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特表2023-524664火災訓練用小道具及び火災訓練用小道具の使用方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】火災訓練用小道具及び火災訓練用小道具の使用方法
(51)【国際特許分類】
   G09B 25/04 20060101AFI20230606BHJP
   G09B 9/00 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
G09B25/04
G09B9/00 M
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022564787
(86)(22)【出願日】2021-04-27
(85)【翻訳文提出日】2022-12-21
(86)【国際出願番号】 IB2021053463
(87)【国際公開番号】W WO2021224721
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/021,288
(32)【優先日】2020-05-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522416192
【氏名又は名称】フラッシュポイント ファイア イクイップメント,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】オドネル,ライアン
(72)【発明者】
【氏名】ニクソン,マイケル トッド
【テーマコード(参考)】
2C032
【Fターム(参考)】
2C032DB01
(57)【要約】
火災訓練用小道具(10)及び火災訓練用小道具(10)の使用方法が提供される。小道具は、卓上訓練に好適であり得、筐体(12)と;筐体(12)内に位置決めされ、筐体内に複数の内部体積(46)を画定する少なくとも1つの内部パネル(44)と;筐体の上部に位置決めされた透明な上部パネル(22)と;筐体の側面(14、16、18、20)の少なくとも1つにある少なくとも1つの側面アパーチャ(28)及び側面アパーチャカバー(34)と;少なくとも1つの内部パネルにあるアパーチャカバー(64)を有する少なくとも1つのパネルアパーチャ(49)と;を備える。可視流体(72)、例えば煙の源が筐体(12)に導入されると、筐体内の可視流体の流れは、透明な上部パネル(22)を通してユーザによって監視されることができる。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
卓上型火災訓練用小道具(10)であって、前記訓練用小道具は、
開放された上部、閉鎖された底部(24)、及び側面(14、16、18、20)を有する筐体(12)と、
前記筐体(12)内に位置決めされ、前記筐体(12)内に複数の内部体積を画定する少なくとも1つの内部パネル(44)と、
前記筐体の前記開放された上部に位置決めされた透明な上部パネル(22)と、
前記筐体(12)の前記側面(14、16、18、20)のうちの少なくとも1つにある少なくとも1つの側面アパーチャ(28)及び側面アパーチャカバー(34)と、
前記少なくとも1つの内部パネル(44)にあるアパーチャカバー(64)を有する少なくとも1つのパネルアパーチャ(49)とを備え、
可視流体の源が前記筐体(12)に導入されると、前記筐体内の前記可視流体の流れは、前記透明な上部パネル(22)を通してユーザによって監視されることができる、
卓上型火災訓練用小道具(10)。
【請求項2】
前記筐体(12)内に位置決めされ、前記筐体内の前記複数の内部体積を画定する前記少なくとも1つの内部パネル(44)が、前記筐体内に位置決めされ、前記筐体内の前記複数の内部体積を画定する複数のパネルを有する仕切りアセンブリ(42)を備える、請求項1に記載の訓練用小道具。
【請求項3】
前記訓練用小道具(10)が、前記少なくとも1つの内部パネル(44)にある前記少なくとも1つのパネルアパーチャカバー(64)に動作可能に接続された少なくとも1つの制御ロッド(68)をさらに備える、請求項1又は2に記載の訓練用小道具。
【請求項4】
前記訓練用小道具(10)が、前記筐体の前記開放された上部に取り付けられたアパーチャカバー(40)を有する少なくとも1つのアパーチャ(38)をさらに備える、請求項1~3のいずれか一項に記載の訓練用小道具。
【請求項5】
前記可視流体の源が、可視ガスの源及び可視液体の源の一方を備える、請求項1~4のいずれか一項に記載の訓練用小道具(10)。
【請求項6】
前記可視流体の源が、火の源(72)及び煙の源の一方を備える、請求項1~5のいずれか一項に記載の訓練用小道具(10)。
【請求項7】
前記少なくとも1つのパネルアパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)が、前記ユーザによって操作されるように適合される、請求項1~6のいずれか一項に記載の訓練用小道具(10)。
【請求項8】
前記少なくとも1つのパネルアパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)がドアを備える、請求項7に記載の訓練用小道具(10)。
【請求項9】
前記少なくとも1つのパネルアパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)が、制御ロッド(68)によって前記ユーザによって操作されるように適合される、請求項7に記載の訓練用小道具(10)。
【請求項10】
前記訓練用小道具(10)が、構造物の間取図のスケールモデルを備え、前記筐体(12)内の前記複数の内部体積(46)が、前記間取図の水平方向に隣接する複数の内部体積を備える、請求項1~9のいずれか一項に記載の訓練用小道具(10)。
【請求項11】
訓練方法であって、
訓練用小道具(10)であって、
開放された上部、閉鎖された底部(24)、及び側面(14、16、18、20)を有する筐体(12)と、
前記筐体の前記開放された上部に位置決めされた透明な上部パネル(22)と、
前記筐体内に位置決めされ、前記筐体内に複数の内部体積(46)を画定する少なくとも1つの内部壁(44)と、
前記少なくとも1つの内部壁(44)にあるアパーチャカバー(64)を有する少なくとも1つの壁アパーチャ(49)と
を備える訓練用小道具(10)を提供すること、
可視流体の源を前記筐体(12)に導入すること、並びに
訓練生が前記透明な上部パネル(22)を通して前記筐体(12)内の前記可視流体の流れを監視することを可能にすること、
を含む訓練方法。
【請求項12】
前記方法が、前記少なくとも1つの壁アパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)の位置を操作することをさらに含む、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記少なくとも1つの壁アパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)の前記位置を操作することが、前記アパーチャカバーの開閉の一方を含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記訓練用小道具(10)が、少なくとも1つの壁アパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)に動作可能に接続された少なくとも1つの制御ロッド(68)をさらに備え、前記少なくとも1つの壁アパーチャ(49)の前記アパーチャカバー(64)の前記位置を操作することは、前記少なくとも1つの制御ロッド(68)を操作することを含む、請求項11~13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記方法が、ガスの流れを前記訓練用小道具(10)に導入することをさらに含む、請求項11~14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記筐体(12)の前記側面(14、16、18、20)の少なくとも1つが、穴(84)と前記穴を覆って取り付けられた変位可能なカバー(86)とを備え、前記訓練用小道具に前記ガスの流れを導入することが、前記カバーを前記穴から変位させること、及び前記穴を通して前記訓練用小道具の中に前記ガスの流れ(93)を導入することを含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記ガスの流れ(93)を前記訓練用小道具(10)に導入することが含み、前記穴(84)を通して前記ガスを挿入することが、導管(94)を前記穴に挿入すること、及び前記導管を通して前記ガスの流れを送ることを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記筐体(12)内に位置決めされた前記少なくとも1つの内部壁(44)が、第1の複数の体積(46)を画定する第1の仕切りアセンブリ(42)を備え、前記方法は、前記第1の複数の体積(46)を画定する前記第1の仕切りアセンブリ(42)を、前記第1の複数の体積とは異なる、第2の複数の体積を画定する第2の仕切りアセンブリと交換することをさらに含む、請求項11~17のいずれか一項に記載の方法。
