(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】二酸化炭素変換のためのモリブデン系触媒
(51)【国際特許分類】
B01J 23/883 20060101AFI20230605BHJP
B01J 35/10 20060101ALI20230605BHJP
B01J 37/04 20060101ALI20230605BHJP
B01J 37/10 20060101ALI20230605BHJP
B01J 37/03 20060101ALI20230605BHJP
B01J 23/889 20060101ALI20230605BHJP
B01J 23/66 20060101ALI20230605BHJP
B01J 23/887 20060101ALI20230605BHJP
C07C 29/157 20060101ALI20230605BHJP
C07C 31/08 20060101ALI20230605BHJP
C07B 61/00 20060101ALN20230605BHJP
【FI】
B01J23/883 Z
B01J35/10 301G
B01J37/04 102
B01J37/10
B01J37/03 B
B01J23/889 Z
B01J23/66 Z
B01J23/887 Z
C07C29/157
C07C31/08
C07B61/00 300
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567791
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 US2021030785
(87)【国際公開番号】W WO2021226172
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-11-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522058693
【氏名又は名称】エアー カンパニー ホールディングス インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Air Company Holdings, Inc.
【住所又は居所原語表記】407 Johnson Avenue, Brooklyn, New York 11206, United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】110002572
【氏名又は名称】弁理士法人平木国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】シーハン,スタッフォード,ダブリュ.
(72)【発明者】
【氏名】チェン,チー
【テーマコード(参考)】
4G169
4H006
4H039
【Fターム(参考)】
4G169AA03
4G169AA08
4G169AA09
4G169BA01A
4G169BA01B
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4H006AA02
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4H006BC10
4H006BC11
4H006BC13
4H006BC31
4H006BE20
4H006BE41
4H006FE11
4H039CA60
4H039CL25
(57)【要約】
本発明は、モリブデンと、V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ、及びマンガン)から選択される1つ以上の第1の元素と、硫黄、炭素、酸素、リン、窒素、及びセレンから選択される1つ以上の第2の元素と、任意選択的に、1つ以上のIA族金属とを含む、触媒であって、モリブデンが、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及びIA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する、触媒、並びに二酸化炭素からのエタノールの生産で該触媒を使用する方法を提供する。
【選択図】
図10
【特許請求の範囲】
【請求項1】
触媒であって、
モリブデンと、
V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ、及びマンガン)から選択される1つ以上の第1の元素と、
硫黄、炭素、酸素、リン、窒素、及びセレンから選択される1つ以上の第2の元素と、
任意選択的に、1つ以上のIA族金属と、
を含み、前記モリブデンが、前記1つ以上の第1の元素、前記モリブデン、前記1つ以上の第2の元素、及び前記IA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する、触媒。
【請求項2】
前記1つ以上の第1の元素が、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ、又はマンガンを含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記1つ以上の第1の元素が、コバルトを含む、請求項1又は2に記載の触媒。
【請求項4】
前記1つ以上の第1の元素が、ニッケルを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項5】
前記1つ以上の第1の元素が、銀を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項6】
前記1つ以上の第1の元素が、銅を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項7】
前記1つ以上の第1の元素が、ニオブを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項8】
前記1つ以上の第1の元素が、マンガンを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項9】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約0.15~約2のモル比で前記1つ以上の第1の元素を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項10】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約0.15~約2のモル比でコバルトを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項11】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約0.29のモル比でコバルトを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項12】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約0.15~約2のモル比でニッケルを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項13】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約0.36のモル比でニッケルを含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項14】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約0.15~約2のモル比で銀を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項15】
前記触媒が、前記モリブデンに対して約1のモル比で銀を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項16】
前記触媒が、1つ以上のIA族金属を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項17】
前記1つ以上のIA族金属が、カリウムを含む、請求項16に記載の触媒。
【請求項18】
前記1つ以上のIA族金属が、ナトリウムを含む、請求項16に記載の触媒。
【請求項19】
前記1つ以上のIA族金属が、セシウムを含む、請求項16に記載の触媒。
【請求項20】
前記触媒が、モリブデンに対して約0.10~約0.50のモル比で前記1つ以上のIA族金属を含む、請求項16~19のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項21】
前記触媒が、モリブデンに対して約0.44のモル比で前記1つ以上のIA族金属対モリブデンを含む、請求項20に記載の触媒。
【請求項22】
前記1つ以上のIA族金属が、カリウムを含む、請求項20又は21に記載の触媒。
【請求項23】
前記触媒が、モリブデンに対して約0.3~約3.25のモル比で前記1つ以上の第2の元素を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項24】
前記触媒が、モリブデンに対して約3~約3.25のモル比で前記1つ以上の第2の元素を含む、請求項23に記載の触媒。
【請求項25】
前記触媒が、モリブデンに対して約2.5~約3.25のモル比で前記1つ以上の第2の元素を含む、請求項23に記載の触媒。
【請求項26】
前記1つ以上の第2の元素が、硫黄を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項27】
前記1つ以上の第2の元素が、炭素を含む、先行請求項のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項28】
前記触媒が、モリブデンに対して約3.25のモル比で硫黄を含む、請求項26に記載の触媒。
【請求項29】
前記触媒が、銀、モリブデン、硫黄、及びIA族金属を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項30】
前記触媒が、
モリブデンと、
前記モリブデンに対して約1のモル比で銀と、
前記モリブデンに対して約3のモル比で硫黄と、
前記モリブデンに対して約0.4のモル比で前記IA族と、を含む、請求項29に記載の触媒。
【請求項31】
前記触媒が、ニッケル、コバルト、モリブデン、硫黄、及びIA族金属を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項32】
前記触媒が、
モリブデンと、
前記モリブデンに対して約0.36のモル比でニッケルと、
前記モリブデンに対して約0.29のモル比でコバルトと、
