(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】電気機械式のブレーキ圧発生器用のスピンドル駆動ユニット、電気機械式のブレーキ圧発生器
(51)【国際特許分類】
F16H 25/24 20060101AFI20230606BHJP
H02K 7/06 20060101ALI20230606BHJP
H02K 7/116 20060101ALI20230606BHJP
F16H 25/20 20060101ALI20230606BHJP
B60T 13/138 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
F16H25/24 B
H02K7/06 A
H02K7/116
F16H25/20 Z
B60T13/138 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022566725
(86)(22)【出願日】2021-02-10
(85)【翻訳文提出日】2022-11-01
(86)【国際出願番号】 EP2021053144
(87)【国際公開番号】W WO2021228443
(87)【国際公開日】2021-11-18
(31)【優先権主張番号】102020205968.3
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591245473
【氏名又は名称】ロベルト・ボッシュ・ゲゼルシャフト・ミト・ベシュレンクテル・ハフツング
【氏名又は名称原語表記】ROBERT BOSCH GMBH
(74)【代理人】
【識別番号】100177839
【氏名又は名称】大場 玲児
(74)【代理人】
【識別番号】100172340
【氏名又は名称】高橋 始
(74)【代理人】
【識別番号】100182626
【氏名又は名称】八島 剛
(72)【発明者】
【氏名】ナーゲル,ヴィリ
(72)【発明者】
【氏名】バウアー,セバスチャン
(72)【発明者】
【氏名】オッセス,ミヒャエル
【テーマコード(参考)】
3D048
3J062
5H607
【Fターム(参考)】
3D048BB53
3D048BB59
3D048CC54
3D048HH15
3D048HH18
3D048LL01
3D048MM01
3D048NN02
3D048NN03
3D048PP03
3D048QQ07
3J062AA02
3J062AB24
3J062AC07
3J062BA01
3J062CD03
3J062CD54
3J062CD64
5H607BB01
5H607BB05
5H607BB14
5H607CC03
5H607DD03
5H607DD07
5H607DD08
5H607EE31
5H607EE52
5H607EE54
5H607GG01
5H607GG07
(57)【要約】
【課題】 本発明は、電動機(4)の駆動軸(3)の回転運動を、スピンドル駆動ユニット(1)に連結されたピストン(5)の並進運動に変換するための、車両の液圧ブレーキシステム内の電気機械式のブレーキ圧発生器(2)用のスピンドル駆動ユニット(1)に関する。
【解決手段】 本発明によれば、前記スピンドル駆動ユニット(1)および/または前記ピストン(5)が、前記ブレーキ圧発生器(2)のハウジング(8)内にねじ込むための外ねじ(7)を有するアダプタスリーブ(6)によって少なくとも部分的に取り囲まれている。本発明はさらに、このような形式のスピンドル駆動ユニット(1)を有する電気機械式のブレーキ圧発生器(2)に関する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電動機(4)の駆動軸(3)の回転運動を、スピンドル駆動ユニット(1)に連結されたピストン(5)の並進運動に変換するための、車両の液圧ブレーキシステム内の電気機械式のブレーキ圧発生器(2)用のスピンドル駆動ユニット(1)において、
前記スピンドル駆動ユニット(1)および/または前記ピストン(5)が、前記ブレーキ圧発生器(2)のハウジング(8)内にねじ込むための外ねじ(7)を有するアダプタスリーブ(6)によって少なくとも部分的に取り囲まれていることを特徴とする、電気機械式のブレーキ圧発生器用のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項2】