【請求項19】
前記方法が、前記訓練生が前記第2の仕切りアセンブリによる前記筐体(12)内の前記可視流体の流れを監視することを可能にすること、及び、前記第2の仕切りアセンブリによる可視流体の流れを、前記第1の仕切りアセンブリによる可視流体の流れと比較することをさらに含む、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
卓上型火災訓練用小道具(10)であって、前記訓練用小道具は、
開放された上部、閉鎖された底部(24)、及び側面(14、16、18、20)を有する筐体(12)と、
前記筐体内に位置決めされた仕切りアセンブリ(42)であって、前記筐体内の複数の内部体積(46)を画定する複数の仕切り(44)を有する仕切りアセンブリ(42)と、
前記筐体の前記開放された上部に位置決めされた透明な上部パネル(22)と、
前記筐体の前記側面(14、16、18、20)の少なくとも1つにある少なくとも1つの側面アパーチャ(28)及び側面アパーチャカバー(34)と、
前記仕切りアセンブリの前記仕切り(44)の1つに枢動式に取り付けられた少なくとも1つのドア(64)と、
前記少なくとも1つのドア(22)に動作可能に接続され、前記少なくとも1つのドアを開閉するように適合された少なくとも1つの制御ロッド(22)とを備え、
炎の源(72)が前記筐体(12)に導入されると、前記筐体内の前記炎の流れが、前記透明な上部パネル(22)を通してユーザによって監視されることができ、前記炎の流れは、前記少なくとも1つの制御ロッド(68)で前記少なくとも1つのドア(22)を開閉することによって前記ユーザによって操作されることができる、
卓上型火災訓練用小道具(10)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
[0001] 本出願は、2020年5月7日に提出された係属中の米国仮特許出願第63/021,288号からの優先権を主張し、その開示内容は、参照により完全な形で本明細書に含まれる。
【0002】
発明の背景
技術分野
[0002] 本発明は概して、消防士又は第1対応者の火災訓練用小道具及びその使用方法に関する。より詳細には、本発明は、火の進行を観察することができる透明な上面及び/又は側面を有する建物及びその間取図のスケールモデルを備える火災訓練用小道具に関する。内部ドア及び外部アパーチャは開閉可能であり、実際の火への影響を透明な上面及び/又は側面を通して観察することができる。
【背景技術】
【0003】
関連技術の記載
[0003] 火、炎、及び煙が構造物を通して進行する動的な性質に関して消防士及び他の第1対応者を訓練するために、消防士訓練用「小道具」がしばしば使用される。火災訓練用小道具は、時に、着火される実際の建物の実物大の構造物であり、例えば、壁又は天井を開いたり貫通させたりして、結果として生じる火の特性を観察することによって、火及び煙の進行を監視し、変化させることができる。
【0004】
[0004] 実物大の構造物を建てる費用は高額になる可能性があり、その後の取り壊しも危険であり得るので、構造物のスケールモデル、例えば卓上スケールモデルすなわち「小道具」が使用されることが多い。煙や炎の動的な性質はスケーラブルなので、実際のフルサイズの火災を反映した火の挙動を観察することにおいて、スケールモデルは非常に有効であり得る。さらに、耐火性材料で作られたスケールモデルは、繰り返し再利用することができる。
【0005】
[0005] 典型的な卓上訓練用小道具、例えば、カナダ、アルバータ州のSherwood ParkのFlashpoint Fire Equipment, Inc.によって販売されているものは、火の挙動を観察できるガラス壁を有する、縮小された金属フレームの筐体を備える。これらの構造は、典型的には、スケールモデルのフロア内及びフロア間で火及び煙を観察することができる単一の透明な側面を有する複数フロア構造である。これらのフロア対フロア火災訓練用小道具は、火の動的挙動について消防士及び他の火災対応者を訓練するための効果的且つ再利用可能な手段を提供することが証明されているが、これらの装置には制限があり、火の動的な挙動の中での、特に変化する気流に応答した訓練を強化するために、火災訓練用小道具及びその使用方法を改良する必要性が当技術分野において存在する。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
発明の概要
[0006] 本発明の態様は、火の動的な性質に関して消防士及び他の第1対応者を訓練する機会を強化する訓練用小道具及び訓練方法を提供することによって、従来技術の火災訓練用小道具の限界に取り組む。本発明の態様は、建物のフロアレイアウトをモデル化し、透明な上部すなわち「天井」を有する耐燃性の卓上型訓練用小道具を提供し、これにより訓練生は、間取図を通る、例えば出入口及び廊下を通る本物の火の実際の進行を、火が進行するにつれて見ることが可能になる。本発明の態様は、開いた外部ドア又は窓、或いは開いた内部ドアの影響を、小道具を使用して構造物の上から及び/又は側面を通して観察することができる外部アパーチャ(例えば、ドア及び窓)及び内部アパーチャ(例えば、ドア)の両方を操作するための機構を提供する。
【0007】
[0007] 本発明の一実施形態は、卓上型火災訓練用小道具であって、開放された上部、閉鎖された底部、及び側面を有する筐体と;筐体内に位置決めされ、筐体内に複数の体積を画定する少なくとも1つの内部パネルと;筐体の開放された上部に位置決めされた透明な上部パネルと;筐体の側面のうちの少なくとも1つにある少なくとも1つの側面アパーチャ及び側面アパーチャカバーと;少なくとも1つの内部パネルにあるアパーチャカバーを有する少なくとも1つのパネルアパーチャとを備え又は含み、火及び煙などの可視流体の源が筐体に導入されると、筐体内の可視流体の流れは、透明な上部パネルを通してユーザによって監視されることができる、卓上型火災訓練用小道具である。
【0008】
[0008] 一態様において、筐体内に位置決めされ、筐体内の複数の内部体積を画定する少なくとも1つの内部パネルが、筐体内に位置決めされ、筐体内の複数の内部体積を画定する複数のパネルを有する仕切りアセンブリを備え得る。
【0009】
[0009] 別の態様において、訓練用小道具が、少なくとも1つの内部パネル内のドアなどの少なくとも1つのパネルアパーチャカバーに動作可能に接続された少なくとも1つの制御ロッドをさらに備え得る。一態様において、2つ以上の制御ロッドが、筐体内の2つ以上のドアに動作可能に接続され得る。
【0010】
[0010] 一態様において、訓練用小道具が、筐体の開放された上部に取り付けられたアパーチャカバーを有する少なくとも1つのアパーチャをさらに含み得る。
【0011】
[0011] 一態様において、可視流体の源が、可視ガスの源又は可視液体の源であり得る。例えば、可視ガスの源が、火及び煙の源であり得る。
【0012】
[0012] 別の態様において、訓練用小道具が、構造物の間取図のスケールモデルであり得、筐体内の複数の内部体積、すなわち部屋が、間取図の水平方向に隣接する複数の内部体積、すなわち部屋を備える。
【0013】
[0013] 本発明の別の実施形態は、訓練方法であって、開放された上部、閉鎖された底部、及び側面を有する筐体と;筐体の開放された上部に位置決めされた透明な上部パネルと;筐体内に位置決めされ、筐体内に複数の内部体積を画定する少なくとも1つの内部壁と;少なくとも1つの内部壁にあるアパーチャカバーを有する少なくとも1つの壁アパーチャとを備える訓練用小道具を提供すること;火及び煙などの可視流体の源を筐体に導入すること;及び、訓練生が透明な上部パネルを通して筐体内の可視流体の流れを監視することを可能にすることを備える又は含む訓練方法である。
