IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニムの特許一覧

特表2023-524771エアロゾル発生ロッドセグメントおよびこうしたセグメントを備えるエアロゾル発生物品
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】エアロゾル発生ロッドセグメントおよびこうしたセグメントを備えるエアロゾル発生物品
(51)【国際特許分類】
   A24D 1/20 20200101AFI20230606BHJP
   A24F 40/465 20200101ALI20230606BHJP
   A24F 40/20 20200101ALI20230606BHJP
【FI】
A24D1/20
A24F40/465
A24F40/20
【審査請求】未請求
【予備審査請求】有
(21)【出願番号】P 2022567247
(86)(22)【出願日】2021-05-03
(85)【翻訳文提出日】2022-11-04
(86)【国際出願番号】 EP2021061584
(87)【国際公開番号】W WO2021224190
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20172866.4
(32)【優先日】2020-05-05
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】596060424
【氏名又は名称】フィリップ・モーリス・プロダクツ・ソシエテ・アノニム
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100109335
【弁理士】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(72)【発明者】
【氏名】ビューラー フレデリク ユリス
(72)【発明者】
【氏名】クルバ ジェローム クリスティアン
(72)【発明者】
【氏名】ダイオグル オヌール
(72)【発明者】
【氏名】ミロノフ オレク
(72)【発明者】
【氏名】ストゥラ エンリコ
(72)【発明者】
【氏名】ニゾフツェフ デニス
(72)【発明者】
【氏名】ザニボニ カーロ
【テーマコード(参考)】
4B045
4B162
【Fターム(参考)】
4B045AA50
4B045AB00
4B162AA03
4B162AA22
4B162AB12
4B162AB22
4B162AC22
(57)【要約】
ロッド状のサセプタケーシング(1)と、ロッド状のサセプタケーシング中に含有されたエアロゾル形成ゲル(2)とを備える、エアロゾル発生ロッドセグメント。サセプタケーシングは底部(11)と、波形にされた側壁(12)と、底部の反対側に配設された開口部(13)とを備える。エアロゾル形成ゲルは、少なくとも一つのポジティブロッキング手段(126)によって、エアロゾル発生ロッドセグメントの軸方向でサセプタケーシング内部に保持されている。
【選択図】図5
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ロッド状のサセプタケーシングと、前記ロッド状のサセプタケーシング中に含有されたエアロゾル形成ゲルとを備えるエアロゾル発生ロッドセグメントであって、前記サセプタケーシングが底部と、側壁と、底部の反対側に配設された開口部とを備え、かつ前記エアロゾル形成ゲルが、少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、エアロゾル発生ロッドセグメントの軸方向で、前記サセプタケーシング内部に保持されていて、前記サセプタケーシングの前記側壁が波形にされている、エアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項2】
前記少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つが、前記サセプタケーシングの内向きに向けられた継ぎ目として、特に内向きに配設されたフランジとして設計されている、請求項1に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項3】
前記継ぎ目が、前記サセプタケーシングの端セクションに隣接して配設されていて、その端セクションが前記サセプタケーシングの前記底部の反対側に配設されている、請求項2に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項4】
前記継ぎ目が、前記サセプタケーシングの前記側壁の内向きに曲げられた端部分によって形成されている、請求項2~3のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項5】
前記少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つが、半径方向内向きに向いた突出部として設計されている、請求項1~4のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項6】
前記半径方向内向きに向いた突出部が、前記サセプタケーシングの前記側壁の半径方向内向きに向いた変形である、請求項5に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項7】
前記エアロゾル形成ゲルが、前記サセプタケーシングの長軸方向の隙間を有する前記少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、前記カートリッジ内に保持されている、請求項1~6のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項8】
前記少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つが、前記サセプタケーシングの全周囲に沿って、特に前記サセプタケーシングの前記側壁の全周囲に沿って配設されている、請求項1~7のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項9】
前記サセプタケーシングの前記側壁の少なくとも一部が、サセプタ材料で作製されている、請求項1~8のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項10】
波形が半径方向に内向きに集中して、前記少なくとも一つのポジティブロッキング手段を形成する、請求項1~9のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項11】
波形が前記サセプタケーシングの長軸方向で整列されている、請求項1~10のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項12】
前記サセプタケーシングの前記底部および前記サセプタケーシングの前記側壁が、単一部品として作製されている、請求項1~11のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
【請求項13】
端と端を接する位置で配設された、かつロッドを形成するようにラッパー内に巻かれた複数のセグメントを備えるエアロゾル発生物品であって、前記複数のセグメントが、請求項1~12のいずれか一項に記載のエアロゾル発生ロッドセグメントを備える、エアロゾル発生物品。
【請求項14】
前記複数のセグメントが中空管、フィルターセグメント、気流指向要素、および空の空洞のうちの少なくとも一つをさらに備える、請求項13に記載のエアロゾル発生物品。
【請求項15】
前記エアロゾル発生ロッドセグメントが、中空アセテート管とフィルターセグメントの間に配設されている、請求項13~14のいずれか一項に記載のエアロゾル発生物品。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、エアロゾル発生物品で使用されるエアロゾル発生セグメントに関する。特に本開示は、エアロゾル形成ゲルを含む誘導加熱可能なエアロゾル発生セグメントに関する。
【背景技術】
【0002】
端と端を接した位置に配設された幾つかのセグメントを備えるエアロゾル発生物品が知られている。セグメントのうちの一つは、エアロゾル形成基体と、エアロゾル形成基体を加熱するためのサセプタとを備えるセグメントであってもよい。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
誘導加熱可能なエアロゾル発生物品で使用されるエアロゾル発生ロッドセグメントを提供し、かつロッドセグメントがゲルの形態のエアロゾル形成基体を含むことが望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明によると、ロッド状のサセプタケーシングと、ロッド状のサセプタケーシング中に含有されたエアロゾル形成ゲルとを備える、エアロゾル発生ロッドセグメントが提供されている。サセプタケーシングは底部と、側壁と、底部の反対側に配設された開口部とを備える。エアロゾル形成ゲルは、少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、エアロゾル発生ロッドセグメントの軸方向でサセプタケーシング内部に保持されている。
【0005】
ゲルの形態のエアロゾル形成基体は、基体が基本的に任意の形状を有して提供されてもよいという利点を有する。しかしながら、そのようなゲルは気密であるため、任意の気化したゲルは、気化していないか、またはまだ気化していない残りのゲルに対して圧力を生じさせる場合がある。例えば、プラグの一方の端でゲルプラグが加熱される場合、プラグ全体がその位置から外に押しやられる場合がある。しかしながら、ゲルの形態のエアロゾル形成基体をケーシング内に提供することには、幾つかの利点がある。ゲルは、例えば液体状でケーシングの中に充填されてもよく、それ故にケーシングと密接に接触する場合がある。これによって、ケーシングからエアロゾル形成ゲルへの熱伝達は非常に直接的であり、最適化される。サセプタ材料で追加的に作製されたケーシングは、電力を節約する様態で誘導加熱を介して直接加熱されてもよく、またこれによって、電線または抵抗ヒーターのための余分な材料または空間は必要とされない。
【0006】
ケーシングは概して、特にロッド状のエアロゾル発生セグメントを備えるエアロゾル発生物品が、使用後に典型的に廃棄される物品であるため、可能な限り少ない材料しか使用しないようにするために、可能な限り開放している。なおさらに、ケーシングは、ケーシングを充填するために、または少なくとも気化したゲルがケーシングを出るために、開放している必要がある。エアロゾル形成ゲル上で軸方向に作用するケーシング内またはケーシングにて提供されたポジティブロッキング手段は、エアロゾル形成ゲルをケーシング内に保持することを可能にする。例えば、ケーシングがケーシングの底部にて加熱される時、ゲルはケーシングの底部端で気化される。ここで、発生した蒸気は、残りの気化していないゲルを、底部の反対側に配設されたケーシングの開口部を通して、ケーシングの外に軸方向に押す傾向がある。ケーシング内に提供されたポジティブロッキング手段は、この気化していないゲルをケーシング内に保持してもよい。
