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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】予測車両動作支援
(51)【国際特許分類】
   B60W 50/14 20200101AFI20230607BHJP
   B60L 3/00 20190101ALI20230607BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20230607BHJP
   B60C 23/04 20060101ALI20230607BHJP
   B60L 15/20 20060101ALN20230607BHJP
【FI】
B60W50/14
B60L3/00 N
B60W60/00
B60C23/04 210
B60L15/20 S
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567328
(86)(22)【出願日】2021-04-29
(85)【翻訳文提出日】2022-12-23
(86)【国際出願番号】 US2021029946
(87)【国際公開番号】W WO2021225865
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】16/865,963
(32)【優先日】2020-05-04
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】522430534
【氏名又は名称】ティモシー・ジャスト
(74)【代理人】
【識別番号】100108453
【弁理士】
【氏名又は名称】村山 靖彦
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【弁理士】
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133400
【弁理士】
【氏名又は名称】阿部 達彦
(72)【発明者】
【氏名】ティモシー・ジャスト
【テーマコード(参考)】
3D241
5H125
【Fターム(参考)】
3D241BA57
3D241CA09
3D241CD12
3D241CE02
3D241CE04
3D241DA05Z
3D241DA39Z
3D241DA52Z
3D241DB03Z
3D241DB12Z
3D241DB27Z
3D241DB42Z
3D241DB44
3D241DC31Z
3D241DC51Z
5H125AA01
5H125BA07
5H125CA02
5H125CA11
5H125CA18
5H125CC04
5H125CD02
5H125CD03
5H125DD16
5H125EE08
5H125EE41
5H125EE51
5H125EE52
5H125EE61
5H125EE63
(57)【要約】
本明細書に記載されるのは、車両の予測動作支援のための種々のシステムおよびプロセスである。本明細書に記載されるシステムおよび技術は、ドライバーによって操作される車両、半自律車両および/または自律車両などの車両に適用可能であってよい。本明細書に記載される支援技術は、予測式であってよい。すなわち、技術によって、車両制御が損なわれる前に、最善ではない、または危険な動作条件の予測が可能になる。したがって、警告が提供されてよく、および/または車両の動作が予測支援の特定に基づいて変更されてもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載される技術は、ドライバーに警告を与えてよく、車両内の欠陥を検出してよく、ルートプランニングを補助してよく、車両に近接する障害物を検出してよく、および/または車両の動作を補助してもよい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
車両であって、
本体と、
前記本体の中に配置され、ユーザインターフェースを備える内部と、
ホイール組立体と、
前記ホイール組立体の回転速度を感知し、前記回転速度に基づく速度センサデータを提供するように構成された速度センサと、
前記ホイール組立体のタイヤ圧を感知し、タイヤ圧データを提供するように構成されたタイヤ圧センサと、
前記速度センサおよび前記内部に通信可能に結合されたコントローラと、
を備え、前記コントローラは、
前記車両が濡れた面を走行していることを特定し、
前記速度センサデータを受信し、
前記速度センサデータから前記車両の対地速度を特定し、
前記タイヤ圧データを受信し、
前記タイヤ圧データから前記ホイール組立体の前記タイヤ圧を特定し、
前記ホイール組立体の前記タイヤ圧に基づいてハイドロプレーニング速度を特定し、
前記対地速度が前記ハイドロプレーニング速度を超えることを特定し、
前記対地速度が前記ハイドロプレーニング速度を超えることの前記特定に基づいて、前記ユーザインターフェースでハイドロプレーニングの警告を出力する、ように構成される、車両。
【請求項2】
時間当たりのマイル数における前記ハイドロプレーニング速度は、平方インチ当たりのポンドにおける前記タイヤ圧の平方根に第1の因数を乗じることによって特定される、請求項1に記載の車両。
【請求項3】
前記第1の因数は、事前に決定された因数であり、9の値を有する、請求項2に記載の車両。
【請求項4】
前記車両は自律車両であり、前記コントローラは、
前記対地速度が前記ハイドロプレーニング速度を超えることの前記特定に基づいて、前記車両の前記対地速度を低下させるようにさらに構成される、請求項1に記載の車両。
【請求項5】
前記対地速度は、さらにタイヤ圧データに基づいて特定され、前記車両は、
GPSデータを出力するように構成された全地球測位システム(GPS)センサをさらに備え、前記コントローラは、
前記GPSデータを受信し、
前記GPSデータに基づいて前記車両のGPS速度を特定し、
前記GPS速度を前記対地速度と比較し、
前記対地速度に対する前記GPS速度の前記比較に基づいて、前記ホイール組立体のタイヤの摩耗の量を特定し、
前記摩耗の量が閾値量を超えることを特定し、
前記摩耗の量が前記閾値量を超えることの前記特定に基づいて、前記ユーザインターフェースでタイヤの摩耗の警告を出力する、ようにさらに構成される、請求項1に記載の車両。
【請求項6】
前記摩耗の量が前記閾値量を超えることの前記特定は、前記GPS速度が閾値量だけ前記対地速度より高いことを特定することを含む、請求項5に記載の車両。
【請求項7】
前記ハイドロプレーニング速度は、前記摩耗の量に基づく、請求項5に記載の車両。
