(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】炎症及び創傷治癒を調節するための組成物及び方法
(51)【国際特許分類】
A61K 38/08 20190101AFI20230605BHJP
A61K 38/06 20060101ALI20230605BHJP
A61K 31/685 20060101ALI20230605BHJP
A61K 31/7048 20060101ALI20230605BHJP
A61P 17/02 20060101ALI20230605BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230605BHJP
A61K 8/64 20060101ALI20230605BHJP
A61K 8/55 20060101ALI20230605BHJP
A61K 8/60 20060101ALI20230605BHJP
A61Q 19/00 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
A61K38/08
A61K38/06
A61K31/685
A61K31/7048
A61P17/02
A61P43/00 121
A61K8/64
A61K8/55
A61K8/60
A61Q19/00
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567676
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 US2021031244
(87)【国際公開番号】W WO2021226429
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】515344370
【氏名又は名称】アラスティン・スキンケア・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】ALASTIN SKINCARE, INC.
(74)【代理人】
【識別番号】100102978
【氏名又は名称】清水 初志
(74)【代理人】
【識別番号】100102118
【氏名又は名称】春名 雅夫
(74)【代理人】
【識別番号】100160923
【氏名又は名称】山口 裕孝
(74)【代理人】
【識別番号】100119507
【氏名又は名称】刑部 俊
(74)【代理人】
【識別番号】100142929
【氏名又は名称】井上 隆一
(74)【代理人】
【識別番号】100148699
【氏名又は名称】佐藤 利光
(74)【代理人】
【識別番号】100188433
【氏名又は名称】梅村 幸輔
(74)【代理人】
【識別番号】100128048
【氏名又は名称】新見 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100129506
【氏名又は名称】小林 智彦
(74)【代理人】
【識別番号】100205707
【氏名又は名称】小寺 秀紀
(74)【代理人】
【識別番号】100114340
【氏名又は名称】大関 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100214396
【氏名又は名称】塩田 真紀
(74)【代理人】
【識別番号】100121072
【氏名又は名称】川本 和弥
(72)【発明者】
【氏名】ウィッジロー アラン デヴィッド
(72)【発明者】
【氏名】ガルート ジョン エー.
【テーマコード(参考)】
4C083
4C084
4C086
【Fターム(参考)】
4C083AA032
4C083AA112
4C083AA122
4C083AB442
4C083AC072
4C083AC122
4C083AC242
4C083AC352
4C083AC392
4C083AC422
4C083AC472
4C083AC842
4C083AD152
4C083AD172
4C083AD391
4C083AD392
4C083AD411
4C083AD412
4C083AD571
4C083AD572
4C083CC04
4C083CC05
4C083CC06
4C083DD23
4C083DD27
4C083DD28
4C083EE13
4C084AA02
4C084BA01
4C084BA08
4C084BA15
4C084BA17
4C084BA23
4C084MA02
4C084MA17
4C084MA63
4C084NA05
4C084ZA891
4C084ZA892
4C084ZC751
4C086AA01
4C086AA02
4C086DA41
4C086EA11
4C086GA16
4C086GA17
4C086MA03
4C086MA04
4C086MA17
4C086MA63
4C086NA05
4C086ZA89
4C086ZC37
4C086ZC75
(57)【要約】
炎症及び創傷治癒を調節するための組成物及び方法が、提供される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)皮膚手技又は外科手技前に、対象の皮膚領域にトリペプチド-1及びヘキサペプチド-12を含む第1の局所用組成物を適用する工程と、
(b)前記対象の皮膚領域にトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む第2の局所用組成物を適用する工程と
を含む、対象での皮膚手技又は外科手技後に創傷治癒を改善するための方法であって、
前記第1の局所用組成物、前記第2の局所用組成物又はその両方が、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与される、前記方法。
【請求項2】
工程(b)が前記第1の局所用組成物を適用することを更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の局所用組成物が、前記外科手技前に少なくとも1週間にわたって投与される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記第1の局所用組成物が、前記外科手技前に少なくとも2週間にわたって投与される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項5】
前記第2の局所用組成物が、前記外科手技後に少なくとも2週間にわたって投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の局所用組成物が、前記外科手技後に少なくとも10週間にわたって投与される、請求項1~4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記第1の局所用組成物、前記第2の局所用組成物又はその両方が、1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される、請求項1~6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記第1の局所用組成物が、前記皮膚手技又は前記外科手技前に少なくとも2週間にわたって1日につき少なくとも2回投与され、かつ前記第2の局所用組成物が、前記皮膚手技又は前記外科手技後に少なくとも2週間にわたって1日につき少なくとも2回投与される、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(Nod-like receptor、NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記局所用組成物の投与が、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記局所用組成物の投与が、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、IL6、PLA2G4C、TNFRSF4、TNFSF15、又はTPST1を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子がIL6を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項20】
前記局所用組成物の投与が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項21】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項22】
前記局所用組成物の投与が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項23】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項24】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項25】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、C1R又はSCUBE1を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項26】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、TGM2又はPLCB2を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項27】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項28】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項29】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも2倍増加する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項30】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも3倍増加する、請求項1~26のいずれか一項に記載の方法。
【請求項31】
前記対照が、前記第1の局所用組成物、前記第2の局所用組成物又はその両方を受け取らない皮膚領域である、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項32】
前記対照が、ベースライン発現レベルである、請求項27~30のいずれか一項に記載の方法。
【請求項33】
前記発現レベルが、少なくとも約2週間後に増加する、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項34】
前記発現レベルが、少なくとも約4週間後に増加する、請求項1~32のいずれか一項に記載の方法。
【請求項35】
前記局所用組成物の投与後に、前記対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、前記少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、前記少なくとも1種の遺伝子と前記プローブ間の結合を検出することによって、前記少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項36】
前記局所用組成物の投与前に、前記対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、前記遺伝子と前記プローブ間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の方法。
【請求項37】
前記トリペプチド-1が、パルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む、請求項1~36のいずれか一項に記載の方法。
【請求項38】
前記トリペプチド-1が、1~10ppmで存在する、請求項1~37のいずれか一項に記載の方法。
【請求項39】
前記ヘキサペプチド-11が、パルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む、請求項1~38のいずれか一項に記載の方法。
【請求項40】
前記ヘキサペプチド-11が、0.001~1ppmで存在する、請求項1~39のいずれか一項に記載の方法。
【請求項41】
前記ヘキサペプチド-12が、パルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む、請求項1~40のいずれか一項に記載の方法。
【請求項42】
前記ヘキサペプチド-12が、0.5~10ppmで存在する、請求項1~41のいずれか一項に記載の方法。
【請求項43】
前記第2の局所用組成物が、テトラペプチドを更に含む、請求項1~42のいずれか一項に記載の方法。
【請求項44】
前記テトラペプチドがテトラペプチド-2である、請求項43に記載の方法。
【請求項45】
前記テトラペプチドが、1~10ppmで存在する、請求項43又は44に記載の方法。
【請求項46】
前記第1の局所用組成物が、ホスファチジルセリン及びオレウロペインを含む、請求項1~45のいずれか一項に記載の方法。
【請求項47】
前記ホスファチジルセリンが、約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する、請求項46に記載の方法。
【請求項48】
前記ホスファチジルセリンが、5.0重量%以下で存在する、請求項46に記載の方法。
【請求項49】
前記オレウロペインが、0.050重量%以下で存在する、請求項46に記載の方法。
【請求項50】
前記第2の局所用組成物が、ホスファチジルセリンを更に含む、請求項1~49のいずれか一項に記載の方法。
【請求項51】
前記ホスファチジルセリンが、約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する、請求項50に記載の方法。
【請求項52】
前記ホスファチジルセリンが、5.0重量%以下で存在する、請求項50に記載の方法。
【請求項53】
前記第1の局所用組成物、前記第2の局所用組成物又はその両方が、セラミドNP、トレメラ・フシフォルミス(Tremella fuciformis)抽出物、ナイアシンアミド、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸、アボカド抽出物、シアバター、ベントナイト、フィトエン/フィトフルエン、ヒドロキシメトキシフェニルデカノン、ポリホロシド、プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、ディル抽出物、加水分解カンジダサイトアナ抽出物、センテラ・アシアティカ、プロパンジオール、レシチン、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ(Glaucium flavum leaf)抽出物、又はこれらの組合せを更に含む、請求項1~52のいずれか一項に記載の方法。
【請求項54】
前記第1の局所用組成物、前記第2の局所用組成物又はその両方が、水性局所用組成物である、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項55】
前記第1の局所用組成物、前記第2の局所用組成物又はその両方が、無水局所用組成物である、請求項1~53のいずれか一項に記載の方法。
【請求項56】
前記対象がヒトである、請求項1~55のいずれか一項に記載の方法。
【請求項57】
前記皮膚手技が、レーザ処置、化学的表皮剥離、マイクロダーマブレーション、マイクロニードリング、又は高周波マイクロニードリングを含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
前記外科手技が、脂肪層切除、脂肪吸引、下半身リフト、ブラキオプラスティー、内腿リフト、豊尻手術、胴囲ボディーリフト、胸部リフト、乳房縮小術、豊胸手術、又は女性器美容整形手術を含む、請求項1~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項59】
治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである、請求項1~58のいずれか一項に記載の方法。
【請求項60】
対象の皮膚領域にトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む局所用組成物を適用する工程
を含む、対象の創傷治癒を改善するための方法であって、
前記局所用組成物が、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与され、前記局所用組成物が、手技前、手技後又はその両方で投与され、前記手技が、手術による皮膚除去手技又は脂肪及び皮膚を除去する手技である、前記方法。
【請求項61】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする、請求項60に記載の方法。
【請求項62】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする、請求項61に記載の方法。
【請求項64】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項65】
前記局所用組成物の投与が、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項60に記載の方法。
【請求項66】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項67】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項68】
前記局所用組成物の投与が、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項60に記載の方法。
【請求項69】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、IL6、PLA2G4C、TNFRSF4、TNFSF15、又はTPST1を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項70】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子がIL6を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項71】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項72】
前記局所用組成物の投与が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項60に記載の方法。
【請求項73】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項74】
前記局所用組成物の投与が、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する、請求項60に記載の方法。
【請求項75】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項76】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む、請求項60に記載の方法。
【請求項77】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、C1R又はSCUBE1を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項78】
前記1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子が、TGM2又はPLCB2を含む、請求項60に記載の方法。
【請求項79】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する、請求項60~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項80】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する、請求項60~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項81】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも2倍増加する、請求項60~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項82】
前記発現レベルが、対照と比較して少なくとも3倍増加する、請求項60~78のいずれか一項に記載の方法。
【請求項83】
前記対照が、前記局所用組成物を受け取らない皮膚領域である、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項84】
前記対照が、ベースライン発現レベルである、請求項79~82のいずれか一項に記載の方法。
【請求項85】
前記発現レベルが、少なくとも約2週間後に増加する、請求項60~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項86】
前記発現レベルが、少なくとも約4週間後に増加する、請求項60~84のいずれか一項に記載の方法。
【請求項87】
前記局所用組成物の投与後に、前記対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、前記少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、前記少なくとも1種の遺伝子と前記プローブ間の結合を検出することによって、前記少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む、請求項60~86のいずれか一項に記載の方法。
【請求項88】
前記局所用組成物の投与前に、前記対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、前記遺伝子と前記プローブ間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む、請求項60~87のいずれか一項に記載の方法。
【請求項89】
前記トリペプチド-1が、パルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む、請求項60~88のいずれか一項に記載の方法。
【請求項90】
前記トリペプチド-1が、1~10ppmで存在する、請求項60~89のいずれか一項に記載の方法。
【請求項91】
前記ヘキサペプチド-11が、パルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む、請求項60~90のいずれか一項に記載の方法。
【請求項92】
前記ヘキサペプチド-11が、0.001~1ppmで存在する、請求項60~91のいずれか一項に記載の方法。
【請求項93】
前記ヘキサペプチド-12が、パルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む、請求項60~92のいずれか一項に記載の方法。
【請求項94】
前記ヘキサペプチド-12が、0.5~10ppmで存在する、請求項60~93のいずれか一項に記載の方法。
【請求項95】
テトラペプチドを更に含む、請求項60~94のいずれか一項に記載の方法。
【請求項96】
前記テトラペプチドがテトラペプチド-2である、請求項95に記載の方法。
【請求項97】
前記テトラペプチドが、1~10ppmで存在する、請求項95又は96に記載の方法。
【請求項98】
前記局所用組成物が、ホスファチジルセリンを更に含む、請求項60~97のいずれか一項に記載の方法。
【請求項99】
前記ホスファチジルセリンが、約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する、請求項98に記載の方法。
【請求項100】
前記ホスファチジルセリンが、5.0重量%以下で存在する、請求項98に記載の方法。
【請求項101】
セラミドNP、トレメラ・フシフォルミス抽出物、ナイアシンアミド、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸、アボカド抽出物、シアバター、ベントナイト、フィトエン/フィトフルエン、ヒドロキシメトキシフェニルデカノン、ポリホロシド、プランタゴ・ランセオラタ、ディル抽出物、オレウロペイン、加水分解カンジダサイトアナ抽出物、センテラ・アシアティカ、プロパンジオール、レシチン、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せを更に含む、請求項60~100のいずれか一項に記載の方法。
【請求項102】
前記局所用組成物が水性局所用組成物である、請求項60~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項103】
前記局所用組成物が無水局所用組成物である、請求項60~101のいずれか一項に記載の方法。
【請求項104】
前記局所用組成物が、前記手技前に少なくとも2週間にわたって投与される、請求項60~103のいずれか一項に記載の方法。
【請求項105】
前記局所用組成物が、前記手技後に少なくとも2週間にわたって投与される、請求項60~104のいずれか一項に記載の方法。
【請求項106】
前記局所用組成物が、1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される、請求項60~105のいずれか一項に記載の方法。
【請求項107】
前記局所用組成物が、前記手技前に少なくとも2週間にわたって及び前記手技後に少なくとも2週間にわたって、1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される、請求項60~106のいずれか一項に記載の方法。
【請求項108】
治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである、請求項60~107のいずれか一項に記載の方法。
【請求項109】
前記対象がヒトである、請求項1~108のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
相互参照
本出願は、2020年5月8日に出願された米国仮特許出願第63/022,209号の恩典を主張するものであり、ここに本明細書の一部を構成するものとして、その全体の内容を援用する。
【0002】
背景
美容外科、顔面美容学及び医用レーザといった皮膚手技又は外科手技に関わる産業は数十億に及ぶと推定されている。このように産業が著しく成長したことで、皮膚再生及び創傷治癒を促進し、かつ侵襲的な皮膚処置のネガティブな副作用を緩和するのに効果的なスキンケア処置の必要もまた急速に増大している。こうしたネガティブな副作用は、多くの場合、緩慢かつ効果的ではない皮膚再生又は創傷治癒の結果であり、長期にわたる炎症、皮膚刺激反応性、瘢痕、あざ、乾燥肌、感染及びその他の望ましくない皮膚状態を引き起こす。したがって、創傷治癒プロセスを加速させ、疼痛又は不快感を軽減させ、かつ炎症の消散を加速させることができる、皮膚手技又は外科手技で使用するための組成物が必要とされている。
【発明の概要】
【0003】
概要
炎症遺伝子又は再生遺伝子発現を調節するための組成物及び方法が本明細書に説明される。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物及び方法は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症遺伝子及び再生遺伝子発現を誘発するか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。
【0004】
本明細書に説明されるような態様は、(a)皮膚手技又は外科手技前に、対象の皮膚領域にトリペプチド-1及びヘキサペプチド-12を含む第1の局所用組成物を適用する工程と、(b)対象の皮膚領域にトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む第2の局所用組成物を適用する工程とを含む、対象での皮膚手技又は外科手技後の創傷治癒を改善するための方法であって、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与される。ある特徴では、工程(b)は第1の局所用組成物を適用することを更に含む。ある特徴では、第1の局所用組成物は、外科手技前に少なくとも1週間にわたって投与される。ある特徴では、第1の局所用組成物は、外科手技前に少なくとも2週間にわたって投与される。ある特徴では、第2の局所用組成物は、外科手技後に少なくとも2週間にわたって投与される。ある特徴では、第2の局所用組成物は、外科手技後に少なくとも10週間にわたって投与される。ある特徴では、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される。ある特徴では、第1の局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技前に少なくとも2週間にわたって1日につき少なくとも2回投与され、かつ第2の局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後に少なくとも2週間にわたって1日につき少なくとも2回投与される。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(Nod-like receptor、NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む。ある特徴では、局所用組成物の投与は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。ある特徴では、局所用組成物の投与は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はIL6、PLA2G4C、TNFRSF4、TNFSF15、又はTPST1を含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はIL6を含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。ある特徴では、局所用組成物の投与はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。ある特徴では、局所用組成物の投与はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R又はSCUBE1を含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はTGM2又はPLCB2を含む。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも2倍増加する。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも3倍増加する。ある特徴では、対照は、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方を受け取らない皮膚領域である。ある特徴では、対照はベースライン発現レベルである。ある特徴では、発現レベルは、少なくとも約2週間後に増加する。ある特徴では、発現レベルは、少なくとも約4週間後に増加する。ある特徴では、方法は、局所用組成物の投与後に、対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、少なくとも1種の遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。ある特徴では、方法は、局所用組成物の投与前に、対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。ある特徴では、トリペプチド-1はパルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む。ある特徴では、トリペプチド-1は1~10ppmで存在する。ある特徴では、ヘキサペプチド-11は、パルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む。ある特徴では、ヘキサペプチド-11は0.001~1ppmで存在する。ある特徴では、ヘキサペプチド-12はパルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む。ある特徴では、ヘキサペプチド-12は0.5~10ppmで存在する。ある特徴では、第2の局所用組成物はテトラペプチドを更に含む。ある特徴では、テトラペプチドはテトラペプチド-2である。ある特徴では、テトラペプチドは1~10ppmで存在する。ある特徴では、第1の局所用組成物はホスファチジルセリン及びオレウロペインを含む。ある特徴では、ホスファチジルセリンは約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する。ある特徴では、ホスファチジルセリンは5.0重量%以下で存在する。
