(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】GTP原則に従って物品をピッキングするための方法およびステーション
(51)【国際特許分類】
B65G 1/137 20060101AFI20230606BHJP
【FI】
B65G1/137 E
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567278
(86)(22)【出願日】2020-05-08
(85)【翻訳文提出日】2022-11-30
(86)【国際出願番号】 EP2020062887
(87)【国際公開番号】W WO2021223881
(87)【国際公開日】2021-11-11
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】516245988
【氏名又は名称】デマティック ゲーエムベーハ―
【氏名又は名称原語表記】DEMATIC GMBH
(71)【出願人】
【識別番号】522430235
【氏名又は名称】デマティック ピーティーワイ エルティーディー
(71)【出願人】
【識別番号】000110011
【氏名又は名称】トーヨーカネツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003454
【氏名又は名称】弁理士法人友野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山下 伸
(72)【発明者】
【氏名】工藤 祐輝
(72)【発明者】
【氏名】マクリーン アダム
【テーマコード(参考)】
3F522
【Fターム(参考)】
3F522AA02
3F522BB01
3F522BB27
3F522CC01
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3F522FF07
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3F522HH04
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3F522HH36
3F522JJ01
3F522JJ04
3F522KK07
3F522LL15
3F522LL57
(57)【要約】
本発明は、GTP原則に従って物品をピッキングステーションでピッキングする方法に関する。ピッキングステーションでは、複数の物品が複数の製品荷キャリアから複数のオーダー荷キャリアにピッキングされる。複数のオーダー荷キャリアがピッキングステーション経由で第1列で搬送され、複数の物品が製品荷キャリアで提示され、そこからピッキングが行われる。本発明によると、高スループットを実現するために、製品荷キャリアは、第1列に対して斜めに配置された第2列でもピッキングステーション経由で搬送される。ピッキングステーション経由で同時に搬送されている複数の製品およびオーダーコンテナから成る1つの流れからピッキングが行われる。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
GTP原則に従って物品をピッキングステーションでピッキングする方法であて、物品は製品荷キャリアからオーダー荷キャリアにピッキングされ、前記オーダー荷キャリアは、前記ピッキングステーションを通って第1列で搬送され、物品が製品荷キャリアで提示され、そこからピッキングが行われる、方法において、前記製品荷キャリアは前記ピッキングステーションを通って第2列でも搬送され、前記第2列は前記第1列に対して斜めに配置され、前記ピッキングステーションを通って同時に搬送される複数の製品および複数のオーダーコンテナから成る1つの流れからピッキングが行われることを特徴とする方法。
【請求項2】
ピッキング後、前記オーダー荷キャリアと製品荷キャリアとは共通テイクアウェイを共用することを特徴とする、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記共通テイクアウェイは、前記オーダー荷キャリアの前記第1列または前記製品荷キャリアの前記第2列と直列であることを特徴とする、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記オーダー荷キャリアおよび/または前記製品荷キャリアは、狭い側面を前方に向けて、および/または広い側面を前方に向けて、前記ピッキングステーションを通って搬送されることを特徴とする、請求項1~3の何れか一項に記載の方法。
【請求項5】
複数の荷取りおよび/または荷置き位置が前記ピッキングステーションにおいて提示されることを特徴とする、請求項1~4の何れか一項に記載の方法。
【請求項6】
複数のオーダー荷キャリアおよび/または前記複数の製品荷キャリアの両方を同時に前記ピッキングステーション経由で搬送させるために、第2のオーダー荷キャリア位置への荷置きがピッカーに指示されることを特徴とする、請求項1~5の何れか一項に記載の方法。
【請求項7】
複数の荷キャリアの統合のために、製品荷キャリアからの荷取りおよび製品荷キャリアへの荷置きによって、および/またはオーダー荷キャリアからの荷取りおよびオーダー荷キャリアへの荷置きによって、製品および/またはオーダーの統合が行われ得ることを特徴とする、請求項1~6の何れか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ピッキングオーダーのために所望された物品の取り出し後、使用された製品荷キャリアが、以降の更なるピッキング作業での使用のために、前記荷取り場所から一時的バッファ位置に搬送されることを特徴とする、請求項1~7の何れか一項に記載の方法。
【請求項9】
部分オーダーピッキングのために所望された物品の載置後、オーダー荷キャリアが前記荷取り場所から再使用バッファおよび/またはシャッフル位置に輸送され、そこから、前記オーダーピッキングの以降の完了のために、前記オーダーキャリアの第1列に戻され得ることを特徴とする、請求項1~8の何れか一項に記載の方法。
【請求項10】
GTP原則に従って複数の物品をピッキングするためのピッキングステーションであって、複数の物品がオーダー荷キャリアにピッキングされ、前記複数の物品は製品荷キャリアで第1の直線搬送システム上を前記ピッキングステーション経由で搬送され、前記オーダー荷キャリアは第2の直線搬送システム上を前記ピッキングステーション経由で搬送される、ピッキングステーションにおいて、前記第1および第2搬送システムは、互いに対して交差角に配置され、前記ピッキングステーション経由の製品およびオーダーキャリアの連続する搬送流をもたらすために、制御装置によって制御されることを特徴とするピッキングステーション。