【0007】
ポジティブロッキング手段は、ケーシング上またはケーシング内の様々な位置に配設されてもよく、またエアロゾル発生ロッドセグメントの軸方向での保持作用を満たすために、様々な形状で設計されてもよい。
【0008】
当該少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つは、サセプタケーシングの内向きに向けられた継ぎ目として設計されていることが好ましい。特に、少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、ケーシングの内向きに配設されたフランジを形成してもよい。継ぎ目は、サセプタケーシングの端セクションに隣接して配設されてもよく、この端セクションはサセプタケーシングの底部の反対側に配設されている。
【0009】
継ぎ目の形態のポジティブロッキング手段は、サセプタケーシングの側壁の内向きに曲げられた端部分によって形成されていることが好ましい。側壁の内向きに曲げられた端部分は、余分な継ぎ目またはフランジをケーシングに取り付ける必要がないため、製造の観点から有利である。加えて、ケーシングと、別個に取り付けられた継ぎ目との間にいかなる意図しない漏れも存在しない場合がある。なおさらにケーシングは例えば、形成され、ゲルで充填され、その後ケーシング壁の端部分を半径方向内向きに単に曲げることによって部分的に閉じられてもよい。
【0010】
当該少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つは、半径方向内向きに向いた突出部として設計されていることが好ましい。半径方向内向きに向いた突出部は、サセプタケーシングの円周方向で半径方向延長部を有し、この半径方向延長部は、サセプタケーシングの長軸方向の突出部の長軸方向延長部よりも大きい。半径方向内向きに向いた突出部は、ケーシングの側壁の内部に沿って円周方向に配設された一つまたは幾つかのリブを形成することが好ましい。
【0011】
半径方向内向きに向いた突出部は、例えば突出部の位置にて、より厚い側壁によって形成されてもよい。半径方向内向きに向いた突出部は、例えば局所的に変形したケーシングによって形成されてもよい。
【0012】
半径方向内向きに向いた突出部は、サセプタケーシングの側壁の半径方向内向きに向いた変形であることが好ましい。側壁の変形は、ケーシングを充填する前にケーシング内に存在してもよく、またはケーシングが充填された後に、例えばケーシングの開放端にて内向きに向いた継ぎ目とともに生成されてもよい。
【0013】
突出部は、ケーシングの長さに沿った任意の位置に配設されてもよい。突出部は、ケーシングの高さの半分とケーシングの開口部との間に配設されていることが好ましい。半径方向内向きに向いた突出部は、サセプタケーシングの側壁の中間セクション内に配設されていることが好ましい。
【0014】
中間セクションは基本的に、ケーシングの二つの最遠端の間、それ故にケーシングの底部と開放端の間に延びてもよい。中間セクションは、好ましくはケーシングの長さの約20%~約95%、より好ましくは約30%~約90%、例えばケーシングの長さの約40%~約60%にわたって延びる。
【0015】
ポジティブロッキング手段は、幾つかの突出部を備えることが好ましい。幾つかの突出部は、例えばケーシングの長さに沿って相互に対して少し離れて配設されてもよい。幾つかの突出部は、例えば異なる円周位置に配設されてもよい。加えて、または別の方法として、幾つかの突出部は、例えばケーシングの同じ長軸方向の長さ位置で相互に反対側に配設されてもよい。
【0016】
少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、サセプタケーシングの一つ、二つ、三つ、四つ、または複数のセクター内に提供されてもよい。少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、例えばサセプタケーシングの周囲に沿って配設された連続的なリブなどの連続的な突出部であってもよい。少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、例えばサセプタケーシングの周囲に沿って配設された不連続リブなどの不連続突出部であってもよい。
【0017】
少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、少なくとも5度、10度、15度、20度、30度、40度、45度、または最大で20度、30度、40度、45度、50度、60度、70度、80度、90度、または180度の各セクターの円周状の範囲内に提供されていることが好ましい。
【0018】
少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つは、サセプタケーシングの全周囲に沿って、特にサセプタケーシングの側壁の全周囲に沿って配設されていることが好ましい。
【0019】
少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、例えば逐次的にまたは連続的に、ケーシングの全長に沿って提供されてもよい。例えば、少なくとも一つのポジティブロッキング手段は、側壁の一部によって、またはケーシングの底部からケーシングの開口部に半径方向内向きに連続的に集中している側壁全体によって形成されてもよい。ケーシングは、例えば切頭中空円錐を形成してもよい。ケーシングは、例えば折り曲げられた側壁構造を有してもよく、そこでは折り曲げられたものまたは波形の一部が半径方向内向きに連続的に集中する。集中する側壁は、ケーシングの長軸方向でのエアロゾル形成ゲルに対する保持として、ケーシングの全長に沿って作用するように構築されたポジティブロッキング手段を形成する。波形は、サセプタケーシングの開口部に向かって半径方向内向きに集中することが好ましい。一部の波形、例えば三分の一、半分、またはすべての波形は、サセプタケーシングの開口部に向かって半径方向内向きに集中することが好ましい。
【0020】
エアロゾル形成ゲルは、サセプタケーシングの長軸方向の隙間を有する少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、カートリッジ内に保持されてもよい。隙間は、例えばケーシングがエアロゾル形成ゲルで完全に充填されていない時に存在してもよい。次いで隙間は、ゲルの充填レベルとポジティブロッキング手段との間に延びる。充填レベルは、例えばケーシングの長さの約半分または四分の三にあってもよく、その一方でポジティブロッキング手段は、例えばケーシングの開放端にて、またはその近くに提供されてもよい。
【0021】
エアロゾル形成ゲルは、少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、サセプタケーシング内のその位置に固定されてもよい。それ故に、エアロゾル形成ゲルは、隙間を有しないでその位置に固定されてもよい。例えば、ケーシングは、エアロゾル形成ゲルで完全に充填されてもよい。別の方法として、エアロゾル形成ゲルは、ケーシングの長さに沿って配設されたポジティブロッキング手段によって、その位置に固定されてもよい。それ故に、ポジティブロッキング手段は、ケーシングの底部とゲルの充填レベルとの間のケーシングの中間セクション内に提供されてもよい。例えば、ゲルは、ケーシングの約四分の三に対応する充填レベルに充填されてもよく、その一方でポジティブロッキング手段は、ケーシングの底部とケーシングの四分の三との間、好ましくはケーシングの長さの約半分にて配設されてもよい。
【0022】
サセプタケーシングの側壁は、サセプタ材料で作製されてもよい。サセプタケーシングの底部は、サセプタ材料で作製されてもよい。少なくともケーシングの底部の一部および側壁の一部は、サセプタ材料で作製されていることが好ましい。ケーシングの底部全体および側壁全体は、サセプタ材料から作製されていることがより好ましい。
【0023】
サセプタケーシングの底部は、開放していてもよく、または閉鎖していてもよい。例えば、底部は、例えば気流が底部開口部を通ってケーシングの中に通るための一つまたは幾つかの開口部を備えてもよい。
【0024】
サセプタケーシングの底部は閉鎖していることが好ましい。
【0025】
サセプタケーシングの側壁は平らであってもよい。サセプタケーシングの側壁は波形であってもよい。波形は、サセプタケーシングの長軸方向に整列されていることが好ましい。波形は、サセプタの表面の全体的なサイズを拡大し、これによって、エアロゾル形成ゲルとサセプタ材料の間の接触表面を拡大する。
【0026】
サセプタケーシングの側壁は、円筒の形態を有することが好ましい。円筒は円形断面または非円形断面を有してもよい。
【0027】
サセプタケーシングの底部および側壁は、同じ厚さまたは同じ材料を含んでもよい。サセプタケーシングの底部および側壁は、同じ厚さおよび同じ材料を含んでもよい。サセプタケーシングの底部および側壁は、同じサセプタ材料で作製されていることが好ましい。
【0028】
サセプタケーシングの底部およびサセプタケーシングの側壁は、単一部品として作製されていることが好ましい。例えば、底部および側壁は、同じサセプタ材料のシートから折り曲げられている。
【0029】
底部は円形断面を有してもよく、または例えば多角形であってもよい。
【0030】
サセプタケーシングの底部および側壁は、異なる厚さまたは異なる材料を含んでもよい。サセプタケーシングの底部および側壁は、異なる厚さおよび異なる材料を含んでもよい。
【0031】
サセプタケーシングまたはケーシングの部品は、エアロゾル形成ゲルを含有するロッド状のケーシングを形成するために適した任意のサセプタ材料で作製されてもよく、ゲルを含有するケーシングは、エアロゾル発生ロッドセグメントの一部であるか、またはエアロゾル発生ロッドセグメントを形成する。サセプタケーシングは、アルミニウムまたはステンレス鋼を含むこと、またはアルミニウムまたはステンレス鋼で作製されていることが好ましい。
【0032】
サセプタケーシングは、5マイクロメートル~80マイクロメートル、好ましくは8マイクロメートル~50マイクロメートルの厚さを有するサセプタ材料のシートから形成されていることが好ましい。
【0033】
エアロゾル形成ゲルはゲルプラグであることが好ましい。ゲルプラグは、ケーシングの中に挿入される前に形成されてもよい。ゲルプラグは、例えば液体エアロゾル形成ゲルをケーシングの中に充填し、その後ゲルを固めることによって、ケーシング内で形成されてもよい。ゲルプラグは、少なくとも一つのポジティブロッキング手段を形成する前に、ケーシングの中に挿入されてもよい。
【0034】