前記アダプタスリーブ(6)に、転がり軸受または玉軸受(9)が取り付けられ、好適には被せ嵌められており、さらに前記転がり軸受または玉軸受(9)は、好適には軸方向で前記アダプタスリーブ(6)のストッパ(10)に支持されていることを特徴とする、請求項1記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項3】
前記スピンドル駆動ユニット(1)が、前記駆動軸(3)と連結するために、好適には前記駆動軸(3)のピニオン(11)と直接的または間接的に連結するために、歯車(12)を有していることを特徴とする、請求項1または2記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項4】
前記アダプタスリーブ(6)が、トルクサポートを形成するための少なくとも1つの溝(13)、好適には2つ、3つまたは4つの溝(13)を備えた内側輪郭を有していることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項5】
前記スピンドル駆動ユニット(1)のスピンドル(14)またはスピンドルナット(15)が、前記溝(13)内に係合する少なくとも1つの翼(16)を備えた外側輪郭を有していることを特徴とする、請求項4記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項6】
前記ピストン(5)が、前記スピンドル駆動ユニット(1)のスピンドル(14)に相対回動不能に結合されていて、前記溝(13)内に係合する少なくとも1つの翼(16)を備えた外側輪郭を有していることを特徴とする、請求項4記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項7】
前記アダプタスリーブ(6)が、金属、特に鋼またはアルミニウムより製作されていることを特徴とする、請求項1から6までのいずれか1項記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項8】
前記スピンドル駆動ユニット(1)が駆動側の端部にキャップ(17)を有しており、前記キャップ(17)の端面側に、組み立て工具を係合させるための少なくとも1つの開口(18)が設けられており、好適な形式で少なくとも1つの前記開口(18)の数および角度位置が、前記アダプタスリーブ(6)の少なくとも1つの前記溝(13)の数および角度位置に相当することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載のスピンドル駆動ユニット(1)。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか1項記載のスピンドル駆動ユニット(1)を有する、車両の液圧ブレーキシステムのための電気機械式のブレーキ圧発生器(2)において、前記スピンドル駆動ユニット(1)が前記アダプタスリーブ(6)を介して前記ブレーキ圧発生器(2)のハウジング(8)内にねじ込まれており、前記ハウジング(8)内に前記電動機(4)が受けられている、電気機械式のブレーキ圧発生器(2)。
【請求項10】
前記アダプタスリーブ(6)を介して前記ハウジング(8)内にねじ込まれた前記スピンドル駆動ユニット(1)が、前記アダプタスリーブ(6)の前記外ねじ(7)の回転方向によって、および/または例えば前記外ねじ(7)のコーティングとしての追加的な緩み防止手段によって、ねじ結合が解除しないように固定されていることを特徴とする、請求項9記載の電気機械式のブレーキ圧発生器(2)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、請求項1の前提部に記載した車両の液圧ブレーキシステム内の電気機械式のブレーキ圧発生器用のスピンドル駆動ユニットに関する。本発明によるスピンドル駆動ユニットによって、電動機の駆動軸の回転運動が、スピンドル駆動ユニットに連結されたピストンの並進運動に変換される。
【0002】
また本発明は、本発明によるスピンドル駆動ユニットを備えた電気機械式のブレーキ圧発生器に関する。電気機械式のブレーキ圧発生器は、ブレーキ補助力を提供するためだけではなく、ブレーキ力を単独で発生させるためにも、いわゆる「ブレーキバイワイヤ」システムに使用可能である。この形態において、ブレーキ圧発生器はブレーキ力若しくはブレーキ圧発生のために自律走行式の車両に使用されてよい。
【背景技術】
【0003】
