IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ペイシェンテック・エルエルシーの特許一覧

<>
  • 特表-資産追跡技術 図1
  • 特表-資産追跡技術 図2
  • 特表-資産追跡技術 図3
  • 特表-資産追跡技術 図4
  • 特表-資産追跡技術 図5
  • 特表-資産追跡技術 図6
  • 特表-資産追跡技術 図7
  • 特表-資産追跡技術 図8
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】資産追跡技術
(51)【国際特許分類】
   G01S 5/02 20100101AFI20230605BHJP
【FI】
G01S5/02 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567659
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2023-01-05
(86)【国際出願番号】 US2021031362
(87)【国際公開番号】W WO2021226502
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/022,220
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522248674
【氏名又は名称】ペイシェンテック・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ロビン・キアルガード
(72)【発明者】
【氏名】アンドリュー・ジェイ・フランク
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ゴールデン
【テーマコード(参考)】
5J062
【Fターム(参考)】
5J062CC11
5J062HH01
(57)【要約】
可動資産のロケーションを追跡するための技術は、資産に搭載された追跡デバイスと、静的構造物に設置されるかまたは取り付けられた無線周波数識別タグとを含む。無線周波数識別タグは、その上に記憶された識別データを含む。識別データは、対応する無線周波数識別タグの設置されたロケーションと関連付けられる。追跡デバイスは、無線周波数識別タグに電力を与えるかまたはそれらをトリガし、追跡デバイスおよび資産がタグの近傍にあるときに記憶された識別データを受信するように構成される1つまたは複数のトランシーバを含む。可動資産の現在のロケーションは、無線周波数識別タグから受信された識別データに基づいて決定される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
可動資産を追跡するためのシステムであって、
資産に搭載され、1つまたは複数のトランシーバを有する追跡デバイスと、
1つまたは複数の静的構造物に搭載された1つまたは複数のRFIDタグと
を含み、
前記追跡デバイスの前記1つまたは複数のトランシーバは、前記RFIDタグのうちの1つまたは複数に電力を与えるかまたはそれらをトリガし、
電力を与えられたまたはトリガされたことに応答して、前記電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグは、記憶された識別データを送信し、前記識別データは、所定のロケーションデータと関連付けられ、
前記追跡デバイスの前記1つまたは複数のトランシーバは、前記電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグによって送信された前記識別データを受信または検出する、
システム。
【請求項2】
前記トランシーバまたは前記トランシーバのアンテナが、近くのRFIDタグの前記トリガを容易にするために、床の近くまたは前記資産の側部に設置される、請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記追跡デバイスは、前記資産/患者の速度および方向を検出するための加速度計を含有する、請求項1または2に記載のシステム。
【請求項4】
複数のRFIDタグが、前記追跡デバイスが前記資産に対する運動の前記速度および前記方向を検出することを可能にするために各ロケーションにおいて使用される、請求項1から3のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項5】
前記追跡デバイスは、現在のロケーションおよび運動を決定して記録するために前記識別データを中央サーバに送信する、請求項1から4のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項6】
前記中央サーバは、認可されたロケーションまたはエリアを出入りする資産に対するユーザに警報するための警報システムを含む、請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
前記1つまたは複数のRFIDタグは、1つまたは複数の受動RFIDタグ、能動RFIDタグ、または短距離タグを含む、請求項1から6のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項8】
前記1つまたは複数の静的構造物は、1つまたは複数の敷居、床、壁、垂直枠、または他のロケーションを含む、請求項1から7のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項9】
可動病院ベッド内の患者を追跡するためのシステムであって、
患者と関連付けられた可動病院ベッドに搭載され、1つまたは複数のトランシーバを有する追跡デバイスと、
1つまたは複数の静的構造物に搭載された1つまたは複数のRFIDタグと
を含み、
前記追跡デバイスの前記1つまたは複数のトランシーバは、前記RFIDタグのうちの1つまたは複数に電力を与えるかまたはそれらをトリガし、
電力を与えられたまたはトリガされたことに応答して、前記電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグは、記憶された、所定のロケーションデータと関連付けられた識別データを送信し、
前記追跡デバイスの前記1つまたは複数のトランシーバは、前記電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグによって送信された前記識別データを受信または検出する、システム。
【請求項10】
前記トランシーバまたは前記トランシーバのアンテナが、近くのRFIDタグの前記トリガを容易にするために、前記床の近くまたは前記追跡デバイスの側部に設置される、請求項9に記載のシステム。
【請求項11】
前記追跡デバイスは、前記可動病院ベッドの速度および方向を検出するための加速度計を含有する、請求項9または10に記載のシステム。
【請求項12】
複数のRFIDタグが、前記追跡デバイスが前記可動病院ベッドに対する運動の前記速度および前記方向を検出することを可能にするために各ロケーションにおいて使用される、請求項9から11のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項13】
前記追跡デバイスは、ロケーションおよび運動を決定して記録するために前記識別データを中央サーバに送信する、請求項9から12のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項14】
前記中央サーバは、認可されたロケーションまたはエリアを出入りする可動病院ベッドに対するユーザに警報するための警報システムを含む、請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記1つまたは複数のRFIDタグは、1つまたは複数の受動RFIDタグ、能動RFIDタグ、または短距離タグを含む、請求項9から14のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項16】
前記1つまたは複数の静的構造物は、1つまたは複数の敷居、床、壁、垂直枠、または他のロケーションを含む、請求項9から15のいずれか一項に記載のシステム。
【請求項17】
資産追跡システムであって、
タグロケーションデータセットを記憶するように構成されるサーバであって、前記タグロケーションデータセットは、タグロケーションとそれぞれ関連付けられた複数のタグ識別子、各関連する1つまたは複数のタグロケーションである複数の資産ロケーション、および資産識別子を含む、サーバと、
前記サーバと通信しており、受動タグと通信するように構成される受動タグトランシーバを含み、車輪付き資産に固定される、資産追跡デバイスと、
1つまたは複数のプロセッサであって、
タグ識別子を前記複数のタグ識別子に追加することによって、複数のタグを前記タグロケーションデータセットと関連付けることであって、前記複数のタグは、追跡される設備における静的構造物に固定された受動タグを含む、ことと、
前記受動タグトランシーバによって供給される電力を与える信号に応答して前記受動タグトランシーバを介して1つまたは複数の応答信号を受信することと、
前記タグロケーションデータセットに基づいて前記1つまたは複数の応答信号と関連付けられた1つまたは複数の応答タグロケーションを決定することと、
前記タグロケーションデータセットに基づいて前記1つまたは複数の応答タグロケーションと関連付けられた設備ロケーションを決定することと、
前記設備ロケーションに基づいて前記複数の資産ロケーションのうちの1つの資産ロケーションを更新することであって、前記資産ロケーションは、前記車輪付き資産の前記資産識別子に対応する、ことと
を行うように構成される前記1つまたは複数のプロセッサと
を備える、資産追跡システム。
【請求項18】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記サーバの少なくとも1つのプロセッサと前記資産追跡デバイスの少なくとも1つのプロセッサとを含む、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項19】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記資産追跡デバイスのローカルメモリ上の前記タグロケーションデータセットの少なくとも一部を記憶することと、
前記資産追跡デバイスのプロセッサおよび前記ローカルメモリに記憶された前記タグロケーションデータセットを使用して前記1つまたは複数の応答タグロケーションを決定することと
を行うようにさらに構成される、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項20】
前記資産追跡デバイスの前記プロセッサは、前記ローカルメモリに記憶された前記タグロケーションデータセットおよび前記決定された設備ロケーションに基づいて前記資産追跡デバイスのローカル警報デバイスを起動することと、警報状態を示す可聴信号、可視信号または両方を提供することとを行うようにさらに構成される、請求項19に記載の資産追跡システム。
【請求項21】
前記1つまたは複数のプロセッサは、
