(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】製品保管庫と少なくとも1つのオーダー履行エリアとを有するオーダー履行のための倉庫
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
B65G1/137 A
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567277
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2020062891
(87)【国際公開番号】W WO2021223885
(87)【国際公開日】2021-11-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516245988
【氏名又は名称】デマティック ゲーエムベーハ―
【氏名又は名称原語表記】DEMATIC GMBH
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 伸
(72)【発明者】
【氏名】篠原 啓樹
(72)【発明者】
【氏名】ヒューバース ダニエル
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB24
3F522BB29
3F522BB32
3F522CC01
3F522CC03
3F522GG09
3F522GG13
3F522GG22
3F522GG39
3F522GG44
3F522GG45
3F522GG49
3F522JJ01
3F522JJ04
3F522KK07
3F522LL07
3F522LL08
3F522LL15
3F522LL57
(57)【要約】
ピッキングオーダーのための物品が製品保管庫(3)から供給される複数のピッキングステーション(2)が配置されたオーダー履行エリア(A)を少なくとも1つ有するオーダー履行のための倉庫(A)であって、各ピッキングステーション(2)への製品コンテナの供給および収集が接続コンベアシステム(4)によって行われ、前記接続コンベアシステム(4)は、オーダーコンテナも供給し、空になった製品コンテナおよび部分オーダーまたは完了したオーダーをそれぞれのピッキングステーション(2)から排出するためにも使用される、オーダー履行のための倉庫において、ピッキングステーション(2)へのインバウンド、およびピッキングステーション(2)からのアウトバウンド、製品および/またはオーダートラフィックが接続コンベアシステム(4)から降ろされ得るように、バイパスコンベア(40)が接続コンベアシステム(4)に平行に配置されていることを特徴とするオーダー履行のための倉庫。
【選択図】
図2
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ピッキングオーダーのための物品が製品保管庫から供給される複数のピッキングステーションが配置されたオーダー履行エリアを少なくとも1つ有するオーダー履行のための倉庫であって、各ピッキングステーションに物品が接続コンベアシステムによって供給され、前記接続コンベアシステムは、オーダーコンテナの供給および返送も行い、更には空になった製品コンテナおよび部分オーダーまたは完了したオーダーを前記それぞれのピッキングステーションから排出するために使用される、オーダー履行のための倉庫において、前記ピッキングステーション/製品保管庫へインバウンドする、および前記ピッキングステーション/製品保管庫からアウトバウンドする、製品および/またはオーダートラフィックが前記接続コンベアシステムから降ろされ得るように、バイパスコンベアが前記接続コンベアシステムに平行に配置されていることを特徴とする、オーダー履行のための倉庫。
【請求項2】
前記接続コンベアシステムは、前記製品保管庫と前記オーダー履行エリア、および前記オーダー履行エリアのピッキングステーション、との間に配置された接続コンベアシステムであることを特徴とする、請求項1に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項3】
前記接続コンベアシステムは、前記保管庫の正面の長さにわたって延びて前記プレゾーンをセグメント化するクロスアイルコンベアであることを特徴とする、請求項1または2に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項4】
前記バイパスコンベア(単数または複数)は、前記接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、の下方または上方、可能であれば直上または直下、に位置することを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項5】
前記バイパスコンベア(単数または複数)は、前記接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、の下方または上方に、可能であれば前記接続コンベアシステムの斜め下方または上方に、位置することを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項6】