【0014】
[0014] 一態様において、方法は、少なくとも1つの壁アパーチャのアパーチャカバー又はドアの位置を操作すること、例えば、ドアを開閉することをさらに含む。
【0015】
[0015] 一態様において、訓練用小道具が、少なくとも1つの壁アパーチャのアパーチャカバー又はドアに動作可能に接続された少なくとも1つの制御ロッドをさらに備え、少なくとも1つの壁アパーチャのアパーチャカバー又はドアの位置を操作することは、少なくとも1つの制御ロッドを操作することにより実行され得る。
【0016】
[0016] 一態様において、方法は、例えば、訓練用小道具の側面の穴に挿入された導管又は管を通して、ガス、例えば酸素含有ガスの流れを訓練用小道具に導入することをさらに含み得る。
【0017】
[0017] 別の態様において、筐体内に位置決めされた少なくとも1つの内部壁が、第1の複数の体積を画定する第1の仕切りアセンブリであり得、方法は、第1の仕切りアセンブリを、第1の複数の体積とは異なる、第2の複数の体積を画定する第2の仕切りアセンブリと交換することをさらに含み得る。さらに、方法は、訓練生が、第2の仕切りアセンブリによる筐体内の可視流体の流れを監視し、次に、第2の仕切りアセンブリによる可視流体の流れを、第1の仕切りアセンブリによる可視流体の流れと比較することを可能にすることを含み得る。
【0018】
[0018] 本発明のさらなる実施形態は、卓上型火災訓練用小道具であって、開放された上部、閉鎖された底部、及び側面を有する筐体と;筐体内に位置決めされた仕切りアセンブリであって、筐体内の複数の内部体積を画定する複数の仕切りを有する仕切りアセンブリと;筐体の開放された上部に位置決めされた透明な上部パネルと;筐体の側面の少なくとも1つにある少なくとも1つの側面アパーチャ及び側面アパーチャカバーと;仕切りアセンブリの仕切りの1つに枢動式に取り付けられた少なくとも1つのドアと;少なくとも1つのドアに動作可能に接続され、少なくとも1つのドアを開閉するように適合された少なくとも1つの制御ロッドとを備え又は含み、炎の源が筐体に導入されると、筐体内の炎の流れが、透明な上部パネルを通してユーザによって監視されることができ、炎の流れは、少なくとも1つの制御ロッドで少なくとも1つのドアを開閉することによってユーザによって操作されることができる、卓上型火災訓練用小道具である。
【0019】
[0019] 本発明のこれら及び他の態様、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて読まれる本発明の様々な態様の以下の詳細な記載から明らかになるであろう。
【0020】
図面の簡単な説明
[0020] 本発明とみなされる主題は、本明細書の結論にある特許請求の範囲に特に指摘され、明確に特許請求されている。本発明の前記及び他の目的、特徴、及び利点は、添付の図面と併せて読まれる本発明の態様の以下の詳細な記載から容易に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】[0021]本発明の一態様による訓練用小道具の正面斜視図である。
図2】[0022]図1に示された訓練用小道具の背面斜視図である。
図3】[0023]図1に示された訓練用小道具の平面図である。
図4】[0024]図1に示された訓練用小道具の正面図である。
図5】[0025]図1に示された訓練用小道具の背面図である。
図6】[0026]図1に示された訓練用小道具の左側面図である。
図7】[0027]図1に示された訓練用小道具の右側面図である。
図8】[0028]図1に示された訓練用小道具の底面図である。
図9】[0029]図1に示された訓練用小道具の分解正面斜視図である。
図10】[0030]図9に示された上部パネルの斜視図である。
図11】[0031]図10に示された上部パネルの平面図である。
図12】[0032]図11に示された上部パネルの側面図である。
図13】[0033]図9に示される仕切りアセンブリの斜視図である。
図14】[0034]図13に示された仕切りアセンブリの平面図である。
図15】[0035]図9に示された筐体の斜視図である。
図16】[0036]図15に示された筐体の分解斜視図である。
図17】[0037]本発明の一態様による筐体内の内部ドアを操作するために1つの制御ロッドが使用され得る1つの手段を示す、図15に示された筐体の一部の断面図である。
図18】[0038]ドアが閉じた位置にある、図17に示されたドアと制御ロッドの隔離されたアセンブリの斜視図である。
図19】[0039]ドアが開いた位置にある、図18に示された隔離されたアセンブリの斜視図である。
図20】[0040]カバーが閉じた位置で示されている、図5に示された詳細20によって特定される、図5に示された後壁の詳細図である。
図21】[0041]図20に示されたカバーの位置からカバーが回転可能に変位された図20と同様の詳細図である。
図22】[0042]図21の視線22に沿って見た、図21に示されるような穴を有する壁の断面図である。
図23】[0043]本発明の一態様による小道具の使用方法を示す図1~17に示す小道具の平面図である。
図24】[0043]本発明の一態様による小道具の使用方法を示す図1~17に示す小道具の平面図である。
図25】[0044]本発明の一態様による、本明細書に開示されるような複数の小道具を上下に積み重ねた小道具アセンブリの斜視図である。
図26】[0045]本発明の一態様による、小道具が他の小道具に隣接するように組み立てられた、水平アレイ状に組み立てられた本明細書に開示されるような複数の小道具を有する小道具アセンブリの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
発明の詳細な説明
[0046] 本発明の実施形態は、構造物内の火と煙の伝播の動力学における消防士及び/又は他の第1対応者の訓練を促し、強化する装置又は小道具及び装置又は小道具を使用するための方法を提供する。以下の開示において、本発明の態様は、小道具内の火と煙の挙動に関する訓練に関して記載され得るが、本発明の態様は、筐体内の任意の流体、ガス又は液体の伝播及び動力学における訓練に使用されてもよいことが想定される。例えば、本発明の一態様は、水又は水様化学物質或いはそれらに類するものなどの液体の分布における訓練に使用されてもよい一方、本発明の別の態様は、プロパン、メタン、天然ガス、ガス状化学物質或いはそれらに類するものなどのガスの分布における訓練に使用されてもよい。
【0023】
[0047] 本発明の一態様において、訓練生は、流体、典型的にはガスが小道具に出入りする流れを観察して、これらの流体の流れが火に及ぼす影響についての理解を深め、実際の火災における火とその伝播に及ぼす望ましくない影響を軽減することが期待される。例えば、本発明の態様を採用することにより、訓練生は、小道具への空気流(すなわち、吸気流)及び/又は小道具からの排気流、例えば、空気、煙、炎及び熱分解生成物(すなわち、未燃燃料などの熱分解の生成物)を観察し、そのような流れが実際の構造物火災における火の動力学にいかに影響し得るかをより良く理解することができる。このような知見は、火がどのように、いつ、どこで構造物内を進行するかを場合により予測する際に、消防士を助けることができると考えられる。これは、例えば、火に包まれた構造物内及びその周辺での実際の消火活動の間、消防士が、空気(すなわち、酸素を含む火促進剤)が燃焼中の建物内に入り、好ましくない形で火に「餌を与える」場所を観察することは、不可能ではないにしても、通常は困難であることから、重要であると考えられる。本発明の態様によって提供され得るそのような空気の流れの流路、流量、及び/又は動力学に関する理解の高まりによって、消防士は、次に、実際の火災における火の挙動をより良く「視覚化」し、したがって、例えば、貫通しないこと及び外壁又は屋根によって火への空気の導入を緩和又は防止し、したがって火災の抑制を強化する措置を実行することができる。
【0024】
[0048] 一態様によれば、小道具への吸気流及び小道具からの排気流は、例えば、ドアや窓を表すものなど、外部及び/又は内部の入口及び/又は出口を操作し、訓練生に火災とその進行及び/又は抑制に対するそのような操作の効果を観察させることによって変化させることができる。