エアロゾル形成ゲルは、サセプタケーシングの少なくとも30パーセント、40パーセント、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント、または最大で30パーセント、40パーセント、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント、90パーセント、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセントの充填高さを有してもよい。
【0035】
エアロゾル形成ゲルは、サセプタケーシング内部に完全に含有されていることが好ましい。
【0036】
エアロゾル形成ゲルは、固化可能な材料を含むことが好ましい。
【0037】
エアロゾル形成ゲルは、熱可逆性材料を含むことが好ましい。
【0038】
エアロゾル形成ゲルはゲル化剤を含んでもよい。エアロゾル形成ゲルは、0.5重量パーセント~5重量パーセントのゲル化剤、例えば0.7重量パーセント~2重量パーセント、または0.8重量パーセント~1重量パーセントのゲル化剤を含むことが好ましい。
【0039】
エアロゾル発生ロッドセグメントは、実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル形成ロッドセグメントは実質的に細長い。エアロゾル形成ロッドセグメントはまた、長さ、およびその長さに対して実質的に直角を成す円周を有する。
【0040】
エアロゾル発生ロッドセグメントは、エアロゾル発生物品の直径とほぼ等しい直径を有する。エアロゾル発生ロッドセグメントは、5ミリメートル~10ミリメートルの直径を有することが好ましい。エアロゾル発生ロッドセグメントの直径は、5mmよりも大きい、例えば6mm~8mmであることが好ましい。エアロゾル発生ロッドセグメントは、エアロゾル発生物品の長軸方向軸に沿った寸法として定義されてもよい長さを有する。エアロゾル発生ロッドセグメントの長さは、5ミリメートル~20ミリメートル、例えば6mm~16mmまたは7mm~12mm、例えば7ミリメートルであってもよい。エアロゾル発生ロッドセグメントは、実質的に円筒状であることが好ましい。
【0041】
本発明はまた、端と端を接した位置で配設された、かつロッドを形成するためにラッパー内に巻かれた、複数のセグメントを備える、エアロゾル発生物品、特に誘導加熱可能なエアロゾル発生物品に言及する。複数のセグメントは、本出願に記載の通りのエアロゾル発生ロッドセグメントを備える。
【0042】
複数のセグメントは、一つ以上の中空管、スペーサー要素、気流指向要素、空の空洞、第二のサセプタ含有要素、エアロゾル冷却要素、およびフィルターセグメントを備えてもよい。
【0043】
複数のセグメントは、中空管、フィルターセグメント、気流指向要素、および空の空洞のうちの少なくとも一つを備えることが好ましい。
【0044】
エアロゾル発生物品はマウスピース要素を備えてもよい。マウスピース要素は、エアロゾル発生物品の口側端または下流端に位置してもよい。
【0045】
マウスピース要素は少なくとも一つのフィルターセグメントを備えてもよい。フィルターセグメントは、セルロースアセテートトウで作製されたセルロースアセテートフィルタープラグであってもよい。フィルターセグメントは、一実施形態において6ミリメートルの長さであるが、4ミリメートル~14ミリメートルの長さを有してもよい。
【0046】
エアロゾル発生物品は、エアロゾル発生ロッドセグメントのすぐ下流に位置してもよい、またエアロゾル発生ロッドセグメントに当接してもよい支持要素を備えてもよい。
【0047】
支持要素は、任意の適切な材料または材料の組み合わせから形成されてもよい。例えば、支持要素は、セルロースアセテート、厚紙、捲縮した紙(捲縮した耐熱紙または捲縮した硫酸紙など)、および高分子材料(低密度ポリエチレン(LDPE)など)から成る群から選択される一つ以上の材料から形成されてもよい。好ましい一実施形態において、支持要素はセルロースアセテートから形成されている。
【0048】
支持要素は中空の管状要素を含んでもよい。好ましい一実施形態において、支持要素は中空のセルロースアセテートチューブを含む。
【0049】
支持要素は、エアロゾル発生物品の外径とほぼ等しい外径を有することが好ましい。
【0050】
支持要素は、5ミリメートル~12ミリメートルの外径、例えば5mm~10mmまたは6mm~8mmの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、支持要素は7.2mmプラスまたはマイナス10パーセントの外径を有する。支持要素は、5ミリメートル~15ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、支持要素は8mmの長さを有する。支持要素は約1.5mm~約2mmの壁厚さを有してもよく、1.6mm~1.8mmの壁厚さを有することが好ましい。
【0051】
エアロゾル発生物品は薄い支持要素を備えてもよい。薄い支持要素は、5ミリメートル~12ミリメートルの外径、例えば5mm~10mmまたは6mm~8mmの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、薄い支持要素は7.2mmプラスまたはマイナス10パーセントの外径を有する。薄い支持要素は、5ミリメートル~15ミリメートルの長さを有してもよい。好ましい一実施形態において、薄い支持要素は8mmの長さを有する。薄い支持要素は約0.5mm~約1mmの壁厚さを有してもよく、0.6mm~0.9mmの壁厚さを有することが好ましい。
【0052】
エアロゾル発生物品はエアロゾル冷却要素を備えてもよい。エアロゾル冷却要素はエアロゾル発生ロッドセグメントの下流に位置してもよく、例えばエアロゾル冷却要素は支持要素のすぐ下流に位置してもよく、また支持要素と当接してもよい。
【0053】
エアロゾル冷却要素は、支持要素と、エアロゾル発生物品の最遠の下流端に位置するマウスピース要素との間に位置してもよい。
【0054】
本明細書で使用される「エアロゾル冷却要素」という用語は、大きい表面積および低い引き出し抵抗を有する要素を記述するために使用される。使用時に、エアロゾル形成基体から放出された揮発性化合物によって形成されたエアロゾルは、エアロゾル発生物品の口側端に搬送される前にエアロゾル冷却要素を通して引き出される。引き出し抵抗の高いフィルター(例えば、繊維の束から形成されたフィルター)とは対照的に、エアロゾル冷却要素は低い引き出し抵抗を有する。チャンバーおよび空洞(エアロゾル発生物品内の膨張チャンバーおよび支持要素など)はまた、エアロゾル冷却要素であると見なされない。
【0055】
エアロゾル冷却要素は、50パーセント超の長軸方向での空隙率を有することが好ましい。エアロゾル冷却要素を通る気流経路は、比較的に制約されていないことが好ましい。エアロゾル冷却要素は、シートの集合体または捲縮したシートの集合体であってもよい。エアロゾル冷却要素は、ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ塩化ビニル(PVC)、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリ乳酸(PLA)、セルロースアセテート(CA)、およびアルミ箔、またはこれらの任意の組み合わせから成る群から選択されるシート材料を含んでもよい。
【0056】
好ましい一実施形態において、エアロゾル冷却要素は、生分解性材料のシートの集合体を含む。例えば、非多孔性の紙のシートの集合体、またはポリ乳酸またはMater-Bi(登録商標)(デンプン系のコポリエステルの市販のファミリー)の等級などの生分解性高分子材料のシートの集合体。
【0057】
エアロゾル冷却要素はPLAのシートを含むことが好ましく、PLAの捲縮したシートの集合体を含むことがより好ましい。エアロゾル冷却要素は、10マイクロメートル~250マイクロメートル(例えば、50マイクロメートル)の厚さを有するシートから形成されてもよい。エアロゾル冷却要素は、150ミリメートル~250ミリメートルの幅を有するシートの集合体から形成されてもよい。エアロゾル冷却要素は、長さ1ミリメートル当たり300平方ミリメートル~1000平方ミリメートル、重量1mg当たり10平方ミリメートル~100平方ミリメートルの比表面積を有してもよい。一部の実施形態において、エアロゾル冷却要素は、重量1mg当たり約35平方ミリメートルの比表面積を有する材料シートの集合体から形成されてもよい。エアロゾル冷却要素は、5ミリメートル~10ミリメートル、例えば7mmの外径を有してもよい。
【0058】
一部の好ましい実施形態において、エアロゾル冷却要素の長さは、10ミリメートル~15ミリメートルである。エアロゾル冷却要素の長さは、10ミリメートル~14ミリメートル、例えば13ミリメートルであることが好ましい。
【0059】
代替的な実施形態において、エアロゾル冷却要素の長さは、15ミリメートル~25ミリメートルである。エアロゾル冷却要素の長さは16ミリメートル~20ミリメートル、例えば18ミリメートルであることが好ましい。
【0060】
エアロゾル発生ロッドセグメントは、中空アセテート管とフィルターセグメントの間に配設されていることが好ましい。
【0061】
エアロゾル発生物品は実質的に円筒状の形状であってもよい。エアロゾル発生物品は実質的に細長くてもよい。エアロゾル発生物品は、長さと、その長さに対して実質的に直角を成す円周とを有してもよい。
【0062】
エアロゾル発生物品は、30ミリメートル~100ミリメートルの全長を有してもよい。好ましい実施形態において、エアロゾル発生物品は、40mm~55mm、例えば42~52mmの全長を有する。
【0063】
エアロゾル発生物品は5ミリメートル~12ミリメートル、例えば6mm~8mmの外径を有してもよい。好ましい一実施形態において、エアロゾル発生物品は7.2mmプラスまたはマイナス10パーセントの外径を有する。
【0064】
本発明はまた、エアロゾル発生ロッドセグメントの製造方法に言及する。方法は、
底部、側壁、および底部と反対側の開口部を備えるロッド状のサセプタケーシングを提供することと、エアロゾル形成ゲルをサセプタケーシングの中に充填することと、エアロゾル発生ロッドセグメント内に少なくとも一つの形態係止手段を提供することと、少なくとも一つの形態係止手段が、エアロゾル形成ゲルをサセプタケーシング内部に保持することと、を含む。
【0065】
少なくとも一つの形態係止手段は、エアロゾル形成ゲルがサセプタケーシングの中に充填される前または後に提供されてもよい。本方法は、エアロゾル形成ゲルでサセプタケーシングを充填した後に、エアロゾル発生ロッドセグメント内に少なくとも一つの形態係止手段を提供することを含むことが好ましい。
【0066】
形態係止手段は、エアロゾル発生ロッドセグメントを参照しながら記述されている通り、異なる形態および位置を有してもよい。本方法は、サセプタケーシングの側壁の少なくとも一部を半径方向内向きに曲げることによって、少なくとも一つの形態係止手段を形成することを含むことが好ましい。これらの部分は、側壁の端部または中間部であってもよい。その結果、形態係止手段は、ケーシングの開口部にて、またはケーシングの長さに沿った一つまたは幾つかの位置にて配設されてもよい。
