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特表2023-524737生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法、電子デバイス、およびコンピュータプログラム製品
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  • 特表-生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法、電子デバイス、およびコンピュータプログラム製品 図1a
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法、電子デバイス、およびコンピュータプログラム製品
(51)【国際特許分類】
   B23Q 15/12 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
B23Q15/12 Z
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567106
(86)(22)【出願日】2021-04-23
(85)【翻訳文提出日】2022-12-26
(86)【国際出願番号】 EP2021060675
(87)【国際公開番号】W WO2021224029
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173161.9
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.ZIGBEE
2.WCDMA
(71)【出願人】
【識別番号】591106875
【氏名又は名称】セコ ツールズ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】110002077
【氏名又は名称】園田・小林弁理士法人
(72)【発明者】
【氏名】ヨハンソン, ダニエル
(72)【発明者】
【氏名】ヘグルンド, ソーレン
(72)【発明者】
【氏名】クレーメル, ゲリット
【テーマコード(参考)】
3C001
【Fターム(参考)】
3C001KB02
3C001KB04
3C001TA03
3C001TA05
3C001TB09
3C001TB11
(57)【要約】
本開示は、生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法、電子デバイス、およびコンピュータプログラム製品に関し、二酸化炭素フットプリントは、生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含み、本方法は、切削工具(20a、20b、20c、20d)による製造のために選択された切削特徴を示すパラメータを取得するステップ(S1)と、切削工具(20a、20b、20c、20d)による製造のために選択されたワークピース材料を示すパラメータを取得するステップ(S2)と、取得されたパラメータに基づいて生産用の一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)を決定するステップ(S3)と、決定された一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)の各切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)から生産用の切削工具を決定するステップ(S4)とを含む。
【選択図】図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法であって、前記二酸化炭素フットプリントは、前記生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含み、前記方法は、
(S1)切削工具(20a、20b、20c、20d)による生産のために選択された切削特徴を示すパラメータを取得することと、
(S2)切削工具(20a、20b、20c、20d)による生産のために選択されたワークピース材料を示すパラメータを取得することと、
(S3)取得された前記パラメータに基づいて生産用の一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)を決定することと、
(S4)決定された前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)の各切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)から生産用の切削工具を決定することと
を含む、方法。
【請求項2】
一組の切削データパラメータに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、前記生産工程のための前記一組の切削データパラメータを決定することをさらに含む、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記生産工程は、異なる切削工具(20a、20b、20c、20d)による複数の作業を含み、前記二酸化炭素フットプリントは、前記異なる切削工具(20a、20b、20c、20d)による前記生産工程中に排出される二酸化炭素の少なくとも総量を含み、前記生産工程における作業ごとに生産用の各切削工具を決定することは、前記生産工程の総二酸化炭素フットプリントを削減するための各作業における各切削工具(20a、20b、20c、20d)による二酸化炭素の寄与に基づく、請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
前記二酸化炭素排出情報データは、前記切削工具(20a、20b、20c、20d)が前記ワークピース材料を処理するのに必要とされる決定された時間、前記切削工具(20a、20b、20c、20d)によって前記ワークピース材料を処理するのに必要な決定された動力、および前記生産工程に動力を供給する1つもしくは複数のエネルギー源のエネルギー源組成のうちの少なくともいずれかに基づく、請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記二酸化炭素フットプリントは、前記生産工程の前に排出されたある量の二酸化炭素をさらに含み、前記二酸化炭素排出情報データは、前記切削工具(20a、20b、20c、20d)の製造中に排出された二酸化炭素の量、前記切削工具(20a、20b、20c、20d)の輸送中に排出された二酸化炭素の量、および前記切削工具(20a、20b、20c、20d)による以前の処理中に排出された二酸化炭素の累積量のうちの少なくともいずれかに基づく、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
各切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する前記二酸化炭素排出情報データは、メモリ(103a、103b、103c)に格納され、各切削工具(20a、20b、20c、20d)の識別マーカ(40a、40b、40c、40d)の固有の機械可読コードに関連付けられる、請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
生産用の前記切削工具は、生産用の前記一組の工具中の各切削工具(20a、20b、20c、20d)の前記二酸化炭素排出情報データを比較すること、ならびに前記生産工程中に排出される二酸化炭素の量が最も少ない前記切削工具(20a、20b、20c、20d)を選択すること、または前記生産工程中および前記切削工具(20a、20b、20c、20d)の前記製造および/もしくは輸送中に排出される二酸化炭素の総量が最も少ない前記切削工具(20a、20b、20c、20d)を選択すること、によって決定される、請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
生産用の前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)は、切削工具(20a、20b、20c、20d)のポートフォリオからの利用可能な切削工具(20a、20b、20c、20d)に基づいて決定され、各切削工具(20a、20b、20c、20d)は、それぞれの二酸化炭素排出情報データに関連付けられる、請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
生産用の前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)は、利用可能な切削工具(20a、20b、20c、20d)のグループから決定され、各利用可能な切削工具(20a、20b、20c、20d)は、リーダデバイス(10a、10b、10c)によって、各切削工具(20a、20b、20c、20d)の識別マーカ(40a、40b、40c、40d)を読み取ることによって識別され、前記識別マーカ(40a、40b、40c、40d)は、前記切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する機械可読コードである、請求項1から8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための電子デバイス(1a、1b、1c)であって、前記二酸化炭素フットプリントは、前記生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含み、前記電子デバイス(1a、1b、1c)は、