【請求項11】
複数の荷キャリアが排出および収集用の第3搬送システムを共用し、前記第3搬送システムは、前記第1または第2搬送システムのどちらかと直列であり、前記第3搬送システムは、場合によっては、下流の分流を含み得ることを特徴とする、請求項10に記載のピッキングステーション。
【請求項12】
前記第1および/または第2の直線搬送システムは、前記荷キャリアを作業者に向けて傾斜させるための傾斜機構、特に傾斜したRAT(Right Angle Transfer)、を有し、対応する荷取り/荷置き位置のみが傾斜されて前記品物をピッキングすべき場所、および/またはピッキングした品物を置くべき場所、が前記作業者に明確に指示されることを特徴とする、請求項10または11に記載のピッキングステーション。
【請求項13】
前記傾斜位置は、前記荷キャリアが前記傾斜コンベア区間に押し付けられたときの衝撃を和らげるためのバンバーを備えることを特徴とする、請求項12に記載のピッキングステーション。
【請求項14】
第2の直線コンベア上の荷置き位置の背後の平行なインバウンド荷キャリアコンベア区間上の複数のコンベア位置が、特にロボットステーションのための、追加の荷置き位置として使用され得ることを特徴とする、請求項10~13の何れか一項に記載のピッキングステーション。
【請求項15】
前記荷置き位置である前記オーダーおよび製品荷キャリアコンベアの前記交差点に複数のオーダー荷キャリアが、前記製品荷キャリアコンベアによってルーティングされ得ることと、場合によっては、前記オーダー荷キャリアコンベア上を後方にもルーティングされ得ることと、を特徴とする、請求項1~9の何れか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ピッキングステーションにおいて、前記作業者は前記製品荷キャリアに関して、荷取りすべきものを事前に認識および用意するために、オンザフライで見る、および事前にも見る、ことができ、その後、製品荷キャリアの移動中、オンザフライで荷取り、および事前にも荷取り、でき、その後、オーダー荷キャリアの移動中、それら荷キャリアの搬送速度を変化させて、または変化させずに、オンザフライで荷置き、および事前にも荷置き、できることを特徴とする、請求項1~9または15の何れか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記作業者は、荷取り直後、またはオーダー荷キャリアへの荷置き前または荷置き中、自らの荷置き作業と並行して、前記荷取り位置からの前記製品荷キャリアの排出を指令することを特徴とする、請求項1~9または15~16の何れか一項に記載の方法。
【請求項18】
作業者のピッキングエリアの上方/先にある一段高くなった位置に仮置き棚を含むことを特徴とする、請求項10~14の何れか一項に記載のピッキングステーション。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、GTP(goods-to-person)原則に従って物品をピッキングステーションでピッキングする方法であって、物品がオーダー荷キャリアにピッキングされる方法および対応するピッキングステーションに関する。
【背景技術】
【0002】
GTP原則に従ってピッキングするためのピッキングステーションの運用は周知である。その場合、1つのオーダーの複数の商品または物品はそれぞれのピッキングステーションに輸送される。その目的のために、これら商品または物品は、通常、コンテナ、トレー、等々で運ばれる。その場所において、それらの商品または物品は所謂保管または製品コンテナから取り出され、1つのオーダーの対応するコンテナ、トレー、等々、所謂オーダーコンテナ、に載置される。
【0003】
このプロセスは、通常、ゾーンピッキングプロセスを使用して、それぞれのオーダーまたは部分オーダーが完了するまで繰り返される。
【0004】
スループットを上げる、および/または製品コンテナの移動量を減らす、ために、作業者は、多くの場合、複数のオーダーのために並行してピッキングするので、複数のオーダーコンテナを並行してピッキングステーションに待機させておく。
【0005】
したがって、複数のオーダーコンテナが存在する場合、物品を載置すべき場所をディスプレイによってピッカーに表示することができる。したがって、これは、「プットトゥライト」と呼ばれる。加えて、複数の製品コンテナが同様にピッキングステーションに輸送される場合/とき、ピックトゥライト法の実施も可能であるので、物品の取り出しも簡略化される。
【0006】
したがって、荷置き場所は、保管コンテナからの商品/物品がピッカーによって載置されるオーダーコンテナのための場所である。
【0007】
したがって、プットトゥライトディスプレイは、ピッカーのためのディスプレイであり、ピッカーが製品コンテナから取り出したばかりの物品、または複数の物品、または梱包単位、等々をどのオーダーコンテナに載置すべきかを表示する。
【0008】
逆に、荷取り場所は、そこからピッカーが物品等々を取り出す製品コンテナのための場所である。したがって、ピックトゥライトディスプレイは、ピッキングステップのために、製品コンテナ、および/または、おそらく、物品および/またはその量、をピッカーに表示するディスプレイである。
【0009】
特許文献1は、保管タンクから取り出したさまざまな品物を載置すべきオーダーコンテナを積載地点に用意することを含む方法を開示している。複数の品物が入った保管コンテナは、それらの品物がそれぞれの保管コンテナから取り出されてオーダーコンテナに移されるように、自動的に取り出し位置に送られる。次の保管コンテナが取り出し前位置に置かれている間に、保管容器が取り出し後位置に移送され、更に取り出し位置に移送されるように、品物の取り出し後に第1の確認信号が生成される。
【0010】
特許文献2は、オーダーピッカーによって物品をソース積載補助装置からデスティネーション積載補助装置にピッキングするための方法およびピッキングステーションを示している。積載補助装置は、第1コンベアシステム経由でピッキングステーションに搬送され、物品のピッキングのためにピッキングステーションに用意され、ピッキング作業後、第2コンベアシステム経由でピッキングステーションから再び排出される。ピッキングステーションにおけるピッキング作業の前に、ピッキングオーダーの処理のために必要な複数のソース積載補助装置および複数のデスティネーション積載補助装置が、作業エリアまたはオーダーピッカーを通過する、第1コンベアシステムの共通ピッキングコンベア上に集められ、このピッキングコンベア上の1つのピッキンググループとして互いに隣接配置されてオーダーピッカーに提示されるように、複数のソース積載補助装置および複数のデスティネーション積載補助装置の搬送用移動を制御デバイスによって連係させることができる。