前記バイパスコンベア(単数または複数)は、前記接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、の下方または上方、可能であれば前記接続コンベアシステムの直下および斜め下の両方に、または前記接続コンベアシステムの直上および斜め上の両方に、位置することを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項7】
前記バイパスコンベア(単数または複数)は、上向きまたは下向きに傾斜したコンベア、ランプ、またはリフトによって、特に間隔を置いて、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、に接続されることを特徴とする、請求項3または4、6に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項8】
前記バイパスコンベアは、前記接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、と同じ平面に位置し、接続コンベアによって接続され、前記2つのコンベア間の角度は90度である、しかしこれだけに限定されない、ことを特徴とする、請求項5に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項9】
前記バイパスコンベア(単数または複数)は、直角分岐装置または傾斜コンベア機構および/または斜め合流/分流機構によって、前記上向きおよび下向きに傾斜したコンベアに接続されることを特徴とする、請求項7に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項10】
前記リフトは、シングルサイクリングリフトまたはタンデムサイクリングリフトであることを特徴とする、請求項7に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項11】
複数のバイパスコンベアが平行に延び、リフトによって、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、に接続されることを特徴とする、請求項5に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項12】
各リフトが専用バイパスコンベアに接続されることを特徴とする、請求項7~11の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項13】
全てのリフトが共用バイパスコンベアに接続されることを特徴とする、請求項7~11の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項14】
前記バイパスコンベアは、前記保管庫の端部と第1クロスアイルコンベアとの間に水平方向に位置することを特徴とする、請求項3~11の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【請求項15】
前記バイパスコンベアと接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、とが同じ、または逆、の搬送方向を有することを特徴とする、請求項1~14の何れか一項に記載のオーダー履行のための倉庫。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、オーダー履行のための倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
このような倉庫には、複数のピッキングステーションが配置され、ピッキングオーダーのための物品が製品保管庫から供給される。ピッキングステーションには複数のオーダーコンテナも供給される。各ピッキングステーションには製品保管庫からの物品が接続コンベアシステムによって供給されることが多い。接続コンベアシステムは、保管庫および/または別の作業エリア、例えば、受け入れエリア、ピッキングゾーン、オーダーバッファリングエリア、および出荷エリア、をオーダー履行エリア、およびオーダー履行エリアのピッキングステーション、に接続する。通常、これらは、保管庫とオーダー履行エリアとの間、所謂フロントゾーン、に配置されている。前記フロントゾーンは、保管庫の正面の長さにわたって延びてフロントゾーンをセグメント化するクロスアイルコンベアを含む。代わりに、または加えて、接続コンベアシステムは、商品の搬送元(発送元)および輸送先(配達先)に関係なく、保管庫からオーダー履行エリアに、および/または何れかの搬送システムに、商品を輸送するコンベアループに接続され得る。
【0003】
