(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】公表特許公報(A)
(11)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-14
(54)【発明の名称】包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板を備えた芝刈機
(51)【国際特許分類】
A01D 34/81 20060101AFI20230607BHJP
【FI】
A01D34/81
【審査請求】有
【予備審査請求】未請求
(21)【出願番号】P 2022567572
(86)(22)【出願日】2020-06-12
(85)【翻訳文提出日】2022-11-07
(86)【国際出願番号】 SE2020050608
(87)【国際公開番号】W WO2021225487
(87)【国際公開日】2021-11-11
(32)【優先日】2020-05-08
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(32)【優先日】2020-05-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】SE
(81)【指定国・地域】
(71)【出願人】
【識別番号】511234781
【氏名又は名称】フスクバルナ アクティエボラーグ
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100153729
【氏名又は名称】森本 有一
(72)【発明者】
【氏名】マッツ スベンソン
(72)【発明者】
【氏名】アンデシュ ヤルマション
(72)【発明者】
【氏名】ヨーナス アゲルハル
【テーマコード(参考)】
2B083
【Fターム(参考)】
2B083AA02
2B083BA11
2B083CA03
2B083CA07
2B083CB01
2B083DA03
2B083GA01
2B083GA02
(57)【要約】
本開示は、芝面を処理する芝刈機に関する。芝刈機は、芝面上に載置されるのに適した一組の車輪によって少なくとも部分的に担持されたシャーシと、シャーシに懸架された1つ以上の切断装置とを備える。外カバーは、シャーシを包囲し、芝面に向け開放して、外カバーと芝面との間に包囲空間を形成する。分割板は、包囲空間を上部空間と切断空間とに分割し、分割板は概ね、芝面と略平行な平面に沿って拡がっている。切断装置は、分割板の開口を通って突出し、分割板の縁部は、外カバーに連結されている。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、
前記芝面上に載置されるのに適した一組の車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)と、
前記シャーシ(19)に懸架された切断装置(35)と、
外カバー(3)であって、前記シャーシ(19)を包囲するとともに前記芝面に向けて開放しておりそれにより前記外カバー(3)と前記芝面との間に包囲区間を形成し、前記包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板(21)によって特徴づけられ、前記分割板(21)は概ね、前記芝面と略平行な平面に沿って拡がっている、外カバー(3)と、
を備え、
前記切断装置(35)は、前記分割板の開口(28)を通って突出しており、
前記分割板(21)の縁部(23)は、前記外カバー(3)に連結されている、
芝刈機(1)。
【請求項2】
前記分割板(21)の縁部(23)は、前記外カバー(3)に強固に連結されている、請求項1に記載の芝刈機。
【請求項3】
前記分割板(21)の縁部(23)は、前記外カバー(3)に到達して前記分割板(21)の周縁の大部分に沿ってシールを形成している、請求項1又は2に記載の芝刈機。
【請求項4】
前記分割板(21)の縁部(23)は、リベットにより前記外カバー(3)に連結されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項5】
前記外カバー(3)及び前記分割板(21)は、前記芝面の平面に平行な少なくとも一方向において、前記シャーシ(19)に対し、水平方向の遊びをもって、移動可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項6】
前記開口(28)は、前記切断装置に対して遊びを有し、それにより、前記分割板(21)が前記切断装置(35)及び前記シャーシ(19)に対して前記所定の距離を移動することが可能になる、請求項5に記載の芝刈機。
【請求項7】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、
前記芝面上に載置されるのに適した一組の車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)と、