電気機械式のブレーキ圧発生器用のスピンドル駆動ユニットは、通常は、電動機と一緒に1つの共通のハウジング内に配置されている。この場合、電動機の駆動軸は、ピストンに対して軸平行にまたは同軸的に配置されていてよい。軸平行な配置では、駆動軸とスピンドル駆動ユニットとの間の軸間隔は、歯車伝動装置を用いてブリッジされる。歯車伝動装置は、駆動軸に連結された第1の歯車またはピニオン、およびスピンド駆動装置に連結された第2の歯車の他に、これに追加して中間歯車を有している。中間歯車は、第1および第2の歯車の直径を縮小させることができる。さらに、ハウジング内に、電気機械式のブレーキ圧発生器の電子回路、弁および/またはセンサが受けられていてよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
前記従来技術から出発して、本発明の課題は、特に軸平行に配置された駆動軸およびスピンドル駆動装置において、電気機械式のブレーキ圧発生器の組み立てを簡略化することである。また、特にコンパクトに構成された配置が得られるようにすることである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
この課題を解決するために、請求項1の特徴を有するスピンドル駆動ユニット、並びに請求項9の特徴を有する電気機械式のブレーキ圧発生器が提案される。本発明の好適な実施態様は、それぞれ従属請求項に記載されている。
【0006】
車両の液圧ブレーキシステム内の電気機械式のブレーキ圧発生器用のスピンドル駆動ユニットが提案されており、このスピンドル駆動ユニットを用いて電動機の駆動軸の回転運動が、スピンドル駆動ユニットに連結されたピストンの並進運動に変換可能である。本発明によれば、スピンドル駆動ユニットおよび/またはピストンが、ブレーキ圧発生器のハウジング内にねじ込むための外ねじを有するアダプタスリーブによって、少なくとも部分的に取り囲まれている。
【0007】
スピンドル駆動ユニット、ピストンおよびアダプタスリーブは、事前組み立て可能であって、事前組み立てされた構造群として、簡単な形式でブレーキ圧発生器のハウジング内に挿入若しくはねじ込まれる。事前組み立てされた構造群として提案されたスピンドル駆動ユニットは、ブレーキ圧発生器の組み立て時に複雑さを低減させる。それに伴い、コスト的な利点が得られる。それと同時に、アダプタスリーブとハウジングとのねじ結合を介して、高い引張力を受け止めることができる、事前組み立てされた構造群のハウジング内での固定が得られる。また、ねじ結合を用いた固定は、追加的な構成部分としてCリングを必要とする特にクリップ結合と比較して、半径方向で僅かな取り付け所要スペースを必要とするだけである。従って、軸平行に配置したときにスピンドル駆動ユニットと電動機の駆動軸との間の軸間隔を低減することができる。またこれにより中間歯車を省くことができるので、それ以上の構成部分は節約される。
【0008】
好適には、スピンドル駆動ユニットと駆動軸とは軸平行に配置されている。何故ならば、これにより、本発明の利点が特に明らかだからである。
【0009】
さらに、好適には、アダプタスリーブに、転がり軸受または玉軸受が取り付けられ、好適には被せ嵌められている。このような形式で、転がり軸受または玉軸受は、事前組み立てされた構造群の別の構成部材を形成し、スピンドル駆動ユニットと共に、アダプタスリーブを介してハウジング内に挿入され、ハウジング内で固定され得る。プレス接続は、好適には転がり軸受または玉軸受の内レースを介して製作されている。転がり軸受または玉軸受のプレス嵌めは、ピストンに作用する引張力にも伝達され得る。
【0010】
さらに好適には、転がり軸受または玉軸受は、軸方向で、つまり主要な力の向きで、アダプタスリーブのストッパに支持されている。このような軸方向の支持は、プレス接続に加えて追加的な位置固定を生ぜしめる。ストッパを形成するために、アダプタスリーブは例えば環状フランジを有していてよい。選択的に、ストッパを形成するためにクリップリングが使用されてよい。
【0011】
さらに、スピンドル駆動ユニットは、駆動軸と連結するために、好適には駆動軸のピニオンと直接的または間接的に連結するために、1つの歯車を有していることが提案される。この歯車は、ここでは事前組み立てされた構造群のさらに別の構成部材を形成するので、ブレーキ圧発生器の組み立てはさらに簡略化される。
【0012】