ある特徴では、オレウロペインは0.050重量%以下で存在する。ある特徴では、第2の局所用組成物はホスファチジルセリンを更に含む。ある特徴では、ホスファチジルセリンは約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する。ある特徴では、ホスファチジルセリンは5.0重量%以下で存在する。ある特徴では、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は、セラミドNP、トレメラ・フシフォルミス(Tremella fuciformis)抽出物、ナイアシンアミド、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸、アボカド抽出物、シアバター、ベントナイト、フィトエン/フィトフルエン、ヒドロキシメトキシフェニルデカノン、ポリホロシド、プランタゴ・ランセオラタ(Plantago lanceolata)、ディル抽出物、加水分解カンジダサイトアナ抽出物、センテラ・アシアティカ、プロパンジオール、レシチン、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ(Glaucium flavum leaf)抽出物、又はこれらの組合せを更に含む。ある特徴では、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は水性局所用組成物である。ある特徴では、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は無水局所用組成物である。ある特徴では、対象はヒトである。ある特徴では、皮膚手技は、レーザ処置、化学的表皮剥離、マイクロダーマブレーション、マイクロニードリング、又は高周波マイクロニードリングを含む。ある特徴では、外科手技は、脂肪層切除、脂肪吸引、下半身リフト、ブラキオプラスティー、内腿リフト、豊尻手術、胴囲ボディーリフト、胸部リフト、乳房縮小術、豊胸手術、又は女性器美容整形手術を含む。ある特徴では、この方法は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。
【0005】
本明細書に説明されるような態様は、対象の皮膚領域にトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む局所用組成物を適用する工程を含む、対象の創傷治癒を改善するための方法であって、局所用組成物が、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与され、局所用組成物は、手技前、手技後又はその両方で投与され、手技は、手術による皮膚除去手技又は脂肪及び皮膚を除去する手技である。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む。ある特徴では、局所用組成物の投与は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。ある特徴では、局所用組成物の投与は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はIL6、PLA2G4C、TNFRSF4、TNFSF15、又はTPST1を含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はIL6を含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。ある特徴では、局所用組成物の投与はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。ある特徴では、局所用組成物の投与はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R又はSCUBE1を含む。ある特徴では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はTGM2又はPLCB2を含む。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも2倍増加する。ある特徴では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも3倍増加する。ある特徴では、対照は、局所用組成物を受け取らない皮膚領域である。ある特徴では、対照はベースラインの発現レベルである。ある特徴では、発現レベルは、少なくとも約2週間後に増加する。ある特徴では、発現レベルは、少なくとも約4週間後に増加する。ある特徴では、方法は、局所用組成物の投与後に、対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、少なくとも1種の遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。ある特徴では、方法は、局所用組成物の投与前に、対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又は、TNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。ある特徴では、トリペプチド-1はパルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む。ある特徴では、トリペプチド-1は1~10ppmで存在する。ある特徴では、ヘキサペプチド-11は、パルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む。ある特徴では、ヘキサペプチド-11は0.001~1ppmで存在する。ある特徴では、ヘキサペプチド-12はパルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む。ある特徴では、ヘキサペプチド-12は0.5~10ppmで存在する。ある特徴は、方法はテトラペプチドを更に含む。ある特徴では、テトラペプチドはテトラペプチド-2である。ある特徴では、テトラペプチドは1~10ppmで存在する。ある特徴では、局所用組成物はホスファチジルセリンを更に含む。ある特徴では、ホスファチジルセリンは約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する。ある特徴では、ホスファチジルセリンは5.0重量%以下で存在する。ある特徴では、方法は、セラミドNP、トレメラ・フシフォルミス抽出物、ナイアシンアミド、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸、アボカド抽出物、シアバター、ベントナイト、フィトエン/フィトフルエン、ヒドロキシメトキシフェニルデカノン、ポリホロシド、プランタゴ・ランセオラタ、ディル抽出物、オレウロペイン、加水分解カンジダサイトアナ抽出物、センテラ・アシアティカ、プロパンジオール、レシチン、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せを更に含む。ある特徴では、局所用組成物は水性局所用組成物である。
ある特徴では、局所用組成物は無水局所用組成物である。ある特徴では、局所用組成物は、手技前に少なくとも2週間にわたって投与される。ある特徴では、局所用組成物は、手技後に少なくとも2週間にわたって投与される。ある特徴では、局所用組成物は1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される。ある特徴では、局所用組成物は、手技前に少なくとも2週間にわたって及び手技後に少なくとも2週間にわたって、1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される。ある特徴では、この方法は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。ある特徴では、対象はヒトである。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】2週間処置群と2週間未処置群との発現上昇遺伝子を比較したベン図を描いている。数字は、処置前の生検と比較して著しく発現上昇していた(1.5倍以上)遺伝子に基づく。2W UTは2週間未処置群であり、2W Tは2週間処置群である。
【
図2A】2週間群のタンパク質間の相互作用ネットワークを描く。2週間未処置群(
図2A)と2週間処置群(
図2B)の相互作用ネットワークを比較するため、Stringデータベースを使用した。
【
図3】2週間処置群と4週間処置群との発現上昇遺伝子を比較したベン図を描いている。数字は、処置前の生検と比較して著しく発現上昇していた(1.5倍以上)遺伝子に基づく。2W Tは2週間処置群であり、4W Tは4週間処置群である。
【
図4A】4週間群のタンパク質間の相互作用ネットワークを描いている。4週間未処置群(
図4A)と4週間処置群(
図4B)の相互作用ネットワークを比較するため、Stringデータベースを使用した。
【
図5】
図5Aは、硬さの絶対単位で硬化を評価するSkinFibroMeterを使用して作成された皮膚硬化判定のグラフを描いている。ベースライン読取り値を超える増加値は硬さ/硬化を示している。データは、処置側と未処置側の両方について、1週間時点及び2週間時点のベースラインを超えるパーセントの増加で描かれている。データは平均±標準誤差平均として表されている。*はp<0.05(n=6)を示す。
図5Bは、盲検化治験責任医師評価を使用した皮膚硬化判定のグラフを描いている。硬化のレベルは以下の段階スケールを使用して評価した:0は皮膚硬化なし、1はわずかに知覚可能、2は軽微、3は中程度、4は重度である。表されているデータは、生検時点に相当する2週間及び4週間の経過観察に由来する平均±標準誤差平均である。*はp<0.05(n=6)を示す。
【
図6A】脂肪吸引の1週間後の硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成及び疼痛の盲検化治験責任医師評価のグラフを示す。0~4段階スケール(0=なし、1=わずかに知覚可能、2=軽微、3=中程度及び4=重度)を使用して各評価を行った。疼痛(0~10段階)を評価するため、VAS疼痛スケールも使用した。
【
図6B】脂肪吸引の2週間後の硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成及び疼痛の盲検化治験責任医師評価のグラフを描いている。0~4段階スケール(0=なし、1=わずかに知覚可能、2=軽微、3=中程度及び4=重度)を使用して各評価を行った。疼痛(0~10段階)を評価するため、VAS疼痛スケールも使用した。
【
図6C】脂肪吸引の4週間後の硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成及び疼痛の盲検化治験責任医師評価のグラフを描いている。0~4段階スケール(0=なし、1=わずかに知覚可能、2=軽微、3=中程度及び4=重度)を使用して各評価を行った。疼痛(0~10段階)を評価するため、VAS疼痛スケールも使用した。
【
図7】ベースラインからのSkinFibroMeter測定変化平均のグラフを描いている。来診ごとに各脚について平均変化を計算した。
【
図8】再生生体複合体産物(body complex product、RBP)側の皮膚・皮下境界の破壊がほとんど見られないことを示す、硬化及び浮腫を表す皮膚区分への流体破壊と比較するために使用される超音波画像を描いている。皮膚組織から皮下組織への移行を測定するため、皮膚強度分析と皮下強度分析との差分を計算した。RDISは相対的分散、すなわち相対変動の尺度である。
【
図9】ベースライン(上段)、2週間(中段)及び4週間(下段)での対照薬製品(左パネルの画像)と再生皮膚ネクター(regenerating skin nectar、RSN)及び再生生体複合体産物(RBP)(右パネル画像)の投与後の、対象4の40倍のHerovici染色を描いている。
【
図10】平均参加者評価のグラフを描いている。脂肪吸引手技後の各来診時に、各々の参加者は質問票を与えられ、0~3段階スケール(0=なし、1=軽症、2=中程度及び3=重度)で各脚を評価した。
【
図11】患者が1回処置を受けた場合と2回処置を受けた場合、患者の脂肪吸引後1週間、2週間及び4週間での参加者の浮腫の治験責任医師評価の平均スコアのグラフを描いている。各評価は、(0~4)段階スケールを使用して段階をつけた。(0~10)段階スケールであるVASを使用して疼痛をスコア化した。顎下脂肪評価スケール、(0~4)段階スケールを使用し、来診ごとに顎下膨満(CR-SFRS)の段階をつけた。
【
図12】患者が1回処置を受けた場合と2回処置を受けた場合、患者の脂肪吸引後1週間、2週間及び4週間での参加者の硬化の治験責任医師評価の平均スコアのグラフを描いている。各評価は、(0~4)段階スケールを使用して段階をつけた。(0~10)段階スケールであるVASを使用して疼痛をスコア化した。顎下脂肪評価スケール、(0~4)段階スケールを使用し、来診ごとに顎下膨満(CR-SFRS)7の段階をつけた。
【
図13】脂肪吸引後4週間での、顎下脂肪評価スケール(CR-SFRS)の平均変化のグラフを描いている。
【
図14】患者が1回処置、2回処置又は無刺激保湿剤を受けた場合、右脚及び左脚のベースラインからのSkinFibrometer平均変化を描いている。
【
図15】ベースライン、TFを用いた1回処置後2週間及び無刺激保湿剤を用いた2回処置後2週間での患者4の画像を描いている。
【
図16】ベースライン、RBPを用いた1回処置後2週間での、及びRBPを用いた2回処置後2週間での患者10の画像を描いている。
【
図17】患者の有害反応、特にひりつき及び圧痛のパーセントを示すグラフを描いている。
【発明を実施するための形態】
【0007】
詳細な説明
以下の記載及び実施例は、本開示の好ましい実施形態を詳細に示している。当業者は、本開示の範囲内に包含されるその多数の変形及び修正が存在することを認識するであろう。したがって、好ましい実施形態の記載は、本開示の範囲を限定していると見なされるべきではない。
【0008】
定義
本明細書で使用される場合、「薬学的に許容される塩」及び「薬学的に許容されるその塩」という用語は広義の用語であり、それらの通常の意味及び慣習的な意味を当業者に与えることになり(かつ特別な又はカスタマイズされた意味に限定するものではない)、薬学的に許容される非毒性酸又は塩基から調製された塩を指すが、これらに限定されない。好適な薬学的に許容される塩としては、例えば、アルミニウム塩、亜鉛塩、リチウム塩、ナトリウム塩及びカリウム塩といったアルカリ金属塩、カルシウム塩及びマグネシウム塩といったアルカリ土類金属塩などの金属塩;例えば、リジン塩、N,N’-ジベンジルエチレンジアミン塩、クロロプロカイン塩、コリン酸、ジエタノールアミン塩、エチレンジアミン塩、メグルミン(N-メチルグルカミン)塩、プロカイン塩及びトリス塩などの有機塩;例えば、硫酸塩、塩酸塩及び臭化水素酸塩などの無機塩;並びに広範な薬学的用途に使用され、例えばMerck Indexといった、当業者に周知の情報源に記載されている他の塩が挙げられる。本明細書に記述される治療薬の塩が非毒性であり、所望の活性を実質的に妨げない場合には、これを作製するために任意の好適な成分を選択することができる。塩に加え、薬学的に許容される化合物の前駆体及び誘導体が利用され得る。薬学的に許容されるアミド、低級アルキルエステル及び保護誘導体もまた、好ましい実施形態の組成物及び方法での使用に好適であり得る。薬学的に許容される塩の形態で好ましい実施形態の化合物を投与することが可能であり得るが、中性形態の化合物を投与することが一般には好ましい。
【0009】
1つ以上のキラル中心を有する本明細書に説明される化合物のいずれかでは、絶対的立体化学が明確に示されていない場合には、各中心は独立して、R配置のもの又はS配置のもの又はそれらの混合物であり得ることを理解されたい。したがって、本明細書に提供される化合物は、鏡像異性的に純粋な混合物、鏡像異性的に濃縮された混合物、ラセミ混合物、ジアステレオマー的に純粋な混合物、ジアステレオマー的に濃縮された混合物又は立体異性的混合物であってもよい。更には、本明細書に説明され、E又はZと定義され得る幾何異性体を生成する1つ以上の二重結合を有する化合物のいずれかでは、各二重結合は独立して、それらのE混合物又はZ混合物であってもよいことが理解される。
【0010】
同様に、説明される化合物のいずれかでは、全ての互変異性形態もまた含まれることが意図されていると理解されたい。例えば、リン酸基の全ての互変異性体が含まれることが意図されている。更には、天然及び人工プリン塩基及びピリミジン塩基の全ての互変異性体を含む、当該技術分野で既知の複素環塩基の全互変異性体が含まれることが意図されている。
【0011】
本明細書に開示される化合物は、未充填の原子価を有する場合に、例えば水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)といった水素又はその同位体で原子価が充填されることになることを理解されたい。
【0012】
本明細書に説明される化合物は、同位体的に標識され得るということを理解されたい。重水素といった同位体での置換により、例えばインビボでの半減期を増加させ、又は必要用量を減少させるなど、より大きな代謝安定性から生じるいくつかの治療上の利点を提供することができる。化合物構造に表されているような各化学元素は、当該要素のいずれかの同位体を含んでもよい。例えば、化合物構造では、水素原子が化合物中に存在するということが明確に開示又は理解され得る。水素原子が存在する可能性がある化合物のいずれかの位置では、水素原子は、水素-1(プロチウム)及び水素-2(重水素)を含むがこれらに限定されない、水素のいずれかの同位体であり得る。したがって、化合物への本明細書での言及は、文脈中でそれ以外の場合を明確に記載しない限り、潜在的な同位体形態全てを包含している。
【0013】
本明細書に説明される方法及び組合せとしては、結晶形態(多形としても知られているが、化合物と同じ元素組成で異なる結晶充填配置を含む)、非晶質相、塩、溶媒和物及び水和物を含むことを理解されたい。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される化合物は、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を含む溶媒和物中に存在する。他の実施形態では、本明細書に説明される化合物は、非溶媒和物中に存在する。溶媒和物は、化学量論的又は非化学量論的な量の溶媒を含有し、水、エタノールなどの薬学的に許容される溶媒を用いて、結晶化プロセス中に形成されてもよい。溶媒が水の場合には水和物が形成され、溶媒がアルコールの場合にはアルコラートが形成される。更には、本明細書に提供される化合物は、非溶媒和物形態及び溶媒和物形態で存在し得る。一般には、溶媒和物形態は、本明細書に提供される化合物及び方法の目的については、非溶媒和物形態と同等であると考えられる。
【0014】
本開示全体を通して、種々の実施形態は範囲形式で表されている。範囲形式の記載は、単に利便性及び簡潔性を目的としており、任意の実施形態の範囲に対する確固たる限定として解釈されるべきではないことを理解されたい。したがって、範囲の記載は、文脈中でそれ以外の場合を明確に記述しない限り、考えられる部分範囲及び下限の単位の10分の1に及ぶ個々の数値全てを具体的に開示していると見なされるべきである。例えば、1~6といった範囲の記載は、1~3、1~4、1~5、2~4、2~6、3~6などの部分範囲、並びに例えば1.1、2、2.3、5及び5.9といったこの範囲内の個々の値を具体的に開示していると見なされるべきである。これは、範囲の幅に関わらず適用される。間にあるこうした範囲の上限及び下限は、より小さな範囲に独立して含まれていてもよく、記載される範囲において具体的に除外されるいずれかの限界によっては、本開示内にも包含される。記載された範囲は一方の限界又は両方の限界を含む場合には、文脈中でそれ以外の場合を明確に記述しない限り、含まれているそれらの限界の一方又は両方を除外した範囲もまた本開示にも含まれる。
【0015】
本明細書で使用される専門用語は、特定の実施形態のみを説明する目的のためのものであり、実施形態の限定を意図していない。本明細書で使用される場合、単数形である「a」、「an」及び「the」は、文脈中でそれ以外の場合を明確に記述しない限り、複数形を同様に含むことを意図している。「含む(comprises)」及び/又は「含む(comprising)」という用語は、本明細書に使用される場合、記載の特徴、整数、工程、操作、要素及び/又は成分の存在を指定するが、1つ以上の他の特徴、整数、工程、操作、要素、成分及び/又はそれらの群の存在又は追加を除外しないことが更に理解されるであろう。本明細書に使用される場合、「及び/又は」という用語は、記載された関連項目のうち1つ以上のいずれかの、及び全ての組合せを含む。
【0016】
具体的に記載、又は文脈から明らかではない限り、本明細書に使用される場合、数又は数の範囲に言及した「約」という用語は、記載の数及びその+/-10%の数、又は範囲に関して記載された値の記載された加減を10%下回る数、並びに記載された上限を10%上回る数を意味するものと理解される。
【0017】
組成物
本明細書に説明される組成物は炎症及び創傷治癒を調節することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される組成物は、炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症遺伝子又は再生遺伝子発現を誘発するか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。
【0018】
ペプチド
本実施形態のペプチドの組合せは、様々な種類の組成物で利用することができる。ジペプチド、トリペプチド又はテトラペプチド、及び少なくとも1種の賦形剤と組み合わせられたペンタペプチド、ヘキサペプチド又はヘプタペプチドを含む局所用組成物が提供される。いくつかの実施形態では、局所用組成物は1種以上のトリペプチド、1種以上のテトラペプチド及び1種以上のヘキサペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1種以上のトリペプチドのトリペプチドは、トリペプチド-1である。いくつかの実施形態では、1種以上のテトラペプチドのテトラペプチドは、テトラペプチド-2である。いくつかの実施形態では、1種以上のヘキサペプチドのヘキサペプチドは、ヘキサペプチド-12である。いくつかの実施形態では、1種以上のヘキサペプチドのヘキサペプチドは、ヘキサペプチド-11である。いくつかの実施形態では、局所用組成物はトリペプチド-1、テトラペプチド-2、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む。いくつかの実施形態では、組成物はトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む。いくつかの実施形態では、局所用組成物はテトラペプチドを更に含む。いくつかの実施形態では、テトラペプチドはテトラペプチド-2である。いくつかの実施形態では、局所用組成物はトリペプチド-1、テトラペプチド-2及びヘキサペプチド-12を含む。
【0019】
いくつかの実施形態では、局所用組成物は、約0.001重量%以下~約50重量%以上のペプチドなどの活性成分を含むが、これは約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.06重量%、約0.07重量%、約0.08重量%、約0.09重量%、約0.1重量%、約0.2重量%、約0.3重量%、約0.4重量%、約0.5重量%、約0.6重量%、約0.7重量%、約0.8重量%、約0.9重量%又は約1重量%~約2重量%、約3重量%、約4重量%、約5重量%、約6重量%、約7重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%、約15重量%、約20重量%、約25重量%、約30重量%、約35重量%、約40重量%又は約45重量%であることが好ましい。いくつかの実施形態では、活性成分は、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、活性成分は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、活性成分は、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。
【0020】
炎症及び創傷治癒を調節するための、2種以上のペプチドの組合せを含む組成物が提供される。2種類のペプチドの組合せを含む局所用組成物では、第1のペプチド(例えば、ヘキサペプチド)は、純粋なペプチドの形態で、又はペプチドを含有する担体の形態で、例えば0.001ppm、0.01ppm、0.1ppm、1ppm、10ppm、50ppm以下~100ppm、1000ppm、5000ppm、10000ppm、50000ppm、100000ppm、500000ppm以上で、例えば100ppmのペプチドで、組成物中に存在する。局所製剤は、例えば、0.01重量%~0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.1重量%、1重量%~5重量%又は10重量%といった、0.01重量%以下(例えば、0.001重量%)~10重量%以上の第1のペプチドを含有し得る。第2のペプチド(例えば、トリペプチド)は、純粋な形態で、又はペプチドを含有する担体の形態で、例えば0.001ppm、0.01ppm、0.1ppm、1ppm、10ppm、50ppm以下~100ppm、1000ppm、5000ppm、10000ppm、50000ppm、100000ppm、500000ppm以上で、例えば100ppmのペプチド又は任意の他の好適な量で、局所製剤組成物中に存在する。局所製剤は、例えば、0.01重量%~0.02重量%、0.03重量%、0.04重量%、0.05重量%、0.1重量%、1重量%~5重量%又は10重量%といった、0.01重量%以下(例えば、0.001重量%)~20重量%以上の第2のペプチドを含有し得る。基剤中のペプチドの量を上下に調節することができる。
【0021】
本明細書に説明されるような組成物は、いくつかの実施形態では、1種以上のペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1種以上のペプチドは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、1種以上のペプチドは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、1種以上のペプチドは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。
【0022】
いくつかの実施形態では、1種以上のペプチドのペプチドはトリペプチド-1、テトラペプチド-2、ヘキサペプチド-12又はヘキサペプチド-11である。いくつかの実施形態では、トリペプチド-1は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、トリペプチド-1は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、テトラペプチド-2は、少なくとも0.05重量%、0.10重量%、0.25重量%、0.50重量%、0.75重量%、1.0重量%、1.5重量%、2.0重量%、2.5重量%、3.0重量%、3.5重量%、4.0重量%、4.5重量%、5.0重量%、5.5重量%、6.0重量%、6.5重量%、7.0重量%、8重量%、9重量%、10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、テトラペプチド-2は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-12は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-12は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-11は、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-11は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-11は、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-11は約0.005重量%~約0.02重量%の範囲で提供される。
【0023】
例示的な実施形態では、局所用組成物中の第2のペプチドに対する第1のペプチドの重量比は、0.2~10部の第2のペプチド又は1~10部の第2のペプチド又は1~8部の第2のペプチド又は1~5.5部の第2のペプチドに対し、1部の第1のペプチドである。以下の命名法は、種々のアミノ酸を指すために本明細書に利用されている:アラニン(本明細書では「Ala」又は「A」とも称される)、アルギニン(本明細書では「Arg」又は「R」とも称される)、アスパラギン(本明細書では「Asn」又は「N」とも称される」)、アスパラギン酸(本明細書では「Asp」又は「D」とも称される)、システイン(本明細書では「Cys」又は「C」とも称される)、グルタミン酸(本明細書では「Glu」又は「E」とも称される)、グルタミン(本明細書では「Gln」又は「Q」とも称される)、グリシン(本明細書では「Gly」又は「G」とも称される)、ヒスチジン(本明細書では「His」又は「H」とも称される)、イソロイシン(本明細書では「Ile」又は「I」とも称される)、ロイシン(本明細書では「Leu」又は「L」とも称される)、リジン(本明細書では「Lys」又は「K」とも称される)、メチオニン(本明細書では「Met」又は「M」とも称される)、フェニルアラニン(本明細書では「Phe」又は「F」とも称される)、プロリン(本明細書では「Pro」又は「P」とも称される)、セリン(本明細書では「Ser」又は「S」とも称される)、スレオニン(本明細書では「Thr」又は「T」とも称される)、トリプトファン(本明細書では「Trp」又は「W」とも称される)、チロシン(本明細書では「Tyr」又は「Y」とも称される)、バリン(本明細書では「Val」又は「V」とも称される)。
【0024】
いくつかの実施形態では、第1のペプチドはジペプチドである。好適なジペプチドとしては、以下のアミノ酸の配列:KK、KP、CK、KC、KT、DF、NF、VW、YR又はTTを有するジペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ジペプチドは以下のアミノ酸の配列:KVを有する。他の実施形態では、第1のペプチドはトリペプチドである。好適なトリペプチドとしては、以下のアミノ酸の配列:HGG、RKR、GHK、GKH、GGH、GHG、KFK又はKPKを有するトリペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、トリペプチドは以下のアミノ酸の配列:KVKを有する。いくつかの実施形態では、第1のペプチドはテトラペプチドである。好適なテトラペプチドとしては、以下のアミノ酸の配列:GQPR、KTFK、AQTR又はRSRKを有するテトラペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、テトラペプチドはアミノ酸の以下の配列:KDVYを有する。いくつかの実施形態では、第2のペプチドはペンタペプチドである。好適なペンタペプチドとしては、以下のアミノ酸の配列:KTTKS、YGGFX又はKLAAKを有するペンタペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、第2のペプチドはヘキサペプチドである。好適なヘキサペプチドとしては、以下のアミノ酸の配列:VGVAPG又はGKTTKSを有するヘキサペプチドが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドはアミノ酸の以下の配列:FVAPFPを有する。いくつかの実施形態では、第2のペプチドはヘプタペプチドである。好適なヘプタペプチドとしては、RGYYLLEといったアミノ酸配列を有するヘプタペプチド、又はヘプタペプチド-6(プロサーチュインペプチド)が挙げられるが、これらに限定されない。組成物が少なくとも1個のジペプチド、トリペプチド又はテトラペプチド及び少なくとも1個のペンタペプチド、ヘキサペプチド又はヘプタペプチドを含有する条件では、組成物は、例えば2個のジペプチドと1個のペンタペプチド、1個のトリペプチドと1個のヘキサペプチド;1個のジペプチドと1個のトリペプチドと1個のヘプタペプチドなどといった2種以上のペプチドを含んでもよい。いくつかの実施形態では、組成物は1種以上のトリペプチド、1種以上のテトラペプチド及び1種以上のヘキサペプチドを含む。いくつかの実施形態では、1種以上のトリペプチドのトリペプチドは、トリペプチド-1である。いくつかの実施形態では、1種以上のテトラペプチドのテトラペプチドは、テトラペプチド-2である。いくつかの実施形態では、1種以上のヘキサペプチドのヘキサペプチドは、ヘキサペプチド-12である。いくつかの実施形態では、1種以上のヘキサペプチドのヘキサペプチドは、ヘキサペプチド-11である。いくつかの実施形態では、組成物はトリペプチド-1、テトラペプチド-2、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む。いくつかの実施形態では、組成物はトリペプチド-1、テトラペプチド-2及びヘキサペプチド-12を含む。
【0025】
