IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ サンコー エナジー インコーポレーテッドの特許一覧

特表2023-524610植物への適用のための酸素不透過性ポルフィリン光増感剤フィルム組成物
<>
  • 特表-植物への適用のための酸素不透過性ポルフィリン光増感剤フィルム組成物 図1
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】植物への適用のための酸素不透過性ポルフィリン光増感剤フィルム組成物
(51)【国際特許分類】
   C08L 101/00 20060101AFI20230606BHJP
   A01M 1/00 20060101ALI20230606BHJP
   A01P 21/00 20060101ALI20230606BHJP
   C09K 3/00 20060101ALI20230606BHJP
   C09K 15/08 20060101ALI20230606BHJP
   C08K 5/3415 20060101ALI20230606BHJP
   C08L 1/00 20060101ALI20230606BHJP
   C08L 3/00 20060101ALI20230606BHJP
   C08L 29/04 20060101ALI20230606BHJP
   C08K 5/13 20060101ALI20230606BHJP
   C08K 5/09 20060101ALI20230606BHJP
   C08L 91/00 20060101ALI20230606BHJP
   C08K 5/17 20060101ALI20230606BHJP
   C08K 5/10 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
C08L101/00
A01M1/00 L
A01P21/00
C09K3/00 T
C09K15/08
C08K5/3415
C08L1/00
C08L3/00
C08L29/04
C08K5/13
C08K5/09
C08L91/00
C08K5/17
C08K5/10
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022541847
(86)(22)【出願日】2020-02-20
(85)【翻訳文提出日】2022-08-19
(86)【国際出願番号】 CA2020050219
(87)【国際公開番号】W WO2021163782
(87)【国際公開日】2021-08-26
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.TWEEN
(71)【出願人】
【識別番号】510340883
【氏名又は名称】サンコー エナジー インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110001656
【氏名又は名称】弁理士法人谷川国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】エヌジー,ケネス
(72)【発明者】
【氏名】フェファー,マイケル
(72)【発明者】
【氏名】リュー,ジュン
(72)【発明者】
【氏名】テラゾノ,ユウイチ
(72)【発明者】
【氏名】ブレイク,アダム
【テーマコード(参考)】
2B121
4H011
4H025
4J002
【Fターム(参考)】
2B121AA11
2B121AA20
2B121CC02
2B121CC03
2B121EA21
4H011AB03
4H025AA12
4H025AA15
4J002AA001
4J002AB011
4J002AB021
4J002AB041
4J002AB051
4J002AD031
4J002BE021
4J002BE031
4J002EA018
4J002EA038
4J002EF018
4J002EF047
4J002EH019
4J002EH039
4J002EH049
4J002EJ007
4J002EJ017
4J002EN119
4J002EU026
4J002FD077
4J002FD186
4J002FD206
4J002FD208
4J002FD209
4J002FD319
4J002GA00
4J002GH00
4J002HA01
4J002HA07
(57)【要約】
植物への適用のための組成物が、提供される。組成物は、光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、フィルム形成剤であって、フィルム形成剤が、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する、フィルム形成剤と、抗酸化剤と、光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、水性担体と、を含む。組成物は、植物の健康を改善するために使用される。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物への適用のための組成物であって、
光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、前記光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、
フィルム形成剤であって、前記フィルム形成剤が、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性である、フィルム形成剤と、
抗酸化剤と、
前記光増感剤、前記フィルム形成剤および前記抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、液体担体と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記フィルム形成剤が、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、グアーガム、ヒドロキシルプロピルセルロースポリビニルピロリドン、ナノセルロース、ダイズタンパク質単離物、ホエイタンパク質、コラーゲン、デンプン、ヒドロキシプロピル化アミロメイズデンプン、アミロメイズデンプン、キシラン、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリビニルアルコールコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記フィルム形成剤が、ポリビニルアルコールを含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記ポリビニルアルコールが、約10kDa~約200kDaの平均分子量を有する、請求項3に記載の組成物。
【請求項5】
前記ポリビニルアルコールが、70%以上の加水分解度である、請求項3または4に記載の組成物。
【請求項6】
前記ポリビニルアルコールが、約50kDa~約100kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する、請求項3~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記抗酸化剤が、溶液中にあるとき、活性酸素種に対して前記光増感剤よりも活性がある、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記抗酸化剤が、水和状態にあるフィルム中にあるとき、活性酸素種に対して前記光増感剤よりも活性がある、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
前記抗酸化剤が、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホン酸ナトリウム、t-ブチル-ヒドロキシキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アルファ-トコフェロール、D-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、レチニルパルミタート、ベータ-カロチン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、アジ化ナトリウム、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
前記抗酸化剤が、フェノール系抗酸化物質を含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記フェノール系抗酸化物質が、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホナート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記光増感剤が、選択された金属で金属化され、その結果、光および酸素の曝露に応答して、前記金属化された光増感剤が、活性酸素種を生成する、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
前記金属が、Mg、Zn、Pd、Al、Pt、Sn、Si、Ga、In、Cu、Co、Fe、Ni、Mnおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項14】
前記金属が、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)、Mn(II)、Co(III)、Fe(III)、Fe(IV)およびMn(III)からなる群から選択される、請求項12に記載の組成物。
【請求項15】
前記光増感剤が、金属不含であり、光および酸素の曝露に応答して、金属不含光増感剤が活性酸素種を生成するように選択される、請求項1~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記光増感剤が、還元型ポルフィリンを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項17】
前記光増感剤が、クロリン、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン、コリーン、コルフィンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記光増感剤が、クロリンである、請求項17に記載の組成物。
【請求項19】
前記クロリンが、クロリンe6または修飾型クロリンe6である、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
前記光増感剤が、ポルフィリンを含む、請求項1~15のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項21】
前記ポルフィリンが、プロトポルフィリンまたはメソ-テトラ-(4-スルホナトフェニル)ポルフィリン(TPPS)である、請求項20に記載の組成物。
【請求項22】
前記光増感剤が、プロトポルフィリンIX(PP IX)または修飾型PP IXを含む、請求項20に記載の組成物。
【請求項23】
前記液体担体が、水性担体である、請求項1~22のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項24】
前記水性担体が、前記水性担体中の前記光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤のうちの少なくとも1つの溶解性および/または分散性を増加させる、少なくとも1つの水溶性化合物を含む、請求項23に記載の組成物。
【請求項25】
前記水性担体が、油を含み、水中油型エマルジョンである、請求項23または24に記載の組成物。
【請求項26】
前記油が、鉱油、植物油およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
前記油が、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油およびそれらの混合物からなる群から選択される植物油を含む、請求項26に記載の組成物。
【請求項28】
前記油が、パラフィン系油、分岐パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系油およびそれらの混合物からなる群から選択される鉱油を含む、請求項26または27に記載の組成物。
【請求項29】
前記油が、ポリ-アルファ-オレフィン(PAO)を含む、請求項26~28のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項30】
キレート剤をさらに含む、請求項1~29のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項31】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)またはその農業的に許容される塩、イミノジコハク酸(IDS)またはその農業的に許容される塩、ニトリロ三酢酸(NTA)またはその農業的に許容される塩、L-グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)またはその農業的に許容される塩、メチルグリシン二酢酸(MGDA)またはその農業的に許容される塩、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジグルタル酸(EDDG)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジマロン酸(EDDM)またはその農業的に許容される塩、3-ヒドロキシ-2,2-イミノジコハク酸(HIDS)またはその農業的に許容される塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)または農業その許容される塩、ポリアスパラギン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項30に記載の組成物。
【請求項32】
前記キレート剤が金属化されている、請求項30または31に記載の組成物。
【請求項33】
前記キレート剤が金属不含である、請求項30または31に記載の組成物。
【請求項34】
界面活性剤をさらに含む、請求項1~33のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項35】
前記界面活性剤が、エトキシル化アルコール、高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシル化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項34に記載の組成物。
【請求項36】
前記フィルム形成剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%の量で存在する、請求項1~35のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項37】
前記光増感剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の量で存在する、請求項1~36のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項38】
前記抗酸化剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%の量で存在する、請求項1~37のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項39】
前記植物に適用されるすぐに使用できる組成物である、請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項40】
前記植物に適用される前に希釈される濃縮物である、請求項1~38のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項41】
前記植物が、成長した植物である、請求項1~40のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項42】
前記植物が、非木本作物植物、木本植物または芝草である、請求項1~41のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項43】
前記フィルムが、約50%RHよりも低い相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に不透過性である、請求項1~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項44】
前記フィルムが、約60%RHよりも低い相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に不透過性である、請求項1~42のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項45】
前記フィルムが、水和状態にあるとき、酸素に対して実質的に透過性である、請求項1~44のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項46】
前記フィルムが、50%RH~100%RHの相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に透過性である、請求項45に記載の組成物。
【請求項47】
前記フィルムが、60%RH~100%RHの相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に透過性である、請求項46に記載の組成物。
【請求項48】
灌水、スプレー、噴霧、散水、注入および浸漬のうちの少なくとも1つによる前記植物への適用のための、請求項1~47のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項49】
前記植物の再生不可能な部分に適用される、請求項1~48のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項50】
前記液体担体が、前記組成物が前記植物に適用された後、空気乾燥によって除去される、請求項1~49のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項51】
前記フィルム形成剤が、前記液体担体の少なくとも一部分が前記組成物から除去されるとき、フィルムを形成する、請求項1~50のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項52】
植物の健康を促進することにおける使用のための、請求項1~51のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項53】
前記植物の前記健康を促進することが、前記植物の微生物病原体の成長を防止または阻害することを含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項54】
前記微生物病原体が、真菌病原体、細菌病原体、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物またはファイトプラズマを含む、請求項53に記載の組成物。
【請求項55】
前記微生物病原体が、真菌病原体である、請求項54に記載の組成物。
【請求項56】
前記微生物病原体が、細菌病原体である、請求項54に記載の組成物。
【請求項57】
前記植物の前記健康を促進することが、1つ以上の非生物的ストレスに対する前記植物の抵抗性を増加させることを含む、請求項52に記載の組成物。
【請求項58】
前記1つ以上の非生物的ストレスが、低温ストレス、熱ストレス、水ストレス、移植ショックストレス、弱光ストレス、光酸化ストレス、乾燥ストレスおよび塩類ストレスからなる群から選択される、請求項57に記載の組成物。
【請求項59】
前記植物の前記健康を促進することが、前記植物の昆虫有害生物を制御することを含む、請求項1~52のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項60】
前記昆虫有害生物が、昆虫および昆虫幼虫からなる群から選択される、請求項59に記載の組成物。
【請求項61】
植物の健康を促進するための方法であって、
請求項1~47のいずれか一項に記載の組成物を前記植物に適用することと、
前記フィルム形成剤のために前記組成物から前記水性担体の少なくとも一部分を除去して、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性である前記植物上のフィルムを形成することと、を含む、方法。
【請求項62】
前記植物に前記組成物を適用することが、灌水、スプレー、噴霧、散布、注入および浸漬のうちの少なくとも1つによって実行される、請求項61に記載の方法。
【請求項63】
前記植物に前記組成物を適用することが、前記植物の再生不可能な部分に前記組成物を適用することを含む、請求項61または62に記載の方法。
【請求項64】
前記組成物から前記液体担体の少なくとも一部分を除去することが、低湿度環境に前記植物を曝露すること、熱に前記植物を曝露すること、流れまたは空気、不活性ガスまたは窒素に前記植物を曝露すること、および前記組成物を前記植物上で自然に乾燥させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項61~63のいずれか一項に記載の方法。
【請求項65】
前記組成物から前記液体担体の前記少なくとも一部分を除去することが、前記組成物を前記植物上で自然に乾燥させることを含む、請求項64に記載の方法。
【請求項66】
前記植物の前記健康を促進することが、前記植物の微生物病原体の成長を防止または阻害することを含む、請求項61~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項67】
前記植物の前記健康を促進することが、前記植物の微生物病原体の成長を阻害することを含む、請求項61~65のいずれか一項に記載の方法。
【請求項68】
前記微生物病原体が、真菌病原体、細菌病原体、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物またはファイトプラズマを含む、請求項66または67に記載の方法。
【請求項69】
前記微生物病原体が、真菌病原体である、請求項68に記載の方法。
【請求項70】
前記微生物病原体が、細菌病原体である、請求項68に記載の方法。
【請求項71】
前記植物の前記健康を促進することが、1つ以上の非生物的ストレスに対する前記植物の抵抗性を増加させることを含む、請求項61~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項72】
前記1つ以上の非生物的ストレスが、低温ストレス、熱ストレス、水ストレス、移植ショックストレス、弱光ストレス、光酸化ストレス、乾燥ストレスおよび塩類ストレスからなる群から選択される、請求項71に記載の方法。
【請求項73】
前記植物の前記健康を促進することが、前記植物の昆虫有害生物を制御することを含む、請求項61~70のいずれか一項に記載の方法。
【請求項74】
前記昆虫有害生物が、昆虫および昆虫幼虫からなる群から選択される、請求項73に記載の方法。
【請求項75】
植物の健康を改善するための組成物であって、前記組成物が、
光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、前記光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、
フィルム形成剤であって、前記フィルム形成剤が、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性である、フィルム形成剤と、
抗酸化剤と、
前記光増感剤、前記フィルム形成剤および前記抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、水性担体と、を含む、組成物の、使用。
【請求項76】
前記フィルム形成剤が、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、グアーガム、ヒドロキシルプロピルセルロースポリビニルピロリドン、ナノセルロース、ダイズタンパク質単離物、ホエイタンパク質、コラーゲン、デンプン、ヒドロキシプロピル化アミロメイズデンプン、アミロメイズデンプン、キシラン、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリビニルアルコールコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項75に記載の使用。
【請求項77】
前記フィルム形成剤が、ポリビニルアルコールを含む、請求項75に記載の使用。
【請求項78】
前記ポリビニルアルコールが、約10kDa~約200kDaの平均分子量を有する、請求項77に記載の使用。
【請求項79】
前記ポリビニルアルコールが、70%以上の加水分解度である、請求項77または78に記載の使用。
【請求項80】
前記ポリビニルアルコールが、約50kDa~約100kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する、請求項77~79のいずれか一項に記載の使用。
【請求項81】
前記抗酸化剤が、溶液中にあるとき、活性酸素種に対して前記光増感剤よりも活性がある、請求項75~80のいずれか一項に記載の使用。
【請求項82】
前記抗酸化剤が、水和状態にあるフィルム中にあるとき、活性酸素種に対して前記光増感剤よりも活性がある、請求項76~82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項83】
前記抗酸化剤が、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホン酸ナトリウム、t-ブチル-ヒドロキシキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アルファ-トコフェロール、D-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、レチニルパルミタート、ベータ-カロチン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、アジ化ナトリウム、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項75~82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項84】
前記抗酸化剤が、フェノール系抗酸化物質を含む、請求項75~82のいずれか一項に記載の使用。
【請求項85】
前記フェノール系抗酸化物質が、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホナート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項84に記載の使用。
【請求項86】
前記光増感剤が、選択された金属で金属化され、その結果、光および酸素の曝露に応答して、前記金属化された光増感剤が、活性酸素種を生成する、請求項75~85のいずれか一項に記載の使用。
【請求項87】
前記金属が、Mg、Zn、Pd、Al、Pt、Sn、Si、Ga、In、Cu、Co、Fe、Ni、Mnおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項86に記載の使用。
【請求項88】
前記金属が、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)、Mn(II)、Co(III)、Fe(III)、Fe(IV)およびMn(III)からなる群から選択される、請求項86に記載の使用。
【請求項89】
前記光増感剤が、金属不含であり、光および酸素の曝露に応答して、前記金属不含光増感剤が活性酸素種を生成するように選択される、請求項75~85のいずれか一項に記載の使用。
【請求項90】
前記光増感剤が、還元型ポルフィリンを含む、請求項75~89のいずれか一項に記載の使用。
【請求項91】
前記光増感剤が、クロリン、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン、コリーン、コルフィンおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項90に記載の使用。
【請求項92】
前記光増感剤が、クロリンである、請求項91に記載の使用。
【請求項93】
前記クロリンが、クロリンe6または修飾型クロリンe6である、請求項92に記載の使用。
【請求項94】
前記光増感剤が、ポルフィリンを含む、請求項75~89のいずれか一項に記載の使用。
【請求項95】
前記ポルフィリンが、プロトポルフィリンまたはメソ-テトラ-(4-スルホナトフェニル)ポルフィリン(TPPS)である、請求項94に記載の使用。
【請求項96】
前記光増感剤が、プロトポルフィリンIX(PP IX)または修飾型PP IXを含む、請求項94に記載の使用。
【請求項97】
前記液体担体が、水性担体である、請求項75~96のいずれか一項に記載の使用。
【請求項98】
前記水性担体が、前記水性担体中の前記光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤のうちの少なくとも1つの溶解性および/または分散性を増加させる、少なくとも1つの水溶性化合物を含む、請求項97に記載の使用。
【請求項99】
前記水性担体が、油を含み、水中油型エマルジョンである、請求項97または98に記載の使用。
【請求項100】
前記油が、鉱油、植物油およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項99に記載の使用。
【請求項101】
前記油が、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油およびそれらの混合物からなる群から選択される植物油を含む、請求項100に記載の使用。
【請求項102】
前記油が、パラフィン系油、分岐パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系油およびそれらの混合物からなる群から選択される鉱油を含む、請求項100または101に記載の使用。
【請求項103】
前記油が、ポリ-アルファ-オレフィン(PAO)を含む、請求項100~102のいずれか一項に記載の使用。
【請求項104】
前記組成物が、キレート剤をさらに含む、請求項75~103のいずれか一項に記載の使用。
【請求項105】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)またはその農業的に許容される塩、イミノジコハク酸(IDS)またはその農業的に許容される塩、ニトリロ三酢酸(NTA)またはその農業的に許容される塩、L-グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)またはその農業的に許容される塩、メチルグリシン二酢酸(MGDA)またはその農業的に許容される塩、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジグルタル酸(EDDG)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジマロン酸(EDDM)またはその農業的に許容される塩、3-ヒドロキシ-2,2-イミノジコハク酸(HIDS)またはその農業的に許容される塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)または農業その許容される塩、ポリアスパラギン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項105に記載の使用。
【請求項106】
前記キレート剤が、金属化されている、請求項104または105に記載の使用。
【請求項107】
前記キレート剤が、金属不含である、請求項104または105に記載の使用。
【請求項108】
前記組成物が、界面活性剤をさらに含む、請求項75~107のいずれか一項に記載の使用。
【請求項109】
前記界面活性剤が、エトキシル化アルコール、高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシル化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項108に記載の使用。
【請求項110】
前記フィルム形成剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%の量で存在する、請求項75~109のいずれか一項に記載の使用。
【請求項111】
前記光増感剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の量で存在する、請求項75~110のいずれか一項に記載の使用。
【請求項112】
前記抗酸化剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%の量で存在する、請求項75~111のいずれか一項に記載の使用。
【請求項113】
前記植物に適用されるすぐに使用できる組成物である、請求項75~112のいずれか一項に記載の使用。
【請求項114】
植物に適用される前に希釈される濃縮物である、請求項75~112のいずれか一項に記載の使用。
【請求項115】
灌水、スプレー、噴霧、散水、注入および浸漬のうちの少なくとも1つによる前記植物への適用のための、請求項75~114のいずれか一項に記載の使用。
【請求項116】
前記植物が、成長した植物である、請求項75~115のいずれか一項に記載の使用。
【請求項117】
前記組成物が、前記植物の再生不可能な部分への適用のためのものである、請求項75~116のいずれか一項に記載の使用。
【請求項118】
前記植物が、非木本作物植物、木本植物または芝草である、請求項75~117のいずれか一項に記載の使用。
【請求項119】
前記液体担体が、前記組成物が植物に適用された後、空気乾燥によって除去される、請求項75~118のいずれか一項に記載の使用。
【請求項120】
前記フィルム形成剤が、前記水性担体の少なくとも一部分が前記組成物から除去されるとき、フィルムを形成する、請求項75~119のいずれか一項に記載の使用。
【請求項121】
植物への適用のための組成物であって、
光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、前記光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、
フィルム形成剤であって、前記フィルム形成剤が、前記植物への前記組成物の適用後に酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する、フィルム形成剤と、
前記光増感剤、前記フィルム形成剤および抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、液体担体と、を含む、組成物。
【請求項122】
請求項2~60のいずれか一項に記載の特徴をさらに含む、請求項121に記載の組成物。
【請求項123】
植物の前記健康を促進するための方法であって、請求項1~60のいずれか一項に記載の組成物を前記植物に適用することと、