トルクサポートを形成するために、アダプタスリーブが、少なくとも1つの溝を有する内側輪郭を有することが提案される。トルクサポートは、スピンドル駆動装置内で原理的に駆動軸の回転運動をピストンの並進運動に変換するために必要である。トルクサポートを特に頑丈に構成するために、溝の数は、2つ、3つまたは4つであってもよい。これにより、サポートしようとするトルクは、複数の溝に分配される。好適な形式で、サポートしようとするトルクを均一に分配するために、溝は互いに同じ角度間隔を保って配置されている。
【0013】
トルクサポートを形成するために、さらに、スピンドル駆動ユニットのスピンドルまたはスピンドルナットが、アダプタスリーブの溝内に係合する少なくとも1つの翼を備えた外側輪郭を有することが提案される。アダプタスリーブの溝内に係合する少なくとも1つの翼は、スピンドル若しくはスピンドルナットとアダプタスリーブとの間において回転方向で形状締結を生ぜしめるので、この形状締結を介してトルクサポートが得られる。駆動されるスピンドルにおいて、少なくとも1つの翼がスピンドルナットに形成されている。代替的に、ピストンがスピンドル駆動ユニットのスピンドルと相対回動不能に結合されていて、溝内に係合する少なくとも1つの翼を備えた外側輪郭を有するように提案される。
【0014】
好適な形式で、翼の数および形状は、翼がスピンドルに形成されているか、スピンドルナットまたはピストンに形成されているかとは無関係に、アダプタスリーブの溝の数および形状に相当する。さらに、好適な形式で、翼は互いに同じ角度間隔で配置されている。
【0015】
本発明の好適な実施例によれば、アダプタスリーブは、金属、特に鋼またはアルミニウムより製作されている。金属材料、例えば鋼またはアルミニウムは、精確な外ねじの形成を可能にするので、ハウジング内でのアダプタスリーブおよびひいては事前組み立てされた構造群の所望の固定が得られる。これは特に重要である。何故ならば、ハウジングは一般的な形式で同様に金属材料、特に鋼またはアルミニウムより製作されているからである。
【0016】
本発明の実施態様によれば、スピンドル駆動ユニットは駆動側の端部にキャップを有しており、キャップは端面側に、組み立て工具を係合させるための少なくとも1つの開口を有しているように提案される。キャップは、例えば、個別の、事前組み立てされた構造群の個別の、好適にはすべての構成部材を解除不能に結束するために使用される。これによって、構造群がユニットとしてブレーキ圧発生器のハウジング内に挿入可能であることが保証される。またこれによって、ブレーキ圧発生器の組み立てはさらに簡略化される。また、キャップは、有害な微粒子がスピンドル駆動ユニット内に侵入しないようにスピンドル駆動ユニットを保護する。このために、キャップは好適にはフランジを有しており、このフランジはスピンドル駆動ユニットの端部だけでなく、アダプタスリーブおよび/または転がり軸受若しくは玉軸受も、少なくとも部分的に取り囲む。
【0017】
好適には、キャップの端面側に設けられた少なくとも1つの開口の数および角度位置は、アダプタスリーブの少なくとも1つの溝の数および角度位置に相当する。これによって、アダプタスリーブの少なくとも1つの溝へのアクセス可能性が保証されている。何故ならば、アダプタスリーブ若しくは事前組み立てされた構造群をブレーキ圧発生器のハウジング内にねじ込むために、キャップの少なくとも1つの端面側の開口を通して組み立て工具をアダプタスリーブの少なくとも1つの溝内に挿入する必要があるからである。
【0018】
冒頭に述べた課題を解決するために、さらに、本発明によるスピンドル駆動ユニットを有する、車両の液圧ブレーキシステムのための電気機械式のブレーキ圧発生器が提案されている。このスピンドル駆動ユニットは、アダプタスリーブを介してブレーキ圧発生器のハウジング内にねじ込まれており、ハウジング内にさらに電動機が受けられている。スピンドル駆動ユニットおよび電動機の駆動軸は、好適な形式で軸平行に配置されている。このような配置において、本発明によるスピンドル駆動ユニットの利点は、最も良い効果を発揮する。特に、簡単に組み立て可能でコンパクトに構成されるブレーキ圧発生器が提供される。
【0019】
好適な形式で、アダプタスリーブを介してハウジング内にねじ込まれたスピンドル駆動ユニットは、アダプタスリーブの外ねじの回転方向によって、および/または例えば外ねじのコーティングとしての追加的な緩み防止手段によって、ねじ結合が解除しないように固定されている。このような形式で、アダプタスリーブおよびひいては事前組み立てされた構造群は、ブレーキ圧発生器のハウジング内に堅固に固定される。追加的な緩み防止は、アダプタスリーブをハウジング内にねじ込む前に好適な形式でアダプタスリーブの外ねじに被着された例えば塗料および/または接着剤を用いて実現され得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【