ペプチドは官能化され得る。例えば、ペプチドは、例えばミリストレイン酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、α-リノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸などの脂肪酸を用いて官能化され得る。例としては、パルミトイルヘキサペプチド-12(Pal-VGVAPG)、パルミトイルトリペプチド-1(Pal-GHK)、ミリストイルヘキサペプチド-12(Myr-VGVAPG)、ミリストイルトリペプチド-1(Myr-GHK)が挙げられる。パルミトイル官能化又はミリストイル官能化は、他の脂肪酸と比較した場合に、浸透の増強を示すことから、ある特定の実施形態では望ましいものである可能性がある。いくつかの実施形態では、トリペプチド-1はパルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-11はパルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、トリペプチド-1はパルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチド-12はパルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、ペプチドは化学基を用いて官能化されている。例えば、ペプチドはアセチルを用いて官能化される。例としては、アセチルテトラペプチド-2が挙げられる。
【0026】
本明細書に提供される方法及び組成物のいくつかの実施形態は、第1のペプチドとしてグリシン-ヒスチジン-リジン(GHK)を含む。GHKは、一般にはタンパク質のクラスではほとんど見られないが、細胞外基質タンパク質では頻繁に見られるペプチド配列である。GHKのサイズが小さいことにより、このペプチドは大きなペプチドよりもはるかに容易に膜受容体に接近することが可能である。更には、類のない銅結合構造は細胞への及び細胞外への銅の輸送を増強し、異なるが関連するいくつかの経路を介して創傷治癒を促進させる。この強い銅結合構造により、GHKはGHK-Cu形態(銅結合GHK形態)で提供され得る。
【0027】
GHKは、抗炎症薬(例えば、Pickart,L.,The human tri-peptide GHK and tissue remodeling,J.Biomater.Sci.Polymer Edn.2008,Vol.19,pp.969-988,972-973;Pickart et al.,The Human Tripeptide GHK-CU in Prevention of Oxidative Stress and Degenerative Conditions of Aging:Implications for Cognitive Health,Oxid.Med.Cell Longev.2012,Vol.2012,pp.1-8,3を参照)及び抗酸化剤として作用する。GHKは、炎症を引き起こし、かつ瘢痕を誘発し得る「急性期応答」を抑制することで創傷治癒を促進するように作用する。この生物学的応答は、細菌の侵入を防止し、免疫細胞の到達を助け、出血を止め、創傷領域の被覆をもたらす。GHK-Cuもまた、サイトカインと呼ばれる分子の産生を阻害することで急性期応答を抑制する。サイトカインは、免疫細胞を誘引し、炎症及び線維症(瘢痕組織の生成につながる)を促進する他の分子の産生をトリガする免疫細胞シグナル伝達分子である。特に、GHKは、創傷領域における炎症及びアポトーシス細胞死の主要な駆動因子のうちのいくつかである、腫瘍壊死因子α(tumor necrosis factor-alpha、TNFα)、インターロイキン-1(IL-1)、インターロイキン-6(IL-6)及びトランスフォーミング増殖因子β(transforming growth factor-beta-1、TGF-β1)などのサイトカインの産生を抑制する。TGF-β1は急性期応答の継続にとって重要な構成要素であることから、GHKによるTGF-β1の抑制もまた、急性期応答が開始してからのその持続時間を短縮化するように作用する。GHKは、酸化鉄のフェリチンの放出を遮断することで抗酸化剤として作用し、更に炎症又は細菌感染症(進入細菌は生存のために鉄を必要とするため)を防ぐ。
【0028】
GHKもまた、血管成長を刺激し、コラーゲン産生を増加し、かつ細胞外基質を再生する。GHKもまた、血管を再建する毛細血管細胞など、損傷組織の再生にとって重要な細胞の誘引物質として作用する。これは細胞外基質(extracellular matrix、ECM)、細胞間情報伝達及び支持にとって重要である主要な外部スキャフォールドをもまた再建しながらも、損傷タンパク質を除去する種々の酵素の産生を上方制御する。特に、GHKはECM、すなわちコラーゲン、プロテオグリカン、グリコサミノグリカン、コンドロイチン硫酸及びデルマタン硫酸の再生に必要となるメッセンジャーRNA(mRNA)の産生を誘発する。コラーゲン産生を増加させるGHKの誘発もまた、皮膚の再増殖を増強させる上で重要な役割を果たしている。GHKは、血管新生、抗凝血及び血管拡張といった3つのプロセスを通して、損傷組織への血流を更に刺激する。最初に、GHKは、塩基性線維芽細胞増殖因子(BFGF)及び血管内皮細胞増殖因子(vascular endothelial growth factor、VEGF)など、血管新生に必要とされる増殖因子タンパク質の産生を増加させることで、血管新生又は新しい血管形成を誘発する。次に、GHKは、赤血球の数を増やす(エリスロポエチン産生の増加による)ことで、及び凝血分子であるトロンボキサンを下方制御するなどの抗凝結効果により、創傷領域への血流を増加させる。第3に、GHKは、血管収縮タンパク質であるアンジオテンシンIIへの結合による血管拡張を助け、アンジオテンシンによる血管収縮及び血流減少を防ぐ。
【0029】
GHKは幹細胞増殖を促進する(例えば、Ito et al.,Is the Hair Follicle Necessary for Normal Wound Healing,J.Invest.Dermatol.2008,Vol.128,pp.1059-1061,1059を参照)。創傷治癒試験は、マウスを用いた実験において、GHK-Cuを添加することで創傷周辺付近の毛包の産生が大幅に拡大したことを実証した。皮膚毛包は、皮膚治癒に不可欠である幹細胞の重要な供給源である。皮膚毛包の調査は、有毛部領域がより急速に治癒する傾向があり、毛包の種々の部分に由来する細胞は、真皮細胞及び上皮細胞の両方の置換に寄与し得るということを実証した。
【0030】
したがって、炎症を減少させ、抗酸化剤として作用し、新しい血管の増殖を刺激し、細胞外基質を再生し、コラーゲン産生を増強することで、かつ幹細胞増殖を促進することで、GHKは皮膚再生を大幅に増強し、かつ創傷治癒を大幅に増強させることができる。
【0031】
本明細書に提供される方法及び組成物のいくつかの実施形態は、第2のペプチドとしてバリン-グリシン-バリン-アラニン-プロリン-グリシン(VGVAPG)を含む。VGVAPGはエラスチンタンパク質から誘導されるヘキサペプチドである(例えば、Blanchevoye et al.,Interaction between the Elastin Peptide VGVAPG and Human Elastin Binding Protein,J.Biol.Chem.2012,Vol.288,pp.1317-1328,1317-1318を参照)(「VGVAPG」は配列番号9として開示される)。エラスチンは、一時的な伸長又は収縮を受けた後、元々の形状及びサイズに戻るために、組織に必要とされ、結合組織(例えば、皮膚)に見られるタンパク質である。弾性及び弾力性を提供する上でエラスチンは重要であることから、エラスチンは外傷に対する皮膚細胞の耐性及び外傷からの回復において重要な役割を果たしている。伸展又は引張を受けた後に元々の形状に戻る皮膚の能力は、「弾性繊維」を形成するように機能する架橋エラスチンタンパク質(ヒトにおけるトロポエラスチンタンパク質)に依る。創傷を治癒する弾性繊維系の破壊は、瘢痕組織の産生に強く関連している(例えば、Rnjak-Kovacina et al.,Severe Burn Injuries and the Role of Elastin in the Design of Dermal Substitutes,Tissue Eng.Part B.Rev.2011,pp.81-91,85-86を参照)。これらの特性及び他の特性により、エラスチンは効果的な創傷治癒プロセスにおける主要な構成要素である。
【0032】
VGVAPGは、皮膚外傷を予防し、かつ皮膚再生を促進するエラスチンの能力を支援する役割を果たしている(例えば、Floquet et al.,Structural Characterization of VGVAPG,an Elastin-Derived Peptide,Biopolymers(Peptide Science)2004,Vol.76,266-280,267)(「VGVAPG」は配列番号9として開示されている)。最初に、これは単球及び線維芽細胞を誘引する能力を実証するために示されている(例えば、Senior et al.,Val-Gly-Val-Ala-Pro-Gly,a Repeating Peptide in Elastin,Is Chemotactic for Fibroblasts and Monocytes,J.Cell Biol.1984,Vol.99,pp.870-874,870)(「Val-Gly-Val-Ala-Pro-Gly」は配列番号9として開示されている)。単球は感染を撃退する上で不可欠であり、線維芽細胞はコラーゲン産生(皮膚では最も量の多いタンパク質)及び細胞外基質の再生に必要とされる。次に、VGVAPGは、成熟弾性繊維の永久成分であるエラスチン結合タンパク質の結合部位を提供する。第3に、VGVAPGは、弾性繊維及び細胞外基質タンパク質の置換及び再生を助けるマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMP)などのエラスチン及び細胞外基質分解酵素の結合部位を提供する。
【0033】
トリペプチド及びヘキサペプチドは、治癒細胞の誘引、エラスチン及びコラーゲンの産生の増加、線維芽細胞増殖の増強、抗酸化剤の挙動(酸化鉄放出の防止)及び細胞外基質の再生の誘導を通し、皮膚再生及び創傷治癒を促進させるために相乗的に機能する。結果として、2種のペプチドの組合せは、2種のペプチドのうちいずれかの単独での性能よりもはるかに相乗的に優れた性能を示す。
【0034】
トリペプチドは、コラーゲン及びエラスチン合成の増加、酸化鉄によるフェリチン放出の遮断、毛細血管細胞及びマクロファージなどの治癒細胞の誘引を通し、及び外傷部位への新しい血流の再建を通し、皮膚再生を促進する。トリペプチドは、抗酸化剤として機能し、コラーゲン、エラスチン及びヒアルロン酸を刺激する。これは角質層に浸透するために処方されている。細胞外基質(ECM)では、これは抗酸化剤であり、創傷治癒を促進する毛細血管及びマクロファージを誘引する。細胞では、これは炎症性サイトカインを減少させ、コラーゲン、エラスチン、皮膚幹細胞増殖及びヒアルロン酸を増加させる。
【0035】
ヘキサペプチドは、エラスチン及びコラーゲン産生、線維芽細胞増殖、細胞外基質の再生及び線維芽細胞であるケラチノサイト移動性の誘発を通した皮膚再生及び創傷治癒を促進する。ヘキサペプチドは角質層に浸透させるために処方され、これはエラスチン結合配列を模倣してエラスチンを刺激する。これは線維芽細胞及びケラチノサイト上のEBP受容体に特異的に結合する。結合により、細胞内シグナル伝達を開始する。使用に好適なヘキサペプチドはヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む。ヘキサペプチド-11は、配列:Hex-11(Phe-Val-Ala-Pro-Phe-Pro(FVAPFP))を有する。ヘキサペプチド-12は、配列:VGVAPGを有する。
【0036】
局所用組成物では、トリペプチドは、例えば1ppm~10ppmなど、約0.1ppm以下~約10、100、200、300、400又は500ppm以上の量で典型的には存在する。いくつかの実施形態では、トリペプチドは、少なくとも約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約15.5、約20ppm以上の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリペプチドは、約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約15.5又は約20ppm以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、トリペプチドは約1ppm~約10ppmで存在する。いくつかの実施形態では、トリペプチドはトリペプチド-1である。
【0037】
局所用組成物では、ヘキサペプチドは、例えば0.001ppm~10ppmなど、約0.001ppm以下~約0.01、約0.1、約0.5、約1、約100、約200、約300、約400又は約500ppm以上の量で典型的には存在する。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドは、少なくとも約0.001、約0.05、約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約15.5、約20ppm以上の量で存在する。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドは、約0.001、約0.05、約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約15.5又は約20ppm以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドは約0.001ppm~約1ppmで存在する。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドは約0.5ppm~約10ppmで存在する。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドはヘキサペプチド-12である。いくつかの実施形態では、ヘキサペプチドはヘキサペプチド-11である。
【0038】
局所用組成物では、テトラペプチドは、例えば1ppm~10ppmなど、約0.1ppm以下~約10、100、200、300、400又は500ppm以上の量で典型的には存在する。いくつかの実施形態では、テトラペプチドは、少なくとも約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約15.5、約20ppm以上の量で存在する。いくつかの実施形態では、テトラペプチドは、約0.01、約0.05、約0.1、約0.5、約1、約2.5、約5、約7.5、約10、約12.5、約15、約15.5又は約20ppm以下の量で存在する。いくつかの実施形態では、テトラペプチドは約1ppm~約10ppmで存在する。いくつかの実施形態では、テトラペプチドはテトラペプチド-2である。
【0039】
ペプチドは有利には、局所用組成物の他の成分と組み合わせる上で好適な基剤中に提供することができる。基剤は、増粘剤/結合剤(例えば、テトライソステアリン酸ペンタエリスリチル)、皮膚軟化薬/分散剤(例えば、カプリル酸/カプリン酸トリグリセリド)、溶媒(例えば、炭酸プロピレン)及び/又はレオロジー改質剤/沈降防止剤(例えば、ジステアルジモニウムヘクトライト)などの1種以上の成分を含むことができる。
【0040】
オレウロペイン
いくつかの実施形態では、オレウロペインなどのポリフェノールは組成物に添加されてもよい。オレウロペインは、オリーブの葉から単離されたポリフェノールである(例えば、Omar SH.Oleuropein in olive and its pharmacological effects.Sci Pharm2010;78(2):133-54;Al-Rimawi F,Yateem H,Afaneh I.Formulation and evaluation of a moisturizing day cream containing olive leaves extract.International Journal of Development Research 2014;4(10):1996-2000;Kontogianni VG,Charisiadis P,Margianni E,Lamari FN,Gerothanassis IP,Tzakos AG.Olive leaf extracts are a natural source of advanced glycation end product inhibitors.Journal of medicinal food 2013;16(9):817-22を参照)。オレウロペインは、リポキシゲナーゼ活性及びロイコトリエンの産生を阻害することで主要な抗炎症効果を実証する。より具体的には、研究者らは、おそらくプロテアソームの立体配座の変化によってオレウロペインが、他の既知の化学活性化剤よりも更に効果的にインビトロでプロテアソーム活性を増強させることを実証した。この点に関して、オレウロペインは活性酸素種(reactive oxygen species、ROS)を減少させ、プロテアソームを介した分解及びオートファジー経路の増加を通じて、プロテアソームを介した分解を増加させることで酸化タンパク質の量を軽減し、複製老化中のプロテアソーム機能を保持する。
【0041】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、オレウロペインを含む。いくつかの実施形態では、オレウロペインは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、オレウロペインは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%、約0.02重量%~約2重量%又は約0.01重量%~約0.05重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、オレウロペインは約0.010重量%で提供される。いくつかの実施形態では、オレウロペインは約0.020重量%で提供される。いくつかの実施形態では、オレウロペインは約0.050重量%で提供される。
【0042】
ホスファチジルセリン
特定の実施形態では、高度に濃縮された膜リン脂質成分であるホスファチジルセリン(PS)などのリン脂質が添加されてもよい。ホスファチジルセリンは、例えばシグナル伝達酵素及び抗酸化活性を活性化するなど、いくつかの生理学的な役割を有することで知られている(例えば、Draelos,Z.,Pugliese,P.Glycation and Skin Aging:A Review.Cosmetics&Toiletries Magazine 2011;June 2011:1-6;Lee,S.,Yang,J.,Park Y.,et al.Protective effect and mechanism of phosphatidylserine in UVB-induced human dermal fibroblasts.European Journal of Lipid Science and Technology 2013;115(7):783-90;He,M.,Kubo,H.,Morimoto,K.,et al.Receptor for advanced glycation end products binds to phosphatidylserine and assists in the clearance of apoptotic cells.EMBO reports 2011;12(4):358-64を参照)。ホスファチジルセリンは、用量依存的にMMP-1を減少させ、プロコラーゲン形成を増加させ、かつAGE標的の基質として作用することができ、この結果、糖化効果による損傷を軽減させることが分かっている。アポトーシス細胞の排除は組織の発達、恒常性及び炎症の消散に必要となる。ホスファチジルセリンは、細胞表面に「イートミー(eat me)」シグナルを提供し、貪食細胞は、糖化最終産物受容体(receptor of advanced glycation end-products、RAGE)などの特異的な受容体を使用してシグナルを認識する。続いてこれはPSと結合し、アポトーシス細胞及びAGEの最終産物の排除を補助する。
【0043】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、ホスファチジルセリンを含む。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.002重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.002重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%、約0.02重量%~約2重量%又は約0.25重量%~約1重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは約0.05重量%で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは約0.25重量%で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは約1重量%で提供される。
【0044】
ホスファチジルセリンは、有利には、本明細書に説明されるような手技の前に皮膚をプレコンディショニングするための組成物に利用され得る。
【0045】
カンジダサイトアナ
加水分解カンジダサイトアナ抽出物に関して、恒常性を維持するために、細胞は種々の蓄積成分及び分解成分を除去する。オートファジーは、皮膚中で近年発見されたが、細胞を解毒し、その適切な機能を保証し、その結果として老化を制限する上で不可欠である強力な機構として今日注目されている。この抽出物は、精製αグルカン活性成分であり、細胞を飽和させ、老化の真のマーカであるリポフスチン凝集体の蓄積を遮断する変性した細胞成分(酸化タンパク質及び過酸化脂質)を除去することで細胞を解毒する。製品モノグラフ:Silab2013を参照されたい。
【0046】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、加水分解カンジダサイトアナ抽出物を含む。いくつかの実施形態では、加水分解カンジダサイトアナ抽出物は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、加水分解カンジダサイトアナ抽出物は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、加水分解カンジダサイトアナ抽出物は、約3.0重量%で提供される。
【0047】
プランタゴ・ランセオラタ
プランタゴ・ランセオラタに関して、これは線維芽細胞機能のマイクロRNA阻害を阻害し、細胞老化を反転させ、これによりコラーゲン、ラミニン、エラスチンを増加させ、かつMMP-1を減少させる。Kovac I,Durkac J,Holly M,et al.Plantago lanceolata L.water extract induces transition of fibroblasts into myofibroblasts and increases tensile strength of healing skin wounds.J Pharm Pharmacol2015;67(1):117-25,and Debacker A,Lavaissiere L,Ringenbach C,Mondon P,Dal Toso R.Controlling MicroRNAs to Fight Skin Senescence.Cosmetics&Toiletries2016;Feb 4,2016:1-6を参照されたい。マイクロRNA(miRNA)と命名された小さな内因性非コードRNAは、その標的とするメッセンジャーRNA(mRNA)の部分的に相補的な配列に結合し、mRNAを抑制又は分解する。これは、遺伝子の不活化又は遺伝子のサイレンシングを引き起こす。これは、いくつかのマイクロRNAによってコラーゲンI、コラーゲンIV及びエラスチンが部分的に制御され、これらのマイクロRNAが制限される場合には、これがコラーゲン及びエラスチンの合成を助けて真皮の質を改善するとみられる。プランタゴ・ランセオラタ抽出物は、コラーゲン及びエラスチンの合成を制御するmiRNAの発現レベルを減少し、これらの産生を増加させ、かつ線維芽細胞の老化進行を軽減させることが分かった。更なるインビボ試験は、皮膚に生成物を適用(p<0.01)した1ヶ月後に、30.9%の硬度及び22.6%の弾性の増加を伴う粘弾性の増加を実証した。
【0048】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、プランタゴ・ランセオラタを含む。いくつかの実施形態では、プランタゴ・ランセオラタは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、プランタゴ・ランセオラタは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、プランタゴ・ランセオラタは約2.0重量%で提供される。
【0049】
エラスチン産生及び機能性の増加、脂肪分解-引き締めの増加及び脂質消化
アセチルテトラペプチド-2は、エラスチン成分を架橋し、トロポエラスチン(TE)を結合し、エラスチンを構築し、かつエラスチンを産生するために線維芽細胞を刺激する線維芽細胞に対し、インテグリンにTEを結合するFBLN5(フィブリン5)を増加させるLOXL1(リジルオキシダーゼ様酵素1)を刺激する。パルミトイルトリペプチド-1は、コラーゲン及びエラスチン刺激、ECMの再利用、抗炎症をもたらし、エラスチン結合タンパク質であるパルミトイルヘキサペプチド-12に関しては、新しく生じたエラスチンを引き込む。ディル抽出物(アネサム・グラウォレンス抽出物)は、エラスチン形成を促進するLOXL再誘導を刺激する。アボカド抽出物、シアバター及びベントナイトは、いくつかの実施形態では引き締めを提供し、エラスターゼ阻害は、エラスチン分解を阻害し、いくつかの脂肪の分解及び代謝回転を促し、皮膚線条軽減の一助にもなる。
【0050】
いくつかの実施形態では、アボカド抽出物は、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、アボカド抽出物は、約0.01重量%~約5重量%、約0.02重量%~約4重量%、約0.05重量%~約3重量%又は約0.1重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、シアバターは、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、シアバターは、約0.01重量%~約5重量%、約0.02重量%~約4重量%、約0.05重量%~約3重量%又は約0.1重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ベントナイトは、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ベントナイトは、約0.01重量%~約5重量%、約0.02重量%~約4重量%、約0.05重量%~約3重量%又は約0.1重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、アボカド抽出物、シアバター及びベントナイトは、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、アボカド抽出物、シアバター及びベントナイトは、約0.01重量%~約5重量%、約0.02重量%~約4重量%、約0.05重量%~約3重量%、約0.1重量%~約2重量%又は約0.25重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、アボカド抽出物、シアバター及びベントナイトは、約0.5重量%で提供される。いくつかの実施形態では、アボカド抽出物、シアバター及びベントナイトは、約1.0重量%で提供される。
【0051】
エラスチンに関して、これはマイクロフィブリル及びトロポエラスチン(又は可溶性エラスチン)の集合体である。エラスチン繊維は、絡み合っているフィブリンマイクロファイバーの合成により最初に形成され、続いてトロポエラスチン(TE)タンパク質分子と会合する。TE分子はともに結合し、リジルオキシダーゼ様酵素1(LOXL1)によりフィブリン繊維とともに架橋する。このリジルオキシダーゼ様酵素1は、これら2つの成分の集合体を制御するという重要な役割を担う。この複合体は続いて、線維芽細胞に接続するインテグリンにこの複合体を接続するフィブリン5(FBLN5)によって線維芽細胞に提示される。「Age-related changes in temporal and spatial distributions of fibrillin and elastin mRNAs and proteins in acute cutaneous wounds of healthy humans」,J.Pathology 1997;183:80-9,Cenizo V,Andre’ V,Reymermier C,Sommer P,Damour O,E.P.LOXL as a target to increase the elastin content in adult skin:a dill extract induces the LOXL gene expression.Experimental Dermatology2006;15:574-81,及びNoblesse E,Cenizo V,Bouez C,et al.Lysyl oxidase-like and lysyl oxidase are present in the dermis and epidermis of a skin equivalent and in human skin and are associated to elastic fibers.J Invest Dermatol2004;122(3):621-30を参照されたい。
【0052】
アセチルテトラペプチド-2に関しては、これはFBLN5及びLOXL1タンパク質レベルを増加させ、これによりエラスチン合成を増加させる。これはまた、コラーゲン1合成に関連する遺伝子を発現上昇させる。インビボでは、皮膚弛緩症及び皮膚組織崩壊に関連するパラメータを減少させることが示されている。製品モノグラフ:Uplevity(商標)Lipotec.June 2013を参照されたい。
【0053】
TriHex(パルミトイルトリペプチド1及びパルミトイルヘキサペプチド-12)に関しては、これは凝集化した断片化コラーゲン及びエラスチンの細胞外基質を排除し、続いて増加した新しいコラーゲン及びエラスチン産生を刺激する。Widgerow AD,Fabi SG,Palestine RF,et al.Extracellular Matrix Modulation:Optimizing Skin Care and Rejuvenation Procedures.journal of drugs in dermatology2016;15(4s):S63-S71,及びWidgerow A.TOPICAL SKIN RESTORATION TECHNOLOGY-ADVANCES IN AGE MANAGEMENT STRATEGIES.MODERN AESTHETICS2016;(May/June):1-8を参照されたい。
【0054】
アネサム・グラウォレンス/ディル抽出物に関して、これはLOXL合成の再誘導を引き起こす。Cenizo V,Andre’ V,Reymermier C,Sommer P,Damour O,E.P.LOXL as a target to increase the elastin content in adult skin:a dill extract induces the LOXL gene expression.Experimental Dermatology2006;15:574-81を参照されたい。マイクロフィブリル及び可溶性エラスチンは一生涯にわたって合成され続け、LOXLは18歳から劇的に減少する。皮膚のLOXLレベルが増加することでマイクロフィブリルとトロポエラスチンの集合体を生じさせ、皮膚の機械的特性の改善がもたらされる。弾性繊維形成は、20代の終わりまで主に発生する。皮膚エラスチンの全体量はその後も増加し得るが、このエラスチンタンパク質の性質は多くの場合最適のもの以下であり、機能不全状態である。こうした期間の後、弾性繊維形成が低い、又は非効率的となっているにも関わらず、エラスチン遺伝子及びフィブリン-1遺伝子は一生涯を通して依然として活性のままである。したがって、エラスチン及びフィブリン-1自体は弾性繊維形成を再誘導するための欠損標的ではないが、10代の後に低下しているLOXLは、弾性繊維形成を刺激し、弾性繊維の恒常性を維持することが示されている。Liu X,Zhao Y,Gao J,et al.Elastic fiber homeostasis requires lysyl oxidase-like 1 protein.Nat Genet2004;36(2):178-82を参照されたい。ディル抽出物は、線維芽細胞及び皮膚エンジニアリングモデルでのLOXLの発現を増加させ、インビボでの新規弾性繊維形成に影響を及ぼすことが示された。
