(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てるための設備および方法
(51)【国際特許分類】
A24F 40/70 20200101AFI20230606BHJP
A24F 40/44 20200101ALI20230606BHJP
A24F 40/46 20200101ALI20230606BHJP
【FI】
A24F40/70
A24F40/44
A24F40/46
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022562795
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-10-14
(86)【国際出願番号】 EP2021060752
(87)【国際公開番号】W WO2021214331
(87)【国際公開日】2021-10-28
(32)【優先日】2020-04-23
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(72)【発明者】
【氏名】ガン クレイグ
(72)【発明者】
【氏名】ネルソン グレゴリー エル
(72)【発明者】
【氏名】パティル ビピン
(72)【発明者】
【氏名】サンダー ランガラジ エス
【テーマコード(参考)】
4B162
【Fターム(参考)】
4B162AA03
4B162AA06
4B162AA22
4B162AB01
4B162AB12
4B162AB14
4B162AC18
4B162AC22
4B162AE06
(57)【要約】
ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てるための設備(10)は、基部(14)、ウィックフィード(234)、スライド(22)、およびホルダー(30)を含む。ウィックフィード(234)は、基部(14)に向かって延び、また毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように構造化されたウィックを受容するように構成されたチャネル(242)を画定する。スライド(22)は、基部(14)の上面上の平面に沿って移動するように構成される。ホルダー(30)は、基部(14)の上面上に配置される。
【選択図】
図1A
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てるための設備であって、
基部と、
前記基部に向かって延び、かつ毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように構造化されたウィックを受容するように構成されたチャネルを画定する、ウィックフィードと、
前記基部の上面上の平面に沿って移動するように構成された、スライドと、
前記基部の前記上面上に配置されたホルダーと、を備える、設備。
【請求項2】
前記ウィックを前記チャネル内に保持するための、前記ウィックフィードと平行に、かつ隣接して延びるウィックリテーナーをさらに備える、請求項1に記載の設備。
【請求項3】
前記スライドの上面に沿って摺動して前記ウィックを切断するように構成されたブレードを有する、カッターをさらに備える、請求項1または2に記載の設備。
【請求項4】
前記ウィックフィードが、前記基部に対して回転するように構成される、請求項1、2、または3に記載の設備。
【請求項5】
前記基部に固定されたブロックをさらに備え、
前記ウィックフィードが、前記ブロックに回転可能に取り付けられ、かつ前記ブロックによって支持される、請求項1~4のいずれか一項に記載の設備。
【請求項6】
前記ホルダーが、前記ヒーター組立品の支持体をその中に受容するように構成され、前記ホルダーが、前記ウィックを挿入するために、前記基部に対して前記支持体を固定するように構成される、請求項1~5のいずれか一項に記載の設備。
【請求項7】
前記ウィックフィード内の前記チャネルが、前記支持体上のヒーターと整列するように前記ウィックを案内するように構成される、請求項6に記載の設備。
【請求項8】
前記ウィックフィードが前記基部に対して直角に延びる、請求項1~7のいずれか一項に記載の設備。
【請求項9】
前記ホルダーが、前記ヒーター組立品の支持体と係合し、かつ前記支持体を前記ホルダー内に保持するように構成された係止フィンガーを含む、請求項1~8のいずれか一項に記載の設備。
【請求項10】
前記ホルダーが、前記ヒーター組立品の支持体を固定するように構成され、前記スライドが、前記基部の前記上面に対して直角な前面を含み、かつ前記スライドが、前記支持体上のヒーターのフィンガーと接触して、前記ウィックを圧縮するように、前記フィンガーを垂直位置へと動かすように構成される、請求項1~9のいずれか一項に記載の設備。
【請求項11】
前記ウィックフィードが、プレートおよびリテーナーを含み、前記プレートが前記基部に対して直角に配置され、かつ前記チャネルを画定し、また前記リテーナーが前記基部に対して直角に、かつ前記プレートに隣接して配置され、前記リテーナーおよび前記プレートが、前記ウィックを案内するためのスロットを画定する、請求項1~10のいずれか一項に記載の設備。
【請求項12】
前記基部に固定されたブロックをさらに備え、
前記プレートが前記ブロックに回転可能に取り付けられ、かつ前記ブロックによって支持される、請求項11に記載の設備。
【請求項13】
前記リテーナーが、前記プレートに固定され、これにより前記リテーナーおよび前記プレートが前記基部および前記ブロックに対して回転するように構成される、請求項12に記載の設備。
【請求項14】
前記ホルダーが、前記ヒーター組立品の支持体を固定し、かつ前記基部に対する前記支持体の位置を係止するように構成される、請求項1~13のいずれか一項に記載の設備。
【請求項15】
前記ホルダーが、前記支持体と係合し、かつ前記支持体を前記ホルダー内に保持するように構成された係止フィンガーを含む、請求項14に記載の設備。
【請求項16】
前記スライドの上面に沿って摺動するように構成されたブレードをさらに備える、請求項1~15のいずれか一項に記載の設備。
【請求項17】
ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てる方法であって、前記方法が、
ホルダーを用いて、基部に対して前記ヒーター組立品の支持体を固定することと、
前記基部に取り付けられたガイドプレートを用いて、前記支持体のヒーター内でウィックストリップを整列させることであって、毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように前記ウィックストリップが構造化された、整列させることと、
前記基部に対して摺動するように構成されたブレードを用いて、前記ウィックストリップの一部分を切断することと、
前記基部に対して摺動するように構成されたスライドを用いて、前記ウィックストリップの前記部分の周りに前記ヒーターの一部分を締め付けることと、
前記ホルダーを用いて、前記支持体を前記基部から解放することと、を含む、方法。
【請求項18】
前記基部に対して前記支持体を前記固定することが、前記支持体を前記ホルダー内に係止することを含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記支持体の前記ヒーター内で前記ウィックストリップを前記整列することが、前記ウィックストリップを前記ガイドプレート内のチャネルの中へと挿入することを含む、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