前記フィルム形成剤のためにフィルム形成組成物から前記水性担体の少なくとも一部分を除去して、酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成することと、を含む、方法。
【請求項124】
請求項61~74のいずれか一項に記載の特徴をさらに含む、請求項123に記載の方法。
【請求項125】
植物の健康を改善するための組成物であって、前記組成物が、
光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、前記光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、
フィルム形成剤であって、前記フィルム形成剤が、前記植物への前記組成物の使用後に酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する、フィルム形成剤と、
前記光増感剤、前記フィルム形成剤および抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、水性担体と、を含む、組成物の、使用。
【請求項126】
請求項75~120のいずれか一項に記載の特徴をさらに含む、請求項125に記載の使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野は、一般に、植物の健康を改善するための光線力学的組成物に関し、より具体的には、植物に適用される光増感剤を含むフィルム形成光線力学的組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
微生物病原体の光線力学的阻害は、微生物病原体に対する有害な作用を有し得る一重項酸素などの活性酸素種(ROS)を生成するために、光に光増感薬剤を曝露することを伴う。光増感剤は、典型的には、光および酸素の存在下にあるとき、分解する。光増感剤の安定性を延長できる組成物に対する必要性が存在する。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様では、植物への適用のための組成物が、提供される。組成物は、光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、フィルム形成剤であって、フィルム形成剤が、非水和状態にあるとき、酸素に対して実質的に不透過性である、フィルム形成剤と、抗酸化剤と、光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、液体担体と、を含む。
【0004】
別の態様では、本明細書に記載の組成物は、植物の健康を改善するために使用される。
【0005】
さらに別の態様では、植物の健康を改善するための方法が、提供される。方法は、光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤、フィルム形成剤、抗酸化剤、ならびに光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤が可溶化または分散されている、水性担体を含む、組成物を、植物に適用することと、フィルム形成剤のために組成物から水性担体の少なくとも一部分を除去して、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性である植物上のフィルムを形成することと、を含む。
【0006】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、グアーガム、ヒドロキシルプロピルセルロースポリビニルピロリドン、ナノセルロース、ダイズタンパク質単離物、ホエイタンパク質、コラーゲン、デンプン、ヒドロキシプロピル化アミロメイズデンプン、アミロメイズデンプン、キシラン、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリビニルアルコールコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0007】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、ポリビニルアルコールを含む。
【0008】
いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約10kDa~約200kDaの平均分子量を有する。
【0009】
いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、70%以上の加水分解度である。
【0010】
いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約50kDa~約100kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する。
【0011】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、溶液中にあるとき、活性酸素種に対して光増感剤よりも活性がある。
【0012】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、水和状態にあるフィルム中にあるとき、活性酸素種に対して光増感剤よりも活性がある。
【0013】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホン酸ナトリウム、t-ブチル-ヒドロキシキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アルファ-トコフェロール、D-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、レチニルパルミタート、ベータ-カロチン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、アジ化ナトリウム、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0014】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、フェノール系抗酸化物質を含む。
【0015】
いくつかの実装形態では、フェノール系抗酸化物質は、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホナート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0016】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、選択された金属で金属化され、その結果、光および酸素の曝露に応答して、金属化された光増感剤が、活性酸素種を生成する。
【0017】
いくつかの実装形態では、金属は、Mg、Zn、Pd、Al、Pt、Sn、Si、Ga、In、Cu、Co、Fe、Ni、Mnおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0018】
いくつかの実装形態では、金属は、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)、Mn(II)、Co(III)、Fe(III)、Fe(IV)およびMn(III)からなる群から選択される。
【0019】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、金属不含であり、光および酸素の曝露に応答して、金属不含の光増感剤が活性酸素種を生成するように選択される。
【0020】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、還元型ポルフィリンを含む。
【0021】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、クロリン、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン、コリーン、コルフィンおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0022】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、クロリンである。
【0023】
いくつかの実装形態では、クロリンは、クロリンe6または修飾型クロリンe6である。
【0024】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、ポルフィリンを含む。
【0025】
いくつかの実装形態では、ポルフィリンは、プロトポルフィリンまたはメソ-テトラ-(4-スルホナトフェニル)ポルフィリン(TPPS)である。
【0026】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、プロトポルフィリンIX(PP IX)または修飾型PP IXを含む。
【0027】
いくつかの実装形態では、液体担体は、水性担体である。
【0028】
いくつかの実装形態では、水性担体は、水性担体中の光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤のうちの少なくとも1つの溶解性および/または分散性を増加させる少なくとも1つの水溶性化合物を含む。
【0029】
いくつかの実装形態では、水性担体は油を含み、水中油型エマルジョンである。
【0030】
いくつかの実装形態では、油は、鉱油、植物油およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0031】
いくつかの実装形態では、油は、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油およびそれらの混合物からなる群から選択される植物油を含む。
【0032】
いくつかの実装形態では、油は、パラフィン系油、分岐パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系油およびそれらの混合物からなる群から選択される鉱油を含む。
【0033】
いくつかの実装形態では、油は、ポリ-アルファ-オレフィン(PAO)を含む。
【0034】
いくつかの実装形態では、組成物は、キレート剤をさらに含む。
【0035】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)またはその農業的に許容される塩、イミノジコハク酸(IDS)またはその農業的に許容される塩、ニトリロ三酢酸(NTA)またはその農業的に許容される塩、L-グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)またはその農業的に許容される塩、メチルグリシン二酢酸(MGDA)またはその農業的に許容される塩、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジグルタル酸(EDDG)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジマロン酸(EDDM)またはその農業的に許容される塩、3-ヒドロキシ-2,2-イミノジコハク酸(HIDS)またはその農業的に許容される塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)または農業その許容される塩、ポリアスパラギン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0036】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、金属化されている。
【0037】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、金属不含である。
【0038】
いくつかの実装形態では、組成物は、界面活性剤をさらに含む。
【0039】
いくつかの実装形態では、界面活性剤は、エトキシル化アルコール、高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシル化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリドおよびそれらの混合物からなる群から選択される。
【0040】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%の量で存在する。
【0041】
いくつかの実装形態では、光増感剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の量で存在する。
【0042】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%の量で存在する。
【0043】
いくつかの実装形態では、組成物は、植物に適用されるすぐに使用できる組成物である。
【0044】
いくつかの実施において、組成物は、植物に適用される前に希釈される濃縮物である。
【0045】
いくつかの実装形態では、植物は、成長した植物である。
【0046】
いくつかの実装形態では、植物は、非木本作物植物、木本植物または芝草である。
【0047】
いくつかの実装形態では、フィルムは、約50%RHよりも低い相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に不透過性である。
【0048】
いくつかの実装形態では、フィルムは、約60%RHよりも低い相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に不透過性である。
【0049】
いくつかの実装形態では、フィルムは、水和状態にあるとき、酸素に対して実質的に透過性である。
【0050】
いくつかの実装形態では、フィルムは、50%RH~100%RHの相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に透過性である。
【0051】
いくつかの実装形態では、フィルムは、60%RH~100%RHの相対湿度の環境にあるとき、酸素に対して実質的に透過性である。
【0052】
いくつかの実装形態では、組成物は、灌水、スプレー、噴霧、散布、注入および浸漬のうちの少なくとも1つによって植物に適用するためのものである。
【0053】
いくつかの実装形態では、組成物は、植物の再生不可能な部分に適用される。
【0054】
いくつかの実装形態では、液体担体は、組成物が植物に適用された後、空気乾燥によって除去される。
【0055】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、液体担体の少なくとも一部分が組成物から除去されるとき、フィルムを形成する。
【0056】
いくつかの実装形態では、組成物は、植物の健康を促進することにおける使用のためのものである。
【0057】
いくつかの実装形態では、植物の健康を促進することは、植物の微生物病原体の成長を防止または阻害することを含む。
【0058】
いくつかの実装形態では、微生物病原体は、真菌病原体、細菌病原体、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物またはファイトプラズマを含む。
【0059】
いくつかの実装形態では、微生物病原体は、真菌病原体である。
【0060】
いくつかの実装形態では、微生物病原体は、細菌病原体である。
【0061】
いくつかの実装形態では、植物の健康を促進することは、1つ以上の非生物的ストレスに対する植物の抵抗性を増加させることを含む。
【0062】
いくつかの実装形態では、1つ以上の非生物的ストレスは、低温ストレス、熱ストレス、水ストレス、移植ショックストレス、弱光ストレス、光酸化ストレス、乾燥ストレスおよび塩類ストレスからなる群から選択される。
【0063】
いくつかの実装形態では、植物の健康を促進することは、植物の昆虫有害生物を制御することを含む。
【0064】
いくつかの実装形態では、昆虫有害生物は、昆虫および昆虫幼虫からなる群から選択される。
【図面の簡単な説明】
【0065】
図1】(a)非水和状態および(b)水和状態における、光増感剤および抗酸化物質を含むフィルムの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0066】
植物に寄生する可能性のある微生物病原体および/または昆虫の光線力学的阻害は、光増感剤化合物を適用することによって達成され得る。光増感剤化合物は、活性酸素種(ROS)を生成することによって光に反応する。光増感剤化合物はまた、1つ以上の非生物的ストレスによって引き起こされた損傷に対する植物の抵抗性を増加させるために使用され得る。光増感剤によって生成されるROSは、植物上の微生物病原体および/または昆虫を阻害する役に立つのに十分な活性がある一方、それらはまた、典型的には、光増感剤化合物を分解するのに十分な活性がある。したがって、光増感剤化合物を安定化して、その結果、それらが、植物に適用されるのに十分安定し、かつ植物の健康を効果的に促進するのに十分な時間ROSを生成するための必要性が存在する。
【0067】
本記載は、光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤、フィルム形成剤、および水性担体を含む、植物への適用のためのフィルム形成組み合わせならびに組成物を提供する。フィルム形成組成物はまた、抗酸化剤を含むことができる。光増感剤は、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される。フィルム形成剤は、ポリビニルアルコールなどのフィルム形成ポリマーであり得る。フィルム形成剤は、水性担体の少なくとも一部分が植物への適用後に除去されるとき、酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する。抗酸化剤は、フェノール系抗酸化物質であり得る。光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤は、水性担体に可溶化および/または分散されている。一実装形態では、光増感剤化合物は、クロリン化合物などのポルフィリンまたは還元型ポルフィリン化合物である。
【0068】
例示的なポルフィリン化合物は、プロトポルフィリンIXもしくは修飾型プロトポルフィリンIXまたはその農業的に許容される塩である。例示的なクロリン化合物は、クロロフィリン、修飾型クロロフィリン、またはその農業的に許容される塩である。
【0069】
光増感剤、フィルム形成剤およびフィルム形成組成物の他の成分、同様にそのような組成物を調製する方法についてのより多くの詳細が、本記載に提供されている。
【0070】
定義
別段明記されない限り、本明細書に記載される以下の用語および句は、以下の意味を有するように意図される。
【0071】
本明細書で商標名が使用される場合、それは、商標名製品および商標名製品の有効成分を独立して含むように意図される。
【0072】
本明細書で使用される場合、「式Iの化合物」という句は、式Iの化合物またはその農業的に許容される塩を意味する。単離可能な中間体に関して、「式(数)の化合物」という句は、その式の化合物およびその塩、ならびに任意選択で、それらの農業的に許容される塩を意味する。
【0073】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、一級、二級、三級、または環状炭素原子を含有する炭化水素を意味する。例えば、かつ限定することなく、アルキル基は、1~20個の炭素原子(すなわち、C-C20アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)または1~4個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)を有し得る。適切なアルキル基の例には、メチル(Me、-CH)、エチル(Et、-CHCH)、1-プロピル(n-Pr、n-プロピル、-CHCHCH)、2-プロピル(i-Pr、i-プロピル、-CH(CH)、1-ブチル(n-Bu、n-ブチル、-CHCHCHCH)、2-メチル-1-プロピル(i-Bu、i-ブチル、-CHCH(CH)、2-ブチル(s-Bu、s-ブチル、-CH(CH)CHCH)、2-メチル-2-プロピル(t-Bu、t-ブチル、-C(CH)、1-ペンチル(n-ペンチル、-CHCHCHCHCH)、2-ペンチル(-CH(CH)CHCHCH)、3-ペンチル(-CH(CHCH)、2-メチル-2-ブチル(-C(CHCHCH)、3-メチル-2-ブチル(-CH(CH)CH(CH)、3-メチル-1-ブチル(-CHCHCH(CH)、2-メチル-1-ブチル(-CHCH(CH)CHCH)、1-ヘキシル(-CHCHCHCHCHCH)、2-ヘキシル(-CH(CH)CHCHCHCH)、3-ヘキシル(-CH(CHCH)(CHCHCH))、2-メチル-2-ペンチル(-C(CHCHCHCH)、3-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CH(CH)CHCH)、4-メチル-2-ペンチル(-CH(CH)CHCH(CH)、3-メチル-3-ペンチル(-C(CH)(CHCH)、2-メチル-3-ペンチル(-CH(CHCH)CH(CH)、2,3-ジメチル-2-ブチル(-C(CHCH(CH)、3,3-ジメチル-2-ブチル(-CH(CH)C(CH、およびオクチル(-(CHCH)が含まれるが、これらに限定されない。
【0074】
本明細書で使用される「アルキル」という用語は、不飽和、すなわち炭素-炭素sp二重結合の少なくとも1つの部位で一級、二級、三級または環状炭素原子を含有する炭化水素を意味する。例えば、かつ限定することなく、アルケニル基は、2~20個の炭素原子(すなわち、C-C20アルケニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C-Cアルケニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C-Cアルケニル)または2~4個の炭素原子(すなわち、C-Cアルケニル)を有し得る。好適なアルケニル基の例には、エチレンまたはビニル(-CH=CH)、アリル(-CHCH=CH)、シクロペンテニル(-C)、および5-ヘキセニル(-CHCHCHCHCH=CH)が含まれるが、これらに限定されない。
【0075】
本明細書で使用される「アルキニル」という用語は、不飽和、すなわち炭素-炭素、sp三重結合の少なくとも1つの部位を有する一級、二級、三級または環状炭素原子を含有する炭化水素を意味する。例えば、かつ限定することなく、アルキニル基は、2~20個の炭素原子(すなわち、C-C20アルキニル)、2~8個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキニル)、2~6個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキニル)または2~4個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキニル)を有し得る。好適なアルキニル基の例には、アセチレン(-C≡CH)およびプロパルギル(-CHC≡CH)が含まれるが、これらに限定されない。
【0076】
本明細書で使用される「アルコキシ」という用語は、「O(アルキル)」という用語と交換可能であり、上記で定義される「アルキル」基は、酸素原子を介して親分子に結合している。例えば、かつ限定することなく、O(アルキル)基のアルキル部分は、1~20個の炭素原子(すなわち、C-C20アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)または1~4個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)を有し得る。好適なアルコキシまたはO(アルキル)基の例には、メトキシ(-OCHまたは-OMe)、エトキシ(-OCHCHまたは-OEt)およびt-ブトキシ(-O-C(CHまたは-OtBu)が含まれるが、これらに限定されない。同様に、「O(アルケニル)」、「O(アルキニル)」および対応する置換基は、当業者によって理解されるであろう。
【0077】
本明細書で使用される「アシル」という用語は、「C=O(アルキル)」、「C=O(アルケニル)」、「C=O(アルキニル)」およびそれらの対応する置換基などのいくつかの官能基を包含するように意味され、「アルキル」、「アルケニル」および「アルキニル」基は、上記で定義された通りであり、C=O基を介して親分子のO、N、Sに結合している。例えば、かつ限定することなく、C=O(アルキル)基のアルキル部分は、1~20個の炭素原子(すなわち、C-C20アルキル)、1~8個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)、1~6個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)、または1~4個の炭素原子(すなわち、C-Cアルキル)を有し得る。好適なアシル基の例には、ホルミル(すなわち、カルボキシアルデヒド基)、アセチル、トリフルオロアセチル、プロピオニル、およびブタノイルが含まれるが、これらに限定されない。当業者は、対応する定義が「C=O(アルケニル)」および「C=O(アルキニル)」部分に適用されることを理解するであろう。本記載では、「C=O(アルキル)」、「C=O(アルケニル)」、「C=O(アルキニル)」は、それぞれ、「CO(アルキル)」、「CO(アルケニル)」および「CO(アルキニル)」として書かれる。
【0078】
本明細書で使用される「アルキレン」という用語は、親アルカンの同じまたは2つの異なる炭素原子からの2つの水素原子の除去によって誘導された2つの一価ラジカル中心を有する飽和の、分岐または直鎖または環状炭化水素ラジカルを意味する。例えば、かつ限定することなく、アルキレン基は、1~20個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~6個の炭素原子、または1~4個の炭素原子を有し得る。典型的なアルキレンラジカルは、メチレン(-CH-)、1,1-エチル(-CH(CH)-)、1,2-エチル(-CHCH-)、1,1-プロピル(-CH(CHCH)-)、1,2-プロピル(-CHCH(CH)-)、1,3-プロピル(-CHCHCH-)および1,4-ブチル(-CHCHCHCH-)を含むが、これらに限定されない。
【0079】
本明細書で使用される「アルケニレン」という用語は、親アルケンの同じまたは2つの異なる炭素原子からの2つの水素原子の除去によって誘導された2つの一価ラジカル中心を有する不飽和の、分岐または直鎖または環状炭化水素ラジカルを意味する。例えば、かつ限定することなく、アルケニレン基は、1~20個の炭素原子、1~10個の炭素原子、1~6個の炭素原子または1~4個の炭素原子を有し得る。典型的なアルケニレンラジカルは、1,2-エチレン(-CH=CH-)を含むが、これらに限定されない。
【0080】
本明細書で使用される「アルキニレン」という用語は、親アルキンの同じまたは2つの異なる炭素原子からの2つの水素原子の除去によって誘導された2つの一価ラジカル中心を有する不飽和の、分岐または直鎖または環状炭化水素ラジカルを意味する。例えば、かつ限定することなく、アルキニレン基は、2~20個の炭素原子、2~10個の炭素原子、2~6個の炭素原子、または2~4個の炭素原子を有し得る。典型的なアルキニレンラジカルは、アセチレン(-C≡C-)、プロパルギル(-CHC≡C-)および4-ペンチニル(-CHCHCHC≡C-)を含むが、これらに限定されない。
【0081】
本明細書で使用される「アリール」という用語は、親芳香環系の単一の炭素原子からの1つの水素原子の除去によって誘導された芳香族炭化水素ラジカルを意味する。例えば、かつ限定することなく、アリール基は、6~20個の炭素原子、6~14個の炭素原子、または6~10個の炭素原子を有し得る。典型的なアリール基は、ベンゼン(例えば、フェニル)、置換ベンゼン、ナフタレン、アントラセンおよびビフェニルに由来するラジカルを含むが、これらに限定されない。
【0082】
本明細書で使用される「アリールアルキル」という用語は、炭素原子に結合した水素原子のうちの1つ、典型的には、末端またはsp炭素原子が、アリールラジカルで置き換えられている、非環状アルキルラジカルを意味する。典型的なアリールアルキル基は、ベンジル、2-フェニルエタン-1-イル、ナフチルメチル、2-ナフチルエタン-1-イル、ナフトベンジル、2-ナフトフェニルエタン-1-イルなどを含むが、これらに限定されない。例えば、かつ限定することなく、アリールアルキル基は、7~20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキル部分は1~6個の炭素原子であり、アリール部分は6~14個の炭素原子である。
【0083】
本明細書で使用される「アリールアルケニル」という用語は、炭素原子に結合した水素原子のうちの1つ、典型的には、末端またはsp炭素原子、さらにはsp炭素原子が、アリールラジカルで置き換えられている、非環状アルケニルラジカルを意味する。アリールアルケニルのアリール部分は、例えば、本明細書に記載のアリール基のうちのいずれかを含むことができ、アリールアルケニルのアルケニル部分は、例えば、本明細書に記載のアルケニル基のうちのいずれかを含むことができる。アリールアルケニル基は、8~20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルケニル部分は2~6個の炭素原子であり、アリール部分は6~14個の炭素原子である。
【0084】
本明細書で使用される「アリールアルキニル」という用語は、炭素原子に結合した水素原子のうちの1つ、典型的には、末端またはsp炭素原子、さらにはsp炭素原子が、アリールラジカルで置き換えられている、非環状アルキニルラジカルを意味する。アリールアルキニルのアリール部分は、例えば、本明細書に開示されるアリール基のうちのいずれかを含むことができ、アリールアルキニルのアルキニル部分は、例えば、本明細書に開示されるアルキニル基のうちのいずれかを含むことができる。例えば、かつ限定することなく、アリールアルキニル基は、8~20個の炭素原子を含むことができ、例えば、アルキニル部分は2~6個の炭素原子であり、アリール部分は6~14個の炭素原子である。
【0085】
本明細書で使用される「複素環」という用語は、環を形成する少なくとも1つの原子がヘテロ原子である共有結合で閉じた環を含む基を意味する。例えば、かつ限定することなく、複素環式環は、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または9つ以上の原子によって形成され得る。これらの原子の任意の数は、ヘテロ原子であり得る(すなわち、複素環式環は、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、6つ、7つ、8つ、9つ、または9つ超のヘテロ原子を含むことができる)。2つ以上のヘテロ原子を含む複素環式環では、それらの2つ以上のヘテロ原子は、互いに同じであるか、または異なる可能性がある。複素環は、置換され得る。複素環への結合は、ヘテロ原子におけるか、または炭素原子を介したものであり得る。本記載では、「複素環」という用語はまた、「ヘテロアリール」基を包含することも、理解されたい。
【0086】
本明細書で使用される「保護基」という用語は、官能基の特性または化合物全体の特性を覆い隠すか、または変更する、化合物の部分を意味する。保護基の化学的部分構造は、大きく異なり得る。保護基の1つの機能は、親活性物質の合成における中間体として機能することである。化学的保護基および保護/脱保護のための戦略は、当技術分野でよく知られている。“Protective Groups in Organic Chemistry”,Theodora W.Greene(John Wiley&Sons, Inc.,New York,1991)を参照されたい。
【0087】
アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルケニレン、アリール、アルキニレンなどを参照する際に本明細書で使用される「置換」という用語、例えば、「置換アルキル」、「置換アルキレン」、「置換アルコキシ」-「または置換O(アルキル)」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」、「置換アルケニレン」、「置換アリール」および「置換アルキニレン」は、別段示されない限り、それぞれ、アルキル、アルキレン、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アルケニレン、アリールおよびアルキニレンを意味し、1つ以上の水素原子が各々独立して非水素置換基で置き換えられている。
【0088】
典型的な非水素置換基は、-X、-R、-O、=O、-OR、-SR、-S、-NR 、Si(R、-N 、-NR-(Alk)-NR 、-NR-(Alk)-N 、-NR-(Alk)-OR、-NR-(Alk)-OP(=O)(OR)(O)、-NR-(Alk)-OP(=O)(OR、-NR-(Alk)-Si(R、-NR-(Alk)-SR、-O-(Alk)-NR 、-O-(Alk)-N 、-O-(Alk)-OR、-O-(Alk)-OP(=O)(OR)(O)、_-O-(Alk)-OP(=O)(OR、-O-(Alk)-Si(R、-O-(Alk)-SR、=NR、-CX、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-NO、=N、-N、-NHC(=O)R、-OC(=O)R、-NHC(=O)NR 、-S(=O)-、-S(=O)OH、-S(=O)、-OS(=O)OR、-S(=O)NR 、-S(=O)R、-OP(=O)(OR)(O)、-OP(=O)(OR、-P(=O)(OR、-P(=O)(O、-P(=O)(OH)、-P(O)(OR)(O)、-C(=O)R、-C(=O)X、-C(S)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(S)OR、-C(O)SR、-C(S)SR、-C(O)NR 、-C(S)NR または-C(=NR)NR を含むが、これらに限定されず、式中、各Xは、独立して、ハロゲン:F、Cl、Br、またはIであり、各Rは、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ポリ(エチレンオキシ)、PEGもしくはポリ(メチレンオキシ)などのアルキルオキシ基、または保護基であり、各Rは、独立して、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、各Alkは、独立して、アルキレン、置換アルキレン、アルケニレン、置換アルケニレン、アルキニレンまたは置換アルキニレンである。別段明記示されない限り、「置換」という用語が、置換可能な2つ以上の部分を有するアリールアルキルなどの基と組み合わせて使用される場合、置換基は、アリール部分、アルキル部分、または両方に結合することができる。
【0089】
「三置換シリル」という用語は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびアリールアルキルから選択される3つの官能基で独立して置換されているシリル基を指すことも、理解されたい。三置換シリル基の非限定的な例には、トリメチルシリルおよびジメチルフェニルシリルが含まれる。
【0090】