GTP(goods-to-person)原則に従ったピッキングのためのピッキングステーションの運用は周知である。その場合、1つのオーダーのための複数の商品または物品は、保管庫、通常は相対的に大きなラッキング配置、から対応するピッキングステーションに輸送される。その目的のために、それら商品または物品は、通常、複数のコンテナ(トートバッグ、トレー、等々)で輸送される。その場所において、それら商品または物品は、それぞれのオーダーリスト内の品物のリストに基づき作業者に詳細に示されたオーダーに従って、所謂保管または製品コンテナから取り出され、1つのオーダーの対応するコンテナ、所謂オーダーコンテナ、に載置される。同様に、複数のオーダーコンテナがオーダーコンテナ誘導エリア、前のピッキングゾーン、および/またはオーダーバッファから履行エリアまたは複数のピッキングステーションにそれぞれ輸送される。
【0004】
技術の高度化に伴い、保管および回収機(ASRS:storage and retrieval machine)および、ピッキングステーション、ピッキングゾーン、オーダーバッファを含む、オーダー履行システムのスループット能力が絶えず向上している。
【0005】
そのようなコンテナの輸送は、通常、接続コンベアシステムによって実現される。接続コンベアシステムは、保管庫を複数のピッキングステーション自体に接続する複数の橋渡しコンベアを含む。接続コンベアシステムは、更にクロスアイルコンベアを含む。クロスアイルコンベアは、保管庫のフロントゾーンの長さにわたって、全てのアイルを越えて、たいていは更にパッケージングエリアまで、延びている。オーダー履行エリアが保管庫アイルの正面に直接位置していない場合、接続コンベアシステムは、更に、製品コンベアループおよび/またはルーティングコンベアを含む。ルーティングコンベアは、オーダーコンテナ誘導エリアを含む各倉庫ゾーン、別のピッキングゾーン、およびオーダーバッファを接続する。
【0006】
したがって、このクロスアイルコンベアは、プレゾーンまたはフロントゾーン、すなわち、保管庫と、複数のピッキングステーションを有するオーダー履行エリアとの間のエリア、を分割する。この意味において、接続コンベアは、オーダー履行エリアへのアクセスのための橋渡しをする必要がある。他方、接続コンベアは、クロスアイルコンベアにも、それとの交換のために、接続される必要がある。
【0007】
クロスアイルコンベアは、物品をオーダー履行エリアに輸送し、そこから保管ラッキングの対応するアイルとは逆方向にオーダーを直接排出するばかりでなく、保管庫、および更にはオーダー履行エリア、の複数の異なるゾーンからの、およびこれらゾーンへの、物品および部分オーダーの分配も行う。
【0008】
その結果、大きな荷が形成されるため、クロスアイルコンベアは、システムのスケーラビリティを制限するボトルネックになる。
【0009】
特許文献1は、互いに上下に配置されたいくつかの棚レベルを有する複数の棚を備えた棚収納システムを開示している。各棚レベルは、製品のための収納空間を有する複数の棚の間に少なくとも1つの輸送アイルを有する。輸送アイルには、収納空間への移動のためのレベル動作装置が設けられている。少なくとも2つのリフトが製品を棚レベルに運び、更には製品をそこから取って来る。コンベアは、製品をリフトに向けて、およびリフトから離れる方向に、輸送する。リフトは、何れの場合も、供給コンベアおよび取り出しコンベアの両方に接続されている。したがって、これらリフトは、何れの場合も、製品をコンベアから受け取るために、およびこれら製品を棚レベルに供給するために、ならびに製品を棚レベルから取り出してコンベアに移すために、設計されている。この特別な設計は、
図5に最も良く示されているように、複数の異なるレベルに同時にサービスするために、一方を他方の鉛直方向上方に位置付けることによって二重化された荷台を有するリフトを組み込んでいる。
【0010】
特許文献2は、倉庫と、物品の2段階ピッキングを行うように設計された、制御装置を有するピッキングシステムとを開示している。2段階ピッキングは、第1の物品指向ピッキング段階と第2のオーダー指向ピッキング段階とを含む。ループ状の主区間を備えた、連続的に作動される1つのソータが保管庫とオーダー履行エリアとの間、すなわちフロントゾーン、に位置する。少なくとも1つの二次区間と、複数のソータトレーと、1つ以上の分離ステーションとが開示されている。各二次区間は主区間に、好ましくはメッシュ状に、結合され、不連続的に動作可能である。各トレーは、これら区間に沿って移動されて、主区間に、および主区間から、給送される、ように設計されている。各分離ステーションは、1つの二次区間を介して主区間に結合されており、倉庫コンテナの供給のために倉庫に結合されている。各分離ステーションは、第1ピッキング段階で各物品をオーダーラインベースで、および/または個々に、1つの二次区間に位置する1つのトレーに移すように、物品を倉庫コンテナからトレーに移すためにも設計されている。第2ピッキング段階のための自動および/または手動操作式のターゲット地点が複数含まれている。各ターゲット地点は、1つの二次区間に、および/または主区間に直接、結合されている。
【0011】
