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特表2023-525055精度を改善した質量流量計/コントローラ及び方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】精度を改善した質量流量計/コントローラ及び方法
(51)【国際特許分類】
   G01F 1/84 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
G01F1/84
【審査請求】未請求
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567562
(86)(22)【出願日】2021-03-23
(85)【翻訳文提出日】2023-01-04
(86)【国際出願番号】 US2021023681
(87)【国際公開番号】W WO2021225704
(87)【国際公開日】2021-11-11
(31)【優先権主張番号】16/870,147
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】591203428
【氏名又は名称】イリノイ トゥール ワークス インコーポレイティド
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【弁理士】
【氏名又は名称】森本 有一
(74)【代理人】
【識別番号】100211177
【弁理士】
【氏名又は名称】赤木 啓二
(72)【発明者】
【氏名】ブラディミール クラクマン
【テーマコード(参考)】
2F035
【Fターム(参考)】
2F035JA02
(57)【要約】
開示される質量流量計/コントローラは、流管であって、流体を該流管の入口から該流管の出口に誘導する、流管と、流管内に振動を引き起こすアクチュエーターと、光を放出する光源と、光源によって放出される光を第1の光ビーム及び第2の光ビームに分割する少なくとも1つのビームスプリッターと、第1の光ビームの検出に基づいて、流管上の第1の場所の第1の位置の第1の測定値を出力する第1の光センサーと、第2の光ビームの検出に基づいて、流管上の第2の場所の第2の位置の第2の測定値を出力する第2の光センサーと、第1の測定値及び第2の測定値に基づいて、質量流量及び/又は流管内の流体の密度を決定する制御回路部とを備える。
【選択図】図1
【特許請求の範囲】
【請求項1】
流管であって、流体を該流管の入口から該流管の出口に誘導するように構成される、流管と、
前記流管内に振動を引き起こすように構成されるアクチュエーターと、
光を放出するように構成される光源と、
前記光源によって放出される光を第1の光ビーム及び第2の光ビームに分割するように構成される少なくとも1つのビームスプリッターと、
前記第1の光ビームの検出に基づいて、前記流管上の第1の場所の第1の位置の第1の測定値を出力するように構成される第1の光センサーと、
前記第2の光ビームの検出に基づいて、前記流管上の第2の場所の第2の位置の第2の測定値を出力するように構成される第2の光センサーと、
前記第1の測定値及び前記第2の測定値に基づいて、前記流管を通る質量流量又は前記流管内の流体の密度のうちの少なくとも一方を決定するように構成される制御回路部と、
を備える、質量流量計/コントローラ。
【請求項2】
前記少なくとも1つのビームスプリッターは、前記第1の光ビーム及び前記第2の光ビームを反対方向に誘導するように構成され、前記第1の光センサー及び前記第2の光センサーは、前記少なくとも1つのビームスプリッターから前記第1の光ビーム及び前記第2の光ビームをそれぞれ受けるように前記少なくとも1つのビームスプリッターの対向する側部に位置決めされる、請求項1に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項3】
前記少なくとも1つのビームスプリッターは、
前記光源からの光の第1の部分を反射して前記第1の光ビームを形成するように、前記光源に対して実質的に45度の角度で配置される第1のミラーと、
前記第1のミラーを通過する前記光源からの光の第2の部分を前記第1のミラーに向けて反射し返すように配置される第2のミラーと、
を備え、前記第1のミラーは、前記第2のミラーからの光の前記第2の部分を反射して前記第2の光ビームを形成するように構成される、請求項1に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項4】
前記少なくとも1つのビームスプリッターは、
前記第1のミラーからの前記第1の光ビームを前記第1の光センサーに反射するように構成される第3のミラーと、
前記第1のミラーからの前記第2の光ビームを前記第2の光センサーに反射するように構成される第4のミラーと、
を更に備える、請求項3に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項5】
プリント回路基板を更に備え、前記第1の光センサー及び前記第2の光センサーは、前記プリント回路基板に取り付けられる、請求項4に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項6】
前記プリント回路基板は、前記第1の光センサー及び前記第2の光センサーを熱結合するように構成される、請求項5に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項7】
前記光源は、前記プリント回路基板に取り付けられ、前記第1の光センサー及び前記第2の光センサーに熱結合される、請求項6に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項8】