前記支持体の前記ヒーター内で前記ウィックストリップを前記整列することが、前記ガイドプレート内のチャネルおよび前記ガイドプレートに固定されたリテーナープレートによって画定される間隙の中へと前記ウィックストリップを挿入することを含む、請求項17、18または19に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品の調製および組み立てに使用される設備に関する。
【背景技術】
【0002】
ニコチン電子ベイピング装置またはニコチンeベイピング装置は、ニコチンプレベイパー製剤を気化してニコチンベイパーを生成する発熱体を含む。
【0003】
ニコチンeベイピング装置は、装置内に配設された電源(再充電可能電池など)を含む。電源はヒーターに電気的に接続される。電源は、ヒーターがニコチンプレベイパー製剤をニコチンベイパーへと変換するために十分な温度まで加熱するように、ヒーターに電力を提供する。ニコチンベイパーは、少なくとも一つの出口を含むマウスピースを通して、ニコチンeベイピング装置を出る。
【0004】
このセクションは、本開示の一般的な概要を提供するものであり、その全範囲またはその特徴すべての包括的な開示ではない。
【発明の概要】
【0005】
少なくとも一つの例示の実施形態は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てるための設備に関し、基部、ウィックフィード、スライド、およびホルダーを含む。ウィックフィードは基部に向かって延び、そして毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように構造化されたウィックを受容するように構成されたチャネルを画定する。スライドは、基部の上面上の平面に沿って移動するように構成される。ホルダーは、基部の上面上に配置される。
【0006】
例示の設備は、ウィックをチャネル内に保持するために、ウィックフィードに平行に、かつ隣接して延びるウィックリテーナーを含んでもよい。
【0007】
例示の設備は、ウィックを切断するためにスライドの上面に沿って摺動するように構成されたブレードを有するカッターを含んでもよい。
【0008】
例示の設備内のウィックフィードは、基部に対して回転するように構成されてもよい。
【0009】
例示的な設備は、基部に固定されたブロックを含んでもよい。ウィックフィードは、ブロックに回転可能に取り付けられ、かつブロックによって支持されてもよい。
【0010】
例示の設備のホルダーは、その中にヒーター組立品の支持体を受容するように構成されてもよく、ホルダーは、ウィックを挿入するための基部に対して支持体を固定するように構成される。
【0011】
例示の設備のウィックフィード内のチャネルは、支持体上のヒーターと整列するようウィックを案内するように構成されてもよい。
【0012】
例示の設備のウィックフィードは、基部に対して直角に延びてもよい。
【0013】
例示の設備のホルダーは、ヒーター組立品の支持体を係合し、かつ支持体をホルダー内に保持するように構成された係止フィンガーを含んでもよい。
【0014】
例示の設備のホルダーは、ヒーター組立品の支持体を固定するように構成されてもよい。スライドは、基部の上面に対して直角な前面を含んでもよい。スライドは、支持体上のヒーターのフィンガーと接触して、ウィックを圧縮するようにフィンガーを垂直位置へと動かすように構成されてもよい。
【0015】
例示の設備のウィックフィードは、プレートおよびリテーナーを含んでもよい。プレートは、基部に対して直角に配置されてもよく、またチャネルを画定してもよい。リテーナーは、基部に対して直角に、かつプレートに隣接して配置されてもよい。リテーナーおよびプレートは、ウィックを案内するためのスロットを画定してもよい。
【0016】
例示の設備は、基部に固定されたブロックを含んでもよい。プレートは、ブロックに対して回転可能に取り付けられ、かつブロックによって支持されてもよい。
【0017】
例示の設備のリテーナーは、プレートに固定されてもよく、これによりリテーナーおよびプレートは、基部およびブロックに対して回転するように構成される。
【0018】
例示の設備のホルダーは、ヒーター組立品の支持体を固定し、かつ基部に対する支持体の位置を係止するように構成されてもよい。
【0019】
例示の設備のホルダーは、支持体を係合し、かつ支持体をホルダー内に保持するように構成された係止フィンガーを含んでもよい。
【0020】
例示の設備は、スライドの上面に沿って摺動するように構成されたブレードを含んでもよい。
【0021】
少なくとも一つの例示の実施形態は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てる方法に関し、そしてホルダーを用いて、ヒーター組立品の支持体を基部に対して固定することと、基部へと取り付けられたガイドプレートを用いて、支持体のヒーター内のウィックストリップを整列することであって、ウィックストリップが毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように構造化されることと、基部に対して摺動するように構成されたブレードを用いて、ウィックストリップの一部分を切断することと、基部に対して摺動するように構成されたスライドを用いて、ヒーターの一部分をウィックストリップの部分の周りに締め付けることと、ホルダーを用いて、支持体を基部から解放することと、を含む。
【0022】
例示の方法の基部に対して支持体を固定することは、支持体をホルダー内に係止することを含んでもよい。
【0023】
例示の方法の支持体のヒーター内でウィックストリップを整列することは、ウィックストリップをガイドプレート内のチャネルの中へと挿入することを含んでもよい。
【0024】
支持体のヒーター内でウィックストリップを整列することは、ガイドプレート内のチャネルと、ガイドプレートに固定されたリテーナープレートとによって画定される間隙の中へとウィックストリップを挿入することを含んでもよい。
【0025】
本明細書で提供される記述から、適用可能なさらなる分野が明らかになるであろう。この概要での記述および具体的な実施例は、例証の目的のみを意図しており、また本開示の範囲を限定することは意図していない。
【0026】
本明細書の非限定的な実施形態の様々な特徴および利点は、詳細な記述を添付の図面と併せて検討すると、より明らかになる場合がある。添付の図面は単に例証的な目的のために提供され、また「特許請求の範囲」の範囲を限定するものと解釈されるべきではない。添付の図面は、明記されていない限り、実寸に比例して描かれているとは考えられない。明瞭化の目的で、図面の様々な寸法は誇張されている場合がある。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【
図1A】
図1Aは、少なくとも一つの例示の実施形態による、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てるための設備または器具の前方斜視図である。
【
図2A】
図2Aは、
図1Aに示す設備の組み立てられた基部およびガイドの例示の実施形態の斜視図である。
【
図3】
図3は、
図1Aに示す設備の基部の例示の実施形態の斜視図である。
【
図4A】
図4Aは、
図1Aに示す設備の組み立てられた基部およびスライドの例示の実施形態の斜視図である。
【
図5】
図5は、
図1Aに示す設備の、ガイドを取り外した状態での例示の実施形態の斜視図である。
【
図6】
図6は、