【請求項8】
前記対地速度は、前記タイヤ圧データにさらに基づいて特定される、請求項5に記載の車両。
【請求項9】
前記車両は、
第三者から通信データを受信するように構成された通信モジュールをさらに備え、前記車両が前記濡れた面を走行していることの前記特定は、前記通信データに基づく、請求項1に記載の車両。
【請求項10】
前記コントローラは、
前記通信データを受信し、前記通信データは、歩行者と対応付けられたモバイルデバイスによって生成され、
前記通信データが前記歩行者から受信されたことを特定し、
前記車両の近くの前記歩行者の存在を特定し、
前記ユーザインターフェースに歩行者警報を出力するようにさらに構成される、請求項9に記載の車両。
【請求項11】
本体と、
ホイールおよび前記ホイールに結合されたタイヤを備えるホイール組立体と、
前記タイヤのスリップ角を特定し、スリップ角データを提供するように構成されたホイールスリップセンサと、
コントローラであって、
前記スリップ角データから、前記タイヤの基準スリップ角を特定し、
前記基準スリップ角が閾値スリップ角を超えることを特定し、
前記基準スリップ角が前記閾値スリップ角を超えることの前記特定に基づいて、前記ホイール組立体の位置合わせが位置合わせ不良であることを特定し、
前記ホイール組立体の前記位置合わせが位置合わせ不良であることの警告を出力する、ように構成されたコントローラと、を備える自律車両。
【請求項12】
ユーザインターフェースをさらに備え、前記警告は前記ユーザインターフェースによって出力される、請求項11に記載の自律車両。
【請求項13】
前記自律車両は、
第三者との間で車両データを通信し、前記第三者からの通信データを受信するように構成された通信モジュールをさらに備える、請求項11に記載の自律車両。
【請求項14】
前記警告は、前記車両データの一部として前記第三者に伝達される、請求項13に記載の自律車両。
【請求項15】
前記コントローラは、
前記自律車両のための計画されたルートを特定し、
前記通信データを受信し、
前記通信データから、前記計画されたルートの一部に沿った気象条件を特定し、
前記気象条件に基づいて、前記計画されたルートの前記一部に沿った通過速度を決定する、ようにさらに構成される、請求項13に記載の自律車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権データ
この特許文献は、2020年5月4日に出願された、Timothy Just(代理人整理番号JUSTP002)による「PREDICTIVE VEHICLE OPERATING ASSISTANCE」と題する、同時継続中の、かつ同一出願人によるものである米国特許出願第16/865,963号の優先権を主張し、この特許は、その全体が、および全ての目的のために本明細書にこれにより参照により組み込まれている。
【0002】
本開示は一般に車両動作支援に関する。より具体的には、本開示は、半自律車両および自律車両などの車両の支援付きの動作のための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
従来の車両操縦補助は反応式である。すなわち、種々のセンサが、車両の現在の動作条件を特定する。車両の現在の動作条件が、車両が制御不能であること(例えば種々のセンサ読み取り値がタイヤの滑りを示すなど)を示す場合には、車両を制御下に戻すために改善手段が採用される。よって、そのような操縦補助は本質的に反応式である。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
予測車両支援のための種々の機構およびプロセスが提供される。本明細書に記載されるシステムおよび技術は、ドライバーによって操作される車両、半自律車両および/または自律車両などの車両に適用可能であってよい。よって、本明細書に記載されるシステムおよび技術は、車両のドライバーの操作を補助してよく、および/または自律車両の動作を補助してもよい。
【0005】
種々の実施形態の中で本明細書に記載されるのは車両である。車両は、本体と、本体の中に配置され、ユーザインターフェースを備える内部と、ホイール組立体と、ホイール組立体の回転速度を感知し、回転速度に基づく速度センサデータを提供するように構成された速度センサと、ホイール組立体のタイヤ圧を感知し、タイヤ圧データを提供するように構成されたタイヤ圧センサと、速度センサおよび内部に通信可能に結合されたコントローラと、を含む。コントローラは、車両が濡れた面を走行していることを特定し、速度センサデータを受信し、速度センサデータから車両の対地速度を特定し、タイヤ圧データを受信し、タイヤ圧データからホイール組立体のタイヤ圧を特定し、ホイール組立体のタイヤ圧に基づいてハイドロプレーニング速度を特定し、対地速度がハイドロプレーニング速度を超えることを特定し、対地速度がハイドロプレーニング速度を超えることの特定に基づいて、ユーザインターフェースでハイドロプレーニングの警告を出力するように構成される。
【0006】
また自律車両も記載されている。自律車両は、本体と、ホイールおよびホイールに結合されたタイヤを含むホイール組立体と、タイヤのスリップ角を特定し、スリップ角データを提供するように構成されたホイールスリップセンサと、コントローラと、を含む。コントローラは、スリップ角データから、タイヤの基準スリップ角を特定し、基準スリップ角が閾値スリップ角を超えることを特定し、基準スリップ角が閾値スリップ角を超えることの特定に基づいてホイール組立体の位置合わせが位置合わせ不良であることを特定し、ホイール組立体の位置合わせが位置合わせ不良であることの警告を出力するように構成されてよい。
【0007】
また非一時的機械読み取り可能媒体も記載される。非一時的機械読み取り可能媒体は、車両が濡れた面を走行していると特定することと、車両の速度センサから速度センサデータを受信することと、速度センサデータから車両の対地速度を特定することと、車両のホイール組立体のタイヤ圧センサからタイヤ圧データを受信することと、タイヤ圧データからホイール組立体のタイヤ圧を特定することと、ホイール組立体のタイヤ圧に基づいてハイドロプレーニング速度を特定することと、対地速度がハイドロプレーニング速度を超えることを特定することと、対地速度がハイドロプレーニング速度を超えることの特定に基づいて、車両のユーザインターフェースでハイドロプレーニングの警告を出力することと、を含む動作を車両コントローラに実行させるように構成される。
【0008】
これらのおよび他の実施形態は、図面を参照して以下でさらに記載される。
【0009】