前記流管の前記第1の場所、前記流管の前記第2の場所、及び前記流管の前記第1の場所と前記第2の場所との間の部分は、二次元平面上で方向付けされ、前記アクチュエーターは、前記二次元平面に沿った方向において前記流管内に振動を引き起こすように構成される、請求項4に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項9】
前記流管の前記第1の場所、前記流管の前記第2の場所、及び前記流管の前記第1の場所と前記第2の場所との間の部分は、二次元平面上で方向付けされ、前記アクチュエーターは、前記二次元平面を横断する方向において前記流管内に振動を引き起こすように構成される、請求項3に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項10】
前記少なくとも1つのビームスプリッターは、キューブビームスプリッター、プレートビームスプリッター、ペリクルビームスプリッター、ウォラストンプリズム、回折ビームスプリッター、作動ビームスプリッター、又は溶融ファイバービームスプリッターのうちの少なくとも1つを含む、請求項1に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項11】
前記アクチュエーターは、前記流管に取り付けられる磁石を介して前記流管を作動するように構成される駆動コイルを含む、請求項1に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項12】
前記流管を通る流体の流れを制御するように構成される流量制御弁を更に備え、前記制御回路部は、決定された質量流量に基づいて前記流量制御弁を制御するように構成される、請求項1に記載の質量流量計/コントローラ。
【請求項13】
流体を流管の入口から前記流管の出口に誘導することと、
アクチュエーターを介して前記流管内に振動を引き起こすことと、
光源から光を放出することと、
少なくとも1つのビームスプリッターを介して、前記光源から放出された光を第1の光ビーム及び第2の光ビームに分割することと、
前記第1の光ビームの検出に基づいて、第1の光センサーを介して、前記流管上の第1の場所の第1の位置の第1の測定値を出力することと、
前記第2の光ビームの検出に基づいて、第2の光センサーを介して、前記流管上の第2の場所の第2の位置の第2の測定値を出力することと、
前記第1の測定値及び前記第2の測定値に基づいて、制御回路部を介して、前記流管を通る質量流量又は前記流管内の流体の密度のうちの少なくとも一方を決定することと、
を含む、方法。
【請求項14】
前記少なくとも1つのビームスプリッターを介して光を分割することは、
前記光源に対して実質的に45度の角度で配置される第1のミラーを介して、前記光源からの光の第1の部分を反射して前記第1の光ビームを形成することと、
第2のミラーを介して、前記第1のミラーを通過する前記光源からの光の第2の部分を前記第1のミラーに向けて反射し返すことと、
前記第1のミラーを介して、前記光源からの光の前記第2の部分を反射して前記第2の光ビームを形成することと、
を含む、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記第1の光ビーム及び前記第2の光ビームを反対方向に誘導することを更に含む、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
前記第1のミラーを介した前記第1の光ビームを、前記第2のミラーを介して前記第1の光センサーに反射することと、前記第1のミラーを介して反射した前記第2の光ビームを前記第2の光センサーに反射することとを更に含む、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1の光センサー及び前記第2の光センサーを熱結合することを更に含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記光源を前記第1の光センサー及び前記第2の光センサーに熱結合することを更に含む、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
光を分割することは、キューブビームスプリッター、プレートビームスプリッター、ペリクルビームスプリッター、ウォラストンプリズム、回折ビームスプリッター、作動ビームスプリッター、又は溶融ファイバービームスプリッターのうちの少なくとも1つを使用して光を分割することを含む、請求項13に記載の方法。
【請求項20】
前記流管内に振動を引き起こすことは、磁石及び駆動コイルを介して前記流管を作動することを含む、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願]
本出願は、「MASS FLOW METERS/CONTROLLERS AND METHODS HAVING IMPROVED ACCURACY」と題する2020年5月8日に出願された米国特許出願第16/870,147号の利益を主張する。米国特許出願第16/870,147号の全体は、引用することにより明示的に本明細書の一部をなす。
【0002】
本開示は、包括的には、質量流量測定及び制御に関し、より詳細には、精度を改善した質量流量計/コントローラ及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
コリオリ効果に基づく質量流量計は、媒体が流れる流管の異なる部分の間の位相差を決定することによって媒体の質量流量を測定する。
【発明の概要】
【0004】