前記モリブデンに対して約3.25のモル比で硫黄と、
前記モリブデンに対して約0.44のモル比で前記IA族と、を含む、請求項31に記載の触媒。
【請求項33】
前記触媒が、ニオブ、コバルト、モリブデン、硫黄、及びIA族金属を含む、請求項1に記載の触媒。
【請求項34】
前記触媒が、
前記モリブデンに対して約0.12のモル比でニオブと、
前記モリブデンに対して約0.6のモル比でコバルトと、
前記モリブデンに対して約3.25のモル比で硫黄と、
前記モリブデンに対して約0.4のモル比で前記IA族と、を含む、請求項33に記載の触媒。
【請求項35】
先行請求項のいずれか一項に記載の触媒と、支持体とを含む、触媒組成物。
【請求項36】
前記支持体が、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛、及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物、又はケイ酸塩から選択される1つ以上の材料を含む、請求項35に記載の触媒組成物。
【請求項37】
前記支持体が、γ-アルミナを含む、請求項35又は36に記載の触媒組成物。
【請求項38】
前記支持体が、1つ以上の炭素系材料を含む、請求項35に記載の触媒組成物。
【請求項39】
前記炭素系材料が、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン、及び酸化グラフェンから選択される、請求項38に記載の触媒組成物。
【請求項40】
前記支持体が、メソ多孔性材料である、請求項35~39のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項41】
前記支持体が、約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔容積を有する、請求項40に記載の触媒組成物。
【請求項42】
前記支持体が、約10m
2/g~約1000m
2/gの表面積を有する、請求項35~41のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項43】
前記触媒組成物が、約5重量%~約70重量%の前記触媒を含む、請求項35~42のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項44】
前記触媒組成物が、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項35~43のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項45】
前記触媒組成物が、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項35~44のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項46】
前記触媒組成物が、約100nm~約500nmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項35~45のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項47】
前記触媒組成物が、約50nm~約300nmの平均サイズを有する粒子の形態である、請求項35~45のいずれか一項に記載の触媒組成物。
【請求項48】
共沈、湿式含浸、又はボールミル加工によって前記触媒を調製することを含む、請求項1~34のいずれか一項に記載の触媒、又は請求項35~47のいずれか一項に記載の触媒組成物を調製するための方法。
【請求項49】
以下のステップ:
前記1つ以上の第2の元素の源を含む第1の溶液を提供し、前記第1の溶液をモリブデン源と組み合わせ、それによって、第1の反応混合物を提供するステップと、
前記第1の反応混合物を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱するステップと、
酸を含む第2の溶液を提供し、支持体を前記第2の溶液に添加し、それによって、第1の懸濁液を提供するステップと、
前記第1の懸濁液を第2の温度まで第2の期間にわたって加熱するステップと、
前記1つ以上の第1の元素の源を含む第3の溶液を提供し、前記第1の反応混合物及び前記第3の溶液を前記第1の懸濁液に添加し、それによって、第2の反応混合物を提供するステップと、
前記第2の反応混合物を第3の温度まで第3の期間にわたって加熱するステップと、
前記第2の反応混合物から固体材料を単離するステップと、を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項50】
以下のステップ:
水にモリブデン源、前記1つ以上の第1の元素の源、及び前記1つ以上の第2の元素の源を含む、第1の溶液を提供し、支持体を添加し、それによって、第1の懸濁液を提供するステップと、
前記第1の懸濁液を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱するステップと、
前記第1の懸濁液から固体材料を単離するステップと、を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項51】
以下のステップ:
ミルジャー内でモリブデン源及び支持体を混合して、第1の混合物を提供するステップと、
前記第1の混合物を2時間~2週間の期間にわたってボールミル加工し、それによって、第1の沈殿物を提供するステップと、
前記第1の沈殿物を濾過し、第1の温度まで加熱して、ボールミル加工されたモリブデン源を提供するステップと、
前記ボールミル加工されたモリブデン源を前記1つ以上の第1の元素の源及び前記1つ以上の第2の元素の源と混合して、第2の混合物を提供するステップと、
前記第2の混合物から固体材料を単離するステップと、を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項52】
前記1つ以上の第2の元素が、炭素を含み、以下のステップ:
酸化物触媒前駆体を提供するステップと、
前記酸化物触媒前駆体を、浸炭温度で浸炭期間にわたって浸炭ガス混合物で浸炭するステップと、を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項53】
前記浸炭ガス混合物が、メタン及び水素を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項54】
前記浸炭ガス混合物が、一酸化炭素及び水素を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項55】
前記酸化物触媒前駆体を提供することが、
前記1つ以上の第1の元素の源、モリブデン源、及び酸を含む、混合物を提供することと、
前記混合物を、支持体及び水を含むスラリーと組み合わせ、それによって、第1の懸濁液を提供することと、
前記第1の懸濁液を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱することと、
前記第1の懸濁液から固体材料を単離することと、
前記固体材料を第2の温度で第2の期間にわたって加熱し、それによって、酸化物を提供することと、を含む、請求項52に記載の方法。
【請求項56】
前記1つ以上の第1の元素の源、モリブデン源、及び酸を含む、混合物を提供することと、
前記混合物を、支持体及び水を含むスラリーと組み合わせ、それによって、第1の懸濁液を提供することと、
前記第1の懸濁液を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱することと、
前記第1の懸濁液から固体材料を単離することと、
前記固体材料を第2の温度で第2の期間にわたって加熱することと、を含む、請求項48に記載の方法。
【請求項57】
前記固体材料を前記1つ以上のIA族金属の源と組み合わせることを更に含む、請求項48~56のいずれか一項に記載の方法。
【請求項58】
CO
2を水素化するための方法であって、請求項1~34のいずれか一項に記載の触媒又は請求項35~47のいずれか一項に記載の触媒組成物を、還元温度及び還元圧力でCO
2及び還元剤ガスを含む供給混合物と接触させ、それによって、液体製品混合物を提供することを含む、方法。
【請求項59】
前記還元剤ガスが、H
2である、請求項58に記載の方法。
【請求項60】
前記還元剤ガスが、CH
4、エタン、プロパン、又はブタンなどの炭化水素である、請求項58に記載の方法。
【請求項61】
前記還元剤ガスが、フレアガス、廃棄ガス、又は天然ガスであるか、又はそれに由来する、請求項58に記載の方法。
【請求項62】
前記還元剤ガスが、CH
4である、請求項58に記載の方法。
【請求項63】
前記還元温度が、100~600℃である、請求項58~62のいずれか一項に記載の方法。
【請求項64】
前記還元圧力が、500~3000psiである、請求項58~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記供給混合物中の還元剤ガス:CO
2のモル比が、約10:1~約1:10である、請求項58~64のいずれか一項に記載の方法。
【請求項66】
前記供給混合物中の還元剤ガス:CO
2のモル比が、約5:1~約0.5:1である、請求項58~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記液体製品混合物が、メタノール、エタノール、及びn-プロパノールを含む、請求項58~66のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
エタノールの量が、前記液体製品混合物の総量の少なくとも10重量%である、請求項67に記載の方法。
【請求項69】
前記触媒を前記供給混合物と24時間接触させることを含む、請求項55~68のいずれか一項に記載の方法。
【請求項70】
前記触媒を前記供給混合物と96時間接触させることを含む、請求項69に記載の方法。
【請求項71】
前記触媒を前記供給混合物と168時間接触させることを含む、請求項70に記載の方法。
【請求項72】
前記液体製品混合物中のメタノール及びn-プロパノールの総量に対するエタノールのモル比が、約1:5~約1:10である、請求項58~71のいずれか一項に記載の方法。
【請求項73】
前記液体製品混合物中のギ酸の量が、10ppm未満である、請求項58~72のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記液体製品混合物中のイソプロパノールの量が、10ppm未満である、請求項58~73のいずれか一項に記載の方法。
【請求項75】