前記シャーシ(19)に懸架された切断装置(35)と、
外カバー(3)であって、前記シャーシ(19)を包囲するとともに前記芝面に向けて開放しておりそれにより前記外カバーと前記芝面との間に包囲区間を形成し、前記包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板(21)によって特徴づけられ、前記分割板(21)は概ね、前記芝面と略平行な平面に沿って拡がっている、外カバー(3)と、
を備え、
前記切断装置(35)は、前記分割板の開口(28)を通って突出しており、
前記分割板(21)は、前記芝面の平面に平行な少なくとも一方向において、前記シャーシ(19)に対し、水平方向の遊びをもって、移動可能である、
芝刈機(1)。
【請求項8】
前記分割板(21)を前記切断装置(35)に連結するベローズ(27)を備え、前記ベローズ(27)は、前記分割板(21)が拡がる平面に対して横断方向にプリーツ加工されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項9】
更に、前記一組の車輪のうちの車輪(11)は、前記分割板(21)を通って車輪空間内に延びており、前記分割板は、それが概ね拡がっている平面から曲げられて、切断装置(35)と前記車輪空間(37)との間に下向きに突出するリッジ(39)を形成している、請求項1から8のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項10】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、前記芝面上に載置されるのに適した少なくとも1つの車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)を備え、前記シャーシを前記芝面から保護する分割板(21)によって特徴づけられ、前記車輪(11)に連結されたシャフトが前記分割板(21)を通って延びており、凹部(37)が、前記車輪(11)が部分的に位置する場所において前記分割板(21)に設けられるとともに、前記車輪の直径の少なくとも30%の深さを有する、芝刈機(1)。
【請求項11】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、前記芝面上に載置されるのに適した少なくとも1つの車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)を備え、前記シャーシを前記芝面から保護する分割板(21)によって特徴づけられ、前記車輪(11)に連結されたシャフト(34)が前記分割板(21)の開口(31)を通って延びており、前記開口は前記シャフト(34)に対してオーバサイズにされており、シーリングスクリーン(33)が、前記分割板(21)よりも下の前記シャフト(34)に取り付けられており、前記シーリングスクリーンは前記開口(31)に対してオーバサイズにされている、芝刈機(1)。
【請求項12】
前記分割板(21)が強化ポリプロピレンのシートから形成されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の芝刈機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術分野
本開示は、芝面を処理するように構成された芝刈機であって、芝面上に載置されるのに適した一組の車輪によって少なくとも部分的に担持されたシャーシと、シャーシに懸架された切断装置と、外カバーであって、シャーシを包囲するとともに芝面に向けて開放しておりそれにより外カバーと芝面との間に包囲区間を形成する外カバーと、を備える芝刈機に関する。
【背景技術】
【0002】
背景
このような切断器具を有する芝刈機は、例えば特許文献1に開示されており、ここで、ロボット式芝刈機は、切断空間を形成するカバーであって、ディスクの形の5つの切断装置を有するカバーを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【0004】
この種の芝刈機に関連する一般的な問題は、それらをより確実にする方法であり、大型の芝に対して良好で均一な切断結果を提供することである。
【0005】
概要
したがって、本開示の一つの目的は、より均一な切断芝面を提供する芝刈機を提供することである。
【0006】
この目的は、請求項1に記載の芝刈機によって達成される。特に、冒頭で述べた種類の芝刈機において、包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板があり、分割板は概ね、芝面と略平行な平面に沿って拡がっている。切断装置は、分割板の開口を通って突出し、分割板の縁部は、外カバーに連結されている。これにより、モータなどが含まれ得る上部空間を、切断装置によって飛ばされた刈草から保護するバリアが形成され、また、分割板の縁部が外カバーに連結されているので、上部空間全体が保護されうる。分割板は概ね又は全体として、芝面と平行に拡がっているので、この平面から局部的に逸脱することがあるけれども、分割板は、切断装置によって飛ばされた刈草の塊を集めるのではなく、当該刈草を偏向させるのによく適しており、したがって芝面上に刈草を均等に散布することに寄与しうる。
