(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-12
(54)【発明の名称】新規な組成物および医薬組成物
(51)【国際特許分類】
C07D 209/16 20060101AFI20230605BHJP
C07D 209/30 20060101ALI20230605BHJP
A61K 31/4045 20060101ALI20230605BHJP
A61K 31/675 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/18 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/00 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/30 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/24 20060101ALI20230605BHJP
A61P 29/00 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/04 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/28 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/08 20060101ALI20230605BHJP
A61P 25/16 20060101ALI20230605BHJP
C07F 9/572 20060101ALI20230605BHJP
【FI】
C07D209/16 CSP
C07D209/30
A61K31/4045
A61K31/675
A61P25/18
A61P25/00
A61P25/30
A61P25/24
A61P29/00
A61P25/04
A61P25/28
A61P25/08
A61P25/16
C07F9/572 A
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567840
(86)(22)【出願日】2021-05-07
(85)【翻訳文提出日】2022-12-28
(86)【国際出願番号】 US2021031215
(87)【国際公開番号】W WO2021226416
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-10-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522434598
【氏名又は名称】サイレラ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ウィトウスキ, クリストパー
(72)【発明者】
【氏名】サルム, ジャクリーン
【テーマコード(参考)】
4C086
4H050
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086AA04
4C086BC13
4C086DA38
4C086MA01
4C086MA04
4C086MA13
4C086MA17
4C086MA28
4C086MA32
4C086MA35
4C086MA37
4C086MA52
4C086MA59
4C086MA63
4C086NA14
4C086ZA01
4C086ZA06
4C086ZA08
4C086ZA12
4C086ZA15
4C086ZA18
4C086ZB11
4C086ZC39
4H050AA01
4H050AB20
(57)【要約】
新規のインドール化合物およびサイロシビン類似体の医薬製剤が製造され、神経学的、気分または乱用の疾患および障害を処置するために使用するための新規の経口、経皮および経鼻医薬組成物で提供される。本発明は、新規インドール化合物、サイロシビン、サイロシビン化学的類似体の投与、および新規インドール化学化合物;および、医薬組成物、医薬組成物を調製する方法、ならびに上記類似体および新規化合物を使用して神経疾患または障害を処置する方法に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の式の化合物であって:
構造(2)
【化5】
式中、R
1は、H、F、Cl、Br、IまたはCF
3からなる群から選択され;R
2は、HまたはCH
3であり;R
3およびR
4は、それぞれ独立して、必要に応じて、H、CH
3、C
2H
5、(H
3C)
2CH、またはH
2C=CH-CH
2からなる群から選択され;R
5は、OCH
3、OCOCH
3、O-ホスフェート、O-ポリエチレングリコール(PEG)、O-(CH
2)
2(COOH)
2(スクシネート)、O-(CH
2)
2(COOH)(ヘミスクシネート)およびCH
2SO
2NHCH
3(スルホンアミド)からなる群から選択され;R
1がHである場合、R
5はCH
2SO
2NHCH
3である化合物、およびその薬学的に許容され得る塩または溶媒和物。
【請求項2】
2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルハイドロジェンホスフェート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルハイドロジェンホスフェート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール、2-(2-クロロ-4-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、2-(2-ブロモ-4-メトキシ-1H-インドール-3イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、1-(2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド、1-(2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド、および1-(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミドからなる群から選択される、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
以下の式の化合物であって:
構造(3)
【化6】
式中、R
1は、F、Cl、Br、IまたはCF
3からなる群から選択され;R
2は、CH
3であり;R
3およびR
4は、それぞれ独立して、必要に応じて、H、CH
3、C
2H
5、(H
3C)
2CH、またはH
2C=CH-CH
2からなる群から選択される、化合物。
【請求項4】
2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジエチルエタン-1-アミン、N-(2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミン、N-(2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-ビニルエテンアミン、2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジエチルエタン-1-アミン、N-(2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミン、またはN-(2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミンからなる群から選択される、請求項3に記載の化合物。
【請求項5】
医薬有効成分を含む医薬組成物であって、前記医薬有効成分が、構造(2)の化合物、構造(3)の化合物またはサイロシビン類似体からなる群から選択される化合物である、医薬組成物。
【請求項6】
前記サイロシビン類似体が、サイロシビン、サイロシン、4-ヒドロキシ-インドール-3-酢酸、4-ヒドロキシトリプトフォール、4-ヒドロキシトリプトファン、ノルサイロシン、アエルギナシン、ベオシスチン、ノルベオシスチン、4-ヒドロキシ-N-メチル-N-エチルトリプタミン(4-OH-MET)、4-ヒドロキシジエチルトリプタミン(4-OH-DET)、4-ヒドロキシ-N,N-ジプロピルトリプタミン(4-OH-DPT)、4-ヒドロキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン(4-OH-DiPT)、N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)、インドール-3-酢酸、N,N-ジメチルトリプタミン-N-オキシド(DMT-NO)、5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)、ブフォテニン(5-OH-DMT)、4-アセトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(4-AcO-DMT)、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)、4-アセトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(4-AcO-DMT)、イボガイン、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記化合物が、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルハイドロジェンホスフェート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルハイドロジェンホスフェート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール、2-(2-クロロ-4-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、2-(2-ブロモ-4-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、1-(2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド、1-(2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド、または1-(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミドからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記化合物が、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジエチルエタン-1-アミン、N-(2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミン、N-(2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-ビニルエテンアミン、2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジエチルエタン-1-アミン、N-(2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミン、またはN-(2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミンからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項9】
前記組成物が、前記医薬有効成分の経口送達、経鼻送達または経皮送達用である、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項10】
前記経皮組成物が、噴霧可能な液剤、ゲル剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、または経皮パッチからなる群から選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項11】
前記経口組成物が、錠剤、カプセル剤、カシェ剤またはストリップである、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項12】
前記経鼻組成物が、ゲル剤、噴霧可能な液剤、乳剤、または軟膏剤からなる群から選択される、請求項5に記載の医薬組成物。
【請求項13】
疾患を処置または予防する方法であって、そのような処置を必要とする患者に、治療有効量の構造(2)、構造(3)またはサイロシビン類似体からなる群から選択される化合物を投与することを含む方法。
【請求項14】
前記疾患が、神経学的障害、気分障害または乱用障害である、請求項16に記載の方法。
【請求項15】
前記疾患が、うつ病、中枢神経系炎症、嗜癖、頭痛もしくは認知症、または認知および記憶の障害からなる群から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項16】
前記疾患が、てんかん、頭痛、認知症、外傷性障害、物質乱用、多発性硬化症またはパーキンソン病からなる群から選択される、請求項7に記載の方法。
【請求項17】
請求項2に記載の化合物を調製するための方法。
【請求項18】
請求項4に記載の化合物を調製するための方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2020年5月8日に出願された米国仮特許出願第63/021,866号、2020年10月28日に出願された米国仮特許出願第63/106,516号、および2021年1月7日に出願された米国仮特許出願第63/134,805号の利益を主張する。
【0002】
本開示の分野
本発明は、新規インドール化合物、サイロシビン、サイロシビン化学的類似体の投与、および新規インドール化学化合物;および、医薬組成物、医薬組成物を調製する方法、ならびに上記類似体および新規化合物を使用して神経疾患または障害を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
本発明の背景
精神賦活薬は、行動、気分、思考、または知覚に影響を及ぼす化合物である。精神賦活薬には、抗精神病薬、抗不安薬、刺激薬、再取り込み阻害剤、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、三環系抗うつ薬および気分安定剤が含まれる。これらの化合物のいくつかは歴史的に、適応外の精神賦活活動のために使用されており、現在、積極的な臨床有効性の調査が進められている。潜在的な治療有効性に加えて、これらの薬物は、最小投与閾値および最大投与閾値ならびに最も有効な送達システムを含むすべての関連する医薬特性について調査されなければならない。
