(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】再装填可能カートリッジを備えた外科用ステープル留めデバイス
(51)【国際特許分類】
A61B 17/072 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
A61B17/072
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022551626
(86)(22)【出願日】2020-02-27
(85)【翻訳文提出日】2022-08-26
(86)【国際出願番号】 CN2020076917
(87)【国際公開番号】W WO2021168726
(87)【国際公開日】2021-09-02
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】512269650
【氏名又は名称】コヴィディエン リミテッド パートナーシップ
(74)【代理人】
【識別番号】100107489
【氏名又は名称】大塩 竹志
(72)【発明者】
【氏名】アハメド, サイード
(72)【発明者】
【氏名】ジャン, シニ
【テーマコード(参考)】
4C160
【Fターム(参考)】
4C160CC02
4C160CC09
4C160CC29
4C160MM32
(57)【要約】
外科用ステープル留めデバイス(10)は、取り外し可能または解放可能カートリッジアセンブリ(22,222,300)を含む。外科用ステープル留めデバイス(10)およびカートリッジアセンブリは、ステープル留めデバイス(10)のスラストバー(30、13、400)をカートリッジアセンブリ(22、222、300)のナイフアセンブリ(40、240、304)に解放可能に固定するための係合部材(62、72、162、172)を含む。ステープル留めデバイス(10)はまた、ナイフアセンブリ(40、240、304)がカートリッジアセンブリ(22、222、300)のカートリッジ本体(22a、222a、306)から係合解除されるのを防止し、かつステープル留めデバイス(10)が発射された後のカートリッジ本体(22a、222a、306)内でのナイフアセンブリ(40、240、304)の前進を妨害するための構造を含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ステープル留めデバイスであって、
近位部分および遠位部分を有し、クランプスライドアセンブリとスラストバーとを含む細長い本体であって、前記クランプスライドアセンブリが、後退位置から前進位置に移動可能であり、ポケットを画定する遠位部分を含み、前記スラストバーが、近位部分および遠位部分を有し、後退位置と前進位置との間で移動可能であり、前記スラストバーの前記遠位部分が、第1の係合部材を含む、細長い本体と、
ツールアセンブリであって、
前記細長い本体の前記遠位部分に支持されたアンビルと、
前記クランプスライドアセンブリの前記ポケット内で解放可能に支持され、後退位置と前進位置との間で前記アンビルに対して前記クランプスライドアセンブリとともに移動可能であるカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリが、カートリッジ本体とナイフアセンブリとを含み、前記カートリッジ本体が、空洞を画定しており、前記ナイフアセンブリが、前記カートリッジ本体の前記空洞内で後退位置と前進位置との間で移動可能であり、ナイフホルダーと前記ナイフホルダーに支持されたナイフブレードとを含み、前記ナイフホルダーが、第2の係合部材を含む近位部分を含んでおり、前記カートリッジアセンブリが前記ナイフアセンブリを前記スラストバーに固定するために前記クランプスライドアセンブリの前記ポケット内で支持されたときに、前記第2の係合部材が、前記第1の係合部材と係合するように配置される、カートリッジアセンブリと、を含む、ツールアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項2】
前記第1の係合部材および前記第2の係合部材が、一緒にスナップフィットされる、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項3】
前記第1の係合部材が、前記スラストバーの前記遠位部分に固定された支柱を含み、前記第2の係合部材が、前記ナイフアセンブリの前記ナイフホルダーに固定されたCクリップを含む、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項4】
前記支柱が、直径を有し、前記Cクリップの各々が、円形凹部と、前記円形凹部と連絡する幅を有する開口部とを画定する弾性アームとを含み、前記支柱の直径が、前記開口部の前記幅よりも大きい、請求項3に記載のステープル留めデバイス。
【請求項5】
前記ナイフホルダーが、近位対面チャネルと、前記近位対面チャネルに沿って配置される離間切り欠きとを画定し、前記Cクリップが、前記離間切り欠きの各々内で前記近位対面チャネルの両側に配置される、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項6】
前記第1の係合部材が、前記スラストバーの前記遠位部分の各側に形成された凹部を含み、前記第2の係合部材が、前記ナイフホルダーに支持された突起を含み、前記突起が、前記ナイフホルダーを前記スラストバーに固定するために前記凹部内に受容される、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項7】
前記ナイフホルダーが、離間弾性壁を含み、前記離間弾性壁の各々が、前記突起のうちの1つを支持する、請求項6に記載のステープル留めデバイス。
【請求項8】
前記突起が、前記離間弾性壁の間に画定された空間内に延在し、前記スラストバーの前記遠位部分が、前記離間弾性壁の間に受容される、請求項7に記載のステープル留めデバイス。
【請求項9】
前記カートリッジアセンブリの前記カートリッジ本体が、近位切り欠きおよび遠位切り欠きを画定し、前記近位切り欠きおよび前記遠位切り欠きが、互いに長手方向に整列され、前記遠位切り欠きが、細長い構成を有する、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項10】
前記ナイフアセンブリの前記ナイフホルダーが、互いに長手方向に整列された近位スナップおよび遠位スナップならびに前記近位切り欠きおよび前記遠位切り欠きを含み、前記カートリッジ本体内からの前記ナイフアセンブリの近位移動を妨害するために前記ステープル留めデバイスを発射する前に前記ナイフアセンブリが前記後退位置にあるときに、前記遠位スナップが、前記近位切り欠き内に受容される、請求項9に記載のステープル留めデバイス。
