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特表2023-524732生体内で縮小および増大させられることができる寸法を伴うデバイス
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】生体内で縮小および増大させられることができる寸法を伴うデバイス
(51)【国際特許分類】
   A61F 2/04 20130101AFI20230606BHJP
   A61F 2/07 20130101ALI20230606BHJP
   A61F 2/86 20130101ALI20230606BHJP
   A61M 25/00 20060101ALI20230606BHJP
   A61M 25/10 20130101ALI20230606BHJP
   A61M 25/06 20060101ALI20230606BHJP
   A61F 2/48 20060101ALI20230606BHJP
   A61L 31/02 20060101ALI20230606BHJP
   A61L 31/14 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
A61F2/04
A61F2/07
A61F2/86
A61M25/00
A61M25/10
A61M25/06 556
A61F2/48
A61L31/02
A61L31/14
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567087
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-22
(86)【国際出願番号】 IB2021053594
(87)【国際公開番号】W WO2021224736
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】63/019,777
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】16/875,652
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/092,081
(32)【優先日】2020-11-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】518369682
【氏名又は名称】ブイ-ウェーブ リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ネイ, ニール
(72)【発明者】
【氏名】ブフドルカー, ネイサン
(72)【発明者】
【氏名】ウォードル, ジョン
(72)【発明者】
【氏名】ホワイティング, ジェイムズ エス.
(72)【発明者】
【氏名】ローゼン, リオル
(72)【発明者】
【氏名】ローゼンフェルド, エレズ
(72)【発明者】
【氏名】ハーフェルフィンガー, ワーナー
(72)【発明者】
【氏名】アイグラー, ニール
【テーマコード(参考)】
4C081
4C097
4C267
【Fターム(参考)】
4C081AC06
4C081AC08
4C081AC10
4C081BB03
4C081BB07
4C081CG03
4C081DA16
4C081DC03
4C097AA30
4C097BB01
4C097BB06
4C097BB08
4C097DD10
4C267AA02
4C267AA07
4C267AA16
4C267AA46
4C267AA50
4C267BB02
4C267BB03
4C267BB04
4C267BB11
4C267BB38
4C267BB43
4C267CC08
4C267CC19
4C267GG24
4C267GG34
4C267HH08
(57)【要約】
生体内で縮小および増大させられることができる内部寸法を伴うデバイスが、提供される。一実施例では、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントは、本体を含む。本体は、首部分領域によって流体連通するように結合されている第1および第2の領域を含む。本体は、形状記憶材料を含む。本体は、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定する。第1および第2の領域は、体温で超弾性を有し、首部分領域は、体温で可鍛性を有する。首部分領域を通した通路の流動面積は、生体内で調節され得る。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントであって、
前記心房間シャントは、首部分領域によって流体連通するように結合されている第1および第2の領域を備える本体を備え、前記本体は、形状記憶材料を備え、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための前記首部分領域を通した通路を画定し、
前記第1および第2の領域は、体温で超弾性を有し、前記首部分領域は、体温で可鍛性を有し、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備え、
前記首部分領域を通した前記通路の流動面積は、生体内で調節され得る、
心房間シャント。
【請求項2】
超弾性を有する前記第1および第2の領域は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項1に記載の心房間シャント。
【請求項3】
前記首部分領域は、機械的に拡張可能である、請求項1または請求項2に記載の心房間シャント。
【請求項4】
前記首部分領域は、熱的に収縮可能である、請求項1~3のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項5】
患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントであって、それを通した流体流動を調節可能に調整するための前記心房間シャントは、
前記心臓の第1の心房内に設置されるように構成されている第1の拡張可能端部領域と、
前記心臓の第2の心房内に設置されるように構成されている第2の拡張可能端部領域であって、前記第1および第2の拡張可能端部領域は、自己拡張超弾性材料を備える、第2の拡張可能端部領域と、
前記心房中隔での設置のために構成されている、前記第1および第2の拡張可能端部領域間の首部分領域であって、前記首部分領域は、可鍛性形状記憶材料を備え、前記心房間シャントは、血液が前記第1の心房と前記第2の心房との間を流動するための前記首部分領域を通した通路を画定する、首部分領域と
を備え、前記首部分領域は、前記通路の断面積が生体内で調節可能であるように、前記第1および第2の拡張可能端部領域と異なる形状記憶性質を呈するように熱処理されている、心房間シャント。
【請求項6】
前記可鍛性形状記憶材料は、前記通路が前記断面積から前記断面積より大きい第2の断面積まで拡張するように、生体内で拡張されるように構成されている、請求項5に記載の心房間シャント。
【請求項7】
前記可鍛性形状記憶材料は、前記通路が前記第2の断面積から前記第2の断面積より小さい第3の断面積まで収縮するように、生体内で収縮させられるように構成されている、請求項6に記載の心房間シャント。
【請求項8】
前記断面積は、4.9~28.3mmであり、前記第2の断面積および前記第3の断面積は、15.9~78.6mmである、請求項7に記載の心房間シャント。
【請求項9】
前記可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項5~8のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項10】
前記自己拡張超弾性材料は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項5~9のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項11】
前記可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能である、請求項5~10のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項12】
前記可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能である、請求項5~11のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項13】
前記首部分の断面積は、前記第1および第2の拡張可能端部領域のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さい、請求項5~12のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項14】
前記第1および第2の拡張可能端部領域は、前記第1および第2の拡張可能端部領域のそれぞれの端部が前記心房中隔に接触しないように、前記第1および第2の心房の中にそれぞれ延在する、請求項5~13のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項15】
前記第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに前記首部分領域は、ディアボロ形状のシャントを構成する、請求項5~14のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項16】
前記首部分領域は、円筒形シャントを構成する、請求項15に記載の心房間シャント。
【請求項17】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの外側にある、請求項16に記載の心房間シャント。
【請求項18】
前記円筒形シャントは、前記円筒形シャントが前記首部分領域における前記ディアボロ形状のシャントの寸法を半径方向において拘束するように、前記可鍛性形状記憶材料から形成され、前記ディアボロ形状のシャントは、前記可鍛性形状記憶材料が第2の断面積まで拡張することに応答して、前記首部分領域において自己拡張する、請求項17に記載の心房間シャント。
【請求項19】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの内側にある、請求項16に記載の心房間シャント。
【請求項20】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントおよび前記首部分領域に直接結合されておらず、前記円筒形シャントを前記ディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに備える、請求項16に記載の心房間シャント。
【請求項21】
前記円筒形シャントの収縮は、前記首部分領域における前記ディアボロ形状のシャントの収縮を引き起こさない、請求項16に記載の心房間シャント。
【請求項22】
前記ディアボロ形状のシャントおよび前記円筒形シャントは、共通フレームから一体的に形成されている、請求項16に記載の心房間シャント。
【請求項23】
前記第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに前記首部分領域は、共通フレームから一体的に形成されている、請求項5~15のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項24】
前記第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに前記首部分領域は、少なくとも部分的に生体適合性材料で被包されている、請求項5~15のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項25】
第1の心房と、第2の心房と、心房中隔とを有する心臓内の流体流動を調節可能に調整するための心房間シャントであって、前記心房間シャントは、
前記第1の心房内に設置されるように構成されている、自己拡張超弾性材料を備える第1の領域であって、前記第1の領域は、体温で超弾性を有する、第1の領域と、
流体流動を前記第1の心房から前記第2の心房に提供するために、前記心房中隔内の開口部を通して設置されるように構成されている、可鍛性形状記憶材料を備える第2の領域であって、前記第2の領域は、体温で可鍛性を有する、前記第2の領域と
を備え、
前記可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有し、
前記可鍛性形状記憶材料は、前記第1の断面積から第2の断面積まで拡張可能であり、
前記可鍛性形状記憶材料は、前記第2の断面積から第3の断面積まで収縮可能である、
心房間シャント。
【請求項26】
前記自己拡張超弾性材料は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備え、前記可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項25に記載の心房間シャント。
【請求項27】
前記可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能であり、熱的に収縮可能である、請求項25または請求項26に記載の心房間シャント。
【請求項28】
前記第2の心房内に設置されるように構成され、前記第2の領域に結合されている、第2の自己拡張超弾性材料を備える第3の領域をさらに備える、請求項25~27のいずれか1項に記載の心房間シャント。
【請求項29】
デバイスであって、それを通した流体流動を生体内で調節可能に調整するための前記デバイスは、
第1の自己拡張超弾性材料を備える第1の構成要素と、
前記第1の構成要素に結合され、第1の可鍛性形状記憶材料を備える第2の構成要素と
を備え、
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有し、
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、第2の断面積まで生体内で拡張可能であり、
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、第3の断面積まで生体内で収縮可能である、
デバイス。
【請求項30】
前記第1の自己拡張超弾性材料は、37℃未満のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項29に記載のデバイス。
【請求項31】
前記第1の自己拡張超弾性材料の前記ニチノールのAfは、5~20℃である、請求項30に記載のデバイス。
【請求項32】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、37℃を上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項29~31のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項33】
前記可鍛性形状記憶材料の前記ニチノールのAfは、45~60℃である、請求項32に記載のデバイス。
【請求項34】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能である、請求項29~33のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項35】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能である、請求項29~34のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項36】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、溶接によって前記第1の自己拡張超弾性材料に継合されている、請求項29~35のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項37】
前記デバイスは、複数の成形されたワイヤを備え、前記ワイヤのうちの少なくとも1つは、前記第1の可鍛性形状記憶材料を備え、前記ワイヤのうちの少なくとも1つは、前記第1の自己拡張超弾性材料を備える、請求項29~36のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項38】
前記ワイヤのうちの少なくとも1つは、前記第1の可鍛性形状記憶材料および前記第1の自己拡張超弾性材料の両方を備える、請求項37に記載のデバイス。
【請求項39】
前記ワイヤの各々は、前記第1の可鍛性形状記憶材料および前記第1の自己拡張超弾性材料の両方を備える、請求項37に記載のデバイス。
【請求項40】
前記成形されたワイヤの各々は、第1の端部と、第2の端部とを備え、前記第1および第2の端部は、オーバーラッピング、溶接、またはスウェージ加工されたチューブを使用して相互に結合されている、請求項37~39のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項41】
前記ワイヤは、巻線またはスリーブを使用して相互に結合されている、請求項37~40のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項42】
前記スリーブのうちの少なくとも1つは、放射線不透過性を有する、請求項41に記載のデバイス。
【請求項43】
前記スリーブの各々は、放射線不透過性を有する、請求項41に記載のデバイス。
【請求項44】
前記ワイヤのうちの少なくとも1つは、放射線不透過性材料を備える、請求項37~43のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項45】
前記ワイヤの内部コアは、前記放射線不透過性材料を備える、請求項44に記載のデバイス。
【請求項46】
前記ワイヤの上層は、前記第1の可鍛性形状記憶材料または前記第1の自己拡張超弾性材料を備える、請求項45に記載のデバイス。
【請求項47】
前記ワイヤの撚り線は、前記第1の可鍛性形状記憶材料または前記第1の自己拡張超弾性材料を備える、請求項45に記載のデバイス。
【請求項48】
前記ワイヤの上層は、前記放射線不透過性材料を備える、請求項45に記載のデバイス。
【請求項49】
前記ワイヤの内部コアは、前記第1の可鍛性形状記憶材料または前記第1の自己拡張超弾性材料を備える、請求項48に記載のデバイス。
【請求項50】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆する被包材をさらに備える、請求項29~49のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項51】
前記被包材は、前記第1の可鍛性形状記憶材料を前記第1の自己拡張超弾性材料に継合している、請求項50に記載のデバイス。
【請求項52】
前記第1の断面積は、前記第3の断面積より小さい、請求項29~51のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項53】
前記第1の断面積は、前記第3の断面積より大きい、請求項29~51のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項54】
前記デバイスは、第3の構成要素をさらに備え、前記第3の構成要素は、第2の自己拡張超弾性材料を備え、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に結合されている、請求項29~53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項55】
前記第1の構成要素は、入口を備え、前記第2の構成要素は、首部分を備え、前記第3の構成要素は、前記首部分を介して前記入口に流体的に結合されている出口を備える、請求項54に記載のデバイス。
【請求項56】
前記首部分の断面積は、前記入口および前記出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さい、請求項55に記載のデバイス。
【請求項57】
前記入口および前記出口は、身体内の2つの心室間の中隔を通した開口部内に前記デバイスを留め、前記首部分は、これらの心室間の流動のためのチャネルを提供する、請求項56に記載のデバイス。
【請求項58】
前記首部分の断面積は、前記入口および前記出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より大きい、請求項55に記載のデバイス。
【請求項59】
前記第2の構成要素は、人体の開口部に係合するように構成されている、請求項55に記載のデバイス。
【請求項60】
前記開口部は、右心房と左心房との間の心房間中隔の卵円窩を通して作り出され、
前記首部分は、前記開口部に係合するように構成され、
前記入口は、前記右心房の中へと延在するように構成され、
前記出口は、前記左心房の中へと延在するように構成されている、
請求項59に記載のデバイス。
【請求項61】
前記入口および前記出口は、フランジを備え、
前記首部分は、可撓性長手方向バーおよび正弦曲線リングを備え、
前記可撓性長手方向バーは、展開時に前記フランジが完全に拡張することを可能にし、
前記正弦曲線リングは、バルーン膨張または熱収縮させられたとき、その直径を維持するために十分な強度を有する、
請求項60に記載のデバイス。
【請求項62】
前記第1の構成要素は、人体内の管腔に係合するように構成されている、請求項55に記載のデバイス。
【請求項63】
前記管腔は、血管を含み、
前記第1および第3の構成要素は、前記血管に係合するように構成されている、
請求項62に記載のデバイス。
【請求項64】
前記首部分は、前記血管の口に隣接して配置されるように構成されている、請求項63に記載のデバイス。
【請求項65】
前記デバイスは、第3の構成要素をさらに備え、前記第3の構成要素は、第2の可鍛性形状記憶材料を備え、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に結合されている、請求項29~53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項66】
前記第2の可鍛性形状記憶材料は、第4の断面積を有し、前記第4の断面積は、それを通した流体流動の第4の率を可能にし、
前記第2の可鍛性形状記憶材料は、第5の断面積まで生体内で拡張可能であり、前記第5の断面積は、それを通した流体流動の第5の率を可能にし、
前記第2の可鍛性形状記憶材料は、第6の断面積まで生体内で収縮可能であり、前記第6の断面積は、それを通した流体流動の第6の率を可能にする、
請求項65に記載のデバイス。
【請求項67】
前記第2の構成要素は、入口を備え、前記第3の構成要素は、前記第1の構成要素を介して前記入口に流体的に結合されている出口を備える、請求項65または請求項66に記載のデバイス。
【請求項68】
前記入口は、人体内の血管に係合するように構成され、
前記第1の構成要素は、前記血管に係合するように構成され、
前記出口は、前記血管の口の中へと延在するように構成されている、
請求項67に記載のデバイス。
【請求項69】
前記デバイスは、前記第2の構成要素内に配置された弁をさらに備え、
前記第1の構成要素は、人体内の血管に係合するように構成され、
前記第2の構成要素は、前記血管の中へと延在する、
請求項29~53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項70】
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素の内側に位置している、請求項29~53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項71】
前記第1の構成要素は、首部分を有するディアボロ形状のシャントを構成し、前記第2の構成要素は、前記首部分を囲む構造部材を構成する、請求項29~53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項72】
前記構造部材は、円筒形シャントを構成する、請求項71に記載のデバイス。
【請求項73】
前記構造部材は、圧縮コイルを構成する、請求項71に記載のデバイス。
【請求項74】
前記圧縮コイルが前記首部分の周囲に巻着する回数は、前記首部分の断面積に基づいて変動する、請求項73に記載のデバイス。
【請求項75】
前記圧縮コイルは、実質的に円筒形である、請求項74に記載のデバイス。
【請求項76】
前記構造部材は、圧縮ばねを構成する、請求項71に記載のデバイス。
【請求項77】
前記圧縮ばねが前記首部分の周囲に巻着する回数は、前記首部分の断面積に基づいて変動する、請求項76に記載のデバイス。
【請求項78】
前記圧縮ばねは、ディアボロ形状である、請求項77に記載のデバイス。
【請求項79】
前記圧縮ばねを前記シャントに結合しているフックをさらに備える、請求項76~78のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項80】
前記構造部材は、前記ディアボロ形状のシャントの外側にある、請求項71に記載のデバイス。
【請求項81】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記首部分の寸法を半径方向において拘束する、請求項71に記載のデバイス。
【請求項82】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記首部分がより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において前記首部分の外面に接触している、請求項81に記載のデバイス。
【請求項83】
前記首部分は、前記第1の可鍛性形状記憶材料が前記第2の断面積まで拡張することに応答して自己拡張する、請求項82に記載のデバイス。
【請求項84】
前記構造部材は、前記首部分の断面積に基づいて変動する力を前記首部分に及ぼす、請求項71に記載のデバイス。
【請求項85】
前記第1の構成要素を通した内側管腔を形成する被包材をさらに備える、請求項71に記載のデバイス。
【請求項86】
前記被包材は、前記第1の構成要素の外側被覆をさらに形成する、請求項85に記載のデバイス。
【請求項87】
前記被包材は、前記第2の構成要素の外側被覆をさらに形成する、請求項86に記載のデバイス。
【請求項88】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの内側にある、請求項71に記載のデバイス。
【請求項89】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの前記首部分に直接結合されておらず、
前記デバイスは、前記円筒形シャントを前記ディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに備える、
請求項88に記載のデバイス。
【請求項90】
前記円筒形シャントの収縮は、前記ディアボロ形状のシャントの前記首部分の収縮を引き起こさない、請求項89に記載のデバイス。
【請求項91】
前記ディアボロ形状のシャントの前記首部分は、第4の断面積まで自己拡張可能である、請求項89に記載のデバイス。
【請求項92】
前記第3の断面積への前記円筒形シャントの収縮は、前記首部分の断面積を変化させない、請求項91に記載のデバイス。
【請求項93】
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素の内側に位置している、請求項29~53のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項94】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記第1の構成要素の寸法を半径方向において拘束する、請求項93に記載のデバイス。
【請求項95】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記第1の構成要素がより小さい寸法まで収縮しないように拘束するために、半径方向において前記第1の構成要素の内面に接触している、請求項94に記載のデバイス。
【請求項96】
前記第1の構成要素は、前記第1の可鍛性形状記憶材料が前記第3の断面積まで収縮することに応答して自己収縮する、請求項93に記載のデバイス。
【請求項97】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素の外側被覆を形成する被包材をさらに備える、請求項93に記載のデバイス。
【請求項98】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項29に記載のデバイス。
【請求項99】
前記共通フレームは、実質的に円筒形である、請求項98に記載のデバイス。
【請求項100】
前記共通フレームは、前記第1の自己拡張超弾性材料を備える第3の構成要素をさらに備え、
前記第2の構成要素は、前記共通フレームの中心部分を形成し、
前記第1および第3の構成要素は、前記心臓のそれぞれの心房の中へと延在するように構成されている前記共通フレームの部分を形成する、
請求項98または請求項99に記載のデバイス。
【請求項101】
前記第2の構成要素は、前記心房中隔を通した開口に係合するように構成されている溝を備える、請求項100に記載のデバイス。
【請求項102】
前記第1および第3の構成要素は、拡開されている、請求項100または請求項101に記載のデバイス。
【請求項103】
前記流体は、血液である、請求項29~102のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項104】
心臓の心房中隔からデバイスを回収する方法であって、前記方法は、
前記デバイスを通して回収カテーテルを配置することであって、前記回収カテーテルは、その中に配置されたチップおよびカップを有する、ことと、
前記チップが前記心臓の左心房内に留まっている間、前記カップを前記心臓の右心房まで後退させ、前記デバイスの位置と一致する前記チップと前記カップとの間の空間を残すことと、
前記デバイスを加熱し、前記デバイスをヒートセット構成に収縮させることと、
前記チップを後退させ、前記収縮させられたデバイスを前記カップの中へと引動することと、
前記収縮させられたデバイスが少なくとも部分的に前記チップおよび前記カップの各々内にある状態で、前記心臓から前記回収カテーテルを回収することと
を含む、方法。
【請求項105】
デバイスを用意する方法であって、前記方法は、各そのようなデバイスの1つまたはそれより多くの部分の局所的な熱処理を使用して、前記デバイスの加熱されない部分(単数または複数)と異なるAfを生み出すことを含む、方法。
【請求項106】
前記デバイスの前記1つまたはそれより多くの部分の前記局所的な加熱は、隣接するエリアの能動冷却を随意に伴って、誘導加熱を使用して実施される、請求項105に記載の方法。
【請求項107】
前記デバイスの前記1つまたはそれより多くの部分の前記局所的な加熱は、隣接するエリアの能動冷却を随意に伴って、局所的なレーザ加熱を使用して実施される、請求項105に記載の方法。
【請求項108】
デバイスを用意する方法であって、前記方法は、
相互と異なるオーステナイト終了(Af)温度を有するワイヤ、および/またはワイヤの長さに沿って異なるAf温度を有するワイヤを提供することと、
前記ワイヤを使用して、前記デバイスが複数のAf温度を有するように前記デバイスを製造することと
を含む、方法。
【請求項109】
前記異なるAf温度は、ニチノールの異なる相に対応する、請求項108に記載の方法。
【請求項110】
前記ワイヤを使用して前記デバイスを製造することは、ワイヤ巻着技法、ワイヤメッシュ技法、またはそれらの任意の好適な組み合わせを使用することを含む、請求項108に記載の方法。
【請求項111】
デバイスであって、それを通した流体流動を調節可能に調整するための前記デバイスは、
第1の自己拡張超弾性材料を備える第1の構成要素と、
前記第1の構成要素に結合され、第1の可鍛性形状記憶材料を備える第2の構成要素と
を備え、
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有し、
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、第2の断面積まで拡張可能であり、
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、第3の断面積まで収縮可能である、
デバイス。
【請求項112】
前記第1の自己拡張超弾性材料は、37℃未満のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項111に記載のデバイス。
【請求項113】
前記第1の自己拡張超弾性材料の前記ニチノールのAfは、5~20℃である、請求項112に記載のデバイス。
【請求項114】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、37℃を上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える、請求項111~113のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項115】
前記可鍛性形状記憶材料の前記ニチノールのAfは、45~60℃である、請求項114に記載のデバイス。
【請求項116】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能である、請求項111~115のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項117】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能である、請求項111~116のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項118】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、溶接によって前記第1の自己拡張超弾性材料に継合されている、請求項111~117のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項119】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆する被包材をさらに備える、請求項111~118のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項120】
前記被包材は、前記第1の可鍛性形状記憶材料を前記第1の自己拡張超弾性材料に継合している、請求項119に記載のデバイス。
【請求項121】
前記第1の断面積は、前記第3の断面積より小さい、請求項111~120のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項122】
前記第1の断面積は、前記第3の断面積より大きい、請求項111~121のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項123】
前記デバイスは、第3の構成要素をさらに備え、前記第3の構成要素は、第2の自己拡張超弾性材料を備え、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に結合されている、請求項111~122のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項124】
前記第1の構成要素は、入口を備え、前記第2の構成要素は、首部分を備え、前記第3の構成要素は、前記首部分を介して前記入口に流体的に結合されている出口を備える、請求項123に記載のデバイス。
【請求項125】
前記首部分の断面積は、前記入口および前記出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さい、請求項124に記載のデバイス。
【請求項126】
前記入口および前記出口は、身体内の2つの心室間の中隔を通した開口部内に前記デバイスを留め、前記首部分は、これらの心室間の流動のためのチャネルを提供する、請求項125に記載のデバイス。
【請求項127】
前記首部分の断面積は、前記入口および前記出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より大きい、請求項124に記載のデバイス。
【請求項128】
前記第2の構成要素は、人体の開口部に係合するように構成されている、請求項123~127のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項129】
前記開口部は、右心房と左心房との間の心房間中隔の卵円窩を通して作り出され、
前記首部分は、前記開口部に係合するように構成され、
前記入口は、前記右心房の中へと延在するように構成され、
前記出口は、前記左心房の中へと延在するように構成されている、
請求項124に従属する請求項128に記載のデバイス。
【請求項130】
前記第1の構成要素は、人体内の管腔に係合するように構成されている、請求項111~126のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項131】
前記管腔は、血管を含み、
前記第1および第3の構成要素は、前記血管に係合するように構成されている、
請求項111~126または129または130のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項132】
前記首部分は、前記血管の口に隣接して配置されるように構成されている、請求項124に従属する請求項131に記載のデバイス。
【請求項133】
前記デバイスは、第3の構成要素をさらに備え、前記第3の構成要素は、第2の可鍛性形状記憶材料を備え、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素に結合されている、請求項111~122のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項134】
前記第2の可鍛性形状記憶材料は、第4の断面積を有し、前記第4の断面積は、それを通した流体流動の第4の率を可能にし、
前記第2の可鍛性形状記憶材料は、第5の断面積まで拡張可能であり、前記第5の断面積は、それを通した流体流動の第5の率を可能にし、
前記第2の可鍛性形状記憶材料は、第6の断面積まで収縮可能であり、前記第6の断面積は、それを通した流体流動の第6の率を可能にする、
請求項133に記載のデバイス。
【請求項135】