含まれる図面は、例示の目的であり、開示される進歩的なシステム、装置、方法および本明細書に記載されるコンピュータプログラム製品のための可能性のある構造および動作の例を提供する役割のみを果たす。これらの図面は、開示される実装形態の精神および範囲から逸脱することなく、当業者によって行われる可能性のある、形態および詳細におけるいかなる変更も決して制限するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】1つ以上の実施形態による、予測動作支援を備えた車両の描写を示す図である。
図2】1つ以上の実施形態による、予測動作支援を備えた車両のブロック図である。
図3】1つ以上の実施形態による、車両の予測動作支援のためのフロープロセスを示す図である。
図4】1つ以上の実施形態による、予測自律車両動作のためのフロープロセスを示す図である。
図5】1つ以上の実施形態による、予測自律車両ルートプランニングのためのフロープロセスを示す図である。
図6】1つ以上の実施形態による、予測ハイドロプレーニング支援のためのフロープロセスを示す図である。
図7】1つ以上の実施形態による、タイヤの摩耗の予測のためのフロープロセスを示す図である。
図8】1つ以上の実施形態による、予測位置合わせ特定のためのフロープロセスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本開示は、車両動作支援のために使用され得る、技術、方法システム、装置およびコンピュータプログラム製品を記載する。特定の実施形態では、支援技術は予測式であってよい。すなわち、技術によって、車両制御が損なわれる(例えば車両が制御不能になる)前に、最善ではない、または危険な動作条件の予測が可能になる。したがって、警告が提供されてよく、および/または車両の動作が予測支援の決定に基づいて変更されてもよい。
【0012】
本明細書に記載されるシステムおよび技術は、ドライバーによって操作される車両、半自律車両および/または自律車両などの車両に適用可能であり得る。よって、本明細書に記載されるシステムおよび技術は、車両のドライバーの操作を補助する、および/またはコンピュータ制御車両の動作を補助してもよい。特定の実施形態では、本明細書に記載される技術は、ドライバーに警告を与えてよく、車両内の故障を検出してよく、ルートプランニングを補助してよく、車両に近接する障害物を検出してよく、および/または車両の動作を補助してもよい。本明細書に記載される技術は、様々なやり方で、危険な状況に遭遇する前に車両動作を調整することを可能にし得る。
【0013】
図1は、1つ以上の実施形態による、予測動作支援を備えた車両の描写を示す。図1は、車両100を示す。車両100は、本体102と、ホイール組立体104Aおよび104Bと、を含む。本体102は、本体102内に配置された内部130を含む。内部130は、1つ以上のオペレータ(例えばドライバー)、乗客、荷物および/または他のアイテムを収容するように構成されてよい。内部130は、1つ以上のユーザインターフェース、例えばユーザインターフェース114などを含んでよい。ユーザインターフェース114は、内部130の乗員に情報を伝達してよい。種々の実施形態では、車両100はまた、例えば種々の通信技術(例えばWi-Fi(登録商標)および/またはBluetooth(登録商標))を介した電子デバイス(例えばモバイルデバイス)への情報の無線送信、および/または車両の外部にあるユーザインターフェースを介しての情報の提供などによって情報を伝達してもよい。
【0014】
車両100は、コントローラ106を含む。コントローラ106は、1つ以上のメモリならびに1つ以上の単一コアプロセッサ以上コアプロセッサを含んでよい。メモリは、1つ以上の記憶媒体を含む。そのような記憶装置は、揮発性記憶媒体もしくは不揮発性記憶媒体のいずれか、またその両方を含んでもよく、コンピュータ可読命令、データ構造、プログラムモジュールおよびスキャン装置の動作のための他のデータのために非一時的記憶装置を提供することができる。プロセッサは、メモリ内に記憶された命令を実行するように構成されてよい。そのような命令は本明細書に記載される技術を含んでよい。
【0015】
ホイール組立体104Aおよび104Bの各々は、ホイールおよびタイヤを含む。ホイール組立体104Aおよび104Bのタイヤ内のタイヤ圧は、タイヤ圧センサ108Aおよび108Bによってそれぞれ感知されてよい。タイヤ圧センサ108Aおよび108Bは、タイヤ圧データをコントローラ106に提供してよい。種々の実施形態では、タイヤ圧センサ108Aおよび108Bは、無線でコントローラ106にタイヤ圧データを提供してもよい。
【0016】
ホイール組立体104Aおよび104Bは、車両100のための制御を提供してよい。よって、ホイール組立体104Aおよび/または104Bは、車両100のための加速、減速および/またはステアリング制御を提供してよい。ホイール組立体104Aおよび104Bの特徴は、ホイールセンサ110Aおよび110Bによってそれぞれ感知されてよい。ホイールセンサ110Aおよび110Bは、特定の実施形態では、ホイールスリップセンサ、ホイール速度センサ、ステアリング角センサ、タイヤ温度センサおよび/または車両100の種々の動作条件を特定することを可能にするように構成された他のセンサを含んでよい。ホイールセンサ110Aおよび110Bならびに車両100の他の構成要素は、有線または無線通信チャネル118を介してコントローラ106と通信してよい。そのような有線および/または無線通信チャネル118は、種々のデータ様式(例えばCANBUS(登録商標))を通してデータを提供してよい。
【0017】
車両100は、車両センサ128をさらに含んでもよい。車両センサ128は、車両の挙動の1つ以上の局面を感知するように構成されてよい。車両センサ128は、例えば、ヨーイングセンサ、ステアリングホイールセンサ、ブレーキペダル位置センサ、スロットル位置センサ、降雨センサおよび/または車両100の姿勢を特定するように、および/または車両100のオペレータからの操作入力を特定するように構成された他のそのようなセンサを含んでよい。車両センサ128からのデータは、通信チャネル118を通して伝達されてよい。
【0018】
