(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】空気調和機システム及びその制御方法
(51)【国際特許分類】
F24F 11/54 20180101AFI20230607BHJP
F24F 11/32 20180101ALI20230607BHJP
F24F 140/20 20180101ALN20230607BHJP
F24F 110/12 20180101ALN20230607BHJP
【FI】
F24F11/54
F24F11/32
F24F140:20
F24F110:12
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567214
(86)(22)【出願日】2020-06-18
(85)【翻訳文提出日】2022-11-14
(86)【国際出願番号】 KR2020007896
(87)【国際公開番号】W WO2021225213
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】10-2020-0053688
(32)【優先日】2020-05-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】502032105
【氏名又は名称】エルジー エレクトロニクス インコーポレイティド
【氏名又は名称原語表記】LG ELECTRONICS INC.
【住所又は居所原語表記】128, Yeoui-daero, Yeongdeungpo-gu, 07336 Seoul,Republic of Korea
(74)【代理人】
【識別番号】100109841
【氏名又は名称】堅田 健史
(74)【代理人】
【識別番号】230112025
【氏名又は名称】小林 英了
(72)【発明者】
【氏名】ソ,ボムソ
(72)【発明者】
【氏名】リ,サンフン
(72)【発明者】
【氏名】クォン,ヨンホン
(72)【発明者】
【氏名】ユン,ピルヒュン
【テーマコード(参考)】
3L260
【Fターム(参考)】
3L260AB02
3L260BA54
3L260BA64
3L260BA74
3L260CA32
3L260CB13
3L260DA10
3L260EA07
3L260FB51
3L260JA12
3L260JA19
3L260JA23
(57)【要約】
本発明は空気調和機システムに関し、特に補助熱源を備えた空気調和機システムに関する。かかる本発明は、空気調和機システムにおいて、室外機;室外機に連結され、温度センサを含む室内熱交換器;室外機に対して補助的に設けられ、室外機とは異なるエネルギー減により動作する補助熱源;室外機及び補助熱源により冷気又は温気が供給される設置空間の温度を調節する温度調節部;及び温度調節部に連結される入力部、補助熱源に連結される第1出力部、室外機に連結される第2出力部、及び入力部、第1出力部及び第2出力部の間の信号を処理する制御部を含む通信部を含んで構成される。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
空気調和機システムであって、
室外機;
前記室外機に連結され、温度センサを備える室内熱交換器;
前記室外機に対して補助的に設けられ、前記室外機とは異なるエネルギー減により動作する補助熱源;
前記室外機及び前記補助熱源により冷気又は温気が供給される設置空間の温度を調節する温度調節部;及び
前記温度調節部に連結される入力部、前記補助熱源に連結される第1出力部、前記室外機に連結される第2出力部、及び前記入力部、前記第1出力部及び前記第2出力部の間の信号を処理する制御部を備える通信部;を備えてなり、
前記制御部は、前記温度センサを用いて前記室外機及び前記補助熱源の何れかの運転状態をモニタリングすることを特徴とする空気調和機システム。
【請求項2】
前記室外機と前記補助熱源は互いに異なる通信方式で前記通信部に連結されることを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項3】
前記温度調節部及び前記補助熱源は第1通信方式で前記通信部に連結され、
前記室外機は第2通信方式で前記通信部に連結され、
前記制御部は前記第1通信方式による第1信号及び前記第2通信方式による第2信号を互いに変更して処理することを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項4】
前記温度センサは前記室内熱交換器の配管に設けられた配管温度センサであることを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項5】
前記配管温度センサは、
前記室内熱交換器の流入側配管に設けられる流入センサ;及び
前記室内熱交換器の流出側配管に設けられる流出センサ;を備えることを特徴とする、請求項4に記載の空気調和機システム。
【請求項6】
前記補助熱源はガス炉であり、
前記室外機はヒートポンプであることを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項7】
前記制御部は、
前記室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、又は、
前記配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、
前記補助熱源に運転を転換することを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項8】
前記制御部は、