【請求項11】
前記ナイフアセンブリがその前進位置にあるときに、前記遠位切り欠きが、前記近位スナップおよび前記遠位スナップを受容する、請求項10に記載のステープル留めデバイス。
【請求項12】
前記ステープル留めデバイスの発射後に、前記ナイフアセンブリが前記後退位置にあるときに、前記遠位スナップが、前記遠位切り欠きに受容され、前記近位スナップが、前記近位切り欠きに受容されており、前記近位切り欠き内の前記近位スナップの受容が、前記カートリッジ本体の前記空洞内の前記ナイフアセンブリの遠位移動を妨害する、請求項11に記載のステープル留めデバイス。
【請求項13】
前記近位スナップが、三角形構成を有し、近位傾斜表面と遠位傾斜表面とを含み、前記遠位スナップが、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面と近位停止表面とを含む、請求項12に記載のステープル留めデバイス。
【請求項14】
固定ハンドルと、前記スラストバーをその後退位置と前進位置との間で移動させ、前記クランプスライドアセンブリをその後退位置と前進位置との間で移動させるために、前記固定ハンドルに対して移動可能である引き金とを有するハンドルアセンブリをさらに含む、請求項1に記載のステープル留めデバイス。
【請求項15】
前記遠位スナップが、前記スラストバーが前記ナイフホルダーとは独立してその後退位置に移動するように、前記スラストバーがその後退位置に移動する前に、前記ステープル留めデバイスの発射後の前記遠位切り欠きを画定する前記カートリッジ本体の一部に係合するように配置され、前記ナイフホルダーとは独立した前記スラストバーの移動が、前記スラストバーを前記ナイフホルダーから係合解除するために前記第1の係合部材および前記第2の係合部材の分離をもたらす、請求項10に記載のステープル留めデバイス。
【請求項16】
カートリッジアセンブリであって、
空洞および少なくとも1つの切り欠きを画定するカートリッジ本体と、
前記カートリッジ本体の前記空洞内で後退位置と前進位置の間で移動可能なナイフアセンブリであって、前記ナイフアセンブリが、前記ナイフホルダーと、前記ナイフホルダーに支持されたナイフブレードとを含み、前記ナイフホルダーが、互いに、かつ前記カートリッジ本体における前記少なくとも1つの切り欠きと長手方向に整列された近位スナップおよび遠位スナップを含み、前記遠位スナップおよび前記近位スナップが、三角形構成を有し、遠位傾斜表面を含み、前記ナイフアセンブリが後退位置、発射前後退位置にあるときに、前記カートリッジ本体内からの前記ナイフアセンブリの近位移動を妨害するために、前記遠位スナップが、前記少なくとも1つの切り欠き内で受容されて、前記カートリッジ本体と係合し、前記ナイフホルダーが発射後の後退位置にあるときに、前記ナイフアセンブリの近位移動を妨害するために、前記近位スナップが、前記少なくとも1つの切り欠き内に配置されて、前記カートリッジ本体に係合する、ナイフアセンブリと、を備える、カートリッジアセンブリ。
【請求項17】
前記少なくとも1つの切り欠きが、細長い構成を含み、前記ナイフアセンブリがその前進位置にあるときに、前記遠位切り欠きが、前記近位スナップおよび前記遠位スナップを受容する、請求項16に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項18】
前記少なくとも1つの切り欠きが、近位切り欠きと遠位切り欠きとを含み、前記遠位切り欠きが、細長い構成を有し、前記ステープル留めデバイスの発射後に、前記ナイフアセンブリが前記後退位置にあるときに、前記遠位スナップが、前記遠位切り欠きに受容され、前記近位スナップが、前記近位切り欠きに受容されており、前記近位切り欠き内の前記近位スナップの受容が、前記カートリッジ本体の前記空洞内の前記ナイフアセンブリの遠位移動を妨害する、請求項17に記載のカートリッジアセンブリ。
【請求項19】
ステープル留めデバイスであって、
近位部分および遠位部分を有し、クランプスライドアセンブリとスラストバーとを含む細長い本体であって、前記クランプスライドアセンブリが、後退位置から前進位置に移動可能であり、ポケットを画定する遠位部分を含み、前記スラストバーが、近位部分および遠位部分を有し、後退位置と前進位置との間で移動可能であり、前記スラストバーの前記遠位部分が、第1の係合部材を含む、細長い本体と、
ツールアセンブリであって、
前記細長い本体の前記遠位部分に支持されたアンビルと、
前記クランプスライドアセンブリの前記ポケット内で解放可能に支持され、後退位置と前進位置との間で前記アンビルに対して前記クランプスライドアセンブリとともに移動可能であるカートリッジアセンブリであって、前記カートリッジアセンブリが、カートリッジ本体とナイフアセンブリとを含み、前記カートリッジ本体が、空洞、近位切り欠き、および遠位切り欠きを画定しており、前記近位切り欠きおよび前記遠位切り欠きが、互いに長手方向に整列され、前記遠位切り欠きが、細長い構成を有し、前記ナイフアセンブリが、前記カートリッジ本体の前記空洞内で後退位置と前進位置との間で移動可能であり、ナイフホルダーと前記ナイフホルダーに支持されたナイフブレードとを含み、前記ナイフホルダーが、第2の係合部材を含む近位部分を含んでおり、前記カートリッジアセンブリが前記ナイフアセンブリを前記スラストバーに固定するために前記クランプスライドアセンブリの前記ポケット内で支持されたときに、前記第2の係合部材が、前記第1の係合部材と係合するように配置され、前記ナイフホルダーが、互いに、かつ前記カートリッジ本体における前記近位切り欠きおよび前記遠位切り欠きと長手方向に整列された近位スナップおよび遠位スナップをさらに含み、前記近位スナップが、三角形構成を有し、近位傾斜表面と遠位傾斜表面とを含み、前記遠位スナップが、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面と近位停止表面とを含み、前記カートリッジ本体内からの前記ナイフアセンブリの近位移動を妨害するために前記ステープル留めデバイスの発射前に前記ナイフアセンブリが前記後退位置にあるときに、前記遠位スナップが、前記近位切り欠き内に受容される、カートリッジアセンブリと、を含む、ツールアセンブリと、を備える、ステープル留めデバイス。
【請求項20】
固定ハンドルと、前記スラストバーをその後退位置と前進位置との間で移動させ、前記クランプスライドアセンブリをその後退位置と前進位置との間で移動させるために、前記固定ハンドルに対して移動可能である引き金とを有するハンドルアセンブリをさらに含む、請求項19に記載のステープル留めデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本技術は、概して、外科用ステープル留めデバイス、より具体的には、装填可能ステープルカートリッジを備えた外科用ステープル留めデバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
