(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】複数の画素および副画素を含む表面実装部品
(51)【国際特許分類】
G09F 9/33 20060101AFI20230606BHJP
G09F 9/302 20060101ALI20230606BHJP
G09F 9/00 20060101ALI20230606BHJP
G09F 9/30 20060101ALI20230606BHJP
H01L 33/62 20100101ALI20230606BHJP
【FI】
G09F9/33
G09F9/302 C
G09F9/00 338
G09F9/30 309
H01L33/62
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022562791
(86)(22)【出願日】2021-04-21
(85)【翻訳文提出日】2022-10-13
(86)【国際出願番号】 US2021028310
(87)【国際公開番号】W WO2021216645
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522402450
【氏名又は名称】エイチツーヴィアール ホールドコ,インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】H2VR HoldCo,Inc.
【住所又は居所原語表記】340 S.Lemon Avenue, Walnut, CA 91789 United States of America
(74)【代理人】
【識別番号】100136319
【氏名又は名称】北原 宏修
(74)【代理人】
【識別番号】100143498
【氏名又は名称】中西 健
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ホックマン
【テーマコード(参考)】
5C094
5F142
5G435
【Fターム(参考)】
5C094AA31
5C094BA23
5C094CA20
5C094CA24
5C094JA08
5F142AA82
5F142AA86
5F142BA32
5F142CB14
5F142CB23
5F142CD02
5F142CD18
5F142CD47
5F142CF13
5F142CF26
5F142CG04
5F142CG05
5F142CG23
5F142EA34
5F142GA02
5G435AA14
5G435BB04
5G435KK05
5G435LL07
(57)【要約】
多色画素および白色画素を形成する発光体のアレイから構成される発光表面実装部品およびそのその製造方法が開示され、多色画素は、アレイにおける白色画素と少なくとも実質的に同じ全体的な画素の高さおよび幅を有する。これにより、視覚的均一性が向上する。基板に表面実装されたLEDなどの発光体を画素が備え、マイクロアレイが形成される。マイクロアレイは、容易に修復可能な発光体タイルに組み立てられ得て、発光体タイルは、複数タイルビデオディスプレイに組み立てられ得る。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する画素の1組の多色発光体の合算の高さと幅とに少なくとも実質的に等しいサイズの高さと幅とを有する少なくとも1つの白色発光体を含む自発光画素のマイクロアレイを備え、
前記マイクロアレイは、少なくとも2つの水平画素と2つの垂直画素とを備える、
発光表面実装部品。
【請求項2】
少なくとも2つの前記画素はそれぞれ、前記1つの白色発光体を備え、
少なくとも2つの前記画素はそれぞれ、1組の副画素を形成する前記多色発光体を備える、
請求項1に記載の発光表面実装部品。
【請求項3】
マイクロアレイ基板をさらに備え、
前記マイクロアレイ基板は、前記マイクロアレイ基板に表面実装される前記発光体それぞれを有する、
請求項1または2に記載の発光表面実装部品。
【請求項4】
前記多色発光体がそれぞれ直接接合されたマイクロアレイ基板と、
白色発光体基板とをさらに備え、
前記白色発光体基板は、前記白色発光体基板に直接接合された前記白色発光体を有し、
前記白色発光体基板は、前記マイクロアレイ基板に直接接合されている、
請求項1または2に記載の発光表面実装部品。
【請求項5】