【0025】
[0049] 図1は、本発明の一態様による卓上型訓練用小道具10の正面斜視図である。図2は、図1に示される訓練用小道具10の背面斜視図である。図3は、図1に示す訓練用小道具10の平面図であり、図4は、図1に示す訓練用小道具10の正面図であり、図5は、図1に示す訓練用小道具の背面図であり、図6は、図1に示される訓練用小道具10の左側面図であり、図7は、図1に示される訓練用小道具10の右側面図であり、図8は、図1に示される訓練用小道具10の底面図である。
【0026】
[0050] 本発明の態様は「卓上」装置と呼ばれることがあるが、モデル化される構造のサイズに応じて、訓練用小道具10のサイズは従来の卓上のキャパシティを超えることがあることが想定される。本発明の態様によれば、「卓上」という表現は、本明細書に開示される装置がフルサイズの構造物のスケールモデルであると特徴付けられることを意味するために使用される。したがって、本明細書に開示される小道具10の縮尺、すなわち幾何学的な縮尺又は比例は、例えば1:10~1:30の縮尺範囲から変化し得るが、小道具10は典型的に1:15又は1:20の縮尺を有し得ることが想定される。
【0027】
[0051] 一態様において、本明細書に開示される小道具10の縮尺は、火の挙動及び/又は火の動力学の関数であり得、すなわち、小道具10は、実際のフルスケール構造で観察されるものをより細かく模倣するより現実的な火の挙動を提供するように縮小される。一態様において、小道具10のアパーチャ又はポートのサイズ、形状、及び/又は間隔は、小道具10に入る及び/又は出る現実的又は実際の流体の流れをより正確に提供するように縮小され得る。例えば、小道具10に入る及び/又は出る流体の流れは、小道具10の全体構造の幾何学的スケーリングと同様の方法でスケーリング可能ではない場合があり、例えば、対流流はスケーリング可能ではない場合があることが認識されている。したがって、一態様において、小道具10のポート又はアパーチャ(例えば、窓又はドア)は、小道具10の全体的な縮尺から直接縮小されたポート又はアパーチャより大きい、例えば広い場合がある。
【0028】
[0052] 図1~8に示すように、訓練用小道具10は、前壁(又はサイド)14、後壁(又はサイド)16、左側壁(又はサイド)18、右側壁(又はサイド)20、上部パネル22(図1、2及び3にその代表的な部分のみが示されている)及び底部パネル(又は底部)24を有する筐体12を備える。前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20は、それぞれヒンジ式アパーチャカバー32、34、及び36を有する1つ又は複数の開口部又はアパーチャ26、28、及び、30を有し得る。上部パネル22はまた、ヒンジ式開口部又はアパーチャカバー40を有する1つ又は複数の開口部又はアパーチャ38を有し得る。本発明の態様によれば、1つ又は複数の筐体12が提供され、構造物の少なくとも一部、例えば、住宅用建物のフロア又は家のフロア又は住宅、商業、又は工業用建物のフロアのスケールモデルとして機能し得る。
【0029】
[0053] 図1、2及び3に最も明確に示すように、本発明の態様によれば、小道具10は、壁のスケールモデルとして機能する少なくとも1つの、しかし典型的には複数の内部仕切り44を有する仕切りアセンブリ42を含み、例えば、壁のスケールモデルとして機能する相互に接続された仕切り44が、小道具10によって表されるスケールモデル内の内部体積、空洞、又は部屋46を画定している。一態様において、仕切り44は、壁又はパネルと呼ばれることがある。
【0030】
[0054] 本発明の態様によれば、小道具10の少なくとも上部パネル22及び/又はサイドパネル14、16、18及び/又は20は、ユーザが上部パネル22を投げ、及び/又はサイドパネル14、16、18及び/又は20を通して仕切りアセンブリ42を見ることができるように透明、又は少なくとも半透明であり得る。一態様において、仕切りアセンブリ42は、内部仕切り、パネル、又は壁44と、例えば、煙又は炎の元(図示せず)が小道具10に導入された場合に、仕切り又は壁44によって画定される部屋、クローゼット、ホール、及び/又は廊下などの内部体積46とを含む。一態様において、少なくとも1つの内部仕切り又は壁44は、透明又は半透明であり得る。一態様において、例えば1つ又は複数のセンサが、例えば、上部パネル22、及びサイドパネル14、16、18、及び20が透明でない可能性がある場合、小道具10内の状態を間接的に検出し得る。いくつかの態様において、例えば小道具10がマルチフロア構造を備える場合、小道具10内の流体の流れの直接的な視覚的観察が困難又は不可能であり得ることが想定される。例えば、一態様において、小道具10内の1つ又は複数の状態は、例えば、熱電対、酸素センサ、赤外線センサ、及び/又は流体流れ検出器等を用いることによって、視覚的観察なしに検出され得る。
【0031】
[0055] 同じく図1~8に示されるように、一態様において、小道具10は、例えば底部パネル24の下方から筐体12の外に延び、筐体12内に位置決めされた可動アパーチャカバー又は「ドア」64(点線で示す)に動作可能に接続された1つ又は複数のロッド又は制御ロッド43、45、及び47を含む。本発明の一態様によれば、制御ロッド43、45、及び47のうちの1つ又は複数は、ユーザ、例えば訓練係によって操作されて、小道具10内の所望の空気流又は空気流の変化をもたらすために、所望に応じて小道具10内の1つ又は複数の内部ドア又はアパーチャを開閉することができる。例えば、ロッド43、45、及び47のうちの1つ又は複数は、筐体12内の火の源への空気流供給の変化の効果を示すために、内部ドア64を開閉するために、又は少なくとも部分的に開閉するために使用されてもよい。制御ロッド43、45、及び47は、手動操作可能である、又は、例えば、コントローラによって制御されるステッピングモータ又は変位トランスデューサを用いて自動操作可能である。
【0032】
[0056] 図9は、図1~8に示す訓練用小道具10の分解された正面斜視図である。図9に示すように、訓練用小道具10は、筐体12と、筐体12内に位置決めされた1つ又は複数の仕切りアセンブリ42と、筐体12上に、1つ又は複数の仕切りアセンブリ42を覆って取り付けられた1つ又は複数の上部パネル22とを含んでいる。
【0033】
[0057] 図10は、図9に示される上部パネル22の斜視図である。図11は、図10に示された上部パネル22の平面図であり、図12は、図11に示された上部パネル22の側面図である。示されるように、上部パネル22は、典型的には、筐体12の上部に取り付けるように成形されたプレート又はシート50、例えば、対応するサイズ及び形状の筐体12に取り付けるようにサイズ決めされ成形された概して長方形又は正方形のプレートを備え得る。一態様においてプレート50は正方形又は長方形であり得るが、図10及び11に示すように、プレート50は、筐体12上の対応する構造に係合するようなサイズ、形状、及び位置の1つ又は複数の切欠き又は空隙52を含み得る。例えば、切欠き52は、図1~3に示すように、筐体12の開口部38及び/又は開口部カバー40と係合するようにプレート50上にサイズ決めされ、成形され、及び位置決めされてもよい。上部パネル22のプレート50及び切欠き52は、筐体12の形状及び開口部38の形状に応じて他の幾何学的形状をとり得ることが想定され、例えば、プレート50及び/又は切欠き52は、三角形、六角形、若しくは八角形の形状など、任意の多角形の形状、又は、とりわけ、円形若しくは楕円形の形状をとり得ることが想定される。
【0034】
[0058] 図11に示すように、上部パネル22のプレート50は、どの程度の大きさで構造物が小道具10によってモデル化されているか、すなわち小道具10の縮尺に応じて、例えばそれぞれ12インチ~120インチの範囲の長さ54及び幅56を有し得る。しかしながら、プレート50は、典型的には、長さ54が24~48インチ、例えば、長さ54が36インチであり得;プレート50は、幅56が18~42インチ、例えば、幅56が30インチであり得る。また、プレート50の切欠き52は、1インチ~12インチの範囲の幅及び/又は長さ58を有し得るが、典型的には、約5インチの幅58である。図12に示すように、上部パネル22のプレート50は、例えば、どの程度の大きさで構造物がモデル化されているかに応じて、0.0625インチ~2インチの範囲の厚さ60を有し得る。しかしながら、プレート50は、典型的には、0.125インチ~0.5インチの範囲の厚さ60、例えば、0.1875インチの厚さ60を有し得る。
