(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】ピリミジンシクロヘキシルグルココルチコイド受容体モジュレーターの多形
(51)【国際特許分類】
C07D 239/54 20060101AFI20230606BHJP
A61K 31/513 20060101ALI20230606BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20230606BHJP
A61P 1/16 20060101ALI20230606BHJP
A61P 3/06 20060101ALI20230606BHJP
A61P 3/04 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
C07D239/54 CSP
A61K31/513
A61P43/00 111
A61P1/16
A61P3/06
A61P3/04
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567303
(86)(22)【出願日】2021-05-05
(85)【翻訳文提出日】2022-12-20
(86)【国際出願番号】 US2021030925
(87)【国際公開番号】W WO2021226260
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-12-21
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】503345477
【氏名又は名称】コーセプト セラピューティクス, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100117019
【氏名又は名称】渡辺 陽一
(74)【代理人】
【識別番号】100141977
【氏名又は名称】中島 勝
(74)【代理人】
【識別番号】100138210
【氏名又は名称】池田 達則
(72)【発明者】
【氏名】ヘーゼル ジョーン ハント
(72)【発明者】
【氏名】ロレイン ドナフィー
(72)【発明者】
【氏名】キース ロリマー
(72)【発明者】
【氏名】ネイサン ジェイ ディクソン
(72)【発明者】
【氏名】ジェフリー マーク ドナー
【テーマコード(参考)】
4C086
【Fターム(参考)】
4C086AA01
4C086AA02
4C086AA03
4C086BC42
4C086GA15
4C086MA01
4C086MA04
4C086NA20
4C086ZA70
4C086ZA75
4C086ZC33
(57)【要約】
本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンの結晶形態、並びにその作製方法及び使用方法を提供する。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化1】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態B;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態A;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態C;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態F;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態J;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態L;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのTHF溶媒和形態H(化合物I、THF溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのAcOH溶媒和形態K(化合物I、AcOH溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのジオキサン溶媒和形態M(化合物I、ジオキサン溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのアセトン溶媒和形態Q(化合物I、アセトン溶媒和物);及び
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのメタノール溶媒和形態R(化合物I、メタノール溶媒和物)
から成る群から選択される、結晶形態。
【請求項2】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化2】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Bである、結晶無水形態。
【請求項3】
16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項4】
16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2又は3に記載の結晶形態。
【請求項5】
16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、及び23.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2~4の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項6】
9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、16.7、17.0、17.3、17.7、18.0、19.0、19.6、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.6、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、及び37.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2~5の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項7】
実質的に
図1に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項2~6の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項8】
約255℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項2~7の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項9】
実質的に
図3に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項2~8の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項10】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化3】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Aである、結晶無水形態。
【請求項11】
16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項10に記載の結晶形態。
【請求項12】
16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項10又は11に記載の結晶形態。
【請求項13】
16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項10~12の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項14】
9.5、14.0、15.5、16.3、17.1、18.5、18.7、19.5、19.9、21.3、22.1、22.3、及び23.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項10~13の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項15】
実質的に
図4に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項10~14の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項16】
約250℃、251℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項10~15の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項17】
実質的に
図6に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項10~16の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項18】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化4】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Cである、結晶無水形態。
【請求項19】
17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項18に記載の結晶形態。
【請求項20】
17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項18又は19に記載の結晶形態。
【請求項21】
17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、及び21.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項18~20の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項22】
8.8、10.6、14.3、15.1、17.3、17.7、17.9、18.3、18.4、19.3、21.3、21.8、22.5、26.2、及び27.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項18~21の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項23】
実質的に
図7に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項18~22の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項24】
約200℃、251℃、252℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項18~23の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項25】
実質的に
図9に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項18~24の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項26】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化5】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Fである、結晶無水形態。
【請求項27】
15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項26に記載の結晶形態。
【請求項28】
15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項26又は27に記載の結晶形態。
【請求項29】
15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項26~28の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項30】
9.3、9.7、14.1、14.3、15.9、16.4、16.8、17.3、17.8、19.0、19.4、20.4、20.7、21.1、21.5、22.3、23.8、25.1、25.8、26.7、31.2、及び35.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項26~29の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項31】
実質的に
図10に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項26~30の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項32】
約257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項26~31の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項33】
実質的に
図12に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項26~32の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項34】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化6】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする形態Jである、結晶無水形態。
【請求項35】
6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項34に記載の結晶形態。
【請求項36】
6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項34又は35に記載の結晶形態。
【請求項37】
6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項34~36の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項38】
6.0、13.1、13.7、15.6、17.3、18.1、18.3、18.8、19.1、19.8、20.1、21.9、27.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項34~37の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項39】
実質的に
図16に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項34~38の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項40】
約247℃、251℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項34~39の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項41】
実質的に
図18に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項34~40の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項42】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化7】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Lである、結晶無水形態。
【請求項43】
14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項42に記載の結晶形態。
【請求項44】
14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項42又は43に記載の結晶形態。
【請求項45】
14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項42~44の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項46】
13.1、13.6、14.6、15.5、17.2、18.6、19.4、19.7、20.6、21.7、22.2、23.2、24.5、26.1、27.5、及び28.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項42~45の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項47】
実質的に
図22に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項42~46の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項48】
約257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項42~47の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項49】
実質的に
図24に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項42~48の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項50】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンTHF溶媒和物(化合物I、THF溶媒和物):
【化8】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とするTHF溶媒和形態Hである、結晶形態。
【請求項51】
17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項50に記載の結晶形態。
【請求項52】
17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項50又は51に記載の結晶形態。
【請求項53】
17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項50~52の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項54】
7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、17.2、18.9、19.1、20.4、20.6、20.9、23.5、25.0、及び25.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項50~53の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項55】
実質的に
図13に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項50~54の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項56】
約254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項50~55の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項57】
実質的に
