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特表2023-524830コーヒーチェリーの銀皮から得られる成分を有する複合材料および前記複合材料を含むポーションカプセル
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  • 特表-コーヒーチェリーの銀皮から得られる成分を有する複合材料および前記複合材料を含むポーションカプセル 図1
  • 特表-コーヒーチェリーの銀皮から得られる成分を有する複合材料および前記複合材料を含むポーションカプセル 図2
  • 特表-コーヒーチェリーの銀皮から得られる成分を有する複合材料および前記複合材料を含むポーションカプセル 図3
  • 特表-コーヒーチェリーの銀皮から得られる成分を有する複合材料および前記複合材料を含むポーションカプセル 図4
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-13
(54)【発明の名称】コーヒーチェリーの銀皮から得られる成分を有する複合材料および前記複合材料を含むポーションカプセル
(51)【国際特許分類】
   B65D 85/804 20060101AFI20230606BHJP
   A47J 31/36 20060101ALI20230606BHJP
【FI】
B65D85/804 200
A47J31/36 120
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567691
(86)(22)【出願日】2021-05-06
(85)【翻訳文提出日】2022-12-19
(86)【国際出願番号】 EP2021062069
(87)【国際公開番号】W WO2021224424
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】20173767.3
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】507163714
【氏名又は名称】チボ ゲーエムベーハー
(74)【代理人】
【識別番号】110001195
【氏名又は名称】弁理士法人深見特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォン・シュターデン,ヘレナ
【テーマコード(参考)】
4B104
【Fターム(参考)】
4B104AA20
4B104BA44
4B104EA39
(57)【要約】
本発明は、ポーションカプセルを使用して飲料、特にコーヒーを調製する分野にあり、抽出生成物を受け入れるためのベース要素11を有するポーションカプセル1、ポーションカプセルの製造方法、コーヒーポーションカプセルを製造する状況において特に効率的に製造することができる複合材料、および複合材料の製造方法に関する。複合材料は、コーヒーチェリーの銀皮から製造された成分を含む。本発明によるポーションカプセル1は、前記複合材料を含む。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
外壁(12)によって囲まれた内部空間を形成するベース要素(11)を備えるポーションカプセル(1)であって、前記ベース要素が開口部(13)を備え、前記ベース要素が複合材料を備え、前記複合材料の成分がコーヒーチェリーの銀皮から製造されることを特徴とする、ポーションカプセル(1)。
【請求項2】
カプセルカバー(21)をさらに備え、前記カプセルカバーが前記開口部(13)の周縁部(14)に沿って取り付けられ、または取り付け可能であり、前記ベース要素(11)および前記カプセルカバー(21)が前記複合材料を含む、請求項1に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項3】
前記複合材料が生分解性である、請求項1から2のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項4】
前記複合材料が、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリラクチド(PLA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、またはポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)およびポリラクチド(PLA)を含むプラスチック成分を含む、請求項1から3のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項5】
前記ベース要素(11)がカップ状であり、長方形、特に正方形の基本形状を有する、請求項1から4のいずれか1項に記載のポーションカプセル(1)。
【請求項6】
ポーションカプセル(1)の製造方法であって、前記ポーションカプセルがベース要素(11)を備え、前記方法が、
・複合材料を提供するステップと、
・前記複合材料を前記ベース要素(11)に再成形するステップと
を含み、
前記複合材料の成分がコーヒーチェリーの銀皮から製造されることを特徴とする、方法。
【請求項7】
前記銀皮がコーヒー豆の焙煎中に前記コーヒー豆から分離され、前記銀皮がベース要素(11)を製造するための加工ラインに供給され、前記焙煎されたコーヒー豆が抽出生成物を生成するための加工ラインに供給される、請求項6に記載の方法。