処理回路(102a、102b、102c)を含み、前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記電子デバイス(1a、1b、1c)に、
切削工具(20a、20b、20c、20d)による生産のために選択された切削特徴を示すパラメータを取得させ、切削工具(20a、20b、20c、20d)による生産のために選択されたワークピース材料を示すパラメータを取得させ、
取得された前記パラメータに基づいて、生産用の一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)を決定させ、
決定された前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)の各切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)から生産用の切削工具を決定させる
ように構成されている、電子デバイス(1a、1b、1c)。
【請求項11】
前記処理回路(102a、102b、102c)は、
一組の切削データパラメータに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、前記生産工程のための前記一組の切削データパラメータを決定する
ようにさらに構成されている、請求項10に記載の電子デバイス(1a、1b、1c)。
【請求項12】
各切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する前記二酸化炭素排出情報データは、メモリ(103a、103b、103c)に格納され、各切削工具(20a、20b、20c、20d)の識別マーカ(40a、40b、40c、40d)の固有の機械可読コードに関連付けられる、請求項10または11に記載の電子デバイス(1a、1b、1c)。
【請求項13】
前記電子デバイス(1a、1b、1c)は、
切削工具(20a、20b、20c、20d)に配置された機械可読コードを読み取るように構成されたリーダデバイス(10a、10b、10c)をさらに含み、前記リーダデバイス(10a、10b、10c)は前記処理回路(102a、102b、102c)に動作可能に接続され、前記処理回路(102a、102b、102c)は、前記電子デバイス(1a、1b、1c)に、
利用可能な切削工具(20a、20b、20c、20d)のグループから生産用の前記一組の切削工具(20a、20b、20c、20d)を決定させるようにさらに構成され、各利用可能な切削工具(20a、20b、20c、20d)は、前記リーダデバイス(10a、10b、10c)によって、各切削工具(20a、20b、20c、20d)の識別マーカ(40a、40b、40c、40d)を読み取ることによって識別され、前記識別マーカ(40a、40b、40c、40d)は、前記切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する機械可読コードである、請求項10から12のいずれか一項に記載の電子デバイス(1a、1b、1c)。
【請求項14】
前記電子デバイス(1a、1b、1c)の前記処理回路(102a、102b、102c)は、
前記切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する前記機械可読コードに基づいて、メモリ(103a、103b、103c)から前記切削工具(20a、20b、20c、20d)に関連する前記二酸化炭素排出情報データを取得する
ようにさらに構成されている、請求項13に記載の電子デバイス(1a、1b、1c)。
【請求項15】
プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品(500)であって、前記コンピュータプログラムは、処理回路(102a、102b、102c)にロード可能であり、前記コンピュータプログラムが前記処理回路(102a、102b、102c)によって実行されると、請求項1から9のいずれか一項に記載の前記方法を実行させるように構成されている、コンピュータプログラム製品(500)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、切削工具による生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法、電子デバイス、およびコンピュータプログラム製品に関する。
【背景技術】
【0002】
今日、複数の機械作業は、機械作業中に材料を処理するための工具の使用を含む。機械作業のための工具は、機械作業中の工具による処理に必要な作業の種類に応じて選択されることが多い。また、機械作業のための工具を選択する際に、生産コストや生産時間などの要因が考慮される。
【0003】
機械作業の一例は、切削工具による機械作業中に材料片からチップを除去するように構成された切削工具を有する機械による作業である。この例では、切断のための機械は、生産工程中に異なる種類の切削作業を実行するために異なる切削工具を必要とする場合がある。したがって、切削工具は、生産のための所望の切削特徴に応じて選択される必要がある。切削工具はまた、生産工程において切削工具によって処理されるワークピース材料に応じて選択される必要がある。
【0004】
切削工具の選択は、生産コストおよび生産時間の組み合わせに関して行われることが多く、これらは両方とも、材料をできるだけ迅速に費用効果的に加工するために最小限に維持されることが望まれる。
【発明の概要】
【0005】
切削工具の選択は、手動で、または例えば所望の切削特徴に応じて、および/または生産工程において切削工具によって処理されるワークピース材料に応じて切削工具を選択するソフトウェアアプリケーションによってサポートすることができる。
【0006】
現在の手法の第1の欠点は、切削工具による生産工程中に排出される二酸化炭素の量を理解することができず、したがって、切削工具による生産工程中に排出される二酸化炭素の量に基づいて切削工具を選択することができないことである。
【0007】
現在の手法の第2の欠点は、切削工具に関連する生産工程の前に排出された二酸化炭素の量を理解することができず、したがって、生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するために、切削工具による生産工程の前および間に排出された二酸化炭素の量に基づいて切削工具を選択することができないことである。
【0008】
本開示の目的は、従来技術における上記で特定された欠陥および欠点のうちの1つまたは複数を軽減、緩和または排除し、少なくとも上記の問題を解決することである。
【0009】
第1の態様によれば、生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための方法が提供され、二酸化炭素フットプリントは、生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含み、本方法は、切削工具による製造のために選択された切削特徴を示すパラメータを取得することと、切削工具による製造のために選択されたワークピース材料を示すパラメータを取得することと、取得されたパラメータに基づいて生産用の一組の切削工具を決定することと、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された一組の切削工具から生産用の切削工具を決定することとを含む。
【0010】
切削工具による生産のために選択される切削特徴の例は、真っ直ぐな肩部、Tスロット、矩形ポケット、穴、円筒面、または放射状溝である。他の切削特徴も可能である。
【0011】
この態様の1つの利点は、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを比較することによって、さらに選択された切削特徴および選択されたワークピース材料に応じて、生産用の切削工具が選択されることである。
【0012】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、一組の切削データパラメータに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、生産工程のための一組の切削データパラメータを決定することをさらに含む。
【0013】
この実施形態の1つの利点は、選択されたワークピース材料を二酸化炭素フットプリントが削減された生産用の切削工具で処理するために、切削データパラメータに従って機械をプログラムできることである。
【0014】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの制限パラメータを取得することと、少なくとも1つの制限パラメータを考慮に入れて一組の切削データパラメータを決定することと、をさらに含む。