精度を改善した質量流量計/コントローラは、実質的に図面の少なくとも1つによって例示され、図面の少なくとも1つに関連して記載され、特許請求の範囲においてより完全に記述される。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図1】本開示の態様に係る一例示の質量流量計/コントローラの概略図である。
【0006】
図2】単一の光源が、複数の光センサーによって検出される複数の光ビームを提供する、図1の質量流量計/コントローラの一例示の実施態様の概略図である。
【0007】
図3】単一の光源によって出力される光を、複数の光センサーによって検出される複数の光ビームに分割する1つ以上のビームスプリッターを備える、図1の質量流量計/コントローラの一例示の実施態様の概略図である。
【0008】
図4】単一の光源によって出力される光を、複数の光センサーによって検出される複数の光ビームに分割する1つ以上のビームスプリッターを備え、分割された光ビームは、光源と同じ方向を有する、図1の質量流量計/コントローラの一例示の実施態様の概略図である。
【0009】
図5】単一の光源によって出力される光を、複数の光センサーによって検出される複数の光ビームに分割する1つ以上のビームスプリッターを備え、分割された光ビームは、光源とは反対の方向を有する、図1の質量流量計/コントローラの一例示の実施態様の概略図である。
【0010】
図6】質量流量及び/又は流体密度を測定する、及び/又は質量流量を制御するように図2の質量流量計/コントローラによって実行することができる一例示の方法を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図面は、必ずしも正確な縮尺ではない。適切な場合は、同様の又は同一の参照符号を使用して、同様の又は同一の構成要素を指す。
【0012】
質量流量測定の精度は、光センサーによって出力される信号の品質に左右される。コリオリ質量流量計の従来の光センサーにおいては、別個の光源(例えば、チャネル)が、それぞれの光センサーによって測定される光ビームを提供する。従来の構成における光センサーは、流管の変調に起因してDCバイアス信号及びAC信号を含む信号を出力する。各光チャネルが光源、光源制御回路、及び光センサーを含む、複数の光チャネルを有する従来の質量流量計においては、所与のチャネルの各構成要素は雑音も生成し、光チャネル出力信号全体に影響を及ぼす。例えば、各光チャネルは、光源制御回路に起因するフォトセンサー雑音信号と、光源に起因するフォトセンサー雑音信号と、フォトセンサーに起因するAC雑音信号とを含み得る。
【0013】
上述した雑音源が間に相関のないランダム雑音であることから、これらの雑音信号は、補償することができず、従来の流量計において流量計精度に悪影響を及ぼすおそれがある。したがって、2つの別個のチャネルを有する従来の質量流量計については、幾分かの雑音を位相シフト値全体に寄与する少なくとも6つの独立変数が存在する。
【0014】
開示される例示の質量流量計/コントローラは、質量流量測定における独立雑音源の数を減らすことにより精度を増大する。幾つかの開示される例において、1つ以上のビームスプリッターは、複数のチャネルによって使用される単一の光源を分割し、得られる光ビームを、流管上の異なる場所の間の位相差を測定するために、それらの場所を横断するように誘導する。
【0015】
開示される例示の質量流量計/コントローラは、流管であって、流体を該流管の入口から該流管の出口に誘導するように構成される、流管と、流管内に振動を引き起こすように構成されるアクチュエーターと、光を放出するように構成される光源と、光源によって放出される光を第1の光ビーム及び第2の光ビームに分割するように構成される少なくとも1つのビームスプリッターと、第1の光ビームの検出に基づいて、流管上の第1の場所の第1の位置の第1の測定値を出力するように構成される第1の光センサーと、第2の光ビームの検出に基づいて、流管上の第2の場所の第2の位置の第2の測定値を出力するように構成される第2の光センサーと、第1の測定値及び第2の測定値に基づいて、流管を通る質量流量又は流管内の流体の密度のうちの少なくとも一方を決定するように構成される制御回路部とを備える。
【0016】
幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、少なくとも1つのビームスプリッターは、第1の光ビーム及び第2の光ビームを反対方向に誘導するように構成され、第1の光センサー及び第2の光センサーは、少なくとも1つのビームスプリッターから第1の光ビーム及び第2の光ビームをそれぞれ受けるように少なくとも1つのビームスプリッターの対向する側部に位置決めされる。幾つかの例では、少なくとも1つのビームスプリッターは、光源からの光の第1の部分を反射して第1の光ビームを形成するように、光源に対して実質的に45度の角度で配置される第1のミラーと、第1のミラーを通過する光源からの光の第2の部分を第1のミラーに向けて反射し返すように配置される第2のミラーとを備える。第1のミラーは、第2のミラーからの光の第2の部分を反射して第2の光ビームを形成するように構成される。
【0017】
幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、少なくとも1つのビームスプリッターは、第1のミラーからの第1の光ビームを第1の光センサーに反射するように構成される第3のミラーと、第1のミラーからの第2の光ビームを第2の光センサーに反射するように構成される第4のミラーとを更に備える。幾つかの例示の質量流量計/コントローラは、プリント回路基板を更に備え、第1の光センサー及び第2の光センサーは、プリント回路基板に取り付けられる。幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、プリント回路基板は、第1の光センサー及び第2の光センサーを熱結合するように構成される。幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、光源は、プリント回路基板に取り付けられ、第1の光センサー及び第2の光センサーに熱結合される。