【請求項8】
ポーションカプセル(11)用の複合材料であって、前記複合材料の第1の成分がプラスチックであり、前記複合材料の第2の成分が、コーヒーチェリーの銀皮から製造されることを特徴とする、複合材料。
【請求項9】
前記複合材料が生分解性である、請求項8に記載の複合材料。
【請求項10】
前記第1の成分が、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリラクチド(PLA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、またはポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)およびポリラクチド(PLA)を含む、請求項8から9のいずれか1項に記載の複合材料。
【請求項11】
前記第1の成分および前記第2の成分が配合されることを特徴とする、請求項8から10のいずれか1項に記載のポーションカプセル(11)用の複合材料の製造方法。
【請求項12】
・銀皮とコーヒー豆を分離するステップと、
・前記銀皮を粉砕するステップと
を含む、請求項11に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、飲料カプセルに導入された液体によって飲料を調製するための装置および方法の分野に関し、飲料カプセルは、水を注入することによって飲料または飲料成分を調製することができる可溶性食品物質を含む。本発明は、特に、コーヒーカプセルを使用してコーヒーを調製する分野に関する。本発明は、特に、ポーションカプセル、ポーションカプセルを調製する方法、コーヒーカプセル製造の文脈において特に効率的に製造することができる複合材料、および複合材料の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
飲料を調製するためのシステムの中で、いわゆるコーヒーカプセルシステム(茶を調製するための変形もある)が知られており、抽出によってコーヒーまたは茶飲料を調製するために、一般に、温水が典型的には加圧下でカプセルに導入される。カプセルは、温水を導入するためにその一方の側(注入側)に穿孔されることが多い。抽出された飲料をカプセルの他方の側(抽出側)に排出するために、一般に様々な可能性が知られている。1つには、対応する穿孔マンドレルによる穿孔が抽出側にも設けられるシステムがある。別の例として、抽出側のカプセルの境界が抽出プロセス中に内圧下で穿孔または引き裂かれ、そのためにカプセルの外部の手段(対応するコーヒーマシンの抽出チャンバ内に存在する)またはカプセルの内部の手段が存在し得るシステムが知られている。最後に、既に開封されているカプセルもあり、それについては飲料を排出するためにカプセル壁/膜を穿孔または引き裂く必要はない。
【0003】
最も一般的なのは、生分解性原料も再生可能原料も含まない材料で作製されたカプセルである。カプセルの高い割合は、例えば、アルミニウムまたはポリプロピレン(PP)で作製されている。そのようなカプセルは、貯蔵(例えば、不透過性、特に空気/酸素に対する不透過性)および用途(例えば、熱寸法安定性、穿刺挙動など)の両方に有利な特性を有することができる。これらのカプセルの大きな欠点は、使用後に生じる廃棄物、およびカプセルに使用される材料をリサイクルするために必要な多大な労力である。後者は、典型的には私的領域で使用されるカプセルを収集すること、カプセルをリサイクル施設に輸送すること、およびリサイクルプロセス自体を含む。言い換えれば、リサイクルのためであっても、かなりの資源(時間、エネルギー、輸送コスト)を消費しなければならず、ひいては環境(例えば、輸送およびリサイクルに必要なエネルギーを得るためのCO排出量)に影響を及ぼす可能性がある。カプセル内に存在する抽出生成物も、典型的にはリサイクル中に失われる。
【0004】
ポーションカプセルのための資源集約性の低い材料の使用は、それ自体公知である。バイオプラスチックの使用が特に議論されてきた。再生可能資源から製造されたプラスチックは、そのようなもの(いわゆるバイオ系プラスチック)と呼ばれる。バイオプラスチックは、生物学的に分解可能なプラスチック(いわゆる生分解性プラスチック)でもある。ポーションカプセルを製造するために提案されているプラスチックは生分解性であり、バイオ系プラスチックの一部を部分的に含む。
【0005】
例えば、国際公開第2011/015973号パンフレットは、完全に生分解性材料で作製されたカプセルを開示しており、カプセルを閉鎖する膜の実施は、国際公開第2011/015973号パンフレットの教示の主な焦点であり、使用される材料は扱われていない。
【0006】
国際公開第2015/170358号パンフレットは、抽出プロセス中にカプセル内に広がる圧力に耐えることができるように、補強要素を有する木材で作製された生分解性カプセルを示している。
【0007】
独国特許出願公開第202016104950号明細書は、生分解性カプセルまたは生分解性パッドを有する気密に閉鎖可能なポーションパッケージまたは気密に閉鎖可能なポーションバッグを開示しており、ポーションパッケージまたはポーションバッグは、完全に生分解性材料で作製されている。使用される材料の例として、ポリラクチド(PLA)またはMater-Bi(登録商標)などのバイオプラスチックが挙げられる。