前記供給混合物と反応させる前に、前記触媒又は触媒組成物を前記還元剤ガスと反応させることを更に含む、請求項58~74のいずれか一項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2020年5月8日に出願された米国仮特許出願第63/021,989号及び2020年11月17日に出願された米国仮特許出願第63/114,779号の優先権の利益を主張する。これらの出願のそれぞれは、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本発明は、不均一系触媒、特に、水素ガス及び二酸化炭素を他の材料に変換する触媒の分野に関する。
【背景技術】
【0003】
大気中の二酸化炭素濃度が増加するにつれて、空気から二酸化炭素を除去する技術を開発することは、社会福祉、人間の健康、及びエネルギー安全保障の観点から有利になりつつある。二酸化炭素変換技術は、CO2の空気捕捉と一体になると、輸送のコスト又は危険性がなく、世界中のいずれの場所でも現場で商品化学物質を生産するという付加利点を有する。空気からCO2を除去する必要性は、太陽光電池及び風力タービンなどの再生可能発電方法の世界的利用の増加と相まっている。これらのような技法は、夕方に沈んで朝に昇る太陽、及び断続的に吹く風などの断続的エネルギー源を使用する。したがって、これらの源から配電網への電気の供給は、いくつかの時点では急増し、他の時点では低い。これは、電気を断続的に利用して、所望の製品を現場で生産することができる技術の機会を提示する。
【0004】
二酸化炭素から化学物質を生産するための利用可能な技術のうち、水電解槽からの再生可能に導出された水素ガスを使用した二酸化炭素又は一酸化炭素の水素化は、再生可能な(太陽光、風力、水力発電などの)電力によって完全に給電されることが可能である。このような方法は、外部エネルギー源を使用して、炭素系原料(二酸化炭素又は一酸化炭素)及び水を炭化水素化学物質に変換し、これは、地球上の生命を可能にする基本的な光合成プロセスに類似する。例えば、植物は、光合成を使用して、糖及び他の複雑な炭化水素を作成することによって、二酸化炭素、水、及び太陽エネルギーを化学エネルギーに変換する。これは、太陽からのエネルギーを炭素系化合物の化学結合に効果的に貯蔵する。このプロセスは、何十億年もの間、地球の生態系を支援し、大気中の二酸化炭素濃度の平衡を保ってきた。
【0005】
前世紀には、人間は、化石燃料などの光合成の副産物を利用して、現代の生活に必要なエネルギーを提供してきた。これは、何百万年にもわたる光合成によって化石燃料中に以前は隔離されていた何百万トンもの二酸化炭素を地球の大気中に放出してきた。科学的証拠は、人為的源からの大気中の二酸化炭素濃度のこの急激な増加が地球規模の気候にとって潜在的に壊滅的であることを指摘している。したがって、二酸化炭素を隔離する天然のプロセスを模倣するカーボンネガティブプロセスの開発は、地球の将来にとって重要であり、1つのそのような発明を開示することが本出願の目的である。
【0006】
二酸化炭素隔離に向けた主要な障害物のうちの1つは、二酸化炭素又は一酸化炭素の効果的な利用及び有用な化学物質への触媒変換である。植物は、遷移金属を利用して、一酸化炭素、ギ酸、又は糖類のいくつかの他の構成要素への二酸化炭素の水素化に触媒作用を及ぼす、脱水素酵素を介してこれを達成する。人工システムは、この経路を複製することを試行しており、二酸化炭素変換のための化学的方法は、何十年も知られている。しかしながら、これらのうちの多くは、いずれの大規模展開のためにも非現実的なエネルギー要件を有する。
【0007】
近年、水電解などの電気化学的方法は、これらのエネルギー要件を実用的なレベルまで低減する見込みを示している。電気化学的方法の進歩は、低炭素様式で調達され得る電気によって給電される化学物質中の二酸化炭素隔離のために3つのそのような選択肢を可能にする:(1)直接的な二酸化炭素からの化学物質の1ステップ生産のための二酸化炭素の電解還元、(2)2ステッププロセスにおける高圧高温反応器内の電解槽からの水素ガスを使用した二酸化炭素の後続の水素化と組み合わせた、水素及び酸素ガスを形成するための水の電解、並びに(3)高圧高温反応器内の電気化学的に導出された水素と組み合わせられ得る中間体への二酸化炭素の電解還元。前者のプロセスは、商業的実現可能性に達するための二酸化炭素還元のための基本的な電気触媒プロセスの有意な開発及び理解の向上を必要とする。エタノールのようなアルコールの生産に特化して、統合化学プロセスは、任意の実現可能な更なる使用のためのアルコール(エタノール、メタノール、プロパノール、ブタノール)の生産のためのごくわずかな例外を除いて、従来の化石燃料系成分(メタンなど)を必要とする。
【0008】
これらのプロセスのうちのいずれにおいても、重要な成分は、CO2及び水素ガス又は水素当量を変換する触媒である。CO2変換のための触媒は、具体的には、CO2が他の化合物に変換するために相当量のエネルギーを必要とするという大きな課題に直面している。これにより、安定性及び活性がCO2変換のための工業用触媒にとって重要な課題となる。本開示の前に、このプロセスのための安定した触媒の欠如により、(サバティエプロセスの場合のように)CO2をCO又はCH4に変換する化学プロセスにおける別個のステップを伴わずに、二酸化炭素をアルコールに変換する、商業的化学プロセスは知られていなかった。
【0009】
CO2水素化に特化して、いくつかの触媒が、学術文献で実証されているが、高いコスト又は不良な安定性のいずれかにより、いずれも工業的使用に移行していない。Ni系触媒は、主にCO2をCH4に水素化するために使用される。Co、Fe、Ru、Ir、及びRhは、これらのプロセスのため、及び高次炭化水素の形成のための触媒でもある。二金属及び三金属触媒中のこれらの元素のいくつかの組み合わせも実証されている。アルコールの形成については、アルミナ又は炭素上に支持されたRh、Pd、Cu、Zn、Co、又はNiからなる触媒も研究されている。
【0010】
大規模商業的展開のために好適である上記に列挙された低コストの金属(すなわち、Ru、Ir、及びRhではない)に焦点を当てると、アルコールへのCO2の水素化のための商業用触媒として、いずれもまだ実証されていない。これは主に、それらが反応器内で操業中である間に、全て崩壊して低活性材料になるため、これらのシステムを拡張するために必要とされる安定性を示していないためである。
【発明の概要】
【0011】
ある特定の態様では、本開示は、
モリブデンと、
V、VI、VII、VIII、IX、X、及びXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ、及びマンガン)から選択される1つ以上の第1の元素と、
硫黄、炭素、酸素、リン、窒素、及びセレンから選択される1つ以上の第2の元素と、
任意選択的に、1つ以上のIA族金属と、
を含み、モリブデンが、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及びIA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する、触媒を提供する。
【0012】
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に開示される触媒と、支持体とを含む、触媒組成物を提供する。
【0013】
ある特定の態様では、本開示は、共沈殿、湿式含浸、又はボールミル加工によって触媒を調製することを含む方法などの本明細書に開示される触媒又は触媒組成物を調製する方法を提供する。
【0014】
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に開示される触媒又は触媒組成物を、還元温度及び還元圧力でCO2及び還元剤ガスを含む供給混合物と接触させ、それによって、液体製品混合物を提供することを含む、CO2を液体製品混合物に水素化する方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】触媒がエタノールへのCO
2変換においてはるかに優れていることを示す、数時間にわたる例示的なNiCoMoSK触媒のCO
2変換及びCO変換を示すグラフである。
【
図2】例示的なNiCoMoSK触媒の走査型電子顕微鏡写真である。
【
図3】例示的なNiCoMoSK触媒について固定床流反応器を通した通過当たり変換されたCO
2の割合を示すグラフである。
【
図4】例示的なNiCoMoSK触媒についてCO及びH
2供給ガスと対比したCO
2及びH
2供給ガスにおける炭素含有原料消費量の比率の増加を示すグラフである。
【
図5】例示的なCoMoSK触媒についてCO及びH
2供給ガスと対比したCO
2及びH
2供給ガスにおけるH
2消費量の比率の増加を示すグラフである。
【
図6】H
2前還元を伴う例示的なCoMoSK触媒についてCO及びH
2供給ガスと対比したCO
2及びH
2供給ガスにおける炭素含有原料消費量の比率の増加を示すグラフである。
【
図7】275℃における例示的なCoMoSK触媒と例示的なNiCoMoSK触媒との間のCO
2及びH
2消費量の差を示すグラフである。
【
図8】例示的なCoMoSK型触媒のための提案された活性部位の図面である。
【
図9】例示的なCoMoSK型触媒の提案された活性部位におけるCO
2、CO、及びH
2のための提案された結合モードの図面である。
【
図10】例示的なCoMoSK型触媒の提案された活性部位におけるCO
2及びH
2からのエタノール生産のための提案された触媒サイクルの図面である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本開示は、CO2変換のためのMo系触媒を提供する。本明細書に更に記載されるように、本開示の触媒は、高活性金属として相当量のMoを含む。本発明の前に、Mo系触媒は、アルコールへのCO2水素化のための有能な触媒として実証されていなかった。他の利点の中でも、本開示のMo系触媒は、CO原料からよりも高速でCO2原料からのエタノールの生産に触媒作用を及ぼす。それは、旧来のCoMoSK合成ガス触媒には当てはまらない。本開示のMo系触媒はまた、Moを含有しない触媒よりも実質的に安定している。
【0017】
触媒
ある特定の態様では、本開示は、
モリブデンと、
V、VI、VII、VIII、IX、X、又はXI族金属(例えば、銀、コバルト、ニッケル、銅、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニオブ、及びマンガン)から選択される1つ以上の第1の元素と、
硫黄、炭素、酸素、リン、窒素、及びセレンから選択される1つ以上の第2の元素と、
任意選択的に、1つ以上のIA族金属と、
を含み、モリブデンが、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及びIA族金属の総量の10~50重量%の量で存在する、触媒を提供する。
