸を介してプーリー210に伝達される。二重螺旋シャフト230は、プーリー210に結合されて回転する。爪320は、二重螺旋シャフト230の一方の端部から他方の端部まで二重螺旋シャフト230上に彫り込まれた二重螺旋プロファイルを横切る。端部に到達すると、爪ナット320は、逆方向に傾斜し、運動は、シャフト230の中間の適切な距離に設けられたブレード270が撚糸を切断するまで継続する。次いで、撚糸ガイドユニット300は、撚糸がブレード270によって切断されるとベールからの駆動力を失うために停止し、それによってベールの結束手順を完了する。撚糸ガイドユニット300のこの線形振動運動は、従来技術の場合のように揺動アームが存在しないことに起因して、事故が発生する確率の低減を容易にする。
【0038】
ベールの結束手順が
図6を参照して以下のステップに要約される。ベーラー機1000のテールゲートに取り付けられた近接センサ120からの信号が受信される。撚糸ガイドユニット300上の電動モータ290が通電される。機構100は、撚糸ガイドハウジング310の内部でスチールローラ380とゴムローラ340との間で圧縮された撚糸によってプライミングされる。これは、撚糸のしっかりとした把持を提供する。撚糸は、ベーラー機チャンバ内のベールに向かって供給し始める。撚糸がベールによって引っ掛けられると、電動モータ290は、動作を停止する。撚糸は、ベーラー機1000に取り付けられたリールから引っ張られ、二重螺旋シャフト230に接続された撚糸によって送られるプーリーを回転させることにより、撚糸ガイドユニット300の移動を開始する。撚糸は、ベールの全幅にわたって分布している。撚糸ガイドユニット300は、二重螺旋シャフト230上の二重螺旋プロファイル溝の方向に往復移動を開始する。撚糸ガイドユニット300は、二重螺旋プロファイル溝の方向に沿ってシャフトを横切り続ける。二重螺旋プロファイル溝の方向に往復運動しながら、撚糸は、シャフト230の軸方向に沿ってブレードを押し込もうとするが、ストッパ280がブレード270の回転をさらに制限し、撚糸のトリミングを引き起こす。ベールは、ベーラー機のテールゲートを通って排出される。したがって、機構100の動作に伴う往復運動は、撚糸が無配向であるため、常に良質のベールを生成する。機構100は、メンテナンスおよびサービス提供の容易さを促進する。
【0039】
本開示の別の実施形態では、機構100’が
図7~
図19に示されており、ベール結束動作は、機械的手段によって実行される。撚糸ガイドユニット500は、底部バックストップ装置510を備える。底部バックストップ装置510は、ベールに供給するときに撚糸を教示された状態で保持するための装置である。底部バックストップ装置510は、ラッチブロック512と、ばね板514と、ばねラッチ516とを備える。ばねラッチ516は、底部バックストップ装置の一方の側から他方の側へ撚糸を一定方向に送ることを容易にするコイルばねを含む。側部バックストップ装置520が、機構100’の側壁の端部に取り付けられる。側部バックストップ装置520は、互いにヒンジ結合されてラッチを形成する底板および天板を含む装置である。底板および天板は、一対のローラをともに閉位置に保持する。側部バックストップ装置520は、一対のレバーをさらに含む。開放レバー522は、閉鎖レバー524とは反対方向に変位され、したがって
図9に示すようにラッチを開放するローラを分離する。
【0040】
この第2の実施形態の動作が
図7~
図20に関して説明される。ベーラー機が動作し始めると、撚糸は、
図11に示すように送られる。撚糸は、ベーラー機1000の外部からその位置に受け入れられ、撚糸ガイドユニット300に取り付けられた上部ローラ上の位置bを通り過ぎる。撚糸は、上部ローラの直下に位置する、撚糸ガイドユニット300に取り付けられた下部ローラ上の位置cを通り過ぎる。撚糸は、位置dにおいて側部バックストップ装置520のローラ526にさらに送られる。位置dにおけるローラ526から、撚糸は、底部バックストップ装置510のばねラッチ516である位置eに送られる。形成されたベールが所望の密度に到達すると、ベーラー機に設けられたレバーのセットが変位する。側部バックストップ装置レバー130、側部バックストップ装置リンケージ140、およびベール密度調整レバー150は、
図14に示すように移動する。側部バックストップ装置520が開放すると、
図12に示すように、撚糸が解放され、撚糸が回転ベールに向かって落下し始める。
図13に示すように、駆動部が形成されたベールによって撚糸プーリーを介して撚糸に伝達されるため、解放された撚糸は、回転ベールによって捕捉され、撚糸ガイドユニット500は、右に向かって移動し始める。この機構100’の反対側の側壁(