前記室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、
前記配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で第1時間維持されるか、又は、
前記配管温度センサで感知された温度が前記第1温度より高い第2温度以下の状態で前記第1時間より長い第2時間維持されると、
前記補助熱源に運転を転換することを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項9】
前記制御部は、
前記補助熱源の運転中に前記配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、
前記室外機に運転を転換することを特徴とする、請求項1に記載の空気調和機システム。
【請求項10】
空気調和機システムの制御方法であって、
前記空気調和機システムは、室外機;前記室外機に連結され、温度センサを備える室内熱交換器;前記室外機に対して補助的に設けられ、前記室外機とは異なるエネルギー減により動作する補助熱源;及び前記室外機、前記室内熱交換器及び前記補助熱源に連結される通信部;を備え、
暖房運転が開始されると、暖房信号を受信する段階;
室外温度を基準として前記室外機を用いた第1暖房及び前記補助熱源を用いた第2暖房の何れかを決定する段階;
前記第1暖房が決定されると、前記室外機に運転信号を送信する段階;
前記室外機の故障を判断して前記室外機の故障であると判断されると、前記第2暖房に転換する段階;
前記第2暖房が決定されると、前記補助熱源に運転信号を送信する段階;及び
前記補助熱源の故障を判断して前記補助熱源の故障であると判断されると、前記第1暖房に転換する段階;を含んでなることを特徴とする、空気調和機システムの制御方法。
【請求項11】
前記第1暖房が決定されると、
前記補助熱源にファン動作信号を送信する段階を更に含むことを特徴とする、請求項10に記載の空気調和機システムの制御方法。
【請求項12】
前記補助熱源の故障であると判断されると、
前記補助熱源による第2暖房を中止し、前記ファン動作信号は維持することを特徴とする、請求項11に記載の空気調和機システムの制御方法。
【請求項13】
前記室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、又は、
前記配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持される場合、
前記室外機の故障であると判断することを特徴とする、請求項10に記載の空気調和機システムの制御方法。
【請求項14】
前記室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、
前記配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で第1時間維持されるか、又は、
前記配管温度センサで感知された温度が前記第1温度より高い第2温度以下の状態で前記第1時間より長い第2時間維持される場合、
前記室外機の故障であると判断することを特徴とする、請求項10に記載の空気調和機システムの制御方法。
【請求項15】
前記補助熱源の運転中に前記配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、
前記補助熱源の故障であると判断することを特徴とする、請求項10に記載の空気調和機システムの制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は空気調和機システムに関し、特に補助熱源を備える空気調和機システムに関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、北米の住居空間でよく使われる空気調和機システムの一種であるユニタリーシステム(Unitary system)は、サーモスタット(Thermostat;温度調節装置)、室外機(冷房或いは冷/暖房)、ガス炉(送風、暖房)、室内熱交換器(A-Coil)を含んで構成される。
【0003】
このユニタリーシステムは、室外に設けられた室外機で冷房或いは冷/暖房を担当し、室内の地下室や天井部に室内熱交換器とガス炉が設けられて室内の住居空間にダクトという空気移動通路を介して処理された空気を移送して室内を冷/暖房する方式で構成される。
【0004】
かかるユニタリーシステムは、各室内の内側に流入する方向の矢印で表示された回収部に室内の空気を回収し、再度ガス炉内の送風システムに送って空気を冷却又は加熱して室内を冷/暖房する方式で運転される。
【0005】
通常、ユニタリーシステムは、従来の壁掛け、カセット空気調和機などのDFS(Duct Free System)とは異なり、室外機、室内熱交換器、補助熱源、制御器の製造業者が異なることもある。即ち、ユニタリーシステムの各構成をユーザの便宜に応じて個々に設ける場合が多い。
【0006】
特に制御器であるサーモスタットは、ユーザ選好及び便利性などによって空気調和機の製造業者とは異なる製造業者の製品を適用するケースが多い。このとき、サーモスタットは双方向通信ではなく、システム(室外機、ガス炉など)に接点信号を用いて制御するので、システムで発生するエラーなどに対応しにくいという問題がある。
【0007】
このように通常のユニタリーシステムでは室外機とガス炉を組み合わせて、室外機は冷房を担当し、ガス炉が暖房を担当する形態の構成が一般的に利用される。
【0008】