【0018】
いくつかの実施形態では、モリブデンは、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及び1つ以上のIA族金属の総量の10~40重量%、10~30重量%、又は10~20重量%の量で存在する。
【0019】
いくつかの実施形態では、モリブデンは、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及び1つ以上のIA族金属の総量の20~50重量%、30~40重量%、好ましくは、30~50重量%、又はより好ましくは、40~50重量%の量で存在する。
【0020】
いくつかの実施形態では、触媒は、VIII、IX、X、又はXI族金属から選択される1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、VIII族金属から選択される1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、IX族金属から選択される1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、X族金属から選択される1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、XI族金属から選択される1つ以上の第1の元素を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、コバルトを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、銀を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、銅を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、ニオブを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、マンガンを含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.15~約2のモル比で1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.15~約1.5のモル比で1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.15~約1のモル比で1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.15~約0.75のモル比で1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.15~約0.5のモル比で1つ以上の第1の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.15~約0.25のモル比で1つ以上の第1の元素を含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、コバルトを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、コバルトからなる。いくつかの実施形態では、コバルトは、モリブデンに対して約0.15~約2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、コバルトは、モリブデンに対して約0.29のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、コバルトは、モリブデンに対して約0.2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、コバルトは、モリブデンに対して約0.4のモル比で存在する。
【0024】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、ニッケルを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、ニッケルからなる。いくつかの実施形態では、ニッケルは、モリブデンに対して約0.15~約2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニッケルは、モリブデンに対して約0.36のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニッケルは、モリブデンに対して約0.25のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニッケルは、モリブデンに対して約0.5のモル比で存在する。
【0025】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、銀を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、銀からなる。いくつかの実施形態では、銀は、モリブデンに対して約0.15~約2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、銀は、モリブデンに対して約1のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、銀は、モリブデンに対して1.25のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、銀は、モリブデンに対して0.75のモル比で存在する。
【0026】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、ニオブを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第1の元素は、ニオブからなる。いくつかの実施形態では、ニオブは、モリブデンに対して約0.05~約1のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニオブは、モリブデンに対して約0.2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニオブは、モリブデンに対して約0.3のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、ニオブは、モリブデンに対して約0.1のモル比で存在する。
【0027】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.10~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.20~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.30~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.40~約0.50のモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.44であるモル比で1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.44であるモル比でカリウムを含む。
【0028】
いくつかの実施形態では、触媒は、1つ以上のIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウム、ナトリウム、又はセシウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウム、ナトリウム、又はセシウムからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、ナトリウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、セシウムを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、カリウムからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、ナトリウムからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上のIA族金属は、セシウムからなる。
【0029】
ある特定の実施形態では、1つ以上のIA族金属は、ナトリウム若しくはセシウムを含むか、又はそれからなる。本開示の触媒では、ナトリウム又はセシウムをカリウムに代用することは、触媒活性に実質的に影響を及ぼさず、ナトリウム及びセシウムの両方は、カリウムが提供する同じ安定性を提供することが見出されている。これは、カリウム、ナトリウム、又はセシウムの選択が活性に大きく影響を及ぼす、既知の合成ガス触媒との対比である。
【0030】
いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.3~約3.25のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約3~約3.25のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約2.5~約3.25のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.33~約3のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.4~約2.5のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.5~約2のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンに対して約0.66~約1.5のモル比で1つ以上の第2の元素を含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、触媒は、例えば、硫化物、酸化物、セレン化物、又はリン化物イオンとして、硫黄、酸素、セレン、又はリンから選択される1つ以上の第2の元素を含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、硫黄を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、炭素を含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、硫黄からなる。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、リンを含む。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は炭素からなる。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、酸素からなる。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、リンからなる。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、窒素からなる。いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、セレンからなる。