図1Aに示す設備の、ガイド、ウィックフィード、およびウィックリテーナーを取り外した状態での例示の実施形態の斜視図である。
【
図8B】
図8Bは、
図8Aに示す器具組立品のブロックおよびばねの例示の実施形態の前方斜視図である。
【
図10】
図10は、
図1Aに示す設備とともに使用されるカッターの例示の実施形態の斜視図である。
【
図11】
図11は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を調製および組み立てる方法の少なくとも一つの例示の実施形態に対するフローチャートである。
【
図12】
図12は、ウィックシートの例示の実施形態の上面図である。
【
図13】
図13は、
図1Aに示す設備とともに使用されるスライシングガイドの例示の実施形態の上面図である。
【
図14】
図14は、
図13に示すスライシングガイドとともに使用するブレードの例示の実施形態の上面図である。
【
図15A】
図15Aは、
図13に示すスライシングガイドおよび
図14に示すブレードを使用してウィックシートをスライシングする方法の例示の実施形態を例証する。
【
図15B】
図15Bは、
図13に示すスライシングガイドおよび
図14に示すブレードを使用してウィックシートをスライシングする方法の例示の実施形態を例証する。
【
図16A】
図16Aは、スライスされたウィックシートの例示の実施形態の上面図である。
【
図16B】
図16Bは、
図16Aに示すスライスされたウィックシートからのウィックストリップの例示の実施形態の上面図である。
【
図17B】
図17Bは、
図4Aで例証されるスライドを摺動してウィックストリップの一部分に接触する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図18】
図18は、
図10に示すカッターを使用して、チャネル内のウィックストリップから
図17Bに示すウィックストリップの一部分を切断する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図20A】
図20Aは、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品の支持体を
図7A~
図7Dに示すホルダーの中へと挿入する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図20B】
図20Bは、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品の支持体を
図7A~
図7Dに示すホルダーの中へと挿入する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図21A】
図21Aは、ウィックをニコチンポッド組立品用のヒーター組立品の中へと挿入する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図21B】
図21Bは、ウィックをニコチンポッド組立品用のヒーター組立品の中へと挿入する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図21C】
図21Cは、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品のフィンガーの間にウィックの一部分を圧縮する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図21D】
図21Dは、ウィックの一部分を切断する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図22】
図22は、
図1Aに示す設備からニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を解放する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図23】
図23は、
図1Aに示す設備からニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を解放する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図24】
図24は、
図1Aに示す設備からニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を解放する方法の例示の実施形態を例証する。
【
図25】
図25は、ニコチンポッド組立品用の組み立てられたヒーター組立品の例示の実施形態の正面図である。
【0028】
一部の詳細な例示の実施形態が本明細書で開示されている。しかしながら、本明細書に開示されている特定の構造の詳細および機能の詳細は、例示の実施形態を記述する目的のための単なる典型にすぎない。しかしながら、例示の実施形態は、数多くの代替的な形態で具体化されてもよく、また本明細書に記載の例示の実施形態のみに限定されるものと解釈されるべきではない。
【0029】
その結果、例示の実施形態は、様々な修正および代替的形態が可能である一方で、その例示の実施形態は例として図面に示されており、本明細書で詳細に記述されることになる。しかし、当然のことながら、例示の実施形態を、開示された特定の形態に限定する意図はなく、反対に、例示の実施形態は、例示の実施形態の範囲内に収まるすべての修正、均等物、および代替物を網羅する。同様の数字は、図の記述全体を通して同様の要素を指す。
【0030】
ニコチン電子ベイピング装置またはニコチンeベイピング装置は、ニコチンプレベイパー製剤を気化してニコチンベイパーを生成する発熱体を含む。ニコチンプレベイパー製剤は、ハウジングまたはニコチンポッド組立品内に封入されてもよい。ニコチン電子ベイピング装置は、装置内に配設された電源(再充電可能電池など)を含む。電源は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品へと電気的に接続される。電源は、ヒーター組立品が、ニコチンポッド組立品内のニコチンプレベイパー製剤をニコチンベイパーへと変換するのに十分な温度へと加熱するように、ヒーター組立品へと電力を提供する。ニコチンベイパーは、少なくとも一つの出口を含むマウスピースを通して、ニコチン電子ベイピング装置を出る。
【0031】
ニコチンプレベイパー製剤は、ニコチンベイパーへと変形されうる材料または材料の組み合わせである。例えば、ニコチンプレベイパー製剤は、液体、固体、またはゲル製剤を含んでもよい。これらとしては、例えば、水、油、エマルション、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、ニコチン、天然または人工風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびにベイピングのために適する場合がある任意の他の成分が挙げられてもよく、またこれらに限定されない。ベイピング中に、ニコチン電子ベイピング装置は、ニコチンプレベイパー製剤を加熱してニコチンベイパーを生成するように構成される。ニコチンベイパー、ニコチンエアロゾル、およびニコチン分散体は、互換的に使用され、また開示される装置、特許請求の範囲である装置、およびその均等物によって生成または出力される物質を指し、こうした物質はニコチンを含有する。ニコチンeベイピング装置は、電子ニコチン送達システム(ENDS)と見なされてもよい。
【0032】
図1Aおよび