前記第2の構成要素は、入口を備え、前記第3の構成要素は、前記第1の構成要素を介して前記入口に流体的に結合されている出口を備える、請求項133または請求項134に記載のデバイス。
【請求項136】
前記入口は、人体内の血管に係合するように構成され、
前記第1の構成要素は、前記血管に係合するように構成され、
前記出口は、前記血管の口の中へと延在するように構成されている、
請求項135に記載のデバイス。
【請求項137】
前記第2の構成要素内に配置された弁をさらに備え、
前記第1の構成要素は、人体内の血管に係合するように構成され、
前記第2の構成要素は、前記血管の中へと延在する、
請求項111~122のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項138】
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素の内側に位置している、請求項111~122のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項139】
前記第1の構成要素は、首部分を有するディアボロ形状のシャントを構成し、前記第2の構成要素は、円筒形シャントを構成する、請求項111~122のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項140】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの外側にある、請求項139に記載のデバイス。
【請求項141】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記首部分の寸法を半径方向において拘束する、請求項140に記載のデバイス。
【請求項142】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記首部分がより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において前記首部分の外面に接触している、請求項141に記載のデバイス。
【請求項143】
前記首部分は、前記第1の可鍛性形状記憶材料が前記第2の断面積まで拡張することに応答して自己拡張する、請求項141または請求項142に記載のデバイス。
【請求項144】
前記第1の構成要素を通した内側管腔と、前記第1の構成要素および前記第2の構成要素の外側被覆とを形成する被包材をさらに備える、請求項140~143のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項145】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの内側にある、請求項139に記載のデバイス。
【請求項146】
前記円筒形シャントは、前記ディアボロ形状のシャントの前記首部分に直接結合されておらず、
前記デバイスは、前記円筒形シャントを前記ディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに備える、
請求項145に記載のデバイス。
【請求項147】
前記円筒形シャントの収縮は、前記首部分の収縮を引き起こさない、請求項146に記載のデバイス。
【請求項148】
前記ディアボロ形状のシャントの前記首部分は、第4の断面積まで自己拡張可能である、請求項146に記載のデバイス。
【請求項149】
前記第3の断面積への前記円筒形シャントの収縮は、前記首部分の断面積を変化させない、請求項148に記載のデバイス。
【請求項150】
前記第2の構成要素は、前記第1の構成要素の内側に位置している、請求項111~122のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項151】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記第1の構成要素の寸法を半径方向において拘束する、請求項150に記載のデバイス。
【請求項152】
前記第1の可鍛性形状記憶材料は、前記第1の構成要素がより小さい寸法まで収縮しないように拘束するために、半径方向において前記第1の構成要素の内面に接触している、請求項151に記載のデバイス。
【請求項153】
前記第1の構成要素は、前記第1の可鍛性形状記憶材料が前記第3の断面積まで収縮することに応答して自己収縮する、請求項150~152のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項154】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素の外側被覆を形成する被包材をさらに備える、請求項150~153のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項155】
生体内でデバイスの内部寸法を縮小および増大させるための方法であって、前記方法は、
相互に結合されている第1および第2の構成要素を流路の中に挿入することであって、
前記第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を備え、
前記第2の構成要素は、第1の断面積を有する可鍛性形状記憶材料を備える、
ことと、
前記可鍛性形状記憶材料を第2の断面積まで拡張させることと、
前記可鍛性形状記憶材料を第3の断面積まで収縮させることと
を含む、方法。
【請求項156】
前記可鍛性形状記憶材料を収縮させることは、前記可鍛性形状記憶材料を加熱することを含む、請求項155に記載の方法。
【請求項157】
前記加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水を前記デバイスを通して流動させることを含む、請求項156に記載の方法。
【請求項158】
前記加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーを前記デバイスに適用することを含む、請求項156に記載の方法。
【請求項159】
前記可鍛性形状記憶材料を拡張させることは、バルーンを前記可鍛性形状記憶材料内で拡張させることを含む、請求項155~158のいずれか1項に記載の方法。
【請求項160】
流体流動を調節可能に調整するための方法であって、前記方法は、
相互に結合されている第1および第2の構成要素を流路の中に挿入することであって、
前記第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を備え、
前記第2の構成要素は、第1の断面積を有する可鍛性形状記憶材料を備え、前記第1の断面積は、それを通した流体流動の第1の率を可能にする、
ことと、
前記可鍛性形状記憶材料を第2の断面積まで拡張させることであって、前記第2の断面積は、それを通した流体流動の第2の率を可能にする、ことと、
前記可鍛性形状記憶材料を第3の断面積まで収縮させることであって、前記第3の断面積は、それを通した流体流動の第3の率を可能にする、ことと
を含む、方法。
【請求項161】
前記可鍛性形状記憶材料を収縮させることは、前記可鍛性形状記憶材料を加熱することを含む、請求項160に記載の方法。
【請求項162】
前記加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水を前記デバイスを通して流動させることを含む、請求項161に記載の方法。
【請求項163】
前記加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーを前記デバイスに適用することを含む、請求項161に記載の方法。
【請求項164】
前記可鍛性形状記憶材料を拡張させることは、バルーンを前記可鍛性形状記憶材料内で拡張させることを含む、請求項160~163のいずれか1項に記載の方法。
【請求項165】
身体管腔内での固定のための再位置付け可能デバイスであって、前記デバイスは、
自己拡張超弾性材料を備える第1の構成要素と、
前記第1の構成要素に結合され、可鍛性形状記憶材料を備える第2の構成要素と
を備え、
前記自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法を有し、
前記第2の構成要素は、カテーテルを通した展開のために好適な第1の寸法を有し、
前記可鍛性形状記憶材料は、身体管腔内での固定のための第2の寸法まで拡張可能であり、
前記可鍛性形状記憶材料は、第3の寸法まで熱的に遷移可能であり、
前記可鍛性形状記憶材料は、第4の寸法まで機械的に再拡張可能である、
デバイス。
【請求項166】
デバイスを身体管腔内に調節可能に固定するための方法であって、前記方法は、
相互に結合されている第1および第2の構成要素を備えるデバイスを身体管腔の中に挿入することであって、
前記第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を備え、
前記第2の構成要素は、第1の寸法を有する可鍛性形状記憶材料を備える、
ことと、
前記可鍛性形状記憶材料を第2の寸法まで拡張させ、前記デバイスを身体管腔内に固定することと、
前記可鍛性形状記憶材料を熱的に収縮させることと、
前記可鍛性形状記憶材料が熱的に収縮させられている間に、前記デバイスを前記身体管腔内に再位置付けすることと、
前記可鍛性形状記憶材料を第3の寸法まで機械的に再拡張させ、前記デバイスを前記身体管腔内に固定することと
を含む、方法。
【請求項167】
前記可鍛性形状記憶材料を熱的に収縮させることは、前記可鍛性形状記憶材料を加熱することを含む、請求項166に記載の方法。
【請求項168】
前記加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水を前記デバイスを通して流動させることを含む、請求項167に記載の方法。
【請求項169】
前記加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーを前記デバイスに適用することを含む、請求項167に記載の方法。
【請求項170】
前記可鍛性形状記憶材料を機械的に拡張させることは、バルーンを前記可鍛性形状記憶材料内で拡張させることを含む、請求項166~169のいずれか1項に記載の方法。
【請求項171】
人体の領域を通した開口部を拡大するためのダイレータであって、前記ダイレータは、
近位端および遠位端を有するシースと、
前記シースの前記遠位端に配置され、先端、拡大領域、および縮小領域を備えるダイレータと
を備え、
前記縮小領域は、前記シースの前記遠位端と固着係合するようにサイズ決めされ、
前記拡大領域は、前記シースと前記先端との間に滑らかなプロファイルを提供するようにサイズ決めされ、
前記先端の遠位端は、ほぼ点になるまでテーパ状になっており、
少なくとも前記拡大領域および前記縮小領域は、37℃を実質的に上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するマルテンサイト形状記憶材料を備え、それによって、身体内での熱の適用時、前記形状記憶材料は、前記ダイレータが実質的に滑らかな縮小されたサイズプロファイルを有するような、より小さいヒートセット外側寸法に戻る、
ダイレータ。
【請求項172】
前記先端も、前記マルテンサイト形状記憶材料を含む、請求項171に記載のダイレータ。
【請求項173】
前記先端は、自己拡張超弾性材料を含む、請求項171に記載のダイレータ。
【請求項174】
請求項171~173のいずれか1項に記載のダイレータと、前記開口部内で展開するデバイスとを含むシステム。
【請求項175】
人体の領域を通した拡大開口部を形成するための方法であって、前記方法は、
人体の前記領域を通してガイドワイヤを配置し、開口部を形成することと、
前記ガイドワイヤを経由して、前記開口部を通してダイレータを押動し、拡大開口部を形成することと、
前記ダイレータを加熱し、前記ダイレータのサイズを縮小させることと、
前記ダイレータが前記縮小されたサイズを有している間に、前記拡大開口部を通して前記ダイレータを抜去することと
を含む、方法。
【請求項176】
前記加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水を前記ダイレータを通して流動させることを含む、請求項175に記載の方法。
【請求項177】
前記加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーを前記ダイレータに適用することを含む、請求項175に記載の方法。
【請求項178】
デバイスを前記開口部内で展開することと、前記デバイスを通して前記ダイレータを抜去することとをさらに含む、請求項175~178のいずれか1項に記載の方法。
【請求項179】
経心房ゲートであって、
第1の自己拡張超弾性材料を備える左心房ディスクと、
第2の自己拡張超弾性材料を備える右心房ディスクと、
前記左および右心房ディスク間の通過を可能にするように拡張可能である前記左および右心房ディスク間の通路を完全に閉塞するためにヒートセットされるマルテンサイト形状記憶材料と
を備える経心房ゲート。
【請求項180】
前記マルテンサイト形状記憶材料は、メッシュとして提供される、請求項179に記載の経心房ゲート。
【請求項181】
前記マルテンサイト形状記憶材料は、バルーン拡張可能である、請求項179または請求項180に記載の経心房ゲート。
【請求項182】
前記マルテンサイト形状記憶材料は、前記左および右心房ディスク間の通過を可能にするように拡張された後、熱の適用によって閉鎖可能であるように構成されている、請求項179~181のいずれか1項に記載の経心房ゲート。
【請求項183】
手順を実施する方法であって、前記方法は、
心臓の心房中隔内の開口部を通して経心房ゲートを埋め込むことであって、前記経心房ゲートは、
第1の自己拡張超弾性材料を備える左心房ディスクと、
第2の自己拡張超弾性材料を備える右心房ディスクと、
前記左および右心房ディスク間の通路を完全に閉塞するためにヒートセットされるマルテンサイト形状記憶材料と
を備える、ことと、
前記マルテンサイト形状記憶材料を拡張させ、前記左および右心房ディスク間の通過を可能にすることと
を含む、方法。
【請求項184】
前記材料は、血液を備える、請求項183に記載の方法。
【請求項185】
前記材料は、器具を備える、請求項183または請求項184に記載の方法。
【請求項186】
前記方法は、前記器具を使用して、前記心臓の左心房内で付加的手順を実施することを含む、請求項185に記載の方法。
【請求項187】
前記付加的手順は、RFアブレーション、左心耳閉鎖、MitraClip埋込、僧帽弁置換、または僧帽弁修復を含む、請求項186に記載の方法。
【請求項188】
前記マルテンサイト形状記憶材料は、メッシュとして提供される、請求項183~187のいずれか1項に記載の方法。
【請求項189】
前記マルテンサイト形状記憶材料は、バルーンを使用して拡張される、請求項183~188のいずれか1項に記載の方法。
【請求項190】
前記拡張後、熱の適用によって前記マルテンサイト形状記憶材料を閉鎖することをさらに含む、請求項183~189のいずれか1項に記載の方法。
【請求項191】
装置であって、前記装置は、
デバイスであって、
心臓の第1の心房内に配置されるように構成されている近位部分と、
心臓の第2の心房内に配置されるように構成され、第1の自己拡張超弾性材料を備える遠位部分と、
前記近位部分と前記遠位部分との間に配置され、前記第1の心房と前記第2の心房との間の心房中隔内に配置されるように構成されている中間部分であって、前記中間部分は、可鍛性形状記憶材料を備える、中間部分と
を備えるデバイスと、
カテーテルと、
少なくとも1つの収斂可撓性長手方向要素と
を備え、
前記第1の自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法を有し、
前記中間部分は、前記カテーテルを通した展開のために好適な第1の寸法を有し、
前記中間部分は、前記中隔内での固定のための第2の寸法まで拡張可能であり、
前記中間部分は、第3の寸法まで熱的に遷移可能であり、
前記中間部分は、第4の寸法まで機械的に再拡張可能であり、
前記デバイスは、前記少なくとも1つの収斂可撓性長手方向要素を使用して、前記デバイスを前記カテーテルの中へと引き寄せることによって除去可能である、
装置。
【請求項192】
前記近位部分は、拡開されている、請求項191に記載のデバイス。
【請求項193】
前記遠位部分は、拡開されている、請求項191または請求項192に記載のデバイス。
【請求項194】
前記近位部分は、第2の自己拡張超弾性材料を備える、請求項191~193のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項195】
方法であって、前記方法は、
カテーテルを通して、デバイスを心臓の心房中隔を通して展開することであって、
前記デバイスは、
前記心臓の第1の心房内に配置された近位部分と、
前記心臓の第2の心房内に配置され、第1の自己拡張超弾性材料を備える遠位部分と、
前記近位部分と前記遠位部分との間に配置され、前記第1の心房と前記第2の心房との間の前記心房中隔内に配置された中間部分であって、前記中間部分は、可鍛性形状記憶材料を備える、中間部分と
を備え、
前記第1の自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法を有し、
前記中間部分は、前記カテーテルを通して展開されたとき、第1の寸法を有する、
ことと、
前記中間部分を前記中隔内での固定のための第2の寸法まで拡張させることと、
前記中間部分を第3の寸法まで熱的に遷移させることと、
前記中間部分を第4の寸法まで機械的に再拡張させることと、
少なくとも1つの収斂可撓性長手方向要素を使用して、前記デバイスを前記カテーテルの中へと引き寄せることによって前記デバイスを除去することと
を含む、方法。
【請求項196】
前記近位部分は、拡開されている、請求項195に記載の方法。
【請求項197】
前記遠位部分は、拡開されている、請求項195または請求項196に記載の方法。
【請求項198】
前記近位部分は、第2の自己拡張超弾性材料を備える、請求項195~197のいずれか1項に記載の方法。
【請求項199】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項111~137または165のいずれか1項に記載のデバイス。
【請求項200】
前記第1の構成要素および前記第2の構成要素は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項155~159、160~164、または166~170のいずれか1項に記載の方法。
【請求項201】
前記先端、前記縮小領域、および前記拡大領域は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項171~174のいずれか1項に記載のダイレータ。
【請求項202】
前記左心房ディスク、前記右心房ディスク、および前記マルテンサイト形状記憶材料は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項179~182のいずれか1項に記載のゲート。
【請求項203】
前記左心房ディスク、前記右心房ディスク、および前記マルテンサイト形状記憶材料は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項183~190のいずれか1項に記載の方法。
【請求項204】
前記近位部分、前記遠位部分、および前記中間部分は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項191~194のいずれか1項に記載の装置。
【請求項205】
前記近位部分、前記遠位部分、および前記中間部分は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている、請求項195~198のいずれか1項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年11月6日に出願され、「Devices With Dimensions That Can Be Reduced and Increased In Vivo, and Methods Of Making and Using The Same」と題された、米国特許出願第17/092,081号の利益を主張するものであって、その一部継続出願であって、これは、2020年5月15日に出願され、「Devices With Dimensions That Can Be Reduced and Increased In Vivo, and Methods Of Making and Using The Same」と題された、米国特許出願第16/875,652号の利益を主張するものであって、その継続出願であって、これは、2020年5月4日に出願され、「Devices With Dimensions That Can Be Reduced and Increased In Vivo, and Methods Of Making and Using The Same」と題された、米国仮特許出願第63/019,777号の利益を主張するものである、その各々の内容の全体は、参照することによって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本願は、概して、人体内の血液等の流体の流動を調節するための経皮的に埋め込まれたデバイスおよび方法等、人体において使用するためのデバイスに関する。
【背景技術】
【0003】
いくつかの医療条件に関して、例えば、2つの体腔間の通路を通して、人体内の流体の流動を調節する際に、利益が存在する。そのような通路は、典型的には、カテーテル留置手順において使用され、カテーテルは、患者の血管系を通して送達される。いくつかのカテーテル留置手順では、通路を作り出すことによって、1つの空洞から別の空洞に移動する際、利益が存在する。例えば、そのような通路は、心臓の右側と心臓の左側との間、例えば、右心房から左心房に向かって形成されてもよく、臨床手順は、心臓の右側からの進入を使用して、心臓の左側で行われる。そのような臨床手順は、例えば、左心房および僧帽弁修復活動における不整脈アブレーション手順を含む。
【0004】
加えて、通路は、心不全(HF)、心筋梗塞(MI)、および肺動脈高血圧症(PAH)等の病理学に対処するために、血液を1つの心室から別の心室に再分散させるためのシャントを収納するために、2つの心室間の心臓壁内に作り出され、維持されてもよい。HFは、心拍出量が、身体の必要性を満たすために不十分である、またはより高い充満圧においてのみそれを行う、生理学的状態である。MI、冠動脈疾患、弁膜疾患、高血圧症(PAH等)、および心筋炎を含む、HFの多くの根本原因が存在する。慢性心不全は、神経ホルモン活性化および自律制御における改変と関連付けられる。これらの補償神経ホルモン機構は、正常生理学的状況下で、心臓のための貴重な支援を提供するが、それらはまた、HFの発症および後続進行においても基本役割を果たす。
【0005】
HFは、概して、収縮期心不全(「SHF」)または拡張期心不全(「DHF」)のいずれかとして分類される。SHFでは、心臓の拍出作用が、低減または弱化される。一般的臨床測定値は、駆出率であって、これは、拡張期または弛緩期の終了時における左心室内の最大量によって除算される、左心室から外に駆出される血液(1回拍出量)の関数である。正常駆出率は、50%を上回る。収縮期心不全は、概して、40%未満の減少された駆出率を引き起こす。そのような患者は、低減された駆出率を伴う、心不全(「HFrEF」)を有する。HFrEFを患う患者は、より高い心室圧力から二次的に生じる、「心臓リモデリング」と呼ばれる現象のため、通常、より大きい左心室を有し得る。
【0006】
DHFでは、心臓は、概して、正常駆出率を伴って、良好に収縮するが、弛緩し、血液で充填されるときに生じるであろう、健康な心臓より堅性である、またはあまり応従性ではない。そのような患者は、温存された駆出率を伴う、心不全(「HFpEF」)を有すると言われる。本堅度は、血液が心臓を充填することを妨害し、鬱滞を肺の中に生み出し得、これは、肺静脈高血圧症および肺浮腫をもたらし得る。HFpEFは、75年歳以上の患者、特に、高血圧を伴う女性において、より一般的である。
【0007】
HFの両方の異型は、薬理学的アプローチを使用して治療されており、これは、典型的には、全身性血管抵抗を低減させることによって心臓の仕事量を低減させるための血管拡張剤、ならびに流体蓄積および浮腫形成を阻止し、心臓充満圧を低減させる、利尿薬の使用を伴う。HFpEFにおける罹患率または死亡率を改善するための薬理学的療法は、示されていないが、レニン-アンジオテンシンアンタゴニスト、ネプリライシン阻害薬、ベータ遮断薬、ミネラロコルチコイドアンタゴニスト、およびナトリウム-グルコース共輸送体-2(SGLT2)阻害薬を含む、いくつかのクラスの薬物は、HFrEFを患う患者の管理に重要な影響を及ぼしているものの、それにもかかわらず、一般に、HFは、進行性疾患のままであって、大部分の患者は、心臓機能および症状を経時的に悪化させている。米国では、HF急性的に悪化させることから、年間百万人超もの入院患者が存在し、その死亡率は、大部分の形態の癌よりも高い。
【0008】
HFrEFのより深刻な症例では、機械的ポンプ等の機械的循環補助(MCS)デバイスが、心臓によって通常行われる拍出機能の全部または一部を実施することによって、心臓にかかる負荷を低減させるために使用される。慢性左心室補助デバイス(「LVAD」)、完全置換型人工心臓、および心臓移植は、最終手段として使用される。しかしながら、そのような補助デバイスは、典型的には、心臓の拍出容量を改善し、心拍出量を正常寿命と互換性があるレベルまで増大させ、移植のためのドナー心臓が利用可能になるまで、患者を持続させるように意図される。本MCSの使用は、「移植の橋渡し」療法としても知られる。移植のためのドナー心臓の供給は、需要に対して不十分であるため、より多くの場合、MCSは、「植込型補助人工心臓」としても知られる、唯一の療法用選択肢である。そのような機械的デバイスは、有意な体積の血液(リットル/分)の推進を可能にするが、電力供給源の必要性、比較的に大型のポンプによって限定され、溶血、血栓形成、および感染症のリスクを呈する。一時的補助デバイス、大動脈内バルーン、およびペーシングデバイスも、使用されている。
【0009】
ステントを使用して、所与の脈管内または心室間の血圧および流動を修正する、種々のデバイスが、開発されている。例えば、Ruizの米国特許第6,120,534号(特許文献1)は、身体脈管または器官を通した流体の流動を調整するため、例えば、肺動脈を通した血流を調整し、先天性心臓欠損を治療するための腔内ステントを対象とする。ステントは、形状記憶収斂領域によって継合されている、バルーン拡張可能分葉または円錐形部分を有する、拡張可能メッシュを含み得、これは、ステントを通した流動を限定する。収斂領域は、生体内で調節され得、加えて、最大の収斂度を回復するように加熱され得る。Ruizは、HFの治療または左心房圧の低減については言及していない。
【0010】
McNamaraの米国特許公開第2013/0178784号(特許文献2)は、例えば、膨脹バルーンを介して拡張され得る、調節可能圧力逃がしシャントを説明する。シャントの管状本体は、シャントのサイズが、患者の生理学的パラメータの測定値に応答して、種々の機構、例えば、弾性的に巻回されたばねまたは一連の爪および一方向の機械的斜面によって、繰り返し調節され得るように、生体内で塑性的に変形され得る。その特許に説明されるアプローチの重要な短所は、ヒステリシス効果、すなわち、シャントが恒久的に変形されるときに生じる、下層結晶構造の非可逆的変化である。重要なこととして、そのような塑性変形は、応力およびデバイスの疲労関連破砕につながり得る。
【0011】
Amplatz et al.の米国特許第6,468,303号(特許文献3)は、選択された器官および脈管をシャントするための圧壊可能医療デバイスおよび関連付けられる方法を説明する。Amplatzは、デバイスが、例えば、左心低形成症候群(「HLHS」)を患う新生児の心房中隔内にシャントを作り出すことによって、患者の心臓の中隔欠損をシャントするために好適であり得ることを説明する。その特許はまた、肺および全身性静脈血液の混合を増大させ、酸素飽和を改善することと、シャントが、後に、閉塞デバイスで閉鎖され得ることとを説明する。Amplatzは、HFの治療または左心房圧の低減ならびにデバイスを通した血流の率を調整するための手段については言及していない。
【0012】
埋込可能心房間シャントデバイスは、深刻な症候性心不全を患う患者において正常に使用されている。血液を左心房(「LA」)から右心房(「RA」)にバイパスまたはシャントすることによって、左心房の内圧は、そうでなければ生じるであろうものほど高く上昇しないように低下または防止される(左心房減圧法)。そのような遂行は、肺鬱滞の症状、兆候、および関連付けられる症候群を防止、緩和、または限定することが予期されるであろう。これらは、深刻な息切れ、肺浮腫、低酸素症、緊急入院の必要性、機械的換気、および死亡を含む。
【0013】
シャント流動は、概して、心房とシャントデバイスの流体機械的性質との間の圧力勾配によって統制される。後者は、典型的には、シャントの幾何学形状および材料組成物によって影響される。例えば、類似シャント設計の一般的流動性質は、平均心房間圧力勾配および有効オリフィス直径に関連することが示されている。
【0014】
心房間シャントの経皮的埋込は、概して、シャントデバイス挿入の直前に、経中隔カテーテル留置を要求する。経中隔カテーテル留置システムは、概して、大腿静脈内の入口部位から、心房間中隔の中心かつ最薄領域である、卵円窩(「FO」)の領域内の心房間中隔を横断して設置される。成人におけるFOは、典型的には、その主軸寸法において15~20mm、および<3mmの厚さであるが、ある状況では、最大10mmの厚さであり得る。LA心室アクセスは、限定ではないが、針穿刺、スタイレット穿刺、スクリュ針穿刺、および高周波アブレーションを含む、当業者に熟知されている多数の異なる技法を使用して、達成されてもよい。2つの心房間の通路は、所望のオリフィスサイズを有する、シャントデバイスの通路を促進するように膨張される。膨張は、概して、テーパ状シース/ダイレータカテーテルシステムを前進させること、またはFOを横断した血管形成術タイプバルーンの膨脹によって遂行される。これは、先天性二次心房中隔欠損(「ASD」)が位置しているであろう、同一の一般的場所である。
【0015】
Dobak, IIIの米国特許公開第2005/0165344号(特許文献4)は、塞栓フィルタまたは弁を有する、管状導管を含む、心不全を治療するための装置を説明し、デバイスは、心臓の心房中隔内の開口部内に位置付けられ、左心房から右心房の中への流動を可能にするように構成されている。Dobakは、血液のシャントが、左心房圧を低減させ、それによって、肺浮腫および進行性左心室機能不全を防止し、LVEDPを低減させ得ることを開示する。Dobakは、デバイスが、両側において若干の力を心房中隔に及ぼし、デバイスを中隔に挟着または咬持する、金属アーム等の展開可能保定支柱を含み得ることを説明する。
【0016】
加えて、心臓壁内へのシャントデバイスの埋込に続いて、内皮層または新内膜層を含む、組織内部成長が、典型的には、デバイス上で形成され、それによって、シャントデバイスの血栓形成を阻止し、デバイスを通した通路のサイズを狭小化させる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0017】
【特許文献1】米国特許第6120534号明細書
【特許文献2】米国特許出願公開第2013/0178784号明細書
【特許文献3】米国特許第6468303号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2005/0165344号明細書
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、増大させられ得るだけではなく、また、生体内で縮小され得る寸法を伴う、デバイス、ならびにそれを作製および使用する方法を提供することによって、これまでに公知になっているシステムおよび方法の短所を克服する。
【0019】
特に、本発明は、体温で超弾性および形状記憶性質の両方を呈する、複合構造を伴う、埋込可能デバイスを提供することによって、これまでに公知になっているデバイスおよび方法の限界を克服する。埋め込まれるデバイスとその生物学的宿主との間の血流または他の意図される相互作用に影響を及ぼし得る、寸法は、1つの方向において、形状記憶構成要素の1つの結晶相を機械的に変形させ、その元々の寸法への形状記憶構成要素材料の結晶相の変化の温度誘導によって、方向を逆転させることによって、両方向に繰り返し改変され、カテーテル関連操作を著しく簡略化することができる。
【0020】
一側面下では、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントが、提供される。心房間シャントは、首部分領域によって流体連通するように結合されている第1および第2の領域を備える本体を含んでもよい。本体は、形状記憶材料を含んでもよい。本体は、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定してもよい。第1および第2の領域は、体温で超弾性を有してもよく、首部分領域は、体温で可鍛性を有してもよく、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。首部分領域を通した通路の流動面積は、生体内で調節されてもよい。
【0021】
いくつかの実施例では、超弾性を有する第1および第2の領域は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える。いくつかの実施例では、首部分領域は、機械的に拡張可能である。いくつかの実施例では、首部分領域は、熱的に収縮可能である。
【0022】
別の側面下では、それを通した流体流動を調節可能に調整するための、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントが、提供される。心房間シャントは、心臓の第1の心房内に設置されるように構成されている第1の拡張可能端部領域を含んでもよい。心房間シャントは、心臓の第2の心房内に設置されるように構成されている第2の拡張可能端部領域を含んでもよい。第1および第2の拡張可能端部領域は、自己拡張超弾性材料を含んでもよい。心房間シャントは、心房中隔での設置のために構成されている第1および第2の拡張可能端部領域間の首部分領域を含んでもよい。首部分領域は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。心房間シャントは、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定してもよい。首部分領域は、通路の断面積が生体内で調節可能であるように、第1および第2の拡張可能端部領域と異なる形状記憶性質を呈するように熱処理されてもよい。
【0023】
いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料は、通路が断面積から断面積より大きい第2の断面積まで拡張するように、生体内で拡張されるように構成されている。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料は、通路が第2の断面積から第2の断面積より小さい第3の断面積まで収縮するように、生体内で収縮させられるように構成されている。いくつかの実施例では、断面積は、4.9~28.3mmであり、第2の断面積および第3の断面積は、15.9~78.6mmである。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える。いくつかの実施例では、自己拡張超弾性材料は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能である。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能である。いくつかの実施例では、首部分の断面積領域は、第1および第2の拡張可能端部領域のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さい。いくつかの実施例では、第1および第2の拡張可能端部領域は、第1および第2の拡張可能端部領域のそれぞれの端部が心房中隔に接触しないように、第1および第2の心房の中にそれぞれ延在する。
【0024】
いくつかの実施例では、第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、ディアボロ形状のシャントを構成する。いくつかの実施例では、首部分領域は、円筒形シャントを構成する。いくつかの実施例では、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの外側にある。いくつかの実施例では、円筒形シャントは、円筒形シャントが首部分領域におけるディアボロ形状のシャントの寸法を半径方向において拘束するように、可鍛性形状記憶材料から形成され、ディアボロ形状のシャントは、可鍛性形状記憶材料が第2の断面積まで拡張することに応答して、首部分領域において自己拡張する。いくつかの実施例では、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの内側にある。いくつかの実施例では、円筒形シャントは、直接、ディアボロ形状のシャントおよび首部分領域に結合されず、心房間シャントは、円筒形シャントをディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに含む。いくつかの実施例では、円筒形シャントの収縮は、首部分領域におけるディアボロ形状のシャントの収縮を引き起こさない。いくつかの実施例では、ディアボロ形状のシャントおよび円筒形シャントは、共通フレームから一体的に形成されている。
【0025】
いくつかの実施例では、第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、共通フレームから一体的に形成されている。いくつかの実施例では、第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、少なくとも部分的に生体適合性材料で被包されている。
【0026】
別の側面下では、第1の心房、第2の心房、および心房中隔を有する心臓内の流体流動を調節可能に調整するための心房間シャントが、提供される。心房間シャントは、第1の心房内に設置されるように構成されている、自己拡張超弾性材料を備える第1の領域であって、第1の領域は、体温で超弾性を有する、第1の領域を含んでもよい。心房間シャントは、流体流動を第1の心房から第2の心房に提供するために、心房中隔内の開口部を通して設置されるように構成されている、可鍛性形状記憶材料を備える第2の領域を含んでもよい。第2の領域は、体温で可鍛性を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積から第2の断面積まで拡張可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、第2の断面積から第3の断面積まで収縮可能であってもよい。