【0033】
いくつかの実施形態では、硫黄は、モリブデンに対して約3のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、硫黄は、モリブデンに対して約3.25のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、硫黄は、モリブデンに対して約2.5のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、硫黄は、モリブデンに対して約2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、モリブデンに対して約2.5のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、モリブデンに対して約2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、モリブデンに対して約1.5のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、モリブデンに対して約1のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、モリブデンに対して約0.5のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、硫黄及び炭素が両方とも存在する。いくつかの実施形態では、硫黄は、モリブデンに対して約1のモル比で存在し、炭素は、モリブデンに対して約1のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、「硫化物由来の炭化物」として存在し、該炭化物は、対応する硫化物に由来した。いくつかの実施形態では、窒素は、モリブデンに対して約2のモル比で存在する。いくつかの実施形態では、窒素は、モリブデンに対して約1のモル比で存在する。
【0034】
いくつかの実施形態では、触媒は、銀、モリブデン、硫黄、及びIA族金属(例えば、カリウム)を含む。そのようないくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンと、モリブデンに対して約1のモル比で銀と、モリブデンに対して約3のモル比で硫黄と、モリブデンに対して約0.4のモル比で1つ以上のIA族金属(例えば、カリウム)とを含む。
【0035】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニオブ、コバルト、モリブデン、硫黄、及びIA族金属を含む。いくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンと、モリブデンに対して約0.12のモル比でニオブと、モリブデンに対して約0.60のモル比でコバルトと、モリブデンに対して約3のモル比で硫黄と、モリブデンに対して約0.44のモル比でIA族とを含む。
【0036】
いくつかの実施形態では、触媒は、ニッケル、コバルト、モリブデン、硫黄、及びIA族金属を含む。そのようないくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンと、モリブデンに対して約0.36のモル比でニッケルと、モリブデンに対して約0.29のモル比でコバルトと、モリブデンに対して約3.25のモル比で硫黄と、モリブデンに対して約0.44のモル比でIA族とを含む。
【0037】
いくつかの実施形態では、触媒は、銀、コバルト、モリブデン、硫黄、及びIA族金属を含む。そのようないくつかの実施形態では、成分のモル比は、上記に記載されるとおりである。いくつかの実施形態では、触媒は、モリブデンと、モリブデンに対して約0.4のモル比で銀と、モリブデンに対して約0.4のモル比でコバルトと、モリブデンに対して約3のモル比で硫黄と、モリブデンに対して約0.4のモル比でIA族とを含む。
【0038】
いくつかの実施形態では、触媒は、Co、Mo、C、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Ni、Co、Mo、S、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Ag、Mo、S、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Co、Mn、Mo、S、及びアルカリ金属を含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Co、Nb、Mo、S、及びアルカリ金属を含む。
【0039】
いくつかの実施形態では、触媒は、Co、Mo、及びCを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Ni、Co、Mo、及びSを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Ag、Mo、及びSを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Co、Mn、Mo、及びSを含む。いくつかの実施形態では、触媒は、Co、Nb、Mo、及びSを含む。
【0040】
いくつかの実施形態では、1つ以上の第2の元素は、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及び1つ以上のIA族金属の総量の20重量%を超える量で存在する。いくつかの実施形態では、硫黄は、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及び1つ以上のIA族金属の総量の20重量%を超える量で存在する。いくつかの実施形態では、炭素は、1つ以上の第1の元素、モリブデン、1つ以上の第2の元素、及び1つ以上のIA族金属の総量の20重量%を超える量で存在する。
【0041】
ある特定の実施形態では、触媒の元素組成は、Aがアルカリ金属であり、更に、元素成分の相対量が上記に記載されるとおりである、CoMoCA、NiCoMoSA、AgMoSA、AgCoMoSA、AgNiMoSA、CoMnMoSA、CoNbMoCA、CoNbMoSCA、又はCoNbMoSAである。
【0042】
ある特定の実施形態では、触媒の元素組成は、元素成分の相対量が上記に記載されるとおりである、CoMoC、NiCoMoS、AgMoS、AgCoMoS、AgNiMoS、CoMnMoS、CoNbMoC、CoNbMoSC、又はCoNbMoSである。
【0043】
いくつかの実施形態では、触媒は、以下の例示的な触媒:CoMoC、CoMoSC、CoMoCK、NiCoMoSK、AgMoSK、CoMnMoSK、CoNbMoSK、NiCoMoCK、AgMoCK、CoMnMoCK、CoNbMoSCK、CoNbMoCK、CuMoC、CoWMoC、及びBiMoSKのうちの1つから選択され、元素成分の相対量は、上記に記載されるとおりである。ある特定のそのような実施形態では、触媒は、Co(0.6)MoC(1.6)、Co(0.6)MoC(1.6)K(0.4)、Ni(0.36)Co(0.29)MoS(3.25)K(0.44)、AgMoS(3)K(0.4)、Co(0.6)Mn(0.12)MoS(3)K(0.4)、Co(0.6)Nb(0.12)MoS(3.25)K(0.4)、又はNi(0.36)Co(0.29)MoC(2)K(0.44)である。
【0044】
触媒組成物
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に開示される触媒のうちの1つ以上と、支持体とを含む、触媒組成物を提供する。支持体は、触媒支持体としての役割を果たし得る、任意の好適な材料であり得る。
【0045】
いくつかの実施形態では、支持体は、アルミニウム、ケイ素、チタン、ジルコニウム、セリウム、マグネシウム、イットリウム、ランタン、亜鉛、及びスズから選択される元素の酸化物、窒化物、フッ化物、又はケイ酸塩から選択される1つ以上の材料を含む。いくつかの好ましい実施形態では、支持体は、γ-アルミナを含む。いくつかの実施形態では、支持体は、酸化アルミニウムである。いくつかの実施形態において、支持体は、Al2O3、ZrO2、SnO2、SiO2、ZnO、及びTiO2から選択されるが、これらに限定されない。
【0046】
いくつかの実施形態では、支持体は、1つ以上の炭素系材料を含む。いくつかの実施形態では、炭素系材料は、活性炭、カーボンナノチューブ、グラフェン、及び酸化グラフェンから選択される。
【0047】
いくつかの実施形態では、支持体は、メソ多孔性材料である。いくつかの実施形態では、支持体は、約0.01~約3.0cc/gのメソ細孔容積を有する。
【0048】
いくつかの好ましい実施形態では、支持体は、約10m2/g~約1000m2/gの表面積を有する。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約20nm~約5μmの平均サイズを有する粒子の形態である。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約50nm~約1μmの平均サイズを有する粒子の形態である。
【0049】
いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約5重量%~約70重量%の触媒を含む。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約20重量%~約70重量%の触媒を含む。いくつかの実施形態では、触媒組成物は、約30重量%~約70重量%の触媒を含む。
【0050】
いくつかの実施形態では、支持体は、高表面積足場である。いくつかの実施形態では、支持体は、メソ多孔性シリカを含む。いくつかの実施形態では、支持体は、炭素同素体を含む。
【0051】
いくつかの実施形態では、触媒は、ナノ粒子触媒である。いくつかの実施形態では、足場の表面上の触媒の粒径は、100~500nmである。いくつかの実施形態では、凝集を受けない粒子は、粒径が100~500nmである。
【0052】
調製の方法