一方、最近には運転費用の減少及び化石燃料の使用を減らすために、ヒートポンプ室外機とガス炉を並列に設ける。従って、室外温度が高い場合はヒートポンプを用いた暖房で運転費用を節約し、室外温度が低くて大きい暖房能力が必要な場合にはガス炉で暖房運転を行うハイブリッドシステム構成が増加している。
【0009】
このとき、かかるヒートポンプとガス炉の転換は室外温度を基準として行われる。しかし、サーモスタットが室外機やガス炉の運転状態に関する情報を受けず、ヒートポンプやガス炉のいずれに故障が発生したとき、他の暖房手段があるにもかかわらず暖房できない問題が発生し得る。
【0010】
従って、かかる問題を解決するための方案が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
解決しようとする技術的課題は、互いに異なる製造業者により製造された空気調和機システムの動作を効率的に制御できる空気調和機システム及びその制御方法を提供することにある。
【0012】
また室外機又は補助熱源の故障などの問題により適切な暖房を行えないとき、他の熱源に自動的に変換されて暖房を維持できる空気調和機システム及びその制御方法を提供しようとする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、室内熱交換器の電磁式膨張バルブ(EEV)制御のためにガス/液配管に設けられた配管温度センサを備えることにより、適切な暖房が行われているかどうかをモニタリングすることができる。
【0014】
また室外機又は補助熱源(ガス炉)を互いに連結して制御できる通信部を備えることにより、室外機又は補助熱源(ガス炉)の故障などの問題により適切な暖房が行えない場合、室外温度基盤の室外機又は補助熱源(ガス炉)のいずれの暖房運転にこだわらず、他の熱源に自動的に変換されてバックアップ運転を行うことにより正常的な暖房を維持することができる。
【0015】
具体的な一例として、本発明は、空気調和機システムにおいて、室外機;該室外機に連結され、温度センサを含む室内熱交換器;室外機に対して補助的に設けられ、室外機とは異なるエネルギー減により動作する補助熱源;室外機及び補助熱源により冷気又は温気が供給される設置空間の温度を調節する温度調節部;及び温度調節部に連結される入力部、補助熱源に連結される第1出力部、室外機に連結される第2出力部、及び入力部、第1出力部及び第2出力部の間の信号を処理する制御部を含む通信部を備えて構成される(備える;構成する;構築する;設定する;包接する;包含する;含有する)。
【0016】
このとき、制御部は、温度センサを用いて室外機及び補助熱源のいずれの運転状態をモニタリングする。
【0017】
また室外機と補助熱源は互いに異なる通信方式で通信部に連結される。
【0018】
また温度調節部及び補助熱源は第1通信方式で通信部に連結され、室外機は第2通信方式で通信部に連結され、制御部は第1通信方式による第1信号及び第2通信方式による第2信号を互いに変更して処理する。
【0019】
また温度センサは室内熱交換器の配管に設けられた配管温度センサであってもよい。
【0020】
また配管温度センサは、室内熱交換器の流入側配管に設けられる流入センサ;及び室内熱交換器の流出側配管に設けられる流出センサを含む。
【0021】
また補助熱源はガス炉であり、室外機はヒートポンプである。
【0022】
また制御部は、室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、又は配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、補助熱源に運転を転換する。
【0023】
また制御部は、室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で第1時間維持されるか、又は配管温度センサで感知された温度が第1温度より高い第2温度以下の状態で第1時間より長い第2時間維持されると、補助熱源に運転を転換する。
【0024】
また、制御部は、補助熱源の運転中に配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、室外機に運転を転換する。
【0025】
具体的な他の例として、本発明は、室外機、室外機に連結され、温度センサを含む室内熱交換器、室外機に対して補助的に設けられ、室外機とは異なるエネルギー減により動作する補助熱源、及び室外機、室内熱交換器及び補助熱源に連結される通信部を含む空気調和機システムの制御方法において、暖房運転を開始されると、暖房信号を受信する段階;室外温度を基準として室外機を用いた第1暖房及び補助熱源を用いた第2暖房のいずれかを決定する段階;第1暖房が決定されると、室外機に運転信号を送信する段階;室外機の故障を判断して室外機の故障であると判断されると、第2暖房に転換する段階;第2暖房が決定されると、補助熱源に運転信号を送信する段階;及び補助熱源の故障を判断して補助熱源の故障であると判断されると、第1暖房に転換する段階;を含んで構成される。
【0026】
また第1暖房が決定されると、さらに補助熱源にファン動作信号を送信する段階を含む。
【0027】
また補助熱源の故障であると判断されると、補助熱源による第2暖房を中止し、ファン動作信号は維持する。
【0028】
また室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、又は配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持される場合、室外機の故障であると判断する。
【0029】