【0067】
側壁の部分を内向きに曲げることは、エアロゾル形成ゲルをケーシング内で軸方向に保持するためのポジティブ形態係止手段を製造するための非常に単純な手段である。
【0068】
エアロゾル形成ゲルの充填方法および一貫性に依存して、ポジティブロッキングの形成は、ケーシングを充填する前または後に実施されるように選ばれてもよい。
【0069】
エアロゾル形成ゲルは、サセプタケーシングの中へのエアロゾル形成ゲルの充填の後に固化されることが好ましい。
【0070】
方法は、側壁の端部分を内向きに曲げることを含むことが好ましく、それによってサセプタケーシングの開口部のサイズを画定する。こうしたポジティブロッキング手段は、係止手段がケーシングを部分的に直接閉じるため、特に有利である。こうしたポジティブロッキング手段は、ケーシング内のゲルの充填高さと無関係であるため、有利である。加えて、ポジティブロッキング手段のサイズは、内向きに曲げられている端部分の長さを変化させることによって変化させてもよい。
【0071】
方法は、サセプタケーシングの側壁内に波形を提供することを含んでもよい。波形の提供によって、サセプタケーシングの表面、およびまたサセプタとエアロゾル形成ゲルの間の接触表面は、ケーシングの、およびエアロゾル発生ロッドセグメントの同じ円周サイズによって高められてもよい。
【0072】
波形は、サセプタケーシングの底部から開口部に延び、それ故にサセプタケーシングの側壁の全長に沿って延びることが好ましい。
【0073】
方法は、サセプタケーシングの側壁内に半径方向内向きに向いた突出部を形成することによって、少なくとも一つの形態係止手段を形成することを含んでもよい。
【0074】
本発明による方法に従って製造されたエアロゾル発生ロッドセグメントは、本発明による、および本明細書に記載の通りのエアロゾル発生ロッドセグメントであることが好ましい。
【0075】
本明細書で使用される「サセプタ」という用語は、電磁エネルギーを熱に変換できる材料を指す。変動する電磁場内に位置する時、典型的にサセプタ内に渦電流が誘発され、かつヒステリシス損失が生じ、サセプタの加熱を引き起こす。サセプタ材料は、エアロゾル形成ゲルと物理的におよび熱的に直接接触しているため、エアロゾル形成ゲルはサセプタ材料によって加熱される。
【0076】
サセプタは、固体エアロゾル形成基体およびエアロゾル形成液体からエアロゾルを発生させるのに十分な温度に誘導加熱することができる任意の材料から形成されてもよい。好ましいサセプタは金属または炭素を含む。好ましいサセプタは強磁性材料(例えば、強磁性合金、フェライト鉄、または強磁性鋼もしくは強磁性ステンレス鋼)を含んでよく、またはそれから成ってもよい。適切なサセプタはアルミニウムであってもよく、またはアルミニウムを含んでもよい。好ましいサセプタは、300または400シリーズのステンレス鋼、例えばグレード410、またはグレード420、またはグレード430のステンレス鋼から形成されてもよい。異なる材料は、類似の値の周波数および磁界強度を有する電磁場内に位置付けられた時に、異なる量のエネルギーを散逸させる。それ故に、材料のタイプ、長さ、および厚さなどのサセプタのパラメータはすべて、周知の電磁場内で望ましい電力散逸を提供するように改変されてもよい。
【0077】
好ましいサセプタは、摂氏250度を超える温度に加熱されてもよい。
【0078】
「エアロゾル形成ゲル」は本明細書において、好ましくはゲルが加熱される時に、サセプタが中に配設されている物品を通過する気流の中に揮発性化合物を放出する能力を有する材料または材料の混合物であると理解される。ゲルの提供は、サセプタ、エアロゾル発生物品、またはエアロゾル発生装置からの漏れのリスクが低減される場合があるため、保管および搬送のために、または使用中に有利である場合がある。
【0079】
有利なことにゲルは室温で固体である。この文脈において「固体」とは、ゲルが、安定したサイズおよび形状を有し、かつ流れないことを意味する。この文脈において室温は摂氏25度を意味する。
【0080】
ゲルはエアロゾル形成体を含んでもよい。理想的にエアロゾル形成体は、サセプタの動作温度にて熱分解に対して実質的に耐性がある。適切なエアロゾル形成体は当業界で周知であり、これには多価アルコール(トリエチレングリコール、1,3-ブタンジオール、グリセリンなど)、多価アルコールのエステル(グリセロールモノアセテート、ジアセテート、またはトリアセテートなど)、およびモノカルボン酸、ジカルボン酸、またはポリカルボン酸の脂肪族エステル(ドデカン二酸ジメチル、テトラデカン二酸ジメチルなど)が挙げられるが、これらに限定されない。多価アルコールまたはその混合物は、トリエチレングリコール、1、3-ブタンジオールおよび、グリセリンまたはポリエチレングリコールのうちの一つ以上であってもよい。
【0081】
有利なことにゲルは、例えば熱可逆性ゲルを含む。これは、ゲルが溶融温度に加熱された時に流体になり、またゲル化温度にて再びゲルになることを意味する。ゲル化温度は室温および大気圧以上であってもよい。大気圧は1気圧の圧力を意味する。溶融温度はゲル化温度よりも高くてもよい。ゲルの溶融温度は、摂氏50度または摂氏60度または摂氏70度を上回ってもよく、摂氏80度を上回ってもよい。この文脈における溶融温度は、ゲルがもはや固体ではなくなり、流れ始める温度を意味する。
【0082】
別の方法として、特定の実施形態において、ゲルは、サセプタの使用中に溶融しない非溶融ゲルである。これらの実施形態において、使用中のサセプタの動作温度以上であるが、ゲルの溶融温度を下回る温度にて、ゲルは少なくとも部分的に活性剤を放出する場合がある。
【0083】
ゲルは、好ましくは50,000~10パスカル/秒、好ましくは10,000~1,000パスカル/秒の粘度を有し、所望の粘度を与える。
【0084】
特定の実施形態との組み合わせにおいて、ゲルはゲル化剤を含む。特定の実施形態において、ゲルは寒天もしくはアガロースもしくはアルギン酸ナトリウムもしくはジェランガム、またはこれらの混合物を含む。
【0085】
特定の実施形態において、ゲルは水を含み、例えばゲルはヒドロゲルである。別の方法として、特定の実施形態において、ゲルは非水性である。
【0086】
ゲルは活性剤を含むことが好ましい。特定の実施形態との組み合わせにおいて、活性剤はニコチン(例えば、粉末状または液体状のニコチン)、または例えばエアロゾル中に放出するためのたばこ製品もしくは別の標的化合物を含む。特定の実施形態において、ニコチンはエアロゾル形成体とともにゲル中に含まれている。室温でゲルの中にニコチンを閉じ込めることは、エアロゾル発生物品からのニコチンの漏れを防止するために望ましい。
【0087】
特定の実施形態において、ゲルは、加熱された時に風味化合物を放出する固体たばこ材料を含む。特定の実施形態に応じて、固体たばこ材料は、例えば薬草の葉、たばこ葉、たばこの茎の断片、再構成たばこ、均質化したたばこ、押出成形たばこ、および膨化たばこなどの植物材料のうちの一つ以上を包含する、粉末、顆粒、ペレット、断片、スパゲッティ、細片、またはシートのうちの一つ以上である。
【0088】
ゲルが他の風味、例えばメントールを含む実施形態がある。メントールを、ゲルの形成の前に、水またはエアロゾル形成体のいずれかに添加することができる。
【0089】
寒天がゲル化剤として使用される実施形態において、ゲルは、例えば0.5~5重量パーセント、好ましくは0.8~1重量パーセントの寒天を含んでもよい。ゲルは0.1~2重量パーセントのニコチンをさらに含むことが好ましい。ゲルは、30重量パーセント~90重量パーセント(または70重量パーセント~90重量パーセント)のグリセリンをさらに含むことが好ましい。特定の実施形態において、ゲルの残りの部分は水および風味剤を含む。
【0090】
ゲル化剤は、摂氏85度を上回る温度で溶融する、かつ摂氏40度前後でゲルに戻る特性を有する寒天であることが好ましい。この特性は寒天を高温環境に対して適切なものとする。ゲルは摂氏50度で溶融せず、このことは例えば、日に当たる高温の自動車内にシステムが置かれる場合に有用である。摂氏85度前後での液体への相転移は、ゲルがエアロゾル化を誘発するために比較的に低い温度に加熱されることのみを必要とし、低いエネルギー消費を可能にすることを意味する。寒天の代わりに寒天の成分の一つであるアガロースのみを使用することが有益である場合がある。
【0091】
ジェランガムがゲル化剤として使用される場合、ゲルは典型的に、0.5~5重量パーセントのジェランガムを含む。ゲルは0.1~2重量パーセントのニコチンをさらに含むことが好ましい。ゲルは30重量パーセント~99.4重量パーセントのグリセリンを含むことが好ましい。特定の実施形態において、ゲルの残りの部分は水および風味剤を含む。
【0092】
一実施例において、ゲルは2重量パーセントのニコチン、70重量パーセントのグリセロール、27重量パーセントの水、および1重量パーセントの寒天を含む。
【0093】
別の実施例において、ゲルは65重量パーセントのグリセロール、20重量パーセントの水、14.3重量パーセントのたばこ、および0.7重量パーセントの寒天を含む。
【0094】
カップ状サセプタを含むロッド状のエアロゾル発生物品を組み立てるための方法も提供されている。カップ状サセプタは、本発明による、および本出願に記載の通りのカップ状サセプタケーシングであってもよい。
【0095】
方法は、中空管を垂直の様態で位置付けることと、中空管内にカップ状サセプタを提供することと、エアロゾル形成ゲルをカップ状サセプタの中に充填することと、エンドピースを中空管の中に挿入することとを含む。
【0096】
中空管は、サセプタの周りに位置付けられてもよく、またはカップ状サセプタは、中空管の中に挿入されてもよい。カップ状サセプタは、中空管の中に挿入されていることが好ましい。
【0097】
方法は、中空管の上端を通してサセプタを挿入することと、サセプタを中空管の下端に位置付けることとを含むことが好ましい。カップ状サセプタは、中空管の下端と実質的に同一平面上に配設されてもよい。
【0098】
カップ状サセプタは、サセプタが中空管内に位置付けられる前に、エアロゾル形成ゲルで充填されてもよい。サセプタは、サセプタが中空管内に位置付けられた後に、ゲルで充填されてもよい。方法は、カップ状サセプタを中空管内に位置付けた後に、カップ状サセプタをエアロゾル形成ゲルで充填することを含むことが好ましい。
【0099】
方法は、ゲル投与装置を中空管の中に挿入することと、所望の量のエアロゾル形成ゲルをサセプタの中に投与することと、ゲル投与装置を中空管から撤収することとを含んでもよい。ゲルは、サセプタの中に充填されている時、液体状またはペースト状であってもよい。
【0100】