圧縮された生体組織を通してステープルの列を適用するための外科用ステープル留めデバイスは、当技術分野において公知であり、切断または切除処置中の器官の閉鎖のため、および胸部または腹部処置中の器官の閉塞のために一般的に使用される。そのようなステープル留めデバイスは、器官へのステープルの列の適用と同時に、器官を切断または切除するためのナイフを含む。
【0003】
典型的には、ステープル留めデバイスは、アンビルアセンブリとカートリッジアセンブリとを含むツールアセンブリを含む。ツールアセンブリは、円形、湾曲、および線形を含む様々な構成で、ならびにツールアセンブリがステープル留めデバイスの長手方向軸と長手方向に整列される配向、およびツールアセンブリがステープル留めデバイスの長手方向軸に対して横向きである配向を含む様々な配向で利用可能である。
【0004】
横向きに配向されたツールアセンブリを備えたステープル留めデバイスは、カートリッジアセンブリを受容し、支持する遠位部分を有するクランプスライド機構を含み得る。カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に装填されるとき、ステープル留めデバイスが発射された後にナイフアセンブリがカートリッジアセンブリ内に隠された位置に完全に後退し得ることを確実にするために、ナイフアセンブリがステープル留めデバイスにしっかりと結合されることが重要である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0005】
本開示の態様は、概して、取り外し可能または解放可能カートリッジアセンブリを含む、外科用ステープル留めデバイスに関する。外科用ステープル留めデバイスおよびカートリッジアセンブリは、ステープル留めデバイスのスラストバーをカートリッジアセンブリのナイフアセンブリに解放可能に固定するための係合部材を含む。ステープル留めデバイスはまた、使用前にナイフアセンブリがカートリッジアセンブリのカートリッジ本体から係合解除されるのを防止し、かつステープル留めデバイスが発射された後のナイフアセンブリの前進を妨害するための構造を含む。
【0006】
本開示の一態様は、細長い本体とツールアセンブリとを含む外科用ステープル留めデバイスを対象とする。細長い本体は、近位部分および遠位部分を有し、クランプスライドアセンブリとスラストバーとを含む。クランプスライドアセンブリは、後退位置から前進位置まで移動可能であり、ポケットを画定する遠位部分を含む。スラストバーは、近位部分および遠位部分を有し、後退位置と前進位置の間で移動可能である。スラストバーの遠位部分は、第1の係合部材を含む。ツールアセンブリは、アンビルとカートリッジアセンブリとを含む。アンビルは、細長い本体の遠位部分に支持される。カートリッジアセンブリは、クランプスライドアセンブリのポケット内で解放可能に支持され、後退位置と前進位置との間でアンビルに対してクランプスライドアセンブリとともに移動可能である。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体とナイフアセンブリとを含む。カートリッジ本体は、空洞を画定する。ナイフアセンブリは、カートリッジ本体の空洞内で後退位置と前進位置との間で移動可能であり、ナイフホルダーと、ナイフホルダーに支持されたナイフブレードとを含む。ナイフホルダーは、第2の係合部材を有する近位部分を含む。第2の係合部材は、カートリッジアセンブリがナイフアセンブリをスラストバーに固定するためにクランプスライドアセンブリのポケット内で支持されたときに、第1の係合部材と係合するように配置される。
【0007】
本開示の他の態様は、カートリッジ本体とナイフアセンブリとを含むカートリッジアセンブリを対象とする。カートリッジ本体は、空洞、近位切り欠き、および遠位切り欠きを画定する。近位切り欠きおよび遠位切り欠きは、互いに長手方向に整列され、遠位切り欠きは、細長い構成を有する。ナイフアセンブリは、カートリッジ本体の空洞内で後退位置と前進位置との間で移動可能であり、ナイフホルダーと、ナイフホルダーに支持されたナイフブレードとを含む。ナイフホルダーは、互いに、かつカートリッジ本体における近位切り欠きおよび遠位切り欠きと長手方向に整列された近位スナップおよび遠位スナップを含む。近位スナップは、三角形構成を有し、近位傾斜表面と遠位傾斜表面とを含み、遠位スナップは、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面と近位停止表面とを含む。遠位スナップは、カートリッジ本体内からのナイフアセンブリの近位移動を妨害するためにステープル留めデバイスを発射する前にナイフアセンブリが後退位置にあるときに、近位切り欠き内に受容される。
【0008】
本開示の他の態様は、細長い本体とツールアセンブリとを含むステープル留めデバイスを対象とする。細長い本体は、近位部分および遠位部分を有し、クランプスライドアセンブリとスラストバーとを含む。クランプスライドアセンブリは、後退位置から前進位置まで移動可能であり、ポケットを画定する遠位部分を含む。スラストバーは、近位部分および遠位部分を有し、後退位置と前進位置の間で移動可能である。スラストバーの遠位部分は、第1の係合部材を含む。ツールアセンブリは、アンビルと、カートリッジアセンブリとを含む。アンビルは、細長い本体の遠位部分に支持される。カートリッジアセンブリは、クランプスライドアセンブリのポケット内で解放可能に支持され、後退位置と前進位置との間でアンビルに対してクランプスライドアセンブリとともに移動可能である。カートリッジアセンブリは、カートリッジ本体とナイフアセンブリとを含む。カートリッジ本体は、空洞、近位切り欠き、および遠位切り欠きを画定する。近位切り欠きおよび遠位切り欠きは、互いに長手方向に整列され、遠位切り欠きは、細長い構成を有する。ナイフアセンブリは、カートリッジ本体の空洞内で後退位置と前進位置との間で移動可能であり、ナイフホルダーと、ナイフホルダーに支持されたナイフブレードとを含む。ナイフホルダーは、第2の係合部材を有する近位部分を含む。第2の係合部材は、カートリッジアセンブリがナイフアセンブリをスラストバーに固定するためにクランプスライドアセンブリのポケット内で支持されたときに、第1の係合部材と係合するように配置される。ナイフホルダーは、互いに、かつカートリッジ本体における近位切り欠きおよび遠位切り欠きと長手方向に整列された近位スナップおよび遠位スナップをさらに含む。近位スナップは、三角形構成を有し、近位傾斜表面と遠位傾斜表面とを含む。遠位スナップは、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面と近位停止表面とを含む。遠位スナップは、カートリッジ本体内からのナイフアセンブリの近位移動を妨害するためにステープル留めデバイスを発射する前にナイフアセンブリが後退位置にあるときに、近位切り欠き内に受容される。