前記タグロケーションデータセットに基づいて前記1つまたは複数の応答信号内の予期せぬ信号を識別することであって、前記予期せぬ信号は、前記複数のタグの機能不全または間違い設定がなければ発生することのない1つまたはいくつかの信号が、ある時間期間の間に受信されることを含む、ことと、
前記予期せぬ信号が発生した前記設備ロケーションを含む前記予期せぬ信号の表示、前記予期せぬ信号の記述、およびその設備ロケーションにおいてタグから受信されるべき予期される信号の記述を提供することと
を行うようにさらに構成される、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項22】
前記1つまたは複数のプロセッサは、前記1つまたは複数の応答タグロケーションに基づいて前記車輪付き資産と関連付けられた1つまたは複数の運動特性を決定するようにさらに構成される、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項23】
前記1つまたは複数の運動特性は、
前記車輪付き資産が前記1つまたは複数の応答タグロケーションに対して移動している方向と、
前記車輪付き資産が移動している速度と、
移動中の前記車輪付き資産の向きと
のうちの1つまたは複数を含む、請求項22に記載の資産追跡システム。
【請求項24】
前記資産追跡デバイスは、
前記通信インターフェースが通信可能に結合される前記車輪付き資産の既存の通信デバイスを介して、前記資産追跡デバイスが前記サーバと通信することを可能にするように構成される通信インターフェースと、
前記電力インターフェースが結合される前記車輪付き資産の既存の電源から前記資産追跡デバイスに電力を供給するように構成される電力インターフェースと
をさらに含む、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項25】
前記受動タグトランシーバは、前記受動タグトランシーバの基準近傍内にあるタグとのみ通信するように構成され、前記基準近傍は、約4インチと約12インチとの間であり、前記受動タグトランシーバは、前記受動タグトランシーバの前記基準近傍内の前記追跡される設備における前記静的構造物を認識する位置において前記車輪付き資産に固定される、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項26】
前記追跡される設備における前記静的構造物は床およびドア枠を含む、請求項17に記載の資産追跡システム。
【請求項27】
資産追跡システムを用いて使用するためのタグ搭載構造であって、
所定のパターンにおける複数の固定点を含む本体であって、前記複数の固定点は、前記所定のパターンにおける位置において受動タグを受信して保持するようにそれぞれ構成される、本体と、
前記複数の固定点に配置された複数の受動タグとであって、受動タグトランスミッタによって電力を与えられることに応答して応答信号を提供するように構成される、複数の受動タグと
を備える、タグ搭載構造。
【請求項28】
前記タグ搭載構造は、床カバー、壁、垂直ドア枠、およびドアの敷居のうちの1つまたは複数を含む、請求項27に記載のタグ搭載構造。
【請求項29】
追跡される資産が移動されることを可能にする車輪のセットを含む資産構造と、
前記資産構造に固定され、受動タグおよびプロセッサと通信するように構成される受動タグトランシーバを含む資産追跡デバイスであって、
前記受動タグトランシーバは、前記受動タグトランシーバの基準近傍内にあるタグだけと通信するように構成され、前記基準近傍は、約4インチと約12インチとの間である、資産追跡デバイスと、
前記受動タグトランシーバの前記基準近傍内の追跡される設備における1つまたは複数の静的構造物を認識する位置において前記資産構造に固定された前記受動タグトランシーバと
を備え、
複数のタグが、前記追跡される設備における前記1つまたは複数の静的構造物上に設置され、
前記プロセッサが、
前記受動タグトランシーバによって供給される電力を与える信号に応答して前記受動タグトランシーバを介して1つまたは複数の応答信号を受信することと、
タグロケーションデータセットにアクセスすることであって、前記タグロケーションデータセットは、タグロケーションとそれぞれ関連付けられた複数のタグ識別子、1つまたは複数のタグロケーションと関連付けられた資産ロケーション、および前記追跡される資産と関連付けられた資産識別子を含む、ことと、
前記タグロケーションデータセットに基づいて前記1つまたは複数の応答信号と関連付けられた1つまたは複数の応答タグロケーションを決定することと、
前記タグロケーションデータセットに基づいて前記1つまたは複数の応答タグロケーションと関連付けられた設備ロケーションを決定することと、
前記設備ロケーションに基づいて前記資産ロケーションを更新することであって前記資産ロケーションは、前記追跡される資産の前記資産識別子に対応する、ことと
を行うように構成される、追跡される資産。
【請求項30】
建物内の車輪付き資産を追跡するための方法であって、
資産追跡デバイスを車輪付き資産に結合するステップであって、前記資産追跡デバイスは、受動タグトランシーバの基準近傍内に設置された受動タグと通信するように構成される受動タグトランシーバを含む、ステップと、
複数の受動タグの各々に固有のタグ識別子を記憶するステップと、
タグロケーションデータセットをサーバに記憶するステップであって、前記タグロケーションデータセットは、固有のタグ識別子とそれぞれ関連付けられた複数のタグロケーションを含む、ステップと、
前記車輪付き資産がそれらのロケーションを通過するとき、前記受動タグトランシーバの前記基準近傍内のその受動タグを認識する、それらの静的構造物上の位置において、前記建物内の様々なロケーションにおける静的構造物に前記複数の受動タグの各々を固定するステップと、
前記車輪付き資産が前記建物内を移動するにつれて受動タグから複数の応答を前記受動タグトランシーバを用いて受信するステップであって、前記複数の応答は、前記応答受動タグの前記固有のタグ識別子を含む、ステップと、
前記複数の応答を前記資産追跡デバイスの通信デバイスを介して前記サーバに提供するステップと、
前記複数の応答および前記タグロケーションデータセットに基づいて前記車輪付き資産のロケーションを前記サーバのプロセッサを用いて決定するステップと、
前記車輪付き資産の前記ロケーションを前記プロセッサを用いて記憶するステップと
を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、その開示全体が参照により本明細書に組み込まれる、2020年5月8日に出願された、"Asset Tracking Technologies"と題する米国仮特許出願第63/022,220号の優先権を主張する。
【0002】
本明細書で開示する技術の実施形態は、一般に資産追跡に関する。より詳細には、本明細書で開示する技術は、構造または他の規定されたエリア内の物理的資産のロケーションおよび運動を追跡するためのシステム、装置および方法に関する。
【背景技術】
【0003】
構造または他の規定されたエリア内の物理的資産または物体のロケーションおよび運動を追跡することは、多くの産業における絶えざる問題である。たとえば、ベッド、供給カート、輸液ポンプ、モバイルコンピュータ、スタンド、および病院の建物内のまたは医療キャンパスにわたる他のタイプの装備などの物理的資産のロケーションおよび運動を正確に追跡することは、多くの場合、困難である。しかしながら、特に救急または他の緊急事態において、特定の資産の位置を速やかに特定することは、医療関係者にとって、しばしば必要である。これらの資産の多くは高価であり、それらのサイズにもかかわらず、それらは、価値があるので、盗難のリスクが高くなりがちである。
【0004】
GPS追跡および/または従来の無線自動識別("RFID":radio-frequency identification)技術などの従来の資産追跡技法は、しばしば、物理的および/または電磁的干渉の影響を受けやすく、したがって一般的に、特にコンクリートおよび/または金属の基礎構造を有する大きい建物内では、確実に動作することはできない。加えて、そのような従来の技法は、一般的に、遠い距離にわたっておよびキャンパスを横切っては、建物の間では、構造の異なる高さ(level)の上では、または他の規定されたエリア内では無力である。手動記録管理技法は、不正確なデータが記録されること(たとえば、不正確なロケーションまたは日時が記録される、など)、または記録されたデータが古いこと(たとえば、データが記録された後に資産が移動された)をもたらすことが多い。その結果、物理的資産または物体、および場合によってはそれらと関連付けられた物体または人々の所在が不明になり、位置を特定することが困難になることが多い。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
いくつかの実施形態は、添付の図面と併せた以下の説明からより良く理解されよう。図面において、同様の参照は同様の要素を示す。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1】資産追跡システムの少なくとも1つの実施形態の図である。
図2図1の資産追跡システムの実施形態のフロー図を処理する簡略化されたシステムを示す図である。
図3図1および図2の資産追跡デバイスを用いて使用されてもよい、RFIDトランシーバの少なくとも1つの実施形態の図である。
図4図1および図2の資産追跡システムを用いて使用されてもよい、戸口通路内のRFIDタグ設置の少なくとも1つの実施形態の図である。
図5】資産追跡システムの少なくとも1つの実施形態の図である。
図6】追跡用の資産を設定するために資産追跡システムを用いて実行されてもよいステップのセットを示す簡略化されたフローチャートである。
図7】追跡される資産のロケーションを決定するために資産追跡システムを用いて実行されてもよいステップのセットを示す簡略化されたフローチャートである。
図8】警報に基づいてロケーションおよび動きを提供するために資産追跡システムを用いて実行されてもよいステップのセットを示す簡略化されたフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0007】
次に、本開示の様々な非限定的実施形態について、本明細書で開示するシステムおよび方法の構造、機能および使用の原理の総合的理解を提供するために説明する。これらの非限定的実施形態の1つまたは複数の例について、添付の図面の中の図を参照しながら開示し、詳細に説明する選択された例の中で示す。本明細書で具体的に説明し、添付の図面の中で示すシステムおよび方法は、非限定的実施形態であることは、当業者には理解されよう。1つの非限定的実施形態に関連して示すかまたは説明する特徴は、他の非限定的な実施形態の特徴と組み合わされてもよい。そのような修正形態および変形形態は、本開示の範囲内に含まれることが意図されている。
【0008】