【0011】
特許文献3には、オーダーピッキングステーションにおける物品のオーダーピッキング方法が記載されている。この方法では、複数のソースコンテナが任意の順番で取り出し地点に向けて搬送され、複数のデスティネーションコンテナは、単一の積載地点の前の複数のバッファ地点を含むソーティングバッファに用意されている。複数の異なるオーダーラインを処理するために、第1オーダーラインに属する物品が第1デスティネーションコンテナに載置されると、前記コンテナはソーティングバッファに搬送し戻され、第2オーダーラインに属する物品を含むソースコンテナが取り出し地点の上流に設けられたバッファトラック区間に搬送されるまで、ソーティング地点で一時的にバッファリングされる。複数の異なるオーダーラインを処理するために、第2オーダーラインに属する物品が第2デスティネーションコンテナに載置されると、第2オーダーラインに属する物品を含むソースコンテナがバッファトラック区間に既に搬送されている場合、前記コンテナはソーティングバッファに搬送し戻され、複数のバッファ地点のうちの1つに第2ソーティング地点経由で移動され、その後、積載地点に移動される。この発明は、オーダーピッキングステーションにも関する。
【0012】
特許文献4は、GTP原則に従って品物をピッキングするための方法およびピッキングステーションを開示している。このピッキングステーションでは、このピッキングステーションを通って1列で搬送される複数のオーダー荷キャリアに品物が載置される。その列内の各オーダー荷キャリアの荷置き場所は、経時的に先行するオーダー荷キャリアが積載および搬送されると、変化する。この開示は、対応するオーダーピッキングステーションにも関する。
【0013】
したがって、ピッキングステーションの構造が簡素化され、スループットを下げずに、ピッカーのためにピッキングをより容易にする、GTP原則に従って簡素化されたピッキングソリューションに対するニーズが引き続き存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0014】
【特許文献1】欧州特許出願公開第2 769 936 A1号
【特許文献2】米国特許出願公開第2015/0104286 A1号
【特許文献3】国際公開第2018/006112 A1号
【特許文献4】米国特許出願公開第2016/0355340 A1号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0015】
この目的は、請求項1に記載のピッキング方法および請求項11に記載のピッキングステーションによって達成される。
【0016】
本発明によると、第1列に対して斜めに配置された第2列でも製品荷キャリアがピッキングステーション経由で搬送され、ピッキングステーション経由で同時に搬送される複数の製品およびオーダーコンテナから成る1つの流れからピッキングが行われる場合、高価且つ複雑な設計なしに、より良好な使い心地で、または上記の操作上の融通性で、ピッキング性能の向上が可能であることが認識されている。
【0017】
換言すると、作業者(人間または自動ロボット、または人間によって案内される自動ロボット)は、移動中の製品荷キャリアから「オンザフライで」取り出してオーダー荷キャリアに入れるオーダー履行プロセスを行う。
【0018】
作業者が遅れない限り、例えば作業者が自身の作業を未だ完了していない、および/または荷取りおよび/または荷置きが時間内に完了したことを作業者が確認してない、場合以外は、それぞれの搬送システム上での製品およびオーダー荷キャリアの移動が停止、一時停止、または休止することはない。次の製品荷キャリアは、現在の製品荷キャリアを追って同時に移動する。荷置き作業が完了すると、製品荷キャリアが(例えばテイクアウェイコンベアに沿って)搬送されるや否や、オーダー荷キャリアは、製品荷キャリアを追って同時に移動し始め、作業者から離れる。運び去られる完了したオーダー荷キャリア(単数または複数)の上流に位置する空のオーダー荷キャリアは、完了したオーダー荷キャリアに同時に追従する。
【0019】
更に、両荷キャリアは、同時に(並行して)および連続的に(常に)移動され得る。これら荷キャリアを同じ、または異なる、速度で搬送することも可能である。
【0020】
したがって、オーダー荷キャリアおよび製品荷キャリアは、それぞれ異なる、および/または変化する、速度でピッキングステーションを通って搬送され得る。すなわち、例えば、製品荷キャリアは、荷キャリアより高速で、ピッキングステーション経由で移動され得る。
【0021】
速度を変化させることも可能である。例えば、製品コンテナをより高い加速度および速度で素早く移動開始させて、コンテナを作業者の手が届く範囲内に素早く到達させ、作業者の手が届く範囲内に到達したら、徐々に減速開始させて、おそらく、ピッキングするオーダーの種類に応じて、作業者が製品をオンザフライでピッキングできるようにすることが可能である。1つまたは2つの物品を有するオーダーは、単一または2つの製品荷キャリアを使用してピッキングされ得る。この場合、これらの製品荷キャリアは、ステーションにおけるピッキング時間または継続時間が短くて済むので、素早く移動させることができる。これらの製品荷キャリアは、同時に、または相次いで直後に、利用可能になるように制御されることになる。この場合、オーダー荷キャリアも素早く移動させることができる。
【0022】
オーダー荷キャリアおよび製品荷キャリアが、ピッキング後に、共通テイクアウェイを共用する場合は、これら荷キャリアの交換および排出が最適化され得る。
【0023】
この場合、共通テイクアウェイは、オーダー荷キャリアの第1列または製品荷キャリアの第2列と直列である必要がある。換言すると、共通テイクアウェイは、それぞれの搬送システムの直線延長部をその長手方向軸線に沿って形成する。
【0024】
作業者に対する荷キャリア内の物品の提示を最適化するために、これら荷キャリアの向きを搬送システム上で変化させることが可能である。換言すると、オーダー荷キャリアおよび/または製品荷キャリアは、狭い側面を前方に向けて、および/または広い側面を前方に向けて、ピッキングステーションを通って搬送される。
【0025】