エンドピースは、中空管の上端を通して中空管の中に挿入されてもよく、また中空管を閉じてもよい。エンドピースは、中空管の上端と同一平面上に配設されてもよい。エンドピースは、陥凹したフィルター端を有するエアロゾル発生物品を形成するために、中空管の陥凹した端を形成してもよい。エンドピースは、物品の延長したフィルター部分を形成する中空管から延びてもよい。
【0101】
エアロゾル発生物品の長さは、中空管の長さによって画定されていることが好ましい。
【0102】
エンドピースは、セグメントの予め組み立てられた組み合わせであることが好ましい。エンドピースは、例えば一つ以上のフィルター要素、セルロースアセテートチューブなどの一つ以上の中空管、またはディフューザーセグメントを備えてもよい。
【0103】
エンドピースは、フィルター、中空管、およびディフューザー要素のうちの少なくとも一つを備えることが好ましい。
【0104】
中空管は、厚紙管またはプラスチック管であってもよい。中空管は、厚紙の管であることが好ましい。中空管は、スパイラル状に巻かれた厚紙の管であることが好ましい。
【0105】
中空管は、5ミリメートル~12ミリメートルの直径を有してもよい。中空管の直径は、5mmよりも大きい、例えば6mm~8mmであることが好ましい。
【0106】
中空管は、30ミリメートル~100ミリメートルの全長を有してもよい。好ましい実施形態において、中空管は、40mm~55mm、例えば42mm~52mmの全長を有する。中空管は実質的に円筒状であることが好ましい。
【0107】
中空管の壁厚さは、0.2ミリメートル~2ミリメートル、好ましくは0.5mm~1.5mmであってもよい。
【0108】
方法は、カップ状サセプタをサセプタシート材料片から予め形成することをさらに含んでもよい。カップ状サセプタは、ディスク状のサセプタシート材料片から形成されていることが好ましい。ディスクは、例えばアルミニウム箔またはステンレス鋼箔のシートからの切り抜きであってもよい。
【0109】
カップ状サセプタは、平らである側壁を有してもよい。カップ状サセプタの側壁は、波形であってもよい。波形は、カップ状サセプタの長軸方向に整列されていることが好ましい。波形は、カップケーキ形状のサセプタを形成するように、溝付きであってもよく、または側壁の断面に沿って見た時に、ジグザグパターンを有してもよい。
【0110】
カップ状サセプタの側壁は、カップ状サセプタが中空管の中に挿入されている、かつ位置付けられている時、中空管上に保持力を加えることが好ましい。
【0111】
カップ状サセプタの側壁は、好ましくは中空管の内径に対応して、半径方向外向きに延び、その後半径方向内向きに押されて、実質的に円筒状の形態を達成する。波形は、サセプタが中空管の中に挿入されている時、サセプタの側壁の明確に画定された折り曲げを可能にする。加えて、側壁は、サセプタと中空管の間に保持力を加えてもよい。この保持力は、中空管内のカップ状サセプタの位置付けを支持してもよく、またカップ状サセプタが中空管内で位置付けられると、カップ状サセプタが中空管内で変位されることを防止してもよい。
【0112】
保持力を発生するために、カップ状サセプタの直径は、サセプタが中空管内に位置付けられる前に、中空管の内径よりも大きい。カップ状サセプタの直径は、中空管の内径よりも少なくとも10パーセントだけ大きいことが好ましい。カップ状サセプタの直径は、中空管の内径よりも少なくとも1ミリメートルだけ大きいことが好ましい。カップ状サセプタを位置付けると、側壁は半径方向内向きに圧縮される。
【0113】
カップ状サセプタは、サセプタの全長にわたってより大きい直径を有してもよい。カップ状サセプタは、サセプタの長さの一部にわたってより大きい直径を有してもよい。カップ状サセプタは、カップ状サセプタの開口部分においてより大きい直径を有することが好ましい。
【0114】
カップ状サセプタの側壁は、ある程度の弾性および可撓性を有することが好ましい。弾性および可撓性は、サセプタ材料を損傷または破損することなく、サセプタ側壁を半径方向内向きに押すことを可能にする。弾性および可撓性はまた、中空管内に位置付けられた時に、側壁が半径方向外向きに押されて、かつ保持力を発生させる。
【0115】
カップ状サセプタは、カップ状サセプタの底部と同じ直径、またはカップ状サセプタの底部よりも大きい直径を有する開口部を備えてもよい。カップ状サセプタは、底部の直径よりも小さい直径を有する開口部を有してもよい。カップ状サセプタは、例えばカップ状サセプタの開口部分に配設された、ポジティブロッキング手段を備えてもよい。例えば、カップ状サセプタは、カップ状サセプタの開口部の周りに配設された内向きに向いたへりを備えてもよい。
【0116】
エアロゾル形成ゲルをケーシング内部に保持するように内向きに向いたへりが提供された誘導加熱可能なサセプタケーシングの製造は、例えば型押しまたは折り曲げによって実現されてもよい。しかしながら、サセプタケーシングの小さい寸法、および使い捨てエアロゾル発生物品でのその使用は、こうしたケーシングの製造において要求の厳しい態様である。従って、安価で、材料をほとんど使用せず、かつ大量生産を可能にする、こうしたケーシングのための製造プロセスを有することが望ましい。
【0117】
上部のへりを曲げたロッド状のサセプタケーシングを形成するための方法が提供されている。方法は特に、本発明による、および本明細書に記載の通りのエアロゾル発生ロッドセグメントを形成するために、エアロゾル形成ゲルで充填されるロッド状のサセプタケーシングを形成するために使用されてもよい。
【0118】
方法は、アルミニウムディスクなどのサセプタシート材料のディスクを形成ツールに装填することと、半完成ケーシングを形成するためにディスクを深絞りすることと、半完成ケーシングの側壁を広げることと、ケーシングの開口部にてへりを内向きに曲げることとを含む。それによって、ロッド状のサセプタケーシングが形成されていて、これは取り外されてもよく、かつさらに加工(例えば、エアロゾル形成ゲルで充填される、およびその後エアロゾル発生物品の中に導入されるなど)されてもよい。
【0119】
サセプタシート材料のディスクの深絞りは、型の中へのプランジャーの挿入によって実施されることが好ましい。それによって、ディスクは型内で深絞りされる。
【0120】
半完成ケーシングの側壁を広げることは、プランジャーを型の側面に沿って回転させ、それによって半完成ケーシングの側壁を型の壁に対して押すことによって実施されることが好ましい。
【0121】
へりの形成は概して、上方形成ツールに対して下方からケーシングを押して、ケーシングの側壁の最上の端部分を半径方向内向きに曲げることによって達成されてもよい。
【0122】
本発明は特許請求の範囲に定義されている。しかしながら、以下に非限定的な実施例の非網羅的なリストを提供している。これらの実施例の特徴のうちの任意の一つ以上は、本明細書に記載の別の実施例、実施形態、または態様の任意の一つ以上の特徴と組み合わされてもよい。
【0123】
実施例1:ロッド状のサセプタケーシングと、ロッド状のサセプタケーシング中に含有されたエアロゾル形成ゲルとを備えるエアロゾル発生ロッドセグメントであって、サセプタケーシングが底部と、側壁と、底部の反対側に配設された開口部とを備え、かつエアロゾル形成ゲルが、少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、エアロゾル発生ロッドセグメントの軸方向で、サセプタケーシング内部に保持されている、エアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例2:当該少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つが、サセプタケーシングの内向きに向けられた継ぎ目として、特に内向きに配設されたフランジとして設計されている、実施例1に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例3:継ぎ目が、サセプタケーシングの端セクションに隣接して配設されていて、その端セクションがサセプタケーシングの底部の反対側に配設されている、実施例2に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例4:継ぎ目が、サセプタケーシングの側壁の内向きに曲げられた端部分によって形成されている、実施例2~3のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例5:当該少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つが、半径方向内向きに向いた突出部として設計されている、実施例1~4のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例6:半径方向内向きに向いた突出部が、サセプタケーシングの円周方向で半径方向延長部を有し、その半径方向延長部が、サセプタケーシングの長軸方向の突出部の長軸方向延長部よりも大きい、実施例5に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例7:半径方向内向きに向いた突出部が、サセプタケーシングの側壁の半径方向内向きに向いた変形である、実施例5または実施例6に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例8:半径方向内向きに向いた突出部が、サセプタケーシングの側壁の中間セクション内に配設されている、実施例5~7のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例9:少なくとも一つのポジティブロッキング手段が、好ましくは少なくとも5度、10度、15度、20度、30度、40度、45度、または最大で20度、30度、40度、45度、50度、60度、70度、80度、90度、または180度の各セクターの円周状の範囲内にある、サセプタケーシングの一つ、二つ、三つ、四つ、または複数のセクターに提供されている、実施例1~8のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例10:エアロゾル形成ゲルが、サセプタケーシングの長軸方向の隙間を有する少なくとも一つのポジティブロッキング手段によって、カートリッジ内に保持されている、実施例1~9のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例11:エアロゾル形成ゲルが、少なくとも一つのポジティブロッキング手段によってサセプタケーシング内のその位置に固定されている、実施例1~10のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例12:少なくとも一つのポジティブロッキング手段のうちの少なくとも一つが、サセプタケーシングの全周囲に沿って、特にサセプタケーシングの側壁の全周囲に沿って配設されている、実施例1~11のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例13:サセプタケーシングの側壁の少なくとも一部が、サセプタ材料で作製されている、実施例1~12のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例14:サセプタケーシングの底部の少なくとも一部が、サセプタ材料で作製されている、実施例1~13のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例15:サセプタケーシングの底部が閉鎖している、実施例1~14のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例16:サセプタケーシングの側壁が平らである、実施例1~15のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例17:サセプタケーシングの側壁が波形にされている、実施例1~16のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例18:波形がサセプタケーシングの長軸方向で整列されている、実施例17に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例19:サセプタケーシングの側壁が円筒の形態を有する、実施例1~18のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例20:サセプタケーシングの底部および側壁が、同じ厚さまたは同じ材料を含む、またはサセプタケーシングの底部および側壁が、同じ厚さおよび同じ材料を含む、実施例1~19のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例21:サセプタケーシングの底部およびサセプタケーシングの側壁が、単一部品として作製されている、実施例1~20のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例22:サセプタケーシングの底部および側壁が、異なる厚さまたは異なる材料を含む、またはサセプタケーシングの底部および側壁が、異なる厚さおよび異なる材料を含む、実施例1~21のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例23:サセプタケーシングが、アルミニウムまたはステンレス鋼を含む、またはそれで作製されている、実施例1~22のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例24:サセプタケーシングが、5マイクロメートル~80マイクロメートル、好ましくは8マイクロメートル~50マイクロメートルの厚さを有するサセプタ材料のシートから形成されている、実施例1~23のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例25:エアロゾル形成ゲルがゲルプラグである、実施例1~24のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例26:エアロゾル形成ゲルが、サセプタケーシングの少なくとも30パーセント、40パーセント、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント、または最大で30パーセント、40パーセント、50パーセント、60パーセント、70パーセント、80パーセント、90パーセント、95パーセント、96パーセント、97パーセント、98パーセント、99パーセントの充填高さを有する、実施例1~25のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例27:エアロゾル形成ゲルがサセプタケーシング内部に完全に含有されている、実施例1~26のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例28:エアロゾル形成ゲルが固化可能な材料を含む、実施例1~27のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例29:エアロゾル形成ゲルが熱可逆性材料を含む、実施例28に記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例30:エアロゾル形成ゲルが、0.5重量パーセント~5重量パーセントのゲル化剤を含む、実施例1~29のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメント。
実施例31:端と端を接する位置で配設された、かつロッドを形成するようにラッパー内に巻かれた複数のセグメントを備えるエアロゾル発生物品であって、複数のセグメントが、実施例1~30のいずれか一つに記載のエアロゾル発生ロッドセグメントを備える、エアロゾル発生物品。
実施例32:複数のセグメントが、中空管、フィルターセグメント、気流指向要素、および空の空洞のうちの少なくとも一つをさらに備える、実施例31に記載のエアロゾル発生物品。
実施例33:エアロゾル発生ロッドセグメントが、中空アセテート管とフィルターセグメントの間に配設されている、実施例31~32のいずれか一つに記載のエアロゾル発生物品。
実施例34:底部、側壁、および底部の反対側の開口部を備えるロッド状のサセプタケーシングを提供することと、
エアロゾル形成ゲルをサセプタケーシングの中に充填することと、
エアロゾル発生ロッドセグメント内に少なくとも一つの形態係止手段を提供することと、
少なくとも一つの形態係止手段が、エアロゾル形成ゲルをサセプタケーシング内部に保持することとを含む、エアロゾル発生ロッドセグメントを製造する方法。
実施例35:エアロゾル形成ゲルでサセプタケーシングを充填した後に、エアロゾル発生ロッドセグメント内に少なくとも一つの形態係止手段を提供する、実施例34に記載の方法。
実施例36:サセプタケーシングの側壁の少なくとも一部を半径方向内向きに曲げることによって、少なくとも一つの形態係止手段を形成する、実施例34または実施例35のいずれか一つに記載の方法。
実施例37:側壁の端部分を内向きに曲げ、それによってサセプタケーシングの開口部のサイズを画定する、実施例36に記載の方法。
実施例38:サセプタケーシングの側壁内に波形を提供する、実施例34~37のいずれか一つに記載の方法。
実施例39:波形が底部からサセプタケーシングの開口部に延びる、実施例38に記載の方法。
実施例40:サセプタケーシングの側壁内に半径方向内向きに向いた突出部を形成することによって、少なくとも一つの形態係止手段を形成する、実施例34~39のいずれか一つに記載の方法。
実施例41:エアロゾル形成ゲルをサセプタケーシングの中に充填した後に、エアロゾル形成ゲルが固化される、実施例34~40のいずれか一つに記載の方法。
実施例42:エアロゾル発生ロッドセグメントが、実施例1~33のいずれかに記載のエアロゾル発生ロッドセグメントである、実施例34または実施例41のいずれか一つに記載の方法。
【0124】
ここで、以下の図を参照しながら実施例をさらに説明する。
【図面の簡単な説明】
【0125】
図1図1は、カップ状サセプタケーシングを示す。
図2図2は、波形にされた側壁を有するカップ状サセプタケーシングを示す。
図3図3は、カップケーキ状の予め成形されたケーシングを使用する製造シリーズを示す。
図4図4は、サセプタケーシングを通る長軸方向の断面を概略的に示す。
図5図5は、サセプタケーシングを通る長軸方向の断面を概略的に示す。
図6図6は、サセプタケーシングを通る長軸方向の断面を概略的に示す。
図7図7は、エアロゾル発生ロッドセグメントを備えるエアロゾル発生物品の一実施形態を示す。
図8図8は、エアロゾル発生ロッドセグメントを備えるエアロゾル発生物品の別の実施形態を示す。
図9図9は、エアロゾル発生ロッドセグメントを備えるエアロゾル発生物品のまた別の実施形態を示す。
図10図10は、エアロゾル発生ロッドセグメントを備えるエアロゾル発生物品のさらなる一実施形態を示す。
図11図11は、カップ状サセプタを備えるエアロゾル発生物品の製造プロセスを示す。
図12図12は、カップ状サセプタを備えるエアロゾル発生物品の製造プロセスを示す。
図13図13は、カップ状サセプタを備えるエアロゾル発生物品の製造プロセスを示す。
図14図14は、カップ状サセプタを備えるエアロゾル発生物品の製造プロセスを示す。
図15図15は、カップ状サセプタを備えるエアロゾル発生物品の製造プロセスを示す。
図16図16は、カップ状サセプタを備えるエアロゾル発生物品の製造プロセスを示す。
図17図17は、多角形状の底部を有する折り曲げられたサセプタケーシングの一実施形態を示す。
図18図18は、多角形状の底部を有する折り曲げられたサセプタケーシングの一実施形態を示す。
図19図19は、底部が内側に折り曲げられた多角形状の底部を有する、折り曲げられたサセプタケーシングのさらなる実施形態を示す。
図20図20は、底部が外側に折り曲げられた多角形状の底部を有する、折り曲げられたサセプタケーシングのさらなる実施形態を示す。
図21図21は、内向きに曲げられたへりを有するアルミニウムケーシングの底面図、側面図、および上面図を示す。
図22図22は、エアロゾル発生物品製造プロセスの仕組みの一部を示す。
図23図23は、カップ状のアルミニウムケーシングを形成するプロセスを図示する。
図24図24は、カップ状のアルミニウムケーシングを形成するプロセスを図示する。
図25図25は、カップ状のアルミニウムケーシングを形成するプロセスを図示する。
図26図26は、カップ状のアルミニウムケーシングを形成するプロセスを図示する。
図27図27は、カップ状のアルミニウムケーシングを形成するプロセスを図示する。
【発明を実施するための形態】
【0126】
図1および図2において、ポジティブロッキング手段がまだ提供されていないサセプタケーシングの実施形態が示されている。
【0127】
図1において、カップ状ケーシング1の斜視側面図が示されている。ケーシングは、底部11と、底部11から延びる側壁12とを有する。ケーシング1は、底部11の反対側に配設された開口部13を有する。ケーシングは、断面がケーシングの全長にわたって実質的に一定である、円形断面を有する開放円筒の形態を有する。ケーシング1は、部分的に、または好ましくは完全にサセプタ材料(例えばステンレス鋼)で作製されている。ケーシング1は、エアロゾル形成ゲル(図示せず)で部分的に、または完全に充填されている。
【0128】
インダクタ、特にケーシングの周りに配設された誘導コイルによって誘導されたサセプタケーシング1内の例示的な渦電流の流れが、矢印で示されている。
【0129】
図2において、波形にされた側壁12を有するカップ状ケーシング1の斜視側面図が示されている。波形120は、底部11からケーシング1の反対側の端に延びる。波形120は、底部11から反対側の開口端の方向に連続的により多く表現される。インダクタ、特にケーシングの周りに配設された誘導コイルによって誘導されたサセプタケーシング1内の例示的な渦電流の流れが、矢印で示されている。
【0130】
ポジティブロッキング手段は図1および2に示されていない。