前記白色発光体は、白色LEDを備え、
前記多色発光体は、1組の赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDを備える、
前記請求項のいずれかに記載の発光表面実装部品。
【請求項6】
赤色LED、緑色LEDならびに青色LEDのそれぞれ1つから形成される第1の画素、および、単一の白色LEDからなる第2の画素からなる1行と、
単一の白色LEDから形成される第1の画素、および、赤色LED、緑色LEDならびに青色LEDのそれぞれ1つから形成される第2の画素からなる別の行と
を有する2×2画素マイクロアレイを備える
発光表面実装部品。
【請求項7】
前記画素はそれぞれ、少なくとも実質的に同じ全高および全幅を有する、
請求項6に記載の発光表面実装部品。
【請求項8】
各画素の前記全高および前記全幅は、前記マイクロアレイにおける他の画素それぞれの前記全高および前記全幅の約1%~20%を超えないように変化する、
請求項1から5および7のいずれか1項に記載の発光表面実装部品。
【請求項9】
各画素の前記全高および前記全幅は、前記マイクロアレイにおける他の画素それぞれの全高および全幅の約5%~10%を超えないように変化する、
請求項8に記載の発光表面実装部品。
【請求項10】
前記部品は、BGAパッケージ、QFNパッケージまたはPLCCパッケージのうちの1つとして構成される、
前記請求項のいずれかに記載の発光表面実装部品。
【請求項11】
前記発光表面実装部品は、5mm×5mm以下である、
前記請求項のいずれかに記載の発光表面実装部品。
【請求項12】
前記マイクロアレイ基板上の発光体またはLEDを覆う光透過性封止層をさらに備える、
前記請求項のいずれかに記載の発光表面実装部品。
【請求項13】
前記請求項のいずれかに記載の発光表面実装部品のアレイを備える、
発光タイル。
【請求項14】
請求項13に記載の発光タイルのアレイを備える、
ビデオディスプレイウォール。
【請求項15】
それぞれが複数の異なる色の発光体を含むと共に全体の高さおよび幅を有する複数の多色画素を構成することと、
前記多色画素をマイクロアレイ基板に表面実装することと、
前記多色画素それぞれの前記高さおよび前記幅と実質的に同じ全体の高さおよび幅を有する複数の白色発光体を構成することと、
前記白色発光体を前記多色画素に隣接して前記マイクロアレイ基板に表面実装し、前記多色画素および白色画素が交互になるマイクロアレイを形成することと
を備える、
発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項16】
前記白色発光体を表面実装することは、まず、前記白色発光体を個々の基板に表面実装することと、その後、前記白色発光体を有する前記個々の基板を前記マイクロアレイ基板に個別に表面実装することとを備える、
請求項15に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項17】
前記発光体を前記マイクロアレイ基板に表面実装した後に、前記発光体を光透過性保護層で封止することをさらに備える、
請求項15または16に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項18】
前記発光体は、前記マイクロアレイが5mm×5mm以下であるように構成される、
請求項15、16または17に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項19】
前記発光体は、LED、OLED、PLED、AMOLED、LCDまたはLECのうちの少なくとも1つを備える、
前記請求項のいずれかに記載の発光表面実装部品または発光マイクロアレイ製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願データ
本出願は、2020年4月21日に出願された「少なくとも赤、緑、青および白の複数の画素および副画素を含む表面実装部品(SMD)」という名称の米国仮特許出願第63/012,984号の優先権の利益を主張し、その全体は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
本開示は、概して、LEDパッケージの分野に関する。特に、本開示は、少なくとも赤、緑、青および白の複数の画素および副画素を含む表面実装部品(SMD)の実施形態を対象とする。