【0055】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、ディル抽出物を含む。いくつかの実施形態では、ディル抽出物は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ディル抽出物は、約0.25重量%~約10重量%、約0.025重量%~約4重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ディル抽出物は約1.0重量%で提供される。
【0056】
焙煎されていないシアバター抽出物及びアボカド種子抽出物に関しては、活性多層ミネラルクレイ(ベントナイト)中に封入される。脂肪細胞では、脂肪分解は自然に生じ、貯蔵したトリグリセリドを加水分解して脂肪酸及びグリセロールにすることでエネルギーを発生させる。この後、これらは細胞から容易に放出される。Russell ST,Tisdale MJ.Studies on the antiobesity effect of zinc-alpha2-glycoprotein in the ob/ob mouse.Int J Obes(Lond)2011;35(3):345-54を参照されたい。この生化学反応は、加水分解に関与する酵素であるホルモン感受性リパーゼ(Hormone Sensitive Lipase、HSL)を活性化させるcAMPによって調節される。シアバター抽出物は、亜鉛α-2-糖タンパク質(Zinc alpha-2-Glycoprotein、ZAG)で作用する経路を通じてcAMPレベルを増加させる。ZAGは脂肪細胞及びケラチノサイトの両方によって分泌されるタンパク質であるが、これはcAMPを刺激し、カフェインのような有効性とともに脂肪分解の改善をもたらす。
【0057】
エラスターゼは、エラスチン繊維の分解に関与するセリンプロテアーゼであり、皮膚密度及び硬度の減少を加速させる。Alkemade J,Molhuizen H,Ponec M,et al.SKALP/elafin is an inducible proteinase inhibitor in human epidermal keratinocytes.Journal of Cell Science1994;107:2335-42を参照されたい。アボカド種子抽出物は、エラスターゼ活性を阻害し、かつ真皮分解を遅延させるエラスターゼ阻害薬であるSKALP(皮膚由来抗ロイコプロテイナーゼ、SKin-derived AntiLeukoProteinase)を刺激することができ、より堅い皮膚を提供する。ベントナイト中に含有されているシラノールは、線維芽細胞増殖の刺激を増加させることで細胞外基質(ECM)を再生することが知られている。臨床試験は、シラノールがコラーゲン及びエラスチン繊維の産生を刺激し、皮膚繊維構築物の再構築及び皮膚表面の全体的な改善をもたらすことを実証している。Emami-Razavi S,Esmaeili N,Forouzannia S,et al.EFFECT OF BENTONITE ON SKIN WOUND HEALING:EXPERIMENTAL STUDY IN THE RAT MODEL.Acta Medica Iranica2006;44(4):235-40及びMahmoudi M,Adib-Hajbaghery M,Mashaiekhi M.Comparing the effects of Bentonite&Calendula on the improvement of infantile diaper dermatitis:A randomized controlled trial、The Indian Journal of Medical Research2015;142(6):742-6を参照されたい。
【0058】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せを含む。ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物は、プロテアーゼ、ホスホジエステラーゼを刺激することで、脂肪分解を活性化し、ECMからの脂肪細胞の脱結合を促進する。いくつかの実施形態では、これらの抽出物は相乗的に機能し、脂肪分解を増加させ、ECMから脂肪細胞を放出し、脂肪細胞の分解及び吸収を促進させるプロテアーゼ及びホスホジエステラーゼを刺激する。製品モノグラフ:sederma社のphytosonic(2008年9月)を参照されたい。いくつかの実施形態では、カフェインは皮膚バリア機能を改善し、かつ光損傷及び皮膚の手触りを改善する。Brandner J,Behne M,B H,Moll I.Caffeine improves barrier function in male skin.International Journal of Cosmetic Science2006;28:343-7及びKoo SW,Hirakawa S,Fujii S,Kawasumi M,Nghiem P.Protection from photodamage by topical application of caffeine after ultraviolet irradiation.Br J Dermatol2007;156(5):957-64を参照されたい。
【0059】
いくつかの実施形態では、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物を含む本明細書に説明されるような製剤は、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.002重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.002重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供されている。いくつかの実施形態では、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物は、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物は、約0.20重量%で提供される。
【0060】
ヒアルロン酸(HA)などのGAGs(グリコサミノグリカン)の増加-滑らかさ、手触りの改善及びひだの減少
ヒドロキシメトキシフェニルデカノンは、強力な内因性ヒアルロン酸ブースター、抗酸化剤及び抗刺激薬である。亜麻種子由来のポリホロシドとしては、キシロース、ガラクトース、アラビノース、ラムノースが挙げられ、ここに含まれる主要なペントースであるキシロースはGAGsの第1の必須成分であり、結果としてこれらの合成を調節する。リポイドであるホスファチジルセリンはMMP1対照、プロコラーゲンの増加をもたらし、HA産生を刺激する。サッカロマイセス・セレビシエは、線維芽細胞の細胞酸素化及びプロコラーゲンの形成を改善し、内因性HA産生を刺激する、ストレスを受けやすい細胞原形質酵母抽出物である。
【0061】
ヒドロキシメトキシフェニルデカノンに関しては、これは強力なヒアルロン酸ブースター、抗酸化剤及び抗刺激薬である。エクスビボのヒト皮膚モデルにて、プラセボに対し、皮膚及び表皮性ヒアルロン酸レベルをそれぞれ259%及び198%刺激することが実証されている。製品モノグラフ:Symdecanox、Symrise(2015年6月)を参照されたい。
【0062】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤はヒドロキシメトキシフェニルデカノンを含む。いくつかの実施形態では、ヒドロキシメトキシフェニルデカノンは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ヒドロキシメトキシフェニルデカノンは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%、約1重量%~約4重量%又は約0.5重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ヒドロキシメトキシフェニルデカノンは約1.0重量%で提供される。
【0063】
亜麻種子/亜麻仁由来のポリホロシドに関しては、これらはグリコサミノグリカン(GAG)合成を刺激する。GAGsは、反復糖単位からなる高分子量の長い非分枝鎖を含む、真皮の基礎成分である。GAGs合成は、4つの単糖であるキシロース-ガラクトース-ガラクトース-グルクロン酸の連続付加により開始される。キシロースはポリホロシドの主要なペントースであるが、GAGsの第1の必須成分であり、結果としてこれらの合成を調節する。Wen J,Xiao J,Rahdar M,et al.Xylose phosphorylation functions as a molecular switch to regulate proteoglycan biosynthesis.Proc Natl Acad Sci USA2014;111(44):15723-8を参照されたい。
【0064】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、ポリホロシドを含む。いくつかの実施形態では、ポリホロシドは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ポリホロシドは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%、約1重量%~約4重量%又は約2.5重量%~約10重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ポリホロシドは、約5.0重量%で提供される。
【0065】
ホスファチジルセリン(PS)に関しては、MMP-1を減少させ、かつプロコラーゲンを増加させる能力の他に、HAの内因性産生をも刺激する。Cho S,Kim HH,Lee MJ,et al.Phosphatidylserine prevents UV-induced decrease of type I procollagen and increase of MMP-1 in dermal fibroblasts and human skin in vivo.J Lipid Res2008;49(6):1235-45及びLee S-H,Yang J-H,Park Y-K,et al.Protective effect and mechanism of phosphatidylserine in UVB-induced human dermal fibroblasts.European Journal of Lipid Science and Technology2013;115(7):783-90を参照されたい。ヒト線維芽細胞のインビトロデータは、PSがヒアルロナンシンターゼII酵素(HAS2とも呼ばれる)の発現を上方制御することを示す。この酵素は皮膚細胞内でのヒアルロン酸産生のための主要な酵素である。人工皮膚に関する追加データでは、PSの存在下でのヒアルロン酸形成の上方制御が確認される。製品モノグラフ;Nagase Chemtex PIPS、Phosphatidylserine&phosphatidylinositol(2015年5月)を参照されたい。
【0066】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、ホスファチジルセリンを含む。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.002重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.03重量%、少なくとも0.04重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.002重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.03重量%、約0.04重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%、約0.02重量%~約2重量%又は約0.25重量%~約1重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは約0.05重量%で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは約0.25重量%で提供される。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンは約1重量%で提供される。
【0067】
サッカロマイセス・セレビシエに関して、これは、コラーゲン、エラスチン及びHA合成を促進させつつ、細胞酸素化及び創傷治癒を増加させる。更には、抽出物Iは、紅斑の軽減及び日焼けによる疼痛の軽減に効果的に使用される。製品モノローグ:Active Concepts(2014)。
【0068】
いくつかの実施形態では、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せは、グリコサミノグリカン(GAGs)を増加させるために使用される。例えば、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せは、ヒアルロン酸(HA)を増加させる。
【0069】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、トレメラ・フシフォルミス抽出物又はトレメラを含む。トレメラ・フシフォルミス抽出物は食用キノコに由来する。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物は水分をもたらし、天然ヒアルロン酸として働く。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物は抗酸化性を提供する。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物又はトレメラは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%、約0.5重量%~約2.0重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物又はトレメラは約0.5重量%で提供される。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物又はトレメラは約1.0重量%で提供される。いくつかの実施形態では、トレメラ・フシフォルミス抽出物又はトレメラは約2.0重量%で提供される。
【0070】
緩和、瘢痕組織の軟化、滑らかさ、疼痛緩和、AOX/疼痛緩和/瘢痕組織
サッカロマイセス・セレビシエは、ストレスを受けやすい細胞原形質酵母抽出物であり、これは、日焼けして圧痛のある皮膚への緩和鎮静効果及び下にある瘢痕組織の軟化をもたらす。フィトエン/フィトフルエン又は無色カロテノイドは、抗酸化性、抗炎症性、皮膚のブライトニング及びUV吸光性を示す。センテラ・アシアティカは治癒を促進させ、コラーゲン、フィブロネクチンを刺激し、瘢痕を防ぐ。
【0071】
サッカロマイセス・セレビシエに関して、これは、コラーゲン、エラスチン及びHA合成を促進させつつ、細胞酸素化及び創傷治癒を増加させる。更には、抽出物Iは、紅斑の軽減及び日焼けによる疼痛の軽減に効果的に使用される。製品モノローグ:Active Concepts(2014)。
【0072】
フィトエン/フィトフルエンに関して、これらは海水微細藻類に由来する天然無色カロテノイドであり、UV放射線及び環境ストレスに対する自身への保護に使用されている。これらは、抗酸化効果及び抗炎症効果を呈する(PGE-2、炎症促進性サイトカインであるIL-6及びIL-1を阻害し、MMP-1産生を軽減する)。
【0073】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤は、フィトエン/フィトフルエンを含む。いくつかの実施形態では、フィトエン/フィトフルエンは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、フィトエン/フィトフルエンは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%、約1重量%~約4重量%又は約0.2重量%~約1重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、フィトエン/フィトフルエンは約0.2重量%で提供される。いくつかの実施形態では、フィトエン/フィトフルエンは約0.5重量%で提供される。いくつかの実施形態では、フィトエン/フィトフルエンは約1.0重量%で提供される。
【0074】
センテラ・アシアティカに関しては、これは小さな創傷、肥厚性創傷並びに火傷、乾癬及び強皮症の処置を改善する上で有効である。作用機序は、線維芽細胞増殖の促進、コラーゲン及び細胞内フィブロネクチン内容物合成の増加、並びに新しく形成された皮膚の引張強さの改善のみならず肥厚性瘢痕及びケロイドの炎症期の阻害に関与している。研究結果は、これが光老化皮膚、セルライト及び皮膚線条の処置に使用することができると示している。Bylka W,Znajdek-Awizen P,Studzinska-Sroka E,Brzezinska M.Centella asiatica in cosmetology.Postepy Dermatol Alergol2013;30(1):46~9。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような配合物はセンテラ・アシアティカを含む。いくつかの実施形態では、センテラ・アシアティカは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、センテラ・アシアティカは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、センテラ・アシアティカは約1.0重量%で提供される。
【0076】
細胞老化の逆転-休眠中の線維芽細胞を目覚めさせ、新しいコラーゲン及びエラスチンを産生し、ECMを構築する-皮膚のトーン及び手触りの改善
いくつかの実施形態では、細胞老化を逆転させるための製剤が本明細書に説明される。いくつかの実施形態では、製剤は線維芽細胞老化を逆転させる。いくつかの実施形態では、製剤はコラーゲン及びエラスチン形成を刺激する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤はプランタゴ・ランセオラタを含む。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような製剤はオレウロペインを含む。
【0077】
抗炎症性、色素制御-色素沈着の問題(特にデコルテ)の改善-AOX/色素沈着
いくつかの実施形態では、色素制御のための製剤が本明細書に説明される。いくつかの実施形態では、色素制御のための製剤は赤みを改善する。いくつかの実施形態では、色素制御のための製剤はフィトエン/フィトフルエンを含む。いくつかの実施形態では、色素制御のための製剤はナイアシンアミドを含む。
【0078】
ナイアシンアミド又はニコチンアミドは、ナイアシン(ビタミンB3)の生物学的活性形態であり、皮膚による忍容性は十分である。これは処置のために使用され、セラミド及び皮膚コレステロールレベルを増加させることが実証されている。更には、メラノサイトからケラチノサイトへとメラノソームの移動を抑制することで、皮膚の色素沈着を軽減するといった点で効果的であることが分かっている。HAKOZAKI T,MINWALLA L,ZHUANG J,et al.The effect of niacinamide on reducing cutaneous pigmentation and suppression of melanosome transfer.British Journal of Dermatology2002,147:20-31及びNavarrete-Solis J,Castanedo-Cazares JP,Torres-Alvarez B,et al.A Double-Blind,Randomized Clinical Trial of Niacinamide 4% versus Hydroquinone 4% in the Treatment of Melasma.Dermatol Res Pract2011,2011:379173を参照されたい。ナイアシンアミドはバリア保護、抗炎症性及び脱色素沈着効果を含む。Wohlrab J,Kreft D.Niacinamide-mechanisms of action and its topical use in dermatology.Skin Pharmacol Physiol2014;27(6):311-5を参照されたい。
【0079】
いくつかの実施形態では、ナイアシンアミドは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、ナイアシンアミドは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、ナイアシンアミドは約1重量%で提供される。いくつかの実施形態では、ナイアシンアミドは約2重量%で提供される。いくつかの実施形態では、ナイアシンアミドは約4重量%で提供される。
【0080】
改善したバリア機能-水分蒸散に対する保護及び体内への物質及び細菌の浸透の予防、水分量の改善による皮膚のふくらみ
本明細書に説明されるような製剤は、いくつかの実施形態では、皮膚バリア機能を改善させる。いくつかの実施形態では、皮膚バリア機能を改善するための製剤はナイアシンアミドを含む。いくつかの実施形態では、皮膚バリア機能を改善するための製剤はハイドロセラミド及び水添レシチンを含む。
【0081】
いくつかの実施形態では、水添レシチンは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、水添レシチンは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、水添レシチンは、C12~16アルコール、パルミチン酸、又はこれらの組合せとともに提供される。いくつかの実施形態では、C12~16アルコールは、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、C12~16アルコールは、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、パルミチン酸は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、パルミチン酸は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%又は約1重量%~約4重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、水添レシチン、C12~16アルコール及びパルミチン酸は、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.05重量%、約0.10重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、水添レシチン、C12~16アルコール及びパルミチン酸は、約0.25重量%~約10重量%、約0.5重量%~約8重量%、約0.75重量%~約6重量%、約1重量%~約4重量%又は約1重量%~約6重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸は、約4重量%で提供される。いくつかの実施形態では、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸は、約5重量%で提供される。
【0082】
「皮膚バリア」は、内部生体と環境間の天然の境界として機能する。この皮膚バリアは主に表皮で構成されており、物理的バリア(皮膚表面の脂質、角質細胞及び酸性膜)並びにわずかに酸性のpHによりもたらされる生化学バリアを提供する。このバリアによって皮膚の抗菌防御作用がもたらされ、表皮の酵素活性及び発現を調節する。経表皮水分蒸散(transepidermal water loss、TEWL)、角質水分量(SC水分量)、皮膚の皮脂レベル及び皮膚表面のpH値の相互作用によって、皮膚バリア機能と皮膚の見た目が維持される。TEWLレベルの高さは、高いpH、低い角質層及び皮膚表面の脂質の軽減と相関する。TEWLは、体の部位によって差があると考えられ、デコルテでは老化に伴って著しく増加するが、額及び頬では著しく減少することが理由である。Luebberding S,Krueger N,Kerscher M.Age-related changes in skin barrier function-quantitative evaluation of 150 female subjects.Int J Cosmet Sci2013;35(2):183-90を参照されたい。ハイドロセラミドは乾燥及び皮膚の老化に対する天然の脂質バリアを強化することができ、皮膚の水分バランスを維持する能力も示している。更には、水添レシチンは、皮膚と混合し、第2のバリア層を形成して皮膚表面層に卓越した水分量をもたらすことで皮膚統合性を保持しながらも、角質に有効に浸透する天然リン脂質系乳化剤である。
【0083】
他の活性
ベクター形態のカフェイン(サリチル酸ナトリウム及びレシチン)はまた、脂肪分解を促進させるために製剤中に含まれ得る。いくつかの実施形態では、カフェインは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、カフェインは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、カフェインは、サリチル酸ナトリウム、レシチン、シリカ、又はこれらの組合せとともに提供される。いくつかの実施形態では、サリチル酸ナトリウム、レシチン又はシリカは、それぞれ少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、サリチル酸ナトリウム、レシチン又はシリカはそれぞれ、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、カフェイン、サリチル酸ナトリウム、レシチン又はシリカは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、カフェイン、サリチル酸ナトリウム、レシチン及びシリカは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、カフェイン、サリチル酸ナトリウム、レシチン及びシリカは、約0.02重量%で提供される。
【0084】
本明細書に説明されるような製剤は、いくつかの実施形態では、セラミドNPを含む。いくつかの実施形態では、セラミドNPは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、セラミドNPは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%、約0.02重量%~約2重量%又は約0.50重量%~約0.20重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、セラミドNPは約0.05重量%で提供される。いくつかの実施形態では、セラミドNPは約0.10重量%で提供される。いくつかの実施形態では、セラミドNPは約0.20重量%で提供される。
【0085】
使用方法
本明細書に説明される組成物は、種々の皮膚手技又は外科手技と併せて有用である。いくつかの実施形態では、組成物は局所用組成物である。本明細書に説明される局所用組成物は、炎症及び創傷治癒を調節することができる。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような局所用組成物は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症遺伝子及び再生遺伝子発現を誘発するか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、マクロファージ排除、オートファジー(例えば、リポファジー)、ECM再構築、又はこれらの組合せを改善する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、種々の炎症メディエータ及びマーカを調節する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、創傷微小環境を調節する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、治癒プロセスを改善するために創傷微小環境を調節する。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、ケラチノサイト、線維芽細胞及び内皮細胞の増殖を刺激し、血管新生及びECM分子の合成を促進して損傷組織を回復させる。
【0086】
炎症調節、創傷治癒改善、皮膚弛緩性改善、ボディコントゥーリングの改善、又はこれらの組合せを行うための組成物が本明細書に説明される。いくつかの実施形態では、製剤は、ボディコントゥーリングによる皮膚弛緩性を改善させる。いくつかの実施形態では、局所用組成物は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与される。特定の態様では、局所用組成物は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で対象の皮膚領域に適用される。この局所用組成物は、外科手技前、外科手技後又はその両方に投与される。特定の態様では、局所用組成物は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で、外科手技前及び外科手技後に対象の皮膚領域に適用される。特定の態様では、局所用組成物は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で対象の皮膚領域に適用される。この局所用組成物は、脂肪及び皮膚を除去する手技前、脂肪及び皮膚を除去する手技後又はその両方に投与される。
【0087】
いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は、炎症促進性応答に関与する炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は、抗炎症応答及びM2マクロファージ活性化プロファイルに関与する炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与はオートファジーに関与する炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与はM1マクロファージ刺激に関与する炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は、抗炎症応答に関与する炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は、細胞外基質の再構築に関与する炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。
【0088】
いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はIL1、IL6、又はTNFAを含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はIL6を含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R又はSCUBE1を含む。いくつかの実施形態では、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はTGM2又はPLCB2を含む。
【0089】
いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。いくつかの実施形態では、2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、IL1、IL6、又はTNFAを含む。いくつかの実施形態では、2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。いくつかの実施形態では、2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。いくつかの実施形態では、2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。
【0090】
いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現を、対照と比較して少なくとも1.25倍、少なくとも1.5倍、少なくとも1.75倍、少なくとも2倍、少なくとも2.5倍、少なくとも3倍、少なくとも4倍又は少なくとも5倍増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも2倍増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、対照と比較して少なくとも3倍増加する。
【0091】
いくつかの実施形態では、対照は、本明細書に説明される局所用組成物を受け取らない皮膚領域である。いくつかの実施形態では、対照は、無刺激保湿剤又は対照薬製品を受け取る皮膚領域である。いくつかの実施形態では、無刺激保湿剤又は対照薬製品は1種以上のペプチドを含まない。いくつかの実施形態では、対照はベースラインの発現レベルである。
【0092】