【0131】
図1および図2に示す通りのケーシングの例示的なデータは、サセプタ材料が12mg~75mg、エアロゾル形成ゲルが160mg、エアロゾル形成ゲルの意図された温度が摂氏約190度~摂氏約200度である。記載のパラメータを有するエアロゾル発生ロッドセグメントは、約360秒の持続時間のベイピング体験を達成する場合がある。
【0132】
図3において、図2に示す通りのケーシングの工程ごとの製造の一実施例が図示されている。サセプタシート材料は、図3の左の図面に示す通り、カップケーキ状に予め成形されてもよい。カップケーキ状のケーシングの半径方向外向きに方向付けられた側壁12は、ケーシング1がケーシング1の全長にわたって実質的に同じ直径を有するまで、半径方向内向きに押される。
【0133】
ゲルをケーシング内に保持するためのポジティブロッキング手段はその後、例えばより多くのさらなる製造工程のうちの一つで、ケーシング1に提供されてもよい。一つ以上のポジティブロッキング手段が、一つのさらなる製造工程においてケーシングに提供されていることが好ましい。
【0134】
図4図6において、ポジティブロッキング手段の実施例が示されている。図4において、ケーシングの底部11と反対側のサセプタケーシング1の側壁12の端は、内向きに方向付けられる。これは、ケーシングの側壁12の端部分125を半径方向内向きに曲げることによって達成されていることが好ましい。次いで端部分125は、ケーシングの開口部13を縮小するへりを形成する。ゲルプラグの直径が開口部13の直径よりも大きいため、ケーシング1内部のエアロゾル形成ゲル2のプラグは、外れない、またはケーシング1の開口部13の外に出るように強制されない場合がある。側壁12の内向きに曲げられた端部分125は、ゲル2のためにポジティブロックを形成し、またゲルに対してケーシング1の軸方向4での保持作用を有する。図4において、サセプタケーシング1は、エアロゾル形成ゲルで完全に充填されている。
【0135】
図5において、側壁12の内向きに曲げられた端部分125の隣に、ケーシングは半径方向内向きに向いた突出部126を備える。突出部126は、側壁12の変形によって形成されている。突出部126は、ケーシング1の中間セクション128内に、ケーシングの長さまたは高さの約40パーセント~60パーセントで配設されている。図5において、突出部は、ケーシング1の長さの約40パーセントで配設されている。突出部126は、ケーシングの周囲の周りに部分的に、または完全に延びるリブを形成することが好ましい。図5において、サセプタケーシング1の約半分が、ケーシング1の高さの約半分までエアロゾル形成ゲルで充填されている。突出部126は、隙間を有することなくゲル2に対してポジティブロックを形成する。内向きに曲げられた端部分125は、エアロゾル形成ゲルの充填高さと内向きに曲げられた端部分125との間の距離に起因して、隙間を有するポジティブロックを形成する。
【0136】
図6において、ポジティブロッキング手段は、ケーシング1の異なる長さの位置にて配設された半径方向内向きに向いた突出部126によって、サセプタケーシング1に形成されている。第一の突出部126は、ケーシング1の長さの約20パーセントにて配設されていて、その一方で第二の突出部126は、ケーシング1の底部11から数えてケーシング1の長さの約80パーセントにて配設されている。突出部126は、側壁12の変形によって形成されていて、ケーシング1の周囲の周りに部分的に、または完全に延びるリブを形成する。図6に示すケーシング1の開口部13は、ケーシング1の底部11と同じ直径を有する。
【0137】
図4図6の示された実施例において、突出部126はケーシング1内で相互に対向して配設されている。しかしながら、突出部はまた、例えばケーシング1の高さにわたって互い違いの様態で配設されてもよい。幾つかの突出部、例えば3~10個の突出部が、ケーシング1内に配設されてもよい。突出部の全部およびさらなるポジティブロッキング手段は、ゲル2を軸方向でケーシング1内に保持する。
【0138】
図7は、本発明によるエアロゾル発生ロッド要素10を備えるエアロゾル形成物品5を概略的に示す。エアロゾル発生ロッド要素10は、波形にされた側壁12を有するロッド要素である。ポジティブロッキング手段は図7には示されていない。
【0139】
エアロゾル形成物品5はロッド状であり、また端と端を接した位置で配設されている六つのセグメントを備える。エアロゾル形成物品5は、その最近位端、すなわち最下流端でフィルターセグメント40を備える口側端を有する。エアロゾル冷却セグメント30は、フィルターセグメント40に隣接して、かつその上流に配設されている。空の空洞20は、エアロゾル冷却要素30とエアロゾル形成ロッドセグメント10の間に配設されている。エアロゾル発生物品5の遠位端にて、二つの中空アセテート管セグメント(HAT)50、51が配設されている。物品5の最遠位端に配設された中空アセテート管51は、薄い中空アセテート管51であり、またエアロゾル発生ロッドセグメント10に隣接して配設された中空アセテート管50の壁厚さよりも小さい壁厚さを有する。中空アセテート管50は約2mmの壁厚さを有する。薄い中空アセテート管51は約0.8mmの壁厚さを有する。
【0140】
複数のセグメントは、ラッパー55、例えば紙またはプラスチックラッパー内に巻かれている。個々のセグメントは、組み立てられる前に個別に巻かれてもよく、ロッド状のエアロゾル発生物品5を形成するために、ラッパー55で巻かれてもよい。
【0141】
ラッパー55は、気流が穿孔55を通してラッパー55に通り、入るための穿孔555の列を備える。穿孔は、エアロゾル発生ロッドセグメント10の上流端に配設されている。ラッパー55に入った気流は、物品5の近位端の方向へとサセプタケーシングの外側を通り、かつサセプタケーシングに沿って通る。気流は、加熱されたエアロゾル形成ゲルから気化した物質を取り込み、空洞20内でエアロゾルを形成し、エアロゾル冷却要素30内で冷却され、フィルター要素40内で濾過される。
【0142】
図7の物品の個々のセグメントの長さの的な値は、薄いHATセグメント51の長さが6mm、HAT 50の長さが5mm、エアロゾル発生ロッドセグメント10の長さが15mm、空洞20の長さが8mm、エアロゾル冷却要素30の長さが7mm、マウスピースフィルター要素40の長さが4mmである。物品5の全長は45mmである。
【0143】
図8において、エアロゾル発生物品5の一実施形態が、概略的に示されている。物品は、ラッパー55内に巻かれた複数のセグメントを備える。エアロゾル発生ロッドセグメント10は、最も遠位に配設された前方セグメント60と気流指向要素70の間に配設されている。
【0144】
エアロゾル発生ロッドセグメント10は、カップ状サセプタケーシング1を備える。カップ状サセプタケーシング1は、一定の円形断面を有し、また内向きに向いたフランジ127を備え、ケーシング1の開口部13のサイズを縮小する。ケーシング1の材料は、例えばSxxまたはS4xx(SS430など)のアルミニウムまたはステンレス鋼である。
【0145】
エアロゾル形成ゲル2は、ケーシング1内部だけでなく、ケーシング1の外側にも配設されている。図8に示す実施形態において、エアロゾル発生ロッドセグメント10は、サセプタケーシングを備えるゲルプラグであり、このゲルプラグは、エアロゾル発生ロッドセグメント10のサイズを画定する。
【0146】
前方セグメント60は、フェライトビーズ61を備える。フェライトビーズ61は、例えばフェライトK1であってもよく、また約2.4mmのサイズおよび10mg~20mgの重量を有してもよい。
【0147】
フェライトビーズ61は、前方セグメント60の近位端に配設されている。これによって、フェライトビーズ61は、エアロゾル発生ロッドセグメント10に隣接して、かつエアロゾル発生ロッドセグメント10内のケーシング1の底部11の近くに配設されている。これによって、ケーシング1の加熱は、ケーシングの開口部13の反対側のケーシング1の底部領域において強化される場合がある。
【0148】
気流指向要素70は切頭中空円錐71を備える。中空円錐71の切頭端は、エアロゾル発生ロッドセグメント10に対して向いている。気化したゲルは、切頭端を通して円錐に入り、物品の断面全体にわたって分散されるように円錐71内で膨張する。
【0149】
物品5を巻き、個々のセグメントを定位置に保持するラッパー55は、気流指向要素70の遠位領域に対応する物品の長さ位置に穿孔555を備える。空気は、穿孔555を通して物品5に入ってもよく、また気流指向要素70の中に入る。円錐入口は、物品5内で穿孔555よりも上流の位置に配設されているので、空気は最初に上流方向に導かれる。空気は、気化したゲルを取り込み、下向き方向で円錐を通る。エアロゾルを含む気流333は次いで、物品5の口側端(図示せず)にさらに下流に導かれる。
【0150】
一部の実施形態において、ケーシングのサセプタ材料の厚さは8.5マイクロメートルである。さらなる実施形態において、ケーシングのサセプタ材料の厚さは12マイクロメートルである。
【0151】
ケーシング1は、例えば空の時、約38mgの重量、および187mgのゲルで充填された時、約225mgの重量を有してもよい。
【0152】
図9において、エアロゾル発生物品5は五つのセグメントを備える。エアロゾル発生ロッドセグメント10は、二つの中空ロッドセグメント50、例えば二つの中空アセテート管の間に挟まれている。一つの中空管は、物品5の最遠位端に配設されている。より下流に配設されたアセテート管50に隣接してエアロゾル冷却要素80があり、フィルターセグメント40が物品5の最近位端にある。
【0153】
二つの中空管50は同じ構造であってもよい。図9において、物品の最遠位端に配設された中空管は、より上流に配設された中空管よりも短く、例えば2~5mmより短い。例えば、より短い中空管50は、4mmの長さを有してもよい。より長い中空管50は、8mmの長さを有してもよい。中空管は約2mmの壁厚さを有する。
【0154】
図10に示す物品5は、五つのセグメント、すなわち前方プラグ90、続いてエアロゾル発生ロッドセグメント10、続いて中空管セグメント50および薄い中空管セグメント51、続いて物品5の最近位端に配設されたフィルターセグメント40を備える。
【0155】
物品は、7.23mmの直径57と、45mmの全長58とを有する。全長58は個々のセグメントの長さによって構成されていて、個々のセグメントの長さは、フィルターセグメント40が12mm、中空管がそれぞれ8mm、エアロゾル発生ロッドセグメント10が12mm、前方プラグ90が5mmである。
【0156】
ラッパー55内の穿孔555は、物品5の最近位端から18mmの距離59にて配設されている。穿孔555と、フィルター要素40のすぐ上流の穿孔555を通して物品に入る気流とは、薄い中空管51内で乱流を引き起こす場合がある。これは、フィルター要素40内の気流を含有するエアロゾルの濾過作用を改善する場合がある。
【0157】