【背景技術】
【0003】
光源として発光ダイオード(LED)を使用するビデオディスプレイは、解像度が増加して画素間の間隔が小さくなると、大きな課題を有する。加えて、小さくなった間隔による物理的な課題があるだけでなく、小さい間隔は、モジュール式タイルが互いに隣接するときにも問題を引き起こし、設置中における物理的損傷の可能性が高くなる。ディスプレイモジュールの堅牢性および修復性は重要であるが、これらの2つの属性は、多くの場合、互いにトレードオフである。
【0004】
ディスプレイを最終的に修復可能にするために、LEDアレイを有する各回路基板は、単一の画素(または偶数の副画素)のSMD_LEDパッケージから構成される。一例では、回路基板上の100×100画素のアレイにおいて、100×100のRGB_SMD_LEDを利用することができる。これにより、アレイの残りの部分に影響を及ぼすことなく、単一の損傷した画素を交換することができる。極端な例では、各画素が、赤、緑および青それぞれの少なくとも1つで構成されていると仮定すると、300×300の個々の副画素SMDがアレイに使用され得る。たとえ単一の副画素が損傷したとしても、他の副画素に影響を及ぼすことなく、損傷した副画素を交換することができる。これらの2つの記載された方法論は、LED産業において20年以上使用されてきた。
【0005】
ディスプレイを可能な限り堅牢にするために、LEDアレイの上部を覆うポッティングコンパウンドの行使に目を向けることが典型的である。LEDアレイは、前例のように個々のSMD画素から作ることができ、または、
図7に示されるようにダイオードチップを回路基板に直接実装するチップオンボード(COB)処理とすることができる。どちらの場合でも、セルフレベリングエポキシまたはシリコンは、アレイ全体にわたって配置され得て、アレイを頑丈かつ堅牢にする。これにより、適度な衝撃および傷に耐えることができる非常に耐久性のあるアレイの前面が実現する。しかしながら、アレイの角部および縁部は、依然として衝撃を受けやすく、衝撃が生じた場合、封止材の機械的特性により、通常、単一画素ではなくRGB画素群が損傷する。さらに、硬化接着剤である封止材の性質のために、一般的に、損傷した画素を修復することは不可能である(または、合理的に、商業的に可能ではない)。さらに、画素が実際に修復され得る場合、封止材は、明らかに再塗布されない方法で再塗布されるはずがない(すなわち、修復された表面は、アレイの残りの部分とは異なるように見える。)。これは、100×100画素アレイにおいて単一画素が損傷するとアレイ全体が使用不能になることを意味する。これは、さらに、たった1つの損傷画素により9,999個の良好な画素を廃棄する必要があることを意味する。これは、環境にとって、非常に非効率であり無駄であり有害である。これらの従来技法の別の欠点は、複数のアレイが互いに配置されて大きなディスプレイが形成されるとき、隣接するアレイの縁部が建築/建物材タイルにおけるグラウトの境界線と同様に非常に目立ち得ることである。
【0006】
画素が互い非常に密接しているディスプレイを作成する際の別の障害は、必要な数の赤、緑、青(および場合によっては白または他の副画素色)副画素をアレイでPCBに固定するためのはんだ接合に最速自動化機械でさえ非常に時間がかかることである。加えて、人間の視力よりも小さい画素ピッチを画面解像度が有するとき、各単一画素位置にすべての副画素要素を持たせることも不要となり得る。これにより、副画素色が既知のパターンで離間される網点印刷に同化することができ、ある距離から見たときに知覚可能な画像が生成される。多くのLCDまたはOLEDモニタは、副画素を非線形アレイに配置する、または、別の色を追加して画素の特別な配置を助長するかディスプレイの達成可能な色域に貢献する。
【0007】
これらの課題に照らし、特にタイル状LEDディスプレイおよび大型ビデオウォール型LEDディスプレイの作成のためのLEDタイルの作成に対する容易に構成可能かつ修復可能である柔軟な解決手段が、当技術分野において依然として必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