フロントゾーンのクロスアイルコンベアのスループット性能は依然として制限されている。その理由は、部分的には、各AS/RSアイルが、クロスアイルコンベアからの分流/クロスアイルコンベアへの合流を必要とする、少なくとも一対のインバウンドおよびアウトバウンドコンベアを所与の空間内に、一般には保管庫の単一アイル幅内に、必要とするからである。これは、30/45度の合流および/または分流など、高速の合流/分流機構の使用を困難にする。
【0012】
加えて、各ピッキングステーション(GTP)は、GTPサブシステムの一体部分として、フロントゾーンコンベアに接続されることが多い。これは、更に、所与の空間内で、一般には(上記のように)AS/RS単一アイル幅内で、ピッキングステーションへの荷の分流およびクロスアイルコンベアへの荷の再合流を極めて集中的に必要とする。これは、インバウンド/アウトバウンドコンベアに対して、同じシステム設計の必要性をもたらす。更に、GTPインフィードおよびアウトフィードラインは、多くの場合、保管庫へのインバウンドコンベアラインおよび保管庫からのアウトバウンドコンベアラインに位置合わせされるので、AS/RSからGTPステーションへの/GTPステーションからAS/RSへの貫通搬送流をもたらす。これは、斜め分流/合流の使用を妨げる。
【0013】
したがって、高スループットをもたらす簡素な接続コンベアシステムソリューションに対する必要性が引き続き存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】米国特許出願公開第2012/0282068 A1号
【特許文献2】独国特許出願公開第10 2018114 026 A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1に記載の倉庫によって達成される。
【0016】
本発明によると、ピッキングステーションへインバウンドする製品および/またはオーダートラフィックと、ピッキングステーションからアウトバウンドする製品および/またはオーダートラフィックとが接続コンベアシステムから降ろされ得るように、バイパスコンベアが接続コンベアシステムに平行に配置されている場合は、接続コンベアシステムの荷の軽減とスループットの向上とが同時に可能になることが認識されている。
【0017】
換言すると、接続コンベアシステムに平行に延びるコンベアラインが存在する場合は、接続コンベアシステムがつながっている特定のゾーンまたはエリアに不要な荷が輸送されているとき、そのようなトラフィックをバイパスコンベアに降ろすことによって、その荷のルーティングが可能になる。
【0018】
そのようなトラフィックまたは材料流は、ピッキングオーダーのための製品保管庫からの荷の供給および/または排出、更にはオーダーコンテナの供給および/または排出、を含み得る。これが特に該当するのは、オーダー履行エリアから送り出される完了したオーダーである。
【0019】
換言すると、オーダーコンテナの供給、ルーティング、および運び去り、ならびに受け入れエリアからの新物品の(ピッキングステーションへの)製品ドナーとしての給送、および空になった製品コンテナの(ピッキングステーションからの)運び去りは、全てバイパスコンベアに降ろされ得る。
【0020】
前のプレピッキング、例えば、別のピッキングステーション、異なるピッキングゾーン、手動ピッキングエリア、等々、から部分オーダーコンテナが供給されることもあり得る。
【0021】
好適な一実施形態において、接続コンベアシステムは、製品保管庫とオーダー履行エリア、およびオーダー履行エリアのピッキングステーション、との間に配置されたコンベアシステムである。
【0022】
これは、これだけには限定されないが、所謂フロントゾーンにおける接続コンベアの配置を含み得る。製品の搬送元(発送元)および輸送先(配達先)に関係なく、保管庫からオーダー履行エリアに、および/または何れか更なる搬送システムに、製品を輸送するコンベアループに接続されるように、前記接続コンベアシステムを配置することも可能である。
【0023】
極めて好適な一実施形態において、接続コンベアシステムは、保管庫の正面の長さにわたって延びてプレゾーン(フロントゾーン)をセグメント化するクロスアイルコンベアである。
【0024】
1つの実施形態において、バイパスコンベア(単数または複数)は、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、の下方または上方、可能であれば直下または直上、に位置する。
【0025】
更なる一実施形態において、バイパスコンベア(単数または複数)は、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、の下方または上方、可能であれば斜め下または斜め上、に位置する。
【0026】
次の実施形態において、バイパスコンベア(単数または複数)は、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、の下方または上方、可能であれば直下および斜め下の両方、または直上および斜め上の両方、に位置する。
【0027】
バイパスコンベア(単数または複数)は、上向きまたは下向きに傾斜したコンベア、ランプ、またはリフトによって、特に間隔を置いて、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、に接続され得る。