【0027】
いくつかの実施例では、自己拡張超弾性材料は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備え、可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能であり、熱的に収縮可能である。いくつかの実施例では、心房間シャントは、第2の心房内に設置されるように構成され、第2の領域に結合されている第2の自己拡張超弾性材料を備える第3の領域をさらに含む。
【0028】
別の側面下では、それを通した流体流動を生体内で調節可能に調整するためのデバイスが、提供される。本デバイスは、第1の自己拡張超弾性材料を備える第1の構成要素を含んでもよい。本デバイスは、第1の構成要素に結合され、第1の可鍛性形状記憶材料を備える第2の構成要素を含んでもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有してもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、第2の断面積まで生体内で拡張可能であってもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、第3の断面積まで生体内で収縮可能であってもよい。
【0029】
いくつかの実施例では、第1の自己拡張超弾性材料は、37℃未満のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える。いくつかの実施例では、第1の自己拡張超弾性材料のニチノールのAfは、5~20℃である。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、37℃を上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを備える。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料のニチノールのAfは、45~60℃である。いくつかの実施例では、いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能である。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能である。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、溶接によって第1の自己拡張超弾性材料に継合されている。
【0030】
いくつかの実施例では、本デバイスは、複数の成形されたワイヤを含み、ワイヤのうちの少なくとも1つは、第1の可鍛性形状記憶材料を備え、ワイヤのうちの少なくとも1つは、第1の自己拡張超弾性材料を備える。いくつかの実施例では、ワイヤのうちの少なくとも1つは、第1の可鍛性形状記憶材料および第1の自己拡張超弾性材料の両方を備える。いくつかの実施例では、ワイヤの各々は、第1の可鍛性形状記憶材料および第1の自己拡張超弾性材料の両方を備える。いくつかの実施例では、成形されたワイヤの各々は、第1の端部と、第2の端部とを備え、第1および第2の端部は、オーバーラッピング、溶接、またはスウェージ加工されたチューブを使用して相互に結合されている。いくつかの実施例では、ワイヤは、巻線またはスリーブを使用して相互に結合されている。いくつかの実施例では、スリーブのうちの少なくとも1つは、放射線不透過性を有する。いくつかの実施例では、スリーブの各々は、放射線不透過性を有する。いくつかの実施例では、ワイヤのうちの少なくとも1つは、放射線不透過性材料を備える。いくつかの実施例では、ワイヤの内部コアは、放射線不透過性材料を備える。いくつかの実施例では、ワイヤの上層は、第1の可鍛性形状記憶材料または第1の自己拡張超弾性材料を備える。いくつかの実施例では、ワイヤの撚り線は、第1の可鍛性形状記憶材料または第1の自己拡張超弾性材料を備える。いくつかの実施例では、ワイヤの上層は、放射線不透過性材料を備える。いくつかの実施例では、ワイヤの内部コアは、第1の可鍛性形状記憶材料または第1の自己拡張超弾性材料を備える。いくつかの実施例では、本デバイスは、第1の構成要素および第2の構成要素のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆する被包材をさらに含む。いくつかの実施例では、被包材は、第1の可鍛性形状記憶材料を第1の自己拡張超弾性材料に継合している。
【0031】
いくつかの実施例では、第1の断面積は、第3の断面積より小さい。いくつかの実施例では、第1の断面積は、第3の断面積より大きい。いくつかの実施例では、本デバイスは、第3の構成要素をさらに含み、第3の構成要素は、第2の自己拡張超弾性材料を備え、第1の構成要素および第2の構成要素に結合されている。いくつかの実施例では、第1の構成要素は、入口を備え、第2の構成要素は、首部分を備え、第3の構成要素は、首部分を介して入口に流体的に結合されている出口を備える。いくつかの実施例では、首部分の断面積は、入口および出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さい。いくつかの実施例では、入口および出口は、身体内の2つの心室間の中隔を通した開口部内にデバイスを留め、首部分は、これらの心室間の流動のためのチャネルを提供する。いくつかの実施例では、首部分の断面積は、入口および出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より大きい。いくつかの実施例では、第2の構成要素は、人体の開口部に係合するように構成されている。いくつかの実施例では、開口部は、右心房と左心房との間の心房間中隔の卵円窩を通して作り出される。首部分は、開口部に係合するように構成されてもよい。入口は、右心房の中へと延在するように構成されてもよい。出口は、左心房の中へと延在するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、入口および出口は、フランジを備え、首部分は、可撓性長手方向バーおよび正弦曲線リングを備え、可撓性長手方向バーは、展開時にフランジが完全に拡張することを可能にし、正弦曲線リングは、バルーン膨張または熱収縮させられたとき、その直径を維持するために十分な強度を有する。
【0032】
いくつかの実施例では、第1の構成要素は、人体内の管腔に係合するように構成されている。いくつかの実施例では、管腔は、血管を含み、第1および第3の構成要素は、血管に係合するように構成されている。いくつかの実施例では、首部分は、血管の口に隣接して配置されるように構成されている。
【0033】
いくつかの実施例では、本デバイスは、第3の構成要素をさらに含み、第3の構成要素は、第2の可鍛性形状記憶材料を備え、第1の構成要素および第2の構成要素に結合されている。第2の可鍛性形状記憶材料は、第4の断面積を有してもよく、第4の断面積は、それを通した流体流動の第4の率を可能にする。第2の可鍛性形状記憶材料は、第5の断面積まで生体内で拡張可能であってもよく、第5の断面積は、それを通した流体流動の第5の率を可能にする。第2の可鍛性形状記憶材料は、第6の断面積まで生体内で収縮可能であってもよく、第6の断面積は、それを通した流体流動の第6の率を可能にする。いくつかの実施例では、第2の構成要素は、入口を備え、第3の構成要素は、第1の構成要素を介して入口に流体的に結合されている出口を備える。いくつかの実施例では、入口は、人体内の血管に係合するように構成され、第1の構成要素は、血管に係合するように構成され、出口は、血管の口の中へと延在するように構成されている。いくつかの実施例では、本デバイスは、第2の構成要素内に配置された弁を含む。第1の構成要素は、人体内の血管に係合するように構成されてもよく、第2の構成要素は、血管の中へと延在してもよい。いくつかの実施例では、第2の構成要素は、第1の構成要素の内側に位置している。
【0034】
いくつかの実施例では、第1の構成要素は、首部分を有するディアボロ形状のシャントを構成し、第2の構成要素は、首部分を囲む構造部材を構成する。いくつかの実施例では、構造部材は、円筒形シャントを構成する。いくつかの実施例では、構造部材は、圧縮コイルを構成する。いくつかの実施例では、圧縮コイルが首部分の周囲に巻着する回数は、首部分の断面積に基づいて変動する。いくつかの実施例では、圧縮コイルは、実質的に円筒形である。いくつかの実施例では、構造部材は、圧縮ばねを構成する。いくつかの実施例では、圧縮ばねが首部分の周囲に巻着する回数は、首部分の断面積に基づいて変動する。いくつかの実施例では、圧縮ばねは、ディアボロ形状である。いくつかの実施例では、本デバイスは、圧縮ばねをシャントに結合しているフックをさらに含む。いくつかの実施例では、構造部材は、ディアボロ形状のシャントの外側にある。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、首部分の寸法を半径方向において拘束する。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、首部分がより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において首部分の外面に接触している。いくつかの実施例では、首部分は、第1の可鍛性形状記憶材料が第2の断面積まで拡張することに応答して自己拡張する。いくつかの実施例では、構造部材は、首部分の断面積に基づいて変動する力を首部分に及ぼす。いくつかの実施例では、本デバイスは、第1の構成要素を通した内側管腔を形成する被包材を含む。いくつかの実施例では、被包材は、第1の構成要素の外側被覆をさらに形成する。いくつかの実施例では、被包材は、第2の構成要素の外側被覆をさらに形成する。いくつかの実施例では、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの内側にある。いくつかの実施例では、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの首部分に直接結合されておらず、本デバイスは、円筒形シャントをディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材を含む。いくつかの実施例では、円筒形シャントの収縮は、ディアボロ形状のシャントの首部分の収縮を引き起こさない。いくつかの実施例では、ディアボロ形状のシャントの首部分は、第4の断面積まで自己拡張可能である。いくつかの実施例では、第3の断面積への円筒形シャントの収縮は、首部分の断面積を変化させない。
【0035】
いくつかの実施例では、第2の構成要素は、第1の構成要素の内側に位置している。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の構成要素の寸法を半径方向において拘束する。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の構成要素がより小さい寸法まで収縮しないように拘束するために、半径方向において第1の構成要素の内面に接触している。いくつかの実施例では、第1の構成要素は、第1の可鍛性形状記憶材料が第3の断面積まで収縮することに応答して自己収縮する。いくつかの実施例では、本デバイスは、第1の構成要素および第2の構成要素の外側被覆を形成する被包材を含む。いくつかの実施例では、第1の構成要素および第2の構成要素は、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。いくつかの実施例では、共通フレームは、実質的に円筒形である。いくつかの実施例では、共通フレームは、第1の自己拡張超弾性材料を備える第3の構成要素をさらに備える。第2の構成要素は、共通フレームの中心部分を形成してもよい。第1および第3の構成要素は、心臓のそれぞれの心房の中へと延在するように構成されている、共通フレームの部分を形成してもよい。いくつかの実施例では、第2の構成要素は、心房中隔を通した開口に係合するように構成されている溝を備える。いくつかの実施例では、第1および第3の構成要素は、拡開されている。
【0036】
いくつかの実施例では、流体は、血液である。
【0037】
別の側面下では、心臓の心房中隔からデバイスを回収する方法が、提供される。本方法は、デバイスを通して回収カテーテルを配置することであって、回収カテーテルは、その中に配置されたチップおよびカップを有する、ことを含んでもよい。本方法は、チップが心臓の左心房内に留まっている間、カップを心臓の右心房まで後退させ、デバイスの位置と一致するチップとカップとの間の空間を残すことを含んでもよい。本方法は、デバイスを加熱し、デバイスをヒートセット構成に収縮させることを含んでもよい。本方法は、チップを後退させ、収縮させられたデバイスをカップの中へと引動することを含んでもよい。本方法は、収縮させられたデバイスが少なくとも部分的にチップおよびカップの各々内にある状態で、心臓から回収カテーテルを回収することを含んでもよい。
【0038】
別の側面下では、デバイスを用意する方法が、提供される。本方法は、各そのようなデバイスの1つまたはそれより多くの部分の局所的な熱処理を使用して、本デバイスの加熱されない部分(単数または複数)と異なるオーステナイト終了(Af)温度を生み出してもよい。いくつかの実施例では、デバイスの1つまたはそれより多くの部分の局所的な加熱は、隣接するエリアの能動冷却を随意に伴って、誘導加熱を使用して実施される。いくつかの実施例では、デバイスの1つまたはそれより多くの部分の局所的な加熱は、隣接するエリアの能動冷却を随意に伴って、局所的なレーザ加熱を使用して実施される。
【0039】
別の側面下では、デバイスを用意する方法が、提供される。本方法は、相互と異なるオーステナイト終了(Af)温度を有するワイヤ、および/またはワイヤの長さに沿って異なるAf温度を有するワイヤを提供することを含んでもよい。本方法は、ワイヤを使用して、デバイスが複数のAf温度を有するようにデバイスを製造することを含んでもよい。
【0040】
いくつかの実施例では、異なるAf温度は、ニチノールの異なる相に対応する。いくつかの実施例では、ワイヤを使用して、本デバイスを製造することは、ワイヤ巻着技法、ワイヤメッシュ技法、またはそれらの任意の好適な組み合わせを使用することを含む。
【0041】
別の側面下では、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントが、本明細書に提供される。心房間シャントは、首部分領域によって流体連通するように結合されている第1および第2の領域を含む、本体を含む。本体は、形状記憶材料を含む。本体は、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定する。第1および第2の領域は、体温で超弾性を有し、首部分領域は、体温で可鍛性を有する。首部分領域を通した通路の流動面積は、生体内で調節されてもよい。
【0042】
超弾性を有する第1および第2の領域は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。可鍛性を有する、首部分領域は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。首部分領域は、機械的に拡張可能であってもよい。首部分領域は、熱的に収縮可能であってもよい。
【0043】
別の側面下では、それを通した流体流動を調節可能に調整するために、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントが、提供される。心房間シャントは、心臓の第1の心房内に設置されるように構成されている第1の拡張可能端部領域と、心臓の第2の心房内に設置されるように構成されている第2の拡張可能端部領域とを含んでもよい。第1および第2の拡張可能端部領域は、自己拡張超弾性材料を含んでもよい。心房間シャントは、第1および第2の拡張可能端部領域間の首部分領域を含んでもよい。首部分領域は、心房中隔での設置のために構成されてもよい。首部分領域は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。心房間シャントは、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定してもよい。首部分領域は、通路の断面積が生体内で調節可能であるように、第1および第2の拡張可能端部領域と異なる形状記憶性質を呈するように熱処理されてもよい。
【0044】
可鍛性形状記憶材料は、通路が断面積から断面積より大きい第2の断面積まで拡張するように、生体内で拡張されるように構成されてもよい。可鍛性形状記憶材料は、通路が第2の断面積から第2の断面積より小さい第3の断面積まで収縮するように、生体内で収縮させられるように構成されてもよい。断面積は、4.9~28.3mmであってもよく、第2の断面積および第3の断面積は、15.9~78.6mmであってもよい。可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。自己拡張超弾性材料は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能であってもよい。首部分の断面積領域は、第1および第2の拡張可能端部領域のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さくてもよい。第1および第2の拡張可能端部領域は、第1および第2の拡張可能端部領域のそれぞれの端部が心房中隔に接触し得ないように、第1および第2の心房の中にそれぞれ延在してもよい。第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、ディアボロ形状のシャントを構成してもよい。首部分領域は、円筒形シャントを含んでもよい。円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの外側にあってもよい。円筒形シャントは、で円筒形シャントが首部分領域におけるディアボロ形状のシャントの寸法を半径方向において拘束するように、可鍛性形状記憶材料から形成されてもよく、ディアボロ形状のシャントは、可鍛性形状記憶材料が第2の断面積まで拡張することに応答して、首部分領域において自己拡張してもよい。円筒形シャントは、であってもよいディアボロ形状のシャントの内側にある。円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントおよび首部分領域に直接結合されていなくてもよい。本デバイスは、円筒形シャントをディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに含んでもよい。円筒形シャントの収縮は、首部分領域におけるディアボロ形状のシャントの収縮を引き起こさなくてもよい。ディアボロ形状のシャントおよび円筒形シャントは、共通フレームから一体的に形成されてもよい。第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、共通フレームから一体的に形成されてもよい。第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、少なくとも部分的に生体適合性材料で被包されてもよい。
【0045】
別の側面下では、第1の心房と、第2の心房と、心房中隔とを有する心臓内の流体流動を調節可能に調整するための心房間シャントが、提供される。心房間シャントは、第1の心房内に設置されるように構成されている、自己拡張超弾性材料を含む、第1の領域を含んでもよい。第1の領域は、体温で超弾性を有してもよい。心房間シャントは、流体流動を第1の心房から第2の心房に提供するために、心房中隔内の開口部を通して設置されるように構成されている、可鍛性形状記憶材料を含む、第2の領域を含んでもよい。第2の領域は、体温で可鍛性を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積から第2の断面積まで拡張可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、第2の断面積から第3の断面積まで収縮可能であってもよい。
【0046】
自己拡張超弾性材料は、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよく、可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能および熱的に収縮可能であってもよい。心房間シャントは、第3の領域を含んでもよく、第3の領域は、第2の自己拡張超弾性材料を含み、第2の心房内に設置されるように構成され、第2の領域に結合されている。
【0047】
別の側面によると、それを通した流体流動を調節可能に調整するためのデバイスが、提供される。本デバイスは、第1の自己拡張超弾性材料を含む、第1の構成要素と、第1の構成要素に結合され、第1の可鍛性形状記憶材料を含む、第2の構成要素とを含んでもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の断面積を有してもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、第2の断面積まで拡張可能であってもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、第3の断面積まで収縮可能であってもよい。
【0048】
いくつかの実施例では、第1の自己拡張超弾性材料は、体温(通常、約37℃)未満のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含む。例証として、第1の自己拡張超弾性材料のニチノールのAfは、5~20℃であってもよい。
【0049】
いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、体温または37℃を上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含む。例証として、可鍛性形状記憶材料のニチノールのAfは、45~60℃であってもよい。これは、熱性であるとき、体温より高いが、短い暴露からタンパク質変性等の恒久的傷害を引き起こすためには十分に高くない。
【0050】
いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、機械的に拡張可能である。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、熱的に収縮可能である。いくつかの実施例では、第1の可鍛性形状記憶材料は、溶接によって第1の自己拡張超弾性材料に継合されている。
【0051】
いくつかの実施例では、本デバイスは、第1の構成要素および第2の構成要素のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆する被包材を含む。随意に、被包材は、第1の可鍛性形状記憶材料を第1の自己拡張超弾性材料に継合している。
【0052】
いくつかの実施例では、第1の断面積は、第3の断面積より小さい。いくつかの実施例では、第1の断面積は、第3の断面積より大きい。
【0053】
いくつかの実施例では、本デバイスは、第3の構成要素をさらに含み、第3の構成要素は、第2の自己拡張超弾性材料を含み第1の構成要素および第2の構成要素に結合されている。随意に、第1の構成要素は、入口を含み、第2の構成要素は、首部分を含み、第3の構成要素は、首部分を介して入口に流体的に結合されている出口を含む。さらなる選択肢として、首部分の断面積は、入口および出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さい。なおもさらなる選択肢として、入口および出口は、身体内の2つの心室間の中隔を通した開口部内にデバイスを留め、首部分は、これらの心室間の流動のためのチャネルを提供する。他の選択肢では、首部分の断面積は、入口(血流の流入)および出口(血流の流出)のうちの少なくとも1つの個別の断面積より大きい。随意に、第2の構成要素は、人体の開口部に係合するように構成されている。さらなる選択肢として、開口部は、であってもよい右心房と左心房との間の心房間中隔の卵円窩を通して作り出される。首部分は、開口部に係合するように構成されてもよい、入口は、右心房の中へと延在するように構成されてもよく、出口は、左心房の中へと延在するように構成されてもよい。
【0054】
いくつかの実施例では、第1の構成要素は、人体内の管腔に係合するように構成されている。随意に、管腔は、血管を含み、第1および第3の構成要素は、血管に係合するように構成されている。首部分は、血管の口に隣接して配置されるように構成されてもよい。
【0055】
いくつかの実施例では、本デバイスは、第3の構成要素を含み、第3の構成要素は、第2の可鍛性形状記憶材料を含み、第1の構成要素および第2の構成要素に結合されている。随意に、第2の可鍛性形状記憶材料は、それを通した流体流動の第4の率を可能にする、第4の断面積を有する。第2の可鍛性形状記憶材料は、第5の断面積まで拡張可能であってもよく、第5の断面積は、それを通した流体流動の第5の率を可能にする。第2の可鍛性形状記憶材料は、第6の断面積まで収縮可能であってもよく、第6の断面積は、それを通した流体流動の第6の率を可能にする。随意に、第2の構成要素は、入口を含み、第3の構成要素は、第1の構成要素を介して入口に流体的に結合されている出口を含む。さらなる選択肢として、入口は、人体内の血管に係合するように構成され、第1の構成要素は、血管に係合するように構成され、出口は、血管の口の中へと延在するように構成されている。
【0056】
いくつかの実施例では、本デバイスは、第2の構成要素内に配置された弁をさらに含む。第1の構成要素は、人体内の血管に係合するように構成されてもよく、第2の構成要素は、血管の中へと延在してもよい。
【0057】
いくつかの実施例では、第2の構成要素は、第1の構成要素の内側に位置している。
【0058】
いくつかの実施例では、第1の構成要素は、ディアボロ形状のシャントを有する、首部分を含み、第2の構成要素は、円筒形シャントを含む。随意に、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの外側にある。さらなる選択肢として、第1の可鍛性形状記憶材料は、首部分の寸法を半径方向において拘束してもよい。第1の可鍛性形状記憶材料は、随意に、首部分がより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において首部分の外面に接触している。随意に、首部分は、第1の可鍛性形状記憶材料が第2の断面積まで拡張することに応答して自己拡張する。本デバイスは、随意に、第1の構成要素を通した内側管腔と、第1の構成要素および第2の構成要素の外側被覆とを形成する被包材をさらに含む。
【0059】
他の実施例では、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの内側にある。随意に、円筒形シャントは、ディアボロ形状のシャントの首部分の内側にあって、直接、それに結合されない。本デバイスは、随意に、被包材が内側円筒形シャントを通した管腔を形成するように、円筒形シャントをディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに含む。随意に、円筒形シャントの収縮は、外側ディアボロ形状のシャントの首部分の収縮を引き起こさない。随意に、ディアボロ形状のシャントの首部分は、第4の断面積まで自己拡張可能である。
【0060】
いくつかの実施例では、第2の構成要素は、第1の構成要素の内側に位置している。随意に、第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の構成要素の寸法を半径方向において拘束する。随意に、第1の可鍛性形状記憶材料は、第1の構成要素がより小さい寸法まで収縮しないように拘束するために、半径方向において第1の構成要素の内面に接触している。随意に、第1の構成要素は、第1の可鍛性形状記憶材料が第3の断面積まで収縮することに応答して自己収縮する。随意に、本デバイスは、第1の構成要素および第2の構成要素の外側被覆を形成する被包材をさらに含む。
【0061】
別の側面下では、生体内でデバイスの内部寸法を縮小および増大させるための方法が、提供される。本方法は、相互に結合されている第1および第2の構成要素を流路の中に挿入することを含んでもよい。第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素は、第1の断面積を有する可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。本方法は、可鍛性形状記憶材料を第2の断面積まで拡張させることと、可鍛性形状記憶材料を第3の断面積まで収縮させることとを含んでもよい。
【0062】
いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料を収縮させることは、可鍛性形状記憶材料を加熱することを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水をデバイスを通して流動させることを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーをデバイスに適用することを含む。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料を拡張させることは、バルーンを可鍛性形状記憶材料内で拡張させることを含む。
【0063】
別の側面下では、流体流動を調節可能に調整するための方法が、提供される。本方法は、相互に結合されている第1および第2の構成要素を流路の中に挿入することを含んでもよい。第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素は、第1の断面積を有し、それを通した流体流動の第1の率を可能にする、可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。本方法は、可鍛性形状記憶材料を、それを通した流体流動の第2の率を可能にする、第2の断面積まで拡張させることと、可鍛性形状記憶材料を、それを通した流体流動の第3の率を可能にする第3の断面積まで収縮させることとを含んでもよい。
【0064】
いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料を収縮させることは、可鍛性形状記憶材料を加熱することを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水をデバイスを通して流動させることを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーをデバイスに適用することを含む。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料を拡張させることは、バルーンを可鍛性形状記憶材料内で拡張させることを含む。
【0065】
別の側面下では、身体管腔内での固定のための再位置付け可能デバイスが、提供される。本デバイスは、自己拡張超弾性材料を含む、第1の構成要素と、第1の構成要素に結合され、可鍛性形状記憶材料を含む、第2の構成要素とを含んでもよい。自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法を有してもよい。第2の構成要素は、カテーテルを通した展開のために好適な第1の寸法を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、身体管腔内での固定のための第2の寸法まで拡張可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、第3の寸法まで熱的に遷移可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、第4の寸法まで機械的に再拡張可能であってもよい。
【0066】
別の側面下では、デバイスを身体管腔内に調節可能に固定するための方法が、提供される。本方法は、相互に結合されている第1および第2の構成要素を含む、デバイスを身体管腔の中に挿入することを含んでもよい。第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を含んでもよい。第2の構成要素は、第1の寸法を有する可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。本方法は、可鍛性形状記憶材料を第2の寸法まで拡張させ、デバイスを身体管腔内に固定することを含んでもよい。本方法は、可鍛性形状記憶材料を熱的に収縮させることを含んでもよい。本方法は、可鍛性形状記憶材料が熱的に収縮させられている間に、デバイスを身体管腔内に再位置付けすることを含んでもよい。本方法は、可鍛性形状記憶材料を第3の寸法まで機械的に再拡張させ、デバイスを身体管腔内に固定することを含んでもよい。
【0067】
いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料を熱的に収縮させることは、可鍛性形状記憶材料を加熱することを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水をデバイスを通して流動させることを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーをデバイスに適用することを含む。いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶材料を機械的に拡張させることは、バルーンを可鍛性形状記憶材料内で拡張させることを含む。
【0068】
前述のいずれかのデバイスおよび方法では、第1の構成要素および第2の構成要素は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【0069】
別の側面下では、人体の領域を通した開口部を拡大するためのダイレータが、提供される。ダイレータは、近位端および遠位端を有するシースと、シースの遠位端に配置され、先端、拡大領域、および縮小領域を含む、ダイレータとを含んでもよい。縮小領域は、シースの遠位端と固着係合するようにサイズ決めされてもよい。拡大領域は、シースと先端との間に滑らかなプロファイルを提供するようにサイズ決めされてもよい。先端の遠位端は、ほぼ点になるまでテーパ状になっていてもよい。少なくとも拡大領域および縮小領域は、37℃を実質的に上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するマルテンサイト形状記憶材料を含んでもよく、それによって、身体内での熱の適用時、形状記憶材料は、ダイレータが実質的に滑らかな縮小されたサイズプロファイルを有するような、より小さいヒートセット外側寸法に戻る。
【0070】
いくつかの実施例では、先端はまた、マルテンサイト形状記憶材料を含む。いくつかの実施例では、先端は、自己拡張超弾性材料を含む。先端、縮小領域、および拡大領域は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【0071】
別の側面下では、そのようなダイレータと、開口部内で展開するデバイスとを含むシステムが、提供される。
【0072】
別の側面下では、人体の領域を通した拡大開口部を形成するための方法が、提供される。本方法は、人体の領域を通してガイドワイヤを配置し、開口部を形成することを含んでもよい。本方法は、ガイドワイヤを経由して、開口部を通してダイレータを押動し、拡大開口部を形成することを含んでもよい。本方法は、ダイレータを加熱し、ダイレータのサイズを縮小させることを含んでもよい。本方法は、ダイレータが縮小されたサイズを有している間に、拡大開口部を通してダイレータを抜去することを含んでもよい。
【0073】
いくつかの実施例では、加熱することは、カテーテルを介して、加熱された生理食塩水をダイレータを通して流動させることを含む。いくつかの実施例では、加熱することは、無線周波数(RF)エネルギーをダイレータに適用することを含む。いくつかの実施例では、本方法は、デバイスを開口部内で展開することと、デバイスを通してダイレータを抜去することとを含む。
【0074】
別の側面下では、経心房ゲートが、提供される。経心房ゲートは、第1の自己拡張超弾性材料を含む、左心房ディスクと、第2の自己拡張超弾性材料を含む、右心房ディスクとを含んでもよい。経心房ゲートはまた、左および右心房ディスク間の通過を可能にするように拡張可能である左および右心房ディスク間の通路を完全に閉塞するためにヒートセットされるマルテンサイト形状記憶材料を含んでもよい。
【0075】
いくつかの実施例では、マルテンサイト形状記憶材料は、メッシュとして提供される。いくつかの実施例では、マルテンサイト形状記憶材料は、バルーン拡張可能である。いくつかの実施例では、マルテンサイト形状記憶材料は、左および右心房ディスク間の通過を可能にするように拡張された後、熱の適用によって閉鎖可能であるように構成されている。左心房ディスク、右心房ディスク、およびマルテンサイト形状記憶材料は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【0076】
別の側面下では、手順を実施する方法が、提供される。本方法は、心臓の心房中隔内の開口部を通して経心房ゲートを埋め込むことを含んでもよい。経心房ゲートは、第1の自己拡張超弾性材料を含む、左心房ディスクと、第2の自己拡張超弾性材料を含む、右心房ディスクとを含んでもよい。経心房ゲートはまた、左および右心房ディスク間の通路を完全に閉塞するためにヒートセットされるマルテンサイト形状記憶材料を含んでもよい。本方法は、マルテンサイト形状記憶材料を拡張させ、左および右心房ディスク間の通過を可能にすることを含んでもよい。
【0077】
いくつかの実施例では、材料は、血液を含む。いくつかの実施例では、材料は、器具を含む。いくつかの実施例では、本方法は、器具を使用して、心臓の左心房内で付加的手順を実施することを含む。いくつかの実施例では、付加的手順は、RFアブレーション、左心耳閉鎖、MitraClip埋込、僧帽弁置換、または僧帽弁修復を含む。いくつかの実施例では、マルテンサイト形状記憶材料は、メッシュとして提供される。いくつかの実施例では、マルテンサイト形状記憶材料は、バルーンを使用して拡張される。いくつかの実施例では、本方法は、拡張後、熱の適用によってマルテンサイト形状記憶材料を閉鎖することをさらに含む。左心房ディスク、右心房ディスク、およびマルテンサイト形状記憶材料は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【0078】