図15に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項50~56の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項58】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン酢酸(化合物I、酢酸溶媒和物):
【化9】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、AcOH溶媒和形態Kである、結晶形態。
【請求項59】
16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項58に記載の結晶形態。
【請求項60】
16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項58又は59に記載の結晶形態。
【請求項61】
16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項58~60の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項62】
7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.0、16.7、16.8、18.5、19.0、19.1、19.3、19.4、19.9、20.3、22.0、22.3、23.1、23.6、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、26.9、27.7、29.1、30.0、及び33.7°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項58~61の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項63】
実質的に
図19に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項58~62の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項64】
約106℃又は254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項58~63の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項65】
実質的に
図21に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項58~64の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項66】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンジオキサン(化合物I、ジオキサン溶媒和物):
【化10】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、ジオキサン溶媒和形態Mである、結晶形態。
【請求項67】
15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項66に記載の結晶形態。
【請求項68】
15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項66又は67に記載の結晶形態。
【請求項69】
15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項66~68の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項70】
10.7、14.5、15.3、16.2、17.5、18.8、19.1、19.5、19.8、20.1、20.4、20.7、21.5、22.3、22.5、25.1、26.8、26.9、28.7、29.5、及び38.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項66~69の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項71】
実質的に
図25に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項66~70の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項72】
約254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項66~71の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項73】
実質的に
図27に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項66~72の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項74】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンアセトン(化合物I、アセトン溶媒和物):
【化11】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、アセトン溶媒和形態Qである、結晶形態。
【請求項75】
15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項74に記載の結晶形態。
【請求項76】
15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項74又は75に記載の結晶形態。
【請求項77】
15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項74~76の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項78】
7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、19.3、20.1、20.3、20.6、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.4、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、及び35.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項74~77の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項79】
実質的に
図28に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項74~78の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項80】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンメタノール(化合物I、メタノール溶媒和物):
【化12】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、10.6、14.6、20.3、20.4、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、MeOH溶媒和形態Rである、結晶形態。
【請求項81】
10.6、14.6、20.3、20.4、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項80に記載の結晶形態。
【請求項82】
10.6、14.6、20.3、20.4、及び23.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項80又は81に記載の結晶形態。
【請求項83】
6.8、10.6、11.8、12.6、13.4、14.6、17.7、18.2、20.0、20.3、20.4、22.0、22.2、22.4、23.3、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、及び39.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項80~82の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項84】
実質的に
図30に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項80~83の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項85】
約72℃、186℃、248℃、252℃又は257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項80~84の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項86】
実質的に
図32に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項80~85の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項87】
請求項1~86の何れか一項に記載の結晶形態、及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項88】
前記医薬組成物が1つ以上の追加の治療薬を更に含む、請求項87に記載の医薬組成物。
【請求項89】
グルココルチコイド受容体を調節することによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、請求項1~86の何れか一項に記載の結晶形態、又は請求項87若しくは88に記載の医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、前記障害又は病態を治療することを含む、方法。
【請求項90】
グルココルチコイド受容体をアンタゴナイズすることによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、請求項1~86の何れか一項に記載の結晶形態、又は請求項87若しくは88に記載の医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、前記障害又は病態を治療することを含む、方法。
【請求項91】
脂肪性肝疾患の治療方法であって、前記方法は、請求項1~86の何れか一項に記載の組成物、又は請求項87若しくは88に記載の医薬組成物の治療有効量を、脂肪性肝疾患の治療を必要とする対象に投与することにより、前記脂肪性肝疾患を治療することを含む、方法。
【請求項92】
前記脂肪性肝疾患が、アルコール関連肝疾患(ARLD)又は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)である、請求項91に記載の方法。
【請求項93】
前記アルコール関連肝疾患が、アルコール脂肪性肝疾患(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)又はアルコール性肝硬変である、請求項92に記載の方法。
【請求項94】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)又は非アルコール性肝硬変である、請求項91又は92に記載の方法。
【請求項95】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎である、請求項94に記載の方法。
【請求項96】
抗精神病薬による体重増加の治療方法であって、前記方法は、請求項1~86の何れか一項に記載の結晶形態、又は請求項87若しくは88に記載の医薬組成物の治療有効量を、抗精神病薬による体重増加の治療を必要とする対象に投与することにより、抗精神病薬による体重増加を治療することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本願は、2020年12月21日に出願された米国特許仮出願第63/128,534号、及び2020年5月6日に出願された米国特許仮出願第63/020,916号の優先権を主張し、この各々はその全文において全ての目的のため本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
ヒトを含むほとんどの種では、生理的グルココルチコイドは、コルチゾール(ヒドロコルチゾン)である。グルココルチコイドは、ACTH(コルチコトロピン)に応答して分泌され、ストレス及び食物に応答して日周性リズム変化及び上昇の両方を示す。コルチゾール値は、外傷、手術、運動、不安及びうつを含む多くの身体的及び精神的ストレスに対して数分以内に応答する。コルチゾールは、ステロイドであり、細胞内グルココルチコイド受容体(GR、II型GRとしても公知)との結合により作用する。I型グルココルチコイド受容体(GRI)としtrも公知のミネラルコルチコイド受容体(MR)は、ヒトにおいてアルドステロンにより活性化され得る。GR及びMRの1つ又は両方のモジュレーターを含む組成物を使用して、様々な疾病及び障害を治療してよい。男性では、GRは、2つの形態:777アミノ酸のリガンド結合GRα;及び50カルボン酸末端残基を欠くGRβアイソフォームで存在する可能性がある。これらの残基がリガンド結合ドメインを含むので、GRβは、天然リガンドと結合することができず、恒常的に核に局在化する。
【0003】
高コルチゾール血症が原因のものを含むコルチゾールの生物効果は、アゴニスト、部分的アゴニスト及びアンタゴニストなどの受容体モジュレーターを用いてGRレベルにおいて調節され得る。薬剤のいくつかの異なる分類は、GRアゴニスト結合の生理効果を阻害することができる。これらのアンタゴニストとしては、GRとの結合により、GRと効果的に結合及び/又は活性化するアゴニストの能力を阻害する組成物が挙げられる。1つのかかる公知のGRアンタゴニスト、ミフェプリストンは、ヒトにおいて効果的な抗グルココルチコイド薬であることが分かった(Bertagna(1984)J.Clin.Endocrinol.Metab.59:25)。ミフェプリストンは、10-9Mの解離定数(Kd)の高親和性でGRと結合する(Cadepond(1997)Annu.Rev.Med.48:129)。
【0004】
コルチゾールに加えて、他のステロイドの生物効果は、アゴニスト、部分的アゴニスト及びアンタゴニストなどの受容体モジュレーターを用いてGRレベルにおいて調節され得る。ステロイドの生物効果を必要とする対象に投与される場合、ステロイドは、目的の治療効果並びにマイナスの副作用の両方を提供する可能性がある。
【0005】
脂肪性肝疾患とも呼ばれる脂肪肝は、幹細胞によるトリグリセリド及び脂質の細胞内蓄積で現れる細胞病理である。脂肪肝は、いくつかの原因から生ずる可能性がある流行の肝臓病態である。かかる肝疾患としては、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、アルコールによる脂肪性肝疾患(AFLD)、薬物若しくはアルコール関連肝疾患、ウイルス性疾患、免疫性肝疾患、代謝性肝疾患、及び肝不全及び/又は肝移植に関連する合併症が挙げられる。非アルコール性脂肪性肝疾患は、ほとんど又は全くアルコールを消費しない個体におけるアルコールによる脂肪性肝疾患のものと同様な組織的特徴を有する一般的肝疾患である。脂肪肝の効果的治療は、不充分なままである。今までに、かかる患者のための治療薬治療は確立されていない。したがって、脂肪肝を管理するための新規治療の選択肢に対するニーズがある。
【0006】
抗精神病薬投与は、多くの精神障害のための重要な治療であり、かかる障害に罹っているほとんど20百万人の患者に著しい改善を提供する。残念ながら、オランザピン、リスペリドン、クロザピン、クエチアピン、セルチンドール、及び他のかかる薬物療法など抗精神病薬療法は、精神病症状の軽減だけでなく著しい体重増加をもたらすことが多い。多数の報告は、長期間の抗精神病薬療法を受ける患者の約40~80%は、最終的に患者の理想的体重を20%以上超える実質的体重増加を経験することを示している(例えば、Umbricht et al.,J Clin.Psychiatry 55(Suppl.B):157-160,1994;Baptista,Acta Psychiatr.Scand.100:3-16,1999参照)。かかる体重増加は、循環器疾患、脳卒中、高血圧、II型糖尿病、及び特定の種類のがんなどの肥満症に関連する多くの深刻な健康問題のリスクを増大する。加えて、望ましくない体重増加は、抗精神病薬の投与に対する患者の不履行の最も共通の理由の1つである。
【0007】
アルコール、乱用の薬物、タバコ、及び他のものなど物質の乱用は、健康問題、疾病及び場合により死をもたらすことが多い深刻な問題である。かかる乱用と関連する医学的問題に加えて、精神的問題、かかる物質を乱用する者の家族における問題、職場における問題、及び一般社会における問題を含む他の問題が起こる。
【0008】
米国特許第8,685,973号明細書の化合物は、これらの病態の1つ以上を治療するための有用性を実証した。必要であるものは、これらの組成物の新規形態である。驚くべきことに、本発明は、これらのニーズ及び他のニーズを満足する。
【発明の概要】
【0009】
1つの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化1】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態B;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態A;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態C;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態F;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態J;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態L;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのTHF溶媒和形態H(化合物I、THF溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのAcOH溶媒和形態K(化合物I、AcOH溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのジオキサン溶媒和形態M(化合物I、ジオキサン溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのアセトン溶媒和形態Q(化合物I、アセトン溶媒和物);及び
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのメタノール溶媒和形態R(化合物I、メタノール溶媒和物)
から成る群から選択される、結晶形態を提供する。
【0010】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化2】
の結晶無水形態(crystalline anhydrate form)であって、前記結晶無水形態は、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Bを提供する。
【0011】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化3】
の結晶無水形態であって、前記化合物Iは、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Aを提供する。
【0012】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化4】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Cを提供する。