従来技術設計によって提示される課題に対処するために、いくつかの実施形態では、発光表面実装部品は、隣接する画素の1組の多色発光体と高さおよび幅が実質的に等しいサイズの少なくとも1つの白色発光体を有する自発光画素のマイクロアレイを含む。マイクロアレイは、少なくとも2つの水平画素および2つの垂直画素を備える。画素の少なくとも2つはそれぞれ、1つの白色発光体を備えることが好ましく、少なくとも2つの画素はそれぞれ、1組の副画素を形成する赤色/緑色/青色発光体であり得る前記多色発光体を備えることが好ましい。いくつかの代替形態では、部品は、マイクロアレイ基板に表面実装される各発光体を有するマイクロアレイ基板を備え得る。他の代替形態では、部品は、各多色発光体が直接接合されたマイクロアレイ基板と、白色発光体基板に直接接合された白色発光体を有する白色発光体基板とを備え得る。このような後者の実施形態では、白色発光体基板は、マイクロアレイ基板に直接接合され得る。
【0009】
他の実施形態では、発光表面実装部品は、「赤色LED、緑色LEDならびに青色LEDの各々1つから形成される第1の画素、および、単一の白色LEDから形成される第2の画素からなる1行」と、「単一の白色LEDから形成される第1の画素、および、赤色LED、緑色LEDならびに青色LEDの各々1つから形成される第2の画素からなる別の行」とを有する2×2画素マイクロアレイを含む。各画素は、同じ全高および全幅を有する。あるいは、OLED、PLED、AMOLED、LCDまたはLECなどの他の発光体タイプが使用される。
【0010】
開示される部品のさらなる態様および特徴は、BGAパッケージ、QFNパッケージまたはPLCCパッケージのいずれかとして任意の構成を含む。いくつかの実施形態では、光透過性封止層が発光体を覆うよう配置される。好ましい一実施形態では、上述の個々の発光表面実装部品は、5mm×5mm以下である。
【0011】
さらなる実施形態では、開示される発光表面実装部品は、タイル基板にアレイ状で構成され、発光タイルを形成する。そのような発光タイルは、他の開示される実施形態では、アレイとして組み立てられ得て、ビデオディスプレイウォールを形成する。
【0012】
また、先行技術の設計によって提示された課題は、発光マイクロアレイを作る開示された方法によって対処される。この方法は、多色発光体の組から成ると共に全体の高さおよび幅の合計rを有する複数の多色画素を構成するステップと、多色画素をマイクロアレイ基板に表面実装するステップと、各多色画素の高さおよび幅と実質的に同じ全体の高さおよび幅を有する複数の白色発光体を構成するステップと、白色発光体を多色画素に隣接してマイクロアレイ基板に表面実装し、多色画素および白色画素が交互になるマイクロアレイを形成するステップとを備え得る。いくつかの実施形態では、発光マイクロアレイを作る方法は、まず、白色発光体を個々の基板に表面実装することと、その後、白色発光体を有する個々の基板を個別にマイクロアレイ基板に表面実装することとをさらに備え得る。他の実施形態では、発光マイクロアレイを作る方法は、マイクロアレイ基板への表面実装後に、発光体を光透過性保護層で封止することをさらに備え得る。
【図面の簡単な説明】
【0013】
本開示を説明するために、図面は、本開示の1つ以上の実施形態の態様を示す。しかし、本開示は、図面に示される正確な配置および手段に限定されないことを理解されたい。
【
図1】
図1は、本開示の実施形態に係るLEDタイルの部分概略平面図である。
【
図2】
図2は、本開示の実施形態に係るマイクロアレイの概略平面図である。
【
図3】
図3は、本開示の実施形態に係るマイクロアレイの概略断面図である。
【
図4】
図4は、本開示の別の実施形態に係るマイクロアレイの概略断面図である。
【
図5】
図5は、本開示の実施形態において適用される成人の平均的視力を示す図である。
【
図6】
図6は、本明細書に開示されるマイクロアレイから構成されるタイルを利用する本開示に係るLEDディスプレイの正面図である。
【
図7】