例えば、作業者は、ドナー(ピッキング)位置では広い側面を前方に向けた荷キャリアに、および荷置き位置またはオーダー位置では狭い側面を前方に向けた荷キャリアに、面し得る。または、作業者は、ドナー(ピッキング)位置では狭い側面を前方に向けた荷キャリアに、および荷置き位置またはオーダー位置では広い側面を前方に向けた荷キャリアに、面しうる。または、作業者は、ドナー(ピッキング)位置では広い側面を前方に向けた荷キャリアに、および荷置き位置またはオーダー位置では広い側面を前方に向けた荷キャリアに、面しうる。または、作業者は、ドナー(ピッキング)位置では狭い側面を前方に向けた荷キャリアに、および荷置き位置またはオーダー位置では狭い側面を前方に向けた荷キャリアに、面し得る。
【0026】
オーダー履行の実施中、多くの場合に必要であるのは、複数の異なる時点および/または場所においてピッキングされて複数のオーダー荷キャリア内に一時的にバッファリングされている複数の部分オーダーを統合することである。同様に、空になった2つ以上の製品荷キャリアを組み合わせることによって、複数の製品荷キャリアを統合する必要があることが多い。したがって、本発明によると、複数の荷キャリアの統合のために、複数の製品荷キャリアから荷取りして複数の製品荷キャリアに荷置きすることによって、および/または複数のオーダー荷キャリアから荷取りして複数のオーダー荷キャリアに荷置きすることによって、部分ピッキングを統合し得ることが可能である。
【0027】
オーダー荷キャリアおよび製品荷キャリアがそれぞれ異なる、および/または変化する、速度でピッキングステーションを通って搬送される場合は、オーダー荷キャリアの経路を変更して製品荷キャリア搬送システム経由で荷置き位置に到達させることが可能になる。これは、どこか他の場所でピッキングされた複数のオーダーコンテナを現在のピックステーション内でピッキングすべき製品で「トップアップ」操作を行うために必要であり得る。
【0028】
製品荷キャリアが更なるオーダーのために近い将来に必要になる物品を含む場合、対応する荷キャリアをピッキングステーションにバッファリングし、それを即座に排出することが可能である。換言すると、オーダーのピッキングのために所望される物品の取り出し後、使用された製品荷キャリアは、以降の更なるピッキング作業での使用のために、荷取り場所から一時的バッファ位置に輸送され得る。
【0029】
同様に、或るオーダーを履行できない、または即座に完了できないが、管理ソフトウェアまたはシステムにおいては近い将来にそのオーダーの完遂が可能であることが制御装置に分かっていることも有り得る。その場合、部分オーダーピッキングのために所望される物品の載置後、オーダー荷キャリアは、荷取り場所から再使用バッファ位置に輸送され得る。そこからオーダー荷キャリアは、オーダーピッキングの以降の完了のために、オーダーキャリア列に戻され得る。
【0030】
本発明は、更に、GTP原則に従って物品をピッキングするためのピッキングステーションに関する。複数の物品がオーダー荷キャリアにピッキングされ、製品荷キャリア内の物品は第1の直線搬送システム上をピッキングステーション経由で搬送され、オーダー荷キャリアは第2の直線搬送システム上をピッキングステーション経由で搬送される。ピッキングステーションを通る複数の製品およびオーダーコンテナから成る1つの連続搬送流をもたらすために、第1および第2搬送システムは、互いに交差角に配置され、制御装置によって制御される。
【0031】
複数の荷キャリアが排出および収集用の第3搬送システムを共用しうる。第3搬送システムは、第1または第2搬送システムのどちらかと直列である。前記第3搬送システムは、場合によっては、下流の分流を含み得る。この分流は、排出されるオーダー荷キャリアを製品荷キャリアとは違うルートでルーティングするために使用され得る。
【0032】
各搬送システムは、個々に制御可能および操作可能なコンベアとして形成され得る。これは、例えば、個別の速度制御を可能にする。
【0033】
直線的な第1および第2搬送システムの間の角に、または第3搬送システムとの交差点に、荷置き場所/荷取り位置が形成される場合は、荷置き場所/荷取り位置へのアクセスが容易であるので、作業者は、自身の身体を移動させる必要なしに、履歴的に最古の製品荷キャリアおよび履歴的に最古のオーダー荷キャリアの両方に同時に、更には人間工学的にも、アクセス可能である。したがって、成功率が高い。
【0034】
製品荷キャリアの再使用またはオーダー荷キャリアの完成のための一時的保管を可能にするために、第1および/または第2の直線搬送システムの脇にバッファ位置が配置され得る。これは、荷キャリアの中間パーキングまたはシャフリングを可能にする。
【0035】
荷キャリア内のより良好な覗き込み、および荷キャリアからの荷取りと荷キャリアへの荷置き、を実現するために、すなわち使い心地を改善するために、第1および/または第2の直線搬送システムは、荷キャリアを作業者に向けて傾斜させるための傾斜機構を有し得る。この傾斜機構は、対応する搬送システムの能動的または受動的な機構であってよく、または静止傾斜機構であってもよい。
【0036】
ドナー(製品)位置の傾斜は、それぞれのコンベア自体の傾斜によって行われ得るので、製品荷キャリアが1つのコンベアから別のコンベアに移されるときに、その製品荷キャリアを傾斜させることができる。オーダー位置の傾斜は、能動的な傾斜機構、例えば傾斜した直角分岐装置(RAT:Right Angle Transfer)、によって行われ得る。対応する荷置き位置のみが傾斜され得る(適応傾斜)ので、取り出した品物を載置すべき場所が作業者に明確に指示され得る。
【0037】
本発明によると、ピッキング速度にも強く影響する荷取り性能および使い心地がGTPピッキングステーションの主要な成功要因であることが認識されている。特にドナー(または製品)およびオーダーキャリアの交換時間は、(作業者の移動距離および角度を含む)人間工学によると、達成可能なピッキング速度に影響する。
【0038】
交換および荷取り時間を最短化するための最も効果的な方法は、以下の特徴を作業者に提供することである。
1.ドナーをオンザフライで見る、および事前にも見る(作業者に荷取りすべきものを事前に認識させる)。
2.オンザフライで荷取りする、および事前にも荷取りする(ドナー移動中の荷取り作業)。
3.オンザフライで荷置きする、および事前にも荷置きする(オーダー移動中の荷置き作業)。
4.作業者の移動を最小化する。
【0039】
これを達成するために、本発明によると、連続する複数のドナーおよびオーダーを、作業者に向かうように、また荷取り/荷置き作業が完了したら作業者から離れるように、水平方向に移動させ、かつ荷取り位置および荷置き位置をできる限り作業者の近くに位置付ける、コンベアベースの荷取りおよび荷置き位置が提供される。