【0035】
[0059] 本明細書に開示するように、上部パネル22は、典型的には少なくとも半透明であるが、好ましくは透明であり、それにより操作者又は訓練生が小道具10の中身を見ることができるようにする、例えば、小道具10の部屋及び通路を通る煙及び/又は炎の進行を見ることができるようにする。したがって、一態様において、上部パネル22のプレート50は、少なくとも半透明な材料、好ましくは透明な材料で作られ得る。例えば、一態様において、プレート50は、ガラス、例えば、実質的に透明又は透明なガラスから作られ得るが、着色された、色付きの、又はコーティングされたガラスが使用されてもよい。さらに、プレート50の材料は、好ましくは、小道具10が使用されている間に経験すると予想される熱及び/又は温度に耐えることが可能であり得る。したがって、一態様において、プレート50は、耐熱性透明ガラス、例えば、様々な提供業者によって「パイロセラム(Pyroceram)」の名称で販売されている耐熱性のガラス-セラミックなどの透明ガラス-セラミックで作られてもよい。一態様において、プレート50に使用されるパイロセラムは、Corning Glassによって提供され得る、又はその同等品であり得る。
【0036】
[0060] 図13は、図9に示される仕切りアセンブリ42の斜視図であり、図14は、図13に示される仕切りアセンブリ42の平面図である。示されるように、一態様において、仕切りアセンブリ42は、少なくとも1つの、しかし典型的には複数の仕切り又は壁44を備え、これらは、筐体12の側面と共に、又は側面なしで、複数の体積又は部屋46を画定する。仕切りアセンブリ42は、筐体12によって受け入れられるような大きさ及び形状である。一態様において、仕切り44は、1つ又は複数のベースプレート48に取り付けられてもよいが、他の態様においてベースプレート48は提供されなくてもよい。
【0037】
[0061] 一態様によれば、仕切りアセンブリ42の壁44は、開口部又は通路47を画定するように配置及び成形されてもよく、又は、例えば窓又はドアを画定する開口部又はアパーチャ49を含んでもよい。図13及び14に示されるように、開口部49は、例えば、ヒンジ式ドア又は窓を表す、可動カバー又は障害物64を備えてもよい。
【0038】
[0062] 本発明の態様によれば、仕切り44、ベースプレート48、及びドア64は、任意の適切な材料、例えば、木材、繊維板、又はパーティクルボードなどの引火性材料で作られてもよい;しかしながら、他の態様において、仕切り44及びベースプレート48は、好ましくは非引火性材料で作られてもよく、したがって繰り返し再使用が可能である。一態様において、仕切り44、ベースプレート48、及びドア64は、耐熱金属又は耐熱プラスチックから作られてもよい。耐熱金属は、鋼、ステンレス鋼、アルミニウム、又はチタンであってもよい。例えば、一態様において、仕切り44、ベースプレート48、及びドア64は、アルミニウムシート、例えば、6105-T5シリーズアルミニウム又はその等価物から作られてもよい。
【0039】
[0063] 仕切り44、ベースプレート48、及びドア64は、小道具10のサイズ及び/又は荷重に応じて、0.00625~0.50インチの範囲の厚さを有し得る。しかしながら、典型的には、仕切り44及びベースプレート48は、0.125インチ~0.375インチの範囲の厚さ、例えば0.25インチの厚さを有し得る。
【0040】
[0064] 図13及び14は、本発明の態様と共に使用され得る仕切り44及びアパーチャ49の1種類の配置を有する1つの仕切りアセンブリ42を示しているが、2つ以上、すなわち複数の異なる仕切りアセンブリ42が設けられてもよいことが想定される。例えば、複数の異なる仕切りアセンブリ42が提供されてもよく、ここで異なる仕切りアセンブリ42のそれぞれは、例えば、小道具10を用いた訓練に使用され得る異なるフロアプランを表す、仕切り44及びアパーチャ49の異なる配置を有し得る。一態様において、少なくとも10個の異なる仕切りアセンブリが提供されてもよいが、異なる仕切りアセンブリ42の数は無制限であり得ることが想定される。
【0041】
[0065] 一態様において、例えば、複数の異なる仕切りアセンブリ42を順次使用し、結果として生じる火又は煙の挙動を観察し、比較して、フロアプランを通る火及び煙の進行を制限するためにフロアプランを最適化することができる。
【0042】
[0066] 本発明の一態様によれば、仕切りアセンブリ42内の壁44の構造、及び筐体12への仕切りアセンブリ42の組み付けは、使用中の構成要素の熱膨張及び/又は収縮を可能にする。一態様において、この構造は、「フローティングパネル構造」と呼ばれる。したがって、一態様において、壁44及び仕切りアセンブリ42は、構造物に歪み又は望ましくない間隙又は開口部を生じることなく熱膨張及び収縮を可能にするために、例えば、水平面(例えば、X-Y平面)及び垂直方向(例えば、Z方向)において、要素間の十分な寛容性又は隙間をもって設計及び寸法設定されている。
【0043】
[0067] 図15は、図9に示される筐体12の斜視図である。図16は、図15に示された筐体12の分解斜視図である。図15及び16に示すように、一態様において、筐体12は、前壁14、後壁16、右側壁18、左側壁20、及び底部パネル24を支持するようにサイズ決めされ、適合された細長い水平及び垂直支持部材62から作製されてもよい。
【0044】
[0068] 一態様において、細長い水平及び垂直支持部材62は、例えば、溝形材、梁、天使、ロッド、又はバー等、筐体12の壁及び底部パネルを支持するように適合された任意の細長い構造要素であり得る。これらの構造要素は、機械的結合具、溶接、及び/又は接着剤で組み立てられてよい。細長い水平及び垂直支持部材62は、筐体12のサイズ及び荷重に応じて適切な形状及びサイズで提供されてもよい。例えば、一態様において、細長い水平及び垂直支持部材62は、3インチ~10フィートの長さを有し得るが、典型的には、24インチ~48インチ、例えば、30~36インチの長さを有し得る。細長い水平及び垂直支持部材62は、1インチ~12インチの範囲の幅又は高さを有し得るが、典型的には、2インチ~6インチ、例えば2~3インチの範囲の幅又は高さを有し得る。
【0045】
[0069] 一態様において、細長い水平及び垂直支持部材62は、押出材、例えば、適切な結合具で組み立てられたアルミニウム押出材であり得る。例えば、一態様において、水平及び垂直支持部材62は、アルミニウム「Tスロット」フレーミング押出材、例えば、インディアナ州Columbia Cityの80/20 Inc.(そのウェブサイト「8020.net」)によって提供されるTスロットアルミニウム押出材、又はそれらの均等物を含み得る。例えば、水平及び垂直支持部材62は、80/20 Inc.によって提供される押出材の以下のシリアル番号:80/20 Tスロット1030-S、80/20 Tスロット1004-S、80/20 Tスロット1002-S、80/20 Tスロット1003-S、80/20 Tスロット1010-S(参照により本明細書に含まれる80/20 Inc.の製品カタログ23に記載されている)のうちの1つ又は複数を含み得るが、他の構造押出材又は溝形材及び関連するハードウェアが使用されてもよい。
【0046】
[0070] 同じく図15及び16に示されるように、筐体12は、小道具10の取り扱い及び輸送を容易にするために、ハンドル又は同様のハードウェア63及び65を備えてもよい。ハンドル63及び65は支持部材62と両立し得るものであり、例えば、ハンドル63及び65は、Tスロットアルミニウム押出材と係合するように適合されてもよい。
【0047】