【0018】
幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、流管の第1の場所、流管の第2の場所、及び流管の第1の場所と第2の場所との間の部分は、二次元平面上で方向付けされ、アクチュエーターは、二次元平面に沿った方向において流管内に振動を引き起こすように構成される。幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、流管の第1の場所、流管の第2の場所、及び流管の第1の場所と第2の場所との間の部分は、二次元平面上で方向付けされ、アクチュエーターは、二次元平面を横断する方向において流管内に振動を引き起こすように構成される。
【0019】
幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、少なくとも1つのビームスプリッターは、キューブビームスプリッター、プレートビームスプリッター、ペリクルビームスプリッター、ウォラストンプリズム、回折ビームスプリッター、作動ビームスプリッター、又は溶融ファイバービームスプリッターのうちの少なくとも1つを含む。幾つかの例示の質量流量計/コントローラでは、アクチュエーターは、流管に取り付けられる磁石を介して流管を作動するように構成される駆動コイルを含む。幾つかの例示の質量流量計/コントローラは、流管を通る流体の流れを制御するように構成される流量制御弁を更に備え、制御回路部は、決定された質量流量に基づいて流量制御弁を制御するように構成される。
【0020】
開示される例示の方法は、流体を流管の入口から流管の出口に誘導することと、アクチュエーターを介して流管内に振動を引き起こすことと、光源から光を放出することと、少なくとも1つのビームスプリッターを介して、光源から放出された光を第1の光ビーム及び第2の光ビームに分割することと、第1の光ビームの検出に基づいて、第1の光センサーを介して、流管上の第1の場所の第1の位置の第1の測定値を出力することと、第2の光ビームの検出に基づいて、第2の光センサーを介して、流管上の第2の場所の第2の位置の第2の測定値を出力することと、第1の測定値及び第2の測定値に基づいて、制御回路部を介して、流管を通る質量流量又は流管内の流体の密度のうちの少なくとも一方を決定することとを伴う。
【0021】
幾つかの例示の方法では、少なくとも1つのビームスプリッターを介して光を分割することは、光源に対して実質的に45度の角度で配置される第1のミラーを介して、光源からの光の第1の部分を反射して第1の光ビームを形成することと、第2のミラーを介して、第1のミラーを通過する光源からの光の第2の部分を第1のミラーに向けて反射し返すことと、第1のミラーを介して、光源からの光の第2の部分を反射して第2の光ビームを形成することとを伴う。
【0022】
幾つかの例示の方法は、第1の光ビーム及び第2の光ビームを反対方向に誘導することを更に伴う。幾つかの例示の方法は、第1のミラーを介した第1の光ビームを、第2のミラーを介して第1の光センサーに反射することと、第1のミラーを介して反射した第2の光ビームを第2の光センサーに反射することとを更に伴う。幾つかの例示の方法は、第1の光センサー及び第2の光センサーを熱結合することを更に伴う。幾つかの例示の方法は、光源を第1の光センサー及び第2の光センサーに熱結合することを更に伴う。
【0023】
幾つかの例では、光を分割することは、キューブビームスプリッター、プレートビームスプリッター、ペリクルビームスプリッター、ウォラストンプリズム、回折ビームスプリッター、作動ビームスプリッター、又は溶融ファイバービームスプリッターのうちの少なくとも1つを使用して光を分割することを伴う。幾つかの例示の方法では、流管内に振動を引き起こすことは、磁石及び駆動コイルを介して流管を作動することを含む。
【0024】
図1は、一例示の質量流量計/コントローラ100の概略図である。図1の例示の質量流量計/コントローラ100を使用することで、質量流量計/コントローラ100と直列に接続される導管を通る流体の質量流量及び/又は密度を測定し、及び/又は、弁を制御することによって導管を通る流体の質量流量を制御することができる。
【0025】
例示の質量流量計/コントローラ100は、通流基部102と、流管104と、流体入口106と、流体出口108とを備える。流管104は、流体を流管104の流体入口106から流管104の流体出口108に誘導する。流管104を流れる流体の質量流量及び/又は密度を測定するために、例示の質量流量計/コントローラ100は、複数の光センサー110、112(本明細書において「フォトセンサー」とも称する)と、流管104内に振動を引き起こすアクチュエーター(例えば、永久磁石114及び駆動コイル116)と、制御回路部122とを備える。測定誤差を低減するために、例示の質量流量計/コントローラ100は、温度センサー126を更に備える。
【0026】
流管104はU字形状で構成される。駆動コイル116は、交流磁界を生成し、この磁界により永久磁石114に駆動力を生じる。永久磁石114は、流管104に取り付けられ、駆動力を流管104に伝達し、流管104内に振動をもたらす。流管104は或る周波数で振動し、制御回路部122は、流管104の固有振動数に振動周波数を近似させるように駆動コイル116を制御することができる。流管104の内側の媒体(例えば、気体又は液体)を移動することにより、コリオリ力が生じ、流管104上のアクチュエーターの上流にある第1の場所118と、流管104上のアクチュエーターの下流にある第2の場所120との間の位相シフトが生じる。光センサー110、112は、第1の場所118及び第2の場所120における流管104の位置を測定し、同じ周波数を有するが位相差又は時間差を有するそれぞれの信号(例えば、測定値)を出力する。