本明細書で使用される「PEG」または「ポリ(エチレングリコール)」という用語は、任意の水溶性ポリ(エチレンオキシド)を包含するように意味される。典型的には、実質的にすべて、またはすべてのモノマーサブユニットはエチレンオキシドサブユニットであるが、PEGは別個のエンドキャッピング部分または官能基を含有し得る。本記載のPEG鎖は、末端酸素が変位しているかどうかに応じて、以下の構造、-(CHCHO)-または-(CHCHO)m-1CHCH-のうちの1つを含むことができ、式中、mは、任意選択で1~100、1~50、1~30、5~30、5~20、または5~15から選択される整数である。PEGは、一般にPEGの末端酸素または他の末端原子に結合した不活性炭素含有基である「エンドキャッピング基」でキャップされ得る。エンドキャッピング基の非限定的な例には、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)が含まれ得る。
【0091】
当業者は、本記載の化合物の置換基および他の部分が、植物に適用され得る許容可能に安定な農業組成物中に配合され得る農業的に有用な化合物を提供するために選択されるべきであることを認識するであろう。本記載の化合物の様々な属および亜属に対する定義および置換基は、本記載に記載および例示されている。本明細書に記載の定義および置換基のいかなる組み合わせも、作動不能な(inoperable)種または化合物をもたらすはずがないことが、当業者は理解されたい。「操作不能な種または化合物」という句は、関連する科学的原理に違反する化合物構造(例えば、4つ超の共有結合に接続する炭素原子など)または不安定すぎて単離および農業的に許容される組成物への配合が可能でない化合物を意味することも、理解されたい。
【0092】
本記載の化合物の選択された置換基は、再帰的な(recursive)程度まで存在し得る。この文脈では、「再帰的置換基」は、置換基がそれ自体の別の例を列挙し得ることを意味する。そのような置換基の再帰的性質のため、理論的には、多数の化合物が任意の所与の実装に存在し得る。例えば、Rは、R置換基を含む。RはRであり得る、RはWであり得る。WはWであり得、Wは、Rであり得るか、またはRを含む置換基を含むことができる。有機化学の当業者は、そのような置換基の総数が、意図された化合物の所望の特性によって合理的に限定されるようになることを理解する。そのような特性は、例として、かつ限定なく、分子量などの物理的特性、溶解性またはlog P、意図された標的に対する活性などの適用特性、植物への適用の可能性、および合成の容易さなどの実用的特性を含む。典型的には、各再帰的置換基は、所与の実装において、20、19、18、17、16、15、14、13、12、11、10、9、8、7、6、5、4、3、2、1、または0回独立して発生し得る。例えば、各再帰的置換基は、所与の実施形態では3回以下独立して発生し得る。再帰的置換基は、本記載の化合物の意図された態様である。有機化学の当業者は、そのような置換基の多用途性を理解する。
【0093】
本明細書で使用される「農業的に許容される塩」という用語は、殺虫活性を呈する(すなわち、1つ以上の生物的ストレスに対して活性である)か、または1つ以上の非生物的ストレスに対する植物の抵抗性を改善し得る、塩を指す。この用語はまた、植物、水または土壌において、殺虫活性を呈するか、もしくは1つ以上の非生物的ストレスに対する植物の抵抗性を改善し得る、化合物もしくは塩に変換されるか、または変換することができる、塩を指す。「農業的に許容される塩」は、農業的に許容される陽イオンまたは農業的に許容される陰イオンであり得る。農業的に許容される陽イオンの非限定的な例には、アルカリまたはアルカリ土類金属に由来する陽イオン、ならびにアンモニアおよびアミンに由来する陽イオンが含まれ得る。例えば、農業的に許容される陽イオンは、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、アルキルアンモニウムおよびアンモニウム陽イオンを含むことができる。農業的に許容される陰イオンの非限定的な例には、ハロゲン化物、ホスファート、アルキルスルファートおよびカルボキシラート陰イオンが含まれ得る。例えば、農業的に許容される陰イオンは、塩化物、臭化物、メチルスルファート、エチルスルファート、アセタート、ラクタート、ジメチルホスファートまたはポリアルコキシル化ホスファート陰イオンを含むことができる。
【0094】
本記載の化合物の特定の部分を参照する際に本明細書で使用される「任意選択で置換された」という用語は、すべての置換基が水素であるか、または部分の水素のうちの1つ以上が「置換された」という用語の定義の下で列挙されたか、または別の方法で示されたものなどの置換基によって置き換えられ得る、部分を意味する。
【0095】
本明細書に記載の式および組成物の範囲内の化合物のすべてのエナンチオマー、ジアステレオマー、およびラセミ混合物、互変異性体、多形、および疑似多形、ならびにそれらの農業的に許容される塩は、本記載によって包含されることが理解されるであろう。そのようなエナンチオマーおよびジアステレオマーのすべての混合物もまた、本記載の範囲内にある。
【0096】
本記載の化合物およびその農業的に許容される塩は、異なる多形または疑似多形として存在し得る。本明細書で使用される場合、結晶多形性は、異なる結晶構造で存在する結晶化合物の能力を意味する。結晶多形性は、結晶パッキングの差異(パッキング多形性)または同じ分子の異なる配座異性体間のパッキングの差異(立体配座多形性)に起因し得る。本明細書で使用される場合、結晶疑似多形性は、異なる結晶構造で存在する化合物の水和物または溶媒和物の能力を意味する。本記載の化合物の疑似多形は、結晶パッキングの差異(パッキング疑似多形性)のため、または同じ分子の異なる配座異性体間のパッキングの差異(立体配座疑似多形性)のために存在し得る。本記載の化合物の記載および描写は、化合物およびそれらの農業的に許容される塩のすべての多形および疑似多形を含むように意図される。
【0097】
本記載の化合物およびその農業的に許容される塩もまた、アモルファス固体として存在し得る。本明細書で使用される場合、アモルファス固体は、固体中に原子の位置の長距離秩序が存在しない固体である。本記載の化合物の記載および描写は、化合物およびそれらの農業的に許容される塩のすべてのアモルファス形態を含むように意図される。
【0098】
数量に関連して使用される修飾語句「約」は、明示された値を含み、文脈によって規定された意味を有する。例えば、修飾語句「約」は、数量の測定に関連する誤差の程度を含むことができる。
【0099】
農業用途(すなわち、植物への適用)について、本記載の化合物の塩は、農業的に許容される塩である。しかしながら、農業的に許容されない塩はまた、例えば、農業的に許容される化合物の調製または精製における使用を見出すことができる。したがって、すべての塩は、それらが農業的に許容される塩であるかどうかにかかわらず、本記載の範囲内として理解ことになる。
【0100】
本明細書に記載の化合物は、それらの非イオン化、イオン化、ならびに双性イオン形態にあり得、水和物などの様々な量の水(例えば、化学量論量の水)と組み合わされ得ることが理解されるであろう。
【0101】
本明細書に記載の化合物が、同じ命名された基、例えば、「R」または「R」のうちの2つ以上で置換されるときはいつでも、基は同じであっても異なっていてもよく、すなわち、各基は独立して選択されることが、理解されるであろう。例えば、「各Rが独立してアルキルまたはアリールであるSi(OR」という表現において、各Rは、アルキル基およびアリール基から独立して選択され得ることが、理解される。したがって、Si(ORは、3つすべてのRが同じであり、少なくとも1つのR基が他の2つのR基とは異なるか、または各R基が異なる、両方の非対称基を含む。このことは、本明細書で定義されるすべてのRまたはZ基に適用されることも、理解される(例えば、qは、1~17、a~fまたはA~Cから選択される)。基「Z」は、「Z=Z」であることが明示的に明記されている場合にのみ、別の基「Z」と必然的に同じであるように理解されるであろう。
【0102】
本明細書に記載の化合物はまた、ある特定の場合において互変異性形態として存在し得る。1つの脱局在化した共鳴構造のみが典型的には描写されるが、すべてのそのような形式は、本記載の範囲内で企図される。例えば、様々な互変異性体が、本記載に記載のテトラピロール環系について存在する可能性があり、すべてのそれらの可能な互変異性体は本記載の範囲内にある。
【0103】
本明細書で使用される「成長培地」という用語は、植物の成長および栽培に好適である任意の土壌(任意の組成の)または無土壌(例えば、水耕)培地を指す。成長培地は、植物の成長および栽培に好適である、任意の天然に生じる物質および/または合成物質をさらに含むことができる。本明細書で使用される「成長培地の任意の表面」または「成長培地の表面」という句は、自然光および/またはシミュレートされた光および/または天候に直接曝露される表面を指す。
【0104】
本記載で使用される「適用すること」という用語は、当技術分野で既知の任意の手段(例えば、注入、根浴(root bathing)、土壌灌注、点滴灌水など)によって、本開示の少なくとも1つの組み合わせもしくは組成物と植物の表面もしくは成長培地の表面を接触させること、または本記載の少なくとも1つの組み合わせもしくは組成物と成長培地の表面の下にある面積を接触させること(例えば、土壌注入による)、あるいはそれらの任意の組み合わせ、あるいは本記載の少なくとも1つの組み合わせまたは組成物と植物を直接接触させること(例えば、スプレー)を指す。
【0105】
本明細書で使用される「作物植物」という用語は、食料および/またはエネルギーの供給源として1年以下のサイクルで成長し、傾向があり、収穫される、非木本植物を指す。作物植物の非限定的な例には、サトウキビ、コムギ、イネ、トウモロコシ(corn)(トウモロコシ(maize))、ジャガイモ、テンサイ、オオムギ、サツマイモ、キャッサバ、ダイズ、トマト、およびマメ科植物(豆およびエンドウマメ)が含まれる。
【0106】
本明細書で使用される「木本植物」という用語は、単一の茎または幹を有し、地面からある程度の距離で側枝を有する、木本多年生植物(例えば、樹木)を指す。木本植物は、落葉樹木、常緑樹木(例えば、針葉樹)または低木であり得る。木本植物の非限定的な例には、カエデ樹木、柑橘類樹木、リンゴ樹木、ナシ樹木、オーク樹木、トネリコ樹木、マツ樹木、およびトウヒ樹木が含まれる。
【0107】
本明細書で使用される「芝草」という用語は、地被植物を提供する栽培されたイネ科植物、例えば、一定の高さを維持するために定期的に切断されるか、もしくは刈り取られる、芝または芝生を指す。イネ科植物は、Poaceae科に属し、6つの亜科に細分され、そのうちの3つは、次の一般的な芝草、冷涼季節の芝草のFestucoideae亜科、ならびに温暖季節の芝草のPanicoideae亜科およびEragrostoideae亜科を含む。限定された数の種が、芝草としての広い使用にあり、一般に均一な土壌被覆を形成し、かつ草刈りおよび往来に耐えるという基準を満たしている。一般に、芝草は、成長点を切断することなく草刈りを容易にする圧縮された冠を有する。本文脈では、「芝草」という用語は、1つ以上のイネ科植物種が、比較的均一な土壌被覆を形成するために栽培される領域を含み、同じ種の異なる栽培品種の組み合わせであるブレンド、または異なる種および/もしくは栽培品種の組み合わせである混合物を含む。
【0108】
芝草の非限定的な例には、イチゴツナギ類(bluegrass)(例えば、ケンタッキーブルーグラス)、ベントグラス(bentgrass)(例えば、クリーピングベントグラス)、コヌカグサ(Redtop)、フェスク(fescue)(例えば、レッドフェスク(red fescue))、ライグラス(ryegrass)(例えば、一年生ライグラス)、カモジグサ類(wheatgrass)(例えば、クレステッドウィートグラス(crested wheatgrass))、オオハマガヤ類(beachgrass)、スズメノチャヒキ類(Brome grass)(例えば、アリゾナブロム(Arizona Brome))、ガマ類(cattail)(例えば、サンドキャットテール(sand cattail))、アルカリグラス(Alkaligrass)(Puccinellia distans)、クシガヤ(crested dog‘s-tail)(Cynosurus cristatus)、バミューダグラス(Cynodon dactylonなどのCynodon spp.)、ハイブリッドバミューダグラス(例えば、ティフドワーフ(tifdwarf)バミューダグラス)、シバ類(Zoysiagrass)(例えば、Zoysia japonica)、セントオーガスチングラス(例えば、Bitter Blueセントオーガスチングラス)、センチピードグラス(Eremochloa ophiuroides)、カーペットグラス(Carpetgrass)(Axonopus fissifolius)、バヒアグラス(Paspalum notatum)、キクユグラス(Kikuyugrass)(Pennisetum clandestinum)、バッファローグラス(Buffalograss)(Buchloe dactyloids)、シーショアパスパラム(Seashore paspalum)(Paspalum vaginatum)、ブルーグラマ(Blue Grama)(Bouteloua gracilis)、ブラックグラマ(Black Grama)(Bouteloua eriopoda)、サイドオーツグラマ(Sideoats Grama)(Bouteloua curtipendula)、Sporobolus spp.(例えば、アルカリサカトン(Alkali Sacaton))、サンドドロップシード(Sand Dropseed)(Sporobolus cryptandrus)、プレーリードロップシード(Prairie Dropseed)(Sporobolus heterolepis)、Hordeum spp.(例えば、カリフォルニアオオムギ)、一般的なオオムギ、ホソムギクサ(Meadow Barley)、Alopecurus spp.(例えば、クリーピングフォックステール(Creeping Foxtail)およびオオスズメノテッポウ(Meadow Foxtail))、Stipa spp.(例えば、ニードルアンドスレッド(Needle & Thread))、Elymus spp.(例えば、ブルーワイルドライ(Blue Wildrye))、ヒゲクリノイガ(Buffelgrass)(Cenchrus ciliaris)、コバンソウ(Big Quaking Grass)(Briza maxima)、ビッグブルーステム(Big Bluestem)(Andropogon gerardii)、リトルブルーステム(Little Bluestem)(Schizachyruim scoparium、サンドブルーステム(Sand Bluestem)(Andropogon hallii)、ディアグラス(Deergrass)(Muhlenbergia rigens)、イースタンガマグラス(Tripsacum dactyloides)、ガレッタ(Galleta)(Hilaria jamesii)、ヒロハノコメススキ(Tufted Hairgrass)(Deschampsia caespitosa)、インディアンライスグラス(Indian Rice Grass)(Oryzopsis hymenoides)、インディアングラス(Indian Grass)(Sorghastrum nutans)、スナジカゼクサ(Sand Lovegrass)(Eragrostis trichodes)、シナダレスズメガヤ(Weeping Lovegrass)(Eragrostis curvula)、カリフォルニアメリック(California Melic)(Melica californica)、プレーリージューングラス(Prairie Junegrass)(Koeleria pyramidata)、プレーリーサンドリード(Prairie Sandreed)(Calamovilfa longifolia)、コヌカグサ(Agrostis alba)、リードカナリーグラス(Reed Canarygrass)(Phalaris arundinacea)、スラウグラス(Sloughgrass)(Spartina pectinata)、グリーンスプラングルトップ(Green Sprangletop)(Leptochloa dubia)、ボトルブッシュスクイレルテイル(Bottlebush Squirreltail)(Sitanion hystrix)、Panicumスイッチグラス(Switchgrass)(ヴィルガツム(virgatum))、およびパープルスリーアウン(Purple Threeawn)(Aristida purpurea)が含まれる。
【0109】
本明細書で使用される「植物の健康を促進すること」という句は、植物の有害生物によって引き起こされた病害、状態、または傷害を制御すること、および植物における非生物的ストレス抵抗性または耐性を増加させることのうちの少なくとも1つを含む。言い換えれば、「植物の健康を促進すること」という句は、「1つ以上の生物的媒介物による植物の感染を制御すること」、「1つ以上の昆虫による植物の寄生を制御すること」および「1つ以上の非生物的ストレスに対する植物の抵抗性を増加させること」のうちの少なくとも1つを含む。
【0110】
本明細書で使用される「生物的媒介物による植物の感染を制御すること」という句は、植物に対する微生物病原体の会合もしくは昆虫の寄生によって引き起こされる感染および/または他の既存の望ましくない状態もしくは副作用を縮小、緩和、または安定化することを意味する。微生物病原体は、真菌、細菌(グラム陽性またはグラム陰性)、ウイルス、ウイロイド、ウイルス様生物、ファイトプラズマなどを含むことができる。
【0111】
本明細書で使用される「非生物的ストレス」という用語は、最適レベルを下回る作物および他の植物の成長、発達、収量および収量の質に悪影響を与える環境状態を指す。非生物的ストレスの非限定的な例には、例えば、光酸化状態、乾燥(水不足)、過度の水やり(冠水、および水没)、極端な温度(寒冷、凍結および熱)、極端なレベルの光(強および弱)、放射線(UV-BおよびUV-A)、過度のNa(ソーダ質)による塩類、化学的要因(例えば、pH)、鉱物(金属およびメタロイド)毒性、必須栄養素の欠乏または過剰、ガス状汚染物質(オゾン、二酸化硫黄)、風、機械的要因、および他のストレス因子が含まれる。
【0112】
本明細書で使用される場合、「ストレス抵抗性を増加させること」(など)という用語は、ストレス状態において生き残るか、または繁栄する植物の能力の増加を指す。強化された抵抗性または耐性は、特定のストレス因子、例えば、乾燥、過剰な水、栄養素欠乏、塩、寒さ、日陰もしくは熱、または複数のストレス因子に対して特異的であり得る。いくつかのシナリオでは、1つ以上の非生物的ストレスに対する増加した抵抗性は、同じストレスに曝された未処理の植物と比較して、植物の質の低下の低減によって例示され得る。他のシナリオでは、1つ以上の非生物的ストレスに対する増加した抵抗性は、同じストレスに曝された未処理の植物と比較して、維持または改善された植物の質によって例示され得る。
【0113】
光増感剤化合物
本記載の組成物は、植物上に存在し得る生物的媒介物(すなわち、微生物病原体および/または昆虫)の光線力学的阻害を可能にすることができ、かつ/または非生物的ストレスから植物を保護することができる、光増感剤化合物を含む。光増感剤化合物は、活性酸素種(ROS)を生成することによって光に反応する。
【0114】
生成されたROSのタイプに応じて、光増感剤は、2つのクラス、すなわちタイプI光増感剤およびタイプII光増感剤に分類され得る。一方では、タイプI光増感剤は、酸素の存在下で適切な波長で励起されるとき、電子の引き抜き(electron abstraction)または基板からの移動を通じて短命のフリーラジカルを形成する。一方、タイプII光増感剤は、本明細書では「活性一重項酸素種」とも称される「一重項酸素」として知られる高い活性酸素状態を形成する。一重項酸素は、一般に比較的長寿命であり、大きな作用半径(radius of action)を有し得る。
【0115】
光増感剤化合物は金属化または非金属化され得ることを、理解されたい。金属化される場合、金属と錯体形成する様々な窒素含有大環状化合物の場合であり得るように、金属は、光曝露に応答してタイプIまたはタイプIIの光増感剤のいずれかを生成するように選択され得る。例えば、クロリンタイプの化合物が銅で金属化されている場合、生成されるROSは、典型的には、タイプI光増感剤である。同じクロリンタイプの化合物がマグネシウムで金属化されている場合、生成されるROSは、典型的には、タイプII光増感剤である。タイプIおよびタイプIIの光増感剤両方は、植物に存在する生物的媒介物の光線力学的阻害を可能にするため、または非生物的ストレスから植物を保護するために使用され得る。いくつかのシナリオでは、光増感剤化合物は、タイプI光増感剤である。他のシナリオでは、光増感剤化合物は、タイプII光増感剤である。
【0116】
本明細書で使用される「一重項酸素光増感剤」という用語は、光によって励起されるときに活性一重項酸素種を産生する化合物を指すことを、理解されたい。言い換えれば、「一重項酸素光増感剤」という用語は、上記で定義されたタイプIIプロセスがタイプIプロセスと比較して優勢である、光増感剤を指す。
【0117】
いくつかの実装形態では、光増感剤化合物は、互いに結合された4つの窒素含有複素環式環を含むことができる光増感窒素含有大環状化合物である。いくつかの実装形態では、窒素含有複素環式環は、ピロールおよびピロリンからなる群から選択され、メチン基(すなわち、=CH-基)によって一緒に連結されて、テトラピロールを形成する。窒素含有大環状化合物は、例えば、ポルフィリン化合物(例えば、4つのピロール基がメチン基によって一緒に連結される)、クロリン化合物(3つのピロール基および1つのピロリン基がメチン基によって一緒に連結される)、バクテリオクロリン化合物またはイソバクテリオクロリン化合物(2つのピロール基および2つのピロリン基がメチン基によって一緒に連結される)、もしくはポルフィリノイド(テキサフリン(texaphrin)またはサブポルフィリンなど)、または複素環式芳香族環コアもしくは部分的芳香族環コア(すなわち、環の全周にわたって芳香族でない環コア)を有するその機能的同等物、または再びマルチピロール(multi-pyrrole)化合物(ホウ素-ジピロメテンなど)を含むことができる。「窒素含有大環状化合物」という用語は、本明細書に列挙された化合物のうちの1つであり得るか、または本明細書に列挙された化合物の組み合わせであり得ることも、理解されたい。したがって、窒素含有大環状化合物は、ポルフィリン、還元型ポルフィリン、またはそれらの混合物を含むことができる。そのような窒素含有大環状化合物はまた、「マルチピロール大環状化合物」(例えば、テトラピロール大環状化合物)と称され得る。
【0118】
本明細書で使用される「還元型ポルフィリン」という用語は、クロリン、バクテリオクロリン、イソバクテリオクロリン、ならびにコリーンおよびコルフィンなどの他のタイプの還元型ポルフィリンからなる群を指すことを、理解されたい。
【0119】
窒素含有大環状化合物は、非金属大環(例えば、クロリンe6、プロトポルフィリンIXまたはテトラフェニルポルフィリン)または金属大環状錯体(例えば、Mg-ポルフィリン、Mg-クロロフィリン、Cu-クロロフィリン、Fe-プロトポルフィリンIXなど)であり得ることを、理解されたい。窒素含有大環状化合物は、抽出された天然に存在する化合物、または合成化合物であり得る。
【0120】
ポルフィリンまたは還元型ポルフィリン化合物が金属化される実装形態では、金属は、金属化窒素含有大環状化合物が、活性一重項酸素種を生成するタイプI光増感剤またはタイプII光増感剤であるように選択され得る。例えば、クロリンおよびポルフィリンの場合、タイプII光増感剤の形成を通じて活性一重項酸素種の生成を一般に可能にする金属の非限定的な例は、Mg、Zn、Pd、Sn、Al、Pt、Si、Ge、GaおよびInである。同様に、クロリンおよび/またはポルフィリンと錯体形成する場合にタイプI光増感剤を形成することが知られている金属の非限定的な例は、Cu、Co、Fe、NiおよびMnである。
【0121】
金属種がその酸化度を伴わずに言及される場合、金属種のすべての好適な酸化状態は、当業者によって理解されるように考慮されることになることを、理解されたい。他の実装形態では、金属種は、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)からなる群から選択され得る。さらに他の実装形態では、金属種は、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)およびMn(II)からなる群から選択され得る。さらに他の実装形態では、金属種は、Co(III)、Fe(III)、Fe(IV)およびMn(III)からなる群から選択され得る。
【0122】
タイプII光増感剤の形成につながる可能性のある特定の金属およびタイプI光増感剤の形成につながる可能性のある金属は、それが結合される窒素含有大環状化合物のタイプに応じて変化し得ることも、理解されたい。非金属化窒素含有大環状化合物は、タイプIの光増感剤またはタイプIIの光増感剤であり得ることも、理解されたい。例えば、クロリンe6およびプロトポルフィリンIXは、両方ともタイプII光増感剤である。
【0123】
本記載の方法および組成物において使用される窒素含有大環状化合物はまた、ヒトへのそれらの毒性に基づくか、または環境へのそれらの影響に基づいて選択され得ることを、理解されたい。例えば、ポルフィリンおよび還元型ポルフィリンは、フタロシアニンなどの他のタイプの窒素含有大環状化合物と比較される場合、ヒトへのより低い毒性、同様に強化された環境生分解特性を有する傾向がある。
【0124】
以下の式は、本明細書に記載の方法および組成物において使用され得る窒素含有大環状化合物のいくつかの非限定的な例を例示する。
【化1】
【0125】
Zn-TPPおよびMg-クロロフィリンなどの様々な窒素含有大環状化合物は、Organic Herb Inc.、Sigma AldrichまたはFrontier Scientificなどの化学薬品供給業者から得られることがある。いくつかのシナリオでは、窒素含有大環状化合物は100%純粋でなく、有機酸およびカロチンなどの他の成分を含み得る。他のシナリオでは、窒素含有大環状化合物は高レベルの純度を有し得る。
【0126】
修飾型Ce6光増感剤
上述の化合物のうちの1つ、クロリンe6(Ce6)は、20炭素原子の大環状環を有するテトラピロールであり、各ピロールは、1炭素ブリッジによって大環状環の2つの他の2つのピロールに連結されている。以下のCe6の描写では、大環状環の炭素は、1~20と番号付けされる。Ce6の化学構造では、3つのカルボン酸含有基が、C13(COOH)、C15(CHCOOH)、およびC17(CHCHCOOH)の位置に提供される。
【化2】
【0127】
本記載の光増感剤化合物は、C13、C15およびC17カルボン酸のうちの少なくとも1つが官能化され得る上のCe6足場に基づく可能性がある。修飾型Ce6化合物は、金属化または非金属化され得る。そのような修飾型Ce6の例、それらの活性および製造方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT特許出願第PCT/CA2020/050083号に記載されている。
【0128】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式Iの化合物、
【化3】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
各Z、ZおよびZは、独立して、ORまたはNRであり、
各R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、または置換アルキニルであり、Z、ZおよびZが、各々ORである場合、少なくとも1つのRはHでなく、Z、ZおよびZが各々NRである場合、少なくとも1つのRはHでなく、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
【化4】
は、単結合または二重結合であり、
【化5】
は、単結合または二重結合であり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アリール、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上の-X、-R、-O、=O、-OR、-SR、-S、-NR 、Si(R、-N 、-NR-(Alk)-NR 、-NR-(Alk)-N 、-NR-(Alk)-OR、-NR-(Alk)-OP(=O)(OR)(O)、-NR-(Alk)-OP(=O)(OR、-NR-(Alk)-Si(R、-NR-(Alk)-SR、-O-(Alk)-NR 、-O-(Alk)-N 、-O-(Alk)-OR、-O-(Alk)-OP(=O)(OR)(O)、-O-(Alk)-OP(=O)(OR、-O-(Alk)-Si(R、-O-(Alk)-SR、=NR、-CX、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-NO、=N、-N、-NHC(=O)R、-OC(=O)R、-NHC(=O)NR 、-S(=O)-、-S(=O)OH、-S(=O)、-OS(=O)OR、-S(=O)NR 、-S(=O)R、-OP(=O)(OR)(O)、-OP(=O)(OR、-P(=O)(OR、-P(=O)(O、-P(=O)(OH)、-P(O)(OR)(O)、-C(=O)R、-C(=O)X、-C(S)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(S)OR、-C(O)SR、-C(S)SR、-C(O)NR 、-C(S)NR または-C(=NR)NR で置換され、
各Xは、独立して、ハロゲン:F、Cl、BrまたはIであり、
各Rは、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ポリ(エチレンオキシ)、PEGもしくはポリ(メチレンオキシ)などのアルキルオキシ基、キャップされたポリ(エチレンオキシ)、キャップされたPEGもしくはキャップされたポリメチレンオキシ、または保護基であり、
キャップされたポリ(エチレンオキシ)、キャップされたPEGおよびキャップされたポリ(メチレンオキシ)基は、各々独立して、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、CO(アルキル)、CO(アリール)、CO(アリールアルキル)、CO(アルケニル)またはCO(アルキニル)でキャップされており、
各Rは、独立して、アルキル、アリール、アリールアルキル、O(アルキル)、O(アリール)、O(アリールアルキル)、またはO(三置換シリル)であり、
各三置換シリルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびアリールアルキルから選択される3つの官能基で独立して置換されており、
各Alkは、独立して、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンである。
【0129】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式Iの化合物、
【化6】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
およびZのうちの一方は、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、OR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)もしくはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、
およびZのうちのもう一方は、OR12であるか、
または
は、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、OR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)もしくはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、
=Zであり、
各R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニルまたは-(CH-(CHCHO)-R13であり、
各RおよびRは、独立して、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニルまたは-(CH-(CHCHO)-R13であり、
は、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、CO(アルキル)またはCO(置換アルキル)、アルケニル、置換アルケニル、CO(アルケニル)またはCO(置換アルケニル)、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
は、農業的に許容される陽イオンであり、
は、農業的に許容される陰イオンであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
pは、1~16から選択される整数であり、
qは、0~16から選択される整数であり、
mは、1~100から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
【化7】
は、単結合または二重結合であり、
【化8】
は、単結合または二重結合であり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
各置換アルキル、置換アリール、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、CNおよびNで置換されている。
【0130】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式Iの化合物、
【化9】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
およびZのうちの一方は、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)もしくはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、
およびZのうちのもう一方は、OR12であるか、
または
は、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)もしくはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、
=Zであり、
各R、RおよびR12は、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
は、アルキル置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
各R、R、R、R、R10およびR11は、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニルまたは-(CH-(CHCHO)-R13であり、
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、または-(CH-(CHCHO)-R13であり、
は、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
は、農業的に許容される陽イオンであり、
は、農業的に許容される陰イオンであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
pは、1~16から選択される整数であり、