【0008】
国際公開第2017/186743号パンフレットは、他の用途の中でもとりわけ、コーヒーおよびティーカプセルのためのバイオ材料の使用を開示しており、バイオ材料は生分解性プラスチックであり、ヒマワリ種子殻(shell)またはヒマワリ種子殻(hull)を含む。
【0009】
従来技術分野による生分解性材料および/または再生可能材料で作製されたポーションカプセルは、資源の慎重な使用を考慮して正しい方向に進んでいるが、この点に関して最適化の可能性が依然としてある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明の1つの目的は、ポーションカプセルの資源消費および環境への配慮をさらに改善することである。本発明の特定の目的は、すぐに使用できるポーションカプセル、すなわち抽出生成物で満たされたポーションカプセルの製造を改善し、資源利用に関して使用済みポーションカプセルの廃棄を改善することである。
【0011】
本発明の特定の目的は、ポーションカプセル、特にコーヒーカプセルのための資源利用に関して最適化された複合材料、およびこの複合材料の製造方法を提供することである。複合材料は、特にバイオプラスチック、特に再生可能資源の割合が高い生分解性バイオプラスチックであり得る。複合材料は、特にEN13432(2019年末現在)またはASTM6400(2019年末現在)に従って生分解性であり得る。複合材料は、完全に生分解性であり得る。
【0012】
本発明の中心的な目的は、資源利用に関して最適化されたポーションカプセルおよびそのようなポーションカプセルの製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
コーヒー果実およびコーヒー種子、特に商業的に関連する種であるCoffea arabica、C.canephora、C.liberica(以下、コーヒー果実および種子)の1つの成分は、銀皮として知られているものである。銀皮は種皮であり、外乳の残りは種子発達の過程で大部分が内乳に取って代わられる。銀皮はコーヒー豆を完全に囲み、したがってコーヒー豆の特徴的な凹部にも存在する。コーヒー豆全体は、次に、パーチメント(内果皮)、ペクチン層およびパルプ(合わせて中果皮)、ならびにスキン(外果皮)によって囲まれている。コーヒー果実およびコーヒー種子の構造に関する詳細は、例えば、
【0014】
(特にイラスト457-461)に見出すことができる。
原則として、銀皮は焙煎中に大部分除去される。焙煎の開始段階で、豆は銀皮が経験しなかった体積の増加を受ける。結果として、銀皮は、破断されて焙煎生成物から分離され、焙煎装置内で、例えば対応して設計された空気流によって除去される。
【0015】
言い換えれば、銀皮は、コーヒー焙煎の廃棄物として生じる。
本発明は、コーヒー豆の銀皮、特に焙煎プロセスで分離された銀皮が、複合材料の構成要素として非常に適しているという考えに基づいている。
【0016】
複合材料は、少なくとも2つの成分を含み、第1の成分は、典型的にはプラスチック(プラスチック成分、プラスチックマトリックス)であり、第2の成分は、プラスチック成分とは異なり、充填剤とも呼ばれる。本発明は、コーヒー豆の銀皮を、プラスチック成分を有する複合材料、特にポーションカプセルの製造に非常によく適した複合材料のための非常に良好な充填剤にわずかな労力で加工できるという考えに基づいている。これは、得られた複合材料が、ポーションカプセル内に存在する抽出生成物を保護するためのポーションカプセルの1つ以上の食品適合性成分への単純な再成形を可能にする特性を有し、それにより、例えば数ヶ月または数年(例えば、1、2、または3年)の貯蔵が可能になり、困難なく飲料調製システムでの使用が可能になることを意味する。後者は、とりわけ、飲料調製中に優勢な温度および圧力下で複合材料が過度に激しく変形しないこと(耐熱性、弾性)、またはさらには破裂しないこと(引張強度、破壊ひずみ)、および材料に穴を開けることができること、ならびに飲料調製後に困難なく穿刺先端/注入器を複合材料から分離することができることを必要とする。
【0017】
複合材料を含むポーションカプセルの持続可能性に関して、最初の調査は、持続可能性が他のバイオ系ポーションカプセルと比較して増加することを示している。言い換えれば、複合材料を含むか、または複合材料から作製されたポーションカプセルが、ポーションカプセル内に存在する抽出生成物を保護し、他のバイオ系ポーションカプセルと比較してより長い保存が可能であること(貯蔵寿命の延長)が示唆される。ポーションカプセルが、特に生成された飲料の風味に関して本抽出生成物の変化を防ぐほど、許容貯蔵時間は長くなる。銀皮から得られた充填剤は、ポーションカプセル内に存在する抽出生成物の安定性にプラスの効果を有する抗酸化効果を有すると推測される。
【0018】
複合材料は、それ自体知られているように、複合材料の特性を調整するための追加の凝集体(添加剤)を含むことができる。
【0019】
言い換えれば、本発明による複合材料は、好ましくは凝集体によって強化されたプラスチックであり、1つの凝集体はコーヒー豆の銀皮から得られる。プラスチック成分は、1つまたは複数のプラスチックから作製することができる。
【0020】
ポーションカプセル用の複合材料のための成分(充填剤)としての銀皮の使用は、以下のような様々な利点を有する。
【0021】