車両100は、全地球測位システム(GPS)センサ112をさらに含む。GPSセンサ112は、1つ以上の衛星、例えば衛星120から測位データを受信するように構成されてよい。衛星120は、測位データを含み得るデータ122をGPSセンサ112に無線で提供してよい。測位データは、車両100の全地球位置および/または局所位置を示してよい。よって、測位データは、車両100が位置する場所を示してよい。測位データは、道路ネットワーク、道路条件、気象条件および他のそのような条件を対象とするデータをさらに含んでもよい。よって測位データは、車両100が進むためのルートをコントローラ106が決定することを可能にし得る。ルートは、道路条件および/または気象条件を含んでよい。ルートの条件に基づいて警告が出力されてよく、および/または車両100の動作が調整されてもよい。
【0019】
通信モジュール116もまた車両100に含まれてよい。車両100の通信モジュール116は別個のモジュールであってよく、および/またはコントローラ106内に一体化されてもよい。通信モジュール116は、種々の異なる通信様式(例えば、Wi-Fi(登録商標)、Bluetooth(登録商標)、4G、5Gおよび他のデータ接続)を介して複数の他のデバイスと無線で通信するように構成されてよい。通信モジュール116は、車両100に近接するデバイス(例えば視界の中の)ならびに車両100からより長い距離をおいて配置されたデバイスなどの種々の電子デバイスと通信し得る。
【0020】
そのようなデバイスは、例えば、電子デバイス124を含んでよい。電子デバイス124は、特定の実施形態では、モバイルデバイスであってよい。電子デバイス124は、歩行者、自転車に乗る人、従業員または他の関係者によって所持されてよい。関係者は車両100の近くにいてよい(例えば、歩道にいる、通りに沿っている、駐車場内にいる、または車両100に近接する別の領域にいる)。電子デバイス124は、無線データ126を通して通信モジュール116と通信してよい。
【0021】
電子デバイス124は、特定の実施形態では、1つ以上のアプリケーションを含んでよい。そのようなアプリケーションは、無線データ126を通してコントローラ106と通信するように構成されてよい。アプリケーションは、コントローラ106に、モバイルデバイスのユーザが、歩行者、自転車に乗る人または別の関係者であることを示してよい。コントローラ106は、その後、電子デバイス124によって伝達されたデータから、モバイルデバイスのユーザが、歩行者、自転車に乗る人または別の関係者であることを識別してよい。
【0022】
他の実施形態において、コントローラ106は、通信モジュール116が(例えば、モバイルデバイスからおよび/またはホットスポットからの受動的な発信または他の電子データ伝送を介して)モバイルデバイスの存在を検出することを特定してよい。特定のそのような実施形態では、コントローラ106は、電子デバイスから受信したデータはモバイルデバイスからであり、よって識別情報に基づいて歩行者または自転車に乗る人である可能性が高いことを特定してよい。したがって、例えば、モバイルデバイスによるデータ通信は、それがモバイルデバイスであることを識別してよく、またはデバイスの型およびモデルを識別してもよい。そのようなデータから、コントローラ106は、電子デバイス124がモバイルデバイスであることを特定し、これに従って電子デバイス124は歩行者、自転車に乗る人または他のそのような関係者によって所有されていることを特定してよい。そのような実施形態では、ユーザが、歩行者、自転車に乗る人または他の関係者であることの断定的な確認は必要とされない。代わりにコントローラ106は、電子デバイス124がモバイルデバイスであると特定された場合、ユーザが、歩行者、自転車に乗る人または他の関係者であると推測してよい。ユーザが歩行者、自転車に乗る人または他の関係者であることのそのような特定がされると、その後これに従って、警告が車両100のオペレータに(例えばユーザインターフェース114を介して)出力されてよく、または車両100の動作が、歩行者、自転車に乗る人、もしくは他の関係者の検出された存在に従ってコントローラ106によって調整されてもよい。
【0023】
図2は、1つ以上の実施形態による、予測動作支援を備えた車両のブロック図を示す。図2は、図1に示される車両100のブロック図を示す。したがって図2の車両100は、ユーザインターフェース114を含む内部130を備えた本体102を含む。車両100は、タイヤ圧センサ108およびホイールセンサ110を備えたホイール組立体104をさらに含む。車両100は、車両センサ128、GPSセンサ、通信モジュール116およびコントローラ106をさらに含む。データは、通信チャネル118を介して車両100の種々の構成要素間で伝達されてよい。図2に示されるように種々の実施形態では、車両100は、1つ以上のホイールを含んでよい。複数のホイールを備えた車両では、本明細書に記載されるセンサおよび他の構成要素は、ホイールの1つ以上に適用されてよい。
【0024】
図3は、1つ以上の実施形態による、車両の予測動作支援のためのフロープロセスを示す。ブロック302で、動作パラメータが受信されてよい。そのような動作パラメータは、例えば、車両の局面に関する情報、濡れた舗道上の車両のタイヤの性質、車両の燃料効率特性、車両の動的特性、タイヤ圧に対するホイール組立体の回転特性(例えば、タイヤ圧の検出された量に基づいて所与の距離をカバーするためにホイール組立体は何回転するのか)、および/または他のそのような特性などを含んでよい。種々の実施形態では、動作パラメータは、推測される要因であってよく、またはテストに基づいてもよい(例えば、タイヤがテストされてもよく、パラメータは、その湿度の高い気象での性能についてのテスト結果に基づいてよい)。車両は、本明細書に開示される技術に記載されるように複数の異なる局面に対するパラメータを含んでもよい。
【0025】
ブロック304で、コントローラは、車両の1つ以上のセンサからデータを受信してよい。そのようなセンサは、本明細書に記載されるセンサおよび/または車両の1つ以上の局面を特定するように構成された他のセンサを含んでもよい。センサからのデータは、1つ以上の有線または無線通信チャネルを介して伝達されてよい。特定の実施形態では、コントローラによって受信され得るセンサデータの例は、車両速度データ、タイヤ圧データ、ヨーイングデータ、ホイール回転データ、ステアリングホイール角度データ、スロットル位置データ、ブレーキペダル位置データ、ホイールスリップデータ、気象データ、ルートデータおよび他のそのようなデータを含む。
【0026】
車両の動作条件が、ブロック306において特定されてよい。動作条件は、ブロック304で受信したデータから少なくとも部分的に特定されてよい。動作条件は、本明細書に記載されるいずれの条件であってもよく、例えば、道路の表面が濡れているかどうか(例えば気象データから、または降雨センサから)、計画されたルートに対する何らかの障害物、ホイール組立体の回転数および/または他の局面であってよい。