いくつかの実施形態では、局所用組成物の投与は、少なくとも約1日後、少なくとも約2日後、少なくとも約3日後、少なくとも約4日後、少なくとも約5日後又は少なくとも約6日後に1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現を増加させる。いくつかの実施形態では、発現レベルは少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間、少なくとも約6週間、少なくとも約7週間、少なくとも約8週間、少なくとも約9週間又は少なくとも約10週間後に増加する。いくつかの実施形態では、少なくとも約2週間後に発現レベルを増加させる。いくつかの実施形態では、少なくとも約4週間後に発現レベルを増加させる。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後1~6週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後1~5週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後1~4週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後1~3週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後1~2週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後2~6週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後2~5週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後2~4週間で増加する。いくつかの実施形態では、発現レベルは、投与後2~3週間で増加する。
【0093】
いくつかの実施形態では、方法は、局所用組成物の投与後に、対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、少なくとも1種の遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。いくつかの実施形態では、方法は、局所用組成物の投与前に、対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。
【0094】
本明細書に説明される局所用組成物は、いくつかの実施形態では、毎日、毎日、隔日、1週間につき5日間、1週間に1回、隔週、1ヶ月あたり2週間、1ヶ月あたり3週間、1ヶ月につき1度、1ヶ月に2度、1ヶ月につき3回以上で投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、例えば朝夜など1日に2回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月、少なくとも7ヶ月、少なくとも8ヶ月、少なくとも9ヶ月、少なくとも10ヶ月、少なくとも11ヶ月、少なくとも12ヶ月、少なくとも18ヶ月、少なくとも2年、少なくとも3年、少なくとも4年、少なくとも5年、少なくとも10年以上にわたり投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上にわたり、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回以上投与される。
【0095】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技と併せて使用される。いくつかの実施形態では、皮膚手技は、レーザ処置、化学的表皮剥離、マイクロダーマブレーション、マイクロニードリング、又は高周波マイクロニードリングを含む。
【0096】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、高周波焦点式超音波、パルス焦点式超音波、凍結脂肪分解、高周波誘導電気穿孔を含むがこれらに限定されない手技と併せて使用される。いくつかの実施形態では、手技は低レベルレーザ療法、赤外光、超音波、高周波又は凍結脂肪分解を含む。いくつかの例では、手技はエネルギー源を含む。いくつかの例では、エネルギー源は電磁エネルギーである。いくつかの例では、手技は高強度焦点式電磁技術(high intensity focused electro-magnetic technology、HIFEM)である。
【0097】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、外科手技と併せて使用される。いくつかの実施形態では、外科手技は手術皮膚除去手技である。いくつかの実施形態では、外科手技は痩身手技を含む。いくつかの実施形態では、痩身手技はフィラー又は脂肪分解剤の注入を含む。いくつかの実施形態では、外科手技は顎下デオキシコール酸(deoxycholic acid、DCA)の注入を含む。いくつかの実施形態では、外科手技は、脂肪層切除(下腹領域の余分な皮膚の除去)、腹部美容整形(腹部美容外科手術)、脂肪吸引又はボディーリフト切除術を含む。ボディーリフト切除術は、下半身リフト、アームリフト(ブラキオプラスティー)、内腿リフト、豊尻手術、胴囲ボディーリフト(ベルト手技)、胸部リフト、乳房縮小術、豊胸手術、又は女性器美容整形手術を含んでもよい。
【0098】
いくつかの実施形態では、投与されるDCAの体積は、少なくとも約0.1cc、少なくとも約0.2cc、少なくとも約0.3cc、少なくとも約0.4cc、少なくとも約0.5cc、少なくとも約0.6cc、少なくとも約0.7cc、少なくとも約0.8cc、少なくとも約0.9cc又は少なくとも約1.0ccである。いくつかの実施形態では、投与されるDCAの体積は、少なくとも約1cc、少なくとも約2cc、少なくとも約3cc、少なくとも約4cc、少なくとも約5cc、少なくとも約6cc、少なくとも約7cc、少なくとも約8cc、少なくとも約9cc、少なくとも約10cc、少なくとも約11cc又は少なくとも約12ccである。いくつかの実施形態では、投与されるDCAの体積は少なくとも約8ccである。
【0099】
いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技前に投与される。更なる例では、本明細書に説明される局所用組成物は、プレコンディショニング処置として投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、プレコンディショニング処置として、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月又はそれ以上にわたって投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、プレコンディショニング処置として、少なくとも2~8週間、少なくとも2~6週間、少なくとも2~4週間又は少なくとも2~3週間にわたって投与される。いくつかの場合では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上前に投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の最大で1時間後、最大で2時間後、最大で3時間後、最大で5時間後、最大で6時間後、最大で7時間後、最大で8時間後、最大で12時間後、最大で16時間後、最大で20時間後又は最大で24時間後に投与される。いくつかの場合では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上後に、又は最大で1日後、最大で2日後、最大で3日後、最大で4日後、最大で5日後、最大で6日後、最大で1週間後、最大で2週間後、最大で3週間後、最大で1ヶ月後、最大で2ヶ月後、最大で3ヶ月後、最大で4ヶ月後、最大で5ヶ月後、最大で6ヶ月以上後に投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後の少なくとも2~8週間、少なくとも2~6週間、少なくとも2~4週間又は少なくとも2~3週間にわたって投与される。時には、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前後に、例えば単回で、又は毎日、週に複数回、毎週、隔週、隔月若しくはそれよりも少ない頻度で経時的に投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前後に、単回で、又は毎日、週に複数回、毎週、隔週、隔月若しくはそれよりも多い頻度で経時的に投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の終了後に1日に1回、1日に2回、1日に3回以上投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の終了後に例えば朝と夜など、毎日2回の投与で投与される。いくつかの実施形態では、局所用組成物は皮膚手技又は外科手技前に少なくとも2週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技前に少なくとも少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間又はそれ以上にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回以上投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技前に少なくとも少なくとも約2週間にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回以上投与される。
【0100】
いくつかの実施形態では、局所用組成物は皮膚手技又は外科手技後に投与される。いくつかの実施形態では、局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日又は少なくとも7日にわたって投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の最大で1時間後、最大で2時間後、最大で3時間後、最大で5時間後、最大で6時間後、最大で7時間後、最大で8時間後、最大で12時間後、最大で16時間後、最大で20時間後又は最大で24時間後に投与される。時には、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前後に、例えば単回で、又は毎日、週に複数回、毎週、隔週、隔月若しくはそれよりも少ない頻度で経時的に投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前後に、例えば単回で、又は毎日、週に複数回、毎週、隔週、隔月若しくはそれよりも多い頻度で経時的に投与される。いくつかの実施形態では、局所用組成物は局所用組成物である。いくつかの例では、局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後に、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上にわたり、1日2回投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後に、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回以上投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後に、少なくとも少なくとも約1週間、少なくとも約2週間、少なくとも約3週間、少なくとも約4週間、少なくとも約5週間又はそれ以上にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回以上投与される。いくつかの実施形態では、局所用組成物は皮膚手技又は外科手技後に少なくとも2週間にわたって投与される。いくつかの実施形態では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後に少なくとも少なくとも約2週間にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回、1日5回、1日6回以上投与される。
【0101】
いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前又は後に投与される。更なる例では、本明細書に説明される局所用組成物は、プレコンディショニング処置として投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、プレコンディショニング処置として、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上にわたって投与され、又は皮膚手技又は外科手技後に、少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、プレコンディショニング処置として少なくとも2~8週間、少なくとも2~6週間、少なくとも2~4週間又は少なくとも2~3週間にわたって投与され、皮膚手技又は外科手技後に少なくとも2~8週間、少なくとも2~6週間、少なくとも2~4週間又は少なくとも2~3週間投与される。時には、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚弛緩性を軽減させる手技の前後に、例えば単回で、又は毎日、週に複数回、毎週、隔週、隔月若しくはそれよりも少ない頻度で経時的に投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚弛緩性を軽減させる皮膚手技又は外科手技の前後に、例えば単回で、又は毎日、週に複数回、毎週、隔週、隔月若しくはそれよりも多い頻度で経時的に投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前後に1日に1回、1日に2回、1日に3回以上投与される。いくつかの例では、本明細書に説明される局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技の前後に例えば朝と夜など、毎日2回の投与で投与される。
【0102】
いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、皮膚手技又は外科手技前に顎下領域、腹部、顔、脇腹、背中、胸、腕、脚、臀部、又はこれらの組合せに適用される。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、皮膚手技又は外科手技後に顎下領域、腹部、顔、脇腹、背中、胸、腕、脚、臀部、又はこれらの組合せに適用される。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、皮膚手技前又は皮膚手技若しくは外科手技後に顎下領域、腹部、顔、脇腹、背中、胸、腕、脚、臀部、又はこれらの組合せに適用される。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、皮膚手技又は外科手技前に顎下領域、腹部、顔、脇腹、背中、胸、腕、脚、臀部、又はこれらの組合せに組成物を適用した場合に、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症遺伝子及び再生遺伝子発現を誘発するか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、皮膚手技又は外科手技後に顎下領域、腹部、顔、脇腹、背中、胸、腕、脚、臀部、又はこれらの組合せに組成物を適用した場合に、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症遺伝子及び再生遺伝子発現を誘発するか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、皮膚手技又は外科手技前及び皮膚手技又は外科手技後に顎下領域、腹部、顔、脇腹、背中、胸、腕、脚、臀部、又はこれらの組合せに組成物を適用した場合に、治癒プロセスを加速させ、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症遺伝子及び再生遺伝子発現を誘発するか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。
【0103】
いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せを軽減させる。いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%、約95%、又は約95%超の硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せ。
【0104】
いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、手技後、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せの軽減をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、手技後、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せの軽減をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、手技後、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せの約10%、約20%、約30%、約40%、約50%、約60%、約70%の軽減をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、手技後、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せの約40%の軽減をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、手技後、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せの軽減をもたらす。いくつかの実施形態では、本明細書に説明されるような組成物は、手技後、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成、疼痛、又はこれらの組合せの約40%、約50%、約60%、約70%、約80%、約90%又は約95%の軽減をもたらす。いくつかの実施形態では、軽減は、手技後少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月以上、又は約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月以上である。いくつかの実施形態では、手技は脂肪軽減手技(例えば脂肪吸引)である。
【0105】
いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、適用時に炎症の軽減をもたらす。いくつかの例では、炎症の軽減は、皮膚手技又は外科手技後少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上生じる。いくつかの例では、炎症の軽減は、局所用組成物の投与時に、皮膚手技又は外科手技後に、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回以上投与される。
【0106】
いくつかの例では、本明細書に説明されるような組成物は、適用時に創傷治癒の改善をもたらす。いくつかの例では、創傷治癒の改善は、ボディコントゥーリング手技後少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上生じる。いくつかの例では、創傷治癒の改善は、局所用組成物の投与時に、ボディコントゥーリング手技後少なくとも1日、少なくとも2日、少なくとも3日、少なくとも4日、少なくとも5日、少なくとも6日、少なくとも1週間、少なくとも2週間、少なくとも3週間、少なくとも1ヶ月、少なくとも2ヶ月、少なくとも3ヶ月、少なくとも4ヶ月、少なくとも5ヶ月、少なくとも6ヶ月以上、又は約1日、約2日、約3日、約4日、約5日、約6日、約1週間、約2週間、約3週間、約1ヶ月、約2ヶ月、約3ヶ月、約4ヶ月、約5ヶ月、約6ヶ月以上にわたり、1日1回、1日2回、1日3回、1日4回以上投与される。
【0107】
評価を行う際には、局所用組成物の効果を対照と比較してもよい。いくつかの例では、個体又は対象は、体のある部分に本明細書に説明されるような組成物を局所的に投与し、対照は体のその他の部分に投与される対照組成物を含む。
【0108】
担体系
本明細書に説明されるようなペプチド及び他の成分を含有する液体及びゲルは、化粧品製造分野で知られている技術を使用して調製され得る。例えば、Handbook of Cosmetic Science and Technology,Fourth Edition,edited by Andre O.Barel,Marc Paye,Howard I.Maibach,CRC Press,2014を参照されたい(この内容は、参照としてその全体が本明細書に援用される)。種々の製剤が考えられる。一例として、透明な化粧品用ゲルスティック状組成物は、好ましい実施形態のペプチドと組み合わせ、主要成分として、60~約90%の脂肪族多価アルコール(例えば、2~6個のヒドロキシル基を含有するC2~6アルコール)、1~10%の石鹸及び1~10%の水溶性皮膚軟化薬(例えば、C8~22脂肪族アルコールのポリオキシアルキレンエーテル)を含むことができる。押出可能な水性ゲルは、水中油型エマルジョン技術に基づいている。押出可能なゲル処方に導入される水の量を最小化するため、活性溶液の濃度が調整される。理想的には、ペプチドの高濃度活性溶液(45~50%)が利用され得る。AP固体用の担体系は、揮発性環状シロキサンを典型的には基としているが、これは、迅速に蒸発し、皮膚上に残留物を残さないことが理由である。揮発性環状シロキサンの代替物として、イソヘキサデカン又はC13~15イソアルカンを含む代替物が使用され得る。典型的な保存条件又は消費者条件下では溶融しないが、皮膚に極上の手触りを与え、容易な移動が可能である固形スティックを開発するため、凝固系が利用される。シクロペンタシロキサン及びステアリルアルコールと、水添ヒマシワックス、水添植物油及びポリエチレンなどの異なる程度の追加のワックスとの組合せが利用され得る。
【0109】
液体製剤(例えば、ゲル又はローション形態)用に、例えば環状シロキサン又は直鎖シリコーン(例えば、シリコーンエラストマー)などのシリコーンは担体として利用され得る。好適な担体の1種は、例えばシクロペンタシロキサン中のジメチコンクロスポリマーなどのジメチコンクロスポリマーゲルである。他の好適なジメチコンクロスポリマーとしては、シクロペンタシロキサン、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー;ジメチコン、ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー及びイソデカンジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーが挙げられる。
【0110】
典型的には、担体は、例えば皮膚又は粘膜への適用用の局所製剤中に、約80重量%~約95重量%、又は約82重量%~約92重量%の量で存在する。
【0111】
他の成分
浸透性エンハンサ
脂肪酸及びアルコールは、ペプチドの浸透を増強し、かつ製剤に滑らかな手触りを与えるために利用され得る。脂肪酸及びアルコールの例としては、メタン酸、エタン酸、プロパン酸、ブタン酸、イソ酪酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、ミリストレイン酸、イソ吉草酸、パルミトレイン酸、サピエン酸、オレイン酸、エライジン酸、バクセン酸、リノール酸、リノエライジン酸、αリノレン酸、アラキドン酸、エイコサペンタエン酸、エルカ酸、ドコサヘキサエン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、中鎖脂肪酸(例えば、C6~12脂肪酸)などである。局所用組成物中に利用される場合の典型的な量は、1重量%~4重量%である。他の成分は抗炎症薬、抗酸化剤及び溶解性エンハンサを含み得る。例えば、この組成物の特定の成分は従来の製剤中への溶解が困難な傾向がある。ホスファチジルセリン及びオレウロペインは溶解性に課題があることで知られている。いくつかの実施形態では、ホスファチジルセリンを溶解させるために例えばカプリリルメチコンなどのシロキサンポリマーが使用される。いくつかの実施形態では、カプリリルメチコンは無水製剤中にホスファチジルセリンを溶解させるために使用される。いくつかの実施形態では、トリ酢酸パンテニル及びナリンゲニンはオレウロペインを溶解させるために使用される。約0.05重量%~約0.1重量%のホスファチジルセリン及び/又は約0.05重量%~約0.1重量%のオレウロペインを含有する局所用組成物については、約0.5重量%~約1重量%のカプリリルメチコンの量のカプリリルメチコンは、無水製剤中にホスファチジルセリンを溶解させることができる。
【0112】
ベントナイト及び他のクレイ
ベントナイトクレイは、ペプチドと併せて利用することができ、組成物に浸透性及び吸着性を与えることができ、エマルジョンを安定させる一助となり得る。ヘクトライト及びケイ酸マグネシウムアルミニウムといった他のクレイもまた利用することができる。ベントナイト又は他のクレイを修飾して有機修飾クレイ化合物を得ることができる。脂肪酸(例えば、水添脂肪酸)の塩(例えば、四級アンモニウム塩)は、ヘクトライト又は他のクレイと反応することができる。本明細書に提供されるように、脂肪酸は当業者によって利用されるような従来の命名法を使用して称され、説明される。飽和脂肪酸は、炭素-炭素二重結合を含まない。不飽和脂肪酸は、少なくとも1つの炭素-炭素二重結合を含む。一不飽和脂肪酸は、炭素-炭素二重結合を1つのみ含む。多価不飽和脂肪酸は、炭素-炭素二重結合を2つ以上含む。脂肪酸中の二重結合は、一般にはシスであるが、トランス二重結合もまた可能である。二重結合の位置はΔnで示され得る。この場合nは二重結合の炭素原子の各対の下に番号を付けた炭素を指す。合計の#炭素:#二重結合、Δ二重結合位置を指定する略記記号を利用することができる。例えば、20:4Δ5、8、11、14は、20個の炭素原子及び4個の二重結合を有し、二重結合は5炭素原子と6炭素原子間の位置、8炭素原子と9炭素原子間の位置、11炭素原子と12炭素原子間の位置及び14炭素原子と15炭素原子間の位置に定められ、炭素原子1はカルボン酸基の炭素である脂肪酸を指す。ステアラート(オクタデカノアート)は、飽和脂肪酸である。オレアート(シス-Δ9-オクタデセノアート)は一不飽和脂肪酸であり、リノレナート(全-シス-Δ9,12,15-オクタデカトリエノアート)は多価不飽和脂肪酸である。使用に好適な脂肪酸は、例えば5個、6個、7個、8個、9個、10個、11個、12個、13個、14個、15個、16個、17個、18個、19個、20個、21個、22個、23個、24個、25個、26個、27個、28個、29個又は30個の炭素原子など、5~30個の炭素原子を含み得る。脂肪酸は完全に飽和され得、又は鎖長にとって実現可能な限り多くの二重結合を含み得る。ヘクトライト又は他のクレイを官能化させるのに好適な脂肪酸は、パルミチン酸及びステアリン酸を含む。ジアルキル第4級カチオン性改質剤は、ジパルミトイルエチルジモニウムクロリド及びジステアリルジモニウムクロリドを含む。アミドアミン第4級カチオン性改質剤は、パルミタミドプロピルトリモニウムクロリドセテアリルアルコール及びパルミタミドプロピルトリモニウムクロリドを含む。
【0113】
抗刺激剤
トリ酢酸パンテニル/ナリンゲニンは、皮膚を通して赤み及び水分蒸散を軽減させる天然の植物抽出物である。局所用組成物中に利用される場合の抗刺激剤の典型的な量は、1重量%~4重量%である。
【0114】
抗炎症薬
アルニカ・モンタナ抽出物は、エッセンシャルオイル、脂肪酸、チモール、シュードグアイアノライドセスキテルペンラクトン及びフラバノン配糖体といった成分を含む。これは抗炎症効果を示し得る。局所用組成物中に利用される場合の抗炎症薬の典型的な量は、1重量%~4重量%である。
【0115】
抗酸化剤
ドナリエラ・サリナ抽出物はβカロテンといった成分を含む。これは抗酸化効果を示し得る。局所用組成物中に利用される場合の抗炎症薬の典型的な量は、0.1重量%~2重量%である。
【0116】
溶解性エンハンサ
この組成物の特定の成分は従来の製剤中への溶解が困難な傾向がある。例えば、ホスファチジルセリン及びオレウロペインは溶解性に課題があることで知られている。例えばカプリリルメチコンといったシロキサンポリマーは、無水製剤中にこれら2つの成分を可溶化させるのに特に有効であることが分かった。約0.05重量%~約0.1重量%のホスファチジルセリン及び/又は約0.05重量%~約0.1重量%のオレウロペインを含有する局所用組成物については、約0.5重量%~約1重量%のカプリリルメチコンの量のカプリリルメチコンは、無水製剤中にこれらの成分を溶解させることができる。
【0117】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、好適な担体、希釈剤又は賦形剤と混合させることができ、望ましい投与経路及び調製に応じて湿潤剤又は乳化剤、pH緩衝剤、ゲル化増強添加剤又は粘度増強添加剤、保存剤、着臭剤、着色剤などの補助物質を含有することができる。例えば、「Remington:The Science and Practice of Pharmacy」,Lippincott Williams&Wilkins;20th edition(June 1,2003)及び「Remington’s Pharmaceutical Sciences」,Mack Pub.Co.;18th and 19th editions(それぞれDecember 1985,及びJune 1990)を参照されたい。こうした調製物は、錯化剤、金属イオン、ポリ酢酸、ポリグリコール酸、ハイドロゲル、デキストランなどのポリマー化合物、リポソーム、マイクロエマルジョン、ミセル、単層又は複層ベシクル、赤血球ゴースト又はスフェロブラストを含み得る。リポソーム製剤に好適な脂質としては、モノグリセリド、ジグリセリド、スルファチド、リゾレシチン、リン脂質、サポニン、胆汁酸などが挙げられるが、これらに限定されない。こうした追加成分が存在することで、活性成分の物理状態、溶解性、安定性、放出速度、排除速度、及び浸透に影響が及ぼされ得る。
【0118】
局所投与用の組成物は、本明細書に説明されるようなペプチド組成物及び皮膚科学的に許容されるビヒクルを含む。ビヒクルは水性であっても非水性であってもよい。局所用組成物中に使用される皮膚科学的に許容されるビヒクルは、ローション、ゲル、軟膏、液体、クリーム又はエマルジョンの形態であってもよい。ビヒクルがエマルジョンである場合、エマルジョンは連続水性相及び不連続非水相又は油相(水中油型エマルジョン)又は連続非水相若しくは油相及び不連続水相(油中水型エマルジョン)を有してもよい。液体形態又はゲル形態で投与される場合、水、石油、動物又はピーナッツ油、鉱油、大豆油若しくはゴマ油などの植物起源の油又は合成油などの液体担体が1種以上の活性成分に局所的に加えられ得る。生理食塩水、デキストロース又は他の糖類溶液又はエチレングリコール、プロピレングリコール若しくはポリエチレングリコールなどのグリコールもまた、好適な液体担体である。薬学的組成物はまた、水中油型エマルジョンの形態でもあり得る。油相は、オリーブ油若しくは落花生油、流動パラフィンなどの鉱油又はこれらの混合物といった植物油であり得る。好適な乳化剤としては、アカシアガム及びトラガカントガムなどの天然起源のガム、大豆レシチンなどの天然起源のリン脂質、ソルビタンモノオレアートなどの脂肪酸及びヘキシトール無水物に由来するエステル又は部分エステル及びポリオキシエチレンソルビタンモノオレアートなどのエチレンオキシドとこれらの部分エステルとの濃縮生成物が挙げられる。エマルジョンはまた、着色剤及び着臭剤を含有し得る。
【0119】