【0015】
この実施形態の1つの利点は、生産工程における少なくとも1つの制限に関して一組の切削データパラメータを決定できることである。
【0016】
いくつかの実施形態によれば、生産工程は、異なる切削工具による複数の作業を含み、二酸化炭素フットプリントは、異なる切削工具による生産工程中に排出される二酸化炭素の少なくとも総量を含み、生産工程における作業ごとに生産用の各切削工具を決定することは、生産工程の総二酸化炭素フットプリントを削減するための各作業における各切削工具による二酸化炭素の寄与に基づく。
【0017】
この実施形態の1つの利点は、複数の作業の異なる切削特徴および選択されたワークピース材料に応じて、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを比較することによって、生産用の複数の切削工具が選択されることである。
【0018】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、切削工具がワークピース材料を処理するのに必要とされる決定された時間、切削工具によってワークピース材料を処理するのに必要な決定された動力、および生産工程に動力を供給する1つもしくは複数のエネルギー源のエネルギー源組成のうちの少なくともいずれかに基づく。
【0019】
この実施形態の1つの利点は、必要なエネルギーの量、および/または生成される二酸化炭素の量に影響を及ぼす要因が、切削工具に関連する二酸化炭素排出情報に含まれることである。
【0020】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素フットプリントは、生産工程の前に排出されたある量の二酸化炭素をさらに含み、二酸化炭素排出情報データは、切削工具の製造中に排出された二酸化炭素の量、切削工具の輸送中に排出された二酸化炭素の量、および切削工具による以前の処理中に排出された二酸化炭素の累積量のうちの少なくともいずれかに基づく。
【0021】
この実施形態の1つの利点は、生産用の切削工具を決定するときに、生産工程の前に排出される二酸化炭素の総量を考慮に入れることができることである。
【0022】
いくつかの実施形態によれば、各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データは、メモリに格納され、各切削工具の識別マーカの固有の機械可読コードに関連付けられる。
【0023】
この実施形態の1つの利点は、各切削工具が二酸化炭素排出情報データに関連付けられ、固有の機械可読コードが各工具の二酸化炭素排出情報データの効率的な管理を可能にし、異なる工具を異なる二酸化炭素データと混合するなど、人間が読み取る情報に関連するヒューマンエラーのリスクをさらに排除することである。
【0024】
いくつかの実施形態によれば、生産用の切削工具は、生産用の一組の工具中の各切削工具の二酸化炭素排出情報データを比較すること、ならびに生産工程中に排出される二酸化炭素の量が最も少ない切削工具を選択すること、または生産工程中および切削工具の製造および/もしくは輸送中に排出される二酸化炭素の総量が最も少ない切削工具を選択すること、によって決定される。
【0025】
この実施形態の1つの利点は、生産用の切削工具が、生産中に排出される二酸化炭素の最小量に基づいて決定され得るが、切削工具の製造および/または輸送中に排出される二酸化炭素の量にも基づいて決定され得ることである。
【0026】
いくつかの実施形態によれば、生産用の一組の切削工具は、切削工具のポートフォリオからの利用可能な切削工具に基づいて決定され、各切削工具は、それぞれの二酸化炭素排出情報データに関連付けられる。
【0027】
この実施形態の1つの利点は、利用可能な切削工具が、例えば特定の場所での切削工具の利用可能性に依存する、例えば生産場所に存在する現在利用可能な切削工具、または切削工具の製造業者もしくは供給業者からの切削工具の注文後の特定の期間内の切削工具の利用可能性に依存する、特定の切削工具を含む切削工具のポートフォリオに限定され得ることである。
【0028】
いくつかの実施形態によれば、生産用の一組の切削工具は、利用可能な切削工具のグループから決定され、利用可能な各切削工具は、リーダデバイスによって、各切削工具の識別マーカを読み取ることによって識別され、識別マーカは切削工具に関連する機械可読コードである。
【0029】
この実施形態の1つの利点は、例えば、機械のオペレータがリーダデバイスを使用し、生産場所で現在利用可能な切削工具を識別できることである。
【0030】
第2の態様によれば、生産工程に関連する二酸化炭素排出量を削減するための電子デバイスが提供され、二酸化炭素フットプリントは、生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含み、電子デバイスは、処理回路を含み、処理回路は、電子デバイスに、切削工具による生産のために選択された切削特徴を示すパラメータを取得させ、切削工具による生産のために選択されたワークピース材料を示すパラメータを取得させ、取得されたパラメータに基づいて、生産用の一組の切削工具を決定させ、決定された一組の切削工具内の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された一組の切削工具から生産用の切削工具を決定させるように構成される。
【0031】
この態様の1つの利点は、選択された切削特徴および選択されたワークピース材料に応じて、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを比較することによって、生産用の切削工具が選択されることである。
【0032】
いくつかの実施形態によれば、処理回路は、一組の切削データパラメータに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、生産工程のための一組の切削データパラメータを決定するようにさらに構成される。
【0033】
この実施形態の1つの利点は、選択されたワークピース材料を二酸化炭素フットプリントが削減された生産用の切削工具で処理するために、切削データパラメータに従って機械をプログラムできることである。
【0034】
いくつかの実施形態によれば、処理回路は、電子デバイスに少なくとも1つの制限パラメータを取得させるようにさらに構成される。処理回路は、少なくとも1つの制限パラメータを考慮に入れて一組の切削データパラメータを決定するようにさらに構成される。
【0035】
この実施形態の1つの利点は、生産工程における少なくとも1つの制限に関して一組の切削データパラメータを決定できることである。
【0036】
いくつかの実施形態によれば、各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データは、メモリに格納され、各切削工具の識別マーカの固有の機械可読コードに関連付けられる。
【0037】
この実施形態の1つの利点は、各切削工具が二酸化炭素排出情報データに関連付けられ、固有の機械可読コードが各工具の二酸化炭素排出情報データの効率的な管理を可能にし、異なる工具を異なる二酸化炭素データと混合するなど、人間が読み取る情報に関連するヒューマンエラーのリスクをさらに排除することである。
【0038】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイスのいずれかは、切削工具に配置された機械可読コードを読み取るように構成されたリーダデバイスをさらに含み、リーダデバイスは処理回路に動作可能に接続され、処理回路は、電子デバイスに、利用可能な切削工具のグループから生産用の一組の切削工具を決定させるようにさらに構成され、利用可能な各切削工具は、リーダデバイスによって、各切削工具の識別マーカを読み取ることによって識別され、識別マーカは切削工具に関連する機械可読コードである。
【0039】
この実施形態の1つの利点は、例えば、機械のオペレータがリーダデバイスを使用し、生産場所で現在利用可能な切削工具を識別できることである。
【0040】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイスの処理回路は、切削工具に関連する機械可読コードに基づいて、メモリから切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを取得するようにさらに構成される。
【0041】
この実施形態の1つの利点は、二酸化炭素排出情報データが電子デバイスによってアクセス可能であり、生産用の切削工具を決定するために使用できることである。
【0042】
第3の態様によれば、プログラム命令を含むコンピュータプログラムを有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品であって、コンピュータプログラムは、処理回路にロード可能であり、コンピュータプログラムが処理回路によって実行されると方法を実行させるように構成される。
【0043】