【0027】
ブロック308で、予測制御パラメータが車両に対して特定される。予測制御パラメータは、例えば、車両の動作条件が比較され得るパラメータ、目標時間、基準動作条件(例えばGPSデータから特定されたホイールがマイル当たり何回転するか)、および他のパラメータを含んでよい。
【0028】
ブロック310で、出力が決定される。出力は、例えば、ユーザインターフェースによって提供される視覚および/または聴覚出力(例えば警告)、車両の動作と対応付けられたコマンドに対する調整、決定されたルートに対する調整または他のそのような出力であってよい。出力は、車両のオペレータに様々に提供されてよく、車両自体の現在の動作を調整してよく、車両のこの先の動作を調整してよく、あるいは、第三者(例えば、車両のメンテナンスに関与する関係者)に提供されてもよい。
【0029】
図4は、1つ以上の実施形態による、予測自律車両動作のためのフロープロセスを示す。ブロック402で、パラメータが受信される。特定の実施形態では、そのようなパラメータは、例えば、車両の効率データ(例えば車両の種々の速度での効率、または速度に関連する効率曲線)、車両の1つ以上の気象条件(例えば乾燥、霧、湿度の高いおよび他の条件)における車両の原動力および閾値の操作(例えば、加速、制動、および/またはコーナーリンググリップ限界点)、車両の外径、および/または他のパラメータを含んでよい。種々の実施形態では、パラメータは一般に、車両の動作に関する任意のパラメータを対象としてよい。
【0030】
ブロック404で、1つ以上のデバイスおよび/または車両のセンサからデータが受信される。データは、本明細書に記載されるものであってよい。データに基づいて、車両の動作条件が、ブロック406で特定されてよい。よって、例えば、車両速度、計画されたルート、近くにいる人および障害物、メンテナンス条件および/または車両の動作の他の局面がブロック406で特定されてよい。
【0031】
ブロック406で、動作条件が特定されてよい。動作条件は、1つ以上のデバイスおよび/または車両のセンサから特定されてよい。動作条件は、現在の道路条件、気象条件、交通条件、車両動作条件および/または他の関係者からのデータを含んでよい。
【0032】
データおよび/または動作条件に基づいて、自律車両のための動作命令がブロック408で調整されてよい。動作命令の調整は、例えば、車両が条件(例えば気象条件)に不適切な速度で動作していることを特定し、車両の速度を調整する、車両の条件が変化した(例えば工場仕様から変化した)ことを特定し、どのように車両が動作するかを調整する、ルート条件が予測したものから変化したことを特定し、ルート命令を変更する(例えばルートを変更する、ルートの一部に沿って速度を変更する、および/または他の変更)、および/または車両の動作作命令に対する他の変更を特定する、ことによって特定されてよい。
【0033】
ブロック410では出力が提供される。出力は、車両の動作命令に対する変更を含んでよいが、車両の乗員に提供される(例えば視覚または聴覚)通信であってよく、または別の関係者による観察のために車両内での通信、対応付けられた電子デバイスに伝送されるデータおよび/または別のそのような出力を含んでもよい。
【0034】
図5は、1つ以上の実施形態による、予測自律車両ルートプランニングのためのフロープロセスを示す。ブロック502で、データが本明細書に記載されるように受信される。データは、目的地、ルート条件、交通条件、道路封鎖および自律車両に関するルートのプランニングに関連する他のデータを含んでよい。データはまた、ルートのプランニングに関するパラメータ(例えば道路通行料または幹線道路の回避、何らかの車両規制などの何らかのルートの好み、および最速ルートまたは最短ルートなどの好み)を含んでもよい。
【0035】
ブロック504で、データに基づいて、ルート条件が特定される。よって、(例えば、ブロック502で受信したデータ内に含まれる好みに基づいて)ルートが決定されてよい。ルートプランニングは、ルートおよび気象条件、車両状況、車両規制および/または記憶した、または受信した他のデータに基づいてよい。ルートは、受信したリアルタイムデータ、例えば現在の気象条件に基づいて最適化されてよい。
【0036】
ブロック506で、ルート動作命令がデータおよびルート条件に基づいて決定されてよい。ルート動作命令は、例えば、ルート(例えば、どの通りおよびどの幹線道路を進行するか)、ルートの種々の部分に沿った車両の動作速度、ルートの種々の部分においてアクティブにするべきセンサの構成(例えばどの方向を目指すのか、複数の可能なモードのどのモードでセンサを作動するべきか)、気象警告を出力するべきか、および他のそのような命令を含んでよい。
【0037】
例えば、特定の実施形態では、車両のコントローラは、ブロック502および504で受信したデータおよびルート条件からルートを決定してよい。ルートは、ルートが最速の可能なルートである、最短の可能なルートである、最も安全な可能なルート(例えば障害物が最も少ない、および/または悪天候条件が最も少ないルート)、または別のタイプのルートであるという特定に基づいて決定されてよい。特定の実施形態では、ルートは例えば、短距離ルートまたは長距離(例えば全国を巡る)ルートであってよい。よって、例えば全国を巡る自動トラックは、本明細書に記載される開示を利用して、全国を巡る配送ルートを計画してもよい。
【0038】
決定されたルートは複数の区間を含んでもよい。複数の区間の各々は、別個の動作命令を含んでよい。よって、一例のルートは、5つの区間を含んでよく、区間の各々は、異なる目標速度を含んでもよい。よって、第1の区間では、それは幹線道路であると特定され、天気は晴れているため、車両は、速度限界の100%で動作するように命令される。第2の区間では、雨が降っていると特定される。よって車両は、そのハイドロプレーニング速度(本明細書に記載されるように決定された)または速度限界のどちらか低い方を25%下回るように動作するように命令される。
【0039】