さらに別の側面下では、装置が、提供される。本装置は、心臓の第1の心房内に配置されるように構成されている近位部分と、心臓の第2の心房内に配置されるように構成され、第1の自己拡張超弾性材料を含む、遠位部分とを含む、デバイスを含む。本デバイスは、近位部分と遠位部分との間に配置され、第1の心房と第2の心房との間の心房中隔内に配置されるように構成されている中間部分をさらに含む。中間部分は、可鍛性形状記憶材料を含む。本装置は、カテーテルと、少なくとも1つの収斂可撓性長手方向要素とをさらに含む。第1の自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法を有してもよい。中間部分は、カテーテルを通した展開のために好適な第1の寸法を有してもよく、中隔内での固定のための第2の寸法まで拡張可能であってもよく、第3の寸法まで熱的に遷移可能であってもよく、第4の寸法まで機械的に再拡張可能であってもよい。本デバイスは、少なくとも1つの収斂可撓性長手方向要素を使用して、デバイスをカテーテルの中へと引き寄せることによって除去可能であってもよい。
【0079】
いくつかの実施例では、近位部分は、拡開されている。いくつかの実施例では、遠位部分は、拡開されている。いくつかの実施例では、近位部分は、第2の自己拡張超弾性材料を含む。近位部分、遠位部分、および中間部分は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【0080】
別の側面下では、カテーテルを通して、デバイスを心臓の心房中隔を通して展開することを含む、方法が、提供される。本デバイスは、心臓の第1の心房内に配置された近位部分と、心臓の第2の心房内に配置され、第1の自己拡張超弾性材料を備える遠位部分とを含んでもよい。本デバイスは、近位部分と遠位部分との間に配置され、第1の心房と第2の心房との間の心房中隔内に配置された中間部分を含んでもよい。中間部分は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。第1の自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法を有してもよい。中間部分は、カテーテルを通して展開されたとき、第1の寸法を有してもよい。本方法は、中間部分を中隔内での固定のための第2の寸法まで拡張させることを含んでもよい。本方法は、中間部分を第3の寸法まで熱的に遷移させることを含んでもよい。本方法は、中間部分を第4の寸法まで機械的に再拡張させることを含んでもよい。本方法は、少なくとも1つの収斂可撓性長手方向要素を使用して、デバイスをカテーテルの中へと引き寄せることによってデバイスを除去することを含んでもよい。
【0081】
いくつかの実施例では、近位部分は、拡開されている。いくつかの実施例では、遠位部分は、拡開されている。いくつかの実施例では、近位部分は、第2の自己拡張超弾性材料を含む。近位部分、遠位部分、および中間部分は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【図面の簡単な説明】
【0082】
図1-1】図1A~1Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。
図1-2】図1A~1Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。
【0083】
図2図2A~2Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイスを図式的に図示する。
【0084】
図3図3A~3Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、複数の内部寸法を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。
【0085】
図4図4A~4Bは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、デバイス内に提供され得る、例示的被包材を図式的に図示する。
【0086】
図5図5A~5Bは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、デバイス内の構成要素の例示的配列を図式的に図示する。
【0087】
図6図6は、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイスを図式的に図示する。
【0088】
図7図7は、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイスを図式的に図示する。
【0089】
図8図8A~8Dは、人体内で図7のデバイスを使用するための例示的ステップを図式的に図示する。
【0090】
図9図9A~9Bは、図7のデバイスの例示的構成を図式的に図示する。
【0091】
図10図10A~10Cは、図7のデバイスを用意するためのツール類の例示的使用を図式的に図示する。
【0092】
図11図11A~11Bは、図7のデバイスの例示的修正を図式的に図示する。
【0093】
図12図12A~12Bは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
【0094】
図13図13A~13Bは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
【0095】
図14-1】図14A~14Cは、生体内で縮小および増大させられ得る、複数の内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
図14-2】図14A~14Cは、生体内で縮小および増大させられ得る、複数の内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
【0096】
図15-1】図15A~15Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
図15-2】図15A~15Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
図15-3】図15A~15Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
【0097】
図16図16A~16Bは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
【0098】
図17図17は、デバイスの内部寸法を生体内で縮小および増大させるための例示的方法における動作のフローを図示する。
【0099】
図18図18は、デバイスを身体管腔内に固定するための例示的方法における動作のフローを図示する。
【0100】
図19図19A~19Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、ある外部寸法を伴う、例示的ダイレータデバイスを図式的に図示する。
【0101】
図20-1】図20A~20Iは、人体内での図19A~19Dの送達デバイスの使用を図式的に図示する。
図20-2】図20A~20Iは、人体内での図19A~19Dの送達デバイスの使用を図式的に図示する。
【0102】
図21図21A~21Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、例示的経心房ゲートを図式的に図示する。
【0103】
図22-1】図22A~22Hは、人体内での図21A~21Dの経心房ゲートの使用を図式的に図示する。
図22-2】図22A~22Hは、人体内での図21A~21Dの経心房ゲートの使用を図式的に図示する。
【0104】
図23-1】図23A~23Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその一時的使用の実施例を図式的に図示する。
図23-2】図23A~23Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその一時的使用の実施例を図式的に図示する。
図23-3】図23A~23Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその一時的使用の実施例を図式的に図示する。
図23-4】図23A~23Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその一時的使用の実施例を図式的に図示する。
【0105】
図24-1】図24A~24Hは、本明細書に提供される実施例に従って用意および使用される、デバイスの画像である。
図24-2】図24A~24Hは、本明細書に提供される実施例に従って用意および使用される、デバイスの画像である。
図24-3】図24A~24Hは、本明細書に提供される実施例に従って用意および使用される、デバイスの画像である。
図24-4】図24A~24Hは、本明細書に提供される実施例に従って用意および使用される、デバイスの画像である。
【0106】
図25図25A~25Dは、図7のデバイスの例示的修正を図式的に図示する。
【0107】
図26-1】図26A~26Hは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
図26-2】図26A~26Hは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
図26-3】図26A~26Hは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
図26-4】図26A~26Hは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
【0108】
図27-1】図27A~27Kは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
図27-2】図27A~27Kは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
図27-3】図27A~27Kは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。
【0109】
図28図28A~28Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイスを図式的に図示する。
【0110】
図29図29A~29Dは、人体内での図28A~28Bのデバイスの使用の実施例を図式的に図示する。
【0111】
図30図30A~30Cは、人体内での図28Cのデバイスの使用の実施例を図式的に図示する。
【0112】
図31-1】図31A~31Eは、生体内で可逆的に修正され得る、構成を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。
図31-2】図31A~31Eは、生体内で可逆的に修正され得る、構成を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。
図31-3】図31A~31Eは、生体内で可逆的に修正され得る、構成を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。
【0113】
図32-1】図32A~32Gは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
図32-2】図32A~32Gは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
図32-3】図32A~32Gは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
図32-4】図32A~32Gは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。
【発明を実施するための形態】
【0114】
詳細な説明
本開示は、生体内で縮小および増大させられることができる寸法を伴う、デバイス、ならびにそれを作製および使用する方法を提供する。
【0115】
例えば、本デバイスは、人体内に恒久的または一時的に埋込可能であって、1つまたはそれより多くの構成要素を含んでもよく、これは、埋込後、より大きくまたはより小さく、サイズが調節され得る。そのような調節可能デバイスの必要性は、例えば、肺動脈高血圧症(PAH)または心不全(HF)の治療において生じ得る。PAHでは、シャントを心房間中隔内に設置することは、ある程度の血液が、オリフィスを通して、右心房から左心房に流動することを可能にすることによって、右心房内の過剰な血圧が緩和されることを可能にする。HFでは、シャントを心房間中隔内に設置することは、ある程度の血液が、オリフィスを通して、左心房から右心房の中に流動することを可能にすることによって、左心房内の過剰な血圧が緩和されることを可能にする。PAHおよびHFの両方において、心房間シャントは、症状を効果的に低減させ、運動許容度を増大させることが示されている。心房間シャントはまた、入院の必要性を低減させ、さらに、平均余命を改善し得る。
【0116】
しかしながら、心房間シャントのオリフィスが、小さすぎる場合、非常にわずかな血液のみが、移送され得、シャントは、比較的に非効果的であって、殆どまたは全く臨床利益を提供し得ない。対照的に、あまりに多くの血液(「過シャント」)を大きすぎるオリフィスを通してシャントすることは、深刻なまたはさらには死亡に至る合併症に経時的につながり得る。例えば、PAH患者では、過シャントは、チアノーゼ、増大させられた血液粘度を伴う多血症、末端器官虚血、および潜在的に、死亡を含む、全身性酸素脱飽和およびその後遺症をもたらし得る。HF患者では、過シャントは、肺高血圧症、右心室不全、および潜在的に、死亡をもたらし得る。
【0117】
現在、特定のシャントオリフィスサイズに対する所与の患者の応答を予測するための公知の方法は、存在しない。これまで知られているように、シャントオリフィスは、例えば、膨脹可能バルーンカテーテルまたは他の類似の機械的拡張手段をシャント内で拡張させることにより、好適に設計されたシャントを膨張させることによって、生体内で増大させられ得るが、しかしながら、シャントが、可鍛性材料から作製され、塑性変形またはある他の物理的性質に起因して、拡張されたままであって、それによって、バルーンまたは他の拡張手段が除去されると、弾性跳返または反跳の量が、オリフィスサイズ内の所望のインクリメントが達成されるように十分に低いであろうことを前提とする。本アプローチの1つの短所は、オリフィスサイズが増大のみされ得ることである。シャントが、大きすぎた状態から開始する場合、またはバルーン拡張によって大きすぎる状態にされるが、患者が、より小さいシャントを必要とする場合、別のより小さいシャントを提供する、またはより小さいシャントを元々のシャントの管腔内に設置することによって以外、より小さいサイズオリフィスに戻る方法は、存在しない。本技法は、「シャント内シャント」として知られる。したがって、所与の患者のための好適なシャントオリフィスサイズを見出すことは、試行錯誤プロセスであって、その中でシャントオリフィスサイズは、患者の応答に従って選択され、これは、数分程度の短いものまたは数ヶ月もの長いものであり得る、ある時間周期にわたって観察され、シャントオリフィスサイズは、患者の応答に応じて、増大(例えば、バルーン拡張によって)または縮小(新しいより小さいシャントを提供することによって)され得る。したがって、シャントのサイズを増大または縮小させる機会は、非常に限定され、再現可能ではあり得ない。さらに、それに対して膨脹可能バルーンカテーテルがシャントオリフィスを拡張させ得る、範囲は、バルーンの最大サイズによって限定され得る。したがって、必要とされるものは、生体内で、かつより大きくまたはより小さくの両方方向において、繰り返しかつ非外傷的に、シャントのオリフィスサイズを調節するための手段および他の埋込可能デバイスである。
【0118】
本明細書に提供されるものは、任意の順序において、臨床上の必要に応じて、生体内で容易に縮小され、かつ生体内で拡張され得る、断面積を伴う、デバイスである。特に、本デバイスのいくつかの実施例は、自己拡張超弾性(オーステナイト相)材料ならびに可鍛性形状記憶(マルテンサイト相)材料を含む。本デバイスが、例えば、シース内で圧縮状態におけるデバイスを所望の場所に搬送し、次いで、シースを除去することによって、人体内に埋め込まれると、自己拡張超弾性材料は、その所望のサイズに自動的に展開し得る一方、可鍛性形状記憶材料は、最初は、縮小されたサイズ状態に留まり得る。可鍛性形状記憶材料の断面積は、次いで、例えば、それを通して好適な流体流率を提供することによって、患者を治療するために好適な断面積を取得するように、または治療の有効性を改善するように再位置付けすることを可能にしながら、デバイスを患者内に適切に固定するように、所望に応じて、生体内で拡張および縮小されてもよい。種々のデバイスの幅は、それぞれ、本明細書に例示されるような自己拡張超弾性材料および可鍛性形状記憶材料を含む、構成要素を使用して用意されてもよい。
【0119】
例えば、図1A~1Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。図1A~1Eに図示されるデバイス100は、第1の構成要素110と、第1の構成要素110に結合される、例えば、流体的に結合されている第2の構成要素120とを含む。第1の構成要素110は、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素120は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、第2の構成要素を通して流動する流体の第1の率を可能にする、第1の断面積を有してもよく、第2の構成要素を通して流動する流体の第2の率を可能にする、第2の断面積まで拡張可能であってもよく、第2の構成要素を通して流動する流体の第3の率を可能にする、第3の断面積まで収縮可能であってもよい。デバイス100を通して流動する流体の全体的率も、第1の構成要素110の断面積に依存し得ることに留意されたい。
【0120】
例えば、図1Aは、圧縮または圧着状態にあって、人体内への経皮的埋込のために、シース130の中に装填される、デバイス100を図式的に図示する。圧着状態では、第1の構成要素110および第2の構成要素120は両方とも、寸法D1(第1の断面積に対応する)を有してもよい。いったんデバイス100が、所望の場所に送達されると、シース130は、本デバイスを経皮的に埋め込むように、後退されてもよい。図1Bに図示されるように、シース130の除去に続いて、第1の構成要素110の自己拡張超弾性材料は、本実施例では、寸法Dsを伴って、そのヒートセット超弾性構成に自動的に拡張し得る一方、第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、さらに調節されるまで、圧着状態(例えば、第1の断面積に対応する、第1の寸法D1)に留まり得る。第2の構成要素120は、任意の好適な量だけ、例えば、図1Cに示されるように、寸法D2(第2の断面積に対応する)に拡張されてもよい。第2の構成要素120は、任意の好適な量だけ、例えば、図1Dおよび1Eに示されるように、最初に、形状記憶性質を使用して、構成要素120をその焼きなまし構成寸法D0に収縮させ、次いで、(例えば、バルーン膨張によって)寸法D3(第3の断面積に対応する)に拡張することによって、縮小されてもよい。それに対して第2の構成要素120が拡張または収縮によって調節される、特定の寸法(および断面積)に基づいて、異なる流体流動率が、その構成要素を通して可能にされ、したがって、その中でデバイス100が展開される、人体の場所内の流体の流動を制御するための調節可能オリフィスを提供し得る。
【0121】
いくつかの実施例では、本明細書における形状記憶材料ベースの構成要素の寸法を縮小させることは、常時、その構成要素を、ジグ内のヒートセットによって製造時に判定される、そのヒートセット(焼きなまし)寸法D0に戻す。いったん寸法が、したがって、縮小されると、次いで、例えば、バルーン膨張によって、中間寸法まで拡張されてもよい。加えて、いくつかの実施例では、D0およびD1は、相互とほぼ同一であるであってもよいが、他の実施例では、D0は、D1より小さくてもよい一方、さらに他の実施例では、D0は、D1より大きくてもよいことに留意されたい。図1A~1Eは、第2の構成要素120の4つの例示的寸法D0、D1、D2、D3のみを図示するが、焼きなまし構成D0によってセットされた最小値を上回る任意の好適な寸法が、所望に応じて、バルーンを拡張させることによって取得されてもよいことを理解されたい。例えば、D2は、D3より小さくてもよい。代替として、D2は、D3より大きくてもよく、D3は、図1Dに示されるように、第2の構成要素120をそのヒートセット寸法D0に縮小させ、次いで、図1Eに示されるように、第2の構成要素120を寸法D3に拡張させることによって、達成されてもよい。いくつかの実施例では、第2の構成要素は、高温バルーンを用いて、加熱され、バルーンは、次いで、所望の寸法まで収縮させられ、その後、第2の構成要素の冷却が続いてもよい。加熱が、結晶相変化を作り出すにつれて、第2の構成要素の寸法は、決して、バルーン膨脹によって塑性的に変形されず、したがって、シャントは、患者が要求する任意の数のサイクルを通して、1つの寸法から別の寸法に、より大きくまたはより小さく繰り返し巡回され、シャントサイズを最適化することができる。
【0122】
本明細書で使用されるように、「内側寸法」は、例えば、図1A~1Eに示される線A~Aに沿った、デバイス構成要素の内壁間の横方向寸法を指すことに留意されたい。本明細書で使用されるように、「外側寸法」は、例えば、図1A~1Eに示される線A-Aに沿った、デバイス構成要素の外壁間の横方向寸法を指す。本明細書で使用されるように、「断面積」は、その寸法を通して延びる平面における、例えば、図1A~1Eに示される線A-Aと平行であって、かつ第2の構成要素120を通して交差する、平面における、本デバイスの壁内の横断平面の面積を指す。寸法の拡張または収縮は、例えば、図1A~1Eに示される線A-Aに沿った、その構成要素内の特定の場所における、本デバイス構成要素の壁間の距離を指し得る。断面積の拡張または収縮は、例えば、図1A~1Eに示される線A-Aに沿った、その構成要素内の特定の場所における、本デバイス構成要素の対応する寸法を通して延びる平面における、本デバイスの壁内の面積を指し得る。本デバイスは、任意の好適な断面形状を有してもよく、限定ではないが、円形または均一断面を含んでもよい。
【0123】
図1Bおよび1Dに示される非限定的実施例では、第2の構成要素120の圧着状態と拡張された第1の構成要素110との間の界面は、第1の構成要素110が完全に拡張しないように阻止する、力を適用し得る。そのような界面は、代わりに、第2の構成要素120を部分的に拡張させる、力を適用し得ることも理解されたい。下記により詳細に説明されるように、その中で第1の構成要素110および第2の構成要素120が相互に継合される、特定の様式は、そのような構成要素に適用される力(単数または複数)、したがって、そのような構成要素の形状および寸法を制御するように選択されてもよい。
【0124】
いくつかの実施例では、第1の構成要素110の自己拡張超弾性材料および第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、相互と異なる材料を含んでもよい、または相互と同一であるが、相互と異なる相を有する、材料を含んでもよい。例えば、第1の構成要素110および第2の構成要素120は、独立して、ニチノールとしても知られる、ニッケルチタン(NiTi)、他の形状記憶合金、自己拡張材料、超弾性材料、ポリマー、および同等物から成る群から選択される、1つまたはそれより多くの材料を含んでもよい。例えば、第1の構成要素110は、体温を十分に下回る、オーステナイト終了温度(Af)を有するニチノール合金を含んでもよく、材料は、人体内にある間、オーステナイト超弾性相にある。1つの非限定的実施例では、第1の構成要素110の自己拡張超弾性材料は、37℃未満のAfを有するニチノールを含む。例えば、自己拡張超弾性材料のニチノールのAfは、5~20℃であってもよい。第1の構成要素110および第2の構成要素120は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されてもよい。例えば、第1の構成要素110および第2の構成要素120は、最初に、相互と同一の管類、シート、または他の好適なの構成フレームからの単一ユニットとして、切断および処理されてもよい。その共通フレームの部分は、第1の構成要素110および第2の構成要素120を画定するように、例えば、図10A~10Cを参照して説明されるものに類似するように、相互に異なるように熱処理されてもよい。
【0125】
第2の構成要素120は、例えば、第2の構成要素120内またはそれを通して流動する流体の中への加温されたまたは高温の生理食塩水(または他の流体)の注入によって、またはRFエネルギー源等を用いて、電気エネルギーを通して、熱を適用することによって、そのAfにまたはそれを上回って加熱されない限り、かつそれまで、材料が、身体内にある間、そのマルテンサイト形状記憶相に留まるように、体温を若干上回る、オーステナイト相遷移温度Afを有するニチノール合金を含んでもよい。1つの非限定的実施例では、第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、37℃を上回るオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含む。例えば、第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料のニチノールのAfは、45~60℃、例えば、から50~55℃であってもよい。いくつかの実施例では、加温されたまたは高温の生理食塩水(または他の流体)は、デバイス100を通して位置付けられる、側孔カテーテルを使用して、その構成要素をそのAfまたはそれを上回って加熱するために、第2の構成要素120に十分に近接して注入されてもよい。他の実施例では、一対のRF電極が、例えば、カテーテルを介して、デバイス100と接触され、構成要素120をそのAfまたはそれを上回って加熱するために十分な電圧および周波数で作動されてもよい。さらに他の実施例では、レーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物等、熱をデバイス100に局所的に適用するための任意の他の好適な手段が、使用されてもよい。電気抵抗を使用して、デバイス100を加熱することは、例えば、カテーテルを介して、デバイスと一対の電極を接触させることと、デバイスの加熱を引き起こす、電流をデバイスを通して通過させることとを含んでもよい。レーザを使用して、デバイス100を加熱することは、デバイスを、カテーテルによって導入され得る、レーザからの光で照射することを含んでもよい。磁気インダクタンスを使用して、デバイス100を加熱することは、デバイスを加熱する、渦電流をデバイスの内側に誘発する、交流磁場をデバイスを通して通過させることを含んでもよい。大動脈または内腸骨動脈等、特に高血流率(例えば、2~5L/分)を有する、血管では、デバイスを十分に加熱する前に、高血流率によって流され得る、生理食塩水の代わりに、RFエネルギー、レーザ、磁気インダクタンス、または電気抵抗等を使用する、直接加熱方法を使用して、デバイス100を加熱することが有用であり得ることに留意されたい。
【0126】
代替として、デバイス100は、第1の構成要素110および第2の構成要素120が相互と一体的に形成されているように、第1の構成要素110に対応する領域内に、より低いAfを生み出すように熱処理され、第2の構成要素120に対応する領域内に、より高いAfを生み出すように熱処理されている、単一ニチノール合金(共通フレーム)を含んでもよい。第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、任意の好適な技法を使用して、拡張可能および収縮可能であってもよい。例えば、第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、例えば、当技術分野において公知のようなバルーン拡張を使用して、機械的に拡張されてもよい。加えて、または代替として、第2の構成要素120の可鍛性形状記憶材料は、例えば、上記に説明されるような様式において、その材料のAfまたはそれを上回る温度の生理食塩水を使用して、熱的に収縮させられる、または別様に、RFエネルギーもしくはレーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物の使用等を用いて、加熱されてもよい。
【0127】
随意に、第1の構成要素110は、例えば、図14A~14C、15A~15D、または16A~16Bを参照して説明されるような様式において、身体内の管腔に係合するように構成されてもよい。例証として、管腔は、血管を含んでもよく、第1の構成要素は、血管に係合するように構成されてもよい。
【0128】
本デバイスは、自己拡張超弾性材料を含む、任意の好適な数の構成要素と、可鍛性形状記憶材料を含む、任意の好適な数の構成要素とを含んでもよいことを理解されたい。例えば、図2A~2Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイスを図式的に図示する。図2A~2Eに図示されるデバイス200は、第1の構成要素210と、第2の構成要素220と、第1の構成要素210および第2の構成要素220に結合される、例えば、流体的に結合されている第3の構成要素211とを含む。第1の構成要素210は、第1の自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素220は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、第3の構成要素211は、第2の自己拡張超弾性材料を含んでもよい。第2の構成要素220の可鍛性形状記憶材料は、第2の構成要素を通して流動する流体の第1の率を可能にする、第1の断面積を有してもよく、第2の構成要素を通して流動する流体の第2の率を可能にする、第2の断面積まで拡張可能であってもよく、第2の構成要素を通して流動する流体の第3の率を可能にする、第3の断面積まで収縮可能であってもよい。
【0129】
例えば、図2Aは、圧着状態にあって、人体内への経皮的埋込のために、シース230の中に装填される、デバイス200を図式的に図示する。圧着状態では、第1の構成要素210と、第2の構成要素220と、第3の構成要素211は、寸法D1(第1の断面積に対応する)を有してもよい。いったんデバイス200が、所望の場所に送達されると、シース230は、本デバイスを経皮的に埋め込むように、後退されてもよい。図2Bに図示されるように、シース230の除去に続いて、第1の構成要素210および第3の構成要素211のそれぞれの自己拡張超弾性材料は、ヒートセット寸法Dsに自動的に拡張し得る一方、第2の構成要素220の可鍛性形状記憶材料は、さらに調節されるまで、圧着状態(例えば、第1の断面積)に留まり得る。第2の構成要素220は、任意の好適な量だけ、例えば、図2Cに示されるように、寸法D2(第2の断面積に対応する)に拡張されてもよい。第2の構成要素220は、任意の好適な量だけ図1に関して上記に説明されるような同一様式において、例えば、図2Eに示されるように、最初に、形状記憶構成要素220をそのAf温度を上回って加熱し、図2Dに示されるように、それをその焼きなまし構成D0に戻し、次いで、それを第3の寸法D3(第3の断面積に対応する)に拡張させる(例えば、バルーン膨張によって)ことによって、寸法D3(第3の断面積に対応する)に縮小されてもよい。それに対して第2の構成要素220が拡張または収縮によって調節される、特定の寸法(および断面積)に基づいて、異なる流体流動率が、その構成要素を通して可能にされ、したがって、その中でデバイス200が展開される、人体の場所内の流体の流動を制御するための調節可能オリフィスを提供し得る。デバイス200を通して流動する流体の全体的率も、第1の構成要素210および第2の構成要素211の断面積に依存し得ることに留意されたい。
【0130】
図2A~2Eは、第2の構成要素220の3つのみの例示的寸法D1、D2、D3を図示するが、任意の好適な寸法は、所望に応じて、第2の構成要素を拡張または収縮させることによって取得されてもよいことを理解されたい。いくつかの実施例では、D0およびD1は、相互とほぼ同一であるであってもよいが、他の実施例では、D0は、D1より小さくてもよい一方、さらに他の実施例では、D0は、D1より大きくてもよいことに留意されたい。さらに、形状記憶構成要素は、ここに図示される円形円筒形形状に加え、他の幾何学形状に形成およびヒートセットされてもよく、その形状は、ここに図示される、半径方向拡張に加え、他の方法において修正されてもよく、形状記憶構成要素は、それをそのAf温度を上回って加熱することによって、その元々のヒートセットされた幾何学形状に戻されてもよいことを理解されたい。加えて、本明細書に説明される実施例の各々に関して、構成要素は、必ずしも、円形断面を有する必要はなく、任意の好適な断面の形状を有してもよいことを理解されたい。
【0131】
図2Bおよび2Dに示される非限定的実施例では、第2の構成要素220の圧着状態と拡張された第1の構成要素210と拡張された第3の構成要素211との間のそれぞれの界面は、第1の構成要素210および第3の構成要素211が完全に拡張しないように阻止する、力を適用し得る。そのような界面(単数または複数)は、代わりに、第2の構成要素220を部分的に拡張させる、力を適用し得ることも理解されたい。下記により詳細に説明されるように、その中で第1の構成要素210と、第2の構成要素220と、第3の構成要素211が、それぞれ、相互に継合される、特定の様式は、そのような構成要素に適用される力(単数または複数)、したがって、そのような構成要素の形状および寸法を制御するように選択されてもよい。第1の構成要素210および第3の構成要素211は、相互と同一寸法、形状、およびサイズであってもよいが、必ずしも、その必要はない。
【0132】
いくつかの実施例では、第1の構成要素210の第1の自己拡張超弾性材料、第2の構成要素220の可鍛性形状記憶材料、および第3の構成要素211の第2の自己拡張超弾性材料は、相互と異なる材料を含んでもよい、または相互と同一であるが、相互と異なる相を有する、材料を含んでもよい。例えば、第1の構成要素210と、第2の構成要素220と、第3の構成要素211は、独立して、ニチノールとしても知られる、ニッケルチタン(NiTi)、他の形状記憶合金、自己拡張材料、超弾性材料、ポリマー、および同等物から成る群から選択される、1つまたはそれより多くの材料を含んでもよい。1つの非限定的実施例では、第1の構成要素210および第3の構成要素211はそれぞれ、体温を十分に下回る、Afを有するニチノール合金を含んでもよく、材料は、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、人体内にある間、オーステナイト超弾性相にある。第2の構成要素220は、例えば、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、第2の構成要素220内またはそれを通して流動する流体の中への加温されたまたは高温の生理食塩水の注入、またはRFエネルギーの適用、もしくはレーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物の使用によって、そのAfに加熱されない限り、かつそれまで、材料が、身体内にある間、そのマルテンサイト形状記憶相に留まるように、体温を若干上回る、オーステナイト相遷移温度Afを有するニチノール合金を含んでもよい。代替として、デバイス200は、それぞれ、第1の構成要素210および第3の構成要素211に対応する領域において、より低いAfを生み出すように熱処理され、第2の構成要素220に対応する領域において、より高いAfを生み出すように熱処理されている、単一ニチノール合金を含んでもよい。第2の構成要素220の可鍛性形状記憶材料は、例えば、図1A~1Eを参照して説明されるように、任意の好適な技法を使用して、拡張可能および収縮可能であってもよい。第1の構成要素210と、第2の構成要素220と、第3の構成要素211は、随意に、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、相互との共通のフレームから一体的に形成されてもよい。
【0133】
図7~12Bおよび15A~15Dを参照してより詳細に説明されるような様式において、第1の構成要素210は、入口を提供してもよく、第2の構成要素220は、首部分を提供してもよく、第3の構成要素211は、首部分を介して、入口に結合される、例えば、流体的に結合されている出口を提供してもよい。本明細書で使用されるように、「入口」は、血流の流入を伴う、構成要素を意味し、「出口」は、血流の退流(流出)を伴う、構成要素を意味する。それぞれ、血流の流入および退流(流出)を提供するために使用され得る、特定の構成要素は、治療されている条件に基づいて選択されてもよい。例えば、HFでは、入口は、左心房(LA)側にあってもよく、LAから右心房(RA)への血流およびLA減圧法が、望ましい。対照的に、PAHでは、心房間圧力勾配は、逆転され、RからLへの流動およびRA減圧法を引き起こし、入口は、RA側にある。首部分の断面積は、例えば、図7~12Bを参照してより詳細に説明されるように、入口および出口のうちの少なくとも1つの断面積より小さくてもよい。または、例えば、首部分の断面積は、例えば、図15A~15Bを参照してより詳細に説明されるように、入口および出口のうちの少なくとも1つの個別の断面積より大きくてもよい。第3の構成要素211は、例えば、図7~12Bを参照して説明されるような様式において、人体内の開口部に係合するように構成されてもよい。加えて、または代替として、第1の構成要素210は、例えば、図15A~15Dを参照して説明されるような様式において、身体内の管腔に係合するように構成されてもよい。随意に、第3の構成要素211は、例えば、図15A~15Dを参照して説明されるような様式において、身体内の管腔に係合するように構成されてもよい。例証として、管腔は、血管を含んでもよく、第1および第3の構成要素は、血管に係合するように構成されてもよい。首部分は、存在する場合、随意に、例えば、図15A~15Dを参照して説明されるような様式において、血管の口に隣接して配置されるように構成されてもよい。
【0134】