【0009】
本開示の態様では、第1の係合部材および第2の係合部材は、一緒にスナップフィットされる。
【0010】
本開示のいくつかの態様では、第1の係合部材は、スラストバーの遠位部分に固定された支柱を含み、第2の係合部材は、ナイフアセンブリのナイフホルダーに固定されたCクリップを含む。
【0011】
本開示の特定の態様では、Cクリップの各々は、円形凹部と、円形凹部と連絡する幅を有する開口部とを画定する弾性アームとを含み、支柱の直径は、開口部の幅よりも大きい。
【0012】
本開示の態様では、ナイフホルダーは、近位対面チャネルと、近位対面チャネルに沿って配置される離間切り欠きとを画定し、Cクリップは、離間切り欠きの各々内で近位対面チャネルの両側に配置される。
【0013】
本開示のいくつかの態様では、第1の係合部材は、スラストバーの遠位部分の各側に形成された凹部を含み、第2の係合部材は、ナイフホルダーに支持された突起を含む。突起は、ナイフホルダーをスラストバーに固定するために凹部内に受容される。
【0014】
本開示の特定の態様では、ナイフホルダーは、突起を支持する離間弾性壁を含む。
【0015】
本開示の態様では、突起は、離間弾性壁の間に配置され、スラストバーの遠位部分は、離間弾性壁の間に受容される。
【0016】
本開示のいくつかの態様では、カートリッジアセンブリのカートリッジ本体は、互いに長手方向に整列された近位切り欠きおよび遠位切り欠きを画定する。
【0017】
本開示の特定の態様では、遠位切り欠きは、細長い構成を有する。
【0018】
本開示の態様では、ナイフアセンブリのナイフホルダーは、互いに長手方向に整列された近位スナップおよび遠位スナップならびに近位切り欠きおよび遠位切り欠きを含み、遠位スナップは、カートリッジ本体内からのナイフアセンブリの近位移動を妨害するためにステープル留めデバイスを発射する前にナイフアセンブリが後退位置にあるときに、近位切り欠き内に受容される。
【0019】
本開示のいくつかの態様において、遠位切り欠きは、ナイフアセンブリがその前進位置にあるときに、近位スナップおよび遠位スナップを受容する。
【0020】
本開示の特定の態様では、ステープル留めデバイスの発射後に、ナイフアセンブリが後退位置にあるときに、遠位スナップは、遠位切り欠きに受容され、近位スナップは、近位切り欠きに受容される。近位切り欠き内の近位スナップの受容は、カートリッジ本体の空洞内のナイフアセンブリの遠位移動を妨害する。
【0021】
本開示の態様では、近位スナップは、三角形構成を有し、近位傾斜表面と遠位傾斜表面とを含み、遠位スナップは、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面と近位停止表面とを含む。
【0022】
本開示のいくつかの態様では、ステープル留めデバイスは、固定ハンドルと、スラストバーをその後退位置と前進位置との間で移動させ、クランプスライドアセンブリをその後退位置と前進位置との間で移動させるために、固定ハンドルに対して移動可能である引き金とを有するハンドルアセンブリを含む。
【0023】
本開示の特定の態様では、遠位スナップは、スラストバーがナイフホルダーとは独立してその後退位置に移動するように、スラストバーがその後退位置に移動する前に、ステープル留めデバイスの発射後の遠位切り欠きを画定するカートリッジ本体の一部に係合するように配置され、ナイフホルダーとは独立したスラストバーのそのような移動は、スラストバーをナイフホルダーから係合解除するために第1の係合部材および第2の係合部材の分離をもたらす。
【0024】
本開示の他の特徴は、以下の説明から理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0025】
本開示の様々な態様は、図面を参照して、本明細書で以下に説明される。
【0026】
【
図1】本開示の様々な態様を含む外科用ステープル留めデバイスの側面斜視図である。
【
図2】
図1に示される外科用ステープル留めデバイスのカートリッジアセンブリの側面斜視である。
【
図3】カートリッジアセンブリがツールアセンブリから取り外された、
図1に示される外科用ステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視である。
【
図4】ナイフアセンブリがスラストバーから分離された、
図1に示される外科用ステープル留めデバイスのスラストバーおよびナイフアセンブリの遠位部分の側面斜視図である。
【
図5】ナイフアセンブリがスラストバーに結合された、
図1に示される外科用苗木デバイスのスラストバーおよびナイフアセンブリの側面斜視図である。
【
図6】
図5に示される詳細指示領域の拡大図である。
【
図7】部品が分離された、
図1に示される外科用ステープル留めのナイフアセンブリおよびスラストバーの、他の代替態様の側面斜視図である。
【
図8】一緒に結合された
図7に示されるナイフアセンブリおよびスラストバーの側面斜視図である。
【
図9】
図8の切断線9-9に沿って切り取られた断面図である。
【
図10】ナイフアセンブリがカートリッジ本体から分離された、
図1に示される外科用ステープル留めデバイスのカートリッジアセンブリの他の態様の側面斜視図である。
【
図12】
図1に示される外科用ステープル留めデバイスの遠位部分に支持され、発射前の後退位置にある、
図10に示されるカートリッジアセンブリの側面斜視図である。
【
図13】
図12の切断線13-13に沿って切り取られた断面図である。
【
図14】外科用ステープル留めデバイスがクランプされて発射位置に移動された後の、
図12の切断線13-13に沿って切り取られた断面図である。
【
図15】外科用ステープル留めデバイスが発射された後の後退位置にある、
図10に示される外科用ステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
【
図16】
図15の切断線16-16に沿って切り取られた断面図である。
【
図17】ステープル留めデバイスが後退された、未発射位置にあるステープル留めデバイス上に支持された別のバージョンのカートリッジアセンブリを含む、