本明細書で開示するシステム、装置、デバイスおよび方法について、図を参照しながら例として詳細に説明する。本明細書で説明する例は、例に過ぎず、本明細書で説明する装置、デバイス、システムおよび方法の説明を助けるために提供される。図に示すかまたは以下で説明する特徴または構成要素は、必須であるとして特段に指定されない限り、これらの装置、デバイス、システムまたは方法のいずれかの特定の実装形態に対して必須であるものと解釈されるべきではない。加えて、図に示される要素は、図示を簡素で明確にするために、必ずしも縮尺通りに示されるとは限らない。読み取りを容易で明確にするために、いくつかの構成要素、モジュールまたは方法は、1つの特定の図のみに関連して説明される場合がある。本開示では、特定の技法、配置などの任意の識別は、提示される特定の例に関連するか、またはそのような技法、配置などの一般的説明に過ぎないかのいずれかである。特定の詳細であるかまたは例であるかの識別は、そのように特段に指定されない限り、必須または限定であるとして意図されておらず、必須または限定として解釈されるべきではない。構成要素の結合または副結合について具体的な説明がないことが、いかなる結合または副結合も不可能であることの表示であるものと理解されるべきではない。開示して説明する例、配置、構成、構成要素、要素、装置、デバイス、システム、方法などに対する修正形態が、特定の用途に対して作成することができ、所望されてもよいことが了解されよう。同じく、説明する任意の方法に対して、方法がフロー図に関連して説明されるかどうかにかかわらず、文脈によって特段に指定または要求されない限り、方法の遂行において実行されるステップの任意の明示的または暗示的順序は、それらのステップが、提示される順序で実行されなければならないことを暗示するのではなく、異なる順序で、または平行して実行されてもよいことを理解されたい。
【0009】
本明細書を通して「様々な実施形態」、「いくつかの実施形態」、「1つの実施形態」、「いくつかの例示的な実施形態」、「1つの例示的な実施形態」、または「一実施形態」に対する言及は、任意の実施形態に関連して説明する特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態の中に含まれることを意味する。したがって、「様々な実施形態における」、「いくつかの実施形態における」、「一実施形態における」、「いくつかの例示的な実施形態」、「例示的な一実施形態」、または「一実施形態における」などの句が本明細書を通して所々に出現することは、必ずしもすべて同じ実施形態を指しているとは限らない。さらに、1つまたは複数の実施形態では、特定の特徴、構造または特性は、任意の好適な方法で組み合わされてもよい。
【0010】
本開示を通して、構成要素または方法に対する参照は、一般に一機能または関連する機能のグループを実行するために、論理的に一緒にグループ化され得る項目を指す。同様の参照番号は、一般に同じまたは同様の構成要素を指すことが意図されている。構成要素および方法は、ソフトウェア、ハードウェア、またはソフトウェアとハードウェアの組合せで実装され得る。
【0011】
「ソフトウェア」という用語は、実行可能コード、たとえば機械実行可能命令または機械解釈可能命令のみでなく、ファームウェアおよび埋め込みソフトウェアを含む任意の好適な電子フォーマット内に記憶されるデータ構造、データ記憶およびコンピューティング命令も含むように広く使用される。「情報」および「データ」という用語は広く使用され、実行可能コード、とりわけテキスト、ビデオデータおよびオーディオデータなどのコンテンツ、および様々なコードまたはフラグを含む多種多様な電子情報を含む。「情報」、「データ」および「コンテンツ」という用語は、文脈によって容認されるとき、交換可能に使用されることがある。
【0012】
明確にするためおよび理解を助けるために、本明細書で説明するいくつかの例は、特定の構成要素もしくはモジュールの一部として、またはコンピューティングデバイスの特定のレイヤ(たとえば、ハードウェアレイヤ、オペレーティングシステムレイヤ、またはアプリケーションレイヤ)において発生するものとして、特定の特徴または機能を説明するが、それらの特徴または機能は、異なる構成要素もしくはモジュールの一部として実装されてもよく、または通信プロトコルスタックの異なるレイヤにおいて動作されてもよいことに留意されたい。本明細書で説明するシステム、装置、デバイスおよび方法は、他のタイプの装備に適用され得るかまたはそれらを用いて使用するために容易に修正され得、クライアントサーバ分散システムなどのコンピューティングシステムの他の配置を使用することができ、説明するもの以外の他のプロトコルを使用することができ、または通信プロトコル内の他のレイヤにおいて動作することができることは、当業者には認識されよう。
【0013】
本明細書で開示する技術は、特に大きい構造および構造のグループの中で、または規定されたエリアにわたって、資産追跡に関連する伝統的な問題に対して、コスト効果の高い解決策を提供する。本明細書で開示する技術は、有利には、構造の中もしくはたとえばキャンパスなどの規定されたエリアにわたる、物理的資産および物体の、および場合によっては関連する物体または人の、迅速で正確な追跡および位置の特定を容易にする。いくつかの実施形態では、追跡は連続的であり得、複数の資産の追跡および位置の特定を含むことができる。
【0014】
一般に、資産の現在のロケーションは、関連する資産追跡デバイスが、構造または規定されたエリア内の知られているロケーションに設置された1つまたは複数のRFIDタグの近傍に来るたびに、追跡されて記録され得る。資産のロケーションは、たとえば、そのデバイスが、RFIDタグのうちの1つまたは複数が設置された構造内の敷居、戸口通路、エレベータ、ホール、または他のロケーションを横切るかまたはそこに入ったときに記録され得る。識別情報、関連情報(たとえば、関連する装備、人など)、および/または前に記憶されたロケーションデータを含む資産情報が、記憶および/または管理のためにリモートサーバに送信され得る。
【0015】
次に図1を参照すると、一実施形態では、1つまたは複数の資産102を追跡するためのシステム100は、1つまたは複数のRFIDタグ130、資産管理サーバ140、および/または1つまたは複数のネットワーク150を含む。追跡される資産102は、構造または設備内の任意のタイプの物理的物体であり得る。たとえば、いくつかの実施形態では、追跡される資産102は、ベッド、供給カート、輸液ポンプ、モバイルコンピュータ、スタンド、および病院の建物内の、医療キャンパスにわたる、または任意の他のタイプの構造内の任意の他のタイプの装備を含むことができる。加えて、追跡される資産102の各々は、以下でより詳細に説明する資産追跡デバイス110を含む。
【0016】
RFIDタグ130のうちの1つまたは複数は、永続的または一時的に、知られているロケーションにおいて静止物体、または構造(たとえば、商用建造物、医療用建造物、設備など)のフィーチャに取り付けられ得るか、または埋め込まれ得る。たとえば、1つまたは複数のRFIDタグ130は、戸口通路の敷居または枠、エレベータ、ホール、床、壁、または知られているロケーションを有する構造の任意の他の物体もしくはフィーチャの中に設置され得る(たとえば、それらに取り付けられ得る、それらの中に埋め込まれ得る、など)。いくつかの実施形態では、RFIDタグ130は、(たとえば、戸口通路または敷居の両側の)1つの直線アレイであり得る1つのアレイの中、または複数の直線アレイの中に設置され得る。追加または代替として、RFIDタグ130は、行列パターンまたは任意の他の好適なパターンに設置され得る。RFIDタグ130の1つまたは複数の複数のアレイが使用されるとき、個別のRFIDタグ130、またはRFIDタグ130のグループは、関連する資産102が戸口通路などを通って移動されるとき、特定の資産追跡デバイス110によって、一定の、たとえば1つのRFIDタグ130もしくはRFIDタグ130のグループだけが検出されることをもたらすパターンに間隔を開けられ得る。
【0017】
いくつかの実施形態では、RFIDタグ130の各々は、それが取り付けられるかまたは埋め込まれる物体または構造のフィーチャの知られているロケーション(たとえば、「部屋202」、「エレベータC1」、「心臓リハビリホール-ロケーションA1」、「備品倉庫」、「補給品収納4」、または特定のロケーションを記述する任意の他の好適な情報)を示すデータを記憶するように構成され得る。追加または代替として、RFIDタグ130の各々は、固有の識別子を含むことができ、それは、管理される、記憶される、または場合によっては、資産管理サーバ140にアクセス可能な、データまたは情報と関連付けられ得る。たとえば、そのような実施形態では、各RFIDタグ130の固有の識別子が、RFIDタグ130の知られているロケーションデータおよび/またはRFIDタグ130が取り付けられているかまたは埋め込まれている物体またはフィーチャと関連付けられ得る。すなわち、それらと通信している資産管理サーバ140または任意の他のコンピューティングデバイスは、特定のRFIDタグ130の固有の識別子を使用して、RFIDタグ130と関連付けられた知られているロケーション情報をローカルもしくはリモート記憶デバイスから読み出すことができる。RFIDタグ130の様々な実装形態は、同じく、改ざんを防止するためのセキュリティ特性を含んでもよく、セキュリティ特性は、ライトワンスリードメニー記憶デバイス、記憶されたデータの暗号化もしくは符号化、または記憶されたメモリが修正されるかまたは読み出される前にデバイスが読み出すかまたはRFIDに書き込むことによって提供されるデータに対して検証されなければならないパスワードおよび/または認証データのストレージとしての構成を含んでもよい。
【0018】
一実施形態では、RFIDタグ130のうちの1つまたは複数は、受動RFIDタグ(すなわち、無電源(unpowered)RFIDタグ)である。本明細書で説明するそのような実施形態では、受動RFIDタグ130は、特定の無線周波数(または、ある範囲の無線周波数)、またはRFIDタグ130に近接する追跡される資産102の資産追跡デバイス110からの他の信号の受信に応答して電力を与えられ(たとえば、リモートで電力供給され)て、電力を与えられる間に記憶されたデータを自動的に送信するように構成され得る。様々な実装形態では、RFIDタグ130および資産追跡デバイス110は、信号周波数、アンテナ構成、ならびにトランスミッタおよびレシーバの数などの特性に応じて、約2メートルと約1メートル以下との間の距離においてそのような通信が可能であってもよい。追加または代替として、RFIDタグ130のうちの1つまたは複数は、能動RFIDタグ(すなわち、電源付きRFIDタグ)である。
【0019】