また室外機のエラーが一定時間以上維持されるか、配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で第1時間維持されるか、又は配管温度センサで感知された温度が第1温度より高い第2温度以下の状態で第1時間より長い第2時間維持される場合、室外機の故障であると判断する。
【0030】
また補助熱源の運転中に配管温度センサで感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、補助熱源の故障であると判断する。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、以下の効果が得られる。
【0032】
以上のように、本発明の実施例によれば、互いに異なる製造業者により製造された温度調節部、室外機、室内機及び室内熱交換器の動作を効率的に制御することができる。
【0033】
また室内機の配管温度センサを用いて適切な暖房が行われているかどうかをモニタリングすることができる。
【0034】
またモニタリング結果、室外機又は補助熱源の故障などの問題により適切な暖房が行われていないとき、他の熱源に自動的に変換されて暖房を維持することができる。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【
図1】本発明が適用されるユニタリーシステムの設定例を示す図である。
【
図2】通常のユニタリーシステムの構成を示すブロック構成図である。
【
図3】通常のユニタリーシステムの制御構成を示す制御フローチャートである。
【
図4】本発明の一実施例による空気調和機システムを示すブロック構成図である。
【
図5】本発明の一実施例による空気調和機システムの細部を示すブロック構成図である。
【
図6】本発明の一実施例による空気調和機システムの室内熱交換器を示す概略図である。
【
図7】本発明の一実施例による空気調和機システムの室内熱交換器に設けられた配管温度センサを用いて配管温度をモニタリングする状態を示すグラフである。
【
図8】本発明の一実施例による空気調和機システムの制御方法を示すフローチャートである。
【
図9-10】本発明の一実施例による空気調和機システムの室外機を用いた暖房運転中のそれぞれの配管の圧力及び温度の変動を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照しながら本明細書に開示された実施例について詳しく説明するが、図面符号に関係なく、同一又は類似する構成要素には同じ参照番号を付してこれについての重複説明は省略する。以下の説明で使用される構成要素に対する接尾辞「モジュール」及び「部」は本明細書の作成の容易性のみを考慮して付与又は混用されるものであって、それ自体が互いに区別される意味又は役割を有するとはいえない。また、本明細書に開示された実施例を説明するにおいて、関連する公知技術に関する具体的な説明が本明細書に開示された実施例の要旨を曖昧にする可能性があると判断される場合は、詳しい説明を省略する。また添付図面は本明細書に開示された実施例に対する容易な理解を助けるためのものであり、添付図面により本明細書に開示する技術的思想は制限されて解釈されてはいけない。
【0037】
さらに、説明の便宜のためにそれぞれの図について説明しているが、当業者が少なくとも2つ以上の図面を結合して他の実施例を具現することも本発明の権利範囲に属する。
【0038】
また層、領域又はモジュールなど要素が他の構成要素の”上(on)”に存在すると言及されたとき、これは他の要素上に直接存在することはもちろん、それらの間に中間要素が存在する場合も含むことを理解できるであろう。
【0039】
一般的に、北米の住居空間でよく使われるユニタリーシステムは、サーモスタット(温度調節装置)、室外機(冷房或いは冷/暖房)、ガス炉(送風、暖房)、室内熱交換器を含んで構成される。
【0040】
ここで、サーモスタットは、一般的に温度を一定に調節する装置をいう。一例として、サーモスタットはバイメタルを用いてスイッチを開閉して制御する。バイメタルは線膨張係数が互いに異なる2種類の金属薄板を併せたものであり、温度が上昇すると、緩慢な曲線を表すので、電気接点の開閉に用いられる。それ以外にも、各種温度センサ(サーミスタ、白金抵抗線など)を用いて温度を検出し、電気的に接点の開閉を制御する。本発明において、サーモスタットはかかるスイッチ開閉を用いてシステムの温度を調節する温度調節装置を意味する。
【0041】
図1は本発明が適用されるユニタリーシステムの設置例を示す。
図1を参照すると、室外に設けられた室外機で冷房或いは冷/暖房を担当し、室内の地下室や天井部に室内熱交換器とガス炉(D)が設けられて室内の住居空間にダクトという空気移動通路を介して処理された空気を移送して室内を冷/暖房する方式で構成される。
【0042】
かかるユニタリーシステムは、各室内の内側に流入する方向の矢印で表示された回収部に室内の空気を回収し、再度ガス炉(D)内の送風システムに送って空気を冷却又は加熱して室内を冷/暖房する方式で運転される。
【0043】
図1において、A及びBで表示した部分は換気ディフューザ(Return air diffuser)であって、室内空気を再度回収して空調システム(ユニタリーシステム)に送る役割を果たす。ここで、Aは天井に設けられた形態、Bは壁面に設けられた形態を示す。
【0044】
また、C、E及びFで表示した部分は給気ディフューザ(Supplier air diffuser)である。給気ディフューザは空調システムにおいて冷房/暖房により処理された空気が室内に供給される部分を示す(床吹出方式)。