【0013】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化5】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Fを提供する。
【0014】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化6】
であって、前記化合物Iは、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、化合物Iの結晶無水形態物、形態Jを提供する。
【0015】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化7】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、化合物Iの結晶無水形態、形態Lを提供する。
【0016】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンTHF溶媒和物(化合物I、THF溶媒和物):
【化8】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、THF溶媒和形態Hを提供する。
【0017】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン酢酸(化合物I、酢酸溶媒和物):
【化9】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、AcOH溶媒和形態Kを提供する。
【0018】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンジオキサン(化合物I、ジオキサン溶媒和物):
【化10】
の結晶形態であって、前記化合物Iジオキサン溶媒和物は、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする結晶形態、ジオキサン溶媒和形態Mを提供する。
【0019】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンアセトン(化合物I、アセトン溶媒和物):
【化11】
の結晶形態であって、前記化合物Iアセトン溶媒和物は、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、アセトン溶媒和形態Qを提供する。
【0020】
別の実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンメタノール(化合物I、メタノール溶媒和物):
【化12】
の結晶形態であって、前記化合物Iメタノール溶媒和物は、10.6、14.6、20.3、20.4、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、MeOH溶媒和形態Rを提供する。
【0021】
別の実施形態では、本発明は、結晶化合物I、及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、グルココルチコイド受容体を調節することによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、前記障害又は病態を治療することを含む、方法を提供する。
【0023】
別の実施形態では、本発明は、グルココルチコイド受容体をアンタゴナイズすることによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、前記障害又は病態を治療することを含む、方法を提供する。
【0024】
別の実施形態では、本発明は、脂肪性肝疾患の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、脂肪性肝疾患の治療を必要とする対象に投与することにより、脂肪性肝疾患を治療することを含む、方法を提供する。
【0025】
別の実施形態では、本発明は、抗精神病薬による体重増加の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、抗精神病薬による体重増加の治療を必要とする対象に投与することにより、抗精神病薬による体重増加を治療することを含む、方法を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】
図1は、化合物I形態BのXRPDパターンを示す。
【0027】
【
図2】
図2は、化合物I形態BのXRPDピークを示す。
【0028】
【
図3】
図3は、化合物I形態BのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0029】
【
図4】
図4は、化合物I形態AのXRPDパターンを示す。
【0030】
【
図5】
図5は、化合物I形態AのXRPDピークを示す。
【0031】
【
図6】
図6は、化合物I形態AのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0032】
【
図7】
図7は、化合物I形態CのXRPDパターンを示す。
【0033】
【
図8】
図8は、化合物I形態CのXRPDピークを示す。
【0034】
【
図9】
図9は、化合物I形態CのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0035】
【
図10】
図10は、化合物I形態FのXRPDパターンを示す。
【0036】
【0037】
【
図12】
図12は、化合物I形態FのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0038】
【
図13】
図13は、化合物I THF溶媒和形態HのXRPDパターンを示す。
【0039】
【
図14】
図14は、化合物I THF溶媒和形態HのXRPDピークを示す。
【0040】
【
図15】
図15は、化合物I THF溶媒和形態HのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0041】
【
図16】
図16は、化合物I形態JのXRPDパターンを示す。
【0042】
【0043】
【
図18】
図18は、化合物I形態JのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0044】
【
図19】
図19は、化合物I AcOH溶媒和形態KのXRPDパターンを示す。
【0045】
【
図20】
図20は、化合物I AcOH溶媒和形態KのXRPDピークを示す。
【0046】
【
図21】
図21は、化合物I AcOH溶媒和形態KのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0047】
【
図22】
図22は、化合物I形態LのXRPDパターンを示す。
【0048】
【0049】
【
図24】
図24は、化合物I形態LのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0050】
【
図25】
図25は、化合物Iジオキサン溶媒和形態MのXRPDパターンを示す。
【0051】
【
図26】
図26は、化合物Iジオキサン溶媒和形態MのXRPDピークを示す。
【0052】
【
図27】
図27は、化合物Iジオキサン溶媒和形態MのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【0053】
【
図28】
図28は、化合物Iアセトン溶媒和形態QのXRPDパターンを示す。
【0054】
【
図29】
図29は、化合物Iアセトン溶媒和形態QのXRPDピークを示す。
【0055】
【
図30】
図30は、化合物I MeOH溶媒和形態RのXRPDパターンを示す。
【0056】
【
図31】
図31は、化合物I MeOH溶媒和形態RのXRPDピークを示す。
【0057】
【
図32】
図32は、化合物I MeOH溶媒和形態RのDSC及びTGAサーモグラムを示す。
【発明を実施するための形態】
【0058】
I.全般
本明細書において、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の、化合物Iの無水形態を含む、結晶形態を開示する。
【化13】
化合物Iは、これに限定されないが、結晶化合物I形態Bを含む様々な結晶形態となり得る。化合物Iは、2つ以上の結晶形態の混合物を形成するか、又は他の結晶形態を実質的に含まない単一の結晶形態を形成することができる。
【0059】
II.定義
「約(about)」は、特に指定されない限り、特定値の±5%を表す。
【0060】
「に実質的に示されている」は、必要に応じてわずかな変化の1つ以上、例えば、下記又は当業者に公知の1つ以上の変化を有する特定された図中のグラフデータを特徴とする、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の何れかの結晶又は固体形態を表す。かかるデータとしては、とりわけ、粉末X線ディフラクトグラム、示差走査熱量曲線、及び熱重量分析曲線を挙げることができるが、これらに限定されない。当技術分野において知られているように、かかるグラフデータは、結晶多形、非晶質固体、又は他の組成物を更に明らかにする更なる技術情報を提供し得る。当業者が理解しているように、データのかかるグラフ表示は、例えば、装置応答変化並びにサンプル濃度及び純度の変化などの因子によるピーク相対強度及びピーク位置のわずかな変化を受ける可能性がある。それにもかかわらず、当業者は、結晶多形、非晶質固体形態、又は他の組成物に対して生成されたグラフデータを用いて本明細書中の図中のグラフデータを比較して、2組のグラフデータが同じ物質を特徴ずれているか又は2つの異なる物質を特徴づけているかどうかを確認することが容易にできるだろう。
【0061】
「を実質的に含まない」は、化合物Iかかる他の結晶形態又は固体形態の顕著な量を含まない化合物Iの結晶形態又は固体形態を表す。例えば、第1結晶形態が、少なくとも約95重量%の存在する結晶化合物I、又は少なくとも約96重量%、97重量%、98重量%、99重量%、若しくは少なくとも約99.5重量%の存在する結晶化合物Iを構成する場合、第一結晶形態は、第二結晶形態を実質的に含まないものであり得る。
【0062】
本明細書で使用されるとき、「組成物」は、特定量の特性成分、並びに特定量の特性成分の組合せから直接的又は間接的に由来するいずれかの製品を含む製品を包含することを意図される。「薬学的に許容可能な」は、担体、希釈剤又は賦形剤は、製剤の他の成分と適合し、及びそのレシピエントに有害でないものでなければならないことを意図される。
【0063】
「薬学的に許容可能な賦形剤」は、活性剤の投与及び対象による吸収を助ける物質を表す。本発明に有用な医薬用賦形剤としては、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、界面活性剤、コーティング、甘味料、香料及び着色料が挙げられるが、これらに限定されない。当業者は、他の医薬用賦形剤が本発明に有用であることを認識するだろう。
【0064】
「治療する」、「治療すること」及び「治療」は、緩解;寛解;症状又は傷害、症状又は病態が患者に耐えられる;減退又は衰退速度を遅延する;減退の終点をより衰弱させない;患者の身体的又は精神的幸福を改善するなどの何れかの客観的又は主観的パラメータを含む傷害、症状又は病態の治療又は寛解における何れかの成功のしるしを表す。症状の治療又は寛解は、客観的又は主観的パラメータに基づき得;身体検査、神経精神医学的検査、及び/又は精神医学的評価の結果が挙げられる。
【0065】
「投与すること」は、経口投与、坐剤として投与、局所的接触、非経口、静脈内、腹腔内、筋肉内、病巣内、鼻内又は皮下投与、くも膜下腔内投与、又は徐放デバイス、例えば、小型浸透圧ポンプの対象への移植を表す。
【0066】
「患者」又は「対象」は、本明細書に提供されている医薬組成物の投与により治療することができる疾病又は病態を患っている又は該疾病又は病態になる傾向がある生物を表す。非限定例としては、ヒト、他の哺乳類、ウシ、ラット、マウス、イヌ、サル、ヤギ、ヒツジ、雌ウシ、シカ、ウマ、及び他の非哺乳類動物が挙げられる。いくつかの実施形態では、患者は、ヒトである。
【0067】
「治療有効量」は、特定された疾病若しくは病態を治療若しくは寛解するために、又は検出可能な治療若しくは阻害効果を示すために有用な化合物又は医薬組成物の量を表す。正確な量は、治療の目的に依存し、及び公知技術を用いて当業者により解明可能であろう(例えば、Lieberman,Pharmaceutical Dosage Forms(vols.1‐3,1992);Lloyd,The Art,Science and Technology of Pharmaceutical Compounding(1999);Pickar,Dosage Calculations (1999);and Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,2003,Gennaro,Ed.,Lippincott,Williams & Wilkins参照)。
【0068】
「グルココルチコイド受容体」(「GR」)は、デキサメタゾンなどのコルチゾール及び/又はコルチゾール類似体と特異的に結合する細胞内受容体のファミリーの1つを表す(例えば、Turner & Muller,J.Mol.Endocrinol.October 1,2005 35 283-292参照)。グルココルチコイド受容体は、コルチゾール受容体とも呼ばれる。用語は、GRのアイソフォーム、組換えGR及び変異GRを含む。
【0069】
コルチゾール受容体は、「グルココルチコイド受容体」(「GR」)、詳細にはII型GRであり、デキサメタゾンなどのコルチゾール及び/又はコルチゾール類似体と特異的に結合する(例えば、Turner & Muller,J.Mol.Endocrinol.October 1,2005 35 283-292参照)。
【0070】
「ミネラルコルチコイド受容体」(MR)は、ヒトにおいてアルドステロンにより活性化されるI型グルココルチコイド受容体(GRI)を表す。
【0071】
「グルココルチコイド受容体モジュレーター」(GRM)は、グルココルチコイド受容体とアゴニストとの結合と関連する何れかの生物応答を調節する何れもの化合物を表す。本明細書で使用されるとき、GRMに関して、グルココルチコイド受容体は、GR、又は両方であってよい。例えば、デキサメタゾンなどのアゴニストとして作用するGRMは、HepG2細胞(ヒト肝臓肝細胞がん細胞株;ECACC、英国)においてチロシンアミノ基転移酵素(TAT)の活性を増強する。ミフェプリストンなどのアンタゴニストとして作用するGRMは、HepG2細胞内のチロシンアミノ基転移酵素(TAT)の活性のアゴニスト誘導性増加を阻害する。TAT活性を、A.Ali et al.,J.Med.Chem.,2004,47,2441-2452による文献に概要が述べられているように測定することができる。
【0072】
「グルココルチコイド受容体アンタゴニスト」(GRA)は、グルココルチコイド受容体とアゴニストとの結合と関連する何れかの生物応答を阻害する何れもの化合物を表す。本明細書で使用されるとき、GRAに関して、グルココルチコイド受容体は、GR、又は両方であってよい。したがって、GRアンタゴニストを、デキサメタゾンの効果を阻害する化合物の能力の測定により同定することができる。TAT活性を、A.Ali et al.,J.Med.Chem.,2004,47,2441-2452による文献に概要が述べられているように測定することができる。阻害薬は、10マイクロモーラー未満のIC50(半最大阻害濃度)を有する化合物である。米国特許第8,685,973号明細書の実施例1を参照。この全内容はその全文の参照により本明細書に援用される。
【0073】
「調節する」及び「調節すること」は、その明白な通常の意味に従って使用され、1つ以上の特性を変更又は変化する作用を表す。「調節」は、1つ以上の特性を変更又は変化する方法を表す。例えば、標的タンパク質に対するモジュレーターの効果に適用されるとき、調節することは、標的分子の特性若しくは機能の増加若しくは減少又は標的分子の量の増加若しくは減少により変化することを意味する。
【0074】
「モジュレーター」は、標的分子のレベル又は標的分子の機能又は標的分子の物理的状態を増加又は減少させる組成物を表す。
【0075】
「アンタゴナイズする」及び「アンタゴナイズすること」は、受容体分子におけるアゴニストの結合を阻害すること、又は受容体アゴニストにより産生されるシグナルを阻害することを表す。受容体アンタゴニストは、遺伝子発現などのアゴニスト媒介応答を阻害又は弱める。
【0076】
「アンタゴニスト」は、所与の遺伝子又はタンパク質の発現又は活性を検出可能な程度に低下させることができる物質を表す。アンタゴニストは、アンタゴニストの非存在下のコントロールと比較して、発現又は活性を10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%、100%以下阻害することができる。いくつかの実施形態では、阻害は、アンタゴニストの非存在下の発現又は活性より、1.5倍、2倍、3倍、4倍、5倍、10倍、又はそれ以上である。
【0077】
「阻害」、「阻害する」及び「阻害薬」は、特定の作用又は機能を妨げる化合物又は妨げる方法を表す。
【0078】
「障害」又は「病態」は、本発明のグルココルチコイド受容体モジュレーターを用いて治療することができる患者又は対象の存在状態又は健康状態を表す。いくつかの実施形態では、障害又は病態の例としては、脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)、及び抗精神病薬による体重増加が挙げられるが、これらに限定されない。
【0079】
「脂肪性肝疾患」は、少なくとも部分的に肝脂質沈着異常が原因の疾病又は病的状況を表す。脂肪性肝疾患としては、例えば、アルコール性脂肪性肝疾患、非アルコール性脂肪性肝疾患、及び妊娠の急性脂肪肝が挙げられる。脂肪性肝疾患は、例えば、大滴性脂肪変性又は小滴性脂肪変性であり得る。
【0080】
「非アルコール性脂肪性肝疾患」(「NAFLD」)は、過剰アルコール使用以外の原因により脂肪が肝臓内で沈着する(脂肪症)場合に起こる脂肪性肝疾患の型の1つを表す。NAFLDは、疾患活動性のスペクトルを包含すると考えられる。このスペクトルは、肝臓内の脂肪蓄積(脂肪肝)として始まる。NAFLDのほとんどの人々は、ほとんど症状がないか又は全く症状がない。患者は、疲労、倦怠感、及び鈍い右上腹部不快感を訴える場合がある。これはまれであるが、軽度の黄疸に気付くかも知れない。より一般的に、NAFLDは、定期的血液検査中、肝機能異常後に診断される。定義により、20g/日を超えるアルコール消費(正味エタノール約25ml/日)は、条件の余地を与えない。
【0081】
「非アルコール性脂肪性肝炎」(「NASH」)は、NAFLDの最も極端な形態を表す。NAFLDは進行して、脂肪症が炎症及び線維症と同時発生する状態(脂肪性肝炎)である非アルコール性脂肪性肝炎になる可能性がある。NASHは、進行性疾患である。10年の期間にわたって、NASH患者の20%以下は、肝臓の硬変症を発症し、10%は、肝疾患関連死する。
【0082】
「物質使用障害」は、その使用の不快又は有害な結果にもかかわらず、物質の強迫的使用を表す。物質使用障害は、制御障害(例えば、本来の意図より物質の過剰量、又は長期間にわたっての使用)、社会的障害(例えば、仕事、学校、又は家庭での主要な役割の義務を満たすことができなかったこと)、危険な使用(例えば、物質が身体的に有害である状況においてその物質の反復使用)、及び医薬的基準(例えば、認容性又は休薬)を含んでよい。物質使用障害は、以前に「中毒」と呼ばれていたかも知れないが、精神障害の診断と統計マニュアル第5版DSM-5(以後「DSM-V」と呼ぶ)の出版物から、「中毒」及び「中毒になる」などの用語は、用語「物質使用障害」(「中毒」に代わって)及び物質使用障害に罹っている(「中毒になる」に代わって)人に置き換えられた。物質使用障害に罹っている人を、特定の物質に関連する物質使用障害に罹っていると呼んでよく;DSM-V出版前、かかる人は、その物質に「中毒」であると説明されていたかも知れない。例えば、人が刺激物質に関連する物質使用障害を有する場合、その人は、DSM-V出版前、その人は、その刺激物質に「中毒」であると説明されていたかも知れない。