【0007】
分割板の縁部は、外カバーに強固に連結されていてもよく、分割板の周縁の大部分に沿ってそれらの間にシールを形成してもよい。これにより、敏感な電気的及び機械的構成要素および装置が配置され得る上方空間に刈草および他のデブリが到達することが非常に大きく防止される。縁部を、例えばリベットによって外カバーに連結してもよい。
【0008】
外カバーおよび分割板は、車輪によって画定される芝面の平面に平行な少なくとも1つの方向において、シャーシに対して水平方向の遊びをもって移動可能であってもよい。
【0009】
開口は、切断装置に対し遊びを有してもよく、それにより、分割板が、切断装置およびシャーシに対して所定の距離を移動することが可能になる。これにより、ある程度の弾力性が与えられ、例えば外カバーが衝突検出装置としても機能することが可能になる。芝刈機が外部物体に衝突すると、外カバー及び分割板がシャーシに対し移動することになり、この移動を検出して衝突を示すことができる。
【0010】
したがって、本開示は、芝面を処理するように構成された芝刈機であって、前記芝面上に載置されるのに適した一組の車輪によって少なくとも部分的に担持されたシャーシと、前記シャーシに懸架された切断装置と、外カバーであって、前記シャーシを包囲するとともに前記芝面に向けて開放しておりそれにより前記外カバーと前記芝面との間に包囲区間を形成し、前記包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板によって特徴づけられ、前記分割板は概ね、前記芝面と略平行な平面に沿って拡がっている、外カバーと、を備え、前記切断装置は、前記分割板の開口を通って突出しており、前記分割板は、前記芝面の平面に平行な少なくとも一方向において、前記シャーシに対し、水平方向の遊びをもって、移動可能である、芝刈機にも関する。
【0011】
分割板を切断装置に連結するベローズを設けてもよく、ベローズは、分割板が拡がる平面に対して横断方向にプリーツ加工されている。これは、分割板の移動を可能にしつつ、分割板よりも上の空間を保護するために、水平方向の遊びを構成する領域を覆う。
【0012】
上述の一組の車輪のうちの車輪は、分割板を通って車輪空間内に延びていてもよく、分割板は、それが概ね拡がっている平面から曲げられて、切断装置と車輪空間との間に下向きに突出するリッジを形成してもよい。このリッジは、切断装置によって飛ばされる刈草から車輪空間を保護する。
【0013】
本開示は、芝面を処理するように構成された芝刈機であって、芝面上に載置されるのに適した少なくとも1つの車輪によって少なくとも部分的に担持されたシャーシを備えた芝刈機にも関する。シャーシを芝面から保護する分割板が設けられ、車輪に連結されたシャフトが分割板を通って延びている。分割板に凹部が設けられ、この凹部内に車輪が部分的に位置し、分割板の周囲の部分と比較した凹部の深さが、車輪の直径の少なくとも30%である。これにより、比較的大きな直径を有する車輪を使用することが可能となり、分割板は依然として芝面に近接して配置されてもよく、これにより、刈草を芝面上に効率的に拡散させることができる。比較的大きな車輪は、不均一な表面上で、よりよく回転する。
【0014】
更に、本開示は、芝面を処理するように構成された芝刈機であって、芝面上に載置されるのに適した少なくとも1つの車輪によって少なくとも部分的に担持されたシャーシを備えた芝刈機を考慮する。シャーシを芝面から保護する分割板が設けられ、車輪に連結されたシャフトが分割板の開口を通って延びている。この開口はシャフトに対してオーバサイズにされており(寸法が大きくされており)、分割板はシャフトに対するその平面の方向に移動することができる。シーリングスクリーンが、分割板よりも下のシャフトに取り付けられており、シーリングスクリーンは開口に対してオーバサイズにされている。このことは、シーリングスクリーンが、分割板よりも上の空間を刈草などから保護するとともに、分割板がシャフトに対し移動するのを可能にする、ということを意味する。
【0015】
分割板は、典型的には、強化されたポリプロピレンのシートから形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図3】外カバーを取り外した
図2の芝刈機と、その2つの拡大部分A,Bとを示す図である。
【
図7】切断装置シャフトと分割板との間をシールするベローズを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