【0028】
バイパスコンベア(単数または複数)は、直角分岐装置(RAT:right angle transfer)、傾斜コンベア機構、および/または斜め合流/分流機構によって、上向きおよび下向きに傾斜したコンベアに接続され得る。
【0029】
リフトは、シングルサイクリングリフトまたはタンデムサイクリングリフトとすることができる。
【0030】
更なる一実施形態においても、バイパスコンベアは、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、と同じ平面に位置し得る。バイパスコンベアは、これら2つのコンベアの間に90度の角度で延びる接続コンベアによって、接続され得る。
【0031】
複数のバイパスコンベアが平行に延び得る。これらバイパスコンベアは、リフト、例えばシングルサイクリングリフトまたはタンデムサイクリングリフト、によって、接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、に接続され得る。
【0032】
更なる一実施形態においても、バイパスコンベアは、保管庫の端部と第1の接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、との間に水平方向に位置し得る。
【0033】
バイパスコンベアと接続コンベアシステム、特にクロスアイルコンベア、とは、搬送方向が同じ、または逆、であり得る。
【0034】
要約すると、接続コンベアシステムへの/からの、および/または少なくとも1つのバイパスコンベアへの/からの、荷の誘導および/または排出は、上向きおよび下向きに傾斜したコンベア、タンデムサイクリングリフト、傾斜コンベア、または直角分岐装置(RAT)によって実現される。
【0035】
図面に関する以下の説明から本発明の更なる特徴および詳細が明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【
図1】2つのピッキングステーションを有するピッキングエリアの略斜視図を全般的な参照のために示す。
【
図2】本発明による倉庫のフロントゾーンの略斜視図を示す。
【
図3A】本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
【
図3B】本発明によるピッキングステーションへの接続の略側面図を示す。
【
図4A】本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
【
図4B】本発明によるピッキングステーションへの接続の略側面図を示す。
【
図5】
図5(A)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
図5(B)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベアの接続エリアの詳細斜視図を示す。
【
図6】本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成およびピッキングステーションへの接続の略平面図を示す。
【
図7】本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成およびピッキングステーションへの接続の略平面図を示す。
【
図8】
図8(A)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
図8(B)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベアの接続エリアの詳細斜視図を示す。
【
図9】
図9(A)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成およびピッキングステーションへの接続の略平面図を示す。
図9(B)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
図9(C)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
【
図10】
図10(A)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成およびピッキングステーションへの接続の略平面図を示す。
図10(B)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
図10(C)は、本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成の略平面図を示す。
【
図11】本発明によるクロスアイルおよびバイパスコンベア構成およびピッキングステーションへの接続の略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0037】