【0083】
「前記物質に関連する物質使用障害物質使用障害」及び「物質に関連する物質使用障害物質使用障害」などのフレーズで述べられる「物質」は、患者が切望する、又はその使用の不快又は有害な結果にもかかわらず患者が強迫的に使用する物質を表す。したがって、かかる「物質」は、その物質に関連する物質使用障害に罹っている人により使用される、又は消化される、さもなければ投与される物質である。用語「中毒物質」、及び「乱用物質」は、かかる物質を表すために以前使用されてきたかも知れず、この物質は、以前に「中毒性物質」と呼ばれていたかも知れない(例えば、DSM-V出版前)。
【0084】
「物質使用障害に罹っている人」は、特定の物質、又は、場合によっては、2つ以上の特定の物質に関連する物質使用障害に罹っている人を表す。かかる「物質」は、薬物、又はアルコール、又はタバコ、人が摂取(消化)するかの知れない他の物質であってよい。例えば、かかる「物質」は、アルコール、刺激物質、オピオイド、又は他の物質であってよい。
【0085】
「体積」は、成分キログラム(kg)当たりの溶媒リットル(L)数を表す。例えば、ジクロロメタン15体積は、化合物Iのキログラム当たり15リットルを表す。ジクロロメタンが1.33g/mLの密度を有するので、15体積は、化合物Iの1kg当たりジクロロメタン20kgに相当する。
【0086】
本明細書において置換の基又は「置換基」を表す際に使用されるとき、「A」、「an」、又は「a(n)」は、少なくとも1つを意味する。例えば、化合物が「an」アルキル又はアリールにより置換されている場合、化合物は、少なくとも1つのアルキル及び/又は少なくとも1つのアリールにより置換されていてもよく、各アルキル及び/又はアリールは異なっていてよい。別の例では、化合物が、「a」置換基により置換されている場合、化合物は、少なくとも1つの置換基により置換されており、各置換基は異なっていてよい。
【0087】
III.化合物Iの固体形態
本発明は、その結晶無水形態などの結晶形態を含む、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I;米国特許第8,685,973号明細書参照)の新規固体形態の驚くべき発見に起因する。いくつかの実施形態では、本発明は、構造:
【化14】
を有する化合物Iの結晶形態を提供する。
化合物を、6-(trans-4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)メチル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオン又は6-((1r,4r)-4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-(トリフルオロメチル)ベンジル)ピリミジン-2,4(1H,3H)-ジオンとも呼ぶことができる。
【0088】
化合物Iは、これに限定されないが、結晶化合物I形態Bを含む様々な結晶形態となり得る。化合物Iは、2つ以上の結晶形態の混合物を形成するか、又は化合物Iの他の結晶形態を実質的に含まない単一の結晶形態を形成することができる。
【0089】
いくつかの実施形態では、本発明は、化合物(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の結晶無水形態を提供する。
【0090】
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化15】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態B;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態A;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態C;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態F;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態J;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態L;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのTHF溶媒和形態H(化合物I、THF溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのAcOH溶媒和形態K(化合物I、AcOH溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのジオキサン溶媒和形態M(化合物I、ジオキサン溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのアセトン溶媒和形態Q(化合物I、アセトン溶媒和物);及び
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのメタノール溶媒和形態R(化合物I、メタノール溶媒和物)
から成る群から選択される、結晶形態を提供する。
【0091】
形態B
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化16】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Bを提供する。
【0092】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、及び23.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0093】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、18.0、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、又は37.2°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、18.0、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、又は37.2°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、18.0、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、又は37.2°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、18.0、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、又は37.2°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、18.0、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、及び37.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0094】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、16.7、17.0、17.3、17.7、18.0、19.0、19.6、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.6、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、及び37.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、実質的に
図1に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0095】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、約255℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、実質的に
図3に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0096】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、(a)16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、及び23.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約255℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Bは、(a)実質的に
図1に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図3に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0097】
形態A
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化17】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Aを提供する。
【0098】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、及び22.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0099】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、9.5、14.0、15.5、18.5、19.5、21.3、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、9.5、14.0、15.5、18.5、19.5、21.3、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、9.5、14.0、15.5、18.5、19.5、21.3、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、9.5、14.0、15.5、18.5、19.5、21.3、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、9.5、14.0、15.5、18.5、19.5、21.3、及び23.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0100】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、9.5、14.0、15.5、16.3、17.1、18.5、18.7、19.5、19.9、21.3、22.1、22.3、及び23.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、実質的に
図4に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0101】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、約250℃、251℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、実質的に
図6に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0102】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、(a)16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、及び22.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約250℃、251℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Aは、(a)実質的に
図4に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図6に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0103】
形態C
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化18】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Cを提供する。
【0104】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、及び21.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0105】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、8.8、10.6、14.3、15.1、17.7、19.3、22.5、26.2、又は27.6°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、8.8、10.6、14.3、15.1、17.7、19.3、22.5、26.2、又は27.6°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、8.8、10.6、14.3、15.1、17.7、19.3、22.5、26.2、又は27.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、8.8、10.6、14.3、15.1、17.7、19.3、22.5、26.2、又は27.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、8.8、10.6、14.3、15.1、17.7、19.3、22.5、26.2、及び27.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0106】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、8.8、10.6、14.3、15.1、17.3、17.7、17.9、18.3、18.4、19.3、21.3、21.8、22.5、26.2、及び27.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、実質的に
図7に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0107】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、約200℃、251℃、252℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、実質的に
図9に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0108】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、(a)17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、及び21.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約200℃、251℃、252℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Cは、(a)実質的に
図7に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図9に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0109】
形態F
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)
【化19】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Fを提供する。
【0110】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、及び25.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0111】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、9.3、9.7、14.1、14.3、17.8、19.4、20.4、20.7、21.5、22.3、23.8、25.1、26.7、31.2、又は35.3°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、9.3、9.7、14.1、14.3、17.8、19.4、20.4、20.7、21.5、22.3、23.8、25.1、26.7、31.2、又は35.3°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、9.3、9.7、14.1、14.3、17.8、19.4、20.4、20.7、21.5、22.3、23.8、25.1、26.7、31.2、又は35.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、9.3、9.7、14.1、14.3、17.8、19.4、20.4、20.7、21.5、22.3、23.8、25.1、26.7、31.2、又は35.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、9.3、9.7、14.1、14.3、17.8、19.4、20.4、20.7、21.5、22.3、23.8、25.1、26.7、31.2、及び35.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0112】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、9.3、9.7、14.1、14.3、15.9、16.4、16.8、17.3、17.8、19.0、19.4、20.4、20.7、21.1、21.5、22.3、23.8、25.1、25.8、26.7、31.2、及び35.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、実質的に
図10に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0113】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、約257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、実質的に
図12に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0114】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、(a)15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;及び(b)約257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Fは、(a)実質的に
図10に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図12に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0115】
形態J
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化20】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Jを提供する。