[0071] 細長い水平及び垂直支持部材62は、任意の適切な材料、例えば、金属、プラスチック、又はさらには木材を含んでもよい。しかしながら、一態様において筐体12は繰り返し熱にさらされるので、一態様において、水平及び垂直支持部材62は少なくとも難燃性であり得るが、好ましくは耐熱性であり得る。したがって、一態様において、水平及び垂直支持部材62は、耐熱性の金属、例えば、アルミニウム、鋼、ステンレス鋼、又は、チタンから作られてもよい。他の態様において、水平及び垂直支持部材62は、耐熱プラスチック、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、例えば、DuPont社から分離独立したChemours社によって提供されるTeflon(登録商標)PTFE、又はその均等物;又は熱硬化性プラスチック、例えば、ポリイミド、例えばDuPont社によって提供されるVespel(登録商標)ポリイミド又はその均等物;又はポリアミドイミド、例えばSolvey Specialty Polymers社によって提供されるTorlon(登録商標)ポリアミド-マイド、又はその均等物で作られてもよい。
【0048】
[0072] 同じく図15及び16に示されるように、前壁14、後壁16、右側壁18及び左側壁20は、筐体14のサイズ及び荷重に応じて適切な形状及び幅で提供されてもよい。例えば、一態様において、前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20は3インチ~10フィートの範囲の寸法、例えば長さ及び幅を有し得るが、典型的には、6インチ~36インチの範囲の幅又は高さ、例えば、12~30インチの範囲の幅又は高さを有し得る。一態様において、前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20は、0.0625インチ~0.5インチの範囲の厚さを有し得るが、典型的には、0.125インチ~0.375インチの範囲、例えば、0.25インチの厚さを有し得る。
【0049】
[0073] 一態様において、前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20 24のうちの1つ又は複数は、典型的には、ユーザが筐体12の中を見ること、例えば、壁の後ろの空間又は部屋を見ること、及び仕切りアセンブリ42の少なくとも一部を見ることができるように、透明、又は少なくとも半透明であり得る。したがって、一態様において、前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20、並びに底部パネル24は、本明細書に開示される透明材料のいずれか1つ、例えばパイロセラム又はその均等物から作られてもよい。一態様において、前壁14、後壁16、右側壁18、左側壁20、及び底部パネル24のうちの1つ又は複数は、任意の適切な材料、例えば、金属、プラスチック、又はさらには木材、例えば、本明細書に開示される耐熱金属又は耐熱金属又はプラスチックのいずれか1つ又は複数、例えば、アルミニウムから作られてもよい。
【0050】
[0074] 同じく図15及び16に示されるように、前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20は、それぞれヒンジ式アパーチャカバー32、34、及び36を有する1つ又は複数の開口部又はアパーチャ26、28、及び、30を有し得る。アパーチャカバー、又はドア窓、32、34、36、及び40は、従来の手段、例えば、示されるような、1つ又は複数のヒンジ37などの機械的結合具によって、前壁14、後壁16、右側壁18、及び左側壁20に対して可動式に取り付けられてもよい、例えばヒンジ結合されてもよい。本発明の態様によれば、アパーチャカバー32、34、36、及び40のうちの1つ又は複数は、例えば、筐体12内の火の源への空気供給の変化の効果を示すために、筐体12内への(又は外への)所望の空気流をもたらすように、所望に応じて開閉可能である。一態様において、アパーチャカバー又はドア32、34、36、及び40は、例えば、訓練係又は訓練生がドア32、34、36、及び40に取り付けられたハンドル又はノブ39を掴んで動かすことによってドア32、34、36、及び40を手動で開閉することによって、手動で開閉可能である。本発明の他の態様において、アパーチャカバー又はドア32、34、36、及び40は、例えば、ドア32、34、36、及び40に取り付けられた1つ又は複数の連結具であって、訓練係によって、又はコントローラ、例えばプログラム可能論理コントローラ等を介して訓練係によって操作される、モータ又はトランスデューサ、例えば、モータ、空気圧アクチュエータ、又は変位トランスデューサ、例えば線形変位トランスデューサによって動かされる1つ又は複数の連結具を介して、自動的に開閉可能である。
【0051】
[0075] 一態様において、アパーチャカバー、又はドア若しくは窓、32、34、36、及び40は、小道具10内の特定の火の挙動現象(例えば、「バックドラフト」)の間に自動的に開いて過圧を解放するように設計されてもよい。例えば、一態様において、アパーチャカバー、又はドア窓、32、34、36、40は、カバー上の予め定められた負荷、例えば、カバーの内面上の予め定められた圧力負荷の下でカバーが偏向することを可能にするように選択されたばね荷重式ヒンジ又はカウンターウェイトを含み得る。一態様において、カバーは、カバーが予め定められた負荷の下で偏向する予め定められた重量を有するように設計されてもよい。別の態様において小道具10内の圧力を検出するために、圧力センサが使用されてもよい。圧力センサは、所定の圧力が圧力センサによって検出されるとカバーを作動させて偏向させるカバー開放機構に結合されてもよい。小道具10内の過圧を解放するための他の方法が当業者には明らかであろう。
【0052】
[0076] 本発明の一態様によれば、とりわけ、壁14、16、18、及び20、上部22、及び底部24、並びに支持部材62は、使用中の構成要素の熱膨張及び/又は収縮を可能にする。一態様において、この構造は、「フローティングパネル構造」と呼ばれる。したがって、一態様において、壁14、16、18、及び20、上部22、及び底部24、並びに支持部材62は、筐体12に歪みや望ましくない間隙又は開口部を形成することなく熱膨張及び/又は収縮を可能にするために、例えば、水平面(例えば、X-Y平面)及び垂直方向(例えば、Z方向)において、要素間の十分な寛容性又は隙間をもって設計及び寸法決めされる。
【0053】
[0077] 本発明の一態様において、図1~8に示すように、小道具10の筐体12は、筐体12内で並進及び/又は回転するように取り付けられた1つ又は複数の制御ロッド43、45、及び47を含む。一態様において、1つ又は複数の制御ロッド43、45、及び47は、筐体12の外に延び、ユーザ、例えば訓練係又は訓練生に対してアクセス可能であってもよい。一態様において、1つ又は複数の制御ロッド43、45、及び47は、筐体12の外に延びず、筐体12内又は底部パネル24の下に位置決めされ、筐体12内及び/又は筐体12の底部パネル24の下に位置決めされた制御又は操作機構、例えば自動連結具及び/又はトランスデューサに対してアクセス可能であってもよい。図17は、制御ロッド43、45、又は47のうちの1つ又は複数が筐体12内の内部ドアを操作するために使用され得る1つの手段を示す図である。
【0054】
[0078] 図17は、制御ロッド43、45、又は47のうちの1つ又は複数が内部ドア64を操作するために使用され得る1つの手段を示す、筐体12の一部の部分的な断面図である。内部ドア64は、ヒンジ66によって筐体12内の仕切りアセンブリ42の壁44に取り付けられてもよい。制御ロッド43、45、及び47はそれぞれ、図17に示すように構成されてもよいが、制御ロッド45のみが図17に示されている。図18は、ドア64が閉位置にある、図17に示されるドア64及び制御ロッド45の隔離されたアセンブリの斜視図であり、図19は、ドア64が開位置にある、図18に示される隔離されたアセンブリの斜視図である。
【0055】
[0079] 図17、18、及び19に示すように、一態様において、制御ロッド45(又はロッド43及び47)は、水平支持部材62の穴又はスロット72を通って延びる、取り扱いを容易にするノブ又は突起70を有していてもよい細長い部材68を備え得る。制御ロッド45は、広範な機構及び/又はハードウェアを介してドア64に動作可能に接続され、所望の機能を発揮し得ることが想定されるが、図17、18、及び19に示す態様において、制御ロッド45は一続きの適切なハードウェアでドア64と係合している。図17、18、及び19に示されるように、一態様において、制御ロッド45の細長い部材68は、フォーク状のクレビス又はヨーク74に取り付けられ、例えばねじ込まれ、フォーク状のクレビス又はヨーク74はクレビス74内でピン75を介してねじ付きアイボルト76に回転可能に係合している。アイボルト76は、ねじ付きロッド80が位置決めされているブロック78にねじ込まれている。ねじ付きロッド80は、例えば、1つ又は複数のねじ付き結合具によってドア64に取り付けられたドア取り付けブロック82の中に延び、係合している。本発明のこの態様によれば、図17において両頭矢印84によって示されるように、制御ロッド45の前後への並進によって、ドア64、又は制御ロッドによって同様に係合され、筐体12の仕切りアセンブリ42に取り付けられた任意のドアが、開閉され得る。