図1には、オーダー履行エリアAにおいてコンベア4によってラッキング3に接続されている2つのピッキングステーション2を有するピッキングエリア1の略斜視図が示されている。各ピッキングステーション2は、複数のラック6を有するラッキング3のアイル5に対応している。これらラック6はその間のアイル5に隣接している。各ピッキングステーション2は、各ラック6の占有面積内に配置された荷キャリア鉛直コンベア7(例えばリフトまたはエレベータ)に、コンベア4を介して、その前端で接続されている。各ラックは、鉛直コンベア7に荷を下ろす不図示のASRS機、例えばシャトル、によってサービスされる。
【0038】
コンベア4cは、ラッキング3の正面の長さにわたって全てのアイル5を横切って、可能であれば不図示のパッケージングエリアまで、延びるクロスアイルコンベアの形態のコンベアシステムである。
【0039】
コンベア4a、bは、ラッキング3とピッキングステーション2とを橋渡しし、インバウンド製品荷キャリアコンベア8a、bおよびインバウンドオーダー荷キャリアコンベア9a、bおよび共通テイクアウェイ排出コンベア10に接続されている。荷キャリア自体は、例えば、標準的なコンテナまたはトレーとすることができる。
【0040】
インバウンド製品荷キャリアコンベア8は、アイル方向の延長線上にあるステーションに至る第1搬送区間8aと、第1搬送区間8aに対して90度の向きの第2搬送区間8bとを有し、製品をそこから取り出すべき製品荷キャリアを作業者11に提示するための実際の搬送システムをステーション内に形成する。
【0041】
インバウンドオーダー荷キャリアコンベア9は、アイル方向の延長線上にあるステーションに至る第1インバウンド搬送区間9aと、それに平行に配置されて直角分岐装置(RAT)9cによって接続された第2搬送区間9bとを有する。
【0042】
製品荷キャリアコンベア区間8bと荷キャリアコンベア区間9bとは、作業者のための作業位置13で互いに交差し、交差点14を形成する。この交差点は、広範囲の角度で形成可能であるが、通常は60度と120度の間の範囲内であり、好ましくは90度である。
【0043】
共通テイクアウェイ排出コンベア10がオーダー荷キャリアコンベア区間9bの直接の延長線上に配置され、製品荷キャリアコンベア区間8bとの交差点14から始まっている。
【0044】
各ピッキングステーション2は、作業者11の情報および作業者11による制御のためのディスプレイおよび制御部12を含み得る。作業者は、ピックバイボイスおよび仮想現実、等々のような他の手段によっても案内され得る。ピッキングステーションは、このような手段を一切有しなくてもよく、ピッキングは「紙」ベースで行われてもよい。
【0045】
製品荷キャリアコンベア区間8bは、全体として作業位置13に向けて傾斜し得る。
【0046】
提示に関する別の最適化は、荷取り位置および/または荷置き位置を傾斜させることであり得る。ドナー位置の傾斜は、コンベア8b自体を傾斜させることによって行われ、製品荷キャリアが8aから8bに移されるときに製品荷キャリアを傾斜させる。オーダー位置の傾斜は、能動的な傾斜機構、例えば傾斜した直角分岐装置(RAT)、によって行うことができ、対応する荷置き位置のみを傾斜させることができ(適応傾斜)、取り出した品物を載置すべき場所を作業者に明確に指示する。
【0047】
コンベアは、オーダー履行の必要性に応じて、ピッキングステーション2経由の製品およびオーダーキャリアの同時且つ連続的な搬送流をそれぞれのコンベア8、9、および10上にもたらすために、制御装置15によって制御される。制御装置15は、オーダー追跡システムと連携およびインタフェースする包括的倉庫管理システム(WMS:warehouse management system)によって管理される。明らかに、制御装置は、ラッキング3および5内の、およびそこからピッキングステーション2および3までの、全体的な材料の流れを制御するためにも使用される。
【0048】
以下の概略
図2~
図11には、本発明による類似のピッキングステーション2の設計および運用の変形例が、特に、バイパスコンベアの使用とクロスアイルおよびバイパスコンベアの接続エリアとに関して、示されている。
【0049】
図2には、本発明による一実施形態におけるオーダー履行エリアAが示されている。ラッキング3は、単に模式的に3で示されている。ピッキングステーション2での作業は、手作業で、またはロボットによって、行われる。クロスアイルコンベア4cを有する接続コンベアシステム4がラッキング3の正面の長さにわたって全てのアイル5を横切って、可能であれば不図示のパッケージングエリアまで、延びており、コンベア4a、bはラッキング3とピッキングステーション2とを橋渡しし、インバウンド製品荷キャリアコンベア8a、b、およびインバウンドオーダー荷キャリアコンベア9a、b、および共通テイクアウェイ排出コンベア10に接続されている。
【0050】
これらの設備は何れも、
図1に関して説明したものと基本的に同じである。
【0051】
本発明によると、バイパスコンベア40がクロスアイルコンベア4cの真下に位置し、平行に延び、同じ流れの方向を有する。
【0052】
図示の実施形態において、バイパスコンベア40は、接続エリア50において、接続設備60によってクロスアイルコンベア4cに接続されている。接続設備60は