特定の実施形態では、シリコーンエラストマー(例えば、ジメチコンクロスポリマー)は、ペプチドの皮膚への送達及び浸透を増加するために利用される。分子量増加(シリコーンガムの場合)又はフィラー添加(シリコーン化合物の場合)の代替方法は、シロキサンポリマーを部分的に架橋させ、適切なシリコーン担体液体中にこうした材料を分散させることである。得られたジメチコンクロスポリマー(パーソナルケア産業ではシリコーンエラストマーとしても知られている)は、直鎖ポリマー間の架橋を理由として、塩基性ポリジメチルシロキサン(basic polydimethylsiloxane、PDMS)とは異なる。これらの材料はペプチド製剤中に利用されることができ、瘢痕の処置、創傷周辺部の保護及び酵素送達でも利益を提供する。スキンケア用途では、シリコーンエラストマーの審美性(官能基を有するものを含む)及び種々の油を吸収する能力(例えば、Dow Corning(登録商標)9506エラストマー粉末などのジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー)は、エラストマーの望ましい特性のうちの2つである。シリコーンエラストマーは、「滑らか」、「滑らかで柔らか」及び「粉末状」のように説明される、シリコーン液体のいずれかとは異なる皮膚のような手触りを有する。これは、処方中の液相の量、結果として膨潤の程度を制御することで修飾され得る。シリコーンエラストマーの膜形成特性により、ジメチコンクロスポリマーは、本明細書に説明されるペプチドといった活性成分又は脂溶ビタミン及び日焼け止め剤などのその他の処方成分の送達系として使用され得る。オクチルメトキシシンナマートなどの日焼け止め剤は、シリコーンエラストマーを含有する製剤からより有効に送達され、高い日焼け防止指数(sun protection factor、SPF)を生み出すことができる。シリコーンエラストマーブレンドは、有機日焼け止め剤を含有する水中油型製剤のSPFを増強するために使用することができる。例えば、SPFに関して実施された試験では、有機日焼け止め剤を含有するサンケア製剤に4%のシリコーンエラストマーブレンドを添加することで、SPFを5.7~18に増加させる。シリコーンエラストマーのこの特性により、所望のSPFを得るために必要とされる量を減少させつつ、製剤中の日焼け止め剤の効果を最大化させることが可能になる。結果として、日焼け止め剤の活性成分により引き起こされる潜在的な刺激とともに、製剤コストを減少することができる。したがって、同量のUV吸収剤でより高いSPFを得ることができ、製剤コストを加えることなく性能を増強することができる。シリコーンエラストマーは、例えばビニル基が水素化ケイ素と反応するヒドロシリル化反応など、種々の架橋反応で直鎖シリコーンポリマーから製造することができる。一般的なプロセスは、架橋剤と反応する、ポリマー鎖に沿った反応部位を有する直鎖シリコーンポリマーに関与する。ジメチコンクロスポリマーは、担体液体中に膨潤したエラストマー粒子の懸濁液から作製されたゲルとして(例えば、Dow Corning(登録商標)9040シリコーンエラストマーブレンドなどのシクロペンタシロキサン中の高分子量シリコーンエラストマーの混合物)、又は噴霧乾燥粉末(Dow Corning(登録商標)9506エラストマー粉末などのジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー)としてのいずれかで製造することができる。望ましい特質を有するゲル形態はシクロメチコンであるが、低粘度ジメチコン及び有機液体もまた使用することができる。懸濁液又はゲル形態中のジメチコンクロスポリマーの例は、デカメチルシクロペンタシロキサン中の高分子量シリコーンエラストマー(12%)(例えば、Dow Corning(登録商標)ST-エラストマー10)及びシクロペンタシロキサン中の高分子量シリコーンエラストマーの混合物(例えば、Dow Corning(登録商標)9040シリコーンエラストマーブレンド)である。これらは、10重量%~20重量%の範囲のエラストマー含有量を典型的には有する。
【0120】
ペプチド組成物の局所用調製物に使用される医薬賦形剤は、溶媒、皮膚軟化薬及び/又は乳化剤、油性基剤、保存剤、抗酸化剤、浸透圧調整剤、浸透エンハンサ及び溶解剤、キレート剤、緩衝剤、界面活性剤、1種以上のポリマー、並びにこれらの組合せからなる群から選択されてもよい。
【0121】
賦形剤は、非水担体又は水性担体及び湿潤剤、pH調整剤、防臭剤、芳香剤、キレート剤、保存剤、乳化剤、増粘剤、可溶化剤、浸透エンハンサ、抗刺激薬、着色剤、界面活性剤、有益な薬剤、医薬品及び皮膚の処置用に局所用組成物とともに使用するため、当該技術分野で既知の他の成分から選択された1種以上の薬剤を含み得る。いくつかの実施形態では、組成物は水性組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、損傷した皮膚への適用時の水性刺激性接触皮膚炎又は刺痛感覚などの皮膚刺激を防ぐ無水組成物である。いくつかの実施形態では、組成物は、保存剤を利用する必要なく(例えば、保存剤を含まない組成物)特定の保存剤に関連する皮膚刺激を避けるために処方される。
【0122】
水性用又は親水性局所製剤用の好適な溶媒としては、水、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、水とエチルアルコール及び/又はイソプロピルアルコールの混合物、グリセリン、エチレン、プロピレン又はブチレングリコール、DMSO並びにこれらの混合物が挙げられる。疎水性局所製剤に好適な溶媒としては、鉱油、植物油及びシリコーン油が挙げられる。所望の場合には、本明細書に説明されるようなペプチド組成物は、疎水性油相中に溶解又は分散されてもよく、続いて油相は、水単独で、又は低級アルコール、グリセリン及び/若しくはグリコールと組み合わせた水を含む水相中に乳化されてもよい。水の存在によって、レーザ処置、化学的表皮剥離、マイクロダーマブレーションなどを受けた皮膚組織への投与時に刺痛が生じ得るため、無水組成物を利用することが一般的には好ましい。無水製剤はまた、発疹及び皮膚刺激を生じる可能性があり、かつ創傷治癒及び皮膚の質改善を遅延させる可能性がある損傷した皮膚又は刺激反応性がある皮膚において、水性刺激性接触皮膚炎の発症を予防するように作用し得る。Tsai,T.F.,Maibach,H.I.How irritant is water? An overview.Contact Dermatitis 41(6)(1999):311-314(刺激物質として水により引き起こされた接触皮膚炎を説明している)。ただし、特定の実施形態では、水性組成物を提供、又は限られた量の水が存在可能であることは許容され得る。例えば水は、損傷した皮膚に適用した際に刺痛感覚がもたらされ得る閾値未満の量で存在し得る。浸透圧刺激又は浸透圧ストレスは、細胞周辺の溶質濃度の急激な変化であり、細胞膜周りの水移動の急速な変化を引き起こす。上清中の塩、基質又は何らかの溶質のいずれかが高濃度である条件下では、浸透によって水は細胞から引き出される。これはまた、基質及び補因子の細胞への輸送を阻害し、その結果、細胞が「ショック状態になる」。代わりに、低濃度の溶質では、水は細胞に大量に入り込み、膨潤し破裂又はアポトーシスのいずれかを引き起こす。本明細書に説明されるようないくつかの製剤は、浸透圧刺激を最小化することが望ましい場合、有利に利用され得る。
【0123】
組成物の粘度は、薬学的に許容される増粘剤を使用し、選択されるレベルに維持され得る。水性基剤を用いて粘性のあるゲル又はクリームを調製するために使用され得る好適な粘度エンハンサ又は増粘剤としては、ポリアクリル酸ナトリウム、キサンタンガム、ポリビニルピロリドン、アクリル酸ポリマー、カラギーナン、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、プロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ポリエトキシル化ポリアクリルアミド、ポリエトキシル化アクリラート及びポリエトキシル化アルカンチオールが挙げられる。メチルセルロースは容易かつ経済的に入手可能であり、これを用いて反応させることが容易であることから、メチルセルロースが好ましい。他の好適な増粘剤としては、例えばキサンタンガム、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボマーなどが挙げられる。好ましい増粘剤の濃度は、選択される増粘剤によって変化する。選択される粘度を得る量を使用することが好ましい。粘性組成物は通常、こうした増粘剤を添加することで、又は許容されるレベルの粘度を有する基剤を利用することで、溶液から調製される。
【0124】
好適な皮膚軟化薬としては、鉱油、ワセリン、パラフィン、セレシン、オゾケライト、マイクロクリスタリンワックス、ポリエチレン、スクアレン、パーヒドロスクアレン、シリコーン油、トリグリセリドエステル、アセチル化モノグリセリドといったアセトグリセリドエステル、エトキシル化グリセリルモノステアラートといったエトキシル化グリセリド、脂肪酸又はジカルボン酸のアルキルエステルといった炭化水素油及びワックスが挙げられる。
【0125】
皮膚軟化薬としての使用に好適なシリコーン油としては、ジメチルポリシロキサン、メチル(フェニル)ポリシロキサン並びに水溶性及びアルコール溶性シリコーングリコールコポリマーが挙げられる。皮膚軟化薬としての使用に好適なトリグリセリドエステルとしては、ヒマシ油、ベニバナ油、綿実油、トウモロコシ油、オリーブ油、タラ肝油、アーモンド油、アボカド油、ヤシ油、ゴマ油及び大豆油を含む植物油脂及び動物油脂並びに植物油及び動物油が挙げられる。
【0126】
皮膚軟化薬としての使用に好適なカルボン酸又は二酸のエステルとしては、脂肪酸のメチルエステル、イソプロピルエステル及びブチルエステルが挙げられる。アルキルエステルの特定の例としては、ラウリル酸ヘキシル、パルミチン酸イソヘキシル、パルミチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、オレイン酸イソデシル、ステアリン酸ヘキサデシル、ステアリン酸デシル、イソステアリン酸イソプロピル、乳酸ジラウリル、乳酸ミリスチル及び乳酸セチルが挙げられ、ミリスチン酸オレイル、ステアリン酸オレイル及びオレイン酸オレイルといった脂肪酸のアルケニルエステルの例が挙げられる。二酸のアルキルエステルの特定の例としては、アジピン酸ジイソプロピル、アジピン酸ジイソヘキシル、アジピン酸ビス(ヘキシルデシル)及びセバシン酸イソプロピルが挙げられる。
【0127】
局所製剤に使用され得る皮膚軟化薬又は乳化剤の他の好適なクラスとしては、脂肪酸、脂肪族アルコール、脂肪族アルコールエーテル、エトキシル化脂肪族アルコール、エトキシル化脂肪族アルコールの脂肪酸エステル及びワックスが挙げられる。
【0128】
皮膚軟化薬として使用するための脂肪酸の特定の例としては、ペラルゴン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、ヒドロキシステアリン酸、オレイン酸、リノール酸、リシノール酸、アラキジン酸、ベヘン酸及びエルカ酸が挙げられる。皮膚軟化薬として使用するための脂肪族アルコールの特定の例としては、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、ヘキサデシルアルコール、ステアリルアルコール、イソステアリルアルコール、ヒドロキシステアリルアルコール、オレイルアルコール、リシノレイルアルコール、ベヘニルアルコール及びエルシルアルコール、並びに2-オクチルドデカノールが挙げられる。
【0129】
皮膚軟化薬としての使用に好適なワックスの特定の例としては、ラノリン油、ラノリンワックス、ラノリンアルコール、ラノリン脂肪酸、ラノリン酸イソプロピル、エトキシル化ラノリン、エトキシル化ラノリンアルコール、エトキシル化コレステロール、プロポキシル化ラノリンアルコール、アセチル化ラノリン、アセチル化ラノリンアルコール、リノール酸ラノリンアルコール、リシノール酸ラノリンアルコール、リシノール酸ラノリンアルコールのアセタート、リシノール酸ラノリンアルコールのアセタート、エトキシル化アルコールエステルのアセタート、ラノリンのハイドロゲノリサート、水添ラノリン、エトキシル化水添ラノリン、エトキシル化ソルビトールラノリン並びに液体及び半固体ラノリンを含む、ラノリン及びその誘導体が挙げられる。炭化水素ワックス、エステルワックス及びアミドワックスもまた、ワックスとして使用可能である。有用なワックスとしては、蜜蝋、鯨蝋、ミリスチン酸ミリスチル及びステアリン酸ステアリルなどのワックスエステル、例えばポリオキシエチレンソルビトール蜜蝋などの蜜蝋誘導体並びにカルナウバワックス及びキャンデリラワックスを含む植物油が挙げられる。
【0130】
多価アルコール及びポリエーテル誘導体は、局所製剤の溶媒及び/又は界面活性剤として使用されてもよい。好適な多価アルコール及びポリエーテルとしては、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール2000及び4000、ポリ(オキシエチレン-コ-オキシプロピレン)グリコール、グリセロール、ソルビトール、エトキシル化ソルビトール、ヒドロキシプロピルソルビトール、ポリエチレングリコール200~6000、メトキシポリエチレングリコール350、550、750、2000及び5000、ポリ[エチレンオキシド]ホモポリマー(100,000~5,000,000)、ポリアルキレングリコール及び誘導体、ヘキシレングリコール、2-メチル-2,4-ペンタンジオール、1,3-ブチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、2-エチル-1,3-ヘキサンジオール、15個~18個の炭素原子を有するビシナルグリコール並びにトリメチロールプロパンのポリオキシプロピレン誘導体が挙げられる。
【0131】
多価アルコールエステルは乳化剤又は皮膚軟化薬として使用されてもよい。好適な多価アルコールエステルとしては、エチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ジエチレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール(200~6000)モノ-及びジ-脂肪酸エステル、プロピレングリコールモノ-及びジ-脂肪酸、ポリプロピレングリコール2000モノオレアート、ポリプロピレングリコール2000モノステアラート、エトキシル化プロピレングリコールモノステアラート、グリセリルモノ-及びジ-脂肪酸エステル、ポリグリセロールポリ-脂肪酸エステル、エトキシル化グリセリルモノステアラート、1,3-ブチレングリコールモノステアラート、1,3-ブチレングリコールジステアラート、ポリオキシエチレンポリオール脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル及びポリオキシエチレンソルビタン細胞酸エステルが挙げられる。
【0132】
局所製剤での使用に好適な乳化剤としては、アニオン性、カチオン性、非イオン性及び両性イオン性界面活性剤が挙げられる。イオン性乳化剤は、レシチン及び誘導体といったリン脂質を含むことが好ましい。
【0133】
レシチン及び他のリン脂質は、本明細書に説明されるようなペプチド組成物を含有するリポソームを調製するために使用されてもよい。脂質ベシクルの形成は、レシチンといったリン脂質が水中に配置され、その後1つの二重層又は一連の二重層を形成する。これらは、一旦十分なエネルギーが供給されると、それぞれ水分子により分離される。リポソームは水中でリン脂質を超音波処理することで作製され得る。低せん断速度によって多層リポソームが作製される。高せん断超音波処理を継続して行うことで、より小さい単層リポソームが形成される傾向がある。リン脂質二重層膜に疎水性化学物質を溶解させることができる。リポソームの脂質二重層は、本明細書に説明されるようなペプチド組成物を送達する。
【0134】
いくつかの実施形態では、リポソームは1種以上のペプチドを調製するために使用される。いくつかの実施形態では、ペプチドはヘキサペプチド-11である。いくつかの実施形態では、ペプチドはアセチル基で官能化される。
【0135】
いくつかの実施形態では、リポソームはプロパンジオール、レシチン又はそれらの組合せを含む。いくつかの実施形態では、プロパンジオールは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、プロパンジオールは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、レシチンは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、レシチンは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、リポソームはプロパンジオール及びレシチンを含む。いくつかの実施形態では、プロパンジオール及びレシチンは、少なくとも0.001重量%、少なくとも0.005重量%、少なくとも0.01重量%、少なくとも0.02重量%、少なくとも0.05重量%、少なくとも0.10重量%、少なくとも0.20重量%、少なくとも0.25重量%、少なくとも0.50重量%、少なくとも0.75重量%、少なくとも1.0重量%、少なくとも1.5重量%、少なくとも2.0重量%、少なくとも2.5重量%、少なくとも3.0重量%、少なくとも3.5重量%、少なくとも4.0重量%、少なくとも4.5重量%、少なくとも5.0重量%、少なくとも5.5重量%、少なくとも6.0重量%、少なくとも6.5重量%、少なくとも7.0重量%、少なくとも8重量%、少なくとも9重量%、若しくは少なくとも10重量%以上、又は約0.001重量%、約0.005重量%、約0.01重量%、約0.02重量%、約0.05重量%、約0.10重量%、約0.20重量%、約0.25重量%、約0.50重量%、約0.75重量%、約1.0重量%、約1.5重量%、約2.0重量%、約2.5重量%、約3.0重量%、約3.5重量%、約4.0重量%、約4.5重量%、約5.0重量%、約5.5重量%、約6.0重量%、約6.5重量%、約7.0重量%、約8重量%、約9重量%、若しくは約10重量%以上で提供される。いくつかの実施形態では、プロパンジオール及びレシチンは、約0.001重量%~約6重量%、約0.002重量%~約4重量%、約0.01重量%~約3重量%又は約0.02重量%~約2重量%の範囲で提供される。いくつかの実施形態では、プロパンジオール及びレシチンは、約0.90重量%で提供される。
【0136】
局所製剤は、水溶液中に分散した界面活性剤分子の凝集体であるミセルを含有してもよい。ミセルは、臨界ミセル濃度を超える界面活性剤を含む水溶液中に油性溶媒を分散させることで調製されてもよい。得られた製剤は、水性溶媒中に分散されている極性界面活性剤分子の膜で囲まれた球状の油滴であるミセルを含有する。
【0137】
ステロールとしては例えば、コレステロール及びコレステロール脂肪酸エステル、脂肪酸アミド、エトキシル化脂肪酸アミドといったアミド並びに脂肪酸アルカノールアミドは、皮膚軟化薬及び/又は浸透エンハンサとしても使用されてもよい。
【0138】
薬学的に許容される保存剤は、組成物の有効期間を増加させるために利用され得る。局所製剤での使用に好適な他の保存剤及び/又は抗酸化剤としては、塩化ベンザルコニウム、ベンジルアルコール、フェノール、尿素、パラベン、ブチル化ヒドロキシトルエン(butylated hydroxytoluene、BHT)、ブチル化ヒドロキシアニソール(butylated hydroxyanisole、BHA)、トコフェロール、チメロサール、クロロブタノールなど、これらの混合物が挙げられ、利用することができる。抗酸化剤といった保存剤が利用される場合、選択された薬剤によってはより多量又は少量が望ましいことがあるが、その濃度は組成物の総重量に基づき、典型的には約0.02%~約2%である。本明細書に説明されるように、還元剤は製剤の有効期間を十分維持するために有利に使用され得る。実施形態の無水製剤が十分な安定性を示し、その結果、製剤から保存剤を除去することができることが一般に観察されている。
【0139】
局所製剤での使用に好適なキレート剤としては、エチレンジアミン四酢酸、そのアルカリ金属塩、そのアルカリ土類金属塩、そのアンモニウム塩及びその第四級アンモニウム塩が挙げられる。
【0140】
担体は、約4.0~約10.0のpHを有することが好ましく、約6.8~約7.8のpHを有することがより好ましい。pHは、緩衝液又は他のpH調整剤を使用して制御されてもよい。好適なpH調整剤としては、リン酸及び/又はリン酸塩、クエン酸及び/又はクエン酸塩、水酸化物塩(すなわち、水酸化カルシウム、水酸化ナトリウム、水酸化物カリウム)並びにトリエタノールアミンといったアミンが挙げられる。好適な緩衝液としては、pHを5.8~8に維持するリン酸一カリウム及びリン酸二カリウムの溶液を含む緩衝液、並びにpHを6~7.5に維持するリン酸一ナトリウム及びリン酸二ナトリウムの溶液を含む緩衝液が挙げられる。他の緩衝液としては、クエン酸/クエン酸ナトリウム及びリン酸水素二ナトリウム/クエン酸が挙げられる。実施形態のペプチド組成物は、レシピエントの血液又は他の体液と等張であることが好ましい。組成物の等張性は、酒石酸ナトリウム、プロピレングリコール又は他の無機溶質若しくは有機溶質を使用して達成され得る。塩化ナトリウムが特に好ましい。酢酸及びその塩、クエン酸及びその塩、ホウ酸及びその塩、並びにリン酸及びその塩といった緩衝剤が利用され得る。製剤中にビタミンC、ビタミンEといった還元剤又は製薬分野で知られているような他の還元剤を含むことが望ましい場合がある。
【0141】
界面活性剤はまた、例えばラウリル硫酸ナトリウム、ジオクチルソジウムスルホサクシナート及びジオクチルソジウムスルホナートといったアニオン性洗剤、ベンザルコニウム塩化物若しくはベンゼトニウム塩化物といったカチオン性洗剤、又はポリオキシエチレン水添ヒマシ油、グリセロールモノステアラート、ポリソルベート、スクロース脂肪酸エステル、メチルセルロース若しくはカルボキシメチルセルロースといった非イオン性洗剤といった賦形剤としても利用され得る。
【0142】
実施形態のペプチド製剤が皮下注射で投与される場合、パイロジェンフリーである非経口的に許容される水溶液又は油性懸濁液、エマルジョン若しくは溶液の形態であることが好ましい。懸濁液は、好適な分散剤又は湿潤剤及び懸濁剤を使用する当該技術分野で周知の方法に従って処方され得る。例えばpH、等張性、安定性などの好適な特性を有する許容される水溶液又は非水溶液の調製は、当該技術分野の技術の範囲である。例えば、1,3-ブタンジオール、水といった等張ビヒクル、等張塩化ナトリウム溶液、リンゲル液、デキストロース溶液、デキストロース及び塩化ナトリウム溶液、ラクトリンゲル溶液又は当該技術分野で既知の他のビヒクルが利用され得る。又は固定油は、溶媒、例えば合成モノグリセリド又はジグリセリド、脂肪酸などといった懸濁媒体として慣習的に利用され得る。ペプチド製剤はまた、安定化剤、保存剤、緩衝液、抗酸化剤又は当業者に既知の他の添加剤を含有することができる。
【0143】
特定の実施形態では、薬理学活性を有する追加の薬剤を含むことが有利であり得る。抗感染症薬としては、駆虫薬(メベンダゾール)、アミノグリコシドを含む抗生物質(ゲンタマイシン、ネオマイシン、トブラマイシン)、抗真菌薬抗生物質(アンホテリシンB、フルコナゾール、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ナイスタチン、ミカチン、トルナフタート)、セファロスポリン(セファクロル、セファゾリン、セフォタキシム、セファタジジム、セフトリアキソン、セフロキシム、セファレキシン)、β-ラクタム抗生物質(セフォテタン、メロペネム)、クロラムフェニコール、マクロライド(アジスロマイシン、クラリスロマイシン、エリスロマイシン)、ペニシリン(ペニシリンGナトリウム塩、アモキシシリン、アンピシリン、ジクロキサシリン、ナフシリン、ピペラシリン、チカルシリン)、テトラサイクリン(ドキシサイクリン、ミノサイクリン、テトラサイクリン)、バシトラシン、クリンダマイシン、コリスチメタン酸ナトリウム、ポリミキシンB硫酸塩、バンコマイシン、アシクロビル、アマンタジン、ジダノシン、エファビレンツ、ホスカルネット、ガンシクロビル、インジナビル、ラミブジン、ネルフィナビル、リトナビル、サキナビル、スタブジン、バラシクロビル、バルガンシクロビル、ジドブジンを含む抗ウイルス薬、キノリン類(シプロフロキサシン、レボフロキサシン)、スルホンアミド(スルファジアジン、スルフイソキサゾール)、スルホン(ダプソン)、フラゾリドン、メトロニダゾール、ペンタミジン、スルファニルアミド・クリスタリン、ガチフロキサシン及びスルファメトキサゾール/トリメトプリムが挙げられるが、これらに限定されない。麻酔薬は、エタノール、ブピバカイン、クロロプロカイン、レボブピバカイン、リドカイン、メピバカイン、プロカイン、ロピバカイン、テトラカイン、デスフルラン、イソフルラン、ケタミン、プロポフォール、セボフルラン、コデイン、フェンタニル、ヒドロモルホン、マルカイン、メペリジン、メタドン、モルヒネ、オキシコドン、レミフェンタニル、スフェンタニル、ブトルファノール、ナルブフィン、トラマドール、ベンゾカイン、ジブカイン、塩化エチル、キシロカイン及びフェナゾピリジンを含むことができるが、これらに限定されない。抗炎症薬としては、アスピリン、セレコキシブ、トリサリチル酸コリンマグネシウム、ジクロフェナクカリウム、ジクロフェナクナトリウム、ジフルニサル、エトドラク、フェノプロフェン、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、ケトロラック、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、ナプロキセンナトリウム、オキサプロジン、ピロキシカム、ロフェコキシブ、サルサラート、スリンダク及びトルメチンといった非ステロイド性抗炎症薬(nonsteroidal anti-inflammatory drugs、NSAIDs)並びにコルチゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾン、プレドニゾロン、ベタメタゾン(betamethesone)、プロピオン酸ベクロメタゾン、ブデソニド、デキサメタゾンリン酸ナトリウム、フルニソリド、プロピオン酸フルチカゾン、トリアムシノロンアセトニド、ベタメタゾン、フルオシノニド、ジプロピオン酸ベタメタゾン、吉草酸ベタメタゾン、デソニド、デスオキシメタゾン、フルオシノロン、トリアムシノロン、プロピオン酸クロベタゾール及びデキサメタゾンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
特定の実施形態では、皮膚軟化薬、エマルジョン安定化剤、保湿剤、賦形剤、賦形剤及び他の化合物の添加は、皮膚の手触り(絹のような手触り、軽さ、クリームのような手触りなど)、吸収性(生成物は濡れたような手触りがなく、皮膚に知覚されない所要時間)、粘稠度、硬度、展延性(例えば、粘度、流動開始、せん断速度)、べたつき、形状の統合性、光沢、親水性又は疎水性及びその他を含むがこれらに限定されない、局所用組成物の感覚特性を増強させるために変更されてよい。好ましくは、組成物は高展延性及び低粘度を有する。かかる特性を有する組成物は、増強した「絹のような」又は「軽い」皮膚の手触りの評価を有することが実証されている(例えば、Bekker,M.Webber,G.,Louw,N.Relating rheological measurements to primary and secondary skin feeling when mineral-based and Fischer-Tropsch wax-based cosmetic emulsions and jellies are applied to the skin,International Journal of Cosmetic Science 2013,35(4),pp.354-61を参照)。
【0145】
適用を容易にするため、組成物は軟膏、油、ローション、ペースト、粉末、ゲル又はクリームとして提供されてもよい。組成物はまた、保存剤、皮膚軟化薬、収斂薬、保湿剤、日焼け止め剤、日焼け用薬剤、UV吸収剤、抗菌薬、抗真菌薬、抗ウイルス薬、抗原虫薬、抗ニキビ剤、麻酔薬、ステロイド性抗炎症薬、非ステロイド性抗炎症薬、鎮痒薬、追加の抗酸化剤、化学療法薬、抗ヒスタミン薬、ビタミン又はビタミン複合体、ホルモン、フケ防止剤、抗しわ剤、抗皮膚萎縮剤、皮膚美白剤、洗浄剤、追加のペプチド、追加の修飾ペプチド、及びこれらの組合せといった追加成分を含んでもよい。更なる実施形態では、組成物は、皮膚刺激を避けるため、動物性材料又は細胞由来材料を避けてもよい。組成物は真皮又は粘膜に適用することができる。
【0146】
いくつかの実施形態としては、局所用組成物中の本明細書に提供されるペプチド組成物を投与することを含むが、他の投与経路もまた企図される(例えば、粘膜投与、皮下投与、経口投与など)。企図された投与経路としては、局所投与、粘膜投与及び皮下投与が挙げられるが、これらに限定されない。好適な液体形態としては、懸濁液、エマルジョン、溶液などが挙げられる。例えば、予め測った量の組成物を含み、手技前及び手技後の所定のスケジュールで顔又は他の身体部分に投与するように構成された個別パケットといった単位剤形もまた提供され得る。手技前及び手技後、1日に2回又は3回投与するように構成された単位剤形が特に好ましい。ただし特定の実施形態では、1日に1回、1日に4回又はそれ以上投与するように単位剤形を構成することが望ましい可能性がある。
【0147】
局所投与のための組成物及び製剤は、経皮パッチ、軟膏、ローション、クリーム、ゲル、滴剤、スプレー、液体、エアロゾル及び粉末を含み得る。従来の医薬担体、水性粉末又は油性基剤、増粘剤などが利用されてもよい。特定の用途では、指を使用して皮膚に適用され得る軟膏、ローション、クリーム、ゲル又は同様の製剤が提供され得る。かかる製剤は、スクイーズチューブ若しくはボトル若しくはポット中に、又は製剤容器上部にボールが固定され、このボールが転がることができるロールオンで典型的には提供される。皮膚表面にわたってボールが転がることで、容器中の液体は制御された方式で皮膚に移される。代替的な送達機構としては、蓋を通って押出可能な製剤を進めるための機構を備えた、穿孔処理された容器が挙げられる。別の形態では、その形状を維持するために十分な構造的一体性を備えたゲル製剤が提供されるが、これはチューブ上へと前進して皮膚に適用される(例えば、スティック形態)。スティック形態の利点は、適用プロセス中に製剤のみが皮膚に接触し、指や容器の一部は皮膚に接触しないという点である。液体又はゲルはまた、例えば棒、スポンジ、シリンジ又は他の好適な方法といったアプリケータを使用しても配置され得る。
【0148】
安定性試験
局所製剤の安定性試験は、以下のように実施され得る。
【0149】
高温試験は、長期安定性についての予測を判断する材料としてここでは一般的に使用される。高温試験は37℃(98゜F)及び45℃(113゜F)で実施され得る。生成物が45℃で3ヶ月間保存される(かつ許容される安定性を示す)場合には、続いて室温で2年間安定状態になければならない。大部分の生成物が卓越した安定性を示す場合の良好な制御温度は4℃(39゜F)である。場合によっては、生成物はまた、-10℃(14゜F)で3ヶ月間供される。
【0150】
一実施形態では、生成物は-10℃(14゜F)~25℃(77゜F)といった3サイクルの温度試験を通過する。生成物は-10℃で24時間置き、室温(25℃)で24時間これを置く。これは1サイクルで完了する。生成物が3サイクルを通過する場合、続いて生成物の安定性に関する良好な信頼度を有することができる。更により厳格な試験は-10℃~45℃の5サイクル試験である。これは、非常に大きなストレス条件下にエマルジョンを置き、これが試験を通過する場合には、安定性が高い生成物であることを示している。
【0151】
(水中油エマルジョンの)分散相は分離してエマルジョン上部に上昇し、油滴層を形成する。この現象はクリーミングと呼ばれる。クリーミングは、エマルジョンの不安定性が生じる第1の徴候の1つである。クリーミングを予測する試験方法は遠心分離である。エマルジョンを50℃(122゜F)に加熱し、3000rpmで30分間これを遠心分離する。続いて得られた生成物について、クリーミングの徴候について検査する。
【0152】
処方及び包装は、両方ともUV放射に反応性が高い可能性がある。生成物はガラスに置き、実際のパッケージはブロードスペクトル出力を有するライトボックス中に置く。アルミニウム箔で完全に覆った別のガラス瓶を対照として機能させる。生成物の変色を観察することができる。
【0153】
上述試験の全てに関して、色、臭気/芳香、粘度、pH値及び可能な場合には、顕微鏡にて粒径の均一性及び/又は粒子凝集性を観察することができる。
【0154】
非侵襲性使用及び侵襲性手技での使用のためのキット
本明細書に提供される方法及び組成物のいくつかの実施形態は、本明細書に提供されるペプチドを含むキットを含む。いくつかの実施形態では、キットは投与を行う医師、他の医療従事者、患者又は介護者に提供され得る。いくつかの実施形態では、キットは好適な局所製剤中にペプチド組成物を含有する容器、対象にペプチド組成物を投与するための説明書を含む。キットは、任意には1つ以上の追加の治療薬又は他の薬剤もまた含有し得る。例えば、局所形態のペプチド組成物を含有するキットは、洗浄剤、吸収性保湿剤、浸透保湿剤、日焼け止め剤、日焼け防止剤などの他のスキンケア剤とともに提供され得る。キットは、バルク形態のペプチド組成物を含有することができ、又は連続投与若しくは経時投与するための別個の用量のペプチド組成物を含有することができる。キットは任意には、1つ以上の診断ツール、投与ツール及び/又は使用説明書を含有することができる。キットは、ペプチド組成物及び任意の他の治療薬又は有益な薬剤を投与するための説明書とともに、シリンジ、ポンプディスペンサ、単回用量パケットなどの好適な送達デバイスを含有することができる。キットは任意には、含まれる治療薬又は有益な薬剤のうちいずれか又は全ての保存、再構成(適用可能な場合)、及び投与に関する説明書を含有することができる。キットは、対象に施される投与回数、又は対象に投与される異なる生成物を反映した複数の容器を含むことができる。
【0155】
いくつかの実施形態では、製剤は、美容的手技の前、手技中、手技後に皮膚を支持するように構成されており、皮膚自体の自然な再生プロセスとともに機能し、皮膚の見た目及び皮膚の堅さを改善させる一助となる。局所製剤は、回復を速めるために、又は皮膚の見た目をより健康的にするために手技後直ちに適用され得る。製剤は、皮膚中の自然なエラスチンレベルを増加させることができ、既存のエラスチンの品質を改善し、コラーゲン産生の増加を刺激し、高い抗酸化活性を示し、炎症、赤み及び刺激を軽減させることができる。局所製剤は、全種類の皮膚及び手技後の皮膚に好適である。局所製剤は、好適な量のペプチドを患者が自身で投与することができるように、バルク形態で対象に提供され得る。例えば、患者は患部領域にわたる均一な被覆を施すのに十分な量の製剤を適用することができる。あるいは、それ以外の場合には、医師による指示の通りに適用することができる。特定の実施形態では、追加の治療薬又は活性薬剤を局所製剤へと導入することが望ましい場合がある。代わりに、補助治療又は補助薬剤を別個に投与することができる。例えば、実施形態の局所用組成物の前後に投与するため、洗浄剤、日焼け防止剤、日焼け止め剤、浸透保湿剤及び/又は吸収性保湿剤を施すことができる。