図1Bは、少なくとも一つの例示の実施形態による、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を組み立てるための設備または器具の前方斜視図および後方斜視図である。設備は、本明細書に記述されるように、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を調製し、かつ組み立てるために、少なくとも一つの例示の実施形態では、
図10に例証したカッター、および少なくとも一つの例示の実施形態では、
図13および
図14に図示したスライシングガイドおよびブレードと併せて使用されてもよい。
【0033】
図1Aおよび
図1Bを参照すると、少なくとも一つの例示の実施形態では、設備または器具10は、基部14、ガイド18、スライド22、ウィックガイド26(またはニコチンウィックガイド)、ホルダー30、およびブロック34を含む。
【0034】
少なくとも一つの例示の実施形態では、基部14の詳細な例証が
図3に示される。基部14は、側壁42、46を有する長軸方向チャネル38を含んでもよい。各側壁は、長軸方向チャネル38の幅を増加する段50、54を含む。長軸方向チャネル38は、長軸方向チャネル38の基部または底部58において第一の幅W1を有してもよく、段50、54の上方の長軸方向チャネル38の上部62において第二の幅W2を有してもよく、第二の幅W2は第一の幅W1より大きい。
【0035】
図1A、
図1B、および
図3に示す例示の実施形態では、例えば、基部14は、横方向チャネル66を含んでもよく、側壁70、74は横方向チャネル66を画定する。横方向チャネル66は、長軸方向チャネル38に対して直角に延び、かつこれと交差してもよい。横方向チャネル66の側壁のうちの一方70は、段78を含んでもよく、一方で側壁のうちのもう一方74は平坦である。段78は、横方向チャネル66の幅を増加してもよい。横方向チャネル66は、横方向チャネル66の基部または底部82において第一の幅LW1を有してもよく、また段78の上方の横方向チャネル66の上部86において第二の幅LW2を有してもよく、第二の幅LW2は第一の幅LW1より大きい。
【0036】
側壁70は、ホルダー30の位置にノッチ88を含んでもよい。したがって、ノッチ88は、側壁70を二つの部分70(a)および70(b)へと分離してもよい。
【0037】
図1A、
図1B、および
図3に示す例示の実施形態では、例えば、基部14は、基部14を通して直角に延びる複数の開口90、94、98を含んでもよい。開口90は、ガイド18を基部14の上面100上に固定するための締結具(例えば、ボルト、ねじ、または他の締結具)を受容してもよい。開口94は、ホルダー30を基部14に固定するための締結具(例えば、ボルト、ねじ、または他の締結具)を受容してもよい。開口98は、ブロック34を基部14に固定するための締結具(例えば、ボルト、ねじ、または他の締結具)を受容してもよい。開口部98の間に、スロット102もまた基部14によって画定されてもよい。スロット102は、ブロック34の一部分を受容してもよい。
【0038】
基部14は、追加的に、ホルダー30を受容するための長軸方向チャネル38および開口94と整列したホルダー切り欠き部106を含んでもよい。ホルダー切り欠き部106は、ホルダー30の幅において幅に対して対応してもよく、したがって基部14上のホルダー30の組立を単純化する。
【0039】
長軸方向チャネル38と横方向チャネル66との間の交点において、支持体切り欠き部110が基部14によって画定されてもよい。支持体切り欠き部110は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品の構成要素をホルダー30に挿入するためのトラックまたはガイドを提供してもよい。支持体切り欠き部の幅SWは、長軸方向チャネル38の幅W1およびホルダー切り欠き部106の幅HCWより小さくてもよい。支持体切り欠き部110は、長軸方向チャネル38と横方向チャネル66との間の交点から、側壁70の平面を越えて、ノッチ88の中へと、かつホルダー切り欠き部106を有する基部14のセクションへと延びてもよい。
【0040】
図2Aおよび
図2Bは、
図1Aに示す設備または器具10の組み立てられた基部14およびガイド18の例示の実施形態の斜視図である。前に述べたように、ガイド18は、基部14上の開口90において基部14に固定されてもよい。ガイド18は、基部14内の開口90と整列し、かつガイド18を基部14へと固定するための締結具を受容する、対応する第一の開口114を含んでもよい。
【0041】
ガイド18は、第二の開口118、第三の開口122、およびスロット126を含んでもよい。スロット126は、基部14内のチャネル38の上方で、ガイド18の中心に沿って長軸方向に位置付けられてもよい。第二の開口118は、スロット126の各側面130、134に沿って、かつスロット126の前方端138に位置付けられてもよい。第二の開口118は、第二の開口118を通って延びるピン、ロッド、またはねじを受容して、スライド22に軽い圧力を加え、スライド22の動きがピン150の作動によって制御されることを確保してよい。第三の開口122は、スライド22の機能的移送距離を設定するためにピン、ロッド、またはねじを受容し、またガイド18の前面142の横方向の中心に位置付けられ、かつスロット126の前方端138を通って延びてもよい。
【0042】
図4Aおよび
図4Bは、
図1Aに示す設備または器具10の組み立てられた基部14およびスライド22の例示の実施形態の斜視図である。スライド22は、長軸方向チャネル38内で摺動可能である。スライド22は、プレート146およびその上面154から延びるピン150を含んでもよい。プレート146は、各段50、54の上面158、162上に置かれ、かつ摺動可能であってもよい。プレート146の前方端166は、基部14におけるノッチ88内で摺動可能な前面174を有するタブまたは突出部170を含んでもよい。
【0043】
ピン150は、プレート146に対して直角に延びてもよく、例えば、
図1Aおよび
図1Bで例証されるように、ガイド18内のスロット126の中に受容されてもよい。スロット126は、ピン150用のガイドトラックとして、そして停止部として機能してもよい。完全な前方位置では、ピン150は、スロット126の前方端138に隣接(例えば、接触)し、またスライド22上のタブ170の前面174に沿った平面は、横方向チャネル66の側壁70に沿った平面と整列する。完全な後方位置では、ピン150は、スロット126の後方端178と隣接(例えば、接触)し、またスライド22のプレート146の後面182に沿った平面は、基部14の後面186に沿った平面と整列する。
【0044】
図5を参照すると、
図1Aに示す設備または器具10の例示の実施形態の斜視図が、ガイドを取り外した状態で例証される。
図1A、
図1B、および
図5に示すように、例えば、ウィックガイド26は、ブロック34によって基部14上に固定されてもよい。以前に述べたように、ブロック34は、開口98において締結具によって、かつスロット102において、基部14に固定されてもよい。加えて、後退ばね190は、ブロック34の外側の前方面194および基部14の前方面198に固定されてもよく、前方面194に沿った平面を、前方面198に沿った平面と整列させ、そして、ブロック34の前方面194の移動を、基部14の前方面198を超えて突出することから制限する。
【0045】
ウィックガイド26は、例えば、
図1Aおよび
図8A~
図9Bに例証するように、肩付きねじ202などの締結具によってブロック34に固定されてもよい。一部の例示の実施形態では、締結具202(