【0056】
[0080] 図20は、図5に示された詳細20によって特定される、図5に示された後壁16の詳細図である。図20は、本発明の一態様による小道具10に流体、例えば、空気を導入するための1つの手段を示している。図20に示すように、一態様において、壁16は、例えば、酸素含有流体、例えば空気の導入の効果、又は、小道具10内に存在するアクティブな火に対する消火流体、例えば水の効果を実証するために、小道具10に流体を導入することができる穴、ポート、又はオリフィス84(図20に点線で示す)を含んでもよい。図20は小道具10の後壁16に関連しているが、穴84は、本発明の態様に従って、前壁14、後壁16、右側壁18、左側壁20、上部22、及び/又は底部24の1つ又は複数に配置され得ることが想定される。
【0057】
[0081] 図20に示すように、一態様において、穴84は、カバー86、例えば、ユーザがカバー86を変位又は取り外して穴84を露出させてアクセスすることを可能にする容易に移動可能なカバー86を備えてもよい。一態様において、カバー86は、穴84を通した小道具10内への流体、例えば空気の漏れ又は導入を最小化又は防止するための何らかの形式のシール装置又は機構を含んでもよい。示されるように、一態様において、カバー86は、壁16に対して回転又は変位するように取り付けられたプレート、例えば円形又は多角形のプレートを備えてもよい。例えば、一態様において、カバー86は、リベット、ボルト、又はねじなどの結合具88によって側壁16に取り付けられてもよく、カバー86は、結合具88に対して回転可能に変位して穴84を露出させることができる。図21は、図20に示されるカバー86の位置から、矢印90で示されるように、カバー86が回転可能に変位して穴84を露出させた、図20と同様の詳細図である。一態様において、カバー86は、カバー86の変位、例えば小道具10を使用する訓練係又は訓練生による手動変位を容易にするように位置決められ且つサイズ決めされたハンドル又はピン92を含んでもよい。
【0058】
[0082] 流体を導入するための任意の従来の手段が、例えば、穴84を圧縮空気源に結合すること、穴84を加圧水源に結合すること、又は単に穴84に吹き込むことによって、穴84を通して流体を導入するために実践され得ることが想定されるが、図22は、穴84を通して小道具10に流体を導入し得る一例を示すものである。
【0059】
[0083] 図22は、図21の視線22に沿って見た、図21に示された穴84を有する壁16の断面図である。さらに、図22は、穴84に挿入され、例えば、導管94を通して吹き込むことによって穴84を通して流体を導入するために使用され得る、流体導入導管94、例えば、管、パイプ、又はストローの存在を示している。一態様において、導管94は、流体の源、例えば圧縮空気の源又は加圧水の源に動作可能に接続されてもよい。導管94から小道具10の内部への流体の流れは、図22に示す矢印93によって表される。図22に同じく示されるように、穴84は、壁16に取り付けられたスリーブ又はグロメット96の内径によって提供されてもよい。スリーブ96は、典型的には円形の断面であってもよいが、スリーブ96は、多角形の断面など非円形の断面を有していてもよい。スリーブ96は、任意の従来の材料から作られてもよいが、典型的には、耐熱材料、例えば、本明細書に開示される耐熱金属又は耐熱プラスチックのうちのいずれか1つで作られてもよい。
【0060】
[0084] 穴84は、小道具10のサイズに応じて、例えば0.125インチ~1.0インチの範囲の内寸又は内径を有し得るが、典型的には、穴84は0.25インチ~0.375インチの範囲の内寸を有する。
【0061】
[0085] 導管94は、典型的には断面が円形で、穴84の内径に適合する外径を有し得るが、導管94は、非円形の断面、例えば多角形の断面を有し得る。導管94は、任意の従来の材料から作られてもよいが、典型的には、耐熱材料、例えば、本明細書に開示される耐熱金属又は耐熱プラスチックのうちのいずれか1つで作られてもよい。
【0062】
[0086] 図23及び24は、本発明の一態様による小道具10の使用方法を示す。図23は、図1~22に関して示され、記載された小道具10の平面図である。具体的には、図23は、筐体12、透明な上部パネル22(図23にはその一部のみが示されている)、体積又は部屋46を画定する壁44を有する内部仕切りアセンブリ42を有する小道具10を示している。図23又は24には示されていないが、前壁14、後壁16、右側壁18、左側壁20、及び底部パネル24のうちの1つ又は複数は、ユーザが筐体12内を見ることができるように透明であってもよい。細長い要素68を有する制御ロッド43、45、47は、小道具10内に延び、仕切りアセンブリ42の壁44に枢動可能に取り付けられた内部ドア64に動作可能に接続される。本明細書に開示されるように、本発明の一態様によれば、制御ロッド43、45、及び47のそれぞれは、ドア64に動作可能に接続され、それによって制御ロッド43、45、及び47を引き出す、挿入する、又は回転させることによりドア64が開閉される。ドア64は、図23において開いた位置にあり、図24において閉じた位置で示される。図40に同じく示されるように、筐体12は、筐体12に枢動可能に取り付けられたアパーチャカバー40を含む。
【0063】
[0087] 本発明の態様によれば、引火性材料が小道具10内に位置決めされて点火され、その後、点火された引火性材料によって発せられる炎及び/又は煙の進行が、例えば、消防士又は第1対応者訓練生によって小道具10の透明上部パネル22を通して観察され得る。図23に示す態様では、引火性(又は強燃性又は可燃性)材料は、筐体12の部屋46で点火され、炎72を発生させる。当技術分野で知られているように、「引火性」材料は37.8度C(100度F)未満の引火点を有する材料であり、「可燃性」材料は37.8度C(100度F)より高く、93.3度C(200度F)未満の引火点を有する材料である。本発明の態様によれば、点火のために小道具10に導入される材料は、引火性材料及び/又は可燃性材料であってもよい。
【0064】
[0088] 本発明の態様によれば、引火性材料は、木、紙、又は他の可燃性材料などの引火性固体、及び/又は液体ガソリン、ガス状プロパン、天然ガス(主にメタン)、灯油、アルコール(メタノール、エタノール、又は変性アルコールなど)等などの引火性流体であり得る。一態様において、引火性材料は、小道具10内の容器、例えば、トレイ又は缶など上部が開いている容器内に位置決めされ、その後点火されてもよい。点火源は、例えば、マッチ又はライター、例えば、ロングリーチライターであってもよい。一態様において、引火性材料は、例えば、電気点火器又は火花発生器(例えば、「火花発生装置」)を使用して、自動で点火されてもよい。自動化された点火器は、局所的又は遠隔的に通電されてもよく、例えば、制御システムによって局所的又は遠隔的に動作可能に接続及び制御されてもよい。
【0065】
[0089] 図24は、炎72が部屋46内で前進又は停滞するときの、図23に示す小道具10の平面図である。図24に同じく示されるように、本発明の一態様によれば、操作者、例えば消防士訓練係又は第1対応者訓練係は、制御ロッド43、45及び/又は47の1つ又は複数を操作して1つ又は複数のドア64を開閉し、小道具10の側面にある側壁ドア32、34、及び/又は36の1つ又は複数を開閉し、及び/又は小道具10の上部にあるアパーチャカバー40の1つ又は複数を開閉して、炎72の前進又は停滞に対する影響を観察し得る。
【0066】
[0090] 図24に示す態様において、操作者は、矢印74で示すように、筐体12から制御ロッド47を引き出し、それによって、ドア64を閉じ、矢印76で示すように炎72からの煙及び/又は火が部屋46から流れ出るのを防止する。一態様によれば、小道具10の上部にある1つ又は複数のアパーチャカバー40も、例えば、矢印41で示すように、操作者によって手動で開かれ、炎72からの煙及び/又は火のさらなる進行が透明上部パネル22を通して観察されてもよい。