詳細な説明
本開示は概して、芝刈機に関する。自走式ロボットツールとして機能する芝刈機の一例は、特許文献1に示されており、ここには、5つの切断ディスクを有する芝刈機が記載されている。
【0018】
このような芝刈機の一部が
図1に示されており、ここでは、芝刈機1は、カバー3であって、カバー3と芝刈機が走行する芝面との間に切断空間5を形成するカバー3を備えている。切断装置、図示の場合は例えばナイフを備えた多数の回転ディスク7、は、円形パターンで動く切断刃を有している。切断ディスク7を駆動するための駆動装置9が切断空間5内に配置されている。駆動装置はモータからディスクへのトランスミッション装置を含んでもよく、モータはカバー3の下に含まれていてもよい。
【0019】
例えば共通のシャーシを介してカバー3に連結された一組の車輪11は、切断装置と芝面との間に所定の距離が得られるように芝面上を転動してもよい。
【0020】
このような芝刈機は、非常に効率的であってもよく、複数の切断ディスクを備えている場合には、それらは、例えば、公園、ゴルフコース、スポーツグラウンドなどの大きな芝面を切断することが可能であってもよい。
【0021】
例えば、湿潤条件下では、芝刈機は、切断された芝面上に、切断されたものを均一に広げるのではなく、刈草の大きな塊を残すおそれがある。
【0022】
本開示は、この問題を解消または低減するのに使用される構造を提供する。
図1に示すような従来技術の芝刈機における塊の形成は、切断装置が、切断されている草を、カバー3の内部の鉛直又はほぼ鉛直の表面13に飛ばす又は投げ付けることに起因する、と理解されている。ここでは、刈草が付着するようになり、最終的に大きな塊を形成する。塊が十分に重くなると、表面13から脱落し、切断された芝面に着地する。
【0023】
この問題を完全にまたは部分的に除去する解決策を詳細に説明する。しかしながら、まず、
図2が参照され、ここには、本解決策を実施してもよい芝刈機の一例の斜視図が示される。この芝刈機1は、関節接合された構成を有する自走式ロボット芝刈機であり、ここでは、図示されるように、後部15は駆動装置を備え、前部17によって切断器具が形成される。前部17は、外カバー3を有し、所望であれば、他の切断器具および他の作業器具と交換可能であってもよい。しかしながら、本開示の切断器具を、単一部品のロボット芝刈機、芝トラクタ切断器具、または手押し芝刈機にも使用することができる。
【0024】
図3は、外カバー3が除去された
図2の芝刈機を示す。図示のように、外カバーは、いくつかの機能を提供してもよいシャーシ19を包囲している。図示のシャーシ19は、後部15に連結され、後部15と一緒に前部17を担持する2つの旋回輪11を有する。
図2に示すように組み立てられると、外カバー3は芝刈機が処理する芝面と一緒に包囲空間を形成する。
【0025】
図3に戻り、包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する又は仕切る分割板21が設けられている。分割板21は概ね、芝面とほぼ平行な平面に沿って拡がっているが、後述するように、それから幾分膨出してもよい。芝面は、前輪11及び後輪12によって画定される。分割板は、例えば、強化ポリプロピレンPPなどで作られた単一のプレスされたプラスチック部品であってもよいが、他のプラスチックまたは金属材料も考えられる。
【0026】
分割板21は概して、芝面に対して垂直または垂直に近い表面であって、芝刈機の切断装置からの刈草の流れに露出される表面をほとんど又はまったく備えていない。このため、分割板21により、刈草の塊の形成を概ね回避することができる。同時に、シャーシと切断装置を駆動するモータとは、長期間の使用中にそれらの機能を損なうおそれのある刈草の流れから保護されてもよい。この機能を改善するために、分割板の縁部23は、外カバー3に到達して(
図2参照)、それらの間にシールを形成してもよい。これは、分割板21の周囲の全体または大部分に沿ったものであってもよい。分割板21の縁部23は、外カバーに強固に連結されてもよい。
【0027】
分割板の縁部をリベットによって外カバーに連結することができる。
図3には、分割板21内のリベット用の穴25が示されている。
【0028】
切断装置は、分割板21内の開口を介して切断空間内に突出している。
【0029】
外カバー3がシャーシ19に対してある程度移動するようにすることが有利である。これにより、例えば、芝刈機が固定物に衝突した場合に芝刈機がいくらか丈夫になる。また、シャーシ19に対する外カバーの動きを検知するセンサにより、機械的に衝突を検知することが可能となる。
図3の例では、外カバーは、複数の例えばジョイスティック状レバー24によりシャーシ19に連結される。これらレバー24は、外カバーがシャーシ19に対し弾性的に動くのを可能にし、同時に、この動きを説明するセンサ信号を提供してもよい。制限停止部26をシャーシに設けて、外カバーのシャーシに対する許容移動の量を、最大許容移動時に外カバー3に当接することにより、制限してもよい。分割板21を貫通して延びる切断装置及び車輪の配置は、好ましくは、分割板21内のオーバサイズにされた開口を通って延び、それにより遊びを提供することができる。
