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特表2023-524695GLP-1作動薬およびヒスチジンを含む固形組成物
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  • 特表-GLP-1作動薬およびヒスチジンを含む固形組成物 図1
  • 特表-GLP-1作動薬およびヒスチジンを含む固形組成物 図2
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】GLP-1作動薬およびヒスチジンを含む固形組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 45/00 20060101AFI20230606BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20230606BHJP
   A61P 3/04 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 38/22 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 47/18 20170101ALI20230606BHJP
   A61K 47/22 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20230606BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20230606BHJP
   C07K 14/47 20060101ALN20230606BHJP
【FI】
A61K45/00 ZNA
A61P3/10
A61P3/04
A61K38/22
A61K47/18
A61K47/22
A61K47/32
A61K47/38
C07K14/47
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566207
(86)(22)【出願日】2021-04-28
(85)【翻訳文提出日】2022-10-28
(86)【国際出願番号】 EP2021061125
(87)【国際公開番号】W WO2021219710
(87)【国際公開日】2021-11-04
(31)【優先権主張番号】20172111.5
(32)【優先日】2020-04-29
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.プルロニック
2.AVICEL
(71)【出願人】
【識別番号】509091848
【氏名又は名称】ノヴォ ノルディスク アー/エス
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】セーレン・スコフ・イェンセン
(72)【発明者】
【氏名】ロバート・ジェームズ・ダンサー
(72)【発明者】
【氏名】ルイーズ・トルストルム
(72)【発明者】
【氏名】モルテン・ハッチ
【テーマコード(参考)】
4C076
4C084
4H045
【Fターム(参考)】
4C076AA36
4C076BB01
4C076CC16
4C076DD52
4C076DD60
4C076EE16
4C076EE31
4C076FF05
4C076FF06
4C076FF63
4C076GG09
4C084AA17
4C084BA44
4C084DB37
4C084MA35
4C084MA52
4C084NA03
4C084ZA701
4C084ZC032
4C084ZC351
4H045AA10
4H045AA30
4H045BA10
4H045CA40
4H045DA30
4H045EA20
(57)【要約】
本発明は、GLP-1作動薬を含む安定化固形医薬組成物に関する。本発明はさらに、こうした組成物の調製のためのプロセス、およびそれらの医薬品における使用に関する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
固形医薬組成物であって、
i)GLP-1作動薬と、
ii)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
iii)ヒスチジンと、を含む、固形医薬組成物。
【請求項2】
ヒスチジンの前記GLP-1作動薬に対するモル比が、少なくとも0.5である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が、1つ以上の薬学的賦形剤をさらに含む、請求項1または2に記載の組成物。
【請求項4】
前記GLP-1作動薬が、少なくとも1つのアルブミン結合置換基を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項5】
前記GLP-1作動薬が、リラグルチド、セマグルチド、GLP-1作動薬B、およびGLP-1作動薬Cから成る群から選択される、請求項1~4のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項6】
前記N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、請求項1~5のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項7】
前記組成物が、経口投与用の医薬組成物である、請求項1~6のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項8】
前記組成物が、錠剤である、請求項1~7のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項9】
i)GLP-1作動薬、例
えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ii)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)、
iii)ヒスチジン、
iv)滑沢剤、および
v)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含むか、またはそれらから成る、請求項1~8のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項10】
用量単位が、
i)0.5~100mg、例えば、0.5~50mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬Cと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)と、
iii)0.01~200mgのヒスチジンと、
iv)1~15mgの滑沢剤と、
v)任意選択で、1~20mgの結合剤、例えば、ポビドンと、
vi)任意選択で、30~500mgの崩壊剤、例えば、ニコチンアミドと、
vii)任意選択で、20~100mgの充填剤、例えば、MCCと、を含む、請求項1~9のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項11】
前記組成物が、糖尿病および/または肥満の治療方法で使用するための医薬組成物である、請求項1~10のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項12】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)GLP1作動薬およびヒスチジンを含むブレンドを取得する工程と、
ii)前記i)のブレンドを共処理する工程と、
iii)ii)の生成物を使用して、前記固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法。
【請求項13】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)GLP1作動薬およびヒスチジンを含む溶液を取得する工程と、
ii)前記i)の溶液を噴霧乾燥する工程と、
iii)ii)の生成物を使用して、前記固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法。
【請求項14】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩および滑沢剤を含むブレンドを取得する工程と、
ii)前記i)のブレンドを乾式造粒により造粒する工程と、
iii)ii)の造粒物を、GLP1作動薬およびヒスチジンと、ならびに任意選択でさらなる賦形剤と混合する工程と、
iv)iii)の混合物を使用して、前記固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法。
【請求項15】
固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)NACの塩および滑沢剤を含むブレンドを取得する工程と、
ii)前記i)のブレンドを乾式造粒により造粒する工程と、
iii)GLP1作動薬およびヒスチジンを含む溶液を取得する工程と、
iv)前記iii)の溶液を噴霧乾燥する工程と、
v)ii)の造粒物を、iii)の生成物と、および任意選択でさらなる賦形剤と混合する工程と、
vi)iii)の混合物を使用して前記固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GLP-1作動薬と、ヒスチジンと、を含む固形医薬組成物、それらの調製方法、および医薬品におけるそれらの使用に関する。
【0002】
配列表の参照による組み込み
「SEQUENCE LISTING」と題する配列表は、4KBであり、2021年4月22日に作成され、参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
ヒトGLP-1およびその類似体は、低い経口バイオアベイラビリティを有する。経口投与後のヒトGLP-1およびその類似体の曝露量およびバイオアベイラビリティは、非常に低い。ヒトGLP-1およびその類似体は、ある特定の吸収促進剤と特定の量で製剤化された場合、経口投与後にのみ治療的に適切な血漿濃度に達することができる。
【0004】
[非特許文献1]は、GLP-1(7-36)アミドと、150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)とを含む錠剤の経口投与を開示している。
【0005】
[特許文献1]は、タンパク質と、N-(8-[2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩(SNAC)と、を含む、経口医薬組成物を開示している。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の塩を含有するGLP-1類似体の経口剤形を開示する特許出願には、[特許文献2]、[特許文献3]、[特許文献4]、[特許文献5]、および[特許文献6]が含まれる。さらに改善された製剤は、[特許文献7]および[特許文献8]に記載されている。
【0006】
特定の製剤とは無関係に、GLP-1類似体の安定性は、固形GLP-1組成物が、保存中に有効性を確実に維持し、また生成物の貯蔵寿命を延長することによって医薬組成物の廃棄を最小限に抑えるために非常に重要である。さらに、GLP-1類似体の安定性は、それが生成物の貯蔵寿命中に実行可能な保存温度に影響を与えるため非常に重要であり、これは、固形経口剤形の周囲の室温であることが好ましい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】国際公開第2010/020978号
【特許文献2】国際公開第2012/080471号
【特許文献3】国際公開第2013/189988号
【特許文献4】国際公開第2013/139694号
【特許文献5】国際公開第2013/139695号
【特許文献6】国際公開第2014/177683号
【特許文献7】国際公開第2019/149880号
【特許文献8】国際公開第2019/215063号
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Steinert et al.(Am J Clin Nutr,Oct 2010;92:810-817)
【発明の概要】
【0009】
本発明は、GLP-1作動薬と、ヒスチジンと、を含む、固形組成物に関する。本発明は、一実施形態において、GLP-1作動薬と、吸収促進剤または送達剤と、ヒスチジンと、を含む、固形組成物に関する。
【0010】
本発明による組成物は、バランスの取れた量のGLP-1作動薬およびヒスチジンを含む。
【0011】
驚くべきことに、本発明者らは、組成物が比較的少量のヒスチジンを用いて調製される場合、GLP-1作動薬の増加した安定性が観察されることを発見した。
【0012】
本発明の一態様は、固形組成物であって、
i)GLP-1作動薬と、
ii)ヒスチジン、を含む、固形組成物に関する。
【0013】
本発明の一実施形態は、固形医薬組成物であって、
i)GLP-1作動薬と、
ii)送達剤と、
iii)ヒスチジンと、を含む、固形医薬組成物に関する。
【0014】
本発明の一実施形態は、固形医薬組成物であって、
i)GLP-1作動薬と、
ii)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
iii)ヒスチジンと、を含み、
ヒスチジンのモルが、GLP-1作動薬のモルの少なくとも半分と等しい、固形医薬組成物に関する。
【0015】
一実施形態では、固形医薬組成物は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬Cと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)と、
iii)0.01~200mgのヒスチジンと、を含む。
【0016】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)GLP-1作動薬およびヒスチジンを混合する工程と、
ii)i)の生成物を使用して、該固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法に関する。
【0017】
本発明のさらなる態様は、本明細書に記載の固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)GLP-1作動薬およびヒスチジンを共処理する工程と、
ii)i)の生成物を使用して、該固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法に関する。
【0018】
さらなる態様は、本明細書に記載の組成物の医療的使用に関する。一実施形態は、経口投与のための組成物などの本明細書に記載の組成物の医薬用途に関する。さらなる実施形態では、組成物は、糖尿病および/または肥満の治療方法で使用するための医薬組成物である。
【0019】
さらなる態様では、本発明は、糖尿病または肥満の治療方法に関し、本明細書で定義される組成物の投与を、それを必要としている患者に行うことを含む。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1図1は、2、4、および6週間後に測定された錠剤中のホルムアルデヒド付加物の量を示す。