図7は、従来技術のLEDタイルの一例の部分概略平面図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本明細書に開示される実施形態は、RGB(N)+W(赤/緑/青/(他の可能な色)+白)画素のマイクロアレイを利用し、従来の技法を使用して商業的に実行可能なものよりも多くのRGB画素の組が必要になることを抑えると共に、構成要素の故障または物理的損傷によって必要となり得る発光ダイオード(LED)アレイおよび回路基板の修復を容易にするさらに堅牢で耐久性のあるアレイを提供する。RGBおよび白色LED画素は、一般的な構成であるため、説明のために本明細書で使用されるが、本開示の原理は、RGB_LED型発光体、他種の発光体(例えば、非限定的な例として、有機発光ダイオード(OLED)、ポリマー発光ダイオード(PLED)、アクティブマトリクス式発光ダイオード(AMOLED)、液晶ディスプレイ(LCD)または発光電気化学セル(LEC))、または、他の多色画素結合体(例えば、非限定的な例として、RGBY、RGBM、RGBCまたはRGBYCなどの4つまたは5つの色を有する多原色画素)であろうと多色画素を使用する任意の種類の発光体に等しく適用可能である。したがって、本開示および添付の特許請求の範囲の範囲は、例示的なRGB LEDの例に限定されない。
【0015】
図1は、本開示の一実施形態に係るタイル100の一部を示す。タイル100は、適切な一次タイル基板104上に実装されたマイクロアレイ102のアレイを備え、一次タイル基板104は、例えば、プリント回路基板(PCB)または他の適切な基板であり得る。一次タイル基板104に適した基板の例としては、FR4などの標準的なPCB材料、フレキシブル回路材料または箔、導電性布地、導電性ガラス、または、金属回路板が含まれる。タイル基板104の縁部に沿った矢印XおよびYによって示されるように、タイル100は、必要に応じてX、Y方向それぞれに延び得て、特定の用途のための所望のタイルサイズを形成する。例えば、タイルサイズは、マイクロアレイ102の10×10アレイ、または、100×100アレイ、または、その中間またはそれより小さいまたはそれより大きい任意のサイズを備え得る。より大きいタイルアレイ100の縁部に配置されたマイクロアレイ102の場合、タイル基板104の縁部までの間隔は、隣接するマイクロアレイ102間の間隔の半分となり、複数のタイル100が隣接してビデオパネルを形成する際に視覚的に連続的な外観が提供されることに留意されたい。さらなる間隔の考慮事項は、以下に論じられる。
【0016】
個々のマイクロアレイ102の実施形態の詳細は、
図2、
図3および
図4に示す。
図2に示されるように、マイクロアレイ基板106は、4つの画素を形成する(言い換えれば、単一のマイクロアレイ102を構成する2×2画素アレイを形成する)8つのLEDを実装している。この例では、2つの画素は、赤色LED110、緑色LED112、青色LED114をそれぞれ1つずつ備え、2つの画素は、単一の白色LED116を備える。一実施形態では、LED110、112、114および116の各々は、
図3に示されるように、基板106に直接接合される。別の実施形態では、
図4に示されるように、RGB_LED110、112および114は、基板106に直接接合されるが、W_LED116は、別の基板120上に形成されてから基板106に接合される。例えば、W LED116は、後述するように、小さな青色発光体(型)を有するSMDパッケージとしてそれ自体形成され得て、LED116の指定領域の全体または実質的に全体を覆う蛍光体などの照明物質を励起し、適切なサイズの白色照明領域を提供する。さらに別の実施形態では、RGB_LED110、112および114自体は、別の基板に表面実装されてから基板106に接合される。基板106は、FR4材料または同様の材料から作られる標準的なPCB自体を備え得るか、サファイア、シリコン、炭化ケイ素または窒化ガリウムなどのウェーハ基板材料であり得る。当技術分野で一般に知られているように、基板106は、例えば、セラミック層122、金属相互接続層124、および、熱パッドおよびカソードなどの要素を備える下層126を含む複数の層を備え得る。
【0017】
本明細書に開示される実施形態の別の利点では、マイクロアレイは、
図3に示されるように、LEDを覆う光透過性保護封止層128で個々に封止され得る。封止層128のための材料の例としては、シリコンもしくはエポキシ樹脂/封止化合物、または、パリレン、パラキシレン、アクリル、シリコン、ポリウレタンもしくはラッカーなどの絶縁コーティング剤が挙げられる。さらに、レンズ130、例えばエポキシまたはシリコンレンズは、
図4に示されるように、マイクロアレイ全体を覆うようにまたは個々の発光体もしくは発光体群を覆うように任意に配置され得る。いくつかの実施形態では、封止層128は、レンズ130と一緒に使用され得る。