【0004】
インドール化合物は、がん、心血管、胃腸、および広範囲の神経障害を含む多くの標的にわたって広範な生物医学的潜在性を有する多様なクラスの化合物を表す。インビボ生合成において、セロトニンのアミノ酸トリプトファン前駆体は、複素環式インドール骨格を含む多くの薬物のための最適な足場であった。セロトニン(5-HT)は、気分、睡眠、食欲、腸運動性、および性的健康を含む多くの重要な身体機能を支援する。セロトニン作動系は、これらの生物学的経路の範囲をモジュレートする、G結合タンパク質受容体のクラス、5-HT1~5-HT7ならびにそれらのサブタイプ(1A、2A、2Bなど)からなる。
【0005】
ほとんどのセロトニン作動性標的化治療薬は、選択的再取り込み阻害剤(総称:SSRI)、直接5-HT調節剤(非定型)としての、またはノルエピネフリン阻害剤(SNRI)と組み合わせた、抗うつ薬である。まだ完全には理解されていないが、承認された治療薬の一般的な作用機序は、シナプスバランスを回復させるためにシナプス後受容体中のモノアミン、5-HTおよびノルエピネフリンの濃度を増加させることに依拠している。しかしながら、これらの医薬は、一般に、有効性を欠き(プラセボよりも20~30%しか有効ではない)、かなりの副作用を有し、数週間~数ヶ月間遅れて発症する。
【0006】
シグマ-1受容体(σ受容体)は、脳の特定の領域で発現される細胞内受容体である。シグマ-1(σ1)のモジュレーションおよびアゴニズムは、運動力、気分障害、脳由来神経栄養因子(BDNF)の増加、ニューロン成長、および神経発生にプラスの影響を及ぼすことが示されている。抗精神病薬、抗うつ薬、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)および運動ニューロン薬を含む様々なクラスの向精神薬が(σ1)受容体に結合する。SSRIのσ1受容体への結合は、このクラスの薬物のセロトニン非依存的な作用を媒介し得る。幻覚剤N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)は、内因性σ1受容体調節因子である。
【0007】
サイロシビンは、200種を超えるキノコによって産生されるインドールアルカロイドおよび天然に存在する精神賦活プロドラッグである。サイロシビンは、経口投与によってインビボで脱リン酸化されて活性化合物サイロシンを生成するプロドラッグである。サイロシビンおよびサイロシンは両方ともインドール化合物であり、強力な5-HTアゴニストであることが知られており、血液脳関門を通過することができる。サイロシビンの治療的意義は、うつ病、不安症、片頭痛、嗜癖、認知症、アルツハイマー病、摂食障害、強迫性障害、および緩和ケアを目標とする活発な臨床研究によって広く示されている。
【0008】
マジックマッシュルームは、サイロシビンおよび活性サイロシビン化学的類似体ならびにそれらの組み合わせを含有する200種を超える天然に存在するキノコの群の一般的な用語である。同様に、他の天然に存在するサイケデリックインドール化合物としては、N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)、5-メトキシ-DMT(5-MeO-DMT)、リゼルガミド(lysergamide)(例えばLSD)、およびイボガインが挙げられる。生果実ならびにこれらの天然産物を含有する抽出物は、その精神賦活作用のために経口摂取されてきた。正確な用量応答活性は、個々の応答の変動性、天然の生物および抽出物の効力を測定することの困難さ、および異なる固有の効力および異なる類似体の比ならびにそれらの組み合わせのために、定量することが困難であった。これは、特にDMTのような化合物については、セロトニン受容体活性ならびにシグマ-1(σ1)受容体の相互作用によってのみ悪化する。具体的には、神経変性疾患および認知機能について、σ1受容体のアゴニスト(例えばDMT)は、記憶および学習において重要な役割を有する脳可塑性を高めることが示されている。
【0009】
サイロシビンおよびその公知の類似体が合成され、バイオ操作されている。20世紀半ばに、Sandoz Pharmaceuticalsは、精神療法における補助療法のためにサイロシビンの経口製剤を短期間販売した。その製品は、剤形に対する個々の応答が予測不可能であったため、すぐに市場から除かれた。2020年現在、米国麻薬取締局は、サイロシビンを、乱用の潜在性が高く、承認された医療用途がなく、医療管理下での使用に認められる安全性がない、スケジュール1の薬物として分類している。
【0010】
これらの化合物の投与および薬学的有効性の評価は困難であることが判明している。1つの理由は、血漿濃度-時間曲線が非常に可変的であることである。さらに、サイロシビンおよび特にDMTは、経口剤形の初回通過代謝を受け、それにより、全身循環に入る前の医薬有効成分の利用可能性が低下する。また、化合物の腎排泄には広い個体差がある。さらに、経口送達後のサイロシビンの医薬有効成分サイロシンへのpHおよびモノアミンオキシダーゼ(MAO)酵素的切断も薬力学の決定因子となり得る。その結果、様々な神経障害を処置するための最適な投与量の研究は、厳密には追求されていない。
【0011】
2016年のJohns Hopkins研究は、サイケデリック作用を誘発するために、4~8ng/mLの血漿濃度に相関する0.2mg/kgの投与レジメンなどの比較的高用量が必要であることを報告した。サイロシンのインビボ半減期は約50分であり、4~6時間続くサイケデリック経験をもたらし、その間、訓練された専門家が臨床現場で対象を監視する。精神療法は、患者の準備を整え、経験的結果を個人的反応に統合して抑うつ的な思考および行動を改善するために、サイケデリック用量の前後に実施され、薬物はホリスティックツールとしてのみ作用する。しかしながら、入院治療は、患者がサイケデリック薬の影響を受けている間の有害事象のリスクの増加は言うまでもなく、患者にとって多大な費用がかかり、医療従事者にとって時間がかかる。
【0012】
さらに、用量が増加すると正の心理的効果が見られたが、用量が増加するにつれて、不安、負の表象、吐き気、および頭痛の負の副作用も増加した。したがって、サイケデリックセッションの前、最中および後に、患者の専門的な監視が必要である。最近、微量投与は、非常に少量の知覚下量でサイケデリック物質を投与するために使用されている。微量投与されているサイケデリック物質には、LSD(リゼルグ酸ジエチルアミド)、大麻およびサイロシビン類似体が含まれる。DMTおよび5-MeO-DMTなどの微量投与物質の報告は、生物学的利用能の欠如および短い半減期がその投与を困難にするので、少ない。微量投与は、幻覚誘発作用を不能にすることなく、気分、知的集中力、エネルギーレベル、および創造性を改善する有益な治療効果を有することが報告されている。
【0013】
サイケデリック物質の微量投与は、向精神作用を大きく減少させ、間接的に(anecdotally)、投与は通常、サイケデリック用量の1/10(1/10th)である。うつ病およびPTSDを緩和するためのサイケデリックスの多くの臨床研究は、心臓病、精神病および統合失調症の病歴を有する参加者については、強い向精神作用によってこれらの状態が悪化し得るので除外するが、微量投与はこれらの問題を緩和することができる。サイケデリック作用がない処置は、臨床現場での薬物の投与が不要となり、より伝統的で柔軟で手頃な薬物レジメンが可能になる。微量投与の報告では、生産性、創造性、および抽象的な思考などの認知的利益の改善が認められている;サイケデリックスが神経炎症を軽減し、神経可塑性およびニューロン接続を増加させることを示唆する証拠の組み合わせは、認知症、アルツハイマー病および他の神経認知障害のための効果的な処置につながる可能性がある。
【0014】
医薬有効成分の経皮および経鼻適用は、精神賦活薬に使用される場合、多くの利点を有する。特に、サイロシンは、消化管でサイロシンに変換されるプロドラッグであるサイロシビンの変換の産物である。サイロシンの経皮適用を介して胃腸管を回避することにより、吸収および食物相互作用による問題を回避することができる。経口投与されたDMTの治療効果は、MAOIの共投与によってのみ実現され得るので、経皮システムは、代謝が減少し、薬物動態/薬力学(PK/PD)特性が改善された新しい送達方法を提供する。経皮投与の他の利点としては、初回通過代謝の回避すること;1回の適用で複数日の治療を提供し、それによって患者のコンプライアンスを改善すること;および、送達システムに存在する薬物のリザーバーおよびその制御放出特性により、短い半減期を有する薬物の活性を延長することが挙げられる。
【0015】
鼻粘膜への投与による医薬成分の全身送達が有利であり得る。経鼻送達は、腸代謝および初回通過代謝の回避を可能にする。さらに、全身薬の経鼻送達は、血液脳関門を迂回し、嗅覚および三叉神経経路を介して脳に入ることができ、これは中枢神経系の疾患の医薬投与に有利であり得る。経鼻投与のさらなる利点は、鼻粘膜を介した迅速な全身吸収である。これをDMTのような短い半減期の化合物と組み合わせることは、より長時間作用するサイケデリックスよりも有意な臨床的利点を有し得る。
【0016】
薬物の経口送達は、摂取の容易さ、痛みの回避、良好な患者コンプライアンスおよび調剤履歴のために、様々な他の薬物投与経路よりもしばしば好ましい。しかしながら、水性環境における薬物の溶解度が低い、味、製剤賦形剤との薬物の安定性、様々な溶解速度、未知の胃腸吸収問題および食物作用などの多くの問題が依然として経口送達に関連している。経口医薬製剤は、一般的な分野の特定の知識および革新的なデザインを必要とする科学的取り組みとして認識されている。
【0017】
サイロシビンおよびそのサイロシビン類似体ならびにそれらの組み合わせに関する最近の研究は、処置後ライム病症候群、認知症、アルツハイマー病、心的外傷後ストレス障害、神経性食欲不振、うつ病および不安、オピオイド中毒、アルコール中毒、ニコチン中毒、カンナビノイド中毒、頭痛、中枢神経系炎症、認知症、ならびに認知および記憶の障害を含む乱用障害のモデルおよび小規模臨床試験において有効性を有することが報告されている。サイロシビンおよびその類似体を使用するこれらの有望な実験報告は、最も有利な投与量および投与期間;改善された薬物動態(PK)プロファイル、薬力学(PD)プロファイル、または安全性プロファイル;長期または維持治療の利益の評価;疾患を処置するための生物学的有効性を最大化する処置レジメンの開発;および他の潜在的な有利な利点におけるこれらの化合物の使用を可能にする製剤を決定する緊急の必要性を実証している。さらに、神経学的、気分および乱用障害または疾患を処置するための新規で安全かつ効果的な外因性セロトニン作動性および/またはシグマ-1調節剤の開発が必要とされている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
概要
生物学的有効性および増大した臨床的安全性を有する新規のインドール化合物を本明細書中に提供する。
【0019】
これらの化合物には、構造(1)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物が含まれる:
構造(1)
【化1】
式中、
Xは、H、CF
3、またはF、Cl、Br、Iおよびアスタチンからなる群から選択されるハロゲンであり;R
1は、第一級、第二級、第三級または第四級アミンを有する脂肪族置換基を含み;R
2は、水素、ヒドロキシル、エステル、エーテル、アルデヒド、酸、アミド、チオール、スルホン、スルホンアミドまたはそれらの組み合わせである。
【0020】
本発明のさらなる態様は、以下からなる群から選択される、上記の構造(1)による化合物:
【表1-1】
【表1-2】
【表1-3】
【表1-4】
【表1-5】
【表1-6】
【表1-7】
およびその任意の塩形態である。
【0021】
本発明の別の態様では、構造(2)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物:
構造(2)
【化2】
式中、R
1は、H、F、Cl、Br、IまたはCF
3からなる群から選択され;R
2またはCH
3;R
3およびR
4は、それぞれ独立して、必要に応じて、H、CH
3、C
2H
5、(H
3C)
2CH、またはH
2C=CH-CH
2からなる群から選択され;R
5は、OCH
3、OCOCH
3、O-ホスフェート、O-ポリエチレングリコール(PEG)、O-(CH
2)
2(COOH)
2(スクシネート)、O-(CH
2)
2(COOH)(ヘミスクシネート)およびCH
2SO
2NHCH
3(スルホンアミド)からなる群から選択され;R
1がHである場合、R
5はCH
2SO
2NHCH
3である。
【0022】
構造(2)の特定の化合物は、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルハイドロジェンホスフェート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルハイドロジェンホスフェート、2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール、2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-オール、2-(2-クロロ-4-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、2-(2-ブロモ-4-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミンである。構造(2)の他の特定の化合物は、特に興味深いのは、1-(2-クロロ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド、1-(2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド、および1-(3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミドである。
【0023】
本発明の別の態様は、構造(3)の化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物:
構造(3)
【化3】
式中、R
1は、F、Cl、Br、IまたはCF
3からなる群から選択され;R
2は、CH
3であり;R
3およびR
4は、それぞれ独立して、必要に応じて、H、CH
3、C
2H
5、(H
3C)
2CH、またはH
2C=CH-CH
2からなる群から選択される、化合物またはその薬学的に許容され得る塩もしくは溶媒和物である。