【0116】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、及び21.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0117】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、13.7、15.6、18.1、18.3、19.1、又は27.4°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、13.7、15.6、18.1、18.3、19.1、又は27.4°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、13.7、15.6、18.1、18.3、19.1、又は27.4°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、13.7、15.6、18.1、18.3、19.1、又は27.4°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、13.7、15.6、18.1、18.3、19.1、及び27.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0118】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、6.0、13.1、13.7、15.6、17.3、18.1、18.3、18.8、19.1、19.8、20.1、21.9、27.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、実質的に
図16に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0119】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、約247℃、251℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、実質的に
図18に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0120】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、(a)6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、及び21.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約247℃、251℃又は258℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Jは、(a)実質的に
図16に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図18に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0121】
形態L
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化21】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶無水形態、形態Lを提供する。
【0122】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、14.6、15.5、19.4、19.7、及び22.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0123】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、13.1、13.6、17.2、18.6、20.6、21.7、23.2、24.5、26.1、27.5、又は28.6°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、13.1、13.6、17.2、18.6、20.6、21.7、23.2、24.5、26.1、27.5、又は28.6°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、13.1、13.6、17.2、18.6、20.6、21.7、23.2、24.5、26.1、27.5、又は28.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、13.1、13.6、17.2、18.6、20.6、21.7、23.2、24.5、26.1、27.5、又は28.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、13.1、13.6、17.2、18.6、20.6、21.7、23.2、24.5、26.1、27.5、及び28.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0124】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、13.1、13.6、14.6、15.5、17.2、18.6、19.4、19.7、20.6、21.7、22.2、23.2、24.5、26.1、27.5、及び28.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、実質的に
図22に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0125】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、約257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、実質的に
図24に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0126】
いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、(a)14.6、15.5、19.4、19.7、及び22.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I形態Lは、(a)実質的に
図22に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図24に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0127】
THF溶媒和形態H
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンTHF溶媒和物(化合物I、THF溶媒和物):
【化22】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、THF溶媒和形態Hを提供する。
【0128】
いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、及び25.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0129】
いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、19.1、20.4、又は20.6°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、19.1、20.4、又は20.6°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、19.1、20.4、又は20.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、19.1、20.4、又は20.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、19.1、20.4、及び20.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0130】
いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、7.9、11.0、12.0、12.4、13.0、15.7、17.0、17.1、17.2、18.9、19.1、20.4、20.6、20.9、23.5、25.0、及び25.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、実質的に
図13に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0131】
いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、約254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、実質的に
図15に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0132】
いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、(a)17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、及び25.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I THF溶媒和形態Hは、(a)実質的に
図13に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図15に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0133】
AcOH溶媒和形態K
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン酢酸(化合物I、酢酸溶媒和物):
【化23】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、AcOH溶媒和形態Kを提供する。
【0134】
いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0135】
いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.7、18.5、19.0、19.1、19.3、19.9、20.3、22.0、23.1、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、27.7、29.1、30.0、又は33.7°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.7、18.5、19.0、19.1、19.3、19.9、20.3、22.0、23.1、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、27.7、29.1、30.0、又は33.7°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.7、18.5、19.0、19.1、19.3、19.9、20.3、22.0、23.1、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、27.7、29.1、30.0、又は33.7°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.7、18.5、19.0、19.1、19.3、19.9、20.3、22.0、23.1、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、27.7、29.1、30.0、又は33.7°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.7、18.5、19.0、19.1、19.3、19.9、20.3、22.0、23.1、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、27.7、29.1、30.0、及び33.7°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0136】
いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、7.3、8.4、10.8、11.0、13.0、15.2、16.0、16.7、16.8、18.5、19.0、19.1、19.3、19.4、19.9、20.3、22.0、22.3、23.1、23.6、24.0、24.1、25.2、25.6、26.2、26.9、27.7、29.1、30.0、及び33.7°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、実質的に
図19に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0137】
いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、約106℃又は254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、実質的に
図21に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0138】
いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、(a)16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;及び(b)約106℃又は254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I AcOH溶媒和形態Kは、(a)実質的に
図19に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図21に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0139】
ジオキサン溶媒和形態M
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンジオキサン(化合物I、ジオキサン溶媒和物):
【化24】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、ジオキサン溶媒和形態Mを提供する。
【0140】
いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、及び26.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0141】
いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、10.7、14.5、16.2、18.8、19.1、19.8、20.4、21.5、22.3、22.5、25.1、26.9、28.7、29.5、又は38.0°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、10.7、14.5、16.2、18.8、19.1、19.8、20.4、21.5、22.3、22.5、25.1、26.9、28.7、29.5、又は38.0°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、10.7、14.5、16.2、18.8、19.1、19.8、20.4、21.5、22.3、22.5、25.1、26.9、28.7、29.5、又は38.0°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、10.7、14.5、16.2、18.8、19.1、19.8、20.4、21.5、22.3、22.5、25.1、26.9、28.7、29.5、又は38.0°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、10.7、14.5、16.2、18.8、19.1、19.8、20.4、21.5、22.3、22.5、25.1、26.9、28.7、29.5、及び38.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0142】
いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、10.7、14.5、15.3、16.2、17.5、18.8、19.1、19.5、19.8、20.1、20.4、20.7、21.5、22.3、22.5、25.1、26.8、26.9、28.7、29.5、及び38.0°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、実質的に
図25に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0143】
いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、約254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、実質的に
図27に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0144】
いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、(a)15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、及び26.8°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約254℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iジオキサン溶媒和形態Mは、(a)実質的に
図25に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図27に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0145】
アセトン溶媒和形態Q
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンアセトン(化合物I、アセトン溶媒和物):
【化25】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、アセトン溶媒和形態Qを提供する。
【0146】
いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、及び25.4°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0147】
いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、19.3、20.1、20.3、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、又は35.6°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、19.3、20.1、20.3、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、又は35.6°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、19.3、20.1、20.3、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、又は35.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、19.3、20.1、20.3、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、又は35.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、19.3、20.1、20.3、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、及び35.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0148】
いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、7.8、10.0、11.0、11.8、12.0、12.8、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、19.3、20.1、20.3、20.6、22.1、22.5、23.0、24.0、25.2、25.4、25.9、26.4、26.8、27.2、27.9、30.2、31.1、及び35.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Iアセトン溶媒和形態Qは、実質的に
図28に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0149】
MeOH溶媒和形態R
いくつかの実施形態では、本発明は、(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンメタノール(化合物I、メタノール溶媒和物):
【化26】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、10.6、14.6、20.3、20.4、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、結晶形態、MeOH溶媒和形態Rを提供する。
【0150】
いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、10.6、14.6、20.3、20.4、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、10.6、14.6、20.3、20.4、及び23.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。
【0151】
いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、6.8、11.8、12.6、13.4、17.7、18.2、20.0、22.0、22.2、22.4、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、又は39.3°2θ±0.2°2θにおいて1以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、6.8、11.8、12.6、13.4、17.7、18.2、20.0、22.0、22.2、22.4、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、又は39.3°2θ±0.2°2θにおいて2以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、6.8、11.8、12.6、13.4、17.7、18.2、20.0、22.0、22.2、22.4、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、又は39.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、6.8、11.8、12.6、13.4、17.7、18.2、20.0、22.0、22.2、22.4、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、又は39.3°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、6.8、11.8、12.6、13.4、17.7、18.2、20.0、22.0、22.2、22.4、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、及び39.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを更に含むXRPDパターンを特徴とする。
【0152】
いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、6.8、10.6、11.8、12.6、13.4、14.6、17.7、18.2、20.0、20.3、20.4、22.0、22.2、22.4、23.3、24.3、26.4、27.1、27.2、30.9、及び39.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物Icは、実質的に
図30に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0153】
いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、約72℃、186℃、248℃、252℃又は257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、実質的に
図32に示されているXRPDパターンを特徴とする。
【0154】
いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、(a)10.6、14.6、20.3、20.4、及び23.3°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターン;並びに(b)約72℃、186℃、248℃、252℃又は257℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする。いくつかの実施形態では、化合物I MeOH溶媒和形態Rは、(a)実質的に
図30に示されているXRPDパターン;及び(b)実質的に
図32に示されているDSCサーモグラムを特徴とする。
【0155】
IV.化合物Iの固体形態の調製方法
化合物Iの固体形態を、様々な方法により調製することができる。例えば、化合物Iを、単一溶媒系に溶解し、結晶化を可能とすることができる。あるいは、化合物Iを、溶媒(良溶媒)に化合物Iを溶解し、次いで、逆溶剤(貧溶媒、すなわち、化合物Iが実質的に溶解できない溶媒)を、化合物Iを結晶化させる混合物に添加することにより2溶媒系から結晶化することができる。結晶化合物Iの他の調製方法としては、溶媒及び逆溶媒の溶媒混合物を用いて、固体化合物Iのスラリーを生成することが挙げられる。
【0156】
逆溶媒を含む溶媒は、溶液を生成するのに適した何れかの溶媒であり得る。典型的には、溶媒は、極性溶媒であり得、いくつかの実施形態では、プロトン性溶媒である。他の適切な溶媒としては、非極性溶媒が挙げられる。適切な溶媒としては、水、ヘプタン、ヘキサン、及びシクロヘキサンなどのアルカン、石油エーテル、C1~C3アルコール(メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール)、エチレングリコール及びPEG400などのポリエチレングリコール、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸イソプロピル、及び酢酸ブチルなどのアルカン酸エステル、アセトニトリル、アセトン、ブタノン、メチルエチルケトン(MEK)、メチルプロピルケトン(MPK)及びメチルiso-ブチルケトン(MIBK)などのアルカノン、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサン(「ジオキサン」)などのエーテル、ベンゼン及びトルエンなどの芳香族化合物、塩化メチレン、クロロホルム及び四塩化炭素などのハロゲン化溶媒、ジメチルスルホキシド(DMSO)、並びにジメチルホルムアミド(DMF)が挙げられるが、これらに限定されない。適切な溶媒としては、ハロゲン化C1~C3アルコール(トリフルオロメタノール、トリフルオロエタノール(TFE)、ヘキサフルオロイソプロパノール(HFIPA)も挙げられるが、これらに限定されない。例えば、溶媒は、とりわけ、ジクロロメタン、N-メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトニトリル(ACN)、ジメチルスルホキシド(DMSO)などの非プロトン性極性溶媒であり得る。溶媒は、更に、とりわけ、t-ブタノール、n-プロパノール、イソプロパノール、エタノール、メタノール、酢酸、水などのプロトン性極性溶媒であり得る。溶媒は、更に、ヘキサン、ペンタン、石油エーテル、ベンゼン、トルエン、ジエチルエーテル、メチルt-ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、2-メチルテトラヒドロフラン、1,2-ジメトキシエタン及び1,4-ジオキサン、クロロホルム、及び四塩化炭素などの非極性溶媒であり得る。
【0157】
2つ以上の溶媒を、何れもの適切な比の溶媒混合物で使用することができる。例えば、第1溶媒と第2溶媒との比は、10:1~約1:10(体積/体積又は重量/重量)、又は約10:1~1:5、又は10:1~1:1、又は10:1~5:1、又は5:1~1:5、又は5:1~1:1、又は4:1~1:1、又は3:1~1:1、又は2:1~1:1であり得る。他の溶媒比としては、約10:1、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:6、1:7、1:8、1:9又は約1:10(体積/体積又は重量/重量)が挙げられる。
【0158】
化合物Iの固体形態の調製方法を、何れかの適切な条件下で行うことができる。例えば、化合物Iの結晶形態の調製方法を、これらに限定されないが、室温未満、室温、又は室温より高いなど何れかの適切な温度で行うことができる。いくつかの実施形態では、温度は、約-78℃~約100℃、又は約0℃~約50℃、又は約10℃~約30℃であり得る。例えば、混合物は、約20℃、又は25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は約100℃の温度であり得る。混合物は、更に、約20℃、15、10、5、0、-5、-10、-20、-30、-40、-50、-60、-70又は約-78℃の温度であり得る。いくつかの実施形態では、温度は、方法で使用される特定の溶媒の還流温度であり得る。
【0159】
化合物Iの固体形態の調製方法は、様々な他の工程を含むことができる。例えば、溶媒を蒸発させることができ、種晶を混合物に添加することができ、混合物を加熱して単回又は反復して冷却することができるなど。例えば、方法は、約20℃、又は25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95又は約100℃の温度まで混合物を加熱することを含むことができる。方法は、約20℃、15、10、5、0、-5、-10、-20、-30、-40、-50、-60、-70又は約-78℃の温度まで混合物を冷却することを含むこともできる。混合物の温度を、何れかの適切な速度で変更することができる。例えば、温度変更速度は、約0.1℃/分~約10℃/分であり得る。
【0160】
化合物Iの結晶形態の調製方法を、何れかの適切な時間行うことができる。例えば、時間は、数分、数時間又は数日間であり得る。いくつかの実施形態では、時間は、一夜などの数時間であり得る。化合物Iの結晶形態の調製方法を、何れかの適切な圧で行うこともできる。例えば、圧は、大気圧未満、約大気圧、又は大気圧より高くあり得る。
【0161】
結晶化を、例えば、ガラスロッドを用いて反応槽の接触面を引っ掻く又は擦るなど機械的手段により、当技術分野において公知の方法により誘導することができる。必要に応じて、飽和又は過飽和溶液に種晶を播いてよい。化合物Iの固体形態の調製方法は、結晶化合物Iの種晶を含むこともできる。
【0162】
所望の結晶形態の単離を、結晶から溶媒を除去することにより行うことができる。総じて、結晶からの溶媒の除去を、ろ過、吸引濾過、デカンテーション又は遠心分離などの公知の方法により行う。更に、例えば、真空の応用として当業者に公知の方法、及び/又は加熱により結晶形態からいくらかの過剰の溶媒を除去することにより単離を行うことができる。
【0163】
V.医薬組成物
いくつかの実施形態では、本発明は、結晶化合物I、及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む医薬組成物を提供する。いくつかの実施形態では、組成物は、1つ以上の追加の治療薬を含む。いくつかの実施形態では、本発明は、結晶化合物I、及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤から調製された医薬組成物を提供する。
【0164】
本発明の化合物Iの結晶形態、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、製剤して多種多様な経口、非経口及び局所用剤形で投与することができる。経口用製剤としては、患者による消化に適した錠剤、丸剤、散剤、糖衣剤、カプセル剤、液剤、トローチ剤、ゲル剤、シロップ剤、スラリー剤、懸濁剤などが挙げられる。本発明の結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、注射、すなわち、静脈内、筋肉内、皮内、皮下、十二指腸内、又は腹腔内投与することもできる。更に、本明細書に記載されている結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、吸入、例えば、鼻内投与することもできる。加えて、本発明の結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、経皮投与することができる。本発明の結晶化合物Iを、坐剤、吹送法、散剤及びエアロゾル製剤を含む眼内、腟内、及び直腸内経路により投与することもできる(ステロイド吸入薬のため、Rohatagi,J.Clin.Pharmacol.35:1187-1193,1995;Tjwa,Ann.Allergy Asthma Immunol.75:107-111,1995参照)。
【0165】
本発明の結晶化合物Iから医薬組成物を調製するため、薬学的に許容可能な担体は、固体又は液体のいずれかであり得る。固体形態製剤としては、散剤、錠剤、丸剤、カプセル剤、カシェ剤、坐剤、及び分散可能な顆粒剤が挙げられる。固体担体は、希釈剤、香料、界面活性剤、結合剤、防腐剤、タブレット崩壊剤、又はカプセル化材としても機能を果たし得る1つ以上の物質であり得る。製剤化及び投与のための技術の詳細は、科学文献及び特許文献によく記載されており、例えば、Remington’s Pharmaceutical Sciences, Maack Publishing Co, Easton PA (”Remington’s”)の最新版参照。
【0166】
散剤では、担体は、微粉化された固体であり、微粉化有効成分との混合物である。錠剤では、有効成分を、適切な割合で必要に応じて、必要な結合特性を有する担体及び追加の賦形剤と混合し、所望の形状及び大きさに圧縮する。
【0167】
散剤、カプセル剤及び錠剤は、好ましくは、5%又は10%~70%の活性化合物を含む。適切な担体は、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、ペクチン、デキストリン、澱粉、ゼラチン、トラガント、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、低融点ワックス、カカオ脂、及び同様のものである。用語「製剤(preparation)」は、他の賦形剤を含むか又は含まない有効成分が担体で取り囲まれるカプセルを提供し、したがって、有効成分と会合する、担体としてカプセル化材を用いた活性化合物の製剤を含むことを意図される。同様に、カシェ剤及びトローチ剤が含まれる。錠剤、散剤、カプセル剤、丸剤、カシェ剤、及びトローチ剤を、経口投与に適した固体剤形として使用することができる。
【0168】
適切な賦形剤は、炭水化物又はタンパク質であり、ラクトース、ショ糖、マンニトール、又はソルビトールを含む糖類;トウモロコシ、コムギ、コメ、ジャガイモ、又は他の植物由来のデンプン;メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、又はカルボキシメチルセルロースナトリウムなどのセルロース;及びアラビアゴム及びトラガントを含むゴム類;並びにゼラチン及びコラーゲンなどのタンパク質が挙げられるが、これらに限定されない。必要に応じて、架橋ポリビニルピロリドン、寒天、アルギニン酸、又はアルギニン酸ナトリウムなどのこれらの塩など、崩壊剤又は可溶化剤を添加してよい。
【0169】
糖衣剤コアは、濃縮糖液などのコーティングを備え、コーティングは、アラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、カルボポールゲル、ポリエチレングリコール、及び/又は二酸化チタン、ラッカー溶液、並びに適切な有機溶媒又は溶媒混合物を含んでもよい。色素又は顔料を、製品の識別のため、又は活性化合物量(すなわち、投与量)を特徴づけるように錠剤又は糖衣剤コーティングに添加してよい。本発明の医薬製剤を、例えば、ゼラチン製押込み型カプセル剤、並びにゼラチン製軟質密封カプセル及びグリセロール又はソルビトールなどのコーティングを用いて経口用に使用することもできる。押込み型カプセル剤は、結晶化合物I、又はラクトース又はデンプンなどの充填剤又は結合剤、タルク又はステアリン酸マグネシウムなどの滑沢剤、及び、必要に応じて安定化剤と混合された結晶化合物Iから調製された組成物を含むことができる。軟質カプセル剤では、結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、脂肪油、流動パラフィン、又は液体ポリエチレングリコールなどの適切な液体中に、安定化剤と共に又は安定化剤なしで溶解又は懸濁してよい。
【0170】
坐剤を調製するため、脂肪酸グリセリド又はカカオ脂の混合物など、低融点ワックスを先ず溶融し、有効成分を撹拌によってその中に均一に分散する。それから、溶融均一混合物を、簡便な大きさの型に注ぎ入れ、放冷することにより固化させる。
【0171】
液体形態の製剤としては、液剤、懸濁剤、及び乳剤、例えば、水又は水/プロピレングリコール液剤が挙げられる。非経口注射剤のため、液体製剤を、水性ポリエチレングリコール溶液中の液剤に調製することができる。
【0172】
使用直前に、経口投与用液体形態の製剤に転換することを目的とされる固体形態の製剤も含まれる。かかる液体系阿智としては、液剤、懸濁剤、及び乳剤が挙げられる。有効成分に加えて、これらの製剤は、着色料、香料、安定化剤、緩衝剤、人工及び天然甘味料、分散化剤、増粘剤、可溶化剤、及び同様のものを含んでよい。
【0173】
油性懸濁剤を、ラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油若しくはココナッツ油などの植物油に、又は流動パラフィンなどの鉱油に;又はこれらの混合物に結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を懸濁することにより調製することができる。油性懸濁剤は、ミツロウ、固形パラフィン又はセチルアルコールなどの増粘剤を含むことができる。グリセロール、ソルビトール又はショ糖など、甘味料を添加して味の良い経口製剤を提供することができる。これらの製剤を、アスコルビン酸などの酸化防止剤の添加により保存することができる。注射用油性媒体の例として、Minto,J.Pharmacol.Exp.Ther.281:93-102,1997参照。本発明の医薬製剤は、水中油型エマルジョンの形態もあり得る。油相は、上記植物油若しくは鉱油、又はこれらの混合物であり得る。適切な乳化剤としては、アカシアゴム及びトラガントゴムなどの天然ゴム、ダイズレシチン、ソルビタンオレイン酸モノエステルなどの脂肪酸と無水ヘキシトールとから誘導されたエステル又は部分エステル、並びにポリオキシエチレンソルビタンオレイン酸モノエステルなどのこれらの部分エステルと酸化エチレンとの縮合生成物が挙げられる。乳剤は、シロップ剤及びエリキシル剤の製剤のとき、甘味料及び香料を含むこともできる。かかる製剤は、粘滑剤、防腐剤、又は着色料を含むこともできる。