・コーヒーの生成、特にポーションカプセル用のコーヒーの生成からの廃棄物が、ポーションカプセル自体に使用される。したがって、特定の状況下で多大な努力を払って得られる成分(充填剤)を、廃棄物から(すなわち、銀皮から)得られる成分に置き換えることができる。したがって、ポーションカプセルを製造するための資源消費が低減される。さらに、置き換えられる成分を購入する必要がなく、したがって製造コストの削減が達成される。
【0022】
最後に、ポーションカプセルの製造場所付近の焙煎所では、輸送コストおよび輸送量、したがって輸送の環境への影響も低減することができる。
【0023】
・バイオ系、すなわち再生可能なポーションカプセルの割合が増加する。
・生分解性プラスチック成分を使用する場合、ポーションカプセルの生分解性は確保されたままである。
【0024】
したがって、使用済みポーションカプセル全体を堆肥化することもできる。したがって、非堆肥化可能部分からの堆肥化可能部分、例えば抽出生成物の分離が排除される。抽出生成物、特にコーヒーは、非常に良好に堆肥化することができ、特に栄養素含有量が増加した形態で、完成した堆肥に対してプラスの効果を有することが知られている。標準的なカプセルの場合、(空の)ポーションカプセルの材料は、典型的には、非堆肥化可能部分を形成する。
【0025】
・銀皮から成分を得ることは非常に簡単である。例えば、銀皮は、カフェイン除去および/または焙煎中に得ることができる。次に、成分の残留水分は、それを得ている間または得た直後に低減することができる。このようにして得られた銀皮はまた、非常に容易に機械的に粉砕することができる。
【0026】
本発明によるポーションカプセルは、外壁によって囲まれた内部空間を形成し、かつ抽出生成物を導入するための開口部を備える、ベース要素を備える。言い換えれば、ポーションカプセルは、抽出生成物を受け入れるために設置されたベース要素を備える。例えば、ベース要素は、閉鎖可能な開口部を含むカップまたはサックとして実装することができ、それによって抽出生成物をベース要素、すなわちベース要素によって形成された内部空間に導入することができる。例えば、ベース要素は、ベース領域および周方向側壁を備えることができる。
【0027】
本発明によるポーションカプセルの場合、ベース要素は複合材料を含み、複合材料の成分はコーヒーチェリーの銀皮から製造される(以下、「銀皮成分」)。すなわち、複合材料の成分は、コーヒーチェリーの銀皮から得られる。
【0028】
ベース要素は、特に、実質的に複合材料から作製することができる。ベース要素は、層(例えば、PVOHなどの拡散抑制層)、刻印、コードなどの形態のみでさらなる材料を含む。複合材料は、特に、ベース要素に形状および安定性を提供する材料である。
【0029】
銀皮成分を製造する場合、添加剤を排除することができる。すなわち、成分は、銀皮自体の材料のみを含むことができる。
【0030】
銀皮成分を製造することは、銀皮の粉砕、乾燥、および/または脱油などの加工工程を含むことができる。
【0031】
複合材料は、銀皮成分に加えてプラスチック成分を含む。複合材料は、結合剤などのさらなる成分および/または添加剤を含むことができる。
【0032】
原則として、銀皮成分およびプラスチック成分は、複合材料の質量の主要な割合を形成する。すなわち、銀皮成分およびプラスチック成分の質量割合は、複合材料の質量の90%超、特に95%超または98%超を構成することができる。
【0033】
銀皮成分の質量割合は、10%~70%、特に20%~60%、または25%~50%とすることができる。例えば、銀皮成分の質量割合は、30%、35%、40%、または45%とすることができる。値は指針であり、脂肪含有量および残留水分に応じて変動し得る。変動の範囲は、約+/-5%として示すことができる。
【0034】
プラスチック成分の質量割合は、複合材料の質量から添加剤の質量を差し引いた残りの部分を構成することができる。添加剤の質量は、典型的には数パーセント、例えば5%以下、すなわち、例えば4%、3%、2%、または1%以下、プラスチック成分の質量割合は、約25%~90%、35%~80%、または45%~75%とすることができる。例えば、プラスチック成分の質量割合は、65~70%、60~65%、55~60%、または50~55%とすることができる。添加剤の割合に加えて、銀皮成分の変動範囲も考慮しなければならない。
【0035】
銀皮は、銀皮成分を製造するために乾燥させることができる。銀皮は、特に5%未満、特に2%未満、1%未満、0.5%、0.2%、または0.1%未満の残留水分を有することができる。未加工の銀皮中の残留水分の質量割合は様々であり得、特にコーヒーの種類に依存し得る。調査により、例えば、アラビカ種の銀皮中の残留水分の質量割合は約7~8%であることが判明している(Borrelli RC,Esposito F,Napolitano A,Ritieni A,Fogliano V(2004)Characterization of a new potential functional ingredient:coffee silverskin.Journal of Agricultural and Food Chemistry 52(5):1338-1343)。
【0036】
銀皮は、銀皮成分を製造するために脱油することができる。銀皮は、特に10%未満、特に8%、6%、4%、または2%未満の脂肪割合を有することができる。