【0024】
構造(3)の特定の化合物は、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(S)-1-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、(R)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルプロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)プロパン-2-アミン、(S)-1-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N-メチルプロパン-2-アミン、2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジエチルエタン-1-アミン、N-(2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミン、N-(2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-ビニルエテンアミン、2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジエチルエタン-1-アミン、N-(2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミン、またはN-(2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)エチル)-N-イソプロピルプロパン-2-アミンである。
【0025】
本明細書では、本明細書に記載の医薬有効成分を皮膚および鼻腔への該医薬有効成分の経皮的適用を通して血流中に放出するように設計された医薬組成物が提供される。これらの医薬組成物は、経皮または経鼻医薬製剤である。医薬有効成分は、噴霧可能な液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、経皮パッチなどによって適用され得る。
【0026】
1つの実施形態において、医薬有効成分の経皮医薬組成物および経鼻組成物は、構造(1)、(2)、(3)によって記載されるような化合物、ならびに表(1)に列挙される化合物およびその任意のイオン性形態または塩形態であり得る。
【0027】
特定の実施形態では、サイロシビン類似体およびその組み合わせは、サイロシビンに構造的に関連し、セロトニンの作用を機能的に模倣および/または拮抗する任意の化合物を含む。別の実施形態では、医薬有効成分は、サイロシビンおよび活性類似体ならびにそれらの組み合わせを含む。サイロシビンの活性類似体およびそれらの組み合わせには、表(2)サイロシビン類似体に列挙される化合物が含まれるが、これらに限定されない。
【0028】
【0029】
神経学的、気分および乱用障害または疾患を処置するための、構造(1)、(2)および(3)によって記載される新規化合物、表(1)に列挙される新規化合物、および表(2)のサイロシビン類似体、ならびにそれらの塩または溶媒和物を医薬有効成分として使用する経皮または経鼻医薬の製造が本明細書で提供される。
【0030】
本発明の経皮および経鼻医薬組成物は、疾患を処置、管理または予防するための薬における使用について記載される組成物を提供する。
【0031】
別の実施形態では、医薬組成物は、迅速な開始および持続時間でヒト全身循環に経口送達するように設計される。
【0032】
別の実施形態では、医薬組成物は、経口送達を介して、好ましくは毎日1回の用量を提供して、ヒト全身循環に持続放出するように設計される。
【0033】
本明細書中に記載される経口医薬組成物は、長期間にわたってヒトの全身循環への医薬有効成分の改変された時間放出のために設計され得る。組成物は、固体、半固体、液体、または柔軟な送達システムから構成されてもよく、舌下、頬側、または経口投与によって投与することができる。医薬有効成分は、錠剤、カプセル剤、ソフトゲル剤、ストリップ、舌下ストリップ、カシェ剤、液剤、懸濁剤内に供給され得る。
【0034】
一実施形態では、経口医薬組成物は、構造(1)、(2)、(3)によって記載される新規化合物の医薬有効成分、表(1)の新規化合物、および表(2)のサイロシビン類似体、またはそれらの塩もしくは溶媒和物を含有する。医薬製剤の医薬有効成分としてのサイロシビン類似体および/または新規インドール化合物の組み合わせも本発明の一部である。
【0035】
本発明は、神経学的障害、気分障害、または乱用障害または疾患の処置、管理、または予防に使用するための記載の組成物を提供し、障害は、うつ病、中枢神経系炎症、嗜癖、頭痛、もしくは認知症、または認知および記憶の障害であり得る。
【0036】
本発明は、神経学的、気分および乱用障害または疾患の処置、管理または予防のために規制当局によって承認されている医薬有効成分と組み合わせた、本明細書に記載の化合物および類似体の局所、経鼻または経口適用の組み合わせを提供する。承認された医薬有効成分は、規制当局によって承認された任意の送達システムによって必要とする患者に送達され得る。本発明の一態様では、新規インドールまたはサイロシビン類似体と組み合わせて使用するための承認された医薬有効成分はMAOIである。本発明の別の態様では、承認された医薬有効成分は5-HTアンタゴニストである。
【0037】
構造(1)、(2)、および(3)の新規インドール化合物、ならびに表(1)の新規化合物および表(2)のサイロシビン類似体を提供するための新規合成経路も本明細書で提供される。記載される化合物の新規な合成は、具体的な実施例に記載され、本明細書に記載される通りである。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【
図1】
図1は、実施例1によるDMT経皮パッチの薬物放出を示す。フランツセル拡散モデルによって評価した結果を平均する(n=3)。
【0039】
【
図2】
図2は、フランツセルモデルによる経皮製剤の拡散速度を示す。
【発明を実施するための形態】
【0040】
詳細な説明
他に定義されない限り、本明細書で使用されるすべての技術用語および科学用語は、当業者によって一般的に理解されるのと同じ意味を有する。
【0041】
本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、不定冠詞「a」および「an」ならびに定冠詞「the」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数および単数の指示対象を含む。
【0042】
「約(about)」または「およそ(approximately)」という用語は、当業者によって決定される特定の値の許容され得る誤差を意味し、値がどのように測定または決定されるかに部分的に依存する。特定の実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、1、2、3または4標準偏差以内を意味する。特定の実施形態では、「約」または「およそ」という用語は、所与の値または範囲の30%、20%、15%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、1%、0.5%、0.1%、または0.05%を意味する。
【0043】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「処置する(treat)」、「処置すること(treating)」および「処置(treatment)」という用語は、疾患もしくは障害、または疾患もしくは障害に関連する1またはそれを超える症状の根絶または改善を指す。特定の実施形態では、この用語は、そのような疾患または障害を有する対象への1またはそれを超える予防剤または治療剤の投与から生じる疾患または障害の広がりまたは悪化を最小限に抑えることを指す。いくつかの実施形態では、この用語は、特定の疾患の症状の発症後の、1またはそれを超える追加の活性剤を伴うまたは伴わない、本明細書で提供される化合物または剤形の投与を指す。
【0044】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「乱用障害」という用語は、人の脳および行動に影響を及ぼし、合法または違法な薬物または医薬の使用の制御不能をもたらす障害または疾患である。処方薬、非処方薬、および非承認薬物はすべて乱用薬物であり得る。薬物および医薬には、アンフェタミン、オピオイド、コカイン、バルビツレート、アルコール、マリファナ、およびニコチンなどの物質も含まれ得る。
【0045】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「気分障害」という用語は、人の気分の乱れが根底にある特徴である状態のグループである。気分障害は、躁病(気分上昇障害)または軽躁病(うつ病)の群であり得る。この分類は、Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders(DSM)およびInternational Classification of Diseases(ICD)に記載されている。
【0046】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「神経障害」という用語は、中枢神経系および末梢神経系、例えば、脳、脊髄、脳神経、末梢神経、神経根、自律神経系、神経筋接合部、および筋肉の疾患を指す。これらの障害には、てんかん、アルツハイマー病および他の認知症、脳卒中、片頭痛、群発性頭痛および他の頭痛障害を含む脳血管疾患、多発性硬化症、パーキンソン病、神経感染症、脳腫瘍、頭部外傷による神経系の外傷性障害、ならびに外傷性または恐怖体験による外傷性障害(心的外傷後ストレス障害、例えばPTSD)、ならびに栄養失調および物質乱用の結果としての神経障害が含まれる。乱用される物質は、任意の数の嗜癖性物質、特にアルコールおよび薬物ならびにそれらの組み合わせであり得る。多くの細菌感染症(例えば、結核菌(Mycobacterial tuberculosis)、髄膜炎菌(Neisseria meningitides))、ウイルス感染症(例えば、ヒト免疫不全ウイルス(HIV)、ライム病、エンテロウイルス、ウエストナイルウイルス、ジカ)、真菌感染症(例えば、クリプトコッカス(Cryptococcus)、アスペルギルス(Aspergillus))、および寄生虫感染症(例えば、マラリア、シャーガス)が神経系に影響を及ぼし得る。神経学的症状は、感染自体に起因して、または免疫応答に起因して起こり得る。
【0047】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「予防する」、「予防すること」および「予防」という用語は、疾患もしくは障害またはその1またはそれを超える症状の発症、再発または拡散の予防を指す。特定の実施形態では、この用語は、症状の発症前の、特に本明細書で提供される疾患または障害のリスクがある対象に対する、1またはそれを超える他の追加の活性剤を伴うまたは伴わない、本明細書で提供されるコンパウンダー剤形による処置または投与を指す。これらの用語は、特定の疾患の症状の阻害または軽減を包含する。特定の実施形態では、特に疾患の家族歴を有する対象が予防レジメンの候補である。さらに、再発性の症状の病歴を有する対象もまた、予防のための潜在的な候補である。これに関して、「予防」という用語は、「予防的処置」という用語と互換的に使用され得る。
【0048】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「管理する」、「管理すること」および「管理」という用語は、疾患もしくは障害またはその1またはそれを超える症状の進行、拡散もしくは悪化を予防または遅延することを指す。多くの場合、対象が予防剤および/または治療剤から得る有益な効果は、疾患または障害の治癒をもたらさない。これに関して、「管理すること」という用語は、疾患の再発を予防または最小化する試みで特定の疾患に罹患した対象を処置することを包含する。
【0049】
本明細書で使用される場合、特定の医薬組成物の投与による特定の障害の症状の改善は、組成物の投与に起因するかまたはそれに関連し得る、永続的または一時的、持続的または一過性であるかを問わない任意の軽減を指す。
【0050】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、化合物の「予防有効量」は、疾患または障害を予防するかまたはその再発を予防するのに十分な量である。化合物の予防有効量は、単独または1またはそれを超える他の薬剤と組み合わせて、疾患の予防において予防上の利益を提供する治療剤の量を意味する。「予防有効量」という用語は、全体的な予防を改善するか、または別の予防剤の予防有効性を増強する量を包含することができる。
【0051】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、化合物の「治療有効量」および「有効量」という用語は、疾患もしくは障害の処置もしくは管理において治療上の利益を提供する、または疾患もしくは障害に関連する1またはそれを超える症状を遅延または最小化するのに十分な量を意味する。化合物の「治療有効量」および「有効量」は、単独でまたは1またはそれを超える他の薬剤と組み合わせて、疾患または障害の処置または管理において治療上の利益を提供する治療剤の量を意味する。「治療有効量」および「有効量」という用語は、処置全体を改善し、疾患もしくは障害の症状もしくは原因を軽減もしくは回避し、または別の治療剤の治療有効性を増強する量を包含することができる。
【0052】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「医薬有効成分(API)」は、薬物(医薬)製品の製造に使用されることが意図され、薬物の製造に使用されると薬物製品の有効成分になる任意の物質または物質の混合物である。そのような物質は、疾患の診断、治癒、緩和、処置、もしくは予防に影響を及ぼすこと、または身体の構造もしくは機能に影響を及ぼすことを意図している。
【0053】
本明細書で使用される場合、特に明記しない限り、「薬物製品」という用語は、一般に、医薬有効成分を含有するが、必ずしも非有効成分と関連しているわけではない、最終剤形、例えば経口、経鼻または経皮製剤である。
【0054】
本明細書で使用される「組成物」、「製剤」、および「剤形」という用語は、特定の成分(複数可)(示されている場合、指定された量)を含む組成物、ならびに特定の量(複数可)の特定の成分(複数可)の組み合わせから直接的または間接的に生じる任意の製品を包含することを意図している。「薬学的」または「薬学的に許容され得る」とは、組成物、製剤または剤形中の任意の希釈剤(複数可)、賦形剤(複数可)、吸収促進剤(複数可)または担体(複数可)が他の成分(複数可)と適合性であり、そのレシピエントに有害ではないことを意味する。別段の指示がない限り、「組成物」、「製剤」、および「剤形」という用語は、本明細書では互換的に使用される。