【0040】
人間工学的な作業環境を提供するために、そのような特徴を実現するために、および/または作業者の余分な移動距離の故に荷取り速度を下げないために、各コンベアは一定の間隔を必要とする。共通テイクアウェイは、作業者の使い心地および荷取り性能を低下させずに、ドナーおよびオーダーの両方の高速交換を上記方法で可能にする。
【0041】
更に、バッチ荷取り/荷置き機能を組み合わせることも可能である。
【0042】
物品の特性が許容する場合は、物品を直接搬送すること、または製品荷キャリアに存在させ、そこから取り出すこと、のどちらかが可能である。荷キャリアは、従来技術において公知のように、コンテナ、トレー、ボックス等々とすることができる。荷キャリアは、先入れ先出し(FIFO:first-in-first-out)列でピッキングステーションを通って搬送されることが好ましい。
【0043】
本発明は、以下の特徴によっても特徴付けられ得る。
オーダー荷キャリアおよび製品荷キャリアがそれぞれ異なる、および/または変化する、速度でピッキングステーションを通って搬送されること、
各搬送システムが個々に制御および操作可能なコンベアとして形成されること、
直線的な第1および第2搬送システムの間の角に、または第3搬送システムとの交差点に、荷置き場所/荷取り位置が形成されること、
第1および/または第2の直線搬送システムの脇にバッファ位置が配置されること、および、
荷取りおよび荷置き作業がロボットピッカーによって行われること。
【0044】
本発明によると、作業者は、荷取りの直後、オーダー荷キャリアへの荷置き前、または荷置き中に、自身の荷置き作業と並行して、荷取り位置からの製品荷キャリアの排出を指令し得る。そうするために、作業者は、荷取り後(すなわち製品コンテナからの物品の取り出し後)および荷置きプロセス(取り出した物品をオーダーコンテナに載置すること)の完了前に、完了ボタンを押し得る。作業者は、自身の荷置きプロセス中に、または荷取りの完了後の自身の荷置きプロセスの前にも、完了ボタンを押し得る。そのようなボタンは、作業者が、追加のステップ/動きを必要とせずに、効率的に操作できるように位置付けられると理想的であろう。
【0045】
したがって、荷取りおよび荷置きプロセスを滑らかにするために、および荷取り性能を向上させるためにオンザフライ/事前の荷取りおよび荷置きの特徴を最大限活用するために、一般には各荷取りおよび荷置き作業の完了時に作業者によって押される作業者用ボタンは、自身のピッキングスタイルに関わりなく、荷置きプロセス中に、または、理にかなっていれば、荷置きプロセスの前でも、作業者が効率的に押せるように、位置付けられていると理想的である。作業者は、自身の荷置き作業と並行してボタンを押し得るので、このようなボタンを押すための専用ステップおよび所要時間を、場合によっては、排除できる。
【0046】
ピッキングステーションは、作業エリアの上方の一段高くなった位置に仮置き棚を含み得る。作業者は取り出した物品(単数または複数)を近い将来のオーダー履行作業のために仮置き棚に載置して将来の使用のためにバッファリングできるので、ピッキングステーションからの再ルーティングおよびピッキングステーションへの戻りルーティングの必要がない。そうすることで、作業者は、棚のどの場所を使用すべきか、およびそこに載置すべき製品物品の量について、これらだけには限定されないが、ピックバイライト、ボイス、またはスクリーン(またはこれらの組み合わせ)によって、案内され得る。
【0047】
このような仮置き棚は、主に一時的な製品バッファとして使用可能であるので、場所当たり単一種類の物品のみがバッファリングされる。その後、作業者は、バッファリングされた物品を必要とする関連オーダーを履行するために、それらの場所(単数または複数)から荷取りするように指示される。
【0048】
あるいは、オーダーリストに従って複数の異なる物品が載置され得る一時的なオーダー場所としても運用され得る。その後、完全に統合された、または殆ど統合された、1つのオーダーを達成するために、それらの物品は特定のオーダー荷キャリアに全て同時に載置/荷置きされることになる。
【0049】
換言すると、本発明は、簡潔に言うと、最適化されたオーダー連続バッチピッキング機能と組み合わされた/組み合わされていない、共通テイクアウェイへの連続する複数のドナーおよびオーダーの同時移動によって、ドナーおよびオーダーの両方の高速交換の実現として特徴付けられ得る。
【0050】
本発明は、荷キャリアのためのダブルディープまたはマルチディープ保管空間を有する、および、場合によっては、交換のための横送り搬送場所を有する、保管庫のために特に有用である。この目的のために、保管装置(ASRS)の荷ピックアップ手段、例えば伸縮式レールアーム、は延長されたリーチを有し得る。
【0051】
保管装置は、ラッキングサービングユニットまたは単一レベルラッキングサービングユニットであると特に好適である。シャトルまたは衛星ビークルが特に適している。1本の走行レールから複数のレベルにサービスするために、1つの昇降プラットフォーム、または互いに上下に配置された複数の荷ピックアップ手段プラットフォーム、を有するシャトルの使用も可能である。
【0052】
したがって、本発明によると、各アイルにおける複数の輸送ユニットの所望の順序を完全に維持しながら、保管庫からの特に高レベルの取り出し効率の実現が可能である。
【0053】
本発明の更なる特徴および詳細は、図面の以下の説明から明らかである。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【
図1】本発明による2つのピッキングステーションを有するピッキングエリアの略斜視図を示す。
【
図2】本発明によるピッキングステーションの略平面図を示す。
【
図3】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
【
図4】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
【
図5】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
【
図6】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
【