【0037】
未加工の銀皮中の脂肪割合は様々であり得、特にコーヒーの種類に依存し得る。調査により、例えば、アラビカ種の銀皮中の脂肪割合は比較的低い2~3%であることが判明している(Borrelli RC,Esposito F,Napolitano A,Ritieni A,Fogliano V(2004)Characterization of a new potential functional ingredient:coffee silverskin.Journal of Agricultural and Food Chemistry 52(5):1338-1343)。
【0038】
銀皮は、銀皮成分を製造するために粉砕することができる。粉砕された銀皮の最大の大きさは、特に1mm未満、特に0.75mmまたは0.5mm未満であり得る。例えば、最大の大きさは、0.01~1mm、0.01~0.5mm、または0.01~0.3mmであり得る。
【0039】
言うまでもなく、大量の銀皮を粉砕する場合、個々の粉砕された銀皮が上記のように最大の大きさを有することはできない。むしろ、銀皮は、銀皮成分が実質的に、すなわち、例えば90%で、上記の最大の大きさを有する銀皮を含む場合に粉砕されたと見なすことができる。
【0040】
銀皮は、特に機械的に粉砕することができる。
複合材料は、特に配合によって製造することができる。
【0041】
一実施形態では、ポーションカプセルは、開口部の周縁部に沿って取り付けられた、または取り付け可能なカプセルカバーを含む。すなわち、抽出生成物をベース要素に充填した後に開口部を閉鎖するためにカプセルカバーが設置され、すぐに使用できるポーションカプセルは、ベース要素およびカプセルカバーによって形成されたポーションカプセルの閉鎖された内部空間に抽出生成物が存在するように、カプセルカバーを有する。
【0042】
本実施形態では、ベース要素およびカプセルカバーの両方が複合材料を含むことが好ましい。
【0043】
ベース要素およびカプセルカバーの両方は、特に、実質的に複合材料から作製することができる。ベース要素およびカプセルカバーは、コーティング、刻印、コードなどの形態のみで(もしあれば)さらなる材料を含む。複合材料は、特に、ベース要素およびカプセルカバーに形状および安定性を提供する材料である。
【0044】
それにもかかわらず、ベース要素およびカプセルカバーは、その特性、特にその機械的特性が異なり得る。
【0045】
例えば、カプセルカバーは可撓性であり得るが、ベース要素は剛性である。あるいは、カプセルカバーおよびベース要素の両方を剛性にすることができる。
【0046】
カプセルカバーは、密封フィルムなどの単純なフィルムまたはプレートから変更することができ、3次元物体として実装することができ、例えば外向きドームを形成することができる。したがって、カプセルカバーは、剛性の3次元体を形成することができる。
【0047】
実施形態では、カプセルカバーは、周方向側壁への取り付け時に取り付け部分を形成する周方向カバーフランジから半径方向内側に外向きドームを形成することを特徴とし、周方向カバーフランジの寸法は、周方向側壁(またはベース要素)のカラー(縁部、フランジ)に適合する。したがって、本実施形態によるカプセルカバーは、平坦なカバー要素、例えばフィルム状またはプレート状のカバー要素とは区別される。カバーは、3次元的に形成された本体である。
【0048】
そのような実施形態におけるカプセルカバーの形状は、外側から内側にかけて、カバーフランジ、湾曲した移行領域、および実際の上部カバー表面を形成する中央平坦領域を備えることができる。そのような平坦領域は、ドームをもたらす移行領域に起因して、カバーフランジの平面から外側にオフセットされる。移行領域は、例えばS字形に湾曲することができ、またはフランジ平面に対してある角度で外側部分から中央の平坦領域まで絶えず湾曲することができる。それによって、その寸法は、例えば、中央の平坦な領域が、ベース領域の面積と同じサイズであるか、またはわずかに(例えば、最大10%)小さいという点で、光学的に優位になるように選択される。全体的な直方体または立方体形状としてのポーションカプセルの一実施形態では、特に平坦領域が直径の60%超、したがって面積の少なくとも40%を占めるようにすることができる。
【0049】
カバーフランジは一般に、カプセルカバー側に面し、かつフランジの外縁からドームの開始部まで延在する、周方向領域を形成する。いくつかの実施形態では、ドームの開始部は、フランジが周方向側壁と接触する側壁の部分と比較して内側にオフセットされるようにすることができる。そのようなオフセットは、例えば、最小0.2mmとすることができる。
【0050】
カプセルカバーは、穿孔することができる。多くの実施形態では、カプセルカバーは密封され、ベース要素はカプセルカバーと共に抽出生成物を完全に封入する。
【0051】
一実施形態では、ベース要素およびカプセルカバーは、形状のみが互いに異なる。すなわち、使用される材料、厚さなどは同一である。
【0052】
ベース要素およびカプセルカバーは、特に剛性であり得る。
ポーションカプセルは、具体的な実施態様に応じて、複合材料を含むかまたは複合材料で実質的に作製されたさらなる要素、例えば、スクリーン、カプセルを穿刺または引き裂くための手段、カプセル内の液体分布および/または液体流をチェックするための手段、および/または補強要素を備えることができる。