【0055】
本明細書で使用される場合、「経皮」という用語は、皮膚を通って血流に吸収される形態の医薬であるか、またはそれを供給することに関する。
【0056】
本明細書で使用される場合、「経鼻(nasal)」という用語は、鼻粘膜を介した吸収のための形態の医薬であるか、またはそれを供給することに関する。経鼻送達は、液剤、ゲル剤、懸濁剤、乳剤、リポソーム剤および微粒子剤を含むがこれらに限定されない広範囲の剤形によって影響を受け得る。
【0057】
本明細書で使用される場合、「経口」は、口腔粘膜、舌下膜、頬側膜、食道膜、胃膜、または腸膜を介した吸収のための形態の医薬に関する。「カプセル剤」という用語は、APIおよび非有効成分がゼラチン、重合セルロースまたは他の適切な材料で構成された外殻内に固体、液体または半固体として含有されている経口組成物を指す。カプセル剤は、嚥下されることが意図されており、組成物が溶解し、食道、胃または腸内層を介した全身吸収のためにAPIを放出する。
【0058】
「錠剤」および「カシェ剤」という用語は、API、非有効成分、および必要に応じて唾液刺激剤を含有する球状、円形、楕円形、三角形、ダイヤモンド、小球、または横長形状の経口組成物を含み、これらは粉末製剤の直接圧縮で形成される。口腔内に入ると、組成物は溶解し、頬側、舌下、食道、胃、または腸の内層を介した全身吸収のためにAPIを放出する。
【0059】
「ストリップ」または「口腔ストリップ」という用語は、柔軟なマトリックスを形成するAPI、非有効成分、および必要に応じて唾液刺激剤を含有する正方形、長方形、三角形、円形、環状、または横長形状の口腔組成物を含む。一般的に舌の下に置かれて口腔内に入ると、組成物は溶解し、頬側、舌下、食道、胃、または腸の内層を介した全身吸収のためにAPIを放出する。
【0060】
本明細書で使用される場合、「即時放出」は、投与後に血液中への薬物の迅速な吸収をもたらす、経口、経鼻または経皮的に摂取される医薬有効成分(複数可)の製剤として定義される。即時放出は、溶解および/または浸透性試験に関するFDA産業ガイドラインを使用してインビトロで、または血漿レベルを使用してインビボで測定することができる。
【0061】
本明細書で使用される場合、「改変放出(modified release)」または「持続放出(extended release)」は、薬物の比較的一定の血漿濃度を維持するために、数時間または数日間にわたって医薬有効成分を放出する、経口、経鼻または経皮的に摂取される医薬有効成分(複数可)の製剤として定義される。そのような改変は、治療活性を長期間維持すること、毒性作用を低減すること、活性物質を低pHによる分解から保護すること、局所処置のために活性物質を消化管の所定のセグメントに標的化すること、または指定された時点での活性物質の放出を標的化することなどのいくつかの目的を有し得る。改変放出は、改変放出製剤に関する適切なFDA産業ガイドラインによって測定される。
【0062】
「対象」という用語は、霊長類(例えば、ヒト)、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウマ、イヌ、ネコ、ウサギ、ラット、マウスなどを含むがこれらに限定されない哺乳動物などの動物を含むように本明細書で定義される。特定の実施形態では、対象はヒトである。
【0063】
「共投与」、「と組み合わせて(in combination with)」および「組み合わせて(in combination)」という用語は、2またはそれを超える治療薬を特定の時間制限なし以内で同時に、併せてまたは順次投与することを含む。一実施形態では、薬剤は、細胞内または対象の体内に同時に存在するか、またはそれらの生物学的または治療的効果を同時に発揮する。一実施形態では、治療剤は同じ組成物または単位剤形内にある。他の実施形態では、治療剤は別個の組成物または単位剤形内にある。特定の実施形態では、第1の薬剤は、第2の治療剤の投与の前(例えば、5分前、15分前、30分前、45分前、1時間前、2時間前、4時間前、6時間前、12時間前、24時間前、48時間前、72時間前、96時間前、1週間前、2週間前、3週間前、または4週間前)に、第2の治療剤の投与と同時に、または第2の治療剤の投与の後に(例えば、5分後、15分後、30分後、45分後、1時間後、2時間後、4時間後、6時間後、12時間後、24時間後、48時間後、72時間後、96時間後、1週間後、2週間後、3週間後、4週間後、5週間後、6週間後、8週間後、または12週間後)に、投与することができる。
【0064】
「サイロシビン類似体」という用語は、本明細書において、サイロシビンに構造的に関連し、セロトニンの作用を機能的に模倣および/または拮抗する任意の化合物を含むと定義される。本明細書の特定の実施形態は、サイロシビンの塩、共結晶、溶媒和物、異性体、水和物、イオン、双性イオン、錯体、プロドラッグ、前駆体、代謝産物、および/または他の誘導体を提供する。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるサイロシビン類似体の2またはそれを超える混合物を提供する。本明細書に記載されるように、サイロシビン類似体は、表(2)に列挙される化合物ならびにその塩および溶媒和物からなる群から選択される。本明細書の特定の実施形態は、本明細書で提供されるサイロシビン類似体の2またはそれを超える混合物を提供する。
【0065】
本明細書に記載のサイロシビン類似体は、当業者に公知の任意の方法を使用して合成することができる。特定の化合物は、生物学的プロセスを製造品に適用することによって提供することができることが知られており、化合物は、バイオ操作される。
【0066】
本明細書に記載のサイロシビン類似体は、精神賦活化合物を含有する天然源からの該化合物のアルコールまたは酸塩基抽出によって提供され得る。抽出方法は、当業者に周知である。
【0067】
特定の実施形態では、本発明の製剤は、合成的にまたはバイオ操作で得られ得る;または天然に存在するキノコから抽出され得る、サイロシビンおよびサイロシビン類似体ならびにそれらの組み合わせを使用する。本明細書に記載されているように、製造プロセスのいくつかは新規であり得、他のものは当技術分野で十分に説明されている技術を使用し得る。
【0068】
(a)構造(1)、構造(2)、構造(3)の新規インドールもしくは(b)、またはサイロシビン類似体のいずれかである医薬有効成分を含む剤形、医薬製剤および組成物が本明細書で提供される。剤形、医薬製剤および組成物は、経皮、経鼻または経口投与の際に医薬有効成分を血流中に放出する。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、サイロシンである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシトリプトファンである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシトリプトフォールである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシ-インドール-3-アセトアルデヒドである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシ-インドール-3-酢酸である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、ノルサイロシンである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、アエルギナシン(aeruginascin)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、ベオシスチンである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、ノルベオシスチンである。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシ-N-メチル-N-エチルトリプタミン(4-OH-MET)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシジエチルトリプタミン(4-OH-DET)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシ-N N-ジプロピルトリプタミン(4-OH-DPT)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、4-ヒドロキシ-N,N-ジイソプロピルトリプタミン(4-OH-DiPT)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、インドール-3-酢酸である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、N,N-ジメチルトリプタミン-N-オキシド(DMT-NO)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、リゼルグ酸ジエチルアミド(LSD)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、O-アセチルサイロシン(4-AcO-DMT)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、5-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(5-MeO-DMT)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、ブフォテニン(5-OH-DMT)である。特定の実施形態では、サイロシビン類似体は、イボガインである。
【0069】
特定の実施形態では、例示的な化合物は、構造(1)に示されるような構造を有する:
【化4】
式中、
Xは、H、CF
3、またはF、Cl、Br、Iまたはアスタチンからなる群から選択されるハロゲンであり;R
1は、第一級、第二級、第三級または第四級アミンを有する脂肪族置換基を含み;R
2は、水素、ヒドロキシル、エステル、エーテル、アルデヒド、酸、アミド、チオール、スルホン、スルホンアミドまたはそれらの組み合わせである。
【0070】
特定の実施形態では、本明細書で提供されるサイロシビン類似体およびその組み合わせは、サイロシビンに構造的に関連し、セロトニンの作用を機能的に模倣および/または拮抗する任意の化合物を含む。
【0071】
特定の実施形態では、例示的なサイロシビン類似体およびその組み合わせは、表(2)に提供される化合物である。
【0072】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせのいずれかである医薬有効成分を含む医薬製剤および組成物は、他の活性剤と組み合わせて使用することができる。
【0073】
特定の実施形態では、医薬製剤はMAOIを含む。MAOIは、モノアミンの酸化を触媒する酵素ファミリーの薬物であり、特定のサイロシビン類似体およびその組み合わせは、MAOIによって酵素的に分解されることが知られている。MAOIには、ハルマラアルカロイド、ハルミン、ハルマン、ハルマリン、ヒドラジン、イプロニアジド、イソカルボキサジド、ニアラミド、フェネルジン、ヒドラカルバジン、トラニルシプロミン、ビフェメラン、モクロベミド、ピルリンドール、トロキサトン、ラサギリン、セレギリン、サフィナミド、およびモノアミンオキシダーゼAの他の可逆的阻害剤(RIMA)が含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書の特定の実施形態は、(a)構造(1)のインドールまたは(b)サイロシビン類似体およびそれらの組み合わせのいずれかである医薬有効成分、ならびに必要に応じて、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤またはMAOIとしても知られる)を含む医薬製剤および組成物を包含し、そのような製剤および組成物は、経皮投与のために調製される。
【0075】
本明細書の特定の実施形態は、(a)構造(1)、構造(2)または構造(3)のインドールまたは(b)サイロシビン類似体およびそれらの組み合わせのいずれかである医薬有効成分、ならびに必要に応じて、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO阻害剤またはMAOIとしても知られる)を含む医薬製剤および組成物を包含し、そのような製剤および組成物は、経口投与のために調製される。特定の実施形態では、5-HTアンタゴニストは、アロステリック調節剤として、またはサイロシビン類似体の治療的利益を改善するために使用され得る。特定の5-HTアンタゴニストは、サイロシビン類似体によって誘導される精神活動(pyschoactivity)を低下させることができることが知られており、これは、処置のために、または副作用を低下させるために有益であり得る。特定の5-HTアンタゴニストには、ケタンセリン、クロザピン、オランザピン、クエチアピン、リスペリドン、アセナピン、シプロヘプタジン、トラザドン、ミルタザピン、ネファゾドン、ニアプラジン、ピゾチフェン、メテルゴリンまたは2-ブロモ-LSD(BOL-148)が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、構造(2)もしくは構造(3)のインドール、または(b)サイロシビン類似体、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む医薬製剤および組成物は、神経学的、気分および乱用障害を処置するために使用される。これらの製剤および組成物は、経皮投与のために調製され得る。
【0077】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む医薬製剤および組成物は、神経学的、気分および乱用障害を処置するために使用される。これらの製剤および組成物は、経鼻投与のために調製され得る。
【0078】