図1】本発明のスピンドル駆動ユニットを備えた電気機械式のブレーキ圧発生器の縦断面図である。
【
図2a】
図1のスピンドル駆動ユニットのアダプタスリーブの斜視図である。
【
図2b】
図1のスピンドル駆動ユニットのアダプタスリーブの斜視図である。
【
図3】
図1のスピンドル駆動ユニットのスピンドルナットの斜視図である。
【
図4】
図1のスピンドル駆動ユニットの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下に、本発明の好適な実施例を添付の図面を用いて詳しく説明する。
【0022】
図1に示された電気機械式のブレーキ圧発生器2は、ハウジング8を有しており、このハウジング8内に、ピストン5を備えた本発明によるスピンドル駆動ユニット1並びに駆動軸4を備えた電動機4が受けられている。この場合、ピストン5および駆動軸3は軸平行に配置されている。つまり、ピストン5の縦軸線A
1と駆動軸4の縦軸線A
2とが、平行に整列されている。ピストン5は、ここでは端面側が閉じられた中空円筒として構成されている。
【0023】
駆動軸4はピニオン11に接続されていて、このピニオン11は、スピンドル駆動ユニット1の歯車12に噛み合っており、従って、歯車12を介して駆動軸4の回転運動がスピンドル駆動ユニット1に伝達可能である。駆動軸4の回転運動をピストン5の並進運動に変換するために、スピンドル駆動ユニット1は、スピンドル14とスピンドルナット15とを有しており、これらのスピンドル14およびスピンドルナット15は、図示の実施例では中空円筒形のピストン5内に受けられている。またピストン5は、外ねじ7を備えたアダプタスリーブ6によって少なくとも部分的に取り囲まれており、外ねじ7を介してスピンドル駆動ユニット1はブレーキ圧発生器2のハウジング8内にねじ込まれている。スピンドル14およびスピンドルナット15を備えたスピンドル駆動ユニット1と、ピストン5とアダプタスリーブ6とは、事前組み立てされていてユニットとしてブレーキ圧発生器2のハウジング8内に挿入若しくはねじ込まれる構造群を形成する。同時に、このねじ結合部を介してハウジング8内での構造群の固定が保証されている。
【0024】
図1に示された実施例では、事前組み立てされた構造群がその他の構成部材を有している。これらの構成部材は、アダプタスリーブ6に被せ嵌められている玉軸受9並びにキャップ17を有している。アダプタスリーブ6に被せ嵌められた玉軸受9は、軸方向でストッパ10に支持されており、このストッパ10はここでは、アダプタスリーブ6の環状フランジ19によって形成されている(
図2aおよび
図2bも参照)。キャップ17は、玉軸受9、並びにハウジング8から突き出すスピンドル駆動ユニット1の端部を取り囲んでいるので、玉軸受9並びにスピンドル駆動ユニット1の端部はキャップ17によって保護されている。さらに、このキャップ17を介して、事前組み立てされた構造群のすべての構成部材が解除不能に保持されており、このことは、ハウジング8内への挿入若しくはねじ込みを軽減する。ねじ込みは、好適な形式で、キャップ17の開口18を通してアダプタスリーブ6の溝13内に係合する(
図2aおよび
図4参照)組み立て工具(図示せず)を用いて行われる。
【0025】
同時に、アダプタスリーブ6の溝13を介してスピンドル駆動ユニット1のトルクサポートが実現される。このために、スピンドルナット15は、アダプタスリーブ6の溝13内に係合する翼16を備えた外側輪郭を有している(
図3参照)。
【0026】
事前組み立てされた構造群のすべての構成部材を含む本発明によるスピンドル駆動ユニット1の詳細は、
図4に示されている。つまり、スピンドル駆動ユニット1はさらに歯車12を有していてよい。
【符号の説明】
【0027】
1 スピンドル駆動ユニット
2 ブレーキ圧発生器
3 駆動軸
4 電動機
5 ピストン
6 アダプタスリーブ
7 外ねじ
8 ハウジング
9 転がり軸受または玉軸受
10 ストッパ
11 ピニオン
12 歯車
13 溝
14 スピンドル
15 スピンドルナット
16 翼
17 キャップ
18 開口
19 環状フランジ
A1 ピストン5の縦軸線
A2 駆動軸4の縦軸線
【国際調査報告】