第2および第3の態様の効果および特徴は、第1の態様に関連して上述したものと大部分類似している。第1の態様に関して述べた実施形態は、第2および第3の態様と大きく互換性がある。
【0044】
本開示は、以下の詳細な説明から明らかになるであろう。詳細な説明および特定の例は、例示のみを目的として本開示の好ましい実施形態を開示する。当業者は、詳細な説明のガイダンスから、本開示の範囲内で変更および修正が行われ得ることを理解する。
【0045】
したがって、本明細書に開示した開示は、記載された装置の特定の構成部品または記載された方法のステップに限定されず、そのような装置および方法は変化し得ることを理解されたい。本明細書で使用される用語は、特定の実施形態のみを説明するためのものであり、限定することを意図するものではないことも理解されたい。本明細書および添付の特許請求の範囲で使用される場合、冠詞「a」、「an」、「the」、および「前記」は、文脈がそうでないことを明示的に示さない限り、1つまたは複数の要素があることを意味することを意図していることに留意されたい。したがって、例えば、「ユニット」または「前記ユニット」への言及は、いくつかの装置などを含んでもよい。さらに、「備える」、「含む」、「含有する」、および同様の表現は、他の要素またはステップを排除するものではない。
【0046】
本開示の上記の目的、ならびに追加の目的、特徴および利点は、添付の図面と併せて、本開示の例示的な実施形態の以下の例示的かつ非限定的な詳細な説明を参照することによってより十分に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0047】
図1a】本開示の実施形態による例示的な切削工具を示す図である。
図1b】本開示の実施形態による例示的な切削工具を示す図である。
図1c】本開示の実施形態による例示的な切削工具を示す図である。
図1d】本開示の実施形態による例示的な切削工具を示す図である。
図2】本開示の一実施形態による、通信ネットワークを介して接続可能な例示的な電子デバイスおよび機械を示す図である。
図3】本開示の実施形態による切削工具に配置された機械可読コードを読み取るように構成されたリーダデバイスを有する例示的な電子デバイスを示す図である。
図4】本開示の実施形態による切削工具に関連する、排出された二酸化炭素の量の例示的な概略データを示す図である。
図5】本開示の一実施形態による例示的な方法ステップのフローチャートを示す図である。
図6】本開示の実施形態による例示的なコンピュータプログラム製品を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0048】
次に、本開示を、本開示の好ましい例示的な実施形態が示されている添付の図面を参照して説明する。しかしながら、本開示は、他の形態で具体化されてもよく、本明細書に開示した実施形態に限定されると解釈されるべきではない。開示された実施形態は、本開示の範囲を当業者に十分に伝えるために提供される。
【0049】
材料片からチップを除去するために切削工具を選択するときに考慮される生産コストおよび生産時間の要因もまた、一定量のエネルギー消費に関連する。
【0050】
切削工具によって生産工程中に消費されるエネルギーは、生産工程中に排出される一定量の二酸化炭素に関連することが多い。機械作業中に切削工具が材料をどのように処理しているかは、生産工程中に排出される二酸化炭素の量に影響を及ぼすことが多い。切削工具によって生産工程にエネルギーを供給するエネルギー源は、生産工程中に排出される二酸化炭素の量にも影響を及ぼす。
【0051】
本発明者らは、切削工具による生産工程中に排出される二酸化炭素の量を削減または最小化することが望ましい場合があることを認識した。
【0052】
本発明者らはまた、生産中の切削工具の使用中に排出される二酸化炭素の量だけでなく、例えば、切削工具の製造、取り扱い、輸送および維持などの間に排出される二酸化炭素の量も削減することを含む、切削工具の寿命の間に排出される二酸化炭素の総量を削減することが所望される場合があることを認識した。
【0053】
そこで、本発明者らは、切削工具によって生産工程中に排出される二酸化炭素を削減したいという要望があることを認識した。本発明者らはまた、二酸化炭素の総量を減少させるために、切削工具の全寿命の間に排出された、または排出されることになる二酸化炭素の総量を考慮することが望ましいことを認識した。
【0054】
上述したように、現在の手法の第1の欠点は、切削工具による生産工程中に排出される二酸化炭素の量を理解することができず、したがって、切削工具による生産工程中に排出される二酸化炭素の量に基づいて生産用の切削工具を選択することができないことである。
【0055】
また、上述したように、現在の手法の第2の欠点は、切削工具に関連する生産工程の前に排出された二酸化炭素の量を理解することができず、したがって、生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するために、切削工具による生産工程の前および間に排出された二酸化炭素の量に基づいて生産用の切削工具を選択することができないことである。
【0056】
本開示の目的は、従来技術における上記で特定された欠陥および欠点のうちの1つまたは複数を軽減、緩和または排除し、少なくとも上記の問題を解決することである。
【0057】
今日、複数の機械作業は、機械作業中に材料を加工する工具の使用を含む。以下の説明では、切削工具を開示する。例示的な機械作業は、機械作業中にワークピース材料からチップを除去するために使用される切削工具を有する機械に関する。本明細書に記載されるように、ワークピース材料は、典型的には、処理される金属のワークピースを含むことができるが、材料は、プラスチック、石または木材材料などの任意の他の材料であってもよい。本明細書に記載の機械は、典型的には、フライス盤、旋削機械、穴開け機械、ねじ切り機械、または切削工具によって材料片を加工するように構成された任意の他の機械を含むことができる。
【0058】
図1a~図1dは、本開示の一実施形態による例示的な切削工具20a、20b、20c、20dを示す。いくつかの実施形態によれば、切削工具20a、20b、20c、20dは、切削インサート、刃先、フライス切削工具、穿孔切削工具、ドリルチャック、フライスカッタチャック、または工具ホルダのいずれかである。切削工具20a、20b、20c、20dは、切削工具20a、20b、20c、20dに配置された識別マーカ40a、40b、40c、40dを含む。
【0059】
いくつかの実施形態によれば、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、独自の機械可読コード、オープンソースの機械可読コード、2次元コード、3次元コード、画像クイックレスポンスコード、大容量カラー2次元コード、欧州物品番号コード、DataMatrixコードまたはMaxiCodeの少なくともいずれか、または少なくともいずれかの組み合わせである。
【0060】
いくつかの実施形態によれば、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dにおいてエッチングされる。いくつかの実施形態によれば、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dに取り付けられたステッカである。いくつかの実施形態によれば、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dに塗装される。
【0061】
図2は、本開示の一実施形態による、通信ネットワーク60を介して接続可能な例示的な電子デバイス1a、1b、1cおよび機械50を示す。
【0062】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイス1a、1b、1cは、図2に示すように、リーダデバイス10a、10b、10cをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、リーダデバイス10a、10b、10cは、カメラベースのリーダ、ビデオカメラリーダ、フォトダイオードを備えたペン型リーダ、レーザスキャナ、電荷結合素子リーダ、または携帯電話カメラのいずれかである。いくつかの実施形態によれば、リーダデバイス10a、10b、10cは、電子デバイスに組み込まれた部品またはスタンドアロン部品である。リーダデバイス10a、10b、10cは、切削工具20a、20b、20c、20dに配置された機械可読コードを読み取るように構成される。いくつかの実施形態によれば、切削工具20a、20b、20c、20dに配置された識別マーカ40a、40b、40c、40dは、機械可読コードである。いくつかの実施形態によれば、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dに関連付けられる。
【0063】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイスは携帯型電子デバイス1aである。いくつかの実施形態によれば、電子デバイスはローカル電子デバイス1bである。一例では、電子デバイス1bはラップトップまたは固定コンピュータである。いくつかの実施形態によれば、電子デバイスは遠隔電子デバイス1cである。いくつかの実施形態によれば、電子デバイス1a、1b、1cは、通信ネットワーク60に接続されるように構成される。
