(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】非破壊試験デバイスのカスタマイズ
(51)【国際特許分類】
H04N 23/617 20230101AFI20230607BHJP
G02B 23/24 20060101ALI20230607BHJP
H04N 23/40 20230101ALI20230607BHJP
G03B 15/00 20210101ALN20230607BHJP
【FI】
H04N23/617
G02B23/24 B
G02B23/24 C
H04N23/40 300
G03B15/00 L
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022563394
(86)(22)【出願日】2021-05-10
(85)【翻訳文提出日】2022-10-19
(86)【国際出願番号】 US2021031581
(87)【国際公開番号】W WO2021236369
(87)【国際公開日】2021-11-25
(32)【優先日】2020-05-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】520327227
【氏名又は名称】ベイカー ヒューズ オイルフィールド オペレーションズ エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】Baker Hughes Oilfield Operations, LLC
(74)【代理人】
【識別番号】110002871
【氏名又は名称】弁理士法人坂本国際特許商標事務所
(72)【発明者】
【氏名】クームス、ケヴィン エー.
(72)【発明者】
【氏名】パンコウ、マシュー ダブリュー.
【テーマコード(参考)】
2H040
5C122
【Fターム(参考)】
2H040AA04
2H040BA23
2H040CA03
2H040DA12
2H040DA22
5C122DA11
5C122DA12
5C122DA26
5C122EA59
5C122GD11
5C122GD12
5C122HA18
5C122HA70
5C122HB01
(57)【要約】
非破壊試験をカスタマイズするための方法が提供され、本方法は、非破壊試験(NDT)デバイスによって、ストックアプリケーションを受信することを含む。本方法は、デバイスが、ストックアプリケーションの実行に応答してストックNDT機能を実行することを更に含む。ストックNDT機能は、第1のデバイス操作、デバイスセンサによる第1のNDTデータ取得、第1のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第1の分析、又は第1のNDT出力を含み得る。本方法は、デバイスが、ストックアプリケーションの受信後にカスタムアプリケーションを受信することを更に含む。本方法はまた、デバイスが、ストックNDT機能とは異なるカスタムNDT機能を実行することを含み、カスタムNDT機能は、第2のデバイス操作、デバイスのセンサによる第2のNDTデータ取得、第2のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第2の分析、又は第2のNDT出力のうちの少なくとも1つを含む。
【選択図】
図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
非破壊試験をカスタマイズするための方法であって、
非破壊試験(NDT)デバイスによって、ストックアプリケーションを受信することと、
前記NDTデバイスによって、前記ストックアプリケーションの実行に応答して1つ以上のストックNDT機能を実行することであって、前記1つ以上のストックNDT機能は、前記NDTデバイスの第1の操作、前記NDTデバイスのセンサによる第1のNDTデータ取得、前記第1のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第1の分析、又は第1のNDT出力のうちの少なくとも1つを含む、ことと、
前記NDTデバイスによって、前記1つ以上のストックアプリケーションの受信後に1つ以上のカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを受信することと、
前記NDTデバイスによって、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの実行に応答して1つ以上のカスタムNDT機能を実行することであって、前記1つ又はカスタムNDT機能はストックNDT機能とは異なり、前記NDTデバイスの第2の操作、前記NDTデバイスのセンサによる第2のNDTデータ取得、前記第1のNDTの第2の分析、又は第2のNDT出力のうちの少なくとも1つを含む、ことと、を含む、方法。
【請求項2】
前記NDTデバイスはボアスコープである、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記第1の操作及び前記第2の操作は、前記ボアスコープの先端部の異なる関節運動である、請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記第2の操作は、前記ボアスコープのプローブドライバの並進又は回転のうちの少なくとも1つである、請求項2に記載の方法。
【請求項5】
前記1つ以上のカスタムNDT機能は、前記第2のNDTデータ取得を実行する前記センサの1つ以上の構成設定の入力を含む、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記第2の操作は、標的に結合されたターニングツールによって実行される、前記NDTデバイスに対する前記標的の動きである、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記カスタムNDT機能は、前記標的の照明の制御を更に含む、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
命令を含む非一時的コンピュータ可読媒体であって、前記命令は、
NDTデバイスによって1つ以上のストックアプリケーションを受信すること、
前記NDTによって、前記ストックアプリケーションの実行に応答して1つ以上のストックNDT機能を実行することであって、前記1つ以上のストックNDT機能は、前記NDTデバイスの第1の操作、前記NDTデバイスのセンサによる第1のNDTデータ取得、前記第1のNDTデータ取得で取得したデータを用いた第1の分析、又は第1のNDT出力のうちの少なくとも1つを含む、こと、
前記NDTデバイスによって、前記1つ以上のストックアプリケーションの受信後に1つ以上のカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを受信すること、