【0045】
一方、D部分は上述したように、室内熱交換器(A-Coil)とガス炉(Gas Furnace)を示す。室内熱交換器は室外機(ガス炉)に連結されて冷房を担当し、ガス炉は暖房を担当する(ここで、ガス炉にブロワー(blower、又はファン)を用いて冷/暖房空気を移送する)。
【0046】
図1において、G部分は給気ダクト(Suppler Air Duct)を示す。即ち、空調システムにおいて冷/暖房処理された空気を移送するダクトである。
【0047】
図2は通常のユニタリーシステムの構成を示すブロック構成図である。また
図3は通常のユニタリーシステムの制御構成を示す制御フローチャートである。
【0048】
図2を参照すると、ユニタリーシステムは基本構成としてサーモスタット(Thermostat;制御器;10)、室外機(20;冷房或いは冷/暖房)、及び補助熱源(30;ガス炉、送風/暖房)及び室内熱交換器40を含む。
【0049】
通常、ユニタリーシステムは、従来の壁掛け、カセット空気調和機などのDFS(Duct Free System)とは異なり、室外機20、室内熱交換器40、補助熱源30、制御器100の製造業者が異なることもある。即ち、ユニタリーシステムの各構成をユーザの便宜に応じて個々に設ける場合が多い。
【0050】
特に制御器であるサーモスタット10は、ユーザ選好及び便利性などによって空気調和機の製造業者とは異なる製造業者の製品を適用するケースが多い。このとき、サーモスタット10は、
図3に示すように、双方向通信ではなく、システム(室外機、ガス炉など)に接点信号を用いて制御するので、システムで発生するエラーなどに対応しにくいという問題がある。
【0051】
このようにサーモスタット10は通常、空調システムとは異なる製造業者によるシステム(室外機、ガス炉など)との連携運転を許容するために、一般的にR、C、Y(又はY1、Y2)、W(W1、W2)、G信号のような信号を接点として提供する。
【0052】
ここで、T1、T2はサーモスタット10が外気温度の情報を受けるために(一例として、室外機、ガス炉のデュアルモード燃焼運転のために)外部温度センサを連結するポートである。
【0053】
図3において丸1(1)、丸2(2)部分は全体が同じ製造業者により連結されるとき、自体通信連結部分を示す。また斜線部分は一般的な多数の製造業者が共通して提供する部分を示す。
【0054】
このように通常のユニタリーシステムでは室外機とガス炉を組み合わせて、室外機は冷房を担当し、ガス炉が暖房を担当する形態の構成が一般的に利用される。
【0055】
このように
図1ないし
図3を参照して説明した事項は、以下の本発明の一実施例に同様に適用される。
【0056】
一方、最近には運転費用の減少及び化石燃料の使用を減らすために、ヒートポンプ室外機とガス炉を並列に設ける。従って、室外温度が高い場合はヒートポンプを用いた暖房で運転費用を節約し、室外温度が低くて大きい暖房能力が必要な場合にはガス炉で暖房運転を行うハイブリッドシステム構成が増加している。
【0057】
このとき、かかるヒートポンプとガス炉の転換は室外温度を基準として行われる。しかし、サーモスタットが室外機やガス炉の運転状態に関する情報を受けず、ヒートポンプやガス炉のいずれに故障が発生したとき、他の暖房手段があるにもかかわらず暖房できない問題が発生し得る。
【0058】
図4は本発明の一実施例による空気調和機システムを示すブロック構成図である。
【0059】
図4を参照すると、本発明の一実施例による空気調和機システムは、大きく室外機200、この室外機200に連結される室内熱交換器(室内機;400)、補助熱源300、室内熱交換器400が設けられた設置空間の温度を調節するための温度調節部100、及びこれらの間に連結されて室外機200及び補助熱源300の駆動を制御する通信部500を含んで構成される。
【0060】
室外機200は冷媒を用いる空気調和機システムの一部であって、圧縮機を含む。一例として、室外機200はヒートポンプである。
【0061】
ヒートポンプとは、冷媒の発熱又は凝縮熱を用いて低温の熱源を高温に伝達したり、高温の熱源を低温に伝達したりする冷暖房装置であって、駆動方式によって電気式とエンジン式に区分されるが、現在、大部分は冷房と暖房を兼ねる構造になっている。
【0062】
熱は温度が高いところから低いところに移動する性質があるが、ヒートポンプは逆に低い温度から高い温度に熱を引き上げる役割を果たす。
【0063】
このとき、かかる室外機200には温度センサを含む室内熱交換器400が連結される。室内熱交換器400には室外機200から冷媒が供給される。その冷媒の状態によって室内熱交換器400では熱交換が行われる。即ち、高温の冷媒が供給されると、室内熱交換器400が設けられた空間を暖房させ、低温の冷媒が供給されると、内熱交換器400が設けられた空間を冷房させる。
【0064】
補助熱源300は室外機200に対して補助的に設けられ、室外機200とは異なるエネルギー減により動作する。一例として、補助熱源300は化石燃料を用いて熱を発生させる加熱炉(furnace)である。具体的には、補助熱源300はガスにより動作するガス炉である。
【0065】
かかる室外機200と補助熱源300は通信部500(Comm.Kit)と通信線により連結される。
図4において点線は通信線を意味する。
【0066】
温度調節部100(Thermostat)はかかる室外機200及び補助熱源300により冷気又は温気が供給される設置空間の温度を調節する。
【0067】
かかる構成により、室外温度が高い場合は室外機200を用いた暖房を行い、室外温度が低くて大きい暖房能力が必要な場合には補助熱源300を用いて暖房運転を行う。