図8C)は、上部206と、滑らかな部分214および螺刻された部分218を有する本体210とを含んでもよい。螺刻された部分218は、ブロック34(
図8B)内の開口222内のねじと係合してもよい。開口222は、締結具202の滑らかな部分214の一部と嵌合する大直径部分226と、かつ締結具202の螺刻した部分218と螺刻され、嵌合する小直径部分230とを有する、皿穴付き開口であってもよい。締結具202の上部206は、簡単な開口222への挿入および開口222からの取り外しのために、ローレットがけ、すり割り付き、またはローレットがけおよびすり割り付きであってもよい。
【0046】
図9Aおよび
図9Bの例示の実施形態で例証されるように、ウィックガイド26は、ウィックフィード234(またはニコチンウィックフィード)およびウィックリテーナー238(またはニコチンウィックリテイナー)を含んでもよい。ウィックフィード234は、その中に形成されるチャネルまたはスロット242を有する、プレートまたはチャネル付きプレートであってもよい。チャネル242は、ウィックフィード234の幅を横切って延びてもよく、また毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように構成されたウィックを収容するのに十分な幅であってもよい(下記でさらに詳細に考察する)。例えば、チャネル242は、0.0625インチ~1インチの範囲内、より具体的には、0.125インチ~0.5インチの範囲内の幅を有してもよい。例示の幅が提供されるが、チャネル242の幅は、毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出すように構成された様々なサイズにされたウィックに適合するように異なるサイズが設定されてもよいことが理解される。
【0047】
ウィックリテーナー238は、ウィックフィード234内のチャネル242を有するガイドまたはトラック246を画定するために、組立中にニコチンを吸い出すためのウィックがその中に挿入されるウィックフィード234と整列する(かつそれに固定される)平坦なプレートであってもよい(以下でさらに詳細に説明する)。ウィックリテーナー238は、ウィックリテーナー238をウィックフィード234へと固定するために、締結具をその中に受容する、ウィックフィード234内の開口254(
図1B)と整列する開口250を含んでもよい。開口250のうちの一つを通って延びる締結具またはピンは、ウィックフィード234を超えて延び、かつブロック34内のトラック258の中に嵌合してもよく、それによって、ウィックフィード234がブロック34に対して旋回することを可能にしてもよい。追加的に、締結具202の滑らかな部分214は、ウィックガイド26内の開口の中に受容され、ウィックガイド26がその周りに回転してもよい旋回点を提供する。
【0048】
図6~
図7Fは、
図1Aに示す設備または器具10のホルダーの例示の実施形態の詳細図を例証する。ホルダー30は、基部262、ロック266、および弾性部材270(例えば、ばね)を含んでもよい。基部262は、ニコチンポッド組立品(下記にさらに記述する)用のヒーター組立品の1本以上のフィンガー、およびロック266の部分のうちの少なくとも一つを受容するためのスロット274をさらに含んでもよい。基部262はまた、基部14内の開口94と整列し、かつホルダー30を基部14へと固定するために締結具を受容するように構成された開口278も含んでもよい。
【0049】
一部の例示の実施形態では、ロック266は、トグル282および少なくとも一つの係止フィンガー286をさらに含んでもよい。ロック266は、トグル282内の開口290において基部262に回転可能に固定されてもよい。トグル282内の開口290は、基部262内の開口294と整列して、その中にロッドまたはピンを受容してもよい。ロッドまたはピンは、トグル282がこれを中心として回転してもよい旋回点を提供してもよい。トグル282は、第一の前方位置と第二の後方位置との間でトグル282を移動させるために、組立技術員によって操作されるように構成された突出部またはレバー298を含んでもよい。第一の位置では、係止フィンガー286は、開位置または係止解除位置(下記にさらに記述される)にあってもよく、第二の位置では、係止フィンガー286は、閉位置または係止位置(下記にさらに記述される)にあってもよい。
【0050】
係止フィンガー286は、トグル282の前面302に固定されてもよく、またトグル282の回転とともに回転してもよい。一部の例示の実施形態では、3本の係止フィンガー286が、トグル282に固定されてもよい。しかしながら、任意の数の係止フィンガー286が含まれてもよいことが理解される。一部の例示の実施形態では、係止フィンガー286の各々は、長方形の本体306およびフック310を含むプレートであってもよい(
図7F)。フック310は、くぼみ314および先端部318によって画定されてもよい。
【0051】
トグル282の前面302からの反対側にあるタブ322は、弾性部材270(例えば、ばね)と接触する。弾性部材270は、本体326と、本体326から延びるタブまたは突出部330とを有する、平坦な板様のばねである。弾性部材270の本体326は、締結具(単なる例であるが、ねじまたはボルト)によって開口334において基部262に固定される。開口334は、基部262内の開口278と整列し、そして締結具を受容するように構成される。タブ330は、片持ち梁と同様に延び、そしてトグル282のタブ322と重ね合う。弾性部材270のタブ330は、係止フィンガー286が係止された閉位置に付勢されるように、トグル282を第二の後方位置に付勢するようにトグル282上に反力を提供する。
【0052】
図10は、
図1Aに示す設備または器具10とともに使用されてもよいカッター338の例示の実施形態の斜視図である。カッター338は、ブロック342およびブレード346を含む。ブレード346は、ブロック342の前面350上に位置付けられてもよい。一部の実施形態では、ブレード346は、一つ以上の締結具によってブロック342に固定されてもよい。
【0053】
カッター338は、スライド22の上面154に沿って第一の位置から第二の位置へと摺動可能であってもよい。第一の位置では、カッター338は、スライド22の上面154上で、ウィックガイド26とガイド18との間に配置されてもよい。第二の位置では、カッター338は、スライド22の上面154上で、ブレード346がホルダー30に隣接し、かつウィックガイド26の下に配置された状態で、配置されてもよい。
【0054】
依然として
図1~
図10に示す例示の実施形態を参照すると、設備または器具10およびカッター338は、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品を調製および組み立てる方法400で使用されてもよい。方法400は、404において開始してもよい。工程408において、ウィックパッド500(
図12)は、スライシングガイド504(
図13)で覆われる。例えば、スライシングガイド504は、ウィックパッド500上に設定されてもよい。
【0055】
少なくとも一つの例示の実施形態では、ウィックパッド500(またはニコチンウィックパッド)は、毛細管作用を介してニコチンプレベイパー製剤を引き出す能力を有するフィラメント(またはスレッド)を含んでもよい。例えば、ウィックパッド500は、一緒に織られたガラス(もしくはセラミック)繊維またはフィラメントのシートであってもよい。少なくとも一つの例示の実施形態では、ウィックパッド500は任意の適切な材料または材料の組み合わせを含んでもよい。適切な材料の例は、ガラス、セラミック系材料、または黒鉛系材料であってもよいが、これらに限定されない。