図15に示す)への移動中に、撚糸は、自動的に底部バックストップ装置510に係止される。底部バックストップ装置510は、ベールの結束時に撚糸を直線状に送ることを容易にするとともに、いかなる弛み形成も排除する。撚糸ガイドユニット500は、二重螺旋シャフト230によって促進されるように往復運動し、
図16に示すように移動し始める。撚糸は、ベール密度調整レバー150によって維持された開状態にある、
図17に示すような側部バックストップ装置520に到達する。側部バックストップ装置520の端部に向かう撚糸ガイドユニット500のさらなる前進は、側部バックストップ装置520の閉鎖レバー524を変位させる。これは、
図18および
図19に示すように、側部バックストップ装置520の閉状態をもたらし、それによって撚糸を捕捉する。撚糸ガイドユニット500がベールの中心に向かって移動するようにその方向を反転させると、撚糸は、ブレード270によってトリミングされ、撚糸を通る駆動は停止する。これは、撚糸ガイドユニット500の停止およびそれ以上の移動の制限をもたらし、
図20に示すように、ベーラー機1000にそのように形成されたベールの結束プロセスの終了を知らせる。ベールが排出されると、ベール密度調整レバー150および側部バックストップ装置520は、その元の位置に戻るように構成される。このサイクルは、次のベールに対して繰り返される。
【0041】
本開示のさらに別の実施形態では、
図21~
図23に示す側部バックストップ装置620は、フック626を含む。フック626は、円形状に形成されている。フック626は、固定された閉鎖レバー624内に位置している。ベーラー機に形成されたベールの密度が所望のレベルに到達すると、フック626が後方に開放し、カバープレートが撚糸を回転ベールに向かって押す。ベールに捕捉された撚糸は、フック626に到達すると、円形であるため側方に進み、撚糸ガイドユニット500が側部バックストップ装置620に近付くとフック626に捕捉される。撚糸ガイドユニット500がその方向を反転させて側部バックストップ装置500から離れるように移動すると、
図22~
図23に示すように、撚糸が詰まる。
【0042】
上記の実施形態の説明は、例示を目的として提供されたものであり、本開示の範囲を限定することを意図するものではない。特定の実施形態の個々の構成要素は、一般に、その特定の実施形態に限定されず、交換可能である。そのような変形は、本開示からの逸脱と見なされるべきではなく、そのような全ての変更は、本開示の範囲内であると見なされる。
技術的進歩
【0043】
本明細書で上述した本開示は、ベールを結束するための機構の実現を含むが、これに限定されないいくつかの技術的利点を有する。
【0044】
・ 可動部分が少なく、構造がコンパクトである;
【0045】
・ ベールの製造における安全性の向上を提供する;
【0046】
・ ベールの結束品質を改善する;および
【0047】
・ メンテナンスおよびサービス提供が容易である。
【0048】
・ 塵埃蓄積を許容しない。
【0049】
上記の開示は、本開示の範囲および領域を限定しない添付の実施形態を参照して説明されている。提供される説明は、純粋に例および例示によるものである。
【0050】
本明細書の実施形態ならびにその様々な特徴および有利な詳細は、以下の説明において非限定的な実施形態を参照して説明される。本明細書の実施形態を不必要に不明瞭にしないために、周知の構成要素および処理技術の説明は省略する。
【0051】
特定の実施形態の前述の説明は、本明細書の実施形態の一般的な性質を十分に明らかにするため、他者は、現在の知識を適用することにより、一般的な概念から逸脱することなく、そのような特定の実施形態を様々な用途に容易に変更および/または適合させることができ、したがって、そのような適合および変更は、開示された実施形態の均等物の意味および範囲内で理解されるべきであり、理解されるように意図される。本明細書において使用される表現または用語は、説明のためのものであり、限定のためのものではないことを理解されたい。したがって、本明細書の実施形態を好ましい実施形態に関して説明してきたが、当業者であれば、本明細書の実施形態は、本明細書に記載の実施形態の趣旨および範囲内で変更して実施されることができることを認識するであろう。
【0052】
本明細書では、好ましい実施形態の構成要素および構成要素部分にかなりの重点が置かれているが、多くの実施形態を行うことができ、本開示の原理から逸脱することなく好ましい実施形態に多くの変更を加えることができることが理解されよう。本開示の好ましい実施形態および他の実施形態におけるこれらおよび他の変更は、本明細書の開示から当業者にとって明らかであり、それによって、前述の説明事項は、限定としてではなく、単に本開示の例示として解釈されるべきであることが明確に理解されるべきである。
【国際調査報告】