図1に示される外科用ステープル留めデバイスの遠位部分の側面斜視図である。
【
図17A】
図17に示されるカートリッジアセンブリの側面斜視分解図である。
【
図17B】
図17に示されるカートリッジアセンブリのナイフホルダーの側面断面図である。
【
図19】ステープル留めデバイスが後退された、発射前位置にある、
図17の切断線19-17に沿って切り取られた断面図である。
【
図21】ステープル留めデバイスが後退された、発射前位置にある、
図17の切断線19-19に沿って切り取られた断面図である。
【
図22】ステープル留めデバイスが発射位置にある、
図17の切断線19-19に沿って切り取られた断面図である。
【
図23】ステープル留めデバイスが発射されて後退位置にある、
図17の切断線19-19に沿って切り取られた断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
ここで、本開示の外科用ステープル留めデバイスについて、図面を参照して詳細に記載し、図面では、同様の参照番号は、いくつかの図の各々において同一または対応する要素を示す。しかしながら、本開示の態様は、本開示の単なる例示に過ぎず、様々な形態で具現化され得ることを理解されたい。既知の機能または構成は、不必要な詳細で本開示を曖昧にすることを避けるために、詳細には記載されない。ゆえに、本明細書で開示される特定の構造的および機能的な詳細は、限定として解釈されるべきではなく、単に特許請求の範囲の基礎として、かつ本開示を実質的に任意の適切な詳細構造に様々に用いることを当業者に教示するための代表的な基礎として解釈されるべきである。加えて、前方、後方、上方、下方、上部、底部、遠位、近位、および同様の用語などの方向を示す用語は、説明の理解を助けるために使用され、本開示を限定することを意図しない。
【0028】
本明細書では、「近位」という用語は概して、臨床医に近い方のデバイスの当該部分を指すために使用されるのに対し、「遠位」という用語は概して、臨床医から遠い方のデバイスの当該部分を指すために使用される。加えて、「臨床医」という用語は普通、医師、看護師、および支援要員を含む医療従事者を指すために使用される。
【0029】
開示された外科用ステープル留めデバイスは、クランプスライドアセンブリと、アンビルアセンブリおよびカートリッジアセンブリを含むツールアセンブリと、を有する。カートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリの交換および外科用ステープル留めデバイスの再利用を容易にするために、クランプスライドアセンブリ上で解放可能に支持される。クランプスライドアセンブリは、離間位置とクランプ位置との間でアンビルアセンブリに対してカートリッジアセンブリを移動させるために、外科用ステープル留めデバイス内で移動可能である。外科用ステープル留めデバイスは、スラストバーを含み、カートリッジアセンブリは、カートリッジアセンブリがクランプスライドアセンブリ上に配置されるときに、スラストバーに結合されるナイフアセンブリを含む。スラストバーおよびナイフアセンブリは、ナイフアセンブリをスラストバーに固定するように構成された係合構造を含み、ナイフアセンブリの後退中にナイフアセンブリがスラストバーと係合したままであることを可能にするが、カートリッジアセンブリの交換中にナイフアセンブリの分離を可能にする。
【0030】
図1は、概して、ステープル留めデバイス10として示される、本開示の外科用ステープル留めデバイスを例解する。ステープル留めデバイス10は、ハンドルアセンブリ12と、長手方向軸「Y」を画定する細長い本体14と、ツールアセンブリ16と、を含む。ハンドルアセンブリ12は、固定ハンドル18と、ツールアセンブリ16を作動させるように、固定ハンドル18に対して移動可能である、引き金20とを含む。ツールアセンブリ16は、細長い本体14の長手方向軸「Y」に対して横向きである軸を画定するステープルカートリッジアセンブリ22およびアンビルアセンブリ24を含む。カートリッジアセンブリ22は、細長い本体14の遠位端部分上に支持されるカートリッジ本体20aを含み、離間位置(
図1)とクランプ位置との間でアンビルアセンブリ24に対して移動可能である。クランプ位置では、カートリッジアセンブリ22は、アンビルアセンブリ24と並列に整列される。本開示のいくつかの態様では、カートリッジアセンブリ22およびアンビルアセンブリ24は、患者の特定の解剖学的領域へのアクセスを容易にするために、それらの横軸に沿って湾曲している。
【0031】
本開示の態様では、細長い本体14は、ハンドルアセンブリ12からツールアセンブリ16まで延在する離間フレーム部材26を含む。フレーム部材26は、スラストバー30およびクランプスライドアセンブリ32(
図2)を受容する細長いチャネル28を画定する。クランプスライドアセンブリ32は、カートリッジアセンブリ22を受容する湾曲ポケット36(
図2)を画定する遠位部分34(
図2)を含む。クランプスライドアセンブリ32は、離間位置とクランプ位置との間でアンビルアセンブリ24に対してカートリッジアセンブリ22を移動させるために、引き金20の作動に応答して、フレーム部材26によって画定される細長いチャネル28内を後退位置と前進位置との間で移動できる。スラストバー30は、カートリッジアセンブリ22からステープルを排出するために、同じく引き金20の作動に応答して、細長いチャネル28内を後退位置と前進位置との間で移動可能である。米国特許第6,817,508号は、ハンドルアセンブリ、クランプスライドアセンブリ、およびスラストバーの例示的な態様を含む外科用ステープル留めデバイスを開示する。
【0032】
図2および3は、カートリッジアセンブリ22がクランプスライドアセンブリ32から分離され、スラストバー30およびクランプスライドアセンブリ32が後退位置にある(
図3)、ツールアセンブリ16を含む外科用ステープル留めデバイス10の遠位部分を例解する。例解されるように、スラストバー30の遠位部分30aは、クランプスライドアセンブリ32およびスラストバー30がそれらの後退位置にあるときに、クランプスライドアセンブリ32によって画定される湾曲ポケット36内に配置される。
【0033】
図4は、スラストバー30の遠位部分30aと、ナイフアセンブリ40がスラストバー30から分離されたカートリッジアセンブリ22のナイフアセンブリ40とを例解する。カートリッジ本体22a(
図2)は、ナイフアセンブリ40がカートリッジ本体22aの空洞46内で後退位置から前進位置に移動できるように、ナイフアセンブリ40を受容する空洞46を画定する。
【0034】