【0018】
本明細書に記載される実施形態は、特定の用途に最適であり得るため、様々な種類の表面実装パッケージングにもちろん適している。例えば、本明細書に開示される実施形態は、ボールグリッドアレイ(BGA)パッケージ、クワッドフラットノーリード(QFN)パッケージなどの様々な種類のフラットノーリードパッケージ、または、プラスチックリードチップキャリア(PLCC)パッケージなどの様々なチップキャリアパッケージとして提供され得る。
【0019】
本明細書に開示される実施形態の1つの特徴は、白色LED116のサイズすなわち全体の外形(高さおよび幅)寸法が、RGB_LED110、112および114の合算のサイズ(合算の高さおよび幅)と少なくとも実質的に同じであり、すべての照明条件において滑らかで一貫した視覚的外観が提供されることである。これは、様々な実施形態では、多色画素の合算の高さおよび合算の幅と、白色画素の高さおよび幅とは、同一ではないとしても約1%から約20%を超えないように互いに変化することを意味する。(プラス/マイナス0%以内ではサイズが同じになる)。いくつかの実施形態では、多色画素の合算の高さおよび合算の幅は、白色画素の高さおよび幅の約5%から約10%以内である。
【0020】
マイクロアレイ102の間隔およびサイズは、観察者の視力に基づき得る。成人の典型的な視力は、
図5に示されるように、視覚1分または約2画素/度である。一般に、マイクロアレイサイズは、観察者がマイクロアレイの境界を知覚しないように選択されるべきである。マイクロアレイ102のサイズ決定において考慮されるべきパラメータは、耐久性および堅牢性の改善をもたらすのに十分に大きいがPCB上のアレイを修復できるほど小さいアレイサイズを含む。
【0021】
図5に反映されるように、観察者から画面までの距離は理想的なアレイサイズに対して直接相関するが、一般に、画素ピッチもこの距離に基づいて選択される。一例では、100×100画素アレイは、マイクロアレイサイズが5mm×5mmを超える必要がないように、副画素および2×2アレイと同じくらい小さく16×16アレイと同じくらい大きい画素を有するマイクロアレイ102のアレイを使用して本開示に従って形成され得る。2×2マイクロアレイの場合、SMDの設置面積は、単一のRGB SMD画素よりも4倍堅牢であるが、商業的に不合理であることなくアレイを修復するために置き換えることができるほど十分に小さい。また、それは、観察者が非常に大きなアレイで物理的パターンまたは分割を見ることができない(言い換えれば、非常に大きなディスプレイの前面の「テクスチャ」が均一に見える)ような視力内にあるほど十分に小さい。
【0022】
一例では、マイクロアレイ102の寸法は、約5mm以下×5mm以下であり得る。5×5mmのマイクロアレイでは、いくつかの実施形態において、個々の画素サイズは、約2×2mm~約2.4×2.4mmの範囲であり得る。実例として、白色LED116は、6504ケルビンまたは2700ケルビンLEDを備え得る。本明細書に開示される実施形態のさらなる特徴は、
図3に示されるように、各マイクロアレイ102が個々に封止され得ることである。したがって、1つのマイクロアレイ上でLEDが故障した場合、その特定のマイクロアレイを交換する必要があるだけである。そして、封止層におけるあらゆる変化が各マイクロアレイ内で収まるので、交換されたマイクロアレイによって既存のマイクロアレイにより均一な外観が提供される。また、単一のLEDの故障時には、単一のマイクロアレイ、例えば一実施形態におけるちょうど8個のLEDの交換だけが必要であるため、従来の設計と比較してはるかに効率的で無駄が少なくなる。
【0023】
図6は、本明細書に開示されるマイクロアレイ102から構成されるビデオディスプレイまたはビデオディスプレイの一部の一例を示す。この実施形態では、ビデオディスプレイ140は、タイル100のアレイを備え、各タイルは、マイクロアレイ102のアレイから構成される。この例では、説明の目的のためだけに、各々が16個のマイクロアレイ102を含む6個のタイル100が示されている。典型的な現実世界での装置は、当業者によって理解されるようにはるかに大きいアレイを備えるであろう。
【0024】