【0064】
図2は、スマートフォン、タブレット、携帯電話、フィーチャーフォン、または任意のポータブル電子デバイスの形態の電子デバイス1aを示す。一例では、図2に示すように、リーダデバイス10aはスマートフォン1aのカメラである。この例では、電子デバイス1aは、機械作業用の切削工具20a,20b,20c,20dを準備する際に、機械作業者が保持するスマートフォンである。電子デバイスはまた、図2に示すように、通信ネットワーク60を介して機械50に接続可能な生産場所にあるローカル電子デバイス1bであってもよい。図2に示す一例では、リーダデバイス10bは、電子デバイス1bに接続されたスタンドアロンのリーダデバイスである。いくつかの実施形態によれば、電子デバイスは、図2に示すように、通信ネットワーク60を介してリーダデバイス10cに接続されたリモートサーバ1cである。
【0065】
いくつかの実施形態によれば、通信ネットワーク60は無線通信ネットワークである。いくつかの実施形態によれば、無線通信ネットワークは、無線ローカルエリアネットワーク、WLAN、Bluetooth(商標)、ZigBee、超広帯域、UWB、無線周波数識別、RFID、または同様のネットワークなどの標準化された無線ローカルエリアネットワークである。いくつかの実施形態によれば、無線通信ネットワークは、モバイル通信用グローバルシステム、GSM、拡張GSM、汎用パケット無線サービス、GPRS、GSMエボリューション用拡張データレート、EDGE、広帯域符号分割多元接続、WCDMA、ロングタームエボリューション、LTE、狭帯域IoT、5G、マイクロ波アクセスのための世界規模相互運用性、WiMAX、またはウルトラモバイルブロードバンド、UMB、または同様のネットワークなどの標準化された無線広域ネットワークである。いくつかの実施形態によれば、無線通信ネットワークはまた、無線ローカルエリアネットワークと無線広域ネットワークとの両方の組み合わせとすることもできる。いくつかの実施形態によれば、通信ネットワーク60は、有線通信ネットワークと無線通信ネットワークとの組み合わせとすることができる。いくつかの実施形態によれば、通信ネットワーク60は、一般的なインターネットプロトコルによって定義される。
【0066】
本開示の第1の態様は、生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減する方法を示し、二酸化炭素フットプリントは、生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含む。図5は、本開示の実施形態による例示的な方法ステップのフローチャートを示す。本方法は、切削工具20a、20b、20c、20dによる生産のために、選択された切削特徴を示すパラメータが取得されるステップS1と、切削工具20a、20b、20c、20dによる生産のために、選択されたワークピース材料を示すパラメータが取得されるステップS2とを含む。本方法は、取得されたパラメータに基づいて生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定するステップS3と、決定された一組の切削工具20a、20b、20c、20dの各切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された一組の切削工具20a、20b、20c、20dから生産用の切削工具を決定するステップS4と、をさらに含む。
【0067】
したがって、この態様では、選択された切削特徴および選択されたワークピース材料に応じて、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを比較することによって、生産用の切削工具が選択される。
【0068】
いくつかの実施形態によれば、選択された切削特徴を示すパラメータおよび/または選択されたワークピース材料を示すパラメータは、電子デバイス1a、1b、1cのユーザインターフェース400a、400b、400cを介したパラメータの手動入力、または電子デバイス1a、1b、1cによって実行されるソフトウェアアプリケーションによるパラメータの自動入力の少なくともいずれかによって取得される。例示的なユーザインターフェース400a、400b、400cが図2に示されている。
【0069】
一例では、選択された切削特徴を示すパラメータおよび/または選択されたワークピース材料を示すパラメータの入力は、ウェブブラウザ、ソフトウェアプログラム、または例えばコンピュータもしくはスマートフォン上で実行されるアプリケーションの形態でユーザインターフェース400a、400b、400cを介して対話するユーザによる入力によって得られる。
【0070】
いくつかの実施形態によれば、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定することは、取得されたパラメータに基づいて生産用の推奨切削工具20a、20b、20c、20dを決定することを含む。
【0071】
いくつかの実施形態によれば、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定することは、取得されたパラメータに基づいて生産に使用することができる可能な切削工具20a、20b、20c、20dを決定することを含む。いくつかの実施形態によれば、選択された切削特徴を示すパラメータおよび/または選択されたワークピース材料を示すパラメータは、生産に使用することができる可能な切削工具20a、20b、20c、20dを制限する。
【0072】
いくつかの実施形態によれば、生産用の切削工具を決定することは、生産工程の二酸化炭素フットプリントを削減するために最も適切な切削工具20a、20b、20c、20dを選択することを含む。
【0073】
いくつかの実施形態によれば、各切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データは、メモリ103a、103b、103cから取得される。
【0074】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、切削工具の異なる使用に関連する異なるパラメータを含むデータである。いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、工具の異なる使用に必要な異なる量のエネルギーに関連するデータである。いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、切削工具に関連する所定量の二酸化炭素排出を含むデータである。いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、切削工具の異なる使用に応じて排出される二酸化炭素の推定量を含むデータである。いくつかの実施形態によれば、切削工具の異なる使用は、生産用の切削工具の機械特性にさらに依存する。
【0075】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、一組の切削データパラメータに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、生産工程のための一組の切削データパラメータを決定するステップをさらに含む。
【0076】
したがって、この実施形態では、選択されたワークピース材料を二酸化炭素フットプリントの削減された生産用の切削工具で処理するために、切削データパラメータに従って機械をプログラムすることができる。
【0077】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、少なくとも1つの制限パラメータを取得することと、少なくとも1つの制限パラメータを考慮に入れて一組の切削データパラメータを決定することと、をさらに含む。
【0078】
したがって、この実施形態では、一組の切削データパラメータは、生産工程における少なくとも1つの制限に関して決定することができる。
【0079】
いくつかの実施形態によれば、一組の切削データパラメータは、切削深さAP、作業係合AE、送り/回転FN、送り/歯FZ、および切削速度VCのうちの少なくとも1つを含む。
【0080】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの制限パラメータは、機械または他の設定制約、最大公差、最大表面粗さ、最大または所望の生産時間、最大生産速度、最大生産コスト、および所望の工具摩耗率のうちの少なくとも1つを含む。
【0081】
いくつかの実施形態によれば、少なくとも1つの制限パラメータは、電子デバイス1a、1b、1cのユーザインターフェース400a、400b、400cを介したパラメータの手動入力、または電子デバイス1a、1b、1cによって実行されるソフトウェアアプリケーションによるパラメータの自動入力の少なくともいずれかを介して取得される。例示的なユーザインターフェース400a、400b、400cが図2に示されている。
【0082】