【0068】
即ち、室外機200とガス炉(補助熱源;300)を用いてハイブリッドシステムを構成することにより、室外温度が高いときには室外機200のみで暖房を行うことにより運転費用を節減することができる。
【0069】
このとき、室外機200と補助熱源300は互いに異なる通信方式で通信部500に連結される。これは上述したように、室外機200と補助熱源300の製造業者が異なるためである。
【0070】
具体的には、温度調節部100及び補助熱源300は第1通信方式で通信部500に連結され、室外機200は第2通信方式で通信部500に連結される。かかる第1通信方式は接点信号による通信方式であり、第2通信方式は内部通信プロトコールによる通信方式である。
【0071】
このとき、通信部500には制御部(540;
図5を参照)が備えられ、この制御部540はかかる第1通信方式による第1信号及び第2通信方式による第2信号を互いに変更して処理する。これについて詳しくは後述する。
【0072】
図5は本発明の一実施例による空気調和機システムの細部を示すブロック構成図である。
図5は通信部500の構成をより具体的に示している。
【0073】
図5を参照すると、通信部500は温度調節部100が連結される入力部510を含む。このとき、通信部500と温度調節部100は通信線により連結される。上述したように、通信部500と温度調節部100は接点信号(R、C、G、Y、M)をやり取りすることができる。
【0074】
図3を参照して上述したように、温度調節部100は通常、空調システムとは異なる製造業者によるシステム(室外機、ガス炉など)との連結運転を許容するために、一般的に、R、C、Y(又はY1、Y2)、W(W1、W2)、G信号のような信号を接点として提供する。このように
図3に示した事項がこの実施例にも同様に適用される。
【0075】
ここで、T1、T2は温度調節部100が外気の温度情報を受けるために(一例として、室外機200、補助熱源300のデュアルモードの燃焼運転のために)、外部温度センサを連結するポートである。
【0076】
接点信号のうち、R、Cは電源線が連結されるポートであり、Gは送風信号が連結される信号である。また、Y(Y1、Y2)は冷房信号が連結されるポートであり、W(W1、W2)は暖房信号が連結されるポートである。
【0077】
かかる信号のうち、通信部500と温度調節部100はR、C、G、Y、Mの接点信号をやり取りする。
【0078】
通信部500は補助熱源300が連結される第1出力部520を含む。かかる補助熱源300と通信部500は同様に接点信号(R、C、G、Y、M)をやり取りする。即ち、通信部500と補助熱源300はR、C、G、Y、Mの接点信号をやり取りする。
【0079】
また通信部500は室外機200が連結される第2出力部530を含む。このとき、通信部500と室外機200は内部通信プロトコールを用いて信号をやり取りする。かかる内部通信プロトコールを用いた通信には、一例として、RS485通信がある。
【0080】
即ち、通信部500と室外機200は同じ製造業者により提供されて同じ通信方式を用いて信号をやり取りする。かかる信号の交換により、冷房、ヒートポンプを用いた暖房を含む室外機運転が行われる。即ち、かかる信号の交換により室外機200での圧縮機駆動、電磁式膨張バルブ(EEV)の駆動、室外機ファンの駆動などが行われる。
【0081】
図5には室内熱交換器400の構成が省略されている。室内熱交換器400は室外機200により行われる冷媒の流れにより熱交換が行われる手動的機能を行う。
【0082】
一例として、通信部500は室内熱交換器400に設けられるか、又は室内熱交換器400に隣接して設けられる。
【0083】
このような構成により、通信部500は室外機200と通信して上述した室外機200の動作を行い、補助熱源300のオン/オフ制御、ファン速度制御などを行う。また通信部500は室内熱交換器400の温度を感知して効率的な冷/暖房が行われるように制御する。
【0084】
図6は本発明の一実施例による空気調和機システムの室内熱交換器を示す概略図である。
【0085】
上述したように、室内熱交換器400(A-Coil)には室外機200から供給される冷媒が通過しながら熱交換が行われる。かかる室内熱交換器400には多数の冷媒管及び熱交換ピンが備えられる。この構成に関する説明は省略する。
【0086】
一方、上述したように、室内熱交換器400により通信部500は室内の温度を感知することができる。このために、室内熱交換器400には温度センサ420,430が備えられる。
【0087】
室内熱交換器400は、本体410と、冷媒の流入側配管420及び流出側配管430を含む配管を備える。このとき、温度センサはかかる配管に設けられた配管温度センサ421,431である。
【0088】
かかる配管温度センサは室内熱交換器400の流入側配管420に設けられる流入センサ421及び流出側配管430に設けられる流出センサ431を含む。
【0089】
このとき、通信部500に設けられる制御部540はかかる配管温度センサ421,431を用いて室外機200及び補助熱源300のいずれかの運転状態をモニタリングする。
【0090】
図7は本発明の一実施例による空気調和機システムの室内熱交換器に設けられた配管温度センサを用いて配管温度をモニタリングする状態を示すグラフである。
【0091】
上述したように、流入(Tube In)センサ421及び流出(Tube Out)センサ431は室内熱交換器400の流入側配管420及び流出側配管430に設けられる。また一例として、室内熱交換器400は補助熱源300の周りに設けられる。