ナイフアセンブリ40は、ナイフブレード50と、ナイフホルダー52とを含む。ナイフアセンブリ50は、近位部分54と、遠位部分56とを含む。ナイフブレード52は、ナイフホルダー50の遠位部分54に固定される。ナイフホルダー50の近位部分56は、近位対面チャネル58と、チャネル58の両側に隣接して配置された離間切り欠き60とを画定する。ナイフホルダー50の近位部分56は、近位対面チャネル58の両側の切り欠き60の各々に配置された係合部材62を含む。本開示の態様では、係合部材62の各々は、円形凹部66を画定する弾性アーム64を含むCクリップを形成する。
【0035】
スラストバー30の遠位部分30aは、係合部材72を支持する本体70を含む。本開示の態様では、スラストバー30の本体70上の係合部材72の各々は、スラストバー30の側面から延在し、カートリッジアセンブリ22がクランプスライドアセンブリ30の遠位部分34上の湾曲ポケット36に挿入されるときに、ナイフホルダー50のCクリップ62内に受容されるように配置された支柱またはピン72を含む。
【0036】
図5および6は、スラストバー30の遠位部分30aに結合されるナイフホルダー50を例解する。カートリッジアセンブリ22(
図2)をクランプスライドアセンブリ32(
図3)に固定するために、カートリッジアセンブリ32は、まず、ナイフホルダー50のCクリップ62がスラストバー30の支柱72と整列される位置まで湾曲ポケット36内に横向きに挿入される。Cクリップ62が支柱72と整列されると、カートリッジアセンブリ22は、ナイフホルダー50のCクリップ62をスラストバー30の支柱72と係合するように移動するために、クランプスライドアセンブリ32の湾曲ポケット36内でスラストバー30に向かって近位方向に移動される。
図6に例解されるように、支柱72の直径は、Cクリップ62への開口部の幅「W」よりも大きい。そのため、Cクリップ62が支柱72に係合するときに、Cクリップ62の可撓性アーム64は、支柱72がCクリップ62の円形凹部66内に受容されることを可能にするために、外向きに屈曲する。支柱72がCクリップ62の円形凹部66内に受容されるときに、可撓性アーム64は、ナイフホルダー50をスラストバー30に固定するために、それらの変形していない位置にスナップバックする。組み立てられた構成では、スラストバー30の遠位部分30aは、ナイフホルダー50の近位対面チャネル58内に受容される。
【0037】
図7~9は、概して、ナイフホルダー150およびスラストバー130として示される、
図1に示されるステープル留めデバイスのナイフホルダーおよびスラストバーの代替バージョンを例解する。ナイフホルダー150は、係合部材62が変更されていることを除いて、ナイフアセンブリ40(
図4)と実質的に同一であるナイフアセンブリ140の一部を形成するより具体的には、ナイフホルダー150上の係合部材162の各々は、スラストバー130の遠位部分130aを受容するためのスロット166を画定する一対の離間弾性壁164を含む。離間壁の各壁164は、それぞれの壁164の各々からスロット166内に内側に突出する突起164aを含む。本開示の態様では、突起164aは、他の形状が想定されるが、形状が球形であり得る。
【0038】
スラストバー130はまた、係合部材72が変更されることを除いて、スラストバー30と実質的に同一である。より具体的には、スラストバー130の遠位部分130a上の係合部材172は、スラストバー130の遠位部分の両側に形成された凹部174を含む。本開示の特定の態様では、スラストバー130の両側にある凹部174は、スラストバー130の遠位部分130aに形成された貫通ボアによって形成され得る。代替的に、凹部174は、互いに連絡しない直径方向に対向する凹部によって形成され得る。
【0039】
カートリッジアセンブリ22は、上で記載されたのと同じ方法でクランプスライドアセンブリ32に固定されるより具体的には、カートリッジアセンブリ22(
図2)が、クランプスライドアセンブリ32によって画定される湾曲ポケット36(
図3)内で近位方向に移動されるときに、スラストバー130の遠位部分130aは、ナイフホルダー150の係合部材162がスラストバー130の係合部材172と整列する位置にあるナイフホルダー150の近位対面チャネル158(
図7)に受容される。カートリッジアセンブリ122(
図2)がスラストバー130に対して近位方向に移動されると、スラストバー130の遠位部分130aは、係合部材162の弾性壁164の間に画定されたスロット166内を移動する。ナイフホルダー150の突起164aがスラストバー130の遠位部分130aと係合するときに、壁164は、外向きに屈曲して、突起164aがスラストバー130の遠位部分130aを通過して、スラストバー130の遠位部分130aに形成された凹部174にスナップすることができるようにする。スラストバー130の凹部174内のナイフホルダー150の突起164aの受容は、ナイフホルダー150をスラストバー130に結合する。
【0040】
図10~16は、カートリッジアセンブリ222として概して示されるステープル留めデバイス10(
図1)のカートリッジアセンブリの代替バージョンを例解する。カートリッジアセンブリ222は、ナイフアセンブリ240と、カートリッジ本体222aとを含む。カートリッジアセンブリ222およびナイフホルダー250は、カートリッジアセンブリ222の発射前にカートリッジ本体222a内にナイフアセンブリ240を保持し、臨床医の傷害を防止するためにカートリッジアセンブリ222の発射後にナイフアセンブリ240を後退位置に保持する構造を含む。
【0041】
図10および11は、ナイフアセンブリ240がカートリッジアセンブリ222のカートリッジ本体222aから分離された、カートリッジアセンブリ222の斜視図を例解する。ナイフアセンブリ240は、ナイフアセンブリ40(
図4)に関して実質的に上で記載されたとおりであり、ナイフホルダー250と、ナイフホルダー250の遠位部分に固定されたナイフブレード252とを含む。ナイフホルダー250は、遠位スナップ256および近位スナップ258を含む2つの長手方向に整列されたスナップを含む外面を有する本体254を含む。本開示の態様では、近位スナップ258(
図11)は、三角形構成を有し、近位傾斜表面260と遠位傾斜表面262とを含み、遠位スナップ256(
図11)は、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面264と垂直停止表面266とを含む。
【0042】
カートリッジ本体222aは、ナイフアセンブリ240がカートリッジ本体22aの空洞246内で後退位置(
図13)と前進位置(