第3の区間では、温度は、氷点下であると特定されるが、天気は、一週間にわたって晴れていたと特定される。天気が晴れていることに基づいて、道路上の雪または氷のリスクは最小限であると特定される。したがって、車両は、速度限界で動作するように命令される。しかしながら、可能性のある氷のリスクが増大するため、車両の安定システムは、より無難な設定(例えばより少ない量のスリップで介入する可能性がより高い)に設定される。さらに、車両の任意のマルチモードの外向きカメラは、(視覚モードの代わりに)赤外線モードに設定されてよい。赤外線モードは、氷が張る可能性の高い道路の一部の検出を可能にすることができ(例えば表面温度がより低い場合)、車両速度は、そのような区間にわたって減速されてよい。別の例では、視覚カメラは、車道上の反射表面に対してより感度が高くてもよい。反射は、氷であると特定される可能性がより高くなり得る。コントローラが、氷が道路表面にあるようであると特定した場合、車両の動作速度は減速されてよく、車両のブレーキ地点および/または方向転換地点が調整されてよい。したがって例えば、車両が自律式である場合、ブレーキ地点および方向転換地点は、いかなる潜在的な氷の箇所も回避して車両の制御を高めるように調整されてよい。
【0040】
第4の区間では、温度は氷点下であり、雨が降っていると特定される。したがって、コントローラは、滑りやすい条件の高い可能性があると特定してよい。よって、車両は、滑りやすい表面牽引制御設定で減速された速度で動作してよい。
【0041】
第5の区間では、天気は、晴れて暖かいと特定される。しかしながら、交通条件は激しいと特定される、および/または第5の区間は都市部にあると特定される。したがって車両は、より積極的に歩行者を検出するための設定にある。よって、コントローラは、道路の側部に可能性のある障害物が検出された場合、車両をさらに減速させてよい。車両のカメラもまた、歩行者および自転車に乗る人をより検出し易いように配向されてよい(例えば、歩行者および自転車に乗る人に適切な高さに配向される、例えば2~4フィートの高さなどに配向される)。車両の通信モジュールもまた、車両の近くに配置された電子デバイスからの無線データの検出に対してより感度が高いことで、歩行者および自転車に乗る人によって伝達されるデータをより適切に検出し、歩行者および自転車に乗る人をそのように検出してよい。
【0042】
図6は、1つ以上の実施形態による、予測ハイドロプレーニング支援のためのフロープロセスを示す。図6は、車両が、閾値リスクを超えるハイドロプレーニングのリスクがある条件で動作している場合、先んじて特定するための技術である。
【0043】
ブロック602で、パラメータが本明細書に記載されるように受信される。このパラメータは、本明細書に記載されている可能性があり、湿度の高い条件での性能など、車両の性能に対応付けられたパラメータを含んでよい。よって、例えば、タイヤ圧に応じた車両のタイヤの湿潤性能が提供されてよい。特定の実施形態では、パラメータは、例えば、独立したテスト(例えばタイヤの性能特性がテストされてよい)から決定されてもよい。特定の実施形態では、車両は、タイヤなどの元々の装備アイテムのパラメータを含んでもよい。特定のそのような実施形態では、アイテムが車両の寿命の間に変更された場合、パラメータも変更されてよい(例えば手動で入力される、または車両に対してどのような変更が行われているかを特定するコンピュータアプリケーションを通した点検プロセスの一部として自動的に変更される)。よって、交換タイヤなどの交換部品のパラメータが、車両を点検する際に車両に提供されてよい。パラメータが提供されない実施形態では、基準値が推定されてよい。よって、タイヤデータが提供されない状況では、例えば9の基準ハイドロプレーニング値または別の基準値が提供されてよい。
【0044】
ブロック604で、車両の速度データが受信されてよい。速度データは、1つ以上の速度センサ、GPSセンサまたは車両の他のセンサから受信したデータであってよい。速度データは、車両の現在の対地速度の特定を可能にする。
【0045】
ブロック606で、タイヤ圧データが受信されてよい。タイヤ圧データは、車両の現在のタイヤ圧を含んでよい。種々の状況において、車両のタイヤ圧は、(例えば車両の動作中の温度の変化、次第に空気の抜けるパンクおよび他の問題のために)車両が操作される間に変化し得る。よってタイヤ圧データは、現在データであってもよく、または最近更新されたデータであってもよい。
【0046】
タイヤ圧データに基づいて、ホイール組立体のタイヤのハイドロプレーニング速度が特定されてよい。ハイドロプレーニング速度は、タイヤが、閾値の可能性を超えるハイドロプレーニングの可能性を有すると特定される速度であってよい。ハイドロプレーニング速度は、ホイール組立体のタイヤのタイヤ圧に基づいた計算であってよい。ハイドロプレーニング速度は、例えば現在のタイヤ圧に定数を掛けることによって計算されてよい。よって、例えば、平方インチ当たりのポンドでのタイヤ圧は、ブロック602で受信した定数パラメータを掛けて、タイヤの時間当たりのマイル数でのハイドロプレーニング速度を特定してよい。
【0047】
特定の実施形態では、ハイドロプレーニング速度の特定は、道路表面の特定された湿潤度に基づいてもよい。よって、例えば、車両の1つ以上のセンサ、視覚カメラなどが、道路の湿潤度レベルを検出してよく、または降雨センサが、降雨の強度を特定して湿潤度レベルを特定してもよい。そのような一実施形態では、パラメータは、湿潤度レベルに基づいた尺度であってよい。特定された湿潤度レベルは、ハイドロプレーニング速度の特定のための適切なパラメータの選択をもたらしてよい。そのような一実施形態では、パラメータは、湿潤度レベルが高いと特定された場合、より低い特定されたハイドロプレーニング速度をもたらす場合がある(例えばパラメータは数値パラメータであってよく、増大する湿潤度レベルに基づいて値が減少してもよい)。
【0048】
特定の追加の実施形態では、ハイドロプレーニング速度を特定するのに使用されるパラメータは、検出されたタイヤの摩耗に基づいてもよい。よって、車両のタイヤの摩耗は、(例えば本明細書に記載されるように)特定されてよく、パラメータは検出された摩耗に基づいてよい。パラメータは、異なるタイヤ圧の範囲に関して、異なるタイヤ圧値に基づいてハイドロプレーニング速度を計算するのに使用するための異なるパラメータ値を含んでよい。したがって、より大きな量のタイヤの摩耗は、より少ない量のタイヤの摩耗に対応付けられたパラメータよりも大きさが小さいパラメータを利用することになり得る。よって、より高い量の摩耗を伴うタイヤのハイドロプレーニング速度は、より少ない量の摩耗を伴うタイヤのハイドロプレーニング速度よりも小さくなるように特定され得る。
【0049】
したがって、ハイドロプレーニング速度は、タイヤの特性およびタイヤ圧データを反映するパラメータに基づいて計算されてよい。種々の実施形態では、ハイドロプレーニング速度を特定すること、およびハイドロプレーニング速度を車両の現在の速度と比較することによって、ブロック608のように、ハイドロプレーニングのリスクの先んじた特定を可能にしてよい。よって、ブロック608で、ハイドロプレーニング速度は、ハイドロプレーニングのリスクを特定するために対地速度と比較される。対地速度は、ハイドロプレーニング速度の特定のパーセンテージ(例えば、50%、100%、150%)であるように特定されてよい。