【0156】
一実施形態では、キットは、本明細書に説明されるように、侵襲性皮膚手技とともに使用するために提供される。「侵襲性キット」と呼ばれるキットは、局所ペプチド組成物、吸収性保湿剤、低刺激洗浄剤、浸透保湿剤及びブロードスペクトラムSPF30+日焼け止め剤を含む。
【0157】
別の実施形態では、キットは、皮膚の健康状態を改善させる手技とともに使用するために提供されるが、これは侵襲性皮膚手技とともには使用しない。いくつかの実施形態では、「非侵襲性キット」と呼ばれるキットは、局所ペプチド組成物、低刺激洗浄剤、浸透保湿剤及びブロードスペクトラムSPF30+日焼け止め剤を含む。
【0158】
浸透強化剤及び創傷治癒若しくは創傷閉鎖の促進又は慢性皮膚創傷の処置のため、皮膚で相乗的に作用する他の活性薬剤と組み合わせ、クリーム、軟膏、ローション、溶液、ゲル、スプレー及びパッチの種々の例は、活性成分として本明細書に説明されるようなペプチド組成物に導入されてもよい。
【0159】
番号を割り振った実施形態
番号が割り振られた実施形態1は、(a)皮膚手技又は外科手技前に、対象の皮膚領域にトリペプチド-1及びヘキサペプチド-12を含む第1の局所用組成物を適用する工程と、(b)対象の皮膚領域にトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む第2の局所用組成物を適用する工程とを含む、対象での皮膚手技又は外科手技後に創傷治癒を改善するための方法であって、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与される。番号が割り振られた実施形態2は、番号が割り振られた実施形態1の方法を含み、工程(b)は第1の局所用組成物を適用することを更に含む。番号が割り振られた実施形態3は、番号が割り振られた実施形態1~2の方法を含み、第1の局所用組成物は、外科手技の少なくとも1週間前に投与される。番号が割り振られた実施形態4は、番号が割り振られた実施形態1~3の方法を含み、第1の局所用組成物は、外科手技の少なくとも2週間前に投与される。番号が割り振られた実施形態5は、番号が割り振られた実施形態1~4の方法を含み、第2の局所用組成物は、外科手技の少なくとも2週間後に投与される。番号が割り振られた実施形態6は、番号が割り振られた実施形態1~5の方法を含み、第2の局所用組成物は、外科手技の少なくとも10週間後に投与される。番号が割り振られた実施形態7は、番号が割り振られた1~6の方法を含み、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される。番号が割り振られた実施形態8は、番号が割り振られた実施形態1~7の方法を含み、第1の局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技前に少なくとも2週間にわたって1日につき少なくとも2回投与され、かつ第2の局所用組成物は、皮膚手技又は外科手技後に少なくとも2週間にわたって1日につき少なくとも2回投与される。番号が割り振られた実施形態9は、番号が割り振られた実施形態1~8の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。番号が割り振られた実施形態10は、番号が割り振られた実施形態1~9の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。番号が割り振られた実施形態11は、番号が割り振られた実施形態1~10の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。番号が割り振られた実施形態12は、番号が割り振られた実施形態1~11の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む。番号が割り振られた実施形態13は、番号が割り振られた実施形態1~12の方法を含み、局所用組成物の投与は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態14は、番号が割り振られた実施形態1~13の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。番号が割り振られた実施形態15は、番号が割り振られた実施形態1~14の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。番号が割り振られた実施形態16は、番号が割り振られた実施形態1~15の方法を含み、局所用組成物の投与は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態17は、番号が割り振られた実施形態1~16の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、IL6、PLA2G4C、TNFRSF4、TNFSF15、又はTPST1を含む。番号が割り振られた実施形態18は、番号が割り振られた実施形態1~17の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、IL6を含む。番号が割り振られた実施形態19は、番号が割り振られた実施形態1~18の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。番号が割り振られた実施形態20は、番号が割り振られた実施形態1~19の方法を含み、局所用組成物の投与は、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態21は、番号が割り振られた実施形態1~20の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。番号が割り振られた実施形態22は、番号が割り振られた実施形態1~21の方法を含み、局所用組成物の投与は、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態23は、番号が割り振られた実施形態1~22の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。番号が割り振られた実施形態24は、番号が割り振られた実施形態1~23の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。
番号が割り振られた実施形態25は、番号が割り振られた実施形態1~24の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、C1R又はSCUBE1を含む。番号が割り振られた実施形態26は、番号が割り振られた実施形態1~25の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、TGM2又はPLCB2を含む。番号が割り振られた実施形態27は、番号が割り振られた実施形態1~26の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する。番号が割り振られた実施形態28は、番号が割り振られた実施形態1~27の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する。番号が割り振られた実施形態29は、番号が割り振られた実施形態1~28の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも2倍増加する。番号が割り振られた実施形態30は、番号が割り振られた実施形態1~29の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも3倍増加する。番号が割り振られた実施形態31は、番号が割り振られた1~30の方法を含み、対照は第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方を受け取らない皮膚領域である。番号が割り振られた実施形態32は、番号が割り振られた実施形態1~31の方法を含み、対照はベースライン発現レベルである。番号が割り振られた実施形態33は、番号が割り振られた実施形態1~32の方法を含み、発現レベルは、少なくとも約2週間後に増加する。番号が割り振られた実施形態34は、番号が割り振られた実施形態1~33の方法を含み、発現レベルは、少なくとも約4週間後に増加する。番号が割り振られた実施形態35は、番号が割り振られた実施形態1~34の方法を含み、局所用組成物の投与後に、対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、少なくとも1種の遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。番号が割り振られた実施形態36は、番号が割り振られた実施形態1~35の方法を含み、局所用組成物の投与前に、対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。番号が割り振られた実施形態37は、番号が割り振られた実施形態1~36の方法を含み、トリペプチド-1はパルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む。番号が割り振られた実施形態38は、番号が割り振られた実施形態1~37の方法を含み、トリペプチド-1は1~10ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態39は、番号が割り振られた実施形態1~38の方法を含み、ヘキサペプチド-11は、パルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む。番号が割り振られた実施形態40は、番号が割り振られた実施形態1~39の方法を含み、ヘキサペプチド-11は0.001~1ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態41は、番号が割り振られた実施形態1~40の方法を含み、ヘキサペプチド-12は、パルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む。番号が割り振られた実施形態42は、番号が割り振られた実施形態1~41の方法を含み、ヘキサペプチド-12は0.5~10ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態43は、番号が割り振られた実施形態1~42の方法を含み、第2の局所用組成物はテトラペプチドを更に含む。番号が割り振られた実施形態44は、番号が割り振られた実施形態1~43の方法を含み、テトラペプチドはテトラペプチド-2である。番号が割り振られた実施形態45は、番号が割り振られた実施形態1~44の方法を含み、テトラペプチドは1~10ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態46は、番号が割り振られた実施形態1~45の方法を含み、第1の局所用組成物はホスファチジルセリン及びオレウロペインを含む。番号が割り振られた実施形態47は、番号が割り振られた実施形態1~46の方法を含み、ホスファチジルセリンは約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する。番号が割り振られた実施形態48は、番号が割り振られた実施形態1~47の方法を含み、ホスファチジルセリンは5.0重量%以下で存在する。番号が割り振られた実施形態49は、番号が割り振られた実施形態1~48の方法を含み、オレウロペインは0.050重量%以下で存在する。番号が割り振られた実施形態50は、番号が割り振られた実施形態1~49の方法を含み、第2の局所用組成物はホスファチジルセリンを更に含む。番号が割り振られた実施形態51は、番号が割り振られた実施形態1~50の方法を含み、ホスファチジルセリンは約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する。番号が割り振られた実施形態52は、番号が割り振られた実施形態1~51の方法を含み、ホスファチジルセリンは5.0重量%以下で存在する。番号が割り振られた実施形態53は、番号が割り振られた実施形態1~52の方法を含み、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は、セラミドNP、トレメラ・フシフォルミス抽出物、ナイアシンアミド、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸、アボカド抽出物、シアバター、ベントナイト、フィトエン/フィトフルエン、ヒドロキシメトキシフェニルデカノン、ポリホロシド、プランタゴ・ランセオラタ、ディル抽出物、加水分解カンジダサイトアナ抽出物、センテラ・アシアティカ、プロパンジオール、レシチン、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せを更に含む。番号が割り振られた実施形態54は、番号が割り振られた1~53の方法を含み、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は水性局所用組成物である。番号が割り振られた実施形態55は、番号が割り振られた1~54の方法を含み、第1の局所用組成物、第2の局所用組成物又はその両方は無水局所用組成物である。番号が割り振られた実施形態56は、番号が割り振られた実施形態1~55の方法を含み、対象はヒトである。番号が割り振られた実施形態57は、番号が割り振られた実施形態1~56の方法を含み、皮膚手技は、レーザ処置、化学的表皮剥離、マイクロダーマブレーション、マイクロニードリング、又は高周波マイクロニードリングを含む。番号が割り振られた実施形態58は、番号が割り振られた実施形態1~57の方法を含み、外科手技は、脂肪層切除、脂肪吸引、下半身リフト、ブラキオプラスティー、内腿リフト、豊尻手術、胴囲ボディーリフト、胸部リフト、乳房縮小術、豊胸手術、又は女性器美容整形手術を含む。番号が割り振られた実施形態59は、番号が割り振られた実施形態1~58の方法を含み、この方法は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。番号が割り振られた実施形態60は、対象の皮膚領域にトリペプチド-1、ヘキサペプチド-12及びヘキサペプチド-11を含む局所用組成物を適用する工程を含む、対象の創傷治癒を改善するための方法であって、局所用組成物が、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを調節するために十分な量で投与され、局所用組成物は、手技前、手技後又はその両方で投与され、手技は、手術による皮膚除去手技又は脂肪及び皮膚を除去する手技である、方法を含む。番号が割り振られた実施形態61は、番号が割り振られた実施形態1~60の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、増殖分化因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(Nod-like receptor、NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、タキキニン受容体、TNF受容体、トランスグルタミナーゼ、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。
番号が割り振られた実施形態62は、番号が割り振られた実施形態1~61の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン受容体、ケモカインリガンド、アンジオテンシン受容体、補体成分、コリン受容体、クラスタリン、チトクロム、線維芽細胞増殖因子、肝細胞増殖因子、インターロイキン受容体、インターロイキン、インテグリン、キラー細胞様レクチン受容体、ロイコトリエンシンターゼ、リンパ球抗原、活性化T細胞の核因子、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、セルピン、単一Ig IL-1関連受容体、シアル酸結合Ig様レクチン、タキキニン受容体、TNF受容体、チロシルタンパク質スルホトランスフェラーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。番号が割り振られた実施形態63は、番号が割り振られた実施形態1~62の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ケモカイン様受容体、ケモカインリガンド、分化リガンドのクラスター、コリン受容体、fms関連チロシンキナーゼリガンド、増殖分化因子、インターロイキン、インターロイキン受容体、リンパ球抗原、マトリックスメタロペプチダーゼ、Nod様受容体(NLR)、ホスホリパーゼ、シグナルペプチド、CUBドメイン及びEGF様ドメイン、シアロホリン、トランスグルタミナーゼ、又はそれらの断片若しくはバリアントをコードする。番号が割り振られた実施形態64は、番号が割り振られた実施形態1~63の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む。番号が割り振られた実施形態65は、番号が割り振られた実施形態1~64の方法を含み、局所用組成物の投与は、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL20、CCRL1、CCRL2、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、FIGF、HGF、IL21R、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、TACR1、TNFRSF4、TNFSF13B、TNFSF15、又はTPST1を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態66は、番号が割り振られた実施形態1~65の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、NFAM1、NFATC4、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。番号が割り振られた実施形態67は、番号が割り振られた実施形態1~66の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む。番号が割り振られた実施形態68は、番号が割り振られた実施形態1~67の方法を含み、局所用組成物の投与は、AGTR1、C1R、C3、CCL20、CCRL2、CLU、CYBB、FIGF、IL21R、ITGB2、KLRG1、LY86、NLRP3、PLCB2、SERPINA1、SIGLEC1、又はTNFSF13Bを含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態69は、番号が割り振られた実施形態1~68の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、IL6、PLA2G4C、TNFRSF4、TNFSF15、又はTPST1を含む。番号が割り振られた実施形態70は、番号が割り振られた実施形態1~69の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、IL6を含む。番号が割り振られた実施形態71は、番号が割り振られた実施形態1~70の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。番号が割り振られた実施形態72は、番号が割り振られた実施形態1~71の方法を含み、局所用組成物の投与は、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、CHRNA7、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL11、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態73は、番号が割り振られた実施形態1~72の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はC1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む。番号が割り振られた実施形態74は、番号が割り振られた実施形態1~73の方法を含み、局所用組成物の投与は、C1R、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、IL32、LY86、MMP25、NLRP12、PLCB2、SCUBE1、SPN、又はTGM2を含む2種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を調節する。番号が割り振られた実施形態75は、番号が割り振られた実施形態1~74の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。番号が割り振られた実施形態76は、番号が割り振られた実施形態1~75の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子はCCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL2、CD40LG、EBI3、FLT3LG、GDF15、IL21R、IL27RA、NLRP12、又はSPNを含む。番号が割り振られた実施形態77は、番号が割り振られた実施形態1~76の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、C1R又はSCUBE1を含む。番号が割り振られた実施形態78は、番号が割り振られた実施形態1~77の方法を含み、1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子は、TGM2又はPLCB2を含む。番号が割り振られた実施形態79は、番号が割り振られた実施形態1~78の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.25倍増加する。番号が割り振られた実施形態80は、番号が割り振られた実施形態1~79の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも1.5倍増加する。番号が割り振られた実施形態81は、番号が割り振られた実施形態1~80の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも2倍増加する。番号が割り振られた実施形態82は、番号が割り振られた実施形態1~81の方法を含み、発現レベルは、対照と比較して少なくとも3倍増加する。番号が割り振られた実施形態83は、番号が割り振られた1~82の方法を含み、対照は第1の局所用組成物を受け取らない皮膚領域である。番号が割り振られた実施形態84は、番号が割り振られた実施形態1~83の方法を含み、対照はベースライン発現レベルである。番号が割り振られた実施形態85は、番号が割り振られた実施形態1~84の方法を含み、発現レベルは、少なくとも約2週間後に増加する。番号が割り振られた実施形態86は、番号が割り振られた実施形態1~85の方法を含み、発現レベルは、少なくとも約4週間後に増加する。番号が割り振られた実施形態87は、番号が割り振られた実施形態1~86の方法を含み、局所用組成物の投与後に、対象の処理された皮膚領域から取得された試料と、少なくとも1種の遺伝子を認識するプローブとを接触させ、少なくとも1種の遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、少なくとも1種の遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。番号が割り振られた実施形態88は、番号が割り振られた実施形態1~87の方法を含み、局所用組成物の投与前に、対象の皮膚試料と、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又は、TNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子を認識するプローブとを接触させ、遺伝子とプローブとの間の結合を検出することによって、ACKR4、AGTR1、C1R、C1S、C3、CCL17、CCL19、CCL20、CCL22、CCRL1、CCRL2、CD40LG、CFD、CHRNA7、CLU、CYBB、EBI3、FIGF、FLT3LG、GDF15、HGF、IL11、IL21R、IL21R、IL27RA、IL32、IL33、IL3RA、IL6、ITGB2、KLRG1、LTC4S、LY86、MMP25、NFAM1、NFATC4、NLRP12、NLRP3、PLA2G4C、PLCB2、SCUBE1、SERPINA1、SIGIRR、SIGLEC1、SPN、TACR1、TGM2、TNFRSF4、又はTNFSF13Bを含む1種以上の炎症遺伝子又は再生遺伝子の発現レベルを検出することを更に含む。番号が割り振られた実施形態89は、番号が割り振られた実施形態1~88の方法を含み、トリペプチド-1はパルミトイルトリペプチド-1、ミリストイルトリペプチド-1、又はこれらの組合せを含む。番号が割り振られた実施形態90は、番号が割り振られた実施形態1~89の方法を含み、トリペプチド-1は1~10ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態91は、番号が割り振られた実施形態1~90の方法を含み、ヘキサペプチド-11は、パルミトイルヘキサペプチド-11、ミリストイルヘキサペプチド-11、又はこれらの組合せを含む。
番号が割り振られた実施形態92は、番号が割り振られた実施形態1~91の方法を含み、ヘキサペプチド-11は0.001~1ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態93は、番号が割り振られた実施形態1~92の方法を含み、ヘキサペプチド-12は、パルミトイルヘキサペプチド-12、ミリストイルヘキサペプチド-12、又はこれらの組合せを含む。番号が割り振られた実施形態94は、番号が割り振られた実施形態1~93の方法を含み、ヘキサペプチド-12は0.5~10ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態95は、番号が割り振られた実施形態1~94の方法を含み、テトラペプチドを更に含む。番号が割り振られた実施形態96は、番号が割り振られた実施形態1~95の方法を含み、テトラペプチドはテトラペプチド-2である。番号が割り振られた実施形態97は、番号が割り振られた実施形態1~96の方法を含み、テトラペプチドは1~10ppmで存在する。番号が割り振られた実施形態98は、番号が割り振られた実施形態1~97の方法を含み、局所用組成物はホスファチジルセリンを更に含む。番号が割り振られた実施形態99は、番号が割り振られた実施形態1~98の方法を含み、ホスファチジルセリンは約0.005重量%~約0.1重量%の範囲で存在する。番号が割り振られた実施形態100は、番号が割り振られた実施形態1~99の方法を含み、ホスファチジルセリンは5.0重量%以下で存在する。番号が割り振られた実施形態101は、番号が割り振られた実施形態1~100の方法を含み、セラミドNP、トレメラ・フシフォルミス抽出物、ナイアシンアミド、水添レシチン、C12~16アルコール、パルミチン酸、アボカド抽出物、シアバター、ベントナイト、フィトエン/フィトフルエン、ヒドロキシメトキシフェニルデカノン、ポリホロシド、プランタゴ・ランセオラタ、ディル抽出物、オレウロペイン、加水分解カンジダサイトアナ抽出物、センテラ・アシアティカ、プロパンジオール、レシチン、ユーグレナグラシリス抽出物、アクア、カフェイン、グラウシウム・フラバムリーフ抽出物、又はこれらの組合せを更に含む。番号が割り振られた実施形態102は、番号が割り振られた実施形態1~101の方法を含み、局所用組成物は水性局所用組成物である。番号が割り振られた実施形態103は、番号が割り振られた実施形態1~102の方法を含み、局所用組成物は無水局所用組成物である。番号が割り振られた実施形態104は、番号が割り振られた実施形態1~103の方法を含み、局所用組成物は手技の少なくとも2週間前に投与される。番号が割り振られた実施形態105は、番号が割り振られた実施形態1~104の方法を含み、局所用組成物は手技の少なくとも2週間後に投与される。番号が割り振られた実施形態106は、番号が割り振られた実施形態1~105の方法を含み、局所用組成物は1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される。番号が割り振られた実施形態107は、番号が割り振られた実施形態1~106の方法を含み、局所用組成物は、手技前に少なくとも2週間にわたって及び手技後に少なくとも2週間にわたって、1日に1回、2回、3回、4回、5回又は6回投与される。番号が割り振られた実施形態108は、番号が割り振られた実施形態1~107の方法を含み、この方法は、治癒プロセスを加速させるか、脂質粒子を含む産物の排除を加速させるか、炎症の消散を加速させるか、細胞外基質の再構築を刺激するか、硬化を軽減させるか、線維バンドの形成を軽減させるか、疼痛若しくは不快感を軽減させるか、又はこれらの組合せである。番号が割り振られた実施形態109は、番号が割り振られた実施形態1~108の方法を含み、対象はヒトである。
【実施例】
【0160】
実施例1:配合物
賦形剤と組み合わせられたペプチドを含む局所製剤を調製した。皮膚の感触及び安定性を含む局所製剤としての使用の適性について、このようにして調製された配合物を評価した。以下の表にあるように配合物を調製した。
【0161】
【0162】
(表2)再生皮膚ネクターの例示的な処方2
*0.03重量%で製剤中に存在、100ppmで担体中に存在
**0.03重量%で製剤中に存在、100ppmで担体中に存在
【0163】
実施例2:脂肪吸引後の炎症遺伝子及び再生遺伝子の発現
局所的処置の使用がある場合とない場合に、両側の広範囲にわたる大腿内側脂肪吸引後の対象の遺伝子発現の全体的な変化を比較するため、体分割型試験を行った。
【0164】
材料及び方法
試験母集団
これは体分割型無作為化二重盲検化試験であった。総勢6名の対象がこの試験に参加した。適切な対象としては、広範囲にわたり大腿内側の脂肪吸引を受けている女性が挙げられる。参加者たちは、手術前及び手術後に2週間にわたって1日に2回局所用製品を適用することに同意した。手術にとって良好な候補ではない対象は、外科医によって判断されたが、こうした対象はこの試験の参加から除外された。妊娠中又は授乳中の対象、試験期間中に妊娠を計画している対象は除外した。
【0165】
脂肪吸引手技
脂肪吸引ポートはどの場合も同一であった。各脚に2つの切開箇所があった。上部切開は上部内側鼠径部のビキニラインに沿っており、第2の切開は、膝の内側顆部から10cm上方の大腿の内側面に沿っている。脂肪吸引アクセスは、皮膚生検部位から常に離れていた。脂肪吸引量は、同様の吸引技術を用い、大腿内側あたり250ccで一貫している。
【0166】
局所適用
対象を無作為化し、処置領域の右側又は左側のいずれかに再生皮膚ネクター(RSN、例示式2)及び再生生体複合体産物(RBP、例示的な処方1)を対象に投与した。反対側には、対象に低刺激性の無香料保湿剤(Cetaphil(登録商標)ローション、Galderma Laboratories,Fort Worth,TX)を投与した。これは、2つの別個のボトルから適用され、試験条件に対して対象を盲検化していることを不確かなものとするためであった。Excelでキット及び患者数を無作為化し、治験責任医師を盲検化した。対象は、指定の部位に選択された手術を行う2週間前に、RSN2でプレコンディショニングした。対象は、外科医が決定した通りに最大10週間又はそれ以上にわたって切開及び手技領域周囲の指定の部位に、手技後直ちにRSN、続いてRBPを適用した。反対側には、対象は、手術前2週間及び最大で手術後10週間にわたって保湿剤を適用した。Cetaphilを比較用保湿剤として使用した。Cetaphilは、処置生成物の使用で引き起こされる水分量増加効果に対抗させる意図であった。
【0167】
パンチ生検
6名の対象中、5名が両処置部位の手術領域のパンチ生検(3mm)に同意した。3名の患者の生検を遺伝子発現解析にかけ、残り2つを組織学的検査に提出した(1名の患者は生検を断った)。恥骨下肢の短内転筋停止点から膝の大腿骨の内側顆部に引いた線に沿って生検部位が位置していた。第1の生検は内転筋停止点に対して8cm下方であり、第2の生検は10cm下方であり、第3の生検は12cm下方であった。処置前段階及び術後2週間及び術後4週間で生検を実施した。有資格の形成外科医により全ての生検を実施した。回収時には遺伝子発現用の生検をRNAlater(Invitrogen)安定化溶液中に直ちに入れ、室温で一晩保存した。続いて、RNAプロセシングのためにGenemarkers(Kalamazoo,MI)に試料を輸送するまで、-200℃で試料を保存した。総計で18個の臨床皮膚生検を遺伝子発現試験に割り当てられた3名の患者から取得した。
【0168】
RNA単離