特定の実施形態では、((a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む医薬製剤および組成物は、神経学的、気分および乱用障害を処置するために使用される。これらの製剤および組成物は、経口投与のために調製され得る。特定の実施形態は、本明細書で提供される特定の医学的適応症を処置するための医薬製剤および組成物を調製するための、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の使用に関する。医薬製剤および組成物は、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の、それを必要とする対象における経皮送達を意図している。経皮製剤は、噴霧可能な液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、および経皮パッチの形態で製造することができ、所望の領域に局所的に適用される。
【0079】
特定の実施形態は、本明細書で提供される特定の医学的適応症を処置するための医薬製剤および組成物を調製するための、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の使用に関する。医薬製剤および組成物は、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の、それを必要とする対象における経口送達を意図している。経口製剤は、錠剤、カプセル、ソフトゲル、ストリップ、経口パッチの形態で製造することができ、治療を必要とする患者への経口送達を意図している。
【0080】
特定の実施形態では、医薬製剤は、APIの即時放出のために製剤化され得る。特定の実施形態において、即時放出製剤は、経皮組成物または経鼻組成物である。
【0081】
特定の実施形態では、医薬製剤は、APIの即時放出のために製剤化され得る。特定の実施形態において、即時放出製剤は、経口組成物である。
【0082】
特定の実施形態では、医薬製剤は、APIの改変放出のために製剤化され得る。特定の実施形態において、即時放出製剤は、経皮組成物である。
【0083】
特定の実施形態では、医薬製剤は、APIの改変放出のために製剤化され得る。特定の実施形態において、即時放出製剤は、経口組成物である。
【0084】
特定の実施形態では、経皮組成物は、皮膚または粘膜を横切って血流中に医薬有効成分を送達する経皮パッチまたは経鼻製剤を含む。特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、神経学的、気分および乱用障害を処置するための医薬組成物を調製するための、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の使用を含み、組成物は、経皮または経鼻投与用に調製される。
【0085】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の製剤は、経皮、経鼻または経口投与の際に血漿中への医薬有効成分の即時放出をもたらす。特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む製剤は、治療的または予防的有効量の医薬有効成分および必要に応じて1またはそれを超える賦形剤を含む。
【0086】
本発明の経皮、経鼻、または経口製剤の特定の実施形態では、当該技術分野において十分に記載されている、合成的にまたはバイオ操作で得られ得る;または天然に存在するキノコから抽出され得る、サイロシビンおよびサイロシビン類似体ならびにそれらの組み合わせを使用する。
【0087】
本発明の経皮、経鼻、または経口製剤の特定の実施形態では、本明細書に記載の新規な化学合成技術または抽出技術を使用して、合成的にまたはバイオ操作で得られ得る;または天然に存在するキノコから抽出され得る、サイロシビンおよびサイロシビン類似体ならびにそれらの組み合わせを使用する。
【0088】
特定の実施形態では、経皮医薬投与組成物は、噴霧可能な液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏および経皮パッチの形態であり、医薬有効成分は、組成物の送達特性を高め医薬有効成分を安定化する非有効成分とともに注入される。一実施形態では、透過促進剤は非有効成分であり得る。透過促進剤としては、ヒマシ油、ヤシ油、中鎖トリグリセリド(MCT)、ホホバ油、ヒマワリ油、アルガン油、アーモンド油、オリーブ油、鉱油、ワセリン、カカオ脂、シアバター、もしくは他のエステル、トリグリセリド、またはそれらの機能性誘導体であり得るがこれらに限定されない脂肪酸および油を挙げることができる。
【0089】
特定の実施形態では、界面活性剤を乳化剤および安定剤として経皮送達システムで使用してもよく、良好な安定性および浸透性のために薬物を封入することができる。界面活性剤としては、ポリソルベート(例えば、Tween(登録商標)、ポリソルベート20)、ソルビタン(Span(登録商標))、リン脂質(レシチン)、ラウリル硫酸、ベタイン、プロピオネート、脂肪アルコールおよびアルカノールアミド、脂肪酸エステル、アミンオキシド、ミリステート、およびアゾンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
特定の実施形態では、共溶媒は、より良好な皮膚感触のための湿潤剤として作用しながら、薬物溶解度および浸透性を改善するために経皮製剤に使用され得る。一般的な共溶媒としては、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレンモノエチルエーテル、クレモフォア、シロキサン、ポリエチレン、および水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0091】
特定の実施形態では、増粘剤を経皮製剤に使用して、分離を低減し、改変送達に適したマトリックスを提供することができる。一般的な増粘剤としては、アクリレート、カルボマー、セルロースマトリックス、シリコーン、カラギーナン、ガム、樹脂、多糖類、ならびに高融点ワックスおよび油類、例えば蜜蝋、ヤシ油、パーム油、大豆油、ステアリン酸、菜種、カカオ脂、シアバター、ガム、ロジン、樹脂、パラフィンおよびワセリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
特定の実施形態では、粘着付与剤を経皮製剤に使用して、長期間の着用性のために接着性を高めることができる。一般的な粘着付与剤としては、ガム、樹脂(天然または修飾)、カルボマー、または他の天然もしくは合成ポリマーが挙げられるが、これらに限定されない。
【0093】
特定の実施形態では、製剤安定性を改善し、微生物成長を遅延させるために、保存剤を経皮製剤に使用することができる。一般的な保存剤としては、パラベン、ソルベート、ベンゾエート、シリカ、塩化物、フェノール、クロルヘキシジン、クエン酸、トリクロサン、ビタミンE(またはトコフェロール)、キレート剤、金属、塩およびアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。最後に、製剤は、典型的には、水またはAloe barbadensisジュースなどの親水性成分で乳化される。
【0094】
特定の実施形態では、(a)構造(1)のインドールまたは(b)サイロシビン類似体およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む製剤は、投与の際に経皮的に医薬有効成分の制御放出をもたらす。特定の実施形態では、医薬有効成分を含む製剤は、治療上または予防上有効量の医薬有効成分(複数可)と、医薬有効成分の直接血流中への制御された持続放出が可能な薬物放出制御成分とを含む。
【0095】
特定の実施形態では、経皮剤形は経皮送達デバイスである。治療薬を患者に経皮送達するための当技術分野で従来の任意のデバイスを、本発明の組成物の経皮送達のために、および経皮送達デバイスとして使用することができる。例えば、経皮送達デバイスは、リザーバー型経皮送達デバイス、ポリマーマトリックス型経皮送達デバイス、または薬物含有接着型経皮送達デバイス(drug-in-adhesive type transdermal delivery device)もしくは複数積層型経皮送達デバイス(multilaminate type transdermal delivery device)であり得る。経皮送達デバイスは、患者の皮膚と接触したときに、本発明の医薬有効成分が治療有効量で送達されるように設計される。
【0096】
特定の実施形態では、経皮送達デバイスは、感圧接着性マトリックス中に直接分散された医薬有効成分を含む薬物含有接着型デバイスである。接着性マトリックスは、上面を不浸透性バッキングフィルムで、皮膚に面する側を不浸透性の剥離ライナーで支持することが好ましい。医薬有効成分を投与するために、剥離ライナーを除去して接着性マトリックスを露出させ、デバイスを皮膚と接触させる。接着性マトリックスは、デバイスを皮膚に接着し、典型的には、医薬有効成分の送達速度を制御するように機能する。ポリマーマトリックス設計と同様に、薬物含有接着設計は、医薬有効成分が接着性マトリックスから拡散し、患者の皮膚に接触し、皮膚を透過することを可能にする。医薬有効成分の送達速度は、通常、接着性マトリックスからの医薬有効成分(複数可)の拡散速度によって決定される。より長い延長送達のために、複数の薬物含有接着層を速度制御膜の間に一緒に積層することができる。送達速度は、有効量の医薬有効成分が、医薬有効成分を必要とする患者に送達されるようにする。
【0097】
特定の実施形態では、リザーバー型経皮送達デバイスは、好ましくは、不浸透性バッキングフィルムと感圧接着性皮膚接触層で覆われた速度制御膜との間に位置するリザーバー(通常は液体または半固体)を含む。リザーバーは、溶液または分散液であってもよく、本発明の組成物を含有する。経皮送達デバイスは、好ましくは不浸透性バッキングフィルムによって支持され、接着面は剥離ライナーによって保護される。本発明の医薬有効成分を投与するには、剥離ライナーを剥がして感圧接着剤を露出させ、感圧接着剤を皮膚に接触させる。本発明の医薬有効成分は、速度制御膜を通って浸透することができ、速度制御膜と接着剤とを通って透過し、皮膚に接触し、そして皮膚を浸透する。活性医薬発明の送達速度は、通常、医薬有効成分が速度制御膜を透過する速度によって決定される。
【0098】
特定の実施形態では、経皮送達デバイスはポリマーマトリックス設計である。ポリマーマトリックス設計では、サイロシビン類似体およびその組み合わせは、医薬有効成分の送達速度を制御するポリマーマトリックス中に分散される。好ましくは、ポリマーマトリックスのリザーバーは、不浸透性バッキング層上に支持される。接着層がポリマーマトリックスの表面に付着される。医薬有効成分を投与するために、剥離ライナーを除去してポリマーマトリックスおよび感圧接着剤のリングを露出させ、デバイスを皮膚と接触させる。接着剤は、ポリマーマトリックスが皮膚に直接接触するようにデバイスを皮膚に対して保持する。ポリマーマトリックスが皮膚と接触すると、医薬有効成分(複数可)はポリマーマトリックスから拡散し、患者の皮膚に接触し、皮膚を透過する。医薬有効成分の送達速度は、通常、ポリマーマトリックスからの医薬有効成分の拡散速度によって決定される。
【0099】
接着剤は、架橋モノマー単位または部位を含み、接着性ポリマーに組み込むことができる。例えば、架橋モノマーをポリアクリレートポリマーに組み込むことができる。架橋モノマーは、例えば、サイロシビン類似体およびその組み合わせをポリマーに分散させた後にポリマーマトリックスを架橋するための部位を提供し得る。既知の接着剤は、ポリアクリレートポリマーのための架橋モノマーを含み、例えば、ブチレンジアクリレート、ブチレンジメタクリレートおよびトリメチロールプロパントリメタクリレートなどのポリオールのポリメタクリル酸エステル、ポリイソブチレン型接着剤およびシリコーンが挙げられる。架橋部位を提供する他のモノマーとしては、アリルアクリレート、アリルメタクリレート、ジアリルマレエート、シリルエーテル、およびシランが挙げられる。次いで、モノマーは、医薬有効成分を懸濁、安定化および放出するために、架橋剤、官能基または酢酸ビニルを含有するポリアクリレート(アクリル)、ポリシロキサン(シリコーン)またはポリイソブチレン(または他のゴム)の接着性マトリックスを含むように当業者に公知の方法を使用して重合される。
【0100】
本発明の一実施形態では、経皮送達デバイスは、医薬有効成分が患者の皮膚を通って透過する速度を増加させる1またはそれを超える透過促進剤を必要に応じて含んでもよい。好ましくは、透過促進剤は、速度制御膜を透過するか、またはポリマーマトリックスもしくは接着性マトリックスから拡散して、患者の皮膚に接触し、患者の皮膚を通る本明細書で定義される医薬有効成分の透過を改善することができる。本発明の経皮送達デバイスおよび組成物に使用するのに適した透過促進剤としては、例えば、C2-4アルコール、例えばエタノールおよびイソプロパノール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール-3-ラウラミド、ジメチルラウラミド、ポリソルベート、ソルビタン、脂肪酸、約10~約20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、モノグリセリド、または少なくとも51%の総モノエステル含有量を有する脂肪酸のモノグリセリドの混合物(モノエステルは10~20個の炭素原子を有するものである)、および脂肪酸のモノ-、ジ-およびトリ-グリセリドの混合物が挙げられる。適切な脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびパルミチン酸が挙げられる。モノグリセリド浸透促進剤としては、例えば、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノラウレートおよびグリセロールモノリノレエートが挙げられる。テルペンおよびテルペノイドは、天然イソプレン生合成に由来し、皮膚膜を破壊し、API浸透性を増加させるために利用することもできる。テルペンおよびテルペノイドは、天然イソプレン生合成に由来し、皮膚膜を破壊し、API浸透性を増加させるために利用することもできる。テルペンの例としては、メントール、メントン、カンフル、ネロリドール、リモネン、ミルセン、アネトール、オイゲノール、1,8-シネオール、テルピノレン、ピネンおよびフムレンが挙げられるが、これらに限定されない。特定の実施形態では、本明細書に記載の経皮パッチは、透過促進剤と共投与されて使用される。特定の実施形態では、透過促進剤としては、ヒマシ油、ヤシ油、中鎖トリグリセリド(MCT)、ホホバ油、ヒマワリ油、アルガン油、アーモンド油、オリーブ油、鉱油、ワセリン、カカオ脂、およびシアバターであり得るがこれらに限定されない油を挙げることができる。経皮パッチに使用するための他の透過促進剤としては、例えば、C2-4アルコール、例えばエタノールおよびイソプロパノール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール-3-ラウラミド、ジメチルラウラミド、ポリソルベート(Tween(登録商標))、ソルビタン(Span(登録商標))、脂肪酸、約10~約20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、モノグリセリド、または少なくとも51%の総モノエステル含有量を有する脂肪酸のモノグリセリドの混合物(モノエステルは10~20個の炭素原子を有するものである)、および脂肪酸のモノ-、ジ-およびトリ-グリセリドの混合物が挙げられる。適切な脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびパルミチン酸が挙げられる。モノグリセリド浸透促進剤としては、例えば、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノラウレートおよびグリセロールモノリノレエートが挙げられる。テルペンおよびテルペノイドは、天然イソプレン生合成に由来し、皮膚膜を破壊し、API浸透性を増加させるために利用することもできる。テルペンの例としては、メントール、メントン、カンフル、ネロリドール、リモネン、ミルセン、アネトール、オイゲノール、1,8-シネオール、テルピノレン、ピネンおよびフムレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