【0027】
例示の制御回路部122は、光センサー110からの第1の測定値及び光センサー112からの第2の測定値に基づいて、流管104を通る質量流量及び/又は流管104内の流体の密度を決定する。幾つかの例において、制御回路部122は、流量制御弁124を使用して流管104を通る質量流量を制御する。制御回路部122は、所望の流量と測定流量との比較に基づいて流量制御弁124を制御することができ、比例積分微分(PID)コントローラ等の1つ以上の制御ループ及び/又はフィルターを含むことができる。
【0028】
図1の例示の制御回路部122は、汎用コンピューター、ラップトップコンピューター、タブレットコンピューター、モバイルデバイス、サーバー、埋め込みデバイス、及び/又は他の任意のタイプのコンピューティングデバイスとすることができる。
【0029】
図1の例示の制御回路部122は、プロセッサ132を備える。例示のプロセッサ132は、任意の製造業者による任意の汎用中央処理ユニット(CPU)とすることができる。幾つかの他の例において、プロセッサ132は、1つ以上の専用処理ユニット、例えばグラフィック処理ユニット及び/又はデジタル信号プロセッサを含むことができる。プロセッサ132は、機械可読命令134を実行する。機械可読命令134は、プロセッサにローカルに(例えば、内蔵されるキャッシュ内に)、ランダムアクセスメモリ136(又は他の揮発性メモリ)内に、リードオンリーメモリ138(又は他の不揮発性メモリ、例えばフラッシュメモリ)内に、及び/又はマスストレージデバイス140内に記憶することができる。例示のマスストレージデバイス140は、ハードドライブ、ソリッドステートストレージデバイス、ハイブリッドドライブ、RAIDアレイ、及び/又は他の任意のマスデータストレージデバイスとすることができる。
【0030】
バス142により、プロセッサ132、RAM136、ROM138、マスストレージデバイス140、ネットワークインターフェース144、及び/又は入力/出力インターフェース146の間の通信が可能になる。
【0031】
例示のネットワークインターフェース144は、インターネット等の通信ネットワーク148に制御回路部122を接続するハードウェア、ファームウェア、及び/又はソフトウェアを含む。例えば、ネットワークインターフェース144は、通信を送信及び/又は受信するためにIEEE 802.Xに準拠する無線及び/又は有線通信を含むことができる。
【0032】
例示の制御回路部122は、I/Oインターフェース146及び/又はI/Oデバイス(複数の場合もある)150を介して、非一時的機械可読媒体152にアクセスすることができる。図1の機械可読媒体152の例として、光ディスク(例えば、コンパクトディスク(CD)、デジタルバーサタイル/ビデオディスク(DVD)、Blu-ray(登録商標)ディスク等)、磁気媒体(例えば、フロッピーディスク)、ポータブル記憶媒体(例えば、ポータブルフラッシュドライブ、セキュアデジタル(SD)カード等)、及び/又は他の任意のタイプの取り外し可能及び/又はインストール式機械可読媒体が挙げられる。
【0033】
質量流量を決定するために、例示の制御回路部122は、下記式1に示す質量流量式を使用することができる:
MF=FCF*Δt (式1)
【0034】
式1において、MFは質量流量(例えば、キログラム/秒(kg/s))であり、FCFは流量較正係数であり、(例えば、較正に基づく)特定のデバイスの定数であり、Δt=θ/2πF’であり、ここで、θは光センサー110、112からの出力信号の間の位相差であり、Fは流管104の固有振動数である。
【0035】
図2は、単一の光源202(例えば、LED)が、光センサー110、112によって検出される複数の光ビーム204、206を提供する、図1の質量流量計/コントローラ100の一例示の実施態様の概略図である。光源202は光源コントローラ208によって制御される。光源を1つに削減することにより、図2の例は、測定における独立雑音又は誤差源の数を削減し、質量流量及び/又は密度測定値(複数の場合もある)の精度を増大する。光センサー110、112は、得られる信号をそれぞれの増幅器210、212に出力し、増幅器210、212は、図1の制御回路部122内で実装することができる。
【0036】
光センサー110、112が、光ビーム204、206を介して流管104の振動を測定することを可能にするように、同じ光源202からの複数の光ビーム204、206を2つの異なる光センサー110、112を誘導するために、光源202は、光を複数の方向に放出するように構成することができる。加えて又は代替的に、より詳細に後述するように、質量流量計/コントローラは、1つ以上のビームスプリッターを備えることができ、及び/又は、光センサー110、112は、単一の光源202を使用して生成された複数の光ビームの検出に基づいて、流管104上の第1の場所118及び第2の場所120の位置の測定値を出力するように構成することができる。
【0037】
図3は、単一の光源306によって出力される光304を、光センサー110、112によって検出される複数の光ビーム308、310に分割するビームスプリッター302を備える、図1の質量流量計/コントローラ100の別の例示の実施態様の概略図である。
【0038】