説明したように、追跡される資産102の各々は、それらと関連付けられた(たとえば、取り付けられた、接着された、付加された、埋め込まれた、または場合によっては、接続された)資産追跡デバイス110を含むことができる。資産追跡デバイス110は、1つまたは複数のアンテナを有するRFIDトランシーバ122を含むことができるか、または場合によっては、それと関連付けられ得る。図1に例示するようないくつかの実施形態では、RFIDトランシーバ122は、資産追跡デバイス110の構成要素であり得る(たとえば、その一部を形成することができる)。他の実施形態では、RFIDトランシーバ122は、資産追跡デバイス110から分離された構成要素であり得る。いずれにしても、RFIDトランシーバ122、および/またはRFIDトランシーバ122を含む資産追跡デバイス110は、そのアンテナが、システム100の動作中にRFIDタグ130の好適な動作範囲(たとえば、特定の実装形態に応じて、約1インチと約10インチとの間、約1メートル以下、約1メートルと約2メートルとの間)の中を通過するように設置され得る。これらの好適な範囲は、基準近傍(reference proximity)と呼ばれることもあり、いくつかの実装形態では、たとえば受動RFIDタグのみを使用すること、RFIDトランシーバの範囲を制限すること、または両方によって、限定された基準近傍を有するように意図的に構成されてもよい。意図的に限定された基準近傍を有する資産追跡システムは、RFIDタグおよびトランシーバの低減された複雑さおよび動作要件、ならびに改善された精度ならびに不測のおよび/または誤った信号通信の軽減によって有利である。一例として、基準近傍が約12インチ以下となるように構成される場合、特定の追跡されるエリアを通る構成される資産の通路は、高精度に、かつ近くの部屋の中にあるか、同じ部屋の天井に取り付けられているか、または近くの人のポケットの中で搬送される他のデバイスからのRFIDもしくは他のワイヤレス信号が不必要に検出されるリスクなしに決定されてもよい。
【0020】
次に図2を参照すると、動作中、RFIDトランシーバ122は、その近傍にある1つまたは複数のRFIDタグ130に電力を与えるように選択された無線周波数を送信するように構成される(送信218参照)。以下でより詳細に説明するように、1つまたは複数のRFIDタグ130は、RFIDトランシーバ122によって送信されている無線周波数を受信することに応答して、ロケーションデータ、RFIDタグ130と関連付けられた情報(たとえば、固有の識別子など)、および/または資産固有のデータをワイヤレスに送信またはブロードキャストするように構成される(送信220参照)。RFIDトランシーバ122は、RFIDタグ130によって送信されたロケーションデータおよび/または情報を受信する。その後、資産追跡デバイス110は、受信されたデータを1つまたは複数のワイヤレスおよび/またはワイヤード通信リンクを介して資産管理サーバ140に送信する(ワイヤレス送信222およびワイヤードおよび/またはワイヤレス送信224参照)。2つ以上のRFIDタグ130が知られているロケーションに設置される実施形態では、資産追跡デバイス110は、いくつかの実施形態では、2つ以上のRFIDタグ130(または、任意の敷居の数のRFIDタグ130)からデータを受信することに応答して、ロケーションデータ、タグ情報データ(たとえば、固有の識別子など)、および/または資産固有のデータだけを送信するように構成され得る。
【0021】
図1に戻って参照すると、資産追跡デバイス110は、データを処理、通信、記憶、維持、および転送することができる、任意のタイプのコンピューティングデバイスまたはサーバとして埋め込まれ得る。たとえば、資産追跡デバイス110は、マイクロコンピュータ、ミニコンピュータ、カスタムチップ、埋め込み処理デバイス、モバイルコンピューティングデバイス、ハンドヘルドコンピュータ、スマートフォン、タブレットコンピュータ、携帯端末(personal digital assistant)、ラップトップコンピュータ、デスクトップコンピュータ、および/または他のコンピューティングデバイスもしくは好適なプログラマブルデバイスとして埋め込まれ得る。いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110は、他のシステムまたはサブシステムと一体化されたコンピューティングデバイスとして埋め込まれ得る。図1に示すように、資産追跡デバイス110は、プロセッサ112、システムバス114、メモリ116、データストレージ118、通信回路120、およびRFIDトランシーバ122を含む。当然ながら、資産追跡デバイス110は、他の実施形態では、コンピューティングデバイスおよび/またはサーバ内で一般に発見されるような他のもしくは追加の構成要素(たとえば、様々な入力/出力デバイス)を含むことができる。加えて、いくつかの実施形態では、図示の構成要素のうちの1つまたは複数は、別の構成要素の中に組み込まれ得るか、または場合によっては、別の構成要素の一部から組み込まれ得る。いくつかの実施形態では、たとえば、メモリ116またはその一部が、プロセッサ112の中に組み込まれ得る。さらに、資産追跡デバイス110は、説明を明確にするために図1に示していない、コンピュータおよび/またはコンピューティングデバイス内で一般に発見される他の構成要素、副構成要素、およびデバイスを含むことができることを了解されたい。
【0022】
プロセッサ112は、本明細書で説明する機能を実行することができる任意のタイプのプロセッサとして埋め込まれ得る。たとえば、プロセッサ112は、シングルもしくはマルチコアプロセッサ、デジタル信号プロセッサ、マイクロコントローラ、汎用中央処理装置(CPU)、縮小命令セットコンピュータ(RISC)プロセッサ、パイプラインを有するプロセッサ、複数命令セットコンピュータ(CISC)プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、プログラマブル論理デバイス(PLD)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または任意の他のタイプのプロセッサもしくは処理/制御回路もしくはコントローラとして埋め込まれ得る。
【0023】
様々な構成では、資産追跡デバイス110は、資産追跡デバイス110の様々な構成要素を相互接続するためのシステムバス114を含む。システムバス114は、メモリコントローラハブ、入力/出力制御ハブ、ファームウェアデバイス、通信リンク(すなわち、ポイントツーポイントリンク、バスリンク、ワイヤ、ケーブル、ライトガイド、プリント基板配線など)、および/または資産追跡デバイス110のプロセッサ112、メモリ116および他の構成要素との入力/出力動作を容易にするための他の構成要素およびサブシステムとして埋め込まれ得るか、または場合によっては、それらを含み得る。いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110は、プログラマブル論理デバイスまたは特定用途向け集積回路(ASIC)などの1つまたは複数のチップの中に組み込まれ得る。そのような実施形態では、システムバス114は、システムオンチップ(SoC)の一部を形成することができ、プロセッサ112、メモリ116および資産追跡デバイス110の他の構成要素とともに、単一の集積回路チップ上に組み込まれ得る。
【0024】
メモリ116は、本明細書で説明する機能を実行することができる任意のタイプの揮発性または不揮発性メモリまたはデータストレージとして埋め込まれ得る。たとえば、メモリ116は、リードオンリーメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、プロセッサ112と関連付けられたキャッシュメモリ、またはダイナミックRAM(DRAM)、スタティックRAM(SRAM)、プログラマブルROM(PROM)、電気的消去可能PROM(EEPROM)、フラッシュメモリ、リムーバブルメモリカードもしくはディスク、ソリッドステートドライブなどの他のメモリとして埋め込まれ得る。動作中、メモリ116は、オペレーティングシステム、アプリケーション、プログラム、ライブラリ、およびドライバなど、資産追跡デバイス110の動作中に使用される様々なデータおよびソフトウェアを記憶することができる。
【0025】
データストレージ118は、たとえば、メモリデバイスおよび回路、メモリカード、ハードディスクドライブ、ソリッドステートドライブ、または他のデータストレージデバイスなど、データの短期または長期記憶用に構成される任意のタイプの1つまたは複数のデバイスとして埋め込まれ得る。たとえば、いくつかの実施形態では、データストレージ118は、磁気ディスクドライブ、フロッピードライブ、テープドライブ、ハードドライブ、光学ドライブおよび媒体、磁気光ドライブおよび媒体、コンパクトディスク(CD)ドライブ、コンパクトディスクリードオンリーメモリ(CD-ROM)、記憶可能なコンパクトディスク(CD-R)、書き換え可能なコンパクトディスク(CD-RW)、好適なタイプのデジタル多用途ディスク(DVD)またはブルーレイディスクなど、複数のモジュールを有するように構成され得る記憶デバイスなどの記憶媒体を含む。フラッシュドライブ、ソリッドステートハードドライブ、個別ディスクの冗長アレイ(RAID:redundant array of individual disks)、仮想ドライブ、ネットワークドライブおよびプロセッサ112上に記憶媒体を含む他のメモリ手段、またはメモリ116などの記憶媒体も、記憶デバイスであると考えられる。そのようなメモリは、開示する実施形態の動作に対して内部にあってもよく、または外部にあってもよいことを了解されたい。本明細書で説明するプロセスのいくつかの部分は、プロセスステップを実行することをコンピュータシステムに指示するか、または場合によっては教示する1つまたは複数のコンピュータ可読媒体上に記憶された命令を使用して実行され得る。本明細書で使用される非一時的コンピュータ可読媒体は、一時的な伝搬信号を除くすべてのコンピュータ可読媒体を含む。
【0026】
資産追跡デバイス110の通信回路120は、資産追跡デバイス110、資産管理サーバ140、および/またはそれらに通信可能に結合される任意の他のコンピューティングデバイスまたは処理デバイスの間の通信を可能にし得る、任意のタイプの通信回路、デバイス、インターフェース、またはそれらの集合体(collection)として埋め込まれてもよい。たとえば、通信回路120は、いくつかの実施形態では、1つまたは複数のネットワークインターフェースコントローラ(NIC)として埋め込まれてもよい。通信回路120は、そのような通信を達成するために任意の1つまたは複数の通信技術(たとえば、ワイヤレスまたはワイヤード通信)および関連するプロトコル(たとえば、イーサネット、Wi-Fi(登録商標)、WiMAXなど)を使用するように構成されてもよい。図示の実施形態では、通信回路120は、資産追跡デバイス110、資産管理サーバ140、および/または任意の他のコンピューティングデバイスまたは処理デバイスの間の通信を可能にするように構成されるワイヤレス通信インターフェース(たとえば、Wi-Fi(登録商標)、ブルートゥース(登録商標)、NFC、メッシュネットワークなど)を含む。追加または代替として、いくつかの実施形態では、通信回路120は、物理的通信接続を介して資産追跡デバイス110と資産管理サーバ140との間の直接通信を可能にするように構成されるワイヤード通信インターフェース(たとえば、イーサネット、同軸通信インターフェース、USB、シリアル通信インターフェース、パラレル通信インターフェース、など)を含む。
【0027】
いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110、資産管理サーバ140、および/またはシステム100の任意の他のコンピューティングデバイスまたは処理デバイスは、1つまたは複数のネットワーク150上で互いに通信することができる。ネットワーク150は、任意の数の様々なワイヤードおよび/またはワイヤレス通信ネットワークとして埋め込まれ得る。たとえば、ネットワーク150は、ローカルエリアネットワーク(LAN)、広域ネットワーク(WAN)、セルラーネットワーク、またはインターネットなど、公的にアクセス可能なグローバルネットワークとして埋め込まれ得るか、または場合によっては、それらを含むことができる。加えて、ネットワーク150は、システム100のコンピューティングデバイス間の通信を容易にするために、任意の数の追加のデバイス(たとえば、ワイヤレスアクセスポイント、ブリッジ、スイッチ、ルータなど)を含むことができる。
【0028】
加えて、いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110は、1つまたは複数の周辺デバイス(図示せず)をさらに含むことができる。そのような周辺デバイスは、様々なユーザインターフェースデバイス(たとえば、ジョイスティック、ボタン、コントロール、ハードウェアキーボード、キーパッド、ジェスチャもしくはグラフィカル入力デバイス、モーション入力デバイス、振動デバイス、コンピュータマウス、音声認識ユニットなど)、ディスプレイおよび/またはタッチスクリーンインターフェース、追加のデータストレージ、スピーカー、オーディオユニット、周辺通信デバイス、および任意の他の好適なユーザインターフェース、入力/出力デバイス、および/または他の周辺デバイスなど、コンピューティングデバイス内で一般的に発見される任意のタイプの周辺デバイスを含むことができる。
【0029】
いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110は、それが取り付けられている追跡される資産102の運動に関連する情報を計算するように構成され得る。たとえば、2つ以上のRFIDタグ130が、構造の知られているロケーションにおいて間隔を開けて設置され得る。RFIDタグ130の知られている空間的位置付け、ならびにRFIDタグ130から受信されたロケーションデータおよび/またはタグ固有の情報に基づいて、資産追跡デバイス110は、追跡される資産102の方向および/または速度を計算または決定するように構成され得る。いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110は加速度計を含むことができ、加速度計は、それが取り付けられている追跡される資産102の運動に関連する情報を測定および/または計算するように構成され得る。そのような測定値および/または情報は、追跡される資産102に対する運動の決定を容易にするために、資産追跡デバイス110によって使用され得る。いくつかの実施形態では、資産追跡デバイス110は、同じく、追跡される資産102の運動が検出されたときにだけ(または、運動検出から設定可能な基準時間しきい値内に)、ロケーションデータ、タグ情報、および/または資産固有のデータを資産管理サーバ140に送信するように構成され得る。そのような手法は、電力の保存および効率を促進することを了解されたい。加えて、いくつかの実施形態では、各追跡される資産102の資産追跡デバイス110は、資産追跡デバイス110またはシステム100の他の構成要素が動作可能であることを確実にするために、資産管理サーバ140と周期的に通信する(たとえば、ハートビート信号、ショートメッセージなどを送信する)ように構成され得る。
【0030】
上記で説明したように、資産追跡デバイス110は、1つまたは複数のアンテナを有するRFIDトランシーバ122を含むことができるか、または場合によっては、それと関連付けられ得る。次に図3を参照すると、RFIDトランシーバ122の一実施形態が示される。そのような実施形態では、RFIDトランシーバ122は、各々が別々のコイル330と通信可能に結合される複数のレシーバ320を含むことができる。いくつかの実施形態では、RFIDトランシーバ122は、資産追跡デバイス110のプロセッサ112から分離されたプロセッサ312を含むことができる。
【0031】
図1に戻って参照すると、資産管理サーバ140は、本明細書で説明する機能を実行することができる、任意のタイプのコンピューティングデバイス(または複数のデバイス)として埋め込まれてもよい。そのため、資産管理サーバ140は、プロセッサ、メモリデバイス、通信回路、およびデータストレージなどのコンピューティングデバイス内で一般的に発見されるデバイスおよび構造を含んでもよく、それらは、説明を簡明にするために図1に図示されない。いくつかの実施形態では、資産管理サーバ140は、クラウドベースのサーバまたはプラットフォームであり得る。資産管理サーバ140は、資産追跡デバイス110から受信されるロケーションデータ、タグデータ、および/または資産情報を受信するように構成される。上記で説明したように、資産管理サーバ140は、ロケーションデータおよび/または資産情報を、1つまたは複数のワイヤレス通信リンク、ワイヤード通信リンク、またはそれらの組合せを介して資産追跡デバイス110から受信することができる。資産管理サーバ140は、追跡される資産102の各々に対して資産追跡デバイス110から受信されたロケーションデータおよび/または資産情報を記憶および管理することができる。
【0032】
いくつかの実施形態では、資産管理サーバ140は、資産追跡デバイス110から受信されたロケーションデータおよび/または資産情報と関連付けられた、または場合によっては、それに対応する情報を記憶することができる。たとえば、いくつかの実施形態では、資産管理サーバ140は、追跡される病院ベッド(たとえば、追跡される資産102)に対応するデータに関連する患者識別データ(たとえば、患者名、患者番号、患者ソーシャルセキュリティ番号、ヘルスレコードデータなど)を記憶することができる。そのような実施形態では、資産管理サーバ140は、病院ベッド(たとえば、追跡される資産102)に取り付けられた資産追跡デバイス110から受信されたロケーションデータおよび資産データ(たとえば、資産識別子など)を記憶された患者情報と相互参照することによって、その特定のベッドに割り当てられた患者のロケーションを確定するように構成され得る。資産管理サーバ140は、同じく、追跡される資産102の資産追跡デバイス110から受信されたタイムスタンプデータを受信して記憶するように構成され得ることを了解されたい。そのような場合には、資産管理サーバ140は、受信されたロケーションデータおよび資産情報に関連する受信されたタイムスタンプデータを記録することができる。
【0033】
資産管理サーバ140は、システム100のコンピューティングデバイスから受信された要求に応答するように構成され得る。たとえば、いくつかの実施形態では、資産管理サーバ140は、受信された要求に応答して、追跡される資産102のうちの1つまたは複数の現在のロケーションに関連する情報を検索および提供するように構成される。いくつかの実施形態では、資産管理サーバ140は、追跡される資産102の現在のロケーションに関連する1つまたは複数の報告を生成するように構成され、それは、有利には、棚卸および保全の労力を容易にすることができる。加えて、いくつかの実施形態では、資産管理サーバ140は、認可されたロケーションまたはエリアを出入りする追跡される資産102、またはそれに伴う物体または人、を示す情報を受信することに応答して、1つまたは複数の警報または通知を生成するように構成され得る。
【0034】
次に図4を参照すると、資産追跡システム100を用いて使用され得る例示的なRFIDタグ130の設置パターンの概略図の平面図が示される。平面図は、たとえば、戸口通路のドア枠430の間に設置された、戸口通路の中または近くのRFIDタグ130の代表的な数および間隔を示す。一実施形態では、1つのRFIDタグ130は、RFIDトランシーバ122によって送信された無線周波数を受信するように設置され得る。本明細書で説明するように、RFIDタグ130は、受信された無線周波数信号によって電力を与えられるように構成され得る。図4に示すような一実施形態では、複数のRFIDタグ130は、ドア枠430の間で実質的に均等に間隔を開けられるような空間関係で設置され得る。一実施形態では、空間関係は、RFIDタグ130の1つまたは複数の直線アレイ434を含むことができ、各直線アレイ434は、RFIDタグの中心線436を含む。2つ以上のRFIDタグの中心線436は、距離Dだけ離隔され得、距離Dは、たとえば、約4インチと約24インチとの間、または約8インチと約16インチとの間、または約10インチ~約12インチであり得る。図4に示すような設置パターンは、床、ドア枠430、または他の構造の材料とともにそれらを埋め込むことによって、または接着剤もしくは他の固定手段を用いて構造の表面にそれらを固定することによって、個別のRFIDタグ130の設置によって実装されてもよい。
【0035】
いくつかの実装形態では、設置パターンは、戸口通路内に設置されてもよい床カバーに、あるいは戸口通路の近くに設置されるか、戸口通路の構造に添付されるか、または戸口通路の構造の一部(たとえば、側枠、窓枠(sill)、敷居、または枠(casing)の一片を含むドア枠自体の一部など)を設けてもよい別の構造に、RFIDタグ130を埋め込むか、または場合によっては、添付することによって実装されてもよい。これは、たとえば、添付された所定の静的パターンのRFIDタグ130を有する床マットもしくは他の床カバー、敷居、または大きい粘着ステッカーを含んでもよく、またはRFIDタグ130がドア枠外から見えないが、トランシーバで信号を送受信することができるように、RFIDタグ130に対して事前に決められた位置における全体的もしくは部分的に閉じられた搭載ロケーションを有する、垂直ドア枠の取り外し可能で交換可能な部分を含んでもよい。固定のパターンのRFID搭載ロケーションおよび/または一体化されたもしくは埋め込まれたタグを有する床カバー、垂直ドア枠、または他のタグ搭載構造は、それらの全体が設置および交換されてもよく、または必要なときに個別のRFIDの交換を可能にしてもよい(たとえば、各RFIDは、物体の空所内に含まれてもよく、それが損傷するか、または場合によっては機能不全になる場合に取り外して交換されてもよい)。
【0036】
図5は、資産追跡システム500の代替実施形態を示す。追跡される資産560の既存のインターフェースに結合するように構成される資産追跡デバイス570が示される。追跡される資産560は、プロセッサおよびメモリ562、1つまたは複数の通信デバイス564(たとえば、データをワイヤレスに送受信することができるWi-Fi、ブルートゥース、光学、またはセルラーデータトランシーバ)、および電源566(たとえば、壁コンセントへの接続に適したハードライン電力接続、再充電可能または取り換え可能なバッテリ、ハードライン電力接続と再充電可能バッテリの組合せ)を含む、資産追跡デバイス570とは別の他の目的に対して存在し、機能してもよいいくつかの集積構成要素を含む。一例として、追跡される資産560は、ベッドを上昇、下降、または場合によっては調整するための電気モータ機能を有する病院ベッドであってもよい。ベッドは、固定されるときに電気コンセントに接続するのに適した電源566を有してもよく、ベッドは、ベッドが部屋から部屋に移動される間に電力を供給する再充電可能バッテリを含む。ベッドは、ローカルWi-Fiネットワークまたは他の通信ネットワークと通信することができるWi-Fiトランシーバまたは他の通信デバイス564を含んでもよい。プロセッサおよびメモリ562は、制御信号をベッドの電気モータに供給し、データを通信デバイス564を介して送受信するように構成されてもよい。