本開示の触媒及び触媒組成物は、任意の好適な方法によって調製され得る。ある特定の態様では、本開示は、共沈殿、湿式含浸、又はボールミル加工によって触媒を調製することを含む、本明細書に開示される触媒又は触媒組成物を調製するための方法を提供する。
【0053】
いくつかの実施形態では、本方法は、1つ以上の第2の元素の源を含む第1の溶液を提供し、第1の溶液をモリブデン源と組み合わせ、それによって、第1の反応混合物を提供するステップと、第1の反応混合物を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱するステップと、酸を含む第2の溶液を提供し、支持体を第2の溶液に添加し、それによって、第1の懸濁液を提供するステップと、第1の懸濁液を第2の温度まで第2の期間にわたって加熱するステップと、1つ以上の第1の元素の源を含む第3の溶液を提供し、第1の反応混合物及び第3の溶液を第1の懸濁液に添加し、それによって、第2の反応混合物を提供するステップと、第2の反応混合物を第3の温度まで第3の期間にわたって加熱するステップと、第2の反応混合物から固体材料を単離するステップとを含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、本方法は、水にモリブデン源、1つ以上の第1の元素の源、及び1つ以上の第2の元素の源を含む、第1の溶液を提供し、支持体を添加し、それによって、第1の懸濁液を提供するステップと、第1の懸濁液を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱するステップと、第1の懸濁液から固体材料を単離するステップとを含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下のステップ:ミルジャー内でモリブデン源及び支持体を混合して、第1の混合物を提供するステップと、第1の混合物を2時間~2週間ボールミル加工し、それによって、第1の沈殿物を提供するステップと、第1の沈殿物を濾過し、第1の温度まで加熱して、ボールミル加工されたモリブデン源を提供するステップと、ボールミル加工されたモリブデン源を1つ以上の第1の元素の源及び1つ以上の第2の元素の源と混合して、第2の混合物を提供するステップと、第2の混合物から固体材料を単離するステップとを含む。
【0056】
1つ以上の第2の元素が炭素を含む、いくつかの実施形態では、本方法は、以下のステップ:酸化物触媒前駆体を提供するステップと、酸化物触媒前駆体を、浸炭温度で浸炭期間にわたって浸炭ガス混合物で浸炭するステップとを含む。浸炭ガス混合物は、任意の好適なガス混合物、例えば、メタン及び水素、又は一酸化炭素及び水素を含み得る。好ましい実施形態では、浸炭ガス混合物は、メタン及び水素を含む。酸化物触媒前駆体は、市販されている場合、購入され得るか、又は本明細書に開示される方法によること含む、任意の好適な方法によって調製され得る。ある特定の更なる実施形態において、酸化物触媒前駆体を提供することは、1つ以上の第1の元素の源、モリブデン源、及び酸(例えば、クエン酸)を含む混合物を提供することと、混合物を支持体及び水を含むスラリーと組み合わせ、それによって第1の懸濁液を提供することと、第1の懸濁液を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱することと、第1の懸濁液から固体材料を単離することと、固体材料を第2の温度で第2の期間にわたって加熱し、それによって酸化物を提供することと、を含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、本方法は、以下のステップ:1つ以上の第1の元素の源、モリブデン源、及び酸(例えば、クエン酸)を含む、混合物を提供するステップと、混合物を、支持体及び水を含むスラリーと組み合わせ、それによって、第1の懸濁液を提供するステップと、第1の懸濁液を第1の温度まで第1の期間にわたって加熱するステップと、第1の懸濁液から固体材料を単離するステップと、固体材料を第2の温度で第2の期間にわたって加熱するステップとを含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、本方法は、固体材料を1つ以上のIA族金属の源と組み合わせることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、固体材料を加圧してペレットにすることを更に含む。いくつかの実施形態では、本方法は、流動反応器の中への導入の前に、固体材料を加圧してペレットにすることを更に含む。
【0059】
水素化の方法
ある特定の態様では、本開示は、本明細書に開示される触媒組成物の触媒を、還元温度及び還元圧力でCO2及び還元剤ガスを含む供給混合物と接触させ、それによって、液体製品混合物を提供することを含む、CO2を液体製品混合物に水素化する方法を提供する。
【0060】
いくつかの実施形態では、還元剤ガスは、H2である。いくつかの実施形態では、還元剤ガスは、CH4、エタン、プロパン、又はブタンなどの炭化水素である。好ましい実施形態では、炭化水素は、CH4である。ある特定のそのような実施形態において、CH4は、エタン、プロパン、又はブタンなどの他の炭化水素も含む、ガス混合物の成分である。例えば、CH4を供給するために使用されるガス混合物は、フレアガス、廃棄ガス、天然ガス、又は同等物であり得る(又はそれに由来し得る)。
【0061】
いくつかの実施形態では、還元温度は、約100~約600℃である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約275~約350℃である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約275℃である。いくつかの実施形態では、還元温度は、約310℃である。
【0062】
いくつかの実施形態では、還元圧力は、約250~約3000psiである。いくつかの実施形態では、還元圧力は、約900~約1100psiである。いくつかの実施形態では、還元圧力は、約1000psiである。
【0063】
いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:CO2のモル比は、約10:1~約1:10である。いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:CO2のモル比は、約5:1~約0.5:1である。いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:CO2の比は、約3:1~約1:1である。いくつかの実施形態では、供給混合物中の還元剤ガス:CO2の比は、約2:1である。
【0064】
いくつかの実施形態では、液体製品混合物は、メタノール、エタノール、及びn-プロパノールを含む。いくつかの実施形態では、エタノールの量は、液体製品混合物の総量の少なくとも10重量%である。いくつかの実施形態では、液体製品混合物中のメタノール及びn-プロパノールの総量に対するエタノールのモル比は、約1:5~約1:10である。いくつかの実施形態では、液体製品混合物中のギ酸の量は、10ppm未満である。いくつかの実施形態では、液体製品混合物中のイソプロパノールの量は、10ppm未満である。
【0065】
いくつかの実施形態では、本方法は、触媒を供給混合物と少なくとも168時間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、触媒を供給混合物と少なくとも96時間接触させることを含む。いくつかの実施形態では、本方法は、触媒を供給混合物と少なくとも24時間接触させることを含む。
【0066】
いくつかの実施形態では、反応温度は、約100℃~約400℃である。いくつかの実施形態では、より高い温度は、より低い温度と比較してCO及び/又はCO2の優れた変換を与える。いくつかの実施形態では、H2における触媒の前還元が、CO2消費量の有意な増加を示す一方で、H2消費量は、減少する。いくつかの実施形態では、供給ガス中のCOのより大きい分画は、変換及び収率を増加させる。いくつかの実施形態では、反応圧力は、約300~3,000psiである。いくつかの実施形態では、より高い圧力は、より低い圧力と比較してCO及び/又はCO2の優れた変換を与える。
【0067】
いくつかの実施形態では、触媒に存在する1A族金属は、Mo及び活性金属であるV、VI、VII、VIII、IX、X、又はXI族金属から選択される第1の元素の表面上のH
2の解離吸着を増加させる。いくつかの実施形態では、1A族金属は、活性金属に電子を供与し、それらを還元し、H
2の酸化的付加を促進する。いくつかの実施形態では、還元された活性金属は、不安定なジヒドリド錯体の中へのH
2の酸化的添加を安定化する。いくつかの実施形態では、V、VI、VII、VIII、IX、X、又はXI族金属から選択される第1の元素は、CO
2と協働するように還元され、追加の炭素含有種の吸着は、鎖成長を可能にして、エタノール又は高級アルコールなどのアルコールを形成する。いくつかの実施形態では、Moは、酸素の移動及びC-O結合切断を促進することによって、CO
2の吸着及び活性化を促進するための還元剤として作用する。いくつかの実施形態では、CO
2及びH
2の触媒作用は、
図10で提案される機構を使用して進行する。
【0068】
いくつかの実施形態では、本開示のある特定の実施形態を説明及び請求するために使用される数字は、場合によっては「約」という用語によって修飾される。いくつかの実施形態では、数値パラメータは、報告された有効桁数に照らして、かつ通常の丸め技法を適用することによって解釈されるべきである。本発明のいくつかの実施形態の広い範囲を記載する数値範囲及びパラメータが近似値であるにもかかわらず、具体的実施例に記載される数値は、実行可能である限り正確に報告される。本発明のいくつかの実施形態で提示される数値は、それらの個別の試験測定で見出される標準偏差から必然的に生じる、ある特定の誤差を含み得る。
【0069】
ある特定の実施形態では、「約」という用語は、所与の値又は範囲の10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、又は0.05%以内を意味する。
【実施例】
【0070】
本発明は、ここで一般的に説明されているが、本発明のある特定の態様及び実施形態の例証の目的のためにのみ含まれ、本発明を限定することを意図していない、以下の実施例を参照することによって、より容易に理解されるであろう。
【0071】
実施例1:共沈による硫化物含有Mo系触媒の合成
硫化物含有触媒は、金属塩を硫化アンモニウムと共沈させることによって調製されることができる。共沈による触媒合成のための前駆体は、表1に列挙され、多くの場合、これらは、好適な同等の金属塩で置換されることができる。
【表1】
【0072】