図3A~3Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、複数の内部寸法を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。図3A~3Dに図示されるデバイス300は、第1の構成要素310と、第2の構成要素320と、第1の構成要素310および第2の構成要素320に結合される、例えば、流体的に結合されている第3の構成要素321とを含む。第1の構成要素310は、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素320は、第1の可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、第3の構成要素321は、第2の可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。第2の構成要素320および第3の構成要素321のそれぞれの可鍛性形状記憶材料は、第2の構成要素を通して流動する流体の第1の率を可能にする、第1の断面積を有してもよく、第2の構成要素を通して流動する流体の第2の率を可能にする、第2の断面積まで拡張可能であってもよく、第2の構成要素を通して流動する流体の第3の率を可能にする、第3の断面積まで収縮可能であってもよい。第2の構成要素320および第3の構成要素321の断面積、サイズ、および形状は、相互と同一であってもよいが、必ずしも、その必要はないことに留意されたい。デバイス200を通して流動する流体の全体的率も、第1の構成要素210および第2の構成要素211の断面積に依存し得ることに留意されたい。例証として、第2の構成要素320の断面積が、第3の構成要素321のものより小さい、または第2の構成要素320の断面積が、第3の構成要素321のものより大きい、実施例では、より小さい方の断面積が、デバイス300を通して流動する流体の率を画定し得る。
【0135】
デバイス300を通して流動する流体の率を画定することに加え、図3A~3Dを参照して説明されるような実施例は、例えば、図14A~14Cを参照して説明されるような様式において、密着する構成要素320、321のバルーン拡張によって、本デバイスを身体空間の壁に留めるまたは固定するための密着を制御可能に調節することを可能にする一方、展開後、本デバイスが再位置付けされ得るように、これらの密着する構成要素が収縮させられることを可能にし得る。加えて、または代替として、図3A~3Dを参照して説明されるような実施例は、例えば、第1、第2、および第3の構成要素310、320、321を全て相互にともに拡張させることと比較して、比較的に安全な埋込方法を提供し得る。例えば、図14A~14Cを参照して説明されるような実装では、第1、第2、および第3の構成要素310、320、321を全て相互にともに拡張させることは、分岐動脈の遮断を生じさせ得る。より漸次的様式における具体的区画の選択的拡張を可能にすることは、より安全であり得る。
【0136】
図3Aは、圧着状態にあって、人体内への経皮的埋込のために、シース330の中に装填される、デバイス300を図式的に図示する。圧着状態では、第1の構成要素310、第2の構成要素320、および第3の構成要素321は、寸法D1(第1の断面積に対応する)を有してもよい。いったんデバイス300が、所望の場所に送達されると、シース330は、本デバイスを経皮的に埋め込むように、後退されてもよい。図3Bに図示されるように、シース330の除去に続いて、第1の構成要素310の自己拡張超弾性材料が、自動的に拡張し得る一方、第2の構成要素320の第1の可鍛性形状記憶材料および第3の構成要素321の第2の可鍛性形状記憶材料は、それらがさらに調節されるまで、圧着状態(例えば、第1の断面積)に留まり得る。第2の構成要素320および第3の構成要素321は、独立して、任意の好適な量だけ、例えば、図3Cに示されるように、それぞれの寸法D2(第2の断面積に対応する)およびD3に拡張されてもよい。第2の構成要素320および第3の構成要素321は、独立して、そのそれぞれのヒートセット寸法まで縮小され、次いで、任意の好適な量だけ、例えば、図3Dに示されるように、それぞれの寸法D4(第3の断面積に対応する)およびD5に拡張されてもよい。
【0137】
それに対して第2の構成要素320および第3の構成要素321が拡張または収縮によって独立して調節される、特定の寸法(および断面積)に基づいて、異なる流体流動率が、そのような構成要素を通して可能にされ、したがって、その中でデバイス300が展開される、人体の場所内の流体の流動を制御するための調節可能オリフィスを提供し得る。図3A~3Dは、それに対して第2の構成要素320および第3の構成要素321が独立してセットされ得る、例示的寸法D1、D2、D3、D4、およびD5を図示するが、任意の好適な寸法(単数または複数)が、所望に応じて、独立して、第2の構成要素および第3の構成要素を拡張または収縮させることによって取得されてもよいことを理解されたい。例えば、第2の構成要素320および第3の構成要素321は、相互と同一または異なり得る、それぞれのヒートセット寸法D0を有してもよく、D0より小さい、寸法D1に圧着されてもよい。第2の構成要素320および第3の構成要素321は、それぞれ、任意の好適な回数だけ、任意の好適な寸法(単数または複数)まで拡張され、D0にリセットされ、続いて、任意の好適な寸法(単数または複数)まで再拡張されてもよい。
【0138】
図3Bおよび3Dに示される非限定的実施例では、第2の構成要素320の圧着状態と第3の構成要素321と拡張された第1の構成要素310との間のそれぞれの界面は、第1の構成要素310が完全に拡張しないように阻止する、力を適用し得る。そのような界面は、代わりに、第2の構成要素320または第3の構成要素321を部分的に拡張させる、それぞれの力を適用し得ることも理解されたい。下記により詳細に説明されるように、その中で第1の構成要素310、第2の構成要素320、および第3の構成要素321が、それぞれ、相互に継合される、特定の様式は、そのような構成要素に適用される力(単数または複数)、したがって、そのような構成要素の形状および寸法を制御するように選択されてもよい。
【0139】
いくつかの実施例では、第1の構成要素310の自己拡張超弾性材料、第2の構成要素320の第1の可鍛性形状記憶材料、および第3の構成要素321の第2の可鍛性形状記憶材料は、相互と異なる材料を含んでもよい、または相互と同一であるが、相互と異なる相を有する、材料を含んでもよい。例えば、第1の構成要素310、第2の構成要素320、および第3の構成要素321は、独立して、ニチノールとしても知られる、ニッケルチタン(NiTi)、他の形状記憶合金、自己拡張材料、超弾性材料、ポリマー、および同等物から成る群から選択される、1つまたはそれより多くの材料を含んでもよい。1つの非限定的実施例では、第1の構成要素310は、体温を十分に下回る、Afを有するニチノール合金を含んでもよく、材料は、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、人体内にある間、オーステナイト超弾性相にある。第2の構成要素320および第3の構成要素321はそれぞれ、例えば、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、第2の構成要素320または第3の構成要素321内またはそれを通して流動する流体の中への加温されたまたは高温の生理食塩水のそれぞれの注入、またはRFエネルギーの適用、もしくはレーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物の使用によって、そのAfに加熱されない限り、かつそれまで、材料が、身体内にある間、そのマルテンサイト形状記憶相に留まるように、体温を若干上回る、オーステナイト相遷移温度Afを有するニチノール合金を含んでもよい。代替として、デバイス300は、第1の構成要素310に対応する領域において、より低いAfを生み出すように熱処理され、それぞれ、第2の構成要素320および第3の構成要素321に対応する領域において、より高いAfを生み出すように熱処理されている、単一ニチノール合金を含んでもよい。第2の構成要素320および第3の構成要素321は、相互と同一材料または同一Afを有してもよいが、必ずしも、その必要はない。第2の構成要素320および第3の構成要素321のそれぞれの可鍛性形状記憶材料は、例えば、図1A~1Eを参照して説明されるような任意の好適な技法を使用して、相互に対して、独立して、拡張可能であってもよく、そのそれぞれのヒートセット寸法にリセットされ、次いで、独立して、それぞれの寸法まで再拡張されてもよい。第1の構成要素310、第2の構成要素320、および第3の構成要素321は、随意に、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、相互との共通のフレームから一体的に形成されてもよい。
【0140】
図14A~14Cを参照してより詳細に説明されるような様式において、第2の構成要素320および第3の構成要素321の断面積は、再位置付けを可能にしながら、デバイスを管腔内に固定するように、相互から独立して、拡張されてもよい。図14A~14Cを参照してより詳細に説明されるような実施例では、第2の構成要素320は、入口として構成されてもよく、第3の構成要素321は、第1の構成要素310を介して入口に流体的に結合されている出口として構成されてもよい。入口320は、図14A~14Cを参照して説明されるような様式において、人体内の血管に係合するように構成されてもよく、出口321は、血管の口の中へと延在するように構成されてもよい。第4の構成要素は、例えば、図14A~14Cを参照して説明されるような様式において、第1の構成要素310に流体的に結合され、血管の別の口の中へと延在するように構成されてもよい。いくつかの実施例では、第1の構成要素310は、血流のための流体経路を提供する、例えば、血流を大動脈動脈瘤等の動脈瘤の弱区画を越えて送流させるように構成されてもよい。動脈瘤を大動脈圧の応力から効果的に保護するために、入口320、出口321、および第4の構成要素は、そのそれぞれの血管(単数または複数)と十分に緊密なシールを形成するように拡張されてもよい。
【0141】
それぞれ、図1A~1E、2A~2E、および3A~3Dを参照して説明される、デバイス100、200、300等によって例示される、本デバイスでは、第1、第2、および(存在する場合)第3の構成要素は、任意の好適な継合様式(単数または複数)を使用して、相互に対して結合される、例えば、流体的に結合されてもよい。例えば、(構成要素120、220、320、または321等における)任意の可鍛性形状記憶材料は、随意にかつ独立して、溶接によって、(構成要素110、210、211、または310等における)任意の自己拡張超弾性材料に継合されてもよい。加えて、または代替として、(構成要素120、220、320、または321等における)任意の可鍛性形状記憶材料は、随意に、かつ独立して、構成要素のうちの少なくとも1つの少なくとも一部を被覆し得、かつそのような構成要素を相互に対して継合し得る、被包材を使用して、(構成要素110、210、211、または310等における)任意の自己拡張超弾性材料に継合されてもよい。加えて、または代替として、任意の形状記憶材料および任意の自己拡張超弾性材料は、相互との共通のフレームから一体的に形成されてもよい。
【0142】
例えば、図4A~4Bは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、デバイス内に提供され得る、例示的被包材を図式的に図示する。任意の好適な数の構成要素(2つのみの構成要素が便宜上図示される)を含み得る、図4Aに図示される、例示的デバイス400では、被包材440が、第1の構成要素410および第2の構成要素420の各々の一部を被覆し、その構成要素は、図1A~1E、2A~2E、または3A~3Dを参照して説明されるものと同様に構成されてもよい。被包材440は、(例えば、構成要素420の)可鍛性形状記憶材料を(例えば、構成要素410の)自己拡張超弾性材料に流体的に継合してもよい。随意に、被包材440は、可鍛性形状記憶材料を自己拡張超弾性材料に間接的かつ弾性的に継合する。任意の好適な数の構成要素(2つのみの構成要素が便宜上図示される)を含み得る、図4Bに図示される、例示的デバイス401では、被包材441は、第1の構成要素410および第2の構成要素420の各々の全体を被覆し、その構成要素は、図1A~1E、2A~2E、または3A~3Dを参照して説明されるものと同様に構成されてもよい。被包材440または441は、可鍛性形状記憶材料(例えば、構成要素420の)を(例えば、構成要素410の)自己拡張超弾性材料に流体的に継合してもよい。他の実施例(具体的に図示されない)では、被包材は、1つまたはそれより多くの構成要素を完全に被覆してもよく、1つまたはそれより多くの他の構成要素を部分的にのみ被覆してもよいことを理解されたい。被包材は、間接的に、1つまたはそれより多くの構成要素を相互に対して結合してもよい。被包および機械的係合、例えば、溶接または機械的干渉の組み合わせが、直接および間接的の両方において、本構成要素を相互に対して結合するために使用されてもよい。
【0143】
被包材440、441は、ポリマーまたは天然材料等の任意の好適な生体適合性材料を含んでもよい。被包材としての使用のために好適なポリマーの実施例は、延伸ポリテトラフルオロエチレン(ePTFE)、シリコーン、ポリカーボネートウレタン、DACRON(テレフタル酸ポリエチレン)、超高分子量ポリエチレン(UHMWPE)、およびポリウレタンを含む。被包材としての使用のために好適な天然材料の実施例は、例えば、ウマ、ウシ、またはブタ源からの心膜組織、もしくはヒト胎盤または他のヒト組織等のヒト組織を含む。生体適合性材料は、好ましくは、血栓形成を阻止するように滑らかであって、随意に、組織内部成長を助長するように、炭素で含浸されてもよい。代替として、組織内部成長および内皮化を助長するために、生体適合性材料は、メッシュ状構造を形成してもよい。本デバイスは、「Systems and Methods for Making Encapsulated Hourglass Shaped Stents」と題されたNae et al.の米国特許公開第2019/0110911号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるものと同様の様式において、生体適合性材料で被包されてもよい。例えば、本デバイスのうちの1つの内面は、第1の移植片層で被覆されてもよく、および本デバイスの外面は、第2の移植片層で被覆されてもよい。移植片層は、ともに固着して接合され、生体適合性材料のモノリシック層を形成してもよく、例えば、ともに焼結され、本デバイスの内側および外面を被覆する、強固、滑らか、かつ実質的に持続的コーティングを形成してもよい。コーティングの部分は、次いで、所望に応じて、例えば、レーザ切断または機械的切断を使用して、本デバイスの選択された部分から、除去されてもよい。
【0144】
一実施例では、本デバイスは、ePTFEで被包されている。ePTFE材料は、結節点および小繊維から成り、小繊維配向が長手方向拡張の軸と略平行である、特性微小構造を有することが、当業者によって理解されるであろう。延伸ポリテトラフルオロエチレン材料は、粒子状ポリテトラフルオロエチレンおよび押出成形潤滑剤の圧縮された塊を押出成形ダイを通してラム押出成形し、シートまたは管状押出成形物を形成することによって、作製され得る。押出成形物は、次いで、長手方向に拡張され、結節点-小繊維微小構造を形成し、ePTFE材料を焼結するために十分なある時間周期にわたって、ポリテトラフルオロエチレンの結晶融点、すなわち、327℃またはそれを上回る温度まで加熱される。加熱は、真空チャンバ内で生じ、本デバイスの酸化を防止または阻止し得る。代替として、加熱は、窒素豊富な環境内で生じ得る。炉が、被包されたデバイスを加熱するために使用されてもよい。代替として、または加えて、その上に被包されたデバイスが静置される、マンドレルが、被包されたデバイスを加熱するために使用されてもよい。
【0145】
本デバイスの構成要素を相互に継合する任意の他の方法に加え、またはその代替として、構成要素のうちの1つまたはそれより多くは、完全または部分的に、構成要素の別のうちの1つまたはそれより多くの中に挿入されてもよい。例えば、図5A~5Bは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、デバイス内の構成要素の例示的配列を図式的に図示する。任意の好適な数の構成要素(2つのみの構成要素が便宜上図示される)を含み得る、図5Aに図示される例示的デバイス500では、第2の構成要素520は、少なくとも部分的に、第1の構成要素510の内側に位置し、その構成要素は、図1A~1E、2A~2E、または3A~3Dを参照して説明されるものと同様に構成されてもよい。その領域が、随意に、第1の構成要素510および第2の構成要素520の一方または両方の全長にわたって延在し得る、第1の構成要素510と第2の構成要素520との間の重複領域550が、(例えば、構成要素520の)可鍛性形状記憶材料を(例えば、構成要素510の)自己拡張超弾性材料に継合し得る。例えば、第2の構成要素520の外面は、相互に対する2つの構成要素の側方運動を阻止するような様式において、第1の構成要素510の内面と係合(例えば、それに機械的に干渉)してもよい。加えて、第1の構成要素510の寸法は、第2の構成要素520の拡張を重複領域550内のその寸法を越えないように拘束し得る、例えば、第2の構成要素520が完全に拡張しないように阻止する、力を適用し得る。したがって、第2の構成要素520が、拡張される(例えば、機械的に)場合でも、第1の構成要素510の寸法は、第2の構成要素がより大きい寸法まで完全に拡張しないように阻止し得る。
【0146】
任意の好適な数の構成要素(2つのみの構成要素が便宜上図示される)を含み得る、図5Bに図示される、例示的デバイス501では、第1の構成要素511は、少なくとも部分的に、第2の構成要素521の内側に位置し、その構成要素は、図1A~1E、2A~2E、または3A~3Dを参照して説明されるものと同様に構成されてもよい。その領域が、随意に、第1の構成要素511および第2の構成要素521の一方または両方の全長にわたって延在得る、第1の構成要素511と第2の構成要素521との間の重複領域551は、(例えば、構成要素521の)可鍛性形状記憶材料を(例えば、構成要素511の)自己拡張超弾性材料に継合し得る。例えば、第2の構成要素521の内面は、相互に対する2つの構成要素の側方運動を阻止するような様式において、第1の構成要素511の外面と係合(例えば、それに機械的に干渉)してもよい。加えて、第2の構成要素521の寸法は、第1の構成要素511の拡張が重複領域551内のその寸法を越えないように拘束し得る、例えば、第1の構成要素511が完全に拡張しないように阻止する、力を適用し得る。したがって、第1の構成要素511が、拡張(例えば、自己拡張)される場合でも、第2の構成要素521の寸法は、第1の構成要素がより大きい寸法まで完全に拡張しないように阻止し得る。
【0147】
例えば、図5A~5Bを参照して説明されるような構成要素間の機械的干渉は、形状記憶構成要素の反跳を阻止し得る。例えば、マルテンサイトニチノールステントに関する公知の問題は、反跳であって、その中では、約10~15%直径収縮が、血管壁への密着を困難にし得る。デバイス構成要素間の機械的干渉、例えば、図5A~5Bに図示されるような同心結合は、そのような反跳を低減または阻止し得る。例えば、図5Bを参照して説明される構成では、第1の構成要素511は、第2の構成要素521が反跳しないように物理的に阻止し得る。いくつかの構成では、第1および第2の構成要素のそれぞれのフープ強度は、相互にほぼ平衡され、随意に、形状記憶マルテンサイト構成要素は、反跳を低減または最小限にするように、若干、より強くあり得る。
【0148】
図1A~1E、2A~2E、3A~3Dを参照して説明されるようなデバイス、ならびに図4A~4Bおよび5A~5Bを参照して説明されるようなその選択肢は、任意の好適な構成を有してもよいことを理解されたい。例えば、図6は、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス600を図式的に図示する。デバイス600は、第1の構成要素610(また、「A」と指定される)と、第2の構成要素620(また、「B」と指定される)と、第3の構成要素611(また、「C」と指定される)とを含む。デバイス600は、随意に、レーザ切断され、複数の支柱および接続部材、例えば、支柱(支柱は具体的に図示されない)を長手方向に延在させることによって接続される複数の正弦曲線リングを画定する、材料のチューブを含んでもよい。図6に図示される正弦曲線リングは、レーザ切断され、一体型構造の一体型部片を形成してもよく、部片の異なる領域は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、相互に異なるように熱処理され、相互に異なるAfを有する、構成要素を生み出してもよい。代替として、第1の構成要素610、第2の構成要素620、および第3の構成要素611の正弦曲線リングは、別個に画定され、続いて、ともに結合され、デバイス600を形成する、好適なAfを伴う、材料の異なる部片を形成してもよい。デバイス600はまた、電気研磨され、血栓形成を低減させてもよい。
【0149】
随意に、第1の構成要素610のAfおよび第3の構成要素611のAfはそれぞれ、第2の構成要素620のAfを上回ってもよい。例えば、第1の構成要素610は、図2A~2Eを参照して説明される第1の構成要素210に対応し得、第1の自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素620は、第2の構成要素220に対応し得、可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、第3の構成要素611は、第3の構成要素211に対応し得、第2の自己拡張超弾性材料を含んでもよい。別の選択肢として、第1の構成要素610のAfおよび第3の構成要素611のAfは、第2の構成要素620のAf未満であってもよい。例えば、第1の構成要素610は、図3A~3Dを参照して説明される第1の構成要素310に対応し得、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素620は、第2の構成要素320に対応し得、第1の可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、第3の構成要素611は、第3の構成要素321に対応し得、第2の可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。随意に、第1の構成要素610のAfおよび第3の構成要素611のAfは、相互と同一であってもよい。
【0150】
本デバイスは、身体管腔(例えば、血管)または心臓等の人体内の任意の好適な部分内に経皮的に埋め込まれてもよいことを理解されたい。同様に、本デバイス好適には、埋込後、HF、PAH、動脈瘤、大動脈弁狭窄症、僧帽弁狭窄症等の任意の好適な条件を治療または改良する、もしくは心臓弁修復(例えば、僧帽弁修復)に続いて、または心臓アブレーション(例えば、心房細動を治療するため)に続いて、転帰を改善するような様式において、流体の流動を調節するような様式において、生体内で調節されてもよいことを理解されたい。選択された場所における埋込のためのデバイスのいくつかの非限定的実施例は、図7~16Bを参照して説明される。
【0151】
いくつかの実施例では、本デバイスは、砂時計または「ディアボロ」形状のシャントである、またはそれを含んでもよく、これは、随意に、生体適合性材料で被包され、CHFまたはPAH等、それに関して流体流動を調整することが有用であり得る、障害に悩まされる対象を治療するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、砂時計形状のシャントは、心房中隔、例えば、卵円窩を通した開口部内に固着して刺突され、左心房内の血圧が右心房のものを超えるとき、左心房から右への血流、または右心房内の血圧が左心房のものを超えるとき、右心房から左への血流を可能にするように具体的に構成されてもよい。本明細書に提供され、図7~10Cを参照してより詳細に説明されるように、砂時計形状のシャントの内部寸法は、好適には、例えば、それを通した流体の流動を調節するように、例えば、心房中隔を通して、左心房と右心房との間の流体の流動を調節するように、生体内で調節されてもよい。
【0152】
ここで図7を参照すると、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を有する、シャント700が、図示される。シャント700は、砂時計または「ディアボロ」形状であって、第1の構成要素710と、第2の構成要素720と、第3の構成要素730とを含んでもよく、これは、相互に流体的に結合される。第1の構成要素710は、図2A~2Eを参照して説明されるものに類似する様式において、第1の自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素720は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、第3の構成要素730は、第2の自己拡張超弾性材料を含んでもよい。第1の構成要素710は、任意の好適な数のリング、例えば、リング712、713を含んでもよく、これは、第1の自己拡張材料から形成され、またはそれを含み、これは、随意に、正弦曲線であってもよい。第2の構成要素720は、任意の好適な数のリング、例えば、リング714を含んでもよく、これは、可鍛性形状記憶材料から形成され、またはそれを含み、これは、随意に、正弦曲線であってもよい。第3の構成要素730は、任意の好適な数のリング、例えば、リング715、716を含んでもよく、これは、第3の自己拡張材料から形成され、またはそれを含み、これは、随意に、正弦曲線であってもよい。支柱711、708は、第1の構成要素710、第2の構成要素720、および第3の構成要素730のリングを相互に対して継合し得る。
【0153】
第1の構成要素710は、第1の拡開された端部領域702を提供してもよく、第3の構成要素730は、第2の端部拡開された領域706を提供してもよく、第2の構成要素720は、第1および第2の拡開された端部領域間に配置された、首部分領域704を提供してもよい。デバイス700の入口および出口は、フランジ702、706を含んでもよく、首部分704は、可撓性長手方向バー711、708と、正弦曲線リング714とを含んでもよい。可撓性長手方向バー711、708は、展開時にフランジが完全に拡張することを可能にしてもよく、正弦曲線リングは、バルーン膨張または熱収縮させられたとき、その直径を維持するために十分な強度を有してもよい。
【0154】
図7に示される非限定的実施例では、第1の拡開された端部領域702は、第1の端部領域寸法D1を有し、第2の拡開された端部領域706は、第2の端部領域寸法D2を有し、首部分領域704は、首部分寸法D3を有し、これは、図2A~2Eに図示される、第2の構成要素220を参照して説明されるような様式において、増大または縮小されてもよい。図7に示されるように、シャント700の首部分領域704は、拡開された端部領域702および706より有意に狭くてもよく、例えば、拡開された端部領域702および706より小さい断面積およびより小さい寸法を有してもよい。また、図7に示されるように、シャント700は、非対称であってもよい。例えば、シャント700は、非対称であって、心臓の心房中隔ならびに左および右心房腔の天然特徴を利用してもよい。代替として、砂時計形状のシャント700は、対称であって、第1の端部領域寸法D1は、第2の端部領域寸法D2に等しくてもよい。第1の拡開された端部領域702および第2の拡開された端部領域706はまた、直線または湾曲プロファイルのいずれかもしくは両方を有してもよい。例えば、支柱711は、直線プロファイルを有し、支柱708は、湾曲プロファイルを有する。加えて、第1の拡開された端部領域702および第2の拡開された端部領域706は、砂時計構成と一貫する、任意の角度位置をとってもよい。
【0155】
シャント700は、好適には、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において形成されてもよい。例えば、いくつかの構成では、シャント700は、図6に図示されるデバイス600を参照して説明されるような様式において、ニチノールの単一チューブからレーザ切断され、ニチノールの異なる領域は、それぞれ、自己拡張超弾性材料(単数または複数)および可鍛性形状記憶材料を画定するように、相互に異なるように熱処理されている。したがって、デバイス700の第1、第2、および第3の構成要素710、720、730は、随意に、相互に一体型であってもよい。第1および第3の自己拡張材料は、随意に、相互と同一材料であってもよい。他の構成では、デバイス700の第1、第2、および第3の構成要素710、720、730は、例えば、図5A~5Bを参照して説明されるような様式において、かつ下記に説明される図11A~12Bを参照してさらに例示されるように、相互から独立して形成され、ともに組み立てられてもよい。シャント700の付加的随意の修正は、下記に説明される、図13A~13B、25A~25D、26A~26H、および27A~27Kを参照して説明される。
【0156】
図8A~8Dは、人体内で図7のデバイスを使用するための例示的ステップを図式的に図示する。シャント700は、例えば、円錐形装填デバイスを通してそれを押動することによって、円筒形形状に圧着されてもよい。1つの非限定的実施例では、シャント700は、約4.6mmの外側寸法、14F Cookシースの内側寸法に圧着されてもよい。シースは、血管を通して人体内の所望の場所に経皮的に設置されてもよく、圧着されたシャントは、図2Aに図示されるものに類似する様式において、シース内に設置されてもよい。圧着されたシャントは、シースから外に押動されるにつれて、自己拡張超弾性拡開端部領域は、そのセット構成に跳開する一方、可鍛性形状記憶中心首部分領域は、例えば、図8Aに図示されるような様式において、その圧着された寸法またはその近傍に拘束されたままであって、その中で首部分領域(「B」と指定され、第2の構成要素220に対応する)は、人体内の開口部に係合する。デバイス700を通した所望の血流方向に応じて、拡開された端部(「A」または「C」と指定され、第1の構成要素210または第3の構成要素211に対応する)のうちの一方は、入口を提供し、拡開された端部の他方(「C」または「A」と指定され、第3の構成要素211または第1の構成要素210に対応する)は、出口を提供する。例えば、首部分領域は、右心房と左心房との間の心房間中隔の卵円窩を通して作り出される、開口部に係合し得、拡開された端部のうちの1つは、右心房の中へと延在し、他の拡開された端部は、左心房の中へと延在する。いくつかの構成では、右心房内の拡開された端部は、入口であって、左心房内の拡開された端部は、出口である一方、他の構成では、左心房内の拡開された端部は、入口であって、右心房内の拡開された端部は、出口である。
【0157】
可鍛性形状記憶中心首部分領域によって提供される、オリフィスの断面積(および寸法)は、シャント700を通した流体の流動を調節するように、増大または縮小されてもよい。例えば、図8Bに図示されるような様式において、首部分領域は、オリフィスを通して、ワイヤ802を使用して給送され得る、バルーン801を使用して、バルーン拡張によって、拡張されてもよい。加えて、図8Cに図示されるような様式において、首部分領域は、カテーテル803を介して、可鍛性形状記憶材料のAf(例えば、45~60℃)を上回る温度を有する、高温生理食塩水のボーラスを注入することによって、収縮させられてもよく、これは、首部分領域を、図8Dに図示されるような様式において、その圧着される寸法と異なり得る、そのヒートセット寸法に戻らせ得る。
【0158】
例えば、生理食塩水からの熱は、可鍛性形状記憶材料をオーステナイト相に遷移させ、首部分領域をその圧着された(または別様にヒートセットされた)寸法に戻るように圧縮させ得、それに続いて、首部分領域は、体温に冷却され、そのマルテンサイト相に戻るように遷移する。生理食塩水は、任意の好適な様式において、例えば、それを通して高温生理食塩水が流動し得、かつ首部分領域内に、例えば、ガイドワイヤを経由して、首部分領域を通して設置され得る、1つまたはそれより多くの開口(例えば、1つの側孔または複数の側孔)を有する、可撓性カテーテルによって、送達されてもよい。1つの非限定的実施例では、首部分領域は、最初に、図8Aに図示されるような様式において展開されるとき等の1回目では、その圧着された内側寸法、典型的には、1~2mmを有してもよい。首部分領域は、次いで、2回目として、バルーン拡張を使用して、圧着された寸法と7mmとの間の任意の所望のより大きい寸法まで拡張されてもよい。首部分領域は、次いで、3回目として、高温生理食塩水を使用して、そのヒートセット寸法D0に収縮させられてもよい。寸法D0は、製造の間のヒートセットステップにおいて使用される、ジグのサイズによって判定される。D0は、高温生理食塩水を送達するために使用されるカテーテルの寸法を上回り、かつ膨張バルーンの収縮させられた寸法を上回るが、最小の予期される所望の最終シャント寸法、例えば、4mmより小さいまたはそれに等しくてもよい。首部分領域は、次いで、再び、2回目として、バルーン拡張を使用して、4mm~7mmの所望の任意のより大きい寸法まで拡張されてもよい。任意の好適な数の拡張および収縮が、所与の患者毎に、デバイスを通した好適かつカスタマイズされた流体の流動を提供するように、任意の所望の時間または相互と別個の時間において、首部分領域に適用されてもよい。所与の患者のための好適な流体の流動を構成する内容はまた、経時的に変化し得、本デバイスは、好適に、すなわち、必要に応じて、その流体の流動を提供するように、またはデバイスを管腔内に好適に固定するように、調節され得ることを理解されたい。また、自己拡張超弾性構成要素は、高温生理食塩水の注入によって影響されない、したがって、形状記憶構成要素(本実施例では、首部分領域)が調節されている間、その初期完全拡張寸法を留保するであろうことを理解されたい。さらに、形状記憶材料を加熱するための任意の好適な方法、例えば、RF加熱またはレーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物の使用が、高温生理食塩水の他に、またはそれに加え、図1A~1Eを参照して説明されるような様式において、使用されてもよい。
【0159】
シャント700の特定の構成は、それを通して所望の流動動態を提供するように選択されてもよい。例えば、図9A~9Bは、図7のデバイスの例示的構成を図式的に図示する。図9A~9Bでは、入口および出口内側寸法(例えば、入口および出口角度αおよびβ)の幾何学形状は、シャント700を通した流動動態を調節するように選択されてもよい。具体的臨床条件を治療するように流動動態を調節することと別に、入口または出口を狭小化する能力、もしくは両方は、デバイス管腔の中へのまたはそれを通した血栓の通過のリスクを低減させ得る。
【0160】
シャント700(または本明細書に提供される任意の他のデバイス)は、技法の任意の好適な組み合わせを使用して行われてもよい。図10A~10Cは、図7のデバイスを用意するためのツール類の例示的使用を図式的に図示する。図10A~10Cに示されるように、シャント700(または本明細書に提供される任意の他のデバイス)は、ツール類1000内で熱処理されてもよく、これは、実質的に自己拡張超弾性材料になることになる、構成要素(単数または複数)が、例えば、図10Cに図示される領域1003等において暴露され得る、実質的に可鍛性形状記憶材料になることになる、構成要素(単数または複数)より低温の温度に維持される(例えば、個々に、ツール類内のダイ1001、1002によって断熱またはヒートシンクされる)ことを可能にする。したがって、暴露される構成要素(単数または複数)は、熱処理の間、より大きい熱流束を受容し得、これは、断熱される、または放熱板との接触によってより冷たく保たれる、構成要素(単数または複数)と比較して、所定のより高いAf温度をもたらし得る。加熱された領域と冷却された領域との間の温度勾配は、体温(37℃)で実質的にマルテンサイトである、領域と、体温で実質的にオーステナイトである、領域との間に遷移ゾーンをもたらし得る。熱処理は、炉、誘導加熱、電気電流、または任意の他の好適かつ制御可能エネルギー源によって実装されてもよい。熱流束の差異(実質的に可鍛性形状記憶材料となることになる、構成要素(単数または複数)のためのより高いAfをもたらし得る)も、異なる(より薄い)壁厚を伴う構成要素を提供することによって、達成されてもよく、例えば、レーザ切断に先立って、ニチノールチューブからの材料除去によって、または本デバイスを製造するための付加製造プロセスを使用して達成されてもよい。
【0161】
ツール類1000は、随意であって、本明細書のデバイスのいずれか(例証として、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか)は、各そのようなデバイスの1つまたはそれより多くの部分の局所的な熱処理を使用して好適に形成され、デバイスの加熱されない部分(単数または複数)と異なるAfを生み出してもよいことを理解されたい。本デバイスの部分(単数または複数)のそのような局所的な加熱は、例えば、隣接するエリアの能動冷却を随意に伴って、誘導加熱を使用して実施されてもよい。加えて、または代替として、本デバイスの部分(単数または複数)のそのような局所的な加熱は、隣接するエリアの能動冷却を随意に伴って、局所的なレーザ加熱を使用して実施されてもよい。さらに、ニチノールAfに関する熱処理の効果は、所与の温度における単一のより長い持続時間処理によるものと同一効果が、その温度までの複数の短持続時間熱処理によって生み出され得るように、累積的であることが公知である。したがって、一連の短い、集中し、局所的なレーザ加熱パルス、レーザビーム内でその面積を所望の熱処理温度まで上昇させるために選定される各パルスの強度および持続時間は、低温アルゴンまたは他の好適なガスの流動等による能動冷却と組み合わせられ、隣接するエリアにおけるより低いAfを維持しながら、Afの高度に局所的な増大を可能にし得ることが検討される。
【0162】
さらに、異なるAf温度のワイヤが、本デバイスを用意するために使用されてもよいことを理解されたい。例えば、図27A~27Kを参照して説明されるような様式において、相互と異なるAf温度を有する、ワイヤ、および/またはワイヤの長さに沿って異なるAf温度を有する、ワイヤが、本デバイスを用意するために使用されてもよい。そのようなワイヤは、例証として、ワイヤ巻着技法、ワイヤメッシュ技法、またはそれらの任意の好適な組み合わせを使用して、複数のAf温度(例えば、ニチノールの複数相)を有するデバイスを製造するために使用されてもよい。
【0163】
さらに、超弾性および形状記憶ニチノール構成要素の任意の好適な組み合わせが、本デバイス内で使用されてもよいことを理解されたい。
【0164】