前記NDTデバイスによって、カスタマイズされた前記NDT専用アプリケーションの実行に応答して1つ以上のカスタムNDT機能を実行することであって、前記1つ又はカスタムNDT機能は前記ストックNDT機能とは異なり、前記NDTデバイスの第2の操作、前記NDTデバイスのセンサによる第2のNDTデータ取得、前記第2のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第2の分析、又は第2のNDT出力のうちの少なくとも1つを含む、こと、を行うように構成されている、非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項9】
前記NDTデバイスはボアスコープである、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項10】
前記第1の操作及び前記第2の操作は、前記ボアスコープの先端部の異なる関節運動である、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項11】
前記第2の操作は、前記ボアスコープのプローブドライバの並進又は回転のうちの少なくとも1つである、請求項9に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項12】
前記1つ以上のカスタムNDT機能は、前記第2のNDTデータ取得を実行する前記センサの1つ以上の構成設定の入力を含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項13】
前記第2の操作は、標的に結合されたターニングツールによって実行される、前記NDTデバイスに対する前記標的の動きである、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【請求項14】
前記カスタムNDT機能は、前記標的の照明の制御を更に含む、請求項8に記載の非一時的コンピュータ可読媒体。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2020年5月22日に出願された「Non-Destructive Testing Device Customization」と題する米国特許仮出願第63/028,923号の利益を主張し、その全体が参照により組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
発電機器及び施設、石油及びガス機器及び施設、航空機機器及び施設、製造機器及び施設など、特定の機器及び施設には、相互に関連するシステム及びプロセスが含まれる。例えば、発電プラントには、タービンシステムと、タービンシステムを稼働させ、維持するためのプロセスと、が含まれ得る。同じく、石油及びガスの稼働には、パイプラインを介して相互接続された炭素質燃料回収システム及び処理機器が含まれ得る。同様に、航空機システムには、航空機と、耐空性を保守管理、保守管理支援を提供するのに有用な保守管理格納庫と、が含まれ得る。機器の稼働中に、機器は劣化し、腐食、摩耗、断裂などの望ましくない状態が生じ、機器全体の有効性に影響を及ぼす可能性があり得る。例えば、非破壊検査技術又は非破壊試験(non-destructive testing、NDT)技術などの特定の検査技術が、望ましくない機器の状態を検出するために使用され得る。
【発明の概要】
【0003】
特定のNDTデバイスが、タービン並びに油及びガス機器などの複雑な機械の内部機構を観察するために使用され得る。一例として、ボアスコープ、内視鏡などNDTデバイスは、これらの複雑な機械を通して供給されて、機械全体を分解せずに保守点検を実行することができる。かかるNDTデバイスは、これらの複雑な機械の小開口部を通して操縦して、これらの内部構成要素の検査を可能にするために、作動させる(例えば、並進させる、回転させる、屈曲させるなど)ことができる。取得したNDT検査データ、取得したNDT検査データの分析、取得して、分析したNDT検査データの記憶及び/又は表示は、NDTデバイス、別のコンピューティングデバイスのディスプレイ、又はこれらの組み合わせによって実行することができる。
【0004】
既存のNDTデバイスの機能は、一般に、ソフトウェア(例えば、アプリケーション)及び製造業者が提供する特徴セットによって実装される。しかしながら、製造業者が提供したアプリケーションによって実装される「ストック」機能をカスタマイズする能力は、限定され得るか、又は更には禁じられ得る。したがって、エンドユーザは、NDTデバイスの機能をカスタマイズして、自身が所望する手順及び用途に最も適合させる能力を欠くことがある。
【0005】
したがって、本開示の実施形態は、NDT機器の機能のカスタマイズを容易にするシステム及び方法を提供する。一例として、NDTデバイスの所有者及びサードパーティがNDTデバイスのNDT専用機能へのプログラムによるアクセスを有するアプリケーション(例えば、プラグイン)を開発できるようにするために、1つ以上のツール(例えば、ソフトウェア開発キット(software development kit、SDK)、アプリケーションプログラミングインターフェース(application programming interface、API)、ツールキットなど)が提供され得る。かかるアプリケーションは、実行されると、構成、動き、データ取得、データ分析、データ出力などNDTデバイスの拡張機能を提供することができる。かかる拡張機能は、製造業者が提供する「ストック」アプリケーションによって提供される機能とは異なることがあり、それに加えて、又はその代わりに動作することができる。一例として、一部のアプリケーションは、ユーザエクスペリエンスを完全に引き継ぐように構成され得、他のアプリケーションは、バックグラウンドで動作し得るか、又は拡張が(例えば、ユーザインターフェースフレーム又はポップアップにおいて)動作するように動作し得る。
【0006】
ある実施形態では、非破壊試験をカスタマイズするための方法が提供される。本方法は、非破壊試験(NDT)デバイスによって、ストックアプリケーションを受信することを含み得る。本方法は、NDTデバイスによって、ストックアプリケーションの実行に応答して1つ以上のストックNDT機能を実行することを更に含み得る。1つ以上のストックNDT機能はまた、NDTデバイスの第1の操作、NDTデバイスのセンサによる第1のNDTデータ取得、第1のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第1の分析、又は第1のNDT出力のうちの少なくとも1つを含み得る。本方法は、NDTデバイスによって、1つ以上のストックアプリケーションの受信後に、1つ以上のカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを受信することを更に含み得る。本方法はまた、NDTデバイスによって、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの実行に応答して1つ以上のカスタムNDT機能を実行することを含み得、1つ又はカスタムNDT機能は、ストックNDT機能とは異なり、NDTデバイスの第2の操作、NDTデバイスのセンサによる第2のNDTデータ取得、第1のNDTの第2の分析、又は第2のNDT出力のうちの少なくとも1つを含む。