【0053】
一実施形態では、複合材料は生分解性である。
これは、特にプラスチック成分が生分解性であることを意味する。
【0054】
複合材料およびプラスチック成分は、特にEN13432(2019年末現在)および/またはASTM6400(2019年末現在)に従って生分解性であり得る。
【0055】
したがって、充填済みまたは空の未使用または使用済みポーションカプセルは、生分解性であり得る。これは、複合材料中の生分解性プラスチック成分および銀皮成分の質量割合が非常に高く、例えば95%または98%を超え、ポーションカプセル(抽出生成物なし)中の複合材料の質量割合も非常に高く、例えば95%または98%を超える場合に特に当てはまる。使用される添加剤、層、刻印なども生分解性であるか、または質量割合の点でほぼ無視できる場合、ポーションカプセルの生分解性はさらに良好であることは言うまでもない。
【0056】
ポーションカプセルは完全に生分解性であり得る。
プラスチック成分は、バイオプラスチックを含むことができ、またはバイオプラスチックから作製することができる。ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリラクチド(PLA)、ポリブチレンサクシネート(PBS)、ポリヒドロキシアルカノエート(ポリヒドロキシブチレート(PHB)などのPHA)、またはデンプン系プラスチックが適切なバイオプラスチックの例である。複数のバイオプラスチック、例えば上記の複数のバイオプラスチックを含むプラスチック成分が可能である。
【0057】
一実施形態では、複合材料は、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリラクチド(PLA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、またはこれらの材料の組み合わせ、特にポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)およびポリラクチド(PLA)を含むプラスチック成分を含む。
【0058】
プラスチック成分は、特に、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリラクチド(PLA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、またはこれらの材料の組み合わせ、特にポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)およびポリラクチド(PLA)から実質的にまたは排他的に(不可避の不純物を除いて)作製することができる。この場合、プラスチック成分は、上述の生分解性プラスチック成分である。
【0059】
好ましい実施形態では、プラスチック成分はPBATおよびPLAから作製される。
プラスチック成分は、特に、BASF製のEcoflex(登録商標)もしくはEcovio(登録商標)(好ましい)、または異なる名称で提供される同等のプラスチックであり得る。
【0060】
プラスチック成分がPVOHである場合、複合材料は、PVOH、銀皮成分、および多くとも追加の添加剤から作製することができ、銀皮成分は、複合材料の10%~50%、例えば20%~50%、または30%~50%の質量割合を構成することができる。
【0061】
一実施形態では、ベース要素はカップ状であり、長方形、特に正方形の基本形状を有する。
【0062】
言い換えれば、ベース要素は、開口部がそれに沿って延びるカップ軸を備える。次に、ベース要素は、カップ軸に垂直な断面において長方形、特に正方形の基本形状を有する。
【0063】
ベース要素は、直方体、特に立方体の形状を有することができ、直方体または立方体の片側は開いている。
【0064】
カプセルカバーは、直方体または立方体の開口部を囲む形状を有することができる。すなわち、カプセルカバーは、ベース要素によって形成される直方体または立方体の側面の形状(例えば、カプセルカバーの取り付けおよび/または機能に必要な要素を除く)を実質的に有することができる。
【0065】
実質的に複合材料(抽出生成物なし)で作製され、長方形、特に正方形、および直方体、特に立方体の基本形状を有するポーションカプセルは、飲料を調製するためのこの形状のポーションカプセルのために設定された既存のシステムに特によく適していることが分かっている。
【0066】
本発明の一態様によれば、ベース要素を含むポーションカプセルの製造方法がさらに利用可能になる。
【0067】
ベース要素は、前述の特性、特に組成、形状、および生分解性に関する特性の各々を含むことができる。
【0068】
本発明による方法は、
・複合材料を提供するステップと、
・複合材料をベース要素に再成形するステップと
を含み、
複合材料の成分は、コーヒーチェリーの銀皮から製造される(「銀皮成分」)。
【0069】
再成形は、特に射出成形または熱成形を含むことができる。押出などの他の再成形プロセスも考えられる。
【0070】
複合材料の提供は、銀皮成分、プラスチック成分、および少なくとも1つの添加剤の提供を含むことができる。
【0071】
銀皮成分、プラスチック成分、および添加剤は、上記の質量割合で提供され得る。
プラスチック成分は、上述のプラスチック成分のうちの1つであり得る。
【0072】
添加剤は、上述の添加剤の1つ、特に結合剤であり得る。