図7】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図8】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図9】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図10】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図11】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図12】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図13】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図14】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図15】本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
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図16】本発明による更なるピッキングステーションの略斜視図を示す。
【
図17】本発明による更なるピッキングステーションの略斜視図を示す。
【
図18】本発明により配置された複数の完了ボタンと仮置き棚とを有する、本発明による更なるピッキングステーションの略平面図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0055】
図1には、コンベア4によってラッキング3に接続されている2つのピッキングステーション2を有するピッキングエリア1の略斜視図が示されている。各ピッキングステーション2は、ラッキング3のアイル5に対応し、ラッキング3の各ラック6は、その間のアイル5に隣接している。各ピッキングステーション2は、各ラック6の占有面積内に配置された回収機7(例えばリフトまたはエレベータ)に、コンベア4を介して、その前端で接続されている。各ラックは、上記7と同様の鉛直コンベアに荷を下ろす不図示のASRS機、例えばシャトル、によってサービスされる。
【0056】
コンベア4はラッキング3とピッキングステーション2とを橋渡しし、インバウンド製品荷キャリアコンベア8a、b、およびインバウンドオーダー荷キャリアコンベア9a、b、および共通テイクアウェイ排出コンベア10に接続されている。荷キャリア自体は、例えば、標準的なコンテナまたはトレーとすることができる。
【0057】
インバウンド製品荷キャリアコンベア8は、アイル方向の延長線上にあるステーションに至る第1搬送区間8aと、第1搬送区間8aに対して90度の向きの第2搬送区間8bとを有し、製品をそこから取り出すべき荷キャリアを作業者11に提示するための実際の搬送システムをステーション内に形成する。
【0058】
インバウンドオーダー荷キャリアコンベア9は、アイル方向の延長線上にあるステーションに至る第1インバウンド搬送区間9aと、それに平行に配置されている、直角分岐装置(RAT)9cによって接続された、第2搬送区間9bとを有する。
【0059】
製品荷キャリアコンベア区間8bと荷キャリアコンベア区間9bとは作業者のための作業位置13で互いに交差し、交差点14を形成する。この交差点は、広範囲の角度で形成可能であるが、通常は60度と120度の間の範囲内であり、好ましくは90度である。
【0060】
共通テイクアウェイ排出コンベア10がオーダー荷キャリアコンベア区間9bの直接の延長線上に配置されており、製品荷キャリアコンベア区間8bとの交差点14から始まっている。
【0061】
各ピッキングステーション2は、作業者11の情報および作業者11による制御のためのディスプレイおよび制御部12を含み得る。作業者は、ピックバイライト、ピックバイボイス、仮想現実、等々のような他の手段によっても案内され得る。ピッキングステーションは、このような手段を一切有しなくてもよく、ピッキングは「紙」ベースで行われてもよい。
【0062】
製品荷キャリアコンベア区間8bは、全体として作業位置13に向けて傾斜し得る。
【0063】
提示に関する別の最適化は、荷取りおよび/または荷置き位置を傾斜させることであり得る。ドナー位置の傾斜は、コンベア8b自体の傾斜によって行われ、製品荷キャリアが8aから8bに移されるときに製品荷キャリアを傾斜させる。
【0064】
オーダー位置の傾斜は、能動的な傾斜機構、例えば傾斜した直角分岐装置(RAT)、によって行うことができ、対応する荷置き位置のみを傾斜させることができ(適応傾斜)、取り出した品物を載置すべき場所を作業者に明確に指示する(
図16を参照)。コンベア9のRAT位置を適応傾斜させることができる。
図16において、位置9*は例えば傾斜しておらず、その他の位置は傾斜している。
【0065】
荷キャリアが押されてコンベア区間8aから縁端部を越えて傾斜コンベア区間8bに移動されたときの「落下」を抑制するために、荷キャリアが傾斜コンベア区間8bに押し付けられたときの衝撃を和らげるためのゴム製または他の軟質材料製のバンバー81がコンベア区間8aに対向するコンベア区間8bの第1縁端部に位置付けられている。
【0066】
したがって、図示のように、製品Pは、傾斜した荷キャリアの下縁まで荷キャリア内で移動される。
【0067】
その後、荷キャリアDは、次第に狭まる端部82を有するバンバー81に沿って、バンバー81が完全に終端するまで、傾斜コンベア区間8b上を輸送される。
【0068】
したがって、荷キャリアは、移動しながら、コンベア区間8bの制御された減速と共に、二次元に更に傾斜する(斜めになる)ので、製品Pは、図示のように、右底隅に向けて追いやられる。
【0069】
これにより、最も明らかな位置が事前に分かり、製品は作業者/ロボットの最も近くに位置付けられるので、製品のセトリング時間が短縮され、ピッキングがより容易になる。
【0070】
コンベア9b上の荷置き位置の背後にあるコンベア区間9a上の複数のコンベア位置は、追加の荷置き位置として(例えば
図16を参照)、特に(アームのリーチがより長い)ロボットステーション20Rのために、使用され得る。
【0071】
コンベアは、オーダー履行の必要性に応じて、ピッキングステーション2経由の製品およびオーダーキャリアの同時且つ連続的な搬送流をそれぞれのコンベア8、9、および10上にもたらすために、制御装置15によって制御される。制御装置15は、オーダー追跡システムと連携およびインタフェースする包括的倉庫管理システム(WMS:warehouse management system)によって管理される。明らかに、制御装置は、ラッキング3および5内の、およびそこからピッキングステーション2および3までの、全体的な材料の流れを制御するためにも使用される。