【0007】
ある実施形態では、NDTデバイスは、ボアスコープであり得る。
【0008】
ある実施形態では、第1の操作及び第2の操作は、ボアスコープの先端部の異なる関節運動であり得る。
【0009】
ある実施形態では、第2の操作は、ボアスコープのプローブドライバの並進又は回転のうちの少なくとも1つであり得る。
【0010】
ある実施形態では、1つ以上のカスタムNDT機能は、第2のNDTデータ取得を実行するセンサの1つ以上の構成設定の入力を含み得る。
【0011】
ある実施形態では、第2の操作は、標的に結合されたターニングツールによって実行される、NDTデバイスに対する標的の動きであり得る。
【0012】
ある実施形態では、カスタムNDT機能は、標的の照明の制御を更に含み得る。
【0013】
ある実施形態では、非一時的コンピュータ可読媒体が提供される。非一時的コンピュータ可読媒体は、実行されると、NDTデバイスに1つ以上のストックアプリケーションを受信させるように構成され得る命令を含む。本命令は、NDTデバイスに、ストックアプリケーションの実行に応答して1つ以上のストックNDT機能を実行させるように更に構成され得る。1つ以上のストックNDT機能は、NDTデバイスの第1の操作、NDTデバイスのセンサによる第1のNDTデータ取得、第1のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第1の分析、又は第1のNDT出力のうちの少なくとも1つを含み得る。本命令は、NDTデバイスに、1つ以上のストックアプリケーションの受信後に1つ以上のカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを受信させるように構成され得る。本命令は、NDTデバイスに、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの実行に応答して1つ以上のカスタムNDT機能を実行させるように更に構成され得る。1つ又はカスタムNDT機能はストックNDT機能とは異なり得、NDTデバイスの第2の操作、NDTデバイスのセンサによる第2のNDTデータ取得、第2のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第2の分析、又は第2のNDT出力のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0014】
別の実施形態では、NDTデバイスは、ボアスコープであり得る。
【0015】
別の実施形態では、第1の操作及び第2の操作は、ボアスコープの先端部の異なる関節運動であり得る。
【0016】
別の実施形態では、第2の操作は、ボアスコープのプローブドライバの並進又は回転のうちの少なくとも1つであり得る。
【0017】
別の実施形態では、1つ以上のカスタムNDT機能は、第2のNDTデータ取得を実行するセンサの1つ以上の構成設定の入力を含み得る。
【0018】
別の実施形態では、第2の操作は、標的に結合されたターニングツールによって実行される、NDTデバイスに対する標的の動きであり得る。
【0019】
別の実施形態では、カスタムNDT機能は、標的の照明の制御を更に含み得る。
【図面の簡単な説明】
【0020】
これらの特徴及び他の特徴は、添付図面と併せて講じられる以下の発明を実施するための形態からより容易に理解されるであろう。
【
図1】カスタマイズ可能な非破壊試験(NDT)デバイスを含む動作環境の例示的な一実施形態を示す図である。
【
図2】ボアスコープの形態のカスタマイズ可能なNDTデバイスの例示的な一実施形態を示す図である。
【
図3】
図1のNDTデバイスのカスタマイズされたアプリケーションの配布のための情報フローを示すブロック図である。
【
図4】NDTデバイスの機能をカスタマイズするための方法の例示的な一実施形態を示すフロー図である。 図面は必ずしも縮尺どおりではないことに留意されたい。図面は、本明細書に開示される主題の典型的な態様のみを描写することを意図しており、したがって、本開示の範囲を限定するものとみなされるべきではない。
【発明を実施するための形態】
【0021】
非破壊試験(NDT)デバイスは、発電の機器及び施設、石油及びガスの機器及び施設、航空機の機器及び施設、製造の機器及び施設など機器及び施設を検査するために用いられる。NDTデバイスは、NDTデバイス製造業者によって作成されたストックアプリケーションを含み得、このアプリケーションは、実行されると、NDTデバイスの操作、NDTデバイスによるデータの取得、NDTデバイスによって取得したデータの分析、グラフィカルユーザインターフェース、取得して、分析したデータの表示などを提供する。しかしながら、多種多様なNDTデバイス、検査対象候補となる機器、NDT検査中に取得されたデータの予定される分析を考慮すると、ストックアプリケーションが考えられる全ての使用事例を網羅することは困難であり得る。更に、顧客は、特定のNDT試験手順及び/又は分析を独自かつ非公開として維持することを望む場合がある。したがって、ボアスコープなどNDTデバイスの上述の機能をカスタマイズするためのシステム及び方法が提供される。一例として、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを既存のストックアプリケーションの上にインストールし、NDTデバイスの機能の変更又は更新を可能にすることができる。有益には、かかる変更は、NDT検査の容易さ、NDT試験のスループットの増加、及び/又はNDT検査コストを低減することができる。
【0022】
本明細書においては、NDTデバイスの機能をカスタマイズするための感知システム及び対応する方法の実施形態は、ボアスコープに具体的に言及して論じる。しかしながら、本開示の実施形態は、限定することなく、任意のNDTデバイスの機能をカスタマイズするために用いることができることを理解されたい。
【0023】
図1は、標的104の非破壊試験を実行するように構成されたカスタマイズ可能な非破壊試験(NDT)デバイス102を含む動作環境100の例示的な一実施形態を示す。NDTデバイス102は、直接又はネットワーク112を介してのいずれかで、ユーザコンピューティングデバイス106及び配布ソース110と通信することができる。標的104の例としては、ターボ機構、機器、パイプ、導管、水中の場所、曲線部、屈曲部、航空機システムの内外などが挙げられ得るが、これらに限定されない。図示するように、NDTデバイス102は、関節運動システムAと、1つ以上のセンサSと、1つ以上のプロセッサPと、1つ以上のメモリMと、を含み得る。
【0024】