【0037】
資産追跡デバイス570をベッドなどの資産560に結合するとき、追跡デバイス570は、それ自体、専用ワイヤレス通信デバイスを含まず、それ自体の専用電源を含まない。そうではなく、追跡デバイス570は、電力インターフェース576を介して資産560の電源566に結合してもよく、通信インターフェース574を介して通信デバイス564に通信可能に結合してもよい。一例として、資産追跡デバイス570は、電力を受けてもよく、追跡デバイス570と資産560との間のUSB接続を介してデータを交換してもよい。資産560は、ネットワーク150上で資産管理サーバ140と直接通信してもよく、一方、追跡デバイス570は、RFIDタグ130の近傍にあるとき、RFIDトランシーバ578または他のリーダーを介してRFIDタグ130と直接通信する。このようにして、追跡される資産560の通信デバイス564は、資産追跡デバイス570と、資産管理サーバ140または1つまたは複数のネットワーク150を介してシステム500と通信可能に結合される他のデバイスとの間の通信プロキシとして働くことができる。
【0038】
通信インターフェース574および電力インターフェース576に加えて、追跡デバイス570は、プロセッサおよびメモリ572、RFIDトランシーバ578、および可聴および/または可視インジケータ580(たとえば、スピーカー、LEDインジケータ、または他のインジケータ)を含んでもよく、可聴および/または可視インジケータ580は、以下でより詳細に説明するように、いくつかのシナリオにおいて、近くの人に注意を与えるために起動されてもよい。当然ながら、資産追跡デバイス570は、コンピューティングデバイス内で一般に発見されるような他のまたは追加の構成要素(たとえば、様々な入力/出力デバイス)を含むことができる。追跡される資産560の既存の能力に依存することによって、追跡デバイス570の設計および機能が簡素化されてもよいことを了解されたい。
【0039】
図6は、追跡用の資産(たとえば、資産102、資産560など)を構成するために、資産追跡デバイスまたはシステム(たとえば、資産追跡デバイス110、570、資産追跡システム100、500)を用いて実行されてもよいステップの例示的なセット600を示す。タグ130は、(たとえば、そのロケーションにあって、ハンドヘルドコンピューティングデバイスを使用してタグ情報をシステムに提示するインストーラまたはユーザによって)ロケーションと関連付けられるので、ユーザは、各関連付けられたタグを識別されたロケーションにおける静的構造物上に設置してもよい602。説明したように、これは、追跡能力が求められる床、ドア枠もしくは壁、または他の静的構造物の上にタグを設置することを含んでもよい。これは、同じく、説明したように、一体化され、あらかじめ配置されたタグパターンを有する床カバー、敷居、または他の物体を設置することを含んでもよい。
【0040】
システムは、1つまたは複数のタグ130を、資産102、560が追跡されるロケーションと関係づけてもよく604、それは、タグ130と関連付けられた固有の識別子を識別するユーザデバイスからの情報、ならびにタグ130が設置されるロケーションを識別する情報を受信することを含んでもよい。タグロケーションは、様々な方法で表現されてもよい。一例として、ロケーションは、データベース内でロケーションの記述と関連付けられる別の固有の識別子であってもよく、またはロケーションは、それ自体が、ロケーションの記述であってもよい。ロケーションは、様々なレベルの粒度で規定されてもよく、特定の建物、建物の床、建物内の領域、建物内の特定の戸口通路もしくは玄関ホール、建物内の特定の部屋を含んでもよく、またはそれらと関連付けられてもよく、複数のタグ130は、そのようなパターン内の位置に互いに接近するパターンで位置付けられる。このようにして、システムは、タグ130の固有の識別子を記憶し、それをタグ130のそのロケーションと関連付けてもよく、今後、クエリが、固有の識別子を受信することに応答してタグのロケーションを識別してもよい。図6のステップのうちの1つまたは複数は、示される順序と異なる順序で実行されてもよいことを理解されたい。一例として、タグ130のすべては、設置602の前にロケーションと関連付けられてもよく604、または(たとえば、図6に示すように)設置602の後にロケーションと関連付けられてもよい604。
【0041】
次いで、資産102、560は、システムを用いて使用のために構成されてもよく606、それは、上記で説明したデバイスなどの資産追跡デバイス110、570を設置することを含んでもよい。構成606は、同じく、固有の識別子または資産102、560を記述する他の情報を有する資産追跡デバイス110、570を構成することと、追跡デバイス110、570を資産管理サーバ140と通信可能に結合することと、資産管理サーバ140から情報を受信して資産追跡デバイス110、570のローカル記憶デバイスに記憶することと、資産追跡デバイス110、570によって与えられる1つまたは複数の能動追跡特性(active tracking feature)を構成することとを含んでもよい。能動追跡特性は、ロケーション追跡および/またはロケーション検査の基本的特性に加えて、一定のRFIDタグ信号またはRFIDタグ信号の組合せを受信することに応答して実行される任意の自動的動作(automated action)であってもよい。一例として、能動追跡特性は、資産102、560が設置されてはならない構造の1つまたは複数の部屋を規定することを含んでもよく、その部屋と関連付けられたRFIDタグ信号が受信されると、可聴または可視の警報状態がトリガされる。能動追跡特性は、資産追跡デバイス110、570自体と相互作用することによって(たとえば、インターフェースを介して、または追跡デバイスとハンドヘルドコンピューティングデバイスとの間のワイヤレス接続を介して)、または資産管理サーバ140と相互作用することによって構成されてもよく、そのような構成は、追跡デバイス110、570とサーバ140との間で共有されてもよい(たとえば、サーバ上でリモートに構成されるルールが追跡デバイスにプッシュされてもよく、追跡デバイスにおいて構成されるルールがサーバ140にプッシュされてもよい)。タグ130およびロケーション定義が、同様に共有されてもよく、それにより、特定のタグ130のアイデンティティおよびロケーションは、資産追跡デバイス110、570によってローカルに、サーバ140によってリモートに、または両方で決定されてもよい。同様に、能動特性は、以下でより詳細に説明するように、ローカルに、リモートに、または両方で評価され、影響され(act upon)てもよい。
【0042】
図7は、図6のステップの間に構成される606ように、追跡される資産102、560のロケーションを決定するために資産追跡システムを用いて実行されてもよいステップのセット700を示す。構成されると、資産追跡デバイス110、570は、前述のように、その読み取り可能な近傍においてRFIDタグ130から応答信号を受信し始めてもよい702。信号が受信される702と、システム(たとえば、資産追跡デバイス、サーバ、または両方)は、それぞれの受信信号と関連付けられたタグ130のアイデンティティおよびロケーションを決定してもよく704、いくつかの実施形態では、受信信号に基づいて資産102、560の1つまたは複数の運動特性を決定してもよい706。一例として、資産追跡デバイス110、570が、2つの固有の識別子A123およびB123を受信する場合、デバイスは、A123およびB123が、施設の部屋123とそれぞれ関連付けられていると決定するために、そのような情報をサーバ140に与えてもよく、またはローカルに記憶されたデータセットを検索してもよい。運動特性を決定する706一例として、システムは、A123はB123の前の時点に受信されたと決定するために、2つの信号の受信と関連付けられたタイムスタンプを分析してもよく、各タグ130のロケーションおよびパターン記述に基づいて、A123が部屋123の外縁にある一方で、B123が部屋123の内縁にあることを決定してもよい。この情報は、追跡される資産102、560が検出されたとき、それは部屋123に入りかけていたと決定する(たとえば、外縁タグは内縁タグより前に検出される)ために使用されてもよく、そのような情報は、部屋123内に存在することを示すために追跡される資産102、560に対するロケーション記録を更新するために使用されてもよい。RFIDタグ130からのパターン化された応答信号に基づいて決定されてもよい他の運動特性は、資産102、560が移動している速度、資産が戸口通路を通って、エレベータの中に、もしくは玄関ホールの向こうに移動するときの資産の向き、資産が移動して戸口通路を出た方向、および他の情報を含む。
【0043】
決定されたロケーション704および/または決定された運動特性706に基づいて、システムは、ロケーションデータセットを更新してもよい708。それは、信号を受信した702ことに基づいて1つまたは複数の資産102、560に対するロケーションデータセットを更新する708ことを含んでもよく、それは、資産102、560の現在および過去のロケーションを示す記憶された記録を更新することを含んでもよい。システムは、各追跡される資産102、560の現在のロケーションおよび/または運動特性を追跡するように構成されてもよく、そのような情報をウェブサービスまたは他のソフトウェアアプリケーションを介して実時間ディスプレイまたはダッシュボードインターフェース内に表示してもよい。システムは、同じく、情報が利用可能である時間期間にわたって特定の資産102、560のロケーションを検査するように構成されてもよく、そのような情報をロケーションのタイムラインおよびロケーション変化として表示してもよく、等々。
【0044】