複合材料の提供は、配合を含むことができる。
【0073】
複合材料の提供は、銀皮を粉砕するステップ、銀皮を乾燥させるステップ、および銀皮を脱油するステップのうちの少なくとも1つを含むことができる。
【0074】
一実施形態では、銀皮成分を製造するために必要な銀皮は、コーヒー豆の焙煎中にコーヒー豆から分離され、銀皮は、ベース要素および多くともカプセルカバーを製造するための加工ラインに供給され、焙煎されたコーヒー豆は、抽出生成物を生成するための加工ラインに供給される。これに加えて、またはこれに代えて、銀皮は、カフェイン除去中に分離することができる。
【0075】
焙煎されたコーヒー豆は、特に、ベース要素を充填するための加工ラインに供給することができる。
【0076】
加工ラインは、焙煎(そして多くともカフェイン除去)の場所に完全に存在することができる。すなわち、加工ラインは、焙煎(および/またはカフェイン除去)のすぐ下流で始まり、加工され焙煎されたコーヒー豆を製造されたベース要素に焙煎位置で充填するところで終わる。次に、カプセルカバーによるポーションカプセルの密封を、同じ位置で行うことができる。
【0077】
分離された銀皮および焙煎されたコーヒー豆の対応する加工ラインへの供給は、自動化によって行うことができる。
【0078】
カプセルカバーが提供される実施形態では、上記で詳細に説明したカプセルカバーを特に提供することができる。
【0079】
ポーションカプセルの製造方法は、抽出生成物を提供することを含むことができる。
ポーションカプセルの製造方法は、抽出生成物をベース要素に充填することと、カプセルカバーによってベース要素を密封することとを含むことができる。
【0080】
本発明の1つの考察は、複合材料に関する。
複合材料は、特にポーションカプセル用の複合材料である。それにより、食品適合性、密封特性、耐熱性、圧力下での挙動、加工オプションなどに関する特定の要件が含まれる。
【0081】
本発明による複合材料は、第1の成分および第2の成分を含み、第1の成分はプラスチック(「プラスチック成分」)であり、第2の成分はコーヒーチェリーの銀皮(「銀皮成分」)から製造される。
【0082】
複合材料は、典型的には、銀皮成分およびプラスチック成分に加えて、少なくとも1つの添加剤を含む。
【0083】
銀皮成分、プラスチック成分、および添加剤は、上記の質量割合で複合材料中に存在することができる。
【0084】
プラスチック成分は、上述のプラスチック成分のうちの1つであり得る。
第1の成分、すなわちプラスチック成分は、特に生分解性成分、特にEN13432(2019年末現在)および/またはASTM6400(2019年末現在)による生分解性プラスチック成分であり得る。
【0085】
一実施形態では、第1の成分、すなわちプラスチック成分は、ポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)、ポリラクチド(PLA)、ポリビニルアルコール(PVOH)、またはこれらの材料の組み合わせ、特にポリブチレンアジペートテレフタレート(PBAT)およびポリラクチド(PLA)を含む。
【0086】
第1の成分(プラスチック成分)は、上述のようにPBAT、PLA、および/またはPVOHを含むことができる。
【0087】
第1の成分(プラスチック成分)は、汚染物質を除いて、特にPBATおよびPLAから作製することができる。
【0088】
第1の成分(プラスチック成分)は、特に、BASF製のEcoflex(登録商標)もしくはEcovio(登録商標)(好ましい)、または異なる名称で提供される同等のプラスチックであり得る。
【0089】
添加剤は、上述のような質量割合で上述の添加剤の1つであり得る。
複合材料は特に、配合された複合材料であり得る。すなわち、複合材料を製造することは配合を含むことができ、複合材料は、特にその構造に関して、それから生じる特性を有することができる。
【0090】
銀皮成分は、上述の「銀皮を粉砕する」、「銀皮を乾燥させる」、および「銀皮を脱油する」ステップの1つまたは複数から生じる方法で複合材料中に存在することができる。
【0091】
本発明の1つの考察は、ベース要素および任意選択的にカプセルカバーを製造するための、開示された実施形態のいずれかにおける本発明による複合材料の使用に関する。
【0092】
本発明はさらに、ポーションカプセルを製造するための、開示された実施形態のいずれかにおける本発明による複合材料の使用に関する。
【0093】
本発明の1つの考察は、上述の実施形態のうちの1つにおける本発明による複合材料の製造方法に関する。すなわち、本発明の1つの考察は、複合材料、特にポーションカプセル用の複合材料の製造方法に関する。
【0094】
複合材料の製造方法は、以下のステップを含む。
・第1の成分を提供するステップ。
【0095】
すなわち、上記のようなプラスチック成分が提供される。プラスチック成分は、特に、上記のように複合材料の量割合をもたらす量で提供される。
【0096】
プラスチック成分は、上述のプラスチック成分のうちの1つであり得る。
・第2の成分を提供するステップ。
【0097】
すなわち、上記のようにして銀皮成分が提供される。銀皮成分は、特に、上記のように複合材料の量割合をもたらす量で提供される。
【0098】