【0174】
加えて、本発明の医薬組成物で使用される担体又は賦形剤は、市販されている。更なる例証を用いて、従来の製剤化技術は、Remington:The Science and Practice of Pharmacy,20th Edition,Lippincott Williams & White,Baltimore,Md.(2000);及びH.C.Ansel et al.,Pharmaceutical Dosage Forms and Drug Delivery Systems,7th Edition,Lippincott Williams & White,Baltimore,Md.(1999)に記載されている。
【0175】
本発明の結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、経皮、局所経路により送達することができ、アプリケータースティック剤、液剤、懸濁剤、乳剤、ゲル剤、クリーム剤、軟膏剤、ペースト剤、ゼリー剤、塗布剤、散剤、及びエアロゾル剤として調製することができる。
【0176】
結晶化合物I及び本発明の組成物、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、体内での徐放のため、マイクロスフェア剤として送達することもできる。例えば、マイクロスフェア剤を、皮下でゆっくりと放出する薬物含有マイクロスフェアの皮内注射により(Rao,J.Biomater Sci.Polym.Ed.7:623-645,1995参照);生物分解及び注射用ゲル製剤として(例えば、Gao Pharm. Res.12:857-863,1995参照)投与することができる。経皮及び皮内経路の両方は、数週間又は数ヶ月間の定量送達を提供する。
【0177】
本発明の結晶化合物Iの医薬製剤を、塩として提供することができ、塩基、すなわち、ナトリウム、カリウム、カルシウム、マグネシウムなどのアルカリ及びアルカリ土類金属塩、並びにアンモニウム、トリメチルアンモニウム、ジエチルアンモニウム、及びトリス(ヒドロキシメチル)メチルアンモニウム塩などのアンモニウム塩と形成することができる。
【0178】
医薬製剤は、好ましくは、単位剤形である。かかる形態では、製剤を、適切な量の有効成分を含む単位用量に細分する。単位剤形は、パッケージ化された製剤、パケット錠剤、カプセル剤、及びバイアル又はアンプル中の散剤など、分離した量を含むパッケージであり得る。更に、単位剤形は、カプセル剤、錠剤、カシェ剤、又はトローチ剤それ自体であり得るか、又は単位剤形は、パッケージ形態中のこれらの何れかの適切な数であり得る。
【0179】
単位用量製剤の有効成分量は、有効成分の特定の適用及び効力に応じて、0.1mg~10000mg、より典型的には1.0mg~1000mg、最も典型的には10mg~500mgで変更又は調整してよい。例えば、有効成分は、50mg、又は100、150、200、250、300、350、400、450、500、550、600、650、700、750、800、850、900、950、又は1000mgの量で存在することができる。組成物は、必要に応じて、他の適合可能な治療薬を含むこともできる。
【0180】
投与レジメンは、当技術分野において周知の薬物動態パラメータ、すなわち、吸収速度、バイオアベイラビリティー、代謝、クリアランス、及び同様のものも考慮する(例えば、Hidalgo-Aragones(1996)J.Steroid Biochem.Mol.Biol.58:611-617;Groning(1996)Pharmazie 51:337-341;Fotherby(1996)Contraception 54:59-69;Johnson(1995)J.Pharm.Sci.84:1144-1146;Rohatagi(1995)Pharmazie 50:610-613;Brophy(1983)Eur.J.Clin.Pharmacol.24:103-108;上記最新Remington’s参照)。最先端技術は、臨床医が、各個々の患者、GR及び/又はMRモジュレーター及び治療される疾病若しくは病態のための投与レジメンを決定することを可能とする。
【0181】
化合物製剤の単回又は反復投与を、患者により必要とされる及び忍容される投与量及び頻度に応じて投与することができる。製剤は、疾病状態を効果的に治療するために充分な量の活性薬を提供すべきである。したがって、1つの実施形態では、結晶化合物Iの経口投与のための医薬製剤は、1日毎に体重キログラム当たり約0.5~約30mgの毎日の量である。代替の実施形態では、投与量は、1日毎の患者当たり体重kg当たり約1mg~約20mgである。血流、体腔又は臓器の内腔に経口投与することと対照的に、特に、脳脊髄液(CSF)腔など解剖学的に隔離された部位に薬物を投与する場合に、より低投与量を使用することができる。実質的により高い投与量を、局所投与で使用することができる。非経口投与可能な化合物製剤の実際の製剤方法は、当業者に公知又は明白であり、上記Remington’sのような出版物により詳細に記載されている。Nieman,In “Receptor Mediated Antisteroid Action,”Agarwal,et al.,eds.,De Gruyter,New York(1987)も参照。
【0182】
本明細書に記載されている結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を、グルココルチコイド受容体の調節に有用であることが知られている他の活性薬と、又は単独では有効でないかも知れないが、活性薬の有効性に寄与し得る補助薬との組合せで使用することができる。
【0183】
いくつかの実施形態では、同時投与は、第2活性薬の0.5、1、2、4、6、8、10、12、16、20、又は24時間以内に1つの活性薬を投与することを含む。同時投与としては、2つの活性薬を同時に、ほぼ同時に(例えば、互いに約1、5、10、15、20、又は30分以内)、又は何れかの順序で順次投与することが挙げられる。いくつかの実施形態では、同時投与を、合剤、すなわち、両活性薬を含む単一の医薬組成物を調製することにより行うことができる。いくつかの実施形態では、活性薬を、別々に調製することができる。いくつかの実施形態では、活性薬及び/又は補助薬を、互いと連結又は結合してよい。
【0184】
結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物を含む医薬組成物を1つ以上の許容可能な担体に調製した後、この製剤を適切な容器に収容し、適応される病態の治療のためにラベルすることができる。結晶化合物I、又は結晶化合物Iから調製された組成物の投与のため、かかるラベリングは、例えば、投与の量、頻度及び方法に関する説明書を記載することになる。
【0185】
VI.使用方法
いくつかの実施形態では、本発明は、グルココルチコイド受容体を調節することによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、障害又は病態を治療することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、グルココルチコイド受容体を調節することによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、本発明の結晶化合物Iから調製された医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、障害又は病態を治療することを含む、方法を提供する。かかるグルココルチコイド受容体調節は、GRの調節を含むことができる。
【0186】
いくつかの実施形態では、本発明は、グルココルチコイド受容体をアンタゴナイズすることによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、障害又は病態を治療することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、グルココルチコイド受容体をアンタゴナイズすることによる障害又は病態の治療方法であって、前記方法は、本発明の結晶化合物Iから調製された医薬組成物の治療有効量を、かかる治療を必要とする対象に投与することにより、障害又は病態を治療することを含む、方法を提供する。グルココルチコイド受容体のかかるアンタゴナイズは、GRのアンタゴナイズを含むことができる。
【0187】
いくつかの実施形態では、本発明は、本明細書に記載されている技術を用いてグルココルチコイド受容体活性の調節方法を提供する。いくつかの実施形態では、方法は、GR、又は両方を結晶化合物Iの有効量と接触させること、及びGR活性、MR活性、又は両方の変化を検知することにより、障害又は病態を治療することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、GR、若しくはMR、又は両方を結晶化合物Iから調製された医薬組成物の有効量と接触させること、及びGR活性、MR活性、又は両方の変化を検知することにより、障害又は病態を治療することを含む。
【0188】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレーターは、GR活性、MR活性、又は両方のアンタゴニストである(本明細書において「グルココルチコイド受容体アンタゴニスト」とも呼ぶ)。本明細書で使用されるとき、グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、グルココルチコイド受容体アゴニスト(例えば、コルチゾール、又はアルドステロン、及び合成若しくは天然コルチゾール若しくはアルドステロン類似体)とGRとの結合を部分的又は完全に阻害(アンタゴナイズ)することにより、GRとアゴニストとの結合に関連する何れかの生物応答を阻害する何れかの組成物又は化合物を表す。
【0189】
いくつかの実施形態では、グルココルチコイド受容体モジュレーターは、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストである。本明細書で使用されるとき、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、むしろ核内受容体(NR)よりGRと優先的に結合することにより、別のGRとアゴニストとの結合に関連する何れかの生物応答を阻害する組成物又は化合物を表す。いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、むしろアンドロゲン受容体(AR)、エストロゲン受容体(ER)又はプロゲステロン受容体(PR)より、GRと優先的に結合する。いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、むしろプロゲステロン受容体(PR)より、GRと優先的に結合する。いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイドアンタゴニストは、むしろアンドロゲン受容体(AR)より、GRと優先的に結合する。いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイドアンタゴニストは、むしろエストロゲン受容体(ER)より、GRと優先的に結合する。
【0190】
いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、AR又はPRのKdより少なくとも10倍小さい解離定数(Kd)でGRと結合する。いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、AR又はPRのKdより少なくとも100倍小さい解離定数(Kd)でGRと結合する。いくつかの実施形態では、特異的グルココルチコイド受容体アンタゴニストは、AR、PR又はERのKdより少なくとも1000倍小さい解離定数(Kd)でGRと結合する。
【0191】
いくつかの実施形態では、障害又は病態は、嗜癖障害であり得る物質使用障害である。物質乱用及び物質依存症などの嗜癖障害は、アルコール又は薬物の乱用を含むよく見られる障害である。障害として物質乱用は、不法物質の乱用又は合法物質(例えば、アルコール)の乱用を表す。物質依存症は、これらの使用に関連する深刻な問題が発生した場合でさえ、薬物又はアルコールの連続使用を説明する嗜癖障害である。徴候としては、認容性増加-すなわち、所望の効果を達成する物質の量増加の必要性;使用を減少したときの禁断症状;使用を減少するための努力の失敗;物質を得るための活動に費やす時間の増加;社会的及び娯楽的活動からの離脱;並びに物質使用の程度により直面する身体的又は精神的問題を意識してもなお物質の継続的使用が挙げられる。化学物質依存症は、化学物質(通常、薬物又はアルコール)の強迫的使用及びこれらの化学物質が原因の全ての問題にもかかわらずこれらの化学物質の使用を止めることができないことを説明する嗜癖障害でもある。特に嗜癖障害の青少年により頻繁に乱用される物質としては、アルコール、マリファナ、幻覚剤、コカイン、アンフェタミン、アヘン剤、タンパク質同化ステロイド、吸入薬、メタンフェタミン、又はタバコが挙げられるが、これらに限定されない。
【0192】
いくつかの実施形態では、本発明は、物質使用障害の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、若しくは結晶化合物Iの医薬組成物、又は結晶化合物Iから調製された医薬組成物の治療有効量を、物質使用障害の治療を必要とする対象に投与することにより、物質使用障害を治療することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、物質使用障害の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物Iから調製された医薬組成物の治療有効量を、物質使用障害の治療を必要とする対象に投与することにより、物質使用障害を治療することを含む、方法を提供する。
【0193】
いくつかの実施形態では、本発明は、脂肪性肝疾患の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、脂肪性肝疾患の治療を必要とする対象に投与することにより、脂肪性肝疾患を治療することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、脂肪性肝疾患の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物Iから調製された医薬組成物の治療有効量を、脂肪性肝疾患の治療を必要とする対象に投与することにより、脂肪性肝疾患を治療することを含む、方法を提供する。
【0194】
いくつかの実施形態では、障害又は病態は、脂肪性肝疾患、アルコール関連肝疾患(ARLD)又は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)である。いくつかの実施形態では、アルコール関連肝疾患は、アルコール脂肪性肝疾患(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)又はアルコール性肝硬変である。
【0195】
いくつかの実施形態では、障害又は病態は、非アルコール性脂肪性肝疾患である。いくつかの実施形態では、非アルコール性脂肪性肝疾患は、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)又は非アルコール性肝硬変である。いくつかの実施形態では、障害又は病態は、非アルコール性脂肪性肝炎である。
【0196】
NAFLDは進行して、脂肪症が炎症及び線維症と同時発生する状態(脂肪性肝炎)である非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)になる可能性がある。NASHは、進行性疾患である。10年の期間にわたって、NASH患者の20%以下は、肝臓の硬変症を発症し、10%は、肝疾患関連死する。
【0197】
いくつかの実施形態では、本発明は、抗精神病薬による体重増加の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物I、又は結晶化合物Iの医薬組成物の治療有効量を、抗精神病薬による体重増加の治療を必要とする対象に投与することにより、抗精神病薬による体重増加を治療することを含む、方法を提供する。いくつかの実施形態では、本発明は、抗精神病薬による体重増加の治療方法であって、前記方法は、結晶化合物Iから調製された医薬組成物の治療有効量を、抗精神病薬による体重増加の治療を必要とする対象に投与することにより、抗精神病薬による体重増加を治療することを含む、方法を提供する。
【実施例】
【0198】
VII.実施例
本明細書で使用されるとき、略記は、次の通りそれぞれの意味を有する:
【表1】
【0199】
化合物Iの固体形態は、様々な次の方法を特徴とする。
【0200】
粉末X線回折(XRPD)
Cu X線管及びPixcel検出システムを装備したPanalytical Xpert Pro回折計を用いて、XRPD分析を行った。等温サンプルを、透過モードで分析し、低密度ポリエチレン薄膜間に保持した。使用したXRPDプログラムは、次のパラメータを含んだ:(1)範囲3~40°2θ、(2)ステップサイズ0.013°、(3)継続時間99秒、及び(4)約22分実行時間。XRPDパターンを、HighScore Plus2.2cソフトウェアを用いてソートした。
【0201】
示差走査熱量測定(DSC)
DSC分析を、Perkin Elmer Jade Differential Scanning Calorimeterで行った。精密に秤量されたサンプルを、クリンプアルミニウム製パンに入れた。各サンプルを、最大300℃まで、10℃/分の速度で窒素下加熱した。インジウム金属を、較正標準として使用した。温度を、ほとんど0.01度までの遷移開始時点で報告した。
【0202】
高示差走査熱量測定(DSC)
高DSC分析を、Perkin Elmer Diamond Differential Scanning Calorimeterで行った。精密に秤量されたサンプルを、クリンプアルミニウム製パンに入れた。各サンプルを、-50℃~300℃の温度範囲を用いて300℃/分の速度で2サイクルにわたってヘリウム下で加熱・冷却した。インジウム金属を、較正標準として使用した。
【0203】
熱重量示差熱分析(TG/DTA)
熱量分析を、Mettler Toledo TGA/DSC1 STAReで行った。較正標準は、インジウム及びスズであった。サンプルを、アルミニウム製サンプルパンに入れて、TG炉に挿入し、精密に秤量した。熱流シグナルを、10℃/分の速度で窒素流下、300℃までの加熱前に、30℃で1分間安定した。
【0204】
実施例1.化合物Iの調製
化合物Iを、米国特許第8,685,973号明細書、実施例6、化合物3bに記載されているように調製することができる。
【0205】
実施例2.化合物I形態B
化合物Iの結晶形態Bを、下記様々な方法により調製することができる。
【0206】
温度サイクル。試験溶媒(1mL)、酢酸エチル又はメチルイソブチルケトン(MIBK)を、環境温度で化合物I(約20mg)のサンプルに添加し、次の温度プログラムの10サイクルを、Clarity結晶化ステーションを用いて行った:
・1℃/分で20℃~60℃に加熱
・1℃/分で20℃まで冷却
・撹拌速度-600rpm。
【0207】
蒸発。化合物Iの溶液を、DMSO中に調製し、0.2μmPTFEフィルターにろ過した。ろ過された溶液を、穿孔されたアルミニウム箔で覆ったバイアル中、又は高沸点溶媒のためにN2流下、環境温度で蒸発させた。得られた固体を、XRPDにより分析した。
【0208】
スラリー実験。化合物Iを、所与の溶媒(アニソール;シクロヘキサン;ジクロロメタン;エタノール;エタノール/水共沸混合物(96:4% 体積/体積);MEK/水共沸混合物(91:9% 体積/体積);メチルエチルケトン(MEK);メチルt-ブチルエーテル(MTBE);イソプロパノール)に、不溶性固形分が所望の温度(5℃及び40℃)で残存するまで添加した。バイアルを密封し、スラリーを選択された温度で維持し、マグネティックスターラーにより7日間撹拌した。固形分を遠心分離により単離し、デカンテーションした後、ろ紙ストリップを風乾した。
【0209】
実施例3.化合物I形態Bの結晶化
化合物Iの結晶形態Bを、下記方法により調製することができる。