図2図2は、2、4、および6週間後に測定された錠剤中のアセトアルデヒド付加物の量を示す。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書に記載される本発明の態様は、GLP-1作動薬と、安定性促進剤、例えば、ヒスチジンと、を含む、組成物、例えば、GLP-1作動薬と、吸収促進剤または送達剤と、ヒスチジンと、を含む、組成物に関する。好ましくは、組成物は、錠剤、小袋、またはカプセルによって例示される固形形態などの、経口投与に好適な形態であり得る。一実施形態では、組成物は、経口投与用の組成物または経口医薬組成物などの医薬組成物である。
【0022】
GLP-1作動薬
本明細書で使用される場合、「GLP-1作動薬」という用語は、ヒトGLP-1受容体を完全または部分的に活性化する化合物を指す。したがって、この用語は、他の文書で使用される「GLP-1受容体作動薬」という用語と等しい。GLP-1作動薬という用語、ならびに本明細書に記載の特定のGLP-1作動薬はまた、その塩形態も包含する。
【0023】
その結果、GLP-1作動薬は、「GLP-1活性」を示すべきであるということになり、これは、GLP-1受容体に結合し、シグナル伝達経路を開始し、インスリン分泌促進作用または当該技術分野で公知のような他の生理学的効果をもたらす化合物、すなわち、GLP-1類似体またはGLP-1類似体を含む化合物の能力を指す。いくつかの実施形態では、「GLP-1作動薬」は、例えば、親和性定数(K)でGLP-1受容体に結合するか、または当該技術分野で公知の方法(例えば、WO98/08871を参照)によって測定される場合、1μM未満、例えば、100nM未満のその効力(EC50)で受容体を活性化し、かつインスリン分泌促進活性を示し、インスリン分泌促進活性は、当業者に公知のインビボまたはインビトロアッセイで測定され得る。例えば、GLP-1作動薬は、増加した血糖を有する(例えば、静脈内グルコース負荷試験(IVGTT)を使用して得られる)動物に投与され得る。当業者であれば、例えば、IVGTTに関する動物種に応じて、好適なグルコース投与量および好適な血液試料採取方法を決定し、経時的な血漿インスリン濃度を測定することができる。好適なアッセイは、WO2015/155151などに記載されている。
【0024】
50%効果濃度(EC50)という用語は概して、用量反応曲線を参照することにより、ベースラインと最大との中間の反応を誘発する濃度を指す。EC50は、化合物の効力の尺度として使用され、その最大効果の50%が観察される濃度を表す。本明細書に記載されるような置換基を含むGLP-1作動薬のアルブミン結合効果のために、アッセイがヒト血清アルブミンを含むかどうかに注意を払うことが重要である。
【0025】
GLP-1作動薬のインビトロ効力は、2015/155151、ヒト血清アルブミン(HSA)を含まない実施例29に記載されるように決定されてもよく、かつEC50が決定されてもよい。EC50値がより低いほど、効力がより良好である。一実施形態では、(HSAなしで)決定された効力(EC50)は、5~1000pM、例えば10~750pM、10~500pM、または10~200pMである。一実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大500pM、例えば、最大300pM、例えば、最大200pMである。
【0026】
一実施形態では、EC50(HSAなし)は、ヒトGLP-1(7-37)と同等である。
【0027】
一実施形態では、EC50(HSAなし)は、最大50pMである。さらなるそのような実施形態では、EC50は、最大40pM、例えば、最大30pM、例えば、最大20pM、例えば、最大10pMである。一実施形態では、EC50は、約10pMである。
【0028】
同様に、または代替的に、GLP-1作動薬のアルブミンへの結合が、HSAを含む実施例29のインビトロ効力アッセイを使用して測定されてもよい。血清アルブミンの存在下でのインビトロ効力、EC50値の増加は、血清アルブミンとの親和性を反映する。
【0029】
一実施形態では、(1%HSAで)決定された効力(EC50)は、5~1000pM、例えば、100~750pM、200~500pM、または100~400pMである。一実施形態では、EC50(1%HSAを有する)は、最大750pM、例えば、最大500pM、例えば、最大400pM、例えば、最大300、または例えば、最大250pMである。
【0030】
必要な場合、公知のGLP-1受容体作動薬に関する倍数変動は、EC50(試験類似体)/EC50(公知の類似体)として計算され得、この比が0.5~1.5または0.8~1.2などである場合、効力は、同等であるとみなされる。
【0031】
一実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、リラグルチドの効力と同等である。
【0032】
一実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、セマグルチドの効力と同等である。
【0033】
一実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、GLP-1作動薬Bの効力と同等である。
【0034】
一実施形態では、効力、EC50(HSAなし)は、GLP-1作動薬Cの効力と同等である。
【0035】
一実施形態では、効力、EC50(1%HSAを有する)は、リラグルチドの効力と同等である。
【0036】
一実施形態では、効力、EC50(1%HSAを有する)は、セマグルチドの効力と同等である。
【0037】
一実施形態では、効力、EC50(1%HSAを有する)は、GLP-1作動薬Bの効力と同等である。
【0038】
一実施形態では、効力、EC50(1%HSAを有する)は、GLP-1作動薬Cの効力と同等である。
【0039】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、コ-作動薬またはトリ-作動薬などの二官能性分子である。
【0040】
一実施形態では、GLP-1作動薬はまた、胃抑制ポリペプチド受容体作動薬(GIP作動薬)である。一実施形態では、GLP-1作動薬は、チルゼパチドである。
【0041】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、任意選択で1つの置換基を含む、GLP-1類似体である。GLP-1ペプチド(以下「ペプチド」)を参照して本明細書で使用される「類似体」という用語は、ペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、別のアミノ酸残基で置換されている、および/または少なくとも1つのアミノ酸残基が、ペプチドから欠失している、および/または少なくとも1つのアミノ酸残基が、ペプチドに付加されている、および/またはペプチドの少なくとも1つのアミノ酸残基が、修飾されている、ペプチドを意味する。アミノ酸残基のそのような付加または欠失は、ペプチドのN末端および/またはペプチドのC末端に発生し得る。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬を記載するために単純な用語体系が使用され、例えば、[Aib8]GLP-1(7-37)は、GLP-1(7-37)の類似体を示し、8位の自然発生のAlaは、Aibで置換されている。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、例えば、GLP-1(7-37)と比較して、例えば、置換、欠失、挿入、および/または修飾によって変更された、最大12個、例えば最大10個、8個、または6個のアミノ酸を含む。いくつかの実施形態では、類似体は、例えば、GLP-1(7-37)と比較して、最大10個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、例えば最大9個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大8個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大7個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大6個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大5個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、最大4個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入、または最大3個の置換、欠失、付加、および/もしくは挿入を含む。別段の定めのない限り、GLP-1は、L-アミノ酸のみを含む。
【0042】
いくつかの実施形態では、本明細書で使用される「GLP-1類似体」または「GLP-1の類似体」という用語は、ヒトグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1(7-37))のバリアントである、ペプチド、または化合物を指す。GLP-1(7-37)は、配列HAEGTFTSDV SSYLEGQAAKEFIAWLVKGRG(配列番号1)を有する。いくつかの実施形態では、「バリアント」という用語は、1つ以上のアミノ酸置換、欠失、付加、および/または挿入を含む化合物を指す。
【0043】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)の全長にかけてGLP-1(7-37)に対する少なくとも60%、65%、70%、80%、または90%の配列同一性を示す。2つの類似体の間の配列同一性の決定のための方法の一例として、2つのペプチド[Aib8]GLP-1(7-37)およびGLP-1(7-37)を整列させる。GLP-1(7-37)に対する[Aib8]GLP-1(7-37)の配列同一性は、整列された同一の残基の数から異なる残基の数を減算し、GLP-1(7-37)中の残基の総数で除算することによって得られる。したがって、該例では、配列同一性は、(31-1)/31である。
【0044】
一実施形態では、GLP-1作動薬のC末端は、アミドである。
【0045】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1(7-37)またはGLP-1(7-36)アミドである。いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、エキセンディン-4であり、その配列は、HGEGTFITSDLSKQMEEEAVRLFIEWLKNGGPSSGAPPPS(配列番号2)である。一実施形態では、GLP-1作動薬は、WO2013009545およびその中の参考文献に開示されているように、エキセンディン-4類似体またはその改変ペプチドである。
【0046】
GLP-1作動薬の効果を延長するために、GLP-1作動薬が、延長された半減期を有することが好ましい。半減期は、WO2012/140117に記載されるように、雄のSprague Dawleyラットまたはミニブタなどの適切なモデルにおいて、当該技術分野で公知の方法によって決定され得る。ラットの半減期は、その中の実施例39のように決定されてもよく、ミニブタの半減期は、実施例37のように決定されてもよい。
【0047】
一実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ラットにおいて2時間超の半減期を有する。一実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ラットにおいて、4時間超、例えば6時間超、例えば8時間超、例えば10時間超、例えば12時間超、または例えば15時間超の半減期を有する。
【0048】
一実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて24時間超の半減期を有する。一実施形態では、本発明によるGLP-1作動薬は、ミニブタにおいて、30時間超、例えば36時間超、例えば42時間超、例えば48時間超、例えば54時間超、または例えば60時間超の半減期を有する。
【0049】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、最大50000Da、例えば最大40000Da、例えば最大30000Daの分子量を有する。
【0050】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、最大20000Da、例えば最大10000Da、例えば最大7500Da、例えば最大5000Daの分子量を有する。
【0051】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、最大50000g/mol、例えば最大40000g/mol、例えば最大30000g/molのモル質量を有する。
【0052】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、最大10000g/mol、例えば最大8000g/mol、例えば最大6000g/molのモル質量を有する。
【0053】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、ペプチドに共有結合した1つの置換基を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、脂肪酸または脂肪二酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂肪酸を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、C16、C18、またはC20脂二肪酸を含む。
【0054】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)
【化1】
(式中、nは、少なくとも13であり、例えば、nは、13、14、15、16、17、18、または19である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)(式中、nは、13~19の範囲、例えば13~17の範囲である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)(式中、nは、13、15、または17である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)(式中、nは、13である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)(式中、nは、15である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(X)(式中、nは、17である)を含む。
【0055】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)HOOC-(C)-O-(CH-CO-*(XIa)(式中、mは、6~14の範囲の整数である)を含む。
【0056】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIb)