特定の実施形態では、医薬有効成分の送達速度は、1日1回の経皮パッチ適用で送達され得る。特定の実施形態では、APIの送達速度は、6~12時間の期間にわたって送達され得る。特定の実施形態では、APIの送達速度は、12~24時間にわたって送達され得る。特定の実施形態では、APIの送達速度は、24~48時間にわたって送達され得る。他の実施形態では、経皮パッチは2日毎に1回;3日毎に1回;4日毎に1回;5日毎に1回;5日毎に1回;または7日毎に1回適用され得る。経皮パッチの送達速度の選択肢は、定常状態の全身安全かつ有効な薬物濃度を送達しながら、患者の投与コンプライアンスを促進する。
【0102】
本明細書に記載されるように、特定の実施形態は、異なる投与量および/または投与期間に関する方法;代替的な薬物動態学的プロファイル、薬力学的プロファイル、および/または安全性プロファイルを提供すること;長期維持治療を可能にすること;サイロシビン類似体についての新しい適応症の試験を提供すること;および他の潜在的な有利な利点において有用な、本明細書に記載される医薬有効成分の経皮製剤を提供する。特定の実施形態では、本明細書で提供される製剤(例えば、医薬有効成分の皮膚送達のための噴霧可能な液剤、ゲル剤、クリーム剤、ローション剤、軟膏剤、または経皮パッチ)は、医薬有効成分((a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の単独または組み合わせ)を特定の薬学的に活性な量で含む。特定の実施形態では、製剤中の本明細書で開示される医薬有効成分の特定の量は、例えば、約1mg、約2mg、約3mg、約4mg、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、少なくとも約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg 約23mg、約24mg、約25mg、約26mg、約27mg、約28mg、約29mg、約30mg、約31mg 約32mg、約33mg、約34mg、約35mg 約36mg、約37mg、約38mg、約39、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg、約60mg、約65mg、約70mg、約75mg、約80mg、約85mg、約90mg、約95mg、または少なくとも100mgである。特定の実施形態では、製剤中のサイロシビン類似体の特定の量は、例えば、少なくとも約1mg、少なくとも約2mg、少なくとも約3mg、少なくとも約4mg、少なくとも約5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約7mg、少なくとも約8mg、少なくとも約9mg、少なくとも約10mg、少なくとも約11mg、少なくとも約12mg、少なくとも約13mg、少なくとも約14mg、少なくとも約15mg、少なくとも約16mg、少なくとも約17mg、少なくとも約18mg、少なくとも約19mg、少なくとも約20mg、少なくとも約21mg、少なくとも約22mg、少なくとも約23mg、少なくとも約24mg、少なくとも約25mg、少なくとも約26mg、少なくとも約27mg、少なくとも約28mg、少なくとも約29mg、少なくとも約30mg、少なくとも約31mg、少なくとも約32mg、少なくとも約33mg、少なくとも約34mg、少なくとも約35mg、少なくとも約36mg、少なくとも約37mg、少なくとも約38mg、少なくとも約39mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mgまたは少なくとも100mgである。
【0103】
より特定の実施形態では、製剤中の本明細書で開示される医薬有効成分の特定の量は、例えば、約5mg、約6mg、約7mg、約8mg、約9mg、約10mg、約11mg、約12mg、約13mg、約14mg、約15mg、約16mg、約17mg、約18mg、約19mg、約20mg、約21mg、約22mg 約23mg、約24mg、約25mg、約30mg、約35mg、約40mg、約45mg、約50mg、約55mg 約60mg、約65mg、約70mg、約75mg 約80mg、約85mg、約90mgまたは少なくとも100mgである。
【0104】
より特定の実施形態では、製剤中の医薬有効成分の特定の量は、例えば、少なくとも約5mg、少なくとも約6mg、少なくとも約7mg、少なくとも約8mg、少なくとも約9mg、少なくとも約10mg、少なくとも約11mg、少なくとも約12mg、少なくとも約13mg、少なくとも約14mg、少なくとも約15mg、少なくとも約16mg、少なくとも約17mg、少なくとも約18mg、少なくとも約19mg、少なくとも約20mg、少なくとも約21mg、少なくとも約22mg、少なくとも約23mg、少なくとも約24mg、少なくとも約25mg、少なくとも約30mg、少なくとも約35mg、少なくとも約40mg、少なくとも約45mg、少なくとも約50mg、少なくとも約55mg、少なくとも約60mg、少なくとも約65mg、少なくとも約70mg、少なくとも約75mg、少なくとも約80mg、少なくとも約85mg、少なくとも約90mg、少なくとも約95mgまたは少なくとも100mgである。
【0105】
特定の実施形態では、医薬製剤中の医薬有効成分は、例えば、約5mg~100mg、または約5mg~25mg、または約25mg~50mg、または約50mg~75mg、または約75mg~100mgである。
【0106】
本明細書に記載されるように、特定の実施形態は、経皮送達デバイスのための皮膚適用サイズに関する、本明細書に記載される医薬有効成分の経皮製剤を提供する。適用領域は、薬物流束を決定し、投与量を変え、効率的な経皮送達のための十分な領域を提供するための重要な測定基準である。特定の実施形態では、API((a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物(単独または組み合わせ)は、薬物送達デバイス(例えば、噴霧可能な液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、または経皮パッチ)内に含まれ、1cm以下、または、少なくとも2cm2、少なくとも3cm2、少なくとも4cm2、少なくとも5cm2、少なくとも6cm2、少なくとも7cm2、少なくとも8cm2、少なくとも9cm2、少なくとも10cm2、少なくとも15cm2、少なくとも20cm2、少なくとも25cm2、少なくとも30cm2、少なくとも35cm2、少なくとも40cm2、少なくとも45cm2、少なくとも50cm2、少なくとも60cm2、少なくとも70cm2、少なくとも80cm2、少なくとも90cm2、または、少なくとも100cm2、少なくとも150cm2、少なくとも200cm2、少なくとも250cm2、少なくとも300cm2、少なくとも350cm2、少なくとも400cm2、少なくとも450cm2、少なくとも500cm2、少なくとも600cm2、少なくとも700cm2、少なくとも800cm2、少なくとも900cm2、または、少なくとも1000cm2の面積でヒトまたは哺乳動物の皮膚に適用される。
【0107】
特定の実施形態では、APIは、単独でまたは組み合わせて、薬物送達デバイス(例えば、噴霧可能な液体、ゲル、クリーム、ローション、軟膏、または経皮パッチ)内に含まれ、1cm以下、または、少なくとも2cm2、少なくとも3cm2、少なくとも4cm2、少なくとも5cm2、少なくとも6cm2、少なくとも7cm2、少なくとも8cm2、少なくとも9cm2、少なくとも10cm2、少なくとも15cm2、少なくとも20cm2、少なくとも25cm2、少なくとも30cm2、少なくとも35cm2、少なくとも40cm2、少なくとも45cm2、少なくとも50cm2、少なくとも60cm2、少なくとも70cm2、少なくとも80cm2、少なくとも90cm2、または、少なくとも100cm2の面積でヒトまたは哺乳動物の皮膚に適用される。
【0108】
一実施形態では、APIは、単独でまたは組み合わせて、約1cm2~10cm2、約10cm2~40cm2、約40cm2~100cm2、またはより好ましくは5cm2~40cm2の面積でヒトまたは哺乳動物の皮膚に適用される。
【0109】
特定の実施形態では、医薬有効成分は、食道、胃、および/または腸の膜を通してAPIを血流中に送達するカプセル剤または錠剤を含む経口医薬製剤組成物で送達される。
【0110】
特定の実施形態では、経口組成物は嚥下され、医薬有効成分は、食道、胃、および/または腸の膜を介して血流中にさらに送達される。
【0111】
特定の実施形態では、経口組成物は、医薬有効成分を舌下、頬側、または他の口腔粘膜を通して血流中に送達する錠剤、カシェ剤、またはストリップを含む。
【0112】
特定の実施形態では、経口組成物は、医薬有効成分を舌下、頬側、または他の口腔粘膜を通して血流中に送達する経口パッチまたは経口フィルムを含む。
【0113】
特定の実施形態では、経口組成物は嚥下され、医薬有効成分は、食道、胃、および/または腸の膜を介して血流中にさらに送達される。
【0114】
特定の実施形態では、経口組成物は、医薬有効成分を舌下、頬側、または他の口腔粘膜を通して血流中に送達する散剤、液剤、または懸濁剤を含む。
【0115】
特定の実施形態では、経口組成物は嚥下され、医薬有効成分は、食道、胃、および/または腸の膜を介して血流中にさらに送達される。
【0116】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の製剤は、経口投与の際に血漿中への医薬有効成分の即時放出をもたらす。特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む製剤は、治療的または予防的有効量の医薬有効成分および必要に応じて1またはそれを超える賦形剤を含む。
【0117】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の製剤は、経口投与の際に血漿中への医薬有効成分の改変放出をもたらす。特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含む製剤は、治療的または予防的有効量の医薬有効成分および必要に応じて1またはそれを超える賦形剤を含む。
【0118】
特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、神経学的、気分および乱用障害を処置するための医薬組成物を調製するための、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の使用を含み、組成物は、経口投与用に調製される。
【0119】
特定の実施形態では、本明細書の実施形態は、神経学的、気分および乱用障害を処置するための医薬組成物を調製するための、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分の使用を含み、組成物は、経口投与用に調製される。
【0120】
特定の実施形態では、経口組成物は、薬物送達特性を高め、有効成分を安定化する非有効成分を含有する。
【0121】
一実施形態では、非有効成分として充填剤が含まれてもよい。充填剤は、溶解時間に影響を及ぼすマトリックスとして作用するか、または錠剤安定性を改善するための結合剤として作用することができる。充填剤としては、デンプン、クエン酸、酒石酸、ビカーボネート、ホスフェート、ポリビニルピロリドン、セルロース(天然および修飾)、クロスカルメロース、グリコレート、アクリレート、アセテート、ゼラチン、ガム、アルギネート、ペクチン、キトサン、キチン、塩、多糖類、粘液(mucilage)、糖、スクロース、ラクトースおよびデキストロースを挙げることができるが、これらに限定されない。
【0122】
別の実施形態では、非有効成分として滑沢剤が含まれてもよい。滑沢剤は、粉末流動性を改善し、または製造部品の摩擦を低減するように作用する。これらには、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ステアリン酸、および二酸化ケイ素が含まれ得るが、これらに限定されない。
【0123】
さらに別の実施形態では、非有効成分として香味料が含まれてもよい。香味料は、苦味剤の味をマスクするか、または経口組成物の味を改善することができる。これらには、糖、デキストロース、スクロース、スクラロース、ステビア、精油、クエン酸、および天然または人工の香味料が含まれるが、これらに限定されない。必要に応じて、視覚特性を改善するために、または製品提供を差別化するために、着色剤を粉末に含めることができる。これらの着色剤は、天然または人工の染料、色素、キレートまたは金属であり得る。
【0124】
特定の実施形態では、経口組成物は、より良好な安定性、味、浸透性および薬物放出特性のために薬物を封入することができる乳化剤および安定剤である界面活性剤を含有する。界面活性剤としては、植物油、トリグリセリド、エステル、ポリソルベート(Tween(登録商標))、ソルビタン(Span(登録商標))、リン脂質(例えばレシチン)、ラウリル硫酸、ベタイン、プロピオネート、脂肪酸、脂肪アルコール、サポニンおよびアルカノールアミド、アミンオキシド、シクロデキストリン、ミリステートおよびアゾンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0125】