【0050】
ブロック608で特定したハイドロプレーニングのリスクに基づいて、ブロック610で車両に対する動作命令が調整されてよい。調整は、例えば、車両の動作速度を変更する(例えば、速度はハイドロプレーニング速度の閾値パーセンテージの範囲内であることの特定、またはハイドロプレーニング速度を超えることの特定に基づいて減速する)、車両のブレーキ閾値およびステアリング閾値(例えば、車両が曲がり角で生成することができる横方向のG力の大きさを制限するための車両の速度対ステアリング角)を変更する、および/または車両の他の動作命令を含んでよい。特定の実施形態では、車両の速度は、ハイドロプレーニング速度の特定のパーセンテージ(例えば、ハイドロプレーニング速度の50から100%の間)に調整されてよい。特定の実施形態では、調整は、車両のオペレータに提供されるべき警告(例えば車両を減速するようにオペレータに要求する、または車両がハイドロプレーニングのリスクにあることを要求する)を含んでもよい。
【0051】
調整は、ブロック612において出力されてよい。したがって、何らかの警告が車両のユーザインターフェースによって表示または提供されてもよい。車両の動作に対する任意の変更(例えば自律式に操作される車両を減速する)が実行されてもよい。よって、本明細書に記載される技術は、制御不能な状況が起こる前に、それが起こりそうであると特定することを可能にし、そのような制御不能を回避するために、車両の動作をそれに従って調整することを可能にする。よって、車両の安全な操作が、典型的な技術の場合のように反応式ではなく、先んじて実行されてよい。
【0052】
図7は、1つ以上の実施形態による、タイヤの摩耗の予測のためのフロープロセスを示す。図7の技術ならびに本明細書に記載される任意の他の技術は、図6の技術および他の技術と組み合わされてもよい。よって、例えば、車両のタイヤの摩耗が図7において特定され、ハイドロプレーニング速度を特定するのに使用されるパラメータは、タイヤの摩耗に基づいてそれに従って調整されてよい。
【0053】
ブロック702で、パラメータが本明細書に記載されるように受信される。パラメータは、タイヤのタイヤ圧に対する、単位距離当たり(例えばキロメータ当たりまたはマイル当たり)のホイール組立体の回転数を含んでよい。パラメータは、タイヤの摩耗に基づいて異なる回転数を示してよい。例えば、タイヤが摩滅したとき、所与の距離に関する回転するための回転数は増大する。パラメータは、その増大を反映してよい。
【0054】
ブロック704で、車両からの速度センサデータが受信されてよい。センサデータは、ホイール組立体の単位時間当たりの回転の量を示してよい。そのような単位時間当たりの回転は、典型的には、車両の対地速度を特定するのに使用されるが、本明細書に記載される技術ではタイヤの摩耗を特定するのにも使用される。タイヤが摩耗するにつれて、車両は、単位時間当たりの回転数が変化していないために単位時間当たりの所与の回転数に関する対地速度は変化していないと特定する場合があるが、対地速度は、より小さな直径のために実際には減少する。
【0055】
ブロック706で、GPSデータが受信されてよい。GPSデータは、衛星によって特定された車両の速度を示してよい。GPS読み取り値に基づいて、車両の真の対地速度が特定されてよい。そのような真の対地速度は、タイヤの摩耗によって影響を受けることなく特定されてよい。
【0056】
ブロック708で、タイヤの摩耗が特定されてよい。摩耗は、特定された速度を実際のGPS速度と比較することによって特定されてよい。比較に基づいて、パーセンテージ誤差が特定されてよい。タイヤの摩耗の量がその後、パーセンテージ誤差によって特定されてよい。よって、例えば、パラメータは、車両が30インチ直径のタイヤを装備することを示してもよい。比較は、特定された速度とGPS速度との間の1%のパーセンテージ誤差を特定してよい。1%の誤差に基づいて、タイヤは、0.15インチの摩耗を有すると特定されてよく、これは0.3インチ小さい直径のタイヤにつながる可能性がある。
【0057】
別の実施形態では、GPS速度が特定されてよく、単位時間当たりの回転数が、車両のセンサ読み取り値から特定されてよい。GPS速度に基づいて、その後、進行した単位時間当たりの距離が特定される。単位時間当たりの回転数もまた、センサ読み取り値から特定される。その後、タイヤの直径が、単位時間当たりの回転数に対してその距離をカバーするのに必要とされるタイヤの直径を特定することによって特定される。特定された直径は、公称タイヤ直径と比較されてよく、摩耗は、比較の差に基づいて特定されてよい。
【0058】
種々の実施形態において、パラメータはまたタイヤの現在のタイヤ圧を採用する場合もある。タイヤは、異なる圧力で異なるペースで変形し得るため、摩耗は、タイヤの摩耗の量を特定する際、車両の現在のタイヤ圧を考慮に入れてよい。
【0059】
ブロック710で、摩耗の量が閾値の摩耗の量(例えば、新しいタイヤの直径の0.05%、0.1%、0.15%または別のパーセンテージもしくは値、または最後の調整以来の摩耗の固定された量もしくはパーセンテージ)を超えたかどうかについて、比較が行われてよい。摩耗の量が閾値を超えない場合、技術は、ブロック704に戻ってよい。摩耗の量が閾値を超えた場合、技術は、ブロック712へと続いてよい。特定の実施形態では、ブロック710はスキップされ、タイヤの特定された摩耗は、ブロック712で動作パラメータを調整するために自動的に使用されてもよい。
【0060】
ブロック712で、車両の動作パラメータが調整されてよい。よって、例えばハイドロプレーニング速度を特定するのに使用されるパラメータは、タイヤが摩耗したと特定された場合に調整されてよい。したがって、例えばタイヤの特定された摩耗に基づいて、例えばタイヤに対するより少ない量の接地面を補償するためにより遅いハイドロプレーニング速度となり得る異なるセットのパラメータが選択されてよい。さらに、摩耗がタイヤ交換レベルを超えた場合、警告または他の通信が決定されてよい。
【0061】
ブロック714で、調整が出力される。よって、車両の動作はタイヤに基づいて調整されてよい。そのような動作は、車両のハイドロプレーニング速度を特定するのに使用されるパラメータを含んでよいが、他の動作を含んでもよい。例えば、摩耗が性能閾値を超えた場合、車両は、そのような状況でのタイヤの横滑りを防ぐために、より低い最大減速で、または低下したタイヤグリップによる横方向のg力で動作するように調整されてよい。追加で、タイヤ交換が要求される場合、警告メッセージが車両のユーザインターフェース上に出力されてよく、またはデータが種々の電子デバイス(例えば、オペレータのモバイルデバイスもしくはメンテナンス関係者の電子デバイスなど)に伝達されて、タイヤの交換が必要であることを示してもよい。