mは、1~100から選択される整数であり、
qは、0~16から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
【化10】
は、単結合または二重結合であり、
【化11】
は、単結合または二重結合であり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
各置換アルキル、置換アリール、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0131】
いくつかの実装形態では、
【化12】
は単結合であり、
【化13】
は二重結合である。
【0132】
【化14】
が単結合である場合、修飾型Ce6における2つの不斉炭素は、独立して、任意の構成(R)または(S)のものであり得る。例えば、修飾型Ce6における2つの不斉炭素は、各々(S)構成のものであり得る。
【0133】
いくつかの実装形態では、各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、アルキルまたはアルケニルである。例えば、かつ限定することなく、R、R、RおよびRはメチルであり得、Rはビニルであり得、Rはエチルであり得る。
【0134】
いくつかの実装形態では、Mは、2Hである。いくつかの実装形態では、Mは、Mg、Zn、Pd、Sn、Al、Pt、Si、Ge、Ga、In、Cu、Co、FeおよびMnからなる群から選択される金属種である。金属種がその酸化度を伴わずに言及される場合、金属種のすべての好適な酸化状態は、当業者によって理解されるように考慮されることになることを、理解されたい。他の実装形態では、Mは、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)からなる群から選択される金属種である。さらに他の実装形態では、Mは、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)およびMn(II)からなる群から選択される金属種である。
【0135】
いくつかの実装形態では、各R、R、R、R、R、R、R10、R11およびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかの実装形態では、各RおよびRは、独立して、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかの実装形態では、R13は、H、アルキル、置換アルキル、CO(アルキル)またはCO(置換アルキル)である。
【0136】
いくつかの実装形態では、化合物は、以下のうちの少なくとも1つが真であるように選択される:RはHであり、RはHであり、Rはアルキルであり、RはHまたはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルであり、RはO(三置換シリル)であり、Rは-(CH-(CHCHO)-R13であり、Rはアルキルであり、R10はアルキルであり、R11はアルキルであり、R12はHであり、R13は、H、アルキル、アルケニル、CO(アルキル)またはCO(アルケニル)である。
【0137】
いくつかの実装形態では、Wは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびアンモニウム陽イオンからなる群から選択される。いくつかの実装形態では、Yは、塩化物、臭化物、ホスファート、ジメチルホスファート、メチルスルファート、エチルスルファート、アセタートおよびラクタートからなる群から選択される。
【0138】
いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。同様に、いくつかの実装形態では、pは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。PEG部分に関して、mは、1~100、または1~80、または1~60、または1~50、または1~30、または1~20、または1~10、または5~30、または5~20、または5~10から選択され得る整数である。同様に、いくつかの実装形態では、qは、0~16、または0~12、または0~8、または0~6、または0~4から選択される整数である。いくつかの実装形態では、q=1である。さらに他の実装形態では、q=0である。
【0139】
いくつかの実装形態では、Zは、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、OR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)またはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、Zは、OR12であるか、またはZ=Zである。
【0140】
いくつかの実装形態では、Zは、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR、NR-(CH-NR-(CH-NR10であり、Zは、OR12であるか、またはZ=Zである。
【0141】
いくつかの実装形態では、Zは、OR12である。例えば、Zは、OHであり得る。他の実装形態では、Z=Zである。
【0142】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式I-B1の化合物、
【化15】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
は、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
は、アルキルまたは置換アルキルであり、
は、OR12であるか、またはZ=NRであり、
各RおよびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0143】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはRはアルキルである。Rは、例えば、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。いくつかの実装形態では、ZはOR12であり、R12はHであり得る。他の実装形態では、Z=NRである。
【0144】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式I-B2の化合物、
【化16】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
は、アルキル、置換アルキル、または-(CH-NR10であり、
各R、R、RおよびR10は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
pは、1~16から選択される整数であり、
は、OR12であるか、またはZ=NR-(CH-NRであり、
各RおよびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、CNおよびNで置換されている。
【0145】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはRはHもしくはアルキルである。いくつかの実装形態では、RはHであり、Rはアルキルである。いくつかの実装形態では、RおよびRは、アルキルである。Rおよび/またはRは、例えば、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。いくつかの実装形態では、Rは、-(CH-NR10である。いくつかの実装形態では、RおよびR10はアルキルであるか、またはRはHであり、R10はアルキルである。Rおよび/またはR10は、例えば、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。
【0146】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式I-B3の化合物、
【化17】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
は、Si(RまたはSRであり、
は、OR12であるか、またはZ=NR-(CH-Zであり、
各R、RおよびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
は、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、
は、H、アルキル、置換アルキルまたは-(CHCHO)-R13であり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
nは、1~16から選択される整数であり、
mは、1~100から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、CNおよびNで置換されている。
【0147】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはR12はHもしくはアルキルである。いくつかの実装形態では、Rは、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、アルキル基は、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルである。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。いくつかの実装形態では、Zは、OR12である。他の実装形態では、Z=NR-(CH-Zである。
【0148】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式I-B4aの化合物、
【化18】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
は、OR12であるか、またはZ=NR-(CH-O(POH)であり、
各R、RおよびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
は、農業的に許容される陽イオンであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、CNおよびNで置換されている。
【0149】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはR12はHもしくはアルキルである。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。Wは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびアンモニウム陽イオンからなる群から選択される。いくつかの実装形態では、Zは、OR12である。他の実装形態では、Z=NR-(CH-O(POH)である。
【0150】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式I-B4cの化合物、
【化19】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
は、OR12であるか、またはZ=NR-(CH-NR6+であり、
各R、RおよびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
各R、RおよびRは、独立して、アルキルまたは置換アルキルであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
は、農業的に許容される陰イオンであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、CNおよびNで置換されている。
【0151】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはR12はHもしくはアルキルである。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。いくつかの実装形態では、R、RおよびRはアルキルであり、任意選択でR=R=Rである。Yは、塩化物、臭化物、ホスファート、ジメチルホスファート、メチルスルファート、エチルスルファート、アセタートおよびラクタートからなる群から選択される。いくつかの実装形態では、Zは、OR12である。他の実装形態では、Z=NR-(CH-NR6+である。
【0152】
いくつかの実装形態では、修飾型Ce6は、式I-Cの化合物、
【化20】
またはその農業的に許容される塩であり得、
式中、
は、ORであり、
=OR12であり、mは、1~100から選択される整数であるか、または
=O(CHCHO)-R13であり、mは、5~100から選択される整数であり、
各RおよびR12は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
【化21】
は、単結合または二重結合であり、
【化22】
は、単結合または二重結合であり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、CNおよびNで置換されている。
【0153】
いくつかの実装形態では、RはHであり、かつ/またはR12はHである。いくつかの実装形態では、mは、5~100、または5~80、または5~50、または5~20、または5~10から選択される整数である。いくつかの実装形態では、Zは、OR12である。他の実装形態では、Z=O(CHCHO)-R13である。いくつかの実装形態では、R13は、H、アルキル、アルケニル、CO(アルキル)またはCO(アルケニル)である。
【0154】
修飾型Ce6光増感剤の非限定的な例には、以下が含まれる:
【化23-1】
【化23-2】
【化23-3】
【化23-4】
またはその農業的に許容される塩。
【0155】
修飾型PP IX光増感剤
上述の化合物のうちの1つ、プロトポルフィリンIX(PP IX)は、天然における最も一般的なポルフィリンのうちの1つである。PP IXは、その鉄錯体の形態にある天然において出会う濃い色の顔料である。二価鉄(ferrous iron)と錯体形成する場合、分子は、ヘムと呼ばれる。他の鉄錯体はまた、例えば、Fe(III)またはFe(IV)を用いて合成されてきた。PP IXは、20炭素原子の大環状環を有する大部分が平面のテトラピロールであり、各ピロールは、1炭素ブリッジによって大環状環の2つの他のピロールに連結されている。以下のPP IXの描写では、大環状環の炭素は、1~20と番号付けされる。PP IXの化学構造では、2つのカルボン酸含有部分が、C13(CHCHCOOH)およびC17(CHCHCOOH)の位置に提供される。
【化24】
【0156】
本記載の光増感剤化合物は、C13およびC17カルボン酸のうちの少なくとも1つが官能化され得る上のPP IX足場に基づく可能性がある。修飾型PP IX化合物は、金属化または非金属化され得る。そのような修飾型PP IXの例、それらの活性および製造方法は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれるPCT特許出願第PCT/CA2020/050197号に記載されている。
【0157】
いくつかの実装形態では、修飾型PP IXは、式IIの化合物、
【化25】
またはその農業的に許容される塩であり得、式中、
およびZは、各々独立して、ORまたはNRであり、
各R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
およびZが両方ORである場合、少なくとも1つのRは、Hでなく、
およびZが両方NRである場合、少なくとも1つのRは、Hでなく、
およびZのうちの一方がORであり、ZおよびZのうちのもう一方がNRである場合、RおよびRのうちの少なくとも1つは、Hではなく、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
【化26】
は、単結合または二重結合であり、
【化27】
は、単結合または二重結合であり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アリール、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上の-X、-R、-O、=O、-OR、-SR、-S、-NR 、Si(R、-N 、-NR-(Alk)-NR 、-NR-(Alk)-N 、-NR-(Alk)-OR、-NR-(Alk)-OP(=O)(OR)(O)、-NR-(Alk)-OP(=O)(OR、-NR-(Alk)-Si(R、-NR-(Alk)-SR、-O-(Alk)-NR 、-O-(Alk)-N 、-O-(Alk)-OR、-O-(Alk)-OP(=O)(OR)(O)、-O-(Alk)-OP(=O)(OR、-O-(Alk)-Si(R、-O-(Alk)-SR、=NR、-CX、-CN、-OCN、-SCN、-N=C=O、-NCS、-NO、-NO、=N、-N、-NHC(=O)R、-OC(=O)R、-NHC(=O)NR 、-S(=O)-、-S(=O)OH、-S(=O)、-OS(=O)OR、-S(=O)NR 、-S(=O)R、-OP(=O)(OR)(O)、-OP(=O)(OR、-P(=O)(OR、-P(=O)(O、-P(=O)(OH)、-P(O)(OR)(O)、-C(=O)R、-C(=O)X、-C(S)R、-C(O)OR、-C(O)O、-C(S)OR、-C(O)SR、-C(S)SR、-C(O)NR 、-C(S)NR または-C(=NR)NR で置換され、
各Xは、独立して、ハロゲン:F、Cl、BrまたはIであり、
各Rは、独立して、H、アルキル、アリール、アリールアルキル、複素環、ポリ(エチレンオキシ)、PEGもしくはポリ(メチレンオキシ)などのアルキルオキシ基、キャップされたポリ(エチレンオキシ)、キャップされたPEGもしくはキャップされたポリメチレンオキシ、または保護基であり、
キャップされたポリ(エチレンオキシ)、キャップされたPEGおよびキャップされたポリ(メチレンオキシ)基は、各々独立して、アルキル、アリール、アリールアルキル、アルケニル、アルキニル、CO(アルキル)、CO(アリール)、CO(アリールアルキル)、CO(アルケニル)またはCO(アルキニル)でキャップされており、
各Rは、独立して、アルキル、アリール、アリールアルキル、O(アルキル)、O(アリール)、O(アリールアルキル)、またはO(三置換シリル)であり、
各三置換シリルは、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびアリールアルキルから選択される3つの官能基で独立して置換されており、
各Alkは、独立して、アルキレン、アルケニレン、またはアルキニレンである。
【0158】
いくつかの実装形態では、式IIの化合物は次のようになる:
およびZのうちの一方は、ORであり、
およびZのうちのもう一方は、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)もしくはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、
または
は、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CH-O(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)もしくはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
各R、R、R、R、R10およびR11は、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニルまたは-(CH-(CHCHO)-R13であり、
は、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、または-(CH-(CHCHO)-R13であり、
は、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
は、農業的に許容される陽イオンであり、
は、農業的に許容される陰イオンであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
pは、1~16から選択される整数であり、
mは、1~100から選択される整数であり、
qは、0~16から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
【化28】
は、単結合または二重結合であり、
【化29】
は、単結合または二重結合であり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
各置換アルキル、置換アリール、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0159】
いくつかの実装形態では、Z=Z=NRである。他の実装形態では、ZはNRであり、ZはOHであるか、またはZはOHであり、ZはNRである。Rは、例えば、アルキルまたは置換アルキルであり得る。
【0160】
いくつかの実装形態では、
【化30】
は二重結合であり、かつ/または
【化31】
は二重結合である。より具体的には、いくつかのシナリオでは、
【化32】
は二重結合であり、
【化33】
は二重結合である。他のシナリオでは、
【化34】
は二重結合であり、
【化35】
は単結合である。さらに他のシナリオでは、
【化36】
は単結合であり、
【化37】
は二重結合である。さらに他のシナリオでは、
【化38】
は単結合であり、
【化39】
は単結合である。
【0161】
いくつかの実装形態では、各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、アルキルまたはアルケニルである。非限定的な例では、R、R、RおよびRはメチルであるが、一方で、RおよびRはビニルである。
【0162】
いくつかの実装形態では、Mは、2Hである。いくつかの実装形態では、Mは、Mg、Zn、Pd、Sn、Al、Pt、Si、Ge、Ga、In、Cu、Co、FeおよびMnからなる群から選択される金属種である。金属種がその酸化度を伴わずに言及される場合、金属種のすべての好適な酸化状態は、当業者によって理解されるように考慮されることになることを、理解されたい。他の実装形態では、Mは、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)からなる群から選択される金属種である。さらに他の実装形態では、Mは、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)およびMn(II)からなる群から選択される金属種である。さらに他の実装形態では、Mは、Cu(II)、Co(III)、Fe(III)およびMn(III)からなる群から選択される金属種である。
【0163】
いくつかの実装形態では、各R、R、R、R、R、R、R10、およびR11は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかの実装形態では、各RおよびRは、独立して、アルキルまたは置換アルキルである。いくつかの実装形態では、R13は、H、アルキル、置換アルキル、CO(アルキル)またはCO(置換アルキル)である。
【0164】
いくつかの実装形態では、式IIの化合物は、以下のうちの少なくとも1つが真であるように選択される:RはHであり、RはHであり、Rはアルキルであり、RはHまたはアルキルであり、Rはアルキルであり、Rはアルキルであり、RはO(三置換シリル)であり、RはHまたはアルキルであり、Rはアルキルであり、R10はアルキルであり、R11はアルキルであり、R13は、H、アルキル、アルケニル、CO(アルキル)またはCO(アルケニル)である。
【0165】
いくつかの実装形態では、Wは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびアンモニウム陽イオンからなる群から選択される。いくつかの実装形態では、Yは、塩化物、臭化物、ホスファート、ジメチルホスファート、メチルスルファート、エチルスルファート、アセタートおよびラクタートからなる群から選択される。
【0166】
いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。同様に、いくつかの実装形態では、pは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。PEG部分に関して、mは、1~100、または1~80、または1~60、または1~50、または1~30、または1~20、または1~10、または5~30、または5~20、または5~10から選択され得る整数である。さらにPEG部分に関して、qは、0~16、または0~8、または0~4、または0~2から選択され得る整数である。いくつかの実装形態では、q=1である。他の実装形態では、1=0である。
【0167】
いくつかの実装形態では、Zは、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR、NR-(CH-NR-(CH-NR10、NR-(CH-NR-(CH-N1011、NR-(CH-NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-NR-(CH-Si(R、NR-(CH-NR-(CH-SR、O(CH-NR、O(CH-N、O(CHO(POH)、O(CH-Si(R、O(CH-SR、O(CH-NR-(CH-NR10、O(CH-NR-(CH-N1011、O(CH-NR-(CH-O(POH)またはO(CH-NR-(CH-Si(Rであり、Z=Zである。
【0168】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方が、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SRもしくはNR-(CH-NR-(CH-NR10であり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORであるか、またはZは、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SRもしくはNR-(CH-NR-(CH-NR10であり、Z=Zである。
【0169】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方が、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SRまたはNR-(CH-NR-(CH-NR10であり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORである。
【0170】
いくつかの実装形態では、Zは、NR、NR-(CH-NR、NR-(CH-N、NR-(CH-O(POH)、NR-(CH-Si(R、NR-(CH-SR、NR-(CH-NR-(CH-NR10であり、Z=Zである。
【0171】
いくつかの実装形態では、修飾型PP IXは、式II-B1の化合物、
【化40】
またはその農業的に許容される塩であり得る。
【0172】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、NRであり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
=NRであり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
は、アルキルまたは置換アルキルであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0173】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはRはアルキルである。Rは、例えば、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方はNRであり、ZおよびZのうちのもう一方はORである。他の実装形態では、Z=NRであり、Z=Zである。
【0174】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、NR-(CH-NRもしくはO-(CH-NRであり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
=NR-(CH-NRもしくはO-(CH-NRであり、
=Zであり、
は、アルキル、置換アルキル、または-(CH-NR10であり、
各R、R、R、RおよびR10は、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
pは、1~16から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0175】
いくつかの実装形態では、RはHであり、RはHであり、かつ/またはRはHもしくはアルキルである。いくつかの実装形態では、RはHであり、Rはアルキルである。いくつかの実装形態では、RおよびRは、アルキルである。Rおよび/またはRは、例えば、各々独立して、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。いくつかの実装形態では、Rは、-(CH-NR10である。いくつかの実装形態では、RおよびR10はアルキルであるか、またはRはHであり、R10はアルキルである。Rおよび/またはR10は、例えば、各々独立して、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。
【0176】
いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。いくつかの実装形態では、pは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。
【0177】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方はNR-(CH-NRであり、ZおよびZのうちのもう一方はORである。他の実装形態では、Z=NR-(CH-NRであり、Z=Zである。
【0178】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、NR-(CH-Si(R、O-(CH-Si(R、NR-(CH-SRもしくはO-(CH-SRであり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
=NR-(CH-Si(R、O-(CH-Si(R、NR-(CH-SRもしくはO-(CH-SRであり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
は、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)であり、
は、H、アルキル、置換アルキルまたは-(CH-(CHCHO)-R13であり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
nは、1~16から選択される整数であり、
mは、1~100から選択される整数であり、
qは、0~16から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0179】
いくつかの実装形態では、RはHであり、かつ/またはRはHである。いくつかの実装形態では、Rは、アルキル、O(アルキル)またはO(三置換シリル)である。R、R、およびRのためのアルキル基は、各々独立して、(C-C12)アルキル、(C-C)アルキルまたは(C-C)アルキルであり得る。いくつかの実装形態では、Rは、-(CH-(CHCHO)-R13である。R13はHであり得、mは1~20から選択される整数であり得る。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。いくつかの実装形態では、qは、0~16、または1~8、または0~4、または0~2から選択される整数である。いくつかの実装形態では、q=1である。他の実装形態では、q=0である。
【0180】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方は、NR-(CH-Si(R、O-(CH-Si(R、NR-(CH-SRまたはO-(CH-SRであり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORである。他の実装形態では、Z=NR-(CH-Si(R、O-(CH-Si(R、NR-(CH-SRまたはO-(CH-SRであり、Z=Zである。
【0181】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、NR-(CH-OP=O(OH)もしくはO-(CH-OP=O(OH)、NR-(CH-OP=O(OH)OまたはO-(CH-OP=O(OH)Oであり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
=NR-(CH-OP=O(OH)もしくはO-(CH-OP=O(OH)、NR-(CH-OP=O(OH)OもしくはO-(CH-OP=O(OH)Oであり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
は、農業的に許容される陽イオンであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0182】
いくつかの実装形態では、RはHであり、かつ/またはRはHである。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。Wは、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびアンモニウム陽イオンからなる群から選択され得る。
【0183】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方は、NR-(CH-OP=O(OH)またはO-(CH-OP=O(OH)、NR-(CH-OP=O(OH)OまたはO-(CH-OP=O(OH)Oであり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORである。他の実装形態では、Z=NR-(CH-OP=O(OH)またはO-(CH-OP=O(OH)、NR-(CH-OP=O(OH)OまたはO-(CH-OP=O(OH)Oであり、Z=Zである。
【0184】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、NR-(CH-NR6+もしくはO-(CH-NR6+であり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
=NR-(CH-NR6+もしくはO-(CH-NR6+であり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
各R、RおよびRは、独立して、アルキルまたは置換アルキルであり、
nは、1~16から選択される整数であり、
は、農業的に許容される陰イオンであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0185】
いくつかの実装形態では、RはHであり、かつ/またはRはHである。いくつかの実装形態では、nは、1~16、または1~12、または1~8、または1~6、または1~4、または2~4から選択される整数である。いくつかの実装形態では、R、RおよびRはアルキルであり、任意選択でR=R=Rである。いくつかの実装形態では、Yは、塩化物、臭化物、ホスファート、ジメチルホスファート、メチルスルファート、エチルスルファート、アセタートおよびラクタートからなる群から選択される。