一例では、少なくとも1つの制限パラメータの入力は、ウェブブラウザ、ソフトウェアプログラム、または例えばコンピュータもしくはスマートフォン上で実行されるアプリケーションの形態のユーザインターフェース400a、400b、400cを介して対話するユーザによる入力によって取得される。
【0083】
いくつかの実施形態によれば、方法は、電子デバイス1a、1b、1cのユーザインターフェース400a、400b、400cを介して一組の切削データパラメータを出力することをさらに含む。
【0084】
いくつかの実施形態によれば、本方法は、切削工具20a、20b、20c、20dによってワークピース材料70を処理するように構成された機械50に入力データとして一組の切削データパラメータを出力するステップをさらに含む。いくつかの実施形態によれば、機械50は、電子デバイス1a、1b、1cに接続可能である。一例では、図2に示すように、機械50は、通信ネットワーク60を介して電子デバイス1a、1b、1cに接続される。いくつかの実施形態によれば、一組の切削データパラメータは、通信ネットワーク60を介して機械50に送信されるように構成される。
【0085】
いくつかの実施形態によれば、生産用の切削工具は、生産工程のための二酸化炭素フットプリントを削減するために、1つまたは複数の機械特性に従って選択されたワークピース材料を加工することである。図2に示す例では、機械50は、生産工程の二酸化炭素フットプリントを削減するために、一組の切削データパラメータAP、AE、FN、FZ、VCを用いて切削工具20dによってワークピース材料70を処理するように構成される。
【0086】
いくつかの実施形態によれば、生産工程は、異なる切削工具20a、20b、20c、20dによる複数の作業を含み、二酸化炭素フットプリントは、異なる切削工具20a、20b、20c、20dによる生産工程中に排出される二酸化炭素の少なくとも総量を含み、生産工程における作業ごとに生産用の各切削工具を決定することは、生産工程の総二酸化炭素フットプリントを削減するための各作業における各切削工具20a、20b、20c、20dによる二酸化炭素の寄与に基づく。
【0087】
したがって、この実施形態では、複数の作業の異なる切削特徴および選択されたワークピース材料に応じて、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを比較することによって、生産用の複数の切削工具が選択される。
【0088】
いくつかの実施形態によれば、生産工程は、異なる切削工具20a、20b、20c、20dによる複数の作業を含み、切削工具20a、20b、20c、20dによる生産のための選択された切削特徴を示すパラメータを取得することは、複数の作業の各作業について、切削工具20a、20b、20c、20dによる生産のための選択された切削特徴を示す少なくとも1つのパラメータを取得することを含む。
【0089】
いくつかの実施形態によれば、生産工程は、異なる切削工具20a、20b、20c、20dによる複数の作業を含み、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定することは、複数の作業の各作業について取得されたパラメータに基づいて、複数の作業の異なる作業に必要な一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定することを含む。
【0090】
一例では、生産工程は、第1の切削工具による第1の作業、第2の切削工具による第2の作業、および第3の切削工具による第3の作業を含む。この例では、第1の切削工具による第1の作業はx量の二酸化炭素に寄与し、第2の切削工具による第2の作業はy量の二酸化炭素に寄与し、第3の切削工具による第3の作業はz量の二酸化炭素に寄与する。この例では、各切削工具による二酸化炭素の寄与はx、y、およびzであり、したがって生産工程の総二酸化炭素フットプリントはx+y+zである。この例では、各切削工具20a、20b、20c、20dは、したがって異なる二酸化炭素量に寄与することができ、例えば、非常に低い二酸化炭素量xを有する第1の切削工具、低い二酸化炭素量yを有する第2の切削工具、および高い二酸化炭素量zを有する第3の切削工具を決定することによって、例えば、各々が中程度の二酸化炭素量に寄与する第1、第2、および第3の切削工具を決定することと比較して、生産工程の総二酸化炭素フットプリントを削減することができる。これは、生産工程全体を考慮すると、一方の切削工具が高い二酸化炭素量で寄与していても、他方の切削工具がより低い二酸化炭素量で寄与していれば、生産工程全体の総二酸化炭素フットプリントを削減できることを意味する。
【0091】
いくつかの実施形態によれば、生産工程は、異なる切削工具による複数の作業を含み、一組の切削データパラメータが各作業について決定される。作業ごとの生産用の各切削工具の一組の切削データパラメータは、生産工程の総二酸化炭素フットプリントを削減するように決定される。
【0092】
いくつかの実施形態によれば、一組の切削データパラメータは、切削深さAP、作業係合AE、送り/回転FN、送り/歯FZ、および切削速度VCのうちの少なくとも1つを含む。
【0093】
一例では、生産工程は、第1の組の切削データパラメータを有する生産用に決定された切削工具20a、20b、20c、20dによる第1の作業と、第2の組の切削データパラメータを有する生産用に決定された切削工具20a、20b、20c、20dによる第2の作業と、第3の組の切削データパラメータを有する生産用に決定された切削工具20a、20b、20c、20dによる第3の作業とを含む。この例では、第1の組の切削データパラメータを用いた第1の作業は二酸化炭素量uに寄与し、第2の組の切削データパラメータを用いた第2の作業は二酸化炭素量vに寄与し、第3の組の切削データパラメータを用いた第3の作業は二酸化炭素量wに寄与する。この例では、各作業による二酸化炭素の寄与はu、vおよびwであり、生産工程の総炭素フットプリントはu+v+wである。この例では、各組の切削データパラメータは、異なる量の二酸化炭素に寄与することができ、例えば、非常に低い二酸化炭素の寄与uを有する第1の組の切削データパラメータ、低い二酸化炭素の寄与vを有する第2の組の切削データパラメータ、および高い二酸化炭素の寄与wを有する第3の組の切削データパラメータを決定することによって、例えば、各々が中程度の量の二酸化炭素に寄与する第1、第2、および第3の組の切削データパラメータを決定することと比較して、生産工程の総二酸化炭素フットプリントを削減することができる。これは、一組の切削データパラメータのうちの1つが大量の二酸化炭素に寄与する場合でも、生産工程全体を考慮すると、他の組の切削データパラメータがより少ない量の二酸化炭素に寄与する場合、生産工程全体の総二酸化炭素フットプリントを削減できることを意味する。
【0094】
一例では、生産工程は、製造のための複数の決定された工具20a、20b、20c、20dによる複数の作業を含む。最大生産時間を示す制限パラメータは、ユーザインターフェース400a、400b、400cを介して入力される。処理回路102a、102b、102cは、最大生産時間を考慮して、生産工程の総二酸化炭素フットプリントを最小にする作業ごとの一組の切削データパラメータを決定する。一組の切削データパラメータは、製造時の二酸化炭素フットプリントが大きい工具が、保守的な一組の切削データパラメータと共に使用され、製造時の二酸化炭素フットプリントが小さい工具が、より高い一組の切削データパラメータと共に使用されるように決定される。このようにして、最大許容製造時間内に行われる生産工程中に総二酸化炭素フットプリントが最小化される。
【0095】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、切削工具20a、20b、20c、20dがワークピース材料を処理するのに必要とされる決定された時間、切削工具20a、20b、20c、20dによってワークピース材料を処理するのに必要とされる決定された動力、および生産工程に動力を供給する1つまたは複数のエネルギー源のエネルギー源組成の少なくともいずれかに基づく。
【0096】
したがって、この実施形態では、必要なエネルギーの量、および/またはエネルギーを生成するのに必要な二酸化炭素の量に影響を及ぼす要因が、切削工具に関連する二酸化炭素排出情報に含まれる。
【0097】
一例では、異なる地域および/または国は、考慮する必要がある異なるエネルギー源組成またはエネルギー混合を有する。一例では、エネルギー源組成物は、より高い二酸化炭素フットプリントに寄与するエネルギー源と、より低い二酸化炭素フットプリントに寄与するエネルギー源との両方の混合物であってもよい。
【0098】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素フットプリントは、生産工程の前に排出されたある量の二酸化炭素をさらに含み、二酸化炭素排出情報データは、切削工具20a、20b、20c、20dの製造中に排出された二酸化炭素の量、切削工具20a、20b、20c、20dの輸送中に排出された二酸化炭素の量、および切削工具20a、20b、20c、20dによる前の処理中に排出された二酸化炭素の累積量の少なくともいずれかに基づく。