・ジクロロメタン(8.4体積)を槽に投入し、次いで、乾燥し、残存酢酸に対するそのアッセイ含有率に基づいた粗化合物Iを1H-NMRにより決定する。
・それから、メタノール(1.7体積)を投入し、次いで、得られた混合物を30℃~35℃まで温めて溶液を得る;
・得られた溶液を第2槽に研磨ろ過し、次いで、供給源槽をジクロロメタン(DCM)(2.6体積)及びメタノール(0.5体積)の混合物で洗浄し、第2槽に移し、約13.5体積の総バッチ体積を得る;
・得られた溶液を環境圧(約38~40℃)で還流まで加熱し、蒸留して20体積の溶媒を除去する。蒸留と同時に、蒸留中約13~14体積の総溶媒体積を維持するために集められた蒸留物の各体積のためにメタノール(約1体積)の添加により、溶媒交換を行う。適切な蒸留速度を維持する必要に応じて蒸留温度を上昇する;
・約3体積の溶媒をメタノールに交換した後、約0.025体積のメタノール中約0.05%重量/重量の再結晶化化合物I形態Bを含むスラリーをバッチに播種し、次いで、バッチ外観の何れもの変化を注意しながら、約10分間バッチを保持する;
・メタノールにより4分の1の体積の溶媒交換を完了後、約0.025体積のメタノール中約0.05%重量/重量の再結晶化化合物I形態Bを含むスラリーの再投入により第2播種操作を行い、次いで、約10分間バッチを維持し、バッチ外観の何れもの変化を注意する;
・次に、5分の1体積の溶媒をメタノールに交換し、約10分間バッチを保持し、バッチを目視検査して結晶化が起こったかどうかを確認する。この時点で結晶化が起こらなかった場合、第3播種操作を行う:
・一旦バッチの再結晶化が確認されれば、粗化合物Iの溶解に続いて、更なる15体積の溶媒が交換されるか又は約20体積の溶媒の全部が回収されるまで、蒸留及びメタノールによる溶媒交換を継続する;
・一旦内部バッチ温度が約65℃に達して約64℃で安定したならば、別の4体積の溶媒を回収し、約10体積までバッチ体積を減少する;
・それから、得られたスラリーを、最短2時間にわたって約10℃まで冷却し、次いで、少なくとも2時間その温度で保持し、ろ過する;
・元の槽を、約10~15℃で撹拌しながら約2体積のメタノールで洗浄する;
・それから、メタノールをフィルターに移し、ろ過ケーキ上で浸漬を可能とし、次いで、真空下除去する。この洗浄操作を反復し、次いで、固形物の湿式ケーキ純度の工程内管理(IPC)分析のためにサンプリングする;
・それから、ろ過ケーキを、≦50℃で72時間まで乾燥し、IPC分析のために少なくとも12時間の乾燥時間後にサンプリングして残留溶媒含有率を決定する;
・一旦残留溶媒のIPC規格を満足するならば、固形物を帯電防止ポリライナーに排出し、秤量する。
・それから、再結晶化された化合物Iを、2mm篩スクリーンを備えた振動篩を用いて何れもの大きな塊の固形物を細分化するために篩にかけて、0.2m/秒の目標振動速度で処理する;
・得られた篩にかけた化合物Iをライナーに移し、秤量し、次いで、再結晶化された化合物Iを、上記のように得られた化合物Iのバッチが多形性形態Bと一致することを確認するために粉末X線回折(XRPD)を含む分析のためにサンプリングする。
【0210】
実施例4.化合物I形態Aの結晶化
化合物Iの結晶形態Aを、化合物Iの結晶MeOH溶媒和形態Rから調製した。化合物Iの結晶MeOH溶媒和形態Rを、ガラス製バイアルに添加し、室温で1日間N2パージを用いて真空乾燥機内で乾燥した。得られた固形物を回収し、分析した。
【0211】
実施例5.化合物I形態Cの結晶化
化合物Iの結晶形態Cを、下記方法により調製した。
【0212】
アセトン溶媒和形態Q。化合物Iの結晶形態Cの1つの調製方法は、1日間N2パージを用いて40℃で真空下化合物Iの結晶アセトン溶媒和形態Qの溶媒を除去することであった。あるいは、化合物Iの結晶形態Cを、1~3日間環境温度でN2下化合物Iの結晶アセトン溶媒和形態Qの溶媒を除去することにより調製した。
【0213】
THF溶媒和形態H
化合物Iの結晶形態Cの別の調製方法は、4日間40℃の温度でN2下化合物IのTHF溶媒和形態Hを乾燥することによる。
【0214】
実施例6.化合物I形態Fの結晶化
化合物Iの結晶形態Fを、化合物Iの結晶形態Bから調製した。1つの方法は、N2下230℃まで化合物Iの結晶形態Bを加熱し、次いで、環境温度まで冷却することであった。あるいは、化合物Iの結晶形態BをN2下255℃まで加熱し、10分間保持した後、環境温度まで冷却した。
【0215】
実施例7.化合物I形態Jの結晶化
化合物Iの結晶形態Jを、下記方法により調製した。
【0216】
形態Aを用いたN2下の加熱。化合物Iの結晶形態Jの1つの調製方法は、215℃でN2流下化合物Iの結晶形態Aを加熱し、10分間保持し、次いで、環境温度まで冷却することであった。
【0217】
形態A及びLを用いたN2下の加熱。別の方法では、化合物Iの結晶形態A及びLの混合物を、215℃でN2流下加熱し、10分間保持し、次いで、環境温度まで冷却した。
【0218】
実施例8.化合物I形態Lの結晶化
化合物Iの結晶形態Lを、下記方法により調製した。
【0219】
メルトクエンチ技術。化合物Iの結晶形態Lの1つの調製方法は、260℃~265℃でN2パージ下化合物Iの結晶形態Bを溶融することであった。次いで、化合物を室温まで冷却して非晶質化合物Iを生成した。非晶質化合物Iを、40℃でACNと混合してスラリーを生成した。それから、スラリーをろ過して固形物を単離した。それから、固形物を、40℃でN2パージ下一夜真空乾燥して、再結晶化化合物I形態Lを生成した。
【0220】
真空乾燥。別の方法は、40℃でN2パージ下一夜真空下化合物Iの結晶ジオキサン溶媒和形態Mを乾燥して、再結晶化された化合物I形態Lを生成することであった。
【0221】
実施例9.化合物I THF溶媒和形態Hの結晶化
化合物Iの結晶THF溶媒和形態Hを、結晶形態Bから調製した。化合物Iの結晶形態Bを、環境温度で10体積THFに溶解し、次いで、50℃まで加熱した。それから、水を滴下し、62.5:37.5% 体積/体積(10体積)のTHF/H2の比で懸濁液を生成した。それから、懸濁液を環境温度まで冷却し、1時間混合した。それから、懸濁液中の固形物を、遠心分離ろ過により単離した。
【0222】
実施例10.化合物I AcOH溶媒和形態Kの結晶化
化合物Iの結晶AcOH溶媒和形態Kを、下記方法により調製した。
【0223】
スラリー実験。化合物Iの結晶形態Bを、90:10 体積/体積(10体積)の比でAcOH/H2Oの混合物に溶解した。それから、混合物を75℃まで加熱し、1時間混合してスラリーを生成した。それから、スラリーを環境温度まで冷却し、固形物を、遠心分離ろ過により単離した。
【0224】
蒸発。化合物Iの結晶形態Bを、1:3 体積/体積(40体積)の比でAcOH/DCMに溶解し、2日間を超えて環境温度でN2流下蒸発させた。得られた固形物を回収し、分析した。
【0225】
実施例11.化合物Iジオキサン溶媒和形態Mの結晶化
スラリー実験。
化合物Iの結晶ジオキサン溶媒和形態Mを、化合物Iの結晶形態Bから調製した。化合物Iの結晶形態Bを、ジオキサン(10体積)に溶解した。それから、混合物を40℃まで48時間加熱し、スラリーを生成した。その後、固形物を、遠心分離ろ過により単離した。
【0226】
実施例12.化合物I アセトン溶媒和形態Qの結晶化
スラリー実験。
化合物Iの結晶アセトン溶媒和形態Qを、化合物Iの結晶形態Bから調製した。化合物Iの結晶形態Bをアセトンに溶解し、5℃の温度まで冷却した。混合物を、5℃で20時間、3日間、又は4日間撹拌した。その後、固形物を、ろ過により単離した。
【0227】
実施例13.化合物I MeOH溶媒和形態Rの結晶化
スラリー実験。
化合物Iの結晶MeOH溶媒和形態Rを、化合物Iの結晶AcOH溶媒和形態Kから調製した。化合物Iの結晶AcOH溶媒和形態KをMeOHに溶解し、60℃まで加熱し、1時間混合してスラリーを生成した。それから、スラリーを1時間にわたって30℃まで冷却した。それから、懸濁液を30分間にわたって15℃まで更に冷却した。それから、懸濁液を、3時間~18時間混合した。その後、固形物をブフナーろ過により単離し、5~10分間引抜き乾燥した。
【0228】
前述の本発明を、理解を明確にする目的のため例証及び実施例を用いていくらか詳細に説明したが、添付のクレームの範囲内で特定の変更及び修正を行ってよいことを当業者は理解するだろう。加えて、米国特許、米国特許出願公開、米国特許出願、海外特許、海外特許出願及び本明細書で言及された非特許出版物を含む各参考文献は、本明細書と矛盾しない限度においてこれらの全文の参照により本明細書に援用される。本願及び本明細書で提供されている参考文献の間に矛盾がある場合、本願が優先される。
【手続補正書】
【提出日】2023-02-17
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化1】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態B;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態A;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態C;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態F;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態J;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I)の無水形態L;
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのTHF溶媒和形態H(化合物I、THF溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのAcOH溶媒和形態K(化合物I、AcOH溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのジオキサン溶媒和形態M(化合物I、ジオキサン溶媒和物);
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのアセトン溶媒和形態Q(化合物I、アセトン溶媒和物);及び
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンのメタノール溶媒和形態R(化合物I、メタノール溶媒和物)
から成る群から選択される、結晶形態。
【請求項2】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化2】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Bである、結晶無水形態。
【請求項3】
16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて4以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2に記載の結晶形態。
【請求項4】
16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、又は23.6°2θ±0.2°2θにおいて5以上のピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2又は3に記載の結晶形態。
【請求項5】
16.7、17.0、17.3、17.7、19.0、19.6、及び23.6°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2~4の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項6】
9.8、10.4、11.2、11.8、13.4、13.7、14.8、15.8、16.2、16.6、16.7、17.0、17.3、17.7、18.0、19.0、19.6、20.3、20.5、20.8、21.0、21.3、22.0、22.3、22.7、23.6、23.8、24.4、25.4、25.6、25.7、26.3、28.1、28.7、及び37.2°2θ±0.2°2θにおいてピークを含むXRPDパターンを特徴とする、請求項2~5の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項7】
実質的に
図1に示されているXRPDパターンを特徴とする、請求項2~6の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項8】
約255℃のオンセットで少なくとも1つの吸熱を有する示差走査熱量(DSC)サーモグラムを特徴とする、請求項2~7の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項9】
実質的に
図3に示されているDSCサーモグラムを特徴とする、請求項2~8の何れか一項に記載の結晶形態。
【請求項10】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化3】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、16.3、17.1、18.7、19.9、22.1、又は22.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Aである、結晶無水形態。
【請求項11】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化4】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、17.3、17.9、18.3、18.4、21.3、又は21.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Cである、結晶無水形態。
【請求項12】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化5】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、15.9、16.4、16.8、17.3、19.0、21.1、又は25.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Fである、結晶無水形態。
【請求項13】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化6】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、6.0、13.1、17.3、18.8、19.8、20.1、又は21.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする
、形態Jである、結晶無水形態。
【請求項14】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン(化合物I):
【化7】
の結晶無水形態であって、前記結晶無水形態は、14.6、15.5、19.4、19.7、又は22.2°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、形態Lである、結晶無水形態。
【請求項15】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンTHF溶媒和物(化合物I、THF溶媒和物):
【化8】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、17.2、18.9、20.9、23.5、25.0、又は25.6°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする
、THF溶媒和形態Hである、結晶形態。
【請求項16】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオン酢酸(化合物I、酢酸溶媒和物):
【化9】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、16.0、16.8、19.4、22.3、23.6、又は26.9°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、AcOH溶媒和形態Kである、結晶形態。
【請求項17】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンジオキサン(化合物I、ジオキサン溶媒和物):
【化10】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、15.3、17.5、19.5、20.1、20.7、又は26.8°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、ジオキサン溶媒和形態Mである、結晶形態。
【請求項18】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンアセトン(化合物I、アセトン溶媒和物):
【化11】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、15.9、17.0、17.2、17.5、18.8、20.6、又は25.4°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、アセトン溶媒和形態Qである、結晶形態。
【請求項19】
(E)-6-(4-フェニルシクロヘキシル)-5-(3-トリフルオロメチルベンジル)-1H-ピリミジン-2,4-ジオンメタノール(化合物I、メタノール溶媒和物):
【化12】
の結晶形態であって、前記結晶形態は、10.6、14.6、20.3、20.4、又は23.3°2θ±0.2°2θにおいて3以上のピークを含む粉末X線回折(XRPD)パターンを特徴とする、MeOH溶媒和形態Rである、結晶形態。
【請求項20】
請求項1~
19の何れか一項に記載の結晶形態、及び1つ以上の薬学的に許容可能な賦形剤を含む、医薬組成物。
【請求項21】
前記医薬組成物が1つ以上の追加の治療薬を更に含む、請求項
20に記載の医薬組成物。
【請求項22】
グルココルチコイド受容体を調節することによる障害又は病態の治療を必要とする対象においてグルココルチコイド受容体を調節することによる障害又は病態
を治療
するための医薬組成物であって
、請求項1~
19の何れか一項に記載の結晶形態、又は請求項
20若しくは
21に記載の医薬組成物の治療有効量
を含む、医薬組成物。
【請求項23】
グルココルチコイド受容体をアンタゴナイズすることによる障害又は病態の治療を必要とする対象においてグルココルチコイド受容体をアンタゴナイズすることによる障害又は病態
を治療
するための医薬組成物であって
、請求項1~
19の何れか一項に記載の結晶形態、又は請求項
20若しくは
21に記載の医薬組成物の治療有効量
を含む、医薬組成物。
【請求項24】
脂肪性肝疾患の治療を必要とする対象において脂肪性肝疾患
を治療
するための医薬組成物であって、
請求項1~
19の何れか一項に記載の
結晶形態、又は請求項
20若しくは
21に記載の医薬組成物の治療有効量を
含む、医薬組成物。
【請求項25】
前記脂肪性肝疾患が、アルコール関連肝疾患(ARLD)又は非アルコール性脂肪性肝疾患(NAFLD)である、請求項
24に記載の
医薬組成物。
【請求項26】
前記アルコール関連肝疾患が、アルコール脂肪性肝疾患(AFL)、アルコール性脂肪性肝炎(ASH)又はアルコール性肝硬変である、請求項
25に記載の
医薬組成物。
【請求項27】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)又は非アルコール性肝硬変である、請求項
24又は
25に記載の
医薬組成物。
【請求項28】
前記非アルコール性脂肪性肝疾患が、非アルコール性脂肪性肝炎である、請求項
27に記載の
医薬組成物。
【請求項29】
抗精神病薬
による体重増加の治療を必要とする対象において抗精神病薬による体重増加
を治療
するための医薬組成物であって
、請求項1~
19の何れか一項に記載の結晶形態、又は請求項
20若しくは
21に記載の医薬組成物の治療有効量を
含む、医薬組成物。
【国際調査報告】