上記のアレイサイズに加えて、上記で説明したように、本明細書で開示する実施形態は、画素のための単純なRGBの組を利用しない。白色画素116が、1組のRGBの代わりに少なくとも1つの色温度で追加される。言い換えれば、別の副画素色を追加して副画素間隔をさらに減少させようとする代わりに、本開示の実施形態では、より少ない成分であるが異なる色で3つの副画素が置き換えられる。これにより、効率化の達成が促進され、ビデオディスプレイのための均一な平面領域白色点がもたらされ得る。
【0025】
本明細書に開示される実施形態は、
・隣接する画素の1組の赤/緑/青発光体と面積が実質的に等しいサイズの少なくとも1つの白色発光体を含む自発光画素のマイクロアレイを備え、アレイは少なくとも2つの水平画素および2つの垂直画素を有する表面実装部品
・複数の画素と、少なくとも赤、緑、青および白の副画素とを含む表面実装部品
・表面実装技術処理で使用するように構成される表面実装部品
・RGB+W発光体のマイクロアレイを備え、マイクロアレイが5mm×5mm以下である表面実装部品
を含む。
【0026】
以上は、本開示の例示的な実施形態の詳細な説明である。本明細書および本明細書に添付される特許請求の範囲では、「X、YおよびZの少なくとも1つ」および「X、YおよびZの1つ以上」という語句で使用されるような接続用語は、特に明記または別段の指示がない限り、接続リスト中の各項目がリスト中の他のすべての項目を除く任意の数で、または、接続リスト中の任意のまたはすべての他の項目と組み合わせた任意の数で存在し得て、そのそれぞれも任意の数で存在し得ることを意味することに留意されたい。この一般的なルールを適用するに当たって、接続リストがX、YおよびZを構成する前述の例における接続語句は、「1つ以上のX、1つ以上のY、1つ以上のZ、1つ以上のXおよび1つ以上のY、1つ以上のYおよび1つ以上のZ、1つ以上のXおよび1つ以上のZ、1つ以上のXおよび1つ以上のYおよび1つ以上のZ」の各々を包含するものとする。
【0027】
本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、様々な修正および追加を行うことができる。上述の様々な実施形態の各特徴は、他の説明された実施形態の特徴と必要に応じて組み合わされ得て、関連する新たな実施形態において多数の特徴の組み合わせを提供する。さらに、上記ではいくつかの別個の実施形態が説明されているが、本明細書で説明したことは、本開示の原理の適用を単に例示するものである。さらに、本明細書の特定の方法は、特定の順序で実行されるものとして図示および/または説明され得るが、順序は通常技量内で非常に可変であり、本開示の態様が達成される。したがって、この説明は、例としてのみ解釈されることを意図し、本開示の範囲を限定することを意図しない。
【0028】
代表的な実施形態が、上で開示されて添付の図面の中で示された。本開示の趣旨および範囲から逸脱することなく、本明細書に具体的に開示されるものに様々な変更、省略および追加が行われ得ることが当業者には理解されよう。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-22
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
隣接する画素の1組の多色発光体の合算の高さと幅とに少なくとも実質的に等しいサイズの高さと幅とを有する少なくとも1つの白色発光体を含む自発光画素のマイクロアレイを備え、
前記マイクロアレイは、少なくとも2つの水平画素と
少なくとも2つの垂直画素とを備える、
発光表面実装部品。
【請求項2】
少なくとも2つの前記水平画素および少なくとも2つの前記垂直画素から形成される少なくとも4つの画素のうち少なくとも2つの画素は、前記1つの白色発光体を備え、
少なくとも4つの前記画素のうち少なくとも2つの画素は、1組の副画素を形成する前記多色発光体を備える、
請求項1に記載の発光表面実装部品。
【請求項3】
マイクロアレイ基板をさらに備え、
前記マイクロアレイ基板は、前記マイクロアレイ基板に表面実装される
前記多色発光体および前記白色発光体を有する、
請求項1または2に記載の発光表面実装部品。
【請求項4】
前記多色発光体がそれぞれ直接接合されたマイクロアレイ基板と、
白色発光体基板とをさらに備え、
前記白色発光体基板は、前記白色発光体基板に直接接合された前記白色発光体を有し、