【0056】
ウィックパッド500は、密度、粘度、表面張力、および蒸気圧などの異なる物理的特性を有するニコチンプレベイパー製剤に対応するように、任意の適切な毛細管引き出し作用を有してもよい。毛細管引き出し作用は、接着力、凝集力、および表面張力に起因する、多孔性ウィックパッド500材料の空間内のニコチンプレベイパー製剤(例えば、ニコチンおよびその中に溶解された他の物質を有する液体)の移動である。毛細管作用は、液体の分子が、多孔性構造の内部表面に引き付けられ、かつ付着している間(付着)に、ともに密接な状態に留まる(凝集)時に生じる。特に、毛細管作用は、液体の分子が構造物の壁への付着が、分子間の凝集力よりも強いときに生じる。ニコチンプレベイパー製剤は、様々な物質(水、油、エマルション、ビーズ、溶媒、活性成分、エタノール、植物抽出物、ニコチン、天然または人工の風味、グリセリンおよびプロピレングリコールなどのベイパー形成体、ならびに前述のように、ベイピングに適する場合がある任意の他の成分など、しかしこれらに限定されない)を含む場合があるので、ニコチンプレベイパー製剤を引き出すよう構造化された吸い出し材料は、特定の製剤用に設計されてもよい。したがって、ウィックパッド500の材料は、特定のニコチンプレベイパー製剤に対する毛細管作用を促進するための異なる構造および異なる化合物のうちの少なくとも一つを有してもよい。例えば、ウィックパッド500材料内の細孔の直径、すきま空間の寸法、または細孔の直径およびすきま空間の寸法は、毛細管作用を介したニコチンプレベイパー製剤の引き出しを容易にするために、製剤の物理的特性(例えば、表面張力)および材料の物理的特性(例えば、親水性)に基づいて、適切にサイズ設定されてもよい。例えば、毛細管空間のサイズは、液体の密度が増加するにつれて増加する必要がある場合がある。追加的に、例示の実施形態では、ウィックパッド500は非導電性であってもよい。
【0057】
例示のウィックパッド500は、
図12では円形状シートとして例証されているが、ウィックパッド500は、長方形シート、正方形シート、または任意の他の形状のシートを含むように、任意の形状を取ってもよいことが理解される。
【0058】
図13に例証するように、例示のスライシングガイド504は、その厚さを貫通する一つ以上のスロットまたはチャネル508を含んでもよい。チャネル508の各々は、スライシングガイド504の長さ方向に延びてもよく、またスライシングガイド504の幅方向に整列されてもよい。チャネル508は、ウィックパッド500が切断または分割された時に等しい幅のストリップが生成されるように、幅方向で均等に広げられてもよい。
【0059】
開口512は、各チャネル508の一方の端上にあってもよい。一部の実施形態では、開口512は、チャネル508の交互の端上にあってもよい。チャネル508の端上の開口512は、ブレード516の挿入を容易にする場合がある(下記にさらに記述する)。チャネル508の交互の端上の開口512を用いて、ブレード516は、より効率的な様態で各チャネルを通して挿入され、かつスライスされてもよい。
【0060】
工程412において、ブレード516またはカミソリは、ウィックパッド500をウィックストリップ520へと切断または分割するために、スライシングガイド504内の各チャネル508を通してスライスする(
図16A)。
図14で例証される例示の実施形態では、ブレード516は、刃先522とグリップ526とを含んでもよい。刃先522は、ウィックパッド500をウィックストリップ520(またはニコチンウィックストリップ)へと切断または分割するために使用される鋭利な縁であってもよい。グリップ526は、例えば、組立技術員が把持するためにブレード516の一部分を提供するための、ブレード516の鈍くした縁、またはブレード516の刃先522とは反対側の縁上の上張りであってもよい。
【0061】
図15Aおよび
図15Bで例証されるように、ブレード516の刃先522は、スライシングガイド504の各チャネル508の開口512の中へと挿入され、そしてチャネル508の長さを通して通され、またはスライスされる。ブレード516のこの動きは、スライシングガイド504の下に位置付けられたウィックパッド500を切断または分離する。次いで、ブレード516は、スライシングガイド504の各チャネル508内でスライスが作製されるまで、次のチャネル508へと移動する。
【0062】
工程416において、スライシングガイド504は取り外され、そしてウィックストリップ520はウィックパッド500から分離される。
図16Aおよび
図16Bで例証されるように、スライシングガイド504がウィックパッド500から取り外されると、ウィックパッド500は、チャネル508の位置に対応する複数のウィックストリップ520へと分割される。各ウィックストリップ520は、隣接するストリップ520から分離されてもよい。
【0063】
工程420において、ウィックストリップ520は、ウィックガイド26のガイドまたはトラック246内に挿入される。
図17Aで例証されるように、ガイドまたはトラック246を画定するチャネル242の幅は、ウィックストリップ520を収容および案内するために、ウィックストリップ520の幅よりわずかに大きい。
【0064】
工程424において、カッター338を使用して、ウィックストリップ520の端が除去される。
図17Bおよび
図18に例証されるように、切断中にウィックストリップ520の移動を拘束するために、設備または器具10のスライド22を、ウィックストリップ520をホルダー30に対して締め付ける位置へと動かす。カッター338は、ウィックストリップ520と接触しない位置から、ウィックストリップ520と接触する位置へと移動される。具体的には、カッター338のブレード346は、ウィックストリップ520をスライスする位置へと移動され、スライド22の上面154上の平面に平行に延びる縁を生成する。
【0065】
工程428において、ウィックガイド26は、締結具202を中心として回転する。少なくとも一つの例示の実施形態では、ウィックガイド26は、締結具202によってブロック24に対して回転可能に固定される。締結具202の本体210は、ウィックリテーナー238、ウィックプレート234、およびブロック24内の開口222を通って延びる。ウィックプレート234の後側から延びる突出部またはその他の部分は、ウィックガイド26がブロック24に対して回転する際に、ブロック34内のトラック258内で摺動してもよい。
図19に例証するように、ウィックガイド26は、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と平行な位置から、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と交差する位置へと回転されてもよい。一部の実施形態では、ウィックガイド26は、長軸方向軸Aが、45°~90°の範囲内、そしてより具体的には、75°~90°の範囲内にある基部14の上面100上の平面との角度を形成するように、時計回りに回転されてもよい。
【0066】
工程432において、ロック266のトグル282上のレバー298が係合して、係止フィンガー286を第一の位置へと動かし、これにより、フィンガーは係止解除され、そして開位置になる。一部の実施形態では、ロック266は、トグル282の開口290内のロッドまたはピンを中心として回転するように、基部262へと回転可能に固定されてもよい。係止フィンガー286は、トグル282の回転とともに回転してもよい。一実施形態では、