【0099】
したがって、この実施形態では、生産用の切削工具を決定するときに、生産工程の前に排出される二酸化炭素の総量を考慮することができる。
【0100】
一例では、生産工程中に大量の二酸化炭素を必要とするプロセスにおいて、切削工具20a、20b、20c、20dが製造されたときに排出された二酸化炭素の量が少ないことに関連する切削工具20a、20b、20c、20dを使用することにより、生産工程中に必要な二酸化炭素の量が少ないプロセスにおいて切削工具20a、20b、20c、20dが製造されたときに排出された二酸化炭素の量が多いことに関連する切削工具20a、20b、20c、20dを使用するのと同等以下の総二酸化炭素フットプリントを残すことができる。
【0101】
一例では、生産工程中に大量の二酸化炭素を必要とするプロセスにおいて、切削工具20a、20b、20c、20dの輸送中に排出される二酸化炭素の量が少ないことに関連する切削工具20a、20b、20c、20dを使用することにより、生産工程中に必要な二酸化炭素の量が少ないプロセスにおいて切削工具20a、20b、20c、20dの輸送中に排出される二酸化炭素の量が多いことに関連する切削工具20a、20b、20c、20dを使用するのと同等以下の総二酸化炭素フットプリントを残すことができる。
【0102】
図4は、切削工具に関連する排出された二酸化炭素の量の例示的な概略データを示す。図4に示す例では、生産工程の前に排出された異なる量の二酸化炭素が開示されている。この例では、二酸化炭素の量A-CO2=Mは、切削工具の製造中に排出された二酸化炭素の量であり、二酸化炭素の量B-CO2=N、C-CO2=O、D-CO2=PおよびE=CO2=Qは、切削工具による前の処理中に排出された二酸化炭素の異なる累積量である。この例では、生産工程の前に排出される二酸化炭素の総量は、したがってM+N+O+P+Qである。
【0103】
いくつかの実施形態によれば、各切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データは、メモリ103a、103b、103cに記憶され、各切削工具20a、20b、20c、20dの識別マーカ40a、40b、40c、40dの固有の機械可読コードに関連付けられる。
【0104】
したがって、この実施形態では、各切削工具は二酸化炭素排出情報データに関連付けられ、固有の機械可読コードは、各工具の二酸化炭素排出情報データの効率的な管理を可能にし、異なる工具を異なる二酸化炭素データと混合するなど、人間が読み取る情報に関連するヒューマンエラーのリスクをさらに排除する。
【0105】
一例では、切削工具に関連する二酸化炭素排出情報を管理することができ、例えば、切削工具の使用に応じて更新することができる。
【0106】
いくつかの実施形態によれば、生産用の切削工具は、生産用の一組の工具中の各切削工具20a、20b、20c、20dの二酸化炭素排出情報データを比較すること、ならびに生産工程中に排出される二酸化炭素の量が最も少ない切削工具20a、20b、20c、20dを選択すること、あるいは生産工程中および切削工具20a、20b、20c、20dの製造中に排出される二酸化炭素の総量が最も少ない切削工具20a、20b、20c、20dを選択すること、によって決定される。
【0107】
したがって、この実施形態では、生産用の切削工具は、生産中に排出される二酸化炭素の最小量に基づいて決定することができるが、切削工具の製造中に排出される二酸化炭素の量にも基づいて決定することができる。
【0108】
いくつかの実施形態によれば、生産用の切削工具は、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dの各切削工具20a、20b、20c、20dの二酸化炭素排出情報データを比較して、切削工具20a、20b、20c、20dを、切削工具20a、20b、20c、20dの寿命の間に排出された全二酸化炭素の量が最も少ないものとして選択することによって決定される。
【0109】
いくつかの実施形態によれば、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dは、切削工具20a、20b、20c、20dのポートフォリオからの利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dに基づいて決定され、各切削工具20a、20b、20c、20dは、それぞれの二酸化炭素排出情報データに関連付けられる。
【0110】
したがって、この実施形態では、利用可能な切削工具は、例えば特定の場所での切削工具の利用可能性に依存する、例えば生産場所に存在する現在利用可能な切削工具、または切削工具の製造業者もしくは供給業者からの切削工具の注文後の特定の期間内の切削工具の利用可能性に依存する、特定の切削工具を含む切削工具のポートフォリオに限定され得る。
【0111】
いくつかの実施形態によれば、切削工具20a、20b、20c、20dのポートフォリオは、切削工具20a、20b、20c、20dの製造業者による利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dを含み、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dは、選択された切削特徴、選択されたワークピース材料に基づいて、さらに注文に利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dの利用可能性に基づいて決定される。
【0112】
いくつかの実施形態によれば、生産場所で現在利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dを含む切削工具20a、20b、20c、20dのポートフォリオは、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dが、利用可能な選択された切削特徴および選択されたワークピース材料に基づいて決定される。
【0113】
いくつかの実施形態によれば、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dは、利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dのグループから決定され、各利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dは、リーダデバイス10a、10b、10cによって、各切削工具20a、20b、20c、20dの識別マーカ40a、40b、40c、40dを読み取ることによって識別され、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dに関連する機械可読コードである。
【0114】
したがって、この実施形態では、例えば、機械50のオペレータは、リーダデバイス10a、10b、10cを使用し、生産場所で現在利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dを識別することができる。
【0115】
一例では、機械50のオペレータは、リーダデバイス10a、10b、10cを使用して、切削工具の在庫において現在利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dを識別するか、または機械50の近傍に存在する現在利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dを識別し、リーダデバイス10a、10b、10cによって識別された一組の切削工具20a、20b、20c、20dに基づいて、生産用の切削工具を決定することができる。
【0116】
いくつかの実施形態によれば、各切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データは、リーダデバイス10a、10b、10cによって、切削工具20a、20b、20c、20dの識別マーカ40a、40b、40c、40dを読み取り、識別マーカ40a、40b、40c、40dは切削工具20a、20b、20c、20dに関連する機械可読コードであり、切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データをメモリ103a、103b、103cから取得することによって得られる。
【0117】
本開示の第2の態様は、生産工程に関連する二酸化炭素フットプリントを削減するための電子デバイス1a、1b、1cを示し、二酸化炭素フットプリントは、生産工程中に排出される少なくともある量の二酸化炭素を含む。電子デバイス1a、1b、1cは、電子デバイス1a、1b、1cに、切削工具20a、20b、20c、20dによる生産のための選択された切削特徴を示すパラメータを取得させ、切削工具20a、20b、20c、20dによる生産のための選択されたワークピース材料を示すパラメータを取得させるように構成された処理回路102a、102b、102cを含む。処理回路102a、102b、102cは、電子デバイス1a、1b、1cに、取得されたパラメータに基づいて生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定させ、決定された一組の切削工具20a、20b、20c、20dの各切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、決定された一組の切削工具20a、20b、20c、20dから生産用の切削工具を決定させるようにさらに構成される。