【0092】
このとき、室外機200を用いる暖房運転時、冷媒の流れによって室内熱交換器400の配管温度が上昇し、補助熱源300を用いる暖房運転時には冷媒の流れがなくても補助熱源300の作動により加熱された空気の影響によって流入/流出温度が特定温度以上に上昇することが分かる。
【0093】
図7を参照すると、補助熱源300の作動オン/オフによって配管温度センサ、即ち、流入センサ421及び流出センサ431で感知した温度が変動することが示されている。
【0094】
一方、制御部540は温度調節部100で暖房運転のための暖房信号を受信すると、室外温度を基準として室外機200を用いて暖房を行うか、それとも補助熱源300を用いて暖房を行うかを決定することができる。
【0095】
これにより、室外機200及び補助熱源300のいずれかを用いて暖房運転を行ったとき、エラーを感知すると、他の1つを用いる暖房運転に転換することができる。かかるエラー又は異常の判断は流入センサ421及び流出センサ431で感知した温度を用いて行われる。
【0096】
一例として、室外機200のエラーを感知するか、又はエラーが一定時間以上維持されると、補助熱源300に運転を転換する。
【0097】
また補助熱源300の異常を感知するか、又は異常現像が一定時間以上維持されると、室外機200に運転を転換する。
【0098】
具体的な例として、制御部540は、室外機200のエラーが一定時間以上維持されるか、又は配管温度センサ421,431で感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、補助熱源300に運転を転換する。
【0099】
また制御部540は、補助熱源300の運転中に配管温度センサ421,431で感知された温度が第1温度以下の状態で一定時間維持されると、室外機200に運転を転換する。
【0100】
かかる制御過程について詳しくは後述する。
【0101】
図8は本発明の一実施例による空気調和機システムの制御方法を示すフローチャートである。
【0102】
以下、上述した空気調和機システムを用いた制御方法について詳しく説明する。ここで説明する制御方法は、通信部500、特に通信部500に設けられた制御部540により行われる。
【0103】
まず暖房運転が開始されると、通信部500は温度調節部100から暖房信号を受信する(S10)。このとき、室外機200から室外温度情報を一緒に受信する。
【0104】
このように暖房信号を受信すると、室外温度を基準として室外機200を用いた第1暖房及び補助熱源300を用いた第2暖房のいずれかを決定(判断)する(S20)。
【0105】
上述したように、室外温度が基準温度より低くないと、室外機200を用いた第1暖房が行われ(S30)、室外温度が基準温度より低いと、補助熱源300を用いた第2暖房が行われる(S40)。
【0106】
一例として、室外機(200;ヒートポンプ)を用いた第1暖房が決定されると(S31)、室外機200に暖房運転信号を送信する(S32)。
【0107】
このとき、第1暖房が決定されると(S31)、補助熱源300にファン動作信号を送信する過程(S32)が一緒に行われる。室外機(200;ヒートポンプ)を用いた暖房が決定されると、室外機200で暖房運転により高温/高圧の冷媒が室内熱交換器400に移動する。かかる高温/高圧の冷媒が室内熱交換器400で空気との熱交換により暖房を進行するために、ファン(ブロワー)が動作する。
【0108】
室内熱交換器400にはファンが設けられず、熱交換のための配管のみが備えられる。従って、空気の移送のために補助熱源300に備えられたブロワー(図示せず)を用いられる。
【0109】
このとき、補助熱源300は駆動せず、即ち、燃焼過程は発生せず、ブロワーのみが駆動する。
【0110】
このように室外機200に運転信号が送信されると(S32)、室外機200による暖房運転が行われる(S33)。
【0111】
このとき、暖房運転が行われる間に配管温度センサ421,431により配管温度をモニタリングすることができる。
【0112】
一方、場合によっては、室外機200の運転にエラーが発生する。このとき、室外機200で受信されたエラー信号及び配管温度センサ421,431から受信された信号のいずれかを用いて室外機(200;ヒートポンプ)の故障を判断することができる(S34)。
【0113】
このとき、室外機200の故障は、室外機200のエラーが一定時間以上維持されるか、又は配管温度センサ421,431で感知された温度が一定温度、例えば、第1温度以下の状態で一定時間維持される場合に、室外機200の故障であると判断される。
【0114】
又は室外機200の故障は、室外機200のエラーが一定時間以上維持されるか、配管温度センサ421,431で感知された温度が一定温度、例えば、第1温度以下の状態で一定時間維持されるか、又は配管温度センサ421,431で感知された温度が第1温度より高い第2温度以下の状態で第1時間より長い第2時間維持される場合に、室外機200の故障であると判断される。
【0115】
具体的な例として、室外機200のエラーが1分以上維持されるか、配管温度センサ421,431で感知した配管出口の温度が第1温度以下に15分以上連続して維持されるか、又は配管温度センサ421,431で感知した配管出口の温度が第1温度より高い第2温度以下(即ち、第1温度と第2温度の間)に30分以上連続して維持されると、室外機200の故障であると判断する。
【0116】