【0186】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方は、NR-(CH-NR6+またはO-(CH-NR6+であり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORである。他の実装形態では、Z=NR-(CH-NR6+またはO-(CH-NR6+であり、Z=Zである。
【0187】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、NR-(CHCHO)-R13もしくはO-(CHCHO)-R13であり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
=NR-(CHCHO)-R13もしくはO-(CHCHO)-R13であり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
13は、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニル、置換アルキニル、CO(アルキル)、CO(置換アルキル)、CO(アルケニル)、CO(置換アルケニル)、CO(アルキニル)またはCO(置換アルキニル)であり、
mは、1~100から選択される整数であり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0188】
いくつかの実装形態では、RはHであり、かつ/またはR12はHである。いくつかの実装形態では、mは、5~100、または5~80、または5~50、または5~20、または5~10から選択される整数である。いくつかの実装形態では、R13は、H、アルキル、アルケニル、CO(アルキル)またはCO(アルケニル)である。
【0189】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方は、NR-(CHCHO)-R13またはO-(CHCHO)-R13であり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORである。他の実装形態では、Z=NR-(CHCHO)-R13またはO-(CHCHO)-R13であり、Z=Zである。
【0190】
いくつかの実装形態では、
およびZのうちの一方は、アルファ炭素に結合したそのアミノ基によって化合物に結合した天然アミノ酸であり、
およびZのうちのもう一方は、ORであるか、
または
は、アルファ炭素に結合したそのアミノ基によって化合物に結合した天然アミノ酸であり、
=Zであり、
各RおよびRは、独立して、H、アルキルまたは置換アルキルであり、
各R、R、R、R、RおよびRは、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アルケニル、置換アルケニル、アルキニルまたは置換アルキニルであり、
Mは、2Hまたは金属種であり、
置換アルキル、置換アルケニルおよび置換アルキニル基は、独立して、1つ以上のOH、F、Cl、Br、I、CNおよびNで置換されている。
【0191】
いくつかの実装形態では、ZおよびZのうちの一方は、アルファ炭素に結合したそのアミノ基によって化合物に結合した天然アミノ酸であり、ZおよびZのうちのもう一方は、ORである。
【0192】
他の実装形態では、Zは、アルファ炭素に結合したアミノ基によって化合物に結合した天然アミノ酸であり、Z=Zである。
【0193】
いくつかの実装形態では、Zは天然アミノ酸のうちの1つであり、ZはOHであるか、Zは天然アミノ酸のうちの1つであり、ZはOHであるか、またはZは天然アミノ酸のうちの1つであり、Z=Zである。
【0194】
いくつかの実装形態では、ZはグリシンもしくはL-バリンであり、ZはOHであるか、ZはグリシンもしくはL-バリンであり、ZはOHであるか、またはZはグリシンもしくはL-バリンであり、Z=Zである。
【0195】
修飾型PP IX光増感剤の非限定的な例には、以下が含まれる:
【化41-1】
【化41-2】
【化41-3】
【化41-4】
【化41-5】
【化41-6】
またはその農業的に許容される塩。
【0196】
フィルム形成剤
本記載のフィルム形成組成物は、液体担体の少なくとも一部分が植物への適用後に除去されるとき、酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成できる、フィルム形成剤を含む。フィルム形成剤は、乾燥状態または非水和状態にあるときに酸素に対して不透過性であり、水和状態にあるときに酸素に対して透過性になるフィルムを形成できる、任意の化学化合物であり得る。フィルム形成剤は、ポリマーであり得る。フィルム形成剤が植物上でフィルムを形成するとき、組成物のすべての他の成分は、フィルム内に存在し得る(すなわち、光増感剤、抗酸化物質、および組成物の任意の他の成分)。フィルム形成剤によって形成されたフィルムは、光増感剤と周囲空気からの酸素分子との間の接触を限定することによって、光増感剤の分解を遅らせることができる。いくつかの実装形態では、フィルムは、酸素の伝達を遅くすることによって乾燥状態または非水和状態にあるときの光増感剤の分解を遅らせ、水和状態にあるときにより高い速度で酸素分子を通すことができる。
【0197】
本明細書で使用される「フィルム」という用語は、表面(例えば、植物の表面)上に堆積されるか、形成されるか、または別の方法で存在することができる、材料の層(例えば、高分子材料の層)を指す。フィルム形成剤は、ヒドロゲル形成ポリマーであり得、形成されたフィルムは、そのような場合、ヒドロゲルであり得る。本明細書で使用される「ヒドロゲル」という用語は、親水性で高度に吸水性である高分子鎖のネットワークによって形成されたフィルムを指す。ポリビニルアルコールは、ヒドロゲルタイプのフィルムを形成できるポリマーの一例である。
【0198】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、ヒドロキシルプロピルセルロースポリビニルピロリドン、グアーガム、ナノセルロース、ダイズタンパク質単離物、ホエイタンパク質、コラーゲン、デンプン、ヒドロキシプロピル化アミロメイズデンプン、アミロメイズデンプン、キシラン、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリビニルアルコールコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0199】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する、フィルム形成タンパク質である。そのようなフィルム形成剤の非限定的な例には、ダイズタンパク質単離物、ホエイタンパク質およびコラーゲンが含まれる。
【0200】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する、フィルム形成多糖類である。そのようなフィルム形成剤の非限定的な例には、グアーガムおよびカルボキシメチルセルロースが含まれる。
【0201】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤は、ポリビニルアルコールである。「ポリビニルアルコール」という用語は、部分的または完全なヒドロキシル化(または加水分解)を通じてポリビニルアセタートから誘導された熱可塑性ポリマーを包含するように意味される。加水分解度は、典型的には、ポリビニルアルコールの物理的、化学的かつ機械的特性を決定する。加水分解度はまた、典型的には、最大水分(水)取り込みに影響する。ポリビニルアルコールは、極めて親水性であり、したがって、水への良好な溶解性を有する。ポリビニルアルコールから作製されたフィルムは、ヒートシール特性、非水和状態での酸素、窒素、および二酸化炭素バリア特性、ならびに他の親水性表面への良好な接着を有する傾向がある。ポリビニルアルコールフィルムは、生体適合性、生分解性、および非植物毒性であり、ポリビニルアルコールフィルムを植物への適用に十分に好適であるようにしている。
【0202】
ポリビニルアルコールは、約10kDa~約200kDaまたは約50kDa~約100kDaの平均分子量を有し得る。例えば、ポリビニルアルコールは、約13kDa~約23kDa、または約31kDa~約50kDa、または約89kDa~約98kDa、または約146kDa~約186kDaの平均分子を有し得る。ポリビニルアルコールは、70%以上、または80%以上、または87%以上、または87%~89%、または89%以上、または89%~99%、または99%以上の加水分解度を有し得る。
【0203】
いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約50kDa~約100kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約13kDa~約23kDaの平均分子量、および98%以上の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約31kDa~約50kDaの平均分子量および98%~99%の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約89kDa~約98kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約146kDa~約186kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約31kDa~約50kDaの平均分子量および87%~89%の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約89kDa~約98kDaの平均分子量および87%~89%の加水分解度を有する。いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、約146kDa~約186kDaの平均分子量および87%~89%の加水分解度を有する。
【0204】
いくつかの実装形態では、ポリビニルアルコールは、Kuraray Poval(商標)、Kuraray Exceval(商標)、Sekisui Selvol(商標)およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0205】
フィルム形成剤がフィルム形成ポリマーを含む場合、フィルム形成ポリマーは、可塑剤の有無にかかわらず配合され得る。可塑剤は、材料の可塑性を増加させる添加剤であることが、理解される。可塑剤は、典型的には、低い揮発性を有する液体または固体である。可塑剤は、典型的には、ポリマー鎖間の引力を減少させて、ポリマー鎖をより柔軟にする。当業者は、どのタイプの可塑剤が任意の所与のフィルム形成ポリマーとともに使用され得るかを知っているであろうことが、理解される。例えば、かつ限定することなく、フィルム形成剤ポリビニルアルコールのために一般的に使用される可塑剤は、グリセロール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリグリセロール、低分子量ポリエチレングリコール、エタノールアセトアミド、エタノールホルムアミド、およびトリエタノールアンモニウムアセタートなどのエタノールアミン塩を含む。
【0206】
抗酸化剤
本記載のフィルム形成組成物は、フィルム形成剤によって形成されたフィルムに含まれ得る抗酸化剤を含むことができる。抗酸化剤は、溶液中、分散液中、ヒドロゲル様環境中、および/または水和状態にあるフィルム中にあるとき、ROSに対して光増感剤よりも活性が高い。抗酸化物質の機能は、フィルムの形成前、かつ/またはフィルムが植物へのフィルム形成組成物の適用後に水和状態にあるときに、溶液中の光増感剤の分解を遅らせることである。いくつかのシナリオでは、抗酸化剤は、フィルムが乾燥状態または非水和状態にあるとき、光増感剤の分解を遅らせない。
【0207】
抗酸化剤は、フェノール系抗酸化物質、連鎖停止抗酸化物質、一重項酸素の物理的クエンチャー、フラボノイド、トコフェロール、カロテノイドおよび抗酸化物質酵素からなる群から選択され得る。
【0208】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホン酸ナトリウム、t-ブチル-ヒドロキシキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アルファ-トコフェロール、D-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、レチニルパルミタート、ベータ-カロチン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、アジ化ナトリウム、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0209】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、ガラート化合物またはその誘導体、バニリン化合物またはその誘導体、タンニン化合物またはその誘導体、リグニン化合物またはその誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る、フェノール系抗酸化物質である。限定することなく、フェノール系抗酸化物質は、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホン酸ナトリウム、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る。
【0210】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、チオール含有化合物(例えば、グルタチオン)、アスコルビン酸またはその誘導体、およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る、鎖末端抗酸化物質である。
【0211】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、アジ化ナトリウム、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)およびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る、一重項酸素の物理的クエンチャーである。
【0212】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、アントシアニン化合物またはその誘導体などのフラボノイドである。
【0213】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、ビタミンE(アルファ-トコフェロール)またはその誘導体(例えば、ビタミンE TPGS(D-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート)からなる群から選択され得る、トコフェロールである。
【0214】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、ベータ-カロチン、ルテインおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る、カロテノイドである。
【0215】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤は、カタラーゼ、スーパーオキシドジスムターゼおよびそれらの組み合わせからなる群から選択され得る、抗酸化物質酵素である。
【0216】
キレート剤
いくつかの実装形態では、本記載の組成物は、キレート剤(本明細書では透過剤(permeabilizing agent)とも称される)を含むことができる。いくつかのシナリオでは、光増感剤化合物はROSを生成することによって光に反応するが、一方で、キレート剤は、例えば、光増感剤に対する微生物病原体の外膜の透過性を増加させることによって、微生物病原体の成長の抑制の全体的な影響を増加させることができる。本明細書で使用される「キレート剤」という用語は、一般に、1つまたはいくつかの金属またはイオンに対していくつかのキレート結合を形成できる化合物を指すことを、理解されたい。
【0217】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、少なくとも1つのカルボキシル基、少なくとも1つのヒドロキシル基、少なくとも1つのフェノール基および/もしくは少なくとも1つのアミノ基またはそれらの農業的に許容される塩を含むことができる。いくつかの実装形態では、キレート剤は、アミノカルボン酸化合物またはその農業的に許容される塩を含むことができる。アミノカルボン酸またはその農業的に許容される塩は、アミノポリカルボン酸またはその農業的に許容される塩を含むことができる。例えば、アミノポリカルボン酸は、2つのアミノ基および各アミノ基に結合した2つのアルキルカルボキシル基を含むことができる。アルキルカルボキシル基は、メチルカルボキシル基であり得る。
【0218】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、アミノポリカルボン酸、芳香族もしくは脂肪族カルボン酸、アミノ酸、ホスホン酸、およびヒドロキシカルボン酸またはそれらの農業的に許容される塩からなる群から選択される。
【0219】
いくつかの実装形態では、本記載の組成物は、1つ以上のアミノポリカルボン酸キレート剤を含む。アミノポリカルボン酸キレート剤の例には、限定なく、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、ヒドロキシエチレンジアミン三酢酸(HEDTA)、およびエチレンジアミンジスクシナート(EDDS)、シクロヘキサンジアミン四酢酸(CDTA)、N-(2-ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸(EDTA-OH)グリコールエーテルジアミン四酢酸(GEDTA)、アラニン二酢酸(ADA)、アルコイルエチレンジアミン三酢酸(alkoyl ethylene diamine triacetic acids)(例えば、ラウロイルエチレンジアミン三酢酸(LED3A))、アスパラギン酸二酢酸(ASDA)、アスパラギン酸一酢酸、ジアミノシクロヘキサン四酢酸(CDTA)、1,2-ジアミノプロパン四酢酸(DPTA-OH)、l,3-ジアミノ-2-プロパノール四酢酸(DTPA)、ジエチレントリアミンペンタムエチレンホスホン酸(diethylene triamine pentam ethylene phosphonic acid)(DTPMP)、ジグリコール酸、ジピコリン酸(DPA)、エタノールアミン二酢酸、エタノールジグリシン(EDG)、エチレンジアミンジグルタル酸(EDDG)、エチレンジアミンジ(ヒドロキシフェニル酢酸(EDDHA)、エチレンジアミンジプロピオン酸(EDDP)、エチレンジアミンジスクシナート(EDDS)、エチレンジアミンモノコハク酸(EDMS)、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)、エチレンジアミンテトラプロピオン酸(EDTP)、およびエチレングリコールアミノエチルエステル四酢酸(EGTA)ならびにそれらの農業上許容される塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩および/またはカリウム塩)が含まれる。
【0220】
キレート剤の1つの非限定的な例は、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその農業的に許容される塩である。アミノカルボキシラート塩は、例えば、ナトリウム塩またはカルシウム塩であり得る。
【0221】
キレート剤の別の非限定的な例は、ポリアスパラギン酸ナトリウムなどの、ポリアスパラギン酸またはその農業的に許容される塩(すなわち、ポリアスパルタート)である。ポリアスパルタート塩の分子量は、例えば、2,000~3,000であり得る。
【0222】
したがって、キレート剤は、アスパルタート単位、カルボキシル基、およびポリアスパルタートに見出された他の特徴を含むことができる、高分子化合物であり得る。ポリアスパルタートは、様々な比率(例えば、ポリマー鎖に沿ってランダムに分布した、30%アルファ、70%ベータ)であり得る、アルファおよびベータ結合を有するコポリマーであり得る。ポリアスパラギン酸ナトリウムの1つの非限定的な例は、Baypure(登録商標)DS 100である。
【0223】
キレート剤の他の非限定的な例には、EDDS(エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸)、IDS(イミノジコハク酸(N-1,2-ジカルボキシエチル)-D,L-アスパラギン酸)、イソプロピルアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、水酸化アンモニウム、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、ヘキサミン、GLDA(L-グルタミン酸N,N-二酢酸)、またはそれらの農業的に許容される塩を含む。キレート剤は、金属化または非金属化され得る。いくつかの実装形態では、IDSは、Baypure(登録商標)CX100であり得る、IDSの四ナトリウム塩(例えば、イミノジコハク酸四ナトリウム)として使用され得る。いくつかの実装形態では、EDDSは、EDDSの三ナトリウム塩として使用され得る。いくつかの実装形態では、GLDAは、GLDAの四ナトリウム塩として使用され得る。
【0224】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、1つ以上のアミノ酸キレート剤を含むことができる。アミノ酸キレート剤の例には、限定なく、アラニン、アルギニン、アスパラギン、アスパラギン酸、グルタミン酸、グルタミン、グリシン、ヒスチジン、イソロイシン、ロイシン、リジン、メチオニン、プロリン、セリン、スレオニン、チロシン、バリン、または塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩および/またはカリウム塩)およびそれらの組み合わせを含む。
【0225】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、1つ以上の芳香族または脂肪族カルボン酸キレート剤を含むことができる。芳香族または脂肪族カルボン酸キレート剤の例には、限定なく、シュウ酸、コハク酸、ピルビン酸リンゴ(malic)、酸、マロン酸、サリチル酸、およびアントラニル酸、およびそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カリウム塩および/またはカリウム塩)を含む。
【0226】
いくつかの実装形態では、キレート剤は、1つ以上のヒドロキシカルボン酸キレート剤を含むことができる。ヒドロキシカルボン酸タイプのキレート剤の例には、限定なく、リンゴ酸、クエン酸、グリコール酸、ヘプトン酸、酒石酸およびそれらの塩(例えば、ナトリウム塩、カルシウム塩および/またはカリウム塩)が含まれる。
【0227】
1つ以上のキレート剤は、遊離酸として、農業的に許容される塩として、またはそれらの組み合わせとして提供され得ることが、理解されるであろう。いくつかの実装形態では、1つ以上のキレート剤の各々は、遊離酸として適用される。他の実装形態では、キレート剤は、塩として適用され得る。例示的な塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、カルシウム塩、アンモニウム塩、アミン塩、アミド塩、およびそれらの組み合わせを含む。さらに他の実装形態では、2つ以上のキレート剤が存在する場合、キレート剤のうちの少なくとも1つは遊離酸として適用され、キレート剤のうちの少なくとも1つは塩として適用される。
【0228】
液体担体
本記載のフィルム形成組成物は、植物に適用されるフィルム形成組成物の重量に基づいて、5重量%~99.9重量%の量で存在し得る、液体担体を含む。いくつかの実装形態では、液体担体は、水性担体であり得る。
【0229】
本明細書で使用される「液体担体」という用語は、本記載の組み合わせおよび組成物の成分を可溶化および/または分散させることができる液体を指すことが、理解される。いくつかのシナリオでは、液体担体は、水を含むことができる。他のシナリオでは、液体担体は、水を含まない可能性がある。いくつかの実装形態では、液体担体は、メタノール、エタノール、プロパノールもしくはブタノール、またはグリコール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコール)などのポリオールなどの、部分的または完全に水溶性である有機溶媒を含むことができる。いくつかの実装形態では、液体担体は、本明細書に記載の組み合わせおよび組成物の成分を可溶化および/または分散させることができる、無毒で生分解性の化合物を含む。
【0230】
「水性担体」という用語は、50重量%以上の水、および任意選択で、1つ以上の水溶性化合物、および/または水とエマルジョンを形成でき、かつ/もしくは水に分散され得る非水溶性溶媒を含む組成物を意味することが、理解される。水性担体は、フィルム形成剤、光増感剤およびフィルム形成組成物の他の成分を可溶化および/または分散させることが可能である。水性担体の少なくとも一部分が除去されるとき、フィルム形成剤は、酸素に対して実質的に不透過性であり、光増感剤および他の成分を含む、フィルムを形成する。
【0231】
好適な水溶性化合物(部分的に水溶性の化合物を含む)は、例えば、メタノール、エタノール、アセトン、メチルアセタート、ジメチルスルホキシドまたはそれらの組み合わせを含むことができる。いくつかの実装形態では、水性担体は、水性担体の総量に基づいて、80重量%以上の水、または90重量%以上の水、または95重量%以上の水、または99重量%以上の水を含む。いくつかのシナリオでは、フィルム形成組成物の成分に応じて、水溶性化合物を使用することは、水性担体に光増感剤化合物を可溶化または分散させる役に立つことができる。
【0232】
いくつかの実装形態では、水性担体は、油などの非水溶性である化合物を含むことができる。油は、水に分散され得るか、または水中油型エマルジョンを形成できる。油は、鉱油(例えば、パラフィン系油)、植物油、精油、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。いくつかのシナリオでは、かつフィルム形成組成物の成分に応じて、油を使用することは、水性担体に光増感剤化合物を可溶化または分散させる役に立つことができる。他の実装形態では、水性担体は、油を含まない。
【0233】
植物油の非限定的な例には、中鎖トリグリセリド(MCT)を含有する油、またはナッツから抽出された油を含む。植物油の他の非限定的な例には、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油またはそれらの混合物が含まれる。鉱油の非限定的な例には、パラフィン系油、分岐パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系油またはそれらの混合物が含まれる。
【0234】
パラフィン系油の非限定的な例には、様々なグレードのポリ-アルファ-オレフィン(PAO)が含まれる。例えば、パラフィン系油は、HT60(商標)、HT100(商標)、High Flash Jet、LSRD(商標)、およびN65DW(商標)を含むことができる。パラフィン系油は、約12~約50、または約16~35の範囲の炭素原子の数を有するパラフィンを含むことができる。いくつかのシナリオでは、パラフィンは、23の炭素原子の平均数を有し得る。いくつかの実装形態では、油は、少なくとも80重量%、または少なくとも90重量%、または少なくとも99重量%のパラフィン含有量を有し得る。
【0235】
本明細書で使用される場合、「水中油型エマルジョン」という用語は、油が水中に液滴として分散されている、混合物を指す。いくつかの実装形態では、水中油型エマルジョンは、油、水、および任意の他の成分と油とを組み合わせ、エマルジョンが得られるまで剪断を加えることを含むプロセスによって調製される。
【0236】
液体担体は、典型的には、フィルム形成組成物の成分の安定した溶液、懸濁液および/またはエマルジョンを得ることを可能にすることを、理解されたい。
【0237】
添加剤およびアジュバント
いくつかの実装形態では、本記載の組成物は、1つ以上の農業的に好適なアジュバントを含むことができる。1つ以上の農業的に好適なアジュバントの各々は、1つ以上の活性剤アジュバント(例えば、1つ以上の界面活性剤;例えば、1つ以上の油アジュバント、例えば、1つ以上の浸透剤)および1つ以上ユーティリティアジュバント(例えば、1つ以上の湿潤剤または拡散剤;1つ以上の保湿剤;1つ以上の乳化剤;1つ以上のドリフト制御剤;1つ以上の増粘剤;1つ以上の沈着剤;1つ以上の水調整剤;1つ以上の緩衝剤;1つ以上の消泡剤;1つ以上のUV遮断剤;1つ以上の抗酸化剤;1つ以上の肥料、栄養素、および/もしくは微量栄養素;ならびに/または1つ以上の除草剤)からなる群から独立して選択され得る。例示的なアジュバントは、参照によりその全体が組み込まれる、Hazen,J.L.Weed Technology 14:773-784(2000)に提供されている。
【0238】
いくつかの実装形態では、組成物はまた、界面活性剤(乳化剤または分散剤とも称される)を含むことができる。界面活性剤は、エトキシル化アルコール、高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリ(エチレングリコール)、エトキシル化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリド、両親媒性グリコシド、およびそれらの混合物からなる群から選択され得る。例えば、脂肪酸エステルは、ソルビタン脂肪酸エステルであり得る。界面活性剤は、サポニンなどの植物由来のグリコシドを含むことができる。界面活性剤は、植物の葉の被覆を助けるためのアジュバントとして存在し得る。界面活性剤は、許容可能なポリソルベートタイプの界面活性剤(例えば、Tween 80)、非イオン性界面活性剤ブレンド(例えば、Altox(商標)3273)、または別の好適な界面活性剤であり得る。他の実装形態では、液体担体は、界面活性剤を含まない。
【0239】
いくつかの実装形態では、ポリ(エチレングリコール)は、式R15-O-(CHCHO)-R16のポリ(エチレングリコール)を含むことができ、式中、各R15およびR16は、各々、独立して、H、アルキル、置換アルキル、アリール、置換アリール、CO(アルキル)またはCO(置換アルキル)であり、fは、1~100から選択される整数であり、置換アルキル基は、独立して、1つ以上のF、Cl、Br、I、ヒドロキシ、アルケニル、CNおよびNで置換されている。
【0240】
いくつかの実装形態では、組成物は、消泡剤を含むことができる。消泡剤の非限定的な例には、シリコーン油、ミネラル油、ポリジアルキルシロキサン、脂肪酸またはそれらの塩(例えば、カルシウム、マグネシウムおよびアルミニウムなどの多価カチオンとの塩)、アルキンジオール、フルオロ脂肪族エステル、パーフルオロアルキルホスホン酸またはそれらの塩、パーフルオロアルキルホスフィン酸またはそれらの塩が含まれる。
【0241】
いくつかの実装形態では、組成物は、凍結防止剤を含むことができる。凍結防止剤の非限定的な例には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、グリセロール、1,3-プロパンジオール、1,2-プロパンジオールおよびポリエチレングリコールなどのグリコールが含まれる。
【0242】
いくつかの実装形態では、組成物は、UV光から組成物の成分の少なくともいくつかを安定化できる、UV保護物質を含むことができる。UV保護物質の非限定的な例には、ヒンダードアミン光安定剤、二酸化チタン、ジングオキシド(zing oxide)、ナノ二酸化チタン、ナノ酸化亜鉛、ベンゾフェノン、またはそれらの組み合わせが含まれる。
【0243】
フィルム形成組成物および組み合わせ
単一組成物
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤、光増感剤、抗酸化剤、および/または他の任意選択の成分は、単一組成物として配合され得る。いくつかのシナリオでは、すべての成分は、組成物を植物に適用するのに好適な貯蔵パックまたは容器内に収容され得る。いくつかのシナリオでは、単一組成物は、植物への適用前に希釈される(例えば、水または追加の液体担体で)濃縮物であり得る。
【0244】
いくつかの実装形態では、フィルム形成組成物は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、約0.001重量%以上、または約0.01重量%以上、または約0.05重量%以上、または約0.1重量%以上、または約0.25重量%以上、または約0.5重量%以上の抗酸化剤を含むことができる。いくつかの実装形態では、フィルム形成組成物は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%、または約0.01重量%~約1重量%、または約0.05重量%~約0.5重量%、または約0.1重量%~0.25重量%、または約0.1重量%~約0.2重量%の抗酸化剤を含むことができる。
【0245】
いくつかの実装形態では、フィルム形成組成物は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%以上、または約0.05重量%以上、または約0.1重量%以上、または約0.25重量%以上、または約0.5重量%以上、または約1重量%以上、または約5重量%以上のフィルム形成剤を含むことができる。いくつかの実装形態では、フィルム形成組成物は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%、または約0.01重量%~約10重量%、または約0.05重量%~約5重量%、または約0.1重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%のフィルム形成剤を含むことができる。
【0246】
いくつかの実装形態では、フィルム形成組成物は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%以上、または約0.05重量%以上、または約0.1重量%以上、または約0.25重量%以上、または約0.5重量%以上、または約1重量%以上、または約5重量%以上の光増感剤を含むことができる。いくつかの実装形態では、フィルム形成組成物は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%、または約0.01重量%~約2重量%、または約0.05重量%~約2重量%、または約0.1重量%~約1重量%、または約0.1重量%~約0.5重量%の光増感剤を含むことができる。
【0247】
いくつかの実装形態では、液体担体は、フィルム形成組成物の総重量に基づいて、5重量%~99.9重量%の量で存在する。液体担体は、フィルム形成剤、光増感剤およびフィルム形成組成物の他の成分を可溶化および/または分散させることが可能である。液体担体の少なくとも一部分が除去されるとき(例えば、空気乾燥によって)、フィルム形成剤は、酸素に対して実質的に不透過性であり、光増感剤および他の成分を含む、フィルムを形成する。