【化2】
式中、カルボキシ基は、(C)基の位置2、3、または4であり、mは、8~11の範囲の整数であるを含む。
【0057】
いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)(式中、mは、6~14の範囲、例えば8~11の範囲である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)(式中、mは、8、10、または12である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)(式中、mは、9である)を含む。いくつかの実施形態では、置換基は、式(XIa)または式(XIb)(式中、mは、11である)を含む。
【0058】
いくつかの実施形態では、置換基は、2つのOEGなどの1つ以上の8-アミノ-3,6-ジオキサオクタン酸(OEG)を含む。
【0059】
いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0060】
いくつかの実施形態では、置換基は、[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル]である。
【0061】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-エプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)、(配列番号4)としても公知である、セマグルチドであり、これは、以下の構造を有してWO2006/097537の実施例4に記載されるように調製され得る。
【化3】
【0062】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1作動薬Bであり、これは、WO2011/080103の実施例2に示され、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}と呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)(配列番号5)、以下の構造を有するNε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]-アセチル}-[Aib,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-ペプチドである。
【化4】
【0063】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、GLP-1作動薬Cであり、これは、WO2012/140117の実施例31に示され、Nε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル]と呼ばれる、ジアシル化[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(配列番号6)、以下の構造を有するNε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Glyである。
【化5】
【0064】
一般に、GLP-1作動薬という用語は、GLP-1作動薬およびその任意の薬学的に許容可能な塩、アミド、またはエステルを包含するよう意図されている。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬またはその薬学的に許容可能な塩、アミド、もしくはエステルを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、GLP-1作動薬および1つ以上の薬学的に許容可能な対イオンを含む。
【0065】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、WO93/19175、WO96/29342、WO98/08871、WO99/43707、WO99/43706、WO99/43341、WO99/43708、WO2005/027978、WO2005/058954、WO2005/058958、WO2006/005667、WO2006/037810、WO2006/037811、WO2006/097537、WO2006/097538、WO2008/023050、WO2009/030738、WO2009/030771、およびWO2009/030774で言及されるGLP-1作動薬のうちの1つ以上から選択される。
【0066】
いくつかの実施形態において、GLP-1作動薬は、N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド;N-イプシロン26{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((S)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシ-ノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-((R)-3-[1-(17-カルボキシヘプタデカノイル)ピペリジン-4-イルカルボニルアミノ]3-カルボキシプロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][,デスアミノHis7,Glu22 Arg26,Arg34,Phe(m-CF3)28]GLP-1-(7-37)アミド;N-26-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-{4-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]ブチリル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({4-[(トランス-19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル[Aib8,Lys26]GLP-1(7-37)アミド;N-イプシロン26[2-(2-[2-(2-[2-(2-((S)-2-[トランス-4-((9-カルボキシノナデカノイルアミノ]メチル)シクロヘキシルカルボニルアミノ]-4-カルボキシブタノイルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Lys26]GLP-1(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{4-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)-ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]-ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{4-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]-ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-34);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド;N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{6-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ヘキサノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-35);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリル-アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Lys33,Arg34]GLP-1-(7-34);N-イプシロン26-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド;N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Lys26,Arg34]GLP-1-(7-36)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-
37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((R)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシ-ノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド;N-イプシロン37{2-[2-(2-{2-[2-((S)-3-カルボキシ-3-{[1-(19-カルボキシノナデカノイル)ピペリジン-4-カルボニル]アミノ}プロピオニルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-((R)-3-[1-(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)ピペリジン-4-イルカルボニルアミノ]3-カルボキシ-プロピオニルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Phe(m-CF3)28]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサン-カルボニル}アミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイル-スルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-{12-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリルアミノ]ドデカノイルアミノ}ブチリルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-(3-((2-(2-(2-(2-(2-ヘキサデシルオキシエトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ)エトキシ))プロピオニル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-アミド;N-イプシロン37-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(hexadecanoylamino)-4-カルボキシbutyryl-amino)ethoxy)ethoxy]acetyl)ethoxy)ethoxy)acetyl)}-[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ヘキサデカノイルアミノ)-4-カルボキシ-ブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(2-(オクタデカノイル-アミノ)エトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)アセチルアミノ)エトキシ)エトキシ)アセチル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)アミド;N-イプシロン37-[4-(16-(1H-テトラゾール-5-イル)ヘキサデカノイルスルファモイル)ブチリル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37)アミド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-(2-{2-[2-((S)-4-カルボキシ-4-{(S)-4-カルボキシ-4-[(S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]ブチリルアミノ}ブチリルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチル)[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-{2-[2-(2-{(S)-4-[(S)-4-(12-{4-[16-(2-tert-ブチル-2H-テトラゾール-5-イル)-ヘキサデカノイルスルファモイル]ブチリルアミノ}ドデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ]-4-カルボキシブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}[デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37);N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-アルファ37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,イプシロン-Lys37]GLP-1-(7-37)ペプチド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン36-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(15-カルボキシ-ペンタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル][デスアミノHis7,Glu22,Arg26,Glu30,Arg34,Lys36]GLP-1-(7-37)-Glu-Lysペプチド;N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-({トランス-4-[(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)メチル]シクロヘキサンカルボニル}アミノ)ブチリル-アミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)-ブチリルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチルアミノ]-エトキシ}-エトキシ)-アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Arg34,Aib35,Lys37]GLP-1-(7-37);N-イプシロン37-[(S)-4-カルボキシ-4-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ}アセチルアミノ)ブチリル][Aib8,Glu22,Arg26,34,Lys37]GLP-1(7-37);N-イプシロン37-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][ImPr7,Glu22,Arg26,34,Lys37],GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル},N-イプシロン37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシ-フェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}-[Aib8,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)-OH;N-イプシロン26(17-カルボキシヘプタ-デカノイル)-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)-ペプチド;N-イプシロン26-(19-カルボキシノナデカノイル)-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-(4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(15-カルボキシペンタ-デカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル[Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(19-カルボキシノナデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ
)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][3-(4-イミダゾリル)プロピオンl7,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-(カルボキシメチル-アミノ)アセチルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-3(S)-スルホプロピオニルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Gly8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)-アミド;N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34,Pro37]GLP-1-(7-37)アミド;Aib8,Lys26(N-イプシロン26-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(ペンタデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}),Arg34)GLP-1H(7-37)-OH;N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(17-カルボキシヘプタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37);N-アルファ7-ホルミル,N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)-4(S)-カルボキシ-ブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン2626-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4(S)-カルボキシ-ブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Glu22,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26{3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-[4-(15-(N-((S)-1,3-diカルボキシプロピル)カルバモイル)ペンタデカノイルアミノ)-(S)-4-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-{[N-(2-カルボキシエチル)-N-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイル)アミノ]メチル}ベンゾイル)アミノ](4(S)-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37);N-イプシロン26-{(S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-((S)-4-カルボキシ-4-(19-カルボキシ-ノナデカノイルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ)ブチリルアミノ}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-4-(17-カルボキシヘプタデカノイル-アミノ)-4(S)-カルボキシブチリル-[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-{3-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[2-(2-[4-(17-カルボキシheptadecanoylamino)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]エトキシ}エトキシ)エトキシ]プロピオニル}[Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);N-イプシロン26-{2-(2-(2-(2-[2-(2-(4-(17-カルボキシヘプタデカノイルアミノ)-4-カルボキシブチリルアミノ)エトキシ)エトキシ]アセチル)エトキシ)エトキシ)アセチル)}-[Aib8,22,27,30,35,Arg34,Pro37,Lys26]GLP-1(7-37)アミド;N-イプシロン26-[2-(2-[2-[4-(21-カルボキシウネイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37);およびN-イプシロン26-[2-(2-[2-(2-[2-(2-[4-(21-カルボキシウネイコサノイルアミノ)-4(S)-カルボキシブチリルアミノ]エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ)エトキシ]エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1-(7-37)から成る群から選択される。
【0067】
送達剤
送達剤または吸収促進剤は、本発明に関しては、GLP-1作動薬の経口曝露量を増加させることができる賦形剤である。
【0068】
N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩
本明細書の実施例で使用される送達剤は、アニオンN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリレートを含む、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩(本明細書ではNACの塩とも呼ばれる)である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の構造式を式(I)に示す。
【化6】
【0069】
いくつかの実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、1つの一価陽イオン、2つの一価陽イオン、または1つの二価陽イオンを含む。実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩から成る群から選択される。
【0070】
さらなる実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、ナトリウム塩、カリウム塩、および/またはアンモニウム塩から成る群から選択される。さらなる実施形態では、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、ナトリウム塩またはカリウム塩である。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸塩の塩は、例えば、WO96/030036、WO00/046182、WO01/092206、またはWO2008/028859に記載される方法を使用して調製されてもよい。N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩は、結晶性および/または非晶質であってもよい。いくつかの実施形態では、送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の無水物、一水和物、二水和物、三水和物、溶媒和物、または水和物の3分の1、ならびにそれらの組み合わせを含む。いくつかの実施形態では、送達剤は、WO2007/121318に記載されるように、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩である。
【0071】
さらなる実施形態では、送達剤は、8-(サリチロイルアミノ)オクタン酸ナトリウムとしても公知である、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(本明細書では「SNAC」と呼ばれる)である。
【0072】
組成物
本発明の組成物または医薬組成物は、本明細書で以下にさらに記載されるように、経口経路による投与に適した固形または乾燥組成物である。
【0073】
いくつかの実施形態では、組成物は、少なくとも1つの薬学的に許容可能な賦形剤を含む。本明細書で使用される場合、「賦形剤」という用語は、活性治療成分または活性医薬成分(API)以外の任意の構成要素を広く指す。賦形剤は、不活性物質、非活性物質、および/または治療的もしくは医薬的に活性でない物質であり得る。
【0074】
賦形剤は、例えば、担体、ビヒクル、充填剤、結合剤、滑沢剤、滑剤、崩壊剤、流量制御剤、結晶化抑制剤可溶化剤、安定剤、着色剤、香味剤、界面活性剤、乳化剤、もしくはそれらの組み合わせとして、ならびに/または治療活性物質もしくは活性医薬成分の投与および/もしくは吸収を改善するために、様々な目的を果たし得る。使用される各賦形剤の量は、該技術分野の従来の範囲内で変化し得る。経口剤形を製剤化するために使用され得る技法および賦形剤については、Handbook of Pharmaceutical Excipients,8th edition,Sheskey et al.,Eds.,American Pharmaceuticals Association and the Pharmaceutical Press,publications department of the Royal Pharmaceutical Society of Great Britain(2017)、およびRemington:the Science and Practice of Pharmacy,22nd edition,Remington and Allen,Eds.,Pharmaceutical Press(2013)に記載されている。
【0075】
いくつかの実施形態では、賦形剤は、ポリビニルピロリドン(ポビドン)などの結合剤、セルロース粉末、微結晶性セルロース(MCC)、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、二塩基性リン酸カルシウム、コーンスターチ、アルファ化デンプンなどの充填剤、セルロース粉末、微結晶性セルロース、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、乾燥コーンスターチなどの崩壊剤、ステアリン酸、ステアリン酸マグネシウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、トリベヘン酸グリセロールなどの滑沢剤および/または流動促進剤、コロイダルシリカ、タルクなどの流動制御剤、ポビドンなどの結晶化阻害剤、プルロニック、ポビドンなどの可溶化剤、赤または黄色の酸化鉄、二酸化チタン、タルクなどの染料および色素を含む着色剤、クエン酸、酒石酸、フマル酸、クエン酸ナトリウム、第二リン酸カルシウム、第二リン酸ナトリウムなどのpH調整剤、プルロニック、ポリエチレングリコール、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリエトキシル化および硬化ヒマシ油などの界面活性剤ならびに乳化剤、これらの賦形剤および/または補助剤のうちの2つ以上の混合物、ニペコタミド、ニコチンアミド、p-ヒドロキシ安息香酸ナトリウム、N,Nジメチル尿素、N,Nジメチルベンズアミド、N,Nジエチルニコチンアミド、サリチル酸ナトリウム、レゾルシノール、安息香酸ナトリウム、キシレンスルホン酸ナトリウム、p-トルエンスルホン酸ナトリウム、1-メチルニコチンアミド、ピロガロール、ピロカテコール、エピガロカテキンガレート、タンニン酸、およびゲンチジン酸ナトリウム塩水和物などのハイドロトロープから選択されてもよい。
【0076】
組成物は、結合剤、例えば、ポビドン、デンプン、セルロース、およびその誘導体、例えば、微結晶性セルロース、例えば、アビセルPH、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、スクロース、デキストロース、コーンシロップ、ポリサッカライド、およびゼラチンを含み得る。結合剤は、乾燥結合剤および/または湿式造粒結合剤から成る群から選択されてもよい。好適な乾燥結合剤は、例えば、セルロース粉末およびアビセルなどの微結晶性セルロースである。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel、例えば、Aavicel PH 101を含む。湿式造粒または乾式造粒に好適な結合剤は、コーンスターチ、ポリビニルピロリドン(ポビドン)、ビニルピロリドン-酢酸ビニルコポリマー(コポビドン)、ならびにセルロース誘導体、例えば、ヒドロキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、およびヒドロキシ-プロピルメチルセルロースである。いくつかの実施形態では、組成物は、ポビドンを含む。
【0077】
いくつかの実施形態では、組成物は、ラクトース、マンニトール、エリスリトール、スクロース、ソルビトール、リン酸カルシウム、例えば、カルシウム水素リン酸、微結晶性セルロース(MCC)、粉末セルロース、粉砂糖、圧縮性糖、デキストレート、デキストリン、およびデキストロースから選択され得る充填剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、Avicel PH 101またはAvicel PH 200などの微結晶性セルロースを含む。
【0078】
いくつかの実施形態では、組成物は、滑沢剤および/または滑剤を含む。いくつかの実施形態では、組成物は、滑沢剤および/または滑剤、例えば、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ベヘン酸グリセリル、デベヘン酸グリセリル、ベヘノイルポリオキシル-8グリセリド、ポリエチレンオキシドポリマー、ラウリル硫酸ナトリウム、ラウリル硫酸マグネシウム、オレイン酸ナトリウム、フマル酸ステアリルナトリウム、水素化植物油、二酸化ケイ素、および/またはポリエチレングリコールなどを含む。いくつかの実施形態では、組成物は、ステアリン酸マグネシウムを含む。