【0030】
図3の拡大部分Aには、切断装置とそのモータとの間の連結部が、それが分割板21を貫通して延びる位置において、示される。モータはシャーシ19に固定的に連結される。分割板21が、分割板21の概略平面にいくらか平行な方向に、ある程度移動するのを許容するために、分割板21の開口は、切断装置をそのモータに連結して横方向の遊びを提供するシャフト29と比較してオーバサイズにされている。ベローズ27は、シャフト29を分割板21に連結し、上部空間への刈草の侵入を回避しつつこれら間の相対移動を許容する。図に示すように、
図3の芝刈機は3つの切断装置を有しているが、
図3ではこれらのうちの2つはシャーシ19によってほとんど隠されている。もちろん、より多くの又はより少ない数の切断装置が考えられる。
【0031】
図3の拡大部分Bには、分割板21を通る連結部であって、シャーシ19と旋回輪11のうちの1つとの間の連結部が示される。ここでも、分割板21内のオーバサイズの開口31が設けられている。この位置でもベローズを使用可能であるが、この位置は切断装置からの刈草に晒されにくいので、より簡単な代替物が使用される。したがって、シャーシ19を車輪11に連結するシャフトに、シーリングスクリーン33が取り付けられて、水平方向の遊びが得られる。シーリングスクリーン33は、分割板21の開口31よりも大きく、それよりも下方に位置している。したがって、シーリングスクリーン33は、刈草やその他の物品が上部空間に侵入することを防止する。
【0032】
図4は、
図2の芝刈機の前部の底面図である。図示されるように、芝刈機は、切断ディスク35の形態の3つの切断装置を有する。これらのディスクは、車輪11同士間の芝刈機の幅の大部分をカバーしている。
【0033】
図5は、
図4の線C-Cに沿った断面を示している。図示されるように、分割板21は、概ね、芝刈機の前輪及び後輪によって決定されるような芝面と平行な平面内に拡がっているけれども、完全に平坦ではない。その代わりに、分割板21は、切断ディスク35のための室を残すためにいくらか凹状であってもよい。分割板21の芝面までの距離は、鉛直面を実質的に回避しつつ、分割板21の前部及び後部に向かって徐々に減少する。分割板21は、刈草を芝面上に均等に偏向させる働きをする。
【0034】
図5はまた、点線で示される分割板21内の開口28を通って突出する切断装置35のシャフトを示している。開口28は、このシャフトに対してオーバサイズにされるとともに、シャフト及び分割板21に連結された可撓性ベローズ27によって覆われている。ベローズ27は典型的には、ゴム材料で作られている。
【0035】
図6は、切断装置35及び旋回輪11を通る
図4の線D-Dに沿った断面を示す。旋回輪11を上向きに突出する凹部37であって分割板21内に車輪空間を形成する凹部37内に配置して、芝刈機を粗い芝面上で良好に移動させるのに十分に大きい車輪11が使用可能になるようにしてもよい。凹部の深さは典型的には、車輪の直径の少なくとも30%であってよい。
【0036】
凹部37に刈草の塊が形成されるのを阻止するために、
図4にも示されるように、凹部37と切断装置35との間の分割板21に、リッジ39が形成されていてもよい。
【0037】
リッジ39は、芝面に向けて下向きに突出しており、切断ディスク35によって飛ばされた刈草を、凹部37に侵入しないように偏向させる働きをする。
【0038】
この構成と、分割板21の開口を覆うシーリングスクリーン33とにより、分割板21よりも上方の上部空間内に刈草が入り込むことを回避することができる。
【0039】
図7は、切断装置のシャフトと分割板との間をシールするためのベローズ27を示す。図示のように、ベローズを、分割板21が拡がる全体平面に関して横断方向にプリーツ加工してもよい。これにより、この平面の方向におけるベローズ27の可撓性が向上する。
【0040】
本開示は上記の実施例に限定されるものではなく、本開示を添付の特許請求の範囲の範囲内において種々の方法で改変し変更してもよい。
【手続補正書】
【提出日】2022-11-07
【手続補正1】
【補正対象書類名】特許請求の範囲
【補正対象項目名】全文
【補正方法】変更
【補正の内容】
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、
前記芝面上に載置されるのに適した一組の車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)と、
前記シャーシ(19)に懸架された切断装置(35)と、