【0248】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤および抗酸化剤は、約1:1、または約10:1、または約20:1、または約50:1、または約500:1のフィルム形成剤:抗酸化剤の重量比で組成物中に存在し得る。
【0249】
いくつかの実装形態では、フィルム形成剤および光増感剤は、約1:1、または約5:1、または約10:1、または約50:1、または約100:1、または約1000:1のフィルム形成剤:光増感剤の重量比で組成物中に存在し得る。
【0250】
いくつかの実装形態では、光増感剤およびフィルム形成剤は、約0.1:1、または約0.2:1、または約1:1、または約2:1、または約10:1、または約100:1の光増感剤:抗酸化剤の重量比で組成物中に存在し得る。
【0251】
マルチパック(multiple-pack)配合物
代替的には、光増感剤、フィルム形成剤、抗酸化物質、液体担体、および/または任意の他の好適な成分のフィルム形成組み合わせは、マルチパック配合物の部分として提供され得る。いくつかの実装形態では、植物に最終的に存在するフィルム形成組成物の成分は、植物への適用前に別個にパッケージ化および/または貯蔵され得、組み合わせは、植物への適用前に凝集され得る。他の実装形態では、植物に最終的に存在するフィルム形成組成物の成分は、植物への適用前に別個にパッケージ化および/または貯蔵されることができ、植物への適用時にフィルム形成組成物を形成するように、同時にまたは連続して植物に適用され得る。
【0252】
例えば、フィルム形成剤は、それ自体で、乾燥状態で、または液体担体中の溶液および/もしくは分散液中にパッケージ化され得、光増感剤および抗酸化剤は、乾燥状態で、または液体担体中の溶液および/もしくは分散液中に一緒にパッケージ化され得る。任意の好適な添加剤および/またはアジュバントは、パッケージの一方または両方のいずれかに添加され得る。
【0253】
いくつかの実装形態では、抗酸化剤およびフィルム形成剤は第1のパックに提供され得、光増感剤は第2のパックに提供され得る。他の実装形態では、抗酸化剤および光増感剤は第1のパックに提供され得、フィルム形成剤は第2のパックに提供され得る。さらに他の実装形態では、フィルム形成剤および光増感剤は第1のパックに提供され得、抗酸化剤は第2のパックに提供され得る。液体担体は、第1のパックおよび第2のパックのいずれか1つまたは両方に存在し得ることが、理解される。水または追加の液体担体は、組成物を形成するときに第1のパックと第2のパックとを組み合わせる際に加えられ得る。
【0254】
さらに他の実装形態では、光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤は、各々、別個のパックに提供され得る。液体担体は、別個のパックのうちの1つまたはすべてのいずれかに存在し得ることが、理解される。水または追加の液体担体は、組成物を形成するときにパックのうちの1つまたはすべてのいずれかに加えられ得る。
【0255】
適用の様態
本記載の組み合わせおよび組成物は、様々な方法で植物に適用され得る。例えば、かつ限定することなく、本記載の組み合わせおよび組成物は、スプレー、噴霧、散水、注入、浸漬または任意の他の好適な方法によって適用され得る。組み合わせおよび組成物は、植物の葉、根および/または茎に適用され得る。
【0256】
組み合わせおよび組成物が適用される植物は、それらが自然の太陽光に曝露される屋外もしくは屋内(例えば、温室)、またはそれらが人工光に曝露される屋内の場所にある可能性がある。
【0257】
いくつかのシナリオでは、本記載の組み合わせおよび組成物は、予防手段として、有害生物による植物の寄生前に植物に直接適用され得る。他のシナリオでは、本記載の組み合わせおよび組成物は、有害生物による植物の寄生時または寄生後に適用され得る。
【0258】
光増感剤の安定性
ここで、図1を参照し、かつ理論に拘束されることなく、本記載のフィルム形成組み合わせまたは組成物から得られたフィルムの概略図を示す。(a)では、非水和状態のフィルムは、光増感剤と酸素との間の相互作用を最小化することによって光分解に対して光増感剤を安定化させる。光増感剤は、フィルムがフィルムの酸素バリア特性のために非水和状態にあるとき、より低い活性の酸素種を生成する。(b)では、水和状態のフィルム(または高い相対湿度下のフィルム)は、酸素の透過および活性酸素種の生成をもたらす。次いで、活性酸素種は、様々な生物的または非生物的ストレスから植物を保護できる。(c)では、フィルムに埋め込まれた抗酸化剤は、フィルムが水和状態にあるとき、フィルム中の過剰な活性酸素種を除去して、光分解されることから光増感剤をさらに保護する。
【0259】
したがって、光増感剤は次の2つの方法、フィルムが、非水和状態にあるときに実質的に酸素に対して不透過性であるように、フィルム形成材料が選択されるという、フィルムが非水和状態にあるときにフィルム自体によることと、フィルムが、水和状態にあるとき(またはフィルムが高い相対湿度下にあるとき)に酸素に対して透過性であるように、フィルム形成材料が選択されるという、フィルムが水和状態にあるときに抗酸化物質によることと、において保護され得る。
【0260】
「水和状態」および「非水和状態」という用語の意味は、フィルム形成剤の性質およびフィルム形成剤から得られたフィルムの特性につながっていることを、理解されたい。実際、第1のフィルム形成剤から得られた第1のフィルムは、典型的には、第2のフィルム形成剤から得られた第2のフィルムとは異なる酸素バリア特性を有するであろう。例えば、ある特定のグレードのポリビニルアルコールから得られたフィルムは、典型的には、相対湿度が約50%RHまたは60%RHよりも低い場合、酸素に対して実質的に不透過性である。したがって、ある特定のグレードのポリビニルアルコールで作製されたフィルムについて、「フィルムは水和状態にある」という表現は、「フィルムが50%RH~100%RHの相対湿度の環境にある」または「フィルムが60%RH~100%RHの相対湿度の環境にある」ことを意味し得る可能性がある。同様に、「フィルムが非水和状態にある」という表現は、「フィルムが50%RHよりも低い相対湿度の環境にある」または「フィルムが60%RHよりも低い相対湿度の環境にある」ことを意味し得る。各フィルム形成剤は多様なグレードで提供され得、各所与のグレードは、当該グレードに特異的である所与の「水和状態」/「非水和状態」閾値を有し得ることが、理解される。当業者は、所与のフィルム形成剤について異なる相対湿度レベルで酸素透過性を測定する方法を知っており、所与のフィルム形成剤によって得られた各フィルムが「水和状態」または「非水和状態」にある可能性がある相対湿度を決定するであろう。ポリビニルアルコールポリマー構造に対する水分含有量の影響を測定する方法を示す1つの非限定的な例は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる、Journal of Coatings Technology and Research,14,1345-1355,2017において入手可能である。
【0261】
本明細書で使用される「酸素に対して実質的に不透過性」という用語の意味は、酸素の伝達を遮断するか、または遅くする材料(例えば、フィルム)の能力を指すことを、理解されたい。本記載の文脈において、フィルムは、フィルムを通る酸素の伝達速度が遮断または低減される場合、「酸素に対して実質的に不透過性」であるとみなされ得る。フィルムが光増感剤を含む事例では、フィルムは、フィルム中に存在する光増感剤の酸素媒介光分解の速度が、他の点では同じ状態(温度、RH%、圧力など)下でフィルム中に存在しない同じ光増感剤の酸素媒介光分解の速度よりも低い場合、フィルムは「酸素に対して実質的に不透過性」であるとみなされ得る。代替的には、フィルムは、フィルム中に存在する光増感剤の酸素媒介光分解の速度が、他の点では同じ状態(温度、RH%、圧力など)下で酸素に対して高い透過性があることが知られているフィルム(例えば、シリコーンベースのヒドロゲル)中に存在する同じ光増感剤の酸素媒介光分解の速度よりも低い場合、「酸素に対して実質的に不透過性」であるとみなされ得る。「不透過性」という用語は、「酸素に対して実質的に不透過性」であるフィルムが不透過性の任意の特定の標準的な測定を上回るか、または下回るように意味されないことを、理解されたい。
【0262】
「水和状態」および「非水和状態」、ならびにその逆にあるフィルムの間の遷移は、突然または連続的な遷移であり得ることも、理解されたい。例えば、フィルムを含む組成物(例えば、水和状態)が、植物に適用され、周囲状態で空気乾燥された場合、フィルムは徐々に水和されていなくなる(すなわち、水和状態から非水和状態に徐々に変化する)可能性があり、フィルムの酸素不透過性は、平衡値に達するまで徐々に増加する可能性がある。
【0263】
光増感剤、フィルム形成剤、抗酸化剤、液体担体および任意の他の成分が混合されてフィルム形成組成物を形成する場合、フィルム形成剤は、典型的には、液体担体に可溶化または分散される。そのような場合、抗酸化剤は、溶液または分散液中に形成された活性酸素種と反応することによって、溶液または分散液中で光分解されることから光増感剤を保護できる。フィルム形成組成物が植物に適用されるとき、液体担体の少なくとも一部分は、例えば、空気乾燥によって除去され始める。液体担体の一部分が乾燥するとき、フィルム形成剤は、フィルム形成組成物のすべての成分を含むフィルムを形成し始める。形成されたフィルムを得る前に、抗酸化剤は、光分解されることから光増感剤を保護できる。膜が植物上に形成され、液体担体が少なくとも部分的に除去される場合、酸素バリアは、膜が形成する場合に得られ、光増感剤は、光増感剤と酸素との間の接触が限定されるようになる場合に光分解されることから保護される。
【0264】
植物の健康を改善するための方法
いくつかの実装形態では、植物の健康を促進するための方法が、提供される。方法は、光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、フィルム形成剤と、任意選択の抗酸化物質と、光増感剤、フィルム形成剤および任意選択の抗酸化剤が中に可溶化および/もしくは分散されている、液体担体と、を含む、組み合わせまたは組成物を、植物に適用することを含む。
【0265】
方法は、適用された組成物から(すなわち、植物への適用後に)液体担体の少なくとも一部分を除去して、酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成することをさらに含むことができる。適用された組成物から液体担体の少なくとも一部分を除去することは、任意の既知の技法によって実行され得る。例えば、植物を損傷することなく、植物を低湿度環境に曝露すること、植物を熱に曝露すること、および/または植物を空気、不活性ガスもしくは窒素の流れに曝露すること。いくつかの実装形態では、植物は、周囲状態で空気乾燥される。例えば、適用された組成物から液体担体の少なくとも一部分を除去することは、組成物を植物上で自然に乾燥させること(例えば、葉の上で自然に乾燥すること)を可能にすることを含むことができる。液体担体が適用された組成物から除去される場合、フィルム形成剤は、植物上にフィルムを形成する。例えば、フィルム形成剤は、組成物が植物に適用された後に液体担体(例えば、水性担体)が乾燥するとき、酸素に対して実質的に不透過性であるフィルムを形成する。
【0266】
微生物病原体
光増感剤化合物を含む組成物が適用され得る微生物病原体は、真菌および細菌病原体を含む。そのような場合、組成物は、「抗微生物組成物」と称され得る。
【0267】
抗微生物組成物が適用され得る真菌病原体は、トマトおよびジャガイモなどの植物に感染し得るAlternaria solani、ブドウ、同様に柔らかい果実および球根作物に感染し得るBotrytis cinerea、または一般的に芝草に感染し得るSclerotinia homoeocarpaを含む。Alternaria属、Botrytis属またはSclerotinia属における他の真菌病原体はまた、抗微生物組成物の適用を受ける可能性がある。抗微生物組成物は、様々な植物病害を引き起こす病原体、例えば、Colletotrichum、Fusarium、Puccinia、Erysiphaceae、Cercospora、Rhizoctonia、Bipolaris、Microdochium、Venturia inaequalis、Monilinia fructicola、Gymnosporangium juniperi-virginianae、Plasmodiophora brassicae、Ustilago zeae、Phytophthora、Pythium、Fusarium oxysporum、Phytophthora infestans、Taphrina deformans、うどん粉病(Powdery Mildew)、Phragmidium spp.、もしくは他の真菌病原体に対する影響を受けるか、またはそれに対する感受性のある、植物に適用され得る。
【0268】
抗微生物組成物が適用され得る細菌病原体は、Erwinia amylovaraなどのグラム陰性細菌、または木本植物に感染し得るErwinia属における他の細菌病原体を含む。E. amylovaraは、ナシ、リンゴ、および他のRosaceae作物を含む様々な植物に対して火傷病を引き起こす。抗微生物組成物は、様々な植物病害を引き起こす病原体、例えば、Pseudomonas、Xanthomonas、Agrobacterium、Curtobacterium、Streptomyces、E. Coli、Xylella fastidiosa(オリーブ急速衰退症候群(Olive Quick Decline Syndrome)(OQDS)病害を引き起こす)、もしくは他の細菌病原体に対する影響を受けるか、またはそれに対する感受性のある、植物に適用され得る。
【0269】
本明細書に記載の抗微生物組成物は、植物および病原体のタイプ、同様に微生物感染の状態に応じて、微生物病原体に対する様々な阻害作用を有し得ることも、留意される。本明細書では、抗微生物組成物が植物上の微生物病原体成長を阻害できることが記載される一方、そのような表現は、限定的でなく、微生物病原体の抑制、微生物病原体に対する予防、微生物病原体の死滅を含むか、または微生物病原体に対する毒性を一般に増加させるように理解されるべきである。
【0270】
非生物的ストレス
上記のように、いくつかの実装形態では、本記載の光増感剤化合物および組成物は、光酸化状態、乾燥(水不足)、過度の水やり(冠水、および水没)、極端な温度(寒冷、凍結および熱)、極端なレベルの光(強および弱)、放射線(UV-BおよびUV-A)、過度のNa(ソーダ質)による塩類、化学的要因(例えば、pH)、鉱物(金属およびメタロイド)毒性、必須栄養素の欠乏または過剰、ガス状汚染物質(オゾン、二酸化硫黄)、風、機械的要因、および他のストレス因子などの1つ以上の非生物的ストレスに対する植物の耐性を増加させるために使用され得る。
【0271】
耐寒性
非生物的ストレスが低温ストレスである場合、光増感剤化合物の単独で、または油、界面活性剤、および/もしくはキレート剤などの添加剤と組み合わせた適用は、植物の耐寒性を改善し得る。すなわち、光増感剤化合物の適用は、植物が、植物の最適または本来の成長状態で典型的に経験されるであろうよりも低温である温度状態に耐えることを可能にし得る。予期しない霜(例えば、健康な作物、果物、穀物、種子、もしくは葉が依然として植物上に存在する初秋の霜、または春の植物成長が始まった後に発生する晩春の霜)、平均より涼しい成長期、本来よりも寒い冬季状態、最小限の冬季積雪、氷の蓄積などの、様々なタイプの低温ストレスが、可能である。
【0272】
ある植物についての低温ストレス状態を構成するものは、別の植物についての低温ストレス状態でない場合があることを、留意されたい。USDAゾーンマップを参照すると、ゾーン9の植物についての低温ストレス状態は、実際にはゾーン8の植物についての本来の成長状態である場合がある。同様に、あるタイプの植物の生存に必要とされる積雪の深さは、第2のタイプの植物に必要とされない場合がある。したがって、様々なタイプの低温ストレスが、問題の植物のタイプに応じて可能であることが、理解される。
【0273】
本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、木本植物、非木本植物および芝草を含む植物を霜害から保護するために使用され得る。霜は、例えば、収穫前、収穫後、および休眠前などの早霜(early frost)であり得る。霜は、例えば、出芽後の遅霜であり得る。低温損傷はまた、冬季気温によって誘導された冬季死滅であり得、生存可能な枝またはシュートの損失をもたらし、植物枯死につながる場合がある。本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせによって処理された植物は、経済的または審美的に顕著な量で霜、凍結または低温の損傷または傷害に対して天然に感受性のあるという点で、霜または低温感受性植物であり得る。
【0274】
低温ストレスに対する増加する抵抗性は、休眠の遅延した開始によって例示され得る。植物休眠は、気温の低下、例えば、低温ストレスの開始によって誘発され得る。低温ストレスに対する植物の抵抗性を増加させることによって、植物の休眠は、温度のさらなる低下によって誘発されるまで遅延され得る。
【0275】
本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、定期的に(例えば、休眠打破時の春から始まる2または3週間間隔で)、かつ/または1つ以上の処理(例えば、秋に2つ)を適用することによって使用されて、ある特定の植物の休眠期間を低減または遅延させることにおける応答を提供することができる。
【0276】
本明細書で使用される場合、「休眠期間を低減すること」という用語は、対照、例えば、未処理の植物に対して、低減された休眠期間または延長された成長期間を有する植物を指す。
【0277】
いくつかの実装形態では、収穫工程は、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの最後の適用の1週間、1か月、2か月以上後に行われ得、活性剤は、依然として、介在期間の間の植物に対して低温ストレスの作用を低減するのに有効である。
【0278】
いくつかのシナリオでは、低温ストレスに対する抵抗性は、早霜もしくは遅霜、または冬季損傷に対する抵抗性を含む。いくつかのシナリオでは、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、温度の変動(例えば、早春における)の間の低温から初期成長を保護するために使用され得る。いくつかのシナリオでは、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、低温月間(例えば、冬季における)中の低温から植物を保護するために使用され得る。
【0279】
いくつかのシナリオでは、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、開始時または低温への曝露前(例えば、樹木が完全に健康かつ活力のある葉を有する秋)に、土壌灌注および/または葉の適用(例えば、流出するまでのスプレー)によって適用され得る。いくつかのシナリオでは、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、晩秋および冬季の間(例えば、温暖気候について)、土壌灌注および/または葉の適用(例えば、流出するまでのスプレー)によって適用され得る。いくつかのシナリオでは、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、最大の耐久性(hardiness)に達するために、晩秋の土壌灌注に続き冬季の葉の適用(例えば、流出するまでのスプレー)によってされ得る。
【0280】
いくつかのシナリオでは、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、1~6か月の間隔で(例えば、2~3か月ごとに)1~4回適用され得る。さらなる処理は、その後の低温ストレス状態に対する抵抗性を改善するために、春に、かつ/または成長期の間に適用され得る。
【0281】
耐熱性
非生物的ストレスが熱ストレスである場合、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、成長期中の高温に対する耐性を改善し得る。すなわち、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、植物が、植物の最適または本来の成長状態で典型的に経験されるであろうよりも高い温度状態に耐えることを可能にし得る。熱ストレスは、典型的には日陰の成長状態を必要とする植物についての日陰の不足、または通常よりも高い土壌および大気の温度などの、様々な原因を有し得る。
【0282】
ある植物についての熱ストレス状態を構成するものは、別の植物についての熱ストレス状態でない場合があることを、留意されたい。
【0283】
光酸化耐久性
非生物的ストレスが光酸化ストレスである場合、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、活性酸素種の増加した生成の期間の間のストレスの多い光状態に対する耐性を改善し得る。すなわち、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、植物が、植物の最適または本来の成長状態で典型的に経験されるであろうよりも高い光曝露状態(例えば、紫外線照射状態)に耐えることを可能にし得る。光酸化ストレスは、強光状態またはフリーラジカルの形成を誘導するある特定のタイプの照明などの、様々な原因を有し得る。
【0284】
ある植物についての光酸化ストレス状態を構成するものは、別の植物についての光酸化ストレス状態でない場合があることを、留意されたい。
【0285】
耐陰性
日陰ストレス、または「弱光(LL)ストレス」は、植物の成長および質に影響を与える問題であり得る。非生物的ストレスが日陰ストレスである場合、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、植物の耐陰性を改善し得る。すなわち、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、植物が、その最適または本来の成長状態が典型的には部分的または完全な日光曝露を必要とする植物についての日陰の状態に耐えること可能にし得る。長期間の曇天、植物に対して日陰を生む隣接する植物もしくは樹木の過度の成長、または日当たりの良い植栽場所の利用可能性の不足などの、様々なタイプの日陰ストレスが、可能である。
【0286】
日陰は、定期的な問題であり得る。例えば、1年のある特定の月の間、植物近傍にある構造物は、植物への日陰を生み出し、日陰のストレスを引き起こす場合がある。地球が1年の経過にわたって移動するにつれて、構造物は別の一連の月の間には植物への影を全く生み出さない場合があり、次いで、状況は次の年次サイクルの間に繰り返され得る。そのような場合、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、日陰ストレスの期間の開始前に植物に適用され得、また、日陰ストレスの期間の間に適用され得る。日陰ストレスの期間のために典型的には生じるであろう植物への損傷は、防止または低減されることができる。
【0287】
いくつかの植物は最適な成長状態の部分として日陰に対する要件を有するため、日陰状態は、多くのタイプの植物にとって非生物的ストレス状態とみなされない。ある植物についての日陰ストレス状態を構成するものは、別の植物についての日陰ストレス状態でない場合があることも、留意されたい。
【0288】
耐乾燥性
乾燥は、土壌の水分を枯渇させ、植物に傷害を与えるのに十分な時期の間の降雨または灌水の欠如として定義され得る。乾燥ストレスは、植物からの水損失が植物の根の水を吸収する能力を超えたとき、かつ/または植物の水分含有量が通常の植物プロセスを妨げるほど十分に低減たときに生じる。水に対する植物の必要性は、植物タイプ、植物フェノロジー段階、植物齢、根の深さ、土壌の質などによって異なる場合があるため、乾燥状態の作用の深刻さは、植物の間で異なる場合がある。
【0289】
本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、乾燥の開始前かつ/または乾燥の間に植物に適用され得る。本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、乾燥ストレスに対する植物の抵抗性を増加させ得る。抵抗性を増加させることは、同じ乾燥ストレスに曝された未処理の植物と比較して、植物の質を維持または向上させることを含み得る。抵抗性を増加させることは、同じ乾燥ストレスに曝された未処理の植物と比較して、植物の質の劣化を低減することを含み得る。植物が適切な降雨または灌水を受けない場合、結果として生じる乾燥ストレスは、組み合わされたすべての他の環境ストレスよりも成長を低減させ得る。
【0290】
ある植物についての乾燥ストレス状態を構成するものは、別の植物についての乾燥ストレス状態でない場合があることも、留意されたい。
【0291】
塩害の防止
塩は、植物の成長環境に天然に存在し得る。塩類ストレスは、植物が、塩類土壌において、または他の過度な塩類状態下で成長しているときに、植物に加えられた浸透力を指す。例えば、塩水域の近傍で成長している植物は、大気中または植物に水をまくために使用される水中に存在する塩類に曝される可能性がある。別の例では、運転状態を改善するために冬季の間に道路、歩道および車道の表面に適用された塩類は、近くで成長する植物の土壌に移行および/または浸出し得る。植物の成長環境におけるそのような増加した塩含有量は、植物に損傷を与え得る塩類ストレスをもたらし得る。
【0292】
植物への本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、塩類ストレスに対する植物の抵抗性を増加させ、未処理の場合に発生するであろう植物の質の低下を防止または低減する可能性がある。組み合わせは、塩類ストレスの期間の前または間に適用され得る。
【0293】
ある植物についての塩ストレス状態を構成するものは、別の植物についての塩ストレス状態でない場合があることも、留意されたい。
【0294】
移植ショック耐久性
ある成長環境から別のものへ、例えば、鉢から花壇または庭への移植を受ける植物は、風、直射日光、または新しい土壌状態などの新しい環境状態への曝露の結果として、移植衝撃ストレスに曝され得る。植物の根への本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、移植によって引き起こされる植物への影響を低減し得る。いくつかのシナリオでは、植物成長および/または移植された植物の発達の阻害は、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用によって低減または防止される可能性がある。
【0295】
ある植物についての移植ショックストレス状態を構成するものは、別の植物についての移植ショックストレス状態でない場合があることを、留意されたい。
【0296】
過剰な水または冠水の耐久性
植物は健康な植物の成長および発達のためにある特定の体積の水を必要とするが、過剰な体積の水への植物の曝露(「水ストレス」)は、植物に損傷を与える可能性がある。過剰な水状態の開始前の植物への本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの適用は、水ストレスに対する植物の抵抗性を増加させ得る。本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせは、水ストレスの間に適用され得るが、本明細書に記載の光増感剤化合物、組成物または組み合わせの希釈は、過剰な水のために発生し得る。したがって、過剰な水の期間に先立つ前処理は、より効果的であり得る。
【0297】
ある植物についての過剰な水ストレス状態を構成するものは、別の植物についての過剰な水ストレス状態でない場合があることを、留意されたい。
【0298】
殺虫活性
いくつかの実装形態では、本記載の化合物および組み合わせは、昆虫植物有害生物から植物を保護するために使用され得る。本明細書で使用される「昆虫植物有害生物」または「昆虫有害生物」という用語は、植物に対する損傷を引き起こすことが知られているか、またはそれを引き起こす可能性を有する、昆虫および/またはそれらの幼虫を指すことを、理解されたい。いくつかの実装形態では、本記載の化合物および組み合わせは、昆虫有害生物において光誘導性の死亡を誘導し得る。
【0299】
いくつかの実装形態では、昆虫有害生物は、Hemiptera(アブラムシ、コナジラミ、カイガラムシ、コナカイガラムシ(mealybug)、カメムシ(stink bug)の群)、Coleoptera(甲虫の群)、Lepidoptera(チョウ、ガの群)、Diptera(ハエの群)、Thysanoptera(アザミウマの群)、Orthoptera(バッタ、イナゴ(locust)の群)、Hymenoptera(ハチ、アリの群)、Blattodea(ゴキブリおよびシロアリの群)、およびダニ有害生物(クモダニ)の目から選択される。
【0300】
昆虫有害生物の非限定的な例には、Noctuidae科(例えば、ツマジロクサヨトウ(fall armyworm)(Spodoptera fugiperda J.E. Smith))における、ヨトウムシ、(例えば、シロイチモジヨトウ(beet armyworm)(Spodoptera exigua))、カットワーム(cutworm)、シャクトリムシ(looper)、(例えば、イラクサギンウワバ(cabbage looper)(Trichoplusia ni))およびタバコガ(heliothine)、シロイチモジヨトウ(Spodoptera exigua Hubner)、タマヤナガ(black cutworm)(Agrotis ipsilon Hufnagel)、およびニセアメリカタバコガ(tobacco budworm)(Heliothis virescens Fabricius)などの、Lepidoptera目の幼虫;Pyralidae科(例えば、ヨーロッパアワノメイガ(European corn borer)(Ostrinia nubilalis Hubner))からの、シンクイムシ(borer)、ケースベアラー(casebearer)、ウェブワーム(webworm)、コーンワーム(coneworm)、アオムシ(cabbageworm)およびスケルトナイザー(skeletonizer)、クルミマダラメイガ(navel orangeworm)(Amyelois transitella Walker)、コーンルートウェブワーム(corn root webworm)(Crambus caliginosellus Clemens)、およびツトガ(sod webworm)(Herpetogramma licarsisalis Walker)などのツトガ(Pyralidae:Crambinae)、Tortricidae科(例えば、コドリンガ(codling moth)(Cydia pomonella Linnaeus))における、ハマキガ(leafroller)、バドワーム(budworm)、シードワーム(seed worm)、およびフルーツワーム(fruit worm)、グレープベリーモス(grape berry moth)(Endopiza viteana Clemens)、ナシヒメシンクイ(oriental fruit moth)(Grapholita molesta Busck)および多くの他の経済的に重要なLepidoptera(例えば、コナガ(diamondback moth)(Plutella xylostella Linnaeus))、ワタアカミムシ(pink bollworm)(Pectinophora gossypiella Saunders)、およびマイマイガ(gypsy moth)(Lymantria dispar Linnaeus);Anthribidae科、Bruchidae科、およびCurculionidae科からのゾウムシ(例えば、ワタミゾウムシ(boll weevil)(Anthonomus grandis Boheman))を含むColeoptera目の食葉性幼虫および成虫、イネミズゾウムシ(rice water weevil)(Lissorhoptrus oryzophilus Kuschel)、グラナリアコクゾウムシ(granary weevil)(Sitophilus granarius Linnaeus)、ココクゾウムシ(rice weevil)(Sitophilus oryzae Linnaeus)、アニュアルブルーグラスゾウムシ(annual bluegrass weevil)(Listronotus maculicollis Dietz)、ブルーグラスビルバグ(bluegrass billbug)(Sphenophorus parvulus Gyllenhal)、シバオサゾウムシ(hunting billbug)(Sphenophorus venatus vestitus)、デンバービルバグ(Denver billbug)(Sphenophorus cicatristriatus Fahraeus)、フレアビートル(flea beetle)、キューカンバービートル(cucumber beetle)、ルートワーム(rootworm)、ハムシ(leaf beetle)、コロラドハムシ(Colorado potato beetle)(Leptinotarsa decemlineata)、およびChrysomelidae科におけるリーフマイナー(leafminer)、ウエスタンコーンルートワーム(western corn rootworm)(Diabrotica virgifera virgifera LeConte);Scaribaeidae科(例えば、マメコガネ(Popillia japonica Newman))からのコフキコガネ(chafer)および他の甲虫、セマダラコガネ(Anomala orientalis Waterhouse)、ノーザンマスクドチェイファー(northern masked chafer)(Cyclocephala borealis Arrow)、サザンマスクドチェイファー(southern masked chafer)(Cyclocephala immaculate Olivier)、ブラックターフグラスアテニウス(black turfgrass ataenius)(Ataenius spretulus Haldeman)、グリーンジューンビートル(green June beetle)(Cotinis nitida Linnaeus)、アカビロウドコガネ(Asiatic garden beetle)(Maladera castanea Arrow)、メイ/ジューンビートル(May/June beetle)(Phyllophaga spp.)およびユーロピアンチェイファー(European chafer)(Rhizotrogus majalis Razoumowsky));Dermestidae科からのカツオブシムシ(carpet beetle);Elateridae科からのハリガネムシ(wireworm);Scolytidae科からのキクイムシ;Tenebrionidae科からのコクヌストモドキ(flour beetle);バッタ、イナゴ、およびコオロギ(例えば、ワタリバッタmigratory grasshopper(例えば、Melanoplus sanguinipes Fabricius、M. differentialis Thomas))を含むOrthoptera目の成虫および若虫、アメリカングラスホッパー(American grasshopper)(例えば、Schistocerca americana Drury)、サバクトビバッタ(desert locust)(Schistocerca gregaria Forskal)、トノサマバッタ(migratory locust)(Locusta migratoria Linnaeus)、ブッシュローカスト(bush locust)(Zonocerus spp.);Diptera目の成虫および幼虫including リーフマイナー、ミッジ(midge)、コバエ(fruit fly)(Tephritidae)、コバエ(例えば、Oscinella frit Linnaeus)、土壌ウジ(soil maggot);Miridae科からのプラントバグ(plant bug)などのHemiptera目およびHomoptera目の成虫および若虫、Cicadellidae科からのヨコバイ(例えば、Empoasca spp.);Fulgoroidae科およびDelphacidae科からのウンカ(例えば、トウモロコシウンカ(corn plant hopper)(Peregrinus maidis));Membracidae科からのツノゼミ;Lygaeidae科からのナガカメムシ(chinch bug)(例えば、アメリカコバネナガカメムシ(hairy chinch bug)(Blissus leucopterus hirtus Montandon)およびサザンチンチバグ(southern chinch bug)(Blissus insularis Barber)および他のシードバグ(seed bug);Cercopidae科からのアワフキムシ;Coreidae科からのスクアッシュバグ(squash bug);Pyrrhocoridae科からのレッドバグ(red bug)およびコットンステイナー(cotton stainer);Pseudococcidae科からのコナカイガラムシ(例えばPlanicoccus citri Risso)、Cicadidae科からのセミ;Psyllidae(例えばCitrus psyllid Diaphorina citri))からのキジラミ(psyllid)、Aleyrodidae科からのコナジラミ(シルバーリーフコナジラミ(silverleaf whitefly)(Bemisia argentifolii));ワタアブラムシ(cotton melon aphid)(Aphis gossypii)、エンドウヒゲナガアブラムシ(pea aphid)(Acyrthisiphon pisum Harris)、マメアブラムシ(cowpea aphid)(Aphis craccivora Koch)、マメクロアブラムシ(black bean aphid)(Aphis fabae Scopoli)、ワタアブラムシ(melon or cotton aphid)(Aphis gossypii Glover)、ヨーロッパリンゴアブラムシ(apple aphid)(Aphis pomi De Geer)、ユキヤナギアブラムシ(spirea aphid)(Aphis spiraecola Patch)、ジャガイモヒゲナガアブラムシ(foxglove aphid)(Aulacorthum solani Kaltenbach)、イチゴケナガアブラムシ(strawberry aphid)Chaetosiphon fragaefolii Cockerell)、ロシアンウィートアフィド(Russian wheat aphid)(Diuraphis noxia Kurdjumov/Mordvilko)、オオバコアブラムシ(rosy apple aphid)(Dysaphis plantaginea Paaserini)、リンゴワタムシ(woolly apple aphid)(Eriosoma lanigerum Hausmann)、モモコフキアブラムシ(mealy plum aphid)(Hyalopterus pruni Geoffroy)、ニセダイコンアブラムシ(turnip aphid)(Lipaphis erysimi Kaltenbach)、ムギウスイロアブラムシ(cereal aphid)(Metopolophium dirrhodum Walker)、チューリップヒゲナガアブラムシ(potato aphid)(Macrosipum euphorbiae Thomas)、モモアカアブラムシ(peach-potato and green peach aphid)(Myzus persicae Sulzer)、レタスヒゲナガアブラムシ(lettuce aphid)(Nasonovia ribisnigri Mosley)、根アブラムシ(root aphid)および虫こぶアブラムシ(gall aphid)、トウモロコシアブラムシ(corn leaf aphid)(Rhopalosiphum maidis Fitch)、ムギクビレアブラムシ(bird cherry-oat aphid)(Rhopalosiphum padi Linnaeus)、ムギミドリア