銀皮成分は、さらに、存在する銀皮残留物の最大の大きさに関して、または上記の水分含有量および/または脂肪割合に関して提供することができる。製造方法は、対応する粉砕ステップ、対応する乾燥ステップ、および/または対応する脱油ステップを含むことができる。
【0099】
・第1の成分および第2の成分を配合するステップ。
一実施形態では、複合材料の製造方法は、銀皮とコーヒー豆とを分離するステップを含む。分離は、特に焙煎中に行われる。この場合、焙煎プロセスは、銀皮の取得に続く別個の乾燥ステップがもはや必要でないように設定することができる。
【0100】
これに加えて、またはこれに代えて、分離は、カフェイン除去中に行うことができる。
複合材料の製造方法は、粉砕ステップをさらに含むことができる。
【0101】
複合材料の製造方法は、脱油ステップをさらに含むことができる。
以下、図面を用いて本発明の実施例を説明する。以下が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0102】
図1】ポーションカプセルを示す図である。
図2図1によるポーションカプセルのベース要素を示す図である。
図3図2によるベース要素に適合された、図1によるポーションカプセルのカプセルカバーを示す図である。
図4】すぐに消費できるコーヒーポーションカプセルの製造方法を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0103】
図中の同一の参照番号は、同一または類似の要素を示す。
図1による例示的なポーションカプセル1は、カップの形態のベース要素11(カップ軸15を有する)と、周方向フランジ14に沿って取り付けられ、外側カプセル壁を共に形成し、内部カプセル空間を画定するカプセルカバー21とを備える。ベース要素11は、それ自体知られているように、わずかにドーム状のカプセルベース16および周方向側壁12を形成する。
【0104】
ベース要素11およびカプセルカバー21は、コーヒーチェリーの銀皮から得られた成分と、結合剤が混合されたプラスチック成分と、から配合された複合材料から製造される。プラスチック成分は、BASF製のEcovio(登録商標)である。結合剤は、Licocene PP MA7452である。
【0105】
カプセルカバー21は、例えば超音波溶接によって、または場合により接着によって、既知の方法でベース要素11に取り付けられる。
【0106】
図2は、ベース要素11の詳細図を示す。ベース要素11は、カップ状であり、正方形の基本形状を有する。すなわち、ベース要素は実質的に立方体の形状を有し、立方体の六辺のうちの一辺が欠けており、開口部13を形成している。抽出生成物は、ベース要素の内部空間に、したがって開口部を介して内部カプセル空間に導入することができる。
【0107】
図示の実施形態では、カプセルカバー21を取り付けることができる周縁部14、丸みを帯びた縁部、および多くともわずかにドーム形の側面は、立方体の形状から逸脱している。
【0108】
図3は、カプセルカバー21の詳細図を示す。図示の実施形態では、カバーは、ベース要素11と同じ厚さを有する同じ複合材料で作られている。
【0109】
カプセルカバー21は、ベース要素11の縁部14に適合する周方向フランジ22を備え、それにより、カプセルカバー21は、適切に取り付けられたときにベース要素11を液密に密封することができる。
【0110】
図4は、すぐに消費できるポーションカプセルの製造方法を概略的に示す。銀皮の本発明による使用に加えて、様々な任意選択の特徴がスキーマに示されている。
【0111】
示されている方法は、コーヒーチェリーを提供することから始まる。コーヒー豆(コーヒーチェリーの種)はそこから得られる。コーヒー豆を得た後、銀皮はまだコーヒー豆を囲んでいる。
【0112】
次のステップでは、コーヒー豆を焙煎する。コーヒー豆は焙煎プロセスの開始時に膨張するため、銀皮はコーヒー豆から破裂する。
【0113】
銀皮は、次のステップでコーヒー豆から分離され、次に粉砕され、乾燥され(焙煎プロセスによっては不要)、多くとも脱油される。すなわち、銀皮から得られる材料が製造され、配合方法における成分として、および複合材料の成分として好適である。
【0114】
「銀皮成分」は、プラスチック成分、好ましくはEcovio(登録商標)などの生分解性プラスチック成分、および得られる複合材料の特性を改善するためのさらなる添加剤と混合(配合)される。
【0115】
次に、得られた複合材料は、ベース要素11および任意選択的にカプセルカバー21および/またはポーションカプセルの他の要素を形成するために使用される。得られた複合材料は、射出成形プロセスまたは熱成形に使用するのに特に適している。
【0116】
銀皮が分離された焙煎コーヒー豆もさらに加工され、抽出生成物が生成される。
コーヒー豆は、特に粉砕され、多くともカフェイン除去される。
【0117】
さらなるステップにおいて、このようにして得られた抽出生成物は、このようにして製造されたベース要素に充填される。
【0118】
最後に、抽出生成物で満たされたベース要素11は、方法中に製造されたカプセルカバー21によって閉鎖されるか、または例えば超音波溶接が施される。
【0119】
閉鎖後、ポーションカプセル1は利用可能であり、すぐに消費できる。
さらなるステップ、または中間ステップ、特に不透過性層、特に拡散防止層を適用するステップ、洗浄ステップ、ラベル貼付ステップなどが考えられる。
図1
図2
図3
図4
【国際調査報告】