図20Aで例証されるように、トグル282上のレバー298が前方に押されて、係止フィンガー286を第一の位置へと動かす。
【0067】
トグル282の前面302から反対側上にあるタブ322は、弾性部材270と接触する。弾性部材270は、本体326と、本体326から延びるタブまたは突出部330とを有する、平坦な板様のばねである。弾性部材270の本体326は、基部262に固定される。タブ330は、片持ち梁と同様に延び、そしてトグル282のタブ322と重ね合う。弾性部材270のタブ330は、係止フィンガー286が係止された閉位置に付勢されるように、トグル282を第二の後方位置に付勢するように、トグル282上に反力を提供する。
【0068】
したがって、ロック266のトグル282上のレバー298が、係止フィンガー286を第一の位置へと動かすように係合すると、タブ322によって弾性部材270に力が加えられる。
【0069】
工程436において、ニコチンポッド組立品用の予備ヒーター配設524(または予備ニコチンヒーター配設)がホルダー30の中へと挿入される。
図20Aおよび
図20Bに例証するように、少なくとも一つの例示の実施形態では、ニコチンポッド組立品用の予備ヒーター配設524は、基部528、およびコイル536を形成するワイヤループまたは蛇行する形状に延びるワイヤを有する発熱体532を含んでもよい。コイルを形成するために使用されるワイヤは、金属であってもよい。ワイヤループの第一の組536aは、基部528の上面540に対して垂直に延びてもよい。ワイヤループの第二の組536bは、ワイヤループの第一の組536aおよび上面540に対してある角度で延びてもよい。単なる例としてであるが、ワイヤループの第二の組536bは、上面540に対して30°~60°の範囲内の角度で延びてもよく、またより具体的には、上面540に対して45°の角度で延びてもよい。
【0070】
発熱体532は、基部528の幅を横切って完全にまたは部分的に延びてもよい。一部の例示の実施形態では、発熱体532は、組み立てられたウィックと接触(例えば、直接接触)してもよい(下記にさらに記述する)。
【0071】
ホルダー30は、ノッチ88が支持体切り欠き部110の上方のある場所においてホルダー30と基部14との間に存在するように、基部14のホルダー切り欠き部106内に配置される。したがって、ニコチンポッド組立品の予備ヒーター配設524がホルダー30の中へと挿入されると、基部528は、少なくとも部分的にホルダー30の下の位置において、支持体切り欠き部110およびノッチ88の中へと挿入される。
【0072】
ニコチンポッド組立品用の予備ヒーター配設524は、ワイヤループの第一の組536aが、ホルダー30上のスロット274の近くのある場所でホルダー30に接触するまで、ホルダー30の中へと挿入される。
【0073】
工程440において、トグル282のレバー298は解放され、これによりトグル282は第二の位置に戻る。以前に述べたように、弾性部材270のタブ330は、係止フィンガー286が係止された閉位置に付勢されるように、トグル282を第二の後方位置に付勢するようにトグル282上に反力を提供する。
図20Bで示すように、トグル282が第二の位置へと動くと、係止フィンガー286は、ワイヤループの第一の組536aと係合して、予備ヒーター配設524をホルダー30に対して保持する。
【0074】
工程444において、ウィックガイド26は、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と平行になる位置へと、反時計回りに回転される。以前に述べたように、ウィックガイド26は、締結具202によってブロック24に回転可能に固定される。締結具202の本体210は、ウィックリテーナー238、ウィックプレート234、およびブロック24内の開口222を通って延びる。ウィックプレート234の後側から延びる突出部またはその他の部分は、ウィックガイド26がブロック24に対して回転する際に、ブロック34内のトラック258内で摺動してもよい。ウィックガイド26は、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と交差する位置から、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と平行な位置へと回転されてもよい。
【0075】
工程448において、ウィックストリップ520は、ニコチンポッド組立品用の予備ヒーター配設524の基部528の上面540と接触する位置へと、ウィックガイド26内のチャネル242の中へと摺動される。
図21Aおよび
図21Bで例証されるように、ウィックストリップ520は、スライド22の上面154上の平面に平行に延びる縁544を含む。縁544は、予備ヒーター配設524の基部528の上面540と接触する位置へと移動する。ウィックストリップ520は、ワイヤループの第一の組536aに追加的に接触する。
【0076】
工程452において、スライド22のピン150は、完全な前方位置へと動かされ、ここでピン150はスロット126の前方端138と接触し、またスライド22上のタブ170の前面174に沿った平面は、横方向チャネル66の側壁70に沿った平面と整列する。
【0077】
図21Bおよび
図21Cで例証されるように、スライド22の完全な前方位置への移動中に、スライド22上のタブ170の前面174は、ワイヤループの第二の組536bと接触し、ワイヤループの第二の組536bを、ワイヤループの第一の組536aおよび上面540に対して角度を有する位置から、ワイヤループの第一の組536aと実質的に平行で、かつウィックストリップ520と接触する位置へと曲げる。完全な前方位置では、スライド22上のタブ170の前面174は、ワイヤループの第一の組536aとワイヤループの第二の組536bとを一緒に締め付けて、ウィックストリップ520を圧縮し、そして予備ヒーター配設524に関してウィックストリップ520を固定して、ヒーター組立品またはヒーター‐ウィック組立品524’を形成する。
【0078】
工程456において、ウィックストリップ520を切断して、ウィック548(またはニコチンウィック)を作り出す。一部の実施形態では、ウィックストリップ520の端は、カッター338を使用して除去される。
図21Dで例証されるように、カッター338は、ウィックストリップ520と接触しない位置から、ウィックストリップ520と接触する位置へと移動される。具体的には、カッター338のブレード346は、ウィックストリップ520をスライスする位置へと移動され、スライド22の上面154上の平面に平行に延びる縁を生成する。結果として得られた切断片は、ウィック548である。
【0079】
工程460において、ウィックガイド26は時計回りに回転される。
図22で例証されるように、ウィックガイド26は、締結具202を中心として回転される。ウィックガイド26は、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と平行な位置から、ウィックガイド26の長軸方向軸Aが基部14の上面100上の平面と交差する位置へと回転されてもよい。一部の実施形態では、ウィックガイド26は、長軸方向軸Aが、45°~90°の範囲内、そしてより具体的には、75°~90°の範囲内にある基部14の上面100上の平面との角度を形成するように、時計回りに回転されてもよい。
【0080】