図11図16において、エアロゾル発生物品5の製造プロセスが、簡略化された様態で示されている。図11において、サセプタ材料の円形のディスク101が、サセプタシート材料(例えば、アルミニウム箔またはステンレス鋼箔)から切り抜かれている。ディスク101は、図12に示す通り、カップ状サセプタ1へと形成され(好ましくは折り曲げられ)ている。サセプタの底部11は円形状かつ平坦であり、カップ状サセプタ1の側壁12は波形にされている。波形は、カップ状サセプタ1の長さに沿って配設されている。
【0158】
図13で分かりうる通り、カップ状サセプタ1は、中空管52(例えばスパイラル状に巻かれた厚紙管などの厚紙管)内に位置付けられている。中空管52は垂直の様態で位置付けられている。カップ状サセプタは、その底部11を先に、中空管内に中空管52の上端520を通して挿入されている。カップ状サセプタ1は、中空管52を通して案内されていて、中空管の底部端521に位置付けられている。サセプタ1の底部11は、中空管52の底部端521と同一平面上であってもよい。
【0159】
底部11は好ましくは、カップ状サセプタの開口部にて側壁12の直径よりも小さい直径を有するため、サセプタ1のカップ状の形態は、カップ状サセプタの挿入を単純化する。
【0160】
カップ状サセプタ1は、側壁12のばね力によって中空管52内でわずかに締め付けられていることが好ましい。
【0161】
図14において、投薬装置200の投与先端201は、画定された量のエアロゾル形成ゲル2をカップ状サセプタ1の中に投与するために、上端520を通って中空管52の中に挿入されている。例えば、ニコチンを含有するゲル2は、液体状またはペースト状で供給されてもよく、またその後、カップ状サセプタ内で乾燥および硬化してもよい。液体またはペースト状のゲル2は、側壁11の波形の中に流れ、ゲルとサセプタ材料との密接な接触を提供する。
【0162】
図15および図16に示す通りの最終的な工程において、エンドピース44は、中空管52の中に、また上端520も通して挿入される。エンドピース44は典型的に、一つまたは幾つかのフィルターセグメントを備える。エンドピース44は、端と端を接する位置に配設されたセグメントの予め組み立てられた組成物であることが好ましい。エンドピース44は、エアロゾル形成に影響を与える、または濾過効果を有するセグメントを備えてもよい。例えば、エンドピース44は、フィルター、ディフューザー、エアロゾル冷却要素、またはエアロゾル方向付け要素を備えてもよい。
【0163】
エンドピース44は、中空管52の上端520に位置付けられている。エンドピース44は、中空管52の上端と同一平面上に配設されてもよく、またはエアロゾル発生物品5を形成するわずかに陥凹した様態で配設されてもよい。
【0164】
図12図16に示すカップ状サセプタ1にはまた、エアロゾル形成ゲルをカップ状サセプタ1内で軸方向に保持するようにポジティブロッキング手段が提供されてもよい。
【0165】
図17および図18は、多角形の形態の平底11を有する、折り曲げられたカップ状サセプタケーシング1の一実施形態の拡大した一実施例を示す。側壁12は、カップ状サセプタ1の底部11の周囲からカップ状サセプタの反対側の端の中心まで側壁12の一部の折り目121が延びて、それ故に、側壁12が折り曲げられる程度に依存して、カップ状サセプタの開口部13をより大きい角度またはより小さい角度に閉じるようなやり方で波形にされている。側壁12の一部の他の折り目120は、カップ状サセプタ1の底部11の周囲から、基本的にカップ状サセプタの反対側の端に対して真っ直ぐな様態で延び、それ故にカップ状サセプタ1の外径を画定する。カップ状サセプタの折り曲げの程度に依存して、側壁12の折り目120は、側壁12が折り曲げられる程度に依存して、底部11に対してより大きい角度、またはより小さい角度に半径方向外向きに方向付けられる。
【0166】
カップ状サセプタ1の開口部に対して連続的に集中する折り目121は、カップ状サセプタの軸方向に作用するサセプタ内のゲル上への保持作用を有する、ポジティブロッキング手段を形成する。
【0167】
カップ状サセプタ1の側壁12はまた、図16に示す通りカップ状サセプタが物品に使用されている時、カップ状サセプタ自体上へと半径方向の保持力を有するように構築されている。
【0168】
図19および図20は、多角形の形態の底部11を有する折り曲げられたカップ状サセプタ1のさらなる実施例である。図19において、底部11は折り曲げられ、かつ波形にされている。底部11は、内向きに向けられてカップ状サセプタの体積を縮小し、かつサセプタ材料をより小さい面積に集中させる。図20において、底部11は折り曲げられ、かつ波形にされ、また外向きに向けられてカップ状サセプタ1の体積を拡大する。
【0169】
側壁12の折り目は、図17および図18の実施例に記載の通りの類似の様態で折り曲げられてもよい。カップ状サセプタ1は、ポジティブロッキング手段を有するカップ状サセプタケーシングとしてだけでなく、図16に記載の通りエアロゾル形成物品の中に挿入され、かつ配設された時に、その位置に固定されるケーシング自体上に保持力を有するカップ状サセプタとしても使用されてもよい。
【0170】
図21は、アルミニウムケーシング1の底面図、側面図、および上面図を示す。アルミニウムケーシングは、小さい底部11を有する円形の直径、底部11の直径よりも大きい直径を有する側壁12、およびケーシングの反対側の開口部13側にて内向きに曲げられたへり125を有する。ケーシング1の開口部13のサイズは、へり125が内向きに曲げられる程度によって画定される。へり125は、ゲルをケーシング1内で長軸方向に保持する機能を有する。へり125はまた、カプセル1に対する閉鎖密封を密封するための表面を形成する。ケーシングはエアロゾル形成ゲルで充填されてもよく、かつ封止されてもよく、それによって、そのように形成されたエアロゾル発生ロッドセグメントが、誘導加熱可能なエアロゾル発生物品5の中へのその後の組み込みのために貯蔵されてもよい。
【0171】
ケーシング1は、アルミニウムディスクを深絞りすることと、ケーシングの側壁12を広げることと、へり125を曲げることとによって形成されている。ケーシングのために使用されるアルミニウムの厚さは、例えば10マイクロメートルであってもよく、またはエンボス加工されたアルミニウムについては30マイクロメートルであってもよい。誘導加熱、深絞り、および曲げに適した他の材料が、ケーシングを形成するために使用されてもよい。
【0172】
図22において、エアロゾル発生物品製造プロセスにおいて三つの連続的に配設されたステーション6、7、8が示されている。第一のステーション6(形成ユニット)において、カップ状ケーシングが形成されている。第二のステーション(挿入ユニット)において、カップ状ケーシングは、例えば上記の図13に記載の通り、コーティングされた厚紙管の中に挿入されている。第三のステーション8(充填ユニット)において、エアロゾル形成ゲルが、投与装置200を用いてサセプタケーシングの中に充填されている。そのように製造された半完成物品は、例えば図15および図16を参照しながら記載された通り、さらに加工されてもよい。
【0173】
図23において、形成ユニット6でのケーシング形成の第一の工程が示されている。形成ツールの下部にある空洞661は型を形成する。
【0174】
形成ツールの下部は、垂直に移動可能な下方形成ツール66を備え、その機能は下記により詳細に記述される。下方成形ツール66の上面は、型の底部を形成する。
【0175】
アルミニウムディスクなどのシート材料のブランクは、空洞661の上方の形成ユニット6の中に装填される。
【0176】
プランジャー65が下降し、その一方でプランジャーのヘッド650は上方から空洞661の中に挿入されている。プランジャーヘッド650は、アルミニウムディスクを空洞661の中に押す。
【0177】
プランジャー65の直径は、空洞661の直径よりも小さい。
【0178】
半完成ケーシング111の側壁を広げるために、プランジャーヘッド650は、型の側壁に沿って移動する。ケーシングの側壁拡張の間のプランジャー65の移動およびプランジャーヘッド650の位置を図24および図25に示す。
【0179】
図24は、半完成ケーシング111の側壁を広げるための、空洞661内のプランジャーヘッド650の移動経路を示す。プランジャー65は、空洞661の中心から空洞の一方の側面に移動する。次いでプランジャーは、空洞を画定する型の側面に沿って回転する。プランジャー65は、空洞661内で同時に周回および回転する。空洞の側面でのプランジャー65の位置を図25に示す。プランジャー65の回転は、矢印665によって示されている。
【0180】
へりを形成し、かつ半完成ケーシング111の側壁の上方部分を曲げるために、図26に示す通り、プランジャー65および下方形成ツール66は矢印667の方向に持ち上げられる。
【0181】
上方形成ツールの一部である移動プレート68は、内向きに向いた縁型681を有する型面680を備える。
【0182】
下方形成ツール66およびプランジャー65を持ち上げると、半完成カプセル111は空洞661を通して案内され、その一方でプランジャーヘッド650は半完成ケーシング111の中心に留まる。半完成ケーシング111を移動プレート68の縁型681に対して押すと、ケーシング1のへり125が形成される。
【0183】
ケーシングに加えられた真空は、移動中にケーシングの正しい定置を確実にする場合がある。
【0184】
図27に示す通り、なおさらなる工程において、上方形成ツールはさらに持ち上げられ、また下方形成ツール66は、完成したケーシング1を解放するために、矢印667、668によって示す通り、下降する。
【0185】
移動プレート68を通して、ケーシング1は形成ツール6から取り外される。
【0186】
次いで移動プレート68は、厚紙管の中への挿入のために、カップ状ケーシング1を次のステーション7に移動させる。
【0187】
本明細書および添付の特許請求の範囲の目的において、別途示されていない限り、量(amounts)、量(quantities)、割合などを表すすべての数字は、すべての場合において用語「約」によって修飾されるものとして理解されるべきである。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。従って、この文脈において、数字AはA±2%として理解される。この文脈内で、数字Aは、数字Aが修正する特性の測定値に対する一般的な標準誤差内にある数値を含むと考えられてもよい。数字Aは、添付の特許請求の範囲で使用される通りの一部の場合において、Aが逸脱する量が特許請求する本発明の基本的かつ新規の特性(複数可)に実質的に影響を及ぼさないという条件で、上記に列挙された割合だけ逸脱してもよい。また、すべての範囲は、開示された最大点および最小点を含み、かつそれらの任意の中間範囲を含み、これらは本明細書に具体的に列挙されている場合もあり、列挙されていない場合もある。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
【国際調査報告】