外カバー(3)であって、前記シャーシ(19)を包囲するとともに前記芝面に向けて開放しておりそれにより前記外カバー(3)と前記芝面との間に包囲区間を形成し、前記包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板(21)によって特徴づけられ、前記分割板(21)は概ね、前記芝面と略平行な平面に沿って拡がっている、外カバー(3)と、
を備え、
前記切断装置(35)は、前記分割板の開口(28)を通って突出しており、
前記分割板(21)の縁部(23)は、前記外カバー(3)に連結されている、
芝刈機(1)。
【請求項2】
前記分割板(21)の縁部(23)は、前記外カバー(3)に強固に連結されている、請求項1に記載の芝刈機。
【請求項3】
前記分割板(21)の縁部(23)は、前記外カバー(3)に到達して前記分割板(21)の周縁の大部分に沿ってシールを形成している、請求項1又は2に記載の芝刈機。
【請求項4】
前記分割板(21)の縁部(23)は、リベットにより前記外カバー(3)に連結されている、請求項1から3のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項5】
前記外カバー(3)及び前記分割板(21)は、前記芝面の平面に平行な少なくとも一方向において、前記シャーシ(19)に対し、水平方向の遊びをもって、移動可能である、請求項1から4のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項6】
前記開口(28)は、前記切断装置に対して遊びを有し、それにより、前記分割板(21)が前記切断装置(35)及び前記シャーシ(19)に対し
て所定の距離を移動することが可能になる、請求項5に記載の芝刈機。
【請求項7】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、
前記芝面上に載置されるのに適した一組の車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)と、
前記シャーシ(19)に懸架された切断装置(35)と、
外カバー(3)であって、前記シャーシ(19)を包囲するとともに前記芝面に向けて開放しておりそれにより前記外カバーと前記芝面との間に包囲区間を形成し、前記包囲空間を上部空間と切断空間とに分割する分割板(21)によって特徴づけられ、前記分割板(21)は概ね、前記芝面と略平行な平面に沿って拡がっている、外カバー(3)と、
を備え、
前記切断装置(35)は、前記分割板の開口(28)を通って突出しており、
前記分割板(21)は、前記芝面の平面に平行な少なくとも一方向において、前記シャーシ(19)に対し、水平方向の遊びをもって、移動可能である、
芝刈機(1)。
【請求項8】
前記分割板(21)を前記切断装置(35)に連結するベローズ(27)を備え、前記ベローズ(27)は、前記分割板(21)が拡がる平面に対して横断方向にプリーツ加工されている、請求項1から7のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項9】
更に、前記一組の車輪のうちの車輪(11)は、前記分割板(21)を通って車輪空間内に延びており、前記分割板は、それが概ね拡がっている平面から曲げられて、
前記切断装置(35)と前記車輪空間(37)との間に下向きに突出するリッジ(39)を形成している、請求項1から8のいずれか1項に記載の芝刈機。
【請求項10】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、前記芝面上に載置されるのに適した少なくとも1つの車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)を備え、前記シャーシを前記芝面から保護する分割板(21)によって特徴づけられ、前記車輪(11)に連結されたシャフトが前記分割板(21)を通って延びており、凹部(37)が、前記車輪(11)が部分的に位置する場所において前記分割板(21)に設けられるとともに、前記車輪の直径の少なくとも30%の深さを有する、芝刈機(1)。
【請求項11】
芝面を処理するように構成された芝刈機(1)であって、前記芝面上に載置されるのに適した少なくとも1つの車輪(11)によって少なくとも部分的に担持されたシャーシ(19)を備え、前記シャーシを前記芝面から保護する分割板(21)によって特徴づけられ、前記車輪(11)に連結されたシャフト(34)が前記分割板(21)の開口(31)を通って延びており、前記開口は前記シャフト(34)に対してオーバサイズにされており、シーリングスクリーン(33)が、前記分割板(21)よりも下の前記シャフト(34)に取り付けられており、前記シーリングスクリーンは前記開口(31)に対してオーバサイズにされている、芝刈機(1)。
【請求項12】
前記分割板(21)が強化ポリプロピレンのシートから形成されている、請求項1から11のいずれか1項に記載の芝刈機。
【国際調査報告】