NDTデバイス102は、可視又は非可視の非破壊試験に適した任意のデバイスであり得る。可視NDT検査用NDTデバイス102の例は、ボアスコープ及びカメラ(例えば、パンゾームチルト(pan-zoom-tilt、PZT)カメラ)と、対応する照明デバイスと、を含み得る。非目視NDT検査用NDTデバイス102の例としては、X線デバイス、渦電流デバイス、及び超音波デバイスが挙げられ得る。したがって、1つ以上のセンサSは、信号(例えば、電磁放射(例えば、可視光、X線)、超音波など)を発する、及び/又は感知するのに適した任意のセンサであり得る。NDTデバイス102のこのリストは、網羅的ではなく、他のタイプのNDTデバイスが、限定されることなく使用され得ることを理解されたい。
【0025】
ユーザコンピューティングデバイス106は、デスクトップ又はモバイルコンピューティングデバイスであり得る。モバイルコンピューティングデバイスの例としては、タブレット、携帯電話(例えば、スマートフォン)、ラップトップなどが挙げられ得る。ユーザコンピューティングデバイス106は、直接又はネットワーク112を介してのいずれかで、有線又は無線通信を介してNDTデバイス102に通信可能に結合され得る。有益には、ネットワーク112を介したユーザコンピューティングデバイス106とNDTデバイス102との通信は、検査を受けようとしている物理的位置から遠隔の地理的位置など任意の地理的位置からのNDTデバイス102の動作を容易にすることができる。
【0026】
動作中、NDTデバイス102のプロセッサPは、メモリM内に記憶された1つ以上のアプリケーションを実行して、NDTデバイス102の操作、1つ以上のセンサSによるNDT取得、NDTデータ取得によって取得したNDTデータを用いた分析、又は取得したNDTデータ及び/若しくは分析のNDT出力(例えば、記憶及び/若しくは表示)が挙げられるが、これらに限定されないNDT機能を実装することができる。
【0027】
以下でより詳細に論じるように、ツール(例えば、ソフトウェア開発キット(SDK)、アプリケーションプログラミングインターフェース(API))、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの開発用の他のツールキットは、顧客又はサードパーティがカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを開発するために、NDTデバイス102の製造業者によって提供され得る。カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、NDTデバイス102の1つ以上の機能へのプログラムによるアクセスを有し、ストックアプリケーションによって提供されるNDT機能とは異なる追加のNDT機能を提供することができる。カスタマイズ可能なNDT機能としては、NDT操作、NDT構成、NDTデータ取得、1つ以上のセンサSによって取得したデータの分析、又は取得したNDTデータ及び取得したNDTデータを用いた分析の出力が挙げられ得るが、これらに限定されない。カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、ストックアプリケーションによって生成された1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースを更に修正し得る、及び/又は置換し得る。このようにして、NDT検査が実行される方法(例えば、NDTデバイス102とのユーザ対話、NDTデータの取得、データの分析)、及びNDT出力を顧客のニーズに合わせてカスタマイズすることができる。かかるカスタマイズは、NDT評価を単純化し、人的エラーを最小限に抑え、NDT評価に要する時間を短縮し、結果を改善し、コスト削減をもたらすことができる。
【0028】
配布を容易にするために、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、1つ以上の配布ソース110によって更に記憶され得る。配布ソース110は、必要に応じて、プライベートネットワーク又はパブリックネットワークを介してアクセスすることができる。かかるネットワークは、NDTデバイス102の製造業者、NDTデバイス102の顧客、及びサードパーティのいずれか1つによってホストされ得る。以下でより詳細に論じるように、パブリックネットワークを介した配布を用いて、広範囲の配布を容易にすることができる。その一方、プライベートネットワークを用いて、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの配布を認定された当事者に限定することができる。
【0029】
カスタマイズされたNDT専用アプリケーションによるNDT検査のカスタマイズされた構成は、NDT検査中にセンサSによって用いられる1つ以上のパラメータの入力を含み得る。一例として、NDTデバイス102が目視検査に用いられる場合、構成パラメータは、カメラ設定、外部照明のレベル、外部照明のパターンなどであり得る。同様に、NDTデバイス102が非目視検査に用いられる場合、構成パラメータは、非視覚センサS(例えば、X線デバイス、渦電流デバイス、及び超音波デバイス)に適したパラメータであり得る。更に、センサSのうちの1つ以上がデジタルデバイスである場合、NDT構成は、ファイル形式、質、ファイル命名規則、ファイルサイズ、ファイル出力場所などファイルパラメータを含み得る。
【0030】
カスタマイズされたNDT専用アプリケーションによるカスタマイズされた操作としては、標的104に対するNDTデバイス102の動き、NDTデバイス102に対する標的104の動き、及びそれらの組み合わせが挙げられ得る。以下でより詳細に論じるように、標的104に対するNDTデバイス102の1つ以上の動きは、モータによって制御され得る。かかるモータ制御の動きは、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションによって制御され得る。
【0031】
更なる実施形態では、NDTデバイスに対する標的104の動きは、標的104に結合されたターニングツール114によって実行され得る。ターニングツール114は、ネットワーク112を介してNDTデバイス102及び/又はユーザコンピューティングデバイス106と通信することができる。NDT検査中、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを用いて、標的104を特定の場所に移動させるようにターニングツール114に命令することができる。特定の実施形態では、標的104及びNDTデバイス102の動きは、部分的に、又は完全に自動化することができ、これによって、検査の実施に要する時間を短縮することができる。
【0032】
カスタマイズされたNDT取得は、センサによる任意のデータの取得を含み得る。例としては、写真のキャプチャ、動画のキャプチャ、及び測定が挙げられ得る。
【0033】