ヘプタモリブデン酸アンモニウム(NH4)6Mo7O24・4H2O(85.5g、0.069mol、0.483mol Mo)が、硫化アンモニウム水溶液(NH4)2S(水中の20重量%、0.60L、1.77mol)に添加され、混合物が、60℃で1時間加熱され、「モリブデン溶液」を形成した。M1-前駆体(表1に示される質量)及びM2-前駆体(表1に示される質量)が、1.1Lの脱イオン水中で溶解され、「金属溶液」を形成した。氷酢酸(675mL)が、1.5Lの脱イオン水で希釈され、酢酸溶液を形成し、それに、高表面積ガンマアルミナ(29.3g、0.287mol)が添加され、酸性アルミナスラリーを形成し、50℃まで加熱された。金属溶液及びモリブデン溶液は、酸性アルミナスラリーに同時に添加され、黒色沈殿物を形成した。結果として生じた混合物が、60℃で1時間加熱され、次いで、室温まで冷却された。固体が、濾過され、ヒュームフード内で2日間乾燥され、高粘性の湿った触媒ペーストを形成した。固体K2CO3(12.6g、0.091mol)が、ペーストに添加され、乳棒及び乳鉢を用いて十分に混合された。触媒は、オーブン内で125℃で3時間乾燥され、プロセス全体の間にArフラッシングを用いて500℃で1時間焼成され、結果として生じた触媒は、乳鉢及び乳棒を用いて微粉に粉砕された。
【0073】
表2に列挙される触媒が、上記に記載されるように共沈によって調製された。
【表2】
【0074】
上記触媒の各々はまた、アルカリ金属成分なしで調製され得る。Co
(0.6)MoS
(3.2)は、K
2CO
3の添加を省略して、上記の方法によって調製された。
【表3】
【0075】
実施例2:炭化物含有Mo系触媒の合成
炭化物含有Mo系触媒は、酸化物中間体を介して合成されることができる。酸化物中間体は、クエン酸を使用した金属共沈殿などの当該技術分野で公知である方法によって調製されることができる。金属前駆体及び結果として生じた酸化物中間体の例示的な組み合わせが、表4に列挙される。
【表4】
【0076】
ステップ1:クエン酸との金属の共沈による酸化物中間体の合成。
M1-前駆体(表4に示される量)、M2-前駆体(表4に示される量)、及びヘプタモリブデン酸アンモニウム(NH4)6Mo7O24・4H2O(85.5g、0.069mol、0.483mol Mo)が、クエン酸と混合される(クエン酸の量は、溶液中の金属の総量と等モルである)。結果として生じた混合物は、蒸留水(1.5L)中のガンマアルミナ(29.3グラム)のスラリー中で完全に溶解される。結果として生じた混合物は、80~90℃で2時間加熱し、次いで、120℃で一晩乾燥され、水を除去する。乾燥した材料は、乳鉢及び乳棒を用いて粉末に粉砕され、次いで、550℃で3時間焼成されて、固体粉末を生産する。
【0077】
M1-前駆体対M2-前駆体のいくつかの異なる質量比が、最適な金属比を伴う酸化物中間体を形成するために採用されることができる。特定の方法が本実施例で提供されるが、酸化物中間体は、共沈、ボールミル加工、湿式含浸、及びその他を含むがこれらに限定されない、任意の好適な方法によって調製され得ることに留意されたい。
【0078】
ステップ2:酸化物中間体の浸炭。
酸化物中間体及び支持体前駆体(6~8g)が、石英試料ボートに入れられ、次いで、これが、STF1200管炉内の石英管に入れられる。システムは、最初にN2でパージされ、次いで、温度プログラムされたランプを伴って(最初に5℃/分で280℃まで加熱し、次いで、0.5℃/分のランプで750℃まで加熱し、次いで、750℃で2時間保持する)20体積%CH4/H2の流動(50mL/分)を受ける。試料は、20体積%CH4/H2の流動で280℃まで冷却され、次いで、試料は、N2流内で室温まで更に冷却される。次いで、試料は、1体積%O2/N2の流動に少なくとも2時間曝露され、オーブンから除去する前に試料を不動態化する。
【0079】
Co(0.6)MoC(1.6)が、上記の方法によって調製された。
【0080】
アルカリ修飾炭化物触媒については、初期湿式含浸が、炭化物触媒上に噴霧された炭酸カリウムの水溶液を使用して適用される。次いで、含浸した試料が、1時間熟成され、N2内で室温で12~16時間乾燥され、5℃/分のランプを伴う流動N2内で450℃まで加熱され、次いで、流動N2内で450℃で2時間焼成される。代替的に、アルカリ修飾炭化物触媒は、アルカリ炭酸塩を用いた炭化物触媒の乾式ミルによって生産されることができる。
【0081】
更なる元素の添加。
複数の元素の添加は、中間乾燥を伴う順次含浸ステップによって達成されることができる。
【0082】
代替ステップ2:硫化物中間体の浸炭。
代替的に、実施例1に記載されるものに類似するプロセスによって調製された金属硫化モリブデンは、酸化物中間体について上記に記載される同じ浸炭プロセスを受け得る。これは、硫黄由来の炭化物をもたらす。CoMoCKが、この方法によって調製された。
【0083】
実施例3:湿式含浸による触媒の合成
湿式含浸(別名初期湿潤)合成:40gのガンマアルミナ(表面積約185m2/g、細孔容積0.43cc/g)が、M1-前駆体、M2-前駆体、及び水の溶液と接触させられ、金属含有液体が、設定された期間にわたって、典型的には、24時間、毛細管作用によってアルミナに吸着される。試料は、オーブン内で120℃における空気下で12時間乾燥される。次いで、含浸した乾燥試料が、乳鉢及び乳棒を用いて粉末に粉砕され、2℃/分の加熱速度で550℃まで3時間加熱され、550℃で3時間焼成される。
【0084】
実施例4:機械的活性化による触媒の合成
機械的活性化合成:20gのガンマアルミナと混合された50gの硫化モリブデン又は30gの炭化モリブデンが、6.5mmサイズの円筒粉砕媒体で容積の2/3が充填された0.4Lのミルジャー内に装填され、粉砕媒体は、825gの総質量を保有する。ミルジャーは、1/4馬力モーターを装備したローラーに入れられ、ボールミル加工プロセスが、2時間~2週間の異なる持続時間にわたって200rpmの圧延速度で行われる。
【0085】
硫化ニッケル及び硫化コバルトは、商業的に購入されるか、又は、二硫化アンモニウムの11mlの20%の水溶液と硝酸コバルト又はニッケルの25mlの1.2M水溶液を共沈させることによって調製される。黒色沈殿物が、濾過され、2℃/分の加熱速度で120℃まで加熱される。MoS2(2g)、硫化コバルト(0.5g)、硫化ニッケル(0.5g)、及びK2CO3(0.35g)が、乳棒を用いて乳鉢内で混合され、次いで、ボールミル加工されて、アルミナ上のNiCoMoSK触媒を作成する。
【0086】
実施例5:Ni(0.36)Co(0.29)MoS(3.25)K(0.44)の合成
(NH4)6Mo7O24・4H2O(85.5g、0.069mol、0.483mol Mo)が、(NH4)2S(水中の20重量%、0.60L、1.77mol)に添加され、混合物が、60℃で1時間加熱され、Mo溶液を形成した。Mo溶液は、沈殿を防止するために温めて保持された。Co(OAc)2・4H2O(30.0g)及びNi(OAc)2・4H2O(30.0g)が、1.1Lの脱イオン水中で溶解され、Co溶液を形成した。酢酸(675mL)が1.5Lの脱イオン水中で溶解され、Al2O3(29.3g、0.287mol)が添加され、混合物が50℃まで加熱され、酢酸溶液を形成した。Co溶液とMo溶液が、同時に酢酸溶液の中に添加され、結果として生じた混合物が、60℃で1時間加熱され、次いで、室温まで冷却された。固体が、濾過され、ヒュームフード内で2日間乾燥された。K2CO3(12.6g、0.091mol)が添加され、乳棒及び乳鉢を用いて十分に混合された。触媒は、オーブン内で125℃で3時間乾燥され、Arがプロセス全体の間に流れている間に、500℃で1時間焼成された。元素分析は、組成物Ni(0.36)Co(0.29)MoS(3.25)K(0.44)を確認した。
【0087】
実施例6:CoMoCの合成
ヘプタモリブデン酸アンモニウム(NH4)6Mo7O24・4H2O(85.5g、0.069mol、0.483mol Mo)が、硫化アンモニウム水溶液(NH4)2S(水中の20重量%、0.60L、1.77mol)に添加され、混合物が、60℃で1時間加熱され、「モリブデン溶液」を形成した。60gの酢酸コバルト(Co(OAc)2・4H2O)が、1.1Lの脱イオン水中に溶解され、「金属溶液」を形成した。氷酢酸(675mL)が、1.5Lの脱イオン水で希釈され、酢酸溶液を形成し、それに、高表面積ガンマアルミナ(29.3g、0.287mol)が添加され、酸性アルミナスラリーを形成し、50℃まで加熱された。金属溶液及びモリブデン溶液は、酸性アルミナスラリーに同時に添加され、黒色沈殿物を形成した。結果として生じた混合物が、60℃で1時間加熱され、次いで、室温まで冷却された。固体が、濾過され、ヒュームフード内で2日間乾燥され、高粘性の湿った触媒ペーストを形成した。固体K2CO3(12.6g、0.091mol)が、ペーストに添加され、乳棒及び乳鉢を用いて十分に混合された。触媒は、オーブン内で125℃で3時間乾燥され、プロセス全体の間にArフラッシングを用いて500℃で1時間焼成され、結果として生じた触媒は、乳鉢及び乳棒を用いて微粉に粉砕された。
【0088】
硫化物中間体が、石英試料ボートに入れられ、次いで、これが、STF1200管炉内の石英管に入れられた。システムは、最初にN2でパージされ、次いで、温度プログラムされたランプを伴って(最初に5℃/分で280℃まで加熱し、次いで、0.5℃/分のランプで750℃まで加熱し、次いで、750℃で2時間保持する)20体積%CH4/H2の流動(50mL/分)を受けた。試料は、20体積%CH4/H2の流動で280℃まで冷却され、次いで、試料は、N2流内で室温まで更に冷却される。次いで、試料は、1体積%O2/N2の流動に少なくとも2時間曝露され、オーブンから除去する前に試料を不動態化した。
【0089】
実施例7:エタノールへのCO
2の触媒還元。
触媒スクリーニング実験のために、Mo系触媒が、600mLの連続攪拌タンク反応器の中に装填された。触媒は、任意選択的に、工程の開始前にH
2で活性化された。触媒を活性化するために、反応器は、触媒活性化のために300psiのH
2まで充填される前に、H
2ガスを流された。触媒活性化は、300psiで起こり、反応器は、6℃/分の加熱ランプ速度及び約-6℃/分の冷却ランプ速度で、300℃で1.0時間加熱され、次いで、25℃まで冷却された。反応器は、換気され、次いで、250psiのCO
2を流された。反応器は、250psi及び500psiのH
2までCO
2で充填され、750psiにおける総圧力をもたらした。次いで、反応器は、冷却及び製品収集の前に、275℃まで15時間加熱された。製品収集のために、反応器は、換気及び分解され、反応器の底部で液体を回収した。液体は、洗浄及び濾過され、過剰な触媒を除去した。液体は、核磁気共鳴(NMR)によって分析され、エタノール含有量を決定し、触媒がエタノールを生産することが可能であるか否かを評価した。CO