このような判断過程(S34)において、室外機200の故障ではないと判断されうと、室外機200を用いた暖房運転を続けることができる(S35)。
【0117】
反面、判断過程(S34)において、室外機200の故障が発生したと判断されると、室外機200の動作をオフする(S36)。
【0118】
また補助熱源300を用いて暖房を進行するための暖房信号を助熱源300に送信する(S37)。
【0119】
他の例として、補助熱源(ガス炉;300)を用いた第2暖房が決定されると(S41)、補助熱源300に暖房運転信号を送信する(S42)。
【0120】
このように室外機200に運転信号が送信されると(S42)、補助熱源300による暖房運転が行われる(S43)。
【0121】
このとき、暖房運転が行われる間に配管温度センサ421,431により配管温度がモニタリングされる。
【0122】
一方、場合によっては、補助熱源300の運転にエラーが発生することもある。このとき、配管温度センサ421,431から受信された信号を用いて補助熱源300の故障を判断することができる(S44)。
【0123】
このとき、補助熱源300の故障は、配管温度センサ421,431で感知された温度が一定温度、例えば、第1温度以下の状態で一定時間維持される場合に補助熱源300の故障であると判断される。
【0124】
具体的な例として、配管温度センサ421,431で感知した配管出口温度が第1温度以下の状態に15分以上連続して維持されると、補助熱源300の故障であると判断される。
【0125】
このような判断過程(S44)において、補助熱源300の故障ではないと判断されると、補助熱源300を用いた暖房運転を続けることができる(S45)。
【0126】
反面、補助熱源300の故障であると判断されると、補助熱源300による第2暖房を中止する(S46)。しかし、このとき、ファン動作信号はそのまま維持できる。
【0127】
また室外機200を用いて暖房を進行するための暖房信号を室外機200に送信する(S47)。
【0128】
従って、このように補助熱源300の故障が発生すると、室外機200を用いて暖房運転を行うことができる(S48)。
【0129】
以上のように、室外機200又は補助熱源300の故障判断は、室内熱交換器400に備えられた配管温度センサ421,431、そののうち、流出センサ431により行われる。
【0130】
室外機200として用いられるヒートポンプは、温度上昇に時間がかかり、適切な暖房を供給するためには流出センサ431の温度が一定温度、例えば、42℃以上確保される必要があるので、このように2段階に分けて進行される。
【0131】
反面、補助熱源300として用いられるガス炉の運転中に故障判断はガス炉の作動により加熱された空気により配管温度の上昇が必要であるので、ヒートポンプのバックアップ運転基準(第2温度)より低い温度に設定される(このときの温度が室内に供給される空気温度と類似するためである)。
【0132】
図9及び
図10は本発明の一実施例による空気調和機システムの室外機を用いた暖房運転中のそれぞれの配管の圧力及び温度の変動を示すグラフである。
【0133】
室外機200で行われる暖房運転において、蒸気圧縮式サイクルは圧縮機、凝縮器、膨張弁(EEV)、そして蒸発器の過程を経る。
【0134】
まず、
図9に示す圧力グラフにおいて、高圧は室外機200の圧縮機から吐出される冷媒ガスの圧力であって凝縮圧力に該当する。そして低圧は蒸発圧力に該当する。
【0135】
図9において、INVは圧縮機を駆動するインバーターを意味する。また、INVは現在運転している圧縮機の回転数(振動数;Hz)を表現する。
【0136】
図10において、空気3及び空気4(ここで、
図9及び
図10は2つのシステムを試験運転する例を示す)は、室内で回収されて室内熱交換器400に流入する回気の温度を示す。
【0137】
一方、配管Out3、配管Out4は同様に2つのシステムにおいて室内熱交換器400での配管温度を示す。
【0138】
図9及び
図10を参照すると、空気調和機システムが温度調節部100と連携されて運転する途中、設定温度に到達すると運転がオフ(off)され、時間が経過して設定温度より低くなると再度運転がオン(オン)される状態が示されている。従って、グラフは周期的に変動する形態を示している。
【0139】
以上のように本発明の実施例によれば、互いに異なる製造業者により製造された温度調節部、室外機、室内機及び室内熱交換器の動作を効率的に制御することができる。
【0140】
また室内機配管温度センサを用いて適切な暖房が行われるかどうかをモニタリングすることができる。
【0141】
また、モニタリング結果、室外機又は補助熱源の故障などの問題により適切な暖房が行われないとき、他の熱源に自働的に変換されて暖房を維持することができる。
【0142】
以上の説明は、本発明の技術思想を例示的に説明したものに過ぎず、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者であれば、本発明の本質的な特性から逸脱しない範囲で様々な修正及び変形が可能である。
【0143】
従って、本発明に開示の実施例は、本発明の技術思想を限定するためのものではなく説明するためのものであり、これらの実施例により、本実施例の技術思想の範囲が限定されることではない。
【0144】
本発明の保護範囲は特許請求の範囲によって解釈されるべきであり、それと同等の範囲内にある全ての技術思想は本発明の権利範囲に含まれるものと解釈されるべきである。
【産業上の利用可能性】
【0145】
本発明によれば、補助熱源を備える空気調和機システムを提供することができる。
【国際調査報告】