【0118】
したがって、この態様では、選択された切削特徴および選択されたワークピース材料に応じて、決定された一組の切削工具の各切削工具に関連する二酸化炭素排出情報データを比較することによって、生産用の切削工具が選択される。
【0119】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイス1a、1b、1cは、メモリ103a、103b、103cをさらに含む。
【0120】
いくつかの実施形態によれば、処理回路102a、102b、102cは、一組の切削データパラメータに関連する二酸化炭素排出情報データに基づいて、生産工程のための一組の切削データパラメータを決定するようにさらに構成される。
【0121】
したがって、この実施形態では、選択されたワークピース材料70を二酸化炭素フットプリントの削減された生産用の切削工具で処理するために、切削データパラメータに従って機械50をプログラムすることができる。
【0122】
いくつかの実施形態によれば、処理回路102a、102b、102cは、電子デバイス1a、1b、1cに少なくとも1つの制限パラメータを取得させるようにさらに構成される。処理回路102a、102b、102cは、少なくとも1つの制限パラメータを考慮に入れて一組の切削データパラメータを決定するようにさらに構成される。
【0123】
したがって、この実施形態では、一組の切削データパラメータは、生産工程における少なくとも1つの制限に関して決定することができる。
【0124】
いくつかの実施形態によれば、各切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データは、メモリ103a、103b、103cに記憶され、各切削工具20a、20b、20c、20dの識別マーカ40a、40b、40c、40dの固有の機械可読コードに関連付けられる。
【0125】
したがって、この実施形態では、各切削工具は二酸化炭素排出情報データに関連付けられ、固有の機械可読コードは、各工具の二酸化炭素排出情報データの効率的な管理を可能にし、異なる工具を異なる二酸化炭素データと混合するなど、人間が読み取る情報に関連するヒューマンエラーのリスクをさらに排除する。
【0126】
図4は、データをメモリ103a、103b、103cにどのように記憶および関連付けることができるかの概略例を示す。図4では、識別マーカは、記憶されたデータに関連付けられているものとして示されている。この例では、識別マーカの固有の機械可読コード#AA0002は、異なる量の二酸化炭素A-CO2=M、B-CO2=N、C-CO2=O、D-CO2=PおよびE=CO2=Qを含むデータと関連付けられる。
【0127】
いくつかの実施形態によれば、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、二酸化炭素排出情報データに関連付けられた固有の機械可読コードであり、二酸化炭素排出情報データは、特定の切削工具20a、20b、20c、20dに関連付けられた個々の二酸化炭素排出情報データを含む。言い換えれば、各工具部分20a、20b、20c、20dの各識別マーカ40a、40b、40c、40dは、他の工具部分20a、20b、20c、20dが全く同じ識別マーカ40a、40b、40c、40dを有さないように一意である。これにより、識別マーカ40a、40b、40c、40dを、特定の切削工具20a、20b、20c、20dに関連する個々の二酸化炭素排出情報データに関連付けることができる。
【0128】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイス1a、1b、1cは、切削工具20a、20b、20c、20dに配置された機械可読コードを読み取るように構成されたリーダデバイス10a、10b、10cをさらに含み、リーダデバイス10a、10b、10cは処理回路102a、102b、102cに動作可能に接続され、処理回路102a、102b、102cは、電子デバイス1a、1b、1cに、利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dのグループから生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定させるようにさらに構成され、各利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dは、リーダデバイス10a、10b、10cによって、各切削工具20a、20b、20c、20dの識別マーカ40a、40b、40c、40dを読み取ることによって識別され、識別マーカ40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dに関連する機械可読コードである。
【0129】
したがって、この実施形態では、例えば、機械のオペレータは、リーダデバイスを使用して、生産場所で現在利用可能な切削工具を識別することができる。
【0130】
図3は、本開示の実施形態による、切削工具20a、20b、20c、20dに配置された機械可読コード40a、40b、40c、40dを読み取るように構成されたリーダデバイス10aを有する例示的な電子デバイス1aを示す。図3に示す例では、電子デバイス1aはスマートフォンであり、リーダデバイス10aはスマートフォンのカメラである。カメラ10aは、スマートフォンの前方にある切削インサートの形態の切削工具20a、20b、20c、20dの機械可読コード40a、40b、40c、40dを読み取る。各機械可読コード40a、40b、40c、40dは、切削工具20a、20b、20c、20dのそれぞれに関連付けられ、一組の切削工具20a、20b、20c、20dから生産用の切削工具をさらに決定するために、生産用の一組の切削工具20a、20b、20c、20dを決定するために識別され使用される。一例では、これは、利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dの数が限られており、利用可能な切削工具20a、20b、20c、20dに基づいて生産用の切削工具を決定することによって、生産工程の二酸化炭素フットプリントを削減することが望ましい場合に特に有用である。
【0131】
いくつかの実施形態によれば、電子デバイス1a、1b、1cの処理回路102a、102b、102cは、切削工具20a、20b、20c、20dに関連する機械可読コードに基づいて、メモリ103a、103b、103cから切削工具20a、20b、20c、20dに関連する二酸化炭素排出情報データを取得するようにさらに構成される。
【0132】
したがって、この実施形態では、二酸化炭素排出情報データは、電子デバイスによってアクセス可能であり、生産用の切削工具を決定するために使用することができる。
【0133】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、識別マーカ40a、40b、40c、40dの固有の機械可読コードを復号することによって取得され、復号された情報から二酸化炭素排出情報データを取得する。
【0134】
したがって、この実施形態では、二酸化炭素排出に関する情報をコード化し、切削工具で利用可能な固有の機械可読コード自体に格納することができる。
【0135】
いくつかの実施形態によれば、二酸化炭素排出情報データは、固有の機械可読コードを関連データと比較することによって取得され、固有の機械可読コードに関連する二酸化炭素排出情報データは、メモリ103a、103b、103cから取得される。
【0136】
したがって、この実施形態では、二酸化炭素排出情報データは、例えばリモートメモリ103cであるメモリに記憶することができ、二酸化炭素排出情報データは、切削工具顧客のための切削工具製造業者によって記憶および管理することができる。
【0137】
本開示の第3の態様は、プログラム命令を含むコンピュータプログラムをその上に有する非一時的コンピュータ可読媒体を含むコンピュータプログラム製品を示し、コンピュータプログラムは、処理回路102a、102b、102cにロード可能であり、コンピュータプログラムが処理回路102a、102b、102cによって実行されると、方法の実行を引き起こすように構成される。
【0138】
当業者であれば、本開示が上記の好ましい実施形態に限定されないことを理解する。当業者はさらに、添付の特許請求の範囲内で修正および変形が可能であることを理解する。さらに、開示された実施形態に対する変形は、図面、開示、および添付の特許請求の範囲の研究から、特許請求された開示を実施する際に当業者によって理解および達成され得る。
図1a
図1b
図1c
図1d
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】