図14)との間を移動できるように、ナイフアセンブリ240を受容する空洞246を画定する。カートリッジ本体222aは、互いに長手方向に整列された近位切り欠き270および遠位切り欠き274を画定する。遠位切り欠き274は、近位スナップ258および遠位スナップ256を同時に受容するように配置された細長いスロットを画定する。近位切り欠き270は、近位スナップ258および遠位スナップ256のうちの1つを一度に受容するように寸法決めされる。
【0043】
図12および13は、カートリッジアセンブリ222が後退位置、発射前位置にある、ステープル留めデバイス10(
図1)のツールアセンブリ16を例解する。発射前位置では、ナイフアセンブリ240は、カートリッジ本体222aの空洞246内でステープルプッシャー276の近位に配置される。ステープル留め技術では公知であるように、ステープルプッシャー276は、ステープルカートリッジ282からステープル284を排出するために、ステープルカートリッジ282内に画定されたチャネル280を通って移動するフィンガー278(
図13)を含む。発射前位置では、遠位スナップ256は、遠位スナップ256の近位側の停止表面266がカートリッジ本体222aと係合するように、近位切り欠き270内に受容される。遠位スナップ256の停止表面266とカートリッジ本体222aとの間の係合は、ナイフアセンブリ240がカートリッジ本体222aの空洞246から落下するのを防止するために、カートリッジ本体222aの空洞246内でのナイフアセンブリ240の近位移動を妨害する。
【0044】
図14は、カートリッジアセンブリ222がクランプされて発射位置にある、ステープル留めデバイス10のツールアセンブリ16を例解する。クランプされた発射位置では、ステープルプッシャー276およびナイフアセンブリ240は、ステープルプッシャー276のフィンガー278がステープルカートリッジ282のチャネル280を通って延在し、ナイフブレード252がアンビルアセンブリ24内に延在している状態で、カートリッジ本体222aの空洞246内のそれらの前進位置にある。この位置では、遠位スナップ256および近位スナップ258は両方とも、カートリッジアセンブリ222のカートリッジ本体222aに形成された細長い切り欠き272内に配置される。
【0045】
図15および16は、デバイス10が発射され、カートリッジアセンブリ222が後退位置に戻された後の、ステープル留めデバイス10(
図1)のツールアセンブリ16を例解する。この位置では、ナイフアセンブリ240は、ナイフブレード252が、臨床医を傷害から保護するためにカートリッジ本体222a内に凹むように、カートリッジ本体222aの空洞246内のその後退位置にある。遠位スナップ256は、遠位切り欠き272に配置され、近位スナップ258は、近位切り欠き270に配置される。上で論じられたように、遠位スナップ256の停止表面266は、カートリッジ本体222aと係合して、ナイフアセンブリ240がカートリッジ本体222aによって画定される空洞246の近位端から落下するのを防止する。加えて、近位切り欠き270に配置された近位スナップ258は、ナイフブレード252がカートリッジアセンブリ222のカートリッジ本体222aから遠位に移動して臨床医にさらされることになる可能性を最小限に抑えるために、カートリッジ本体222の空洞246内のナイフアセンブリ240の遠位移動を妨害する。
【0046】
遠位スナップ256は、スラストバー30、130(
図4および7)が完全に後退する前に、カートリッジ本体222と係合するように配置されることにも留意されたい。そのため、ナイフアセンブリ240は、スラストバー30、130が後退し続けると、近位方向に移動することから妨害される。スラストバー30、130とナイフアセンブリ240との間のこの相対的移動は、スラストバー130とナイフホルダー250の分離を容易にするために、スラストバー130の凹部174からのナイフホルダー150の突起164aの係合解除(またはナイフホルダー50の係合部材62とスラストバー30の支柱72の分離)をもたらす。
【0047】
図17~23は、カートリッジアセンブリ300として概して示されるステープル留めデバイス10(
図1)の取り外し可能カートリッジアセンブリの代替バージョンを例解する。
図17~18は、ステープルプッシャー302(
図17A)と、ナイフアセンブリ304(
図17A、およびカートリッジ本体306とを含むカートリッジアセンブリ300を例解する。カートリッジ本体306は、空洞308内の後退位置と前進位置との間の移動のために、ステープルプッシャー302およびナイフアセンブリ304を受容する空洞308(
図20)を画定する。カートリッジ本体306は、中央ナイフスロット310と、ナイフスロット310の各側に配置された複数のステープルポケット312とを画定する。ステープルポケット312の各々は、ステープル(図示せず)を受容する。ナイフアセンブリ304(
図20)は、ナイフホルダー316と、ナイフホルダー316に固定されるナイフブレード318とを含む。ナイフアセンブリ304がその後退位置からその前進位置に移動するときに、ナイフブレード318は、カートリッジ本体306(
図20)によって遮蔽された位置から、ナイフスロット310(
図22)を通ってカートリッジ本体306から突出する位置に移動する。ステープルプッシャー302は、ステープルポケット312と整列されるフィンガー320を含む。ステープルプッシャー302がその後退位置からその前進位置に移動されるときに、ステープルプッシャー302のフィンガー320は、ステープルポケット312を通って移動して、カートリッジ本体306からステープル(図示せず)を排出する。
【0048】
ナイフホルダー316は、カートリッジアセンブリ300がステープル留めデバイス10(
図1)に結合されるときに、スラストバー400上の支柱402(
図17A)に係合して、ナイフホルダー316をスラストバー400に結合するスナップ特徴329を含む。当技術分野において公知であるように、スラストバー400は、ナイフアセンブリ304をその後退位置と前進位置との間で移動させるために、後退位置と前進位置との間で移動可能である。例示的なスラストバーの動作および構造の記載については、例えば、‘508特許を参照されたい。
【0049】
カートリッジアセンブリ300およびナイフホルダー316は、カートリッジアセンブリ300の発射前にカートリッジ本体306内にナイフアセンブリ304を保持し、臨床医の傷害を防止するためにカートリッジアセンブリ300の発射後にナイフアセンブリ304を後退位置に保持し、ステープル留めデバイス10が発射された後のナイフホルダー316の後退時にナイフホルダー316からのスラストバー400の分離をもたらす構造を含む。
【0050】