加えて、または代替として、シャント700(または本明細書に提供される任意の他のデバイス)は、多材料付加製造プロセスを使用して作製されてもよい。例えば、可鍛性形状記憶材料となることになる、より高いAf構成要素(単数または複数)は、選択的レーザ溶融または電子ビーム溶融粉末床機械を使用することによって提供されてもよく、これは、その間で機械が、印刷プロセスの間、切り替え得る、2つまたはそれより多くの粉末容器を有する。所与の構成要素のAfは、粉末の化学組成物、例えば、ニッケルチタンまたは存在し得る任意の他の要素(単数または複数)の異なる画分によって、操作されてもよい。例えば、ニッケルパーセンテージが高いほど、Afは、より高くなる。所与の構成要素のAfはまた、または代替として、粉末の物理的組成物、例えば、粒子サイズによって操作されてもよい。例えば、粉末寸法が小さいほど、Afは、より低くなる。多材料付加製造プロセスの間の材料のAfを操作することのさらなる詳細に関しては、HorvayおよびSchadeの「Development of nitinol alloys for additive manufacturing」(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)を参照されたい。別の選択肢として、多材料は、液体分散方法論(材料噴射)によって達成されてもよい。例えば、3-Dプリンタは、粉末ベースの実施例に関して説明されるものに類似する様式において、異なる粉末-液体組成物を各々の中に伴う、2つまたはそれより多くのカートリッジを含んでもよい。
【0165】
図11A~11Bは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。1つの具体的非限定的実施例では、修正されたシャント1100は、オーステナイト相(自己拡張超弾性)ニチノール内側フレームと、マルテンサイト相(可鍛性形状記憶)ニチノール外側フレーム(構造部材)とを含む。内側フレームは、第1の構成要素1110(第1の拡開された端部領域702に対応する)と、第3の構成要素1111(第2の拡開された端部領域706に対応する)とを含んでもよい。外側フレームは、第2の構成要素1120(首部分領域704に対応する)を含んでもよい。マルテンサイト外側フレームのAfは、45~60℃、例えば、約50~55℃の範囲内であってもよい。外側フレームは、シャント首部分領域(例えば、約5mmの長さであってもよい)に局在させられてもよく、心房円錐部1110、1111まで延在しなくてもよい。内側および外側フレームは、ともに設置されると、それらが共位置合わせされたままであるように、そのそれぞれの幾何学形状が機械的に干渉するように設計されてもよい。マルテンサイト外側フレームは、より小さい内側寸法(例えば、4mm)のためにヒートセットされてもよい一方、オーステナイト内側フレームは、より大きいオリフィス寸法(例えば、7mm)のためにヒートセットされてもよい。内側および外側フレームは、図5Bを参照して説明されるものに類似する様式において、任意の拡張された寸法において、マルテンサイト外側フレームが、オーステナイト内側フレーム寸法を含有するために十分に強固であるように、外側マルテンサイトフレームを拡張させるために要求される力が、内側フレームの超弾性によって生み出されるものを上回るように構築されてもよい。室温および体温では、マルテンサイト外側フレームは、可鍛性を有してもよく、例えば、漸増バルーン膨張によって、塑性的に変形されてもよく、これは、任意の所望の量だけ、例証として、バルーン寸法および拡張圧力、例えば、最大12atmに応じて、4~7mmの範囲内で、その内側寸法を拡張させてもよい。マルテンサイト外側フレームは、首部分をより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において、オーステナイト内側フレームの首部分の外面に接触してもよい。マルテンサイト外側フレームがより大きい寸法まで拡張することに応答して、首部分は、自己拡張する。2つの共位置合わせされたフレームは、血流のための滑らかな経路を作り出し、埋込後の治癒の間、増殖組織が侵入しないように遮断するように、ePTFEまたは他の好適な生体適合性材料で被包されてもよい。例えば、被包されている場合とそうではない場合がある、マルテンサイト外側フレームは、被包された内側フレームにわたって適用されてもよい、またはマルテンサイト外側フレームは、裸内側フレームに適用され、2つのフレームがともに、次いで、被包されてもよい。被包材は、本デバイスの内側フレームの一部を通した(例えば、構成要素1110を通した)内側管腔および(例えば、構成要素1110および構成要素1120の)外側被覆を形成してもよい。
【0166】
代替構成(具体的に図示されない)では、第2の構成要素1120(首部分領域704に対応する)を含む、マルテンサイトフレームは、第1の構成要素1110(第1の拡開された端部領域702に対応する)と、第3の構成要素1111(第2の拡開された端部領域706に対応する)とを含む、外側オーステナイトフレームの内側に設置されてもよい。レーザスポット溶接相互係止形状等による、適切な機械的干渉を用いることで、より短いマルテンサイトフレームが、Afを上回って加熱されると、外側オーステナイトフレームの中心を内向きに引動し得る。例えば、マルテンサイト内側フレームは、首部分がより小さい寸法まで収縮しないように拘束するために、首部分の内面に半径方向に接触し得る。首部分は、マルテンサイト内側フレームがより小さい断面積まで収縮することに応答して自己収縮し得る。被包材は、第1の構成要素1110および第2の構成要素1120の外側被覆を形成してもよい。
【0167】
しかしながら、マルテンサイトフレームは、必ずしも、オーステナイトフレームに溶接される、または別様に、直接結合される必要はない。例えば、図12A~12Bは、図7のデバイスの別の例示的修正1210を図式的に図示し、その中でより短いマルテンサイトフレーム1120(首部分領域704に対応する)は、第1の構成要素1110(第1の拡開された端部領域702に対応する)と、第3の構成要素1111(第2の拡開された端部領域706に対応する)とを含む、外側オーステナイトフレームの内側に設置されるが、直接、そこに結合されない。代わりに、被包材1140は、内側マルテンサイトフレーム1120および外側オーステナイトフレーム1110、1111の両方を被包し、マルテンサイトおよびオーステナイトフレームを相互に対して間接的かつ弾性的に結合する。本実施例では、超弾性外側フレームの首部分のための熱処理は、上記の2つの実施例におけるような寸法、例えば、4mmの最小ではなく、治療のために検討される最大寸法、例えば、7mmにヒートセットされてもよい。超弾性外側オーステナイトフレームと形状記憶内側マルテンサイトフレームとの間に、直接的機械的結合が存在しないため、身体内に埋め込まれると、外側フレームは、最大寸法、例えば、7mm、または身体によって(例えば、それを通してデバイスが刺突される、開口部1280によって)拘束される場合、より小さい寸法まで拡張し得る。外側オーステナイトフレームのフープ強度は、外側フレームが、開口部を膨張させるために十分な力を引き起こさずに、開口部1280との接触を維持し得るように、身体開口部1280の収斂力を若干下回るようにエンジニアリングされてもよい。外側オーステナイトフレームのフープ強度は、例えば、好適なフレーム管類厚およびレーザ切断フレームパターンを選定することによって、調節されてもよい。内側可鍛性形状記憶フレームは、外側フレームより強く、かつ身体開口部1280の圧縮力より強くてもよく、したがって、内側フレームが、上記に説明されるように、外側フレームの開口部1280の寸法より大きい寸法まで(例えば、4~7mmの寸法まで)拡張される場合でも、膨張バルーンが収縮および除去された後も、その寸法を維持するであろう。
【0168】
さらに、デバイス1210内には、内側フレームと外側フレームとの間の直接取付が存在しないため、内側マルテンサイトフレーム1120は、上記に説明されるような様式において、熱の適用によって、図12Bに示されるように、外側フレームが開口部1280との接触のみによって拘束されたまま、その元々の膨張前寸法に戻り得る。そのような構成は、本デバイスと開口部1280(中隔壁を通した開口部等)の接触の喪失を阻止または防止し得、これは、そうでなければ、1つの心房から別の心房への所望のものより大きい血液の流動を可能にし得る、シャント周辺漏出をもたらし得る。加えて、本デバイスの内側寸法は、外側寸法を開口部と接触させたままま、外側寸法から独立して変化され得る(例えば、内側マルテンサイトフレームデバイスの寸法を縮小させることは、外側オーステナイトフレームの寸法を変化させない)ため、治癒中または治癒された穿刺部位に対する低減された、最小限の、無途絶または傷害、および任意の血栓、病的増殖、または開口部1280の形成に続いて、例えば、中隔壁穿刺およびデバイス埋込に続いて、治癒プロセスの間、外側のデバイスの周囲に成長し得る、他の組織の脱落の低減された、最小限の、無リスクが存在し得る。
【0169】
修正されたシャント1110のマルテンサイト外側フレームは、体温で塑性的に変形可能であって、また、熱的に収縮可能である、任意の好適な構造を含んでもよいことを理解されたい。例えば、図25A~25Dは、図7のデバイスの例示的修正を図式的に図示する。1つの具体的非限定的実施例では、図25A~25Dに図示される、修正されたシャント2500は、オーステナイト相(自己拡張超弾性)ニチノール内側フレーム2510と、マルテンサイト相(可鍛性形状記憶)ニチノール外側フレーム2520(構造部材)とを含む。内側フレーム2510は、第1の構成要素2511(第1の拡開された端部領域702に対応する)と、第3の構成要素2512(第2の拡開された端部領域706に対応する)とを含んでもよい。外側フレーム2520は、第2の構成要素2513(首部分領域704に対応する)を含んでもよい。マルテンサイト外側フレーム2520のAfは、45~60℃、例えば、約50~55℃の範囲内であってもよい。オーステナイト内側フレーム2510のAfは、下記の体温を下回ってもよく、例えば、約5~20℃であってもよい。外側フレーム2520は、シャント首部分領域2513(例えば、約5mmの長さであってもよい)に局在させられてもよく、心房円錐部2511、2512まで延在しなくてもよい。内側および外側フレームは、ともに設置されると、それらが共位置合わせされたままであるように、そのそれぞれの幾何学形状が機械的に干渉するように設計されてもよい。例えば、図25A~25Bに図示されるような様式において、外側フレーム2520は、固定された長さを有し、したがって、圧潰状態(図25Aおよび図25C)では、拡張状態(図25Bおよび図25D)と比較して異なる、巻数によって、首部分領域2513の周囲に巻着する、圧縮コイルを含んでもよく、したがって、その拡張に応じて、可変量の圧縮力を提供してもよい。外側フレーム2520の圧縮コイルは、図25A~25Dに図示されるように、実質的に円筒形であってもよい。
【0170】
例えば、図11A~11Bを参照して説明されるものに類似する様式において、マルテンサイト外側フレーム2520は、より小さい内側寸法(例えば、4mm)のために、コイル化およびヒートセットされてもよい一方、オーステナイト内側フレーム2510は、より大きいオリフィス寸法(例えば、7mm)のためにヒートセットされ、外側フレーム2520が、後に、内側フレーム2510に物理的に取り付けられてもよい。外側フレーム2520のAfを下回る環境では、外側フレームのコイルは、直線化されてもよく、次いで、その一端は、例えば、相互係止または同等物を介して、内側フレーム2510に物理的に取り付けられてもよい。取り付けられた内側および外側フレーム2510、2520は、次いで、固定具内に拘束されてもよく、固定具は、外側フレーム2520の事前に直線化されたコイルをそのコイル状形状に戻し、内側フレーム2510の周囲に巻着させるように、高温に曝される(例えば、オーブン内に設置される)。
【0171】
内側および外側フレーム2510、2520は、外側マルテンサイトフレームを拡張させるために要求される力が、図5Bを参照して説明されるものに類似する様式において、任意の拡張された寸法において、マルテンサイト外側フレームが、オーステナイト内側フレーム寸法を含有するために十分に強固であるように、内側フレームの超弾性によって生み出されるものを上回るように構築されてもよい。図25Aに図示される、圧潰状態では、外側フレーム2520の圧縮コイルは、比較的に大圧縮力を内側フレーム2510上に及ぼす、第1の巻数によって、首部分領域2513の周囲に巻着してもよい。室温および体温では、マルテンサイト外側フレーム2520は、可鍛性を有してもよく、例えば、漸増バルーン膨張によって、塑性的に変形されてもよく、これは、バルーン寸法および拡張さ圧力、例えば、最大12atmに応じて、任意の所望の量だけ、例証として、4~7mmの範囲内で、その内側寸法を拡張させてもよい。マルテンサイト外側フレーム2520は、首部分がより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において、オーステナイト内側フレーム2510の首部分の外面に接触してもよい。マルテンサイト外側フレーム2520がより大きい寸法まで拡張することに応答して、内側フレーム2510の首部分2513は、自己拡張する。図25Bに図示される、拡張状態では、内側フレーム2510を中心とした外側フレーム2520のコイル巻着の数は、低減され、これは、ひいては、外側フレームが内側フレーム2510上に及ぼす、圧縮力を低減させる。外側フレーム2520によって及ぼされる可変圧縮力は、内側フレームが小径に圧縮されると、最大であって、内側フレームがそのヒートセット直径に到達すると、無視可能になり得る、内側フレーム2510の外向き力を平衡させるようにエンジニアリングされてもよい。(例えば、図25Aに図示されるような)シャントの増大させられた圧縮は、増大させられた力、例えば、増大させられたオーバーラッピングコイルの数を使用して、シャントを圧縮状態に維持するように補償され得る(例えば、図25Cに図示されるように)一方、(例えば、図25Bに図示されるような)シャントの低減された圧縮は、低減された力、例えば、低減されたオーバーラッピングコイルの数を使用して、シャントを圧縮状態に維持するように補償され得る(例えば、図25Dに図示されるように)。
【0172】
図11A~11Bを参照して説明されるものに類似する様式において、内側フレーム2510は、血流のための滑らかな経路を作り出し、埋込後の治癒の間、増殖組織が侵入しないように遮断するように、ePTFEまたは他の好適な生体適合性材料で被包されてもよい。被包されている場合とそうではない場合がある、マルテンサイト外側フレーム2520は、被包された内側フレーム2510にわたって適用されてもよい。1つの非限定的実施例では、外側フレーム2520は、独立して、例えば、PTFEの比較的に薄膜(例えば、約0.005インチ)でコーティングされてもよい一方、外側フレームは、コイル化に先立って、直線化状態にある。そのようなコーティングは、組織接着力を阻止する一方、外側フレーム2520が、被包された内側フレーム2510に対してコイル化およびコイル化解除することを可能にし得る。
【0173】
図26A~26Hは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。1つの具体的非限定的実施例では、図26A~26Hに図示される、修正されたシャント2600は、オーステナイト相(自己拡張超弾性)ニチノール内側フレーム2610と、マルテンサイト相(可鍛性形状記憶)ニチノール外側フレーム2620(構造部材)とを含む。内側フレーム2610は、第1の構成要素2611(第1の拡開された端部領域702に対応する)と、第3の構成要素2612(第2の拡開された端部領域706に対応する)とを含んでもよい。外側フレーム2620は、第2の構成要素2613(首部分領域704に対応する)を含んでもよい。マルテンサイト外側フレーム2620のAfは、45~60℃、例えば、約50~55℃の範囲内であってもよい。オーステナイト内側フレーム2610のAfは、体温を下回ってもよく、例えば、約5~20℃であってもよい。外側フレーム2620は、シャント首部分領域2613(例えば、約5mmの長さであってもよい)に局在させられてもよく、心房円錐部2611、2612まで延在しなくてもよい。内側および外側フレームは、ともに設置されると、それらが共位置合わせされたままであるように、そのそれぞれの幾何学形状が機械的に干渉するように設計されてもよい。例えば、図26A~26Dに図示されるような様式において、外側フレーム2620は、固定された長さを有し、したがって、圧潰状態(図26A~26D)では、拡張状態(図26E~26H)と比較して異なる巻数によって、首部分領域2613の周囲に巻着し得る、圧縮ばねを含んでもよく、したがって、その拡張に応じて、可変量の圧縮力を提供してもよい。外側フレーム2620の圧縮ばねは、内側フレーム2610に対してばねを定位置に保定する、フック2621を含んでもよい。の圧縮ばね外側フレーム2620は、非円筒形であってもよく、例えば、図26A~26Hに図示されるように、ディアボロ形状であってもよい。
【0174】
図11A~11Bを参照して説明されるものに類似する様式において、マルテンサイト外側フレーム2620は、より小さい内側寸法(例えば、4mm)のためにヒートセットされてもよい一方、オーステナイト内側フレーム2610は、より大きいオリフィス寸法(例えば、7mm)のためにヒートセットされてもよい。内側および外側フレーム2610、2620は、図5Bを参照して説明されるものに類似する様式において、任意の拡張された寸法において、マルテンサイト外側フレームが、オーステナイト内側フレーム寸法を含有するために十分に強固であるように、外側マルテンサイトフレームを拡張させるために要求される力が、内側フレームの超弾性によって生み出されるものを上回るように構築されてもよい。図26Aに図示される、圧潰状態では、外側フレーム2620の圧縮ばねは、比較的に大圧縮力を内側フレーム2610上に及ぼす、第1の巻数によって、首部分領域2613の周囲に巻着してもよい。室温および体温では、マルテンサイト外側フレーム2620は、可鍛性を有してもよく、例えば、漸増バルーン膨張によって、塑性的に変形されてもよく、これは、バルーン寸法および拡張さ圧力、例えば、最大12atmに応じて、任意の所望の量だけ、例証として、4~7mmの範囲内で、その内側寸法を拡張させてもよい。マルテンサイト外側フレーム2620は、首部分がより大きい寸法まで自己拡張しないように拘束するために、半径方向において、オーステナイト内側フレーム2610の首部分の外面に接触してもよい。マルテンサイト外側フレーム2620がより大きい寸法まで拡張することに応答して、内側フレーム2610の首部分2613は、自己拡張する。図26D~26Hに図示される、拡張状態では、内側フレーム2610を中心とした外側フレーム2620のばねコイルの数は、低減され、これは、ひいては、外側フレームが内側フレーム2610上に及ぼす、圧縮力を低減させる。外側フレーム2620によって及ぼされる可変圧縮力は、内側フレームが小径に圧縮されると、最大であって、内側フレームがそのヒートセット直径に到達すると、無視可能になり得る、内側フレーム2610の外向き力を平衡させるようにエンジニアリングされてもよい。(例えば、図26A~26Dに図示されるような)シャントの増大させられた圧縮は、増大させられた力、例えば、増大させられたばねコイルの数を使用して、シャントを圧縮状態に維持するように補償され得る(例えば、図26Dに図示されるように)一方、(例えば、図26E~26Hに図示されるような)シャントの低減された圧縮は、低減された力、例えば、低減されたばねコイルの数を使用して、シャントを圧縮状態に維持するように補償され得る(例えば、図26Hに図示されるように)。
【0175】
図11A~11Bを参照して説明されるものに類似する様式において、内側フレーム2610は、血流のための滑らかな経路を作り出し、埋込後の治癒の間、増殖組織が侵入しないように遮断するように、ePTFEまたは他の好適な生体適合性材料で被包されてもよい。外側フレーム2520を参照して説明されるものに類似する様式において、被包されている場合とそうではない場合がある、マルテンサイト外側フレーム2620は、被包された内側フレーム2610にわたって適用されてもよい。
【0176】
図27A~27Kは、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。最初に、拡張状態におけるデバイス2700を示す、図27A~27Eに目を向けると、本デバイスは、複数の長さのワイヤ2730、例えば、約3~約12個のワイヤ片、例えば、図27A~27Dに示される非限定的実施例では、6個のワイヤ片から製造される、ディアボロ形状のシャント2700を含んでもよい。いくつかの実施例では、デバイス2700の1つまたはそれより多くのワイヤ2730の1つまたはそれより多くの部分は、オーステナイト相(自己拡張超弾性)ニチノールを含んでもよい、またはそれから形成されてもよい一方、そのワイヤの1つまたはそれより多くの他の部分は、マルテンサイト相(可鍛性形状記憶)ニチノールを含んでもよい、またはそれから形成されてもよい。加えて、または代替として、デバイス2700の1つまたはそれより多くの個々のワイヤ2730は、完全に、オーステナイト相(自己拡張超弾性)ニチノールを含んでもよい、またはそれから形成されてもよい一方、1つまたはそれより多くの他の個々のワイヤ2730は、完全に、マルテンサイト相(可鍛性形状記憶)ニチノールを含んでもよい、またはそれから形成されてもよい。ワイヤ2730は、シャント2710が、第1の構成要素2711(第1の拡開された端部領域702に対応する)と、第2の構成要素2713(首部分領域704に対応する)と、第3の構成要素2712(第2の拡開された端部領域706に対応する)とを含むような様式において、ともに巻装または溶接されてもよい。マルテンサイト第2の構成要素2713のAfは、45~60℃、例えば、約50~55℃の範囲内であってもよい。オーステナイト第1および第2の構成要素2711、2712のAfは、体温を下回ってもよく、例えば、約5~20℃であってもよい。ワイヤ2730は、マルテンサイト相をシャント首部分領域2713(例えば、約5mmの長さであってもよい)に局在し、オーステナイト相を心房円錐部2711、2712に局在するように構成されてもよい。
【0177】
図7を参照して説明されるものに類似する様式において、マルテンサイト領域2713は、バルーン寸法および拡張さ圧力、例えば、最大12atmに応じて、より小さい内側寸法(例えば、4mm)のためにヒートセットされてもよく、より大きい内側寸法(例えば、7mm)に塑性的に変形されてもよい。本明細書のいずれかの場所に説明されるものに類似する様式において、シャント2710は、血流のための滑らかな経路を作り出し、埋込後の治癒の間、増殖組織が侵入しないように遮断するように、ePTFEまたは他の好適な生体適合性材料で被包されてもよい。
【0178】
ワイヤ2730の各々は、任意の好適な構成を有してもよい。例えば、図27Eに図示されるような様式において、各個々のワイヤ2730は、例えば、オーバーラッピング、溶接を介して、または図27Fに図示されるようなスウェージ加工されたチューブにわたって、領域2731内で相互に好適に結合されている第1および第2の端部を有してもよい。また、図27Fに図示されるように、ワイヤ2730のうちの1つまたはそれより多くは、相互に結合されてもよく、および/または所与のワイヤの1つまたはそれより多くの部分は、巻線2733を使用して、同一ワイヤの1つまたはそれより多くの他の部分に結合されてもよい。また、図27Fに図示されるように、ワイヤ2730のうちの1つまたはそれより多くは、相互に結合されてもよく、および/または所与のワイヤの1つまたはそれより多くの部分は、スリーブ2732を使用して、同一ワイヤの1つまたはそれより多くの他の部分に結合されてもよい。例証として、スリーブ2732は、白金またはタンタル等、X線下で可視であろう、放射線不透過性材料を含んでもよい、またはそれから作製されてもよい。そのような放射線不透過性スリーブ2732は、デバイス2700の特徴をX線撮像を使用して容易に可視にし得、したがって、生体内でのデバイス2700の位置付けならびに首部分領域2713の内径の適切な拡張/収縮を促進し得ることを理解されたい。
【0179】
加えて、または代替として、ワイヤ2730のうちの1つまたはそれより多くは、白金またはタンタル等の放射線不透過性材料を含んでもよい。例証として、図27Gに示される実施例では、ワイヤ2730は、放射線不透過性材料から形成されている、またはそれを含む、内部コア2740と、内部コアを囲み、ワイヤの所与の部分のデバイス2700内の場所に応じて、マルテンサイトまたはオーステナイト相におけるニチノールから形成されている、またはそれを含む、複数の撚り線2741とを含んでもよい。代替として、図27Hに示される実施例では、ワイヤ2730は、放射線不透過性材料から形成されている、またはそれを含む、内部コア2743と、内部コアを囲み、ワイヤの所与の部分のデバイス2700内の場所に応じて、マルテンサイトまたはオーステナイト相におけるニチノールから形成されている、またはそれを含む、上層2742とを含んでもよい。代替として、図27Iに示される実施例では、ワイヤ2730は、ワイヤのその部分のデバイス2700内の場所に応じて、マルテンサイトまたはオーステナイト相におけるニチノールから形成されている、またはそれを含む、内部コア2744と、放射線不透過性材料から形成され、またはそれを含み、内部コアを囲む、上層2745とを含んでもよい。各ワイヤ2730は、超弾性、塑性、および/または放射線不透過性等の特徴の任意の好適な組み合わせを与えるように、種々の原材料から作製され、撚り線構造(例えば、図27G)または延伸充填チューブ(DFT)構造(例えば、図27H~27I)を含む、任意の好適な構成を有してもよいことを理解されたい。
【0180】
加えて、または代替として、各ワイヤ2730の各所与の部分は、デバイス2700を構築するために使用される前に、および/またはデバイス2700を構築するために使用された後、好適に熱処理されてもよい。例えば、図27Jは、第1の端部2751と、第2の端部2752とを含み、その長さに沿って、複数のマルテンサイト相区分(高Af)と、複数のオーステナイト相区分(低Af)とを有する、ワイヤ2730を図示する。例証として、マルテンサイト相区分およびオーステナイト相区分は、ワイヤ2730が、デバイス2700の一部を形成するように、図27Kに図示されるような様式において成形されるとき、成形されたワイヤの異なるゾーンがマルテンサイト相(体温を上回るAf)またはオーステナイト相(体温を下回るAf)のいずれかを有するように交互してもよい。
【0181】
それに関して内側寸法が生体内で縮小され得る、デバイスを提供するための別の方法は、シャントを別のシャントの内側に設置するものである。本「シャント内シャント」アプローチは、例えば、外側シャントを埋込後、任意の時間において、内側シャントを変化させることを含有する所望されるであろう、状況において有用であり得る。例えば、図13A~13Bは、「シャント内シャント」配列を含む、図7のデバイスの別の例示的修正を図式的に図示する。図13Aは、内側シャントとして使用され得る、例示的円筒形シャント1360、例えば、PTFEで被包され、Getinge AB(Gothenburg, Sweden)から市販されている、Advanta V12バルーン拡張可能被覆ステントを図示する。図13Bに図示されるような様式において、デバイス1300は、図7を参照して説明される、シャント700内に設置される、シャント1360を含んでもよい。いくつかの実施例では、内側シャント1360および外側シャント700は、相互から独立して被包されてもよく、相互から分離可能であってもよく、随意に、相互から独立して埋め込まれてもよい。内側シャント1360は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、外側シャント700は、自己拡張超弾性材料を含んでもよい。
【0182】
例証として、外側シャント700が、最初に、患者内に埋め込まれてもよく、最初に患者のために好適であることが予期される、首部分寸法を有してもよい。後の時間において、異なる首部分寸法が患者のためにより好適であろうことが判定され得る場合、内側シャント1360が、その首部分寸法を提供するように、外側シャント700内に埋め込まれてもよく、これは、外側シャント700の首部分寸法より小さくまたはより大きくてもよい。内側シャント1360はデバイス1300を通して流動する流体の率を画定するような様式において、拡張および随意に収縮させられてもよい。例えば、デバイス1300を通して流動する流体の率を増大させることが所望される場合、内側シャント1360は、デバイス700より大きい寸法と、デバイス700およびそれを通してデバイス700が刺突され得る任意の開口部の寸法を好適に拡張させるために十分なフープ強度とを有するように選択されてもよい。そのような実施例では、内側シャント1360は、必ずしも、可鍛性形状記憶材料を含む必要はなく、代わりに、好適なサイズの最大首部分寸法と、2つのシャント間の血液の流動を阻止するように、それぞれ、外側シャント700のための拡開された端部に接触している、拡開された端部とを有するようにヒートセットされ得る、自己拡張超弾性材料を含んでもよい。別の実施例では、内側シャント1360は、好適なサイズのヒートセット最小首部分寸法を伴う、可鍛性形状記憶材料を伴う、首部分と、それぞれ、2つのシャント間の血液の流動を阻止するように、外側シャント700のための拡開された端部に接触している、自己拡張超弾性の拡開された端部とを含んでもよい。内側シャント1360の首部分のサイズは、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、増大および縮小されてもよい。随意に、内側シャント1360は、外側シャント700と同時に埋め込まれてもよく、例えば、外側シャント700内に配置され、2つのシャントは、ともに圧着され、シースを通して送達され、その両方とも、シースを通して、相互に同時に展開されてもよい。
【0183】
本デバイスは、人体の任意の好適な部分(単数または複数)において使用されてもよく、経心房シャントに限定されないことを理解されたい。例えば、図14A~14Cは、生体内で縮小および増大させられ得る、複数の内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。図14A~14Cに図示される、デバイス1400は、例えば、腹部大動脈動脈瘤140(AAA)を治療するために使用されてもよい。デバイス1400は、自己拡張超弾性材料を含み、これは、AAA140内に位置付けられ得る、構成要素(「B」と指定される)と、それぞれ、可鍛性形状記憶材料(「A」および「C」と指定される)を含む、1つまたはそれより多くの構成要素とを含む。構成要素AおよびCは、最初に埋め込まれるとき、構成要素Bより小さい寸法を有してもよい。デバイス1400は、圧着機を使用して、本デバイスを円筒形形状に圧着し、シース内に設置され、ガイドワイヤ1401にわたって、外腸骨動脈を通して、所望の場所(腹部大動脈-腎傍)に送達されることによって、経皮的に送達されてもよい。圧着されたデバイス1400は、図14Aに図示されるように、遠位端(構成要素A)が、腎臓口の下方にあって、構成要素Bが、AAA140内にあるように、埋め込まれてもよい。埋込に続いて、構成要素Aは、図14Bに図示されるような様式において、デバイスと血管との間の血液の漏出を阻止し、デバイスを所望の位置に固定するように、拡張されてもよい(例えば、バルーン1402拡張を使用して)。
【0184】
ある場合には、埋込に続いて、血管の内側寸法は、増大し得、これは、血管内漏出をもたらし得る。そのような血管内漏出をシールするために、または任意の他の所望の目的のために、構成要素Cが、拡張されてもよい(例えば、バルーン1403拡張を使用して)。したがって、AAA140を通して流動する流体は、AAAの破裂のリスクを縮小させるような様式において、デバイス1400を通してシャントされ得る。デバイス1400を移動させることが所望される場合、構成要素AおよびCの寸法は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、熱を適用することによって、縮小されてもよい。デバイス1400は、次いで、所望に応じて、除去されてもよく、または新しい場所に移動されてもよく、構成要素AおよびCの一方または両方の寸法は、再び、デバイスを血管内に固定するように拡張されてもよい。構成要素C(第3の構成要素321に対応する)の形状記憶材料は、第1の断面積を有してもよく、これは、拡張され、(例えば、ヒートセット寸法まで)収縮させられ、次いで、再拡張されてもよいことを理解されたい。構成要素A(第2の構成要素320に対応する)およびCの断面積は、相互と同一であってもよいが、必ずしも、その必要はない。構成要素A(第2の構成要素320に対応する)は、入口として構成されてもよく、構成要素C(第3の構成要素321に対応する)は、構成要素B(第1の構成要素310に対応する)を介して入口に流体的に結合されている出口として構成されてもよい。構成要素Aは、図14A~14Cに図示されるような様式において、人体内の血管に係合するように構成されてもよく、構成要素Cは、血管の口の中へと延在するように構成されてもよい。第4の構成要素Cは、図14A~14Cに図示されるような様式において、異なる血管の口の中へと延在してもよい。一実施例では、デバイス1400が、最初に、血管内に位置付けられ、構成要素Bが、完全に拡張され、構成要素AおよびCが、圧縮(圧着)されるとき、構成要素Bの配向確認および側枝動脈が閉塞されないことを確実にした後、構成要素AおよびCは、制御された様式において開放されてもよい。
【0185】
図15A~15Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。図15A~15Cに図示される、デバイス1500は、例えば、有窓AAA150を治療するために使用されてもよい。デバイス1500は、それぞれ、自己拡張超弾性材料(「A」および「C」と指定される)を含み、そのうちの1つが、AAA150内に位置付けられ得る、1つまたはそれより多くの構成要素と、可鍛性形状記憶材料(「B」と指定される)を含む、構成要素とを含む。構成要素AおよびCは、最初に埋め込まれるとき、構成要素Bより大きい寸法を有してもよい。デバイス1500は、圧着機を使用して、本デバイスを円筒形形状に圧着し、シース内に設置され、ガイドワイヤ1501にわたって、外腸骨動脈を通して、所望の場所(腹部大動脈-副腎)に送達されることによって、経皮的に送達されてもよい。圧着されたデバイス1500は、図15Aに図示されるように、遠位端(構成要素A)が、腎臓口150の上方にあって、構成要素Bが、腎臓口に隣接し、構成要素Cが、AAA150内にあるように、埋め込まれてもよい。構成要素Bのより小さい初期外側寸法は、腎動脈の中へのガイドワイヤの位置付けを促進し得る。ガイドワイヤの位置付けに続いて、腎臓ステント1550、1560が、図15Bに図示されるように、導入器を介して、それぞれ、腎動脈の中に挿入されてもよい。シースが、定位置にある間、構成要素Bは、図15Cに図示されるように、バルーン拡張されてもよい。本段階では、ガイドワイヤの位置が、喪失される場合、構成要素Bの寸法は、熱の適用によって縮小されてもよい。構成要素Bの拡張に続いて、被覆されたステントが、腎動脈内で展開されてもよい。ステント1550、1560は、図15Dに図示されるように、デバイス1500とともに、シースの除去に続いて、有窓血管内移植片を提供し、AAA150を修復してもよい。したがって、AAA150を通して流動する流体は、デバイス1500を通してシャントされ得、これは、AAAの破裂のリスクを縮小させるような様式において、ステント1550、1560によって支持される。加えて、これまでに公知になっているデバイスと比較して、デバイス1500は、拡張可能中央区分Bを提供してもよく、これは、有益なこととして、血流速度および乱流流動を低減させ得る。
【0186】
図16A~16Bは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。図16A~16Bに図示される、デバイス1600は、例えば、大動脈または僧帽弁置換デバイスを提供するため、または左心耳(LAA)を閉鎖するために使用されてもよい。デバイス1600は、自己拡張超弾性材料を含み、大動脈動脈等の血管の所望の部分内に位置付けられ得る、構成要素(「A」と指定される)と、可鍛性形状記憶材料を含む、構成要素(「B」と指定される)とを含む。構成要素Bは、最初に埋め込まれるとき、構成要素Aより小さい寸法を有してもよい。デバイス1600は、図16Aに図示されるように、圧着機を使用して、本デバイスを円筒形形状に圧着し、シース内に設置され、ガイドワイヤ1601にわたって、血管を通して、所望の場所に送達されることによって、経皮的に送達されてもよい。埋込に続いて、構成要素Bは、図16Bに図示されるような様式において、デバイスと血管との間の血液の漏出を阻止し、デバイスを所望の位置に固定するように、拡張されてもよい(例えば、バルーン1602拡張を使用して)。したがって、血管を通して流動する流体は、患者を治療するような様式において、例えば、大動脈または僧帽弁を置換するように、もしくはLAAを閉鎖するように、デバイス1600を通してシャントされ得る。デバイス1600を移動させることが所望される場合、構成要素Bの寸法は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、熱を適用することによって縮小されてもよい。デバイス1600は、次いで、所望に応じて、除去されてもよい、または新しい場所に移動されてもよく、構成要素Bの寸法は、再び、デバイスを血管内に固定するように、拡張されてもよい。その中で大動脈または僧帽弁等の弁を置換することが所望される、構成では、デバイス1600は、構成要素Aまたは構成要素Bのいずれか内に配置された弁を含んでもよい。例えば、構成要素Aは、図16A~16Bに図示されるような様式において、血管に係合するように構成されてもよく、構成要素Bは、血管の中へと延在してもよく、その中に配置された弁を含んでもよい。
【0187】
本明細書に提供されるデバイスのいずれかは、必ずしも、特に図示される実施例に限定されず、流体流動を調節可能に調整するための方法において使用されてもよいことを理解されたい。例えば、図17は、デバイスの寸法を生体内で縮小および増大させるための例示的方法1700における動作のフローを図示する。方法1700は、相互に結合されている第1および第2の構成要素を流路の中に挿入すること(1701)を含んでもよい。第1の構成要素は、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素は、第1の断面積を有する可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。そのような第1の構成要素および第2の構成要素ならびにその随意の構成の非限定的実施例は、図1A~1E、2A~2E、3A~3D、4A~4B、5A~5B、6、7、8A~8D、9A~9B、11A~11B、12A~12B、13A~13B、14A~14C、15A~15D、16A~16B、23A~23E、25A~25D、26A~26H、27A~27K、28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明される。