図3の例示のビームスプリッター302は、光源306からの光304に対して45度の角度で方向付けされる第1のミラー312を備える。第1のミラー312は、光源306からの光304の第1の部分を反射して第1の光ビーム308を形成し、第1の光ビーム308を第1の光センサー110に向かって誘導する。流管104上の第1の場所118は、流管104の第1の場所118が流管104の振動に基づいて第1の光ビーム308の一部を遮蔽するように、第1のミラー312と光センサー110との間に位置決めされる。
【0039】
ビームスプリッター302は、第1のミラー312を通過する光源306からの光304の第2の部分316を第1のミラーに向かって反射し返す第2のミラー314を備える。第1のミラー312は、第2のミラー314からの光の第2の部分を反射して第2の光ビーム310を形成し、第2の光ビーム310を第2の光センサー112に向かって誘導する。流管104上の第2の場所120は、流管104の第2の場所120が流管104の振動に基づいて第2の光ビーム310の一部を遮蔽するように、第1のミラー312と光センサー112との間に位置決めされる。
【0040】
ビームスプリッター(例えば、ミラー312、314)は、第1の光ビーム308及び第2の光ビーム310を反対方向に誘導するように構成され、第1の光センサー110及び第2の光センサー112は、少なくとも1つのビームスプリッターから(例えば、ミラー312、314から)第1の光ビーム308及び第2の光ビーム310をそれぞれ受けるようにビームスプリッターの対向する側部に位置決めされる。
【0041】
上述した従来のコリオリ質量流量計とは対照的に、図3の例示の流量計は、位相雑音が低減する。両方のチャネル(例えば、両方の光センサー110、112)に1つの光源306のみが使用されることから、光源306及び光源コントローラ208からの各チャネルに対する雑音寄与は独立していない。なぜなら、雑音寄与は、両方のチャネルについて同じ構成要素(例えば、光源306及び光源コントローラ208)によって生成され、制御回路部122によって補償することができるからである。結果として、図3の開示される例示の質量流量計は、雑音寄与要素の数を6つから2つに削減し、例示の質量流量計の測定精度を従来の質量流量計よりも改善する。
【0042】
図4は、単一の光源306によって出力される光304を、複数の光センサー110、112によって検出される複数の光ビーム308、310に分割する1つ以上のビームスプリッター(例えば、ミラー312、314)を備える、図1の質量流量計/コントローラ100の一例示の実施態様の概略図である。
【0043】
図4の例において、光センサー110、112は、プリント回路基板402を介して互いに熱結合される。すなわち、光センサー110、112は、同じプリント回路基板402に結合され、プリント回路基板402は、光センサー110、112を結合する熱伝導性材料403の経路(例えば、銅、アルミニウム等のストリップ)を更に有する。光センサー110、112が温度に依存する幾つかのパラメーターを有することから、光センサー110、112間の温度差は、出力信号の差及び追加の位相誤差を生じ得る。例示のプリント回路基板402は、光センサー110、112を近接して置くことによって光センサー110、112における温度依存の位相差を低減し、これにより、光センサー110、112間の温度勾配を低減又は実質的に消失させる。
【0044】
例示の光センサー110、112は、流管104のミラー312とは反対側に取り付けられる代わりに、回路基板402上に取り付けられる。第3のミラー404は、第1のミラー312からの第1の光ビーム308aを第1の光センサー110に反射するように、第1の光ビーム308aに対して45度の角度で構成される。第4のミラー406は、第1のミラー312からの第2の光ビーム310aを第2の光センサー112に反射するように、第2の光ビーム310aに対して45度の角度で構成される。両方のミラー404、406は、ほとんど全ての入射光(例えば、第1の光ビーム308a、308b及び第2の光ビーム310a、310b)を90度反射し、光センサー110、112に入射する光ビーム308b、310bが同じ方向(例えば、光源306によって生成される放出光304に対して0度)において移動するように、光ビーム308a、308b、310a、310bを光センサー110、112に向かって誘導する。
【0045】
図4の例において、流管104の振動方向は、図3の例とは異なる方向である。流管104上の第1の場所118、流管104上の第2の場所120、及び流管104の第1の場所118と第2の場所120との間の部分(例えば、流管104のU字形状部分)は、図2図5に示すように、二次元平面214上で方向付けされる。図3の例において、流管104の振動方向は平面214に対して横断し、一方、図2図4及び図5の例における振動方向は平面214内である。アクチュエーター(例えば、駆動コイル116及び/又は磁石114)は、流管104に対する光センサー110、112及び光ビーム308、310の配置に基づいて振動方向を得るように構成される。
【0046】
図4の例において、光源306及び/又は光源コントローラ208は、プリント回路基板402とは別個の第2のプリント回路基板408に結合される。図4の例において、光センサー110、112は、光源306及び光源コントローラ208から物理的に離すことができる。光センサー110、112と光源306及び光源コントローラ208との間には、物理的に離されることに起因して温度差が生じる場合があり、出力信号の差、追加の位相誤差、及び測定精度の損失をもたらすおそれがある。図5は、単一の光源306によって出力される光304を、複数の光センサー110、112によって検出される複数の光ビーム308、310に分割する1つ以上のビームスプリッター(例えば、ミラー312、314)を備える、図1の質量流量計/コントローラ100の一例示の実施態様の概略図である。図5の例において、光センサー110、112、光源306、及び光源コントローラ208は、プリント回路基板502を介して互いに熱結合される。