【0079】
いくつかの実施形態では、組成物は、崩壊剤、例えば、デンプングリコール酸ナトリウム、ポラクリリンカリウム、デンプングリコール酸ナトリウム、クロスポビドン、クロスカルメロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、または乾燥コーンスターチ、またはハイドロトロープ、例えば、ニコチンアミドもしくはレゾルシノールを含む。組成物は、1つ以上の界面活性剤、例えば、界面活性剤、少なくとも1つの界面活性剤、または2つの異なる界面活性剤を含んでもよい。「界面活性剤」という用語は、水溶性(親水性)部分、および脂溶性(親油性)部分から成る、任意の分子またはイオンを指す。界面活性剤は、例えば、陰イオン界面活性剤、陽イオン界面活性剤、非イオン界面活性剤、および/または両性イオン界面活性剤から成る群から選択されてもよい。
【0080】
広範な態様では、本発明は、GLP-1作動薬および安定性促進剤を含む固形医薬組成物に関する。本明細書で示されるように、ヒスチジンは、時間経過とともに不純物の蓄積をもたらすアルデヒド媒介分解を受けやすいGLP-1作動薬を含む組成物において効率的なアルデヒドスカベンジャーであるため、安定性促進剤として働くことが見出されている。代替的なアルデヒドスカベンジャーは、医薬組成物中の賦形剤として好適なより大きな化合物群から選択され得る。
【0081】
以下の本明細書の記載はまた、特定の成分、すなわちGLP-1作動薬、送達剤、およびヒスチジン、ならびに任意選択で充填剤、結合剤、崩壊剤、またはハイドロトロープ、および/または滑沢剤などの1つ以上の賦形剤を含む、またはそれらから成る組成物を指す。成るという用語は、それにもかかわらず、組成物の機能に影響を及ぼさない微量の任意の物質を包含すると理解されるべきである。そのような物質は、GLP-1作動薬の調製物、NACの塩の製造、ヒスチジン調製物、または製剤の品質もしくは吸収に影響を与えない任意の薬学的に許容可能な賦形剤の最小限の量(1%未満)に由来する不純物であり得る。
【0082】
一実施形態では、医薬組成物は、GLP-1作動薬の量に対してバランスのとれた量のヒスチジンを含む。ある濃度範囲にわたって、ヒスチジンの影響が観察されている。
【0083】
一実施形態では、ヒスチジンのモルは、GLP-1作動薬のモルの少なくとも半分に等しく、言い換えれば、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比は、少なくとも0.5である。一実施形態では、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比は、少なくとも0.6、または例えば、少なくとも0.7、または例えば、少なくとも0.8、または例えば、少なくとも0.9、または例えば、少なくとも1などである。
【0084】
一実施形態では、ヒスチジンのモルは、GLP-1作動薬のモルよりも最大で100倍大きく、言い換えれば、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比は、最大で100である。一実施形態では、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比は、最大で80、または例えば、最大で60、または例えば、最大で40もしくは30である。
【0085】
一実施形態では、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比は、0.5~100、例えば、0.6~80、例えば、0.7~60、例えば、0.75~50、例えば、0.8~40、または例えば、0.9~30である。
【0086】
GLP-1作動薬が約4000g/molのモル質量を有する実施形態では、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対する質量比は、少なくとも0.02、例えば少なくとも0.03、または0.04である。さらなるそのような実施形態では、ヒスチジンのGLP-1作動薬に対する質量比は、最大4、例えば、最大3、例えば、最大2、または1である。
【0087】
一実施形態では、ヒスチジンの約4000g/molのMwを有するGLP-1作動薬に対する質量比は、0.02~4、例えば、0.02~3、例えば、0.02~2、例えば、0.03~1、例えば、0.04~1、または例えば、0.05~1である。
【0088】
本発明による医薬組成物は、好ましくは、本明細書で以下に記載される経口投与に好適な剤形である。以下では、本発明の組成物の成分の絶対量は、用量単位の、すなわち、錠剤、カプセル、または小袋当たりの含有量を参照して提供される。
【0089】
本発明の医薬組成物は、さらなる実施形態において、用量単位当たり最大1000mgの該N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩を含み得る。一実施形態では、本発明は、用量単位が最大600mgの該塩を含む組成物に関する。
【0090】
いくつかの実施形態では、用量単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、少なくとも0.15mmol、例えば少なくとも0.20mmol、少なくとも0.25mmol、少なくとも0.30mmol、少なくとも0.35mmol、少なくとも0.40mmol、少なくとも0.45mmol、少なくとも0.50mmol、少なくとも0.55mmol、少なくとも0.60mmol、少なくとも0.65mmol、少なくとも0.75mmol、または少なくとも0.8mmolである。
【0091】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、最大2.5mmol、例えば、最大2.0mmol、例えば、最大1.5mmol、最大1mmol、最大0.75mmol、最大0.6mmol、最大0.5mmol、最大0.4mmol、最大0.3mmol、または最大0.2mmolである。
【0092】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、0.20~2.5mmol、0.25~1.5mmolの範囲内である。
【0093】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩の量は、0.2~0.6mmol、0.8~1.4mmol、または1.4~2.0の範囲内である。
【0094】
いくつかの実施形態では、送達剤は、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC’’)である。
【0095】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのSNACの量は、少なくとも50mg、例えば、少なくとも75mg、少なくとも100mg、少なくとも125mg、少なくとも150mg、少なくとも175mg、少なくとも200mg、少なくとも225mg、少なくとも250mg、少なくとも275mg、少なくとも300mg、少なくとも350mg、少なくとも450mg、または少なくとも500mgである。
【0096】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのSNACの量は、用量単位当たり最大750mg、例えば、最大700mg、例えば、最大650mg、例えば、最大600mg、例えば、最大550mg、最大525mg、最大500mg、最大475mg、最大450mg、最大425mg、最大400mg、最大375mg、最大350mg、最大300mg、最大250mg、最大200mg、または最大150mgである。
【0097】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのSNACの量は、50~750mg、65~600mg、例えば、80~550mgの範囲内である。
【0098】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位当たりのSNACの量は、50~150mg、150~500mg、例えば、200~400mg、例えば、300~700、または例えば、400~600mgの範囲内である。
【0099】
一実施形態では、本発明の医薬組成物の用量単位は、0.5~100mg、例えば、0.5~75mg、例えば、0.5~60mgのGLP-1作動薬を含む。
【0100】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位は、0.5~50mg、1~50mg、2~50mg、または4~40mgの範囲内の量のGLP-1作動薬を含む。
【0101】
いくつかの実施形態では、組成物の用量単位は、0.5~50mg、0.5~40mg、0.5~30mg、または0.5~20mgの範囲の量のGLP-1作動薬を含む。
【0102】
いくつかの実施形態では、用量単位は、用量単位当たり0.5~10mgのGLP-1作動薬、0.75~4 mg、例えば、1、1 、2、2 、または3mg、3 、4、4 mg、例えば、1~3または3~5mgのGLP-1作動薬を含む。
【0103】
いくつかの実施形態では、用量単位は、2~20mgのGLP-1作動薬、例えば、2~15mg、例えば、2、3、4、もしくは5mg、または例えば、8、10、12、もしくは14mg、例えば、15mg、または例えば、20mgのGLP-1作動薬を含む。
【0104】
いくつかの実施形態では、用量単位は、5~75mgのGLP-1作動薬、例えば、10~60mg、例えば、20、30、40、もしくは50mg、または例えば、25、35、もしくは45mg、または例えば、30~50mg、または例えば、20~40mgのGLP-1作動薬を含む。
【0105】
上記のように、ヒスチジンの量は、GLP-1作動薬の量とバランスがとられるが、一般に、本発明の組成物の用量単位は、0.01~400mgのヒスチジンを含む。一実施形態では、用量単位は、0.01~300mg、例えば、0.02~300mg、例えば、0.05~200mg、例えば、0.02~100mg、または1~50mgのヒスチジンを含む。
【0106】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬Cと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)と、
iii)0.01~200mgのヒスチジンと、を含む。
【0107】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)1~100mgのセマグルチドと、
ii)50~150mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)と、
iii)0.02~100mg、例えば、1~50mgのヒスチジンと、を含む。
【0108】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)1~100mgのセマグルチドと、
ii)150~500mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)と、
iii)0.02~100mg、例えば、1~50mgのヒスチジンと、を含む。
【0109】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)1~100mgのセマグルチドと、
ii)350~600mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)と、
iii)0.02~100mg、例えば、1~50mgのヒスチジンと、を含む。
【0110】
本明細書に上述されるように、組成物は、滑沢剤、結合剤、崩壊剤、またはハイドロトロープ、および/または充填剤などの薬学的賦形剤をさらに含んでもよい。
【0111】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iii)0.01~200mgのヒスチジン、および
iv)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含む。
【0112】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iii)0.01~200mgのヒスチジン、
iv)滑沢剤、および
v)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含む。
【0113】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iii)0.01~200mgのヒスチジン、
iv)滑沢剤、
v)崩壊剤またはハイドロトロープ、および
vi)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含む。
【0114】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iii)0.01~200mgのヒスチジン、
iv)滑沢剤、
v)崩壊剤またはハイドロトロープ、
vi)充填剤、および
vii)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含む。
【0115】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
viii)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ix)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
x)0.01~200mgのヒスチジン、
xi)滑沢剤、
xii)崩壊剤またはハイドロトロープ、
xiii)充填剤、
xiv)結合剤、および
xv)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含む。
【0116】
一実施形態では、本発明による組成物の用量単位は、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬C、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)、
iii)0.01~200mgのヒスチジン、
iv)滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウム、
v)充填剤、例えば、MCC、
vi)崩壊剤またはハイドロトロープ、例えば、ニコチンアミド、
vii)結合剤、例えば、ポビドン、および
viii)任意選択でさらなる薬学的賦形剤を含む。
【0117】
さらなる実施形態では、様々な薬学的賦形剤の量は、用量単位当たり、または1つ以上の他の成分に対して調整されてもよい。
【0118】
一実施形態では、組成物は、賦形剤の総量の5%w/w未満の滑沢剤を含む。
【0119】
一実施形態では、組成物は、送達剤の量の5%w/w未満の滑沢剤を含む。一実施形態では、組成物は、送達剤の量の0.25~5%w/w、例えば、1~4%w/wの滑沢剤を含む。さらなる実施形態では、組成物は、SNACなどのNACの塩の量の0.25~5%w/w、例えば1~4%w/wの滑沢剤を含む。