【0188】
図17に図示される、方法1700はまた、可鍛性形状記憶材料を第2の断面積まで拡張させること(動作1702)を含んでもよい。例えば、本明細書のいずれかの場所に説明されるように、可鍛性形状記憶材料は、バルーン拡張を使用して拡張されてもよい。
【0189】
図17に図示される、方法1700は、可鍛性形状記憶材料を第3の断面積まで収縮させること(動作1703)を含んでもよい。例えば、本明細書のいずれかの場所に説明されるように、可鍛性形状記憶材料は、例えば、形状記憶材料のAfを上回って加熱された生理食塩水を使用して、または無線周波数電気電流(RF)等の別の好適なエネルギー源を使用して適用されるような熱を使用して収縮させられてもよい。
【0190】
故に、本明細書に提供される実施例では、埋込可能デバイスを通した流体流動経路は、埋込に続いて、増大および縮小の両方が行われ、デバイスの再位置付けまたは特定の患者の必要性に適切なカスタマイズされた流体流動を可能にし得る。比較として、これまでに公知になっているデバイスに関して、再位置付けは、不可能であり得、流体流動経路のサイズは、埋込に先立って選択されるか、またはバルーン拡張を使用して増大させられ得るかのいずれかであって、所望の血行動態結果を患者において達成するための限定された選択肢を提供し得る。本明細書に提供されるような実施例では、自己拡張超弾性材料(単数または複数)を含む、構成要素(単数または複数)は、身体内への埋込に応じて、直ちに、その形状をとり得、これは、デバイス遊走を阻止し、正確な位置付けを確実にし得る。可鍛性形状記憶材料(単数または複数)を含む、構成要素(単数または複数)は、体温で塑性的に変形可能(例えば、拡張可能)であり得、熱の適用時、ヒートセット寸法に戻り得る。可鍛性形状記憶構成要素のヒートセット寸法は、随意に、構成要素の圧着寸法より大きくてもよい。故に、いくつかの実施例では、可鍛性形状記憶構成要素は、例えば、圧着されたデバイスの送達後、初期バルーン拡張の代替として、熱を好適に適用することによって、拡張されてもよい。可鍛性形状記憶構成要素(単数または複数)は、繰り返し、拡張および収縮させられ得、これは、デバイスを通して流動する流体の調節、または本デバイスが再位置付けされること、またはそのような特徴の組み合わせを可能にし得る。
【0191】
例えば、本明細書に提供されるデバイスのあるものは、身体管腔内での固定のために再位置付け可能であってもよい。上記に説明されるように、本デバイスは、図1A~1E、2A~2E、3A~3D、4A~4B、5A~5B、6、7、8A~8D、9A~9B、11A~11B、12A~12B、13A~13B、14A~14C、15A~15D、16A~16B、23A~23E、25A~25D、26A~26H、27A~27K、28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるような様式において、自己拡張超弾性材料を含む、第1の構成要素と、第1の構成要素に結合され、可鍛性形状記憶材料を備える第2の構成要素とを含んでもよい。自己拡張超弾性材料は、所定の完全に拡張された寸法(例えば、製造の間、ヒートセットされ得る)を有してもよい。第2の構成要素は、カテーテルを通した好適な展開のために、第1の寸法を有してもよい(例えば、その寸法に圧着されてもよい)。可鍛性形状記憶材料は、身体管腔内での固定のための第2の寸法まで拡張可能であってもよく(例えば、バルーン拡張を介して)、第3の寸法まで熱的に遷移可能であってもよい(例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるように、身体内での熱の適用を介して)。可鍛性形状記憶材料は、第4の寸法まで機械的に再拡張可能であってもよい(例えば、バルーン拡張を介して)。
【0192】
故に、本明細書に提供されるデバイスのあるものは、必ずしも、特に図示される実施例に限定されず、デバイスを身体管腔内に調節可能に固定するための方法において使用されてもよいことを理解されたい。例えば、図18は、デバイスを再位置付けするための例示的方法1800における動作のフローを図示する。方法1800は、相互に結合されている第1および第2の構成要素を備えるデバイスを身体管腔の中に挿入すること(動作1801)を含む。第1の構成要素は、図1A~1E、2A~2E、3A~3D、4A~4B、5A~5B、6、7、8A~8D、9A~9B、11A~11B、12A~12B、13A~13B、14A~14C、15A~15D、16A~16B、23A~23E、25A~25D、26A~26H、27A~27K、28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるような様式において、自己拡張超弾性材料を含んでもよく、第2の構成要素は、第1の寸法を有する可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。
【0193】
方法1800はまた、例えば、バルーン拡張を介して、可鍛性形状記憶材料を第2の寸法まで拡張させ、デバイスを身体管腔内に固定すること(動作1802)を含む。方法1800はまた、例えば、熱の適用を介して、可鍛性形状記憶材料を熱的に収縮させること(動作1803)を含む。方法1800はまた、可鍛性形状記憶材料が熱的に収縮させられている間に、例えば、ガイドワイヤに沿って、デバイスを移動させることによって、デバイスを身体管腔内に再位置付けすること(動作1804)を含む。方法1800はまた、例えば、バルーン拡張を介して、可鍛性形状記憶材料を第3の寸法まで機械的に再拡張させ、デバイスを身体管腔内に固定すること(動作1805)を含む。
【0194】
本明細書に提供されるある実施例は、人体において使用するための恒久的に埋込可能デバイスに関するが、他の実施例は、人体内で一時的にのみ使用される、デバイスに関することを理解されたい。加えて、本明細書のある実施例は、主に、デバイスの内部寸法を変化させることに関するが、他の実施例は、主に、デバイスの外部寸法を変化させることに関することを理解されたい。例えば、図19A~19Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、ある外部寸法を伴う、例示的ダイレータデバイス1900を図式的に図示する。デバイス1900は、例えば、図20A~20Iを参照して説明されるような様式において、例えば、オーバーザワイヤ(OTW)アプローチを使用して、恒久的に埋込可能デバイスを人体内の好適な場所に送達するための「シースレス」方法において使用されてもよい。
【0195】
図19Aに示される実施例では、デバイス1900は、シース1920の遠位端に配置された、ダイレータ1910を含んでもよい。図19Bにより詳細に示されるように、ダイレータ1910は、先端1911と、拡大領域1912と、縮小領域1913とを含んでもよい。縮小領域1913は、シース1920の遠位端と固着係合するようにサイズ決めされてもよく、拡大領域1912は、シース1920と先端1911との間に滑らかなプロファイルを伴う、デバイス1900を提供するようにサイズ決めされてもよい。先端1910は、先端1911が拡大領域1912に衝合する、外側寸法dを有してもよく、その遠位端は、ほぼ点になるまでテーパ状になっていてもよい。図19Bに示される例示的構成では、ダイレータ1910は、拡大領域1912および縮小領域1913(ともに、領域Bとして示される)を画定する、マルテンサイト形状記憶材料と、先端1911(領域Aとして示される)を画定する、自己拡張超弾性材料とを含む。自己拡張超弾性材料のオーステナイト終了温度(Af)は、体温(約37℃)未満であってもよく、例えば、5~15℃の範囲内であってもよい。マルテンサイト形状記憶材料のAfは、37℃を実質的に上回ってもよく、例えば、約45~60℃であってもよく、例えば、約50℃であってもよい。先端1910、縮小領域1913、および拡大領域1912は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。
【0196】
図19Cに示されるように、熱の適用時(例えば、高温生理食塩水またはRFエネルギーもしくはレーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物の使用を使用して)領域B(拡大領域1912および縮小領域1913に対応する)の形状記憶材料は、ダイレータ1910が実質的に滑らかな縮小されたサイズプロファイルを有するように、随意に、dにほぼ等しくあり得る、より小さいヒートセット外側寸法に戻り得る。図19Dに示される代替構成では、ダイレータ1910’は、ダイレータ1910が実質的に滑らかな縮小されたサイズプロファイルを有するように、随意に、dにほぼ等しくあり得る、より小さいヒートセット外側寸法に戻るように構成され得る、先端1911、拡大領域1912、および縮小領域1913を画定する、マルテンサイト形状記憶材料を含む。
【0197】
図20A~20Iは、人体内での図19A~19Dの送達デバイス1900の使用を図式的に図示する。図20Aに示される非限定的実施例では、ガイドワイヤ2020が、膨張されることになる身体の領域、例えば、心房間中隔2000の卵円窩2010を横断して経皮的に設置され、ほぼガイドワイヤ2020の寸法を有する、小開口部を作り出す。デバイス1900は、次いで、図20Bに図示されるような様式において、ガイドワイヤ2020にわたって、卵円窩2010に隣接する位置まで前進される。図20Cに示されるように、シース1920の近位端を押動することは、ダイレータ1910を卵円窩2010を通して押進し、開口部をほぼ拡大領域1912の外側寸法まで拡大する。図20Dに示されるように、シース1920は、ダイレータ1910に対して後退され、ダイレータ1910を卵円窩2010の遠位側の定位置に残してもよい。ダイレータ1910を後退させるとき、下記に説明されるような様式において、例えば、ダイレータ1910を後退させるときに組織を拡大領域1912で捕捉することによって、心房間中隔2000の組織に害を及ぼすことを阻止するように、およびダイレータ1910が、そのような中隔を横断して送達され得る拡張可能デバイスを捕捉する、またはそれと交絡した状態になることを阻止するように、熱が、図20Eに示されるように、例えば、ダイレータの形状記憶材料のAfを上回る温度において、高温生理食塩水またはRFエネルギーもしくはレーザ、磁気インダクタンス、電気抵抗、または同等物の使用を適用することによって、卵円窩2010の遠位側において、ダイレータ1910に適用されてもよい。そのような熱は、拡大領域1912の外側寸法をそのヒートセットサイズに戻らせる。図20Gおよびその差込図20Hに示されるように、縮小されたサイズのダイレータ1910は、図20Iに図示されるような様式において、拡大開口部を通して、安全に抜去され得、次いで、シース1920の内側に格納され、続いて、身体から抜去され得る。デバイス700、1100、1300、または2100等の本明細書のいずれかの場所に説明される調節可能デバイスのうちの任意の好適な1つが、送達デバイス1900を使用して送達されてもよいことに留意されたい。例えば、調節可能デバイスは、図20Cに示されるような様式において、シース1920内に配置され、心房中隔を部分的に交差するように、送達デバイス1900とともに前進されてもよい。図20Dに示されるような様式において、シース1920を後退させることは、調節可能デバイスの遠位シャントフランジを左心房内で展開させ、その後、シースを中隔壁に戻るように引動し、保定フックを解放し、中隔がシャントの残部をシースから外に引き出すように、シースをさらに戻るように引動し、シャントの近位フランジが右心房内で自己拡張することを可能にする。ダイレータ1910の寸法は、次いで、生体内で調節され、調節可能デバイスを通して抜去され、したがって、比較的に低交差プロファイルおよび比較的に短手順時間を伴って、「シースレス」埋込手順を提供し得る。
【0198】
図21A~21Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、例示的経心房ゲート2100を図式的に図示する。図21Aにおける断面積に図示されるように、経心房ゲート2100は、心房間中隔2000を通した、例えば、卵円窩2010を通した開口部を横断して配置されてもよい。経心房ゲート2100は、それぞれ、自己拡張超弾性材料を含む、左および右心房ディスク(図21A~21Dでは、「A」として示される)と、体温より実質的に高いAf、例えば、45~60℃、例えば、50~55℃を有するマルテンサイト形状記憶材料(図21A~21Dでは、「B」として示される)とを含む。左心房ディスクA、右心房ディスクA、およびマルテンサイト形状記憶材料は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。一実施例では、マルテンサイト形状記憶材料Bは、生体内で縮小および拡張され得る、内部寸法を形成する、メッシュとして提供されてもよい。例えば、図21Bに示されるように、マルテンサイト形状記憶材料Bは、約ゼロの内部寸法に対応する、左および右心房ディスクA間の通路を完全に閉塞するためにヒートセットされてもよい。図21Cに示されるように、マルテンサイト形状記憶材料Bは、機械的に拡張され、任意の好適な拡張された内部寸法を提供し、左および右心房ディスクA間の通過を可能にしてもよい。図21Dに示されるように、Afを上回って加熱することに応じて、マルテンサイト形状記憶材料は、そのヒートセット構成に戻り得る。
【0199】
図22A~22Hは、人体内での図21A~21Dの経心房ゲートの使用を図式的に図示する。独立型調節可能経心房シャントとしての経心房ゲート2100の例示的使用では、ガイドワイヤ2220は、図22Aに示されるような様式において、随意に、卵円窩2210を通して、経中隔穿刺を実施するために使用される。心房中隔2200を通した開口部は、随意に、図22B~22Dに図示されるような様式において、導入器シースおよびダイレータ(図示せず)を使用して、または非応従性バルーン2201をガイドワイヤ2220にわたって前進させ、次いで、バルーンを拡張させることによって、拡張されてもよい。1つの非限定的実施例では、バルーンは、15mmの最大外側寸法を有するが、任意の好適な寸法が、使用されてもよい。バルーンまたはダイレータは、次いで、図22Eに示されるように、ガイドワイヤ2220を定位置に保ちながら、除去される。調節可能経心房ゲート2100は、例えば、図22Fに示されるような様式において、シース2230の中に圧着されるゲート2100を、ガイドワイヤを経由して、心房中隔を部分的に通して、前進させ、次いで、図22Gに示されるような様式において、シース2230を後退させ、ゲート2100の遠位端(図示される構成では、左側)が、左心房ディスクAの自己拡張を介して展開することを可能にすることによって、埋め込まれる。シースは、次いで、図22Hに示されるような様式において、さらに後退され、ゲート2100の近位端(図示される構成では、右側)が、右心房ディスクAの自己拡張を介して展開することを可能にする。ガイドワイヤ2220は、ゲート2100を通して残されてもよい。ゲートは、次いで、例えば、5mmの好適な外側寸法を有する、ダイレータと交差され、これは、マルテンサイト形状記憶材料Bの内側寸法をダイレータの外側寸法、例えば、5mmまで機械的に拡張させる。マルテンサイト形状記憶材料Bの内側寸法は、次いで、必要に応じて、例えば、より大きいダイレータを使用した類似機械的拡張を使用して、さらに増大させられてもよい。マルテンサイト形状記憶材料Bの内側寸法が、大きすぎることが判定される場合、そのAfを上回って加熱され、その材料をそのヒートセット構成にリセットしてもよい。材料の内側寸法は、次いで、別の好適なサイズに拡張されてもよい。
【0200】
開閉され得る、経心房チャネルとしての経心房ゲート2100の例示的使用では、ガイドワイヤが、経中隔穿刺を実施するために使用される。心房中隔を通した、随意に、卵円窩を通した開口部が、導入器シースおよびダイレータを使用して拡張されてもよい。ダイレータは、次いで、シースを定位置に保ちながら、除去される。RFアブレーション、左心耳(LAA)閉鎖、MitraClip埋込、僧帽弁置換、僧帽弁修復、または同等物等の手順が、次いで、拡張された開口部を介して、左心房内で実施されてもよい。調節可能経心房ゲートは、図21A~21Hを参照して説明されるような様式において埋め込まれ、例えば、マルテンサイト形状記憶材料は、最小限またはゼロ内側開口を伴う、そのヒートセット状態にある。随意に、ガイドワイヤが、ゲートを通して残され、ゲートは、次いで、例えば、5mmの好適な外側寸法を有する、ダイレータと交差され、これは、マルテンサイト形状記憶材料Bの内側寸法をダイレータの外側寸法、例えば、5mmに機械的に拡張させる。マルテンサイト形状記憶材料Bの内側寸法は、次いで、必要に応じて、例えば、より大きいダイレータを使用した類似機械的拡張を使用して、さらに増大させられてもよい。マルテンサイト形状記憶材料Bの内側寸法が、大きすぎることが判定される場合、そのAfを上回って加熱され、その材料をそのヒートセット構成にリセットしてもよい。材料の内側寸法は、次いで、別の好適なサイズに拡張されてもよい。ゲートは、上記に説明されるような様式において、開放されたままにされ、経心房シャントを提供するために使用されてもよい、または閉鎖されたままにされるが、必要に応じて、別個の手順を左心房内で後に実施するように、再度開放されてもよい。
【0201】
上記に述べられたように、本デバイスは、恒久的または一時的に、身体内に埋め込まれてもよい。一時的埋込では、本デバイスは、容易な除去のために構成されてもよく、本明細書のいずれかの場所に説明されるような様式において、調節可能な寸法を有してもよい、またはカテーテルの端部に恒久的に接続されてもよい。例えば、図23A~23Eは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、例示的デバイス、および人体内でのその一時的使用の実施例を図式的に図示する。より具体的には、図23Aは、本明細書に提供されるいくつかの実施例による、対象20の内側の一時的装置28の概略図であって、図23Bは、一時的装置28の概略図であって、図23C~23Eは、集合的に、本明細書に提供されるいくつかの実施例による、一時的装置28を対象から除去するための技法を示す。
【0202】
装置28は、デバイス21を含み、これは、図2A~2Bを参照して説明されるデバイス200または図7を参照して説明されるデバイス700と同様に構成されてもよく、これは、右心房30と左心房32との間の心臓22の心房間中隔24内等、対象20の2つの心室22間に設置されてもよい。代替として、デバイス21は、心臓の2つの心室間または任意の他の2つの体腔間に設置されてもよい。図23Bに図示される実施例では、デバイス21は、拡開された遠位部分40と、拡開された近位部分44と、遠位部分40と近位部分44との間に配置された中間部分42とを含む。遠位部分40および近位部分44は、デバイス21を中隔24に留める(すなわち、本デバイスの中隔からの遊走を防止する)一方、中間部分42は、中隔を横断して通路を提供し、それを通して血液が、流動し得る。図2A~2Bおよび図7を参照して説明されるものに類似する様式において、拡開された遠位部分40(第1の構成要素)は、第1の自己拡張材料を含んでもよく、中間部分42(第2の構成要素)は、可鍛性形状記憶材料を含んでもよく、近位部分44(第3の構成要素)は、第2の自己拡張材料を含んでもよい。近位部分44、遠位部分40、および中間42部分は、随意に、相互との共通のフレームから一体的に形成されている。デバイス21の拡開された遠位および近位部分40、44(第1および第3の構成要素)は、送達シース46から解放されることに応じて、その天然形状(図23A~23Bに示される形状)に拡張する一方、中間部分42(第2の構成要素)は、下記にさらに説明されるような様式において、生体内で増大および縮小され得る、断面積を提供する。明確にするために、装置28は、図23Aでは、心臓22に対して不均衡に大きく描かれていることに留意されたい。デバイス21の近位および遠位部分40、44は、これらの部分が、ステントの中間部分の軸から鋭角で半径方向外向きに延在するという点で、「拡開」され得る。いくつかの実施例では、示されるように、近位およびの遠位部分デバイス40、44の各々は、例えば、示されるように、6つのリーフ25等の複数のリーフ25を含む。他の実施例では、近位部分および/または遠位部分は、複数のリーフを含まず、むしろ、拡開されたリングを画定するように成形される、またはある他の好適な形態を有する。
【0203】
図23C~23Eを参照して下記にさらに説明されるような様式において、デバイス21の対象からの除去を促進するために、いくつかの実施例は、近位部分44から対象の外部まで延在する、1つまたはそれより多くのデバイス圧潰可撓性長手方向要素36を含む。例えば、図23A~23Bに示されるように、デバイス圧潰する可撓性長手方向要素は、制御ワイヤ36を含んでもよい。いくつかの実施例では、対象の内側にある間、ワイヤ36は、近位部分44と対象の外部との間を通過する、送達カテーテル31の制御ワイヤ管腔37内に含有される。例えば、送達カテーテル31は、対象の大腿静脈を介して、対象から退出してもよい。図23Aに示されるように、制御ワイヤ36の近位端は、制御ハンドル34に結合されてもよく、それを介して、ワイヤ36は、引動(または代替として、本デバイスの近位部分が拡張することを可能にするように、解放)されてもよい。ワイヤ36は、本デバイスが対象の内側の定位置にある時間全体を通して、デバイス21に結合されたままであってもよい。ワイヤ36がデバイス21に結合されたままであることに起因して、本デバイスは、例えば、図23C~23Eを参照して説明されるような様式において、シャントがもはやデバイスを通して要求されないことのインジケーションを受信することに応じて、任意の所望の時間に(例えば、直ちに)、容易に除去され得る。図23Bは、その中で近位部分44が、複数のオリフィス48を画定するように成形され、制御ワイヤ36の各々が、オリフィス48のうちの少なくとも2つを通して通過する、特定の実施例を示す。例えば、示されるように、各リーフ25の端部は、オリフィス48を画定するように成形されてもよく、各ワイヤは、ワイヤが、オリフィスを通して通過する、ループを形成するように、2つの隣接するリーフのそれぞれのオリフィスを通して通過してもよい(したがって、図示される実施例では、6つの近位リーフを有する、デバイスは、3つのワイヤ36に結合され、各ワイヤは、それぞれの対の隣接するリーフの圧潰を別個に制御する)。デバイス21の近位部分を圧潰させるために、ワイヤの各々の2つの近位端が、引動されてもよい。
【0204】
示される実施例の代替として、単一ワイヤ36は、オリフィス48の全てを通して通過する、ループを形成してもよく、本単一ワイヤは、近位部分44全体の圧潰を制御する。換言すると、本単一ワイヤの2つの端部を引動することによって、近位部分全体が、圧潰され得る。さらに他の実施例では、ワイヤ36は、ループを形成せず、むしろ、別個のワイヤが、各リーフに結合される。例えば、各リーフは、それぞれのワイヤの遠位端に結合されてもよい。したがって、例えば、6つの近位リーフを有する、デバイスは、リーフあたり1つのワイヤとして、6つのワイヤに結合される。同様に、ワイヤ36は、各リーフが、対象の外部まで延在する、ワイヤ延在部を有するように、リーフの延在部として形成されてもよい。そのような実施例では、本デバイスの近位部分は、ワイヤの各々の単一近位端を引動することによって、圧潰されてもよい。
【0205】
ある場合には、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、デバイス21が対象の内側にある間、中間部分42の断面積を増大または縮小させることが有益であり得る。中間部分42の断面積が増大させられることを可能にするために、送達カテーテル31は、拡大中心多目的管腔39を含んでもよく、それを通して血管形成術バルーンまたは他の好適なバルーンが、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、ガイドワイヤを経由して通過され、膨脹されてもよい。中間部分42の断面積を縮小させるために、1つまたはそれより多くの孔を伴う、カテーテルが、熱中間部分42を加熱するために、本明細書のいずれかの場所に説明されるような様式において、高温生理食塩水をデバイス21内に注入するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、1つまたはそれより多くの孔を伴う、カテーテルは、ガイドワイヤを経由して、送達カテーテル31内に通過される。他の実施例では、1つまたはそれより多くの孔を伴う、カテーテルは、ガイドワイヤを経由して通過されず、ガイドワイヤから、送達カテーテル31の多目的管腔39を通して、別個にデバイス21に導入される。中間部分42の断面積を増大および縮小させるために、例えば、デバイス21を通して適切な流率を提供するために、またはデバイス21を再位置付けするために、バルーン拡張および加熱のプロセスは、任意の好適な回数で繰り返されてもよいことを理解されたい。
【0206】
いくつかの実施例では、デバイス21の中間部分42の断面積の調節は、圧力監視に基づく。例えば、デバイス21上に配置された、圧力センサが、心房内圧測定値を入手するために使用されてもよい。そのような圧力測定値を示す、信号は、図23Aに図式的に示される、導体38(信号ワイヤとも称される)を介して、身体の外側に伝送されてもよい。中間部分42の断面積は、そのような測定値に応答して調節されてもよい。
【0207】
代替として、または加えて、中間部分42の断面積は、パルス状波(PW)または持続波(CW)ドップラ心エコー検査等の流動撮像技法の適用等によって、血行動態監視に応答して調節されてもよい。
【0208】
いくつかの実施例では、デバイス21を中隔内に設置するために、本デバイスは、最初に、圧潰され、対象の大腿静脈等を介して、対象の血管系の中に経皮的に挿入されている、送達シース46の内側に設置され、次いで、例えば、下大静脈を介して、血管系を通して右心房30の中に通過される(代替として、シース46は、頸静脈および上大静脈を介して、右心房の中に通過されてもよい)。続いて、シースの遠位端が、中隔を通して、左心房32の中に通過される。中隔を通してシースの遠位端を通過させることに先立って、穿刺要素が、開口部を中隔内に作り出すために使用されてもよく、随意に、ダイレータが、シースの遠位端が中隔を通して容易に通過し得るように、開口部を拡大するために使用されてもよい。いくつかの実施例では、ダイレータは、図19A~20Iを参照して説明されるような様式において構成および使用される。いったんシースが、中隔を横断すると、ダイレータは、除去され、カテーテル31に接続される、デバイス21は、圧潰され、送達シース46の近位端の中に設置され、カテーテル31は、本デバイスの遠位拡開部分40が、シースの遠位端から押動され、その展開される形状に拡張することを可能にされるまで、送達シースを通してデバイス21を押動するために使用される。シース46は、次いで、デバイス21の遠位拡開部分が中隔の左心房側に係合するまで、ゆっくりと中隔から抜去される。シースの継続抜去は、図23Aに示されるように、近位拡開部分44が、解放され、それが中隔の右心房側でその展開される形状に拡張することを可能にするまで、デバイス21を中隔によって、シースから外に引き出させる。拡張遠位および近位拡開部分40および44は、それによって、デバイス21を心房間中隔を横断して固着して留める。中間部分42(第2の構成要素)は、最初は、第1の断面積を有する、その圧着または圧縮構成に留まり得、カテーテル31の管腔39を通して、ガイドワイヤを経由して通過される、バルーンを使用して、第2の断面積に好適に拡張し得る。中間部分42の断面積は、続いて、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、生体内で増大および縮小されてもよい。
【0209】
デバイス21の展開に続いて、シース46およびカテーテル31は、デバイス21が定位置にある間、対象内に留まり得る。例えば、シース46およびカテーテル31は、カテーテルの遠位端が本デバイスの近位部分の近傍にあるように、対象内に留まり得る。カテーテルは、したがって、投薬療法をデバイス部位に送達するために使用されてもよい、カテーテル内の圧力センサが、心房内圧を監視するために使用されてもよい、バルーンが、デバイス21内に導入され、中間部分42の断面積を増大させてもよい、または1つまたはそれより多くの孔を伴う、カテーテルが、デバイス21内に導入され、中間部分42の断面積を縮小させてもよい。一例として、図23Aは、制御ハンドル34がシース46を通してカテーテルを前進および抜去するために使用され得るように、制御ハンドル34に結合される、カテーテル31を示す。
【0210】
デバイス21は、特定の患者の必要性に基づいて増大または低減され得る、流率を用いて、血液がより高圧力側の心房からより低圧力側の心房に流動することを可能にすることによって、過剰心房内圧を緩和することに役立つ。デバイス21は、したがって、それに関して過剰圧力の緩和が有益である、または、例えば、急性心筋発作に続く、左心室膨張およびリモデリングを防止することに役立つために、任意の関連条件(例えば、肺高血圧症または鬱血性心不全)の一時的急性期治療として使用されてもよい。デバイス21が、急性期治療として使用されるとき、対象の医師が十分な治療が提供されたことを決定するまで、対象は、入院したままであって、その時点で、デバイス21は、図23C~23Eを参照して説明されるような様式において、対象から除去され、対象は、必要に応じて、病院から退院される。いくつかの実施例では、デバイス装置28は、例えば、デバイス21上に、長手方向要素のいずれか上に、またはカテーテル31内に配置された、1つまたはそれより多くの圧力センサを含む。そのような圧力センサは、治療の進行度を監視する、中間部分42の断面積が調節されるべきかどうかおよびその量を判定する、およびデバイスが対象から除去され得る時点を確認するために、対象の右心房および/または左心房の内圧を測定する(例えば、持続的に)ために使用されてもよい。例えば、左心房および右心房の両方内の圧力が測定されるように、1つの圧力センサが、デバイス21の近位部分40上に、別の圧力センサが、本デバイスの遠位部分44上に配置されてもよい。
【0211】
別の実施形態では、デバイス21は、一時的測定値デバイスとして使用され、続いて埋め込まれることになる、恒久的に埋め込まれるシャントのための最適サイズを判定する。本実施形態では、デバイス21の中間部分42の断面積は、上記に説明される急性期治療実施形態に説明されるように、圧力および/または他の生理学的パラメータを監視しながら、調節される。いったん最適断面積が判定されると、デバイス21は、図23C~23Eを参照して説明されるような様式において、対象から除去され、示されるサイズの恒久的シャントが、埋め込まれる。
【0212】
ここで、集合的に、本明細書に提供されるいくつかの実施例による、デバイス21を対象20から除去するための技法を示す、図23C~23Eを参照する。図23C~23Eに示される詳細の多くは、一例のみとして提供され、図示される技法の多くの変形例が、本開示の範囲内に含まれることに留意されたい。
【0213】
図23Cでは、シース46は、シースの遠位端がデバイス21の近位部分44に近接するまで、前進される。続いて、デバイス21に取り付けられる、制御ワイヤ36が、内向き半径方向力が近位部分44上に及ぼされるように、図23Cに示される矢印54によって示されるように引動される。内向き半径方向力は、図23Dに示されるように、近位部分44を少なくとも部分的に圧潰させる。デバイス21の近位部分の圧潰に続いて、図23Eに示されるように、シース46は、デバイス21にわたって遠位に前進される一方、カテーテル31は、定位置に保持され、デバイス21の近位部分をシースの遠位端の中へと引き寄せる(デバイス21にわたって通過する際、シースは、少なくとも部分的に、心房間中隔を通して通過し得る)。シース46が、図23Eに示される位置から、デバイス21にわたって通過し続けるにつれて、カテーテルは、近位に引動され得る一方、シースを定位置に保持し、デバイス21がシース内で完全に圧潰された状態になるように、シースがデバイス21の遠位部分40を圧潰するまで、デバイス21をシースの中にさらに引動する。続いて、カテーテル31およびデバイス21を含有するシースは、対象から除去されてもよい。
【0214】
いくつかの実施例では、シース46は、前進される一方、近位部分44は、近位部分44が圧潰し続けるにつれて、カテーテルの遠位端が中隔を通して交差し、デバイス21の遠位部分に到達するまで、カテーテルがデバイス21にわたって通過するように、圧潰する(そのような実施例では、図23Dに示される状態は、実際には、デバイス21の近位部分44が完全に圧潰される前に、シース46がデバイス21の近位部分を被覆するため、生じるようにはなり得ない)。次いで、シース46が、定位置に保持されたまま、または前方に押動される間、カテーテル31によるワイヤ36を介したデバイス21の引動が、継続するにつれて、カテーテルの遠位端は、デバイス21の遠位部分が、圧潰し、デバイス21が、カテーテルの中に引き出されるように、力をデバイス21の遠位部分40上に及ぼす。そのような実施例では、ワイヤ36が引動される間、シースがデバイス21にわたって前進されることに起因して、デバイス21は、シースの中に圧潰する前に、右心房の中へと引動される可能性が比較的に低くなり得る。
【0215】
図23C~23Eは、その中でカテーテル31が、制御ハンドル34の内側に含有されるストッパ52を延在させ、ワイヤ36が、ストッパ52を通して通過する、非限定的実施例を示す。ワイヤが、引動されるにつれて、ストッパ52は、引動力の大部分が、カテーテル31ではなく、近位部分44に作用するように、カテーテル31が近位に移動しないように阻止または防止する。可撓性であるが、カテーテル31は、引動力が事実上近位部分44に伝達されるように、座屈を防ぐ。いくつかの実施例では、2つの別個のチューブが、カテーテル31の単一管腔または2つの別個の管腔を通して延設され、これらのチューブのうちの一方は、制御ワイヤ36を保持し、これらのチューブの他方は、信号ワイヤ38を保持する。別の実施形態では、制御ワイヤ36ならびに信号ワイヤ38は、存在するとき、カテーテル31の壁内に配置された、別個の個々の管腔を通して延設され、図23Aに示されるように、拡大中心多目的管腔39を残す。そのようなチューブは、ワイヤ上に及ぼされる引動力が事実上デバイス21に伝達されるように、座屈に対して付加的抵抗を提供し得る。そのような実施形態では、ストッパ52は、ワイヤが引動されるにつれて、ワイヤを保持するチューブが近位に移動しないように阻止または防止するために使用されてもよい。
【0216】
いくつかの実施例では、近位部分44は、体温で可鍛性形状記憶相に提供され、図23Dに示されるものに類似する圧潰構成にヒートセットされ、図23A~23Bを参照して説明されるものに類似する様式において展開されてもよい。しかしながら、自己拡張の代わりに、近位部分44は、砂時計形状のバルーンをデバイス21を通して位置付け、バルーンを膨脹させ、近位部分を拡張させることによって、展開されてもよい。近位部分44のそのようなバルーン拡張は、遠位部分40の自己拡張後、実施されてもよい。
【0217】
図23A~23Eを参照して説明されるような装置および方法はまた、その中でデバイス21が恒久的に埋め込まれることになる、用途のために使用されてもよいことに留意されたい。そのような用途では、埋込手順の間、ワイヤ36が、デバイスが適切な場所に設置されなかった場合、デバイス21の回収または再位置付けを促進するために使用されてもよい。続いて、デバイス21が適切に据え付けられたことの確認に応じて、ワイヤ36は、デバイス21から取り外され、対象から除去されてもよい。
【0218】
本デバイスを好適に展開および/または回収する他の方法が、使用されてもよい。例えば、図32A~32Gは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイス、および人体内でのその使用の実施例を図式的に図示する。図32Aに図示され、本明細書のいずれかの場所に説明されるような様式において、デバイス3300は、卵円窩を通した開口内に配置されてもよい。デバイス3300は、例えば、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれかに対応してもよい。デバイス3300は、主にまたは実質的に完全に、その圧潰構成に事前にセットされる、形状記憶(マルテンサイト)材料から形成されてもよい。デバイス3300は、バルーン拡張によって展開されてもよい。
【0219】
図32Aに図示されるように、デバイス3300のための回収手順は、デバイス3300を通してガイドワイヤを配置することを含んでもよい。図32Bに図示されるような様式において、指定された回収カテーテル3320が、カテーテル3320の遠位端3323が左心房内に配置されるように、ワイヤ3310にわたって、かつデバイス3300を通して交差し得る。チップ3321は、部分的に、カテーテル3320内に配置されてもよい。例えば、チップ3321の一部は、カテーテル3320の遠位端3323を越えて延在してもよく、チップ3321の外面は、実質的に組織への損傷を伴わずに、遠位端3323の誘導を促進するように、比較的に滑らかなプロファイルを提供してもよい。カップ3322が、カテーテル3320内に完全に配置されてもよい。チップ3321およびカップ3322は、相互から独立して、およびカテーテル3320から独立して、移動可能であってもよい。例えば、チップ3321は、それを通してガイドワイヤ3310が通過する、管腔を含む、シャフト3331に結合されてもよい。シャフト3331は、チップ3321の全体が過去の遠位端3323を越えて延在するように、ガイドワイヤ3310に対して、カテーテル3320に対して、およびカップ3322に対して、身体の外側から延在または後退されてもよい。カップ3322は、それを通してシャフト3331(ガイドワイヤ3310をその中に有する)が通過する、管腔を含む、シャフト3332に結合されてもよい。シャフト3332は、カップ3322の少なくとも一部を遠位端3323を越えて延在させるように、ガイドワイヤ3310に対して、カテーテル3320に対して、およびチップ3321に対して、身体の外側から、延在または後退されてもよい。チップ3321およびカップ3322はそれぞれ、例えば、超弾性材料等の任意の好適な材料を含む、略丸みを帯びた円錐形またはボウル形状の構造を含んでもよい。チップ3321およびカップ3322はそれぞれ、デバイス3300が圧潰構成にあるとき、デバイス3300の一部を受容してもよく、回収のために、デバイス3300を実質的に包囲し、少なくとも部分的に、デバイス3300をカテーテル3320の中へと引動するように協働してもよい。