カスタマイズされたNDT専用アプリケーションによるカスタマイズされたNDT出力としては、NDT検査中に生成された任意の情報の選択及び出力、並びにかかる出力の場所が挙げられ得る。生成された情報の例としては、取得したNDTデータ自体、取得したNDTデータを使用して実行した任意の分析の結果、及びカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを実行するデバイス(例えば、NDTデバイス102及び/又はユーザコンピューティングデバイス106)に提供された任意の入力のキャプチャ(例えば、キーロギング)のうちの1つ以上が挙げられる。かかる入力としては、キーロギング、ユーザノートなどが挙げられ得る。
【0034】
更なる実施形態では、ストックアプリケーションによって生成された1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースは、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションによって修正され得る、及び/又は置換され得る。例としては、NDTデバイス102の制御用ソフトキー、ポップアップウィンドウ、メニューオプションなどが挙げられ得るが、これらに限定されない。
【0035】
図2は、ボアスコープ200の形態のNDTデバイス102の例示的な一実施形態を示す図である。ボアスコープ200は、制御ユニット202と、導管部204と、屈曲可能な関節運動部206と、ヘッド部208と、を含む。
【0036】
一実施形態では、部分204、206、及び208は異なる長さを有し得、互いに一体であり得るか、又は特定の用途に応じて互いから取り外し可能な着脱式であり得る。例えば、導管部204を長くするために、より短い導管部204が取り外され得、より長い導管部204が制御ユニット202に取り付けられ得る。図示するように、導管部204は、ターボ機械の内部、機器、パイプ、導管、水中の場所、曲線部、屈曲部、航空機システムの内外など、様々な標的104に挿入するのに好適である。
【0037】
代替的な実施形態では、ボアスコープ200は、導管部204に結合されたプローブドライバ209を含み得る。プローブドライバ209は、部分204、206、208のうちの1つ以上を並進させる、及び/又は回転させて、プローブヘッド208の標的104への挿入を容易にするように構成されたモータ(図示せず)を含み得る。
【0038】
制御ユニット202は、制御ユニットハウジング210と、コントローラ212と、方向入力214と、スクリーン216と、を含み得る。コントローラ212は、プロセッサ218と、ボアスコープ200を作動させるためにプロセッサ218によって実行され得るコンピュータ可読命令を含む可読メモリ220と、を含み得る。
【0039】
コントローラ212は、1つ以上の信号221を介して制御ユニット202に通信可能に結合され得る。コントローラ212は、制御ユニットハウジング210内に配置され得るか、又は制御ユニットハウジング210外に配置され得る。方向入力214は、ボアスコープ200を作動させるために、制御ユニット202に対するユーザ入力(例えば、方向制御)を受信するために構成され得る。スクリーン216は、ヘッド部208に配置された光センサによって受信される視覚情報を表示し得、これにより、ユーザは、方向入力214を使用してボアスコープ200をより良好に誘導することができる。方向入力214及びスクリーン216は、1つ以上の信号121を介してコントローラ212に通信可能に結合され得、これは、有線接続、又はWI-FI(商標)若しくはBluetooth(商標)など無線信号であり得る。
【0040】
導管部204は、近位端224と、遠位端226と、を含む管状ハウジング222を含み得る。管状ハウジング222は、その全長に沿って可撓性部材であり得るか、又は近位端224では剛性であり、導管部204の長さを遠位端226に向かってより進むにつれて可撓性になり得る。特定の実施形態では、管状ハウジング222は、汚染物質が導管部204を介してボアスコープ200に入るのを防止するために、非多孔質材料から形成され得る。
【0041】
制御ユニット202は、管状ハウジング222の近位端224に配置され得、屈曲可能な関節運動部206は、管状ハウジング222の遠位端に配置され得る。屈曲可能な関節運動部206は、屈曲可能なネック228と、ワッシャ230と、を含み得る。屈曲可能なネック228は、管状ハウジング122の遠位端226に配置され得、Y-Z平面で360°作動することができる。ある実施形態では、ワッシャ230は、揺動ワッシャであり得、これにより、屈曲可能なネック228が関節運動させられるときに、ワッシャ230は、互いに対して摺動し、屈曲可能な関節運動部206の形状を保つことが可能になる。ワッシャ230は、銅又は他の何らかの好適な剛性材料であり、屈曲可能なネック228の関節運動を可能にする傾斜面を有し得る。屈曲可能なネック228は、汚染物質が屈曲可能な関節運動部206を介してボアスコープ200に(例えば、屈曲可能なネック228の関節運動中にワッシャ230の間に入ることを防止するために、非多孔質材料で包まれ得る。
【0042】
ヘッド部208は、ヘッドアセンブリ232を含み得る。ヘッドアセンブリ232は、1つ以上のライト234(例えば、LED又は近位端にライトを備えた光ファイバ束)、カメラ236、及び周囲環境(例えば、ライト234、カメラ236など)に関するデータを収集するように構成されている1つ以上のセンサ238を含み得る。
【0043】
ボアスコープ200のカメラ236は、検査に適した画像及び動画を制御ユニット202のスクリーン216に提供し得る。ライト234は、ヘッド部208が低光量又は無光量を有する場所に配設されているときに、照明を提供するために使用され得る。センサ238は、温度データ、距離データ、離間距離データ(例えば、回転要素と静止要素との間の距離)、流量データなどデータを記録し得る。特定の実施形態では、ボアスコープ200は、複数の交換用ヘッドアセンブリ232を含む。例えば、ヘッドアセンブリ232は、スネア、磁気先端部、グリッパ先端部など回収先端部を含み得る。ヘッドアセンブリ232は、ワイヤブラシ、ワイヤカッタなど洗浄及び障害物除去ツールを追加的に含み得る。ヘッドアセンブリ232は、焦点距離、立体ビュー、3次元(3D)位相ビュー、シャドウビューなど異なる光学特性を有する先端部を更に含み得る。追加的に、又は代替的に、ヘッド部208は、ヘッド部108の取り外し可能かつ交換可能な部分を含み得る。そのため、複数のヘッド部208、屈曲可能なネック228、及び導管部204は、約1ミリメートル~10ミリメートル以上の様々な直径で提供され得る。
【0044】