【0047】
光センサー110、112、光源306、及び光源コントローラ208が温度に依存する幾つかのパラメーターを有することから、光センサー110、112間の温度差は、出力信号の差及び追加の位相誤差を生じ得る。例示のプリント回路基板502は、光センサー110、112、光源306、及び光源コントローラ208を結合する熱伝導性材料504の経路(例えば、銅、アルミニウム等のストリップ)を有する。図5における光センサー110、112、光源306、及び光源コントローラ208の例示の配置は、これらの構成要素を近接して置くことによって、光センサー110、112、光源306、及び光源コントローラ208における温度依存の位相誤差を低減し、これにより、構成要素間の温度勾配を低減又は実質的に消失させる。
【0048】
流管104を光ビーム308a、308b、310a、310bに横断させるような方法で、単一の光源306が同じプリント回路基板502上に位置する光センサー110、112に光ビーム308、310を提供することを可能にするために、図5の例は第3のミラー506及び第4のミラー508を備える。第3のミラー506は、第1のミラー312からの第1の光ビーム308aを第1の光センサー110に反射するように、第1の光ビーム308aに対して45度の角度で構成される。第4のミラー508は、第1のミラー312からの第2の光ビーム310aを第2の光センサー112に反射するように、第2の光ビーム310aに対して45度の角度で構成される。両方のミラー506、508は、ほとんど全ての入射光(例えば、第1の光ビーム308a及び第2の光ビーム310a)を90度反射し、光センサー110、112に入射する光ビーム308b、310bが反対方向(例えば、光源306によって生成される放出光304に対して180度)において移動するように、光ビーム308b、310bを光センサー110、112に向かって誘導する。
【0049】
流管104に対する光センサー110、112の場所が(図4の例と比較して)異なることに起因して、ミラー506は、図4のミラー404の向きと比較して90度の角度で方向付けされ、ミラー508は、ミラー406の向きと比較して90度の角度で方向付けされる。
【0050】
図3図5の例は、ビームスプリッターの一例示の実施態様を含むが、任意のタイプのビームスプリッターを使用してもよい。使用することができる例示のビームスプリッターとしては、キューブビームスプリッター、プレートビームスプリッター、ペリクルビームスプリッター、ウォラストンプリズム、回折ビームスプリッター、作動ビームスプリッター、又は溶融ファイバービームスプリッターが挙げられる。
【0051】
図6は、質量流量及び/又は流体密度を測定する、及び/又は質量流量を制御するように図2図5の質量流量計/コントローラ100によって実行することができる一例示の方法600を示すフローチャートである。図1及び図3の例示の質量流量計/コントローラ100を参照して例示の方法600を記載する。ただし、方法600は、開示される例示の質量流量計/コントローラのいずれを使用して実行してもよい。
【0052】
ブロック602において、流管104は、流体を流管104の入口から流管104の出口に差し向ける。ブロック604において、アクチュエーターは、流管104内に振動を誘導する。
【0053】
ブロック606において、制御回路部122は、光源コントローラ208を制御することによって光304を放出するように光源306を制御する。例えば、制御回路部122により、光源コントローラ208が光源306を有効にすることを可能にすることができる。ブロック608において、1つ以上のビームスプリッター(例えば、ミラー312、314)は、光源306によって放出された光304を、第1の光ビーム308及び第2の光ビーム310に分割する。
【0054】
ブロック610において、第1の光センサー110は、第1の光ビーム308又は308bの検出に基づいて、流管104上の第1の場所118の第1の位置を測定し、(例えば、増幅器210による増幅の後に)第1の測定値を出力する。ブロック612において、第2の光センサー112は、第2の光ビーム310又は310bの検出に基づいて、流管104上の第2の場所120の第2の位置を測定し、(例えば、増幅器212による増幅の後に)第2の測定値を出力する。第1の測定値及び第2の測定値は、光センサー110、112によって受信される第1の光ビーム308、308b及び第2の光ビーム310、310bのそれぞれの振幅(magnitudes)を示す信号とすることができる。信号の振幅は、流管104による光ビーム308、308b、310、310bの遮蔽に基づいて変化する場合があり、遮蔽は流管104の振動の結果として変化する。
【0055】
ブロック614において、制御回路部122は、流管104を通る質量流量(例えば、第1の測定値と第2の測定値との間の位相差に基づいて)及び/又は流管104内の流体の密度(例えば、流管104の振動周波数に基づいて)を決定する。
【0056】
ブロック616において、制御回路部122は、流量を制御するかどうかを決定する。例えば、質量流量コントローラは、流量を制御するように構成することができ、一方、質量流量計は流量の制御を省く。流量を制御する場合(ブロック616)、制御回路部122は、測定流量と目標流量との間の差に基づいて流量制御弁124を調整する。
【0057】
流量制御弁を調整した後(ブロック618)、又は流量を制御しない場合(ブロック616)、制御はブロック602に戻り、測定及び/又は制御を継続する。
【0058】