ある特定の実施形態において、経口組成物は、薬物溶解度、溶解および浸透性を改善するための共溶媒を含有する。共溶媒としては、アルコール、例えば、エタノール、イソプロパノール、グリセリン、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ジエチレンモノエチルエーテル、クレモフォア、シロキサン、ポリエチレン、および水が挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
特定の実施形態では、経口組成物は、溶解を減少させ、送達に適したマトリックスを提供するための増粘剤を含有する。増粘剤としては、アクリレート、カルボマー、セルロースマトリックス、シリコーン、カラギーナン、多糖類、ならびに高融点ワックスおよび油類、例えば蜜蝋、ヤシ油、パーム油、大豆油、ステアリン酸、菜種、カカオ脂、シアバター、ガム、ロジン、樹脂、パラフィンおよびワセリンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0127】
特定の実施形態では、経口組成物は、製剤安定性を改善し、微生物の成長を遅延させるための保存剤を含有する。保存剤としては、パラベン、ソルベート、ベンゾエート、シリカ、塩化物、フェノール、クロルヘキシジン、クエン酸、トリクロサン、ビタミンE(またはトコフェロール)、キレート剤、金属、塩およびアルコールが挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
特定の実施形態では、経口組成物は、消化管内での放出を改変および延長するための腸溶コーティングを含有する。腸溶コーティングとしては、高融点ワックス、脂肪酸、糖、繊維、およびポリマーなどが挙げられる。
【0129】
別の実施形態では、経口組成物は、pH、溶解度、溶解、疎水性および安定性などの薬物送達システムの物理的特性を変化させる非有効成分を含有する。多くのこのような化合物は当業者に公知である。
【0130】
特定の実施形態では、経口組成物は、全身送達を増加させるための膜透過促進剤を含有する。経口組成物に使用するのに適した透過促進剤としては、例えば、C2-4アルコール、例えばエタノールおよびイソプロパノール、ポリエチレングリコールモノラウレート、ポリエチレングリコール-3-ラウラミド、ジメチルラウラミド、ソルビタン(Span(登録商標))、ポリソルベート(例えばTween(登録商標)、ポリソルベート20)、脂肪酸、約10~約20個の炭素原子を有する脂肪酸のエステル、モノグリセリド、または少なくとも51%の総モノエステル含有量を有する脂肪酸のモノグリセリドの混合物(モノエステルは10~20個の炭素原子を有するものである)、および脂肪酸のモノ-、ジ-およびトリ-グリセリドの混合物が挙げられる。適切な脂肪酸としては、例えば、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸およびパルミチン酸が挙げられる。モノグリセリド浸透促進剤としては、例えば、グリセロールモノオレエート、グリセロールモノラウレートおよびグリセロールモノリノレエートが挙げられる。テルペンおよびテルペノイドは、天然イソプレン生合成に由来し、皮膚膜を破壊し、API浸透性を増加させるために利用することもできる。テルペンおよびテルペノイドは、天然イソプレン生合成に由来し、皮膚膜を破壊し、API浸透性を増加させるために利用することもできる。テルペンの例としては、メントール、メントン、カンフル、ネロリドール、リモネン、ミルセン、アネトール、オイゲノール、1,8-シネオール、テルピノレン、ピネンおよびフムレンが挙げられるが、これらに限定されない。
【0131】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分は、経口組成物の少なくとも1つのマトリックスに含まれる。別の実施形態では、((a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分は、経口組成物の少なくとも2つのマトリックスに含まれる。別の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(1)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分は、経口組成物の少なくとも3つのマトリックスに含まれる。別の実施形態では、((a)構造(1)、(2)、(3)の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分は、経口組成物の少なくとも4つのマトリックスに含まれる。さらに別の実施形態では、((a)構造(1)、(2)、(3)の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分は、経口組成物の少なくとも5つのマトリックスに含まれる。
【0132】
特定の実施形態では、医薬有効成分は単一の活性成分である。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物をカプセル剤で経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の属化合物のインドール、(b)表1、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を錠剤で経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物をカシェ剤で経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物をストリップで経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を経皮パッチで経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を散剤で経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を懸濁剤で経口投与する。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を液剤で経口投与する。
【0133】
別の実施形態では、サイロシビン類似体の混合物は、本明細書に記載されるのと同じ経口組成物で送達される。好ましい実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を、本明細書に記載の経口組成物において、単独で、または他の(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)と組み合わせて経口投与する。
【0134】
特定の実施形態において、経口組成物は、少なくとも1mg、少なくとも2mg、少なくとも3mg、少なくとも4mg、少なくとも5mg、少なくとも6mg、少なくとも7mg、少なくとも8mg、少なくとも9mg、少なくとも10mg、少なくとも15mg、少なくとも20mg、少なくとも25mg、少なくとも30mg、少なくとも35mg、少なくとも40mg、少なくとも45mg、少なくとも50mg、少なくとも60mg、少なくとも70mg、少なくとも80mg、少なくとも90mg、少なくとも100mg、少なくとも120mg、少なくとも140mg、少なくとも160mg、少なくとも180mg、少なくとも200mg、少なくとも250mg、少なくとも300mg、少なくとも350mg、少なくとも400mg、少なくとも450mg、および/または少なくとも500mgの(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を包含する。
【0135】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含有する経口組成物の全身薬物放出は、1分以下、3分以下、5分以下、7分以下、9分以下、11分以下、13分以下、15分以下、17分以下、19分以下、21分以下、23分以下、25分以下、27分以下、30分以下、45分以下、60分以下、90分以下、120分以下、150分以下、および180分以下の治療的に活性な開始で起こる。
【0136】
特定の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)、およびそれらの組み合わせの医薬有効成分を含有する経口組成物の治療的または予防的効果の持続時間は、少なくとも5分間、少なくとも15分間、少なくとも30分間、少なくとも45分間、少なくとも60分間、少なくとも90分間、少なくとも120分間、少なくとも3時間、少なくとも4時間、少なくとも5時間、少なくとも6時間、少なくとも8時間、少なくとも10時間、少なくとも12時間、少なくとも18時間、少なくとも1日間、少なくとも2日間、少なくとも3日間、少なくとも4日間、少なくとも5日間、少なくとも6日間、および少なくとも1週間持続する。
【0137】
本明細書に記載されるように、特定の実施形態は、異なる投与量および/または投与期間に関する方法;代替的な薬物動態学的プロファイル、薬力学的プロファイル、および/または安全性プロファイルを提供すること;長期維持治療を可能にすること;サイロシビン類似体についての新しい適応症の試験を提供すること;および他の潜在的な有利な利点において有用な、本明細書に記載される医薬有効成分の経口組成物を提供する。
【0138】
処置後ライム病症候群、認知症、アルツハイマー病、心的外傷後ストレス障害、神経性食欲不振、うつ病、不安、嗜癖を含む神経学的、気分または嗜癖障害、オピオイド中毒、アルコール中毒、ニコチン中毒、カンナビノイド中毒を含むがこれらに限定されない物質乱用、頭痛、中枢神経系炎症、認知症、認知および記憶を、経皮的、経鼻的または経口的にサイロシビン類似体を投与することによって予防、管理および処置する方法が本明細書で提供される。
【0139】
特定の実施形態では、医薬有効成分は単一の医薬有効成分である。好ましい実施形態では、(a)式(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)の化合物を経皮パッチ送達システムで送達する。好ましい実施形態では、医薬有効成分は、経皮パッチ送達システムで経皮送達される。
【0140】
別の実施形態では、サイロシビン類似体の混合物は、同じ経皮送達システムで送達される。好ましい実施形態では、サイロシビン類似体は、経皮パッチ送達システムにおいて、単独または他のサイロシビン類似体と組み合わせて経皮送達される。
【0141】
別の実施形態では、その医薬有効成分は、1またはそれを超える治療薬と共投与される。共投与される薬剤はMAOIであり得る。別の実施形態では、別のクラスの神経学的に活性な薬剤からの化合物を共投与して、相乗的な治療効果を提供する。他の神経学的に活性な薬剤としては、以下のクラスの化合物に分類される化合物が挙げられる:抗精神病剤、抗うつ剤、抗不安剤、刺激剤、再取り込み阻害剤(SSRIまたはSSNRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、認知増強剤、三環系抗うつ剤、気分安定剤、NMDAアンタゴニストおよび5-HTアンタゴニスト。
【0142】
さらに別の実施形態では、(a)構造(1)、(2)、(3)の構造の属化合物のインドール、(b)表(1)、(c)サイロシビン類似体、または(d)表(2)を、単独または混合物のいずれかで、1またはそれを超える治療薬と共投与して、物質乱用を減少させる。オピオイド中毒の処置のために、他の共投与される化合物としては、メタドン、ブプレノルフィン、ナロキソン、ナルトレキソンなどを挙げることができる。アルコール依存症の処置のために、他の共投与される化合物としては、エチルアルコール、ジスルフィラム、ナルトレキソン、アカンプロサート、ベンゾジアゼピンなどを挙げることができる。ニコチン中毒の処置のために、他の共投与される化合物としては、低用量ニコチン、ブプロピオン、バレニクリンなどを挙げることができる。
【0143】
処置後ライム病症候群、認知症、アルツハイマー病、心的外傷後ストレス障害、神経性食欲不振、うつ病、不安、嗜癖を含む神経学的、気分または嗜癖障害、オピオイド中毒、アルコール中毒、ニコチン中毒、カンナビノイド中毒を含むがこれらに限定されない物質乱用、頭痛、中枢神経系炎症、認知症、認知および記憶を、経皮的にサイロシビン類似体を投与することによって予防、管理、処置する方法が本明細書で提供される。
【実施例】
【0144】
実施例1:
精製したN,N-ジメチルトリプタミン(DMT 1.8%w/w、湿潤)を酢酸エチル(7.2% w/w、湿潤)とエタノール(7.2% w/w、湿潤)の組み合わせで溶解し、Duro-Tak 4098アクリレート接着剤(83.8% w/w、湿潤)に組み込み、十分に混合した。混合物を、Scotchpak 9709剥離ライナーのシリコン処理面上に150μmの厚さに製剤化した。製剤を75°Cで乾燥させ、閉塞性Scotchpak 9733ポリエステルのバッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチは、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。
【0145】
直線的な薬物放出(n=3経皮パッチ)が72時間にわたって観察され、80%を超えるDMTが72時間で放出された(
図1)。平均DMT流束を37 ug/cm
2*hrで72時間にわたって定量した。
【0146】
実施例2:
精製DMT(2.0% w/w、湿潤)をエタノール(8.0% w/w、湿潤)に溶解し、Duro-Tak 4098接着剤(90.0% w/w、湿潤)に組み込み、完全に混合した。混合物を剥離ライナー上に250μmの厚さに製剤化した。製剤を乾燥させ、閉塞バッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチ(6.4% w/w DMT)は、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。平均DMT流束を43 μg/cm2*hrで72時間にわたって定量した。
【0147】
実施例3:
精製DMT(2.0% w/w、湿潤)をエタノール(8.1% w/w、湿潤)に溶解し、シリコーン接着剤Bio PSA 7-4302(44.9% w/w、湿潤)およびBio PSA 7-4202(44.9% w/w、湿潤)に組み込み、完全に混合した。混合物を剥離ライナー上に150μmの厚さに製剤化した。製剤を乾燥させ、閉塞バッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチ(3.9% w/w DMT)は、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。平均DMT流束を31 μg/cm2*hrで48時間にわたって定量した。