Genemarkers(Kalamazoo,MI)により、RNA単離及び以下に説明されるその後のRNA分析を実施した。簡潔に言えば、線維組織についての製造業者による説明書に従ってRNeasyミニキット(Qiagen,Germantown,MD)を使用し、各生検から全てのRNAを単離した。Nanodrop 2000分光光度計(ThermoFisher,Waltham,MA)を使用し、RNA濃度及び純度を決定した。Agilent Bioanalyzer 2100(Santa Clara,CA)を使用し、RNA完全性を評価した。1つの試料を除き、全ての試料は質の高いRNA測定基準を示し、全ての試料に関して同様の収率を得た。この試料はRNAの収率が低く、真空濃縮を必要とした。
【0169】
内因性コントロール遺伝子の選択
比較のために全ての試料で一貫して発現した内因性コントロール遺伝子を選択した。Thermo Fisher(TF)ヒト炎症パネルは、29個の別々のアッセイで試験した21個の内因性コントロールを含む。3つのアルゴリズム(Normfinderアルゴリズム、Minimum Variance Medianアルゴリズム(minvarmed)及び変動係数(coefficient of variability、CV)を使用し、最も一貫している内因性コントロール遺伝子を決定するために安定性スコアを計算した。安定性スコアがより低いということは、試験の試料間でより一貫した発現があることを表していた。安定性スコア及び内因性コントロールの平均順位に基づき、ヒポキサンチン-ホスホリボシルトランスフェラーゼ1(hypoxanthine phosphoribosyltransferase 1、HPRT1)を最も安定した内因性コントロール遺伝子として同定した。
【0170】
逆転写(RT)、生成物調製及び前増幅
TFヒト炎症パネルは、ヒト炎症に関連する586個のTaqMan検証アッセイを含有する。TaqMan OpenArray Pathwayパネル(Life Technologies,Carlsbad,CA)での低試料入力についての製造業者の説明書に従い、Applied Biosystems 2720 Thermal Cycler(Foster City,CA)でRT及び前増幅ステップを実施した。SuperScript Vilo逆転写(RT)キット(Invitrogen,Carlsbad,CA)及び標識プールA又はプールB(25℃で10分、42℃で60分及び85℃で5分)である2つのカスタムTaqman(登録商標)PreAmpプール(Applied Biosystems)を使用し、100ngの各RNA試料から2つの別々の遺伝子特異的RT生成物を生成した。続いてTaqman(登録商標)前増幅マスターミックス(Applied Biosystems)、同一のカスタムTaqman(登録商標)PreAmpプール(A又はB)及び14サイクルの前増幅(95℃で15秒、60℃で4分)を使用し、各RT生成物を前増幅した。前増幅終了時には、各試料についてプールA及びB由来の生成物を完全に混合し、続いてヌクレアーゼフリー水を用いて1:20で希釈した。
【0171】
qPCRプロセシング及び分析
Life Technologies QuantStudio 12K Flex機器のOpenArrayフォーマットにてqPCR反応を実施した。各遺伝子を2回反復してアッセイした。qPCRデータ品質を評価し、Expression Suiteソフトウェア(Applied Biosystems)を使用して生データファイルからエクスポートした。続いてqPCRデータをTIBCO Spotfire Analystソフトウェアの「qPCR用のOmicsOffice」へとインポートした。相対定量(relative quantitation、RQ)法を使用して統計データ解析を実施した。RQ分析の第1段階では、内因性コントロール遺伝子のCT値に標的遺伝子の閾値サイクル(cycle threshold、CT)値を正規化し、デルタCT(dCT)を生成した。dCT値を計算し、実験手順中に発生し得る試料間の変動を正規化した。(更なる詳細については内因性コントロール遺伝子選択の項を参照)。
【0172】
SkinFibroMeter測定
SkinFibroMeter(Delfin Technologies,Miami,Fl)測定を使用して患者を評価した。SkinFibroMeterは、硬さの絶対単位で硬化を評価する。対象は処置前の来診、ベースライン(0日目)来診及び最初は毎週、続いて2週間ごと、続いて3週間ごとに手技/手術後10週間までフォローアップ来診を受けた。ベースライン読取り値を超える増加値は硬さ/硬化を示していた。SkinFibroMeterデータは、処置側と未処置側の両方について、6名の患者について1週間時点及び2週間時点について表されている。平準化した4週目以降の読取り値は提示していない。
【0173】
治験責任医師評価
硬化を評価するため、処置に対して治験責任医師を盲検化した。硬化のレベルは以下の段階スケールを使用して評価した:0は皮膚硬化なし、1はわずかに知覚可能、2は軽微、3は中程度、4は重度である。最初は毎週、続いて2週間ごと、続いて3週間ごとに手技/手術後10週間までのフォローアップ来診時に6名の患者全員を評価した。表されているデータは、生検時点に相当する2週間及び4週間の経過観察に由来している。
【0174】
統計解析
遺伝子発現データについては、TIBCO Spotfireソフトウェア(Palo Alto,CA)を使用して対応ありt検定(N=3、p<0.05)を実施した。統計的比較によってデルタCT(ddCT)値(処置群の平均dCT-対照群の平均dCT)を生成した。統計ソフトウェアにより、ddCT値をエクスポート用に対数及び線形RQ値に変換した[RQ=2-ddCT]。線形RQ値を線形倍数変化値に変換し、データ解釈を簡略化した。Microsoft Excelを使用してエクスポートした線形RQ値から線形倍数変化データを以下のように計算した:RQ値>1.0の場合には線形倍数変化値=RQ値、RQ値<1.0の場合には線形倍数変化値=-1/RQ値。%変化もまた提供され、RQ値マイナス1として計算した。臨床評価については、Microsoft Excelを使用し、Studentのt検定を実施した。P<0.05を有意であると見なした。
【0175】
結果
全体的な遺伝子発現変化の評価
遺伝子発現のために使用される生検は全て、平均年齢36歳(33~38歳の範囲)の女性患者であった。処置された試料及び未処置の試料について、処置前生検と2週間及び4週間での生検の遺伝子発現変化を比較した。結果を表3に表す。表中に含まれる遺伝子は、少なくとも1つの比較では1.5倍以上の遺伝子発現変化がある。これらの結果に基づき、以下に説明されるような異なる群を使用し、遺伝子発現結果を分析した。
【0176】
【0177】
未処置群及び処置群から2週間で回収した生検の比較
未処置(UT)群及び処置(T)群から2週間(2W)で回収した生検の遺伝子発現解析は、処置前群と比較すると未処置群では15個の遺伝子が著しく発現上昇し、5個の遺伝子が著しく発現下降したことが明らかになった。一方、処置前群と比較すると処置群では25個の遺伝子が著しく発現上昇し、3個の遺伝子が著しく発現下降した。各群の著しく発現上昇した遺伝子のうち、5個の遺伝子は未処置群と処置群との間で共通であった(
図1)。処置群と未処置群について5個の遺伝子間の倍率変化差の更に詳しい調査によって、群間で最大の倍率変化差が遺伝子インターロイキン(IL)-6のものであったことが明らかになった。未処置群については差は1.94倍であり、処置群については3.34倍であった(表4)。
【0178】
(表4)2Wでの未処置群と処置群間の共通する遺伝子
値の全ては処置前の生検試料に対する倍率変化である。
【0179】
次に、Stringデータベース(https://string-db.org/)を使用し、2つの群からの発現上昇遺伝子を評価した。2週間での生検試料からの未処置群及び処置群中の発現上昇遺伝子は、両方ともIL-6に集中していた(
図2A~
図2B)。遺伝子オントロジー(Gene Ontology、GO)解析は、各群がGO定義用語の別個のエンリッチメントを有していることを明らかにした。ただし、2つの群は共通する5個の発現上昇遺伝子を共有するのみであることから、2つの群における炎症応答の詳細は独自のものである。例えば、未処置群については著しく濃縮した124個の生物学的プロセスGO定義用語が存在したが、処置群では181個であった。これらの定義用語のうち、2つの群間では63個が共通していた。生物学的プロセス独自の定義用語に関しては、上位10個を表5に記載している。これらの定義用語は、未処置群が手技に対する反応として予想される強力な炎症促進性応答を示すことを明らかにした。ただし処置群については、この強力な炎症反応が変化した。炎症促進性応答のみに留まらず、GO定義用語は、排除の活性化を示す獲得免疫系及びエフェクターによる応答の活性化を明らかにした。
【0180】
分子機能に関しては、未処置群については6個、処置群については15個の有意に濃縮したGO定義用語が存在した。未処置群で見られる6個の定義用語のうち、処置群と比較して1個のみ(サイトカイン受容体活性)が独自のものであった。したがって、処置群については、免疫修飾を示す10個の独自の定義用語が存在した(表5)。細胞成分のGO定義用語については、未処置群はこれらの定義用語についてはエンリッチメントを示さなかった。一方で処置群については19個の濃縮した定義用語が存在した(表5)。これらの定義用語のうち、細胞膜、細胞外空間及び分泌管に関する定義用語の強力なエンリッチメントが存在した。概して、GO解析によって、未処置群が手技後に典型的である免疫応答を表したが、この処置が排除及び治癒を促進させる方式で免疫応答を変化させたと考えられることが明らかになった。
【0181】
(表5)2週間での未処置群と処置群の比較による遺伝子オントロジー結果
【0182】
最後に、群にて濃縮されるReactome経路(https://reactome.org/)を調査した。未処置群及び処置群については、それぞれ濃縮された10個の経路と19個の経路が存在した。これらの経路のうち、6個が共通していた。未処置群の4個の独自の経路は、マイトジェン及びインターロイキン刺激並びにPI3K/Akt活性化に関連していた(表6)。総合して、これらの経路は炎症促進性制御因子であると考えられる。対照的に、処置群で濃縮された独自の経路は、抗炎症応答、免疫調節応答及び排除応答を引き起こした。総合して、2週間で回収した処置側及び未処置側からの生検は、著しく異なるパターンの遺伝子発現を示した。未処置側は、所与の処置に対する応答で予想され得る典型的な炎症シグナル伝達を明らかにした。対照的に、処置側は、炎症応答がより排除促進性であり、治癒に備えていたことを明らかにした。
【0183】
(表6)2週間での未処置群と処置群の比較によるReactome経路の結果
【0184】
2週間及び4週間で回収した処置群からの生検の比較
4週間未処置(UT)群から回収した生検試料による遺伝子発現データは、2個の遺伝子のみ(CHRNA7及びIL-11)が処置前試料と比較して差次的に発現上昇したことを明らかにした。これらの結果は、未処置群が4週間でベースラインに基本的には戻ったことを示していた。ただし、4週間処置群については、処置前群と比較して著しく発現上昇した18個の遺伝子が存在していた。この観察を考慮した上で、2週間処置群と4週間処置群間での次の比較を行った。これは、2週間で表れる治癒パターンの更なる活性化に対して何の処置を行っていたかについて更に理解することを目的としている。2週間処置群及び4週間処置群の25個及び18個の著しく発現上昇した遺伝子(表3)のうち、CCL20、IL21R、LY86及びPCLB2(
図3)を含む4個のみがそれぞれ共通して存在していた。これら全ては、変わりなく維持していたIL21R(表3)を除き、2週間と4週間の間の発現低下パターンを示していた。
【0185】
4週間処置した生検試料のStringデータベース解析によって、タンパク質-タンパク質相互作用がCD40LG(
図4A~
図4B)に集中していたことが明らかになった。更には、2週間処置群及び4週間処置群について著しく濃縮された、181個及び115個の生物学的プロセスのGO定義用語がそれぞれ存在していた。これらのうち、57個の定義用語が共通しており、群間での独自性は高いレベルで残っていた。生物学的プロセス独自の定義用語に関しては、各群から上位10個を表7に記載している。上述したように、2週間処置群は、独自の生物学的プロセス定義用語に基づき、免疫調節作用の徴候を示した。これはまた、4週間処置群にも当てはまったが、これに加えて損傷後の再建及び再構築に関連した定義用語のエンリッチメントが存在していた。分子機能については、2週間処置群は15個のエンリッチメント定義用語があり、4週間処置群については7個のエンリッチメント定義用語があった。これらの定義用語のうち5個が共通していたが、これによって分子機能は類似しており、処置の継続時間とともに分子機能が減少することが明らかになった。細胞成分については、2週間処置群では19個、4週間処置群では4個の濃縮された定義用語があった。1個の定義用語のみが共通していたが、ここでも分子機能の定義用語の減少に伴って定義用語の数の減少が経時的に進行した。これは組織における安定性がより高いことを示している。
【0186】
(表7)2週間処置群と4週間処置群の比較による遺伝子オントロジー結果
【0187】
最終的に、2つの群で濃縮されたReactome経路を調査した。2週間処置群及び4週間処置群では19個及び9個の経路がそれぞれ濃縮されており、群間で5個の経路が共通していた(表8)。2週間群の独自の経路は、抗炎症シグナル伝達、免疫調節シグナル伝達及び排除シグナル伝達の活性化の証拠を示した。対照的に、4週間処置群の濃縮された4個の独自の経路は、抗炎症シグナル伝達だけではなく、マクロファージ制御及び細胞外基質(ECM)再構築にも関連していた。総合して、これらのデータは、処置が最初に免疫系を活性化して排除を刺激し、害から組織を保護しているという証拠を提示している。時間が経過するとともに、4週間では、処置によって炎症促進特性が消失し、新規ECMの促進及び更なる治癒のための抗炎症環境が安定した。
【0188】
(表8)2週間処置群と4週間処置群の比較によるReactome経路結果
【0189】
硬化評価
硬化を評価するため、最初に処置側及び未処置側について手技後1週間及び2週間でのSkinFibroMeter読取り値をベースライン(手技前)読取り値と比較した。ベースライン読取り値と比較すると、1週間未処置群は23%増加しており、これは硬化が進んだ徴候であった。一方1週間処置群はベースラインと比較すると5%減少しており、低レベルの硬化を示した。これらの差は統計学的に有意であった(p<0.05)(
図5A)。手技の2週間後、未処置群は32%の増加を示したが、一方で処置群はわずか12%の増加を示した。これらの差は統計学的に有意ではなかった。総合して、処置群は未処置群と比較すると硬化が低いことを示した。
【0190】
硬化を更に評価するため、盲検化治験責任医師評価を用いた。2週間群及び4週間群からのデータを処置群間で比較した。2週間では、処置群については硬化グレードは統計学的に有意に低かった。4週間では、両群についてグレードは低かったが、処置群についてはほぼ0であった(
図5B)。この時点は統計学的に有意ではなかった。これらのデータは、処置によって手技後の硬化レベルが低くなったことを支持している。
【0191】
結論
体に施術を受けている対象については、再生皮膚ネクター(RSN)及び再生生体複合体産物(RBP)の局所的処置により、「排出」産物の除去及び抗炎症遺伝子の誘発に関与する治癒応答の加速が誘発する。更には、この局所的処置はECM再構築を刺激して治癒プロセスの長期結果を最終的には改善し、硬化の低下を引き起こした。
【0192】
実施例3:超音波イメージング及び脂肪吸引後の治験責任医師評価
実施例2にあるように、一方の脚への無刺激保湿剤と比較してもう片方の脚にRSN及びRBPを使用する、参加者における大腿内側脂肪吸引の手技後回復、組織学的変化及び遺伝子発現の変化を比較するため、分割型試験を実施した。
【0193】
材料及び方法
試験母集団
18~58歳の6名の女性参加者を、このIRB認可(IntegReview,Austin,TX)した、分割脚無作為化二重盲検臨床試験に登録した。登録に適した参加者の同意を得て、RSN及びCetaphil(登録商標)ローション(Galderma,Fort Worth,TX)無刺激保湿剤を含有する盲検化キットを割り当てた。各キットには、右脚又は左脚と標識した全く同じ2本の盲検化ボトルが存在していた。1回目の来診時に、参加者に、割り当てられた生成物を2回目の来診時の脂肪吸引手技前に約2~3週間にわたり、1日に2回、大腿内側に使用するように説明した。来診1での手技は、選択された参加者に対する、超音波スキャン、写真撮影、SkinFibrometer測定及び生検からなる。2回目の来診時には、脂肪吸引手技前に、超音波スキャン、写真撮影及びSkinFibrometer測定を参加者に行った。手技の後、追加の盲検化生成物(RSN、RBP及び2本の無刺激保湿剤ボトル)を与えた。参加者には、10週目のフォローアップの残り期間に、1日に2回、それぞれ指定された脚に追加の生成物とともに来診1で与えられた2つの局所用生成物を適用し続けるように説明した。手技後の来診には1週目、2週目、4週目、7週目及び10週目が含まれていた。各フォローアップ来診時には、手技は写真撮影、超音波スキャン、SkinFibrometer測定、盲検化治験責任医師評価及び参加者評価からなった。
【0194】
脂肪吸引手技
脂肪吸引ポートはどの場合も同一であった。各脚に2つの切開箇所があった。上部切開は上部内側鼠径部のビキニラインに沿っており、第2の切開は、膝の内側顆部から10cm上方の大腿の内側面に沿っている。脂肪吸引量は、同様の吸引技術を用い、大腿内側あたり250ccで一貫している。参加者全員はコンプレッションガーメントを受け取り、指定の脚に局所製剤を適用するために1日に2度これを取り外すように説明された。こうすることで、生成物を吸収可能とし、続いてガーメントを再度適用した。
【0195】
SkinFibrometer
SkinFibrometer(Delfin Technologies,USA,Miami,FL)は、1.25mm長の圧子と2個の力覚センサとからなる。皮膚にデバイスを短時間押し当て、接触力を記録する。機器が皮膚に完全に接触している時には、圧子は一定の変形を加える。皮膚及びその下の上部皮下組織は変形に抵抗し、ニュートン(N)単位で硬化値を決定する。来診ごとに及び来診2の手技前に測定を行った。SkinFibrometerを各脚の大腿内側上部から8cm、10cm及び12cm、生検部位から離して置き、各位置で3つの測定値を記録した。
【0196】
生検
試験に登録した6名の参加者のうち、5名はパンチ生検を受けることに同意した(18~43歳、平均年齢34歳)。3回の来診時に右脚及び左脚に3mmのパンチ生検を実施した(1回目の来診-局所適用前、脂肪吸引後2週間及び4週間)。全てのパンチ生検を、脂肪吸引ポートから離れた部位を有する同じ位置で完了した。恥骨下肢の短内転筋停止点から膝の大腿骨の内側顆部に引いた線に沿って、第1の生検は内転筋停止点より8cm下方に、第2の生検は10cm下方に、第3の生検は12cm下方であった。遺伝子発現解析のため、最初の3名の参加者の生検セットをGenemarkers(Kalamazoo,MI)に送付した。遺伝子発現解析については、TIBCO Spotfireソフトウェアを使用して対応ありt検定(N=3、p<0.05)を実施した。皮膚病理解析のため、他の2名の参加者の生検をLaboratory and Pathology Diagnostics(Naperville,IL)に送付した。
【0197】
超音波イメージング
20MHzプローブを備えたEpiscan I-200(Longport,Inc.,USA,Chadds Ford,PA)を使用し、生検部位から離れた3つの測定位置(大腿内側の上部から8cm、10cm及び12cm)で各脚の超音波画像を撮影した。ベースライン時、局所適用前並びに2回目の来診時の手技前及びフォローアップ来診ごとに、5mm、10mm、15mm及び20mm深さで画像を取得した。皮膚組織から皮下組織への移行/差を測定するため、皮膚強度分析と皮下強度分析との差分を計算した。RDISは相対的分散、すなわち相対変動の尺度である。より高い値は、エコー発生がより高い、又は輝度が高い画像を意味しており、これは組織密度がより高いことを示している。硬化は、皮下領域から皮膚区分への流体の浸潤を伴う皮下-皮膚界面の破壊によって表される。こうした場合には、真皮の緻密性が破壊され、真皮の密度の低下が生じる。
【0198】
治験責任医師評価
大腿内側への脂肪吸引の1週間後、2週間後、4週間後、7週間後及び10週間後には、盲検化治験責任医師(PI)は、硬化、浮腫、皮膚変色、出血斑、皮下バンド形成及び疼痛について各脚を評価した。0~4段階スケール(0=なし、1=わずかに知覚可能、2=軽微、3=中程度及び4=重度)を使用して各評価を行った。疼痛(0~10段階)を評価するため、VAS疼痛スケールも使用した。
【0199】
参加者評価
脂肪吸引手技後の各来診時に、各々の参加者は質問票を与えられ、0~3段階スケール(0=なし、1=軽症、2=中程度及び3=重度)で各脚を評価した。含まれる質問:接触に対する刺激反応性があるか?その領域は腫れがあるか?その領域は無感覚であるか?皮下出血/変色があるか?疼痛/不快感があるか?赤みがあるか?
【0200】
結果
治験責任医師評価
脂肪吸引後、硬化、浮腫及び皮下線維バンドの形成の平均盲検化治験責任医師評価は、RSN及びRBPを使用した(局所的処置)各脚では、1週間、2週間及び4週間ではその重症度が低かった。1週目には、VASでの皮膚変色出血斑及び疼痛は、局所的処置を使用した側では低かった(
図6A)。2週目には、各脚間での硬化については統計的に有意な差があり、局所的処置については0.833及び無刺激保湿剤脚では1.66であった(p=0.05)(
図6B)。浮腫もまた、局所的処置脚については0.833及び無刺激保湿剤脚については1.5の傾向にあった。皮下バンド形成は、局所的処置については1.0及び無刺激保湿剤脚については1.5であった。4週目には、局所的処置側では軽度の皮下バンド形成のみが存在した(0.5)が、無刺激保湿剤側では、硬化(0.33)、浮腫(0.16)及び皮下バンド形成(0.7)が存在した(
図6C)。7週目には、無刺激保湿剤を使用している参加者の一部の脚に硬化が持続していた。浮腫は両側でわずかに増加していたが、これは典型的には脂肪吸引後に臨床的に見られるが生活習慣によるものであった。10週目までに、全ての処置後治癒評価は、局所的処置を使用した側では回復したが、硬化及び皮下バンド形成は、無刺激保湿剤を使用した一部の参加者側では依然として存在していた。
【0201】
SkinFibroMeter測定
来診ごとに各脚について平均変化を計算した。ここでも、手技後1週目及び2週目は、RSN及びRBPの実験的局所的処置を受けた側はベースラインからの変化が最小であったことを示したが、Cetaphilを使用した脚はベースラインからの大幅な増加があり、硬化の増加を示したという結果では最大の差があることを示した(
図7)。統計学的には有意ではなかったものの、この傾向は最初の4週間を通して維持される。
【0202】
超音波解析
Longport,Inc.からの独立した盲検化評価者により超音波を分析した。硬化における臨床的に主要な差が2週目に認められたことから、この期間に超音波解析を集中させた。皮膚組織から皮下組織への移行を測定するため、皮膚強度分析と皮下強度分析との差分を計算した。RDISは相対的分散、すなわち相対変動の尺度である。より高い値は、エコー発生がより高い、又は輝度が高い画像を意味しており、これは組織密度がより高いことを示している。硬化は、皮下領域から皮膚区分への流体の浸潤を伴う皮下-皮膚界面の破壊によって表される。したがって、真皮の緻密性が破壊され、真皮の密度の低下が生じる。
【0203】
6名中5名の患者は、2週目時点にて、対照薬に比べてRSN及びRBP上の3つの領域(流体浸潤の低下、浮腫、硬化)での平均密度の増加を示した(
図8)。RSN/RBP側での全体的な好結果を示さなかった1名の患者についても、実際のところは、超音波によってRSN/RBP側の中央の画像で硬化の減少が示された。別の言い方をすれば、18個の比較点のうち、RSN及びRBPを使用した脚は18個中15個の画像では硬化の減少があったことを証明した(83.3%)。更には、脂肪吸引については最も安定した領域を表している、解析組織の中央領域を考慮すると、6名の患者全員がRSN及びRBPを使用した側で改善した結果を示した。
【0204】
組織学的分析
Herovici染色は、初期コラーゲン再生を示す、真皮乳頭層中の新しく蓄積したムコ多糖体成分を染色することで新しいコラーゲン形成を実証するためには、特に有用であった。これは、皮膚中の抗老化変化を開始させる生成物について求められる、ECMにおける再生変化を明らかにする上で役立つ。皮膚病理医による生検の解析は、特にRSN/RBP側で自己コラーゲン新生(Herovici染色)の顕著な増加を示す(
図9)。更には、フィブリンが増加した(エラスチン成分は、RSN/RBP側の両患者においては、4週間では安定して上昇していた)。
【0205】
参加者評価に関係する限りでは徴候及び症状が最初の2週間以内に最大になることを考慮すると、RBP側の腫れは、2週目での参加者の大部分では重症度が低下しているとして評価され、腫れについての平均スコアは、RBP側では0.66、Cetaphil脚については1.1であった。6名の参加者のうち5名が、次の身体手技では局所的処置の使用を選択したことについても留意されたい(
図10)。
【0206】
結論
手技後にRSN及びRBPと併用される、外科手技用に皮膚を調製するためのRSNの使用は、臨床試験結果と相関しており、組織学的証拠及び最終的な遺伝子解析によって、細胞外基質の再構築、治癒及び抗炎症遺伝子の開始を加速させることが実証されている。治験責任医師評価、参加者評価及び硬化測定は、処置後事象の重症度が低いことと関連しており、手技期間後4週間以内に発現する遺伝子と一致している。
【0207】
実施例4:DCA注射による手技後治癒の評価
この試験は、手技後の治癒及び処置後にRBPと併用される顎下デオキシコール酸(DCA)注射の予後を評価した。
【0208】
材料及び方法
試験母集団
この単一施設での無作為化クロスオーバー治験は、顎下DCA注射後のRBPの使用を評価した。12名の参加者には男性3名及び女性11名、年齢は25~63歳(平均年齢42歳)が含まれており、明確に視認可能な顎下皮下脂肪を有し、柔らかく柔軟性のある処置に十分な体積の組織を有していた。医師により決定されるように、処置領域又はその周辺での事前の脂肪減少手技又はインプラント、瘢痕、過度の弛緩性、処置領域での事前の手術及び/又はDCA使用に対する何らかの禁忌を有する対象者は、この試験への参加から除外された。妊娠中又は授乳中の対象、試験期間中に妊娠を計画している対象もまた除外した。いずれかの試験手技前に参加者は同意し、ヘルシンキ宣言及び医薬品の臨床試験の実施の基準についての三者間調和ガイドラインに関する国際会議に従い、適用される規制の下で試験を行った。
【0209】
DCA注射の投与
来診1-ベースライン(BL)では、適した参加者全員が同意し、企画写真撮影法及び評価を完了し、顎下DCA注射を実施した。注射した平均体積は8ccであった。手技後、処置領域に1日2回使用するため、参加者全員に盲検化ボトル中のRBPを与えた。
【0210】
フォローアップ処置
参加者は、フォローアップ及び評価のため、処置1週間後、2週間後及び4週間後に戻った。4週目のフォローアップ来診では、参加者はRBPを返却し、処置2前の30日間にわたって洗浄した。処置2では、参加者は無作為化して盲検化された同一のボトル中のRBP又はCetaphil(登録商標)ローション(Galderma,Fort Worth,TX)のいずれかを受け取り、1日に2回、DCA注射後にこれを適用し、1週目、2週目及び4週目にフォローアップのために診療所に戻った。処置2後のフォローアップ手技は、処置1後のものと同じであった。処置2で注射された平均体積は7.7ccであった。
【0211】
治験責任医師評価
両方のDCA処置後及び第2のDCA処置前の1週目、2週目及び4週目に、盲検化治験責任医師(PI)は、硬化、浮腫、紅斑、皮下出血及び疼痛についての顎下処置領域を評価した。各評価は、(0~4)段階スケールを使用して段階をつけた。(0~10)段階スケールであるVASを使用して疼痛をスコア化した。顎下脂肪評価スケール、(0~4)段階スケールを使用し、来診ごとに顎下膨満(CR-SFRS)7の段階をつけた。
【0212】
SkinFibrometer
硬化を測定するため、顎下処置領域にわたって3つの位置(右、中央及び左)で来診ごとにこれらの客観的測定を行った。SkinFibrometer(Delfin Technologies,USA,Miami,FL)は、1.25mm長の圧子と2個の力覚センサとからなる。皮膚にデバイスを短時間押し当て、接触力を記録する。機器が皮膚に完全に接触している時には、圧子は一定の変形を加える。皮膚及びその下の上部皮下組織は変形に抵抗し、ニュートン(N)単位で硬化値を決定する。
【0213】
統計解析
硬化を測定するため、顎下処置領域にわたって3つの位置(右、中央及び左)で来診ごとにこれらの客観的測定を行った。SkinFibrometerは、1.25mm長の圧子と2個の力覚センサとからなる。皮膚にデバイスを短時間押し当て、接触力を記録する。機器が皮膚に完全に接触している時には、圧子は一定の変形を加える。皮膚及びその下の上部皮下組織は変形に抵抗し、ニュートン(N)単位で硬化値を決定する。
【0214】
結果
処置1:1標本のt検定
患者全員がデオキシコール酸による最初の処置でRBPを与えられ、1標本のt検定を使用し、ベースラインから4週目の予後において著しい変化を検出した。脂肪減少の尺度であるCR-SFRSの平均スコアは、ベースラインから4週目に-0.8単位減少した。この減少は統計学的に有意であった(p=0.0020)。これらの結果は予想されており、処置2のベースライン対照薬として役立った。
【0215】
処置2:治験責任医師評価
処置2の後、盲検化治験責任医師評価により、RBP側での浮腫及び硬化の低下が認められた。実際のところ、処置2後の1週目には、浮腫度は処置1後の2週目のものと同等であった。
【0216】
処置2後の1週目には、RBPを使用した参加者は、無刺激保湿剤を使用した参加者での浮腫の15%低下と比較すると、処置後よりも浮腫は44%低下した(
図11)。硬化に関する治験責任医師評価は同様のパターンに従う傾向があった(
図12)。2回目の処置は1回目の処置と非常に近い時期であったため(約60日間)、処置2では硬化がいくらか残存している可能性があったことに留意されたい。処置1後の4週目での脂肪評価スケール評価であるCR-SFRSの限りでは、参加者は、顎下脂肪スケールでは統計学的に有意に減少したスコアを有した。これは、RBPを使用した参加者については処置2後を通じてそうしたスコアを有する傾向があった(
図13)。
【0217】
紅斑、皮下出血及び疼痛はいずれかの群でも処置2後には観察されず、処置1後には、1名の疼痛の発生及び2名の軽度の皮下出血があった。
【0218】
処置2:SkinFibroMeter測定
2回目の処置後、RBPを使用した参加者は、2週目に顎下で測定された3つの領域全てにおいて、無刺激保湿剤を使用した参加者よりも硬化は統計学的に有意に低下していた(
図14)。処置2の2週間後には、SkinFibroMeter右側面(RL)の平均スコアは、6名のRBPレシピエント間では0.00033であり、5名の無刺激保湿剤レシピエント間では0.0068であった。この差は統計学的に有意であった(p=0.0319)。処置2の2週間後には、SkinFibroMeter正中線(MID)の平均スコアは、6名のRBPレシピエント間では0.0031であり、5名の無刺激保湿剤レシピエント間では0.014であった。この差は統計学的に有意であった(p=0.0033)。処置2の2週間後には、SkinFibroMeter左側面(LL)の平均スコアは、6名のRBPレシピエント間では-0.0045であり、5名の無刺激保湿剤レシピエント間では0.0047であった。この差は統計学的に有意であった(p=0.0182)。
【0219】
最後に、正中線スコア平均(最も冒されている領域)を使用した処置後2週間でのSkinFibroMeter読取り値を用いて処置1と処置2を比較した場合、1回目の処置よりも反応が少ない可能性がある2回目の処置は、RBP群に関しては反応が少なかった(0.0031に対してRBPの1回目の処置の平均は0.006625)ことが非常に明白であった。ただし、このスコアを同時に無刺激保湿剤と比較した場合、統計学的に有意な差(RBP1
回目の処置平均は0.006625、RBP2
回目の処置平均は0.0031、無刺激保湿剤は0.014)を観察した(
図14)。
【0220】
【0221】
有害反応が報告された患者の内、処置2後に、60%の圧痛及び40%のひりつきがあった無刺激保湿剤群と比較すると、RBPで報告された圧痛及びひりつきにおける17%の差が最大であった(
図17)。
【0222】
結論
治験責任医師評価及び客観的SkinFibroMeter解析によって、DCA注射後のRBPの使用は硬化、浮腫及びこの手技に関連する不快感を軽減し得ることが実証された。患者の経験及び予後の改善は、任意の手技、特に反復セッションを必要とする手技にとっては歓迎すべき補助である。
【0223】
本開示の好ましい実施形態を示し、これを本明細書に説明してきたが、これらの実施形態が例示としてのみ提供されることは当業者には明らかであるだろう。本開示から逸脱することがない限り、当業者には多数の変形、変更及び置換が思い浮かぶであろう。本明細書に説明される開示の実施形態に対する種々の代替は、本開示を実施する際に利用され得ることが理解されるであろう。添付の特許請求の範囲は、本開示の範囲を定義し、これらの請求項の範囲内の方法及び構造並びにそれらの同等物は、特許請求の範囲によって包含されることを意図している。
【国際調査報告】