ブラムシ(greenbug)(Schizaphis graminum Rondani)、イングリッシュグレインアフィド(English grain aphid)(Sitobion avenae Fabricius)、アルファルファアブラムシ(spotted alfalfa aphid)(Therioaphis maculata Buckton)、コミカンアブラムシ(black citrus aphid)(Toxoptera aurantii Boyer de Fonscolombe)、ミカンクロアブラムシ(brown citrus aphid)(Toxoptera citricida Kirkaldy)およびモモアカアブラムシ(green peach aphid)(Myzus persicae)などの、Aphididae科からのアブラムシ;Phylloxeridae科からのフィロキセラ(phylloxera);Pseudococcidae科からのコナカイガラムシ;Coccidae科、Diaspididae科、およびMargarodidae科からのカイガラムシ(scale);Tingidae科からのグンバイムシ(lace bug);Pentatomidae科からのカメムシ;adults and immatures of the order Thysanoptera includingネギアザミウマ(onion thrip)(Thrips tabaci Lindeman)、花卉アザミウマ(flower thrip)(Frankliniella spp.)、および他の食葉性アザミウマが含まれる。農業有害生物はまた、Tetranychidae科からのダニ:ナミハダニ(twospotted spider mite)(例えば、Tetranychus urticae Koch)、Rutaceaからのフラットマイト(flat mite)(例えば、ブドウヒメハダニ(citrus flat mite)(Brevipalpus lewisi McGregor);Eriophyidae科からのフシダニ(rust and bud mite)および他の食葉性ダニなどの無脊椎動物の節足動物を含む。経済的に重要な農業有害生物線虫(例えば、Meloidogyne属におけるネコブセンチュウ(root knot nematode)、Pratylenchus属のネグサレセンチュウ(lesion nematode)、およびTrichodorus属におけるスタビールートネマトーデ(stubby root nematode))ならびにStrongylida目、Ascaridida目、Oxyurida目、Rhabditida目、Spirurida目、およびEnoplida目からのNematoda綱、Cestoda綱、Trematoda綱、およびAcanthocephala綱のメンバー。
【0301】
植物のタイプ
本記載の光増感剤化合物および組成物は、様々なタイプの植物に対して使用され得る。植物は、非木本作物、木本植物または芝草であり得る。植物は、作物植物、果実植物、野菜植物、マメ科植物、穀物植物、飼料植物、油糧種子植物、圃場植物、園芸植物、温室植物、屋内植物(house plant)、花卉植物、芝生植物、芝草、結実樹木などの樹木、ならびに微生物病原体および/または1つ以上の非生物的ストレスによって影響を受ける場合がある他の植物からなる群から選択され得る。本記載の化合物のうちのいくつかは、光の欠如下または存在下で、多様な有害な植物有害生物に対してある特定の程度の毒性を示す可能性がある。
【0302】
いくつかの実装形態では、植物は、サトウキビ、コムギ、イネ、トウモロコシ(corn)(トウモロコシ(maize))、ジャガイモ、テンサイ、オオムギ、サツマイモ、キャッサバ、ダイズ、トマト、およびマメ科植物(豆およびエンドウマメ)からなる群から選択される作物植物である。
【0303】
他の実装形態では、植物は、落葉樹木および常緑樹木からなる群から選択される樹木である。樹木の例には、限定なく、カエデ樹木、柑橘類樹木、リンゴ樹木、およびナシ樹木などの果実樹木、オーク樹木、トネリコ樹木、マツ樹木、ならびにトウヒ樹木などが含まれる。
【0304】
さらに他の実装形態では、植物は、低木である。
【0305】
さらに他の実装形態では、植物は、果実または堅果植物である。そのような植物の非限定的な例には、アセロラ(バルバドスチェリー)、アテモヤ、カランボラ(carambola)(スターフルーツ)、ランブータン、アーモンド、アンズ、チェリー、ネクタリン、モモ、ピスタチオ、リンゴ、アボカド、バナナ、プランテン、イチジク、ブドウ、マンゴー、オリーブ、パパイヤ、ナシ、パイナップル、プラム、イチゴ、グレープフルーツ、レモン、ライム、オレンジ(例えば、ネーブルおよびバレンシア)、タンジェロ、タンジェリン、マンダリン、ならびにベリーおよび小果実植物群からの植物が含まれる。
【0306】
他の実装形態では、植物は、野菜植物である。そのような植物の非限定的な例には、アスパラガス、豆、ビート、ブロッコリー、チャイニーズブロッコリー(Chinese broccoli)、ブロッコリーラーブ(broccoli raab)、メキャベツ、キャベツ、カリフラワー、チャイニーズキャベツ(Chinese cabbage)(例えば、チンゲンサイおよびマパ(mapa))、チャイニーズマスタードキャベツ(Chinese mustard cabbage)(ガイチョイ(gai choy))、カヴァロブロッコリー(cavalo broccoli)、コラード(collard)、ケール、コールラビ、ミズナ(mizuna)、カラシナ(mustard green)、コマツナ(mustard spinach)、青菜(rape green)、セロリ、ハヤトウリ、トウガン(Chinese waxgourd)、シトロンメロン(citron melon)、キュウリ、ガーキン(gherkin)、ヒョウタン(hyotan)、ククザ(cucuzza)、ヘチマ(hechima)、チャイニーズオクラ(Chinese okra)、バルサムアップル(balsam apple)、バルサムペア(balsam pear)、ニガウリ、チャイニーズキュカンバー(Chinese cucumber)、トゥルーカンタロープ(true cantaloupe)、カンタロープ、カサバ(casaba)、クレンショーメロン(crenshaw melon)、ゴールデンパーショーメロン(golden pershaw melon)、ハニーデューメロン(honeydew melon)、ハニーゴール(honey gall)、マンゴーメロン(mango melon)、ペルシャメロン(Persian melon)、カボチャ、ペポカボチャ(summer squash)、ウィンタースクアッシュ(winter squash)、スイカ、ダシーン(dasheen)(タロ)、ナス、ショウガ、チョウセンニンジンの根(ginseng)、ハーブおよびスパイス(例えば、カーリーリーフバジル(curly leaf basil)、レモンバーム、シラントロ(cilantro)、メキシカンオレガノ(Mexican oregano、ミント)、大根(Japanese radish)(ダイコン(daikon))、レタス、オクラ、コショウ、ジャガイモ、ラディッシュ、サツマイモ、チョロギ(Chinese artichoke)(チョロギ(Japanese artichoke))、トウモロコシならびにトマトが含まれる。
【0307】
他の実装形態では、植物は、バラ、顕花低木または観賞用植物などの、顕花植物である。そのような植物の非限定的な例には、バラおよび他の顕花低木を含む開花および観葉植物(foliage plant)、観葉観賞用植物および花壇植物(bedding plant)、リンゴ、チェリー、モモ、およびナシの樹木などの、結実樹木、非結実樹木、陰樹(shade tree)、観賞用樹木、ならびに低木(例えば、針葉樹、落葉性および広葉樹の常緑樹ならびに木性観賞用植物)が含まれる。
【0308】
いくつかの実装形態では、植物は、屋内植物である。そのような植物の非限定的な例には、キク、ディフェンバキア(dieffenbachia)、ドラセナ、シダ、クチナシ(gardenia)、ゼラニウム、フチベニベンケイ(jade plant)、ヤシ、フィロデンドロン、およびシェフレラ(schefflera)が含まれる。
【0309】
いくつかの実装形態では、植物は、温室において成長した植物である。そのような植物の非限定的な例には、アゲラタム(ageratum)、ハナキリン(crown of thorns)、ディフェンバキア、ミズキ(dogwood)、ドラセナ(dracaena)、シダ、フィカス(ficus)、ヒイラギ、リシアンサス(lisianthus)、モクレン(magnolia)、ラン、ヤシ、ペチュニア、ポインセチア、シェフレラ、ヒマワリ、アグラオネマ(aglaonema)、アスター(aster)、アザレア(azalea)、ベゴニア、ブロワリア(browallia)、ツバキ(camellia)、カーネーション、ケイトウ(celosia)、キク、コリウス(coleus)、コスモス(cosmos)、サルスベリ、シロタエギク(dusty miller)、テッポウユリ(easter lily)、フクシア(fuchsia)、クチナシ、ガーベラ、ヘリクリサム(hellichrysum)、ハイビスカスの葉、アジサイ、インパチェンス、フチベニベンケイ、マリーゴールド、ニューギニア(new guinea)、インパチェンス、ニコトニア(nicotonia)、フィロデンドロン、ポーチュラカ(portulaca)、リーガーベゴニア(reiger begonia)、キンギョソウ(snapdragon)、およびヒャクニチソウ(zinnia)が含まれる。
【0310】
いくつかの実装形態では、植物は、種子または実生であり得る。そのような場合、組成物は、種子被覆組成物であり得る。他の実装形態では、植物は成長した植物であり、組成物は成長した植物に直接適用される。成長した植物は、種子または実生の段階を超えて成長した植物であることが、理解される。
【0311】
いくつかの実装形態では、本記載の構成は、植物の再生不可能な部分に適用される。「植物の再生不可能な部分」という用語は、植物の部分が成長培地に置かれたときに、植物全体が成長または再生することができない植物の一部を指すことが、理解される。いくつかの実装形態では、本記載の組成物は、成長した植物の再生不可能な部分(例えば、成長した植物の葉)に適用され得る。
【0312】
組み合わせの相乗的作用
いくつかのシナリオでは、組み合わせは、植物における微生物病原体の増殖を阻害するための相乗的応答を呈し得る。本明細書で使用される「相乗効果」または「相乗的」という用語は、組み合わせ(または組成物)の2つ以上の成分の組み合わせ作用がそれらの個々の作用の合計よりも大きくなるような、組み合わせ(または組成物)の2つ以上の成分の相互作用を指すことを、理解されたい。このことは、本記載の文脈において、光増感剤、フィルム形成剤、抗酸化剤、油、およびキレート剤のうちの2つ以上の作用を含み得る。いくつかのシナリオでは、窒素含有大環状化合物およびフィルム形成剤は、相乗的に有効な量で存在し得る。いくつかのシナリオでは、光増感剤および抗酸化剤は、相乗的に有効な量で存在し得る。いくつかのシナリオでは、フィルム形成剤および抗酸化剤は、相乗的に有効な量で存在し得る。いくつかのシナリオでは、光増感剤、フィルム形成剤および抗酸化剤は、相乗的に有効な量で存在し得る。
【0313】
いくつかのシナリオでは、S.R.Colby,“Calculating synergistic and antagonistic responses of herbicide combinations”,Weeds 15,20-22(1967)に示されたアプローチが、相乗効果を評価するために使用され得る。期待された有効性、Eは、E=X+Y(100-X)/100として表され得、式中、Xは、組み合わせの第1の成分の未処理対照の%で表される有効性であり、Yは、組み合わせの第2の成分の未処理対照の%で表される有効性である。観察された有効性が期待された有効性よりも高い場合、2つの成分は、相乗的に有効な量で存在すると言われる。
【実施例
【0314】
一般的な手順および配合物
クロロフィリン-PVOH-タンニン酸配合物
光活性化光増感剤の光安定化を呈する配合物の調製は、以下の例示的な方法を通じて記載される。本実施例は、(0.1%マグネシウムクロロフィリン+0.5%ポリビニルアルコール(89kDa;99%+加水分解、PVOH89-h)+0.05%タンニン酸)配合物の調製を記載する。第1に、5重量%のPVOH89-h溶液を、95gの脱イオン水(dHO)で満たされたビーカーに5gのPVOH89-h固体を混合しながらゆっくりと加えることによって調製した。このビーカーを、95℃の温度に加熱し、1時間機械的に撹拌した。溶解した溶液を、冷却し、使用のための清潔なガラス瓶に移した。第2に、1重量%のタンニン酸溶液を、1gのタンニン酸(Sigma-Aldrich、St.Louis,MO)を99gのdHOに溶解することによって調製し、さらなる処理なく使用した。第3に、1重量%のマグネシウムクロロフィリン、ナトリウム塩原液を、1gのマグネシウムクロロフィリンを99gのdHOに加えることによって調製した。10gのガラスバイアルに、1gの1%マグネシウムクロロフィリンを8gのdHOに加え、続いて0.5gの5%PVOH89-hおよび0.5gの1%タンニン酸溶液を加えた。バイアルに、蓋をし、混合し、調製の1週間以内に使用した。
【0315】
他の(光増感剤+吸水性ポリマー+任意選択の抗酸化物質+任意選択の追加成分)溶液は、上記の方法で製剤化され得ることが、理解される。以下の配合物を、上の方法を使用して調製した。配合物の成分の前のすべてのパーセンテージ値は、配合物の総重量に基づく重量%値を示す。パーセンテージ値99%h、89%hは、PVOHについての加水分解%を示す。MgChlnはマグネシウムクロリンe6を意味し、AlChlnはアルミニウムクロリンe6を意味する。
-0.1%MgChln+0.05%PVOH(89kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.1%PVOH(89kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 99%h)+0.01%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(13kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(31kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 99%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(13kDa 89%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(31kDa 89%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 89%h);
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(13kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(31kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(13kDa 89%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(31kDa 89%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 89%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 99%h)+0.05%タンニン酸+0.05%グリセロール;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 99%h)+0.05%タンニン酸+0.1%グリセロール;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 99%h)+0.05%タンニン酸+0.05%プロピレングリコール;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(146kDa 99%h)+0.05%タンニン酸+0.1%プロピレングリコール;
-0.03%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 99%h);
-0.03%MgChln+0.1%PVOH(89kDa 99%h);
-0.03%MgChln 0.1%バニリン;
-0.03%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 99%h)+0.1%バニリン;
-0.03%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.75%MgChln 0.5%バニリン;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.05%NaEDTA;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%NaEDTA;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%Pluronics(商標)F-127;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%Breakthru(商標)SD260
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%Xiameter(商標)OFX-309;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%サポニン
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%Morwet(商標)D-400;
-0.1%MgChln+0.5%PVOH(89kDa 89%h)+0.05%タンニン酸+0.1%Brij(商標)O10;
-0.1%MgChln+0.5%Galactasol 40HFDS+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%カルボキシメチルセルロース+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%ポリ(ビニルアルコール-コ-エチレン)(27mol%エチレン)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.5%Solubon(商標)PT401+0.05%タンニン酸;
-0.1%クロリンe6ナトリウム塩+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%クロリンe6ジメチルアミノエチル+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%AlChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%タンニン酸;
-0.1%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%没食子酸;
-0.1%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%プロピルガラート;
-0.1%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%バニリン;
-0.1%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%バニリルアルコール;および
-0.1%MgChln+0.25%PVOH(89kDa 99%h)+0.05%Borresperse(商標)NA。
【0316】
方法A:非水和状態(「固体状態(solid state)」とも称される)において光安定性を評価する
各配合物の50マイクロリットルを、96ウェル透明底黒色マイクロプレート(Thomas Scientific、Swedesboro,NJ)の12ウェルにピペットで移し、脱水機(Gourmia GFD1680)を使用して45℃で3時間薄膜へと乾燥した。実験の開始時に、マイクロプレートを、Heliospectra RX30 LED光アレイ(Heliospectra、San Raphael,CA)の下に配置した。LEDアレイを、マイクロプレートが平均1300μmol/m/sの光強度を受けるように調整した。マイクロプレートを、アルミホイルでしっかりと覆い、選択間隔で剥がして、0時間、24時間、48時間または72時間のいずれかの光でフィルムを照射した。光照射の完了時に、各ウェルの内容物を、100μLの沸騰dHOで再溶解し、完全な再水和まで混合した。吸光度スペクトルスキャンを、プレートリーダー(Spectramax M2E,Molecular Devices、San Jose,CA)を使用してマイクロプレート(350~750nm)で実施し、ピーク強度を、24時間、48時間、および/または72時間の時点で監視し、対応する0時間時点と比較して、光分解の程度を決定した。照射後に残っている光増感剤%を、以下の等式を使用して計算し、
【数1】
【0317】
式中、Absは、t時間の光曝露を受けているサンプルの吸光度ピークであり、Absは、光曝露を受けていないサンプルの吸光度ピークである。すべてのデータは、平均±標準偏差として表される。
【0318】
方法B:溶液中(「液体状態」とも称される)の光安定性を評価する
各配合物の50マイクロリットルを96ウェル透明底黒色マイクロプレート(Thomas Scientific、Swedesboro,NJ)の12ウェルにピペットで移し、続いて50μLのdHOを加えた。サンプルを、水の蒸発を最小化するために、マイクロプレートの透明な接着フィルムで密封した。実験の開始時に、マイクロプレートを、Heliospectra RX30 LED光アレイ(Heliospectra、San Raphael,CA)の下に配置した。LEDアレイを、マイクロプレートが平均1300μmol/m/sの光強度を受けるように調整した。マイクロプレートを、アルミホイルでしっかりと覆い、選択間隔で剥がして、0時間、2時間、4時間、または6時間のいずれかの光でフィルムを照射した。光照射の完了時に、接着フィルムを除去し、サンプルの吸光度を、各ウェルにおいてプレートリーダー(Spectramax M2E,Molecular Devices、San Jose,CA)を使用して測定し、100μLの沸騰脱イオン水(dHO)で再溶解し、完全な再水和まで混合した。吸光度スペクトルスキャンをマイクロプレートで実施し(350~750nm)、ピーク強度を、2時間、4時間および8時間の時点で監視し、対応する0時間の時点と比較して、光分解の程度を決定した。照射後に残っている光増感剤%を、次の等式を使用して計算し、
【数2】
【0319】
式中、Absは、t時間の光曝露を受けているサンプルの吸光度ピークであり、Absは、光曝露を受けていないサンプルの吸光度ピークである。すべてのデータは、平均±標準偏差として表される。
【0320】
実施例1
異なるPVOH(89kDA;99%超加水分解)含有量を有するいくつかの配合物の固体状態光安定性を、方法Aを使用して評価した。結果を以下の表1に要約する。
【表1】
【0321】
実施例2
PVOH(146kDa;99%超加水分解)および異なる抗酸化物質含有量(フェノール系抗酸化剤タンニン酸)を有するいくつかの配合物の固体状態および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表2に要約する。
【表2】
【0322】
実施例3
異なる分子量および加水分解度を有するPVOHを有するいくつかの配合物の固体および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表3に要約する。
【表3】
【0323】
実施例4
PVOH(146kDa;99%超加水分解)および異なる可塑剤含有量を有するタンニン酸を有するいくつかの配合物の固体および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表4に要約する。
【表4】
【0324】
市販のPVOHは、多くの場合、可塑剤を配合される。この実験は、可塑剤が光増感剤の固体状態および液体状態の安定性に特に影響しないことを示す。
【0325】
実施例5
マグネシウムクロロフィリン、ヒドロゲルポリマーを有するナトリウム塩、ポリビニルアルコール89kDa(99%+加水分解)およびフェノール系抗酸化物質バニリンを含有する配合物での処理後の宿主植物Nicotiana benthamianaに対する真菌植物病原体Colletotrichum orbiculare ATC20767(Cgm)の制御を、評価した。処理を、葉面での光分解をシミュレートするために、接種のおよそ48時間前にN.benthamiana植物に適用した。その後、Cgmの胞子懸濁液を、葉に適用した。次いで、植物を24時間の期間光に曝露し、続いて病害症状が水処理対照植物で明らかになるまで暗所インキュベートした。病害症状が明らかになると、病斑の数/cm葉面積を決定するために、病斑を計数し、葉面積を測定した。処理当たり4つの反復植物を使用し、植物を光源の下でランダム化した。照明は、およそ450μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供される。結果を表5に要約する。
【表5】
【0326】
実施例6
マグネシウムクロロフィリン、ヒドロゲルポリマーを有するナトリウム塩、ポリビニルアルコール89kDa(99%+加水分解)およびフェノール系抗酸化物質タンニン酸を含有する配合物での処理後の宿主植物Nicotiana benthamianaに対する真菌植物病原体Colletotrichum orbiculare ATC20767(Cgm)の制御を、評価した。処理を、葉面での光分解をシミュレートするために、接種のおよそ48時間前にN.benthamiana植物に適用した。その後、Cgmの胞子懸濁液を、葉に適用した。次いで、植物を24時間の期間光に曝露し、続いて病害症状が水処理対照植物で明らかになるまで暗所インキュベートした。病害症状が明らかになると、病斑の数/cm葉面積を決定するために、病斑を計数し、葉面積を測定した。処理当たり4つの反復植物を使用し、植物を光源の下でランダム化した。照明は、およそ450μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供される。結果を表6に要約する。
【表6】
【0327】
実施例7
宿主植物であるN.benthamianaにおける植物病原体P.syringaeの阻害に対するフィルム形成組成物の作用に関する実験を、24℃および16/8時間の明期/暗期光周期で成長室において実施した。接種の2日前に、化学処理を、微細スプレーを与える手持ち式スプレーボトルを使用して流出するまで5~6枚の葉の段階にあるN.benthamianaに適用した。水をスプレーされた植物を、対照のために使用した。処理直後、植物を、ランダムに棚に置き、12時間明期/12時間暗期の光周期で約450μmol/m2/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光に曝露した。接種のために、グリセロールストックからのPstを、Tryptic Soy Agar(TSA)上で培養し、30℃で一晩インキュベートした。細菌細胞を、一晩の培養物から収集し、脱イオン水に懸濁させ、1×10^8 CFU/mlに希釈し、続いて0.02%(v/v)Silwet L-77を加えた。次いで、接種物を流出するまで植物に適用し、植物を透明なプラスチックのドームで覆って、100%相対湿度を維持した。接種された植物を、24℃に維持された成長室の棚にランダムに置き、16時間明期/8時間暗期の光周期で7日間、およそ250μmol/m/sのPARを放射する蛍光灯およびLED光の組み合わせに曝露した。植物全体を、0~100%の評価尺度を使用して病害重症度について評価した。病害症状は、黄色病斑、葉の変色、葉の変形および発育不良の成長(stunted growth)を含んだ。処理当たり4反復を、実験において使用した。
【表7】
【0328】
実施例8
dHO中0.5%のバニリンとともに0.75%のMgChlnまたは0.75%のMgChlnのいずれかを含有する1ミリリットルのサンプルを、1.5mLの遠心分離管において調製した。これらのサンプルを、アルミホイルで包み、54℃のオーブンで2週間貯蔵した。2週間後、サンプルを、54℃のオーブンまたは-20℃の冷凍庫から取り出し、サンプル当たり12の技術的反復を用いてUV視認可能なプレートリーダー(Spectramax M2E,Molecular Devices、San Jose,CA)を使用してアッセイした。高温での貯蔵の結果としてのMgChlnの分解を、以下の等式を使用して残っている光増感剤%を計算することによって決定し、
【数3】
【0329】
式中、Absは、54℃で2週間のインキュベーション後のサンプルの吸光度ピークであり、Absは、54℃で貯蔵されることを伴わない実験の開始時でのサンプルの吸光度ピークである。すべてのデータは、平均±標準偏差として表される。結果を表8に要約する。
【表8】
【0330】
実施例9
PVOH(89kDa;99%超加水分解)および様々な抗酸化剤を有するいくつかの配合物の固体および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表9に要約する。
【表9】
【0331】
実施例10
PVOH(189kDa;99%超加水分解)、タンニン酸および様々なアジュバントを有するいくつかの配合物の固体および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表10に要約する。
【表10】
【0332】
実施例11
様々なフィルム形成剤、タンニン酸MgChlnを有するいくつかの配合物の固体および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表11に要約する。
【表11】
【0333】
試験されたすべてのフィルム形成剤は、固体状態における光増感剤の光安定性を大幅に改善する。液体状態における光増感剤の光安定性はまた、タンニン酸およびフィルム形成剤のうちのほとんどを用いて改善される。MgChln、ポリ(ビニルアルコール-コ-エチレン)およびタンニン酸での処理は、MgChln単独と比較して(誤差の範囲内で)同様の液体状態の光安定性を提供するように見える。
【0334】
実施例12
PVOH(189kDa;99%超加水分解)およびタンニン酸を有するいくつかの配合物様々なアジュバントの固体および液体状態の光安定性を、方法Aおよび方法Bを使用して評価した。結果を以下の表12に要約する。