【0072】
以下の概略
図2~
図18では、類似のピッキングステーション2の設計および運用の変形例を説明する。オーダー荷キャリアをOで示し、製品荷キャリア(ドナー)をDで示す。それ以外は、上で紹介した参照符号が同様の部分を指すために使用される。
【0073】
図2~
図6に示されている変形例は、製品荷キャリアコンベア8およびオーダー荷キャリアコンベア9の配置の切り換え、ならびにそれぞれのコンベア区間8b、9b上での移動方向における荷キャリアの搬送の向きの変化、すなわち、荷キャリアの狭い側面が前方になる向きと荷キャリアの広い側面が前方になる向きとの間の変化、に関する。
【0074】
図2において、製品荷キャリアDは区間8b上を狭い側面を前方に向けて搬送され、オーダー荷キャリアOは区間9b上を広い側面を前方に向けて搬送されている。製品荷キャリアコンベア8およびオーダー荷キャリアコンベア9は、
図1に関して説明したように配置されている。
【0075】
図3において、製品荷キャリアコンベア8およびオーダー荷キャリアコンベア9の配置は基本的に交換されており、位置が切り換わっているので、オーダー荷キャリアOは区間9b上を狭い側面を前方に向けて搬送され、製品荷キャリアDは区間8b上を広い側面を前方に向けて搬送されている。
【0076】
図4において、製品荷キャリアコンベア8およびオーダー荷キャリアコンベア9の配置は
図1および
図2と同じであるが、それぞれのコンベア区間8b、9b上での移動方向における荷キャリアの搬送の向きが狭い側面を前方になる向きと広い側面が前方になる向きとの間で反転されているので、オーダー荷キャリアOは区間9b上を狭い側面を前方に向けて搬送され、製品荷キャリアDは区間8b上を広い側面を前方に向けて搬送されている。
【0077】
図5では、製品荷キャリアコンベア8およびオーダー荷キャリアコンベア9が再び
図1および
図2と同じ配置になっているが、オーダー荷キャリアOは区間9b上を狭い側面を前方に向けて搬送されている。
【0078】
図6において、配置は
図4と同じであるが、オーダー荷キャリアOは区間8b上を広い側面を前方に向けて搬送されている。
【0079】
図7には、製品荷キャリアDのための一時的パーキングまたはバッファ位置16の使用、および区間9bに平行なインバウンドコンベア区間9aの使用によるオーダー荷キャリアのパーキング/シャフリング17の使用、が詳細に示されている。
【0080】
一時的パーキングまたはバッファ位置16は、交差点14より前のコンベア区間8bの背後に配置されているので、制御部およびディスプレイによって示されているように、それぞれの製品荷キャリアをバッファ位置16に一時的に載置しておき適時に回収することによって、製品荷キャリア内の物品が以降の更なるピッキングのために再使用され得る。その後、コンベア区間8bは、後続の製品コンテナを減速および/または一時停止させるために、および位置16から回収した荷キャリアのための空間を作るための空きウィンドウを残すために、制御されることになる。
【0081】
インバウンドオーダー荷キャリアコンベア区間9aおよび9bの平行配置によって、オーダー荷キャリアOが共通テイクアウェイ10に達する前に、図示のように、オーダー荷キャリアOを押しやることが可能になる。これにより、順序変更が可能になり、更には、対応するオーダー荷キャリアをピッキングステーション200からは出発させるが、例えば、それぞれの製品荷キャリアPをステーションに到達させるために必要な時間を得るために、基本的に仮想ループ内をルーティングさせることによって、対応するオーダー荷キャリアを以降の時点において再使用できる。
【0082】
対応するピッキングステーション200は、バッファ位置16およびシャフリング機能17の両方、またはこれらの一方のみ、を有し得る。
【0083】
図8には、製品荷キャリアDおよび/またはオーダー荷キャリアOからの、および製品荷キャリアDおよび/またはオーダー荷キャリアOへの、ピッキングの可能性を実証するために、同じステーション200が示されている。これにより、矢印18によって示されているように、製品荷キャリアDから荷取りして製品荷キャリアDに荷置きすることによって、および、矢印19によって示されているように、オーダー荷キャリアOから荷取りしてオーダー荷キャリアOに荷置きすることによって、製品の混載(例えば、複数の荷キャリアの統合)が可能になる。これにより、部分的にピッキングされた複数のオーダー荷キャリアのオーダーの統合、および空になった複数の製品荷キャリアの合体/統合が、可能になる。
【0084】
図9には、複数のオーダー荷キャリアおよび複数の製品荷キャリアがそれぞれ異なる可変速度V1、V2でピッキングステーションを通って搬送されている状況にある、
図2のピッキングステーションが示されている。したがって、オーダー荷キャリアOを製品荷キャリア搬送システム8経由で荷置き位置20である交差点14に経路変更することも、または、その移動のために速度V2がマイナスである場合は、コンベア区間9b上で(平常の流れ方向とは逆に)後方に移動させること(矢印25を参照)さえ可能になる。これは、どこか他の場所でピッキングされたオーダーコンテナに現在のピッキングステーションにおいてピッキングされるべき製品で「トップアップ」操作を行うために必要であり得る。
【0085】
その後、極限状況において完全に停止させずに上記の経路変更が可能になるように、コンベアシステム9の速度V2は極端に減速され、コンベアシステム8の速度V1は加速される。
【0086】
図10には、オンザフライ補充プロセス中の、
図3のピッキングステーション20が示されている。このプロセスにおいて、作業者(図示せず)は、平常のピッキング作業中、例えば、作業位置13のエリア内に設けられたパレット22または他の供給形態から製品荷キャリアDに補充21する。同時に、または代わりに、作業者は、この場合、オーダー荷キャリアOへの直接の荷取りおよび荷置きを行うために、パレット22からの物品を使用することもできる。これが有利であり得るのは、そのような物品が大型または精巧、等々であり、したがってラッキングシステムにおいて自動的に取り扱われ得ない場合である。
【0087】
図11に示されているピッキングステーション2000は、共通テイクアウェイ排出コンベア10が交差点14の下流に分流23を含むという点で、上記のものとは異なる。したがって、オーダー荷キャリアOと製品荷キャリアPとはルーティング経路が異なり得る。例えば、これにより、製品荷キャリアPをラッキング3に戻す一方で、完了したオーダー荷キャリアOが出荷に送られ得る。