2及びH
2からメタノールを生産するが、エタノールをほとんど又は全く生産しない、アルミナ上の銅-亜鉛触媒が、対照実験のための標準として使用された。Mo系触媒の存在下でのCO
2還元反応におけるエタノールの例示的な収率が、表5に列挙される。
【表5】
【0090】
本開示の触媒を使用したエタノール生産のために、管状固定床流反応器が使用された。最適な反応器温度は、275℃~350℃であったが、200℃~450℃の間で変化し得る。半インチ径、3フィート長の垂直管状反応器が、触媒粉末及び不活性アルミナの5mLの混合物を装填された。ガスの供給比は、2:1のH2:CO2であったが、10:1のH2:CO2から1:10のH2:CO2まで変化し得る。ガス毎時空間速度(GHSV)は、1000h-1であったが、500h-1から20,000h-1まで変化し得る。場合によっては、ガスは、反応器から入口に戻るように再循環され得る。反応器の圧力は、1000psiであったが、圧力は、750psiから3000psiまで変化し得る。一般的に、これらの反応システムでは触媒調整のための要件はないが、いくつかの触媒は、100psiのH2ガスの下で300℃まで24時間加熱することを必要とし得る。H2及びCO2ガスが流れ始め、反応が始まると、システムが安定した状態に安定化するまでに約12時間かかり、そこでエタノール生産は横ばい状態になり、もはや増加又は減少しなくなった。
【0091】
本開示の例示的なMo系触媒の1つの予期しない態様は、これらの触媒が、COではなくCO
2を原料として用いてより高いエタノール生産をもたらすことである。これは、旧来のCoMoSK合成ガス触媒には当てはまらない。
図1は、例示的な触媒が2:1のH
2:CO
2及び1:1のH
2:CO合成ガスに曝露されたときのエタノール生産の速度を示し、合成ガスについてより不良な性能を明確に示す。最適なプロセス条件、供給ガス成分、及び供給ガス比は、触媒に応じて変化し得る。例えば、メタノールは、反応が<300℃の温度で実施されたときに悪化した、Ni
0.36Co
0.29MoS
3.25K
0.44触媒の主要な副産物であった。2つの異なる温度におけるNi
0.36Co
0.29MoS
3.25K
0.44触媒の性能が、表6に示される。
【表6】
【0092】
安定性は、この触媒のための重要な差別化要因である。これは、文献内のCO2からの他のエタノール生産触媒よりも安定している。この触媒の操業中の時間は、合計で3,000時間を超え、オン/オフサイクルに耐性がある。
【0093】
実施例8:Ni0.36Co0.29MoS3.25K0.44の存在下でのCO2還元
Ni0.36Co0.29MoS3.25K0.44の存在下でのCO2還元が、以下の条件下で5日間にわたって実施された:
触媒装填5g
2:1のH2:CO2比
GHSVは1000h-1であった。
温度範囲275~310℃
圧力1000psi
【0094】
反応の経過中の異なる時点における液体製品分画の組成が、表7に示される。
【表7】
【0095】
実施例9:CH4を還元剤として使用したアルコールへのCO2の触媒還元
触媒スクリーニング実験のために、Mo系触媒が、600mLの連続攪拌タンク反応器の中に装填される。触媒は、任意選択的に、工程の開始前にH2で活性化される。触媒を活性化するために、反応器は、触媒活性化のために300psiのH2まで充填される前に、H2ガスを流される。触媒活性化は、少なくとも100psiの圧力で起こり、反応器は、6℃/分の加熱ランプ速度及び約-6℃/分の冷却ランプ速度で、300℃で1.0時間加熱され、次いで、25℃まで冷却される。反応器は、換気され、次いで、250psiのCO2を流される。反応器は、250psi及び500psiのCH4までCO2で充填され、750psiにおける総圧力をもたらす。次いで、反応器は、冷却及び製品収集の前に、250℃まで15時間加熱される。製品収集のために、反応器は、換気及び分解され、反応器の底部で液体を回収する。液体は、洗浄及び濾過され、過剰な触媒を除去する。液体は、ガスクロマトグラフィー(GC)によって分析され、メタノール、エタノール、n-プロパノール、及び高級アルコール含有量を決定し、触媒がCO2及びCH4を使用してアルコールを生産することが可能であるかどうかを評価する。
【0096】
本明細書に開示される触媒を使用したアルコール生産のために、管状固定床流反応器が、典型的には使用されるが、他の反応器タイプも使用され得る。管状固定床流反応器の例については、最適な反応器温度は、200℃~300℃であるが、100℃~450℃の間で変化し得る。半インチ径、3フィート長の垂直管状反応器が、触媒粉末及び任意選択的に不活性アルミナの5mLの混合物を装填され、発熱動作中に反応器内の温度差を均一にする。ガスの供給比は、2:1のCH4:CO2であるが、任意選択的にCOなどの他の炭素質ガスの存在下で、10:1のCH4:CO2から1:10のCH4:CO2まで変化し得る。本実施例におけるガス毎時空間速度(GHSV)は、1000h-1であるが、100h-1から75,000h-1まで変化し得る。場合によっては、反応器を通した最初の通過で未反応であるガスは、反応器から入口に戻るように再循環され得る。反応器の圧力は、1000psiであるが、圧力は、500psiから5000psiまで変化し得る。これらの反応システムでは触媒調整のための要件がないこともあるが、いくつかの触媒は、少なくとも100psiのH2、CO、又はCH4ガスの下で400℃もの高さの温度まで最大24時間加熱することを必要とし得る。CH4及びCO2ガスが流れ始め、反応が始まると、システムが安定した状態に安定化するまでに約12時間かかり、そこでアルコール生産は横ばい状態になり、もはや増加又は減少しなくなる。
【0097】
実施例10:CO2及びH2消費量に対する圧力、温度、及び供給ガス組成の影響
CoMoSK及びNiCoMoSKの存在下でのCO2及びCO還元は、以下の条件下で様々な期間にわたって実施された:
触媒装填5g
310℃におけるH2下での前還元の有無
1:1のH2:CO比及び2:1のH2:CO2比
GHSVは1000h-1であった。
温度範囲275~310℃
圧力範囲750~1000psi
【0098】
高温(310℃)は、より低い温度の工程(275℃)と比較して、CO/CO2及びH2の両方についてより良好な消費量をもたらした。310℃におけるCoMoSKが、22%のCO2消費量及び16%のH2消費量をもたらした一方で、275℃では、16%のCO2消費量及び11%のH2消費量をもたらした。310℃におけるCoNiMoSKが、20%のCO2消費量及び18%のH2消費量をもたらした一方で、275℃では、18%のCO2消費量及び15%のH2消費量をもたらした。流動H2下の触媒の前還元を伴う操作は、CO2消費量の有意な増加及びH2消費量の減少を示した。前還元を伴う310℃におけるCoMoSK工程が、22%のCO2消費量及び16%のH2消費量をもたらした一方で、前還元を伴わない310℃における工程は、16%のCO2消費量及び22%のH2消費量をもたらした。前還元を伴う275℃におけるCoMoSK工程が、16%のCO2消費量及び11%の消費量をもたらした一方で、前還元を伴わない275℃における工程は、14%のCO2消費量及び16%のH2消費量をもたらした。1:1のCO:H2原料を使用するとき、前還元を伴うCoMoSKが、16%のCO消費量及び18%のH2消費量をもたらした一方で、前還元を伴わない工程は、10%のCO消費量及び10%のH2消費量をもたらした。
【0099】
より低い圧力は、一般的に、消費量を低下させる。例えば、310℃、1000psiにおけるCoMoSK工程が、22%のCO2消費量及び16%のH2消費量をもたらした一方で、310℃及び750psiにおける工程は、19%のCO2消費量及び14%のH2消費量をもたらした。前還元は、CO2工程をわずかにのみ改善しながら、COの反応性を有意に改善することができる。例えば、CO2を用いたH2で前還元された310℃におけるCoMoSK工程が、22%のCO2消費量及び16%のH2消費量をもたらした一方で、COを伴う310℃における工程は、16%のCO消費量及び18%のH2消費量をもたらした。前還元を伴わない310℃におけるCoMoSK工程が、16%のCO2消費量及び22%の消費量をもたらした一方で、前還元を伴わない275℃における工程は、10%のCO2消費量及び10%のH2消費量をもたらした。触媒前還元を伴う310℃におけるNiCoMoSK工程が、20%のCO2消費量及び18%のH2消費量をもたらした一方で、前還元を伴わない275℃における工程は、11%のCO2消費量及び11%のH2消費量をもたらした。
【0100】
Niの包含により、CO2消費量が増加した一方で、H2消費量はわずかに低下した。前還元を伴わない310℃におけるCoMoSK工程が、16%のCO2消費量及び22%のH2消費量をもたらした一方で、前還元を伴わないNiCoMoSKを用いた310℃における工程は、20%のCO2消費量及び18%のH2消費量をもたらした。前還元を伴わない275℃におけるCoMoSK工程が、14%のCO2消費量及び16%のH2消費量をもたらした一方で、前還元を伴わないNiCoMoSKを用いた275℃における工程は、18%のCO2消費量及び15%のH2消費量をもたらした。
【0101】
実施例11:CoMnMoSK及びCoNbMoSKの比較
CoMnSMoSK及びCoNbMoSKが、以前に詳述されたように合成され、CO2還元が、以下の条件下で実施された:
触媒装填5g
2:1のH2:CO2比
GHSVは1000h-1であった。
温度は275℃であった。
圧力は1000psiであった。
【0102】
CO2の変換は、CoMnMoSKについては16%、CoNbMoSKについては18%で安定化した。CoNbMoSKは、CoMnMoSK(22%)と比較して、はるかに低いCH4選択性(12%)を有していた。CoNbMoSKは、約22%のアルコールの全体的選択性を有し、233時間の試験にわたって、約4.1重量%のエタノール及び0.45比のエタノール対メタノールで液体を生産した。
【0103】
参照による組み込み
本明細書で言及される全ての刊行物及び特許は、各個々の刊行物又は特許が参照により組み込まれることが具体的かつ個別に示された場合のように、参照によりそれらの全体で本明細書に組み込まれる。矛盾する場合、本明細書の任意の定義を含む、本出願が優先されるであろう。
【0104】
均等物
本発明の具体的実施形態が論じられているが、上記の明細書は、例証的であり、制限的ではない。本発明の多くの変形例が、本明細書及び以下の特許請求の範囲の精査により、当業者に明白となるであろう。本発明の全範囲は、それらの均等物の全範囲とともに特許請求の範囲、及びそのような変形例とともに本明細書を参照することによって決定されるべきである。
【国際調査報告】