前記白色発光体基板は、前記マイクロアレイ基板に直接接合されている、
請求項1または2に記載の発光表面実装部品。
【請求項5】
前記白色発光体は、白色LEDを備え、
前記多色発光体は、1組の赤色LED、緑色LEDおよび青色LEDを備える、
請求項1から4のいずれか1項に記載の発光表面実装部品。
【請求項6】
赤色LED、緑色LEDならびに青色LEDのそれぞれ1つから形成される第1の画素、および、単一の白色LEDからなる第2の画素からなる1行と、
単一の白色LEDから形成される第1の画素、および、赤色LED、緑色LEDならびに青色LEDのそれぞれ1つから形成される第2の画素からなる別の行と
を有する2×2画素マイクロアレイを備える
発光表面実装部品。
【請求項7】
前記1行の前記第1の画素、前記1行の前記第2の画素、前記別の行の前記第1の画素および前記別の行の前記第2の画素は、少なくとも実質的に同じ全高および全幅を有する、
請求項6に記載の発光表面実装部品。
【請求項8】
各画素の前記全高および前記全幅は、前記マイクロアレイにおける他の画素それぞれの前記全高および前記全幅の約1%~20%を超えないように変化する、
請求項1から5および7のいずれか1項に記載の発光表面実装部品。
【請求項9】
各画素の前記全高および前記全幅は、前記マイクロアレイにおける他の画素それぞれの全高および全幅の約5%~10%を超えないように変化する、
請求項8に記載の発光表面実装部品。
【請求項10】
前記
発光表面実装部品は、BGAパッケージ、QFNパッケージまたはPLCCパッケージのうちの1つとして構成される、
請求項1から9のいずれか1項に記載の発光表面実装部品。
【請求項11】
前記発光表面実装部品は、5mm×5mm以下である、
請求項1から10のいずれか1項に記載の発光表面実装部品。
【請求項12】
前記マイクロアレイ基板上の発光体またはLEDを覆う光透過性封止層をさらに備える、
請求項1から11のいずれか1項に記載の発光表面実装部品。
【請求項13】
請求項1から12のいずれか1項に記載の発光表面実装部品のアレイを備える、
発光タイル。
【請求項14】
請求項13に記載の発光タイルのアレイを備える、
ビデオディスプレイウォール。
【請求項15】
それぞれが複数の異なる色の発光体を含むと共に全体の高さおよび幅を有する複数の多色画素を構成することと、
前記多色画素をマイクロアレイ基板に表面実装することと、
前記多色画素それぞれの前記高さおよび前記幅と実質的に同じ全体の高さおよび幅を有する複数の白色発光体を構成することと、
前記白色発光体を前記多色画素に隣接して前記マイクロアレイ基板に表面実装し、前記多色画素および白色画素が交互になるマイクロアレイを形成することと
を備える、
発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項16】
前記白色発光体を表面実装することは、まず、前記白色発光体を個々の基板に表面実装することと、その後、前記白色発光体を有する前記個々の基板を前記マイクロアレイ基板に個別に表面実装することとを備える、
請求項15に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項17】
前記異なる色の発光体および前記白色発光体を前記マイクロアレイ基板に表面実装した後に、
前記異なる色の発光体および前記白色発光体を光透過性保護層で封止することをさらに備える、
請求項15または16に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項18】
前記異なる色の発光体および前記白色発光体は、前記マイクロアレイが5mm×5mm以下であるように構成される、
請求項15、16または17に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【請求項19】
前記多色発光体および前記白色発光体は、LED、OLED、PLED、AMOLED、LCDまたはLECのうちの少なくとも1つを備える、
請求項1から5のいずれか1項に記載の発光表面実装部
品。
【請求項20】
前記異なる色の発光体および前記白色発光体は、LED、OLED、PLED、AMOLED、LCDまたはLECのうちの少なくとも1つを備える、
請求項15から18のいずれか1項に記載の発光マイクロアレイ製造方法。
【国際調査報告】