【表12】
【0335】
ここで、Ce-混合物-DMAE15、17アミドは、以下の2つの化合物、
【化42】
の、約1.5(Ce-モノ-DMAE15アミド):1(Ce-ビス-DMAE15、17アミド)のモル比における混合物である。
【0336】
実施例13~27は、様々なCe6およびPP IX化合物が、真菌病原体、細菌病原体および/もしくはウイルスの成長を阻害することによって、非生物的ストレスに対して植物を保護することによって、かつ/または殺虫活性を示すことによって、植物の健康を改善できることを示す。これらのCe6およびPP IX化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0337】
実施例13:
修飾型Ce6光増感剤の抗真菌活性
実験を、本明細書で合成されたいくつかのCe6誘導体の抗真菌活性を評価するために実施した。以下の方法を使用し、結果を表13Aおよび13Bに要約する。
【0338】
寒天プロトコル:修飾型Ce6を用いたダラースポット真菌(Sclerotinia homoeocarpa)の制御を、評価した。処理を、所望の濃度でPotato Dextrose Agar(PDA)へと修正した。次いで、Sclerotinia homoeocarpa単離物の5mm直径のプラグ(合計3つの単離物が試験される)を、修正されたペトリ皿の中央に接種し、21℃で暗所で24時間インキュベートした。24時間後、実験の残りのために、1セットのペトリ皿(3連)を暗所に置き、1セットを照明下に置いた(すべて21℃で)。真菌の放射状成長を、未修正PDAでのS.homoeocarpaの成長がペトリ皿の端に達するまで毎日監視した。照明を、約180μmol/m2/sの光合成有効放射(PAR)を放射する蛍光灯によって提供した。
【0339】
ブロスプロトコル:修飾型クロリンによるダラースポット真菌(Sclerotinia homoeocarpa)の制御を、評価した。処理を、所望の濃度で24ウェルプレートにおけるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)において(明期対暗期のインキュベーションについて2連)調製した。次いで、Sclerotinia homoeocarpa単離物の5mm直径のプラグ(合計3つの単離物が試験される)を、PBSに接種し、21℃で暗所で2時間インキュベートした。2時間後、24ウェルプレート(3連の単離物を有する)のうちの1つを暗所に置き、1つの24ウェルプレートを1時間照明下に置いた(すべて21℃で)。照射後、真菌プラグを、PBSから取り出し、滅菌濾紙に吸い取って乾かし、未修正Potato Dextrose Agar(PDA)に移した。真菌の放射状成長を、S.homoeocarpaの成長がペトリ皿の端に達するまで毎日監視した。照明を、約1000μmol/m2/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供した。
【表13】
【表14】
【0340】
表13Aおよび13Bの修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0341】
実施例14:
修飾型Ce6光増感剤の抗細菌活性
実験を、修飾型Ce6でのグラム陰性細菌植物病原体Pseudomonas syringae pv.tabaciの制御を評価するために実施した。処理を、所望の濃度で96ウェルプレートにおけるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)において調製した。細菌懸濁液を、PBSに接種し、28℃で暗所で30分間インキュベートした。30分後、96ウェルプレートを、1時間(21℃で)照明下に置いた。同時に調製された別個のプレートを、照明のない暗所に留め、暗所対照として使用した。照射後、細菌懸濁液を段階希釈し、各希釈液の10μLを、Tryptic Soy Agar(TSA)プレート上に均一に広げ、48時間28℃のインキュベーターにおいて暗所に置いた。48時間後、細菌コロニーを係数し、結果を対数変換した(対数コロニー形成単位(CFU)/mL)。相対的な不活性化を、logCFU(PBS対照)とlogCFU(処理)との間の差異をとることによって決定した。サンプル照明を、約1000μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光(Heliospectra RX30)によって提供した。
【0342】
評価された修飾型Ce6は、Ce6-混合物-DMAE15、17アミド、Ce6-ビス-DMAE15、17アミド、およびCe6-モノ-DMAE15アミドである。結果を表14に提示する。
【表15】
【0343】
すべての形態のCe6 DMAEアミドが使用され得(すなわち、Ce6-混合物-DMAE15、17アミド、Ce6-ビス-DMAE15、17アミドまたはCe6-モノ-DMAE15アミド)、相対的不活性化は同じであるように得られることが、理解され得る。このことは、データが相対的不活性化(すなわち、PBS対照と処理との間の対数比)として表されているためである。すべての形態のCe6 DMAEアミドを用いると、処理は、コロニー形成単位を残さずにすべての細菌を死滅させたため、値を、数学的誤差を生成しないように1CFU/mLに設定した。したがって、不活性化の程度は対照係数に依存し、それゆえ処理間の値は同じである。それにもかかわらず、これらの実験は、すべての形態のCe6 DMAEアミドがグラム陰性細菌に対して活性であることを示す。
【0344】
表14の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0345】
実施例15
塩ストレスに対するイチゴ植物(Fragaria x ananassa)の耐性に対する処理の作用
この例では、修飾型クロリン化合物の作用を、イチゴ植物(Fragaria x ananassa)栽培品種(cv)Delizzに対して試験した。実験を、温室において行った。試験を、塩ストレスに対するイチゴ植物の耐性に対する化合物の活性を決定するために設計した。
【0346】
実験では、イチゴ植物の実生を、専門の土壌混合物(LC 1 Sunshine,Sungro Horticulture、Canada)で満たされた5インチのプラスチックポットにおいて成長させ、定期的基準で肥料を加えた水で灌水した。4~5枚の葉の段階のイチゴ植物を、手持ち式スプレーボトルを使用して異なる配合物の3回の葉の適用で処理し、均一な被覆を提供した。植物を、7日間隔でスプレーした。第1のスプレーから24時間後、植物を、15mM塩化ナトリウム溶液に植物の根を浸すことによって塩類ストレスに曝露した。塩類レベルを徐々に20mM NaClに増加させ、塩浸漬を5~7日間隔のスケジュールで施した。植物を、最後の葉スプレーの3週間後に収穫した。界面活性剤を、各処理に加えた。実験を、各処理について5つの反復を有する完全にランダム化された設計で着手した。
【表16】
【0347】
試験されたクロリン化合物で処理されたイチゴ植物は、塩類ストレスに対する植物の耐性を強化した。
【0348】
表15の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0349】
実施例16
乾燥ストレスに対するイチゴ植物(Fragaria x ananassa)の耐性に対する処理の作用
この例では、修飾型クロリン化合物の作用を、イチゴ植物(Fragaria x ananassa)栽培品種Delizzに対して試験した。実験を、温室において行った。試験を、乾燥ストレスに対するイチゴ植物の耐性に対する化合物の活性を決定するために設計した。
【0350】
実験では、イチゴ植物の実生を、専門の土壌混合物(LC 1 Sunshine,Sungro horticulture、Canada)で満たされた5インチのプラスチックポットにおいて成長させ、定期的基準で肥料を加えた水で灌水した。4~5枚の葉の段階のイチゴ植物を、手持ち式スプレーボトルを使用して異なるSuncor配合物の3回の葉の適用で処理し、均一な被覆を提供した。植物を、7日間隔でスプレーした。第1の葉処理後および実験期間中、イチゴ植物を、しおれ点(20~30%の土壌水分含有量-SMC)まで低減し、最大50%のSMCまで水やりした水レジーム(乾燥ストレス)に曝露した。植物を、最後の葉スプレーの3週間後に収穫した。界面活性剤を、各処理に加えた。実験を、各処理について7つの反復を有する完全にランダム化された設計で着手した。
【表17】
【0351】
試験されたクロリン化合物で処理されたイチゴ植物は、乾燥ストレスに対する植物の耐性を強化した。
【0352】
表16の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0353】
実施例17
熱ストレスに対するトマト植物(Solanum lycopersicum)栽培品種Tiny Timの耐性に対する処理の作用
実験を、制御可能な状態で成長チャンバーにおいて行った。試験を、熱ストレスに対するトマト植物の耐性に対する化合物の活性を決定するために設計した。
【0354】
実験では、トマト植物栽培品種Tiny Timを、24~26℃の温度で温室において成長させた。トマト実生を、産業用土壌混合物(LC 1 Sunshine,Sungro Horticulture、Canada)を含む5インチのプラスチックポットに移植した。5~6枚の葉の段階で、植物を、手持ち式スプレーボトルを使用して試験された溶液で処理し(流出するまでの葉スプレー)、均一な被覆を提供した。スプレーの48時間後、植物を、成長チャンバーに移し、10日間熱ストレスに曝露した。トマト植物に、水欠乏を避けるために定期的に水やりした。10日後、トマト植物を、温室に戻し、2回目の試験溶液で処理した。第2のスプレーの48時間後、植物を、成長チャンバーに置き、さらに10日間熱ストレスに曝露した。成長チャンバー状態:16時間/8時間の明期/暗期光周期;暗期中19℃の温度;明期中の温度-19℃から37℃への温度の4時間のゆるやかな増加、8時間-37℃、19℃へのゆるやかな温度の減少。葉処理(スプレー)を、2回適用した。界面活性剤を、各処理に加えた。実験を、各処理について6つの反復を有する完全にランダム化された設計で着手した。
【表18】
【0355】
新規のクロリン配合物は、未処理の対照と比較して、熱ストレスに対するトマト植物の耐性を強化し、植物バイオマスを増加させた。
【0356】
表17の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0357】
実施例18
塩ストレスに対するケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis)の耐性に対する処理の作用
ケンタッキーブルーグラス(Poa pratensis)を、約3週間温室状態下で成長させた。3週間後、植物に、配合物をスプレーし、24時間放置した後、ポットを、土壌が飽和するまで170mMのNaCl溶液に置いた。塩適用を、合計2回の塩適用のため、7日後に再び繰り返した。塩ストレスを、1~9の芝の質尺度に基づいて評価し、ここで、1=枯死、茶色の芝;6=最低限許容される芝の質(ゴルフコースまたはスポーツフィールドの基準に基づく);かつ9=密集した、濃い緑色の芝(健康)である。データは、5つの反復の平均値である。
【表19】
【0358】
表18の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0359】
実施例19
カイコに対する処理の作用
実験を、カイコBombyx mori(L.)幼虫に対する光増感剤化合物の毒性を評価するために実施した。
【0360】
カイコ(Bombyx mori)3齢幼虫のコロニーを、販売代理店Recorp Inc.(Ontario,Canada)から購入し、処理前に2日間、新鮮なクワ葉(Morus rubra)上で維持した。
【0361】
クワシュートは、屋外で成長した木から収穫され、全く農薬で処理されていなかった。新鮮なクワシュートを、水道水で洗い、風乾した。
【0362】
小さなクワシュート(8~10枚の葉)を、成熟した健康的なブランチから切り出し、水を満たした50mlのプラスチックバイアルに挿入した。バイアルを、水の蒸発および幼虫の溺死を防ぐために、鉛およびプラスチックの網で覆った。宿主植物の挿し木に、流出するまで試験された溶液をスプレーし、スプレーされたシュートを有するバイアルを、濾紙で裏打ちされた1Lの透明なプラスチック容器に入れた。
【0363】
均質なカイコ幼虫(3齢)に、別個にスプレーし、容器中の処理されたクワシュート上に放った。柔らかい微細な絵筆を、昆虫を扱うために使用した。植物シュートおよび昆虫を有する容器を、白色網状鉛で覆った。
【0364】
すべての処理を、2オンスの手持ち式霧吹きボトル(ULINE、Canada)を使用して微細なスプレーとして適用した。水処理を、対照として使用した。
【0365】
シュートおよび昆虫を有する容器を、LED光を備えた金属ラックにランダムに置き、直ちに450 μmol m-2-1の光を照射した。実験を、24~26℃の温度、ならびに12時間のLED光および12時間の暗期の光周期で植物成長室において実施した。カイコを、48時間処理されたクワ葉を摂食させた。食物源を、1日1回交換した。各処理について4つの反復、かつ各反復について10匹の昆虫を用いた完全にランダム化された設計を、実験において使用した。幼虫を、動きが絵筆での機械的刺激の後に検出されなかった場合に死亡とみなした。生存および死亡の昆虫の数を、記録した。昆虫死亡率を、処理後72時間まで(HAT-処理後時間)について評価した。クワ葉を、植物毒性症状について評価した。
【0366】
Zn-Ce-混合物-DMAE15、17アミドおよびPd-Ce-混合物-DMAE15、17アミドに、水への溶解性を改善するために、プロピレングリコールおよびPluronic F-127界面活性剤を配合した。
【表20】
【0367】
処理0.1%Ce-混合物-DMAE15、17アミドおよび0.1%Pd-Ce-混合物-DMAE15、17アミド+0.5%プロピレングリコール+0.1%Pluronic F127は、それぞれ57.5%および35%の幼虫死亡率を引き起こし、幼虫重量を大幅に低減した。
【0368】
処理されたクワシュートは、植物毒性の視認可能な症状を全く示さなかった。試験された配合物のうちのいずれも、植物の葉に植物毒性を引き起こさなかった。
【0369】
表19の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0370】
実施例20
Nicotiana benthamianaに対する真菌病原体Cgmの制御
修飾型クロリンe6化合物での処理後の宿主植物Nicotiana benthamianaに対する真菌植物病原体Colletotrichum orbiculare ATC20767(Cgm)の制御を、評価した。処理を、Cgmの胞子懸濁液の接種のおよそ2時間前にN.benthamiana植物に適用した。次いで、植物を24時間の期間光に曝露し、続いて病害症状が水処理対照植物で明らかになるまで暗所インキュベートした。病害症状が明らかになると、病斑の数/cm葉面積を決定するために、病斑を計数し、葉面積を測定した。処理当たり4つの反復植物を使用し、植物を光源の下でランダム化した。照明を、約180μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供した。結果を表20A、20Bおよび20Cに示す。
【表21】
【0371】
界面活性剤は、化合物の溶解性を増加させるために溶液に加えられ、葉面に広がることができる。
【表22】
【0372】
別の実験では、PEG修飾型Ce6化合物を、Cgmに対して試験した。
【表23】
【0373】
表20A、20Bおよび20Cの修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0374】
実施例21
Arabidopsis thalianaに対する細菌病原体Pstの制御
Arabidopsis thaliana植物を、12時間:12時間の明期:暗期光周期下、LED光(PAR 24μmol m-2-1)下、25℃±3℃の温度および65%相対湿度で、成長させた。3週間後、植物に、配合物(水中50%希釈)をスプレーし、2時間乾燥させた後、Pseudomonas syringae pv tabacci(10mM MgCl2中OD0.08希釈で)をスプレーした。植物を、症状が現れるまでプラスチックのドームの下に留めた。病害重症度を、黄色の葉/植物の数を計数することによって評価した。データは、3つの反復の平均値である。
【表24】
【0375】
表21の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0376】
実施例22
Nicotiana benthamianaに対するPseudomonas syringae pv.tabaciの制御
修飾型クロリンe6化合物での処理後の宿主植物Nicotiana benthamianaに対する細菌植物病原体Pseudomonas syringae pv.tabaci(Pst)の制御を、評価した。処理を、Cgmの胞子懸濁液の接種のおよそ2時間前にN.benthamiana植物に適用した。次いで、植物を24時間の期間光に曝露し、続いて病害症状が水処理対照植物で明らかになるまで暗所インキュベートした。病害症状が明らかになると、病斑の数/cm葉面積を決定するために、病斑を計数し、葉面積を測定した。処理当たり4つの反復植物を使用し、植物を光源の下でランダム化した。照明を、約180μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供した。結果を表22に示す。
【表25】
【0377】
表22の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0378】
実施例23
修飾型Ce6化合物を用いたバラアブラムシ(Rose aphid)の制御
実験を、昆虫有害生物バラアブラムシ(Marcosiphum rosae)に対する塩素誘導体の毒性を評価するために実施した。実験を、アブラムシが寄生したバラ低木(rosebush)(栽培品種ノックアウト(Knockout)、ダブルレッド(Double red))に対して実施した。実験を、植物苗畑(Crop Inspection Service、California,Valley center,USA)で実施した。実験植物は、試験前に農薬処理に曝露されなかった。
【0379】
実験用バラ植物を、Sunshine #4土壌混合物で満たされた3ガロンの黒色プラスチックポット中で屋外で成長させた。植物を毎日灌水し、200ppmでの可溶性肥料20-20-20を週に2回適用した。
【0380】
バラ植物シュートのアブラムシのニンフが新たに寄生した先端を、実験において使用した。シュートの先端にで群集するコロニーにおけるバラアブラムシの数を処理前に計数し、処理したシュートを白色の4×6インチメッシュのオーガンザバッグ(ULINE、USA)で覆って、天敵による寄生を回避した。バッグを、試験中にシュートに留めた。実験の開始時に、アブラムシ個体群(シュート上)を、シュート当たり25~28匹のアブラムシを有して均一であるとみなした。完全にランダム化された設計を、6つの反復植物(植物当たり1つのシュート)とともに使用した。
【0381】
処理を、植物のシュートに均一な微細スプレーを与える2オンスのプラスチック手持ち式スプレーボトル(Natural Cylinderスプレーボトル,ULINE、Canada)を使用して適用した。バラシュートを、試験された処理で徹底的にスプレーし、直射日光に曝露した。処理の第2の適用を、同じ方法論を使用して第1の適用の7日後に行った。
【0382】
昆虫に対する処理の作用を、第1の処理後7日および第2の処理後14日での生存昆虫計数によって決定した。
【0383】
植物を、各葉スプレーの6日後に植物毒性について評価した。
【表26】
【0384】
0.1%Ce6-モノ-3TP-PEG40015アミドおよび0.1%Ce6-混合物-DMAE15、17アミドでの処理は、水対照処理と比較して、バラアブラムシに対する優れた有効性、および抑制された昆虫個体群を実証した。
【0385】
処理されたバラ低木シュートは、植物毒性の視認可能な症状を全く示さなかった。
【0386】
表23の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0387】
実施例24
ピーマン植物に対するキュウリモザイクウイルスの制御
矮性タイプのピーマン「ゴールデンベイビーベルハイブリッド(Golden baby belle hybrid)」実生を、3~4枚の葉の段階でプロミックス(pro-mix)で満たされたポットに移植し、26/23℃(昼/夜)での温度、70%相対湿度、および12時間の光周期を伴う270μmol m-2-1での光強度を伴う成長チャンバーに入れた。0.1重量%Ce6-混合物-DMAE15、17アミドおよび界面活性剤を含む配合物を、手持ち式噴霧器を用いて移植の7、14、21、および28日後に、葉が溶液で完全に被覆されるまで(約2.5mL/ポット)、葉適用として適用した。植物に、手作業での灌水によって十分に水やりし、2週間ごとに28-8-18の完全肥料から0.73g窒素m-2で施肥した。キュウリモザイクウイルス(CMV)接種を、第3の適用の2時間後に行った。接種のために、CMVウイルス感染したタバコ植物の葉身(約1g)を、乳鉢および乳棒を用いて約1 mLのPBS緩衝液(50mM、pH 7)中で粉砕し、少量のカーボランダムを、混合物に加えた。Qティップ(Q-tip)を、トウガラシ(pepper)先端3つの新たに展開した葉身の上面に適用した。4つの反復を有するランダム化されたブロックデザインを、使用した。ポットを、週に2回、成長チャンバーにおいてランダムに再配置した。葉におけるCMV病害発生の重症度を、19、21、28、35日目、および試験終了時に測定した。病害重症度を、以下のように計算した:病害重症度=感染した葉の数/3つの接種した葉+感染した若い葉の数/若い葉の総数。
【表27】
【0388】
表24の修飾型Ce6化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0389】
実施例25
Pseudomonas syringae pv.tabaciに対するPP IXおよび修飾型PP IXの作用
この例では、PP IXおよび修飾型PP IXを用いたグラム陰性細菌植物病原体Pseudomonas syringae pv.tabaciの制御を、キレート剤の有無の場合で評価した。処理を、所望の濃度で96ウェルプレートにおけるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)において調製した。細菌懸濁液を、PBSに接種し、28℃で暗所で30分間インキュベートした。30分後、96ウェルプレートを、1時間(21℃で)照明下に置いた。照射後、細菌懸濁液を段階希釈し、各希釈液の10μLは、Tryptic Soy Agar(TSA)プレート上に均一に広げ、48時間28℃のインキュベーターにおいて暗所に置かれる。48時間後、細菌コロニーを計数し、結果を対数変換した(logコロニー形成単位(CFU)/mL)。相対的な不活性化を、logCFU(PBS対照)とlogCFU(処理)との間の差異をとることによって決定した。サンプル照明を、約1000μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光(Heliospectra RX30)によって提供した。結果を表25に要約する。
【表28】
【0390】
表25のPP IXおよび修飾型PP IX化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0391】
実施例26
ダラースポット真菌に対するPP IXおよび修飾型PP IXの作用
この例では、PP IXおよび修飾型PP IXを用いたダラースポット真菌(Sclerotinia homoeocarpa)の制御を、評価した。処理を、所望の濃度で24ウェルプレートにおけるリン酸緩衝生理食塩水(PBS)において(明期対暗期のインキュベーションについて2連)調製した。次いで、Sclerotinia homoeocarpa単離物の5mm直径のプラグ(合計3つの単離物が試験される)を、PBSに接種し、21℃で暗所で2時間インキュベートした。2時間後、24ウェルプレート(3連の単離物を有する)のうちの1つを暗所に置き、1つの24ウェルプレートを1時間照明下に置いた(すべて21℃で)。照射後、真菌プラグを、PBSから取り出し、滅菌濾紙に吸い取って乾かし、未修正Potato Dextrose Agar(PDA)に移した。真菌の放射状成長を、S.homoeocarpaの成長がペトリ皿の端に達するまで毎日監視した。照明を、約1000μmol/m2/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供した。結果を表26Aおよび26Bに要約する。
【表29】
【表30】
【0392】
表26Aおよび26BのPP IXおよび修飾型PP IX化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【0393】
実施例27
Colletotrichum orbiculareに対するPP IXおよび修飾型PP IXの作用
修飾型PP IX化合物での処理後の宿主植物Nicotiana benthamianaに対する真菌植物病原体Colletotrichum orbiculare ATC20767(Cgm)の制御を、評価した。処理を、Cgmの胞子懸濁液の接種のおよそ2時間前にN. benthamiana植物に適用した。次いで、植物を24時間の期間光に曝露し、続いて病害症状が水処理対照植物で明らかになるまで暗所インキュベートした。病害症状が明らかになると、病斑の数/cm葉面積を決定するために、病斑を計数し、葉面積を測定した。処理当たり4つの反復植物を使用し、植物を光源の下でランダム化した。照明は、約180μmol/m/sの光合成有効放射(PAR)を放射するLED光によって提供される。結果を表27に示す。
【表31】
【0394】
表27のPP IXおよび修飾型PP IX化合物は、本記載のフィルム形成組み合わせおよび組成物において使用され得る。
【表32-1】
【表32-2】
【表32-3】
【表32-4】
【表32-5】
【表32-6】
【0395】
上の本明細書で引用されたすべての刊行物、特許、および特許文書は、参照により個別に組み込まれるかのように、参照により本明細書に組み込まれる。本明細書に記載の化合物、組成物、方法および使用は、様々な実施形態および技術を参照して記載されてきた。しかしながら、当業者は、多くの変形および修正が、添付の特許請求の範囲の種子および範囲内に留まる間は行われ得ることを理解するであろう。
図1
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物への適用のための組成物であって、
光および酸素の存在下で活性酸素種を生成する光増感剤であって、前記光増感剤が、ポルフィリン、還元型ポルフィリンおよびそれらの組み合わせからなる群から選択される、光増感剤と、
フィルム形成剤であって、前記フィルム形成剤が、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性である、フィルム形成剤と、
抗酸化剤と、
前記光増感剤、前記フィルム形成剤および前記抗酸化剤が中に可溶化および/または分散されている、液体担体と、を含む、組成物。
【請求項2】
前記フィルム形成剤が、エチルセルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルプロピルセルロース、グアーガム、ヒドロキシルプロピルセルロースポリビニルピロリドン、ナノセルロース、ダイズタンパク質単離物、ホエイタンパク質、コラーゲン、デンプン、ヒドロキシプロピル化アミロメイズデンプン、アミロメイズデンプン、キシラン、ポリビニリデンクロリド、ポリビニルアルコール(PVOH)、エチレンビニルアルコール(EVA)、ポリビニルアルコールコポリマー、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記フィルム形成剤がポリビニルアルコールを含み、前記ポリビニルアルコールが、約50kDa~約100kDaの平均分子量、および99%以上の加水分解度を有する、請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記抗酸化剤が、バニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホン酸ナトリウム、t-ブチル-ヒドロキシキノン、ブチル化ヒドロキシトルエン、ブチル化ヒドロキシアニソール、アルファ-トコフェロール、D-アルファ-トコフェリルポリエチレングリコールスクシナート、レチニルパルミタート、ベータ-カロチン、エリソルビン酸、エリソルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸ナトリウム、アスコルビン酸、グルタチオン、スーパーオキシドジスムターゼ、カタラーゼ、アジ化ナトリウム、1,4-ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記抗酸化剤がフェノール系抗酸化剤であり、該フェノール系抗酸化剤がバニリン(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、o-バニリン(2-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド)、バニリルアルコール、タンニン酸、没食子酸、プロピルガラート、ラウリルガラート、カルバクロール、オイゲノール、チモール、リグノスルホナート、およびそれらの組み合わせからなる群から選択される、請求項1~3のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項6】
前記光増感剤が、Mg(II)、Zn(II)、Pd(II)、Sn(IV)、Al(III)、Pt(II)、Si(IV)、Ge(IV)、Ga(III)およびIn(III)、Cu(II)、Co(II)、Fe(II)、Mn(II)、Co(III)、Fe(III)、Fe(IV)およびMn(III)からなる群から選択される金属で金属化されている、請求項1~5のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項7】
前記光増感剤が、クロリンe6若しくは修飾型クロリンe6、プロトポルフィリンIX(PP IX)若しくは修飾型PP IX、又はメソ-テトラ-(4-スルホナトフェニル)ポルフィリン(TPPS)である、請求項1~6のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項8】
前記液体担体が、水性担体又は水中油型エマルジョンである、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
鉱油、植物油およびそれらの混合物からなる群から選択される油をさらに含む、請求項1~8のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項10】
前記油が、ココナッツ油、キャノーラ油、ダイズ油、菜種油、ヒマワリ油、ベニバナ油、ピーナッツ油、綿実油、ヤシ油、米ぬか油およびそれらの混合物からなる群から選択される植物油を含む、請求項9に記載の組成物。
【請求項11】
前記油が、パラフィン系油、分岐パラフィン系油、ナフテン系油、芳香族系油およびそれらの混合物からなる群から選択される鉱油を含む、請求項9または10に記載の組成物。
【請求項12】
前記油が、ポリ-アルファ-オレフィン(PAO)を含む、請求項9~11のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項13】
アミノポリカルボン酸またはその農業的に許容される塩であるキレート剤をさらに含む、請求項1~12のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項14】
前記キレート剤が、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジコハク酸(EDDS)またはその農業的に許容される塩、イミノジコハク酸(IDS)またはその農業的に許容される塩、ニトリロ三酢酸(NTA)またはその農業的に許容される塩、L-グルタミン酸N,N-二酢酸(GLDA)またはその農業的に許容される塩、メチルグリシン二酢酸(MGDA)またはその農業的に許容される塩、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジグルタル酸(EDDG)またはその農業的に許容される塩、エチレンジアミン-N,N’-ジマロン酸(EDDM)またはその農業的に許容される塩、3-ヒドロキシ-2,2-イミノジコハク酸(HIDS)またはその農業的に許容される塩、ヒドロキシエチルイミノ二酢酸(HEIDA)または農業その許容される塩、ポリアスパラギン酸、およびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1~13のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項15】
界面活性剤をさらに含む、請求項1~14のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項16】
前記界面活性剤が、エトキシル化アルコール、高分子界面活性剤、脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、エトキシル化アルキルアルコール、モノグリセリド、アルキルモノグリセリドおよびそれらの混合物からなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記フィルム形成剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約20重量%の量で存在し、前記光増感剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約10重量%の量で存在し、前記抗酸化剤が、前記組成物の総重量に基づいて、約0.01重量%~約5重量%の量で存在する、請求項1~16のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項18】
植物の健康促進用である、請求項1~17のいずれか1項に記載の組成物。
【請求項19】
前記植物の前記健康促進が、前記植物の微生物病原体の成長の防止又は阻害、及び1つ以上の非生物的ストレスに対する前記植物の抵抗性の増加の少なくとも1つである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
植物の健康を促進するための方法であって、
請求項1~19のいずれか一項に記載の組成物を前記植物に適用することと、
前記フィルム形成剤のために前記組成物から前記液体担体の少なくとも一部分を除去して、非水和状態にあるときに酸素に対して実質的に不透過性である前記植物上のフィルムを形成することと、を含む、方法。
【請求項21】
前記組成物から前記液体担体の少なくとも一部分を除去することが、低湿度環境に前記植物を曝露すること、熱に前記植物を曝露すること、流れまたは空気、不活性ガスまたは窒素に前記植物を曝露すること、および前記組成物を前記植物上で自然に乾燥させることのうちの少なくとも1つを含む、請求項20記載の方法。
【国際調査報告】