【0220】
例えば、図32Cに図示されるような様式において、カテーテル3320の遠位端3323およびチップ3321が、左心房(LA)内に配置された後、シャフト3331は、チップ3321を定位置に保つように、定位置に保持されてもよい一方、回収カテーテル3320およびシャフト3322は、遠位端3323およびカップ3322が右心房(RA)に後退され、デバイス3300の位置と一致するチップ3321とカップ3322との間の空間を残すように、後退される。随意に、カップ3322の少なくとも一部は、例えば、カテーテル3320をシャフト3332に対して後退させることによって、またはシャフト3332をカテーテル3320に対して延在させることによって、遠位端3323を越えて延在されてもよい。その中でカップ3322が形状記憶材料を含む、実施例では、カップ3322は、デバイス3300を回収するための増大させられた容積を提供するように、少なくとも部分的に、跳開してもよい。また、図32Cに図示されるように、シャフト3331は、本明細書のいずれかの場所に説明されるような様式において、デバイス3300を加熱してもよく、例えば、それを介して、高温生理食塩水3324がデバイス3300に向かって注入され、デバイス3300を図32Dに図示されるようなそのヒートセット(収縮させられた、例えば、実質的に円筒形の)構成に収縮させ得る、開口を含んでもよい。チップ3321は、次いで、例えば、図32Eに図示されるような様式において、収縮させられたデバイス3300をチップ3321の丸みを帯びた円錐形またはボウル形状の構造の中へと引動するように、シャフト3331をシャフト3332およびカテーテル3320に対して後退させることによって、後退されてもよい。チップ3321は、次いで、例えば、図32Fに図示されるような様式において、収縮させられたデバイス3300をカップ3322の丸みを帯びた円錐形またはボウル形状の構造の中へと引動し、したがって、少なくとも部分的に、収縮させられたデバイス3300を被包するように、シャフト3331をシャフト3332およびカテーテル3320に対してさらに後退させることによって、さらに後退されてもよい。カップ3322およびチップ3321は、次いで、例えば、少なくとも部分的に、デバイス3300をカテーテル3200内に配置するように、シャフト3331および3332をともにカテーテル3320に対して後退させることによって、ともに後退されてもよい。例えば、図32Fに示されるように、チップ3321の一部は、図32Bを参照して説明されるものに類似する様式において、カテーテル3320の遠位端3323を越えて延在してもよく、カップ3322は、カテーテル3320およびデバイスの一部内に完全に配置されてもよい一方、デバイス3300の一部は、カテーテル3320内にあって、デバイス3300の一部が、遠位端3323を越えて延在する。図32Gに図示されるような様式において、回収カテーテル3320、チップ3321、カップ3322、およびデバイス3300は、カテーテル3320、シャフト3331、およびシャフト3332をともに後退させることによって、回収されてもよい。ガイドワイヤ3310は、完全に回収されてもよく、中隔孔は、当技術分野において公知のような閉鎖デバイスで閉鎖されてもよい。さらに他の実施形態も、本明細書の教示に基づいて想定され得る。例えば、図28A~28Dは、生体内で縮小および増大させられ得る、内部寸法を伴う、別の例示的デバイスを図式的に図示する。図28Aに図示される、デバイス2800は、図27A~27Kを参照して上記に説明されるように、実質的に円筒形の構成を有し、ワイヤを使用して形成され得る、編組シャントを含む。例えば、心臓のそれぞれの心房の中へと延在し得る、デバイス2800の外側部分2811、2812を形成する、ワイヤ部分は、図28Bの領域AおよびCに対応する、オーステナイト相(体温を下回るAf、例えば、約5~20℃の範囲内)を有してもよい一方、例えば、心房中隔内に刺突され得る、デバイス2800の内側部分2813を形成する、ワイヤ部分は、図28Bの領域Bに対応する、マルテンサイト相(体温を上回るAf、例えば、約50℃の範囲内)を有してもよい。図28Bの領域A、B、およびCは、図27A~27Kを参照して上記に説明されるものに類似する様式において、ともに編組され、デバイス2800を形成する、ワイヤの好適な部分を熱処理することによって取得されてもよい。デバイス2800はまた、デバイスを人体内に送達する際に使用するための圧着/ホルダ機構2850を含んでもよい。図28Bにおける断面に図示されるように、デバイス2800は、図に示される例示的Af温度が取得されるように、区分Bでは、区分AおよびCと異なるように熱処理されている、ニチノールのワイヤメッシュチューブを含んでもよい。チューブの端部は、次いで、外転される、例えば、区分AおよびCの端部が衝合し、断面において図28Aに示される、圧着部2850に沿ってともに圧着されるまで、靴下を表裏逆にひっくり返すことに類似する様式において、中央区分Bにわたって後方に引動されてもよい。圧着部2850は、区分Aが区分Cより短いため、中心からずれてもよいことに留意されたい。最終結果は、二重壁付き円筒形シャントであって、その中で外壁(中隔内の開口部と接触している)は、低Afを有し、体温で超弾性を有する一方、内壁(血流のためのオリフィスを形成する)は、Afを有し、体温より高く、したがって、体温で可鍛性マルテンサイト相にある。いくつかの実施例では、マルテンサイトメッシュは、シャントの中心を通して完全にと、少なくとも各端部の周囲の途中までとに延在する。本デバイスは、超弾性外壁のヒートセットサイズによって設定された固定された外径を有してもよい一方、内径は、バルーン拡張によって増大させられてもよい。内径を拡張させた後、内径をそのヒートセット構成まで縮小させることが所望される場合、熱が、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、高温生理食塩水を注入することによって、適用されてもよい。
【0221】
図29A~29Dは、人体内での図28A~28Bのデバイスの使用の実施例を図式的に図示する。例えば、デバイス2800は、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、心房中隔を横断して送達されてもよい。図29Aに図示されるように、デバイス2800は、例えば、約4mmの、心房中隔を横断して配置されるときの、初期ヒートセット内径と、同様に、例えば、約7mmの初期外径とを有してもよい。図29Bに図示されるように、バルーン2900が、デバイス2800を通して配置され、本デバイスの内径を、例えば、約5~約7mmに拡張させるように拡張されてもよい一方、本デバイスの外径は、実質的に影響されない。図29Cに図示されるように、熱源2910、例えば、加熱された生理食塩水の流動を供給するチューブが、図29Dに図示されるように、デバイス2800の内径をその初期ヒートセット内径まで収縮させ得る。
【0222】
図28Cは、デバイス2800と同様に構成されているが、また、心房中隔を通した開口に係合するようにサイズ決めされる、溝2860を含む、代替デバイス2800’を図示する。図30A~30Cは、人体内での図28Cのデバイスの使用の実施例を図式的に図示する。図30Aに図示されるように、代替デバイス2800’は、例えば、約4mmの、心房中隔を横断して配置されるときの、初期ヒートセット内径と、同様に、例えば、約7mmの初期外径とを有してもよい一方、溝2860は、心房中隔を通した開口に係合する。図29Bを参照して説明されるものに類似する様式において、バルーンが、デバイス2800’を通して配置され、図30Bに図示されるような様式において、本デバイスの内径を、例えば、約5~約7mmに拡張させるように、拡張されてもよい一方、本デバイスの外径は、実質的に影響されない。図29Cを参照して説明されるものに類似する様式において、熱源、例えば、加熱された生理食塩水の流動を供給するチューブが、図30Cに図示されるように、デバイス2800’の内径をその初期ヒートセット内径に収縮させてもよい。図28Dは、デバイス2800’と同様に構成されているが、また、心臓のそれぞれの心房の中へと延在する、拡開された端部2811’、2812’と、心房中隔を通した開口に係合する、首部分2813’とを含むように、ディアボロ形状である、別の例示的代替デバイス2800’’を図示する。デバイス2800’’は、図27A~27Kを参照して説明されるものに類似する様式において、編組熱処理ワイヤから形成されてもよく、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、展開され、内側寸法が、拡張および収縮させられてもよい。
【0223】
故に、本明細書に提供されるものは、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントである。心房間シャントは、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれかのうちの1つまたはそれより多くと同様に構成されてもよい。例えば、心房間シャントは、例えば、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか内に含まれるような、首部分領域によって流体連通するように結合されている第1および第2の領域を含む、本体を含んでもよい。本体は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、形状記憶材料を含んでもよい。本体は、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、または図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28等の様式において、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定してもよい。第1および第2の領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、体温で超弾性を有してもよく、首部分領域は、体温で可鍛性を有してもよい。首部分領域を通した通路の流動面積は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、生体内で調節されてもよい。
【0224】
超弾性を有する第1および第2の領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。可鍛性を有する、首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、機械的に拡張可能であってもよい。首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、熱的に収縮可能であってもよい。
【0225】
また、本明細書に提供されるものは、それを通した流体流動を調節可能に調整するための、患者の心臓の心房中隔での設置のための心房間シャントである。心房間シャントは、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれかのうちの1つまたはそれより多くと同様に構成されてもよい。例えば、心房間シャントは、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか内に含まれるような、心臓の第1の心房内に設置されるように構成されている第1の拡張可能端部領域と、心臓の第2の心房内に設置されるように構成されている第2の拡張可能端部領域とを含んでもよい。第1および第2の拡張可能端部領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、自己拡張超弾性材料を含んでもよい。心房間シャントは、例えば、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか内に含まれるような、第1および第2の拡張可能端部領域間の首部分領域を含んでもよい。首部分領域は、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか等の様式において、心房中隔での設置のために構成されてもよい。首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、可鍛性形状記憶材料を含んでもよい。心房間シャントは、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか等の様式において、血液が第1の心房と第2の心房との間を流動するための首部分領域を通した通路を画定してもよい。首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所に説明されるような様式において、例えば、限定ではないが、図10A~10C、図27A~27K、図29A~29D、または30A~30Cを参照して説明されるような様式において、通路の断面積が生体内で調節可能であるように、第1および第2の拡張可能端部領域と異なる形状記憶性質を呈するように熱処理されてもよい。
【0226】
可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、通路が断面積から断面積より大きい第2の断面積まで拡張するように、生体内で拡張されるように構成されてもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、通路が第2の断面積から第2の断面積より小さい第3の断面積まで収縮するように、生体内で収縮させられるように構成されてもよい。断面積は、4.9~28.3mmであってもよく、第2の断面積および第3の断面積は、15.9~78.6mmであってもよい。例えば、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれかのいずれかに関して、断面積は、4.9~28.3mmであってもよく、第2の断面積および第3の断面積は、15.9~78.6mmであってもよい。
【0227】
可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。自己拡張超弾性材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、機械的に拡張可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、熱的に収縮可能であってもよい。首部分の断面積領域は、例えば、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28C~28Dおよび30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800’、2800’’のいずれかに関して説明されるような様式において、第1および第2の拡張可能端部領域のうちの少なくとも1つの個別の断面積より小さくてもよい。第1および第2の拡張可能端部領域は、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか等の様式において、それぞれ、第1および第2の拡張可能端部領域のそれぞれの端部が心房中隔に接触し得ないように、第1および第2の心房の中へと延在してもよい。
【0228】
第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28Dを参照して説明されるデバイス2800’’等の様式において、ディアボロ形状のシャントを構成してもよい。首部分領域は、例えば、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300等の様式において、円筒形シャント、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500等の様式において、圧縮コイル、または図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600等の様式において、圧縮ばね等の構造部材を含んでもよい。構造部材(例えば、円筒形シャント、圧縮コイル、または圧縮ばね)は、例えば、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500または図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600等の様式において、ディアボロ形状のシャントの外側にあってもよい。構造部材(例えば、円筒形シャント、圧縮コイル、または圧縮ばね)は、例えば、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500または図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600等の様式において、構造部材(例えば、円筒形シャント、圧縮コイル、または圧縮ばね)がディアボロ形状のシャントの寸法を首部分領域において半径方向において拘束するように、可鍛性形状記憶材料から形成されてもよく、ディアボロ形状のシャントは、可鍛性形状記憶材料が第2の断面積まで拡張することに応答して、首部分領域において自己拡張してもよい。円筒形シャントは、例えば、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、または図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300等の様式において、ディアボロ形状のシャントの内側にあってもよい。円筒形シャントは、例えば、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、または図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300等の様式において、直接、ディアボロ形状のシャントおよび首部分領域に結合されなくてもよい。本デバイスは、例えば、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210等の様式において、円筒形シャントをディアボロ形状のシャントに間接的かつ弾性的に結合している被包材をさらに含んでもよい。円筒形シャントの収縮は、例えば、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、または図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300等の様式において、ディアボロ形状のシャントの収縮を首部分領域において引き起こさなくてもよい。ディアボロ形状のシャントおよび円筒形シャントは、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、共通フレームから一体的に形成されてもよい。第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、共通フレームから一体的に形成されてもよい。第1および第2の拡張可能端部領域、ならびに首部分領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、少なくとも部分的に生体適合性材料で被包されてもよい。
【0229】
また、本明細書に提供されるものは、第1の心房と、第2の心房と、心房中隔とを有する心臓内の流体流動を調節可能に調整するための心房間シャントである。心房間シャントは、図2A~2Eを参照して説明されるデバイス200、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、または図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれかのうちの1つまたはそれより多くと同様に構成されてもよい。例えば、心房間シャントは、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか内に含まれるような、自己拡張超弾性材料を含み、第1の心房内に設置されるように構成されている第1の領域を含んでもよい。第1の領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、体温で超弾性を有してもよい。心房間シャントは、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか内に含まれるような、流体流動を第1の心房から第2の心房に提供するために、心房中隔内の開口部を通して設置されるように構成されている、可鍛性形状記憶材料を含む、第2の領域を含んでもよい。第2の領域は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、体温で可鍛性を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、第1の断面積を有してもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、第1の断面積から第2の断面積まで拡張可能であってもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、第2の断面積から第3の断面積まで収縮可能であってもよい。
【0230】
自己拡張超弾性材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、5~20℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよく、可鍛性形状記憶材料は、45~60℃のオーステナイト終了温度(Af)を有するニチノールを含んでもよい。可鍛性形状記憶材料は、例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、機械的に拡張可能および熱的に収縮可能であってもよい。心房間シャントは、例えば、図7、8A~8D、9A~9B、および10A~10Cを参照して説明されるデバイス700、図11A~11Bを参照して説明されるデバイス1110、図12A~12Bを参照して説明されるデバイス1210、図13A~13Bを参照して説明されるデバイス1300、図23A~23Eを参照して説明されるデバイス28、図25A~25Dを参照して説明されるデバイス2500、図26A~26Hを参照して説明されるデバイス2600、図27A~27Kを参照して説明されるデバイス2700、または図28A~28D、29A~29D、および30A~30Cを参照して説明されるデバイス2800、2800’、2800’’のいずれか内に含まれるような、第2の自己拡張超弾性材料を含み、第2の心房内に設置されるように構成され、第2の領域に結合されている第3の領域を含んでもよい。
【0231】
本実施例のいずれかでは、デバイス構成は、生体内で可逆的に修正されてもよいことを理解されたい。多くの実施例では、構成変化は、本デバイスの内部寸法または本デバイスの外部寸法等のデバイスの寸法を増大または減少させることを含む。しかしながら、他の構成変化も、好適に実装されてもよい。例えば、図31A~31Eは、生体内で可逆的に修正され得る、構成を伴う、例示的デバイスを図式的に図示する。図31A~31Eに図示される、デバイス3100は、いくつかの点において、「Expandable medical device with tapered hinge」と題されたShanleyの米国特許第6,964,680号(その全内容は、参照することによって本明細書に組み込まれる)に説明されるものと同様に構成されてもよい。図31A~31Bは、拡張されていない組織支持医療デバイス3100の代表的部分の平面図を示す一方、図31C~31Eは、順次拡張を受ける図31A~31Bの拡張可能医療デバイスの詳細図である。
【0232】
米国特許第6,964,680号に説明されるものと同様の様式において、図31A~31Bに図示される、デバイス3100は、円筒形チューブ(図示せず)内に形成されている、一連の軸方向スロット3210を含んでもよい。各軸方向スロット3210は、スロットの隣接する行内のスロットから約0.010インチだけ半径方向に変位されてもよい。複数の軸方向スロット3210は、複数の伸長ビーム3220を画定してもよい。複数の伸長ビーム3220は、一端に配置された、ヒンジ3250と、他端に配置された、係止面積とによって相互接続されてもよい。U形状のリンク3270は、ビーム3220の隣接する行を相互接続してもよい。伸長ビーム3220は、伸長ビーム3220の一端に配置された、遠位端3235を有する、爪3230と、爪3230に対向する他端に配置された、複数の歯3240とをさらに含んでもよい。爪3230の遠位端3235は、隣接する伸長部材3220の歯3240に隣接してもよい。伸長ビーム3220は、爪3230に隣接してヒンジ3250をさらに含んでもよい。ヒンジ3250は、第1の端部3252と、第2の端部3254とをさらに含み、区分3265を画定してもよく、第1の端部3252と第2の端部3254との間の区分3265は、応力/歪み集中面積として作用するであろうように設計されてもよい。具体的には、ヒンジ3250は、ヒンジ3250の約1/3の長さに沿って延在する、第1の部分と、徐々にテーパ状になっており、ヒンジ3250の約2/3長さに延在する、第2の区分とを含んでもよい。他の比率ならびに他の幾何学形状も、最大応力/歪みをヒンジ区分3265に制約するために、利用されてもよいことが検討される。さらに、ヒンジの長さおよび幅は、ヒンジ3250内の最大歪みヒンジ3250の最大要求屈曲半径におけるある所望の値に制約するように調節されることができる。例えば、ヒンジ3250の最大所望屈曲角度が、90度に設定され、最小ヒンジ幅が、約0.002インチに固定された場合、それに関してヒンジ3250内の最大歪みがヒンジ材料の弾性限界を優に下回り得る、ヒンジ長が、判定される。
【0233】
ここで図31C~31Eを参照すると、本デバイスが展開されるにつれた、拡張可能医療デバイス3100の断面の平面が図示される。米国特許第6,964,680号に説明されるものと同様の様式において、拡張可能デバイス3100は、バルーンカテーテル等の適切なデバイスを拡張可能デバイス3100の内径内に設置し、拡張可能デバイスが所望の直径に拡張されるまで、バルーンカテーテルを拡張させることによって、半径方向に拡張されてもよい。図31Cに示されるように、拡張可能デバイス3100の部分的断片が、示される。図31A~31Bを参照して詳細に説明されるように、拡張可能デバイス3100は、半径方向スロット3210によって離間される、複数の伸長部材3220を含んでもよい。伸長部材は、その一端上に配置された、爪3230と、他端上に配置された、複数の歯3240と、爪3230に隣接する、ヒンジ3250とを有してもよい。複数の伸長部材3220は、ヒンジ3250と、係止構成とによって、ともに継合されてもよい。非拡張状態では、図31Cに示されるように、伸長部材3220の一端に配置された、爪3230は、ヒンジ3250と略平行であってもよい。さらに、爪3230の遠位端3235は、隣接する略平行伸長部材3220上の複数の歯3240のうちの少なくとも1つによって受容されるために適合される、「チゼル」形状を有するように設計されてもよい。
【0234】
ここで図31Dを参照すると、第2の部分的に拡張された直径に拡張されている、拡張可能デバイス3100の部分的断面が、示される。矢印3300によって示されるように、一般的回転運動が、米国特許第6,964,680号に説明されるものと同様の様式において、拡張可能デバイス3100の直径が、増大し、ヒンジ3250が、屈曲するにつれて、爪3230によって達成され得る。示されるように、回転するにつれて、爪3230の遠位先端3235によって描かれる、点の軌跡は、非円形弧を説明し得る。ヒンジ3250は、最初に、図31Dに示されるように、領域3265内の所定の点を中心として屈曲し得る。所定の屈曲点は、ヒンジ3250の第1の端部3252および第2の端部3254によって画定されるような断面3265内のヒンジ3250の狭窄幅によって判定され得る。図31Dに示されるように、爪が、図31Aに示されるような非拡張状態から図31Dに示されるような部分的拡張状態への本デバイスの拡張の間、回転するにつれて、爪3230は、もはやヒンジ3250の屈曲に起因して、ヒンジ3250と略平行ではなくなり得る。
【0235】
ここで図31Eを参照すると、係止機構の係合の間の、拡張状態における拡張可能医療デバイス3100の断面が、示される。示されるように、有意な曲率が、ヒンジ3250、具体的には、断片3265に発生する。本曲率が、生じるにつれて、爪3230および爪3230の遠位端3235は、矢印3300によって示されるように、継続された角度偏向と、また、矢印3320によって示されるように、爪3230の軸に沿った線形運動との両方が可能になる。角度運動3300および線形運動3320の両方が、爪3230の軸は、もはやヒンジ3250の現時点で湾曲している重心軸と直接整合されないため、本領域において可能となる。むしろ、その独自の軸に沿った爪3230の運動は、ヒンジ3250の第2の端部3254の近傍のヒンジ3250の付加的屈曲のみを要求する。ヒンジ3250が回転運動3300および軸方向運動3320の両方を提供する本能力は、爪3230の遠位先端3235が、特徴のいずれかの局所塑性降伏を伴わずに、歯3240の輪郭に追従することを可能にする。加えて、ヒンジ3250内に貯蔵される弾性エネルギーは、爪の遠位先端3235において、爪の軸と平行および垂直な成分に分解され得る、ばね復帰力を作り出すための手段(図示せず)を提供する。拡張デバイスが、爪3230の遠位先端3235係止歯3240のうちの1つを越えて位置付け、拡張デバイスが、次いで、抜去されると、これらのばね復帰力は、米国特許第6,964,680号に説明されるような様式において、遠位先端3235を押進させ、係止歯3240に接触させ、それによって、拡張可能デバイス3100を拡張状態に係止する。遠位先端3235の噛合面および係止歯3240は、周知の技法に従って輪郭が付けられ、組織支持デバイス3100に外部から適用される力が、特徴を定位置にさらに係止するように作用することを保証する。さらに、歯3240は、多くの異なる幾何学的形状を含んでもよく、これは、爪3230の遠位端3235を受容するように適合される。例えば、歯3240は、爪3230の遠位端3235を受容するように適合される、凹部を含んでもよい。したがって、図示および説明されるような歯3240は、限定と見なされるべきではなく、例示にすぎない。歯3240ならびに爪3230の遠位端3235は、当業者に明白であろうような多くの異なる形状を含んでもよいことが検討される。
【0236】
加えて、米国特許第6,964,680号に説明されるような様式において、ヒンジ3250は、ヒンジ3250の屈曲パターン、したがって、屈曲シーケンスの間の爪の運動を制御するために、上記に説明されるように輪郭が付けられてもよい。例えば、ヒンジの幅が、爪3230の爪近位端3232の近傍で最狭であるとき、ヒンジは、本面積において最初に屈曲する傾向にあり得る。結果として、爪の瞬間回転中心は、最初に、爪3230の近位端3232により近くあり得、爪3230の遠位先端3235によって辿られる弧は、図31C~31Eに示されるように、領域3238を通して迅速に通過し得る。これは、ヒンジ3250の端部3252に位置している単純枢動点の極限の場合を想像することによって、可視化され得、遠位先端3235によって辿られる弧は、この場合、円形であって、先端3235の初期運動は、爪3230の軸に直交するであろう(すなわち、下向きに、または直接、隣接する支柱3220に向かって)。第2の極限の場合は、ヒンジ3250の他端3254における枢動点に対応するであろう。遠位先端3235によって辿られる弧は、再び、円形であろうが、この場合、先端3235の初期運動は、爪3230の軸と平行であって、爪の先端は、最初から、隣接する支柱3220との接触から離れるように移動し、隣接する支柱3220の歯3240との係止は、不可能となり得る。これらの極限の間のヒンジ3250の形状を輪郭付けることによって、歯3240を含有する、隣接する支柱3220に対する爪3230の相対的運動は、最適化されてもよい。
【0237】
米国特許第6,964,680号は、デバイス3100内でのある材料の使用を開示するが、本開示は、超弾性および形状記憶ニチノール構成要素の任意の好適な組み合わせが、デバイス3100内で使用されてもよいことを提供する。例えば、延性ヒンジ3250は、体温でマルテンサイト相にある、ニチノールから形成されてもよい一方、デバイス3100の残部は、超弾性を有してもよい。上記に記載されるように、超弾性ニチノールの単一チューブからレーザ切断し、その後、デバイス3100が図31C~31Eを参照して説明される様式において性能を発揮し得、加熱されると(例えば、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、高温生理食塩水を使用して)、係止機構が解放されるように、事前にセットされた構成に戻り得るように、Afを体温を上回って、または約50℃まで上昇させる、複数の高強度レーザパルスを使用した、延性ヒンジ3250の局所的な熱処理が続くことによって、デバイス3100を製造することが検討される。例えば、そのような加熱に応答して、図31Eに図示されるヒンジ区画3265は、図31Cに示されるように、その直線構成に戻り、爪3230を歯3240から係脱するように押進させ、図31A~31Cに示されるように、デバイス3100がその非圧縮構成に戻ることを可能にし得る。故に、デバイス3100は、繰り返し、ヒートセット構成に戻され得る、サイズ調整可能シャントとして使用されてもよい。
【0238】
実動実施例
以下の実施例は、完全に例証であって、本発明を限定するように意図するものではない。
【0239】
図24A~24Hは、本明細書に提供される実施例に従って用意および使用される、デバイスの順次画像である。より具体的には、図7を参照して説明されるディアボロ形状のシャントフレームデバイス700が、37℃の体温でオーステナイト超弾性相となるであろうように、20℃を下回る初期オーステナイト終了温度を伴って、ニチノールから形成された。超弾性デバイス700は、4mmの首部分直径を形成する、ジグ内で、図7に示される形状にヒートセットされた。続いて、シャントは、首部分直径を含む、全ての寸法は、同一のまま、好適な持続時間にわたって、オーブン内で、500℃を上回ってデバイスを再加熱することによって、完全自己拡張超弾性オーステナイト相から、フレームの少なくともいくつかの要素が可鍛性形状記憶マルテンサイト相物理的性質を呈する、構成に変化された。図24Aの時点では、37℃の水のタンク内において、透明膜2401が、心房中隔をシミュレートするために、ツール類2402内に懸濁され、シャントフレームデバイス700が、本明細書のいずれかの場所で説明されるような様式において、シース2400を介して、膜2401内の開口部の背後から展開された。遠位フランジ702(視認者に向かって)は、図8Aに記載される実施例に従って、送達シース2400内のその圧着構成から自己拡張し、本構成要素が、少なくとも部分的に、水槽の37℃の温度でオーステナイト超弾性相にあることを示すことに留意されたい。図24Bの時点では、透明膜を横断した展開に続いて、デバイス700の首部分720は、約4mmのそのヒートセット最小直径に対応する、初期断面積を有する。図24Cの時点では、市販の血管形成術バルーン2403が、デバイス700の首部分を通して挿入された。図24Dの時点では、バルーン2403は、デバイス700の首部分を変形させるために十分な圧力および持続時間において、約7mmの直径まで膨脹された。図24Eの時点では、バルーン2403は、収縮させられた。図24Fの時点では、デバイス700の首部分720は、図8Bに記載される実施例に従って、バルーン2403が抜去された後、約7mmの直径のままであることを理解されたい。図24Gの時点では、首部分720は、図8Cに記載される実施例に従って、カテーテル2404を通した高速注入を介して、加熱された生理食塩水内に浸漬された。図24Hの時点では、図24Gに示される加熱後、首部分720は、図8Dに記載される実施例に従って、その約4mmヒートセット直径に戻され、デバイス700の首部分領域720が所望のマルテンサイト形状記憶性質を呈することを実証する。図24C~24Gを参照して説明されるような動作は、第1および第3の部分710、730をデバイス700を心房中隔をシミュレートする膜2401を通した開口部内に固着して保定しながら、所望に応じて、首部分720の寸法を増大および縮小させるように、任意の好適な回数だけ繰り返されてもよい。類似動作は、例えば、そのようなデバイスの流率を調節する、またはデバイスの再位置付けを可能にするように、本明細書に提供される他のデバイス上で実施されてもよい。故に、本デバイスの1つまたはそれより多くの寸法は、生体内で好適に増大および減少されてもよいことを理解されたい。
【0240】
付加的注釈
本発明の種々の例証的実施形態が、上記に説明されるが、当業者には、種々の変更および修正が、本発明から逸脱することなく、その中に行われてもよいことが明白であろう。例えば、本デバイスの実施例は、2つまたは3つの構成要素を有するように説明されるが、本デバイスは、それぞれ、自己拡張超弾性材料または可鍛性形状記憶材料を含む、任意の好適な数の構成要素を含んでもよいことを理解されたい。添付の請求項は、本発明の真の精神および範囲内に該当する、全てのそのような変更および修正を被覆するように意図される。
図1A
図1B
図1C
図1D
図1E
図2A
図2B
図2C
図2D
図2E
図3A
図3B
図3C
図3D
図4A
図4B
図5A
図5B
図6
図7
図8A
図8B
図8C-8D】
図9A
図9B
図10A
図10B
図10C
図11A
図11B
図12A
図12B
図13A
図13B
図14A
図14B
図14C
図15A
図15B
図15C
図15D
図16A
図16B
図17
図18
図19A
図19B
図19C
図19D
図20-1】
図20-2】
図21A
図21B
図21C
図21D
図22A
図22B
図22C
図22D
図22E
図22F
図22G
図22H
図23A
図23B
図23C
図23D
図23E
図24A
図24B
図24C
図24D
図24E
図24F
図24G
図24H
図25A
図25B
図25C
図25D
図26-1】
図26-2】
図26-3】
図26-4】
図27-1】
図27-2】
図27-3】
図28A
図28B
図28C
図28D
図29A
図29B
図29C
図29D
図30A
図30B
図30C
図31A
図31B
図31C
図31D
図31E
図32A
図32B
図32C
図32D
図32E
図32F
図32G
【国際調査報告】