【0062】
図8は、1つ以上の実施形態による、予測位置合わせ特定のためのフロープロセスを示す。図8の技術は、車両の位置合わせが調整を必要とする場合を特定するために、車両によって利用されてよい。本明細書に記載される技術は、自律車両はドライバーによって操作されないため、自律車両に適切であり得る。オペレータが運転する車両では、オペレータは、ステアリングホイール、ペダルおよび他の制御装置からフィードバックを受け取ってよい。感触に基づいて、オペレータは、車両に関する問題を特定してよい。よって、例えばステアリングフィードバックまたは車両のハンドリングは、位置合わせ不良の位置合わせのために変化する場合がある。しかしながら、自律車両では、オペレータが制御装置を操作することはなく、よって、制御装置からフィードバックを獲得する機会は持たない。図8の技術は、オペレータによる感触に基づく車両の問題の診断の代わりに、車両で問題を検出してよい。
【0063】
ブロック802で、パラメータが本明細書に記載されるように受信されてよい。パラメータは、車両の基準位置合わせ仕様、各タイヤが経験するスリップなどの基準動作仕様、車両の通常の回転抵抗および他のそのようなパラメータなどの基準動作パラメータを含んでよい。
【0064】
ブロック804で、スリップ角データが受信されてよい。スリップ角データは、車両が直線で操作されるように命令された場合に種々のホイール組立体が経験するスリップ角を示すデータであってよい。よって、ブロック804で受信したスリップ角データは、車両が相対的に均一な地面(例えば5度未満の頂部を有する)上にあると特定され、直線で動作するように命令されているときなど、特定の動作条件の中で受信されるデータであってよい。スリップ角データは、ホイールスリップセンサなどの種々のセンサによって特定されてよい。ホイールスリップセンサは、タイヤの方向に対する車両の進行方向の特定を可能にする、例えば光学センサであってよい。ホイール組立体および車両は、マーキングまたは形状など、スリップ角の特定を補助するための種々の機構を含んでよい(例えば、ホイールの心棒の内側にある反射ストリップは、ホイールが向けられる方向の角度の特定を可能にしてよい)。
【0065】
ブロック806で、ホイール組立体の1つ以上のタイヤのスリップ角が、スリップ角データから特定される。スリップ角は、車両本体の進行方向に対して特定されてよい。例えば、車両が直線で進行中であると特定された場合、車両本体に対する1つ以上のタイヤの角度は、スリップ角データから特定されてよい。特定の実施形態では、スリップ角は、例えば車両が直線で進行中であるなど所与の制御条件に対して特定されてよい。別の実施形態において、車両本体に対するタイヤの角度は、車両本体に対する1つ以上の他のタイヤの角度と比較されてよい。そのような相対角度は、車両の現在の位置合わせ角の特定も可能にしてよい。
【0066】
ブロック808で、特定は、車両の位置合わせが位置合わせ不良であるかどうかについて行われる。特定の実施形態では、ブロック806で特定されたスリップ角を使用して、車両の現在の位置合わせを特定する。スリップ角は、各ホイール組立体の現在の配向を示すため、各ホイール組立体のトウ角度は、スリップ角に対応してよく、またはそれに基づいてもよい。現在の位置合わせはその後、基準位置合わせと比較される。1つ以上のホイール組立体が、閾値量を超える量だけ基準位置合わせから逸脱する場合、位置合わせは、位置合わせ不良であると特定されてよく、技術はブロック810へと進んでよい。そうでなければ、技術はブロック804に戻ってよい。
【0067】
ブロック810で、車両の動作パラメータは、位置合わせが位置合わせ不良であるという特定に基づいて調整されてよい。例えば、直線での車両を操作するためのデフォルトステアリング角が変更されてよい。特定の実施形態では、車両は、複数の異なるモータを含んでよい。よって、例えば車両の複数のホイールは、各々異なる電気モータを含んでもよい。そのような実施形態では、モータによるトルク出力は、位置合わせ不良を補償し、車両を直線に配向し続けるように調整されてよい。
【0068】
ブロック812で、動作調整が行われてよい。さらに、警告またはメッセージが出力されてよい。警告またはメッセージは、車両の位置合わせが位置合わせ不良であることを示してよい。警告またはメッセージは、ユーザインターフェースによって視覚的にまたは聴覚的に出力されてよく、あるいは電子デバイスに伝達されてもよい。よって、例えば、車両は、車両の位置合わせを調整すべきであることを(例えば車両のオペレータの、または車両のメンテナンスを担う組織の)電子デバイスと無線で通信してもよい。
【0069】
本明細書に記載される技術のいずれも、オペレータが操縦する車両および/または自動化された車両において利用されてよい。開示は、特定の技術のために操縦される車両または自動化された車両を参照し得るが、本明細書に記載される技術は全て、開示に使用される例に関係なく、操縦される車両または自動化された車両の一方またはその両方に適用されてよいことを理解されたい。本明細書に記載される技術の種々の部分は、車両の1つ以上のコントローラによって、および/または他のコントローラおよび他の構成要素によって実行されてよい。
【0070】
種々の特有の実装形態がとりわけ示され記載されているが、開示される実装形態の形態および詳細の変更は、本開示の精神または範囲から逸脱することなく行われてよいことは当業者によって理解されるであろう。加えて、種々の利点、態様および目的が種々の実装形態を参照して本明細書で考察されているが、本開示の範囲は、そのような利点、態様および目的に限定されるべきではないことを理解されたい。
【符号の説明】
【0071】
100 車両
102 本体
104A、104B ホイール組立体
106 コントローラ
108A、108B タイヤ圧センサ
110A、110B ホイールセンサ
112 全地球測位システム(GPS)センサ
114 ユーザインターフェース
116 通信モジュール
118 無線通信チャネル
120 衛星
122 データ
124 電子デバイス
126 無線データ
128 車両センサ
130 内部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
【国際調査報告】