使用中、屈曲可能な関節運動部206及びプローブドライバ209は、例えば、方向入力214からの制御入力(例えば、相対的制御ジェスチャ、物理的操作デバイス)によって制御され得る。方向入力は、ジョイスティック、Dパッド、タッチパッド、トラックボール、光学センサ、又はスクリーン216上のタッチスクリーンであり得る。方向入力214はまた、制御ユニットハウジング210の外側に位置し、有線手段又は無線手段によって接続された類似のデバイスであり得る。具体的には、一組の制御入力は、屈曲可能な関節運動部206及び/又はプローブドライバ209を制御するために使用され得る。屈曲可能な関節運動部206は、様々な次元で操縦され得る、即ち「屈曲」され得、導管部204は、制御ユニット202内に配置されたアクチュエータ及びワイヤの任意の組み合わせを使用して並進及び/又は回転して、ヘッド部208の向き(例えば、位置決め)を調整する。アクチュエータは、電気、空気圧、若しくは超音波で動作するモータ若しくはソレノイド、形状合金、電気活性ポリマ、誘電性エラストマ、ポリマ筋肉材料、又は他の材料であり得る。例えば、屈曲可能な関節運動部206及びプローブドライバ209は、X-Y平面、X-Z平面、及び/又はY-Z平面におけるヘッド部208の移動を可能にし得る。実際に、方向入力214は、図示されている角度αなど様々な角度でヘッド部208を配設するのに好適な制御動作を実行するために使用され得る。このようにして、ヘッド部208は、所望の場所を視覚的に検査するために位置決めされ得る。
【0045】
ヘッド部208が所望の位置にあると、カメラ236は、例えば、静止視覚画像又は連続視覚画像をキャプチャするように動作し得、これを、制御ユニット202のスクリーン216に表示し得、ボアスコープ200によって記録し得る。いくつかの実施形態では、スクリーン216は、スタイラス及び/又は1本以上の人間の指のタッチを検出するために、静電容量技術、抵抗技術、赤外線グリッド技術などを使用するマルチタッチタッチスクリーンであり得る。追加的又は代替的に、取り込まれた視覚画像は、後で参照するために別個の記憶デバイスに送信され得る。
【0046】
ボアスコープ200(例えば、コントローラ212)に1つ以上のカスタマイズされたアプリケーションをインストールする前に、ボアスコープ200の上述の機能(例えば、NDT構成、NDT操作、NDT取得、NDT分析、及び/又はNDT出力)は、ボアスコープ200による、メモリ220に記憶された1つ以上のストックアプリケーションの実行によって実装され、プロセッサ218によって実行され得る。ボアスコープ200に1つ以上のカスタマイズされたアプリケーションをインストールした後、ストック機能のうちの少なくとも1つは、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの実行時に修正され得る、及び/又は置換され得る。
【0047】
修正又は交換された機能は、NDT検査を容易にし得る。多種多様なNDTデバイス、標的候補、NDT検査中に取得されるデータの予定される分析を考慮すると、ストックアプリケーションが考えられる全ての使用事例を網羅することは困難であり得る。更に、顧客は、特定のNDT試験手順及び/又は分析を独自かつ非公開として維持することを望む場合がある。したがって、カスタマイズ可能なアプリケーションを使用することにより、ボアスコープ200などNDTデバイス102の機能をカスタマイズする能力は、NDT検査の容易さを大幅に改善し、スループットを増加させ、及び/又はNDT検査コストを低減することができる。
【0048】
NDTデバイス102(例えば、ボアスコープ200)の様々な異なる機能は、このようにカスタマイズすることができる。例としては、以下が挙げられ得るが、これらに限定されない。
・2次元及び3次元NDT測定取得及び分析ルーチン(例えば、操縦制御[導管ヘッド208の並進、回転、屈曲]、測定のトリガ、ターニングツールとの相互作用)の実行
・(例えば、1つ以上のライト234を介した)シーン照明の制御。
・NDTデバイス102の外部(例えば、ユーザコンピューティングデバイス106)からのNDT専用制御入力(例えば、ジョイスティック、ノブ、ボアスコープ先端IMU)の受信。
・マシンビジョン目的(例えば、DNNモデル訓練、推測、他のNDT測定変換)でのオンボードコンピューティングリソース(例えば、プロセッサ218、メモリ220)へのアクセス。
・ストックグラフィカルユーザインターフェースの修正。
oNDTデバイス102の制御(例えば、関節運動、照明、NDTデータ取得)用ソフトキーの追加。
oNDT測定及び分析へのアクセス及び表示。
o専用ソフトウェアの実行及びストックグラフィカルユーザインターフェースを介した表示。
o他のストックグラフィカルユーザインターフェース内でのユーザインターフェースオブジェクト(例えば、ボタン)の選択による、カスタマイズされた機能のアクティブ化。
oライブビデオ上での1つ以上のオーバーレイの表示。
・ネットワークアクセスの有効化:
oユーザコンピューティングデバイス106及び/又は他の外部コンピューティングデバイスに、NDTデバイス102でのユーザ入力(例えば、タッチスクリーン入力、キーストローク)を出力するため。
oユーザコンピューティングデバイス106及び/又は他の外部コンピューティングデバイスに動画を出力するため。
・NDTデバイス102によって記憶され、管理されるファイルシステムへのアクセスの有効化。
【0049】
カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、NDTデバイス102に記憶され、そこで実行されるものとして上述してきた。しかしながら、代替的な実施形態では、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、単独で、又はNDTデバイス102と組み合わせて、ユーザコンピューティングデバイス106によって記憶され、実行され得る。したがって、ユーザコンピューティングデバイス106は、単独で又はNDTデバイス102との組み合わせで用いられて、NDT構成、NDT取得、NDT分析、NDT出力(例えば、送信及び/又は表示)、及びそのグラフィカルユーザインターフェースのうちの1つ以上を制御することができる。
【0050】
図3は、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを実装するように構成された動作環境300の例示的な一実施形態を示すブロック図である。図示するように、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを作成するための開発ツールは、配布ソース302に記憶され得る。開発ツールは、NDTデバイス102の製造業者によって作成され得る。第1のユーザコンピューティングデバイス304は、配布ソース302から開発ツールを読み出し、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを作成することができる。一例として、第1のユーザコンピューティングデバイス304は、NDTデバイス102の顧客又はサードパーティが動作させることができる。作成された、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、更に配布するために、配布ソース302又は別のネットワークアクセス可能コンピューティングデバイスに更に送信され得る。一例として、ある実施形態では、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、NDTデバイス102によって、配布ソース302から直接、又は第2のユーザコンピューティングデバイス306(例えば、ユーザコンピューティングデバイス106)を介して間接的に受信され得る。第2のユーザコンピューティングデバイス306及び/又はNDTデバイス102によって読み出されると、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを実行することができる。