いくつかの実装形態では、システムは、資産ロケーションの追跡を超えて、1つまたは複数の反応性追跡特性(reactive tracking feature)を提供してもよい。一例として、図8は、追跡される資産(たとえば、資産102、資産560など)に対するロケーションベースおよび運動ベースの警報を提供するために、資産追跡システムを用いて実行されてもよいステップのセット800を示す。信号が受信される702と、システムは、決定されたロケーションおよび/または運動特性を、それらが満足されるかどうか評価するために、1つまたは複数のルールと比較し始めてもよい802。これは、ローカルルールの実施810に加えてまたは代替として、1つまたは複数のリモートルール(たとえば、サーバ140上で実行および/または評価されるルール)を評価する804ことを含んでもよい。リモートに評価されたルールは、資産を一定の領域に限定するようなルールを含んでもよく、それは、いくつかの実装形態では、同じく、資産追跡デバイス自体によってローカルに評価されてもよい。リモートに評価されたルールは、同じく、サーバ140または別のリモートデバイスに対して利用可能な情報に基づいてのみ、評価および/またはトリガされてもよいルールを含んでもよく、資産追跡デバイス110、570に対してローカルに利用可能ではない。一例として、これは、複数の資産が、それらが制限されていてもいなくてもよい単一のエリアに移動されるが、それらの資産のすべてが同じロケーション内にある訳がない(たとえば、隔離(isolation)もしくは隔離(quarantine)エリアまたは個人治療室などにおいて、一般に一度に1つのベッドに限定される施設の部屋もしくはエリアにおける複数のベッド)とシステムが決定するような場合に、2つ以上の資産102、560の位置に基づいて警報状態をトリガする能動追跡特性を含んでもよい。他の例は、サーバ140に対して利用可能であるが、資産追跡デバイス110、570に対してローカルに利用できない情報を生成してもよい自動化されたカメラ、セキュリティシステム、緊急システム、または他のセンサからの情報を含む。そのような情報は、RFID追跡システムをバイパスするための意図的な試みを識別してもよく、または一定の資産が立ち入りを許可されるエリアを修正するために使用されてもよい(たとえば、一定の階が封鎖され、資産102、560が、通例そこへの立ち入りを許可されているか否かにかかわらず、その階に移動されるべきではないことをセキュリティの警報が示す場合、または資産102、560のうちの数個が、一般的に制限されているエリアに、またはそのエリアを通って移動されることをセキュリティの警報が要求する場合)。
【0045】
リモート警報804またはルールがトリガされる場合、システムは、警報状態および警報状態の原因または状況を示す1つまたは複数の通知または信号を提供してもよい806。そのような情報は、セキュリティ関係者もしくは自動セキュリティシステムに提供されてもよく806、またはサーバ140と通信している1つまたは複数の資産追跡デバイス110、570に提供されてもよい。一例として、リモートセキュリティルールの違反は、更新された構成または他の情報を、ローカルに評価されるルールの違反がなくても、ローカル警報状態を発生させてもよい812資産追跡デバイス110、570に送信することをサーバ140に行わせる。
【0046】
要求はされないが、いくつかの実装形態では、資産追跡デバイス110、570自体が、任意のローカル警報条件が満足されるかどうかを決定するために、ローカルに構成されるルール810を評価するように構成されてもよく、警報条件が満足される場合、ローカル警報状態(たとえば、可聴および/または可視インジケータ580の起動)に入る812。資産追跡デバイス110、570に対して完全にローカルに警報を評価してトリガすることは、それが、警報状態を決定するためにリモートサーバと通信する必要を排除し、したがって、サーバ140または別のリモートデバイスとの信頼できる通信なしに、より速やかに実行されてもよいという点で有利である場合がある。ローカル警報は、資産102、560が許可されていないロケーション内に存在している、または許可されたロケーションのリストにないロケーションに存在しているなど、様々な状況に基づいてトリガするように構成されてもよく、または資産102、560が、危険な速度で移動しているか、または危険な向きで戸口通路、玄関ホールを通って、もしくはエレベータの中に移動されているなど、運動特性に基づいてもよい。ローカルに構成されるルール810とリモートに構成されるルール804のタイプおよび効果においていくらかの重複が存在する場合があり、それは、少なくとも上記で説明した理由で有利である場合がある。
【0047】
要求されないが、いくつかの実装形態では、システムは、RFIDタグ130における故障、RFIDタグ130の間違い設定、または追跡システムを意図的にバイパスするための試みを検出するように設計されている能動追跡特性で構成されてもよい。これらの能動追跡特性は、任意の予期せぬ信号の特性814の存在に対して受信信号(たとえば、図7のステップ702)をモニタしてもよく、任意の予期せぬ信号の特性を取り巻くロケーションおよび状況の通知を提供してもよい816。
【0048】
一例として、予期せぬ信号を検出するように構成される1つのルールは、単一の追跡デバイス110、570が、近接して設置されていない2つのRFIDタグ130から、2つの信号をほぼ同時に受信することはあり得ない状況で信号を受信し、それは、RFIDタグ130の間違い設定もしくは間違い設置、または追跡システムを意図的にバイパスするための試みを示してもよいときに、トリガされてもよい。
【0049】
別の例として、1つのルールは、ほぼ同時に応答すべきRFIDタグ130からの受信信号応答のグループ分けをモニタし、予期される応答のグループが受信されず、それは、RFIDタグ130が故障したかもしくは機能不全になったか、または改ざんされたことを示してもよいときにトリガするように構成されてもよい。さらなる例として、これは、戸口通路は先行するRFIDタグ130と後続するRFIDタグ130とを有する(たとえば、上記で説明したRFIDタグA123およびRFIDタグB123)が、戸口通路を通って移動する資産102、560から1つだけの応答信号が受信される場合を含んでもよい。上記の例は、同じく、単一のタグ130の故障または転置によるシステムの機能不全を防止するために、実質的に同じロケーションおよび目的を有する2つ以上の冗長なRFIDタグ130が設置される場合に適用されてもよい。
【0050】
図のうちのいくつかは、フロー図を含むことができる。そのような図は、特定の論理フローを含むことができるが、論理フローは、一般的な機能の例示的な実装形態を提供するに過ぎないことが了解され得る。さらに、論理フローは、特段に示されない限り、必ずしも、提示された順序で実行されなければならないとは限らない。加えて、論理フローは、ハードウェア要素、コンピュータによって実行されるソフトウェア要素、ハードウェア内に埋め込まれたファームウェア要素、または任意のそれらの組合せによって実装され得る。
【0051】
例示的な組合せ
実施例1は、可動資産を追跡するためのシステムを含み、システムは資産に搭載された追跡デバイスを含み、追跡デバイスは1つまたは複数のトランシーバを有し、1つまたは複数のRFIDタグは1つまたは複数の静的構造物に搭載され、追跡デバイスの1つまたは複数のトランシーバはRFIDタグのうちの1つまたは複数に電力を与えるかまたはそれらをトリガし、電力を与えられたまたはトリガされたことに応答して、電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグは記憶された識別データを送信し、識別データは所定のロケーションデータと関連付けられており、追跡デバイスの1つまたは複数のトランシーバは、電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグによって送信された識別データを受信または検出する。
【0052】
実施例2は、実施例1のシステムを含み、トランシーバまたはトランシーバのアンテナは、近くのRFIDタグのトリガを容易にするために、床の近くまたは資産の側部に設置される。
【0053】
実施例3は、実施例1および2のシステムを含み、追跡デバイスは、資産/患者の速度および方向を検出するために加速度計を含有する。
【0054】
実施例4は、実施例1~3のいずれかのシステムを含み、複数のRFIDタグは、追跡デバイスが資産に対する運動の速度および方向を検出することを可能にするために各ロケーションにおいて使用される。
【0055】
実施例5は、実施例1~4のいずれか1つのシステムを含み、追跡デバイスは、その現在のロケーションおよび運動を決定して記録するために識別データを中央サーバに送信する。
【0056】
実施例6は、実施例1~5のいずれか1つのシステムを含み、中央サーバは、認可されたロケーションまたはエリアを出入りする資産または患者に対するユーザに警報するための警報システムを含む。
【0057】
実施例7は、実施例1~6のいずれか1つのシステムを含み、1つまたは複数のRFIDタグは、1つまたは複数の受動RFIDタグ、能動RFIDタグ、または短距離タグを含む。
【0058】
実施例8は、実施例1~7のいずれか1つのシステムを含み、1つまたは複数の静的構造物は、1つまたは複数の敷居、床、壁、垂直枠、または他のロケーションを含む。
【0059】
実施例9は、可動病院ベッド内の患者を追跡するためのシステムを含み、システムは、患者と関連付けられた可動病院ベッドに搭載され、1つまたは複数のトランシーバを有する追跡デバイスと、1つまたは複数の静的構造物に搭載された1つまたは複数のRFIDタグとを含み、追跡デバイスの1つまたは複数のトランシーバは、RFIDタグのうちの1つまたは複数に電力を与えるかまたはそれらをトリガし、電力を与えられたまたはトリガされたことに応答して、電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグは記憶された識別データを送信し、識別データは所定のロケーションデータと関連付けられており、追跡デバイスの1つまたは複数のトランシーバは、電力を与えられたまたはトリガされたRFIDタグによって送信された識別データを受信または検出する。
【0060】
実施例10は、実施例9のシステムを含み、トランシーバまたはトランシーバのアンテナは、近くのRFIDタグのトリガを容易にするために、床の近くまたは追跡デバイスの側部に設置される。
【0061】
実施例11は、実施例9および10のいずれかのシステムを含み、追跡デバイスは、可動病院ベッドの速度および方向を検出するために加速度計を含有する。
【0062】
実施例12は、実施例9~11のいずれかのシステムを含み、複数のRFIDタグは、追跡デバイスが可動病院ベッド/患者に対する運動の速度および方向を検出することを可能にするために、各ロケーションにおいて使用される。
【0063】
実施例13は、実施例9~12のいずれかのシステムを含み、追跡デバイスは、そのロケーションおよび運動を決定して記録するために、識別データを中央サーバに送信する。
【0064】
実施例14は、実施例9~13のいずれかのシステムを含み、中央サーバは、認可されたロケーションまたはエリアを出入りする可動病院ベッドに対するユーザに警報するための警報システムを含む。
【0065】
実施例15は、実施例9~14のいずれかのシステムを含み、1つまたは複数のRFIDタグは、1つまたは複数の受動RFIDタグ、能動RFIDタグ、または短距離タグを含む。
【0066】
実施例16は、実施例9~15のいずれかのシステムを含み、1つまたは複数の静的構造物は、1つまたは複数の戸口、床、壁、垂直枠、または他のロケーションを含む。
【0067】