図5に詳細に示されている。
【0053】
接続設備60は、ピッキングステーション2の方向に至る上向きに傾斜したコンベアランプ61と、保管庫3の方向に至る下向きに傾斜したコンベアランプ62とで構成されている。この逆も可能である。両ランプ61、62は、クロスアイルコンベア4cから始まっている。接続エリア50(不図示)に埋め込まれたRATによって、ランプ61、62とクロスアイルコンベア4cとの間で、荷が移される。
【0054】
ランプ61および62は、直角分岐装置または傾斜コンベア機構63/64と、バイパスコンベア40に終端する更なるコンベア区間65/66とによって、バイパスコンベア40に接続されている(
図5を参照)。区間65、66とバイパスコンベア40との間でも、接続エリア(不図示)に埋め込まれたRATまたは傾斜コンベアによって、荷が移される。
【0055】
図3には、対応するピッキングステーション2が、バイパスコンベア40のいくつかの可能な設置バージョンと共に、示されている。バイパスコンベア40は、可能な設置バージョンであることを示すために、点線で示されている。
【0056】
この図から分かるように、バイパスコンベア40は、接続コンベア4cの直上または直下に位置付けられ得る。
【0057】
バイパスコンベア40を接続コンベア4cの斜め下方または斜め上方に配置して、すなわち、それぞれの長手方向中心軸線を通る鉛直線が互いに直列ではなく並列になるように、位置付けることも可能である。
【0058】
図4は、バイパスコンベア40が接続コンベア4cの直上または直下にある
図3の状況と異なり、2つのバイパスコンベア40および40*が存在し、一方が対応する接続コンベア4cの下方にあり、他方が4c*の上方にある。
【0059】
この配置が有利であるのは、
図2の配置と同様のオーダー履行エリア1000が、
図1に関して上で説明した下側オーダー履行レベルAに加え、オーダー履行レベルAの鉛直方向上方に何れも離れている更なるピッキングステーション20と接続コンベアシステム4c*とを含む仮想オーダー履行レベルBを含むからである。
【0060】
図1と同じく、オーダー履行レベルAは、オーダー履行レベルAのコンベア4a、bによってラッキング(不図示)に接続されたピッキングステーション2を含む。加えて、オーダー履行レベルBは、仮想オーダー履行レベルBのコンベア4*a、bによってラッキング(不図示)に接続されたピッキングステーション20を含む。
【0061】
図1のように、各ピッキングステーションは、複数のラック6(
図1を参照)を有するラッキング3(
図1を参照)の1つのアイル5(
図1を参照)に対応する。複数のラック6は、その間のアイル5(
図1を参照)に隣接している。各ピッキングステーションは、各ラック6の占有面積内に配置された荷キャリア鉛直コンベア7(
図1を参照)(例えばリフトまたはエレベータ)に、コンベア4、40を介して、その前端で接続されている。これらラックは、鉛直コンベア7に荷を降ろす不図示のASRS機、例えばシャトル、によってサービスされる。
【0062】
この点に関して、仮想オーダー履行レベルBは、オーダー履行レベルAのほぼ複製であり、オーダー履行レベルAの上方に配置されている。
【0063】
これを可能にするために、追加の設備および変更がいくつか実装されている。これらについては、以下に説明する。
【0064】
コンベア4c*は、ラッキング3の正面の長さにわたって全てのアイル5を横切って、可能であればコンベア4cの上方に配置された不図示のパッケージングエリアまで、延びる接続コンベアである。
【0065】
コンベア4*a、b(
図1のコンベア4a、bと同様、点線の箱で図示)は、ラッキングとピッキングステーション20とを橋渡しし、インバウンド製品荷キャリアコンベア80a、b、およびインバウンドオーダー荷キャリアコンベア90a、b、および共通テイクアウェイ排出コンベア100に接続されている。これらは、レベルAのそれぞれの要素の上方に、直上の空間を使用して、配置されている。
【0066】
荷キャリア自体は、例えば、標準的なコンテナまたはトレーとすることができる。
【0067】
両レベルからの物品の排出および/または受け入れを同時に行えるように、コンベアシステム4および4*に、特に、ラッキングに接続されているコンベア4a、b(
図1を参照)および4*a、bに、同時にサービスするために、2つのオーダー履行レベルA、Bとの位置合わせのために鉛直方向に離して二重化された荷扱いプラットフォームを有する一実施形態(不図示)においては、荷キャリア鉛直コンベアまたはAS/RS7が使用され得る。
【0068】
ピッキングステーション20での作業は、手作業11で、またはロボットRによって、行われる。互いに異なるオーダー履行レベルに属する2つのピッキングステーション2、20は、多数のピッキングステーションを含む高密度実装された履行エリアを形成するために、更に、水平方向の接近関係でグループ化される(手動ピッキングステーション2、20のそれぞれのグループを示す
図4を参照)。
【0069】