【0148】
実施例4:
精製DMT(2.0% w/w、湿潤)をエタノール(4.0% w/w、湿潤)に溶解し、Duro-Tak 6908ポリイソブチレン接着剤(94.0% w/w、湿潤)に組み込み、完全に混合した。混合物を剥離ライナー上に150μmの厚さに製剤化した。製剤を乾燥させ、閉塞バッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチ(5.4% w/w DMT)は、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。平均DMT流束を7 μg /cm2*hrで30時間にわたって定量した。
【0149】
実施例5:
精製DMT(3.8% w/w、湿潤)をエタノール(15.9% w/w、湿潤)に溶解し、Duro-Tak 4098接着剤(80.3% w/w、湿潤)に組み込み、完全に混合した。混合物を剥離ライナー上に200μmの厚さに製剤化した。製剤を乾燥させ、閉塞バッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチ(10.9% w/w DMT)は、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。平均DMT流束を57 μg /cm2*hrで48時間にわたって定量した。
【0150】
実施例6
精製DMT(4.2% w/w、湿潤)をエタノール(11.2% w/w、湿潤)に溶解し、Duro-Tak 4098アクリレート接着剤(77.5% w/w、湿潤)に組み込んだ後、ミリスチン酸イソプロピル(7.1% w/w、湿潤)を添加し、完全に混合した。混合物を剥離ライナー上に200μmの厚さに製剤化した。製剤を乾燥させ、閉塞バッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチ(10.3% w/w DMT)は、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。平均DMT流束を145 μg/cm2*hrで48時間にわたって定量した。
【0151】
実施例7:
精製した4-アセトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(4-AcO-DMT、3.2% w/w、湿潤)をエタノール(12.4% w/w、湿潤)に溶解し、Duro-Tak 4098アクリレート接着剤(84.4 w/w、湿潤)に組み込み、完全に混合した。混合物を、剥離ライナーのシリコン処理面上に200μmの厚さに製剤化した。製剤を乾燥させ、閉塞性ポリエステルのバッキング上に積層した後、経皮パッチを10cm2のサイズに切断した。最終経皮パッチ(9.0% w/w 4-AcO-DMT)は、酸化を低減するために熱密封アルミ製パウチ内に保存した。平均4-AcO-DMT流束を98 μg/cm2*hrで48時間にわたって定量した。
【0152】
実施例8:
上に列挙した賦形剤を含む第2のDIAをバッキング上に直接流し込み、速度制御膜上に積層する。次いで、実施例1からのDIAコーティングされたライナーをバッキング/DIA/膜材料に積層して、多層送達システムを形成する。次いで、経皮パッチを適切なサイズにダイカットする。
【0153】
ライナー上に流し込んだDIA(次いで皮膚上に直接適用される)は、第2のDIAほど高い薬物負荷を必要としない。第2のDIAはリザーバーとして作用し、第1のDIA間の平衡が達成されるまで、製造後に速度制御膜を通して薬物を拡散させる。適用されると、第2のDIAは、薬物リザーバーが十分に枯渇するまで、ゼロ次速度で膜を通って皮膚に薬物を浸透させる。
【0154】
実施例9:
N,N-ジメチルトリプタミン(DMT)遊離塩基を25mg/mLアセトンに溶解した。7mg/mLのフマル酸を滴下添加し、DMTフマル酸塩を沈殿させた。沈殿を新鮮なアセトンで2回洗浄し、窒素下で乾燥させた。
【0155】
DMTフマル酸塩(18.0% w/w)を脱イオン水(82.0% w/w)に溶解して、適切なpH=6で鼻腔内吸収のための治療的に有効な水性ゲルビヒクルを得た。DMTフマレートゲルの製剤は、治療的効果のために0.04~0.50mLの小容量で鼻腔を介して投与することができる。トリプタミン内部標準定量を用いた効力分析により、135.5mg/mLのDMT遊離塩基濃度が明らかにされ、室温の暗条件下で106日間貯蔵した後、他の分解副生成物はなかった。
【0156】
実施例10:
フランツセル装置を使用して、API放出およびヒト皮膚模倣物(Strat-M膜、Millipore)を通る浸透性を決定し、実施例1~8のパッチ有効性を比較した。受容ウェル(水中10%エタノール)を実験全体を通して32°Cに保ち、サンプリング点ごとにすべて10mLを除去した。薬物流束は、指定された時間範囲にわたって0次浸透APIの勾配を使用して決定された。実施例1~9では、トリプタミン(50μg/mL)を内部標準として添加し、280nmでのUV検出でAPIを定量するために使用しながら、LC-MSを使用してAPIの効力分析を達成した。
【0157】
実施例11:
遊離塩基4-AcO-DMT(8% w/w)をエタノール(4% w/w)に溶解し、さらにポビドン(2% w/w)、ブチル化ヒドロキシトルエン(1% w/w)およびFD&C Blue No.1を添加した。この溶液をCeolus KG 1000微結晶セルロース(16% w/w)およびマンニトール(47% w/w)に添加し、同時に混合し、その後乾燥させて均一にコーティングされた粉末を形成した。さらに、Prosolv HD 90ケイ化微結晶セルロース(20% w/w)、Cabosil二酸化ケイ素(1% w/w)およびステアリン酸マグネシウム(1% w/w)を添加し、均一になるまでブレンドした。ダイセットおよび十分な力を用いて、治療的使用のための4-AcO-DMTの摂取のための250mg錠剤を形成した。
【0158】
実施例12:2-(2-クロロ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
酢酸(50mL)およびギ酸(15mL)中のトリプタミン塩酸塩(1g、5.1 mmol)およびN-クロロスクシンイミド(NCS、0.69g、5.2mmol)の混合物を約20分間撹拌した。生成物2-クロロ-トリプタミン(2D NMR分光法によって確認)を乾燥させ、精製し、211mg(1.09mmol)を窒素下0°Cで、メタノール(21mL)およびホルムアルデヒド(0.222mL、2.75mmol)中、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(139.26mg、2.22mmol)とさらに反応させ、2.5時間撹拌した。反応物を1.0M水酸化ナトリウム(27mL)でクエンチし、メチル-tert-ブチルエーテル(MTBE)で3回抽出した。残渣を硫酸ナトリウムで乾燥させ、淡褐色の油状物/固体として濃縮した。LC-MS、1Hおよび13C NMRデータに基づき、最終生成物は大部分の2-クロロ-N,N-ジメチルトリプタミンを含んでいた。生成物の式C12H15N2Cl m/z 222.0924, [M+H]+ 223.0997
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.13 (s, 6 H) 2.34 - 2.38 (m, 2 H) 2.68 - 2.80 (m, 3 H) 6.91 - 6.99 (m, 1 H) 7.02 (t, J=7.54 Hz, 2 H) 7.20 (d, J=7.99 Hz, 2 H) 7.40 (d, J=7.81 Hz, 1 H) 11.53 (br s, 1 H)
【0159】
実施例13:2-(2-ブロモ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン 以前に記録された方法を使用して、N,N-ジメチルトリプタミン(2.88mmol)を合成し、不活性条件下で無水アセトニトリル(36mL、15mg/mL)に溶解した。これを臭化銅(II)(1.93g、8.65mmol)と合わせ、2時間撹拌した。反応物を40mLの水でクエンチし、100mLのEtOAcを添加した後、40mLの飽和炭酸アンモニウムを添加した。有機層を洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、淡褐色油状物(302.3mg)に濃縮した。最終主要生成物2-ブロモ-N,N-ジメチルトリプタミンを、LC-MS、1Dおよび2D NMR分光法によって確認した。生成物の式:C12H15N2Br m/z 266.0419, [M+H]+ 267.0491
1H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.21 (s, 6 H) 2.38 - 2.47 (m, 2 H) 2.73 - 2.88 (m, 3 H) 6.93 - 7.03 (m, 1 H) 7.03 - 7.11 (m, 1 H) 7.28 (br d, J=7.99 Hz, 1 H) 7.46 - 7.51 (m, 1 H) 11.61 (br s, 1 H)
【0160】
実施例14:2-ブロモ-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イルアセテート
以前に記録された方法を使用して、4-アセトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(14.9mg、0.06mmol)を合成し、不活性条件下で無水アセトニトリル(1mL)に溶解した。臭化銅(II)(40.5mg、0.18mmol)を添加し、反応物を2時間撹拌した。後処理の際に、主要生成物2-ブロモ--4-アセトキシ-N,N-ジメチルトリプタミンを、LC-MSおよび1D NMR分光法によって確認した。生成物の式:C14H17N2O2Brm/z 324.0473, [M+H]+ 325.05461H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.21 - 2.25 (m, 13 H) 2.32 - 2.39 (m, 12 H) 2.71 - 2.75 (m, 3 H) 6.74 (d, J=7.63 Hz, 1 H) 7.06 - 7.10 (m, 2 H) 7.18 (d, J=8.17 Hz, 2 H) 11.91 (s, 1 H)
【0161】
実施例15:2-(2-クロロ-4-メトキシ-1H-インドール-3-イル)-N,N-ジメチルエタン-1-アミン
以前に記録された方法を使用して、4-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミン(130mg、0.6mmol)を合成し、無水アセトニトリル(3.6mL)に溶解した。塩化銅(II)(241mg、1.8mmol)を添加し、不活性雰囲気下で一晩撹拌した。水(14mL)でクエンチし、EtOAcで3回抽出し、飽和炭酸アンモニウムで洗浄した。有機層を硫酸ナトリウムで乾燥させ、濾過し、濃縮して橙色半固体(38.2mg、収率25%)を得た。これをHPLCによって精製して2-クロロ-4-メトキシ-N,N-ジメチルトリプタミンを生成し、LC-MS、1Dおよび2D NMR分光法によって確認した。
【0162】
生成物の式:C13H17N2OClm/z 252.1029, [M+H]+ 253.11021H NMR (600 MHz, DMSO-d6) δ ppm 2.27 - 2.39 (m, 14 H) 2.50 - 2.60 (m, 6 H) 2.89 - 3.05 (m, 5 H) 3.84 - 3.99 (m, 9 H) 6.54 - 6.66 (m, 2 H) 6.92 (d, J=8.17 Hz, 1 H) 7.03 - 7.19 (m, 2 H) 11.71 (s, 1 H)
【0163】
実施例16:1-(-3-(2-(ジメチルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-イル)-N-メチルメタンスルホンアミド
N-メチル-3-ニトロベンゼンスルホンアミドのニトロ基は、エタノール溶媒中のパラジウム炭素(H2/Pd/C)および水性HClを介して、その後アニリンに還元される。この生成物を亜硝酸ナトリウムで処理してジアゾニウム塩を得、続いてSnCl2を用いてヒドラジンに還元する(すべて0°C)。ヒドラゾンは、水性塩酸中の4,4-ジメチルオキシ(dimethyoxy)-N,N-ジメチルブチルアミンとの縮合時に生成される。最終生成物は、ヒドラゾンが環化を開始するために還流クロロホルム中でポリリン酸と反応するフィッシャーインドール反応を介して生成される。
【0164】
この化合物は、先の実施例の銅(II)ハロゲン化物プロトコルに従ってC-2位でさらにハロゲン化することができる。
【0165】
実施例17:計算分析
6つの異なる受容体モデルを、様々なセロトニン受容体およびシグマ-1についてのRCSBタンパク質データバンク(PDB)における記録された結晶構造に応じて試験した。これらの受容体構造には、5-HT2A、5-HT2B、5-HT1B、およびσ1が含まれる(PDB IDは列見出しにも示されている)。
【0166】
各静的タンパク質構造について、可能な限り精度を上げるために、トリプタミンの足場と最も化学的に類似した結合リガンドを含む結晶構造のPDBファイルを使用した(例えばLSDやエルゴタミン結合)。全体的なワークフローは、Schroedingerソフトウェアスイートの様々な態様を使用して実行された。各リガンドについての3D SMILESを、文献推奨のプロトン化および/またはトリプトファンの電荷に従ってアップロードし、Schroedinger LigPrepを使用して様々な配座異性体を生成および最小化した。化合物の最終リストを、表3に列挙した構造を含む、Schroedinger Glideによって生成されたGlideスコアを用いてスクリーニングした。この技術の検証は、5-HTおよびσ1受容体の既知アゴニストを含めることによって行い、実験的結合アッセイデータと比較した。既知のアゴニストと実験データのドッキングスコアは同等であり、活性について実験誤差内であった。例えば、(+)-LSDエナンチオマーは、(-)-LSDエナンチオマーよりも5-HT2A受容体においてインビトロでより大きな活性を示し、本発明者らの計算でレンダリングされた値は、活性において同じ傾向を示す。
【0167】
【表3-1】
【表3-2】
【表3-3】
【表3-4】
【0168】
本開示は、特定の実施形態および実施例に関連して説明されている。しかしながら、別段の指示がない限り、特許請求される発明は、そのような特定の実施形態および実施例に過度に限定されるべきではない。
【国際調査報告】