本方法及びシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、及び/又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又は幾つかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散方式で、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムを、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードとともに、含むことができる。別の典型的な実施態様は、1つ以上の特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。幾つかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュメモリ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実行させる。本明細書で用いられる場合、「非一時的機械可読媒体」という用語は、全てのタイプの機械可読記憶媒体を含み、伝播信号を排除するように定義される。
【0059】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。例えば、開示されている例のブロック及び/又は構成要素は、組み合わせ、分割し、再構成し、及び/又は、別の方法で改変することができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されないが、本方法及び/又はシステムは、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含むことが企図される。
【0060】
本明細書で用いられる場合、「回路」及び「回路部」という用語は、物理的な電子構成要素(すなわち、ハードウェア)と、ハードウェアを構成することができ、ハードウェアが実行することができ、及び/又は他の方法でハードウェアに関連付けることができる、任意のソフトウェア及び/又はファームウェア(「コード」)とを指す。本明細書で用いられる場合、例えば特定のプロセッサ及びメモリは、コードの第1の1つ以上のラインを実行しているとき、第1の「回路」を含むことができ、コードの第2の1つ以上のラインを実行しているとき、第2の「回路」を含むことができる。本明細書で用いられる場合、「及び/又は」は、「及び/又は」によって連結されるリストにおける項目のうちの任意の1つ以上を意味する。一例として、「x及び/又はy」は、3つの要素の組{(x),(y),(x,y)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x及び/又はy」は、「x及びyのうちの一方又は両方」を意味する。別の例として、「x、y及び/又はz」は、7つの要素の組{(x),(y),(z),(x,y),(x,z),(y,z),(x,y,z)}のうちの任意の要素を意味する。言い換えれば、「x、y及び/又はz」は、「x、y及びzのうちの1つ以上」を意味する。本明細書で用いられる場合、「例示的な」という用語は、非限定的な例、事例又は例証としての役割を果たすことを意味する。本明細書で用いられる場合、「例えば」という用語は、1つ以上の非限定的な例、事例又は例証のリストを開始する。本明細書で用いられる場合、回路部は、或る機能を実施するために必要なハードウェア及びコード(いずれかが必要である場合)を含む場合はいつでも、その機能の実施が(例えば、ユーザーが構成可能な設定、工場トリム等により)無効にされる又は有効にされていないか否かに関わりなく、回路部はその機能を実行するように「動作可能」である。
【0061】
本方法及び/又はシステムは、ハードウェア、ソフトウェア、又はハードウェア及びソフトウェアの組み合わせで実現することができる。本方法及び/又はシステムは、少なくとも1つのコンピューティングシステムにおいて集中的に、又は幾つかの相互接続されたコンピューティングシステムにわたって異なる要素が分散される分散方式で、実現することができる。本明細書に記載した方法を実行するように適合された任意の種類のコンピューティングシステム又は他の装置が適している。ハードウェア及びソフトウェアの典型的な組み合わせは、汎用コンピューティングシステムに、ロードされ実行されるとコンピューティングシステムを本明細書に記載した方法を実行するように制御するプログラム又は他のコードを伴うものとすることができる。別の典型的な実施態様は、特定用途向け集積回路又はチップを含むことができる。幾つかの実施態様は、非一時的機械可読(例えば、コンピューター可読)媒体(例えば、フラッシュドライブ、光ディスク、磁気記憶ディスク等)を含むことができ、そうした非一時的機械可読媒体は、機械によって実行可能なコードの1つ以上のラインを記憶し、それにより、機械に、本明細書に記載したようなプロセスを実行させる。
【0062】
本方法及び/又はシステムを、或る特定の実施態様を参照して記載してきたが、当業者であれば、本方法及び/又はシステムの範囲から逸脱することなく、種々の変更を行うことができること及び均等物に置き換えることができることを理解するであろう。加えて、本開示の範囲から逸脱することなく、本開示の教示に対して特定の状況又は材料を適合させるように多くの改変を行うことができる。したがって、本方法及び/又はシステムは、開示されている特定の実施態様に限定されない。代わりに、本方法及び/又はシステムは、字義通りにでも均等論のもとにおいても、添付の特許請求の範囲内に入る全ての実施態様を含む。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
【国際調査報告】