【0051】
配布ソース302は、公開ベースで、又は非公開ベースで動作させることができる。一実施形態では、公開配布ソースは、スマートフォンのアプリストアと同様に、無料、又は料金と引き換えのいずれかでの任意の当事者による開発ツール及び/又はカスタマイズされたNDT専用アプリケーションの読み出しを許可し得る。一例として、NDTデバイス102の製造業者は、販売を促進し、NDTデバイス102に販売後のサポートを提供するために、開発ツール及び/又はカスタマイズされたアプリケーションを読み出すための配布ソース302を公開ベースで動作させることが有益であり得る。
【0052】
別の実施形態では、非公開配布ソースは、無料、又は料金と引き換えのいずれかでの開発ツール及び/又はカスタマイズされたNDT専用アプリケーションの読み出しを認定された当事者のみに限定し得る。一例として、NDTデバイス102を所有する顧客にとって、かかるカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを非公開として維持するために、独自の知識(例えば、NDT測定分析)を用いる、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションを読み出すための配布ソース302を非公開ベースで動作させることは有益であり得る。
【0053】
図4は、NDTデバイス102にカスタマイズされた機能を提供するための方法400の一実施形態を示すフロー図であり、
図1~
図2を参照して説明する。図示するように、方法400は、動作402~410を含む。しかしながら、代替的な実施形態では、本方法は、
図4に示すよりも多い又は少ない動作を含み得、これらの動作は、
図4に示す順序とは異なる順序で実施され得る。
【0054】
動作402では、ストックアプリケーションを、NDTデバイス102によって受信する。一例として、ストックアプリケーションは、NDTデバイス102の製造業者によってインストールされ得る。
【0055】
動作404では、NDTデバイス102は、ストックアプリケーションの実行に応答して1つ以上のストックNDT機能を実行し得る。1つ以上のストックNDT機能は、NDTデバイスの第1の操作、NDTデバイス102のセンサSのうちの1つによる第1のNDTデータ取得、又は第1のNDTデータ取得によって取得したデータを用いた第1の分析、又は第1のNDT出力のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0056】
動作406では、NDTデバイス102は、1つ以上のストックアプリケーションの受信後に、1つ以上のカスタマイズされたNDT専用アプリケーションを受信し得る。一例として、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションは、ユーザコンピューティングデバイス106)を介して配布ソース302から直接、又は間接的に受信され得る。
【0057】
動作410では、NDTデバイス102は、カスタマイズされたNDT専用アプリケーションの実行に応答して、1つ以上のカスタムNDT機能を実行し得る。1つ又はカスタムNDT機能はストックNDT機能とは異なり得、NDTデバイス102の第2の操作、NDTデバイスのセンサSのうちの1つによる第2のNDTデータ取得、第2のNDTデータ取得で取得したデータを用いた第2の分析、又は第2のNDT出力のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0058】
本明細書に記載の方法、システム、及びデバイスの例示的な技術的効果としては、非限定的な例として、NDTデバイスのNDT専用機能のカスタマイズが挙げられる。一態様では、顧客及びサードパーティは、独自のNDT測定プロセス、分析、及び/又は表示を実装するアプリケーションを開発することができる。かかるアプリケーションによって提供される機能は、ストックとカスタマイズされた特徴との単純な結合から、カスタマイズされた特徴でのストック特徴の完全な置換までの所望の程度に、既存の「ストック」アプリケーションと統合することができる。別の更なる態様では、かかるアプリケーションは、1つ以上の集中型データソース(例えば、アプリケーションストア)を通して容易に配布することができる。かかる配布は非公開として維持され得、アプリケーションが開発者専用であり続けることを可能にする。また、かかる配布は公開であり得、あらゆる関係者に対する幅広い公開を可能にする。更に、当初は所与の当事者によって組織内で開発されたアプリケーションは、その後、より幅広い顧客に再販売され得る。
【0059】
本明細書に開示されるシステム、デバイス、及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理の全体的な理解を提供するために、特定の例示的な実施形態を記載してきた。これらの実施形態の1つ以上の例が添付の図面に示されている。当業者は、本明細書に明確に記載され、添付の図面に例示されるシステム、デバイス、及び方法が、非限定的な例示的な実施形態であること、及び本発明の範囲が特許請求の範囲によってのみ定義されることを理解するであろう。例示的な一実施形態に関連して図示又は記載される特徴は、他の実施形態の特徴と組み合わされてもよい。かかる修正及び変形は、本発明の範囲内に含まれることが意図される。更に、本開示では、実施形態の類似する名称の構成要素は、概して類似の特徴を有しており、ゆえに、特定の実施形態において類似する名称のそれぞれの構成要素のそれぞれの特徴については、必ずしも完全には詳述していない。
【0060】
本明細書に記載される主題は、本明細書に開示される構造的手段及びその構造的等価物を含む、アナログ電子回路、デジタル電子回路、及び/又はコンピュータソフトウェア、ファームウェア、若しくはハードウェアで、又はそれらの組み合わせで実装することができる。本明細書に記載される主題は、データ処理装置(例えば、プログラマブルプロセッサ、コンピュータ、又は多数のコンピュータ)による実行のため又はその動作を制御するため、情報キャリアで(例えば、機械可読記憶デバイスで)明白に具現化されるか、又は伝播信号で具現化される、1つ以上のコンピュータプログラムなどの、1つ以上のコンピュータプログラム製品として実装され得る。コンピュータプログラム(プログラム、ソフトウェア、ソフトウェアアプリケーション、又はコードとしても既知である)は、コンパイル又は解釈された言語を含む任意の形態のプログラミング言語で書くことができ、独立型プログラムとして、又はモジュール、構成要素、サブルーチン、若しくはコンピューティング環境での使用に好適な他のユニットとしてなど、任意の形態で展開され得る。コンピュータプログラムは、必ずしもファイルに対応しない。プログラムは、他のプログラム若しくはデータを保持するファイルの一部分に、当該プログラム専用の単一ファイルに、又は多数の調整されたファイル(例えば、1つ以上のモジュール、サブプログラム、若しくはコードの部分を記憶するファイル)に記憶され得る。コンピュータプログラムは、1つのコンピュータ上で若しくは1つのサイトの多数のコンピュータ上で実行されるように、又は多数のサイトに分散され、通信ネットワークによって相互接続されるように展開され得る。