【0067】
[0091] 一態様において、小道具10内の1つ又は複数のドア64の開閉、及び/又はドア32、34、36、及び/又は38の1つ又は複数の開閉は、炎72への空気の流路及び/又は流量を変化させる及び/又は制御するために使用されてもよい。加えて、又は代替案として、小道具10内の1つ又は複数のドア64の開閉、及び/又はドア32、34、36及び/又は38の1つ又は複数の開閉は、炎72からの排ガス(例えば、煙)の流路及び/又は流量を変化させる及び/又は制御するために使用されてもよい。本発明の態様によれば、炎72への空気の流路及び/又は流量、及び/又は炎72からの排ガスの流路及び/又は流量を変化させる又は制御することは、これらの流体の流れが実際の火災事故の間に火の前進及び/又は抑制に及ぼし得る影響に対する訓練生の理解及び認識を高め得る。
【0068】
[0092] 本明細書に開示されるように、ドア64、カバー32、36、38、及び40のうちのいずれか1つは、手動で操作されてもよく、及び/又は自動化手段、例えば、遠隔作動及び制御によって操作されてもよい。
【0069】
[0093] 一態様において、小道具10は、操作性及び訓練経験をさらに向上させるために、計器、コントローラ、及び又はセンサで補完されてもよい。例えば、一態様において、小道具10は、図23及び24に示されるような1つ又は複数のセンサ84、例えば、とりわけ、温度(例えば、熱電対)、湿度、化学濃度、又は爆発限界など、少なくとも1つの周囲条件を検出するように構成されたセンサで補完されてもよい。センサ84は、検出された周囲条件に対応する電気信号を生成し、その電気信号を、電気信号を受信するように構成された受信機に(有線又は無線で)転送するように適合されてもよい。受信機は、即時又は将来の表示のために電気信号を記憶するように適合されたデジタル記憶装置に動作可能に接続されてもよい。
【0070】
[0094] ある態様において、画像記録装置又はカメラ、例えば、ビデオ及び/又は熱画像形成装置が小道具10に配置されてもよい。例えば、一態様において、小道具10は、図23及び24に示すように、1つ又は複数の画像記録装置又はカメラ86、例えば、赤外線(熱)又は視覚画像などの画像を、静止画像及び/又はビデオ画像のいずれかとして検出するように構成された装置で補完されてもよい。画像記録装置86は、検出された画像に対応する電気信号を生成し、その電気信号を、電気信号を受信するように構成された受信機に(有線又は無線で)転送するように適合されてもよい。受信機は、即時又は将来の表示のために電気信号を記憶するように適合されたデジタル記憶装置に動作可能に接続してもよい。
【0071】
[0095] 一態様において、小道具10は、監視システム、例えば、ニューヨーク州TroyのFlashpoint Fire Equipment,Inc.によって販売され、2019年4月8日に提出された係属中の米国特許出願第16/377,438号(その開示内容は参照により本明細書に含まれる)に開示されている温度監視システムと通信可能であるように構成されてもよい。
【0072】
[0096] 図25及び26は、本発明のさらなる態様を示す。図25は、小道具アセンブリ100の斜視図であり、本明細書に開示されるような複数の小道具10が上下に積み重ねられている。本発明の態様によれば、2個以上の小道具10が小道具アセンブリ100に提供されてもよく、ここで小道具10は適切なハードウェアによって相互接続されてもよく、例えば、Tスロットアルミニウム押出材と共に用いられる従来の結合具が、2個以上の小道具10を小道具アセンブリ100に組み立てるために用いられてもよい。本発明の態様によれば、3個以上の小道具10が、小道具アセンブリ100を提供するために積み重ねられて相互接続されてもよい。また、5個以上の小道具10、又は10個以上の小道具10が、小道具アセンブリ100を提供するために積み重ねられて相互接続されてもよいことが想定される。図25に同じく示されるように、小道具アセンブリ100内の小道具10のサイズ又は形状は、変化してもよい。
【0073】
[0097] 図26は、小道具アセンブリ110の斜視図であり、本明細書に開示されるような複数の小道具10が水平アレイ状に組み立てられ、小道具10は他の小道具10に隣接するように組み立てられている。本発明の態様によれば、2個以上の小道具10が小道具アセンブリ110に提供されてもよく、ここで小道具10は適切なハードウェアによって相互接続されてもよく、例えば、Tスロットアルミニウム押出材と共に用いられる従来の結合具が、2個以上の小道具10を小道具アセンブリ110に組み立てるために使用されてもよい。本発明の態様によれば、3個以上の小道具10が、小道具アセンブリ110を提供するために配置され、相互接続されてもよい。また、5個以上の小道具10、又は10個以上の小道具10が、小道具アセンブリ110を提供するために組み立てられ、相互接続されてもよいことが想定される。図26に同じく示されるように、小道具アセンブリ110内の小道具10のサイズ又は形状は、変化してもよい。
【0074】
[0098] また、小道具10の3次元アセンブリを提供するために、3個以上の小道具10が、図25に示すようなスタック状及び図26に示すような水平アレイ状の両方で組み立てられてもよいことが想定される。
【0075】
[0099] 本明細書に開示されるように、小道具、装置、アセンブリ、及び方法が、構造物における火及び煙の動的挙動内での訓練を促進及び強化するために提供され、火の抑制技術の効果を説明することができる。本発明の態様は、消防士及び他の第1対応者の訓練に有用であり得るが、本明細書に開示された小道具及び方法を用いた訓練へのアクセスから利益を得るかもしれない訓練生は、無限である。本発明の態様は、卓上型スケールモデル構造物における火の挙動を、横から又は下からの視点と共に又はそれらの視点なしに、上から観察するユニークな機会を提供する。さらに、本発明の態様は、訓練係及び訓練生が、異なる火の抑制技術の有効性を観察及び比較し、空気入力及び/又は消火流体の変化が火の挙動に及ぼす影響を観察することを可能にする。
【0076】
[00100] 本明細書で使用される用語は、特定の実施形態を記載することのみを目的とし、本開示を限定することを意図するものではない。本明細書で使用される際、単数形「a」、「an」、及び「the」は、文脈が明らかにそうでないことを示さない限り、複数形も含むように意図されている。本明細書で使用される際、「備える(comprises)」及び/又は「備える(comprising)」という用語は、述べられた特徴、整数、ステップ、操作、要素、及び/又は構成要素の存在を特定するが、1又は複数の他の特徴、整数、ステップ、操作、要素、構成要素、及び/又はそれらの群の存在又は追加を排除しないことがさらに理解されるであろう。
【0077】
[00101] 以下の請求項における全てのミーンズ又はステップ・プラス・ファンクション要素の対応する構造、材料、行為、及び均等物は、具体的に特許請求されたような他の特許請求された要素と組み合わせて機能を実行するための任意の構造、材料、又は行為を含むことを意図している。
【0078】
[00102] 本開示の記載は、例示及び記載の目的で提示されたが、網羅的であること及び開示された形態の開示内容に限定されることを意図するものではない。多くの修正及び変形が、本開示の範囲及び趣旨から逸脱することなく、当業者には明らかであろう。実施形態は、本開示の原理及び実用的な用途を最もよく説明するために、また、当業者が、企図される特定の使用に適するように様々な修正を伴う様々な実施形態について本開示を理解できるように、選択及び記載された。
【0079】
[00103] 本発明のいくつかの態様が本明細書に記載され描かれたが、代替の態様が同じ目的を達成するために当業者によって実施されてもよい。したがって、添付の特許請求の範囲によって、本発明の真の趣旨及び範囲内に入る全ての代替的な態様をカバーすることが意図される。
図1
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図3
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【国際調査報告】