【0120】
一実施形態では、組成物の単位用量は、0.1~20mgの滑沢剤、またはステアリン酸マグネシウムなどの1~15mgの滑沢剤を含む。
【0121】
一実施形態では、本発明による組成物の単位用量は、20~150mgの充填剤、または40~100mgの充填剤、例えば、MCCを含む。
【0122】
一実施形態では、組成物の用量単位は、10~600mg、例えば、10~500mgの崩壊剤またはハイドロトロープを含む。一実施形態では、組成物の用量単位は、10~600mg、例えば、10~500mg、例えば、10~400mg、例えば、20~300mg、または例えば、25~250mgのニコチンアミドを含む。
【0123】
一実施形態では、本発明による組成物の単位用量は、1~30mgの結合剤、1~25mgの結合剤、または1~20mgの結合剤、例えば、ポビドンを含む。
【0124】
剤形
組成物は、いくつかの剤形で、例えば、錠剤、コーティング錠、小袋、または硬質もしくは軟質カプセルなどのカプセルとして投与され得、こうしたすべての組成物は、固形経口剤形とみなされる。
【0125】
組成物は、錠剤などの用量単位の形態であってもよい。いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、50mg~1000mgの範囲内、例えば、50~750mgの範囲内、または例えば、約100~600mgの範囲内である。
【0126】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、50mg~400mgの範囲内、例えば、75~350mgまたは100~300mgの範囲内である。
【0127】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、200mg~600mgの範囲内、例えば、250~550mgまたは300~500mgの範囲内である。
【0128】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、300mg~700mgの範囲内、例えば、350~650mgまたは400~600mgの範囲内である。
【0129】
いくつかの実施形態では、用量単位の重量は、400mg~1000mgの範囲内、例えば、450~850mgまたは500~700mgの範囲内である。
【0130】
一部の実施形態では、組成物、または組成物の成分の一部は、錠剤に圧縮される前に、またはカプセルもしくは小袋に充填される前に、造粒されてもよい。
【0131】
組成物は、造粒物部分および/または造粒物外部分を含み得、造粒物部分は造粒されており、造粒物外部分は造粒後に添加されている。
【0132】
造粒物部分は、組成物の成分の異なるサブセットを含む1つ以上の種類の造粒物を含み得る。
【0133】
造粒物部分は、GLP-1作動薬、送達剤、および/またはヒスチジンを含み得る。一実施形態では、造粒物部分は、滑沢剤、充填剤、崩壊剤、ハイドロトロープ、および/または結合剤などの1つ以上のさらなる賦形剤を含み得る。
【0134】
一実施形態では、造粒物部分は、送達剤および滑沢剤を含む。一実施形態では、造粒物部分は、SNACおよびステアリン酸マグネシウムを含む。
【0135】
一実施形態では、ヒスチジンは、造粒物部分または造粒物外部分に含まれる。
【0136】
一実施形態では、GLP-1作動薬は、造粒物外部分に含まれる。一実施形態では、造粒物外部分は、GLP-1作動薬を含む。一実施形態では、造粒物外部分は、ヒスチジンをさらに含んでもよい。一実施形態では、造粒物外部分は、ステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤をさらに含む。
【0137】
組成物の調製
本発明による組成物の調製は、当該技術分野で公知の方法に従って実施され得る。
【0138】
材料の乾燥ブレンドを調製するために、様々な構成要素を計量し、任意選択で砕塊またはふるい分けし、次いで組み合わせる。構成要素の混合は、均質なブレンドが得られるまで行われてもよい。
【0139】
「造粒物」という用語は、固形用量製剤の調製に使用される粒子、造粒物、および凝集体の形態の医薬成分を広く指す。概して、造粒物は、粉末またはブレンドを処理して、所望のサイズの新しい複合粒子を得ることによって得られる。
【0140】
錠剤、カプセル、または小袋へのさらなる処理で造粒物が使用される場合、造粒物は、例えば、「蓄積(built-up)」造粒物または「分解(broken-down)」造粒物の製造について公知の湿式造粒法を使用して、当業者に公知の様式で製造され得る。蓄積造粒物の形成のための方法は、Loedige、Glatt、Diosna、Fielder、およびCollette社からの装置などで連続的に操作し、かつ例えば、同時に、造粒物塊に造粒溶液を噴霧することと、例えばドラム型造粒機中で、パン造粒機中で、ディスク型造粒機上で、流動床中で、噴霧乾燥または噴霧凝固によって乾燥させることとを含み得るか、あるいは例えば、流動床中で、回転式流動床中で、高剪断ミキサもしくは低剪断ミキサなどのバッチミキサ中で、または噴霧乾燥ドラム中で、不連続的に操作し得る。分解造粒物の製造のための方法は、不連続に行われ得、造粒塊が最初に造粒溶液と湿潤凝集体を形成し、これが続いて粉砕されるか、または他の手段によって所望のサイズの造粒物に形成され、次いで、造粒物が乾燥され得る。造粒ステップに好適な設備は、遊星型ミキサ、低剪断ミキサ、高剪断ミキサ、押出機、およびスフェロナイザ、例えば、companies Loedige、Glatt、Diosna、Fielder、Collette、Aeschbach、Alexanderwerk、Ytron、Wyss&Probst、Werner&Pfleiderer、HKD、Loser、Fuji、Nica、Caleva and Gabler製の装置である。造粒物はまた、賦形剤および/または活性医薬成分のうちの1つ以上が、圧縮されて比較的大きい成形物、例えば、スラグまたはリボンを形成し、これが、所望のサイズの造粒物に粉砕することによって粉砕され、粉砕された材料が、錠剤、カプセル、または小袋にさらに処理するための材料として機能する、乾式造粒技法によっても形成され得る。乾式造粒に好適な装置は、Gerteis、Alexanderwerk、およびFreund-Vector社からの装置である。
【0141】
造粒物を得るさらなる方法としては、ホットメルト押出、噴霧乾燥、噴霧造粒、および/またはボールミル粉砕が含まれ得る。
【0142】
一実施形態では、本発明は、
i.GLP-1作動薬、
ii.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、
iii.ヒスチジン、および
iv.任意選択で滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムを含む組成物に関し、
組成物は、ii)およびiv)の造粒物を含む。
【0143】
造粒物部が送達剤および滑沢剤を含む実施形態では、これらの賦形剤は、造粒物の調製前または調製中に共処理されてもよい。
【0144】
造粒は、上記の様々な方法によって得ることができ、ii)およびiv)は、最初に粉末として、または両方の成分を含む溶液の調製によってのいずれかで混合される。
【0145】
ii)およびiv)の造粒物は、溶液またはブレンドの湿式造粒または乾燥造粒によって得ることができる。
【0146】
一実施形態では、i)およびiii)は、錠剤圧縮前に共加工される。
【0147】
一実施形態では、i)およびiii)の溶液が調製され、噴霧乾燥または噴霧造粒に供され、それによりその粉末または造粒物が直接得られる。一実施形態では、噴霧乾燥、続いて乾式造粒/ローラー圧縮を使用して、造粒物を得ることができる。代替的に、i)およびiii)を混合物として調製することができる。
【0148】
均質な生成物を得るために、1つ以上のふるい分けステップが、最終乾式造粒ステップ/ローラー圧縮または錠剤圧縮の前に含まれ得る。
【0149】
材料を固形経口剤形、例えば、錠剤へと圧密化するために、錠剤プレスが使用されてもよい。錠剤プレスでは、錠剤成形材料は、ダイキャビティに充填(例えば、強制供給または重力供給)される。次いで、錠剤成形材料は、圧力を印加する一組のパンチによって圧縮される。続いて、得られた錠剤は、錠剤プレスから排出される。上述の錠剤成形プロセスは、本明細書ではこれ以降、「圧縮プロセス」と呼ばれる。好適な錠剤プレスとしては、回転式錠剤プレスおよび偏心錠剤プレスが含まれるが、これらに限定されない。錠剤圧縮に好適な機器は、Fette、Korsch、GEA Courtouy、およびManesty社からの装置である。
【0150】
いくつかの実施形態では、本発明は、本発明による錠剤などの組成物を調製する方法に関する。一実施形態では、錠剤を調製する方法は、
a)送達剤および任意選択で滑沢剤を造粒することと、
b)a)の造粒物と、GLP-1作動薬およびヒスチジンとをブレンドすることと、
c)ブレンドの錠剤への圧縮と、を含む。
【0151】
造粒は、湿式造粒または乾式造粒であり得る。上述のように、滑沢剤は、工程aに加えて、工程b)およびc)のうちの1つ以上に含まれてもよいステアリン酸マグネシウムであってもよい。
【0152】
一実施形態では、本発明は、固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)GLP-1作動薬およびヒスチジンを含むブレンドを取得する工程と、
ii)i)のブレンドを共処理する工程と、
iii)ii)の生成物を使用して、固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法に関する。
【0153】
一実施形態では、方法は、固形医薬組成物を製造するためのものであり、
i)GLP-1作動薬およびヒスチジンを含む溶液または懸濁液を取得する工程と、
ii)i)を噴霧乾燥する工程と、
iii)ii)の生成物を使用して、該固形医薬組成物を調製する工程と、を含む。
【0154】
上述の実施形態のすべてにおいて、方法は、上述のように、滑沢剤、結合剤、崩壊剤またはハイドロトロープ、および/または充填剤などの1つ以上の薬学的賦形剤を使用して、該固形医薬組成物を調製することをさらに含んでもよい。
【0155】
医薬品の適応症
本発明はまた、医薬として使用するための本発明の組成物に関する。特定の実施形態では、本発明の組成物は、以下の医学的処置に使用され得、すべては、好ましくは何らかの方法で糖尿病に関する。
(i)高血糖症、2型糖尿病、耐糖能障害、1型糖尿病、非インスリン依存性糖尿病、MODY(若年発症成人型糖尿病)、妊娠糖尿病などのすべての形態の糖尿病の予防および/もしくは治療、ならびに/またはHbA1Cの低減、
(ii)2型糖尿病の進行などの糖尿病疾患の進行の遅延または予防、耐糖能障害(IGT)からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、および/またはインスリンを必要としない2型糖尿病からインスリンを必要とする2型糖尿病への進行の遅延、
(iii)β細胞アポトーシスの減少、β細胞機能および/もしくはβ細胞質量の増加、ならびに/またはβ細胞へのグルコース感受性の回復などのβ細胞機能の改善、
(iv)認知障害の予防および/または治療、
(v)肥満などの摂食障害の予防および/または治療(例えば、食物摂取量の減少、体重減少、食欲の抑制、満腹感の誘発による)、抗精神病薬もしくはステロイドの投与によって誘発された過食性障害、神経性大食症、および/または肥満の治療もしくは予防、胃の運動の減少、および/または胃内容排出の遅延、
(vi)末梢神経障害を含む神経障害、腎症、または網膜症などの糖尿病合併症の予防および/または治療、
(vii)脂質パラメータの改善(脂質異常症の予防および/もしくは治療、総血清脂質の低下、HDLの低下、小型高密度LDLの低下、VLDLの低下、トリグリセリドの低下、コレステロールの低下、HDLの増加、ヒトにおけるリポタンパク質a(Lp(a))の血漿レベルの低下、またはインビトロおよび/もしくはインビトロでのアポリポタンパク質a(apo(a))の生成の阻害など)、
(iix)心血管疾患(X症候群、アテローム性動脈硬化、心筋梗塞、冠動脈性心疾患、脳卒中、脳虚血、早期心臓または早期心血管疾患(左室肥大など)、虚血性心疾患、本態性高血圧、急性高血圧性発作、心筋症、心機能不全、運動耐性、慢性心不全、不整脈、心律動異常、失神、アテローム性動脈硬化、軽度の慢性心不全、狭心症、心臓バイパス再閉塞、間欠性跛行(閉塞性動脈硬化症)、拡張機能障害、および/または収縮機能障害の予防および/または治療、
(ix)炎症性腸症候群、小腸症候群、クローン病、消化不良、および/または胃潰瘍などの胃腸疾患の予防および/または治療、
(x)重症疾患の予防および/または治療(重症患者、重症疾患の多発性神経障害(CIPNP)患者、および/もしくは潜在的なCIPNP患者の治療、重症疾患もしくはCIPNPの発症の予防、患者における全身性炎症反応症候群(SIRS)の予防、治療、および/もしくは治癒、ならびに/または患者が入院中に菌血症、敗血症、および/もしくは敗血症性ショックを患うことの予防またはその可能性の低減など)、ならびに/または
(xi)多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)の予防および/または治療。
【0156】
実施形態では、適応症は、(i)~(iii)および(v)~(iix)、例えば、適応症(i)、(ii)、および/もしくは(iii);または適応症(v)、適応症(vi)、適応症(vii)、および/もしくは適応症(iix)から成る群から選択される。別の実施形態では、適応症は(i)である。さらなる実施形態では、適応症は(v)である。なおさらなる実施形態では、適応症は(iix)である。いくつかの実施形態では、適応症は、2型糖尿病および/または肥満である。
【0157】
本発明は、治療を必要とする個体の治療方法にさらに関し、この方法は、該個体に治療活性量の本発明による組成物を投与することを含む。さらなるそのような実施形態では、1つ以上の用量単位が、必要としている該個体に投与されてもよい。
【0158】
治療方法
本発明はさらに、治療を必要としている対象者の治療方法に関し、この方法は、該対象者に本発明による治療有効量の組成物を投与することを含む。一実施形態では、治療方法は、糖尿病もしくは肥満および/または上記で特定されたさらなる適応症の治療のためのものである。
【0159】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療するための方法は、それを必要としている対象に、GLP-1作動薬、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、ヒスチジン、および任意選択で充填剤、結合剤、崩壊剤、および/または滑沢剤などの賦形剤、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含むことが記載されている。
【0160】
いくつかの実施形態では、糖尿病を治療する方法であって、それを必要とする対象に、