実施例17は、タグロケーションデータセットを記憶するように構成されるサーバであって、タグロケーションデータセットは、1つのタグロケーションとそれぞれ関連付けられた複数のタグ識別子、1つまたは複数のタグロケーションとそれぞれ関連付けられた複数の資産ロケーション、および資産識別子を含む、サーバと、サーバと通信している資産追跡デバイスであって、受動タグと通信するように構成される受動タグトランシーバを含み、車輪付き資産に固定された、資産追跡デバイスと、1つまたは複数のプロセッサとを含む資産追跡システムを含み、1つまたは複数のプロセッサは、タグ識別子を複数のタグ識別子に追加することによって複数のタグをタグロケーションデータセットと関連付けることであって、複数のタグは追跡される設備における静的構造物に固定された受動タグを含む、ことと、受動タグトランシーバによって供給される電力を与える信号に応答して受動タグトランシーバを介して1つまたは複数の応答信号を受信することと、タグロケーションデータセットに基づいて1つまたは複数の応答信号と関連付けられた1つまたは複数の応答タグロケーションを決定することと、タグロケーションデータセットに基づいて1つまたは複数の応答タグロケーションと関連付けられた設備ロケーションを決定することと、設備ロケーションに基づいて複数の資産ロケーションのうちの1つの資産ロケーションを更新することとを行うように構成され、資産ロケーションは、車輪付き資産の資産識別子に対応する。
【0068】
実施例18は、実施例17の資産追跡システムを含み、1つまたは複数のプロセッサは、サーバの少なくとも1つのプロセッサと資産追跡デバイスの少なくとも1つのプロセッサとを含む。
【0069】
実施例19は、実施例17および18のいずれかの資産追跡システムを含み、1つまたは複数のプロセッサは、資産追跡デバイスのローカルメモリ上のタグロケーションデータセットの少なくとも一部を記憶することと、資産追跡デバイスのプロセッサおよびローカルメモリに記憶されたタグロケーションデータセットを使用して1つまたは複数の応答タグロケーションを決定することとを行うようにさらに構成される。
【0070】
実施例20は、実施例17~19のいずれかの資産追跡システムを含み、資産追跡デバイスのプロセッサは、ローカルメモリに記憶されたタグロケーションデータセットおよび決定された設備ロケーションに基づいて資産追跡デバイスのローカル警報デバイスを起動することと、警報状態を示す可聴信号、可視信号または両方を提供することとを行うようにさらに構成される。
【0071】
実施例21は、実施例17~20のいずれかの資産追跡システムを含み、1つまたは複数のプロセッサは、タグロケーションデータセットに基づいて1つまたは複数の応答信号内の予期せぬ信号を識別することであって、予期せぬ信号は、複数のタグの機能不全または間違い設定がなければ発生することのない1つまたはいくつかの信号が、ある時間期間の間に受信されることを含む、ことと、予期せぬ信号が発生した設備ロケーションを含む予期せぬ信号の表示、予期せぬ信号の記述、およびその設備ロケーションにおけるタグから受信されるべき予期される信号の記述を提供することとを行うようにさらに構成される。
【0072】
実施例22は、実施例17~21のいずれかの資産追跡システムを含み、1つまたは複数のプロセッサは、1つまたは複数の応答タグロケーションに基づいて車輪付き資産と関連付けられた1つまたは複数の運動特性を決定するようにさらに構成される。
【0073】
実施例23は、実施例17~22のいずれかの資産追跡システムを含み、1つまたは複数の運動特性は、車輪付き資産が1つまたは複数の応答タグロケーションに対して移動している方向、車輪付き資産が移動している速度、および移動中の車輪付き資産の向きのうちの1つまたは複数を含む。
【0074】
実施例24は、実施例17~23のいずれかの資産追跡システムを含み、資産追跡デバイスは、通信インターフェースが通信可能に結合される車輪付き資産の既存の通信デバイスを介して、資産追跡デバイスがサーバと通信することを可能にするように構成される通信インターフェースと、電力インターフェースが結合される車輪付き資産の既存の電源から資産追跡デバイスに電力を供給するように構成される電力インターフェースとをさらに含む。
【0075】
実施例25は、実施例17~24のいずれかの資産追跡システムを含み、受動タグトランシーバは、受動タグトランシーバの基準近傍内にあるタグとのみ通信するように構成され、基準近傍は、約4インチと約12インチとの間であり、受動タグトランシーバは、受動タグトランシーバの基準近傍内にある追跡される設備における静的構造物を認識する位置において車輪付き資産に固定される。
【0076】
実施例26は、実施例17~25のいずれかの資産追跡システムを含み、追跡される設備における静的構造物は、床およびドア枠を含む。
【0077】
実施例27は、資産追跡システムを用いて使用するためのタグ搭載構造を含み、タグ搭載構造は、所定のパターンにおける複数の固定点を含む本体であって、複数の固定点は、所定のパターンにおける位置において受動タグを受信して保持するようにそれぞれ構成される、本体と、複数の固定点に配置された複数の受動タグとを含み、複数の受動タグは、受動タグトランスミッタによって電力を与えられることに応答して応答信号を提供するように構成される。
【0078】
実施例28は、実施例27のタグ搭載構造を含み、タグ搭載構造は、床カバー、壁、垂直ドア枠、およびドアの敷居のうちの1つまたは複数を含む。
【0079】
実施例29は、追跡される資産が移動されることを可能にする車輪のセットを含む資産構造と、資産構造に固定され、受動タグおよびプロセッサと通信するように構成される受動タグトランシーバを含む資産追跡デバイスであって、受動タグトランシーバは、受動タグトランシーバの基準近傍内にあるタグだけと通信するように構成され、基準近傍は、約4インチと約12インチとの間である、資産追跡デバイスと、受動タグトランシーバの基準近傍内の追跡される設備における1つまたは複数の静的構造物を認識する位置において資産構造に固定された受動タグトランシーバとを含む追跡される資産を含み、複数のタグは、追跡される設備における1つまたは複数の静的構造物上に設置され、プロセッサは、受動タグトランシーバによって供給される電力を与える信号に応答して受動タグトランシーバを介して1つまたは複数の応答信号を受信することと、タグロケーションデータセットにアクセスすることであって、タグロケーションデータセットは、タグロケーションとそれぞれ関連付けられた複数のタグ識別子、1つまたは複数のタグロケーションと関連付けられた資産ロケーション、および追跡される資産と関連付けられた資産識別子を含む、ことと、タグロケーションデータセットに基づいて1つまたは複数の応答信号と関連付けられた1つまたは複数の応答タグロケーションを決定することと、タグロケーションデータセットに基づいて1つまたは複数の応答タグロケーションと関連付けられた設備ロケーションを決定することと、設備ロケーションに基づいて資産ロケーションを更新することとを行うように構成され、資産ロケーションは、追跡される資産の資産識別子に対応する。
【0080】
実施例30は、建物内の車輪付き資産を追跡するための方法を含み、方法は、資産追跡デバイスを車輪付き資産に結合するステップであって、資産追跡デバイスは、受動タグトランシーバの基準近傍内に設置された受動タグと通信するように構成される受動タグトランシーバを含む、ステップと、複数の受動タグの各々に固有のタグ識別子を記憶するステップと、タグロケーションデータセットをサーバに記憶するステップであって、タグロケーションデータセットは、固有のタグ識別子とそれぞれ関連付けられた複数のタグロケーションを含む、ステップと、車輪付き資産がそれらのロケーションを通過するとき、受動タグトランシーバの基準近傍内のその受動タグを認識する、それらの静的構造物上の位置において、建物内の様々なロケーションにおける静的構造物に複数の受動タグの各々を固定するステップと、車輪付き資産が建物内を移動するにつれて受動タグから複数の応答を受動タグトランシーバを用いて受信するステップであって、複数の応答は、応答受動タグの固有のタグ識別子を含む、ステップと、複数の応答を資産追跡デバイスの通信デバイスを介してサーバに提供するステップと、複数の応答およびタグロケーションデータセットに基づいて車輪付き資産のロケーションをサーバのプロセッサを用いて決定するステップと、車輪付き資産のロケーションをプロセッサを用いて記憶するステップとを含む。
【0081】
実施例31は、本明細書で示して説明する独創的原理のうちの1つまたは複数による資産を追跡するためのシステムを含む。
【0082】
実施例32は、本明細書で示して説明する独創的原理のうちの1つまたは複数による資産追跡デバイスを含む。
【0083】
実施例33は、本明細書で示して説明する独創的原理のうちの1つまたは複数による資産管理サーバを含む。
【0084】
実施例34は、本明細書で示して説明する独創的原理のうちの1つまたは複数による追跡される資産を含む。
【0085】
実施例35は、本明細書で示して説明する独創的原理のうちの1つまたは複数による追跡される資産のためのコンピュータ実装方法を含む。
【0086】
実施例36は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることに応答して、実質的に本明細書で説明する動作をコンピューティングデバイスに実行させる複数の命令を記憶した1つまたは複数の機械可読媒体を含む。
【0087】
実施例37は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることに応答して、実質的に本明細書で説明する動作を資産追跡デバイスに実行させる複数の命令を記憶した1つまたは複数の機械可読媒体を含む。
【0088】
実施例38は、1つまたは複数のプロセッサによって実行されることに応答して、実質的に本明細書で説明する動作を資産管理サーバに実行させる複数の命令を記憶した1つまたは複数の機械可読媒体を含む。
【0089】
前述の実施形態および例は、図示および説明のために提示された。それは、包括的であること、または説明した形式に限定することを意図していない。多くの修正形態が、上記の教示に照らして可能である。それらの修正形態のうちのいくつかについて説明したので、その他の修正形態は、当業者には理解されるであろう。実施形態は、熟慮される特定の使用に適する様々な実施形態の原理を最も良く示すために選択されて説明された。当然ながら、その範囲は、本明細書で説明した例に限定されるのではなく、当業者によって任意の数のアプリケーションおよび同等のデバイスにおいて採用され得る。本明細書によって、本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲によって定義されることが意図される。
【符号の説明】
【0090】
4 補給品収納
100 システム
102 追跡される資産
110 資産追跡デバイス
112 プロセッサ
114 システムバス
116 メモリ
118 データストレージ
120 通信回路
122 RFIDトランシーバ
130 RFIDタグ
140 資産管理サーバ
150 ネットワーク
202 部屋
218 送信
220 送信
222 ワイヤレス送信
224 ワイヤードおよび/またはワイヤレス送信
312 プロセッサ
320 レシーバ
330 コイル
430 ドア枠
434 直線アレイ
436 RFIDタグの中心線
500 資産追跡システム
560 追跡される資産
562 プロセッサおよびメモリ
564 通信デバイス
566 電源
570 資産追跡デバイス
572 プロセッサおよびメモリ
574 通信インターフェース
576 電力インターフェース
578 RFIDトランシーバ
580 可聴および/または可視インジケータ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】