【0088】
図12および
図13のピッキングステーション200*および200**は、搬送区間9bに平行(
図12)な配置、または搬送区間9bと一直線上/延長線上(
図13)にある配置、としてのインバウンド搬送区間9aの異なる配置の可能性を示す。搬送区間9aおよび9bは同じ作業平面上にある。
【0089】
図14および
図15は、交差点14が荷取りまたは荷置き位置として使用され得ること、および交差点14上の荷キャリアは、コンベア区間9b上を(平常の流れの方向とは逆に)後方にも移動し得ること、および作業者は、ビジョンシステムの使用によって自律可能な、または人間によって案内されるが自動化され得る、等々のロボットユニット24であり得ること、を示している。
【0090】
図18は、本発明によるピッキングステーション2を詳細に示す。この図には、オーダー履行のための作業者用インタフェース30に関する詳細が示されている。作業者用インタフェース30は、一段高い机様表面30Aを含み、オーダー荷キャリアOの対応する荷置き位置を示す、作業者の方に向いた色付き(青、黄、赤)照光式ボタン31を有する。ディスプレイ31は照光式であり、最も近い製品荷キャリアD1から取り出すべき物品の量を示し得る。更に、近傍D1に位置する物品とその量がスクリーン35および照光式ボタン31に表示され、より多くの情報が作業者に与えられる。例えば、物品/製品を詳細に表示する。これは、製品荷キャリアに物品が混載されている場合に特に助けになるであろう。複数の荷置きLED34が更に存在し得る。これらLED34は、荷置きレベルの真上の各荷置き位置の後ろに位置し、オーダー荷キャリアOの対応する荷置き位置と各場所に荷置きされるべき物品の量とを示す。
【0091】
照光式ボタン31に加え、(荷置き場所の数に対応する)3つの照光式ボタン32、33存在する。各ボタン32、33は、作業者のピッキングスタイル(例えば左手または右手の一方のみで、左手で荷取り、右手で荷置き)に関係なく、容易なアクセスおよび通知のために、それぞれ異なる場所にある荷置き位置を表す。これらのボタンも、対応するオーダー荷キャリアOに載置すべき製品の量を示し得る(荷置きプロセス)。
【0092】
代わりに、または加えて、荷置き場所とは独立に、作業を完了するために、または全ての作業を完了するために、作業者によって押される照光式ボタン37が存在し得る。
【0093】
更に、作業者の腕(単数または複数)の存在、および/またはオーダー荷キャリアの張り出し(不正確な位置付け)、を監視するための光バリア36が一段高い机30Aの下に取り付けられ得る。光バリア36は、バリアを遮ることによって、荷取り位置からの製品荷キャリアD1の排出を引き起こすために、および/またはバリアを遮らないことによって、荷置き位置からのオーダー荷キャリアO1の排出を引き起こすために、使用され得る。
【0094】
複数のボタン32が製品荷キャリアのコンベア区間8bに平行なグループとして作業位置13に配置されている。複数のボタン33が、コンベア区間9bに平行に、各オーダー荷キャリア位置の前に配置されている。ボタン37は、一般に8Bおよび9Bの交差場所に配置される。
【0095】
作業者は、荷取り直後、あるいはオーダー荷キャリアOへの物品の荷置き前、または荷置き中、自身の荷置き作業と並行して、荷取り位置からの製品荷キャリアD1の排出を指令し得る。
【0096】
対応する物品(単数または複数)が第1の荷置き位置に載置されるべき場合は、ボタン31A(青照光)と荷置きLED34とが活性化される。
【0097】
それが単一の荷取りオーダー(オーダー当たり1つの物品)である場合は、光バリアが遮られると、ドナー製品荷キャリアD1が交換され得る。
【0098】
そのオーダーがいくつかの異なる物品、すなわち複数の荷取り、を含む場合は、青ボタン31または32Aあるいは33Aまたは37が押されない限り、ドナー製品荷キャリアD1は交換されない。
【0099】
その後、オーダー荷キャリアO1は、その最後の荷取り(オーダー内の物品)を受け取ると、(共通テイクアウェイ10経由で)運び去られる。その後、その他の後続オーダー荷キャリアは前方に割送られる。ただし、これが行われるのは、光バリアが遮られた場合のみである。
【0100】
同様に、物品(単数または複数)が第2の荷置き位置に載置されるべき場合は、黄色の照光式ボタンおよび荷置きLED34、31、32B、33B、または37が活性化される。または、物品(単数または複数)が第3の荷置き位置に載置されるべき場合は、赤色の照光式ボタンおよび荷置きLED34、31、32C、33C、または37が活性化される。物品(単数または複数)を複数位置に載置すべき場合は、関連の照光式ボタンおよび荷置きLEDが同時に活性化される。
【0101】
荷置き位置毎の量は、31、32、33、34に表示され得る、および/またはスクリーンおよび荷置きLED34に同時に表示され得る。ドナー製品荷キャリアD1は、対応する全てのボタンが押されると、割送られる。
【0102】
これらのボタンは、荷置きプロセス中、または荷置きプロセス前でも、押すことができる。すなわち、荷取り後、しかし荷置き作業前に、押すことができる。
【0103】
ピッキングステーション2は、スクリーン35の近くの一段高くなった位置に仮置き棚40を含み得る。そこに、作業者は、近い将来のオーダー履行作業のためにピッキングした物品(単数または複数)をその将来の使用のためのバッファリングのために載置し得るので、ピッキングステーションからの再ルーティングおよびピッキングステーションへの戻りルーティングが不要になる。
【0104】
作業者は、これらだけには限定されないが、ピックバイライト41、ピックバイボイス、またはスクリーン35(またはこれらの組み合わせ)によって、使用すべき棚40の場所およびそこに置くべき製品物品の量が案内される。
【0105】
1つのオーダーが対応する物品を必要としている場合、作業者は、上記装置によって案内されたそれぞれの棚40から、棚のどの場所からピックアップすべきか、およびどれだけの量の物品を取り出すべきか、が指示される。
【0106】
この仮置き棚40は、一時的な製品バッファとして主に使用されるので、場所当たり単一種類の物品のみがバッファリングされるであろう。
【0107】
あるいは、仮置き棚40は、オーダーリストに従って複数の異なる物品が載置され得る一時的なオーダー場所としても運用され得る。その後、それらの物品は、完全に統合または殆ど統合されたオーダーを達成するために、特定のオーダー荷キャリアOに全て同時に載置/荷置きされることになる。
【国際調査報告】