鉛直方向の間隔は、仮想オーダー履行レベルの全ての要素を、アップライト、一段高いプラットフォーム、等々の使用によって、高くすることによって実現される。この鉛直オフセット量は、これらだけには限定されないが、コンベアの高さおよびコンベアと荷キャリアとの間の隙間の故に、荷キャリアとして使用されるコンテナの高さより僅かに大きい。
【0070】
ピッキングステーション20における作業位置130は、例えば、プラットフォーム30を使用して、高くされる。
【0071】
各人間作業者11をプラットフォーム30上の作業位置130にそれぞれアクセスさせるために、
図4Bにおいて最も良く分かるように、インバウンド製品荷キャリアコンベア8aの一区間を高くすることができる。あるいは、8aを高くできない場合は、ステップオーバを設けることができる。このような対策は、ロボットが作業するステーションでは不要である。
【0072】
図4において分かるように、仮想オーダー履行レベルBは、オーダー履行レベルAから独立している。空間のみが共用され、コンベアシステムは共用されない。したがって、2つのバイパスコンベア40、40*の使用は道理にかなっている。
【0073】
クロスアイルコンベア4cと接続設備60とをインタフェースさせるためにRATまたは傾斜コンベアのみを使用している
図5と異なり、
図6および
図7は、より高い性能とより滑らかな荷扱いとを有する斜め合流および分流機構71、72、73、74、あるいはRATまたは傾斜コンベアを有する上向きおよび下向きに傾斜したコンベアランプ61、62と前記斜め合流および分流機構71、74との組み合わせ、を使用した実施形態を示す。
【0074】
荷の流れ方向を示す矢印によって示されているように、合流73および71は、バイパスコンベア40(直下)およびクロスアイルコンベア4cに流入し、分流72および74は、バイパスコンベア40およびクロスアイルコンベア4cから排出される。
【0075】
斜め合流および分流機構71、72、73、74は、
図5に示されているコンベア区間61~66に類似したコンベア区間によって接続されている。
【0076】
図7のバージョンでは、斜め分流72および斜め合流74が、
図5に示されているような複数のランプおよび複数のコンベア区間61~66と組み合わせて、RATまたは傾斜コンベア80と共に、対応するバイパスコンベア40(直下)およびクロスアイルコンベア4cに使用されている。
【0077】
図8は、リフト、特にタンデムサイクリングリフト90、を接続設備60として接続エリア50に使用する実施形態を示す。
【0078】
このリフト90は、プラットフォーム91を有する。このプラットフォーム91は、1つ以上の荷を同時に扱う、すなわち(
図8bによって示されているように)荷揚げと荷降ろしとを同時に行う、ためのローラコンベア(単数または複数)ベースの空間を有する。
【0079】
図9および
図10は、バイパスコンベア(単数または複数)40、40*の配置方法を、リフト(単数または複数)と共に、バイパスコンベア40、40*の位置付け、輸送方向、ならびに使用されるバイパスコンベア40、40*の数、がそれぞれ異なる構成で示す。
【0080】
図9Aにおいて、クロスアイルコンベア4cは、2つのバイパスコンベア40および40*によって補われている。バイパスコンベア40は、第1区間AAではクロスアイルコンベア4cの下に延び、バイパスコンベア40*はその脇を平行に延びている。バイパスコンベア40*は、第2区間BBではクロスアイルコンベア4cの下に延び、バイパスコンベア40はその脇を平行に延びている。
【0081】
区間AAでは、リフト90*がバイパスコンベア40*とクロスアイルコンベア4cとの間のインタフェースになり、区間BBでは、リフト90が40と4cとの間のインタフェースになっている。
【0082】
すなわち、各リフト90および90*は、専用バイパスコンベアとインタフェースする。
【0083】
図9(B)は、4cの下方または上方レベルに位置し、輸送方向が4cと同じであるバイパスコンベア40、40*のレイアウトを示す。
【0084】
図9Cは、模式的に示されているバイパスコンベア40、40*の輸送方向がクロスアイルコンベア4cとは逆である点で異なる。
【0085】
図10A、
図10B、
図10Cにおいては、1本のバイパスコンベア40がクロスアイルコンベア4cを補っている。バイパスコンベア40は、クロスアイルコンベア4cの下方に、しかしその脇を斜めに、延びている。移送区間41が外側に湾曲し、リフト90とインタフェースし、その後、バイパスコンベア40に合流している。すなわち、各リフト90は、共用バイパスコンベアとインタフェースする。図示のように、共用バイパスコンベア40は、同じ輸送方向または反対の輸送方向を有し得る(Cを参照)。
【0086】
図11は、バイパスコンベア40が保管庫3とクロスアイルコンベア4cとの間に水平方向に位置する実施形態を示す。バイパスコンベア40は、同じ輸送方向または逆の輸送方向のどちらかを有する。複数のバイパスコンベアレベルが存在する場合は、これらのコンベアレベルを接続するために、上向き/下向きに傾斜したコンベアグループ42(点線円内の詳細を参照)および/またはリフトを追加できる。
【国際調査報告】