ナイフホルダー316は、遠位スナップ330および近位スナップ332を含む2対の長手方向に整列されたスナップ(1つのみが示される)を含む外面316a(
図17A)を有する。スナップの1対は、ナイフホルダー316の各側に配置される。本開示の態様では、遠位スナップ330および近位スナップ332の各々(
図17B)は、直角三角形構成を有し、遠位傾斜表面334と垂直停止表面336とを含む。
【0051】
カートリッジ本体306は、切り欠き340を画定し、切り欠き340内に配置された弾性フィンガー342を含む。弾性フィンガー342は、片持ち梁状にその遠位端でカートリッジ本体306に結合される。弾性フィンガー342の近位端は、弾性フィンガー342が変形していない位置にあるときに、遠位スナップ330および近位スナップ332と整列されるタブ344を含む。タブ344は、それぞれ、先細り状の近位表面350および遠位表面352(
図18)を含み、遠位スナップ330および近位スナップ332に係合されるときに、弾性フィンガー342を遠位スナップ330および近位スナップ332の経路から内側に変形させる。
【0052】
図19および20は、カートリッジアセンブリ300が開放位置、発射前位置にある、ステープル留めデバイス10(
図1)のツールアセンブリ16を例解する。後退された、発射前位置では、ナイフアセンブリ304は、カートリッジ本体306の空洞308内でステープルプッシャー302の近位に配置される。発射前位置では、遠位スナップ330は、遠位スナップ330の近位側の停止表面336をカートリッジ本体306と係合させるように、切り欠き340内に受容される。遠位スナップ330の停止表面336とカートリッジ本体306との間の係合は、ナイフアセンブリ304がカートリッジ本体306の空洞308から落下するのを防止するために、カートリッジ本体306の空洞308内でのナイフアセンブリ304の近位移動を妨害する。ナイフホルダー316が発射前の後退位置にあるときに、カートリッジ本体306の弾性フィンガー342上のタブ344の遠位表面350は、カートリッジ本体306の空洞308内でナイフアセンブリ304の遠位移動を妨害するために、遠位スナップ330の遠位傾斜表面334と係合される。これは、カートリッジ本体306内で遮蔽位置にナイフブレード318を保持する。
【0053】
図21は、クランプ位置にあるステープル留めデバイス10(
図1)のツールアセンブリ16を例解する。クランプ位置では、カートリッジアセンブリ300は、ツールアセンブリ16のアンビルアセンブリ360と近接するように移動される。カートリッジアセンブリ300の構成要素は、開放位置に関して上で記載されたものと変わらない。そのため、クランプ位置のさらなる議論は、本明細書に含まれない。
【0054】
図22は、カートリッジアセンブリ300がクランプされて発射位置にある、ステープル留めデバイス10のツールアセンブリ16を例解する。クランプされた発射位置では、ステープルプッシャー302およびナイフアセンブリ304は、ステープルプッシャー302のフィンガー320がカートリッジ本体306のステープルポケット312を通って延在し、ナイフアセンブリ304のナイフブレード318がアンビルアセンブリ360内に延在した状態で、カートリッジ本体306の空洞308内のそれらの前進位置にある。この位置では、ナイフホルダー316上の遠位スナップ330および近位スナップ332は両方とも、カートリッジ本体306の弾性フィンガー342のタブ344の遠位にあるカートリッジ本体340の細長い切り欠き340に配置される。遠位スナップ330および近位スナップ332が弾性フィンガー342のタブ344を越えて遠位に移動すると、スナップ330およびスナップ332とタブ344との間の係合は、弾性フィンガー342およびタブ344をスナップ330およびスナップ332の経路から偏向させる。
【0055】
図23は、デバイス10が発射され、カートリッジアセンブリ300が後退位置に戻された後の、ステープル留めデバイス10(
図1)のツールアセンブリ16を例解する。この位置では、ナイフアセンブリ304は、ナイフブレード318が、臨床医を傷害から保護するためにカートリッジ本体306内に凹むように、カートリッジ本体306の空洞308内のその後退位置にある。遠位スナップ330は、弾性フィンガー342上のタブ344の遠位にある切り欠き340に配置され、近位スナップ332は、タブ344の近位にある切り欠き340に配置される。近位スナップ332の停止表面336は、カートリッジ本体306の空洞308内でナイフホルダー316のさらなる後退を防止するために、切り欠き340を画定するカートリッジ本体306の部分と係合される。加えて、弾性フィンガー342のタブ344は、カートリッジ本体306の空洞308内のナイフアセンブリ304の遠位移動を妨害し、ナイフブレード318がカートリッジアセンブリ300のカートリッジ本体306から遠位に移動して臨床医にさらされるようになる可能性を最小限に抑えるために、近位スナップ332の遠位表面と係合される。
【0056】
近位スナップ332とカートリッジ本体306との係合は、スラストバー400(
図17A)を備えたナイフホルダー306が発射前の後退位置に完全に後退するのを防止することに留意されたい。上で記載されたように、発射前の後退位置では、遠位スナップ330は、カートリッジ本体306と係合されている。発射後の後退位置では、近位スナップ332は、カートリッジ本体306と係合されている。そのため、ナイフホルダー316は、完全にその後退位置に戻ることができない。このため、近位スナップ332がカートリッジ本体306と係合するときに、ナイフアセンブリ304は、近位に移動することから妨害され、スラストバー400は、ナイフホルダー316とは独立して近位に移動する。スラストバー400(
図17A)とナイフアセンブリ304との間のこの相対的移動は、ナイフホルダー316をスラストバー400から分離するために、スラストバー400の突起402をナイフホルダー316のスナップ特徴329から係合解除する。この係合解除は、臨床医にとってカートリッジアセンブリ300の交換を容易にする。
【0057】
当業者であれば、本明細書において具体的に記載され、添付の図面に例解されるデバイスおよび方法が、本開示の非限定的な例示的な態様であることを理解するであろう。1つの例示的な実施形態に関連して例示または記載される要素および特徴は、本開示の範囲から逸脱することなく、別の要素および特徴と組み合わせてもよいことが想定される。同様に、当業者であれば、本開示の上述の開示の態様に基づく本開示のさらなる特徴および利点を理解するであろう。したがって、本開示は、添付の特許請求の範囲によって指示される場合を除いて、具体的に図示および記載されたものによって限定されるべきではない。
【国際調査報告】