工程464において、スライド22のピン150を移動させて、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品524’(またはニコチンヒーター組立品)を解放する。一部の実施形態では、ピン150は、
図23に示すように、完全な後方位置へと動く。完全な後方位置では、ピン150は、スロット126の後方端178と接触してもよく、またスライド22のプレート146の後面182に沿った平面は、基部14の後面186に沿った平面と整列してもよい。
【0081】
工程468において、トグル282のレバー298が係合して、ロック266を解放する。レバー298の係合は、係止フィンガー286を第一の位置へと動かし、これにより、フィンガーは係止解除され、そして開位置になる。一部の実施形態では、ロック266は、トグル282の開口290内のロッドまたはピンを中心として回転するように、基部262へと回転可能に固定されてもよい。係止フィンガー286は、トグル282の回転とともに回転してもよい。一実施形態では、
図24で例証されるように、トグル282上のレバー298が前方に押されて、係止フィンガー286を第一の位置へと動かす。
【0082】
トグル282の前面302から反対側上にあるタブ322は、弾性部材270と接触する。弾性部材270は、片持ち梁と同様に延び、そしてトグル282のタブ322と重ね合わさる。弾性部材270は、係止フィンガー286が係止された閉位置に付勢されるように、トグル282を第二の後方位置に付勢するように、トグル282上に反力を提供する。したがって、ロック266のトグル282上のレバー298が、係止フィンガー286を第一の位置へと動かすように係合すると、タブ322によって弾性部材270に力が加えられる。
【0083】
工程472において、ニコチンポッド組立品用のヒーター組立品524’をホルダー30から取り外す。
図23および
図24で例証されるように、ヒーター組立品524’は、ノッチ88および支持体切り欠き部110内で、ヒーター組立品524’がホルダー30の縁を通過するまでホルダー30から離れるようにヒーター組立品524’を摺動することによって、ホルダー30から取り外される。次いでニコチンポッド組立品用のヒーター組立品524’は、支持体切り欠き部110から取り外される。
【0084】
工程476において、トグル282のレバー298は解放され、これによりトグル282は第二の位置に戻る。以前に述べたように、弾性部材270のタブ330は、係止フィンガー286が係止された閉位置に付勢されるように、トグル282を第二の後方位置に付勢するように、トグル282上に反力を提供する。
【0085】
工程480において、方法400は終了する。
【0086】
ここで
図25を参照すると、ニコチンポッド組立品用の組み立てられたヒーター組立品524’の実施形態が例証されている。ウィック548は、ワイヤループの第一の組536aとワイヤループの第二の組536bとの間に締め付けられ、これによりウィック548はヒーター組立品524’に対して固定される。例示のヒーター組立品は、2019年11月26日に出願された、「NICOTINE POD ASSEMBLIES AND NICOTINE E-VAPING DEVICES」と題される、米国特許出願第16/696,007号に開示され、その開示は、参照によりその全体が本明細書に組み込まれる。
【0087】
当然のことながら、要素または層が別の要素もしくは層「の上にある」、「に接続される」、「に連結される」、または「を覆う」と言及される時、これはもう一方の要素もしくは層の上に直接あってもよく、それに直接的に接続されてもよく、それに直接的に連結されてもよく、またはそれを直接的に覆ってもよく、あるいは介在する要素もしくは層が存在してもよい。対照的に、要素が別の要素もしくは層「上に直接ある」、「に直接接続されている」、または「に直接連結されている」と言及される時、介在する要素もしくは層は存在しない。同様の数字は、本明細書の全体を通して同様の要素を指す。
【0088】
当然のことながら、第一の、第二の、第三の、またはこれに類するものなどの用語は、様々な要素、構成要素、領域、層、またはセクションを記述するために本明細書で使用されてもよいが、これらの要素、構成要素、領域、層、またはセクションはこれらの用語によって限定されるべきではない。これらの用語は、一つの要素、構成要素、領域、層、またはセクションを別の領域、層、またはセクションと区別するためにのみ使用される。したがって、下記で考察されている第一の要素、構成要素、領域、層、またはセクションは、例示の実施形態の教示内容から逸脱することなく、第二の要素、構成要素、領域、層、またはセクションと呼ぶことができる。
【0089】
空間的関係の用語(例えば、「下に」、「下方に」、「下部」、「上方に」、「上部」、およびこれに類するもの)は、図中で例証する際に、一つの要素または特徴と別の要素または特徴との間の関係を記述するための記述の簡単のために本明細書で使用されてもよい。当然のことながら、空間的関係の用語は、図に図示されている向きに加えて、使用時または動作時に装置の異なる向きを包含することが意図されている。例えば、図中の装置をひっくり返した場合、他の要素または特徴部の「下方に」または「下に」と記述されている要素は、その後は他の要素または特徴の「上方に」向きを合わされることになる。したがって、「下方に」という用語は上方と下方の両方の向きを包含する場合がある。装置は別の方法で(90度回転して、または他の向きで)向きを合わされる場合があり、そして本明細書で使用される空間的関係の記述語は適宜に解釈される。
【0090】
本明細書で使用される用語は、様々な例示の実施形態を記述する目的のみのためのものであり、例示の実施形態を限定することを意図しない。本明細書で使用される場合、単数形「一つの(a)」、「一つの(an)」、および「その(the)」は、文脈が明確に別段の指示をしない限り、複数形も含むことが意図される。さらに当然のことながら、本明細書で使用される時、「含む(includes)」、「含む(including)」「備える(comprises)」、および「備える(comprising)」という用語は、述べられた特徴、整数、工程、動作、要素、または構成要素の存在を特定するが、一つ以上の他の特徴、整数、工程、動作、要素、構成要素、およびこれらの群の存在または追加を除外しない。
【0091】
例示の実施形態は、例示の実施形態の理想的な実施形態(および中間構造)の概略図である断面図を参照しながら本明細書に記述される。このように、例えば、製造技法または公差の結果としてもたらされた、例証の形状からの変形形態が予想される。したがって、例示の実施形態は、本明細書に例証された領域の形状を限定するものとして解釈されるべきでなく、例えば、製造から結果としてもたらされる形状の逸脱を含むべきである。
【0092】
別段の定義のない限り、本明細書で使用されるすべての用語(技術的用語および科学的用語を含む)は、例示の実施形態が属する技術分野の当業者が一般的に理解しているものと同じ意味を有する。さらに当然のことながら、用語(一般的に使用されている辞書で定義される用語を含む)は、本明細書で明示的にそのように定義されているのでない限り、関連する技術分野の文脈でのそれらの用語の意味と一致する意味を有するものと解釈されるべきであり、また理想的なまたは過度に正式な意味で解釈されない。
【0093】
例示の実施形態が本明細書に開示される。当然のことながら、他の変形が可能である場合がある。こうした変形は本開示の範囲からの逸脱と見なされるべきではなく、また当業者には明らかであろうすべてのこうした修正は、以下の「特許請求の範囲」の範囲内に含まれることが意図される。
【国際調査報告】