i)0.5~100mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬Cと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、NACのナトリウム塩(SNAC)と、
iii)0.01~200mgのヒスチジンと、
iv)0~10mgの滑沢剤と、を含む、治療有効量の医薬組成物を投与することを含む、方法が記載されている。
【0161】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、N-イプシロン26-[2-(2-{2-[2-(2-{2-[(S)-4-カルボキシ-4-(17-カルボキシ-ヘプタデカノイルアミノ)ブチリルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチルアミノ]エトキシ}エトキシ)アセチル][Aib8,Arg34]GLP-1(7-37)の式を有するセマグルチドである。
【0162】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、Nε26{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}-エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチル}、Nε37-{2-[2-(2-{2-[2-(2-{(S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブチリルアミノ}エトキシ)エトキシ]アセチルアミノ}エトキシ)エトキシ]-アセチル}-[Aib,Arg34,Lys37]GLP-1(7-37)(GLP-1作動薬B)である。
【0163】
いくつかの実施形態では、GLP-1作動薬は、Nε27-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]-アセチル、Nε36-[2-[2-[2-[[2-[2-[2-[[(4S)-4-カルボキシ-4-[10-(4-カルボキシフェノキシ)デカノイルアミノ]-ブタノイル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]アミノ]エトキシ]エトキシ]アセチル]-[Aib8,Glu22,Arg26,Lys27,Glu30,Arg34,Lys36]-GLP-1-(7-37)-ペプチジル-Glu-Gly(GLP-1作動薬C)である。
【0164】
一実施形態では、組成物は、経口投与され、錠剤、カプセル、または小袋の形態である。
【0165】
さらなるそのような実施形態では、1つ以上の用量単位が、必要としている該対象者に投与されてもよい。
【0166】
併用療法
本発明による組成物を用いた治療はまた、抗糖尿病薬、肥満抑制薬、食欲調整薬、高血圧治療薬、糖尿病に起因または関連する合併症の治療および/または予防のための薬剤、ならびに肥満に起因または関連する合併症および障害の治療および/または予防のための薬剤から選択される、1つ以上の追加の活性医薬成分と組み合わされてもよい。これらの薬理活性物質の例は、インスリン、スルホニル尿素、ビグアニド、メグリチニド、グルコシダーゼ阻害剤、グルカゴンアンタゴニスト、DPP-IV(ジペプチジルペプチダーゼ-IV)阻害剤、ナトリウムグルコース結合輸送体2(SGLT2)阻害剤;カナグリフロジン、ダパグリフロジン、エンパグリフロジン、エルツグリフロジン、イプラグリフロジン、トホグリフロジン、ルセオグリフロジン、ベキサグリフロジン、エタボン酸レモグリフロジンおよびソタグリフロジン、特にダパグリフロジンおよびエンパグリフロジン、糖新生および/またはグリコーゲン分解の刺激に関与する肝酵素の阻害剤、グルコース取り込み調節剤、HMG CoA阻害剤としての抗高脂血症薬(スタチン)などの脂質代謝を修正する化合物、消化管抑制ポリペプチド(GIP類似体)、食物摂取量を低下させる化合物、RXR作動薬、およびβ-細胞のATP依存性カリウムチャネルに作用する薬剤;コレスチラミン、コレスチポール、クロフィブラート、ゲムフィブロジル、ロバスタチン、プラバスタチン、シンバスタチン、プロブコール、デキストロチロキシン、ネテグリニド、レパグリニド;β-遮断薬、例えば、アルプレノロール、アテノロール、チモロール、ピンドロール、プロプラノロール、およびメトプロロール、ACE(アンジオテンシン変換酵素)阻害剤、例えば、ベナゼプリル、カプトプリル、エナラプリル、ホシノプリル、リシノプリル、アラトリオプリル、キナプリル、およびラミプリル、カルシウムチャネル遮断薬、例えば、ニフェジピン、フェロジピン、ニカルジピン、イスラジピン、ニモジピン、ジルチアゼム、およびベラパミル、およびα-遮断薬、例えば、ドキサゾシン、ウラピジル、プラゾシン、およびテラゾシン;CART(コカインアンフェタミン調節転写産物)作動薬、NPY(神経ペプチドY)アンタゴニスト、PYY作動薬、Y2受容体作動薬、Y4受容体作動薬、混合Y2/Y4受容体作動薬、MC4(メラノコルチン4)作動薬、オレキシンアンタゴニスト、TNF(腫瘍壊死因子)作動薬、CRF(コルチコトロピン放出因子)作動薬、CRF BP(コルチコトロピン放出因子結合タンパク質)アンタゴニスト、ウロコルチン作動薬、β3作動薬、オキシントモジュリンおよび類似体、MSH(メラニン細胞刺激ホルモン)作動薬、MCH(メラニン細胞濃縮ホルモン)アンタゴニスト、CCK(コレシストキニン)作動薬、セロトニン再取り込み阻害剤、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤、混合セロトニンおよびノルアドレナリン作動性化合物、5HT(セロトニン)作動薬、ボンベシン作動薬、ガラニンアンタゴニスト、成長ホルモン、成長ホルモン放出化合物、TRH(甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン)作動薬、UCP 2または3(非カップリングタンパク質2または3)調節剤、レプチン作動薬、DA作動薬(ブロモクリプチン、ドプレキシン)、リパーゼ/アミラーゼ阻害剤、RXR(レチノイドX受容体)調節剤、TR β作動薬;ヒスタミンH3アンタゴニスト、消化管抑制ポリペプチド作動薬またはアンタゴニスト(GIP類似体)、ガストリンおよびガストリン類似体である。
【0167】
本明細書に記載の本発明は、これに限定されないが、本明細書で以下に記載される実施形態および本文書の特許請求の範囲によってさらに定義される。
【0168】
実施形態
1.GLP-1作動薬と、ヒスチジンと、を含む、固形医薬組成物。
2.送達剤をさらに含む、実施形態1に記載の組成物。
3.送達剤が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸の塩(NAC)である、実施形態2に記載の組成物。
4.i)GLP-1作動薬と、
ii)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩と、
iii)ヒスチジンと、を含む、実施形態1に記載の組成物。
5.ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比が、少なくとも0.5である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
6.ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比が、最大で100である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
7.ヒスチジンのGLP-1作動薬に対するモル比が、0.5~100、例えば、0.6~80、例えば、0.7~60、例えば、0.8~40、または例えば、0.9~30である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
8.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸のナトリウム塩、カリウム塩、および/またはカルシウム塩から成る群から選択される、実施形態3に記載の組成物。
9.N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩が、N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸ナトリウム(SNAC)である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
10.組成物が、充填剤、結合剤、崩壊剤、またはハイドロトロープ、および/または滑沢剤などの1つ以上の薬学的賦形剤をさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
11.組成物が、滑沢剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
12.組成物が、賦形剤の総量の0.25~5w/w%の滑沢剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
13.組成物が、送達剤の量の0.25~5w/w%の滑沢剤を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
14.組成物が、滑沢剤、例えば、ステアリン酸マグネシウムを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
15.滑沢剤が、ステアリン酸マグネシウムである、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
16.組成物が、NACまたはSNACの量の0.25~5%w/wのステアリン酸マグネシウムを含む、実施形態3~15のいずれかに記載の組成物。
17.GLP-1作動薬が、ミニブタにおいて少なくとも24時間のTを有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
18.GLP-1作動薬が、ミニブタにおいて少なくとも2時間のTを有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
19.GLP-1作動薬が、最大100pM、例えば最大50のEC50(HSAなし)を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
20.GLP-1作動薬が、最大100pM、例えば最大50のEC50(1%HSAなし)を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
21.GLP-1作動薬が、最大50000g/molのモル質量を有する、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
22.GLP-1作動薬が、アルブミン結合置換基を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
23.GLP-1作動薬が、脂肪酸または脂肪二酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
24.GLP-1作動薬が、C16、C18、もしくはC20脂肪酸、またはC16、C18、もしくはC20脂肪二酸を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
25.GLP-1作動薬が、リラグルチド、セマグルチド、GLP-1作動薬B、およびGLP-1作動薬Cから成る群から選択される、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
26.GLP-1作動薬が、セマグルチドである、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
27.用量単位が、0.1~100mgのGLP-1作動薬を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
28.ヒスチジンのセマグルチドに対する質量比が、少なくとも0.02である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
29.ヒスチジンのセマグルチドに対する質量比が、最大で4である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
30.ヒスチジンのセマグルチドに対する質量比が、0.02~4、例えば、0.02~3、0.02~2、0.03~1、または0.05~1である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
31.i)GLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬Cと、
ii)N-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、SNACと、
iii)ヒスチジンと、
iv)滑沢剤と、を含むか、またはそれらから成る、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
32.用量単位が、最大で1000mgのNAC/SNACを含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
33.用量単位が、
i)0.5~100mg、例えば、1~75mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチド、GLP-1作動薬B、またはGLP-1作動薬Cと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、SNACと、
iii)0.01~200mgのヒスチジンと、
iv)0~15mgの滑沢剤と、を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
34.用量単位が、
i)1~75mg、例えば、1~60mgのセマグルチドと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、SNACと、
iii)0.02~100mgのヒスチジンと、
iv)0~15mgの滑沢剤と、を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
35.組成物が、薬学的賦形剤をさらに含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
36.用量単位が、
i)0.5~100mg、例えば、1~75mgのGLP-1作動薬、例えば、セマグルチドと、
ii)50~750mgのN-(8-(2-ヒドロキシベンゾイル)アミノ)カプリル酸(NAC)の塩、例えば、SNACと、
iii)0.01~200mgのヒスチジンと、
iv)1~15mgの滑沢剤と、
v)20~100mgの充填剤、例えば、MCCと、
vi)30~500mgの崩壊剤、例えば、ニコチンアミドと、
vii)1~20mgの結合剤、例えばポビドンと、を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
37.組成物が、固形経口剤形である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