【0061】
本明細書に記載される主題の方法工程を含む、本明細書に記載されるプロセス及び論理フローは、入力データ上で動作し、出力を生成することによって、本明細書に記載される主題の機能を実行するために1つ以上のコンピュータプログラムを実行する1つ以上のプログラム可能なプロセッサによって実行され得る。プロセス及び論理フローはまた、専用論理回路、例えば、FPGA(field programmable gate array、フィールドプログラマブルゲートアレイ)又はASIC(application-specific integrated circuit、特定用途向け集積回路)によって実行され得、本明細書に記載される主題の装置は、かかる専用論理回路として実装され得る。
【0062】
コンピュータプログラムの実行に好適なプロセッサとしては、例えば、汎用マイクロプロセッサ及び専用マイクロプロセッサの両方、並びに任意の種類のデジタルコンピュータの任意の1つ以上のプロセッサが挙げられる。一般的に、プロセッサは、読み出し専用メモリ若しくはランダムアクセスメモリ、又はその両方から命令及びデータを受信する。コンピュータの必須要素は、命令を実行するためのプロセッサ、並びに命令及びデータを記憶するための1つ以上のメモリデバイスである。一般的に、コンピュータはまた、データを記憶するための1つ以上の大容量記憶デバイス、例えば、磁気ディスク、光磁気ディスク、若しくは光ディスクを含むか、又はそこからデータを受信する、そこにデータを転送する、若しくはその両方を行うように動作可能に結合される。コンピュータプログラム命令及びデータを具現化するのに好適な情報キャリアとしては、例として、半導体メモリデバイス(例えば、EPROM、EEPROM、及びフラッシュメモリデバイス)と、磁気ディスク(例えば、内部ハードディスク又はリムーバブルディスク)と、光磁気ディスクと、光ディスク(例えば、CD及びDVDディスク)と、を含む、不揮発性メモリの全ての形態が挙げられる。プロセッサ及びメモリは、専用論理回路によって補完されるか、又はその中に組み込まれ得る。
【0063】
ユーザとの相互作用を提供するために、本明細書に記載される主題は、ユーザに情報を表示するためのディスプレイデバイス、例えば、CRT(cathode ray tube、陰極線管)又はLCD(liquid crystal display、液晶ディスプレイ)モニタ、並びにユーザがコンピュータに入力を提供するのに利用し得るキーボード及びポインティングデバイス(例えば、マウス又はトラックボール)を有するコンピュータ上に実装され得る。他の種類のデバイスを使用して、ユーザとの相互作用を提供することもできる。例えば、ユーザに提供されるフィードバックは、任意の形態の感覚フィードバック(例えば、視覚フィードバック、聴覚フィードバック、又は触覚フィードバック)であり得、ユーザからの入力は、音響、音声、又は触覚入力を含む任意の形態で受信され得る。
【0064】
本明細書に記載される技術は、1つ以上のモジュールを使用して実装され得る。本明細書で使用するとき、「モジュール」という用語は、コンピューティングソフトウェア、ファームウェア、ハードウェア、及び/又はそれらの様々な組み合わせを指す。しかしながら、最低でも、モジュールは、ハードウェア、ファームウェア上に実装されていないか、又は非一時的プロセッサの読み取り可能で記録可能な記憶媒体(すなわち、モジュールはソフトウェアそれ自体ではない)上に実装されていないソフトウェアとして解釈されるべきではない。実際に、「モジュール」は、プロセッサ又はコンピュータの一部などの少なくとも何らかの物理的な非一時的ハードウェアを常に含むものと解釈されるべきである。2つの異なるモジュールは、同じ物理ハードウェアを共有し得る(例えば、2つの異なるモジュールは、同じプロセッサ及びネットワークインターフェースを使用し得る)。本明細書に記載されるモジュールは、様々な用途をサポートするために組み合わせ、統合、分離、及び/又は複製が可能である。また、特定のモジュールで実行されるものとして本明細書に記載される機能は、特定のモジュールで実行される機能の代わりに、又はそれに加えて、1つ以上の他のモジュールで、及び/又は1つ以上の他のデバイスによって実行され得る。更に、モジュールは、互いにローカル又はリモートの多数のデバイス及び/又は他の構成要素にまたがって実装され得る。加えて、モジュールを1つのデバイスから移動し、別のデバイスに追加することができ、かつ/又は両方のデバイスに組み込むこともできる。
【0065】
本明細書に記載される主題は、バックエンド構成要素(例えば、データサーバ)、ミドルウェア構成要素(例えば、アプリケーションサーバ)、若しくはフロントエンド構成要素(例えば、グラフィカルユーザインターフェース又はウェブブラウザを有するクライアントコンピュータであって、ユーザはそれらを通して、本明細書に記載される主題の実装と相互作用することができる)、又はかかるバックエンド、ミドルウェア、及びフロントエンド構成要素の任意の組み合わせを含む、コンピューティングシステムに実装され得る。システムの構成要素は、デジタルデータ通信の任意の形態又は媒体、例えば、通信ネットワークによって相互接続され得る。通信ネットワークの例としては、ローカルエリアネットワーク(「local area network、LAN」)及び広域ネットワーク(「wide area network、WAN」)、例えば、インターネットが挙げられる。
【0066】
本明細書及び特許請求の範囲全体を通して本明細書で使用するとき、近似言語は、それが関連する基本機能の変化をもたらすことなく、許容可能に変化し得る、任意の定量的表現を修正するために適用されてもよい。したがって、「約」、「およそ」、及び「実質的に」など、1つ又は複数の用語によって修飾された値は、指定された正確な値に限定されるものではない。少なくともいくつかの例において、近似言語は、値を測定するための器具の精度に対応し得る。本明細書において、本明細書及び特許請求の範囲全体を通して、範囲制限の組み合わせ及び/又は交換が行われてもよく、かかる範囲は識別され、文脈又は言語が別段の指示をしていない限り、そこに含まれる全ての部分範囲を含む。
【0067】
当業者は、上述の実施形態に基づいて本発明の更なる特徴及び利点を理解するであろう。したがって、本出願は、添付の特許請求の範囲によって示されるものを除き、特に示され説明されてきたものによって限定されるものではない。本明細書に引用される全ての刊行物及び参考文献は、その全体が参照により明示的に組み込まれる。
【国際調査報告】