38.組成物が、錠剤である、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
39.i)およびiii)が、錠剤成形前に共処理される、実施形態36に記載の組成物。
40.i)およびiii)が、ブレンドによって共処理される、実施形態36に記載の組成物。
41.i)およびiii)が、噴霧乾燥によって共処理される、実施形態36に記載の組成物。
42.組成物が、ii)を含む造粒物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
43.組成物が、ii)およびiv)を含む造粒物を含む、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
44.ii)およびiv)が、造粒前にブレンドされる、実施形態43に記載の組成物。
45.造粒物が、ローラー圧縮によって取得される、実施形態42~44のいずれかに記載の組成物。
46.組成物が、粒外部分を含む、実施形態36~45のいずれかに記載の組成物。
47.組成物が、
a)送達剤含む混合物を造粒する工程と、
b)a)の造粒物と、GLP-1作動薬およびヒスチジンとをブレンドする工程と、
c)b)のブレンドを使用して組成物を調製する工程と、を含む方法によって製造される、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
48.組成物が、糖尿病および/または肥満を治療する方法で使用するためのものである、先行する実施形態のいずれかに記載の組成物。
49.固形医薬組成物を製造するための方法であって、
i)GLP-1ペプチドおよびヒスチジンを含むブレンドを取得する工程と、
ii)i)のブレンドを共処理する工程と、
iii)ii)の生成物を使用して、該固形医薬組成物を調製する工程と、を含む、方法。
50.ステップii)の場合、共処理が、噴霧乾燥によって実施される、実施形態49に記載の方法。
51.方法が、1つ以上のさらなる薬学的賦形剤を使用して該固形医薬組成物を調製する1つ以上のさらなる工程を含む、実施形態49に記載の方法。
52.糖尿病または肥満の治療のための方法であって、治療有効量の、実施形態1~48に記載の固形医薬組成物、または実施形態49~51の方法のいずれかによって製造される固形医薬組成物を、それを必要としている対象者に投与することを含む、方法。
53.該固形医薬組成物が、1日1回またはそれ以下の頻度で投与される、実施形態52に記載の方法。
【実施例
【0169】
材料および方法
方法1-セマグルチドおよびヒスチジンの共噴霧乾燥
セマグルチドおよびヒスチジンを、それぞれ約1:1、1:2、1:3.75、1:7.5、1:15、1:30、1:32、および1:100のモル比で溶解することによって、水溶液またはエタノール-水溶液(1:9)を調製し、約2~2.5%w/wの濃度を得た。吸引器を100%に設定し、入口温度を約120または155℃、出口温度を約45または78℃、溶液供給流量を約6または12g/分に設定して、溶液を噴霧乾燥(Buchi Mini Spray Drier)した。
【0170】
方法2-SNACおよびステアリン酸マグネシウムの乾式造粒
SNACおよびステアリン酸マグネシウムを、乾式造粒の前にPharmatech MBブレンダを使用して25rpmで50分間混合した。乾式造粒を、滑面ロール、0.63または0.80mmスクリーン、および30~120rpmの造粒機速度を使用して、Gerteis MINI-PACTOR上のローラー圧縮によって造粒を実施した。で、ロール速度を3~6rpmに設定し、6~9kN/cmのローラー圧縮力を1~2mmの間隔で適用した。乾式造粒に続いて、成形物を造粒物に粉砕した。
【0171】
アッセイI:セマグルチド関連不純物の分析-RP-UHPLC法
試料を、抽出緩衝液として20%(v/v)アセトニトリルおよび任意選択で0.1%(w/v)Brij(登録商標)35(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)と混合したリン酸緩衝液pH7.4(50mM KHPO、380mM塩化カリウム)を使用して、錠剤を溶解することにより調製した。セマグルチド関連不純物の試料含有量を、RP-UHPLC法を使用して決定した。UHPLC法は、C18カラム上の勾配溶出に基づいた。溶離液系は、215nmのUV検出で、水中0.09Mの(NH4)2HPO4(pH3.6)、アセトニトリル、および2-プロパノールであった。
【0172】
疎水性不純物群1は、クロマトグラム中のすべてのセマグルチド関連ピークの総面積に対する、セマグルチドピークの終了後から第2の直線勾配の開始までに溶出されたすべてのセマグルチド関連ピークの面積に基づく%として計算した。
【0173】
疎水性不純物群2は、クロマトグラム中のすべてのセマグルチド関連ピークの総面積に対する、第2の直線勾配で溶出されたすべてのセマグルチド関連ピークの面積に基づく%として計算した。
【0174】
アッセイII:セマグルチドアルデヒド付加物の分析-LC-MS法
試料を、20%(v/v)アセトニトリルと混合したリン酸緩衝液pH7.4(50mM KH2PO4)を使用して、混合物または錠剤を溶解することによって調製した。セマグルチドアルデヒド付加物の試料含有量を、RP-UHPLCを備えた高分解能質量分析計を使用して決定した。UHPLC法は、C18カラム上の勾配溶出に基づいた。溶離液系は、214nmのUV検出で、水中の0.06%TFA、90%アセトニトリルであった。
【0175】
総イオンクロマトグラム(TIC)から、再構成イオンクロマトグラム(RIC)を、セマグルチドならびに+12および+26不純物、すなわちセマグルチドホルムアルデヒド付加体およびセマグルチドアセトアルデヒド付加体の三重荷電モノアイソトピックピークからそれぞれ抽出した。RICピークを積分し、面積を使用してセマグルチドに対する+12および+26のレベルを計算した。
【0176】
アッセイIII:セマグルチドアルデヒド付加物の分析-RP-UHPLC法
試料を、抽出緩衝液として20%(v/v)アセトニトリルおよび任意選択で0.1%(w/v)Brij(登録商標)35(ポリオキシエチレンラウリルエーテル)と混合したリン酸緩衝液pH7.4(50mM KHPO、380mM塩化カリウム)を使用して、錠剤を溶解することにより調製した。セマグルチドアルデヒド付加物の試料含有量を、RP-UHPLC法を使用して決定した。UHPLC法は、C18カラム上の勾配溶出に基づいた。溶離液系は、215nmのUV検出で、水中0.09Mの(NHHPO(pH 3.2)、アセトニトリル、および2-プロパノールであった。
【0177】
セマグルチドホルムアルデヒド付加物は、クロマトグラム中のセマグルチドピークの面積に対するセマグルチドホルムアルデヒド付加物ピークの面積に基づく%として計算した。
【0178】
セマグルチドアセトアルデヒド付加物は、クロマトグラム中のセマグルチドピークの面積に対するセマグルチドアセトアルデヒド付加物ピークの面積に基づく%として計算した。
【0179】
実施例1-ヒスチジンを含む組成物および含まない組成物におけるGLP-1の安定性
ヒスチジンを含む、およびヒスチジンを含まない、セマグルチドとSNACとの間の混合物の組成を、以下の表1.1に従って調製した。セマグルチドまたは共噴霧乾燥したセマグルチドおよびヒスチジンを使用して調製した組成物を、各々秤量して容器に入れ、SNACと混合した。共噴霧乾燥したセマグルチドおよびヒスチジンを、方法1に従って調製した。
【表A】
【0180】
組成物は、飽和NaCl懸濁液で調製した平衡デシケータ内で60℃および75%RHで保存した。保存前に、1つのデシケータに、ホルムアルデヒドとセマグルチドとの間のおよそ1:1のモル比に相当する1mg/mLホルムアルデヒド溶液の体積を追加的に添加した。
【0181】
保存前後の組成物中のセマグルチドホルムアルデヒド付加物のレベルを、アッセイIIに従って測定した。結果を以下の表1.2に示し、19日後のセマグルチドホルムアルデヒド付加物のレベルの増加を示すが、これはヒスチジン(混合物Y)を含む組成物に対して有意に低い。
【表B】
【0182】
実施例2-ヒスチジンを含む錠剤組成物および含まない錠剤組成物におけるGLP-1の安定性
ヒスチジンを含む、および含まないセマグルチドを含む一連の錠剤組成物を、以下の表2.1に従って調製した。組成物は、セマグルチドまたは共噴霧乾燥セマグルチドおよびヒスチジンを用いて方法1で説明したように調製し、SNACおよびステアリン酸マグネシウムの造粒物を方法2に従って調製した。予め混合したセマグルチドおよびヒスチジンを、乳鉢内で乳棒を使用して等量のセマグルチドおよびヒスチジンを交互に混合および粉砕することによって調製した。
【0183】
1錠のSNACおよびステアリン酸マグネシウムの造粒物を計量パン上で計量した。次いで、1錠のセマグルチド、セマグルチドおよびヒスチジン、予め混合したセマグルチドおよびヒスチジン、または噴霧乾燥したセマグルチドおよびヒスチジンを、計量パン内の造粒物の上で計量した。すべての錠剤において、セマグルチドのヒスチジンに対するモル比は1:32であった。
【0184】
次に、成分を手で混合し、機器装備した回転式錠剤成形機(Fette 102i)の錠剤成形型のくぼみに直接移した。成形型のくぼみの中にある混合物を、20rpmの成形型台回転速度および約6.5kNの圧縮力で圧縮して、7mmの寸法の円形凸状錠剤にした。
【表C】
【0185】
組成物は、飽和NaCl懸濁液で調製した平衡デシケータ内で60℃および75%RHで保存した。2、4、および6週間の保存期間の後、錠剤をデシケータから取り出し、セマグルチドのアルデヒド付加物のレベルをアッセイIIに従って測定した。結果は、以下の表2.2および2.3ならびに図1および2に含まれ、経時的なセマグルチドアルデヒド付加物のレベルの増加を示す。セマグルチドアルデヒド付加物、特にセマグルチドホルムアルデヒド付加物のレベルは、ヒスチジンを含む組成物(錠剤B、C、およびD)で有意に低かった。
【表D】
【表E】
【0186】
実施例3-異なる量のヒスチジンを含む錠剤組成物におけるGLP-1の安定性
ヒスチジンを含む、および含まないセマグルチドを含むさらなる一連の錠剤組成物を、以下の表3.1に従って調製した。組成物を、セマグルチド、または共噴霧乾燥したセマグルチドおよびヒスチジンを、方法1に従って調製した。
【0187】
錠剤組成物I~IVについて、方法2に従ってSNACおよびステアリン酸マグネシウムの造粒物を調製し、1錠の造粒物を計量パン上で計量した。その後、1錠のセマグルチド、または噴霧乾燥したセマグルチドおよびヒスチジンを、計量パン内の造粒物の上で計量した。次に、成分を手で混合し、機器装備した回転式錠剤成形機(Fette 102i)の錠剤成形型のくぼみに直接移した。成形型のくぼみの中にある混合物を、20rpmの成形型台回転速度および約7.5kNの圧縮力で圧縮して、6.5mmの寸法の円形凸状錠剤にした。
【0188】
錠剤組成物V~VIIIについて、SNAC、微結晶性セルロース、およびステアリン酸マグネシウムの造粒物、ならびに微結晶性セルロースおよびポビドンの造粒物は、概して、WO2013/139695に記載されているように調製したが、わずかに異なる機器およびパラメータ設定を用いた。微結晶性セルロースおよびポビドンの造粒物を、Turbulaミキサを使用して、25rpmで30分間、ステアリン酸マグネシウムと予め混合した。1錠のSNAC、微結晶性セルロース、およびステアリン酸マグネシウムの造粒物を、計量パン上で計量した。その上で、1錠のステアリン酸マグネシウムと予め混合した微結晶性セルロースおよびポビドンの造粒物を計量した。最後に、1錠のセマグルチドまたは噴霧乾燥したセマグルチドおよびヒスチジンを、計量パン内の他の成分の上で計量した。次に、成分を手で混合し、機器装備した回転式錠剤成形機(Fette 102i)の錠剤成形型のくぼみに直接移した。成形型のくぼみの中にある混合物を、20rpmの成形型台回転速度および約9kNの圧縮力で圧縮して、7.5×13mmの寸法の楕円形凸状錠剤にした。
【0189】
表3.1-錠剤組成物I~VIII。
組成物は、mg/錠剤の各成分の総量として提供される。錠剤Iおよび錠剤Vはヒスチジンなしで調製され、錠剤II~IVおよびVI-VIIIは異なる量のヒスチジンを含み、セムグルチドのヒスチジンに対するモル比は、示されるように1:1~1:30の範囲である。
【0190】
ステアリン酸マグネシウムについて、カッコ内の数値は、造粒物外ステアリン酸マグネシウムの量である。微結晶性セルロースについて、括弧内の数字は、それぞれ、SNACおよびステアリン酸マグネシウムを含む造粒物中、ならびにポビドンを含む造粒物中の量を示す。
【表F】
【0191】
錠剤組成物IおよびVは、飽和NaCl懸濁液で調製された平衡デシケータ内で60℃、40℃、および30℃で、75%RHで保存した。同様に、錠剤組成物II~IVおよびVI~VIIIは、60℃、40℃、および30℃で、75%RHで保存したが、飽和NaCl懸濁液で調製した別の平衡デシケータでも保存した。保存前に、ホルムアルデヒドとセマグルチドとの間のおよそ1:20のモル比に相当する0.012%w/wホルムアルデヒド溶液をデシケータに加えた。
【0192】
少なくとも1ヶ月の保存期間の後、錠剤をデシケータから取り出し、アッセイIに従って疎水性不純物群1および2のレベルを測定し、アッセイIIIに従ってセマグルチドアルデヒド付加物のレベルを測定した。デシケータ内の残りの錠剤をさらに保存する前に、デシケータ内のホルムアルデヒドとセマグルチドとの間のおよそ1:20のモル比に相当する別の体積の0.012%w/wホルムアルデヒド溶液をデシケータに加えた。
【0193】
アッセイIの結果は、以下の表3.2および3.3に含まれており、疎水性不純物群1および2のレベルが経時的に増加していることを示す。疎水性不純物群1および2のレベルは、ヒスチジンを含む組成物において有意に低かった(錠剤II~IVおよびVI~VIII)。さらに、疎水性不純物群1のレベルは、セマグルチドとヒスチジンとの間の最小のモル比1:1でさえも有意に減少し、セマグルチドのヒスチジンに対するモル比を増加させると、減少が比較的少なくなることは特に驚くべきことである。
【表G】
【表H】
【0194】
アッセイIIIの結果は、以下の表3.4.1~3.4.3および3.5.1~3.5-3に含まれており、セマグルチドアルデヒド付加物のレベルが経時的に増加していることを示す。セマグルチドアルデヒド付加物のレベルは、ヒスチジンを含む組成物において有意に低かった(錠剤II~IVおよびVI~VIII)。さらに、セマグルチドのアルデヒド付加物のレベルが大幅に減少した、すなわち、ヒスチジンのセマグルチドに対するモル比が1:1である最低量のヒスチジンでさえも50%を超え、セマグルチドのヒスチジンに対するモル比を増加させた場合に得られるさらなる減少が比較的小さいことは特に驚くべきことである。
【表I】
【表J】
【表K】
【表L】
【表M】
【表N】
【0195】
本発明のある特定の特徴が本明細書に例示および記載されているが、ここで、多くの修正、置換、変更、および均等物が当業者に想到されるであろう。したがって、添付の特許請求の範囲が、本発明の真の趣旨の範囲内にあるこうしたすべての修正および変更を網羅することを意図していることが理解されるべきである。
図1
図2
【配列表】
2023524695000001.app
【国際調査報告】